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特開2024-105269摂取された物質のバイオアベイラビリティーおよび吸収を低下させる方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024105269
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】摂取された物質のバイオアベイラビリティーおよび吸収を低下させる方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 33/10 20160101AFI20240730BHJP
【FI】
A23L33/10
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024064734
(22)【出願日】2024-04-12
(62)【分割の表示】P 2020525858の分割
【原出願日】2018-11-09
(31)【優先権主張番号】62/584,504
(32)【優先日】2017-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/697,827
(32)【優先日】2018-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】507044516
【氏名又は名称】プレジデント アンド フェローズ オブ ハーバード カレッジ
(71)【出願人】
【識別番号】506076891
【氏名又は名称】ナンヤン テクノロジカル ユニヴァーシティー
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100152489
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 美樹
(72)【発明者】
【氏名】デモクリトウ、フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】デロイド、グレン
(72)【発明者】
【氏名】ウン、キー ウエイ
(72)【発明者】
【氏名】ロー、ヨアヒム
(57)【要約】      (修正有)
【課題】摂取された物質のバイオアベイラビリティーおよび吸収を低下させる方法を提供する。
【解決手段】対象において、食品から摂取された脂肪、炭水化物、および望ましくない物質のうちの1つ以上のバイオアベイラビリティー、吸収、またはその両方を低下させる方法であって、摂取された脂肪、炭水化物、および望ましくない物質のバイオアベイラビリティー、吸収、またはその両方を低下させるのに十分な量のナノバイオポリマー、または複数のナノバイオポリマーの組合せを、対象に投与する工程を備える方法とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象において、食品から摂取された脂肪、炭水化物、および望ましくない物質のうちの1つ以上のバイオアベイラビリティー、吸収、またはその両方を低下させる方法であって、
摂取された脂肪、炭水化物、および望ましくない物質のバイオアベイラビリティー、吸収、またはその両方を低下させるのに十分な量のナノバイオポリマー、または複数のナノバイオポリマーの組合せを、対象に投与する工程を備える方法。
【請求項2】
前記望ましくない物質が、グルコース、重金属、および殺虫剤のうちの1つ以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ナノバイオポリマーが、化学的に改変されていないナノバイオポリマーである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ナノバイオポリマーが、セルロースナノファイバー、セルロースナノ結晶、キトサン、ケフィラン、およびおからからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ナノバイオポリマーが、セルロースナノファイバーまたはセルロースナノ結晶である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記セルロースナノファイバーまたはセルロースナノ結晶が、アルキルセルロース、カルボキシセルロース、カルボキシアルキルセルロース、およびヒドロキシアルキル化されたセルロースのうちの1つ以上を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記セルロースナノファイバーまたはセルロースナノ結晶が、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテート、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびエチルメチルセルロースのうちの1つ以上を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ナノバイオポリマーが、前記食品中に組み込まれるか、前記食品とは別に投与されるか、または前記食品中に組み込まれ、また、前記食品とは別にも投与されるか、のいずれかである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記食品から摂取された脂肪、炭水化物、および望ましくない物質のうちの1つ以上のバイオアベイラビリティーおよび吸収のうちの1つ以上を低下させるのに十分なナノバイオポリマーの量が、前記食品の約0.75重量%~約1.5重量%である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
摂取された脂肪、炭水化物、および望ましくない物質のうちの1つ以上のバイオアベイラビリティーおよび吸収のうちの前記1つ以上が30%以上低下する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記脂肪がトリグリセリドを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
摂取された脂肪のバイオアベイラビリティーおよび吸収のうちの前記1つ以上が、トリグリセリドに由来する遊離脂肪酸の、前記対象の腸上皮における移動の低下により低下する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
摂取された脂肪のバイオアベイラビリティーおよび吸収のうちの前記1つ以上を、膵リパーゼ活性をモジュレートすることにより低下させる、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
摂取された脂肪のバイオアベイラビリティーおよび吸収のうちの前記1つ以上を、トリグリセリドの加水分解を阻害することにより低下させる、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
トリグリセリドの血清レベルを低下させるのに十分な量のナノバイオポリマーを、対象に対して投与する工程を備える、トリグリセリドの血清レベルを低下させる方法。
【請求項16】
トリグリセリドの血清レベルを低下させるのに十分なナノバイオポリマーの前記量が、食品の約0.75重量%~約1.5重量%である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ナノバイオポリマーが、機械的ミル粉砕により作製されたフィブリルナノセルロース、化学的な手段により作製されたナノ結晶性セルロース、またはそれらの組合せを含む、請求項1乃至16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記フィブリルナノセルロースの繊維の直径は、約15nm~約500nmの範囲である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ナノ結晶性セルロースの直径は、約1nm~約250nmの範囲である、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記対象がヒト対象である、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、摂取された物質のバイオアベイラビリティーおよび吸収を低下させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの食物は、食物中で自然に生じたか、加工処理中に発生したか、または環境から導入されたかのいずれかのナノサイズの粒子を含有する。操作されたナノ材料(ENM)を、それらの特有の性質を利用して食物の品質または安全性を改善するために意図的に添加することが増加している。しかしながら、現在まで、脂肪を含め、摂取された物質のバイオアベイラビリティーおよび吸収の改良剤として、食物中におけるENMを使用することは研究されていない。
【発明を実施するための形態】
【0003】
ここで、本開示の主題のある実施形態を詳細に参照することにする。本開示の主題は、列挙された請求項に関連して記載されることになるが、例に挙げられた主題が請求項を本開示の主題に対して限定することは意図されないことが理解されるであろう。
【0004】
本開示は、対象において食品から摂取された脂肪(例えば、トリグリセリドおよび遊離脂肪酸)、炭水化物、および望ましくない物質のうちの1つ以上のバイオアベイラビリティーおよび吸収のうちの1つ以上を低下させる方法に関する。対象は、全ての哺乳動物(ヒト、非ヒト霊長類、ウシ、ブタ、ウマ、イヌ、ネコ、マウス、ラット、ウサギ、およびテンジクネズミを含むが、これらに限定されない)ならびに全ての鳥類および爬虫類を含む脊椎動物群の羊膜類に属するものを含むが、これらに限定されない動物である。方法は、摂取された脂肪、炭水化物、および望ましくない物質の対象に対するバイオアベイラビリティーおよび吸収のうちの1つ以上を低下させるのに十分な量のナノバイオポリマーの経口投与を含む。
【0005】
本明細書において使用される用語「望ましくない物質」は、グルコースおよび毒素、例えば重金属および殺虫剤などを含むが、これらに限定されず、一部の文脈においてではあるが、脂肪および炭水化物は「望ましくない物質」と考えられ得る。重金属は、比較的高い密度、原子量、または原子番号を有する金属と一般的に定義される。重金属は、地殻中では比較的まれであるが、現代の生活の多くの側面で存在する。重金属の例は、水銀(Hg)、カドミウム(Cd)、ヒ素(As)、クロム(Cr)、タリウム(Tl)、および鉛(Pb)を含み、それらの全ては高度に毒性であり得る。
【0006】
食品から摂取された脂肪、炭水化物、および望ましくない物質のうちの1つ以上のバイオアベイラビリティーおよび吸収のうちの1つ以上を低下させるのに十分なナノバイオポリマーの量は、任意の適当な量、例えば、食品の約0.01重量%以下の少量から約10重量%以上の多量であり得る。例えば、食品から摂取された脂肪、炭水化物、および望ましくない物質のうちの1つ以上のバイオアベイラビリティーおよび吸収のうちの1つ以上を低下させるのに十分なナノバイオポリマーの量は、食品の約0.75重量%~約5重量%、約0.75重量%~約1.5重量%、約1重量%~約2重量%、約1重量%~約3重量%、約2.5重量%~約5重量%または約0.9~約1.5重量%であることができる。
【0007】
食品から摂取された脂肪、炭水化物、および望ましくない物質のうちの1つ以上のバイオアベイラビリティーおよび吸収のうちの1つ以上を低下させるのに十分なナノバイオポリマーの量は、任意の適当な量、例えば、摂取された脂肪、炭水化物、および望ましくない物質のうちの1つ以上のバイオアベイラビリティーおよび吸収のうちの1つ以上を、摂取された脂肪、炭水化物および望ましくない物質のうちの1つ以上のバイオアベイラビリティーおよび吸収のうちの1つ以上の少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%またはそれ以上低下させる量であることができる。例えば、食品から摂取された脂肪、炭水化物、および望ましくない物質のうちの1つ以上のバイオアベイラビリティーおよび吸収のうちの1つ以上を低下させるのに十分なナノバイオポリマーの量は、摂取された脂肪、炭水化物、および望ましくない物質のうちの1つ以上のうちの1つ以上のバイオアベイラビリティーおよび吸収を、摂取された脂肪、炭水化物、および望ましくない物質のうちの1つ以上のバイオアベイラビリティーおよび吸収のうちの1つ以上の約10%~約99%、約20%~約50%、約30%~約90%、約35%~約80%、約50%~約90%または約40%~約90%低下させるのに十分な量であることができる。
【0008】
摂取された脂肪のバイオアベイラビリティーおよび吸収のうちの1つ以上は、任意の機構、例えば、(i)トリグリセリド、グルコースまたは毒素などの物質が、対象の腸上皮を越えるならば、物質の移動を低下させること;(ii)プロテアーゼ、アミラーゼ、およびリパーゼを含む消化酵素の活性をモジュレートすること;(iii)そうでなければ、トリグリセリド、ポリペプチド、もしくはデンプンポリマーの加水分解を阻害すること;または機構(i)~(iii)の2つ以上の組合せまたは他の機構により低下させることが可能である。本開示は、それ故、トリグリセリド、グルコースまたは他の摂取された物質の血清レベルを低下させる方法であって、トリグリセリド、グルコースまたは他の摂取された物質の血清レベルを低下させるのに十分な量のナノバイオポリマーを対象に投与することを含む、方法にも関する。
【0009】
本明細書において使用される用語「ナノバイオポリマー」とは、バイオポリマーで構成されるナノ材料を一般的に指す。ナノ材料は、ナノファイバー、ナノプレート、ナノ粒子等の形態、およびそれらの組合せ、例えば、例えば、木材パルプの機械的ミル粉砕により作製されたフィブリルナノセルロース、もしくは化学的手段により作製されたナノ結晶性セルロースまたはそれらの組合せであることができる。
【0010】
ナノ材料がナノファイバーの形態である場合、ナノファイバーは、任意の適当なアスペクト比(例えば、幅または長さなどの1つの寸法の、厚さまたは直径などの別の寸法に対する比)、例えば、少なくとも約0.5、少なくとも0.7、少なくとも0.9、少なくとも1またはそれ以上のアスペクト比を有することができる。例えば、ナノファイバーは、直径に対する長さの1を超えるアスペクト比および約15nm~約500nmを含む、1nm~約1000nmまで、500nmまで、またはさらに100nmまでの範囲の直径を有することができる。
【0011】
「ナノプレート」とは、2つの大きい寸法(長さおよび幅)および1つの小さい寸法(厚さ)を有する一般的なプレートの形状を有するナノ材料を一般的に指す。例えば、ナノプレートは、約1000nm未満、約100nm未満もしくはさらに約10nm未満;または約10nm~約1000nmまでの厚さを有することができる。
【0012】
「ナノ粒子」とは、実質的に球形を含む任意の適当なモルホロジーのナノ材料を一般的に指す。しかし、ナノ粒子は、不規則なまたは実質的に非晶質の形状を有することもできる。複数のナノ粒子を含む幾つかの例では、個々のナノ粒子の大部分は、実質的に球形であることができる。例えば、ナノ粒子の約80%~約100%が、実質的に球形のモルホロジーを有することができる。
【0013】
個々のナノ粒子の粒子サイズは、約20nm~約200nm、約40nm~約60nmの範囲内、または約20nm、30、40、50、60、70,80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180,190、もしくは約200nm未満、またはそれに等しい、またはそれ超であり、例えば、直径は、約1nmもしくは約1nm未満~約250nmもしくは約250nm超である。
【0014】
個々の金属のナノ粒子の「粒子サイズ」とは、ナノ粒子の最大の寸法を指す。例えば、ナノ粒子の最大の寸法は、ナノ粒子の直径、幅、または高さを指すことができる。複数のナノ粒子を含む幾つかの例で、第1のナノ粒子は、最大の寸法において第2のナノ粒子の最大の寸法における粒子サイズと異なる粒子サイズを有することができる。
【0015】
本明細書で考慮されるナノバイオポリマーは、セルロースナノファイバーおよびセルロースナノ結晶を含むセルロースを含むが、これらに限定されず、セルロースは、次式を有する:
【0016】
【化1】
【0017】
式中、nは重合度であり、グルコース基の数を表す。
本明細書で考慮されるナノバイオポリマーは、キトサン、ケフィラン、およびおからも含むが、これらに限定されない。キトサンは、カニ、ロブスター、および小エビを含む甲殻類の硬い外部骨格から得られる多糖を含む。ケフィランは、ケフィア中で乳酸菌により分泌されるエキソポリサッカライドを含む。おからは、豆腐/大豆の加工処理から誘導される多糖を含む。いかなる特定の理論に拘束されることを望むものでもないが、これらのバイオポリマーの各々は、可溶性の消化分子(例えば、酵素、胆汁酸塩、その他)、消化および吸収に関与する細胞表面の生体分子、ならびに食物の構成成分および毒素との相互作用のための大きい表面積を提供することができ、そのことは、結果として、特定の標的物質の消化および吸収のモジュレーションを生じ得ると考えられる。これらのバイオポリマーの各々は、それらが天然に生じたまま、または天然に産生されたままのその自然の形態で、これらの相互作用の程度および多様性、したがって、脂肪、炭水化物、および毒素などの望ましくない物質などの標的物質(単数または複数)のモジュレーションにおける効力を決定することができる明確な表面における化学的性質を有することができる。
【0018】
幾つかの事例で、セルロースナノファイバーおよびセルロースナノ結晶は、化学的に改変されることが可能で、その結果、セルロースナノファイバーまたはセルロースナノ結晶は、アルキル、カルボキシ、カルボキシアルキル、およびヒドロキシアルキル化されたセルロースのうちの1つ以上を含む。したがって、セルロースナノファイバーおよびセルロースナノ結晶は、セルロースエステルおよびセルロースエーテルのうちの1つ以上を含むことができる。
【0019】
セルロースエステルの例は、有機酸から誘導されたエステル、例えば、セルロースアセテート、セルローストリアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートプロピオネート、およびセルロースアセテートブチレートなどを含み、例えば、セルロース(ジ)アセテートは、次の一般式を有する。
【0020】
【化2】
【0021】
セルローストリアセテートは、次の一般式を有する:
【0022】
【化3】
【0023】
式中、「Ac」は基OC(O)CHを表す。
セルロースエーテルの例は、アルキルハロゲン化物(例えば、クロロメタンおよびクロロエタン)から誘導されるもの、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、およびエチルメチルセルロースなど;エポキシド(例えば、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシド)から誘導されるもの、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびエチルヒドロキシエチルセルロースなど;ならびにハロゲン化されたカルボン酸(例えば、クロロ酢酸)から誘導されたもの、例えば、カルボキシメチルセルロース、および次の一般式を有するものを含む:
【0024】
【化4】
【0025】
式中、Rは、H、アルキル(例えば、メチルまたはエチル)、ヒドロキシアルキル(例えば、CHCHOH)、およびカルボキシアルキル(例えば、CHCOH)である。
【0026】
本明細書に記載された種々のセルロースなどのナノバイオポリマーは、少なくとも約10,000、少なくとも約20,000、少なくとも約30,000または約200,000までの数平均分子量(Mn)を有することができる。重量平均分子量(Mw)は、例えば、少なくとも約10,000、少なくとも約20,000、少なくとも約30,000または約200,000までであることができる。分子量分布(Mw/Mn)は、例えば、約1.1以上、約1.4以上または約4.0までである。分子量は、例えば、溶媒としてクロロホルムを使用して(ポリスチレン標準試料に基づいて較正して)、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
【0027】
本明細書に記載されたナノバイオポリマーは、薬学的に許容される賦形剤および担体を使用してまたは使用せずに投与することができる。「薬学的賦形剤」または「薬学的に許容される賦形剤」とは、本明細書に記載されたナノバイオポリマーがその中で製剤化され得る担体、時には、液体である。賦形剤は、一般的に製剤に対していかなる薬理学的活性も提供しないが、それは、化学的および/または生物学的安定性、ならびに放出特性を提供することができる。適当な製剤の例は、例えば、本願明細書に援用する、レミントン(Remington)、The Science And Practice of Pharmacy、第20版、(ジェンナロ、エー、アール(Gennaro,A.R.)、編集長)、フィラデルフィア製薬科学大学(Philadelphia College of Pharmacy and Science)、2000年に見出すことができる。
【0028】
本明細書において使用される「薬学的に許容される担体」または「賦形剤」とは、生理学的に適合性である任意のおよび全ての溶媒、分散媒、コーティング、抗菌および抗黴剤、等張剤および吸収遅延剤を含むが、これらに限定されない。薬学的に許容される担体は、滅菌分散液の即席の調製のための滅菌水溶液または分散液および滅菌散剤を含む。任意の従来培地または薬剤が、本明細書で考慮されるナノバイオポリマーと不適合である範囲を除いて、本明細書に記載された組成物中におけるその使用が考慮される。
【0029】
本発明では、経口投与形態が考慮される。本明細書に記載されたナノバイオポリマーは、カプセル剤(硬質または軟質)、錠剤(フィルムでコートされた、腸溶性のコートされた、またはコートされていない)、散剤または顆粒剤(コートされた、またはコートされていない)または液体(溶液または懸濁液)剤として、経口的に投与することができる。製剤は、当技術分野において周知の任意の方法によって便利に調製することができる。本発明で考慮される組成物は、充填剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、希釈剤、流動剤、緩衝剤、湿潤剤、保存剤、着色剤、甘味剤、香味剤、および薬学的に適合性の担体を含む1種または複数の適当な製造助剤または賦形剤を含むことができる。
【0030】
本発明で考慮されるナノバイオポリマーは、当技術分野において公知の種々の剤形により投与することができる。当業者に公知の任意の生物学的に許容される剤形、およびそれらの組合せが考慮される。そのような剤形の例は、限定されないが、チュアブル錠剤、急速溶解錠剤、発泡錠剤、再構成可能な散剤、エリキシル剤、液体剤、溶液剤、懸濁液剤、エマルション剤、錠剤、多層錠剤、二層錠剤、カプセル剤、軟質ゼラチンカプセル剤、硬質ゼラチンカプセル剤、カプレット剤、ビーズ剤、散剤、ガム剤、顆粒剤、粒子剤、微粒子剤、分散性顆粒剤、カシェ剤、およびそれらの組合せを含む。
【0031】
混合により含まれ得る他の化合物は、例えば、医学的に不活性な成分(例えば、固体および液体の希釈剤)、例えば、錠剤またはカプセル剤のためのラクトース、デキストロース-ショ糖、デンプンまたはリン酸カルシウム、軟質カプセル剤のためのオリーブ油またはエチルオレエートおよび懸濁液剤またはエマルション剤のための水または植物油;滑沢剤、例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸、マグネシウムまたはステアリン酸カルシウムおよび/またはポリエチレングリコールなど;ゲル化剤、例えば、コロイド状粘土など;増粘剤、例えば、トラガカントガムまたはアルギン酸ナトリウムなど、結合剤、例えば、デンプン、アラビアゴム、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースまたはポリビニルピロリドンなど;崩壊剤、例えば、デンプン、アルギン酸、アルギン酸塩またはナトリウムデンプングリコレートなど;発泡性混合物;色素;甘味剤;加湿剤、例えば、レシチン、ポリソルベートまたはラウリルスルフェートなど;ならびにそのような製剤のための公知の添加剤である他の治療的に許容される補助的な成分、例えば、保湿剤、保存剤、緩衝剤および抗酸化剤である。
【0032】
本発明で考慮されるナノバイオポリマーは、食品中に組み込まれてもよく、食品とは別に投与されてもよく、または食品中に組み込まれ、また、食品とは別にも投与されてよい。例えば、本明細書に記載されたナノバイオポリマーは、食用に適しない組成物または可食性でない製品、例えば、サプリメント、機能性食品、および機能性食物製品(例えば、栄養素を供給する基礎的栄養学的機能以外に、健康増進および/または疾患予防の性質を有すると主張される任意の新鮮なまたは加工処理された食物)などに添加され得る。本発明で考慮されるナノバイオポリマーは、動物の飼料および愛玩動物の食物に添加することもできる。
【0033】
例えば、本明細書に記載されたナノバイオポリマーは、食品、例えば、食物または飲料製品または製剤などに添加することができる。食物および飲料製品または製剤の例は、コーティング、砂糖衣、もしくは食べられる製品のためのグレーズ、またはスープカテゴリー、乾燥加工処理された食物のカテゴリー、飲料のカテゴリー、レディーミールのカテゴリー、缶詰にされたもしくは保存された食物のカテゴリー、冷凍加工処理された食物のカテゴリー、冷蔵の加工処理された食物のカテゴリー、スナックフードのカテゴリー、ベークド商品のカテゴリー、糖菓のカテゴリー、酪農製品のカテゴリー、アイスクリームのカテゴリー、ミールリプレイスメントのカテゴリー、パスタおよびヌードルのカテゴリー、ならびにソース、ドレッシング、香辛料のカテゴリー、ベビーフードのカテゴリー、ならびに/またはスプレッドのカテゴリーに含まれる任意の存在を含むが、これらに限定されない。
【0034】
一般的に、スープのカテゴリーとは、缶詰にされた/保存された、脱水された、インスタントの、冷蔵の、UHTおよび冷凍スープを指す。この定義の目的について、スープ(単数または複数)とは、これらの成分の一部または全部の可視部分を含むこともある液体中で調理された食肉、鳥肉、魚、野菜、穀物、果物(フルーツ)および他の成分から調製された食物を意味する。それは、透明な(ブロスとして)または濃い(チャウダーとして)、滑らかな、ピューレまたは具入り、すぐに食せる、半濃縮されたもしくは濃縮されたものでもよく、温かいまたは冷たい、食事の最初のコースとしてまたはメインコースとしてまたは食間スナック(飲料のように少しずつ)としてサービスされてもよい。スープは、他の食事の構成成分を調製するための成分として使用されてもよく、ブロス(コンソメ)からソース(クリームまたはチーズベースのスープ)の範囲であることができる。
【0035】
「脱水されたおよび調理用の食物のカテゴリー」とは、通常、(i)調理補助製品、例えば、最終製品としてまたは製品内の成分として別々に販売される、粉末、顆粒、ペースト、濃縮されたブイヨン、加圧されたチューブ中のブイヨンおよびブイヨン様の製品を含む濃縮された液体製品、錠剤または散剤または顆粒剤にされた形態、ソースおよびレシピミックス(技術にかかわらない)など;(ii)ミールソリューション製品、例えば、脱水されたスープミックス、脱水されたインスタントスープ、脱水されたすぐ調理できる(ready to cook)スープを含む脱水されて凍結乾燥されたスープ、パスタ、ジャガイモおよび米料理を含む出来合い料理、食事および1回分のアントレの脱水されたまたは常温の調製物など;ならびに(iii)食事の装飾製品、例えば、脱水された、液体のもしくは冷凍であるか否かを問わない、最終製品としてまたは製品内の成分として販売される、サラダのためのレシピミックスを含む香辛料、マリネ、サラダドレッシング、サラダトッピング、ディップ、パン粉、バターミックス、保存性のよいスプレッド、バーベキューソース、液体レシピミックス、濃縮物、ソースまたはソースミックスなどを意味する。
【0036】
飲料のカテゴリーとは、飲料、飲料のミックスおよび濃縮物を意味し、炭酸入りおよび炭酸ぬきの飲料、アルコールおよびノンアルコール飲料、すぐ飲める飲料、ソーダなどの飲料を調製するための液体濃縮製剤、ならびに乾燥粉末状飲料前駆体ミックスを含むが、これらに限定されない。飲料のカテゴリーは、アルコールドリンク、ソフトドリンク、スポーツドリンク、等張飲料、およびホットドリンクも含む。アルコールドリンクは、ビール、シードル/ペリー、FAB、ワイン、およびスピリットを含むが、これらに限定されない。ソフトドリンクは、コーラおよびコーラでない炭酸飲料などの炭酸飲料;ジュース、ネクター、ジュースドリンクおよびフルーツフレーバードリンクなどの果汁;発泡水、泉水および精製/卓上水を含む瓶詰めの水;炭酸入りまたは炭酸なしであることができ、スポーツ、エネルギーまたはエリキシル剤ドリンクを含む機能性ドリンク;すぐ飲める手段での液体および粉末濃縮物などの濃縮物を含むが、これらに限定されない。ホットドリンクは、フレッシュ(例えば、ブルーされた)、インスタントの、ブレンドされたコーヒー、液体の、すぐ飲める、可溶のおよび乾燥されたコーヒー飲料、コーヒー飲料ミックスおよび濃縮物(シロップ、純粋な、調合された、または粉末形態の);「粉末形態」の例は、コーヒー、甘味剤、および粉ミルクを全て粉末形態で含む製品である)などのコーヒー;紅茶、緑茶、白茶、ウーロン茶、およびフレーバーティーなどの茶;ならびに乳または水と混合されたフレーバー、モルトまたは植物系粉末、顆粒、ブロックまたは錠剤を含む他のホットドリンクを含むが、これらに限定されない。
【0037】
スナックフードのカテゴリーとは、甘いおよび風味のあるスナックおよびスナックバーを含むが、これらに限定されない軽い略式の食事であることができる任意の食物を一般的に指す。スナックフードの例は、フルーツスナック、チップス/クリスプ、押し出されたスナック、トルティーヤ/コーンチップス、ポップコーン、プレツェル、ナッツならびに他の甘いおよび風味のあるスナックを含むが、これらに限定されない。スナックバーの例は、グラノーラ/ミューズリバー、朝食用バー、エネルギーバー、フルーツバーおよび他のスナックバーを含むが、これらに限定されない。
【0038】
ベークド商品のカテゴリーとは、それを調製するプロセスが、熱または過剰な太陽光への曝露が関与する、任意の可食性製品を一般的に指す。ベークド商品の例は、パン、ロールパン、クッキー、マフィン、シリアル、トースターペストリー、ペストリー、ワッフル、トルティーヤ、ビスケット、パイ、ベーグル、タルト、キッシュ、ケーキ、任意のベークドフード、およびそれらの任意の組合せを含むが、これらに限定されない。
【0039】
アイスクリームのカテゴリーとは、クリームおよび糖および香味料を含有する冷凍デザートを一般的に指す。アイスクリームの例は、その場で食べるアイスクリーム;持ち帰りのアイスクリーム;冷凍ヨーグルトおよび職人のアイスクリーム;大豆、エンバク、豆(例えば、アズキおよび緑豆)、および米ベースのアイスクリームを含むが、これらに限定されない。
【0040】
糖菓のカテゴリーとは、甘く味付けされた可食性製品を一般的に指す。糖菓の例は、キャンディー、ゼラチン、チョコレート菓子類、糖菓子類、ガム等および任意の組合せ製品を含むが、これらに限定されない。ミールリプレイスメントのカテゴリーとは、特に健康またはフィットネスに関心のある人々のために、通常の食事を置き換えることが意図される任意の食物を一般的に指す。ミールリプレイスメントの例は、スリム化製品および回復期の製品を含むが、これらに限定されない。
【0041】
レディーミールのカテゴリーとは、広範な調製または加工処理をせずに食事として供することができる任意の食物を一般的に指す。レディーミールは、製造業者によりそれらに付け加えられたレシピ「技能」を有した製品を含み、高度の準備、完成および便利さをもたらす。レディーミールの例は、缶詰めにされた/保存された、冷凍の、乾燥された、冷蔵のレディーミール;ディナーミックス;冷凍ピザ;冷蔵ピザ;および調製されたサラダを含むが、これらに限定されない。
【0042】
パスタおよびヌードルのカテゴリーは、缶詰めにされた、乾燥されたおよび冷蔵の/新鮮なパスタ;ならびに味をつけていない、インスタントの、冷蔵の、冷凍のおよびスナックヌードルを含むが、これらに限定されない、任意のパスタおよび/またはヌードルを含む。
【0043】
缶詰めにされた/保存された食物カテゴリーは、缶詰めにされた/保存された食肉および食肉製品、魚/シーフード、野菜、トマト、マメ、フルーツ、レディーミール、スープ、パスタ、および他の缶詰めにされた/保存された食物を含むが、これらに限定されない。
【0044】
冷凍加工処理された食物のカテゴリーは、冷凍加工処理された赤身の肉、加工処理された鳥肉、加工処理された魚/シーフード、加工処理された野菜、食肉代用品、加工処理されたジャガイモ、べ―カリー製品、デザート、レディーミール、ピザ、スープ、ヌードル、および他の冷凍食物を含むが、これらに限定されない。
【0045】
乾燥加工処理された食物のカテゴリーは、米、デザートミックス、乾燥されてレディーミール、脱水されたスープ、インスタントスープ、乾燥されたパスタ、プレーンのヌードル、およびインスタントヌードルを含むが、これらに限定されない。
【0046】
冷蔵の加工処理された食物のカテゴリーは、冷蔵の加工処理された食肉、加工処理された魚/シーフード製品、ランチキット、新鮮なカットフルーツ、レディーミール、ピザ、調製されたサラダ、スープ、新鮮なパスタおよびヌードルを含むが、これらに限定されない。
【0047】
ソース、ドレッシングおよび香辛料のカテゴリーは、トマトペーストおよびピューレ、ブイヨン/固形スープの素、ハーブおよびスパイス、グルタミン酸一ナトリウム(MSG)、テーブルソース、醤油、パスタソース、ウェット/クッキングソース、ドライソース/粉末ミックス、ケチャップ、マヨネーズ、マスタード、サラダドレッシング、ビネグレットソース、ディップ、酢漬けの製品、ならびに他のソース、ドレッシングおよび香辛料を含むが、これらに限定されない。
【0048】
ベビーフードのカテゴリーは、乳または大豆ベースの調合乳;ならびに調製された、乾燥された、および他のベビーフードを含むが、これらに限定されない。
スプレッドのカテゴリーは、ジャムおよびプレザーブ、蜂蜜、チョコレートスプレッド、ナッツベースのスプレッド、および酵母ベースのスプレッドを含むが、これらに限定されない。
【0049】
酪農製品のカテゴリーとは、哺乳動物の乳から製造された可食性製品を一般的に指す。酪農製品の例は、飲用乳製品、チーズ、ヨーグルトおよび酸味乳ドリンク、ならびに他の酪農製品を含むが、これらに限定されない。
【0050】
食べられる組成物、特に食物および飲料製品または製剤について追加の例を、以下に示す。例示的な食べられる組成物は、1種または2種以上の菓子類、チョコレート菓子類、錠剤、カウントライン(countline)、袋入りセルフライン(bagged selfline)/ソフトライン(softline)、箱入り詰合せ、標準の箱入り詰合せ、捻って包んだミニチュア、季節性チョコレート、玩具付きチョコレート、アルファジョール、他のチョコレート菓子類、ミント、標準ミント、パワーミント、煮沸されたスウィート、トローチ剤、ガム、ゼリーおよびチューインガム、タフィー、キャラメルおよびヌガー、薬物を添加された菓子類、棒つきキャンディー、甘草入りキャンディー、他の糖菓子類、ガム、チューインガム、加糖ガム、無糖ガム、機能性ガム、風船ガム、パン、包装された/業務用パン、包装されていない/職人のパン、ペストリー、ケーキ、包装された/業務用ケーキ、包装されていない/職人のケーキ、クッキー、チョコレートでコートされたビスケット、サンドイッチビスケット、中身入りビスケット、風味のあるビスケットおよびクラッカー、パン代用品、朝食用シリアル、ルートシリアル、ファミリーの朝食用シリアル、フレーク、ミューズリ、他のシリアル、小児の朝食用シリアル、ホットシリアル、アイスクリーム、インパルスアイスクリーム、個食分酪農アイスクリーム、個食分ウォーターアイスクリーム、マルチパック酪農アイスクリーム、マルチパックウォーターアイスクリーム、持ち帰りのアイスクリーム、持ち帰りの酪農アイスクリーム、アイスクリームデザート、バルクアイスクリーム、持ち帰りのアイスクリーム、冷凍ヨーグルト、職人のアイスクリーム、酪農製品、乳、新鮮/低温殺菌乳、全脂肪新鮮/低温殺菌乳、セミスキム新鮮/低温殺菌乳、長期保存/uht乳、全脂肪長期保存/uht乳、セミスキム長期保存/uht乳、脱脂長期保存/uht乳、ヤギ乳、濃縮/エバミルク、プレーンの濃縮/エバミルク、フレーバー付きの機能性および他の濃縮された乳、フレーバー付きの乳ドリンク、酪農単独フレーバー付きの乳ドリンク、フレーバー付きの果汁添加乳ドリンク、豆乳、酸味乳ドリンク、発酵酪農ドリンク、コーヒー用粉ミルク(例えば、コーヒー飲料のための酪農および非酪農ベースのクリーマーまたは粉ミルク)、粉ミルク、フレーバー付きの粉乳ドリンク、クリーム、チーズ、プロセスチーズ、塗り広げられるプロセスチーズ、塗り広げられないプロセスチーズ、非加工チーズ、塗り広げられる生チーズ、硬質チーズ、包装された硬質チーズ、包装されていない硬質チーズ、ヨーグルト、プレーン/天然ヨーグルト、フレーバーヨーグルト、フルーツヨーグルト、プロビオヨーグルト、飲用ヨーグルト、レギュラー飲用ヨーグルト、プロビオ飲用ヨーグルト、冷蔵および長期保存デザート、酪農ベースのデザート、大豆ベースのデザート、冷蔵スナック、フロマージュフレおよびクワルク、プレーンのフロマージュフレおよびクワルク、フレーバーフロマージュフレおよびクワルク、風味のあるフロマージュフレおよびクワルク、甘いおよび風味のあるスナック、フルーツスナック、チップス/クリスプ、押し出されたスナック、トルティーヤ/コーンチップス、ポップコーン、プレツェル、ナッツ、他の甘いおよび風味のあるスナック、スナックバー、グラノーラバー、朝食用バー;エネルギーバー、フルーツバー、他のスナックバー、ミールリプレイスメント製品、スリム化製品、回復期患者のドリンク、レディーミール、缶詰めにされたレディーミール、冷凍レディーミール、乾燥されたレディーミール、冷蔵レディーミール、ディナーミックス、冷凍ピザ、冷蔵ピザ、スープ、缶詰めにされたスープ、脱水されたスープ、インスタントスープ、冷蔵スープ、ホットスープ、冷凍スープ、パスタ、缶詰めにされたパスタ、乾燥されたパスタ、冷蔵の/新鮮なパスタ、ヌードル、プレーンヌードル、インスタントヌードル、カップ/ボウルインスタントヌードル、小袋インスタントヌードル、冷蔵ヌードル、スナックヌードル、缶詰めにされた食物、缶詰めにされた食肉および食肉製品、缶詰めにされた魚/シーフード、缶詰めにされた野菜、缶詰めにされたトマト、缶詰めにされたマメ、缶詰めにされたフルーツ、缶詰めにされたレディーミール、缶詰のスープ、缶詰のパスタ、他の缶詰の食物、冷凍食物、冷凍加工処理された赤身の肉、冷凍加工処理された鳥肉、冷凍加工処理された魚/シーフード、冷凍加工処理された野菜、冷凍食肉代用品、冷凍ジャガイモ、オーブンベークドポテトチップス、他のオーブンベークドジャガイモ製品、非オーブンベークド冷凍ジャガイモ、冷凍ベーカリー製品、冷凍デザート、冷凍レディーミール、冷凍ピザ、冷凍スープ、冷凍ヌードル、他の冷凍食物、乾燥された食物、デザートミックス、乾燥されたレディーミール、脱水されたスープ、インスタントスープ、乾燥されたパスタ、プレーンのヌードル、インスタントヌードル、カップ/ボウルインスタントヌードル、小袋インスタントヌードル、冷蔵食物、冷蔵の加工処理された食肉、冷蔵の魚/シーフード製品、冷蔵の加工処理された魚、冷蔵のコートされた魚、冷蔵の燻製された魚、冷蔵ランチキット、冷蔵レディーミール、冷蔵ピザ、冷蔵スープ、冷蔵の/新鮮なパスタ、冷蔵ヌードル、油および脂肪、オリーブ油、野菜および菜種油、調理用脂肪、バター、マーガリン、塗り広げられる油および脂肪、機能性の塗り広げられる油および脂肪、ソース、ドレッシングおよび香辛料、トマトペーストおよびピューレ、ブイヨン/固形スープの素、固形スープの素、肉汁顆粒、液体スープの素およびフォンド(fond)、ハーブおよびスパイス、発酵ソース、醤油、パスタソース、ウェットソース、ドライソース/粉末ミックス、ケチャップ、マヨネーズ、レギュラーマヨネーズ、マスタード、サラダドレッシング、レギュラーサラダドレッシング、低脂肪サラダドレッシング、ビネグレットソース、ディップ、酢漬けの製品、他のソース、ドレッシングおよび香辛料、ベビーフード、調合乳、標準調合乳、第2世代の調合乳、幼児用の調合乳、低アレルゲン調合乳、調製ベビーフード、乾燥されたベビーフード、他のベビーフード、スプレッド、ジャムおよびプレザーブ、蜂蜜、チョコレートスプレッド、ナッツベースのスプレッド、および酵母ベースのスプレッドを含む。食べられる組成物の例は、菓子類、べ―カリー製品、アイスクリーム、酪農製品、甘いおよび風味のあるスナック、スナックバー、ミールリプレイスメント製品、レディーミール、スープ、パスタ、ヌードル、缶詰めにされた食物、冷凍食物、乾燥された食物、冷蔵食物、油および脂肪、ベビーフード、もしくはスプレッドまたはそれらの混合物も含む。食べられる組成物の例は、朝食用シリアル、甘い飲料または飲料を調製するための固体もしくは液体の濃縮組成物も含む。食べられる組成物の例は、コーヒーフレーバー付きの食物(例えば、コーヒーフレーバーアイスクリーム)も含む。
【0051】
範囲の形式で表現される値は、範囲の限界として明示的に述べられた数値だけでなく、その範囲内に包含される全ての個々の数値または部分範囲を、恰も各数値および部分範囲が明示的に述べられているかのように含む柔軟な様式で解釈されるべきである。例えば、「約0.1%~約5%」または「約0.1%~5%」の範囲は、ぴったり約0.1%~約5%でなく、示された範囲内の個々の値(例えば、1%、2%、3%、および4%)および部分範囲(例えば、0.1%~0.5%、1.1%~2.2%、3.3%~4.4%)も含むと解釈されるべきである。「約X~Y」という記述は、特に断りのない限り「約X~約Y」と同じ意味を有する。同様に、「約X、Y、または約Z」という記述は、特に断りのない限り「約X、約Y、または約Z」と同じ意味を有する。
【0052】
本文書では、用語「1つの(a)」、「1つの(an)」、または「その(the)」は、文脈が明確に他のように規定していない限り、1つまたは1つよりも多くを含むために使用される。用語「または」は、特に断りのない限り非排他的「または」を指すために使用される。それに加えて、本明細書で用いられる、他のように定義されていない語句または用語は、記載の目的ためだけに用いられ、限定のためではないことが理解されるべきである。節の見出しの任意の使用は、文書の読解を助けることが意図されており、限定と解釈されるべきではない。さらに、節の見出しに関係する情報は、特定の節の内または外側で現れ得る。さらに、本文書で参照される全ての出版物、特許、および特許文献は、恰も参照により個々に組み込まれたかのように、それらの全体を本願明細書に援用する。本文書と参照により援用されたこれらの文献との間の不一致の用法の事象では、援用された参照文献における用法は、本文書の用法に対して補完的と考えられるべきであり;両立しない不一致については、本文書における用法が支配する。
【0053】
本明細書に記載された方法では、工程は、一時的なまたは操作の配列が明示的に述べられた場合を除いて、本発明の原理から逸脱せずに、任意の順序で実施することができる。さらに、特化された工程は、明示的な特許請求の言語は、それらが別々に実施されることを述べていない限り、同時に実施することができる。例えば、特許請求されているXを行う工程および特許請求されているYを行う工程は、単一の操作内で同時に実施され得、生じるプロセスは、特許請求されているプロセスの文字通りの範囲内に入るであろう。
【0054】
本明細書において使用される用語「約」とは、例えば、記述された値のまたは記述された範囲の限界の10%以内、5%以内、または1%以内の値または範囲内におけるある程度の変動性を許容することができる。
【0055】
用いられてきた用語および表現は、記載の用語として使用され、限定の用語として使用されることはなく、示されおよび記載された特徴の任意の等価物またはその部分を排除するような用語および表現の使用に対する意図はなく、種々の改変が、本開示の実施形態の範囲内で可能であることが認識される。したがって、本開示は、特定の実施形態および任意選択の特徴により特定して開示しているが、本明細書で開示された概念の、改変および変形は当業者により頼られ得ること、ならびにそのような改変および変形は本開示の実施形態の範囲内であると考えられることが、理解されるべきである。
【0056】
ここで、本発明を、以下の実施例を参照して記載する。それ故、以下の実施例は、例示の目的にのみ提供され、本発明のある実施形態を特に選び出したもので、本開示の他の残部を少しでも限定すると解釈されるべきではない。それ故、実施例は、本明細書で提供される教示の結果として明らかになる任意のおよび全ての変形も包含すると解釈されるべきである。
【0057】
本発明は、例示として提示される以下の実施例を参照することにより、よりよく理解することができる。本発明は本明細書で与えられる実施例に限定されない。
材料および方法
使用したナノサイズのセルロース材料は、2通りのサイズのフィブリルナノセルロース(CNF50nmおよびCNF80nm)およびセルロースナノ結晶(CNC25nm)を含んだ。対照/コンパレーター繊維として、同じ繊維から合成されたミクロンスケールのセルロース(CMF)、小麦デキストリン繊維、およびシリアム・ハスク(psyllium husk)繊維もこの研究に含まれた。
【0058】
食物モデルの調製および試験繊維との組合せ。
ヘビークリーム、マヨネーズおよびココナツ油は、スーパーマーケットから購入した。コーン油は、Sigma,Inc.から購入した。これらの上で言及した脂肪食物のモデルを、ナノセルロースまたはシリアム・ハスク(Sigma)および小麦デキストリン(Sigma)もしくはリパーゼ阻害剤のオルリスタット(Sigma)を含む他の対照繊維と組み合わせた。試験材料をクリームと組み合わせるために、水、クリームおよび試験材料を組み合わせて、各々の所望の最終濃度を達成し、混合物を30秒間ボルテックスした。試験繊維をコーン油と組み合わせるために、油および水分を最初に組み合わせ、高速で1分間均質化した。次に繊維またはオルリスタットをエマルションに加え、混合物を30秒間ボルテックスした。
【0059】
インビトロにおける消化。
インビボをシミュレートした消化を、3相(口腔、胃、小腸)方法を使用して実施した。簡単に説明すると、胃腸管(GIT)シミュレーターの口腔相で、ナノ化され得る食物を、シミュレートした唾液流体と混合し、37℃で10秒間インキュベートした。その結果生じた口腔内被消化物を次にシミュレートした胃流体と組み合わせ、インキュベートし、オービタルシェーカー上で、37℃で2時間インキュベートして胃相を完了した。小腸相について、胃被消化物を胆汁酸塩およびタンパク質をシミュレートした腸流体と組み合わせ、7.0の一定pHでインキュベートした。pHスタットデバイスを使用して7.0の一定pHを維持し、添加されるNaOH滴定液の量を時間の関数として追跡した。腸相の始めにおける(リパーゼの添加前の)遊離脂肪酸(FFA)および最終被消化物を、蛍光光度アッセイキット(Cayman Chemical、カタログ番号700310)を使用して測定した。
【0060】
インビトロにおける体内動態。
トリグリセリド(TG)およびFFAの体内動態を、トランスウェル挿入剤上で成長した小腸上皮のトリカルチャーモデルを使用してアセスメントした。トリカルチャーモデルを発生させる技術および方法は、前に詳細に記載した。Caco-2、HT-29MTX、およびRaji B細胞は、Sigma,Inc.から得た。Caco-2およびHT29-MTX細胞を、10%の熱不活性化ウシ胎児血清(FBS)、10mM HEPES緩衝液、100IU/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシンおよび非必須アミノ酸(100×溶液の1/100希釈、ThermoFisher)で補完された高グルコースDMEM中で成長させた。Raji B細胞は、10%FBS、10mM
HEPES緩衝液、100IU/mlペニシリンおよび100μg/mlストレプトマイシンで補完されたRPMI1640培地中で培養した。Caco-2およびHT-29MTX細胞は、トリプシン処理し、DMEM培地中に3×10個の細胞/cmで再懸濁液し、3:1(Caco-2:HT29-MTX)の比で組み合わせた。1.5mlの細胞混合物を、頂端チャンバー中に播種し、2.5mlの完全DMEM培地を、6ウェルのトランスウェルプレート(Corning)の基底側の区画に加えた。培地を4日後に交換し、その後15日目まで1日おきに交換した。15および16日目に、基底側区画中の培地を、1:1のDMEM:RPMI完全培地中1×10個の細胞/mlの濃度の2.5mlのRaji B細胞の懸濁液と置き換えた。体内動態実験を、17日目に実施した。
【0061】
シミュレートされた消化からの最終被消化物を、DMEM培地と1:3の比で組み合わせ、1.5mlの混合物をトリカルチャー細胞の頂端表面に適用した。被消化物混合物の添加2および6時間後に、基底側の流体中のFFAを、蛍光光度アッセイキット(Cayman Chemical、カタログ番号700310)を使用して測定し、TGを、比色アッセイキット(Cayman Chemical、カタログ番号10010303)を使用して測定した。小腸被消化物の添加前ならびに2および6時間に、経上皮の電気抵抗(TEER)を、Chopstick電極セット(World Precision Instruments)を備えたEVOM2 Epithelial Volt/Ohm Meterbeforeを使用して測定し、実験を通してインタクトな単層の維持を確実にした。
【0062】
ラットモデルを使用する、脂肪吸収に対するCNFの効果のインビボにおける評価。
この研究において使用したプロトコルは、the Harvard Medical Area Animal Care and Use Committeeにより承認された。雄のWistar Hanラット(12週齢)を、Charles River Laboratories(Wilmington、マサチューセッツ州)から得、Harvard Center for Comparative Medicineにおける標準的な小型の隔離ケージ中で、温度、湿度、および光の制御された条件下で収容した。ラットには市販の食餌(PicoLab Rodent Diet 5053、Framingham、MA)を給餌し、逆浸透精製水を随意に提供した。実験の開始前に、動物を、施設中で7日間馴らした。
【0063】
実験前の24時間の間ラットを絶食させた。各ラットをイソフラン(Piramal Healthcare, Bethlehem、PA)で麻酔し、秤量した。クリームまたはCNF試験懸濁液とクリームを、2.25mmの球の先端の付いた10.15cm(4インチ)、19Gの胃管栄養注射針を使用して、食道を通して胃に送達した(n=5匹のラット/群)。投与体積量は、10ml/kgであった。胃管栄養前ならびに胃管栄養後1、2および4時間に、静脈血液試料(100μl)を、尾静脈を通して採取した。血液試料を凝固させ、次に血清を、遠心分離により5000×gで10分間分離した。血清トリグリセリドを、比色アッセイキット(Cayman Chemical、カタログ番号10010303)を使用して測定した。
【0064】
DMDシミュレーション
DMDは、潜在的溶媒モデル、離散化されたポテンシャル機能、および原子が衝突に関わったときのみの原子弾道の方程式の再計算を含む、計算効率における幾つかの改善を用いる分子動力学(MD)のサブクラスである。これらの特徴は、計算速度および有効性を大きく向上させて、比較的長時間スケールにおける比較的大きい分子システムのシミュレーションを可能にする。原子間のポテンシャルは、静電的、ファンデルワールス(VDW)、水素結合、および溶媒和相互作用を含む。デバイ-ヒュッケルの近似を使用して、約100mM×eの溶液イオン強度に対応する1nm(10Å)のデバイ長さで、静電的スクリーニングをモデル化した。これらの潜在的溶媒シミュレーションにおける溶媒和エネルギーを、Lazaridis-Karplus EEF1(有効エネルギー関数1)モデルを使用して計算した
【0065】
システムは、リガンドの大きい組に対して以前にパラメーター化された、様々な分子システムに移行可能であるMedusaScoreの力場を用いて、全原子DMDシミュレーションによりモデル化した。MedusaScoreの予測力は、最近のCSAR(コミュニティー構造-活性源)のブラインドリガンド-受容体ドッキング予測の試みを含む種々のベンチマーク研究で検証されており4-5、MedusaScoreの性能は、自然に近いリガンド-結合ポーズおよび結合親和性の予測において中でも最良の手法であった。
【0066】
シミュレーションを、周期的境界条件を用いて0.30nm(300Å)のシミュレーションボックスサイズで実施した。特に断らない限り、各シミュレーションの温度は約37℃に対応する0.603kcal/(mol・k)であった。一定温度を、Andersonサーモスタットを使用して維持した。初期化後、エネルギー最小化を、各約500ピコ秒の1000回のステップで実施した。その後産生シミュレーションを500,000回のステップ(約25ナノ秒)で行った。次に時間依存性のデータを、結合エネルギー(ΔΕ)およびシミュレーション構成要素間で接触する原子の数を推定するために、全シミュレーションにわたって抽出した。2個の原子が互いに0.65nm(6.5Å)以内にあるときに接触していると定義した。全てのシミュレーションを、デユーク大学にあるDuke Compute Clusterで実施した。各シミュレーションを、単一のCPUコアで実施し、完了時間は3~130時間の範囲であった。
【0067】
ヒト膵リパーゼの初期構造は、タンパク質データバンク(Protein Data Bank)(PDB、エントリー1eth)から得た。全ての他の分子は、Avogadro分子ビルダー(v1.1.1)を使用して構築し、全ての重原子および水素を含んだ。荷電部分を有する可能性のあるこれらの種については、7.4のpHを想定し、ナトリウムイオンをシミュレーションに組み込んで、システムの正味の電荷をバランスさせた。それらをシミュレーションシステムに導入する前に、最初に9個のパルミチン酸トリグリセリドを、3×3格子(分子は最初は互いに接触していない)中でシミュレートし、ミセルを300,000回のステップで自己集合させることにより、トリグリセリドのミセルを予め形成させた。このミセルを、その後全ての適切なシミュレーションで使用し、全てのトリグリセリド分子を自由におよび独立に移動させた。
【0068】
結合エネルギーを推定するために、結合していないシステムのポテンシャルエネルギー(E)を、構成要素が互いに離れている全時点について、平均および標準偏差値を計算することにより得た。原子間の接触値がゼロでないときに、2個の分子が結合していると考えた。全てのそのような時点の間中、結合状態のポテンシャルエネルギーの平均および標準偏差を再び計算した。次に、これらの2つの平均値を結合のΔEを計算するために使用した。
【0069】
セルロースのナノファイバーの形成
セルロースのナノファイバーのモデルを、9個の同一のセルロースポリマーの1組から形成した。各ポリマーは、40個の反復グルコース単位から構築した。セルロース繊維は、主として水素結合ネットワークを通して構築されるので、そのようなネットワークは、一連の温度サイクルシミュレーションを実施することにより、自己集合させた。9個の同一のポリマーは、最初に平行な3×3格子で初期化し、0.1kcal/(mol・k)の温度で500,000回のステップのシミュレーションを実施した。この低温は、全て9個のポリマーの間で、初期セットの水素結合が形成されることを可能にした。続いて、追加のシミュレーションを300,000回のステップを実施した。各シミュレーションでは、同じ様式で低下させた後に、温度を0.15kcal/(mol・k)ずつ0.55kcal/(mol・k)の温度に達するまで上昇させた。このサイクルを全部で3回繰り返した。温度をゆっくり上昇させて、若干の分率の初期水素結合を切り、次に再び降温して、新しい結合のネットワークを形成させた。各サイクルの結果、ネットワークはより完全になり、正味のシステムのポテンシャルエネルギーはより低くなった。温度サイクルは、繊維システムが局所エネルギー最小に達することを効果的に可能にし、温度を上げることは、システムをこの局所最小から離れさせた。繰り返されるサイクルは、最低の可能なエネルギーがシステムで見出されるまで多くの可能な配置を試すシステムに帰着した。さらなる温度サイクルは正味のシステムのポテンシャルエネルギーにおけるわずかな低下を提供するだけなので、3回のサイクル後、プロセスを停止した。結果は、長さ19nm、高さ約4.5nmおよび幅3.5nmの堅牢な水素結合ネットワークを有する自己集合したセルロースナノファイバーであった。はるかにより長い繊維は、この短いセグメントよりも溶液中で切り離すことがより困難であると想定されたので、繊維を以後のシミュレーションで静的に保って、この自己集合状態を保存した。
【0070】
まとめ
本明細書で記載されたのは、ナノバイオポリマー、特にナノセルロース(NC)が、脂肪性食物に添加されて、中でも、膵リパーゼの活性に対するナノバイオポリマーの効果、それにより摂取された脂肪のバイオアベイラビリティーおよび吸収を実質的に低下させる効果が観察された例である。ナノバイオポリマーのトリグリセリド(TG)に対するリパーゼの作用を低下させる能力は、pHを7.0に維持するpH Statデバイスを用いて、インビトロでシミュレートした小腸消化実験で、最初に観察された。この方法では、pHは、NaOH滴定液を必要に応じて添加することにより、7.0の一定値に維持される。pHは、膵リパーゼによるトリグリセリドから脂肪酸への加水分解により引き下げられる。したがって、pHを7.0に維持するために必要となる滴定液の量は、TGの加水分解の程度および放出される遊離脂肪酸(FFA)の量を決定するために使用することができる。脂肪性食物モデル(例えば、ヘビークリーム)の消化中に、使用されたNaOH滴定液における有意な減少は、ナノセルロースが食物中に含まれた場合に観察された。それに加えて、蛍光光度アッセイを使用して消化の終了時に測定したFFAは有意に低下した。さらに、生じた被消化物を、腸上皮のインビトロにおけるトリカルチャーモデルの頂端表面に適用したときに、FFAおよびTGの移動は両方とも有意に低下し、したがって消化実験からのデータが確認された。最終的に、ラットを用いたインビボにおける実験で、ヘビークリームの単回の胃管栄養食事1時間後における血清TGは、NCが食事中に含まれたときに、実質的に低下したことが観察されて、NCの脂肪吸収を阻害する能力がさらに確認された。
【0071】
まとめると、この研究で開発され使用された天然由来のNCは、食物添加剤として、または脂肪性の食事とともに摂取される無類のサプリメントとしてのいずれかで使用される可能性を有し、食事から吸収される脂肪を低下させるための安全なおよび効果的な手段を提供し、これは体重減少に役立ち、健康を改善することができる。
【0072】
[例1]
NCおよび対照/コンパレーター材料として使用される他の繊維タイプのリパーゼ活性(FFA放出およびしたがって脂肪のバイオアベイラビリティー)に対する効果をアセスメントするために、最終の脂肪濃度が13.3%で、0.75%w/wの繊維添加または無添加(または4.8mg/mlの陽性対照リパーゼ阻害剤オルリスタット)高脂肪の食事物モデル(ヘビークリーム)を、3相のシミュレートされた消化方法を使用して加工処理した。小腸相中でpH一定の滴定により決定された放出脂肪酸について、リパーゼ阻害剤オルリスタット(4.8mg/ml)は、使用されたNaOH滴定液および消化中に放出された遊離脂肪酸の合計のパーセンテージにより示されるように、リパーゼ活性を殆ど完全に排除した(91.5%の低下、p<0.0001)。3種類のナノスケールのNC材料、CNC、80nmCNFおよび50nmCNFは、使用されるNaOHおよび放出される合計脂肪酸のパーセントにおける実質的および有意な低下も惹起した。これらの材料のうち、最強の効果は、50nmCNFで見られ、それは対照と比較して脂肪酸の加水分解を48.4%減少させた(p<0.0001)が、しかし実質的および有意な効果は、80nmCNF(40.6%減少、p<0.0001)およびCNC(34.4%減少、p<0.0001)でも観察された。対照的に、ミクロンスケールのセルロースは、FFAの加水分解における顕著および有意な増大(38.4%増大、p<0.0001)を惹起した。デキストラン繊維も、FFAの加水分解においてあまり大きくはないがしかし有意な増大(15.8%、p<0.05)を生じ、シリアム・ハスク繊維は、有意な効果を有しなかった。これらの知見は、トリグリセリド消化の干渉が、ナノスケールのセルロース材料に特異的であることを示唆する。
【0073】
FFAの直接蛍光光度アッセイを、被消化物に対して50nmのCNF添加および無添加で実施して、あまり直接的でないpH一定の消化結果の確証を得た。この方法によれば、少量のFFAが小腸消化相の開始時(リパーゼの添加前)に存在しており、50nmのCNF添加(817μΜ)とCNF無添加(758μΜ)の被消化物中におけるFFA濃度の間に有意な差はなかった。リパーゼの添加後および以降の2時間の消化で、FFAの増大は、CNF無添加で被消化物において平均20,567μΜ、および50nmのCNF添加で被消化物において8,954μΜであり、平均56%の低下を表し、pH一定の結果と矛盾しなかった。これらの結果は、実験間における最終FFAにおける差に基づく統計的有意性に達しなかったが、実質的低下が、全ての個々の実験で観察された(51%、23%、および69%)。
【0074】
食物モデルおよび/または脂肪タイプの効果をアセスメントするために、シミュレートされた消化を、数種の異なる食物モデル(ヘビークリーム、マヨネーズ、ココナツ油、およびコーン油、全て初期で合計13.3%の脂肪)で、0.75%w/wの50nmのCNF添加および無添加で実施した。インビトロにおける最強の効果は、ヘビークリーム食物モデルで観察された(50%低下、p<0.0001)。それより小さい効果が、マヨネーズ(19%低下、p<0.001)、コーン油エマルション(12.8%低下、p<0.05)、およびココナツ油エマルション(11.2%低下、p>0.05)について観察された。これらの結果は、食物モデルの脂肪タイプまたは他の構成成分が、CNFによる脂肪消化の干渉の程度を部分的に決定することを示唆する。しかしながら、脂肪酸の飽和度は、主要な要因であるとは思われず、その理由は、試験した食物モデルの中で最高分率の飽和脂肪酸は、ヘビークリーム(65%)およびココナツ油(90%)で生じ、それらに対してCNFはそれぞれ、最大および最小の効果を有したが、一方、マヨネーズおよびコーン油は大部分不飽和脂肪を含有するからである。
【0075】
[例2]
CNFによる消化中のTG消化およびFFA放出において観察された低下が、上皮を越えるTGおよびFFAの移動(脂肪吸収)に効果を及ぼすかどうかを試験するために、ヘビークリームでシミュレートされた消化からの被消化物をトリカルチャーの小腸上皮のモデルの頂端区画に適用して、TGおよびFFA濃度を、基底側区画で2および6時間に測定した。2および6時間の両方において、基底側区画におけるFFA濃度は、CNFの存在により>50%低下した(2時間でp<.05)。同様に、2および6時間の両方において、基底側区画におけるTG濃度は、30%低下した(2時間でp<0.05)。
【0076】
[例3]
胃腸管(GIT)シミュレーションの実験および上で言及した腸の上皮細胞のデータを確認し、ナノセルロースが動物モデルにおける高脂肪の食事からの脂肪吸収に影響を及ぼすかどうかをアセスメントするために、ラットに、1%の50nmのCNF添加または無添加で3mLのヘビークリームを胃管栄養で与え、血液をTG分析のために、胃管栄養の0、1、2、および4時間後に吸引した。胃管栄養前(0時間)の平均血清TGは、ラットの両群で同じであった。胃管栄養の1時間後に、平均で、血清トリグリセリド濃度は、ヘビークリーム胃管栄養とともにCNFを受けたラットの方が30%低かった。胃管栄養の2時間後に、血清TGは、CNFを受けた動物の方が15%低かった。胃管栄養の4時間後に、平均TGレベルは群間で再び同一であった。1および2時間における群間のTGの差は、インビトロ消化および体内動態の結果と矛盾しない。
【0077】
[例4]
観察されナノスケールの現象に機械的洞察を提供するために、分子動力学(MD)を、ある生体分子のナノセルロース繊維に対する結合速度をアセスメントするために実施した。3回の温度サイクルからなるシミュレーションは、自己集合したセルロースナノファイバーを生じた。この繊維は、長さ約19nm、高さ4.5nm、および幅3.5nmであった。これらの寸法は、繊維が個々の脂肪酸およびトリグリセリドならびにトリグリセリドミセル(3.0nm直径)よりもはるかに長いことを保証した。この繊維はまた、膵リパーゼの最長軸(約10nm)よりも有意に長かった。
【0078】
MDシミュレーションを、セルロースナノファイバーとパルミチン酸、パルミチン酸トリグリセリド、およびヒト膵リパーゼ酵素との間の相互作用を調べるために実施した。生じた結合エネルギーをテーブル1に提示する。
【0079】
【表1】
【0080】
パルミチン酸のシミュレーションは、3つの遊離脂肪酸を含み、トリグリセリドのシミュレーションの脂肪酸含有率と一致し、トリグリセリドのシミュレーションは、単分子およびミセルシミュレーションの両方からなった。
【0081】
パルミチン酸は、セルロースナノファイバーと-2.2±2.3kcal/molの結合エネルギーで弱く相互作用した。この結合エネルギーは、熱的揺らぎと、それに加えて相互作用の高度に一過性の性質に基づいたエネルギー標準偏差より小さい大きさであったので、遊離パルミチン酸はセルロースナノファイバーと結合していないと考えられた。しかしながら、パルミチン酸トリグリセリドは、セルロースナノファイバーと統計的に有意な(-4.4±2.5kcal/mol)結合エネルギーを示した。相互作用は、パルミチン酸-セルロースナノファイバー相互作用と比較してより頻繁で長寿命であったことは注目に値する。次いで、パルミチン酸トリグリセリドミセルは、セルロースナノファイバーと最強の相互作用を示した。これらの相互作用は、繊維表面と速やかに接触した後、それらはシミュレーションの持続時間の間、表面を離れなかったことにおいて、長寿命であった。相互作用も強く、結合エネルギーは-14.8±2.2kcal/molで、前の2種のいずれよりも有意に高かった。
【0082】
その大きいサイズおよび多様な残留物に基づいて、膵リパーゼとセルロースナノファイバーとの間の相互作用は、脂肪酸との間よりも有意に複雑であった。システムエネルギーと原子間の接触の数との間に幾つかの明確な相関関係があるが、遊離酵素システムにも有意なエネルギーの揺らぎがある。これは、酵素の3次および2次構造における変化を引き起こす熱的揺らぎに基づいた。これらの揺らぎは、酵素-ナノファイバー結合エネルギーにおいて大きい標準偏差を引き起こした。しかしながら、正味のシステムエネルギーにおける減少と相関するこれらの結合事象を調べて、膵リパーゼは、セルロースナノファイバーと、-55±41kcal/molの結合エネルギーで結合したと結論付けた。この相互作用は、より特異的なリガンド-セルロースの限定された数およびVDWの相互作用と組み合わされた短寿命水素結合を通して主としてはたらく。それ故、酵素-ナノファイバー相互作用のための結合エネルギーは、大きさが最大であったが、同じシミュレーション温度における、これらの相互作用の短寿命の性質が、システムの大きい熱的揺らぎと合わさって、本発明者らがセルロースナノファイバー-ミセル相互作用が試験した種の中で最も有意であると結論付けるにいたった。
【0083】
セルロースナノファイバーと膵リパーゼとの間の中程度にすぎない結合にも拘わらず、酵素の構造における注目に値する変化があった。
高脂肪の食事に対するナノセルロースの添加は、トリグリセリドの消化を妨げることにより脂肪のバイオアベイラビリティーおよび吸収を低下させるというインビトロおよびインビボにおける研究の複数のライン。この効果は、それが、同じ初期繊維から誘導されたミクロンスケールのセルロースが使用された場合には起こらなかったので、ナノ特異的である。さらに、市販のミクロンスケールの繊維の小麦デキストリンおよびシリアム・ハスクでは、効果が観察されなかった。効果は、50nmCNF(48.4%低下)で最も目立ち、および80nmCNFおよびCNCではわずかに及ばなかった。
【0084】
いかなる特定の理論に拘束されることを望むものでもないが、この効果には多くの有望な機構があると考えられる。例えば、CNFは、脂質に結合するかもしくはそれを隔離するか、脂質液滴をコートするか、脂質液滴周囲にヒドロゲルを形成するか、または脂質液滴を凝集させることができ、したがって、胆汁酸塩またはリパーゼのいずれかのトリグリセリドへの接近を低下させる。あるいは、CNFは、リパーゼに結合し、活性もしくはアベイラビリティーを変化させるか、または胆汁酸に結合するかもしくはそれを隔離することができる。最終的に、CNFは、食物の粘度を増大させることができ、したがって消化構成成分の拡散を妨げる。上で提示した分子動力学的研究の結果は、TGまたはTGミセルとNC繊維との間に相互作用があり、ナノセルロースとリパーゼまたは胆汁酸のいずれかとの間の相互作用は殆どないかまたはごく弱いが、しかしリパーゼの3次構造における変化があることを示唆する。これらの知見は、該機構に、NCによるTGの隔離もしくはコーティング、またはリパーゼ活性における変化が関与する可能性があることを示唆する。しかしながら、関与する特定の機構を同定するためには、さらなる研究が必要である。
【0085】
ナノセルロースの脂肪消化に対する効果は、食物モデルまたは脂肪タイプに依存することも観察されて、脂肪消化およびバイオアベイラビリティーが48%低下したヘビークリーム(乳脂肪)で最も著しく、マヨネーズ、コーン油およびココナツ油エマルションではそれほど顕著ではなかった(それぞれ、19%、12%、および11%の低下)。異なる食物モデルによる効果の間の差の理由は、食物モデルの他の構成成分または脂肪のタイプにおける相違の関する可能性もある。しかしながら、脂肪酸の飽和度は、効果を有するとは思われず、その理由は、ココナツ油および乳脂肪は両方とも、コーン油またはマヨネーズより高いパーセンテージの飽和脂肪酸を有するが、しかし、ナノセルロースの存在下におけるFFA加水分解において、最低の(ココナツ油)および最高の(クリーム/乳脂肪)の低下を有したからである。乳脂肪の特有の構造は、この食物モデルにおけるより大きい効果に対する一部の原因である可能性もある。均質化されていない乳脂肪は、乳腺による分泌中に得られる脂質二重層によりコートされたTG球からなる。均質化されると(この研究で使用された試料のように)、脂質二重層は崩壊し、球はカゼインミセルで部分的にコートされる。ナノセルロースと乳脂肪の脂質二重層の残存物またはカゼインミセルとの間の相互作用が、ナノセルロースによる脂肪の隔離を強化すること、または本明細書で言及した他の可能な機構の1つが可能である。
【0086】
[例5]
食物中のデンプンは、グルコースのポリマーを含有する複数の同心円の結晶性および非晶質の交互層で構成される小さい顆粒(直径が数マイクロメートル)として存在する。デンプンのグルコースポリマーは、アミロース(α1-4結合により接続している直鎖状ポリマー)およびアミロペクチン(α1-4およびα1-6連結の両方を含む分岐状ポリマー)を含む。デンプンはGITから直接吸収され得ない。グルコースモノマー(および他の糖モノマー)のみが直接吸収され得る。したがって、デンプン(グルコース)のカロリー含有率が、吸収のために利用可能になるためには、デンプン顆粒内に含有されるアミロースおよびアミロペクチンのポリマーが、まず個々のグルコース分子に分解されなければならない。これは、外部の加工処理(調理)、機械的作用(噛むこと)および酵素的消化の組合せを通して達成される。調理は、デンプン顆粒を水で膨潤させ、それらの結晶構造を破壊する。ゼラチン化として公知のこのプロセスは、口腔および小腸でそれらの消化を開始する酵素(α-アミラーゼ)によるアミロースおよびアミロペクチンポリマーへの接近を可能にするために必要である。先立つ調理およびゼラチン化なしでは、デンプンの消化は、大きく低下した速度で起こり、完結することができない。アルファ-アミラーゼは、アミラーゼおよびアミロペクチン中のα1-4結合を切断してグルコースダイマー(マルトース)、トリマー(マルトトリオース)および他の小さいグルコースオリゴマーを放出する。マルトースおよび小さい直鎖状グルコースオリゴマーは、その後、腸壁細胞(腸細胞)の絨毛(刷子縁)表面でマルターゼ-グルコアミラーゼ酵素システムにより完全に消化されてグルコースになる。分岐状オリゴマー(α-アミラーゼにより切断されないα1-6結合を含有する)は、スクラーゼ-イソマルターゼとして公知の別の刷子縁酵素システムにより消化されてグルコースモノマーになる。上で言及した全ての酵素の組み合わされた作用の結果として生成した遊離グルコースモノマーは、次に、腸細胞表面上のナトリウムグルコースが連結される輸送体(SGLT)により腸細胞中に輸送される。SGLTは、腸管腔と細胞原形質との間のナトリウム勾配により駆動される共輸送体であり、輸送される2個のナトリウムイオン毎に1個のグルコース分子を細胞中に移動する。グルコースが、細胞の管腔、または頂端表面を通してそのように輸送されたら、それは、次に反対(基底)側にある細胞から出て、GLUT2輸送体により粘膜下の空間へ輸送され、そこからグルコースは毛細血管に入って血流に達する。
【0087】
いかなる特定の理論に拘束されることを望むものでもないが、ナノセルロースおよび本明細書で開示された他のバイオポリマーは、本明細書に記載された複雑なプロセスに対して種々の方法で干渉することができると考えられる。第1に、それは、ゼラチン化されたデンプン顆粒と結合して、顆粒の表面にあるアミロペクチンおよびアミロースへのα-アミラーゼの接近を防止することができる。調理されていないデンプンの場合に、ナノセルロースは、GIT内におけるゼラチン化を防止するかまたは、限定された量の到達できる可能性のあるアミロースおよびアミロペクチンに対するアミラーゼの接近を再び防止することにより、消化の困難さをさらに増大することができる。ナノセルロースは、α-アミラーゼと相互作用して、それらの活性を変化させることもでき、それは、3D配座を、したがって活性部位の活性を変化させるようなナノセルロースのメッシュまたはヒドロゲル内における酵素の隔離、酵素の活性部位に対する結合および遮断または活性部位の外側での結合を含む多くの様式で起こり得る。ナノセルロースは、腸細胞を覆う粘液質層に結合することもでき、その粘度を増大させる可能性があるか、またはマルトースおよびα-アミラーゼによる消化の他のグルコースオリゴマー生成物の、マルターゼ-グルコアミラーゼおよび/またはスクラーゼ-イソマルターゼ酵素システムへの接近を、他の方法で低下させる。それに加えて、ナノセルロースは、マルターゼ-グルコアミラーゼまたはスクラーゼ-イソマルターゼ酵素に結合し、それらの活性を変化させることができる。最終的に、ナノセルロースは、SGLT輸送体に結合し、その活性を変化させることができる。これらの機構の任意の1つまたは組合せにより、または他の未知の機構により、高デンプン食事に先立つかまたはそれと一緒のナノセルロースの摂取は、グルコースへのデンプンの消化および/または生じたグルコースの吸収度を低下させることができ、したがってデンプン食事から生ずるカロリーおよび血糖症負荷を低下させる。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象において、食品から摂取された脂肪、炭水化物、および望ましくない物質のうちの1つ以上のバイオアベイラビリティー、吸収、またはその両方を低下させる方法であって、
摂取された脂肪、炭水化物、および望ましくない物質のバイオアベイラビリティー、吸収、またはその両方を低下させるのに十分な量のナノバイオポリマー、または複数のナノバイオポリマーの組合せを、対象に投与する工程を備える方法。
【外国語明細書】