(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024105054
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】表示装置及び表示装置用の熱可塑性樹脂部材
(51)【国際特許分類】
G09F 13/18 20060101AFI20240730BHJP
H01H 9/18 20060101ALI20240730BHJP
H01H 36/00 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
G09F13/18 K
H01H9/18 A
H01H36/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】30
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023009587
(22)【出願日】2023-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100198029
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 力
(72)【発明者】
【氏名】森戸 秀
【テーマコード(参考)】
5C096
5G046
5G052
【Fターム(参考)】
5C096AA06
5C096BA04
5C096BB02
5C096CA02
5C096CA22
5C096CB01
5C096CC06
5C096CD05
5C096CD22
5C096FA11
5C096FA12
5C096FA17
5C096FA18
5G046AA02
5G046AB02
5G046AC23
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5G046AD14
5G046AE05
5G046AE09
5G052AA22
5G052BB01
5G052JA02
5G052JA07
5G052JB05
5G052JC04
(57)【要約】
【課題】視野角依存性を改善する。
【解決手段】表示装置は、第1面と、第1面とは反対側に位置する第2面と、第1面から第2面に貫通した貫通孔と、を有する回路基板と、回路基板の第2面上に位置する発光素子と、回路基板の第1面上に位置する熱可塑性樹脂部と、熱可塑性樹脂部の回路基板とは反対側の面に位置するタッチセンサ電極と、熱可塑性樹脂部から回路基板の貫通孔を通って発光素子の側に突出し、発光素子からの光を導く第1導光部と、を備える。第1導光部は、発光素子からの光が入射する入射面と、入射面から入射した光がタッチセンサ電極に向かって反射する反射面と、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と、前記第1面とは反対側に位置する第2面と、前記第1面から前記第2面に貫通した貫通孔と、を有する回路基板と、
前記回路基板の前記第2面上に位置する発光素子と、
前記回路基板の前記第1面上に位置する熱可塑性樹脂部と、
前記熱可塑性樹脂部の前記回路基板とは反対側の面に位置するタッチセンサ電極と、
前記熱可塑性樹脂部から前記回路基板の前記貫通孔を通って前記発光素子の側に突出し、前記発光素子からの光を導く第1導光部と、を備え、
前記第1導光部は、前記発光素子からの光が入射する入射面と、前記入射面から入射した光が前記タッチセンサ電極に向かって反射する反射面と、を有する、表示装置。
【請求項2】
前記反射面は、厚み方向において前記タッチセンサ電極と向き合っている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1導光部は、前記入射面とは反対側に位置し、前記発光素子と向き合う素子対向面を有する、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記反射面は、凹部又は凸部を有する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
複数の前記凹部又は凸部が、前記反射面上に規則的に配置されている、請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
複数の前記凹部又は凸部のうちの一の前記凹部又は凸部の平面面積は、当該凹部又は凸部よりも前記発光素子に近い位置に配置された他の前記凹部又は凸部の平面面積よりも大きい、請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記凹部又は凸部は、厚み方向に平行な断面で見たときに、多角形の断面形状を有する、請求項4に記載の表示装置。
【請求項8】
前記反射面及び前記素子対向面に、反射膜が形成されている、請求項3に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第1導光部は、前記熱可塑性樹脂部と一体に形成されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第1導光部は、前記熱可塑性樹脂部とは別体として形成され、前記熱可塑性樹脂部に接合されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項11】
前記発光素子と前記第1導光部との間に位置し、前記発光素子からの光を前記第1導光部に導く第2導光部をさらに備える、請求項1に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第2導光部は、前記第1導光部とは別体として形成され、前記第1導光部に接合されている、請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
前記第2導光部は、前記第1導光部と一体に形成されている、請求項11に記載の表示装置。
【請求項14】
前記タッチセンサ電極上に位置する透明シート層をさらに備える、請求項1に記載の表示装置。
【請求項15】
前記タッチセンサ電極と前記透明シート層との間に位置する加飾層をさらに備える、請求項14に記載の表示装置。
【請求項16】
前記加飾層の可視光線透過率は、0.5%以上30%以下である、請求項15に記載の表示装置。
【請求項17】
前記タッチセンサ電極と前記加飾層との間に位置し、前記発光素子からの光を遮光する遮光層であって、前記発光素子からの光が通過する開口部が形成された遮光層をさらに備える、請求項15に記載の表示装置。
【請求項18】
前記タッチセンサ電極と前記遮光層との間に位置する平坦化層であって、前記遮光層の前記開口部内に充填された平坦化層をさらに備える、請求項17に記載の表示装置。
【請求項19】
前記タッチセンサ電極は、ポリチオフェン類を含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項20】
前記タッチセンサ電極は、PEDOT/PSSを含む、請求項19に記載の表示装置。
【請求項21】
前記タッチセンサ電極は、前記回路基板から1mm以上離れている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項22】
前記熱可塑性樹脂部、前記透明シート層及び前記平坦化層のうちのいずれかが、前記発光素子からの光を拡散する光拡散機能を有する、請求項18に記載の表示装置。
【請求項23】
前記発光素子からの光を拡散する光拡散機能を有する光拡散層をさらに備える、請求項1に記載の表示装置。
【請求項24】
前記熱可塑性樹脂部の前記回路基板の側の面に設けられた溝部と、
前記溝部内に位置し、前記発光素子からの光を吸収する光吸収部と、をさらに備える、請求項1に記載の表示装置。
【請求項25】
第1面と、前記第1面とは反対側に位置する第2面と、前記第1面から前記第2面に貫通した貫通孔と、を有する回路基板と、
前記回路基板の前記第2面上に位置する発光素子と、
前記回路基板の前記第1面上に位置する熱可塑性樹脂部と、
前記熱可塑性樹脂部の前記回路基板とは反対側の面に位置する透明シート層と、
前記熱可塑性樹脂部と前記透明シート層との間に位置する加飾層と、
前記熱可塑性樹脂部から前記回路基板の前記貫通孔を通って前記発光素子の側に突出し、前記発光素子からの光を導く第1導光部と、を備え、
前記第1導光部は、前記発光素子からの光が入射する入射面と、前記入射面から入射した光が前記加飾層に向かって反射する反射面と、を有する、表示装置。
【請求項26】
前記熱可塑性樹脂部と前記加飾層との間に位置し、前記発光素子からの光を遮光する遮光層であって、前記発光素子からの光が通過する開口部が形成された遮光層をさらに備える、請求項25に記載の表示装置。
【請求項27】
第1面と、前記第1面とは反対側に位置する第2面と、前記第1面から前記第2面に貫通した貫通孔と、を有する回路基板と、
前記回路基板の前記第2面上に位置する発光素子と、
前記回路基板の前記第1面上に位置する熱可塑性樹脂部と、
前記熱可塑性樹脂部の前記回路基板とは反対側の面に位置する透明シート層と、
前記熱可塑性樹脂部と前記透明シート層との間に位置し、前記発光素子からの光を遮光する遮光層であって、前記発光素子からの光が通過する開口部が形成された遮光層と、
前記熱可塑性樹脂部から前記回路基板の前記貫通孔を通って前記発光素子の側に突出し、前記発光素子からの光を導く第1導光部と、を備え、
前記第1導光部は、前記発光素子からの光が入射する入射面と、前記入射面から入射した光が前記遮光層に向かって反射する反射面と、を有する、表示装置。
【請求項28】
第1面と、前記第1面とは反対側に位置する第2面と、を有する透明な回路基板と、
前記回路基板の前記第2面上に位置する発光素子と、
前記回路基板の前記第1面上に位置する熱可塑性樹脂部と、
前記熱可塑性樹脂部の前記回路基板とは反対側の面に位置するタッチセンサ電極と、
前記回路基板の前記第2面上に位置し、前記発光素子からの光を導く第1導光部と、を備え、
前記第1導光部は、前記発光素子からの光が入射する入射面と、前記入射面から入射した光が前記タッチセンサ電極に向かって反射する反射面と、を有する、表示装置。
【請求項29】
複数の前記発光素子と、
前記発光素子の各々に対応する複数の前記第1導光部と、を備える、請求項1~28のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項30】
第1面と、前記第1面とは反対側に位置する第2面と、前記第1面から前記第2面に貫通した貫通孔と、を有する回路基板と、前記回路基板の前記第2面上に位置する発光素子と、タッチセンサ電極と、を備える表示装置に用いられる表示装置用の熱可塑性樹脂部材であって、
前記回路基板の前記第1面上に位置し、前記回路基板とは反対側の面に前記タッチセンサ電極が配置される本体部と、
前記本体部から前記回路基板の前記貫通孔を通って前記発光素子の側に突出する突出部であって、前記発光素子からの光を導く突出部と、を備え、
前記突出部は、前記発光素子からの光が入射する入射面と、前記入射面から入射した光が前記タッチセンサ電極に向かって反射する反射面と、を有する、表示装置用の熱可塑性樹脂材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置及び表示装置用の熱可塑性樹脂部材に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されているように、基材の裏面上に配置された発光素子から光を照射して、導光部の反射面で斜め方向に反射させて、基材の表面側から光を放出する表示装置が知られている。しかしながら、この場合、光が斜め方向に放出されるため、視野角依存性が高く、特定の方向から見たときに輝度不足が生じるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、このような点を考慮してなされたものであり、視野角依存性を改善することができる表示装置及び表示装置用の熱可塑性樹脂部材の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一実施の形態による表示装置は、第1面と、第1面とは反対側に位置する第2面と、第1面から第2面に貫通した貫通孔と、を有する回路基板と、回路基板の第2面上に位置する発光素子と、回路基板の第1面上に位置する熱可塑性樹脂部と、熱可塑性樹脂部の回路基板とは反対側の面に位置するタッチセンサ電極と、熱可塑性樹脂部から回路基板の貫通孔を通って発光素子の側に突出し、発光素子からの光を導く第1導光部と、を備える。第1導光部は、発光素子からの光が入射する入射面と、入射面から入射した光がタッチセンサ電極に向かって反射する反射面と、を有する。
【0006】
本開示の一実施の形態による表示装置は、第1面と、前記第1面とは反対側に位置する第2面と、前記第1面から前記第2面に貫通した貫通孔と、を有する回路基板と、前記回路基板の前記第2面上に位置する発光素子と、前記回路基板の前記第1面上に位置する熱可塑性樹脂部と、前記熱可塑性樹脂部の前記回路基板とは反対側の面に位置する透明シート層と、前記熱可塑性樹脂部と前記透明シート層との間に位置する加飾層と、前記熱可塑性樹脂部から前記回路基板の前記貫通孔を通って前記発光素子の側に突出し、前記発光素子からの光を導く導光部と、を備え、前記導光部は、前記発光素子からの光が入射する入射面と、前記入射面から入射した光が前記加飾層に向かって反射する反射面と、を有する。
【0007】
本開示の一実施の形態による表示装置は、第1面と、前記第1面とは反対側に位置する第2面と、前記第1面から前記第2面に貫通した貫通孔と、を有する回路基板と、前記回路基板の前記第2面上に位置する発光素子と、前記回路基板の前記第1面上に位置する熱可塑性樹脂部と、前記熱可塑性樹脂部の前記回路基板とは反対側の面に位置する透明シート層と、前記熱可塑性樹脂部と前記透明シート層との間に位置し、前記発光素子からの光を遮光する遮光層であって、前記発光素子からの光が通過する開口部が形成された遮光層と、前記熱可塑性樹脂部から前記回路基板の前記貫通孔を通って前記発光素子の側に突出し、前記発光素子からの光を導く導光部と、を備え、前記導光部は、前記発光素子からの光が入射する入射面と、前記入射面から入射した光が前記遮光層に向かって反射する反射面と、を有する。
【0008】
本開示の一実施の形態による表示装置は、第1面と、第1面とは反対側に位置する第2面と、を有する回路基板と、回路基板の第2面上に位置する発光素子と、回路基板の第1面上に位置する熱可塑性樹脂部と、熱可塑性樹脂部の回路基板とは反対側の面に位置するタッチセンサ電極と、回路基板の第2面上に位置し、発光素子からの光を導く第1導光部と、を備える。第1導光部は、発光素子からの光が入射する入射面と、入射面から入射した光がタッチセンサ電極に向かって反射する反射面と、を有する。
【0009】
本開示の一実施の形態による表示装置用の熱可塑性樹脂材は、第1面と、第1面とは反対側に位置する第2面と、第1面から第2面に貫通した貫通孔と、を有する透明な回路基板と、回路基板の第2面上に位置する発光素子と、タッチセンサ電極と、を備える表示装置に用いられる表示装置用の熱可塑性樹脂部材である。表示装置用の熱可塑性樹脂部材は、回路基板の第1面上に位置し、回路基板とは反対側の面にタッチセンサ電極が配置される本体部と、本体部から回路基板の貫通孔を通って発光素子の側に突出する突出部であって、発光素子からの光を導く突出部と、を備える。突出部は、発光素子からの光が入射する入射面と、入射面から入射した光がタッチセンサ電極に向かって反射する反射面と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、視野角依存性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本開示の一実施の形態による表示装置を示す平面図である。
【
図2】
図2は、
図1の表示装置の一部を拡大して示す断面図である。
【
図3】
図3は、
図2に示される導光部の反射面を拡大して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書において、形状及び幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「垂直」、「直交」、「同一」等の用語、長さ、角度の値等については、厳密な意味に限定されることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈する。
【0013】
本明細書において、「基板」、「基材」、「板」、「シート」、「フィルム」等の用語は、呼称の違いのみによって互いから区別されない。
【0014】
本明細書において、ある部材又はある領域等のある構成が、他の部材又は他の領域等の他の構成の「上に」や「下に」、「上側に」や「下側に」、又は「上方に」や「下方に」とする場合、ある構成が他の構成に直接的に接している場合を含む。さらに、ある構成と他の構成との間に別の構成が含まれている場合、つまり間接的に接している場合も含む。特別な説明が無い限りは、「上」や「上側」や「上方」、又は、「下」や「下側」や「下方」という語句は、上下方向が逆転してもよい。
【0015】
本明細書において、あるパラメータに関して複数の上限値の候補及び複数の下限値の候補が挙げられている場合、そのパラメータの数値範囲は、任意の1つの上限値の候補と任意の1つの下限値の候補とを組み合わせることによって構成されてもよい。一例として、「パラメータBは、A1以上であってもよく、A2以上であってもよく、A3以上であってもよい。パラメータBは、A4以下であってもよく、A5以下であってもよく、A6以下であってもよい。」との記載について検討する。この例において、パラメータBの数値範囲は、A1以上A4以下であってもよく、A1以上A5以下であってもよく、A1以上A6以下であってもよく、A2以上A4以下であってもよく、A2以上A5以下であってもよく、A2以上A6以下であってもよく、A3以上A4以下であってもよく、A3以上A5以下であってもよく、A3以上A6以下であってもよい。
【0016】
本明細書及び本図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号又は類似の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。図面の寸法比率は説明の都合上実際の比率とは異なる場合や、構成の一部が図面から省略される場合がある。
【0017】
本開示の第1の態様は、
第1面と、前記第1面とは反対側に位置する第2面と、前記第1面から前記第2面に貫通した貫通孔と、を有する回路基板と、
前記回路基板の前記第2面上に位置する発光素子と、
前記回路基板の前記第1面上に位置する熱可塑性樹脂部と、
前記熱可塑性樹脂部の前記回路基板とは反対側の面に位置するタッチセンサ電極と、
前記熱可塑性樹脂部から前記回路基板の前記貫通孔を通って前記発光素子の側に突出し、前記発光素子からの光を導く第1導光部と、を備え、
前記第1導光部は、前記発光素子からの光が入射する入射面と、前記入射面から入射した光が前記タッチセンサ電極に向かって反射する反射面と、を有する、表示装置である。
【0018】
本開示の第2の態様は、上述した第1の態様による表示装置において、
前記反射面は、厚み方向において前記タッチセンサ電極と向き合っていてもよい。
【0019】
本開示の第3の態様は、上述した第2の態様による表示装置において、
前記第1導光部は、前記入射面とは反対側に位置し、前記発光素子と向き合う素子対向面を有していてもよい。
【0020】
本開示の第4の態様は、上述した第1の態様から上述した第3の態様のそれぞれによる表示装置において、
前記反射面は、凹部又は凸部を有していてもよい。
【0021】
本開示の第5の態様は、上述した第4の態様による表示装置において、
複数の前記凹部又は凸部が、前記反射面上に規則的に配置されていてもよい。
【0022】
本開示の第6の態様は、上述した第5の態様による表示装置において、
複数の前記凹部又は凸部のうちの一の前記凹部又は凸部の平面面積は、当該凹部又は凸部よりも前記発光素子に近い位置に配置された他の前記凹部又は凸部の平面面積よりも大きくてもよい。
【0023】
本開示の第7の態様は、上述した第4の態様から上述した第6の態様のそれぞれによる表示装置において、
前記凹部又は凸部は、厚み方向に平行な断面で見たときに、多角形の断面形状を有していてもよい。
【0024】
本開示の第8の態様は、上述した第3の態様から上述した第7の態様のそれぞれによる表示装置において、
前記反射面及び前記素子対向面に、反射膜が形成されていてもよい。
【0025】
本開示の第9の態様は、上述した第1の態様から上述した第8の態様のそれぞれによる表示装置において、
前記第1導光部は、前記熱可塑性樹脂部と一体に形成されていてもよい。
【0026】
本開示の第10の態様は、上述した第1の態様から上述した第8の態様のそれぞれによる表示装置において、
前記第1導光部は、前記熱可塑性樹脂部とは別体として形成され、前記熱可塑性樹脂部に接合されていてもよい。
【0027】
本開示の第11の態様は、上述した第1の態様から上述した第10の態様のそれぞれによる表示装置において、
前記発光素子と前記第1導光部との間に位置し、前記発光素子からの光を前記第1導光部に導く第2導光部をさらに備えていてもよい。
【0028】
本開示の第12の態様は、上述した第11の態様による表示装置において、
前記第2導光部は、前記第1導光部とは別体として形成され、前記第1導光部に接合されていてもよい。
【0029】
本開示の第13の態様は、上述した第11の態様による表示装置において、
前記第2導光部は、前記第1導光部と一体に形成されていてもよい。
【0030】
本開示の第14の態様は、上述した第1の態様から上述した第13の態様のそれぞれによる表示装置において、
前記タッチセンサ電極上に位置する透明シート層をさらに備えていてもよい。
【0031】
本開示の第15の態様は、上述した第14の態様による表示装置において、
前記タッチセンサ電極と前記透明シート層との間に位置する加飾層をさらに備えていてもよい。
【0032】
本開示の第16の態様は、上述した第15の態様による表示装置において、
前記加飾層の可視光線透過率は、0.5%以上30%以下であってもよい。
【0033】
本開示の第17の態様は、上述した第15の態様及び上述した第16の態様のそれぞれによる表示装置において、
前記タッチセンサ電極と前記加飾層との間に位置し、前記発光素子からの光を遮光する遮光層であって、前記発光素子からの光が通過する開口部が形成された遮光層をさらに備えていてもよい。
【0034】
本開示の第18の態様は、上述した第17の態様による表示装置において、
前記タッチセンサ電極と前記遮光層との間に位置する平坦化層であって、前記遮光層の前記開口部内に充填された平坦化層をさらに備えていてもよい。
【0035】
本開示の第19の態様は、上述した第1の態様から上述した第18の態様のそれぞれによる表示装置において、
前記タッチセンサ電極は、ポリチオフェン類を含んでいてもよい。
【0036】
本開示の第20の態様は、上述した第19の態様による表示装置において、
前記タッチセンサ電極は、PEDOT/PSSを含んでいてもよい。
【0037】
本開示の第21の態様は、上述した第1の態様から上述した第20の態様のそれぞれによる表示装置において、
前記タッチセンサ電極は、前記回路基板から1mm以上離れていてもよい。
【0038】
本開示の第22の態様は、上述した第18の態様から上述した第21の態様のそれぞれによる表示装置において、
前記熱可塑性樹脂部、前記透明シート層及び前記平坦化層のうちのいずれかが、前記発光素子からの光を拡散する光拡散機能を有していてもよい。
【0039】
本開示の第23の態様は、上述した第1の態様から上述した第22の態様のそれぞれによる表示装置において、
前記発光素子からの光を拡散する光拡散機能を有する光拡散層をさらに備えていてもよい。
【0040】
本開示の第24の態様は、上述した第1の態様から上述した第22の態様のそれぞれによる表示装置において、
前記熱可塑性樹脂部の前記回路基板の側の面に設けられた溝部と、
前記溝部内に位置し、前記発光素子からの光を吸収する光吸収部と、をさらに備えていてもよい。
【0041】
本開示の第25の態様は、
第1面と、前記第1面とは反対側に位置する第2面と、前記第1面から前記第2面に貫通した貫通孔と、を有する回路基板と、
前記回路基板の前記第2面上に位置する発光素子と、
前記回路基板の前記第1面上に位置する熱可塑性樹脂部と、
前記熱可塑性樹脂部の前記回路基板とは反対側の面に位置する透明シート層と、
前記熱可塑性樹脂部と前記透明シート層との間に位置する加飾層と、
前記熱可塑性樹脂部から前記回路基板の前記貫通孔を通って前記発光素子の側に突出し、前記発光素子からの光を導く第1導光部と、を備え、
前記第1導光部は、前記発光素子からの光が入射する入射面と、前記入射面から入射した光が前記加飾層に向かって反射する反射面と、を有する、表示装置である。
【0042】
本開示の第26の態様は、上述した第25の態様による表示装置において、
前記熱可塑性樹脂部と前記加飾層との間に位置し、前記発光素子からの光を遮光する遮光層であって、前記発光素子からの光が通過する開口部が形成された遮光層をさらに備えていてもよい。
【0043】
本開示の第27の態様は、
第1面と、前記第1面とは反対側に位置する第2面と、前記第1面から前記第2面に貫通した貫通孔と、を有する回路基板と、
前記回路基板の前記第2面上に位置する発光素子と、
前記回路基板の前記第1面上に位置する熱可塑性樹脂部と、
前記熱可塑性樹脂部の前記回路基板とは反対側の面に位置する透明シート層と、
前記熱可塑性樹脂部と前記透明シート層との間に位置し、前記発光素子からの光を遮光する遮光層であって、前記発光素子からの光が通過する開口部が形成された遮光層と、
前記熱可塑性樹脂部から前記回路基板の前記貫通孔を通って前記発光素子の側に突出し、前記発光素子からの光を導く第1導光部と、を備え、
前記第1導光部は、前記発光素子からの光が入射する入射面と、前記入射面から入射した光が前記遮光層に向かって反射する反射面と、を有する、表示装置である。
【0044】
本開示の第28の態様は、
第1面と、前記第1面とは反対側に位置する第2面と、を有する透明な回路基板と、
前記回路基板の前記第2面上に位置する発光素子と、
前記回路基板の前記第1面上に位置する熱可塑性樹脂部と、
前記熱可塑性樹脂部の前記回路基板とは反対側の面に位置するタッチセンサ電極と、
前記回路基板の前記第2面上に位置し、前記発光素子からの光を導く第1導光部と、を備え、
前記第1導光部は、前記発光素子からの光が入射する入射面と、前記入射面から入射した光が前記タッチセンサ電極に向かって反射する反射面と、を有する、表示装置である。
【0045】
本開示の第29の態様は、上述した第1の態様から上述した第28の態様のそれぞれによる表示装置において、
複数の前記発光素子と、
前記発光素子の各々に対応する複数の前記第1導光部と、を備えていてもよい。
【0046】
本開示の第30の態様は、
第1面と、前記第1面とは反対側に位置する第2面と、前記第1面から前記第2面に貫通した貫通孔と、を有する回路基板と、前記回路基板の前記第2面上に位置する発光素子と、タッチセンサ電極と、を備える表示装置に用いられる表示装置用の熱可塑性樹脂部材であって、
前記回路基板の前記第1面上に位置し、前記回路基板とは反対側の面に前記タッチセンサ電極が配置される本体部と、
前記本体部から前記回路基板の前記貫通孔を通って前記発光素子の側に突出する突出部であって、前記発光素子からの光を導く突出部と、を備え、
前記突出部は、前記発光素子からの光が入射する入射面と、前記入射面から入射した光が前記タッチセンサ電極に向かって反射する反射面と、を有する、表示装置用の熱可塑性樹脂材である。
【0047】
以下、本開示の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は本開示の実施形態の一例であって、本開示はこれらの実施形態のみに限定して解釈されない。
【0048】
図1~
図4を用いて、本開示の一実施の形態による表示装置及び表示装置用の熱可塑性樹脂部材について説明する。
【0049】
図1は、表示装置1の一例を概略的に示す平面図である。
図2は、
図1の表示装置1の一部を拡大して示す断面図である。表示装置1は、種々の用途に適用され得る。表示装置1は、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、テレビ、食洗器等の電化機器に適用されてもよい。表示装置1は、移動体の内装や外装に適用されてもよい。移動体としては、自動車、バイク、自転車、三輪車、電車、航空機、船舶、雪上車、ロボット、ドローン等が例示される。表示装置1は、壁、扉、天井等の建物の内装に適用されてもよい。
【0050】
図1に示すように、表示装置1は、全体的に、第1方向Xと、第1方向Xに直交する第2方向Yと、に広がっている。表示装置1は、第1方向X及び第2方向Yの両方に直交する第3方向Zに厚み方向を有している。本明細書において、表示装置1を構成する部材を第3方向Zに沿って見ることを、平面視とも称する。
【0051】
図1及び
図2に示すように、表示装置1は、回路基板2と、発光素子3と、熱可塑性樹脂部4と、タッチセンサ層10と、導光部20と、を含んでいる。また、
図2に示すように、表示装置1は、任意で、透明シート層13と、加飾層14と、遮光層15と、平坦化層17と、を含んでいてもよい。
【0052】
図1に示すように、回路基板2は、第1方向Xと第2方向Yとに広がるシート状の部材であってもよい。回路基板2は、柔軟性を有するフレキシブルプリント基板(FPC)であってもよい。この場合、後述する熱可塑性樹脂部4の形状に応じて、回路基板2を変形することができる。このため、熱可塑性樹脂部4の形状の自由度を向上させることができる。また、表示装置1の設置場所の自由度を向上させることができる。なお、回路基板2は、高い剛性を有する板状のリジット基板であってもよい。
【0053】
図2に示すように、回路基板2は、第1面2aと、第2面2bと、を有している。第1面2aは、表示装置1の使用時に、観察者の側を向く面である。第1面2aは、回路基板2の表面に相当する。第2面2bは、第1面2aとは反対側に位置している。第2面2bは、回路基板2の裏面に相当する。また、回路基板2は、貫通孔2cを有している。貫通孔2cは、第1面2aから第2面2bに貫通している。貫通孔2cは、後述する熱可塑性樹脂部4から突出した導光部20が通過する部分である。
【0054】
図1に示すように、回路基板2に、導電性パターン5が形成されていてもよい。導電性パターン5は、後述する発光素子3を、外部接続端子6を介して表示装置1の外部に配置された外部素子と電気的に接続する。導電性パターン5は、導電性を有する材料を含んでいてもよい。例えば、導電性パターン5は、金属を含んでいてもよい。金属としては、銅、銀、スズ、アルミニウム、ニッケル等が例示される。
【0055】
回路基板2の基材は、絶縁性を有する材料を含んでいる。例えば、回路基板2の基材は、熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。熱可塑性樹脂としては、ポリイミド(PI)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)等が例示される。また、上述した導電性パターン5は、絶縁層により覆われていてもよい。絶縁層は、回路基板2の基材と同一の材料を含んでいていてもよい。
【0056】
回路基板2の厚さは、50μm以上であってもよく、100μm以上であってもよく、300μm以上であってもよい。回路基板2の厚さは、5000μm以下であってもよく、3000μm以下であってもよい。
【0057】
図2に示すように、発光素子3は、回路基板2の第2面2b上に位置している。発光素子3は、回路基板2の導電性パターン5に、はんだ等の接合材により電気的に接合されていてもよい。発光素子3は、光を照射可能に構成されている。発光素子3は、外部接続端子6に接続された導電性パターン5を介して外部から給電されることで発光する。発光素子3は、後述する導光部20の入射面21に向けて光を照射する。発光素子3は、例えば、発光ダイオード(LED)であってもよい。
【0058】
図2に示すように、熱可塑性樹脂部4は、回路基板2の第1面2a上に位置している。熱可塑性樹脂部4は、回路基板2の貫通孔2cを覆うように位置している。熱可塑性樹脂部4は、第1面4aと、第2面4bと、を有している。第1面4aは、表示装置1の使用時に、観察者の側を向く面である。
図2に示すように、第1面4aは、外側に向かって凸状に湾曲していてもよい。しかしながら、このことに限られることはなく、第1面4aは、平坦であってもよいし、内側に向かって凹状に湾曲していてもよい。第2面4bは、第1面4aとは反対側に位置している。第2面4bは、回路基板2の側を向く面である。この熱可塑性樹脂部4の第2面4bが、回路基板2の第1面2aと接触している。
図2に示すように、回路基板2と熱可塑性樹脂部4との接触部分7は、平坦であってもよい。すなわち、回路基板2の第1面2aが平坦である場合、熱可塑性樹脂部4の第2面4bも平坦であってもよく、回路基板2の第1面2aの平坦な部分と熱可塑性樹脂部4の第2面4bの平坦な部分とが接触していてもよい。
【0059】
熱可塑性樹脂部4は、射出成形によって作製されてもよい。とりわけ、熱可塑性樹脂部4は、インサート成形により、回路基板2と一体化していてもよい。すなわち、インサート成形により、熱可塑性樹脂部4と回路基板2とが溶着していてもよい。しかしながら、このことに限られることはなく、熱可塑性樹脂部4は、接着剤や粘着剤等の接合材により回路基板2に接合されていてもよい。
【0060】
熱可塑性樹脂部4は、射出成形可能な光透過性を有する熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。このような熱可塑性樹脂としては、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDF)、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン・ビニルアルコール共重合体(EVOH)等のビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸メチル(PMMA)、ポリ(メタ)アクリル酸エチル(PEMA)等のアクリル系樹脂、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリアセタール(POM)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアミド(PA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスチレン(PS)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、アクリルニトリル・スチレン共重合体(AS)、アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、アクリルニトリル・エチレン・スチレン共重合体(AES)、ポリカーボネート(PC)等の樹脂等が例示される。熱可塑性樹脂部4は、着色材を含んでいてもよい。すなわち、熱可塑性樹脂部4は、着色されていてもよい。着色材としては、顔料や染料が例示される。熱可塑性樹脂部4は、スモーク着色されていてもよい。
【0061】
熱可塑性樹脂部4は、透明であってもよい。「透明」とは、可視光線透過率が50%以上であることを意味する。
【0062】
熱可塑性樹脂部4の可視光線透過率は、0.1%以上であってもよく、1%以上であってもよい。熱可塑性樹脂部4の可視光線透過率は、50%以下であってもよく、30%以下であってもよい。
【0063】
熱可塑性樹脂部4の可視光線透過率は、後述するタッチセンサ電極11が位置する部分において第3方向Z(厚み方向)に透過した光を用いて測定される。可視光線透過率は、JIS K 7361に準拠したヘイズメーター(村上色彩技術研究所製、製品番号:HM-150)を用いて、測定波長380nm以上780nm以下の範囲内で、1nm毎に入射角0°で測定したときの、各波長における全光線透過率の平均値である。
【0064】
熱可塑性樹脂部4の最大厚さは、1mm以上であってもよく、1.5mm以上であってもよい。熱可塑性樹脂部4の最大厚さは、20mm以下であってもよく、10mm以下であってもよい。
【0065】
図2に示すように、タッチセンサ層10は、熱可塑性樹脂部4の第1面4a上に位置している。すなわち、タッチセンサ層10は、熱可塑性樹脂部4の回路基板2の側とは反対側の面に位置している。
【0066】
タッチセンサ層10は、例えば、隣接する層に印刷することによって形成されてもよい。例えば、タッチセンサ層10は、後述する平坦化層17に印刷することによって形成されてもよい。タッチセンサ層10の厚さは、0.1μm以上であってもよく、0.5μm以上であってもよい。タッチセンサ層10の厚さは、5μm以下であってもよく、1μm以下であってもよい。
【0067】
タッチセンサ層10は、金属細線であってもよい。タッチセンサ層10は、編み目状やストライプ状に配置された金属細線の集合体であってもよい。金属細線の幅は、10mm以下であってもよく、1mm以下であってもよい。金属細線の配置ピッチは、10mm以下であってもよく、1mm以下であってもよい。発光素子3から放出された光は、隣り合う金属細線の間を透過可能であってもよい。金属細線の材料として、銅、銀、スズ、アルミニウム、ニッケル等が例示される。金属細線を含むタッチセンサ層10は、フォトリソグラフィー技術を用いて箔をパターニングすることにより、形成されてもよい。また、金属細線を含むタッチセンサ層10は、スクリーン印刷により形成されてもよい
【0068】
図2に示すように、タッチセンサ層10は、タッチセンサ電極11を含んでいる。タッチセンサ電極11は、タッチパネルの検出電極として機能してもよい。タッチセンサ電極11は、後述する配線12を介して外部接続端子9に電気的に接続されていてもよい。タッチセンサ電極11の検知結果は、外部接続端子9を介して外部の回路に伝送されてもよい。タッチセンサ電極11の検知方式は、静電容量方式、抵抗膜方式等であってもよい。
【0069】
タッチセンサ電極11は、平面視において、回路基板2の貫通孔2cと少なくとも部分的に重なっていてもよい。とりわけ、タッチセンサ電極11は、平面視において、後述する導光部20の反射面22と少なくとも部分的に重なっていてもよい。すなわち、タッチセンサ電極11は、第3方向Z(厚み方向)において反射面22と向き合っていてもよい。
【0070】
タッチセンサ電極11は、回路基板2から1mm以上離れていてもよい。すなわち、第3方向Zにおけるタッチセンサ電極11と回路基板2との間の距離が、1mm以上であってもよい。この場合、通電した回路基板2からの放電に起因する、タッチセンサ電極11の誤動作を効果的に抑制することができる。タッチセンサ電極11は、回路基板2から2mm以上離れていてもよく、2.5mm以上離れていてもよく、3mm以上離れていてもよい。また、タッチセンサ電極11は、表示装置1の厚さを低減する観点から、回路基板2から30mm以下離れていてもよく、10mm以下離れていてもよい。
【0071】
タッチセンサ電極11は、発光素子3からの光を透過可能であってもよい。タッチセンサ電極11は、透明導電体を含んでいてもよい。タッチセンサ電極11は、透明導電体として、ポリチオフェン類を含んでいてもよい。とりわけ、タッチセンサ電極11は、ポリチオフェン類として、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリエチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)を含んでいてもよい。ポリチオフェン類は、例えば、SELFTRON(登録商標)であってもよい。
【0072】
図2に示すように、タッチセンサ層10は、配線12を含んでいてもよい。配線12は、タッチセンサ電極11と電気的に接続されている。配線12は、平面視において、回路基板2の第1面2aと少なくとも部分的に重なっていてもよい。すなわち、配線12は、第3方向Z(厚み方向)において回路基板2の第1面2aと向き合っていてもよい。
【0073】
図2に示すように、配線12は、第1配線12aと、第2配線12bと、を含んでいてもよい。第1配線12aは、タッチセンサ電極11を取り囲むように配置されている。第1配線12aは、タッチセンサ電極11と電気的に接続されている。第2配線12bは、第1配線12aから第1方向Xに延び出ている。第2配線12bは、第1配線12aと電気的に接続されるとともに、外部接続端子9と電気的に接続されている。これにより、配線12は、タッチセンサ電極11を、外部接続端子9を介して外部の回路に電気的に接続している。
【0074】
配線12は、導電性を有する材料を含んでいてもよい。例えば、配線12は、金属を含んでいてもよい。配線12の印刷には、金属粉末及びバインダー樹脂を含む導電ペーストを用いてもよい。導電ペーストに含まれる金属粉末は、例えば銀の粉末であってもよい。導電ペーストに含まれるバインダー樹脂は、熱硬化性樹脂を含んでもいてもよいし、熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。熱硬化性樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂が例示される。
【0075】
図2に示すように、透明シート層13は、タッチセンサ層10上に位置している。
図2に示す例においては、透明シート層13とタッチセンサ層10(タッチセンサ電極11及び第1配線12a)との間に、加飾層14、遮光層15及び平坦化層17が位置している。このため、透明シート層13は、加飾層14、遮光層15及び平坦化層17を介してタッチセンサ層10上に位置している。
【0076】
透明シート層13は、透明なシート状の部材である。透明シート層13は、タッチセンサ層10を支持している。透明シート層13は、加飾層14、遮光層15及び平坦化層17も支持していてもよい。透明シート層13は、各層の表面を保護する機能を有していてもよい。
【0077】
透明シート層13の厚さは、各層を適切に支持する観点から、40μm以上であってもよく、70μm以上であってもよい。透明シート層13の厚さは、表示装置1の厚さを低減する観点から、1000μm以下であってもよく、600μm以下であってもよい。
【0078】
透明シート層13は、樹脂を含んでいてもよい。樹脂としては、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDF)、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン・ビニルアルコール共重合体(EVOH)等のビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸メチル(PMMA)、ポリ(メタ)アクリル酸エチル(PEMA)等のアクリル系樹脂、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリアセタール(POM)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアミド(PA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスチレン(PS)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、アクリルニトリル・スチレン共重合体(AS)、アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、アクリルニトリル・エチレン・スチレン共重合体(AES)、ポリカーボネート(PC)等の樹脂等が例示される。透明シート層13は、これらの樹脂で形成されたフィルムであってもよい。
【0079】
図2に示すように、加飾層14は、タッチセンサ層10上に位置している。
図2に示す例においては、加飾層14とタッチセンサ層10との間に、遮光層15及び平坦化層17が位置している。このため、加飾層14は、遮光層15及び平坦化層17を介してタッチセンサ層10上に位置している。加飾層14は、タッチセンサ層10と透明シート層13との間に位置している。加飾層14は、透明シート層13と遮光層15との間に位置していてもよい。
【0080】
加飾層14は、図形、パターン、デザイン、色彩、絵、写真、キャラクター、マーク、ピクトグラム、文字や数字等の絵柄を、意匠として表示する。加飾層14は、背景を表示する意匠表現を行うこともできる。例えば、加飾層14は、表示装置1が設けられる周辺環境と調和させるために、木目調や大理石調の絵柄、金属調の質感、幾何学模様等を、意匠として表示してもよい。
【0081】
加飾層14は、例えば、隣接する層に印刷又は転写することによって形成されてもよい。例えば、加飾層14は、透明シート層13に印刷又は転写することによって形成されてもよい。加飾層14の厚さは、0.5μm以上であってもよく、1μm以上であってもよい。加飾層14の厚さは、100μm以下であってもよく、75μm以下であってもよい。
【0082】
加飾層14は、バインダー樹脂部と、バインダー樹脂部に保持された色材と、を含んでいてもよい。色材としては、染料や顔料が例示される。バインダー樹脂部は、絶縁性を有していてもよい。バインダー樹脂部は、熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。バインダー樹脂部は、硬化性樹脂組成物の硬化物を含んでいてもよい。硬化性樹脂組成物は、電離放射線硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂の一以上を含んでいてもよい。電離放射線硬化性樹脂は、紫外線硬化性樹脂及び電子線放射線樹脂を含んでいてもよい。バインダー樹脂部の材料としては、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-アクリル共重合体、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ニトロセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等が例示される。バインダー樹脂部は、これらの材料を、1種単独で含んでもよく、2種以上を組合せて含んでいてもよい。
【0083】
加飾層14の可視光線透過率は、0.5%以上であってもよく、3%以上であってもよい。加飾層14の可視光線透過率は、30%以下であってもよく、20%以下であってもよい。
【0084】
図2に示すように、遮光層15は、タッチセンサ層10上に位置している。
図2に示す例においては、遮光層15とタッチセンサ層10との間に、平坦化層17が位置している。このため、遮光層15は、平坦化層17を介してタッチセンサ層10上に位置している。遮光層15は、タッチセンサ層10と加飾層14との間に位置している。遮光層15は、加飾層14と平坦化層17との間に位置していてもよい。
【0085】
遮光層15は、発光素子3からの光を遮光する機能を有している。遮光層15の可視光線透過率は、加飾層14の可視光線透過率よりも低くなっている。遮光層15の可視光線透過率は、10%以下であってもよく、5%以下であってもよく、2%以下であってもよい。
【0086】
遮光層15は、例えば、隣接する層に印刷又は転写することによって形成されてもよい。例えば、遮光層15は、加飾層14に印刷又は転写することによって形成されてもよい。遮光層15の厚さは、0.5μm以上であってもよく、1μm以上であってもよい。遮光層15の厚さは、100μm以下であってもよく、75μm以下であってもよい。
【0087】
遮光層15は、バインダー樹脂部と、バインダー樹脂部に保持された光吸収粒子と、を含んでいてもよい。光吸収粒子としては、カーボンブラックやチタンブラック等の黒色顔料が例示される。バインダー樹脂部は、絶縁性を有していてもよい。バインダー樹脂部は、熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。バインダー樹脂部は、硬化性樹脂組成物の硬化物を含んでいてもよい。硬化性樹脂組成物は、電離放射線硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂の一位以上を含んでいてもよい。電離放射線硬化性樹脂は、紫外線硬化性樹脂及び電子線放射線樹脂を含んでいてもよい。バインダー樹脂部の材料としては、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-アクリル共重合体、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ニトロセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等が例示される。バインダー樹脂部は、これらの材料を、1種単独で含んでいてもよく、2種以上を組合せて含んでいてもよい。
【0088】
図2に示すように、遮光層15に、開口部16が形成されている。開口部16は、発光素子3からの光を通過させる。開口部16は、遮光層15が形成されていない非形成部である。開口部16は、平面視において、タッチセンサ電極11及び後述する導光部20の反射面22と少なくとも部分的に重なっていてもよい。すなわち、開口部16は、第3方向Zにおいてタッチセンサ電極11と向き合っていてもよい。また、開口部16は、第3方向Zにおいて反射面22と向き合っていてもよい。
【0089】
開口部16は、平面視において、表示したい画像の形状と同一の形状を有している。
図1に示す例においては、開口部16は、平面視において、アルファベットの「A」の形状を有している。発光素子3からの光は、開口部16を通過する。このため、表示装置1には、「A」が画像として表示される。
【0090】
図2に示すように、平坦化層17は、タッチセンサ層10上に位置している。平坦化層17は、タッチセンサ層10と遮光層15との間に位置している。平坦化層17は、遮光層15の開口部16に充填されるように設けられている。このことにより、開口部16の縁部に形成された遮光層15と開口部16との間の段差を低減することができる。すなわち、タッチセンサ層10に接する面を平坦化することができる。このため、タッチセンサ層10の印刷の際に、段差の影響によりタッチセンサ層10が破断することを抑制することができる。
【0091】
平坦化層17は、例えば、隣接する層に印刷することによって形成されてもよい。例えば、平坦化層17は、遮光層15に印刷することによって形成されてもよい。平坦化層17の厚さは、0.5μm以上であってもよく、1μm以上であってもよい。平坦化層17の厚さは、100μm以下であってもよく、75μm以下であってもよい。ここで、平坦化層17の厚さとは、開口部16に充填されてない位置における厚さ、すなわち、タッチセンサ層10と遮光層15との間における厚さを意味する。
【0092】
平坦化層17は、透明であってもよい。平坦化層17は、熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。熱可塑性樹脂としては、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDF)、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン・ビニルアルコール共重合体(EVOH)等のビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸メチル(PMMA)、ポリ(メタ)アクリル酸エチル(PEMA)等のアクリル系樹脂、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリアセタール(POM)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアミド(PA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスチレン(PS)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、アクリルニトリル・スチレン共重合体(AS)、アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、アクリルニトリル・エチレン・スチレン共重合体(AES)、ポリカーボネート(PC)等の樹脂等が例示される。
【0093】
このように、タッチセンサ層10、透明シート層13、加飾層14、遮光層15及び平坦化層17が積層されて積層体18が形成されている。この積層体18は、熱可塑性樹脂部4上に位置している。ここで、上述した熱可塑性樹脂部4は、インサート成形により、積層体18と一体化していてもよい。すなわち、インサート成形により、熱可塑性樹脂部4と積層体18とが溶着していてもよい。しかしながら、このことに限られることはなく、積層体18は、接着剤や粘着剤等の接合材により熱可塑性樹脂部4に接合されていてもよい。
【0094】
なお、図示された例においては、積層体18において、タッチセンサ層10上に、タッチセンサ層10の側から平坦化層17、遮光層15、加飾層14、透明シート層13がこの順で積層されているが、これらの積層順は任意である。また、これらの各層は必須の構成要素ではなく、例えば、加飾層14が設けられていなくてもよいし、遮光層15が設けられていなくてもよいし、平坦化層17が設けられていなくてもよい。
【0095】
また、任意で、上述した熱可塑性樹脂部4、透明シート層13及び平坦化層17のうちのいずれかが、発光素子3からの光を拡散する光拡散機能を有していてもよい。すなわち、熱可塑性樹脂部4、透明シート層13及び平坦化層17のうちのいずれかが、これらを通過する発光素子3からの光の光路を変更し得る光拡散成分を含んでいてもよい。光拡散成分は、光拡散成分を含む要素の材料の屈折率とは異なる屈折率を有していてもよい。光拡散成分は、発光素子3からの光を反射する光反射性を有していてもよい。光拡散成分としては、ガラスビーズ、樹脂ビーズ、金属化合物、気体を含む多孔質物質、気泡等が例示される。このことにより、発光素子3からの光を拡散することができ、表示装置1の画像を観察可能な範囲を拡大することができる。
【0096】
次に、導光部20について説明する。
【0097】
図2に示すように、導光部20は、熱可塑性樹脂部4から回路基板2の貫通孔2cを通って発光素子3の側に突出している。導光部20は、熱可塑性樹脂部4の第2面4b上に位置していてもよい。導光部20は、平面視において、貫通孔2cと重なっていてもよい。導光部20は、発光素子3からの光を熱可塑性樹脂部4に導く機能を有している。
【0098】
図2に示すように、導光部20は、直方体形状を有していてもよい。すなわち、導光部20は、
図2に示すような第3方向Zに平行な断面(XZ断面)で見たときに、矩形の断面形状を有していてもよい。
図2に示すように、導光部20は、入射面21と、反射面22と、素子対向面23と、を有していてもよい。
【0099】
入射面21は、発光素子3からの光が入射する面である。
図2に示すように、入射面21は、第1方向Xにおいて発光素子3と向き合っていてもよい。入射面21は、熱可塑性樹脂部4の第2面4bに垂直な面であってもよく、第2方向Yと第3方向Zとに広がる平面であってもよい。
【0100】
反射面22は、入射面21から入射した光がタッチセンサ電極11に向かって反射する面である。
図2に示すように、反射面22は、第3方向Zにおいてタッチセンサ電極11と向き合っていてもよい。また、反射面22は、第3方向Zにおいて遮光層15の開口部16と向き合っていてもよい。反射面22は、入射面21に垂直な面であってもよく、第1方向Xと第2方向Yとに広がる平面であってもよい。
【0101】
素子対向面23は、入射面21とは反対側に位置し、発光素子3と向き合う面である。素子対向面23は、第1方向Xにおいて発光素子3と向き合っていてもよい。素子対向面23は、入射面21に平行で且つ反射面22に垂直な面であってもよく、第2方向Yと第3方向Zとに広がる平面であってもよい。
【0102】
反射面22及び素子対向面23には、反射膜が形成されていてもよい。反射膜は、入射面21から入射した光を拡散反射させてもよい。反射膜は、反射面22及び素子対向面23に、例えば、白色塗料、あるいはアルミニウム、銀、金等の金属を塗布することによって形成されてもよい。
【0103】
図3は、
図2の反射面22を拡大して示す断面図である。
図4は、
図3の反射面22の平面図である。
図3及び
図4に示すように、反射面22は、凸部24を有していてもよい。凸部24は、反射面22から第3方向Zにおける外側(
図3における下側)に突出している。
図3に示すように、凸部24は、半球形状を有していてもよい。すなわち、凸部24は、
図3に示すような第3方向Zに平行な断面(XZ断面)で見たときに、半円形の断面形状を有していてもよい。
【0104】
図4に示すように、複数の凸部24が、反射面22上に規則的に配置されていてもよい。例えば、複数の凸部24は、第1方向X及び第2方向Yに沿って等間隔で配置されていてもよい。
図4に示す例においては、複数の凸部24は、千鳥状に配置されている。しかしながら、このことに限られることはなく、複数の凸部24の配置方法は任意である。例えば、複数の凸部24は、格子状に配置されていてもよい。
【0105】
複数の凸部24は、互いに同一の寸法及び大きさを有していてもよい。
図4に示すように、各凸部24の平面面積(平面視における面積)は、互いに同一であってもよい。
図3に示す凸部24の幅W(第1方向Xにおける寸法)は、10μm以上であってもよく、50μm以上であってもよく、100μm以下であってもよい。
図3に示す凸部24の幅Wは、2000μm以下であってもよく、1000μm以下であってもよく、500μm以下であってもよい。
図3に示す凸部24の高さH(第3方向Zにおける寸法)は、0.5μm以上であってもよく、1μm以上であってもよく、2μm以下であってもよい。
図3に示す凸部24の高さHは、2000μm以下であってもよく、1000μm以下であってもよく、500μm以下であってもよい。
【0106】
図4に示す隣り合う凸部24間の間隔Px(第1方向Xの配列ピッチ)は、20μm以上であってもよく、100μm以上であってもよく、200μm以下であってもよい。
図4に示す隣り合う凸部24間の間隔Pxは、4000μm以下であってもよく、2000μm以下であってもよく、1000μm以下であってもよい。
図4に示す隣り合う凸部24間の間隔Py(第2方向Yの配列ピッチ)は、20μm以上であってもよく、100μm以上であってもよく、200μm以下であってもよい。
図4に示す隣り合う凸部24間の間隔Pyは、4000μm以下であってもよく、2000μm以下であってもよく、1000μm以下であってもよい。
【0107】
このような凸部24により、反射面22において入射面21から入射した光を拡散反射させ、光をタッチセンサ電極11に向けて効果的に導くことが可能になる。
【0108】
導光部20は、熱可塑性樹脂部4と同一の材料を含んでいてもよい。導光部20は、射出成形によって作製されてもよい。導光部20と熱可塑性樹脂部4とは、一体に形成されていてもよい。例えば、導光部20と熱可塑性樹脂部4とは、熱可塑性樹脂部材として、同一材料により一体に成形されて作製されてもよい。この場合、熱可塑性樹脂部材の熱可塑性樹脂部4に相当する部分を本体部、導光部20に相当する部分を本体部から突出した突出部と称することもできる。また、熱可塑性樹脂部材の射出成形時に、導光部20の反射面22に凸部24が形成されてもよい。
【0109】
次に、このような構成からなる表示装置1の作用及び効果について説明する。
【0110】
表示装置1の使用時、発光素子3から導光部20に向けて光が照射される。導光部20に到達した光は、入射面21から導光部20内に入射する。入射面21から入射した光は、反射面22及び素子対向面23に到達する。ここで、反射面22及び素子対向面23には、反射膜が形成されている。このため、反射面22及び素子対向面23において光が効果的に拡散反射される。また、反射面22には、凸部24が形成されている。このため、反射面22において光が効果的に拡散反射される。拡散反射された光は、導光部20から熱可塑性樹脂部4内を通ってタッチセンサ電極11に導かれる。熱可塑性樹脂部4から出射した光は、タッチセンサ電極11を透過し、その後、平坦化層17を透過して遮光層15の開口部16を通過する。そして、遮光層15の開口部16を通過した光は、加飾層14及び透明シート層13を透過して、外部に放出される。これにより、表示装置1のタッチセンサ電極11に対応する位置に、画像が表示される。
【0111】
本実施の形態によれば、表示装置1は、熱可塑性樹脂部4から回路基板2の貫通孔2cを通って発光素子3の側に突出し、発光素子3からの光を導く導光部20を含んでいる。導光部20は、発光素子3からの光が入射する入射面21と、入射面21から入射した光がタッチセンサ電極11に向かって反射する反射面22と、を有している。このことにより、発光素子3から照射された光を、導光部20の入射面21から入射させ、導光部20の反射面22で反射させて、タッチセンサ電極11に導くことができる。このような導光部20により、表示装置1を、光が斜め方向に放出されることを抑制する構成とすることができる。このため、表示装置1の視野角依存性を改善することができる。
【0112】
また、本実施の形態によれば、反射面22は、厚み方向においてタッチセンサ電極11と向き合っている。このことにより、導光部20の反射面22で反射されて、タッチセンサ電極11に導かれた光を、厚み方向に沿って放出することができる。このため、光が斜め方向に放出されることを抑制することができ、表示装置1の視野角依存性を改善することができる。
【0113】
また、本実施の形態によれば、導光部20は、入射面21とは反対側に位置し、発光素子3と向き合う素子対向面23を有している。このことにより、反射面22を厚み方向に向ける構成、すなわち厚み方向においてタッチセンサ電極11と向き合う構成にすることができる。このため、反射面22で反射された光を、厚み方向に沿って放出することができ、表示装置1の視野角依存性を改善することができる。
【0114】
また、本実施の形態によれば、反射面22は、凸部24を有している。このことにより、入射面21から入射した光を、反射面22において効果的に拡散反射させることができる。このため、光をタッチセンサ電極11に向けて効果的に導くことができる。
【0115】
また、本実施の形態によれば、複数の凸部24が、反射面22上に規則的に配置されている。このことにより、入射面21から入射した光を、反射面22においてより一層効果的に拡散反射させることができる。
【0116】
また、本実施の形態によれば、反射面22及び素子対向面23に、反射膜が形成されている。このことにより、入射面21から入射した光を、反射面22及び素子対向面23において効果的に拡散反射させることができる。このため、光をタッチセンサ電極11に向けて効果的に導くことができる。
【0117】
また、本実施の形態によれば、導光部20は、熱可塑性樹脂部4と一体に形成されている。このことにより、表示装置1の製造時に、導光部20を別途作製すること、及び別途作製した導光部20を熱可塑性樹脂部4に接合することを不要にすることができる。このため、表示装置1の製造コストの増大を抑制することができる。
【0118】
また、本実施の形態によれば、表示装置1は、タッチセンサ層10上に位置する透明シート層13を含んでいる。このことにより、タッチセンサ層10を含む積層体18の各層をしっかりと支持することができる。また、積層体18の表面を保護することができる。このため、表示装置1の耐久性を向上させることができる。
【0119】
また、本実施の形態によれば、表示装置1は、加飾層14とタッチセンサ層10との間に位置する加飾層14を含んでいる。このことにより、表示装置1に、所望の絵柄等を、意匠として表示することができる。このため、表示装置1の意匠性を向上させることができる。
【0120】
また、本実施の形態によれば、表示装置1は、タッチセンサ層10と加飾層14との間に位置し、発光素子3からの光を遮光する遮光層15であって、発光素子3からの光が通過する開口部16が形成された遮光層15を含んでいる。このことにより、表示装置1に、開口部16の形状に対応した所望の画像を表示することができる。
【0121】
また、本実施の形態によれば、表示装置1は、タッチセンサ層10と遮光層15との間に位置する平坦化層17であって、遮光層15の開口部16内に充填された平坦化層17を含んでいる。このことにより、開口部16の縁部に形成された遮光層15と開口部16との間の段差を低減することができる。このため、タッチセンサ層10の印刷の際に、段差の影響によりタッチセンサ層10が破断することを抑制することができる。
【0122】
また、本実施の形態によれば、タッチセンサ電極11は、ポリチオフェン類を含んでいる。このことにより、良好な導電性を有するタッチセンサ電極11を安定的かつ容易に形成することができる。
【0123】
とりわけ、本実施の形態によれば、タッチセンサ電極11は、PEDOT/PSSを含んでいる。このことにより、良好な導電性を有するタッチセンサ電極11をより一層安定的かつ容易に形成することができる。
【0124】
また、本実施の形態によれば、タッチセンサ電極11は、回路基板2から1mm以上離れている。このことにより、通電した回路基板2からの放電に起因する、タッチセンサ電極11の誤動作を効果的に抑制することができる。
【0125】
また、本実施の形態によれば、熱可塑性樹脂部4、透明シート層13及び平坦化層17のうちのいずれかが、発光素子3からの光を拡散する光拡散機能を有している。このことにより、発光素子3からの光を拡散することができ、表示装置1の画像を観察可能な範囲を拡大することができる。このため、表示装置1の視野角依存性を更に改善することができる。
【0126】
以上述べた実施の形態によれば、視野角依存性を改善することができる。
【0127】
以上において、具体例を参照しながら一実施の形態を説明してきたが、上述した具体例が一実施の形態を限定することを意図していない。上述した一実施の形態は、その他の様々な具体例で実施されることが可能であり、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、追加を行うことができる。
【0128】
以下、図面を参照しながら、変形の一例について説明する。以下の説明及び以下の説明で用いる図面では、上述した具体例と同様に構成され得る部分について、上述の具体例における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いるとともに、重複する説明を省略する。
【0129】
上述した一実施の形態においては、各凸部24の平面面積が、互いに同一である例について説明した(
図4参照)。しかしながら、このことに限られることはなく、
図5に示すように、各凸部24の平面面積は、互いに異なっていてもよい。
【0130】
図5に示す例においては、凸部24の平面面積は、発光素子3に近いほど小さくなり、発光素子3から離れるほど大きくなっている。すなわち、発光素子3から離れた位置(
図5における左側)に配置された凸部24の平面面積は、発光素子3に近い位置(
図5における右側)に配置された凸部24の平面面積よりも大きくなっている。換言すると、複数の凸部24のうちの一の凸部24の平面面積は、当該凸部24よりも発光素子3に近い位置に配置された他の凸部24の平面面積よりも大きい。
【0131】
本変形例によれば、発光素子3から離れた位置の凸部24を発光素子3に近い位置の凸部24よりも大きくすることにより、発光素子3から離れた、光の反射量が少ない位置において、反射性能を向上させることができる。このことにより、発光素子3からの光を、平面内(XY平面内)において光量を均一化して、タッチセンサ電極11に導くことができる。このため、表示装置1に表示される画像の輝度を均一化することができる。
【0132】
また、上述した一実施の形態においては、反射面22が、凸部24を有している例について説明した(
図3参照)。しかしながら、このことに限られることはなく、
図6に示すように、反射面22は、凹部25を有していてもよい。
【0133】
図6に示す例においては、凹部25は、反射面22から第3方向Zにおける内側(
図5における上側)に凹んでいる。凹部25は、任意の形状を有していてもよい。
図6に示すように、凹部25は、半球形状を有していてもよい。すなわち、凹部25は、
図3に示すような第3方向Zに平行な断面(XZ断面)で見たときに、半円形の断面形状を有していてもよい。
【0134】
凸部24と同様に、複数の凹部25が、反射面22上に規則的に配置されていてもよい。また、
図5に示す例と同様に、複数の凹部25のうちの一の凹部25の平面面積は、当該凹部25よりも発光素子3に近い位置に配置された他の凹部25の平面面積よりも大きくてもよい。
【0135】
このような凹部25によっても、反射面22において入射面21から入射した光を拡散反射させ、光をタッチセンサ電極11に向けて効果的に導くことが可能になる。
【0136】
本変形例においても、反射面22が凹部25を有していることにより、入射面21から入射した光を、反射面22において効果的に拡散反射させることができる。このため、光をタッチセンサ電極11に向けて効果的に導くことができる。
【0137】
また、上述した一実施の形態においては、凸部24が、第3方向Zに平行な断面(XZ断面)で見たときに、半円形の断面形状を有している例について説明した(
図3参照)。しかしながら、このことに限られることはなく、
図7及び
図8に示すように、凸部24は、第3方向Zに平行な断面(XZ断面)で見たときに、多角形の断面形状を有していてもよい。
【0138】
図7に示す例においては、凸部24は、第3方向Zに平行な断面(XZ断面)で見たときに、三角形の断面形状を有している。この場合、凸部24は、円錐や角錐等の錐形状を有していてもよい。
図8に示す例においては、凸部24は、第3方向Zに平行な断面(XZ断面)で見たときに、台形の断面形状を有している。この場合、凸部24は、円錐台や角錐台等の錐台形状を有していてもよい。また、凸部24は、第3方向Zに平行な断面(XZ断面)で見たときに、その他の多角形の断面形状を有していてもよい。なお、上述した凹部25が、第3方向Zに平行な断面(XZ断面)で見たときに、多角形の断面形状を有していてもよい。
【0139】
本変形例によれば、入射面21から入射した光を、断面視における多角形の辺に相当する面によって効果的に反射させることができる。このため、光をタッチセンサ電極11に向けて効果的に導くことができる。
【0140】
また、上述した一実施の形態においては、熱可塑性樹脂部4、透明シート層13及び平坦化層17のうちのいずれかが、発光素子3からの光を拡散する光拡散機能を有している例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、代わりに、
図9に示すように、表示装置1が、発光素子3からの光を拡散する光拡散機能を有する光拡散層19をさらに含んでいてもよい。
【0141】
図9に示す例においては、光拡散層19は、熱可塑性樹脂部4上に位置している。光拡散層19と熱可塑性樹脂部4との間には、タッチセンサ層10、平坦化層17、遮光層15、加飾層14及び透明シート層13が位置している。このため、光拡散層19は、タッチセンサ層10、平坦化層17、遮光層15、加飾層14及び透明シート層13を介して熱可塑性樹脂部4上に位置している。しかしながら、このことに限られることはなく、光拡散層19は、任意の位置に配置されていてもよい。例えば、光拡散層19は、加飾層14と透明シート層13との間に位置していてもよいし、熱可塑性樹脂部4とタッチセンサ層10との間に位置していてもよい。
【0142】
光拡散層19は、例えば、隣接する層に印刷又は転写することによって形成されてもよい。例えば、光拡散層19は、透明シート層13に印刷又は転写することによって形成されてもよい。光拡散層19の厚さは、0.5μm以上であってもよく、1μm以上であってもよい。光拡散層19の厚さは、100μm以下であってもよく、75μm以下であってもよい。
【0143】
光拡散層19は、透明であってもよい。光拡散層19は、バインダー樹脂部と、バインダー樹脂部に保持された光拡散成分と、を含んでいてもよい。バインダー樹脂部の材料としては、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-アクリル共重合体、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ニトロセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等が例示される。バインダー樹脂部は、これらの材料を、1種単独で含んでもよく、2種以上を組合せて含んでいてもよい。光拡散成分は、発光素子3からの光の光路を変更する。光拡散成分は、発光素子3からの光を反射する光反射性を有していてもよい。光拡散成分としては、ガラスビーズ、樹脂ビーズ、金属化合物、気体を含む多孔質物質、気泡等が例示される。
【0144】
本変形例においても、表示装置1が光拡散層19を含んでいることにより、発光素子3からの光を拡散することができ、表示装置1の画像を観察可能な範囲を拡大することができる。このため、表示装置1の視野角依存性を更に改善することができる。
【0145】
また、上述した一実施の形態においては、回路基板2と熱可塑性樹脂部4との接触部分7が平坦である例について説明した(
図2参照)。しかしながら、このことに限られることはなく、
図10に示すように、回路基板2と熱可塑性樹脂部4との接触部分7は、一方向に湾曲した曲面であってもよい。
【0146】
図10に示す例においては、回路基板2と熱可塑性樹脂部4との接触部分7は、XY平面に対して第3方向Zに湾曲している。
図10に示す例においては、回路基板2が第3方向Zに湾曲しているとともに、熱可塑性樹脂部4の第2面4bが第3方向Zに湾曲している。そして、回路基板2の第1面2aの曲面部分と熱可塑性樹脂部4の第2面4bの曲面部分とが接触している。
【0147】
本変形例によれば、回路基板2と熱可塑性樹脂部4との接触部分7が一方向に湾曲した曲面であることにより、表示装置1の設置場所の自由度を向上させることができる。
【0148】
また、上述した一実施の形態においては、導光部20が素子対向面23を有している例について説明した(
図2参照)。しかしながら、このことに限られることはなく、
図11に示すように、導光部20は、素子対向面23を有していなくてもよい。
【0149】
図11に示す例においては、導光部20は、素子対向面23を有していない。
図11に示す例においては、導光部20は、第3方向Zに平行な断面(XZ断面)で見たときに、三角形の断面形状を有している。この場合、導光部20は、三角柱形状を有していてもよい。すなわち、導光部20は、三角形の2つの側面と、四角形の熱可塑性樹脂部4の側の面と、四角形の入射面21と、四角形の反射面22と、を有していてもよい。入射面21は、第2方向Yと第3方向Zとに広がる平面であってもよい。反射面22は、入射面21に対して傾斜していてもよい。入射面21と反射面22とがなす角度は、20度以上であってもよく、30度以上であってもよく、40度以上であってもよい。入射面21と反射面22とがなす角度は、80度以下であってもよく、60度以下であってもよく、50度以下であってもよい。
【0150】
本変形例によれば、入射面21から入射した光を、反射面22において効果的に反射させることができる。このため、光をタッチセンサ電極11に向けて効果的に導くことができる。
【0151】
また、上述した一実施の形態においては、導光部20が、熱可塑性樹脂部4と一体に形成されている例について説明した(
図2参照)。しかしながら、このことに限られることはなく、
図12及び
図13に示すように、導光部20は、熱可塑性樹脂部4とは別体として形成され、熱可塑性樹脂部4に接合されていてもよい。
【0152】
図12に示す例においては、
図2に示すような直方体形状を有する導光部20が、熱可塑性樹脂部4とは別体として形成されている。
図13に示す例においては、
図11に示すような三角柱形状を有する導光部20が、熱可塑性樹脂部4とは別体として形成されている。例えば、導光部20と熱可塑性樹脂部4とは、別々に成形されて作製されてもよい。そして、別々に作製した導光部20と熱可塑性樹脂部4とを、接着剤や粘着剤等の接合材により互いに接合してもよい。
【0153】
本変形例においても、入射面21から入射した光を、反射面22において反射させて、タッチセンサ電極11に導くことができる。また、本変形例によれば、熱可塑性樹脂部4及び導光部20の各々の形状を簡略化することができる。このため、熱可塑性樹脂部4及び導光部20の作製を容易化することができる。
【0154】
また、上述した一実施の形態において、
図14及び
図15に示すように、表示装置1は、発光素子3と導光部20との間に位置し、発光素子3からの光を導光部20に導く別の導光部30をさらに含んでいてもよい。本明細書において、上述した導光部20を第1導光部、当該別の導光部30を第2導光部とも称する。
【0155】
図14に示す例においては、第2導光部30は、発光素子3と第1導光部20との間に位置している。第2導光部30は、第1導光部20に接合されていてもよい。第2導光部30は、第1導光部20の入射面21に、接着剤や粘着剤等の接合材により接合されていてもよい。第2導光部30は、発光素子3からの光を第1導光部20に導く機能を有している。
【0156】
図14に示すように、第2導光部30は、直方体形状を有していてもよい。すなわち、第2導光部30は、
図14に示すような第3方向Zに平行な断面(XZ断面)で見たときに、矩形の断面形状を有していてもよい。
図14に示すように、第2導光部30は、入射面31と、出射面32と、を有していてもよい。
【0157】
入射面31は、発光素子3からの光が入射する面である。
図14に示すように、入射面31は、第1方向Xにおいて発光素子3と向き合っていてもよい。入射面31は、発光素子3に近接していてもよい。第2導光部30の入射面31は、第1導光部20の入射面21に平行であってもよい。
【0158】
出射面32は、入射面31から入射した光が出射する面である。出射面32から出射した光は、第1導光部20の入射面21に入射する。第2導光部30の出射面32は、第1導光部20の入射面21に平行であってもよい。
図14に示すように、第2導光部30の出射面32と第1導光部20の入射面21とが接合されていてもよい。
【0159】
第2導光部30は、第1導光部20及び熱可塑性樹脂部4と同一の材料を含んでいてもよい。第2導光部30は、射出成形によって作製されてもよい。第2導光部30は、第1導光部20及び熱可塑性樹脂部4とは別体として形成されていてもよい。例えば、第2導光部30は、第1導光部20及び熱可塑性樹脂部4とは別々に成形されて作製されてもよい。そして、別々に作製した第2導光部30を、第1導光部20に接着剤や粘着剤等の接合材により接合してもよい。
【0160】
図15に示す例においては、
図12に示す例と同様に、第1導光部20が、熱可塑性樹脂部4とは別体として形成され、熱可塑性樹脂部4に接合されている。そして、第2導光部30が、第1導光部20と一体に形成されている。例えば、第1導光部20と第2導光部30とは、同一材料により一体に成形されて作製されてもよい。この場合、第2導光部30は、出射面32を有しておらず、また、第2導光部30の入射面31は、第1導光部20の入射面を兼ねている。
【0161】
図示はしないが、熱可塑性樹脂部4と第1導光部20と第2導光部30とが、一体に形成されていてもよい。また、熱可塑性樹脂部4と第1導光部20と第2導光部30とが、それぞれ別体として形成され、第1導光部20が熱可塑性樹脂部4に接合されるとともに、第2導光部30が第1導光部20に接合されていてもよい。
【0162】
本変形例によれば、第2導光部30により、発光素子3からの光を第1導光部20に効率的に導くことができる。このことにより、発光素子3からの光が第1導光部20に到達する前に散逸することを抑制することができる。このため、表示装置1の発光効率の低下を抑制することができる。
【0163】
また、上述した一実施の形態において、
図16に示すように、表示装置1は、熱可塑性樹脂部4の回路基板2の側の面(第2面4b)に設けられた溝部40と、溝部40内に位置し、発光素子3からの光を吸収する光吸収部41と、をさらに含んでいてもよい。
【0164】
図16に示す例においては、熱可塑性樹脂部4の第2面4bに溝部40が形成されている。溝部40は、平面視において、導光部20と重ならない位置に設けられていてもよい。溝部40は、平面視において、回路基板2と重なる位置に設けられていてもよい。溝部40は、回路基板2の貫通孔2cの周囲に設けられていてもよい。この場合、溝部40は、回路基板2の貫通孔2cを囲むように円環状の平面形状を有していてもよい。また、溝部40は、第1方向X(または第2方向Y)において、回路基板2の貫通孔2cの両側に設けられていてもよい。この場合、溝部40は、第2方向Y(または第1方向X)に延びる矩形状の平面形状を有していてもよい。
【0165】
図16に示すように、溝部40は、テーパ状の断面形状を有していてもよい。すなわち、溝部40は、第3方向Zにおいて、熱可塑性樹脂部4の第2面4bから第1面4aに近づくにつれて、第1方向X(または第2方向Y)における長さが小さくなっていてもよい。しかしながら、このことに限られることはなく、溝部40は、矩形状の断面形状を有していてもよい。
【0166】
溝部40の深さは、熱可塑性樹脂部4の最大厚さの20%以上であってもよく、50%以上であってもよい。溝部40の深さは、熱可塑性樹脂部4の最大厚さの90%以下であってもよく、80%以下あってもよい。
【0167】
また、
図16に示す例においては、溝部40内に光吸収部41が位置している。溝部40内は、光吸収部41で充填されていてもよい。光吸収部41は、発光素子3からの光を吸収する。すなわち、光吸収部41は、可視光吸収性を有している。光吸収部41は、着色されていてもよい。光吸収部41は、バインダー樹脂部と、バインダー樹脂部に保持され、可視光吸収性を有した色材と、を含んでいてもよい。バインダー樹脂部は、熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。バインダー樹脂部は、硬化性樹脂組成物の硬化物を含んでいてもよい。硬化性樹脂組成物は、電離放射線硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂の一以上を含んでいてもよい。電離放射線硬化性樹脂は、紫外線硬化性樹脂及び電子線放射線樹脂を含んでいてもよい。
【0168】
光吸収部41は、熱可塑性樹脂部4に形成された溝部40内に、光吸収部41を形成する組成物を流し込むことによって、作製されてもよい。あるいは、熱可塑性樹脂部4及び光吸収部41が、熱可塑性樹脂部4及び光吸収部41の一方を形成する第1の射出成形と、熱可塑性樹脂部4及び光吸収部41の他方を形成する第2の射出成形と、を含む射出成形によって作製されてもよい。
【0169】
本変形例によれば、光吸収部41により、発光素子3からの光が平面内に広がることを抑制することができる。このため、例えば、表示装置1が複数の発光素子3を含み、隣接する複数の画像を表示するように構成されている場合、発光素子3の光が隣接する他の画像の領域に向かい、意図しない画像が表示されることを抑制することができる。
【0170】
また、上述した一実施の形態においては、表示装置1がタッチセンサ電極11を含んでいる例について説明した(
図2参照)。しかしながら、このことに限られることはなく、
図17に示すように、表示装置1はタッチセンサ電極11を含んでいなくてもよい。
【0171】
図17に示す例においては、熱可塑性樹脂部4の第1面4a上にタッチセンサ層10は位置していない。熱可塑性樹脂部4の第1面4a上には、透明シート層13、加飾層14、遮光層15及び平坦化層17が位置している。加飾層14は、熱可塑性樹脂部4と透明シート層13との間に位置している。加飾層14は、遮光層15と透明シート層13との間に位置していてもよい。遮光層15は、熱可塑性樹脂部4と透明シート層13との間に位置している。遮光層15は、平坦化層17と加飾層14との間に位置していてもよい。平坦化層17は、熱可塑性樹脂部4と遮光層15との間に位置していてもよい。このように、熱可塑性樹脂部4の第1面4a上に、熱可塑性樹脂部4の側から、平坦化層17、遮光層15、加飾層14及び透明シート層13がこの順で積層されていてもよい。
【0172】
なお、平坦化層17は設けられていなくてもよい。また、
図17に示すように、加飾層14及び遮光層15の両方が設けられていてもよいが、加飾層14及び遮光層15のうちのいずれかが設けられていなくてもよい。例えば、加飾層14が設けられ、遮光層15が設けられていなくてもよい。また例えば、遮光層15が設けられ、加飾層14が設けられていなくてもよい。
【0173】
この場合、導光部20の反射面22は、入射面21から入射した光を加飾層14及び/又は遮光層15に向かって反射させる。
【0174】
本変形例によれば、発光素子3から照射された光を、導光部20の入射面21から入射させ、導光部20の反射面22で反射させて、加飾層14及び/又は遮光層15に導くことができる。このような導光部20により、表示装置1を、光が斜め方向に放出されることを抑制する構成とすることができる。このため、表示装置1の視野角依存性を改善することができる。
【0175】
また、上述した一実施の形態においては、表示装置1が単一の発光素子3を含んでいる例について説明した(
図2参照)。しかしながら、このことに限られることはなく、
図18に示すように、表示装置1は、複数の発光素子3を含んでいてもよい。この場合、表示装置1は、発光素子3の各々に対応する複数の導光部20を含んでいてもよい。
【0176】
図18に示す例においては、表示装置1は、3つの発光素子3を含んでいる。各発光素子3は、第1方向Xに沿って配置されている。表示装置1は、3つの発光素子3の各々に対応する3つの導光部20を含んでいる。すなわち、熱可塑性樹脂部4から3つの導光部20が突出している。回路基板2は、導光部20の各々に対応する3つの貫通孔2cを有している。導光部20の各々は、熱可塑性樹脂部4から回路基板2の対応する貫通孔2cを通って発光素子3の側に突出している。
【0177】
また、表示装置1は、発光素子3の各々あるいは導光部20の各々に対応する複数のタッチセンサ電極11を含んでいてもよい。また、遮光層15には、タッチセンサ電極11の各々に対応する複数の開口部16が形成されていてもよい。複数の開口部16は、単一の画像の表示に用いられてもよいし、互いに異なる画像の表示に用いられてもよい。
【0178】
各導光部20は、発光素子3からの光が入射する入射面21と、入射面21から入射した光がタッチセンサ電極11に向かって反射する反射面22と、入射面21とは反対側に位置し、発光素子3と向き合う素子対向面23と、を有している。発光素子3の各々から照射された光は、対応する導光部20の入射面21から入射し、対応する導光部20の反射面22及び素子対向面23において反射され、熱可塑性樹脂部4内を通って対応するタッチセンサ電極11に導かれるようになっている。熱可塑性樹脂部4から出射した光の各々は、対応するタッチセンサ電極11を透過した後、平坦化層17を透過して遮光層15の対応する開口部16を通過し、加飾層14及び透明シート層13を透過して外部に放出されるようになっている。これにより、表示装置1の各タッチセンサ電極11に対応する位置に、対応する画像が表示される。
【0179】
本変形例によれば、複数の発光素子3に対しても、複数の導光部20により、発光素子3の各々から照射された光を対応するタッチセンサ電極11に導くことができる。このことにより、表示装置1を、光が斜め方向に放出されることを抑制する構成とすることができる。このため、表示装置1の視野角依存性を改善することができる。
【0180】
なお、この場合においても、
図19に示すように、表示装置1はタッチセンサ電極11を含んでいなくてもよい。すなわち、熱可塑性樹脂部4の第1面4a上にタッチセンサ層10が位置していなくてもよい。
図19に示す例においては、熱可塑性樹脂部4の第1面4a上に、熱可塑性樹脂部4の側から、平坦化層17、遮光層15、加飾層14及び透明シート層13がこの順で積層されている。なお、
図19に示す例においては、平坦化層17が設けられているが、平坦化層17は設けられていなくてもよい。また、
図19に示す例においては、加飾層14及び遮光層15の両方が設けられているが、加飾層14及び遮光層15のうちのいずれかが設けられていなくてもよい。例えば、加飾層14が設けられ、遮光層15が設けられていなくてもよい。また例えば、遮光層15が設けられ、加飾層14が設けられていなくてもよい。
【0181】
また、上述した一実施の形態においては、回路基板2が貫通孔2cを有し、導光部20は、熱可塑性樹脂部4から回路基板2の貫通孔2cを通って発光素子3の側に突出している例について説明した(
図2参照)。しかしながら、このことに限られることはなく、
図20に示すように、回路基板2は、貫通孔2cを有していなくてもよく、導光部20は、回路基板2の第2面2b上に位置していてもよい。
【0182】
図20に示す例においては、回路基板2は、貫通孔2cを有していない。また、導光部20は、熱可塑性樹脂部4とは別体として形成されている。熱可塑性樹脂部4は、回路基板2の第1面2a上に位置しており、導光部20は、回路基板2の第2面2b上に位置している。すなわち、導光部20と熱可塑性樹脂部4との間に、回路基板2が介在している。
【0183】
導光部20は、射出成形によって作製されてもよい。とりわけ、導光部20は、インサート成形により、回路基板2と一体化していてもよい。すなわち、インサート成形により、導光部20と回路基板2とが溶着していてもよい。しかしながら、このことに限られることはなく、導光部20は、接着剤や粘着剤等の接合材により回路基板2に接合されていてもよい。
【0184】
この場合、回路基板2は、透明であってもよい。回路基板2の基材は、熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。熱可塑性樹脂としては、ポリイミド(PI)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等が例示される。
【0185】
本実施の形態によれば、表示装置1は、回路基板2の第2面2b上に位置し、発光素子3からの光を導く導光部20を含んでいる。導光部20は、発光素子3からの光が入射する入射面21と、入射面21から入射した光がタッチセンサ電極11に向かって反射する反射面22と、を有している。このことにより、発光素子3から照射された光を、導光部20の入射面21から入射させ、導光部20の反射面22で反射させて、その後、回路基板2及び熱可塑性樹脂部4を透過させて、タッチセンサ電極11に導くことができる。このような導光部20により、表示装置1を、光が斜め方向に放出されることを抑制する構成とすることができる。このため、表示装置1の視野角依存性を改善することができる。
【0186】
以上において、上述した一実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を少なくとも部分的に適宜組み合わせて適用することも可能である。
【符号の説明】
【0187】
1:表示装置、2:回路基板、3:発光素子、4:熱可塑性樹脂部、11:タッチセンサ電極、13:透明シート層、14:加飾層、15:遮光層、17:平坦化層、19:光拡散層、20:導光部(第1導光部)、21:入射面、22:反射面、23:素子対向面、24:凸部、25:凹部、30:導光部(第2導光部)、40:溝部、41:光吸収部