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特開2024-105083位置特定システムおよび位置特定方法
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  • 特開-位置特定システムおよび位置特定方法 図1
  • 特開-位置特定システムおよび位置特定方法 図2
  • 特開-位置特定システムおよび位置特定方法 図3
  • 特開-位置特定システムおよび位置特定方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024105083
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】位置特定システムおよび位置特定方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/115 20200101AFI20240730BHJP
【FI】
H05B47/115
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023009637
(22)【出願日】2023-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】植田 修
(72)【発明者】
【氏名】生沼 貴久
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA10
3K273QA28
3K273QA29
3K273RA04
3K273SA18
3K273SA31
3K273SA57
3K273SA60
3K273TA03
3K273TA05
3K273TA15
3K273TA22
3K273TA47
3K273UA17
3K273VA01
3K273VA02
(57)【要約】
【課題】簡易に空間内における対象の位置情報を特定するためのシステムを提供する。
【解決手段】位置特定システム1は、位置特定装置100と照明装置200とからなる、室内に複数存在するエリアを特定する位置特定システムであって、位置特定装置100は、ユーザからエリアにおける行と列の指定を受け付ける受付部121を有し、照明装置200は、受付部121によって受け付けたユーザの指定に基づいて、指定のエリアに向けて光を照射する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置特定装置と照明装置とからなる、室内に複数存在するエリアを特定する位置特定システムであって、
前記位置特定装置は、ユーザから前記室内における行と列との指定を受け付ける受付部
を有し、
前記照明装置は、前記受付部によって受け付けた前記ユーザの前記指定に基づいて、指定されたエリアに向けて光を照射することを特徴とする位置特定システム。
【請求項2】
前記照明装置は、前記室内の壁面の外側から、前記受付部によって受け付けた前記ユーザの前記指定に基づいて、指定されたエリアに向けて光を照射することを特徴とする請求項1に記載の位置特定システム。
【請求項3】
前記照明装置は、指定されたエリアに照射した光を当該エリアにいるユーザが視認できる高さに設置されることを特徴とする請求項2に記載の位置特定システム。
【請求項4】
前記照明装置は、指定されたエリアに照射した光を当該エリアに着席しているユーザが視認できる高さに設置されることを特徴とする請求項3に記載の位置特定システム。
【請求項5】
位置特定装置と照明装置によって実行される室内に複数存在するエリアを特定する位置特定方法であって、
前記位置特定装置が、ユーザから前記室内における行と列の指定を受け付ける受付工程と、
前記照明装置が、前記受付工程によって受け付けた前記ユーザの前記指定に基づいて、指定されたエリアに向けて光を照射する照射工程と
を含むことを特徴とする位置特定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置特定システムおよび位置特定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空調制御、照明制御、入退室管理等の目的で、エリア内における対象の位置情報を取得する技術が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-075138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、簡易に空間内における対象の位置情報を特定することができないという問題があった。
【0005】
例えば、位置情報を特定するために所定の端末が必要である。また、例えば、位置情報の精度が低いという問題がある。また、例えば、誤って目的としないエリアに対して制御が行われることで、作業者の集中を妨げ、作業効率の低下につながるといった問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本願の位置特定システムは、位置特定装置と照明装置とからなる、室内に複数存在するエリアを特定する位置特定システムであって、前記位置特定装置は、ユーザから前記エリアにおける行と列の指定を受け付ける受付部を有し、前記照明装置は、前記受付部によって受け付けた前記ユーザの前記指定に基づいて、指定されたエリアに向けて光を照射することを特徴とする。
【0007】
本願の位置特定方法は、位置特定装置と照明装置によって実行される室内に複数存在するエリアを特定する位置特定方法であって、位置特定装置が、ユーザから室内における行と列の指定を受け付ける受付工程と、照明装置が、前記受付工程によって受け付けた前記ユーザの前記指定に基づいて、指定されたエリアに向けて光を照射する照射工程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、簡易に空間内における対象の位置情報を特定することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る位置特定システムの機能構成図の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る位置特定システムによる処理の概要を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る位置特定システムによる照明の照射位置を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る位置特定システムによる位置特定処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態(適宜、「実施形態」)について図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、各実施形態において共通する構成要素には同一の参照符号を付し、繰り返しの説明を省略する。
【0011】
[全体概要]
実施形態に係る位置特定システム1は、簡易に空間内における対象の位置情報を特定するための技術を提供する。従来、空調制御、照明制御、入退室管理等の目的で対象の位置情報を取得する技術が存在していたが、位置情報の取得には、例えば、GPS(Global Positioning System)といった位置測位機能を有する端末が必要であり、また、取得される位置情報の精度が低く、例えば、座席単位での位置情報を取得することができないという問題が存在した。さらには、取得される位置情報の精度が低いことから、目的としない空間に対して誤った空調・照明操作が行われ、他の作業者の集中を妨げることで作業効率の低下にも繋がりかねない。
【0012】
そこで、位置特定システム1は、室内空間の壁面に設置された照明から照射される光を、対象位置に存在するユーザが視認することにより、行・列から対象位置を特定する。これにより、所定の端末を必要とせず、簡易に対象の位置情報を高精度に取得することを可能とする。
【0013】
[位置特定システムの構成]
まず、図1を用いて、位置特定システム1の構成について説明する。図1は、実施形態に係る位置特定システム1の構成の一例を示す図である。図1が示すように、位置特定システム1は、位置特定装置100と、照明装置200とを有する。以下、これら各装置について説明する。
【0014】
位置特定装置100は、ユーザからの入力を受け付けて、室内のユーザが存在するエリアを特定するための装置である。位置特定装置100は、図1に示すように、通信部110と、制御部120と、記憶部130とを有する。なお、これらの各部は、複数の装置が分散して保持してもよい。以下にこれら各部の処理を説明する。
【0015】
通信部110は、NIC(Network Interface Card)等で実現され、LAN(Local Area Network)やインターネットなどの電気通信回線を介した外部装置と制御部120の通信を可能とする。例えば、通信部110は、外部装置と制御部120との通信を可能とする。
【0016】
記憶部130は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部130が記憶する情報には、フロアの情報、エリアの情報、座席の情報、照明の情報、ユーザからの指定に関する情報、その他位置特定に関する情報が含まれる。なお、上記は例であり、記憶部130が記憶する情報は上記に限定されない。
【0017】
制御部120は、CPU(Central Processing Unit)やNP(Network Processor)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等を用いて実現され、メモリに記憶された処理プログラムを実行する。図1に示すように、制御部120は、受付部121を有する。以下、制御部120が有する各部について説明する。
【0018】
受付部121は、ユーザから室内に複数存在するエリアにおける行と列との指定を受け付ける。例えば、図2の一例では、受付部121は、ユーザからエリアにおける行(1~8)と列(A~L)の指定を受け付ける。ここで、受付部121が受け付ける行と列との指定は、範囲であってもよい。例えば、受付部121、ユーザからエリアにおける行の範囲(3~5)と、列(B~D)の範囲との指定を受け付ける。また、受付部121は、ユーザから行のみ、または列のみの指定を受け付けてもよい。
【0019】
照明装置200は、光を照射する装置である。例えば、照明装置200は、受付部121によって受け付けたユーザの指定に基づいて、指定されたエリアに向けて光を照射する。また、照明装置200は、室内の壁面の外側から、受付部121によって受け付けたユーザの指定に基づいて、指定されたエリアに向けて光を照射する。例えば、照明装置200は、複数エリアが存在する室内の壁面の凹部から、受付部121によって受け付けたユーザの指定に基づいて、指定されたエリアに向けて光を照射する。例えば、照明装置200は、複数エリアが存在する室内の壁面凹部の所定の深さから、受付部121によって受け付けたユーザの指定に基づいて、指定されたエリアに向けて光を照射する。
【0020】
また、照明装置200は、所定の高さに設置されてもよい。例えば、照明装置200は、指定されたエリアに照射した光を、当該エリアにいるユーザが視認できる高さに設置されてもよい。また、例えば、照明装置200は、指定されたエリアに照射した光を当該エリアに着席しているユーザが視認できる高さに設置されてもよい。例えば、照明装置200は、指定されたエリアに照射した光を当該エリアに着席しているユーザのみが視認できる高さに設置されてもよい。
【0021】
なお、照明装置200には、目的に合わせて適宜異なる明度、彩度の光源を用いることができる。例えば、照明装置200は、暖色系の光源を用いてもよいし、寒色系の光源を用いてもよい。また、照明装置200は、照明の光度や照度の変更、所定周期の点滅等により、視認性が高くなるように光を照射してもよい。
【0022】
[位置特定]
次に、位置特定システム1が行う処理の概要について、図2を用いて説明する。図2は、実施形態に係る位置特定システム1による処理の概要を示した図である。本例では、ユーザが、複数エリアが存在する室内のエリア「4110」に存在する場合について説明する。
【0023】
まず、受付部121は、ユーザから室内における行と列との指定を受け付ける。例えば、受付部121は、図2に示すように、行「1~8」、列「A~L」の指定を受け付ける。例えば、受付部121は、ユーザからの行「4」、列「C」の指定を受け付ける。
【0024】
次に、照明装置200は、受付部121によって受け付けたユーザの指定に基づいて、指定されたエリアに向けて光を照射する。例えば、照明装置200は、受付部121によって受け付けたユーザの指定である行「4」、列「C」に基づいて、指定されたエリアである、行「4」、列「C」に向けて光を照射する。
【0025】
ユーザは、行「4」、列「C」に向けて照射された光を視認することで、自身の位置を行「4」、列「C」が交わるエリア「4110」に存在すると知ることができる。
【0026】
このように、位置特定システム1は、指定されたエリアにいるユーザに、照明装置200から照射された光を視認させることで、ユーザ自身の位置の特定を可能とする。
【0027】
ここで、照明装置200は、図3(2)に示すように、壁面の外側に設置されていてもよい。例えば、図3(1)に示すように、壁面の内側に設置される場合、建物の形状等により、照明装置200の照射対象となるエリアに存在するユーザ以外からも、照明装置200から照射された光を視認可能である場合がある。照明装置200を、図3(2)に示すように設置することにより、照明装置200の照射対象となるエリアに存在するユーザのみが、照明装置200から照射された光を視認することができる。
【0028】
一方、受付部121が、ユーザが存在するエリアと異なるエリアの指定を受けると、異なるエリアに対して光が照射されるため、ユーザは照明装置200から照射された光を視認することができない。この場合には、受付部121は、再び、ユーザからの行、列の指定を受け付ける。そして、照明装置200は、受付部121によって受け付けたユーザの指定に基づいて、指定されたエリアに向けて光を照射する。
【0029】
[フローチャート]
次に、上述した構成の位置特定システム1による位置特定処理について、図4のフローチャートを参照して説明する。図4は、実施形態に係る位置特定システム1による処理の一例を示すフローチャートである。なお、以下の各ステップは、異なる順序で実行することもできる。また、以下の各ステップのうち、省略される処理があってもよい。
【0030】
まず、受付部121は、ユーザから室内における行と列との指定を受け付ける(ステップS101)。例えば、受付部121は、ユーザから室内における行「1~8」、列「A~L」の指定を受け付ける。
【0031】
そして、照明装置200は、受付部121によって受け付けたユーザの指定に基づいて、指定のエリアに向けて光を照射する(ステップS102)。照明装置200は、室内の壁面の外側から、受付部121によって受け付けたユーザの指定に基づいて、指定されたエリアに向けて光を照射する。
【0032】
[効果]
上述のように、実施形態に係る位置特定システム1は、位置特定装置100と照明装置200とからなる、室内に複数存在するエリアを特定する位置特定システムであって、位置特定装置100は、ユーザから室内における行と列との指定を受け付ける受付部121を有し、照明装置200は、受付部121によって受け付けたユーザの指定に基づいて、指定されたエリアに向けて光を照射する。
【0033】
これにより、実施形態に係る位置特定システム1は、指定された行列に向けて光を照射することで、簡易にエリア内におけるユーザの位置の特定を可能とする。
【0034】
また、実施形態に係る位置特定システム1において、照明装置200は、室内の壁面の外側から、受付部121によって受け付けたユーザの指定に基づいて、指定されたエリアに向けて光を照射する。これにより、実施形態に係る位置特定システム1は、指定された行列に存在するユーザにのみ視認できるよう光を照射することで、より正確、かつ、簡易にエリア内におけるユーザの位置の特定を可能とする。
【0035】
また、実施形態に係る位置特定システム1において、照明装置200は、指定されたエリアに照射した光を当該エリアにいるユーザが視認できる高さに設置される。これにより、実施形態に係る位置特定システム1は、簡易にエリア内におけるユーザの位置の特定を可能とする。
【0036】
また、実施形態に係る位置特定システム1において、照明装置200は、指定されたエリアに照射した光を当該エリアに着席しているユーザが視認できる高さに設置される。これにより、実施形態に係る位置特定システム1は、指定された行列に着席しているユーザにのみ視認できる光を照射することで、着席した状態のまま、より正確、かつ、簡易にエリア内におけるユーザの位置の特定を可能とする。
【0037】
[その他]
ここまで、本発明に係る実施形態の一例について説明をしたが、本発明は上記実施例に限定されるものではない。すなわち、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明の位置特定システムを具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
【符号の説明】
【0038】
1 位置特定システム
100 位置特定装置
110 通信部
120 制御部
121 受付部
130 記憶部
200 照明装置
図1
図2
図3
図4