(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024105232
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】光学追跡仮想現実システムのためのユーザ選択可能ツール
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20240730BHJP
【FI】
G06F3/01 510
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024055744
(22)【出願日】2024-03-29
(62)【分割の表示】P 2021513019の分割
【原出願日】2019-05-08
(31)【優先権主張番号】62/669,224
(32)【優先日】2018-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】520435175
【氏名又は名称】ドリームスケイプ・イマーシブ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パービス,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】フスコ,マイケル
(57)【要約】 (修正有)
【課題】切替え可能デバイスを組み込んでいる仮想現実環境および体験において使用するための単純な物理的プロップを有することが望ましい。
【解決手段】仮想現実システム(100)およびそこで使用するためのデバイスは、固有のアイデンティティと関連付けられた光パターンを検出するように構成された光学検出構成(200)と、複数の発光デバイス(600)が係合されているツール(300)とを伴う。発光デバイス(600)は、光学検出構成(200)によって検出可能な複数の光パターン間で選択的にユーザ作動可能である。光パターンは、光学検出構成(200)によって検出されたときツール(300)の複数の固有のアイデンティティを提供する。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固有のアイデンティティと関連付けられた光パターンを検出するように構成された光学検出構成と、
複数の発光デバイスが係合されているツールであって、発光デバイスが、光学検出構成によって検出可能な複数の光パターン間で選択的にユーザ作動可能であり、光パターンが、光学検出構成によって検出されたときツールの複数の固有のアイデンティティを提供する、ツールと
を備える、仮想現実システム。
【請求項2】
ツールが、発光デバイスと動作可能に係合されたスイッチングデバイスを備え、スイッチングデバイスが、ツールの固有のアイデンティティを変更するために光パターン間で発光デバイスを選択的に作動させるようにユーザ作動可能である、請求項1に記載の仮想現実システム。
【請求項3】
発光デバイスが発光ダイオードを含む、請求項1に記載の仮想現実システム。
【請求項4】
発光デバイスが、分離したグループに配置され、各グループが、その中に、固有のパターンでツールと係合された発光デバイスを有し、グループが、光パターンを提供するように選択的にユーザ作動可能である、請求項1に記載の仮想現実システム。
【請求項5】
発光デバイスが、アレイまたは単一のグループに配置され、アレイまたは単一のグループにおける発光デバイスのうちの1つ以上が、光パターンを提供するように選択的にユーザ作動可能である、請求項1に記載の仮想現実システム。
【請求項6】
ツールの固有のアイデンティティが、ツールタイプまたはツールステータスを含む、請求項1に記載の仮想現実システム。
【請求項7】
仮想現実システムで使用するためのデバイスであって、
ツールと、
ツールと係合されており、各々が固有のアイデンティティと関連付けられ、光学検出構成によって検出されるように適合された複数の光パターン間で選択的にユーザ作動可能である複数の発光デバイスであって、光パターンが、光学検出構成によって検出されたとき、ツールと関連付けられた複数の固有のアイデンティティを提供する、複数の発光デバイスと
を備える、デバイス。
【請求項8】
発光デバイスと動作可能に係合されたスイッチングデバイスを備え、スイッチングデバイスが、ツールの固有のアイデンティティを変更するために光パターン間で発光デバイスを選択的に作動させるようにユーザ作動可能である、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
発光デバイスが発光ダイオードを含む、請求項7に記載のデバイス。
【請求項10】
発光デバイスが、分離したグループに配置され、各グループが、その中に、固有のパターンでツールと係合された発光デバイスを有し、グループが、光パターンを提供するようにスイッチングデバイスによって選択的にユーザ作動可能である、請求項7に記載のデバイス。
【請求項11】
発光デバイスが、アレイまたは単一のグループに配置され、アレイまたは単一のグループにおける発光デバイスのうちの1つ以上が、光パターンを提供するように選択的にユーザ作動可能である、請求項7に記載のデバイス。
【請求項12】
ツールの固有のアイデンティティが、ツールタイプまたはツールステータスを含む、請求項7に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の態様は、仮想現実システムを対象とし、より詳細には、光学追跡仮想現実システムで使用されるユーザ選択可能ツールおよびそのようなツールを実装する仮想現実システムを対象とする。
【背景技術】
【0002】
仮想現実体験は、多くの場合、ユーザによって体験される没入のレベルを高めるために物理的プロップを利用する。仮想現実環境で表されるすべての仮想道具(implement)はコンピュータによってレンダリングされるので、単純で非固有の物理的プロップを製作して、仮想現実環境においてはるかに複雑で多様な仮想道具を説得力のある方法で表すことができる。例えば、単純な物理的紙管、木製のだぼ、または棒は、仮想現実では、機能している照明フラッシュライト、燃えているトーチ、野球用バット、または金属鉄挺などの任意の数の類似した形状のオブジェクトであるように見え得る。仮想現実ユーザには、単純な棒がすべてこれらのものおよびそれ以上であるように納得されるものであり得る。しかしながら、仮想現実環境でユーザに正しく表されるには、仮想現実環境で仮想オブジェクトとして表される任意の含まれているプロップが、物理的環境で追跡される必要がある。
【0003】
典型的な仮想現実設備では、追跡システムは、追跡されるオブジェクトの仮想表現が仮想現実環境の一部として正しくレンダリングされ得るように、あらゆる追跡されるオブジェクトの位置および方位をシミュレーションプロセスにストリーミングする。単純な形態では、そのような追跡システムは、仮想現実環境でのユーザの視点がヘッドマウントディスプレイのディスプレイスクリーン上に正しくレンダリングされ得るように、ユーザが着用しているヘッドマウントディスプレイ(例えば、
図1Aおよび
図1Dの要素50を見よ)の位置および方位に追随する。より複雑なシステムは、二次的な(secondary)および三次的な(tertiary)オブジェクトの追跡を含み、ユーザまたは多数のユーザがより複雑な仮想現実環境を体験することを可能にする。仮想現実システムで物理的オブジェクトを追跡する1つの方法は、物理的オブジェクトを追跡するために光学カメラを使用するものである。物理的プロップは、物理的設備(例えば、ステージ)のまわりに配列されたカメラによって画像化され得る。カメラによって捕捉された画像は、ビュー内に物理的オブジェクトを有するすべてのカメラによって見られるとき、オブジェクトのビューを比較することによって(例えば、三角測量によって)、各物理的オブジェクトまたはプロップの位置および方位の決定を容易にする。
【0004】
仮想環境における物理的プロップによって提供される没入および有用性のレベルをさらに増加させるために、単一の物理的プロップが異なる動作状態間(例えば、フラッシュライトをオンにする、またはオフにする)で、または異なるタイプもしくは構成間で(例えば、点灯しているフラッシュライトから燃えているトーチに)切り替え可能であることは有用であり得る。しかしながら、物理的スイッチ、ボタン、または他の切替え可能デバイスを物理的プロップに追加することは、仮想現実システムの設計者に対して追加の統合の課題を作り出すことがある。すなわち、仮想現実設備において身体およびオブジェクトを追跡する技術の技術水準の理由で、スイッチの係合または係脱のアクションの検出は困難である。スイッチを作動させるのに必要な動きは、多くの場合、あまりにも小さいので、光学ベースの仮想現実追跡システムで正確に検出されることができない。スイッチと仮想現実シミュレーションを走らせているコンピュータデバイスとの間に有線または無線リンクを利用することは、この問題への解決策となり得るが、これらの解決策のいずれにも制限がある。
【0005】
より詳細には、例えば、送信デバイスは、仮想現実システムのための物理的プロップとシミュレーションコンピュータとの間に、有線を介して、またはワイヤレスでWiFiもしくはBluetoothを介して接続され得る。この解決策は、技術的見地から実行可能であるが、いくつかの生産および動作の問題を作り出す。例えば、送信機は、物理的プロップ中に組み込まれる必要があり、プロップに複雑さおよびコストを追加し、ならびにプロップに統合される電力要件を増加させることになる。送信機はまた、ある程度のプログラミングおよび通信構成を必要とすることになる。追跡の観点から、送信機からの無線信号に対する受信機が必要とされ、それは、特に、受信機が仮想現実構成に関わる多くのそのような無線信号間を判別しなければならない場合、ある程度のプログラミングおよび通信構成をさらに必要とする。すなわち、仮想現実環境に1つを超えるプロップを追加するとき、すべてのプロップが無線通信送信機/受信機構成によって追跡されており、特に、無線通信システムが誤動作しているシステムに統合されているプロップの代わりに代替プロップを用いるとき、通信ペアリングおよび効率の問題が困難および複雑になることがある。
【0006】
したがって、切替え可能デバイスを組み込んでいる仮想現実環境および体験において使用するための単純な物理的プロップを有することが望ましいことになり、ここで、切替え可能デバイスのユーザ作動は、仮想現実シミュレーションシステムによって確実に検出され得、物理的プロップそれ自体は、いかなるデータ送信、または他のタイプの通信接続、または無線信号受信デバイスとのペアリングを必要としない。また、切替え可能デバイスを有するこの物理的プロップが、仮想現実体験に既に実装されている既存の追跡システムを活用することが望ましいことになり、そのような物理的プロップが適切に構成され追跡システムに統合されれば、代替プロップが必要である場合のプロップのさらなる構成または再構成は、追跡システムが意図されたように機能するのに必要とされない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述および他の必要性は、1つの態様において、固有のアイデンティティと関連付けられた光パターンを検出するように構成された光学検出構成を備える仮想現実システムを提供する本開示によって満たされる。ツールは、それに係合された複数の発光デバイスを有し、発光デバイスは、光学検出構成によって検出可能な複数の光パターン間で選択的にユーザ作動可能であり、光パターンは、光学検出構成によって検出されたときツールの複数の固有のアイデンティティを提供する。
【0008】
本開示の別の態様は、ツールと、ツールと係合された複数の発光デバイスとを備える、仮想現実システムで使用するためのデバイスを提供する。発光デバイスは、各々が固有のアイデンティティと関連付けられ、光学検出構成によって検出されるように適合された複数の光パターン間で選択的にユーザ作動可能であり、光パターンは、光学検出構成によって検出されたとき、ツールと関連付けられた複数の固有のアイデンティティを提供する。
【0009】
本開示のこれらおよび他の特徴、態様、および利点は、以下に簡単に説明されている添付図面と一緒に以下の詳細な説明を読むことから明らかになるであろう。本開示は、この開示に記載されたまたは請求項のいずれか一項または複数項に列挙された2つ、3つ、4つ、またはそれより多くの特徴または要素の任意の組合せを、そのような特徴または要素が明確に組み合わされているかまたはさもなければ本明細書の特定の態様説明もしくは請求項に列挙されているかどうかに関係なく、含む。この開示は、本開示の文脈が明確にそうでないと指示しない限り、本開示の態様のいずれにおいても、本開示の任意の分離可能な特徴または要素が結合可能であるように意図されていると見なされるべきであるように、全体的に読まれることが意図されている。
【0010】
本開示がこのように一般的な用語で説明されたが、次に、必ずしも原寸に比例して描かれていない添付図面が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】本開示の1つの態様による、仮想現実システムおよびそこで使用するためのデバイスを概略的に説明する図であり、複数の固有の光パターンで光を放射することができる発光デバイスは、物理的現実空間におけるツールと関連付けられており、検出される光パターンは、ツールタイプおよびツールステータスに関して、仮想現実空間におけるツールの対応する固有のアイデンティティと関連付けられている。
【
図1B】本開示の1つの態様による、仮想現実システムおよびそこで使用するためのデバイスを概略的に説明する図であり、複数の固有の光パターンで光を放射することができる発光デバイスは、物理的現実空間におけるツールと関連付けられており、検出される光パターンは、ツールタイプおよびツールステータスに関して、仮想現実空間におけるツールの対応する固有のアイデンティティと関連付けられている。
【
図1C】本開示の1つの態様による、仮想現実システムおよびそこで使用するためのデバイスを概略的に説明する図であり、複数の固有の光パターンで光を放射することができる発光デバイスは、物理的現実空間におけるツールと関連付けられており、検出される光パターンは、ツールタイプおよびツールステータスに関して、仮想現実空間におけるツールの対応する固有のアイデンティティと関連付けられている。
【
図1D】本開示の1つの態様による、仮想現実システムおよびそこで使用するためのデバイスを概略的に説明する図であり、複数の固有の光パターンで光を放射することができる発光デバイスは、物理的現実空間におけるツールと関連付けられており、検出される光パターンは、ツールタイプおよびツールステータスに関して、仮想現実空間におけるツールの対応する固有のアイデンティティと関連付けられている。
【
図2A】
図1A-
図1Dに示されたツール構成の1つの態様を概略的に説明する図であり、発光デバイスは、ライトの単一のアレイまたはグループとして提供され、単一のアレイまたはグループにおける個々のライトは、仮想現実空間におけるツールの対応する固有のアイデンティティと関連付けられた複数の固有の光パターンを提供するように選択的に作動可能である。
【
図2B】
図1A-
図1Dに示されたツール構成の1つの態様を概略的に説明する図であり、発光デバイスは、ライトの単一のアレイまたはグループとして提供され、単一のアレイまたはグループにおける個々のライトは、仮想現実空間におけるツールの対応する固有のアイデンティティと関連付けられた複数の固有の光パターンを提供するように選択的に作動可能である。
【
図3A】
図1A-
図1Dに示されたツール構成の別の態様を概略的に説明する図であり、発光デバイスは、ライトの2つ以上の分離したおよび個別のグループとして提供され、ライトの個々のグループは、仮想現実空間におけるツールの対応する固有のアイデンティティと関連付けられた複数の固有の光パターンを提供するように選択的に作動可能である。
【
図3B】
図1A-
図1Dに示されたツール構成の別の態様を概略的に説明する図であり、発光デバイスは、ライトの2つ以上の分離したおよび個別のグループとして提供され、ライトの個々のグループは、仮想現実空間におけるツールの対応する固有のアイデンティティと関連付けられた複数の固有の光パターンを提供するように選択的に作動可能である。
【
図4A】
図1A-
図1Dに示されたツール構成のさらなる別の態様を概略的に説明する図であり、発光デバイスは、ライトの2つ以上の分離したおよび個別のグループとして提供され、ライトの個々のグループの一方は、仮想現実空間におけるツール(ツールタイプ)の対応する固有のアイデンティティと関連付けられた固有の光パターンを提供するように選択的に作動可能であり、一方、ライトの他方のグループは、選択されたツールタイプの動作ステータス(ツールステータス)と関連付けられた固有の光パターンを提供するように選択的に作動可能である。
【
図4B】
図1A-
図1Dに示されたツール構成のさらなる別の態様を概略的に説明する図であり、発光デバイスは、ライトの2つ以上の分離したおよび個別のグループとして提供され、ライトの個々のグループの一方は、仮想現実空間におけるツール(ツールタイプ)の対応する固有のアイデンティティと関連付けられた固有の光パターンを提供するように選択的に作動可能であり、一方、ライトの他方のグループは、選択されたツールタイプの動作ステータス(ツールステータス)と関連付けられた固有の光パターンを提供するように選択的に作動可能である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本開示のすべての態様ではなく一部が示されている添付図面を参照して、本開示がより完全に以下で説明される。実際には、本開示は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載された態様に限定されるように解釈されるべきでなく;むしろ、これらの態様は、本開示が適用可能な法的要件を満たすように提供される。同様の数字が、全体を通して同様の要素を参照する。
【0013】
本開示の態様は、一般に、
図1Aに要素100として概略的に示された仮想現実システムを対象とする。そのような仮想現実システム100は、仮想現実シーン400におけるオブジェクト、プロップなど300を追跡する1つの方法として放射光を検出するように構成された光学検出構成200を少なくとも含む。そのような光学検出構成200は、移動可能な/移動しているオブジェクト、プロップなど300を追跡するのに特に適し得る。オブジェクト/プロップ300から放射され、光学検出構成200によって検出された光は、続いて、検出された光を解釈し、検出された光を仮想現実シーン400におけるオブジェクト、プロップなど300と関連付けるように構成されたコンピュータデバイス500に送信されるかまたはさもなければ導かれる。このようにして、オブジェクト、プロップなど300は、仮想シーンまたは空間における固有のアイデンティティと相関され得る。例えば、光学的に追跡されるオブジェクト、プロップなど300によって放射され、光学検出構成200によって検出された光は、コンピュータデバイス500によって、固有のアイデンティティ、またはツールタイプ、例えば、フラッシュライト、燃えているトーチなど、または仮想シーンもしくは空間内で想定されるオブジェクト、プロップ、もしくはツールのどんなものとも解釈され得る。
【0014】
いくつかの態様では、放射光は、コンピュータデバイス500によって、固有のアイデンティティの他の態様を有するとして解釈され得る。例えば、ツールタイプに加えて、放射光は、光学的に追跡されるオブジェクト、プロップ、またはツールの動作状態またはツールステータスを示すことができる。例えば、オブジェクト、プロップ、またはツールが、仮想シーンまたは空間(例えば、
図1Aを見よ)におけるフラッシュライト(固有のアイデンティティ/ツールタイプ、例えば、要素250を見よ)であると識別される場合、放射光は、コンピュータデバイス500によって、フラッシュライトが、例えば、
図1Aおよび
図1Bに示されるように「オフ」状態(例えば、光を放射していない)にあるか、または、例えば、
図1Cおよび
図1D(固有のアイデンティティ/ツールステータス)に示されるように「オン」状態(例えば、光を放射している)にあるとさらに解釈され得る。
【0015】
特定の態様では、固有のアイデンティティは、光学的に追跡されるオブジェクト、プロップなど300からの特定の光パターンで放射される光と関連付けられ得る。特定の光パターンは、例えば、複数の発光デバイス600のアレイまたは他の構成によって生成され得る。発光デバイス600は、例えば、発光ダイオード(LED)、白熱灯、または任意の他の適切な発光素子を含むことができる。発光デバイス600によって放射される光は、光学検出構成200によって検出され得る可視スペクトル、赤外線スペクトル、または任意の他のスペクトルの光とすることができる。電力は、ツール300に係合された電源(図示せず)によって、必要に応じて、発光デバイス600に提供され得る。例えば、電源は、好ましくは再充電可能であるか、または、使い捨ての場合、ツール300に対して容易に取り替えられるバッテリ、スーパーキャパシタ、または任意の他の好適な電源とすることができる。
【0016】
本開示の1つの特定の態様では、複数の発光デバイス600が係合されたツール(すなわち、オブジェクト、プロップなど)300は、発光デバイス600が、光学検出構成200によって検出可能な複数の光パターン間で選択的にユーザ作動可能であるように構成され得る。光パターンは、以前に開示されたように、光学検出構成200によって検出されるとき、ツール300の対応する複数の固有のアイデンティティを提供する。したがって、ツール300は、ツール300に動作可能に係合された発光デバイス600に動作可能に係合されたスイッチングデバイス350(例えば、
図1B、
図1C、
図2A、
図2B、
図3A、および
図3Bを見よ)をさらに備えることができる。スイッチングデバイス350は、例えば、ツール300に直接装着されてもよい。他の事例では、スイッチングデバイス350は、ユーザに装着され、有線でツール300に接続されてもよい。しかしながら、当業者は、スイッチングデバイス350が異なる方法で実装されてもよいことを理解するであろう。例えば、スイッチングデバイス350は、ツール300に含まれるタッチセンシティブ要素として具現化されてもよく、ユーザによるツール300のグリップの変更は、発光デバイス600をある光パターンから別のパターンに切り替えるときにタッチセンシティブ要素によって検出され得る。任意の事例において、このようにして、スイッチングデバイス350のユーザ作動は、ユーザが、ツール300の固有のアイデンティティを変更するために異なる光パターン間で発光デバイス600を選択的に作動させることを可能にする。いくつかの態様では、スイッチングデバイス350は、2値の動作(すなわち、発光デバイス600を「オフ」状態と「オン」状態との間で作動させるために第1の位置と第2の位置との間で切替え可能な)のために構成され得るけれども、他の事例では、例えば、
図2A、
図2B、
図3A、および
図3Bに示されるように、スイッチングデバイス350は、2つを超える位置を有するスイッチを備えることができる(すなわち、2つ以上の光パターンに対して、「オフ」状態と「オン」状態との間で発光デバイス600を切り替えるために)。
【0017】
いくつかの態様では、発光デバイス600は、そのようなデバイスのアレイまたは単一のグループ700に配置される(例えば、
図2Aおよび
図2Bを見よ)。そのような事例では、アレイまたは単一のグループ700の発光デバイス600のうちの1つ以上は、ツール300の固有のアイデンティティと関連付けられた複数の光パターンを提供するために、選択的にユーザ作動可能である(例えば、スイッチングデバイス350によって)。他の態様では、発光デバイス600は、そのような発光デバイスの分離したグループ(例えば、
図3Aおよび
図3Bの要素800A、800B)に配置される。そのような事例では、発光デバイス600を中に有する各グループ800A、800Bは、ツール300に係合され、発光デバイス600を有する各グループは固有のパターンに配置される。そのような構成では、分離したグループは、ツール300の固有のアイデンティティと関連付けられた光パターンを提供するために、選択的にユーザ作動可能である(例えば、スイッチングデバイス350によって)。
【0018】
別の態様では、例えば、
図4Aおよび
図4Bに示されるように、単一のツール300は、発光デバイス600の2つ以上の個別のグループまたはパターン900A、900Bを含むことができ、光学検出構成200によって検出される発光デバイス600の各グループまたはパターンは、ツール300の固有のアイデンティティに対応する。例えば、発光デバイスの2つのグループ900A、900Bが存在する場合、一方のグループ900Aは一次的な(primary)追跡されるオブジェクトパターンとして指定され得るが、他方のグループ900Bは二次的な追跡されるオブジェクトパターンとして指定され得る。光学検出構成200によって検出される一次的な追跡されるオブジェクトパターンは、ユーザによって運ばれるオブジェクトのタイプ(例えば、ツールタイプ)(例えば、フラッシュライト)を一意的に識別することができる。デフォルト位置の二次的な追跡されるオブジェクトパターンは、通常、電源が切られている。したがって、光学検出構成200は、一次的な追跡されるオブジェクトパターンのみを検出することになる。この状況において、図示された「オフ」位置のスイッチングデバイス350は、一次的なおよび二次的な追跡されるオブジェクトパターンの両方の電源が切られていることになる。スイッチングデバイス350を位置「1」に移動させると、一次的な追跡されるオブジェクトパターンに電源を入れることになり、光学検出構成200によって検出可能な発光デバイス600の第1のグループ900Aが提供されるが、二次的な追跡されるオブジェクトパターンは、電源が切られたままであることになる(例えば、二次的な追跡されるオブジェクトパターンに対してデフォルト状態)。したがって、光学検出構成200によって検出される一次的な追跡されるオブジェクトパターンは、ツールタイプ(例えば、フラッシュライト)を識別することになるが、ツールステータスも識別することができる(例えば、二次的な追跡されるオブジェクトパターンの検出の欠如は、識別されたツールタイプ(フラッシュライト)は電源が切られており、光を放射していないことを示す)。ユーザがスイッチングデバイス350を位置「2」に移動させると、二次的な追跡されるオブジェクトパターンは、電源を入れられ、光学検出構成200によって検出可能な発光デバイス600の第2のグループ900Bが提供され、二次的な追跡されるオブジェクトパターンが、一次的な追跡されるオブジェクトパターンに添えられるかまたは隣接する。光学検出構成200が、現在電源を入れられた二次的な追跡されるオブジェクトパターンを検出すると、当業者によって理解されるように、発光デバイス600の第2のグループ900Bによって提供される固有の識別子は、ツール300の他の多くの態様を示すために使用され得る。例えば、発光デバイス600の第2のグループ900Bは、ツールの状態(例えば、ツールステータス)を一意的に識別することができ、それは、この例では、二次的な追跡されるオブジェクトパターンが一次的な追跡されるオブジェクトパターンに添えられるかまたは隣接しているとして検出されるとき、仮想フラッシュライトは電源が入れられていることを示すことになる(発光デバイス600の第2のグループ900Bの検出の欠如が、フラッシュライトは電源が切られていることを示すこととは対照的に)。
【0019】
ツール300のそれぞれの固有のアイデンティティを示すために様々な検出光パターンを使用する際の、光学検出構成200と発光デバイス600との間の構成および相互作用は、WiFi、Bluetooth送信機、または任意の他の無線データ送信システムの必要性を取り除くことによって、スイッチングデバイス350と関連付けられる追跡機能の複雑さを低減するという利点を提供することができることを当業者は理解するであろう。加えて、そのような無線送信装置がないことは、例えば、発光デバイス600として使用されるLEDライトと比較して、ツール300に電力を供給するために必要とされる電力消費量要件を低減する。また、本明細書で開示される構成を実装することによって、単一の代表的な物理的ツール300(オブジェクト、プロップなど)が使用されて、発光デバイス600によって提供され得る光パターンの数に従って仮想状態で任意の数の仮想ツールを表すことができる。その上、本明細書で提供される本開示の開示された構成および態様は、当業者によって理解されるであろうように、物理的現実空間を仮想現実空間に関係付ける多くの異なるシナリオに適用可能である。例えば、いくつかの態様では、オブジェクト、プロップなどは、ユーザ自身を含むことができ、発光デバイスおよび関連付けられるスイッチングデバイスは、ユーザと物理的に関連付けられ得、今度は、物理的現実空間にいるユーザによるスイッチングデバイスの切替えは、仮想空間にいるユーザのアイデンティティを変更することができる。
【0020】
したがって、本開示の態様は、有利には、ツールと、ツールと係合され、各々が固有のアイデンティティと関連付けられた複数の光パターン間で選択的にユーザ作動可能である複数の発光デバイスとを備える、仮想現実システムで使用するためのデバイスおよび関連する仮想現実システムを提供する。光パターンは、光学検出構成によって検出されるように適合され、光学検出構成によって検出されたとき、ツールと関連付けられた対応する複数の固有のアイデンティティを提供する。スイッチングデバイスは、発光デバイスと動作可能に係合され、ツールの固有のアイデンティティを変更するために光パターン間で発光デバイスを選択的に作動させるようにユーザ作動可能であり得、ツールの固有のアイデンティティは、ツールタイプまたはツールステータスを含む。
【0021】
ツールに組み込まれるスイッチングデバイスは、例えば、異なるパターンの発光デバイス(例えば、LED)間の電気的接続を切り替えることができる機械的なボタンもしくはスイッチ、または任意の他の好適なスイッチングデバイスとすることができる。それゆえ、ツール/プロップがフラッシュライトである例では、ユーザは、仮想環境において、ツール/プロップ中に組み込まれたスイッチを作動させることによってフラッシュライトをオンおよびオフにすることができる。それに応じて、スイッチ自体の物理的な移動を検出しようとする代わりに、光学検出構成は、スイッチの移動と関連付けられた光パターンの変更を検出することになる。したがって、仮想現実システムおよびそこで使用するためのデバイスの態様は、発光デバイスの1つ以上のグループを実装する物理的オブジェクトを提供し、発光デバイスの1つ以上のグループは、光学検出構成によって検出可能であり、無線通信送信機/受信機を必要とすることなく、仮想現実環境における固有のアイデンティティにそれぞれ関連付けられた異なる固有のパターン間で切替え可能であり、それゆえに、物理的環境におけるユーザおよびオブジェクトの追跡は、単純で効率的で柔軟な方法で仮想環境中に移され得る。
【0022】
前述の説明および関連する図面で提示された教示の利益を有する、本開示に関係する当業者には、本明細書に記載された本開示の多くの変形および他の態様が思い浮かぶであろう。したがって、本開示は、開示された特定の態様に限定されるものでないこと、および変形および他の態様は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されていることと理解される。本明細書において特定の用語が利用されているが、それらは、一般的および説明的な意味でのみ使用されており、限定の目的のためではない。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理的設備内で使用されるツールと、
ツールと係合された複数の発光デバイスであって、発光デバイスが複数の光パターン間で選択的にユーザ作動可能である、複数の発光デバイスと、
物理的設備のまわりに配列された光学検出構成であって、光学検出構成が発光デバイスによって放射された光パターンを検出し、仮想シーンまたは仮想空間内で各光パターンをツールの固有のアイデンティティと関連付けるように構成され、仮想シーンまたは仮想空間内のツールが、発光デバイスによって放射された光パターンと関連付けられた複数の固有のアイデンティティを有する、光学検出構成と、
物理的設備内で使用され、光学検出構成と通信するように構成されたディスプレイであって、物理的設備において光学検出構成によって検出された光パターンに対応する固有のアイデンティティを有するツールの仮想画像を、仮想シーンまたは仮想空間内で、表示するように構成されたディスプレイと
を備える、仮想現実システム。
【請求項2】
発光デバイスと動作可能に係合されたスイッチングデバイスを備え、スイッチングデバイスが、ツールの固有のアイデンティティを変更するために光パターン間で発光デバイスを選択的に作動させるようにユーザ作動可能である、請求項1に記載の仮想現実システム。
【請求項3】
発光デバイスが発光ダイオードを含む、請求項1に記載の仮想現実システム。
【請求項4】
発光デバイスが、分離したグループに配置され、各グループが、固有のパターンでツールと係合された発光デバイスを有し、グループが、光パターンを提供するようにスイッチングデバイスにより選択的にユーザ作動可能である、請求項2に記載の仮想現実システム。
【請求項5】
発光デバイスが、アレイまたは単一のグループに配置され、アレイまたは単一のグループにおける発光デバイスのうちの1つ以上が、光パターンを提供するように選択的にユーザ作動可能である、請求項1に記載の仮想現実システム。
【請求項6】
ツールの固有のアイデンティティが、ツールタイプまたはツールステータスを含む、請求項1に記載の仮想現実システム。
【外国語明細書】