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特開2024-105211摩擦ディスク、レース、レースの使用、仮撚り装置、摩擦ディスクの使用および摩擦ディスクのレースの交換方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024105211
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】摩擦ディスク、レース、レースの使用、仮撚り装置、摩擦ディスクの使用および摩擦ディスクのレースの交換方法
(51)【国際特許分類】
   D02G 1/08 20060101AFI20240730BHJP
【FI】
D02G1/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024009044
(22)【出願日】2024-01-24
(31)【優先権主張番号】10 2023 101 812.4
(32)【優先日】2023-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】522445066
【氏名又は名称】リーター コンポーネンツ ジャーマニー ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Rieter Components Germany GmbH
【住所又は居所原語表記】Fuldaer Strasse 19, 97762 Hammelburg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】弁理士法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ティム、 シュパーリンガー
(72)【発明者】
【氏名】ルーカス、 オシュマン
(72)【発明者】
【氏名】マティアス、 シューベルト
【テーマコード(参考)】
4L036
【Fターム(参考)】
4L036PA07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】レースとハブとを互いに簡単に分離でき、摩擦ディスクの回転や半径方向のずれが発生しないように互いに接続され、意図通りに使用される摩擦ディスク、摩擦ディスクに用いられるレース、レースの使用、仮撚り装置、摩擦ディスクの使用および摩擦ディスクのレースを交換する方法を提供する。
【解決手段】レース(8)が、基体の断面積を増加させて摩擦ディスク(5)の回転方向(DR)に沿って画定されているロック部(11)を有し、ハブが、対応するように構成されている凹部(12)を有し、レース(8)のロック部(11)とハブの凹部(12)とが、摩擦ディスク(5)の接続状態において、連結している回転防止ロックを形成している。本発明は、レース(8)、このレース(8)の使用、仮撚り装置、摩擦ディスク(5)の使用、および、この摩擦ディスク(5)のレース(8)を交換する方法を含む。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮撚り装置(1)のシャフト(4)を取り付けるための取り付け開口部(7)を有するハブ(6)と、前記仮撚り装置(1)が意図通りに使用される際に前記ハブ(6)の周囲を取り囲んでいるレース(8)と、を備える、仮撚り装置(1)に用いられる摩擦ディスク(5)であって、
前記レース(8)が、前記摩擦ディスク(5)の回転軸(RA)の周りに均一な断面を有する基体(9)を有し、
前記ハブ(6)が、前記レース(8)の基体(9)に対応するように構成されている取り付け輪郭(10)を有し、
前記レース(8)と前記ハブ(6)とが、互いに取り外し可能に接続されており、
前記レース(8)が、前記基体(9)の断面積を増加させて前記摩擦ディスク(5)の回転方向(DR)に沿って画定されているロック部(11)を有し、
前記ハブ(6)が、対応するように構成されている凹部(12)を有し、
前記レース(8)のロック部(11)と前記ハブ(6)の凹部(12)とが、前記摩擦ディスク(5)の接続状態において連結している回転防止ロックを形成していることを特徴とする、仮撚り装置(1)に用いられる摩擦ディスク(5)。
【請求項2】
前記レース(8)が、前記基体(9)および前記ロック部(11)と一体的に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載された摩擦ディスク(5)。
【請求項3】
前記少なくとも1つのロック部(11)が、軸方向(AR)に沿って前記レース(8)の基体(9)から突出していることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載された摩擦ディスク(5)。
【請求項4】
前記レース(8)が、鏡面対称に形成されており、
前記ロック部(11)が、前記基体(9)から軸方向の両側に突出している突起として形成されていることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載された摩擦ディスク(5)。
【請求項5】
前記レース(8)が、少なくとも2つの、好ましくは、少なくとも4つの、ロック部(11)を有し、
2つのロック部(11)が、隔たり部(13)によって互いから分離されていることを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載された摩擦ディスク(5)。
【請求項6】
前記少なくとも2つのロック部(11)と前記隔たり部(13)とが、回転方向(DR)に沿って均等に配置されており、かつ/または、前記ロック部(11)の少なくとも1つが、前記隔たり部(13)へと突然遷移していることを特徴とする、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載された摩擦ディスク(5)。
【請求項7】
前記ハブ(6)が、少なくとも2つのキャリア(14a、14b)を有し、
前記摩擦ディスク(5)が意図通りに使用される際に前記2つのキャリア(14a、14b)が互いに当接しており、前記レース(8)に取り外し可能に接続されていることを特徴とする、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載された摩擦ディスク(5)。
【請求項8】
前記2つのキャリア(14a、14b)の1つが、前記取り付け開口部(7)を有する取り付けリング(15)を有しており、
該取り付けリング(15)が、軸方向(AR)に前記ハブ(6)の幅(B)全体に完全に延在していることを特徴とする、請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載された摩擦ディスク(5)。
【請求項9】
前記ハブ(6)が、前記少なくとも2つのキャリア(14a、14b)を接続する接続手段(16)を有し、
前記キャリア(14a、14b)が、前記接続手段(16)によって互いに変位不能に接続されており、
前記キャリア(14a、14b)が、前記接続手段(16)を解除することによって互いから分離可能であることを特徴とする、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載された摩擦ディスク(5)。
【請求項10】
前記接続手段(16)が、第1のキャリア(14a)と、クリップ(17)と、第2のキャリア(14b)上にあり前記クリップ(17)に対応するクリップ開口部(18)と、を有することを特徴とする、請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載された摩擦ディスク(5)。
【請求項11】
前記クリップ(17)および/または前記クリップ開口部(18)が、前記クリップ接続をラッチおよび/または固定するためのラッチラグ(19)を有することを特徴とする、請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載された摩擦ディスク(5)。
【請求項12】
前記接続手段(16)が、軸方向のクリップ接続として構成されており、
前記クリップ(17)が、前記ラッチラグ(19)が係合するまで前記クリップ開口部(18)に軸方向(AR)に沿って挿入されることを特徴とする、請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載された摩擦ディスク(5)。
【請求項13】
前記少なくとも2つのキャリア(14a、14b)を軸方向(AR)に沿って中心合わせおよび/または案内するために、少なくとも1つのセンタリングピン(20)が、前記第1のキャリア(14a)上に配置されており、
前記センタリングピン(20)に対応するセンタリング開口部(21)が、前記第2のキャリア(14b)上に配置されていることを特徴とする、請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載された摩擦ディスク(5)。
【請求項14】
前記接続手段(16)が、バヨネット接続として構成されており、
前記少なくとも2つのキャリア(14a、14b)が、前記ラッチラグ(19)が係合するまで、回転方向(DR)に沿って互いに対して接触しながら回転されることを特徴とする、請求項1乃至請求項13のいずれか一項に記載された摩擦ディスク(5)。
【請求項15】
前記レース(8)のロック部(11)が、前記レース(8)の基体(9)から片側でのみ、バヨネット接続として構成されている前記接続手段(16)を有する前記ハブ(6)に軸方向に沿って突出していることを特徴とする、請求項1乃至請求項14のいずれか一項に記載された摩擦ディスク(5)。
【請求項16】
摩擦ディスク(5)の回転軸(RA)の周りに一定の断面を有する基体(9)を有する、摩擦ディスク(5)に用いられる、特に請求項1乃至請求項15のいずれか一項に記載された摩擦ディスク(5)に用いられる、レース(8)であって、
該レース(8)が、前記基体(9)の断面積を増加させて前記摩擦ディスク(5)の回転方向(DR)に沿って画定されているロック部(11)を備えている、摩擦ディスク(5)に用いられるレース(8)。
【請求項17】
前記レース(8)が、請求項1乃至請求項15の1つ以上の特徴を有していることを特徴とする、請求項16に記載されたレース(8)。
【請求項18】
摩擦ディスク(5)に用いられる、特に、請求項1乃至請求項15に記載された摩擦ディスク(5)に用いられる、請求項16または請求項17に記載されたレース(8)の使用。
【請求項19】
回転可能に取り付けられたシャフト(4)を有するベアリングブロック(2)と、前記シャフト(4)に沿って前記シャフト(4)から距離を置いて配置されている少なくとも2つの摩擦ディスク(5)と、を備えた仮撚り装置(1)であって、
前記摩擦ディスク(5)が、請求項1乃至請求項15のいずれか一項に従って構成されていることを特徴とする、仮撚り装置(1)。
【請求項20】
糸(3)を加工するための仮撚り装置(1)、特に、請求項19に記載された仮撚り装置(1)、における、請求項1乃至請求項15のいずれか一項に記載された摩擦ディスク(5)の使用。
【請求項21】
摩擦ディスク(5)のレース(8)を交換する方法であって、
前記レース(8)を有する、請求項1乃至請求項15のいずれか一項に記載された摩擦ディスク(5)を提供するステップと、
前記ハブ(6)と前記レース(8)とを互いから分離するステップと、
新しいレース(8)を提供するステップと、
前記レース(8)を前記新しいレース(8)に置き換えるステップと、
前記ロック部(11)を有する前記新しいレース(8)を前記ハブ(6)の凹部(12)に挿入するステップと、
を含む、摩擦ディスク(5)のレース(8)を交換する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮撚り装置のシャフトを挿入するための取り付け開口部を有するハブと、仮撚り装置が意図通りに使用される際にハブの周囲を取り囲んでいるレースと、を備える、仮撚り装置に用いられる摩擦ディスクであって、レースが、摩擦ディスクの回転軸の周りに均一な断面を有する基体を有し、ハブが、レースの基体に対応するように構成されている取り付け輪郭を有し、レースとハブとが、互いに取り外し可能に接続されている、仮撚り装置に用いられる摩擦ディスクに関する。
さらに、本発明は、摩擦ディスクに用いられるレース、レースの使用、仮撚り装置、摩擦ディスクの使用および摩擦ディスクのレースを交換する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
捲縮糸の加工に関連して、糸の摩擦によって仮撚りを行い、その後、加工工程等で糸を熱処理することによってその仮撚りが固定されることが知られている。
仮撚りを生成するには、撚り工程中に回転するいくつかの重なり合う摩擦ディスクの外周面に沿って糸を案内する、仮撚り装置が知られている。
【0003】
特許文献1には、ポリマー材料で作られた支持リングの外側に沿って回転可能に固定されて半径方向に接続されている第1のキャリアおよび第2のキャリアからなるハブリングを備える、紡績機に用いられるロータディスクが開示されている。
ハブリングとサポートリングとは、互いに壊すことなく取り外し可能に取り付けられており、第1のキャリアおよび第2のキャリアは、互いに適合するように構成され、互いに鏡像関係に配置されている。
キャリアの凹部の領域の表面輪郭は、回転防止ロックとして構成されている。
この構成の欠点は、このような表面輪郭では、低いトルク値しか伝達できないことである。
そのため、加工工程中などにサポートリングが、ハブリングに対して回転してしまう。
さらに、この構成では、弾性変形が必要となるため、キャリアの凹部への支持リングの取り付けおよび取り外しが、より困難になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0708188(A2)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、従来技術で知られている欠点を解消することである。
特に、レースとハブとを互いに簡単に分離でき、摩擦ディスクの回転や半径方向のずれが発生しないように互いに接続され、意図通りに使用される摩擦ディスクを作成することが課題となる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項の特徴を有する摩擦ディスク、レース、このレースの使用、仮撚り装置、摩擦ディスクの使用、及び、この摩擦ディスクのレースを交換する方法によって達成される。
【0007】
本発明では、仮撚り装置のシャフトを取り付けるための取り付け開口部を有するハブと、仮撚り装置が意図通りに使用される際にハブの周囲を取り囲んでいるレースと、を備える、仮撚り装置に用いられる摩擦ディスクを提案する。
例えば、レースが、ポリマー材料(好ましくはポリウレタン)、セラミックまたは金属から形成されている。
さらに、レースが、コーティング、特に、ポリマー材料および/またはセラミック材料で作られたコーティングを含むと、有利である。
【0008】
意図通りに使用する場合、摩擦ディスクは、仮撚り装置のシャフトに配置される。
次に、糸が、回転して重なり合ういくつかの摩擦ディスクの外周面に沿って案内される。
そして、摩擦ディスクの外周面にレースが配置される。
この外周面は、例えば、事前決定可能な輪郭に従って研磨可能である。
【0009】
レースが、摩擦ディスクの回転軸の周りに均一な断面を有する基体を有し、ハブが、レースの基体に対応するように構成されている取り付け輪郭を有する。
ハブは、取り付け輪郭を用いることで、対応している基体を通してレースを装着できる。
レースとハブとは、取り外し可能に接続されている。
レースとハブとは、互いに壊すことなく分離可能である。
仮撚り装置を動作させると、レースが摩耗する。
一方、ハブは、仮撚り装置の動作中、レースの耐用年数の少なくとも2倍以上の期間で使用可能である。
レースとハブとの接続が、取り外し可能であるため、レースを交換可能であり、ハブを再利用可能である。
ハブは、より硬いポリマー材料(特に、熱可塑性材料、例えば、アラミドおよび/もしくは、ポリブチレンテレフタレート(PBT))ならびに/または金属(好ましくは、軽金属、例えば、アルミニウムもしくはマグネシウム)で作られている。
【0010】
本発明によると、レースが、基体の断面積を増加させて摩擦ディスクの回転方向に沿って画定されているロック部を有し、ハブが、対応するように構成されている凹部を有し、レースのロック部とハブの凹部とが、摩擦ディスクの接続状態において、連結している回転防止ロックを形成している。
したがって、レースの断面は、ロック部があるため、回転方向に沿って一定ではない。
ロック部は、基体上に配置されている突起として構成されている。
回転方向に沿って断面形状が変化していることにより、トルクをレースからハブへ伝達可能である。
したがって、トルクがレースに作用すると、連結接続によってトルクをハブに伝達可能である。
このトルクは、例えば、輪郭研削中および/または仮撚り装置で意図通りに摩擦ディスクが使用される際に発生する場合がある。
【0011】
さらに、このように対応して構成されているハブを用いることで、事前にレースを弾性的に加圧しておく必要がなくなる。
レースをハブに接続する際は、少なくとも1つのロック部を、対応して構成されている凹部に変形を行うことなく挿入可能である。
これにより、摩擦ディスクの機械加工や製造、あるいは、レースの交換が容易になる。
【0012】
レースが、基体および少なくとも1つのロック部と一体的に形成されていると、有利である。
多くの場合、ポリマー材料で作られている構成要素は、射出成形によって製造されている。
これにより、レースを1つの工程で製造可能になり、製造コストが最小限に抑えられる。
【0013】
少なくとも1つのロック部が、軸方向に沿ってレースの基体から突出している場合も、有利である。
例えば、摩擦ディスクが意図通りに使用される際に、レースのロック部とハブの凹部とは、連結しているラジアルロック機構を形成している。
このような実施形態では、ロック部と対応する凹部とによって、確実にレースが、第1に、ハブに対するねじれに対して、第2に、半径方向のずれに対して、取り外し可能に固定される。
連結しているラジアルロック機能により、レースが、半径方向のずれることを防ぎ、ハブから意図せずに分離してしまうことを防ぐ。
【0014】
レースが、鏡面対称に形成されており、ロック部が、基体の両側から軸方向両側に突出している突起として形成されている場合も、有利である。
したがって、ロック部は、対応する凹部に鏡面対称に、および/または両側で、軸方向に係合可能であり、レースがハブに確実に均一に取り付けられる。
これにより、軸方向の片側に力が作用することが防がれる。
さらに、レースは、鏡面対称の設計となっており、向きに関係なく対応するハブに取り外し可能に接続できるため、組立不良を防止できる。
【0015】
レースが、少なくとも2つの、好ましくは、少なくとも4つの、特に少なくとも、6つのロック部を有し、2つのロック部が、1つの隔たり部によって互いから分離されている場合も、有利である。
隔たり部の領域では、レースは、基体と同じ断面を有している。
そして、ハブが対応して構成され、少なくとも2つ、好ましくは、少なくとも4つ、特に少なくとも6つの凹部を有する。
したがって、回転防止ロックおよび/またはラジアルロックの荷重を分散可能である。
ロック部を突起として構成すれば、複数のロック部を有することにより、突起の高さを低くすることができる。
したがって、発生する可能性がある最も高いトルク値および/または力を、回転防止ロックおよび/またはそれによって形成されるラジアルロックによって吸収可能である。
【0016】
少なくとも2つのロック部と少なくとも1つの隔たり部とが、回転方向に沿って均等に配置されていると、有利である。
このようにすると、トルクが、回転方向に沿って均等に吸収または伝達される。
【0017】
加えて、代わりに、ロック部の少なくとも1つが、隔たり部に突然遷移していると有利である。
このようにすると、レースの断面が、回転方向に沿って急激に変化する。
その結果、レースのロック部とハブの凹部との間に、(好ましくは、回転方向に直交する)共通の当接面が形成され、トルクを吸収可能である。
レースが、複数のロック部および/またはロック部間の隔たり部を有し、それらが互いに追従して急峻な形状となっている場合、このように形成されている共通の当接面によって、トルクを吸収可能である。
【0018】
ハブが、少なくとも2つのキャリアを有し、摩擦ディスクが意図通りに使用される際に2つのキャリアが互いに当接しており、レースに取り外し可能に接続されている場合も、有利である。
2つのキャリアが、軸方向にレースを取り囲んでいると好ましい。
そして、凹部が、キャリアの少なくとも1つに配置されている。
摩擦ディスクを組み立てる際、および/またはレースを交換する際、レースの少なくとも1つのロック部を、少なくとも1つのキャリアの少なくとも1つの凹部に挿入可能である。
第2のキャリアを当接および/または接続することにより、2つのキャリアがレースに取り外し可能に接続される。
【0019】
ロック部が基体の両側から軸方向に突出している突起として構成されている場合、凹部が、両方のキャリアに配置され、軸方向に沿って組み込まれている。
2つのキャリアが、レースを軸方向に取り囲んでいる場合、凹部とロック部とが、回転防止ロックとラジアルロックの両方の機能を果たす。
少なくとも2つのキャリアを有するハブは、レースの事前の弾性変形を伴うことなく、または、わずかな弾性変形のみを伴って、レースの組み立てに使用可能である。
【0020】
2つのキャリアのうちの1つが、取り付け開口部を有する取り付けリングを有して、取り付けリングが、軸方向にハブの幅全体に完全に延在し、取り付け開口部によってハブを仮撚り装置のシャフトに設置可能な場合も、有利である。
このようにすると、取り付け開口部が、キャリアの1つの取り付けリング上に一体的に配置され、これによって、確実に、仮撚り装置のシャフトに可能な限り均一に当接する。
そして、取り付け開口部に影響を与える製造公差は、取り付けリングを有する1つのキャリアの製造公差のみである。
特に他の製造公差が原因で、組み立て中に2つのキャリア間に相互にずれが発生しても、取り付け開口部には、ずれの影響がない。
したがって、シャフトを均一に取り付け可能である。
【0021】
ハブが、少なくとも2つのキャリアを接続する接続手段を有し、キャリアが、接続手段によって互いに変位不能に接続され、このキャリアが接続手段を解除することによって互いから分離可能である場合も、有利である。
このようにすると、隣接するキャリア同士を接続可能である。
これにより、レースからのキャリアの分離が防がれる。
接続状態では、ロック部は、完全に凹部内に留まっており、したがって、回転防止ロックおよび/またはラジアルロックが維持される。
接続手段を緩めることによって、キャリアが互いに分離されると、レースの取り外しや交換が可能になる。
【0022】
接続手段が、少なくとも1つの第1のキャリア上にある少なくとも1つのクリップと、少なくとも1つの第2のキャリア上にありクリップに対応するクリップ開口部とを有すると、さらに有利である。
接続の際、第1のキャリアのクリップが、第2のキャリアのクリップ開口部を通って突出すると好ましい。
クリップを有する第1のキャリアおよびクリップ開口部を有する第2のキャリアは、それぞれが一体的に形成されていると好ましい。
このようにすると、接続手段として、ねじやリベット等のさらなる構成要素は、必要ない。
この場合、接続手段は、2つのキャリアのみによって形成される。
【0023】
クリップおよび/またはクリップ開口部が、クリップ接続をラッチおよび/または固定するためのラッチラグを有すると、有利である。
したがって、ラッチラグは、クリップを有する第1のキャリア、または、クリップ開口部を有する第2のキャリアの構成要素でもあると好ましい。
少なくとも1つのラッチラグによって、2つのキャリアが、簡単に接続される。
【0024】
接続手段が、軸方向のクリップ接続として構成されており、少なくとも1つのクリップが、ラッチラグが係合するまで、少なくとも1つの対応するクリップ開口部に軸方向に沿って挿入されると、有利である。
このようにすると、2つのキャリアは、クリップ接続が行われ、少なくとも1つのラッチラグが係合するまで軸方向に沿ってそれらを共に押すことで、接続される。
軸方向に突出しているロック部を有するレースが、摩擦ディスクが組み立てられている状態でキャリアへの連結接続を形成している。
クリップ接続は、キャリアが互いに対向して配置されている際にラッチラグが係合するように、構成されている。
キャリアのロック部および/または凹部も軸方向に沿って形成されている場合、それぞれのキャリアは、射出成形部品として、軸方向に沿って変形可能となるように非常に容易に構成可能である。
したがって、射出成形工程中に複雑なスライダーを必要とするアンダーカットを回避可能である。
【0025】
少なくとも2つのキャリアを軸方向に沿って中心合わせおよび/または案内するために、少なくとも1つのセンタリングピンが、第1のキャリア上に配置され、センタリングピンに対応する少なくとも1つのセンタリング開口部が、第2のキャリア上に配置されている場合も、有利である。
センタリングピンは、キャリアを互いの中心に向かって移動させ、キャリアが互いから軸方向周りに回転するのを防ぐ。
キャリアが少しでも回転すると、キャリア間に少なくとも部分的に配置されているレースに対する、キャリアの組み立てや接続が妨げられる可能性がある。
結果として、レースの意図しない弾性変形および/または塑性変形も、回避可能である。
さらに、センタリングピンは、一方のキャリアに作用するトルクを他方のキャリアに伝達することができるため、摩擦ディスクが意図通りに使用される際に、均一な負荷分散が可能になる。
【0026】
接続手段が、バヨネット接続として構成されており、少なくとも2つのキャリアが互いに対して当接され、その後、ラッチラグが係合するまで回転方向に沿って互いに対して回転されると、有利である。
バヨネット接続は、代替の接続手段として機能する。
バヨネット接続は、2つのキャリアを接続して回転させる接続として定義される。
これにより、シンプルでありながら確実な接続が可能になる。
バヨネット接続を用いることで、レースを交換する際に、2つのキャリアを簡単に分離することもできる。
なぜなら、ラッチラグを、ラッチラグが所定の動き(例えば、2つのキャリアを押し付けて回転させること)によって解放されるよう、少なくとも1つのクリップ上に形成可能であるからである。
【0027】
レースの少なくとも1つのロック部が、レースの基体から片側でのみ、バヨネット接続として構成されている接続手段を有するハブに軸方向に沿って突出している場合も、有利である。
その結果、キャリア同士が当接している際に互いを回転させることが可能であり、バヨネット接続を閉じたり解除したりすることができる。
【0028】
本発明はまた、摩擦ディスクに用いられるレースを提案する。
レースは、摩擦ディスクの回転軸の周りに一定の断面を有する基体を有する。
本発明によると、レースが、基体の断面積を増加させて摩擦ディスクの回転方向に沿って画定されている少なくとも1つのロック部を備える。
このようにすると、ロック部が、すでにレース上に配置されているという利点がある。
ロック部を弾性変形により形成したり、別途の製造工程で作製したりする必要がない。
レースは、上述の説明に従う摩擦ディスクに適していると好ましく、摩擦ディスクの前述の特徴を個別に、または、任意の組み合わせで実施可能である。
【0029】
レースが、上述の説明に従って構成され、特定の特徴を個別にまたは任意の組み合わせで実施可能であると、有利である。
【0030】
本発明はさらに、上述の説明に従うレースの、摩擦ディスクへの使用を提案する。
レースは、上述の説明に従う摩擦ディスクに使用されると好ましく、特定の特徴を個別にまたは任意の組み合わせで実施可能である。
【0031】
さらに、本発明は、少なくとも1つの回転可能に取り付けられたシャフトを有するベアリングブロックと、シャフト上で互いに対して距離を置いてシャフトに沿って配置されている少なくとも2つの摩擦ディスクと、を備える仮撚り装置を提案する。
本発明によると、摩擦ディスクの少なくとも1つが、上述の説明に従って構成されており、特定の特徴を個別にまたは任意の組み合わせで実施可能である。
【0032】
さらに、本発明は、糸を加工および/または製造するための仮撚り装置における、上述の説明に従う摩擦ディスクの使用を提案する。
仮撚り装置が、上述の説明に従って構成されており、特定の特徴を個別にまたは任意の組み合わせで実施可能である。
【0033】
さらに、本発明は、摩擦ディスクのレースを交換する方法を提案する。
この方法は、レースを有する上述の説明に従う摩擦ディスクを提供するステップであって、上述の特徴を個別にまたは任意の組み合わせで実施可能である、摩擦ディスクを提供するステップと、ハブとレースとを互いから分離するステップと、新しいレースを提供するステップと、レースを新しいレースに置き換えるステップと、少なくとも1つのロック部を有する新しいレースをハブの少なくとも1つの凹部に挿入するステップと、を含む。
【0034】
2部品のハブの場合、その後に2つのキャリアが、互いに取り外し可能に接続されると、レースは、少なくとも1つのキャリアの少なくとも1つの凹部に挿入されると、キャリア間に連結して保持される。
【0035】
本発明のさらなる利点が、以下の実施形態で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】実施形態による仮撚り装置の斜視図である。
図2】第1実施形態による摩擦ディスクの断面斜視図である。
図3】第2実施形態による摩擦ディスクの平面図である。
図4図3の摩擦ディスクのA-A断面図である。
図5図3および図4の摩擦ディスクの斜視図である。
図6】第3実施形態による摩擦ディスクのハブの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図面を参照する以下の説明では、同一のおよび/または少なくとも同等の特徴について、様々な図面で同じ参照符号が用いられる。
個々の機能、設計、および/または動作モードは、通常、最初に言及する場合にのみ詳細に説明される。
個々の特徴が詳細に説明されない場合、それらの設計および/または動作モードは、同じ名前や同じ動作モードで既に説明されている特徴の設計および動作モードに対応している。
【0038】
図1は、例えば、捲縮糸3の処理に関連する加工装置に用いられる仮撚り装置1の実施形態の斜視図である。
知られているように、仮撚り装置1は、ベアリングブロック2を有し、ベアリングブロック2は、複数のシャフト4を有し、複数のシャフト4は、回転軸RAの周りに回転可能に取り付けられて端部側で駆動装置(図1には図示せず)に接続されている。
【0039】
図1からさらに見てとれるように、それぞれが摩擦ディスク5を有しているシャフト4は、三角形を形成するように配置されている。
実施形態では、各シャフト4は、糸3の進行方向に沿って隔てられて上下に配置されている3つの摩擦ディスク5を有している。
糸の進行方向は、糸3の切断端における矢印によって示されている。
仮撚装置1が意図したとおりに使用される際、摩擦ディスク5は、回転軸RAの周りに回転方向DRに沿って回転する。
【0040】
本発明の摩擦ディスク5の実施形態を、図2から図6を参照して、以下でより詳細に説明する。
【0041】
図2は、第1実施形態による摩擦ディスク5の断面斜視図である。
摩擦ディスク5は、取り付け開口部7を有するハブ6を有している。
取り付け開口部7は、仮撚り装置1のシャフト4を取り付け可能にするために、ハブ6の取り付けリング15に形成されている(図1を参照)。
摩擦ディスク5が意図通りに使用される際、ハブ6の外周側は、レース8で囲まれている。
レース8は、例えば、ポリマー材料で設計され、図1に示す仮撚り装置1に用いられる際には、糸3に作用する。
あるいは、レース8は、前述の材料のうちの任意のもの、特に、セラミックまたは金属で作られていてもよい。
本発明によると、レース8とハブ6とは互いに取り外し可能に接続されており、ハブ6の再利用および/または摩耗したレース8のリサイクルのために、壊すことなく分離可能である。
【0042】
レース8は、摩擦ディスク5の回転軸RAの周りに均一な断面を有する基体9を有している。
ハブ6は、基体9に対応するように構成されている取り付け輪郭10を有している。
また、レース8は、少なくとも1つのロック部11を有している。
ロック部11は、基体9の断面積を増加させ、回転方向DRに沿って画定されている。
ハブ6は、ロック部11に対応するように構成されている少なくとも1つの凹部12を有している。
図2では、レース8上の3つのロック部11と、ハブ6上の3つの対応する凹部12とが示されている。
例えば、摩擦ディスク5のレースは、8つのロック部11を有していてもよく、ハブ6は、回転方向DRに沿って均等に配置されている8つの凹部12を有していてもよい。
【0043】
摩擦ディスク5の接続状態では、レース8のロック部11とハブ6の凹部12とが互いに係合し、連結している回転防止ロックが形成されている。
図示の実施形態では、ロック部11は、レース8の基体9から半径方向RRに沿って突出している。
したがって、ハブ6の凹部12も、半径方向RRに沿って形成されている。
取り付け輪郭10は、凹部12があることにより、部分的に半径方向RRに凹んでいる。
隔たり部13が、2つのロック部11の間に形成されている。
隔たり部13の領域では、レース8は、断面形状が一定のままである基体9を有し、ハブ6は、対応する取り付け輪郭10を有している。
【0044】
図示の実施形態では、レース8は、基体9と少なくとも1つのロック部11と一体的に形成されている。
図2の実施形態では、ハブ6も、一体的に形成されている。
【0045】
摩擦ディスク5は、摩擦ディスク5の軸方向ARに沿ってレース8がハブ6から意図せずに分離してしまうことを防ぐために、軸方向ロック22を追加で有していてもよい。
図示の実施形態では、軸方向ロック22は、回転軸RAに沿って円周方向に形成可能であり、基体9の構成要素としてレース8上に形成可能である。
あるいは、軸方向ロック22は、ロック部11の構成要素としてレース8上に形成可能であり、回転方向DRに沿って画定可能である。
前述の代替例では、ハブ6は、取り付け輪郭10および少なくとも1つの凹部12をそれぞれ対応して有するように構成されている。
【0046】
図3から図5は、第2実施形態による摩擦ディスク5の異なる図を示している。
摩擦ディスク5は、図3に平面図、図4にA-A断面図、図5に斜視図で示されている。
【0047】
図2の実施形態とは異なり、少なくとも1つのロック部11が、軸方向ARに沿ってレース8の基体9から突出している。
そして、レース8は、鏡面対称に形成され、少なくとも1つのロック部11がレース8の基体9の両側にそれぞれ突起として突出している。
図示の実施形態では、レース8は、回転方向DRに沿って均等に配置されて軸方向ARの両側に突出している6つのロック部11を有している。
各ロック部11は、隔たり部13によって分離されている。
ハブ6は、このように構成されている。
【0048】
図3から図5の実施形態では(図2の実施形態とは異なり)、ハブ6は、第1のキャリア14a、第2のキャリア14bの2部品で形成されている。
第1のキャリア14aは、少なくとも1つのクリップ17とセンタリングピン20を有している。
第2のキャリア14bは、クリップ17に対応するように構成されている少なくとも1つのクリップ開口部18と、センタリングピン20に対応するように構成されているセンタリング開口部21とを有している。
クリップ17、クリップ開口部18、センタリングピン20、および、センタリング開口部21によって、接続手段16が形成されている。
図示の実施形態では、第1のキャリア14aは、6つのクリップ17を有し、第2のキャリア14bは、6つのクリップ開口部18を有し、クリップ17は、2つずつ対になって配置されており、クリップ開口部18も、2つずつ対になって配置されている。
各クリップ17は、ラッチラグ19を有し、対になっている2つのクリップ17の2つのラッチラグ19同士は、互い対向していると好ましい。
【0049】
図5に示すように、摩擦ディスク5は、互いに分離可能である。
これは、例えば、レース8を交換する場合に必要になる。
例えば、レース8が使用によって摩耗した場合などである。
したがって、ハブ6の第1のキャリア14a、第2のキャリア14bを新しいレース8で再利用可能である。
【0050】
2つの第1のキャリア14a、第2のキャリア14bからなるハブ6を組み立てるために、第2のキャリア14bを軸方向ARに取り付けることができる。
したがって、接続手段16は、軸方向のクリップ接続として構成されている。
次に、クリップ17が対応するクリップ開口部18に挿入され、センタリングピン20が対応するセンタリング開口部21に挿入される。
第1のキャリア14a、第2のキャリア14bを組み立てる前に、レース8を第1のキャリア14a、第2のキャリア14bの一方に挿入可能である。
図示の実施形態では、この動作は、レース8のロック部11を第1のキャリア14a、第2のキャリア14bの一方の対応する凹部12に挿入することで行われる。
組み立て後は、ロック部11および/または隔たり部13によって、回転可能に固定および/または半径方向RRに固定された第1のキャリア14a、第2のキャリア14bに、レース8が取り外し可能に接続されている。
【0051】
図示の実施形態では、第2のキャリア14bは、取り付け開口部7を有する取り付けリング15を有している。
取り付けリング15は、ハブ6の幅にわたって延在している。
第1のキャリア14aは、第2のキャリア14bの取り付けリング15に半径方向RRで当接している。
センタリングピン20およびセンタリング開口部21に加えて、または、その代わりに、この当接があることにより、組立中に第1のキャリア14a、第2のキャリア14bを互いに対向して案内および/または中心合わせすることが可能になる。
第1のキャリア14a、第2のキャリア14bは、センタリングピン20およびセンタリング開口部21によって回転方向DRに沿った回転を防止するように構成可能である。
【0052】
図6は、第3実施形態による摩擦ディスク5のハブ6の概略斜視図を示す。
図3から図5の実施形態とは異なり、第1のキャリア14a、第2のキャリア14bの接続手段16は、ここでは、バヨネット接続として構成されている。
バヨネット接続として構成されている接続手段16は、少なくとも1つのクリップ17、少なくとも1つのクリップ開口部18、および/または少なくとも1つのラッチラグ19を有している。
図示の実施形態では、接続手段16は、4つのクリップ17、4つのクリップ開口部18および4つのラッチラグ19を有している。
ここでも、ラッチラグ19は、クリップ17上に配置されている。
【0053】
第1のキャリア14a、第2のキャリア14bからなるハブ6を組み立てるために、まず、第2のキャリア14bを軸方向ARに取り付けて、クリップ17をクリップ開口部18に挿入することができる。
次に、第1のキャリア14a、第2のキャリア14bが、クリップ17に配置されているラッチラグ19の少なくともの1つがラッチ開口部23に係合するまで、回転方向DRに沿って回転移動される。
このようにすると、第1のキャリア14a、第2のキャリア14bは、互いに回転不能に接続される。
【0054】
図示の実施形態では、レース8は示されていない。
ロック部11およびハブ6の対応する凹部12も、図示の実施形態には示されていない。
レース8のロック部11は、図3から図5の実施形態と同様に、構成可能である。
しかし、ロック部11は、第1のキャリア14a、第2のキャリア14bの一方が他方の第1のキャリア14a、第2のキャリア14bおよびレース8に対して回転可能なように、軸方向ARに沿って片側のみでレース8から突出していると好ましい。
【0055】
本発明は、図示および説明がなされた実施形態に限定されない。
本発明の様々な特徴が異なる実施形態で示され説明されていたとしても、特許請求される範囲内でそれらを修正することおよびそれらの特徴を組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0056】
1 ・・・仮撚り装置
2 ・・・ベアリングブロック
3 ・・・糸
4 ・・・シャフト
5 ・・・摩擦ディスク
6 ・・・ハブ
7 ・・・取り付け開口部
8 ・・・レース
9 ・・・基体
10 ・・・取り付け輪郭
11 ・・・ロック部
12 ・・・凹部
13 ・・・隔たり部
14 ・・・キャリア
15 ・・・取り付けリング
16 ・・・接続手段
17 ・・・クリップ
18 ・・・クリップ開口部
19 ・・・ラッチラグ
20 ・・・センタリングピン
21 ・・・センタリング開口部
22 ・・・軸方向ロック
23 ・・・ラッチ開口部
RA ・・・回転軸
DR ・・・回転方向
AR ・・・軸方向
RR ・・・半径方向
B ・・・幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6