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  • 特開-杭頭構築方法及び杭頭構造 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024105063
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】杭頭構築方法及び杭頭構造
(51)【国際特許分類】
   E02D 27/12 20060101AFI20240730BHJP
   E02D 27/00 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
E02D27/12 Z
E02D27/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023009605
(22)【出願日】2023-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井出 豊
(72)【発明者】
【氏名】永久 実伽子
(72)【発明者】
【氏名】竹内 馨一
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 典哉
(72)【発明者】
【氏名】飯田 佳貴
【テーマコード(参考)】
2D046
【Fターム(参考)】
2D046AA11
2D046CA04
(57)【要約】
【課題】場所打ち杭とフーチングとを連結する鋼製部材を、場所打ち杭に対して容易に位置決めできる杭頭構築方法及び杭頭構造を提供する。
【解決手段】杭頭構築方法は、鉄筋かご14に囲まれた位置において、鉄筋かご14の上端から上方へ突出するように鋼製部材30を配置して、鉄筋かご14と鋼製部材30とを連結部材40で連結する工程と、鉄筋かご14を杭孔へ挿入する工程と、杭孔へコンクリート12を打設して、上端から鋼製部材30が突出した場所打ち杭(杭10)を構築する工程と、鋼製部材30の上端及び場所打ち杭の杭頭部が埋設されたフーチング20を構築する工程と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄筋かごに囲まれた位置において、前記鉄筋かごの上端から上方へ突出するように鋼製部材を配置して、前記鉄筋かごと前記鋼製部材とを連結部材で連結する工程と、
前記鉄筋かごを杭孔へ挿入する工程と、
前記杭孔へコンクリートを打設して、上端から前記鋼製部材が突出した場所打ち杭を構築する工程と、
前記鋼製部材の上端及び前記場所打ち杭の杭頭部が埋設されたフーチングを構築する工程と、
を有する杭頭構築方法。
【請求項2】
鉄筋かごを備えた場所打ち杭と、
前記場所打ち杭の杭頭部が埋設されたフーチングと、
前記場所打ち杭から前記フーチングに亘って配置される鋼製部材と、
前記鉄筋かごと前記鋼製部材とを連結する連結部材と、
を備えた杭頭構造。
【請求項3】
前記鉄筋かごは前記場所打ち杭の杭頭から突出しておらず、
前記鋼製部材は、スタッドが溶接された芯鉄骨または複数の異形鉄筋を束ねて形成された芯鉄筋である、
請求項2に記載の杭頭構造。
【請求項4】
前記連結部材は、
上下方向に並んで配置され、それぞれ前記鉄筋かごの内側に溶接された一対の環状部材と、
前記一対の環状部材のそれぞれから前記鋼製部材に架け渡された鉄骨または鉄筋である、
請求項2又は3に記載の杭頭構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、杭頭構築方法及び杭頭構造に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、場所打ちコンクリート杭の杭頭半剛接合構造が記載されている。この構造では、一端が杭頭のコンクリートに飲み込まれ他端がフーチングのコンクリートに飲み込まれることで、杭頭とフーチングとを接合している中央鋼材を用いている。この中央鋼材によって、杭頭半剛接合構造のせん断耐力が高められている。
【0003】
また、下記特許文献2は、杭と柱の接合構造が示されている。この構造では、PHC杭の杭頭部に固定される鉄骨柱を位置決めするために、チャンネル材などを井桁状に組み合わせた治具を、PHC杭上に配置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-070032号公報
【特許文献2】特開2004-162374号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に示された杭頭半剛接合構造に用いられる中央鋼材は、杭頭のコンクリートに飲み込まれて配置されているが、この中央鋼材を位置決めするためには、例えば上記特許文献2に示されたような治具を用いる必要がある。しかしながら、このような方法では、治具を製作し、設置し、撤去する工数が必要となる。またコンクリートが硬化するまで治具を撤去できないため、工期に影響を与える可能性がある。
【0006】
本発明は、上記事実を考慮し、場所打ち杭とフーチングとを連結する鋼製部材を、場所打ち杭に対して容易に位置決めできる杭頭構築方法及び杭頭構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の杭頭構築方法は、鉄筋かごに囲まれた位置において、前記鉄筋かごの上端から上方へ突出するように鋼製部材を配置して、前記鉄筋かごと前記鋼製部材とを連結部材で連結する工程と、前記鉄筋かごを杭孔へ挿入する工程と、前記杭孔へコンクリートを打設して、上端から前記鋼製部材が突出した場所打ち杭を構築する工程と、前記鋼製部材の上端及び前記場所打ち杭の杭頭部が埋設されたフーチングを構築する工程と、を有する。
【0008】
請求項1の杭頭構築方法では、鉄筋かごを杭孔へ挿入する前に、連結部材によって鋼製部材を鉄筋かごに対して連結する。これにより、鋼製部材を場所打ち杭に対して容易に位置決めできる。
【0009】
また、鋼製部材の上端はフーチングに埋設される。これにより、場所打ち杭とフーチングとを連結し、場所打ち杭とフーチングとの間で引張力を伝達できる。
【0010】
請求項2の杭頭構造は、鉄筋かごを備えた場所打ち杭と、前記場所打ち杭の杭頭部が埋設されたフーチングと、前記場所打ち杭から前記フーチングに亘って配置される鋼製部材と、前記鉄筋かごと前記鋼製部材とを連結する連結部材と、を備える。
【0011】
請求項2の杭頭構造では、鋼製部材が、連結部材によって鉄筋かごに連結されている。すなわち、鋼製部材は、鉄筋かごを杭孔へ挿入する前に、連結部材によって鉄筋かごに対して連結される。なぜならば、鉄筋かごを杭孔へ挿入した後では、杭孔内で鋼製部材を鉄筋かごへ連結することが著しく困難であるからである。
【0012】
このように、鉄筋かごを杭孔へ挿入する前に、連結部材によって鋼製部材を鉄筋かごに対して連結することにより、鋼製部材を場所打ち杭に対して容易に位置決めできる。
【0013】
また、鋼製部材は、場所打ち杭からフーチングに亘って配置されている。これにより、場所打ち杭とフーチングとの間で引張力を伝達できる。
【0014】
請求項3の杭頭構造は、請求項2に記載の杭頭構造において、前記鉄筋かごは前記場所打ち杭の杭頭から突出しておらず、前記鋼製部材は、スタッドが溶接された芯鉄骨または複数の異形鉄筋を束ねて形成された芯鉄筋である。
【0015】
請求項3の杭頭構造では、鉄筋かごが場所打ち杭の杭頭から突出していない。これにより、鉄筋かごが場所打ち杭の杭頭から突出する構成と比較して、場所打ち杭の杭頭のフーチングに対する固定度が低くなり、半剛接となる。
【0016】
杭頭が半剛接となることにより、剛接の場合と比較して杭頭に作用するモーメントを低減できる。また、ピン接合の場合と比較して杭の中間部に作用するモーメントを低減できる。すなわち、杭に作用するモーメントを平準化できる。これにより、例えば杭径を縮小できる。
【0017】
請求項4の杭頭構造は、請求項2又は3に記載の杭頭構造において、前記連結部材は、上下方向に並んで配置され、それぞれ前記鉄筋かごの内側に溶接された一対の環状部材と、前記一対の環状部材のそれぞれから前記鋼製部材に架け渡された鉄骨または鉄筋である。
【0018】
請求項4の杭頭構造では、上下方向に並んで配置された一対の環状部材のそれぞれから架け渡される鉄骨または鉄筋によって、鋼製部材が位置決めされている。これにより、環状部材がひとつしかない構成と比較して、鋼製部材の傾きを調整し易い。このため、鋼製部材の位置決め精度を向上できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、場所打ち杭とフーチングとを連結する鋼製部材を、場所打ち杭に対して容易に位置決めできる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】(A)は本発明の実施形態に係る杭頭構造を示す断面図であり、(B)は(A)のB-B線断面図である。
図2】(A)は本発明の実施形態に係る杭頭構築方法において、杭孔を削孔した状態を示す断面図であり、(B)は鋼製部材が連結された鉄筋かごを杭孔へ挿入している状態を示す断面図であり、(C)はフーチングを構築した状態を示す断面図である。
図3】(A)は鋼製部材として角型鋼管を用いた実施例を示す断面図であり、(B)はH形鋼を用いた実施例を示す断面図であり、(C)は異形鉄筋を用いた実施例を示す断面図である。
図4】杭頭部に鉄筋かごを配筋しない変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態に係る杭頭構築方法及び杭頭構造について、図面を参照しながら説明する。各図面において同一の符号を用いて示される構成要素は、同一の構成要素であることを意味する。但し、明細書中に特段の断りが無い限り、各構成要素は一つに限定されず、複数存在してもよい。
【0022】
また、各図面において重複する構成及び符号については、説明を省略する場合がある。なお、本開示は以下の実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的の範囲内において構成を省略する、異なる構成と入れ替える、一実施形態及び各種の変形例を組み合わせて用いる等、適宜変更を加えて実施することができる。
【0023】
<杭頭構造>
図1(A)、(B)には、本発明の実施形態に係る杭頭構造が示されている。この杭頭構造は、コンクリート12の内部に鉄筋かご14が埋設された杭10の杭頭部に適用される接合構造である。
【0024】
(杭)
杭10は地盤Gに構築される場所打ちコンクリート杭であり、杭頭部が鉄筋コンクリート製のフーチング20に埋設されている。フーチング20には、鉄筋コンクリート製の基礎梁22が連結され、図示しない基礎梁主筋などがフーチング20の内部に埋設されている。
【0025】
杭10の鉄筋かご14は、杭10の上端から下端に亘って配筋された複数の主筋14Aと、帯筋14Bと、を備えている。
【0026】
主筋14Aは、杭10の軸方向に沿う鉄筋であり、図1(B)に示すように、円周方向に間隔を空けて複数配置されている。主筋14Aは、杭10を形成するコンクリート12の内部に埋設され、杭10の外側に突出していない。すなわち、鉄筋かご14は、杭10の杭頭から突出していない。
【0027】
帯筋14Bは、主筋14Aの外側に巻き付けられた円環状の鉄筋であり、主筋14Aに対して鉄線で結束されている。また、帯筋14Bは、主筋14Aの上端から下端に亘って、上下方向に間隔を空けて配置されている。
【0028】
(鋼製部材)
杭10の杭頭部には、本発明における鋼製部材としての角型鋼管30が配置されている。角型鋼管30は、杭10とフーチング20との間で引張力を伝達する芯鉄骨である。角型鋼管30の下端部は、鉄筋かご14に囲まれる位置に配置されている。また、角型鋼管30の上端部は、杭10から突出してフーチング20の内部に配置されている。
【0029】
角型鋼管30には、スタッドボルト32が溶接されている。スタッドボルト32は、角型鋼管30の四側面それぞれに溶接されている。また、スタッドボルト32は、角型鋼管30において、杭10に埋設される部分と、フーチング20に埋設される部分と、のそれぞれに配置されている。
【0030】
(連結部材)
角型鋼管30は、杭10の中心部、かつ、鉄筋かご14の中心部に配置されている。角型鋼管30は、鉄筋かご14と角型鋼管30とを連結する連結部材40によって、鉄筋かご14の中心部に位置決めされている。
【0031】
連結部材40は、環状部材42、環状部材42から角型鋼管30に架け渡された連結筋44及び46を備えて形成されている。環状部材42は、鋼製のフラットプレートを円環状に加工して形成されている。環状部材42は、上下方向に2つ並んで配置され、それぞれが鉄筋かご14における主筋14Aの内側に溶接されている。
【0032】
連結筋44は、一端が環状部材42に溶接され、他端が角型鋼管30に溶接された部材であり、略「水平方向」に沿って配置された異形鉄筋である。連結筋44は複数設けられ、それぞれが上下の環状部材42の何れかに溶接されている。また、それぞれの連結筋44は、角型鋼管30の四側面の何れかに溶接されている。つまり連結筋44は、8本設けられている。
【0033】
連結筋46は、一端が環状部材42に溶接され、他端が角型鋼管30に溶接された部材であり、「斜め方向」に配置された異形鉄筋である。連結筋46は、上下に並べて配置された一方の連結筋44が環状部材42に溶接された部分と、他方の連結筋44が角型鋼管30に溶接された部分と、に斜めに架け渡されている。
【0034】
なお、連結筋44及び46は、同様の構成を、フラットバー、アングル材などの各種鋼材を用いて形成してもよい。
【0035】
<杭頭構築方法>
上記の杭頭構造を構築する杭頭構築方法について説明する。図2(A)に示すように、この杭頭構築方法では、まず地盤Gに杭孔Hを形成する。
【0036】
一方で、図2(B)に示すように、鉄筋かご14には連結部材40を介して角型鋼管30を固定しておく。角型鋼管30は、鉄筋かご14に囲まれた位置において、鉄筋かご14の上端から上方へ突出するように位置決めする。
【0037】
この位置決め及び固定作業は、例えば建物の建設現場における地組ヤードや工場などで実施できる。このため、角型鋼管30を鉄筋かご14の中央部に位置決めし易く、固定し易い。
【0038】
次に、角型鋼管30が固定された鉄筋かご14を、杭孔Hへ挿入する。そして、鉄筋かご14の内側にトレミー管を配管して、コンクリートを杭孔内へ打設する。トレミー管は、図1(B)に破線Pで示すように、連結部材40における連結筋44の隙間から杭孔H内へ挿入される。これにより杭10が構築される。
【0039】
次に、図2(C)に示すように、フーチング20を構築する。フーチング20は、角型鋼管30の上端部のほか、杭10の杭頭部が埋設されるように構築する。フーチング20の構築に際しては、必要に応じて杭10の上端部におけるコンクリートの斫り取り、杭10の周囲の壺掘り、砕石や捨てコンクリートの敷設を実施する。また、フーチング20を形成するコンクリートの打設前に、フーチング20を構成する鉄筋の配筋や基礎梁22の主筋の配筋を実施する。
【0040】
<作用及び効果>
本発明の実施形態に係る杭頭構築方法では、図2(B)に示すように、鉄筋かご14を杭孔Hへ挿入する前に、連結部材40によって鋼製部材としての角型鋼管30を鉄筋かご14に対して連結する。これにより、角型鋼管30を場所打ち杭である杭10に対して容易に位置決めできる。
【0041】
また、図1に示すように、角型鋼管30の上端はフーチング20に埋設される。これにより、杭10とフーチング20との間で引張力を伝達できる。
【0042】
また、本発明の実施形態に係る杭頭構造では、鉄筋かご14が杭10の杭頭から突出していない。これにより、鉄筋かご14が場所打ち杭10の杭頭から突出する構成と比較して、杭10の杭頭のフーチング20に対する固定度が低くなり、半剛接となる。
【0043】
杭頭が半剛接となることにより、剛接の場合と比較して杭頭に作用するモーメントを低減できる。また、ピン接合の場合と比較して杭の中間部に作用するモーメントを低減できる。すなわち、杭10に作用するモーメントを平準化できる。これにより、例えば杭径を縮小できる。
【0044】
また、本発明の実施形態に係る杭頭構造では、上下方向に並んで配置された一対の環状部材42のそれぞれから架け渡される連結筋44及び46によって、角型鋼管30が位置決めされている。これにより、環状部材42がひとつしかない構成と比較して、角型鋼管30の傾きを調整し易い。これにより角型鋼管30の位置決め精度を向上できる。
【0045】
<その他の実施形態>
上記実施形態においては、図3(A)に示すように、鋼製部材として角型鋼管30を用い、四側面のそれぞれに連結部材40の連結筋44が溶接されているが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えば図3(B)に示すように、鋼製部材としてはH形鋼34を用いてもよい。この場合、H形鋼34における上下フランジ34A及びウェブ34Bに、連結筋44を溶接すればよい。
【0046】
また、鋼製部材としては、図3(C)に示すような芯鉄筋36を用いてもよい。芯鉄筋36は、平面視で矩形状に配置された複数本の異形鉄筋36Aの束である。異形鉄筋36A同士は、図示しない連結筋で互いに連結されている。
【0047】
なお、鋼製部材として芯鉄筋36を用いる場合、連結筋44を芯鉄筋36に溶接してもよいが、連結筋44に代えて連結筋48を用いてもよい。連結筋48は、芯鉄筋36の隣り合う外周面に沿って配置された固定部48Aと、固定部48Aの両端からそれぞれ芯鉄筋36の外側へ突出する突出部48Bと、を備えている。固定部48Aは、鉄線を用いて芯鉄筋36に固定できる。突出部48Bの端部は環状部材42に溶接されている。
【0048】
このような芯鉄筋36を用いれば、異形鉄筋36Aの表面の凹凸によりコンクリート12との付着力を確保できるため、スタッドボルト32を省略できる。
【0049】
また、上記実施形態において、鋼製部材は芯鉄骨(角型鋼管30及びH形鋼34)または芯鉄筋36として説明しているが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えば鋼製部材は、構真柱とすることもできる。
【0050】
構真柱の建て込みにおいては、従来、鉄筋かごを杭孔へ配置後、杭頭部に位置決め用の治具を構築する。そして、この治具を定規として構真柱を鉄筋かごの内側へ挿入して位置決めする。
【0051】
これに対して、構真柱を本発明の鋼製部材とすれば、当該構真柱を予め鉄筋かごに固定できるので、このような位置決め治具を用いる必要がない。
【0052】
また、上記実施形態において、環状部材42は上下に2つ並べて配置しているが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えば角型鋼管30などの鋼製部材と鉄筋かご14との重ね合わせ距離が長い場合は、環状部材42を3つ以上並べて配置してもよい。あるいは、鋼製部材と鉄筋かご14との重ね合わせ距離が短い場合は、環状部材42を1つのみとしてもよい。
【0053】
また、環状部材42は必ずしも設ける必要はなく、例えば連結筋44、46を直接鉄筋かご14の主筋14Aに溶接してもよい。
【0054】
また、上記実施形態において、鉄筋かご14は、杭10の上端から下端に亘って配置されているが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えば図4に示すように、杭頭部には鉄筋かご14を配筋しなくてもよい。鉄筋かご14をこのように配筋することで、杭頭部の固定度を小さくして、杭頭に作用するモーメントを低減できる。
【符号の説明】
【0055】
10 杭(場所打ち杭)
12 コンクリート
14 鉄筋かご
30 角型鋼管(芯鉄骨、鋼製部材)
32 スタッドボルト(スタッド)
34 H形鋼(芯鉄骨、鋼製部材)
36 芯鉄筋(鋼製部材)
40 連結部材
42 環状部材
44 連結筋(鉄筋)
46 連結筋(鉄筋)
48 連結筋(鉄筋)
図1
図2
図3
図4