(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024105168
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】整列装置及び方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/68 20060101AFI20240730BHJP
G01B 11/00 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
H01L21/68 F
G01B11/00 H
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023117700
(22)【出願日】2023-07-19
(31)【優先権主張番号】10-2023-0009469
(32)【優先日】2023-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】523164931
【氏名又は名称】アウロス テクノロジー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ファン ソル-リ
(72)【発明者】
【氏名】イム ヒェ-ジ
【テーマコード(参考)】
2F065
5F131
【Fターム(参考)】
2F065AA12
2F065AA17
2F065CC19
2F065FF04
2F065QQ17
5F131AA02
5F131CA18
5F131KA04
5F131KA44
5F131KA72
5F131KB05
5F131KB12
5F131KB32
5F131KB55
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ウエハの中心位置を識別する整列装置及び方法並びにプログラムを提供する。
【解決手段】整列装置100は、ウエハ140におけるFOV(Field of view)内のイメージを獲得する検出機131と、獲得したイメージを黒白に2値化して、エッジラインをモデリングし、モデリングされたエッジラインを用いて、ウエハ140の中心位置を識別するように設定されたプロセッサ170と、を含む。プロセッサは、FOVの幅の半分及び高さの半分に位置する3つの基準点を貯蔵し、3つの基準点のそれぞれでイメージを獲得する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエハにおけるFOV(Field of view)内のイメージを獲得する検出機;及び
前記獲得されたイメージを黒白に2値化して、エッジラインをモデリングし、前記モデリングされたエッジラインを用いて、前記ウエハの中心位置を識別するように設定されたプロセッサを含む、
整列装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、FOVの幅の半分及び高さの半分に位置する3つの基準点を貯蔵し、前記3つの基準点のそれぞれで前記イメージを獲得する、
請求項1に記載の整列装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記獲得されたイメージのピクセル当たりグレーバリュー(明暗値)別個数を貯蔵し、前記各グレーバリューの全体ピクセルに対する割合を算出して、臨界値(threshold)を算出し、前記グレーバリューと前記臨界値とを比較して、ピクセルのグレーバリューを0又は255に再構成して、イメージを2値化する、
請求項1に記載の整列装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記2値化したイメージにおける垂直方向及び/又は水平方向に以前又は次のピクセルとのグレーバリューが相違するピクセルの位置を探して、前記エッジラインをモデリングする、
請求項1に記載の整列装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記グレーバリューが相違するピクセルの位置を点と認識し、RANSAC(RANdom SAmple Consensus)アルゴリズムで近似して、前記エッジラインをモデリングする、
請求項4に記載の整列装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記モデリングされたエッジラインにおける3つの補正点を算出する、
請求項1に記載の整列装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記モデリングされたエッジラインにおける前記3つの基準点と、X値又はY値が同一である3つの補正点を算出する、
請求項2に記載の整列装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記3つの補正点から前記モデリングされたエッジラインの補正中心を算出する、
請求項7に記載の整列装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記補正中心から中心オフセットを算出した後、測定のためレシピのグローバルを補正する、
請求項8に記載の整列装置。
【請求項10】
前記獲得されたイメージは、前記ウエハと前記ウエハの背景から構成されるか、前記ウエハと前記ウエハの影から構成されるか、前記ウエハの影と反射板から構成される、
請求項1に記載の整列装置。
【請求項11】
ウエハにおけるFOV内のイメージを獲得するステップ;
前記獲得されたイメージを黒白に2値化するステップ;
前記2値化したイメージにおけるエッジラインをモデリングするステップ;及び
前記モデリングされたエッジラインを用いて、前記ウエハの中心位置を識別するステップを含む、
整列方法。
【請求項12】
FOVの幅の半分及び高さの半分に位置する3つの基準点を貯蔵するステップをさらに含み、
前記イメージを獲得するステップは、前記3つの基準点のそれぞれでイメージを獲得する、
請求項11に記載の整列方法。
【請求項13】
前記2値化するステップは、前記獲得されたイメージのピクセル当たりグレーバリュー(明暗値)別個数を貯蔵し、前記各グレーバリューの全体ピクセルに対する割合を算出して、臨界値(threshold)を算出し、前記グレーバリューと前記臨界値とを比較して、ピクセルのグレーバリューを0又は255に再構成して、イメージを2値化する、
請求項11に記載の整列方法。
【請求項14】
前記エッジラインをモデリングするステップは、前記2値化したイメージにおける垂直方向及び/又は水平方向に、以前又は次のピクセルとのグレーバリューが相違するピクセルの位置を探して、前記エッジラインをモデリングする、
請求項11に記載の整列方法。
【請求項15】
前記エッジラインをモデリングするステップは、前記グレーバリューが相違するピクセルの位置を点と認識し、RANSAC(RANdom SAmple Consensus)アルゴリズムで近似して、前記エッジラインをモデリングする、
請求項14に記載の整列方法。
【請求項16】
前記モデリングされたエッジラインにおける3つの補正点を算出するステップをさらに含む、
請求項11に記載の整列方法。
【請求項17】
前記中心位置を識別するステップは、
前記モデリングされたエッジラインにおける前記3つの基準点と、X値又はY値が同一である3つの補正点を算出するステップを含む、
請求項12に記載の整列方法。
【請求項18】
前記中心位置を識別するステップは、
前記3つの補正点から前記モデリングされたエッジラインの補正中心を算出するステップをさらに含む、
請求項17に記載の整列方法。
【請求項19】
前記中心位置を識別するステップは、
前記補正中心から中心オフセットを算出した後、測定のためレシピのグローバルを補正するステップをさらに含む、
請求項18に記載の整列方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウエハの中心位置を補正する整列装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、技術の発展に伴い、ウエハの特性を計測する計測装置のサイズは小さくなり、計測装置の集積回路の密度は増加している。ウエハに集積回路を形成するためには、特定の位置で所望の回路の構造及び要素が順次形成されるように、多くの製造過程を経らなければならない。これら製造過程は、ウエハ上にパターン化した層を順次生成させる。
【0003】
このように繰り返される積層工程によって、集積回路内に電気的に活性化したパターンが生成される。このとき、各々のパターンは、生産工程で許容する誤差範囲内に整列されていないと、電気的に活性化したパターンの間に干渉が起こり、かかる現象により、製造された回路の性能及び信頼性に問題が生じ得る。よって、様々な形態の測定装備は、これらパターンの整列状態を検査する。
【0004】
これら測定装備は、レシピ(Recipe)によって測定を行うものの、レシピでのウエハに対するグローバル位置と、実際にチャックに置いたウエハの位置とが相違する場合、測定に誤りが発生する。よって、レシピのグローバル位置を補正する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ウエハの中心位置を識別する整列装置及び方法を提供することである。
【0006】
また、本発明は、レシピのグローバル位置を補正する整列装置及び方法を提供することである。
【0007】
本発明の目的は、以上で言及した目的に限らず、言及していない本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解でき、本発明の実施形態によってより明らかに理解することができる。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示した手段及びその組み合わせによって実現できることが分かりやすい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これら目的を達するために、本発明の一実施形態による整列装置は、ウエハにおけるFOV(Field of view)内のイメージを獲得する検出機と、前記獲得されたイメージを黒白に2値化して、エッジラインをモデリングし、前記モデリングされたエッジラインを用いて、前記ウエハの中心位置を識別するように設定されたプロセッサとを含む。
【0009】
これら目的を達するために、本発明の一実施形態による整列方法は、ウエハにおけるFOV内のイメージを獲得するステップと、前記獲得されたイメージを黒白に2値化するステップと、前記2値化したイメージにおけるエッジラインをモデリングするステップと、前記モデリングされたエッジラインを用いて、前記ウエハの中心位置を識別するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、3つの点に対するイメージを獲得すると、ウエハ中心位置を判断することができ、迅速という長所がある。
【0011】
また、本発明は、イメージを2値化した後、エッジラインをモデリングするため、簡単かつ迅速という長所もある。
【0012】
また、本発明は、2値化したイメージにおけるグレーバリューをピクセル単位で比較するため、正確なエッジラインが可能という長所もある。
【0013】
また、本発明は、ゲージ(反射板)を用いてエッジラインを正確にモデリングする長所もある。
【0014】
また、本発明は、3つの点におけるX値又はY値のいずれかのみを算出して、オフセット値を獲得し、中心位置を簡単に識別することができる長所もある。
【0015】
上述した効果並びに本発明の具体的な効果は、以下の発明を実施するための形態を説明すると共に記述する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態による整列装置に関する概念図である。
【
図2】本発明の一実施形態による整列方法に関する順序図である。
【
図3】本発明の一実施形態による整列方法における3つの基準点及び基準中心を示す図面である。
【
図4】本発明の一実施形態による整列方法における3つの検出点とエッジラインのモデリングを示す図面である。
【
図5】本発明の一実施形態による整列方法における3つの補正点及び補正中心を示す図面である。
【
図6】本発明の他の実施形態による整列方法におけるゲージを用いたエッジラインのモデリングを示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
前述した目的、特徴及び長所は、添付の図面を参照して詳細に後述され、これによって、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術思想を容易に実施することができる。本発明の説明にあたり、本発明に係る公知の技術に関する具体的な説明が、本発明の要旨を曖昧にすると判断される場合には、詳細な説明を省略する。以下では、添付の図面を参照して、本発明による好ましい実施形態を詳説することとする。図面における同じ参照符号は、同一又は類似の構成要素を示すために使われる。
【0018】
たとえ第1、第2などは、様々な構成要素を述べるために使われるものの、これら構成要素は、これらの用語によって制限されないことは勿論である。これらの用語は、単に一の構成要素を他の構成要素と区別するために使うものであって、特に逆の記載がない限り、第1構成要素は、第2構成要素であってもよいことは勿論である。
【0019】
以下では、構成要素の「上部(又は下部)」又は構成要素の「上(又は下)」に任意の構成が配されるということは、任意の構成が、上記構成要素の上面(又は下面)に接して配されるだけでなく、上記構成要素と、上記構成要素上に(又は下に)配された任意の構成との間に他の構成が介在し得ることを意味する。
【0020】
また、ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」又は「接続」されると記載されている場合、上記構成要素は、互いに直接に連結されるか、又は接続されていてもよいものの、各構成要素の間に他の構成要素が「介在」するか、各構成要素が他の構成要素を介して「連結」、「結合」又は「接続」されていてもよいと理解しなければならない。
【0021】
全明細書において、特に逆の記載がない限り、各構成要素は、単数であってもよく、複数であってもよい。
【0022】
本明細書で使われる単数の表現は、文脈上明らかに他に意味しない限り、複数の表現を含む。本出願における「構成される」又は「含む」などの用語は、明細書上に記載の複数の構成要素、又は複数の段階を必ずしも全て含むものと解釈されてはならず、そのうち一部の構成要素又は一部の段階は、含まれていなくてもよく、又はさらなる構成要素又は段階を含むことができると解釈しなければならない。
【0023】
全明細書において、「A及び/又はB」とするとき、これは特に逆の記載がない限り、A、B又はA及びBを意味し、「C~D」とするとき、これは特に逆の記載がない限り、C以上かつD以下であることを意味する。
【0024】
以下では、本発明の幾つかの実施形態によるウエハの中心位置を識別する整列装置及び方法を説明することとする。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態による整列装置の概念図である。
【0026】
図1を参照すると、本発明の一実施形態による整列装置100は、ウエハ140のエッジの任意地点を撮影して、ウエハ140の正確な中心位置を識別する装置である。
【0027】
本発明の一実施形態による整列装置100は、光源110、リレーレンズ118、検出機131、ビームスプリッタ124、対物レンズ120、レンズ焦点アクチュエータ125、及びプロセッサ170を含むことができる。
【0028】
図1に示された整列装置100の構成は、一実施形態によるものであって、整列装置100の構成要素は、
図1に示された実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて、一部の構成要素を付加、変更又は削除することができる。例えば、整列装置100は、プロセッサ170によって整列装置100の各構成の動作を制御させる命令語、プログラム、ロジッグなどを貯蔵するメモリ(不図示)を含むことができる。
【0029】
光源110は、光を照射するものであって、ハロゲンランプ、ゼノンランプ、スーパーコンティニウムレーザ(supercontinuum laser)、発光ダイオード、又はレーザ励起ランプ(laser induced lamp)などであってもよい。
【0030】
検出機131は、FOV(Field of view)内の光を検出して、FOVに見えるイメージを獲得する。検出機131は、プロセッサ170の制御下で、チャックに置かれているウエハ140及びウエハ140の背景(又はウエハ140の影及びゲージ(反射板))を撮影して、FOV内のイメージを獲得する。
【0031】
ビームスプリッタ124は、光を2つの光に分離する役割を担う。光源110で照射した光は、リレーレンズ118を経て偏光した状態で、ビームスプリッタ124における2つの光に分離される。
【0032】
対物レンズ120は、レンズ焦点アクチュエータ(lens focus actuator)125に設置される。例えば、対物レンズ120は、オーバーレイ計測用対物レンズよりも倍率が低くてもよい。
【0033】
レンズ焦点アクチュエータ125は、対物レンズ120とウエハ140との間の距離を調節して、焦点を調節する。レンズ焦点アクチュエータ125は、プロセッサ170の制御下で、対物レンズ120をウエハ方向(例:Y方向)に垂直移動して、焦点距離を調節することができる。
【0034】
プロセッサ170は、検出機131が獲得したイメージにおけるウエハ140のエッジライン(edge line)をモデリングして、ウエハ140の中心位置を算出する。エッジラインは、ウエハ140とウエハ140の外景との間に形成される線である。実施形態によっては、エッジラインは、ウエハ140の影とゲージ(反射板)との間に形成される線であってもよい。これに関する詳説は、後述する。
【0035】
図2は、本発明の一実施形態による整列方法に関する順序図である。
図3は、本発明の一実施形態による整列方法における3つの基準点及び基準中心を示す図面である。
図4は、本発明の一実施形態による整列方法における3つの検出点とエッジラインのモデリングを示す図面である。
図5は、本発明の一実施形態による整列方法における3つの補正点及び補正中心を示す図面である。
【0036】
以下、
図2~
図5を参照して、本発明の一実施形態による整列装置がウエハの中心位置を識別する整列方法を詳説すると、次のとおりである。
【0037】
本発明は、ウエハの中心位置を識別する装置を最初にセッティングするとき、3つの基準点P1,P2,P3をメモリ(不図示)に貯蔵する。3つの基準点P1,P2,P3は、基準となるウエハのエッジライン301上に配置される。
【0038】
図3の(b)のように、3つの基準点P1,P2,P3は、FOV302の真中に位置する。すなわち、基準点P1(X
1,Y
1)は、FOV302の幅の半分(X/2)及びFOV302の高さの半分(Y/2)に位置する。同様、P2(X
2,Y
2)及びP3(X
3,Y
3)もFOV302の幅の半分(W/2)及び高さの半分(H/2)に位置する。ウエハ座標系において、3つの基準点P1,P2,P3で計算したウエハ中心である基準中心(A)位置は、(0,0)である。
【0039】
上記のようにセッティングを完了すると、プロセッサ170は、ウエハ140がチャックに置かれているかを判断し(S210)、ウエハ140がチャックに置かれていると判断すると、ウエハのイメージを獲得する(S212)。プロセッサ170は、検出機131を介してチャックに置いたウエハ140のイメージを獲得する。
図4の(a)を参照すると、プロセッサ170は、3つの基準点P1,P2,P3の位置に検出機131の画面を移動して、FOV320に見えるイメージを獲得する。このとき、獲得されたイメージには、ウエハ140のエッジライン310上に3つの検出点P’1,P’2,P’3が存在するものの、3つの検出点P’1,P’2,P’3は、FOV320の真中に配置せず、基準点P1,P2,P3と相違する。
【0040】
プロセッサ170は、獲得したイメージを黒白に2値化する(S214)。プロセッサ170は、3つの基準点P1,P2,P3の位置のいずれか(本実施形態では、P1)で獲得したFOV320内のイメージを2値化して、
図4の(b)のように、ピクセルのグレーバリュー(Gray Value、明暗値)が0である黒領域322、又は255である百領域321になるようにする。イメージを2値化する方法は、様々なアルゴリズムを用いることができ、本実施形態におけるプロセッサ170は、イメージのピクセル当たりグレーバリュー別個数を貯蔵し、各グレーバリューの全体ピクセルに対する割合を算出して、臨界値(threshold)を算出し、グレーバリューと臨界値とを比較して、ピクセルのグレーバリューを0又は255に再構成して、イメージを2値化する。
【0041】
プロセッサ170は、2値化したイメージにおけるグレーバリューが相違するピクセルの位置を貯蔵する(S216)。
図4の(b)、(c)を参照すると、プロセッサ170は、2値化したイメージにおける垂直方向323に進行して、次のピクセル(350)とのグレーバリュー差が255であるピクセル340の位置を探す。プロセッサ170は、グレーバリューが0(黒)であるピクセル322からグレーバリューが255(百)であるピクセル321に移動する。プロセッサ170は、垂直方向323に進行して、次のピクセル350とのグレーバリュー差が255であるピクセル340の位置を探す。プロセッサ170は、垂直方向323におけるグレーバリューが相違するピクセル340の位置を探した後、水平方向324に1ピクセル移動し、さらに垂直方向323に進行して、グレーバリューが相違するピクセル340の位置を探す。プロセッサ170は、上述した方法で探したグレーバリューが相違するピクセル340の位置を貯蔵する。本実施形態における垂直方向323は、上側から下側に進行しているが、獲得されたイメージによって、グレーバリューが255(百)であるピクセル321からグレーバリューが0(黒)であるピクセル322に移動する方向は、下側から上側になっていてもよい。
【0042】
プロセッサ170は、貯蔵された位置とRANSACアルゴリズムを用いて、エッジラインをモデリングする(S218)。プロセッサ170は、グレーバリューが相違するピクセル340のそれぞれの位置を1つの点と認識し、これらの点をRANSAC(RANdom SAmple Consensus)アルゴリズムで近似(fitting)して、ウエハ140のエッジライン310をモデリングする。
【0043】
プロセッサ170は、3つの基準点P1,P2,P3で獲得したイメージのそれぞれについて、S214ステップ、S216ステップ、及びS218ステップのそれぞれを順次行って、各イメージにおけるエッジライン310をモデリングする。
【0044】
プロセッサ170は、結果モデル390と装備に貯蔵された位置とのオフセット値を獲得する(S220)。プロセッサ170は、モデリングされたエッジライン390における3つの基準点P1,P2,P3とX値又はY値が同一である点のオフセット値を算出する。
【0045】
図5の(a)を参照すると、プロセッサ170は、3つの基準点P1,P2,P3のうち、P1で獲得したイメージからモデリングされたエッジライン390では、FOV302の幅の半分(X/2)を通る補正点P’’1のオフセット値(y
A)を算出する。また、プロセッサ170は、P2で獲得したイメージからモデリングされたエッジライン390では、FOV302の高さの半分(Y/2)を通る補正点P’’2のオフセット値(x
B)を算出し、P3で獲得したイメージからモデリングされたエッジライン390では、FOV302の高さの半分(Y/2)を通る補正点P’’3のオフセット値(x
C)を算出する。すなわち、プロセッサ170は、モデリングされたエッジライン390におけるP1とX値が同一である補正点P’’1のP1とのオフセット値(y
A)を算出し、P2とY値が同一である補正点P’’2のオフセット値(x
B)を算出し、P3とY値が同一である補正点P’’3のオフセット値(x
C)を算出する。
【0046】
プロセッサ170は、獲得されたオフセット値が適用されたウエハの3つの位置P’’1、P’’2、P’’3を用いて、ウエハの中心位置を識別する(S222)。
【0047】
プロセッサ170は、3つの基準点P1,P2,P3とのオフセット値(yA、xB、xC)として、3つの補正点P’’1、P’’2、P’’3の位置を算出する。補正点P’’1のX値は、基準点P1のX値と同一であるX1であり、補正点P’’1のY値は、基準点P1のY値であるY1にオフセット値yAを足した値であるY1+yAである。補正点P’’2のX値は、基準点P2のX値であるX2にオフセット値xBを足した値であるX2+xBであり、補正点P’’2のY値は、基準点P2のY値と同一であるY2である。補正点P’’3のX値は、基準点P3のX値であるX3にオフセット値xcを足した値であるX3+xcであり、補正点P’’3のY値は、基準点P3のY値と同一であるY3である。すなわち、3つの補正点P’’1、P’’2、P’’3の座標は、次のとおりである。
【0048】
P’’1(X1、Y1+yA)
P’’2(X2+xB、Y2)
P’’3(X3+xc、Y3)
【0049】
プロセッサ170は、獲得されたオフセット値を適用したウエハの3つの補正点P’’1,P’’2,P’’3の位置を用いて、モデリングされたエッジライン390の補正中心(A’)を算出する。プロセッサ170は、円の方程式を用いて、3つの補正点P’’1,P’’2,P’’3から補正中心(A’)を算出する。
【0050】
プロセッサ170は、ウエハ140に対する特定の測定のため、レシピのグローバル位置を補正する(S224)。プロセッサ170は、算出された補正中心(A’)と基準中心(A)から中心オフセット(O,O=A’-A)を算出した後、レシピのグローバル位置(G)に中心オフセット(O)を足して、補正されたグローバル位置(G’)を算出する。基準中心(A)が(0,0)であるため、補正されたグローバル位置(G’)は、レシピのグローバル位置(G)に補正中心(A’)を足して算出する。
【0051】
図6は、本発明の他の実施形態による整列方法におけるゲージを用いたエッジラインのモデリングを示す図面である。
【0052】
本発明の他の実施形態による整列方法は、ゲージ(反射板)を用いて、さらに精密なエッジラインを得ることができる。
【0053】
図6の(a)は、ウエハ140のエッジライン310におけるウエハ140、ウエハの影143、及びゲージ145から形成された3つの基準点411,412,413を示す。他の実施形態による整列方法では、ウエハ140が置かれるチャックに3つのゲージ(反射板)が3つの基準点411,412,413に配置される。基準点A411では、上から下へウエハ140、ウエハの影143、及びゲージ145が順次配置される。
【0054】
基準点A411におけるFOV320に見えるイメージは、
図6の(b)のようなウエハ140及びウエハの影143から構成されるウエハイメージ411aと、
図6の(c)のようなウエハの影143及びゲージ145から構成されるゲージイメージ411bの2つである。また、基準点B412におけるFOV320に見えるイメージは、
図6の(d)のようなウエハ140及びウエハの影143から構成されるウエハイメージ412aと、
図6の(e)のようなウエハの影143及びゲージ145から構成されるゲージイメージ412bの2つである。基準点C41におけるFOV320に見えるイメージは、
図6の(f)のようなウエハ140及びウエハの影143から構成されるウエハイメージ413aと、
図6の(g)のようなウエハの影143及びゲージ145から構成されるゲージイメージ413bの2つである。
【0055】
ウエハ140及びウエハの影143から構成されるウエハイメージ411a,412a,413aにおけるプロセッサ170は、グレーバリューが0(黒)であるピクセルからグレーバリューが255(百)であるピクセルへ垂直方向に移動して、次のピクセルとのグレーバリュー差が255であるピクセルの位置を探し、水平方向に1ピクセル移動して、さらに垂直方向に移動し、グレーバリューが相違するピクセルの位置を探す。
【0056】
ウエハの影143及びゲージ145から構成されるゲージイメージ411b,412b,413bにおけるプロセッサ170は、グレーバリューが255(百)であるピクセルからグレーバリューが0(黒)であるピクセルへ垂直方向に移動して、以前のピクセルとのグレーバリュー差が255であるピクセルの位置を探し、水平方向に1ピクセル移動して、さらに垂直方向に移動し、グレーバリューが相違するピクセルの位置を探す。
【0057】
ウエハイメージ411a,412a,413aで探したピクセル、及び/又はゲージイメージ411b,412b,413bで探したピクセルによってエッジラインをさらに精密にモデリングすることができる。
【0058】
以上で上述した各々の順序図における各ステップは、図示の順序に関係なく動作することができるか、又は同時に行うことができる。また、本発明の少なくとも1つの構成要素と、上記少なくとも1つの構成要素で行われる少なくとも1つの動作は、ハードウェア及び/又はソフトウェアで具現可能である。
【0059】
以上のように、本発明について例示の図面を参照して説明したが、本発明は、本明細書で開示の実施形態と図面によって限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内における通常の技術者にとって様々な変形を行えることは自明である。さらに、本発明の実施形態を前述しながら、本発明の構成による作用効果を明示的に記載して説明しなかったとしても、当該構成によって予測可能な効果も認めるべきであることは当然である。
【符号の説明】
【0060】
100 整列装置
110 光源
118 リレーレンズ
120 対物レンズ
124 ビームスプリッタ
125 レンズ焦点アクチュエータ
131 検出機
170 プロセッサ