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  • 特開-密閉チャンバー 図1
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  • 特開-密閉チャンバー 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024105163
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】密閉チャンバー
(51)【国際特許分類】
   G02B 21/00 20060101AFI20240730BHJP
   G01N 1/28 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
G02B21/00
G01N1/28 W
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023019498
(22)【出願日】2023-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】300041701
【氏名又は名称】株式会社ブラスト
(71)【出願人】
【識別番号】500268524
【氏名又は名称】下崎 勇生
(72)【発明者】
【氏名】下崎 勇生
【テーマコード(参考)】
2G052
2H052
【Fターム(参考)】
2G052AA28
2G052DA12
2G052DA13
2G052DA15
2G052DA22
2G052DA33
2G052GA32
2G052JA08
2G052JA11
2G052JA13
2H052AE13
(57)【要約】      (修正有)
【課題】試料の雰囲気を持続するための密閉チャンバーにおいて、試料を載せたカバーガラスを庫外に露出させて顕微鏡の対物レンズを近接させ、密閉性を保ったまま高い倍率での観察が出来る方法を提供する。
【解決手段】天蓋ユニット5と側壁8と底面9で構成される密閉チャンバーにあって、底面9に雌ネジ9aを設け、雌ネジ9aと嵌め合う雄ネジを円筒形状のインサート1の外表面に設け、内表面に雌ネジを設け、底面に座を設け、座にカバーガラス3を置き、雌ネジに嵌め合う雄ネジを円筒形状のスリーブ2の外表面に設け、スリーブ2をインサート1に嵌めてカバーガラス3を固定し、カバーガラス3の上に試料13を置き、インサート1の雄ネジを底面9に設けた雌ネジ9aに嵌め、側壁8と天蓋ベース5bの間にOリング4cでシールしたことを特徴とする密閉チャンバー。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直方体の筐体を備えて内部に試料を収納するチャンバーであって、筐体は天蓋と側壁と底面で構成され、底面に穴を設け、穴の下側には円環形状の座を設け、穴の内表面に雌ネジを設け、座にはカバーガラスを設置し、底面の雌ネジと嵌め合う雄ネジを外表面に設けた円筒形状のインサートを底面の雌ネジに締結してカバーガラスを押さえ、インサートの内表面とカバーガラスで構成される空間に観察対象となる試料を置き、天蓋は蝶番または嵌め合いあるいはスライドによる開閉手段を設け、天蓋と側壁にはシール手段を備え、天蓋には透明なガラスを設けたことを特徴とする密閉チャンバー。
【請求項2】
前項においてインサートの底面には円環形状の座を設け、カバーガラスは底面の座ではなくインサートの座に置き、インサートの内表面には雌ネジを設け、インサートの内表面の雌ネジと嵌め合う雄ネジを円筒形状のスリーブの外表面に設け、スリーブの雄ネジをインサートの雌ネジに嵌めてカバーガラスを押さえ、スリーブとカバーガラスの間にはシール手段を設け、インサートとスリーブの上部にそれぞれ鍔を設け、インサートの鍔とスリーブの鍔との間にシール手段を設け、インサートの鍔と筐体の底面との間にシール手段を設け、天蓋に設けたガラスの表面に透明導電膜を設け、透明導電膜の両端にリード線を設け、リード線の両端に電圧の印可手段を設け、側壁に継手を設け、継手にはチューブを設けたことを特徴とする密閉チャンバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、理化学分野において密閉性を維持するチャンバーに関するものである
【背景技術】
【0002】
医学や研究分野において試料、材料、細胞等を密閉した環境で維持する装置として特許文献1がある。長期間の保存や観察に供するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特願2022-165857
【0004】
試料の状態を長期間持続させるにはパッキン等で密閉した直方体のチャンバーに試料を入れて特異的な雰囲気を保持する。また底面と天面にガラスなどの透明な素材を設けることで顕微鏡のステージに載せて経過を随時観察することを可能にしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
液状または液体を満たした試料は倒立式の顕微鏡によって観察されることが多いが、高い倍率で観察するには試料に対物レンズを近接させる。例えば厚さ0.1mm前後の薄いカバーガラスを底面に設けた樹脂製の容器に試料を入れて、カバーガラスに対物レンズを近接させる。またはカバーガラスと対物レンズの間に特定のオイルを満たして光学特性を補正する油浸と言う観察方法が知られている。
【0006】
しかし密閉された容器ではカバーガラスを露出させることができないため、高い倍率での観察が出来ない課題があった。本発明はその課題を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
課題を解決するため、本装置は天蓋と側壁と底面からなる直方体の構造であって天蓋は蝶番で開閉し、底面には穴を設け、穴の内表面には雌ネジを設け、同じ寸法の雄ネジを外表面に設けた円筒形のインサートにあって円環形状の座を下側に設け、座にカバーガラスを置き、インサート外表面の雄ネジを底面の雌ネジに嵌め、インサートの内表面に雌ネジを設け、同じ寸法の雄ネジが外表面に設けられた円筒形のスリーブをインサートにネジ止めしてカバーガラスを押さえ、スリーブとカバーガラスで構成される空間に試料を置くことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
チャンバーの密閉度を維持したままカバーガラスを露出させることで試料に対物レンズを近接させ、密閉性を維持した状態のまま高い倍率での観察が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】 「本発明の天蓋を開けた状態の構成を示した斜視図である。」
図2】 「本発明の天蓋を開けた状態の構成を示した斜視図である。」
図3】 「本発明の天蓋を閉めた状態の構成を示した斜視図である。」
図4】 「本発明の断面図である。」
図5】 「本発明の断面図である。」
図6】 「本発明の一部を拡大した断面図である。」
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明における形態を示す。
(イ)天蓋ベース5bと天蓋カバー5aでガラス5cを挟んで天蓋ユニット5を構成し、側壁8に底面9を設け、天蓋ユニット5と側壁8の一辺を蝶番10で接続する。
(ロ)蝶番10の対辺側の天蓋ユニット5に回転軸6aを介してフック6を設け、フック6と同じ側の面の側壁8へブロック7を設け、底面9には雌ネジ9aを設ける。
(ハ)雌ネジ9aに嵌まる雄ネジ1aをインサート1の外表面に設け、内表面に雌ネジ1bを設け、底面に円環上の座1dを設け、座1dにカバーガラス3を置く。
(ニ)インサート1の雌ネジ1bに嵌まる雄ネジ2aをスリーブ2の外表面に設けて雌ネジ1bに締めてカバーガラス3を固定し、インサート1の雄ネジ1aを底面9の雌ネジ9aに締める。
本発明は以上の様な構造で、使用する際は次のようにする。
【0011】
図1図5のように天蓋ベース5bと天蓋カバー5aでガラス5cを挟んで天蓋ユニット5を構成し、側壁8の下側に底面9を設け、天蓋ユニット5の一辺と側壁8の上側の一辺を蝶番10で接続し、蝶番10の対辺側の天蓋ユニット5に回転軸6aを介してフック6を設け、フック6と同じ側の面の側壁8へブロック7を設け、側壁8の上面にはOリング4cを設け、底面9には穴を開けて内面に雌ネジ9aを設ける。
【0012】
図5のように、インサート1の座1dにカバーガラス3を置き、スリーブ2の雄ネジ2aをインサート1の雌ネジ1bに締めてカバーガラス3を固定し、試料13をスリーブ2とカバーガラス3で構成された空間に入れる。
【0013】
図1のように天蓋ユニット5を開けてインサート1の雄ネジ1aを底面9の雌ネジ9aに締める。前述の[0012]の構成毎に着脱しても良いが、図2のように個別に着脱して試料13を後から入れることでも良い。
【0014】
試料13が液状の場合は漏れるのを防ぐため、図6のようにカバーガラス3とスリーブ2の間にOリング4bを挟む。カバーガラス3とインサート1の座1cとの間へ更にシール手段を設けることで内部をより高度に密閉維持させることもできる。
【0015】
庫内の密閉性を維持するためインサート1に鍔1cを設け、鍔1cと底面9の間にOリング4aを挟む。スリーブ2に鍔2bを設け、鍔1cと鍔2bの間を更にシールしても良い。鍔1cと鍔2bは図1図2のように2辺を切り欠くことでネジを締めたり緩めたりする際に手で掴む個所として使用することもできる。
【0016】
図1図5のように側壁8の上部にOリング4cを設け、図3のように天蓋ユニット5を閉じ、フック6を回転させてブロック7に嵌めて固定する。Oリング4cは天蓋ユニット5と側壁8を密着させて庫内の密閉性を維持する。
【0017】
試料13を高倍率で観察する際は図6のように対物レンズ14をカバーガラス3に近接させる。油浸による観察を行う場合はオイル15を対物レンズ14とカバーガラス3の間に充填する。
【0018】
図4のように底面9の雌ネジ9aの下側に円環上の座9bを設けてカバーガラス3を載せ、インサート1を締めることで構造を簡易にすることもできる。
【0019】
図4図5のようにガラス5cには透明導電膜5dを設けて電圧を印可させることで温度管理の発熱手段にすることもできる。
【0020】
図3のように側壁8には継手11を設けてチューブ12を接続し、チューブ12を介してガスを内部に循環させることもできる。
【符号の説明】
【0021】
1 インサート
1a 雄ネジ
1b 雌ネジ
1c 鍔
1d 座
2 スリーブ
2a 雄ネジ
2b 鍔
3 カバーガラス
4a Oリング
4b Oリング
4c Oリング
5 天蓋ユニット
5a 天蓋カバー
5b 天蓋ベース
5c ガラス
5d 透明導電膜
6 フック
6a 回転軸
7 ブロック
8 側壁
9 底面
9a 雌ネジ
9b 座
10 蝶番
11 継手
12 チューブ
13 試料
14 対物レンズ
15 オイル
図1
図2
図3
図4
図5
図6