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特開2024-105353マルチバンドミリ波(mmW)アンテナアレイおよび無線周波数集積回路(RFIC)モジュール
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024105353
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】マルチバンドミリ波(mmW)アンテナアレイおよび無線周波数集積回路(RFIC)モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01Q 23/00 20060101AFI20240730BHJP
   H01Q 21/30 20060101ALI20240730BHJP
   H01Q 21/24 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
H01Q23/00
H01Q21/30
H01Q21/24
【審査請求】有
【請求項の数】30
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024071471
(22)【出願日】2024-04-25
(62)【分割の表示】P 2021521142の分割
【原出願日】2019-10-24
(31)【優先権主張番号】16/178,189
(32)【優先日】2018-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】カウシク・チャクラボルティー
(72)【発明者】
【氏名】ラーフル・マリク
(72)【発明者】
【氏名】ダンワース、ジェレミー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】複数の偏波を有するコンパクトなマルチバンドmmWアンテナアレイ及びRFICモジュールを備える装置を提供する。
【解決手段】RFICモジュールは、第1のアンテナアレイと、第2のアンテナアレイと、少なくとも1つの無線周波数フロントエンド集積回路(RFFEIC)と、を含み、第1のアンテナアレイは、少なくとも2つの第1のアンテナ素子を含み、第1のmmW周波数帯域に同調され、第2のアンテナアレイは、少なくとも2つの第2のアンテナ素子を含み、第2のmmW周波数帯域に同調され、少なくとも1つのRFICは、少なくとも2つの第1のトランシーバチェーンと、少なくとも2つの第2のトランシーバチェーンとを含み、少なくとも2つの第1のトランシーバチェーンは、少なくとも2つの第1のアンテナ素子にそれぞれ結合され、少なくとも2つの第2のトランシーバチェーンは、少なくとも2つの第2のアンテナ素子に夫々結合される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
マルチバンドミリ波(mmW)アンテナアレイおよび無線周波数集積回路(RFIC)モジュールを備え、前記マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールは、
少なくとも2つの第1のアンテナ素子を含む第1のアンテナアレイと、ここで、前記第1のアンテナアレイは、第1のmmW周波数帯域に同調される、
少なくとも2つの第2のアンテナ素子を含む第2のアンテナアレイと、ここで、前記第2のアンテナアレイは、第2のmmW周波数帯域に同調される、
少なくとも1つの無線周波数フロントエンド集積回路と
を含み、前記少なくとも1つの無線周波数フロントエンド集積回路は、
前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子にそれぞれ結合された少なくとも2つの第1のトランシーバチェーンと、
前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子にそれぞれ結合された少なくとも2つの第2のトランシーバチェーンと
を含む、装置。
【請求項2】
前記マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールは、同一金属層に配設された複数のトレースを含み、前記複数のトレースのサブセットは、前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子を前記少なくとも2つの第1のトランシーバチェーンにそれぞれ結合し、前記複数のトレースの別のサブセットは、前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子を前記少なくとも2つの第2のトランシーバチェーンにそれぞれ結合する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子はそれぞれ、第1の偏波に関連する第1の給電ポートと、第2の偏波に関連する第2の給電ポートとを有し、
前記少なくとも2つの第1のトランシーバチェーンは、少なくとも4つの第1のトランシーバチェーンを含み、
前記複数のトレースの前記サブセットは、
前記少なくとも4つの第1のトランシーバチェーンのうちの2つのトランシーバチェーンを、実質的に同様のルーティング長で前記第1の偏波に関連する前記第1の給電ポートに結合し、
前記少なくとも4つの第1のトランシーバチェーンのうちの2つの他のトランシーバチェーンを、他の実質的に同様のルーティング長で前記第2の偏波に関連する前記第2の給電ポートに結合する、
請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子はそれぞれ、第1の偏波に関連する第1の給電ポートを有し、
前記複数のトレースの前記サブセットは、前記少なくとも2つの第1のトランシーバチェーンを、異なるルーティング長で前記第1の偏波に関連する前記第1の給電ポートに結合し、
前記少なくとも2つの第1のトランシーバチェーンのうちの少なくとも1つのトランシーバチェーンは、前記異なるルーティング長の間の差に基づく位相シフトを有する位相シフタを含む、
請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記第1のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子は、第1の軸に沿って配置され、前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子の隣接する素子は、前記第1のmmW周波数帯域に関連する第1の中心波長の約半分だけ離れており、
前記第2のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子は、前記第1の軸に対してほぼ平行な第2の軸に沿って配置され、前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子の他の隣接する素子は、前記第2のmmW周波数帯域に関連する第2の中心波長の約半分だけ離れている、
請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第1のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子は各々、第1の偏波に関連する第1の給電ポートと、第2の偏波に関連する第2の給電ポートとをそれぞれ有し、
前記第1の軸の方向に沿った前記第1の給電ポートおよび前記第2の給電ポートの配列は、対称軸に関して対称であり、前記対称軸は、前記第1の軸および前記第2の軸の両方に対してほぼ垂直である、
請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記第2のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子は各々、前記第1の偏波に関連する第1の給電ポートと、前記第2の偏波に関連する第2の給電ポートとをそれぞれ有し、
前記第2の軸の方向に沿った前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子の前記第1の給電ポートと前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子の前記第2の給電ポートとの配列は、前記対称軸に関して対称である
請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の中心波長は、前記第2の中心波長よりも大きく、
前記無線周波数フロントエンド集積回路は、前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子の間に位置している、
請求項5に記載の装置。
【請求項9】
前記少なくとも2つの第1のトランシーバチェーンは、前記第1の軸に対してほぼ平行な第3の軸に沿って配置され、
前記少なくとも2つの第2のトランシーバチェーンは、前記第3の軸に対してほぼ平行な第4の軸に沿って配置され、
前記少なくとも2つの第2のトランシーバチェーンは、前記無線周波数フロントエンド集積回路の反対側と比較して前記第2のアンテナアレイにより近い前記無線周波数フロントエンド集積回路の片側に沿って配置される、
請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記少なくとも2つの第1のトランシーバチェーンは、
前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子の第1の給電ポートに結合された2つの第1のトランシーバチェーンと、ここで、前記第1の給電ポートは、第1の偏波に関連する、
前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子の第2の給電ポートに結合された別の2つの第1のトランシーバチェーンと、ここで、前記第2の給電ポートは、第2の偏波に関連する、
を含み、
前記第3の軸の方向に沿った前記2つの第1のトランシーバチェーンおよび前記別の2つの第1のトランシーバチェーンの配列は、対称軸に関して対称であり、前記対称軸は、前記第3の軸および前記第4の軸の両方に対してほぼ垂直である、
請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記少なくとも2つの第2のトランシーバチェーンは、
前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子の第1の給電ポートに結合された2つの第2のトランシーバチェーンと、ここで、前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子の前記第1の給電ポートは、前記第1の偏波に関連する、
前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子の第2の給電ポートに結合された別の2つの第2のトランシーバチェーンと、ここで、前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子の前記第2の給電ポートは、前記第2の偏波に関連する、
を含み、
前記第4の軸の方向に沿った前記2つの第2のトランシーバチェーンおよび前記別の2つの第2のトランシーバチェーンの配列は、前記対称軸に関して対称である、
請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第1のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子は、少なくとも2つの二重偏波アンテナ素子を備え、
前記第2のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子は、少なくとも2つの他の二重偏波アンテナ素子を備える、
請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記第1のアンテナアレイの前記少なくとも2つの二重偏波アンテナ素子は、少なくとも2つの二重偏波クロスパッチアンテナ素子を備え、
前記第2のアンテナアレイの前記少なくとも2つの他の二重偏波アンテナ素子は、少なくとも2つの二重偏波パッチアンテナ素子を備える、
請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第1のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子は、少なくとも2つの二重偏波アンテナ素子を備え、
前記第2のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子は、少なくとも4つの単一偏波アンテナ素子を備える、
請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記第1のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子は、第1の軸に沿って配置され、
第1の偏波に関連する前記第2のアンテナアレイの前記少なくとも4つの単一偏波アンテナ素子のサブセットは、前記第1の軸に対してほぼ平行な第2の軸に沿って配置され、
第2の偏波に関連する前記第2のアンテナアレイの前記少なくとも4つの単一偏波アンテナ素子の別のサブセットは、前記第2の軸に対してほぼ平行な第3の軸に沿って配置され、ここで、前記第3の軸は、前記第2の軸に対して前記第1の軸の反対側に配置される、
請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子の量は、前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子の量の2倍であり、
前記少なくとも2つの第2のトランシーバチェーンの量は、前記少なくとも2つの第1のトランシーバチェーンの量の2倍である、
請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記第2のmmW周波数帯域は、前記第1のmmW周波数帯域内にある別の周波数の約2倍である周波数を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記第1のmmW周波数帯域は、ライセンスmmW周波数帯域を備え、
前記第2のmmW周波数帯域は、アンライセンスmmW周波数帯域を備える、
請求項1に記載の装置。
【請求項19】
別のマルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールをさらに備え、前記別のマルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールは、
少なくとも2つの第3のアンテナ素子を含む第3のアンテナアレイと、ここで、前記第3のアンテナアレイは、前記第1のmmW周波数帯域に同調される、
少なくとも2つの第4のアンテナ素子を含む第4のアンテナアレイと、ここで、前記第4のアンテナアレイは、前記第2のmmW周波数帯域に同調される、
少なくとも1つの別の無線周波数フロントエンド集積回路と
を含み、前記別の無線周波数フロントエンド集積回路は、
前記少なくとも2つの第3のアンテナ素子にそれぞれ結合された少なくとも2つの第3のトランシーバチェーンと、
前記少なくとも2つの第4のアンテナ素子にそれぞれ結合された少なくとも2つの第4のトランシーバチェーンと
を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記第1のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子および前記第3のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第3のアンテナ素子は、第1の軸に沿って配置され、
前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子および前記少なくとも2つの第3のアンテナ素子の隣接するアンテナ素子は、前記第1のmmW周波数帯域に関連する第1の中心波長の約半分だけ離されており、
前記第2のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子および前記第4のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第4のアンテナ素子は、前記第1の軸に対してほぼ平行な第2の軸に沿って配置され、
前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子および前記少なくとも2つの第4のアンテナ素子の他の隣接するアンテナ素子は、前記第2のmmW周波数帯域に関連する第2の中心波長の約半分だけ離されている、
請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記第1のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子は、第1の軸に沿って配置され、
前記第2のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子は、第2の軸に沿って配置され、前記第3のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第3のアンテナ素子は、前記第1の軸に対してほぼ平行な第3の軸に沿って配置され、ここで、前記第3の軸は、前記第1のmmW周波数帯域に関連する第1の中心波長の約半分だけ前記第1の軸からオフセットされる、
前記第4のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第4のアンテナ素子は、前記第2の軸に対してほぼ平行な第4の軸に沿って配置され、ここで、前記第4の軸は、前記第2のmmW周波数帯域に関連する第2の中心波長の約半分だけ前記第2の軸からオフセットされる、
前記第1のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子および前記第3のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第3のアンテナ素子の隣接する素子は、2つの次元に沿って前記第1の中心波長の約半分だけ離されている、
前記第2のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子および前記第4のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第4のアンテナ素子の他の隣接する素子は、2つの次元に沿って前記第2の中心波長の約半分だけ離されている、
請求項19に記載の装置。
【請求項22】
装置であって、
マルチバンドミリ波(mmW)アンテナアレイおよび無線周波数集積回路(RFIC)モジュールを備え、前記マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールは、
第1のmmW周波数帯域に関連する第1の信号に応答するように構成された第1のアンテナアレイと、
第2のmmW周波数帯域に関連する第2の信号に応答するように構成された第2のアンテナアレイと、
前記第1のアンテナアレイおよび前記第2のアンテナアレイに結合された無線周波数フロントエンド集積回路と
を含み、前記無線周波数フロントエンド集積回路は、
前記第1のmmW周波数帯域に関連する前記第1の信号を調整するための第1のパーティション手段と、
前記第2のmmW周波数帯域に関連する前記第2の信号を調整するための第2のパーティション手段と
を含む、装置。
【請求項23】
前記第1のアンテナアレイを前記第1のパーティション手段に結合し、前記第2のアンテナアレイを前記第2のパーティション手段に結合するためのトレース手段を、同一金属層にさらに備える、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記トレース手段は、比較的等しい遅延で前記第1のアンテナアレイと前記第1のパーティション手段との間で前記第1の信号をルーティングするための手段を備える、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
相対的に異なる遅延に基づいて前記第1のパーティション手段内の相対位相シフトを調節するための位相シフト手段をさらに備え、
前記トレース手段は、前記相対的に異なる遅延で前記第1のアンテナアレイと前記第1のパーティション手段との間で前記第1の信号をルーティングするための手段を備える、
請求項23に記載の装置。
【請求項26】
前記第1のアンテナアレイおよび前記第2のアンテナアレイは、対称軸に関して対称的に配列されたそれぞれの給電ポートを有する、請求項22に記載の装置。
【請求項27】
前記第1のパーティション手段および前記第2のパーティション手段は各々、第1の偏波に関連する無線周波数集積回路ポートおよび第2の偏波に関連する無線周波数集積回路ポートを含み、
前記第1の偏波に関連する前記無線周波数集積回路ポートおよび前記第2の偏波に関連する前記無線周波数集積回路ポートは、対称軸に関して対称的に配列される、
請求項22記載の装置。
【請求項28】
マルチバンドミリ波(mmW)アンテナアレイおよび無線周波数集積回路(RFIC)モジュールを動作させるための方法であって、
前記マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールの第1のアンテナアレイを介して第1のmmW周波数帯域に関連する第1の信号に応答することと、
前記マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールの無線周波数フロントエンド集積回路を介して前記第1のmmW周波数帯域に関連する前記第1の信号を調整することと、
前記マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールの第2のアンテナアレイを介して第2のmmW周波数帯域に関連する第2の信号に応答することと、
前記無線周波数フロントエンド集積回路を介して前記第2のmmW周波数帯域に関連する前記第2の信号を調整することと
を備える方法。
【請求項29】
前記マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールの実質的に対称なトレースを使用して、前記第1のアンテナアレイと前記無線周波数フロントエンド集積回路との間で複数のバージョンの前記第1の信号を伝搬することと、
前記マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールの他の実質的に対称なトレースを使用して、前記第2のアンテナアレイと前記無線周波数フロントエンド集積回路との間で複数のバージョンの前記第2の信号を伝搬することと
をさらに備える、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
装置であって、
マルチバンドミリ波(mmW)アンテナアレイおよび無線周波数集積回路(RFIC)モジュールを備え、前記マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールは、
少なくとも2つの第1のアンテナ素子を含む第1のアンテナアレイと、ここで、前記第1のアンテナアレイは、第1のmmW周波数帯域に同調される、
少なくとも2つの第2のアンテナ素子を含む第2のアンテナアレイと、ここで、前記第2のアンテナアレイは、第2のmmW周波数帯域に同調される、
前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子にそれぞれ結合された少なくとも2つの第1のトランシーバチェーンを含む第1の無線周波数フロントエンド集積回路と、
前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子にそれぞれ結合された少なくとも2つの第2のトランシーバチェーンを含む第2の無線周波数フロントエンド集積回路と
を含む、装置。
【発明の詳細な説明】
【優先権】
【0001】
[0001] 本特許出願は、本出願の譲受人に譲渡され、参照により本明細書に明確に組み込まれる、2018年11月1日に出願された「MULTI-BAND MILLIMETER-WAVE (MMW) ANTENNA ARRAY AND RADIO-FREQUENCY INTEGRATED CIRCUIT (RFIC) MODULE」と題する非仮出願第16/178,189号の優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
[0002] 本開示は一般に、アンテナアレイおよびワイヤレストランシーバに関し、より詳細には、マルチバンドミリ波(mmW)アンテナアレイ(multi-band millimeter-wave (mmw) antenna array)および無線周波数集積回路(RFIC)モジュール(radio-frequency integrated circuit (RFIC) module)を実現する共同アンテナアレイおよびRFIC設計に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 電子デバイスは、情報を通信するために無線周波数(RF:radio-frequency)信号を使用する。これらの無線周波数信号により、ユーザは、友人と会話したり、情報をダウンロードしたり、写真を共有したり、家庭用デバイスを遠隔制御したり、全地球測位情報を受信したりすることができる。いくつかの電子デバイスは、異なる周波数(frequency)でまたは異なる方向に沿って通信信号を送信および受信するための複数のアンテナアレイを含む。しかしながら、いくつかの電子デバイスのサイズ制約により、インプリメントすることができるアンテナアレイの量(quantity)は制限され得る。結果として、電子デバイスは、それがサポートすることができる周波数帯域の量、またはそれがどの時点においてももしくは所与の物理的配向において提供することができる空間カバレッジの量に関して制限され得る。
【発明の概要】
【0004】
[0004] マルチバンドミリ波(mmW)アンテナアレイおよび無線周波数集積回路(RFIC)モジュールをインプリメントする装置(apparatus)が開示される。デバイスの周りに複数のマルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールを配置することで、1つまたは複数のミリ波周波数帯域に対してターゲット空間カバレージ(target spatial coverage)が提供され得る。開示されるマルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールは、複数のマルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールが空間制約のあるデバイス内に含まれることを可能にするコンパクトな設計を有する。マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールは、多入力多出力(MIMO)動作、キャリアアグリゲーションを実行するために、または複数のミリ波周波数帯域を利用するために使用され得る。マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールはまた、単一偏波アンテナ素子(single-polarized antenna element)または二重偏波アンテナ素子(dual-polarized antenna element)の2つのセットを使用することによって複数の偏波をサポートすることができる。マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールは、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールの性能に悪影響を及ぼすことなく、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールが占有する空間を節約するように共同で設計された少なくとも2つのアンテナアレイおよび少なくとも1つの無線周波数フロントエンド集積回路(radio-frequency front-end integrated circuit)を含む。
【0005】
[0005] 例となる態様では、装置が開示される。装置は、マルチバンドミリ波(mmW)アンテナアレイおよび無線周波数集積回路(RFIC)モジュールを含む。マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールは、第1のアンテナアレイ(first antenna array)と、第2のアンテナアレイ(second antenna array)と、少なくとも1つの無線周波数フロントエンド集積回路とを含む。第1のアンテナアレイは、少なくとも2つの第1のアンテナ素子(first antenna element)を含み、第1のmmW周波数帯域(first mmW frequency band)に同調される。第2のアンテナアレイは、少なくとも2つの第2のアンテナ素子(second antenna element)を含み、第2のmmW周波数帯域(second mmW frequency band)に同調される。少なくとも1つの無線周波数フロントエンド集積回路は、少なくとも2つの第1のトランシーバチェーン(first transceiver chain)と、少なくとも2つの第2のトランシーバチェーン(second transceiver chain)とを含む。少なくとも2つの第1のトランシーバチェーンは、少なくとも2つの第1のアンテナ素子にそれぞれ結合され、少なくとも2つの第2のトランシーバチェーンは、少なくとも2つの第2のアンテナ素子にそれぞれ結合される。
【0006】
[0006] 例となる態様では、装置が開示される。装置は、マルチバンドミリ波(mmW)アンテナアレイおよび無線周波数集積回路(RFIC)モジュールを含む。マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールは、第1のアンテナアレイと、第2のアンテナアレイとを含む。第1のアンテナアレイは、第1のmmW周波数帯域に関連する第1の信号に応答するように構成される。第2のアンテナアレイは、第2のmmW周波数帯域に関連する第2の信号に応答するように構成される。マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールはまた、第1のアンテナアレイおよび第2のアンテナアレイに結合された無線周波数フロントエンド集積回路を含む。無線周波数フロントエンド集積回路は、第1のmmW周波数帯域に関連する第1の信号を調整するための第1のパーティション手段(first partition means)を含む。無線周波数フロントエンド集積回路はまた、第2のmmW周波数帯域に関連する第2の信号を調整するための第2のパーティション手段(second partition means)を含む。
【0007】
[0007] 例となる態様では、マルチバンドミリ波(mmW)アンテナアレイおよび無線周波数集積回路(RFIC)モジュールを動作させるための方法が開示される。方法は、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールの第1のアンテナアレイを介して第1のmmW周波数帯域に関連する第1の信号に応答することを含む。方法はまた、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールの無線周波数フロントエンド集積回路を介して第1のmmW周波数帯域に関連する第1の信号を調整することを含む。方法は、追加的に、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールの第2のアンテナアレイを介して第2のmmW周波数帯域に関連する第2の信号に応答することを含む。方法は、無線周波数フロントエンド集積回路を介して第2のmmW周波数帯域に関連する第2の信号を調整することをさらに含む。
【0008】
[0008] 例となる態様では、装置が開示される。装置は、第1のアンテナアレイと、第2のアンテナアレイと、第1の無線周波数フロントエンド集積回路と、第2の無線周波数フロントエンド集積回路とを含むマルチバンドミリ波(mmW)アンテナアレイおよび無線周波数集積回路(RFIC)モジュールを含む。第1のアンテナアレイは、少なくとも2つの第1のアンテナ素子を含み、第1のmmW周波数帯域に同調される。第2のアンテナアレイは、少なくとも2つの第2のアンテナ素子を含み、第2のmmW周波数帯域に同調される。第1の無線周波数フロントエンド集積回路は、少なくとも2つの第1のアンテナ素子にそれぞれ結合された少なくとも2つの第1のトランシーバチェーンを含む。第2の無線周波数フロントエンド集積回路は、少なくとも2つの第2のアンテナ素子にそれぞれ結合された少なくとも2つの第2のトランシーバチェーンを含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】[0009] 図1は、マルチバンドミリ波(mmW)アンテナアレイおよび無線周波数集積回路(RFIC)モジュールを利用する例となる動作環境を例示する。
図2】[0010] 図2は、複数のマルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールを含む例となるコンピューティングデバイスを例示する。
図3】[0011] 図3は、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールの例となるインプリメンテーションを例示する。
図4-1】[0012] 図4-1は、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールをインプリメントするための例となるアンテナアレイを例示する。
図4-2】[0013] 図4-2は、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールをインプリメントするための例となる単一偏波アンテナ素子と、その2つの例となるインプリメンテーションとを例示する。
図4-3】[0014] 図4-3は、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールをインプリメントするための例となる二重偏波アンテナ素子と、その2つの例となるインプリメンテーションとを例示する。
図5-1】[0015] 図5-1は、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールをインプリメントするための無線周波数フロントエンド集積回路の例となる非インターリーブパーティショニング(non-interleaved partitioning)を例示する。
図5-2】[0016] 図5-2は、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールをインプリメントするための無線周波数フロントエンド集積回路内の異なる偏波に関連する複数のトランシーバチェーン(transceiver chain)の例となる配置(arrangement)を例示する。
図5-3】[0017] 図5-3は、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールをインプリメントするための無線周波数フロントエンド集積回路内の異なる偏波に関連する複数のトランシーバチェーンの別の例となる配置を例示する。
図5-4】[0018] 図5-4は、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールをインプリメントするための無線周波数フロントエンド集積回路内の異なる偏波に関連する複数のトランシーバチェーンの追加の例となる配置を例示する。
図5-5】[0019] 図5-5は、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールをインプリメントするための無線周波数フロントエンド集積回路の例となるインターリーブパーティショニングを例示する。
図5-6】[0020] 図5-6は、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールをインプリメントするための無線周波数フロントエンド集積回路内の異なる偏波に関連する複数のトランシーバチェーンの例となる配置を例示する。
図5-7】[0021] 図5-7は、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールをインプリメントするための無線周波数フロントエンド集積回路内の異なる偏波に関連する複数のトランシーバチェーンの別の例となる配置を例示する。
図5-8】[0022] 図5-8は、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールをインプリメントするための無線周波数フロントエンド集積回路内のトランシーバチェーンの例となるインプリメンテーションを例示する。
図6-1】[0023] 図6-1は、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールをインプリメントするための無線周波数フロントエンド集積回路およびアンテナアレイの例となる配置を例示する。
図6-2】[0024] 図6-2は、大きな線形アンテナアレイ(linear antenna arrays)をインプリメントするための複数のマルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールの例となる配置を例示する。
図6-3】[0025] 図6-3は、2次元アンテナアレイ(two-dimensional antenna arrays)をインプリメントするための複数のマルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールの例となる配置を例示する。
図7-1】[0026] 図7-1は、非インターリーブパーティショニングを有する無線周波数フロントエンド集積回路と二重偏波パッチアンテナ素子(dual-polarized patch antenna element)とを含むマルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールのための例となるルーティング(routing)を例示する。
図7-2】[0027] 図7-2は、非インターリーブパーティショニングを有する無線周波数フロントエンド集積回路と二重偏波クロスパッチアンテナ素子(dual-polarized cross-patch antenna element)とを含むマルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールのための別の例となるルーティングを例示する。
図7-3】[0028] 図7-3は、非インターリーブパーティショニングを有する無線周波数フロントエンド集積回路と単一偏波パッチアンテナ素子(single-polarized patch antenna element)とを含むマルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールのための例となるルーティングを例示する。
図7-4】[0029] 図7-4は、非インターリーブパーティショニングを有する無線周波数フロントエンド集積回路と単一偏波パッチアンテナ素子とを含むマルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールのための別の例となるルーティングを例示する。
図7-5】[0030] 図7-5は、インターリーブパーティショニングを有する無線周波数フロントエンド集積回路と単一偏波パッチアンテナ素子とを含むマルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールのための例となるルーティングを例示する。
図8-1】[0031] 図8-1は、複数の無線周波数フロントエンド集積回路を有するマルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールの例となるインプリメンテーションを例示する。
図8-2】[0032] 図8-2は、複数の無線周波数フロントエンド集積回路を有するマルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールの別の例となるインプリメンテーションを例示する。
図9】[0033] 図9は、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールを動作させるための例となるプロセスを例示するフロー図である。
【詳細な説明】
【0010】
[0034] 電子デバイスは、情報を通信するために無線周波数(RF)信号を使用する。これらの無線周波数信号により、ユーザは、友人と会話したり、情報をダウンロードしたり、写真を共有したり、家庭用デバイスを遠隔制御したり、全地球測位情報を受信したり、物体検出および追跡のためにレーダーを用いたり、無線局を聴いたりすることができる。いくつかの電子デバイスは、異なる周波数でまたは異なる方向に沿って通信信号を送信および受信するための複数のアンテナアレイを含む。しかしながら、いくつかの電子デバイスのサイズ制約により、所与の電子デバイス内に設置することができるアンテナアレイの量は制限され得る。結果として、電子デバイスは、それがサポートすることができる周波数帯域の量、または実現され得る空間カバレッジの量に関して制限され得る。
【0011】
[0035] そのような課題に対処するために、マルチバンドミリ波(mmW)アンテナアレイおよび無線周波数集積回路(RFIC)モジュールをインプリメントするための技法が本明細書で説明される。デバイスの周りに複数のマルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールを配置することで、1つまたは複数のミリ波周波数帯域に対してターゲット空間カバレージが提供され得る。開示されるマルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールは、複数のマルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールが空間制約のあるデバイス内に含まれることを可能にするコンパクトな設計を有する。マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールは、多入力多出力(MIMO)動作、キャリアアグリゲーションを実行するために、または複数のミリ波周波数帯域を利用するために使用され得る。マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールはまた、単一偏波アンテナ素子または二重偏波アンテナ素子を使用することによって複数の偏波をサポートすることができる。マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールは、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールの性能に悪影響を及ぼすことなく、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールが占有する空間を節約するように共同で設計された少なくとも2つのアンテナアレイおよび少なくとも1つの無線周波数フロントエンド集積回路を含む。
【0012】
[0036] 図1は、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールを利用する例となる環境100を例示する。例となる環境100において、コンピューティングデバイス102は、ワイヤレス通信リンク106(ワイヤレスリンク106)を通して基地局104と通信する。この例では、コンピューティングデバイス102は、スマートフォンとして描写されている。しかしながら、コンピューティングデバイス102は、モデム、セルラ基地局、ブロードバンドルータ、アクセスポイント、セルラ電話、ゲームデバイス、ナビゲーションデバイス、メディアデバイス、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、ウェアラブルコンピュータ、サーバ、ネットワーク接続ストレージ(NAS)デバイス、スマート家電または他のモノのインターネット(IoT)デバイス、医療デバイス、車両ベースの通信システム、レーダー、無線装置などの任意の適切なコンピューティングデバイスまたは電子デバイスとしてインプリメントされ得る。
【0013】
[0037] 基地局104は、任意の適切なタイプのワイヤレスリンクとしてインプリメントされ得るワイヤレスリンク106を介してコンピューティングデバイス102と通信する。セルラネットワークのタワーとして描写されているが、基地局104は、衛星、サーバデバイス、地上波テレビジョンブロードキャストタワー、アクセスポイント、ピア・ツー・ピアデバイス、メッシュネットワークノードなどの別のデバイスを表すか、または別のデバイスとしてインプリメントされ得る。コンピューティングデバイス102は、例えばワイヤレスリンク106と同じまたは異なる周波数帯域でのワイヤレス接続を介して、またはワイヤード接続で、またはそれらの組合せで基地局104と通信し得る。コンピューティングデバイス102はまた、ワイヤード接続、ワイヤレス接続、またはそれらの組合せを介して別のデバイスと通信し得る。
【0014】
[0038] ワイヤレスリンク106は、基地局104からコンピューティングデバイス102に通信されるデータまたは制御情報のダウンリンクと、コンピューティングデバイス102から基地局104に通信される他のデータまたは制御情報のアップリンクとを含むことができる。ワイヤレスリンク106は、第4世代(4G)、第5世代(5G)、IEEE802.11(例えば、Wi-Fi(登録商標))、任意の衛星通信(SATCOM)規格、IEEE802.16(例えば、WiMAX(登録商標))などの任意の適切な通信プロトコルまたは規格を使用してインプリメントされ得る。いくつかのインプリメンテーションでは、ワイヤレスリンク106はワイヤレスに電力を供給し得、基地局104は電源を備え得る。
【0015】
[0039] 示されるように、コンピューティングデバイス102は、アプリケーションプロセッサ108とコンピュータ読取可能な記憶媒体110(CRM110)とを含む。アプリケーションプロセッサ108は、CRM110によって記憶されたプロセッサ実行可能コードを実行する、マルチコアプロセッサのような任意のタイプのプロセッサを含み得る。CRM110は、揮発性メモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM))、不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリ)、光学媒体、磁気媒体(例えば、ディスク)などの任意の適切なタイプのデータ記憶媒体を含み得る。本開示のコンテキストでは、CRM110は、命令112、データ114、およびコンピューティングデバイス102の他の情報を記憶するようにインプリメントされ、したがって、一時的な伝搬信号または搬送波を含まない。
【0016】
[0040] コンピューティングデバイス102はまた、入力/出力ポート116(I/Oポート116)とディスプレイ118とを含み得る。I/Oポート116は、他のデバイス、ネットワーク、またはユーザとのデータ交換または対話を可能にする。I/Oポート116は、シリアルポート(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート)、パラレルポート、オーディオポート、赤外線(IR)ポート、タッチスクリーンのようなユーザインターフェースポートなどを含み得る。ディスプレイ118は、オペレーティングシステム、プログラム、またはアプリケーションに関連するユーザインターフェースのような、コンピューティングデバイス102のグラフィックスを提示する。代替的にまたは追加的に、ディスプレイ118は、コンピューティングデバイス102のグラフィカルコンテンツが提示されるディスプレイポートまたは仮想インターフェースとしてインプリメントされ得る。
【0017】
[0041] コンピューティングデバイス102のマルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120は、それぞれのネットワークおよびそれに接続された他の電子デバイスへの接続性を提供する。追加的に、コンピューティングデバイス102は、ローカルネットワーク、イントラネット、またはインターネット上で通信するためのイーサネット(登録商標)または光ファイバインターフェースのようなワイヤードトランシーバを含み得る。マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120は、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(LAN)(WLAN)、ピア・ツー・ピア(P2P)ネットワーク、メッシュネットワーク、セルラネットワーク、ワイヤレスワイドエリアネットワーク(WWAN)、および/またはワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(WPAN)のような任意の適切なタイプのワイヤレスネットワーク上での通信を容易にし得る。例となる環境100のコンテキストでは、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120は、コンピューティングデバイス102が、基地局104およびそれに接続されたネットワークと通信することを可能にする。しかしながら、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120は、コンピューティングデバイス102が他のデバイスまたはネットワークと「直接」通信することも可能にすることができる。
【0018】
[0042] マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120は、少なくとも1つの無線周波数フロントエンド(RFFE:radio-frequency front-end)集積回路(IC)122(RFFE IC 122)(例えば、RFIC)と、少なくとも2つのアンテナアレイ124-1~124-Nとを含む。無線周波数フロントエンド集積回路122は、アンテナアレイ124-1~124-Nを介して送信および受信される信号を調整する(例えば、信号を生成または処理する)ための回路およびロジックを含む。無線周波数フロントエンド集積回路122の構成要素には、増幅器、スイッチ、ミキサ、フィルタ、位相シフタ(phase shifter)などが含まれ得る。いくつかのケースでは、無線周波数フロントエンド集積回路122の構成要素は、別個の受信機および送信機エンティティとしてインプリメントされる。追加的にまたは代替的に、無線周波数フロントエンド集積回路122は、それぞれの受信および送信動作(例えば、別個の送信および受信機チェーン)をインプリメントするために複数のまたは異なるセクションを使用して実現され得る。一般に、無線周波数フロントエンド集積回路122は、アンテナアレイ124-1~124-N上でコンピューティングデバイス102のデータを通信することに関連する信号を調整する。明示的に示されていないが、無線周波数フロントエンド集積回路122は、中間周波数集積回路またはベースバンド集積回路のような他の構成要素または集積回路を含むワイヤレストランシーバの一部として含まれ得る。ワイヤレストランシーバはまた、合成、符号化、変調、復号、復調などの同相/直交(I/Q)動作を実行するためのロジックを含み得る。無線周波数フロントエンド集積回路122の例となるインプリメンテーションは、図5-1~図5-8に関してさらに説明される。
【0019】
[0043] 無線周波数フロントエンド集積回路122は、それぞれがmmW周波数帯域に関連する1つまたは複数のパーティション(partition)を含むことができる。本明細書で使用される場合、周波数帯域とは、政府が定めた専用の目的を有し得、公的または私的に所有され得る(例えば、アンライセンスまたはライセンスの)電磁スペクトルの実質的に連続した部分である。いくつかのケースでは、周波数帯域は、キャリアアグリゲーションに使用される共有周波数帯域を備え得る。mmW周波数帯域の例には、低mmW周波数帯域(例えば、少なくとも約24~35ギガヘルツ(GHz)の間の周波数のサブセット(subset)を含む周波数帯域)、中間mmW周波数帯域(例えば、少なくとも約35~50GHzの間の周波数のサブセットを含む周波数帯域))、または高mmW周波数帯域(例えば、少なくとも約50~300GHzの間の周波数のサブセットを含む周波数帯域))のような第5世代規格のためのmmW周波数帯域が含まれる。
【0020】
[0044] 少なくとも2つのアンテナアレイ124-1~124-Nの各アンテナアレイは、特定のmmW周波数帯域に同調される。換言すると、各アンテナアレイは、無線周波数信号を著しく減衰させることなく、関連するmmW周波数帯域内の1つまたは複数の周波数を有する無線周波数信号を送信または受信するように設計される。アンテナアレイ124-1~124-Nは各々、図3に関してさらに説明されるように、特定のmmW周波数帯域に関連する無線周波数フロントエンド集積回路122内のパーティションに結合され得る。アンテナアレイ124-1~124-Nの例となるインプリメンテーションは、図4-1~図4-3に関してさらに説明される。
【0021】
[0045] マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120内で、無線周波数フロントエンド集積回路122およびアンテナアレイ124-1~124-Nは、性能に悪影響を及ぼすことなく、空間を節約するために共同で設計される。特に、無線周波数フロントエンド集積回路122およびアンテナアレイ124-1~124-Nの設計および配置は、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120内のルーティングを簡略化し、複数のトレース(multiple traces)が同一金属層(same metal layer)に配設されることを可能にする。この方法だと、複数のトレースは互いに重複(overlap)もクロスオーバ(cross over)もせず、ビア(via)の使用を避けることができ、これは、クロスオーバを有していたりビアを利用したりする他の設計と比較して、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120の性能を高める。これを達成するために、いくつかの無線周波数フロントエンド集積回路122は、図5-1~図5-6に描写されるように、対称的なフロアプラン(symmetrical floorplan)を有するように設計され、図6-1および図7-1~図7-3に示されるように、アンテナアレイ124-1~124-2に対して特定のロケーションおよび向きに配置され得る。さらに、アンテナアレイ124-1および124-2は、図6-1および図7-1~図7-3に関してさらに説明されるように、対称的に配列される。結果として、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120は、ポータブルコンピューティングデバイスのような所与のコンピューティングデバイス102のより小さいフォームファクタ内に収まることができる。さらに、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120のコンパクトな設計は、図2に関してさらに説明されるように、複数のマルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールがコンピューティングデバイス102内でインプリメントされることを可能にすることができる。
【0022】
[0046] 図2は、複数のマルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120-1~120-3を含む例となるコンピューティングデバイス102を例示する。描写される構成では、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120-1~120-3は、コンピューティングデバイス102の上面202、左側204、および前面206に向かってそれぞれ配向される。このように、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120-1~120-3は、それぞれ、垂直方向すなわちY軸に沿って、水平方向すなわちX軸に沿って、またはZ軸に沿ってページの外に、信号を送信または受信することができる。一般に、mmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120-1~120-3は、コンピューティングデバイス102に対して任意の方向で信号を送信および受信することを可能にするためにコンピューティングデバイス102の周りに配設され得る。
【0023】
[0047] 図1に関して上記で説明されたように、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120-1~120-3は、mmW周波数帯域210-1~210-Nに関連する信号208-1~208-Nを送信および受信することができる。一般に、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120-1~120-3の各々がサポートするmmW周波数帯域の量は、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120-1~120-3の各々内にインプリメントされたアンテナアレイ124-1~124-Nの量に基づく。マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120-2および120-3は、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120-1に対して同様のまたは異なるmmW周波数帯域210-1~210-Nをサポートし得る。異なる向きを有し、コンピューティングデバイス102内の異なるロケーションに配置された複数のマルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120-1~120-3を利用することによって、コンピューティングデバイス102は、1つまたは複数のmmW周波数帯域210-1~210-Nのためのターゲット空間カバレージを実現し得る。
【0024】
[0048] コンピューティングデバイス102内の制御回路(図示せず)は、どのマルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120-1~120-3が使用されるかを、現在の状況または環境に基づいて動的に選択し得る。制御回路が、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120-1~120-3のうちの1つの一部が(例えば、ユーザの付属物によって)妨害されていると決定すると、制御回路は、コンピューティングデバイス102に、妨害されていないマルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120-1~120-3のうちの1つを介して信号を送信および受信させることができる。別の例として、制御回路は、図1の基地局104への方向に沿ってターゲット空間カバレージを提供するかまたは特定のmmW周波数帯域をサポートするマルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120-1~120-3を選択することができる。マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120は、図3に関してさらに説明される。
【0025】
[0049] 図3は、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120の例となるインプリメンテーションを例示する。描写される構成では、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120は、1つの無線周波数フロントエンド集積回路122(RFFE IC 122)と2つのアンテナアレイ124-1~124-2とを含むと示されている。他のインプリメンテーションでは、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120は、図8-1~図8-2に示されるように、2つよりも多くの無線周波数フロントエンド集積回路122、または2つよりも多くのアンテナアレイ124-1~124-Nを含み得る。
【0026】
[0050] 無線周波数フロントエンド集積回路122は、ダイ302上にインプリメントされ、パーティション304-1および304-2にしたがって配列されたフロアプランを有する。パーティション304-1および304-2の各々は、特定のmmW周波数帯域に関連しており、1つまたは複数のトランシーバチェーンを含む。このケースでは、パーティション304-1はmmW周波数帯域210-1をサポートし(例えば、mmW周波数帯域210-1内で信号を生成または処理し)、パーティション304-2はmmW周波数帯域210-2をサポートする(例えば、mmW周波数帯域210-2内で信号を生成または処理する)。一般に、無線周波数フロントエンド集積回路122内のパーティションの量は、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120がサポートするように設計されるmmW周波数帯域210-1~210-Nの量、またはマルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120内にインプリメントされる無線周波数フロントエンド集積回路122の量に基づく。
【0027】
[0051] 無線周波数フロントエンド集積回路122は、インターフェース310を介して基板308の表面306に取り付けられ得る。表面306は基板308の下面であり、図3では見えない。このように、パーティション304-1および304-2は、基板308の表面306に面する。インターフェース310は、表面306上に配設されており、ダイ302を受容し、それに接続するように構成される。インターフェース310は、端子312-1~312-Aおよび端子314-1~314-Bとして表される複数の端子を含み、ここで、AおよびBは、互いに等しくても等しくなくてもよい正の整数である。AおよびBの値は、アンテナアレイ124-1および124-2に関連する給電ポートのそれぞれの量に基づく。異なるタイプの給電ポート(feed port)は、図4-2および図4-3に関してさらに説明される。明示的には描写されていないが、インターフェース310は、無線周波数フロントエンド集積回路122を、ワイヤレストランシーバまたは制御回路の一部である別の集積回路のような他の構成要素に接続する他の端子を含むことができる。
【0028】
[0052] インターフェース310を通して、端末312-1~312-Aは、パーティション304-1内のトランシーバチェーンをアンテナアレイ124-1のアンテナ素子に結合する。同様に、端末314-1~314-Bは、パーティション304-2内のトランシーバチェーンをアンテナアレイ124-2のアンテナ素子に結合する。図3では、アンテナアレイ124-1および124-2は、基板308の表面316上に(例えば、無線周波数フロントエンド集積回路122が取り付けられる表面とは反対側の表面上に)配設される。表面316は、図3で見ることができる基板308の上側であり、表面306に対して反対側(opposite side)である。このように、アンテナアレイ124-1および124-2は、無線周波数フロントエンド集積回路122から離れて面している。他のインプリメンテーションでは、アンテナアレイ124-1~124-Nのうちの少なくともいくつかは、無線周波数フロントエンド集積回路122が取り付けられている表面306上に配設され得る。アンテナアレイ124-1および124-2は、図4-1~図4-3に関してさらに説明される。
【0029】
[0053] 図4-1は、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120をインプリメントするための例となるアンテナアレイ124-1および124-2を例示する。描写される構成では、アンテナアレイ124-1および124-2は線形アレイである。アンテナアレイ124-1および124-2はそれぞれ、アンテナ素子402-1、402-2...402-Cと、アンテナ素子404-1、404-2...404-Dとを含み、ここで、CおよびDは、それぞれAおよびBに等しくても等しくなくてもよい正の整数である。この例では、アンテナアレイ124-1のアンテナ素子402-1~402-Cは、mmW周波数帯域210-1に同調され、アンテナアレイ124-2のアンテナ素子404-1~404-Dは、mmW周波数帯域210-2に同調される。アンテナ素子402-1~402-Cは第1の軸(first axis)406-1に沿って配列され、アンテナ素子404-1~404-Dは第2の軸(second axis)406-2に沿って配列される。図4-1に示されるように、第1の軸406-1および第2の軸406-2は、互いに対してほぼ平行(approximately parallel)であり得る。いくつかのインプリメンテーションでは、アンテナ素子402-1~402-Cまたはアンテナ素子404-1~404-Dは、図7-3に示されるように、複数の軸に沿って配列され得る。
【0030】
[0054] アンテナ素子402-1~402-Cおよび404-1~404-Dは、パッチアンテナ素子、クロスパッチアンテナ素子(例えば、十字形のパッチアンテナ素子)、スロットアンテナ素子、ダイポールアンテナ素子、ボウタイアンテナ素子(bowtie antenna element)、クロスボウタイアンテナ素子(crossed bowtie antenna element)、逆Fアンテナ、他のタイプのマイクロストリップアンテナ素子、他のタイプのワイヤアンテナ素子、それらの組合せなどを含む、様々な異なるタイプのアンテナ素子を備えることができる。そのため、これらのタイプのアンテナ素子のいずれかまたは別のタイプのアンテナ素子として、以下の図において総称的にアンテナ素子402-1~402-Cおよび404-1~404-Dを表すために、三角形の記号が使用される。
【0031】
[0055] アンテナアレイ124-1内では、隣接するアンテナ素子(adjacent antenna elements)402-1および402-2が、素子間隔408-1だけ離れて示されている。素子間隔408-1は、mmW周波数帯域210-1に関連する特定の波長に基づくことができる。例となる波長のタイプには、mmW周波数帯域210-1内の中心周波数に関連する中心波長(center wavelength)、mmW周波数帯域210-1内の最低周波数に関連する最大波長、mmW周波数帯域内の最高周波数に関連する最小波長などが含まれ得る。素子間隔408-1は、この特定の波長の分数にほぼ等しい(approximately equal)であろう。例えば、素子間隔408-1は、中心波長の半分にほぼ等しいであろう(例えば、中心波長の約30%~75%の間)。アンテナアレイ124-2内では、隣接するアンテナ素子404-1および404-2が、素子間隔408-2だけ離れて示されている。素子間隔408-1と同様に、素子間隔408-2は、mmW周波数帯域210-2に関連する波長の分数であり得る(例えば、中心波長にほぼ等しいであろう)。
【0032】
[0056] いくつかのインプリメンテーションでは、アンテナアレイ124-1および124-2は、均一アンテナアレイとしてインプリメントされる。均一アンテナアレイは、アンテナアレイ全体にわたって隣接する素子(adjacent elements)間に実質的に同様のアンテナ素子間隔を有する。換言すると、それぞれのアンテナアレイ124-1および124-2内のアンテナ素子間隔の変動は、素子間隔408-1および408-2に関連するそれぞれの波長の約1/16以内(例えば、それぞれmmW周波数帯域210-1および210-2の中心波長の1/16)であり得る。
【0033】
[0057] 本明細書では、mmW周波数帯域210-1は、mmW周波数帯域210-2内の周波数よりも低い周波数を含むと仮定される。換言すると、少なくとも互いに対して、mmW周波数帯域210-1は低mmW周波数帯域であり、mmW周波数帯域210-2は高mmW周波数帯域である。したがって、素子間隔408-1は、素子間隔408-2よりも大きく示されており、アンテナ素子402-1~402-Cの全体サイズは、アンテナ素子404-1~404-Dよりも大きく示されている。いくつかのケースでは、mmW周波数帯域210-2は、mmW周波数帯域210-1内に含まれる周波数の約2倍である周波数を含む(例えば、mmW周波数帯域210-1は、約24または30GHzの周波数を含むことができ、mmW周波数帯域210-2は、約48または60GHzの周波数を含むことができる)。これらの周波数に関連する波長を使用して素子間隔408-1および408-2を決定すると、素子間隔408-1は、素子間隔408-2の約2倍の大きさとなり得る。結果として、第1の軸406-1に沿ったマルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120の寸法は、アンテナ素子402-1~402-Cのサイズと、アンテナアレイ124-1内の隣接する素子間の相対的な(relative)素子間隔とに実質的に基づく。
【0034】
[0058] いくつかのケースでは、第1の軸406-1に沿ったアンテナアレイ124-1のフットプリントは、アンテナアレイ124-2内のアンテナ素子404-1~404-Dの量またはアンテナアレイ124-2内の隣接する素子間の素子間隔を決定するために使用される。このように、アンテナアレイ124-2は、アンテナアレイ124-1が第1の軸406-1に沿って有する長さと同様の長さを第2の軸406-2に沿って有することができる。例として、アンテナアレイ124-2は、アンテナアレイ124-1が有するアンテナ素子の2倍の量のアンテナ素子を有することができる。
【0035】
[0059] アンテナ素子402-1~402-Cおよび404-1~404-Dが単一の給電ポートを有するかまたは複数の給電ポートを有するかに応じて、アンテナ素子402-1~402-Cおよび404-1~404-Dは各々、端子312-1~312-Aおよび314-1~314-Bのうちの1つまたは複数にそれぞれ結合され得る。これらの異なる状況を例示するために、アンテナ素子402-1は、単一偏波アンテナ素子のための端子312-1か、または二重偏波アンテナ素子のための端子312-1および312-2の両方に結合されるように示されている。同様に、アンテナ素子402-2および402-Cは、端子312-2および312-Aにそれぞれ結合されるか、または端子312-3および312-4の両方ならびに端子312-(A-1)および312-Aの両方にそれぞれ結合されるように示されている。アンテナアレイ124-2内では、アンテナ素子404-1は、単一偏波アンテナ素子のための端子314-1か、または二重偏波アンテナ素子のための端子314-1および314-2の両方に結合されるように示されている。同様に、アンテナ素子404-2および404-Dは、端子314-2および314-Bにそれぞれ結合されるか、または端子314-3および314-4の両方ならびに端子314-(B-1)および314-Bの両方にそれぞれ結合されるように示されている。単一偏波素子および二重偏波素子のような例となるアンテナ素子のタイプは、図4-2および図4-3に関してさらに説明される。
【0036】
[0060] 図4-2は、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120をインプリメントするための例となる単一偏波アンテナ素子と、その2つの例となるインプリメンテーションとを例示する。図4-1のアンテナ素子402-1~402-Cおよび404-1~404-Dのうちの1つまたは複数は、単一偏波アンテナ素子を用いてインプリメントされ得る。一般に、単一偏波アンテナ素子は、無線周波数フロントエンド集積回路122に結合される単一の給電ポートを有する。単一の給電ポートを使用して、単一偏波アンテナ素子は、水平偏波または垂直偏波のような特定の偏波に関連する信号を送信または受信する。
【0037】
[0061] 図4-2の上半分において、単一偏波アンテナ素子は、水平偏波給電ポート(horizontally-polarized feed port)412を有する水平偏波アンテナ素子410として示されている。水平偏波給電ポート412を使用して、水平偏波アンテナ素子410は、水平偏波信号を送信および受信する。図4-2の下半分において、単一偏波アンテナ素子は、垂直偏波給電ポート(vertically-polarized feed port)416を有する垂直偏波アンテナ素子414として示されている。垂直偏波給電ポート416を使用して、垂直偏波アンテナ素子414は、垂直偏波信号を送信および受信する。
【0038】
[0062] 以下の図を通して、単一偏波アンテナ素子は、単一の黒丸で表される単一の給電ポートを含むように示されている。単一偏波アンテナ素子内に給電ポートを配置することは、給電ポートの偏波を示す。給電ポートがアンテナ素子の左側または右側に示される場合、アンテナ素子は、水平偏波アンテナ素子410に対応し、給電ポートは、水平偏波給電ポート412に対応する。給電ポートがアンテナ素子の上側または下側に示される場合、アンテナ素子は、垂直偏波アンテナ素子416に対応し、給電ポートは、垂直偏波給電ポート416に対応する。
【0039】
[0063] いくつかのインプリメンテーションでは、単一偏波アンテナ素子は、本明細書では正方形の記号で表されるパッチアンテナであり得る。パッチアンテナの形状は、正方形の記号を用いて示されているが、長方形、円形、楕円形、五角形などであってもよい。図4-2において、水平偏波アンテナ素子410は、水平偏波パッチアンテナ素子418としてインプリメントされ得、垂直偏波アンテナ素子414は、垂直偏波パッチアンテナ素子420としてインプリメントされ得る。他のインプリメンテーションでは、水平偏波アンテナ素子410および垂直偏波アンテナ素子414は、それぞれ水平軸および垂直軸に沿って配向されたダイポールアンテナを備え得る。いくつかのケースでは、単一偏波アンテナ素子は、図4-3に関してさらに説明される二重偏波アンテナ素子と比較してインプリメントすることがより容易または安価であり得る。
【0040】
[0064] 図4-3は、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120をインプリメントするための例となる二重偏波アンテナ素子422と、その2つの例となるインプリメンテーションとを例示する。図4-1のアンテナ素子402-1~402-Cおよび404-1~404-Dのうちの1つまたは複数は、二重偏波アンテナ素子422を用いてインプリメントされ得る。図4-2に示されるタイプの単一偏波アンテナ素子とは対照的に、二重偏波アンテナ素子422は、水平偏波給電ポート412および垂直偏波給電ポート416のような2つの給電ポートを有する。給電ポート412および416は、二重偏波アンテナ素子422を無線周波数フロントエンド集積回路122に結合する。給電ポート412および416を使用して、二重偏波アンテナ素子422は、水平偏波、垂直偏波、水平偏波および垂直偏波、または円偏波に関連する信号を送信または受信することができる。図4-3の下半分において、二重偏波アンテナ素子422は、二重偏波パッチアンテナ素子424または二重偏波クロスパッチアンテナ素子426としてインプリメントされるように示されている。アンテナ素子402-1~402-Cおよび404-1~404-Dの給電ポート412または416は、図5-1~図5-8に関してさらに説明されるように、無線周波数フロントエンド集積回路122のそれぞれのポートに結合される。
【0041】
[0065] 図5-1は、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120をインプリメントするための無線周波数フロントエンド集積回路122の例となる非インターリーブパーティショニングを例示する。描写される構成では、無線周波数フロントエンド集積回路122のパーティション304-1および304-2は、それぞれ第1の軸500-1および第2の軸500-2を中心として、連続している。パーティション304-1は、第1の軸500-1に沿って連続的に一列に配列されるトランシーバ(Trx)チェーン502-1~502-Aを含む。トランシーバチェーン502-1~502-Aは、図3の端子312-1~312-Aに結合されたそれぞれのポート504-1~504-Aを有する。ポート504-1~504-Aを通して、トランシーバチェーン502-1~502-Aは、アンテナアレイ124-1内のアンテナ素子402-1~402-Cの給電ポート412または416に結合される。同様に、パーティション304-2は、第2の軸500-2に沿って連続的に一列に配列されるトランシーバチェーン512-1~512-Bを含む。トランシーバチェーン512-1~512-Bは、図3の端子314-1~314-Bに結合されたそれぞれのポート514-1~514-Bを有する。ポート514-1~514-Bを通して、トランシーバチェーン512-1~512-Bは、アンテナアレイ124-2内のアンテナ素子404-1~404-Dの給電ポート412または416に結合される。
【0042】
[0066] 一般に、トランシーバチェーン502-1~502-Aが、トランシーバチェーン512-1~512-BによってサポートされるmmW周波数帯域210-2の波長よりも大きい波長を有するmmW周波数帯域210-1をサポートするためにより大きい構成要素を利用するため、トランシーバチェーン502-1~502-Aは、トランシーバチェーン512-1~512-Bよりも大きいサイズを有する。このように、より多くの量のアンテナ素子404-1~404-Dをサポートするために、パーティション304-2内のトランシーバチェーン512-1~512-Bの量は、パーティション304-1内のトランシーバチェーン502-1~502-Aの量よりも多くなり得る。いくつかのケースでは、パーティション304-2は、パーティション304-1の2倍の量のトランシーバチェーンを有する。
【0043】
[0067] 無線周波数フロントエンド集積回路122は、2つのパーティション304-1および304-2を有するように示されているが、他のインプリメンテーションは、2つよりも多くのパーティションを有し得る。追加的にまたは代替的に、他のインプリメンテーションは、2つよりも多くの列のトランシーバチェーンを有し得る。追加の列は、(例えば、トランシーバチェーン502-1~502-Aまたは512-1~512-Bが複数の軸に沿って配列されるように)別のパーティションに関連するか、またはパーティション304-1もしくは304-2に関連しているであろう。
【0044】
[0068] 各トランシーバチェーン502-1~502-Aおよび512-1~512-Bは、例えば、電力増幅器、低雑音増幅器、別個の受信機位相シフタおよび送信機位相シフタ、または受信機と送信機との間で共有される共通位相シフタ、1つまたは複数のスイッチなどを含み得る。無線周波数フロントエンド集積回路122内では、複数のトランシーバチェーン502-1~502-Aおよび512-1~512-Bはミキサに結合される。トランシーバチェーン502-1~502-Aおよび512-1~512-Bは、アンテナ素子402-1~402-Cおよび404-1~404-Dの給電ポート412または416に結合されるため、各トランシーバチェーンは、図5-2および図5-3に関してさらに説明されるように、給電ポート412または416の特定の偏波に関連している。無線周波数フロントエンド集積回路122は、図5-8に関してさらに説明されるように、同じ偏波に関連するトランシーバチェーン502-1~502-Aおよび512-1~512-Bを互いに結合することができる。
【0045】
[0069] いくつかのインプリメンテーションでは、パーティション304-1内のトランシーバチェーン502-1~502-A、またはパーティション304-2内のトランシーバチェーン512-1~512-Bの位置は、第1の軸500-1または第2の軸500-2に対して垂直である軸に関してほぼ対称(approximately symmetrical)であり得る。ポート504-1~504-Aまたは514-1~514-Bはまた、図5-2~図5-4にさらに描写されるように、軸に関して対称的に配列され得る。
【0046】
[0070] 図5-2は、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120をインプリメントするための、図5-1の無線周波数フロントエンド集積回路122内の異なる偏波に関連する複数のトランシーバチェーンの例となる配置を例示する。描写される構成では、無線周波数フロントエンド集積回路122は、mmW周波数帯域210-1をサポートする4つのトランシーバチェーンと、mmW周波数帯域210-2をサポートする8つのトランシーバチェーンとを含む。トランシーバチェーンは、各トランシーバチェーンが接続される給電ポートのタイプまたは偏波をさらに識別するために、図5-1に対して異なる識別番号で表される。ダッシュの後の数字は、トランシーバチェーンが接続される特定の二重偏波アンテナ素子422または単一偏波アンテナ素子のペア(例えば、水平偏波アンテナ素子410および垂直偏波アンテナ素子414)を識別する。
【0047】
[0071] 例えば、図5-1のトランシーバチェーン502-1~502-Aは、トランシーバチェーン506-1~506-2とトランシーバチェーン508-1~508-2とを含むように示されている。トランシーバチェーン506-1および506-2のポート504-1および504-3は、第1の偏波(first polarization)520-1にしたがって水平偏波給電ポート(horizontally-polarized feed port)412または垂直偏波給電ポート(vertically-polarized feed port)416に結合される。トランシーバチェーン508-1および508-2のポート504-2および504-4は、第2の偏波(second polarization)520-2に関連するアンテナアレイ124-1の給電ポートに結合される。第2の偏波520-2は、第1の偏波520-1とは異なり、第1の偏波520-1が水平偏波(horizontal polarization)を表す場合、第2の偏波520-2は、垂直偏波(vertical polarization)を表す(またはその逆である)。トランシーバチェーン506-1および508-1は、特定の二重偏波アンテナ素子422またはアンテナアレイ124-1内の単一偏波アンテナ素子のペアを備え得るアンテナ素子402-1に結合される。同様に、トランシーバチェーン506-2および508-2は、同様に二重偏波アンテナ素子422またはアンテナアレイ124-1内の単一偏波アンテナ素子の別のペアを備え得るアンテナ素子402-2に結合される。
【0048】
[0072] 第1の偏波520-1に関連するトランシーバチェーン516-1~516-4と、第2の偏波520-2に関連するトランシーバチェーン518-1~518-4とを含むように、図5-1のトランシーバチェーン512-1~512-Bが図5-2に示されている。トランシーバチェーン516-1および518-1は、二重偏波アンテナ素子422またはアンテナアレイ124-2内の単一偏波アンテナ素子のペアを備えることができるアンテナ素子404-1にそれぞれ結合される。トランシーバチェーン516-2および518-2、516-3および518-3、ならびに516-4および518-4は、同様に、アンテナアレイ124-2内のアンテナ素子404-2、404-3、および404-4に結合される。
【0049】
[0073] 図5-2に示されるように、4つのトランシーバチェーン506-1~508-2が関連する偏波520-1および520-2のタイプの配列(order)は、対称軸(axis of symmetry)522に関して対称である。対称軸522は、第1の軸500-1または第2の軸500-2に対してほぼ垂直であり、図6-1に示されるように、アンテナアレイ124-1および124-2の中心を垂直に下方に延びることができる。同様に、第2の軸500-2に沿った8つのトランシーバチェーン516-1~518-4に関連する偏波520-1および520-2のタイプの配列は、対称軸522に関して対称である。この配置は、図7-1および図7-2に関してさらに説明されるように、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120内の複数のトレースが同一金属層内に配設されることを可能にする。このケースでは、トランシーバチェーン506-1~508-2および516-1~518-4の両方のセットが、対称軸522の両側(either side)で偏波を交互に行う。追加的に、アンテナ素子402-1~402-Cまたは404-1~404-Dのうちの特定のアンテナ素子に関連するトランシーバチェーンのペアは互いに隣接する(例えば、トランシーバチェーン506-1はトランシーバチェーン508-1に隣接し、トランシーバチェーン516-1はトランシーバチェーン518-1に隣接する)。図5-3に示される8つのトランシーバチェーン516-1~518-4の交互配置のような他の対称的な配置も可能である。
【0050】
[0074] 図5-3は、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120をインプリメントするための、図5-1の無線周波数フロントエンド集積回路122内の異なる偏波に関連する複数のトランシーバチェーンの別の例となる配置を例示する。描写される構成では、4つのトランシーバチェーン506-1~508-2の配列は、図5-2と同様である。しかしながら、8つのトランシーバチェーン516-1~518-4は、図5-2と比較して異なる対称的な配列で配列される。図5-2では、トランシーバチェーンの偏波が交互に行われ、異なるアンテナ素子に関連するトランシーバチェーンのペアが互いに隣接して配置される。図5-3とは対照的に、異なるアンテナ素子に関連する(8つのトランシーバチェーン516-1~518-4のうちの)トランシーバチェーンは交互に配置され、特定の偏波に関連するトランシーバチェーンは、ペアにされ、互いに隣接して配置される。例えば、トランシーバチェーン516-1および518-1は、対称軸522の左側でトランシーバチェーン516-2および518-2とインターリーブされる。結果として、両方とも第1の偏波520-1に関連するトランシーバチェーン516-1および516-2が互いに隣接し、両方とも第2の偏波520-2に関連するトランシーバチェーン518-1および518-2も互いに隣接する。同様に、トランシーバチェーン516-3および518-3は、トランシーバチェーン516-4および518-4と交互に配置され、それにより、トランシーバチェーン518-3および518-4が互いに隣接し、トランシーバチェーン516-3および516-4が互いに隣接する。上述の配置では、8つのトランシーバチェーン516-1~518-4が関連する偏波520-1または520-2のタイプの配列は、対称軸522に関して対称である。
【0051】
[0075] 図5-4は、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120をインプリメントするための、図5-1の無線周波数フロントエンド集積回路内の異なる偏波に関連する複数のトランシーバチェーンの追加の例となる配置を例示する。図5-2および図5-3では、偏波520-1および520-2の配列は、対称軸522に関して対称である。対照的に、図5-4では、偏波520-1および520-2の配列は対称ではない。特に、対称軸522の右側のトランシーバチェーンの偏波は、偏波520-1に対応し、対称軸522の左側のトランシーバチェーンの偏波は、偏波520-2に対応する。この描写された構成は、アンテナアレイ124-1または124-2のうちの1つが、無線周波数フロントエンド集積回路122の両側(opposite sides)に位置する単一偏波アンテナのペアを含むインプリメンテーションにおいて、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120内のルーティングを容易にすることができ、その例が図7-4に示されている。パーティション304-1および304-2は、図5-1~図5-4では連続して示されているが、無線周波数フロントエンド集積回路122の他のインプリメンテーションは、図5-5~図5-7に示されるように、非連続的な1つまたは複数のパーティションを有することができる。
【0052】
[0076] 図5-5は、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120をインプリメントするための無線周波数フロントエンド集積回路122の例となるインターリーブパーティショニングを例示する。図5-1とは対照的に、パーティション304-2は、パーティション304-1の上下に交互に配された異なる部分を有して非連続的に示されている。このように、トランシーバチェーン502-1~502-Aおよびトランシーバチェーン512-1~512-Bは、複数の軸に沿って配列され、無線周波数フロントエンド集積回路122の両側にわたって位置するポート504-1~504-Aおよび514-1~514-Bを有する。これは、アンテナアレイ124-1または124-2のうちの1つが、無線周波数フロントエンド集積回路122の両側に位置する単一偏波アンテナのペアを含むインプリメンテーションにおいて、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120内のルーティングを容易にすることができ、その例が図7-3に示されている。トランシーバチェーン502-1~502-Aおよび512-1~512-Bが関連する偏波520-1および520-2のタイプの例となる配列は、図5-2~図5-4と同様の表記を使用して図5-6および図5-7に関してさらに説明される。
【0053】
[0077] 図5-6は、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120をインプリメントするための、図5-5の無線周波数フロントエンド集積回路122内の異なる偏波に関連する複数のトランシーバチェーンの例となる配置を例示する。描写される構成では、左から右(または右から左)の4つのトランシーバチェーン506-1~508-2の配列は、図5-2および図5-3に示される配列と同様である。そのため、4つのトランシーバチェーン506-1~508-2に関連する偏波520-1および520-2のタイプの配列は、対称軸522に関して対称である。同様に、左から右(または右から左)の8つのトランシーバチェーン516-1~518-4の配列は、図5-3に示される配列と同様である。8つのトランシーバチェーン516-1~518-4に関連する偏波520-1および520-2のタイプの配列も、対称軸522に関して対称である。図5-5および図5-6におけるトランシーバチェーン506-1~508-2および516-1~518-4の配置は、対称軸522に関して対称であるように示されている。図5-7に関してさらに説明されるように、偏波の配列またはトランシーバチェーンの他の非対称的な配置も可能である。
【0054】
[0078] 図5-7は、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120をインプリメントするための、図5-5の無線周波数フロントエンド集積回路122内の異なる偏波に関連する複数のトランシーバチェーンの別の例となる配置を例示する。描写される構成では、トランシーバチェーン506-1および508-1は、無線周波数フロントエンド集積回路122の上側に沿って一緒に配置され、トランシーバチェーン506-2および508-2は、無線周波数フロントエンド集積回路122の下側に沿って一緒に配置される。4つのトランシーバチェーン516-1~516-4は、トランシーバチェーン508-1および506-1の下に、無線周波数フロントエンド集積回路122の下側に沿って一緒に配置される。4つのトランシーバチェーン518-1~518-4は、トランシーバチェーン508-2および506-2の上に、無線周波数フロントエンド集積回路122の上側に沿って一緒に配置される。このように、4つのトランシーバチェーン506-1~508-2および8つのトランシーバチェーン516-1~518-4の配置は、対称軸522に関して対称ではない。
【0055】
[0079] このケースでは、4つのトランシーバチェーン506-1~508-2に関連する偏波520-1および520-2の配列は、対称軸522に関して対称である。対照的に、8つのトランシーバチェーン516-1~518-4に関連する偏波520-1および520-2の配列は対称ではない。特に、対称軸522の右側の4つのトランシーバチェーン516-1~516-4に関連する偏波は、偏波520-1に対応する。対称軸522の左側の4つのトランシーバチェーン518-1~518-4に関連する偏波は、偏波520-2に対応する。この描写された構成は、図7-5に示されるように、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120内のトレースが同一金属層内に配設されることを可能にすることができる。同じ偏波520-1または520-2に関連するトランシーバチェーンは、図5-8に関してさらに説明されるように、無線周波数フロントエンド集積回路122内で組み合わされ得る。
【0056】
[0080] 図5-8は、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120をインプリメントするための無線周波数フロントエンド集積回路122内のトランシーバチェーンの例となるインプリメンテーションを例示する。描写される構成では、パーティション304-2に関連する8つのトランシーバチェーン516-1~518-4は各々、単一チャネルブロック524(1x CH Blk 524)を含む。単一チャネルブロック524は、電力増幅器526(PA526)と、低雑音増幅器528(LNA528)と、位相シフタ530(PS530)とを含むように示されている。第1の偏波520-1に関連する4つのトランシーバチェーン516-1~516-4は、それぞれ、単一チャネルブロック524-1~524-4を含む。
【0057】
[0081] 一般に、無線周波数フロントエンド集積回路122は、カプラ(coupler)534を使用して、2チャネルブロック532内で、第1の偏波520-1に関連する単一チャネルブロック524-1~524-4のペアを互いに結合する。例えば、2チャネルブロック532-1は、カプラ534-1を使用して単一チャネルブロック524-1および524-2を互いに結合し、2チャネルブロック532-2は、カプラ534-2を使用して単一チャネルブロック524-3および524-4を互いに結合する。一般に、カプラ534-1および534-2は、2チャネルブロック532-1および532-2内を伝搬する信号を分割するかまたは組み合わせる。例として、カプラ534-1および534-2は、ウィルキンソンスプリッタおよび結合器(Wilkinson splitters and combiners)を使用してインプリメントされ得る。これらの2チャネルブロック532-1および532-2も、4チャネルブロック536-1内で互いに結合される。
【0058】
[0082] 4チャネルブロック536-1は、2チャネルブロック532-1および532-2を互いに結合するカプラ534-3と、送信(TX)可変利得増幅器(VGA:variable gain amplifier)538-1と、受信(RX)可変利得増幅器538-2とを含む。明示的に示されていないが、4チャネルブロック536-1はまた、送信可変利得増幅器538-1および受信可変利得増幅器538-2に結合されたミキサ540-1を含み得る。いくつかのインプリメンテーションでは、4チャネルブロック536-1内のルーティングおよびカプラ534-1~534-3は、図5-1または図5-5における軸500-1と500-2との間またはパーティション304-1と304-2の間とのような、無線周波数フロントエンド集積回路122の中央に沿って配設されるかまたは移動する。
【0059】
[0083] 無線周波数フロントエンド集積回路122はまた、第2の偏波520-2に関連する別の4チャネルブロック536-2を含む。4チャネルブロック536-2は、4チャネルブロック536-1と同様に配列され、4つのトランシーバチェーン518-1~518-4をミキサ540-2に結合する。ミキサ540-1および540-2は、約2から20GHzの中間周波数またはベースバンド周波数へのmmW周波数帯域210-2内の無線周波数の周波数変換を提供する。
【0060】
[0084] ポート514-1~514-8は、無線周波数フロントエンド集積回路122の1つまたは複数の外縁に沿って配置されるが、4チャネルブロック536-1および536-2の組み合わされたポート(port)は、1つまたは複数の外縁に沿った対称軸にまたはその近くに配置され得る。これらの組み合わされたポートは、中間周波数またはベースバンド周波数に関連する別の集積回路のような、ワイヤレストランシーバに関連する他の構成要素に結合され得る。いくつかのケースでは、4チャネルブロック536-1および526-2の共通ポートは、潜在的な電磁結合を緩和するために、無線周波数フロントエンド集積回路122の両側に位置する。
【0061】
[0085] 明示的に示されていないが、4つのトランシーバチェーン506-1~508-2は、図5-8に関して説明したものと同様のアーキテクチャを利用し得る。パーティション304-1または304-2内のトランシーバチェーンの量に応じて、他のインプリメンテーションは、1つまたは複数の8チャネルブロックまたは16チャネルブロックのような他のタイプのチャネルブロックを含むことができるか、または単一チャネルブロックおよび2チャネルブロックのようなより少ないタイプのブロックを有することができる。マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120内の無線周波数フロントエンド集積回路122のロケーションは、図6-1に関してさらに説明される。
【0062】
[0086] 図6-1は、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120をインプリメントするためのアンテナアレイ124-1および124-2ならびに無線周波数フロントエンド集積回路122の例となる配置を例示する。描写される構成では、アンテナアレイ124-1は、それぞれ水平偏波給電ポート412および垂直偏波給電ポート416を有する2つの二重偏波アンテナ素子402-1および402-2を含む。アンテナアレイ124-2は、それぞれ水平偏波給電ポート412および垂直偏波給電ポート416を有する4つの二重偏波アンテナ素子404-1~404-4を含む。このケースでは、アンテナアレイ124-1および124-2は、それぞれ素子間隔408-1および408-2を利用する均一な線形アレイである。アンテナ素子402-1および402-2は、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120の片側に第1の軸406-1に沿って配列され、アンテナ素子404-1~404-4は、第1の軸406-1に対してマルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120の反対側に第2の軸406-2に沿って配列される。
【0063】
[0087] 図6-1に示されるように、第1の軸406-1の方向に沿ったアンテナ素子402-1および402-2の水平偏波給電ポート412および垂直偏波給電ポート416の配列は、対称軸522関して対称である。同様に、第2の軸406-2の方向に沿ったアンテナ素子404-1~404-4の水平偏波給電ポート412および垂直偏波給電ポート416の配列は、対称軸522に関して対称である。例えば、アンテナ素子402-1および402-2の垂直偏波給電ポート416の両方は対称軸522に比較的近くにあり、水平偏波給電ポート512の両方は対称軸522から比較的遠くにある。このように、水平偏波給電ポート412および垂直偏波給電ポート416の配列は対称である。
【0064】
[0088] アンテナ素子402-1および402-2またはアンテナ素子404-1~404-4から選択されたアンテナ素子の1つまたは複数のペアは、図6-1に示されるように、無線周波数フロントエンド集積回路122から離れて面するそれぞれの側にある水平偏波給電ポート412または垂直偏波給電ポート416を有することができる(例えば、水平偏波給電ポート412および垂直偏波給電ポート416は、無線周波数フロントエンド集積回路122から半径方向外向きに面する)。他のケースでは、アンテナ素子402-1および402-2またはアンテナ素子404-1~404-4から選択されたアンテナ素子の1つまたは複数のペアは、無線周波数フロントエンド集積回路122に面するそれぞれの側にある水平偏波給電ポート412または垂直偏波給電ポート416を有することができる(例えば、水平偏波給電ポート412または垂直偏波給電ポート416は、無線周波数フロントエンド集積回路122に向かって半径方向内向きに面する)。
【0065】
[0089] いくつかのインプリメンテーションでは、水平偏波給電ポート412のペアまたは垂直偏波給電ポート416のペアは、対称軸522に関してほぼ対称な距離に配置される。例えば、対称軸522とアンテナ素子402-1の水平偏波給電ポート412との間の距離は、対称軸522とアンテナ素子402-2の水平偏波給電ポート412との間の距離にほぼ等しいであろう。
【0066】
[0090] いくつかのインプリメンテーションでは、無線周波数フロントエンド集積回路122の中心は、図6-1において対称軸522によって表される、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120の中心垂直軸に沿って配置される。この例では、対称軸522は、軸406-1および406-2に対してほぼ垂直である。いくつかのケースでは、アンテナアレイ124-1の素子間隔408-1は、無線周波数フロントエンド集積回路122のサイズが、対称軸522の左右にあるアンテナアレイ124-1の中間素子内に(例えば、アンテナ素子402-1と402-2との間に)収まることができるように十分に大きい。無線周波数フロントエンド集積回路122の一部は、第1の軸406-1に沿ってまたは第1の軸406-1の両側に配置され得る。また、いくつかの態様では、図5-1の軸500-1および500-2は、第1の軸406-1に対してほぼ平行である。
【0067】
[0091] マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120は、アンテナアレイ124-1内の2つのアンテナ素子402-1および402-2と、アンテナアレイ124-2内の4つのアンテナ素子404-1~404-4とを含むように示されているが、他のインプリメンテーションは、より多くの量のアンテナ素子を有し得る。より多くの量のアンテナ素子402-1~402-Cまたは404-1~404-Dの利用は、アンテナアレイ124-1および124-2のそれぞれの利得を増加させ、アンテナアレイ124-1および124-2がより狭いビームを形成することを可能にすることができる。しかしながら、単一のマルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120内のアンテナ素子の量を増加させる代わりに、図6-2および図6-3に関してさらに説明されるように、より大きいアンテナアレイ124-1および124-2をインプリメントするために、複数のマルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120が一緒に配列され得る。このモジュール設計は、コンピューティングデバイス102内でアンテナアレイ124-1および124-2と複数のRFFE IC 122との間の簡略化されたルーティング相互接続を可能にする。
【0068】
[0092] 図6-2は、大きな線形アンテナアレイをインプリメントするための複数のマルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120-1および120-2の例となる配置を例示する。描写される構成では、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120-1および120-2は、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120-1および120-2が第1の軸406-1および第2の軸406-2を共有するように水平軸に沿って配置される。このように、アンテナアレイ124-1は、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120-1のアンテナ素子402-1および402-2と、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120-2のアンテナ素子402-3および402-4とを含む。同様に、アンテナアレイ124-2は、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120-2のアンテナ素子404-1~404-4と、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120-2のアンテナ素子404-5~404-8とを含む。
【0069】
[0093] マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120-1と120-2との間の距離は、アンテナアレイ124-1および124-2が均一な線形アンテナアレイとしてインプリメントされることを可能にし得る。例えば、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120-1および120-2は、アンテナ素子402-2および402-3が素子間隔408-1だけ離れ、アンテナ素子404-4および404-5が素子間隔408-2だけ離れるように配列される。いくつかの態様では、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120-1ならびにマルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120-2内の構成要素は、対称軸522-1と522-2との間にあり、かつ、対称軸522-1および522-2に対してほぼ平行なモジュール間対称軸に関して対称に配列され得る。
【0070】
[0094] 図6-3は、2次元アンテナアレイをインプリメントするための複数のマルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120-1および120-2の例となる配置を例示する。描写される構成では、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120-1および120-2は、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120-1および120-2が対称軸522を共有するように垂直軸に沿って配置される。図6-2と同様に、アンテナアレイ124-1は、アンテナ素子402-1~402-4を含む。しかしながら、アンテナ素子402-1および402-2は第1の軸406-1に沿って配列され、アンテナ素子402-3および402-4は第3の軸406-3に沿って配列される。このように、アンテナ素子402-1~402-4は、図6-2に示される線形アレイではなく、2次元アレイをインプリメントする。同様に、アンテナアレイ124-2は、アンテナ素子404-1~404-8を含む2次元アレイでインプリメントされるように示されている。アンテナ素子404-1~404-4は、第2の軸406-2に沿って配列され、アンテナ素子404-5~404-8は、第4の軸406-4に沿って配列される。
【0071】
[0095] 一般に、第1の軸406-1、第2の軸406-2、第3の軸406-3、および第4の軸406-4は、互いに対してほぼ平行である。いくつかのケースでは、示されるように、第1の軸406-1と第3の軸406-3との間の垂直距離は、素子間隔408-1にほぼ等しく、第2の軸406-2と第4の軸406-4との間の垂直距離は、素子間隔408-2にほぼ等しいであろう。いくつかの態様では、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120-1ならびにマルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120-2内の構成要素は、第2の軸406-2と第4の軸406-4との間にあり、かつ、軸406-2および406-4に対してほぼ平行なモジュール間対称軸に関して対称に配列され得る。
【0072】
[0096] 本明細書で説明するように、大きいアンテナアレイをインプリメントするために複数のマルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120を使用することによって、マルチバンドアンテナアレイおよびRFICモジュール120-1および120-2内のアンテナ素子402-1~402-4と無線周波数フロントエンド集積回路122-1および122-2との間のルーティング長(routing length)は、より多くの量のアンテナ素子を単一の無線周波数フロントエンド集積回路122に結合する単一のマルチバンドアンテナアレイおよびRFICモジュールと比べて、比較的同様の長さになり得る。これは、アンテナ素子402-1~402-4または404-1~404-8が、関連する無線周波数フロントエンド集積回路122-1および122-2から同程度だけ離れているからである。追加的に、このモジュール設計は、コンピューティングデバイス102内でアンテナアレイ124-1および124-2と無線周波数フロントエンド集積回路122-1~122-2との間の簡略化されたルーティング相互接続を可能にする。例となるルーティングは、図7-1~図7-3に関してさらに説明される。
【0073】
[0097] 図7-1は、二重偏波パッチアンテナ素子と図5-2の無線周波数フロントエンド集積回路122とを含むマルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールのための例となるルーティングを例示する。描写される構成では、それぞれのアンテナアレイ124-1および124-2のアンテナ素子402-1~402-2および404-1~404-4は、図4-3の二重偏波パッチアンテナ素子424を備える。無線周波数フロントエンド集積回路122内において、第1の偏波520-1は、文字Vによって表される垂直偏波であり、第2の偏波520-2は、文字Hによって表される水平偏波である。8つのトランシーバチェーン516-1~518-4は、4つのトランシーバチェーン506-1~508-2が沿って位置する反対側と比較して第2のアンテナアレイ124-2により近い無線周波数フロントエンド集積回路122の片側に位置する。
【0074】
[0098] 給電ポート412および416ならびに12個のトランシーバチェーン506-1~508-2および516-1~518-4の対称的な配置により、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120内のトレースは、同一金属層に配設され得る。換言すると、トレースは、少なくとも給電ポートとトランシーバチェーンとの間のルーティングについて、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120内にクロスオーバまたはビアがないように設計およびレイアウトされ得る。
【0075】
[0099] それぞれ、アンテナアレイ124-1および124-2の異なるアンテナ素子402-1および402-2または404-1~404-4と無線周波数フロントエンド集積回路122との間で、トレースの長さは同様であっても異なっていてもよい。いくつかのケースでは、トレースのサブセットは、比較的同様の長さを有するように設計され得る。これらのトレースが、対称軸522から異なる距離に位置する複数のアンテナ素子を結合する場合(例えば、アンテナ素子404-3および404-4の水平偏波給電ポート412をそれぞれトランシーバチェーン518-3および518-4に結合するトレースの場合)、トレースのうちのいくつかは、異なる距離を補償してトレースの長さを比較的同様にするために、1つまたは複数の短い蛇行(meander)を有するように設計され得る。トレースの長さを比較的同様にすることによって、これらのトレースに沿って伝搬する信号は、相対的に等しい遅延(relatively equal delay)を有する。代替的に、トレースの長さが比較的異なる場合、これらのトレースに沿って伝搬する信号は相対的に異なる遅延(relatively different delay)を有する。このケースでは、関連する12個のトランシーバチェーン506-1~508-2または516-1~518-4のうちのいずれか1つの中の位相シフタ530は、長さの差を部分的または完全に補償することができる。
【0076】
[0100] いくつかの事例では、トレースの長さは、対称軸に関して対称であり得る(例えば、アンテナ素子404-1の水平偏波給電ポート412とトランシーバチェーン518-1との間のトレースの長さは、アンテナ素子404-4の水平偏波給電ポート412とトランシーバチェーン518-4との間のトレースの長さにほぼ等しい)。時には、トレースの経路(例えば、幾何学的形状またはパターン)もまた、対称軸に関して対称であり得る。
【0077】
[0101] 図7-2は、二重偏波クロスパッチアンテナ素子と図5-2の無線周波数フロントエンド集積回路122とを含むマルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120のための別の例となるルーティングを例示する。図7-1と同様に、図7-2におけるマルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120は、二重偏波パッチアンテナ素子424および図5-2の無線周波数フロントエンド集積回路122を使用してインプリメントされたアンテナアレイ124-2を含む。しかしながら、アンテナアレイ124-1のアンテナ素子402-1~402-2は、図4-3のクロスパッチアンテナ素子426を使用してインプリメントされる。クロスパッチアンテナ素子426を使用することによって、アンテナアレイ124-1と124-2との間の垂直間隔は、空間を節約するために、図7-1のマルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120と比べて低減され得る。図7-1と同様に、トレースは、対称軸522に対して長さまたは経路がほぼ対称であり得る。
【0078】
[0102] 図7-3は、単一偏波パッチアンテナ素子と図5-3の無線周波数フロントエンド集積回路122とを含むマルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120のための例となるルーティングを例示する。図7-2と同様に、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120は、二重偏波クロスパッチアンテナ素子426を使用してインプリメントされたアンテナアレイ124-1を含む。しかしながら、アンテナアレイ124-2の4つのアンテナ素子404-1~404-4は、2列の単一偏波アンテナ素子を備える。描写される構成では、アンテナアレイ124-2は、4つの水平偏波パッチアンテナ素子418-1~418-4の線形アレイと、4つの垂直偏波パッチアンテナ素子420-1~420-4の別の線形アレイとを備える。一般に、図7-2におけるアンテナ素子404-1~404-4の各々は、交互の偏波のアンテナ素子のペアとしてインプリメントされる。例えば、(図7-2の)アンテナ素子404-1は、図7-3におけるアンテナ素子418-1および420-1のペアを備え、アンテナ素子404-2は、アンテナ素子418-2および420-2のペアを備え、アンテナ素子404-3は、アンテナ素子418-3および420-3のペアを備え、アンテナ素子404-4は、アンテナ素子418-4および420-4のペアを備える。
【0079】
[0103] この例では、4つのトランシーバチェーン516-1~516-4は、垂直偏波に関連しており、垂直偏波アンテナ素子420-1~420-4に結合される。一般に、無線周波数フロントエンド集積回路122の外縁に向かって対称軸522から遠く離れて配列されるトランシーバチェーン516-1~516-4の偏波は、トランシーバチェーン516-1~516-4がインプリメントされる側に対して無線周波数フロントエンド集積回路122の反対側に面する単一偏波アンテナ素子の偏波に対応する。また、無線周波数フロントエンド集積回路122の中心に向かって対称軸522のより近くに配列される4つのトランシーバチェーン518-1~518-4の偏波は、トランシーバチェーン518-1~518-4がインプリメントされる無線周波数フロントエンド集積回路122の側に面する単一偏波アンテナ素子の偏波に対応する。他のインプリメンテーションでは、無線周波数フロントエンド集積回路122は、図5-6の無線周波数フロントエンド集積回路122または水平偏波アンテナ素子418-1~418-4を用いてインプリメントされ得る。図7-1と同様に、トレースは、対称軸522に対して長さまたは経路がほぼ対称であり得る。
【0080】
[0104] 図7-4は、単一偏波パッチアンテナ素子と図5-4の無線周波数フロントエンド集積回路122とを含むマルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120のための別の例となるルーティングを例示する。図7-3と同様に、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120は、二重偏波クロスパッチアンテナ素子426を使用してインプリメントされたアンテナアレイ124-1と、水平偏波パッチアンテナ素子418-1~418-4および垂直偏波パッチアンテナ素子420-1~420-4を使用してインプリメントされたアンテナアレイ124-2とを含む。描写される構成では、図5-4の無線周波数フロントエンド集積回路122は、軸500-1および500-2が対称軸522に対してほぼ平行になるように、対称軸522に沿って垂直に配列される。この構成では、トレースは、図7-4に示されるように、クロスオーバなしに同一金属層上に配設されることができる。
【0081】
[0105] 図7-5は、単一偏波パッチアンテナ素子と図5-7の無線周波数フロントエンド集積回路122とを含むマルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120のための例となるルーティングを例示する。図7-3および図7-4と同様に、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120は、二重偏波クロスパッチアンテナ素子426を使用してインプリメントされたアンテナアレイ124-1と、水平偏波パッチアンテナ素子418-1~418-4および垂直偏波パッチアンテナ素子420-1~420-4を使用してインプリメントされたアンテナアレイ124-2とを含む。図5-7の無線周波数フロントエンド集積回路122もまた、図7-4と同様に対称軸522に沿って垂直に配列される。この構成では、トレースは、図7-5に示されるように、クロスオーバなしに同一金属層上に配設されることができる。
【0082】
[0106] 図8-1は、複数の無線周波数フロントエンド集積回路122-1および122-2を有するマルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120の例となるインプリメンテーションを例示する。描写される構成では、複数の無線周波数フロントエンド集積回路122-1および122-2は、異なるmmW周波数帯域210-1および210-2に関連している。無線周波数フロントエンド集積回路122-1および122-2内の4つのトランシーバチェーン506-1~508-2および8つのトランシーバチェーン516-1~518-4の例となる配置が、図8-1の上部に示されている。無線周波数フロントエンド集積回路122-1および122-2は、それぞれ単一のmmW周波数帯域210-1および210-2に関連するが、トランシーバチェーン506-1~508-2および516-1~518-4の配置は、図5-1および図5-5に関して説明したものと同様の特性を有することができる。
【0083】
[0107] この例では、トランシーバチェーン506-1~508-2および516-1~518-4の合計12個のトランシーバチェーンは、軸406-1および406-2に対してほぼ平行な軸に沿って配列される。他のインプリメンテーションでは、トランシーバチェーン506-1~508-2または516-1~518-4は、軸406-1および406-2に対してほぼ垂直な軸に沿って配列され得る。トレースは、図8-1には明示的に示されていないが、図7-1に関して説明したものと同様の特性を有することができる。無線周波数フロントエンド集積回路122-1および122-2は、トレースがトランシーバチェーン506-1~508-2および516-1~518-4に接続することができるように、対称軸522に沿って互いに離間されている。
【0084】
[0108] 図8-2は、複数の無線周波数フロントエンド集積回路122-1および122-2を有するマルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120の別の例となるインプリメンテーションを例示する。描写される構成では、アンテナアレイ124-1は、アンテナ素子402-1~402-4を含み、アンテナアレイ124-2は、アンテナ素子404-1~404-8を含む。この例では、アンテナ素子404-1および404-5は、無線周波数フロントエンド集積回路122-2に面する水平偏波給電ポート412を有する。代替的に、アンテナ素子404-1および404-5は、水平偏波給電ポート412が無線周波数フロントエンド集積回路122-2から離れて面するように設計されることができる。無線周波数フロントエンド集積回路122-1および122-2内の8つのトランシーバチェーン506-1~508-4および16個のトランシーバチェーン516-1~518-8の例となる配置が、図8-2の上部に示されている。図8-1と同様に、トランシーバチェーン506-1~508-4および516-1~518-8の合計24個のトランシーバチェーンの配置は、図5-1および図5-5に関して説明したものと同様の特性を有することができ、図8-1では明示的に示されていないが、トレースは、図7-1に関して説明したものと同様の特性を有することができる。
【0085】
[0109] 図9は、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールを動作させるための例となるプロセス900を例示するフロー図である。プロセス900は、実行され得る動作を指定するブロック902~908のセットの形で説明される。しかしながら、動作が代替的な順序でまたは完全にもしくは部分的に重複してインプリメントされ得るため、動作は必ずしも図9に示される順序または本明細書で説明される順序に限定されない。プロセス900の例示されたブロックによって表される動作は、(例えば、図3または図7-1~図7-3の)マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120によって実行され得る。より具体的には、プロセス900の動作は、(例えば、図5-1~図5-8の)無線周波数フロントエンド集積回路122ならびに(例えば、図4-1の)アンテナアレイ124-1および124-2によって実行され得る。
【0086】
[0110] ブロック902において、第1のmmW周波数帯域に関連する第1の信号に、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールの第1のアンテナアレイを介して応答する。例えば、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120の第1のアンテナアレイ124-1は、第1の信号208-1を送信または受信することによって、mmW周波数帯域210-1に関連する第1の信号208-1に応答することができる。そのため、第1の信号208-1は、基地局104に送信されるアップリンク信号または基地局104から受信されるダウンリンク信号を表し得る。例として、mmW周波数帯域210-1は、24から30GHzの周波数を含むライセンス低mmW周波数帯域(licensed low mmW frequency band)であり得る。第1のアンテナアレイ124-1は、二重偏波アンテナ素子422、水平偏波アンテナ素子410、垂直偏波アンテナ素子414、またはそれらの組合せを備え得る。
【0087】
[0111] ブロック904において、第1のmmW周波数帯域に関連する第1の信号が、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールの無線周波数フロントエンド集積回路を介して調整される。例えば、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120の無線周波数フロントエンド集積回路122は、第1のアンテナアレイ124-1を介して送信または受信される第1の信号208-1を生成または処理することによって、第1の信号208-1を調整することができる。一般に、無線周波数フロントエンド集積回路122は、第1の信号208-1を増幅、位相シフト(phase shift)、フィルタリング、アップコンバート、またはダウンコンバートすることによって、第1の信号208-1を調整する。無線周波数フロントエンド集積回路122は、図5-1および図5-5に示されるように、少なくとも2つのトランシーバチェーン502-1~502-Nを含むことができる。第1の信号208-1の複数のバージョン(multiple versions)(例えば、複数の位相シフトされた信号)は、図7-1~図7-3に示されるように、実質的に対称(substantially symmetrical)であり得るトレースに沿って第1のアンテナアレイ124-1と無線周波数フロントエンド集積回路122との間を伝搬することができる。
【0088】
[0112] ブロック906において、第2のmmW周波数帯域に関連する第2の信号に、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールの第2のアンテナアレイを介して応答する。例えば、マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュール120の第2のアンテナアレイ124-2は、第2の信号208-2を送信または受信することによって、第2のmmW周波数帯域210-2に関連する第2の信号208-2に応答する。そのため、第2の信号208-2は、アップリンク信号またはダウンリンク信号を表し得る。例として、第2のmmW周波数帯域210-2は、48から60GHzの周波数を含むアンライセンス高mmW周波数帯域(unlicensed high mmW frequency band)であり得る。一般に、mmW周波数帯域210-2は、mmW周波数帯域210-1のものとは異なる帯域幅または中心周波数を有する。第2のアンテナアレイ124-2は、二重偏波アンテナ素子422、水平偏波アンテナ素子410、垂直偏波アンテナ素子414、またはそれらの組合せを備え得る。
【0089】
[0113] ブロック908において、第2のmmW周波数帯域に関連する第2の信号は、無線周波数フロントエンド集積回路を介して調整される。例えば、無線周波数フロントエンド集積回路122は、第2のアンテナアレイ124-2を介して送信または受信される第2の信号208-2を生成または処理することによって、第2の信号208-2を調整することができる。無線周波数フロントエンド集積回路122は、図5-1および図5-5に示されるように、少なくとも2つのトランシーバチェーン512-1~512-Nを含むことができる。他のインプリメンテーションでは、第2の信号は、異なる無線周波数フロントエンド集積回路によって調整され得る。例えば、図8-1および図8-2の無線周波数フロントエンド集積回路122-1が、第1の信号208-1を調整することができ、無線周波数フロントエンド集積回路122-2が、第2の信号208-2を調整することができる。第2の信号208-2の複数のバージョン(例えば、複数の位相シフトされた信号)は、図7-1~図7-3に示されるように、実質的に対称であり得るトレースに沿って第2のアンテナアレイ124-2と無線周波数フロントエンド集積回路122との間を伝搬することができる。
【0090】
[0114] コンテキストが別段に定めていない限り、本明細書における「または/もしくは」という単語の使用は、「包括的なまたは」、または「または/もしくは」という単語によってリンクされている1つまたは複数の項目の包含もしくは適用を許容にする用語の使用と見なされ得る(例えば、「AまたはB」という表現は、「A」のみを許容する、「B」のみを許容する、または「A」および「B」の両方を許容するものと解釈され得る)。さらに、添付の図で表される項目および本明細書で述べた用語は、1つまたは複数の項目または用語を示し得るため、本明細書では単数形または複数形の項目および用語への参照は同義であり得る。最後に、構造的特徴または方法論的動作に特有の言語で主題を説明してきたが、添付の特許請求の範囲で定義される主題が、必ずしも上述の特定の特徴または動作に限定されないこと、これには特徴が配列される構成または動作が実行される順序に必ずしも限定されないことが含まれる、は理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4-1】
図4-2】
図4-3】
図5-1】
図5-2】
図5-3】
図5-4】
図5-5】
図5-6】
図5-7】
図5-8】
図6-1】
図6-2】
図6-3】
図7-1】
図7-2】
図7-3】
図7-4】
図7-5】
図8-1】
図8-2】
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-05-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
マルチバンドミリ波(mmW)アンテナアレイおよび無線周波数集積回路(RFIC)モジュールを備え、前記マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールは、
基板と、
前記基板上に配設され、少なくとも2つの第1のアンテナ素子を含む第1のアンテナアレイと、ここで、前記第1のアンテナアレイは、第1のmmW周波数帯域に同調される、
前記基板上に配設され、少なくとも2つの第2のアンテナ素子を含む第2のアンテナアレイと、ここで、前記第2のアンテナアレイは、第2のmmW周波数帯域に同調される、
前記基板上に配設された少なくとも1つの無線周波数フロントエンド集積回路と
を含み、前記少なくとも1つの無線周波数フロントエンド集積回路は、
前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子にそれぞれ結合された少なくとも2つの第1のトランシーバチェーンと、
前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子にそれぞれ結合された少なくとも2つの第2のトランシーバチェーンと
を含
ここにおいて、前記第1のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子は各々、第1の偏波に関連する第1の給電ポートと、第2の偏波に関連する第2の給電ポートとをそれぞれ有し、
ここにおいて、前記第2のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子は各々、前記第1の偏波に関連する第1の給電ポートと、前記第2の偏波に関連する第2の給電ポートとをそれぞれ有する、装置。
【請求項2】
前記マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールは、同一金属層に配設された複数のトレースを含み、前記複数のトレースのサブセットは、前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子を前記少なくとも2つの第1のトランシーバチェーンにそれぞれ結合し、前記複数のトレースの別のサブセットは、前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子を前記少なくとも2つの第2のトランシーバチェーンにそれぞれ結合する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子はそれぞれ、第1の偏波に関連する第1の給電ポートと、第2の偏波に関連する第2の給電ポートとを有し、
前記少なくとも2つの第1のトランシーバチェーンは、少なくとも4つの第1のトランシーバチェーンを含み、
前記複数のトレースの前記サブセットは、
前記少なくとも4つの第1のトランシーバチェーンのうちの2つのトランシーバチェーンを、同様のルーティング長で前記第1の偏波に関連する前記第1の給電ポートに結合し、
前記少なくとも4つの第1のトランシーバチェーンのうちの2つの他のトランシーバチェーンを、他の同様のルーティング長で前記第2の偏波に関連する前記第2の給電ポートに結合する、
請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子はそれぞれ、第1の偏波に関連する第1の給電ポートを有し、
前記複数のトレースの前記サブセットは、前記少なくとも2つの第1のトランシーバチェーンを、異なるルーティング長で前記第1の偏波に関連する前記第1の給電ポートに結合し、
前記少なくとも2つの第1のトランシーバチェーンのうちの少なくとも1つのトランシーバチェーンは、前記異なるルーティング長の間の差に基づく位相シフトを有する位相シフタを含む、
請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記第1のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子は、第1の軸に沿って配置され、前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子の隣接する素子は、前記第1のmmW周波数帯域に関連する第1の中心波長の半分だけ離れており、
前記第2のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子は、前記第1の軸に対して平行な第2の軸に沿って配置され、前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子の他の隣接する素子は、前記第2のmmW周波数帯域に関連する第2の中心波長の半分だけ離れている、
請求項1に記載の装置。
【請求項6】
記第1の軸の方向に沿った前記第1の給電ポートおよび前記第2の給電ポートの配列は、対称軸に関して対称であり、前記対称軸は、前記第1の軸および前記第2の軸の両方に対して垂直である、
請求項5に記載の装置。
【請求項7】
記第2の軸の方向に沿った前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子の前記第1の給電ポートと前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子の前記第2の給電ポートとの配列は、前記対称軸に関して対称である
請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の中心波長は、前記第2の中心波長よりも大きく、
前記無線周波数フロントエンド集積回路は、前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子の間に位置している、
請求項5に記載の装置。
【請求項9】
前記少なくとも2つの第1のトランシーバチェーンは、前記第1の軸に対して平行な第3の軸に沿って配置され、
前記少なくとも2つの第2のトランシーバチェーンは、前記第3の軸に対して平行な第4の軸に沿って配置され、
前記少なくとも2つの第2のトランシーバチェーンは、前記無線周波数フロントエンド集積回路の反対側と比較して前記第2のアンテナアレイにより近い前記無線周波数フロントエンド集積回路の片側に沿って配置される、
請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記少なくとも2つの第1のトランシーバチェーンは、
前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子の第1の給電ポートに結合された2つの第1のトランシーバチェーンと、ここで、前記第1の給電ポートは、第1の偏波に関連する、
前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子の第2の給電ポートに結合された別の2つの第1のトランシーバチェーンと、ここで、前記第2の給電ポートは、第2の偏波に関連する、
を含み、
前記第3の軸の方向に沿った前記2つの第1のトランシーバチェーンおよび前記別の2つの第1のトランシーバチェーンの配列は、対称軸に関して対称であり、前記対称軸は、前記第3の軸および前記第4の軸の両方に対して垂直である、
請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記少なくとも2つの第2のトランシーバチェーンは、
前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子の第1の給電ポートに結合された2つの第2のトランシーバチェーンと、ここで、前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子の前記第1の給電ポートは、前記第1の偏波に関連する、
前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子の第2の給電ポートに結合された別の2つの第2のトランシーバチェーンと、ここで、前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子の前記第2の給電ポートは、前記第2の偏波に関連する、
を含み、
前記第4の軸の方向に沿った前記2つの第2のトランシーバチェーンおよび前記別の2つの第2のトランシーバチェーンの配列は、前記対称軸に関して対称である、
請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第1のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子は、少なくとも2つの二重偏波アンテナ素子を備え、
前記第2のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子は、少なくとも2つの他の二重偏波アンテナ素子を備える、
請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記第1のアンテナアレイの前記少なくとも2つの二重偏波アンテナ素子は、少なくとも2つの二重偏波クロスパッチアンテナ素子を備え、
前記第2のアンテナアレイの前記少なくとも2つの他の二重偏波アンテナ素子は、少なくとも2つの二重偏波パッチアンテナ素子を備える、
請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第1のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子は、少なくとも2つの二重偏波アンテナ素子を備え、
前記第2のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子は、少なくとも4つの単一偏波アンテナ素子を備える、
請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記第1のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子は、第1の軸に沿って配置され、
第1の偏波に関連する前記第2のアンテナアレイの前記少なくとも4つの単一偏波アンテナ素子のサブセットは、前記第1の軸に対して平行な第2の軸に沿って配置され、
第2の偏波に関連する前記第2のアンテナアレイの前記少なくとも4つの単一偏波アンテナ素子の別のサブセットは、前記第2の軸に対して平行な第3の軸に沿って配置され、ここで、前記第3の軸は、前記第2の軸に対して前記第1の軸の反対側に配置される、
請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子の量は、前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子の量の2倍であり、
前記少なくとも2つの第2のトランシーバチェーンの量は、前記少なくとも2つの第1のトランシーバチェーンの量の2倍である、
請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記第2のmmW周波数帯域は、前記第1のmmW周波数帯域内にある別の周波数の2倍である周波数を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記第1のmmW周波数帯域は、ライセンスmmW周波数帯域を備え、
前記第2のmmW周波数帯域は、アンライセンスmmW周波数帯域を備える、
請求項1に記載の装置。
【請求項19】
別のマルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールをさらに備え、前記別のマルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールは、
基板と、
前記基板上に配設され、少なくとも2つの第3のアンテナ素子を含む第3のアンテナアレイと、ここで、前記第3のアンテナアレイは、前記第1のmmW周波数帯域に同調される、
前記基板上に配設され、少なくとも2つの第4のアンテナ素子を含む第4のアンテナアレイと、ここで、前記第4のアンテナアレイは、前記第2のmmW周波数帯域に同調される、
前記基板上に配設された少なくとも1つの別の無線周波数フロントエンド集積回路と
を含み、前記別の無線周波数フロントエンド集積回路は、
前記少なくとも2つの第3のアンテナ素子にそれぞれ結合された少なくとも2つの第3のトランシーバチェーンと、
前記少なくとも2つの第4のアンテナ素子にそれぞれ結合された少なくとも2つの第4のトランシーバチェーンと
を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記第1のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子および前記第3のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第3のアンテナ素子は、第1の軸に沿って配置され、
前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子および前記少なくとも2つの第3のアンテナ素子の隣接するアンテナ素子は、前記第1のmmW周波数帯域に関連する第1の中心波長の半分だけ離されており、
前記第2のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子および前記第4のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第4のアンテナ素子は、前記第1の軸に対して平行な第2の軸に沿って配置され、
前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子および前記少なくとも2つの第4のアンテナ素子の他の隣接するアンテナ素子は、前記第2のmmW周波数帯域に関連する第2の中心波長の半分だけ離されている、
請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記第1のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子は、第1の軸に沿って配置され、
前記第2のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子は、第2の軸に沿って配置され、
前記第3のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第3のアンテナ素子は、前記第1の軸に対して平行な第3の軸に沿って配置され、ここで、前記第3の軸は、前記第1のmmW周波数帯域に関連する第1の中心波長の半分だけ前記第1の軸からオフセットされる、
前記第4のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第4のアンテナ素子は、前記第2の軸に対して平行な第4の軸に沿って配置され、ここで、前記第4の軸は、前記第2のmmW周波数帯域に関連する第2の中心波長の半分だけ前記第2の軸からオフセットされる、
前記第1のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子および前記第3のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第3のアンテナ素子の隣接する素子は、2つの次元に沿って前記第1の中心波長の半分だけ離されている、
前記第2のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子および前記第4のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第4のアンテナ素子の他の隣接する素子は、2つの次元に沿って前記第2の中心波長の半分だけ離されている、
請求項19に記載の装置。
【請求項22】
装置であって、
マルチバンドミリ波(mmW)アンテナアレイおよび無線周波数集積回路(RFIC)モジュールを備え、前記マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールは、
基板と、
前記基板上に配設され、第1のmmW周波数帯域に関連する第1の信号に応答するように構成された第1のアンテナアレイと、
前記基板上に配設され、第2のmmW周波数帯域に関連する第2の信号に応答するように構成された第2のアンテナアレイと、
前記基板上に配設され、前記第1のアンテナアレイおよび前記第2のアンテナアレイに結合された無線周波数フロントエンド集積回路と
を含み、前記無線周波数フロントエンド集積回路は、
前記第1のmmW周波数帯域に関連する前記第1の信号を調整するための第1のパーティション手段と、
前記第2のmmW周波数帯域に関連する前記第2の信号を調整するための第2のパーティション手段と
を含
ここにおいて、前記第1のパーティション手段および前記第2のパーティション手段は各々、第1の偏波に関連する無線周波数集積回路ポートおよび第2の偏波に関連する無線周波数集積回路ポートを含む、装置。
【請求項23】
前記第1のアンテナアレイを前記第1のパーティション手段に結合し、前記第2のアンテナアレイを前記第2のパーティション手段に結合するためのトレース手段を、同一金属層にさらに備える、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記トレース手段は、比較的等しい遅延で前記第1のアンテナアレイと前記第1のパーティション手段との間で前記第1の信号をルーティングするための手段を備える、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
相対的に異なる遅延に基づいて前記第1のパーティション手段内の相対位相シフトを調節するための位相シフト手段をさらに備え、
前記トレース手段は、前記相対的に異なる遅延で前記第1のアンテナアレイと前記第1のパーティション手段との間で前記第1の信号をルーティングするための手段を備える、
請求項23に記載の装置。
【請求項26】
前記第1のアンテナアレイおよび前記第2のアンテナアレイは、対称軸に関して対称的に配列されたそれぞれの給電ポートを有する、請求項22に記載の装置。
【請求項27】
記第1の偏波に関連する前記無線周波数集積回路ポートおよび前記第2の偏波に関連する前記無線周波数集積回路ポートは、対称軸に関して対称的に配列される、
請求項22記載の装置。
【請求項28】
マルチバンドミリ波(mmW)アンテナアレイおよび無線周波数集積回路(RFIC)モジュールを動作させるための方法であって、
前記マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールの第1のアンテナアレイを介して第1のmmW周波数帯域に関連する第1の信号に応答することと、ここで、前記第1のアンテナアレイは、前記マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールの基板上に配設される、
前記マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールの無線周波数フロントエンド集積回路を介して前記第1のmmW周波数帯域に関連する前記第1の信号を調整することと、ここで、前記無線周波数フロントエンド集積回路は、前記マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールの前記基板上に配設される、
前記マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールの第2のアンテナアレイを介して第2のmmW周波数帯域に関連する第2の信号に応答することと、ここで、前記第2のアンテナアレイは、前記マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールの前記基板上に配設される、
前記無線周波数フロントエンド集積回路を介して前記第2のmmW周波数帯域に関連する前記第2の信号を調整することと
を備え
ここにおいて、前記第1のアンテナアレイおよび前記第2のアンテナアレイは各々、第1の偏波に関連する第1の給電ポートと、第2の偏波に関連する第2の給電ポートとをそれぞれ有する、方法。
【請求項29】
前記マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールの対称なトレースを使用して、前記第1のアンテナアレイと前記無線周波数フロントエンド集積回路との間で複数のバージョンの前記第1の信号を伝搬することと、
前記マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールの他の対称なトレースを使用して、前記第2のアンテナアレイと前記無線周波数フロントエンド集積回路との間で複数のバージョンの前記第2の信号を伝搬することと
をさらに備える、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
装置であって、
マルチバンドミリ波(mmW)アンテナアレイおよび無線周波数集積回路(RFIC)モジュールを備え、前記マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールは、
基板と、
前記基板上に配設され、少なくとも2つの第1のアンテナ素子を含む第1のアンテナアレイと、ここで、前記第1のアンテナアレイは、第1のmmW周波数帯域に同調される、
前記基板上に配設され、少なくとも2つの第2のアンテナ素子を含む第2のアンテナアレイと、ここで、前記第2のアンテナアレイは、第2のmmW周波数帯域に同調される、
前記基板上に配設され、前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子にそれぞれ結合された少なくとも2つの第1のトランシーバチェーンを含む第1の無線周波数フロントエンド集積回路と、
前記基板上に配設され、前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子にそれぞれ結合された少なくとも2つの第2のトランシーバチェーンを含む第2の無線周波数フロントエンド集積回路と
を含
ここにおいて、前記第1のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子は各々、第1の偏波に関連する第1の給電ポートと、第2の偏波に関連する第2の給電ポートとをそれぞれ有し、
ここにおいて、前記第2のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子は各々、前記第1の偏波に関連する第1の給電ポートと、前記第2の偏波に関連する第2の給電ポートとをそれぞれ有する、装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0090
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0090】
[0114] コンテキストが別段に定めていない限り、本明細書における「または/もしくは」という単語の使用は、「包括的なまたは」、または「または/もしくは」という単語によってリンクされている1つまたは複数の項目の包含もしくは適用を許容にする用語の使用と見なされ得る(例えば、「AまたはB」という表現は、「A」のみを許容する、「B」のみを許容する、または「A」および「B」の両方を許容するものと解釈され得る)。さらに、添付の図で表される項目および本明細書で述べた用語は、1つまたは複数の項目または用語を示し得るため、本明細書では単数形または複数形の項目および用語への参照は同義であり得る。最後に、構造的特徴または方法論的動作に特有の言語で主題を説明してきたが、添付の特許請求の範囲で定義される主題が、必ずしも上述の特定の特徴または動作に限定されないこと、これには特徴が配列される構成または動作が実行される順序に必ずしも限定されないことが含まれる、は理解されるべきである。
以下に本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
装置であって、
マルチバンドミリ波(mmW)アンテナアレイおよび無線周波数集積回路(RFIC)モジュールを備え、前記マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールは、
少なくとも2つの第1のアンテナ素子を含む第1のアンテナアレイと、ここで、前記第1のアンテナアレイは、第1のmmW周波数帯域に同調される、
少なくとも2つの第2のアンテナ素子を含む第2のアンテナアレイと、ここで、前記第2のアンテナアレイは、第2のmmW周波数帯域に同調される、
少なくとも1つの無線周波数フロントエンド集積回路と
を含み、前記少なくとも1つの無線周波数フロントエンド集積回路は、
前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子にそれぞれ結合された少なくとも2つの第1のトランシーバチェーンと、
前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子にそれぞれ結合された少なくとも2つの第2のトランシーバチェーンと
を含む、装置。
[C2]
前記マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールは、同一金属層に配設された複数のトレースを含み、前記複数のトレースのサブセットは、前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子を前記少なくとも2つの第1のトランシーバチェーンにそれぞれ結合し、前記複数のトレースの別のサブセットは、前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子を前記少なくとも2つの第2のトランシーバチェーンにそれぞれ結合する、C1に記載の装置。
[C3]
前記第1のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子はそれぞれ、第1の偏波に関連する第1の給電ポートと、第2の偏波に関連する第2の給電ポートとを有し、
前記少なくとも2つの第1のトランシーバチェーンは、少なくとも4つの第1のトランシーバチェーンを含み、
前記複数のトレースの前記サブセットは、
前記少なくとも4つの第1のトランシーバチェーンのうちの2つのトランシーバチェーンを、実質的に同様のルーティング長で前記第1の偏波に関連する前記第1の給電ポートに結合し、
前記少なくとも4つの第1のトランシーバチェーンのうちの2つの他のトランシーバチェーンを、他の実質的に同様のルーティング長で前記第2の偏波に関連する前記第2の給電ポートに結合する、
C2に記載の装置。
[C4]
前記第1のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子はそれぞれ、第1の偏波に関連する第1の給電ポートを有し、
前記複数のトレースの前記サブセットは、前記少なくとも2つの第1のトランシーバチェーンを、異なるルーティング長で前記第1の偏波に関連する前記第1の給電ポートに結合し、
前記少なくとも2つの第1のトランシーバチェーンのうちの少なくとも1つのトランシーバチェーンは、前記異なるルーティング長の間の差に基づく位相シフトを有する位相シフタを含む、
C2に記載の装置。
[C5]
前記第1のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子は、第1の軸に沿って配置され、前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子の隣接する素子は、前記第1のmmW周波数帯域に関連する第1の中心波長の約半分だけ離れており、
前記第2のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子は、前記第1の軸に対してほぼ平行な第2の軸に沿って配置され、前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子の他の隣接する素子は、前記第2のmmW周波数帯域に関連する第2の中心波長の約半分だけ離れている、
C1に記載の装置。
[C6]
前記第1のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子は各々、第1の偏波に関連する第1の給電ポートと、第2の偏波に関連する第2の給電ポートとをそれぞれ有し、
前記第1の軸の方向に沿った前記第1の給電ポートおよび前記第2の給電ポートの配列は、対称軸に関して対称であり、前記対称軸は、前記第1の軸および前記第2の軸の両方に対してほぼ垂直である、
C5に記載の装置。
[C7]
前記第2のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子は各々、前記第1の偏波に関連する第1の給電ポートと、前記第2の偏波に関連する第2の給電ポートとをそれぞれ有し、
前記第2の軸の方向に沿った前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子の前記第1の給電ポートと前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子の前記第2の給電ポートとの配列は、前記対称軸に関して対称である
C6に記載の装置。
[C8]
前記第1の中心波長は、前記第2の中心波長よりも大きく、
前記無線周波数フロントエンド集積回路は、前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子の間に位置している、
C5に記載の装置。
[C9]
前記少なくとも2つの第1のトランシーバチェーンは、前記第1の軸に対してほぼ平行な第3の軸に沿って配置され、
前記少なくとも2つの第2のトランシーバチェーンは、前記第3の軸に対してほぼ平行な第4の軸に沿って配置され、
前記少なくとも2つの第2のトランシーバチェーンは、前記無線周波数フロントエンド集積回路の反対側と比較して前記第2のアンテナアレイにより近い前記無線周波数フロントエンド集積回路の片側に沿って配置される、
C8に記載の装置。
[C10]
前記少なくとも2つの第1のトランシーバチェーンは、
前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子の第1の給電ポートに結合された2つの第1のトランシーバチェーンと、ここで、前記第1の給電ポートは、第1の偏波に関連する、
前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子の第2の給電ポートに結合された別の2つの第1のトランシーバチェーンと、ここで、前記第2の給電ポートは、第2の偏波に関連する、
を含み、
前記第3の軸の方向に沿った前記2つの第1のトランシーバチェーンおよび前記別の2つの第1のトランシーバチェーンの配列は、対称軸に関して対称であり、前記対称軸は、前記第3の軸および前記第4の軸の両方に対してほぼ垂直である、
C9に記載の装置。
[C11]
前記少なくとも2つの第2のトランシーバチェーンは、
前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子の第1の給電ポートに結合された2つの第2のトランシーバチェーンと、ここで、前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子の前記第1の給電ポートは、前記第1の偏波に関連する、
前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子の第2の給電ポートに結合された別の2つの第2のトランシーバチェーンと、ここで、前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子の前記第2の給電ポートは、前記第2の偏波に関連する、
を含み、
前記第4の軸の方向に沿った前記2つの第2のトランシーバチェーンおよび前記別の2つの第2のトランシーバチェーンの配列は、前記対称軸に関して対称である、
C10に記載の装置。
[C12]
前記第1のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子は、少なくとも2つの二重偏波アンテナ素子を備え、
前記第2のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子は、少なくとも2つの他の二重偏波アンテナ素子を備える、
C1に記載の装置。
[C13]
前記第1のアンテナアレイの前記少なくとも2つの二重偏波アンテナ素子は、少なくとも2つの二重偏波クロスパッチアンテナ素子を備え、
前記第2のアンテナアレイの前記少なくとも2つの他の二重偏波アンテナ素子は、少なくとも2つの二重偏波パッチアンテナ素子を備える、
C12に記載の装置。
[C14]
前記第1のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子は、少なくとも2つの二重偏波アンテナ素子を備え、
前記第2のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子は、少なくとも4つの単一偏波アンテナ素子を備える、
C1に記載の装置。
[C15]
前記第1のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子は、第1の軸に沿って配置され、
第1の偏波に関連する前記第2のアンテナアレイの前記少なくとも4つの単一偏波アンテナ素子のサブセットは、前記第1の軸に対してほぼ平行な第2の軸に沿って配置され、
第2の偏波に関連する前記第2のアンテナアレイの前記少なくとも4つの単一偏波アンテナ素子の別のサブセットは、前記第2の軸に対してほぼ平行な第3の軸に沿って配置され、ここで、前記第3の軸は、前記第2の軸に対して前記第1の軸の反対側に配置される、
C14に記載の装置。
[C16]
前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子の量は、前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子の量の2倍であり、
前記少なくとも2つの第2のトランシーバチェーンの量は、前記少なくとも2つの第1のトランシーバチェーンの量の2倍である、
C1に記載の装置。
[C17]
前記第2のmmW周波数帯域は、前記第1のmmW周波数帯域内にある別の周波数の約2倍である周波数を含む、C1に記載の装置。
[C18]
前記第1のmmW周波数帯域は、ライセンスmmW周波数帯域を備え、
前記第2のmmW周波数帯域は、アンライセンスmmW周波数帯域を備える、
C1に記載の装置。
[C19]
別のマルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールをさらに備え、前記別のマルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールは、
少なくとも2つの第3のアンテナ素子を含む第3のアンテナアレイと、ここで、前記第3のアンテナアレイは、前記第1のmmW周波数帯域に同調される、
少なくとも2つの第4のアンテナ素子を含む第4のアンテナアレイと、ここで、前記第4のアンテナアレイは、前記第2のmmW周波数帯域に同調される、
少なくとも1つの別の無線周波数フロントエンド集積回路と
を含み、前記別の無線周波数フロントエンド集積回路は、
前記少なくとも2つの第3のアンテナ素子にそれぞれ結合された少なくとも2つの第3のトランシーバチェーンと、
前記少なくとも2つの第4のアンテナ素子にそれぞれ結合された少なくとも2つの第4のトランシーバチェーンと
を含む、C1に記載の装置。
[C20]
前記第1のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子および前記第3のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第3のアンテナ素子は、第1の軸に沿って配置され、
前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子および前記少なくとも2つの第3のアンテナ素子の隣接するアンテナ素子は、前記第1のmmW周波数帯域に関連する第1の中心波長の約半分だけ離されており、
前記第2のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子および前記第4のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第4のアンテナ素子は、前記第1の軸に対してほぼ平行な第2の軸に沿って配置され、
前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子および前記少なくとも2つの第4のアンテナ素子の他の隣接するアンテナ素子は、前記第2のmmW周波数帯域に関連する第2の中心波長の約半分だけ離されている、
C19に記載の装置。
[C21]
前記第1のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子は、第1の軸に沿って配置され、
前記第2のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子は、第2の軸に沿って配置され、前記第3のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第3のアンテナ素子は、前記第1の軸に対してほぼ平行な第3の軸に沿って配置され、ここで、前記第3の軸は、前記第1のmmW周波数帯域に関連する第1の中心波長の約半分だけ前記第1の軸からオフセットされる、
前記第4のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第4のアンテナ素子は、前記第2の軸に対してほぼ平行な第4の軸に沿って配置され、ここで、前記第4の軸は、前記第2のmmW周波数帯域に関連する第2の中心波長の約半分だけ前記第2の軸からオフセットされる、
前記第1のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子および前記第3のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第3のアンテナ素子の隣接する素子は、2つの次元に沿って前記第1の中心波長の約半分だけ離されている、
前記第2のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子および前記第4のアンテナアレイの前記少なくとも2つの第4のアンテナ素子の他の隣接する素子は、2つの次元に沿って前記第2の中心波長の約半分だけ離されている、
C19に記載の装置。
[C22]
装置であって、
マルチバンドミリ波(mmW)アンテナアレイおよび無線周波数集積回路(RFIC)モジュールを備え、前記マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールは、
第1のmmW周波数帯域に関連する第1の信号に応答するように構成された第1のアンテナアレイと、
第2のmmW周波数帯域に関連する第2の信号に応答するように構成された第2のアンテナアレイと、
前記第1のアンテナアレイおよび前記第2のアンテナアレイに結合された無線周波数フロントエンド集積回路と
を含み、前記無線周波数フロントエンド集積回路は、
前記第1のmmW周波数帯域に関連する前記第1の信号を調整するための第1のパーティション手段と、
前記第2のmmW周波数帯域に関連する前記第2の信号を調整するための第2のパーティション手段と
を含む、装置。
[C23]
前記第1のアンテナアレイを前記第1のパーティション手段に結合し、前記第2のアンテナアレイを前記第2のパーティション手段に結合するためのトレース手段を、同一金属層にさらに備える、C22に記載の装置。
[C24]
前記トレース手段は、比較的等しい遅延で前記第1のアンテナアレイと前記第1のパーティション手段との間で前記第1の信号をルーティングするための手段を備える、C23に記載の装置。
[C25]
相対的に異なる遅延に基づいて前記第1のパーティション手段内の相対位相シフトを調節するための位相シフト手段をさらに備え、
前記トレース手段は、前記相対的に異なる遅延で前記第1のアンテナアレイと前記第1のパーティション手段との間で前記第1の信号をルーティングするための手段を備える、
C23に記載の装置。
[C26]
前記第1のアンテナアレイおよび前記第2のアンテナアレイは、対称軸に関して対称的に配列されたそれぞれの給電ポートを有する、C22に記載の装置。
[C27]
前記第1のパーティション手段および前記第2のパーティション手段は各々、第1の偏波に関連する無線周波数集積回路ポートおよび第2の偏波に関連する無線周波数集積回路ポートを含み、
前記第1の偏波に関連する前記無線周波数集積回路ポートおよび前記第2の偏波に関連する前記無線周波数集積回路ポートは、対称軸に関して対称的に配列される、
C22記載の装置。
[C28]
マルチバンドミリ波(mmW)アンテナアレイおよび無線周波数集積回路(RFIC)モジュールを動作させるための方法であって、
前記マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールの第1のアンテナアレイを介して第1のmmW周波数帯域に関連する第1の信号に応答することと、
前記マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールの無線周波数フロントエンド集積回路を介して前記第1のmmW周波数帯域に関連する前記第1の信号を調整することと、
前記マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールの第2のアンテナアレイを介して第2のmmW周波数帯域に関連する第2の信号に応答することと、
前記無線周波数フロントエンド集積回路を介して前記第2のmmW周波数帯域に関連する前記第2の信号を調整することと
を備える方法。
[C29]
前記マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールの実質的に対称なトレースを使用して、前記第1のアンテナアレイと前記無線周波数フロントエンド集積回路との間で複数のバージョンの前記第1の信号を伝搬することと、
前記マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールの他の実質的に対称なトレースを使用して、前記第2のアンテナアレイと前記無線周波数フロントエンド集積回路との間で複数のバージョンの前記第2の信号を伝搬することと
をさらに備える、C28に記載の方法。
[C30]
装置であって、
マルチバンドミリ波(mmW)アンテナアレイおよび無線周波数集積回路(RFIC)モジュールを備え、前記マルチバンドmmWアンテナアレイおよびRFICモジュールは、
少なくとも2つの第1のアンテナ素子を含む第1のアンテナアレイと、ここで、前記第1のアンテナアレイは、第1のmmW周波数帯域に同調される、
少なくとも2つの第2のアンテナ素子を含む第2のアンテナアレイと、ここで、前記第2のアンテナアレイは、第2のmmW周波数帯域に同調される、
前記少なくとも2つの第1のアンテナ素子にそれぞれ結合された少なくとも2つの第1のトランシーバチェーンを含む第1の無線周波数フロントエンド集積回路と、
前記少なくとも2つの第2のアンテナ素子にそれぞれ結合された少なくとも2つの第2のトランシーバチェーンを含む第2の無線周波数フロントエンド集積回路と
を含む、装置。
【外国語明細書】