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特開2024-105215アナログ-デジタルハイブリッド積分器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024105215
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】アナログ-デジタルハイブリッド積分器
(51)【国際特許分類】
   H03F 3/70 20060101AFI20240730BHJP
【FI】
H03F3/70
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024009401
(22)【出願日】2024-01-25
(31)【優先権主張番号】10-2023-0009598
(32)【優先日】2023-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】592127149
【氏名又は名称】韓国科学技術院
【氏名又は名称原語表記】KOREA ADVANCED INSTITUTE OF SCIENCE AND TECHNOLOGY
【住所又は居所原語表記】291,Daehak-ro Yuseong-gu,Daejeon 34141,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョン ワンヨン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ミンキュ
【テーマコード(参考)】
5J500
【Fターム(参考)】
5J500AA01
5J500AA48
5J500AC61
5J500AC88
5J500AF15
5J500AF17
5J500AF18
5J500AH29
5J500AH39
5J500AK01
5J500AK19
5J500AK34
5J500AM08
5J500AM13
5J500AS00
5J500AT01
5J500AT06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】入力信号の積分とデジタル変換とを同時に行うアナログ-デジタルハイブリッド積分器を提供する。
【解決手段】アナログ-デジタルハイブリッド積分器は、入力端に接続されたオペアンプ110と、入力端にオペアンプと並列に接続された第1のキャパシタ120と、第1のキャパシタ120と並列に接続された複数の第2のキャパシタ130と、互いに直列に接続され、複数の第2のキャパシタ130と並列にそれぞれ接続された複数のバッファ140と、を含む。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力端に接続されたオペアンプと、
前記入力端に前記オペアンプと並列に接続された第1のキャパシタと、
前記第1のキャパシタと並列に接続された複数の第2のキャパシタと、
互いに直列に接続され、前記複数の第2のキャパシタと並列にそれぞれ接続された複数のバッファと、
を含む、アナログ-デジタルハイブリッド積分器。
【請求項2】
前記オペアンプは、前記複数のバッファのそれぞれに出力電圧を提供する、請求項1に記載のアナログ-デジタルハイブリッド積分器。
【請求項3】
前記複数のバッファは、互いに直列に接続され、円形の遅延チェーンを形成する、請求項1に記載のアナログ-デジタルハイブリッド積分器。
【請求項4】
前記複数のバッファは、「1」の入力を受けて「1」を出力する第1のバッファと、「0」の入力を受けて「0」を出力する第2のバッファと、「0」状態の入力を受けて「1」状態を出力し、立ち上がりエッジを形成する第3のバッファと、「1」状態の入力を受けて「0」状態を出力し、立ち下がりエッジを形成する第4のバッファと、を含む、請求項1に記載のアナログ-デジタルハイブリッド積分器。
【請求項5】
前記第1のバッファは、初期の状態において、前記第2のバッファと同数である、請求項4に記載のアナログ-デジタルハイブリッド積分器。
【請求項6】
前記オペアンプから前記バッファにフィードバックされた出力電圧が既存の電圧よりも大きい場合、前記第4のバッファが「1」を出力して前記第1のバッファに変化することにより前記第1のバッファの個数が増加し、立ち下がりエッジを形成する前記第4のバッファが、前記第2のバッファの方向に伝播して移動する、請求項4に記載のアナログ-デジタルハイブリッド積分器。
【請求項7】
前記オペアンプから前記バッファにフィードバックされた出力電圧が既存の電圧よりも小さい場合、前記第3のバッファが「0」を出力して前記第2のバッファに変化することにより前記第2のバッファの個数が増加し、立ち上がりエッジを形成する前記第3のバッファが、前記第1のバッファの方向に伝播して移動する、請求項4に記載のアナログ-デジタルハイブリッド積分器。
【請求項8】
入力信号から量子化された出力信号を差し引いた差し引き信号の入力を受けて積分するオペアンプと、
残余信号を格納する第1のキャパシタと、
前記オペアンプの出力信号を量子化し、互いに直列に接続された複数のバッファと、
前記入力信号及び前記複数のバッファの前記量子化された出力信号を格納する複数の第2のキャパシタと、
入力端と前記複数の第2のキャパシタとの間、及び前記複数の第2のキャパシタと接地端との間に接続され、前記入力端の入力信号をスイッチングして前記複数の第2のキャパシタに出力する第1のスイッチと、
前記複数のバッファの出力端と前記複数の第2のキャパシタとの間、及び前記複数の第2のキャパシタと前記オペアンプとの間に接続され、前記差し引き信号をスイッチングして前記オペアンプに出力する第2のスイッチと、
を含む、アナログ-デジタルハイブリッド積分器。
【請求項9】
前記第1のキャパシタ及び前記オペアンプと並列に接続され、前記第1のキャパシタの残余信号をリセットする第1のリセットスイッチ、をさらに含む、請求項8に記載のアナログ-デジタルハイブリッド積分器。
【請求項10】
前記複数のバッファの出力端と接続され、オン状態で基準電圧(Vref)を入力され、前記複数のバッファと前記複数の第2のキャパシタを初期の状態にリセットする第2のリセットスイッチ、をさらに含む、請求項8に記載のアナログ-デジタルハイブリッド積分器。
【請求項11】
前記オペアンプは、前記複数のバッファのそれぞれに出力電圧を提供する、請求項8に記載のアナログ-デジタルハイブリッド積分器。
【請求項12】
前記複数のバッファは、互いに直列に接続され、円形の遅延チェーンを形成する、請求項8に記載のアナログ-デジタルハイブリッド積分器。
【請求項13】
前記複数のバッファは、「1」の入力を受けて「1」を出力する第1のバッファと、「0」の入力を受けて「0」を出力する第2のバッファと、「0」状態の入力を受けて「1」状態を出力し、立ち上がりエッジを形成する第3のバッファと、「1」状態の入力を受けて「0」状態を出力し、立ち下がりエッジを形成する第4のバッファと、を含む、請求項8に記載のアナログ-デジタルハイブリッド積分器。
【請求項14】
前記第1のバッファは、初期の状態において、前記第2のバッファと同数である、請求項13に記載のアナログ-デジタルハイブリッド積分器。
【請求項15】
前記オペアンプから前記複数のバッファにフィードバックされた出力電圧が既存の電圧よりも大きい場合、前記第4のバッファが「1」を出力して前記第1のバッファに変化することにより前記第1のバッファの個数が増加し、立ち下がりエッジを形成する前記第4のバッファが、前記第2のバッファの方向に伝播して移動する、請求項13に記載のアナログ-デジタルハイブリッド積分器。
【請求項16】
前記オペアンプから前記複数のバッファにフィードバックされた出力電圧が既存の電圧よりも小さい場合、前記第3のバッファが「0」を出力して前記第2のバッファに変化することにより前記第2のバッファの個数が増加し、立ち上がりエッジを形成する前記第3のバッファが、前記第1のバッファの方向に伝播して移動する、請求項13に記載のアナログ-デジタルハイブリッド積分器。
【請求項17】
前記第1のスイッチがオン状態となり、前記第2のスイッチがオフ状態となる場合、前記入力端の入力信号が前記複数の第2のキャパシタに格納される、請求項8に記載のアナログ-デジタルハイブリッド積分器。
【請求項18】
前記第1のスイッチがオフ状態となり、前記第2のスイッチがオン状態となる場合、前記複数のバッファが前記量子化された出力信号を前記複数の第2のキャパシタに出力し、前記複数の第2のキャパシタは、格納されたアナログ入力信号及び前記複数のバッファの前記量子化された出力信号を差し引いた差し引き信号を前記オペアンプに出力する、請求項8に記載のアナログ-デジタルハイブリッド積分器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アナログ-デジタルハイブリッド積分器に関する。
【背景技術】
【0002】
積分器(integrator)は、主要なミックスドシグナル回路ビルディングブロックとして、アナログ・デジタルコンバータ(analog-to-digital converter)やΔΣモジュレータ(delta-sigma modulator)などに主に使用されている。また、スイッチトキャパシタ積分器(switched-capacitor integrator)は、周期的に入力キャパシタ(input capacitor)に電荷を充填し、積分キャパシタ(integrating capacitor)に電荷を積分させる回路である。
【0003】
従来のアクティブ積分器では、ノイズを成形する種々のADCに適用され、高い性能のために電力を多く消費して高い利得を得ている。
【0004】
アクティブ積分器は、アナログ積分器、デジタル積分器、及びアナログ-デジタルハイブリッド積分器に分類される。
【0005】
図1は、従来のアナログ積分器を示す回路図である。
【0006】
図1を参照すると、アナログオペアンプ1は、アナログ入力信号(Vin)を積分してキャパシタ2に格納する。キャパシタ2に格納された電荷によりアナログ出力信号(Vout)が発生する。この場合、アナログオペアンプ1は、高い静的電力を消費することになる。
【0007】
図2は、従来のデジタル積分器を示す回路図である。
【0008】
図2を参照すると、デジタルオペアンプ3は、デジタル入力信号(Vin)を積分した後、単位周期遅延器(unit cycle delay z-1)4を介してフィードバックされる。この場合、デジタル積分器は、量子化された信号を積分するので、量子化誤差を有する出力信号が発生する。
【0009】
デジタル積分器は、格納可能な精度に限界がある。例えば、X=0.3218231・・・という数字を格納するとき、0.01の精度を有するデジタル積分器を使用する場合は、0.322として格納され、誤差である(0.322-0.3218231・・・=0.000177・・・)の値は、誤りとして残り、デジタル積分器は、積分回数が増えるにつれて増幅された誤差が発生することになる。
【0010】
図3は、従来のアナログ-デジタルハイブリッド積分器を示す回路図である。
【0011】
図3を参照すると、アナログオペアンプ1は、アナログ入力信号(Vin)が量子化器5によりデジタル信号に変換された後、フィードバックされ、キャパシタ2により積分された後、アナログ出力信号を発生させる。アナログ-デジタルハイブリッド積分器は、アナログ入力信号のデジタル変換されたデジタル信号を格納し、また、アナログ出力信号をも格納する。従来のアナログ-デジタルハイブリッド積分器では、連続的な積分を実行することができず、アナログ入力信号の量子化の後に積分を行うことが可能となるため、時間遅延が発生する。
【0012】
図4は、従来の他のアナログ-デジタルハイブリッド積分器を示す回路図である。
【0013】
図4を参照すると、アナログオペアンプ1は、アナログ入力信号(Vin)がキャパシタ2により積分された後、量子化器5によりデジタル信号に変換され、フィードバックされる。アナログ-デジタルハイブリッド積分器は、アナログ入力信号のデジタル変換されたデジタル信号を格納し、また、アナログ出力信号をも格納する。従来のアナログ-デジタルハイブリッド積分器では、量子化器とフィードバックキャパシタとの不整合により増大した非線形性が示され、アナログ入力信号の量子化の後に積分を行うことが可能となるため、1クロックの時間遅延が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上述のような問題点を解決するために案出されたものであって、本発明の目的は、入力信号の積分とデジタル変換とを同時に行うアナログ-デジタルハイブリッド積分器を提供することにある。
【0015】
また、本発明の目的は、デジタル量子化信号及びアナログ残余信号をいずれも格納し、連続的な積分を実行することが可能となるアナログ-デジタルハイブリッド積分器を提供することにある。
【0016】
さらに、本発明の目的は、デジタル量子化信号とフィードバックキャパシタとの不整合をなくし、入力信号の量子化と積分動作との間の時間遅延を最小化するアナログ-デジタルハイブリッド積分器を提供することにある。
【0017】
本発明の目的は、上述の目的に限定されず、言及されていない他の目的は、後述の記載から容易に理解できるであろう。本発明の技術的課題は、上述の技術的課題に限定されず、言及されていない他の技術的課題は、当業者であれば後述の記載から容易に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の一実施形態に係るアナログ-デジタルハイブリッド積分器は、入力端に接続されたオペアンプと、前記入力端に前記オペアンプと並列に接続された第1のキャパシタと、前記第1のキャパシタと並列に接続された複数の第2のキャパシタと、互いに直列に接続され、前記複数の第2のキャパシタと並列にそれぞれ接続された複数のバッファと、を含む。
【0019】
前記オペアンプは、前記複数のバッファにそれぞれ出力電圧を提供する。
【0020】
前記複数のバッファは、互いに直列に接続され、遅延チェーンを形成する。
【0021】
前記複数のバッファは、「1」の入力を受けて「1」を出力する第1のバッファと、「0」の入力を受けて「0」を出力する第2のバッファと、「0」状態の入力を受けて「1」状態を出力し、立ち上がりエッジを形成する第3のバッファと、「1」状態の入力を受けて「0」状態を出力し、立ち下がりエッジを形成する第4のバッファと、を含む。
【0022】
前記第1のバッファは、初期の状態において、前記第2のバッファと同数である。
【0023】
前記オペアンプから前記バッファにフィードバックされた出力電圧が既存の電圧よりも大きい場合、前記第4のバッファが「1」を出力して前記第1のバッファに変化することにより前記第1のバッファの個数が増加し、立ち下がりエッジを形成する前記第4のバッファが、前記第2のバッファの方向に伝播して移動する。
【0024】
前記オペアンプから前記バッファにフィードバックされた出力電圧が既存の電圧よりも小さい場合、前記第3のバッファが「0」を出力して前記第2のバッファに変化することにより前記第2のバッファの個数が増加し、立ち上がりエッジを形成する前記第3のバッファが、前記第1のバッファの方向に伝播して移動する。
【0025】
本発明の他の実施形態に係るアナログ-デジタルハイブリッド積分器は、入力信号から量子化された出力信号を差し引いた差し引き信号の入力を受けて積分するオペアンプと、残余信号を格納する第1のキャパシタと、前記オペアンプの出力信号を量子化し、互いに直列に接続された複数のバッファと、前記入力信号及び前記複数のバッファの前記量子化された出力信号を格納する複数の第2のキャパシタと、入力端と前記複数の第2のキャパシタとの間、及び前記複数の第2のキャパシタと接地端との間に接続され、前記入力端の入力信号をスイッチングして前記複数の第2のキャパシタに出力する第1のスイッチと、前記複数のバッファの出力端と前記複数の第2のキャパシタとの間、及び前記複数の第2のキャパシタと前記オペアンプとの間に接続され、前記差し引き信号をスイッチングして前記オペアンプに出力する第2のスイッチと、を含む。
【0026】
本発明の他の実施形態に係るアナログ-デジタルハイブリッド積分器は、前記第1のキャパシタ及び前記オペアンプと並列に接続され、前記第1のキャパシタの残余信号をリセットする第1のリセットスイッチ、をさらに含む。
【0027】
本発明の他の実施形態に係るアナログ-デジタルハイブリッド積分器は、前記複数のバッファの出力端に接続され、オン状態で基準電圧(Vref)を入力され、前記複数のバッファと前記複数の第2のキャパシタを初期の状態にリセットする第2のリセットスイッチ、をさらに含む。
【0028】
前記第1のスイッチがオン状態となり、前記第2のスイッチがオフ状態となる場合、前記入力端の入力信号が前記複数の第2のキャパシタに格納される。
【0029】
前記第1のスイッチがオフ状態となり、前記第2のスイッチがオン状態となる場合、前記複数のバッファが前記量子化された出力信号を前記複数の第2のキャパシタに出力し、前記複数の第2のキャパシタは、格納されたアナログ入力信号及び前記複数のバッファの前記量子化された出力信号を差し引いた差し引き信号を前記オペアンプに出力する。
【発明の効果】
【0030】
本発明の実施形態に係るアナログ-デジタルハイブリッド積分器によれば、デジタル領域において、ほとんどキャパシタとして駆動し、アナログ領域のキャパシタサイズを低減することができ、オペアンプの電力消費を大きく削減することができる。
【0031】
また、本発明の実施形態に係るアナログ-デジタルハイブリッド積分器によれば、さらに量子化器を追加する必要がなく、エネルギー効率性と構造のコンパクト化を確保することができる。
【0032】
本発明の実施形態に係るアナログ-デジタルハイブリッド積分器によれば、円形状に接続されたバッファチェーンは、別の積分と量子化とが同時に行われるため、高速を実現することができる。
【0033】
本発明の実施形態に係るアナログ-デジタルハイブリッド積分器によれば、円形状を有する遅延チェーンの構造で連続的な動作によってエッジが継続して伝播することにより、別途の回路を設けることなく高い線形性を有し、キャパシタの不整合整形(mismatch shaping)効果が奏される。
【0034】
本発明の効果は、上述した効果に制限されず、言及されていない他の効果は、後述の記載から当業者であれば容易に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】従来のアナログ積分器を示す回路図である。
図2】従来のデジタル積分器を示す回路図である。
図3】従来のアナログ-デジタルハイブリッド積分器を示す回路図である。
図4】従来の他のアナログ-デジタルハイブリッド積分器を示す回路図である。
図5】本発明の一実施形態に係るアナログ-デジタルハイブリッド積分器を示す回路図である。
図6】本発明の一実施形態に係るアナログ-デジタルハイブリッド積分器の遅延チェーンを示す回路図である。
図7】本発明の一実施形態に係るアナログ-デジタルハイブリッド積分器のフィードバック動作を示す回路図である。
図8】本発明の他の実施形態に係るアナログ-デジタルハイブリッド積分器を示す回路図である。
図9】Φ1信号における本発明の他の実施形態に係るアナログ-デジタルハイブリッド積分器の動作状態を示す図である。
図10】Φ2信号における本発明の他の実施形態に係るアナログ-デジタルハイブリッド積分器の動作状態を示す図である。
図11】(a)は、第1のキャパシタをリセットさせるリセットクロックを示すタイミング図であり、(b)は、第1のスイッチ及び第2のスイッチのオン・オフ動作を制御するクロック信号を示すタイミング図であり、(c)は、オペアンプのフィードバックされる出力信号を示すタイミング図であり、(d)は、バッファの量子化された出力信号を示すタイミング図であり、(e)は、本発明の他の実施形態に係るアナログ-デジタルハイブリッド積分器の入力信号とデジタル信号処理が行われた最終の出力とを示すタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明は、種々の変更を加えることができ、種々の実施形態を有することができるところ、特定の実施形態を図面を参照して詳述している。しかし、これは、本発明を特定の実施形態に限定するものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物又は代替物を含むものと理解されるべきである。各図面中、同様な構成要素には同一の符号を付することとする。
【0037】
第1、第2、A、Bなどの用語が様々な構成要素を説明するために使用されているが、上記構成要素が上記用語によって限定されることはない。これらの用語は、ある構成要素を別の構成要素と区別するために使用されているにすぎない。例えば、本発明の権利範囲を逸脱することなく第1の構成要素を第2の構成要素と呼ぶことができるし、同様に第2の構成要素を第1の構成要素と呼ぶこともできる。「及び/又は」という用語は、複数の関連した記載項目の組み合わせ又は複数の関連した記載項目のうちのいずれかを含むことを意味する。
【0038】
ある構成要素が別の構成要素に「接続され」又は「連結され」とは、別の構成要素に直接接続されているか又は連結されていることもできるが、これらの間に別の構成要素がさらに存在することができると理解されるべきである。これに対し、ある構成要素が別の構成要素に「直接接続され」又は「直接連結され」とは、これらの間に別の構成要素が存在しないものと理解されるべきである。
【0039】
本明細書で使用する用語は、単に特定の実施形態を説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味を持たない限り、複数の表現を含む。本明細書中、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書に記載の特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせが存在することを指定するためのものであり、一つ又はそれ以上の他の特徴又は数字、ステップ、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせの存在又は付加可能性を排除するものではない。
【0040】
また、「第1」、「第2」などの用語は、本明細書において区別するためにのみ使用され、優先度又は優先順位の表示又は予想をする意味ではないことに留意されたい。
【0041】
特に断りのない限り、本明細書で使用される技術又は科学用語を含む全ての用語は、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書に定義されている用語は、関連技術の文脈における意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されていない限り、理想的又は過度に形式的な意味で解釈されることはない。
【0042】
明細書及び特許請求の範囲の全体において、ある部分がある構成要素を含むという表現は、特記がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0043】
以下、本発明による好適な実施形態について、添付の図面を参照して詳述する。
【0044】
図5は、本発明の一実施形態に係るアナログ-デジタルハイブリッド積分器を示す回路図である。図6は、本発明の一実施形態に係るアナログ-デジタルハイブリッド積分器の遅延チェーンを示す回路図である。
【0045】
図5を参照すると、本発明の一実施形態に係るアナログ-デジタルハイブリッド積分器は、入力端に接続されたオペアンプ110と、入力端にオペアンプ110と並列に接続された第1のキャパシタ120と、第1のキャパシタ120と並列に接続された複数の第2のキャパシタ130と、互いに直列に接続され、複数の第2のキャパシタ130と並列にそれぞれ接続された複数のバッファ140と、を含む。
【0046】
オペアンプ110は、アナログ領域においてアナログ入力信号の積分を行う。オペアンプ110は、遅延チェーンを構成する第2のキャパシタ130とバッファ140を制御する出力電圧を発生させ、各バッファ140に提供する。
【0047】
第1のキャパシタ120は、オペアンプ110と共にアナログ領域を形成し、オペアンプ110で積分されたアナログ信号を格納する。
【0048】
図5及び図6を参照すると、第2のキャパシタ130は、第1のキャパシタ120と並列に接続され、バッファ140と共にデジタル領域を構成し、オペアンプ110の出力を制御信号として受けて動作する。第2のキャパシタ130は、バッファ140と同数であってもよい。
【0049】
図5及び6を参照すると、バッファ140は、偶数個からなってもよく、nビットの量子化器として動作するため、2個からなってもよい。例えば、バッファ140は、5ビットの量子化器として動作するため、2=32個からなってもよい。
【0050】
これとは異なり、バッファ140は、奇数個からなってもよく、nビットの量子化器として動作するため、2-1個からなってもよい。例えば、バッファ140は、5ビットの量子化器として動作するため、2-1=31個からなってもよい。
【0051】
バッファ140は、互いに直列に接続され、円形の遅延チェーンとして駆動される。バッファ140は、オペアンプ110の出力端にそれぞれ接続され、オペアンプ110の出力電圧をそれぞれ入力される。
【0052】
また、バッファ140は、第2のキャパシタ130の出力端の間にそれぞれ配置され、互いに直列に接続される。これにより、バッファ140は、第2のキャパシタ130と並列に接続され、第1のキャパシタ120と並列に接続される。
【0053】
以下、本発明の一実施形態に係るアナログ-デジタルハイブリッド積分器の動作について記述する。図7は、本発明の一実施形態に係るアナログ-デジタルハイブリッド積分器のフィードバック動作を示す回路図である。
【0054】
図7を参照すると、アナログ-デジタルハイブリッド積分器は、アナログ入力信号によって、オペアンプ110から出力された電圧が変動する。変動した出力電圧は、円形の遅延チェーンとして駆動するバッファ140に入力され、フィードバックループを形成する。
【0055】
初期の状態において、バッファ140は、「1」の入力を受けて「1」を出力する第1のバッファ141と、「0」の入力を受けて「0」を出力する第2のバッファ142とを含む。初期の状態において、第1のバッファ141は、第2のバッファ142と同数であってもよい。
【0056】
また、バッファ140は、「0」状態の入力を受けて「1」状態を出力し、立ち上がりエッジを形成する第3のバッファ143と、「1」状態の入力を受けて「0」状態を出力し、立ち下がりエッジを形成する第4のバッファ144とを含む。
【0057】
例えば、バッファ140が5ビットを示すために32個からなる場合、第1のバッファ141は、15個であり、第2のバッファ142は、15個であり、第3のバッファ143が第1のバッファ141と第2のバッファ142との間に1個配置され、第4のバッファ144が第1のバッファ141と第2のバッファ142との間に1個配置される。
【0058】
オペアンプ110からバッファ140にフィードバックされた出力電圧が既存の電圧よりも大きい場合、第4のバッファ144は、「1」状態の入力を受けて「1」を出力する第1のバッファ141に変化し、第4のバッファ144に接続された第2のバッファ142は、フィードバックされた出力電圧の大きさまで、第4のバッファ144を経て第1のバッファ141に変化する。
【0059】
換言すれば、フィードバックされた出力電圧が既存の電圧よりも大きい場合、立ち下がりエッジの第4バッファ144が「1」を出力して第1のバッファ141に変化することにより第1のバッファ141の個数が増加し、立ち下がりエッジを形成する第4のバッファ144は、第2のバッファ142の方向に伝播して移動する。
【0060】
一方、オペアンプ110からバッファ140にフィードバックされた出力電圧が既存の電圧よりも小さい場合、第3のバッファ143は、「0」状態の入力を受けて「0」を出力する第2のバッファ142に変化し、第3のバッファ143に接続された第1のバッファ141は、フィードバックされた出力電圧の大きさまで、第3のバッファ143を経て第2のバッファ142に変化する。
【0061】
換言すれば、フィードバックされた出力電圧が既存の電圧よりも小さい場合、立ち上がりエッジの第3のバッファ143が「0」を出力して第2のバッファ142に変化することにより第2のバッファ142の個数が増加し、立ち上がりエッジを形成する第3のバッファ143は、第1のバッファ141の方向に伝播して移動する。
【0062】
第2のキャパシタ130は、変化した状態のバッファ140の出力をサンプリングして格納する。
【0063】
このような動作が完了すると、第2のキャパシタ130は、入力電圧の一部を量子化されたデジタル信号として出力し、アナログオペアンプ110が入力電圧の残りをアナログ残余信号として出力する。
【0064】
例えば、バッファ140が5ビットを示すために32個からなり、初期の状態において、第1のバッファ141は、15個であり、第2のバッファ142は、15個であり、第3のバッファ143が第1のバッファ141と第2のバッファ142との間に1個配置され、第4のバッファ144が第1のバッファ141と第2のバッファ142との間に1個配置される場合について記述する。
【0065】
入力電圧が+10.4の場合、バッファ140のうち「1」を出力する第1のバッファ141が10個増加して25個となり、増加した第1のバッファ141の個数である10を、増加した第1のバッファ141に接続された第2のキャパシタ130がサンプリングしてそれぞれ「1」を格納した後、第2のキャパシタ130が量子化された「10」のデジタル信号を出力し、オペアンプ110が入力電圧の残余分である0.4を出力すると、第1のキャパシタ120がアナログ出力信号である0.4を格納する。
【0066】
この状態で、入力信号が+3.92追加入力されると、本発明のアナログ - デジタルハイブリッド積分器が合計+14.32を表現するため、「0」状態のバッファ140のうちの4つがさらに第1のバッファ141に変化し、第1のバッファ141が合計19個となるまで第4のバッファ144の伝播が行われる。これにより、増加した第1のバッファ141の個数である4を、増加した第1のバッファ141と接続された第2のキャパシタ130がサンプリングしてそれぞれ「1」を格納した後、第2のキャパシタ130が量子化された「14」のデジタル信号を出力し、オペアンプ110が入力電圧の残余分である0.32を出力すると、第1のキャパシタ120がアナログ出力信号である0.32を格納する。
【0067】
これにより、本発明の一実施形態に係るアナログ-デジタルハイブリッド積分器は、リセットすることなく入力信号を連続的に積分することができる。
【0068】
以下、本発明の他の実施形態に係るアナログ-デジタルハイブリッド積分器について記述する。図8は、本発明の他の実施形態に係るアナログ-デジタルハイブリッド積分器を示す回路図である。
【0069】
図8を参照すると、本発明の他の実施形態に係るアナログ-デジタルハイブリッド積分器は、入力信号から量子化された出力信号を差し引いた差し引き信号の入力を受けて積分するオペアンプ110と、残余信号を格納する第1のキャパシタ120とオペアンプ110の出力信号を量子化して直列に接続された複数のバッファ140と、入力信号及び複数のバッファの量子化された出力信号を格納する複数の第2キャパシタ130と、入力端と複数の第2のキャパシタ130との間、及び複数の第2のキャパシタ130と接地端との間に接続され、入力端の入力信号をスイッチングして複数の第2のキャパシタ130に出力する第1のスイッチ150と、複数のバッファ140の出力端と複数の第2のキャパシタ130との間、及び複数の第2のキャパシタ130とオペアンプ110との間に接続され、差し引き信号をスイッチングしてオペアンプ110に出力する第2のスイッチ160と、を含む。
【0070】
図8を参照すると、本発明の他の実施形態に係るアナログ-デジタルハイブリッド積分器は、第1のキャパシタ120及びオペアンプ110と並列に接続され、第1のキャパシタ110の残余信号をリセットする第1のリセットスイッチ170をさらに含んでもよい。
【0071】
また、本発明の他の実施形態に係るアナログ-デジタルハイブリッド積分器は、複数のバッファ140の出力端に接続され、オン状態で基準電圧(Vref)を入力され、複数のバッファ140と複数の第2のキャパシタ130を初期の状態にリセットする第2のリセットスイッチ(図示せず)をさらに含んでもよい。
【0072】
オペアンプ110は、アナログ領域でアナログ入力信号の積分を行う。オペアンプ110は、遅延チェーンを構成する第2のキャパシタ130とバッファ140を制御する出力信号を発生させ、各バッファ140に提供する。
【0073】
第1のキャパシタ120は、オペアンプ110と共にアナログ領域を形成し、オペアンプ110で積分されたアナログ信号を格納する。
【0074】
バッファ140は、偶数個からなってもよく、例えば、5ビットの量子化器として動作するため、2=32個からなってもよい。バッファ140は、互いに直列に接続され、円形の遅延チェーンとして駆動される。
【0075】
これとは異なり、バッファ140は、奇数個からなってもよく、nビットの量子化器として動作するため、2-1個からなってもよい。例えば、バッファ140は、5ビットの量子化器として動作するため、2-1=31個からなってもよい。
【0076】
また、バッファ140は、第2のキャパシタ130の出力端の間にそれぞれ配置され、互いに直列に接続される。バッファ140は、第2のキャパシタ130と並列に接続され、第2のキャパシタ130と並列に接続される。
【0077】
バッファ140は、互いに直列に接続され、円形の遅延チェーンとして駆動される。バッファ140は、オペアンプ110の出力端とそれぞれ接続され、オペアンプ110の出力電圧をそれぞれ入力される。
【0078】
第2のキャパシタ130は、第1のキャパシタ120と並列に接続され、バッファ140と共にオペアンプ110の出力を制御信号として受けて動作する。第2のキャパシタ130は、バッファ140の個数と同数であってもよい。
【0079】
第2のキャパシタ130は、第1のスイッチ150のオン動作によって、入力端の入力信号を格納し、第2のスイッチ160のオン動作によって、入力信号からバッファの量子化された出力信号を差し引いた信号をオペアンプ110に出力する。
【0080】
第1のスイッチ150は、入力端と第2のキャパシタ130との間、及び第2のキャパシタ130と接地端との間に接続され、一定の周期でオン・オフ動作を行う。第1のスイッチ150は、オン動作時に入力信号を第2のキャパシタ130に出力する。
【0081】
第2のスイッチ160は、バッファ140の出力端と第2のキャパシタ130との間、及び第2のキャパシタ130とオペアンプ110との間に接続され、第1のスイッチ150と交互にオン・オフ動作を行う。第2のスイッチ160は、バッファ140の量子化された出力信号を第2のキャパシタ130に出力する。
【0082】
以下、本発明の他の実施形態に係るアナログ-デジタルハイブリッド積分器の動作について記述する。
【0083】
図9は、Φ1信号における本発明の他の実施形態に係るアナログ-デジタルハイブリッド積分器の動作状態を示す図である。図10は、Φ2信号における本発明の他の実施形態に係るアナログ-デジタルハイブリッド積分器の動作状態を示す図である。図11(a)は、第1のキャパシタをリセットさせるリセットクロックを示すタイミング図である。図11(b)は、第1のスイッチと第2のスイッチのオン・オフ動作を制御するクロック信号を示すタイミング図である。図11(c)は、オペアンプのフィードバックされる出力信号を示すタイミング図である。図11(d)は、バッファの量子化された出力信号を示すタイミング図である。図11(e)は、本発明の他の実施形態に係るアナログ-デジタルハイブリッド積分器の入力信号と信号処理したデジタル出力を示すタイミング図である。
【0084】
図11(a)を参照すると、リセット信号を受けた第2のリセットスイッチによって、バッファ140は、基準電圧(Vref)を入力されて初期の状態に設定され、リセット信号を受けた第1のリセットスイッチ170によって、第1のキャパシタ120は、残余信号を消去する。
【0085】
図8及び図11(b)を参照すると、初期の状態において、バッファ140は、「1」の入力を受けて「1」を出力する第1のバッファ141と、「0」の入力を受けて「0」を出力する第2のバッファ142とを含む。初期の状態において、第1のバッファ141は、第2のバッファ142と同数であってもよい。
【0086】
また、バッファ140は、「0」状態の入力を受けて「1」状態を出力し、立ち上がりエッジを形成する第3のバッファ143と、「1」状態の入力を受けて「0」状態を出力し、立ち下がりエッジを形成する第4のバッファ144とを含む。
【0087】
例えば、バッファ140が5ビットを示すために32個からなる場合、第1のバッファ141は、15個であり、第2のバッファ142は、15個であり、第3のバッファ143が第1のバッファ141と第2のバッファ142との間に1個配置され、第4のバッファ143が第1のバッファ141と第2のバッファ142との間に1個配置される。
【0088】
図9及び図11(b)を参照すると、Φ1信号によって、第1のスイッチ150は、オン状態となり、第2のスイッチ160は、オフ状態となる。この時、入力端の入力信号が第2のキャパシタ130に格納される。
【0089】
図10及び図11(b)を参照すると、Φ2信号によって、第1のスイッチ150は、オフ状態となり、第2のスイッチ130は、オン状態となる。図10を参照すると、バッファ140が量子化された出力信号を第2のキャパシタ130に出力し、第2のキャパシタ130は、格納されたアナログ入力信号及びバッファ140の量子化された出力信号を差し引いた差し引き信号をオペアンプ110に出力する。
【0090】
図10を参照すると、オペアンプ110は、差し引き信号を積分してバッファ140にフィードバックし、第1のキャパシタ120は、アナログ残余信号を格納する。
【0091】
また、図6を参照すると、オペアンプ110からバッファ140にフィードバックされた出力電圧が既存の電圧よりも大きい場合、第4のバッファ144は、「1」状態の入力を受けて「1」を出力する第1のバッファ141に変化し、第4のバッファ144に接続された第2のバッファ142は、フィードバックされた出力電圧の大きさまで、第4のバッファ144を経て第1のバッファ141に変化する。
【0092】
換言すれば、フィードバックされた出力電圧が既存の電圧よりも大きい場合、立ち下がりエッジのバッファが「1」を出力して第1のバッファ141の個数を増加させ、立ち下がりエッジを形成する第4のバッファ144は、第2のバッファ142の方向に伝播して移動する。
【0093】
また、図6を参照すると、オペアンプ110からバッファ140にフィードバックされた出力電圧が既存の電圧よりも小さい場合、第3のバッファ143は、「0」状態の入力を受けて「0」を出力する第2のバッファ142に変化し、第3のバッファ143に接続された第1のバッファ141は、フィードバックされた出力電圧の大きさまで、第3のバッファ143を経て第2のバッファ142に変化する。
【0094】
換言すれば、フィードバックされた出力電圧が既存の電圧よりも小さい場合、立ち上がりエッジのバッファが「0」を出力して第2のバッファ142の個数を増加させ、立ち上がりエッジを形成する第3のバッファ143は、第1のバッファ141の方向に伝播して移動する。
【0095】
このような動作が完了すると、バッファ140は、量子化されたデジタル信号を第2のキャパシタ130に出力する。
【0096】
例えば、入力電圧が+10.4の場合、バッファ140のうち「1」を出力する第1のバッファ141が10個増加して25個となり、増加した第1のバッファ141の個数である10を、増加した第1のバッファ141と接続された第2のキャパシタ130がサンプリングしてそれぞれ「1」を格納した後、第2のキャパシタ130が量子化された「10」のデジタル信号を出力し、オペアンプ110が入力電圧の残余分である0.4を出力すると、第1のキャパシタ120がアナログ出力信号である0.4を格納する。
【0097】
この状態で、入力信号が+3.92追加入力されると、本発明のアナログ-デジタルハイブリッド積分器が合計+14.32を表現するために「0」状態のバッファ140のうちの4つがさらに第1のバッファ141に変化し、第1のバッファ141が合計19個となるまで、第4のバッファ144の伝播が行われる。これにより、増加した第1のバッファ141の個数である4を、増加した第1のバッファ141と接続された第2のキャパシタ130がサンプリングしてそれぞれ「1」を格納した後、第2のキャパシタ130が量子化された「14」のデジタル信号を出力し、オペアンプ110が入力電圧の残余分である0.32を出力すると、第1のキャパシタ120がアナログ出力信号である0.32を格納する
【0098】
図11(e)を参照すると、本発明の他の実施形態に係るアナログ-デジタルハイブリッド積分器において、デジタル出力(Dout)は、20nsから入力電圧(Vin)に収斂することが分かる。
【0099】
デジタル出力(Dout)は、本発明に係るアナログ-デジタルハイブリッド積分器の連続的な動作をよって得られた出力信号(D[1]~D[32])を平均して算出された最終の出力である。
【0100】
以上の説明は、本発明の技術思想を示す例示に過ぎず、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で種々の修正及び変形を加えることができる。従って、本発明に開示の実施形態は、本発明の技術思想を限定するものではなく、説明するためのものであり、このような実施形態によって本発明の技術思想の範囲が限定されることはない。本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって解釈されるべきであり、それと同等の範囲内にある全ての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0101】
110:オペアンプ、120:第1のキャパシタ、130:第2のキャパシタ、140:バッファ、141:第1のバッファ、142:第2のバッファ、143:第3のバッファ、144:第4のバッファ、150:第1のスイッチ、160:第2のスイッチ、170:リセットスイッチ。
図1
図2
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図5
図6
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図8
図9
図10
図11