(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024105250
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】発毛促進のための方法
(51)【国際特許分類】
A61K 31/506 20060101AFI20240730BHJP
A61P 17/14 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
A61K31/506
A61P17/14
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024062464
(22)【出願日】2024-04-09
(62)【分割の表示】P 2020566605の分割
【原出願日】2019-05-30
(31)【優先権主張番号】62/730,831
(32)【優先日】2018-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/678,068
(32)【優先日】2018-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/678,129
(32)【優先日】2018-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516088662
【氏名又は名称】フォリカ,インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Follica, Inc.
【住所又は居所原語表記】501 Boylston Street, Boston, MA 02116, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン リー ビセット
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン ベンカット バラディワジ
(72)【発明者】
【氏名】デビッド パウル チャステイン
(72)【発明者】
【氏名】ケン ワシェニック
(57)【要約】 (修正有)
【課題】発毛を促進するための方法で使用するためのミノキシジル溶液を提供する。
【解決手段】脱毛に関連した状態を治療する方法において使用するための、ミノキシジル溶液であって、該方法が、(i)往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用いて、脱毛領域の皮膚を損傷させること;(ii)ステップ(i)の24~48時間または約24時間後に、2w/v%ミノキシジル溶液を該皮膚の該損傷した領域に1日2回、2日間にわたって局所的に塗布すること;(iii)ステップ(ii)に続いて、5w/v%ミノキシジル溶液を該皮膚の該損傷した領域に1日2回、4、11または25日間にわたって局所的に塗布すること;および(iv)ステップ(iii)に続いて、ステップ(i)~(iii)を繰り返すこと、を含み、ミノキシジル溶液の局所塗布は、ステップ(i)の日には行わない、前記ミノキシジル溶液。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱毛のある皮膚領域で発毛を刺激する方法であって、
(i)ニードルアレイと、該ニードルアレイ内の往復針を駆動するモータと、を有する
ニードリング装置を用いて、脱毛領域の皮膚を損傷させること;
(ii)ステップ(i)の約24時間後に、2%ミノキシジル溶液を該皮膚の該損傷した領
域に1日2回、2日間にわたって局所的に塗布すること;
(iii)ステップ(ii)に続いて、5%ミノキシジル溶液を該皮膚の該損傷した領域
に1日2回、4日間にわたって局所的に塗布すること;および
(iv)ステップ(iii)に続いて、ステップ(i)~(iii)を繰り返こと、を
含み、該ミノキシジルの局所塗布は、ステップ(i)の日には行わない、前記方法。
【請求項2】
脱毛のある皮膚領域で発毛を刺激する方法であって、
(i)ニードルアレイと、該ニードルアレイ内の往復針を駆動するモータと、を有する
ニードリング装置を用いて、脱毛領域の皮膚を損傷させること;
(ii)ステップ(i)の約24時間後に、2%ミノキシジル溶液を該皮膚の該損傷した領
域に1日2回、2日間にわたって局所的に塗布すること;
(iii)ステップ(ii)に続いて、5%ミノキシジル溶液を該皮膚の該損傷した領域
に1日2回、11日間にわたって局所的に塗布すること;および
(iv)ステップ(iii)に続いて、ステップ(i)~(iii)を繰り返こと、を
含み、該ミノキシジルの局所塗布は、ステップ(i)の日には行わない、前記方法。
【請求項3】
脱毛のある皮膚領域で発毛を刺激する方法であって、
(i)ニードルアレイと、該ニードルアレイ内の往復針を駆動するモータと、を有する
ニードリング装置を用いて、脱毛領域の皮膚を損傷させること;
(ii)ステップ(i)の約24時間後に、2%ミノキシジル溶液を該皮膚の該損傷した領
域に1日2回、2日間にわたって局所的に塗布すること;
(iii)ステップ(ii)に続いて、5%ミノキシジル溶液を該皮膚の該損傷した領域
に1日2回、25日間にわたって局所的に塗布すること;および
(iv)ステップ(iii)に続いて、ステップ(i)~(iii)を繰り返こと、を
含み、該ミノキシジルの局所塗布は、ステップ(i)の日には行わない、前記方法。
【請求項4】
ステップ(ii)のミノキシジル溶液が、約12時間ごとに局所的に塗布される、請求項
1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
ステップ(iii)のミノキシジル溶液が、約12時間ごとに局所的に塗布される、請求項
1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
ステップ(iii)のミノキシジル溶液が、約12時間ごとに局所的に塗布される、請求項
1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
ステップ(iv)が、ステップ(i)~(iii)を少なくとも3回繰り返すことを含
む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
ステップ(iv)が、ステップ(i)~(iii)を少なくとも6回繰り返すことを含
む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
ステップ(iv)が、ステップ(i)~(iii)を少なくとも12回繰り返すことを含
む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
ステップ(iv)が、ステップ(i)~(iii)を少なくとも18回繰り返すことを含
む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
ステップ(iv)が、ステップ(i)~(iii)を少なくとも24回繰り返すことを含
む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
ステップ(iv)が、ステップ(iii)の12~24時間後にステップ(i)を繰り返す
ことを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
ステップ(iv)が、ステップ(iii)の約24時間後にステップ(i)を繰り返すこ
とを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記ニードリング装置の前記往復針が、マイクロニードルである、請求項1~13のい
ずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記皮膚が、前記ニードリング装置を用いて、1cm2あたり約1400~1800本のニード
ルストライクのニードルストライク密度を適用することにより損傷される、請求項1~1
4のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記ストライク密度が、1cm2あたり約1600本のニードルストライクである、請
求項15に記載の方法。
【請求項17】
ステップ(ii)および/またはステップ(iii)が、鎮痛剤の溶液を前記皮膚の前記損
傷した領域に塗布することをさらに含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
ステップ(ii)および/またはステップ(iii)が、ステロイド溶液を前記皮膚の前記
損傷した領域に塗布することをさらに含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法
。
【請求項19】
ステップ(ii)および/またはステップ(iii)が、抗菌性溶液を前記皮膚の前記損傷
した領域に塗布することをさらに含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
ステップ(i)の後、ステップ(ii)の前に創傷治癒をチェックするステップをさら
に含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
創傷治癒の確認が、ステップ(ii)に進む前に必要とされる、請求項20に記載の方法
。
【請求項22】
前記皮膚が、前記ニードリング装置を用いて、約500~1000μMの皮膚深さまで損傷され
る、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記皮膚深さが、約800μMである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記ニードリング装置の前記往復針が、0.8mmの深さに設定されている、請求項1~
23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記ニードリング装置の前記往復針が、120Hzの往復周波数を有する、請求項1~2
4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記ニードリング装置を使用して損傷された前記皮膚が、前記脱毛領域のリーディング
エッジを越えて少なくとも2cmの皮膚領域を含む、請求項1~25のいずれか一項に記
載の方法。
【請求項27】
前記ニードルアレイの角度方向が、前記皮膚領域上の前記ニードリング装置の移動方向
に対して垂直である、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記ニードリング装置が、2cm/秒の速度で前記脱毛領域上を通る、請求項1~27
のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記ニードリング装置が、各パスが重複または隙間なく前のパスに連続するように、前
記脱毛領域上を通る、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記ニードリング装置が、第1の方向に平行な第1の一連のパスと、該第1の方向とは異
なる第2の方向に平行な第2の一連のパスとで、前記脱毛領域上を通る、請求項1~29の
いずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記第1の方向が、前記第2の方向に対して垂直である、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記ニードリング装置の前記針が、複数の針列のアレイを形成し、該各針列が、複数の
針を有し、前記第1の方向に平行に延びており、前記ニードリング装置が、前記第1の方向
と直交する第2の方向に、前記無毛領域上を通る、請求項1~31のいずれか一項に記載
の方法。
【請求項33】
血流中の前記ミノキシジルのレベルが、1~4ng/mLの範囲である、請求項1~32
のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
血流中の前記ミノキシジルのレベルが、約1.1ng/mLである、請求項33に記載の
方法。
【請求項35】
血流中の前記ミノキシジルのレベルが、2ng/mL未満である、請求項1~32のい
ずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記方法が、脱毛に関連した状態を治療するために使用される、請求項1~35のいず
れか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記状態が、男性型脱毛症、女性型脱毛症、アンドロゲン性脱毛症(AGA)、原発性瘢
痕性脱毛症(PCA)、および扁平苔癬(LPP)から選択される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
脱毛領域で発毛を刺激する方法であって、
(i)往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用いて、1cm2あたり約1
400~1800本のニードルストライクのニードルストライク密度を適用することにより、脱
毛領域の皮膚を損傷させること;
(ii)ステップ(i)の約24時間後に、ミノキシジル溶液を該皮膚の該損傷した領域
に1日2回、6日間にわたって局所的に塗布すること;
(iii)ステップ(i)-(ii)を繰り返すこと、
を含む、前記方法。
【請求項39】
脱毛領域で発毛を刺激する方法であって、
(i)往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用いて、1cm2あたり約1
400~1800本のニードルストライクのニードルストライク密度を適用することにより、脱
毛領域の皮膚を損傷させること;
(ii)ステップ(i)の24~36時間後に、ミノキシジル溶液を該皮膚の該損傷した領
域に1日2回、6日間にわたって局所的に塗布すること;
(iii)ステップ(i)-(ii)を繰り返すこと、
を含む、前記方法。
【請求項40】
脱毛領域で発毛を刺激する方法であって、
(i)往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用いて、1cm2あたり約1
400~1800本のニードルストライクのニードルストライク密度を適用することにより、脱
毛領域の皮膚を損傷させること;
(ii)ステップ(i)の24~36時間後に、ミノキシジル溶液を該皮膚の該損傷した部
分に1日2回、6日間、局所的に塗布すること;
(iii)ステップ(i)-(ii)を繰り返すこと、
を含む、前記方法。
【請求項41】
脱毛領域で発毛を刺激する方法であって、
(i)往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用いて、1cm2あたり約140
0~1800本のニードルストライクのニードルストライク密度を適用することにより、脱毛
領域の皮膚を損傷させること;
(ii)ステップ(i)の約24時間後に、ミノキシジル溶液を該皮膚の該損傷した領域
に1日2回、13日間にわたって局所的に塗布すること;
(iii)ステップ(i)-(ii)を繰り返すこと、
を含む、前記方法。
【請求項42】
脱毛領域で発毛を刺激する方法であって、
(i)往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用いて、1cm2あたり約1
400~1800本のニードルストライクのニードルストライク密度を適用することにより、脱
毛領域の皮膚を損傷させること;
(ii)ステップ(i)の24~36時間後に、ミノキシジル溶液を該皮膚の該損傷した部
分に1日2回、13日間局所的に塗布すること;
(iii)ステップ(i)-(ii)を繰り返すこと、
を含む、前記方法。
【請求項43】
脱毛領域に発毛を刺激する方法であって、
(i)往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用いて、1cm2あたり約1
400~1800本のニードルストライクのニードルストライク密度を適用することにより、脱
毛領域の皮膚を損傷させること;
(ii)ステップ(i)の24~48時間後に、ミノキシジル溶液を該皮膚の該損傷した部
分に1日2回、13日間局所的に塗布すること;
(iii)ステップ(i)-(ii)を繰り返すこと、
を含む、前記方法。
【請求項44】
脱毛領域に発毛を刺激する方法であって、
(i)往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用いて、1cm2あたり約1
400~1800本のニードルストライクのニードルストライク密度を適用することにより、脱
毛領域の皮膚を損傷させること;
(ii)ステップ(i)の約24時間後に、ミノキシジル溶液を該皮膚の該損傷した領域
に1日2回、27日間にわたって局所的に塗布すること;
(iii)ステップ(i)-(ii)を繰り返すこと、
を含む、前記方法。
【請求項45】
脱毛領域に発毛を刺激する方法であって、
(i)往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用いて、1cm2あたり約1
400~1800本のニードルストライクのニードルストライク密度を適用することにより、脱
毛領域の皮膚を損傷させること;
(ii)ステップ(i)の24~36時間後に、ミノキシジル溶液を該皮膚の該損傷した部
分に1日2回、27日間局所的に塗布すること;
(iii)ステップ(i)-(ii)を繰り返すこと、
を含む、前記方法。
【請求項46】
脱毛領域に発毛を刺激する方法であって、
(i)往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用いて、1cm2あたり約140
0~1800本のニードルストライクのニードルストライク密度を適用することにより、脱毛
領域の皮膚を損傷させること;
(ii)ステップ(i)の24~48時間後に、ミノキシジル溶液を該皮膚の該損傷した部
分に1日2回、27日間局所的に塗布すること;
(iii)ステップ(i)-(ii)を繰り返すこと、
を含む、前記方法。
【請求項47】
前記ニードルストライク密度が、1cm2あたり約1600本のニードルストライクである
、請求項38~46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
ステップ(ii)のミノキシジル溶液が、約12時間ごとに局所的に塗布される、請求項
38~47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
ステップ(ii)のミノキシジル溶液が、5%ミノキシジル溶液である、請求項38~
48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
ステップ(ii)のミノキシジル溶液が、以下のように前記皮膚の前記損傷した領域に
局所的に塗布される、請求項38~40、請求項47および請求項48のいずれか一項に
記載の方法:
(a) 2%ミノキシジルを1日2回、2日間;および
(b) 5%ミノキシジルを1日2回、4日間。
【請求項51】
ステップ(ii)のミノキシジル溶液が、以下のように前記皮膚の前記損傷した領域に
局所的に塗布される、請求項41~43、請求項47および請求項48のいずれか一項に
記載の方法:
(a) 2%ミノキシジルを1日2回、2日間;および
(b) 5%ミノキシジルを1日2回、11日間。
【請求項53】
ステップ(ii)のミノキシジル溶液が、以下のように前記皮膚の前記損傷した領域に
局所的に塗布される、請求項44~48のいずれか一項に記載の方法:
(a) 2%ミノキシジルを1日2回、2日間;および
(b) 5%ミノキシジルを1日2回、25日間。
【請求項54】
ステップ(iii)が、ステップ(i)~(ii)を少なくとも3回繰り返すことを含
む、請求項38~53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
ステップ(iii)が、ステップ(i)~(ii)を少なくとも6回繰り返すことを含
む、請求項38~53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
ステップ(iii)が、ステップ(i)~(ii)を少なくとも12回繰り返すことを含
む、請求項38~53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
ステップ(iii)が、ステップ(i)~(ii)を少なくとも18回繰り返すことを含
む、請求項38~53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
ステップ(iii)が、ステップ(i)~(ii)を少なくとも24回繰り返すことを含
む、請求項38~53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
ステップ(iii)が、ステップ(ii)の12~24時間後にステップ(i)を繰り返す
ことを含む、請求項38~53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
ステップ(iii)が、ステップ(ii)の約24時間後にステップ(i)を繰り返すこ
とを含む、請求項38~53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
前記ニードリング装置の前記往復針が、マイクロニードルである、請求項38~60の
いずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
ステップ(ii)が、鎮痛剤の溶液を前記皮膚の前記損傷した領域に塗布することをさら
に含む、請求項38~61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
ステップ(ii)が、ステロイド溶液を前記皮膚の前記損傷した領域に塗布することをさ
らに含む、請求項38~62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
ステップ(ii)が、抗菌性溶液を前記皮膚の前記損傷した領域に塗布することをさらに
含む、請求項38~63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
ステップ(i)の後、ステップ(ii)の前に創傷治癒をチェックするステップをさら
に含む、請求項38~66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
創傷治癒の確認が、ステップ(ii)に進む前に必要とされる、請求項65に記載の方法
。
【請求項67】
前記皮膚が、前記ニードリング装置を用いて、約500~1000μMの皮膚深さまで損傷され
る、請求項38~66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
前記皮膚深さが、約800μMである、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記ニードリング装置の前記往復針が、0.8mmの深さに設定されている、請求項38
~68のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
前記ニードリング装置の前記往復針が、120Hzの往復周波数を有する、請求項38~
69のいずれか一項に記載の方法。
【請求項71】
前記ニードリング装置を使用して損傷された前記皮膚が、前記脱毛領域のリーディング
エッジを越えて少なくとも2cmの皮膚領域を含む、請求項38~70のいずれか一項に
記載の方法。
【請求項72】
前記ニードルアレイの角度方向が、前記皮膚領域上の前記ニードリング装置の移動方向
に対して垂直である、請求項38~71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項73】
前記ニードリング装置が、2cm/秒の速度で前記脱毛領域上を通る、請求項38~7
2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項74】
前記ニードリング装置が、各パスが重複または隙間なく前のパスに連続するように、前
記脱毛領域上を通る、請求項38~73のいずれか一項に記載の方法。
【請求項75】
前記ニードリング装置が、第1の方向に平行な第1の一連のパスと、該第1の方向とは異
なる第2の方向に平行な第2の一連のパスとで、前記脱毛領域上を通る、請求項38~74
のいずれか一項に記載の方法。
【請求項76】
前記第1の方向が、前記第2の方向に対して垂直である、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記ニードリング装置の前記針が、複数の針列のアレイを形成し、該各針列が、複数の
針を有し、前記第1の方向に平行に延びており、前記ニードリング装置が、前記第1の方向
と直交する第2の方向に、前記無毛領域上を通る、請求項38~76のいずれか一項に記
載の方法。
【請求項78】
血流中の前記ミノキシジルのレベルが、1~4ng/mLの範囲である、請求項38~7
7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項79】
血流中の前記ミノキシジルのレベルが、約1.1ng/mLである、請求項78に記載の
方法。
【請求項80】
血流中の前記ミノキシジルのレベルが、2ng/mL未満である、請求項38~77の
いずれか一項に記載の方法。
【請求項81】
前記方法が、脱毛に関連した状態を治療するために使用される、請求項38~80のい
ずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
前記状態が、男性型脱毛症、女性型脱毛症、アンドロゲン性脱毛症(AGA)、原発性瘢
痕性脱毛症(PCA)、および扁平苔癬(LPP)から選択される、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
脱毛領域に発毛を刺激する方法において使用するための、2%ミノキシジル溶液および5%
ミノキシジル溶液であって、該方法が、
(i)往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用いて、脱毛領域の皮膚を
損傷させること;
(ii)ステップ(i)の24~48時間後に、2%ミノキシジル溶液を該皮膚の該損傷した
部分に1日2回、2日間にわたって局所的に塗布すること;
(iii)ステップ(ii)に続いて、5%ミノキシジル溶液を該皮膚の該損傷した領域
に1日2回、4日間にわたって局所的に塗布すること;および
(iv)ステップ(iii)に続いて、ステップ(i)~(iii)を繰り返すこと、
を実行することを含み、ミノキシジル溶液の局所塗布は、ステップ(i)の日には行わな
い、前記2%ミノキシジル溶液および5%ミノキシジル溶液。
【請求項84】
脱毛領域に発毛を刺激する方法において使用するための、2%ミノキシジル溶液および5%
ミノキシジル溶液であって、該方法は、
(i)往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用いて、脱毛領域の皮膚を
損傷させること;
(ii)ステップ(i)の約24時間後に、2%ミノキシジル溶液を該皮膚の該損傷した領
域に1日2回、2日間にわたって局所的に塗布すること;
(iii)ステップ(ii)に続いて、5%ミノキシジル溶液を該皮膚の該損傷した領域
に1日2回、4日間にわたって局所的に塗布すること;および
(iv)ステップ(iii)に続いて、ステップ(i)~(iii)を繰り返すこと、
を実行することを含み、ミノキシジル溶液の局所塗布は、ステップ(i)の日には行わな
い、前記2%ミノキシジル溶液および5%ミノキシジル溶液。
【請求項85】
脱毛領域に発毛を刺激する方法において使用するための、2%ミノキシジル溶液および5%
ミノキシジル溶液であって、該方法は、
(i)往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用いて、脱毛領域の皮膚を
損傷させること;
(ii)ステップ(i)の24~48時間後に、2%ミノキシジル溶液を該皮膚の該損傷した
部分に1日2回、2日間にわたって局所的に塗布すること;
(iii)ステップ(ii)に続いて、5%ミノキシジル溶液を該皮膚の該損傷した領域
に1日2回、11日間にわたって局所的に塗布すること;および
(iv)ステップ(iii)に続いて、ステップ(i)~(iii)を繰り返すこと、
を実行することを含み、ミノキシジル溶液の局所塗布は、ステップ(i)の日には行わな
い、前記2%ミノキシジル溶液および5%ミノキシジル溶液。
【請求項86】
脱毛領域に発毛を刺激する方法において使用するための、2%ミノキシジル溶液および5%
ミノキシジル溶液であって、該方法は、
(i)往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用いて、脱毛領域の皮膚を
損傷させること;
(ii)ステップ(i)の約24時間後に、2%ミノキシジル溶液を該皮膚の該損傷した領
域に1日2回、2日間にわたって局所的に塗布すること;
(iii)ステップ(ii)に続いて、5%ミノキシジル溶液を該皮膚の該損傷した領域
に1日2回、11日間にわたって局所的に塗布すること;および
(iv)ステップ(iii)に続いて、ステップ(i)~(iii)を繰り返すこと、
を実行することを含み、ミノキシジル溶液の局所塗布は、ステップ(i)の日には行わな
い、前記2%ミノキシジル溶液および5%ミノキシジル溶液。
【請求項87】
脱毛領域に発毛を刺激する方法において使用するための、2%ミノキシジル溶液および5%
ミノキシジル溶液であって、該方法は、
(i)往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用いて、脱毛領域の皮膚を
損傷させること;
(ii)ステップ(i)の24~48時間後に、2%ミノキシジル溶液を該皮膚の該損傷した
部分に1日2回、2日間にわたって局所的に塗布すること;
(iii)ステップ(ii)に続いて、5%ミノキシジル溶液を該皮膚の該損傷した領域
に1日2回、25日間にわたって局所的に塗布すること;および
(iv)ステップ(iii)に続いて、ステップ(i)~(iii)を繰り返すこと、
を実行することを含み、ミノキシジル溶液の局所塗布は、ステップ(i)の日には行わな
い、前記2%ミノキシジル溶液および5%ミノキシジル溶液。
【請求項88】
脱毛領域に発毛を刺激する方法において使用するための、2%ミノキシジル溶液および5%
ミノキシジル溶液であって、該方法は、
(i)往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用いて、脱毛領域の皮膚を
損傷させること;
(ii)ステップ(i)の約24時間後に、2%ミノキシジル溶液を該皮膚の該損傷した領
域に1日2回、2日間にわたって局所的に塗布すること;
(iii)ステップ(ii)に続いて、5%ミノキシジル溶液を該皮膚の該損傷した領域
に1日2回、25日間にわたって局所的に塗布すること;および
(iv)ステップ(iii)に続いて、ステップ(i)~(iii)を繰り返すこと、
を実行することを含み、ミノキシジル溶液の局所塗布は、ステップ(i)の日には行わな
い、前記2%ミノキシジル溶液および5%ミノキシジル溶液。
【請求項89】
ステップ(i)の後、ステップ(ii)の前に、創傷治癒をチェックするステップをさ
らに含み、創傷治癒の確認が、ステップ(ii)に進む前に必要とされる、請求項83~
88のいずれか一項に記載の方法。
【請求項90】
ステップ(ii)および/または(iii)の該ミノキシジル溶液が、約12時間ごとに局所
的に塗布される、請求項83~89のいずれか一項に記載の方法。
【請求項91】
ステップ(iv)が、ステップ(i)~(iii)を少なくとも3回繰り返すことを含
む、請求項83~90のいずれか一項に記載の方法。
【請求項92】
ステップ(iv)が、ステップ(i)~(iii)を少なくとも6回繰り返すことを含
む、請求項83~90のいずれか一項に記載の方法。
【請求項93】
ステップ(iv)が、ステップ(i)~(iii)を少なくとも12回繰り返すことを含
む、請求項83~90のいずれか一項に記載の方法。
【請求項94】
ステップ(iv)が、ステップ(i)~(iii)を少なくとも18回繰り返すことを含
む、請求項83~90のいずれか一項に記載の方法。
【請求項95】
ステップ(iv)が、ステップ(i)~(iii)を少なくとも24回繰り返すことを含
む、請求項83~90のいずれか一項に記載の方法。
【請求項96】
脱毛領域に発毛を刺激する方法において使用するための、ミノキシジル溶液であって、
該方法は、
(i)往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用いて、1cm2あたり約1
400~1800本のニードルストライクのニードルストライク密度を適用することにより、脱
毛領域の皮膚を損傷させること;
(ii)ステップ(i)の24~48時間後に、ミノキシジル溶液を該皮膚の該損傷した部
分に1日2回、6日間にわたって局所的に塗布すること;
(iii)ステップ(i)-(ii)を繰り返すこと、
を含む、前記ミノキシジル溶液。
【請求項97】
脱毛領域に発毛を刺激する方法において使用するための、ミノキシジル溶液であって、
該方法は、
(i)往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用いて、1cm2あたり約1
400~1800本のニードルストライクのニードルストライク密度を適用することにより、脱
毛領域の皮膚を損傷させること;
(ii)ステップ(i)の約24時間後に、ミノキシジル溶液を該皮膚の該損傷した領域
に1日2回、6日間にわたって局所的に塗布すること;
(iii)ステップ(i)-(ii)を繰り返すこと、
を含む、前記ミノキシジル溶液。
【請求項98】
脱毛領域に発毛を刺激する方法において使用するための、ミノキシジル溶液であって、
該方法は、
(i)往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用いて、1cm2あたり約1
400~1800本のニードルストライクのニードルストライク密度を適用することにより、脱
毛領域の皮膚を損傷させること;
(ii)ステップ(i)の24~48時間後に、ミノキシジル溶液を該皮膚の該損傷した部
分に1日2回、13日間にわたって局所的に塗布すること;
(iii)ステップ(i)-(ii)を繰り返すこと、
を含む、前記ミノキシジル溶液。
【請求項99】
脱毛領域に発毛を刺激する方法において使用するための、ミノキシジル溶液であって、
該方法は、
(i)往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用いて、1cm2あたり約1
400~1800本のニードルストライクのニードルストライク密度を適用することにより、脱
毛領域の皮膚を損傷させること;
(ii)ステップ(i)の約24時間後に、ミノキシジル溶液を該皮膚の該損傷した領域
に1日2回、13日間にわたって局所的に塗布すること;
(iii)ステップ(i)-(ii)を繰り返すこと、
を含む、前記ミノキシジル溶液。
【請求項100】
脱毛領域に発毛を刺激する方法において使用するための、ミノキシジル溶液であって、
該方法は、
(i)往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用いて、1cm2あたり約1
400~1800本のニードルストライクのニードルストライク密度を適用することにより、脱
毛領域の皮膚を損傷させること;
(ii)ステップ(i)の24~48時間後に、ミノキシジル溶液を該皮膚の該損傷した部
分に1日2回、27日間にわたって局所的に塗布すること;
(iii)ステップ(i)-(ii)を繰り返すこと、
を含む、前記ミノキシジル溶液。
【請求項101】
脱毛領域に発毛を刺激する方法において使用するための、ミノキシジル溶液であって、
該方法は、
(i)往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用いて、1cm2あたり約1
400~1800本のニードルストライクのニードルストライク密度を適用することにより、脱
毛領域の皮膚を損傷させること;
(ii)ステップ(i)の約24時間後に、ミノキシジル溶液を該皮膚の該損傷した領域
に1日2回、27日間にわたって局所的に塗布すること;
(iii)ステップ(i)-(ii)を繰り返すこと、
を含む、前記ミノキシジル溶液。
【請求項102】
前記ニードルストライク密度が、1cm2あたり約1600本のニードルストライクである
、請求項96~101のいずれか一項に記載の方法。
【請求項103】
ステップ(i)の後、ステップ(ii)の前に、創傷治癒をチェックするステップをさ
らに含み、創傷治癒の確認が、ステップ(ii)に進む前に必要とされる、請求項96~
101のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(優先権)
本出願は、2018年5月30日に出願された米国仮出願第62/678,068号明細書、2018年5月30
日に出願された米国仮出願第62/678,129号明細書、および2018年9月13日に出願された米
国仮出願第62/730,831号明細書の優先権を主張するものであり、各特許出願は、引用によ
り本明細書中に完全に組み込まれている。
【0002】
(技術分野)
発毛を促進するための方法が一般的に記載されている。
【0003】
(背景技術)
現在のヒトの脱毛の治療には、既存の毛髪を刺激するか、または移植する化学的アプロ
ーチや外科的アプローチなど、限られた薬剤やレジメンを選択する必要がある。
【0004】
化学的治療は、特定のタイプの脱毛の治療のための薬剤の使用を含む。これらのタイプ
の治療を使用するだけでは、通常、脱毛の予防と、禿げが進行した後の頭皮に著しい硬毛
の成長を刺激することの両方において、十分な効果が得られない。これらの薬剤を使用す
るだけでは、禿げる前にあったような毛包が形成されず、結果として毛包が小さくなり、
頭皮の硬毛の密度が低くなる。
【0005】
脱毛を治療するためのより抜本的な方法としては、植毛術がある。これは、後頭部の
頭皮ストリップ、毛包または毛包単位(アンドロゲンによるアンドロゲン性脱毛症の誘発
に抵抗性のあるもの)を切除して、人の禿げや薄毛の領域に移植するものである。
【0006】
もう1つの外科手術方法として、頭皮の縮小手術がある。この手技では、頭皮の禿げた
領域の皮膚を外科的に切除し、周囲の皮膚(髪の毛と一緒に)を引っ張って縫合する。外
科的方法は、びまん性脱毛にはあまり効果がなく、女性にはあまり効果がない。さらに、
若い患者は、将来の脱毛のパターンおよび範囲が不定であるため、外科的方法の理想的な
候補者ではない。すべての患者にとって、植毛は、手術の侵襲性、回復時間、美容効果を
示す前に必要な時間の長さ、傷跡の生成、および費用のために、不都合である可能性があ
る。さらに、化粧品によるカバーは、患者の採皮部の毛髪の面積および本数によって制約
される。
【0007】
アンドロゲン性脱毛症(「AGA」)は、毛包が徐々に小型化し、短くて細い毛が生えて
くる進行性の疾患である。毳毛に対する非毳毛の比率は7:1から2:1以下に減少する。最終
的には、毛包は障害の進行段階で最終的に死ぬまで休眠状態になる。AGAは男女ともに発
症する遺伝的な疾患です(男性型脱毛や女性型脱毛とも呼ばれている)。女性では、この
疾患の組織学的特徴は男性と同じであるが、感受性、発症年齢、進行率、脱毛のパターン
は男女で異なります。AGAは、50歳までに男性の約50%、80歳までに女性の約50%が発症
する。一般的な男性型脱毛症(MPB)は、男性の脱毛の95%以上を占めている。35歳まで
にアメリカ人男性の3分の2がある程度の脱毛を経験し、50歳までには約85%の男性が著し
く薄毛になる。女性型脱毛症は、80歳までに約50%の女性が発症する。有病率は、20~29
歳の女性の約12%から、80歳以上の女性の50%以上まで、年齢とともに増加する(Gan an
d Sinclair 2005)。現在のところ、AGAの治療には投薬や既存の毛包の移植などが行われ
ている。現在使用可能な薬剤には、外用薬や経口薬などがあり、効果を持続させるために
は継続的な治療が必要である。
【0008】
原発性瘢痕性脱毛症(PCA)疾患は、現在、炎症性疾患として治療されている。リンパ
球性PCAの患者には、通常、抗炎症薬の経口注射、局所注射、または鼻腔内注射が処方さ
れる。経口剤としては、ヒドロキシクロロキン、ドキシサイクリン、マイコフェノレート
モフェチル、シクロスポリン、またはコルチコステロイドなどが挙げられ、外用剤として
は、コルチコステロイド、外用タクロリムス、または外用ピメクロリムスなどが挙げられ
、注射剤としては、トリアムシノロンアセトニドが用いられる。好中球性(好中球介在性
)PCAに対しては、培養後に抗菌薬が処方され、感受性に応じて適切な選択がなされる。
混合浸潤を伴う解離性蜂巣炎には、イソトレチノイン治療で対応する。これらの治療法は
どれも治癒力がなく、せいぜい症状が止まって臨床症状が解消される程度である。脱毛は
ゆっくりと続くことが多い。
【0009】
扁平苔癬(LPP)は、診断と治療が難しく、永久脱毛を引き起こす可能性がある原発性
瘢痕性の頭皮の脱毛症である。LPPの診断は、臨床所見、組織学的所見、皮膚鏡検査やト
リコスコピーによる評価などを考慮して行われる。患者には、しばしば、毛包周囲紅斑、
頭皮の圧痛、および鱗屑を伴う不規則な脱毛斑が発生する。これは、臨床検査で指摘され
た毛包性毛包の喪失を伴う頭皮の永久的な喪失に進行する可能性がある。患部は、炎症、
そう痒、潰瘍または萎縮している場合がある。
【0010】
LPPの病因は不明なままであるが、免疫特権の喪失がLPPの病因に重要な役割を果たして
いるという思想が調査されている。免疫特権は、自己免疫攻撃から、またはリンパ球浸潤
の大部分が中心となるヘアバルジ領域での抗原提示を抑制することによって保護すること
ができる。
【0011】
様々な医学療法や治療法が適応外で試みられてきたが、LPPはしばしば治療するのが困
難である。高活性外用コルチコステロイドまたは内分泌コルチコステロイドは、しばしば
第一選択治療法として使用され、これらの治療法を使用していくつかの改善が示されてい
る。しかしながら、このような治療法は再発率の高さと関連している。広範囲または急速
に進行した疾患の患者には、ヒドロキシクロロキンやテトラサイクリンなどの全身療法や
、ミオフェノレートモフェチルやシクロスポリンなどの全身性免疫抑制剤による治療が行
われることが多い。これらの治療法は、重大な副作用を伴う。
【0012】
脱毛の有効な治療選択肢が限られているため、本発明者らは、結果として目に見える毛
髪になる毛包新生をもたらすことを含む、脱毛のための新規で安全かつ効果的な治療法の
必要性を認識している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
(発明の概要)
本明細書に記載されているのは、発毛を促進する方法、および/または毛包の発達を促
進する方法、および/または毛包新生を促進する方法、および/または、例えば、外皮穿
刺を介して皮膚の患部を損傷させ、その後、医薬組成物、例えば、発毛剤を皮膚の損傷し
た患部に塗布することによって、被験体の皮膚の患部上で活性化を促進する方法である。
そのような方法は、例えば、男性型および女性型脱毛症の両方を含む禿げ、AGA、扁平苔
癬(LPP)、原発性瘢痕性脱毛症(PCA)を含む脱毛症、および脱毛に関連する他の疾患を
治療するために使用することができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、脱毛のある皮膚領域において発毛を刺激するための方法は、
皮膚を週単位で損傷させることを含む。1つの実施形態では、脱毛のある皮膚領域で発毛
を刺激するための方法は、(i)往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用
いて、脱毛領域の皮膚を損傷させること;(ii)ステップ(i)の24~36時間後に、2
%ミノキシジル溶液を皮膚の損傷した領域に1日2回、2日間局所的に塗布すること;(i
ii)ステップ(ii)の後に、5%ミノキシジル溶液を皮膚の損傷した領域に1日2回、4
日間局所的に塗布すること;および(iv)ステップ(iii)に続いて、ステップ(i
)-(iii)を繰り返すこと、を含み、ステップ(i)の日には、ミノキシジル溶液の
局所的な塗布を行わない。1つの実施形態では、脱毛のある皮膚領域で発毛を刺激するた
めの方法は、(i)往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用いて、脱毛領
域の皮膚を損傷させること;(ii)ステップ(i)の24~48時間後に、2%ミノキシジ
ル溶液を皮膚の損傷した領域に1日2回、2日間局所的に塗布すること;(iii)ステッ
プ(ii)の後に、5%ミノキシジル溶液を皮膚の損傷した領域に1日2回、4日間局所的に
塗布すること;および(iv)ステップ(iii)に続いて、ステップ(i)-(iii
)を繰り返すこと、を含み、ステップ(i)の日には、ミノキシジル溶液の局所的な塗布
を行わない。1つの実施形態では、脱毛のある皮膚領域で発毛を刺激するための方法は、
(i)往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用いて、脱毛領域の皮膚を損
傷させること;(ii)ステップ(i)の約24時間後に、2%ミノキシジル溶液を皮膚の
損傷した領域に1日2回、2日間局所的に塗布すること;(iii)ステップ(ii)の後
に、5%ミノキシジル溶液を皮膚の損傷した領域に1日2回、4日間局所的に塗布すること;
および(iv) ステップ(iii)に続いて、ステップ(i)-(iii)を繰り返すこ
と、を含み、ステップ(i)の日には、ミノキシジル溶液の局所的な塗布を行わない。1
つの実施形態では、脱毛のある皮膚領域で発毛を刺激するための方法は、(i)往復針を
駆動するモータを有するニードリング装置を用いて、脱毛領域の皮膚を損傷させること;
(ii)ステップ(i)の約36時間後に、2%ミノキシジル溶液を皮膚の損傷した領域に1
日2回、2日間局所的に塗布すること;(iii)ステップ(ii)の後に、5%ミノキシ
ジル溶液を皮膚の損傷した領域に1日2回、4日間局所的に塗布すること;および(iv)
ステップ(iii)に続いて、ステップ(i)-(iii)を繰り返すこと、を含み、ス
テップ(i)の日には、ミノキシジル溶液の局所的な塗布を行わない。1つの実施形態で
は、脱毛のある皮膚領域で発毛を刺激するための方法は、(i)往復針を駆動するモータ
を有するニードリング装置を用いて、脱毛領域の皮膚を損傷させること;(ii)ステッ
プ(i)の約48時間後に、2%ミノキシジル溶液を皮膚の損傷した領域に1日2回、2日間局
所的に塗布すること;(iii)ステップ(ii)の後に、5%ミノキシジル溶液を皮膚
の損傷した領域に1日2回、4日間局所的に塗布すること;および(iv)ステップ(ii
i)に続いて、ステップ(i)-(iii)を繰り返すこと、を含み、ステップ(i)の
日には、ミノキシジル溶液の局所的な塗布を行わない。
【0015】
いくつかの実施形態では、往復針はマイクロニードルである。いくつかの実施形態では
、ニードリング装置は、本明細書に記載の装置のいずれかの特徴を有する装置である。い
くつかの実施形態では、ニードリング装置は、本明細書および米国出願公開第 2018/0280
675号に記載されたマイクロニードリングデバイスのようなマイクロニードリングデバイ
スである。
【0016】
いくつかの実施形態では、ステップ(i)の皮膚損傷は、ニードリング装置を用いて1c
m2当たり約1400~1800本のニードルストライクのニードルストライク密度を適用すること
によって達成される。いくつかの実施形態では、ステップ(i)の皮膚損傷は、ニードリ
ング装置を用いて1cm2当たり約1600本のニードルストライクのニードルストライク密度を
適用することによって達成される。
【0017】
いくつかの実施形態では、ステップ(ii)および/または(iii)のミノキシジル
溶液は、約12時間ごとに局所的に塗布される。いくつかの実施形態では、ステップ(ii
)および/または(iii)のミノキシジル溶液は、12時間ごとに局所的に塗布される。
【0018】
いくつかの実施形態では、ステップ(iv)は、ステップ(i)-(iii)を少なく
とも3回繰り返すことを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(iv)は、ステップ
(i)-(iii)を少なくとも6回繰り返すことを含む。いくつかの実施形態では、ステ
ップ(iv)は、ステップ(i)-(iii)を少なくとも12回繰り返すことを含む。い
くつかの実施形態では、ステップ(iv)は、ステップ(i)-(iii)を少なくとも1
8回繰り返すことを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(iv)は、ステップ(i
)-(iii)を少なくとも24回繰り返すことを含む。いくつかの実施形態では、ステッ
プ(iv)は、ステップ(i)-(iii)を少なくとも30回繰り返すことを含む。いく
つかの実施形態では、ステップ(iv)は、ステップ(i)-(iii)を少なくとも36
回繰り返すことを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(iv)は、ステップ(i)
-(iii)を少なくとも42回繰り返すことを含む。いくつかの実施形態では、ステップ
(iv)は、ステップ(i)-(iii)を少なくとも48回繰り返すことを含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、ステップ(iv)は、ステップ(iii)の12~24時間後に
ステップ(i)を繰り返すことを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(iv)は、
ステップ(iii)の約24時間後にステップ(i)を繰り返すことを含む。いくつかの実
施形態では、ステップ(iv)は、ステップ(iii)の24時間後にステップ(i)を繰
り返すことを含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、ステップ(ii)および/または(iii)は、さらに、鎮
痛剤溶液、例えば、本明細書に記載された鎮痛剤溶液のいずれかを皮膚の損傷された領域
に塗布することを含む。いくつかの実施形態では、ステップ (ii)および/または(i
ii)は、抗生物質溶液、例えば、本明細書に記載された抗生物質溶液のいずれかを皮膚
の損傷された領域に塗布することをさらに含む。いくつかの実施形態では、ステップ(i
i)および/または(iii)は、ステロイド溶液、例えば、本明細書に記載されたステ
ロイド溶液のいずれかを皮膚の損傷された領域に塗布することをさらに含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、方法は、ステップ(i)の後、ステップ(ii)の前に、創
傷が治癒しているかどうかを確認するステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、
ステップ(ii)に進む前に、創傷治癒の確認が必要とされている。
【0022】
いくつかの実施形態では、脱毛のある皮膚領域において発毛を刺激するための方法は、
皮膚を隔週ベースで損傷させることを含む。1つの実施形態では、脱毛のある皮膚領域で
発毛を刺激するための方法は、(i)往復針を駆動するモータを有するニードリング装置
を用いて、脱毛領域の皮膚を損傷させること;(ii)ステップ(i)の24~36時間後に
、2%ミノキシジル溶液を皮膚の損傷した領域に1日2回、2日間局所的に塗布すること;(
iii)ステップ(ii)の後に、5%ミノキシジル溶液を皮膚の損傷した領域に1日2回
、11日間局所的に塗布すること;および(iv) ステップ(iii)に続いて、ステッ
プ(i)-(iii)を繰り返すこと、を含み、ステップ(i)の日には、ミノキシジル
溶液の局所的な塗布を行わない。1つの実施形態では、脱毛のある皮膚領域で発毛を刺激
するための方法は、(i)往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用いて、
脱毛領域の皮膚を損傷させること;(ii)ステップ(i)の24~48時間後に、2%ミノ
キシジル溶液を皮膚の損傷した領域に1日2回、2日間局所的に塗布すること;(iii)
ステップ(ii)の後に、5%ミノキシジル溶液を皮膚の損傷した領域に1日2回、11日間
局所的に塗布すること;および(iv)ステップ(iii)に続いて、ステップ(i)-
(iii)を繰り返すこと、を含み、ステップ(i)の日には、ミノキシジル溶液の局所
的な塗布を行わない。1つの実施形態では、脱毛のある皮膚領域で発毛を刺激するための
方法は、(i)往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用いて、脱毛領域の
皮膚を損傷させること;(ii)ステップ(i)の約24時間後に、2%ミノキシジル溶液
を皮膚の損傷した領域に1日2回、2日間局所的に塗布すること;(iii)ステップ(i
i)の後に、5%ミノキシジル溶液を皮膚の損傷した領域に1日2回、11日間局所的に塗布
すること;および(iv)ステップ(iii)に続いて、ステップ(i)-(iii)を
繰り返すこと、を含み、ステップ(i)の日には、ミノキシジル溶液の局所的な塗布を行
わない。1つの実施形態では、脱毛のある皮膚領域で発毛を刺激するための方法は、(i
)往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用いて、脱毛領域の皮膚を損傷さ
せること;(ii)ステップ(i)の約36時間後に、2%ミノキシジル溶液を皮膚の損傷
した領域に1日2回、2日間局所的に塗布すること;(iii)ステップ(ii)の後に、5
%ミノキシジル溶液を皮膚の損傷した領域に1日2回、11日間局所的に塗布すること;およ
び(iv)ステップ(iii)に続いて、ステップ(i)-(iii)を繰り返すこと、
を含み、ステップ(i)の日には、ミノキシジル溶液の局所的な塗布を行わない。1つの
実施形態では、脱毛のある皮膚領域で発毛を刺激するための方法は、(i)往復針を駆動
するモータを有するニードリング装置を用いて、脱毛領域の皮膚を損傷させること;(i
i)ステップ(i)の約48時間後に、2%ミノキシジル溶液を皮膚の損傷した領域に1日2
回、2日間局所的に塗布すること;(iii)ステップ(ii)の後に、5%ミノキシジル
溶液を皮膚の損傷した領域に1日2回、11日間局所的に塗布すること;および(iv) ス
テップ(iii)に続いて、ステップ(i)-(iii)を繰り返すこと、を含み、ステ
ップ(i)の日には、ミノキシジル溶液の局所的な塗布を行わない。
【0023】
1つの実施形態では、脱毛のある皮膚領域で発毛を刺激するための方法は、(i)往復
針を駆動するモータを有するニードリング装置を用いて、脱毛領域の皮膚を損傷させるこ
と;(ii)ステップ(i)の24~36時間後に、ミノキシジル溶液を皮膚の損傷した領域
に1日2回、6日間局所的に塗布すること;(iii)ステップ(ii)の後に、脱毛のあ
る皮膚領域をニードリング装置を用いて損傷させることなく、ミノキシジル溶液を皮膚の
損傷した領域に1日2回、7日間塗布すること;および(iv)ステップ(i)-(iii)
を繰り返すこと、を含む。1つの実施形態では、脱毛のある皮膚領域で発毛を刺激するた
めの方法は、(i)往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用いて、脱毛領
域の皮膚を損傷させること;(ii)ステップ(i)の約24時間後に、ミノキシジル溶液
を皮膚の損傷した領域に1日2回、6日間局所的に塗布すること;(iii)ステップ(i
i)の後に、脱毛のある皮膚領域をニードリング装置を用いて損傷させることなく、ミノ
キシジル溶液を皮膚の損傷した領域に1日2回、7日間塗布すること;および(iv)ステ
ップ(i)-(iii)を繰り返すこと、を含む。 1つの実施形態では、脱毛のある皮膚
領域で発毛を刺激するための方法は、(i)往復針を駆動するモータを有するニードリン
グ装置を用いて、脱毛領域の皮膚を損傷させること;(ii)ステップ(i)の約36時間
後に、ミノキシジル溶液を皮膚の損傷した領域に1日2回、6日間局所的に塗布すること;
(iii)ステップ(ii)の後に、脱毛のある皮膚領域をニードリング装置を用いて損
傷させることなく、ミノキシジル溶液を皮膚の損傷した領域に1日2回、7日間塗布するこ
と;および(iv)ステップ(i)-(iii)を繰り返すこと、を含む。1つの実施形
態では、脱毛のある皮膚領域で発毛を刺激するための方法は、(i)往復針を駆動するモ
ータを有するニードリング装置を用いて、脱毛領域の皮膚を損傷させること;(ii)ス
テップ(i)の約48時間後に、ミノキシジル溶液を皮膚の損傷した領域に1日2回、6日間
局所的に塗布すること;(iii)ステップ(ii)の後に、脱毛のある皮膚領域をニー
ドリング装置を用いて損傷させることなく、ミノキシジル溶液を皮膚の損傷した領域に1
日2回、7日間塗布すること;および(iv) ステップ(i)-(iii)を繰り返すこと
、を含む。いくつかの実施形態では、ステップ(ii)および(ii)のミノキシジル溶
液は、5%のミノキシジルである。いくつかの実施形態では、ステップ(ii)および(
iii)のミノキシジル溶液は、2%のミノキシジルである。いくつかの実施形態では、
ステップ(ii)において、最初の2日間は2%のミノキシジルを1日2回塗布し、その後の
4日間は5%のミノキシジルを毎日塗布し、ステップ(iii)では5%のミノキシジルを1
日2回、7日間塗布する。
【0024】
いくつかの実施形態では、往復針はマイクロニードルである。いくつかの実施形態では
、ニードリング装置は、本明細書に記載の装置のいずれかの特徴を有する装置である。い
くつかの実施形態では、ニードリング装置は、本明細書および米国出願公開第 2018/0280
675号に記載されたマイクロニードリングデバイスのようなマイクロニードリングデバイ
スである。
【0025】
いくつかの実施形態では、ステップ(i)の皮膚損傷は、ニードリング装置を用いて1c
m2当たり約1400~1800本のニードルストライクのニードルストライク密度を適用すること
によって達成される。いくつかの実施形態では、ステップ(i)の皮膚損傷は、ニードリ
ング装置を用いて1cm2当たり約1600本のニードルストライクのニードルストライク密度を
適用することによって達成される。
【0026】
いくつかの実施形態では、ステップ(ii)および/または(iii)のミノキシジル
溶液は、約12時間ごとに局所的に塗布される。いくつかの実施形態では、ステップ(ii
)および/または(iii)のミノキシジル溶液は、12時間ごとに局所的に塗布される。
【0027】
いくつかの実施形態では、ステップ(iv)は、ステップ(i)-(iii)を少なく
とも3回繰り返すことを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(iv)は、ステップ
(i)-(iii)を少なくとも6回繰り返すことを含む。いくつかの実施形態では、ステ
ップ(iv)は、ステップ(i)-(iii)を少なくとも12回繰り返すことを含む。い
くつかの実施形態では、ステップ(iv)は、ステップ(i)-(iii)を少なくとも1
8回繰り返すことを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(iv)は、ステップ(i
)-(iii)を少なくとも24回繰り返すことを含む。いくつかの実施形態では、ステッ
プ(iv)は、ステップ(i)-(iii)を少なくとも30回繰り返すことを含む。いく
つかの実施形態では、ステップ(iv)は、ステップ(i)-(iii)を少なくとも36
回繰り返すことを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(iv)は、ステップ(i)
-(iii)を少なくとも42回繰り返すことを含む。いくつかの実施形態では、ステップ
(iv)は、ステップ(i)-(iii)を少なくとも48回繰り返すことを含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、ステップ(iv)は、ステップ(iii)の12~24時間後に
ステップ(i)を繰り返すことを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(iv)は、
ステップ(iii)の約24時間後にステップ(i)を繰り返すことを含む。いくつかの実
施形態では、ステップ(iv)は、ステップ(iii)の24時間後にステップ(i)を繰
り返すことを含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、ステップ(ii)および/または(iii)は、鎮痛剤溶液
を、例えば、本明細書に記載されている鎮痛剤溶液のいずれかを、皮膚の損傷した領域に
塗布することをさらに含む。いくつかの実施形態では、ステップ(ii)および/または
(iii)は、抗生物質溶液を、例えば、本明細書に記載された抗生物質溶液のいずれか
を、皮膚の損傷した領域に塗布することをさらに含む。いくつかの実施形態では、ステッ
プ(ii)および/または(iii)は、ステロイド溶液を、例えば、本明細書に記載さ
れたステロイド溶液のいずれかを、皮膚の損傷した領域に塗布することをさらに含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、方法は、ステップ(i)の後、ステップ(ii)の前に、創
傷が治癒しているかどうかをチェックするステップをさらに含む。いくつかの実施形態で
は、ステップ(ii)に進む前に、創傷治癒の確認が必要とされている。
【0031】
いくつかの実施形態では、脱毛のある皮膚領域において発毛を刺激するための方法は、
皮膚を月単位で損傷させることを含む。1つの実施形態では、脱毛のある皮膚領域で発毛
を刺激するための方法は、(i)往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用
いて、脱毛領域の皮膚を損傷させること;(ii)ステップ(i)の24~36時間後に、2
%ミノキシジル溶液を皮膚の損傷した領域に1日2回、2日間局所的に塗布すること;(i
ii)ステップ(ii)の後に、5%ミノキシジル溶液を皮膚の損傷した領域に1日2回、2
5日間局所的に塗布すること;および(iv) ステップ(iii)に続いて、ステップ(
i)-(iii)を繰り返すこと、を含み、ステップ(i)の日には、ミノキシジル溶液
の局所的な塗布を行わない。1つの実施形態では、脱毛のある皮膚領域で発毛を刺激する
ための方法は、(i)往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用いて、脱毛
領域の皮膚を損傷させること;(ii)ステップ(i)の24~48時間後に、2%ミノキシ
ジル溶液を皮膚の損傷した領域に1日2回、2日間局所的に塗布すること;(iii)ステ
ップ(ii)の後に、5%ミノキシジル溶液を皮膚の損傷した領域に1日2回、24日間局所
的に塗布すること;および(iv) ステップ(iii)に続いて、ステップ(i)-(i
ii)を繰り返すこと、を含み、ステップ(i)の日には、ミノキシジル溶液の局所的な
塗布を行わない。1つの実施形態では、脱毛のある皮膚領域で発毛を刺激するための方法
は、(i)往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用いて、脱毛領域の皮膚
を損傷させること;(ii)ステップ(i)の約24時間後に、2%ミノキシジル溶液を皮
膚の損傷した領域に1日2回、2日間局所的に塗布すること;(iii)ステップ(ii)
の後に、5%ミノキシジル溶液を皮膚の損傷した領域に1日2回、25日間局所的に塗布する
こと;および(iv) ステップ(iii)に続いて、ステップ(i)-(iii)を繰り
返すこと、を含み、ステップ(i)の日には、ミノキシジル溶液の局所的な塗布を行わな
い。1つの実施形態では、脱毛のある皮膚領域で発毛を刺激するための方法は、(i)往
復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用いて、脱毛領域の皮膚を損傷させる
こと;(ii)ステップ(i)の約36時間後に、2%ミノキシジル溶液を皮膚の損傷した
領域に1日2回、2日間局所的に塗布すること;(iii)ステップ(ii)の後に、5%ミ
ノキシジル溶液を皮膚の損傷した領域に1日2回、25日間局所的に塗布すること;および(
iv) ステップ(iii)に続いて、ステップ(i)-(iii)を繰り返すこと、を含
み、ステップ(i)の日には、ミノキシジル溶液の局所的な塗布を行わない。1つの実施
形態では、脱毛のある皮膚領域で発毛を刺激するための方法は、(i)往復針を駆動する
モータを有するニードリング装置を用いて、脱毛領域の皮膚を損傷させること;(ii)
ステップ(i)の約48時間後に、2%ミノキシジル溶液を皮膚の損傷した領域に1日2回、2
日間局所的に塗布すること;(iii)ステップ(ii)の後に、5%ミノキシジル溶液
を皮膚の損傷した領域に1日2回、25日間局所的に塗布すること;および(iv)ステップ
(iii)に続いて、ステップ(i)-(iii)を繰り返すこと、を含み、ステップ(
i)の日には、ミノキシジル溶液の局所的な塗布を行わない。
【0032】
いくつかの実施形態では、往復針はマイクロニードルである。いくつかの実施形態では
、ニードリング装置は、本明細書に記載の装置のいずれかの特徴を有する装置である。い
くつかの実施形態では、ニードリング装置は、本明細書および米国出願公開第 2018/0280
675号に記載されたマイクロニードリングデバイスのようなマイクロニードリングデバイ
スである。
【0033】
いくつかの実施形態では、ステップ(i)の皮膚損傷は、ニードリング装置を用いて1c
m2当たり約1400~1800本のニードルストライクのニードルストライク密度を適用すること
によって達成される。いくつかの実施形態では、ステップ(i)の皮膚損傷は、ニードリ
ング装置を用いて1cm2当たり約1600本のニードルストライクのニードルストライク密度を
適用することによって達成される。
【0034】
いくつかの実施形態では、ステップ(ii)および/または(iii)のミノキシジル
溶液は、約12時間ごとに局所的に塗布される。いくつかの実施形態では、ステップ(ii
)および/または(iii)のミノキシジル溶液は、12時間ごとに局所的に塗布される。
【0035】
いくつかの実施形態では、ステップ(iv)は、ステップ(i)-(iii)を少なく
とも3回繰り返すことを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(iv)は、ステップ
(i)-(iii)を少なくとも6回繰り返すことを含む。いくつかの実施形態では、ステ
ップ(iv)は、ステップ(i)-(iii)を少なくとも12回繰り返すことを含む。い
くつかの実施形態では、ステップ(iv)は、ステップ(i)-(iii)を少なくとも1
8回繰り返すことを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(iv)は、ステップ(i
)-(iii)を少なくとも24回繰り返すことを含む。いくつかの実施形態では、ステッ
プ(iv)は、ステップ(i)-(iii)を少なくとも30回繰り返すことを含む。 いく
つかの実施形態では、ステップ(iv)は、ステップ(i)-(iii)を少なくとも36
回繰り返すことを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(iv)は、ステップ(i)
-(iii)を少なくとも42回繰り返すことを含む。いくつかの実施形態では、ステップ
(iv)は、ステップ(i)-(iii)を少なくとも48回繰り返すことを含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、ステップ(iv)は、ステップ(iii)の12~24時間後に
ステップ(i)を繰り返すことを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(iv)は、
ステップ(iii)の約24時間後にステップ(i)を繰り返すことを含む。いくつかの実
施形態では、ステップ(iv)は、ステップ(iii)の24時間後にステップ(i)を繰
り返すことを含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、ステップ(ii)および/または(iii)は、鎮痛剤溶液
を、例えば、本明細書に記載されている鎮痛剤溶液のいずれかを、皮膚の損傷した領域に
適用することをさらに含む。いくつかの実施形態では、ステップ(ii)および/または
(iii)は、抗生物質溶液を、例えば、本明細書に記載の抗生物質溶液のうちのいずれ
かの抗生物質溶液を、皮膚の損傷した領域に適用することをさらに含む。いくつかの実施
形態では、ステップ (ii)および/または(iii)は、ステロイド溶液を、例えば、
本明細書に記載のステロイド溶液のいずれかを、皮膚の損傷した領域に適用することをさ
らに含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、方法は、ステップ(i)の後、ステップ(ii)の前に、創
傷が治癒しているかどうかをチェックするステップをさらに含む。いくつかの実施形態で
は、ステップ(ii)に進む前に、創傷治癒の確認が必要とされている。
【0039】
上述した方法のいずれかにおいて、皮膚の損傷は、ニードリング装置を用いて達成され
、ここで、皮膚は、約500-1000μMの皮膚深さまで損傷される。いくつかの実施形態では
、皮膚は、約800μMの皮膚深さまで損傷される。いくつかの実施形態では、皮膚は、800
μMの皮膚深さまで損傷される。
【0040】
上述した方法のいずれかにおいて、皮膚の損傷は、ニードリング装置を用いて達成され
、ここで、結果として得られるニードルストライク密度は、1cm2当たり約1400~1800本の
ニードルストライクである。いくつかの実施形態では、ニードルストライク密度は、1cm2
当たり約1600本のニードルストライクである。いくつかの実施形態では、ニードルストラ
イク密度は、1cm2当たり1600本のニードルストライクである。
【0041】
上述した方法のいずれかにおいて、皮膚の損傷は、往復針を駆動するモータを有するニ
ードリング装置を用いて、1cm2当たり約1400~1800本のニードルストライクのニードルス
トライク密度を適用することによって達成される。いくつかの実施形態では、ニードルス
トライク密度は、1cm2当たり約1600本のニードルストライクである。いくつかの実施形態
では、ニードルストライク密度は、1cm2当たり1600本のニードルストライクである。
【0042】
上述したいずれかの方法において、皮膚の損傷は、ニードルアレイを有し、ニードルア
レイ内の往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用い、ニードルアレイの深
さを制御するためにニードリング装置の設定を選択することによって達成される。いくつ
かの実施形態では、ニードルアレイの深さは、0.8mmに固定されている。
【0043】
上述したいずれかの方法において、皮膚の損傷は、ニードルアレイを有し、ニードルア
レイ内の往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用い、ニードルアレイの往
復速度を制御するためにニードリング装置の設定を選択することによって達成される。
【0044】
上述したいずれかの方法において、皮膚の損傷は、ニードルアレイを有し、ニードルア
レイ内の往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用い、ニードルアレイの深
さを制御するためにニードリング装置の設定を選択することによって達成される。いくつ
かの実施形態では、ニードルアレイの深さは、0.8mmに固定されている。いくつかの実施
形態では、方法は、ニードルアレイ内の針の往復速度を制御するためにニードリング装置
の設定を選択することを含む。
【0045】
上述したいずれかの方法において、皮膚の損傷は、ニードルアレイを有し、ニードルア
レイ内の往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用い、ニードルアレイ内の
針の往復周波数を制御するためにニードリング装置の設定を選択することによって達成さ
れる。いくつかの実施形態では、針領域の往復運動の周波数は、120Hzに設定される。
【0046】
上述したいずれかの方法において、皮膚の損傷は、ニードルアレイを有し、ニードルア
レイ内の往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用い、ニードルアレイの深
さを制御するためにニードリング装置の設定を選択することによって達成される。いくつ
かの実施形態では、ニードルアレイの深さは、0.8mmに固定されている。いくつかの実施
形態では、方法は、ニードルアレイ内の針の往復周波数を制御するためにニードリング装
置の設定を選択することを含む。いくつかの実施形態では、針領域の往復運動の周波数は
、120Hzに設定される。
【0047】
上述したいずれかの方法において、皮膚の損傷は、ニードルアレイを有し、ニードルア
レイ内の往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用いて達成され、ここで、
ニードリング装置を用いて損傷される皮膚領域は、脱毛領域の先端を超えて少なくとも2c
mの皮膚領域を含む。
【0048】
上述したいずれかの方法において、皮膚の損傷は、ニードルアレイを有し、ニードルア
レイ内の往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用いて達成され、ここで、
ニードリング装置は、2cm/秒の速度で脱毛領域上を通過する。
【0049】
上述したいずれかの方法において、皮膚の損傷は、ニードルアレイを有し、ニードルア
レイ内の往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用いて達成され、ここで、
ニードルアレイの角度方向は、移動方向に対して垂直である。
【0050】
上述したいずれかの方法において、皮膚の損傷は、ニードルアレイを有し、ニードルア
レイ内の往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用いて達成され、ここで、
ニードリング装置は、各パスが前のパスに重複または隙間なく連続するように、脱毛領域
上を通過する。
【0051】
上述したいずれかの方法において、皮膚の損傷は、ニードルアレイを有し、ニードルア
レイ内の往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用いて達成され、ここで、
ニードリング装置は、第1の方向に平行な第1の一連のパスと、第1の方向とは異なる第
2の方向に平行な第2の一連のパスとで、脱毛領域上を通過する。いくつかの実施形態で
は、第1の方向は、第2の方向に対して垂直である。
【0052】
上述したいずれかの方法において、皮膚の損傷は、ニードルアレイを有し、ニードルア
レイ内の往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用いて達成され、ここで、
ニードリング装置の針は、複数の針のラインの配列を形成し、各ラインは、複数の針を有
し、各ラインは、第1の方向に平行に延びており、ここで、ニードリング装置は、第1の
方向に直交する第2の方向に、無毛領域上を通過する。
【0053】
上述したいずれかの方法において、血流中のミノキシジルの平均レベルは、1~4 ng/mL
の範囲である。上述したいずれかの方法において、血流中のミノキシジルの最大レベルは
、心血管系の影響が認められるレベル以下の、5~20ng/mLの範囲である。1つの実施形態
では、血流中のミノキシジルの平均レベルは、1.1ng/mLの範囲である。1つの実施形態で
は、血流中のミノキシジルの最大レベルは、5.5ng/mlである。
【0054】
上述したいずれかの方法において、方法は、男性型脱毛症、女性型脱毛症、アンドロゲ
ン性脱毛症(「AGA」)、原発性瘢痕性脱毛症(PCA)疾患、および/または扁平苔癬(LP
P)を治療するために使用される。
【0055】
いくつかの実施形態では、脱毛のある皮膚領域で発毛を刺激するための方法は、脱毛領
域で発毛を刺激する方法で使用するための、2%ミノキシジル溶液と5%ミノキシジル溶液
を含み、ここで、該方法は、(i)往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を
用いて、脱毛領域の皮膚を損傷させること;(ii)ステップ(i)の24~36時間後に、
2%ミノキシジル溶液を皮膚の損傷した領域に1日2回、2日間局所的に塗布すること;(i
ii)ステップ(ii)の後に、5%ミノキシジル溶液を皮膚の損傷した領域に1日2回、4
日間局所的に塗布すること;および(iv)ステップ(iii)に続いて、ステップ(i
)-(iii)を繰り返すこと、を実行することを含み、ステップ(i)の日には、ミノ
キシジル溶液の局所的な塗布を行わない。いくつかの実施形態では、脱毛のある皮膚領域
で発毛を刺激するための方法は、脱毛領域で発毛を刺激する方法で使用するための、2%
ミノキシジル溶液と5%ミノキシジル溶液を含み、ここで、該方法は、(i)往復針を駆
動するモータを有するニードリング装置を用いて、脱毛領域の皮膚を損傷させること;(
ii)ステップ(i)の約24時間後に、2%ミノキシジル溶液を皮膚の損傷した領域に1日
2回、2日間局所的に塗布すること;(iii)ステップ(ii)の後に、5%ミノキシジ
ル溶液を皮膚の損傷した領域に1日2回、4日間局所的に塗布すること;および(iv) ス
テップ(iii)に続いて、ステップ(i)-(iii)を繰り返すこと、を実行するこ
とを含み、ステップ(i)の日には、ミノキシジル溶液の局所的な塗布を行わない。いく
つかの実施形態では、脱毛のある皮膚領域で発毛を刺激するための方法は、脱毛領域で発
毛を刺激する方法で使用するための、2%ミノキシジル溶液と5%ミノキシジル溶液を含み
、ここで、該方法は、(i)往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用いて
、脱毛領域の皮膚を損傷させること;(ii)ステップ(i)の約36時間後に、2%ミノ
キシジル溶液を皮膚の損傷した領域に1日2回、2日間局所的に塗布すること;(iii)
ステップ(ii)の後に、5%ミノキシジル溶液を皮膚の損傷した領域に1日2回、4日間局
所的に塗布すること;および(iv) ステップ(iii)に続いて、ステップ(i)-(
iii)を繰り返すこと、を実行することを含み、ステップ(i)の日には、ミノキシジ
ル溶液の局所的な塗布を行わない。いくつかの実施形態では、脱毛のある皮膚領域で発毛
を刺激するための方法は、脱毛領域で発毛を刺激する方法で使用するための、2%ミノキ
シジル溶液と5%ミノキシジル溶液を含み、ここで、該方法は、(i)往復針を駆動する
モータを有するニードリング装置を用いて、脱毛領域の皮膚を損傷させること;(ii)
ステップ(i)の24~48時間後に、2%ミノキシジル溶液を皮膚の損傷した領域に1日2回
、2日間局所的に塗布すること;(iii)ステップ(ii)の後に、5%ミノキシジル溶
液を皮膚の損傷した領域に1日2回、4日間局所的に塗布すること;および(iv)ステッ
プ(iii)に続いて、ステップ(i)-(iii)を繰り返すこと、を実行することを
含み、ステップ(i)の日には、ミノキシジル溶液の局所的な塗布を行わない。いくつか
の実施形態では、脱毛のある皮膚領域で発毛を刺激するための方法は、脱毛領域で発毛を
刺激する方法で使用するための、2%ミノキシジル溶液と5%ミノキシジル溶液を含み、こ
こで、該方法は、(i)往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用いて、脱
毛領域の皮膚を損傷させること;(ii)ステップ(i)の約48時間後に、2%ミノキシ
ジル溶液を皮膚の損傷した領域に1日2回、2日間局所的に塗布すること;(iii)ステ
ップ(ii)の後に、5%ミノキシジル溶液を皮膚の損傷した領域に1日2回、4日間局所的
に塗布すること;および(iv) ステップ(iii)に続いて、ステップ(i)-(ii
i)を繰り返すこと、を実行することを含み、ステップ(i)の日には、ミノキシジル溶
液の局所的な塗布を行わない。
【0056】
いくつかの実施形態では、脱毛のある皮膚領域で発毛を刺激するための方法は、脱毛領
域で発毛を刺激する方法で使用するための、2%ミノキシジル溶液と5%ミノキシジル溶液
を含み、ここで、該方法は、(i)往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を
用いて、脱毛領域の皮膚を損傷させること;(ii)ステップ(i)の24~36時間後に、
2%ミノキシジル溶液を皮膚の損傷した領域に1日2回、2日間局所的に塗布すること;(i
ii)ステップ(ii)の後に、5%ミノキシジル溶液を皮膚の損傷した領域に1日2回、1
1日間局所的に塗布すること;および(iv)ステップ(iii)に続いて、ステップ(
i)-(iii)を繰り返すこと、を実行することを含み、ステップ(i)の日には、ミ
ノキシジル溶液の局所的な塗布を行わない。いくつかの実施形態では、脱毛のある皮膚領
域で発毛を刺激するための方法は、脱毛領域で発毛を刺激する方法で使用するための、2
%ミノキシジル溶液と5%ミノキシジル溶液を含み、ここで、該方法は、(i)往復針を
駆動するモータを有するニードリング装置を用いて、脱毛領域の皮膚を損傷させること;
(ii)ステップ(i)の約24時間後に、2%ミノキシジル溶液を皮膚の損傷した領域に1
日2回、2日間局所的に塗布すること;(iii)ステップ(ii)の後に、5%ミノキシ
ジル溶液を皮膚の損傷した領域に1日2回、11日間局所的に塗布すること;および(iv)
ステップ(iii)に続いて、ステップ(i)-(iii)を繰り返すこと、を実行する
ことを含み、ステップ(i)の日には、ミノキシジル溶液の局所的な塗布を行わない。い
くつかの実施形態では、脱毛のある皮膚領域で発毛を刺激するための方法は、脱毛領域で
発毛を刺激する方法で使用するための、2%ミノキシジル溶液と5%ミノキシジル溶液を含
み、ここで、該方法は、(i)往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用い
て、脱毛領域の皮膚を損傷させること;(ii)ステップ(i)の約36時間後に、2%ミ
ノキシジル溶液を皮膚の損傷した領域に1日2回、2日間局所的に塗布すること;(iii
)ステップ(ii)の後に、5%ミノキシジル溶液を皮膚の損傷した領域に1日2回、11日
間局所的に塗布すること;および(iv) ステップ(iii)に続いて、ステップ(i
)-(iii)を繰り返すこと、を実行することを含み、ステップ(i)の日には、ミノ
キシジル溶液の局所的な塗布を行わない。いくつかの実施形態では、脱毛のある皮膚領域
で発毛を刺激するための方法は、脱毛領域で発毛を刺激する方法で使用するための、2%
ミノキシジル溶液と5%ミノキシジル溶液を含み、ここで、該方法は、(i)往復針を駆
動するモータを有するニードリング装置を用いて、脱毛領域の皮膚を損傷させること;(
ii)ステップ(i)の24~48時間後に、2%ミノキシジル溶液を皮膚の損傷した領域に1
日2回、2日間局所的に塗布すること;(iii)ステップ(ii)の後に、5%ミノキシ
ジル溶液を皮膚の損傷した領域に1日2回、11日間局所的に塗布すること;および(iv)
ステップ(iii)に続いて、ステップ(i)-(iii)を繰り返すこと、を実行する
ことを含み、ステップ(i)の日には、ミノキシジル溶液の局所的な塗布を行わない。い
くつかの実施形態では、脱毛のある皮膚領域で発毛を刺激するための方法は、脱毛領域で
発毛を刺激する方法で使用するための、2%ミノキシジル溶液と5%ミノキシジル溶液を含
み、ここで、該方法は、(i)往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用い
て、脱毛領域の皮膚を損傷させること;(ii)ステップ(i)の約48時間後に、2%ミ
ノキシジル溶液を皮膚の損傷した領域に1日2回、2日間局所的に塗布すること;(iii
)ステップ(ii)の後に、5%ミノキシジル溶液を皮膚の損傷した領域に1日2回、11日
間局所的に塗布すること;および(iv)ステップ(iii)に続いて、ステップ(i)
-(iii)を繰り返すこと、を実行することを含み、ステップ(i)の日には、ミノキ
シジル溶液の局所的な塗布を行わない。
【0057】
いくつかの実施形態では、脱毛のある皮膚領域で発毛を刺激するための方法は、脱毛領
域で発毛を刺激する方法で使用するための、2%ミノキシジル溶液と5%ミノキシジル溶液
を含み、ここで、該方法は、(i)往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を
用いて、脱毛領域の皮膚を損傷させること;(ii)ステップ(i)の24~36時間後に、
2%ミノキシジル溶液を皮膚の損傷した領域に1日2回、2日間局所的に塗布すること;(i
ii)ステップ(ii)の後に、5%ミノキシジル溶液を皮膚の損傷した領域に1日2回、2
5日間局所的に塗布すること;および(iv)ステップ(iii)に続いて、ステップ(
i)-(iii)を繰り返すこと、を実行することを含み、ステップ(i)の日には、ミ
ノキシジル溶液の局所的な塗布を行わない。いくつかの実施形態では、脱毛のある皮膚領
域で発毛を刺激するための方法は、脱毛領域で発毛を刺激する方法で使用するための、2
%ミノキシジル溶液と5%ミノキシジル溶液を含み、ここで、該方法は、(i)往復針を
駆動するモータを有するニードリング装置を用いて、脱毛領域の皮膚を損傷させること;
(ii)ステップ(i)の約24時間後に、2%ミノキシジル溶液を皮膚の損傷した領域に1
日2回、2日間局所的に塗布すること;(iii)ステップ(ii)の後に、5%ミノキシ
ジル溶液を皮膚の損傷した領域に1日2回、25日間局所的に塗布すること;および(iv)
ステップ(iii)に続いて、ステップ(i)-(iii)を繰り返すこと、を実行する
ことを含み、ステップ(i)の日には、ミノキシジル溶液の局所的な塗布を行わない。い
くつかの実施形態では、脱毛のある皮膚領域で発毛を刺激するための方法は、脱毛領域で
発毛を刺激する方法で使用するための、2%ミノキシジル溶液と5%ミノキシジル溶液を含
み、ここで、該方法は、(i)往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用い
て、脱毛領域の皮膚を損傷させること;(ii)ステップ(i)の約36時間後に、2%ミ
ノキシジル溶液を皮膚の損傷した領域に1日2回、2日間局所的に塗布すること;(iii
)ステップ(ii)の後に、5%ミノキシジル溶液を皮膚の損傷した領域に1日2回、25日
間局所的に塗布すること;および(iv)ステップ(iii)に続いて、ステップ(i)
-(iii)を繰り返すこと、を実行することを含み、ステップ(i)の日には、ミノキ
シジル溶液の局所的な塗布を行わない。いくつかの実施形態では、脱毛のある皮膚領域で
発毛を刺激するための方法は、脱毛領域で発毛を刺激する方法で使用するための、2%ミ
ノキシジル溶液と5%ミノキシジル溶液を含み、ここで、該方法は、(i)往復針を駆動
するモータを有するニードリング装置を用いて、脱毛領域の皮膚を損傷させること;(i
i)ステップ(i)の24~48時間後に、2%ミノキシジル溶液を皮膚の損傷した領域に1日
2回、2日間局所的に塗布すること;(iii)ステップ(ii)の後に、5%ミノキシジ
ル溶液を皮膚の損傷した領域に1日2回、25日間局所的に塗布すること;および(iv)ス
テップ(iii)に続いて、ステップ(i)-(iii)を繰り返すこと、を実行するこ
とを含み、ステップ(i)の日には、ミノキシジル溶液の局所的な塗布を行わない。いく
つかの実施形態では、脱毛のある皮膚領域で発毛を刺激するための方法は、脱毛領域で発
毛を刺激する方法で使用するための、2%ミノキシジル溶液と5%ミノキシジル溶液を含み
、ここで、該方法は、(i)往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用いて
、脱毛領域の皮膚を損傷させること;(ii)ステップ(i)の約48時間後に、2%ミノ
キシジル溶液を皮膚の損傷した領域に1日2回、2日間局所的に塗布すること;(iii)
ステップ(ii)の後に、5%ミノキシジル溶液を皮膚の損傷した領域に1日2回、25日間
局所的に塗布すること;および(iv) ステップ(iii)に続いて、ステップ(i)-
(iii)を繰り返すこと、を実行することを含み、ステップ(i)の日には、ミノキシ
ジル溶液の局所的な塗布を行わない。
【0058】
いくつかの実施形態では、往復針はマイクロニードルである。いくつかの実施形態では
、ニードリング装置は、本明細書に記載の装置のいずれかの特徴を有する装置である。い
くつかの実施形態では、ニードリング装置は、本明細書および米国出願公開第 2018/0280
675号に記載されたマイクロニードリングデバイスのようなマイクロニードリングデバイ
スである。
【0059】
いくつかの実施形態では、ステップ(i)の皮膚損傷は、ニードリング装置を用いて1c
m2当たり約1400~1800本のニードルストライクのニードルストライク密度を適用すること
によって達成される。いくつかの実施形態では、ステップ(i)の皮膚損傷は、ニードリ
ング装置を用いて1cm2当たり約1600本のニードルストライクのニードルストライク密度を
適用することによって達成される。
【0060】
いくつかの実施形態では、ステップ(ii)および/または(iii)のミノキシジル
溶液は、約12時間ごとに局所的に塗布される。いくつかの実施形態では、ステップ(ii
)および/または(iii)のミノキシジル溶液は、12時間ごとに局所的に塗布される。
【0061】
いくつかの実施形態では、ステップ(iv)は、ステップ(i)-(iii)を少なく
とも3回繰り返すことを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(iv)は、ステップ
(i)-(iii)を少なくとも6回繰り返すことを含む。いくつかの実施形態では、ステ
ップ(iv)は、ステップ(i)-(iii)を少なくとも12回繰り返すことを含む。い
くつかの実施形態では、ステップ(iv)は、ステップ(i)-(iii)を少なくとも1
8回繰り返すことを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(iv)は、ステップ(i
)-(iii)を少なくとも24回繰り返すことを含む。いくつかの実施形態では、ステッ
プ(iv)は、ステップ(i)-(iii)を少なくとも30回繰り返すことを含む。いく
つかの実施形態では、ステップ(iv)は、ステップ(i)-(iii)を少なくとも36
回繰り返すことを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(iv)は、ステップ(i)
-(iii)を少なくとも42回繰り返すことを含む。いくつかの実施形態では、ステップ
(iv)は、ステップ(i)-(iii)を少なくとも48回繰り返すことを含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、ステップ(iv)は、ステップ(iii)の12~24時間後に
ステップ(i)を繰り返すことを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(iv)は、
ステップ(iii)の約24時間後にステップ(i)を繰り返すことを含む。いくつかの実
施形態では、ステップ(iv)は、ステップ(iii)の24時間後にステップ(i)を繰
り返すことを含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、ステップ (ii)および/または(iii)は、抗生物質溶
液、例えば、本明細書に記載された抗生物質溶液のいずれかを皮膚の損傷された領域に塗
布することをさらに含む。いくつかの実施形態では、ステップ(ii)および/または(
iii)は、ステロイド溶液、例えば、本明細書に記載されたステロイド溶液のいずれか
を皮膚の損傷された領域に塗布することをさらに含む。
【0064】
いくつかの実施形態では、方法は、ステップ(i)の後、ステップ(ii)の前に、創
傷が治癒しているかどうかをチェックするステップをさらに含む。いくつかの実施形態で
は、ステップ(ii)に進む前に、創傷治癒の確認が必要とされている。
【0065】
上述した方法のいずれかにおいて、皮膚の損傷は、ニードリング装置を用いて達成され
、ここで、皮膚は、約500~1000μMの皮膚深さまで損傷される。いくつかの実施形態では
、皮膚は、約80μMの皮膚深さまで損傷される。いくつかの実施形態では、皮膚は、800μ
Mの皮膚深さまで損傷される。
【0066】
上述した方法のいずれかにおいて、皮膚の損傷は、ニードリング装置を用いて達成され
、ここで、結果として得られるニードルストライク密度は、1cm2当たり約1400~1800本の
ニードルストライクである。いくつかの実施形態では、ニードルストライク密度は、1cm2
当たり約1600本のニードルストライクである。いくつかの実施形態では、ニードルストラ
イク密度は、1cm2当たり1600本のニードルストライクである。
【0067】
上述した方法のいずれかにおいて、皮膚の損傷は、往復針を駆動するモータを有するニ
ードリング装置を用いて、1cm2当たり約1400~1800本のニードルストライクのニードルス
トライク密度を適用することによって達成される。いくつかの実施形態では、ニードルス
トライク密度は、1cm2当たり約1600本のニードルストライクである。いくつかの実施形態
では、ニードルストライク密度は、1cm2当たり1600本のニードルストライクである。
【0068】
上述したいずれかの方法において、皮膚の損傷は、ニードルアレイを有し、ニードルア
レイ内の往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用い、ニードルアレイの深
さを制御するためにニードリング装置の設定を選択することによって達成される。いくつ
かの実施形態では、ニードルアレイの深さは、0.8mmに固定されている。
【0069】
上述したいずれかの方法において、皮膚の損傷は、ニードルアレイを有し、ニードルア
レイ内の往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用い、ニードルアレイの往
復速度を制御するためにニードリング装置の設定を選択することによって達成される。
【0070】
上述したいずれかの方法において、皮膚の損傷は、ニードルアレイを有し、ニードルア
レイ内の往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用い、ニードルアレイの深
さを制御するためにニードリング装置の設定を選択することによって達成される。いくつ
かの実施形態では、ニードルアレイの深さは、0.8mmに固定されている。いくつかの実施
形態では、方法は、ニードルアレイ内の針の往復速度を制御するためにニードリング装置
の設定を選択することを含む。
【0071】
上述したいずれかの方法において、皮膚の損傷は、ニードルアレイを有し、ニードルア
レイ内の往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用い、ニードルアレイ内の
針の往復周波数を制御するためにニードリング装置の設定を選択することによって達成さ
れる。いくつかの実施形態では、針領域の往復運動の周波数は、120Hzに設定される。
【0072】
上述したいずれかの方法において、皮膚の損傷は、ニードルアレイを有し、ニードルア
レイ内の往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用い、ニードルアレイの深
さを制御するためにニードリング装置の設定を選択することによって達成される。いくつ
かの実施形態では、ニードルアレイの深さは、0.8mmに固定されている。いくつかの実施
形態では、方法は、ニードルアレイ内の針の往復周波数を制御するためにニードリング装
置の設定を選択することを含む。いくつかの実施形態では、針領域の往復運動の周波数は
、120Hzに設定される。
【0073】
上述したいずれかの方法において、皮膚の損傷は、ニードルアレイを有し、ニードルア
レイ内の往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用いて達成され、ここで、
ニードリング装置を用いて損傷される皮膚領域は、脱毛領域の先端を超えて少なくとも2c
mの皮膚領域を含む。
【0074】
上述したいずれかの方法において、皮膚の損傷は、ニードルアレイを有し、ニードルア
レイ内の往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用いて達成され、ここで、
ニードリング装置は、2cm/秒の速度で脱毛領域上を通過する。
【0075】
上述したいずれかの方法において、皮膚の損傷は、ニードルアレイを有し、ニードルア
レイ内の往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用いて達成され、ここで、
ニードルアレイの角度方向は、移動方向に対して垂直である。
【0076】
上述したいずれかの方法において、皮膚の損傷は、ニードルアレイを有し、ニードルア
レイ内の往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用いて達成され、ここで、
ニードリング装置は、各パスが前のパスに重複または隙間なく連続するように、脱毛領域
上を通過する。
【0077】
上述したいずれかの方法において、皮膚の損傷は、ニードルアレイを有し、ニードルア
レイ内の往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用いて達成され、ここで、
ニードリング装置は、第1の方向に平行な第1の一連のパスと、第1の方向とは異なる第
2の方向に平行な第2の一連のパスとで、脱毛領域上を通過する。いくつかの実施形態で
は、第1の方向は、第2の方向に対して垂直である。
【0078】
上述したいずれかの方法において、皮膚の損傷は、ニードルアレイを有し、ニードルア
レイ内の往復針を駆動するモータを有するニードリング装置を用いて達成され、ここで、
ニードリング装置の針は、複数の針のラインの配列を形成し、各ラインは、複数の針を有
し、各ラインは、第1の方向に平行に延びており、ここで、ニードリング装置は、第1の
方向に直交する第2の方向に、無毛領域上を通過する。
【0079】
上述したいずれかの方法において、血流中のミノキシジルの平均レベルは、1~4ng/mL
の範囲である。上述したいずれかの方法において、血流中のミノキシジルの最大レベルは
、心血管系の影響が認められるレベル以下の、5~20ng/mLの範囲である。1つの実施形態
では、血流中のミノキシジルの平均レベルは、1.1ng/mLの範囲である。1つの実施形態で
は、血流中のミノキシジルの最大レベルは、5.5ng/mlである。
【0080】
上述したいずれかの方法において、方法は、男性型脱毛症、女性型脱毛症、アンドロゲ
ン性脱毛症(「AGA」)、原発性瘢痕性脱毛症(PCA)疾患、および/または扁平苔癬(LP
P)を治療するために使用される。
【0081】
本発明の他の利点および新規な特徴は、添付の図と併せて考えると、本発明の様々な非
限定的な実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。本明細書と参照により
組み込まれた文書が、相反するおよび/または矛盾する開示を含む場合、本明細書が支配
するものとする。参照により組み込まれた2つ以上の文書が、互いに相反する、または矛
盾する開示を含む場合は、発効日が遅い方の文書が支配するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0082】
(図面の簡単な説明)
本発明の非限定的な実施形態は、例示的に添付の図面を参照して説明されるが、これら
は模式的なものであり、縮尺を意図したものではない。図面では、図示された、各同一ま
たはほぼ同一の構成要素は、通常、単一の数字で表されている。明確にするために、すべ
ての図で、すべての構成要素がラベル付けされているわけではなく、また、本発明の各実
施形態の各構成要素は、当業者が本発明を理解することができる場合には必ずしも図示さ
れていない。図面において、
【
図1】
図1は、ニードリング装置の第1の実施形態の斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1のニードリング装置の内部構成要素の斜視図である。
【
図3】
図3Aは、治療領域上で水平方向に一連のパスを有する、「芝刈り」アプローチの例示的な例を示す。
図3Bは治療領域上で垂直方向に一連のパスを有する、別の「芝刈り」アプローチの例示的な例を示す。
【
図4】
図4は、
図3Aおよび3Bの水平および垂直パスを使用したニードルストライクの結果を示す図である。
【
図5】
図5は、ニードリング装置が皮膚に対して垂直に保持されていない例(左、右)と、ニードリング装置が皮膚に対して垂直に保持されている例(中央)を示す。
【
図6】
図6Aは、ユーザがニードリング装置で移動開始を実施した例を示す。
図6Bは、ユーザがニードリング装置で移動開始を実施していない場合の例(結果として、開始領域でより高いニードルストライク密度となる)を示す。
【
図7】
図7は、ユーザがニードリング装置を使用して、皮膚に不十分な圧力(左)、ちょうどよい量の圧力(中央)、および過剰な圧力(右)をかけた例を示す。
【
図8】
図8Aは、ユーザが、ニードリング装置のニードルアレイの針のラインの延長方向に直交する方向にニードリング装置を移動させる例を示す。
図8Bでは、ユーザが、ニードリング装置のニードルアレイの針のラインの延長方向に平行な方向にニードリング装置を移動させる例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0083】
(詳細な説明)
本明細書に記載されている態様は、発毛を促進する方法、および/または毛包の発達を
促進する方法、および/または毛包新生を促進する方法、および/または、例えば、外皮
穿刺を介して皮膚の患部を損傷し、その後、医薬組成物、例えば、発毛剤を皮膚の損傷し
た患部に塗布することによって、被験体(例えば、ヒト)の皮膚の患部上で活性化を促進
する方法である。本明細書に記載されている態様は、例えば、男性型および女性型脱毛症
の両方を含む禿げ(baldness)を治療する方法、脱毛症(alopecia)を治療する方法、扁
平苔癬(LPP)を治療する方法、および、例えば、外皮穿刺を介して皮膚の患部を損傷し
、その後、医薬組成物、例えば、発毛剤を皮膚の損傷した患部に塗布することによって脱
毛に関連する他の疾患を治療する方法、に関するものである。
【0084】
本明細書に記載の発毛を促進する方法は、制御可能な損傷の深さおよび密度で皮膚に小
さな創傷を生成するためのニードリング装置の使用を含む。理論に拘束されることを望む
ものではないが、本発明者らは、ニードリング装置による皮膚のそのような創傷が、治療
部位に新たな毛包の成長を誘発する可能性があることを見出した。ニードリング装置は、
治療部位に新たな毛包を生成する方法で、真皮の自然な創傷治癒メカニズムを誘発する可
能性がある。
【0085】
最近まで、毛包形成は(胎内で)一生に一度しか起こらないと考えられおり、哺乳類、
特にヒトは一定の数の毛包を持って生まれ、それ以降、通常毛包は増加しないと考えられ
ていた。胚性毛包を再生するための成体哺乳類皮膚の再生能力の示唆にもかかわらず、最
近まで、毛包新生は、発生または毛包新生を実証するために必要なツールの欠如のために
証明されなかった(「Argyris et al, 1959, Dev.Biol.1 :269-80; Miller, 1973, J. In
vest.Dermatol.58:1-9; and ligman, 1959, Ann NY Acad Sci 83:507-511」を参照)。
【0086】
しかしながら、毛包新生が動物(例えば、ウサギ、マウス)の創傷治癒と関連している
ことが提言されている。「Stenn & Paus, 2001, Physiol.Revs.81 :449-494」を参照。最
近では、毛包由来の上皮幹細胞前駆細胞が毛包の外に移動し、傷ついた皮膚の再上皮化に
寄与することが、一連のマウス実験によって決定的に示された(「Morris et al, 2004,
Nature Biotechnology 22:411-417; Ito et al, 2004, Differentiation 72:548-57; and
Ito et al, 2005, Nature Medicine 11:1351-1354」を参照)。毛包形成におけるWntの
役割を探るためにデザインされた動物実験において、Fathkeは、マウスの創傷治癒中のWn
tシグナル伝達の長期活性化は、毛包の初歩的な生成をもたらしたが、毛包の形成やより
多くの毛髪の成長には至らなかったことを示した(Fathke et al., 2006, BMC Cell Biol.
7:4)。
【0087】
Fathkeが指摘したように、全層創傷後の成体哺乳類の皮膚修復は、瘢痕組織と毛包の
再生能力の喪失をもたらすと理解されている。重度の創傷および火傷は、通常、瘢痕組織
および毛包を生じない皮膚修復の形態と関連している(「Fathke et al, 2006, BMC Cell
Biol.7:4」を参照)。しかし、マウスの研究では、Cotsarelisは、皮膚および既存の毛
包を、一定の方法で物理的に損傷させることが、毛包新生につながることを示した(Ito
et al, 2007, Nature 447:316-321)。Cotsarelisは、マウスの全層切除(FTE)(1cm2平
方の創傷)によって作られた大きな創傷が治癒した後に、創傷の中央に新しい毛髪が形成
されることを示した(Ito et al, 2007, Nature 447:316-321)(Argyris, 1976, Amer J
Pathol 83:329-338)。
【0088】
他の前臨床研究では、化合物を添加することで皮膚や毛包の表現型を操作することを可
能にする、上皮損傷後に皮膚が胚状態に戻る治療濃度域が確認されている。例えば、創傷
後の新しい毛髪パターンは予め定められたものではないので、毛包形成に関連する調節経
路(例えば、Wnt、EGFR)は、例えば、毛包の数および大きさを増加させるために
、劇的に影響を受け得る。「Ito et al.Nature.2007;447(7142):316-320; Fathke et al.
BMC Cell Biol.2006;7:4; Snippert et al.Science.2010;327(5971):1385-1389」を参照
。
【0089】
皮膚表面修復や傷跡修復のために皮膚剥離を実行するための電動装置が、数十年前から
存在する。ここ数年、従来の電動回転研磨ホイールの実施形態はあまり変化していない。
本質的には、研磨ホイールに力が加わると、所望の臨床効果が得られるまで、角質層と表
皮、時には真皮部を研磨する。「Argyris TS, Am J Pathol」を参照。しかし、この種の
装置(ダーマローラも含む)の重要な課題の一つは、それらが制御が困難な圧力の度合い
に大きく依存しており、その結果、特に深さについて非常に変動することである。
【0090】
最近では、マイクロニードルローラが、発毛を誘発する、アンドロゲン性脱毛症の治療
のための新規かつ安全な装置であることが示されている。これらに沿った様々な動物研究
に加えて、週1回のダーマローラ治療とミノキシジル治療を組み合わせた12週間の長期の
研究では、毛髪数と発毛/スカルプカバレッジの患者/研究者評価の3つの主要な有効性
指標のすべてについて、AGAを持つ男性の発毛促進において、ミノキシジル単独で治療し
たグループよりも統計的に優れた結果が得られている(「Dhurat et al.(2013),男性型脱
毛症におけるマイクロニードルの効果に関する無作為化評価者盲検試験:A pilot study.
Int J Trichology.2013;5:6-11」およびそれに含まれるリファレンスを参照)。他の穿刺
法と同様に、マイクロニードルローラは、創傷治癒メカニズムと血小板の活性化を介して
毛包新生を促進すると考えられている。幹細胞は、VEGF、β-カテニン、Wntシグナル分子
などの発毛関連遺伝子の誘導とともに、創傷治癒条件下で、バルジ領域で活性化されると
考えられている。
【0091】
発毛を促進するように構成された医薬組成物の塗布による創傷プロセスの経過観察では
、新しい毛髪の質、量、および持続性を改善するために、新しい毛包に的を絞ることがで
きる。動物実験では、外用ミノキシジルは、休止期の毛包のアナゲン(すなわち、毛包周
期の成長期)への早期のエントリーを引き起こし、テロゲン(すなわち、毛周期の休止期
)を短縮する。人間にも同じような作用があるかもしれない。ミノキシジルはまた、アナ
ゲンの延長と毛包のサイズを増加させる可能性がある(Messenger AG, Rundegren J.ミノ
キシジル:発毛作用のメカニズム.Br J Dermatol 2004;150:186-94)。理論に拘束されるこ
とを望むものではないが、毛包新生が外皮穿刺によって刺激されている間、ミノキシジル
を併用することで、毛包新生の毛周期を維持するだけでなく、毛包を太くし、発毛の全体
的な促進に相乗効果をもたらすと考えられる。
【0092】
本開示は、ミノキシジル治療の安全性を維持しつつ、優れた有効性の結果を達成するた
めに、高度に定義され、かつ厳密に制御されたピンポイント創傷を達成することができる
装置を用いたマイクロニードルリング法と、外用ミノキシジル塗布との間の相乗効果を利
用する新規な方法および治療レジメンに向けられている。本明細書に記載された方法およ
び治療レジメンにおいては、これらの有益な成果、すなわち、ミノキシジル単独で、また
は例えば、上記のようなダーマローラ装置を使用した穿刺との組み合わせを採用した以前
の研究よりも有効性が改善されるように、いくつかの要素またはパラメータが組み合わさ
れている。本明細書に記載されている方法、装置、システム、および治療レジメンのいく
つかのユニークな特徴は、これらの方法およびプロトコルに従ったときに観察される全体
的な安全性およびより高い効率性に寄与する。
【0093】
有効性を改善するための第一の重要な要素は、最適な毛包刺激を促進することができる
、本明細書に記載されているパワーニードリング装置を使用して、生産的な最適な穿刺を
達成することを含む。発毛の最適な刺激をもたらす機能的穿刺を達成するためには、制御
された最適な深さで(穿刺効果)、皮膚表面に垂直な角度で、狭い列の損傷をもたらし、
ニードルストライクごとに最適な度合いおよびタイプの損傷が加えられなければならない
。注目すべきことは、本明細書に記載されたパワーマイクロニードリング装置および本明
細書に記載された方法で使用されるパワーマイクロニードリング装置が、上述のダーマブ
レーション装置よりも有意に深さ制御を提供することである。本明細書に記載されている
のは、発毛を促進するための最適な条件をもたらす機能的穿刺を達成するためのマイクロ
ニードリング装置と、これらの装置を使用する方法である。そのような条件は、過剰な損
傷(例えば、針の過度の引きずりに起因する、例えば、掻き取り効果、過度の出血、切り
傷および擦り傷)を回避しながら、毛包新生を最適に刺激するのに十分な穿刺を提供する
。一貫した最適な結果を達成するために必要な最適化されたパラメータが、本明細書に記
載されている。パラメータは、振動率、装置の移動速度、装置の垂直性、ニードル挿入期
間、ニードル挿入深さ、およびニードルストライク密度を含むが、これらに限定されない
。例えば、最適なニードルストライク密度は、ニードルストライクの数、ニードルアレイ
の幅、および重複パスの数などのパラメータの異なる組み合わせによって実現できる。
【0094】
さらに、最適な機能的穿刺のために必要なパラメータを実現するように設計されたマイ
クロニードリング装置が本明細書に記載されている。本明細書に記載された方法で使用す
ることができる装置の1つの非限定的な例は、米国出願公開第 No. 2018/0280675に記載
された装置であり、この装置は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0095】
有効性を改善するための第二の重要な要素は、手技の安全性を維持しつつ、発毛効果を
最適化する外用ミノキシジルと組み合わせて装置を使用する、本明細書に記載の治療プロ
トコルに包含される。例えば、皮膚の損傷/外皮穿刺が異なる間隔で行われ、所望の結果
が達成されるまで異なる回数繰り返される、といった治療プロトコルが本明細書に記載さ
れている。非限定的な例として、毎週、隔週または毎月の皮膚の損傷(例えば、マイクロ
ニードリングによって実行される)を含み、次いで、損傷された後のミノキシジル治療が
行われる。1つの特定の実施形態では、実施例を含めて本明細書でより詳細に記載されて
いるように、皮膚の損傷/外皮穿刺は、隔週ベースで行われ、これは、例えば、装置を使
用して週に1度のマイクロニードリングを行うよりも効果的である。治療サイクル数は必
要に応じて調整することができる。非限定的な例では、治療サイクルは、3ヶ月以上の期
間にわたって実施される。
【0096】
さらに、最適な有効性を達成しながら、潜在的な安全性の懸念を念頭に置いて最適化さ
れたミノキシジル治療プロトコルが本明細書に記載されている。そのようなプロトコルの
ステップは、例えば、ミノキシジルの最初の塗布の前に皮膚の損傷が治癒する機会が与え
られるまで待つこと、およびその後のマイクロニードリング治療を開始する前に、最後の
ミノキシジルの塗布の後に所定の時間待つこと、を含む。さらに、治療後のミノキシジル
の最初の投与量が、例えば1日2回、例えば2日間塗布される2%溶液である、ステップアッ
ププロトコルが考案された。投与量が5%に増加した場合のみ、例えば、治療サイクルの
最後まで1日2回使用することができる。この「ランプアップ」は、本明細書の例えば実施
例1に示されるように、血清レベルを徐々により増加させ、血清中のミノキシジルの蓄積
を減少させて、市販のミノキシジルに沿った安全性プロファイルを達成する。
【0097】
従って、本明細書に記載の方法は、ヒト被験者における発毛を促進するための方法であ
って、その方法は、例えば、ヒト被験者の禿げた頭皮などの関心領域の外皮穿刺;および
穿刺後のミノキシジルまたはその製薬学的に許容される塩、同位体バリアント、またはソ
ルベートの投与(「穿刺後治療」)、を含む。いくつかの実施形態では、本明細書中でさ
らに詳細に記載されているように、外皮穿刺は、例えば、往復針を駆動するモータを含む
マイクロニードリング装置を用いて実行される。いくつかの実施形態では、治療レジメン
は、穿刺後最初に低濃度の、例えば2%のミノキシジルを投与し、次に高濃度、例えば5%
のミノキシジルを投与することを含む。いくつかの実施形態では、治療レジメンは、マイ
クロニードルを往復駆動するモータを有するニードリング装置を用いて、脱毛領域の皮膚
の表皮を損傷させることを含み、その後、24時間から36時間後に、2%ミノキシジル溶液
を皮膚の損傷した領域に1日2回、2日間局所的に塗布し、その後、5%ミノキシジル溶液を
皮膚の損傷した領域に1日2回、4日間、11日間、または27日間局所的に塗布する。いくつ
かの実施形態では、これらのステップは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10回繰り
返される。
【0098】
また、本明細書に記載の方法は、被験体(例えば、ヒト)の皮膚領域に毛髪の成長を促
進、刺激、または増加させる方法、または毛髪の太さを増強または増加(いくつかの実施
形態では、本明細書で発毛または毛髪の太さを「促進する」と総称する)させる方法であ
って、該方法は、ミノキシジルまたはその製薬学的に許容される塩(例えば、ミノキシジ
ルまたはその製薬学的に許容される塩を含む医薬組成物)の投与と組み合わせて、皮膚の
患部を外皮穿刺の対象とすること、を含む。特定の実施形態において、禿げまたは脱毛症
を治療する方法、または毛髪の成長もしくは太さを促進する方法は、新しい毛包の形成(
「毛包新生」)、新生様毛包の形成、既存の毛包の活性化、既存の毛包の再編成、毳毛の
数の増加、非毳毛(例えば、中間毛または末端毛)の数の増加、毛髪の太さの増加、毛髪
の質量の増加および/または治療部位の毛髪総数の増加をもたらす。
【0099】
1つの実施形態では、本明細書に記載の方法は、被験体の皮膚領域上で毛髪の成長を促
進する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、被験体の皮膚の治療部位上
の毛髪の量または太さを増加させる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は
、被験体の皮膚の治療部位上の毳毛の量を増加させる。いくつかの実施形態では、本明細
書に記載の方法は、被験体の皮膚の治療部位上の非毳毛の量を増加させる。いくつかの実
施形態では、本明細書に記載の方法は、被験体の皮膚の治療部位上の硬毛の量を増加させ
る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、被験体の皮膚の治療部位内に新
しい毛包(「毛包新生」)を形成する。特定の実施形態では、本明細書に記載の方法は、
被験体の皮膚の治療部位内の毛包の数を増加させる。特定の実施形態では、本明細書に記
載された方法は、被験体の皮膚の治療部位内の毳毛サイズの毛幹(すなわち、直径が30ミ
クロン未満の毛幹)を有する新しい毛包の形成をもたらす。いくつかの実施形態では、本
明細書に記載の方法は、被験体の皮膚の治療部位内に、既存の毛包など、刺激され活性化
された毛包の数を増加させる。特定の実施形態では、本明細書に記載の方法は、被験体の
皮膚の治療部位内の毳毛サイズの毛幹を有する既存の毛包の数を増加させる。他の特定の
実施形態では、本明細書に記載の方法は、毛包新生の存在および/または増加誘導、およ
び/またはイニシエートおよび/または刺激の増強、活性化、および/または毛包構造の
再編成をもたらす。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、新たに形成され
た、新たに分岐した、および/または新たに再編成された毛包をもたらす。
【0100】
特定の実施形態では、本明細書に記載された外皮穿刺の方法は、例えば、本明細書に記
載された装置を使用して、マイクロニードリングをすること、を含む。
【0101】
本明細書に記載されている方法は、皮膚の外皮穿刺領域を、毳毛または硬毛を含む毛髪
の成長を促進するための穿刺後治療で処理するための方法である。特定の実施形態では、
穿刺後治療は、例えば、外用ミノキシジル治療のような、局所的な治療である。穿刺後治
療方法に使用するための医薬組成物もまた、本明細書に記載されている。
【0102】
いくつかの実施形態では、穿刺後治療、例えばミノキシジル治療が、外皮穿刺の直後に
投与される。いくつかの実施形態では、穿刺後治療は、外皮穿刺後、所定期間に投与され
る。1つの実施形態では、穿刺後治療は、穿刺の1日後に投与される。いくつかの実施形
態では、穿刺後治療は、例えば2%ミノキシジルを2日間投与し、次いで5%ミノキシジル
を少なくとも4日間投与することを含むステップアッププロトコルを含む。
【0103】
1つの実施形態では、外皮穿刺の方法、例えば、本明細書に記載された装置および方法
を用いたマイクロニードリングの方法は、例えば、ミノキシジルのような穿刺後治療と組
み合わせて、被験者の皮膚領域における毛髪の成長を促進する。いくつかの実施形態では
、本明細書に記載の方法は、被験体の皮膚の治療部位上の毛髪の量または太さを増加させ
る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、被験体の皮膚の治療部位上の毳
毛の量を増加させる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、被験体の皮膚
の治療部位上の硬毛の量を増加させる。
【0104】
禿げ、脱毛症、発毛の患者人口
本明細書に記載された1つ以上の方法で治療する被検者候補は、脱毛、薄毛、禿げに悩
まされているか、またはそれらに関連する疾患または病気を有しているか、または有して
いたか、または毛髪の成長または太さを増強することを望む任意の被験者である。
【0105】
被験者は、任意の被験者であってもよく、好ましくは、男性、女性、中間/不明(例え
ば、XO)、性転換者の被験者を含むヒトの被験者である。特定の実施形態では、被検者は
思春期のヒトである。特定の実施形態では、被検者は思春期を迎えている。特定の実施形
態では、被検者は中年の成人である。特定の実施形態では、被検者は閉経前の成人である
。特定の実施形態では、被検者は更年期を迎えている。特定の実施形態では、被検者は高
齢者である。特定の実施形態では、被検者は、1歳以下、2歳以下、2歳、5歳、5歳~10歳
、10歳~15歳(例えば12歳)、15歳~20歳、20歳~25歳、25歳~30歳、30歳以上、30歳~
35歳、35歳以上、35歳~40歳、40歳以上、40歳~45歳、45歳~50歳、50歳以上、50歳~55
歳、55歳~60歳、60歳以上、60歳~65歳(例えば65歳)、65歳~70歳、70歳~75歳、75歳
~80歳、80歳~85歳、85歳~90歳、90歳~95歳または95歳以上、のヒトである。いくつか
の実施形態では、被検者は20歳~50歳の男性である。いくつかの実施形態では、被検者は
20歳~60歳の男性である。いくつかの実施形態では、被検者は30歳~60歳の男性である。
いくつかの実施形態では、被検者は40歳~60歳の男性である。いくつかの実施形態では、
被検者は12歳~40歳の男性または女性である。いくつかの実施形態では、被検者は女性で
はない。いくつかの実施形態では、被検者は妊娠していないか、または妊娠することを期
待されていない。いくつかの実施形態では、被検者は、妊娠第1期の妊婦ではない。いく
つかの実施形態では、被検者は授乳していない。
【0106】
1つの実施形態では、治療は、例えば、頭皮、顔(例えば、眉毛、睫毛、上唇、下唇、
あご、頬、あごひげ領域、または口ひげ領域)、または身体の他の部分、例えば、胸、腹
部、腕、脇の下(腋毛の部位)、脚、または生殖器などの発毛が所望される領域に施され
る。いくつかの実施形態では、治療は頭部に施される。いくつかの実施形態では、治療は
頭皮に施される。いくつかの実施形態では、治療は禿げた頭皮に施される。1つの実施形
態では、治療は顔には施されない。いくつかの実施形態では、皮膚の創傷または瘢痕化さ
れた部分への毛髪の修復が望まれる。1つの実施形態では、瘢痕は、フェイスリフト、皮
膚移植、または植毛などの手術によって生じる。
【0107】
被検者は、MPHLまたはFPHLを含むアンドロゲン性脱毛症(AGA)などの非瘢痕性(非瘢
痕)脱毛症の形態のような、禿げまたは脱毛(薄毛を含む)の病気または疾患を有してい
てもよく(例えば、毛髪の薄毛、すなわち、前頭部/頭頂部のびまん性脱毛)、またはア
ンドロゲン、中毒性脱毛症、円形脱毛症(全身性脱毛症を含む)、瘢痕性(瘢痕)脱毛症
、病理学的脱毛症(例えば、薬、外傷ストレス、自己免疫疾患、栄養失調、または内分泌
機能障害などによって引き起こされる)、トリコチロマニア、先天性貧毛症や扁平苔癬の
ような貧毛症の一形態、または当技術分野で知られているまたは後述の脱毛または禿げの
他の任意の疾患を有していてもよい。
【0108】
いくつかの実施形態では、被検者は、例えば、アンドロゲン性脱毛症のような、遺伝的
または遺伝性の病気または疾患によって引き起こされる脱毛を有する。
【0109】
いくつかの実施形態では、被験者は、化学療法(例えば、5-フルオロウラシル、メトト
レキサート、シクロホスファミド、ビンクリスチンを用いた)の間に生じるような、アナ
ゲン脱毛によって引き起こされる脱毛を有する。アナゲン脱毛は、化学療法薬の他に、他
の毒素、放射線被曝(放射線の過剰摂取を含む)、内分泌疾患、外傷、圧迫、および円形
脱毛症(アナゲン毛包を攻撃する自己免疫疾患)などの特定の疾患によって引き起こされ
ることがある。
【0110】
いくつかの実施形態では、被験体は、休止期脱毛によって引き起こされる脱毛を有する
。休止期脱毛は、リチウムなどの薬やバルプロ酸やカルバマゼピンなどの他の薬が原因で
起こることが多い。精神科の薬以外にも、休止期脱毛は、出産、けん引、発熱性疾患、手
術、ストレス、栄養不良などで誘発されることがある。(「Mercke et al., 2000, Ann.C
lin.Psych.12:35-42」を参照)。
【0111】
いくつかの実施形態では、被検者は、化学療法(例えば、抗がん剤治療または細胞障害
性薬物)、タリウム化合物、ビタミン(例えば、ビタミンA)、レチノイド、抗ウイルス
療法のような投薬によって引き起こされた、または投薬に関連した脱毛を有しているか、
または心理療法、放射線(放射線の過剰摂取によって引き起こされ得る頭皮脱毛のバンデ
ィングパターンなど)、外傷、内分泌機能障害、手術、物理的外傷、X線萎縮、火傷また
は他の損傷または創傷、ストレス、老化、自己免疫疾患または障害、栄養失調、感染症(
例えば、真菌、ウイルス、または細菌感染症など)、皮膚炎、乾癬、湿疹、妊娠、アレル
ギー、重症疾患(例えば、猩紅熱)、粘液浮腫、下垂体炎、初期梅毒、円板状エリテマト
ーデス、皮膚エリテマトーデス、扁平苔癬、深在性間質性潰瘍、肉芽腫(例えば、サルコ
イドーシス、梅毒、皮膚エリテマトーデス、扁平苔癬、深在性潰瘍、肉芽腫(例えば、サ
ルコイドーシス、梅毒)、皮膚エリテマトーデス、扁平苔癬、深在性潰瘍、肉芽腫(例え
ば、サルコイドーシス、梅毒性グンマ、結核)、炎症性白癬性頭部炎(ケリオン、ファバ
ス)、頭皮の緩成長性腫瘍または他の皮膚腫瘍、または当技術分野で知られているか、ま
たは後述の禿げまたは脱毛に関連するか、またはその原因となる他の病気または疾患を有
している。
【0112】
いくつかの実施形態では、被検者は、植毛または毛包単位移植のための組織または毛包
の供給源として以前使用されたことによって引き起こされた、薄毛または「ショックロス
」、または禿げパッチを有する。
【0113】
いくつかの実施形態では、被験者候補は、発毛を強化することを望む被験者であり、例
えば、より多くの毛髪、より早く成長する毛髪、より長い毛髪、および/またはより太い
毛髪を有することを望む被検者である。いくつかの実施形態では、候補者は、毛髪色素の
増加を望む被検者である。いくつかの実施形態では、被検者は、過度の脱毛の疾患に影響
されない。
【0114】
いくつかの実施形態では、被験者は瘢痕性(瘢痕)脱毛症を有する。本明細書に記載さ
れた方法に従って治療され得る瘢痕性脱毛症の形態は、原発性瘢痕性脱毛症(PCA)およ
び二次性瘢痕性脱毛症を含む。本明細書に記載の方法に従って治療され得る原発性瘢痕性
脱毛症には、リンパ球媒介性PCA(例えば、扁平苔癬(LPP)、前頭線維化脱毛症(FFA)
、中央遠心性瘢痕性脱毛症(CCCA)、および萎縮性脱毛症(Brocq))、リンパ球媒介性P
CA(例えば、毛包炎デカルバンおよび房状毛包炎)、および混合炎症性浸潤を伴うPCA(
例えば、解離性蜂巣炎およびケロイド毛包炎で発生する)が含まれる。
【0115】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、瘢痕性脱毛症の患者における発毛
を増強するために使用される。いくつかの実施形態では、患者は、二次性瘢痕性脱毛症を
有する。いくつかの実施形態では、患者は、原発性瘢痕性脱毛症(例えば、リンパ球媒介
性PCA(例えば、扁平苔癬(LPP)、前頭線維化脱毛症(FFA)、中央遠心性瘢痕性脱毛症
(CCCA)、および萎縮性脱毛症(Brocq))、リンパ球媒介性PCA(例えば、毛包炎デカル
バンおよび房状毛包炎)、および混合炎症性浸潤を伴うPCA(例えば、解離性蜂巣炎およ
びケロイド毛包炎で発生する))を有する。
【0116】
瘢痕性脱毛症は、すべての年齢層で発症する可能性があるが、最も一般的には成人の男
女ともに発症する。一般的には、それらは稀である。家族内で発生した瘢痕性脱毛症の報
告は数件ある。しかし、瘢痕性脱毛症の患者の大多数は、同様の疾患の家族歴を有してい
ない。扁平苔癬は、中年女性に最も多く発症する可能性がある。中心性遠心性脱毛症は、
黒人女性に最も多く発症する可能性がある。前頭部線維化脱毛症は、閉経後の女性に多く
見られる。したがって、特定の実施形態では、本明細書に記載された被験者に加えて、瘢
痕性脱毛症の治療のための被験者候補は、黒人女性(例えば、アフリカ系アメリカ人の)
、中年女性、または閉経後の女性である。
【0117】
アンドロゲン性脱毛症
男女ともに、12歳から40歳までの間に「薄毛」と呼ばれる前頭部/頭頂部のびまん性の
脱毛を発症する。女性の場合、薄毛は「女性型脱毛(FPHL)」と呼ばれ、アンドロゲンに
よって引き起こされたり、悪化したりする。(Price VH, 2003, J Investig Dermatol Sy
mp Proc.8(l):24-7, Androgenetic alopecia in women)。
【0118】
男性型脱毛症 (Mphl)
思春期の後、男性は、連続体である比較的特徴的なパターンで、頂点、脳天、および前
頭部/頭頂部上の頭髪を失い始める(ハミルトンノーウッドスケールで示されている)。
男性の頭髪の損失は MPHL と呼ばれ、アンドロゲン、ジヒドロテストステロン(DHT)によ
って駆動されるプロセスであることが知られているが、これは、テストステロンのDHTへ
の変換を阻害するフィナステリドによって阻害され、ある程度逆転させることができる。
ミノキシジルはまた、MPHLを遅らせたり、逆転させたりすることができる。
【0119】
女性型脱毛症
MPHLの進行に加えて、男女ともに、12歳から40歳までの間に「薄毛」と呼ばれる前頭部
/頭頂部のびまん性の脱毛を発症する。MPHLと、男性と女性のびまん性薄毛を総称して "
アンドロゲン性脱毛症"と呼ばれている。おそらく、びまん性脱毛症は、女性の場合、MPH
Lに悩まされず、前髪の生え際を保持しているため、より目立ちやすく問題であるため、
おそらく、中年になると男性よりも女性の方が、びまん性脱毛症が男性よりも進行して薄
毛に気づく(そして不平をいう)。女性の場合、薄毛は「女性型脱毛(FPHL)」と呼ばれ
、アンドロゲンによって引き起こされたり、悪化したりする可能性がある(Price, 2003,
J. Investig.Dermatol.Symp.Proc.8:24-27)。
【0120】
メカニズム的には、FPHLは、最近の研究ではケノゲンの延長が認められているが、アナ
ゲンの持続時間の漸進的な減少と進行性毛包の微細化という点でMPHLといくつかの特徴を
共有していると考えられている。MPHLと同様に、特に頭頂部の薄毛は、若い人に影響を与
えることに加えて、体内のテストステロンとDHTの量が減少しているときに年配者にも発
生し得る。これは、FPHLの初期の頃からの延長線上にあるか、あるいは人生の後半数十年
の間に始まることさえある(すなわち、加齢による薄毛)。
【0121】
瘢痕性脱毛症
瘢痕性脱毛症は、瘢痕脱毛症とも呼ばれ、原発性瘢痕性脱毛症(PCA)と続発性瘢痕性
脱毛症がある。原発性瘢痕性脱毛症は、あらゆる年齢層の健康な男女の毛包に永久的な破
壊と瘢痕をもたらす多様な毛髪疾患の稀なグループを説明する(http://www.carfintl.org
/faq.html; Price VH, 2006, "The medical treatment of cicatricial alopecia," Semi
n Cutan Med Surg 25:56-9)。PCAでは、毛包が毛包中心の炎症攻撃の主要な標的となり、
皮脂腺や毛包幹細胞が破壊され、繊維質(瘢痕性)組織と入れ替わることになる。二次性
瘢痕性脱毛症は、重度の感染症、腫瘍、火傷または放射線の後に偶発的に毛包単位が破壊
されたものである。
【0122】
原発性瘢痕性脱毛症は、永久脱毛を引き起こす少なくとも8つの珍しい病気を代表する
。これらの疾患の臨床経過は非常に変化に富み、予測不可能である。脱毛は何年もかけて
ゆっくりと進行することもあれば、数ヶ月で急激に進行することもある。痒みや痛み、灼
熱感が強いことが多く、普通に生活できなくする。原発性瘢痕性脱毛症は現在、リンパ球
性炎症が優勢なものと好中球性炎症が優勢なものを層別化し、リンパ球性炎症が優勢なも
のと混合浸潤が優勢なものを層別化する、頭皮生検の病理組織学的解析により分類されて
いる。
【0123】
リンパ球媒介性PCAには、扁平苔癬(LPP)、前頭線維化性脱毛症(FFA)、中央遠心性
瘢痕性脱毛症(CCCA)、萎縮性脱毛症(Brocq)が含まれる。
【0124】
好中球介在性PCAには、毛包炎デカルバンや房状毛包炎などがある。二次的に毛包破裂
を起こす解離性蜂巣炎やケロイド毛包炎では、混合炎症性浸潤が起こる。
【0125】
老化
ヒトの老化は、プログラムされた毛髪のパターニングにつながる。後頭部の薄毛を含む
びまん性脱毛は、老化により発生する。これは、アンドロゲン性脱毛症(MPHLまたはFPHL
)の初期の頃からの延長線上にあるか、または体内のテストステロンとDHTの量が減少し
ているときに人生の後半数十年の間に始まることさえある。
【0126】
閉経後の女性の脱毛は、エストロゲンの喪失(および/またはエストロゲン/アンドロ
ゲン比の低下)に関連していると考えられている。従って、いくつかの実施形態では、本
明細書に開示されている加齢性脱毛のための組み合わせ治療は、1つ以上の発毛促進剤と
エストロゲン置換療法またはアンドロゲン阻害療法の治療の組み合わせを含む。
【0127】
老化はまた、毛包周期の制御に変化をもたらす。男性では、眉毛が長くなり、鼻毛が長
くなることから、テロゲンとアナゲンの長さは、もはやそれほど密接に調節されていない
ことが示唆されている。つまり、老化とともに、硬毛の成長を抑制する機能が失われてし
まうのである。
【0128】
また、ミノキシジルスルホトランスフェラーゼのレベルをチェックすることによって、
誰がミノキシジルに対してより良い反応を示すかを予測することも可能かもしれない (Bu
hl et al., J Invest Dermatol.1990;95(5):553-557)。ミノキシジルは、内因性スルホト
ランスフェラーゼ酵素によって、毛包の外根鞘で活性型の硫酸ミノキシジルに変換される
。3つの研究では、摘出された毛包のスルホトランスフェラーゼ活性とAGA患者のミノキシ
ジル応答との間の相関関係が報告されている (Goren et al.,新しい酵素アッセイは、男
性型脱毛症の治療におけるミノキシジルの反応を予測する。Dermatol Ther 2013:27 (3):
171-173; Roberts et al.,摘出された毛包におけるスルホトランスフェラーゼ活性は、女
性の男性型脱毛症の治療における局所ミノキシジルへの反応を予測する。Dermatol Ther
2014:27 (4):252-254; Goren et al.,男性型脱毛症におけるミノキシジル反応試験の臨床
的有用性と妥当性。Dermatol Ther.2015 Jan-Feb;28(1):13-6)。3つの研究では、不応答
者を除外する精度は、それぞれ95.8%、95.3%、100%と同様である。両方の研究から得
られたデータを組み合わせることで、診断は、AGAのミノキシジル治療に対する反応を予
測するための感度が94%、特異度が76%であることを示している。これらの研究は、AGA
患者および潜在的に他の脱毛疾患を持つ患者におけるミノキシジル反応試験の臨床的有用
性と妥当性を示している。従って、いくつかの実施形態では、内因性スルホトランスフェ
ラーゼの活性は、本明細書に記載の方法の開始前に測定される。適切な技術は、例えば、
Gorenら、2015年に記載されている。
【0129】
ミノキシジル血清レベル
外用ミノキシジル溶液は、高血圧治療のために経口摂取すると、有効成分(ミノキシジ
ル)が多毛症(髪の毛の過剰な成長)を引き起こすことを発見した後、AGA治療薬として
開発された((Headington JT.1987.毛包生物学とミノキシジル外用剤: possible mechanis
ms of action; Dermatologica 175(Suppl 2):19-22)。
【0130】
ミノキシジルの全身作用による心血管イベントの可能性は、FDAによってミノキシジル
のOTC使用を承認された際に検討された。心拍数の有意な増加が発見された血清ミノキシ
ジルレベルは、20 ng/mL以上の濃度で始まり、すなわち、副作用は21.7 ng/mLの血清濃度
で観察された(Ferry JJ, et al.1996.未治療の高血圧患者における静脈内注入後のミノ
キシジルの血行動態効果.Clinical Pharmacology and Therapeutics 59(2):166)。2%と5
%のミノキシジルの日常的な外用塗布の臨床試験では、血清レベルが評価され、2%と5%の
溶液でそれぞれ0.7と1.7 ng/mLの平均血清レベルが示された(U.S.Food and Drug Admini
stration.1997.Review Memoranda for NDA 20-834 (Pharmacia & Upjohn Company)。これ
らのレベルは、血行動態の変化が観察される20 ng/mLレベルをはるかに下回っているが、
特定の個体では20 ng/mLの閾値に近い高いレベルを経験し、5%溶液で記録された最大血
清量は16.5 ng/mLであった (Olsen et al.(2002));男性の男性型脱毛症の治療におけるミ
ノキシジル5%外用とミノキシジル2%外用とプラセボの無作為化臨床試験; J Am Acad De
rmatol 2002;47:377-85)。しかし、FDAによる承認以来、外用ミノキシジル溶液2%と5%
は、安全な市販使用の長い歴史を示している。外用ミノキシジル塗布の副作用は、主にビ
ヒクル(プロピレングリコール)に起因すると考えられている局所刺激(例えば、紅斑、
接触性皮膚炎)のバリエーションである。
【0131】
本明細書にさらに詳細に記載され、実施例1に例示されるように、例えば、外皮穿刺お
よび穿刺後のミノキシジル塗布を含む方法、装置、および治療レジメンを用いた研究では
、2%MTSでの処理後1時間における血清ミノキシジルのピーク濃度の代表として、1.1 ng/m
Lの平均血清レベルが観察された。したがって、観察された平均血清レベルは、(a) 2% MT
S (0.7 ng/ml)で観察された血清レベルよりも高く、(b) また、上述したように、臨床的
にも広く市販使用においても安全であることが実証されている 5% MTS (1.7 ng/ml)で観
察されたレベルを下回った。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書で提供され
る方法、装置、キット、システム、および治療レジメンは、単独での局所投与(本明細書
の他の場所で詳細に記載され、例示されている)を超える有効性の利益を提供し、そして
ミノキシジルの血清レベルを、日常的に臨床的におよび市販薬で安全であると考えられて
いる範囲内に維持する治療を提供する。
【0132】
したがって、特定の実施形態では、本明細書に開示されている方法、キット、システム
、および治療レジメンを被験者に適用すると、被験者におけるミノキシジルの平均ピーク
血清濃度は、最大で0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.
7、1.8、1.9、または最大で2.0 ng/mLとなる。特定の実施形態では、平均血清濃度は1.1n
g/mlである。
【0133】
さらに、実施例1に記載の試験で記録された最大血清レベルは、5.5 ng/mLであった。こ
れは、5%外用ミノキシジルの有効性を評価する上記の研究で観察された個体の16.5 ng/m
Lの最大レベルMTS 5%よりも大幅に低い(Olsen et al.(2002); 男性の男性型脱毛症の治
療におけるミノキシジル5%外用とミノキシジル2%外用とプラセボの無作為化臨床試験;
J Am Acad Dermatol 2002;47:377-85)。従って、本明細書に記載された方法、キット、
システム、および治療レジメンは、血清ミノキシジルレベルが安全であるとして一般的に
受け入れられているレベル内に留まることを確実にするために採用される。いくつかの実
施形態では、外皮穿刺および穿刺後のミノキシジル塗布のステップを含む本明細書に記載
の方法は、塗布されるミノキシジルの濃度をステップアップ(すなわち、2%から開始し
、5%ミノキシジルまでステップアップ)を含み、血清ミノキシジルレベルが、市販のミ
ノキシジル治療のために安全であることが以前に実証されている範囲内にとどまることを
可能にする。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のステップアップ方法および治療
レジメン(2%から開始し、5%ミノキシジルまでステップアップ)は、血清レベルをより
徐々に増加させ、血清中のミノキシジルの蓄積を減少させることができる。
【0134】
したがって、特定の実施形態では、本明細書に開示された方法、キット、システム、お
よび治療レジメンを被験者に適用すると、個々の被験者におけるミノキシジルの最大血清
濃度は、最大で0.5, 0.6, 0.7, 0.8, 0.9, 1.0, 1.1, 1.2, 1.3, 1.4, 1.5, 1.6, 1.7, 1
.8, 1.9, 2.0, 2.0~3.0, 3.0~4.0, 4.0~5.0, 5.0~6.0、6.0~7.0、7.0~8.0、8.0~9
.0、9.0~10.0、11.0~12.0、12.0~13.0、13.0~14.0、14.0~15.0、15.0~16.0 ng/mL
となる。特定の実施形態では、最大血清濃度は5~6ng/mlである。
【0135】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載された方法はまた、ミノキシジルおよびプロ
ピレングリコールビヒクル(これは、ミノキシジル濃度に応じて減少してもよい)の減少
したレベルを採用することにより、局所的な副作用を最小化するための手段を提供する。
いくつかの実施形態では、局所刺激(例えば、紅斑、接触皮膚炎)が低減される。
【0136】
有効性と治療成績
ミノキシジル外用液は、発毛促進のための研究でいくつかの有効性が示されている。例
えば、あるミノキシジルの研究では、MTS 5%とミノキシジルフォーム5%の両方が、ベース
ライン(非毳毛ターゲットエリアの毛髪数)よりも平均12%の増加を達成した(Olsen 200
2とOlsen 2007)。しかし、すべての人に効果があるわけではない。例えば2%のMTSを用い
たある研究では、4ヶ月間の治療により、中等度(薄毛領域の全部または一部を覆ってい
るが、頭部の残りの毛髪と同じように密集していな い新しい個々の毛髪と定義される)
から密な発毛(薄毛領域を覆っ ているか、ほぼ完全に覆っていて、頭部の薄毛でない領
域の毛髪 と同じように密集している新しい毛髪)を報告した人の割合は、ビヒクルのみ
のコントロールを用いた被験者の11%と比較して、26%に過ぎなかった。本明細書に記載の
方法、装置、キット、システム、および治療レジメンを用いて、治療に対する回答者の数
を有意に増加させることができる。本明細書にさらに詳細に記載され、実施例1に例示さ
れているように、例えば、本明細書に記載されているプロトコルに従った外皮穿刺および
穿刺後のミノキシジル塗布を含む方法、装置、および治療レジメンを使用する研究におい
て、被験者の79%が、Olsen 2002およびOlsen 2007に記載されている、上記の先行する大
規模なミノキシジル研究よりも大きい、非毳毛ターゲットエリアの毛髪数の増加を示した
。したがって、この治療プロトコルは、ミノキシジルのみの治療と比較して、ポジティブ
な有効性の結果を達成した。本明細書に記載の方法を用いて、被験者の大多数において、
ミノキシジル単独の試験と比較して、より大きなレベルでの非毳毛の増加が観察された。
従って、いくつかの実施形態では、本明細書に記載された方法装置、キット、システム、
および治療レジメンは、被験者の大多数において、ミノキシジル単独での治療よりも大き
な範囲で発毛の増加を達成する。最大の増加は、実施例1に記載したように、隔週穿刺で
のレジメンで観察された。いくつかの実施形態では、外皮損傷は隔週で行われる。
【0137】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示された方法、キット、システム、および治療
レジメンの被検者への適用は、5%以上、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30
%以上、40%以上、50%以上、75%以上、または100%以上の非毳毛数を増加させる。い
くつかの実施形態では、本明細書に開示された治療レジメンは、5%以上、10%以上、15
%以上、20%以上、25%以上、30%以上、40%以上、50%以上、75%以上、または100%
以上の毳毛を増加させる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された治療レジメン
は、5%以上、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、40%以上、50%以
上、75%以上、または100%以上の硬毛を増加させる。いくつかの実施形態では、本明細
書に開示された治療レジメンは、5%以上、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、3
0%以上、40%以上、50%以上、75%以上、または100%以上の総毛髪数を増加させる。
【0138】
特定の実施形態では、総毛髪数、非毳毛、毳毛、硬毛のそのような改善は、治療レジメ
ンの開始後、2週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月
、10ヶ月、11ヶ月、または1年以上の期間内またはそれ以降に観察され得る。特定の実施
形態では、総毛髪数、非毳毛、毳毛、硬毛は、本明細書に記載されるようなマクロフォト
グラフィー手順を使用して観察することができる。特定の実施形態において、検出可能な
毛髪は、写真撮影、例えば、グローバル写真記録またはフォトトリコグラフィー分析によ
って定量化することができる(参照により本明細書に組み込まれる、例えば、Unoら、200
2年、Acta Venereol 82:7-12に記載されているように)。さらに、写真的に検出可能な毛
髪の毛幹の太さの変化が判定され得る。特定の実施形態では、発毛の永続性は、少なくと
も2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、1年、1
.5年、2年、2.5年、3年、4年、または少なくとも5年以上の期間にわたってモニタされる
。
【0139】
本明細書に記載された治療の成功を実証するために、当業者に知られている任意の方法
を使用することができる。様々な実施形態において、脱毛症の治療、禿げの治療、または
発毛の促進を目的とした治療の成功は、以下の方法のうちの1つ以上に従って測定するこ
とができる。・全体的な美容効果の向上(例えば、ビジュアルアナログスケール(VAS)
を使用して);・患者による発毛の評価(例えば、アンケートに基づく);・調査員によ
る発毛の評価(例えば、評価尺度に基づく);・写真による患者の発毛の評価;・患者の
写真による調査員の発毛の評価;・毛髪数の増加(例えば、皮膚の患部における増加した
繊維数として新しい発毛を測定することによって);・毛髪密度の増加;・毛髪または毛
幹の太さの増加(例えば、直径に基づく);・毛髪重量の増加;・毛髪切断;・より長い
毛髪;・写真で検出された毛髪数の増加;・硬毛の量の増加(例えば、皮膚の患部におけ
る繊維数の増加として新たな発毛を測定することによって、または毛髪繊維の太さの増加
(例えば、直径)または長さの増加(例えば、写真で測定される)を測定することによっ
て);・毳毛の量の増加(例えば、皮膚の患部における繊維数の増加として新たな発毛を
測定することによって)(例えば、写真で測定される);・非毳毛(例えば、中間毛また
は末端毛(例えば、写真で測定される))の量の増加;・硬毛対硬毛の比率の増加;・毛
髪細菌の数の増加;・毛包の数の増加(例えば、皮膚生検で評価されたように);・より
成熟した発育段階における毛包の数の増加;・3個以上の毛包を有する毛包単位の数の増
加;・毛包の分岐の増加;・新しい毛包の形成(「毛包新生」);・毳毛サイズの毛幹(
すなわち、30ミクロン未満の直径を有する毛幹)を有する新しい毛包の形成・毳毛サイズ
の毛幹(すなわち、30ミクロン以上の直径を有する毛幹)を有する新しい毛包の形成;・
毛包再生;・既存の毛包の活性化の増加;・毛包の数の増加;・活性化または刺激された
毛包の数の増加;・活性化または刺激された既存の毛包の数の増加;・新生児様(NL)毛
包の存在または数の増加(例えば、生検または共焦点顕微鏡による検査、毛包数の評価、
および/またはベースラインまたは陰性対照と比較した毛包の形態学的評価に基づいて)
;・既存の毛包の存在または増加した数(例えば、生検または共焦点顕微鏡による検査、
毛包数の評価、および/またはベースラインまたは陰性対照と比較した毛包の形態学的評
価に基づいて);・NL、PEL、および/またはPELA毛包構造の存在または増加数(例えば
、ベースラインまたは陰性コントロールと比較した毛包の形態学的評価に基づく);- NL
、PEL、および/またはPELA毛包構造の存在または増加数(例えば、生検または共焦点顕
微鏡による検査、毛包数の評価、および/またはベースラインまたは陰性対照と比較した
毛包の形態学的評価に基づいて、例えばセクション5.8.4.1および5.8.4.2に記載されてい
るように);・被験体の皮膚の治療部位における毳毛サイズの毛幹を有する既往の毛包の
数の増加;・被験体の皮膚の治療部位における毳毛サイズの毛幹を有する新生児様毛包の
数の増加;・アナゲン毛の量の増加;・テロジェン毛の量の増加;・アナゲンの毛包の割
合の増加またはテロジェンの毛包の割合の減少(例えば、アナゲン毛対テロジェン毛の比
率の増加)(例えば、生検またはフォトトリコグラムの検査に基づいて);・真皮乳頭の
増殖の増加(例えば、生検の検査に基づいて);・毛包への幹細胞の補充または増殖の増
加(例えば、生検の検査に基づいて)。
【0140】
例えば、特定の実施形態では、治療の成功は、総毛髪の増加率の判定によって評価され
る。いくつかの実施形態では、毳毛および非毳毛の増加が評価される。いくつかの実施形
態では、毛髪の直径の増加が評価される。理論にも拘束されることを望むものではないが
、毛髪の直径の増加は、毳毛から非毳毛への移行を示している可能性がある。いくつかの
実施形態では、毛髪の質量が評価される。
【0141】
特定の実施形態において、上記に従って、総毛髪数、毳毛数、非毳毛数、毛量、および
/または太い毛髪の数を測定することは、本明細書に記載されるような、穿刺後のミノキ
シジル治療と組み合わせた外皮穿刺の方法の成功を評価するための手段を提供する。例示
的な、非限定的な実施形態において、穿刺後ミノキシジルと組み合わせた外皮穿刺の方法
の成功は、例えば、外皮穿刺ステップを受けなかった皮膚領域、すなわち、未治療または
ミノキシジル単独で治療された皮膚領域と比較して、外皮穿刺と穿刺後ミノキシジルを受
けた皮膚領域で、総毛髪数、毳毛数、非毳毛数、毛量の増加、および/またはより太い毛
髪数の増加の測定に基づいて決定される。
【0142】
特定の実施形態では、治療の成功は、皮膚の治療部位における毛髪数を測定することに
よって評価される。特定の実施形態において、検出可能な毛髪は、写真撮影、例えば、グ
ローバル写真記録またはフォトトリコグラフィー分析によって定量化することができる(
参照により本明細書に組み込まれる、例えば、「Uno et al, 2002, Acta Venereol 82:7-
12」に記載されているように)。さらに、写真的に検出可能な毛髪の毛幹の太さの変化が
判定され得る。特定の実施形態では、発毛の永続性は、少なくとも2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月
、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、1年、1.5年、2年、2.5年、3年
、4年、または少なくとも5年以上の期間にわたってモニタされる。
【0143】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示された治療レジメンは、総毛髪数を、5%以
上、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、40%以上、50%以上、75%以
上、または100%以上増加させる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された治療
レジメンは、毳毛を、5%以上、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、4
0%以上、50%以上、75%以上、または100%以上増加させる。いくつかの実施形態では、
本明細書に開示された治療レジメンは、硬毛を、5%以上、10%以上、15%以上、20%以
上、25%以上、30%以上、40%以上、50%以上、75%以上、または100%以上増加させる
。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の治療レジメンは、毳毛から非毳毛(すなわ
ち、中間毛または硬毛)へ、1~5%、5~10%、10~15%、15~20%、20~25%、25~30
%、30~35%、35~40%、40~45%、45~50%、50~75%、または75~100%の変換をも
たらす。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された治療レジメンは、毛髪太さを、
5%以上、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、40%以上、50%以上、7
5%以上、または100%以上増加させる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の治療
レジメンは、毛幹の直径を、約1、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8
、8.5、9、10、15、20、25、または30ミクロンまたはそれ以上増加させる。いくつかの実
施形態では、本明細書に開示された治療レジメンは、平均毛幹径を、5%以上、10%以上
、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、40%以上、50%以上、75%以上、または10
0%以上増加させる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載された治療レジメンは、
平均毛幹径を、1~5%、5~10%、10~15%、15~20%、20~25%、25~30%、30~35%
、35~40%、40~45%、45~50%、50~75%、または75~100%増加させる。いくつかの
実施形態では、本明細書に開示された治療レジメンは、硬毛毛包と毳毛毛包に対する硬毛
毛包の比率を、5%以上、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、40%以
上、50%以上、75%以上、または100%以上増加させる。総毛髪数、毳毛、硬毛、毳毛か
ら非毳毛(例えば、中間毛または硬毛)への変換、毛髪の太さ、毛幹の直径、または硬毛
と毳毛の比率のそのような改善は、治療レジメンの開始後、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月
、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、または1年以上の期間内または
それ以降に測定され得る。
【0144】
いくつかの実施形態では、総毛髪数、毳毛、硬毛、毳毛から非毳毛(例えば、中間毛ま
たは硬毛)への変換、毛髪の太さ、毛幹の直径、または硬毛と毳毛の比率のそのような改
善は、本明細書に記載された治療レジメンの開始後、3日、または4日、5日、6日、7日、8
日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、3週間、4週間、ま
たは1ヶ月、またはそれ以上の期間内に測定され得る。
【0145】
特定の実施形態では、総毛髪数、毳毛、硬毛、毳毛から非毳毛(例えば、中間毛または
硬毛)への変換、毛髪の太さ、毛幹の直径、または硬毛と毳毛の比率のそのような改善は
、本明細書に記載された治療レジメンの開始後、1日、15日、29日、43日、57日、および7
1日に測定され得る。特定の実施形態では、総毛髪数、毳毛、硬毛、毳毛から非毳毛(例
えば、中間毛または硬毛)への変換、毛髪の太さ、毛幹の直径、または硬毛と毳毛の比率
のそのような改善は、本明細書に記載された治療レジメンの開始後、1日、29日、および5
7日に測定され得る。特定の実施形態において、上記に従った総毛髪数、毳毛数、非毳毛
数、毛量、および/または太い毛髪数の測定は、本明細書に記載された治療レジメンの開
始後、11日、29日、および57日に採取された測定値に基づいている。特定の実施形態にお
いて、上記に従った総毛髪数、毳毛数、非毳毛数、毛量、の増加、および/または太い毛
髪数の増加の測定は、本明細書に記載された治療レジメンの開始後、1日、 8日、 15日、
22日、29日、36日、43日、50日、57日、64日、71日、および78日に行われる。特定の実
施形態において、上記に従った総毛髪数、毳毛数、非毳毛数、毛量、および/または太い
毛髪数の測定は、本明細書に記載された治療レジメンの開始後、1日、8日、15日、22日、
29日、36日、43日、50日、57日、64日、71日、および78日に採取された測定値に基づいて
いる。
【0146】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示された治療レジメンは、毛髪数を、5%以上
、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、40%以上、50%以上、75%以上
、または100%以上増加させる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された治療レ
ジメンは、毳毛を、5%以上、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、40
%以上、50%以上、75%以上、または100%以上増加させる。いくつかの実施形態では、
本明細書に開示された治療レジメンは、硬毛を、5%以上、10%以上、15%以上、20%以
上、25%以上、30%以上、40%以上、50%以上、75%以上、または100%以上増加させる
。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の治療レジメンは、毳毛から非毳毛(すなわ
ち、中間毛または硬毛)へ、1~5%、5~10%、10~15%、15~20%、20~25%、25~30
%、30~35%、35~40%、40~45%、45~50%、50~75%、または75~100%の変換をも
たらす。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された治療レジメンは、毛髪太さを、
5%以上、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、40%以上、50%以上、7
5%以上、または100%以上増加させる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の治療
レジメンは、毛幹の直径を、約1、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7、7.5
、8、8.5、9、10、15、20、25、または30ミクロンまたはそれ以上増加させる。いくつか
の実施形態では、本明細書に開示された治療レジメンは、毛幹径を、5%以上、10%以上
、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、40%以上、50%以上、75%以上、または10
0%以上増加させる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された治療レジメンは、
硬毛毛包と毳毛毛包に対する硬毛毛包の比率を、5%以上、10%以上、15%以上、20%以
上、25%以上、30%以上、40%以上、50%以上、75%以上、または100%以上増加させる
。総毛髪数、毳毛、硬毛、毳毛から非毳毛(すなわち、中間毛または硬毛のいずれか)へ
の変換、毛髪の太さ、毛幹の直径、または硬毛と毳毛の比率のそのような改善は、治療レ
ジメンの開始後、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、1
0ヶ月、11ヶ月、または1年以上の期間内またはそれ以降に測定され得る。
【0147】
上述の特定の実施形態では、毛髪数、毳毛、硬毛、毳毛から非毳毛(すなわち、中間毛
または末端毛のいずれか)への変換、毛髪の太さ、毛幹の直径、および/または毳毛に対
する硬毛の比率が、治療部位、例えば、外皮穿刺で治療された皮膚領域において観察され
る。他の実施形態では、毛髪数、毳毛、硬毛、毳毛から非毳毛(すなわち、中間毛または
末端毛)への変換、毛髪の太さ、毛幹の直径、および/または毳毛に対する硬毛の比率が
、治療部位に隣接して観察される。他の実施形態では、毛髪数、毳毛、硬毛、毳毛から非
毳毛(例えば、中間毛または末端毛)への変換、毛髪の太さ、毛幹の直径、および/また
は毳毛に対する硬毛の比率が、治療部位内および治療部位に隣接して観察される。
【0148】
特定の実施形態では、上記に従った毛髪の測定は、被験体が本明細書に記載の方法によ
る治療の候補であるか、または治療を継続するかどうかを評価するための手段を提供する
。1つの実施形態では、治療方法は、皮膚の小さな領域(例えば、1×1 cm、または1.5×1
.5 cm、または2×2 cm、または2.5×2.5 cm、または3×3 cm以上)にわたって実施され、
毛髪は、上記の方法に従って測定され、候補が確立された場合、治療方法は、皮膚のより
大きな領域、例えば、頭皮の禿げた領域全体にわたって実施される。
【0149】
ニードリング装置
いくつかの実施形態では、ニードリング装置は、パワーニードリング装置であり、この
装置は、いくつかの実施形態では、皮膚に小さな創傷を生成するために、複数の針を往復
運動で駆動するように構成されていてもよい。ニードリング装置は、ユーザが治療領域に
わたってニードリング装置を運用するときに、上下運動で急速に揺動するように針を駆動
してもよい。
【0150】
ニードリング装置の異なる実施形態に関する詳細は、出願公開第2018/0280675号に記載
されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0151】
いくつかの実施形態では、ニードリング装置は、シングルユースの使い捨て無菌シース
に封入された再使用可能な電気機械的コアからなる。再利用可能なコアは、充電可能なリ
チウムイオン電池のような電源と、ニードリング部材を作動させるためのモータと、ユー
ザコントロールとを含んでいてもよい。ユーザコントロールは、ユーザが、例えば、ニー
ドリング装置をオンにしたりオフにしたり、針の駆動速度を調整したり、シースの針先の
照明を調整したり、および/または他の好適な機能を実行することを可能にしてもよい。
コアは、密封され、完全に拭き取り可能であり、再使用のために設計され、消毒すること
ができる。
【0152】
使い捨てシースは、再使用可能なコアへの流体の侵入を防止するように設計されたシン
グルユースのものであってもよく、手技からの感染のリスクを低減するために無菌状態で
提供される。ニードルアレイコンポーネントは、無菌のシングルユースシースに統合され
ている。いくつかの実施形態では、ニードルアレイは、12本の針を備える。
【0153】
本発明のニードリング装置は、複数の構成要素を含むキットにパッケージ化されていて
もよい。いくつかの実施形態では、キットは、デバイスコア、コア充電器、および使用説
明書を含んでもよい。また、キットは、複数のシースを含んでもよく、各シースは個別に
包装され、滅菌されている。
【0154】
ニードリング装置の1つの例示的な実施形態が、
図1および2に示されている。
図1 はニ
ードリング装置 700 の第1実施形態の斜視図であり、
図2は
図1のニードリング装置の内部
構成要素の斜視図である。
図1を参照すると、ニードリング装置は、針120のアレイと、針
を取り囲むヘッドカバー130とを含む。1つの態様によれば、ヘッドカバー130は、皮膚に
対してニードリング装置を適用するために、どの程度の圧力をかけるかを決定する際に、
使用者を補助するガイド機能として機能してもよい。以下で議論されるように、いくつか
の実施形態では、多すぎる圧力または少なすぎる圧力の適用は、治療性能に影響を与える
可能性がある。
【0155】
図2を参照すると、ニードリング装置700の内部構成要素は、マイクロペンキャップ720
、電池724、電池クリップ725、およびモータ726を含む。さらに、ニードリング装置700は
、モータ726から延びるモータシャフト718と、モータシャフト718に固定されたアングル
ドハブ716と、アングルドハブ716によって受け止められるウォブルプレート714と、ウォ
ブルプレート714に連結された駆動シャフト712とを含む。少なくともモータ726、モータ
シャフト718、アングルドハブ716、ウォブルプレート714、および駆動シャフト712を含む
ニードリング装置700の内部構成要素は、すべての構成要素を一緒に保持し、ニードリン
グ装置700の長手方向軸に沿って構成要素を移動させるように構成されたシャーシ740によ
って接続されている。シャーシ740は、マイクロペンキャップ720の一方向への回転によっ
て内部構成要素が被験者の皮膚に向かって軸方向に一方向に移動し、マイクロペンキャッ
プ720の反対方向への回転によって内部構成要素が反対方向に移動するように、シャーシ
ピン742によってマイクロペンキャップ720に取り付けられていてもよい。これにより、針
の侵入深さをコントロールすることができる。
【0156】
動力を有し、垂直方向に往復するマイクロニードル装置(例えば、上記および米国(出
願公開第2018/0280675号)に記載されている)の動作を、マイクロニードルローラとして
知られている別のクラスの装置と区別することが重要である。マイクロニードルローラは
、皮膚を損傷させるために同様のサイズの小さなゲージの針を利用するが、a)装置の操作
、およびb)皮膚損傷の結果として生じる性質の両方において、装置の操作およびパワーマ
イクロニードル装置を使用して達成される皮膚損傷とは著しく異なる。違いの第1の原因
は、マイクロニードルローラの各針の作用が、ドラムが回転するときに皮膚の表面に相対
的に針の掃引運動に起因する小さな切り傷や擦り傷を引き起こすことである。対照的に、
パワーマイクロニードル装置の各針は、垂直方向の挿抜動作から狭い列の損傷を生成する
。この違いから、ニードルストライクあたりの損傷の程度や性質には大きな差がある。
【0157】
パワーマイクロニードル装置が切り傷や掻き取り効果を生成しない第1の理由は、皮膚
上での装置の移動速度と比較して非常に速い振動速度にある。この相対的な違いから、針
は、非常に短い期間皮膚に挿入され、その後、追加の損傷(すなわち、掻き取り効果)を
生成することができる前に、装置の移動からの最小のドラッグ張力が解放される。垂直に
振動する針は、その後、次の場所で穿刺する前に、持続時間のために皮膚から持ち上がる
。例えば 、本明細書に記載され、本明細書の実施例の方法や治療レジメンに採用されて
いる装置は、120 Hzの振動周波数に設定され、皮膚に沿って2 cm/sで移動し、各連続した
ニードルストライクの間に皮膚に沿って~170μm移動する。しかし、針は、サイクルごと
にその完全な3.0 mmの伸長の最後の0.8 mmだけ装置から突出するため、針が皮膚と接触し
ているのは、ストローク持続時間の~25%だけである(ストローク持続時間8.3msのうち~
2.0ms)。最終的には、これは、皮膚に接触している間、針は装置の移動方向に~40 μm
しか移動しないことを意味している。この短い移動距離は、各ニードルストライクが皮膚
の表面に垂直な、狭い列の損傷を生成していることを保証する。このタイプの損傷は、表
層の皮膚の完全性をよりよく維持するだけでなく、影響を受けた列に沿ってより均等な組
織の損傷を達成する。
【0158】
対照的に、マイクロニードルローラは、回転する「ドラム」に放射状に貼られた多数の
針の列で構成されており、圧力を加えられて皮膚を横切って転がる。ドラムが回転すると
、連続した針の列が皮膚に衝突し、侵入し、出てくる。皮膚層に最初に衝突している一列
の針の絵を描くと、針は垂直に向けられているのではなく、代わりに、進行方向に向かっ
て斜めに向けられている。ドラムの回転動作と印加された圧力が、針の列を皮膚に侵入さ
せる。ドラムが転がり続けると、針の角度(垂直から離れて測定)が減少し、侵入深さが
増加する。針の列は、針が真下(垂直)に向けられているときに、一般的にその最も深い
ポイントに侵入する。列は、その後、進行方向から離れて角度をつけるために回転し、そ
れが垂直から離れて同様の角度に達すると、最終的に皮膚から抜ける。このタイプの掃引
移動は、皮膚に掻き取り効果を生成する。皮膚層への損傷は、皮膚に最初に衝突して移動
を開始するときに、針がその完全な深さを達成していないため、皮膚の上層で最大になる
。
【0159】
装置針の伸長と同様の長さの針(例えば0.8mm)と典型的なローラドラム半径(例えば1
0mm)を有するローラの場合、各針先がドラムの回転に伴って穿刺から除去まで皮膚に対
して相対的に~8mm移動し、掻き取り効果が発生する。比較すると、この距離は、パワー
マイクロニードルの針がストライクごとに皮膚と相互作用する距離(上述の~40μm)よ
りも~200倍大きい。パワーマイクロニードリング装置のニードルストライクのより局所
的な穿刺効果により、これらの装置は、臨床エンドポイント(紅斑、ピンポイント出血)
の程度が同等であれば、ローラよりもはるかに大きなニードルストライク密度を達成する
ことができる。例えば、本発明者らによる計算では、パワーマイクロニードリング装置と
ローラ治療との間では、ニードルストライク密度の差(~100倍)が同じような大きさの
違いを示している。なお、ここでは、どちらの装置も紅斑(皮膚の赤み)とピンポイント
の出血が同程度のグレードを達成するように滴定されている。
【0160】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の装置は、120Hzの振動周波数に設定される
。いくつかの実施形態では、装置は皮膚に沿って2cm/sで移動し、各連続したニードルス
トライクの間に皮膚に沿って~170μmの距離を移動する。いくつかの実施形態では、装置
は、各連続したニードルストライクの間に皮膚に沿って~170μmの距離を移動する。いく
つかの実施形態では、針は、ストローク持続時間の~25%の間、皮膚と接触している。1
つの非限定的な例では、針は、8.3msのストローク持続時間のうち約2.0ms、皮膚と接触し
ている。いくつかの実施形態では、皮膚に接触している間、針は装置の移動方向に~40
μm移動する。
【0161】
装置使用手順
治療方法の1つの例示的な実施形態が、ここで説明される。被験者には、リクライニン
グしているが十分に真っ直ぐした姿勢のまま、じっとしてリラックスしているように求め
られ、対象領域の治療を行う。対象とする治療領域は、頂点領域と、積極的に禿げている
頭皮領域のリーディングエッジから少なくとも2cmの領域を含む移行領域と、を含む。
手技のための針の深さは0.8mmに設定され、針の往復運動の周波数は120Hzに設定されてい
る。治療密度は、頭皮の各部位に2パスのニードリング装置を受け、頭皮全体のニードリ
ング装置の移動速度を2cm/sとして、標準化されている。この治療法では、1回の治療時間
は約5分以内に終了することが予想される。
【0162】
手技を一時停止する必要がある場合は、デバイスを被験者の頭皮との接触から取り外し
、電源をオフにすることができる。治療を行う施術者は、まだ治療を行っていない部位を
把握しておく必要がある。電源を入れ直すことで治療を再開することができる。手技の完
了後、シースは適切な鋭利物容器に廃棄され、コアは洗浄され、付属の充電器に挿入され
る。
【0163】
いくつかの実施形態では、皮膚は、ニードリング装置を用いて、深さ設定0.8 mmで損傷
される。ユーザは、0.8mmの深さの一貫した穿刺深さを促進するために、皮膚の表面に垂
直に装置を維持しながら、2cm/秒の速度で患部の皮膚領域上にニードリング装置を滑らせ
る。ユーザは、皮膚の患部を横切る各パスが皮膚を横切る前のパスに連続し、「芝刈り」
アプローチで、パス間のギャップを最小化し、パスの重複を最小化するように、皮膚の患
部を横切るニードリング装置を滑らせる。ニードリング装置の各パスは、滑動開始と各パ
スに続く皮膚領域からの装置の滑らかな引っ込みで始まる。ニードリング装置は、一貫し
た、軽い圧力で皮膚領域に適用され、皮膚に沿って装置が滑ることが可能になっている。
【0164】
「芝刈り」アプローチの1つの例示的な実施形態が、
図3Aおよび3Bに示されており、各
細長い長方形は、皮膚を横切る装置の1つのパスを表している。イメージからもわかるよ
うに、連続したパス同士の隙間や重複が生じないように、パス同士が隣接している。
図3A
は皮膚を横切る水平方向のパスを示し、
図3Bは皮膚に沿った垂直方向のパスを示している
。いくつかの実施形態では、1つ以上の一連のパスが治療領域に適用される。例えば、第1
の一連のパスが、治療領域に適用されてもよい。次いで、第1の一連のパスの方向とは異
なる方向を有することができる第2の一連のパスが治療領域に適用されてもよい。いくつ
かの実施形態では、第2の一連のパスは、第1の一連のパスに垂直な方向を有する。
【0165】
例示的な実施形態として、
図3Aの水平パスは、治療領域に適用される第1の一連のパス
であり、
図3Bの垂直パスは、治療領域に適用される第2の一連のパスである。水平方向お
よび垂直方向のパスを使用して得られるニードルストライクの図が、
図4に示されている
。
【0166】
1つの例示的な実施形態では、ニードリング装置は、6列の2本の針からなるデバイスア
ライメントを有する。デバイスアレイは12本の針を有し、1秒間のアレイの振動回数は120
回に設定されている。アレイ幅は0.9cm、移動速度は約2.0cm/sである。2つの治療パスは
、治療パスが互いに垂直になるように、1つは水平に、もう1つは垂直に実行される。その
結果、1cm2あたり1600本のニードルストライクとなる。
【0167】
デバイス治療パラメータ
本発明者らは、治療結果に影響を与える可能性のあるいくつかの治療パラメータを特定
した。
【0168】
いくつかの実施形態では、1つのパラメータは、装置の移動速度であり、これは、ユー
ザが装置を移動させる速度(すなわち、直線的なパスで)が、治療の強度を定義する重要
なパラメータであるニードルストライクの密度を決定する。1つの実施形態では、デバイ
スの移動速度は2cm/sである。ニードルアレイの往復運動の周波数(例えば、120Hz)が与
えられると、これは、各ストライクが前のストライクとわずかに重複しているニードルス
トライクの所望の密度を生成する。いくつかの実施形態では、ビニールで裏打ちされた発
泡体の上に描かれた、2cmごとにティックマークがある20cmのガイドライングリッドを、
装置の速度を監視するためのツールとして使用することができる。可聴メトロノームが、
ペース(例えば、60Hz)を維持するために使用されてもよく、ユーザは、メトロノームビ
ープ音ごとに1ティックマークを越えるようにデバイスを着実に移動する。タイマーや場
合によってはビデオカメラを使用して、複数のトレーニングセッションでユーザの速度を
監視してもよい。これにより、適切な速度を確保するためにアクティブデバイスでのトレ
ーニングが可能になる可能性がある。
【0169】
いくつかの実施形態では、別のパラメータは、ニードリング装置の垂直性である。装置
は、横方向(横から見た場合)と移動方向(使用者が装置を動かしているライン)の両方
において、皮膚に対して正常な状態に保たれるべきである。これにより、ニードルアレイ
の面が皮膚から均等な距離になり、ニードル深さがアレイ全体で望ましくない変動を持た
ないことが保証される。皮膚に対する装置の相対的な向きが垂直な角度で維持されない場
合、針の一部は、意図された挿入深さを完全に達成できない。例えば、
図5に図示されて
いるように、図の左右のニードリング装置は、皮膚に対して垂直ではなく、したがって、
針の一部は、その完全な挿入深さに達していない。対照的に、図の中央に示されているニ
ードリング装置は、皮膚に対して垂直であり、そのすべての針は、その完全な挿入深さに
ある。
【0170】
トレーニング方法は、上述した平面(発泡体+ビニール)グリッドの使用を採用してい
る。追加のトレーニング方法には、治療の頂点領域をモデル化した発泡体/ビニール製の
「ヤムルカ」を使用した人間の頭部モデルの使用が含まれる。
【0171】
いくつかの実施形態では、別のパラメータは、デバイスパスの連続性および向きである
:各パスが、重複または隙間なく、先行するパス(「芝刈り」)に連続していることが重
要である。これにより、重複しているために見落としのある領域や、密度が著しく高くな
っている領域がないことが保証される。前述したように、「芝刈り」の例示的な例は、図
3Aおよび3Bに示されている。
【0172】
いくつかの実施形態では、別のパラメータはパスの開始である:治療パスの開始は、治
療領域の端部で意図しない高い密度とならないように、移動の開始時である。
図6Aおよび
6Bは、この概念を図示している。
図6Aでは、ユーザが移動の開始を行っているが、これは
、ユーザが装置を皮膚に対して配置すると、ユーザが装置を最初の接触点で長時間保持す
ることなく、同時に装置を皮膚を横切って移動させることを意味している。その結果、よ
り均一なニードルストライク密度が得られる。対照的に、
図6Bでは、ユーザが最初に皮膚
に対して装置を配置するとき、ユーザが、皮膚を横切って装置を移動させる前に、最初に
始点で装置を保持している。その結果、始点でのニードルストライクの密度が高くなって
いる。
【0173】
いくつかの実施形態では、別のパラメータは、接触の圧力である:ユーザは、装置が皮
膚に対しているが、皮膚が装置に「テント」し、達成されたニードル深さが好ましいもの
よりも大きいような過度の圧力が付与されないことを保証する、軽い滑動圧力のみを提供
する。この概念は、
図7 に示されている。図の左側では、ユーザが皮膚に対して十分な圧
力をかけていないため、針の侵入深さが不十分である。図の右側では、使用者が皮膚に対
して圧力をかけすぎて、皮膚が団子状態になった皮膚の「テンティング」が発生し、針の
侵入深さが深くなりすぎる。この態様によれば、ユーザは、図の中央に図示されているよ
うな軽い滑動圧力を使用して、皮膚に対するちょうどよい量の圧力を達成しようとする。
【0174】
いくつかの実施形態では、別のパラメータは、ニードリング装置の方向性である。ユー
ザは、アレイ内の針のラインが、装置の移動方向と直交する方向に延びることを確実にす
るように求めることができる。いくつかの実施形態では、針のラインの延長方向に対して
垂直ではない角度で移動することは、より大きいニードルストライク密度およびより小さ
いニードルストライク密度の「ストライプ」をもたらす可能性がある。この概念の例示が
、
図8Aおよび8Bに示されている。
図8Aおよび8Bの例示的な実施形態では、ニードルアレイ
は2列の針を含み、各列は6本の針を有している。針の2本のラインは、互いにオフセット
されている。
図8Aでは、2本の針のラインの延長方向(垂直方向)は、装置の移動方向(
水平方向)に対して垂直であり、その結果、より均一なニードルストライク密度が得られ
る。対照的に、
図8Bでは、針の2本のラインの延長方向(水平方向)は、装置の移動方向
(これも水平方向)と平行であり、その結果、アレイの左側のいくつかの針が、アレイの
右側の針によって既に穿刺された皮膚領域を打つ可能性があるので、より大きなニードル
ストライク密度の領域が生じる。
【0175】
いくつかのケースでは、特に女性の場合、脱毛がより広範囲に及ぶことがあり、そのよ
うな場合、治療領域には中程度の、多くの場合、長い、既存の毛があり、それらは、所望
の領域を適切に治療するために管理されなければならない。
【0176】
いくつかの実施形態では、より長い毛髪の存在下では、装置は、毛髪の方向に沿った方
向に頭皮に沿って移動される。髪に対して移動することは、垂直な毛に「キャッチ」し、
治療の一貫性を低下させ、既存の長い髪に他の意図しない効果を引き起こす可能性がある
。
【0177】
長い毛髪での治療方法の1つの例示的な例では、既存の毛髪は、最も自然な別れの方向
に頭皮の上下に直線的な部分を作るために櫛で梳かれ、その部分は、その部分の中心線か
ら発出する短い、連続した、~2cmのストロークを用いて、ニードリング装置で治療さ
れる。各ストロークは、均一な密度を保つために、1秒ごとに実行される。この工程は、
所望の2パス密度を達成するために、同じ領域で2回繰り返してもよい。部位を治療した
後(その部分のいずれかの方向に2cm)、次の部分を4cm以上にして、治療領域全体がカバ
ーされるまで適宜繰り返す。
【0178】
ニードルストライク密度
マイクロニードルリングを使用して外皮穿刺を達成することに関して、ニードルストラ
イク密度は、重要な治療結果、特に治療効果の大きさ、手技の忍容性、および手技の安全
性の重要な決定要因であるため、治療の重要な属性である。いくつかの重要な治療パラメ
ータは、ニードルストライク密度を定義するために相互に作用する;これらは、(1)ニ
ードルストライクの数、(2)治療領域、および(3)パスの数を決定するものにグループ
化することができる。一般的には、皮膚の所定の領域にわたってストライク間の距離を最
小にして、等間隔に配置されたニードルストライクの均一な密度を提供するニードルスト
ライクを達成することが目的である。最適なストライク密度は、ニードルアレイ内の針の
数、ニードルアレイの幅、1秒あたりのアレイ振動数、デバイスの移動速度、および治療
領域から選択されたパラメータの様々な組み合わせを使用して達成することができる。例
えば、いくつかの実施形態では、ニードルストライク密度は、1cm2あたり1600本のニー
ドルストライク、または1cm2あたり約1600本のニードルストライクである。
【0179】
まず、(1)1秒あたりのニードルストライク数は、(1A)ニードルアレイあたりの針数
に(1B)1秒あたりのアレイ振動数を乗算することにより算出することができる。
【0180】
第2に、1秒間にカバーされる治療領域は、(2A)治療の幅(例えば、ニードルアレイの
幅として測定される)に(2B)装置の移動速度を乗算することによって計算することがで
きる。総括的には、(1)ニードルストライク数を(2)治療領域で割って、(3)重複す
るパス数を掛け合わせた結果が、ニードルストライク密度となる。等価の治療密度が得ら
れる、これらの治療パラメータのいくつかの掛け合わせが存在する。
【0181】
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、1パス、2パス、3パス、4パス、また
は5パスが治療領域を横切って実行される。いくつかの実施形態では、1パスが実行される
。いくつかの実施形態では、2パスが実行される。いくつかの実施形態では、3パスが実行
される。
【0182】
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、ニードルアレイは、4本、8本、12本
、16本、または20本の針を有する。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、ニ
ードルアレイは、5本、10本、15本、20本、または25本の針を有する。本明細書に記載の
方法のいくつかの実施形態では、ニードルアレイは、6本、12本、18本、24本、または30
本の針を有する。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、ニードルアレイは、
7本、14本、21本、28本、または35本の針を有する。本明細書に記載の方法のいくつかの
実施形態では、ニードルアレイは、8本、16本、24本、32本、または40本の針を有する。
いくつかの実施形態では、ニードルアレイは、12本の針を有する。いくつかの実施形態で
は、ニードルアレイは、16本の針を有する。いくつかの実施形態では、ニードルアレイは
、24本の針を有する。
【0183】
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、1秒あたりのアレイ振動数は、少な
くとも約80~90、約90~100、約100~110、約110~115、約115~120、約120~125、約125
~130、約130~140、または約140~150回である。1つの実施形態では、1秒あたりのアレ
イ振動数は120回である。
【0184】
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、治療の幅は、少なくとも約0.4~0.5
cm、約0.5~0.6cm、約0.6~0.7cm、約0.7~0.8cm、約0.8~0.9cm、約0.9~1.0cm、約1.0
~1.1cm、約1.1~1.2cm、または約1.2~1.3cmである。1つの実施形態では、治療の幅は、
少なくとも約0.9cmである。1つの実施形態では、治療の幅は、0.9cmである。
【0185】
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、デバイスの移動速度は、1.5~2cm/s
、2~2.5cm/s、2.5~3cm/s、3~3.5cm/s、または3.5~4cm/sである。本明細書に記載の方
法のいくつかの実施形態では、デバイスの移動速度は少なくとも約 2 cm/sである。本明
細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、デバイスの移動速度は約 2 cm/sである。
【0186】
本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態では、ストライク密度は、900~1000
、1000~1100、1100~1200、1200~1300、1300~1400、1400~1500、1500~1600、1600~
1700、1700~1800、1800~1900、または1900~2000本のニードルストライク/cm2である
。本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態では、ストライク密度は、900~2000
、1000~1900、1100~1800、1200~1800、1400~1800、1500~1700、1550~1650、または
1575~1625本のニードルストライク/cm2である。本明細書に記載される方法のいくつか
の実施形態では、ストライク密度は、1550~1575、1575~1600、1600~1625、1625~1650
、または1650~1700本のニードルストライク/cm2である。本明細書に記載の方法のいく
つかの実施形態では、ストライク密度は、1600本のニードルストライク/cm2である。
【0187】
例えば、1cm2あたり1600本のニードルストライクの治療密度は、記載されたパラメー
タの異なる組み合わせによって達成され得る。
【0188】
本明細書に記載された方法のいくつかの実施形態では、ニードルアレイは約12本の針を
有し、約2回の治療パスが実行され、1秒間のアレイ振動数は約120回に設定され、治療幅
は約0.9cmであり、移動速度は約2.0cm/sである。本明細書に記載された方法のいくつかの
実施形態では、ニードルアレイは12本の針を有し、2回の治療パスが実行され、1秒間のア
レイ振動数は120回に設定され、治療幅は0.9cmであり、移動速度は2.0cm/sである。本明
細書に記載された方法のいくつかの実施形態では、ニードルアレイは約24本の針を有し、
約1回の治療パスが実行され、1秒間のアレイ振動数は約120回に設定され、治療幅は約0.9
cmであり、移動速度は約2.0cm/sである。本明細書に記載された方法のいくつかの実施形
態では、ニードルアレイは24本の針を有し、1回の治療パスが実行され、1秒間のアレイ振
動数は120回に設定され、治療幅は0.9cmであり、移動速度は2.0cm/sである。
【0189】
本明細書に記載された方法のいくつかの実施形態では、ニードルアレイは約12本の針を
有し、約1回の治療パスが実行され、1秒間のアレイ振動数は約120回に設定され、治療幅
は約0.9cmであり、移動速度は約1cm/sである。本明細書に記載された方法のいくつかの実
施形態では、ニードルアレイは12本の針を有し、1回の治療パスが実行され、1秒間のアレ
イ振動数は120回に設定され、治療幅は0.9cmであり、移動速度は1cm/sである。本明細書
に記載された方法のいくつかの実施形態では、ニードルアレイは約16本の針を有し、約3
回の治療パスが実行され、1秒間のアレイ振動数は約90回に設定され、治療幅は約1.8cmで
あり、移動速度は約1.5cm/sである。本明細書に記載された方法のいくつかの実施形態で
は、ニードルアレイは16本の針を有し、3回の治療パスが実行され、1秒間のアレイ振動数
は90回に設定され、治療幅は1.8cmであり、移動速度は1.5cm/sである。
【0190】
ニードルストライク深さ
本明細書で使用されるように、外皮穿刺とは、創傷、脱皮、剥離、または皮膚の他の穿
刺をもたらす、皮膚および/または外皮系の他の組織の任意の治療を指す。特定の実施形
態では、外皮穿刺を伴う治療は、毳毛または硬毛またはアナゲン毛の数の増加をもたらす
任意の治療を指す。外皮穿刺は、例えば、化学的、機械的、物理的、または電磁的手段を
使用するなど、当技術分野で知られているか、または本明細書に記載されているか、また
は将来的に利用可能になる可能性のある任意の手段によって達成することができる。1つ
の実施形態では、外皮穿刺治療は、外皮穿刺された皮膚領域に隣接する皮膚領域において
毛包構造の数を増加させる。別の実施形態では、外皮穿刺治療は、外皮穿刺された皮膚領
域、例えば、外皮穿刺部位の下にある毛包構造の数を増加させる。別の実施形態では、外
皮穿刺治療は、外皮穿刺された皮膚領域と外皮穿刺された皮膚領域に隣接する皮膚領域の
毛包構造の数を増加させる。1つの実施形態では、外皮穿刺は、被験体の皮膚を損傷させ
ることを含む(例えば、被験体の皮膚の再上皮化の誘導をもたらす)。いくつかの実施形
態では、上皮の特定の領域が部分的にまたは全体的に損傷する。いくつかの実施形態では
、上皮および角質層の両方の特定の領域が部分的にまたは全体的に損傷する。皮膚を損傷
させ、再上皮化を誘導し、検出する方法を含む、皮膚の損傷および再上皮化に関する議論
については、PCT公開番号WO2008/042216、WO 2006/105109、WO2012078649を参照されたい
。それぞれの内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。外皮穿刺は、
例えば、火傷、切除、皮膚剥離、全厚切除、水疱、または他の形態の擦り傷または創傷を
誘発するために使用することができる。
【0191】
本明細書に記載の方法および装置を使用して、外皮穿刺は、穿刺の程度を制御する、お
よび/または外皮穿刺された皮膚が治癒する方法を制御するような方法で実施することが
できる。1つの実施形態では、外皮穿刺法は、発毛が所望される皮膚領域に表面的な創傷
のみを引き起こす。特定の実施形態では、穿刺の深さを制御することにより、創傷の程度
を最小化する。例えば、本明細書に記載される外皮穿刺の手技は、穿刺を表皮の一部また
は全部に、角質層の一部または全部に、または真皮乳頭、網状真皮、および/または真皮
下層のより深い部分に制限するように制御することができる。ピンポイントの出血の発生
は、角質層、表皮(またはその一部)、表層乳頭真皮などの真皮上層の一部が除去されて
いることを示している。出血の増加の発生は、より深い乳頭真皮および網状真皮層へのよ
り深い侵入(つまり、穿刺)を示す。
【0192】
外皮穿刺の追加の方法および結果は、国際特許公開 WO2012078649に開示されており、
その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0193】
1つの実施形態では、皮膚の損傷はダーマブレーションによっては行われない。1つの実
施形態では、皮膚の損傷はダーマブレーションを使用することによっては行われない。
【0194】
いくつかの実施形態では、前記1つ以上の方法による外皮穿刺は、5~40μm、40~100
μm、30~200μm、50~150μm、70~130μm、80~120μm、90~110μm、95~105μm、ま
たは100~150μmの間の皮膚深さまでである。
【0195】
いくつかの実施形態では、前記1つ以上の方法による外皮穿刺は、少なくとも30μπι
の皮膚深さまでである。いくつかの実施形態では、前記1つ以上の方法による外皮穿刺は
、30μπιの皮膚深さまでである。いくつかの実施形態では、外皮穿刺は、50μmの皮膚
深さまでである。いくつかの実施形態では、前記1つ以上の方法による外皮穿刺は、60μm
の皮膚深さまでである。いくつかの実施形態では、外皮穿刺は、30~100μmの皮膚深さま
でである。いくつかの実施形態では、外皮穿刺は、60~100μπιの皮膚深さまでである
。いくつかの実施形態では、外皮穿刺は、60~200μmの皮膚深さまでである。いくつかの
実施形態では、外皮穿刺は、100pmの皮膚深さまでである。いくつかの実施形態では、外
皮穿刺は、100~150μπιの皮膚深さまでである。いくつかの実施形態では、外皮穿刺は
、150μmの皮膚深さまでである。いくつかの実施形態では、外皮穿刺は、100~200μmの
皮膚深さまでである。いくつかの実施形態では、外皮穿刺は、30~200μιηの皮膚深さ
までである。いくつかの実施形態では、外皮穿刺は、30、35、40、45、50、55、60、65、
70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、1
55、160、165、170、175、180、185、190、195、又は200μmの皮膚深さまでである。いく
つかの実施形態では、外皮穿刺の最大深さは、例えば、30、40、50、60、70、80、85、90
、95、100、105、110、120、130、140、150、160、170、180、190~200μmの皮膚深さま
でである。
【0196】
いくつかの実施形態では、外皮穿刺は、100~500μπιの皮膚深さまでである。いくつ
かの実施形態では、外皮穿刺は、500μm未満の皮膚深さまでである。いくつかの実施形態
では、外皮穿刺は、500~1000μmの皮膚深さまでである。いくつかの実施形態では、外皮
穿刺は、約1mmの最大皮膚深さまでである。いくつかの実施形態では、外皮穿刺は、約1mm
以上の皮膚深さまでである。いくつかの実施形態では、外皮穿刺は、約2mmの最大皮膚深
さまでである。いくつかの実施形態では、外皮穿刺は、約2mm以上の皮膚深さまでである
。いくつかの実施形態では、外皮穿刺は、1~3mmの皮膚深さまでである。いくつかの実施
形態では、外皮穿刺は、1~5mmの皮膚深さまでである。特定の実施形態では、外皮穿刺の
深さは500μmを超えない。特定の実施形態では、外皮穿刺の深さは1mmを超えない。特定
の実施形態では、外皮穿刺の深さは2mmを超えない。
【0197】
上記のいずれかの方法は、正確な量の表皮組織を損傷させるために使用することができ
る。例えば、本明細書に記載された制御された外皮穿刺の方法は、以下を達成するために
使用することができる:
・角質層の損傷、これらの死んだ皮膚細胞の最初の10~30μmの損傷。
・皮膚の最初の30~100μmを除去することにより、角質層と表皮の一部または全部の損傷
。これは、既存の毛包構造物の皮脂腺、バルジ、毛乳頭を損傷させるほど深くはない。
・角質層の損傷、表皮のすべての損傷、真皮乳頭の損傷(例えば、皮膚の100μm~150μm
間)。真皮乳頭の損傷は、治療部位の小さなピンポイントの血液の出現によって検出する
ことができる。
・角質層、表皮全体、真皮の一部の約200μmまでの損傷。別の実施形態では、外皮穿刺の
範囲(および場合によっては、結果として生じる創傷)は、皮膚の穿刺された領域のサイ
ズを制御することによって、例えば、単一の大きな創傷ではなく、大きな領域の創傷を効
果的に行うために一連の小さな創傷を作ることによって、低減される。したがって、特定
の実施形態では、外皮穿刺の領域は、任意の所望の大きさ、例えば、幅が0~3mm(例えば
、1mm、2mm、3mm、またはそれ以上)、幅が0~2cm(例えば、1cm、1.5cm、および2.0cm)
、またはそれ以上(例えば、被験者の頭皮または眉毛領域などの発毛の他の領域の10%、
30%、50%、70%、90%、または100%まで)であり得る。必要に応じて、外皮穿刺の領
域は、毛包間であってもよい。
【0198】
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、最適な機能的な穿刺は、表皮層およ
び真皮層の穿刺を含む。いくつかの実施形態では、目標の深さは、0.8mmである。いくつ
かの実施形態では、穿刺、例えば、最も生産性の高いニードルストライクは、真皮のより
深いところに創傷治癒を生成する。いくつかの実施形態では、目標の深さは、0.8mm未満
である。いくつかの実施形態では、目標の深さは、0.8mm超である。深さが0.8mm超のいく
つかの実施形態では、創傷は真皮の下で発生してもよい。いくつかの実施形態では、創傷
は血管および神経を含むことができる。いくつかの実施形態では、血管および神経への創
傷は、例えば、0.8mm以下に等しいか、または真皮よりも深い層の穿刺を回避する別の目
標深さを選択することによって回避される。
【0199】
皮膚、例えば、顔または頭皮上の表皮層のトポグラフィ厚さは、当技術分野でよく知ら
れており(例えば、「Chopra et al.(2015), 人の顔面における皮膚の地形的厚さの総合
的検討; Aesthetic Surgery Journal, 2015, Vol 35(8) 1007-1013,特に表1、その内容
は、その全体において引用により本明細書中に組み込まれている」を参照)、最適な目標
深さは、それに応じて決定することができる。例えば、頭皮の表皮は平均で35 μmである
。頭皮(真皮と表皮)の完全な深さは、平均して~1.2~1.5mm、SDは~0.5mmである。従
って、いくつかの実施形態では、例えば頭皮の皮膚の穿刺のための目標深さは、約20 μm
~1,500 μmの範囲である。いくつかの実施形態では、外皮穿刺は、500~1000μmの皮膚
深さまでである。いくつかの実施形態では、外皮穿刺は、500~600μmの皮膚深さまでで
ある。いくつかの実施形態では、外皮穿刺は、600~700μmの皮膚深さまでである。いく
つかの実施形態では、外皮穿刺は、700~800μmの皮膚深さまでである。いくつかの実施
形態では、外皮穿刺は、700~750μmの皮膚深さまでである。いくつかの実施形態では、
外皮穿刺は、750~800μmの皮膚深さまでである。いくつかの実施形態では、外皮穿刺は
、750~850μmの皮膚深さまでである。いくつかの実施形態では、外皮穿刺は、800~850
μmの皮膚深さまでである。いくつかの実施形態では、外皮穿刺は、850~900μmの皮膚深
さまでである。いくつかの実施形態では、外皮穿刺は、800~900μmの皮膚深さまでであ
る。いくつかの実施形態では、外皮穿刺は、900~1000μmの皮膚深さまでである。1つの
実施形態では、目標の深さは、約0.8mmまたは800μmである。1つの実施形態では、目標の
深さは、0.8mmまたは800μmである。
【0200】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載された外皮穿刺の方法は、皮膚に創傷を誘導
する。いくつかのそのような実施形態では、創傷した皮膚は第1の意図によって治癒され
る。他の実施形態では、創傷した皮膚は第2の意図によって治癒される。なお他の実施形
態では、創傷した皮膚は第3の意図によって治癒される。特定の実施形態では、創傷した
皮膚は、その種の創傷に対して通常示されるよりもゆっくりと治癒する。これにより、傷
跡のない創傷治癒が促進され、および/または皮膚の創傷部における発毛が促進される期
間が延長される可能性がある。
【0201】
ニードルゲージ
いくつかの実施形態では、ニードリング装置によって駆動される針はマイクロニードル
である。いくつかの実施形態では、ニードリングはマイクロニードリングである。いくつ
かの実施形態では、針は、 19、 20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32
、33、または34 ゲージの針であってもよい。上記のゲージの組み合わせも可能である。
例えば、針は、26~34ゲージ、28~33ゲージ、30~33ゲージ、または32ゲージであっても
よい。
【0202】
いくつかの実施形態では、針は、少なくとも約100 μm、少なくとも約120 μm、少なく
とも約140 μm、少なくとも約160 μm、少なくとも約180 μm、少なくとも約200 μm、少
なくとも約 220 μm、少なくとも約235 μm、少なくとも約240 μm、少なくとも約260 μ
m、少なくとも約280 μm、少なくとも約 300 μm、少なくとも約320 μm、少なくとも約3
40 μm、少なくとも約360 μm、少なくとも約 380 μm、少なくとも約400 μm、少なくと
も約420 μm、少なくとも約 440 μm、少なくとも約 460 mm、少なくとも約 463 μm、少
なくとも約 480 μm、または少なくとも約500 μmの外形を有していてもよい。いくつか
の実施形態では、針は、約500 μm以下、約480 μm以下、約463 μm以下、約 460 μm以
下、約440 μm以下、約420 μm以下、約400 μm以下、約380 μm以下、約360 μm以下、
約340 μm以下、約320 μm以下、約300 μm以下、約 280 μm以下、約260 μm以下、約24
0 μm以下、約235 μm以下、約220 μm以下、約200 μm以下、約 180 μm以下、または約
160 μm以下の外形を有していてもよい。上記の範囲の組み合わせも可能である。例えば
、いくつかの実施形態では、針は、約 160 μm ~約500 μm、または約180 μm~約463
μm、または約200 μm~約400 μm、または約200 μm~約300 μm、または約200 μm~約
260 μm、または約220 μm~約240 μm、または約235 μmの外径を有していてもよい。
【0203】
いくつかの実施形態では、針は、本明細書では針伸長長と呼ばれる測定可能な寸法を有
し、これは、針がニードリング装置から飛び出す長さ(すなわち、露出して、被験体に突
き刺さる針の長さ)である。
【0204】
いくつかの実施形態では、針は、少なくとも約100 μm、少なくとも約500 μm、少なく
とも約600 μm、少なくとも約700 μm、少なくとも約800 μm、少なくとも約900 μm、少
なくとも約1000 μm、少なくとも約1100 μm、少なくとも約1200 μm、少なくとも約1500
μm、少なくとも約2000 μm、少なくとも約2000 μm、少なくとも約2500 μm、少なくと
も約3000 μm、少なくとも約3300 μm、少なくとも約4000 μmの針伸長長を有していても
よい。いくつかの実施形態では、針は、約4500 μm以下、約4000 μm以下、約3500 μm以
下、約 3000μm以下、約2500μm以下、約2000 μm以下、約1500μm以下、約1400μm以下
、約1300μm以下、約1200μm以下、約1100 μm以下、約1000 μm以下、約 900 μm以下、
約800 μm以下、約700 μm以下、約600 μm以下、約500 μm以下、または約100 μm以下
の針伸長長を有していてもよい。上記の範囲の組み合わせも可能である。例えば、いくつ
かの実施形態では、針は、約100 μm~約 4500 μm、または約200 μm~約 4000 μm、ま
たは約300 μm~約3500 μm、または約400 μm~約3000 μm、または約500 μm~約 2500
、または約500 μm~約2000、または約600μm~約2000μm、または約600μm~約1600μm
、または約600μm~約1400μm、または約600μm~約1300μm、または約600μm~約1200μ
m、または約600μm~約1100μm、または約600μm~約1000μm、または約700μm~約900μ
m、または約800μmの針伸長長を有していてもよい。
【0205】
いくつかの実施形態では、針は中空である。他の実施形態では、針は堅固である。
【0206】
治療方法
本発明者らは、安全性と有効性のバランスを逐次とるためには、ミノキシジルに固執し
たままで、新生の毛包を減少させないようにすることと、皮膚の損傷が治癒する機会が与
えられる前に、ミノキシジルを直接適用することによる潜在的な安全性の懸念を回避する
こと、が重要であることを理解している。
【0207】
ニードリング装置の使用は、毛包新生を誘導するために制御された方法で真皮を選択的
に損傷させることを意図している。この使用設定でのミノキシジル塗布による炎症の発生
率が高いことを示唆するデータはないが、本発明者らは、炎症のリスクを軽減するための
治療ステップを開発した。
【0208】
1つの態様によれば、本明細書に記載の治療方法は、ニードリング装置の治療後の皮膚
炎症を低減するために、2%ミノキシジル外用溶液(MTS)を最初に塗布し、その後、後の
投与で5%のMTSへのランプアップ(またはステップアップ)を行うことを含む。
【0209】
別の態様によれば、本明細書の治療方法は、MTSの適用に先立って、ニードリング装置
の治療の後、24時間の最小遅延を含む。いくつかの実施形態では、創傷閉鎖の確認は、最
初のMTS塗布前に必要とされている。
【0210】
いくつかの例示的な実施形態では、2つの例示的な治療プロトコルが以下のように概説
される。
【0211】
表1:午前の皮膚損傷治療の治療プロトコル
【表1】
【0212】
表2:午後/夕方の皮膚損傷治療の治療プロトコル
【表2】
【0213】
上記表1は、皮膚損傷の治療が午前中に行われるプロトコルを提供する。表1に示すよ
うに、皮膚損傷治療を行った翌日の朝(皮膚損傷治療後少なくとも24時間後)から、2%MT
Sを1日2回、合計4回の投与量で局所的に塗布する。次に、5% MTSを1日2回、次の4日間、
合計8回の投与量で局所的に塗布する。
【0214】
上記表2は、皮膚損傷の治療が午前中ではなく、午後または夕方に行われるプロトコル
を提供する。表2に示すように、皮膚損傷治療を行った翌日の午後または夕方(皮膚損傷
治療後少なくとも24時間後)、2%MTSを局所的に塗布する。2%MTSをさらに3回:水曜に2回
、木曜の朝に1回、局所的に塗布する。このように、2%のMTSは、合計4回の投与量で塗布
される。木曜日の午後または夕方には、5%MTSを塗布する。その後の各日に、5%MTSを1日
2回、局所的に塗布する。その結果、5%MTSは、合計7回の投与量で塗布される。
【0215】
1つの実施形態では、MTS、例えば2%MTSは、皮膚損傷治療の24時間後に局所的に塗布さ
れる。1つの実施形態では、MTS、例えば2%MTSは、皮膚損傷治療の約24時間後に局所的に
塗布される。1つの実施形態では、MTS、例えば2%MTSは、皮膚損傷治療の36時間後に局所
的に塗布される。1つの実施形態では、MTS、例えば2%MTSは、皮膚損傷治療の約36時間後
に局所的に塗布される。1つの実施形態では、MTS、例えば2%MTSは、皮膚損傷治療の48時
間後に局所的に塗布される。1つの実施形態では、MTS、例えば2%MTSは、皮膚損傷治療の
約48時間後に局所的に塗布される。1つの実施形態では、MTS、例えば2%MTSは、皮膚損傷
治療の24~36時間(24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36時間)後に局
所的に塗布される。1つの実施形態では、MTS、例えば2%MTSは、皮膚損傷治療の約24時間
~約36時間後に局所的に塗布される。1つの実施形態では、MTS、例えば2%MTSは、皮膚損
傷治療の24~48時間(24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、
39、40、41、42、43、44、45、46、47、48時間) 後に局所的に塗布される。1つの実施形
態では、MTS、例えば2%MTSは、皮膚損傷治療の約24時間~約48時間後に局所的に塗布され
る。1つの実施形態では、MTS、例えば2%MTSは、皮膚損傷治療の36~48時間(36、37、38
、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48 時間)後に局所的に塗布される。1つの実施
形態では、MTS、例えば2%MTSは、皮膚損傷治療の約36時間~約48時間後に局所的に塗布さ
れる。
【0216】
いくつかの実施形態では、MTSの局所塗布間の時間は約12時間である。いくつかの実施
形態では、MTSの各投与量は約1mLであってもよい。いくつかの実施形態では、皮膚損傷治
療後の被験者の皮膚の創傷が閉じたことの確認は、MTSの塗布前に行われなければならな
い。
【0217】
いくつかの実施形態では、MTS治療、例えば5%MTS治療は、次の皮膚損傷治療の12~24時
間前に中止される。いくつかの実施形態では、MTS治療、例えば5%MTS治療は、次の皮膚損
傷治療の約24時間前に中止される。
【0218】
週1回の皮膚損傷治療プロトコルでは、表1または表2のいずれかに示すプロトコルを使
用し、毎週繰り返してもよい。いくつかの実施形態では、MTSの局所塗布は、皮膚損傷治
療が行われる日には行われない。
【0219】
隔週で行われる皮膚損傷治療プロトコルでは、表1プロトコルまたは表2プロトコルのい
ずれかが隔週で行われる。皮膚損傷治療が行われない交互の週には、5%MTS溶液を1日2回
、1週間の各日に塗布してもよい。いくつかの実施形態では、MTS溶液は、約12時間ごとに
塗布される。
【0220】
同様に、皮膚損傷が4週間に1回起こるプロトコルでは、表1または表2のいずれかに示す
プロトコルを4週間に1回実施する。皮膚損傷治療が行われない間の週には、5% MTS溶液を
1日2回、1週間の各日に塗布することができる。いくつかの実施形態では、MTS溶液は、約
12時間ごとに塗布される。
【0221】
同様に、皮膚損傷が3週間に1回起こるプロトコルでは、表1または表2のいずれかに示す
プロトコルを3週間に1回実施する。皮膚損傷治療が行われない間の週には、5% MTS溶液を
1日2回、1週間の各日に塗布することができる。いくつかの実施形態では、MTS溶液は、約
12時間ごとに塗布される。
【0222】
いくつかの実施形態では、被験者は、皮膚損傷治療を受けることが予定されている各週
に、表1プロトコルまたは表2プロトコルのいずれかを受けることができる。被験者は、常
に表1プロトコルのみを受ける必要はなく、表2プロトコルのみを受ける必要もない。
【0223】
しかしながら、他の実施形態では、被験者は、表1プロトコルのみまたは表2プロトコル
のみを受けることができ、すなわち、最初に午前中の皮膚損傷治療を受ける被験者は、そ
の後の皮膚損傷治療の週に必ず午前中の皮膚損傷治療を受け、最初に午後/夕方の皮膚損
傷治療を受ける被験者は、その後の皮膚損傷治療の週に必ず午後/夕方の皮膚損傷治療を
受けることができる。
【0224】
いくつかの実施形態では、脱毛領域における発毛を刺激するための方法は、以下のステ
ップを含む:
(i)脱毛領域の皮膚を損傷させる;
(ii) ステップ(i)の約24時間後に開始して、2%ミノキシジル溶液を1日2回、2日間
、皮膚の損傷した領域に局所的に塗布する;
(iii) ステップ(ii)の後、5%ミノキシジル溶液を1日2回、4日間、皮膚の損傷し
た領域に局所的に塗布する;
(iv) ステップ(i)~(iii)を11回繰り返す、ここで、ステップ(i)の日に
はミノキシジルの局所塗布は行わない。
【0225】
いくつかの実施形態では、ステップ(ii)および(iii)の外用ミノキシジルは、
約12時間ごとに塗布される。いくつかの実施形態では、ミノキシジルの外用剤、例えば5%
外用液を、1日2回塗布することは、無期限に継続される。
【0226】
いくつかの実施形態では、脱毛領域における発毛を刺激するための方法は、以下のステ
ップを含む:
(i)脱毛領域の皮膚を損傷させる;
(ii) ステップ(i)の約24時間後、および/または被験者の皮膚の創傷が閉じたこ
とを確認した後、2%ミノキシジルの最初の投与量を患部の皮膚に塗布する;
(iii) 2%ミノキシジルをさらに3回、患部に塗布する(例えば、約12時間ごとの投与
(例えば、ステップ(i)の後、約36時間後に2%ミノキシジルの2回目の用量を適用し、
約48時間後に2%ミノキシジルの3回目の用量を適用し、約60時間後に2%ミノキシジルの4回
目の投与を行う);
(iv) ステップ(i)の約72時間後に、5%ミノキシジルの最初の投与量を患部の皮膚
にt塗布する;
(v) 5%ミノキシジルをさらに6回または7回以上、1日2回で患部に塗布する(例えば、
約12時間ごとの投与(例えば、ステップ(i)の後、約84時間後に5%ミノキシジルの2回
目の投与、約108時間後に5%ミノキシジルの3回目の投与、約120時間後に5%ミノキシジル
の4回目の投与、約120時間後に5回目の投与、約132時間後に6回目の投与、約144時間後に
7回目の投与を行い、さらに約156時間後に8回目の投与を行うことが可能である);およ
び
(vi) ステップ(i)-(v)を11回実行する、ここで、ステップ(i)の日にはミノ
キシジルは塗布されない。
【0227】
いくつかの実施形態では、ミノキシジルの投与量は1mLである。いくつかの実施形態で
は、ミノキシジルの外用剤、例えば5%外用液を、1日2回塗布することは、無期限に継続さ
れる。 皮膚損傷治療の例としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されるも
のではない:(i) 3ヶ月以上にわたって毎週行われる12回の治療、(ii) 3ヶ月以上
にわたって隔週で行われる6回の治療、および(iii) 3ヶ月以上にわたって毎月行わ
れる3回の治療が挙げられるが、これらに限定されない。
【0228】
いくつかの実施形態では、脱毛領域における発毛を刺激するための方法は、以下のステ
ップを含む:
(i)脱毛領域の皮膚を損傷させる;
(ii) ステップ(i)の約24時間後、2%ミノキシジル溶液を1日2回、2日間、皮膚の損
傷した領域に局所的に塗布する;
(iii) 5%ミノキシジル溶液を1日2回、11日間、皮膚の損傷した領域に局所的に塗布
する;
(iv) ステップ(i)-(iii)を5回繰り返す、ここで、ステップ(i)の日には
ミノキシジルは塗布されない。
【0229】
いくつかの実施形態では、ステップ(ii)および(iii)の外用ミノキシジルは、
約12時間ごとに塗布される。いくつかの実施形態では、ミノキシジルの外用剤、例えば5%
外用液を、1日2回塗布することは、無期限に継続される。
【0230】
いくつかの実施形態では、脱毛領域における発毛を刺激するための方法は、以下のステ
ップを含む:
(i) 脱毛領域の皮膚を損傷させる;
(ii) ステップ(i)の約24時間後、または被験者の皮膚の創傷が閉じたことを確認
した後、2%ミノキシジルの最初の投与を患部の皮膚に塗布する;
(iii) 2%ミノキシジルをさらに3回、患部に塗布する(例えば、約12時間ごとの投与
(例えば、ステップ(i)の後、約36時間後に2%ミノキシジルの2回目の用量を適用し、
約48時間後に2%ミノキシジルの3回目の用量を適用し、約60時間後に2%ミノキシジルの4回
目の投与を行う);
(iv) ステップ(i)の約72時間後に、5%ミノキシジルの最初の投与を患部の皮膚に
塗布する;
(v) 5%ミノキシジルをさらに20回または21回以上患部に塗布する(例えば、約12時間
ごとの投与(例えば、ステップ(i)の後、約84時間後に5%ミノキシジルの2回目の投与
、約108時間後に5%ミノキシジルの3回目の投与、約120時間後に5%ミノキシジルの4回目の
投与、約120時間後に5回目の投与、約132時間後に6回目の投与、約144時間後に7回目の投
与を行い、同様に8回目から20回目までの投与を行うことが可能である);および
(vi) ステップ(i)-(v)を5回実行する、ここで、ステップ(i)の日にはミノ
キシジルは塗布されない。
【0231】
いくつかの実施形態では、ミノキシジルの投与量は1mlである。いくつかの実施形態で
は、ミノキシジルの外用剤、例えば5%外用液を、1日2回塗布することは、無期限に継続さ
れる。
【0232】
いくつかの実施形態では、脱毛領域における発毛を刺激するための方法は、以下のステ
ップを含む:
(i)脱毛領域の皮膚を損傷させる;
(ii) ステップ(i)の約24時間後、2%ミノキシジル溶液を1日2回、2日間、皮膚の損
傷した領域に局所的に塗布する;
(iii) 5%ミノキシジル溶液を1日2回、25日間、皮膚の損傷した領域に局所的に塗布
する;
(iv) ステップ(i)-(iii)を2回繰り返す、ここで、ステップ(i)の日には
ミノキシジルは塗布されない。
【0233】
いくつかの実施形態では、ステップ(ii)および(iii)の外用ミノキシジルは、
約12時間ごとに塗布される。いくつかの実施形態では、ミノキシジルの外用剤、例えば5%
外用液を、1日2回塗布することは、無期限に継続される。
【0234】
いくつかの実施形態では、脱毛領域における発毛を刺激するための方法は、以下のステ
ップを含む:
(i) 脱毛領域の皮膚を損傷させる;
(ii) ステップ(i)の約24時間後、または被験者の皮膚の創傷が閉じたことを確認
した後、2%ミノキシジルの最初の投与を患部の皮膚に塗布する;
(iii) 2%ミノキシジルをさらに3回、患部に塗布する(例えば、約12時間ごとの投与
(例えば、ステップ(i)の後、約36時間後に2%ミノキシジルの2回目の用量を適用し、
約48時間後に2%ミノキシジルの3回目の用量を適用し、約60時間後に2%ミノキシジルの4回
目の投与を行う);
(iv) ステップ(i)の約72時間後に、5%ミノキシジルの最初の投与を患部の皮膚に
塗布する;
(v) 5%ミノキシジルをさらに48回または49回以上患部に塗布する(例えば、約12時間
ごとの投与(例えば、ステップ(i)の後、約84時間後に5%ミノキシジルの2回目の投与
、約108時間後に5%ミノキシジルの3回目の投与、約120時間後に5%ミノキシジルの4回目の
投与、約120時間後に5回目の投与、約132時間後に6回目の投与、約144時間後に7回目の投
与を行い、同様に8回目から50回目までの投与を行うことが可能である);および
(vi) ステップ(i)-(v)を2回実行する、ここで、ステップ(i)の日にはミノ
キシジルは塗布されない。
【0235】
いくつかの実施形態では、ミノキシジルの投与量は1mlである。いくつかの実施形態で
は、ミノキシジルの外用剤、例えば5%外用液を、1日2回塗布することは、無期限に継続さ
れる。1つの実施形態では、第1ラウンドまたはサイクルのみが、2%から5%ミノキシジルへ
のステップアップまたはランプアップを含む。この特定の実施形態では、後続のサイクル
は、5%ミノキシジルで直接開始する。
【0236】
マクロ写真撮影の手順
本明細書で言及されるマクロ写真撮影手順は、指定された撮影部位を特定すること、標
的とされた撮影部位内の毛髪を1mmの長さに切り取ること、および将来の方向付けのため
に標的とされた撮影部位の中央に針刺しタトゥーを生成すること(任意の出血が止まるま
で圧力をかけられた)、タトゥーの位置をマッピングすること、および提供された文書上
に測定値を記録することを含む。手順はさらに、タトゥーを基準点として使用して、コン
タクトプレートを使用せずに最初のベースライン写真を撮影し、再度、タトゥーを基準点
として使用して、コンタクトプレートを使用して残りのベースライン写真撮影を実行する
ことを含む。特定された指定撮影部位から、電子口径測定を用いて各毛髪の幅を測定する
。30mm以上の毛髪はすべて硬毛に分類される。
【0237】
毛髪測定分析から導き出されるパラメータには、以下のようなものがある:目標領域毛
髪数(TAHC)、目標領域毛髪幅(TAHW)、目標領域毛髪密度/暗さ(TAHD)。
【0238】
薬剤・薬品・製剤
本明細書に記載の方法は、皮膚がニードリング装置から創傷を受けた後に、薬剤を皮膚
に塗布する工程に関する。いくつかの実施形態では、薬剤は医薬組成物中に製剤化されて
いる。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、薬剤と、薬学的に許容される発毛促進剤
のキャリアまたは賦形剤を含む。
【0239】
いくつかの実施形態では、薬剤は、毛包の発達および成長を促進することができる 。
本発明の発毛促進剤は、皮膚領域上の毳毛から非毳毛(例えば、中間毛または硬毛)への
移行をもたらす毛包の発達および成長を促進してもよい。いくつかの実施形態では、発毛
促進剤は、発毛を促進するために皮膚損傷法と相乗的に作用してもよい。皮膚損傷法と薬
剤との併用により、毛包新生を促進することができる。治療の各構成要素が提供する効果
は、所望の最終結果を達成するために、相加的または相乗的な改善、または生物学的に定
義された2つの異なる効果の組み合わせであり得る。
【0240】
いくつかの実施形態では、発毛促進剤は、発毛を促進し、および/または脱毛に関連す
る病気または疾患を治療する薬剤である。当技術分野で知られているか、またはまだ開発
されていない脱毛に関連する病気または疾患を治療し、および/または発毛を促進する任
意の薬剤が、本明細書に開示された方法での使用が企図される。
【0241】
特定の実施形態では、発毛促進剤は、市販の形態で使用され得る。他の実施形態では、
発毛促進剤の形態は、本明細書に記載の組み合わせ治療(例えば、皮膚の損傷または別の
有効成分による治療)を最適化するように調整される。いくつかの実施形態では、発毛促
進剤は、市販されているものとは異なる塩の形態で調製される。いくつかの実施形態では
、発毛促進剤は、例えば、皮膚損傷後の治療のための医薬組成物に組み込むことによって
、局所投与用に調製される。
【0242】
いくつかの実施形態では、薬剤は、K+チャネルを開く降圧剤である、ミノキシジルであ
る。いくつかの実施形態では、薬剤は、抗炎症特性を有するフルオシノニドである。他の
薬剤、例えば、フィナステリド、デュタステリド、ケトコナゾールなどの抗アンドロゲン
剤、または任意の他の適当な薬剤を使用してもよい 。
【0243】
発毛促進剤
脱毛のためのほとんどの薬は、活発に循環している状態の既存の毛包を保持するか、ま
たはテロゲン毛包を活発に循環しているアナゲン状態に若返らせることを目的としている
。他の薬剤は、毳毛から硬毛への転換を促す。対照的に、外皮穿刺治療(「新しい」毛包
の成長を促すか、または既存の毛包の活性化を促す)と、毛包を活発に循環している状態
に保持する薬剤治療とを組み合わせた治療は、禿げている個体に大きな価値を提供します
。このような治療法は、より効果的で、効率的で、費用対効果が高く、使い勝手が良いも
のである可能性がある。例えば、少ない治療回数で済む場合もある。結果として得られる
毛髪は、より美容的に満足できるものとなり、長持ちし、より太く、より均一で、より長
く、適切に色素を含んだ毛髪となる可能性がある。このような特徴は、毳毛よりもむしろ
硬毛に関連している。
【0244】
本明細書に記載の外皮穿刺法は、単独で、または本明細書に記載の穿刺後治療と組み合
わせて、発毛促進剤との組み合わせ治療、および任意に後述の治療との組み合わせ治療(
「組み合わせ」の項参照)で使用することができる。いくつかの実施形態では、本明細書
に記載の発毛促進剤は、毛包の発達および成長を促進し、その結果、皮膚領域上の毳毛か
ら非毳毛、例えば中間毛または硬毛への移行をもたらす。いくつかの実施形態では、本明
細書に記載の発毛促進剤は、発毛を促進するために外皮穿刺法と相乗的に作用する。各治
療が提供する効果は、所望の最終結果を達成するために、相加的または相乗的な改善、ま
たは生物学的に定義された2つの異なる効果の組み合わせであり得る。
【0245】
いくつかの実施形態では、発毛促進剤は、発毛を促進し、および/または過剰な脱毛に
関連する病気または疾患を治療する薬剤である。当技術分野で知られているか、またはま
だ開発されていない過剰な脱毛に関連する病気または疾患を治療し、および/または発毛
を促進する任意の薬剤が、これらの実施形態に従って使用されることが企図される。
【0246】
いくつかの実施形態では、発毛促進剤の治療は、例えば、ミノキシジル(例えば、ロゲ
インまたはリゲインとして市販されている)、ジアゾキシド、またはフェニトインのよう
な、1つ以上のチャネルオープナー(例えば、カリウムチャネルオープナー、例えば、AT
P感受性カリウムチャネル(KATP)、またはそのようなチャネルの活性化剤)による治療
を含む。特定の実施形態では、発毛促進剤の治療は、ミノキシジルによる治療を含む。こ
れらの実施形態に従って使用され得るミノキシジルの一般的に使用される投与形態は、2%
のミノキシジルまたは5%のミノキシジルを含む外用溶液であり、例えば、2%または5%のミ
ノキシジルフォーム、または実施例に記載されているような2%ミノキシジルまたは5%ミノ
キシジルの外用溶液である。
【0247】
いくつかの実施形態では、発毛促進剤の治療は、1つ以上の5a-還元酵素阻害剤による
治療を含む。5a-還元酵素阻害剤の非限定的な例としては、フィナステリド、デュタステ
リド(例えば、アボダート)、ツロステリド、ベクスロステリド、イゾンステリド、エプ
リステリド、エピガロカテキン、MK-386、アゼライン酸、FCE 28260、およびSKF 105、11
1が挙げられる。このような治療に使用することができるフィナステリドの一般的に使用
される投与形態は、例えば、経口フィナステリド 1日あたり1 mg である。例えば、「Phy
sicians ' Desk Reference, 2009, 63rd ed., Montvale, NJ:Physicians' Desk Referenc
e Inc., entries for Propecia(登録商標) and Proscar(登録商標) 2095-2099ページ
及び2102-2106ページ」を参照。これらは各々参照によりその全体が本明細書に組み込ま
れている。
【0248】
いくつかの実施形態では、発毛促進剤の治療は、例えばフィナステリド(例えば、プロ
ペシアまたはプロスカーとして市販されている)、ケトコナゾール、フルコナゾール、ス
ピロノラクトン、フルタミド、ジアゾキシド、17-α-ヒドロキシプロゲステロン、11-α-
ヒドロキシプロゲステロン、ケトコナゾール、RU58841、デュタステリド(アボダートと
して市販されている)、フルリジル、またはQLT-7704、抗アンドロゲンオリゴヌクレオチ
ド、または「Poulos & Mirmirani, 2005, Expert Opin.Investig.Drugs 14:177-184」(
その内容は参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている他のものなど、の1つ
以上の抗アンドロゲンを用いた治療を含む。
【0249】
いくつかの実施形態では、発毛促進剤の治療は、1つ以上のプロスタグランジンF2aアナ
ログ、プロスタグランジンアナログ、またはプロスタグランジンを用いた治療を含む。プ
ロスタグランジンF2aアナログの非限定的な例としては、ビマトプロスト(例えば、ラテ
ィス、ルミガン)、イアタノプロスト(商品名ザラタン)、トラバプロスト(商品名トラ
バタン)、タフルプロスト、ウノプロストン、ジノプロスト(商品名プロスティンF2アル
ファ)、AS604872、BOL303259X、PF3187207、カルボプロスト(商品名ヘマベイト)など
が挙げられる。本明細書に記載される方法に従って使用するための例示的なプロスタグラ
ンジンF2aアナログ、ならびに製剤、用量、および治療レジメンについては、例えば、米
国特許第8,017,655号、5,688,819号、6,403,649号、5,510,383号、5,631,287号、5,849,7
92号、5,889,052号、6,011,062号、7,163,959号、5,296,504号、5,422,368号、6,429,226
号、および6,946,120号を参照されたい。これらの各内容の全体が参照によりその全体が
本明細書に組み込まれている。イアタノプロストに関しては、「 Uno et al. , 2002, Ac
ta Derm Venereol 82:7-12,」を参照されたい。この内容は参照によりその全体が本明細
書に組み込まれている。
【0250】
いくつかの実施形態では、発毛促進剤治療は、以下の発毛促進剤のうちの1つまたは複
数の発毛促進剤による治療を含む:コペキシル(例えば、製品Keranique(商標))、CaC
、ボティリヌムトキシンA、アデノシン、ケトコナゾール、DoxoRx、ドセタキセル、FK506
、GP1 1046、GP1 1511、LGD 1331、ICX-TRC、MTS-01、 NEOSH101、HYG-102440、HYG-410
、HYG-420、HYG-430、HYG-440、 spironolactone、CB- 03-01、RK-023、Abatacept、Vivi
scal(登録商標)、MorrF、ASC-J9、NP-619、AS101、Metron-F-1、PSK 3841、タルグレチ
ン(例えば、1%ゲル)、メジンゲル、PF3187207、BOL303259X、AS604872、THGl 1331、PF
-277343、PF-3004459、ラプティバ、カフェイン、コーヒー。いくつかの実施形態では、
発毛促進剤治療は、SWITCH Biotech LLCによって開発された脱毛症のための薬剤を含む。
【0251】
いくつかの実施形態では、発毛促進剤はバルプロ酸を含む。バルプロ酸の使用、例えば
、ポスト腸管摂動は、国際特許出願WO/2019/055662に記載されており、その内容は、参照
によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0252】
いくつかの実施形態では、発毛促進剤の治療は、以下のうちの1つまたは複数の処置を
含む:ハーブ(例えば、ノコギリヤシ、グリシンソージャ、パナックス高麗人参、カスタ
ネアサティバ、アルニカモンタナ、ヘデラヘリックスゼラニウムマクラタムなど)、トリ
アムシノロンアセトニド(例えば、2.5~5mg/mlの懸濁液、注射用)、局所刺激剤(例え
ば、アンスラリン)または増感剤(例えば、スクアリン酸ジブチルエステル[SADBE]また
はジフェニルシクロプロペノン[DPCP])、クロミプラミン、不飽和脂肪酸(例えば、γリ
ノレン酸)、脂肪酸誘導体、増粘剤(例えば、カルボマー、ジステアリン酸グリコール、
セテアリルアルコールなど)、脱毛コンシーラー、ナイアシン、ニコチン酸エステルおよ
びその塩、アデノシン、およびメチオニン。いくつかの実施形態では、発毛促進剤の治療
は、ニトロキシドスピンラベル(例えば、TEMPOおよびTEMPOL)での治療を含む。参照に
より本明細書に組み込まれる、米国特許5,714,482を参照のこと。
【0253】
いくつかの実施形態において、発毛促進剤の治療は、頭皮の発毛を刺激するのに有用で
あることが示されているアンドロゲン受容体阻害剤による治療を含む(Hu LY, et al., 2
007, Bioorg Med Chem Lett.2007 17:5983-5988)。
【0254】
いくつかの実施形態では、発毛促進剤の治療は、好ましくは局所的に塗布される銅ペプ
チド、またはスーパーオキシド分解活性を有する別の化合物での治療を含む。いくつかの
実施形態では、発毛促進剤治療は、一酸化窒素増産剤(例えば、アルギニン、シトルリン
、ニトログリセリン、亜硝酸アミル、またはシルデナフィル(バイアグラ))による治療
を含む。好ましい実施形態では、そのような化合物は、カタラーゼまたはカタラーゼ模倣
薬、または他の抗酸化剤またはフリーラジカルスカベンジャーと組み合わせて投与される
。
【0255】
いくつかの実施形態において、発毛促進剤治療は、骨髄由来の幹細胞(例えば、G-CSF
などの成長因子および/またはプレリキサフォー(Mozobil(登録商標))などの化学的
薬剤);および/またはこれらの幹細胞の性別特異的な特殊ヒト毛包への分化を調節する
化合物(例えば、フィナステリド、フルコナゾール、スピロノラクトン、フルタミド、ジ
アゾキシド、11α-ヒドロキシプロゲステロン、ケトコナゾール、U58841、デュタステリ
ド、フルリジル、またはQLT-7704、抗アンドロゲンオリゴヌクレオチド、キョクトール、
外用プロゲステロン、外用エストロゲン、酢酸シプロテロン、ru58841、コンビネーショ
ン5a-還元酵素阻害剤、経口避妊薬、および「Poulos & Mirmirani, 2005, Expert Opin.I
nvestig.Drugs 14:177-184」(参照により本明細書に組み込まれている)に記載のもの、
または他の抗エストロゲン、エストロゲン、エストロゲン様薬剤(単独で、または幹細胞
の可塑性を増加させる薬剤との組み合わせで;例えば、バルプロ酸など)など、当技術分
野で知られている)を動員する化合物による治療を含み、これによって、例えば、皮膚の
標的位置における天然の毛包とは異なる特徴を有する特化された毛包の出現をもたらすこ
とができる。
【0256】
いくつかの実施形態では、 発毛促進剤治療は、加齢に伴う薄毛および/または毛包細
胞の老化に対抗する1種以上の薬剤(本明細書では「老化防止剤」とも呼ばれる)、例え
ば、グルタチオン、アスコルビン酸、トコフェロール、尿酸、またはポリフェノール系抗
酸化剤などの抗酸化剤;スーパーオキシドジスムターゼ阻害剤などの活性酸素(ROS)発
生抑制剤;セレンなどのROS分解の刺激剤;ラパマイシンなどのmTOR阻害剤;またはレス
ベラトロールなどのサーチュインまたはその活性化剤、または他のSIRT1、SIRT3活性化剤
、またはニコチンアミド阻害剤、を用いた治療を含む。
【0257】
いくつかの実施形態では、発毛促進剤治療は、免疫応答を誘導するか、または炎症を引
き起こす1つ以上の薬剤、例えば破傷風トキソイド、局所的な非特異的刺激剤(アントラ
リン)、または増感剤(スクアリン酸ジブチルエステル[SADBE]およびジフェニルシク
ロプロペノン[DPCP])を用いた治療を含む。何らかの理論に拘束されるものではないが
、これらの薬剤を皮膚に接触させることで、リンパ球や毛包幹細胞が皮膚に補充される可
能性があると考えられる。いくつかの実施形態では、発毛促進剤治療は、皮膚における炎
症プロセスを誘導する化学的または機械的な(詳細に議論されているような)治療による
治療を含む。どんな理論にも拘束されるものではないが、発毛が望まれる部位に炎症を誘
発することは、新しい毛包の形成を駆動する組織に幹細胞を補充するのに役立つ。
【0258】
いくつかの実施形態では、発毛促進剤の治療は、抗アポトーシス化合物による治療を含
む。1つの実施形態では、抗アポトーシス化合物は、WntまたはWntアゴニストではない。
【0259】
いくつかの実施形態では、発毛促進剤治療は、幹細胞治療、ヘアクローニング、植毛、
頭皮マッサージ、皮膚移植、ヘアプラグ、毛包ユニット抽出、または毛髪の修復を目的と
した任意の外科的手技による治療を含む。
【0260】
特定の実施形態では、本明細書に記載された発毛促進剤は、その薬剤について当技術分
野で知られている用量または範囲の用量で使用することができる(例えば、パッケージの
挿入物または医師用添付文書集に記載されているように)。他の実施形態では、発毛促進
剤の規則的投与量は、本明細書に記載の組み合わせ治療(例えば、外皮穿刺または別の有
効成分による治療)を最適化するように調整される。例えば、規則的投与量は、医師の指
示に応じて増減してもよい。例えば、本明細書に記載された別の治療との併用による相乗
効果のために、より低い投与量をより短い期間にわたって使用することができる。
【0261】
特定の実施形態では、発毛促進剤は、市販の形態で使用され得る。他の実施形態では、
発毛促進剤の形態は、本明細書に記載された組み合わせ治療(例えば、外皮穿刺との組み
合わせ、および任意の別の有効成分による治療)を最適化するように調整される。特定の
実施形態では、発毛促進剤は、市販されているものとは異なる塩の形態で調製される。特
定の実施形態では、発毛促進剤は、例えば、本明細書に記載された穿刺後治療のための医
薬組成物に組み込むことによって、局所投与用に調製される。
【0262】
いくつかの実施形態では、発毛促進剤は、毳毛から非毳毛への変換を促進する。特定の
実施形態では、発毛促進剤は、毳毛から硬毛への変換を促進する。これらの実施形態に従
って使用され得る、毳毛から非毳毛への変換を促進する例示的な発毛促進剤は、プロスタ
グランジンF2aアナログ(1つの態様では、ラタノプロスト)、ミノキシジルなどである。
いくつかの実施形態では、発毛促進剤は、毳毛から非毳毛への変換を促進する。特定の実
施形態では、発毛促進剤は、毳毛から非毳毛への変換を促進する。これらの実施形態に従
って使用され得る、テロゲンからアナゲン毛への変換を促進する例示的な発毛促進剤は、
プロスタグランジンF2aアナログ(1つの態様では、ラタノプロスト)、ミノキシジルなど
である。
【0263】
いくつかの実施形態では、発毛促進剤の治療は、抗アンドロゲン(例えば、5ct-リダク
ターゼ阻害剤)およびチャネルオープナー(例えば、ミノキシジル)による治療を含む。
そのような1つの実施形態では、5a-還元酵素阻害剤が、ミノキシジルと組み合わせて投与
される。そのような1つの実施形態では、フィナステリドが、ミノキシジルと組み合わせ
て投与される。いくつかの実施形態では、発毛促進剤の治療は、プロスタグランジンF2a
またはプロスタミド類似体(例えば、ラタノプロスト、ビマトプロストなど)とチャネル
オープナー(例えば、ミノキシジル)との組み合わせによる治療を含む。そのような1つ
の実施形態では、プロスタグランジンF2aまたはプロスタミドアナログが、ミノキシジル
と組み合わせて投与される。そのような1つの実施形態では、ラタノプロストが、ミノキ
シジルと組み合わせて投与される。そのような別の実施形態では、ビマトプロストが、ミ
ノキシジルと組み合わせて投与される。
【0264】
いくつかの実施形態では、女性被験者の発毛を促進するための本明細書に記載の治療法
は、フィナステリドまたはケトコナゾールを含まない。いくつかの実施形態では、妊娠中
の女性被験者の発毛を促進するための本明細書に記載の治療法は、フィナステリドまたは
ケトコナゾールではない。
【0265】
組成物
いくつかの実施形態では、薬剤は医薬組成物中に製剤化されている。ミノキシジルのよ
うな発毛促進剤、 本明細書に記載の組成物は、対応する酸または薬剤学的に許容される
塩、同位体バリアント、または薬剤学的に許容される担体(薬剤学的に許容される賦形剤
とも呼ばれる)、すなわち、薬剤学的に許容される材料、組成物、またはビヒクル、例え
ば液体または固体充填剤、希釈剤、溶媒、カプセル化材料、または錯化剤を含む。本明細
書に記載の医薬組成物は、薬剤学的に許容される担体(薬剤学的に許容される賦形剤とも
呼ばれる)、すなわち、薬剤学的に許容される材料、組成物、またはビヒクル、例えば液
体または固体充填剤、希釈剤、溶媒、カプセル化材料、または錯化剤を含む。1つの実施
形態では、各成分は、医薬製剤の他の成分と化学的に相溶性があり、ヒトおよび動物の生
物学的組織または器官と接触したときに、過剰な毒性、刺激性、アレルギー反応、免疫原
性、または他の問題または合併症がなく、合理的な利益/リスク比に見合った生物学的に
許容されるという意味で、「薬学的に許容される」。「Remington:The Science and Prac
tice of Pharmacy, 2005, 21st ed., Philadelphia」, PA:Lippincott Williams & Wilki
ns」; 「Rowe et al, eds., 2005, Handbook of Pharmaceutical Excipients, 5th ed.,
The Pharmaceutical Press and the American Pharmaceutical Association」; 「Ash &
Ash eds., 2007, Handbook of Pharmaceutical Additives, 3rd ed., Gower Publishing
Company」; 「Gibson ed., 2009, Pharmaceutical Preformulation and Formulation, 2n
d ed., Boca Raton, FL:CRC Press LLC」を参照。各々は参照により本明細書に組み込ま
れている。
【0266】
ミノキシジルの薬学的に許容される形態は、硫酸ミノキシジル、または塩化物、炭酸塩
、硝酸塩などの別の塩の形態を含む。
【0267】
好適な賦形剤は、当業者にはよく知られており、好適な賦形剤の非限定的な例が本明
細書に記載されている。特定の賦形剤が医薬組成物または剤形に組み込むのに適している
かどうかは、投与方法を含むがこれらに限定されない、当技術分野でよく知られている様
々な要因に依存する。例えば、クリームなどの外用剤形は、経皮投与や静脈内投与での使
用に適さない賦形剤を含んでいてもよい。特定の賦形剤の適合性は、投与形態における特
定の有効成分に依存する。
【0268】
本明細書に記載される実施形態に従って使用され得るミノキシジルの一般的に使用され
る投与形態は、2%ミノキシジルまたは5%ミノキシジル(2%液-活性- 2% w/v ミノキシジル
;非活性-アルコール、水、プロピレングリコール;5%液-活性- 5% w/vミノキシジル;非
活性-アルコール、水、プロピレングリコール)を含む外用溶液、または例えば、外用ミ
ノキシジルフォーム2または5%を含む外用溶液である。
【0269】
本明細書に開示される医薬組成物は、水、生理食塩水、生理食塩水または緩衝生理食塩
水{例えば、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)}、注射用塩化ナトリウム、注射用リンゲル
、注射用等張性ブドウ糖、注射用無菌水、注射用ブドウ糖乳化リンゲル、炭酸水素ナトリ
ウム、または注射用アルブミンを含むが、これらに限定されない、適切な水性ビヒクルを
含むように製剤化されてもよい。好適な非水性ビヒクルには、植物性の固定油、ヒマシ油
、コーン油、綿実油、オリーブ油、ピーナッツ油、ペパーミント油、ベニバナ油、ゴマ油
、大豆油、水添植物油、水添大豆油、およびヤシ油、ラノリン油、ラノリンアルコール、
リノール酸、リノレン酸、パーム種子油の中鎖トリグリセリドが含まれるが、これらに限
定されるものではない。好適な水混和性ビヒクルには、エタノール、ウールアルコール、
1,3-ブタンジオール、液体ポリエチレングリコール{例えば、ポリエチレングリコール30
0およびポリエチレングリコール400}、プロピレングリコール、グリセリン、N-メチル-2
-ピロリドン(NMP)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMA)、およびジメチルスルホキシド
(DMSO)が含まれるが、これらに限定されるものではない。1つの実施形態では、水混和
性ビヒクルはDMSOではない。
【0270】
好適な等張化剤としては、塩化ナトリウム、グリセリン、ブドウ糖などが挙げられるが
、これらに限定されるものではない。好適な緩衝剤としては、リン酸塩、グルタミン酸塩
およびクエン酸塩が挙げられるが、これらに限定されるものではない。好適な懸濁分散剤
としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、ヒドロキシプロピルメチル
セルロース(UPMC)、ポリビニルアルコール(PVA)、およびポリビニルピロリドン(PVP
)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。好適な乳化剤としては、ポリオキ
シエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート80
、およびオレイン酸トリエタノールアミンが挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。好適な封鎖剤またはキレート剤としては、EDTAが挙げられるが、これらに限定され
るものではない。好適なpH調整剤としては、水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸、乳酸な
どが挙げられるが、これらに限定されるものではない。好適な錯化剤には、a-シクロデ
キストリン、β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、ス
ルホブチルエーテル--シクロデキストリン、およびスルホブチルエーテル7-シクロデキス
トリン(CAPTISOL(登録商標), CyDex, Lenexa, KS)を含むシクロデキストリンが含ま
れるが、これらに限定されるものではない。
【0271】
頭皮または顔面への適用のための製品は、さらに、すすぎが容易で、皮膚/目への刺激
が少なく、既存の毛髪へのダメージがなく、濃厚および/またはクリーミーな感触を有し
、心地よい香りを有し、低毒性で、生分解性が良好であり、そして塩基性環境が毛髪ケラ
チンのジスルフィド結合を破壊することによって毛髪を弱めるので、やや酸性のpH(pH7
未満)になるように追加的に処方されてもよい。
【0272】
本明細書に記載されているのは、外皮穿刺後(および任意に外皮穿刺前または穿刺摂動
中)の皮膚への投与のための医薬組成物である。特定の実施形態では、医薬組成物は、皮
膚への局所投与のために製剤化される。特定の実施形態では、医薬組成物は、本明細書に
記載の方法に従って、外皮穿刺される(will be)、外皮穿刺されている(is being)、
または外皮穿刺された(has been)皮膚領域に投与される。
【0273】
非限定的な実施形態では、治療のための医薬組成物は、ゲル、ヒドロゲル、乳剤、溶
液、懸濁液、クリーム、軟膏、粉塵、ドレッシング、エリキシル、ローション、懸濁液、
チンキ、ペースト、粉末、結晶、発泡フィルム、エアゾール、灌注、スプレー、座薬、ス
ティック、バー、軟膏、包帯、創傷包帯、マイクロダーマブレーションまたはダーマブレ
ーション粒子、滴下、経皮パッチ、または皮膚パッチとして、局所投与のために処方され
る。特定の実施形態では、医薬組成物は、水性製剤(例えば、ヒドロゲル)、非水性製剤
、軟膏、またはクリーム(例えば、エマルジョン)である。1つの実施形態では、組成物
はヒドロゲルである。いくつかの実施形態では、組成物は咬合性である。他の実施形態で
は、組成物は非咬合性である。組成物は、当該技術分野で知られている任意の局所的送達
手段を介して投与することができる。特定の実施形態では、組成物は、ドラッグデリバリ
システムを用いて投与される。
【0274】
いくつかの実施形態では、治療のための医薬組成物の製剤は、組成物中の有効成分(存
在する場合)の放出速度を制御するために変化する。これは、例えば、ペトロラタムと鉱
油の比率を変化させることによって、疎水性を変化させることなく、担体の分子流動性を
変化させることによって達成されてもよい。1つの実施形態では、医薬製剤は、ペトロラ
タム、鉱物油、およびラノリンアルコールを含む軟膏である。そのような実施形態に従っ
て調製された例示的な製剤は、以下の実施例で提供される。別の実施形態では、有効成分
の放出は、例えば、ペトロラタム/水エマルジョンを調製することによって、製剤の疎水
性/親水性比を変化させることによって調節することができる。そのような実施形態に従
って調製された例示的な製剤は、以下の実施例で提供される。
【0275】
ハイドロゲル
1つの実施形態では、発毛促進剤、 例えばミノキシジルを投与するための医薬組成物は
、水性ヒドロゲルとして製剤化される。1つの実施形態では、水性ヒドロゲルは、発毛促
進剤 に加えて、例えば、ミノキシジル、カルボポール980、メチルパラベン、プロピルパ
ラベン、プロピレングリコール、グリセリン、および水を含む。1つの実施形態では、ヒ
ドロゲル製剤は、クエン酸、CMC、メチルパラベン、プロピルパラベン、アラントイン、
アルギン酸、および水を含む。そのような実施形態に従って調製された例示的な製剤は、
以下の実施例で提供される。1つの実施形態では、ヒドロゲルは、以下の組成を有する:
グリセロール、カルボキシメチルセルロース、アラントイン、アルギン酸ナトリウム、メ
チルパラベン、プロピルパラベン、水(Q.S.)、および水酸化ナトリウム(pHを6.5~7.5
に調整したもの)。ヒドロゲルを形成するための方法は、以下の実施例に詳細に記載され
ている。これらの方法は、当技術分野で知られており、本明細書に記載されている方法を
使用して、他のヒドロゲル製剤を生成するように適合させてもよい。
【0276】
特定の実施形態では、ヒドロゲルは75%、80%、85%、90%、または95%の水を含む。特定
の実施形態では、ヒドロゲルは90%の水を含む。好ましくは、ヒドロゲルは、以下の特徴
のうちの1つ以上またはすべてを有する:透明であり、無臭であり、無色であり、粘度(
25°Cで)が、例えば、2,000~10,000 cP、2,000~8,000 cP、または6,000~10,000 cP
(例えば、レオメーターを使用して測定される)であり、アッセイおよび用量の均一性(
例えば、炎光光度法または原子吸着分光法(AAS)を使用して測定される)を有し、エモ
リエント剤の「滑らかな感触」を有し、皮膚に容易に適用でき、表面上に容易に広がり、
周囲の部位への移行を最小限に抑え、流出を最小限に抑え、中性のpH(例えば、pH 6.5~
7.5)を有し、無菌であり、例えば、強度、粘度、および均質性に関して、1つ以上の温度
条件(例えば、4℃、25℃、および40℃)で、長期間(例えば、1週間以上、2週間以上、4
週間以上、8週間以上、12週間以上、4ヶ月以上、6ヶ月以上、1年以上、または2年以上)
安定である。1つの実施形態では、ヒドロゲルは、室温で最大4週間以上安定である。1つ
の実施形態では、ヒドロゲルは、室温で最大8週間以上安定である。1つの実施形態では、
ヒドロゲルは、4 °Cで最大6ヶ月以上安定である。1つの実施形態では、ヒドロゲルは、4
°Cで最大1年以上安定である。特定の実施形態では、ヒドロゲルは、本明細書に記載の
方法で使用するための外用剤形として好ましいかもしれない、前記の1つ以上の属性また
は以下の属性に寄与するように選択された賦形剤および有効成分の量を用いて調製される
。
【0277】
いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、存在する場合には、有効成分を様々な速度で
放出するように製剤化される。いくつかの実施形態では、有効成分の大部分またはすべて
が、2時間以内、4時間以内、8時間以内、10時間以内、12時間以内、16時間以内、24時間
以内、36時間以内、48時間以内、3日以内、5日以内、7日以内、10日以内、14日以内、30
日以内、または2ヶ月以上の期間内に製剤から放出される。特定の実施形態では、任意の
有効成分の大部分または全部が、12時間以内に本明細書に記載のヒドロゲルから放出され
る。1つの実施形態では、有効成分のすべてが12時間以内にヒドロゲルから放出される。
別の実施形態では、有効成分の大部分または全部が、24時間以内に本明細書に記載のヒド
ロゲルから放出される。1つの実施形態では、製剤は、「即時放出」製剤であり、すなわ
ち、投与の最初の日内に有効成分の90~100%を放出する。別の実施形態では、製剤は、
「即時放出」製剤であり、すなわち、投与の1~3日以内に有効成分の90~100%を放出す
る。別の実施形態では、製剤は、「持続放出」製剤であり、すなわち、投与の3~7日以内
に有効成分の90~100%を放出する。
【0278】
クリーム
別の特定の実施形態では、発毛促進剤、 例えばミノキシジルの局所投与のために製剤
化された医薬組成物は、エマルジョン、例えばクリームの形態である。1つの実施形態で
は、クリームは油/水エマルジョンである。
【0279】
特定の実施形態では、ヒドロゲルは75%、80%>、85%>、90%、または95%の水を含む。特
定の実施形態では、クリーム(例えば、{例えば、分散液、懸濁液、コロイドまたはエマ
ルジョン)は、以下の特徴のうちの1つ以上またはすべてを有する:無臭であり、皮膚へ
の塗布時に無色であり、粘度( 25°Cで)が、例えば、2,000~10,000 cP、2,000~8,0
00 cP、または6,000~10,000 cP(例えば、レオメーターを使用して測定される)であり
、アッセイおよび用量の均一性(例えば、炎光光度法または原子吸着分光法(AAS)を使
用して測定される)を有し、エモリエント剤の「滑らかな感触」を有し、皮膚に容易に適
用でき、表面上に容易に広がり、周囲の部位への移行を最小限に抑え、流出を最小限に抑
え、中性のpH(例えば、pH 6.5~7.5)を有し、無菌であり、例えば、強度、粘度、およ
び均質性に関して、1つ以上の温度条件(例えば、4℃、25℃、および40℃)で、長期間(
例えば、1週間以上、2週間以上、4週間以上、8週間以上、12週間以上、4ヶ月以上、6ヶ月
以上、1年以上、または2年以上)安定である。1つの実施形態では、クリームは、室温で
最大4週間以上安定である。1つの実施形態では、クリームは、室温で最大8週間以上安定
である。1つの実施形態では、クリームは、4 °Cで最大6ヶ月以上安定である。1つの実施
形態では、クリームは、4 °Cで最大1年以上安定である。特定の実施形態では、クリーム
は、本明細書に記載された方法で使用するための外用剤形として望ましいかもしれない、
前記または以下の属性のうちの1つ以上に寄与するように選択された賦形剤および有効成
分の量を用いて調製される:粘度、表面濡れ性および「ドライアウト」の防止、防腐効果
、pHの維持、安定性(例えば、クリーム中に使用される界面活性剤の強度を変更すること
によって付与される)、および薬物動態特性(製剤からの有効成分の任意の放出率、およ
び皮膚および血液中のピークおよびトラフ濃度など)。製剤が、創傷されているか、また
は創傷される可能性のある皮膚への投与のためのものである実施形態では、創傷適合性が
あり、創傷治癒に寄与し、および/または細胞の付着および/または増殖を助ける賦形剤
、例えば、アラントインまたはアルギン酸ナトリウムが含まれてもよい。
【0280】
クリームからの有効成分、例えば発毛促進剤 、ミノキシジル、またはその製薬学的に
許容される塩などの有効成分の放出速度は、以下のうちの1つまたは複数の方法で変更す
ることができる:製剤を異なるスカフォードに組み込むこと、製剤中の発毛促進剤 、例
えばミノキシジル、またはその製薬学的に許容される塩の濃度を変更すること、または賦
形剤の種類および濃度を変更すること。例えば、1つの実施形態では、クリーム中の親水
性ポリマーの濃度を減少させることにより、クリームからの有効成分の放出速度を減少さ
せてもよい。いくつかの実施形態では、クリームからの有効成分の放出速度は、セテアリ
ルアルコール、ラノリンアルコールの濃度を変化させることによって、または使用される
水性または非水性担体(複数可)の種類を変化させることによって、好ましくは非水性担
体(複数可)(例えば、シリコーン、鉱物油、ペトロラタムなど)を変化させることによ
って、変化させることができる。
【0281】
いくつかの実施形態では、有効成分の大部分またはすべてが、2時間以内、4時間以内、
8時間以内、10時間以内、12時間以内、16時間以内、24時間以内、36時間以内、48時間以
内、3日以内、5日以内、7日以内、10日以内、14日以内、30日以内、または2ヶ月以上の期
間内に製剤から放出される。特定の実施形態では、有効成分の大部分または全部が、本明
細書に記載されたクリームから10時間以内に放出される。1つの実施形態では、有効成分
のすべてが10時間以内にクリームから放出される。別の実施形態では、有効成分の大部分
または全部が、24時間以内に本明細書に記載のクリームから放出される。1つの実施形態
では、製剤は、「即時放出」製剤であり、すなわち、投与の最初の日内に有効成分の90~
100%を放出する。別の実施形態では、製剤は、「即時放出」製剤であり、すなわち、投
与の1~3日以内に有効成分の90~100%を放出する。別の実施形態では、製剤は、「持続
放出」製剤であり、すなわち、投与の3~7日以内に有効成分の90~100%を放出する。
【0282】
特定の実施形態では、クリームは即時放出製剤である。このような製剤は、二相系を用
いて生成することができる:(i) 任意の有効成分および親水性賦形剤を溶解するため
の水性相、および (ii) 疎水性ポリマーを溶解するための非水性相である。例示的な
実施形態では、クリームは、生体適合性のある皮膚エモリエントとして作用するだけでな
く、任意の有効成分の送達システムとしても作用する油中水型エマルジョンである。別の
実施形態では、クリームは中間放出製剤である。1つの実施形態では、中間放出クリーム
製剤は、例えば、上記の即時放出クリーム製剤について記載されているように、2つの相
の均質化によって調製されたエマルジョンである。別の実施形態では、クリームは徐放性
製剤である。1つの実施形態では、徐放性クリーム製剤は、例えば、上記の即時放出性ク
リーム製剤および中間放出性クリーム製剤について説明したように、2つの相(水性相お
よび非水性相)を均質化することによって調製されるが、非水性相中の親水性ポリマーの
濃度を減少させることによって調製される。
【0283】
局所投与のための前記製剤は、本明細書に記載された任意の実施形態に従って投与する
ことができる。例えば、特定の実施形態では、50kgの患者は、1日2回、3箇所で本明細
書に記載されたヒドロゲルの単一液滴を投与される。いくつかの実施形態では、ヒドロゲ
ルは1日1回投与される。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは1日2回投与される。1日2
回の治療レジメンのいくつかの実施形態では、投与量は、6時間間隔、または7時間間隔、
または8時間間隔、または9時間間隔、または10時間間隔、または11時間間隔、または12時
間間隔で投与される。特定の実施形態では、投与量は7~8時間間隔で投与される。
【0284】
例示的なミノキシジル製剤
例示的なミノキシジル製剤は、以下の特許および特許出願に記載されており、その内容
は参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。従って、そのような製剤は、本明
細書に記載された方法での使用に適していてもよい。これらの製剤のいずれかは、当技術
分野で知られている別の発毛促進剤に適用することができる。
【0285】
ビスコース溶液またはゲル状の製剤:
・EP3250181A1: 外用ミノキシジルの医薬製剤(ゲルまたはビスコース溶液)、脱毛症の
治療のためのその使用、およびその調製のための相対的なキット。
・US9326929:ミノキシジルの非エアロゾル、非スプレー発泡組成物
【0286】
エアゾールフォーム:
・T. Wai-Chiu So, et al., 「医薬品組成物」, 米国特許第6,946,120 B2号 (2005年9月2
0日) には、ピペリジノピリミジン誘導体またはその許容可能な塩の少なくとも5重量%と
、酸と、水と、低級アルコールと、芳香族アルコールおよび多価アルコールからなる共溶
媒とを含む溶媒組成物が記載されており、ここで、共溶媒が約10重量%未満のプロピレン
グリコールを含む。
・「ミノキシジル医薬発泡製剤」、米国特許出願第2005/0079139 A1号(2005年4月14日)
は、ミノキシジル、ミノキシジル硫酸塩、他の可溶性ミノキシジル塩、界面活性剤、およ
び水からなる群から選択される少なくとも1つの有効成分を含む、投与形態の医薬発泡製
剤が記載されており、製剤は、噴霧によって投与されるときに発泡体を形成するように適
合されている。
【0287】
泡スプレー:
・E.Jacques, et. al.,「ミノキシジル医薬発泡製剤」、米国特許出願第2005/0079139 A1
号(2005年4月14日)は、ミノキシジル、ミノキシジル硫酸塩、他の可溶性ミノキシジル
塩、界面活性剤、および水からなる群から選択される少なくとも1つの有効成分を含む、
投与形態の医薬発泡製剤が記載されており、製剤は、噴霧によって投与されるときに発泡
体を形成するように適合されている。
・例示的なミノキシジルエアロゾル製剤、例えばドライシャンプー製剤は、US2016022046
5に記載されており、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0288】
エアゾールリキッドスプレー:
・P. Cronk, et. al.,「連続スプレー頭皮療法と同調剤システム」、米国特許出願第 200
8/0206156 A1号(2008年8月28日)には、ミノキシジル、フィネステリド、銅ペプチド、
DHT阻害剤および/またはアンドロゲン受容体遮断剤のような頭皮薬の連続的なミスト
を、薬学的に許容される担体溶液内に配置して、毛髪の成長を刺激または維持するのに十
分な量で投与する、連続的なスプレー薬、スプレー薬ディスペンシングシステム、および
脱毛症を治療するための方法が記載されている。
・P.Uster, et al., 「非結晶性ミノキシジル組成物」、米国特許第5,030,442 号(1991
年7月9日)には、アンフィパシー化合物、オレイン酸、および許容可能な賦形剤と複合化
したミノキシジルを含む局所使用のための水性の非結晶性ミノキシジル組成物が記載され
ており、この組成物は、ヒトの死体の皮膚を介して改善されたフラックスを有し、水性ビ
ヒクル中に製剤化されるか、またはスプレー送達のためにフルオロクロロカーボン溶媒中
に分散されている。
・P. Uster, et. al., 「非結晶性ミノキシジル組成物、その製造および応用」、米国特
許第4,828,837号(1989年5月9日)には、単一の親油性鎖部位と硫酸塩、スルホン酸塩、
リン酸塩およびホスホン酸塩の極性部位を含み、かつ5未満のpkを有する両親媒性化合物
と複合化したミノキシジルを含む、局所使用のための水性、非結晶性のミノキシジル組成
物であって、軟膏形態に製剤化され、水性媒体に製剤化され、又は噴霧送達のためにフル
オロクロロカーボン溶媒に分散された、前記組成物が記載されている。
【0289】
水性のビヒクル:
・J.Cappello, 「尿素製剤を用いた外用剤及び経皮吸収型治療剤」、米国特許第7,803,35
7 B2号 (2010年9月28日)には、尿素と硬化剤、血管拡張剤、ボツリヌス毒素、ミノキシ
ジルなどの化学療法剤を含む組成物の局所適用で、クモ状静脈、勃起不全、顔面のしわ、
脱毛、および禿げの治療に有効であることが記載されている。
・S.Malek, 「局所投与用キャリア組成物及び同組成物を含む治療用製剤」、米国特許第7
,749,489 B2(2010年7月6日)には、水、グリセリン、およびポリソルベートを含む、局
所的に投与されるキャリア組成物が記載されており、これは、ミノキシジルのような有効
成分を含む製剤での使用のための持続的な局所作用を提供するために、溶媒成分の蒸発損
失および有効成分の全身的な移行損失を遅らせるものである。
・K.Hallam, et al., 「発毛促進のための方法及び組成物」、米国特許第6,465,514 B1(
2002年10月15日)には、第二級および第三級アミノ型の局所麻酔薬および/またはナイア
シンのいずれかを含む、スポイトまたは他の適切な手段を使用して頭皮に局所的に適用さ
れる、発毛促進のための組成物、医薬品、および方法が記載されている。本発明の組成物
および医薬は、ミノキシジルと、塩酸プロカインまたはナイアシンのいずれか、または塩
酸プロカインとナイアシンのいずれかを非硫黄含有担体中に含有する。
・C.Chidsey, III, et al. 「男性型脱毛症の治療方法と解決策」、米国特許第4,596,812
(1986年6月24日)には、6-アミノ-1,2-ジヒドロ-1-ヒドロキシ-2-イミノ-4-ピペリジノ
ピリミジンを有効成分の一つとして含む組成物のヒト頭皮への定期的な局所適用を含む、
男性型脱毛症を治療するための方法が記載されている。
【0290】
ゲル/軟膏/クリーム
・L.Pena, et al. 「ミノキシジルの組成」、米国特許第7,442,369 B1 (2008年10月28日
)には、ミノキシジル、増粘剤、および薬剤学的に許容される溶媒を含む新規組成物、ミ
ノキシジルを含むゲル組成物の製造方法、および患者の抜け毛を治療および予防するため
の組成物を使用する方法が記載されている。
・C.Samour, 「脱毛の治療方法」、米国特許第5,620,980号(1997年4月15日)には、ミノ
キシジルと2-ノニル-1,3-ジオキソランを1日1回塗布した場合の発毛促進のためのミノキ
シジルと2-ノニル-1,3-ジオキソランの組み合わせが記載されている。
・L.Pena, 「ミノキシジルゲル」、米国特許第5,225,189 (1993年7月6日)には、外用剤
としてミノキシジルを含有する医薬用ゲルが記載されている。
・J.Grollier, 「ピペリジノピリミジン誘導体をベースとした、毛髪の成長を誘導し、刺
激し、その損失を減少させるためのゲルの形態の組成物」、米国特許第4,820,512(1989
年4月11日)には、ピペリジノピリミジン誘導体に基づく、毛髪の成長を誘導し刺激する
ため、および毛髪の損失を減少させるためのゲル組成物が記載されている。
【0291】
外用剤との併用による経口投与
・C.Catalfo, et al., 「禿げを治療するためのミノキシジルとノコギリヤシを含む組成
物」、米国特許第6,596,266 B2 (2003年7月22日)には、ミノキシジルを有効成分として
含有する組成物、ノコギリヤシ抽出物およびイラクサ根抽出物などの他の有効剤および/
または増強剤、ならびに男性型脱毛症を治療し、頭皮の発毛を刺激するために組成物を使
用する方法が記載されている。
【0292】
カプセル化
・N.Weiner, et al. 「毛包の刺激」、 米国特許第5,834,014号(1998年11月10日)には
、脂質ベシクル、好ましくは非リン脂質ベシクルにカプセル化された、より親水性になる
ように修飾された治療材料を利用する、ミノキシジルのような治療用弱酸または塩基性材
料の局所送達のための新規な方法および送達システムが記載されている。
【0293】
処方と装置:
・N.Maniga 「ミノキシジルの非エアロゾル、非スプレー発泡性組成物の測定された用量
の送達のための方法および装置」 米国特許第9,326,929号:ミノキシジルの発泡性組成物
、またはその製薬学的に許容される塩、およびジヒドロテストステロンブロッカーの1つ
以上を含む非加圧容器で、正確な密度および粘度を有する製剤中の、温度感受性およびせ
ん断強度を有する泡を生成するために設計された、頭皮への最小限の手の圧力の下で、体
温で即座にターゲットを絞って放出するように設計された、非加圧容器。
【0294】
ハイドロゲル:
・Lu S. et al., 「逆熱可逆性ヒドロゲル組成物」、米国特許出願第20150071864:ポリ
エチレンオキサイドの少なくとも2つのブロックとポリプロピレンオキサイドの少なくと
も1つのブロックを含む水溶性ブロックコポリマーと、20°Cで0.5g/100ml未満、好ましく
は0.3g/100ml未満の水溶性を有する少なくとも1つの連想ゲル化アジュバントとを含む逆
熱可逆性ヒドロゲル組成物であり、かつ、水溶性ブロックコポリマーと水溶性分子間錯体
を水中で形成することが可能となっている。本発明のヒドロゲル組成物は、改善されたゲ
ル化効率、水溶性および不溶性の薬剤のための強化された溶解性および/または安定性を
示し、脱毛症の治療および/または予防、および毛髪成長の回復および/または促進のた
めに有用である。
【0295】
制御されたリリース:
・Malek, Shane; ミノキシジルのための例示的な制御放出製剤は、米国特許公開第US2018
0177878号明細書に記載されており、 この製剤は、皮膚領域への2~20mgのミノキシジル
の適用量で、17~27時間の間、少なくとも1.5μgのミノキシジル/皮膚領域cm2/時間の
ミノキシジルの経皮フラックスを媒介する放出組成物を含む製剤で、製剤の再塗布の前に
16時間から30時間の期間を設ける。
【0296】
組み合わせ
本明細書に記載の方法および治療レジメンは、1つ以上の追加の発毛促進剤を前、同時
、後、または交互に適用することができる。
【0297】
本局面に従って単独でまたは組み合わせて使用するための発毛促進剤には、以下のもの
が含まれるが、これらに限定されない:プロスタグランジン作用剤、例えばプロスタグラ
ンジンF2aアナログ、例えばラタノプロスト(商品名Xalatan)、トラバプロスト(商品名
Travatan)、タフルプロスト、ウノプロストン、ジノプロスト(商品名Prostin F2α)、
AS604872、BOL303259X、PF3187207、カルボプロスト(商品名Hemabate);プロスタミド
、例えばビマトプロスト(商品名ラティス、ルミガン);プロスタノイド受容体アゴニス
ト、例えばフルプロステノール;プロスタグランジンD2受容体アンタゴニスト、例えばラ
ロピプラント、AM211;プロスタグランジンE2アナログ、例えばスルプロストン;およびE
P 2受容体アゴニスト、例えばブタプロスト;5<x-還元酵素阻害剤、フィナステリド、デ
ュタステリド、ツロステリド、ベクスロステリド、イゾンステリド、エプリステリド、エ
ピガロカテキン、フルリジル(Sovak et al, Dermatol Surg.2002;28(8):678-685), RU 5
8841 (Pan et al.Endocrine.1998;9(l):39-43)、N,N-ジエチル-4-メチル-3-オキソ-4-ア
ザ-5α-アンドロスタン-17β-カルボキサミド(Rittmaster et al.J Clin Endocrinol Me
tab.1987;65(1):188-193)、MK-386、アゼライン酸、FCE 28260、SKF 105,111;ミノキシ
ジル;ATP感受性カリウムチャネルオープナー、例えばジアゾキシド;および本明細書に
記載されているか、または当技術分野で知られている発毛促進剤、例えばコペキシル(例
えば、製品Keranique(商標))、CaC、ボトリナムトキシンA、アデノシン、ケトコナゾ
ール、DoxoRx、ドセタキセル、FK506、GP1 1046、GP11511、LGD 1331、ICX-TRC、MTS-01
、NEOSHlOl 、HYG- 102440、HYG-410、HYG-420、HYG-430、HYG-440、スピロノラクトン、
CB-03-01、RK-023、アバタセプト、ビビスカル(登録商標)、MorrF、ASC-J9、NP-619、A
S101、メトロン-F-1、PS 3841、タルグレチン(例えば、1%ゲル)、メジンゲル、PF3187
207、BOL303259X、AS604872、THG11331、PF-277343、PF-3004459、ラプティバ、カフェイ
ン、コーヒー。その他の発毛促進剤としては、アルギニン、イソロイシン、ロイシン、リ
ジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、バリン、γリノー
ル酸、ポリフェノールカテキン、銅ペプチドなどがある。洗髪トニックとして配合するこ
とができる他の発毛促進剤としては、ホホバ油、リンゴ抽出物、ノコギリヤシ、エミュー
油、βカロチン、緑茶などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
1つの態様において、本発明の外皮穿刺法は、SWITCH Biotech LLCによって開発されてい
る脱毛症のための薬剤と組み合わせて使用される。
【0298】
いくつかの実施形態では、外皮穿刺を含む本発明の方法と、1つ以上の発毛促進剤を含
む医薬組成物の投与とが、有効成分を含む1つ以上の追加的な治療と組み合わせられても
よい。特定の実施形態では、追加の有効成分は、任意に同じ製剤中で、発毛促進組成物と
共に投与される。
【0299】
これらの実施形態に従って、追加の治療のための医薬組成物に製剤化するための追加の
有効成分は、例えば、以下の中から選択され得る:細胞療法(幹細胞など)、遺伝子療法
のための製剤(例えば、ウイルス、ウイルス様粒子、ビロソームなど)、抗体またはその
抗原結合断片、ハーブ、ビタミン(例えば、ビタミンEの形態、ビタミンA誘導体、例えば
、全トランスレチノイン酸(ATRA)など、ビタミンB、例えば、イノシトール、パンテノ
ールまたはビオチン、またはビタミンD3アナログ)、ミネラル、エッセンシャルオイル、
酸化防止剤またはフリーラジカル捕捉剤、アミノ酸またはアミノ酸誘導体、シャンプー成
分(例えば、カフェイン、ラウリル硫酸アンモニウム、グリコール、ラウレス硫酸ナトリ
ウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ケトコナゾール、ピリチオン亜鉛、硫化セレン、コール
タール、サリチル酸誘導体、ジメチコン、または植物抽出物または油)、コンディショニ
ング剤、石鹸製品、保湿剤、日焼け止め、防水剤、粉末、タルク、またはシリカ、オイル
コントロール剤、α-ヒドロキシ酸、β-ヒドロキシ酸(例えば、サリチル酸など)、ポリ
ヒドロキシ酸、過酸化ベンゾイル、制汗成分、例えば収斂性塩(例えば、亜鉛ピリチオン
などの亜鉛塩、アルミニウム、ジルコニウム、亜鉛の無機または有機塩、およびそれらの
混合物、塩化アルミニウム、アルミニウムクロロハイドレート、アルミニウムクロロハイ
ドレックス、アルミニウムクロロハイドレックスPEG、アルミニウムクロロハイドレック
スPG、アルミニウムジクロロハイドレート、アルミニウムジクロロハイドレックスPEG、
アルミニウムジクロロハイドレックスPG、アルミニウムセスキクロロ水和物、アルミニウ
ムセスキクロロヒドレックスPEG、アルミニウムセスキクロロヒドレックスPG、硫酸アル
ミニウム、アルミニウムオクタクロロ水和物ジルコニウム、アルミニウムジルコニウムオ
クタクロロヒドレックスGLY(グリシンの略)、アルミニウムジルコニウムペンタクロロ
水和物、アルミニウムジルコニウムペンタクロロヒドレックスGLY、アルミニウムジルコ
ニウムテトラクロロ水和物、アルミニウムジルコニウムトリクロロ水和物、アルミニウム
ジルコニウムテトラクロロ水和物GLY、アルミニウムジルコニウムトリクロロ水和物GLY、
アルミニウム硫酸カリウム、(ミョウバン(KAl(S04)2l2H20))としても知られる))、アル
ミニウムウンデシレノイルコラーゲンアミノ酸、乳酸アルミニウムナトリウム*硫酸アル
ミニウム(Na2HAl(OOCCHOHCH3)2-(OH)6)+A12(S04)3)、クロロヒドロキシ乳酸アルミニウム
ナトリウム、臭化アルミニウム(Al2Br(OH)5n3/40)、塩化アルミニウム(AlC3/46H20)、亜
鉛塩とナトリウム塩の錯体、ランタンとセリウムの錯体、リポアミノ酸のアルミニウム塩
(R- CO- NH- CHR'- CO- OA1- (OH)2 with R = C6-ii and R'=amino acid)、レチノイド(
例えば、レチノイン酸、レチノール、レチナール、またはレチニルエステル)、日焼け止
め剤(例えばパラアミノ安息香酸(PABA)、シナメートおよびサリチル酸塩、アボベンゾ
フェノン(Parsol 1789(登録商標))、メトキシシナメートオクチル(Parsol(商標)
MCX)および2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(オキシベンゾンとしても知られ、
Benzophenone(商標)として利用可能)の誘導体、抗老化剤、皮脂産生抑制剤および/ま
たは毛穴サイズ減少剤(例えば、分岐アルコールのカルボキシアルキレートおよび/また
はそのアルコキシレート(例えば、トリデシルカルボキシアルキレート、セルレニンまた
はセルレニン類似体、その製薬学的に許容される塩または溶媒和物を含む)、別の脂肪酸
合成酵素阻害剤(例えば、トリクロサンまたはその類似体)、Sigma社(ミズーリ州セン
トルイス)から入手可能な緑茶から抽出されたポリフェノール(EGCG)、またはa-メチレ
ン-y-ブチロラクトン)、マッサージ剤、角質除去剤、かゆみ止め剤、炎症促進剤、免疫
賦活剤(例えば、サイトカイン、アゴニスト、または免疫系の様々なリガンド、受容体お
よびシグナル伝達分子のアゴニストまたはアンタゴニスト、免疫賦活核酸、免疫応答を刺
激するアジュバント、および/またはデポ効果を引き起こすアジュバント)、細胞周期調
節剤、ホルモンアゴニスト、ホルモンアンタゴニスト(例えばフルタミド、ビカルタミド
、タモキシフェン、ラロキシフェン、酢酸ロイプロリド(LUPRON)、LH-RHアンタゴニス
トなど)、ホルモン生合成および処理の阻害剤、ステロイド(例えば、デキサメタゾン、
レチノイド、デトイド、ベタメタゾン、コルチゾール、コルチゾン、プレドニゾン、デヒ
ドロテストステロン、グルココルチコイド、ミネラルコルチコイド、エストロゲン、テス
トステロン、黄体ホルモン) 、抗エストロゲン(例えば、ミフェプリストン、オナプリ
ストン)、抗アンドロゲン(例えば、酢酸シプロテロン)、抗エストロゲン、抗ヒスタミ
ン薬(例:ミフェプリストン、オナプリストン)メピラミン、ジフェンヒドラミン、およ
びアンタゾリン)、抗炎症剤(例えば、コルチコステロイド、NTHE、およびCOX-2阻害剤
)、レチノイド(例えば、13-シス-レチノイン酸、アダパレン、全トランス-レチノイン
酸、およびエトレチネートなど)、免疫抑制剤(例えば、シクロスポリン、タクロリムス
、ラパマイシン、エベロリムス、およびピメクロリムスなど)、抗生物質、抗がん剤(例
えば、フルオロウラシル(5-FUまたはf5U)または他のピリミジン類似体、メトトレキサ
ート、シクロホスファミド、ビンクリスチンなど)、気分安定剤(例えば、バルプロ酸ま
たはカルバマゼピン)、抗代謝物、抗ウイルス剤、および抗菌剤(例えば、安息香酸ベン
ジル、ベンゾエート、ベンゾイルベンゾエート、ベンゾイルベンゾエート、ベンゾイルベ
ンゾエート、ベンゾイルベンゾエート、ベンゾイルベンゾエート、ベンゾイルベンゾエー
ト、塩化ベンザルコニウム、安息香酸、ベンジルアルコール、ブチルパラベン、エチルパ
ラベン、メチルパラベン、プロピルパラベン、樟脳化メタクレゾール、樟脳化フェノール
、ヘキシルレゾルシノール、メチルベンゼトニウムクロライド、セトリミド、クロルヘキ
シジン、クロロブタノール、クロロクレゾール、クレゾール、グリセリン、イミジュレア
、フェノール、フェノキシエタノール、フェニルエチルアルコール、フェニルメルキュー
ル酢酸塩、フェニルメルキュールホウ酸塩、フェニルメルキュール硝酸塩、ソルビン酸カ
リウム、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、ソルビン酸、及びチオメサル(
チメロサール))。
【0300】
1つの実施形態では、毛髪促進剤は、ミノキシジル、ミノキシジル硫酸塩、または塩化
物、炭酸塩、硝酸塩などの別の塩の形態である。別の実施形態では、毛髪促進剤または追
加の配合剤は、プロスタグランジン、またはプロスタグランジンアナログ、プロスタグラ
ンジンプロドラッグである。別の実施形態では、薬剤は、5α還元酵素阻害剤である。
【0301】
いくつかの実施形態では、追加の治療は、以下を含むがこれらに限定されない、1つ以
上の抗生物質または抗菌剤または防腐剤を含む:p-ヒドロキシ安息香酸のアルキルエステ
ル、ヒダントイン誘導体、プロピオン酸塩、フェノール、クレゾール、メルキュリアル、
フェノキシエタノール、ベンジルアルコール、クロロブタノール、メチルおよびプロピル
p-ヒドロキシ安息香酸塩、チメロサール、塩化ベンザルコニウム(例えば塩化ベンゼトニ
ウム)、ブチル、メチル-およびプロピルパラベン、ソルビン酸、および種々の四級アン
モニウム化合物。好適な酸化防止剤としては、アスコルビン酸塩、重亜硫酸塩、メタ亜硫
酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0302】
発毛促進剤と組み合わせることができる追加の薬剤としては、ヒドロキシクロロキン、
ドキシサイクリン、マイコフェノレートモフェチル、シクロスポリン、またはコルチコス
テロイド;外用剤としては、コルチコステロイド、タクロリムス、またはピメクロリムス
;およびトリアムシノロンアセトニドなどが挙げられる。
【0303】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法および治療レジメンは、ステロイド、
例えば、発毛促進剤と組み合わせて提供されるステロイドの塗布を含む。ステロイドの非
限定的な例としては、コルチコイド、デキサメタゾン、レチノイド、デルトイド、ベタメ
タゾン、コルチゾール、コルチゾン、プレドニゾン、デヒドロテストステロン、グルココ
ルチコイド、ミネラルコルチコイド、エストロゲン、テストステロン、および黄体ホルモ
ンが挙げられる。ステロイドの追加の非限定的な例としては、オーグメンテッドベタメタ
ゾンジプロピオン酸塩(ジプロレン)、クロベタゾールプロピオン酸塩(クロベックス、
オーラックス、テモベイト)、ジフロラゾンジアセテート(アペキシコン)、フルオシノ
ニド(バノス)、フルランアドレノリド(コルドラン)、ハロベタゾールプロピオン酸塩
(ウルトラベイト)、アムシノニド、増強型ベタメタゾンジプロピオン酸塩、ジプロレン
、ジプロレンAF、ベタメタゾンジプロピオン酸塩、ジプロゾン、デソキシメタゾン、トピ
コート、トピコート、ジフロラゾンジアセテート(アペキシコンE)、フルオシノニド(
リデックス)、ハルシノニド、アムシノニド、ベタメタゾンジプロピオン酸塩、(ベタネ
ート)、フルチカゾンプロピオン酸塩(Cutivate)、トリアムシノロンアセトニド(Cina
log)、(ベタメタゾンバレレート(Beta-Val、Luxiq)、デソキシメタゾン(Topicort)
、フルオシノロンアセトニド(Synalar)、フルチカゾンプロピオン酸塩(Cutivate)、
酪酸ヒドロコルチゾン(Locoid)、プロブテートヒドロコルチゾン(Pandel)。バレル酸
ヒドロコルチゾン(ウエストコート)、フロン酸モメタゾン(エロコン)、トリアムシノ
ロンアセトニド(ケナログ)、トリアムシノロンアセトニド(トリダーム)、ジプロピオ
ン酸アルクロメタゾン、(アクロベイト)、デソニド、デソネート、(デソウェン、ベル
デソ)、フルオシノロン、酪酸ヒドロコルチゾン(ロコイド)、ヒドロコルチゾンが挙げ
られる。
【0304】
剤形の非限定的な例としては、オーグメンテッドベタメタゾンジプロピオン酸塩0.05%
(ジプロレン)、クロベタゾールプロピオン酸塩0.05%(クロベックス、オーラックス、
テモベイト)、ジフロラゾンジアセテート0.05%(アペキシコン)、フルオシノニド0.1%(
バノス)、フルランアドレノライド4mcg/m2(コルドラン)、ハロベタゾールプロピオン酸塩
0.05%(ウルトラベイト)、アムシノニド0.1%、オーグメンテッドベタメタゾンジプロピ
オン酸塩0.05%、ジプロレン、ジプロレンAF、ベタメタゾンジプロピオン酸塩0.05%、ジ
プロゾン、デソキシメタゾン、トピコート0.25%、トピコート0.05%、ジフロラゾンジア
セテート0.05%(アペキシコンE)、フルオシノニド0.05%(リデックス)、ハルシノニ
ド0.1%、アムシノニド0.1%、ベタメタゾンジプロピオン酸塩0.05%、(ベタネート)、
フルチカゾンプロピオン酸塩0.005%(キューティベート)、トリアムシノロンアセトニド0
.5%(シナログ)、(ベタメタゾンバレレート0.1%、ルクシーク0.12%)、デソキシメタゾン0.
05%(トピコート)、フルオシノロンアセトニド0.025%(シナラー)、フルチカゾンプロ
ピオン酸塩0.05%(キューティベート)、ブチレートヒドロコルチゾン0.1%(ロコイド
)、プロブテートヒドロコルチゾン0.1%(パンデル)、バレレートヒドロコルチゾン0.
2%(ウエストコート)、モメタゾンフルオレート0.1%(エロコン)、トリアムシノロンアセト
ニド0.025%(ケナログ)、トリアムシノロンアセトニド0.1%(トリダーム)、アルクロメタゾ
ンジプロピオン酸塩0.05%、(アクロベイト)、デソニド0.05%、デソネート、(デソウェ
ン、ベルデソ)、フルオシノロン0.01%、酪酸ヒドロコルチゾン0.1%(ロコイド)、ヒ
ドロコルチゾン1%、2.5%が挙げられる。
【0305】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法および治療レジメンは、当該技術分野
で知られている抗生物質の塗布を含む。局所投与のための非限定的な例には、 当技術分
野で知られている適切な抗生物質が含まれ、抗生物質の非限定的な例には、バシトラシン
、バシトラシン/ポリミキシンB、二重抗生物質クロルヘキシジングルコン酸塩、ゲンタ
マイシン、過酸化水素、ヨウ素、イソプロピルアルコール、マフェニド、スルファミロン
・ムピロシン、バクトロバン、PA、ネオマイシン/バシトラシン/ポリミキシンB/ヒド
ロコルチゾン併用、 コルチスポリン、ネオマイシン/バシトラシン/ポリミキシン、ト
リプル抗生物質ネオマイシン/ポリミキシンB/ヒドロコルチゾン、銀スルファジアジン
-シルバデン-SSD、銀スルファジアジン-テルマゼンが挙げられる。いくつかの実施形態で
は、抗生物質は、経口または静脈注射で提供される。
【0306】
いくつかの実施形態では、瘢痕性脱毛症を有する患者における発毛を増強するための組
み合わせ治療は、任意に、経口または局所的な抗生物質などの1種以上の抗生物質と組み
合わせた、発毛促進剤治療と組み合わせた、外皮穿刺を含む。いくつかの実施形態では、
組み合わせ治療は、イソトレチノイン、またはメトトレキサート、タクロリムス、シクロ
スポリン、またはサリドマイドのような1つ以上のレチノイドを含む。特に、非限定的な
実施形態では、そのような組み合わせは、好中球性群の瘢痕性脱毛症(例えば、毛嚢炎デ
カルバン、房状毛嚢炎、および剥離性毛嚢炎)を有する患者における発毛を増強するため
に使用され、治療の成功は、炎症プロセスに関与する微生物を減少または除去しながら、
発毛を増強する。
【0307】
いくつかの実施形態では、追加の治療は、1つ以上の鎮痛剤、例えば、非ステロイド性
抗炎症剤またはアセトアミノフェンを含む。いくつかの実施形態では、追加の治療は、例
えば、以下の群から選択される1つ以上の麻薬性鎮痛剤を含む:アルフェンタニル、ベン
ジルモルヒネ、コデイン、臭化コデインメチルリン酸コデイン、硫酸コデイン、デソモル
フィン、ジヒドロコデイン、酢酸ジヒドロコデノンエノール、ジヒドロモルフィン、エチ
ルモルフィン、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、塩酸メタドン、モルヒネ、塩酸モルヒ
ネ、硫酸モルヒネ、ニコモルフィン、ノルメタドン、ノルモルフィン、オピウム、オキシ
コドン、オキシモルフォン、フェノペリジン、およびプロピラム。いくつかの実施形態で
は、追加の治療は、例えば、以下の群から選択される1つ以上の非麻薬性鎮痛剤を含む:
アセクロフェナク、アセトアミノフェン、アセタニリド、アセチルサリチル酸アスピリン
、カルバマゼピン、アセチルサリチル酸ジヒドロキシアルミズム、フェノプロフェン、フ
ルプロカゾン、イブフェナク、インドメタシン、ケトロラック、アセチルサリチル酸マグ
ネシウム、サリチル酸モルホリン、ナプロキセン、フェナセチン、サリチル酸フェニル、
サラセタミド、サリシン、サリチルアミド、サリチル酸ナトリウム、およびトルフェナム
酸。使用され得る他の疼痛治療薬には、神経ブロックまたは非伝統的な疼痛治療薬、例え
ば、リリカ(プレガバリン)またはノイロンチン(ガバペンチン)が含まれる。
【0308】
いくつかの実施形態では、追加の治療は、1つ以上の鎮痛化合物を含む。鎮痛化合物は
、局所的に投与してもよいし、損傷部位に直接注射して投与してもよいし、全身的に投与
してもよい。本明細書に記載の方法および組成物で使用するための鎮痛化合物の例として
は、リドカイン、プリロカイン、ブピバカイン、レボブピバカイン、ロピバカイン、メピ
バカイン、ジブカイン、イソフルラン、デスフルラン、セボフルラン、および亜酸化窒素
が挙げられる。好適な局所鎮痛薬には、塩酸プロカイン、リドカインおよびその塩、ベン
ゾカインおよびその塩、ノバカインおよびその塩が含まれるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0309】
鎮静剤、例えば、局所投与用の製剤は、重炭酸ナトリウム(重曹)、およびコールター
ルベースの製品を含んでもよい。配合物はまた、任意に、日焼け止めまたは他の皮膚保護
剤、または防水剤を含んでいてもよい。
【0310】
この態様に従って、前記のうちの1つ以上は、市販されている形態で使用されてもよい
。他の局面では、前記の1つ以上の投与量は、本明細書に記載の組み合わせ治療(例えば
、外皮穿刺または別の有効成分または有効成分による治療)を最適化するように調整され
る。他の局面では、前記の1つ以上の製剤は、本明細書に記載の組み合わせ治療(例えば
、外皮穿刺または別の有効成分または有効成分による治療)を最適化するように調整され
る。特定の局面において、前記の1つ以上は、本明細書に記載されるように、例えば、穿
刺後治療のための医薬組成物に組み込むことによって、局所投与のために製剤化される。
【0311】
いくつかの実施形態では、これらの組み合わせの治療は、局所的に投与される。いくつ
かの実施形態では、治療は、代替の経路、例えば、経口、注射(皮下、筋肉内、または静
脈内経路)、パッチ、移植、または当技術分野で知られている任意の他の経路を介して投
与される。
【0312】
発毛促進剤の投与
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、発毛促進剤、例えばミノキシジル
(例えば、薬剤、例えばミノキシジル、またはその薬学的に許容される塩、同位体バリア
ント、またはその溶媒和物を含む医薬組成物であって、それは、毳毛、非毳毛、中間毛、
硬毛を含む毛髪の成長を促進し、毛髪の太さを増加させ、感染を防止し、および/または
損傷を受けた皮膚の治癒(例えば傷のない治癒)を促進することを意図している)を投与
することを含む。
【0313】
いくつかの実施形態では、発毛促進剤またはその製薬学的に許容される塩は、医薬組成
物の全重量に基づいて0.5~30wt%の量で存在する。いくつかの実施形態では、発毛促進剤
またはその製薬学的に許容される塩は、医薬組成物の全重量に基づいて2.0~25wt%の量で
存在する。いくつかの実施形態では、発毛促進剤またはその製薬学的に許容される塩は、
医薬組成物の全重量に基づいて、0.5~1、1~1.5、1.5~2、2~2.5、2.5~3、3~4、4~5
、5~6、6~7、7~8、8~9、9~10、10~11、11~12、12~13、13~14、14~15、15~16
、16~17、17~18、18~19、19~20、20~21、21~22、22~23、23~24、24~25、または
25wt%の量で存在する。いくつかの実施形態では、発毛促進剤またはその製薬学的に許容
される塩は、医薬組成物の総重量に基づいて、少なくとも0.5~1、1~2、2~3、3~4、4
~5、5~6、6~7、7~8、8~9、9~10、10~15、15~20、または20wt%の量で存在する。
いくつかの実施形態では、発毛促進剤またはその製薬学的に許容される塩は、医薬組成物
の総重量に基づいて、0.5、1、1.5、2、2.5、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14
、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25wt%の量で存在する。いくつかの
実施形態では、発毛促進剤またはその製薬学的に許容される塩は、医薬組成物の総重量に
基づいて少なくとも0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15または20wt%の量で存在す
る。いくつかの実施形態では、発毛促進剤またはその製薬学的に許容される塩は、医薬組
成物の総重量に基づいて、少なくとも0.5wt%の量で存在する。いくつかの実施形態では、
発毛促進剤またはその製薬学的に許容される塩は、医薬組成物の総重量に基づいて、少な
くとも1wt%の量で存在する。いくつかの実施形態では、発毛促進剤またはその製薬学的に
許容される塩は、医薬組成物の総重量に基づいて、少なくとも5wt%の量で存在する。
【0314】
いくつかの実施形態では、ミノキシジルまたはその製薬学的に許容される塩は、医薬組
成物の全重量に基づいて、0.5~10wt%の量で存在する。いくつかの実施形態では、ミノキ
シジルまたはその製薬学的に許容される塩は、医薬組成物の全重量に基づいて、0.5~1、
1~1.5、1.5~2、2~2.5、2.5~3、3~4、4~5、5~6、6~7、7~8、8~9、9~10wt%の量
で存在する。いくつかの実施形態では、ミノキシジルまたはその製薬学的に許容される塩
は、医薬組成物の全重量に基づいて、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4
、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.
3、3.4, 3.5, 3.6, 3.7, 3.8, 3.9, 4.0, 4.1, 4.2, 4.3, 4.4, 4.5, 4.6, 4.7, 4.8, 4.
9, 5.0, 5, 5.1, 5.2, 5.3, 5.4, 5.5, 5.6, 5.7, 5.8, 5.9, 6, 6.1, 6.2, 6.3, 6.4, 6
.5, 6.6, 6.7, 6.8, 6.9, 7, 7.1, 7.2, 7.3, 7.4, 7.5, 7.6, 7.7, 7.8, 7.9, 8, 8.1,
8.2, 8.3, 8.4, 8.5, 8.6, 8.7, 8.8, 8.9, 9, 9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.
8、9.9、10、10.1、10.2、10.3、10.4、10.5、10.6、10.7、10.8、10.9、または11wt%の
量で存在する。いくつかの実施形態では、ミノキシジルまたはその製薬学的に許容される
塩は、医薬組成物の全重量に基づいて、少なくとも2wt%の量で存在する。いくつかの実施
形態では、ミノキシジルまたはその製薬学的に許容される塩は、医薬組成物の全重量に基
づいて、少なくとも5wt%の量で存在する。
【0315】
ミノキシジルの製薬学的に許容される塩が上記に記載された量wt%で存在するこれらの
医薬組成物のいずれかは、初期投与量として、またはステップアップ投与量として、本明
細書に記載された方法で使用することができる。
【0316】
用語集と定義
以下の用語は、本明細書では、以下に要約されるそれらの技術的に受け入れられた意味
と一貫して使用される。
【0317】
脱毛症:異常な脱毛:
円形脱毛症:パッチの脱毛は、アナゲンの段階の毛包への自己免疫応答によって引き起
こされると考えられている; 疾患の広範な形態は、円形脱毛症と呼ばれている(頭皮全
体の脱毛)および全身性円形脱毛症(身体全体の脱毛)。
【0318】
アンドロゲン性脱毛症(AGA):MPHLパターン(前頭部の後退と頂点での薄毛)またはF
PHLパターン(主にクラウン上での脱毛、乏しい前髪を伴う)の遺伝的素因の毛包の小型
化によって引き起こされる禿げ。
【0319】
女性のパターン脱毛(FPHL):女性の性別に特有の髪のパターニングの形態(また、女
性型脱毛症とも呼ばれる)。
外皮:皮膚(表皮、真皮、皮下(または皮下))およびそこに含まれるすべての細胞と、
その付属物(例えば、毛髪および爪を含む)を起源の如何にかかわらず含む外皮系に関す
るものである。
【0320】
中間毛:「硬毛」のサブセット。毛幹径は通常30μπι以上であるが、60μπι未満で
ある。
【0321】
男性型脱毛(MPHL):男性の性別に特有の髪のパターニングの一形態(男性型脱毛症と
も呼ばれる)。
【0322】
非毳毛:「硬毛」と同じ。
【0323】
永久脱毛症:炎症、外傷、線維化、または原因不明の毛包の破壊によって引き起こされ
る;例としては、扁平苔癬および円板状エリテマトーデスがある。瘢痕性脱毛症と呼ばれ
る疾患を含む。
【0324】
硬毛:頭皮や体に生えている大きな毛、通常は色素沈着している毛。毛幹の直径は通常
30μm以上。
【0325】
毳毛:非常に短く、しばしば色素沈着していない毛(例えば、硬毛の小型化の結果とし
て、顔面の非ひげ領域および禿げ頭皮の非ひげ領域にまんべんなく見られる毛)。本明細
書で使用されるように、特定の実施形態では、「毳毛」は、長さが2mm未満であり、直
径が30μηι未満である毛髪である。特定の実施形態では、本明細書で使用されるよう
に、「毳毛」毛髪は、30μm未満の毛幹径を有し、かつその周囲の内部根鞘の太さを超
えないと組織学的に決定される毛髪である。
【0326】
ここでは、「損傷」または「皮膚損傷」と「外皮穿刺」という用語は同義で使用される
。したがって、本明細書で使用されるように、「損傷した」および「穿刺された」という
用語は、同じ意味を有する。
【0327】
本明細書で定義されているように、列挙された時間に関して、「約」という用語は、列
挙された時間の前後4時間のウィンドウ内の任意の時間を意味する。したがって、例えば
「約12時間」という用語は、8~16時間(8~16時間の時間枠内の任意の1時間単位および1
分単位)を意味する。例えば、「約12時間」とは、8時間、9時間、10時間、11時間、12時
間、13時間、14時間、15時間、16時間、および列挙された1時間単位の増分内の任意の増
分を意味する。例えば、「約24時間」という用語は、20~28時間(20~28時間の時間枠内
の任意の1時間単位および1分単位)を意味する。例えば、「約24時間」とは、20時間、21
時間、22時間、23時間、24時間、25時間、26時間、27時間、28時間、および列挙された1
時間単位の増分内の任意の増分を意味する。例えば、「約36時間」という用語は、32~40
時間(32~40時間の時間枠内の任意の1時間単位および1分単位)を意味する。例えば、「
約36時間」とは、32時間、33時間、34時間、35時間、36時間、37時間、38時間、39時間、
40時間、および列挙された1時間単位の増分内の任意の増分を意味する。例えば、「約48
時間」という用語は、44~52時間(44~52時間の時間枠内の任意の1時間単位および1分単
位)を意味する。例えば、「約48時間」とは、44時間、45時間、46時間、47時間、48時間
、49時間、50時間、51時間、52時間、および列挙された1時間単位の増分内の任意の増分
を意味する。
【0328】
「日」という用語に関しては、1日が24時間の期間を意味することを意味している。必
ずしも暦の日である必要はない。1日は、同じ24時間以内であれば、連続する2つの暦日を
含むことができる。例えば、本明細書の「1日」は、暦日1の午後4時から暦日2の午後4時
までを意味する。
【実施例0329】
実施例1
実験計画
アンドロゲン性脱毛症(AGA)の成人男性を対象に、ミノキシジルと併用したニードリ
ング装置を用いた治療法の安全性と有効性を評価するために、多施設無作為化試験を実施
した。本試験では、18~40歳の男性で、アンドロゲン性脱毛症と診断された14名の被験者
が対象となった。46人の追加被験者のデータを収集中である。被験者は無作為に割り付け
られ、その後、12週間にわたって治療を完了した(無作為化割り付けごとに、ニードリン
グ装置を用いた3、6、または12回の治療の合計、アームごとにn=20)。最終評価は85日目
に行われ、追加のフォローアップは必要なかった。
【0330】
使用されるニードリング装置は、米国出願公開第2018/0280675号の
図96~103に示され
、記載されている実施形態に類似した、皮膚に小さな創傷を生成するために、複数のマイ
クロニードルを往復運動で駆動するパワーマイクロニードリング装置である。
【0331】
頂点の積極的に禿げている領域の前縁部にある円形の1.9cm2の単一の部位を指定撮影部
位として、各被写体について上記のようなマクロ写真撮影手順を行った。総面積毛髪数(
TAHC)、目標領域毛髪幅(TAHW)および目標領域毛髪密度/暗さ(TAHD)を定量画像解析
により評価し、非毳毛数(一次エンドポイントおよび二次エンドポイント)および総毛髪
数(非毳毛および毳毛、二次エンドポイント)を決定した。頂点の総合的な評価はまた、
マクロ写真撮影のために必要な準備の前に、上記のようにグローバルな写真撮影手順を介
して文書化された。
【0332】
第0日目に、被験者は、12週間ベースの週単位(12回)、隔週単位(6回)、または月単
位(4週間に1回、合計3回)で、ニードリング装置を用いた治療を受けるように、集中管
理された無作為化表に従って、1:1:1の比率で、無作為化された。頂点(移行部を含む)
のニードリング装置による治療は、1日目に開始された。
【0333】
月例アームの被験者は、4週間に1回、合計3回(例えば、1日目、29日目、57日目のニー
ドリング装置の治療)の処置のためにニードリング装置の治療を受けた。隔週アームの被
験者は、2週間に1回、合計6回(例えば、1日目、15日目、29日目、43日目、57日目、71日
目のニードリング装置の治療)の処置のためにニードリング装置の治療を受けた。週間ア
ームの被験者は、1週間に1回、合計12回(例えば、1日目、8日目、15日目、22日目、29日
目、36日目、43日目、50日目、57日目、64日目、71日目、および78日目のニードリング装
置の治療)の処置のためにニードリング装置の治療を受けた。
【0334】
ニードリング治療の間、ニードリング装置が患部の皮膚上を滑動する速度である装置の
移動速度は2cm/秒であり、装置を表面に対して垂直に保ちながら、0.8mm(±0.2mm)の
マイクロニードリング深さのニードルストライクを達成するのを助けた。装置のニードル
アレイは12本であり、1秒間のアレイの振動回数は120回とした。治療幅は0.9 cmであった
。縦方向と横方向で2つの重複パスが作られた。その結果、1cm2あたり1600本のニードル
ストライクが行われた。「芝生刈り」アプローチで、パス間の皮膚の隙間なく、皮膚領域
を横切る各パスが皮膚を横切る前のパスと整列するように、マイクロニードリング装置を
皮膚の患部を横切るように滑動した。マイクロニードリング装置の各パスは、滑動開始と
、各パスに続く皮膚領域からの装置の滑らかな引っ込みで開始された。マイクロニードリ
ング装置は、一貫した軽い圧力で皮膚領域に適用され、装置が皮膚に沿って滑動すること
を可能にした。ニードルアレイの針の構成は、オフセットした2列、6本のマイクロニード
ルで構成されている。
【0335】
ニードリング装置による治療の後、被験者は、創傷の閉鎖および皮膚の外観を評価する
ために、治療後の通院の前に、水および穏やかなシャンプーを使用して髪の毛を洗浄する
ことが許可された。
【0336】
すべての試験アームにおいて、各被験者の初回治療後には、創傷閉鎖を確認するために
、治療後の通院が必要とされた。治療後の通院は、ニードリング装置を用いた最初の治療
から24~36時間後に行われた。適切な創傷閉鎖と皮膚の正常性が達成されなかった場合、
被験者は最初の治療後24~36時間後に2回目の治療後通院をすることになる。十分な創傷
閉鎖が確認された後、被験者には、本明細書に記載された指示に従って塗布する(頂点、
遷移領域を含む)ための試験薬が提供された。試験薬の一番最初の塗布は、創傷の閉鎖が
確認された最初の治療後の通院時に、臨床で行われた。
【0337】
試験薬には、創傷閉鎖後の最初の4回の投与で2%ミノキシジル外用液(MTS)を1日2回
局所的に塗布し、その後、ニードリング装置を用いた次回の予定された治療まで、後続の
投与のために5%MTSを1日2回局所的に塗布した。いずれも標準サイズの60mL(2 fl. oz)
のホワイトラベルのボトルで提供された:
- ミノキシジル外用液(2%):ミノキシジル20 mg/mL、60 mLのボトルに 60 mL の溶液
として、メータが付された使い捨てアプリケータ付:チャイルドレジスタンスドロッパー
。
- ミノキシジル外用液(5%):ミノキシジル 50 mg/mL、60 mLのボトルに60 mLの溶液と
して、メータが付された使い捨てアプリケータ付:チャイルドレジスタンスドロッパー。
賦形剤を含む製剤は次のとおりであった:2% 液剤-活性-2% w/v ミノキシジル; 非活性-
アルコール、水、プロピレングリコール; 5% 液剤-活性-5% w/v ミノキシジル; 非活性-
アルコール、水、プロピレングリコール。
【0338】
2.4.保管と取り扱い
ミノキシジル外用液は、20~25°Cの制御された室温で保存されている必要がある。
【0339】
被験者は、MTSを塗布する前に、髪と頭皮が完全に乾いていることを確認するように指
示された。各薬剤の塗布については、1mLの薬剤を、付属のアプリケータースポイトを用
いて、治療対象となる頭皮の領域(頂点のみ)の中央から順に塗布した。その後、薬を指
で頭皮にマッサージしていった。薬は頭皮に直接塗布された。被験者は、MTSを塗布した
後、4時間はシャンプーを控えるように指示された。また、MTSを塗布した後は、ドライヤ
ーを使用して頭皮を乾燥させることを控えるように指示された。MTSは、それを塗布した
後、2~4時間で完全に乾燥した。
【0340】
(1)ニードリング装置治療、(2)最小24時間の遅延、(3)2%MTSを1日2回4回投与、(4)次の
ニードリング装置治療まで5%MTSを1日2回投与する、という全体的な試験手順が、試験期
間中、割り当てられた無作為化アームごとに継続された。
【0341】
被験者は、以下の例外を除いて、提供された指示に従って、1日2回、試験薬を塗布する
ように指示された。まず、被験者は、予定されている処置時間に関係なく、ニードリング
装置による処置が予定されている日には、MTSを適用しないようにした。第二に、治療後
のフォローアップ通院では、創傷の閉鎖が確認された後、時間が許せば、その日に両方ま
たは1回分のMTSを塗布した。また、塗布した薬剤を誤って取り除かないように、被験者に
は、試験薬を塗布する前に洗髪を行い、毛髪や頭皮を乾燥させてから塗布するように指導
した。
【0342】
治療の29日目と57日目には、すべてのアームの院内通院には、全体的な髪の外観のグロ
ーバルな写真撮影を繰り返すことも含まれていた。
【0343】
被験者は、電話で連絡を受けるか、週に一度の院内通院で評価を受け、試験薬の使用を
確認し、併用薬の使用や有害事象の発生を報告した。頭皮は、ニードリング装置による治
療の前と同様に、スクリーニング時およびベースライン通院時に、刺激性の徴候または皮
膚科的疾患(例えば、紅斑、浮腫、乾燥、鱗屑)がないか評価された。すべての有害事象
はコード化され、試験装置および試験薬との関連性が評価された。
【0344】
追加の安全対策として、ミノキシジル血中血清濃度を測定するために、各被験者から2
つの血液サンプルを採取した。(1) 最初のニードリング装置の治療から最低24時間後に発
生した 2% MTS の最初の臨床試験での 2% MTS 塗布から1時間後に記録された最初の 2% M
TS 塗布の血清レベル(または創傷の閉鎖が確認された後すぐに記録されたもの)、及び
(2) 2% MTS の臨床試験での 2% MTS 塗布から1時間後に記録された X 週目の血清レベル
((a) 4 週目、(b) 8 週目、(c) 12 週目の最終試験の通院時に記録されたもの(時間に
依存しない)。X週目の具体的な値は、あらかじめ指定された無作為化計画(4週目、8週
目、または12週目のいずれかに1:1:1の無作為化)に従って、各患者に割り当てられた。
【0345】
85日目には、繰り返しの毛髪数分析(マクロ写真撮影)と全体的な毛髪外観(グローバ
ル写真撮影)、発毛の被験者評価、試験に関連した有害事象などを含む院内通院が行われ
た。結果は無作為化アーム別に報告された。
【0346】
ベースライン(0日目)と被験者の初回マイクロニードル施術(1日目)は同日に行うこ
とが認められた。
【0347】
各試験の治療週は7暦日の標準的な期間であり、現在の名称で治療の予定日が反映され
ています。治療日は、被験者の利用可能性の柔軟性を可能にするために、治療週あたり±
2暦日のウィンドウ内でスケジュールされた(例えば、ニードリング装置を用いた8日目の
治療は、6日目から10日目までに行うことができる)。
【0348】
試験全体の治療期は、85暦日(ベースライン0日目を含む)の標準期間とした。上述の
許容される週のウィンドウを考慮して、全体的な試験治療段階では、±6暦日のウィンド
ウを含む。週単位の治療アームに無作為化された患者の来院回数が増加したことを考慮し
て、被験者が許容されている試験全体の治療期間内に治療を完了する予定がない場合のみ
、12回目の治療と最終治療を欠席することができるようにした。この場合の85日目の通院
は、上記のように許容範囲内にとどまっていた。
【0349】
治療の29日目と57日目の院内通院には、全体的な髪の外観のグローバル写真撮影を繰り
返すことが含まれていた。
【0350】
結果
安全性 - ミノキシジル血清レベルの測定
【0351】
これまでの研究では、最小検出可能な血行動態効果が21.7 ng/mL以上のミノキシジル血
清レベルで発生し始めることが示されている(Ferry JJ, et al., 1996, 未治療の高血圧
患者における静脈内輸液後のミノキシジルの血行動態効果.Clinical Pharmacology and T
herapeutics 59(2):166)。
【0352】
さらに、日常的なミノキシジル外用剤塗布後に血清レベルを測定した研究では、2%お
よび5%ミノキシジル外用液(MTS)の平均血清レベルがそれぞれ0.7および1.7 ng/mLであ
ることが示された (U.S.Food and Drug Administration.1997. Review Memoranda for ND
A 20-834 (Pharmacia & Upjohn Company)。FDAは2%と5%のMTSの両方を市販用として承
認しており、ミノキシジルの血清中濃度が1.7 ng/mL以下であればFDAの観点から安全であ
ることを示している。さらに、これらのレベルは、全身への影響が検出可能な最小限レベ
ル(すなわち、21.7 ng/mLより大きい( Ferry et al., 1996))をはるかに下回ってい
る。
【0353】
本研究での測定結果では、2% MTS 治療の 1 時間後の記録として 1.1 ng/mL (N=33,
全 49 件の観察)の平均血清レベルが示された 。このレベルは、皮膚損傷手技への時間的
近接性と、投与後1時間での最大外用ミノキシジル血清レベルの事前の実証に基づいて、
ミノキシジルの最大血清レベルを代表するものと期待された。したがって、観察された平
均血清レベルは、(a) 2% MTS (0.7 ng/ml)で観察された血清レベルよりも高く、また(b)
上述したように、臨床的にも広く市販使用においても安全であることが実証されている 5
% MTS (1.7 ng/ml)で観察されたレベルを下回った。
【0354】
注目すべきは、血清レベルの平均値もまた、研究期間中の異なる時間帯で計算されたこ
とである:1日目、1.29 ng/mL;29日目、0.99 ng/mL;57日目、0.79 ng/mL;85日目、0.6
5 ng/mL。これらのデータは、複数回の治療の後にミノキシジルの血清レベルに意味のあ
る増加があるとは考えられないことを示唆している。本研究で記録された最大血清レベル
は、5.5 ng/mLであり、これは、5%外用ミノキシジルの有効性を評価する無作為化臨床試
験で1人の個人で観察された16.5 ng/mLのMTS 5%最大レベルよりも実質的に低い(Olsen et
al.(2002); A randomized clinical trial of 5% topical minoxidil versus 2% topica
l minoxidil and placebo in the treatment of androgenetic alopecia in men; J Am A
cad Dermatol 2002;47:377-85)。これもまた、市販のミノキシジル治療のために安全であ
ることが以前に証明されている範囲内での治療であることを示唆している。
【0355】
効果効能-新発毛の評価
有効性を判定するために、0日目、29日目、57日目、85日目に毛髪数を測定し、分析し
た。被験者の79%が、目標領域の非毳毛数において、Olsen 2002およびOlsen 2007に記載
された先行の大規模ミノキシジル研究よりも多くの増加を示した。これらの以前のミノキ
シジルのみの研究では、5%MTS 5%と5%ミノキシジルフォームの両方が、ベースライン
(目標領域の非毳毛数)よりも平均12%の増加を達成した(Olsen 2002およびOlsen 2007
)。したがって、この治療プロトコルは、ミノキシジルのみの治療と比較して、ポジティ
ブな有効性の結果を達成した。また、皮膚損傷を隔週で行ったアームでは、毎週または毎
月と比較して、発毛の増加が最大となることが観察された。解析の対象は、毳毛数、非毳
毛数、総毛数、毛量、毛径であった。
【0356】
実施例2
女性型脱毛症の被験者を対象に、ミノキシジルと併用したニードリング装置を用いた治
療法の安全性と有効性を評価する試験を実施した。本試験は、基本的に、アンドロゲン性
脱毛症(AGA)を有する成人男性の治療のための実施例1に記載のプロトコルに従って実
施される。
【0357】
簡単に説明すると、本試験では、実施例1に記載のニードリング装置を用いた。マクロ
写真撮影、グローバル撮影、定量画像解析は、上記のように、各被写体に、同じ方法で、
同じ日に行われる。第0日目に、被験者は、12週間ベースの週単位(12回の治療;第1日目
、8日目、15日目、22日目、29日目、36日目、43日目、50日目、57日目、64日目、71日目
、78日目)、隔週単位(6回の治療;第1日目、15日目、29日目、43日目、57日目、71日目
)、または月単位(3回の治療;第1日目、29日目、57日目)で、記載されているようなニ
ードリング法(すなわちcm2あたり1600本のニードルストライク)を用いてニードリング
装置による治療を受けられるように、実質的に実施例1で上述したように集中管理された
無作為化表に従って、1:1:1の比率で、無作為化された。
【0358】
穿刺後の通院、創傷閉鎖の治療評価、患者への指示が上記のように行われる。
【0359】
試験薬には、創傷閉鎖後の最初の4回の投与で2%ミノキシジル外用液(MTS)を1日2回
局所的に塗布し、その後、ニードリング装置を用いた次回の予定された治療まで、後続の
投与のために5%MTSを1日2回局所的に塗布した。被験者は、ニードリング装置による治療
が予定されている日にはMTSを塗布しない。
【0360】
頭皮は、ニードリング装置による治療の前と同様に、スクリーニング時およびベースラ
イン通院時に、刺激性の徴候または皮膚科的疾患(例えば、紅斑、浮腫、乾燥、鱗屑)が
ないか評価するためにモニタされる。追加の安全対策として、ミノキシジル血中血清濃度
を測定するために、各被験者から2つの血液サンプルが採取される:(1) 最初のニードリ
ング装置の治療から最低 24 時間後に発生する 2% MTS の最初の臨床試験での 2% MTS 塗
布から 1 時間後に記録された最初の 2% MTS 塗布の血清レベル(または創傷の閉鎖が確
認された後すぐに記録されたもの)、及び (2) 2% MTS の臨床試験での 2% MTS 塗布から
1 時間後に記録された X 週目の血清レベル((a) 4 週目、(b) 8 週目、(c) 12 週目の
最終試験の通院時に記録されたもの(時間に依存しない)。X週目の具体的な値は、あら
かじめ指定された無作為化計画(4週目、8週目、または12週目のいずれかに1:1:1の無作
為化)に従って、各患者に割り当てられる。
【0361】
実施例3
瘢痕性脱毛症、例えば扁平苔癬(LPP)を有する被験者を対象に、ミノキシジルと併用
したニードリング装置を用いた治療法の安全性と有効性を評価するための試験を実施した
。
【0362】
ニードリング装置を使用した皮膚の損傷は、5%ミノキシジル外用フォームとの組み合
わせで使用される。創傷閉鎖が、ニードリング装置による最初の治療に続いて確認された
後、被験者は、ミノキシジル溶液の外用塗布を開始することが許可される。
【0363】
ニードリング装置の治療後、ジェネリック5%ミノキシジル外用フォーム1mLを1日1回、
男女ともに夕方に塗布する。薬剤は、ニードリング治療が発生しなかった週にのみ塗布さ
れる。 薬剤の一番最初の塗布が、最初のニードリング治療の翌週に行われる。
【0364】
いずれかの薬剤を塗布する前に、毛髪および頭皮が完全に乾かされる。各薬剤について
、1mLの薬剤が治療される頭皮の領域に塗布される。なお、塗布は領域の中心部から始め
る。薬剤は、頭皮に直接塗布される。被験者には、いずれの薬剤も塗布後4時間は毛髪を
シャンプーしないように指示されている。また、被験者には、どちらかの薬を塗布した後
に、ヘアードライヤーを使って頭皮を乾燥させないように指導している。それぞれの薬は
、寝る前を含めて、塗布後2~4時間で完全に乾燥させる。
【0365】
登録後の試験期間は約14週間で、8回の通院が必要となる。本試験は、ニードリング装
置を用いて、隔週で14週間、合計6回の治療を行う。
【0366】
通院1では、各被験者のベースラインを撮影する。頭皮検査を行い、2cmの活性発毛対象
領域と、4cmの創傷対象領域が特定される。活性対象領域とは、患者ごとの、LPPの最も活
性の高い領域と考えられる2cmの領域である。頭皮にこの対象領域をマーキングするた
め、使い捨ての28ゲージの針を使用して、皮膚の表皮に非毒性のインクを注入し、頭皮に
2つの1~2mmの永久的なタトゥーが作られる。創傷対象領域は、研究者によって選択され
た頭皮の創傷化領域(予想される毛髪密度が40%未満の領域)に位置する推定4cm角の
領域である。この領域ではタトゥーは作られないが、この領域の標準的な写真が撮影され
る。対象領域と頭皮の上部が撮影される。毛髪数を確認するためにトリコスコピー撮影が
実行される。最後に、両対象領域にニードリング装置による治療が行われる。
【0367】
通院2では、(ベースラインから1日後)、十分な創傷治癒を確認するために頭皮検査が
行われる。十分な創傷治癒が確認されると、被験者は、外用ミノキシジル溶液の塗布に関
する指示を受ける。
【0368】
通院3(ベースラインから2週間後)、通院5(ベースラインから6週間後)、通院6(ベ
ースラインから8週間後)、通院7(ベースラインから10週間後)のそれぞれにおいて、両
対象領域にニードリングデバイス治療が実施される。
【0369】
最後に、通院8(ベースラインから14週間後)に、医師が各被験者の臨床評価を行い、
これには、活性対象領域および創傷対象領域(LPP)の評価が含まれる。対象領域と頭皮
の上部を撮影し、毛髪数を計測するためにトリコスコピー撮影が行われる。
血清中のミノキシジルのレベルが測定され、血清レベルが一般的に全身への影響が観察さ
れるレベル(>20 ng/mL)を下回っていることを保証するために平均値が計算される(Fer
ry et al., 1996)。さらに、ミノキシジルのみの局所治療で観察されたレベル(Olsen e
t al., 2002 and Olsen et al., 2007)がベンチマークとして使用される。血清値を測定
し、異なる時間帯で平均値を算出する。
試験の有効性を判断するために、毳毛と非毳毛の数が数えられ、毳毛と非毳毛の増加率が
算出される。
【0370】
実施例4
瘢痕性脱毛症、例えば扁平苔癬(LPP)を有する被験者を対象に、ミノキシジルと併用
したニードリング装置を用いた治療法の安全性と有効性を評価するための試験を実施した
。本試験は、基本的に、アンドロゲン性脱毛症(AGA)を有する成人男性の治療のための
実施例1に記載のプロトコルに従って実施される。
【0371】
簡単に説明すると、本試験では、実施例1に記載のニードリング装置を用いた。マクロ
写真撮影、グローバル撮影、定量画像解析は、上記のように、各被写体に、同じ方法で、
同じ日に行われる。第0日目に、被験者は、12週間ベースの週単位(12回の治療;第1日目
、8日目、15日目、22日目、29日目、36日目、43日目、50日目、57日目、64日目、71日目
、78日目)、隔週単位(6回の治療;第1日目、15日目、29日目、43日目、57日目、71日目
)、または月単位(3回の治療;第1日目、29日目、57日目)で、記載されているようなニ
ードリング法(すなわちcm2あたり1600本のニードルストライク)を用いてニードリング
装置による治療を受けられるように、実質的に実施例1で上述したように集中管理された
無作為化表に従って、1:1:1の比率で、無作為化された。
穿刺後の通院、創傷閉鎖の治療評価、患者への指示が上記のように行われる。
【0372】
試験薬には、創傷閉鎖後の最初の4回の投与で2%ミノキシジル外用液(MTS)を1日2回
局所的に塗布し、その後、ニードリング装置を用いた次回の予定された治療まで、後続の
投与のために5%MTSを1日2回局所的に塗布した。被験者は、ニードリング装置による治療
が予定されている日にはMTSを塗布しない。
【0373】
頭皮は、ニードリング装置による治療の前と同様に、スクリーニング時およびベースラ
イン通院時に、刺激性の徴候または皮膚科的疾患(例えば、紅斑、浮腫、乾燥、鱗屑)が
ないか評価するためにモニタされる。追加の安全対策として、ミノキシジル血中血清濃度
を測定するために、各被験者から2つの血液サンプルが採取される。(1) 最初のニードリ
ング装置の治療から最低 24 時間後に発生する 2% MTS の最初の臨床試験での 2% MTS 塗
布から 1 時間後に記録された最初の 2% MTS 塗布の血清レベル(または創傷の閉鎖が確
認された後すぐに記録されたもの)、及び (2) 2% MTS の臨床試験での 2% MTS 塗布から
1 時間後に記録された X 週目の血清レベル((a) 4 週目、(b) 8 週目、(c) 12 週目の
最終試験の通院時に記録されたもの(時間に依存しない)。X週目の具体的な値は、あら
かじめ指定された無作為化計画(4週目、8週目、または12週目のいずれかに1:1:1の無作
為化)に従って、各患者に割り当てられる。
【0374】
本発明のいくつかの実施形態が本明細書に記載され、図示されているが、当技術分野の
通常の当業者であれば、本明細書に記載された機能を実行し、および/または結果を得、
および/または1つ以上の利点を得るための様々な他の手段および/または構造を容易に
想到するであろうし、そのような変形および/または修正の各々は、本発明の範囲内にあ
るものとみなされる。より一般的に、当業者であれば、本明細書に記載されているすべて
のパラメータ、寸法、材料、および構成は例示的なものであること、および実際のパラメ
ータ、寸法、材料、および/または構成は、本発明の教示が使用される特定のアプリケー
ションまたは複数のアプリケーションに依存することを容易に理解するであろう。当業者
であれば、本明細書に記載された本発明の特定の実施形態と同等のものが多数存在するこ
とを認識するか、または日常的な実験以上のことをして確認することができるであろう。
したがって、前記の実施形態は、例示のためだけに示されており、添付の特許請求の範囲
およびそれと同等の範囲内で、本発明は、具体的に記載され、請求されている以外の方法
で実施され得ることを理解されたい。本発明は、本明細書に記載された個々の特徴、シス
テム、物品、材料、および/または方法に向けられている。さらに、そのような特徴、シ
ステム、物品、材料、および/または方法が相互に矛盾しない場合、そのような2つ以上
の特徴、システム、物品、材料、および/または方法の任意の組み合わせも、本発明の範
囲内に含まれる。
【0375】
本明細書および特許請求の範囲において使用される不定冠詞「a」および「an」は、反
対に明確に示されない限り、「少なくとも1つ」を意味するものと理解されるべきである
。
【0376】
本明細書および特許請求の範囲において使用される「および/または」という表現は、
そのように結合された要素の「どちらか一方または両方」、すなわち、ある場合には結合
的に存在し、他の場合には非結合的に存在する要素を意味すると理解されるべきである。
他の要素は、反対に明確に示されない限り、「および/または」句によって具体的に特定
された要素以外の要素が、具体的に特定された要素に関連しているか、または関連してい
ないかにかかわらず、任意に存在してもよい。したがって、非限定的な例として、「構成
」のようなオープンエンドの言語と一緒に使用される場合、「Aおよび/またはB」への
参照は、ある実施形態では、Bを含まないA(任意にB以外の要素を含む)を参照するこ
とができ、別の実施形態では、Aを含まないB(任意にA以外の要素を含む)を参照する
ことができ、さらに別の実施形態では、AおよびBの両方(任意に他の要素を含む)を参
照することができる;などである。
【0377】
本明細書および特許請求の範囲において使用されるように、「または」は、上記で定義
された「および/または」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、リスト
内の項目を分離する場合、「または」または「および/または」は、包含的であると解釈
されなければならない、すなわち、要素の数またはリストのうちの少なくとも1つだけで
なく、2つ以上を含むこと、および、オプションとして、追加の非リスト項目を含むこと
である。反対に明確に示された用語、例えば「唯一の」もしくは「正確に1つの」、また
は特許請求の範囲で使用される場合、「から成る」のような用語のみが、数または要素の
リストの中の正確に1つの要素を含むことを意味する。一般に、本明細書で使用される「
または」という用語は、「どちらか」、「一方の」、「一方だけ」、「どちらか一方だけ
」、「そのうちの一方だけ」、「本質的に~から成る」などのような排他的な用語が先行
している場合にのみ、排他的な代替案("一方か他方か"であって、"両方ではない)を示
すものとして解釈されるものとする。 "特許請求の範囲で使用される「本質的に構成され
る」は、特許法の分野で使用される通常の意味を有するものとする。
【0378】
本明細書および特許請求の範囲において使用されるように、1つ以上の要素のリストに
関連して「少なくとも1つ」という語句は、要素のリスト内の任意の1つ以上の要素から
選択された少なくとも1つの要素を意味するが、必ずしも要素のリスト内に具体的に記載
された各要素およびすべての要素のうちの少なくとも1つを含み、要素のリスト内の要素
の任意の組み合わせを除外しないことを意味すると理解されるべきである。この定義では
、「少なくとも1つ」という表現が参照する要素のリスト内で具体的に特定された要素以
外の要素が、具体的に特定されたそれらの要素に関連しているか、または関連していない
かにかかわらず、オプションで存在することも可能である。したがって、非限定的な例と
して、「AおよびBの少なくとも1つ」(または、等価的には、「AまたはBの少なくと
も1つ」、または、等価的には、「Aおよび/またはBの少なくとも1つ」)は、1つの
実施形態では、任意に、Bが存在しない(および任意に、B以外の要素を含む)Aを含む
、少なくとも1つを指すことができる;別の実施形態では、任意に、Aが存在しない(お
よび任意に、A以外の要素を含む)Bを含む、少なくとも1つを指すことができる;さら
に別の実施形態では、任意に、少なくとも1つ以上のAを含み、かつ少なくとも1つ以上
のBを含む(および任意に、他の要素を含む);などを指すことができる。
【0379】
特許請求の範囲および上記明細書において、「構成する」、「含む」、「運ぶ」、「持
つ」、「含む」、「関与する」、「保持する」などのすべての経過語句は、オープンエン
ド、すなわち、含むがこれらに限定されないことを意味するものとして理解されるべきで
ある。「からなる」及び「本質的にからなる」という経過語のみが、米国特許庁特許審査
手続マニュアル第2111.03項に規定されているように、それぞれ閉じた経過語又は半閉じ
た経過語となる。
前記脱毛に関連した状態が、男性型脱毛症、女性型脱毛症、アンドロゲン性脱毛症(AGA)、原発性瘢痕性脱毛症(PCA)、および扁平苔癬(LPP)から選択される、請求項1に記載のミノキシジル溶液。
前記2w/v%ミノキシジル溶液および/または前記5w/v%ミノキシジル溶液が、約12時間ごとに局所的に塗布される、請求項1~3のいずれか一項に記載のミノキシジル溶液。
ステップ(iv)が、ステップ(i)~(iii)を少なくとも3回、少なくとも6回、少なくとも12回、少なくとも18回または少なくとも24回繰り返すことを含み;かつ/または
ステップ(iv)が、ステップ(iii)の12~24時間後に、好ましくは、ステップ(iii)の約24時間後に、ステップ(i)を繰り返すことを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のミノキシジル溶液。
ステップ(iii)が、ステップ(i)~(ii)を少なくとも3回、少なくとも6回、少なくとも12回、少なくとも18回または少なくとも24回繰り返すことを含み;かつ/または
ステップ(iii)が、ステップ(ii)の12~24時間後に、好ましくは、ステップ(ii)の約24時間後に、ステップ(i)を繰り返すことを含む、請求項7または8に記載のミノキシジル溶液。
ステップ(ii)が、鎮痛剤の溶液、ステロイド溶液および/または抗菌性溶液を前記皮膚の前記損傷した領域に塗布することをさらに含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のミノキシジル溶液。
前記皮膚が、前記ニードリング装置を用いて、約500~1000μmの皮膚深さまで損傷され、任意に、該皮膚深さが約800μmである、請求項1~11のいずれか一項に記載のミノキシジル溶液。
ステップ(iii)が、5w/v%ミノキシジル溶液を該皮膚の該損傷した領域に1日2回、11日間にわたって局所的に塗布することを含む、請求項1~15のいずれか一項に記載のミノキシジル溶液。