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特開2024-105310アルファ-オレフィン含有量の増加方法
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  • 特開-アルファ-オレフィン含有量の増加方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024105310
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】アルファ-オレフィン含有量の増加方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 6/04 20060101AFI20240730BHJP
   C07C 11/02 20060101ALI20240730BHJP
   C07C 11/08 20060101ALI20240730BHJP
   C07C 11/173 20060101ALI20240730BHJP
   C07C 11/10 20060101ALI20240730BHJP
   C07C 11/06 20060101ALI20240730BHJP
   B01J 31/24 20060101ALI20240730BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20240730BHJP
【FI】
C07C6/04
C07C11/02
C07C11/08
C07C11/173
C07C11/10
C07C11/06
B01J31/24 Z
C07B61/00 300
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024068159
(22)【出願日】2024-04-19
(62)【分割の表示】P 2022040166の分割
【原出願日】2018-05-23
(31)【優先権主張番号】62/515,975
(32)【優先日】2017-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/981,021
(32)【優先日】2018-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519430918
【氏名又は名称】リキッドパワー スペシャルティ プロダクツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ミリガン, スチュアート エヌ.
(57)【要約】      (修正有)
【課題】パイプラインを通る炭化水素の流れを改善するための抵抗低減剤に使用されるα-オレフィンの精製方法を提供する。
【解決手段】ある実施では、α-オレフィン含有量を増加させる方法が提供される。この方法は、α-モノ-オレフィンと、α-モノ-オレフィンと同数の炭素原子を有するジオレフィン及び/又はα-モノ-オレフィンと同数の炭素原子を有するトリオレフィンのうちの少なくとも1種とを有する、オレフィン原料組成物を提供することを含む。該方法は、オレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物の存在下で、オレフィン原料組成物をエチレンと接触させることを更に含む。該方法は、メタセシス反応条件でオレフィン原料組成物とエチレンを反応させて、α-モノ-オレフィンと、α-モノ-オレフィンよりも少ない炭素原子を有するα-オレフィンとを含む、α-オレフィン生成物を製造することを更に含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルファ-モノ-オレフィンと、アルファ-モノ-オレフィンと同数の炭素原子を有するジオレフィン及び/又はアルファ-モノ-オレフィンと同数の炭素原子を有するトリオレフィンのうちの少なくとも1種とを含む、オレフィン原料組成物を提供すること;
オレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物を提供すること;及び
触媒組成物の存在下、メタセシス反応条件でオレフィン原料組成物とエチレンを反応させて、アルファ-モノ-オレフィンと、アルファ-モノ-オレフィンよりも少ない炭素原子を有する1種以上のアルファ-オレフィンとを含む、アルファ-オレフィン生成物を製造すること
を含む、方法。
【請求項2】
アルファ-オレフィン生成物中のアルファ-モノ-オレフィンを、蒸留過程を用いてアルファ-オレフィン生成物から分離することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
アルファ-モノ-オレフィンよりも少ない炭素原子を有する1種以上のアルファ-オレフィンが、C~Cアルファ-オレフィンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
アルファ-モノ-オレフィンよりも少ない炭素原子を有する1種以上のアルファ-オレフィンが、アルファ-モノ-オレフィン及びジオレフィンのうちの少なくとも1種を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
オレフィン原料組成物が、93.5~96重量%のアルファ-モノ-オレフィン、1~6重量%のジオレフィン、及び0.5~4重量%のトリオレフィンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
オレフィンメタセシス触媒が、Ni、W、Ru、Mo、Re及びこれらの組み合わせから成る群から選択される金属を含む遷移金属錯体である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
オレフィンメタセシス触媒が、Ruを含む遷移金属錯体である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
オレフィンメタセシス触媒が、グラブス触媒、シュロック触媒又はホベイダ触媒である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
オレフィンメタセシス触媒が、ルテニウムカルベンメタセシス触媒及びモリブデンカルベンメタセシス触媒から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
オレフィンメタセシス触媒が、ジクロロ(フェニルメチレン)ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム、又は1,3-ビス-(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-(イミダゾリジニリデン)(フェニルメチレン)-ジクロロ(d-ichloro)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
メタセシス反応条件が、オレフィン原料の融点から摂氏120度までの範囲のメタセシス反応温度を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
触媒の存在下でアルファ-オレフィン生成物を重合して、抵抗低減剤を形成することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
アルファ-モノ-オレフィンが4~20個の炭素原子を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
アルファ-モノ-オレフィンが6~16個の炭素原子を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
アルファ-モノ-オレフィンが8~14個の炭素原子を有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
アルファ-モノ-オレフィンが10~12個の炭素原子を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
アルファ-モノ-オレフィンが10個の炭素原子を有する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
オレフィン原料組成物が、アルファ-モノ-オレフィンと比較して異なる数の炭素原子を有するジオレフィン及び/又はアルファ-モノ-オレフィンと比較して異なる数の炭素原子を有するトリオレフィンのうちの少なくとも1種を更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
オレフィン原料組成物が、第1のアルファ-モノ-オレフィンと比較して異なる数の炭素原子を有する第2のアルファ-モノ-オレフィンを更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
アルファ-モノ-オレフィンとビニリデンオレフィンとを含むオレフィン原料組成物を提供すること;
異性化触媒の存在下でオレフィン原料組成物を反応させて、アルファ-モノ-オレフィンと、ビニリデンオレフィンから形成された分岐状内部オレフィンとを含む、異性化オレフィン原料を形成すること;及び
オレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物の存在下、メタセシス反応条件で異性化オレフィン原料組成物とエチレンを反応させて、アルファ-モノ-オレフィン、オレフィン原料組成物中のオレフィンよりも少ない炭素原子を有する直鎖状及び分岐状のオレフィンを含む、アルファ-オレフィン生成物を製造すること
を含む、方法。
【請求項21】
オレフィン原料組成物が直鎖状内部オレフィンを更に含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
蒸留過程を用いて、アルファ-オレフィン生成物中のアルファ-モノ-オレフィンを、より少ない炭素原子を有する直鎖状及び分岐状のオレフィンから分離することを更に含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
直鎖状オレフィンがC~C直鎖状オレフィンを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
分岐状オレフィンがC~C分岐状オレフィンを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
オレフィン原料組成物が、90~97重量%のアルファ-モノ-オレフィンと1~8%のビニリデンオレフィンとを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
オレフィンメタセシス触媒が、Ni、W、Ru、Mo、Re及びこれらの組み合わせから成る群から選択される金属を含む遷移金属錯体である、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
オレフィンメタセシス触媒が、Ruを含む遷移金属錯体である、請求項20に記載の方法。
【請求項28】
オレフィンメタセシス触媒が、グラブス触媒、シュロック触媒又はホベイダ触媒である、請求項20に記載の方法。
【請求項29】
オレフィンメタセシス触媒が、ルテニウムカルベンメタセシス触媒及びモリブデンカルベンメタセシス触媒から選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項30】
オレフィンメタセシス触媒が、ジクロロ(フェニルメチレン)ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム、又は1,3-ビス-(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-(イミダゾリジニリデン)(フェニルメチレン)-ジクロロ(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムである、請求項20に記載の方法。
【請求項31】
メタセシス反応条件が、オレフィン原料の融点から摂氏120度までの範囲のメタセシス反応温度を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項32】
異性化触媒がゼオライト触媒である、請求項20に記載の方法。
【請求項33】
ゼオライト触媒が、1.3g/ccの密度を有し、且つ、式Na56[(AlO56(SiO136264Oを有する、立方体配列の合成結晶アルミノシリケートである、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
触媒の存在下でアルファ-オレフィン生成物を重合して、抵抗低減剤を形成することを更に含む、請求項20に記載の方法。
【請求項35】
アルファ-モノ-オレフィンが4~20個の炭素原子を有する、請求項20に記載の方法。
【請求項36】
アルファ-モノ-オレフィンが6~16個の炭素原子を有する、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
アルファ-モノ-オレフィンが8~14個の炭素原子を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
アルファ-モノ-オレフィンが10~12個の炭素原子を有する、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
アルファ-モノ-オレフィンが10個の炭素原子を有する、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
オレフィン原料組成物が、ジオレフィン及びトリオレフィンのうちの少なくとも1種を更に含む、請求項20に記載の方法。
【請求項41】
直鎖状内部モノ-オレフィンと、10個超の炭素原子を有するアルファ-オレフィン、ビニリデンオレフィン、ジオレフィン及び/又はトリオレフィンのうちの少なくとも1種とを含む、オレフィン原料組成物を提供すること;
オレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物を提供すること;及び
触媒組成物の存在下、メタセシス反応条件でオレフィン原料組成物とエチレンを反応させて、アルファ-モノ-オレフィンと、アルファ-モノ-オレフィンよりも少ない炭素原子を有する1種以上のアルファ-オレフィンとを含む、アルファ-オレフィン生成物を製造すること
を含む、方法。
【請求項42】
蒸留過程を用いて、アルファ-オレフィン生成物中のアルファ-モノ-オレフィンを、アルファ-モノ-オレフィンよりも少ない炭素原子を有する1種以上のアルファ-オレフィンから分離することを更に含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
アルファ-モノ-オレフィンよりも少ない炭素原子を有する1種以上のアルファ-オレフィンが、C~Cアルファ-オレフィンを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
アルファ-モノ-オレフィンよりも少ない炭素原子を有する1種以上のアルファ-オレフィンが、アルファ-モノ-オレフィン及びジオレフィンのうちの少なくとも1種を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項45】
アルファ-モノ-オレフィンが1-デセンである、請求項41に記載の方法。
【請求項46】
10個超の炭素原子を有するアルファ-モノ-オレフィンが、12個の炭素原子を有する、請求項41に記載の方法。
【請求項47】
3-ドデセンと、アルファ-オレフィン、ビニリデンオレフィン、ジオレフィン及び/又はトリオレフィンのうちの少なくとも1種とを含む、オレフィン原料組成物を提供すること;
オレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物を提供すること;及び
触媒組成物の存在下、メタセシス反応条件でオレフィン原料組成物とエチレンを反応させて、1-デセン、10個未満の炭素原子を有する直鎖状及び/又は分岐状オレフィンを有するアルファ-オレフィン生成物を製造すること
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年6月6日に出願された米国仮特許出願第62/515975号及び2018年5月16日に出願された米国特許出願公開第15/981021号の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
分野
本明細書に記載の実施は一般に、導管、特にパイプラインを通る炭化水素の流れを改善するための、とりわけ抵抗低減剤に使用されるアルファ-オレフィンの精製方法に関する。
【0003】
関連技術の説明
パイプラインなどの導管内の液体の流れは通常、摩擦エネルギーの損失をもたらす。このエネルギー損失のため、導管内の液体の圧力は、導管に沿って流れの方向に減少する。直径が固定された導管の場合、この圧力低下は流量の増加とともに増加する。導管内の流れが乱れている場合(例えばレイノルズ数が約2100を超える場合)、導管を流れる液体に特定の超高分子量ポリマーを追加して、摩擦エネルギー損失を減らし、圧力降下と流量の関係を変えることができる。このようなポリマーは、抵抗低減剤(「DRA」)と呼ばれることもあり、乱流プロセスと相互作用し、摩擦圧力損失を減らすことにより、所与の流量に対する圧力降下が小さくなるか、又は所与の圧力降下に対する流量が大きくなる。DRAは摩擦エネルギー損失を低減することから、液体が流れるパイプライン、ホース、その他の導管の流動能(flow capability)の向上が可能である。また、DRAは、流体のポンピングのコスト、流体のポンピングに使用される装置のコストを削減し、所与のフローキャパシティ(flow capacity)に対してより小さなパイプ径の使用を提供する。したがって、改善された抵抗減少物質を形成するための継続的な必要性が存在する。
【0004】
一般に、多くの市販の石油パイプラインDRAは、主に非晶質又は非結晶性の超高分子量ポリアルファオレフィンポリマーであり、さまざまなアルファ-オレフィンモノマーから生成される高度に直鎖状のポリマーである。これらのアルファ-オレフィンモノマーは典型的には、エチレンのオリゴマー化、選択された植物油の化学変換又は他の製造方法によって作られ、DRAを作るための原料である。しかし、アルファ-オレフィンモノマーに加えて、エチレンのオリゴマー化又は他のアルファ-オレフィン製造方法の原料は、他の異性体又は同じ炭素原子数の副産物をもたらす可能性もある。このような他の異性体の存在は、DRAを形成する重合を妨げる可能性がある。したがって、とりわけDRAを製造するための原料中のアルファ-オレフィン含有量を増加させる必要がある。また、他のオレフィン化合物の原料中のアルファ-オレフィン含有量も増加させる必要がある。
【発明の概要】
【0005】
本明細書に記載の実施は概して、アルファ-オレフィンを精製するための方法に関する。アルファ-オレフィンは、とりわけ、導管、特にパイプラインを通る炭化水素の流れを改善するための抵抗低減剤を形成するために使用され得る。ある実施では、アルファ-オレフィン含有量を増加させる方法が提供される。この方法は、アルファ-モノ-オレフィンと、アルファ-モノ-オレフィンと同数の炭素原子を有するジオレフィン及び/又はアルファ-モノ-オレフィンと同数の炭素原子を有するトリオレフィンのうちの少なくとも1種とを有する、オレフィン原料組成物を提供することを含む。該方法は、オレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物の存在下で、オレフィン原料組成物をエチレンと接触させることを更に含む。該方法は、メタセシス反応条件でオレフィン原料組成物とエチレンを反応させて、アルファ-モノ-オレフィンと、アルファ-モノ-オレフィンよりも少ない炭素原子を有する1種以上のアルファ-オレフィンとを含む、アルファ-オレフィン生成物を製造することを更に含む。蒸留などの方法で分離すると、アルファ-モノ-オレフィンが非常に濃縮された画分が得られる。
【0006】
別の実施では、アルファ-オレフィン含有量を増加させる方法が提供される。該方法は、アルファ-モノ-オレフィンとビニリデンオレフィンとを有するオレフィン原料組成物を提供することを含む。該方法は、異性化触媒の存在下でオレフィン原料組成物を反応させて、ビニリデンオレフィンから形成された分岐状内部オレフィンとアルファ-モノ-オレフィンとを有する異性化オレフィン原料を形成することを更に含む。該方法は、オレフィンメタセシス触媒を有する触媒組成物の存在下で、異性化オレフィン原料組成物をエチレンと接触させることを更に含む。該方法には、メタセシス反応条件で異性化オレフィン原料組成物とエチレンを反応させて、アルファ-モノ-オレフィンを有するアルファ-オレフィン生成物、アルファ-モノ-オレフィンよりも少ない炭素原子を有する直鎖状及び分岐状のオレフィンを製造することが更に含まれる。蒸留などの方法で分離すると、アルファ-モノ-オレフィンが非常に濃縮された画分が得られる。
【0007】
更に別の実施では、アルファ-オレフィン含有量を増加させる方法が提供される。該方法は、1-デセンと、少なくとも1種の少なくとも10個の炭素原子を有するジオレフィン及び/又は少なくとも10個の炭素原子を有するトリオレフィンとを有する、オレフィン原料組成物を提供することを含む。該方法は、オレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物の存在下で、オレフィン原料組成物をエチレンと接触させることを更に含む。該方法は、メタセシス反応条件でオレフィン原料組成物とエチレンを反応させて、1-デセンと、10個未満の炭素原子を有する末端オレフィン及び10個未満の炭素原子を有するジオレフィンのうちの少なくとも1種とを含む、アルファ-オレフィン生成物を製造することを更に含む。蒸留などの方法で分離すると、1-デセンが非常に濃縮された画分が得られる。
【0008】
更に別の実施では、アルファ-オレフィン含有量を増加させる方法が提供される。該方法は、1-デセンとビニリデンオレフィンとを有するオレフィン原料組成物を提供することを含む。該方法は、ゼオライト触媒の存在下でオレフィン原料組成物を反応させて、1-デセンと、ビニリデンオレフィンから形成された分岐状内部オレフィンとを有する異性化オレフィン原料を形成することを更に含む。該方法は、オレフィンメタセシス触媒を有する触媒組成物の存在下で、異性化オレフィン原料組成物をエチレンと接触させることを更に含む。該方法は、メタセシス反応条件で異性化オレフィン原料組成物とエチレンを反応させて、1-デセン、10個未満の炭素原子を有する直鎖状及び分岐状のオレフィンを有するアルファ-オレフィン生成物を製造することを更に含む。蒸留などの方法で分離すると、1-デセンが非常に濃縮された画分が得られる。
【0009】
更に別の実施では、アルファ-オレフィン含有量を増加させる方法が提供される。該方法は、直鎖状内部モノ-オレフィンと、場合によって、10個より多い炭素原子を有するアルファ-オレフィン、ビニリデンオレフィン、ジオレフィン及び/又はトリオレフィンのうちの少なくとも1種とを有する、オレフィン原料組成物を提供することを含む。該方法は、オレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物を提供することを更に含む。該方法は、触媒組成物の存在下、メタセシス反応条件でオレフィン原料組成物とエチレンを反応させて、アルファ-モノ-オレフィンと、アルファ-モノ-オレフィンよりも少ない炭素原子を有する1種以上のアルファ-オレフィンとを含む、アルファ-オレフィン生成物を製造することを更に含む。蒸留などの方法で分離すると、アルファ-モノ-オレフィンが非常に濃縮された画分が得られる。
【0010】
更に別の実施では、アルファ-オレフィン含有量を増加させる方法が提供される。該方法は、3-ドデセンと、場合によって、アルファ-オレフィン、ビニリデンオレフィン、ジオレフィン及び/又はトリオレフィンのうちの少なくとも1種とを有する、オレフィン原料組成物を提供することを含む。該方法は、オレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物の存在下で、オレフィン原料組成物をエチレンと接触させることを更に含む。該方法は、メタセシス反応条件でオレフィン原料組成物とエチレンを反応させて、1-デセン、10個未満の炭素原子を有する直鎖状及び分岐状のオレフィンを有するアルファ-オレフィン生成物を製造することを更に含む。蒸留などの方法で分離すると、1-デセンが非常に濃縮された画分が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本開示の上記の特徴を詳細に理解することができるように、上で簡潔に要約された実施のより具体的な説明は、実施の図面を参照することによって得ることができるが、そのいくつかは添付の図面に示されている。ただし、本開示は他の同等に有効な実例を許容し得るため、添付の図面は本開示の典型的な実例のみを示しており、したがって開示の範囲を限定するものと見なされるべきではないことに留意されたい。
図1】本開示の1つ以上の実施による、オレフィン含有量を増加させるための反応スキームの第1の例を示す。
図2】本開示の1つ以上の実施による、オレフィン含有量を増加させるための反応スキームの第2の例を示す。
図3】本開示の1つ以上の実施による、オレフィン含有量を増加させるための反応スキームの第3の例を示す。
【0012】
理解を容易にするために、図間で共通する同一の構成要素には、可能な場合、同一の参照番号が使用されている。ある実施の構成要素及び特徴は、更なる記述なしに、他の実施に有益に組み込むことができると考えられる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の開示には、アルファ-オレフィン含有量を増加させるための方法、より詳細には、オレフィン原料中のアルファ-オレフィンの純度を上げるための方法、及びアルファ-オレフィンを組み込む抵抗低減剤を形成するための方法が記載される。抵抗低減剤の文脈で説明したが、本明細書に記載の実施は、高純度アルファ-オレフィンが望ましい他の方法にも適用可能である。本開示のさまざまな実施の完全な理解を提供するために、いくつかの詳細が以下の説明に記載されている。よく知られている詳細(異性化、メタセシス及び蒸留過程に関連することが多い)を説明するその他の詳細は、さまざまな実施の説明を不必要に曖昧にすることを避けるため、以下の開示では説明しない。
【0014】
本明細書では、異なる態様、実施及び特徴が詳細に定義されている。そのように定義された各態様、実施又は特徴は、そうでないことが明記されていない限り、他の(望ましい、有利な、又はその他の)態様、実施又は特徴(いずれも複数可)と組み合わせることができる。
【0015】
本明細書で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈から判断して明らかにそうでないと分かる以外は、複数の指示物を含む。
【0016】
本明細書で使用される場合、「含む(comprising、including、having)」という用語は、包括的であることを意図しており、列挙された要素以外の追加の要素があり得ることを意味する。
【0017】
本明細書で使用される場合、「アルファ-オレフィン」という用語は、第1及び第2の炭素原子間に二重結合を有するオレフィンを指す。「アルファ-オレフィン」という用語は、そうでないことが明記されていない限り、直鎖及び分岐状アルファ-オレフィンを含む。分岐状アルファ-オレフィンの場合、分岐は、オレフィン二重結合に対して2位(ビニリデンオレフィン)及び/又は3位又はそれ以上の位置に存在し得る。「アルファ-オレフィン」という用語自体は、明示的に示されない限り、ヘテロ原子の有無及び/又は他の炭素-炭素二重結合の有無を示すものではない。用語「炭化水素アルファ-オレフィン」又は「アルファ-オレフィン炭化水素」は、水素と炭素のみを含有するアルファ-オレフィン化合物を指す。用語「アルファ-オレフィン」と「末端オレフィン」は、互換的に使用可能である。
【0018】
本明細書で使用される場合、「アルファ-モノ-オレフィン」という用語は、第1及び第2の炭素原子間に二重結合を有するオレフィンを指す。アルファ-モノ-オレフィンの例には、1-へキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセン、1-ドコセン等が含まれる。用語「アルファ-モノ-オレフィン」と「1-オレフィン」は、互換的に使用可能である。
【0019】
本明細書で使用される場合、用語「ジオレフィン」という用語は、二重結合によって結合された2対の炭素原子を含有する不飽和炭化水素を有するオレフィンを指す。
【0020】
本明細書で使用される場合、用語「トリオレフィン」は、二重結合によって結合された3対の炭素原子を含有する不飽和炭化水素を有するオレフィンを指す。
【0021】
本明細書で使用される場合、「オレフィンメタセシス触媒」という用語は、オレフィンメタセシス反応を触媒する任意の触媒又は触媒系を含む。
【0022】
本明細書で使用される場合、「内部オレフィン」という用語は、第1の炭素原子と第2の炭素原子との間以外の任意の位置に二重結合を有するオレフィンを指す。「内部オレフィン」は、直鎖状でも分岐状でもよい。「分岐状内部オレフィン」は、内部二重結合の炭素原子の1つに分岐を有し、且つ/又は炭素原子内部オレフィン二重結合に関与するもの以外の任意の炭素原子に分岐を有する。「内部オレフィン」という用語は、明示的に示されない限り(例えば内部モノ-オレフィン)、「内部オレフィン」内の他の基、分岐、ヘテロ原子又は二重結合の有無を示さない。「直鎖状内部オレフィン」は、本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合は常に、ニ重結合が末端二重結合ではない直鎖状オレフィンを指す(例えば、各炭素原子に結合する唯一のオルガニル基)。「直鎖状内部オレフィン」という用語は、明示的に示されない限り(例えば直鎖状内部モノ-オレフィン)、他の基、ヘテロ原子又は二重結合の有無を示さない。
【0023】
本明細書で使用される場合、「原料オレフィン」又は「オレフィン原料組成物」という用語は、メタセシス触媒と接触する前に原料組成物又はオレフィン原料組成物中に元々存在するオレフィン化合物を指す。本明細書で使用される場合、「原料オレフィン」又は「オレフィン原料組成物」という用語は、メタセシス反応中に(メタセシス及び/又は異性化反応を介して)生成される新しいオレフィン化合物(これは、「オレフィン原料」中に元々存在しなかったものである)は含まない。
【0024】
本明細書で使用される場合、「アルファ-オレフィン生成物」という用語は、メタセシス反応によって生成される有機物質を指す。「アルファ-オレフィン生成物」という用語は、少なくとも3重量パーセントの量で存在する炭素原子の最大数を有する元の原料オレフィンの炭素数以下の炭素数を有する、メタセシス反応により生成される物質を指す。「アルファ-オレフィン生成物」という用語は、内部オレフィン(これはアルファ-オレフィンではない場合がある)を含む。
【0025】
本明細書で使用する場合、「異性化(isomerization)」、「異性化する(isomerizes)」又は「異性化すること(isomerizing)」という用語は、分子内の別の位置への炭素-炭素二重結合のシフトを指し得る。
【0026】
本明細書で使用する場合、用語「ビニリデンオレフィン」は、本明細書及び特許請求の範囲で使用する場合は常に、オレフィン二重結合に対して2位に分岐を有するアルファ-オレフィンを指す。ビニリデンオレフィンは、構造(R)(R)C=CH[式中、RとRは同じか、又はより一般的には異なるアルキル基である]を有する。ビニリデンオレフィンの例には、2-メチル-1-ブテン、2-メチル-1-ペンテン、2-エチル-1-オクテン、2-エチル-1-デセン、2-メチル-1-ノネン、2-ブチル-1-デセン、2-プロピル-1-オクテン、2-エチル-1-ドデセン、2-ヘキシル-1-デセン、2-エチル-1-テトラデセン、2-エチル-1-ヘキサデセン、2-メチル-1-ヘプタデセン、2-エチル-1-オクタデセン、2-ブチル-1-ヘキサデセン、2-エチル-1-エイコセン、2-ブチル-1-オクタデセン、2-エチル-1-ドコセン等が含まれる。
【0027】
アルファ-オレフィンは典型的には、エチレンのオリゴマー化、選択された植物油の化学変換又は他の製造方法によって作られ、抵抗低減ポリマーを作るための原料である。オリゴマー化又は変換混合物中のアルファ-オレフィン(別名1-アルケン)は、抵抗低減ポリマーの製造に最も効果的であり、存在する他のすべての異性体(例:ジオレフィン、トリオレフィン、ビニリデンオレフィン、又は内部オレフィン)は通常、重合を妨害して、超高分子量抵抗低減ポリマーを作製する。通常、これらの他の異性体もアルファ-オレフィンの他の化学反応に有害である。したがって、原料中のアルファ-オレフィンの純度はしばしば95%以上であるが、アルファ-オレフィン含有量の増加が望まれる。1つの既知の方法は、ゼオライト触媒を使用して2-エチル-1-アルケンを分岐状内部オレフィンに異性化することによりアルファ-オレフィン原料を改善することである。しかしながら、これらの得られた分岐オレフィンは、前駆体よりも抵抗低減ポリマーを製造するためのオレフィン重合においてもはや有用ではなく、分岐オレフィンも除去されない。
【0028】
本開示の1つの実施には、ゼオライト処理から生じる異性化オレフィン原料を取り、エチレンとのオレフィンメタセシス反応を行い、続いて低沸点フラグメントを除去することにより、アルファ-オレフィン原料ストリームを精製する方法が含まれる。エチレンとのオレフィンメタセシスは、内部オレフィンと異性化生成物を低沸点の低炭素オレフィンに変換する。アルファ-オレフィンは、本質的に反応しない。アルファ-オレフィンはエチレンとのメタセシスを受けることができるが、それは無益な反応であり、同じアルファ-オレフィンとエチレンを返す。副生成物のオレフィンを蒸留により除去して、アルファ-オレフィン含有量が増加した原料を提供することができる。この方法の更なる利点は、低沸点のストリームを更に処理することにより、奇数の炭素数のアルファ-オレフィンを生成するためにも使用できることである。更に、他の特殊オレフィンは、本明細書で説明する実施を使用して単離可能である。
【0029】
本開示の実施は、高純度のアルファ-オレフィンを有するオレフィン原料を製造するための方法に関する。ある実施において、オレフィンメタセシス触媒の存在下で、ジオレフィン及び/又はトリオレフィン不純物を含むアルファ-オレフィン原料をエチレンと接触させ、低沸点の生成物を留去することにより、オレフィン原料組成物中のアルファ-オレフィン含有量が増加する。別の実施において、オレフィンメタセシス触媒の存在下で、ビニリデンオレフィン不純物を含むアルファ-オレフィン原料を異性化触媒と接触させ、その後エチレンと接触させ、低沸点の生成物を留去することにより、オレフィン原料組成物中のアルファ-オレフィン含有量が増加する。
【0030】
オレフィン原料、オレフィン原料を有する原料組成物、オレフィン原料のオレフィンに対する制約(あれば)、オレフィンメタセシス触媒、オレフィンメタセシス触媒を含むオレフィン触媒組成物、オレフィンメタセシス触媒の制約(あれば)、異性化オレフィン原料、異性化オレフィン原料を有する異性化原料組成物、異性化オレフィン原料のオレフィンに対する制約(あれば)、ゼオライト触媒、ゼオライト触媒を含むゼオライト触媒組成物、ゼオライト触媒の制約(あれば)、アルファ-オレフィン生成物、アルファ-オレフィン生成物についての制約、オレフィンメタセシス反応条件、オレフィンメタセシス反応条件に対する制約、異性化反応条件、異性化反応条件に対する制約等、本プロセス/方法の特徴、並びにその他の方法、特徴及び/又は工程は、本明細書中で独立に説明される。これらの特徴は、所望のアルファ-オレフィン純度を有するアルファ-オレフィン生成物を製造するためのプロセス/方法を説明するために必要な任意の組み合わせで利用することができる。
【0031】
ある実施において、この方法は、(1)アルファ-モノ-オレフィンと、アルファ-モノ-オレフィンと同数の炭素原子を有するジオレフィン及び/又はアルファ-モノ-オレフィンと同数の炭素原子を有するトリオレフィンのうちの少なくとも1種とを有する、オレフィン原料組成物を提供することを含む。該方法は、(2)オレフィンメタセシス触媒を有する触媒組成物を提供することを更に含む。該方法は、(3)オレフィンメタセシス組成物の存在下、メタセシス反応条件でオレフィン原料組成物とエチレンを反応させて、アルファ-モノ-オレフィンと、アルファ-モノ-オレフィンよりも少ない炭素原子を有する1種以上のアルファ-オレフィンとを含む、アルファ-オレフィン生成物を製造することを更に含む。蒸留などの方法で分離すると、アルファ-モノ-オレフィンが非常に濃縮された画分が得られる。理論に拘束されるものではないが、アルファ-モノ-オレフィンは変化せずにメタセシス反応を通過するが、ジオレフィンとトリオレフィンはメタセシス反応条件下で反応し、蒸留で容易に除去できる低分子量のオレフィンとジオレフィンを形成すると考えられる。
【0032】
図1は、本開示の1つ以上の実施による、オレフィン含有量を増加させるための反応スキーム100の第1の例を示す。図1について、別の実施では、該方法は、(1)1-デセンと、少なくとも10個の炭素原子を有するジオレフィン及び/又は少なくとも10個の炭素原子を有するトリオレフィンのうちの少なくとも1種とを有する、オレフィン原料組成物を提供することを含む。該方法は、(2)オレフィンメタセシス触媒を有する触媒組成物を提供することを更に含む。該方法は、(3)触媒組成物の存在下、メタセシス反応条件でオレフィン原料組成物をエチレンと反応させて、1-デセンと、10個未満の炭素原子を有する1種以上のアルファ-オレフィンとを有するアルファ-オレフィン生成組成物(product composition)を製造することを更に含む。
【0033】
オレフィン原料は一般に、任意のオレフィン化合物を含むか、又は本質的にそれから成ってもよい。本明細書に記載されているその他のオレフィン原料の特徴の中でも、オレフィンを説明するために利用できる更なる特徴には、存在するオレフィンの種類、存在するオレフィンの炭素数、オレフィンの平均分子量、及び/又は存在する特定の種類のオレフィンの含有量(すなわち重量パーセント又はモルパーセント),が含まれる。オレフィン原料のこれらの特徴は、本明細書中に独立に記載されており、オレフィン原料のオレフィンを説明するために任意の組み合わせで利用することができる。
【0034】
ある実施において、オレフィン原料のオレフィンは、脂肪族オレフィン、芳香族オレフィン又はこれらの組み合わせ、或いは脂肪族オレフィン;或いは芳香族オレフィンを含むか、或いはそれから成っていてもよい。いくつかの実施において、オレフィン原料のオレフィン(脂肪族又は芳香族)は、直鎖状オレフィン、分岐オレフィン又はこれらの組み合わせ、或いは直鎖状オレフィン;或いは分岐オレフィンを含むか、又は本質的にそれから成っていてもよい。他の実施において、オレフィン原料のオレフィン(脂肪族又は芳香族、直鎖状又は分岐状、或いはこれらの組み合わせ)は、非環式オレフィン、環式オレフィン、又はこれらの組み合わせ;或いは非環式オレフィン、或いは環式オレフィンを含むか、又は本質的にそれから成っていてもよい。いくつかの実施において、オレフィン原料のオレフィン(脂肪族又は芳香族、直鎖状又は分岐状、環式又は非環式、或いはこれらの組み合わせ)は、炭化水素オレフィンを含むか、又は本質的にそれから成っていてもよい。ある実施において、オレフィン原料のオレフィン(脂肪族又は芳香族、直鎖状又は分岐状、環式又は非環式、炭化水素、或いはこれらの組み合わせ)は、アルファ-オレフィンを含むか、又は本質的にそれから成っていてもよい。いくつかの実施において、オレフィン原料のオレフィン(脂肪族又は芳香族、環式又は非環式、炭化水素、或いはこれらの組み合わせ)は、直鎖状アルファ-オレフィン及び分岐アルファ-オレフィン[ここで、分岐(複数可)は、オレフィン二重結合に対して3位以上の炭素原子上に存在する];或いは直鎖状アルファ-オレフィン;或いは、オレフィン二重結合に対して3位以上に分岐を有する分岐アルファ-オレフィンを含むか、又は本質的にそれから成っていてもよい。ある実施において、オレフィン原料のオレフィン(脂肪族又は芳香族、直鎖状又は分岐状、環式又は非環式、炭化水素、或いはこれらの組み合わせ)は、炭化水素アルファ-オレフィンを含むか、又は本質的にそれから成っていてもよい。ある実施において、オレフィン原料のオレフィンは、直鎖状炭化水素アルファ-オレフィン;或いは通常のアルファ-オレフィンを含むか、又は本質的にそれから成っていてもよい。
【0035】
ある実施において、オレフィン原料のオレフィン(脂肪族又は芳香族、直鎖状又は分岐状、環式又は非環式、炭化水素、アルファ-オレフィン、或いはこれらの組み合わせ)は、モノ-オレフィン、ジオレフィン及び/又はトリオレフィンを含むか、或いは本質的にそれらから成っていてもよい。いくつかの実施において、オレフィン原料のオレフィン(脂肪族又は芳香族、直鎖状又は分岐状、環式又は非環式、アルファ-オレフィン、或いはこれらの組み合わせ)は、炭化水素モノ-オレフィン、ジオレフィン及び/又はトリオレフィンを含むか、或いは本質的にそれらから成っていてもよい。いくつかの実施において、オレフィン原料のオレフィン(脂肪族又は芳香族、直鎖状又は分岐状、環式又は非環式、炭化水素、又はアルファ-オレフィン、通常のアルファ-オレフィン、モノ-オレフィン、ジオレフィン、トリオレフィン、或いはこれらの組み合わせ)は、偶数個の炭素原子を有するオレフィン;又は奇数個の炭素原子を有するオレフィンを含むか、或いは本質的にそれから成っていてもよい。
【0036】
ある実施において、オレフィン原料は、少なくとも4個の炭素原子;又は少なくとも6個の炭素原子;又は少なくとも8個の炭素原子;又は少なくとも10個の炭素原子;又は少なくとも12個の炭素原子;又は少なくとも14個の炭素原子;又は少なくとも16個の炭素原子;又は少なくとも18個の炭素原子を有するオレフィンを含むか、或いは本質的にそれから成っていてもよい。いくつかの実施において、オレフィン原料は、4~20個の炭素原子;又は6~16個の炭素原子;又は8~14個の炭素原子;又は10~12個の炭素原子;又はこれらの混合物を有するオレフィンを含むか、或いは本質的にそれから成っていてもよい。
【0037】
ある実施において、オレフィン原料は、少なくとも4個の炭素原子;又は少なくとも6個の炭素原子;又は少なくとも8個の炭素原子;又は少なくとも10個の炭素原子;又は少なくとも12個の炭素原子;又は少なくとも14個の炭素原子;又は少なくとも16個の炭素原子;又は少なくとも18個の炭素原子を有するアルファ-モノ-オレフィンを含むか、或いは本質的にそれから成っていてもよい。いくつかの実施において、オレフィン原料は、4~20個の炭素原子;又は6~16個の炭素原子;又は8~14個の炭素原子;又は10~12個の炭素原子;又はこれらの混合物を有するアルファ-モノ-オレフィンを含むか、或いは本質的にそれから成っていてもよい。いくつかの実施において、アルファ-モノ-オレフィンは、1-デセンである。
【0038】
ある実施において、オレフィン原料組成物は、アルファ-モノ-オレフィンと、アルファ-モノ-オレフィンと同数の炭素原子を有するジオレフィン及び/又はアルファ-モノ-オレフィンと同数の炭素原子を有するトリオレフィンのうちの少なくとも1種とを含む。いくつかの実施において、オレフィン原料組成物は、アルファ-モノ-オレフィンと比較して異なる数の炭素原子を有するジオレフィン及び/又はアルファ-モノ-オレフィンと比較して異なる数の炭素原子を有するトリオレフィンのうちの少なくとも1種を更に含む。いくつかの実施において、オレフィン原料組成物は、第1のアルファ-モノ-オレフィンと比較して異なる数の炭素原子を有する第2のアルファ-モノ-オレフィンを更に含む。
【0039】
ある実施において、オレフィン原料組成物は、93.5~96重量%(例:94~96重量%)のアルファ-モノ-オレフィン、1~6重量%のジオレフィン、及び0~4重量%(例:0.5~4重量%)のトリオレフィンを含む。
【0040】
ある実施において、オレフィン原料組成物は、アルファ-モノ-オレフィンと、少なくとも10個の炭素原子を有するジオレフィン及び/又は少なくとも10個の炭素原子を有するトリオレフィンのうちの少なくとも1種とを含む。ある実施において、オレフィン原料組成物は、93.5~96重量%(例:94~96重量%)の1-デセン、1~6重量%のジオレフィン、及び0~4重量%(例:0.5~4重量%)のトリオレフィンを含む。
【0041】
最小限、オレフィン原料を含む原料組成物は、本明細書に記載の任意の所望のオレフィン原料を含み得る。ある実施において、オレフィン原料を含む原料組成物は、溶媒又は希釈剤を更に含み得る。いくつかの実施において、オレフィン原料を含む原料組成物は、本明細書に記載の任意のオレフィン原料から本質的に成っていてもよく、;又は本明細書に記載の任意のオレフィン原料と本明細書に記載の任意の溶媒又は希釈剤とから本質的に成っていてもよい。オレフィン原料を含む原料組成物に利用され得る溶媒又は希釈剤は、本明細書に記載されている。他の実施において、オレフィン原料を含む原料組成物は、実質的に溶媒又は希釈剤を欠いてもよい。
【0042】
ある実施において、オレフィン原料組成物は、オレフィンメタセシス触媒の存在下で、エチレンと接触する。エチレンは、オレフィンメタセシス触媒を入れた反応器に供給されてもよい。いくつかの実施において、エチレンとオレフィン原料組成物は、同時に反応器に流入する。いくつかの実施において、エチレンとオレフィン原料組成物は、順次反応器に流入する。
【0043】
一般に、所望の純度のアルファ-モノ-オレフィンを有するアルファ-オレフィン生成物を製造することができる任意のオレフィンメタセシス触媒を使用することができる。但し、他のメタセシス反応パラメーター(例えばオレフィン原料特性及び/又はメタセシス反応条件)に応じて、特定の場合には特定の種類(複数可)のオレフィンメタセシス触媒が好まれることがある。
【0044】
オレフィンメタセシス触媒及び/又はオレフィンメタセシス触媒系は、オレフィン原料と接触したオレフィンメタセシス触媒の化合物又は認識された初期オレフィンメタセシス触媒種別に分類することができる。メタセシス反応が開始されると、初期触媒種が他の種に変換されるため、真の触媒種を決定するのが難しい場合がしばしばあり得る。当業者は、オレフィン原料と接触した化合物に基づいて、オレフィンメタセシス触媒又はオレフィンメタセシス触媒系の種類を容易に認識するであろう。いくつかの実施において、最初にオレフィンメタセシス触媒又はオレフィンメタセシス触媒系の前駆体をオレフィン原料に接触させ、in situでオレフィンメタセシス触媒又はオレフィンメタセシス触媒系を作製してもよい。当業者は、オレフィン原料と共に添加された/オレフィン原料と接触した物質から、特定の種類のオレフィンメタセシス触媒及び/又はオレフィンメタセシス触媒系を容易に認識するであろう。適切なオレフィンメタセシス触媒の非限定的な例には、当技術分野で知られているグラブス触媒、ホベイダ(Hoveyda)触媒、及びシュロック触媒が含まれる。
【0045】
オレフィンメタセシスは、2つ以上の反応物間のオレフィン(アルケニル)炭素-炭素二重結合の金属触媒による再分配である。本研究の大部分は、2005年にノーベル賞を共同受賞したGrubbsとSchrockが先駆けであり、前述の反応に利用される触媒種の多くは彼らの名前に因んでいる。例えば、“Olefin Metathesis,” Tetrahedron, vol. 60, pp. 7117-7140 (2004); R. R. Schrock et al., “Molybdenum and Tungsten Imido Alkylidene Complexes as Efficient Olefin-Metathesis Catalysts,” Angew. Chem. Int. Ed., vol. 42, pp. 4592-4633 (2003);及びTrnka et al., “The Development of L2X2Ru=CHR Olefin Metathesis Catalysts: An Organometallic Success Story,” Acc. Chem. Res., vol. 34, pp. 18-29 (2001)参照。
【0046】
オレフィンメタセシス触媒は、Ni、W、Ru、Mo、Re及びこれらの組み合わせから成る群から選択される金属を含む遷移金属錯体である。ある実施において、オレフィンメタセシス触媒は、Ruを含む遷移金属錯体である。
【0047】
ある実施において、オレフィンメタセシス触媒は、金属酸化物ベースのオレフィンメタセシス触媒系、金属ハロゲン化物ベースのオレフィンメタセシス触媒系、又は金属カルベンベースのオレフィンメタセシス触媒系とすることができる。いくつかの実施において、オレフィンメタセシス触媒は、金属酸化物ベースのオレフィンメタセシス触媒系、又は金属ハロゲン化物ベースのオレフィンメタセシス触媒系とすることができる。他の実施において、オレフィンメタセシス触媒は、金属酸化物ベースのオレフィンメタセシス触媒系;又は金属ハロゲン化物ベースのオレフィンメタセシス触媒系;又は金属カルベンベースのオレフィンメタセシス触媒系であってもよい。
【0048】
適切な金属酸化物ベースのオレフィンメタセシス触媒又は触媒系(以下、「金属酸化物オレフィンメタセシス触媒」という)の例は、酸化コバルト、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化レニウム、又はこれらの組み合わせを含むことができる。いくつかの実施において、金属酸化物オレフィンメタセシス触媒は担体を更に含み;或いは、金属酸化物オレフィンメタセシス触媒は、担持されていなくてもよい。適切な金属酸化物オレフィンメタセシス触媒担体には、アルミナ、シリカ、シリカ-アルミナ、及びリン酸アルミニウムが含まれる。更なる実施において、金属酸化物オレフィンメタセシス触媒は、金属アルキル活性化剤を更に含む。金属酸化物オレフィンメタセシス触媒に適した金属アルキル活性化剤は、本明細書に記載される。適切な金属酸化物オレフィンメタセシス触媒の非限定的な例には、アルミナ上の酸化モリブデン(MoO/Al)、シリカ上の酸化タングステン(WO/SiO)、アルミナ上の酸化レニウム(Re/Al)、アルミナ上の酸化コバルト及び酸化モリブデン(CoO/MoO/Al)、並びにテトラメチルスズで活性化された、アルミナ上の酸化レニウム(Re/Al/SnMe)が含まれる。その他の適切な金属酸化物メタセシス触媒は、当業者に知られている。
【0049】
適切な金属ハロゲン化物ベースのオレフィンメタセシス触媒及び/又は触媒系(以下「金属ハロゲン化物メタセシス触媒」と呼ぶ)は、タングステン、モリブデン又はこれらの混合物のハロゲン化物を含み得る。ある実施において、金属ハロゲン化物オレフィンメタセシス触媒のハロゲン化物は、塩化物、臭化物又はヨウ化物;或いは塩化物;或いは臭化物;或いはヨウ化物であり得る。いくつかの実施において、金属ハロゲン化物オレフィンメタセシス触媒は、塩化タングステン、塩化モリブデン又はこれらの混合物を含み得る。他の実施において、金属ハロゲン化物オレフィンメタセシス触媒は、塩化タングステン又は塩化モリブデンを含む。典型的には、金属ハロゲン化物オレフィンメタセシス触媒は、金属アルキル活性化剤を更に含む。金属ハロゲン化物オレフィンメタセシス触媒に適した金属アルキル活性化剤は、本明細書に記載される。金属ハロゲン化物オレフィンメタセシス触媒は、メタセシス活性を提供及び/又は増加させるために、金属ハロゲン化物及び金属アルキル活性化剤に加えて、例えばアルコール又は酸素などの他の作用物質を更に含み得る。金属ハロゲン化物オレフィンメタセシス触媒の非限定的な例には、塩化タングステン/テトラブチルスズ(WCl/SnMe)、塩化タングステン/二塩化エチルアルミニウム(WCl/EtAlCl)、塩化タングステン/二塩化エチルアルミニウム/エチルアルコール(WCl/EtAlCl/EtOH)、塩化モリブデン/トリエチルアルミニウム(MoCl/AlEt)、及び塩化モリブデン/トリエチルアルミニウム/O(MoCl/AlEt/O)が含まれる。その他の適切な金属ハロゲン化物メタセシス触媒は、当業者に知られている。
【0050】
典型的には、金属酸化物メタセシス触媒又は金属ハロゲン化物メタセシス触媒用の金属アルキル活性化剤は、任意の金属アルキルを含むか、又は本質的にそれから成っていてもよい。適切な金属アルキル化合物には、アルキルリチウム、アルキルマグネシウム、アルキルアルミニウム、アルキルスズ化合物、及びこれらの混合物が含まれ得る。いくつかの実施において、金属アルキル化合物は、アルキルリチウム化合物;又はアルキルマグネシウム化合物;又はアルキルアルミニウム化合物;又はアルキルスズ化合物であってもよい。適切なアルキルアルミニウム化合物には、トリアルキルアルミニウム化合物及び/又はハロゲン化アルキルアルミニウム化合物が含まれ得る。金属アルキルに適したアルキル基には、C~C10ヒドロカルビル基;又はC~Cヒドロカルビル基が含まれる。いくつかの実施において、金属アルキルのアルキル基は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基又はtert-ブチル基;或いはメチル基、エチル基、n-ブチル基、sec-ブチル基又はtert-ブチル基;或いはメチル基;或いはエチル基;或いはn-ブチル基;或いはsec-ブチル基;或いはtert-ブチル基であってもよい。適切なトリアルキルアルミニウム化合物の例には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、及びトリブチルアルミニウムが含まれる。ハロゲン化アルキルアルミニウム化合物のハロゲン化物は、塩化物、臭化物又はヨウ化物;或いは塩化物;或いは臭化物;或いはヨウ化物であり得る。適切なハロゲン化アルキルアルミニウムの例には、二塩化エチルアルミニウム、塩化ジエチルアルミニウム、及びエチルアルミニウムセスキクロリドが含まれる。適切なアルキルスズ化合物には、テトラメチルスズ、テトラエチルスズ、及びテトラブチルスズが含まれる。
【0051】
金属カルベンオレフィンメタセシス触媒及び/又は触媒系(以下、「金属カルベンオレフィンメタセシス触媒」と呼ぶ)は、金属-炭素二重結合の存在によって特徴付けられる。金属酸化物及び金属ハロゲン化物オレフィンメタセシス触媒とは対照的に、金属カルベンオレフィンメタセシス触媒は、安定な金属-炭素二重結合を有するか、又は安定な金属-炭素単結合を有する金属前駆体からin situで金属-炭素二重結合を形成できる化合物であり得る。
【0052】
適切な金属カルベンオレフィンメタセシス触媒の金属は、タングステン、タンタル、オスミウム、モリブデン又はルテニウムを含むか、本質的にこれらから成ることができる。ある実施において、金属カルベンオレフィンメタセシス触媒は、タングステンカルベンオレフィンメタセシス触媒、モリブデンカルベンオレフィンメタセシス触媒、又はルテニウムカルベンオレフィンメタセシス触媒;或いはルテニウムカルベンオレフィンメタセシス触媒又はモリブデンカルベンオレフィンメタセシス触媒とすることもできる。いくつかの実施において、金属カルベンオレフィンメタセシス触媒は、タングステンカルベンオレフィンメタセシス触媒;又はオスミウムカルベンオレフィンメタセシス触媒;又はルテニウムカルベンオレフィンメタセシス触媒;又はモリブデンカルベンオレフィンメタセシス触媒とすることもできる。
【0053】
ある実施において、ルテニウムカルベンメタセシス触媒は、構造LRu=CHR[式中、L及びLは有機リガンドであり得、Xはハロゲン化物であり、Rは水素又はヒドロカルビル基を表す]を有し得る。基L、L、X及びRの更なる実施は、本明細書に独立に記載される。一般に、構造LRu=CHRを有するルテニウムカルベンメタセシス触媒は、本明細書に記載のL、本明細書に記載のL、及び本明細書に記載のRの任意の組み合わせを使用して記載できる。
【0054】
ある実施において、構造LRu=CHRを有するルテニウムカルベンメタセシス触媒のL及びLは独立に、R’P、イミダゾリニリデン基又はイミダゾリジニリデン基であり得る。いくつかの実施において、L及びLはR’Pであるか;或いはLはR’Pであり、且つ、Lはイミダゾリニリデン基又はイミダゾリジニリデン基であるか;或いはLはR’Pであり、且つ、Lはイミダゾリニリデン基であるか;或いはLはR’Pであり、且つ、Lはイミダゾリジニリデン基であるか;或いはL及びLはイミダゾリニリデン基であるか;或いはL及びLはイミダゾリジニリデン基である。
【0055】
ある実施において、R’PのR’はヒドロカルビル基であり得る。いくつかの実施において、R’Pの各R’は同じであってもよく;又はR’Pの各R’は異なっていてもよく;又はR’Pの1つのR’が他の2つのR’と異なっていてもよい。いくつかの実施において、R’Pの各R’はC~C15ヒドロカルビル基;又はC~C10ヒドロカルビル基であってもよい。他の実施において、R’Pの各ヒドロカルビルR’は独立に、アルキル基又は芳香族基で;或いはアルキル基;或いは芳香族基であってもよい。ある実施において、R’Pの各アルキルR’は独立に、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、ネオ-ペンチル基、シクロペンチル基、又はシクロヘキシル基であり得る。いくつかの実施において、R’Pの1つ以上のR’は、フェニル基;又は置換フェニル基であってもよい。ある実施において、R’P内の置換フェニル基の置換基は、C~Cオルガニル基(複数可);又はC~Cヒドロカルビル基(複数可)であってもよい。いくつかの実施において、R’Pはトリアルキルホスフィン又はトリフェニルホスフィン;或いはトリアルキルホスフィン;或いはトリフェニルホスフィンであってもよい。ある実施において、R’Pは、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリ-tert-ブチルホスフィン、トリ-ネオペンチルホスフィン、トリシクロペンチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン又はトリフェニルホスフィン;或いは、トリイソプロピルホスフィン、トリ-tert-ブチルホスフィン、トリ-ネオペンチルホスフィン、トリシクロペンチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン又はトリフェニルホスフィン;或いは、トリシクロペンチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン又はトリフェニルホスフィン;或いは、トリシクロペンチルホスフィン又はトリシクロヘキシルホスフィン;或いはトリシクロペンチルホスフィン;或いはトリシクロヘキシルホスフィン;或いはトリフェニルホスフィンであってもよい。
【0056】
ある実施において、イミダゾリニリデン基又はイミダゾリジニリデン基は、C~C80イミダゾリニリデン基又はイミダゾリジニリデン基;或いはC~C50イミダゾリニリデン基又はイミダゾリジニリデン基;或いはC~C40イミダゾリニリデン基又はイミダゾリジニリデン基であってもよい。いくつかの実施において、イミダゾリニリデン基は、1,3-二置換イミダゾリニリデン基であり得る。いくつかの実施において、イミダゾリジニリデン基は、1,3-二置換イミダゾリジニリデン基であり得る。ある実施において、1,3-二置換イミダゾリニリデン基又は1,3-二置換イミダゾリジニリデン基の各1,3-置換基は、ヒドロカルビル基であってもよい。ある実施において、1,3-二置換イミダゾリニリデン基又は1,3-二置換イミダゾリジニリデン基の1,3-置換基は、C~C30ヒドロカルビル基であってもよい。いくつかの実施において、1,3-二置換イミダゾリニリデン基又は1,3-二置換イミダゾリジニリデン基の各1,3-置換基は独立に、C~C20芳香族基又はC~C10アルキル基であってもよい。他の実施において、1,3-二置換イミダゾリニリデン基又は1,3-二置換イミダゾリジニリデン基の1,3-置換基は、C~C20芳香族基;又はC~C10アルキル基であってもよい。ある実施において、1,3-二置換イミダゾリニリデン基又は1,3-二置換イミダゾリジニリデン基の芳香族基(複数可)は、置換芳香族基であってもよい。いくつかの実施において、1,3-二置換イミダゾリニリデン基又は1,3-二置換イミダゾリジニリデン基の置換芳香族基は、2-二置換フェニル基、2,6-二置換フェニル基又は2,4,6-三置換フェニル基;或いは2,6-二置換フェニル基;或いは2,4,6-三置換フェニル基であり得る。1,3-二置換イミダゾリニリデン基又は1,3-二置換イミダゾリジニリデン基内の置換フェニル基(複数可)の適切な置換基には、任意のC1~C10ヒドロカルビル基;又は任意のC~Cヒドロカルビル基が含まれる。いくつかの実施において、1,3-二置換イミダゾリニリデン基又は1,3-二置換イミダゾリジニリデン基内の置換フェニル基(複数可)の各ヒドロカルビル基(複数可)は独立に、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソ-プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基又はtert-ブチル基;或いは、メチル基、エチル基、n-ブチル基、sec-ブチル基又はtert-ブチル基;或いはメチル基;或いはエチル基;或いはイソプロピル基;或いはtert-ブチル基であり得る。いくつかの実施において、1,3-二置換イミダゾリニリデン基又は1,3-二置換イミダゾリジニリデン基の1,3-置換基は、2,6-ジイソプロピルフェニル基又は2,4,6-トリメチルフェニル基;或いは、2,6-ジイソプロピルフェニル基;或いは2,4,6-トリメチルフェニル基であり得る。
【0057】
ある実施において、構造LRu=CHRを有するルテニウムカルベンメタセシス触媒の各Xは独立に、塩化物、臭化物又はヨウ化物であり得る。いくつかの実施において、Xは、塩化物、又は臭化物、又はヨウ化物であり得る。
【0058】
ある実施において、構造LRu=CHRを有するルテニウムカルベンメタセシス触媒のRは、水素又はC~C20ヒドロカルビル基;或いはC~C20ヒドロカルビル基であってもよい。いくつかの実施において、ヒドロカルビル基Rは、メチル基(--CH)、エチル基(--CHCH)、イソプロピル基(--CH(CH)、tert-ブチル基(--C(CH)、フェニル基(--C)、2-メチル-2-プロペン基(--CH=C(CH)、又は2,2-ジフェニルエテン基(--CH=C(C)であってもよい。他の実施において、Rは、tert-ブチル基(--C(CH、フェニル基(--C)、2-メチル-2-プロペン基(--CH=C(CH、又は2,2-ジフェニルエテン基(--CH=C(C);或いは水素;或いはtert-ブチル基(--C(CH);或いはフェニル基(--C);或いはtert-ブチル基(--C(CH);或いはフェニル基(--C);或いは2-メチル-2-プロペン基(--CH=C(CH);或いは2,2-ジフェニルエテン基(--CH=C(C)であってもよい。
【0059】
いくつかの非限定的な実施において、ルテニウムカルベンメタセシス触媒は、ジクロロ(フェニルメチレン)ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム、ジクロロ(3-メチル-2-ブテニリデン)ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム、ジクロロ(3-メチル-2-ブテニリデン)ビス(トリシクロペンチルホスフィン)ルテニウム、1,3-ビス-(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-(イミダゾリジニリデン)(フェニルメチレン)-ジクロロ(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム、又は1,3-ビス-(2,6-ジイソ-プロピルフェニル)-2-(イミダゾリジニリデン)(フェニルメチレン)-ジクロロ(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムであり得る。いくつかの実施において、ルテニウム金属カルベンメタセシス触媒は、ジ-クロロ(フェニルメチレン)ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム;又はジクロロ(3-メチル-2-ブテニリデン)ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム;又は1,3-ビス-(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-(イミダゾリジニリデン)(フェニルメチレン)-ジクロロ(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム;又は1,3-ビス-(2,6-ジイソプロピルフェニル)-2-(イミダゾリジニリデン)(フェニルメチレン)-ジクロロ(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムであり得る。
【0060】
ある実施において、モリブデンカルベンメタセシス触媒は、構造Mo(=CHR)(NAr)(OR’)[式中、Rは水素又はヒドロカルビル基であり、Arは置換芳香族環であり、R’はヒドロカルビル基又はハロゲン化ヒドロカルビル基である]を有してもよい。基R、Ar及びR’の更なる実施は、本明細書に独立に記載される。一般に、構造Mo(=CHR)(NAr)(OR’)を有するモリブデンカルベンメタセシス触媒は、本明細書に記載のR、本明細書に記載のAr、及び本明細書に記載のR’の任意の組み合わせを使用して記載できる。
【0061】
いくつかの実施において、構造Mo(=CHR)(NAr)(OR’)を有するモリブデンカルベンメタセシス触媒のRは、水素又はC~C20ヒドロカルビル基;或いはC~C20ヒドロカルビル基であり得る。いくつかの実施において、ヒドロカルビル基Rは、メチル基(--CH)、エチル基(--CHCH)、イソプロピル基(--CH(CH)、tert-ブチル基(--C(CH)、フェニル基(--C)、2-メチル-2-プロペン基(--CH=C(CH)、又は2,2-ジフェニルエテン基(--CH=C(C)であってもよい。他の実施において、Rは、tert-ブチル基(--C(CH、フェニル基(--C)、2-メチル-2-プロペン基(--CH=C(CH、又は2,2-ジフェニルエテン基(--CH=C(C);或いはtert-ブチル基(--C(CH)又はフェニル基(--C);或いは水素;或いはtert-ブチル基(--C(CH);或いはフェニル基(--C);或いは2-メチル-2-プロペン基(--CH=C(CH);或いは2,2-ジフェニルエテン基(--H=C(C)であってもよい。
【0062】
ある実施において、構造Mo(=CHR)(NAr)(OR’)を有するモリブデンカルベンメタセシス触媒の置換芳香族環、Arは、C~C30芳香族基;又はC~C20芳香族基であり得る。いくつかの実施において、置換芳香族環、Arは、C~C20ヒドロカルビル基である。ある実施において、構造Mo(=CHR)(NAr)(OR’)を有するモリブデンカルベンメタセシス触媒の置換芳香族環、Arの各置換基は独立に、C~C10ヒドロカルビル基;又はC~Cヒドロカルビル基であり得る。いくつかの実施において、構造Mo(=CHR)(NAr)(OR’)を有するモリブデンカルベンメタセシス触媒の置換芳香族環、Arは、2-置換フェニル基、2,6-二置換フェニル基、又は2,4,6-トリ置換フェニル基であり得る。ある実施において、該置換芳香族環の各置換基は独立に、メチル基(--CH)、エチル基(--CHCH)、イソプロピル基(--CH(CH)、tert-ブチル基(--C(CH)、又はネオペンチル基(-CHC(CH);或いはメチル基(--CH)、イソプロピル基(-CH(CH)、又はtert-ブチル基(--C(CH);或いはメチル基(--CH)、又はイソプロピル基(--CH(CH)であり得る。いくつかの実施において、該置換芳香族環の各置換基は独立に、メチル基(-CH);又はイソプロピル基(--CH(CH);又はtert-ブチル基(--C(CH)であり得る。いくつかの非限定的な実施では、構造Mo(=CHR)(NAr)(OR’)を有するモリブデンカルベンメタセシス触媒の置換芳香族環、Arは、2-tert-ブチルフェニル基、2,6-ジメチルフェニル基、2,6-ジイソプロピルフェニル基、又は2,4,6-トリメチルフェニル基;或いは2-tert-ブチルフェニル基;或いは2,6-ジメチルフェニル基;或いは2,6-ジイソプロピルフェニル基;或いは2,4,6-トリメチルフェニル基であり得る。
【0063】
ある実施において、構造Mo(=CHR)(NAr)(OR’)を有するモリブデンカルベンメタセシス触媒の各R’は独立に、C~C10有機基;又はC~C有機基であり得る。いくつかの実施において、C~C10又はC~C有機基は、ヒドロカルビルハリル(hydrocarbylhalyl)基(水素、炭素及びハロゲン原子から成る基);又はヒドロカルビルフルオリル(hydrocarbylfluoryl)を基(水素、炭素及びフッ素原子から成る基);又はヒドロカルビル基であり得る。ある実施において、ヒドロカルビルハリル基のハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素又はこれらの組み合わせ;或いはフッ素;或いは塩素;或いは臭素;或いはヨウ素であり得る。いくつかの実施において、構造Mo(=CHR)(NAr)(OR’)を有するモリブデンカルベンメタセシス触媒の各R’は独立に、tert-ブチル基(--C(CH)、又はヘキサフルオロ-tert-ブチル基(--C(CF(CH))基であり得る。他の実施において、(OR’)は単一の有機基を表すことができ、酸素原子に結合した2つのR’基は、R’基内の任意の二価、三価又は四価原子間の結合を介して接続される。更なる実施において、(OR’)は単一の有機基を表すことができ、酸素原子に結合した2つのR’基は、2つのR’基の任意の炭素原子の炭素-炭素結合を介して接続される。
【0064】
ある実施において、モリブデンカルベンメタセシス触媒は、Mo(=CH-C(CH)(N-2,6-ジイソプロピルフェニル)(OC(CH)、Mo(=CH-C(CH(C))(N-2,6-ジイソプロピルフェニル)(OC(CH)、Mo(=CH-C(CH)(N-2,6-ジイソプロピルフェニル)-(OC(CH)(CF)、又はMo(=CH--C(CH(C))(N-2,6-ジイソプロピルフェニル)-(O-C(CH)(CF)であり得る。他の実施において、モリブデンメタセシス触媒は、Mo(=CH--C(CH)(N-2,6-ジイソプロピルフェニル)-(OC(CH);又はMo(=CH--C(CH(C))(N-2,6-ジイソプロピルフェニル)-(OC(CH);又はMo(=CH-C(CH)(N-2,6-ジイソプロピルフェニル)-(OC(CH)(CF);又はMo(=CH--C(CH(C))(N-2,6-ジイソプロピルフェニル)-(OC(CH)(CF)でありう得る。
【0065】
いくつかの実施において、金属カルベンメタセシス触媒は、担体に取り付られていてもよい。金属カルベンメタセシス触媒は、金属-炭素二重結合を含まない任意のリガンドを介して担体に取り付られていてもよい。ある実施において、金属カルベン触媒担体は、ポリマーである。
【0066】
最小限、触媒組成物はメタセシス触媒(及び/又はメタセシス触媒系成分)を含む。ある実施において、触媒組成物は、メタセシス触媒(又はメタセシス触媒系成分)から本質的に成っていてもよい。ある実施において、メタセシス触媒を含む触媒組成物は、溶媒又は希釈剤を更に含んでもよい。いくつかの実施において、メタセシス触媒を含む触媒組成物は、メタセシス触媒(又はメタセシス触媒系成分)から本質的に成るか;或いはメタセシス触媒(又はメタセシス触媒系成分)と溶媒又は希釈剤とから本質的に成る。メタセシス触媒を含む触媒組成物に利用され得る溶媒又は希釈剤は、本明細書に記載されている。他の実施において、メタセシス触媒(又はメタセシス触媒系成分)を含む触媒組成物は、実質的に溶媒又は希釈剤を欠く。
【0067】
このメタセシスプロセスは、所望の純度のアルファ-モノ-オレフィンアルファモノオレフィンを有する所望のアルファ-オレフィン生成物を製造するのに適切な任意の条件下で実施することができる。所望の生成物を製造し、且つ、望ましくない副生成物を最小限にするために、例えば化学量論、雰囲気、溶媒、温度及び圧力が当業者によって選択され得る。メタセシスプロセスは、不活性雰囲気下で実施されてもよい。同様に、試薬がガスとして供給される場合、不活性ガス希釈剤を使用できる。不活性雰囲気又は不活性ガス希釈剤は、典型的には不活性ガスであり、ガスがメタセシス触媒と相互作用せず、触媒作用を実質的に妨げないことを意味する。例えば、特定の不活性ガスは、ヘリウム、ネオン、アルゴン、窒素から成る群から、個別に又はこれらの組み合わせで選択される。
【0068】
いくつかの実施において、メタセシス触媒は、メタセシス反応を実施する前に、溶媒に溶解する。特定の実施態様において、選択する溶媒は、メタセシス触媒に対して実質的に不活性であるように選択され得る。実質的に不活性な溶媒には、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;クロロベンゼン及びジクロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等を含む脂肪族溶媒;並びにジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等の塩素化アルカンが含まれるがこれらに限定されない。ある実施において、溶媒はトルエンを含む。
【0069】
メタセシス反応温度は、所望の純度の1-オレフィンを有する所望のアルファ-オレフィン生成物を許容可能な速度で与えるように選択される速度制御変数である。いくつかの実施において、メタセシス反応温度は、摂氏約-40度超、摂氏約-20度超、摂氏約0度超、又は摂氏約10度超である。いくつかの実施において、メタセシス反応温度は、摂氏約150度未満、摂氏約120度未満である。ある実施において、メタセシス反応温度は、摂氏約10度から摂氏約120度の間である。ある実施において、メタセシス反応温度は、オレフィン原料組成物の融点から摂氏120度までの範囲である。
【0070】
メタセシス反応は、任意の所望の圧力下で実行できる。一般に、反応溶液を処理可能な状態に維持する全圧を維持することが望ましいだろう。全圧は、約0.1atm(10kPa)より大きく、いくつかの実施態様では約0.3atm(30kPa)より大きいか、又は約1atm(100kPa)より大きくなるように選択することができる。通常、反応圧力は、約70atm(7000kPa)以下、いくつかの実施態様では約30atm(3000kPa)以下である。メタセシス反応の圧力範囲の非限定的な例は、約1atm(100kPa)~約30atm(3000kPa)である。
【0071】
一般に、メタセシス反応は、所望の純度のアルファ-モノ-オレフィンを有するアルファ-オレフィン生成物を与えることができる持続時間にわたって実施され得る。メタセシス反応の持続時間は、数あるメタセシス反応パラメーター(例:オレフィン原料が何であるか)の中でも、使用されるメタセシス触媒が何であるか、メタセシス触媒部分のオレフィン原料のモルに対するモル比、及びメタセシス反応温度に依存し得る。ある実施において、メタセシス反応の持続時間は、1分~48時間の範囲であり得る。いくつかの実施において、メタセシス反応の持続時間は、10分~30時間の範囲であり得る。他の実施において、メタセシス反応の持続時間は、15分~24時間;又は15分~12時間;又は15分~6時間;又は15分~4時間の範囲であり得る。
【0072】
いくつかの実施において、これらのメタセシス反応条件によって製造されるアルファ-オレフィン生成物は、オレフィン原料組成物のアルファ-モノ-オレフィン含有量と比較して増加したアルファ-モノ-オレフィン含有量を有する。いくつかの実施において、アルファ-オレフィン生成物は、アルファ-オレフィン生成物の総重量の約95重量%以上、約96重量%以上、約97重量%以上、約98重量%以上、又は約99重量%以上のアルファ-モノ-オレフィン含有量を有する。
【0073】
いくつかの実施において、アルファ-オレフィン生成物には、アルファ-モノ-オレフィン、10個未満の炭素原子を有するアルファ-オレフィン、及び分岐状内部オレフィンが含まれる。いくつかの実施において、アルファ-オレフィンは、10個未満の炭素原子を有する。いくつかの実施において、アルファ-オレフィンは、直鎖状末端オレフィンである。いくつかの実施において、10個未満の炭素原子を有するアルファ-オレフィンは、C~C末端オレフィンを含む。
【0074】
いくつかの実施において、アルファ-オレフィン生成物中のアルファ-モノ-オレフィンは、蒸留過程によってアルファ-オレフィン生成物から分離される。この蒸留過程は、アルファ-オレフィン生成物から低沸点フラグメントを除去し、残りのアルファ-モノ-オレフィンの純度を高める。
【0075】
より高い純度を得ることが望ましいいくつかの実施において、メタセシス及び蒸留過程を繰り返すことができる。
【0076】
別の実施において、該方法は、(1)アルファ-モノ-オレフィンとビニリデンオレフィンとを含むオレフィン原料組成物を提供すること、(2)異性化触媒の存在下でオレフィン原料組成物を反応させて、アルファ-モノ-オレフィンと、ビニリデンオレフィンから形成された分岐状内部オレフィンとを含む、異性化オレフィン原料を形成すること、(3)オレフィンメタセシス触媒を有する触媒組成物を提供すること、並びに(4)オレフィンメタセシス触媒の存在下、メタセシス反応条件で異性化オレフィン原料組成物とエチレンを反応させて、アルファ-モノ-オレフィン、オレフィン原料よりも少ない炭素原子を有する直鎖状及び分岐状のオレフィンを有する、アルファ-オレフィン生成物を製造することを含む。
【0077】
図2は、本開示の1つ以上の実施による、オレフィン含有量を増加させるための反応スキーム200の第2の例を示す。第2の反応スキーム200は、オレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物の存在下で異性化オレフィン原料組成物をエチレンと接触させる前に実施される追加の異性化プロセスを含むことを除いて、第1の反応スキーム100と同様である。反応スキーム200で1-デセンに加えて使用されるアルファ-オレフィン原料には、ビニリデンオレフィンが含まれる。異性化は、好ましくは、所望の1-デセン生成物を異性化しないがビニリデンオレフィンを分岐状内部オレフィンに容易に変換する触媒を用いて達成される。本明細書に記載の実施で使用できる触媒の例は、参照により全体が本明細書に援用される米国特許第6730750号に開示されている。理論に拘束されるものではないが、アルファ-モノ-オレフィン(例:1-デセン)は変化せずにメタセシス反応を通過し、一方、ビニリデンオレフィンと内部オレフィンはメタセシス反応条件下で反応し、蒸留で容易に除去できる低分子量のオレフィンを形成すると考えられる。
【0078】
図2について、別の実施では、該方法は、(1)1-デセンとビニリデンオレフィンとを含むオレフィン原料組成物を提供すること、(2)ゼオライト触媒の存在下でオレフィン原料組成物を反応させて、1-デセンと、ビニリデンオレフィンから形成された分岐状内部オレフィンとを含む、異性化オレフィン原料を形成すること、(3)オレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物の存在下で異性化オレフィン原料組成物をエチレンと接触させること、並びに(4)メタセシス反応条件で異性化オレフィン原料組成物とエチレンを反応させて、1-デセン、10個未満の炭素原子を有する直鎖状及び分岐状のオレフィンを含む生成物を製造することを含む。
【0079】
オレフィン原料組成物は、本明細書で前述したようなオレフィン原料組成物であってもよい。ある実施において、オレフィン原料組成物は、1-オレフィンとビニリデンオレフィンとを含む。ある実施において、オレフィン原料組成物は、90~97重量%(例:92~96重量%;又は92~94重量%)の1-オレフィンと1~8%のビニリデンオレフィン、場合によって0.5~4%の直鎖状i内部オレフィンを含む。ある実施において、オレフィン原料組成物は、90~97重量%(例:92~96重量%;又は92~94重量%)の1-デセンと1~8%のビニリデンオレフィン、場合によって0.5~4%の直鎖状i内部オレフィンを含む。
【0080】
ある実施において、オレフィン原料は、少なくとも4個の炭素原子;又は少なくとも6個の炭素原子;又は少なくとも8個の炭素原子;又は少なくとも10個の炭素原子;又は少なくとも12個の炭素原子;又は少なくとも14個の炭素原子;又は少なくとも16個の炭素原子;少なくとも18個の炭素原子;又はこれらの混合物を有するビニリデンオレフィンを含むか、或いは本質的にそれから成っていてもよい。いくつかの実施において、オレフィン原料は、4~20個の炭素原子;又は6~16個の炭素原子;又は8~14個の炭素原子;又は10~12個の炭素原子を有するビニリデンオレフィンを含むか、或いは本質的にそれから成っていてもよい。いくつかの実施において、ビニリデンオレフィンには、C10ビニリデンオレフィンが含まれる。
【0081】
ある実施において、オレフィン原料は、少なくとも4個の炭素原子;又は少なくとも6個の炭素原子;又は少なくとも8個の炭素原子;又は少なくとも10個の炭素原子;又は少なくとも12個の炭素原子;又は少なくとも14個の炭素原子;又は少なくとも16個の炭素原子;少なくとも18個の炭素原子;又はこれらの混合物を有する直鎖状内部オレフィンを含むか、或いは本質的にそれから成っていてもよい。いくつかの実施において、オレフィン原料は、4~20個の炭素原子;又は6~16個の炭素原子;又は8~14個の炭素原子;又は10~12個の炭素原子を有する直鎖状内部オレフィンを含むか、或いは本質的にそれから成っていてもよい。いくつかの実施において、直鎖状内部オレフィンには、C10直鎖状内部オレフィンが含まれる。
【0082】
ある実施において、オレフィン原料組成物は、異性化触媒の存在下で反応して、アルファ-モノ-オレフィンと、ビニリデンオレフィンから形成された分岐状内部オレフィンと、場合によって直鎖状内部オレフィンとを含む、異性化オレフィン原料を形成する。実質的にすべてのビニリデンオレフィンを分岐状内部オレフィンに変換しながらアルファ-モノ-オレフィンを未反応のままにする任意の異性化プロセスが、本開示に従って利用できると考えられる。本明細書に記載の実施で使用できる異性化プロセス及び触媒の例は、米国特許第6730750号に記載されている。
【0083】
ある実施において、オレフィン原料組成物の異性化は、オレフィン原料組成物をゼオライト触媒と接触されることによって実施することができる。ある実施において、オレフィン異性化反応条件下、ゼオライト触媒にはLZ-Y52ゼオライトが含まれる。LZ-Y52ゼオライト触媒材料は、ユニオン・カーバイド社から市販されている。LZ-Y52材料は、1.3g/ccの密度を有し、且つ、次式を有する、立方体配列の合成結晶アルミノシリケートである。
Na56[(AlO56(SiO136264
【0084】
LZ-Y52は、さまざまな形状で製造され、市販されている。LZ-Y52は、例えば、1/8インチ又は{わずかな(1/16)}インチの押出ペレットとして利用できる。
【0085】
LZ-Y52は、Yゼオライト、特にナトリウムYゼオライトとして記載されており、高いイオン交換容量が望まれる場合、優れた出発材料である。アンモニウムのナトリウムへの陽イオン交換によってLZ-Y52のナトリウム含有量を80%減らし、LZ-Y52をLZ-Y62に変換できる。LZ-Y62と比較したLZ-Y52の化学的及び物理的特性は、次の通りである:NaO、13重量% vs LZ-Y62の2.5重量%;(NHO、なし vs LZ-Y62の9.8重量%;Na対Alのモル比、0.934 vs LZ-Y62の0.18:NH4+対Alのモル比、ゼロ vs LZ-Y62の0.862;02容量、33.6重量% vs LZ-Y62の34.0;及びセル寸法「a」、LZ-Y52の24.68 vs LZ-Y62の24.73。
【0086】
いくつかの実施において、異性化プロセスで使用するのに適した温度は、摂氏10度から摂氏150度の間(例:摂氏30度から摂氏120度の間、又は摂氏35度から摂氏100度の間)である。いくつかの実施において、本開示の、異性化プロセスで使用するのに適した圧力は、1から5000psiaの間(例:10から100psiaの間;又は15から45psiaの間)である。ある実施において、本発明の異性化プロセスで使用するのに適した単位時間当たりの重量空間速度(WHSV)は、0.1から100の間(1から50の間;又は2から20の間)である。WHSVは、反応器への1時間あたりのフィードの重量を反応器内の触媒の重量で除して計算される。
【0087】
いくつかの実施において、異性化オレフィン原料は、アルファ-モノ-オレフィンと、ビニリデンオレフィンから形成された分岐状内部オレフィンと、場合によって直鎖状内部オレフィンを含む。いくつかの実施において、分岐状内部オレフィンは、ビニリデンオレフィンと同数の炭素原子を有する。いくつかの実施において、分岐状内部オレフィンには、C10分岐状内部オレフィンが含まれる。いくつかの実施において、異性化オレフィン原料は、直鎖状i内部オレフィンを更に含む。いくつかの実施において、直鎖状内部オレフィンは、アルファ-モノ-オレフィンと同数の炭素原子を有する。いくつかの実施において、直鎖状内部オレフィンには、図2に示したC10直鎖状内部オレフィンが含まれる。
【0088】
いくつかの実施において、異性化オレフィン原料組成物は、オレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物の存在下でエチレンと接触する。エチレンは、オレフィンメタセシス触媒を入れた反応器に供給されてもよい。いくつかの実施において、エチレンとオレフィン原料組成物は、同時に反応器に流入する。いくつかの実施において、エチレンとオレフィン原料組成物は、順次反応器に流入する。
【0089】
一般に、所望の純度のアルファ-モノ-オレフィンを有するアルファ-オレフィン生成物を製造することができる任意のオレフィンメタセシス触媒を使用することができる。但し、他のメタセシス反応パラメーター(例えばオレフィン原料特性及び/又はメタセシス反応条件)に応じて、特定の場合には特定の種類(複数可)のオレフィンメタセシス触媒が好まれることがある。適切なオレフィンメタセシス触媒は、本明細書で前述されている。
【0090】
異性化オレフィン原料組成物とエチレンをメタセシス反応条件で反応させ、所望のアルファ-オレフィン生成物を製造する。適切なメタセシス反応条件も、本明細書で前述されている。
【0091】
いくつかの実施において、アルファ-オレフィン生成物には、アルファ-モノ-オレフィン、オレフィン原料組成物中の残りのアルファ-モノ-オレフィンよりも少ない炭素原子を有する直鎖状及び分岐状のオレフィンが含まれる。いくつかの実施において、直鎖状オレフィンは、10個未満の炭素原子を有する。いくつかの実施において、直鎖状オレフィンには、C~C直鎖状オレフィンが含まれる。いくつかの実施において、分岐状オレフィンは、10個未満の炭素原子を有する。いくつかの実施において、分岐状オレフィンには、C~C分岐状オレフィンが含まれる。
【0092】
いくつかの実施において、アルファ-オレフィン生成物には、1-デセン、10個未満の炭素原子を有する直鎖状及び分岐状のオレフィンが含まれる。
【0093】
いくつかの実施において、アルファ-オレフィン生成物には、アルファ-モノ-オレフィン、末端オレフィン、及びアルファ-モノ-オレフィンよりも少ない炭素原子を有する分岐状オレフィンが含まれる。いくつかの実施において、末端オレフィン及び分岐状オレフィンは、10個未満の炭素原子を有する。いくつかの実施において、末端オレフィンは、直鎖状末端オレフィンである。いくつかの実施において、末端オレフィンには、C~C末端オレフィンが含まれる。
【0094】
いくつかの実施において、アルファ-オレフィン生成物中のアルファ-モノ-オレフィンは、蒸留過程によって、アルファ-モノ-オレフィンよりも少ない炭素原子を有する直鎖状及び分岐状のオレフィンから分離される。この蒸留過程は、アルファ-オレフィン生成物から低沸点フラグメントを除去し、残りのアルファ-モノ-オレフィン(例:1-デセン)の純度を高める。
【0095】
いくつかの実施において、精製されたアルファ-オレフィン生成物は、アルファ-オレフィン生成物の総重量の約95重量%以上、約96重量%以上、約97重量%以上、約98重量%以上、又は約99重量%以上のアルファ-モノ-オレフィン含有量を有する。
【0096】
より高い純度を得ることが望ましいいくつかの実施において、異性化、メタセシス及び蒸留過程を繰り返すことができる。
【0097】
いくつかの実施において、アルファ-オレフィン生成物は、抵抗低減剤を形成するのに使用することができる。抵抗低減剤は、当該技術分野で既知の方法によって形成することができる。ある実施において、抵抗低減剤は、触媒の存在下でのアルファ-オレフィン生成物のバルク重合によって生成され得る。バルク重合は、任意のオレフィン重合触媒を使用して実施することができる。ある実施において、バルク重合は、Ziegler-Natta触媒の存在下で実施される。ある実施において、該触媒系には、遷移金属触媒及び共触媒混合物が含まれる。該触媒及び共触媒は、重合プロセス中いつでも、添加剤として添加されてよい。最適な触媒の濃度は、反応容器の寸法に依存する。
【0098】
ある実施において、触媒及びアルファ-オレフィン生成物を反応容器内で組み合わせ、反応物の粘度を十分に高めて触媒を懸濁させるのに十分な時間、周囲条件で撹拌し、その後冷環境に置いて反応を進行させる。冷環境は通常、約摂氏-20度から約摂氏25度の温度に維持され、熱を除去して超高分子量ポリマーを形成しながら、反応を比較的一定のペースで進めることを可能にする。バルク重合の後、材料を、低温粉砕などの方法によってサイズを縮小し、水、アルコール、又は水-アルコール分散媒中でスラリー化し、所望の粘度を有する抵抗低減剤を得る。必要に応じて、界面活性剤、殺生物剤、消泡剤等の追加の添加剤を抵抗低減剤に添加するこができる。
【0099】
図3は、本開示の1又は複数の実施による、オレフィン含有量を増加させるための反応スキーム300の第3の例を示す。第3の反応スキーム300は、反応スキーム300に使用されるオレフィン原料組成物が異なることを除いて、第1の反応スキーム100と同様である。図3について、別の実施では、該方法は、(1)直鎖状内部モノ-オレフィン(例:3-ドデセン)と、場合によって、10個超の炭素原子を有するアルファ-オレフィン(例:1-ドデセン)、ジオレフィン(例:内部ジオレフィン)、トリオレフィン(例:内部トリオレフィン)、及びビニリデン(例:2-エチル-1-デセン)のうちの少なくとも1種とを含む、オレフィン原料組成物を提供することを含む。ある実施において、オレフィン原料組成物は、3-ドデセンと、少なくとも12個の炭素原子を有するアルファ-オレフィン、少なくとも12個の炭素原子を有するジオレフィン、少なくとも12個の炭素原子を有するトリオレフィン、及び/又は少なくとも12個の炭素原子を有するビニリデンのうちの少なくとも1種とを含む。該方法は、(2)オレフィンメタセシス組成物を有する触媒組成物を提供することを更に含む。該方法は、(3)触媒組成物の存在下、メタセシス反応条件でオレフィン原料組成物をエチレンと反応させて、アルファ-モノオレフィン生成物(例:1-デセン)と、10個未満の炭素原子を有する1種以上のアルファ-オレフィンとを含む、生成組成物を製造することを更に含む。いくつかの実施において、該生成組成物は、10個超の炭素原子を有するアルファ-オレフィンと、ビニリデンとのうちの少なくとも1種を更に含む。蒸留などの方法で分離すると、アルファ-モノ-オレフィン生成物(例:1-デセン)が非常に濃縮された画分が得られる。
【0100】
いくつかの実施において、ある方法が提供されている。その方法には、アルファ-モノ-オレフィンと、アルファ-モノ-オレフィンと同数の炭素原子を有するジオレフィン及び/又はアルファ-モノ-オレフィンと同数の炭素原子を有するトリオレフィンのうちの少なくとも1種とを含む、オレフィン原料組成物を提供することが含まれる。該方法は、オレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物を提供することを更に含む。該方法は、触媒組成物の存在下、メタセシス反応条件でオレフィン原料組成物とエチレンを反応させて、アルファ-モノ-オレフィンと、アルファ-モノ-オレフィンよりも少ない炭素原子を有する1種以上のアルファ-オレフィンとを含む、アルファ-オレフィン生成物を製造することを更に含む。
【0101】
本明細書に記載の1又は複数の実施において、該方法は、アルファ-オレフィン生成物中のアルファ-モノ-オレフィンを、蒸留過程を用いてアルファ-オレフィン生成物から分離することを更に含む。
【0102】
本明細書に記載の1又は複数の実施において、アルファ-モノ-オレフィンよりも少ない炭素原子を有する1種以上のアルファ-オレフィンは、C~Cアルファ-オレフィンを含む。
【0103】
本明細書に記載の1又は複数の実施において、アルファ-モノ-オレフィンよりも少ない炭素原子を有する1種以上のアルファ-オレフィンは、アルファ-モノ-オレフィン及びジオレフィンのうちの少なくとも1種を含む。
【0104】
本明細書に記載の1又は複数の実施において、オレフィン原料組成物は、93.5~96重量%のアルファ-モノ-オレフィン、1~6重量%のジオレフィン、及び0.5~4重量%のトリオレフィンを含む。
【0105】
本明細書に記載の1又は複数の実施において、オレフィンメタセシス触媒は、Ni、W、Ru、Mo、Re及びこれらの組み合わせから成る群から選択される金属を含む遷移金属錯体である。
【0106】
本明細書に記載の1又は複数の実施において、オレフィンメタセシス触媒は、Ruを含む遷移金属錯体である。
【0107】
本明細書に記載の1又は複数の実施において、オレフィンメタセシス触媒は、グラブス触媒、シュロック触媒又はホベイダ触媒である。
【0108】
本明細書に記載の1又は複数の実施において、オレフィンメタセシス触媒は、ルテニウムカルベンメタセシス触媒及びモリブデンカルベンメタセシス触媒から選択される。
【0109】
本明細書に記載の1又は複数の実施において、オレフィンメタセシス触媒は、ジクロロ(フェニルメチレン)ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム、又は1,3-ビス-(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-(イミダゾリジニリデン)(フェニルメチレン)-ジクロロ(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムである。
【0110】
本明細書に記載の1又は複数の実施において、メタセシス反応条件は、オレフィン原料の融点から摂氏120度までの範囲のメタセシス反応温度を含む。
【0111】
本明細書に記載の1又は複数の実施において、該方法には、触媒の存在下でアルファ-オレフィン生成物を重合して、抵抗低減剤を形成することが含まれる。
【0112】
本明細書に記載の1又は複数の実施において、アルファ-モノ-オレフィンは、4~20個の炭素原子を有する。
【0113】
本明細書に記載の1又は複数の実施において、アルファ-モノ-オレフィンは、6~16個の炭素原子を有する。
【0114】
本明細書に記載の1又は複数の実施において、アルファ-モノ-オレフィンは、8~14個の炭素原子を有する。
【0115】
本明細書に記載の1又は複数の実施において、アルファ-モノ-オレフィンは、10~12個の炭素原子を有する。
【0116】
本明細書に記載の1又は複数の実施において、アルファ-モノ-オレフィンは、10個の炭素原子を有する。
【0117】
本明細書に記載の1又は複数の実施において、オレフィン原料組成物は、アルファ-モノ-オレフィンと比較して異なる数の炭素原子を有するジオレフィン及び/又はアルファ-モノ-オレフィンと比較して異なる数の炭素原子を有するトリオレフィンのうちの少なくとも1種を更に含む。
【0118】
本明細書に記載の1又は複数の実施において、オレフィン原料組成物は、第1のアルファ-モノ-オレフィンと比較して異なる数の炭素原子を有する第2のアルファ-モノ-オレフィンを更に含む。
【0119】
いくつかの実施において、ある方法が提供されている。該方法は、アルファ-モノ-オレフィンとビニリデンオレフィンとを含むオレフィン原料組成物を提供することを含む。該方法は、異性化触媒の存在下でオレフィン原料組成物を反応させて、アルファ-モノ-オレフィンと、ビニリデンオレフィンから形成された分岐状内部オレフィンとを含む、異性化オレフィン原料を形成することを更に含む。該方法には、オレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物の存在下、メタセシス反応条件で異性化オレフィン原料組成物とエチレンを反応させて、アルファ-モノ-オレフィン、オレフィン原料組成物中のオレフィンよりも少ない炭素原子を有する直鎖状及び分岐状のオレフィンを含む、アルファ-オレフィン生成物を製造することが含まれる。
【0120】
本明細書に記載の1又は複数の実施において、オレフィン原料組成物は、直鎖状内部オレフィンを更に含む。
【0121】
本明細書に記載の1又は複数の実施において、該方法には、蒸留過程を用いて、アルファ-オレフィン中のアルファ-モノ-オレフィンを、より少ない炭素原子を有する直鎖状及び分岐状のオレフィンから分離することが更に含まれる。
【0122】
本明細書に記載の1又は複数の実施において、直鎖状オレフィンは、C~C直鎖状オレフィンを含む。
【0123】
本明細書に記載の1又は複数の実施において、分岐状オレフィンは、C~C分岐状オレフィンを含む。
【0124】
本明細書に記載の1又は複数の実施において、オレフィン原料組成物は、90~97重量%のアルファ-モノ-オレフィンと1~8%のビニリデンオレフィンとを含む。
【0125】
本明細書に記載の1又は複数の実施において、オレフィンメタセシス触媒は、Ni、W、Ru、Mo、Re及びこれらの組み合わせから成る群から選択される金属を含む遷移金属錯体である。
【0126】
本明細書に記載の1又は複数の実施において、オレフィンメタセシス触媒は、Ruを含む遷移金属錯体である。
【0127】
本明細書に記載の1又は複数の実施において、オレフィンメタセシス触媒は、グラブス触媒、シュロック触媒又はホベイダ触媒である。
【0128】
本明細書に記載の1又は複数の実施において、オレフィンメタセシス触媒は、ルテニウムカルベンメタセシス触媒及びモリブデンカルベンメタセシス触媒から選択される。
【0129】
本明細書に記載の1又は複数の実施において、オレフィンメタセシス触媒は、ジクロロ(フェニルメチレン)ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム、又は1,3-ビス-(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-(イミダゾリジニリデン)(フェニルメチレン)-ジクロロ(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムである。
【0130】
本明細書に記載の1又は複数の実施において、メタセシス反応条件は、オレフィン原料の融点から摂氏120度までの範囲のメタセシス反応温度を含む。
【0131】
本明細書に記載の1又は複数の実施において、異性化触媒は、ゼオライト触媒である。
【0132】
本明細書に記載の1又は複数の実施において、ゼオライト触媒は、1.3g/ccの密度を有し、且つ、式Na56[(AlO56(SiO136264Oを有する、立方体配列の合成結晶アルミノシリケートである。
【0133】
本明細書に記載の1又は複数の実施において、該方法には、触媒の存在下でアルファ-オレフィン生成物を重合して、抵抗低減剤を形成することが含まれる。
【0134】
本明細書に記載の1又は複数の実施において、アルファ-モノ-オレフィンは、4~20個の炭素原子を有する。
【0135】
本明細書に記載の1又は複数の実施において、アルファ-モノ-オレフィンは、6~16個の炭素原子を有する。
【0136】
本明細書に記載の1又は複数の実施において、アルファ-モノ-オレフィンは、8~14個の炭素原子を有する。
【0137】
本明細書に記載の1又は複数の実施において、アルファ-モノ-オレフィンは、10~12個の炭素原子を有する。
【0138】
本明細書に記載の1又は複数の実施において、アルファ-モノ-オレフィンは、10個の炭素原子を有する。
【0139】
本明細書に記載の1又は複数の実施において、オレフィン原料組成物は、ジオレフィン及び/又はトリオレフィンのうちの少なくとも1種を更に含む。
【0140】
上記は本開示の実施に関するが、本開示の他の更なる実施は、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく考案され得、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2024-05-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直鎖状内部モノ-オレフィンと、10個超の炭素原子を有するアルファ-オレフィン、ビニリデンオレフィン、ジオレフィン及び/又はトリオレフィンのうちの少なくとも1種とを含む、オレフィン原料組成物を提供すること;
オレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物を提供すること;及び
触媒組成物の存在下、メタセシス反応条件でオレフィン原料組成物とエチレンを反応させて、アルファ-モノ-オレフィンと、アルファ-モノ-オレフィンよりも少ない炭素原子を有する1種以上のアルファ-オレフィンとを含む、アルファ-オレフィン生成物を製造すること
を含む、方法。
【外国語明細書】