(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024105029
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】接続部材及びワイヤハーネス
(51)【国際特許分類】
H02G 3/22 20060101AFI20240730BHJP
H02G 1/14 20060101ALI20240730BHJP
H01R 4/30 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
H02G3/22
H02G1/14
H01R4/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023009544
(22)【出願日】2023-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】只野 幸一
【テーマコード(参考)】
5E012
5G355
5G363
【Fターム(参考)】
5E012BA12
5G355AA10
5G355BA01
5G355BA11
5G355CA02
5G363AA01
5G363BA02
5G363CA12
5G363CA14
5G363CB01
5G363CB08
(57)【要約】
【課題】作業性を悪化させることなく、ボデーパネルの開口部の止水を行いつつ車両の室内外間で導電経路を確保すること。
【解決手段】ボデーパネル100の開口部101に入り込む挿入部20と、開口部101を覆ってボデーパネル100に取り付けられるフランジ部11を有する本体部10とを含み挿入部20と本体部10とが一体に形成された止水部材5と、本体部10に配置され第1配索材W1を接続可能である第1スタッドボルト31と、挿入部20に配置され第1配索材W1とは異なる第2配索材W2を接続可能である第2スタッドボルト32と、止水部材5に埋設され第1スタッドボルト31と第2スタッドボルト32とを電気的に接続する導電部材35と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボデーパネルの開口部に入り込む挿入部と、前記開口部を覆って前記ボデーパネルに取り付けられるフランジ部を有する本体部とを含み前記挿入部と前記本体部とが一体に形成された止水部材と、
前記本体部に配置され第1配索材を接続可能である第1スタッドボルトと、
前記挿入部に配置され前記第1配索材とは異なる第2配索材を接続可能である第2スタッドボルトと、
前記止水部材に埋設され前記第1スタッドボルトと前記第2スタッドボルトとを電気的に接続する導電部材と、
を備えることを特徴とする接続部材。
【請求項2】
前記導電部材は、板状の金属部材を折り曲げたバスバーである請求項1に記載の接続部材。
【請求項3】
前記止水部材は、弾性材料からなる請求項1に記載の接続部材。
【請求項4】
前記本体部には、前記開口部の周囲で前記ボデーパネルに接触するシール部材が設けられる請求項1に記載の接続部材。
【請求項5】
導電性を有する第1配索材及び第2配索材と、
前記第1配索材及び前記第2配索材が接続される接続部材とを備え、
前記接続部材は、
ボデーパネルの開口部に入り込む挿入部と、前記開口部を覆って前記ボデーパネルに取り付けられるフランジ部を有する本体部とを含み前記挿入部と前記本体部とが一体に形成された止水部材と、
前記本体部に配置され前記第1配索材を接続可能である第1スタッドボルトと、
前記挿入部に配置され前記第2配索材を接続可能である第2スタッドボルトと、
前記止水部材に埋設され前記第1スタッドボルトと前記第2スタッドボルトとを電気的に接続する導電部材と、
を備え、
前記第1スタッドボルトと前記第2スタッドボルトとには、前記ボデーパネルによって区画される、異なる空間にそれぞれ配索される前記第1配索材、及び、前記第2配索材がそれぞれ接続されることを特徴とするワイヤハーネス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続部材及びワイヤハーネスに関する。
【背景技術】
【0002】
車両に用いられるワイヤハーネスは、接続端子がボルトとナットとを用いることにより、バスバー等に対して電気的に接続される。例えば、特許文献1では、バッテリー接続端子とヒューズを、ボルトとナットによってバスバーに接続するヒューズの接続構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、ワイヤハーネスは、車両の室内外間で導電経路を確保できるようにして接続されることがある。例えば、車両のボデーパネルに開口部を形成し、車両の室外側から室内側に向けてワイヤハーネスを開口部に通して車両の室内でワイヤハーネスの端子をバスバーに接続することにより、車両の室内外間で導電経路を確保することができる。この場合、ボデーパネルの開口部は、ワイヤハーネスが通されるゴムグロメットや蓋によって塞ぐことにより、開口部の止水を行う。
【0005】
しかしながら、ワイヤハーネスに径が太い電線が用いられる場合、ワイヤハーネスの剛性が高くなるため、開口部にワイヤハーネスを通す際に、ワイヤハーネスを曲げづらくなることがある。この場合、ボデーパネルの開口部の周辺には、ワイヤハーネスを曲げながら開口部に通す作業を行うためのスペースが必要になる。また、ワイヤハーネスの剛性が高い場合、開口部の止水を行うゴムグロメットや蓋に対して力がかかり、ゴムグロメットや蓋がボデーパネルから外れ易くなる。ゴムグロメットや蓋がボデーパネルから外れるのを抑制するために、ボデーパネルの開口部に対するゴムグロメットや蓋の保持力を高くすると、開口部に取り付ける際の挿入荷重が高くなるため、取り付け作業を行い難くなる。このため、ワイヤハーネスを配索する作業を行う際の作業性の悪化を抑えつつ、車両の室内外間で導電経路を確保するのは困難なものとなっていた。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、作業性を悪化させることなく、ボデーパネルの開口部の止水を行いつつ車両の室内外間で導電経路を確保することのできる接続部材及びワイヤハーネスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る接続部材は、ボデーパネルの開口部に入り込む挿入部と、前記開口部を覆って前記ボデーパネルに取り付けられるフランジ部を有する本体部とを含み前記挿入部と前記本体部とが一体に形成された止水部材と、前記本体部に配置され第1配索材を接続可能である第1スタッドボルトと、前記挿入部に配置され前記第1配索材とは異なる第2配索材を接続可能である第2スタッドボルトと、前記止水部材に埋設され前記第1スタッドボルトと前記第2スタッドボルトとを電気的に接続する導電部材と、を備えることを特徴とする。
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るワイヤハーネスは、導電性を有する第1配索材及び第2配索材と、前記第1配索材及び前記第2配索材が接続される接続部材とを備え、前記接続部材は、ボデーパネルの開口部に入り込む挿入部と、前記開口部を覆って前記ボデーパネルに取り付けられるフランジ部を有する本体部とを含み前記挿入部と前記本体部とが一体に形成された止水部材と、前記本体部に配置され前記第1配索材を接続可能である第1スタッドボルトと、前記挿入部に配置され前記第2配索材を接続可能である第2スタッドボルトと、前記止水部材に埋設され前記第1スタッドボルトと前記第2スタッドボルトとを電気的に接続する導電部材と、を備え、前記第1スタッドボルトと前記第2スタッドボルトとには、前記ボデーパネルによって区画される、異なる空間にそれぞれ配索される前記第1配索材、及び、前記第2配索材がそれぞれ接続されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る接続部材及びワイヤハーネスは、止水部材の挿入部をボデーパネルの開口部に入り込ませた状態で、フランジ部で開口部を覆ってフランジ部をボデーパネルに取り付けることにより、止水部材によって開口部の止水を行うことができる。従って、車両の室内への水の浸入を防ぐことができる。また、接続部材は、挿入部が開口部に入り込んだ状態でボデーパネルに取り付けられるため、挿入部に配置される第2スタッドボルトと、本体部に配置されて導電部材によって第2スタッドボルトと電気的に接続される第1スタッドボルトとは、ボデーパネルによって区画される、互いに異なる空間に位置する状態になる。このため、第1スタッドボルトと第2スタッドボルトとには、ボデーパネルによって区画される、互いに異なる空間にそれぞれ配索される第1配索材及び第2配索材をそれぞれ接続することができ、双方の空間の配索材同士を電気的に接続することができる。従って、ボデーパネルによって区画される、車外空間側の配索材と車内空間側の配索材との電気的な接続を、第1スタッドボルトや第2スタッドボルトへの第1配索材及び第2配索材の接続によって容易に行うことができる。この結果、接続部材及びワイヤハーネスは、作業性を悪化させることなく、ボデーパネルの開口部の止水を行いつつ車両の室内外間で導電経路を確保することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態に係る接続部材の斜視図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る接続部材が適用されるワイヤハーネスの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0012】
[実施形態]
図1は、実施形態に係る接続部材1の斜視図である。
図2は、
図1に示す接続部材1の透過図である。
図3は、実施形態に係る接続部材1が適用されるワイヤハーネスWHの概略構成図である。
図1、
図2、
図3に示す本実施形態の接続部材1は、車両等に配索されるワイヤハーネスWHに組み込まれるものである。ここで、ワイヤハーネスWHは、例えば、車両に搭載される各機器間の接続のために、電源供給や信号通信に用いられる複数の配索材Wを束にして集合部品とし、コネクタ等で複数の配索材Wを各機器に接続するようにしたものである。ワイヤハーネスWHは、導電性を有する配索材Wと、配索材W同士を電気的に接続する接続部材1とを備える。ワイヤハーネスWHは、この他、さらに、コルゲートチューブ、樹脂テープ、プロテクタ等の外装部材、電気接続箱、固定具など種々の構成部品を含んで構成されてもよい。配索材Wは、例えば、金属棒、電線、電線束等によって構成される。金属棒は、導電性を有する棒状部材の外側を、絶縁性を有する被覆部によって覆ったものである。電線は、複数の導電性を有する金属素線からなる導体部(芯線)の外側を、絶縁性を有する被覆部によって覆ったものである。電線束は、当該電線を束ねたものである。ワイヤハーネスWHは、複数の配索材Wを束ねて集約すると共に、束ねられた配索材Wの端末に設けられたコネクタ等を介して各種機器が電気的に接続される。
【0013】
そして、接続部材1は、ボデーパネル100に形成される開口部101を介してボデーパネル100を境界にして区画される2つの空間に渡って配索材Wを配索する際に当該開口部101に適用されるものである。ボデーパネル100は、例えば、車両のボデー等を構成する金属板であり、開口部101は、当該ボデーパネル1000を板厚方向に沿って貫通する。ボデーパネル100を境界にして区画される2つの空間とは、典型的には、車内空間(例えば、キャビン)と車外空間(例えば、フロア下の外気空間)である。そして、接続部材1は、開口部101に組み付けられると共に、車内空間の配索材Wと車外空間の配索材Wとがそれぞれ接続されることで、配索材W同士を電気的に接続しつつ、当該開口部101を止水(防水)するものである。接続部材1は、開口部101の防水の他、防塵、遮音等の機能も有する。以下、各図を参照して接続部材1の構成について詳細に説明する。
【0014】
なお、以下の説明では、互いに交差する第1方向、第2方向、及び、第3方向のうち、第1方向を「軸線方向X」といい、第2方向を「幅方向Y」といい、第3方向を「高さ方向Z」という。軸線方向Xと幅方向Yと高さ方向Zとは、典型的には、相互に直交する。ここでは、軸線方向Xは、接続部材1に接続された配索材Wの延在方向に沿う方向である。高さ方向Zは、ボデーパネル100の板厚方向に相当し、開口部101がボデーパネル100を貫通する方向に相当する。幅方向Yは、軸線方向Xと高さ方向Zとの双方に対して直交する方向である。ボデーパネル100は、開口部101の周囲、或いは、接続部材1が取り付けられる位置の周囲では、軸線方向Xと幅方向Yとに向かって延在する。
【0015】
ここでは、説明をわかり易くするため便宜的に、配索材Wが軸線方向Xに沿って直線状に配索されるものとして説明するがこれに限らず、接続部材1がボデーパネル100に取り付けられた状態で、接続部材1に接続される配索材Wが一部で屈曲されて設けられるものであってもよい。また、以下の説明では、便宜上、接続部材1に接続される車外空間の配索材Wを第1配索材W1とし、車内空間の配索材Wを第2配索材W2として説明する。本実施形態では、これらの第1配索材W1と第2配索材W2とは、いずれも軸線方向Xに沿って直線状に配索されるものとして説明するが、第1配索材W1と第2配索材W2とは、延在方向が互いに異なっていてもよい。この場合、第1配索材W1と第2配索材W2とのいずれかの配索材Wの延在方向を軸線方向Xとすることができ、例えば、第1配索材W1の延在方向を軸線方向Xとし、第2配索材W2の延在方向を軸線方向X以外の方向とすることができる。また、以下の説明で用いる各方向は、特に断りのない限り、接続部材1がボデーパネル100に組み付けられた状態での方向として説明する。
【0016】
具体的には、本実施形態に係る接続部材1は、止水部材5と、第1スタッドボルト31と、第2スタッドボルト32と、導電部材35とを備えている。止水部材5は、ボデーパネル100の開口部101に入り込む挿入部20と、挿入部20に一体に形成される本体部10とを含み、挿入部20と本体部10とが一体に形成される。止水部材5は、ゴム等の弾性材料や樹脂材料からなる。本実施形態では、止水部材5は、ゴム材料からなる。ワイヤハーネスWHが有する第1配索材W1と第2配索材W2とは、止水部材5の本体部10側と挿入部20側とに、それぞれ接続することが可能になっている。
【0017】
挿入部20は、高さ方向Zに見た形状が、ボデーパネル100に形成される開口部101の形状に近い形状で、大きさが開口部101よりも若干小さくなっている。本実施形態では、ボデーパネル100の開口部101は、略円形の形状で形成されており、挿入部20は、高さ方向Zに見た形状が、開口部101の直径よりも直径が僅かに小さい略円形の形状で形成されている。このように形成される挿入部20は、高さ方向Zにおける高さが、ボデーパネル100の板厚よりも高くなっている。つまり、挿入部20は、高さがボデーパネル100の板厚よりも高く、直径が開口部101の直径よりも小さい、略円柱状の形状で形成されている。
【0018】
本体部10は、高さ方向Zにおける挿入部20の一端側に位置して挿入部20と一体に形成されている。本体部10は、フランジ部11と接続部13とを有している。フランジ部11は、板厚方向が高さ方向Zとなり、直径が挿入部20の直径よりも大きい略円形の板状の形状で形成されている。フランジ部11の直径は、ボデーパネル100の開口部101の直径よりも大きくなっている。このため、フランジ部11は、ボデーパネル100の開口部101を覆って開口部101を塞ぐことが可能になっている。
【0019】
このように形成されるフランジ部11には、フランジ部11をボデーパネル100に取り付ける取付け部12が設けられている。取付け部12は、フランジ部11の外周部分から、フランジ部11の形状である円形の径方向における外側に突出する舌状の形状で形成されている。取付け部12には、取付け部12を高さ方向Zに貫通し、接続部材1をボデーパネル100に取り付けるボルト(図示省略)を通すための孔である取付け孔12aが形成されている。フランジ部11には、取付け部12が複数設けられており、本実施形態では、3つの取付け部12がフランジ部11の円周方向において等間隔に配置されている。
【0020】
また、本体部10のフランジ部11における挿入部20が位置する側の面には、シール部材18が設けられている。シール部材18は、フランジ部11の径方向における挿入部20の外側の位置で、フランジ部11から高さ方向Zにおける挿入部20が位置する側に突出し、挿入部20の周囲の1周に亘って円環状の形状で形成されている。このように、フランジ部11に円環状に形成されるシール部材18は、ゴム材料からなり、ボデーパネル100に接続部材1を取り付けた際に、開口部101の周囲でボデーパネル100に接触する。これにより、シール部材18は、ボデーパネル100の接続部材1が取り付けられる側の面におけるシール部材18の周囲の部分と、開口部101とを遮断することが可能になっている。
【0021】
接続部13は、本体部10側に接続される第1配索材W1が接続される部分になっている。接続部13は、フランジ部11における、高さ方向Zにおいて挿入部20が位置する側の反対側に配置されている。接続部13は、フランジ部11に対して、フランジ部11の円形の中心からオフセットされた位置に配置されている。
【0022】
接続部13は、ベース部14とガイド部15とを有している。ベース部14は、略矩形状の板状に形成されている。ベース部14は、板の厚み方向が高さ方向Zとなる向きで、フランジ部11における挿入部20が位置する側の反対側の面に、フランジ部11の円形の中心からオフセットした位置に配置されている。本実施形態では、接続部13のベース部14は、高さ方向Zに見た場合に略長方形の形状で形成されており、長方形の長辺が軸線方向Xに延在し、長方形の短辺が幅方向Yに延在する向きで配置されている。
【0023】
ガイド部15は、ベース部14における、高さ方向Zにおいてフランジ部11が位置する側の反対側の面に配置されている。ガイド部15は、ベース部14の4つの辺のうちの3つの辺から、高さ方向Zにおけるフランジ部11が位置する側の反対側に向かって立設される3つの壁状の部材である壁部材15aにより形成されている。具体的には、接続部13が有するガイド部15は、ベース部14が有する4つの辺のうち、1つの短辺を除く3つの辺から立設される3つの壁部材15aにより形成されている。このため、ガイド部15は、軸線方向Xにおける接続部13の一方側の端部が開口し、軸線方向Xにおける接続部13の他方側の端部と、幅方向Yにおける接続部13の両端とがそれぞれ壁部材15aによって遮蔽される形状で形成されている。
【0024】
接続部材1には、挿入部20にもガイド部21が形成されている。挿入部20のガイド部21は、高さ方向Zにおいて本体部10が位置する側の反対側に向かって挿入部20から立設する、3つの壁状の部材である壁部材21aにより形成されている。挿入部20のガイド部21を形成する壁部材21aは、本体部10の接続部13が有するガイド部15が、軸線方向Xにおいて開口する方向とは反対方向が開口して配置されている。
【0025】
つまり、本体部10の接続部13が有するガイド部15と、挿入部20のガイド部21とは、それぞれ3つの壁部材15a、21aによって形成されており、軸線方向Xにおいて開口する方向が互いに異なっている。即ち、本体部10の接続部13が有するガイド部15と、挿入部20のガイド部21とは、軸線方向Xにおいて接続部13のガイド部15の壁部材15aが配置されない部分の方向と、挿入部20のガイド部21の壁部材21aが配置されない部分の方向とが、互いに異なっている。
【0026】
図4は、
図2のA-A断面図である。
図5は、
図4のB-B断面図である。なお、
図4、
図5は、第1スタッドボルト31や第2スタッドボルト32に、配索材Wの接続端子WTが接続された状態を示す説明図になっている。第1スタッドボルト31は、止水部材5の本体部10に配置され、第1配索材W1を接続可能である。第2スタッドボルト32は、止水部材5の挿入部20に配置され、第2配索材W2を接続可能である。導電部材35は、止水部材5に埋設され、第1スタッドボルト31と第2スタッドボルト32とを電気的に接続する。第1スタッドボルト31は、接続部13が有するガイド部15の内側に配置されており、ベース部14から、高さ方向Zにおいて挿入部20が位置する側の反対側に延びて配置されている。つまり、第1スタッドボルト31は、接続部13が有するガイド部15を形成する3つの壁部材15aのうち、幅方向Yにおいて対向する壁部材15a同士の間に配置されている。
【0027】
第2スタッドボルト32は、挿入部20に形成されるガイド部21の内側に配置されており、挿入部20から、高さ方向Zにおいて本体部10が位置する側の反対側に延びて配置されている。つまり、第2スタッドボルト32は、挿入部20が有するガイド部21を形成する3つの壁部材21aのうち、幅方向Yにおいて対向する壁部材21a同士の間に配置されている。
【0028】
本体部10の接続部13が有するガイド部15は、第1配索材W1の端部に取り付けられて第1配索材W1を接続部材1に取り付けるための部材である接続端子WT(
図3参照)をガイドする部位になっている。挿入部20が有するガイド部21は、第2配索材W2の端部に取り付けられて第2配索材W2を接続部材1に取り付けるための部材である接続端子WT(
図3参照)をガイドする部位になっている。このため、幅方向Yにおけるガイド部15、21の幅は、接続端子WTの幅よりも大きくなっており、内側に接続端子WTを収めることができる大きさになっている。
【0029】
第1スタッドボルト31と第2スタッドボルト32とは、軸線方向Xにおいてほぼ同じ位置に配置されている。即ち、第1スタッドボルト31と第2スタッドボルト32とは、軸線方向Xにおける位置が実質的に同じ位置に配置されている。一方で、第1スタッドボルト31と第2スタッドボルト32とは、幅方向Yにおける位置が異なっており、第1スタッドボルト31は、第2スタッドボルト32に対して幅方向Yにオフセットして配置されている。換言すると、本体部10の接続部13に設けられるガイド部15は、挿入部20に設けられるガイド部21に対して、幅方向Yにオフセットして配置されている。
【0030】
これらの第1スタッドボルト31と第2スタッドボルト32とを電気的に接続する導電部材35は、金属材料からなる板状の部材であるバスバー36によって形成されている。バスバー36は、細長い板状の金属部材が、2箇所の位置で板の厚み方向に互いに反対方向に約90°の角度で折り曲げられることにより形成されている。即ち、バスバー36は、細長い板の幅方向に見た場合に、クランク状の形状で形成されている。
【0031】
クランク状に形成されるバスバー36は、インサート成形により止水部材5と一体となっており、バスバー36は、止水部材5の本体部10と挿入部20の間に亘って配置されている。詳しくは、バスバー36は、クランク状に形成されるバスバー36の延在方向における一端側に位置する平面部分を第1平面部36aとし、他端側に位置する平面部分を第2平面部36bとする場合に、第1平面部36aは、本体部10の接続部13に配置され、第2平面部36bは、挿入部20に配置されている。
【0032】
バスバー36は、第1平面部36aや第2平面部36bの板厚方向が高さ方向Zとなり、バスバー36の細長い板の幅方向が軸線方向Xとなる向きで配置されている。クランク状に形成されるバスバー36における、第1平面部36aと第2平面部36bとの間に位置して第1平面部36aと第2平面部36bとを連結する部分である連結部36cは、板厚方向が幅方向Yとなり、延在方向が高さ方向Zになる向きで本体部10や挿入部20の内側に配置されている。
【0033】
接続部13に配置されるバスバー36の第1平面部36aは、ベース部14におけるガイド部15が配置される面と同一平面となって、ベース部14における挿入部20が位置する側の反対側の面に露出している。即ち、バスバー36の第1平面部36aは、本体部10の接続部13が有するガイド部15の内側に露出している。
【0034】
また、挿入部20に配置されるバスバー36の第2平面部36bは、挿入部20におけるガイド部21が配置される面と同一平面となって、挿入部20における本体部10が位置する側の反対側の面に露出している。即ち、バスバー36の第2平面部36bは、挿入部20に配置されるガイド部21の内側に露出している。
【0035】
つまり、バスバー36は、クランク状に形成されることにより、幅方向Yにオフセットして配置される本体部10側のガイド部15と挿入部20側のガイド部21とに合わせて、第1平面部36aと第2平面部36bも幅方向Yにオフセットして本体部10と挿入部20とに配置される。
【0036】
本体部10の接続部13が有するガイド部15の内側に配置される第1スタッドボルト31は、一端がバスバー36の第1平面部36aに連結され、第1平面部36aから、高さ方向Zにおいて挿入部20が位置する側の反対側に向かって延びている。詳しくは、第1スタッドボルト31は、軸の外周面にネジ山が形成される軸部31aと、軸部31aの一端に配置されるヘッド部31bとを有している。バスバー36の第1平面部36aには、第1スタッドボルト31の軸部31aが通る挿通孔(図示省略)が形成されている。第1スタッドボルト31は、第1平面部36aの挿通孔に対して、高さ方向Zにおいて挿入部20が位置する側から軸部31aが通され、第1平面部36aにおける、高さ方向Zにおいて挿入部20が位置する側の面にヘッド部31bが位置する状態で配置される。第1スタッドボルト31は、このようにバスバー36の第1平面部36aに対して配置される状態で、バスバー36と共にヘッド部31bが本体部10にインサート成形される。
【0037】
また、挿入部20に形成されるガイド部21の内側に配置される第2スタッドボルト32は、一端がバスバー36の第2平面部36bに連結され、第2平面部36bから、高さ方向Zにおいて本体部10が位置する側の反対側に向かって延びている。詳しくは、第2スタッドボルト32は、軸の外周面にネジ山が形成される軸部32aと、軸部32aの一端に配置されるヘッド部32bとを有している。バスバー36の第2平面部36bには、第2スタッドボルト32の軸部32aが通る挿通孔(図示省略)が形成されている。第2スタッドボルト32は、第2平面部36bの挿通孔に対して、高さ方向Zにおいて本体部10が位置する側から軸部32aが通され、第2平面部36bにおける、高さ方向Zにおいて本体部10が位置する側の面にヘッド部32bが位置する状態で配置される。第2スタッドボルト32は、このようにバスバー36の第2平面部36bに対して配置される状態で、バスバー36と共にヘッド部32bが挿入部20にインサート成形される。第1スタッドボルト31と第2スタッドボルト32は、バスバー36の第1平面部36aや第2平面部36bに対してこれらのように配置され、それぞれバスバー36に連結されることにより、バスバー36を介して電気的に接続されている。
【0038】
上記のように構成される接続部材1を用いて第1配索材W1と第2配索材W2とを電気的に接続する際には、まず、接続部材1をボデーパネル100の一方側の面から、ボデーパネル100における開口部101の付近に取り付ける。接続部材1は、例えば、ボデーパネル100における車外空間側の面からボデーパネル100に取り付ける。接続部材1をボデーパネル100に取り付ける際には、接続部材1の挿入部20をボデーパネル100の開口部101に入り込ませ、本体部10のフランジ部11で開口部101を覆う。これにより、ボデーパネル100の開口部101を、接続部材1のフランジ部11によって塞ぐ。
【0039】
また、フランジ部11でボデーパネル100の開口部101を塞ぐ際には、フランジ部11に配置されるシール部材18を、ボデーパネル100における開口部101の周囲に接触させる。この状態で、本体部10のフランジ部11に設けられる取付け部12の取付け孔12aにボルト(図示省略)を通し、ボルトとナット(図示省略)とにより接続部材1をボデーパネル100に取り付ける。即ち、ボデーパネル100の開口部101の周囲には、取付け部12に形成される取付け孔12aに対応する位置にボルト用の孔(図示諸略)が予め形成され、接続部材1の取付け部12の取付け孔12aを通したボルトは、ボデーパネル100に形成される孔も通されてナットと締結する。
【0040】
その際に、シール部材18は、ボルトとナットとが締結される力により押し潰されてボデーパネル100に密着する。接続部材1は、このようにシール部材18が開口部101の周囲でボデーパネル100に密着する状態で、ボデーパネル100に取り付けられる。
【0041】
ワイヤハーネスWHの配索材Wは、配索材Wの端部に設けられる接続端子WTを、ボデーパネル100に取り付けられる接続部材1の第1スタッドボルト31や第2スタッドボルト32に接続することにより、接続部材1に接続する。
【0042】
詳しくは、配索材Wの接続端子WTには、接続端子WTを任意の部材に取り付ける際に用いる孔である端子孔WTa(
図3参照)が形成されており、配索材Wは、接続端子WTの端子孔WTaに第1スタッドボルト31や第2スタッドボルト32を通すことによって接続部材1に接続する。
【0043】
例えば、第1配索材W1は、本体部10側のガイド部15の内側に接続端子WTを入り込ませ、端子孔WTaに第1スタッドボルト31を通す。その際に、第1配索材W1は、ガイド部15の内側から、軸線方向Xにおいてガイド部15の壁部材15aが配置されていない方向に向かって延在する向きで配置する。
【0044】
第1配索材W1は、ガイド部15の内側に接続端子WTを配置して端子孔WTaに第1スタッドボルト31を通し、ナットNを第1スタッドボルト31に螺合させることにより、接続部材1に接続する(
図4参照)。即ち、第1配索材W1は、ガイド部15の内側に位置するバスバー36の第1平面部36aとナットNとの間に接続端子WTを挟み込んで、第1スタッドボルト31にナットNを締結させることにより、バスバー36や第1スタッドボルト31に導通接続される。
【0045】
同様に、第2配索材W2は、挿入部20側のガイド部21の内側に接続端子WTを入り込ませ、端子孔WTaに第2スタッドボルト32を通す。その際に、第2配索材W2は、ガイド部21の内側から、軸線方向Xにおいてガイド部21の壁部材21aが配置されていない方向に向かって延在する向きで配置する。
【0046】
第2配索材W2は、ガイド部21の内側に接続端子WTを配置して端子孔WTaに第2スタッドボルト32を通し、ナットNを第2スタッドボルト32に螺合させることにより、接続部材1に接続する(
図4参照)。即ち、第2配索材W2は、ガイド部21の内側に位置するバスバー36の第2平面部36bとナットNとの間に接続端子WTを挟み込んで、第2スタッドボルト32にナットNを締結させることにより、バスバー36や第2スタッドボルト32に導通接続される。
【0047】
これにより、第1配索材W1と第2配索材W2とは、いずれも接続部材1に接続される。その際に、第1配索材W1は、バスバー36の第1平面部36aに接触して接続部材1に接続され、第2配索材W2は、バスバー36の第2平面部36bに接触して接続部材1に接続される。バスバー36の第1平面部36aと第2平面部36bとは、止水部材5に埋設される連結部36cによって接続されている。このため、ボデーパネル100の両側に配置される第1配索材W1と第2配索材W2は、バスバー36を介して電気的に接続される。これにより、車両の室内空間と室外空間との間に亘る導電経路が、車両の室内外の配索材Wと接続部材1とによって確保され、ボデーパネル100の両側の空間に亘る導電経路が確保される。
【0048】
以上で説明した実施形態1に係る接続部材1、ワイヤハーネスWHでは、接続部材1は、ボデーパネル100の開口部101に入り込む挿入部20と、開口部101を覆ってボデーパネル100に取り付けられるフランジ部11を有する本体部10とを含み挿入部20と本体部10とが一体に形成された止水部材5を有している。このため、接続部材1は、止水部材5の挿入部20をボデーパネル100の開口部101に入り込ませた状態で、フランジ部11で開口部101を覆ってフランジ部11をボデーパネル100に取り付けることにより、止水部材5によって開口部101の止水を行うことができる。従って、例えば、車両の室内への水の浸入を防ぐことができる。
【0049】
また、止水部材5の本体部10には第1スタッドボルト31が配置され、止水部材5の挿入部20には第2スタッドボルト32が配置され、第1スタッドボルト31と第2スタッドボルト32とは導電部材35によって電気的に接続されている。また、接続部材1は、挿入部20が開口部101に入り込んだ状態でボデーパネル100に取り付けられるため、挿入部20に配置される第2スタッドボルト32と、本体部10に配置される第1スタッドボルト31とは、ボデーパネル100によって区画される、互いに異なる空間に位置する状態になる。
【0050】
このため、第1スタッドボルト31と第2スタッドボルト32とには、ボデーパネル100によって区画される、互いに異なる空間にそれぞれ配索される第1配索材W1及び第2配索材W2をそれぞれ接続することができ、双方の空間の配索材W同士を電気的に接続することができる。従って、ボデーパネル100によって区画される、車外空間側の第1配索材W1と車内空間側の第2配索材W2との電気的な接続を、第1スタッドボルト31や第2スタッドボルト32への接続端子WTの接続によって容易に行うことができる。この結果、接続部材1及びワイヤハーネスWHは、作業性を悪化させることなく、ボデーパネル100の開口部101の止水を行いつつ車両の室内外間で導電経路を確保することができる。
【0051】
また、ボデーパネル100の開口部101の止水を行う接続部材1に、ボデーパネル100で区画する空間にそれぞれ配索される第1配索材W1と第2配索材W2とを接続するため、開口部101の止水と、配索材W同士の接続とを、1つの部材によって行うことができる。この結果、ボデーパネル100の開口部101の止水と、車両の室内外間での導電経路の確保とを、省スペースで実現することができる。
【0052】
また、導電部材35は、板状の金属部材を折り曲げたバスバー36であるため、配索材Wの接続端子WTを第1スタッドボルト31や第2スタッドボルト32に接続する際の作業性を向上させることができる。つまり、導電部材35にバスバー36が用いられることにより、接続端子WTをナットNによって第1スタッドボルト31や第2スタッドボルト32に接続する際に、第1スタッドボルト31や第2スタッドボルト32が回転し難くなるようにすることができる。即ち、バスバー36は、板状の金属部材からなるため、バスバー36に第1スタッドボルト31や第2スタッドボルト32を連結することにより、第1スタッドボルト31や第2スタッドボルト32が、ナットNの締結時に回転しないようにすることができる。従って、ボデーパネル100によって区画される、車外空間側の第1配索材W1と車内空間側の第2配索材W2との電気的な接続を行う際における作業性を向上させることができる。この結果、接続部材1及びワイヤハーネスWHは、作業性を悪化させることなく、車両の室内外間で導電経路を確保することができる。
【0053】
また、導電部材35は、板状の金属部材を折り曲げたバスバー36であるため、車両の室内外間で配索材Wとバスバー36とによって導通が行われた際に発生する熱を、表面積が大きいバスバー36によって放熱することができる。つまり、第1スタッドボルト31及び第2スタッドボルト32と、配索材Wとは、抵抗値が違うため、これらに導通をさせた場合、第1スタッドボルト31や第2スタッドボルト32の近傍で発熱をし易くなる。このため、導電部材35にバスバー36を用いた場合は、第1スタッドボルト31や第2スタッドボルト32の近傍で発熱した熱を、他の部材との接触面積が大きいバスバー36によって他の部材に伝熱することにより、放熱することができる。従って、車両の室内外間に亘る導電経路の温度が高くなり過ぎることを抑制することができる。この結果、接続部材1及びワイヤハーネスWHは、導通時に導電経路の温度が高くなり過ぎることに起因する耐久性の低下を抑制することができる。
【0054】
また、接続部材1の止水部材5は、弾性材料からなるため、接続部材1をボデーパネル100に取り付けた際に、止水部材5をボデーパネル100に密着させることができる。これにより、ボデーパネル100における接続部材1が取り付けられる側の面における止水部材5の周囲の部分と、開口部101とを止水部材5によって遮断することができる。従って、止水部材5の周囲から開口部101側に向かって水が流れることを止水部材5によって抑制することができる。この結果、接続部材1及びワイヤハーネスWHは、ボデーパネル100の開口部101の止水を行うことができる。
【0055】
また、止水部材5の本体部10には、開口部101の周囲でボデーパネル100に接触するシール部材18が設けられるため、ボデーパネル100における接続部材1が取り付けられる側の面におけるシール部材18の周囲の部分と、開口部101とをシール部材18によって遮断することができる。これにより、シール部材18の周囲から開口部101側に向かって水が流れることをシール部材18によって抑制することができる。この結果、接続部材1及びワイヤハーネスWHは、ボデーパネル100の開口部101の止水を行うことができる。
【0056】
なお、上述した実施形態では、シール部材18は、本体部10のフランジ部11から高さ方向Zに突出することにより形成されているが、シール部材18は、フランジ部11に設けられずに、別体で形成されていてもよい。例えば、止水部材5の本体部10や挿入部20は、ゴム材料よりも高い剛性を有する樹脂材料からなり、シール部材18は、ゴム材料からなる円環状の、いわゆるOリングにより形成されていてもよい。シール部材18は、接続部材1がボデーパネル100に取り付けられた際に、シール部材18の径方向における内側の空間と外側の空間とを遮ることができれば、フランジ部11に対して一体でも別体でもよい。
【0057】
また、上述した実施形態では、接続部材1をボデーパネル100に取り付けた後、接続部材1に配索材Wを接続しているが、ボデーパネル100への接続部材1の取り付けと、接続部材1への配索材Wの接続の順番は、これ以外の順番でもよい。例えば、第1スタッドボルト31に第1配索材W1を接続した後、接続部材1の挿入部20をボデーパネル100の開口部101に入り込ませて接続部材1をボデーパネル100に取り付け、第2スタッドボルト32に第2配索材W2を接続してもよい。ボデーパネル100に取り付けられる接続部材1に、ボデーパネル100で区画される両側の空間にそれぞれ配索される第1配索材W1及び第2配索材W2をそれぞれ接続することができれば、組み付けの順番は問わない。
【0058】
また、上述した実施形態では、第1スタッドボルト31と第2スタッドボルト32とを電気的に接続する導電部材35にバスバー36が用いられているが、導電部材35は、バスバー36以外であってもよい。導電部材35は、本体部10に配置される第1スタッドボルト31と、挿入部20に配置される第2スタッドボルト32とを電気的に接続することができれば、その形態は問わない。なお、導電部材35にバスバー36以外の部材を用いる場合、第1スタッドボルト31や第2スタッドボルト32へのナットの締結時に、ナットの締め付けトルクによって第1スタッドボルト31や第2スタッドボルト32が回転しない構造で第1スタッドボルト31や第2スタッドボルト32を配置するのが好ましい。
【0059】
なお、上述した本発明の実施形態に係る接続部材、及び、ワイヤハーネスは、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。
【0060】
本実施形態に係る接続部材、及び、ワイヤハーネスは、以上で説明した実施形態、変形例の構成要素を適宜組み合わせることで構成してもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 接続部材
5 止水部材
10 本体部
11 フランジ部
12 取付け部
13 接続部
14 ベース部
15 ガイド部
18 シール部材
20 挿入部
21 ガイド部
31 第1スタッドボルト
32 第2スタッドボルト
35 導電部材
36 バスバー
100 ボデーパネル
101 開口部
WH ワイヤハーネス
W 配索材
WT 接続端子