(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024105100
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】半導体装置及び電子機器
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3205 20060101AFI20240730BHJP
H01L 27/144 20060101ALI20240730BHJP
H01L 21/60 20060101ALI20240730BHJP
H01L 21/66 20060101ALI20240730BHJP
H01L 27/146 20060101ALN20240730BHJP
【FI】
H01L21/88 T
H01L27/144 Z
H01L21/60 301N
H01L21/66 B
H01L27/146 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023009667
(22)【出願日】2023-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100114177
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】近藤 良亮
(72)【発明者】
【氏名】山本 悟司
(72)【発明者】
【氏名】竹内 啓太
【テーマコード(参考)】
4M106
4M118
5F033
5F044
【Fターム(参考)】
4M106AA01
4M106AA07
4M106AB01
4M106AD01
4M106AD23
4M106AD24
4M106BA01
4M106DD03
4M118AA09
4M118AB01
4M118BA14
4M118BA19
4M118CA01
4M118FA06
4M118GA02
4M118GC07
4M118GD03
4M118GD04
4M118HA25
4M118HA30
5F033HH08
5F033HH09
5F033RR04
5F033VV00
5F033VV07
5F033VV12
5F033XX05
5F033XX30
5F033XX37
5F044AA14
5F044EE01
5F044EE02
5F044EE07
(57)【要約】
【課題】プローブ針を用いた検査時間の短縮を図る。
【解決手段】半導体層と、前記半導体層の一面側に設けられた多層配線層と、
前記多層配線層に設けられた兼用電極パッド及び専用電極パッドと、を備えている。そして、前記兼用電極パッドは、接続部材が接続されるボンディング領域と、プローブ針が圧接されるプローブ領域とを含み、前記専用電極パッドは、プローブ針が圧接され、かつ前記兼用電極パッドよりも平面サイズが小さい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体層と、
前記半導体層の一面側に設けられた多層配線層と、
前記多層配線層に設けられた兼用電極パッド及び専用電極パッドと、
を備え、
前記兼用電極パッドは、接続部材が接続されるボンディング領域と、プローブ針が接触されるプローブ領域とを含み、
前記専用電極パッドは、プローブ針が圧接され、かつ前記兼用電極パッドよりも平面サイズが小さい、
半導体装置。
【請求項2】
前記兼用電極パッドの前記プローブ領域、及び前記ブローブ専用電極パッドの各々は、プローブ針の圧接によるプローブ痕を含む、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記接続部材は、ボンディングワイヤである、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記兼用電極パッドが複数配置された電極パッド列を更に備え、
専用電極パッドは、前記電極パッド列において、互いに隣り合う前記兼用電極パッドの間に配置されている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記兼用電極パッドが複数配置された電極パッド列を更に備え、
前記専用電極パッドは、前記電極パッド列の延伸方向の外側に配置されている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記兼用電極パッドが複数配置された電極パッド例を更に備え、
前記専用電極パッドは、前記電極パッド列と並んで複数配置されている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記半導体層は、トランジスタが設けられた素子形成可能領域と、平面視で前記素子形成可能領域の外側に設けられた周辺領域と、を含み、
前記兼用電極パッドは、前記ボンディング領域が平面視で前記周辺領域と重畳し、前記プローブ領域が平面視で前記素子形成可能領域と重畳している、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記半導体層を第1半導体層とし、
前記多層配線層の前記第1半導体層側とは反対側に設けられ、かつ光電変換部が設けられた第2半導体層を更に備えている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項9】
半導体装置と、
被写体からの像光を前記半導体装置の撮像面上に結像させる光学レンズと、
前記半導体装置から出力される信号に信号処理を行う信号処理回路と、
を備え、
前記半導体装置は、
半導体層と、
前記半導体層の一面側に設けられた多層配線層と、
前記多層配線層に設けられた兼用電極パッド及び専用電極パッドと、
を備え、
前記兼用電極パッドは、接続部材が接続されるボンディング領域と、プローブ針が接触されるプローブ領域とを含み、
前記専用電極パッドは、プローブ針が圧接され、かつ前記兼用電極パッドよりも平面サイズが小さい、電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術(本開示に係る技術)は、半導体装置及び電子機器に関し、特に、ボンディングワイヤが接続される電極パッドを備えた半導体装置、及びそれを備えた電子機器に適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体装置は、ボンディングワイヤや、バンプ電極の下地膜であるメタライズ膜などの接続部材が接続される電極パッドを備えている。特許文献1には、ボンディングワイヤが接続されるボンディング領域と、検査時にプローブ針が圧接されるプローブ領域とを含む電極パッド(兼用電極パッド)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の半導体装置では、電極パッドの数が電気特性検査に用いるプローブ針の数を律速するため、検査時間の短縮に限界があった。
【0005】
本技術の目的は、プローブ針を用いる特性検査での時間短縮を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本技術の一態様に係る半導体装置は、
半導体層と、
上記半導体層の一面側に設けられた多層配線層と、
上記多層配線層に設けられた兼用電極パッド及び専用電極パッドと、
を備え、
上記兼用電極パッドは、接続部材が接続されるボンディング領域と、プローブ針が圧接されるプローブ領域とを含み、
上記専用電極パッドは、プローブ針が圧接され、かつ上記兼用電極パッドよりも平面サイズが小さい。
【0007】
(2)本技術の他の態様に係る電子機器は、
上記半導体装置と、
被写体からの像光を上記半導体装置の撮像面上に結像される光学レンズと、
上記半導体装置から出力される信号に信号処理を行う信号処理回路と、
を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本技術の第1実施形態に係る半導体装置の電極パッド配置パターンを模式的に示す平面図である。
【
図2】
図1の平面図において、素子形成可能領域及び周辺領域を示す図である。
【
図3A】
図1のA1-A1切断線に沿った縦断面構造を模式的に示す縦断面図である。
【
図3B】
図1のB1-B1切断線に沿った縦断面構造を模式的に示す縦断面図である。
【
図4A】
図1の兼用電極パッドの部分を拡大して示す要部拡大平面図である。
【
図4B】
図4AのA4-A4切断線に沿った縦断面構造を模式的に示す縦断面図である。
【
図5A】
図1の専用電極パッドの部分を拡大して示す要部拡大平面図である。
【
図5B】
図5AのA5-A5切断線に沿った縦断面構造を模式的に示す縦断面図である。
【
図6B】
図6AのA領域を拡大してチップ領域の構成を示す図である。
【
図7A】本技術の半導体装置の製造方法の工程を模式的に示す縦断面図である。
【
図7B】本技術の半導体装置の製造方法の工程を模式的に示す縦断面図である。
【
図8A】
図7Aに引き続く工程を模式的に示す縦断面図である。
【
図8B】
図7Bに引き続く工程を模式的に示す縦断面図である。
【
図9A】
図8Aに引き続く工程を模式的に示す縦断面図である。
【
図9B】
図8Bに引き続く工程を模式的に示す縦断面図である。
【
図11】兼用電極パッドの構成を説明するための図である。
【
図12】本技術の第1実施形態の変形例を模式的に示す平面図である。
【
図13】本技術の第2実施形態に係る半導体装置の電極パッド配置パターンを模式的に示す平面図である。
【
図14】本技術の第3実施形態に係る固体撮像装置の電極パッド配置パターンを模式的に示す平面図である。
【
図15】
図14の平面図において、素子形成可能領域、周辺領域及びセンサ画素アレイ部を示す図である。
【
図16】
図14のA14-A14切断線に沿った縦断面構造を模式的に示す縦断面図である。
【
図17】本技術の第4実施形態に係る電子機器の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本技術の実施形態を詳細に説明する。
以下の説明で参照する図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。
【0010】
また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。また、本明細書中に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
【0011】
また、以下の実施形態は、本技術の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであり、構成を下記のものに特定するものではない。即ち、本技術の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0012】
また、以下の説明における上下等の方向の定義は、単に説明の便宜上の定義であって、本技術の技術的思想を限定するものではない。例えば、対象を90°回転して観察すれば上下は左右に変換して読まれ、180°回転して観察すれば上下は反転して読まれることは勿論である。
【0013】
また、以下の実施形態では、二次元平面内で互いに直交する第1の方向及び第2の方向をそれぞれX方向、Y方向とし、二次元平面と直交する第3の方向をZ方向とする。そして、以下の実施形態では、後述する半導体チップを平面視したときの面を二次元平面とし、この二次面平面と直交する厚さ方向をZ方向として説明する。
【0014】
〔第1実施形態〕
この第1実施形態では、接続部材としてボンディングワイヤが接続される兼用電極パッドを備えた半導体装置に本技術を適用した一例について説明する。
【0015】
≪半導体装置の全体構成≫
図1及び
図2に示すように、本技術の第1実施形態に係る半導体装置1Aは、平面視したときの二次元平面形状が方形状の半導体チップ2を主体に構成されている。即ち、半導体装置1Aは半導体チップ2に搭載されており、半導体チップ2を半導体装置1Aとみなすことができる。半導体装置1Aが搭載された半導体チップ2は、互いに直交するX方向及びY方向を含む二次元平面において、中央部に設けられた方形状の素子形成可能領域2Aと、この素子形成可能領域2Aの外側に素子形成可能領域2Aを囲んで設けられた周辺領域2Bとを備えている。半導体チップ2は、製造プロセスにおいて、後述の半導体層21を含む半導体ウエハをチップ形成領域毎に小片化することによって形成される。即ち、以下に説明する半導体装置1Aの構成は、半導体ウエハを小片化する前のウエハ状態においても概ね同様である。したがって、本技術は、半導体チップの状態及び半導体ウエハの状態において適用が可能である。
【0016】
≪半導体装置の具体的な構成≫
次に、半導体装置1Aの具体的な構成について、
図1から
図5Bを用いて説明する。
図1及び
図2に示すように、半導体装置1Aが搭載された半導体チップ2は、その厚さ方向(Z方向)と交差する平面形状が方形状で形成され、この第1実施形態では例えば正方形で形成されている。
【0017】
図3A及び
図3Bに示すように、半導体チップ2は、半導体層21と、この半導体層21の厚さ方向において互いに反対側に位置する第1の面及び第2の面のうちの第1の面(素子形成面)に設けられた複数のトランジスタ素子Trと、半導体層21の第1の面側において絶縁層及び配線層を交互に複数段積み重ねて形成された多層配線層(積層体)22と、を備えている。
ここで、半導体層の第1の面を素子形成面又は主面と呼ぶこともある。
【0018】
また、
図1から
図3Bに示すように、半導体チップ2は、多層配線層22に設けられた兼用電極パッド24及び専用電極パッド25を更に備えている。
【0019】
また、半導体チップ2は、兼用電極パッド24が半導体チップ2の二次元平面における辺に沿って複数配置された電極パッド列23を更に備えている。この実施形態では、一例として、半導体チップ2の二次元平面における4つの辺に対応して4つの電極パッド列23が設けられているが、これに限定されるものではない。
【0020】
半導体層21は、例えば単結晶シリコンで構成されている。多層配線層22の絶縁層は、例えば酸化シリコン膜で構成されている。多層配線層22の配線層は、例えば、アルミニウム(Al)膜、又はAlにシリコン(Si)及び銅(Cu)の少なくとも何れかが添加されたアルミニウム合金膜で構成されている。Cuは主にエレクトロマイグレーション耐性の向上を図る目的で添加される。Siは主にアロイスパイク耐性の向上を図る目的で添加される。この第1実施形態の配線層は、例えばAlにSi及びCuが添加されたAl-Si-Cu組成のAl合金膜で構成されている。
【0021】
図3A及び
図3Bに示すように、半導体層21及び多層配線層22は、平面視で半導体チップ2の素子形成可能領域2A及び周辺領域2Bに亘って設けられている。即ち、半導体層21及び多層配線層22の各々は、素子形成可能領域2A及び周辺領域2Bを含む。
【0022】
半導体チップ2は、内部回路(集積回路)を備えている。この内部回路は、主に、半導体層21に設けられたトランジスタ素子Trと、多層配線層22の配線層に形成された配線とによって構築されている。トランジスタ素子Trは、半導体層21の素子形成可能領域2Aに設けられている。
【0023】
<兼用電極パッド>
図3Aに示すように、兼用電極パッド24は、多層配線層22の最上層の配線層に設けられている。例えば、この第1の実施形態の兼用電極パッド24は、Alを主成分とするAl-Si-Cu組成の合金膜で構成されている。そして、兼用電極パッド24は、その中央領域が多層配線層22の最上層の絶縁層26に設けられた開口部27から露出し、その周縁領域が最上層の絶縁層26で覆われている。即ち、開口部27は、
図4A及び
図4Bに示すように、平面視での輪郭が兼用電極パッド24の輪郭よりも内側に位置している。
【0024】
図4A及び
図4Bに示すように、兼用電極パッド24は、平面視での平面形状が方形状になっており、この第1実施形態では例えば長方形状になっている。
【0025】
兼用電極パッド24は、接続部材として例えばボンディングワイヤ45が接続されるボンディング領域24aと、特性検査工程において電気特性検査装置のプローブ針が接触されるプローブ領域24bとを含む。ボンディング領域24a及びプローブ領域24bは、この順で兼用電極パッド24の長手方向に配置されている。
【0026】
兼用電極パッド24は、平面視で素子形成可能領域2Aと周辺領域2Bとに亘って設けられている。そして、兼用電極パッド24は、ボンディング領域24aが平面視で周辺領域2Bと重畳し、プローブ領域24bが平面視で素子形成可能領域2Aと重畳している。
【0027】
兼用電極パッド24のボンディング領域24aは、外部との電気的な導通を仲介するボンディングワイヤ45が接続される領域である。兼用電極パッド24のプローブ領域24bは、
図9Aに示す特性検査工程において、半導体装置1Aの動作確認や電気的特性を検査するための電気特性検査装置のプローブ針41が接触される領域である。電気特性検査工程では、兼用電極パッド24のプローブ領域24bにプローブ針41を圧接し、プローブ領域24bの表面に形成された不働態(酸化被膜)を破ることで電気的な接続を行っている。このため、
図4A及び
図4Bに示すように、兼用電極パッド24のプローブ領域24bには、プローブ針41の圧接によるプローブ痕(打痕)43が形成される。
【0028】
兼用電極パッド24は、ボンディングワイヤ45を接続させるボンディング領域24aと、プローブ針41を接触させるプローブ領域24bとを分けることにより、プローブ痕43に起因するボンディングワイヤ45の接続強度の低下を抑制することができる。
【0029】
兼用電極パッド24は、半導体チップ2の内部回路(集積回路)と電気的に接続されている。そして、兼用電極パッド24は、信号入出力端子や電源供給端子などの外部端子として機能すると共に、プローブ針が接触される検査用端子としても機能する。
【0030】
<専用電極パッド>
図3Bに示すように、専用電極パッド25は、兼用電極パッド24と同様に、多層配線層22の最上層の配線層に設けられている。即ち、この第1の実施形態の専用電極パッド25は、Alを主成分とするAl-Si-Cu組成の合金膜で構成されている。そして、専用電極パッド25は、その中央領域が多層配線層22の最上層の絶縁層26に設けられた開口部28から露出し、その周縁領域が最上層の絶縁層26で覆われている。即ち、開口部28は、
図5A及び
図5Bに示すように、平面視での輪郭が専用電極パッド25の輪郭よりも内側に位置している。
【0031】
図5A及び
図5Bに示すように、専用電極パッド25は、平面視での平面形状が方形状になっており、この第1実施形態では例えば正方形状になっている。そして、専用電極パッド25は、平面視での平面サイズが
図4A及び
図4Bに示す兼用電極パッド24の平面サイズよりも小さい。
【0032】
専用電極パッド25は、兼用電極パッド24とは異なり、プローブ針が接触される専用パッドであり、ボンディングワイヤが接続されるボンディング領域を含んでいない。
【0033】
専用電極パッド25は、
図9Bに示す特性検査工程において、半導体装置1Aの動作確認や電気的特性を検査するための電気特性検査装置のプローブ針42が接触される電極パッドである。特性検査工程では、兼用電極パッド24と同様に、専用電極パッド25にプローブ針42を圧接し、専用電極パッド25の表面に形成された不働態(酸化被膜)を破ることで電気的な接続を行っている。このため、
図5A及び
図5Bに示すように、専用電極パッド25においても、プローブ針42の圧接によるプローブ痕(打痕)44が形成される。
【0034】
図1に示すように、専用電極パッド25は、電極パッド列23において、平面視で互いに隣り合う兼用電極パッド24と兼用電極パッド24との間に配置されている。また、専用電極パッド25は、電極パッド列23の延伸方向の外側にも配置されている。換言すれば、専用電極パッド25は、平面視で半導体チップの2つの辺が交わる角部にも配置されている。
【0035】
専用電極パッド25は、平面視での平面サイズが兼用電極パッドの平面サイズよりも小さい。このため、電極パッド列23において、互いに隣り合う2つの兼用電極パッドの間に同サイズの兼用電極パッドを配置することができない領域であっても専用電極パッド25を配置することができる。また、半導体チップの角部ではワイヤボンディングが困難であることから、半導体チップの角部に兼用電極パッドを配置しないが、専用電極パッドであれば半導体チップの角部への配置が可能である。即ち、空き領域を有効に活用することができ、兼用電極パッドを減らすことなく、専用電極パッドを増やすことができる。
【0036】
専用電極パッド25は、半導体チップの内部回路(集積回路)と電気的に接続されている。そして、専用電極パッド25は、プローブ針が接触される検査用端子として機能する。
【0037】
≪半導体装置の製造方法≫
次に、半導体装置(半導体チップ2)1Aの製造方法について、
図6Aから
図10を用いて説明する。
図6Aは、半導体装置1Aの製造に用いられる半導体ウエハ30の平面構成を示す図であり、
図6Bは、
図6AのA領域を拡大してチップ形成領域31の構成を示す図である。
また、
図7Aから
図10は、半導体装置1Aの製造方法を説明するための模式的断面図である。そして、
図7A、
図8A及び
図9Aは、
図4AのA4-A4切断線と同一位置での縦断面図であり、
図7B、
図8B及び
図9Bは、
図5AのA5-A5切断線と同一位置での縦断面図である。
【0038】
ここで、半導体装置1Aは、
図6A及び
図6Bに示す半導体ウエハ30のチップ形成領域31に製作される。チップ形成領域31は、スクライブライン(ダイシング領域)32で区画され、スクライブライン32を介してX方向及びY方向のそれぞれの方向に繰り返し配置されている。即ち、チップ形成領域31は、行列状に複数配置されている。そして、この複数のチップ形成領域31をスクライブライン32に沿って個々に個片化することにより、半導体装置1Aを搭載した半導体チップ2(
図10参照)が形成される。チップ形成領域31の個片化は、以下に説明する製造工程が施された後に実施される。
なお、スクライブライン32は、物理的に形成されているものではない。
また、
図6Aは、半導体ウエハ30を複数の半導体チップ2に個片化する前のウエハ状態を示す図である。そして、
図7Aから
図9Bは、チップ形成領域31での縦断面構造を示す縦断面図である。
【0039】
まず、
図6Bに示すチップ形成領域31に内部回路(集積回路)を形成する。内部回路は、
図7A及び
図7Bに示す半導体層21の素子形成面(第1の面)にトランジスタ素子Trを形成し、その後、
図7A及び7Bに示すように、半導体層21の素子形成面上に多層配線層22を形成することによって構築される。多層配線層22は、半導体層21の素子形成面側において、絶縁層及び配線層を交互に積層することによって形成される。
図7A及び
図7Bに示すように、多層配線層22の最上層の配線層には兼用電極パッド24及び専用電極パッド25の各々が形成されている。そして、兼用電極パッド24及び専用電極パッド25の各々は、多層配線層22の最上層の絶縁層26で覆われている。半導体層21は、例えば単結晶シリコンで構成されている。トランジスタ素子Trとしては、例えば、pチャネル導電型のMOSFET((Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor))及びnチャネル導電型のMOSFETが用いられている。即ち、内部回路は、CMOS(Complementary MOS)回路構成になっている。
兼用電極パッド24は、接続部材としてのボンディングワイヤが接続されるボンディング領域24aと、プローブ針が接触させるプローブ領域24bとを含む。そして、兼用電極パッド24は、チップ形成領域31の内部回路(集積回路)と電気的に接続されている。そして、兼用電極パッド24は、信号入出力端子や電源供給端子などの外部端子として機能すると共に、プローブ針が接触される検査用端子としても機能する。
専用電極パッド25は、チップ形成領域31の内部回路(集積回路)と電気的に接続されている。そして、専用電極パッド25は、プローブ針が接触される検査用端子として機能する。
【0040】
次に、
図8A及び8Bに示すように、絶縁層26に開口部(ボンディング開口部)27を形成して兼用電極パッド24を露出すると共に、絶縁層26に開口部(プローブ開口部)28を形成して専用電極パッド25を露出する。開口部27は、平面視での輪郭が兼用電極パッド24の輪郭よりも内側に位置する平面パターンで形成される。開口部28は、平面視での輪郭が専用電極パッド25の輪郭よりも内側に位置する平面パターンで形成される。兼用電極パッド24は、絶縁層26の側壁で囲まれた開口部27から露出する。専用電極パッド25は、絶縁層26の側壁で囲まれた開口部28から露出する。
【0041】
次に、兼用電極パッド24及び専用電極パッド25を介して内部回路の電気特性を検査する。検査は、
図9Aに示すように、電気特性検査装置のプローブ針41を兼用電極パッド24のプローブ領域24bに接触させ、かつ
図9Bに示すように、電気特性検査装置のプローブ針42を専用電極パッド25に接触させて行う。
【0042】
この電気特性検査工程では、兼用電極パッド24のプローブ領域24bにプローブ針41を圧接し、プローブ領域24bの表面に形成された不働態(酸化被膜)を破ることで電気的な接続を行っている。また、専用電極パッド25にプローブ針42を圧接し、専用電極パッド25の表面に形成された不働態(酸化被膜)を破ることで電気的な接続を行っている。このため、
図9Aに示すように、プローブ針41の圧接によるプローブ痕(打痕)43が兼用電極パッド24のプローブ領域24bに形成される。また、
図9Bに示すように、プローブ針42の圧接によるプローブ痕(打痕)44が専用電極パッド25に形成される。
【0043】
この電気特性検査工程において、兼用電極パッド24と共に専用電極パッドが設けられているため、プローブ針の数が兼用電極パッドの数に律速されない。即ち、1つのチップ形成領域31(1チップ)で同時に使用できるプローブ針の数を増やすことができるので、プローブ針を用いる電気特性検査での時間短縮を図ることができる。
【0044】
次に、
図6A及び
図6Bに示す半導体ウエハ30の複数のチップ形成領域31をスクライブライン(ダイシング領域)に沿って個々に個片化して、
図10に示すように、複数の半導体チップ2を形成する。
この工程により、半導体チップ2を主体とする半導体装置1Aがほぼ完成する。
【0045】
この後、半導体装置1A(半導体チップ2)を様々な形態のパッケージにパッケージングする工程において、
図4A及び
図4Bに示すように、兼用電極パッド24のボンディング領域24aにボンディングワイヤ45が接続される。ボンディングワイヤ45としては、例えば金(Au)ワイヤを用いることができる。そして、ボンディングワイヤ45の接続方法としては、例えば熱圧着に超音波振動を併用したボールボンディング(ネイルヘッドボンディング)法を用いることができる。
【0046】
≪第1実施形態の主な効果≫
次に、この第1実施形態の主な効果について説明する。
従来の半導体装置では、この第1実施の図面を参照して説明すると、兼用電極パッド24の数が電気特性検査に用いるプローブ針の数を律速するため、検査時間の短縮に限界があった。
【0047】
これに対し、この第1実施形態に係る半導体装置1Aは、兼用電極パッド24及び専用電極パッド25を備えている。このため、プローブ針の数が兼用電極パッドの数に律速されず、専用電極パッド25の数に応じてプローブ針42を増やすことができる。即ち、1つのチップ形成領域31(1チップ)で同時に使用できるプローブ針の数を増やすことができるので、プローブ針を用いる電気特性検査での時間短縮を図ることができる。
【0048】
また、専用電極パッド25は、平面視での平面サイズが兼用電極パッドの平面サイズよりも小さい。このため、兼用電極パッドを新たに配置することができない領域であっても、専用電極パッド25であれば配置することが可能となる。即ち、空き領域を有効に活用することができ、兼用電極パッドを減らすことなく、専用電極パッドを増やすことができる。
【0049】
また、空き領域を有効に活用することができるため、兼用電極パッド24及び専用電極パッド25を含む電極パッドの配置自由度の向上を図ることができる。
【0050】
また、専用電極パッドは兼用電極パッドと共に、半導体チップ2に残るので、半導体チップ2の状態においても専用電極パッド25にプローブ針42を接触させることができる。これにより、半導体チップ2の状態においても、プローブ針を用いる電気特性検査での時間短縮を図ることができる。
【0051】
また、兼用電極パッド24は、ボンディング領域24aが平面視で周辺領域2Bと重畳し、プローブ領域24bが平面視で素子形成可能領域2Aと重畳している。このため、プローブ領域24bにボンディングワイヤを接続するときの衝撃に起因して素子形成可能領域2Aのトランジスタ素子Trに影響するダメージを回避することができるため、プローブ針を用いる電気特性検査での時間短縮を図ることができると共に、半導体装置1Aの信頼性の向上を図ることができる。
【0052】
ここで、兼用電極パッド24の構成について説明する。
図11に示すように、
兼用電極パッド24の長手方向の全長をLとし、
兼用電極パッド24の長手方向に沿うボンディング領域24aの長さでボンディングワイヤの接続に最小限必要な長さをAとし、
兼用電極パッド24の長手方向に沿うプローブ領域24bの長さでプローブ針の接触に最小限必要な長さをBとし、
ボンディング領域24aにプローブ領域24bが重なっていてもボンディングワイヤとの接合強度が確保できる領域24cの兼用電極パッド24の長手方向に沿う長さをCとしたとき、
兼用電極パッド24は、L≧A+B-C、かつB>Cを満たすことが好ましい。
ただし、Cが存在しない場合もある。
【0053】
なお、上述の第1実施形態では、専用電極パッド25の配置として、互いに隣り合う2つの兼用電極パッド24の間と、半導体チップ2の角部と、にそれぞれ専用電極パッド25を配置した場合に説明したが、専用電極パッド25の配置は、互いに隣り合う2つの兼用電極パッド24の間と、半導体チップ2の角部との何れか一方であってもよい。
【0054】
≪第1実施形態の変形例≫
上述の第1実施形態に係る半導体装置1Aにおいては、
図12に示すように、マーキング部29を更に備えていてもよい。マーキング部29は、兼用電極パッド24のボンディング領域24aとプローブ領域24bとを明示するために設けられている。この変形例では、ボンディング領域24aに対応した領域にマーキング部29を設けているが、プローブ領域24bに対応した領域にマーキング部29を設けてもよい。
【0055】
マーキング部29は、兼用電極パッド24の長手方向に沿って延伸し、ボンディング領域24aに対応する領域に設けられた矩形の金属層であってもよい。マーキング部29は、アルミニウム(Al)又はタングステン(W)などの視認性又は検出性が高い金属材料で構成することにより、マーキング部29に対応するボンディング領域24aを目視又は検出装置にて検出を可能とすることができる。
【0056】
マーキング部29は、目視又は検出装置にて検出が可能であれば、金属層以外の他の材料で構成してもよい。例えば、マーキング部29は、ボンディング領域24a及びプローブ領域24bの配列方向に延伸し、ボンディング領域24aに対応する領域に設けられた矩形のピット(凸部)又はランド(凸部)であってもよい。このような場合でも、マーキング部29は、マーキング部29に対応するボンディング領域24aを目視又は検出装置にて検出を可能とすることができる。
【0057】
〔第2実施形態〕
本技術の第2実施形態に係る半導体装置1Bは、基本的に上述の第1実施形態に係る半導体装置1Aと同様の構成になっており、以下の構成が異なっている。
即ち、
図13に示すように、この第2実施形態に係る半導体装置1Bは、4つの電極パッド列23のうち、電極パッド列23Bの構成が異なっている。
【0058】
電極パッド列23Bは、兼用電極パッド24の長手方向が半導体チップ2の辺2x1に沿う向きで半導体チップ2の辺2x1に沿って配置された複数の兼用電極パッド24を含む。そして、専用電極パッド25が電極パッド列23Bと並んで複数配置されている。この電極パッド列23Bと並んで列をなす複数の専用電極パッド25は、電極パッド列23Bよりも半導体チップ2の内方側、換言すれば、電極パッド列23Bよりも半導体チップ2の辺2x1から離れた位置に配置されている。そして、詳細に図示していないが、電極パッド列23Bの兼用電極パッド24は、全体が平面視で周辺領域2Bと重畳している。
【0059】
この第2実施形態に係る半導体装置1Bにおいても、上述の実施形態1に係る半導体装置1Aと同様の効果が得られる。
【0060】
〔第3実施形態〕
この第3実施形態では、半導体装置に含まれる光検出装置として、裏面照射型のCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサである固体撮像装置に本技術を適用した一例について説明する。
図14は、本技術の第3実施形態に係る固体撮像装置1Cの電極パッド配置パターンを模式的に示す平面図である。
図15は、
図14の平面図において、素子形成可能領域、周辺領域及びセンサ画素アレイ部を示す図である。
図16は、
図14のA14-A14切断線に沿った縦断面構造を模式的に示す縦断面図である。
【0061】
≪固体撮像装置の全体構成≫
図14に示すように、本技術の第3実施形態に係る固体撮像装置1Cは、平面視したときの二次元平面形状が方形状の半導体チップ50を主体に構成されている。即ち、固体撮像装置1Cは半導体チップ50に搭載されており、半導体チップ50を固体撮像装置1Cとみなすことができる。この固体撮像装置1Cは、
図17に示すように、光学レンズ102を介して被写体からの像光(入射光106)を取り込み、撮像面上に結像された入射光106の光量を画素単位で電気信号に変換して画素信号として出力する。
【0062】
図15に示すように、固体撮像装置1Cが搭載された半導体チップ50は、互いに直交するX方向及びY方向を含む二次元平面において、中央部に設けられた方形状の素子形成可能領域51Aと、この素子形成可能領域51Aの外側に素子形成可能領域51Aを囲んで設けられた周辺領域51Bとを備えている。また、半導体チップ50は、平面視で素子形成可能領域51Aと重畳するセンサ画素アレイ部51Cを備えている。半導体チップ50は、製造プロセスにおいて、後述の半導体層61,71を含む半導体ウエハをチップ形成領域毎に小片化することによって形成される。したがって、以下に説明する固体撮像装置1Cの構成は、半導体ウエハを小片化する前のウエハ状態においても概ね同様である。即ち、本技術は、半導体チップの状態及び半導体ウエハの状態において適用が可能である。
【0063】
センサ画素アレイ部51Cは、例えば
図17に示す光学レンズ(光学系)102により集光される光を受光する受光面である。そして、センサ画素アレイ部51Cには、
図15及び
図16に示すように、X方向及びY方向を含む二次元平面において複数のセンサ画素53が行列状に配置されている。換言すれば、センサ画素53は、二次元平面内で互いに直交するX方向及びY方向のそれぞれの方向に繰り返し配置されている。
【0064】
半導体チップ50は、垂直駆動回路、カラム信号処理回路、水平駆動回路、出力回路及び制御回路などを含むロジック回路を備えている。ロジック回路は、例えば、CMOS回路で構成されている。
【0065】
複数のセンサ画素53の各々のセンサ画素53は、光電変換素子(光電変換部)を有している。そして、各センサ画素53の光電変換素子には、読出し回路が接続されている。光電変換素子は、
図16に示す半導体層61にセンサ画素53毎に構成されている。そして、光電変換素子は、光を受光量に応じた信号電荷に光電変換して保持する。
【0066】
≪固体撮像装置の具体的な構成≫
図14び
図15に示すように、固体撮像装置1Cが搭載された半導体チップ50は、その厚さ方向(Z方向)と交差する平面形状が方形状で形成され、この第3実施形態では例えば正方形で形成されている。
【0067】
図16に示すように、半導体チップ50は、各々の厚さ方向(Z方向)において、互いに向かい合って積層された受光基板部(第1半導体基体)60及び回路基板部(第2半導体基体)70を備えている。受光基板部60には、上述のセンサ画素アレイ部51Cなどが構成されている。回路基板部70には、上述のロジック回路や読出し回路などが構成されている。
【0068】
図16に示すように、受光基板部60は、厚さ方向(Z方向)において互いに反対側に位置する第1の面S1及び第2の面S2を有する半導体層61と、この半導体層61の第1の面S1及び側面(端面)を覆う絶縁層62と、を備えている。
【0069】
絶縁層62及び半導体層61は、二次元平面形状が方形状になっている。そして、半導体層61は、主にセンサ画素アレイ部51Cに設けられ、平面視での輪郭が絶縁層62の輪郭よりも内側に位置している。一方、絶縁層62は、平面視で素子形成可能領域51A及び周辺領域51Bに亘って設けられ、半導体層61の周囲に位置する部分の厚さが半導体層61と重畳する部分の厚さより厚くなっている。
【0070】
図16に示すように、受光基板部60は、半導体層61の第2の面S2側(光入射面側)に、この第2の面S2側から順次積層された平坦化膜64、カラーフィルタ65及びマイクロレンズ66を更に備えている。平坦化膜64は、半導体層61の第2の面S2側(光入射面側)を平坦化する。マイクロレンズ66は、半導体層61への入射光を集光する。カラーフィルタ65は、半導体層61への入射光を色分離する。カラーフィルタ65及びマイクロレンズ66は、それぞれセンサ画素53毎に設けられている。平坦化膜64は、平面視で素子形成可能領域51A及び周辺領域51Bに亘って設けられている。カラーフィルタ65及びマイクロレンズ66は、例えば樹脂性の材料で構成されている。
【0071】
図16に示すように、回路基板部70は、半導体層71と、この半導体層71の厚さ方向(Z方向)において互いに反対側に位置する第1の面及び第2の面のうちの第1の面に設けられた複数のトランジスタ素子Trと、この半導体層71の第1の面側に設けられた多層配線層(積層体)72、とを備えている。多層配線層72は、絶縁層及び配線層を交互に複数段積層した積層構造になっている。
【0072】
半導体層71は、例えば単結晶シリコンで構成されている。多層配線層72の絶縁層は、例えば酸化シリコン膜で構成されている。多層配線層72の配線層は、例えばAlにSi及びCuが添加されたAl-Si-Cu組成のAl合金膜で構成されている。
【0073】
図16に示すように、半導体層71及び多層配線層72の各々は、平面視で半導体チップ50の素子形成可能領域51A及び周辺領域51Bに亘って設けられている。即ち、半導体層71及び多層配線層72の各々は、素子形成可能領域51A及び周辺領域51Bを含む。
【0074】
上述のロジック回路及び読出し回路は、主に、半導体層71に設けられたトランジスタ素子Trと、多層配線層72の配線層に形成された配線とで構築されている。トランジスタ素子Trは、半導体層71の素子形成可能領域51Aに設けられている。この実施形態では、一例として、半導体チップ50の二次元平面における4つの辺に対応して4つの電極パッド列23が設けられているが、これに限定されるものではない。
【0075】
図14及び
図15に示すように、半導体チップ50は、兼用電極パッド24及び専用電極パッド25を更に備えている。また、半導体チップ50は、兼用電極パッド24が半導体チップ50の二次元平面における辺に沿って複数配置された電極パッド列23を更に備えている。
【0076】
図16に示すように、兼用電極パッド24は、多層配線層72の最上層の配線層に設けられている。図示していないが、専用電極パッド25も、兼用電極パッド24と同様に、多層配線層72の最上層の配線層に設けられている。
【0077】
兼用電極パッド24は、その中央領域が受光基板部60の光入射面側から回路基板部70の兼用電極パッド24に到達する開口部67から露出し、その周辺領域が絶縁層62で覆われている。図示していないが、専用電極パッド25も兼用電極パッド24と同様に、その中央領域が受光基板部60の光入射面側から回路基板部70の専用電極パッド25に到達する開口部から露出し、その周辺領域が絶縁層62で覆われている。
【0078】
この実施形態の兼用電極パッド24は、詳細に図示していないが、上述の第1実施形態と同様に、平面視で素子形成可能領域51Aと周辺領域51Bとに亘って設けられている。そして、兼用電極パッド24は、ボンディング領域24aが平面視で周辺領域51Bと重畳し、プローブ領域24bが平面視で素子形成可能領域51Aと重畳している。
【0079】
図14及び
図15に示すように、この実施形態の専用電極パッド25も、上述の第1実施形態と同様に、電極パッド列23において、平面視で互いに隣り合う2つの兼用電極パッド24の間に配置されている。また、専用電極パッド25は、電極パッド列23の延伸方向の外側にも配置されている。換言すれば、専用電極パッド25は、平面視で半導体チップの2つの辺が交わる角部にも配置されている。
【0080】
この第3実施形態に係る固体撮像装置1Cにおいても、上述の実施形態1に係る半導体装置1Aと同様の効果が得られる。
【0081】
なお、この第3実施形態では、半導体層71が本技術の「第1半導体層」の一具体例に相当し、半導体層61が本技術の「第2半導体層」の一具体例に相当する。そして、第2半導体層である半導体層61に上述の光電変換素子(光電変換部)が設けられている。そして、
図16に示すように、多層配線層72の半導体層71側とは反対側に半導体層61が設けられている。
【0082】
〔第4実施形態〕
≪電子機器への応用例≫
本技術(本開示に係る技術)は、例えば、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ等の撮像装置、撮像機能を備えた携帯電話機、又は、撮像機能を備えた他の機器といった各種の電子機器に適用することができる。
【0083】
図17は、本技術の第4実施形態に係る電子機器(例えば、カメラ)の概略構成を示す図である。
【0084】
図17に示すように、電子機器100は、固体撮像装置101と、光学レンズ102と、シャッタ装置103と、駆動回路104と、信号処理回路105とを備えている。この電子機器100は、固体撮像装置101として、本技術の第3実施形態に係る固体撮像装置1Cを電子機器(例えばカメラ)に用いた場合の実施形態を示す。
【0085】
光学レンズ102は、被写体からの像光(入射光106)を固体撮像装置101の撮像面上に結像させる。これにより、固体撮像装置101内に一定期間にわたって信号電荷が蓄積される。シャッタ装置103は、固体撮像装置101への光照射期間及び遮光期間を制御する。駆動回路104は、固体撮像装置101の転送動作及びシャッタ装置103のシャッタ動作を制御する駆動信号を供給する。駆動回路104から供給される駆動信号(タイミング信号)により、固体撮像装置101の信号転送を行なう。信号処理回路105は、固体撮像装置101から出力される信号(画素信号(画像信号))に各種信号処理を行う。信号処理が行われた映像信号は、メモリ等の記憶媒体に記憶され、或いはモニタに出力される。
【0086】
このような構成により、固体撮像装置101において特性検査での時間短縮が図られているため、電子機器100の低コスト化を図ることができる。
【0087】
なお、上述の実施形態の固体撮像装置を適用できる電子機器100としては、カメラに限られるものではなく、他の電子機器にも適用することができる。例えば、携帯電話機やタブレット端末等のモバイル機器向けカメラモジュール等の撮像装置に適用してもよい。
【0088】
また、本技術は、上述したイメージセンサとしての固体撮像装置の他、ToF(Time of Flight)センサと呼称され、距離を測定する測距センサなども含む光検出装置全般に適用することができる。測距センサは、物体に向かって照射光を発光し、その照射光が物体の表面で反射されて返ってくる反射光を検出し、照射光が発光されてから反射光が受光されるまでの飛行時間に基づいて物体までの距離を算出するセンサである。この測距センサにおいても、上述した兼用電極パッド及び専用電極パッドを採用することができる。
【0089】
なお、本技術は、以下のような構成としてもよい。
(1)
半導体層と、
前記半導体層の一面側に設けられた多層配線層と、
前記多層配線層に設けられた兼用電極パッド及び専用電極パッドと、
を備え、
前記兼用電極パッドは、接続部材が接続されるボンディング領域と、プローブ針が接触されるプローブ領域とを含み、
前記専用電極パッドは、プローブ針が圧接され、かつ前記兼用電極パッドよりも平面サイズが小さい、
半導体装置。
(2)
前記兼用電極パッドの前記プローブ領域、及び前記ブローブ専用電極パッドの各々は、プローブ針の圧接によるプローブ痕を含む、上記(1)に記載の半導体装置。
(3)
前記接続部材は、ボンディングワイヤである、上記(1)又は(2)に記載の半導体装置。
(4)
前記兼用電極パッドが複数配置された電極パッド列を更に備え、
専用電極パッドは、前記電極パッド列において、互いに隣り合う前記兼用電極パッドの間に配置されている、上記(1)から(3)の何れかに記載の半導体装置。
(5)
前記兼用電極パッドが複数配置された電極パッド列を更に備え、
前記専用電極パッドは、前記電極パッド列の延伸方向の外側に配置されている、上記(1)から(3)の何れかに記載の半導体装置。
(6)
前記兼用電極パッドが複数配置された電極パッド例を更に備え、
前記専用電極パッドは、前記電極パッド列と並んで複数配置されている、上記(1)から(3)の何れかに記載の半導体装置。
(7)
前記半導体層は、トランジスタが設けられた素子形成可能領域と、平面視で前記素子形成可能領域の外側に設けられた周辺領域と、を含み、
前記兼用電極パッドは、前記ボンディング領域が平面視で前記周辺領域と重畳し、前記プローブ領域が平面視で前記素子形成可能領域と重畳している、上記(1)から(6)の何れかに記載の半導体装置。
(8)
前記半導体層を第1半導体層とし、
前記多層配線層の前記第1半導体層側とは反対側に設けられ、かつ光電変換部が設けられた第2半導体層を更に備えている、上記(1)から(7)の何れかに記載の半導体装置。
(9)
半導体装置と、
被写体からの像光を前記半導体装置の撮像面上に結像させる光学レンズと、
前記光検出装置から出力される信号に信号処理を行う信号処理回路と、
を備え、
前記半導体装置は、
半導体層と、
前記半導体層の一面側に設けられた多層配線層と、
前記多層配線層に設けられた兼用電極パッド及び専用電極パッドと、
を備え、
前記兼用電極パッドは、接続部材が接続されるボンディング領域と、プローブ針が接触されるプローブ領域とを含み、
前記専用電極パッドは、プローブ針が圧接され、かつ前記兼用電極パッドよりも平面サイズが小さい。
【0090】
本技術の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本技術が目的とするものと均等な効果をもたらす全ての実施形態をも含む。さらに、本技術の範囲は、請求項により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、全ての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。
【符号の説明】
【0091】
1A,1B 半導体装置
1C 固体撮像装置
2 半導体チップ
2A 素子形成可能領域
2B 周辺領域
21 半導体層
22 多層配線層
23 電極パッド列
24 兼用電極パッド
24a ボンディング領域
24b プローブ領域
24c 領域
25 専用電極パッド
26 絶縁層
27,28 開口部
29 マーキング部
30 半導体ウエハ
31 チップ形成領域
32 スクライブライン(ダイシング領域)
41,42 プローブ針
43,44 プローブ痕
45 ボンディングワイヤ
50 半導体チップ
51A 素子形成可能領域
51B 周辺領域
51C センサ画素アレイ部
53 センサ画素
60 受光基板部
61 半導体層
62 絶縁層
64 平坦化膜
65 カラーフィルタ
66 マイクロレンズ
67 開口部
71 半導体層
72 多層配線層
100 電子機器
102 光学レンズ
103 シャッタ装置
104 駆動回路
105 信号処理回路
106 入射光
Tr トランジスタ素子