(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010520
(43)【公開日】2024-01-24
(54)【発明の名称】制御システム、制御方法、及び、制御プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 21/2385 20110101AFI20240117BHJP
H04N 21/24 20110101ALI20240117BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20240117BHJP
【FI】
H04N21/2385
H04N21/24
H04N7/18 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022111901
(22)【出願日】2022-07-12
(71)【出願人】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】渋川 文哉
(72)【発明者】
【氏名】山崎 峻一
(72)【発明者】
【氏名】小椋 優
【テーマコード(参考)】
5C054
5C164
【Fターム(参考)】
5C054AA02
5C054CA04
5C054CC02
5C054DA07
5C054EA03
5C054HA30
5C164SB22P
5C164SB41P
5C164TA14S
5C164YA24
5C164YA25
(57)【要約】
【課題】無線通信の遅延又は切断の原因を統合的にモニタリングして、作業装置の無線通信の復旧を容易に行うことができる制御システム、制御方法、及び、制御プログラムを提供する。
【解決手段】制御システム、制御方法、及び、制御プログラムは、作業装置に対するユーザからの指示を送信する第1通信装置と、作業装置に設けられ、第1無線通信および第1無線通信とは異なる第2無線通信によって第1通信装置と接続される第2通信装置と、作業装置に設けられるコントローラと、を備える制御システムを対象とする。当該システムにおいて、第1無線通信の品質および第2通信装置の周囲の電波状態を示す、通信指標データを取得し、通信指標データに基づいて、第1無線通信および作業装置を制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業装置に対するユーザからの指示を送信する第1通信装置と、
前記作業装置に設けられ、第1無線通信および前記第1無線通信とは異なる第2無線通信によって前記第1通信装置と接続される第2通信装置と、
前記作業装置に設けられるコントローラと、
を備える制御システムであって、
前記コントローラは、
前記第1無線通信の品質および前記第2通信装置の周囲の電波状態を示す、通信指標データを取得し、
前記通信指標データに基づいて、前記第1無線通信および前記作業装置を制御する、制御システム。
【請求項2】
前記コントローラは、
前記通信指標データに基づいて前記第1無線通信が切断され得るか否かを判定し、
前記第1無線通信が切断され得ると判定されなかった場合に、前記第1無線通信を介して受け付けた前記指示に基づいて前記作業装置を制御する、請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記コントローラは、
前記第1無線通信が切断され得ると判定された場合に、前記第1無線通信を介して単位時間あたりに送受信するデータのサイズを判定前と比較して減少させる、請求項2に記載の制御システム。
【請求項4】
前記コントローラは、
前記第1無線通信が切断され得ると判定されなかった場合に、前記第1無線通信を介して単位時間あたりに送受信するデータのサイズを判定前と比較して、維持、又は、増大させる、請求項2に記載の制御システム。
【請求項5】
前記コントローラは、
前記通信指標データに基づいて前記第1無線通信が切断されたか否かを判定し、
前記第1無線通信が切断されたと判定された場合に、前記第2無線通信を介して受け付けた前記指示に基づいて前記作業装置を制御する、請求項1に記載の制御システム。
【請求項6】
前記コントローラは、
前記通信指標データに基づいて前記第1無線通信が切断されたか否かを判定し、
前記第1無線通信が切断されたと判定された場合に、所定の復旧動作を行うよう前記作業装置を制御する、請求項1に記載の制御システム。
【請求項7】
前記復旧動作は、前記第1無線通信が切断される前の前記作業装置の姿勢に戻す動作を含む、請求項6に記載の制御システム。
【請求項8】
前記復旧動作は、前記第1無線通信が切断される前の前記作業装置の位置まで、前記作業装置を戻す動作を含む、請求項6に記載の制御システム。
【請求項9】
前記コントローラは、
前記第1無線通信が切断された状態が所定時間継続した場合に、前記復旧動作を行うよう前記作業装置を制御する、請求項6に記載の制御システム。
【請求項10】
前記第2無線通信は前記第1無線通信よりも高い耐障害性を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項11】
前記第1無線通信および前記第2無線通信は、モバイル通信、ワイヤレスローカルエリアネットワーク通信、および、特定小電力無線通信のうち、少なくともいずれかである、請求項1~9のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項12】
前記通信指標データは、前記第1無線通信の通信強度、通信速度、データロス率、前記第1無線通信に係る通信帯域におけるノイズレベルの少なくともいずれかを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項13】
作業装置に対するユーザからの指示を送信する第1通信装置と、
前記作業装置に設けられ、第1無線通信および前記第1無線通信とは異なる第2無線通信によって前記第1通信装置と接続される第2通信装置と、
前記作業装置に設けられるコントローラと、
を備える制御システムに係る制御方法であって、
前記コントローラは、
前記第1無線通信の品質および前記第2通信装置の周囲の電波状態を示す、通信指標データを取得し、
前記通信指標データに基づいて、前記第1無線通信および前記作業装置を制御する、制御方法。
【請求項14】
作業装置に対するユーザからの指示を送信する第1通信装置と、
前記作業装置に設けられ、第1無線通信および前記第1無線通信とは異なる第2無線通信によって前記第1通信装置と接続される第2通信装置と、
前記作業装置に設けられるコントローラと、
を備える制御システムに係る制御プログラムであって、
前記コントローラに、
前記第1無線通信の品質および前記第2通信装置の周囲の電波状態を示す、通信指標データを取得するステップと、
前記通信指標データに基づいて、前記第1無線通信および前記作業装置を制御するステップと、
を実行させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御システム、制御方法、及び、制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、コントローラからの遠隔制御に応じて作業を行う作業装置を対象として、作業装置の周囲の空間の環境に基づいて無線通信に関する通信機能を選択し、選択された通信機能に基づいて無線通信を制御する技術が開示されている。当該技術は、作業装置の周囲の空間の環境に基づいて、作業装置が許容可能な通信遅延時間である許容遅延時間を算出し、コントローラとの無線通信の将来の通信遅延時間を予測し、許容遅延時間と通信遅延時間とに基づいて通信機能を選択する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
様々な影響で無線通信が不安定となりうる屋外では、無線通信の遅延や切断によって作業装置による作業を中断せざるを得ない場合が生じうる。特許文献1に開示される技術によれば、無線通信の遅延又は切断をとらえることはできても、無線通信の遅延又は切断の原因を統合的にモニタリングすることができない。そのため、無線通信に関して確認可能な情報だけでユーザは原因を推測するしかなく、さらには、作業装置に実際にユーザが近づかなければ無線通信の復旧を行うことができない状況が生じうるという問題がある。
【0005】
本開示は上述の状況を鑑みて成されたものである。即ち、本開示は、無線通信の遅延又は切断の原因を統合的にモニタリングして、作業装置の無線通信の復旧を容易に行うことができる制御システム、制御方法、及び、制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る制御システムは、第1通信装置と、第2通信装置と、コントローラと、を備える。第1通信装置は、作業装置に対するユーザからの指示を送信する。第2通信装置は、作業装置に設けられ、第1無線通信および第1無線通信とは異なる第2無線通信によって第1通信装置と接続される。コントローラは、作業装置に設けられる。当該システムにおいて、第1無線通信の品質および第2通信装置の周囲の電波状態を示す、通信指標データを取得し、通信指標データに基づいて、第1無線通信および作業装置を制御する。
【0007】
本開示に係る制御システムにおいて、コントローラは、通信指標データに基づいて第1無線通信が切断され得るか否かを判定するものであってもよい。コントローラは、第1無線通信が切断され得ると判定されなかった場合に、第1無線通信を介して受け付けた指示に基づいて作業装置を制御するものであってもよい。
【0008】
本開示に係る制御システムにおいて、コントローラは、第1無線通信が切断され得ると判定された場合に、第1無線通信を介して単位時間あたりに送受信するデータのサイズを判定前と比較して減少させるものであってもよい。
【0009】
本開示に係る制御システムにおいて、コントローラは、第1無線通信が切断され得ると判定されなかった場合に、第1無線通信を介して単位時間あたりに送受信するデータのサイズを判定前と比較して、維持、又は、増大させるものであってもよい。
【0010】
本開示に係る制御システムにおいて、コントローラは、通信指標データに基づいて第1無線通信が切断されたか否かを判定するものであってもよい。コントローラは、第1無線通信が切断されたと判定された場合に、第2無線通信を介して受け付けた指示に基づいて作業装置を制御するものであってもよい。
【0011】
本開示に係る制御システムにおいて、コントローラは、通信指標データに基づいて第1無線通信が切断されたか否かを判定し、第1無線通信が切断されたと判定された場合に、所定の復旧動作を行うよう作業装置を制御するものであってもよい。
【0012】
本開示に係る制御システムにおいて、復旧動作は、第1無線通信が切断される前の作業装置の姿勢に戻す動作を含むものであってもよい。
【0013】
本開示に係る制御システムにおいて、復旧動作は、第1無線通信が切断される前の作業装置の位置まで、作業装置を戻す動作を含むものであってもよい。
【0014】
本開示に係る制御システムにおいて、コントローラは、第1無線通信が切断された状態が所定時間継続した場合に、復旧動作を行うよう作業装置を制御するものであってもよい。
【0015】
本開示に係る制御システムにおいて、第2無線通信は第1無線通信よりも高い耐障害性を有するものであってもよい。
【0016】
本開示に係る制御システムにおいて、第1無線通信および第2無線通信は、モバイル通信、ワイヤレスローカルエリアネットワーク通信、および、特定小電力無線通信のうち、少なくともいずれかであってもよい。
【0017】
本開示に係る制御システムにおいて、通信指標データは、第1無線通信の通信強度、通信速度、データロス率、第1無線通信に係る通信帯域におけるノイズレベルの少なくともいずれかを含むものであってもよい。
【0018】
本開示に係る制御方法は、第1通信装置と、第2通信装置と、コントローラと、を備える制御システムに係る制御方法である。第1通信装置は、作業装置に対するユーザからの指示を送信する。第2通信装置は、作業装置に設けられ、第1無線通信および第1無線通信とは異なる第2無線通信によって第1通信装置と接続される。コントローラは、作業装置に設けられる。コントローラは、第1無線通信の品質および第2通信装置の周囲の電波状態を示す、通信指標データを取得し、通信指標データに基づいて、第1無線通信および作業装置を制御する。
【0019】
本開示に係る制御プログラムは、第1通信装置と、第2通信装置と、コントローラと、を備える制御システムに係る制御プログラムである。第1通信装置は、作業装置に対するユーザからの指示を送信する。第2通信装置は、作業装置に設けられ、第1無線通信および第1無線通信とは異なる第2無線通信によって第1通信装置と接続される。コントローラは、作業装置に設けられる。制御プログラムは、コントローラに、第1無線通信の品質および第2通信装置の周囲の電波状態を示す、通信指標データを取得するステップを実行させる。そして、通信指標データに基づいて、第1無線通信および作業装置を制御するステップを実行させる。
【発明の効果】
【0020】
本開示によれば、無線通信の遅延又は切断の原因を統合的にモニタリングして、作業装置の無線通信の復旧を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本開示の実施形態に係る制御システムの構成を概略的に示す図である。
【
図2】作業装置及び中継装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】制御システムの制御処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、いくつかの例示的な実施形態について、図面を参照して説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0023】
[制御システムの構成]
図1は、本開示の実施形態に係る制御システムの構成を概略的に示す図である。
図2は、作業装置及び中継装置の構成を示すブロック図である。
【0024】
本開示の実施形態に係る制御システムは、作業装置が移動する所定エリアにおいて安定した無線通信環境を実現するものであり、さらには、無線通信の遅延又は切断の原因を統合的にモニタリングして、作業装置の無線通信の復旧を容易に行うものである。
【0025】
制御システムは、第1通信装置31と、第2通信装置41と、動作制御部43(コントローラ)と、を備える。本開示の実施形態では、第1通信装置31は中継基地局30に設けられ、第2通信装置41および動作制御部43は、作業装置40に設けられる。以下、端末20、無線アンテナ10、中継基地局30、作業装置40について説明する。
【0026】
端末20は、例えば、無線アンテナ10を介して中継基地局30と無線接続される。端末20は、中継基地局30と有線接続されるものであってもよい。また、中継基地局30は、作業装置40と無線接続される。その他、端末20は、無線アンテナ10を介して作業装置40と無線接続されるものであってもよい。
【0027】
また、端末20は、ユーザの操作に基づき、中継基地局30の移動又は動作を制御するための制御信号を送信する。端末20は、中継基地局30において得られる各種の情報を取得する。
【0028】
さらに、端末20は、ユーザの操作に基づき、作業装置40の移動又は動作を制御するための制御信号(ユーザからの指示)として送信する。端末20は、作業装置40において得られる各種の情報を取得する。
【0029】
なお、端末20は、図示しない入力装置を介してユーザの操作を受け付ける。入力装置は、制御システムの監視員・保守員などのユーザが操作を行うことができる入力装置である。例えば、入力装置は、キーボード、マウス、トラックボール、タッチパネルなどである。入力装置は、ここに挙げた例に限定されない。
【0030】
また、端末20は、図示しない提示装置を介して取得した情報をユーザに提示する。例えば、提示装置は、複数の表示画素の組合せにより図形、文字を表示するディスプレイである。なお、提示装置としては、各種の情報を視覚情報によって情報を提示するものに限定されない。提示装置は、聴覚情報によってユーザに情報を提示するものであってもよいし、振動を発生させて、振動による刺激によってユーザに情報を提示するものであってもよい。提示装置は、ここに挙げた例に限定されない。
【0031】
中継基地局30及び作業装置40は、地上、空中、水上を移動するものであって、有人でもよいし、無人でもよい。例えば、中継基地局30及び作業装置40は、ドローン、無人航空機、自動運転車両である。以下では、中継基地局30及び作業装置40は自動運転車両である場合について説明するが、これに限定されない。
【0032】
中継基地局30は、第1通信装置31、通信指標データ生成部33、センサ群35を備える。その他、中継基地局30は、駆動装置およびコントローラを備えるものであってもよい。
【0033】
第1通信装置31は、無線通信するための無線アンテナを有し、後述する第2通信装置41に対して、作業装置40に対するユーザからの指示を送信する。その他、第1通信装置31は、後述する第2通信装置41から、各種の情報を取得する。
【0034】
なお、第1通信装置31は、第1無線通信T1によって、後述する第2通信装置41と無線接続される。また、第1通信装置31は、第1無線通信T1とは異なる第2無線通信T2によって第2通信装置41と無線接続される。
【0035】
なお、第1無線通信T1、第2無線通信T2の通信方式は、特に限定されない。例えば、通信方式は、携帯電話回線網などの移動体通信網(モバイル通信)、無線パケット通信網、特定小電力無線通信、又は無線LAN(ワイヤレスローカルエリアネットワーク通信)による通信方式等である。
【0036】
なお、第2無線通信T2は、第1無線通信T1よりも高い耐障害性を有する。「高い耐障害性を有する」とは、当該通信が切断されにくいことを意味する。例えば、受信強度の低下、通信に使用する帯域における干渉波、機器不具合などが存在しても、当該通信が切断されにくいことを意味する。したがって、第1通信装置31と第2通信装置41の間の通信は、主系統である第1無線通信T1と、副系統である第2無線通信T2の2種類の通信によって冗長化されている。
【0037】
なお、第1通信装置31は、第1無線通信T1の通信強度、通信速度、データロス率など、第1無線通信T1の通信品質を示すデータを取得して、当該データを後述する通信指標データ生成部33に送信する。
【0038】
第1通信装置31は、第2無線通信T2の通信強度、通信速度、データロス率など、第2無線通信T2の通信品質を示すデータを取得して、当該データを後述する通信指標データ生成部33に送信するものであってもよい。
【0039】
センサ群35は、中継基地局30の置かれた環境の情報を取得する。例えば、センサ群35は、中継基地局30の現在位置の情報(位置情報)を一定周期ごとに取得する、GNSS/IMU装置などの自己位置センサを含んでいてもよい。自己位置センサは、GNSS(Global Navigation Satellite System)などを用いて、中継基地局30の位置情報をグローバル座標で取得する。取得した中継基地局30の位置情報は、図示しない記憶部等に格納されるものであってもよいし、端末20に送信されるものであってもよい。
【0040】
また、センサ群35は、電波強度を測定するスペクトラムアナライザを含んでいてもよい。スペクトラムアナライザは、第1無線通信T1によって使用する電波の帯域(通信帯域)を含む周波数帯の電波強度を測定する。スペクトラムアナライザは、第1無線通信T1に係る通信帯域におけるノイズレベルを、後述する通信指標データ生成部33に送信する。
【0041】
スペクトラムアナライザは、第2無線通信T2によって使用する電波の帯域(通信帯域)を含む周波数帯の電波強度を測定するものであってもよい。スペクトラムアナライザは、第2無線通信T2に係る通信帯域におけるノイズレベルを、後述する通信指標データ生成部33に送信するものであってもよい。
【0042】
通信指標データ生成部33は、第1無線通信T1の品質および第1通信装置31の周囲の電波状態を示す通信指標データを生成する。より具体的には、通信指標データ生成部33は、第1無線通信T1の通信強度、通信速度、データロス率など、第1無線通信T1の通信品質を示すデータ、第1無線通信T1に係る通信帯域におけるノイズレベル、に基づいて、通信指標データを生成する。なお、通信指標データ生成部33は、CPU(中央処理装置)、メモリ、及び入出力部を備える汎用のコンピュータであってもよい。
【0043】
通信指標データ生成部33によって生成する通信指標データは、第1無線通信T1の通信品質を示すデータ、及び、第1無線通信T1に係る通信帯域におけるノイズレベルのデータを含むものであってもよい。通信指標データ生成部33によって生成する通信指標データは、第1無線通信T1の通信品質を示すスコア値であってもよい。スコア値は、第1無線通信T1の通信品質を示すデータ、及び、第1無線通信T1に係る通信帯域におけるノイズレベルのデータに基づいて算出されるものであってもよい。例えば、スコア値が高いほど第1無線通信T1の通信品質が良い状態を示すものであってもよい。
【0044】
その他、第1無線通信T1の品質等を示す通信指標データを生成するのと同様に、通信指標データ生成部33は、第2無線通信T2の品質等を示す通信指標データを生成するものであってもよい。
【0045】
通信指標データ生成部33によって生成した通信指標データは、第2通信装置41に送信される。また、通信指標データは、端末20に送信されるものであってもよい。
【0046】
作業装置40は、第2通信装置41、動作制御部43(コントローラ)、通信指標データ生成部45、センサ群47、駆動装置49を備える。
【0047】
第2通信装置41は、無線通信するための無線アンテナを有し、第1無線通信T1及び第2無線通信T2によって第1通信装置31と無線接続される。第2通信装置41は、第1通信装置31から、作業装置40に対するユーザからの指示を受信する。その他、第2通信装置41は、第1通信装置31から、各種の情報を取得する。
【0048】
なお、第2通信装置41は、第1無線通信T1の通信強度、通信速度、データロス率など、第1無線通信T1の通信品質を示すデータを取得して、当該データを後述する通信指標データ生成部45に送信する。
【0049】
第2通信装置41は、第2無線通信T2の通信強度、通信速度、データロス率など、第2無線通信T2の通信品質を示すデータを取得して、当該データを後述する通信指標データ生成部45に送信するものであってもよい。
【0050】
センサ群47は、作業装置40の置かれた環境の情報を取得する。例えば、センサ群47は、作業装置40の現在位置の情報(位置情報)を一定周期ごとに取得する、GNSS/IMU装置などの自己位置センサを含んでいてもよい。自己位置センサは、GNSS(Global Navigation Satellite System)などを用いて、作業装置40の位置情報をグローバル座標で取得する。取得した作業装置40の位置情報は、図示しない記憶部等に格納されるものであってもよいし、端末20に送信されるものであってもよい。
【0051】
また、センサ群47は、電波強度を測定するスペクトラムアナライザを含んでいてもよい。スペクトラムアナライザは、第1無線通信T1によって使用する電波の帯域(通信帯域)を含む周波数帯の電波強度を測定する。スペクトラムアナライザは、第1無線通信T1に係る通信帯域におけるノイズレベルを、後述する通信指標データ生成部45に送信する。
【0052】
スペクトラムアナライザは、第2無線通信T2によって使用する電波の帯域(通信帯域)を含む周波数帯の電波強度を測定するものであってもよい。スペクトラムアナライザは、第2無線通信T2に係る通信帯域におけるノイズレベルを、後述する通信指標データ生成部45に送信するものであってもよい。
【0053】
通信指標データ生成部45は、第1無線通信T1の品質および第2通信装置41の周囲の電波状態を示す通信指標データを生成する。より具体的には、通信指標データ生成部45は、第1無線通信T1の通信強度、通信速度、データロス率など、第1無線通信T1の通信品質を示すデータ、第1無線通信T1に係る通信帯域におけるノイズレベル、に基づいて、通信指標データを生成する。なお、通信指標データ生成部45は、CPU(中央処理装置)、メモリ、及び入出力部を備える汎用のコンピュータであってもよい。
【0054】
通信指標データ生成部45によって生成する通信指標データは、第1無線通信T1の通信品質を示すデータ、及び、第1無線通信T1に係る通信帯域におけるノイズレベルのデータを含むものであってもよい。通信指標データ生成部45によって生成する通信指標データは、第1無線通信T1の通信品質を示すスコア値であってもよい。スコア値は、第1無線通信T1の通信品質を示すデータ、及び、第1無線通信T1に係る通信帯域におけるノイズレベルのデータに基づいて算出されるものであってもよい。例えば、スコア値が高いほど第1無線通信T1の通信品質が良い状態を示すものであってもよい。
【0055】
その他、第1無線通信T1の品質等を示す通信指標データを生成するのと同様に、通信指標データ生成部45は、第2無線通信T2の品質等を示す通信指標データを生成するものであってもよい。
【0056】
通信指標データ生成部45によって生成した通信指標データは、第1通信装置31に送信されるものであってもよい。また、通信指標データは、端末20に送信されるものであってもよい。
【0057】
動作制御部43(コントローラ)は、作業装置40の制御に必要な各種の処理を実行する。例えば、動作制御部43は、CPU(中央処理装置)、メモリ、及び入出力部を備える汎用のコンピュータであってもよい。
【0058】
動作制御部43には、コンピュータプログラム(制御プログラム)がインストールされており、コンピュータプログラムを実行することにより、動作制御部43は、各種の処理を実行する。なお、コンピュータプログラム(制御プログラム)は、コンピュータによって読み書き可能な記憶媒体に格納されるものであってもよい。
【0059】
動作制御部43は、第1無線通信T1の品質および第2通信装置41の周囲の電波状態を示す、通信指標データを取得し、通信指標データに基づいて、第1無線通信T1および作業装置40を制御する。
【0060】
より具体的には、動作制御部43は、通信指標データに基づいて第1無線通信T1が切断され得るか否かを判定する。
【0061】
例えば、動作制御部43は、第1無線通信T1の通信強度が所定閾値以下である場合に、第1無線通信T1が切断され得ると判定するものであってもよい。また、動作制御部43は、第1無線通信T1の通信速度が所定速度以下である場合、又は、第1無線通信T1におけるデータロス率が所定閾値以上である場合に、第1無線通信T1が切断され得ると判定するものであってもよい。所定閾値及び所定速度は、判定の用に合わせて事前に設定される。
【0062】
さらに、動作制御部43は、第1無線通信T1に係る通信帯域におけるノイズレベルが所定閾値以上である場合に、第1無線通信T1が切断され得ると判定するものであってもよい。その他、動作制御部43は、第1無線通信T1の通信品質を示すスコア値が、所定閾値以下である場合に、第1無線通信T1が切断され得ると判定するものであってもよい。所定閾値及び所定速度は、判定の用に合わせて事前に設定される。
【0063】
動作制御部43は、第1無線通信T1が切断され得ると判定されなかった場合に、第1無線通信T1を介して受け付けた、ユーザからの指示に基づいて作業装置40を制御するものであってもよい。ユーザからの指示とは、端末20において、ユーザの操作に基づいて決定した、作業装置40の移動又は動作を制御するための制御信号である。動作制御部43がユーザからの指示に基づいて作業装置40を制御する結果、作業装置40は、所定の移動又は動作を行うことになる。
【0064】
なお、動作制御部43は、第1無線通信T1が切断され得ると判定された場合に、第1無線通信T1を介して単位時間あたりに送受信するデータのサイズを減少させるものであってもよい。すなわち、第1無線通信T1が切断され得ると判定されなかった場合において送受信するデータのサイズと比較して、動作制御部43は、第1無線通信T1が切断され得ると判定した場合において送受信するデータのサイズを小さく設定するものであってもよい。このように送受信するデータのサイズを抑えた状態は、「セーフモード」と呼ばれる。
【0065】
第1無線通信T1を介して送受信するデータには、例えば、作業装置40が搭載するカメラによって取得した作業装置40の周囲の映像、マイクを通じて取得した作業装置40の周囲の音などが含まれる。動作制御部43は、セーフモードにおいて、映像の解像度を低くしたり、単位時間当たりのフレーム数を減少させたり、音のサンプリング数を減少させるなどの処理を行う。
【0066】
一方、動作制御部43は、第1無線通信T1が切断され得ると判定されなかった場合に、第1無線通信T1を介して単位時間あたりに送受信するデータのサイズを判定前と比較して、維持、又は、増大させるものであってもよい。すなわち、第1無線通信T1が切断され得ると判定した場合でのデータのサイズと比較して、動作制御部43は、第1無線通信T1が切断され得ると判定されなかった場合でのデータのサイズを等しく、又は、大きく設定するものであってもよい。このように送受信するデータのサイズを抑えない状態は、「通常モード」と呼ばれる。
【0067】
動作制御部43は、通常モードにおいて、映像の解像度を高くしたり、単位時間当たりのフレーム数を増加させたり、音のサンプリング数を増加させるなどの処理を行う。
【0068】
動作制御部43は、通信指標データに基づいて第1無線通信T1が切断されたか否かを判定するものであってもよい。
【0069】
例えば、動作制御部43は、第1無線通信T1の通信速度が所定速度以下である場合、又は、第1無線通信T1におけるデータロス率が所定閾値以上である場合に、第1無線通信T1が切断されたと判定するものであってもよい。所定閾値及び所定速度は、判定の用に合わせて事前に設定される。
【0070】
さらに、動作制御部43は、第1無線通信T1に係る通信帯域におけるノイズレベルが所定閾値以上である場合に、第1無線通信T1が切断されたと判定するものであってもよい。その他、動作制御部43は、第1無線通信T1の通信品質を示すスコア値が、所定閾値以下である場合に、第1無線通信T1が切断されたと判定するものであってもよい。所定閾値及び所定速度は、判定の用に合わせて事前に設定される。
【0071】
動作制御部43は、第1無線通信T1が切断されたと判定された場合に、第2無線通信T2を介して受け付けた、ユーザの指示に基づいて作業装置40を制御するものであってもよい。
【0072】
その他、動作制御部43は、第1無線通信T1が切断されたと判定された場合に、所定の復旧動作を行うよう作業装置40を制御するものであってもよい。
【0073】
なお、所定の復旧動作とは、事前に設定されて作業装置40の記憶部(図示なし)に登録された動作である。例えば、復旧動作は、第1無線通信T1が切断される前の作業装置40の姿勢に戻す動作を含んでいてもよい。より具体的には、作業装置40の記憶部等に、時刻と紐づけて、作業装置40における姿勢を記憶する。そして、第1無線通信T1が切断されたと判定された時刻よりも過去の時刻における作業装置40の姿勢を呼び出し、作業装置40を当該姿勢となるよう制御することで、復旧動作を行うことができる。
【0074】
また、復旧動作は、第1無線通信T1が切断される前の作業装置40の位置まで、作業装置40を戻す動作を含んでいてもよい。より具体的には、作業装置40の記憶部等に、時刻と紐づけて、作業装置40における位置情報を記憶する。そして、第1無線通信T1が切断されたと判定された時刻よりも過去の時刻における作業装置40の位置情報を呼び出し、当該位置情報で示される位置まで作業装置40を移動させることで、復旧動作を行うことができる。
【0075】
なお、動作制御部43は、第1無線通信T1が切断された状態が所定時間継続した場合に、復旧動作を行うよう作業装置40を制御するものであってもよい。例えば、動作制御部43は、第1無線通信T1が切断された時刻から所定時間が経過するまでの間は、第2無線通信T2を介して受け付けた、ユーザの指示に基づいて作業装置40を制御するものであってもよい。そして、動作制御部43は、第1無線通信T1が切断された時刻から所定時間が経過した時刻以降において、復旧動作を行うよう作業装置40を制御するものであってもよい。
【0076】
駆動装置49は、動作制御部43による制御に基づいて、作業装置40の所定の移動又は動作を行う装置である。例えば、作業装置40が自動運転車両である場合には、駆動装置49は、自動運転車両のエンジン、アクチュエータ、ステアリング等である。また、作業装置40がドローンである場合には、駆動装置49は、ドローンを浮遊させるプロペラモータ、機体のピッチング角及びローリング角を制御するモータ等である。
【0077】
その他、各種の作業を行うために、作業装置40は、可動部を有する機械(ロボットアームなど)が搭載していてもよい。この場合、駆動装置49は、可動部での関節の角度等を決定づけるモータ等である。
【0078】
[制御システムの制御処理の手順]
次に、本開示に係る制御システムの制御処理の手順を、
図3を参照して説明する。
図3は、制御システムの制御処理の手順を示すフローチャートである。
図3に示されるフローチャートの処理は、作業装置40が起動している間、所定の周期で繰り返し実行されるものであってもよい。
【0079】
ステップS101において、動作制御部43は、第1無線通信T1の品質および第2通信装置41の周囲の電波状態を示す、通信指標データを取得する。
【0080】
ステップS103において、動作制御部43は、第1無線通信T1が切断され得るか否かを判定する。
【0081】
第1無線通信T1が切断され得ると判定された場合(ステップS103にてYESの場合)、ステップS105において、動作制御部43は、第1無線通信T1をセーフモードに移行させる。
【0082】
一方、第1無線通信T1が切断され得ると判定されなかった場合(ステップS103にてNOの場合)、ステップS107において、動作制御部43は、第1無線通信T1を通常モードに移行させる。
【0083】
ステップS109において、動作制御部43は、第1無線通信T1が切断されたか否かを判定する。
【0084】
第1無線通信T1が切断されたと判定されかなった場合(ステップS109にてNOの場合)、ステップS111において、動作制御部43は、第1無線通信T1を介して、ユーザからの指示を取得する。そして、ステップS113において、動作制御部43は、当該指示に基づいて作業装置40を制御する。
【0085】
第1無線通信T1が切断されたと判定された場合(ステップS109にてYESの場合)、ステップS115において、動作制御部43は、第2無線通信T2を介して、ユーザからの指示を取得できたか否かを判定する。
【0086】
第2無線通信T2を介して、ユーザからの指示を取得できた場合(ステップS115にてYESの場合)、ステップS117において、動作制御部43は、第2無線通信T2を介して取得した指示に基づいて作業装置40を制御する。
【0087】
第2無線通信T2を介して、ユーザからの指示を取得できなかった場合(ステップS115にてNOの場合)、ステップS119において、動作制御部43は、所定時間が経過したか否かを判定する。所定時間が経過していない場合(ステップS119にてNOの場合)には、ステップS115に戻る。
【0088】
所定時間が経過した場合(ステップS119にてYESの場合)、ステップS121において、動作制御部43は、復旧動作を実施する。
【0089】
なお、
図3に示されるフローチャートの処理が、作業装置40が起動している間、所定の周期で繰り返し実行される場合、ステップS121において実施される復旧動作は、毎回異なるものであってもよい。より具体的には、ステップS121が繰り返し実行される場合において、優先度の高い復旧動作から順に、動作制御部43は当該復旧動作を行うよう作業装置40を制御するものであってもよい。復旧動作ごとに、優先度が事前に設定されるものであってもよい。
【0090】
[実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本開示に係る制御システム、制御方法、及び、制御プログラムは、第1通信装置と、第2通信装置と、コントローラと、を備える制御システムを対象とする。ここで、第1通信装置は、作業装置に対するユーザからの指示を送信する。第2通信装置は、作業装置に設けられ、第1無線通信および第1無線通信とは異なる第2無線通信によって第1通信装置と接続される。コントローラは、作業装置に設けられる。当該システムにおいて、第1無線通信の品質および第2通信装置の周囲の電波状態を示す、通信指標データを取得し、通信指標データに基づいて、第1無線通信および作業装置を制御する。
【0091】
これにより、無線通信の遅延又は切断の原因を統合的にモニタリングして、作業装置の無線通信の復旧を容易に行うことができる。
【0092】
特に、通信指標データに基づいて、第1無線通信および作業装置が制御される結果、無線通信の遅延又は切断の際に、自動的に無線通信の設定が変更され、無線通信が切断されてしまう事態を抑制できる。さらには、無線通信が切断されても、作業装置が自動的に制御され、無線通信が接続された状態に自動的に復帰することができる。
【0093】
本開示に係る制御システム、制御方法、及び、制御プログラムにおいて、コントローラは、通信指標データに基づいて第1無線通信が切断され得るか否かを判定するものであってもよい。コントローラは、第1無線通信が切断され得ると判定されなかった場合に、第1無線通信を介して受け付けた指示に基づいて作業装置を制御するものであってもよい。これにより、第1無線通信による接続が安定している間、ユーザからの指示に基づいて作業装置の制御を行うことができる。したがって、ユーザの利便性が向上する。
【0094】
本開示に係る制御システム、制御方法、及び、制御プログラムにおいて、コントローラは、第1無線通信が切断され得ると判定された場合に、第1無線通信を介して単位時間あたりに送受信するデータのサイズを判定前と比較して減少させるものであってもよい。これにより、第1無線通信による接続が不安定な場合に、第1無線通信をセーフモードに移行して、第1無線通信が切断されてしまうことを抑制できる。さらには、第1無線通信の切断に起因して、作業装置を制御できなくなってしまう事態を防ぐことができる。その結果、ユーザの利便性が向上し、さらには、作業装置を継続して管理できるようになる。
【0095】
本開示に係る制御システム、制御方法、及び、制御プログラムにおいて、コントローラは、第1無線通信が切断され得ると判定されなかった場合に、次の処理を行ってもよい。すなわち、第1無線通信を介して単位時間あたりに送受信するデータのサイズを判定前と比較して、維持、又は、増大させるものであってもよい。これにより、第1無線通信による接続が安定している場合に、第1無線通信を通常モードに移行して、第1無線通信を介して大容量のデータの送受信を行うことができる。その結果、ユーザは、作業装置および作業装置の周囲の状態を認識しやすくなる。
【0096】
本開示に係る制御システム、制御方法、及び、制御プログラムにおいて、コントローラは、通信指標データに基づいて第1無線通信が切断されたか否かを判定するものであってもよい。コントローラは、第1無線通信が切断されたと判定された場合に、第2無線通信を介して受け付けた指示に基づいて作業装置を制御するものであってもよい。これにより、第1無線通信が切断された場合であっても、作業装置を制御できなくなってしまう事態を防ぐことができる。ユーザの利便性が向上し、さらには、作業装置を継続して管理できるようになる。
【0097】
本開示に係る制御システム、制御方法、及び、制御プログラムにおいて、コントローラは、通信指標データに基づいて第1無線通信が切断されたか否かを判定するものであってもよい。コントローラは、第1無線通信が切断されたと判定された場合に、所定の復旧動作を行うよう作業装置を制御するものであってもよい。これにより、第1無線通信が切断された場合であっても、作業装置が自動的に制御され、無線通信が接続された状態に自動的に復帰することができる。
【0098】
本開示に係る制御システム、制御方法、及び、制御プログラムにおいて、復旧動作は、第1無線通信が切断される前の作業装置の姿勢に戻す動作を含むものであってもよい。これにより、作業装置の姿勢の変化に起因して無線通信が切断された場合には、切断の原因を自動的に取り除くことができる。その結果、無線通信が接続された状態に自動的に復帰することができる。
【0099】
本開示に係る制御システム、制御方法、及び、制御プログラムにおいて、復旧動作は、第1無線通信が切断される前の作業装置の位置まで、作業装置を戻す動作を含むものであってもよい。これにより、作業装置の位置の変化に起因して無線通信が切断された場合には、切断の原因を自動的に取り除くことができる。その結果、無線通信が接続された状態に自動的に復帰することができる。
【0100】
本開示に係る制御システム、制御方法、及び、制御プログラムにおいて、コントローラは、第1無線通信が切断された状態が所定時間継続した場合に、復旧動作を行うよう作業装置を制御するものであってもよい。これにより、例えば、第1無線通信が切断された状態が所定時間継続するまでの間、ユーザからの指示に基づいた復旧動作を行う時間を確保できる。また、ユーザからの指示を受け付けることができない場合であっても、第1無線通信が切断された状態が所定時間継続した後に、自動的に、復旧動作を開始できる。その結果、ユーザの利便性が向上する。
【0101】
本開示に係る制御システム、制御方法、及び、制御プログラムにおいて、第2無線通信は第1無線通信よりも高い耐障害性を有するものであってもよい。これにより、第1無線通信が切断してしまうような状況であっても、第2無線通信が接続した状態にあることが期待できる。冗長化によって、ユーザの指示を継続して受け付けることが可能となる。
【0102】
本開示に係る制御システム、制御方法、及び、制御プログラムにおいて、第1無線通信および第2無線通信は、モバイル通信、ワイヤレスローカルエリアネットワーク通信、および、特定小電力無線通信のうち、少なくともいずれかであってもよい。これにより、各種の通信方式に基づいた無線通信によって、作業装置の遠隔操作を実現することができる。
【0103】
本開示に係る制御システム、制御方法、及び、制御プログラムにおいて、通信指標データは、第1無線通信の通信強度、通信速度、データロス率、第1無線通信に係る通信帯域におけるノイズレベルの少なくともいずれかを含むものであってもよい。これにより、第1無線通信が切断され得る状態、または、第1無線通信が切断した状態を、精度よく評価することができる。
【0104】
上述の実施形態で示した各機能は、1又は複数の処理回路によって実装されうる。処理回路には、プログラムされたプロセッサ、電気回路などが含まれ、さらには、特定用途向けの集積回路(ASIC)のような装置、又は、記載された機能を実行するよう配置された回路構成要素なども含まれる。
【0105】
いくつかの実施形態を説明したが、上記開示内容に基づいて実施形態の修正または変形をすることが可能である。上記実施形態のすべての構成要素、及び請求の範囲に記載されたすべての特徴は、それらが互いに矛盾しない限り、個々に抜き出して組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0106】
10 無線アンテナ
20 端末
30 中継基地局
31 第1通信装置
33,45 通信指標データ生成部
35,47 センサ群
40 作業装置
41 第2通信装置
43 動作制御部(コントローラ)
49 駆動装置
T1 第1無線通信
T2 第2無線通信