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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024105059
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 13/18 20060101AFI20240730BHJP
【FI】
G09F13/18 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023009600
(22)【出願日】2023-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100198029
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 力
(72)【発明者】
【氏名】森戸 秀
【テーマコード(参考)】
5C096
【Fターム(参考)】
5C096AA01
5C096BA02
5C096CB01
5C096CC06
5C096CD05
5C096CD32
5C096CE06
5C096CE26
5C096FA08
5C096FA11
5C096FA12
(57)【要約】
【課題】発光効率の低下を抑制する。
【解決手段】表示装置は、第1面と、第1面とは反対側に位置する第2面と、第1面から第2面に貫通した貫通孔と、を有する回路基板と、回路基板の第2面上に位置する発光素子と、回路基板の第2面上に位置する、センシング機能を有する受信素子と、回路基板の第1面上に貫通孔を跨ぐように位置する熱可塑性樹脂部と、熱可塑性樹脂部から回路基板の貫通孔を通って発光素子の側に突出し、発光素子からの光を熱可塑性樹脂部に導く第1導光部と、発光素子と第1導光部との間で受信素子を跨ぐように位置し、発光素子からの光を第1導光部に導く第2導光部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と、前記第1面とは反対側に位置する第2面と、前記第1面から前記第2面に貫通した貫通孔と、を有する回路基板と、
前記回路基板の前記第2面上に位置する発光素子と、
前記回路基板の前記第2面上に位置する、センシング機能を有する受信素子と、
前記回路基板の前記第1面上に前記貫通孔を跨ぐように位置する熱可塑性樹脂部と、
前記熱可塑性樹脂部から前記回路基板の前記貫通孔を通って前記発光素子の側に突出し、前記発光素子からの光を前記熱可塑性樹脂部に導く第1導光部と、
前記発光素子と前記第1導光部との間で前記受信素子を跨ぐように位置し、前記発光素子からの光を前記第1導光部に導く第2導光部と、を備える、表示装置。
【請求項2】
前記第1導光部は、前記熱可塑性樹脂部と一体に形成されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第2導光部は、前記第1導光部とは別体として形成され、前記第1導光部に接合されている、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1導光部は、前記熱可塑性樹脂部とは別体として形成され、前記熱可塑性樹脂部に接合されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第2導光部は、前記第1導光部と一体に形成されている、請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1導光部は、入射した光を前記熱可塑性樹脂部に向けて反射する反射面を有する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記反射面は、凹部又は凸部を有する、請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
複数の前記凹部又は凸部が、前記反射面上に規則的に並んでいる、請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
複数の前記凹部又は凸部のうちの一の前記凹部又は凸部の平面面積は、当該凹部又は凸部よりも前記発光素子に近い位置に配置された他の前記凹部又は凸部の平面面積よりも大きい、請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記凹部又は凸部は、厚み方向に平行な断面で見たときに、多角形の断面形状を有する、請求項7に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第1導光部は、前記第2導光部とは反対側に位置し、前記第2導光部と向き合う対向面を有する、請求項6に記載の表示装置。
【請求項12】
前記反射面及び前記対向面に、反射膜が形成されている、請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
前記熱可塑性樹脂部上に位置し、前記発光素子からの光を遮光する遮光層であって、前記発光素子からの光が通過する開口部が形成された遮光層をさらに備える、請求項1に記載の表示装置。
【請求項14】
前記熱可塑性樹脂部上に位置する加飾層をさらに備える、請求項1に記載の表示装置。
【請求項15】
前記加飾層の可視光線透過率は、0.5%以上30%以下である、請求項14に記載の表示装置。
【請求項16】
前記熱可塑性樹脂部は、前記発光素子からの光を拡散する光拡散機能を有する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項17】
前記発光素子からの光を拡散する光拡散機能を有する光拡散層をさらに備える、請求項1に記載の表示装置。
【請求項18】
前記熱可塑性樹脂部の前記回路基板の側の面に設けられた溝部と、
前記溝部内に位置し、前記発光素子からの光を吸収する光吸収部と、をさらに備える、請求項1に記載の表示装置。
【請求項19】
前記受信素子は、前記貫通孔を囲むように位置する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項20】
第1面と、前記第1面とは反対側に位置する第2面と、を有する透明な回路基板と、
前記回路基板の前記第2面上に位置する発光素子と、
前記回路基板の前記第2面上に位置する、センシング機能を有する受信素子と、
前記回路基板の前記第1面上に位置する熱可塑性樹脂部と、
前記回路基板の前記第2面上に位置し、前記発光素子からの光を前記回路基板を透過させて前記熱可塑性樹脂部に導く第1導光部と、
前記発光素子と前記第1導光部との間で前記受信素子を跨ぐように位置し、前記発光素子からの光を前記第1導光部に導く第2導光部と、を備える、表示装置。
【請求項21】
前記第2導光部は、前記第1導光部と一体に形成されている、請求項20に記載の表示装置。
【請求項22】
前記受信素子は、アンテナコイル又はタッチセンサである、請求項1~21のいずれか一項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されているように、基材の裏面上に配置された発光素子から光を照射して、基材の裏面に接合された光導波路を伝播させて、所望の位置で基材の表面に向けて光を放出して画像を表示する表示装置が知られている。
【0003】
しかしながら、基材の裏面上に近距離無線通信のアンテナコイル等のセンシング機能を有する受信素子を配置し、その受信素子に囲まれた位置に画像を表示させる場合、受信素子の存在により、基材の裏面に光導波路を接合することが困難になり得る。このため、発光素子からの光を基材の表面に効率よく導くことができず、表示装置の発光効率が低下するおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6522658号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、このような点を考慮してなされたものであり、発光効率の低下を抑制することができる表示装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施の形態による表示装置は、第1面と、第1面とは反対側に位置する第2面と、第1面から第2面に貫通した貫通孔と、を有する回路基板と、回路基板の第2面上に位置する発光素子と、回路基板の第2面上に位置する、センシング機能を有する受信素子と、回路基板の第1面上に貫通孔を跨ぐように位置する熱可塑性樹脂部と、熱可塑性樹脂部から回路基板の貫通孔を通って発光素子の側に突出し、発光素子からの光を熱可塑性樹脂部に導く第1導光部と、発光素子と第1導光部との間で受信素子を跨ぐように位置し、発光素子からの光を第1導光部に導く第2導光部と、を備える。
【0007】
本開示の一実施の形態による表示装置は、第1面と、第1面とは反対側に位置する第2面と、を有する透明な回路基板と、記回路基板の第2面上に位置する発光素子と、回路基板の第2面上に位置する、センシング機能を有する受信素子と、回路基板の第1面上に位置する熱可塑性樹脂部と、回路基板の第2面上に位置し、発光素子からの光を回路基板を透過させて熱可塑性樹脂部に導く第1導光部と、発光素子と第1導光部との間で受信素子を跨ぐように位置し、発光素子からの光を第1導光部に導く第2導光部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、発光効率の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本開示の一実施の形態による表示装置を示す平面図である。
図2図2は、図1の表示装置の一部を拡大して示す断面図である。
図3図3は、図2に示される第1導光部の反射面を拡大して示す断面図である。
図4図4は、図3の反射面の平面図である。
図5図5は、図4の一変形例を示す平面図である。
図6図6は、図3の一変形例を示す断面図である。
図7図7は、図3の一変形例を示す断面図である。
図8図8は、図3の一変形例を示す断面図である。
図9図9は、図2の一変形例を示す断面図である。
図10図10は、図2の一変形例を示す断面図である。
図11図11は、図2の一変形例を示す断面図である。
図12図12は、図2の一変形例を示す断面図である。
図13図13は、図2の一変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書において、形状及び幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「垂直」、「直交」、「同一」等の用語、長さ、角度の値等については、厳密な意味に限定されることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈する。
【0011】
本明細書において、「基板」、「基材」、「板」、「シート」、「フィルム」等の用語は、呼称の違いのみによって互いから区別されない。
【0012】
本明細書において、ある部材又はある領域等のある構成が、他の部材又は他の領域等の他の構成の「上に」や「下に」、「上側に」や「下側に」、又は「上方に」や「下方に」とする場合、ある構成が他の構成に直接的に接している場合を含む。さらに、ある構成と他の構成との間に別の構成が含まれている場合、つまり間接的に接している場合も含む。特別な説明が無い限りは、「上」や「上側」や「上方」、又は、「下」や「下側」や「下方」という語句は、上下方向が逆転してもよい。
【0013】
本明細書において、あるパラメータに関して複数の上限値の候補及び複数の下限値の候補が挙げられている場合、そのパラメータの数値範囲は、任意の1つの上限値の候補と任意の1つの下限値の候補とを組み合わせることによって構成されてもよい。一例として、「パラメータBは、A1以上であってもよく、A2以上であってもよく、A3以上であってもよい。パラメータBは、A4以下であってもよく、A5以下であってもよく、A6以下であってもよい。」との記載について検討する。この例において、パラメータBの数値範囲は、A1以上A4以下であってもよく、A1以上A5以下であってもよく、A1以上A6以下であってもよく、A2以上A4以下であってもよく、A2以上A5以下であってもよく、A2以上A6以下であってもよく、A3以上A4以下であってもよく、A3以上A5以下であってもよく、A3以上A6以下であってもよい。
【0014】
本明細書及び本図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号又は類似の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。図面の寸法比率は説明の都合上実際の比率とは異なる場合や、構成の一部が図面から省略される場合がある。
【0015】
本開示の第1の態様は、
第1面と、前記第1面とは反対側に位置する第2面と、前記第1面から前記第2面に貫通した貫通孔と、を有する回路基板と、
前記回路基板の前記第2面上に位置する発光素子と、
前記回路基板の前記第2面上に位置する、センシング機能を有する受信素子と、
前記回路基板の前記第1面上に前記貫通孔を跨ぐように位置する熱可塑性樹脂部と、
前記熱可塑性樹脂部から前記回路基板の前記貫通孔を通って前記発光素子の側に突出し、前記発光素子からの光を前記熱可塑性樹脂部に導く第1導光部と、
前記発光素子と前記第1導光部との間で前記受信素子を跨ぐように位置し、前記発光素子からの光を前記第1導光部に導く第2導光部と、を備える、表示装置である。
【0016】
本開示の第2の態様は、上述した第1の態様による表示装置において、
前記第1導光部は、前記熱可塑性樹脂部と一体に形成されていてもよい。
【0017】
本開示の第3の態様は、上述した第2の態様による表示装置において、
前記第2導光部は、前記第1導光部とは別体として形成され、前記第1導光部に接合されていてもよい。
【0018】
本開示の第4の態様は、上述した第1の態様による表示装置において、
前記第1導光部は、前記熱可塑性樹脂部とは別体として形成され、前記熱可塑性樹脂部に接合されていてもよい。
【0019】
本開示の第5の態様は、上述した第4の態様による表示装置において、
前記第2導光部は、前記第1導光部と一体に形成されていてもよい。
【0020】
本開示の第6の態様は、上述した第1の態様から上述した第5の態様のそれぞれによる表示装置において、
前記第1導光部は、入射した光を前記熱可塑性樹脂部に向けて反射する反射面を有していてもよい。
【0021】
本開示の第7の態様は、上述した第6の態様による表示装置において、
前記反射面は、凹部又は凸部を有していてもよい。
【0022】
本開示の第8の態様は、上述した第7の態様による表示装置において、
複数の前記凹部又は凸部が、前記反射面上に規則的に並んでいてもよい。
【0023】
本開示の第9の態様は、上述した第8の態様による表示装置において、
複数の前記凹部又は凸部のうちの一の前記凹部又は凸部の平面面積は、当該凹部又は凸部よりも前記発光素子に近い位置に配置された他の前記凹部又は凸部の平面面積よりも大きくてもよい。
【0024】
本開示の第10の態様は、上述した第7の態様から上述した第9の態様のそれぞれによる表示装置において、
前記凹部又は凸部は、厚み方向に平行な断面で見たときに、多角形の断面形状を有していてもよい。
【0025】
本開示の第11の態様は、上述した第6の態様から上述した第10の態様のそれぞれによる表示装置において、
前記第1導光部は、前記第2導光部とは反対側に位置し、前記第2導光部と向き合う対向面を有していてもよい。
【0026】
本開示の第12の態様は、上述した第11の態様による表示装置において、
前記反射面及び前記対向面に、反射膜が形成されていてもよい。
【0027】
本開示の第13の態様は、上述した第1の態様から上述した第12の態様のそれぞれによる表示装置において、
前記熱可塑性樹脂部上に位置し、前記発光素子からの光を遮光する遮光層であって、前記発光素子からの光が通過する開口部が形成された遮光層をさらに備えていてもよい。
【0028】
本開示の第14の態様は、上述した第1の態様から上述した第13の態様のそれぞれによる表示装置において、
前記熱可塑性樹脂部上に位置する加飾層をさらに備えていてもよい。
【0029】
本開示の第15の態様は、上述した第14の態様による表示装置において、
前記加飾層の可視光線透過率は、0.5%以上30%以下であってもよい。
【0030】
本開示の第16の態様は、上述した第1の態様から上述した第15の態様のそれぞれによる表示装置において、
前記熱可塑性樹脂部は、前記発光素子からの光を拡散する光拡散機能を有していてもよい。
【0031】
本開示の第17の態様は、上述した第1の態様から上述した第16の態様のそれぞれによる表示装置において、
前記発光素子からの光を拡散する光拡散機能を有する光拡散層をさらに備えていてもよい。
【0032】
本開示の第18の態様は、上述した第1の態様から上述した第17の態様のそれぞれによる表示装置において、
前記熱可塑性樹脂部の前記回路基板の側の面に設けられた溝部と、
前記溝部内に位置し、前記発光素子からの光を吸収する光吸収部と、をさらに備えていてもよい。
【0033】
本開示の第19の態様は、上述した第1の態様から上述した第18の態様のそれぞれによる表示装置において、
前記受信素子は、前記貫通孔を囲むように位置してもよい。
【0034】
本開示の第20の態様は、
第1面と、前記第1面とは反対側に位置する第2面と、を有する透明な回路基板と、
前記回路基板の前記第2面上に位置する発光素子と、
前記回路基板の前記第2面上に位置する、センシング機能を有する受信素子と、
前記回路基板の前記第1面上に位置する熱可塑性樹脂部と、
前記回路基板の前記第2面上に位置し、前記発光素子からの光を前記回路基板を透過させて前記熱可塑性樹脂部に導く第1導光部と、
前記発光素子と前記第1導光部との間で前記受信素子を跨ぐように位置し、前記発光素子からの光を前記第1導光部に導く第2導光部と、を備える、表示装置である。
【0035】
本開示の第21の態様は、上述した第20の態様による表示装置において、
前記第2導光部は、前記第1導光部と一体に形成されていてもよい。
【0036】
本開示の第22の態様は、上述した第1の態様から上述した第21の態様のそれぞれによる表示装置において、
前記受信素子は、アンテナコイル又はタッチセンサであってもよい。
【0037】
以下、本開示の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は本開示の実施形態の一例であって、本開示はこれらの実施形態のみに限定して解釈されない。
【0038】
図1図4を用いて、本開示の一実施の形態による表示装置について説明する。
【0039】
図1は、表示装置1の一例を概略的に示す平面図である。図2は、図1の表示装置1の一部を拡大して示す断面図である。表示装置1は、種々の用途に適用され得る。表示装置1は、移動体の内装又は外装に適用されてもよい。移動体としては、自動車、バイク、自転車、三輪車、電車、航空機、船舶、雪上車、ロボット、ドローン等が例示される。表示装置1は、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、テレビ、食洗器等の電化機器に適用されてもよい。表示装置1は、壁、扉、天井等の建物の内装又は外装に適用されてもよい。
【0040】
図1に示すように、表示装置1は、全体的に、第1方向Xと、第1方向Xに直交する第2方向Yと、に広がっている。表示装置1は、第1方向X及び第2方向Yの両方に直交する第3方向Zに厚み方向を有している。本明細書において、表示装置1を構成する部材を第3方向Zに沿って見ることを、平面視とも称する。
【0041】
図1及び図2に示すように、表示装置1は、回路基板2と、発光素子3と、アンテナコイル4(受信素子の一例)と、熱可塑性樹脂部5と、第1導光部20と、第2導光部30と、を含んでいる。表示装置1は、任意で、遮光層10と、加飾層12と、を含んでいてもよい。
【0042】
図1及び図2に示すように、回路基板2は、第1方向Xと第2方向Yとに広がるシート状の部材であってもよい。回路基板2は、柔軟性を有するフレキシブルプリント基板(FPC)であってもよい。この場合、後述する熱可塑性樹脂部5の形状に応じて、回路基板2を変形することができる。このため、熱可塑性樹脂部5の形状の自由度を向上させることができる。また、表示装置1の設置場所の自由度を向上させることができる。なお、回路基板2は、高い剛性を有する板状のリジット基板であってもよい。
【0043】
図2に示すように、回路基板2は、第1面2aと、第2面2bと、を有している。第1面2aは、表示装置1の使用時に、観察者の側を向く面である。第1面2aは、回路基板2の表面に相当する。第2面2bは、第1面2aとは反対側に位置している。第2面2bは、回路基板2の裏面に相当する。また、回路基板2は、貫通孔2cを有している。貫通孔2cは、第1面2aから第2面2bに貫通している。貫通孔2cは、後述する熱可塑性樹脂部5から突出した第1導光部20が通過する部分である。
【0044】
図1に示すように、回路基板2に、導電性パターン6が形成されていてもよい。導電性パターン6は、後述する発光素子3を、外部接続端子7を介して表示装置1の外部に配置された外部回路と電気的に接続する。導電性パターン6は、後述するアンテナコイル4と交差しないように配置されていてもよい。導電性パターン6は、導電性を有する材料を含んでいてもよい。例えば、導電性パターン6は、金属を含んでいてもよい。金属としては、銅、銀、スズ、アルミニウム、ニッケル等が例示される。
【0045】
回路基板2の基材は、絶縁性を有する材料を含んでいる。例えば、回路基板2の基材は、熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。熱可塑性樹脂としては、ポリイミド(PI)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)等が例示される。また、上述した導電性パターン6は、絶縁層により覆われていてもよい。絶縁層は、回路基板2の基材と同一の材料を含んでいていてもよい。
【0046】
回路基板2の厚さは、50μm以上であってもよく、100μm以上であってもよく、300μm以上であってもよい。回路基板2の厚さは、5000μm以下であってもよく、3000μm以下であってもよい。
【0047】
図2に示すように、発光素子3は、回路基板2の第2面2b上に位置している。発光素子3は、はんだ等の接合材により回路基板2の第2面2bに接合されていてもよい。発光素子3は、回路基板2の導電性パターン6に電気的に接続されていてもよい。発光素子3は、光を照射可能に構成されている。発光素子3は、外部接続端子7に接続された導電性パターン6を介して外部から電力が供給されることで発光する。発光素子3は、後述する第2導光部30の入射面31に向けて光を照射する。発光素子3は、例えば、発光ダイオード(LED)であってもよい。
【0048】
図2に示すように、アンテナコイル4は、回路基板2の第2面2b上に位置している。図1及び図2に示すように、アンテナコイル4は、回路基板2の貫通孔2cの周囲に位置し、貫通孔2cを囲んでいる。すなわち、アンテナコイル4は、回路基板2の第2面2b上に貫通孔2cを囲むように位置している。図示された例においては、アンテナコイル4は、貫通孔2cの周囲に一周巻かれているが、二周以上巻かれていてもよい。アンテナコイル4は、発光素子3と後述する第1導光部20との間を横切っている。すなわち、アンテナコイル4の一部は、発光素子3と後述する第1導光部20との間に位置している。アンテナコイル4は、接着剤や粘着剤等の接合材により回路基板2の第2面2bに接合されていてもよい。
【0049】
アンテナコイル4は、近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)に用いられるNFCアンテナのコイルであってもよい。アンテナコイル4は、外部機器からの磁界により誘導電流が発生するように構成されていてもよい。アンテナコイル4は、外部接続端子8を介して外部回路に電気的に接続されていてもよい。アンテナコイル4は、外部接続端子8を介して外部回路に電力を供給してもよい。また、発光素子3とアンテナコイル4とは、外部回路を介して互いに電気的に接続されていてもよい。例えば、アンテナコイル4に誘導電流が流れ、近距離無線通信が行われた際に、発光素子3が発光するようになっていてもよい。
【0050】
図2に示すように、熱可塑性樹脂部5は、回路基板2の第1面2a上に位置している。熱可塑性樹脂部5は、回路基板2の貫通孔2cを跨ぐように位置している。すなわち、熱可塑性樹脂部5は、回路基板2の第1面2a上に貫通孔2cを跨ぐように位置している。図1及び図2に示すように、熱可塑性樹脂部5は、回路基板2の貫通孔2cの全体を覆っていてもよい。
【0051】
図2に示すように、熱可塑性樹脂部5は、第1面5aと、第2面5bと、を有している。第1面5aは、表示装置1の使用時に、観察者の側を向く面である。第2面5bは、第1面5aとは反対側に位置している。第2面5bは、回路基板2の側を向く面である。熱可塑性樹脂部5の第2面5bが、回路基板2の第1面2aと接触していてもよい。
【0052】
図2に示すように、回路基板2と熱可塑性樹脂部5との接触部分9は、平坦であってもよい。すなわち、回路基板2の第1面2aが平坦である場合、熱可塑性樹脂部5の第2面5bも平坦であってもよく、回路基板2の第1面2aの平坦な部分と熱可塑性樹脂部5の第2面5bの平坦な部分とが接触していてもよい。しかしながら、このことに限られることはなく、回路基板2と熱可塑性樹脂部5との接触部分9は、一方向に湾曲した曲面であってもよい。この場合、表示装置1の設置場所の自由度を向上させることができる。
【0053】
熱可塑性樹脂部5は、射出成形によって作製されてもよい。熱可塑性樹脂部5は、インサート成形により、回路基板2と一体化していてもよい。すなわち、インサート成形により、熱可塑性樹脂部5と回路基板2とが溶着していてもよい。しかしながら、このことに限られることはなく、熱可塑性樹脂部5は、接着剤や粘着剤等の接合材により回路基板2に接合されていてもよい。
【0054】
熱可塑性樹脂部5は、射出成形可能な光透過性を有する熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。このような熱可塑性樹脂としては、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDF)、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン・ビニルアルコール共重合体(EVOH)等のビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸メチル(PMMA)、ポリ(メタ)アクリル酸エチル(PEMA)等のアクリル系樹脂、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリアセタール(POM)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアミド(PA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスチレン(PS)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、アクリルニトリル・スチレン共重合体(AS)、アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、アクリルニトリル・エチレン・スチレン共重合体(AES)、ポリカーボネート(PC)等の樹脂等が例示される。熱可塑性樹脂部5は、着色材を含んでいてもよい。すなわち、熱可塑性樹脂部5は、着色されていてもよい。着色材としては、顔料や染料が例示される。熱可塑性樹脂部5は、スモーク着色されていてもよい。
【0055】
熱可塑性樹脂部5は、透明であってもよい。「透明」とは、可視光透過率が50%以上であることを意味する。
【0056】
熱可塑性樹脂部5の可視光線透過率は、0.1%以上であってもよく、1%以上であってもよい。熱可塑性樹脂部5の可視光線透過率は、50%以下であってもよく、30%以下であってもよい。
【0057】
熱可塑性樹脂部5の可視光線透過率は、平面視で後述する遮光層10の開口部11と重なる位置において第3方向Z(厚み方向)に透過した光を用いて測定される。可視光線透過率は、JIS K 7361に準拠したヘイズメーター(村上色彩技術研究所製、製品番号:HM-150)を用いて、測定波長380nm以上780nm以下の範囲内で、1nm毎に入射角0°で測定したときの、各波長における全光線透過率の平均値である。
【0058】
また、熱可塑性樹脂部5は、発光素子3からの光を拡散する光拡散機能を有していてもよい。すなわち、熱可塑性樹脂部5は、内部を通過する発光素子3からの光の光路を変更し得る光拡散成分を含んでいてもよい。光拡散成分は、光拡散成分を含む要素の材料の屈折率とは異なる屈折率を有していてもよい。光拡散成分は、発光素子3からの光を反射する光反射性を有していてもよい。光拡散成分としては、ガラスビーズ、樹脂ビーズ、金属化合物、気体を含む多孔質物質、気泡等が例示される。この場合、発光素子3からの光を拡散することができ、表示装置1の画像を観察可能な範囲を拡大することができる。
【0059】
熱可塑性樹脂部5の最大厚さは、1mm以上であってもよく、1.5mm以上であってもよい。熱可塑性樹脂部5の最大厚さは、20mm以下であってもよく、10mm以下であってもよい。
【0060】
図2に示すように、遮光層10は、熱可塑性樹脂部5上に位置している。より具体的には、遮光層10は、熱可塑性樹脂部5の第1面5a上に位置している。遮光層10は、熱可塑性樹脂部5と後述する加飾層12との間に位置していてもよい。
【0061】
遮光層10は、発光素子3からの光を遮光する機能を有している。遮光層10の可視光線透過率は、熱可塑性樹脂部5及び加飾層12の可視光線透過率よりも低くなっている。遮光層10の可視光線透過率は、10%以下であってもよく、5%以下であってもよく、2%以下であってもよい。
【0062】
遮光層10は、バインダー樹脂部と、バインダー樹脂部に保持された光吸収粒子と、を含んでいてもよい。光吸収粒子としては、カーボンブラックやチタンブラック等の黒色顔料が例示される。バインダー樹脂部は、絶縁性を有していてもよい。バインダー樹脂部は、熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。バインダー樹脂部は、硬化性樹脂組成物の硬化物を含んでいてもよい。硬化性樹脂組成物は、電離放射線硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂の一以上を含んでいてもよい。電離放射線硬化性樹脂は、紫外線硬化性樹脂及び電子線放射線樹脂を含んでいてもよい。バインダー樹脂部の材料としては、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-アクリル共重合体、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ニトロセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等が例示される。バインダー樹脂部は、これらの材料を、1種単独で含んでいてもよく、2種以上を組合せて含んでいてもよい。
【0063】
遮光層10は、例えば、熱可塑性樹脂部5上に印刷又は転写することによって形成されてもよい。遮光層10の厚さは、0.5μm以上であってもよく、1μm以上であってもよい。遮光層10の厚さは、100μm以下であってもよく、75μm以下であってもよい。
【0064】
図2に示すように、遮光層10には、開口部11が形成されている。開口部11は、発光素子3からの光を通過させる。開口部11は、遮光層10が形成されていない非形成部である。開口部11は、平面視において、後述する第1導光部20の反射面22と重なっていてもよい。開口部11は、第3方向Zにおいて反射面22と向き合っていてもよい。
【0065】
開口部11は、平面視において、表示したい画像の形状と同一の形状を有している。図1に示す例においては、開口部11は、平面視において、アルファベットの「A」の形状を有している。発光素子3からの光は、開口部11を通過する。このため、表示装置1には、「A」が画像として表示される。
【0066】
図2に示すように、加飾層12は、熱可塑性樹脂部5上に位置している。より具体的には、加飾層12は、熱可塑性樹脂部5の第1面5a上に位置している。図2に示すように、加飾層12は、遮光層10上に位置していてもよい。すなわち、加飾層12は、遮光層10を介して熱可塑性樹脂部5上に位置していてもよい。また、加飾層12は、遮光層10の開口部11内に位置していてもよい。加飾層12は、遮光層10の開口部11内に充填されていてもよい。
【0067】
加飾層12は、図形、パターン、デザイン、色彩、絵、写真、キャラクター、マーク、ピクトグラム、文字や数字等の絵柄を、意匠として表示する。加飾層12は、背景を表示する意匠表現を行うこともできる。例えば、加飾層12は、表示装置1が設けられる周辺環境と調和させるために、木目調や大理石調の絵柄、金属調の質感、幾何学模様等を、意匠として表示してもよい。
【0068】
加飾層12は、発光素子3からの光を透過可能であってもよい。すなわち、加飾層12は、透明であってもよい。本明細書において、「透明」とは、可視光線透過率が50%以上であることを意味する。可視光線透過率は、上述したように、ヘイズメーター(村上色彩技術研究所製、製品番号:HM-150)を用いて測定される。
【0069】
加飾層12の可視光線透過率は、0.5%以上であってもよく、3%以上であってもよい。加飾層12の可視光線透過率は、30%以下であってもよく、20%以下であってもよい。
【0070】
加飾層12は、バインダー樹脂部と、バインダー樹脂部に保持された色材と、を含んでいてもよい。色材としては、染料や顔料が例示される。バインダー樹脂部は、絶縁性を有していてもよい。バインダー樹脂部は、熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。バインダー樹脂部は、硬化性樹脂組成物の硬化物を含んでいてもよい。硬化性樹脂組成物は、電離放射線硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂の一以上を含んでいてもよい。電離放射線硬化性樹脂は、紫外線硬化性樹脂及び電子線放射線樹脂を含んでいてもよい。バインダー樹脂部の材料としては、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-アクリル共重合体、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ニトロセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等が例示される。バインダー樹脂部は、これらの材料を、1種単独で含んでもよく、2種以上を組合せて含んでいてもよい。
【0071】
加飾層12は、例えば、熱可塑性樹脂部5上又は遮光層10上に印刷又は転写することによって形成されてもよい。加飾層12の厚さは、0.5μm以上であってもよく、1μm以上であってもよい。加飾層12の厚さは、100μm以下であってもよく、75μm以下であってもよい。ここで、加飾層12の厚さとは、平面視において遮光層10の開口部11と重ならない位置における厚さを意味する。
【0072】
なお、図2に示す例においては、熱可塑性樹脂部5上に、遮光層10及び加飾層12がこの順で積層されているが、これらの積層順は任意である。例えば、熱可塑性樹脂部5上に、加飾層12、遮光層10の順で積層されていてもよい。また、これらの各層は必須の構成要素ではなく、例えば、遮光層10が設けられていなくてもよいし、加飾層12が設けられていなくてもよいし、遮光層10及び加飾層12の両方が設けられていなくてもよい。また、これら以外の層が、熱可塑性樹脂部5上に設けられていてもよい。例えば、加飾層12上に、表示装置1の表面を保護する透明な表面保護層が位置していてもよい。
【0073】
次に、第1導光部20及び第2導光部30について説明する。
【0074】
図2に示すように、第1導光部20は、熱可塑性樹脂部5から回路基板2の貫通孔2cを通って発光素子3の側に突出している。第1導光部20は、熱可塑性樹脂部5の第2面5b上に位置していてもよい。第1導光部20は、発光素子3に対向する位置まで突出していてもよい。第1導光部20は、平面視において、貫通孔2cと重なっていてもよい。第1導光部20は、平面視において、貫通孔2c内に位置していてもよい。第1導光部20は、発光素子3からの光を熱可塑性樹脂部5に導く機能を有している。
【0075】
図2に示すように、第1導光部20は、第3方向Zに平行な断面(XZ断面)で見たときに、矩形の断面形状を有していてもよい。この場合、第1導光部20は、直方体形状を有していてもよい。図2に示すように、第1導光部20は、入射面21と、反射面22と、対向面23と、を有していてもよい。
【0076】
入射面21は、発光素子3からの光が入射する面である。図2に示すように、入射面21は、第1方向Xにおいて後述する第2導光部30の出射面32と向き合っていてもよい。入射面21は、第2導光部30の出射面32と接触していてもよい。入射面21は、熱可塑性樹脂部5の第2面5bに垂直な面であってもよく、第2方向Yと第3方向Zとに広がる平面であってもよい。
【0077】
反射面22は、入射面21から入射した光を熱可塑性樹脂部5に向けて反射する面である。図2に示すように、反射面22は、熱可塑性樹脂部5の側を向いていてもよい。反射面22は、第3方向Z(厚み方向)において遮光層10の開口部11と向き合っていてもよい。反射面22は、入射面21に垂直な面であってもよく、第1方向Xと第2方向Yとに広がる平面であってもよい。
【0078】
対向面23は、第2導光部30とは反対側に位置し、第2導光部30と向き合う面である。図2に示すように、対向面23は、第1方向Xにおいて第2導光部30の出射面32と向き合っていてもよい。対向面23は、入射面21とは反対側に位置している。図2に示すように、対向面23は、第1方向Xにおいて入射面21と向き合っていてもよい。対向面23は、入射面21に平行で且つ反射面22に垂直な面であってもよく、第2方向Yと第3方向Zとに広がる平面であってもよい。
【0079】
反射面22及び対向面23には、反射膜26が形成されていてもよい。反射膜26は、入射面21から入射した光を拡散反射させてもよい。反射膜26は、反射面22及び対向面23に、例えば、白色塗料、あるいはアルミニウム、銀、金等の金属を塗布することによって形成されてもよい。
【0080】
図3は、図2の反射面22を拡大して示す断面図である。図4は、図3の反射面22の平面図である。図3及び図4に示すように、反射面22は、凸部24を有していてもよい。凸部24は、反射面22から第3方向Zにおける外側(図3における下側)に突出している。凸部24は、任意の形状を有していてもよい。図3に示すように、凸部24は、第3方向Zに平行な断面(XZ断面)で見たときに、半円形の断面形状を有していてもよい。この場合、凸部24は、半球形状を有していてもよい。
【0081】
図4に示すように、複数の凸部24が、反射面22上に規則的に並んでいてもよい。例えば、複数の凸部24は、第1方向X及び第2方向Yに沿って等間隔で並んでいてもよい。図4に示す例においては、複数の凸部24は、千鳥状に配置されている。しかしながら、このことに限られることはなく、複数の凸部24の配置方法は任意である。例えば、複数の凸部24は、格子状に配置されていてもよい。
【0082】
複数の凸部24は、互いに同一の寸法及び大きさを有していてもよい。図4に示すように、各凸部24の平面面積(平面視における面積)は、互いに同一であってもよい。図3に示す凸部24の幅W(第1方向Xにおける寸法)は、10μm以上であってもよく、50μm以上であってもよく、100μm以下であってもよい。図3に示す凸部24の幅Wは、2000μm以下であってもよく、1000μm以下であってもよく、500μm以下であってもよい。図3に示す凸部24の高さH(第3方向Zにおける寸法)は、0.5μm以上であってもよく、1μm以上であってもよく、2μm以下であってもよい。図3に示す凸部24の高さHは、2000μm以下であってもよく、1000μm以下であってもよく、500μm以下であってもよい。
【0083】
図4に示す隣り合う凸部24間の間隔Px(第1方向Xの配列ピッチ)は、20μm以上であってもよく、100μm以上であってもよく、200μm以下であってもよい。図4に示す隣り合う凸部24間の間隔Pxは、4000μm以下であってもよく、2000μm以下であってもよく、1000μm以下であってもよい。図4に示す隣り合う凸部24間の間隔Py(第2方向Yの配列ピッチ)は、20μm以上であってもよく、100μm以上であってもよく、200μm以下であってもよい。図4に示す隣り合う凸部24間の間隔Pyは、4000μm以下であってもよく、2000μm以下であってもよく、1000μm以下であってもよい。
【0084】
このような凸部24により、反射面22において入射面21から入射した光を拡散反射させ、光を熱可塑性樹脂部5に向けて効果的に導くことが可能になる。
【0085】
第1導光部20は、熱可塑性樹脂部5と同一の材料を含んでいてもよい。第1導光部20は、射出成形によって作製されてもよい。第1導光部20は、熱可塑性樹脂部5と一体に形成されていてもよい。例えば、第1導光部20と熱可塑性樹脂部5とは、同一材料により一体に成形されて作製されてもよい。射出成形時に、第1導光部20の反射面22に凸部24が形成されてもよい。
【0086】
図2に示すように、第2導光部30は、発光素子3と第1導光部20との間に位置している。第2導光部30は、アンテナコイル4を跨ぐように位置している。すなわち、第2導光部30は、発光素子3と第1導光部20との間でアンテナコイル4を跨ぐように位置している。換言すると、第2導光部30は、平面視において、アンテナコイル4と部分的に重なっている。第2導光部30は、回路基板2の第2面2bから離間していてもよい。第2導光部30は、アンテナコイル4から離間していてもよい。第2導光部30は、第1導光部20に接合されていてもよい。第2導光部30は、第1導光部20の入射面21に、接着剤や粘着剤等の接合材により接合されていてもよい。第2導光部30は、発光素子3からの光を第1導光部20に導く機能を有している。
【0087】
図2に示すように、第2導光部30は、第3方向Zに平行な断面(XZ断面)で見たときに、矩形の断面形状を有していてもよい。この場合、第2導光部30は、直方体形状を有していてもよい。第2導光部30は、第1導光部20よりも小さくてもよい。図2に示すように、第2導光部30の断面面積(XZ断面における面積)は、第1導光部20の断面面積(XZ断面における面積)よりも小さくてもよい。図2に示すように、第2導光部30は、入射面31と、出射面32と、を有していてもよい。
【0088】
入射面31は、発光素子3からの光が入射する面である。図2に示すように、入射面31は、第1方向Xにおいて発光素子3と向き合っていてもよい。入射面31は、発光素子3に近接していてもよい。入射面31は、第1導光部20の入射面21に平行な面であってもよく、第2方向Yと第3方向Zとに広がる平面であってもよい。
【0089】
出射面32は、入射面31から入射した光が出射する面である。出射面32から出射した光は、第1導光部20の入射面21に入射する。図2に示すように、出射面32は、第1方向Xにおいて第1導光部20の入射面31と向き合っていてもよい。出射面32は、第1導光部20の入射面31と接触していてもよい。出射面32は、第1導光部20の入射面21に接合されていてもよい。出射面32は、第1導光部20の入射面21に平行な面であってもよく、第2方向Yと第3方向Zとに広がる平面であってもよい。
【0090】
第2導光部30は、第1導光部20及び熱可塑性樹脂部5と同一の材料を含んでいてもよい。第2導光部30は、射出成形によって作製されてもよい。第2導光部30は、第1導光部20及び熱可塑性樹脂部5とは別体として形成されていてもよい。例えば、第2導光部30は、第1導光部20及び熱可塑性樹脂部5とは別々に成形されて作製されてもよい。そして、別々に作製した第2導光部30を、第1導光部20に接着剤や粘着剤等の接合材により接合してもよい。
【0091】
このような第2導光部30により、発光素子3と第1導光部20との間にアンテナコイル4の一部が位置している場合であっても、発光素子3からの光を第1導光部20に効率的に導くことが可能になる。
【0092】
次に、このような構成からなる表示装置1の作用及び効果について説明する。
【0093】
表示装置1の使用時、外部機器からの磁界によりアンテナコイル4に誘導電流が流れると、発光素子3から光が照射される。発光素子3から照射された光は、入射面31から第2導光部30内に入射する。入射面31から入射した光は、第2導光部30内を通って、出射面32から出射する。このようにして、第2導光部30により、発光素子3からの光が第1導光部20に導かれる。
【0094】
出射面32から出射した光は、入射面21から第1導光部20内に入射する。入射面21から入射した光は、第1導光部20内を通って、反射面22及び対向面23に到達する。ここで、反射面22及び対向面23には、反射膜26が形成されている。このため、反射面22及び対向面23において光が効果的に拡散反射される。また、反射面22には、凸部24が形成されている。このため、反射面22において光が効果的に拡散反射される。拡散反射された光は、第1導光部20内を通って、熱可塑性樹脂部5に導かれる。
【0095】
熱可塑性樹脂部5に導かれた光は、熱可塑性樹脂部5内を通って、熱可塑性樹脂部5から出射し、その後、遮光層10の開口部11を通過するとともに加飾層12を透過して、外部に放出される。このようにして、平面視において表示装置1のアンテナコイル4に囲まれた位置に、画像が表示される。
【0096】
本実施の形態によれば、表示装置1は、発光素子3と第1導光部20との間でアンテナコイル4を跨ぐように位置し、発光素子3からの光を第1導光部20に導く第2導光部30を含んでいる。このことにより、発光素子3と第1導光部20との間にアンテナコイル4の一部が位置している場合であっても、発光素子3からの光を第1導光部20に効率的に導くことができる。このため、発光素子3からの光が第1導光部20に到達する前に散逸することを抑制することができる。この結果、表示装置1の発光効率の低下を抑制することができる。
【0097】
また、本実施の形態によれば、第1導光部20は、熱可塑性樹脂部5と一体に形成されている。このことにより、表示装置1の製造時に、第1導光部20を別途作製すること、及び別途作製した第1導光部20を熱可塑性樹脂部5に接合することを不要にすることができる。このため、表示装置1の製造コストの増大を抑制することができる。
【0098】
また、本実施の形態によれば、第2導光部30は、第1導光部20とは別体として形成され、第1導光部20に接合されている。このことにより、第2導光部30が第1導光部20及び熱可塑性樹脂部5と一体に形成されている場合に比べて、表示装置1の製造を容易化することができる。
【0099】
また、本実施の形態によれば、第1導光部20は、入射した光を熱可塑性樹脂部5に向けて反射する反射面22を有している。このことにより、入射した光を反射面22において反射させることで、光を熱可塑性樹脂部5に向けて効率的に導くことができる。このため、表示装置1の発光効率の低下をより一層抑制することができる。
【0100】
また、本実施の形態によれば、反射面22は、凸部24を有している。このことにより、入射した光を、反射面22において効果的に拡散反射させることができる。このため、光を熱可塑性樹脂部5に向けてより一層効率的に導くことができる。
【0101】
また、本実施の形態によれば、複数の凸部24が、反射面22上に規則的に並んでいる。このことにより、入射した光を、反射面22においてより一層効果的に拡散反射させることができる。
【0102】
また、本実施の形態によれば、第1導光部20は、第2導光部30とは反対側に位置し、第2導光部30と向き合う対向面23を有している。このことにより、第1導光部20の反射面22を熱可塑性樹脂部5の側に向ける構成にすることができる。このため、反射面22で反射された光を、熱可塑性樹脂部5に向けて効率的に導くことができる。
【0103】
また、本実施の形態によれば、反射面22及び対向面23に、反射膜26が形成されている。このことにより、入射した光を、反射面22及び対向面23において効果的に拡散反射させることができる。このため、光を熱可塑性樹脂部5に向けてより一層効率的に導くことができる。
【0104】
また、本実施の形態によれば、表示装置1は、熱可塑性樹脂部5上に位置し、発光素子3からの光を遮光する遮光層10であって、発光素子3からの光が通過する開口部11が形成された遮光層10を含んでいる。このことにより、表示装置1に、開口部11の形状に対応した所望の画像を表示することができる。
【0105】
また、本実施の形態によれば、表示装置1は、熱可塑性樹脂部5上に位置する加飾層12を含んでいる。このことにより、表示装置1に、所望の絵柄等を、意匠として表示することができる。このため、表示装置1の意匠性を向上させることができる。
【0106】
また、本実施の形態によれば、熱可塑性樹脂部5は、発光素子3からの光を拡散する光拡散機能を有している。このことにより、発光素子3からの光を拡散することができ、表示装置1の画像を観察可能な範囲を拡大することができる。このため、表示装置1の視野角依存性を改善することができる。
【0107】
以上述べた実施の形態によれば、発光効率の低下を抑制することができる。
【0108】
以上において、具体例を参照しながら一実施の形態を説明してきたが、上述した具体例が一実施の形態を限定することを意図していない。上述した一実施の形態は、その他の様々な具体例で実施されることが可能であり、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、追加を行うことができる。
【0109】
以下、図面を参照しながら、変形の一例について説明する。以下の説明及び以下の説明で用いる図面では、上述した具体例と同様に構成され得る部分について、上述の具体例における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いるとともに、重複する説明を省略する。
【0110】
上述した一実施の形態においては、各凸部24の平面面積が、互いに同一である例について説明した(図4参照)。しかしながら、このことに限られることはなく、図5に示すように、各凸部24の平面面積は、互いに異なっていてもよい。
【0111】
図5に示す例においては、凸部24の平面面積は、発光素子3に近いほど小さくなり、発光素子3から離れるほど大きくなっている。すなわち、発光素子3から離れた位置(図5における左側)に配置された凸部24の平面面積は、発光素子3に近い位置(図5における右側)に配置された凸部24の平面面積よりも大きくなっている。換言すると、複数の凸部24のうちの一の凸部24の平面面積は、当該凸部24よりも発光素子3に近い位置に配置された他の凸部24の平面面積よりも大きい。
【0112】
本変形例によれば、発光素子3から離れた位置の凸部24を発光素子3に近い位置の凸部24よりも大きくすることにより、発光素子3から離れた、光の反射量が少ない位置において、反射性能を向上させることができる。このことにより、発光素子3からの光の光量を、平面内(XY平面内)において均一化することができる。このため、表示装置1に表示される画像の輝度を均一化することができる。
【0113】
また、上述した一実施の形態においては、反射面22が、凸部24を有している例について説明した(図3参照)。しかしながら、このことに限られることはなく、図6に示すように、反射面22は、凹部25を有していてもよい。
【0114】
図6に示す例においては、凹部25は、反射面22から第3方向Zにおける内側(図6における上側)に凹んでいる。凹部25は、任意の形状を有していてもよい。図6に示すように、凹部25は、第3方向Zに平行な断面(XZ断面)で見たときに、半円形の断面形状を有していてもよい。この場合、凹部25は、半球形状を有していてもよい。
【0115】
凸部24と同様に、複数の凹部25が、反射面22上に規則的に並んでいてもよい。また、図5に示す例と同様に、複数の凹部25のうちの一の凹部25の平面面積は、当該凹部25よりも発光素子3に近い位置に配置された他の凹部25の平面面積よりも大きくてもよい。
【0116】
このような凹部25によっても、反射面22において入射面21から入射した光を拡散反射させ、光を熱可塑性樹脂部5に向けて効果的に導くことが可能になる。
【0117】
本変形例においても、反射面22が凹部25を有していることにより、入射した光を、反射面22において効果的に拡散反射させることができる。このため、光を熱可塑性樹脂部5に向けてより一層効率的に導くことができる。
【0118】
また、上述した一実施の形態においては、凸部24が、第3方向Zに平行な断面(XZ断面)で見たときに、半円形の断面形状を有している例について説明した(図3参照)。しかしながら、このことに限られることはなく、図7及び図8に示すように、凸部24は、第3方向Zに平行な断面(XZ断面)で見たときに、多角形の断面形状を有していてもよい。
【0119】
図7に示す例においては、凸部24は、第3方向Zに平行な断面(XZ断面)で見たときに、三角形の断面形状を有している。この場合、凸部24は、円錐や角錐等の錐形状を有していてもよい。図8に示す例においては、凸部24は、第3方向Zに平行な断面(XZ断面)で見たときに、台形の断面形状を有している。この場合、凸部24は、円錐台や角錐台等の錐台形状を有していてもよい。また、凸部24は、第3方向Zに平行な断面(XZ断面)で見たときに、その他の多角形の断面形状を有していてもよい。なお、反射面22が凹部25を有している場合、凹部25が、第3方向Zに平行な断面(XZ断面)で見たときに、多角形の断面形状を有していてもよい。
【0120】
本変形例によれば、入射した光を、凸部24又は凹部25の断面視における多角形の辺に相当する面によって効果的に反射させることができる。このため、光を熱可塑性樹脂部5に向けてより一層効率的に導くことができる。
【0121】
また、上述した一実施の形態においては、熱可塑性樹脂部5が、発光素子3からの光を拡散する光拡散機能を有している例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、代わりに、図9に示すように、表示装置1が、発光素子3からの光を拡散する光拡散機能を有する光拡散層13をさらに含んでいてもよい。
【0122】
図9に示す例においては、光拡散層13は、熱可塑性樹脂部5上に位置している。より具体的には、光拡散層13は、加飾層12上に位置している。すなわち、光拡散層13は、遮光層10及び加飾層12を介して熱可塑性樹脂部5上に位置している。換言すると、熱可塑性樹脂部5と光拡散層13との間に、遮光層10及び加飾層12が位置している。なお、このことに限られることはなく、光拡散層13は、任意の位置に位置していてもよい。例えば、光拡散層13は、熱可塑性樹脂部5と遮光層10との間に位置していてもよいし、遮光層10と加飾層12との間に位置していてもよい。
【0123】
光拡散層13は、発光素子3からの光を透過可能であってもよい。すなわち、光拡散層13は、透明であってもよい。
【0124】
光拡散層13は、バインダー樹脂部と、バインダー樹脂部に保持された光拡散成分と、を含んでいてもよい。バインダー樹脂部の材料としては、リメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-アクリル共重合体、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ニトロセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等が例示される。バインダー樹脂部は、これらの材料を、1種単独で含んでもよく、2種以上を組合せて含んでいてもよい。光拡散成分は、発光素子3からの光の光路を変更する。光拡散成分は、発光素子3からの光を反射する光反射性を有していてもよい。光拡散成分としては、ガラスビーズ、樹脂ビーズ、金属化合物、気体を含む多孔質物質、気泡等が例示される。
【0125】
光拡散層13は、例えば、熱可塑性樹脂部5上、遮光層10上又は加飾層12上に印刷又は転写することによって形成されてもよい。光拡散層13の厚さは、0.5μm以上であってもよく、1μm以上であってもよい。光拡散層13の厚さは、100μm以下であってもよく、75μm以下であってもよい。
【0126】
本変形例においても、表示装置1が光拡散層13を含んでいることにより、発光素子3からの光を拡散することができ、表示装置1の画像を観察可能な範囲を拡大することができる。このため、表示装置1の視野角依存性を改善することができる。
【0127】
また、上述した一実施の形態においては、第1導光部20が熱可塑性樹脂部5と一体に形成されている例について説明した(図2参照)。しかしながら、このことに限られることはなく、図10に示すように、第1導光部20は、熱可塑性樹脂部5とは別体として形成され、熱可塑性樹脂部5に接合されていてもよい。
【0128】
図10に示す例においては、第1導光部20は、熱可塑性樹脂部5とは別体として形成されている。例えば、第1導光部20と熱可塑性樹脂部5とは、別々に成形されて作製されてもよい。そして、別々に作製した第1導光部20と熱可塑性樹脂部5とを、接着剤や粘着剤等の接合材により互いに接合してもよい。
【0129】
また、この場合、図10に示すように、第2導光部30は、第1導光部20と一体に形成されていてもよい。例えば、第1導光部20と第2導光部30とは、同一材料により一体に成形されて作製されてもよい。しかしながら、このことに限られることはなく、第2導光部30は、第1導光部20とは別体として形成され、第1導光部20に接合されていてもよい。
【0130】
本変形例によれば、第1導光部20が熱可塑性樹脂部5とは別体として形成されていることにより、熱可塑性樹脂部5及び第1導光部20の各々の形状を簡略化することができる。このため、熱可塑性樹脂部5及び第1導光部20の作製を容易化することができる。
【0131】
また、本変形例によれば、第2導光部30が第1導光部20と一体に形成されていることにより、表示装置1の製造時に、第2導光部30を別途作製すること、及び別途作製した第2導光部30を第1導光部20に接合することを不要にすることができる。このため、表示装置1の製造コストの増大を抑制することができる。
【0132】
また、上述した一実施の形態においては、第1導光部20が対向面23を有している例について説明した(図2参照)。しかしながら、このことに限られることはなく、図11に示すように、第1導光部20は、対向面23を有していなくてもよい。
【0133】
図11に示す例においては、第1導光部20は、対向面23を有していない。図11に示す例においては、第1導光部20は、第3方向Zに平行な断面(XZ断面)で見たときに、三角形の断面形状を有している。この場合、第1導光部20は、三角柱形状を有していてもよい。すなわち、第1導光部20は、三角形の2つの側面と、四角形の熱可塑性樹脂部5の側の面と、四角形の入射面21と、四角形の反射面22と、を有していてもよい。入射面21は、第2方向Yと第3方向Zとに広がる平面であってもよい。反射面22は、第2方向Yに平行な面であってもよい。反射面22は、入射面21に対して傾斜していてもよい。入射面21と反射面22とがなす角度は、20度以上であってもよく、30度以上であってもよく、40度以上であってもよい。入射面21と反射面22とがなす角度は、80度以下であってもよく、60度以下であってもよく、50度以下であってもよい。
【0134】
本変形例によれば、入射した光を、反射面22において効果的に反射させることができる。このため、光を熱可塑性樹脂部5に向けてより一層効率的に導くことができる。
【0135】
また、上述した一実施の形態において、図12に示すように、表示装置1は、熱可塑性樹脂部5の回路基板2の側の面(第2面5b)に設けられた溝部40と、溝部40内に位置し、発光素子3からの光を吸収する光吸収部41と、をさらに含んでいてもよい。
【0136】
図12に示す例においては、熱可塑性樹脂部5の第2面5bに溝部40が形成されている。溝部40は、平面視において、第1導光部20と重ならない位置に設けられていてもよい。溝部40は、平面視において、回路基板2と重なる位置に設けられていてもよい。溝部40は、回路基板2の貫通孔2cの周囲に設けられていてもよい。この場合、溝部40は、回路基板2の貫通孔2cを囲むように円環状の平面形状を有していてもよい。また、溝部40は、第1方向X(あるいは第2方向Y)において、回路基板2の貫通孔2cの両側に設けられていてもよい。この場合、溝部40は、第2方向Y(あるいは第1方向X)に延びる矩形状の平面形状を有していてもよい。
【0137】
図12に示すように、溝部40は、テーパ状の断面形状を有していてもよい。すなわち、溝部40は、第3方向Zにおいて、熱可塑性樹脂部5の第2面5bから第1面5aに近づくにつれて、第1方向X(あるいは第2方向Y)における長さが小さくなっていてもよい。しかしながら、このことに限られることはなく、溝部40は、矩形状の断面形状を有していてもよい。
【0138】
溝部40の深さは、熱可塑性樹脂部5の最大厚さの20%以上であってもよく、50%以上であってもよい。溝部40の深さは、熱可塑性樹脂部5の最大厚さの90%以下であってもよく、80%以下あってもよい。
【0139】
また、図12に示す例においては、溝部40内に光吸収部41が位置している。溝部40内は、光吸収部41で充填されていてもよい。光吸収部41は、発光素子3からの光を吸収する。すなわち、光吸収部41は、可視光吸収性を有している。光吸収部41は、着色されていてもよい。光吸収部41は、バインダー樹脂部と、バインダー樹脂部に保持され、可視光吸収性を有した色材と、を含んでいてもよい。バインダー樹脂部は、熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。バインダー樹脂部は、硬化性樹脂組成物の硬化物を含んでいてもよい。硬化性樹脂組成物は、電離放射線硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂の一以上を含んでいてもよい。電離放射線硬化性樹脂は、紫外線硬化性樹脂及び電子線放射線樹脂を含んでいてもよい。
【0140】
光吸収部41は、熱可塑性樹脂部5に形成された溝部40内に、光吸収部41を形成する組成物を流し込むことによって、作製されてもよい。あるいは、熱可塑性樹脂部5及び光吸収部41が、熱可塑性樹脂部5及び光吸収部41の一方を形成する第1の射出成形と、熱可塑性樹脂部5及び光吸収部41の他方を形成する第2の射出成形と、を含む射出成形によって作製されてもよい。
【0141】
本変形例によれば、光吸収部41により、発光素子3からの光が平面内に広がることを抑制することができる。このため、例えば、表示装置1が複数の発光素子3を含み、隣接する複数の画像を表示するように構成されている場合、発光素子3の光が隣接する他の画像の領域に向かい、意図しない画像が表示されることを抑制することができる。
【0142】
また、上述した一実施の形態においては、回路基板2が貫通孔2cを有し、第1導光部20は、熱可塑性樹脂部5から回路基板2の貫通孔2cを通って発光素子3の側に突出している例について説明した(図2参照)。しかしながら、このことに限られることはなく、図13に示すように、回路基板2は、貫通孔2cを有していなくてもよく、第1導光部20は、回路基板2の第2面2b上に位置していてもよい。
【0143】
図13に示す例においては、回路基板2は、貫通孔2cを有していない。また、第1導光部20は、熱可塑性樹脂部5とは別体として形成されている。熱可塑性樹脂部5は、回路基板2の第1面2a上に位置している。第1導光部20は、回路基板2の第2面2b上に位置している。すなわち、第1導光部20と熱可塑性樹脂部5との間に、回路基板2が介在している。第1導光部20は、回路基板2の第2面2b上にアンテナコイル4に囲まれるように位置している。
【0144】
図13に示す例においては、回路基板2は、発光素子3からの光を透過可能である。すなわち、回路基板2は、透明である。第1導光部20は、発光素子3からの光を回路基板2を透過させて熱可塑性樹脂部5に導くようになっている。このような回路基板2の基材としては、ポリイミド(PI)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の熱可塑性樹脂が例示される。
【0145】
また、この場合、図13に示すように、第2導光部30は、第1導光部20と一体に形成されていてもよい。例えば、第1導光部20と第2導光部30とは、同一材料により一体に成形されて作製されてもよい。しかしながら、このことに限られることはなく、第2導光部30は、第1導光部20とは別体として形成され、第1導光部20に接合されていてもよい。
【0146】
また、第1導光部20は、インサート成形により、回路基板2と一体化していてもよい。すなわち、インサート成形により、第1導光部20と回路基板2とが溶着していてもよい。しかしながら、このことに限られることはなく、第1導光部20は、接着剤や粘着剤等の接合材により回路基板2に接合されていてもよい。
【0147】
本変形例によれば、表示装置1は、発光素子3と第1導光部20との間でアンテナコイル4を跨ぐように位置し、発光素子3からの光を第1導光部20に導く第2導光部30を含んでいる。このことにより、発光素子3と第1導光部20との間にアンテナコイル4の一部が位置している場合であっても、発光素子3からの光を第1導光部20に効率的に導くことができる。このため、発光素子3からの光が第1導光部20に到達する前に散逸することを抑制することができる。この結果、表示装置1の発光効率の低下を抑制することができる。
【0148】
また、本変形例によれば、第2導光部30が第1導光部20と一体に形成されていることにより、表示装置1の製造時に、第2導光部30を別途作製すること、及び別途作製した第2導光部30を第1導光部20に接合することを不要にすることができる。このため、表示装置1の製造コストの増大を抑制することができる。
【0149】
なお、上述した一実施の形態においては、受信素子がアンテナコイル4である例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、センシング機能を有していれば、受信素子はアンテナコイル4でなくてもよい。なお、「センシング機能」とは、対象物の接近または接触を検出する機能を意味する。例えば、受信素子はタッチセンサであってもよい。
【0150】
タッチセンサは、金属細線で構成されていてもよい。タッチセンサは、編み目状やストライプ状に配置された金属細線の集合体で構成されていてもよい。金属細線の幅は、10mm以下であってもよく、1mm以下であってもよい。金属細線の配置ピッチは、10mm以下であってもよく、1mm以下であってもよい。金属細線の材料としては、銅、銀、スズ、アルミニウム、ニッケル等が例示される。金属細線を含むタッチセンサは、フォトリソグラフィー技術を用いて箔をパターニングすることにより形成されてもよい。また、金属細線を含むタッチセンサは、スクリーン印刷により形成されてもよい。
【0151】
このように受信素子がタッチセンサである場合であっても、第2導光部30が発光素子3と第1導光部20との間でタッチセンサを跨ぐように位置していることにより、発光素子3からの光を第1導光部20に効率的に導くことができる。このため、発光素子3からの光が第1導光部20に到達する前に散逸することを抑制することができる。この結果、表示装置1の発光効率の低下を抑制することができる。
【0152】
以上において、上述した一実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を少なくとも部分的に適宜組み合わせて適用することも可能である。
【符号の説明】
【0153】
1:表示装置、2:回路基板、3:発光素子、4:アンテナコイル、5:熱可塑性樹脂部、10:遮光層、11:開口部、12:加飾層、13:光拡散層、20:第1導光部、22:反射面、23:対向面、24:凸部、25:凹部、26:反射膜、30:第2導光部、40:溝部、41:光吸収部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13