(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024105350
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】空気浄化モジュール
(51)【国際特許分類】
A61L 9/00 20060101AFI20240730BHJP
A61L 9/18 20060101ALI20240730BHJP
F25D 23/00 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
A61L9/00 C
A61L9/18
F25D23/00 302M
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024071383
(22)【出願日】2024-04-25
(62)【分割の表示】P 2021518597の分割
【原出願日】2019-10-04
(31)【優先権主張番号】10-2018-0119725
(32)【優先日】2018-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2018-0150412
(32)【優先日】2018-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】506029004
【氏名又は名称】ソウル バイオシス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SEOUL VIOSYS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】65-16,Sandan-ro 163 Beon-gil,Danwon-gu,Ansan-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ジェ ハク
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジ ウォン
(72)【発明者】
【氏名】シン,サン チョル
(57)【要約】 (修正有)
【課題】脱臭効率が向上した空気浄化モジュールを提供する。
【解決手段】空気浄化モジュールは、通過する空気を浄化する光触媒フィルター10と、所定の方向に光触媒フィルターと離隔して配置され、光触媒フィルターの一面に光を提供する光源部20と、を含み、光源部は、基板23と、基板の上に配置された発光素子21と、を含み、基板は、光触媒フィルターの一面と対向し、第1開口を有する光触媒対応領域と、光触媒対応領域の外側において、第2開口を有する外郭領域と、を含み、第1開口の密度は、第2開口の密度よりも大きい。光触媒フィルターは、空気が通過する複数の貫通口を含み、第1の開口、第2の開口、及び複数の貫通口は、所定の方向に貫通している。所定の方向から眺めたとき、基板は、光触媒フィルターよりも大きな面積を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を浄化する空気浄化モジュールにおいて、
第1方向に沿って順次配置された光触媒フィルター及び光源部を含み、
前記光源部は、前記光触媒フィルターと離隔した状態で前記光触媒フィルターに光を提供し、基板、及び前記基板上に設けられた発光素子を含み、
前記基板は、前記基板から前記光触媒フィルター方向に空気が進行するとき、前記光触媒フィルターによる空気浄化効果が高くなるように前記空気の流路及び流速を制御する少なくとも一つの開口を含み、前記開口は1.0mm~3.0mmの直径を有する空気浄化モジュール。
【請求項2】
前記光触媒フィルターは、前記空気の流路と平行な多数個の貫通口を有し、前記基板の開口と互いに平行な方向に配置される、請求項1に記載の空気浄化モジュール。
【請求項3】
前記光触媒フィルターの貫通口と前記基板の開口は、前記第1方向に沿って前記光触媒フィルター及び前記基板を貫通する、請求項2に記載の空気浄化モジュール。
【請求項4】
前記発光素子から出射された光が到逹する領域を照射領域としたとき、前記光触媒フィルターの少なくとも一部は前記照射領域内に配置される、請求項1に記載の空気浄化モジュール。
【請求項5】
前記開口は複数個設けられ、前記基板は、互いに隣接した各照射領域間に対応する領域に設けられ、前記各開口が設けられない放熱部を含む、請求項4に記載の空気浄化モジュール。
【請求項6】
前記各照射領域は行列状に設けられ、前記放熱部は、互いに隣接した各行間及び互いに隣接した各列間ごとに設けられる、請求項5に記載の空気浄化モジュール。
【請求項7】
前記光触媒フィルター及び前記光源部を収納し、前記第1方向に沿って前記空気が移動する各開口を有するハウジングをさらに含む、請求項6に記載の空気浄化モジュール。
【請求項8】
前記ハウジングは、前記放熱部に対応する位置に設けられるリブを含む、請求項7に記載の空気浄化モジュール。
【請求項9】
前記第1方向で見たとき、前記基板の面積は、前記光触媒フィルターの面積より大きく、前記光触媒フィルターは、前記基板に対応する光触媒対応領域と、前記光触媒対応領域以外の外郭領域と、を有する、請求項1に記載の空気浄化モジュール。
【請求項10】
前記基板において、前記開口は、前記光触媒対応領域と前記外郭領域のそれぞれに複数個設けられ、前記光触媒対応領域に設けられた各開口の大きさは、前記外郭領域に設けられた各開口の大きさより大きい、請求項9に記載の空気浄化モジュール。
【請求項11】
前記基板において、前記各開口は、前記光触媒対応領域に設けられ、前記外郭領域には設けられていない、請求項10に記載の空気浄化モジュール。
【請求項12】
前記光源部は複数個設けられた、請求項1に記載の空気浄化モジュール。
【請求項13】
前記光源部は、前記光触媒フィルターを挟んで互いに向かい合う第1光源部及び第2光源部を含む、請求項12に記載の空気浄化モジュール。
【請求項14】
前記第1光源部と前記第2光源部の各発光素子は、前記光触媒フィルターを挟んで互いに向かい合い、
前記第1光源部及び前記第2光源部の開口はそれぞれ複数個設けられる、請求項13に記載の空気浄化モジュール。
【請求項15】
前記第1方向に沿って見たとき、前記第1光源部の各開口と前記第2光源部の各開口は互いに重畳する位置に配置された、請求項14に記載の空気浄化モジュール。
【請求項16】
前記第1方向に沿って見たとき、前記第1光源部の各開口と前記第2光源部の各開口は、少なくとも一部が互いに重畳していない位置に配置された、請求項14に記載の空気浄化モジュール。
【請求項17】
前記第1光源部の各開口及び前記第2光源部の各開口は互いに異なる大きさを有する、請求項14に記載の空気浄化モジュール。
【請求項18】
前記第1方向に沿って見たとき、前記第1光源部及び前記第2光源部は、互いに重畳する位置に配置された複数個の領域を含み、前記発光素子は、前記第1光源部の各領域のうち少なくとも一つ、及び前記第2光源部の各領域のうち少なくとも一つに配置された、請求項14に記載の空気浄化モジュール。
【請求項19】
前記第1方向に沿って見たとき、前記発光素子が配置された前記第1光源部の各領域のうち少なくとも一つと、前記発光素子が配置された前記第2光源部の各領域のうち少なくとも一つは互いに重畳していない、請求項18に記載の空気浄化モジュール。
【請求項20】
前記第1及び第2光源部のそれぞれにおいて、前記発光素子が配置された各領域と、前記発光素子が配置されていない各領域に設けられた前記各開口の直径は互いに異なる、請求項19に記載の空気浄化モジュール。
【請求項21】
前記第1及び第2光源部のそれぞれにおいて、前記発光素子が配置された各領域に設けられた各開口の直径は、前記発光素子が配置されていない各領域に設けられた前記各開口の直径より大きい、請求項20に記載の空気浄化モジュール。
【請求項22】
前記第1及び第2光源部のそれぞれにおいて、前記発光素子が配置された各領域に設けられた各開口の面積と、前記発光素子が配置されていない各領域に設けられた前記各開口の面積との差は20%以下である、請求項21に記載の空気浄化モジュール。
【請求項23】
前記光触媒フィルター又は前記光源部に隣接するように配置され、前記第1方向に沿って前記光触媒フィルター側に前記空気を均一な流速及び流量で提供するための空気分配器をさらに含む、請求項1に記載の空気浄化モジュール。
【請求項24】
前記空気分配器は、その内部に前記空気が貫通する各空隙を有する、請求項1に記載の空気浄化モジュール。
【請求項25】
前記各空隙の平均直径は、前記基板の各開口の平均直径より小さい、請求項24に記載の空気浄化モジュール。
【請求項26】
前記空気分配器は、有機系抗菌物質及び無機系抗菌物質のうち少なくとも一つを含む、請求項24に記載の空気浄化モジュール。
【請求項27】
請求項1から請求項26のいずれか1項の空気浄化モジュールを含む冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気浄化モジュール及びこれを含む冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫は、食品を冷蔵・保管する貯蔵室と、貯蔵室に冷気を供給する冷気供給装置とを備えており、食品を新鮮に保管する家電機器である。
【0003】
冷蔵庫に保管される食品としては、魚の生臭さやキムチなどの発酵食品の臭いなどの多様な臭いを有するものが多い。このような臭いは、冷蔵庫に染み込み、ユーザーに不快感を誘発し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、脱臭効率が向上した空気浄化モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
空気を浄化する空気浄化モジュールにおいて、本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールは、第1方向に沿って順次配置された光触媒フィルター及び光源部を含む。前記光源部は、前記光触媒フィルターと離隔した状態で前記光触媒フィルターに光を提供し、基板、及び前記基板上に設けられた発光素子を含み、前記基板は、前記基板から前記光触媒フィルター方向に空気が進行するとき、前記光触媒フィルターによる空気浄化効果が高くなるように前記空気の流路及び流速を制御する少なくとも一つの開口を含み、前記開口は1.0mm~3.0mmの直径を有する。
【0006】
本発明の一実施形態において、前記光触媒フィルターは、前記空気の流路と平行な多数個の貫通口を有し、前記基板の開口と互いに平行な方向に配置されてもよい。
【0007】
本発明の一実施形態において、前記光触媒フィルターの貫通口及び前記基板の開口は、前記第1方向に沿って前記光触媒フィルター及び前記基板を貫通し得る。
【0008】
本発明の一実施形態において、前記発光素子から出射された光が到逹する領域を照射領域としたとき、前記光触媒フィルターの少なくとも一部は、光が照射される照射領域内に配置される。
【0009】
本発明の一実施形態において、前記開口は複数個設けられ、前記基板は、互いに隣接した各照射領域間に対応する領域に設けられ、前記各開口が設けられない放熱部を含んでもよい。
【0010】
本発明の一実施形態において、前記各照射領域は行列状に設けられ、前記放熱部は、互いに隣接した各行間及び互いに隣接した各列間ごとに設けられてもよい。
【0011】
本発明の一実施形態において、空気浄化モジュールは、前記光触媒フィルター及び前記光源部を収納し、前記第1方向に沿って前記空気が移動する各開口を有するハウジングをさらに含んでもよい。
【0012】
本発明の一実施形態において、前記ハウジングは、前記放熱部に対応する位置に設けられるリブを含んでもよい。
【0013】
本発明の一実施形態において、前記第1方向で見たとき、前記基板の面積は前記光触媒フィルターの面積より大きく、前記光触媒フィルターは、前記基板に対応する光触媒対応領域と、前記光触媒対応領域以外の外郭領域とを有してもよい。
【0014】
本発明の一実施形態において、前記基板において、前記各開口は、前記光触媒対応領域及び前記外郭領域のそれぞれに複数個設けられ、前記光触媒対応領域に設けられた各開口の大きさは、前記外郭領域に設けられた各開口の大きさより大きくてもよい。
【0015】
本発明の一実施形態において、前記基板において、前記各開口は、前記光触媒対応領域に設けられ、前記外郭領域には設けられなくてもよい。
【0016】
本発明の一実施形態において、前記光源部は複数個設けられてもよい。本発明の一実施形態において、前記光源部は、前記光触媒フィルターを挟んで互いに向かい合う第1光源部及び第2光源部を含んでもよい。本発明の一実施形態において、前記第1光源部と前記第2光源部の各発光素子は、前記光触媒フィルターを挟んで互いに向かい合い、前記第1光源部及び前記第2光源部の開口はそれぞれ複数個設けられてもよい。
【0017】
本発明の一実施形態において、前記第1方向に沿って見たとき、前記第1光源部の各開口と前記第2光源部の各開口は互いに重畳する位置に配置されてもよい。又は、前記第1方向に沿って見たとき、前記第1光源部の各開口と前記第2光源部の各開口は、少なくとも一部が互いに重畳しない位置に配置されてもよい。
【0018】
本発明の一実施形態において、前記第1光源部の各開口及び前記第2光源部の各開口は互いに異なる大きさを有してもよい。
【0019】
本発明の一実施形態において、前記第1方向に沿って見たとき、前記第1光源部及び前記第2光源部は、互いに重畳する位置に配置された複数個の領域を含み、前記発光素子は、前記第1光源部の各領域のうち少なくとも一つ、及び前記第2光源部の各領域のうち少なくとも一つに配置されてもよい。
【0020】
本発明の一実施形態において、前記第1方向に沿って見たとき、前記発光素子が配置された前記第1光源部の各領域のうち少なくとも一つと、前記発光素子が配置された前記第2光源部の各領域のうち少なくとも一つは互いに重畳しなくてもよい。
【0021】
本発明の一実施形態において、前記第1及び第2光源部のそれぞれにおいて、前記発光素子が配置された各領域と、前記発光素子が配置されていない各領域に設けられた前記各開口の直径は互いに異なってもよい。
【0022】
本発明の一実施形態において、前記第1及び第2光源部のそれぞれにおいて、前記発光素子が配置された各領域に設けられた各開口の直径は、前記発光素子が配置されていない各領域に設けられた前記各開口の直径より大きくてもよい。
【0023】
本発明の一実施形態において、前記第1及び第2光源部のそれぞれにおいて、前記発光素子が配置された各領域に設けられた各開口の面積と、前記発光素子が配置されていない各領域に設けられた前記各開口の面積との差は20%以下であってもよい。
【0024】
本発明の一実施形態において、空気浄化モジュールは、前記光触媒フィルター又は前記光源部に隣接するように配置され、前記第1方向に沿って前記光触媒フィルター側に前記空気を均一な流速及び流量で提供するための空気分配器をさらに含んでもよい。
【0025】
本発明の一実施形態において、前記空気分配器は、その内部に前記空気が貫通する各空隙を有してもよい。本発明の一実施形態において、前記各空隙の平均直径は、前記基板の各開口の平均直径より小さくてもよい。本発明の一実施形態において、前記空気分配器は、有機系抗菌物質及び無機系抗菌物質のうち少なくとも一つを含んでもよい。
【0026】
本発明の一実施形態は、前記空気浄化モジュールを採用した冷蔵庫を含み、前記冷蔵庫は、冷却器が装着され、貯蔵室が設けられた本体と、前記貯蔵室内に設けられた前記空気浄化モジュールとを含む。
【発明の効果】
【0027】
本発明は、脱臭効率が向上した空気浄化モジュールを提供することができる。
【0028】
また、本発明は、脱臭効率が向上した空気浄化モジュールを採用した冷蔵庫を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールを示した斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールを示した斜視図であって、光源部が変形した場合を示した図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールを示した斜視図であって、光源部が変形した場合を示した図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールを示した斜視図であって、光源部が複数個である場合を示した図である。
【
図5a】本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールにおいて、
図4に設けられた第1光源部及び第2光源部を示した平面図である。
【
図5b】本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールにおいて、
図4に設けられた第1光源部及び第2光源部を示した平面図である。
【
図6a】本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールにおいて、
図4に対応し、
図4と異なる形態に変形した第1光源部及び第2光源部を示した平面図である。
【
図6b】本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールにおいて、
図4に対応し、
図4と異なる形態に変形した第1光源部及び第2光源部を示した平面図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールの光源部の基板における開口の直径による脱臭効率を示したグラフである。
【
図8】本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールの光源部の基板における開口の直径による脱臭効率を示したグラフである。
【
図9】本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールが家電製品のうち一つである冷蔵庫に装着されたことを一例として示した図である。
【発明を実施するための最善の形態】
【0030】
本発明は、多様な変更を加えることができ、様々な形態を有し得るので、特定の実施形態を図面に例示し、これを本文で詳細に説明する。しかし、これは、本発明を特定の開示形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物及び代替物を含むものと理解しなければならない。
【0031】
本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールは、冷蔵庫、自動車、空気清浄器を始めとした各種空調機に使用されるものである。流体は、水や空気を含んでもよく、特に、本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールは、空気の殺菌、浄化、脱臭、消臭などの処理をする装置を意味する。しかし、本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールは、特定の流体を殺菌、浄化、脱臭、消臭するためのものであればこれに限定されない。また、本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールは、空調機に使用されるだけでなく、他の装置に使用されてもよい。
【0032】
以下、添付の各図面を参照して本発明の好適な実施形態をより詳細に説明する。
【0033】
図1は、本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールを示した斜視図である。
【0034】
本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールは、空気が通過する光触媒フィルター10と、光触媒フィルター10に光を提供する光源部20とを含む。
【0035】
光源部20は、光触媒フィルター10と離隔した状態で光触媒フィルター10に光を提供する。
【0036】
光源部20は、基板23と、基板23上に実装された発光素子21とを含む。
【0037】
基板23は板状に設けられてもよい。基板23は、光触媒フィルター10と離隔して配置される。光触媒フィルター10と基板23は一方向に沿って順次配置されるので、以下では、説明の便宜のために、光源部から光触媒フィルターに向かう方向を第1方向D1とし、第1方向D2に対して垂直であり、基板10の一面と平行な平面をなす方向を第2方向D2とし、第1及び第2方向D1、D2に対して垂直な方向を第3方向D3として説明する。
【0038】
本実施形態において、基板は、光触媒フィルター10の面積と同一又はそれより大きい面積で設けられてもよい。
【0039】
本発明の一実施形態において、光源部20の基板23には少なくとも1個の開口25が設けられる。脱臭や殺菌の対象である空気は、開口25を介して適切な流速及び流量で光触媒フィルター10に提供される。
【0040】
本発明の一実施形態において、
図1に示したように、開口25は多数個設けられてもよい。各開口25は、行と列をなして配置されてもよく、ランダムに配置されてもよい。
【0041】
本発明の一実施形態において、前記各開口25は、空気が基板23から光触媒フィルター10方向に進行できるように貫通する形態で設けられる。空気が光触媒フィルター10に進行し、空気と光触媒フィルター10との接触面積が大きくなる場合、光触媒フィルター10による空気浄化効果が高くなる。各開口25は、このような空気の流路及び流速を制御するためのものであって、多様な大きさで設けられ得る。本発明の一実施形態において、各開口25は、約1.0mm~約3.0mmの直径Dを有してもよい。ここで、各開口25の直径Dの全てが同一であってもよく、互いに異なってもよい。開口25の直径Dが互いに異なる場合は、平均直径が約1.0mm~約3.0mmであってもよい。本実施形態において、開口25の直径Dが約1.0mm未満である場合は、空気が開口25を通過しにくくなり得る。これによって、空気の移動による圧力損失が大きくなり、効果的な脱臭及び殺菌が難しくなる。また、開口25の直径Dが3.0mmを超える場合は、空気の流速及び方向の制御が難しくなり、空気が一定の部分及び方向にのみ進行することによって均一な脱臭及び殺菌が難しくなる。
【0042】
光触媒フィルター10に対向する基板23の面のうち、光触媒フィルター10に対向する面には発光素子21が配置されてもよい。発光素子21から出射された光が各構成要素に到逹する領域を照射領域RGとすると、光触媒フィルター10の少なくとも一部は、光が照射される照射領域RG内に配置される。
図1では、説明の便宜のために、第1方向D1に沿って見たときの照射領域RGを基板23上に点線で示した。基板23上に発光素子21が設けられ、光触媒フィルター10方向に光が照射されるので、実際の照射領域は光触媒フィルター10側に存在する。以下の各図面でも、説明の便宜のために、第1方向D1に沿って見たときの照射領域RGを基板23上に示した。
【0043】
照射領域RGは、光触媒フィルター10の面積をカバーし、光触媒フィルター10の面積と同一又は類似する程度で設けられ、さらに大きく設けられてもよい。
【0044】
発光素子21が出射する光は多様な波長帯域を有し得る。発光素子21からの光は、可視光線波長帯域、赤外線波長帯域、又はそれ以外の波長帯域の光であってもよい。
【0045】
本発明の一実施形態において、発光素子21から出射される光の波長帯域は、後述する光触媒フィルター10に設けられる光触媒材料によって変わり得る。光触媒の反応波長帯域によって発光素子21からの光の波長帯域が設定され得る。
【0046】
発光素子21は、光触媒材料によって波長帯域のうち一部のみを出射することができる。例えば、発光素子21は、紫外線波長帯域の光を出射することができ、この場合、発光素子21は、約100nm~約420nmの波長帯域の光を出射することができ、そのうち、約240nm~約400nmの波長帯域の光を出射することができる。本発明の一実施形態において、発光素子21は、約250nm~約285nmの波長帯域及び/又は約350nm~約280nmの波長帯域を有する光を出射することができる。本発明の一実施形態において、発光素子21は、275nm及び/又は365nmの光を出射することができる。
【0047】
発光素子21は、光触媒材料と反応する波長帯域の光を出射するものであればさほど限定されない。発光素子21としては、LED(light emitting diode)素子が使用されてもよい。本発明の一実施形態において、発光素子21は、上述した波長の光以外に、細菌の増殖などを最小化するために殺菌機能を有する光を出射することができる。例えば、発光素子21は、紫外線C波長帯域である約100nm~280nmの波長帯域の光を出射することができる。発光素子21が多様な波長帯域の光を出射する場合、LED以外の公知の他の発光素子21が使用可能であることは当然である。
【0048】
しかし、発光素子21が出射する光の波長帯域は、上述した範囲のみに限定されるのではない。他の実施形態では、紫外線のみならず、可視光線波長帯域の光を出射することもできる。
【0049】
本発明の一実施形態において、光源部20は、光触媒フィルター10が設けられた方向、すなわち、基板23の一面に向かい合う方向に光を提供することができる。図示したように、基板23の一面上に各発光素子21が設けられた場合、主に、各発光素子21が設けられた面に対して垂直な方向に光が出射され得る。
【0050】
光触媒フィルター10は、光源部20に離隔して配置される。光触媒フィルター10は、光源部20と離隔しながら空気の移動方向に位置するように配置される。本発明の一実施形態において、光触媒フィルター10は、相対的に広い両面を有する直方体の形状に製造されてもよい。本発明の一実施形態において、光触媒フィルター10の両面のうち少なくとも一つには光源部20が配置される。
【0051】
光触媒フィルター10と光源部20との間には流路が形成され、これによって、光触媒フィルター10と光源部20との間に空気が移動する。ここで、空気は、光触媒フィルター10を貫通する。すなわち、光触媒フィルター10の両面は、空気の移動方向、すなわち、流路に対して垂直に設けられてもよい。
【0052】
光触媒フィルター10は、空気との接触面積を最大化するための構造を有してもよい。例えば、本発明の一実施形態に係る光触媒フィルター10は格子状に形成されてもよく、各格子ごとに光触媒フィルター10の両面を貫通する多数の貫通口が設けられてもよい。光触媒フィルター10の各貫通口は、空気の流路と実質的に平行に設けられてもよい。また、光触媒フィルター10の各貫通口は、基板23の各開口25の貫通方向と実質的に平行に設けられてもよい。例えば、光触媒フィルター10の各貫通口と基板23の各開口25は、第1方向D1に沿って両側が開放された形態を有してもよい。これによって、空気の流路は、基板23の各開口25及び光触媒フィルター10の貫通口内にも形成され得る。ここで、基板23の各開口25及び光触媒フィルター10は完全に平行である必要はなく、全体的に空気が完全に停滞する区間が生じない程度内で、一部は平行であり、一部は平行でなくてもよい。
【0053】
しかし、光触媒フィルター10の形状は、これに限定されるのではなく、空気との接触面積を高めることができるのであれば他の構造を有してもよい。また、光触媒フィルター10は、上下を貫通する各貫通口の代わりに、その内部に多数のポア(pore;図示せず)が形成されてもよい。
【0054】
光触媒フィルター10には、光源部20から出射された光と反応することによって空気を処理する光触媒が含まれる。
【0055】
光触媒は、照射される光によって触媒反応を起こす材料である。光触媒は、光触媒を構成する材料によって多様な波長帯域の光に反応し得る。本発明の一実施形態では、多様な波長帯域の光のうち紫外線波長帯域の光に光触媒反応を起こす材料が使用されてもよく、以下では、これに対して説明する。しかし、光触媒の種類は、これに限定されるのではなく、発光素子21から出射される光によって同一又は類似するメカニズムを有する他の光触媒が使用されてもよい。
【0056】
光触媒は、紫外線によって活性化されて化学反応を起こすことによって、光触媒と接触する空気内の各種汚染物質、細菌などを酸化還元反応を通じて分解させる。
【0057】
光触媒は、バンドギャップ(band gap)エネルギー以上の光に露出したとき、電子と正孔が生成される化学反応を起こす。これによって、空気内の化合物、例えば、水や有機物質は、光触媒反応で形成された水酸基ラジカル(Hydroxy Radical)及び超過酸化イオン(Superoxide Ion)によって分解され得る。水酸基ラジカルは、酸化力が非常に強い物質であって、空気内の汚染物質を分解したり、細菌を殺菌する。このような光触媒材料としては、酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)などを挙げることができる。本発明の一実施形態において、光触媒の面で生成された正孔と電子の再結合速度が非常に速いので、光触媒を光化学反応に用いるのに限界があり、Pt、Ni、Mn、Ag、W、Cr、Mo、Znなどの金属又はそれらの酸化物を添加することによって正孔と電子の再結合速度を遅延させることができる。正孔と電子の再結合速度が遅延される場合、酸化及び/又は分解させようとする対象物質との接触可能性が増加し、その結果、反応度が高くなり得る。さらに、酸化物の添加によって光触媒バンドギャップを調節し、性能を向上させることもできる。上述した光触媒反応を用いると、空気の殺菌、浄化、脱臭処理などを行うことができる。特に、殺菌の場合、光触媒は、菌細胞内の酵素及び呼吸系に作用する酵素などを破壊させることによって殺菌又は抗菌作用をし、菌やカビの繁殖を防止し、これらが出す毒素も分解することができる。
【0058】
特に、本発明の一実施形態において、光触媒としてはチタン酸化物(TiO2)が使用されてもよい。チタン酸化物は、400nm以下の紫外線を浴びることによってスーパーオキシドラジカルを生成し、生成されたスーパーオキシドラジカルは、有機物を無害な水と二酸化炭素とに分解する。酸化チタンは、ナノ粒子化され、比較的値が小さい紫外線波長を示す発光素子を使用したときにも、多量のスーパーオキシドラジカルを生成することができる。よって、有機物の分解能力に優れ、環境変化にも持続的な耐久性及び安定性を有し、半永久的な効果を有する。また、多量で発生したスーパーオキシドラジカルは、有機物のみならず、悪臭原因物質、細菌などの多様な物質を除去することができる。
【0059】
本発明の一実施形態において、光触媒は、触媒として作用するだけで、自ら変化するものではないので、半永久的に使用することができ、対応光が提供される限り、効果が半永久的に持続され得る。
【0060】
上述した構造を有する空気浄化モジュールは、光源部20の基板23に設けられた開口25によって光触媒フィルター10側に提供される空気の流速及び流量を、光触媒フィルター10による脱臭に適切な程度に維持することができる。これに加えて、空気浄化モジュールは、開口25によって光触媒フィルター10に提供される空気の流速及び流量を光触媒フィルター10の部分に対して均一に維持することができる。これによって、空気浄化モジュールによる殺菌及び脱臭効果が最大化される。
【発明を実施するための形態】
【0061】
図2は、本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールを示した斜視図であって、光源部20が変形した場合を示した図である。以下の各実施形態では、説明の便宜のために、上述した実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0062】
本発明の一実施形態において、発光素子21は複数個設けられてもよい。本実施形態では、発光素子21が2個設けられたことを一例として示した。各発光素子21の配置によって照射領域RGの個数及び配置が変わり得る。これによって、照射領域RGを考慮して、基板23上に各発光素子21を適宜配置することができる。ここで、各発光素子21は、第1照射領域RG1及び第2照射領域RG2に光を提供することができる。
【0063】
本発明の一実施形態のように、発光素子21が複数個設けられる場合、各発光素子21は多様に配置可能であり、光触媒フィルター10の最大領域に最大限に均一に光が照射されるように配置され得る。ここで、各発光素子21は、同一の波長帯域の光を出射したり、互いに異なる波長帯域の光を出射することができる。例えば、一実施形態において、各発光素子21の全ては紫外線波長帯域の光を出射することができる。他の一実施形態において、一部の発光素子21は、紫外線波長帯域のうち一部を出射し、残りの発光素子21は、紫外線波長帯域のうち他の波長帯域の一部を出射することができる。一例として、一部の発光素子21は約320nm~約400nmの波長帯域の光を出射することができ、残りの発光素子21は、これと異なる波長の光を出射することができる。
【0064】
本実施形態において、互いに隣接した二つの照射領域RG間においては相対的に光量が小さい。これによって、互いに隣接した二つの照射領域RG間に空気が提供される場合、十分な脱臭及び殺菌が難しくなり得るので、二つの照射領域RG間の空間には各開口25が設けられなくてもよい。これによって、光が微量で照射される領域に提供される空気の量を減少させ、光が十分に照射される領域に空気の移動を誘導することができ、空気の脱臭及び殺菌効果が上昇し得る。
【0065】
前記各開口25が設けられていない領域は、基板23が全部設けられた部分であって、各開口25が設けられた部分に比べて相対的に熱伝導率が高い。これによって、各開口25が設けられていない二つの照射領域RG間は、発光素子21からの熱が容易に伝達される通路、すなわち、放熱部27として機能することができる。言い換えると、放熱部27は、互いに隣接した各照射領域RG間に対応する領域に設けられた基板23の一部であって、前記各開口25が設けられていない領域に該当する。
【0066】
図3は、本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールを示した斜視図であって、光源部20が変形した場合を示した図である。
【0067】
本発明の一実施形態において、光源部20の基板23は、光触媒フィルター10より広い面積で設けられてもよい。これによって、基板23には、空気の流動方向に沿って見たとき、光触媒フィルター10の一面に対応する領域、すなわち、光触媒フィルター10の一面と直接向かい合う基板23の光触媒対応領域FAと、光触媒フィルター10の一面に対応していない外郭領域とが設けられてもよい。
【0068】
本発明の一実施形態において、光触媒フィルター10に空気を接触又は透過させることによって空気の殺菌・脱臭効果を高めるために、光触媒フィルター10の一面に対応する光触媒対応領域FAとそれ以外の外郭領域において、開口25の大きさや密度などを異なる形態に設定することができる。
【0069】
例えば、光触媒対応領域FAと外郭領域のそれぞれに各開口25、25'が複数個設けられる場合、光触媒対応領域FAに設けられた各開口25の大きさ(例えば、直径)は、外郭領域に設けられた各開口25'の大きさより大きくてもよい。これは、光触媒対応領域FAにおいて外郭領域に比べて多くの空気が移動できるようにするためである。又は、光触媒対応領域FAでない外郭領域では、空気が光触媒フィルターと直接接触する頻度が減少するので、敢えて各開口が設けられる必要はなくなり得る。この場合は、外郭領域に各開口が設けられなくてもよい。
【0070】
また、本実施形態において、光触媒フィルター10の一面に対応する領域FA内においては、開口25の大きさが全て同一であることを示したが、これに限定されるのではなく、所定領域内における開口25の直径も一部変わり得る。
【0071】
又は、光触媒対応領域FAに設けられた各開口25の密度は、前記外郭領域に設けられた各開口25'の密度より大きくてもよい。これは、光触媒対応領域FAにおいて外郭領域に比べて多くの空気が移動できるようにするためである。ここで、各開口の密度とは、基板の全体面積に対して各開口が占める面積比を意味する。
【0072】
本発明の一実施形態において、空気浄化モジュールをなす各構成要素は、多様な形態に変更可能である。例えば、光源部は複数個設けられてもよい。
【0073】
図4は、本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールを示した斜視図であって、光源部が複数個である場合を示した図である。
図5a及び
図5bは、それぞれ本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールにおいて、
図4に設けられた光源部を示した平面図である。
【0074】
図4、
図5a及び
図5bを参照すると、本実施形態において、空気浄化モジュールは、光触媒フィルター10の一側にのみ設けられるだけでなく、光触媒フィルター10の両側に全て設けられてもよい。すなわち、光触媒フィルター10を挟んで互いに向かい合う第1光源部20aと第2光源部20bが光源部として設けられてもよい。
【0075】
第1光源部20aは、第1基板23aと、第1基板23a上に実装された第1発光素子21aとを含み、両面を貫通する第1開口25aを含んでもよい。第2光源部20bは、第2基板23bと、第2基板23b上に実装された第2発光素子21bとを含み、両面を貫通する第2開口25bを含んでもよい。
【0076】
本実施形態において、第1光源部20aと第2光源部20bは、互いに向かい合う形態で設けられる。すなわち、第1光源部20aの第1発光素子21aと第2光源部20bの第2発光素子21bは、前記光触媒フィルター10を挟んで互いに向かい合う形態で設けられる。
【0077】
本実施形態において、空気が効果的に第1及び第2基板23a、23bと光触媒フィルター10を通過できるように、第1及び第2開口25a、25bと光触媒フィルター10の各貫通口は互いに平行な方向に設けられてもよい。すなわち、第1及び第2基板23a、23bの第1及び第2開口25a、25bの穿孔方向と各貫通口の穿孔方向は互いに平行であってもよい。これによって、空気は、第1基板23aの第1開口25a、光触媒フィルター10、及び第2基板23bの第2開口25bを順次通過することができ、通過する途中で殺菌及び脱臭が効果的に行われる。
【0078】
ここで、第1及び第2基板23a、23bから出射された光も多様な方向に放射され得るが、第1及び第2基板23a、23bの一面に対して垂直な方向に進行する光が多いという点を勘案したとき、第1及び第2基板23a、23bの一面の発光素子21から出射された光は、効果的に光触媒フィルター10の各部分、例えば、各貫通口内まで効率的に到逹し得る。
【0079】
但し、空気浄化モジュールが採用される装置によって、必要な空気の流速や流量、及び/又は空気の均一度などに所定の差があり得る。そして、これを調節しなければならない場合、第1及び第2基板23a、23bの第1及び第2開口25a、25bの位置を調節することによって効率的に空気の流速、流量、均一度などを制御することができる。例えば、
図5aに示したように、、第1方向D1に沿って見たとき、第1及び第2基板23a、23bの第1及び第2開口25a、25bの位置がそれぞれ同一であってもよい。言い換えると、第1方向D1に沿って見たとき、第1基板23aの第1開口25aと第2基板23bの第2開口25bは互いに重畳する位置に配置されてもよい。
【0080】
又は、
図5bに示したように、、基板23面に対して垂直な方向に見たとき、第1及び第2基板23a、23bの第1及び第2開口25a、25bの位置が互いに異なってもよく、この場合、第1及び第2基板23a、23bは、その形状が重畳することなく互いに異なってもよい。言い換えると、第1方向D1に沿って見たとき、第1基板23aの第1開口25aと第2基板25bの第2開口25bは、少なくとも一部が互いに重畳しない位置に配置されてもよい。
【0081】
図5a及び
図5bに示したように、第1及び第2開口25a、25bの位置を互いに同一にしたり異ならせることによって、第1及び第2基板23a、23bと、その間の光触媒フィルター10を通過する空気の流速及び流量が異なる形態に制御され得る。
【0082】
本実施形態において、第1及び第2光源部20a、20bにおける第1及び第2開口25a、25bの位置のみを異ならせたことを示したが、これに限定されるのではなく、第1及び第2光源部20a、20bにおける第1及び第2開口25a、25bの個数や第1及び第2開口25a、25bの直径を異なる形態に設定してもよい。
【0083】
図6a及び
図6bは、それぞれ本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールにおいて、
図4に対応し、
図4と異なる形態に変形した第1光源部20a及び第2光源部20bを示した平面図である。
【0084】
本実施形態において、各発光素子21a、21bの個数と各照射領域RG1、RG2、RG3、RG4は、多様な形態で組み合わせることができる。例えば、図示したように、第1光源部20aに二つの発光素子21aが設けられ、第2光源部20bに二つの発光素子21bが設けられた後、それぞれの発光素子21a、21bがカバーする照射領域RG1、RG2、RG3、RG4が異なる形態に設定されてもよい。このように、複数個の照射領域が設けられる場合、それらの各照射領域の形状や配置は、各発光素子の配置位置や照射角などによって多様な形態に変形し得る。本実施形態において、各照射領域は、例えば、行列状に設けられてもよい。
【0085】
本発明の一実施形態において、第1方向D1に沿って見たとき、第1光源部20a及び第2光源部20bには、互いに重畳する位置に配置された複数個の照射領域が設けられる。すなわち、第1光源部20a及び第2光源部20bには、第1乃至第4照射領域RG1、RG2、RG3、RG4が設けられる。第1乃至第4照射領域RG1、RG2、RG3、RG4は2x2行列状に設けられてもよく、本実施形態では、左上端、右上端、左下端、及び右下端の順に第1乃至第4照射領域RG1、RG2、RG3、RG4が配置されてもよい。
【0086】
第1光源部20a及び第2光源部20bには、それぞれ少なくとも1個の発光素子が設けられる。例えば、第1光源部20aには2個の第1発光素子21aが設けられるので、第1発光素子21aの位置は第1及び第4照射領域RG1、RG4に対応する。第2光源部20bにも2個の第2発光素子が設けられるので、第2発光素子21bの位置は第2及び第3の照射領域RG2、RG3に対応する。
【0087】
第1及び第2光源部20a、20bの第1及び第2発光素子21a、21bは、各照射領域において光触媒フィルターに光が十分な強さで最大限に均一に提供できるように多様な形態で配置され得る。例えば、第1方向D1に沿って見たとき、第1光源部20aの各照射領域のうち第1発光素子21aが配置された少なくとも一つと、第2光源部20bの各照射領域のうち第2発光素子21bが配置された少なくとも一つは互いに重畳しなくてもよい。互いに向かい合う各照射領域で発光素子が向かい合うように配置されると、発光素子が向かい合う地点での光量(又は強さ)と、そうでない部分の光量との均一度差が激しくなり得る。均一度差が大きい場合、光が少なく到逹する場所における空気処理効果が減少し得る。よって、各照射領域に最大限に均一な光量が到逹するように、第1方向D1から見たときに互いに重畳する各照射領域の場合、第1光源部20a及び第2光源部20bのうちいずれか一つにのみ発光素子が設けられ得る。このように、第1光源部20aと第2光源部20bにおいて発光素子21を互いに重畳しないように配置することによって、全体の光触媒フィルター10に均一な程度の光を提供することができる。
【0088】
本発明の一実施形態において、所定の照射領域において、発光素子が設けられる場合、発光素子の実装のための所定の部分が必要であり、発光素子の実装のための部分には各開口が設けられない。これによって、発光素子が設けられる部分においては、そうでない部分に比べて空気の流量や流速が減少し得る。これを克服するために、光源部のそれぞれにおいて、発光素子が配置された各領域と、発光素子が配置されていない各領域に設けられた各開口の直径が互いに異なる形態に形成されてもよい。例えば、発光素子が配置された各領域に設けられた各開口の直径は、発光素子が配置されていない各領域に設けられた各開口の直径より大きくてもよい。
【0089】
本実施形態の場合、第1光源部20aにおいて、第1発光素子21aが設けられる第1及び第4照射領域RG1、RG4における第1開口25aの直径は、第1発光素子21aが設けられていない第2及び第3照射領域RG2、RG3における第1開口25aの直径より大きい。また、第2光源部20bにおいて、第2発光素子21aが設けられる第2及び第3照射領域RG2、RG3における第2開口25bの直径は、第2発光素子21bが設けられていない第1及び第4照射領域RG1、RG4における第2開口25bの直径より大きい。結果的に、発光素子21が配置される照射領域とそうでない照射領域における開口25の面積差は実質的に同一であってもよい。また、同一でないとしても、各開口の直径は、類似する水準を維持することが好ましく、その差は約20%以下であってもよい。
【0090】
発光素子21が配置される領域の開口25の直径が大きく形成されることによって、小さい直径の開口25より空気の流量及び流速がさらに大きくなり、これによって、開口25が設けられる面積の減少を補償することができる。その結果、発光素子21が配置される領域とそうでない領域における流速及び流量を全体的に均一に維持することができる。
【0091】
本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールは、空気が第1方向D1に沿って光触媒フィルター10に提供されるとき、さらに均一な流速及び流量を有するように空気分配器が設けられてもよい。空気分配器は、多様な位置に設けることが可能であり、例えば、光触媒フィルター10又は光源部20a、20bに隣接するように配置されてもよい。例えば、空気分配器は、光触媒フィルター10の両側に設けられ、光源部20a、20bより外側に設けられてもよい。
【0092】
空気分配器は、空気が貫通しながら均一に分散できるようにする多孔性物質で製造されてもよい。言い換えると、空気分配器は、その内部に空気が貫通する各空隙を有する材料からなってもよい。空気分配器は、例えば、不織布、フェルト、セラミック、多孔性PTFEなどの有機高分子などからなってもよい。しかし、多孔性を有して製造され、空気を均一に透過できるものであれば、空気分配器の材料はこれに限定されない。
【0093】
空気分配器の各空隙は、多様な大きさで設けること可能であり、光源部に設けられた開口の直径より小さくてもよい。これは、空気分配器を通過する空気の効率的な分配のためである。
【0094】
本発明の一実施形態において、空気分配器は抗菌機能を有してもよい。このために、空気分配器は、有機系抗菌物質及び/又は無機系抗菌物質を含んでもよい。無機系抗菌物質として、例えば、銀ナノ粒子を含んでもよい。
【0095】
上述した各構造を有する本発明の各実施形態に係る空気浄化モジュールによると、光触媒フィルターに提供される空気が均一な流路/流速を有するようになり、これによって、光触媒フィルターの全部分を最大限に使用できるようになる。その結果、殺菌/脱臭効果が最大化される。
【0096】
図7及び
図8は、本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールの光源部の基板における開口の直径による脱臭効率を示したグラフである。ここで、発光素子としては、365nmの波長帯域の光を出射する発光ダイオード(I
F=20mA)4個が使用された。光触媒フィルターは、33mm(幅)x33mm(長さ)x8mm(高さ)の大きさを有するものであって、1個が使用された。実験は、20Lのチャンバー内で行われており、脱臭のための目的物質は、エチレン(CH
2CH
2)であって、50±5ppmの初期濃度で提供された。
【0097】
まず、空気浄化モジュールの光源部の基板における開口の直径による脱臭効率を検討すると、開口の直径によって脱臭効率が異なる形態に表れる。表1は、空気浄化モジュールの光源部の基板における開口の直径による脱臭効率を示したものであって、
図7は、表1を示したものである。
【0098】
【0099】
表1及び
図7を参照すると、各開口の直径により、脱臭効率が増加してから一定の時点で再び減少する形状を示す。すなわち、各開口の直径が0.5mm~1.5mmである場合は脱臭効率が増加するが、それ以上になると再び脱臭効率が減少する。ここで、特に、開口の直径が1mm~3mmであるとき、75%より高い脱臭効率を示した。各開口の直径が約1mmより小さい場合は、各開口の小さい直径による空気の流動が過度に小さくなることによって脱臭効率が減少すると判断される。その一方で、各開口の直径が約3mmより大きい場合は、各開口による流速の減少効果はないが、流速が速くなり、脱臭が十分に起こり得ないと判断される。
図8を参照すると、流速が過度に遅いと、むしろ脱臭効果が低下することを確認することができる。流速は、開口の直径と密接に関連しているので、直径が過度に小さい場合、流速が遅くなるにもかかわらず、むしろ脱臭効率が減少することを確認することができる。
【0100】
本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールは多様な装置に採用可能である。
【0101】
図9は、本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールが家電製品のうち一つである冷蔵庫に装着されたことを一例として示した図である。しかし、本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールは、冷蔵庫のみならず、空気の脱臭、浄化などの処理が必要である状況であれば、それ以外の他の家電製品や、家具、その他の設置物などに適用可能であることは当然である。
【0102】
本発明の一実施形態に係る冷蔵庫1000は、冷却器が装着され、貯蔵室が設けられた本体200と、貯蔵室内に設けられ、上述した各実施形態に係る空気浄化モジュール100とを含んでもよい。
【0103】
冷蔵庫本体200は、少なくとも1個以上の貯蔵室を有し、空気浄化モジュールは、貯蔵室内の適切な領域に装着され得る。
【0104】
冷蔵庫本体200には、貯蔵室を開閉できるドア300が1個以上設けられ、ドア300と向かい合う本体20の一側には、ドアのオープン有無を感知するためのセンサー40が設けられている。前記センサー400は、ドアが閉鎖されると押されるスイッチの形態で設けられてもよい。
【0105】
本発明の一実施形態において、前記冷蔵庫1000は、ドア300が閉鎖されると、内部の空気浄化モジュール100がオンになり得る。空気浄化モジュール100がオンになる場合、貯蔵室内の空気が浄化される。ドア300が開放されると、空気浄化モジュール100がオフになり得る。
【0106】
以上では、本発明の好適な実施形態を参照して説明したが、該当の技術分野で熟練した当業者又は該当の技術分野で通常の知識を有する者であれば、後述する特許請求の範囲に記載した本発明の思想及び技術領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更可能であることを理解できるだろう。
【0107】
したがって、本発明の技術的範囲は、明細書の詳細な説明に記載した内容に限定されるのではなく、特許請求の範囲によって定められるべきであろう。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気浄化モジュール及びこれを含む冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫は、食品を冷蔵・保管する貯蔵室と、貯蔵室に冷気を供給する冷気供給装置とを備えており、食品を新鮮に保管する家電機器である。
【0003】
冷蔵庫に保管される食品としては、魚の生臭さやキムチなどの発酵食品の臭いなどの多様な臭いを有するものが多い。このような臭いは、冷蔵庫に染み込み、ユーザーに不快感を誘発し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、脱臭効率が向上した空気浄化モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
空気を浄化する空気浄化モジュールにおいて、本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールは、第1方向に沿って順次配置された光触媒フィルター及び光源部を含む。前記光源部は、前記光触媒フィルターと離隔した状態で前記光触媒フィルターに光を提供し、基板、及び前記基板上に設けられた発光素子を含み、前記基板は、前記基板から前記光触媒フィルター方向に空気が進行するとき、前記光触媒フィルターによる空気浄化効果が高くなるように前記空気の流路及び流速を制御する少なくとも一つの開口を含み、前記開口は1.0mm~3.0mmの直径を有する。
【0006】
本発明の一実施形態において、前記光触媒フィルターは、前記空気の流路と平行な多数個の貫通口を有し、前記基板の開口と互いに平行な方向に配置されてもよい。
【0007】
本発明の一実施形態において、前記光触媒フィルターの貫通口及び前記基板の開口は、前記第1方向に沿って前記光触媒フィルター及び前記基板を貫通し得る。
【0008】
本発明の一実施形態において、前記発光素子から出射された光が到逹する領域を照射領域としたとき、前記光触媒フィルターの少なくとも一部は、光が照射される照射領域内に配置される。
【0009】
本発明の一実施形態において、前記開口は複数個設けられ、前記基板は、互いに隣接した各照射領域間に対応する領域に設けられ、前記各開口が設けられない放熱部を含んでもよい。
【0010】
本発明の一実施形態において、前記各照射領域は行列状に設けられ、前記放熱部は、互いに隣接した各行間及び互いに隣接した各列間ごとに設けられてもよい。
【0011】
本発明の一実施形態において、空気浄化モジュールは、前記光触媒フィルター及び前記光源部を収納し、前記第1方向に沿って前記空気が移動する各開口を有するハウジングをさらに含んでもよい。
【0012】
本発明の一実施形態において、前記ハウジングは、前記放熱部に対応する位置に設けられるリブを含んでもよい。
【0013】
本発明の一実施形態において、前記第1方向で見たとき、前記基板の面積は前記光触媒フィルターの面積より大きく、前記光触媒フィルターは、前記基板に対応する光触媒対応領域と、前記光触媒対応領域以外の外郭領域とを有してもよい。
【0014】
本発明の一実施形態において、前記基板において、前記各開口は、前記光触媒対応領域及び前記外郭領域のそれぞれに複数個設けられ、前記光触媒対応領域に設けられた各開口の大きさは、前記外郭領域に設けられた各開口の大きさより大きくてもよい。
【0015】
本発明の一実施形態において、前記基板において、前記各開口は、前記光触媒対応領域に設けられ、前記外郭領域には設けられなくてもよい。
【0016】
本発明の一実施形態において、前記光源部は複数個設けられてもよい。本発明の一実施形態において、前記光源部は、前記光触媒フィルターを挟んで互いに向かい合う第1光源部及び第2光源部を含んでもよい。本発明の一実施形態において、前記第1光源部と前記第2光源部の各発光素子は、前記光触媒フィルターを挟んで互いに向かい合い、前記第1光源部及び前記第2光源部の開口はそれぞれ複数個設けられてもよい。
【0017】
本発明の一実施形態において、前記第1方向に沿って見たとき、前記第1光源部の各開口と前記第2光源部の各開口は互いに重畳する位置に配置されてもよい。又は、前記第1方向に沿って見たとき、前記第1光源部の各開口と前記第2光源部の各開口は、少なくとも一部が互いに重畳しない位置に配置されてもよい。
【0018】
本発明の一実施形態において、前記第1光源部の各開口及び前記第2光源部の各開口は互いに異なる大きさを有してもよい。
【0019】
本発明の一実施形態において、前記第1方向に沿って見たとき、前記第1光源部及び前記第2光源部は、互いに重畳する位置に配置された複数個の領域を含み、前記発光素子は、前記第1光源部の各領域のうち少なくとも一つ、及び前記第2光源部の各領域のうち少なくとも一つに配置されてもよい。
【0020】
本発明の一実施形態において、前記第1方向に沿って見たとき、前記発光素子が配置された前記第1光源部の各領域のうち少なくとも一つと、前記発光素子が配置された前記第2光源部の各領域のうち少なくとも一つは互いに重畳しなくてもよい。
【0021】
本発明の一実施形態において、前記第1及び第2光源部のそれぞれにおいて、前記発光素子が配置された各領域と、前記発光素子が配置されていない各領域に設けられた前記各開口の直径は互いに異なってもよい。
【0022】
本発明の一実施形態において、前記第1及び第2光源部のそれぞれにおいて、前記発光素子が配置された各領域に設けられた各開口の直径は、前記発光素子が配置されていない各領域に設けられた前記各開口の直径より大きくてもよい。
【0023】
本発明の一実施形態において、前記第1及び第2光源部のそれぞれにおいて、前記発光素子が配置された各領域に設けられた各開口の面積と、前記発光素子が配置されていない各領域に設けられた前記各開口の面積との差は20%以下であってもよい。
【0024】
本発明の一実施形態において、空気浄化モジュールは、前記光触媒フィルター又は前記光源部に隣接するように配置され、前記第1方向に沿って前記光触媒フィルター側に前記空気を均一な流速及び流量で提供するための空気分配器をさらに含んでもよい。
【0025】
本発明の一実施形態において、前記空気分配器は、その内部に前記空気が貫通する各空隙を有してもよい。本発明の一実施形態において、前記各空隙の平均直径は、前記基板の各開口の平均直径より小さくてもよい。本発明の一実施形態において、前記空気分配器は、有機系抗菌物質及び無機系抗菌物質のうち少なくとも一つを含んでもよい。
【0026】
本発明の一実施形態は、前記空気浄化モジュールを採用した冷蔵庫を含み、前記冷蔵庫は、冷却器が装着され、貯蔵室が設けられた本体と、前記貯蔵室内に設けられた前記空気浄化モジュールとを含む。
【発明の効果】
【0027】
本発明は、脱臭効率が向上した空気浄化モジュールを提供することができる。
【0028】
また、本発明は、脱臭効率が向上した空気浄化モジュールを採用した冷蔵庫を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールを示した斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールを示した斜視図であって、光源部が変形した場合を示した図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールを示した斜視図であって、光源部が変形した場合を示した図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールを示した斜視図であって、光源部が複数個である場合を示した図である。
【
図5a】本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールにおいて、
図4に設けられた第1光源部及び第2光源部を示した平面図である。
【
図5b】本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールにおいて、
図4に設けられた第1光源部及び第2光源部を示した平面図である。
【
図6a】本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールにおいて、
図4に対応し、
図4と異なる形態に変形した第1光源部及び第2光源部を示した平面図である。
【
図6b】本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールにおいて、
図4に対応し、
図4と異なる形態に変形した第1光源部及び第2光源部を示した平面図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールの光源部の基板における開口の直径による脱臭効率を示したグラフである。
【
図8】本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールの光源部の基板における開口の直径による脱臭効率を示したグラフである。
【
図9】本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールが家電製品のうち一つである冷蔵庫に装着されたことを一例として示した図である。
【発明を実施するための最善の形態】
【0030】
本発明は、多様な変更を加えることができ、様々な形態を有し得るので、特定の実施形態を図面に例示し、これを本文で詳細に説明する。しかし、これは、本発明を特定の開示形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物及び代替物を含むものと理解しなければならない。
【0031】
本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールは、冷蔵庫、自動車、空気清浄器を始めとした各種空調機に使用されるものである。流体は、水や空気を含んでもよく、特に、本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールは、空気の殺菌、浄化、脱臭、消臭などの処理をする装置を意味する。しかし、本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールは、特定の流体を殺菌、浄化、脱臭、消臭するためのものであればこれに限定されない。また、
本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールは、空調機に使用されるだけでなく、他の装置に使用されてもよい。
【0032】
以下、添付の各図面を参照して本発明の好適な実施形態をより詳細に説明する。
【0033】
図1は、本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールを示した斜視図である。
【0034】
本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールは、空気が通過する光触媒フィルター10と、光触媒フィルター10に光を提供する光源部20とを含む。
【0035】
光源部20は、光触媒フィルター10と離隔した状態で光触媒フィルター10に光を提供する。
【0036】
光源部20は、基板23と、基板23上に実装された発光素子21とを含む。
【0037】
基板23は板状に設けられてもよい。基板23は、光触媒フィルター10と離隔して配置される。光触媒フィルター10と基板23は一方向に沿って順次配置されるので、以下では、説明の便宜のために、光源部から光触媒フィルターに向かう方向を第1方向D1とし、第1方向D2に対して垂直であり、基板23の一面と平行な平面をなす方向を第2方向D2とし、第1及び第2方向D1、D2に対して垂直な方向を第3方向D3として説明する。
【0038】
本実施形態において、基板10は、光触媒フィルター10の面積と同一又はそれより大きい面積で設けられてもよい。
【0039】
本発明の一実施形態において、光源部20の基板23には少なくとも1個の開口25が設けられる。脱臭や殺菌の対象である空気は、開口25を介して適切な流速及び流量で光触媒フィルター10に提供される。
【0040】
本発明の一実施形態において、
図1に示したように、開口25は多数個設けられてもよい。各開口25は、行と列をなして配置されてもよく、ランダムに配置されてもよい。
【0041】
本発明の一実施形態において、前記各開口25は、空気が基板23から光触媒フィルター10方向に進行できるように貫通する形態で設けられる。空気が光触媒フィルター10に進行し、空気と光触媒フィルター10との接触面積が大きくなる場合、光触媒フィルター10による空気浄化効果が高くなる。各開口25は、このような空気の流路及び流速を制御するためのものであって、多様な大きさで設けられ得る。本発明の一実施形態において、各開口25は、約1.0mm~約3.0mmの直径Dを有してもよい。ここで、各開口25の直径Dの全てが同一であってもよく、互いに異なってもよい。開口25の直径Dが互いに異なる場合は、平均直径が約1.0mm~約3.0mmであってもよい。本実施形態において、開口25の直径Dが約1.0mm未満である場合は、空気が開口25を通過しにくくなり得る。これによって、空気の移動による圧力損失が大きくなり、効果的な脱臭及び殺菌が難しくなる。また、開口25の直径Dが3.0mmを超える場合は、空気の流速及び方向の制御が難しくなり、空気が一定の部分及び方向にのみ進行することによって均一な脱臭及び殺菌が難しくなる。
【0042】
光触媒フィルター10に対向する基板23の面のうち、光触媒フィルター10に対向する面には発光素子21が配置されてもよい。発光素子21から出射された光が各構成要素に到逹する領域を照射領域RGとすると、光触媒フィルター10の少なくとも一部は、光が照射される照射領域RG内に配置される。
図1では、説明の便宜のために、第1方向D1に沿って見たときの照射領域RGを基板23上に点線で示した。基板23上に発光素子21が設けられ、光触媒フィルター10方向に光が照射されるので、実際の照射領域は光触媒フィルター10側に存在する。以下の各図面でも、説明の便宜のために、第1方向D1に沿って見たときの照射領域RGを基板23上に示した。
【0043】
照射領域RGは、光触媒フィルター10の面積をカバーし、光触媒フィルター10の面積と同一又は類似する程度で設けられ、さらに大きく設けられてもよい。
【0044】
発光素子21が出射する光は多様な波長帯域を有し得る。発光素子21からの光は、可視光線波長帯域、赤外線波長帯域、又はそれ以外の波長帯域の光であってもよい。
【0045】
本発明の一実施形態において、発光素子21から出射される光の波長帯域は、後述する光触媒フィルター10に設けられる光触媒材料によって変わり得る。光触媒の反応波長帯域によって発光素子21からの光の波長帯域が設定され得る。
【0046】
発光素子21は、光触媒材料によって波長帯域のうち一部のみを出射することができる。例えば、発光素子21は、紫外線波長帯域の光を出射することができ、この場合、発光素子21は、約100nm~約420nmの波長帯域の光を出射することができ、そのうち、約240nm~約400nmの波長帯域の光を出射することができる。本発明の一実施形態において、発光素子21は、約250nm~約285nmの波長帯域及び/又は約350nm~約280nmの波長帯域を有する光を出射することができる。本発明の一実施形態において、発光素子21は、275nm及び/又は365nmの光を出射することができる。
【0047】
発光素子21は、光触媒材料と反応する波長帯域の光を出射するものであればさほど限定されない。発光素子21としては、LED(light emitting diode)素子が使用されてもよい。本発明の一実施形態において、発光素子21は、上述した波長の光以外に、細菌の増殖などを最小化するために殺菌機能を有する光を出射することができる。例えば、発光素子21は、紫外線C波長帯域である約100nm~280nmの波長帯域の光を出射することができる。発光素子21が多様な波長帯域の光を出射する場合、LED以外の公知の他の発光素子21が使用可能であることは当然である。
【0048】
しかし、発光素子21が出射する光の波長帯域は、上述した範囲のみに限定されるのではない。他の実施形態では、紫外線のみならず、可視光線波長帯域の光を出射することもできる。
【0049】
本発明の一実施形態において、光源部20は、光触媒フィルター10が設けられた方向、すなわち、基板23の一面に向かい合う方向に光を提供することができる。図示したように、基板23の一面上に各発光素子21が設けられた場合、主に、各発光素子21が設けられた面に対して垂直な方向に光が出射され得る。
【0050】
光触媒フィルター10は、光源部20に離隔して配置される。光触媒フィルター10は、光源部20と離隔しながら空気の移動方向に位置するように配置される。本発明の一実施形態において、光触媒フィルター10は、相対的に広い両面を有する直方体の形状に製造されてもよい。本発明の一実施形態において、光触媒フィルター10の両面のうち少なくとも一つには光源部20が配置される。
【0051】
光触媒フィルター10と光源部20との間には流路が形成され、これによって、光触媒フィルター10と光源部20との間に空気が移動する。ここで、空気は、光触媒フィルター10を貫通する。すなわち、光触媒フィルター10の両面は、空気の移動方向、すなわち、流路に対して垂直に設けられてもよい。
【0052】
光触媒フィルター10は、空気との接触面積を最大化するための構造を有してもよい。例えば、本発明の一実施形態に係る光触媒フィルター10は格子状に形成されてもよく、各格子ごとに光触媒フィルター10の両面を貫通する多数の貫通口が設けられてもよい。光触媒フィルター10の各貫通口は、空気の流路と実質的に平行に設けられてもよい。また、光触媒フィルター10の各貫通口は、基板23の各開口25の貫通方向と実質的に平行に設けられてもよい。例えば、光触媒フィルター10の各貫通口と基板23の各開口25は、第1方向D1に沿って両側が開放された形態を有してもよい。これによって、空気の流路は、基板23の各開口25及び光触媒フィルター10の貫通口内にも形成され得る。ここで、基板23の各開口25及び光触媒フィルター10は完全に平行である必要はなく、全体的に空気が完全に停滞する区間が生じない程度内で、一部は平行であり、一部は平行でなくてもよい。
【0053】
しかし、光触媒フィルター10の形状は、これに限定されるのではなく、空気との接触面積を高めることができるのであれば他の構造を有してもよい。また、光触媒フィルター10は、上下を貫通する各貫通口の代わりに、その内部に多数のポア(pore;図示せず)が形成されてもよい。
【0054】
光触媒フィルター10には、光源部20から出射された光と反応することによって空気を処理する光触媒が含まれる。
【0055】
光触媒は、照射される光によって触媒反応を起こす材料である。光触媒は、光触媒を構成する材料によって多様な波長帯域の光に反応し得る。本発明の一実施形態では、多様な波長帯域の光のうち紫外線波長帯域の光に光触媒反応を起こす材料が使用されてもよく、以下では、これに対して説明する。しかし、光触媒の種類は、これに限定されるのではなく、発光素子21から出射される光によって同一又は類似するメカニズムを有する他の光触媒が使用されてもよい。
【0056】
光触媒は、紫外線によって活性化されて化学反応を起こすことによって、光触媒と接触する空気内の各種汚染物質、細菌などを酸化還元反応を通じて分解させる。
【0057】
光触媒は、バンドギャップ(band gap)エネルギー以上の光に露出したとき、電子と正孔が生成される化学反応を起こす。これによって、空気内の化合物、例えば、水や有機物質は、光触媒反応で形成された水酸基ラジカル(Hydroxyl Radical)及び超過酸化イオン(Superoxide Ion)によって分解され得る。水酸基ラジカルは、酸化力が非常に強い物質であって、空気内の汚染物質を分解したり、細菌を殺菌する。このような光触媒材料としては、酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)などを挙げることができる。本発明の一実施形態において、光触媒の面で生成された正孔と電子の再結合速度が非常に速いので、光触媒を光化学反応に用いるのに限界があり、Pt、Ni、Mn、Ag、W、Cr、Mo、Znなどの金属又はそれらの酸化物を添加することによって正孔と電子の再結合速度を遅延させることができる。正孔と電子の再結合速度が遅延される場合、酸化及び/又は分解させようとする対象物質との接触可能性が増加し、その結果、反応度が高くなり得る。さらに、酸化物の添加によって光触媒バンドギャップを調節し、性能を向上させることもできる。上述した光触媒反応を用いると、空気の殺菌、浄化、脱臭処理などを行うことができる。特に、殺菌の場合、光触媒は、菌細胞内の酵素及び呼吸系に作用する酵素などを破壊させることによって殺菌又は抗菌作用をし、菌やカビの繁殖を防止し、これらが出す毒素も分解することができる。
【0058】
特に、本発明の一実施形態において、光触媒としてはチタン酸化物(TiO2)が使用されてもよい。チタン酸化物は、400nm以下の紫外線を浴びることによって水酸基ラジカル及び超過酸化イオンを生成し、生成された水酸基ラジカルは、有機物を無害な水と二酸化炭素とに分解する。酸化チタンは、ナノ粒子化され、比較的値が小さい紫外線波長を示す発光素子を使用したときにも、多量の水酸基ラジカルを生成することができる。よって、有機物の分解能力に優れ、環境変化にも持続的な耐久性及び安定性を有し、半永久的な効果を有する。また、多量で発生した水酸基ラジカルは、有機物のみならず、悪臭原因物質、細菌などの多様な物質を除去することができる。
【0059】
本発明の一実施形態において、光触媒は、触媒として作用するだけで、自ら変化するものではないので、半永久的に使用することができ、対応光が提供される限り、効果が半永久的に持続され得る。
【0060】
上述した構造を有する空気浄化モジュールは、光源部20の基板23に設けられた開口25によって光触媒フィルター10側に提供される空気の流速及び流量を、光触媒フィルター10による脱臭に適切な程度に維持することができる。これに加えて、空気浄化モジュールは、開口25によって光触媒フィルター10に提供される空気の流速及び流量を光触媒フィルター10の部分に対して均一に維持することができる。これによって、空気浄化モジュールによる殺菌及び脱臭効果が最大化される。
【発明を実施するための形態】
【0061】
図2は、本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールを示した斜視図であって、光源部20が変形した場合を示した図である。以下の各実施形態では、説明の便宜のために、上述した実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0062】
本発明の一実施形態において、発光素子21は複数個設けられてもよい。本実施形態では、発光素子21が2個設けられたことを一例として示した。各発光素子21の配置によって照射領域RGの個数及び配置が変わり得る。これによって、照射領域RGを考慮して、基板23上に各発光素子21を適宜配置することができる。ここで、各発光素子21は、第1照射領域RG1及び第2照射領域RG2に光を提供することができる。
【0063】
本発明の一実施形態のように、発光素子21が複数個設けられる場合、各発光素子21は多様に配置可能であり、光触媒フィルター10の最大領域に最大限に均一に光が照射されるように配置され得る。ここで、各発光素子21は、同一の波長帯域の光を出射したり、互いに異なる波長帯域の光を出射することができる。例えば、一実施形態において、各発光素子21の全ては紫外線波長帯域の光を出射することができる。他の一実施形態において、一部の発光素子21は、紫外線波長帯域のうち一部を出射し、残りの発光素子21は、紫外線波長帯域のうち他の波長帯域の一部を出射することができる。一例として、一部の発光素子21は約320nm~約400nmの波長帯域の光を出射することができ、残りの発光素子21は、これと異なる波長の光を出射することができる。
【0064】
本実施形態において、互いに隣接した二つの照射領域RG間においては相対的に光量が小さい。これによって、互いに隣接した二つの照射領域RG間に空気が提供される場合、十分な脱臭及び殺菌が難しくなり得るので、二つの照射領域RG間の空間には各開口25が設けられなくてもよい。これによって、光が微量で照射される領域に提供される空気の量を減少させ、光が十分に照射される領域に空気の移動を誘導することができ、空気の脱臭及び殺菌効果が上昇し得る。
【0065】
前記各開口25が設けられていない領域は、基板23が全部設けられた部分であって、各開口25が設けられた部分に比べて相対的に熱伝導率が高い。これによって、各開口25が設けられていない二つの照射領域RG間は、発光素子21からの熱が容易に伝達される通路、すなわち、放熱部27として機能することができる。言い換えると、放熱部27は、互いに隣接した各照射領域RG間に対応する領域に設けられた基板23の一部であって、前記各開口25が設けられていない領域に該当する。
【0066】
図3は、本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールを示した斜視図であって、光源部20が変形した場合を示した図である。
【0067】
本発明の一実施形態において、光源部20の基板23は、光触媒フィルター10より広い面積で設けられてもよい。これによって、基板23には、空気の流動方向に沿って見たとき、光触媒フィルター10の一面に対応する領域、すなわち、光触媒フィルター10の一面と直接向かい合う基板23の光触媒対応領域FAと、光触媒フィルター10の一面に対応していない外郭領域とが設けられてもよい。
【0068】
本発明の一実施形態において、光触媒フィルター10に空気を接触又は透過させることによって空気の殺菌・脱臭効果を高めるために、光触媒フィルター10の一面に対応する光触媒対応領域FAとそれ以外の外郭領域において、開口25の大きさや密度などを異なる形態に設定することができる。
【0069】
例えば、光触媒対応領域FAと外郭領域のそれぞれに各開口25、25'が複数個設けられる場合、光触媒対応領域FAに設けられた各開口25の大きさ(例えば、直径)は、外郭領域に設けられた各開口25'の大きさより大きくてもよい。これは、光触媒対応領域FAにおいて外郭領域に比べて多くの空気が移動できるようにするためである。又は、光触媒対応領域FAでない外郭領域では、空気が光触媒フィルターと直接接触する頻度が減少するので、敢えて各開口が設けられる必要はなくなり得る。この場合は、外郭領域に各開口が設けられなくてもよい。
【0070】
また、本実施形態において、光触媒フィルター10の一面に対応する領域FA内においては、開口25の大きさが全て同一であることを示したが、これに限定されるのではなく、所定領域内における開口25の直径も一部変わり得る。
【0071】
又は、光触媒対応領域FAに設けられた各開口25の密度は、前記外郭領域に設けられた各開口25'の密度より大きくてもよい。これは、光触媒対応領域FAにおいて外郭領域に比べて多くの空気が移動できるようにするためである。ここで、各開口の密度とは、基板の全体面積に対して各開口が占める面積比を意味する。
【0072】
本発明の一実施形態において、空気浄化モジュールをなす各構成要素は、多様な形態に変更可能である。例えば、光源部は複数個設けられてもよい。
【0073】
図4は、本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールを示した斜視図であって、光源部が複数個である場合を示した図である。
図5a及び
図5bは、それぞれ本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールにおいて、
図4に設けられた光源部を示した平面図である。
【0074】
図4、
図5a及び
図5bを参照すると、本実施形態において、空気浄化モジュールは、光触媒フィルター10の一側にのみ設けられるだけでなく、光触媒フィルター10の両側に全て設けられてもよい。すなわち、光触媒フィルター10を挟んで互いに向かい合う第1光源部20aと第2光源部20bが光源部として設けられてもよい。
【0075】
第1光源部20aは、第1基板23aと、第1基板23a上に実装された第1発光素子21aとを含み、両面を貫通する第1開口25aを含んでもよい。第2光源部20bは、第2基板23bと、第2基板23b上に実装された第2発光素子21bとを含み、両面を貫通する第2開口25bを含んでもよい。
【0076】
本実施形態において、第1光源部20aと第2光源部20bは、互いに向かい合う形態で設けられる。すなわち、第1光源部20aの第1発光素子21aと第2光源部20bの第2発光素子21bは、前記光触媒フィルター10を挟んで互いに向かい合う形態で設けられる。
【0077】
本実施形態において、空気が効果的に第1及び第2基板23a、23bと光触媒フィルター10を通過できるように、第1及び第2開口25a、25bと光触媒フィルター10の各貫通口は互いに平行な方向に設けられてもよい。すなわち、第1及び第2基板23a、23bの第1及び第2開口25a、25bの穿孔方向と各貫通口の穿孔方向は互いに平行であってもよい。これによって、空気は、第1基板23aの第1開口25a、光触媒フィルター10、及び第2基板23bの第2開口25bを順次通過することができ、通過する途中で殺菌及び脱臭が効果的に行われる。
【0078】
ここで、第1及び第2基板23a、23bから出射された光も多様な方向に放射され得るが、第1及び第2基板23a、23bの一面に対して垂直な方向に進行する光が多いという点を勘案したとき、第1及び第2基板23a、23bの一面の発光素子21から出射された光は、効果的に光触媒フィルター10の各部分、例えば、各貫通口内まで効率的に到逹し得る。
【0079】
但し、空気浄化モジュールが採用される装置によって、必要な空気の流速や流量、及び/又は空気の均一度などに所定の差があり得る。そして、これを調節しなければならない場合、第1及び第2基板23a、23bの第1及び第2開口25a、25bの位置を調節することによって効率的に空気の流速、流量、均一度などを制御することができる。例えば、
図5aに示したように、、第1方向D1に沿って見たとき、第1及び第2基板23a、23bの第1及び第2開口25a、25bの位置がそれぞれ同一であってもよい。言い換えると、第1方向D1に沿って見たとき、第1基板23aの第1開口25aと第2基板23bの第2開口25bは互いに重畳する位置に配置されてもよい。
【0080】
又は、
図5bに示したように、、基板23面に対して垂直な方向に見たとき、第1及び第2基板23a、23bの第1及び第2開口25a、25bの位置が互いに異なってもよく、この場合、第1及び第2基板23a、23bは、その形状が重畳することなく互いに異なってもよい。言い換えると、第1方向D1に沿って見たとき、第1基板23aの第1開口25aと第2基板
23bの第2開口25bは、少なくとも一部が互いに重畳しない位置に配置されてもよい。
【0081】
図5a及び
図5bに示したように、第1及び第2開口25a、25bの位置を互いに同一にしたり異ならせることによって、第1及び第2基板23a、23bと、その間の光触媒フィルター10を通過する空気の流速及び流量が異なる形態に制御され得る。
【0082】
本実施形態において、第1及び第2光源部20a、20bにおける第1及び第2開口25a、25bの位置のみを異ならせたことを示したが、これに限定されるのではなく、第1及び第2光源部20a、20bにおける第1及び第2開口25a、25bの個数や第1及び第2開口25a、25bの直径を異なる形態に設定してもよい。
【0083】
図6a及び
図6bは、それぞれ本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールにおいて、
図4に対応し、
図4と異なる形態に変形した第1光源部20a及び第2光源部20bを示した平面図である。
【0084】
本実施形態において、各発光素子21a、21bの個数と各照射領域RG1、RG2、RG3、RG4は、多様な形態で組み合わせることができる。例えば、図示したように、第1光源部20aに二つの発光素子21aが設けられ、第2光源部20bに二つの発光素子21bが設けられた後、それぞれの発光素子21a、21bがカバーする照射領域RG1、RG2、RG3、RG4が異なる形態に設定されてもよい。このように、複数個の照射領域が設けられる場合、それらの各照射領域の形状や配置は、各発光素子の配置位置や照射角などによって多様な形態に変形し得る。本実施形態において、各照射領域は、例えば、行列状に設けられてもよい。
【0085】
本発明の一実施形態において、第1方向D1に沿って見たとき、第1光源部20a及び第2光源部20bには、互いに重畳する位置に配置された複数個の照射領域が設けられる。すなわち、第1光源部20a及び第2光源部20bには、第1乃至第4照射領域RG1、RG2、RG3、RG4が設けられる。第1乃至第4照射領域RG1、RG2、RG3、RG4は2x2行列状に設けられてもよく、本実施形態では、左上端、右上端、左下端、及び右下端の順に第1乃至第4照射領域RG1、RG2、RG3、RG4が配置されてもよい。
【0086】
第1光源部20a及び第2光源部20bには、それぞれ少なくとも1個の発光素子が設けられる。例えば、第1光源部20aには2個の第1発光素子21aが設けられるので、第1発光素子21aの位置は第1及び第4照射領域RG1、RG4に対応する。第2光源部20bにも2個の第2発光素子が設けられるので、第2発光素子21bの位置は第2及び第3の照射領域RG2、RG3に対応する。
【0087】
第1及び第2光源部20a、20bの第1及び第2発光素子21a、21bは、各照射領域において光触媒フィルターに光が十分な強さで最大限に均一に提供できるように多様な形態で配置され得る。例えば、第1方向D1に沿って見たとき、第1光源部20aの各照射領域のうち第1発光素子21aが配置された少なくとも一つと、第2光源部20bの各照射領域のうち第2発光素子21bが配置された少なくとも一つは互いに重畳しなくてもよい。互いに向かい合う各照射領域で発光素子が向かい合うように配置されると、発光素子が向かい合う地点での光量(又は強さ)と、そうでない部分の光量との均一度差が激しくなり得る。均一度差が大きい場合、光が少なく到逹する場所における空気処理効果が減少し得る。よって、各照射領域に最大限に均一な光量が到逹するように、第1方向D1から見たときに互いに重畳する各照射領域の場合、第1光源部20a及び第2光源部20bのうちいずれか一つにのみ発光素子が設けられ得る。このように、第1光源部20aと第2光源部20bにおいて発光素子21を互いに重畳しないように配置することによって、全体の光触媒フィルター10に均一な程度の光を提供することができる。
【0088】
本発明の一実施形態において、所定の照射領域において、発光素子が設けられる場合、発光素子の実装のための所定の部分が必要であり、発光素子の実装のための部分には各開口が設けられない。これによって、発光素子が設けられる部分においては、そうでない部分に比べて空気の流量や流速が減少し得る。これを克服するために、光源部のそれぞれにおいて、発光素子が配置された各領域と、発光素子が配置されていない各領域に設けられた各開口の直径が互いに異なる形態に形成されてもよい。例えば、発光素子が配置された各領域に設けられた各開口の直径は、発光素子が配置されていない各領域に設けられた各開口の直径より大きくてもよい。
【0089】
本実施形態の場合、第1光源部20aにおいて、第1発光素子21aが設けられる第1及び第4照射領域RG1、RG4における第1開口25aの直径は、第1発光素子21aが設けられていない第2及び第3照射領域RG2、RG3における第1開口25aの直径より大きい。また、第2光源部20bにおいて、第2発光素子21bが設けられる第2及び第3照射領域RG2、RG3における第2開口25bの直径は、第2発光素子21bが設けられていない第1及び第4照射領域RG1、RG4における第2開口25bの直径より大きい。結果的に、発光素子21が配置される照射領域とそうでない照射領域における開口25の面積差は実質的に同一であってもよい。また、同一でないとしても、各開口の直径は、類似する水準を維持することが好ましく、その差は約20%以下であってもよい。
【0090】
発光素子21が配置される領域の開口25の直径が大きく形成されることによって、小さい直径の開口25より空気の流量及び流速がさらに大きくなり、これによって、開口25が設けられる面積の減少を補償することができる。その結果、発光素子21が配置される領域とそうでない領域における流速及び流量を全体的に均一に維持することができる。
【0091】
本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールは、空気が第1方向D1に沿って光触媒フィルター10に提供されるとき、さらに均一な流速及び流量を有するように空気分配器が設けられてもよい。空気分配器は、多様な位置に設けることが可能であり、例えば、光触媒フィルター10又は光源部20a、20bに隣接するように配置されてもよい。例えば、空気分配器は、光触媒フィルター10の両側に設けられ、光源部20a、20bより外側に設けられてもよい。
【0092】
空気分配器は、空気が貫通しながら均一に分散できるようにする多孔性物質で製造されてもよい。言い換えると、空気分配器は、その内部に空気が貫通する各空隙を有する材料からなってもよい。空気分配器は、例えば、不織布、フェルト、セラミック、多孔性PTFEなどの有機高分子などからなってもよい。しかし、多孔性を有して製造され、空気を均一に透過できるものであれば、空気分配器の材料はこれに限定されない。
【0093】
空気分配器の各空隙は、多様な大きさで設けること可能であり、光源部に設けられた開口の直径より小さくてもよい。これは、空気分配器を通過する空気の効率的な分配のためである。
【0094】
本発明の一実施形態において、空気分配器は抗菌機能を有してもよい。このために、空気分配器は、有機系抗菌物質及び/又は無機系抗菌物質を含んでもよい。無機系抗菌物質として、例えば、銀ナノ粒子を含んでもよい。
【0095】
上述した各構造を有する本発明の各実施形態に係る空気浄化モジュールによると、光触媒フィルターに提供される空気が均一な流路/流速を有するようになり、これによって、光触媒フィルターの全部分を最大限に使用できるようになる。その結果、殺菌/脱臭効果が最大化される。
【0096】
図7及び
図8は、本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールの光源部の基板における開口の直径による脱臭効率を示したグラフである。ここで、発光素子としては、365nmの波長帯域の光を出射する発光ダイオード(IF=20mA)4個が使用された。光触媒フィルターは、33mm(幅)x33mm(長さ)x8mm(高さ)の大きさを有するものであって、1個が使用された。実験は、20Lのチャンバー内で行われており、脱臭のための目的物質は、エチレン(CH2CH2)であって、50±5ppmの初期濃度で提供された。
【0097】
まず、空気浄化モジュールの光源部の基板における開口の直径による脱臭効率を検討すると、開口の直径によって脱臭効率が異なる形態に表れる。表1は、空気浄化モジュールの光源部の基板における開口の直径による脱臭効率を示したものであって、
図7は、表1を示したものである。
【0098】
【0099】
表1及び
図7を参照すると、各開口の直径により、脱臭効率が増加してから一定の時点で再び減少する形状を示す。すなわち、各開口の直径が0.5mm~1.5mmである場合は脱臭効率が増加するが、それ以上になると再び脱臭効率が減少する。ここで、特に、開口の直径が1mm~3mmであるとき、75%より高い脱臭効率を示した。各開口の直径が約1mmより小さい場合は、各開口の小さい直径による空気の流動が過度に小さくなることによって脱臭効率が減少すると判断される。その一方で、各開口の直径が約3mmより大きい場合は、各開口による流速の減少効果はないが、流速が速くなり、脱臭が十分に起こり得ないと判断される。
図8を参照すると、流速が過度に遅いと、むしろ脱臭効果が低下することを確認することができる。流速は、開口の直径と密接に関連しているので、直径が過度に小さい場合、流速が遅くなるにもかかわらず、むしろ脱臭効率が減少することを確認することができる。
【0100】
本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールは多様な装置に採用可能である。
【0101】
図9は、本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールが家電製品のうち一つである冷蔵庫に装着されたことを一例として示した図である。しかし、本発明の一実施形態に係る空気浄化モジュールは、冷蔵庫のみならず、空気の脱臭、浄化などの処理が必要である状況であれば、それ以外の他の家電製品や、家具、その他の設置物などに適用可能であることは当然である。
【0102】
本発明の一実施形態に係る冷蔵庫1000は、冷却器が装着され、貯蔵室が設けられた本体200と、貯蔵室内に設けられ、上述した各実施形態に係る空気浄化モジュール100とを含んでもよい。
【0103】
冷蔵庫本体200は、少なくとも1個以上の貯蔵室を有し、空気浄化モジュールは、貯蔵室内の適切な領域に装着され得る。
【0104】
冷蔵庫本体200には、貯蔵室を開閉できるドア300が1個以上設けられ、ドア300と向かい合う本体200の一側には、ドアのオープン有無を感知するためのセンサー400が設けられている。前記センサー400は、ドアが閉鎖されると押されるスイッチの形態で設けられてもよい。
【0105】
本発明の一実施形態において、前記冷蔵庫1000は、ドア300が閉鎖されると、内部の空気浄化モジュール100がオンになり得る。空気浄化モジュール100がオンになる場合、貯蔵室内の空気が浄化される。ドア300が開放されると、空気浄化モジュール100がオフになり得る。
【0106】
以上では、本発明の好適な実施形態を参照して説明したが、該当の技術分野で熟練した当業者又は該当の技術分野で通常の知識を有する者であれば、後述する特許請求の範囲に記載した本発明の思想及び技術領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更可能であることを理解できるだろう。
【0107】
したがって、本発明の技術的範囲は、明細書の詳細な説明に記載した内容に限定されるのではなく、特許請求の範囲によって定められるべきであろう。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通過する空気を浄化する光触媒フィルターと、
所定の方向に前記光触媒フィルターと離隔して配置され、前記光触媒フィルターの一面に光を提供する光源部と、を含み、
前記光源部は、
基板と、
前記基板の上に配置された発光素子と、を含み、
前記基板は、
前記光触媒フィルターの一面と対向し、第1開口を有する光触媒対応領域と、
前記光触媒対応領域の外側において、第2開口を有する外郭領域と、を含み、
前記第1開口の密度は、前記第2開口の密度よりも大きい、空気浄化モジュール。
【請求項2】
前記光触媒フィルターは、前記空気が通過する複数の貫通口を含み、
前記第1の開口、前記第2の開口、及び前記複数の貫通口は、前記所定の方向に貫通している、請求項1に記載の空気浄化モジュール。
【請求項3】
前記所定の方向から眺めたとき、前記基板は、前記光触媒フィルターよりも大きな面積を有する、請求項2に記載の空気浄化モジュール。
【請求項4】
前記光触媒フィルターの前記一面は、前記発光素子から出射された光が到達する照射領域を含む、請求項1に記載の空気浄化モジュール。
【請求項5】
前記第1開口は、複数個設けられ、
複数個の前記第1開口の各々は、1.0mm~3.0mmの範囲の直径を有し、
前記発光素子は、前記光触媒フィルターの前記一面に複数の前記照射領域が設けられるように、複数個設けられ、
前記基板は、さらに、複数の前記照射領域の間の領域と対応して、複数個の前記第1開口が設けられない放熱部を含み、
前記放熱部は格子状に設けられている、請求項4に記載の空気浄化モジュール。
【請求項6】
さらに、前記光触媒フィルター及び前記光源部を収容し、前記空気が前記所定の方向に通過する開口を有するハウジングを含み、
前記ハウジングは、前記放熱部に対応する位置に配置されるリブを含む、請求項5に記載の空気浄化モジュール。
【請求項7】
前記光源部は、前記光触媒フィルターを間に挟んで互いに対向する第1光源部及び第2光源部を含む、請求項1に記載の空気浄化モジュール。
【外国語明細書】