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  • 特開-ガラス成形用ダイナミックモールド 図1A
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024105213
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】ガラス成形用ダイナミックモールド
(51)【国際特許分類】
   C03B 23/023 20060101AFI20240730BHJP
【FI】
C03B23/023
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024009192
(22)【出願日】2024-01-25
(31)【優先権主張番号】63/481,479
(32)【優先日】2023-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ツイッター
(71)【出願人】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100121979
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 吉信
(72)【発明者】
【氏名】デヴィッド イー キングマン
(72)【発明者】
【氏名】アルバート ジェイ ゴルコ
(72)【発明者】
【氏名】デール エヌ メメリング
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム ジェイ スキーン
(57)【要約】
【課題】ガラス成形用ダイナミックモールドの技術を提供する。
【解決手段】ガラス成形システムは、ガラス曲げ炉内に設置されるように構成された支持体を含む。ガラス成形システムは、互いに隣接して配置されており、開放空間を囲む周囲を画定するように互いに離間されているロッドを更に含む。ロッドの各々は、支持体に結合される。ガラス成形システムは、支持体に取り付けられたアクチュエータを更に含む。アクチュエータの各々は、ロッドのうちの対応する1つを他のロッドから独立して移動させるように構成される。ガラス成形システムは、ロッドによって担持されており、ガラス基板が載置されている係合面を画定するパッドを更に含む。係合面の幾何学的形状は、ロッドのうちの1つ以上の移動に基づいて再構成可能である。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス成形システムであって、
ガラス曲げ炉内に設置されるように構成されている支持体と、
互いに隣接して配置されており、開放空間を囲む周囲を画定するように互いに離間されているロッドと、
前記支持体に取り付けられているアクチュエータであって、前記アクチュエータの各々は、前記ロッドのうちの対応する1つを移動させるように構成されている、アクチュエータと、
前記ロッドによって担持されており、ガラス基板が載置されている係合面を画定するパッドと、を備え、
前記係合面の幾何学的形状は、前記ロッドのうちの1つ以上の移動に基づいて再構成可能である、ガラス成形システム。
【請求項2】
前記ロッドは、第1の境界及び第2の境界に配置されており、前記第2の境界は、前記第1の境界よりも短い長さを有する、請求項1に記載のガラス成形システム。
【請求項3】
前記第2の境界は、前記第1の境界内に入れ子になっている、請求項2に記載のガラス成形システム。
【請求項4】
前記ロッドの各々は前記パッドに固定して取り付けられている、請求項1に記載のガラス成形システム。
【請求項5】
前記ロッドの各々は前記パッドに取り外し可能に取り付けられている、請求項1に記載のガラス成形システム。
【請求項6】
前記アクチュエータの各々は、前記支持体に対して横断方向に沿って、前記ロッドのうちの対応する1つを手動で並進させるために構成されている、請求項1に記載のガラス成形システム。
【請求項7】
前記アクチュエータは、リニアアクチュエータを含み、
前記リニアアクチュエータの各々は、前記支持体に対して横断方向に沿って、前記ロッドのうちの対応する1つを並進させるように構成されている、請求項1に記載のガラス成形システム。
【請求項8】
前記リニアアクチュエータは、前記ガラス基板の成形プロセス中に前記パッドの前記係合面を再構成するために、前記ロッドの互いに対する位置決めを個別に制御するように構成されている、請求項7に記載のガラス成形システム。
【請求項9】
ガラス成形システムであって、
ガラス曲げ炉内に設置されるように構成されている支持体と、
ガラス基板が配置されるアレイに配列されているロッドであって、各ロッドは前記支持体に結合されている、ロッドと、
前記支持体に取り付けられているアクチュエータであって、前記アクチュエータの各々は、前記支持体に対して横断方向に沿って、前記ロッドのうちの対応する1つを他のロッドから独立して移動させるように構成されている、アクチュエータと、
を備える、ガラス成形システム。
【請求項10】
前記ロッドの少なくとも1つは、前記ガラス基板に真空力を加えるように構成されている、請求項9に記載のガラス成形システム。
【請求項11】
前記ロッドの少なくとも1つは、前記ガラス基板に熱を加えるように構成されている、請求項9に記載のガラス成形システム。
【請求項12】
各係合パッドが前記ロッドのうちの1つの端部に結合されている、係合パッドを更に備える、請求項9に記載のガラス成形システム。
【請求項13】
前記ロッドによって担持されており、前記ガラス基板が配置される前記アレイ上に、係合面であって、前記係合面は前記ロッドの移動に基づいて再構成可能である、係合面を画定するように構成されているパッドを更に備える、請求項9に記載のガラス成形システム。
【請求項14】
前記ロッドは、前記横断方向に沿って互いに平行に配向されている、請求項9に記載のガラス成形システム。
【請求項15】
前記アクチュエータはリニアアクチュエータを含み、前記リニアアクチュエータの各々は、前記横断方向に沿って前記ロッドのうちの対応する1つを並進させるように構成されており、
前記リニアアクチュエータは、前記ガラス基板の成形プロセス中に前記ロッドを互いに対して個別に位置決めするように制御可能である、請求項9に記載のガラス成形システム。
【請求項16】
ガラス成形システムであって、
係合端部から取付端部まで延在する第1のロッドを有する第1のガラス成形ツールと、
係合端部から取付端部まで延在する第2のロッドを有する第2のガラス成形ツールと、
ガラス曲げ炉内に設置可能な支持体であって、前記支持体は、
前記第1のガラス成形ツールを取り外し可能に受け入れるように構成されている第1のレセプタクルと、
前記第2のガラス成形ツールを取り外し可能に受け入れるように構成されている第2のレセプタクルと、
前記支持体によって担持されており、前記第1のレセプタクルを介して前記第1のガラス成形ツールの前記取付端部に取り付け可能な第1のアクチュエータであって、前記第1のアクチュエータは、前記第1のガラス成形ツールを前記支持体に対して横断方向に移動させるように構成されている、第1のアクチュエータと、
前記支持体によって担持されており、前記第2のレセプタクルを介して前記第2のガラス成形ツールの前記取付端部に取り付け可能な第2のアクチュエータであって、前記第2のアクチュエータは、前記第2のガラス成形ツールを前記支持体に対して前記横断方向に移動させるように構成されている、第2のアクチュエータと、を含む、支持体と、
を備える、ガラス成形システム。
【請求項17】
前記第1のガラス成形ツール及び前記第2のガラス成形ツールによって担持されており、ガラス基板が配置される係合面であって、前記係合面は、前記第1のガラス成形ツール及び前記第2のガラス成形ツールのうちの一方又は両方の移動に基づいて再構成可能である、係合面を画定するパッドを更に備える、請求項16に記載のガラス成形システム。
【請求項18】
前記第1のガラス成形ツールの前記係合端部は、前記パッドに取り外し可能に取り付け可能であり、
前記第2のガラス成形ツールの前記係合端部は、前記パッドに取り外し可能に取り付け可能である、請求項17に記載のガラス成形システム。
【請求項19】
前記支持体は、前記第1のガラス成形ツール又は前記第2のガラス成形ツールのうちの少なくとも1つを通して、前記ガラス基板に真空力を提供するように構成されている、請求項17に記載のガラス成形システム。
【請求項20】
前記支持体は、前記第1のガラス成形ツール又は前記第2のガラス成形ツールのうちの少なくとも1つを通して、前記ガラス基板に熱を提供するように構成されている、請求項17に記載のガラス成形システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して、ガラス成形の分野に関する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2023年1月25日に出願された米国仮出願第63/481,479号の利益を主張する。前述の出願の内容は、参照により、その全体があらゆる目的で本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
ガラスのパネルは、デバイスで実装するために形成することができる。そのようなガラスパネルは、例えば、デバイスの内外の可視性を提供するために、デバイスの本体の一部に組み込むことができる。
【発明の概要】
【0004】
本開示の一態様は、ガラス曲げ炉内に設置されるように構成された支持体を含むガラス成形システムである。ガラス成形システムは、互いに隣接して配置されており、開放空間を囲む周囲を画定するように互いに離間されているロッドを更に含む。ロッドの各々は、支持体に結合される。ガラス成形システムは、支持体に取り付けられたアクチュエータを更に含む。アクチュエータの各々は、ロッドのうちの対応する1つを他のロッドから独立して移動させるように構成される。ガラス成形システムは、ロッドによって担持されており、ガラス基板が載置されている係合面を画定するパッドを更に含む。係合面の幾何学的形状は、ロッドのうちの1つ以上の移動に基づいて再構成可能である。
【0005】
本開示の別の態様は、ガラス曲げ炉内に設置されるように構成された支持体を含む別のガラス成形システムである。ガラス成形システムは、ガラス基板が配置されるアレイに配列されているロッドを更に含む。各ロッドは支持体に結合されている。ガラス成形システムは、支持体に取り付けられたアクチュエータを更に含む。アクチュエータの各々は、支持体に対して横断方向に沿って、ロッドのうちの対応する1つを他のロッドから独立して移動させるように構成されている。
【0006】
本開示の更に別の態様は、係合端部から取付端部まで延在する第1のロッドを有する第1のガラス成形ツールを含む別のガラス成形システムである。ガラス成形システムは、係合端部から取付端部まで延在する第2のロッドを有する第2のガラス成形ツールを更に含む。ガラス成形システムは、ガラス曲げ炉内に設置可能な支持体を更に含む。支持体は、第1のガラス成形ツールを取り外し可能に受け入れるように構成されている第1のレセプタクルを含む。支持体は、第2のガラス成形ツールを取り外し可能に受け入れるように構成された第2のレセプタクルを更に含む。支持体は、支持体によって担持され、第1のレセプタクルを介して第1のガラス成形ツールの取付端部に取付け可能な第1のアクチュエータを更に含む。第1のアクチュエータは、第1のガラス成形ツールを支持体に対して横断方向に移動させるように構成される。支持体は、支持体によって担持され、第2のレセプタクルを介して第2のガラス成形ツールの取付端部に取り付け可能な第2のアクチュエータを更に含む。第2のアクチュエータは、第2のガラス成形ツールを支持体に対して横断方向に移動させるように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A】ガラス成形システムの支持体に対して調整可能なロッドを有する例示的なガラス成形システムの上面図である。
【0008】
図1B図1Aのガラス成形システムの側面図である。
【0009】
図2A】ガラス曲げ炉内に設置された図1Aに示されたガラス成形システムの側面図であり、ガラス基板がガラス成形システム上に配置されて成形プロセスを受ける。
【0010】
図2B】成形プロセスの第1の部分が実行された後の図2Aに示されるガラス成形システムの側面図である。
【0011】
図2C】成形プロセスの第2の部分が実行された後の図2Aに示されるガラス成形システムの側面図である。
【0012】
図3図1Aに示したガラス成形システムの一部の側面図であり、ロッドと、ガラス基板が配置されるパッドとを含み、ロッドがパッドに固定して取り付けられている。
【0013】
図4図1Aに示したガラス成形システムの一部の側面図であり、ロッドと、ガラス基板が配置されるパッドとを含み、ロッドがパッドに取り外し可能に取り付けられている。
【0014】
図5図1Aに示されたガラス成形システムの一部の側面図であり、各ロッドがそれに固定して取り付けられたパッドを有する別の構成である。
【0015】
図6A】ガラス成形システムの支持体に対して調整可能なロッドを有する別の例示的なガラス成形システムの上面図である。
【0016】
図6B図6Aのガラス成形システムの側面図である。
【0017】
図7図1Aに示されたガラス成形システム、及びガラス成形システムの構成要素を制御するように構成されたコントローラのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書の開示は、ガラス成形システム、及び開示されたガラス成形システムを使用して成形ガラスパネルを製造する方法に関する。成形ガラスパネルは車両に使用されてもよい。このようなパネルは、車両のボディの一部に組み込むことができる。例えば、成形ガラスパネルは、車両の側部、前部、後部、屋根部などに組み込むことができる。成形ガラスパネルは、自動車、トラック、レクリエーション用車両などの車両、並びに航空機及び船舶における展開のために構成され得る。
【0019】
成形プロセスの段階の間にガラス曲げ炉からガラス基板を取り出すことは、典型的には、ガラス基板がガラス曲げ炉に戻されるときに、例えば成形ツールに対してガラス基板を再位置合わせすることを必要とすることが知られている。更に、成形プロセスの段階の間にガラス曲げ炉からガラス基板を取り出すことは、典型的には、ガラスを冷却することを可能にし、これは、成形プロセスを完了するために必要とされる加熱サイクルの数及び加熱の量を増加させ得る。追加の熱サイクル及び加熱は、ガラス内に望ましくない応力を生成する可能性があり、これは、結果として得られる成形ガラスパネル内に導入される欠陥の数及び深刻度を増加させる可能性がある。
【0020】
本明細書に開示されるガラス成形システム及び例示的なプロセスは、ガラス基板の多段階成形プロセスを実行するように構成されてもよく、ガラス基板は、成形プロセス全体を通してガラス曲げ炉内に留まる。このような多段階成形プロセスは、成形プロセスの段階の間にガラス曲げ炉からガラス基板を取り出す必要性を排除する。
【0021】
図1Aは、本開示によるガラス成形システム100の上面図である。図1Bは、ガラス成形システム100の側面図である。図示のガラス成形システム100は、ガラス曲げ炉内に設置されるように構成された支持体110と、ロッド120と、アクチュエータ140と、ロッド120によって担持されたパッド150とを含む。
【0022】
ガラス成形システム100は、多数のロッド120を含むことができる。ロッド120は、支持体110に結合されてもよい。示されるように、各ロッド120は、パッド150に結合される第1の端部122と、支持体110に直接又は間接的に結合される第2の端部124との間に延在する。この点に関して、ロッド120の各々は、支持体110に結合される。図示された支持体110は、X方向に沿って横方向に延び、Y方向に沿って長手方向に延び、Z方向に沿って横断方向に延びる。X方向は代替的に横方向と呼ばれてもよく、Y方向は代替的に長手方向と呼ばれてもよく、Z方向は代替的に横断方向と呼ばれてもよい。
【0023】
ロッド120は、ガラス成形システム100によって形成されるガラス基板の幾何学的形状に基づいて、互いから離間され、互いに対して配置されてもよい。説明のために、長方形の形状を有するガラス基板160が示されている。示されるように、ロッド120は、パッド150の下に位置する開放空間102を囲む周囲を画定するように、互いに隣接して位置し、互いから離間されてもよい。更に、ロッド120は、横断方向に沿って互いに平行に配向されてもよい。ロッド120の図示された周囲は、ガラス基板160の幾何学的形状と位置合わせされる。
【0024】
図示されるように、ロッド120は、第1の境界126及び第2の境界128に配置され得る。第1の境界126は、第1の境界126を構成するロッド120及びそれらの間の距離を含む第1の長さを有し、第2の境界128は、第2の境界128を構成するロッド120及びそれらの間の距離を含む、第1の長さよりも短い第2の長さを有する。言い換えれば、第2の境界128は、第1の境界126の長さよりも短い長さを有する。
【0025】
図示されているように、第1の境界126は、角が丸められた長方形の形状を有する。第1の境界126は、長手方向に延在し、互いに離間し、互いに平行な2つの辺を含む。第2の境界128は、角が丸められた長方形の幾何学的形状を有する。第2の境界128は、長手方向に延在し、互いに離間し、互いに平行な2つの辺を含む。第2の境界128は、第1の境界126内に入れ子になっている。
【0026】
ガラス成形システム100は、ロッド120のうちの1つ以上の互いに対する個々の移動を可能にするように構成されてもよい。例えば、ガラス成形システム100は、ロッド120の各々の互いに対する個々の移動を可能にするように構成されてもよい。ロッド120は、アクチュエータ140に動作可能に結合されて、ロッド120の移動を可能にすることができる。例示すると、図示のように、各ロッド120の第2の端部は、アクチュエータ140のうちの対応する1つに動作可能に結合される。各アクチュエータ140は、支持体110に取り付けられ、ロッド120のうちの対応する1つを他のロッド120から独立して移動させるように構成され得る。この点に関して、ガラス成形システム100は、多数のアクチュエータ140を含むことができる。図示のように、ガラス成形システム100は、ロッド120の数に等しい数のアクチュエータ140を含むことができる。別の言い方をすれば、各ロッド120は、アクチュエータ140のうちの対応する1つに結合され得る。
【0027】
各アクチュエータ140は、ロッド120のうちの対応する1つを並進させるように構成され得る。例えば、図示されたガラス成形システム100によれば、各アクチュエータ140は、ロッド120のうちの対応する1つを支持体110に対して横断方向に沿って並進させるように構成され得る。より具体的には、各アクチュエータ140は、ロッド120の対応する1つを支持体110に対してZ方向に沿って並進させることができ、それにより、ロッド120の第1の端部122が支持体110に向かって又はそれから離れるように移動する。
【0028】
ガラス成形システム100は、ガラス基板の成形プロセス中にロッド120の移動が自動化されるように構成されてもよい。例えば、アクチュエータ140はリニアアクチュエータを備えてもよい。各リニアアクチュエータは、ロッド120のうちの対応する1つを支持体110に対して横断方向に沿って並進させるように構成され得る。例示のために、一例として、アクチュエータ140は、ボールねじアクチュエータ又は親ねじアクチュエータとして提供されてもよく、各々がロッド120の対応する1つに動作可能に結合され、支持体110に対してZ方向に沿ってロッド120を並進させるように構成される。別の例として、アクチュエータ140は、電気油圧アクチュエータとして提供されてもよく、各電気油圧アクチュエータは、ロッド120のうちの対応する1つに結合され、支持体110に対してZ方向に沿ってロッド120を並進させるように構成される。代替的に、アクチュエータ140は、各アクチュエータ140がロッド120の対応する1つを、支持体110に対して横断方向に沿って手動で並進させるように構成されるように設けられてもよい。
【0029】
パッド150は、ロッド120によって担持される。図示のように、パッド150は、上面152と、上面152から離間された下面154とを有する。パッド150は、ロッド120の配置に少なくとも部分的に一致する幾何学的形状を有することができる。例えば、示されるように、パッド150は、開放空間102に対して、第1の境界126を越えて外向きに延在する外縁部151と、第2の境界128を越えて内向きに延在する内縁部153とを有する長方形のストリップを備えてもよい。内縁部153は、パッド150を通る開口部155の境界を定めることができる。図示のように、開口部155は、開放空間102の幾何学的形状に少なくとも部分的に対応する幾何学的形状を有することができる。代替実装形態では、パッド150は、開放空間102の上に開口部のない矩形形状を有することができ、開放空間102に対して第1の境界126を越えて外向きに延びる外縁部を有することができる。
【0030】
パッド150の上面152は、ガラス基板160などのガラス基板が配置される係合面156を画定することができる。パッド150は、係合面156の幾何学的形状が、支持体110に対するロッド120のうちの1つ以上の移動に基づいて再構成可能であるように、可撓性であるように構成されてもよい。この点に関して、ロッド120及びパッド150は、ガラス基板160の成形プロセス中に動的な調整可能なモールドとして協働して機能することができる。パッド150は、好ましくは、可撓性の透過性材料で作られる。例えば、パッド150は、織られた鋼繊維で作られてもよく、鋼布を備えてもよい。
【0031】
ガラス成形システム100は、熱、冷却、真空、又はこれらの組み合わせを、成形プロセス中にガラス基板に広く又は局所的に加えるように構成されてもよい。例えば、ガラス成形システム100は、成形プロセス中にガラス基板に熱を供給するように構成された熱源112を含むことができる。例示のために、熱源112は、ロッド120の全てなど、ロッド120のうちの1つ以上に接続され得る。熱源112に接続された各ロッド120は、パッド150を通してロッド120の第1の端部122を介してガラス基板160に熱を供給するように構成することができる。この点に関して、ロッド120の少なくとも1つは、ロッド120上に配置されたガラス基板(例えば、ガラス基板160)に熱を加えるように構成されてもよい。
【0032】
動作の一例において、ガラス成形システム100が設置されるガラス曲げ炉によってガラス基板に加えられる熱を補うために、ガラス成形システム100によってガラス基板160に熱が加えられてもよい。あるいは、ガラス成形システム100は、例えば、ガラス基板160の成形プロセスの段階中又はその間に、ガラス曲げ炉によって積極的に熱が供給されない間に、ガラス基板160に熱を加えるように制御されてもよい。
【0033】
ガラス曲げ炉内に配置された放射加熱ロッドなどの1つ以上の加熱源を介して、ガラス曲げ炉によってガラス基板160に熱を加えることができる。1つ以上の加熱源は、ガラス基板160に対して、上方、下方、周囲、又はそれらの任意の組み合わせに配置されてもよい。例示すると、ガラス曲げ炉は、ガラス曲げ炉の曲げチャンバの天井及び/又は床に配置された熱源を有してもよい。ガラス曲げ炉の加熱源は、ガラス基板160を広く加熱するように、ガラス基板160の部分に局所的な加熱を適用するように(例えば、選択された加熱源で加熱することによって)、又はこれらの組み合わせを行うように構成されてもよい。
【0034】
ガラス成形システム100は、ガラス基板の1つ以上の部分に局所的な加熱を加えるように制御されてもよい。例えば、ガラス成形システム100は、ロッド120のうちの1つ以上を介して、ガラス基板160の対応する部分に熱を加えるように制御され得る。例示すると、ガラス基板160の成形プロセス中に、ガラス基板160に広く(例えば、ガラス曲げ炉がその加熱源の全てから熱を放出することによって)、ガラス曲げ炉がその加熱源のうちの選択された加熱源から熱を放出することによってガラス基板160のそれぞれの部分に局所的に、ガラス成形システム100がロッド120のうちの1つ以上を介して熱を加えることによってガラス基板160のそれぞれの部分に局所的に、又はこれらの組み合わせによって、熱を加えることができる。
【0035】
ガラス成形システム100は、ガラス基板の成形プロセス中にガラス基板に真空力を加えるように、又はガラス基板上に冷却空気を吹き付けるように構成された空気ポンプ114を含むことができる。例示のために、空気ポンプ114は、ロッド120の全てなど、ロッド120のうちの1つ以上に接続され得る。空気ポンプ114に接続された各ロッド120は、パッド150を通して、ロッド120の第1の端部122を介してガラス基板160に真空力を加えるように、又は冷却空気を吹き付けるように構成することができる。この点に関して、ロッド120の少なくとも1つは、ロッド120上に配置されたガラス基板(例えば、ガラス基板160)に真空力を加えるように、又はロッド120上に配置されたガラス基板(例えば、ガラス基板160)に冷却空気を供給するように構成されてもよい。
【0036】
ガラス成形システム100の1つ以上のロッド120は、熱を提供するように、冷却空気を提供するように、真空力を印加するように、又はこれらの組み合わせを行うように構成されてもよい。ガラス成形システム100は、ロッド120のうちの1つ以上を介してガラス基板の1つ以上の局所領域に熱、空気冷却、真空力、又はこれらの組み合わせを加えるように制御されてもよく、又はロッド120の全てを介して同時に熱、空気冷却、又は真空を加えるように制御されてもよい。ロッド120の各々によって送達される熱、空気冷却、及び/又は真空力のそれぞれの量は、同じであっても異なっていてもよい。熱源112及び空気ポンプ114の一方又は両方は、支持体110によって担持されてもよい。
【0037】
ガラス成形システム100は、アクチュエータ140に通信可能に結合されたコントローラ180を含むことができる。コントローラ180は、ガラス基板(例えば、ガラス基板160)の成形プロセス中にパッド150の係合面156を再構成するために、ロッド120の互いに対する位置決めを個別に制御するように構成されてもよい。例示すると、コントローラ180は、ガラス基板160の成形プロセス中の所定の時間に、位置指示信号を1つ以上のアクチュエータ140に送信するように構成されてもよい。位置指示信号は、1つ以上のアクチュエータ140を制御して、支持体110に対して横断方向に沿ってロッド120のうちの1つ以上を並進させることができる。コントローラ180は更に、熱源112及び空気ポンプ114の一方又は両方に通信可能に結合することができる。コントローラ180は、ガラス基板160の1つ以上の部分への熱、空気冷却、及び真空力の印加を制御することができる。例示すると、コントローラ180は、ガラス基板160の成形プロセス中の所定の時間に、熱源112及び空気ポンプ114の一方又は両方に制御信号を送信するように構成され得る。
【0038】
図2A図2Cは、ガラス基板を形成するためにガラス成形システムによって実行される例示的なプロセスのそれぞれの部分の間の、本開示によるガラス成形システムの側面図である。説明のために、ガラス成形システム100は、ガラス曲げ炉190内に設置されて示されており、ガラス基板160は、成形プロセスを受けるためにパッド150上に配置されている。
【0039】
図2Aは、成形プロセスの開始時におけるガラス成形システム100のロッド120の位置決めを示す。図示のガラス成形プロセスは、ガラス基板160を形成する重力曲げプロセスを含む。より具体的には、ガラス基板160は、ガラス曲げ炉190内のガラス成形システム100上に配置され、加熱される。ガラス基板160が加熱されると、それは自重で曲がり、ロッド120のうちの1つ以上が横断方向に沿って並進するときにパッド150の係合面156と一致し、係合面の幾何学的形状がガラス基板160に与えられる。この点に関して、ガラス成形システム100のロッド120及びパッド150は、成形プロセス中にガラス基板160に対して動的で再構成可能なモールドとして機能することができる。
【0040】
図2Bでは、ロッド120のうちの1つ以上を支持体110に対して横断方向に沿って下方に並進させたいくつかのアクチュエータ140が示されている。ロッド120のうちの1つ以上の下方への移動、ひいては、それらのロッド120の第1の端部122は、パッド150の係合面156が再構成されるように、パッド150の対応する部分を実質的に下方に並進させてもよい。係合面156が再構成されると、ガラス基板160は、ガラス基板160に曲率が与えられるように、係合面156に適合するように曲がることができる。
【0041】
図2Cでは、パッド150の係合面156が更に再構成され、ガラス基板160に付与された曲率がより顕著になるように、支持体110に対して横断方向に沿って1つ以上のロッド120を更に下方に並進させたいくつかのアクチュエータ140が示されている。熱源112及び空気ポンプ114の一方又は両方は、ガラス成形プロセスの1つ以上の部分の間に、ロッド120の1つ以上を介して、ガラス基板160の1つ以上の部分にそれぞれ熱及び真空を印加するように機能することができる。
【0042】
図3及び図4は、本開示に従って、ガラス成形システムのロッドがパッドにどのように取り付けられ得るかの例を示す。説明のために、ガラス成形システム100のロッド120及びパッド150の一部が示されている。
【0043】
図3は、ロッド120がパッド150に少なくとも半永久的に取り付けられるように、ロッド120をパッド150に固定的に結合する例を示す。例示のために、各ロッド120の第1の端部122は、パッド150に溶接され得る。この点に関して、ロッド120の各々は、パッド150に固定して取り付けられ得る。
【0044】
図4は、ロッド120の各々がパッド150から別々に取り外され得るように、ロッド120をパッド150に取り外し可能に取り付ける例を示す。各ロッド120の第1の端部122は、パッド150への取り外し可能な取り付けを可能にするように構成され得る。例示すると、各ロッド120の第1の端部122は、パッド150の対応する部分内の定位置に固定され得る、例えばフック130などの機械的特徴を備え得る。この点に関して、ロッド120の各々は、パッド150に取り外し可能に取り付けられ得る。
【0045】
図5は、パッド150が省略された代替構成による、ガラス成形システム100の一部の側面図である。パッド150の代わりに、各ロッド120には係合パッド170が取り付けられている。より具体的には、各ロッド120の第1の端部122は、それに取り付けられた係合パッド170を有する。図示のように、各パッド170は上面172を有する。係合パッド170の上面172は共に、ガラス基板(例えば、ガラス基板160)が配置される係合面として機能する。図示された構成によれば、ガラス成形システム100は係合パッド170を含み、各係合パッド170はロッド120のうちの1つの第1の端部122に結合される。そのような代替的な構成によれば、係合パッド170は、ガラス成形システム100のパッドと総称され得る。この点に関して、ガラス成形システム100のそのような代替構成のパッドは、係合パッド170のアレイなど、2つ以上の係合パッド170を含むことができる。
【0046】
図6Aは、本開示による別のガラス成形システム200の上面図である。図6Bは、ガラス成形システム200の側面図である。図示のガラス成形システム200は、ガラス曲げ炉内に設置されるように構成された支持体210と、ロッド220と、アクチュエータ240と、ロッド220によって担持されたパッド250と、コントローラ280とを含む。ガラス成形システム200は、本明細書に記載される例外を除いて、ガラス成形システム100と同様に構成されてもよい。簡潔にするために、ガラス成形システム100の特徴と同等であるガラス成形システム200の特徴は、100だけ増分された参照番号で参照される。
【0047】
ガラス成形システム200のロッド220は、ガラス成形システム200によって形成されるガラス基板(例えば、ガラス基板160)の形状に基づいて、互いに離間され、互いに対して配置され得る。図示されるように、ロッド220は、互いに隣接して配置され、互いに離間され、ガラス基板160が配置されるアレイに配列されてもよい。更に、ロッド220は、横断方向に沿って互いに平行に配向されてもよい。
【0048】
示されるように、ロッド220は、アレイ内で、それぞれ横方向及び長手方向に沿って延在し、それらに平行である行及び列に配列されてもよい。ガラス曲げシステムのパッド250は、ロッド220によって担持されてもよく、ガラス基板160が配置され得るアレイ上の係合面256を画定するように構成されてもよい。パッド250は、ガラス成形システム100のパッド150と同様に構成されてもよく、その結果、係合面256は、ロッド220の移動に基づいて、特に、支持体210に対する横断方向に沿ったロッド220の第1の端部222の並進によって、再構成可能であってもよい。
【0049】
ガラス成形システム200は、熱源212及び空気ポンプ214の一方又は両方を含むことができる。熱源212及び空気ポンプ214は、ガラス成形プロセスの1つ以上の部分の間に、熱、空気冷却、真空力、又はこれらの組み合わせを、ロッド220のうちの1つ以上を介して、ガラス基板160の1つ以上の部分に印加するように機能し得る。この点に関して、アレイのロッド220の少なくとも1つは、アレイ上に配置されたガラス基板に真空力を加えるように構成されてもよく、アレイ上に配置されたガラス基板に熱を加えるように構成されてもよく、アレイ上に配置されたガラス基板に空気冷却を加えるように構成されてもよく、又はこれらの組み合わせであってもよい。
【0050】
ガラス成形システム200は、モジュール式ガラス成形システムとして提供されてもよい。例えば、支持体210は、1つ以上のロッド220の除去又は追加を介して、ロッド220のアレイのカスタマイズを可能にするように構成されてもよい。例示すると、支持体210には、いくつかのレセプタクル216が設けられ得る。レセプタクル216は、互いに離間したアレイ状に配置されてもよい。示されるように、レセプタクル216は、ロッド220の配列に対応する長方形アレイに配列される。
【0051】
各レセプタクル216は、ロッド220がレセプタクル216内に配置され、アクチュエータ240のうちの対応する1つに動作可能に結合され得るように、ロッド220を取り外し可能に受け入れるように構成され得る。各アクチュエータ240は、レセプタクル216のうちの対応する1つを介して、ロッド220の第2の端部224に取付け可能であるように構成され得る。この点に関して、各ロッド220の第2の端部224は、ロッド220の取付端部と呼ぶことができる。更に、モジュール式ガラス成形システムとして提供されるガラス成形システム200によれば、各ロッド220の第1の端部222は、例えば、ガラス成形システム100を参照して本明細書の他の箇所で説明したように、パッド250に取り外し可能に取り付けることができるように構成されてもよい。各ロッド220の第1の端部222は、係合端部と称され得る。ガラス成形システム200のロッド220は、ガラス成形ツールと呼ぶことができる。
【0052】
ガラス成形システム200は、代替的なガラス成形ツールとして構成された1つ以上のロッド220を含み得る。例示のために、1つ以上のロッド220の係合端部(すなわち、第1の端部222)は、ガラス基板と直接係合するように代替的な幾何学的形状で構成されてもよい。一例では、パッド250への取り外し可能な取付けのために構成される代わりに、そのようなロッド220の係合端部は、湾曲した又は丸みを帯びた形状、ファセット形状、1つ以上の傾斜面などの特定の幾何学的形状で構成されてもよい。別の例では、2つ以上のロッド220の係合端部は、直線バー、湾曲バー、リングなどを協働して支持するように構成されてもよい。この点に関して、各レセプタクル216は、ガラス成形ツールの1つ以上のロッド220を取り外し可能に受け入れるように構成され得る。アクチュエータ240は、そのようなガラス成形ツールを支持体210に対して横断方向に移動させるように構成することができる。パッド250の係合面256は、1つ以上のガラス成形ツールの移動に基づいて再構成可能であってもよい。
【0053】
図7は、本開示によるガラス成形システムの構成要素を制御するように構成され得るコントローラ380のブロック図である。コントローラ380は、ガラス成形システム100のコントローラ180として、又はガラス成形システム200のコントローラ280として実装することができる。説明のために、コントローラ380は、コントローラ380がコントローラ180として実装されるように、ガラス成形システム100に通信可能に結合されるものとして示されている。
【0054】
図示のように、コントローラ380は、プロセッサ381と、メモリ383と、記憶デバイス385と、通信構成要素387とを含む。これらの構成要素は、構成要素間の通信を可能にするバス389などのハードウェアによって相互接続され得る。プロセッサ381は、コンピュータプログラム命令を実行し、コンピュータプログラム命令によって記述される動作を実行するように構成された中央処理装置であってもよい。メモリ383は、ランダムアクセスメモリモジュールなどの揮発性高速短期情報記憶デバイスであってもよい。記憶デバイス385は、ハードドライブ、ソリッドステートドライブ、又は読み出し専用メモリモジュールなどの不揮発性の情報記憶デバイスであってもよい。通信構成要素387は、例えば、直接通信接続388を介して、アクチュエータ140、熱源112、及び空気ポンプ114などのガラス成形システム100の他の構成要素との一方向又は双方向の無線及び/又は有線通信のために構成され得る。
【0055】
示されるように、コントローラ380は、通信構成要素387を介してアクチュエータ140、熱源112、及び空気ポンプ114のうちの1つ以上と通信するように構成され得る個別の汎用構成要素として提供される。コントローラ380の構成要素は、本明細書で説明する機能に限定されないことを理解されたい。更に、コントローラ380は、本明細書に示される構成要素に限定されないことを理解されたい。
【0056】
動作の一例では、コントローラ380は、ガラス基板(例えば、ガラス基板160)の成形プロセス中に、パッド150の係合面156を再構成するために互いに対して個々にロッド120の位置決めを制御してもよく、ガラス基板160の1つ以上の部分への熱源112を介した熱の印加を制御してもよく、ガラス基板160の1つ以上の部分への空気ポンプ114を介した、空気冷却又は真空力の印加を制御してもよく、又はそれらの任意の組み合わせであってもよい。好ましくは、コントローラ380は、ガラス基板160の所定の成形プロセスに従って、指定された間隔で、位置指示信号及び制御信号をガラス成形システム100の対応する構成要素に送信することができる。
【0057】
本明細書で図示及び説明されるガラス成形システムは、ロッドの個々の数又は配置に限定されないことを理解されたい。例えば、ガラス成形システム100のロッド120は、図示のように第1の境界126及び第2の境界128に配置されることに限定されない。ロッド120は、代替として、任意の他の好適な1つ又は複数の幾何学的形状で配列されてもよい。加えて、ガラス成形システム100は、より多くの又はより少ないロッド120を備えてもよい。別の例では、ガラス成形システム200のロッド220は、図示された長方形アレイに配置されることに限定されない。ロッド220は、代替として、任意の他の好適な1つ又は複数の幾何学的形状で配列されてもよい。加えて、ガラス成形システム200は、より多くの又はより少ないロッド220を備えてもよい。
【0058】
更に、本明細書で図示及び説明されるガラス成形システムは、ロッド間の個々の間隔に限定されないことを理解されたい。例えば、ガラス成形システム100のロッド120間の間隔は、代替的に、図示された間隔より広くても狭くてもよい。更に、ロッド120間の間隔は均一である必要はない。別の言い方をすれば、ガラス成形システム100は、代替的に、ロッド120間の間隔が第1の境界126及び/又は第2の境界128の1つ以上の部分において不均一であるように構成されてもよい。別の例では、ガラス成形システム200のレセプタクル216間の間隔は、代替的に、図示された間隔より広くても狭くてもよい。
【0059】
上述したように、本技術の一態様は、ガラス成形システム100を使用して形成された1つ以上のガラスパネルを含む車両の動作中に使用するための様々なソースから利用可能なデータの収集及び使用である。例として、そのようなデータは、ユーザを識別することができ、また、ユーザ固有の設定又は好みを含むことができる。本開示は、いくつかの場合には、この収集されたデータが、特定の人を一意に識別する個人情報データ、又は特定の人に連絡する若しくはその所在を突き止めるために使用できる個人情報データを含み得ることを考察する。そのような個人情報データとしては、人口統計データ、ロケーションベースのデータ、電話番号、電子メールアドレス、ツイッターID、自宅の住所、ユーザの健康又はフィットネスのレベル(例えば、バイタルサイン測定値、服薬情報、運動情報)に関するデータ若しくは記録、誕生日、又は任意のその他の識別情報若しくは個人情報を挙げることができる。
【0060】
本開示は、本技術におけるそのような個人情報データの使用がユーザの利益になる使用であり得る点を認識するものである。例えば、ユーザ嗜好に従って車両の動作を可能にする、ユーザ嗜好関連情報を記憶する、ユーザプロファイルが確立されてもよい。これにより、そのような個人情報データの使用は、ユーザ体験を向上させる。
【0061】
本開示は、そのような個人情報データの収集、分析、開示、送信、記憶、又は他の使用に関与するエンティティが、確固たるプライバシーポリシー及び/又はプライバシー慣行を遵守するものとなることを想到する。具体的には、そのようなエンティティは、個人情報データを秘密として厳重に保守するための、業界又は政府の要件を満たしているか又は上回るものとして一般に認識されている、プライバシーのポリシー及び慣行を実施し、一貫して使用するべきである。そのようなポリシーは、ユーザによって容易にアクセス可能とするべきであり、データの収集及び/又は使用が変更されるにつれて更新されるべきである。ユーザからの個人情報は、そのエンティティの合法的かつ正当な使用のために収集されるべきであり、それらの合法的使用を除いては、共有又は販売されるべきではない。更には、そのような収集/共有は、ユーザに告知して同意を得た後に実施されるべきである。その上、そのようなエンティティは、そのような個人情報データへのアクセスを保護及び安全化し、個人情報データへのアクセス権を有する他者が、それらのプライバシーポリシー及び手順を忠実に守ることを保証するための、あらゆる必要な措置を講じることを考慮するべきである。更に、そのようなエンティティは、広く受け入れられているプライバシーポリシー及び慣行に対する自身の遵守を証明するために、サードパーティによる評価を自らが受けることができる。更には、ポリシー及び慣行は、収集及び/又はアクセスされる具体的な個人情報データのタイプに適合されるべきであり、また、管轄権固有の考慮事項を含めた、適用可能な法令及び規格に適合されるべきである。例えば、アメリカ合衆国では、特定の健康データの収集又はそれへのアクセスは、医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律(HIPAA)などの、連邦法及び/又は州法に準拠し得る。その一方で、他国における健康データは、他の規制及びポリシーの対象となり得るものであり、それに従って対処されるべきである。それゆえ、各国において、異なる個人データのタイプに関して異なるプライバシー慣行が保たれるべきである。
【0062】
前述のことがらにも関わらず、本開示はまた、個人情報データの使用又は個人情報データへのアクセスを、ユーザが選択的に阻止する実施形態も想到する。すなわち、本開示は、そのような個人情報データへのアクセスを防止又は阻止するために、ハードウェア要素及び/又はソフトウェア要素が提供され得ることを意図している。例えば、車両を動作させるためのユーザプロファイルを記憶する場合、本技術は、ユーザが、サービスの登録中又はその後のいつでも、個人情報データの収集への参加の「オプトイン」又は「オプトアウト」を選択することを可能にするように構成され得る。別の実施例では、ユーザが、特定のアプリケーションの使用に関するデータを提供しないように選択することができる。更に別の実施例では、ユーザは、アプリケーション使用に関するデータが維持される期間を制限する、又はアプリケーション使用プロファイルの構築を完全に禁止することを選択することができる。「オプトイン」及び「オプトアウト」のオプションを提供することに加えて、本開示は、個人情報のアクセス又は使用に関する通知を提供することを意図している。例えば、ユーザの個人情報データにアクセスすることとなるアプリのダウンロード時にユーザに通知され、その後、個人情報データがアプリによってアクセスされる直前に再びユーザに注意してもよい。
【0063】
更には、本開示の意図は、個人情報データを、非意図的若しくは許可のないアクセス又は使用の危険性を最小限に抑える方法で、管理及び処理するべきであるという点である。データの収集を制限し、データがもはや必要とされなくなると削除することにより、リスクを最小化することができる。加えて、特定の健康関連アプリケーションにおいて適用可能な場合、ユーザのプライバシーを保護するために、データの匿名化を使用することができる。匿名化は、必要に応じて、特定の識別子(例えば、生年月日など)を削除すること、記憶されたデータの量又は特異性を制御すること(例えば、位置データを、住所レベルではなく都市レベルで収集する)、データがどのように記憶されるかを制御すること(例えば、ユーザ間でデータを集約する)、及び/又は他の方法によって、容易にすることができる。
【0064】
それゆえ、本開示は、1つ以上の様々な開示された実施形態を実施するための、個人情報データの使用を広範に網羅するものであるが、本開示はまた、そのような個人情報データにアクセスすることを必要とせずに、それらの様々な実施形態を実施することも可能であることを想到する。すなわち、本技術の様々な実施形態は、そのような個人情報データの全て又は一部が欠如することにより、動作不可能にされるものではない。例えば、ユーザ嗜好情報は、必要な情報をユーザに促すことなどによって、車両が使用されるたびに決定されてもよく、その後情報を記憶することも特定のユーザと関連付けることもない。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
【外国語明細書】