(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010531
(43)【公開日】2024-01-24
(54)【発明の名称】包装装置、充填装置、包装方法、及びバッグインボックスの製造方法
(51)【国際特許分類】
B65B 5/02 20060101AFI20240117BHJP
B65B 9/213 20120101ALI20240117BHJP
【FI】
B65B5/02
B65B9/213
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022111914
(22)【出願日】2022-07-12
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100209048
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 元嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【弁理士】
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(72)【発明者】
【氏名】松田 考世
(72)【発明者】
【氏名】青木 剛
【テーマコード(参考)】
3E003
3E050
【Fターム(参考)】
3E003AA05
3E003AB05
3E003BA03
3E003BC01
3E003BD02
3E003CA02
3E003CB02
3E003DA05
3E050AA03
3E050AB02
3E050AB08
3E050BA16
3E050CA01
3E050CB03
3E050DC01
3E050DC08
3E050DC09
3E050DD03
3E050DF01
3E050FA01
3E050FB01
3E050FB07
3E050GB06
3E050GC07
3E050GC09
3E050JA06
(57)【要約】
【課題】単純な構成で包装処理の処理効率を向上できる包装装置、充填装置、包装方法、及びバッグインボックスの製造方法を提供する。
【解決手段】一形態にかかる包装装置は、内装バッグが通過する通路部を有するシュータと、シート状の外装材を前記通路部の外周部に供給する外装材供給部と、前記通路部の外周部に配置される前記外装材の所定箇所を接合して袋状の収容部を形成する、製袋部と、前記通路部の二次側に設けられ、前記通路部側に開口するとともに前記外装材に包装された前記内装バッグを収容する外装ボックスが配置可能なボックス待機部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内装バッグが通過する通路部を有するシュータと、
シート状の外装材を前記通路部の外周部に供給する外装材供給部と、
前記通路部の外周部に配置される前記外装材の所定箇所を接合して袋状の収容部を形成する、製袋部と、
前記通路部の二次側に設けられ、前記通路部側に開口するとともに前記外装材に包装された前記内装バッグを収容する外装ボックスが配置可能なボックス待機部と、
を備える、包装装置。
【請求項2】
前記外装材を前記収容部毎に切断する分離機構と、
前記内装バッグを前記通路部に供給するバッグ供給部と、
前記ボックス待機部を通るボックス経路に沿って、前記外装ボックスを移動させる、ボックス供給部と、を備える、請求項1に記載の包装装置。
【請求項3】
前記外装材供給部は、前記外装材を前記通路部の外周に沿って供給する送り部材を有し、
前記製袋部は、前記外周に倣って配された前記外装材の両側縁を、前記通路部の外周部で突合わせて縦方向に溶着して側部を閉じる第1溶着機構と、前記通路部の二次側で筒状の前記外装材を横方向に溶着して底部を閉じる第2溶着機構と、を備える、請求項1に記載の包装装置。
【請求項4】
充填口を有する複数の内装バッグを連ねて備えるバッグ列の前記充填口に内容物を注入する充填ヘッドを有する充填部と、
前記充填部の二次側に設けられ、充填後の前記内装バッグが通過する通路部を有するシュータと、
前記内装バッグを前記通路部に供給するバッグ供給部と、
シート状の外装材を前記通路部の外周部に供給する外装材供給部と、
前記通路部の外周部に筒状に配置される前記外装材の所定箇所を溶着して袋状の収容部を形成する、製袋部と、
前記通路部の二次側に設けられ、前記通路部に向けて開口するとともに前記外装材に包装された前記内装バッグを収容する外装ボックスが配置可能なボックス待機部と、
を備える、充填装置。
【請求項5】
シート状の外装材を、内装バッグが通過する通路部の外周部に沿って供給する外装材供給処理と、
前記外装材の所定箇所を溶着し、前記内装バッグが収容される袋状の収容部を形成するとともに、前記外装材を前記収容部毎に切断する、製袋処理と、
前記通路部に前記内装バッグを供給し、前記通路部から前記通路部の二次側にバッグを供給することで、前記外装材の前記収容部に前記内装バッグを収容するとともに、当該収容部に収容された前記内装バッグを、前記通路部の二次側に配置される外装ボックスに収容する収容処理と、
を備える、包装方法。
【請求項6】
前記製袋処理は、前記通路部の外周部において筒状に配された前記シート状の外装材の両側縁同士を重ねて縦方向に溶着することで筒状の前記外装材の側部を閉じ、前記通路部の二次側において前記外装材を重ねて横方向に溶着することで底部を閉じる、請求項5に記載の包装方法。
【請求項7】
充填口を有する複数の内装バッグを連ねて備えるバッグ列を支持するとともに、前記内装バッグに内容物を注入する充填処理と、
シート状の外装材を、前記内装バッグが通過する通路部を有するシュータの前記通路部の外周部に沿って供給する外装材供給処理と、
前記外装材の所定箇所を溶着し、前記内装バッグが収容される袋状の収容部を形成するとともに、前記外装材を前記収容部毎に切断する、製袋処理と、
前記通路部に充填後の前記内装バッグを供給し、前記通路部から前記通路部の二次側に前記内装バッグを供給することで、前記外装材の前記収容部に前記内装バッグを収容するとともに、当該収容部に収容された前記内装バッグを、前記通路部の二次側に配置される外装ボックスに収容する収容処理と、
を備える、バッグインボックスの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装装置、充填装置、包装方法、及びバッグインボックスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液体などの内容物を収容する容器の一種として、例えば段ボールで構成される外装ボックスに、内袋としてフレキシブルバッグを収めたバッグインボックスがある(例えば特許文献1参照)。フレキシブルバッグは、外装ボックスから取り出した状態や、他の容器に入れた状態で、取り扱われる場合もあり、異物付着防止や汚れ防止のために、フレキシブルバッグをさらに外袋部材で包装することもある。フレキシブルバッグを外装部材で包装するために、プラスチック容器や段ボール容器等のボックスの内壁に袋状の外袋部材を予めセットする袋セット装置もあるが、装置構成が複雑で大がかりとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は、単純な構成で包装処理の処理効率を向上できる包装装置、充填装置、包装方法、及びバッグインボックスの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一形態にかかる包装装置は、内装バッグが通過する通路部を有するシュータと、シート状の外装材を前記通路部の外周部に供給する外装材供給部と、前記通路部の外周部に配置される前記外装材の所定箇所を接合して袋状の収容部を形成する、製袋部と、前記通路部の二次側に設けられ、前記通路部側に開口するとともに前記外装材に包装された前記内装バッグを収容する外装ボックスが配置可能なボックス待機部と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、単純な構成で包装処理の処理効率を向上できる包装装置、充填装置、包装方法、及びバッグインボックスの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の第1実施形態にかかる包装装置の構成を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[第1実施形態]
以下、本発明の実施形態にかかる包装装置としての包装収容装置1及び包装方法について、
図1及び
図2を参照して説明する。
図1は、本実施形態にかかる包装収容装置1の斜視図であり、
図2は包装収容装置1の構成及び動作を示す説明図である。各図において説明のため、適宜構成を拡大、縮小または省略して示している。
【0009】
図1及び
図2に示すように、包装収容装置1は、投入部としてのシュータ10と、外装材供給部20と、製袋部30と、バッグ供給部40と、ボックス供給部50と、制御部70と、を備える。
【0010】
包装収容装置1は、内装バッグとしてのフレキシブルバッグ2を外装ボックス3に収めた、いわゆるバッグインボックス4の製造に用いられる。包装収容装置1は、フレキシブルバッグ2を外装ボックス3に収容する際にフレキシブルバッグ2を外装材5でピロー包装する、包装装置である。
【0011】
シュータ10は、ガイド筒11と、ガイド筒11の一端側に連続する投入口12と、を一体に備える。また、シュータ10にはフレキシブルバッグ2の位置情報を検出する位置センサ13が設けられる。
【0012】
ガイド筒11は例えば軸方向が上下方向となる縦方向に延びる筒状に構成され、軸方向に沿う通路部11aを形成する。例えば通路部11aは上側が一次側、下側が二次側となるように上下方向に縦に配置される。通路部11aは内容物が充填されたフレキシブルバッグ2が通過可能に構成される。例えばガイド筒11は、二次側である下端側の開口が、外装ボックス3の開口の直上に配置される。ガイド筒11は、下端側の開口が、外装ボックス3の上部の開口に対応する形状であって、外装ボックス3の開口よりも小さい形状に構成される。一例としてガイド筒11は矩形の外装ボックス3に対応して矩形の角筒状に構成されるが、これに限られるものではない。またガイド筒11の開口は、外装材5が筒状に構成された際の外装材5の開口よりも小さく構成される。ガイド筒11は投入口12から供給されフレキシブルバッグ2が重力により降下する際に、フレキシブルバッグ2を形付けながら外装ボックス3の上部開口へ案内する。
【0013】
投入口12は、ガイド筒11の上端部に連続して一体に設けられる。投入口12は一次側となる上側が拡大する錐形に構成される。投入口12は、一次側である上側から投入されたフレキシブルバッグ2を、二次側である下側に連続するガイド筒11に案内する。
【0014】
位置センサ13は例えば投入口12に設けられ、フレキシブルバッグ2が通過することを検出し、検出データを制御部70に送る。
【0015】
通路部11aの二次側にはボックス待機部R1が形成される。ボックス待機部R1は、外装ボックス3が配置可能な空間である。ボックス待機部R1は、例えばガイド筒11の下端部の直下に形成される。
【0016】
フレキシブルバッグ2は、四角形のフィルムの周縁の四方が溶着シールされ、袋状に構成されている。フレキシブルバッグ2の所定箇所には、合成樹脂で筒状に構成されたスパウトと呼ばれる充填口2aが設けられている。例えばフレキシブルバッグ2の内部には充填口2aを通じて液体などの内容物が充填されている。充填口2aの軸方向の先端部分の外周には、雄ねじ部が形成され、合成樹脂で構成された着脱可能なキャップが装着される。
【0017】
外装材供給部20は、外装材5を保持するシート保持部21と、外装材5を搬送するシート搬送部22と、を備える。
【0018】
外装材5は、プラスチックフィルムであり、所定の幅を有するシート状に構成されている。例えば外装材5は、低密度ポリエチレンで0.050mm~0.075mmの厚さに構成される。例えば外装材5の幅寸法は、シュータ10のガイド筒11の外周の周方向の寸法よりも大きい幅寸法に構成される。
【0019】
シート保持部21は、例えば横方向に延びる保持軸21aを有し、保持軸21aの外周に巻き付けられる外装材5をロール状に保持する。シート保持部21は例えばシュータ10の一方側の側部に設けられる。一例として、シート保持部21は、シュータ10の、製袋部30によって外装材5の両側縁が溶着により接合される貼合わせ位置Paとは反対側の外周部に、設けられる。
【0020】
シート搬送部22は、シート状の外装材5を通路部11aの外周部に供給する。例えばシート搬送部22は、外装材5をシート保持部21から巻き出し、外装材5の両側縁を、ガイド筒11の外周に沿わせながら、シート保持部21とは反対側に設けられる貼合わせ位置Paに向けて、連続して送る。
【0021】
具体例として、シート搬送部22は例えばガイド筒11の外周部に設けられる一対の送り部材としてのローラ22aを有する。一対のローラ22aは、ガイド筒11の外周部において、シート保持部21の保持軸21aとは反対側に位置する貼合わせ位置Paの両側にそれぞれ設けられる。
【0022】
一対のローラは外装材5の幅方向の両側縁に接触し、回転動作によりシート状の外装材5の両側縁を、貼り合わせ位置Paに向かって、両側から送る。例えば貼合わせ位置Paは、ガイド筒11の外周部において、シート保持部21の幅方向の中心に対して、ガイド筒11を挟んで反対側に対向する部位であり、シート搬送部22は、シート保持部21から、外装材5の両側縁を、ガイド筒11の外周面に沿ってそれぞれ半周ずつ巻き付けながら、貼り合わせ位置Paに向けて送ることで、外装材5の両側縁同士を突合わせて、外装材5をガイド筒11の外周に倣う筒状に形成する。
【0023】
製袋部30は、第1溶着機構31と、第2溶着機構32と、分離機構33と、開閉機構34と、を備える。製袋部30は、ガイド筒11の外周部において筒状に配される外装材5の、所定箇所を溶着して閉じることで袋状の収容部5Aを構成し、外装材5を収容部5A毎に切断する。本実施形態において、溶着機構32と分離機構33とは、一体に設けられ、例えば共通の開閉機構34に支持されている。
【0024】
第1溶着機構31は、ガイド筒11の外周部の貼合わせ位置Paにおいて、外装材5の両側縁を突合わせて重ねた状態で送り方向に沿う縦方向に沿って加熱溶着により接合するヒートシール装置である。第1溶着機構31は、外装材5に当接または近接した状態で作動することにより外装材5を加熱する溶着ヘッドを有する。第1溶着機構31は連続して送られる外装材5の両側縁を重ねて所定のタイミングで溶着することで、縦方向に連続する第1溶着部5aを形成する。なお、第1溶着部5aは、外装材5の両側縁を重ねて貼り合わせるいわゆる封筒貼りとしてもよく、外装材5の両側縁の内面同士を対向させてヒートシールして貼り合わせるいわゆる合掌貼りとしてもよい。
【0025】
第2溶着機構32は、ガイド筒11の出口の二次側の所定位置において、筒状の外装材5を送り方向である縦方向に直交または交差する横方向に沿って加熱溶着により接合するヒートシール装置である。第2溶着機構32は、一対の溶着ヘッドを備える。一対の溶着ヘッドは、開閉機構34に設けられ、開閉機構34の開閉動作によって互いに接離可能に構成される。一対の溶着ヘッドは開閉機構34が閉状態となった際に外装材5を挟んだ状態で、外装材5を加熱することで、収容部5Aを構成する領域の端部を溶着する。
具体例として、第2溶着機構32は切断位置を挟んで上下2箇所の第2溶着部5b、5cを形成する。切断位置の上側に位置する第2溶着部5bは、分離時に上側に配される収容部5Aの底部を構成する。切断位置の下側に位置する第2溶着部5cは、分離時に下側に形成される収容部5Aの天井部を構成する。すなわち各収容部5Aにおいて、第2溶着部5bは底部を構成し、第2溶着部5cは天井部を構成する。
【0026】
分離機構33は、通路部11aの二次側、すなわち通路部11aの下方に、設けられる。分離機構33は、例えば第2溶着部5b、5cの間の切断位置で外装材5を横方向に沿って切断することで、外装材5を上下に分離させ、袋状に閉じられた収容部5A毎に、外装材5を分ける。分離機構33は、例えば横方向に延びる一対のカッタ刃を備える。カッタ刃は、開閉機構34に設けられ、開閉機構34の開閉動作によって互いに接離可能に構成される。分離機構33は制御部70の制御により一対のカッタ刃が閉状態となることで、通路部11aの二次側の切断位置において、横方向に沿って外装材5を切断する。
【0027】
開閉機構34は、第2溶着機構32の溶着ヘッドと分離機構33のカッタ刃を支持するとともに、開閉動作によって、溶着機構31、32と分離機構33を開閉する。
【0028】
外装ボックス3は、例えば段ボールで構成される矩形の筺体であり、上部が開口する直方体状の収容空間を有するケース部3aと、ケース部3aの上部の開口の周縁に連続して設けられる複数の蓋部3bと、を一体に有する。外装ボックス3は、蓋部3bが開放され、ケース部3aの開口を包装位置である上方に向けた状態で、ボックス待機部R1に配置される。なお、外装ボックス3は、段ボールの筺体に限られるものではなく、他の構成であってもよい。外装ボックス3として例えば上部に開口を有する樹脂クレート等のプラスチック容器を用いてもよい。
【0029】
ボックス供給部50は、送り部材としての複数の搬送ローラ51aを備えるボックステーブル51と、複数の搬送ローラ51aを回転させるモータ等の駆動源と、を備える。ボックステーブル51は、切断位置の下方に設定されるボックス待機部R1に、上を開口させた状態で外装ボックス3を支持する。また、駆動源は、搬送ローラを回転させることで、ボックス待機部R1を通るボックス経路に沿って外装ボックス3を所定のタクトタイムで順次移動させる。
【0030】
制御部70は、プロセッサと、RAMやROMを含むメモリと、を備える。制御部70は、予め設定されたプログラムや各種条件にしたがって、所定のプログラムを実行することにより、包装収容装置1の各部の動作を制御する。例えば制御部70は、各部の運転動作を制御し、所定の処理タイミングで、外装材供給処理と、製袋処理と、ボックス供給処理と、バッグ収容処理と、を連続的に、あるいは間欠的に繰り返し、行わせる。例えば制御部70は、バッグ列2Aや外装材5を所定の速度で送るとともに、外装ボックス3を所定のタクトタイムで順次送り、当該バッグ列2Aや外装材5に対してタクトタイム毎に、製袋処理を繰り返し行う。例えばタクトタイムは6秒、あるいは8秒程度に設定される。また、一例として制御部70は、投入口12に設けられた位置センサ13で検出されたフレキシブルバッグ2の位置情報に基づいて、各種処理のタイミングを制御してもよい。
【0031】
以下、本実施形態にかかる包装方法について、説明する。本実施形態にかかる包装方法は、外装材供給処理と、製袋処理と、ボックス供給処理と、バッグ収容処理と、を備える。
【0032】
外装材供給処理として、制御部70は、シート状の外装材5を、フレキシブルバッグ2が通過する通路部11aの外周部に沿って供給する。具体例として、制御部70は、外装材供給部20のシート搬送部22の一対のローラ22aを回転させることで、シート保持部21において保持軸21aにロール状に巻かれた外装材5を巻出し、ガイド筒11の周りに巻き付けて送る。このローラ22aの送り動作によって、ガイド筒11の外周部に外装材5が筒状に配置されながら、下流側に送られる。一例として、制御部70は、所定のタクトタイム毎に、1つの収容部5Aに対応する距離ずつ、外装材5を巻出して送る。
【0033】
製袋処理として制御部70は、所定のタイミングで溶着機構31、32を駆動することで、外装材5の所定箇所を溶着して収容部5Aを形成し、収容部5A毎に、外装材5を切断する。具体例として制御部70は、まず第1溶着機構31と第2溶着機構32とを駆動することで、第1溶着部5aと第2溶着部5bとにおいて外装材5を溶着し、フレキシブルバッグ2が収容される収容部を有する収容部5Aを形成する。さらに制御部70は、所定のタイミングで分離機構33を駆動することで、外装材5を切断する。ここで、溶着機構31、32と分離機構33とは、一体に設けられ、例えば共通の開閉機構34に支持されており、開閉機構34の開閉動作によって、溶着機構31、32と分離機構33とが同期して開閉する。
【0034】
製袋処理において第1溶着機構31は、通路部11aの外周部において筒状に配されたシート状の外装材5の両側縁同士を重ねて縦方向に溶着することで筒状の外装材5の側部の貼合わせ部を閉じる。また、第2溶着機構32は通路部11aの二次側において外装材5を重ねて横方向に2列で溶着することで、上側の収容部5Aの底部、及び下側の収容部5Aの天井部、となる2箇所を閉じる。さらに分離機構33は開閉動作によりカッタ刃を外装材5に接離させることで、例えば第2溶着部5bに設けられた切断位置において、外装材5を収容部5A毎に切断する。
【0035】
制御部70は、製袋処理における溶着や切断のタイミングを、位置センサ13で検知したフレキシブルバッグ2の位置情報に基づいて管理してもよい。例えば投入口12の通過後、所定時間経過後に、各処理を行うように制御することで、フレキシブルバッグ2の位置に対応した処理が可能となる。
【0036】
ボックス供給処理として、制御部70は、所定のタイミングで、ボックス供給部50の複数の搬送ローラ51aを回転させることで、シュータ10の二次側のボックス待機部R1を通るボックス搬送路に沿って、外装ボックス3を搬送し、ボックス待機部R1に外装ボックス3を順次供給する。
【0037】
バッグ収容処理として、制御部70は、所定のタイミングで、シュータ10の投入口12に順次フレキシブルバッグ2を供給する。本実施形態においてシュータ10は上下方向に配置されているため、投入口12に投入されたフレキシブルバッグ2は、自重によって下降し、シュータ10のガイド筒11に案内される。このとき、ガイド筒11の二次側であるガイド筒11の下端部よりも下の位置に、第2溶着部5cによって形成される底部が配置されているため、フレキシブルバッグ2は、下降してシュータ10の二次側に送られる際に、溶着により袋状に閉じられた外装材5の収容部5A内の底部に収容される。そしてフレキシブルバッグ2の自重や外装材5の供給動作によって、フレキシブルバッグ2とこれを収容した外装材5の収容部5Aが下降し、下方のボックス待機部R1に待機する外装ボックス3の上側の開口内に落下して収容される。
【0038】
すなわち、投入口12に投入されたフレキシブルバッグ2が、投入口12からガイド筒11を通って落下する間に、外装材5が製袋され、収容部5Aによって包装され、外装ボックス3内に投入される。
【0039】
そして、収容部5Aがボックス内に配置され、あるいは外装ボックス3の開口上にある状態で、内方されたフレキシブルバッグ2よりも上の位置で、第2溶着機構32により第2溶着部5b、5cを溶着する。第2溶着部5b、5cの溶着により、外装ボックス3内の収容部5Aの天井部と、上側の外装材5の底部が閉じられる。そして、分離機構33により2箇所の第2溶着部5b、5cの間の切断位置で外装材5を横方向に沿うラインで切断することで、上下の収容部5Aを分離する。
【0040】
本実施形態にかかる包装収容装置1及び包装方法によれば、単純な構成で包装処理の処理効率を向上できる。すなわち、フレキシブルバッグ2をボックスに収容する際に、外装材5を製袋することにより、外装材5によるフレキシブルバッグ2の包装を実現できる。すなわち、フレキシブルバッグ2を外装ボックス3に入れる箱入れの作業工程に、外装材を製袋するだけで包装処理を実現できるため、処理効率がよい。
【0041】
また、フレキシブルバッグ2を外装ボックス3に入れるための収容装置に、シュータ10に外装材5を供給して溶着する機構を追加するだけでよく、装置構成の単純化が図れる。例えば手動でフレキシブルバッグをポリ袋に入れて袋の口を縛る方法や、予め外装ボックスの内面に袋部材を装着する方法に比べて、処理時間が短く、作業を単純化できる。そして、フレキシブルバッグ2を外装材5で包装することで、例えば外装ボックス3から取り出して取り扱う場合や樹脂クレート等の他の容器に入れて取り扱う場合に、汚れや虫を防止できるとともに破損を防止することができる。したがって、取り扱い性の向上やピンホール対策が可能となる。
【0042】
また、上記実施形態にかかる包装収容装置1によれば、シュータ10のガイド筒11を外装ボックス3の開口に対応する矩形の筒状とすることで、フレキシブルバッグ2が通路部を通過する際にフレキシブルバッグ2を外装ボックス3の開口に入れやすい形状に形付けることができる。また、シュータ10によってフレキシブルバッグ2の姿勢を保持しやすく、例えば充填口2aを上に向けた状態で外装ボックス3へ収容することが可能となる。
【0043】
また、上記実施形態にかかる包装収容装置1において、外装材5で構成される筒はガイド筒11よりも大きく、ガイド筒11と外装材5との間に隙間が形成されることから、当該隙間から空気が抜けやすく、また隙間がエアクッションとなるため、外装材5が破損しにくい。
[第2実施形態]
以下、第2実施形態にかかる充填装置100について、
図3を参照して説明する。
図3は本実施形態にかかる充填装置の説明図である。本実施形態にかかる充填装置100は、その一部として包装収容装置1を備える。包装収容装置1は上記第1実施形態と同様であるため、共通または関連する符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0044】
充填装置100は、バッグ列2Aを所定の搬送経路A1に沿って送る搬送装置120と、バッグ列2Aの空のフレキシブルバッグ2に順次内容物C1を注入する充填部である充填機構130と、バッグ列2Aを切断して個別に切り離す切断機構140と、個々に切り離されたフレキシブルバッグ2を外装ボックス3に収容するとともに収容時にピロー包装を行う包装収容装置1と、各部の動作を制御する制御部170と、を備える
本実施形態において、例えばフレキシブルバッグ2は、複数一体に連ねられて構成されたバッグ列2Aとして、各充填口2aが上向きに配された状態で、供給され、内容物の充填後に切断されることで、個々のフレキシブルバッグ2に分離される。
【0045】
搬送経路A1は、バッグ列2Aが折り畳まれた状態あるいはロール状に巻かれた状態で配置される供給位置P1から、充填処理が成される充填位置P2、及び切断処理が成される切断位置P3を経て、収容位置であるボックス待機部R1に至る経路である。搬送経路A1は、例えば少なくとも一部において下流側(二次側)が下方に位置するように所定角度で傾斜している。
【0046】
搬送装置120は、搬送経路A1の上流側においてバッグ列2Aを保持する供給部121と、供給部121の下流側に設けられた複数の搬送ローラ122をそれぞれ備える充填テーブル124及び切断テーブル125と、複数の搬送ローラ122を回転させる駆動部としてのモータと、を備える。搬送装置120は、充填位置P2と切断位置P3とを通る所定の搬送経路A1に沿って、所定の速度でバッグ列2Aを下流へ送るとともに、所定のタイミングで所定位置にフレキシブルバッグ2を保持する。
【0047】
搬送装置120は包装収容装置1にフレキシブルバッグ2を供給するバッグ供給部40を構成する。
【0048】
充填機構130は、搬送経路A1上に配される。充填機構130は、充填対象のフレキシブルバッグ2の充填口2aを保持する保持部131と、内容物C1を保有するタンク135と、タンク135に連通する充填ヘッドとしての充填ノズル136と、キャップの装着及び取り外しを行うキャッピング機構137と、を備える。
【0049】
保持部131は、充填テーブル124の上方の所定箇所に設けられる。保持部131は、充填時に保持位置に配され、充填口2aを所定箇所に保持するとともに、充填処理後に退避することで、充填口2aの保持を解除する、ホルダを備える。
【0050】
充填ノズル136は、充填口2aに挿入される下降位置と、充填口2aから退避する上昇位置と、で昇降動可能に構成されている。充填ノズル136は、搬送経路A1上に支持されるフレキシブルバッグ2の充填口2aに対向配置され、充填口2aを通じてフレキシブルバッグ2への内容物C1を注入する充填処理を行う。
【0051】
キャッピング機構137は、キャップを把持した状態で回転させることにより充填口2aに装着されたキャップを外す開栓処理、及び充填処理後の充填口2aにキャップを取付ける閉栓処理が可能に構成されている。
【0052】
切断機構140は、搬送経路A1において、充填機構130の下流側の所定箇所に設けられる。切断機構140は、カッタ支持部141と、カッタ支持部141の先端に設けられたカッタ刃142と、を備える。
【0053】
カッタ支持部141は切断テーブル125の上方に設けられる。カッタ支持部141は例えばエアシリンダなどの往復移動機構を備え、カッタ刃142を、搬送方向と直交または交差する移動方向において進退動可能に支持する。
【0054】
包装収容装置1は、切断位置P3の下流側に設けられる。包装収容装置1は、投入部としてのシュータ10と、外装材供給部20と、製袋部30と、ボックス供給部50と、を備える。シュータ10、外装材供給部20、製袋部30、及びボックス供給部50の構成は、第1実施形態にかかる包装収容装置1と同様に構成されている。
【0055】
制御部170は、プロセッサと、RAMやROMを含むメモリと、を備える。制御部170は、予め設定されたプログラムや各種条件にしたがって、所定のプログラムを実行することにより、充填装置100の各部の動作を制御する。
【0056】
以下、充填装置100を用いたバッグ及びバッグインボックス4の製造方法について、
図3を参照して説明する。本実施形態にかかるバッグインボックス4の製造方法は、上記第1実施形態にかかる包装方法におけるバッグ供給処理の前に、バッグに内容物を注入する充填処理と、バッグ列をバッグ毎に切断する切断処理と、を備える。すなわち、本実施形態にかかるバッグインボックス4の製造方法は、バッグ列2Aを下流側に送る搬送処理と、バッグ列2Aを保持した状態で対象のバッグ2に内容物C1を充填する充填処理と、バッグ列2Aをフレキシブルバッグ2毎に切り離す切断処理と、外装材5を供給する外装材供給処理と、外装材5を袋状に形成する製袋処理と、フレキシブルバッグ2を外装材5で包装して外装ボックス3に収容する包装収容処理と、を備える。
【0057】
充填処理として、制御部170は、搬送装置120や充填機構130を駆動することでバッグに設けられた充填口2aに内容物を注入する。
【0058】
切断処理として制御部170は切断機構140を駆動し、充填処理後のバッグ列2Aを、カッタ刃142によりバッグ2毎に切り離す切断処理を行う。
【0059】
本実施形態におけるバッグ供給処理として、制御部170は搬送装置120や切断機構140を駆動することで、バッグ列2Aの保持が解除され、あるいは切断によって切り離されたバッグ2が自重で、落下し、あるいは搬送装置120によって下流側に送られることで、バッグが順次供給される。
【0060】
外装材供給処理として、制御部170は、上記第1実施形態と同様に、シート状の外装材5を、フレキシブルバッグ2が通過する通路部11aの外周部に沿って供給する。
【0061】
製袋処理として制御部170は、上記第1実施形態と同様に、所定のタイミングで溶着機構31、32を駆動することで、外装材5の所定箇所を溶着して収容部5Aを形成し、収容部5A毎に、外装材5を切断する。
【0062】
ボックス供給処理として、制御部170は、上記第1実施形態と同様に、所定のタイミングで、ボックス供給部50の複数の搬送ローラを回転させることで、シュータ10の二次側のボックス待機部R1を通るボックス搬送路に沿って、外装ボックス3を搬送し、ボックス待機部R1に外装ボックス3を順次供給する。
【0063】
そして、充填後に下流側に送られたフレキシブルバッグ2は、ガイド筒11の二次側であるガイド筒11の下端部よりも下の位置に、第2溶着部5bによって形成される底部が配置されているため、フレキシブルバッグ2が下降してシュータ10の二次側に送られる際に、溶着により袋状に閉じられた外装材5の収容部5A内の底部に収容される。そしてフレキシブルバッグ2の自重や外装材5の供給動作により、フレキシブルバッグ2とこれを収容した外装材5の収容部5Aが下降し、ボックス待機部R1に待機する外装ボックス3の開口内に収容される。
【0064】
本実施形態にかかる充填装置100及びバッグインボックス4の製造方法によれば、バッグ供給と外装ボックスの供給のタイミングで、外装を供給することで容易にフレキシブルバッグ2の包装が実現できる。また、包装収容装置1を充填装置100の収容部として組込むことで、バッグ供給部40及びボックス供給部50として充填装置の構成を併用できる。
【0065】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。また、各部の具体的構成や材質等は上記実施形態に例示したものに限られるものではなく適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0066】
1…包装収容装置、2…フレキシブルバッグ、2A…バッグ列、2a…充填口、3…外装ボックス、3a…ケース部、3b…蓋部、4…バッグインボックス、5…外装材、5A…収容部、5a…第1溶着部、5b…第2溶着部、5c…第2溶着部、10…シュータ、11…ガイド筒、11a…通路部、12…投入口、13…位置センサ、20…外装材供給部、21…シート保持部、21a…保持軸、22…シート搬送部、22a…ローラ、30…製袋部、31…第1溶着機構、32…第2溶着機構、33…分離機構、34…開閉機構、40…バッグ供給部、50…ボックス供給部、51…ボックステーブル、51a…搬送ローラ、52…駆動源、70…制御部、100…充填装置、120…搬送装置、121…供給部、122…搬送ローラ、124…充填テーブル、125…切断テーブル、130…充填機構、131…保持部、135…タンク、136…充填ノズル、137…キャッピング機構、140…切断機構、141…カッタ支持部、142…カッタ刃、170…制御部、A1…搬送経路、C1…内容物、P1…供給位置、P2…充填位置、P3…切断位置、R1…ボックス待機部。