(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024105210
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】片手で結束バンドの破壊的な解放を行うための切断工具および方法
(51)【国際特許分類】
B26B 13/22 20060101AFI20240730BHJP
B26B 13/26 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
B26B13/22
B26B13/26
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024008760
(22)【出願日】2024-01-24
(31)【優先権主張番号】20 2023 100 352.4
(32)【優先日】2023-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】522160103
【氏名又は名称】ヘラマンタイトン・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】マクロン・モイジシュウィッツ
【テーマコード(参考)】
3C065
【Fターム(参考)】
3C065AA17
3C065BA01
3C065CA06
3C065FA01
3C065GA12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】包装具への損傷をなくし、ケーブル包装具の周りで閉じられた結束バンドの破壊的な解放を簡単化する切断工具を提供する。
【解決手段】切断工具(1)は、解放される結束バンドへと切り込むための切断ユニット(2)と、切断工具(1)を保持するためのハンドル要素(3a)、および意図する使用中に解除される結束バンド上に配置される端面(3b)を有するハウジングユニット(3)とを備え、経路制限ユニット(4)であって、解放される結束バンドを切断するとき、切断ユニット(2)のブレード要素(2a、2b)によりカバーされる経路が制限されるように設計され、切断工具(1)が、向上させた切断工具(1)を提供するように意図されて使用されるとき、結束バンドが切断ユニット(2)により切られるが、切り離されないようにする、経路制限ユニット(4)を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
結束バンド(6)を破壊的に解放するための切断工具(1)であって、
解放される前記結束バンド(6)へと切り込むための切断ユニット(2)と、
前記切断工具(1)を保持するためのハンドル要素(3a)、および意図する使用中に解除される前記結束バンド(6)上に配置される端面(3b)を有するハウジングユニット(3)と
を備え、
経路制限ユニット(4)であって、解放される前記結束バンド(6)を切断するとき、前記切断ユニット(2)のブレード要素(2a、2b)によりカバーされる経路を制限するように設計されて、前記切断工具(1)が意図するように使用されるとき、前記結束バンド(6)が前記切断ユニット(2)により切られるが、切り離されないようにする、経路制限ユニット(4)
を特徴とする切断工具(1)。
【請求項2】
前記ブレード要素(2a、2b)、および/またはさらなるブレード要素が、前記端面(3b)から所定の距離だけ内方向に、前記ハウジング(3)の前記端面(3b)からオフセットして配置された端面(2a*、2b*)を有し、それにより、前記ハウジング(3)の前記端面(3b)が、前記経路制限ユニット(4)であるか、またはそれを備えるか、またはその一部となることを特徴とする、請求項1に記載の切断工具(1)。
【請求項3】
前記所定の距離は、少なくとも0.5mm、好ましくは、少なくとも0.8mmであることを特徴とする、請求項2に記載の切断工具(1)。
【請求項4】
前記端面(3b)は、解放される前記結束バンド(6)の結束バンドヘッドのための受入れ領域(3c)を有し、前記受入れ領域(3c)は、特に前記結束バンドヘッド(6)を完全に受け入れるように設計されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の切断工具(1)。
【請求項5】
前記受入れ領域(3c)は、前記ブレード要素(2a、2b)によりカバーされる前記経路が、解放される前記結束バンド(6)の閉じられた結束バンドストラップ(6b)が通る平面、および/または前記結束バンドヘッド(6a)の内側面(6a*)が通る平面を横断して通るように方向付けられることを特徴とする、請求項4に記載の切断工具(1)。
【請求項6】
前記切断ユニット(2)は、切断中に一方のブレード要素(2a、2b)とは反対に動くように設計されたさらなるブレード要素(2b、2a)を有し、前記経路制限ユニット(4)はまた、解放される前記結束バンド(6)の切断中に、前記切断ユニット(2)の前記さらなるブレード要素(2b、2a)によりカバーされる経路を制限するように設計されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の切断工具(1)。
【請求項7】
前記ハウジングユニット(3)は、アダプタ要素(3d)を備え、前記アダプタ要素(3d)は、好ましくは工具を用いずに、前記端面(3b)の少なくとも一部と交換することができ、前記アダプタ要素(3d)は、端面(3b)に対するブレード要素(2a、2b)の相対的な位置を指定し、したがって、特に、前記ハウジング(3)の端面(3b)から前記ブレード要素(2a’、2b’)の端面までの前記所定の距離を指定することを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の切断工具(1)。
【請求項8】
前記アダプタ要素(3d)は、前記受入れ領域(3c)の幾何形状の少なくとも第1のサブ領域を、好ましくは、前記受入れ領域(3c)の前記幾何形状の全体を事前に決定することを特徴とする、請求項7に記載の切断工具(1)。
【請求項9】
それぞれが、端面(3b)に対するブレード要素(2a、2b)の異なる相対位置を指定し、かつ/または前記受入れエリア(3c)の異なる幾何形状を形成する、複数の異なる交換可能なアダプタ要素(3d)を備える、請求項8に記載の切断工具(1)を有する切断工具システム。
【請求項10】
前記交換可能なアダプタ要素(3d)の少なくとも1つは、前記受入れ領域(3c)の幾何形状を単独で形成することを特徴とする、請求項9に記載の切断工具システム。
【請求項11】
前記経路制限ユニット(4)を形成し、特に前記端面(3b)を形成して、残りの前記ハウジングユニット用のキャップとして構成される、請求項9または10のいずれか一項に記載の切断工具システムのためのアダプタ要素(3d)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、包装具の周りで閉じられた結束バンドを破壊的に解放するための切断工具に関し、切断工具は、解放される結束バンドに切り込むための切断ユニットと、切断工具を保持するためのハンドル要素、および、意図する使用中に、解放される結束バンド上に配置される端面を有するハウジングユニットとを備える。
【背景技術】
【0002】
多くの用途において、包装具の周りですでに閉じられた結束バンドは、解除される、または解放されなくてはならない。これは、通常、結束バンドを破壊することにより、すなわち、破壊的に行われる。側刃カッタなどの簡単な工具を、破壊的な解放に使用することができる。しかし、ここにおける問題は、このような簡単な切断工具が不正確に使用された場合、包装具が容易に損傷して、高い追従コストを生ずるおそれがあることであり、それは是非とも回避する必要がある。したがって、HellermannTytonからのEVOcut切断工具など、閉じられた結束バンドの破壊的な解放を行うために特に開発された切断工具も知られている。一対のブレード要素がハウジング内に窪んでおり、その端面は、解放される結束バンド、すなわち、結束された材料に対して配置され、それらは、作動させたとき、結束バンドを意図されるように切断する。この切断工具が使用されるとき、包装具ではなく結束バンドが、切断工具のハウジングにより取り上げられて、ブレード要素により切断される。しかし、この場合も、特に薄い包装具、または非常に薄い壁の絶縁体を備えるケーブルの場合は、包装具またはケーブルへの損傷が、いくつかの状況下で生ずる可能性がある。さらに、切断した後、結束バンドは、通常、少なくとも2つの部分に分解し、それを次いで、別々に確保するまたは拾い上げる必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明は、特に包装具への損傷をなくし、ケーブル包装具の周りで閉じられた結束バンドの破壊的な解放を簡単化する、従来技術から知られた問題を克服する向上させた切断工具を提供する問題に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この問題は、独立請求項の主題によって解決される。有利な実施形態は、従属請求項、本記述、および諸図から得られる。
【0005】
一態様は、包装具の周りで閉じられた結束バンドの、好ましくは片手で破壊的な解放を行うための切断工具に関する。切断工具は、このように、片手だけで、閉じられた結束バンドを解除する/解放する/破壊するのに特に適している。それにより、切断工具は、好ましくは、所定のタイプの結束バンドに適合され、したがって、1つまたは複数の所定のタイプの、特に所定の寸法を有する、特に所定の最大寸法である結束バンドタイプの結束バンドを解除するように設計される。所定の寸法、または最大の寸法は、特に、結束バンドの結束バンドヘッド、および/または結束バンドストラップ幅、および/または結束バンドストラップ厚さに関する。
【0006】
切断工具は、解放される結束バンドに切り込むための切断ユニット、およびハウジングユニットを有する。ハウジングユニットは、切断工具を、特にそれを動作させるためにも保持するためのハンドル要素と、切断工具が意図するように使用されるとき、解放される結束バンドおよび/または包装具上に配置される端面とを有する。
【0007】
切断工具はまた、解放される結束バンドを切断するとき、解放される結束バンドを通る、切断ユニットの(第1の)ブレード要素によりカバーされる経路を制限するように設計された経路制限ユニットを有し、切断工具が意図するように使用されるとき、結束バンドが切断ユニットにより切られるが、完全には切り離されないようにする。これを確実にするために、切断工具のブレード要素には、さらなる(第2の)ブレード要素または別の反対側受け部要素によって反対側受け部(counter-bearing)が割り当てられ得、それは、例えば、ハウジングユニットにより、特にハウジングの端面を用いて、形成され得る。1つの可能性は、ハウジングユニットの一部として、アダプタ要素が、ブレード要素から所定の距離に端面を形成することであり、これは以下でより詳細に述べられる。
【0008】
したがって、経路制限ユニットは、結束バンドを切断するときにその下を通らない、(第1の)ブレード要素と、例えば、ハウジングの端面など、各反対側受け部との間の所定の(最小の)距離を指定することができる。その場合、最小の可能な距離とも称することのできる所定の(最小の)距離は、ゼロよりも大きい。それは、例えば、少なくとも0.5mm、または少なくとも0.8mm、または少なくとも1mmとすることができる。その場合、最小の距離は、意図するように使用されたとき、結束バンドを切断するエリアにおいて測定することができる。したがって、切断工具が意図されるように使用されるとき、切断は、切断後、したがって結束バンドの破壊的な解放後に、解放された結束バンドが破壊されるが、依然として一貫性があるまたは接続された部分となるように、すなわち、それが、例えば切断された結束バンドヘッドであっても、2つまたはそれ以上の部分に分解されないように行われる。補足として、以下でさらに述べられるように、経路制限ユニットはまた、存在する場合に切断ユニットのさらなる(第2の)ブレード要素の経路も制限することができる。ブレード要素は、端面を備えるハウジングユニットに対して可動となるように構成される。
【0009】
これには、結束バンドが、解放された後にいくつかの部分に分解されるのではなく、単一部分としてバンド部材から取り除き、処分することができるという利点を有する。有利には、これはまた、切断工具が結束バンドヘッドを切断するために使用される場合にも該当し、結束バンドヘッドは、通常、特に利用され易く、また従来の切断工具が使用されるとき、完全に結束バンドの残りから分離され、その結果、結束バンドは、破壊的に解放されたときに、少なくとも2つ、多くの場合は3つのばらばらの部分へと分解する。そのプロセスにおいて、結束バンドを切断工具に詰め込むことができ、それは、述べられる切断工具はまた、片手で結束バンドを解放するのに適することを意味する。
【0010】
特に、(第1の)ブレード要素、および/またはさらなる(第2の)ブレード要素は、端面から前記所定の(最小の)距離で、内側方向に切断工具の中に、ハウジングの端面(意図された使用中に解放される結束バンド上に配置される)からオフセットされて配置された各端面を有することがここで提供され得る。その結果、ハウジングの端面が前記反対側受け部として働き、すなわち、端面は、経路制限ユニットであるか、またはそれを備えるか、またはその一部となる。ブレード要素が、ハウジングユニットの端面から内側方向に距離を置いて配置されることに起因して、その端面は、結束バンドが切断されたとき、包装具に直接配置され(すなわち、それと機械的に接触し)、一方、ブレード要素は、包装具から所定の距離に配置される。実際的なすべての用途において、結束バンドは包装具の周りできつく引っ張られるので、所定の距離はまた、切断後に残る結束バンドの厚さを画定する。これは、経路制限が、簡単かつ安全な方法で実現され得るという利点を有する。ブレード要素は、端面に対して内側にオフセットされているので、それらは、ハウジングユニットにより覆われ、意図せずに損傷を与えたり傷をつけたりする可能性は低い。ハウジングユニットの端面は、例えば、HellermannTytonのEvoCutなど、既存の切断工具用のキャップとして使用されるように構成され得る1つまたは複数のアダプタ要素により、異なる形状および形態で容易に提供することができる。したがって、切断工具は、様々なタイプの結束バンドを用いる様々な用途に対して容易に最適化することができ、結束バンドを解除するために結束バンドを部分的に切り離すという概念の柔軟な応用を促進する。
【0011】
さらなる実施形態では、端面は、所定の設計の結束バンドヘッドに対する、特にさらに、解放される結束バンドの結束バンドヘッドへの結束バンドストラップ取付け部に対する受入れ領域を有する。結束バンドストラップ取付け部は、結束バンドヘッドに隣接する結束バンドストラップの部分的なエリアを指定する。特に、受入れ領域は、結束バンドヘッドを完全に受け入れるように設計される。これは、例えば、意図するように使用されるとき、端面に対して直角方向に把持要素から離れた結束バンドヘッドの側面、すなわち、包装具に接しているかまたはそれに面する結束バンドヘッドの内側面が、端面と同一面に配置されるように行われ得る。これは、切断工具が、結束バンドまたは結束バンドヘッドに理想的に適用され、したがって、特に切断工具の信頼性のある動作に寄与することを保証し得るという利点を有する。
【0012】
特に、受入れ領域は、結束バンドを切断する間、ブレード要素により横断される経路が、解放される結束バンドの閉じられた結束バンドストラップが延びる平面に対して横断方向であり(すなわち、経路は、包装具の横断平面に対して横方向に移動する)、かつ/または結束バンドヘッドの内側面が延びる平面に対して横断方向であるように、方向付けることができる。これは、ブレード要素が、実質的に結束バンドストラップを損傷することなく、結束バンドヘッドにおける結束バンドの係合を解放するために理想的に結束バンドヘッドを切断する利点を有する。
【0013】
さらなる実施形態では、切断ユニットは、切断中に、一方の、すなわち第1のブレード要素に対して反対方向に移動するように設計された、すでに前述したさらなる(第2の)ブレード要素を備えることが提供される。経路制限ユニットはまた、解放される結束バンドの切断中に、切断ユニットのさらなるブレード要素によりカバーされる、解放される結束バンドを通る経路を制限するように設計される。その場合、結束バンド、特に結束バンドヘッドは、切断ユニットによりさらに切られるだけであり、完全に切り離されない。これは、切断ユニットの機能が向上するという利点を有する。さらに、これはまた、経路制限機能を備えない、2つの反対に動くブレード要素を備える既知の切断工具から開始して切断工具を製作することを可能にし、それは、一方で生産工程を簡単化し、また他方で、各操作者が同様の形状を有する切断工具の使用をすでに経験していることを可能にする。これはまた、結束バンドの破壊的解放を簡単化する。
【0014】
代替の実施形態では、経路制限ユニットは、ハンドル要素上に、またはハンドル要素に対して移動可能な、切断ユニットに対する作動構成要素上に配置されるように提供される。経路制限ユニットは、例えば、ハンドル要素の停止部分の形態とすることができる、またはこのような停止部分を備えることができる。これは、経路制限ユニットを特に簡単に実施することができるという利点を有し、特に、通常、経路は作動構成要素またはハンドル要素の領域において最も大きいため、ブレード要素によってカバーされる経路は、経路制限ユニットの設計によって特に正確に指定することができる。
【0015】
さらなる実施形態では、ハウジングユニットは、好ましくは、工具を使用せずに、取り換える、または交換され得るアダプタ要素を有するように提供され、それは、受入れ領域の幾何形状の少なくともサブ領域を事前に決定し、ここで、特に受入れ領域の幾何形状の第2のサブ領域が、残りのハウジングユニットにより事前に決定される。特に第1および第2のサブ領域は、それにより、受入れ領域の幾何形状を形成する。好ましい実施形態では、アダプタ要素は、全体として受入れエリアの幾何形状を事前に決定し、すなわち、受入れエリアの完全な幾何形状が、アダプタ要素により事前に決定される。受入れエリアの幾何形状は、受入れ領域により受け入れられる結束バンドの一部に当接することにより、端面の主延在面に沿って1次元または2次元の動きを制限する制限表面により定義され得る。したがって、制限表面は、端面の主延在面に対して少なくとも基本的に直角に方向付けられる。
【0016】
さらに、または代替として、アダプタ要素は、端面の少なくとも一部、すなわち、端面の部分または端面を備え、また端面に対するブレード要素の相対位置を指定する。したがって、特に、アダプタ要素は、ハウジングの端面から、ブレード要素(の端面)までの所定の距離を指定/決定する。
【0017】
これが有する利点は、既存の切断工具が、ここで述べられた切断機能の意味において転換されるまたは適合され得るか、あるいは反対に、ここに記載される切断工具が、アダプタ要素を置き換えることによって、結束バンドストラップのエリアにおける結束バンドの切断に適合できることであり、それは、別のアダプタ要素を用いて、ここにおける結束バンドヘッドに対する受入れ領域の幾何形状の第1の部分的なエリアを事前定義する。これは、例えば、結束バンドヘッドが手の届かない位置にある場合に、有利である。
【0018】
したがって、さらなる実施形態では、例えばアダプタユニットなどの経路制限ユニットは、1つまたは複数のブレード要素の経路が、解放される結束バンドを切断するときに制限されて、切断工具を意図するように使用するとき、結束バンドが切断ユニットにより切られるが、切り離さないように行われる制限構成から、解放される結束バンドの切断中に1つまたは複数のブレード要素の経路が解放されて、結束バンドを、切断工具の意図する使用中に切断ユニットにより切り離すことができるようにする解放構成へと、特に折り畳むことによって非破壊的に構成され得るように提供され得る。これは、例えば、結束バンドヘッドに手が届かない場合などに、切断工具のわずかな変更が、知られた結束バンドの切り離しを代替の選択肢として可能にするという利点を有する。
【0019】
さらなる実施形態では、1つおよび/またはさらなるブレード要素は、ハウジングの端面を越えて突き出ないように提供される。これは、結束バンドを切断するとき、包装具を損傷させる危険が低減されるという利点を有する。
【0020】
さらなる態様は、述べられた実施形態のうちの1つによる切断工具を有し、かつ複数の異なる交換可能な、好ましくは工具を用いずに交換可能な、アダプタ要素を有する切断工具システムに関する。アダプタ要素は、それぞれ、受入れ領域の幾何形状の少なくとも各第1のサブ領域において、すなわち、幾何形状の第1のサブ領域において異なる設計であり得、またはそれらが全体として受入れ領域の幾何形状を事前設定するとき、全体として受入れ領域の幾何形状において異なる設計であり得る。次いで、受入れ領域の幾何形状は、特に異なる縁部寸法である、異なる事前設定設計の結束バンドヘッドの各場合に、各アダプタ要素により適合される。さらに、または代替的に、複数の異なる交換可能なアダプタ要素は、それぞれ、単独で、またはハウジングの残りとの相互作用で、端面に対してブレード要素の異なる相対位置を指定することができる、かつ/または受入れ領域の異なる幾何形状を形成することができる。これは、切断工具が、各場合において、異なる結束バンドヘッドを高い信頼性で切断するように、簡単な方法で最適化できるという利点を有する。
【0021】
切断工具システムの好ましい実施形態では、交換可能なアダプタ要素の少なくとも1つは、受入れ領域の幾何形状を単独で形成し、すなわち、受入れエリアは、少なくとも基本的に、ハウジングユニットの他の部分を使用せずに形成される。
【0022】
別の態様は、複数の方法ステップを含む、包装具の周りで閉じられた結束バンドを片手で解放するための方法に関する。1つの方法ステップは、切断工具を、特に切断工具の端面を、操作者の操作する手により、解放される結束バンド上に配置するステップである。さらなるステップは、操作する手により、切断工具の切断ユニットの作動構成要素を作動させ、解放される結束バンドを切断するステップである。これは、その後、切断中に、解放される結束バンドを通って、切断ユニットのブレード部材によりカバーされるまたは移動される経路を自動的に制限し、したがって、結束バンドは、切断工具の経路制限ユニットにより、切断ユニットにより切られるが、完全には切り離されない。この場合、操作者の手による作動構成要素の保持が、切断ユニットによる切断工具における切断された結束バンドの自動的な詰め込み、および包装具からの詰め込まれた結束バンドを有する切断工具の除去と共に実施することができ、その間、作動構成要素は、操作者の手により保持される。
【0023】
それにより、本方法の利点および有利な実施形態は、切断工具の利点および有利な実施形態に対応し、逆もまた同様である。
【0024】
本記述において、また導入部分において、前に述べられた特徴および特徴の組合せ、ならびに図の記述において以下で述べられた、かつ/または図だけで示された特徴および特徴の組合せは、示された各組合せにおいてだけではなく、他の組合せにおいても、本発明の範囲を逸脱することなく使用することができる。したがって、諸図において明示的に示されず、説明されないが、説明された実施形態から生ずる実施形態、および特徴の別の組合せから生成され得る実施形態はまた、本発明により包含され、かつ開示されたものと見なされるべきである。したがって、最初に構成された独立請求項のすべての特徴を有しない実施形態および特徴の組合せもまた、開示されたものと見なされるべきである。さらに、特許請求の範囲の記載に述べられた特徴の組合せを超える、または逸脱する、実施形態および特徴の組合せは、特に上記に記載の実施形態により開示されたものと見なされるべきである。
【0025】
本開示のコンテキストにおいて、「垂直/平行」は、「少なくとも、実質的に垂直/平行」、すなわち、「垂直/平行」、すなわち、「垂直/平行」または「実質的に垂直/平行」、すなわち、所定の偏差を除いた垂直/平行であると理解することができる。所定の偏差は、例えば、せいぜい15°、好ましくは、せいぜい5°、特に好ましくは、せいぜい3°とすることができる。したがって、「反対に方向付けられる」は、本開示のコンテキストにおいて、「少なくとも実質的に反対に方向付けられる」、すなわち、「少なくとも実質的に逆平行に方向付けられる」と理解することができる。「実質的に」という制限はまた、例えば、せいぜい15%、好ましくは、せいぜい5%、特に好ましくは、せいぜい3%である、所定の最大の許容可能な偏差パーセンテージを指すことができる。
【0026】
例示的な実施形態は、概略的な図面を参照して以下でより詳細に述べられる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】断面図として中立的な位置における切断工具の例示的な実施形態を示す図である。
【
図2】上面図として、
図1で示された実施形態の端面を示す図である。
【
図3】断面図としてその操作中の
図1からの切断工具を示す図である。
【
図5】斜視図として
図1から
図4で示された例示的な実施形態に対する例示的な工具を使用しない交換可能なアダプタ要素を示す図である。
【
図6】斜視図として、その受入れ領域に取り付けられ、かつ結束バンドを受け入れた、
図5の交換可能なアダプタ要素を示す図である。
【
図7】斜視図として、経路制限を備えた結束バンドヘッド切断を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
様々な図において、同一の、または機能的に同一の要素は、同じ参照符号が与えられる。
【0029】
図1は、結束バンドを破壊的に解放する、すなわち、破壊的に解除するための切断工具1の例示的な実施形態を示す。切断工具1は、解放される結束バンド6(
図3)へと切り込むための切断ユニット2を有する。切断ユニット2は、少なくとも1つの、この場合は2つのブレード要素2a、2bを備える。切断工具1はまた、切断工具1を保持するためのハンドル要素3aと、意図する使用中に、解放される結束バンド上に置かれる端面3bとを備えるハウジングユニット3を有する。切断工具1はまた、経路制限ユニット4を有し、それは、切断工具1が意図するように使用されるとき、結束バンドが切断ユニット2によって切られるが、切り離されないように、解放される結束バンド6を切断するとき、切断ユニット2のブレード要素2a、2bによってカバーされた(ここではz方向に)結束バンドを通る経路を制限するように設計される。
【0030】
示された実施形態では、切断ユニット2、または切断工具1に対する作動構成要素5は、ハンドル要素3aに対して移動可能である。ハンドル要素3aの方向への、すなわち、ここではz方向への動作構成要素5の作動は、知られた方法で、ここでは、2つの回転軸R1、R2を備える機構Mを介して、現在y方向である2つのブレード要素2a、2bの反対の動きをさせ、したがって、ここでは、受入れ領域3cにおける端面3bに位置する結束バンドヘッド6a(
図6)を用いて、結束バンドヘッド6aを切断させる。
【0031】
示された実施形態では、端面3bは、ブレード要素2a、2bの端面2a*、2b*を越えて突き出ている。したがって、端面2a*、2b*は、内側方向に、ここではz方向に、オフセットされる。その間の距離dは、端面3bの主延在面(ここでは、y-z平面)に対して直角な、切断工具1内への内側方向に測定される。したがって、この場合、端面3bは、経路制限ユニット4の一部である。所定の距離dは、端面3bのエリアにおける経路制限ユニット4の材料厚により少なくとも基本的に決定され得る。本例では、端面2a*、2b*と、端面3bの反対側の経路制限ユニット4の内側面3b’(
図4)とが基本的に当接する。
【0032】
図2では、切断工具1が、端面3bの前面図で示されており、切断工具1の構成要素は、図の平面において奥側にあり、明確化のために隠されている。受入れ領域3cの寸法は、例えば、タイプT18である所定タイプの結束バンドヘッド6aに適合されており、したがって、各タイプの結束バンドヘッド6aを、受入れ領域3cにより受け入れることができる。本実施形態においては、これは、意図するように使用されるとき、包装具に面する、切断される結束バンドヘッド6aの内側面6a*(
図4)が、端面3bを備える平面内を通るように行われる。したがって、結束バンド6により保持される各包装具に端面3bを適用することにより、結束バンドヘッド6aは、容器に、すなわち、受入れ領域3cに受け入れることができる。この場合、容器はまた、対応するエリア3c’に結束バンドストラップを受け入れるように形成され、したがって、この意図する使用の場合において、結束バンドストラップ6b(
図6)は、x方向に通る。各場合において、ブレード要素2a、2bによりここでカバーされる結束バンド6を通る経路はy-z平面を通り、したがって、受入れ領域3cは、この場合、ブレード要素2a、2bによりカバーされる結束バンド6を通る経路が、解放される結束バンドの閉じられた結束バンドストラップが通る平面、ここではxz平面に対して、また結束バンドヘッド6aの内側面6a*が通る平面、ここではxy平面に対して横断方向に通るように方向付けられる。
【0033】
ここでは、結束バンドヘッド6aに対する受入れ領域の幾何形状は、対抗する制限面3x、3yの2つの組からなる。その場合、1対の制限面3xは、1つの次元(ここではx方向)において、端面3bの平面(ここではx-y平面)に沿って結束バンドヘッド6aの動きを制限し、制限面3yの他方の対は、別の次元(ここでは、y方向)を制限する。代替的に、または加えて、エリア3c’はまた、結束バンドストラップ6bを受け入れるように構成することができ、対応する組の対向する制限面3y’(
図5)は、1つの次元において、(ここではy方向)端面3bの平面に沿って、エリア3c’に受け入れられる結束バンドのバンド6bの動きを制限する。
【0034】
したがって、
図3では、作動構成要素5が作動されたときの、
図1からの切断工具1が示される。ここでは、キャップのようにハンドル要素3aに配置された経路制限ユニット4は、包装具(示されていない、y方向に沿って通る)と接触し、したがって、結束バンドヘッド6aを通るブレードユニット2a、2bの経路を、ここでは、負のz方向に制限するが、それは、端面3bが結束バンドヘッド6の内側面6a*と同一面のためである。経路制限ユニット4は、この場合、非破壊的な方法でハンドル要素3aから取り外すことができるため、それは、例えば、代替的な経路制限ユニット4としてのアダプタ要素3dに置き換えることができる。
【0035】
図4は、
図3からの端面3bの拡大されたエリアを示す。示されるように、距離dは0より大きいので、結束バンドヘッド6aはまた、切られたときに2つのばらばらな部分へと完全には分離されず、まだ部分的に接続された2つの部分になる。しかし、切ることにより、結束バンドヘッド6aは、その安定性を失い、結束バンドヘッド6aにおける結束バンドストラップ6bの係合が解除されるようになる。したがって、結束バンド6は、その破壊下で解放される。しかし、この場合、結束バンドヘッド6aは切断ユニット2に詰まり得、したがって、結束バンド6を、切断工具1により包装具から取り除くことができる。
【0036】
図5は、経路制限ユニット4としてのハウジングユニット3のアダプタ要素3dを示しており、それは、工具を用いずに置き換えることができ、またハウジングユニット3の残りと使用されるとき、受入れ領域3cの幾何形状における少なくとも第1のサブ領域を、この場合、受入れ領域3cの幾何形状の全体を画定する。受入れ領域の幾何形状における第1のサブ領域だけが、アダプタ要素によって画定される場合、受入れ領域3cの幾何形状の第2のサブ領域が、ハウジングユニット3の残りの部分により事前に決定され得る。次いで、幾何形状は、全体として、ハウジングユニット3の残りとの相互作用でアダプタ要素3dにより画定される。
【0037】
示された例では、受入れ領域3cの幾何形状、および端面3bとブレード要素2a、2bの間の距離dは、アダプタ要素3dだけに依存する。したがって、異なって形成された、かつ/または異なる寸法の結束バンドヘッド6a(異なる受入れ領域3cによる)に対して、かつ/または事前に決定された異なる距離d(例えば、端面3bの領域における経路制限ユニット4の異なる材料厚さによる)に対して構成された1組の異なるアダプタ要素3dは、様々な異なる用途における結束バンド6の最適な除去を達成するために使用することができる。
【0038】
図2の簡単化された図では、受入れ領域3cの幾何形状は、その寸法が、各設計の結束バンドヘッド6aに適合された丸味のあるコーナを備えた長方形に対応する。
【0039】
図6は、特にハンドル要素3aである、ハウジングユニット3の残りの部分に取り付けられ、その受入れ領域3cに結束バンドヘッド6aを受け入れている、
図5の交換可能なアダプタ要素3dを示す。ブレード要素2a、2bは、各端面2a*、2b*を有し、それは、ハウジング3の端面3bとは別の平面内を通り、ハウジングユニット3の中へと内方向にオフセットされる(ここでは、正のz方向に)。切断工具1が、結束バンド6、および/または結束バンドヘッド6a、ならびに図示されていない包装具上に配置されたとき、ハウジング3の端面3bと結束バンドヘッド6aの内側面6a*とは同一面となり、したがって、1つの平面内を通り、それは、包装具の損傷を阻止しながらも結束バンドヘッド6aの信頼性のある切断を行わせる。この場合、包装具はy方向に通っており、したがって、結束バンド6を通る切断経路は、包装具の主延在方向に平行に通り、ブレード要素2a、2bの切断経路は、経路制限ユニット4により制限される。
【0040】
図7は、経路制限を備えた結束バンドヘッド6aの切断を示す。結束バンドヘッドは、2つの部分6a1、6a2に切断されるが、他の2つの部分6a1、6a2の間にブリッジを形成する第3の部分6a3によりなお部分的に接続されている。第3の部分6a3の厚さ(z方向に)は、所定の距離dに対応する。
【符号の説明】
【0041】
1 切断工具
2 切断ユニット
2a ブレード要素
2a* 端面
2b ブレード要素
2b* 端面
3 ハウジングユニット
3a ハンドル要素
3b 端面
3b’ 内側面
3c 受入れ領域
3c’ 対応するエリア
3d アダプタ要素
3x 制限面
3y 制限面
3y’ 対向する制限面
4 経路制限ユニット
5 作動構成要素
6 結束バンド
6a 結束バンドヘッド
6a1 部分
6a2 部分
6a3 第3の部分
6a* 内側面
6b バンド
d 距離
R1 回転軸
R2 回転軸
M 機構
【外国語明細書】