(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024105326
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】硬化および低HLB界面活性剤の添加による固体または半固体脂質ベースの剤形の安定化
(51)【国際特許分類】
A61K 47/12 20060101AFI20240730BHJP
A61K 47/44 20170101ALI20240730BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20240730BHJP
A61K 47/14 20170101ALI20240730BHJP
A61K 31/167 20060101ALI20240730BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20240730BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
A61K47/12
A61K47/44
A61K47/26
A61K47/14
A61K31/167
A61P29/00
A61K9/20
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024069634
(22)【出願日】2024-04-23
(62)【分割の表示】P 2021512541の分割
【原出願日】2019-09-09
(31)【優先権主張番号】62/728,359
(32)【優先日】2018-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.プルロニック
(71)【出願人】
【識別番号】520355792
【氏名又は名称】アール.ピー.シェーラー テクノロジーズ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100110663
【弁理士】
【氏名又は名称】杉山 共永
(72)【発明者】
【氏名】ラザロ,モニカ
(72)【発明者】
【氏名】マクグフィ,イリナ
(72)【発明者】
【氏名】ブッシュ,デレク
(72)【発明者】
【氏名】フォンク,ライナス,ゴムシ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】医薬品有効成分、界面活性剤、および固体または半固体脂質を含む剤形の放出プロファイルを安定化する方法を提供する。
【解決手段】(i)医薬品有効成分、(ii)界面活性剤、および(iii)少なくとも1つの固体または半固体脂質を含む剤形の放出プロファイルを安定化する方法であって、(ii)および(iii)を、剤形に組み込むステップと;ここで、組み込むステップが、(ii)および(iii)の均質な混合物を形成することを含み、均質な混合物がマトリックスを形成し、(i)を(ii)および(iii)を含むマトリックスに溶解または懸濁し、(i)、(ii)、および(iii)を含む剤形を得るステップをさらに含む;(i)、(ii)、および(iii)を含む剤形を硬化するステップとを含む、方法とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
剤形の放出プロファイルを安定化する方法であって、
界面活性剤および少なくとも1つの固体または半固体脂質を前記剤形に組み込むステッ
プと;
医薬品有効成分を含む前記剤形を硬化するステップと
を含み、
加速安定性試験後の前記医薬品有効成分の放出プロファイルは、前記加速安定性試験前の
前記医薬品有効成分の放出プロファイルと比較して50以上の類似性因子(f2)を有し
、前記加速安定性試験は、温度約40℃および湿度約75%で少なくとも1カ月の持続時
間実施される、方法。
【請求項2】
前記界面活性剤が、約10未満のHLB値を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記界面活性剤が、エチレンオキシド/プロピレンオキシド(EO/PO)コポリマー
、グリセロールモノカプリレート、グリセロールモノカプレート、グリセロールカプリレ
ート/カプレート、グリセロールモノオレエート、グリセロールモノステアレート、グリ
セロールラウレート、グリセロールモノリノレート、グリセロールベヘネート、グリセロ
ールパルミトステアレート、石油およびラノリンアルコール、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、スクロースエステル、ポリ(エチレングリコー
ル)-ブロック-ポリ(プロピレングリコール)-ブロック-ポリ(エチレングリコール
)(プルロニックコポリマー)、レシチン、リン脂質、ステアレス-2、オレス-2、セ
テス-2、PEG-30ジポリヒドロキシステアレート、プロピレングリコールモノカプ
リレート、プロピレングリコールジラウレート、プロピレングリコールモノラウレート、
プロピレングリコールモノステアレート、プロピレングリコールイソステアレート、αト
コフェロール、混合トコフェロール、トリカプリリン、非イオン性乳化ワックス、アニオ
ン性乳化ワックス、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタ
ンモノパルミテート、ソルビタントリステアレート、ソルビタントリオレエートおよびこ
れらの組み合わせからなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記界面活性剤が、ポリオキシル4ラウリルエーテル、ポリオキシル2セチルエーテル
、ポリオキシル2ステアリルエーテル、ポリオキシル2オレイルエーテルおよびこれらの
組み合わせからなる群から選択されるポリオキシエチレンアルキルエーテルを含む、請求
項3に記載の方法。
【請求項5】
前記界面活性剤が、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソ
ルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキイソステア
レート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンセスキステアレート、ソルビタンジイ
ソステアレート、ソルビタンジオレエート、ソルビタントリイソステアレート、ソルビタ
ントリオレエート、ソルビタントリステアレートおよびこれらの組み合わせからなる群か
ら選択されるソルビタン脂肪酸エステルを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記医薬品有効成分が約8時間未満の半減期を有する、請求項1から5のいずれか一項
に記載の方法。
【請求項7】
前記医薬品有効成分が、ダビガトラン、ドロネダロン、チカグレロル、イロペリドン、
アイバカフトール、ミドスタウリン、アシマドリン、ベクロメタゾン、アプレミラスト、
サパシタビン、リンシチニブ、アビラテロン、ビタミンD類似体、COX-2阻害剤、タ
クロリムス、テストステロン、ルビプロストン、これらの薬学的に許容される塩、および
これらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の
方法。
【請求項8】
前記医薬品有効成分が、カルシフェジオール、カルシトリオール、パリカルシトール、
ドキセルカルシフェロール、これらの薬学的に許容される塩、およびこれらの組み合わせ
からなる群から選択されるビタミンD類似体を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記医薬品有効成分が、セレコキシブ、バルデコキシブ、ロフェコキシブ、これらの薬
学的に許容される塩、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されるCOX-2阻
害剤を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記組み込むステップが、前記界面活性剤および前記少なくとも1つの固体または半固
体脂質の均質な混合物を形成することを含み、前記均質な混合物がマトリックスを形成す
る、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記医薬品有効成分を前記マトリックスに溶解または懸濁するステップをさらに含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ロータリーダイ機を使用して、前記マトリックス内の前記溶解または懸濁した医薬品有
効成分を予備成形ブリスターキャビティに添加するステップをさらに含む、請求項11に
記載の方法。
【請求項13】
前記添加されたブリスターキャビティを冷却するステップと、前記ブリスターキャビテ
ィを密封するステップとをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記マトリックス内の前記溶解または懸濁した医薬品有効成分を、ソフトシェルカプセ
ルまたはハードシェルカプセルに充填するステップをさらに含む、請求項11に記載の方
法。
【請求項15】
前記マトリックス内の前記溶解または懸濁した医薬品有効成分を凝固させるステップと
、前記マトリックス内の前記凝固した医薬品有効成分を錠剤に圧縮するステップとをさら
に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記凝固させるステップが、前記マトリックス内の前記溶解または懸濁した医薬品有効
成分を、トンネル乾燥機中で乾燥させること、凍結乾燥すること、または冷却することを
含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記マトリックス内の前記溶解または懸濁した医薬品有効成分を押し出すステップをさ
らに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記剤形が、前記剤形の総重量に基づいて、約20w/w%以下、約15w/w%以下
、約10w/w%以下、約5w/w%以下、約4w/w%以下、約3w/w%以下、約2
w/w%以下、約1w/w%以下、約0.5w/w%以下、約0.1w/w%以下、また
は0w/w%の充填剤を有する、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記充填剤が、ラクトース、微結晶セルロースおよびこれらの組み合わせからなる群か
ら選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記剤形が、高融点脂肪、ワックス、低融点油、HLB値が10超の界面活性剤、溶媒
、共溶媒、固体高分子量ポリエチレングリコール、液体ポリエチレングリコール、潤滑剤
、細孔形成剤、分散剤、ゼラチン、ガム、水溶性ポリマー、水、グリセリン、ソルビトー
ル、シクロデキストリン、香味剤、崩壊剤およびこれらの組み合わせからなる群から選択
される賦形剤をさらに含む、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記賦形剤が、エタノール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ポリエチレング
リコールおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される溶媒および共溶媒を含む、
請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記賦形剤が、PEG3350、PEG4000、PEG4600、PEG5000、
PEG6000、PEG7000、PEG8000、最大10000のPEGおよびこれ
らの組み合わせからなる群から選択される固体高分子量ポリエチレングリコールを含む、
請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記賦形剤が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピ
ルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ガムおよびこれらの
組み合わせからなる群から選択される水溶性ポリマーを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記賦形剤が、クロスカルメロース、プレゼラチン、デンプン、フマル酸ステアリルナ
トリウムおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される崩壊剤を含む、請求項20
に記載の方法。
【請求項25】
前記剤形が、経口経路、舌下経路、頬側経路、膣経路または直腸経路を介した投与に適
している、請求項1から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記剤形が経口投与を介した投与に適しており、チュアブルである、請求項25に記載
の方法。
【請求項27】
前記剤形が持続放出プロファイルを示す、請求項1から26のいずれか一項に記載の方
法。
【請求項28】
前記剤形が即時放出プロファイルを示す、請求項1から26のいずれか一項に記載の方
法。
【請求項29】
前記加速安定性試験が、約1カ月間、約2カ月間または約3カ月間実施される、請求項
1から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記硬化するステップが、約30℃~約60℃に及ぶ温度で、約3時間~約7日間の持
続時間実施される、請求項1から29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
剤形を調製する方法であって、
医薬品有効成分、HLB値が10未満の少なくとも1つの界面活性剤、および少なくと
も1つの固体または半固体脂質を混合して、混合物を形成するステップと;
前記混合物を加熱して前記少なくとも1つの固体または半固体脂質を融解して、融解混
合物を形成するステップと;
前記融解混合物を剤形に成形するステップと;
前記剤形を硬化するステップと
を含み、
加速安定性試験後の前記医薬品有効成分の放出プロファイルは、前記加速安定性試験前の
前記医薬品有効成分の放出プロファイルと比較して50以上の類似性因子(f2)を有し
、前記加速安定性試験は、約40℃に及ぶ温度および湿度約75%で少なくとも1カ月の
持続時間実施される、方法。
【請求項32】
前記融解混合物を剤形に成形するステップが、前記融解混合物を予備成形ブリスターキ
ャビティに添加することを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記融解混合物を剤形に成形するステップが、前記融解混合物をハードシェルカプセル
またはソフトシェルカプセルにカプセル化することを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
剤形を調製する方法であって、
押出機中で医薬品有効成分、HLB値が10未満の界面活性剤、および少なくとも1つ
の固体または半固体脂質を混合するステップと;
前記医薬品有効成分、前記HLB値が10未満の界面活性剤、および前記少なくとも1
つの固体または半固体脂質を押し出して、剤形を成形するステップと;
前記剤形を硬化するステップと
を含み、
加速安定性試験後の前記医薬品有効成分の放出プロファイルは、前記加速安定性試験前の
前記医薬品有効成分の放出プロファイルと比較して50以上の類似性因子(f2)を有し
、前記加速安定性試験は、温度約40℃および約75%に及ぶ湿度で少なくとも1カ月の
持続時間実施される、方法。
【請求項35】
剤形を調製する方法であって、
医薬品有効成分、HLB値が10未満の界面活性剤、および少なくとも1つの固体また
は半固体脂質を溶媒に溶解するステップと;
前記溶解した医薬品有効成分、前記HLB値が10未満の界面活性剤、および前記少な
くとも1つの固体または半固体脂質を噴霧乾燥または噴霧凝固造粒して粉末を形成するス
テップと;
前記粉末を硬化するステップと
を含み、
加速安定性試験後の前記医薬品有効成分の放出プロファイルは、前記加速安定性試験前の
前記医薬品有効成分の放出プロファイルと比較して50以上の類似性因子(f2)を有し
、前記加速安定性試験は、温度約40℃および湿度約75%で少なくとも1カ月の持続時
間実施される、方法。
【請求項36】
請求項1から35のいずれか一項によって調製される剤形。
【請求項37】
医薬品有効成分と;
HLB値が10未満の界面活性剤と;
少なくとも1つの固体または半固体脂質と
を含む硬化剤形であって、
加速安定性試験後の前記医薬品有効成分の放出プロファイルは、前記加速安定性試験前の
前記医薬品有効成分の放出プロファイルと比較して50以上の類似性因子(f2)を有し
、前記加速安定性試験は、温度約40℃および約75%に及ぶ湿度で少なくとも1カ月の
持続時間実施される、硬化剤形。
【請求項38】
医薬品有効成分と;
HLB値が10未満の界面活性剤と;
少なくとも1つの固体または半固体脂質と
を含む硬化剤形。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、固体または半固体脂質およびHLB値が10未満の界面活性剤のマトリック
スに分散した医薬品有効成分を含む硬化医薬組成物の分野に関する。本発明はまた、この
ような医薬組成物を調製する方法および使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
固体および半固体脂質マトリックスは、脂質結晶形態の変化により、その貯蔵寿命にわ
たって、溶解放出プロファイルの変化を示し得る。結果として、製剤がある放出プロファ
イルを有し、貯蔵して1年後には、同じ製剤が異なる放出プロファイルを有する可能性が
ある。このような放出プロファイルの変動は、対象にとって極めて危険となり得る。例え
ば、放出プロファイルが1年後に遅くなった場合、患者は適時に十分な医薬品有効成分を
受けることができない。あるいは、放出プロファイルが1年後に加速した場合、患者はあ
まりに多くの医薬品有効成分をあまりに急速に受けるおそれがあり、過剰投与となり得る
。
【0003】
固体または半固体脂質マトリックスを含む剤形の放出プロファイルを安定化するために
さまざまなアプローチが調査された。あるアプローチは、剤形を長期の持続時間にわたっ
て高温に供することによってこれを硬化するという選択肢を調査した。別のアプローチは
、剤形中の医薬品有効成分の放出プロファイルを安定化するために、HLB値が10未満
の界面活性剤またはHLB値が10超の界面活性剤を使用するという選択肢を調査した。
しかしながら、いずれのアプローチも、安定な医薬品有効成分放出プロファイルを有する
固体または半固体脂質マトリックスを含む剤形をもたらさなかった。
【0004】
固体または半固体脂質マトリックスを含み、長期の持続時間にわたって安定な医薬品有
効成分放出プロファイルを維持する剤形が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ある特定の期間にわたってその医薬品有効成分の放出プロファイルを維持する固体また
は半固体脂質マトリックスを含む剤形を提供することが、本開示のある特定の実施形態の
目的である。
【0006】
ある特定の期間にわたって固体または半固体脂質マトリックスを含む剤形の医薬品有効
成分放出プロファイルを安定化する方法を提供することが、本開示のある特定の実施形態
の別の目的である。
【0007】
ある特定の期間にわたってその医薬品有効成分放出プロファイルを維持する固体または
半固体脂質マトリックスを含む剤形を調製する方法を提供することが、本開示のある特定
の実施形態のさらなる目的である。
【0008】
患者のための一貫した製剤品質も確保しながら、使用される溶解性増強および/または
バイオアベイラビリティ増強材料の量を最大化し、非付加価値賦形剤(non-value adding
excipient)の量を最小化する剤形を調製することが、本開示のある特定の実施形態のさ
らに別の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の上記の目的およびその他の目的は、HLB値が10未満の界面活性剤を固体ま
たは半固体脂質を含む剤形に組み込むことと剤形を硬化することを組み合わせる本開示に
よって達成され得る。HLB値が10未満の界面活性剤と硬化の組み合わせは、固体また
は半固体脂質マトリックスを含む剤形の医薬品有効成分放出プロファイルを安定化するこ
とが示された。
【0010】
ある特定の実施形態では、本開示は、HLB値が10未満の界面活性剤および少なくと
も1つの固体または半固体脂質の均質なマトリックスに分散した医薬品有効成分を含む剤
形に関する。
【0011】
一部の実施形態では、本開示は、剤形の医薬品有効成分放出プロファイルを安定化する
方法に関する。本方法は、HLB値が10未満の界面活性剤および少なくとも1つの固体
または半固体脂質を剤形に組み込むステップと、剤形を硬化するステップとを含み得る。
加速安定性試験後のこの方法によって安定化された剤形からの医薬品有効成分の放出プロ
ファイルは、その加速安定性試験前の放出プロファイルに匹敵し得る(例えば、加速安定
性試験後の医薬品有効成分の放出プロファイルは、加速安定性試験前の医薬品有効成分の
放出プロファイルと比較して50以上の類似性因子(f2)を有し得る)。
【0012】
一部の実施形態では、本開示は、剤形を調製する方法に関する。ある特定の実施形態で
は、本方法が、医薬品有効成分を、HLB値が10未満の界面活性剤および少なくとも1
つの固体または半固体脂質と混合して、混合物を形成するステップを含み得る。本方法は
、混合物を加熱して少なくとも1つの固体または半固体脂質を融解して、融解混合物を形
成するステップをさらに含み得る。本方法は、融解混合物を剤形に成形するステップと、
剤形を硬化するステップとをさらに含み得る。融解混合物を剤形に成形するステップは、
融解混合物を予備成形ブリスターキャビティ(blister cavity)に添加すること、または
融解混合物をハードシェルカプセルもしくはソフトシェルカプセルにカプセル化すること
を含み得る。
【0013】
ある特定の実施形態では、調製方法が、押出機中で医薬品有効成分をHLB値が10未
満の界面活性剤および少なくとも1つの固体または半固体脂質と混合するステップを含み
得る。本方法は、医薬品有効成分、界面活性剤、および少なくとも1つの固体または半固
体脂質を押し出して、剤形を成形するステップをさらに含み得る。本方法は剤形を硬化す
るステップをさらに含み得る。
【0014】
ある特定の実施形態では、調製方法が、医薬品有効成分、HLB値が10未満の界面活
性剤、および少なくとも1つの固体または半固体脂質を溶媒に溶解するステップを含み得
る。本方法は、溶解した医薬品有効成分、界面活性剤、および少なくとも1つの固体また
は半固体脂質を噴霧乾燥または噴霧凝固造粒(spray congealing)して、粉末を形成する
ステップをさらに含み得る。本方法は、粉末を硬化するステップをさらに含み得る。
【0015】
加速安定性試験後の本明細書に開示される方法によって調製された剤形の医薬品有効成
分の放出プロファイルは、その加速安定性試験前の放出プロファイルに匹敵し得る(例え
ば、加速安定性試験後の医薬品有効成分の放出プロファイルは、加速安定性試験前の医薬
品有効成分の放出プロファイルと比較して50以上の類似性因子(f2)を有し得る)。
【0016】
一部の実施形態では、本開示は、処置方法であって、治療上有効量の本明細書に開示さ
れる剤形のいずれかを、それを必要とする患者に投与するステップを含む方法に関する。
【0017】
定義
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明確
に指示しない限り、複数の言及を含む。よって、例えば、「医薬品有効成分」への言及は
、単一医薬品有効成分ならびに2種以上の異なる医薬品有効成分の混合物を含み、「賦形
剤」への言及は、単一賦形剤ならびに2種以上の異なる賦形剤の混合物を含む等である。
【0018】
本明細書で使用される場合、測定される量に関する「約」という用語は、測定の実施な
らびに測定の目的および測定機器の精度と釣り合ったレベルのケアの行使において、当業
者によって予想される、測定される量の通常の変動を指す。ある特定の実施形態では、「
約」という用語が、列挙される数字±10%を含み、結果として「約10」が9~11を
含むだろう。
【0019】
本明細書で使用される場合、「活性剤」、「有効成分」、「医薬品有効成分」および「
薬物」という用語は、その目的で政府機関によって承認されていようがいまいが、治療的
、予防上または他の意図した効果をもたらすことを意図した任意の材料を指す。具体的な
薬剤に関するこれらの用語は、全ての医薬活性剤、その全ての薬学的に許容される塩、複
合体、立体異性体、結晶形態、共結晶、エーテル、エステル、水和物、溶媒和物およびこ
れらの混合物を含み、その形態は薬学的に活性である。
【0020】
本明細書で使用される場合、「立体異性体」という用語は、空間中の原子の配向のみが
異なる個々の分子の全ての異性体についての総称である。これには、エナンチオマーおよ
び互いの鏡像ではない1個または複数のキラル中心を有する化合物の異性体(ジアステレ
オマー)が含まれる。
【0021】
「エナンチオマー」または「エナンチオマーの」という用語は、その鏡像に重ね合わせ
ることができず、よって光学活性である分子を指し、エナンチオマーはある特定の角度、
ある方向に偏光面を回転させ、その鏡像は、同じ角度であるが反対方向に偏光面を回転さ
せる。
【0022】
「キラル中心」という用語は、4つの異なる基が結合した炭素原子を指す。
【0023】
「患者」という用語は、処置の必要性を示唆する1つもしくは複数の特定の症状の臨床
徴候を呈している、状態について予防的に(preventatively)もしくは予防上(prophyla
ctically)処置される、または処置されるべき状態と診断されている、対象、動物または
ヒトを指す。「対象」という用語は、「患者」という用語の定義を含み、健康である個体
を除外しない。
【0024】
「薬学的に許容される塩」には、それだけに限らないが、無機酸塩、例えば塩酸塩、臭
化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩など;有機酸塩、例えばギ酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢
酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩など;スルホン酸塩、例えばメタンスルホン酸塩、ベンゼ
ンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩など;アミノ酸塩、例えばアルギン酸塩、ア
スパラギネート(asparaginate)、グルタミン酸塩など;金属塩、例えばナトリウム塩、
カリウム塩、セシウム塩など;アルカリ土類金属、例えばカルシウム塩、マグネシウム塩
など;および有機アミン塩、例えばトリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、エタ
ノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’-ジベ
ンジルエチレンジアミン塩などが含まれる。
【0025】
本明細書中の値の範囲の列挙は、本明細書中で特に指示しない限り、その範囲内に入る
それぞれ別々の値に個別的に言及する略記法として役立つことを単に意図しており、それ
ぞれ別々の値が、あたかも本明細書で個別的に列挙されているかのように、本明細書に組
み込まれる。本明細書に記載される全ての方法は、本明細書で特に指示しない限り、また
は文脈上明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実施することができる。本明細書
で提供される任意のおよび全ての例、または例示的言語(例えば、「など」)の使用は、
ある特定の材料および方法を明らかにすることを単に意図しており、範囲に限定を課すも
のではない。本明細書中のいずれの言語も、請求されていない要素を開示される材料およ
び方法の実施に必須のものとして示すと解釈されるべきではない。
【0026】
「状態(condition)」または「状態(conditions)」という用語は、有効量の活性剤
の対象への投与によって処置または予防することができる医学的状態を指す。
【0027】
「~の処置」および「処置する」という用語は、状態の重症度の減少もしくはその休止
、または状態の症状の重症度の減少もしくはその休止を含む。
【0028】
「~の予防」および「予防する」という用語は、状態の発症の回避を含む。
【0029】
「治療上有効量」は、例えば対象の状態を処置もしくは予防するため、または状態の症
状を処置するための、活性剤の量、または活性剤の組み合わせの量を含むことを意図して
いる。
【0030】
「薬学的に許容される」という句は、合理的なベネフィット/リスク比と釣り合って、
過度の毒性も、刺激も、アレルギー反応も、その他の問題も、合併症もなく、しっかりし
た医学的判断の範囲内で、ヒトおよび動物の組織と接触して使用するのに適した、化合物
、材料、組成物および/または剤形を指す。
【0031】
「持続放出」という用語は、例えば1日1回または1日2回剤形を提供するための、一
定期間にわたって放出される活性剤を指す。
【0032】
「即時放出」という用語は、薬物の溶解も吸収も遅延することも延長することも意図せ
ずに、薬物が消化管で溶解することを可能にする剤形を指す。例えば、室温の水性媒体(
pH1~8)中、USP装置1(40号メッシュバスケット)、USP装置2(パドル)
またはUSP装置3(往復シリンダー)でのインビトロ溶解によって測定した場合に、約
5分、約15分、約30分、約45分または約60分での活性剤の少なくとも85%、少
なくとも90%または少なくとも95%の放出を指す。
【0033】
本開示の上記のおよび他の特徴、その性質、ならびにさまざまな利点は、添付される図
面と合わせて、以下の詳細な説明を考慮するとより明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】
図1Aは、加速安定性試験に供された非硬化比較製剤の溶解プロファイルを示す図である。
図1Bは、加速安定性試験に供された硬化比較製剤の溶解プロファイルを示す図である。
【
図2】
図2Aは、加速安定性試験に供された、ある実施形態による、非硬化製剤の溶解プロファイルを示す図である。
図2Bは、加速安定性試験に供された、ある実施形態による、硬化製剤の溶解プロファイルを示す図である。
【
図3】
図3Aは、加速安定性試験に供された、ある実施形態による、非硬化製剤の溶解プロファイルを示す図である。
図3Bは、加速安定性試験に供された、ある実施形態による、硬化製剤の溶解プロファイルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
剤形
さまざまな実施形態によると、本開示は、マトリックスに分散した医薬品有効成分を含
む剤形に関する。マトリックスは、界面活性剤および少なくとも1つの固体または半固体
脂質を含み得る。剤形は硬化され得る。
【0036】
界面活性剤は、HLB値が10未満であり得る。HLB値が10未満の界面活性剤は、
限定されないが、エチレンオキシド/プロピレンオキシド(EO/PO)コポリマー、グ
リセロールモノカプリレート、グリセロールモノカプレート、グリセロールカプリレート
/カプレート、グリセロールモノオレエート、グリセロールモノステアレート、グリセロ
ールラウレート、グリセロールモノリノレート、グリセロールベヘネート、グリセロール
パルミトステアレート、石油およびラノリンアルコール、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル(例えば、ポリオキシル4ラウリルエーテル、ポリオキシル2セチルエーテル、ポ
リオキシル2ステアリルエーテル、ポリオキシル2オレイルエーテル)、ソルビタン脂肪
酸エステル(例えば、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソ
ルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキイソステア
レート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンセスキステアレート、ソルビタンジイ
ソステアレート、ソルビタンジオレエート、ソルビタントリイソステアレート、ソルビタ
ントリオレエート、ソルビタントリステアレート)、スクロースエステル、ポリ(エチレ
ングリコール)-ブロック-ポリ(プロピレングリコール)-ブロック-ポリ(エチレン
グリコール)(プルロニックコポリマー)、レシチン、リン脂質、ステアレス-2、オレ
ス-2、セテス-2、PEG-30ジポリヒドロキシステアレート、プロピレングリコー
ルモノカプリレート、プロピレングリコールジラウレート、プロピレングリコールモノラ
ウレート、プロピレングリコールモノステアレート、プロピレングリコールイソステアレ
ート、αトコフェロール、混合トコフェロール、トリカプリリン、非イオン性乳化ワック
ス、アニオン性乳化ワックス、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノステアレート
、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリステアレート、ソルビタントリオレエー
トおよびこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。
【0037】
HLB値が10未満の界面活性剤は、剤形の総重量に基づいて、約1w/w%~約60
w/w%、約1w/w%~約10w/w%、約10w/w%~約30w/w%、約15w
/w%~約25w/w%、約5w/w%~約15w/w%、約25w/w%~約35w/
w%、約40w/w%~約50w/w%、約50w/w%~約60w/w%、約10w/
w%~約50w/w%、約20w/w%~約40w/w%、またはこれらの中の任意の部
分範囲に及ぶ濃度で剤形中に存在し得る。
【0038】
一部の実施形態では、医薬品有効成分が、約12時間未満、約10時間未満または約8
時間未満の半減期を有し得る。医薬品有効成分は、剤形の総重量に基づいて、0.000
1w/w%~90.0w/w%、例えば、約0.001w/w%、約0.01w/w%、
約0.1w/w%、約0.5w/w%、約1.0w/w%、約3.0w/w%、約5.0
w/w%、約8.0w/w%または約10.0w/w%~約15.0w/w%、約20.
0w/w%、約25.0w/w%、約30.0w/w%、約35.0w/w%、約40.
0w/w%、約50.0w/w%、約60.0w/w%、約70.0w/w%、約80.
0w/w%または約90.0w/w%に及ぶ濃度で剤形中に存在し得る。
【0039】
患者が摂取する剤形単位の数を減少させるため、または患者が剤形を摂取する回数を減
少させるために、現在市場で入手可能な濃度よりも高濃度の医薬品有効成分を含む剤形を
包含することが本開示の目的である(例えば、現在市販されている剤形が1日2回投与の
ための約4mgの医薬品有効成分を含む場合、本発明による剤形は、1日1回投与のため
の約8mgの医薬品有効成分を含み得る)。
【0040】
水溶性のものと、水溶性が乏しいものの両方を含む、任意の医薬品有効成分を本発明の
目的のために使用することができる。適切な医薬品有効成分には、限定されないが、鎮痛
薬および抗炎症剤、制酸薬、駆虫薬、抗不整脈剤、抗細菌剤、抗凝固薬、抗うつ薬、抗糖
尿病薬、止瀉薬、抗てんかん薬、抗真菌剤、抗痛風剤、抗高血圧剤、抗マラリア薬、抗片
頭痛剤、抗ムスカリン剤、抗新生物剤および免疫抑制薬、抗原虫剤、抗リウマチ薬、抗甲
状腺剤、抗ウイルス薬、抗不安薬、鎮静薬、催眠薬および神経遮断薬、β遮断薬、心臓変
力剤、副腎皮質ステロイド、鎮咳薬、細胞毒、充血除去薬、利尿薬、酵素、抗パーキンソ
ン病剤、胃腸剤、ヒスタミン受容体拮抗剤、脂質制御剤、局所麻酔薬、神経筋作用剤、硝
酸塩および抗狭心症剤、栄養剤、オピオイド鎮痛薬、経口ワクチン、タンパク質、ペプチ
ドおよび組換え薬物、性ホルモンおよび避妊薬、殺精子薬、刺激薬、ならびにこれらの組
み合わせが含まれる。
【0041】
一部の実施形態では、医薬品有効成分が、限定されないが、ダビガトラン、ドロネダロ
ン、チカグレロル、イロペリドン、アイバカフトール、ミドスタウリン、アシマドリン、
ベクロメタゾン、アプレミラスト、サパシタビン、リンシチニブ、アビラテロン、ビタミ
ンD類似体(例えば、カルシフェジオール、カルシトリオール、パリカルシトール、ドキ
セルカルシフェロール)、COX-2阻害剤(例えば、セレコキシブ、バルデコキシブ、
ロフェコキシブ)、タクロリムス、テストステロン、ルビプロストン、これらの薬学的に
許容される塩、およびこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。
【0042】
一部の実施形態では、剤形中の脂質が、限定されないが、アーモンド油、アルガン油、
アボカド油、ルリジサ種子油、キャノーラ油、カシュー油、ヒマシ油、水添ヒマシ油、カ
カオ脂、ヤシ油、菜種油、トウモロコシ油、綿実油、グレープシード油、ヘーゼルナッツ
油、ヘンプ油、水添レシチン、レシチン、亜麻仁油、マカダミア油、マンゴーバター、マ
ニラ油、モンゴンゴナッツ油、オリーブ油、パーム核油、パーム油、落花生油、ペカン油
、エゴマ油、松の実油、ピスタチオ油、ケシ油、カボチャ種子油、米ぬか油、ベニバナ油
、ゴマ油、シアバター、大豆油、ヒマワリ油、水添植物油、クルミ油およびスイカ種子油
からなる群から選択され得る。他の油および脂肪には、それだけに限らないが、魚油(オ
メガ-3)、オキアミ油、例えば、その水添形態の動物または植物脂肪、遊離脂肪酸なら
びにC8-、C10-、C12-、C14-、C16-、C18-、C20-およびC2
2-脂肪酸とのモノ-、ジ-およびトリ-グリセリド、ならびにこれらの組み合わせが含
まれ得る。
【0043】
ある特定の実施形態によると、活性剤には、それだけに限らないが、スタチン(例えば
、ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン
、ロスバスタチンおよびピタバスタチン)、フィブラート(例えば、クロフィブラート、
シプロフィブラート、ベザフィブラート、フェノフィブラートおよびゲムフィブロジル)
、ナイアシン、胆汁酸封鎖剤、エゼチミブ、ロミタピド、フィトステロール、ならびにこ
れらの薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物およびプロドラッグ、前記のいずれかの
混合物などを含む脂質低下剤が含まれ得る。
【0044】
適切な栄養補助食品活性剤には、それだけに限らないが、5-ヒドロキシトリプトファ
ン、アセチルL-カルニチン、αリポ酸、α-ケトグルタレート、ミツバチ産物、ベタイ
ン塩酸塩、ウシ軟骨、カフェイン、ミリストレイン酸セチル、木炭、キトサン、コリン、
コンドロイチン硫酸、コエンザイムQ10、コラーゲン、初乳、クレアチン、シアノコバ
ラミン(ビタミンB12)、ジメチルアミノエタノール、フマル酸、ゲルマニウムセスキ
オキシド、腺産物、グルコサミンHCl、グルコサミン硫酸塩、ヒドロキシルメチルブチ
レート、免疫グロブリン、乳酸、L-カルニチン、肝臓産物、リンゴ酸、無水マルトース
、マンノース(d-マンノース)、メチルスルホニルメタン、フィトステロール、ピコリ
ン酸、ピルベート、紅色酵母抽出物、S-アデノシルメチオニン、セレン酵母、サメ軟骨
、テオブロミン、硫酸バナジルおよび酵母が含まれ得る。
【0045】
適切な栄養補助食品活性剤には、ビタミン、ミネラル、繊維、脂肪酸、アミノ酸、ハー
ブサプリメントまたはこれらの組み合わせが含まれ得る。
【0046】
適切なビタミン活性剤には、それだけに限らないが、以下が含まれ得る:アスコルビン
酸(ビタミンC)、ビタミンB、ビオチン、脂溶性ビタミン、葉酸、ヒドロキシクエン酸
、イノシトール、アスコルビン酸ミネラル、混合トコフェロール、ナイアシン(ビタミン
B3)、オロト酸、パラアミノ安息香酸、パントテン酸塩、パントテン酸(ビタミンB5
)、ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6)、リボフラビン(ビタミンB2)、合成ビタミ
ン、チアミン(ビタミンB1)、トコトリエノール、ビタミンA、ビタミンD、ビタミン
E、ビタミンF、ビタミンK、ビタミン油および油溶性ビタミン。
【0047】
適切なハーブサプリメント活性剤には、それだけに限らないが、以下が含まれ得る:ア
ルニカ、ビルベリー、ブラック・コホッシュ、キャッツクロー、カモミール、エキナセア
、月見草油、コロハ、亜麻仁、ナツシロギク、ニンニク、根生姜、イチョウ(ginko bilo
ba)、朝鮮人参、アキノキリンソウ、サンザシ、カバカバ、甘草、オオアザミ、サイリウ
ム、ラウオルフィア、センナ、大豆、セイヨウオトギリソウ、ノコギリヤシ、ウコン、カ
ノコソウ。
【0048】
ミネラル活性剤には、それだけに限らないが、以下が含まれ得る:ホウ素、カルシウム
、キレート化ミネラル、塩化物、クロム、コーティングミネラル、コバルト、銅、ドロマ
イト、ヨウ素、鉄、マグネシウム、マンガン、ミネラルプレミックス、ミネラル生成物、
モリブデン、リン、カリウム、セレン、ナトリウム、バナジウム、リンゴ酸、ピルベート
、亜鉛および他のミネラル。
【0049】
他の考えられる活性剤の例としては、それだけに限らないが、抗ヒスタミン薬(例えば
、ラニチジン、ジメンヒドリナート、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミンおよびd
-クロルフェニラミンマレイン酸塩)、非ステロイド性抗炎症剤(例えば、アスピリン、
セレコキシブ、Cox-2阻害剤、ジクロフェナク、ベノキサプロフェン、フルルビプロ
フェン、フェノプロフェン、フルブフェン(flubufen)、インドプロフェン、ピロプロフ
ェン、カルプロフェン、オキサプロジン、プラモプロフェン、ムロプロフェン、トリオキ
サプロフェン、スプロフェン、アミノプロフェン、フルプロフェン、ブクロキシ酸、イン
ドメタシン、スリンダク、ゾメピラック、チオピナック、ジドメタシン、アセメタシン、
フェンチアザク、クリダナク、オキシピナク(oxpinac)、メクロフェナム酸、フルフェ
ナム酸、ニフルム酸、トルフェナム酸、ジフルリサル(diflurisal)、フルフェニサール
、ピロキシカム、スドキシカム、イソキシカム、アセクロフェナク、アロキシプリン、ア
ザプロパゾン、ベノリラート、ブロムフェナク、カルプロフェン、サリチル酸コリンマグ
ネシウム、ジフルニサル、エトドラク、エトリコキシブ、ファイスラミン(faislamine)
、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメ
タシン、ケトプロフェン、ケトロラク、ロルノキシカム、ロキソプロフェン、メロキシカ
ム、メフェナム酸、メタミゾール、サリチル酸メチル、サリチル酸マグネシウム、ナブメ
トン、ナプロキセン、ニメスリド、オキシフェンブタゾン、パレコキシブ、フェニルブタ
ゾン、サリチルサリチレート、スリンダク、スルフィンピラゾン、テノキシカム、チアプ
ロフェン酸、トルメチン、これらの薬学的に許容される塩およびこれらの混合物、アセト
アミノフェン、制吐薬(例えば、メトクロプラミド、メチルナルトレキソン)、抗てんか
ん薬(例えば、フェニトイン、メプロブメート(meprobmate)およびニトラゼパム)、血
管拡張薬(例えば、ニフェジピン、パパベリン、ジルチアゼムおよびニカルジピン)、鎮
咳剤および去痰薬(例えば、リン酸コデイン)、抗喘息薬(例えば、テオフィリン)、制
酸薬、鎮痙薬(例えば、アトロピン、スコポラミン)、抗糖尿病薬(例えば、インスリン
)、利尿薬(例えば、エタクリン酸、ベンドロフルメチアジド)、抗低血圧薬(例えば、
プロプラノロール、クロニジン)、抗高血圧薬(例えば、クロニジン、メチルドパ)、気
管支拡張薬(例えば、アルブテロール)、ステロイド(例えば、ヒドロコルチゾン、トリ
アムシノロン、プレドニゾン)、抗生物質(例えば、テトラサイクリン)、抗痔疾薬(an
tihemorrhoidal)、催眠薬、向精神薬、止瀉薬、粘液溶解薬、鎮静薬、充血除去薬(例え
ば、プソイドエフェドリン)、緩下薬、ビタミン、刺激薬(フェニルプロパノールアミン
などの食欲抑制薬を含む)およびカンナビノイド、ならびにこれらの薬学的に許容される
塩、水和物、溶媒和物およびプロドラッグが挙げられる。
【0050】
活性剤はまた、ベンゾジアゼピン、バルビツレート、刺激薬またはこれらの混合物であ
り得る。「ベンゾジアゼピン」という用語は、ベンゾジアゼピンおよび中枢神経系を抑制
することができるベンゾジアゼピンの誘導体である薬物を指す。ベンゾジアゼピンには、
それだけに限らないが、アルプラゾラム、ブロマゼパム、クロルジアゼポキシド、クロラ
ゼペート、ジアゼパム、エスタゾラム、フルラゼパム、ハラゼパム、ケタゾラム、ロラゼ
パム、ニトラゼパム、オキサゼパム、プラゼパム、クアゼパム、テマゼパム、トリアゾラ
ム、メチルフェニデートならびにこれらの薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、プ
ロドラッグおよび混合物が含まれる。活性剤として使用することができるベンゾジアゼピ
ン拮抗薬には、それだけに限らないが、フルマゼニルならびにその薬学的に許容される塩
、水和物、溶媒和物および混合物が含まれる。
【0051】
「バルビツレート」という用語は、バルビツール酸(2,4,6-トリオキソヘキサヒ
ドロピリミジン)から誘導される催眠鎮静薬を指す。バルビツレートには、それだけに限
らないが、アモバルビタール、アプロバルビタール、ブタバルビタール、ブタルビタール
、メトヘキシタール、メホバルビタール、メタルビタール、ペントバルビタール、フェノ
バルビタール、セコバルビタールならびにこれらの薬学的に許容される塩、水和物、溶媒
和物、プロドラッグおよび混合物が含まれる。活性剤として使用することができるバルビ
ツレート拮抗薬には、それだけに限らないが、アンフェタミンならびにその薬学的に許容
される塩、水和物、溶媒和物および混合物が含まれる。
【0052】
「刺激薬」という用語には、それだけに限らないが、アンフェタミン、例えばデキスト
ロアンフェタミン樹脂複合体、デキストロアンフェタミン、メタンフェタミン、メチルフ
ェニデートならびにこれらの薬学的に許容される塩、水和物および溶媒和物および混合物
が含まれる。活性剤として使用することができる刺激薬拮抗薬には、それだけに限らない
が、ベンゾジアゼピンならびにその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物および混合
物が含まれる。
【0053】
本開示による剤形には、さまざまな活性剤およびその薬学的に許容される塩が含まれる
。薬学的に許容される塩には、それだけに限らないが、無機酸塩、例えば塩酸塩、臭化水
素酸塩、硫酸塩、リン酸塩など;有機酸塩、例えばギ酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩
、マレイン酸塩、酒石酸など;スルホン酸塩、例えばメタンスルホン酸塩、ベンゼンスル
ホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩など;アミノ酸塩、例えばアルギン酸塩、アスパラ
ギネート(asparginate)、グルタミン酸塩など、および金属塩、例えばナトリウム塩、
カリウム塩、セシウム塩など;アルカリ土類金属、例えばカルシウム塩、マグネシウム塩
など;有機アミン塩、例えばトリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、エタノール
アミン塩、トリエタノールアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’-ジベンジル
エチレンジアミン塩などが含まれる。
【0054】
剤形は、高温および/または高湿度で貯蔵することができ、経時的に一貫した医薬品有
効成分放出プロファイルを依然として維持することができる。剤形は、ある特定の実施形
態では小児使用に適し得る。剤形は、経口経路、舌下経路、頬側経路、膣経路または直腸
経路を介した投与に適した形態であり得る。ある特定の実施形態では、剤形が経口経路を
介した投与に適してもよく、チュアブルであり得る。
【0055】
一部の実施形態では、最終剤形が、限定されないが、丸形、楕円形、長楕円形、カプセ
ル、チューブおよびティアドロップからなる群から選択される形状を有し得る。一部の実
施形態では、最終剤形が単一のコンパートメントを有する。他の実施形態では、最終剤形
が複数のコンパートメント(チャンバーとも呼ばれる)を有する。例えば、最終剤形は、
2つ、3つ、4つまたはそれ以上のチャンバーを有し得る。
【0056】
一部の実施形態では、剤形が、充填剤および/または賦形剤をさらに含み得る。充填剤
および/または賦形剤は、独立的にまたは累積的に、剤形の総重量に基づいて、約20w
/w%以下、約15w/w%以下、約10w/w%以下、約5w/w%以下、約4w/w
%以下、約3w/w%以下、約2w/w%以下、約1w/w%以下、約0.5w/w%以
下、約0.1w/w%以下の濃度で剤形中に存在し得る。一部の実施形態では、剤形が充
填剤を有さなくてもよい(例えば、0w/w%)。一部の実施形態では、剤形が賦形剤を
有さなくてもよい(例えば、0w/w%)。一部の実施形態では、剤形が、剤形の総重量
に基づいて、個別的にまたは集合的に、例えば約2w/w%~約50w/w%、約6w/
w%~約40w/w%、約10w/w%~約30w/w%、約10w/w%~約40w/
w%、約15w/w%~約35w/w%、約20w/w%~約30w/w%、約20w/
w%~約25w/w%、または約15w/w%~約25w/w%に及ぶ量の充填剤および
/または賦形剤を含み得る。
【0057】
例示的な充填剤は、限定されないが、ラクトース、微結晶セルロースおよびこれらの組
み合わせからなる群から選択され得る。
【0058】
例示的な賦形剤は、限定されないが、高融点を有する脂肪(例えば、融点が25℃超の
トリグリセリド)、ワックス、低融点を有する油(例えば、融点が25℃未満のトリグリ
セリド)、液体脂質、HLB値が10超の界面活性剤、溶媒、共溶媒、固体高分子量ポリ
エチレングリコール、液体ポリエチレングリコール、潤滑剤、細孔形成剤、分散剤、ゼラ
チン、ガム、水溶性ポリマー、水、グリセリン、ソルビトール、シクロデキストリン、香
味剤、崩壊剤およびこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。一部の実施形態で
は、剤形が、その意図した目的に適した量の、追加の賦形剤、例えば溶解性増強剤、可溶
化剤(例えば、カプリロカプロイルポリオキシル-8グリセリドおよびポリエチレングリ
コールモノステアレート)、バイオアベイラビリティ増強剤、可塑剤、着色料、不透明化
剤、芳香剤、酵素、甘味料、香辛料、ビタミン、保存剤、安定剤、抗酸化剤、放出剤(例
えば、ジステアリン酸グリセリルなどの持続放出用の脂質マトリックス)、増量剤、架橋
剤、ブロッキング防止剤、抗粘着付与剤(detackifying agent)、希釈剤、消泡剤、緩衝
剤、発泡剤、嵩高剤、アジュバント、流動促進剤、離型剤、造粒剤、結合剤、油/脂肪、
pH調整剤、吸収剤、滑剤(例えば、二酸化ケイ素)、接着剤、付着防止剤(例えば、タ
ルク、コーンスターチ、コロイド状二酸化ケイ素(Cab-O-Sil(商標))、DL
-ロイシン、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸金属塩)、酸味料、軟化剤、樹
脂、粘滑薬、乳化剤、浸透圧剤、エラストマー、漂白剤(例えば、二亜硫酸ナトリウム、
重亜硫酸ナトリウムなど)、嫌悪剤、例えば苦味剤(例えば、安息香酸デナトニウム、サ
ッカリンデナトニウムおよび塩化デナトニウムなどのデナトニウム塩;スクロースオクタ
アセテート;キニーネ;ケルセチンおよびナリンギンなどのフラボノイド;ならびにクァ
シンおよびブルシンなどのクアシノイド)および辛味剤(例えば、カプサイシン、ピペリ
ン、アリルイソチオシアネートおよびレシニフェラトキシン)、これらの組み合わせおよ
び他の機能的成分を含み得る。適切な賦形剤は、液体、半固体および/または固体形態で
あり得る。
【0059】
例示的な溶媒および/または共溶媒は、限定されないが、エタノール、プロピレングリ
コール、グリセリン、ポリエチレングリコールおよびこれらの組み合わせからなる群から
選択され得る。
【0060】
例示的な固体高分子量ポリエチレングリコールは、限定されないが、PEG3350、
PEG4000、PEG4600、PEG5000、PEG6000、PEG7000、
PEG8000、最大10000のPEGおよびこれらの組み合わせからなる群から選択
され得る。
【0061】
例示的な液体ポリエチレングリコールは、限定されないが、PEG200、PEG30
0、PEG400、PEG600、PEG800、PEG1000、PEG2000およ
びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。
【0062】
例示的な水溶性ポリマーは、限定されないが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(
HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース(
HEC)、ガムおよびこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。
【0063】
例示的な崩壊剤は、限定されないが、クロスカルメロース、プレゼラチン(pre-gelati
n)、デンプン、フマル酸ステアリルナトリウムおよびこれらの組み合わせからなる群か
ら選択され得る。
【0064】
可塑剤
剤形中に存在し得る例示的な可塑剤には、それだけに限らないが、糖アルコール可塑剤
、例えばイソマルト、マルチトール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、ア
ドニトール、ズルシトール、ペンタエリスリトールもしくはマンニトール;またはポリオ
ール可塑剤、例えばグリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、
最大10000MWのポリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、プロピレング
リコール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、トリメ
チロールプロパン、ポリエーテルポリオール、エタノールアミン;およびこれらの混合物
が含まれ得る。他の例示的な可塑剤には、限定されないが、低分子量ポリマー、オリゴマ
ー、コポリマー、油、小有機分子、脂肪族ヒドロキシルを有する低分子量ポリオール、エ
ステル型可塑剤、グリコールエーテル、ポリ(プロピレングリコール)、マルチブロック
ポリマー、単一ブロックポリマー、クエン酸エステル型可塑剤およびトリアセチンが含ま
れ得る。このような可塑剤には、1,2-ブチレングリコール、2,3-ブチレングリコ
ール、スチレングリコール、モノプロピレングリコール、モノイソプロピルエーテル、プ
ロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノエチルエーテル、ソルビトールラクテート、乳酸エチル、乳酸ブチ
ル、グリコール酸エチル、セバシン酸ジブチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸
トリエチル、モノステアリン酸グリセリル、ポリソルベート80、クエン酸アセチルトリ
エチル、クエン酸トリブチルおよびアリルグリコレート、ならびにこれらの混合物が含ま
れ得る。
【0065】
着色料
着色料はまた、本明細書では、「染料もしくは顔料」または「着色剤」とも呼ばれ得る
。着色料は、剤形に着色および/または審美的外観を与える物質を指す。染料は、適用さ
れている基質に対する親和性を有する有色物質である。染料は、水溶液で適用され得、基
質上の染料の定着を改善するための媒染剤を要する。顔料は、波長選択的吸収の結果とし
て反射光または透過光の色を変化させる材料である。この物理的プロセスは、蛍光、燐光
および材料が光を発する他の形態の発光とは異なる。染料と顔料は共に他のものより光の
一部の波長を吸収するので、有色に見える。染料と対照的に、顔料は一般的に不溶性であ
り、基質に対する親和性を有さない。
【0066】
剤形中に存在し得る例示的な着色料には、それだけに限らないが、例えば白色、黒色、
黄色、青色、緑色、ピンク、赤色、橙色、紫色、インディゴおよび茶色などの色が含まれ
得る。具体的な実施形態では、剤形の色が、その中に含有される内容物(例えば、1つま
たは複数の有効成分)を示し得る。
【0067】
香味剤
「香味剤」は、香味を提供することができる物質を指す。香味剤は、使用者に味がよく
心地よい因子を提供することに加えて、剤形中に存在する望ましくない香味を隠すことも
できる。香味剤には天然香味剤(例えば、抽出物)が含まれ得る。
【0068】
「香味抽出物」は、通常、エタノールまたは水などの溶媒を使用することによって、原
料、例えば動物または植物材料の一部を抽出することによって得られる香味剤を指す。天
然エッセンスの大部分は、圧搾(レモンの皮のように、油が極めて豊富で、容易に得られ
る場合)、吸収(バニラビーンズのように、アルコールに漬け込むことによって一般的に
達成される)、温浸法(maceration)(ハッカ抽出物等の調製のように、全体中の少部分
生成するために使用される)および蒸留(温浸と共に使用されるが、多くの場合、専門化
学知識および高価な蒸留器の組み立てを要する)の4つの技術を通して、花、果実、根等
または植物全体から精油を抽出することによって得られる。
【0069】
剤形中に存在し得る例示的な香味剤には、それだけに限らないが、口臭消臭化合物、例
えばメントール、スペアミントおよびシナモン、コーヒー豆、他の香味剤または芳香剤、
例えば果実香味剤(例えば、サクランボ、オレンジ、ブドウ等)、特に口腔衛生のために
使用されるもの、ならびに歯および口腔洗浄に使用される活性剤、例えば第四級アンモニ
ウム塩基が含まれ得る。香味剤の効果は、香味増強剤、例えば酒石酸、クエン酸、バニリ
ンなどを使用して増強され得る。
【0070】
芳香剤
剤形中に存在し得る例示的な芳香剤には、それだけに限らないが、天然および/または
合成芳香原料が含まれる。例えば、水溶性香油との混合物であり得るまたはあり得ない油
溶性香油がある。油溶性香料材料は、天然または天然と同一の精油、例えばオレンジ油、
ラベンダー油、松根油、ユーカリ油、レモン油、クローブ葉、ハッカ油、セダー油、ロー
ズマリー油、ベルガモット油、ラバンジン油、パッチュリ油、カモミール油、ジャスミン
油、スパイク油、バラ油、ベチバー油、フェンネル油、アニス油、タイム油、ゲルマニウ
ム油、メントールおよびマジョラム油である。動物芳香剤は、例えばムスク、海狸香、ア
ベール(aber)またはジャコウネコである。スパジリック(spagyric)エッセンスも当技
術分野で知られている。これらは、ある特定の薬草を発酵させ、次いで、これらを最終生
成物に処理することによって調製される。合成芳香剤成分は、例えば、リナロール、テル
ピネオール、ネロール、シトロネラール、ベンズアルデヒド、ケイヒアルデヒド、バニリ
ン、エチルバニリンまたはメチルアセトフェノンなどの単一化合物で構成されるような合
成精油である。芳香剤材料はまた、芳香性の炭化水素、アルコール、ケトン、アルデヒド
、エーテル、エステル、ポリエン誘導体からなる通常の群から選択される合成油溶性香油
であり得る。使用され得る他の芳香剤は、参考文献およびデータベース、例えばS. Arcta
nder, Perfume and Flavor Chemicals, Volumes I and II (1960, 1969; reprint 2000)
;Allured's Flavor and Fragrance Materials (2005);およびwww.rifm.org.でRese
arch Institute for Fragrance Materialsによ
って維持されるデータベースに目録化され、記載されている。
【0071】
甘味料
「甘味料」という用語は、使用者に味がよく心地よい因子を提供することができる、お
よび/または剤形中に存在する望ましくない香味を隠すことができる物質を指す。剤形中
に存在し得る例示的な甘味料には、それだけに限らないが、1つもしくは複数の人工甘味
料、1つもしくは複数の天然甘味料、またはこれらの組み合わせが含まれ得る。人工甘味
料には、例えばアセスルファムおよびそのさまざまな塩、例えばカリウム塩(Sunet
t(登録商標)として入手可能)、アリターム、アスパルテーム(NutraSweet
(登録商標)およびEqual(登録商標)として入手可能)、アスパルテーム-アセス
ルファムの塩(Twinsweet(登録商標)として入手可能)、ネオヘスペリジンジ
ヒドロカルコン、ナリンギンジヒドロカルコン、ジヒドロカルコン化合物、ネオテーム、
サイクラミン酸ナトリウム、サッカリンおよびそのさまざまな塩、例えばナトリウム塩(
Sweet’N Low(登録商標)として入手可能)、ステビア、スクロースのクロロ
誘導体、例えばスクラロース(Kaltame(登録商標)およびSplenda(登録
商標)として入手可能)、ならびにモグロシドが含まれる。天然甘味料には、例えばグル
コース、デキストロース、転化糖、フルクトース、スクロース、グリチルリチン;グリチ
ルリチン酸モノアンモニウム(商品名MagnaSweet(登録商標)で販売されてい
る);ステビア(Stevia rebaudiana)(ステビオシド)、天然高甘味度甘味料、例えば
羅漢果、ポリオール、例えばソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトー
ルなどが含まれる。
【0072】
ビタミン
本明細書で使用される場合、「ビタミン」という用語は、限られた量で、必須栄養素と
して生物によって必要とされる有機化合物を指す。有機化学化合物(または化合物の関連
するセット)は、生物によって十分な量合成することができず、食事から得なければなら
ない場合に、ビタミンと呼ばれる。よって、この用語は、環境と特定の生物の両方を条件
とする。例えば、アスコルビン酸(ビタミンC)はヒトにとってはビタミンであるが、ほ
とんどの他の動物にとってはそうではなく、ビオチンおよびビタミンDは、ある特定の環
境でのみヒトの食事で必要とされる。
【0073】
剤形中に存在し得る例示的なヒトビタミンには、それだけに限らないが、ビタミンA(
例えば、レチノール、レチナール、およびβカロテンを含む4つのカロテノイド)、ビタ
ミンB1(チアミン)、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB3(例えば、ナイア
シンおよびナイアシンアミド)、ビタミンB5(パントテン酸)、ビタミンB6(例えば
、ピリドキシン、ピリドキサミンおよびピリドキサール)、ビタミンB7(ビオチン)、
ビタミンB9(例えば、葉酸およびフォリン酸)、ビタミンB12(例えば、シアノコバ
ラミン、ヒドロキソコバラミンおよびメチルコバラミン)、ビタミンC(アスコルビン酸
)、ビタミンD(コレカルシフェロール)、ビタミンE(例えば、トコフェロールおよび
トコトリエノール)、およびビタミンK(例えば、フィロキノン、フィトナジオンおよび
メナキノン)が含まれ得る。
【0074】
保存剤
本明細書で使用される場合、「保存剤」という用語は、香味、臭気、色、肌理、外観、
治療効果または安全性の劣化を遅延させるまたは防止することによって剤形の貯蔵寿命を
延ばす薬剤を指す。保存剤は、部分的または完全な微生物細胞破壊または無能力化をもた
らす致死的な不可逆的作用をもたらす必要はない。滅菌剤、清浄剤、消毒剤、殺胞子剤、
殺ウイルス剤および結核菌殺菌剤は、時に「殺菌」作用と呼ばれる、このような不可逆的
作用様式をもたらす。対照的に、保存剤は、保存剤を除去した場合に標的微生物が増殖を
再開することができるという点で、可逆的である抑制性または静菌性作用をもたらすこと
ができる。保存剤と清浄剤との間の主な違いには、主に作用様式(保存剤は微生物を殺傷
するのではなく増殖を防止する)および曝露時間(保存剤は数日~数カ月作用するが、清
浄剤は最大でも数分間しか作用しない)が含まれる。
【0075】
抗酸化剤
剤形中に存在し得る例示的な抗酸化剤には、それだけに限らないが、立体障害フェノー
ル、アリールアミン、チオ尿素、チオカルバメート、亜リン酸エステル、チオエーテルエ
ステル、および前記の組み合わせが含まれ得る。抗酸化剤の他の適切な例としては、それ
だけに限らないが、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、2-ter
t-ブチル-4,6-ジ-メチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-エチ
ルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-n-ブチルフェノール、2,6-ジ
-tert-ブチル-4-イソブチルフェノール、2,6-ジシクロペンチル-4-メチ
ルフェノール、2-(α-メチルシクロヘキシル)-4,6-ジメチルフェノール、2,
6-ジオクタデシル-4-メチルフェノール、2,4,6-トリシクロヘキシルフェノー
ル、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メトキシメチルフェノール、側鎖が直鎖または
分岐であるノニルフェノール、例えば2,6-ジ-ノニル-4-メチルフェノール、2,
4-ジメチル-6-(1’-メチルウンデカ-1’-イル)フェノール、2,4-ジメチ
ル-6-(1’-メチルヘプタデカ-1’-イル)フェノール、2,4-ジメチル-6-
(1’-メチルトリデカ-1-イル)フェノールおよびこれらの混合物を含むアルキル化
モノフェノール、それだけに限らないが、2,4-ジオクチルチオメチル-6-tert
-ブチルフェノール、2,4-ジオクチルチオメチル-6-メチルフェノール、2,4-
ジセチルチオメチル-6-エチルフェノール、2,6-ジ-ドデシルチオメチル-4-ノ
ニルフェノールを含むアルキルチオメチルフェノール、それだけに限らないが、2,6-
ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェノール、2,5-ジ-tert-ブチルヒドロ
キノン、2,5-ジ-tert-アミルヒドロキノン、2,6-ジフェニル-4-オクタ
デシルオキシフェノール、2,6-ジ-tert-ブチルヒドロキノン、2,5-ジ-t
ert-ブチル-4-ヒドロキシアニソール、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒド
ロキシアニソール、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルステアレー
ト、ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)アジペートを含む
ヒドロキノンおよびアルキル化ヒドロキノン、それだけに限らないが、α-トコフェロー
ル、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロールおよびこれらの混合
物を含むトコフェロール(ビタミンE)、それだけに限らないが、2,2’-チオビス(
6-tert-ブチル-4-メチルフェノール)、2,2’-チオビス(4-セチルフェ
ノール)、4,4’-チオビス(6-tert-ブチル-3-メチルフェノール)、4,
4’-チオビス(6-tert-ブチル-2-メチルフェノール)、4,4’-チオビス
(3,6-ジ-sec-アミルフェノール)、4,4’-ビス(2,6-ジメチル-4-
ヒドロキシフェニル)ジスルフィドを含むヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、それ
だけに限らないが、2,2’-メチレンビス(6-tert-ブチル-4-メチルフェノ
ール)、2,2’-メチレンビス(6-tert-ブチル-4-エチルフェノール)、2
,2’-メチレンビス[4-メチル-6-(α-メチルシクロヘキシル)フェノール]、
2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-シクロヘキシルフェノール)、2,2’-メ
チレンビス(6-ノニル-4-メチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4,6-
ジ-tert-ブチルフェノール)、2,2’-エチリデンビス(4,6-ジ-tert
-ブチルフェノール)、2,2’-エチリデンビス(6-tert-ブチル-4-イソブ
チルフェノール)、2,2’-メチレンビス[6-(α-メチルベンジル)-4-ノニル
フェノール]、2,2’-メチレンビス[6-(α,α-ジメチルベンジル)-4-ノニ
ルフェノール]、4,4’-メチレンビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノール)
、4,4’-メチレンビス(6-tert-ブチル-2-メチルフェノール)、1,1-
ビス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ブタン、2,6-
ビス(3-tert-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシベンジル)-4-メチルフェ
ノール、1,1,3-トリス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェ
ニル)ブタン、1,1-ビス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチル-フ
ェニル)-3-n-ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3-ビス
(3’-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3-te
rt-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチル-フェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[
2-(3’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシ-5’-メチルベンジル)-6-te
rt-ブチル-4-メチルフェニル]テレフタレート、1,1-ビス-(3,5-ジメチ
ル-2-ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-
4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(5-tert-ブチル-4-ヒドロ
キシ-2-メチルフェニル)-4-n-ドデシルメルカプトブタン、1,5,5-テトラ
-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ペンタンを含むアル
キリデンビスフェノール、それだけに限らないが、3,5,3’,5’-テトラ-ter
t-ブチル-4,4’-ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル-4-ヒドロキ
シ-3,5-ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル-4-ヒドロキシ-3
,5-ジ-tert-ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5-ジ-te
rt-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4-tert-ブチル-3-ヒ
ドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5-ジ-te
rt-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル-3,5-ジ-te
rt-ブチル-4-ヒドロキシベンジルメルカプトアセテートを含むO-、N-およびS
-ベンジル化合物、それだけに限らないが、ジオクタデシル-2,2-ビス(3,5-ジ
-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンジル)マロネート、ジ-オクタデシル-2-(
3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルベンジル)マロネート、ジドデシル
メルカプトエチル-2,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベン
ジル)マロネート、ビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェニル]-2
,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)マロネートを含
むヒドロキシベンジル化マロネート、それだけに限らないが、1,3,5-トリス(3,
5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,4,6-トリメチルベンゼ
ン、1,4-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,3
,5,6-テトラメチルベンゼン、2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル
-4-ヒドロキシベンジル)フェノールを含む芳香族ヒドロキシベンジル化合物、それだ
けに限らないが、2,4-ビス(オクチルメルカプト)-6-(3,5-ジ-tert-
ブチル-4-ヒドロキシアニリノ)-1,3,5-トリアジン、2-オクチルメルカプト
-4,6-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニリノ)-1,3,
5-トリアジン、2-オクチルメルカプト-4,6-ビス(3,5-ジ-tert-ブチ
ル-4-ヒドロキシフェノキシ)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス-(3
,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェノキシ)-1,2,3-トリアジン、
1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシ
アヌレート、1,3,5-トリス(4-tert-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジ
メチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6-トリス-(3,5-ジ-tert-ブ
チル-4-ヒドロキシフェニルエチル)-1,3,5-トリアジン、1,3,5-トリス
(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-フェニルプロピオニル)-ヘキサヒ
ドロ-1,3,5-トリアジン、1,3,5-トリス(3,5-ジシクロヘキシル-4-
ヒドロキシベンジル)イソシアヌレートを含むトリアジン化合物、それだけに限らないが
、ジメチル-2,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、ジ
エチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオク
タデシル3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオク
タデシル-5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-3-メチルベンジルホスホネート、
3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステ
ルのカルシウム塩を含むベンジルホスホネート、それだけに限らないが、4-ヒドロキシ
ラウラニリド、4-ヒドロキシステアラニリド、オクチルN-(3,5-ジ-tert-
ブチル-4-ヒドロキシフェニル)カルバメートを含むアシルアミノフェノール、β-(
3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価または多
価アルコール、例えばメタノール、エタノール、n-オクタノール、i-オクタノール、
オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリ
コール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(
ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド
、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、
トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキ
サビシクロ[2.2.2]オクタンのエステル、β-(5-tert-ブチル-4-ヒド
ロキシ-3-メチルフェニル)プロピオン酸と一価または多価アルコール、例えばメタノ
ール、エタノール、n-オクタノール、i-オクタノール、オクタデカノール、1,6-
ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジ
オール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシア
ヌレート、N,N’-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、
3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4
-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オ
クタンのエステル;3,9-ビス[2-{3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ
-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8
,10-テトラオキサスピロ[5.5]-ウンデカン、6-(3,5-ジシクロヘキシル
-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価または多価アルコール、例えばメタノー
ル、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9
-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリ
コール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’-ビス
(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール
、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-
ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンのエステル、3,5
-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル酢酸と一価または多価アルコール、例
えばメタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオ
ール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオ
ペンチルグリカール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グ
リコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,
N’-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタ
デカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメ
チル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンのエステ
ル、6-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のア
ミド、例えばN,N’ービス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル
プロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N’ービス(3,5-ジ-tert-ブチ
ル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミド、N,N’ービス(3
,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド、N,
N’ービス[2-(3-[3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]プ
ロピオニルオキシ)エチル]オキサミド(Uniroyalによって供給されるNaug
ard(登録商標)XL-1)、アスコルビン酸(ビタミンC)、それだけに限らないが
、N,N’-ジ-イソプロピル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジ-sec-ブチ
ル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(1,4-ジメチルペンチル)-p-フェ
ニレンジアミン、N,N’-ビス(1-エチル-3-メチルペンチル)-p-フェニレン
ジアミン、N,N’-ビス(1-メチルヘプチル)-p-フェニレンジアミン、N,N’
-ジシクロヘキシル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジフェニル-p-フェニレン
ジアミン、N,N’-ビス(2-ナフチル)-p-フェニレンジアミン、N-イソプロピ
ル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチルブチル)-N’
-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1-メチルヘプチル)-N’-フェニル-
p-フェニレンジアミン、N-シクロヘキシル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミ
ン、4-(p-トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N’-ジメチル-N,
N’-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N-アリルジ
フェニルアミン、4-イソプロポキシジフェニルアミン、N-フェニル-1-ナフチルア
ミン、N-(4-tert-オクチルフェニル)-1-ナフチルアミン、N-フェニル-
2-ナフチルアミン、それだけに限らないが、p,p’-ジ-tert-オクチルジフェ
ニルアミンを含むオクチル化ジフェニルアミン、4-n-ブチルアミノフェノール、4-
ブチリルアミノフェノール、4-ノナノイルアミノフェノール、4-ドデカノイルアミノ
フェノール、4-オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4-メトキシフェニル)ア
ミン、2,6-ジ-tert-ブチル-4-ジメチルアミノメチルフェノール、2,4’
-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N
’-テトラメチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、1,2-ビス[(2-メチル
フェニル)アミノ]エタン、1,2-ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o-トリル)
ビグアニド、ビス[4-(1’,3’-ジメチルブチル)フェニル]アミン、tert-
オクチル化N-フェニル-1-ナフチルアミン、モノ-およびジアルキル化tert-ブ
チル/tert-オクチルジフェニルアミンの混合物、モノ-およびジアルキル化ノニル
ジフェニルアミンの混合物、モノ-およびジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合
物、モノ-およびジアルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、
モノ-およびジアルキル化tert-ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3-ジヒド
ロ-3,3-ジメチル-4H-1,4-ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノ-および
ジアルキル化tert-ブチル/tert-オクチルフェノチアジンの混合物、モノ-お
よびジアルキル化tert-オクチルフェノチアジンの混合物、N-アリルフェノチアジ
ン、N,N,N’,N’-テトラフェニル-1,4-ジアミノブタ-2-エンを含むアミ
ン系抗酸化剤、ならびに前記の組み合わせが挙げられる。
【0076】
潤滑剤/放出剤
剤形に適した潤滑剤/放出剤には、それだけに限らないが、脂肪酸およびその塩、脂肪
アルコール、脂肪酸エステル、脂肪アミン、脂肪アミンアセテートおよび脂肪アミドが含
まれ得る。他の適切な潤滑剤には、それだけに限らないが、ベヘン酸グリセリル(Com
pritol(商標)888)、ステアリン酸金属塩(例えば、ステアリン酸マグネシウ
ム、カルシウムおよびナトリウム)、ステアリン酸、水添植物油(例えば、Sterot
ex(商標))、タルク、ワックス、例えば蜜蝋およびカルナウバ蝋、シリカ、ヒューム
ドシリカ、コロイド状シリカ、ステアリン酸カルシウム、長鎖脂肪アルコール、ホウ酸、
安息香酸ナトリウムおよび酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、DL-ロイシン、ポリエチ
レングリコール(例えば、Carbowax(商標)4000およびCarbowax(
商標)6000)、オレイン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、ラウ
リル硫酸ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム(Pruv(商標))、ラウリル硫
酸マグネシウム、ステアリン酸、ステアリルアルコール、鉱油、パラフィン、微結晶セル
ロース、グリセリン、プロピレングリコールならびにこれらの組み合わせが含まれ得る。
【0077】
増量剤/ブロッキング防止剤/抗粘着付与剤
剤形に適した増量剤/ブロッキング防止剤/抗粘着付与剤には、それだけに限らないが
、デンプン、加工デンプン、架橋ポリビニルピロリドン、架橋セルロース、微結晶セルロ
ース、シリカ、金属酸化物、炭酸カルシウム、タルクおよびマイカが含まれ得る。
【0078】
希釈剤
本開示による剤形で有用な適切な希釈剤には、それだけに限らないが、ラクトースUS
P、ラクトースUSP(無水)、ラクトースUSP(噴霧乾燥)、デンプンUSP、直接
圧縮性デンプン、マンニトールUSP、ソルビトール、デキストロース一水和物、微結晶
セルロースNF、第二リン酸カルシウム二水和物NF、スクロース系希釈剤、粉砂糖、第
一硫酸カルシウム一水和物、硫酸カルシウム二水和物NF、乳酸カルシウム三水和物顆粒
NF、デキストレートNF(例えば、Emdex(商標))、デキストロース(例えば、
Cerelose(商標))、イノシトール、加水分解穀類固形物、例えばMaltro
ns(商標)およびMor-Rex(商標)、アミロース、粉末セルロース(例えば、E
lcema(商標))、炭酸カルシウム、グリシン、ベントナイト、ポリビニルピロリド
ンなどが含まれる。
【0079】
油/脂肪
剤形中に存在し得る例示的な油および脂肪には、それだけに限らないが、アーモンド油
、アルガン油、アボカド油、キャノーラ油、カシュー油、ヒマシ油、カカオ脂、ヤシ油、
菜種油、トウモロコシ油、綿実油、グレープシード油、ヘーゼルナッツ油、ヘンプ油、水
添レシチン、レシチン、亜麻仁油、マカダミア油、マンゴーバター、マニラ油、モンゴン
ゴナッツ油、オリーブ油、パーム核油、パーム油、落花生油、ペカン油、エゴマ油、松の
実油、ピスタチオ油、ケシ油、カボチャ種子油、米ぬか油、ベニバナ油、ゴマ油、シアバ
ター、大豆油、ヒマワリ油、クルミ油およびスイカ種子油が含まれ得る。PVAシェルの
充填物中に存在し得る他の油および脂肪には、それだけに限らないが、魚油(オメガ-3
)、オキアミ油、例えば、その水添形態の動物または植物脂肪、C12-、C14-、C
16-、C18-、C20-およびC22-脂肪酸とのモノ-、ジ-およびトリ-グリセ
リドが含まれ得る。
【0080】
pH調整剤
剤形中に存在し得る例示的なpH調整剤には、それだけに限らないが、塩酸、水酸化カ
リウム、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、硫酸、リン酸および硝酸が含まれ得る
。
【0081】
他の賦形剤
剤形中に存在し得る他の例示的な賦形剤には、それだけに限らないが、ゼラチン、植物
性タンパク質、例えばヒマワリタンパク質、大豆タンパク質、綿実タンパク質、落花生タ
ンパク質、グレープシードタンパク質、乳清タンパク質、乳清タンパク質単離物、血液タ
ンパク質、卵タンパク質、アクリル化タンパク質、水溶性多糖、例えばアルギン酸塩、カ
ラギーナン、グアーガム、寒天、キサンタンガム、ジェランガム、アラビアガムおよび関
連するガム(ガティガム、カラヤガム、トラガントガム)、ペクチン、セルロースの水溶
性誘導体:アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロースおよびヒドロキシアルキ
ルアルキルセルロース、例えばメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、セル
ロースエステルおよびヒドロキシアルキルセルロースエステル、例えば酢酸フタル酸セル
ロース(CAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC);カルボキシアル
キルセルロース、カルボキシアルキルアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロー
スエステル、例えばカルボキシメチルセルロースおよびそのアルカリ金属塩;水溶性合成
ポリマー、例えばポリアクリル酸、ポリアクリルアミドおよびポリアクリル酸エステル、
ポリメタクリル酸、ポリメタクリルアミドおよびポリメタクリル酸エステル、ポリ酢酸ビ
ニル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸フタル酸ビニル(PVAP)、ポリビニルピロリ
ドン(PVP)、PVY/酢酸ビニルコポリマーおよびポリクロトン酸が含まれ得;フタ
ル化ゼラチン、コハク酸ゼラチン、架橋ゼラチン、シェラック、デンプンの水溶性化学誘
導体、例えば、第三級または第四級アミノ基、例えば所望であれば四級化されていてもよ
い、ジエチルアミノエチル基を有するカチオン性修飾アクリレートおよびメタクリレート
;ならびに他の同様のポリマー;無機充填剤、例えばマグネシウム、アルミニウム、ケイ
素、チタン等の酸化物も適している。
【0082】
剤形中に使用され得る他の薬学的に許容される賦形剤は、限定されることなく、それだ
けに限らないが、可消化、長鎖(C8~C50、特にC12~C40)、置換または非置
換炭化水素、例えば天然または合成ワックス(蜜蝋、グリコワックス(glycowax)、ヒマ
シ油ワックスおよびカルナウバ蝋など)、脂肪アルコール(ラウリル、ミリスチル、ステ
アリル、セチルまたは好ましくはセトステアリルアルコールなど)、それだけに限らない
が、中鎖脂肪酸(カプリル、カプリン、カプロン、ラウリン、オレイン、リノールなど)
のモノ-ジグリセリド、中鎖トリグリセリド、脂肪酸エステル、脂肪酸グリセリド(モノ
-、ジ-およびトリ-グリセリド)を含む脂肪酸、硬化脂肪、炭化水素、ノルマルワック
ス、ステアリン酸、ステアリルアルコールを含む疎水性材料、ならびに炭化水素骨格を有
する疎水性および親水性材料を含み得る。
【0083】
追加の薬学的に許容される賦形剤にはさらに、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロ
リドン、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリル酸、セルロース、セルロースエーテル、
セルロースエステル、セルロースアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリカルボン酸および塩、酢
酸、カプリル酸、オレイン酸、ポリアミノ酸またはペプチド、ポリアミド、ポリアクリル
アミド、マレイン酸/アクリル酸のコポリマー、デンプンおよびゼラチンを含む多糖、天
然ガム、例えばキサンタンおよびカラギーナンが含まれ得る。例えば、ポリマーは、ポリ
アクリレートおよび水溶性アクリレートコポリマー、メチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレート、
ならびにこれらの組み合わせから選択することができる、またはポリビニルアルコール、
ポリビニルアルコールコポリマーおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC
)、メタクリル酸/メタクリル酸メチル、メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマー、
メタクリル酸/アクリル酸メチル/メタクリル酸メチルコポリマー、シェラック、ヒドロ
キシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテ
ートスクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルローストリメリテート、酢酸フタル酸
セルロース、ポリ酢酸フタル酸ビニル、PEG-35ヒマシ油、カプリロカプロイルポリ
オキシル-8グリセリド、ジステアリン酸グリセリル、ならびにこれらの組み合わせから
選択することができる。
【0084】
HLB値が10超の界面活性剤
適切な高HLB界面活性剤には、限定されないが、ポリソルベート80-ポリオキシエ
チレン(20)ソルビタンモノオレエート、ポリオキシル40水添ヒマシ油、ポリオキシ
ル35ヒマシ油、カプリロカプロイルマクロゴールグリセリド、およびこれらの組み合わ
せが含まれ得る。
【0085】
放出速度
本明細書に開示される剤形は、即時放出プロファイルを示し得る。
【0086】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示される剤形が、約37℃の水性媒体(約1~
約8に及ぶpH)中、USP装置1(40号メッシュバスケット)、USP装置2(パド
ル)またはUSP装置3(往復シリンダー)でのインビトロ溶解によって測定した場合に
、15分以内で活性剤の少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%
、少なくとも約95%または少なくとも約98%を放出する。
【0087】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示される剤形が、37℃の水性媒体(約1~約
8に及ぶpH)中、USP装置1(40号メッシュバスケット)、USP装置2(パドル
)またはUSP装置3(往復シリンダー)でのインビトロ溶解によって測定した場合に、
30分以内で活性剤の少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、
少なくとも約95%または少なくとも約98%を放出する。
【0088】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示される剤形が、37℃の水性媒体(約1~約
8に及ぶpH)中、USP装置1(40号メッシュバスケット)、USP装置2(パドル
)またはUSP装置3(往復シリンダー)でのインビトロ溶解によって測定した場合に、
45分以内で活性剤の少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、
少なくとも約95%または少なくとも約98%を放出する。
【0089】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示される剤形が、室温で、水性媒体(約1~約
8に及ぶpH)中、USP装置1(40号メッシュバスケット)、USP装置2(パドル
)またはUSP装置3(往復シリンダー)でのインビトロ溶解によって測定した場合に、
60分以内で活性剤の少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、
少なくとも約95%または少なくとも約98%を放出する。
【0090】
本明細書に開示される剤形は、持続放出プロファイルを示し得る。
【0091】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示される剤形が、各場合で、37℃の水性媒体
(pH1~8)中、100rpmのUSP装置1(バスケット)、50rpm、75rp
mもしくは100rpmのUSP装置2(パドル)またはUSP装置3(往復シリンダー
)でのインビトロ溶解によって測定した場合に、1時間で活性剤の約10重量%~約30
重量%、2時間で活性剤の約25重量%~約50重量%、4時間で活性剤の約40重量%
~約80重量%、8時間で活性剤の約65重量%~約95重量%、12時間で約80重量
%~約100重量%および24時間で活性剤の90重量%超を放出し得る。
【0092】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示される剤形が、各場合で、37℃の水性媒体
(pH1~8)中、100rpmのUSP装置1(バスケット)、50rpm、75rp
mもしくは100rpmのUSP装置2(パドル)またはUSP装置3(往復シリンダー
)でのインビトロ溶解によって測定した場合に、1時間で活性剤の約15重量%~約25
重量%、2時間で活性剤の約30重量%~約40重量%、4時間で活性剤の約55重量%
~約75重量%、8時間で活性剤の約75重量%~約85重量%、12時間で約90重量
%~約100重量%および24時間で活性剤の95重量%超を放出し得る。
【0093】
ある特定の実施形態では、加速安定性試験後の剤形からの医薬品有効成分の放出プロフ
ァイルが、その加速安定性試験前の放出プロファイルに匹敵する。一部の実施形態では、
加速安定性試験後の剤形からの医薬品有効成分の放出プロファイルが、加速安定性試験前
の剤形からの医薬品有効成分の放出プロファイルと比較して、約50以上(例えば、約5
0、約55、約60、約65、約70または約75~約80、約85、約90、約95ま
たは約100)の類似性因子(f2)を有し得る。「匹敵する」または「類似性因子(f
2)」という用語は、本明細書で互換的に使用され、加速安定性試験後の医薬品有効成分
の放出プロファイルが、加速安定性試験前の医薬品有効成分の放出プロファイルと比較し
て、f2が約50以上である場合に、類似または生物学的同等とみなされることを意味し
得る。
【0094】
類似性因子(f2)は、試験製品と参照製品の溶解プロファイルを比較する際に使用さ
れ得る。類似性因子(f2)は、固体経口剤形の生物学的同等性試験に関する、2017
年12月に発行されたFDAの業界向けガイダンス(https://www.fda.gov/regulatory-i
nformation/search-fda-guidance-documents/waiver-vivo-bioavailability-and-bioequi
valence-studies-immediate-release-solid-oral-dosage-forms、第III節、パートC
、参照により本明細書に組み込まれる)に示されるように、以下の式に基づいて計算され
得る:
【0095】
【数1】
(式中、nは時点の数であり、R
tは時間tにおける参照バッチの溶解値であり、T
tは
時間tにおける試験バッチの溶解値である)。
【0096】
本明細書の実施形態による加速安定性試験は、約2日間、約5日間、約7日間、約14
日間、約21日間、約28日間、約56日間、約84日間、約112日間、約140日間
、約168日間、約365日間、約1カ月間、約2カ月間、約3カ月間、約6カ月間、約
12カ月間、約2日~約12カ月間、約7日~約12カ月間、約1カ月~約12カ月間、
約1カ月~約6カ月間、または約1カ月~約3カ月間実施され得る。ある実施形態では、
加速安定性試験が、少なくとも約1カ月間実施され得る。ある実施形態では、加速安定性
試験が、少なくとも約2カ月間実施され得る。ある実施形態では、加速安定性試験が、少
なくとも約3カ月間実施され得る。
【0097】
本明細書の実施形態による加速安定性試験は、約25℃~約40℃に及ぶ温度および約
60%~約75%に及ぶ湿度で実施され得る。ある特定の実施形態では、加速安定性試験
が、温度約40℃および相対湿度約75%で実施され得る。
【0098】
一実施形態では、約1カ月間の40℃および75%相対湿度の加速安定性試験後のある
実施形態による剤形からのAPIの放出プロファイルとその加速安定性試験前の放出プロ
ファイルとの間の類似性因子(f2)が、約50~約70、約55~約65、または約5
8~約62に及ぶ。
【0099】
一実施形態では、約2カ月間の40℃および75%相対湿度の加速安定性試験後のある
実施形態による剤形からのAPIの放出プロファイルとその加速安定性試験前の放出プロ
ファイルとの間の類似性因子(f2)が、約50~約70、約53~約68、または約5
5~約66に及ぶ。
【0100】
一実施形態では、約3カ月間の40℃および75%相対湿度の加速安定性試験後のある
実施形態による剤形からのAPIの放出プロファイルとその加速安定性試験前の放出プロ
ファイルとの間の類似性因子(f2)が、約50~約95、約51~約60、約52~約
55、約85~約95、または約88~約92に及ぶ。
【0101】
剤形からの医薬品有効成分(API)の放出/溶解プロファイルは、参照により本明細
書に組み込まれる、2017年12月のFDAガイダンス(https://www.fda.gov/regula
tory-information/search-fda-guidance-documents/waiver-vivo-bioavailability-and-b
ioequivalence-studies-immediate-release-solid-oral-dosage-forms)に従って測定さ
れ得る。具体的には、APIの放出/溶解プロファイルは、500mL(または正当な理
由により900mL)の以下の溶解媒体:(1)酵素を含まない、0.1N HClまた
は人工胃液(SGF)USP、(2)pH4.5バッファー、(3)酵素を含まない、p
H6.8バッファーまたは人工腸液USPを使用して、37℃の水性媒体(pH1~8)
中、100rpmのUSP装置1(バスケット)、50rpm、75rpmもしくは10
0rpmのUSP装置2(パドル)またはUSP装置3(往復シリンダー)でのインビト
ロ溶解によって測定され得る。
【0102】
本明細書に開示される剤形が、約25℃~約40℃の範囲内の少なくとも1つの温度値
(例えば、約40℃)で、ならびに約60%~約75%の範囲内の少なくとも1つの湿度
値(例えば、約75%湿度)で、ならびに時点T=1カ月、T=2カ月およびT=3カ月
の少なくとも1つの時点後に、実施される安定性試験後に、(加速安定性試験前の放出プ
ロファイルに)匹敵する放出プロファイルを示すことが理解されるべきである。剤形は、
必ずしもそうではないが、列挙される範囲内の全ての単一温度、湿度、および時点値で実
施される安定性試験後に、(加速安定性試験前の放出プロファイルに)匹敵する放出プロ
ファイルを示し得る。よって、その安定性試験前の放出プロファイルに匹敵する、例えば
30℃、70%湿度、およびT=1カ月での加速安定性試験後の放出プロファイルを維持
する剤形は、たとえその同じ剤形が、例えば35℃、75%湿度、およびT=3カ月での
加速安定性試験後に匹敵する放出プロファイルを維持しない場合でも、列挙される特徴を
満たすだろう。同様に、剤形は、例えば40℃、75%湿度、およびT=1カ月での加速
安定性試験後に50超の類似性因子(f2)を示し、たとえその同じ剤形が、例えば40
℃、75%湿度、およびT=2カ月での加速安定性試験後に50超の類似性因子(f2)
を示さない場合でも、列挙される特徴を満たすだろう。
【0103】
調製、安定化および処置の方法
一部の実施形態では、本発明は、剤形の放出プロファイルを安定化する方法に関する。
本方法は、界面活性剤および少なくとも1つの固体または半固体脂質を、医薬品有効成分
を含む剤形に組み込むステップと、剤形を硬化するステップとを含み得る。界面活性剤は
、HLB値が10未満であり得る。加速安定性試験後のこの方法によって安定化された剤
形からの医薬品有効成分の放出プロファイルは、その加速安定性試験前の放出プロファイ
ルに匹敵し得る。
【0104】
界面活性剤と少なくとも1つの固体または半固体脂質を組み込むステップは、均質な混
合物を形成することを含み得る。均質な混合物はマトリックスを形成し得る。
【0105】
剤形を硬化するステップは、約10℃~約100℃、約20℃~約80℃、または約3
0℃~約60℃に及ぶ温度で実施され得る。硬化の持続時間は、約1時間~約14日間、
約2時間~約10日間、または約3時間~約7日間に及び得る。ある実施形態では、剤形
を硬化するステップが、温度50℃で約7日間実施され得る。
【0106】
一部の実施形態では、剤形からの医薬品有効成分の放出プロファイルを安定化する方法
が、医薬品有効成分を均質な混合物またはマトリックスに溶解または懸濁するステップを
さらに含み得る。
【0107】
ある特定の実施形態では、剤形からの医薬品有効成分の放出プロファイルを安定化する
方法が、ロータリーダイ機を使用して、均質な混合物またはマトリックスに溶解または懸
濁した医薬品有効成分を予備成形キャビティに添加するステップをさらに含み得る。次い
で、添加されたブリスターキャビティを冷却し、密封することができる。このアプローチ
は、充填剤の必要性を排除し、それによって、使用される溶解性および/またはバイオア
ベイラビリティ増強材料の量を最大化することができる。
【0108】
他の実施形態では、剤形からの医薬品有効成分の放出プロファイルを安定化する方法が
、均質な混合物またはマトリックス内の溶解または懸濁した医薬品有効成分を、ソフトシ
ェルカプセルまたはハードシェルカプセル(例えば、ソフトゼラチンカプセルまたはデン
プンもしくはカラギーナンベースのカプセル)に充填するステップをさらに含み得る。
【0109】
さらに他の実施形態では、剤形からの医薬品有効成分の放出プロファイルを安定化する
方法が、均質な混合物またはマトリックス内の溶解または懸濁した医薬品有効成分を凝固
させるステップと、均質な混合物またはマトリックス内の凝固した医薬品有効成分を錠剤
に圧縮するステップとをさらに含み得る。均質な混合物またはマトリックス内の溶解また
は懸濁した医薬品有効成分を凝固させるステップは、均質な混合物またはマトリックス内
の溶解または懸濁した医薬品有効成分を、トンネル乾燥機中で乾燥させること、凍結乾燥
すること、または冷却することを含み得る。
【0110】
さらなる実施形態では、剤形からの医薬品有効成分の放出プロファイルを安定化する方
法が、均質な混合物またはマトリックス内の溶解または懸濁した医薬品有効成分を押し出
すステップをさらに含み得る。
【0111】
一部の実施形態では、本発明は、剤形を調製する方法に関する。1つの例示的な方法は
、医薬品有効成分を界面活性剤および少なくとも1つの固体または半固体脂質と混合して
、混合物を形成するステップを含み得る。本方法は、混合物を加熱して少なくとも1つの
固体または半固体脂質を融解して、融解混合物を形成するステップをさらに含み得る。本
方法は、融解混合物を剤形に成形するステップと、剤形を硬化するステップとをさらに含
み得る。
【0112】
一実施形態では、融解混合物を剤形に成形するステップが、融解混合物を予備成形ブリ
スターキャビティに添加することを含み得る。一実施形態では、融解混合物を剤形に成形
するステップが、融解混合物をハードシェルカプセルまたはソフトシェルカプセルにカプ
セル化することを含み得る。
【0113】
別の例示的な方法は、押出機中で医薬品有効成分をHLB値が10未満の界面活性剤お
よび少なくとも1つの固体または半固体脂質と混合するステップを含み得る。本方法は、
医薬品有効成分、界面活性剤、および少なくとも1つの固体または半固体脂質を押し出し
て、剤形を成形するステップをさらに含み得る。本方法は、剤形を硬化するステップをさ
らに含み得る。
【0114】
さらに別の例示的な方法は、医薬品有効成分、HLB値が10未満の界面活性剤、およ
び少なくとも1つの固体または半固体脂質を溶媒に可溶化/溶解するステップを含み得る
。本方法は、可溶化/溶解した医薬品有効成分、界面活性剤、および少なくとも1つの固
体または半固体脂質を噴霧乾燥または噴霧凝固造粒して粉末を形成するステップをさらに
含み得る。本方法は、粉末を硬化するステップをさらに含み得る。
【0115】
加速安定性試験後のこれらの方法によって調製された剤形からの医薬品有効成分の放出
プロファイルは、その加速安定性試験前の放出プロファイルに匹敵し得る。
【0116】
本明細書に記載されるさまざまな調製方法における剤形を硬化するステップは、約10
℃~約100℃、約20℃~約80℃、または約30℃~約60℃に及ぶ温度で実施され
得る。硬化の持続時間は、約1時間~約14日間、約2時間~約10日間、または約3時
間~約7日間に及び得る。ある実施形態では、剤形を硬化するステップが、温度50℃で
約7日間実施され得る。
【0117】
本明細書に開示される医薬品有効成分、界面活性剤、固体または半固体脂質、溶媒なら
びに他の充填剤および/または賦形剤のいずれも、本明細書に開示される方法のいずれか
のさまざまなステップで剤形に組み込まれ得る(例えば、さまざまな追加の成分が、固体
または半固体脂質、HLB値が10未満の界面活性剤、および医薬品有効成分と、混合、
溶解、懸濁、加熱、冷却、硬化、押し出し、凝固、乾燥等され得る)。
【0118】
一部の実施形態では、本発明は、処置方法であって、治療上有効量の本明細書に開示さ
れる剤形のいずれかを、それを必要とする患者に投与するステップを含む方法に関する。
【実施例0119】
以下の実施例は本開示の理解を助けるために示されるものであり、本明細書に記載およ
び請求される本開示を具体的に限定するものと解釈されるべきではない。当業者の範囲内
にある、現在知られているまたは後に開発される全ての等価物の置換、および配合の変更
または実験設計の若干の変更を含む、本開示のこのようなバリエーションは、本明細書に
組み込まれる開示の範囲に入るとみなされるべきである。
【0120】
[実施例1]
3つの製剤(以下の表1に要約)の溶解/放出プロファイルを
図1A、
図1B、
図2A
、
図2B、
図3Aおよび
図3Bに示す。
図1A、
図2Aおよび
図3Aは非硬化製剤の溶解
/放出プロファイルを示す。
図1B、
図2Bおよび
図3Bは硬化製剤の溶解/放出プロフ
ァイルを示す。
図1B、
図2Bおよび
図3Bの製剤は温度約50℃で約7日間硬化した。
各製剤(硬化および非硬化)の溶解プロファイルを、加速安定性試験中の4つの時点:1
)調製直後(T=0)、2)1カ月の貯蔵後(T=1カ月)、3)2カ月の貯蔵後(T=
2カ月)、および4)3カ月の貯蔵後(T=3カ月)で試験した。加速安定性試験の貯蔵
条件は40℃および75%相対湿度であった。全ての試料を3連で評価した。
【0121】
【0122】
図1Aは、T=0、T=1カ月、T=2カ月およびT=3カ月で試験した、12時間に
わたる非硬化試料1Aの溶解/放出プロファイルを示す。各試料を3連で評価した。平均
した数値を以下の表2に要約する。
【0123】
【0124】
【0125】
図1Bは、T=0、T=1カ月、T=2カ月およびT=3カ月で試験した、12時間に
わたる硬化試料1Bの溶解/放出プロファイルを示す。各試料を3連で評価した。平均し
た数値を以下の表3に要約する。
【0126】
【0127】
【0128】
図2Aは、T=0、T=1カ月、T=2カ月およびT=3カ月で試験した、24時間に
わたる非硬化試料2Aの溶解/放出プロファイルを示す。各試料を3連で評価した。平均
した数値を以下の表4に要約する。
【0129】
【0130】
【0131】
図2Bは、T=0、T=1カ月、T=2カ月およびT=3カ月で試験した、24時間に
わたる硬化試料2Bの溶解/放出プロファイルを示す。各試料を3連で評価した。平均し
た数値を以下の表5に要約する。
【0132】
【0133】
【0134】
図3Aは、T=0、T=1カ月、T=2カ月およびT=3カ月で試験した、24時間に
わたる非硬化試料3Aの溶解/放出プロファイルを示す。各試料を3連で評価した。平均
した数値を以下の表6に要約する。
【0135】
【0136】
【0137】
図3Bは、T=0、T=1カ月、T=2カ月およびT=3カ月で試験した、24時間に
わたる硬化試料3Bの溶解/放出プロファイルを示す。各試料を3連で評価した。平均し
た数値を以下の表7に要約する。
【0138】
【0139】
【0140】
試料(試料1A、試料1B、試料2A、試料2B、試料3Aおよび試料3B)の各々に
ついての、a)T=0と比較したT=1カ月、b)T=0と比較したT=2カ月、および
c)T=0と比較したT=3カ月の類似性因子を以下の表8に要約する。
【0141】
【0142】
表8で分かるように、比較非硬化試料1Aは、50未満の類似性因子(f2)によって
証明されるように、T=1カ月およびT=2カ月での加速安定性試験(40℃および75
%相対湿度)後のAPI放出プロファイルの変動を示す。3カ月間(T=3カ月)の加速
安定性試験(40℃および75%相対湿度)の条件への曝露で、試料は意図していない硬
化を受け、これが類似性因子の改善(約65のf2)をもたらしていると考えられる。
【0143】
比較試料1Bは、非硬化試料1AのT=1カ月でのf2値28.14と比較して、硬化
試料1BのT=1カ月でのより高いf2値44.24によって証明されるように、硬化が
経時的な剤形からのAPI放出プロファイルの安定性を改善することを示している。試料
は追加の意図していない硬化を受けると考えられているので、T=2カ月およびT=3カ
月で硬化試料1Bについてのf2値のさらなる改善が見られる。それにもかかわらず、限
定するものと解釈されるものではないが、硬化単独では、加速安定性試験の全ての時点(
T=1カ月、2カ月および3カ月)で50以上の類似性因子、f2をもたらすには不十分
であると考えられる。
【0144】
試料2Aおよび3Aは、低HLB界面活性剤を導入したが、硬化しなかった試料を示す
。限定するものと解釈されるものではないが、低HLB界面活性剤単独では、加速安定性
試験の全ての時点(T=1カ月、2カ月および3カ月)で50以上の類似性因子、f2を
もたらすには不十分であると考えられる。これは、時間T=2カ月での試料2Aのf2値
47.08および時間T=1カ月での試料3Aのf2値41.05によって証明され得る
。
【0145】
対照的に、低HLB界面活性剤を導入し、硬化に供した試料2Bおよび3Bは、加速安
定性試験の全ての時点(T=1カ月、2カ月および3カ月)で50以上の類似性因子、f
2を一貫して示す。
【0146】
図面および表から分かるように、低HLB界面活性剤を製剤に組み込み、製剤を硬化に
供することによって、経時的なAPI放出プロファイルの変化が軽減され、経時的な剤形
からの医薬品有効成分の溶解/放出プロファイルが安定化される。限定するものと解釈さ
れるものではないが、低HLB界面活性剤の製剤への導入なしでの硬化単独では不十分で
あり得、剤形の硬化なしでの低HLB界面活性剤の導入単独でも不十分であり得ると考え
られる。
【0147】
説明を簡単にするために、本開示の方法の実施形態を一連の行為として示し、記載して
いる。しかしながら、本開示による行為はさまざまな順序でおよび/または同時に、本明
細書に提示も記載もされていない他の行為と共に行うことができる。さらに、開示される
主題による方法を実施するために全ての例示される行為が必要とされなくてもよい。さら
に、当業者であれば、本方法を代わりに状態図またはイベントを介して一連の相互関係の
ある状態として表すことができることを理解および認識するだろう。
【0148】
前記説明で、本発明の完全な理解を提供するために、具体的な材料、寸法、プロセスパ
ラメータ等などの多数の具体的な詳細を示している。特定の特徴、構造、材料または特性
を1つまたは複数の実施形態で、任意の適切な方法で組み合わせることができる。「例」
または「例示的」という単語は、例、実例(instance)または例示として役立つことを意
味するために本明細書で使用される。「例」または「例示的」として本明細書に記載され
るいずれの態様も設計も、他の態様または設計に対して好ましいまたは有利であると必ず
しも解釈されるべきではない。むしろ、「例」または「例示的」という単語の使用は、本
概念を具体的に提示することを意図している。本出願で使用される場合、「または」とい
う用語は、排他的な「または」ではなく包括的な「または」を意味することを意図してい
る。すなわち、特に指定しない限り、または文脈から明らかでない限り、「XはAまたは
Bを含む」は、自然の包括的な順列のいずれかを意味することを意図している。すなわち
、XがAを含む;XがBを含む;またはXがAとBの両方を含む場合に、「XはAまたは
Bを含む」が前記例のいずれかの下で満たされる。本明細書全体を通した「ある実施形態
」、「ある特定の実施形態」または「一実施形態」への言及は、その実施形態に関連して
記載される特定の特徴、構造または特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意
味する。よって、本明細書全体を通したさまざまな場所での「ある実施形態」、「ある特
定の実施形態」または「一実施形態」という句の出現は、必ずしも全て同じ実施形態に言
及しているわけではない。
【0149】
本発明は、その具体的な例示的実施形態を参照して記載されている。したがって、本明
細書および図面は、制限的意味ではなく例示的意味で考えられるべきである。本明細書に
示され、記載されるものに加えて、本発明のさまざまな修正が、当業者に明らかとなり、
添付の特許請求の範囲の範囲に入ることを意図している。