(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024105320
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】ロボット制御方法、ロボット制御装置、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20240730BHJP
B25J 13/00 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
B65G1/137 E
B25J13/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024069060
(22)【出願日】2024-04-22
(62)【分割の表示】P 2020121333の分割
【原出願日】2020-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】嘉藤 佑亮
(72)【発明者】
【氏名】小澤 順
(57)【要約】
【課題】売り場への商品の補充の効率化を図ることができるロボット制御方法を提供する。
【解決手段】このロボット制御方法では、商品4の配置数をその品種ごとに示す売り場情報を取得し(ステップS20)、商品4の保管位置をその品種ごとに示す倉庫情報を取得し(ステップ40)、売り場20に配置される商品4の規定位置と規定数とをその品種ごとに示す規定情報を取得し(ステップS10)、複数の品種グループを示すグループ情報を生成し(ステップS30)、制御信号を生成してロボット10に送信する(ステップS50)。ここで、ステップS30では、複数の品種グループのそれぞれで、当該品種グループに含まれる少なくとも1つの補充品種のそれぞれに属する商品4の規定位置が互いに近くなるように、複数の品種グループを決定する。
【選択図】
図12A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータがロボットを制御するロボット制御方法であって、
売り場に設置された複数の商品棚のそれぞれに配置されている商品の配置数を、商品の品種ごとに示す売り場情報を取得し、
倉庫に保管されている商品の保管位置を、前記商品の品種ごとに示す倉庫情報を取得し、
前記売り場に配置される商品の規定位置と規定数とを、前記商品の品種ごとに示す規定情報を取得し、
前記売り場情報と前記規定情報とに基づいて、前記配置数が前記規定数未満の商品が属する品種である補充品種を2つ以上示す補充情報を生成し、
前記補充情報によって示される2つ以上の前記補充品種に対するグルーピングを、前記規定情報に基づいて行うことによって、それぞれ少なくとも1つの前記補充品種からなる複数の品種グループを示すグループ情報を生成し、
生成された前記グループ情報と前記倉庫情報とに基づいて、前記倉庫に設置されたロボットに商品の搬送作業を実行させるための制御信号を生成して前記ロボットに送信し、
前記グルーピングでは、前記複数の品種グループのそれぞれで、
(1)当該品種グループに含まれる少なくとも1つの前記補充品種のそれぞれに属する商品の前記規定位置が互いに近くなるように、または、
(2)前記売り場の通路を挟んで互いに対向する2つ以上の商品棚のそれぞれに前記規定位置がある前記補充品種が、当該品種グループに含まれるように、
前記複数の品種グループを決定し、
前記搬送作業は、
前記複数の品種グループのそれぞれに含まれる前記補充品種に属する商品を、前記倉庫情報において前記補充品種に対応付けられている前記倉庫の前記保管位置から取り出し、前記売り場と前記倉庫との中継地点に設置されている補充台まで搬送し、取り出された前記商品を前記補充台に置く作業である、
ロボット制御方法。
【請求項2】
前記グループ情報の生成では、
前記複数の商品棚のそれぞれの周囲にいる顧客の人数を示す顧客情報を取得し、
前記顧客情報に基づいて前記複数の品種グループを決定する、
請求項1に記載のロボット制御方法。
【請求項3】
前記グループ情報の生成では、
前記複数の商品棚のうち、前記顧客情報に示される顧客の人数が第1閾値以上の商品棚に配置される商品の品種を、前記補充情報に示される2つ以上の前記補充品種から除き、
前記品種が除かれた2つ以上の前記補充品種に対するグルーピングを、前記規定情報を用いて行うことによって、前記複数の品種グループを決定する、
請求項2に記載のロボット制御方法。
【請求項4】
前記売り場情報の取得では、
前記売り場に設置されているカメラから撮影画像を取得し、
前記複数の商品棚のそれぞれに配置されている商品の品種および数を前記撮影画像から特定することによって、前記売り場情報を取得する、
請求項1~3の何れか1項に記載のロボット制御方法。
【請求項5】
前記売り場情報の取得では、
前記売り場のPOS(Point of sale)システムに記録されている、販売された商品の
品種および数を特定することによって、前記売り場情報を取得する、
請求項1~3の何れか1項に記載のロボット制御方法。
【請求項6】
前記ロボットは、台車を備え、
前記制御信号にしたがって前記搬送作業を行うときには、
前記グループ情報に示される前記品種グループに含まれる少なくとも1つの前記補充品種のそれぞれに属する商品を、前記台車に載せて前記補充台まで移動する、
請求項1~5の何れか1項に記載のロボット制御方法。
【請求項7】
前記売り場情報の取得では、
前記売り場に配置されている各商品の販売期限を取得し、
前記商品の品種ごとに、当該品種に属して商品棚に配置されている、前記販売期限を経過していない商品の個数を、前記商品の配置数として決定する、
請求項1~6の何れか1項に記載のロボット制御方法。
【請求項8】
前記グループ情報の生成を周期的に実行し、
前記グループ情報が生成されるごとに、生成された最新の前記グループ情報に基づいて前記制御信号を生成して前記ロボットに送信する、
請求項1~7の何れか1項に記載のロボット制御方法。
【請求項9】
コンピュータがロボットを制御するロボット制御方法であって、
売り場に設置された複数の商品棚のそれぞれに配置されている商品の配置数を、商品の
品種ごとに示す売り場情報を取得し、
倉庫に保管されている商品の保管位置を前記商品の品種ごとに示す倉庫情報を取得し、
前記売り場に配置される商品の規定位置と規定数とを、前記商品の品種ごとに示す規定情報を取得し、
前記売り場情報と前記規定情報とに基づいて、前記配置数が前記規定数未満の商品が属する品種である補充品種を2つ以上示す補充情報を生成し、
前記補充情報によって示される2つ以上の前記補充品種に対し、前記規定情報によって示される商品の前記規定位置に基づいてグルーピングを行うことによって、それぞれ少なくとも1つの前記補充品種からなる複数の品種グループを示すグループ情報を生成し、
生成された前記グループ情報と前記倉庫情報とに基づいて、前記倉庫に設置されたロボットに商品の搬送作業を実行させるための制御信号を生成して前記ロボットに送信し、
前記搬送作業は、
前記複数の品種グループのそれぞれに含まれる前記補充品種に属する商品を、前記倉庫情報において前記補充品種に対応付けられている前記倉庫の前記保管位置から取り出し、前記売り場と前記倉庫との中継地点に設置されている補充台まで搬送し、取り出された前記商品を前記補充台に置く作業である、
ロボット制御方法。
【請求項10】
前記補充台は、移動式の荷台である、
請求項9に記載のロボット制御方法。
【請求項11】
ロボットを制御するロボット制御装置であって、
売り場に設置された複数の商品棚のそれぞれに配置されている商品の配置数を、商品の品種ごとに示す売り場情報を取得する売り場情報取得部と、
倉庫に保管されている商品の保管位置を、前記商品の品種ごとに示す倉庫情報を取得する倉庫情報取得部と、
前記売り場に配置される商品の規定位置と規定数とを、前記商品の品種ごとに示す規定情報を取得する規定情報取得部と、
前記売り場情報と前記規定情報とに基づいて、前記配置数が前記規定数未満の商品が属する品種である補充品種を2つ以上示す補充情報を生成し、前記補充情報によって示される2つ以上の前記補充品種に対するグルーピングを、前記規定情報に基づいて行うことによって、それぞれ少なくとも1つの前記補充品種からなる複数の品種グループを示すグループ情報を生成する生成部と、
生成された前記グループ情報と前記倉庫情報とに基づいて、前記倉庫に設置されたロボットに商品の搬送作業を実行させるための制御信号を生成する送信処理部と、
生成された前記制御信号を前記ロボットに送信する送信部とを備え、
前記生成部は、前記グルーピングを行うときには、前記複数の品種グループのそれぞれで、
(1)当該品種グループに含まれる少なくとも1つの前記補充品種のそれぞれに属する商品の前記規定位置が互いに近くなるように、または、
(2)前記売り場の通路を挟んで互いに対向する2つ以上の商品棚のそれぞれに前記規定位置がある前記補充品種が、当該品種グループに含まれるように、
前記複数の品種グループを決定し、
前記搬送作業は、
前記複数の品種グループのそれぞれに含まれる前記補充品種に属する商品を、前記倉庫情報において前記補充品種に対応付けられている前記倉庫の前記保管位置から取り出し、前記売り場と前記倉庫との中継地点に設置されている補充台まで搬送し、取り出された前記商品を前記補充台に置く作業である、
ロボット制御装置。
【請求項12】
コンピュータにロボットを制御させるためのプログラムであって、
売り場に設置された複数の商品棚のそれぞれに配置されている商品の配置数を、商品の品種ごとに示す売り場情報を取得し、
倉庫に保管されている商品の保管位置を、前記商品の品種ごとに示す倉庫情報を取得し、
前記売り場に配置される商品の規定位置と規定数とを、前記商品の品種ごとに示す規定情報を取得し、
前記売り場情報と前記規定情報とに基づいて、前記配置数が前記規定数未満の商品が属する品種である補充品種を2つ以上示す補充情報を生成し、
前記補充情報によって示される2つ以上の前記補充品種に対するグルーピングを、前記規定情報に基づいて行うことによって、それぞれ少なくとも1つの前記補充品種からなる複数の品種グループを示すグループ情報を生成し、
生成された前記グループ情報と前記倉庫情報とに基づいて、前記倉庫に設置されたロボットに商品の搬送作業を実行させるための制御信号を生成して前記ロボットに送信することを、前記コンピュータに実行させ、
前記グルーピングでは、前記複数の品種グループのそれぞれで、
(1)当該品種グループに含まれる少なくとも1つの前記補充品種のそれぞれに属する商品の前記規定位置が互いに近くなるように、または、
(2)前記売り場の通路を挟んで互いに対向する2つ以上の商品棚のそれぞれに前記規定位置がある前記補充品種が、当該品種グループに含まれるように、
前記複数の品種グループを決定し、
前記搬送作業は、
前記複数の品種グループのそれぞれに含まれる前記補充品種に属する商品を、前記倉庫情報において前記補充品種に対応付けられている前記倉庫の前記保管位置から取り出し、前記売り場と前記倉庫との中継地点に設置されている補充台まで搬送し、取り出された前記商品を前記補充台に置く作業である、
プログラム。
【請求項13】
コンピュータがロボットを制御するロボット制御方法であって、
倉庫に保管されている商品の保管位置を、前記商品の品種ごとに示す倉庫情報を取得し、
売り場に設置された複数の商品棚のそれぞれに配置されている商品の配置数が、前記売り場に配置される所定の規定数未満の商品が属する品種である補充品種を2つ以上示す補充情報を生成し、
前記補充情報によって示される2つ以上の前記補充品種に対するグルーピングを、前記売り場に配置される商品の規定位置に基づいて行うことによって、それぞれ少なくとも1つの前記補充品種からなる複数の品種グループを示すグループ情報を生成し、
生成された前記グループ情報と前記倉庫情報とに基づいて、前記倉庫に設置されたロボットに商品の搬送作業を実行させるための制御信号を生成して前記ロボットに送信する
ロボット制御方法。
【請求項14】
ロボットを制御するロボット制御装置であって、
倉庫に保管されている商品の保管位置を、前記商品の品種ごとに示す倉庫情報を取得する倉庫情報取得部と、
売り場に設置された複数の商品棚のそれぞれに配置されている商品の配置数が、前記売り場に配置される所定の規定数未満の商品が属する品種である補充品種を2つ以上示す補充情報を生成し、
前記補充情報によって示される2つ以上の前記補充品種に対するグルーピングを、前記売り場に配置される商品の規定位置に基づいて行うことによって、それぞれ少なくとも1つの前記補充品種からなる複数の品種グループを示すグループ情報を生成する生成部と、
生成された前記グループ情報と前記倉庫情報とに基づいて、前記倉庫に設置されたロボットに商品の搬送作業を実行させるための制御信号を生成して前記ロボットに送信する送信部と、
を備えるロボット制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンピュータがロボットを制御するロボット制御方法などに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば店舗内では、売り場に陳列されている商品の個数が少なくなったとき、その商品を売り場に補充するために、倉庫から売り場へ商品を運ぶ必要がある。そのため、その店舗の従業員は、売り場にある商品の個数を目視で確認した後、倉庫内から必要な商品を探して運ぶ。ここで、このような倉庫から商品を取り出して仕分けする商品仕分け装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の商品仕分け装置であっても、売り場への商品の補充の効率化を図ることが難しいという課題がある。
【0005】
そこで、本開示は、売り場への商品の補充の効率化を図ることができるロボット制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係るロボット制御方法は、コンピュータがロボットを制御するロボット制御方法であって、売り場に設置された複数の商品棚のそれぞれに配置されている商品の配置数を、商品の品種ごとに示す売り場情報を取得し、倉庫に保管されている商品の保管位置を、前記商品の品種ごとに示す倉庫情報を取得し、前記売り場に配置される商品の規定位置と規定数とを、前記商品の品種ごとに示す規定情報を取得し、前記売り場情報と前記規定情報とに基づいて、前記配置数が前記規定数未満の商品が属する品種である補充品種を2つ以上示す補充情報を生成し、前記補充情報によって示される2つ以上の前記補充品種に対するグルーピングを、前記規定情報に基づいて行うことによって、それぞれ少なくとも1つの前記補充品種からなる複数の品種グループを示すグループ情報を生成し、生成された前記グループ情報と前記倉庫情報とに基づいて、前記倉庫に設置されたロボットに商品の搬送作業を実行させるための制御信号を生成して前記ロボットに送信し、前記グルーピングでは、前記複数の品種グループのそれぞれで、(1)当該品種グループに含まれる少なくとも1つの前記補充品種のそれぞれに属する商品の前記規定位置が互いに近くなるように、または、(2)前記売り場の通路を挟んで互いに対向する2つ以上の商品棚のそれぞれに前記規定位置がある前記補充品種が、当該品種グループに含まれるように、前記複数の品種グループを決定し、前記搬送作業は、前記複数の品種グループのそれぞれに含まれる前記補充品種に属する商品を、前記倉庫情報において前記補充品種に対応付けられている前記倉庫の前記保管位置から取り出し、前記売り場と前記倉庫との中継地点に設置されている補充台まで搬送し、取り出された前記商品を前記補充台に置く作業である。
【0007】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。また、記録媒体は、非一時的な記録媒体であってもよい。
【発明の効果】
【0008】
本開示のロボット制御方法は、売り場への商品の補充の効率化を図ることができる。
【0009】
本開示の一態様における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施形態並びに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施の形態におけるロボット制御装置と店舗の内部とを示す図である。
【
図2】
図2は、実施の形態におけるロボットを説明するための図である。
【
図3】
図3は、実施の形態におけるロボットの移動を説明するための図である。
【
図4】
図4は、実施の形態における補充台に商品が配置された状態を示す図である。
【
図5】
図5は、実施の形態におけるロボット制御装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、実施の形態における売り場情報の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施の形態における売り場のレイアウトの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施の形態における規定情報の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施の形態における倉庫情報の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、実施の形態における生成部によって生成されるグループ情報の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、実施の形態における送信処理部によって生成される制御信号の一例を示す図である。
【
図12A】
図12Aは、実施の形態におけるロボット制御装置の処理動作を示すフローチャートである。
【
図12B】
図12Bは、実施の形態におけるグループ情報の生成の詳細を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、実施の形態の変形例1におけるロボット制御装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図14】
図14は、実施の形態の変形例1における通路情報の一例を示す図である。
【
図15】
図15は、実施の形態の変形例1における制限数決定部に用いられる制限数情報の一例を示す図である。
【
図16】
図16は、実施の形態の変形例1におけるグループ情報の生成の詳細を示すフローチャートである。
【
図17】
図17は、実施の形態の変形例2におけるロボット制御装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図18】
図18は、実施の形態の変形例2における顧客情報の一例を示す図である。
【
図19】
図19は、実施の形態の変形例2におけるグループ情報の生成の詳細を示すフローチャートである。
【
図20】
図20は、実施の形態の変形例3におけるロボット制御装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図21】
図21は、実施の形態の変形例3における制限数決定部に用いられる制限数情報の一例を示す図である。
【
図22】
図22は、実施の形態の変形例3におけるグループ情報の生成の詳細を示すフローチャートである。
【
図23】
図23は、実施の形態の変形例4における規定情報の一例を示す図である。
【
図24】
図24は、実施の形態の変形例4におけるグループ情報の生成の詳細を示すフローチャートである。
【
図25】
図25は、実施の形態の変形例5におけるロボット制御装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図26】
図26は、実施の形態の変形例5における領域情報の一例を示す図である。
【
図27】
図27は、実施の形態の変形例5における制限数決定部に用いられる制限数情報の一例を示す図である。
【
図28】
図28は、実施の形態の変形例5におけるグループ情報の生成の詳細を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(本開示の基礎となった知見)
本発明者は、「背景技術」の欄において記載した特許文献1の商品仕分け装置に関し、以下の問題が生じることを見出した。
【0012】
特許文献1では、作業員は、仕分け棚のそばに置かれた配送ケースへ商品を移動させる作業を行っている。一方、小売り店舗などでは、売り場の商品を補充するためには、店舗内の倉庫から売り場内の商品棚まで商品を運ぶ必要がある。特許文献1の商品仕分け装置では、このような倉庫から売り場へ商品を運んで補充することの効率化については、考慮されておらず、その効率化が望まれる。
【0013】
このような課題を解決するために、本開示の一態様に係るロボット制御装置は、コンピュータがロボットを制御するロボット制御方法であって、売り場に設置された複数の商品棚のそれぞれに配置されている商品の配置数を、商品の品種ごとに示す売り場情報を取得し、倉庫に保管されている商品の保管位置を、前記商品の品種ごとに示す倉庫情報を取得し、前記売り場に配置される商品の規定位置と規定数とを、前記商品の品種ごとに示す規定情報を取得し、前記売り場情報と前記規定情報とに基づいて、前記配置数が前記規定数未満の商品が属する品種である補充品種を2つ以上示す補充情報を生成し、前記補充情報によって示される2つ以上の前記補充品種に対するグルーピングを、前記規定情報に基づいて行うことによって、それぞれ少なくとも1つの前記補充品種からなる複数の品種グループを示すグループ情報を生成し、生成された前記グループ情報と前記倉庫情報とに基づいて、前記倉庫に設置されたロボットに商品の搬送作業を実行させるための制御信号を生成して前記ロボットに送信し、前記グルーピングでは、前記複数の品種グループのそれぞれで、(1)当該品種グループに含まれる少なくとも1つの前記補充品種のそれぞれに属する商品の前記規定位置が互いに近くなるように、または、(2)前記売り場の通路を挟んで互いに対向する2つ以上の商品棚のそれぞれに前記規定位置がある前記補充品種が、当該品種グループに含まれるように、前記複数の品種グループを決定し、前記搬送作業は、前記複数の品種グループのそれぞれに含まれる前記補充品種に属する商品を、前記倉庫情報において前記補充品種に対応付けられている前記倉庫の前記保管位置から取り出し、前記売り場と前記倉庫との中継地点に設置されている補充台まで搬送し、取り出された前記商品を前記補充台に置く作業である。
【0014】
これにより、売り場において不足している商品の品種が補充品種として特定され、2つ以上の補充品種に対するグルーピングによって、複数の品種グループを示すグループ情報が生成される。このグルーピングによって、上述の(1)のように、商品の規定位置が互いに近い複数の補充品種が1つの品種グループに含まれる。または、上述の(2)のように、互いに対向する2つ以上の商品棚のそれぞれに規定位置がある補充品種が1つの品種グループに含まれる。そして、このような複数の品種グループのそれぞれで、その品種グループに含まれる各補充品種の商品が、ロボットによって、倉庫におけるその商品の保管位置から取り出されて、補充台まで搬送され、その補充台に置かれる。その結果、作業員は、売り場において不足している商品を、倉庫内で歩き回って集める作業負担を軽減することができる。さらに、作業員は、品種グループごとに、その品種グループに含まれる各補充品種の商品を、補充台から取って、売り場の1つ以上の商品棚のそれぞれに一度に運べば、作業員の移動距離を抑えながら、それらの商品を補充することができる。つまり、商品の補充のために、作業員が売り場の一方の端から他方の端まで歩き廻ることを抑えることができる。これにより、売り場への商品の補充の効率化を図ることができる。
【0015】
また、前記売り場には、前記複数の商品棚のそれぞれが、少なくとも1つの通路のうち、当該商品棚に対応する通路に沿って設置され、前記グループ情報の生成では、前記少なくとも1つの通路のそれぞれの幅を示す通路情報を取得し、前記品種グループに含まれる少なくとも1つの前記補充品種のそれぞれに属する商品の合計数を、前記通路情報によって示される、前記商品が配置される商品棚に対応する通路の幅に応じて調整してもよい。例えば、前記グループ情報の生成では、前記品種グループに含まれる少なくとも1つの前記補充品種のそれぞれに属する商品が配置される商品棚に対応する通路の幅に応じて制限数を決定し、前記品種グループにおける前記合計数を前記制限数以下に調整してもよい。
【0016】
例えば、通路の幅が広い場合には、作業員は、その通路に沿う1つ以上の商品棚に多くの商品を一度に運び込むことができる。逆に、通路の幅が狭い場合には、作業員は、その通路に沿う1つ以上の商品棚に多くの商品を一度に運び込むことができない。そこで、本開示の一態様に係るロボット制御方法では、上述のように、品種グループにおける商品の合計数が、通路の幅に応じて決定される制限数以下に調整される。例えば、通路の幅が広い場合には、多い制限数が決定され、逆に、通路の幅が狭い場合には、少ない制限数が決定される。したがって、通路の幅が広い場合には、作業員は、その通路に対応する1つ以上の商品棚に、1つの品種グループに属する多くの商品を一度に運び込むことができる。また、通路の幅が狭い場合であっても、作業員は、その通路に対応する1つ以上の商品棚に、1つの品種グループに属する全ての商品を一度に運び込むことができる。これにより、売り場への商品の補充のさらなる効率化を図ることができる。
【0017】
また、前記グループ情報の生成では、前記複数の商品棚のそれぞれの周囲にいる顧客の人数を示す顧客情報を取得し、前記顧客情報に基づいて前記複数の品種グループを決定してもよい。例えば、前記グループ情報の生成では、前記複数の商品棚のうち、前記顧客情報に示される顧客の人数が第1閾値以上の商品棚に配置される商品の品種を、前記補充情報に示される2つ以上の前記補充品種から除き、前記品種が除かれた2つ以上の前記補充品種に対するグルーピングを、前記規定情報を用いて行うことによって、前記複数の品種グループを決定してもよい。
【0018】
これにより、商品棚において商品が不足していても、その商品棚の周囲に多くの顧客が集まっていれば、その商品の品種は補充品種として扱われず、その商品の補充は行われない。したがって、多くの顧客の邪魔になり得る商品の補充を抑制することができる。
【0019】
また、前記グループ情報の生成では、前記補充台から前記複数の商品棚のそれぞれに商品を運搬するための運搬手段を示す運搬情報を取得し、前記品種グループに含まれる少なくとも1つの前記補充品種のそれぞれに属する商品の合計数を、前記運搬情報によって示される前記運搬手段に応じて調整してもよい。例えば、前記グループ情報の生成では、前記品種グループの制限数を、前記運搬情報によって示される前記運搬手段に応じて決定し、前記品種グループにおける前記合計数を前記制限数以下に調整してもよい。
【0020】
例えば、運搬手段がカートの場合には、作業員は、そのカートを用いることによって、1つの品種グループに含まれる少なくとも1つの補充品種の商品を数多く一度に運ぶことができる。一方、運搬手段が手持ちの場合には、作業員は、多くの商品を一度に運ぶことができない。そこで、本開示の一態様に係るロボット制御方法では、上述のように、品種グループにおける商品の合計数が、運搬手段に応じて決定される制限数以下に調整される。例えば、運搬手段がカートの場合には、多い制限数が決定され、逆に、運搬手段が手持ちの場合には、少ない制限数が決定される。したがって、運搬手段がカートの場合には、作業員は、売り場の1つ以上の商品棚に、1つの品種グループに属する多くの商品を一度に運び込むことができる。また、運搬手段が手持ちの場合であっても、作業員は、売り場の1つ以上の商品棚に、1つの品種グループに属する全ての商品を一度に運び込むことができる。これにより、売り場への商品の補充のさらなる効率化を図ることができる。
【0021】
また、前記グループ情報の生成では、前記補充情報に示される2つ以上の前記補充品種から、前記規定位置間の距離が最短となる2つの補充品種からなるグループを抽出する抽出処理を繰り返すことによって、複数の前記グループを決定し、複数の前記グループのうち、第2閾値以下のグループ間距離の2つのグループを統合する統合処理を、各グループ間距離が前記第2閾値よりも長くなるまで繰り返すことによって、前記(1)を満たす前記複数の品種グループを決定し、前記グループ間距離は、2つのグループの間の距離であって、前記2つのグループのうちの一方のグループに含まれる少なくとも1つの前記補充品種のそれぞれに属する商品の前記規定位置と、他方のグループに含まれる少なくとも1つの前記補充品種のそれぞれに属する商品の前記規定位置と間の距離の平均値であってもよい。
【0022】
これにより、商品の規定位置が互いに近い複数の補充品種ごとに、それらの複数の補充品種を含む品種グループを決定することができ、規定位置間の距離に応じた適切なグルーピングを行うことができる。
【0023】
また、前記グループ情報の生成では、前記補充台における複数の領域のそれぞれのサイズを示す領域情報を取得し、前記グループ情報の生成では、前記品種グループに含まれる少なくとも1つの前記補充品種のそれぞれに属する商品の合計数を、前記領域情報に示される領域のサイズであって、前記複数の領域のうちの前記品種グループに対応する領域のサイズに応じて調整してもよい。例えば、前記グループ情報の生成では、前記品種グループに対応する領域のサイズに応じて制限数を決定し、前記品種グループにおける前記合計数を前記制限数以下に調整してもよい。
【0024】
例えば、補充台の領域が広い場合には、作業員は、1つの品種グループに含まれる少なくとも1つの補充品種の商品を数多くその領域に置くことができる。一方、補充台の領域が狭い場合には、作業員は、多くの商品をその領域に置くことができない。そこで、本開示の一態様に係るロボット制御方法では、上述のように、品種グループにおける商品の合計数が、その品種グループに対応する補充台の領域のサイズに応じて決定される制限数以下に調整される。例えば、補充台の領域が広い場合には、多い制限数が決定され、逆に、補充台の領域が狭い場合には、少ない制限数が決定される。したがって、補充台の領域が広い場合には、ロボットは、その領域に、1つの品種グループに属する多くの商品を一度に置くことができる。また、補充台の領域が狭い場合であっても、ロボットは、その領域に、1つの品種グループに属する全ての商品を一度に置くことができる。これにより、売り場への商品の補充のさらなる効率化を図ることができる。
【0025】
また、前記制御信号の生成では、前記補充台における複数の領域のうち、前記品種グループに含まれる少なくとも1つの前記補充品種のそれぞれに属する商品の前記規定位置から最も近い領域を決定し、前記商品を決定された前記領域に置くことを示す前記制御信号を生成してもよい。
【0026】
これにより、1つの品種グループに属する各商品は、ロボットによって、その商品が配置される商品棚に最も近い補充台の領域に置かれる。したがって、作業員が補充台からその商品棚まで商品を運ぶ距離を抑えることができる。これにより、売り場への商品の補充のさらなる効率化を図ることができる。
【0027】
また、前記売り場情報の取得では、前記売り場に設置されているカメラから撮影画像を取得し、前記複数の商品棚のそれぞれに配置されている商品の品種および数を前記撮影画像から特定することによって、前記売り場情報を取得してもよい。
【0028】
これにより、リアルタイムに商品の配置数を適切に示す売り場情報を取得することができる。
【0029】
また、前記売り場情報の取得では、前記売り場のPOS(Point of sale)システムに記録されている、販売された商品の品種および数を特定することによって、前記売り場情報を取得してもよい。
【0030】
これにより、売り場にカメラなどの装置を設置することなく、売り場情報を簡単に取得することができる。
【0031】
また、前記ロボットは、台車を備え、前記制御信号にしたがって前記搬送作業を行うときには、前記グループ情報に示される前記品種グループに含まれる少なくとも1つの前記補充品種のそれぞれに属する商品を、前記台車に載せて前記補充台まで移動してもよい。
【0032】
これにより、倉庫に設置されている例えば複数の在庫棚から、品種グループに属する全ての商品を取り出して補充台まで搬送する作業を一度に行うことができる。
【0033】
また、前記売り場情報の取得では、前記売り場に配置されている各商品の販売期限を取得し、前記商品の品種ごとに、当該品種に属して商品棚に配置されている、前記販売期限を経過していない商品の個数を、前記商品の配置数として決定してもよい。販売期限は、例えば、商品が飲食物であれば、その商品の賞味期限または消費期限であってもよい。
【0034】
これにより、販売期限が切れた商品が商品棚に配置されていても、その商品の個数は配置数に含まれないため、その商品の品種を補充品種として扱うことができる。その結果、販売期限が切れていない商品を商品棚に補充することができる。
【0035】
また、前記グループ情報の生成を周期的に実行し、前記グループ情報が生成されるごとに、生成された最新の前記グループ情報に基づいて前記制御信号を生成して前記ロボットに送信してもよい。
【0036】
これにより、その周期を適切に設定することによって、売り場での商品不足の状態が継続している期間の短縮化と、商品不足が生じていない場合でもグループ情報を生成して制御信号をロボットに送信してしまう無駄な作業の削減との、両立化を図ることができる。
【0037】
また、本開示の一態様に係るロボット制御装置は、コンピュータがロボットを制御するロボット制御方法であって、売り場に設置された複数の商品棚のそれぞれに配置されている商品の配置数を、商品の品種ごとに示す売り場情報を取得し、倉庫に保管されている商品の保管位置を前記商品の品種ごとに示す倉庫情報を取得し、前記売り場に配置される商品の規定位置と規定数とを、前記商品の品種ごとに示す規定情報を取得し、前記売り場情報と前記規定情報とに基づいて、前記配置数が前記規定数未満の商品が属する品種である補充品種を2つ以上示す補充情報を生成し、前記補充情報によって示される2つ以上の前記補充品種に対し、前記規定情報によって示される商品の前記規定位置に基づいてグルーピングを行うことによって、それぞれ少なくとも1つの前記補充品種からなる複数の品種グループを示すグループ情報を生成し、生成された前記グループ情報と前記倉庫情報とに基づいて、前記倉庫に設置されたロボットに商品の搬送作業を実行させるための制御信号を生成して前記ロボットに送信し、前記搬送作業は、前記複数の品種グループのそれぞれに含まれる前記補充品種に属する商品を、前記倉庫情報において前記補充品種に対応付けられている前記倉庫の前記保管位置から取り出し、前記売り場と前記倉庫との中継地点に設置されている補充台まで搬送し、取り出された前記商品を前記補充台に置く作業である。
【0038】
このような態様であっても、規定情報に基づくグルーピングが2つ以上の補充品種に対して行われるため、上述のロボット制御装置と同様、売り場への商品の補充の効率化を図ることができる。
【0039】
また、補充台は、移動式の荷台であってもよい。
【0040】
これにより、補充台を動かせば、その補充台上に置かれている商品を運ぶことができる。したがって、補充台の上に置かれた商品を商品棚に運搬するために、わざわざその商品を例えばカートなどに詰める作業を省くことができる。その結果、売り場への商品の補充のさらなる効率化を図ることができる。
【0041】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたは記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。また、記録媒体は、非一時的な記録媒体であってもよい。
【0042】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0043】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
【0044】
(実施の形態)
図1は、実施の形態におけるロボット制御装置と店舗の内部とを示す図である。
【0045】
店舗2は、例えば食料品、文房具、書籍または雑貨などの各商品を販売するための店舗であって、売り場20と倉庫30とを有する。売り場20と倉庫30とは、出入口3を有する壁で仕切られている。店舗2の作業員1は、その出入口3を介して売り場20と倉庫30とを行き来する。なお、商品は、上述の例に限定されるものではなく、販売されるものであれば、どのような物品であってもよい。
【0046】
売り場20には、複数の通路21が設けられ、これらの複数の通路21に沿うように複数の商品棚22が設置されている。これらの商品棚22には、その売り場20で販売されている商品が配置されている。また、売り場20には、売り場20内の様子を撮影する複数のカメラ23が設置されている。これらの複数のカメラ23は、店舗2の天井または壁などに取り付けられている。
【0047】
倉庫30には、補充台31と、複数の在庫棚32と、ロボット10とが設置されている。複数の在庫棚32のそれぞれには、複数の商品が在庫として配置されている。補充台31は、出入口3の近傍に設置されている台であって、補充台31上には倉庫30内の商品が置かれる。つまり、補充台31には、売り場20に補充するための商品が倉庫30から取り出されて置かれ、作業員1は、その補充台31に置かれている商品を売り場20の商品棚22に運ぶ。したがって、本実施の形態における補充台31は、倉庫30から売り場20に商品を運ぶための中継に用いられる台であって、売り場20と倉庫30との中継地点に設置されている。
【0048】
ロボット10は、自走式のロボットであって、複数の在庫棚32のそれぞれから商品を取り出して、その商品を補充台31上に置く。作業員1は、補充台31に置かれている商品を例えばカートなどに詰め込み、その商品を売り場20内の商品棚22まで運び、その商品棚22に配置する。なお、補充台31がカートそのものであってもよい。つまり、補充台31が移動式の荷台等であってもよい。
【0049】
ロボット制御装置100は、例えば複数のカメラ23による撮影によって得られる撮影画像に基づいて、ロボット10を制御する。つまり、ロボット制御装置100は、ロボット10に対して制御信号を、無線通信を介して送信することによって、そのロボット10を遠隔から制御する。このようなロボット制御装置100は、例えばパーソナルコンピュータまたはサーバなどのコンピュータシステムによって構成されていてもよい。また、ロボット制御装置100は、入力部202および表示部203に接続されていてもよい。入力部202は、例えばキーボードであるが、タッチセンサ、タッチパッドまたはマウスなどであってもよく、それらのうちの少なくとも2つから構成されていてもよい。また、表示部203は、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどであるが、これらに限定されない。また、ロボット制御装置100は、後述の記憶部204(
図5参照)に接続されていてもよい。記憶部204は、各情報を記録するための記録媒体であって、ハードディスク、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、または半導体メモリなどである。なお、このような記憶部204は、揮発性であっても不揮発性であってもよい。
【0050】
【0051】
ロボット10は、移動機構および把持機構を有する自律動作可能なロボットであって、
図2に示すように、本体12と、アーム11と、台車13と、配送ケース13aとを備える。
【0052】
本体12は、モータおよび車輪を備え、そのモータによる車輪の駆動によって、倉庫30の床面上を自走する。この本体12には、アーム11の基部が取り付けられている。
【0053】
台車13は、本体12の例えば後方に接続され、本体12によって牽引される。配送ケース13aは、在庫棚32の各商品4を収納するための、台車13に載置される箱であって、上側に開口を有する。
【0054】
アーム11は、多関節のアームであって、それらの関節を屈伸することによって、そのアーム11の先端にあるロボットハンド11aを上下左右に動かす。アーム11のロボットハンド11aは、物を掴む動作と、その掴んだ物を放す動作とを行うエンドエフェクタである。つまり、ロボットハンド11aは、商品4のピッキングを行う。なお、ロボットハンド11aは、吸着機構、例えば真空吸着を利用した機構によって物を掴んでもよい。例えば、アーム11は、ロボットハンド11aで在庫棚32の商品4を掴み、各関節を屈伸させながら、その商品4を配送ケース13a内に運んで放すことによって、その商品4を配送ケース13aに詰める。
【0055】
なお、在庫棚32に複数のベルトコンベアが備えられていてもよい。これらのベルトコンベアは、在庫棚32に配置されている商品4を、ロボット10への受け渡し口まで搬送する。つまり、ロボット10が在庫棚32の受け渡し口の正面に到着すると、ベルトコンベアは、稼働を開始し、在庫棚32の奥から商品4をその受け渡し口まで搬送する。そして、ロボット10は、上述と同様にロボットハンド11aで、その受け渡し口まで搬送された商品4を掴んで配送ケース13aに詰める。
【0056】
図3は、ロボット10の移動を説明するための図である。
【0057】
ロボット10は、ロボット制御装置100から送信される制御信号を受信し、その制御信号にしたがって動作する。例えば、ロボット10は、
図3に示すように、倉庫30内における在庫棚32と補充台31との間を往復する。つまり、ロボット10は、1以上の在庫棚32から複数の商品4を取り出して配送ケース13aに収納すると、補充台31に向かって移動する。ロボット10は、補充台31に到着すると、その配送ケース13aに収納されている全ての商品4を、アーム11を使って補充台31上に置く。そして、ロボット10は、その全ての商品4を補充台31上に置くと、必要に応じて在庫棚32に向かって移動し、上述と同様、商品4の取り出しと、補充台31上への商品4の配置とを繰り返し行う。
【0058】
図4は、補充台31に商品4が配置された状態を示す図である。
【0059】
補充台31は、例えば
図4に示すように、複数の台31a、31bおよび31cに分割されていてもよい。これらの台31a、31bおよび31cのそれぞれには、少なくとも1つの商品4がロボット10によって配置される。ここで、ロボット制御装置100によって、後述の複数の品種グループが決定されると、台31a上には、その台31aに対応する品種グループに属する複数の商品4が、ロボット10によって置かれる。同様に、台31b上には、その台31bに対応する品種グループに属する複数の商品4が、ロボット10によって置かれ、台31c上には、その台31cに対応する品種グループに属する複数の商品4がロボット10によって置かれる。
【0060】
なお、
図4に示す例では、補充台31は、複数の台31a、31bおよび31cに分割されているが、分割されていなくてもよい。この場合には、補充台31の上面は、複数の領域に分けて用いられる。つまり、ロボット制御装置100によって、後述の複数の品種グループが決定されると、複数の領域のそれぞれには、その領域に対応する品種グループに属する複数の商品4が、ロボット10によって置かれる。
【0061】
また、補充台31は、複数の車輪を備え、移動可能に構成されていてもよい。また、補充台31が複数の台31a、31bおよび31cに分割されている場合には、その台31a、31bおよび31cのそれぞれが、複数の車輪を備えて移動可能に構成されていてもよい。この場合には、作業員1が、補充台31、または、台31a、31bおよび31cのそれぞれを移動させることによって、その補充台31または台上に置かれている複数の商品4を売り場20の商品棚22まで運んでもよい。
【0062】
図5は、本実施の形態におけるロボット制御装置100の機能構成を示すブロック図である。
【0063】
本実施の形態におけるロボット制御装置100は、売り場情報取得部101、規定情報取得部102、倉庫情報取得部103、生成部104、送信処理部105、および送信部106を備える。このようなロボット制御装置100は、検出部201、入力部202、表示部203、および記憶部204に接続されていてもよい。検出部201は、例えば
図1に示す複数のカメラ23を含み、売り場20の状況を検出する。
【0064】
売り場情報取得部101は、売り場情報を取得する。この売り場情報は、売り場20に設置された複数の商品棚22のそれぞれに配置されている商品4の配置数を、商品の品種ごとに示す。言い換えれば、売り場情報は、複数の商品の品種のそれぞれについて、商品棚22に配置されている当該品種に属する商品4の配置数を示す。
【0065】
例えば、売り場情報取得部101は、検出部201の検出結果から売り場情報を取得する。具体的には、検出部201は、売り場20における複数の商品棚22を撮影することによって1つ以上の撮影画像を生成し、その1つ以上の撮影画像を検出結果として売り場情報取得部101に送信する。売り場情報取得部101は、その1つ以上の撮影画像のそれぞれに映し出されている商品棚22から、それらの商品棚22に配置されている商品4の配置数を品種ごとにリアルタイムに特定することによって、売り場情報を取得する。なお、撮影画像から品種および配置数を特定する手法には、機械学習が用いられてもよく、パターン認識などの画像解析が用いられてもよい。
【0066】
このように、本実施の形態における売り場情報取得部101は、売り場20に設置されている複数のカメラ23のそれぞれから撮影画像を取得し、複数の商品棚22のそれぞれに配置されている商品4の品種および数をそれらの撮影画像から特定することによって、売り場情報を取得する。これにより、リアルタイムに商品4の配置数を適切に示す売り場情報を取得することができる。なお、本実施の形態では、検出部201は複数のカメラ23を含むが、1つのカメラ23を含んでいてもよい。この場合、売り場情報取得部101は、その1つのカメラ23から撮影画像を取得し、その撮影画像から売り場情報を取得する。
【0067】
また、売り場情報取得部101は、店舗2のPOS(Point of sale)システムと連携することによって売り場情報を取得してもよい。この場合、検出部201は、そのPOSシステムの少なくとも一部の機能からなる。例えば、売り場情報取得部101は、POSシステムから、販売された各商品4の販売個数を品種ごとに取得する。そして、売り場情報取得部101は、品種ごとに、売り場20に配置されたその品種に属する商品4の初期配置数からその販売個数を減算することによって、売り場20の商品棚22に配置されている商品4の配置数を品種ごとにリアルタイムに特定する。これにより、売り場情報が取得される。
【0068】
このように、本実施の形態における売り場情報取得部101は、売り場20のPOSシステムに記録されている、販売された商品4の品種および数を特定することによって、売り場情報を取得してもよい。これにより、売り場20にカメラなどの装置を設置することなく、売り場情報を簡単に取得することができる。
【0069】
規定情報取得部102は、規定情報を取得する。この規定情報は、売り場20に配置される商品4の規定位置と規定数とを、商品の品種ごとに示す。言い換えれば、規定情報は、複数の商品の品種のそれぞれについて、売り場20に配置される当該品種に属する商品4の規定位置と規定数とを示す。なお、規定位置は、予め定められている位置であり、規定数は、予め定められている数である。
【0070】
例えば、規定情報取得部102は、記憶部204からその規定情報を取得してもよく、作業員1による入力部202への入力操作に応じて、その入力部202から規定情報を取得してもよい。また、このような規定情報は、店舗2における各商品棚22の位置が変更されたとき、または、各商品棚22に配置される商品4の位置もしくは品種が変更されたときには、それらの変更に応じて更新される。
【0071】
倉庫情報取得部103は、倉庫情報を取得する。この倉庫情報は、倉庫30に保管されている商品4の保管位置を、商品の品種ごとに示す。言い換えれば、倉庫情報は、複数の商品の品種のそれぞれについて、倉庫30に保管されている当該品種に属する商品4の保管位置を示す。また、倉庫情報は、その保管位置だけでなく、複数の商品の品種のそれぞれについて、倉庫30に保管されている当該品種に属する商品4の在庫数も示してもよい。
【0072】
例えば、倉庫情報取得部103は、記憶部204からその倉庫情報を取得してもよく、作業員1による入力部202への入力操作に応じて、その入力部202から倉庫情報を取得してもよい。また、検出部201が、例えば倉庫30に設置されている複数のカメラを含む場合には、倉庫情報取得部103は、売り場情報取得部101と同様に、検出部201の検出結果から倉庫情報を取得してもよい。具体的には、検出部201は、複数の在庫棚32を撮影することによって1つ以上の撮影画像を生成し、その1つ以上の撮影画像を検出結果として倉庫情報取得部103に送信する。倉庫情報取得部103は、その1つ以上の撮影画像のそれぞれに映し出されている在庫棚32から、それらの在庫棚32に配置されている商品4の在庫数および保管位置を、品種ごとにリアルタイムに特定することによって、倉庫情報を取得する。
【0073】
また、倉庫情報取得部103は、ロボット10によって在庫棚32から商品4が取り出されると、その取り出された商品4の数を、倉庫情報によって示される在庫数から減算することによって、その倉庫情報を更新してもよい。例えば、倉庫情報取得部103は、送信処理部105によって生成される制御信号を取得し、その制御信号と倉庫情報とに基づいて、ロボット10によって在庫棚32から取り出される商品4の品種および数を特定する。そして、倉庫情報取得部103は、倉庫情報によって示されるその特定された品種の在庫数から、その特定された数を減算することによって、その倉庫情報を更新する。
【0074】
生成部104は、売り場情報と規定情報とに基づいて補充情報を生成する。その補充情報は、配置数が規定数未満の商品4が属する品種である補充品種を2つ以上示す。さらに、生成部104は、その補充情報によって示される2つ以上の補充品種に対するグルーピングを、規定情報に基づいて行うことによって、それぞれ少なくとも1つの補充品種からなる複数の品種グループを示すグループ情報を生成する。
【0075】
送信処理部105は、生成部104によって生成されたグループ情報と倉庫情報とに基づいて制御信号を生成する。この制御信号は、倉庫30に設置されたロボット10に商品4の搬送作業を実行させるための信号である。また、その搬送作業は、複数の品種グループのそれぞれに含まれる補充品種に属する商品4を、倉庫情報においてその補充品種に対応付けられている倉庫30の保管位置から取り出し、売り場20と倉庫30との中継地点に設置されている補充台31まで搬送し、取り出された商品4をその補充台31に置く作業である。
【0076】
送信部106は、送信処理部105によって生成された制御信号をロボット10に送信する。ロボット10は、送信部106からその制御信号を受信すると、その制御信号にしたがって上述の搬送作業を行う。
【0077】
[取得される各情報の例]
図6は、売り場情報の一例を示す図である。
【0078】
売り場情報は、
図6に示すように、複数の商品の品種のそれぞれについて、その品種の商品4の寸法と、その品種の商品4の重量と、その品種の商品4の配置数とを示す。例えば、売り場情報は、品種「ID01」と、その品種「ID01」の商品4の寸法「10×13×4[cm]」と、その品種「ID01」の商品4の重量「200[g]」と、その品種「ID01」の商品4の配置数「2」とを示す。つまり、売り場情報は、品種「ID01」の商品4の寸法が10×13×4cmであって、その商品4の重量が200gであることを示し、さらに、その品種「ID01」の商品4が売り場20の商品棚22に2個配置されていることを示す。同様に、売り場情報は、品種「ID02」の商品4の寸法が15×7×3cmであって、その商品4の重量が100gであることを示し、さらに、その品種「ID02」の商品4が売り場20の商品棚22に4個配置されていることを示す。なお、商品4の品種は、商品4の商品名であってもよい。
【0079】
売り場情報取得部101は、
図6に示す売り場情報を取得するときには、上述の1つ以上の撮影画像から、商品棚22に配置されている商品4の品種と配置数とを特定し、その品種に対応する寸法および重量を示す情報を記憶部204から取得してもよい。そして、売り場情報取得部101は、その特定された品種および配置数と、記憶部204から取得された情報に示される寸法および重量とを関連付けることによって、
図6に示す売り場情報を生成してもよい。この生成によって売り場情報が取得される。
【0080】
そして、このような売り場情報に示される商品4の寸法および重量は、送信処理部105によって生成される制御信号に含まれていてもよい。この場合には、ロボット10は、倉庫30の在庫棚32から商品4を取り出すときに、その商品4の寸法および重量を用いてその商品4の把持位置を特定する。例えば、ロボット10は、商品4を安定して取り出すことができる商品4の把持位置、具体的には、その商品4の重心に対応する位置を特定し、その把持位置にロボットハンド11aを当ててその商品4を掴む。これにより、商品4の取りこぼしを抑制することができる。
【0081】
なお、
図6に示す例では、売り場情報は、商品4の寸法および重量を示しているが、その寸法および重量の少なくとも一方を示していなくてもよい。
【0082】
図7は、売り場20における複数の商品棚22のレイアウトの一例を示す図である。
【0083】
規定情報は、
図7に示すように、売り場20における複数の商品棚22のレイアウトに基づいて、売り場20に配置される商品4の規定位置を示す。そのレイアウトは、売り場20における棚ID「A」~「R」のそれぞれの商品棚22の位置を、X軸座標およびY軸座標を用いて示す。なお、X軸およびY軸は、店舗2または売り場20の床面に沿う互いに直交する軸であって、X軸座標およびY軸座標の原点は、どのような位置であってもよい。また、棚IDは、商品棚22を識別するための情報である。
【0084】
【0085】
規定情報は、
図8の(a)に示すように、売り場20における商品棚22のそれぞれについて、その商品棚22の棚IDと、その商品棚22の位置座標と、その商品棚22に含まれる各陳列場所と、その陳列場所に配置される商品4の品種と、その商品4の規定数とを示す。商品棚22の位置座標は、X軸座標およびY軸座標からなり、商品棚22の中心位置または原点側の角の位置などを示していてもよい。商品棚22は、
図8の(b)に示すように、複数の陳列場所「a」、「b」、「c」、・・・を含む。これらの陳列場所には、予め定められた品種に属する商品4が陳列または配置される。このような商品棚22の位置座標と陳列場所との組み合わせによって、その商品4の規定位置が表現される。なお、規定位置は、このような組み合わせではなく、X軸座標、Y軸座標およびZ軸座標によって表現されてもよい。規定数は、陳列場所に陳列または配置される商品4の予め定められた個数であって、最小個数および最大個数からなる。
【0086】
例えば、規定情報は、棚ID「A」と、その棚ID「A」の商品棚22の位置座標(X,Y)=(0.5, 10.0)と、その商品棚22に含まれる陳列場所「a」、「b」、「c」、・・・と、それらの陳列場所に配置される商品4の品種「ID01」、「ID02」、「ID03」、・・・と、それらの品種に属する商品4の最小個数「5」、「7」、「5」、・・・と、それらの品種に属する商品4の最大個数「20」、「15」、「12」、・・・とを示す。つまり、規定情報は、棚ID「A」の商品棚22が位置座標(X,Y)=(0.5, 10.0)に設置されていることを示す。さらに、規定情報は、その棚ID「A」の商品棚22が、複数の陳列場所「a」、「b」、「c」、・・・を含むことを示す。さらに、規定情報は、棚ID「A」の商品棚22の陳列場所「a」には、品種「ID01」の商品4が最小個数「5」以上で、かつ、最大個数「20」以下の個数だけ配置されることを示す。
【0087】
【0088】
倉庫情報は、
図9に示すように、倉庫30に保管されている複数の商品4の品種のそれぞれについて、その品種の商品4の在庫数と、その品種の商品4の保管位置とを示す。保管位置は、倉庫30におけるx軸座標、y軸座標およびz軸座標によって示される。なお、x軸およびy軸は、店舗2または倉庫30の床面に沿う互いに直交する軸であり、z軸は、その床面に垂直な軸である。そして、x軸座標、y軸座標およびz軸座標の原点は、どのような位置であってもよい。また、その保管位置は、倉庫30に設置されている在庫棚32に含まれる位置である。
【0089】
例えば、倉庫情報は、商品4の品種「ID01」と、その品種「ID01」の商品4の在庫数「15」と、その品種「ID01」の商品4が保管されている保管位置(x,y,z)=(0.5, 0.5, 0.2)とを示す。つまり、倉庫情報は、保管位置(x,y,z)=(0.5, 0.5, 0.2)によって示される、倉庫30の在庫棚32内の位置には、品種「ID01」の商品4が15個保管されていることを示す。
【0090】
なお、倉庫情報取得部103は、上述のように倉庫情報に含まれる在庫数を随時更新してもよい。そして、倉庫情報取得部103は、在庫数が下限数未満になったときに、その在庫数に対応する商品4の品種について、在庫数が不足していることを示す信号を表示部203に出力してもよい。例えば、倉庫情報取得部103は、品種「ID03」に属する商品4の在庫数が不足していることを示す信号を表示部203に出力する。表示部203は、その信号を受信すると、その信号によって示される内容、例えば、品種「ID03」に属する商品4の在庫数が不足していることを通知するメッセージを表示する。作業員1は、そのメッセージを見ることで、品種「ID03」の商品4の在庫不足を容易に把握することができ、その商品4の在庫切れを抑制することができる。
【0091】
[生成部104の処理]
生成部104は、例えば、
図6に示す売り場情報と、
図8の(a)に示す規定情報とを用いて、
図10に示すグループ情報を生成する。
【0092】
図10は、生成部104によって生成されるグループ情報の一例を示す図である。
【0093】
グループ情報は、上述のように複数の品種グループを示す。品種グループは、少なくとも1つの補充品種からなる。補充品種は、売り場20に補充されるべき商品4の品種である。このようなグループ情報は、
図10に示すように、補充台31上の位置ごとに、その位置に置かれる商品4の品種グループを示す。なお、補充台31上の位置は、補充台31の上面が複数の領域に分割されている場合には、それらの複数の領域のうちの何れか1つを示す。また、補充台31が、
図4に示す例のように複数の台に分割されている場合には、その補充台31上の位置は、その複数の台のうちの何れか1つを示す。
【0094】
例えば、グループ情報は、補充台31上の位置「001」と、その位置「001」に置かれる商品4の品種グループとを示す。この位置「001」に対応する品種グループは、補充品種「ID01」、「ID06」および「ID14」を含む。さらに、グループ情報は、その品種グループに含まれる各補充品種の商品4の補充数を示す。具体的には、グループ情報は、補充品種「ID01」の商品4の補充数「3」と、補充品種「ID06」の商品4の補充数「2」と、補充品種「ID14」の商品4の補充数「4」とを示す。つまり、グループ情報は、補充品種「ID01」の3個の商品4と、補充品種「ID06」の2個の商品4と、補充品種「ID14」の4個の商品4とが、売り場20への補充のために、補充台31上の位置「001」によって示される領域または台に置かれることを示す。
【0095】
生成部104は、このようなグループ情報を生成するときには、上述のように、まず、配置数が規定数未満の商品4が属する補充品種を2つ以上示す補充情報を生成する。この規定数は、
図8の(a)に示す最小個数であってもよく、最大個数であってもよい。つまり、生成部104は、売り場20への補充が必要な商品4の品種である補充品種を複数示す補充情報を生成する。
【0096】
規定数が最小個数である場合には、生成部104は、規定情報によって示される複数の商品の品種のうち、売り場情報によって示される配置数が最小個数未満の品種を補充品種として特定する。つまり、生成部104は、その特定された補充品種の商品4を売り場20に補充することが必要であると判断する。生成部104は、このような補充品種を2つ以上特定することによって、その特定された2つ以上の補充品種を示す補充情報を生成する。このとき、生成部104は、その特定された2つ以上の補充品種のそれぞれについて、規定情報によって示される最大個数から配置数を減算することによって、その補充品種の補充数を算出する。あるいは、生成部104は、その特定された2つ以上の補充品種のそれぞれについて、規定情報によって示される最小個数から配置数を減算することによって、その補充品種の補充数を算出してもよい。
【0097】
また、規定数が最大個数である場合には、生成部104は、規定情報によって示される複数の商品の品種のうち、売り場情報によって示される配置数が最大個数未満の品種を補充品種として特定する。つまり、生成部104は、その特定された補充品種の商品4を売り場20に補充することが必要であると判断する。生成部104は、このような補充品種を2つ以上特定することによって、その特定された2つ以上の補充品種を示す補充情報を生成する。このとき、生成部104は、その特定された2つ以上の補充品種のそれぞれについて、規定情報によって示される最大個数から配置数を減算することによって、その補充品種の補充数を算出する。
【0098】
次に、生成部104は、その特定された2つ以上の補充品種に対してグルーピングを行うことによって、
図10に示すグループ情報を生成する。例えば、生成部104は、特定された2つ以上の補充品種のそれぞれの規定位置間の距離を導出する。そして、生成部104は、それらの距離を用いたクラスタリングの手法である群平均法によって、2つ以上の補充品種に対するグルーピングを行う。なお、その距離は、ユークリッド距離であってもよい。
【0099】
例えば、生成部104は、複数の補充品種から、規定位置間の距離が最も短い2つの補充品種を選び、その2つの補充品種からなる1つ目の品種グループを生成する。次に、生成部104は、品種グループに未だ属していない複数の補充品種から、上述と同様に、規定位置間の距離が最も短い2つの補充品種を選び、その2つの補充品種からなる2つ目の品種グループを生成する。生成部104は、このような品種グループの生成を、品種グループに属していない補充品種の数が0または1になるまで繰り返し行う。その品種グループに属していない補充品種の数が1になった場合には、生成部104は、その1つの補充品種からなる品種グループを生成する。
【0100】
次に、生成部104は、生成された複数の品種グループのそれぞれの間の距離をグループ間距離として算出する。例えば、生成部104は、上記1つ目の品種グループに属する各補充品種の規定位置と、上記2つ目の品種グループに属する各補充品種の規定位置との組み合わせごとに、その組み合わせにおける規定位置間の距離を算出する。そして、生成部104は、それらの組み合わせの距離の平均値を、1つ目の品種グループと2つ目の品種グループとの間のグループ間距離として算出する。
【0101】
生成部104は、このグループ間距離が予め定められた閾値以下であれば、そのグループ間距離に対応する2つの品種グループを統合する。その閾値は、第2閾値とも呼ばれ、例えば2mであってもよく、店舗2内に設置されている複数の商品棚22の幅の平均値であってもよい。そして、生成部104は、その統合によって得られた品種グループを用いて、複数の品種グループのそれぞれの間のグループ間距離を繰り返し算出する。生成部104は、このような品種グループの統合とグループ間距離の算出とを、全ての品種グループのそれぞれの間のグループ間距離が上述の第2閾値よりも長くなるまで繰り返す。その結果、何れのグループ間距離も第2閾値を超える複数の品種グループが最終的に決定される。グループ情報は、このように決定された複数の品種グループと、その複数の品種グループのそれぞれに含まれる各補充品種の補充数とを示す。
【0102】
このように、本実施の形態における生成部104は、補充情報に示される2つ以上の補充品種から、規定位置間の距離が最短となる2つの補充品種からなるグループを抽出する抽出処理を繰り返すことによって、複数のグループを決定する。次に、生成部104は、複数のグループのうち、第2閾値以下のグループ間距離の2つのグループを統合する統合処理を、各グループ間距離が第2閾値よりも長くなるまで繰り返すことによって、複数の品種グループを決定する。なお、グループ間距離は、2つのグループの間の距離であって、その2つのグループのうちの一方のグループに含まれる少なくとも1つの補充品種のそれぞれに属する商品4の規定位置と、他方のグループに含まれる少なくとも1つの補充品種のそれぞれに属する商品4の規定位置と間の距離の平均値である。これによって、複数の品種グループのそれぞれで、当該品種グループに含まれる少なくとも1つの補充品種のそれぞれに属する商品4の規定位置が互いに近くなるように、その複数の品種グループが決定される。つまり、商品4の規定位置が互いに近い複数の補充品種が1つの品種グループに含まれる。その結果、商品4の規定位置が互いに近い複数の補充品種ごとに、それらの複数の補充品種を含む品種グループを決定することができ、規定位置間の距離に応じた適切なグルーピングを行うことができる。
【0103】
また、生成部104は、このようなグループ情報の生成を周期的に行ってもよい。例えば、生成部104は、1時間、2時間、または3時間ごとに、その時点における最新のグループ情報を生成してもよい。つまり、生成部104は、グループ情報の生成を周期的に実行する。そして、送信処理部105は、そのグループ情報が生成されるごとに、生成された最新のグループ情報に基づいて制御信号を生成し、その制御信号のロボット10への送信を送信部106に実行させる。したがって、作業員1は、その周期にあわせたタイミングに、補充台31上に置かれている商品4を取りに行き、その商品4を売り場20の商品棚22に運び込む。これにより、その周期を適切に設定することによって、売り場20での商品不足の状態が継続している期間の短縮化と、商品不足が生じていない場合でもグループ情報を生成して制御信号をロボット10に送信してしまう無駄な作業の削減との、両立化を図ることができる。
【0104】
また、生成部104は、1つの通路21に向かって一列に並んでいる1以上の商品棚22の範囲内で上述の補充品種のグルーピングを行ってもよい。例えば、
図7に示すレイアウトでは、生成部104は、棚ID「D」の商品棚22の範囲、または、棚ID「D」および「E」のそれぞれの商品棚22を含む範囲で上述の補充品種のグルーピングを行ってもよい。あるいは、生成部104は、1つの通路21に向かって二列に並んでいる2つ以上の商品棚22の範囲内で上述の補充品種のグルーピングを行ってもよい。例えば、
図7に示すレイアウトでは、生成部104は、棚ID「D」および「F」のそれぞれの商品棚22を含む範囲、または、棚ID「D」、「E」、「F」および「G」のそれぞれの商品棚22を含む範囲で上述の補充品種のグルーピングを行ってもよい。
【0105】
[送信処理部105の処理]
送信処理部105は、例えば、
図9に示す倉庫情報と、
図10に示すグループ情報とを用いて制御信号を生成する。
【0106】
図11は、送信処理部105によって生成される制御信号の一例を示す図である。
【0107】
制御信号は、上述のように、倉庫30に設置されたロボット10に商品4の搬送作業を実行させるための信号であって、
図11に示すように、複数の制御番号のそれぞれと、その制御番号に対応する制御内容とを示す。つまり、制御信号は、複数の制御番号の順にしたがって実行されるロボット10の複数の制御内容を示す。制御内容は、移動位置と、アクションと、手先位置とを含む。移動位置は、ロボット10の移動先の位置であって、倉庫情報の保管位置と同様、倉庫30におけるx軸座標およびy軸座標によって示される。アクションは、ロボットハンド11aの動作を示す。その動作は、例えば「掴む」または「置く」である。手先位置は、ロボットハンド11aの位置であって、倉庫情報の保管位置と同様、倉庫30におけるx軸座標、y軸座標およびz軸座標によって示される。
【0108】
例えば、制御信号は、制御番号「001」に対応する制御内容として、移動位置(x,y)=(0.4, 0.5)と、アクション「掴む」と、手先位置(x,y,z)=(0.5, 0.2, 1.0)とを示す。その移動位置(x,y)=(0.4, 0.5)は、倉庫30の在庫棚32の近傍にある。つまり、制御信号は、ロボット10が移動位置(x,y)=(0.4, 0.5)に移動し、ロボットハンド11aが手先位置(x,y,z)=(0.5, 0.2, 1.0)に移動して、在庫棚32の商品4を掴むことを示す。
【0109】
そして、制御信号は、制御番号「001」に続く制御番号「002」に対応する制御内容として、移動位置(x,y)=(0.4, 0.5)と、アクション「置く」と、手先位置(x,y,z)=(0.4, 0.55, 0.2)とを示す。その手先位置(x,y,z)=(0.4, 0.55, 0.2)は、ロボット10の配送ケース13a内の位置である。つまり、制御信号は、ロボット10が移動位置(x,y)=(0.4, 0.5)にある状態で、ロボットハンド11aが手先位置(x,y,z)=(0.4, 0.55, 0.2)に移動して、掴んでいる商品4を配送ケース13a内に置くことを示す。
【0110】
また、制御信号は、制御番号「002」に続く制御番号「003」および「004」のそれぞれに対応する制御内容を示す。つまり、制御信号は、ロボット10が移動位置(x,y)=(1.3, 2.8)に移動し、ロボットハンド11aが手先位置(x,y,z)=(1.4, 2.8, 0.6)に移動して、在庫棚32の商品4を掴むことを示す。さらに、その制御信号は、ロボットハンド11aが手先位置(x,y,z)=(1.3, 3.0, 0.2)に移動して、掴んでいる商品4を配送ケース13a内に置くことを示す。
【0111】
また、制御信号は、制御番号「030」に対応する制御内容として、移動位置(x,y)=(4.5, 0.7)と、アクション「掴む」と、手先位置(x,y,z)=(4.5, 1.2, 0.2)とを示す。その移動位置(x,y)=(4.5, 0.7)は、倉庫30の補充台31の近傍にあり、手先位置(x,y,z)=(4.5, 1.2, 0.2)は、ロボット10の配送ケース13a内の位置である。つまり、制御信号は、ロボット10が補充台31の近傍の移動位置(x,y)=(4.5, 0.7)に移動し、ロボットハンド11aが手先位置(x,y,z)=(4.5, 1.2, 0.2)に移動して、配送ケース13a内の商品4を掴むことを示す。
【0112】
そして、制御信号は、制御番号「030」に続く制御番号「031」に対応する制御内容として、移動位置(x,y)=(0.4, 0.7)と、アクション「置く」と、手先位置(x,y,z)=(4.0, 0.6, 0.8)とを示す。その手先位置(x,y,z)=(4.0, 0.6, 0.8)は、補充台31上の位置である。つまり、制御信号は、ロボット10が移動位置(x,y)=(0.4, 0.7)にある状態で、ロボットハンド11aが手先位置(x,y,z)=(4.0, 0.6, 0.8)に移動して、掴んでいる商品4を補充台31上に置くことを示す。
【0113】
送信処理部105は、このような制御信号を生成するときには、まず、
図10に示すグループ情報に示される各補充品種を、
図9に示す倉庫情報から検索する。そして、送信処理部105は、倉庫情報から補充品種を見つけると、その倉庫情報において補充品種に対応付けられている保管位置を特定する。
【0114】
送信処理部105は、各補充品種の保管位置を特定すると、その補充品種を在庫棚32から取り出して配送ケース13a内に置くための、第1制御番号および第2制御番号のそれぞれに対応する制御内容を決定する。第1制御番号に対応する制御内容は、例えば、
図11に示す制御番号「001」に対応する制御内容であり、第2の制御番号に対応する制御内容は、例えば、
図11に示す制御番号「002」に対応する制御内容である。
【0115】
具体的には、送信処理部105は、補充品種に対して特定された保管位置から、ロボット10の移動位置を導出し、その移動位置に対してアクション「掴む」を関連付ける。さらに、送信処理部105は、その移動位置に対してその保管位置を手先位置として関連付けることによって、第1制御番号に対応する制御内容を決定する。例えば、送信処理部105は、特定された保管位置のx軸座標およびy軸座標を、ロボット10の移動位置のx軸座標およびy軸座標として導出してもよい。あるいは、送信処理部105は、特定された保管位置のx軸座標およびy軸座標を、演算式または条件式に入力することによって、ロボット10の移動位置を導出してもよい。
【0116】
次に、送信処理部105は、その移動位置に対してアクション「置く」を関連付け、さらに、配送ケース13a内の位置を手先位置として関連付けることによって、第2制御番号に対応する制御内容を決定する。配送ケース13a内の位置のx軸座標およびy軸座標は、移動位置のx軸座標およびy軸座標に対して、ロボット10の形状などに応じて予め定められたオフセット値を加算または減算することによって導出される。また、配送ケース13a内の位置のz軸座標は、ロボット10の形状などに応じて予め定められた値に決定される。
【0117】
送信処理部105は、このような第1制御番号および第2制御番号のそれぞれに対応する制御内容の決定を、グループ情報においてその補充品種に対応付けられている補充数だけ繰り返す。また、送信処理部105は、倉庫情報においてその補充品種に対応付けられている在庫数が補充数未満である場合には、上述の制御内容の決定をその在庫数だけ繰り返してもよい。あるいは、送信処理部105は、その在庫数が補充数未満であることを示すメッセージを表示部203に表示することによって、その補充品種の商品4が不足していることを作業員1に報知してもよい。そして、送信処理部105は、作業員1による商品4の補填によって、在庫数が補充数以上になったことを確認したときに、上述の制御内容の決定を、その補充数だけ繰り返してもよい。
【0118】
送信処理部105は、補充品種に対して上述の第1制御番号および第2制御番号のそれぞれに対応する制御内容を決定すると、その補充品種の商品4を補充台31上に置くための、第3制御番号および第4制御番号のそれぞれに対応する制御内容を決定する。第3制御番号に対応する制御内容は、例えば、
図11に示す制御番号「030」に対応する制御内容であり、第4制御番号に対応する制御内容は、例えば、
図11に示す制御番号「031」に対応する制御内容である。
【0119】
具体的には、送信処理部105は、グループ情報において補充品種に対応付けられている補充台31上の位置から、ロボット10の移動位置を導出し、その移動位置に対してアクション「掴む」を関連付ける。さらに、送信処理部105は、その移動位置に対して、配送ケース13a内の位置を手先位置として関連付けることによって、第3制御番号に対応する制御内容を決定する。例えば、送信処理部105は、補充台31の位置に予め関連付けられているx軸座標およびy軸座標を、ロボット10の移動位置のx軸座標およびy軸座標として導出してもよい。配送ケース13a内の位置のx軸座標およびy軸座標は、移動位置のx軸座標およびy軸座標に対して、ロボット10の形状などに応じて予め定められたオフセット値を加算または減算することによって導出される。また、配送ケース13a内の位置のz軸座標は、ロボット10の形状などに応じて予め定められた値に決定される。
【0120】
次に、送信処理部105は、その移動位置に対してアクション「置く」を関連付け、さらに、グループ情報においてその補充品種に対応付けられている補充台31上の位置を手先位置として関連付けることによって、第4制御番号に対応する制御内容を決定する。
【0121】
送信処理部105は、このような第3制御番号および第4制御番号のそれぞれに対応する制御内容の決定を、グループ情報においてその補充品種に対応付けられている補充数だけ繰り返す。また、送信処理部105は、倉庫情報においてその補充品種に対応付けられている在庫数が補充数未満である場合には、上述の制御内容の決定をその在庫数だけ繰り返してもよい。
【0122】
送信処理部105は、このように決定された制御内容を制御番号の順にしたがって配列することによって、
図11に示す制御信号を生成する。送信部106は、このように生成された制御信号を送信処理部105から取得し、その制御信号をロボット10に送信する。
【0123】
ロボット10は、その制御信号を受信すると、その制御信号に示される各制御内容を、それらの制御番号の順にしたがって実行する。これにより、補充台31の上面の各領域には、その領域に対応する品種グループに属する各商品4が置かれる。つまり、品種グループに含まれる各補充品種の商品4が、グループ情報に示される補充数だけ、補充台31の上面にある1つの領域に置かれる。なお、補充台31が複数の台に分割されている場合には、品種グループに属する各商品4が、その品種グループに対応する台に置かれる。作業員1は、補充台31に置かれている各商品4を品種グループごとに、売り場20の1つ以上の商品棚22に運び込む。これにより、売り場20において不足している商品4を補充することができる。
【0124】
[処理フロー]
図12Aは、本実施の形態におけるロボット制御装置100の処理動作を示すフローチャートである。
【0125】
まず、ロボット制御装置100の規定情報取得部102は、規定情報を取得する(ステップS10)。
【0126】
次に、売り場情報取得部101は、売り場情報を取得する(ステップS20)。
【0127】
次に、生成部104は、規定情報および売り場情報を用いてグループ情報を生成する(ステップS30)。
【0128】
次に、倉庫情報取得部103は、倉庫情報を取得する(ステップS40)。
【0129】
次に、送信処理部105は、倉庫情報とグループ情報とを用いて制御信号を生成し、その制御信号のロボット10への送信を送信部106に実行させる(ステップS50)。
【0130】
図12Bは、グループ情報の生成の詳細を示すフローチャートである。つまり、
図12Bは、
図12Aに示すステップS30の詳細な処理動作を示すフローチャートである。
【0131】
生成部104は、補充情報を生成し、その補充情報によって示される2つ以上の補充品種のそれぞれの規定位置間の距離を導出する(ステップS31)。
【0132】
そして、生成部104は、その導出された距離を用いてグループ情報を生成する(ステップS32)。
【0133】
以上のように、本実施の形態におけるロボット制御装置100では、売り場情報取得部101は、売り場20に設置された複数の商品棚22のそれぞれに配置されている商品4の配置数を、商品の品種ごとに示す売り場情報を取得する。倉庫情報取得部103は、倉庫30に保管されている商品4の保管位置を、商品の品種ごとに示す倉庫情報を取得する。規定情報取得部102は、売り場20に配置される商品4の規定位置と規定数とを、商品の品種ごとに示す規定情報を取得する。そして、生成部104は、その売り場情報と規定情報とに基づいて、配置数が規定数未満の商品4が属する品種である補充品種を2つ以上示す補充情報を生成する。さらに、生成部104は、その補充情報によって示される2つ以上の補充品種に対するグルーピングを、規定情報に基づいて行うことによって、それぞれ少なくとも1つの補充品種からなる複数の品種グループを示すグループ情報を生成する。送信処理部105および送信部106は、生成されたグループ情報と倉庫情報とに基づいて、倉庫30に設置されたロボット10に商品4の搬送作業を実行させるための制御信号を生成してロボット10に送信する。ここで、上述のグルーピングでは、複数の品種グループのそれぞれで、当該品種グループに含まれる少なくとも1つの補充品種のそれぞれに属する商品4の規定位置が互いに近くなるように、その複数の品種グループが決定される。また、上述の搬送作業は、記複数の品種グループのそれぞれに含まれる補充品種に属する商品4を、倉庫情報においてその補充品種に対応付けられている倉庫30の保管位置から取り出し、売り場20と倉庫30との中継地点に設置されている補充台31まで搬送し、取り出された商品4を補充台31に置く作業である。
【0134】
これにより、売り場20において不足している商品4の品種が補充品種として特定され、2つ以上の補充品種に対するグルーピングによって、複数の品種グループを示すグループ情報が生成される。このグルーピングによって、商品4の規定位置が互いに近い複数の補充品種が1つの品種グループに含まれる。そして、このような複数の品種グループのそれぞれで、その品種グループに含まれる各補充品種の商品4が、ロボット10によって、倉庫30におけるその商品4の保管位置から取り出されて、補充台31まで搬送され、その補充台31に置かれる。その結果、作業員1は、売り場20において不足している商品4を、倉庫30内で歩き回って集める作業負担を軽減することができる。さらに、作業員1は、品種グループごとに、その品種グループに含まれる各補充品種の商品4を、補充台31から取って、売り場20の1つ以上の商品棚22のそれぞれに一度に運べば、作業員1の移動距離を抑えながら、それらの商品4を補充することができる。つまり、商品4の補充のために、作業員1が売り場20の一方の端から他方の端まで歩き廻ることを抑えることができる。これにより、売り場20への商品4の補充の効率化を図ることができる。
【0135】
なお、上述の例におけるグルーピングでは、複数の品種グループのそれぞれで、当該品種グループに含まれる少なくとも1つの補充品種のそれぞれに属する商品4の規定位置が互いに近くなるように、その複数の品種グループが決定される。しかし、このようなグルーピングに限定されなくてもよい。つまり、補充情報によって示される2つ以上の補充品種に対し、規定情報によって示される商品の規定位置に基づいてグルーピングを行うことによって、それぞれ少なくとも1つの補充品種からなる複数の品種グループを示すグループ情報を生成してもよい。このような場合であっても、規定情報に基づくグルーピングが2つ以上の補充品種に対して行われるため、上述のロボット制御装置100と同様、売り場20への商品4の補充の効率化を図ることができる。また、補充台31は、移動式の荷台であってもよい。これにより、補充台31を動かせば、その補充台31上に置かれている商品4を運ぶことができる。したがって、補充台31の上に置かれた商品4を商品棚22に運搬するために、わざわざその商品4を例えばカートなどに詰める作業を省くことができる。その結果、売り場20への商品4の補充のさらなる効率化を図ることができる。
【0136】
また、本実施の形態では、ロボット10は、台車13を備える。そして、そのロボット10は、制御信号にしたがって上述の搬送作業を行うときには、グループ情報に示される品種グループに含まれる少なくとも1つの補充品種のそれぞれに属する商品4を、台車13に載せて補充台31まで移動する。これにより、倉庫30に設置されている例えば複数の在庫棚32から、品種グループに属する全ての商品4を取り出して補充台31まで搬送する作業を一度に行うことができる。なお、本実施の形態では、ロボット10は、台車13を備えるが、この台車13を備えていなくてもよい。この場合には、ロボット10は、倉庫30の在庫棚32から商品4を取り出すたびに、その商品4を補充台31まで搬送してもよい。
【0137】
また、本実施の形態では、生成部104は、グルーピングによって決定された各品種グループに対して、予め定められた補充台31上の位置を決定してもよく、その品種グループに対して最適な補充台31上の位置を決定してもよい。例えば、生成部104は、補充台31上の複数の領域のうち、品種グループに含まれる各補充品種の商品4の規定位置から最も近い領域を決定し、グループ情報において、その最も近い領域を示す補充台31上の位置を、その品種グループに関連付ける。したがって、この場合には、送信処理部105は、そのグループ情報に基づいて、品種グループに含まれる各補充品種の商品4を、それらの商品4の規定位置に最も近い補充台31上の領域に置くための制御信号を生成する。つまり、送信処理部105は、補充台31における複数の領域のうち、品種グループに含まれる少なくとも1つの補充品種のそれぞれに属する商品4の規定位置から最も近い領域を決定し、その商品4を決定された領域に置くことを示す制御信号を生成する。これにより、1つの品種グループに属する各商品4は、ロボット10によって、その商品4が配置される商品棚22に最も近い補充台31の領域に置かれる。したがって、作業員1が補充台31からその商品棚22まで商品4を運ぶ距離を抑えることができる。これにより、売り場20への商品4の補充のさらなる効率化を図ることができる。なお、補充台31が
図4に示すように複数の台に分割されている場合には、上述の最も近い補充台31の領域の代わりに、最も近い台が決定される。
【0138】
また、本実施の形態では、売り場情報取得部101は、売り場20に配置されている各商品4の販売期限を取得し、商品の品種ごとに、その品種に属して商品棚22に配置されている、販売期限を経過していない商品4の個数を、その商品4の配置数として決定してもよい。その販売期限は、例えば、商品4が飲食物であれば、その商品4の賞味期限または消費期限であってもよい。また、販売期限は、商品4に記述されてあり、その商品4が映し出されている撮影画像に対する画像解析、画像認識または学習モデルによって取得されてもよい。これにより、販売期限が切れた商品4が商品棚22に配置されていても、その商品4の個数は配置数に含まれないため、その商品4の品種を補充品種として扱うことができる。その結果、販売期限が切れていない商品4を商品棚22に補充することができる。
【0139】
(変形例1)
本変形例におけるロボット制御装置は、グループ情報に示される複数の品種グループのそれぞれについて、その品種グループに含まれる各補充品種の補充数の合計数である補充総数を、制限数以下に制限する。また、本変形例では、その制限数は、売り場20における各通路21の通路幅に応じて決定される。
【0140】
図13は、本変形例におけるロボット制御装置の機能構成を示すブロック図である。
【0141】
本変形例におけるロボット制御装置151は、上記実施の形態におけるロボット制御装置100の各構成要素を備えるとともに、さらに、通路情報取得部107と、制限数決定部108とを備える。
【0142】
通路情報取得部107は、通路情報を取得する。この通路情報は、売り場20における1以上の通路21のそれぞれの通路幅と、その通路21に向かって設置されている1以上の商品棚22とを示す。なお、通路21に向かって設置されている商品棚22は、その通路21に沿って設置されている商品棚22、または、その通路21に接する商品棚22であり、その通路21から商品4の出し入れが可能な商品棚22である。
【0143】
例えば、通路情報取得部107は、記憶部204からその通路情報を取得してもよく、作業員1による入力部202への入力操作に応じて、その入力部202から通路情報を取得してもよい。また、このような通路情報は、売り場20のレイアウトが変更されたときには、その変更に応じて更新される。
【0144】
制限数決定部108は、通路情報取得部107から通路情報を取得する。そして、制限数決定部108は、その通路情報に示される1以上の通路21のそれぞれの通路幅に基づいて、その通路21に対応する品種グループの補充総数の制限数を決定する。なお、通路21に対応する品種グループは、規定情報においてその通路21の商品棚22に対応付けられている補充品種を含むグループである。
【0145】
本変形例における生成部104は、各品種グループの補充総数が、制限数決定部108によって決定された制限数以下となるように、グループ情報を生成する。
【0146】
【0147】
通路情報は、
図14に示すように、売り場20における1以上の通路21のそれぞれについて、その通路21の通路IDと、その通路21の通路幅と、その通路21に接する商品棚22の棚IDとを示す。通路IDは、通路21に割り当てられた、その通路21を識別するための識別情報である。
【0148】
例えば、売り場20のレイアウトが
図7に示すレイアウトである場合、通路情報は、1つ目の通路21の通路ID「P001」と、その通路21の通路幅「1.0m」と、その通路21に接する商品棚22の棚ID「A」、「B」および「C」とを示す。この1つ目の通路21は、売り場20におけるY軸方向に沿う通路であって、X軸方向の最も負側にある通路である。同様に、通路情報は、2つ目の通路21の通路ID「P002」と、その通路21の通路幅「0.8m」と、その通路21に接する商品棚22の棚ID「D」、「E」、「F」および「G」とを示す。この2つ目の通路21は、売り場20におけるY軸方向に沿う通路であって、X軸方向の最も負側から2番目の通路である。
【0149】
図15は、制限数決定部108に用いられる制限数情報の一例を示す図である。
【0150】
制限数決定部108は、例えば
図15に示す制限数情報を保持する。制限数情報は、通路幅の各範囲について、その範囲に対応する制限数を示す。例えば、制限数情報は、通路幅の範囲「0.60~0.79m」に対応する制限数「10」と、通路幅の範囲「0.80~0.99m」に対応する制限数「15」と、通路幅の範囲「1.00~1.19m」に対応する制限数「20」とを示す。
【0151】
制限数決定部108は、通路情報に示される1以上の通路21のそれぞれに対応する品種グループの制限数を、この制限数情報を参照して決定し、その決定された制限数を生成部104に通知する。例えば、制限数決定部108は、通路ID「P001」の通路21に対応する品種グループの制限数を決定するときには、まず、その通路ID「P001」の通路21の通路幅「1.0m」を通路情報から特定する。そして、制限数決定部108は、制限数情報を参照し、その制限数情報において通路幅「1.0m」に対応付けられている制限数「20」を特定する。したがって、制限数決定部108は、通路ID「P001」の通路21に対応する品種グループの制限数を「20」に決定し、その決定された制限数「20」を生成部104に通知する。ここで、通路情報では、通路ID「P001」に対して棚ID「A」、「B」および「C」が対応付けられている。そこで、制限数決定部108は、その決定された制限数「20」を生成部104に通知するときには、通路ID「P001」の代わりに、その棚ID「A」、「B」および「C」を、制限数「20」と共に生成部104に通知してもよい。
【0152】
生成部104は、例えば、上記実施の形態と同様に、
図10に示すグループ情報を生成する。そして、生成部104は、そのグループ情報に示される各品種グループの補充総数が、制限数決定部108から通知される制限数以下になるように、グループ情報に示される各補充数を調整する。
【0153】
例えば、生成部104は、グループ情報に示される複数の品種グループのそれぞれについて、その品種グループに含まれる各補充品種に対応する制限数を特定する。つまり、生成部104は、
図8の(a)に示す規定情報を参照し、その規定情報において上述の補充品種に対応付けられている棚IDを特定する。さらに、生成部104は、上述の制限数決定部108からその棚IDと共に通知された制限数を特定する。これにより、品種グループに含まれる各補充品種に対応する制限数が特定される。生成部104は、複数の品種グループのそれぞれで、その品種グループに含まれる各補充品種に対応する制限数の中で最小の制限数を、その品種グループに対応する最終的な制限数として決定する。そして、生成部104は、その品種グループの補充総数と、最終的な制限数とを比較する。ここで、生成部104は、補充総数が最終的な制限数を超える場合には、その補充総数が最終的な制限数以下になるように、その品種グループに含まれる各補充品種の補充数を減らす。
【0154】
具体的には、生成部104は、その品種グループに含まれる各補充品種の補充数から1を減算することによって、それらの補充数を更新する。そして、生成部104は、その更新された補充数を用いて品種グループの補充総数を算出する。その補充総数が最終的な制限数を超える場合には、生成部104は、再び、その品種グループに含まれる各補充品種の補充数から1を減算することによって、それらの補充数を更新する。生成部104は、このような補充数の更新を繰り返すことによって、補充総数を最終的な制限数以下に抑える。また、生成部104は、補充品種ごとに、規定情報に示される最小個数から、売り場情報に示される配置数を減算することによって、その補充品種の必要補充数を算出し、補充数の更新では、更新後の補充数がその必要補充数未満になることを禁止してもよい。
【0155】
または、生成部104は、
図10に示すグループ情報を生成するときに、つまり、グルーピングを行う段階で、品種グループの補充総数が制限数を超えるような品種グループ間の統合を禁止してもよい。例えば、生成部104は、品種グループ1および品種グループ2のグループ間距離が第2閾値以下である場合、上述と同様に、品種グループ1に含まれる各補充品種に対応する制限数を特定する。さらに、生成部104は、品種グループ2に含まれる各補充品種に対応する制限数を特定する。生成部104は、品種グループ1に含まれる各補充品種に対応する制限数と、品種グループ2に含まれる各補充品種の制限数との中から、最小の制限数を決定する。そして、生成部104は、品種グループ1と品種グループ2とを統合した場合における仮の補充総数と、その最小の制限数とを比較する。ここで、生成部104は、仮の補充総数がその最小の制限数を超える場合には、品種グループ1と品種グループ2との統合を禁止する。つまり、生成部104は、品種グループ1と品種グループ2との間のグループ間距離が第2閾値以下であっても、上述のように仮の補充総数がその最小の制限数を超える場合には、品種グループ1と品種グループ2との統合を禁止する。なお、品種グループ1および品種グループ2のそれぞれに1つの補充品種だけが含まれている場合であっても、上述のような統合は禁止される。
【0156】
図16は、本変形例におけるグループ情報の生成の詳細を示すフローチャートである。なお、本変形例におけるロボット制御装置151は、上記実施の形態と同様、
図12Aに示すフローチャートにしたがって動作する。そして、本変形例と上記実施の形態とでは、
図12AのステップS30における詳細な処理が異なる。
図16は、本変形例におけるそのステップS30の詳細な処理を示すフローチャートである。
【0157】
まず、ロボット制御装置151の通路情報取得部107は、通路情報を取得する(ステップS33)。
【0158】
次に、制限数決定部108は、ステップS33で取得された通路情報に示される1以上の通路21のそれぞれに対応する品種グループの制限数を、制限数情報を参照して決定する(ステップS34)。
【0159】
次に、生成部104は、2つ以上の補充品種のそれぞれの規定位置間の距離を導出する(ステップS31)。
【0160】
そして、生成部104は、ステップS34で決定された品種グループの制限数と、ステップS31で導出された距離とを用いてグループ情報を生成する(ステップS32a)。
【0161】
このように、本変形例では、売り場20には、複数の商品棚22のそれぞれが、少なくとも1つの通路21のうち、その商品棚22に対応する通路21に沿って設置されている。そして、通路情報取得部107は、その少なくとも1つの通路21のそれぞれの幅を示す通路情報を取得する。そして、生成部104は、品種グループに含まれる少なくとも1つの補充品種のそれぞれに属する商品4の合計数を、その通路情報によって示される、その商品4が配置される商品棚22に対応する通路21の幅に応じて調整する。具体的には、制限数決定部108は、その品種グループに含まれる少なくとも1つの補充品種のそれぞれに属する商品4が配置される商品棚22に対応する通路21の幅に応じて制限数を決定する。そして、生成部104は、その品種グループにおける上述の合計数をその制限数以下に調整する。
【0162】
例えば、通路21の幅が広い場合には、作業員1は、その通路21に沿う1つ以上の商品棚22に多くの商品4を一度に運び込むことができる。逆に、通路21の幅が狭い場合には、作業員1は、その通路21に沿う1つ以上の商品棚22に多くの商品4を一度に運び込むことができない。そこで、本変形例では、上述のように、品種グループにおける商品4の合計数が、通路21の幅に応じて決定される制限数以下に調整される。例えば、通路21の幅が広い場合には、多い制限数が決定され、逆に、通路21の幅が狭い場合には、少ない制限数が決定される。したがって、通路21の幅が広い場合には、作業員1は、その通路21に対応する1つ以上の商品棚22に、1つの品種グループに属する多くの商品4を一度に運び込むことができる。また、通路21の幅が狭い場合であっても、作業員1は、その通路21に対応する1つ以上の商品棚22に、1つの品種グループに属する全ての商品4を一度に運び込むことができる。これにより、売り場20への商品4の補充のさらなる効率化を図ることができる。
【0163】
(変形例2)
本変形例におけるロボット制御装置は、グループ情報を生成するときに、売り場20にいる顧客の位置および人数に応じて特定される品種が、補充情報に補充品種として示されていれば、その特定された品種である補充品種をグルーピングの対象から除外する。
【0164】
図17は、本変形例におけるロボット制御装置の機能構成を示すブロック図である。
【0165】
本変形例におけるロボット制御装置152は、上記実施の形態におけるロボット制御装置100の各構成要素を備えるとともに、さらに、顧客情報取得部109を備える。
【0166】
顧客情報取得部109は、顧客情報を取得する。この顧客情報は、売り場20に設置されている複数の商品棚22のそれぞれの周囲にいる顧客の人数を示す。なお、顧客の人数は、以下、顧客数とも呼ばれる。
【0167】
例えば、顧客情報取得部109は、検出部201の検出結果から顧客情報を取得する。具体的には、検出部201は、複数の商品棚22のそれぞれを含む周囲を撮影することによって1つ以上の撮影画像を生成し、その1つ以上の撮影画像を検出結果として顧客情報取得部109に送信する。顧客情報取得部109は、その1つ以上の撮影画像のそれぞれに映し出されている複数の商品棚22のそれぞれの周囲について、その周囲にいる顧客の人数をリアルタイムに特定することによって、顧客情報を取得する。なお、上述の例では、検出部201は、店舗2の天井または壁などに取り付けられている複数のカメラ23であるが、複数の商品棚22のそれぞれに配設されたレーザーレンジファインダーであってもよい。この場合には、顧客情報取得部109は、それらのレーザーレンジファインダーの検出結果から顧客情報を取得する。
【0168】
本変形例における生成部104は、その顧客情報において閾値以上の顧客数に対応付けられている商品棚22に配置されている商品4の品種を特定する。そして、生成部104は、グループ情報を生成するときには、補充情報にその特定された品種が補充品種として示されていれば、その特定された品種である補充品種をグルーピングの対象から除外する。なお、上述の顧客数の閾値は、以下、第1閾値とも呼ばれる。
【0169】
【0170】
顧客情報は、
図18に示すように、売り場20に設定されている複数の商品棚22のそれぞれについて、その商品棚22の棚IDと、その商品棚22の周囲、すなわち商品棚22から0.5m以内にいる顧客の人数とを示す。例えば、顧客情報は、商品棚22の棚ID「A」と、その商品棚22から0.5m以内にいる顧客の人数「10」とを示す。つまり、顧客情報は、棚ID「A」の商品棚22の周囲には10人の顧客がいることを示す。
【0171】
生成部104は、このような顧客情報を用いてグループ情報を生成する。例えば、生成部104は、顧客情報において第1閾値以上の顧客数に対応付けられている商品棚22を検索する。具体的には、生成部104は、
図18に示す顧客情報から、第1閾値=5以上の顧客数に対応付けられている商品棚22として、棚ID「A」の商品棚22を見つけ出す。そして、生成部104は、規定情報において棚ID「A」に対応付けられている品種「ID01」、「ID02」および「ID03」をそれぞれ、棚ID「A」の商品棚22に配置されている商品4の品種として特定する。次に、生成部104は、それらの特定された品種「ID01」、「ID02」および「ID03」のそれぞれが、補充情報に示される2つ以上の補充品種に含まれているか否かを判定する。ここで、生成部104は、品種「ID01」がその2つ以上の補充品種に含まれていると判定すると、その品種「ID01」である補充品種をグルーピングの対象から除外する。その結果、生成部104は、それぞれ補充品種「ID01」を含まない複数の品種グループを示すグループ情報を生成する。
【0172】
図19は、本変形例におけるグループ情報の生成の詳細を示すフローチャートである。なお、本変形例におけるロボット制御装置152は、上記実施の形態と同様、
図12Aに示すフローチャートにしたがって動作する。そして、本変形例と上記実施の形態とでは、
図12AのステップS30における詳細な処理が異なる。
図19は、本変形例におけるそのステップS30の詳細な処理を示すフローチャートである。
【0173】
まず、ロボット制御装置152の顧客情報取得部109は、顧客情報を取得する(ステップS35)。
【0174】
次に、生成部104は、2つ以上の補充品種のそれぞれの規定位置間の距離を導出する(ステップS31)。
【0175】
そして、生成部104は、ステップS35で取得された顧客情報と、ステップS31で導出された距離とを用いてグループ情報を生成する(ステップS32b)。
【0176】
このように、本変形例では、顧客情報取得部109は、複数の商品棚22のそれぞれの周囲にいる顧客の人数を示す顧客情報を取得する。そして、生成部104は、その顧客情報に基づいて複数の品種グループを決定する。具体的には、生成部104は、複数の商品棚22のうち、その顧客情報に示される顧客の人数が第1閾値以上の商品棚22に配置される商品4の品種を、補充情報に示される2つ以上の補充品種から除く。そして、生成部104は、その品種が除かれた2つ以上の補充品種に対するグルーピングを、規定情報を用いて行うことによって、複数の品種グループを決定する。
【0177】
これにより、商品棚22において商品4が不足していても、その商品棚22の周囲に多くの顧客が集まっていれば、その商品4の品種は補充品種として扱われず、その商品4の補充は行われない。したがって、多くの顧客の邪魔になり得る商品4の補充を抑制することができる。
【0178】
(変形例3)
本変形例におけるロボット制御装置は、グループ情報に示される複数の品種グループのそれぞれについて、その品種グループに含まれる各補充品種の補充数の合計数である補充総数を、制限数以下に制限する。また、本変形例では、その制限数は、補充台31から売り場20の各商品棚22へ商品4を運搬する手段に応じて決定される。なお、このような商品4を運搬する手段は、以下、運搬手段とも呼ばれる。
【0179】
図20は、本変形例におけるロボット制御装置の機能構成を示すブロック図である。
【0180】
本変形例におけるロボット制御装置153は、上記実施の形態におけるロボット制御装置100の各構成要素を備えるとともに、さらに、運搬情報取得部110と、制限数決定部111とを備える。
【0181】
運搬情報取得部110は、運搬情報を取得する。この運搬情報は、運搬手段を示す情報である。つまり、運搬情報は、作業員1が補充台31から売り場20の各商品棚22へ補充品種の商品4を運ぶときに、その作業員1がその商品4の運搬に用いる手段を示す。このような運搬手段の具体的な一例は、カート、トレイ、またはコンテナである。また、運搬手段は、作業員1が器具を使用することなく、手で商品4を持って運搬する、または、腕で商品4を抱えて運搬する手持ちであってもよい。例えば、運搬情報取得部110は、記憶部204からその運搬情報を取得してもよく、作業員1による入力部202への入力操作に応じて、その入力部202から運搬情報を取得してもよい。
【0182】
制限数決定部111は、運搬情報取得部110から運搬情報を取得する。そして、制限数決定部111は、その運搬情報に示される運搬手段に基づいて、品種グループの補充総数の制限数を決定する。
【0183】
本変形例における生成部104は、各品種グループの補充総数が、制限数決定部111によって決定された制限数以下となるように、グループ情報を生成する。
【0184】
図21は、制限数決定部111に用いられる制限数情報の一例を示す図である。
【0185】
制限数決定部111は、例えば
図21に示す制限数情報を保持する。制限数情報は、各運搬手段について、その運搬手段に対応する制限数を示す。例えば、制限数情報は、運搬手段「カート」に対応する制限数「40」と、運搬手段「トレイ」に対応する制限数「25」と、運搬手段「手持ち」に対応する制限数「5」とを示す。
【0186】
制限数決定部111は、運搬情報に示される運搬手段に対応する品種グループの制限数を、この制限数情報を参照して決定し、その決定された制限数を生成部104に通知する。例えば、制限数決定部111は、運搬情報に運搬手段「カート」が示されている場合には、制限数情報を参照し、その制限数情報において運搬手段「カート」に対応付けられている制限数「40」を特定する。制限数決定部111は、このような制限数の特定によって、品種グループの制限数を「40」に決定する。そして、制限数決定部111は、その決定された制限数「40」を生成部104に通知する。同様に、制限数決定部111は、運搬情報に運搬手段「手持ち」が示されている場合には、制限数情報を参照し、その制限数情報において運搬手段「手持ち」に対応付けられている制限数「5」を特定する。制限数決定部111は、このような制限数の特定によって、品種グループの制限数を「5」に決定する。そして、制限数決定部111は、その決定された制限数「5」を生成部104に通知する。
【0187】
生成部104は、例えば、上記実施の形態と同様に、
図10に示すグループ情報を生成する。そして、生成部104は、そのグループ情報に示される各品種グループの補充総数が、制限数決定部111から通知される制限数以下になるように、グループ情報に示される各補充数を調整する。
【0188】
例えば、生成部104は、品種グループの制限数が「40」であることを示す通知を、制限数決定部111から受ける。生成部104は、
図10のグループ情報に示される複数の品種グループのそれぞれの補充総数と、制限数「40」とを比較する。ここで、生成部104は、その複数の品種グループのうち、補充総数が制限数「40」を超える品種グループがある場合には、その補充総数が制限数「40」以下になるように、その品種グループに含まれる各補充品種の補充数を減らす。
【0189】
具体的には、生成部104は、その品種グループに含まれる各補充品種の補充数から1を減算することによって、それらの補充数を更新する。そして、生成部104は、その更新された補充数を用いて品種グループの補充総数を算出する。その補充総数が制限数「40」を超える場合には、生成部104は、再び、その品種グループに含まれる各補充品種の補充数から1を減算することによって、それらの補充数を更新する。生成部104は、このような補充数の更新を繰り返すことによって、補充総数を制限数「40」以下に抑える。また、生成部104は、補充品種ごとに、規定情報に示される最小個数から、売り場情報に示される配置数を減算することによって、その補充品種の必要補充数を算出し、補充数の更新では、更新後の補充数がその必要補充数未満になることを禁止してもよい。
【0190】
または、生成部104は、
図10に示すグループ情報を生成するときに、つまり、グルーピングを行う段階で、品種グループの補充総数が制限数を超えるような品種グループ間の統合を禁止してもよい。
【0191】
図22は、本変形例におけるグループ情報の生成の詳細を示すフローチャートである。なお、本変形例におけるロボット制御装置153は、上記実施の形態と同様、
図12Aに示すフローチャートにしたがって動作する。そして、本変形例と上記実施の形態とでは、
図12AのステップS30における詳細な処理が異なる。
図22は、本変形例におけるそのステップS30の詳細な処理を示すフローチャートである。
【0192】
まず、ロボット制御装置151の運搬情報取得部110は、運搬情報を取得する(ステップS36)。
【0193】
次に、制限数決定部111は、ステップS36で取得された運搬情報に示される運搬手段に対応する品種グループの制限数を、制限数情報を参照して決定する(ステップS37)。
【0194】
次に、生成部104は、2つ以上の補充品種のそれぞれの規定位置間の距離を導出する(ステップS31)。
【0195】
そして、生成部104は、ステップS37で決定された品種グループの制限数と、ステップS31で導出された距離とを用いてグループ情報を生成する(ステップS32c)。
【0196】
このように、本変形例では、運搬情報取得部110は、補充台31から複数の商品棚22のそれぞれに商品4を運搬するための運搬手段を示す運搬情報を取得する。そして、生成部104は、品種グループに含まれる少なくとも1つの補充品種のそれぞれに属する商品4の合計数を、その運搬情報によって示される運搬手段に応じて調整する。具体的には、制限数決定部111は、品種グループの制限数を、その運搬情報によって示される運搬手段に応じて決定する。そして、生成部104は、その品種グループにおける上述の合計数をその制限数以下に調整する。
【0197】
例えば、運搬手段がカートの場合には、作業員1は、そのカートを用いることによって、1つの品種グループに含まれる少なくとも1つの補充品種の商品4を数多く一度に運ぶことができる。一方、運搬手段が手持ちの場合には、作業員1は、多くの商品4を一度に運ぶことができない。そこで、本変形例では、上述のように、品種グループにおける商品4の合計数が、運搬手段に応じて決定される制限数以下に調整される。例えば、運搬手段がカートの場合には、多い制限数が決定され、逆に、運搬手段が手持ちの場合には、少ない制限数が決定される。したがって、運搬手段がカートの場合には、作業員1は、売り場20の1つ以上の商品棚22に、1つの品種グループに属する多くの商品4を一度に運び込むことができる。また、運搬手段が手持ちの場合であっても、作業員1は、売り場20の1つ以上の商品棚22に、1つの品種グループに属する全ての商品4を一度に運び込むことができる。これにより、売り場20への商品4の補充のさらなる効率化を図ることができる。
【0198】
(変形例4)
本変形例におけるロボット制御装置100は、グループ情報の生成において、2つ以上の補充品種のそれぞれの規定位置間の距離だけでなく、複数の商品棚22の設置関係にも基づいて複数の品種グループを決定する。そして、ロボット制御装置100は、それらの複数の品種グループを示すグループ情報を生成する。複数の商品棚22の設置関係は、複数の商品棚22が同一の通路21に沿って設置され、かつ、その通路21を挟んで互いに対向して設置されている関係であって、対面関係とも呼ばれる。なお、本変形例におけるロボット制御装置100は、上記実施の形態と同様の構成を有する。
【0199】
図23は、本変形例における規定情報の一例を示す図である。
【0200】
本変形例における規定情報取得部102は、例えば
図23に示す規定情報を取得する。この規定情報は、上記実施の形態の
図8の(a)に示す規定情報と同様の内容を示し、さらに、複数の棚IDのそれぞれについて、その棚IDの商品棚22と同一の通路21にある商品棚22の棚IDを示す。つまり、この規定情報は、複数の商品棚22のそれぞれについて、その商品棚22と上述の対面関係にある少なくとも1つの他の商品棚22の棚IDを示す。具体的には、規定情報は、棚ID「A」の商品棚22が、棚ID「B」の商品棚22と、棚ID「C」の商品棚22と対面関係にあることを示す。同様に、規定情報は、棚ID「B」の商品棚22が、棚ID「A」の商品棚22と、棚ID「C」の商品棚22と対面関係にあることを示す。つまり、
図7に示すレイアウトのように、棚ID「A」の商品棚22と、棚ID「B」の商品棚22と、棚ID「C」の商品棚22とは、同一の通路21に沿って設置され、かつ、その通路21を挟んで互いに対向して設置されている。したがって、これらの商品棚22は、対面関係にある。なお、棚ID「B」の商品棚22は、棚ID「C」の商品棚22に隣接して設置されているが、棚ID「A」の商品棚22と対向しているため、棚ID「C」の商品棚22と対面関係にあると言える。
【0201】
本変形例における生成部104は、このような規定情報を取得すると、互いに対面関係にある複数の商品棚22の範囲内で品種グループを生成する。つまり、生成部104は、品種グループ1と品種グループ2とのグループ間距離が第2閾値以下である場合、その品種グループ1に含まれる補充品種の商品4が配置される商品棚22と、その品種グループ2に含まれる補充品種の商品4が配置される商品棚22とを特定する。そして、生成部104は、それらの特定された2つの商品棚22が上述の対面関係にあるか否かを判定する。例えば、生成部104は、
図23に示す規定情報を参照し、その規定情報において、品種グループ1の商品棚22の棚IDが、品種グループ2の商品棚22の棚IDに対応付けられているか否かを判定する。ここで、生成部104は、規定情報においてそれらの棚IDが対応付けられている場合には、上記2つの商品棚22が上述の対面関係にあるため、品種グループ1と品種グループ2とを統合する。一方、生成部104は、規定情報においてそれらの棚IDが対応付けられていない場合には、上記2つの商品棚22が上述の対面関係にはないため、グループ間距離が第2閾値以下であっても、品種グループ1と品種グループ2との統合を禁止する。なお、品種グループ1および品種グループ2のそれぞれに1つの補充品種だけが含まれている場合であっても、上述のような統合は禁止される。本変形例では、このような品種グループ間の統合を行うことによって、最終的な複数の品種グループが決定される。
【0202】
図24は、本変形例におけるグループ情報の生成の詳細を示すフローチャートである。なお、本変形例におけるロボット制御装置100は、上記実施の形態と同様、
図12Aに示すフローチャートにしたがって動作する。そして、本変形例と上記実施の形態とでは、
図12AのステップS30における詳細な処理が異なる。
図24は、本変形例におけるそのステップS30の詳細な処理を示すフローチャートである。
【0203】
まず、ロボット制御装置100の生成部104は、2つ以上の補充品種のそれぞれの規定位置間の距離を導出する(ステップS31)。
【0204】
そして、生成部104は、規定情報に示される複数の商品棚22の対面関係と、ステップS31で導出された距離とを用いてグループ情報を生成する(ステップS32d)。
【0205】
このように、本変形例では、距離だけではなく対面関係にも基づいて複数の品種グループが決定されて、それらの複数の品種グループを含むグループ情報が生成される。例えば、
図7に示すレイアウトでは、棚ID「D」の商品棚22は、棚ID「B」の商品棚22とは対面関係にない。したがって、棚ID「D」の商品棚22に配置される補充品種の商品4の規定位置と、棚ID「B」の商品棚22に配置される補充品種の商品4の規定位置との距離が第2閾値以下であっても、棚ID「D」に対応する補充品種を含む品種グループと、棚ID「B」に対応する補充品種を含む品種グループとの統合は禁止される。つまり、棚ID「D」の商品棚22に配置される補充品種の商品4と、棚ID「B」の商品棚22に配置される補充品種の商品4とは近くにあるが、それらの商品棚22は互いに裏側にある。したがって、これらの補充品種が同じ品種グループに含まれると、作業員1は、その品種グループに属する各商品4を各商品棚22まで運ぶためには、商品棚22を回り込む必要があり、比較的長い距離を移動する必要がある。しかし、本変形例では、このような品種グループの決定が禁止される。したがって、作業員1は、品種グループに属する各商品4を各商品棚22まで運ぶために、わざわざ商品棚22を回り込む必要がなく、比較的短い距離の移動でそれらの商品4を各商品棚22に運ぶことができる。これにより、売り場20への商品4の補充のさらなる効率化を図ることができる。
【0206】
なお、本変形例では、2つ以上の補充品種のそれぞれの規定位置間の距離と、複数の商品棚22の対面関係とに基づいてグループ情報を生成するが、その距離を用いずに、対面関係に基づいてグループ情報を生成してもよい。つまり、生成部104は、その対面関係にある複数の商品棚22のそれぞれに配置される商品4の範囲内で、1つの品種グループを決定する。なお、このような対面関係にある複数の商品棚22は、
図23の規定情報における、棚IDと、その棚IDの商品棚22と同一通路21にある商品棚22の棚IDとによって示される。つまり、生成部104は、グルーピングを行うときには、複数の品種グループのそれぞれで、売り場20の通路21を挟んで互いに対向する2つ以上の商品棚22のそれぞれに規定位置がある補充品種が、当該品種グループに含まれるように、複数の品種グループを決定する。したがって、このような場合であっても、上記実施の形態と同様、作業員1は、品種グループごとに、その品種グループに含まれる各補充品種の商品4を、補充台31から取って、売り場20の1つ以上の商品棚22のそれぞれに一度に運べば、作業員1の移動距離を抑えながら、それらの商品4を補充することができる。これにより、売り場20への商品4の補充の効率化を図ることができる。
【0207】
また、本変形例では、対面関係にある複数の商品棚22が規定情報に示されているが、背面関係にある複数の商品棚22が規定情報に示されていてもよい。背面関係は、例えば
図7のレイアウトにおける棚ID「B」の商品棚22と棚ID「D」の商品棚22のように、複数の商品棚22が互いに裏側に設置されている関係である。この場合には、生成部104は、背面関係にある複数の商品棚22のそれぞれに配置される商品4の補充品種が1つの品種グループに含まれないようにグループ情報を生成する。
【0208】
また、本変形例では、2つ以上の補充品種のグルーピングにおいて、それらの補充品種の規定位置間の距離にユークリッド距離を用いるが、売り場20におけるXY平面上では、そのユークリッド距離の代わりに、通路21に沿う道のりを用いてもよい。この場合には、対面関係にある複数の商品棚22のそれぞれに配置される補充品種の商品4の規定位置間の道のりを短く算出し、逆に、背面関係にある複数の商品棚22のそれぞれに配置される補充品種の商品4の規定位置間の道のりを長く算出することができる。これにより、対面関係にある複数の商品棚22のそれぞれの補充品種が1つの品種グループに含まれ易く、背面関係にある複数の商品棚22のそれぞれの補充品種が1つの品種グループに含まれ難くすることができる。したがって、作業員1は、上述と同様、移動距離を抑えながら、品種グループに属する複数の商品4を補充することができる。
【0209】
(変形例5)
本変形例におけるロボット制御装置は、グループ情報に示される複数の品種グループのそれぞれについて、その品種グループに含まれる各補充品種の補充数の合計数である補充総数を、制限数以下に制限する。また、本変形例では、その制限数は、補充台31の上面の各領域のサイズに応じて決定される。
【0210】
図25は、本変形例におけるロボット制御装置の機能構成を示すブロック図である。
【0211】
本変形例におけるロボット制御装置151は、上記実施の形態におけるロボット制御装置100の各構成要素を備えるとともに、さらに、領域情報取得部112と、制限数決定部113とを備える。
【0212】
領域情報取得部112は、領域情報を取得する。この領域情報は、補充台31の上面における各領域のサイズを示す。なお、補充台31が
図4に示すように複数の台に分割されている場合には、領域情報は、それらの台の上面である領域のサイズを示す。
【0213】
例えば、領域情報取得部112は、記憶部204からその領域情報を取得してもよく、作業員1による入力部202への入力操作に応じて、その入力部202から領域情報を取得してもよい。また、このような領域情報は、補充台31の構成が変更されたときには、その変更に応じて更新される。
【0214】
制限数決定部113は、領域情報取得部112から領域情報を取得する。そして、制限数決定部113は、その領域情報に示される複数の領域のそれぞれのサイズに基づいて、その領域に対応する品種グループの補充総数の制限数を決定する。
【0215】
本変形例における生成部104は、各品種グループの補充総数が、制限数決定部113によって決定された制限数以下となるように、グループ情報を生成する。
【0216】
【0217】
領域情報は、
図26に示すように、補充台31における複数の領域のそれぞれについて、その領域に対応する補充台31上の位置と、その領域のサイズとを示す。
【0218】
例えば、領域情報は、補充台31上の位置「001」と、その位置にある領域のサイズ「0.52m2」とを示す。同様に、領域情報は、補充台31上の位置「002」と、その位置にある領域のサイズ「0.73m2」とを示し、補充台31上の位置「003」と、その位置にある領域のサイズ「0.95m2」とを示す。
【0219】
図27は、制限数決定部113に用いられる制限数情報の一例を示す図である。
【0220】
制限数決定部113は、例えば
図27に示す制限数情報を保持する。制限数情報は、領域の各サイズ範囲について、そのサイズ範囲に対応する制限数を示す。例えば、制限数情報は、サイズ範囲「0.50~0.69m
2」に対応する制限数「10」と、サイズ範囲「0.70~0.89m
2」に対応する制限数「15」と、サイズ範囲「0.90~1.09m
2」に対応する制限数「20」とを示す。
【0221】
制限数決定部113は、領域情報に示される複数の領域のそれぞれに対応する品種グループの制限数を、この制限数情報を参照して決定し、その決定された制限数を生成部104に通知する。例えば、制限数決定部113は、補充台31上の位置「001」の領域に対応する品種グループの制限数を決定するときには、まず、その位置「001」の領域のサイズ「0.52m2」を領域情報から特定する。そして、制限数決定部113は、制限数情報を参照し、その制限数情報においてサイズ「0.52m2」に対応付けられている制限数「10」を特定する。したがって、制限数決定部113は、補充台31上の位置「001」の領域に対応する品種グループの制限数を「10」に決定し、その決定された制限数「10」を生成部104に通知する。このとき、制限数決定部108は、補充台31上の位置「001」を制限数「10」と共に生成部104に通知する。
【0222】
生成部104は、例えば、上記実施の形態と同様に、
図10に示すグループ情報を生成する。そして、生成部104は、そのグループ情報に示される各品種グループの補充総数が、制限数決定部113から通知される制限数以下になるように、グループ情報に示される各補充数を調整する。
【0223】
例えば、生成部104は、グループ情報に示される複数の品種グループのそれぞれについて、その品種グループに対応する制限数を特定する。具体的には、生成部104は、上述の制限数決定部113から補充台31上の位置と制限数とを知らせる通知を受ける。そして、生成部104は、グループ情報に示される複数の品種グループのうち、その通知された補充台31上の位置に関連付けられている品種グループに対して、その通知された制限数を特定する。これにより、グループ情報に示される複数の品種グループのそれぞれに対応する制限数が特定される。そして、生成部104は、品種グループの補充総数と、その品種グループに対して特定された制限数とを比較する。ここで、生成部104は、補充総数が制限数を超える場合には、その補充総数が制限数以下になるように、その品種グループに含まれる各補充品種の補充数を減らす。
【0224】
具体的には、生成部104は、その品種グループに含まれる各補充品種の補充数から1を減算することによって、それらの補充数を更新する。そして、生成部104は、その更新された補充数を用いて品種グループの補充総数を算出する。その補充総数が制限数を超える場合には、生成部104は、再び、その品種グループに含まれる各補充品種の補充数から1を減算することによって、それらの補充数を更新する。生成部104は、このような補充数の更新を繰り返すことによって、補充総数を制限数以下に抑える。また、生成部104は、補充品種ごとに、規定情報に示される最小個数から、売り場情報に示される配置数を減算することによって、その補充品種の必要補充数を算出し、補充数の更新では、更新後の補充数がその必要補充数未満になることを禁止してもよい。
【0225】
図28は、本変形例におけるグループ情報の生成の詳細を示すフローチャートである。なお、本変形例におけるロボット制御装置154は、上記実施の形態と同様、
図12Aに示すフローチャートにしたがって動作する。そして、本変形例と上記実施の形態とでは、
図12AのステップS30における詳細な処理が異なる。
図28は、本変形例におけるそのステップS30の詳細な処理を示すフローチャートである。
【0226】
まず、ロボット制御装置154の領域情報取得部112は、領域情報を取得する(ステップS38)。
【0227】
次に、制限数決定部113は、ステップS38で取得された領域情報に示される複数の領域のそれぞれに対応する品種グループの制限数を、制限数情報を参照して決定する(ステップS39)。
【0228】
次に、生成部104は、2つ以上の補充品種のそれぞれの規定位置間の距離を導出する(ステップS31)。
【0229】
そして、生成部104は、ステップS39で決定された品種グループの制限数と、ステップS31で導出された距離とを用いてグループ情報を生成する(ステップS32e)。
【0230】
このように、本変形例では、領域情報取得部112は、補充台31における複数の領域のそれぞれのサイズを示す領域情報を取得する。そして、生成部104は、品種グループに含まれる少なくとも1つの補充品種のそれぞれに属する商品4の合計数を、領域情報に示される領域のサイズであって、複数の領域のうちのその品種グループに対応する領域のサイズに応じて調整する。具体的には、制限数決定部113は、その品種グループに対応する領域のサイズに応じて制限数を決定する。そして、生成部104は、その品種グループにおける上述の合計数をその制限数以下に調整する。
【0231】
例えば、補充台31の領域が広い場合には、作業員1は、1つの品種グループに含まれる少なくとも1つの補充品種の商品4を数多くその領域に置くことができる。一方、補充台31の領域が狭い場合には、作業員1は、多くの商品4をその領域に置くことができない。そこで、本変形例では、上述のように、品種グループにおける商品4の合計数が、その品種グループに対応する補充台31の領域のサイズに応じて決定される制限数以下に調整される。例えば、補充台31の領域が広い場合には、多い制限数が決定され、逆に、補充台31の領域が狭い場合には、少ない制限数が決定される。したがって、補充台31の領域が広い場合には、ロボット10は、その領域に、1つの品種グループに属する多くの商品4を一度に置くことができる。また、補充台31の領域が狭い場合であっても、ロボット10は、その領域に、1つの品種グループに属する全ての商品4を一度に置くことができる。これにより、売り場20への商品4の補充のさらなる効率化を図ることができる。
【0232】
以上、本開示の1つまたは複数の態様に係るロボット制御装置について、少なくとも1つの実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、その実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を上記少なくとも1つの実施の形態に施したものも本開示に含まれてもよい。また、複数の互いに異なる実施の形態があればそれらの実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も本開示に含まれてもよい。また、少なくとも1つの変形例があれば、少なくとも1つの実施の形態と少なくとも1つの変形例のそれぞれの構成要素を組み合わせて構築される形態も本開示に含まれてもよい。さらに、複数の互いに異なる変形例があればそれらの変形例における構成要素を組み合わせて構築される形態も本開示に含まれてもよい。
【0233】
例えば、ロボット10は、グループ情報に示される各補充品種の商品4を全て補充台31に置き終えると、全ての商品4の補充台31への配置が終了したことをロボット制御装置100に通知してもよい。この場合、ロボット制御装置100は、その通知を受けると、表示部203にその通知の内容を表示してもよい。これにより、作業員1は、表示部203に表示されている通知の内容にしたがって、補充台31から商品棚22への商品4の補充を、適切なタイミングで開始することができる。
【0234】
また、上記実施の形態およびその各変形例における店舗2は、互いに隣り合う売り場20と倉庫30とを備えているが、売り場20と倉庫30とは離れていてもよい。また、補充台31は、倉庫30内の出入口3付近に設置されているが、売り場20内に設置されていてもよく、売り場20と倉庫30とが離れている場合には、その中間地点に設置されていてもよい。また、補充台31のサイズは、店舗2の大きさに応じたサイズであってもよく、商品4の品種、大きさおよび数などに応じたサイズであってもよい。また、補充台31は、カートまたはケースであってもよい。
【0235】
また、上記実施の形態では、
図6に示すように、売り場情報には、商品4の品種ごとに、その商品4の寸法が示されているが、その寸法は、その商品4が補充台31に置かれるときに用いられてもよい。例えば、ロボット10は、補充台31における所定の領域に商品4を置くときには、その商品4の寸法に基づいて、その所定の領域にその商品4を置くことができるか否かを判定し、できると判定した場合に、その商品4を置く。また、ロボット10は、補充台31に既に置かれている商品4に、他の商品4を積み上げることができるか否かを、それらの商品4の寸法に基づいて判定してもよい。
【0236】
また、上記実施の形態では、2つ以上の補充品種に対するグルーピング、すなわちクラスタリングに群平均法を用いたが、群平均法は一例であって、重心法などの他のクラスタリングの手法を用いてもよい。また、クラスタリングにk-means法を用いてもよい。これらの手法を用いる場合であっても、それぞれの品種グループにおいて、互いに近い規定位置の複数の補充品種がその品種グループに含まれるように、クラスタリングが行われる。
【0237】
なお、上記少なくとも1つの実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)またはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。ここで、上記実施の形態または各変形例のロボット制御装置などを実現するソフトウェアは、次のようなプログラムである。すなわち、このプログラムは、コンピュータに、
図12A、
図12B、
図16、
図19、
図22、
図24、および
図28のそれぞれに示すフローチャートに含まれる各ステップを実行させる。
【0238】
なお、以下のような場合も本開示に含まれる。
【0239】
(1)上記の少なくとも1つの装置は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクユニット、ディスプレイユニット、キーボード、マウスなどから構成されるコンピュータシステムである。そのRAMまたはハードディスクユニットには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、上記の少なくとも1つの装置は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
【0240】
(2)上記の少なくとも1つの装置を構成する構成要素の一部または全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。前記RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
【0241】
(3)上記の少なくとも1つの装置を構成する構成要素の一部または全部は、その装置に脱着可能なICカードまたは単体のモジュールから構成されているとしてもよい。ICカードまたはモジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。ICカードまたはモジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしてもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、ICカードまたはモジュールは、その機能を達成する。このICカードまたはこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしてもよい。
【0242】
(4)本開示は、上記に示す方法であるとしてもよい。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよいし、コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしてもよい。
【0243】
また、本開示は、コンピュータプログラムまたはデジタル信号をコンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD(Compact Disc)-ROM、DVD、DVD-ROM、DVD-RAM、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、半導体メモリなどに記録したものとしてもよい。また、これらの記録媒体に記録されているデジタル信号であるとしてもよい。
【0244】
また、本開示は、コンピュータプログラムまたはデジタル信号を、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
【0245】
また、プログラムまたはデジタル信号を記録媒体に記録して移送することにより、またはプログラムまたはデジタル信号をネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0246】
本開示は、売り場の商品を倉庫から取り出して補充するためのシステムまたは装置などに利用可能である。
【符号の説明】
【0247】
1 作業員
2 店舗
3 出入口
4 商品
10 ロボット
11 アーム
11a ロボットハンド
12 本体
13 台車
13a 配送ケース
20 売り場
21 通路
22 商品棚
23 カメラ
30 倉庫
31 補充台
31a~31c 台
32 在庫棚
100,151~154 ロボット制御装置
101 売り場情報取得部
102 規定情報取得部
103 倉庫情報取得部
104 生成部
105 送信処理部
106 送信部
107 通路情報取得部
108、111、113 制限数決定部
109 顧客情報取得部
110 運搬情報取得部
112 領域情報取得部
201 検出部
202 入力部
203 表示部
204 記憶部
【手続補正書】
【提出日】2024-05-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータがロボットを制御するロボット制御方法であって、
倉庫に保管されている商品の保管位置を、前記商品の品種ごとに示す倉庫情報を取得し、
商品が属する品種であって、売り場に設置された複数の商品棚に配置されている前記品種に属する前記商品の配置数が所定の規定数未満である補充品種を、2つ以上示す補充情報を生成し、
前記補充情報によって示される2つ以上の前記補充品種に対するグルーピングを、前記売り場に配置される商品の規定位置に基づいて行うことによって、それぞれ少なくとも1つの前記補充品種からなる複数の品種グループを示すグループ情報を生成し、
生成された前記グループ情報と前記倉庫情報とに基づいて、前記倉庫に設置されたロボットに商品の搬送作業を実行させるための制御信号を生成して前記ロボットに送信し、
前記グループ情報の生成では、
前記品種グループに含まれる少なくとも1つの前記補充品種のそれぞれに属する商品の合計数を、前記商品が前記保管位置から前記規定位置に搬送されるまでの態様に応じて調整する、
ロボット制御方法。
【請求項2】
前記売り場には、前記複数の商品棚のそれぞれが、少なくとも1つの通路のうち、当該商品棚に対応する通路に沿って設置され、
前記グループ情報の生成では、
前記少なくとも1つの通路のそれぞれの幅を示す通路情報を取得し、
前記通路情報によって示される、前記商品が配置される商品棚に対応する通路の幅を、前記態様として用いて前記合計数を調整する、
請求項1に記載のロボット制御方法。
【請求項3】
前記搬送作業は、
前記複数の品種グループのそれぞれに含まれる前記補充品種に属する商品を、前記倉庫情報において前記補充品種に対応付けられている前記倉庫の前記保管位置から取り出し、前記売り場と前記倉庫との中継地点に設置されている補充台まで搬送し、取り出された前記商品を前記補充台に置く作業であり、
前記グループ情報の生成では、
前記補充台から前記複数の商品棚のそれぞれに商品を運搬するための運搬手段を示す運搬情報を取得し、
前記運搬情報によって示される前記運搬手段を、前記態様として用いて前記合計数を調整する、
請求項1に記載のロボット制御方法。
【請求項4】
前記搬送作業は、
前記複数の品種グループのそれぞれに含まれる前記補充品種に属する商品を、前記倉庫情報において前記補充品種に対応付けられている前記倉庫の前記保管位置から取り出し、前記売り場と前記倉庫との中継地点に設置されている補充台まで搬送し、取り出された前記商品を前記補充台に置く作業であり、
前記グループ情報の生成では、
前記補充台における複数の領域のそれぞれのサイズを示す領域情報を取得し、
前記グループ情報の生成では、
前記領域情報に示される領域のサイズであって、前記複数の領域のうちの前記品種グループに対応する領域のサイズを、前記態様として用いて前記合計数を調整する、
請求項1に記載のロボット制御方法。
【請求項5】
前記グループ情報の生成では、
前記複数の商品棚のそれぞれの周囲にいる顧客の人数を示す顧客情報を取得し、
前記顧客情報に基づいて前記複数の品種グループを決定する、
請求項1~4の何れか1項に記載のロボット制御方法。
【請求項6】
前記グループ情報の生成では、
前記複数の商品棚のうち、前記顧客情報に示される顧客の人数が第1閾値以上の商品棚に配置される商品の品種を、前記補充情報に示される2つ以上の前記補充品種から除き、
前記品種が除かれた2つ以上の前記補充品種に対するグルーピングを、前記規定位置を用いて行うことによって、前記複数の品種グループを決定する、
請求項5に記載のロボット制御方法。
【請求項7】
前記ロボット制御方法では、さらに、
前記売り場に設置されているカメラから撮影画像を取得し、
前記複数の商品棚のそれぞれに配置されている商品の品種および数を前記撮影画像から特定する、
請求項1~6の何れか1項に記載のロボット制御方法。
【請求項8】
前記ロボット制御方法では、さらに、
前記売り場のPOS(Point of sale)システムに記録されている、販売された商品の
品種および数を特定する、
請求項1~6の何れか1項に記載のロボット制御方法。
【請求項9】
前記ロボットは、台車を備え、
前記制御信号にしたがって前記搬送作業を行うときには、
前記グループ情報に示される前記品種グループに含まれる少なくとも1つの前記補充品種のそれぞれに属する商品を、前記台車に載せて前記補充台まで移動する、
請求項3または4に記載のロボット制御方法。
【請求項10】
前記ロボット制御方法では、さらに、
前記売り場に配置されている各商品の販売期限を取得し、
前記商品の品種ごとに、当該品種に属して商品棚に配置されている、前記販売期限を経過していない商品の個数を、前記商品の配置数として決定する、
請求項1~9の何れか1項に記載のロボット制御方法。
【請求項11】
前記グループ情報の生成を周期的に実行し、
前記グループ情報が生成されるごとに、生成された最新の前記グループ情報に基づいて前記制御信号を生成して前記ロボットに送信する、
請求項1~10の何れか1項に記載のロボット制御方法。
【請求項12】
前記補充台は、移動式の荷台である、
請求項3、4または9に記載のロボット制御方法。
【請求項13】
ロボットを制御するロボット制御装置であって、
倉庫に保管されている商品の保管位置を、前記商品の品種ごとに示す倉庫情報を取得する倉庫情報取得部と、
商品が属する品種であって、売り場に設置された複数の商品棚に配置されている前記品種に属する前記商品の配置数が所定の規定数未満である補充品種を、2つ以上示す補充情報を生成する第1生成部と、
前記補充情報によって示される2つ以上の前記補充品種に対するグルーピングを、前記売り場に配置される商品の規定位置に基づいて行うことによって、それぞれ少なくとも1つの前記補充品種からなる複数の品種グループを示すグループ情報を生成する第2生成部と、
生成された前記グループ情報と前記倉庫情報とに基づいて、前記倉庫に設置されたロボットに商品の搬送作業を実行させるための制御信号を生成して前記ロボットに送信する送信部とを備え、
前記第2生成部は、
前記グループ情報の生成では、
前記品種グループに含まれる少なくとも1つの前記補充品種のそれぞれに属する商品の合計数を、前記商品が前記保管位置から前記規定位置に搬送されるまでの態様に応じて調整する、
ロボット制御装置。
【請求項14】
請求項1~12の何れか1項に記載のロボット制御方法にしたがってコンピュータにロボットを制御させるプログラム。