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  • -冷却装置および搬送方法 図1
  • -冷却装置および搬送方法 図2
  • -冷却装置および搬送方法 図3
  • -冷却装置および搬送方法 図4
  • -冷却装置および搬送方法 図5
  • -冷却装置および搬送方法 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024105069
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】冷却装置および搬送方法
(51)【国際特許分類】
   A01J 9/04 20060101AFI20240730BHJP
   A01J 11/00 20060101ALI20240730BHJP
   A23L 3/36 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
A01J9/04
A01J11/00
A23L3/36 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023009618
(22)【出願日】2023-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】509317531
【氏名又は名称】株式会社MARS Company
(74)【代理人】
【識別番号】100144886
【弁理士】
【氏名又は名称】大坪 賢吾
(72)【発明者】
【氏名】大野 正樹
【テーマコード(参考)】
4B022
【Fターム(参考)】
4B022LA02
4B022LA08
4B022LB09
4B022LF06
4B022LF09
4B022LP05
4B022LS04
4B022LT06
4B022LT10
(57)【要約】
【課題】対象物を効率的に冷却することのできる冷却装置および搬送方法を提供すること。
【解決手段】冷却装置1は、生乳を貯留するタンク7を挿入する冷却槽3と、冷却槽3内に貯留された冷却水4と、タンク7を上側から押さえつけ、冷却水4内に浸漬させた状態を維持する固定部8と、冷却水4を冷却する冷却ユニット5と、冷却槽3内に配置され、タンク7を位置決めするガイド部6と、を有する。また、冷却水4は、塩化カルシウム水溶液である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を貯留するタンクを挿入する冷却槽と、
前記冷却槽内に冷却水を貯めた状態で、前記タンクを上側から押さえつけて前記冷却水内に浸漬した状態とする固定部と、
前記冷却水を冷却する冷却ユニットと、を有することを特徴とする冷却装置。
【請求項2】
前記冷却槽内に配置され、前記タンクを位置決めするガイドを有する請求項1に記載の冷却装置。
【請求項3】
前記冷却水は、塩化カルシウム水溶液である請求項1に記載の冷却装置。
【請求項4】
前記液体は、生乳である請求項1に記載の冷却装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の冷却装置を用いて前記タンク内の前記液体を冷却する冷却ステップと、
前記タンクを搬送する第1搬送ステップと、
前記タンク内の前記液体を大型貯留槽に移し替えて搬送する第2搬送ステップと、を有することを特徴とする搬送方法。
【請求項6】
前記第1搬送ステップを前記液体の温度が10℃以下の状態で終える請求項5に記載の搬送方法。
【請求項7】
複数個所において前記冷却ステップを行い、
前記第1搬送ステップでは、前記複数個所を順に経由して前記タンクを回収する請求項5に記載の搬送方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却装置および搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、冷蔵室を備える冷却庫が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-161208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の冷却庫では、冷蔵室内の空気を冷やすことで、冷蔵室内の対象物を冷却するため、対象物を効率的に冷却することができない。
【0005】
本発明の目的は、対象物を効率的に冷却することのできる冷却装置および搬送方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
【0007】
(1) 液体を貯留するタンクを挿入する冷却槽と、
前記冷却槽内に冷却水を貯めた状態で、前記タンクを上側から押さえつけて前記冷却水内に浸漬した状態とする固定部と、
前記冷却水を冷却する冷却ユニットと、を有することを特徴とする冷却装置。
【0008】
(2) 前記冷却槽内に配置され、前記タンクを位置決めするガイドを有する上記(1)に記載の冷却装置。
【0009】
(3) 前記冷却水は、塩化カルシウム水溶液である上記(1)に記載の冷却装置。
【0010】
(4) 前記液体は、生乳である上記(1)に記載の冷却装置。
【0011】
(5) 上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の冷却装置を用いて前記タンク内の前記液体を冷却する冷却ステップと、
前記タンクを搬送する第1搬送ステップと、
前記タンク内の前記液体を大型貯留槽に移し替えて搬送する第2搬送ステップと、を有することを特徴とする搬送方法。
【0012】
(6) 前記第1搬送ステップを前記液体の温度が10℃以下の状態で終える上記(5)に記載の搬送方法。
【0013】
(7) 複数個所において前記冷却ステップを行い、
前記第1搬送ステップでは、前記複数個所を順に経由して前記タンクを回収する上記(5)に記載の搬送方法。
【発明の効果】
【0014】
本発明の冷却装置によれば、冷却水にタンクを浸漬させ、冷却水を用いてタンク内の液体を冷却するため、タンク内の液体を効率的に冷却することができる。
【0015】
また、本発明の搬送方法によれば、より短時間で液体を冷却することができ、冷えた状態で液体を搬送することができる。そのため、液体中の細菌の増加を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】好適な実施形態に係る冷却装置を示す断面図である。
図2】冷却装置の冷却槽内を示す上面図である。
図3】冷却装置にタンクを配置した状態を示す断面図である。
図4】固定部と本体部との固定方法を示す上面図である。
図5】生乳の搬送方法を示すフローチャートである。
図6】生乳の搬送方法を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の冷却装置および搬送方法を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0018】
[冷却装置100]
図1に示す冷却装置100は、液体、特に生乳を冷却する装置である。なお、液体としては、生乳に限定されず、例えば、果実や野菜の汁(ジュース)などの各種飲料や、ジャム、マーガリン等の高粘度の食品であってもよい。また、飲料、食品に限定されず、例えば、試薬、燃料等であってもよい。
【0019】
冷却装置100は、本体110と、本体110の上面に開口し、生乳用のタンク200が挿入される冷却槽120と、冷却槽120内に貯められた冷却水130と、冷却水130を循環させるポンプ180と、冷却槽120に挿入されたタンク200を固定する固定部140と、冷却水130を冷却する冷却ユニット150と、冷却槽120内に配置され、タンク200の位置決めを行うガイド160と、タンク200内の生乳を撹拌する撹拌機170と、を有する。
【0020】
タンク200は、生乳を貯留するタンクである。タンク200は、下端部に位置する円筒状の大径部210と、上端部に位置する円筒状の小径部220と、大径部210と小径部220との間に位置し、これらを接続するテーパ部230と、を有する。また、タンク200の容量は、40L程度である。また、タンク200は、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼等の各種金属材料で構成されている。このような形状および容量のタンク200は、特に、インド(インド共和国)国内において広く使用されている。ただし、タンク200の構成は、特に限定されない。
【0021】
冷却槽120は、断熱材121で覆われている。これにより、冷却槽120内の冷却水130を効率的に冷却することができる。また、冷却槽120内の冷却水130としては、特に限定されないが、タンク200内に混入する可能性を考慮して、生体に対して毒性のないものが好ましい。このような冷却水130としては、特に限定されないが、例えば、塩化カルシウム水溶液、塩化ナトリウム水溶液、各種アルコール、水等が挙げられる。
【0022】
これらの中でも、タンク200の腐食防止等の観点から冷却水130としてアルコールを用いることが好ましいが、アルコールは、揮発し易く定期的な補充が必要となり冷却作業が煩雑となる。また、補充不足より生乳の冷却が失敗するおそれもある。なお、冷却ユニット150を常時駆動してアルコールを十分に冷やした状態を保つことによりアルコールの揮発を抑えることができるものの、その分、消費電力が増大してしまう。そこで、本実施形態では、塩化カルシウム水溶液を用いている。これにより、揮発し難く、かつ、凝固点が十分に低い冷却水130となる。特に、濃度約26%の塩化カルシウム水溶液を用い、これを-20℃を最下限温度として冷却する。これにより、生乳をより迅速に冷却することができる。
【0023】
また、冷却水130として水を用いることにより、冷却水130が安価となると共に冷却水130を準備し易くなる。この場合、冷却ユニット150によって冷却水130である水を冷却し、その一部(後述する蒸発器154の周囲にある部分)を凍らせて、蒸発器154に付着した氷を生成することにより、当該氷の潜熱によってタンク200内の生乳を効率的に冷却することができる。さらには、冷却水130として水を用いることにより、冷却装置100やタンク200の腐食を効果的に抑制することができる。
【0024】
冷却槽120内の冷却水130は、ポンプ180によって循環される。これにより、冷却水130とタンク200内の生乳との熱交換効率が高まり、タンク200内の生乳をより短時間で冷却することができる。
【0025】
冷却ユニット150は、冷却水130を冷却する。冷却ユニット150は、圧縮機151と、凝縮器152と、膨張弁153と、蒸発器154と、これらを繋ぐ管路155と、管路155内に充填された冷媒と、を有する。また、蒸発器154は、冷却槽120内に露出しており、冷却水130と接触している。これにより、蒸発器154と冷却水130とで効率的な熱交換が行われる。圧縮機151では、冷媒が圧縮されて高温高圧のガス状となる。また、凝縮器152では、冷媒が放熱されて高温高圧の液状となる。また、膨張弁153では、冷媒が減圧されて低温低圧の液状となる。また、蒸発器154では、冷媒が冷却水130の熱を吸収して低温低圧のガス状となる。そして、低温低圧ガス状の冷媒が圧縮機151で再び圧縮されて高温高圧のガス状となる。このような熱交換サイクルを繰り返すことにより、冷却槽120の冷却水130を冷やし、冷えた冷却水130によってタンク200内の生乳を冷却する。このように、冷却水130にタンク200を浸漬させることにより、タンク200内の生乳を効率的に冷却することができる。
【0026】
冷却槽120は、円筒形であり、タンク200の大径部210よりも大きく形成されている。ただし、冷却槽120の形状は、特に限定されない。このような冷却槽120内に配置されたガイド160は、タンク200を冷却槽120の中心に案内して保持する機能を有する。図1および図2に示すように、ガイド160は、蒸発器154の内側に位置し、鉛直方向に延びる複数の棒材161を円状に配置した構成であり、その内径が大径部210の外径よりも若干大きい。また、隣り合う棒材161同士が離間しており、この隙間を介してガイド160の内外に冷却水130が流動する。このようなガイド160は、冷却槽120と同心的に配置されており、ガイド160内にタンク200を挿入することにより、タンク200が冷却槽120の中心に案内され、保持される。これにより、タンク200の生乳をタンク200の全周から効率的に冷却することができる。
【0027】
タンク200は、冷却水130に浮いてしまうため、固定部140を用いてタンク200を上側から押さえ付け、タンク200を冷却水130内に十分に浸漬させる。図1に示すように、固定部140は、板状であり、その中央部にタンク200を挿通する挿通孔141を有する。挿通孔141の径は、小径部220よりも大きく大径部210よりも小さい。そのため、タンク200を挿通孔141に挿入すると、タンク200のテーパ部230が固定部140に引っ掛かる。
【0028】
図3に示すように、挿通孔141にタンク200を挿入した状態で固定部140を本体110に固定することにより、タンク200が上側から押さえつけられ、浮き上がりが防止されて冷却水130内に深く浸漬する。この状態では、タンク200の外周面のほぼ全域が冷却水130と接触する。このように、タンク200を冷却水130に浸漬させることにより、タンク200内の生乳を効率的に冷却することができる。
【0029】
なお、固定部140と本体110との固定方法は、特に限定されない。本実施形態では、図3に示すように、本体110は、冷却槽120の周囲に等間隔に配置された4つの爪部111を有する。一方、固定部140は、その周囲に等間隔に形成された4つの切り欠き142を有する。4つの切り欠き142は、4つの爪部111と重なるように形成されている。このような構成では、切り欠き412内に爪部111を通過させて固定部140を爪部111の下方まで押し込み、その状態で固定部140を回転させて切り欠き142を爪部111からずらすことにより、固定部140が本体110に固定される。
【0030】
タンク200の生乳は、冷却中、撹拌機170により撹拌される。これにより、生乳の凝集を抑制しつつ、生乳を均一かつ迅速に冷却することができる。なお、撹拌機170の構成は、特に限定されず、例えば、ウェーブポンプ(水流ポンプ)を用いることができる。
【0031】
なお、冷却装置100の冷却特性としては、特に限定されないが、外気温30℃において、タンク200内に貯留された40L、36℃程度の生乳を30分以内に3℃以下まで冷却できる特性を有するのが好ましい。これにより、搾乳からより短い時間で10℃以下まで冷却することができ、生乳内の細菌の増殖を効果的に抑制することができる。また、1冷却サイクル、つまり、タンク200内に貯留された40Lの生乳を3℃以下まで冷却するのにかかる電力が4kW以下であることが好ましい。これにより、小型の蓄電池によっても十分に電力が賄える。そのため、電気が供給されていない、または、電気の供給が不安定な地域でも、蓄電池によって冷却装置100を稼働させて生乳を冷却することができる。なお、蓄電池は、ソーラーパネル等と接続することで蓄電が充電することができる。
【0032】
[搬送方法]
次に、冷却装置100を用いた搬送方法について説明する。搬送方法は、生乳Mを牛乳製造工場等へ搬送するための方法であり、図5に示すように、冷却装置100を用いてタンク200内の生乳Mを冷却する冷却ステップS1と、タンク200を保冷ケース300に収容して搬送する第1搬送ステップS2と、タンク200内の生乳Mを大型貯留槽510に移し替えて搬送する第2搬送ステップS3と、生乳Mを加工して牛乳を生成する牛乳製造ステップS4と、を有する。
【0033】
≪冷却ステップS1≫
図6に示すように、冷却ステップS1は、複数個所にある小規模収集所L1毎に行われる。各小規模収集所L1には、少なくとも1台の冷却装置100が配置されている。酪農家Q(乳牛を飼っている者)は、搾乳した生乳Mを最寄りの小規模収集所L1に持ち込み、冷却装置100にセットされているタンク200に投入する。これにより、冷却装置100によってタンク200内の生乳が5℃以下、好ましくは3℃以下まで冷却される。ただし、生乳の冷却温度は、特に限定されない。
【0034】
≪第1搬送ステップS2≫
タンク200内の生乳が3℃以下に冷却されると、タンク200を冷却装置100から取り出し、蓋をした後、保冷ケース300に収容する。保冷ケース300は、タンク200を裸で放置した場合と比べてタンク200内の生乳Mの温度上昇を抑制することができれば、特に限定されないが、例えば、発泡スチロールのケースで構成することができる。これにより、タンク200内の生乳Mの温度上昇を抑制することができ、より長時間、低い温度(10℃以下)を保つことができる。
【0035】
次に、回収トラック400が各小規模収集所L1を順番に回り、保冷ケース300に収容されたタンク200を回収し、大規模集積所L2まで搬送する。回収トラック400には、生乳Mを冷却する機能が備わっていない。そのため、タンク200を保冷ケース300に収容することにより、温度上昇による生乳M中の細菌の増殖(原料乳として受け入れ不可な状態)を抑制することができる。なお、第1搬送ステップS2は、生乳Mの温度が10℃以下の状態で終えることが好ましい。これにより、生乳M中の細菌の増殖を効果的に抑制することができる。
【0036】
ただし、第1搬送ステップS2としては、特に限定されず、タンク200を保冷ケース300に収容せずに大規模集積所L2まで搬送してもよい。また、回収方法も特に限定されず、例えば、バイク(二輪車)で回収してもよい。
【0037】
≪第2搬送ステップS3≫
次に、大規模集積所L2において、回収トラック400で回収した生乳Mを大型貯留槽510に移し替える。図示しないが、複数台の回収トラック400が周辺各地の小規模集積所L1を回り、これら各回収トラック400が回収を終えた生乳Mを大規模集積所L2に搬送し、回収した生乳Mを大型貯留槽510に移し替える。これにより、各地から回収した生乳Mをまとめて搬送することができる。
【0038】
大型貯留槽510は、タンク200よりも大きい容量を有する。本実施形態では、大型貯留槽510は、タンクローリー500のタンクである。そして、タンクローリー500で生乳Mを牛乳製造工場600まで搬送する。なお、特に限定されないが、大型貯留槽510には、大型貯留槽510内の生乳Mを冷却する冷却ユニットが搭載されていることが好ましい。これにより、大型貯留槽510内の生乳Mを冷却しながら牛乳製造工場600まで搬送することができるため、第2搬送ステップS3中の生乳Mの温度上昇(細菌の増殖)を効果的に抑制することができる。
【0039】
なお、大規模集積所L2において大型貯留槽510に移し替える前に、大規模集積所L2に設置された大型の冷却装置(冷却装置100とは別の冷却装置)を用いて生乳を再び冷却してもよい。これにより、大型貯留槽510に冷却ユニットが搭載されていない場合でも、牛乳製造工場600に搬送されるまで生乳を十分に低い温度に保つことができる。
【0040】
なお、従来では、小規模収集所L1から回収した生乳Mを大規模集積所L2で大型貯留槽510に移し替える際にようやく冷却していた。そのため、大型貯留槽510に移し替えるまで生乳Mが高温に晒され、生乳M内の細菌が増殖するおそれが高かった。また、細菌が増殖した低品質な生乳Mがそのまま大型貯留槽510に入れられることにより、大型貯留槽510内の生乳M全体の品質を落とす原因にもなっていた。これに対して、本実施形態では、第1搬送ステップS2前に生乳Mを冷却するため、従来と比較して、生乳M内の細菌の増殖を効果的に抑制することができる。また、本実施形態では、冷却ステップS1において生乳Mを一度冷却しており、当該時点における生乳Mの温度が従来よりも低いため、ここでの冷却の省エネルギー化(省電力化、スループット時間短縮等)を図ることができる。
【0041】
≪牛乳製造ステップS4≫
牛乳製造ステップS4では、まず、搬送された生乳Mが原料乳として受け入れ可能かどうかの検査を行う。検査に合格した生乳Mは、冷却機で10℃以下に冷却され、貯乳タンクへ送られる。次に、遠心分離装置、濾過機等を用いて生乳M中のゴミ、異物等を分離・除去する。次に、生乳Mの均質化(ホモジナイズ)を行い、乳脂肪球を細かい粒子にする。次に、生乳Mを加熱して殺菌を死滅させ、殺菌後、直ちに10℃以下に冷却する。殺菌処理された生乳Mは、貯乳タンクに一時的に貯蔵された後、牛乳容器に充填され、出荷検査に合格した牛乳が牛乳工場から出荷される。
【0042】
このような搬送方法によれば、搾乳してからなるべく短時間で生乳Mを冷却することができ、さらには、十分に冷えた状態を保って生乳を牛乳製造工場600まで搬送することができる。そのため、生乳Mの品質低下が抑制され、原料乳として受け入れ可能な量が増える。
【0043】
以上、本発明の冷却装置および搬送方法について、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成や工程を付加することもできる。
【符号の説明】
【0044】
100…冷却装置、110…本体、111…爪部、120…冷却槽、121…断熱材、130…冷却水、140…固定部、141…挿通孔、142…切り欠き、150…冷却ユニット、151…圧縮機、152…凝縮器、153…膨張弁、154…蒸発器、155…管路、160…ガイド、161…棒材、170…撹拌機、180…ポンプ、200…タンク、210…大径部、220…小径部、230…テーパ部、300…保冷ケース、400…回収トラック、412…切り欠き、500…タンクローリー、510…大型貯留槽、600…牛乳製造工場、L1…小規模収集所、L2…大規模集積所、M…生乳、Q…酪農家、S1…冷却ステップ、S2…第1搬送ステップ、S3…第2搬送ステップ、S4…牛乳製造ステップ

図1
図2
図3
図4
図5
図6