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特開2024-105300大環状ポリ(アルカン)およびポリ(アルカン-コ-アルケン)
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  • 特開-大環状ポリ(アルカン)およびポリ(アルカン-コ-アルケン) 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024105300
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】大環状ポリ(アルカン)およびポリ(アルカン-コ-アルケン)
(51)【国際特許分類】
   C08F 38/00 20060101AFI20240730BHJP
   C08F 8/04 20060101ALI20240730BHJP
   C08F 281/00 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
C08F38/00
C08F8/04
C08F281/00
【審査請求】有
【請求項の数】42
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024067051
(22)【出願日】2024-04-17
(62)【分割の表示】P 2020516658の分割
【原出願日】2018-08-24
(31)【優先権主張番号】62/561,941
(32)【優先日】2017-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】507371168
【氏名又は名称】ユニバーシティ オブ フロリダ リサーチ ファンデーション インコーポレーティッド
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【弁理士】
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【弁理士】
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【弁理士】
【氏名又は名称】赤井 厚子
(72)【発明者】
【氏名】ヴェイジュ、アダム エス.
(57)【要約】      (修正有)
【課題】大環状ポリアルケンコポリマーを提供する。
【解決手段】大環状ポリアルケンホモポリマーおよびコポリマーを形成し、水素化により、大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)に変換する。または、大環状ポリアルケンを、オレフィンメタセシス触媒の存在下で、アルケンと反応させビシナル-C(=CR)-を含む大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)に変換する。ビシナル-C(=CR)-を含む大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)を水素化し、大環状ポリ(アルカン)または孤立した-C(=CR)-基を有するポリ(アルカン-コ-アルケン)を、水素化の程度に応じて、提供する。孤立した-C(=CR)-単位を有するポリ(アルカン-コ-アルケン)を使用して、ポリ(大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン))類を形成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鎖末端を有しておらず、かつ、構造-RC=CR-を有する少なくとも2つの異なる繰り返し単位を含む大員環の形態である共役ポリアルケンを含む、大環状ポリアルケンコポリマーであって、式中、Rは、独立して、H、置換または非置換C~C30アルキル(但し、すべてのRが、非置換C~C30アルキルであるとき、少なくとも1つのRは、C、C、C、またはC13アルキルではない);複数のアルケン結合が非共役、共役、またはそれらの混合であり得る1つ以上のアルケン結合を有する置換または非置換C~C30アルケニルであるか、あるいは、2つのR基が、C~C30シクロアルケンとして組み合わされ、前記シクロアルケンのアルキレン部分が、置換もしくは非置換であり、かつ/またはO、NR’、C(O)、C(O)O、および/もしくはC(O)NR”で1回以上中断され、式中、R’および/またはR”は、存在するとき、各々独立して、H、C1~30アルキル、またはC~C30アルケニルである、大環状ポリアルケンコポリマー。
【請求項2】
構造:
【化1】

を有し、前記構造中のRおよびR’は、各々独立して、請求項1で定義されるRであり、n、x、およびyの各々は、独立して、1~100の整数である、請求項1に記載の大環状ポリアルケンコポリマー。
【請求項3】
n、x、およびyの各々が、独立して、1~50の整数である、請求項2に記載の大環状ポリアルケンコポリマー。
【請求項4】
n、x、およびyの各々が、独立して、1~25の整数である、請求項2または3に記載の大環状ポリアルケンコポリマー。
【請求項5】
少なくとも1つのRが、置換C~C30アルキルであり、置換C~C30アルケニルであり、それは、ヒドロキシ、C~C30アルコキシ、C~C14アリールオキシ、C~C30アリールアルキルオキシ、C~C30アルケニルオキシ、C~C30アルキニルオキシ、C~C30アリールアルケニルオキシ、C~C30アリールアルキニルオキシ、COH、C~C30アルキルエステル、C~C15アリールエステル、C~C30アルキルアリールエステル、C~C30アルケニルエステル、NH、C~C30アルキルアミノ、C~C14アリールアミノ、C~C30(アルキル)アミノ、C~C30アルケニルアミノ、C~C30アルキニルアミノ、C~C30(アリールアルケニル)アミノ、C~C30(アリールアルキニル)アミノ、C~C30ジアルキルアミノ、C12~C28ジアリールアミノ、C~C30ジアルケニルアミノ、C~C30ジアルキニルアミノ、C~C30アリール(アルキル)アミノ、C~C30ジ(アリールアルキル)アミノ、C~C30アルキル(アリールアルキル
)アミノ、C15~C30アリール(アリールアルキル)アミノ、C~C30アルケニル(アリール)アミノ、C~C30アルキニル(アリール)アミノ、C(O)NH、C~C30アルキルアミド、C~C14アリールアミド、C~C30(アリールアルキル)アミド、C~C30ジアルキルアミド、C12~C28ジアリールアミド、C~C30アリール(アルキル)アミド、C15~C30ジ(アリールアルキル)アミド、C~C30アルキル(アリールアルキル)アミド、C16~C30アリール(アリールアルキル)アミド、チオール、C~C30ヒドロキシアルキル、C~C14ヒドロキシアリール、C~C30ヒドロキシアリールアルキル、C~C30ヒドロキシアルケニル、C~C30ヒドロキシアルキニル、C~C30ヒドロキシアリールアルケニル、C~C30ヒドロキシアリールアルキニル、C~C30ポリエーテル、C~C30ポリエーテルエステル、C~C30ポリエステル、C~C30ポリアミノ、C~C30ポリアミノアミド、C~C30ポリアミノエーテル、C~C30ポリアミノエステル、またはC~C30ポリアミドエステルで置換される、請求項1~4のいずれか1項に記載の大環状ポリアルケンコポリマー。
【請求項6】
各Rが、独立して、H、置換もしくは非置換C~C30アルキル、または置換もしくは非置換C~C30アルケニルである、請求項1~4のいずれか1項に記載の大環状ポリアルケンコポリマー。
【請求項7】
各Rが、独立して、H、または置換もしくは非置換C1~3、C、C8~12、もしくはC14~30アルキルである、請求項1~4のいずれか1項に記載の大環状ポリアルケンコポリマー。
【請求項8】
構造-RHC-CHR-を有するアルカン繰り返し単位および任意選択的に構造-RC=CR-または-C(=CR)-を有するアルケン繰り返し単位を含む、大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)であって、存在する場合、前記-RC=CR-アルケン繰り返し単位のRが、前記アルカン繰り返し単位のうちの少なくとも1つのR単位と同じであり、Rは、独立して、H、置換もしくは非置換C~C30アルキルであり(または、アルケン繰り返し単位が存在しない、もしくは1つの非置換アルカン繰り返し単位のみ、もしくは-HC-CH-繰り返し単位を有するコポリマーを含むとき、Rは、C1~3、C、C8~12、もしくはC14~30である);複数のアルケン結合が非共役、共役、もしくはそれらの混合であり得る1つ以上のアルケン結合を有する置換もしくは非置換C~C30アルケニルであり、あるいは、2つのR基が、C~C30シクロアルカンおよび/またはシクロアルケンとして組み合わされ、前記シクロアルカンおよび/またはシクロアルケンのアルキレン部分が、置換もしくは非置換であり、かつ/もしくはO、NR’、C(O)、C(O)O、および/もしくはC(O)NR”で1回以上中断され、式中、R’および/またはR”は、存在するとき、各々独立して、H、C1~30アルキル、C~C30アルケニルである、大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【請求項9】
【化2】
の構造を有し、前記構造中のRおよびR’が、各々独立して、請求項8で定義したRであり、n、x、およびyの各々が、1~100の整数である、請求項8に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【請求項10】
n、x、およびyの各々が、独立して、1~50の整数である、請求項9に記載の大環状ポリアルケンコポリマー。
【請求項11】
n、x、およびyの各々が、独立して、1~25の整数である、請求項9または10に記載の大環状ポリアルケンコポリマー。
【請求項12】
少なくとも1つのRが、置換C~C30アルキル、または置換C~C30アルケニルであり、それが、単数または複数置換されていて、各置換が、独立して、ヒドロキシ、C~C30アルコキシ、C~C14アリールオキシ、C~C30アリールアルキルオキシ、C~C30アルケニルオキシ、C~C30アルキニルオキシ、C~C30アリールアルケニルオキシ、C~C30アリールアルキニルオキシ、COH、C~C30アルキルエステル、C~C15アリールエステル、C~C30アルキルアリールエステル、C~C30アルケニルエステル、NH、C~C30アルキルアミノ、C~C14アリールアミノ、C~C30(アルキル)アミノ、C~C30アルケニルアミノ、C~C30アルキニルアミノ、C~C30(アリールアルケニル)アミノ、C~C30(アリールアルキニル)アミノ、C~C30ジアルキルアミノ、C12~C28ジアリールアミノ、C~C30ジアルケニルアミノ、C~C30ジアルキニルアミノ、C~C30アリール(アルキル)アミノ、C~C30ジ(アリールアルキル)アミノ、C~C30アルキル(アリールアルキル)アミノ、C15~C30アリール(アリールアルキル)アミノ、C~C30アルケニル(アリール)アミノ、C~C30アルキニル(アリール)アミノ、C(O)NH、C~C30アルキルアミド、C~C14アリールアミド、C~C30(アリールアルキル)アミド、C~C30ジアルキルアミド、C12~C28ジアリールアミド、C~C30アリール(アルキル)アミド、C15~C30ジ(アリールアルキル)アミド、C~C30アルキル(アリールアルキル)アミド、C16~C30アリール(アリールアルキル)アミド、チオール、C~C30ヒドロキシアルキル、C~C14ヒドロキシアリール、C~C30ヒドロキシアリールアルキル、C~C30ヒドロキシアルケニル、C~C30ヒドロキシアルキニル、C~C30ヒドロキシアリールアルケニル、C~C30ヒドロキシアリールアルキニル、C~C30ポリエーテル、C~C30ポリエーテルエステル、C~C30ポリエステル、C~C30ポリアミノ、C~C30ポリアミノアミド、C~C30ポリアミノエーテル、C~C30ポリアミノエステル、またはC~C30ポリアミドエステルである、請求項8~11のいずれか1項に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【請求項13】
各Rが、独立して、H、置換もしくは非置換C~C30アルキル、または置換もしくは非置換C~C30アルケニルであり、但し、すべてのRが、非置換C~C30アルキルであるとき、少なくとも1つのRは、C、C、C、またはC13アルキルではない、請求項8~11のいずれか1項に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【請求項14】
各Rが、独立して、H、または置換もしくは非置換C1~3、C、C8~12、もしくはC14~30アルキルである、請求項8~11のいずれか1項に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【請求項15】
前記大環状ポリアルカンが、C~C30シクロアルカン繰り返し単位を有する、請求項8~11のいずれか1項に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ
-アルケン)。
【請求項16】
前記大環状ポリアルカンが、大環状ポリプロピレンである、請求項8~11のいずれか1項に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【請求項17】
前記大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)が、ビシナル-C(=CR)-基を含む、請求項8~11のいずれか1項に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【請求項18】
構造
【化3】

を有し、前記構造中に描かれた前記H原子が、Hであることができるか、または請求項8で定義した別のR基であることができ、nおよびyの各々が、1~100の整数である、請求項17に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【請求項19】
各yが、独立して、1~20の整数であり、nが、1~50の整数である、請求項18に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【請求項20】
各yが、独立して、1~10の整数であり、nが、1~25の整数である、請求項18または19に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【請求項21】
各yが、独立して、1~5の整数であり、nが、1~10の整数である、請求項18~20のいずれか1項に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【請求項22】
前記大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)が、ビシナル-C(CHR)-基を含む、請求項8~21のいずれか1項に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【請求項23】
各Rが、独立して、H、置換もしくは非置換C~C30アルキル、または置換もしくは非置換C~C30アルケニルである、請求項18~22のいずれか1項に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【請求項24】
各Rが、独立して、H、または置換もしくは非置換C1~3、C、C8~12、もしくはC14~30アルキルである、請求項18~22のいずれか1項に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【請求項25】
前記大環状ポリアルカンが、ポリマー骨格中にC~C30シクロアルカン繰り返し単
位を有する、請求項18~22のいずれか1項に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【請求項26】
構造
【化4】

を有し、各Yおよびnが、独立して、1~100の整数である、請求項25に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【請求項27】
各yが、独立して、1~20の整数であり、nが、1~50の整数である、請求項26に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【請求項28】
各yが、独立して、1~10の整数であり、nが、1~25の整数である、請求項26または27に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【請求項29】
各yが、独立して、1~5の整数であり、nが、1~10の整数である、請求項26~28のいずれか1項に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【請求項30】
複数の大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)間にC=C架橋をさらに含み、ポリ(大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン))を形成する、請求項8~24のいずれか1項に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【請求項31】
二大環状、三大環状、および/または多大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)の形態で、前記大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)のアルケン繰り返し単位間に1つ以上のC=C架橋をさらに含む、請求項8~24のいずれか1項に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【請求項32】
請求項8~31のいずれか1項に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)を形成する方法であって、
水素化触媒の存在下で大環状ポリアルケンと水素を反応させて、ポリアルカンまたはポリ(アルカン-コ-アルケン)を形成することと、
前記大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)を単離することと、を含む、方法。
【請求項33】
前記水素が、前記大環状ポリアルケンの少なくともモル当量の量で提供され、それによりポリアルカンを形成する、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記水素が、前記大環状ポリアルケンのモル当量未満の量で提供され、それによりポリ(アルカン-コ-アルケン)を形成する、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
請求項17~24のいずれか1項に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アル
カン-コ-アルケン)を形成する方法であって、
大環状ポリ(シクロアルケン)を過剰のアルケンおよびオレフィンメタセシス触媒と反応させ、それによりビシナル-C(=CR)-基を含む大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)を形成することと、
任意選択的に、前記大環状ポリアルカン、または-C(=CR)-基を含む前記大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)を単離することと、を含む、方法。
【請求項36】
ビシナル-C(=CR)-基を含む前記大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)と水素を水素化触媒の存在下で反応させ、それにより大環状ポリアルカン、または孤立した-C(=CR)基を含む大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)を形成することと、
任意選択的に、前記大環状ポリアルカン、または孤立した-C(=CR)-基を含む前記大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)を単離することと、をさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
孤立した-C(=CR)-基を含む前記大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)をオレフィンメタセシス触媒と組み合わせることと、
孤立した-C(=CR)-基を縮合させて、ポリ(大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン))を形成するために大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)繰り返し単位間にC=C結合を含むポリ(大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン))を形成することと、
任意選択的に、前記ポリ(大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン))を単離することと、をさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
水素化触媒の存在下で、前記ポリ(大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン))を水素と組み合わせ、それにより
前記ポリ(大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン))を水素化して、ポリ(大環状ポリ(アルカン))を形成すること、をさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
孤立した-C(=CR)-基を含む前記大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)の希釈溶液をオレフィンメタセシス触媒と組み合わせることと、
孤立した-C(=CR)-基を縮合させて、二大環状、三大環状、および/または多大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)を形成することと、をさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
水素化触媒の存在下で、前記の二大環状、三大環状、および/または多大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)を水素と組み合わせ、それにより、前記の二大環状、三大環状、および/または多大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)を水素化して、二大環状、三大環状、および/または多大環状ポリ(アルカン)を形成すること、をさらに含む、請求項39に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
政府支援の声明
本発明は、全米科学財団の助成によるCHE-1506850の下で政府の支援を受けてなされた。政府は、本発明におけるある特定の権利を有する。
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、35 USC§119(e)に基づき、2017年9月22日に出願された米国仮出願第62/561,941号の優先権利益を主張し、その米国仮出願の全開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
本開示は、概して環状ポリマーに関する。特に、本開示は、大環状ポリアルケン、大環状ポリアルカン、および大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)に関する。
【背景技術】
【0004】
環状ポリマー、または大員環は、鎖末端が存在しないため、それらの構造および特性は、それらと同等の分子量の線状対応物とは異なる。これらの違いは、溶液およびバルクで観察される。これらの違いとしては、小さい流体力学的体積および回転半径(R)、高いガラス転移温度(T)、低い固有粘度、高い臨界溶液温度、増加した結晶化速度、高い屈折率が挙げられる。少量の線状ポリマーが存在すると、測定されるポリマー特性は劇的に変化し得る。
【0005】
環状ポリマーに対する合成アプローチは、ポリマー化学者にとって長期的な目標であった。環状ポリマーに関する効率的で拡張性のある合成戦略はほとんど知られていない。一般に、環状ポリマーは、典型的には、2つの異なるアプローチによって合成される、すなわち、末端官能性線状ポリマー前駆体の閉環反応と、小さなビルディングブロックまたはモノマーの開環または重縮合反応を伴う環拡大重合とによって合成される。閉環は、希釈溶液で行われており、多くの場合、かなりの量の線状ポリマー不純物を有する。環拡大メタセシス重合(REMP)は、環状ポリマーを調製するための強力な手段であり、ルテニウム(Ru)系メタセシス触媒を使用して、環状モノマーから直接に環状ポリマーを製造する。環状ポリマーは全プロセスを通じて損なわれないため、REMPは、濃縮溶液またはバルクで高MW環状ポリマーを生成させることができる。調製された環状ポリマーの中でも、ポリ(バレロラクトン)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(t-ブチルアクリレート)、ポリスチレン、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(アゾメチルアクリレート)、ポリ(イソブチレン)、ポリ(4-ビニルベンジル-カルバゾール)、ポリ(メチルメタクリレート)ポリ(テトラヒドロフラン)、ポリ(ラクチド)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(シクロオクテン)、ポリ(5-アセトキシ-1-シクロオクテン)、ポリ(シクロドデカトリエン)、ポリ(exo-5-ノルボルネン-カルボン酸ペンタフルオロフェノールエステル)、ポリ(ブチロラクトン)、ポリ(N-カルボキシ無水物)、ポリ(スチレン-コ-メチルアクリレート)、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(チイラン)、ポリ(メチレン)、ポリ(ノルボルネン)-g-ポリスチレン、ポリ(ノルボルネン)-g-ポリ(ラクチド)、ポリ(ノルボルネン)-g-ポリ(n-ブチルアクリレート)、ポリ(ノルボルネン)-g-ポリ(エチレンオキシド)、およびポリ(N-カルボキシ無水物)-g-ポリ(エチレンオキシド)である。
【0006】
近時、Veigeらの米国特許第9,206,266号は、ピンサー配位子担持メタロシクロアルキレンタングステン錯体を使用して、非環式アルキンの、環式ポリアルケンへの、例えば環式ポリ(フェニルアセチレン)への重合を実証した。始端および終端が錯体
に結合されるため、連鎖停止および連鎖移動が、始端および終端のカップリングと共に起こって、環状トポロジーを形成する。重合は、高収率および高選択率の環化において起こる。ポリアルカンへのこの技術の拡張、例えば、環状ポリプロピレンの製造は、望ましい。
【発明の概要】
【0007】
本明細書では、鎖末端を有しておらず、かつ、構造-RC=CR-を有する少なくとも2つの異なる繰り返し単位を含む大員環の形態である共役ポリアルケンである、大環状ポリアルケンコポリマーを提供する。R基は、独立して、H、置換または非置換C~C30アルキル(但し、すべてのRが、非置換C~C30アルキルであるとき、少なくとも1つのRは、C、C、C、またはC13アルキルではない);複数のアルケン結合が非共役、共役、またはそれらの混合であり得る1つ以上のアルケン結合を有する置換または非置換C~C30アルケニルであるか、あるいは、2つのR基が、C~C30シクロアルケンとして組み合わされ、シクロアルケンのアルキレン部分が、置換もしくは非置換であり、かつ/またはO、NR’、C(O)、C(O)O、および/もしくはC(O)NR”で1回以上中断され、式中、R’および/またはR”は、存在するとき、各々独立して、H、C1~30アルキル、またはC~C30アルケニルである。大環状ポリアルケンコポリマーは、
【0008】
【化1】
【0009】
の構造を有することができ、その構造中のRおよびR’は、各々独立して、請求項1で定義されるRであり、n、X、およびYの各々は、独立して、1~100の整数である。
【0010】
いくつかの場合では、本明細書では、構造-RHC-CHR-を有するアルカン繰り返し単位および任意選択的に構造-RC=CR-または-C(=CR)-を有するアルケン繰り返し単位を含み、存在する場合、-RC=CR-アルケン繰り返し単位のRは、アルカン繰り返し単位のうちの少なくとも1つのR単位と同じである、大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)を提供する。R基は、独立して、H、置換もしくは非置換C~C30アルキルであり(または、アルケン繰り返し単位が存在しない、もしくは1つの非置換アルカン繰り返し単位のみ、もしくは-HC-CH-繰り返し単位を有するコポリマーを含むとき、Rは、C1~3、C、C8~12、もしくはC14~30である);複数のアルケン結合が非共役、共役、もしくはそれらの混合であり得る1つ以上のアルケン結合を有する置換もしくは非置換C~C30アルケニルであり、あるいは、2つのR基が、C~C30シクロアルカンおよび/またはシクロアルケンとして組み合わされ、シクロアルカンおよび/またはシクロアルケンのアルキレン部分が、置換もしくは非置換であり、かつ/もしくはO、NR’、C(O)、C(O)O、および/もしくはC(O)NR”で1回以上中断され、式中、R’および/またはR”は、存在するとき、各々独立して、H、C1~30アルキル、C~C30アルケニルである。実施形態において、大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)
は、構造
【0011】
【化2】
【0012】
を有することができ、式中、第1の構造におけるRおよびR’は各々独立して、上で定義したRであり、第2の構造に示されているH原子は、Hまたは上で定義した別のR基であることができ、n、x、およびyは、1~100の整数である。
【0013】
さらに、水素化触媒の存在下で大環状ポリアルケンと水素を反応させて、そのポリアルカンまたはポリ(アルカン-コ-アルケン)を形成し、その大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)を単離することによって、大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)を形成する方法を提供する。
【0014】
また、大環状ポリ(シクロアルケン)を過剰のアルケンおよびオレフィンメタセシス触媒と反応させ、それによりビシナル-C(=CR)-基を含む大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)を形成し、任意選択的に、その大環状ポリアルカン、または-C(=CR)-基を含むその大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)を単離することによって、大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)を形成する方法も提供する。大環状ポリアルカン、または-C(=CR)-基を含む大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)は、水素化触媒の存在下で水素と反応し、それにより大環状ポリアルカン、または孤立した-C(C=CR)基を含む大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)を形成することができる。孤立した-C(=CR)-基を含む大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)は、オレフィンメタセシス触媒の存在下で反応して、大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)間にC=C結合を含むポリ(大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン))中に孤立した-C(=CR)-基を分子間的に縮合させることができる。ポリ(大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン))は、水素化されて、ポリ(大環状ポリ(アルカン))を形成することができる。孤立した-C(=CR)-基を含む大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)の希釈溶液は、オレフィンメタセシス触媒と組み合わせ、縮合させて、二大環状、三大環状、および/または多大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)を形成することができる。二大環状、三大環状および/または多大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)を水素化して、二大環状、三大環状および/または多大環状ポリ(アルカン)を形成することができる。
【0015】
さらなる態様および利点は、図面と併せて以下の詳細な説明を検討することにより、当業者には明らかになるであろう。以下の説明は、特定の実施形態を含むが、それらは、本開示が例示であり、本明細書に記載の特定の実施形態に本発明を限定することを意図するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態による環状ポリ(プロピン)の水素化から形成されたアタクチック線状および環状ポリプロピレンに関する分子量対溶出体積の対数プロットである。
図2】本発明の実施形態によるアタクチック線状および環状ポリプロピレンに関するlog[η]対logMのプロットであり、[η]は固有粘度であり、Mは粘度平均モル質量である。
図3】触媒4の合成を示している図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書では、大環状ポリ(アルケン)、大環状ポリ(アルケン-コ-アルカン)、および大環状ポリ(アルカン)を開示する。
【0018】
鎖末端を有しておらず、かつ、構造-RC=CR-を有する2つ以上の繰り返し単位を含む大員環の形態である共役ポリアルケンである、大環状ポリアルケンコポリマーを提供する。本明細書で使用されるとき、「鎖末端を有しない」ポリマーとは、開始モノマー/基が停止モノマー/基に結合しているポリマーを指す。いくつかの場合では、大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)は、構造-RHC-CHR-を有するアルカン繰り返し単位、および、任意選択的に、構造-RC=CR-を有するアルケン繰り返し単位を含むか、またはビシナル-C(=CR)-のペアであり、-RC=CR-アルケン繰り返し単位のRは、アルカン繰り返し単位のうちの少なくとも1つのR単位と同じである。
【0019】
前述のR基は、独立して、H、置換もしくは非置換C~C30アルキルであることができ(または、アルケン繰り返し単位が存在しない、もしくは1つの非置換アルカン繰り返し単位のみ、もしくは-HC-CH-繰り返し単位を有するコポリマーを含むとき、Rは、C1~3、C、C8~12、もしくはC14~30である);複数のアルケン結合が非共役、共役、もしくはそれらの混合であり得る1つ以上のアルケン結合を有する置換もしくは非置換C~C30アルケニルであり、置換もしくは非置換C10~C30アリールであり;置換もしくは非置換C~C30アルキルアリールであり、少なくとも1つのC~C30アリール基が、少なくとも1つのC~C30アルキル基と組み合わされ、アルキルもしくはアリール炭素が、アルキン基に結合することができ;または、2つのR基が、C~C30シクロアルカンおよび/またはシクロアルケンとして組み合わされ、シクロアルカンおよび/またはシクロアルケンのアルキレン部分が、置換もしくは非置換であり、かつ/もしくはO、NR’、もしくはそれらの任意の保護同等物、またはC(O)もしくはその任意の保護同等物、C(O)Oもしくはその任意の保護同等物、および/またはC(O)NR”もしくはその任意の保護同等物で1回以上中断され、式中、R’および/またはR”は、H、C~C30アルキル、C~C30アルケニル、C~C30アリール、またはC~C30アルキルアリールである。
【0020】
いくつかの場合では、大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)は、大環状ポリプロピレンまたはポリ(プロペン-コ-プロピン)である。本発明の他の実施形態において、大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)は、置換C~C30アルキル、置換C~C30アルケニル、および/または置換C10~C30アリールを有し、得られた環状ポリ(アルキン)において、ヒドロキシ、C~C30アルコキシ、C~C14アリールオキシ、C~C30アリールアルキルオキシ、C~C30アルケニルオキシ、C~C30アルキニルオキシ、C~C30アリールアルケニルオキシ、C~C30アリールアルキニルオキシ、COH、C~C30アルキルエステル、C~C15アリールエステル、C~C30アルキルアリールエステル、C~C30アルケニルエステル、NH、C~C30アルキルアミノ、C~C14アリールアミノ、C~C30(アルキル)アミノ、C~C30アルケニルアミノ、C~C30アルキニルアミノ、C~C30(アリールアルケニル)アミノ、C~C30(アリールアルキニル)アミノ、C~C30ジアルキルアミノ、C12~C
28ジアリールアミノ、C~C30ジアルケニルアミノ、C~C30ジアルキニルアミノ、C~C30アリール(アルキル)アミノ、C~C30ジ(アリールアルキル)アミノ、C~C30アルキル(アリールアルキル)アミノ、C15~C30アリール(アリールアルキル)アミノ、C~C30アルケニル(アリール)アミノ、C~C30アルキニル(アリール)アミノ、C(O)NH(「アミド」)、C~C30アルキルアミド、C~C14アリールアミド、C~C30(アリールアルキル)アミド、C~C30ジアルキルアミド、C12~C28ジアリールアミド、C~C30アリール(アルキル)アミド、C15~C30ジ(アリールアルキル)アミド、C~C30アルキル(アリールアルキル)アミド、C16~C30アリール(アリールアルキル)アミド、チオール、C~C30ヒドロキシアルキル、C~C14ヒドロキシアリール、C~C30ヒドロキシアリールアルキル、C~C30ヒドロキシアルケニル、C~C30ヒドロキシアルキニル、C~C30ヒドロキシアリールアルケニル、C~C30ヒドロキシアリールアルキニル、C~C30ポリエーテル、C~C30ポリエーテルエステル、C~C30ポリエステル、C~C30ポリアミノ、C~C30ポリアミノアミド、C~C30ポリアミノエーテル、C~C30ポリアミノエステル、C~C30ポリアミドエステル、またはそれらの任意の保護同等物は、置換される。
【0021】
大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)は、ビシナル-C(=CR)-を有することができる。大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)は、ビシナル-C(CHR)-を有することができる。大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)は、C~C30シクロアルカン繰り返し単位を有することができる。大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)は、大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)間にC=C架橋を有することができ、ポリ(大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン))を形成することができる。大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)は、単一の大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)の繰り返し単位間にC=C架橋を有することができ、二大環状、三大環状、および/または多大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)を形成することができる。
【0022】
本開示は、環状ポリ(アルキン)ポリマーおよびコポリマーと、アルキンモノマーが、環状ポリ(アルキン)、大環状ポリ(アルケン)に重合または共重合されるそれらの調製とをさらに提供する。大環状ポリ(アルケン)は、構造RC≡CRの2つ以上のアルキンモノマーの重合または共重合により調製することができ、式中、Rは、独立して、Hであり;置換または非置換C~C30アルキルであり;複数のアルケン結合が、非共役、共役、もしくはそれらの混合であり得る1つ以上のアルケン結合を有する置換もしくは非置換C~C30アルケニルであり;置換もしくは非置換C10~C30アリールであり;少なくとも1つのC~C30アリール基が、少なくとも1つのC~C30アルキル基と組み合わされ、アルキルもしくはアリールの炭素が、アルキン基に結合することができる、置換もしくは非置換C~C30アルキルアリールであるか;または、2つのR基が、C~C30シクロアルキンとして組み合わされ、シクロアルキンのアルキレン部分が、置換もしくは非置換であり、かつ/もしくはO、NR’、C(O)、C(O)O、および/もしくはC(O)NR”で1回以上中断され、式中、R’および/もしくはR”は、H、C~C30アルキル、C~C30アルケニル、C~C30アリール、もしくはC~C30アルキルアリールである。得られた環状ポリ(アルキン)上の置換基は、ヒドロキシ、C~C30アルコキシ、C~C14アリールオキシ、C~C30アリールアルキルオキシ、C~C30アルケニルオキシ、C~C30アルキニルオキシ、C~C30アリールアルケニルオキシ、C~C30アリールアルキニルオキシ、COH、C~C30アルキルエステル、C~C15アリールエステル、C~C30アルキルアリールエステル、C~C30アルケニルエステル、NH、C~C30アルキルアミノ、C~C14アリールアミノ、C~C30(アルキル)アミノ、C~C30アルケニルアミノ、C~C30アルキニルアミノ、C~C30(アリールアルケニ
ル)アミノ、C~C30(アリールアルキニル)アミノ、C~C30ジアルキルアミノ、C12~C28ジアリールアミノ、C~C30ジアルケニルアミノ、C~C30ジアルキニルアミノ、C~C30アリール(アルキル)アミノ、C~C30ジ(アリールアルキル)アミノ、C~C30アルキル(アリールアルキル)アミノ、C15~C30アリール(アリールアルキル)アミノ、C~C30アルケニル(アリール)アミノ、C~C30アルキニル(アリール)アミノ、C(O)NH、C~C30アルキルアミド、C~C14アリールアミド、C~C30(アリールアルキル)アミド、C~C30ジアルキルアミド、C12~C28ジアリールアミド、C~C30アリール(アルキル)アミド、C15~C30ジ(アリールアルキル)アミド、C~C30アルキル(アリールアルキル)アミド、C16~C30アリール(アリールアルキル)アミド、チオール、C~C30ヒドロキシアルキル、C~C14ヒドロキシアリール、C~C30ヒドロキシアリールアルキル、C~C30ヒドロキシアルケニル、C~C30ヒドロキシアルキニル、C~C30ヒドロキシアリールアルケニル、C~C30ヒドロキシアリールアルキニル、C~C30ポリエーテル、C~C30ポリエーテルエステル、C~C30ポリエステル、C~C30ポリアミノ、C~C30ポリアミノアミド、C~C30ポリアミノエーテル、C~C30ポリアミノエステル、またはC~C30ポリアミドエステルであることができる。
【0023】
環状ポリ(アルケン)の調製では、モノマー上のヒドロキシル基は、官能基の誘導体として、すなわち、アセチル、ベンゾイル;ベンジル;β-メトキシエトキシメチルエーテル;メトキシメチルエーテル;メトキシメチルエーテル;p-メトキシベンジルエーテル;メチルチオメチルエーテル;テトラヒドロピラニル;テトラヒドロフラン;トリチル;トリメチルシリル;tert-ブチルジメチルシリル;トリイソプロピルシリルオキシメチル;トリイソプロピルシリル;メチルエーテル;エトキシエチルエーテルとして、保護されていない場合があるか、もしくは保護されている場合があるか、または任意の他の方法で保護されている場合がある。環状ポリ(アルケニル)の調製では、モノマー上のアミン基は、官能基の誘導体として、すなわち、カルボベンジルオキシ;p-メトキシベンジルカルボニル;tert-ブチルオキシカルボニル;9-フルオレニルメチルオキシカルボニル;ベンジル;p-メトキシベンジル;3;4-ジメトキシベンジルとして、保護されていない場合があるか、もしくは保護されている場合があるか、または任意の他の方法で保護されている場合がある。環状ポリ(アルケニル)の調製では、モノマー上のカルボン酸基は、官能基の誘導体として、すなわち、メチルエステル;ベンジルエステル;2;6-二置換フェノールのtert-エステル;シリルエステルオルトエステルとして、保護されていない場合があるか、または保護されている場合があるしたがって、本明細書で使用されるとき、「保護同等物」とは、本明細書に記載の保護ヒドロキシル、保護アミン、または保護カルボン酸を指す。
【0024】
環状ポリ(アルケン)の重合または共重合は、Veigeらの米国特許第9,206,266号に開示されているように実施することができ、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。本発明の一実施形態によれば、重合または共重合は、室温(例えば、20℃~25℃の範囲)または75℃以上の温度に温めて、例えば、限定するものではないが、75℃~200℃、もしくは100℃~175℃、もしくは100~150℃、例えば、75℃、80℃、85℃、90℃、95℃、100℃、105℃、110℃、115℃、120℃、125℃、130℃、135℃、140℃、145℃、150℃、155℃、160℃、165℃、170℃、175℃、180℃、185℃、190℃、195℃、または200℃で実施することができる。重合または共重合は、非プロトン性溶媒を使用する溶液中で、または溶媒の非存在下で、例えば未希釈で実施することができる。好適な非プロトン性溶媒としては、トルエン、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、シクロヘキサン、およびヘキサンが挙げられるが、それらに限定されない。反応時間は非常に短く、わずか1分、例えば、1分~1時間、1分~30分、2分~15分、または2分~10
分でポリマーが製造される。
【0025】
2つの非環式モノマーの共重合に関する以下のスキーム1に示すように、共重合は、2つ以上の構造を有するモノマーの混合物を使用して実施することができる。アセチレン、またはアルキンモノマー(例えば、限定するものではないが、トリメチルシリルアセチレン)は、モノマーの1つとして用いることができる。以下のスキーム1は、H-C≡C-RモノマーとH-C≡C-R’モノマーとの反応を示している。以下の大員環を形成するのに必要とされるH-C≡C-Rモノマーの量は、ny+5である(例えば、nが2であり、yが2の場合、必要とされるH-C≡C-Rモノマーの量は9である)。同様に、下記の大員環を形成するのに必要なH-C≡C-R’モノマーの量は、nx+5である。
【0026】
【化3】
【0027】
コポリマーは、不均一な反応性の2つのアルキンが混合物に含まれるグラジエントコポリマーであることができ、より反応性の高いアルキンは、初期重合中に組み込まれ、続いて、モノマー混合物中においてより反応性の高いアルキンが減少するにつれて、より反応性の低いアルキンは、より高い割合で組み込まれる。より反応性の高いアルキンとより反応性の低いアルキンとが同時に含まれるとき、より反応性の高いアルキンの濃度は、相分離によって制御され得る。すなわち、相分離は、最初は主に重合溶液の外部に存在し、組み込まれると同時に、より反応性の高いモノマーに対する溶液の親和性を増加させ、そして、より反応性の低いモノマーの最初の組み込みによって形成し、続いて、可溶化されたより反応性の高いモノマーのより大きな割合を形成する、勾配を生じさせる。限界では、ブロックコポリマーが形成され得る。
【0028】
また、本開示では、水素化触媒の存在下で大環状ポリアルケンが水素と反応する、大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)を形成する方法も提供する。水素化は、大環状ポリアルケンのC=C結合のすべてまたは一部であり得る。いくつかの実施形態において、大環状ポリ(シクロアルケン)は、ビシナル-C(=CR)-を含み、水素化されて、大環状ポリアルカン、または孤立した-C(=CR)を含む大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)を形成する。本明細書で使用されるとき、特に明記しない限り、ビシナル基に隣接する炭素原子もビシナル基ではない場合、-C(=CR)-は「孤立」される。実施形態では、孤立した-C(=CR)-を含む大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)は、オレフィンメタセシス触媒の存在下で反応して、大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)間にC=C結合を含むポリ(大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン))中に孤立した-C(=CR)-を縮合させることができる。ポリ(大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン))は、水素化されて、ポリ(大環状ポリ(アルカン))を形成することができる。実施形態において、ポリ(大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン
))は、オレフィンメタセシス触媒の存在下で反応して、孤立した-C(=CR)-を分子間的に縮合させて、二大環状、三大環状、および/または多大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)を形成することができる。二大環状、三大環状および/または多大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)を水素化して、二大環状、三大環状および/または多大環状ポリ(アルカン)を形成することができる。
【0029】
以下のスキーム2に示すように、ポリマーまたはコポリマーを水素化することができ、式中、n(x+y)+10は、大環状ポリマーのアルケン結合の完全な水素化に必要な水素の最小モル当量を示している。水素化に関する立体化学は示していないが、水素は、ランダムに、または立体選択的に付加させることができる。大環状ポリマーは、水素付加の水素化活性部位に対する、最後、最後から2番目、および最後から3番目の繰り返し単位効果の効果に応じて、アタクチック、シンジオタクチック、またはアイソタクチックのポリマーであり得る。水素化は、例えば、限定するものではないが、800psi、900psi、または1,000psiの水素圧下、溶液中で実施することができる。例えば、Pdを使用して、トルエン中で、90℃および1,000psiにおいて、ポリマーを炭素について水素化することができる。あるいは、Crabtreeの触媒:[Ir(COD)(py)(PCy)][PF(式中、COD=シクロオクタテトラエン、py=ピリジン、およびCy=シクロヘキサン)を、室温で、わずか1atmのHを用いて、溶液中、例えば、限定するものではないが、ジクロロメタン(DCM)中約1重量%触媒で、シクロポリアルキンの水素化のために使用して、完全に水素化されたポリマーをもたらすことができる。
【0030】
【化4】
【0031】
実施形態において、水素の欠乏を水素化混合物中に含めることができ、大環状ポリアルケンは、以下のスキーム3に示すように、大環状ポリ(アルケン-コ-アルカン)に変換することができ、n/2(x+y)+5モル当量の水素が、大環状ポリアルケンと反応する。
【0032】
【化5】
【0033】
実施形態において、以下のスキーム4に示すように、1つ以上の非環状アルキンを、任意選択的に、1つ以上の環状アルキンと重合または共重合させて、環状ポリ(シクロアルケン)を形成することができる。以下のスキーム4に示すように、大環状ポリ(シクロアルケン)を水素化して大環状ポリ(シクロアルカン)を形成することができる。大環状ポリ(シクロアルケン)は、大過剰の、例えば、限定するものではないが2倍、4倍、6倍、8倍、10倍、20倍、または100倍過剰のエチレンまたは他のアルケンを用いるオレフィンメタセシスのための共試薬として使用して、大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)の大環状骨格が、形成される大環状ポリ(シクロアルケン)の骨格よりも7+y倍大きい、スキーム4に示したより大きな大環状環サイズを有する大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)を形成することができる。大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)は、ビシナルアルケン-C(=CR)-基として存在する、大員環の骨格上に単一の炭素のみを有するアルケン結合を含有する。スキーム4では、最小のアルケンであるエチレンによるメタセシスを示しているが、これに限定されない。グラブス第1世代、グラブス第2世代、ホベイダ-グラブス第1世代、またはホベイダ-グラブス第2世代の触媒を含むが、それらに限定されない任意のメタセシス触媒を使用することができる。スキーム4に示すように、続いて、より大きな大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)を水素化して、大環状ポリ(アルカン)を形成することができる。
【0034】
【化6】
【0035】
より大きな大環状環サイズのビシナル-C(=CR)-基を有する大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)が、部分的にのみ水素化されるとき、得られる大環状ポリ(アルケン-コ-アルカン)は、比較的少数のエン単位を有し、残りのエンの大部分は、孤立した-C(=CR)-基である。孤立した-C(=CR)-を有する大環状ポリ(アルケン-コ-アルカン)が、オレフィンメタセシス触媒と組み合わされると、以下のスキーム5に示すように、ポリ(大環状ポリアルカン-コ-アルケン)が、大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)マクロマー間にC=C架橋が生じる所で形成される。説明をわかりやすくするために、スキーム5は、線状ポリ(大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン))として作図されているが、超分岐構造は、大環状重合の程度が2より大きいときに、九分通り形成される。非水素化環状ポリアルケンを含む水素化の程度に応じて、得られるポリ大環状ポリアルカンは、超分岐であり得るか、またはネットワークが形成され得る。メタセシスが比較的希薄な溶液で行われるとき、メタセシスは分子内のみで起こる可能性があり、以下のスキーム6に示すように、二大環状、三大環状、またはより大きな多大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)を形成し、C=C架橋は、大環状ポリアルカンまたはポリ(アルカン-コ-アルケン)のアルケン繰り返し単位の間に形成される。続いて、二大環状、三大環状、またはより大きな多大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)の水素化により、二大環状、三大環状、またはより大きな多大環状ポリ(アルカン)が形成され得る。スキーム5のポリ(大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン))は、いくつかの二大環状、三大環状、またはより大きな多大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)を含有することができるか、またはポリ(大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン))に含まれた分子内メタセシスから形成された多大環状繰り返し単位を有することができる。
【0036】
【化7】
【0037】
【化8】
【0038】
重合触媒
【0039】
環状ポリ(アルケン)の重合または共重合を実施するための触媒は、Veigeらの米国特許第9,206,266号に開示されているように、テトラアニオン性ピンサー配位子担持メタロシクロアルキレン錯体を使用して実行することができる。テトラアニオン性ピンサー配位子が担持されたメタロシクロアルキレン錯体は、以下の構造を有する:
【0040】
【化9】
【0041】
式中、Rは、独立して、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、t-ブチル、C~C22アルキル、フェニル、ナフチル、C13~C22アリール、置換アリール、もしくはトリメチルシリルであることができ、Rは、Hもしくはメチルであり、Xは、OR 、NR 、SR 、PR 、もしくはSeR であり、Rは、独立して、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、t-ブチル、C~C22アルキル、フェニル、ナフチル、C13~C22アリールであり、または2つのRは、複素環として単一のXと組み合わされたC~Cアルキレンであり、nは、Xに応じて1~3であり、およびMは、+6酸化状態のW、Cr、またはMoから選択することができる。実施形態において、金属はWを含む。
【0042】
図3に示すように、錯体1は前触媒であり、錯体1を過剰の3,3-ジメチル-1-ブチンで処理することにより錯体4に変換することができる。触媒である錯体4は、定量的に単離可能な収率でのみ形成する。
【0043】
本開示の具体的に企図される実施形態を、本明細書において以下の段落で説明する。これらの実施例は、本質的に説明を意図し、限定を意図するものではない。
【0044】
鎖末端を有しておらず、かつ、構造-RC=CR-を有する少なくとも2つの異なる繰り返し単位を含む大員環の形態である共役ポリアルケンを含む、大環状ポリアルケンコポリマーであって、式中、Rは、独立して、H、置換または非置換C~C30アルキル(但し、すべてのRが、非置換C~C30アルキルであるとき、少なくとも1つのRは、C、C、C、またはC13アルキルではない);複数のアルケン結合が非共役、共役、またはそれらの混合であり得る1つ以上のアルケン結合を有する置換または非置換C~C30アルケニルであるか、あるいは、2つのR基が、C~C30シクロアルケンとして組み合わされ、シクロアルケンのアルキレン部分が、置換もしくは非置換であり、かつ/またはO、NR’、C(O)、C(O)O、および/またはC(O)NR”で1回以上中断され、式中、R’および/もしくはR”は、存在するとき、各々独立して、H、C~C30アルキル、またはC~C30アルケニルである。
【0045】
以下の構造を有する、段落[0034]に記載の大環状ポリアルケンコポリマーであって、
【0046】
【化10】
【0047】
構造中のRおよびR’は各々独立して、段落[0034]で定義したRであり、n、x、およびyは、独立して、1~100の整数である、大環状ポリアルケンコポリマー。
【0048】
n、x、およびyの各々が、独立して、1~50の整数である、段落[0035]に記載の大環状ポリアルケンコポリマー。
【0049】
n、x、およびyの各々は、独立して、1~25の整数である、段落[0035]または[0036]に記載の大環状ポリアルケンコポリマー。
【0050】
少なくとも1つのRが、置換C~C30アルキルであり、置換C~C30アルケニルであり、それは、ヒドロキシ、C~C30アルコキシ、C~C14アリールオキシ、C~C30アリールアルキルオキシ、C~C30アルケニルオキシ、C~C30アルキニルオキシ、C~C30アリールアルケニルオキシ、C~C30アリールアルキニルオキシ、COH、C~C30アルキルエステル、C~C15アリールエステル、C~C30アルキルアリールエステル、C~C30アルケニルエステル、NH、C~C30アルキルアミノ、C~C14アリールアミノ、C~C30(アルキル)アミノ、C~C30アルケニルアミノ、C~C30アルキニルアミノ、C~C30(アリールアルケニル)アミノ、C~C30(アリールアルキニル)アミノ、C~C30ジアルキルアミノ、C12~C28ジアリールアミノ、C~C30ジアルケニルアミノ、C~C30ジアルキニルアミノ、C~C30アリール(アルキル)アミノ、C~C30ジ(アリールアルキル)アミノ、C~C30アルキル(アリールアルキル)アミノ、C15~C30アリール(アリールアルキル)アミノ、C~C30アルケニル(アリール)アミノ、C~C30アルキニル(アリール)アミノ、C(O)NH、C~C30アルキルアミド、C~C14アリールアミド、C~C30(アリールアルキル)アミド、C~C30ジアルキルアミド、C12~C28ジアリールアミド、C~C30アリール(アルキル)アミド、C15~C30ジ(アリールアルキル)アミド、C~C30アルキル(アリールアルキル)アミド、C16~C30アリール(アリールアルキル)アミド、チオール、C~C30ヒドロキシアルキル、C~C14ヒドロキシアリール、C~C30ヒドロキシアリールアルキル、C~C30ヒドロキシアルケニル、C~C30ヒドロキシアルキニル、C~C30ヒドロキシアリールアルケニル、C~C30ヒドロキシアリールアルキニル、C~C30ポリエーテル、C~C30ポリエーテルエステル、C~C30ポリエステル、C~C30ポリアミノ、C~C30ポリアミノアミド、C~C30ポリアミノエーテル、C~C30ポリアミノエステル、またはC~C30ポリアミドエステルで置換される、段落[0034]~[0037]のいずれか1つに記載の大環状ポリアルケンコポリマー。
【0051】
各Rが、独立して、H、置換または非置換C~C30アルキル、または置換または非置換C~C30アルケニルである、段落[0034]~[0037]のいずれか1つに記載の大環状ポリアルケンコポリマー。
【0052】
各Rが、独立して、H、または置換もしくは非置換C1~3、C、C12、もしくはC14~30アルキルである、段落[0034]~[0037]のいずれか1つに記載の大環状ポリアルケンコポリマー。
【0053】
構造-RHC-CHR-を有するアルカン繰り返し単位および任意選択的に構造-RC=CR-または-C(=CR)-を有するアルケン繰り返し単位を含み、存在する場合、-RC=CR-アルケン繰り返し単位のRは、アルカン繰り返し単位のうちの少なくとも1つのR単位と同じである、大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)であって、Rは、独立して、H、置換もしくは非置換C~C30アルキルであり(または、アルケン繰り返し単位が存在しないとき、もしくは1つの非置換アルカン繰り返し単位のみ、もしくは-HC-CH-繰り返し単位を有するコポリマーを含むとき、Rは、C1~3、C、C8~12、もしくはC14~30である);複数のアルケン結合が非共役、共役、もしくはそれらの混合であり得る1つ以上のアルケン結合を有する置換もしくは非置換C~C30アルケニルであり、あるいは、2つのR基が、C~C30シクロアルカンおよび/またはシクロアルケンとして組み合わされ、シクロアルカンおよび/またはシクロアルケンのアルキレン部分が、置換もしくは非置換であり、かつ
/もしくはO、NR’、C(O)、C(O)O、および/もしくはC(O)NR”で1回以上中断され、式中、R’および/またはR”は、存在するとき、各々独立して、H、C1~30アルキル、C~C30アルケニルである、大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【0054】
【化11】
【0055】
の構造を有し、その構造中のRおよびR’が各々独立して、段落[0041]で定義したRであり、n、x、およびyの各々が、1~100の整数である、段落[0041]に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【0056】
n、x、およびyの各々が、独立して、1~50の整数である、段落[0042]に記載の大環状ポリアルケンコポリマー。
【0057】
n、x、およびyの各々は、独立して、1~25の整数である、段落[0042]または[0043]に記載の大環状ポリアルケンコポリマー。
【0058】
少なくとも1つのRが、置換C~C30アルキル、または置換C~C30アルケニルであり、それが、単数または複数置換されていて、各置換が、独立して、ヒドロキシ、C~C30アルコキシ、C~C14アリールオキシ、C~C30アリールアルキルオキシ、C~C30アルケニルオキシ、C~C30アルキニルオキシ、C~C30アリールアルケニルオキシ、C~C30アリールアルキニルオキシ、COH、C~C30アルキルエステル、C~C15アリールエステル、C~C30アルキルアリールエステル、C~C30アルケニルエステル、NH、C~C30アルキルアミノ、C~C14アリールアミノ、C~C30(アルキル)アミノ、C~C30アルケニルアミノ、C~C30アルキニルアミノ、C~C30(アリールアルケニル)アミノ、C~C30(アリールアルキニル)アミノ、C~C30ジアルキルアミノ、C12~C28ジアリールアミノ、C~C30ジアルケニルアミノ、C~C30ジアルキニルアミノ、C~C30アリール(アルキル)アミノ、C~C30ジ(アリールアルキル)アミノ、C~C30アルキル(アリールアルキル)アミノ、C15~C30アリール(アリールアルキル)アミノ、C~C30アルケニル(アリール)アミノ、C~C30アルキニル(アリール)アミノ、C(O)NH、C~C30アルキルアミド、C~C14アリールアミド、C~C30(アリールアルキル)アミド、C~C30ジアルキルアミド、C12~C28ジアリールアミド、C~C30アリール(アルキル)アミド、C15~C30ジ(アリールアルキル)アミド、C~C30アルキル(アリールアルキル)アミド、C16~C30アリール(アリールアルキル)アミド、チオール、C~C30ヒドロキシアルキル、C~C14ヒドロキシアリール、C~C30ヒドロキシアリールアルキル、C~C30ヒドロキシアルケニル、C~C30ヒドロキシアルキニル、C~C30ヒドロキシアリールアルケニル、C~C30ヒドロキシアリールアルキニル、C~C30ポリエーテル、C~C30ポリエーテルエステル、C~C30ポリエステル、C~C30ポリアミノ、C~C30ポリアミノアミド、C
~C30ポリアミノエーテル、C~C30ポリアミノエステル、またはC~C30ポリアミドエステルである、段落[0041]~[0044]のいずれか1つに記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【0059】
各Rが、独立して、H、置換もしくは非置換C~C30アルキル、または置換もしくは非置換C~C30アルケニルであり、但し、すべてのRが、非置換C~C30アルキルであるとき、少なくとも1つのRは、C、C、C、またはC13アルキルではない、段落[0041]~[0044]のいずれか1つに記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【0060】
各Rが、独立して、H、または置換もしくは非置換C1~3、C、C12、もしくはC14~30アルキルである、段落[0041]~[0044]のいずれか1つに記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【0061】
大環状ポリアルカンが、C~C30シクロアルカン繰り返し単位を有する、段落[0041]~[0044]のいずれか1つに記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【0062】
大環状ポリアルカンが、大環状ポリプロピレンである、段落[0041]~[0044]のいずれか1つに記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【0063】
大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)が、ビシナル-C(=CR)-基を含む、段落[0041]~[0044]のいずれか1つに記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【0064】
構造
【0065】
【化12】
【0066】
を有し、構造中に描かれたH原子が、Hであることができるか、または段落[0041]で定義した別のR基であることができ、nおよびyの各々が、1~100の整数である、段落[0050]に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【0067】
各yが、独立して、1~20の整数であり、nが、1~50の整数である、段落[0051]に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【0068】
各yが、独立して、1~10の整数であり、nが、1~25の整数である、段落[00
44]または[0052]に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【0069】
各yが、独立して、1~5の整数であり、nが、1~10の整数である、段落[0051]~[0053]のいずれか1つに記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【0070】
大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)が、ビシナル-C(CHR)-基を含む、段落[0041]~[0054]のいずれか1つに記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン。
【0071】
各Rが、独立して、H、置換または非置換C~C30アルキル、または置換または非置換C~C30アルケニルである、段落[0051]~[0055]のいずれか1つに記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【0072】
各Rが、独立して、H、または置換もしくは非置換C1~3、C、C12、もしくはC14~30アルキルである、段落[0051]~[0055]のいずれか1つに記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【0073】
大環状ポリアルカンが、ポリマー骨格中にC~C30シクロアルカン繰り返し単位を有する、段落[0051]~[0055]のいずれか1つに記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【0074】
構造
【0075】
【化13】
【0076】
を有し、各Yおよびnが、独立して、1~100の整数である、段落[0058]に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【0077】
各yが、独立して、1~20の整数であり、nが、1~50の整数である、段落[0059]に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【0078】
各yが、独立して、1~10の整数であり、nが、1~25の整数である、段落[0058]または[0059]に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【0079】
各yが、独立して、1~5の整数であり、nが、1~10の整数である、段落[0059]~[0061]のいずれか1つに記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【0080】
複数の大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)間にC=C架橋をさらに含み、ポリ(大
環状ポリ(アルカン-コ-アルケン))を形成する、段落[0041]~[0057]のいずれか1つに記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【0081】
二大環状、三大環状、および/または多大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)の形態で、大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)のアルケン繰り返し単位間に1つ以上のC=C架橋をさらに含む、段落[0041]~[0057]のいずれか1つに記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【0082】
段落[0041]~[0064]のいずれか1つに記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)を形成する方法であって、水素化触媒の存在下で大環状ポリアルケンと水素を反応させて、ポリアルカンまたはポリ(アルカン-コ-アルケン)を形成することと、大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)を単離することと、を含む、方法。
【0083】
水素が、大環状ポリアルケンの少なくともモル当量の量で提供され、それによりポリアルカンを形成する、段落[0065]に記載の方法。
【0084】
水素が、大環状ポリアルケンのモル当量未満の量で提供され、それによりポリ(アルカン-コ-アルケン)を形成する、段落[0065]に記載の方法。
【0085】
段落[0050]~[0056]のいずれか1つに記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)を形成する方法であって、大環状ポリ(シクロアルケン)を過剰のアルケンおよびオレフィンメタセシス触媒と反応させ、それによりビシナル-C(=CR)-基を含む大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)を形成することと、任意選択的に、その大環状ポリアルカン、または-C(=CR)-基を含むその大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)を単離することと、を含む、方法。
【0086】
ビシナル-C(=CR)-基を含む大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)と水素を水素化触媒の存在下で反応させ、それにより、大環状ポリアルカン、または孤立した-C(=CR)-基を含む大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)を形成することと、任意選択的に、その大環状ポリアルカン、または-C(=CR)-基を含むその大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)を単離することと、をさらに含む、段落[0068]に記載の方法。
【0087】
孤立した-C(=CR)-基を含む大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)をオレフィンメタセシス触媒と組み合わせることと、孤立した-C(=CR)-基を縮合させて、ポリ(大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン))を形成するために大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)繰り返し単位間にC=C結合を含むポリ(大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン))を形成することと、任意選択的に、ポリ(大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン))を単離することと、をさらに含む、段落[0069]に記載の方法。
【0088】
水素化触媒の存在下で、ポリ(大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン))を水素と組み合わせ、それにより、ポリ(大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン))を水素化して、ポリ(大環状ポリ(アルカン))を形成すること、をさらに含む、段落[0070]に記載の方法。
【0089】
孤立した-C(=CR)-基を含む大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)の希釈溶液をオレフィンメタセシス触媒と組み合わせることと、孤立した-C(=CR)-基を縮合させて、二大環状、三大環状、および/または多大環状ポリ(アルカン-コ-アルケ
ン)を形成することと、をさらに含む、段落[0069]に記載の方法。
【0090】
水素化触媒の存在下で、二大環状、三大環状、および/または多大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)を水素と組み合わせ、それにより、二大環状、三大環状、および/または多大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)を水素化して、二大環状、三大環状、および/または多大環状ポリ(アルカン)を形成すること、をさらに含む、段落[0072]に記載の方法。
定義
【0091】
本明細書で使用されるとき、「アルキル」という用語は、1~30個の炭素原子、例えば1~20個の炭素原子、または1~10個の炭素原子を含有する線状および分枝状の飽和炭化水素基を指す。Cという用語は、アルキル基が「n」個の炭素原子を有することを意味している。例えば、Cアルキルは、4個の炭素原子を有するアルキル基を指す。Cアルキルとは、全範囲(すなわち、1~7個の炭素原子)、ならびにすべてのサブグループ(例えば、1~6、2~7、1~5、3~6、1、2、3、4、5、6、および7個の炭素原子)を包含する炭素原子数を有するアルキル基を指す。アルキル基の非限定的な例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル(2-メチルプロピル)、t-ブチル(1,1-ジメチルエチル)、3,3-ジメチルペンチル、および2-エチルヘキシルが挙げられる。特に明記しない限り、アルキル基は、非置換アルキル基または置換アルキル基であり得る。
【0092】
本明細書で使用されるとき、「アルキレン」という用語は、置換基を有するアルキル基などの二価飽和脂肪族ラジカルを指す。例えば、「アルキレンアリール」という用語は、アリール基で置換されたアルキル基を指す。Cという用語は、アルキレン基が「n」個の炭素原子を有することを意味している。例えば、C1~6アルキレンとは、「アルキル」基について前述したように、全範囲ならびにすべてのサブグループを包含する炭素原子数を有するアルキレン基を指す。
【0093】
本明細書で使用されるとき、「アルケニル」という用語は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含有し、2~30個の炭素原子、例えば、2~20個の炭素原子、または2~10個の炭素を有することを除いて、「アルキル」と同様に定義される。Cという用語は、アルケニル基が「n」個の炭素原子を有することを意味している。例えば、Cアルケニルとは、4個の炭素原子を有するアルケニル基を指す。C2~7アルケニルとは、全範囲(すなわち、2~7個の炭素原子)、ならびにすべてのサブグループ(例えば、2~6、2~5、3~6、2、3、4、5、6、および7個の炭素原子)を包含する炭素原子数を有するアルケニル基を指す。具体的に企図されるアルケニル基としては、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、およびブテニルが挙げられる。特に明記しない限り、アルケニル基は、非置換アルケニル基または置換アルケニル基であることができる。
【0094】
本明細書で使用されるとき、「アルキニル」という用語は、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を含有し、2~30個の炭素原子、例えば、2~20個の炭素原子、または2~10個の炭素を有することを除いて、「アルキル」と同様に定義される。Cという用語は、アルキニル基が「n」個の炭素原子を有することを意味している。例えば、Cアルキニルとは、4個の炭素原子を有するアルキニル基を指す。C2~7アルキニルとは、全範囲(すなわち、2~7個の炭素原子)、ならびにすべてのサブグループ(例えば、2~6、2~5、3~6、2、3、4、5、6、および7個の炭素原子)を包含する炭素原子数を有するアルキニル基を指す。具体的に企図されるアルキニル基としては、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、およびブチニルが挙げられる。特に明記しない限り、アルキニル基は、非置換アルキニル基または置換アルキニル基であることができる。
【0095】
本明細書で使用されるとき、「シクロアルキル」という用語は、3~8個の炭素原子(例えば、3、4、5、6、7、または8個の炭素原子)を含有する脂肪族環式炭化水素基を指す。Cという用語は、シクロアルキル基が「n」個の炭素原子を有することを意味している。例えば、Cシクロアルキルとは、環に5個の炭素原子を有するシクロアルキル基を指す。C5~8シクロアルキルとは、全範囲(すなわち、5~8個の炭素原子)、ならびにすべてのサブグループ(例えば、5~6、6~8、7~8、5~7、5、6、7、および8個の炭素原子)を包含する炭素原子数を有するシクロアルキル基を指す。シクロアルキル基の非限定的な例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルが挙げられる。特に明記しない限り、シクロアルキル基は、非置換シクロアルキル基または置換シクロアルキル基であることができる。本明細書に記載のシクロアルキル基は、単離することができるか、または別のシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、および/またはヘテロアリール基に融合させることができる。
【0096】
本明細書で使用されるとき、「シクロアルケニル」という用語は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含有することを除いて「シクロアルキル」と同様に定義されるが、芳香族ではない。Cという用語は、シクロアルケニル基が「n」個の炭素原子を有することを意味している。例えば、Cシクロアルケニルは、環に5個の炭素原子を有するシクロアルケニル基を指す。C5~8シクロアルケニルとは、全範囲(すなわち、5~8個の炭素原子)、ならびにすべてのサブグループ(例えば、5~6、6~8、7~8、5~7、5、6、7、および8個の炭素原子)を包含する炭素原子数を有するシクロアルケニル基を指す。シクロアルケニル基の非限定的な例としては、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、およびシクロオクテニルが含まれる。特に明記しない限り、シクロアルケニル基は、非置換シクロアルケニル基または置換シクロアルケニル基であることができる。
【0097】
本明細書で使用されるとき、「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」という用語は、「-OH」基を指す。
【0098】
本明細書で使用されるとき、「アルコキシ」または「アルコキシル」という用語は、「-O-アルキル」基を指す。本明細書で使用されるとき、「アリールオキシ」または「アリールオキシル」という用語は、「-O-アリール」基を指す。
【0099】
本明細書で使用されるとき、「ハロ」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードとして定義される。
【0100】
本明細書で使用されるとき、「カルボキシ」または「カルボキシル」という用語は、「-COOH」基を指す。
【0101】
本明細書で使用されるとき、「アミノ」という用語は、任意の水素を、アルキル、シクロアルキル、またはアリール基で置き換えることができる-NHまたは-NH-基を指す。本明細書で使用されるとき、「アミド」という用語は、カルボニル部分で置換されているアミノ基を指す(例えば、-NRC(=O)O-または-OC(=O)-NR-)、式中、Rは、窒素上の置換基(例えば、アルキルまたはH)である。
【0102】
本明細書で使用されるとき、「エステル」という用語は、-RC(=O)OR-基を指し、1つのRは、炭素上の置換基(例えば、アルキルまたはアリール)であり、1つのRは、酸素上の置換基である。本明細書で使用されるとき、「エーテル」という用語は、-ROR-基を指し、両方のRは、酸素上の置換基(例えば、アルキルまたはアリール)である。
【0103】
本明細書で使用されるとき、「アリール」という用語は、単環式または多環式(例えば、融合二環式および融合三環式)炭素環式芳香族環系を指す。アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、フェナントレニル、ビフェニレニル、インダニル、インデニル、アントラセニル、およびフルオレニルが挙げられるが、それらに限定されない。特に明記しない限り、アリール基は、非置換アリール基または置換アリール基であることができる。
【0104】
本明細書で使用されるとき、「置換」という用語は、化学官能基を修飾するために使用されるとき、官能基上の少なくとも1つの水素ラジカルを置換基で置き換えることを指す。置換基としては、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、ヘテロシクロアルキル、エーテル、ポリエーテル、チオエーテル、ポリチオエーテル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシル、オキシ、アルコキシ、ヘテロアルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、エステル、チオエステル、カルボキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、アミド、アセトアミド、およびハロ(例えば、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨード)を挙げることができるが、それらに限定されない。化学官能基が複数の置換基を含むとき、その置換基は、同じ炭素原子または2つ以上の異なる炭素原子に結合することができる。
材料および方法
【0105】
以下の実施例は、例示のために提供され、本発明の範囲を限定することは意図されない。
【0106】
特に明記しない限り、すべての操作は、グローブボックス技術を使用して不活性雰囲気下で行った。GlassCountour乾燥カラムを使用して、トルエンを乾燥させた。シクロヘキサン、4-メチル-1-ペンチン、および1-ペンチンは、Sigma-Aldrichから購入し、水素化カルシウムで蒸留し、凍結ポンプ解凍によって脱気し、使用直前に塩基性アルミナのカラムで濾過した。10%カーボン上の乾燥パラジウムは、Alfa Aesarから購入し、さらに精製することなく使用した。公開された手順に従って、テトラアニオン性ピンサー配位子担持タングステン触媒を調製した。C.Roland,H.Li,K.Abboud,K.Wagener,A.Veige,Nature Chemistry 2016,8,791を参照されたい。Hおよび13C NMRスペクトルを、Varian INOVA分光計(500MHz)で得た。δ(ppm)で報告される化学シフトは、Hおよび13Cに関して、溶媒を基準とし、TMSスケールを基準とした。
【0107】
サイズ排除クロマトグラフィーは、THFで35℃、流速1.0mL/分で行った(Agilentアイソクラティックポンプ、デガッサー、およびオートサンプラー、カラム:3つのPLgel 5μm MIXED-D混床カラム、分子量範囲200~400,000g/mol)。検出は、658nmで作動するWyatt Optilab rEX屈折率検出器、656nmで作動するWyatt miniDAWN Treos光散乱検出器、およびWyatt ViscoStar-II粘度計で構成した。絶対分子量および分子量分布は、Wyatt ASTRAソフトウェアを使用して計算した。赤外線スペクトルは、シングルバウンス、ダイヤモンドステージ減衰全反射(ATR)アクセサリを備えたThermo Nicolet 5700 FT-IR分光計で収集した。
【0108】
示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムは、DSC Q1000(TA機器)によって得た。典型的には、4~6mgの試料をまとめて、10℃分-1の加熱・冷却・加熱サイクルを通過させる密閉パンに加えた。報告したデータは、第2の完全なサイクルからのものである。温度範囲は0~250℃である。熱重量分析(TGA)は、TGA Q50
00(TA Instruments)を用いて窒素下で測定した。約10~15mgの各試料を、加熱し、100~100℃で50~75分間保持した。次いで、これらの試料の5mg部分を、20℃分-1で、25~600℃まで加熱した。UV-visスペクトルは、Varian Cary 100 UV-Vis分光計(Agilent Technologies,Santa Clara,CA,USA)で得た。スピニングコーティングには、スピニングコーター(Model No.6204-A,Integrated technologies)を使用した。スピンコーティングは、10秒間加速し、1000rpmで30秒間行った。
実施例1:大環状ポリ(プロピン)およびポリプロピレン
【0109】
プロピンの重合は、プロピンガスを3分間泡立てることによって形成されたプロピン飽和乾燥THF中で実施した。セプタムを通しての反応フラスコ中へのタングステン触媒である錯体4の注入によって、重合を開始させた。その溶液は、すぐにオレンジ色になり、粘度が増加し、温度が上昇した。15分後に乾燥した無酸素のメタノールを加えると、重合が停止し、ポリマーが沈殿した。それを一晩乾燥させると、繊維状材料が形成された。ポリマーのH NMRスペクトルは、オレフィンプロトンについて4.6~6.5ppmの幅広いシグナルを示した。幅広いシグナルは、5.9ppmで最大値を含み、ポリプロピンのトランス異性体プロトンに起因している。メチルプロトンは、0.89ppmおよび1.79ppmを中心とする幅広い信号として現れ、13C{H}NMRスペクトルは、sp炭素を示す135.1ppmの共鳴を含んでいた。これらの帰属は、線状ポリプロピンの以前の報告と一致した。モノマー対触媒の比率を変えると、分子量が14~154KDaの環状ポリプロピンが生成した。
【0110】
ポリプロピンの水素化により、アタクチック環状ポリプロピレンが生成し、水素化ポリマーのHおよび13C{H}NMRスペクトルによって確認すると、それぞれ5.9ppmのメチンプロトンシグナルおよび135.1ppmのsp炭素シグナルの消失を示した。さらに、IRスペクトルにおける1017(シス)および954(トランス)cm-1でのC=Cストレッチの損失は、ポリプロピンの水素化が成功したことをさらに実証した。
【0111】
GPC分析により、環状ポリプロピレンの溶液特性を市販のアモルファス線状ポリプロピレンの特性と比較し、ポリマー環状トポロジーに関する証拠を提供した。より小さい流体力学的体積では、図1に示すlog MW対溶出体積のプロットに示されているように、環状ポリマーはそれらの線状対応物より遅く溶出した。
【0112】
環状ポリプロピレン鎖の形成は、粘度計を備えたGPCを用いて、THFにおける環状対線状ポリプロピレンの固有粘度に表れる。log[η]がlog Mに対してプロットされた図2に示したMark-Houwink-Sakuradaプロットに示すように、環状ポリマーは全体の寸法が小さいため、同じ分子量の線状の類似ポリマーと比較すると、より低い固有粘度を示した。[η]は固有粘度であり、Mは粘度平均モル質量であった。実験比[η]環状/[η]線状=固有粘度0.34±0.03は、理論比0.4とよく一致した。環状および線状ポリマーで観察されたMark-Houwinkパラメーターは同等であり、固有粘度の違いは明確な立体構造に起因しないことを示した。
【0113】
典型的には、線状アタクチックポリプロピレンのTg値は-10℃~5℃の範囲である。環状ポリプロピレンは、平均分子量が異なる複数の試料で高いTg値を示しました。以下の表1は、アタクチック環状ポリプロピレンが20~52℃の範囲で異常に高いTgを有していたことを示している。環状ポリプロピレンは、アタクチック線状ポリプロピレンによって示される油性または粘着性固体ではなく、固体組成物を示した。
【0114】
【表1】
【0115】
したがって、実施例1は、本開示による大環状ポリ(アルケン)および大環状ポリ(アルカン)の調製を実証する。実施例1はさらに、大環状ポリ(アルカン)が、市販のアモルファス線状ポリ(アルカン)よりも小さい流体力学的体積、同じ分子量を有する線状類似ポリマーよりも低い固有粘度、および線状アタクチックポリ(アルカン)よりも高いTg値を有することを実証する。
実施例2:大環状ポリ(4-メチル-1-ペンテン)
【0116】
不活性雰囲気のグローブボックス内で、トルエン(2.0mL)および4-メチル-1-ペンチン(600μL、5.0mmol)を撹拌棒を備えたガラスバイアルに加えて、無色のモノマー溶液を得た。周囲温度でマイクロピペットによる1ショットで、モノマー溶液に対して1700:1の比率でタングステン触媒である錯体4の原液を注入すると、重合が開始した。重合は急速で発熱があった。溶液の色は、直ちに明るい黄色(触媒)から明るいオレンジ色に変わった。30分後、反応溶液を10倍過剰の撹拌脱気メタノールに滴加すると、オレンジ色の沈殿物が生じた。アルゴン流下での真空濾過、その後の真空下での一晩の乾燥により、環状ポリ(4-メチル-1-ペンチン)(cPMPy)が、収率95.5%で、5.80x10のMおよび3.76の分散度Dで得られた。H NMR(CDCl,300MHz)δ(ppm):6.3-5.5(b,1H,CH=C),2.5-1.1(bm,3H,CH-CH),1.0-0.5(b,6H,CH).13C NMR(CDCl,500MHz)δ(ppm):140.0-122.8(m,HC=C(C)),41.23(s,CH),27.16(s,CH),22.70(s,CH).
【0117】
不活性雰囲気のグローブボックス内で、撹拌棒を備えた20mLのガラスバイアルにおいて、365mgのcPMPy(4.5mmol)を、5.0mLの無水シクロヘキサンで溶解して、オレンジ色の粘性溶液を得た。10%炭素(乾燥)上182mg(ポリマーに対して50重量%)のパラジウムを、水素化触媒として、ポリマー溶液に加えて、黒色の反応混合物を得た。そのガラスバイアルをゴム製セプタムで密封して、高圧反応槽で溶媒が漏れないようにした。セプタムに針を通すと、水素ガスが移動した。次いで、バイアルを300mLのParr高圧ステンレス鋼反応槽中に移した。反応槽に1000PsiのHを充填し、90℃に保って水素化プロセスを開始した。4週間の反応時間にわたって、15重量%のPd/Cを5日ごとに反応混合物に加え、反応温度をゆっくりと130℃に上げ、>99%の水素化効率を得た。水素化後、反応混合物をフリット漏斗のセライトに通して濾過して、Pd/C触媒を除去し、無色の濾液を得た。その濾液を濃縮し、10倍過剰の撹拌メタノールに滴加して、白色沈殿物を得た。真空濾過および真空下での一
晩の乾燥により、水素化環状ポリ(4-メチル-1-ペンチン)(cPMP)が、収率79.6%で、1.49×10のMおよび1.85の分散度Dで得られた。H NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm):4.50(s,0.01H,CH=),0.9-2.5(bm,6H,-(CH-CH)-CH-CH(CH),0.86(b,6H,CH).13C NMR(CDCl,500MHz)δ(ppm):140.0-122.8(m,HC=C(C)),45.32(s,(CH-CH)),41.24(s,CH-CH(CH),30.63(s,(CH-CH)),30.41(s,CH(CH),22.56(s,CH).
【0118】
静的ディスペンススピンコーティング手法を用いて、cPMPをガラススライド上にスピンコートした。25mgのcPMPを1mLのTHFに溶解し、無色透明の溶液を得た。清浄なガラススライドをスピンコーターに取り付け、cPMP溶液をピペットによってスライドガラス上に移した。スピンコーターは、0から1000rpmまで10秒の加速時間および1000rpmの速度で回転時間30秒回転させて、cPMPの薄膜をスライドガラスに効率よくスピンコートした。
【0119】
ガラススライド上にスピンコートされたcPMP薄膜のUV-visスペクトルは、ブランク参照として透明なガラススライドを備えたUV-Vis分光計によって得た。UV-visスペクトルは、300~800nm領域での薄膜の吸光度を明らかにした。方程式:A=2-log10(%T)を使用して吸光度(A)を透過率(T)に変換すると、cPMPは、300~800nmの領域にわたって高い透明度(>95%)を示す。
【0120】
DSC研究には3.2020mgのcPMPを使用し、cPMPの5%重量損失温度は287.6(±0.1℃)であることが分かった。次いで、2.000mgのcPMPをTGA研究に供し、cPMPのガラス転移温度が39.4(±0.1℃)であることが明らかになった。
【0121】
したがって、実施例2は、本開示による大環状ポリ(アルケン)および大環状ポリ(アルカン)の調製を実証している。さらに、実施例2は、スピンコーティングによって基板に塗布される大環状ポリマーが透明度の高い薄膜を提供する能力を実証している。
実施例3:大環状ポリ(1-ペンチン)
【0122】
不活性雰囲気のグローブボックス内で、トルエン(50.0mL)および1-ペンチン(21.7mL、15.00g、0.22mol)を、撹拌棒を備えた250mLの丸底フラスコに加えて、無色のモノマー溶液を得た。1.858mLのタングステン触媒である錯体4の原液(5.2mg/mL)を、モノマー溶液に17,500:1の比率で、周囲温度において、1ショットで添加して、重合を開始させた。重合は急速で発熱があった。反応フラスコは非常に熱くなり、溶媒とモノマーの一部が蒸発した。溶液は、粘性になり、数分でゲルに変わり、黄色(触媒色)からオレンジ色に変わった。60分後、ポリマーゲルを10倍過剰の撹拌脱気メタノールに移し、オレンジ色の粘着性固体を得た。メタノールをデカントした後、真空下で一晩乾燥させると、オレンジ色の粘着性固体の環状ポリ(1-ペンチン)(cPPy)が収率70.3%で得られた。H NMR(CDCl,300MHz)δ(ppm):5.81(bs,1H,CH=C),2.23(bs,2H,=C-CH),1.41(bs,2H,CH-CH),0.90(bs,3H,CH).
【0123】
不活性雰囲気のグローブボックス内で、撹拌棒を備えた300mLビーカーにおいて、10.20gの環状ポリ(1-ペンチン)(0.15mol)を、130.0mLの無水シクロヘキサンに溶解して、オレンジ色の粘性溶液を得た。10%炭素(乾燥)上5.10g(ポリマーに対して50重量%)のパラジウムを、水素化触媒として、ポリマー溶液
に加えて、黒色の反応混合物を得た。次いで、ビーカーを300mLのParr高圧ステンレス鋼反応槽中に移した。反応槽に1000PsiのHを充填し、90℃に保って水素化プロセスを開始させた。4週間の反応時間にわたって、15重量%のPd/Cを5日ごとに反応混合物に加え、反応温度をゆっくりと160℃に上げ、>99%の水素化効率を得た。水素化後、反応混合物をフリット漏斗のセライトに通して濾過して、Pd/C触媒を除去し、無色の濾液を得た。その濾液を濃縮し、10倍過剰の撹拌メタノールに滴加すると、溶液の底に、白色粘着性固体が得られた。その溶液をデカントし、得られた固体を真空下で一晩乾燥させると、2.9×10のMおよび1.57の分散度Dを有する水素化環状ポリ(1-ペンテン)が得られた。H NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm):1.53-0.97(bm,7H,(CH-CH)-CH-CH-),0.88(bt,3H,CH).
【0124】
したがって、実施例3は、本開示による大環状ポリ(アルケン)および大環状ポリ(アルカン)の調製を実証している。
【0125】
本明細書で言及または引用されたすべての特許は、本明細書の明示的な教示と矛盾しない範囲で、すべての図および表を含めて、その全体が参照により組み込まれる。本開示と組み込まれた特許、刊行物、および参考文献との間に矛盾がある場合、本開示が優先するものとする。
【0126】
本明細書に記載した実施例および実施形態は、単に例示を目的とし、それを踏まえた様々な修正または変更が、当業者に示唆され、本出願の趣旨および権限内に含まれることを理解すべきである。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2024-05-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)構造-RHC-CHR-を有するアルカン繰り返し単位および任意選択的に(b)構造-RC=CR-または-C(=CR)-を有するアルケン繰り返し単位を含む、大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)であって、
(i)-RC=CR-アルケン繰り返し単位が存在する場合、前記-RC=CR-アルケン繰り返し単位のRが、-RHC-CHR-単位のうちの少なくとも1つのR単位と同じであり、Rは、独立して置換もしくは非置換C~C30アルキルでありまたは
(ii)アルケン繰り返し単位が存在しない場合-RHC-CHR-単位のRは、置換C ~C 30 アルキル、非置換C 1-3 、C 、C 8-12 、またはC 14-30 アルキル;複数のアルケン結合が非共役、共役、もしくはそれらの混合であり得る1つ以上のアルケン結合を有する置換もしくは非置換C ~C 30 アルケニル;2つのR基が、C ~C 30 シクロアルカンおよび/またはシクロアルケンとして組み合わされ、前記シクロアルカンおよび/またはシクロアルケンのアルキレン部分が、置換もしくは非置換であり、かつ/もしくはO、NR’、C(O)、C(O)O、および/もしくはC(O)NR”で1回以上中断され、式中、R’および/またはR”は、存在するとき、各々独立して、H、C 1~30 アルキル、C ~C 30 アルケニルである;もしくは
(iii)-RC=CR-アルケン繰り返し単位が存在し、ポリ(アルカン-コ-アルケン)が1つの非置換アルカン繰り返し単位のみを含む場合、Rは、置換C ~C 30 アルキル、非置換C 1-3 、C 、C 8-12 、またはC 14-30 アルキル;複数のアルケン結合が非共役、共役、もしくはそれらの混合であり得る1つ以上のアルケン結合を有する置換もしくは非置換C ~C 30 アルケニル;2つのR基が、C ~C 30 シクロアルカンおよび/またはシクロアルケンとして組み合わされ、前記シクロアルカンおよび/またはシクロアルケンのアルキレン部分が、置換もしくは非置換であり、かつ/もしくはO、NR’、C(O)、C(O)O、および/もしくはC(O)NR”で1回以上中断され、式中、R’および/またはR”は、存在するとき、各々独立して、H、C 1~30 アルキル、C ~C 30 アルケニルである;もしくは
(iv)-HC-CH-繰り返し単位を有するコポリマーを含むとき、-RHC-CHR-アルケン繰り返し単位または-RHC-CHR-単位のRは、独立して置換C ~C 30 アルキル、非置換1~3、C、C8~12、もしくはC14~30 アルキル;複数のアルケン結合が非共役、共役、もしくはそれらの混合であり得る1つ以上のアルケン結合を有する置換もしくは非置換C~C30アルケニルでありあるいは、2つのR基が、C~C30シクロアルカンおよび/またはシクロアルケンとして組み合わされ、前記シクロアルカンおよび/またはシクロアルケンのアルキレン部分が、置換もしくは非置換であり、かつ/もしくはO、NR’、C(O)、C(O)O、および/もしくはC(O)NR”で1回以上中断され、式中、R’および/またはR”は、存在するとき、各々独立して、H、C1~30アルキル、C~C30アルケニルである、大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【請求項2】
大環状ポリアルカンが
【化1】

の構造を有し、前記構造中のRおよびR’が、各々独立して、置換C ~C 30 アルキル、非置換C 1-3 、C 、C 8-12 、またはC 14-30 アルキル;複数のアルケン結合が非共役、共役、もしくはそれらの混合であり得る1つ以上のアルケン結合を有する置換もしくは非置換C ~C 30 アルケニル;2つのR基が、C ~C 30 シクロアルカンおよび/またはシクロアルケンとして組み合わされ、前記シクロアルカンおよび/またはシクロアルケンのアルキレン部分が、置換もしくは非置換であり、かつ/もしくはO、NR’、C(O)、C(O)O、および/もしくはC(O)NR”で1回以上中断され、式中、R’および/またはR”は、存在するとき、各々独立して、H、C 1~30 アルキル、C ~C 30 アルケニルであり、n、x、およびyの各々が、1~100の整数である、請求項に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【請求項3】
n、x、およびyの各々が、独立して、1~50の整数である、請求項に記載の大環状ポリアルケンコポリマーまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)
【請求項4】
n、x、およびyの各々が、独立して、1~25の整数である、請求項またはに記載の大環状ポリアルケンコポリマーまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)
【請求項5】
少なくとも1つのRが、置換C~C30アルキル、または置換C~C30アルケニルであり、それが、単数または複数置換されていて、各置換が、独立して、ヒドロキシ、C~C30アルコキシ、C~C14アリールオキシ、C~C30アリールアルキルオキシ、C~C30アルケニルオキシ、C~C30アルキニルオキシ、C~C30アリールアルケニルオキシ、C~C30アリールアルキニルオキシ、COH、C~C30アルキルエステル、C~C15アリールエステル、C~C30アルキルアリールエステル、C~C30アルケニルエステル、NH、C~C30アルキルアミノ、C~C14アリールアミノ、C~C30アリールアルキル)アミノ、C~C30アルケニルアミノ、C~C30アルキニルアミノ、C~C30(アリールアルケニル)アミノ、C~C30(アリールアルキニル)アミノ、C~C30ジアルキルアミノ、C12~C28ジアリールアミノ、C~C30ジアルケニルアミノ、C~C30ジアルキニルアミノ、C~C30アリール(アルキル)アミノ、C~C30ジ(アリールアルキル)アミノ、C~C30アルキル(アリールアルキル)アミノ、C15~C30アリール(アリールアルキル)アミノ、C~C30アルケニル(アリール)アミノ、C~C30アルキニル(アリール)アミノ、C(O)NH、C~C30アルキルアミド、C~C14アリールアミド、C~C30(アリールアルキル)アミド、C~C30ジアルキルアミド、C12~C28ジアリールアミド、C~C30アリール(アルキル)アミド、C15~C30ジ(アリールアルキル)アミド、C~C30アルキル(アリールアルキル)アミド、C16~C30アリール(アリールアルキル)アミド、チオール、C~C30ヒドロキシアルキル、C~C14ヒドロキシアリール、C~C30ヒドロキシアリールアルキル、C~C30ヒドロキシアルケニル、C~C30ヒドロキシアルキニル、C~C30ヒドロキシアリールアルケニル、C~C30ヒドロキシアリールアルキニル、C~C30ポリエーテル、C~C30ポリエーテルエステル、C~C30ポリエステル、C~C30ポリアミノ、C~C30ポリアミノアミド、C~C30ポリアミノエーテル、C~C30ポリアミノエステル、またはC~C30ポリアミドエステルである、請求項のいずれか1項に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【請求項6】
各Rおよび/またはR’が、独立して置換もしくは非置換C~C30アルキルまたは置換もしくは非置換C~C30アルケニルであり但し、すべてのRが、非置換C~C30アルキルであるとき、少なくとも1つのRは、C、C、C、またはC13アルキルではない、請求項のいずれか1項に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【請求項7】
各RまたはR’が、独立して、H、または置換もしくは非置換C1~3、C、C8~12、もしくはC14~30アルキルである、請求項4および6のいずれか1項に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【請求項8】
前記大環状ポリアルカンが、C~C30シクロアルカン繰り返し単位を有する、請求項4および6のいずれか1項に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【請求項9】
前記大環状ポリアルカンが、大環状ポリプロピレンである、請求項4および6のいずれか1項に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【請求項10】
前記大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)が、ビシナル-C(=CR)-基を含む、請求項4および6のいずれか1項に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【請求項11】
構造
【化2】

を有し、前記構造中に描かれた前記H原子が、Hであることができるか、または置換C ~C 30 アルキル、非置換C 1-3 、C 、C 8-12 、またはC 14-30 アルキル;複数のアルケン結合が非共役、共役、もしくはそれらの混合であり得る1つ以上のアルケン結合を有する置換もしくは非置換C ~C 30 アルケニルから独立して選ばれるR基であることができ;あるいは2つのR基が、C ~C 30 シクロアルカンおよび/またはシクロアルケンとして組み合わされ、前記シクロアルカンおよび/またはシクロアルケンのアルキレン部分が、置換もしくは非置換であり、かつ/もしくはO、NR’、C(O)、C(O)O、および/もしくはC(O)NR”で1回以上中断され、式中、R’および/またはR”は、存在するとき、各々独立して、H、C 1~30 アルキル、C ~C 30 アルケニルであり、nおよびyの各々が、1~100の整数である、請求項10に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【請求項12】
各yが、独立して、1~20の整数であり、nが、1~50の整数である、請求項11に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【請求項13】
各yが、独立して、1~10の整数であり、nが、1~25の整数である、請求項11または12に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【請求項14】
各yが、独立して、1~5の整数であり、nが、1~10の整数である、請求項1113のいずれか1項に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【請求項15】
前記大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)が、ビシナル-C(CHR)-基を含む、請求項14のいずれか1項に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【請求項16】
各Rが、独立して置換もしくは非置換C~C30アルキルまたは置換もしくは非置換C~C30アルケニルである、請求項1115のいずれか1項に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【請求項17】
各Rが、独立して、H、または置換もしくは非置換C1~3、C、C8~12、もしくはC14~30アルキルである、請求項1115のいずれか1項に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【請求項18】
前記大環状ポリアルカンが、ポリマー骨格中にC~C30シクロアルカン繰り返し単位を有する、請求項のいずれか1項に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【請求項19】
大環状ポリアルカンが、構造
【化3】

を有し、各Yおよびnが、独立して、1~100の整数である、請求項18に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【請求項20】
各yが、独立して、1~20の整数であり、nが、1~50の整数である、請求項19に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【請求項21】
各yが、独立して、1~10の整数であり、nが、1~25の整数である、請求項19または20に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【請求項22】
各yが、独立して、1~5の整数であり、nが、1~10の整数である、請求項1921のいずれか1項に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【請求項23】
複数の大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)間にC=C架橋をさらに含み、ポリ(大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン))を形成する、請求項18のいずれか1項に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【請求項24】
二大環状、三大環状、および/または多大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)の形態で、前記大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)のアルケン繰り返し単位間に1つ以上のC=C架橋をさらに含む、請求項18のいずれか1項に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)。
【請求項25】
請求項10のいずれか1項に記載の大環状ポリアルカンを形成する方法であって、
水素化触媒の存在下で大環状ポリアルケンと水素を反応させて、ポリアルカンまたはポリ(アルカン-コ-アルケン)を形成することと、
前記大環状ポリアルカンを単離することと、を含む、方法。
【請求項26】
前記水素が、前記大環状ポリアルケンの少なくともモル当量の量で提供され、それによりポリアルカンを形成する、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記水素が、前記大環状ポリアルケンのモル当量未満の量で提供され、それによりポリ(アルカン-コ-アルケン)を形成する、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
請求項1017のいずれか1項に記載の大環状ポリアルカンまたは大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)を形成する方法であって、
大環状ポリ(シクロアルケン)を過剰のアルケンおよびオレフィンメタセシス触媒と反応させ、それによりビシナル-C(=CR)-基を含む大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)を形成することと、
任意選択的に、前記大環状ポリアルカン、または-C(=CR)-基を含む前記大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)を単離することと、を含む、方法。
【請求項29】
ビシナル-C(=CR)-基を含む前記大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)と水素を水素化触媒の存在下で反応させ、それにより大環状ポリアルカン、または孤立した-C(=CR)基を含む大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)を形成することと、
任意選択的に、前記大環状ポリアルカン、または孤立した-C(=CR)-基を含む前記大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)を単離することと、をさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
孤立した-C(=CR)-基を含む前記大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)をオレフィンメタセシス触媒と組み合わせることと、
孤立した-C(=CR)-基を縮合させて、ポリ(大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン))を形成するために大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)繰り返し単位間にC=C結合を含むポリ(大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン))を形成することと、
任意選択的に、前記ポリ(大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン))を単離することと、をさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
水素化触媒の存在下で、前記ポリ(大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン))を水素と組み合わせ、それにより
前記ポリ(大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン))を水素化して、ポリ(大環状ポリ(アルカン))を形成すること、をさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
孤立した-C(=CR)-基を含む前記大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)の希釈溶液をオレフィンメタセシス触媒と組み合わせることと、
孤立した-C(=CR)-基を縮合させて、二大環状、三大環状、および/または多大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)を形成することと、をさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
水素化触媒の存在下で、前記の二大環状、三大環状、および/または多大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)を水素と組み合わせ、それにより、前記の二大環状、三大環状、および/または多大環状ポリ(アルカン-コ-アルケン)を水素化して、二大環状、三大環状、および/または多大環状ポリ(アルカン)を形成すること、をさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
構造:
【化4】

を有し、前記構造中のRおよびR’は、各々独立して、H;または置換もしくは非置換C 1-20 アルキルであり、ここで置換は、C -C 30 アルコキシ、C -C 14 アリールオキシ、ヒドロキシル、および保護ヒドロキシルの群から選ばれ、n、x、およびyの各々は、独立して、1~100の整数であり;但し、すべてのRおよびR’が、非置換C 1-20 アルキルであるとき、それらはすべて、C 、C 、C またはC 13 アルキルではない、大環状ポリアルケンコポリマー。
【請求項35】
n、x、およびyの各々が、独立して、1~50の整数である、請求項34に記載の大環状ポリアルケンコポリマー。
【請求項36】
n、x、およびyの各々が、独立して、1~25の整数である、請求項34または35に記載の大環状ポリアルケンコポリマー。
【請求項37】
各RおよびR’が、独立して、H、または非置換C 、C 8-12 、またはC 14-20 アルキルである、請求項34~36のいずれか1項に記載の大環状ポリアルケンコポリマー。
【請求項38】
各RおよびR’が、独立して、H、または非置換C 16 アルキルである、請求項37に記載の大環状ポリアルケンコポリマー。
【請求項39】
各RおよびR’が、独立して、H、または置換C ~C 20 アルキルである、請求項34~36のいずれか1項に記載の大環状ポリアルケンコポリマー。
【請求項40】
置換がC 6-14 アリールオキシまたは保護ヒドロキシルである、請求項34~36および39のいずれか1項に記載の大環状ポリアルケンコポリマー。
【請求項41】
各RおよびR’が、C アリールオキシで置換されたC アルキルまたは保護ヒドロキシルで置換されたC アルキルである、請求項34~36、39および40のいずれか1項に記載の大環状ポリアルケンコポリマー。
【請求項42】
保護ヒドロキシルがtert-ブチルジメチルシリル保護ヒドロキシルである、請求項40に記載の大環状ポリアルケンコポリマー。
【外国語明細書】