(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010505
(43)【公開日】2024-01-24
(54)【発明の名称】印刷装置および印刷方法
(51)【国際特許分類】
B41J 3/44 20060101AFI20240117BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240117BHJP
【FI】
B41J3/44
B41J29/38 206
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022111881
(22)【出願日】2022-07-12
(71)【出願人】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】丸山 孝之
【テーマコード(参考)】
2C055
2C061
【Fターム(参考)】
2C055EE00
2C061AP10
2C061AQ05
2C061AS08
2C061HK11
2C061HN08
2C061HN15
(57)【要約】
【課題】バーコードリーダの配置の自由度が低下することを抑制することができる印刷装置および印刷方法を提供する。
【解決手段】被着体WKに接着シートASを貼付して印刷対象物UP1を形成する貼付手段10と、印刷対象物UP1の被印刷面AS2に複数の円で構成されたバーコードシンボルBCを印刷する印刷手段20とを備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被着体に接着シートを貼付して印刷対象物を形成する貼付手段を備え、
前記印刷対象物の被印刷面に複数の円で構成されたバーコードシンボルを印刷する印刷手段をさらに備えていることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
被着体の一方の面が支持体に支持され、前記被着体の他方の面に剥離対象物が貼付された貼付体から前記剥離対象物を剥離して印刷対象物を形成する剥離手段を備え、
前記印刷対象物の被印刷面に複数の円で構成されたバーコードシンボルを印刷する印刷手段をさらに備えていることを特徴とする印刷装置。
【請求項3】
剥離シートに接着シートが仮着された印刷対象物を繰り出す繰出手段を備え、
前記印刷対象物の被印刷面に複数の円で構成されたバーコードシンボルを印刷する印刷手段をさらに備えていることを特徴とする印刷装置。
【請求項4】
被着体に接着シートを貼付して印刷対象物を形成する貼付工程を実施し、
前記印刷対象物の被印刷面に複数の円で構成されたバーコードシンボルを印刷する印刷工程をさらに実施することを特徴とする印刷方法。
【請求項5】
被着体の一方の面が支持体に支持され、前記被着体の他方の面に剥離対象物が貼付された貼付体から前記剥離対象物を剥離して印刷対象物を形成する剥離工程を実施し、
前記印刷対象物の被印刷面に複数の円で構成されたバーコードシンボルを印刷する印刷工程をさらに実施することを特徴とする印刷方法。
【請求項6】
剥離シートに接着シートが仮着された印刷対象物を繰り出す繰出工程を実施し、
前記印刷対象物の被印刷面に複数の円で構成されたバーコードシンボルを印刷する印刷工程をさらに実施することを特徴とする印刷方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置および印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷対象物に印刷する印刷装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたウェーハ印刷装置10(印刷装置)では、印刷したバーコード65(バーコードシンボル)がワーク60(印刷対象物)の外縁部の一部領域に付与されるため、バーコードリーダでバーコードシンボルを読み取る際に、印刷対象物の外縁部の一部領域に合わせてバーコードリーダを配置しなくてはならず、バーコードリーダの配置の自由度が低下するという不都合が発生する。
【0005】
本発明の目的は、バーコードリーダの配置の自由度が低下することを抑制することができる印刷装置および印刷方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、請求項に記載した構成を採用した。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、印刷対象物の被印刷面に複数の円で構成されたバーコードシンボルを印刷するため、バーコードリーダをバーコードシンボルの円周上の何れかの位置に対向配置することでバーコードシンボルを読み取ることが可能となり、バーコードリーダの配置の自由度が低下することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る印刷装置の説明図。
【
図2】本発明の第2実施形態に係る印刷装置の説明図。
【
図3】本発明の第3実施形態に係る印刷装置の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、実施形態におけるX軸、Y軸、Z軸は、それぞれが直交する関係にあり、X軸およびY軸は、所定平面内の軸とし、Z軸は、前記所定平面に直交する軸とする。さらに、実施形態では、Y軸と平行な
図1(A)、
図2、
図3(A)の手前方向から観た場合を基準とし、方向を示した場合、「上」がZ軸の矢印方向で「下」がその逆方向、「左」がX軸の矢印方向で「右」がその逆方向、「前」がY軸と平行な
図1(A)、
図2、
図3(A)中手前方向で「後」がその逆方向とする。
【0010】
[第1実施形態]
図1(A)、(B)において、印刷装置EA1は、被着体WKの一方の面WK1に接着シートASの一方の面AS1を貼付して印刷対象物としての一体物UP1を形成する貼付工程を実施する貼付手段10と、一体物UP1の被印刷面としての接着シートASの他方の面AS2に複数の円で構成されたバーコードシンボルBCを印刷する印刷工程を実施する印刷手段20とを備え、被着体WKを支持する支持手段30の近傍に配置されている。
なお、本実施形態のバーコードシンボルBCは、被着体WKの識別番号や製造番号等の所定の情報が符号化されたものであり、接着シートASの他方の面AS2における基準位置としての中心CPを中心とする同心円で構成される。
【0011】
貼付手段10は、帯状の剥離シートRLに接着シートASが仮着された原反RSを支持する支持ローラ11と、原反RSを案内するガイドローラ12と、剥離縁13Aで剥離シートRLを折り返し、当該剥離シートRLから接着シートASを剥離する剥離部材としての剥離板13と、被着体WKに接着シートASを押圧して貼付する押圧部材としての押圧ローラ14と、駆動機器としての回動モータ15Aの図示しない出力軸に支持され、ピンチローラ15Bとで剥離シートRLを挟み込む駆動ローラ15と、図示しない駆動機器の出力軸に支持され、印刷装置EA1の自動運転が行われている間、ピンチローラ15Bとの間に存在する剥離シートRLに常に所定の張力を付与し、当該剥離シートRLを回収する回収手段としての回収ローラ16とを備えている。
【0012】
印刷手段20は、駆動機器としての回動モータ21の出力軸21Aに支持された回転アーム22と、回転アーム22に支持された駆動機器としてのリニアモータ23と、リニアモータ23のスライダ23Aに支持されたインクジェットプリンタやレーザプリンタ等の印刷機器24とを備えている。
【0013】
支持手段30は、駆動機器としてのリニアモータ31と、リニアモータ31のスライダ31Aに支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段(保持手段)によって吸着保持が可能な支持面32Aを有するテーブル32を備えている。
【0014】
以上の印刷装置EA1の動作を説明する。
先ず、
図1(A)中実線で示す初期位置に各部材が配置された印刷装置EA1に対し、当該印刷装置EA1の使用者(以下、単に「使用者」という)が同図のように原反RSをセットした後、操作パネルやパーソナルコンピュータ等の図示しない操作手段を介して自動運転開始の信号を入力する。すると、貼付手段10が回動モータ15Aを駆動し、原反RSを繰り出し、
図1(A)中実線で示すように、先頭の接着シートASの繰出方向先端部が剥離板13の剥離縁13Aで所定長さ剥離されると、回動モータ15Aの駆動を停止する。
【0015】
次いで、使用者または、多関節ロボットやベルトコンベア等の図示しない搬送手段が、
図1(A)に示すように、被着体WKを支持面32A上の所定の位置に載置すると、支持手段30が図示しない減圧手段を駆動し、支持面32Aでの被着体WKの吸着保持を開始する。その後、支持手段30がリニアモータ31を駆動し、テーブル32を左方に移動させ、当該テーブル32が所定の位置に到達すると、貼付手段10が回動モータ15Aを駆動し、テーブル32の移動速度に合わせて原反RSを繰り出す。これにより、
図1(A)中二点鎖線で示すように、接着シートASが剥離板13の剥離縁13Aで剥離シートRLから剥離され、当該接着シートASが押圧ローラ14によって被着体WKに押圧されて貼付される。
【0016】
接着シートAS全体が被着体WKに貼付されて一体物UP1が形成され、先頭の接着シートASに続く次の接着シートASの繰出方向先端部が剥離板13の剥離縁13Aで所定長さ剥離されると、貼付手段10が回動モータ15Aの駆動を停止する。次に、
図1(A)中二点鎖線で示すように、回動モータ21の出力軸21Aの軸心と中心CPとが一致するように、テーブル32が印刷手段20の下方の所定位置に到達すると、支持手段30がリニアモータ31の駆動を停止する。そして、印刷手段20が回動モータ21および印刷機器24を駆動し、印刷機器24を回転させながら、
図1(A)、(B)に示すように、一体物UP1における接着シートASの他方の面AS2にバーコードシンボルBCを印刷し、印刷機器24が初期位置に復帰すると、回動モータ21および印刷機器24の駆動を停止する。次いで、支持手段30が図示しない減圧手段の駆動を停止し、支持面32Aでの一体物UP1の吸着保持を解除する。その後、使用者または図示しない搬送手段が、バーコードシンボルBCが印刷された一体物UP1を、バーコードシンボルBCをバーコードリーダで読み取る工程等の次工程に搬送すると、支持手段30がリニアモータ31を駆動し、テーブル32を初期位置に復帰させ、以降上記同様の動作が繰り返される。
【0017】
以上のような実施形態によれば、一体物UP1の接着シートASの他方の面AS2に複数の円で構成されたバーコードシンボルBCを印刷するため、バーコードリーダをバーコードシンボルBCの円周上の何れかの位置に対向配置することでバーコードシンボルBCを読み取ることが可能となり、バーコードリーダの配置の自由度が低下することを抑制することができる。
【0018】
[第2実施形態]
図2において、印刷装置EA2は、第1実施形態で例示した印刷装置EA1の貼付手段10に代えて剥離手段40を備えている。
すなわち、印刷装置EA2は、被着体WKの一方の面WK1が支持体としての接着シートASの一方の面AS1に支持され、被着体WKの他方の面WK2に剥離対象物としての保護シートPSが貼付された貼付体UPから保護シートPSを剥離して印刷対象物としての一体物UP2を形成する剥離工程を実施する剥離手段40と、一体物UP2の被印刷面としての接着シートASの一方の面AS1に複数の円で構成されたバーコードシンボルBCを印刷する印刷工程を実施する印刷手段20とを備え、貼付体UPを支持する支持手段30の近傍に配置されている。
なお、本実施形態の貼付体UPは、接着シートASを介してフレーム部材としてのリングフレームRFと被着体WKとが一体化されている。
また、第1実施形態と重複する印刷手段20および支持手段30の説明は省略する。
【0019】
剥離手段40は、保持手段としての帯状の剥離用テープPTを支持する支持ローラ41と、剥離用テープPTを案内するガイドローラ42と、駆動機器としての直動モータ43の出力軸43Aに回転可能に支持された剥離ローラ44と、駆動機器としての回動モータ45Aの図示しない出力軸に支持され、ピンチローラ45Bとで剥離用テープPTを挟み込む駆動ローラ45と、図示しない駆動機器の出力軸に支持され、印刷装置EA2の自動運転が行われている間、ピンチローラ45Bとの間に存在する剥離用テープPTに常に所定の張力を付与して当該剥離用テープPTを回収する回収手段としての回収ローラ46とを備えている。
【0020】
以上の印刷装置EA2の動作を説明する。
先ず、
図2中実線で示す初期位置に各部材が配置された印刷装置EA2に対し、使用者が剥離用テープPTを同図に示すようにセットした後、操作パネルやパーソナルコンピュータ等の図示しない操作手段を介して自動運転開始の信号を入力する。次いで、使用者またはベルトコンベアや多関節ロボット等の図示しない搬送手段が、
図2に示すように、支持面32A上の所定の位置に貼付体UPを載置すると、支持手段30が図示しない減圧手段を駆動し、支持面32Aでの貼付体UPの吸着保持を開始する。
【0021】
その後、支持手段30がリニアモータ31を駆動し、テーブル32を左方に移動させ、保護シートPSの左端部が剥離ローラ44の最下部直下に到達すると、リニアモータ31の駆動を停止する。次に、剥離手段40が直動モータ43を駆動し、剥離ローラ44を下降させて剥離用テープPTを保護シートPSの左端部に貼付した後、支持手段30および剥離手段40がリニアモータ31および回動モータ45Aを駆動し、テーブル32を左方へ移動させるとともに、その移動速度に合わせて駆動ローラ45を回転させる。これにより、
図2中二点鎖線で示すように、保護シートPSが貼付体UPから剥離され、剥離された接着シートASは、剥離用テープPTと共に回収ローラ46に送られる。そして、接着シートAS全体が貼付体UPから剥離されて一体物UP2が形成されると、剥離手段40が直動モータ43を駆動し、剥離ローラ44を初期位置に復帰させた後、回動モータ45Aの駆動を停止する。
【0022】
次いで、
図2中二点鎖線で示すように、回動モータ21の出力軸21Aの軸心と、接着シートASの一方の面AS1における基準位置としての中心CPとが一致すると、支持手段30がリニアモータ31の駆動を停止する。次いで、印刷手段20が回動モータ21および印刷機器24を駆動し、第1実施形態と同様に、一体物UP2における接着シートASの一方の面AS1にバーコードシンボルBCを印刷し、第1実施形態と同様の動作が行われ、以降上記同様の動作が繰り返される。
以上のような実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0023】
[第3施形態]
図3(A)、(B)において、印刷装置EA3は、第1実施形態で例示した印刷装置EA1の貼付手段10および支持手段30に代えて繰出手段50を備えている。
すなわち、印刷装置EA2は剥離シートRLに接着シートASの一方の面AS1が仮着された印刷対象物としての原反RSを繰り出す繰出工程を実施する繰出手段50と、原反RSの被印刷面としての接着シートASの他方の面AS2に複数の円で構成されたバーコードシンボルBCを印刷する印刷工程を実施する印刷手段20とを備えている。
なお、第1実施形態と重複する印刷手段20の説明は省略する。
【0024】
繰出手段50は、原反RSを支持する支持ローラ51と、原反RSを案内するガイドローラ52と、駆動機器としての回動モータ53Aの図示しない出力軸に支持され、ピンチローラ53Bとで原反RSを挟み込む駆動ローラ53と、図示しない駆動機器の出力軸に支持され、印刷装置EA3の自動運転が行われている間、ピンチローラ53Bとの間に存在する原反RSに常に所定の張力を付与し、当該原反RSを回収する回収手段としての回収ローラ54とを備えている。
【0025】
以上の印刷装置EA3の動作を説明する。
先ず、
図3(A)中実線で示す初期位置に各部材が配置された印刷装置EA3に対し、使用者が同図のように原反RSをセットした後、操作パネルやパーソナルコンピュータ等の図示しない操作手段を介して自動運転開始の信号を入力する。次いで、繰出手段50が回動モータ53Aを駆動し、原反RSを繰り出し、回動モータ21の出力軸21Aの軸心と、接着シートASの他方の面AS2における基準位置としての中心CPとが一致するように、先頭の接着シートASが印刷手段20の下方の所定位置に到達すると、回動モータ53Aの駆動を停止する。その後、印刷手段20が回動モータ21および印刷機器24を駆動し、上記と同様の動作によって、
図3(A)、(B)中二点鎖線で示すように、接着シートASの他方の面AS2にバーコードシンボルBCを印刷し、印刷機器24が初期位置に復帰すると、回動モータ21および印刷機器24の駆動を停止する。次に、繰出手段50が回動モータ53Aを駆動し、接着シートASにバーコードシンボルBCが印刷された原反RSを巻き取りつつ、先頭の接着シートASに続く次の接着シートASを繰り出し、以降上記同様の動作が繰り返される。
【0026】
以上のような実施形態によれば、原反RSの接着シートASの他方の面AS2に複数の円で構成されたバーコードシンボルBCを印刷するため、バーコードリーダをバーコードシンボルBCの円周上の何れかの位置に対向配置することでバーコードシンボルBCを読み取ることが可能となり、バーコードリーダの配置の自由度が低下することを抑制することができる。
【0027】
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。また、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれる。
【0028】
例えば、貼付手段10は、帯状の剥離シートRLに仮着された帯状の接着シート基材に閉ループ状または短寸幅方向全体の切込が形成されることで、その切込で仕切られた所定の領域が接着シートASとされた原反を繰り出してから当該接着シートASを剥離して貼付してもよいし、帯状の剥離シートRLに帯状の接着シート基材が仮着された帯状接着シート原反を採用し、当該帯状接着シート原反を繰り出す途中で、接着シート基材に閉ループ状または短寸幅方向全体の切込を切断部材としての切断刃で形成し、その切込で仕切られた所定の領域が接着シートASとされた原反を繰り出してから当該接着シートASを剥離して貼付してもよいし、帯状接着シート原反を繰り出してから接着シート基材を剥離して貼付した後、当該接着シート基材を切断部材としての切断刃で切断して接着シートASを形成してもよいし、巻回することなく、例えばファンフォールド折りにした原反を繰り出してから接着シートASを剥離して貼付してもよいし、駆動機器としての直動モータの出力軸に支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段によって吸着保持が可能な保持部材で接着シートASを保持し、当該保持部材で保持した接着シートASを被着体WKに押圧して貼付する構成を採用してもよいし、巻回することなく、例えばファンフォールド折りにしたり、シュレッダ等で切り刻んだり、無造作に集積したりして剥離シートRLを回収する回収手段を採用してもよいし、回収手段を採用しなくてもよいし、テーブル32を移動させずにまたは移動させつつ、貼付手段10を移動させて被着体WKに接着シートASを貼付してもよいし、剥離シートRLに仮着されていない接着シートASを繰り出して貼付してもよい。
【0029】
印刷手段20は、例えば、多関節ロボット等の駆動機器や図示しない搬送手段で一体物UP1を反転させた後、当該一体物UP1の被印刷面としての被着体WKの他方の面WK2に当該他方の面WK2の中心を中心とするバーコードシンボルBCを印刷してもよいし、一体物UP1における接着シートASおよび被着体WKの少なくとも一方にバーコードシンボルBCを印刷してもよいし、
図1(A)中二点鎖線で示すように、被着体WKに貼付される前の接着シートASにバーコードシンボルBCを印刷してもよい。
印刷手段20は、一体物UP2における接着シートASの一方の面AS1、被着体WKの他方の面WK2およびリングフレームRFの一方の面(上面)のうちの何れか1つまたは複数の被印刷面にバーコードシンボルBCを印刷してもよいし、多関節ロボット等の駆動機器や図示しない搬送手段で一体物UP2を反転させた後、当該一体物UP2の被印刷面としての接着シートASの他方の面AS2や、一体物UP2の被印刷面としてのリングフレームRFの他方の面にバーコードシンボルBCを印刷してもよいし、ガラス板、樹脂板、金属板等の支持体にバーコードシンボルBCを印刷してもよいし、支持体の被印刷面としての側面にバーコードシンボルBCを印刷してもよい。
印刷手段20は、一体物UP1、UP2、原反RS等の印刷対象物の被印刷面にバーコードシンボルBCを直接印刷してもよいし、一体物UP1、UP2、原反RS等の印刷対象物に貼付された他の接着シート、紙、布、金属板、樹脂板等のシート部材の表面を被印刷面とし、当該被印刷面にバーコードシンボルBCを印刷してもよいし、剥離シートRLの一方の面や他方の面を被印刷面とし、当該被印刷面に接着シートASの中心CPを中心とするバーコードシンボルBCを印刷してもよいし、レーザプリンタ、インクジェットプリンタ、ドットプリンタ、サーマルプリンタ等の印刷機器24を採用してもよいし、凸版印刷機、凹版印刷機、スクリーン印刷機等、回動モータ21で回転させなくても印刷可能な任意の構成を採用してもよいし、バーコードシンボルBCの中心となる被印刷面における基準位置は、被印刷面の中央部にあればよく、被印刷面の中心でなくてもよい。
【0030】
支持手段30は、テーブル32を移動させることなくまたは移動させつつ、貼付手段10や剥離手段40を移動させてもよいし、本発明の印刷装置EA1、EA2に備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。
【0031】
剥離手段40は、巻回することなく、例えばファンフォールド折りにした剥離用テープPTを支持してもよいし、巻回することなく、例えばファンフォールド折りにしたり、シュレッダ等で切り刻んだり、無造作に集積したりして剥離用テープPTを回収する回収手段を採用してもよいし、回収手段を採用しなくてもよいし、テーブル32を移動させずにまたは移動させつつ、ガイドローラ42、剥離ローラ44、駆動ローラ45等を移動させて貼付体UPから保護シートPSを剥離してもよい。
【0032】
繰出手段50は、帯状の剥離シートRLに仮着された帯状の接着シート基材に閉ループ状または短寸幅方向全体の切込が形成されることで、その切込で仕切られた所定の領域が接着シートASとされた原反を繰り出してもよいし、帯状の剥離シートRLに帯状の接着シート基材が仮着された帯状接着シート原反を採用し、当該帯状接着シート原反を繰り出す途中で、接着シート基材に閉ループ状または短寸幅方向全体の切込を切断部材としての切断刃で形成し、その切込で仕切られた所定の領域が接着シートASとされた原反を繰り出してもよいし、巻回することなく、例えばファンフォールド折りにした原反を繰り出してもよいし、巻回することなく、例えばファンフォールド折りにしたり、シュレッダ等で切り刻んだり、無造作に集積したりして原反を回収する回収手段を採用してもよいし、回収手段を採用しなくてもよい。
【0033】
一体物UP1は、被着体WKの他方の面WK2に保護シートPSが貼付されていてもよいし、接着シートASを介してリングフレームRFと被着体WKとが一体化されていてもよく、リングフレームRFと被着体WKとが一体化されている場合、貼付手段10は、リングフレームRFとリングフレームRFの開口内に配置された被着体WKとに接着シートASの一方の面AS1を貼付して一体物UP1を形成し、印刷手段20は、接着シートASの他方の面AS2にバーコードシンボルBCを印刷してもよいし、リングフレームRFの開口内で表出した接着シートASの一方の面AS1にバーコードシンボルBCを印刷してもよいし、接着シートAS、リングフレームRFおよび被着体WKのうちの何れか1つまたは複数にバーコードシンボルBCを印刷してもよい。
貼付体UPや一体物UP2は、リングフレームRFがなくてもよい。
支持体は、接着シートASおよびリングフレームRFで構成されたものであってもよいし、ガラス板、樹脂板、金属板等であってもよく、被着体WKを支持するものであれば何ら限定されるものではない。
フレーム部材は、リングフレーム以外に、環状でない(外周が繋がっていない)ものや、円形、楕円形、多角形、その他の形状であってもよい。
【0034】
印刷装置EA1、EA2は、一体物UP1、UP2の接着シートASに電磁波を照射して接着シートASの一方の面AS1の接着力を低下させる電磁波照射手段を備え、一体物UP1、UP2における接着シートASの他方の面AS2にバーコードシンボルBCを印刷する印刷手段20をさらに備えていてもよい。
電磁波照射手段は、例えば、紫外線を照射可能なLED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)ランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ等を採用したり、それらを適宜に組み合わせたものを採用したりしてもよいし、紫外線に代えてまたは併用して、可視光線、音波、マイクロ波、X線、ガンマ線、赤外線等を主電磁波として含む電磁波を照射してもよく、接着シートASの特性、特質、性質、材質、組成等に応じて接着シートASに必要な反応を起こさせることができるものであれば、どのような電磁波を照射してもよい。
【0035】
接着シートAS、支持体、保護シートPS、シート部材、被着体WKおよびフレーム部材の材質、種別、形状等は、特に限定されることはない。例えば、接着シートAS、支持体、保護シートPS、シート部材、被着体WKおよびフレーム部材は、円形、楕円形、三角形や四角形等の多角形、その他の形状であってもよいし、接着シートAS、支持体、保護シートPS、およびシート部材は、感圧接着性、感熱接着性等の接着形態のものであってもよく、感熱接着性の接着形態のものが採用された場合は、当該接着シートAS、支持体、保護シートPS、およびシート部材を加熱する適宜なコイルヒータやヒートパイプの加熱側等の加熱手段を設けるといった適宜な方法で接着されればよい。また、このような接着シートAS、支持体、保護シートPS、およびシート部材は、例えば、接着剤層だけの単層のもの、基材と接着剤層とが積層された2層のもの、基材と接着剤層との間に1または複数の中間層が積層された3層または3層以上のもの、基材の上面に1または複数のカバー層が積層された3層または3層以上のもの、基材、中間層またはカバー層が剥離可能に設けられたもの、接着剤層のみからなる単層の両面接着シート、1または複数の中間層の両最外面に接着剤層が積層された両面接着シート等、どのようなものでもよい。さらに、被着体WKとしては、例えば、食品、樹脂容器、シリコン半導体ウエハや化合物半導体ウエハ等の半導体ウエハ、回路基板、光ディスク等の情報記録基板、ガラス板、鋼板、陶器、木板または樹脂等の単体物であってもよいし、それら2つ以上で形成された複合物であってもよく、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。なお、接着シートASおよび保護シートPSは、機能的、用途的な読み方に換え、例えば、情報記載用ラベル、装飾用ラベル、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルム、ダイボンディングテープ、記録層形成樹脂シート等の任意のシート、フィルム、テープ等でもよい。
【0036】
本発明における手段および工程は、それら手段および工程について説明した動作、機能または工程を果たすことができる限りなんら限定されることはなく、まして、前記実施形態で示した単なる一実施形態の構成物や工程に全く限定されることはない。例えば、貼付手段は、被着体に接着シートを貼付して印刷対象物を形成するものであればどんなものでもよく、出願当初の技術常識に照らし合わせてその技術範囲内のものであればなんら限定されることはない(その他の手段および工程も同じ)。
前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、2軸または3軸以上の関節を備えた多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできる。
前記実施形態において、ローラ等の回転部材が採用されている場合、当該回転部材を回転駆動させる駆動機器を備えてもよいし、回転部材の表面や回転部材自体をゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、回転部材の表面や回転部材自体を変形しない部材で構成してもよいし、ローラの代わりに回転するまたは回転しないシャフトやブレード等の他の部材を採用してもよいし、押圧ローラや押圧ヘッド等の押圧手段や押圧部材といった被押圧物を押圧するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、ローラ、丸棒、ブレード材、ブラシ状部材の他、大気やガス等の気体の吹き付けによるものを採用してもよいし、押圧するものをゴム、樹脂、スポンジ等の変形可能な部材で構成してもよいし、金属や樹脂等の変形しない部材で構成してもよいし、剥離板や剥離ローラ等の剥離手段や剥離部材といった被剥離物を剥離するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、板状部材、丸棒、ローラ等の部材を採用してもよいし、剥離するものをゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、変形しない部材で構成してもよいし、支持(保持)手段や支持(保持)部材等の被支持部材(被保持部材)を支持(保持)するものが採用されている場合、メカチャックやチャックシリンダ等の把持手段、クーロン力、接着剤(接着シート、接着テープ)、粘着剤(粘着シート、粘着テープ)、磁力、ベルヌーイ吸着、吸引吸着、駆動機器等で被支持部材を支持(保持)する構成を採用してもよいし、切断手段や切断部材等の被切断部材を切断または、被切断部材に切込や切断線を形成するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、カッター刃、レーザカッタ、イオンビーム、火力、熱、水圧、電熱線、気体や液体等の吹付け等で切断するものを採用したり、適宜な駆動機器を組み合わせたもので切断するものを移動させて切断するようにしたりしてもよい。
【符号の説明】
【0037】
EA1、EA2、EA3…印刷装置
10…貼付手段
20…印刷手段
40…剥離手段
50…繰出手段
AS…接着シート(支持体)
AS1…一方の面(被印刷面)
AS2…他方の面(被印刷面)
BC…バーコードシンボル
PS…保護シート(剥離対象物)
RL…剥離シート
RS…原反(印刷対象物)
UP…貼付体
UP1、UP2…一体物(印刷対象物)
WK…被着体
WK1…一方の面
WK2…他方の面