(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024105378
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】試料の調製及びその試料のリアルタイムアッセイの実施のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
C07K 1/16 20060101AFI20240730BHJP
G01N 30/88 20060101ALI20240730BHJP
B01J 20/287 20060101ALI20240730BHJP
G01N 30/24 20060101ALI20240730BHJP
C07K 1/22 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
C07K1/16
G01N30/88 J ZNA
B01J20/287
G01N30/24 Z
C07K1/22
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024073447
(22)【出願日】2024-04-30
(62)【分割の表示】P 2021547073の分割
【原出願日】2020-02-14
(31)【優先権主張番号】62/951,346
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/805,902
(32)【優先日】2019-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】500049716
【氏名又は名称】アムジエン・インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウー,チャオ-シャン
(72)【発明者】
【氏名】シュエ,ガン
(72)【発明者】
【氏名】サリッチ,ブランドン・ザカリー
(72)【発明者】
【氏名】バーク,マイケル・アール
(72)【発明者】
【氏名】セバスチャン,ジェイコブ
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ピック
(57)【要約】 (修正有)
【課題】分析のための分子を含有する製品の試料の自動的な調製、及びその試料のアッセイの自動的な実施を容易にするシステム及び方法を提供する。
【解決手段】分子を含む試料を第1のバイアルから試料ループに移動させる工程と;試料を試料ループから第1のマルチポートバルブに移動させる工程と;試料を、第1のマルチポートバルブから第2のマルチポートバルブに移動させる工程と;試料を第2のマルチポートバルブから捕捉カラムに移動させる工程と;捕捉カラム内の試料中の分子を捕捉し、試料中の分子を試料のマトリックスから分離する工程と;溶出バッファ溶液を捕捉カラムに移動させ、捕捉カラムによって捕捉された分子を溶出し、溶出/分子混合物を第2のバイアルに移動させる工程であって、第2のバイアルはフロースルーバイアルを含む、工程と;前記分子の分析のために、第2のバイアル中の前記分子を分析デバイスに移動させる工程とを含む方法である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)分子を含む試料を第1のバイアルから試料ループに移動させる工程と;
(b)一定量の前記試料を前記試料ループから第1のマルチポートバルブに移動させる工程と;
(c)前記一定量の試料を、前記第1のマルチポートバルブから、前記第1のマルチポートバルブに流体連結され、且つ前記第1のマルチポートバルブの下流に配置された第2のマルチポートバルブに移動させる工程と;
(d)前記第2のマルチポートバルブが第1の位置にあるときに、前記一定量の試料を前記第2のマルチポートバルブから捕捉カラムに移動させる工程と;
(e)前記捕捉カラム内の前記試料中の前記分子を捕捉し、それによって前記試料中の前記分子を前記試料のマトリックスから分離する工程と;
(f)溶出バッファ溶液をバッファ供給源から前記捕捉カラムに移動させ、それによって前記捕捉カラムによって捕捉された分子を溶出し、前記溶出バッファ溶液及び前記溶出分子を含む溶出/分子混合物を前記捕捉カラムの下流に配置された第2のバイアルに移動させる工程であって、前記第2のバイアルは、フロースルーバイアルを含む、移動させる工程と;
(g)前記分子の分析のために、前記第2のバイアル中の前記分子を分析デバイスに移動させる工程と
を含む方法。
【請求項2】
(f)の後且つ(g)の前に、前記第2のバイアル内の前記溶出分子を希釈して、前記分子の塩濃度を低下させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(f)の後且つ(g)の前に、
前記第2のマルチポートバルブを前記第1の位置とは異なる第2の位置に移動させることと;
前記第2のマルチポートバルブが前記第2の位置にあるとき、前記溶出分子を脱塩カラムに、前記第1のマルチポートバルブ及び前記第2のマルチポートバルブを介して移動させ、前記溶出分子を前記脱塩カラムに適用し、それによって前記塩濃度を低下させることと
をさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
(f)の後且つ(g)の前に、
反応停止試薬を前記第2のバイアル内の前記溶出分子に添加することと;
前記反応停止試薬及び前記溶出分子を前記第2のバイアルから反応コイルに移動させることと;
前記溶出分子を前記反応停止試薬とともに前記反応コイル内でインキュベートし、それによって前記分子の反応を停止させることと;
前記反応停止させた分子を前記反応コイルから前記第2のバイアルに移動させることと
をさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
(g)は、
変性試薬及び還元試薬を前記第2のバイアルに添加することと;
前記溶出分子、前記変性試薬、及び前記還元試薬を前記第2のバイアルから第1の反応コイルに前記第1のマルチポートバルブを介して移動させることと;
前記溶出分子を前記変性試薬及び前記還元試薬とともに前記反応コイル内でインキュベートして、変性及び還元された分子を生じさせることと;
前記変性及び還元された分子を第3のバイアルに移動させることであって、前記第3のバイアルもまたフロースルーバイアルを含む、移動させることと;
前記第3のバイアル内の前記変性及び還元された分子を前記分析デバイスに移動させることと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第3のバイアル内の前記変性及び還元された分子を前記分析デバイスに移動させる前に、
アルキル化剤を前記第3のバイアルに添加することと;
前記変性及び還元された分子と前記アルキル化試薬とを前記第3のバイアルから前記第1の反応コイルに前記第1のマルチポートバルブを介して移動させることと;
前記変性及び還元された分子を前記アルキル化試薬とともに前記第1の反応コイル内でインキュベートし、それによって前記変性及び還元された分子をアルキル化することと;
前記変性、還元及びアルキル化された分子を前記第1の反応コイルから前記第2のバイアルに移動させることと;
前記変性、還元及びアルキル化された分子を脱塩カラムに、前記第1のマルチポートバルブ及び前記第2のマルチボートバルブを介して移動させることと;
前記変性、還元及びアルキル化された分子を前記脱塩カラムに適用し、それによって脱塩分子を生じさせることと;
前記脱塩分子を前記第2のバイアルに移動させることと;
前記脱塩分子を酵素と混合することと;
前記脱塩分子及び前記酵素を第2の反応コイルに移動させることと;
前記脱塩分子及び前記酵素を前記第2の反応コイル内でインキュベートし、それによって前記分子を消化することと;
前記消化された分子を前記第3のバイアルに移動させることと;
前記消化分子の分析のために、前記消化分子を前記第3のバイアルから前記分析デバイスに移動させる工程と
をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記インキュベーションは、前記第1の反応コイルを第1の所定のインキュベーション温度に維持すること、及び/又は前記第2の反応コイルを第2の所定のインキュベーション温度に維持することを含む、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
(a)は、前記試料を前記第1のバイアルから前記試料ループに針で自動的に移動させることを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
(a)の前に、前記試料を前記第1のバイアル内に自動的に入れることをさらに含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
(a)の前に、前記試料を前記第1のバイアル内に手動で入れることをさらに含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
(a)~(g)の1つ以上は、コントローラを使用して自動的に実施される、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
(a)~(g)は、閉鎖システム内で実施される、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記分子はポリペプチドを含み、前記捕捉カラムはポリペプチド結合カラムを含み、(e)は、前記試料中の前記ポリペプチドを前記ポリペプチド結合カラムに結合させ、それによって前記試料中の前記ポリペプチドを前記試料のマトリックスから分離することを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記分子は小分子を含み、前記捕捉カラムは逆相カラムを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記分子は代謝産物を含む、請求項1、2、及び8~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記捕捉カラムは三モードクロマトグラフィカラムを含む、請求項1、2、8~12、及び15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記溶出バッファ溶液は揮発性バッファ溶液を含む、請求項1、2、8~12、15、及び16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記分析デバイスは質量分析計を含む、請求項1、2、8~12、及び15~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
(a)ポリペプチドを含む試料を第1のバイアルから試料ループに移動させる工程と;
(b)一定量の前記試料を前記試料ループから第1のマルチポートバルブに移動させる工程と;
(c)前記一定量の試料を、前記第1のマルチポートバルブから、前記第1のマルチポートバルブに流体連結され、且つ前記第1のマルチポートバルブの下流に配置された第2のマルチポートバルブに移動させる工程と;
(d)前記第2のマルチポートバルブが第1の位置にあるときに、前記一定量の試料を前記第2のマルチポートバルブからポリペプチド結合カラムに移動させる工程と;
(e)前記ポリペプチド結合カラム内で前記試料中の前記ポリペプチドを捕捉し、それによって前記試料中の前記ポリペプチドを前記試料のマトリックスから分離する工程と;
(f)溶出バッファ溶液をバッファ供給源から前記ポリペプチド結合カラムに移動させ、それによって前記ポリペプチド結合カラムによって捕捉されたポリペプチドを溶出し、前記溶出バッファ溶液及び前記溶出ポリペプチドを含む溶出/分子混合物を前記ポリペプチド結合カラムの下流に配置された第2のバイアルに移動させる工程であって、前記第2のバイアルは、フロースルーバイアルを含む、移動させる工程と;
(g)前記ポリペプチドの分析のために、前記第2のバイアル中の前記ポリペプチドを分析デバイスに移動させる工程と
を含む方法。
【請求項20】
(f)の後且つ(g)の前に、前記第2のバイアル内の前記溶出ポリペプチドを希釈して、前記溶出ポリペプチドの塩濃度を低下させることをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
(f)の後且つ(g)の前に、
前記第2のマルチポートバルブを前記第1の位置とは異なる第2の位置に移動させることと;
前記第2のマルチポートバルブが前記第2の位置にあるとき、前記溶出ポリペプチドを脱塩カラムに、前記第1のマルチポートバルブ及び前記第2のマルチポートバルブを介して移動させ、前記溶出ポリペプチドを前記脱塩カラムに適用し、それによって前記塩濃度を低下させることと
をさらに含む、請求項19又は20に記載の方法。
【請求項22】
(f)の後且つ(g)の前に、
反応停止試薬を前記第2のバイアル内の前記溶出ポリペプチドに添加することと;
前記反応停止試薬及び前記溶出ポリペプチドを前記第2のバイアルから反応コイルに移動させることと;
前記溶出ポリペプチドを前記反応停止試薬とともに前記反応コイル内でインキュベートし、それによって前記ポリペプチドの反応を停止させることと;
前記反応停止させたポリペプチドを前記反応コイルから前記第2のバイアルに移動させることと
をさらに含む、請求項19~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
(g)は、
変性試薬及び還元試薬を前記第2のバイアルに添加することと;
前記溶出ポリペプチド、前記変性試薬、及び前記還元試薬を前記第2のバイアルから第1の反応コイルに前記第1のマルチポートバルブを介して移動させることと;
前記溶出ポリペプチドを前記変性試薬及び前記還元試薬とともに前記反応コイル内でインキュベートして、変性及び還元されたポリペプチドを生じさせることと;
前記変性及び還元されたポリペプチドを第3のバイアルに移動させることであって、前記第3のバイアルもまたフロースルーバイアルを含む、移動させることと;
前記第3のバイアル内の前記変性及び還元されたポリペプチドを前記分析デバイスに移動させることと
を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記第3のバイアル内の前記変性及び還元されたポリペプチドを前記分析デバイスに移動させる前に、
アルキル化剤を前記第3のバイアルに添加することと;
前記変性及び還元されたポリペプチドと前記アルキル化試薬とを前記第3のバイアルから前記第1の反応コイルに前記第1のマルチポートバルブを介して移動させることと;
前記変性及び還元されたポリペプチドを前記アルキル化試薬とともに前記第1の反応コイル内でインキュベートし、それによって前記変性及び還元されたポリペプチドをアルキル化することと;
前記変性、還元及びアルキル化されたポリペプチドを前記第1の反応コイルから前記第2のバイアルに移動させることと;
前記変性、還元及びアルキル化されたポリペプチドを脱塩カラムに、前記第1のマルチポートバルブ及び前記第2のマルチボートバルブを介して移動させることと;
前記変性、還元及びアルキル化されたポリペプチドを前記脱塩カラムに適用し、それによって脱塩ポリペプチドを生じさせることと;
前記脱塩ポリペプチドを前記第2のバイアルに移動させることと;
酵素を前記脱塩ポリペプチドに添加することと;
前記脱塩ポリペプチド及び前記酵素を第2の反応コイルに移動させることと;
前記脱塩ポリペプチド及び前記酵素を前記第2の反応コイル内でインキュベートし、それによって前記ポリペプチドを消化することと;
前記消化されたポリペプチドを前記第3のバイアルに移動させ、
これにより、前記第3のバイアルからの前記消化されたポリペプチドを、前記消化されたポリペプチドの分析のために前記分析デバイスに移動させる準備ができることと、
をさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の反応コイルを第1の所定のインキュベーション温度に維持すること、及び/又は前記第2の反応コイルを第2の所定のインキュベーション温度に維持することをさらに含む、請求項23又は24に記載の方法。
【請求項26】
(a)は、前記試料を前記第1のバイアルから前記試料ループに針で自動的に移動させることを含む、請求項19~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
(a)の前に、前記試料を前記第1のバイアル内に自動的に入れることをさらに含む、請求項19~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
(a)の前に、前記試料を前記第1のバイアル内に手動で入れることをさらに含む、請求項19~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
(a)~(g)の1つ以上は、コントローラを使用して自動的に実施される、請求項19~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
(a)~(g)は、閉鎖システム内で実施される、請求項19~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
(e)は、前記試料中の前記ポリペプチドを予め濃縮することを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項32】
(a)ポリペプチドを含む試料を第1のバイアルから試料ループに移動させる工程と;
(b)一定量の前記試料を前記試料ループから第1のマルチポートバルブに移動させる工程と;
(c)前記一定量の試料を、前記第1のマルチポートバルブから、前記第1のマルチポートバルブに流体連結され、且つ前記第1のマルチポートバルブの下流に配置された第2のマルチポートバルブに移動させる工程と;
(d)前記一定量の試料を第2のマルチポートバルブからポリペプチド結合カラムに移動させる工程と;
(e)前記一定量の試料中の前記ポリペプチドを前記ポリペプチド結合カラムに結合させ、それによって前記試料中の前記ポリペプチドを前記試料のマトリックスから分離する工程と;
(f)グリコシダーゼを前記ポリペプチド結合カラムに第2のマルチポートバルブを介して移動させ、前記結合したポリペプチドからグリカンを放出させる工程と;
(g)前記放出されたグリカンを前記ポリペプチド結合カラムから、前記ポリペプチド結合カラムの下流に配置された第2のバイアルに移動させる工程であって、前記第2のバイアルは、フロースルーバイアルを含む、工程と;
(h)前記放出されたグリカンをグリカン標識試薬と前記第2のバイアル内で混合する工程と;
(i)前記放出されたグリカンと前記グリカン標識試薬との混合物を前記第1のマルチポートバルブを介して反応コイルに移動させる工程と;
(j)前記放出されたグリカンと前記グリカン標識試薬との混合物を反応コイル内でインキュベートし、それによって前記グリカンを標識する工程と;
(k)前記混合物を前記反応コイルから第3のバイアルに移動させる工程であって、前記第3のバイアルは、フロースルーバイアルを含む、移動させる工程と;
(l)前記標識グリカンの分析のために、前記第3のバイアル内の前記標識されたグリカンを分析デバイスに移動させる工程と
を含む方法。
【請求項33】
(h)は、前記グリカンを前記グリカン標識試薬で蛍光標識することを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記反応コイルを所定のインキュベーション温度に維持することをさらに含む、請求項32又は33に記載の方法。
【請求項35】
前記所定の温度は、摂氏約80度を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
(a)ポリペプチドを含む試料を第1のバイアルから試料ループに移動させる工程と;
(b)一定量の前記試料を前記試料ループから第1のマルチポートバルブに移動させる工程と;
(c)前記一定量の試料を、前記第1のマルチポートバルブから、前記第1のマルチポートバルブに流体連結され、且つ前記第1のマルチポートバルブの下流に配置された第2のマルチポートバルブに移動させる工程と;
(d)前記一定量の試料を第2のマルチポートバルブからポリペプチド結合カラムに移動させる工程と;
(e)前記一定量の試料中の前記ポリペプチドを前記ポリペプチド結合カラムに結合させ、それによって前記試料中の前記ポリペプチドを前記試料のマトリックスから分離する工程と;
(f)グリコシダーゼを前記ポリペプチド結合カラムに第2のマルチポートバルブを介して移動させ、前記結合したポリペプチドからグリカンを放出させる工程と;
(g)前記放出されたグリカンを前記ポリペプチド結合カラムから、前記ポリペプチド結合カラムの下流に配置された第2のバイアルに移動させる工程であって、前記第2のバイアルは、フロースルーバイアルである、移動させる工程と;
(h)前記放出されたグリカンをグリカン標識試薬と前記第2のバイアル内で混合する工程と;
(i)前記放出されたグリカンと前記グリカン標識試薬との混合物を反応コイルに前記第1のマルチポートバルブを介して移動させる工程と;
(j)前記放出されたグリカンと前記グリカン標識試薬との混合物を反応コイル内でインキュベートし、それによって前記グリカンを標識する工程と;
(k)前記混合物を前記反応コイルから第3のバイアルに移動させる工程であって、前記第3のバイアルは、フロースルーバイアルである、移動させる工程と;
(l)前記標識グリカンの分析のために、前記第3のバイアル内の前記標識されたグリカンを分析デバイスに移動させる工程と
を含む方法。
【請求項37】
(h)は、前記グリカンを前記グリカン標識試薬で蛍光標識することを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記反応コイルを所定のインキュベーション温度に維持することを含む、請求項36又は37に記載の方法。
【請求項39】
前記所定の温度は、摂氏約80度を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
(a)代謝産物を含む試料を第1のバイアルから試料ループに移動させる工程と;
(b)一定量の前記試料を前記試料ループから第1のマルチポートバルブに移動させる工程と;
(c)前記一定量の試料を、前記第1のマルチポートバルブから、前記第1のマルチポートバルブに流体連結され、且つ前記第1のマルチポートバルブの下流に配置された第2のマルチポートバルブに移動させる工程と;
(d)前記第2のマルチポートバルブが第1の位置にあるときに、前記一定量の試料を前記第2のマルチポートバルブから三モードクロマトグラフィカラムに移動させる工程と;
(e)前記三モードクロマトグラフィカラム内の前記試料中の前記代謝産物を捕捉し、それによって前記試料中の前記代謝産物を前記試料のマトリックスから分離する工程と;
(f)溶出バッファ溶液をバッファ供給源から前記三モードクロマトグラフィカラムに移動させ、それによって前記三モードクロマトグラフィカラムによって捕捉された代謝産物を溶出し、前記溶出バッファ溶液及び前記溶出代謝産物を含む溶出/分子混合物を前記三モードクロマトグラフィカラムの下流に配置された第2のバイアルに移動させる工程であって、前記第2のバイアルは、フロースルーバイアルを含む、移動させる工程と;
(g)前記代謝産物の分析のために、前記第2のバイアル中の前記代謝産物を分析デバイスに移動させる工程と
を含む方法。
【請求項41】
前記溶出バッファ溶液は揮発性バッファ溶液を含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記分析デバイスは質量分析計を含む、請求項40又は41に記載の方法。
【請求項43】
(a)は、前記試料を前記第1のバイアルから前記試料ループに針で自動的に移動させることを含む、請求項40~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
(a)の前に、前記試料を前記第1のバイアル内に自動的に入れることをさらに含む、請求項40~43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
(a)~(g)の1つ以上は、コントローラを使用して自動的に実施される、請求項40~44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
(a)~(g)は、閉鎖システム内で実施される、請求項40~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記フロースルーバイアルは、ベースと、前記ベースに連結され、且つ前記ベースから外向きに延びるガターと、前記ベースに形成された入口ポートと、前記ガターに形成された出口ポートとを含む、請求項1~46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記フロースルーバイアルは、前記ベースと前記ガターとの間に配置されたリップを含み、前記リップは前記フロースルーバイアルを流れる流体の表面張力を低下させるように構成されている、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記入口ポートは入口軸に沿って延び、前記出口ポートは出口軸に沿って延び、前記出口軸は前記入口軸に対して傾斜している、請求項47又は48に記載の方法。
【請求項50】
前記ベースは、前記入口軸及び前記出口軸の各々に対して傾斜している縦軸に沿って延びている、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記ガターは竪樋を含み、前記出口ポートは前記竪樋に形成されている、請求項47~50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
分子を含む試料を収容するようになされた第1のバイアルと;
1種以上の変化剤と、
前記第1のバイアルから前記試料を受容するようになされた試料ループと;
前記試料ループに流体連結され、第1のマルチポートバルブの第1のポートを介して一定量の前記試料を得るように配置された第1のマルチポートバルブと;
前記第1のマルチポートバルブに流体連結され、且つ前記第1のマルチポートバルブの下流に配置された第2のマルチポートバルブと;
前記第2のマルチポートバルブが第1の位置にあるときに、前記第2のマルチポートバルブに流体連結されるように配置され、前記一定量の試料から前記分子を捕捉するように構成された捕捉カラムと;
前記第2のマルチポートバルブが前記第1の位置とは異なる第2の位置にあるときに、前記第2のマルチポートバルブに流体連結されるように配置され、前記分子の塩濃度を低下させるように構成された脱塩カラムと;
前記第1のマルチポートバルブに選択的に流体連結されるように配置され、1種以上の前記変化剤を受容するように配置され、前記分子及び前記1種以上の変化剤をインキュベートして前記分子を変化させるように構成された第1の反応コイルと;
前記第2のマルチポートバルブの下流に配置され、前記第2のマルチポートバルブに流体連結され、前記捕捉カラム、前記脱塩カラム、又は前記第1の反応コイルから前記分子を含む混合物を受容するように配置された第2のバイアルと
を含む閉鎖システム。
【請求項53】
前記試料を前記第1のバイアルから自動的に取り出し、前記試料を前記試料ループに入れるように構成された針をさらに含む、請求項52に記載の閉鎖システム。
【請求項54】
前記第1のマルチポートバルブに流体連結され、前記第1のマルチポートバルブの下流に配置された第3のマルチポートバルブであって、前記1種以上の変化剤を前記第1のマルチポートバルブを介して受容するように配置され、第3の位置にあるときに、前記1種以上の変化剤を前記第1の反応コイルに導くように配置された第3のマルチポートバルブをさらに含む、請求項52又は53に記載の閉鎖システム。
【請求項55】
前記第1のマルチポートバルブによって得られる前記一定量の試料を制御するために、前記試料ループ及び前記針に流体連結された計量装置をさらに含む、請求項52~54のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項56】
前記分子はポリペプチドを含み、前記捕捉カラムはポリペプチド結合カラムを含む、請求項52~55のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項57】
前記ポリペプチド結合カラムは、プロテインAカラム、プロテインGカラム、プロテインA/Gカラム、プロテインLカラム、アミノ酸カラム、アビジンカラム、ストレプトアビジンカラム、炭水化物結合カラム、炭水化物カラム、グルタチオンカラム、ヘパリンカラム、疎水性相互作用カラム、イムノアフィニティカラム、ヌクレオチド/補酵素カラム、特殊カラム、及び固定化金属アフィニティクロマトグラフィ(IMAC)カラムからなる群から選択される、請求項56に記載の閉鎖システム。
【請求項58】
前記分子は小分子を含み、前記捕捉カラムは逆相カラムを含む、請求項52~55のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項59】
前記第3のマルチポートバルブは10ポートバルブを含む、請求項52~58のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項60】
前記脱塩カラムは前記捕捉カラムと並列に配置されている、請求項52~59のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項61】
前記1種以上の変化剤は、反応停止試薬、変性試薬、還元試薬、アルキル化試薬、グリカン標識試薬、グリコシダーゼ含有溶液、酵素、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項52~60のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項62】
前記グルコシダーゼは、グルカナーゼ、エンドグリコシダーゼ、グリコサミダーゼ、及びO-グリカナーゼ、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項61に記載の閉鎖システム。
【請求項63】
前記エンドグリコシダーゼは、エンドグリコシダーゼD、エンドグリコシダーゼF(エンドグリコシダーゼF1、エンドグリコシダーゼF2、及びエンドグリコシダーゼF3、並びにこれらの組み合わせ)、エンドグリコシダーゼH、エンドグリコシダーゼS、エンドグリコシダーゼM、及びエンドグリコシダーゼBからなる群から選択される、請求項62に記載の閉鎖システム。
【請求項64】
前記グリコサミダーゼは、グリコペプチダーゼ、ペプチドN-グリコシダーゼ、PNGase、N-グリコヒドロラーゼ、及びN-グリカナーゼからなる群から選択される、請求項62に記載の閉鎖システム。
【請求項65】
前記PNGaseは、ペプチド:N-グリコシダーゼF(PNGF)である、請求項50に記載の閉鎖システム。
【請求項66】
前記O-グリカナーゼは、endo-GalNAc-ase D又はendoGalNAc-ase Aを含む、請求項62に記載の閉鎖システム。
【請求項67】
前記グリカン標識試薬はフルオロフォア又は発色団である、請求項61~66のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項68】
前記フルオロフォアは、2-アミノ安息香酸、8-アミノナフタレン-1,3,6-トリスルホン酸二ナトリウム塩、8-アミノナフタレン-1,3,6-トリスルホン酸三ナトリウム塩、アントラニルアミド、及び4-メトキシベンズアミジンからなる群から選択される、請求項67に記載の閉鎖システム。
【請求項69】
前記発色団は、3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オン、又はフェニルヒドラジンを含む、請求項67に記載の閉鎖システム。
【請求項70】
前記第1のマルチポートバルブに流体連結され、前記第2のマルチポートバルブが前記第1の位置にあるとき、前記捕捉カラムにバッファ溶液を、前記溶出バッファ溶液が前記捕捉カラムから前記分子の全部を実質的に溶出するようになされるように、供給するように配置されたバッファ供給源をさらに含む、請求項52~69のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項71】
前記捕捉カラムによって捕捉された分子がグリコシダーゼに入り込むように、前記捕捉カラムに前記第2のマルチポートバルブを介して前記グリコシダーゼを供給するように配置されたグリコシダーゼ供給源と;
前記捕捉カラムに前記第2のマルチポートバルブを介してキャリア溶液を供給するように配置されたキャリア溶液供給源であって、前記キャリア溶液は前記捕捉カラムからグリカンを放出させるようになされているキャリア溶液供給源と
をさらに含む、請求項52~69のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項72】
前記第2のバイアル内の前記分子の塩濃度を低下させるように構成された移動相を備えた中間バイアルをさらに含む、請求項52~71のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項73】
前記第1の反応コイルに直接隣接して位置決めされた加熱要素をさらに含み、前記加熱要素は、前記第1の反応コイルを第1の所定のインキュベーション温度に維持するように構成されている、請求項52~72のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項74】
前記第1の所定のインキュベーション温度は、摂氏約30度、摂氏約40度、又は摂氏約80度を含む、請求項73に記載の閉鎖システム。
【請求項75】
前記第1のマルチポートバルブに選択的に流体連結するように配置された第2の反応コイルをさらに含み、前記第2の反応コイルは、1種以上の前記変化剤を受容するように配置され、且つ前記分子と前記1種以上の変化剤とをインキュベートして前記分子を変化させるように構成されている、請求項52~74のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項76】
前記第2の反応コイルに直接隣接して位置決めされた加熱要素をさらに含み、前記加熱要素は、前記第2の反応コイルを第2の所定のインキュベーション温度に維持するように構成されている、請求項75に記載の閉鎖システム。
【請求項77】
前記第2の所定のインキュベーション温度は、摂氏約30度、摂氏約40度、又は摂氏約80度を含む、請求項76に記載の閉鎖システム。
【請求項78】
前記第1及び第2のマルチポートバルブに通信的に連結されたコントローラをさらに含む、請求項52~77のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項79】
前記試料の前記閉鎖システムにわたる移動を容易にするために前記第1のマルチポートバルブに流体連結された第1のポンプをさらに含む、請求項52~78のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項80】
前記捕捉カラム、前記脱塩カラム、及び前記第1の反応コイルの少なくとも1つの洗浄を容易にするために前記第2のマルチポートバルブに流体連結された第2のポンプをさらに含む、請求項79に記載の閉鎖システム。
【請求項81】
前記捕捉カラム、前記脱塩カラム、及び前記第1の反応コイルの少なくとも1つの洗浄を容易にするために前記第2のマルチポートバルブに流体連結された第1のポンプをさらに含む、請求項52~78のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項82】
ポリペプチドを含む試料を収容するようになされた第1のバイアルと;
1種以上の変化剤と、
前記第1のバイアルから前記試料を受容するようになされた試料ループと;
前記試料ループに流体連結され、第1のマルチポートバルブの第1のポートを介して一定量の前記試料を得るように配置された第1のマルチポートバルブと;
前記第1のマルチポートバルブに流体連結され、且つ前記第1のマルチポートバルブの下流に配置された第2のマルチポートバルブと;
前記第2のマルチポートバルブが第1の位置にあるときに、前記第2のマルチポートバルブに流体連結されるように配置され、前記一定量の試料から前記ポリペプチドを捕捉するように構成された捕捉カラムと;
前記第2のマルチポートバルブが前記第1の位置とは異なる第2の位置にあるときに、前記第2のマルチポートバルブに流体連結されるように配置され、前記ポリペプチドの塩濃度を低下させるように構成された脱塩カラムと;
前記第1のマルチポートバルブに選択的に流体連結されるように配置され、1種以上の前記変化剤を受容するように配置され、前記ポリペプチド及び前記1種以上の変化剤をインキュベートして前記ポリペプチドを変化させるように構成された第1の反応コイルと;
前記第2のマルチポートバルブの下流に配置され、前記第2のマルチポートバルブに流体連結され、前記捕捉カラム、前記脱塩カラム、又は前記第1の反応コイルから前記ポリペプチドを含む混合物を受容するように配置された第2のバイアルと
を含む閉鎖システム。
【請求項83】
前記試料を前記第1のバイアルから自動的に取り出し、前記試料を前記試料ループに入れるように構成された針をさらに含む、請求項82に記載の閉鎖システム。
【請求項84】
前記第1のマルチポートバルブに流体連結され、前記第1のマルチポートバルブの下流に配置された第3のマルチポートバルブであって、前記1種以上の変化剤を前記第1のマルチポートバルブを介して受容するように配置され、第3の位置にあるときに、前記1種以上の変化剤を前記第1の反応コイルに導くように配置された第3のマルチポートバルブをさらに含む、請求項82又は83に記載の閉鎖システム。
【請求項85】
前記第1のマルチポートバルブによって得られる前記一定量の試料を制御するために、前記試料ループ及び前記針に流体連結された計量装置をさらに含む、請求項82~84のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項86】
前記捕捉カラムはポリペプチド結合カラムである、請求項82~85のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項87】
前記ポリペプチド結合カラムは、プロテインAカラム、プロテインGカラム、プロテインA/Gカラム、プロテインLカラム、アミノ酸カラム、アビジンカラム、ストレプトアビジンカラム、炭水化物結合カラム、炭水化物カラム、グルタチオンカラム、ヘパリンカラム、疎水性相互作用カラム、イムノアフィニティカラム、ヌクレオチド/補酵素カラム、特殊カラム、及び固定化金属アフィニティクロマトグラフィ(IMAC)カラムからなる群から選択される、請求項86に記載の閉鎖システム。
【請求項88】
前記捕捉カラムはさらに、前記ポリペプチドを予め濃縮するように構成されている、請求項82~87のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項89】
前記第3のマルチポートバルブは10ポートバルブを含む、請求項82~88のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項90】
前記脱塩カラムは前記捕捉カラムと並列に配置されている、請求項82~89のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項91】
前記1種以上の変化剤は、反応停止試薬、変性試薬、還元試薬、アルキル化試薬、グリカン標識試薬、グリコシダーゼ含有溶液、酵素、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項82~90のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項92】
前記グルコシダーゼは、エンドグリコシダーゼ、グリコサミダーゼ、及びO-グリカナーゼ、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項91に記載の閉鎖システム。
【請求項93】
前記エンドグリコシダーゼは、エンドグリコシダーゼD、エンドグリコシダーゼF(エンドグリコシダーゼF1、エンドグリコシダーゼF2、及びエンドグリコシダーゼF3、並びにこれらの組み合わせ)、エンドグリコシダーゼH、エンドグリコシダーゼS、エンドグリコシダーゼM、及びエンドグリコシダーゼBからなる群から選択される、請求項92に記載の閉鎖システム。
【請求項94】
前記グリコサミダーゼは、グリコペプチダーゼ、ペプチドN-グリコシダーゼ、PNGase、N-グリコヒドロラーゼ、及びN-グリカナーゼからなる群から選択される、請求項92に記載の閉鎖システム。
【請求項95】
前記PNGaseはペプチド:N-グリコシダーゼF(PNGF)である、請求項94に記載の閉鎖システム。
【請求項96】
前記O-グリカナーゼは、endo-GalNAc-ase D又はendoGalNAc-ase Aである、請求項92に記載の閉鎖システム。
【請求項97】
前記グリカン標識試薬はフルオロフォア又は発色団である、請求項91~96のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項98】
前記フルオロフォアは、2-アミノ安息香酸、8-アミノナフタレン-1,3,6-トリスルホン酸二ナトリウム塩、8-アミノナフタレン-1,3,6-トリスルホン酸三ナトリウム塩、アントラニルアミド、及び4-メトキシベンズアミジンからなる群から選択される、請求項97に記載の閉鎖システム。
【請求項99】
前記発色団は、3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オン、又はフェニルヒドラジンを含む、請求項97に記載の閉鎖システム。
【請求項100】
第1のマルチポートバルブに流体連結され、前記第2のマルチポートバルブが前記第1の位置にあるとき、前記捕捉カラムにバッファ溶液を、前記溶出バッファ溶液が前記捕捉カラムから前記ポリペプチドの全部を実質的に溶出するようになされるように、供給するように配置されたバッファ供給源をさらに含む、請求項82~99のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項101】
前記捕捉カラムによって捕捉されたポリペプチドがグリコシダーゼに入り込むように、前記捕捉カラムに前記第2のマルチポートバルブを介して前記グリコシダーゼを供給するように配置されたグリコシダーゼ供給源と;
前記捕捉カラムに前記第2のマルチポートバルブを介してキャリア溶液を供給するように配置されたキャリア溶液供給源であって、前記キャリア溶液は前記捕捉カラムからグリカンを放出させるようになされているキャリア溶液供給源と
をさらに含む、請求項82~99のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項102】
前記第2のバイアル内の前記ポリペプチドの塩濃度を低下させるように構成された移動相を備えた中間バイアルをさらに含む、請求項82~101のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項103】
前記第1の反応コイルに直接隣接して位置決めされた加熱要素をさらに含み、前記加熱要素は、前記第1の反応コイルを第1の所定のインキュベーション温度に維持するように構成されている、請求項82~102のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項104】
前記第1の所定のインキュベーション温度は、摂氏約30度、摂氏約40度、又は摂氏約80度を含む、請求項103に記載の閉鎖システム。
【請求項105】
前記第1のマルチポートバルブに選択的に流体連結するように配置された第2の反応コイルをさらに含み、前記第2の反応コイルは、1種以上の前記変化剤を受容するように配置され、且つ前記ポリペプチドと前記1種以上の変化剤とをインキュベートして前記ポリペプチドを変化させるように構成されている、請求項82~104のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項106】
前記第2の反応コイルに直接隣接して位置決めされた加熱要素をさらに含み、前記加熱要素は、前記第2の反応コイルを第2の所定のインキュベーション温度に維持するように構成されている、請求項105に記載の閉鎖システム。
【請求項107】
前記第2の所定のインキュベーション温度は、摂氏約30度、摂氏約40度、又は摂氏約80度を含む、請求項106に記載の閉鎖システム。
【請求項108】
前記第1及び第2のマルチポートバルブに通信的に連結されたコントローラをさらに含む、請求項82~107のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項109】
前記試料の前記閉鎖システムにわたる移動を容易にするために前記第1のマルチポートバルブに流体連結された第1のポンプをさらに含む、請求項82~108のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項110】
前記捕捉カラム、前記脱塩カラム、及び前記第1の反応コイルの少なくとも1つの洗浄を容易にするために前記第2のマルチポートバルブに流体連結された第2のポンプをさらに含む、請求項109に記載の閉鎖システム。
【請求項111】
前記捕捉カラム、前記脱塩カラム、及び前記第1の反応コイルの少なくとも1つの洗浄を容易にするために前記第2のマルチポートバルブに流体連結された第1のポンプをさらに含む、請求項82~108のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項112】
分子を含む試料を収容するようになされた第1のバイアルと;
前記第1のバイアルから前記試料を受容するようになされた試料ループと;
前記試料ループに流体連結され、第1のマルチポートバルブの第1のポートを介して一定量の前記試料を得るように配置された第1のマルチポートバルブと;
前記第1のマルチポートバルブに流体連結され、且つ前記第1のマルチポートバルブの下流に配置された第2のマルチポートバルブと;
前記第2のマルチポートバルブが第1の位置にあるときに、前記第2のマルチポートバルブに流体連結されるように配置され、前記試料から前記分子を捕捉するように構成された捕捉カラムと;
前記捕捉カラムの下流に配置された第2のバイアルと;
前記第1のマルチポートバルブに流体連結され、前記第2のマルチポートバルブが前記第1の位置にあるとき、前記第2のマルチポートバルブを介して前記第2のバイアル及び前記捕捉カラムに溶出バッファ溶液を、前記溶出バッファ溶液が前記捕捉カラムから前記分子の全部を実質的に溶出するようになされるように、供給するように配置されたバッファ供給源とを含み、
前記第2のバイアルは、前記溶出/分子混合物から前記溶出バッファ溶液を前記第2のバイアルの外へ濾過し、それによって前記第2のバイアル内に前記溶出された分子のみを残すように構成されたフロースルーバイアルを含む閉鎖システム。
【請求項113】
前記試料を前記第1のバイアルから自動的に取り出し、前記試料を前記試料ループに入れるように構成された針をさらに含む、請求項112に記載の閉鎖システム。
【請求項114】
前記第1のマルチポートバルブによって得られる前記一定量の試料を制御するために、前記試料ループ及び前記針に流体連結された計量装置をさらに含む、請求項112又は113に記載の閉鎖システム。
【請求項115】
前記分子は代謝産物を含み、前記捕捉カラムは三モードクロマトグラフィカラムを含む、請求項112~114のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項116】
前記溶出バッファ溶液は、揮発性バッファ溶液を含む、請求項115に記載の閉鎖システム。
【請求項117】
前記分子はポリペプチドを含み、前記捕捉カラムはポリペプチド結合カラムを含む、請求項112~114のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項118】
前記ポリペプチド結合カラムは、前記ポリペプチドを予め濃縮するようにさらに構成されている、請求項112~114のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項119】
前記第2のマルチポートバルブが前記第1の位置とは異なる第2の位置にあるときに、前記第2のマルチポートバルブに流体連結されるように配置された脱塩カラムをさらに含み、前記第2のマルチポートバルブが第2の位置にあるとき、前記脱塩カラムは前記第2のバイアル内の前記溶出ポリペプチドを受容するように配置され、且つ前記溶出ポリペプチドの塩濃度を低下させるように構成されている、請求項112~118のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項120】
前記第2のバイアル内の前記溶出ポリペプチドの塩濃度を低下させるように構成された移動相を備えた中間バイアルをさらに含む、請求項112~119のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項120】
反応停止試薬と;
前記第2のバイアルからの前記溶出ポリペプチドと前記反応停止試薬とを前記第1のマルチポートバルブを介して受容するように構成され、前記ポリペプチドの反応を停止させるため、前記溶出ポリペプチドを前記反応停止試薬とともにインキュベートするように構成された第1の反応コイルと
をさらに含む、請求項112~120のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項121】
前記第2のバイアル内の変性試薬と;
前記第2のバイアル内の還元試薬と;
前記溶出ポリペプチド、前記変性試薬、及び前記還元試薬を前記第2のバイアルから前記第1のマルチポートバルブを介して受容するように構成され、前記溶出ポリペプチドを前記変性試薬、及び前記還元試薬とともにインキュベートして、変性及び還元されたポリペプチドを生成するように構成された第1の反応コイルと;
前記変性及び還元されたポリペプチドを受容するように配置され、アルキル化剤を含む第3のバイアルと
をさらに含み、
前記第1の反応コイルはさらに、前記アルキル化試薬及び前記変性及び還元されたポリペプチドを前記第3のバイアルから受容するようにさらに配置され、前記第1の反応コイルは、前記アルキル化試薬を前記変性及び還元されたポリペプチドとともにインキュベートして、前記変性及び還元されたポリペプチドをアルキル化するようにさらに構成され、且つ
前記第2のバイアルはさらに、前記変性、還元及びアルキル化されたポリペプチドを受容するように配置されている、請求項112~120のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項122】
前記第2のマルチポートバルブが前記第1の位置とは異なる第2の位置にあるとき、前記第2のマルチポートバルブに流体連結されるように配置された脱塩カラムをさらに含み、前記第2のマルチポートバルブが第2の位置にあるとき、前記脱塩カラムは前記変性、還元及びアルキル化されたポリペプチドを前記第2のバイアルから受容するように配置され、前記脱塩カラムは前記変性、還元及びアルキル化されたポリペプチドを脱塩するように構成され、且つ前記第2のバイアルは、前記脱塩されたポリペプチドを前記脱塩カラムから受容するようにさらに配置されている、請求項121に記載の閉鎖システム。
【請求項123】
前記第2のバイアル内の酵素と、前記脱塩されたポリペプチド及び前記酵素を前記第2のバイアルから前記第1のマルチポートバルブを介して受容するように配置された第2の反応コイルとをさらに含み、前記第2の反応コイルは前記脱塩されたポリペプチド及び前記酵素をインキュベートして前記ポリペプチドを消化するように構成され、前記第3のバイアルは、前記消化されたポリペプチドを前記第2の反応コイルから受容するようにさらに配置されている、請求項122に記載の閉鎖システム。
【請求項124】
ポリペプチドを含む試料を収容するようになされた第1のバイアルと;
前記第1のバイアルから前記試料を受容するようになされた試料ループと;
前記試料ループに流体連結され、第1のマルチポートバルブの第1のポートを介して一定量の前記試料を得るように配置された第1のマルチポートバルブと;
前記第1のマルチポートバルブに流体連結され、且つ前記第1のマルチポートバルブの下流に配置された第2のマルチポートバルブと;
前記第2のマルチポートバルブが第1の位置にあるときに、前記第2のマルチポートバルブに流体連結されるように配置され、前記試料から前記ポリペプチドを結合するように構成されたポリペプチド結合カラムと;
前記ポリペプチド結合カラムの下流に配置され、フロースルーバイアルであり、且つグリカン標識試薬を含む第2のバイアルと;
前記ポリペプチド結合カラムに結合した前記ポリペプチドがグリコシダーゼに入り込むように、前記ポリペプチド結合カラムに前記第2のマルチポートバルブを介して前記グリコシダーゼを供給するように配置されたグリコシダーゼ供給源と;
前記ポリペプチド結合カラムに前記第2のマルチポートバルブを介してキャリア溶液を供給するように配置されたキャリア溶液供給源であって、前記キャリア溶液は前記ポリペプチド結合カラムからグリカンを放出させ、前記第2のバイアルに運ぶようになされたキャリア溶液供給源と;
前記放出されたグリカンと前記グルカン標識試薬との混合物を前記第2のバイアルから前記第1のマルチポートバルブを介して受容するように配置され、前記放出されたグリカンと前記グルカン標識試薬との混合物をインキュベートして前記グリカンを標識するように構成された反応コイルと;
前記標識されたグリカン及び前記グリカン標識試薬を受容するために、前記反応コイルの下流に配置された第3のバイアルと
を含む閉鎖システム。
【請求項125】
前記試料を前記第1のバイアルから自動的に取り出し、前記試料を前記試料ループに入れるように構成された針をさらに含む、請求項124に記載の閉鎖システム。
【請求項126】
前記グルコシダーゼは、エンドグリコシダーゼ、グリコサミダーゼ、及びO-グリカナーゼ、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項124又は125に記載の閉鎖システム。
【請求項127】
前記エンドグリコシダーゼは、エンドグリコシダーゼD、エンドグリコシダーゼF(エンドグリコシダーゼF1、エンドグリコシダーゼF2、及びエンドグリコシダーゼF3、並びにこれらの組み合わせ)、エンドグリコシダーゼH、エンドグリコシダーゼS、エンドグリコシダーゼM、及びエンドグリコシダーゼBからなる群から選択される、請求項126に記載の閉鎖システム。
【請求項128】
前記グリコサミダーゼは、グリコペプチダーゼ、ペプチドN-グリコシダーゼ、PNGase、N-グリコヒドロラーゼ、及びN-グリカナーゼからなる群から選択される、請求項126に記載の閉鎖システム。
【請求項129】
前記PNGaseはペプチド:N-グリコシダーゼF(PNGF)である、請求項128に記載の閉鎖システム。
【請求項130】
前記O-グリカナーゼは、endo-GalNAc-ase D又はendoGalNAc-ase Aを含む、請求項126に記載の閉鎖システム。
【請求項131】
前記グリカン標識試薬はフルオロフォア又は発色団である、請求項124~130のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項132】
前記フルオロフォアは、2-アミノ安息香酸、8-アミノナフタレン-1,3,6-トリスルホン酸二ナトリウム塩、8-アミノナフタレン-1,3,6-トリスルホン酸三ナトリウム塩、アントラニルアミド、及び4-メトキシベンズアミジンからなる群から選択される、請求項131に記載の閉鎖システム。
【請求項133】
前記発色団は、3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オン、又はフェニルヒドラジンを含む、請求項131に記載の閉鎖システム。
【請求項134】
前記反応コイルに直接隣接して位置決めされた加熱要素をさらに含み、前記加熱要素は、前記反応コイルを摂氏約80度の温度に維持するように構成されている、請求項124~133のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項135】
分析デバイスをさらに含む、請求項52~134のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項136】
前記分析デバイスは、IEX、CEX、又はAEXクロマトグラフィカラムである、請求項135に記載の閉鎖システム。
【請求項137】
前記第1のマルチポートバルブは6ポートバルブを含む、請求項52~136のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項138】
前記第2のマルチポートバルブは10ポートバルブを含む、請求項52~137のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項139】
前記針並びに前記第1及び第2のマルチポートバルブに通信的に結合されたコントローラをさらに含む、請求項124~138のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項140】
前記ポリペプチド結合カラムは、プロテインAカラム、プロテインGカラム、プロテインA/Gカラム、プロテインLカラム、アミノ酸カラム、アビジンカラム、ストレプトアビジンカラム、炭水化物結合カラム、炭水化物カラム、グルタチオンカラム、ヘパリンカラム、疎水性相互作用カラム、イムノアフィニティカラム、ヌクレオチド/補酵素カラム、特殊カラム、及び固定化金属アフィニティクロマトグラフィ(IMAC)カラムからなる群から選択される、請求項124~139のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項141】
前記試料の前記閉鎖システムにわたる移動を容易にするために前記第1のマルチポートバルブに流体連結された第1のポンプをさらに含む、請求項124~140のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項142】
前記捕捉カラム、前記脱塩カラム、及び前記第1の反応コイルの少なくとも1つの洗浄を容易にするために前記第2のマルチポートバルブに流体連結された第2のポンプをさらに含む、請求項141に記載の閉鎖システム。
【請求項143】
前記製品の前記ポリペプチドは治療用ポリペプチドである、請求項13及び19~39のいずれか一項に記載の方法又は請求項56、57、59~111及び117~142のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項144】
前記治療用ポリペプチドは、抗体又はその抗原結合フラグメント、抗体又は抗体フラグメントの誘導体、及び融合ポリペプチドからなる群から選択される、請求項143に記載の方法又は閉鎖システム。
【請求項145】
前記抗体は、インフリキシマブ、ベバシズマブ、ラニビズマブ、セツキシマブ、パリビズマブ、アバゴボマブ、アブシキシマブ、アクトクスマブ、アダリムマブ、アフェリモマブ、アフツズマブ、アラシズマブ、アラシズマブペゴル、ald518、アレムツズマブ、アリロクマブ、アルツモマブ、アマツキシマブ、アナツモマブマフェナトクス、アンルキンズマブ、アポリズマブ、アルシツモマブ、アセリズマブ、アルチヌマブ(altinumab)、アトリズマブ、アトロリムマブ、バピヌズマブ、バシリキシマブ、バビツキシマブ、ベクツモマブ、ベリムマブ、ベンラリズマブ、ベルチリムマブ、ベシレソマブ、ベバシズマブ、ベズロトクスマブ、ビシロマブ、ビバツズマブ、ビバツズマブメルタンシン、ブリナツモマブ、ブロソズマブ、ブレンツキシマブベドチン、ブリアキヌマブ、ブロダルマブ、カナキヌマブ、カンツズマブメルタンシン、カプラシズマブ、カプロマブペンデチド、カルルマブ、カツマキソマブ、cc49、セデリズマブ、セルトリズマブペゴル、シタツズマブボガトクス、シクスツムマブ、クラザキズマブ、クレノリキシマブ、クリバツズマブテトラキセタン、コナツムマブ、クレネズマブ、cr6261、ダセツズマブ、ダクリズマブ、ダロツズマブ、ダラツムマブ、デムシズマブ、デノスマブ、デツモマブ、ドルリモマブアリトクス、ドロジツマブ、デュリゴツマブ、デュピルマブ、エクロメキシマブ、エクリズマブ、エドバコマブ、エドレコロマブ、エファリズマブ、エフングマブ、エロツズマブ、エルシリモマブ、エナバツズマブ、エンリモマブペゴル、エノキズマブ、エノチクマブ、エンシツキシマブ、エピツモマブシツキセタン、エピラツズマブ、エルリズマブ、エルツマキソマブ、エタラシズマブ、エトロリズマブ、エキシビビルマブ、ファノレソマブ、ファラリモマブ、ファルレツズマブ、ファシヌマブ、fbta05、フェルビズマブ、フェザキヌマブ、フィクラツズマブ、フィギツムマブ、フランボツマブ、フォントリズマブ、フォラルマブ、フォラビルマブ、フレソリムマブ、フルラヌマブ、フツキシマブ、ガリキシマブ、ガニツマブ、ガンテネルマブ、ガビリモマブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、ゲボキズマブ、ギレンツキシマブ、グレムバツムマブベドチン、ゴリムマブ、ゴミリキシマブ、gs6624、イバリズマブ、イブリツモマブチウキセタン、イクルクマブ、イゴボマブ、イムシロマブ、イムガツズマブ、インクラクマブ、インダツキシマブラブタンシン、インテツムマブ、イノリモマブ、イノツズマブオゾガマイシン、イピリムマブ、イラツムマブ、イトリズマブ、イキセキズマブ、ケリキシマブ、ラベツズマブ、レブリキズマブ、レマレソマブ、レルデリムマブ、レキサツムマブ、リビビルマブ、リゲリズマブ、リンツズマブ、リリルマブ、ロルボツズマブメルタンシン、ルカツムマブ、ルミリキシマブ、マパツズマブ、マスリモマブ、マブリリムマブ、マツズマブ、メポリズマブ、メテリムマブ、ミラツズマブ、ミンレツモマブ、ミツモマブ、モガムリズマブ、モロリムマブ、モタビズマブ、モキセツモマブパスドトクス、ムロモナブ-cd3、ナコロマブタフェナトクス、ナミルマブ、ナプツモマブエスタフェナトクス、ナルナツマブ、ナタリズマブ、ネバクマブ、ネシツムマブ、ネレリモマブ、ネスバクマブ、ニモツズマブ、ニボルマブ、ノフェツモマブメルペンタン、オカラツズマブ、オクレリズマブ、オデュリモマブ、オファツムマブ、オララツマブ、オロキズマブ、オマリズマブ、オナルツズマブ、オポルツズマブモナトクス、オレゴボマブ、オルチクマブ、オテリキシズマブ、オキセルマブ、オザネズマブ、オゾラリズマブ、パジバキシマブ、パニツムマブ、パノバクマブ、パルサツズマブ、パスコリズマブ、パテクリズマブ、パトリツマブ、ペムツモマブ、ペラキズマブ、ペルツズマブ、ペクセリズマブ、ピジリズマブ、ピンツモマブ、プラクルマブ、ポネズマブ、プリリキシマブ、プリツムマブ、PRO140、クイリズマブ、ラコツモマブ、ラドレツマブ、ラフィビルマブ、ラムシルマブ、ラキシバクマブ、レガビルマブ、レスリズマブ、リロツムマブ、リツキシマブ、ロバツムマブ、ロレデュマブ、ロモソズマブ、ロンタリズマブ、ロベリズマブ、ルプリズマブ、サマリズマブ、サリルマブ、サツモマブペンデチデ、セクキヌマブ、セビルマブ、シブロツズマブ、シファリムマブ、シルツキシマブ、シムツズマブ、シプリズマブ、シルクマブ、ソラネズマブ、ソリトマブ、ソネプシズマブ、ソンツズマブ、スタムルマブ、スレソマブ、スビズマブ、タバルマブ、タカツズマブテトラキセタン、タドシズマブ、タリズマブ、タネズマブ、タプリツモマブパプトクス、テフィバズマブ、テリモマブアリトクス、テナツモマブ、テネリキシマブ、テプリズマブ、テプロツムマブ、テゼペルマブ、TGN1412、トレメリムマブ、チシリムマブ、チルドラキズマブ、チガツズマブ、TNXー650、トシリズマブ、トラリズマブ、トシツモマブ、トラロキヌマブ、トラスツズマブ、TRBS07、トレガリズマブ、ツコツズマブセルモロイキン、ツビルマブ、ウブリツキシマブ、ウレルマブ、ウルトキサズマブ、ウステキヌマブ、バパリキシマブ、バテリズマブ、ベドリズマブ、ベルツズマブ、ベパリモマブ、ベセンクマブ、ビジリズマブ、ボロシキシマブ、ボルセツズマブマフォドチン、ボツムマブ、ザルツムマブ、ザノリムマブ、ザツキシマブ、ジラリムマブ、ゾリモマブアリトクス、及び表1に示す抗体からなる群から選択される、請求項144に記載の方法又は閉鎖システム。
【請求項146】
前記治療用ポリペプチドは、糖タンパク質、CDポリペプチド、HER受容体ポリペプチド、細胞接着ポリペプチド、成長因子ポリペプチド、インスリンポリペプチド、インスリン関連ポリペプチド、凝固ポリペプチド、凝固関連ポリペプチド、アルブミン、IgE、血液型抗原、コロニー刺激因子、受容体、神経栄養因子、インターフェロン、インターロイキン、ウイルス抗原、リポタンパク質、カルシトニン、グルカゴン、心房性ナトリウム利尿因子、肺サーファクタント、腫瘍壊死因子アルファ及び腫瘍壊死因子ベータ、エンケファリナーゼ、マウスゴナドトロピン関連ペプチド、DNAse、インヒビン、アクチビン、インテグリン、プロテインA、プロテインD、リウマチ因子、免疫毒素、骨形成タンパク質、スーパーオキシドディスムターゼ、表面膜ポリペプチド、崩壊促進因子、AIDSエンベロープ、輸送ポリペプチド、ホーミング受容体、アドレシン、調節ポリペプチド、イムノアドヘシン、ミオスタチン、TALLポリペプチド、アミロイドポリペプチド、胸腺間質性リンパ球新生因子、RANKリガンド、c-キットポリペプチド、TNF受容体、及びアンジオポエチン、並びにこれらの生物学的に活性なフラグメント、アナログ、又はバリアントからなる群から選択されるポリペプチドである、請求項143に記載の方法又は閉鎖システム。
【請求項147】
前記フロースルーバイアルは、ベースと、前記ベースに連結され、且つ前記ベースから外向きに延びるガターと、前記ベースに形成された入口ポートと、前記ガターに形成された出口ポートとを含む、請求項52~146のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項148】
前記フロースルーバイアルは、前記ベースと前記ガターとの間に配置されたリップをさらに含み、前記リップは前記フロースルーバイアルを流れる流体の表面張力を低下させるように構成されている、請求項147に記載の閉鎖システム。
【請求項149】
前記入口ポートは入口軸に沿って延び、前記出口ポートは出口軸に沿って延び、前記出口軸は前記入口軸に対して傾斜している、請求項147又は148に記載の閉鎖システム。
【請求項150】
前記ベースは、前記入口軸及び前記出口軸の各々に対して傾斜している縦軸に沿って延びている、請求項149に記載の閉鎖システム。
【請求項151】
前記ガターは竪樋を含み、前記出口ポートは前記竪樋に形成されている、請求項147~150のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項152】
前記フロースルーバイアルを受容し保持するように構成されたバイアルホルダをさらに含む、請求項52~151のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項153】
前記バイアルホルダは、複数のフロースルーバイアルを受容し保持するように構成された複数のレセプタクルを含む、請求項152に記載の閉鎖システム。
【請求項154】
分析のための分子を含有する製品の試料の調製、及びその試料のアッセイの実施において使用するためのフロースルーバイアルであって、
ベースと;
前記ベースに連結され、且つ前記ベースから外向きに延びるガターと;
前記ベースに形成された入口ポートと;
前記ガターに形成された出口ポートと
を含むフロースルーバイアル。
【請求項155】
前記ベースと前記ガターとの間に配置されたリップを含み、前記リップは前記フロースルーバイアルを流れる流体の表面張力を低下させるように構成されている、請求項154に記載のフロースルーバイアル。
【請求項156】
前記入口ポートは入口軸に沿って延び、前記出口ポートは出口軸に沿って延び、前記出口軸は前記入口軸に対して傾斜している、請求項154又は155に記載のフロースルーバイアル。
【請求項157】
前記ベースは、前記入口軸及び前記出口軸の各々に対して傾斜している縦軸に沿って延びている、請求項156に記載のフロースルーバイアル。
【請求項158】
前記ガターは竪樋を含み、前記出口ポートは前記竪樋に形成されている、請求項154~157のいずれか一項に記載のフロースルーバイアル。
【請求項159】
前記第2のバイアルは、前記分子を分析することができるように、前記分子を前記混合物の残りから分離するように構成されたフロースルーバイアルを含む、請求項52~111及び143~153のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項160】
前記第3のバイアルはまた、前記第3のバイアルからグリカン標識試薬を実質的に濾過し、それによって第3のバイアル中に標識されたグリカンのみを実質的に残すように構成されたフロースルーバイアルである、請求項124~153のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
2019年2月12日に出願された米国仮特許出願第62/805,902号及び2019年12月20日に出願された米国仮特許出願第62/951,346号に対する優先権を主張するものであり、これらの出願の全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般的に、アッセイに関し、より具体的には、試料の調製及びその試料のリアルタイムアッセイの実施のためのシステム及び方法に関する。
【0003】
配列表
本出願は、電子フォーマットの配列表とともに出願されている。「53661_Seqlisting.txt」という名称のファイルとして提出された配列表は、2020年2月11日に作成され、サイズは263,959バイトである。電子フォーマットの配列表における情報は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0004】
アッセイは、一般に、薬物、生化学的物質、又は細胞などの分析物の1つ以上の属性を定量化するために実施される。このようなアッセイの一例は、試料の重要品質特性(CQA)(目標製品品質プロファイル(QTPP)により特定される)を検出し定量化することができる多属性法(MAM)アッセイである(Development of a quantitative mass spectrometry multi-attribute method for characterization,quality control testing and disposition of biologics.Rogers RS,Nightlinger NS,Livingston B,Campbell P,Bailey R,Balland A.MAbs.2015;7(5):881-90)。MAMアッセイは、例えば、高分子遊離試験(LMRT)実験室内で実施される手動操作プロセスである。MAMは、液体クロマトグラフィ(LC)-質量分析法(MS)をベースとしたペプチドマッピング法であり、以下の3工程を有する:(1)試料調製(例えば、ポリペプチド変性、還元、アルキル化、及び消化を含み得る)、(2)LCによる消化ポリペプチドの分離及びそれらのMSによる検出、並びに(3)目的CQAに関するデータの分析及び参照基準と比較した場合の新たな信号(すなわち、ピーク)の検出。
【0005】
CQAは、特定の値又は範囲値内に存在する化学的、物理的又は生物学的特性である。例えば、ポリペプチド治療的高分子において、物理的属性及びアミノ酸(ポリペプチドの構成単位(building block))の改変は重要なCQAであり、製造中及び製造後、並びに薬物開発中にモニターされる。ポリペプチド全体又は一部のピークサイズ及びピーク形状の変化を追跡する従来の分析アッセイとは異なり、MAMはアミノ酸レベルにおける特定のCQAを検出する。
【0006】
治療用ポリペプチドの糖鎖プロファイルの分析は、多くの場合、CQAである。これはバイオシミラー製品の場合に特に当てはまり、バイオシミラー製品のグリコシル化プロファイルは、先行製品のグリコシル化プロファイルと同等でなければならない。糖鎖アッセイを実施するための既知のプロセスでは、製品の試料を、分析のために、手動で収集し、試験室に届け、手動で濃縮し、精製し、調製することが必要である。これらの既知の手動操作プロセスの所要時間は、通常、約5日である。この時間経過によりコストがかさむとともに、薬物(先行製品及びバイオシミラー製品)の開発及び最終的な薬物発売が遅延する。薬物開発中、例えば、最適なグリコシル化のための培養条件を最適化するときに、例えば5日の遅れが蓄積し、重要且つ新規なポリペプチド医薬品を患者に届けることを妨げる。さらに、このような遅延により、製造後にプロファイルが決定されることとなり、製造パラメータをリアルタイムで調整することとは対照的に、仕様を満たさない製品を再製造することになる。したがって、このような分析のための試料調製を含め、CQA分析を促進するための効率的で且つより迅速な方法が必要とされている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Development of a quantitative mass spectrometry multi-attribute method for characterization,quality control testing and disposition of biologics.Rogers RS,Nightlinger NS,Livingston B,Campbell P,Bailey R,Balland A.MAbs.2015;7(5):881-90
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様は、(a)分子を含む試料を第1のバイアルから試料ループに移動させる工程と、(b)一定量の試料を試料ループから第1のマルチポートバルブに移動させる工程と、(c)一定量の試料を、第1のマルチポートバルブから、第1のマルチポートバルブに流体連結され、且つ第1のマルチポートバルブの下流に配置された第2のマルチポートバルブに移動させる工程と、(d)第2のマルチポートバルブが第1の位置にあるときに、一定量の試料を第2のマルチポートバルブから捕捉カラムに移動させる工程と、(e)捕捉カラム内の試料中の分子を捕捉し、それによって試料中の分子を試料のマトリックスから分離する工程と、(f)溶出バッファ溶液をバッファ供給源から捕捉カラムに移動させ、それによって捕捉カラムによって捕捉された分子を溶出し、溶出バッファ溶液及び溶出分子を含む溶出/分子混合物を捕捉カラムの下流に配置された第2のバイアルに移動させる工程であって、第2のバイアルは、フロースルーバイアルを含む、移動させる工程と、(g)分子の分析のために、第2のバイアル中の分子を分析デバイスに移動させる工程と、を含む方法を提供する。
【0009】
本開示の別の態様は、(a)ポリペプチドを含む試料を第1のバイアルから試料ループに移動させる工程と、(b)一定量の試料を試料ループから第1のマルチポートバルブに移動させる工程と、(c)一定量の試料を、第1のマルチポートバルブから、第1のマルチポートバルブに流体連結され、且つ第1のマルチポートバルブの下流に配置された第2のマルチポートバルブに移動させる工程と、(d)第2のマルチポートバルブが第1の位置にあるときに、一定量の試料を第2のマルチポートバルブからポリペプチド結合カラムに移動させる工程と、(e)ポリペプチド結合カラム内の試料中のポリペプチドを捕捉し、それによって試料中のポリペプチドを試料のマトリックスから分離する工程と、(f)溶出バッファ溶液をバッファ供給源からポリペプチド結合カラムに移動させ、それによってポリペプチド結合カラムによって捕捉されたポリペプチドを溶出し、溶出バッファ溶液及び溶出ポリペプチドを含む溶出/分子混合物をポリペプチド結合カラムの下流に配置された第2のバイアルに移動させる工程であって、第2のバイアルは、フロースルーバイアルを含む、移動させる工程と、(g)ポリペプチドの分析のために、第2のバイアル中のポリペプチドを分析デバイスに移動させる工程と、を含む方法を提供する。試料が最初に移動される「バイアル」又は「第1のバイアル」は、本明細書で使用される場合、フロースルーバイアル又は非フロースルーバイアルなどの任意の好適なバイアルを含むか又はそれからなり得ることに留意されたい。さらに、非フロースルーバイアル(及びフロースルーバイアル)は、本明細書に記載の方法及びシステムにおいては、それらがシステムの次の処理工程に運ばれる前に、中間/部分的処理された試料のための一時的又は移行容器として使用され得る。
【0010】
本開示の別の態様は、(a)ポリペプチドを含む試料を第1のバイアルから試料ループに移動させる工程と、(b)一定量の試料を試料ループから第1のマルチポートバルブに移動させる工程と、(c)一定量の試料を、第1のマルチポートバルブから、第1のマルチポートバルブに流体連結され、且つ第1のマルチポートバルブの下流に配置された第2のマルチポートバルブに移動させる工程と、(d)一定量の試料を第2のマルチポートバルブからポリペプチド結合カラムに移動させる工程と、(e)一定量の試料中のポリペプチドをポリペプチド結合カラムに結合させ、それによって試料中のポリペプチドを試料のマトリックスから分離する工程と、(f)グリコシダーゼ(グルカナーゼなど)をポリペプチド結合カラムに第2のマルチポートバルブを介して移動させ、結合したポリペプチドからグリカンを放出させる工程と、(g)放出されたグリカンを、ポリペプチド結合カラムから、ポリペプチド結合カラムの下流に配置された第2のバイアルに移動させる工程であって、第2のバイアルは、フロースルーバイアルを含む、工程と、(h)放出されたグリカンとグリカン標識試薬とを第2のバイアル中で混合する工程と、(i)放出されたグリカンとグリカン標識試薬との混合物を第1のマルチポートバルブを介して反応コイルに移動させる工程と、(j)放出されたグリカンとグリカン標識試薬との混合物を反応コイル中でインキュベートし、それによってグリカンを標識する工程と、(k)混合物を反応コイルから第3のバイアルに移動させる工程であって、第3のバイアルもまた、フロースルーバイアルを含む、移動させる工程と、(l)標識されたグリカンの分析のために、第3のバイアル中の標識されたグリカンを分析デバイスに移動させる工程と、
を含む方法を提供する。
【0011】
本開示の別の態様は、分子を含む試料を収容するようになされた第1のバイアルと、1種以上の変化剤と、第1のバイアルから試料を受容するようになされた試料ループと、試料ループに流体連結され、第1のマルチポートバルブの第1のポートを介して一定量の試料を得るように配置された第1のマルチポートバルブと、第1のマルチポートバルブに流体連結され、第1のマルチポートバルブの下流に配置された第2のマルチポートバルブとを含む閉鎖システムを提供する。閉鎖システムは、第2のマルチポートバルブが第1の位置にあるときに、第2のマルチポートバルブに流体連結されるように配置された捕捉カラムを含む。捕捉カラムは、一定量の試料から分子を捕捉するように構成されている。閉鎖システムはまた、第2のマルチポートバルブが第1の位置とは異なる第2の位置にあるときに、第2のマルチポートバルブに流体連結されるように配置された脱塩カラムを含む。脱塩カラムは、分子の塩濃度を低下させるように構成されている。閉鎖システムはさらに、第1のマルチポートバルブに選択的に流体連結されるように配置された第1の反応コイルを含む。第1の反応コイルは、1種以上の変化剤を受容するように配置され、分子及び1種以上の変化剤をインキュベートして分子を変化させるように構成されている。閉鎖システムはさらに、第2のマルチポートバルブの下流に配置され、第2のマルチポートバルブに流体連結された第2のバイアルを含む。第2のバイアルは、捕捉カラム、脱塩カラム、又は第1の反応コイルから分子を含む混合物を受容するように配置されている。第2のバイアルは、フロースルーバイアルを含む。いくつかの実施例では、フロースルーバイアルは、分子を分析できるように、混合物の残りから分子を分離するように構成されている。
【0012】
本開示の別の態様は、ポリペプチドを含む試料を収容するようになされた第1のバイアルと、1種以上の変化剤と、第1のバイアルから試料を受容するようになされた試料ループと、試料ループに流体連結され、第1のマルチポートバルブの第1のポートを介して一定量の試料を得るように配置された第1のマルチポートバルブと、第1のマルチポートバルブに流体連結され、第1のマルチポートバルブの下流に配置された第2のマルチポートバルブと、第2のマルチポートバルブが第1の位置にあるときに、第2のマルチポートバルブに流体連結されるように配置された捕捉カラムとを含む、閉鎖システムを提供する。捕捉カラムは、一定量の試料からポリペプチドを捕捉するように構成されている。閉鎖システムはまた、第2のマルチポートバルブが第1の位置とは異なる第2の位置にあるときに、第2のマルチポートバルブに流体連結されるように配置された脱塩カラムを含む。脱塩カラムは、ポリペプチドの塩濃度を低下させるように構成されている。閉鎖システムはさらに、第1のマルチポートバルブに選択的に流体連結されるように配置された第1の反応コイルを含む。第1の反応コイルは、1種以上の変化剤を受容するように配置され、ポリペプチド及び1種以上の変化剤をインキュベートしてポリペプチドを変化させるように構成されている。閉鎖システムはさらに、第2のマルチポートバルブの下流に配置され、第2のマルチポートバルブに流体連結された第2のバイアルを含む。第2のバイアルは、捕捉カラム、脱塩カラム、又は第1の反応コイルからポリペプチドを含む混合物を受容するように配置されている。第2のバイアルは、ポリペプチドを分析できるように、混合物の残りからポリペプチドを分離するように構成されたフロースルーバイアルを含む。
【0013】
本開示の別の態様は、ポリペプチドを含む試料を収容するようになされた第1のバイアルと、第1のバイアルから試料を受容するようになされた試料ループと、試料ループに流体連結され、第1のマルチポートバルブの第1のポートを介して一定量の試料を得るように配置された第1のマルチポートバルブと、第1のマルチポートバルブに流体連結され、第1のマルチポートバルブの下流に配置された第2のマルチポートバルブと、第2のマルチポートバルブが第1の位置にあるときに、第2のマルチポートバルブに流体連結されるように配置されたポリペプチド結合カラムとを含む、閉鎖システムを提供する。ポリペプチド結合カラムは、試料からポリペプチドを結合するように構成されている。閉鎖システムはまた、ポリペプチド結合カラムの下流に配置された第2のバイアルと、第1のマルチポートバルブに流体連結され、第2のマルチポートバルブが第1の位置にあるとき、第2のマルチポートバルブ及びポリペプチド結合カラムを介して第2のバイアルに溶出バッファ溶液を、この溶出バッファ溶液がポリペプチド結合カラムからポリペプチドの全部を実質的に溶出するようになされるように、供給するように配置されたバッファ供給源とを含む。いくつかの例では、第2のバイアルは、溶出/ポリペプチド混合物から溶出バッファ溶液を第2のバイアルの外へ濾過し、それによって第2のバイアル中に溶出ポリペプチドのみを残すように構成されたフロースルーバイアルを含む。
【0014】
本開示の別の態様は、ポリペプチドを含む試料を収容するようになされた第1のバイアルと、第1のバイアルから試料を受容するようになされた試料ループと、試料ループに流体連結され、第1のマルチポートバルブの第1のポートを介して一定量の試料を得るように配置された第1のマルチポートバルブと、第1のマルチポートバルブに流体連結され、第1のマルチポートバルブの下流に配置された第2のマルチポートバルブと、第2のマルチポートバルブが第1の位置にあるときに、第2のマルチポートバルブに流体連結されるように配置されたポリペプチド結合カラムとを含む閉鎖システムを提供する。ポリペプチド結合カラムは、試料からポリペプチドを結合するように構成されている。閉鎖システムはまた、ポリペプチド結合カラムの下流に配置された第2のバイアルと(第2のバイアルはフロースルーバイアルを含み、且つグリカン標識試薬を含む)、グリコシダーゼにポリペプチド結合カラムに結合したポリペプチドが入り込むように、第2のマルチポートバルブを介してポリペプチド結合カラムにグリコシダーゼ(グルカナーゼなど)を供給するように配置されたグリコシダーゼ供給源とを含む。閉鎖システムはまた、第2のマルチポートバルブを介してポリペプチド結合カラムにキャリア溶液を供給するように配置されたキャリア溶液供給源を含む。キャリア溶液はポリペプチド結合カラムからグリカンを放出させ、第2のバイアルに運ぶようになされている。閉鎖システムはさらに、第1のマルチポートバルブを介して第2のバイアルから放出されたグリカンとグリカン標識試薬との混合物を受容するように配置された反応コイルを含む。反応コイルは、放出されたグリカンとグリカン標識試薬との混合物をインキュベートして、グリカンを標識するように構成されている。閉鎖システムはさらに、標識されたグリカンとグリカン標識試薬を受容するために反応コイルの下流に配置された第3のバイアルを含む。いくつかの例では、第3のバイアルはまた、第3のバイアルからグリカン標識試薬を実質的に濾過し、それによって第3のバイアル中に標識されたグリカンのみを実質的に残すように構成されたフロースルーバイアルを含む。
【0015】
本開示の別の態様は、(a)分子を含む試料を試料バイアルから試料ループに移動させる工程と、(b)一定量の試料を試料ループから注入バルブに移動させる工程と、(c)一定量の試料を、注入バルブから、注入バルブに流体連結され、且つ注入バルブの下流に配置された第1のマルチポートバルブに移動させる工程と、(d)第1のマルチポートバルブが第2の位置にあるときに、一定量の試料を第1のマルチポートバルブから第2のマルチポートバルブ上の捕捉カラムに移動させる工程と、(e)捕捉カラム内の試料中の分子を捕捉し、それによって試料中の分子を試料のマトリックスから分離する工程と、(f)溶出バッファ溶液をバッファ供給源から捕捉カラムに移動させ、それによって捕捉カラムによって捕捉された分子を溶出し、溶出バッファ溶液及び溶出分子を含む溶出/分子混合物を第2のマルチポートバルブ上の捕捉カラムの下流に配置された第3のマルチポートバルブ上の受容バイアルに移動させる工程であって、受容バイアルは、フロースルーバイアルを含む、移動させる工程と、(g)分子の分析のために、フロースルーバイアル中の分子を分析デバイス(カラムコンパートメント)に移動させる工程と、を含む方法を提供する。
【0016】
本開示の別の態様は、(a)ポリペプチドを含む試料を試料バイアルから試料ループに移動させる工程と、(b)一定量の試料を試料ループから注入バルブに移動させる工程と、(c)一定量の試料を、注入バルブから、注入バルブに流体連結され、且つ注入バルブの下流に配置された第1のマルチポートバルブに移動させる工程と、(d)第1のマルチポートバルブが第2の位置にあるときに、一定量の試料を第1のマルチポートバルブから第2のマルチポートバルブ上のポリペプチド結合カラムに移動させる工程と、(e)ポリペプチド結合カラム内の試料中のポリペプチドを捕捉し、それによって試料中のポリペプチドを試料のマトリックスから分離する工程と、(f)溶出バッファ溶液をバッファ供給源からポリペプチド結合カラムに移動させ、それによってポリペプチド結合カラムによって捕捉されたポリペプチドを溶出し、溶出バッファ溶液及び溶出ポリペプチドを含む溶出/分子混合物をポリペプチド結合カラムの下流に配置された受容バイアルに移動させる工程であって、受容バイアルは、フロースルーバイアルを含む、移動させる工程と、(g)ポリペプチドの分析のために、フロースルーバイアル中のポリペプチドを分析デバイス(カラムコンパートメント)に移動させる工程と、を含む方法を提供する。
【0017】
本開示の別の態様は、(a)ポリペプチドを含む試料を試料バイアルから試料ループに移動させる工程と、(b)一定量の試料を試料ループから注入バルブに移動させる工程と、(c)一定量の試料を、注入バルブから、注入バルブに流体連結され、且つ注入バルブの下流に配置された第1のマルチポートバルブに移動させる工程と、(d)一定量の試料を第1のマルチポートバルブから第2のマルチポートバルブ上のポリペプチド結合カラムに移動させる工程と、(e)一定量の試料中のポリペプチドをポリペプチド結合カラムに結合させ、それによって試料のマトリックスから試料中のポリペプチドを分離する工程と、(f)グリコシダーゼ(グルカナーゼなど)を第2のマルチポートバルブを介してポリペプチド結合カラムに移動させて、結合したポリペプチドからグリカンを放出させる工程と、(g)放出されたグリカンを、ポリペプチド結合カラムから、ポリペプチド結合カラムの下流に配置された受容バイアルに移動させる工程であって、受容バイアルは、フロースルーバイアルである、移動させる工程と、(h)放出されたグリカンとグリカン標識試薬とをフロースルーバイアル中で混合する工程と、(i)放出されたグリカンとグリカン標識試薬との混合物を第1のマルチポートバルブを介して第2のマルチポートバルブ上の反応コイルに移動させる工程と、(j)放出されたグリカンとグリカン標識試薬との混合物を反応コイル中でインキュベートし、それによってグリカンを標識する工程と、(k)混合物を反応コイルからフロースルーバイアルに移動させる工程と、(l)標識されたグリカンの分析のために、フロースルーバイアル中の標識されたグリカンを分析デバイスに移動させる工程と、を含む方法を提供する。
【0018】
本開示の別の態様は、分子を含む試料を収容するようになされた試料バイアルと、1種以上の変化剤と、試料バイアルから試料を受容するようになされた試料ループと、試料ループに流体連結され、その第2のポートを介して一定量の試料を得るように配置された注入バルブと、注入バルブに流体連結され、注入バルブの下流に配置された第1のマルチポートバルブとを含む閉鎖システムを提供する。閉鎖システムは、第2のマルチポートバルブが第2の位置にあるときに、第2のマルチポートバルブに流体連結されるように配置された捕捉カラムを含む。捕捉カラムは、一定量の試料から分子を捕捉するように構成されている。閉鎖システムはまた、第2のマルチポートバルブが第2の位置とは異なる第3の位置にあるときに、第2のマルチポートバルブに流体連結されるように配置された脱塩カラムを含む。脱塩カラムは、分子の塩濃度を低下させるように構成されている。閉鎖システムはさらに、第2のマルチポートバルブに選択的に流体連結されるように配置された反応コイルを含む。反応コイルは、1種以上の変化剤を受容するように配置され、分子及び1種以上の変化剤をインキュベートして分子を変化させるように構成されている。受容バイアルは、捕捉カラム、脱塩カラム、又は反応コイルから分子を含む混合物を受容するように配置されている。受容バイアルは、分子を分析できるように、残りの混合物から分子を分離するように構成されたフロースルーバイアルを含む。
【0019】
本開示の別の態様は、ポリペプチドを含む試料を収容するようになされた試料バイアル、1種以上の変化剤、
試料バイアルから試料を受容するようになされた試料ループと、試料ループに流体連結され、その第2のポートを介して一定量の試料を得るように配置された注入バルブと、注入バルブに流体連結され、注入バルブの下流に配置された第1のマルチポートバルブと、第2のマルチポートバルブが第2の位置にあるときに、第2のマルチポートバルブに流体連結されるように配置された捕捉カラムとを含む閉鎖システムを提供する。捕捉カラムは、一定量の試料からポリペプチドを捕捉するように構成されている。閉鎖システムはまた、第2のマルチポートバルブが第2の位置とは異なる第3の位置にあるときに、第2のマルチポートバルブに流体連結されるように配置された脱塩カラムを含む。脱塩カラムは、ポリペプチドの塩濃度を低下させるように構成されている。閉鎖システムはさらに、第2のマルチポートバルブに選択的に流体連結されるように配置された反応コイルを含む。反応コイルは、1種以上の変化剤を受容するように配置され、ポリペプチド及び1種以上の変化剤をインキュベートしてポリペプチドを変化させるように構成されている。閉鎖システムはさらに、第3のマルチポートバルブの下流に配置され、第3のマルチポートバルブに流体連結された受容バイアルを含む。受容バイアルは、捕捉カラム、脱塩カラム、又は反応コイルからポリペプチドを含む混合物を受容するように配置されている。受容バイアルは、ポリペプチドを分析できるように、混合物の残りからポリペプチドを分離するように構成されたフロースルーバイアルを含む。
【0020】
本開示の別の態様は、ポリペプチドを含む試料を収容するようになされた試料バイアルと、試料バイアルから試料を受容するようになされた試料ループと、試料ループに流体連結され、その第2のポートを介して一定量の試料を得るように配置された注入バルブと、注入バルブに流体連結され、注入バルブの下流に配置された第1のマルチポートバルブと、第2のマルチポートバルブが第2の位置にあるときに、第2のマルチポートバルブに流体連結されるように配置されたポリペプチド結合カラムとを含む閉鎖システムを提供する。ポリペプチド結合カラムは、試料からポリペプチドを結合するように構成されている。閉鎖システムはまた、第2のマルチポートバルブ上のポリペプチド結合カラムの下流に配置された第3のマルチポートバルブ上の受容バイアルと、第1のマルチポートバルブに流体連結され、第2のマルチポートバルブが第2の位置にあるとき、溶出バッファ溶液がポリペプチド結合カラムからポリペプチドの全部を第3のマルチポートバルブ上の受容バイアルに実質的に溶出するようになされるように、第2のマルチポートバルブ及びポリペプチド結合カラムに溶出バッファ溶液を供給するように配置されたバッファ供給源とを含む。受容バイアルは、ポリペプチド結合カラムからの溶出/ポリペプチド混合物から溶出バッファ溶液を迂回させ、それによってフロースルーバイアル中に溶出ポリペプチドのみを残すように、第3のマルチポートバルブと組み合わせて構成されたフロースルーバイアルを含む。
【0021】
本開示の別の態様は、ポリペプチドを含む試料を収容するようになされた試料バイアルと、試料バイアルから試料を受容するようになされた試料ループと、試料ループに流体連結され、その第2のポートを介して一定量の試料を得るように配置された注入バルブと、注入バルブに流体連結され、注入バルブの下流に配置された第1のマルチポートバルブと、第2のマルチポートバルブが第2の位置にあるときに、第2のマルチポートバルブに流体連結されるように配置されたポリペプチド結合カラムとを含む閉鎖システムを提供する。ポリペプチド結合カラムは、試料からポリペプチドを結合するように構成されている。閉鎖システムはまた、ポリペプチド結合カラムの下流に配置された第3のマルチポートバルブ上の受容バイアルと(受容バイアルはフロースルーバイアルであり、且つグリカン標識試薬を含む)、グリコシダーゼにポリペプチド結合カラムに結合したポリペプチドが入り込むように、第2のマルチポートバルブを介してポリペプチド結合カラムにグリコシダーゼ(グルカナーゼなど)を供給するように配置されたグリコシダーゼ供給源とを含む。閉鎖システムはまた、第2のマルチポートバルブを介してポリペプチド結合カラムにキャリア溶液を供給するように配置されたキャリア溶液供給源を含む。キャリア溶液はポリペプチド結合カラムからグリカンを放出させ、受容バイアルに運ぶようになされている。閉鎖システムはさらに、第1のマルチポートバルブを介してフロースルーバイアルから放出されたグリカンとグリカン標識試薬との混合物を受容するように配置された反応コイルを含む。反応コイルは、放出されたグリカンとグリカン標識試薬との混合物をインキュベートして、グリカンを標識するように構成されている。閉鎖システムは、第2のマルチポートバルブ上の反応コイルの下流に配置された第3のマルチポートバルブ上の同じフロースルーバイアルを使用して、グリカン標識試薬を迂回させ、フロースルーバイアル中の標識されたグリカンを受容する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本開示の教示に従い組み立てられたオンラインリアルタイムアッセイを実施するためのシステムの一例の概略図である。
【
図2】
図1に示されるシステムのコントローラの概略図である。
【
図3】
図1のシステムを使用して試料のリアルタイムアッセイを実施する方法の一例を示す概略図である。
【
図4】
図1のシステムを使用して試料のリアルタイムアッセイを実施する方法の別の例を示す概略図である。
【
図5】
図1のシステムを使用して試料のリアルタイムアッセイを実施する方法の別の例を示す概略図である。
【
図6】
図1のシステムを使用して試料のリアルタイムアッセイを実施する方法の別の例を示す概略図である。
【
図7】
図1のシステムを使用して試料のリアルタイムアッセイを実施する方法の別の例を示す概略図である。
【
図8】
図1のシステムを使用して試料のリアルタイムアッセイを実施する方法の別の例を示す概略図である。
【
図9】
図1のシステムを使用して試料のリアルタイムアッセイを実施する方法の別の例を示す概略図である。
【
図10】本開示の教示に従い組み立てられたオンラインリアルタイムアッセイを実施するためのシステムの他の例の概略図である。
【
図11】
図10のシステムを使用して試料のリアルタイムアッセイを実施する方法の一例を示す概略図である。
【
図12】
図10のシステムを使用して試料のリアルタイムアッセイを実施する方法の別の例を示す概略図である。
【
図13】
図10のシステムを使用して試料のリアルタイムアッセイを実施する方法の別の例を示す概略図である。
【
図14】
図10のシステムを使用して試料のリアルタイムアッセイを実施する方法の別の例を示す概略図である。
【
図15】
図10のシステムを使用して試料のリアルタイムアッセイを実施する方法の別の例を示す概略図である。
【
図16】本開示の教示に従い構築され、
図1のシステム又は
図10のシステムに使用することができるフロースルーバイアルの一例の斜視図である。
【
図18】本開示の教示に従い構築され、
図16の複数のフロースルーバイアルを保持するために
図1のシステム又は
図10のシステムに使用することができる、バイアルホルダの一例の斜視図である。
【
図19】
図1のシステム又は
図10のシステムの自動サンプリングシステムに連結され、
図16のフロースルーバイアルの1つを受容するバイアルホルダを示す。
【
図20】3つの異なるアッセイ及び9種の異なる分子を用いて、
図1のシステムの有効性を実証する研究結果を示す表である。
【
図21】
図1のシステムにより9種の異なる分子のうちの1種を用いて行われた3つの異なるアッセイのうちの1つの結果を示すグラフである。
【
図22】
図21と同様であるが、従来技術を用いた結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、本開示の教示に従い組み立てられたシステム100の一例の概略図を示す。実験室(例えば、試験実験室)に若しくはその中に位置し得る、又は製造施設に位置し得るシステム100は、以下にさらに詳細に記載するように、分析対象の分子を含有する製品の試料を自動的に又は実質的に自動的に調製し、その試料のアッセイを自動的に実施するための閉鎖システムである。システム100を使用して本プロセスを自動化する(又は実質的に自動化する)ことによって、アッセイを、全プロセスを数時間(例えば、2~3時間)で実施することができ且つ所望の結果を得ることができるように、リアルタイムで(又は実質的にリアルタイムで)且つ製造現場で(製造施設で使用する場合)実施することができ、これは従来知られている手動操作プロセスに通常必要な5日に比べると大幅な向上である。さらに、システム100を用いるプロセスの閉じた性質により滅菌条件を維持する。またさらに、システム100は、種々の分析のための任意の数の試料(同じ又は異なる)を調製するために使用され得、これらの試料について多くの種々のアッセイを自動的に実施し得、それによって、種々の分析のための種々の試料を調製するために多くの異なるシステムを必要とするのを排除することができる、柔軟なシステムである。同じシステム100内で多数のアッセイを実行することによって、同じアッセイが多数のシステムで実施された場合(これは、一般に、デッドボリュームとしていくらかの試料の損失をもたらす)よりも必要とする試料の体積を少なくすることができる。したがって、本明細書に記載されるシステム100は、デッドボリュームを最小限にするか又は回避することによって試料を節約できることが企図される。さらに、本明細書に記載のシステム100は、各アッセイを個々に実施するように構成された個々のシステムよりも小さい設置面積を維持しながら、複数のアッセイを実施することができる。例えば、バルブ112内に捕捉カラム(例えば、プロテインAカラム)を備えた本明細書に記載のシステムは、大規模な精製の機能を達成することができるが、使用する設置面積は小さくすることができる。
【0024】
図1に示すシステム100は一般に、1つ以上の試料バイアル、針、試料ループ、計量装置、針座ポート、第1のカラム、第2のカラム、1つ以上のバッファ供給源、1つ以上の変化試薬供給源、1つ以上のキャリア溶液供給源、第1の反応コイル(
図1のコイルA)、第2の反応コイル(
図1のコイルB)、及び1つ以上の受容バイアル、並びに、必要に応じて、システム100の構成要素間の流体連通を容易にするために、システム100の各構成要素間に延在する4つのマルチポートバルブ104、108、112、116及び導管(例えば、ステンレス鋼導管)を含む。
図1に示すシステム100はまた、分析デバイス、第1のポンプ120、及び第2のポンプ124を含む。それにもかかわらず、システム100は上に挙げた構成要素の1つ以上及び/又は追加の構成要素を含まなくてもよいことは理解されよう。第2の反応コイル(例えば、
図1のコイルB)は、任意選択的にシステム100から省いてもよい。
【0025】
1つ以上の試料バイアルの各々は、目的分子を含む試料を収容するようになされている。試料は自動サンプリングシステム(例えば、Agilent 1290 Infinity II製品において使用されるオートサンプラー)を使用して自動的に得る(例えば、送達される)ことが好ましいが、試料は手動でも得ることができる。いくつかの例では、分子は、例えば、治療用ポリペプチド(以下でさらに詳細に説明する)などのポリペプチド及びポリヌクレオチドである。他の例では、分子は小分子である(すなわち、約900ダルトン以下の分子量を有し、妥当な時間内に細胞膜を透過して拡散することができる)。小分子は、例えば、代謝産物を含むか、実質的に代謝産物からなるか、又は代謝産物からなり得る。1つ以上の試料バイアルの各々は、好ましくは、自動サンプリングシステム自体に収容され、一般に、フロースルーバイアルの形態をとり、その詳細は本明細書においてより詳細に記載されるが、試料バイアルは他のバイアル(例えば、非フロースルーバイアル)であってもよい。いずれにしても、必要に応じて、針は試料バイアルの1つから試料を自動的に取り出し、試料を試料ループに入れるように移動可能である。試料ループは投入された試料のための一時的リザーバ又はバッファゾーンとして働き、同時に、試料が計量装置に入るのを防止する。この例では分析ヘッドの形態をとる計量装置は、針によって取り出され、試料ループに投入された一定量の試料を制御するように配置されている。試料は最終的に、試料ループから針座ポートに押し込まれる。
【0026】
この例では、マルチポートバルブ104は、6ポート注入バルブの形態をとる。マルチポートバルブ104は、必要に応じて、針座ポートと流体連通するように移動可能である。次に、試料は、針座ポートからマルチポートバルブ104を通って、システム100の別の下流構成要素(具体的な構成要素は実施されるアッセイによる)に流入する。場合によっては、試料は針座ポートからマルチポートバルブ104を通って分析デバイスに流入する。場合によっては、試料は針座ポートからマルチポートバルブ104を通ってマルチポートバルブ108に流入する。
【0027】
この例では、マルチポートバルブ108は、6ポート注入バルブの形態をとる。マルチポートバルブ108は、試料(及び/又はバッファ溶液供給源からのバッファ、又は変化試薬供給源からの変化試薬)が針座ポートからマルチポートバルブ104を介してマルチポートバルブ108に流入できるように、マルチポートバルブ104と選択的に流体連通している。
【0028】
この例におけるマルチポートバルブ112は、4ポジション10ポートバルブであり、その位置は、マルチポートバルブ108が第1のカラム又は第2のカラム(両方ともマルチポートバルブ108の下流にある)のどちらに流体連結されるかを決定する。マルチポートバルブ112が第1の位置にあるとき、第1のカラムはマルチポートバルブ108(及び、次にマルチポートバルブ104)に流体連結され、第2のカラムは、第1のカラムが試料、バッファ、変化試薬、キャリア溶液、又はこれらの組み合わせを受容し得るように、マルチポートバルブ108から流体隔離される。逆に、マルチポートバルブ112が第1の位置と異なる第2の位置にあるとき、第2のカラムはマルチポートバルブ108(及び、次にマルチポートバルブ104)に流体連結され、第1のカラムは、第2のカラムが試料、バッファ、変化試薬、及び/又はキャリア溶液を受容し得るように、マルチポートバルブ108から流体隔離される。本明細書に記載のシステム及び方法のマルチポートバルブ112は、カラムをベースとしたアッセイなどの分析アッセイを実施するように構成し得ることが企図される。本明細書に記載のシステム及び方法において、第1のカラムは、分析カラムを含むか、又は分析カラムからなり得る。例えば、分析カラムは、本明細書中に記載されるようなクロマトグラフィデバイスのカラム、又はインキュベーションカラムであり得る。インキュベーションカラムは、本明細書に記載されるようなMAMに従ってタンパク質消化用に構成され得る。
【0029】
この例の第1のカラムは、試料から目的分子を捕捉し、それによって、試料中の分子を試料のマトリックス(これは、次に廃棄され得る)から実質的に分離するように構成された捕捉カラムである。場合によっては、捕捉カラムは、(例えば、捕捉カラム中で分子をクラスター化することによって)分子を予備濃縮する役割を果たすこともできるが、この工程は必須ではない。分子がポリペプチドである場合、捕捉カラムは、プロテインAカラム、プロテインGカラム、プロテインA/Gカラム、プロテインLカラム、アミノ酸カラム、アビジンカラム、ストレプトアビジンカラム、炭水化物結合カラム、炭水化物カラム、グルタチオンカラム、ヘパリンカラム、疎水性相互作用カラム、イムノアフィニティカラム、ヌクレオチド/補酵素カラム、特殊カラム、及び固定化金属アフィニティクロマトグラフィ(IMAC)カラムからなる群から選択されるポリペプチド結合カラムの形態をとる。例えば、サブクラス1、2若しくは4のヒトIgG、IgM、IgA、又はIgE(並びに、ヒトVH3ファミリーのヒトFc部分及び/又はFab領域を含む)であるポリペプチドの場合には、プロテインAカラムが有用である。プロテインGは、サブクラス1~4のヒトIgGを精製するために使用することができる。組換え融合タンパク質A/Gもまた、この融合タンパク質はプロテインA及びプロテインGの結合部位を提供するので、これらのヒト抗体のクラス全てを精製するために使用することができる。したがって、プロテインA/G融合タンパク質は、ヒトIgG、IgA、IgE、及びIgMを精製するために使用することができる。さらに、プロテインLは、標的抗体が適切なカッパ(κ)サブタイプ軽鎖(すなわち、VκI、VκIII、及びVκIVサブタイプ)を有するという条件で、ヒトIgG、IgM、IgA、IgE及びIgDを精製するために使用することができ、またプロテインLは抗体の可変(V)鎖に結合するので、適切なκ鎖サブタイプも有するFabフラグメント及びscFvフラグメントを精製するためにも使用することができる。しかし、分子が小分子である場合、捕捉カラムは代わりに、逆相カラム、サイズ排除カラム、イオン交換カラム、順相カラム、キラル分離カラム、混合モードカラム、又は疎水性相互作用カラムの形態をとることができる。例えば、分子が代謝産物などの小分子である場合、捕捉カラムは、逆相、カチオン性(カチオン交換)及びアニオン性(アニオン交換)を含む三モード(又は三相)クロマトグラフィカラムの形態をとることができる。分析物は、pH、イオン強度、及び/又は有機強度勾配によって溶出され得る。小分子(代謝産物など)の分析のための溶出バッファは、水性の低塩揮発性バッファを含み得る。いくつかの例では、低塩揮発性バッファは有機溶媒を含む。有機溶媒のレベルは、HILICで使用される有機溶媒レベルより低くてもよい。例として、一般的なHILICの一般的な出発溶媒は、≧50%(v/v)の有機物濃度を有し得る。
【0030】
一方、この例における第2のカラムは、分子の塩濃度を低下させるように構成されるように、バッファ(例えば、タンパク質分解バッファ)で平衡化された脱塩カラムである。したがって、例えば、分子がポリペプチドである場合、脱塩カラムはポリペプチドの塩濃度を低下させる(すなわち、ポリペプチドを脱塩する)ように構成される。第2のカラムは、好ましくは、サイズ排除クロマトグラフィカラムの形態をとるが、代わりに他のクロマトグラフィカラムを使用することもできる。
【0031】
針はまた、1つ以上のバッファ供給源からバッファ溶液を得て、試料ループ中にバッファ溶液を入れるために移動可能である。次に、バッファ溶液は、(試料の流れに関連して)上述したのと同様の方法で、マルチポートバルブ104を介してマルチポートバルブ108に流入することができる。バッファ溶液は、その後、システム100の適切な構成要素に誘導され得る。一例では、バッファ溶液は、溶出バッファ溶液(例えば、揮発性バッファ(例えば、水+ギ酸などの低塩揮発性バッファ;水及びアセトニトリル+酢酸アンモニウム;又は水及びアセトニトリル+重炭酸アンモニウム)、プロテインA結合抗体の場合は酸性バッファ、又はプロテインG結合抗体の場合は強酸性(pH3以下)バッファ)であり得、これはマルチポートバルブ112が第1の位置にあるとき、最終的に第1のカラムに供給される。溶出バッファ溶液が第1のカラムに流入し通過する際、溶出バッファ溶液は第1のカラムに捕捉された実質的に全ての分子(例えば、ポリペプチド)を溶出する。
【0032】
針はまた、1つ以上の変化試薬供給源から変化試薬を得て、試料ループ中に変化試薬を入れるために移動可能である。次に、変化試薬は、(試料の流れに関連して)上述したのと同様の方法で、マルチポートバルブ104を介してマルチポートバルブ108に流入することができる。変化試薬は、その後、望ましい方法で分子を変化させるために、システム100の適切な構成要素に誘導され得る。
【0033】
一般的に言えば、変化試薬は、変性試薬、還元試薬、アルキル化試薬、グリコシダーゼ(例えば、グルカナーゼ)を含有する(例えば、それからなる)溶液、グリカン標識試薬、反応停止試薬、酵素、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0034】
変性試薬を利用して、試料中の分子(例えば、ポリペプチド)を変性させることができる。変化試薬が変性試薬であるか又は変性試薬を含む例では、変性試薬は変性洗浄剤若しくはカオトロープであるか又は変性洗浄剤若しくはカオトロープを含み得る。変性試薬が変性洗浄剤であるか又は変性洗浄剤を含む例では、変性洗浄剤は、硫酸ドデシルナトリウム(SDS)、コール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、グリココール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム、タウロデオキシコール酸ナトリウム、N-ラウロイルサルコシン、ドデシル硫酸リチウム、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム(CTAB)、及び臭化トリメチル(テトラデシル)アンモニウム(TTAB)からなる群から選択されることが好ましい。より好ましくは、変性洗浄剤はSDSである。変性試薬がカオトロープであるか又はカオトロープを含む変形では、カオトロープは、尿素、n-ブタノール、エタノール、塩化グアニジウム、過塩素酸リチウム、酢酸リチウム、塩化マグネシウム、フェノール、2-プロパノール、及びチオ尿素からなる群から選択されることが好ましい。代替的に又は追加的に、変性試薬は、所定の温度(例えば、約22℃~約120℃)を維持しないにしてもこの温度に到達するのに適した温度を有する加熱流体であるか又はそのような加熱流体を含み得る。
【0035】
還元試薬は、ジスルフィド結合架橋を切断し、それによって分子(例えば、ポリペプチド)を還元するために利用することができる。還元試薬は、ジチオスレイトール(DTT)、グルタチオン、β-メルカプトエタノール(β-ME)、及びトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)からなる群から選択することができる。ここでは図示しないが、還元試薬は冷却容器(例えば、4℃の温度を有する冷却装置)によって供給することができる。一方、アルキル化剤は、利用した場合、スルフヒドリルをアルキル化し、それによって分子(例えば、ポリペプチド)をアルキル化する。アルキル化剤は、インドール-3-酢酸(IAA)などのアルキル化試薬であることが好ましいが、他のアルキル化剤も使用することもできる。
【0036】
グリコシダーゼを含有する溶液は、第1のカラムによって捕捉された分子(例えば、ポリペプチド)にグリコシダーゼを誘導し、グリコシダーゼを注入するために利用することができ、これは、次に、捕捉された分子(例えば、ポリペプチド)中のグリカンを、捕捉された分子(例えば、ポリペプチド)から溶液中に放出させる。溶液中のグリコシダーゼは、グルカナーゼ、エンドグリコシダーゼ、グリコサミダーゼ(glycosamidase)、及びO-グリカナーゼ、並びにこれらの組み合わせ(例えば、エンドグリコシダーゼ、グリコサミダーゼ、及びO-グリカナーゼ、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択することが好ましい。グリコシダーゼがエンドグリコシダーゼであるか又はエンドグリコシダーゼを含む場合、エンドグリコシダーゼは、エンドグリコシダーゼD、エンドグリコシダーゼF(エンドグリコシダーゼF1、エンドグリコシダーゼF2、及びエンドグリコシダーゼF3、並びにこれらの組み合わせ)、エンドグリコシダーゼH、エンドグリコシダーゼS、エンドグリコシダーゼM、及びエンドグリコシダーゼBからなる群から選択することが好ましい。グリコシダーゼがグリコサミダーゼであるか又はグリコサミダーゼを含む場合、グリコサミダーゼは、グリコペプチダーゼ、ペプチドN-グリコシダーゼ、PNGase、N-グリコヒドロラーゼ、及びN-グリカナーゼからなる群から選択することが好ましい。グルカナーゼがPNGaseであるか又はPNGaseを含む場合、PNGaseは、ペプチド:N-グリコシダーゼF(PNGF)を含むことが好ましい。グリコシダーゼがO-グリカナーゼであるか又はO-グリカナーゼを含む場合、O-グリカナーゼは、endo-GalNAc-ase D又はendoGalNAc-ase Aであることが好ましい。
【0037】
このようにしてグリカンが溶液中に放出される場合、針はキャリア溶液(例えば、脱イオン(DI)水)を1つ以上のキャリア溶液供給源から得て、キャリア溶液を試料ループ中に入れるためにさらに移動可能である。次に、キャリア溶液は、(試料の流れに関連して)上述したのと同様の方法で、マルチポートバルブ104を介してマルチポートバルブ108に流入することができる。キャリア溶液は、例えば、その後、第1のカラムに供給され、第1のカラムを通って、放出されたグリカンを第1のカラムから運ぶ。
【0038】
次に、グリカン標識試薬を利用して、分子(例えば、ポリペプチド)から放出され、第1のカラムから運び出されたグリカンを標識(例えば、蛍光標識)することができる。グリカン標識試薬は、例えば、フルオロフォア(例えば、2-アミノ安息香酸、8-アミノナフタレン-1,3,6-トリスルホン酸二ナトリウム塩、8-アミノナフタレン-1,3,6-トリスルホン酸三ナトリウム塩、アントラニルアミド、及び4-メトキシベンズアミジンからなる群から選択される)又は発色団(例えば、3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オン、又はフェニルヒドラジン)の形態をとることが好ましい。
【0039】
酵素を利用して、分子(例えば、ポリペプチド)を消化することができる。酵素は、プロテアーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、グルコアミラーゼ、グルコースイソメラーゼ、キシラナーゼ、フィターゼ、アラビナナーゼ、ポリガラクツロナナーゼ、ヒドロラーゼ、キモシン、ウレアーゼ、ペクチナーゼ、又はβ-グルカナーゼの形態をとることが好ましい。一方、反応停止試薬は、試料のpH条件を変化させることによって反応(例えば、酵素反応)を停止させるために利用することができる。反応停止試薬は、トリフルオロ酢酸(TFA)の形態をとることが好ましいが、代わりに他の反応停止試薬を利用することもできる。
【0040】
この例におけるマルチポートバルブ116は、4ポジション10ポートバルブであり、その位置は、マルチポートバルブ108が第1の反応コイルと第2の反応コイル(両方ともマルチポートバルブ108の下流にある)のどちらに流体連結されるかを決定する。マルチポートバルブ116が第1の位置にあるとき、第1の反応コイルはマルチポートバルブ108(及びマルチポートバルブ104)に流体連結され、第2の反応コイルは、第1の反応コイルが試料若しくはその一部(例えば、試料中のポリペプチドから放出されるグリカン)、バッファ、変化試薬、キャリア溶液、又はこれらの組み合わせを受容し得るように、マルチポートバルブ108から流体隔離される。逆に、マルチポートバルブ116が第1の位置と異なる第2の位置にあるとき、第2の反応コイルはマルチポートバルブ108(及び、次にマルチポートバルブ104)に流体連結され、第1の反応コイルは、第2の反応コイルが試料若しくはその一部、バッファ、及び/又は変化試薬を受容し得るように、マルチポートバルブ108から流体隔離される。
【0041】
第1及び第2の反応コイルの各々は、分子(例えば、ポリペプチド)及び1種以上の変化剤をインキュベートして、分子(例えば、ポリペプチド)を変化させるように構成されている。第1又は第2の反応コイルは、例えば、反応停止試薬及びポリペプチドを受容し、ポリペプチドの反応停止を容易にするために反応停止試薬及びポリペプチドをインキュベートすることができる。別の例として、第1又は第2の反応コイルは、変性試薬及びポリペプチドを受容し、ポリペプチドの変性を容易にするために変性試薬及びポリペプチドをインキュベートすることができる。別の例として、第1又は第2の反応コイルは、還元試薬及びポリペプチドを受容し、ポリペプチドの還元を容易にするために還元試薬及びポリペプチドをインキュベートすることができる。さらに別の例として、第1又は第2の反応コイルは、アルキル化試薬及びポリペプチドを受容し、ポリペプチドのアルキル化を容易にするためにアルキル化試薬及びポリペプチドをインキュベートすることができる。さらなる例として、第1又は第2の反応コイルは、放出されたグリカン及びグリカン標識試薬を含む混合物を受容し、放出されたグリカンの標識(例えば、蛍光標識)を容易にするために混合物をインキュベートすることができる。
【0042】
望ましいインキュベーションを容易にするために、システム100はさらに、第1及び/又は第2の反応コイルに直接隣接して位置決めされるか、又はさもなければ熱的に連結された加熱要素をさらに含み得る。加熱要素は、例えば、加熱コイル、誘導加熱器、ヒートポンプ、カートリッジヒータ、電気抵抗ワイヤ、又は第1又は第2の反応コイル各々の1つ以上の部分を加熱するのに適した他の要素の形態をとることができる。したがって、システム100が第1の反応コイルに熱的に連結された加熱要素を含む場合、加熱要素は第1の反応コイルを、用途に応じて、例えば、約30℃、約40℃、約80℃、又は何らかの他のインキュベーション温度とすることができる第1の所定のインキュベーション温度に維持するように構成される。同様に、システム100が第2の反応コイルに熱的に連結された加熱要素を含む場合、加熱要素は、第2の反応コイルを第1の所定のインキュベーション温度と同じであっても異なっていてもよい第2の所定のインキュベーション温度に維持するように構成される。
【0043】
この例における1つ以上の受容バイアルは、システム100の他の全ての構成要素の下流に一般に配置されている。1つ以上の試料バイアルと同様に、1つ以上の受容バイアルは一般に、1つ以上のフロースルーバイアルの形態をとるが、他のバイアル(例えば、非フロースルーバイアル)も同様に使用され得る。1つ以上の受容バイアルは一般に、マルチポートバルブ112及び/又はマルチポートバルブ116に流体連結されている。したがって、1つ以上の受容バイアルは一般に、第1のカラム、第2のカラム、第1の反応コイル、及び第2の反応コイルのうちの1つ以上からの分子(例えば、ポリペプチド)を含む混合物を受容するように配置されている。図示した例では、システム100は2つのフロースルーバイアル、すなわち、マルチポートバルブ112に流体連結された第1のバイアルと、マルチポートバルブ116に流体連結された第2のバイアルとを利用する。したがって、第1のフロースルーバイアルは、(どのカラムが使用されているかに応じて)第1のカラム又は第2のカラムから分子を含む混合物を受容するように配置される。混合物は、例えば、第1のカラムからの溶出バッファ溶液及び溶出バッファ溶液によって溶出された分子を含み得る。一方、第2のフロースルーバイアルは、(どのコイルが使用されているかに応じて)第1の反応コイル又は第2の反応コイルから分子を含む混合物を受容するように配置される。混合物は、例えば、第1の反応コイルにおいて変性され還元された分子を含み得る。
【0044】
いくつかの例では、受容バイアルの各々が、受容した混合物中の分子の通過は実質的に防止するが、混合物の残りは通過させ、各受容バイアルから排出するように、配置され且つサイズ決めされた複数の孔を有し得ることは理解されよう。したがって、受容バイアルの各々における孔は、受容混合物中の分子を残りの混合物から効率的に分離する。分離された分子は、次に、(分子を分析するための)分析デバイスに送られるか、又はさらなる調製のためにシステム100中の他の構成要素に送ることができる。一方、混合物の残りは、次に、廃棄され得る。代替的に又は追加的に、この分離機能は、マルチポートバルブ104、マルチポートバルブ108、マルチポートバルブ112、及びマルチポートバルブ116のうちの1つ以上をタイムリーに移動させることによって行われ得る。
【0045】
図1に示したものなど、いくつかの例では、システム100はまた、それぞれが試料中の塩濃度を希釈するように構成された流体を含む1つ以上の中間バイアルを含むことができる。流体は、例えば、水、バッファ(例えば、低塩バッファ)、有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン)、又は希釈剤として働く移動相の形態をとることができる。いずれにしても、試料中の塩濃度を希釈する必要がある場合、針は、(i)システム100中の適切な構成要素から試料を得て、希釈のために各中間バイアルに試料を入れるか、又は(ii)各中間バイアルから流体を得て、試料を収容したシステム100の構成要素に流体を入れるために移動可能である。
【0046】
この例における第1のポンプ120は、マルチポートバルブ104に流体連結されたバイナリポンプ又はクォータナリポンプの形態をとる。バイナリポンプ又はクォータナリポンプは一般に、材料がマルチポートバルブ104を通って、システム100の他の構成要素に移動するのを助けるように配置される。この例では、ポンプは、必要に応じて、針座ポートから試料を駆動し、移動相を第1のカラム、第2のカラム、又はシステム100の他の構成要素に駆動するように配置される。
【0047】
この例における第2のポンプ124は、マルチポートバルブ108に流体連結されたクォータナリポンプの形態をとる。第2のポンプ124は一般に、システム100の各種構成要素を清浄にするのを助けるように配置される。この例では、第2のポンプ124は、第1及び第2のカラムに様々な溶液(例えば、バッファ)を駆動して、これらのカラムを洗浄及び平衡化するように、また、第1及び第2の反応コイルに様々な溶液を駆動して、コイルを洗浄し、試料から試料へのキャリーオーバーを防止するように配置される。例えば、第2のポンプ124は、フロースルーバイアルをその場で洗浄するように構成され得、その結果、フロースルーバイアルは洗浄のために除去する必要がなくなり、したがって、システム100の設計を単純化し、システム100内の可動部品の数を最小化する。
【0048】
分析デバイスは一般に、分子(例えば、ポリペプチド)がシステム100によって調製された後に、分子(例えば、ポリペプチド)を分析するように構成される。分析デバイスは、例えば、液体クロマトグラフィデバイス(例えば、イオン交換クロマトグラフィカラム、陽イオン交換クロマトグラフィカラム、陰イオン交換クロマトグラフィカラム)、高速液体クロマトグラフィデバイス、超高速液体クロマトグラフィデバイス、質量分析デバイス(例えば、高分解能精密質量(HRAM)質量分析計)、分光光度デバイス(例えば、UV検出器)、グリカン分析デバイス、別のタイプの分析デバイス、又はこれらの組み合わせの形態をとることができる。HRAM質量分析計が本明細書に記載の代謝産物などの小分子の分析に有用であり得ることが意図される。多くの分析デバイスがシステム100で利用され得ることもまた、理解されるであろう。
【0049】
図1に示したように、システム100はまたコントローラを含み、これは、この例においては、システム100の各種構成要素に通信的に連結又は接続され、システム100の各種構成要素に信号(例えば、制御信号、データ)を送信し、且つシステム100の各種構成要素から信号(例えば、データ)を受信することによって、システム100の上記動作をモニターし、且つ促進又は指示する。コントローラは、システム100の他の構成要素に直接隣接して(例えば、システム100と同じ環境内に)配置され得、又はシステム100の他の構成要素から離れて配置され得る。
【0050】
本発明で使用する場合、「通信的に連結される(communicatively coupled)」及び「接続される(connected)」という句は、直接的に連結若しくは接続される、又は1つ以上の中間構成要素を介して間接的に連結若しくは接続されることを意味すると定義される。このような中間構成要素は、ハードウェア及び/又はソフトウェアベースの構成要素を含むことができる。コントローラは、1つ以上の無線ネットワーク、1つ以上の有線ネットワーク、1つ以上の有線ネットワークと無線ネットワークとの組み合わせ(例えば、携帯電話ネットワーク及び/又は802.11x準拠のネットワーク)を介して、システム100の各種構成要に通信的に連結又は接続され得るとともに、インターネットなどの公衆アクセス可能ネットワーク、プライベートネットワーク、又はこれらの組み合わせを含むことができると理解される。ネットワークのタイプ及び構成は実装依存であり、現在利用可能な又は後に開発される、コントローラとシステム100の構成要素との間の記載した通信を促進する任意のタイプの通信ネットワークを使用することができる。
【0051】
図2に示すように、コントローラは、プロセッサ352と、メモリ356と、通信インターフェース360と、計算論理364とを含む。プロセッサ352は、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ、ASIC、フィールドプログラマブルゲートアレイ、グラフィックス処理ユニット、アナログ回路、デジタル回路、又は任意の他の既知の若しくは後に開発されるプロセッサであり得る。プロセッサ352はメモリ356内の命令に従って動作する。メモリ356は揮発性メモリ又は不揮発性メモリであり得る。メモリ356は、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、電子的に消去可能なプログラム読み取り専用メモリ(EEPROM)、又は他の種類のメモリのうちの1つ以上を含むことができる。メモリ356は、光、磁気(ハードドライブ)、又は任意の他の形態のデータストレージデバイスを含むことができる。
【0052】
通信インターフェース360は、1つ以上の利用ネットワークを介したコントローラとシステム100の構成要素との間の電子通信を可能に又は促進するために提供される。通信インターフェース360は、例えば、1つ以上のユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、1つ以上のイーサネットポート、及び/又は1つ以上の他のポート若しくはインターフェースであるか又はそれらを含み得る。電子通信は、例として、USB、RS-232、RS-485、WiFi、Bluetooth、及び/又は任意の他の好適な通信プロトコルを含む任意の既知の通信プロトコルを介して行うことができる。
【0053】
論理364は一般に、メモリ356に記憶されるコンピュータ読み取り可能命令として具現化される1つ以上の制御ルーチン及び/又は1つ以上のサブルーチンを含む。制御ルーチン及び/又はサブルーチンは、PID(比例積分微分)、ファジー論理、非線形、又は任意の他の好適な種類の制御を実施することができる。プロセッサ352は一般に、論理364を実行し、システム100の運転に関連するアクションを実施する。
【0054】
概して、論理364は、実行されると、システム100が本明細書に記載の望ましい方法で動作するように、プロセッサ352にシステム100の構成要素、特に、マルチポートバルブ104、108、112、116、針、ポンプ120、124、及び加熱要素を制御させる。一例として、論理364は実行されると、プロセッサ352に、マルチポートバルブ112及び/又はマルチポートバルブ116を、本明細書に記載の位置のいずれかに、又はその間で移動させ、それによって、上述のように、システム100の各種構成要素を流体連結させることができる。
【0055】
他の変形においては、論理364は、プロセッサ352によって実行されると、さらなる、より少ない、及び/又は異なった機能を実施させることができる。さらに、他の変形においては、論理364は、本明細書中に記載される順序と異なる順序でプロセッサ352によって実行され得る。最後に、システム100を使用して、(同じ製品及び/又は異なる製品からの)複数の試料のリアルタイム分析を実施することができるため、論理364は、任意の異なる回数、プロセッサ352によって実行され得ると理解される。
【0056】
図3は、システム100を使用して試料の第1のリアルタイムアッセイを自動的に(又は、実質的に自動的に)実施する方法の一例300を示している。この例では、アッセイは生産力価測定であり、方法300は一般に、(1)針を移動させて(例えば、自動的に移動させて)、試料バイアルの1つから試料を得、この試料を試料ループに入れることと、(2)試料ループから針座ポートに試料を押し込むことと、(3)試料を針座ポートからマルチポートバルブ104を介して分析デバイス(この例では、分光光度検出器の形態をとる)に移動させることと、(4)分析デバイスを使用して試料の力価/濃度を決定することと、を含む。
【0057】
図4は、システム100を使用して試料の第2のリアルタイムアッセイを自動的に(又は、実質的に自動的に)実施する方法の別の例400を示している。この例では、アッセイは凝集の評価であり、方法400は一般に、(1)針を移動(例えば、自動的に移動)させて、第1のバイアル(試料バイアルの1つ)から試料を得、この試料を試料ループに入れることと、(2)試料ループから針座ポートに試料を押し込むことと、(3)試料を針座ポートからマルチポートバルブ104を介してマルチポートバルブ108に移動させることと、(4)試料をマルチポートバルブ108から第1のカラムにマルチポートバルブ112(第1の位置にある)を介して移動させることと、(5)第1のカラム内の試料中の分子を捕捉し、それによって、試料中の分子を試料のマトリックスから分離し、試料のマトリックスは第1のカラムから流出し、第1のカラムに流体連結された第2のバイアル(受容バイアルの1つ)を介して廃棄されることと、(6)溶出バッファ溶液をバッファ供給源から第1のカラムに、針、針座ポート、及びマルチポートバルブ104、108、及び112を介して移動させ、それによって、第1のカラムにより捕捉された分子を溶出することと、(7)溶出バッファ溶液及び溶出された分子を含む溶出/分子混合物を第2のバイアル(受容バイアルの1つ)に移動させ、第2のバイアルは混合物中の分子を混合物の残りから分離させることと、(8)分子を第2のバイアルから分析デバイスに、針、針座ポート、及びマルチポートバルブ104を介して移動させることと、(9)分析デバイスを使用して分子中の凝集レベルを定量化することと、を含む。
【0058】
図5は、システム100を使用して試料の第3のリアルタイムアッセイを自動的に(又は、実質的に自動的に)実施する方法の別の例500を示している。この例では、アッセイは電荷変異プロファイルであり、方法500は一般に、(1)針を移動(例えば、自動的に移動)させて、第1のバイアル(試料バイアルの1つ)から試料を得、この試料を試料ループに入れることと、(2)試料ループから針座ポートに試料を押し込むことと、(3)試料を針座ポートからマルチポートバルブ104を介してマルチポートバルブ108に移動させることと、(4)試料をマルチポートバルブ108から第1のカラムにマルチポートバルブ112(第1の位置にある)を介して移動させることと、(5)第1のカラム内の試料中の分子を捕捉し、それによって、試料中の分子を試料のマトリックスから分離し、試料のマトリックスは第1のカラムから流出し、第1のカラムに流体連結された第2のバイアル(受容バイアルの1つ)を介して廃棄されることと、(6)溶出バッファ溶液をバッファ供給源から第1のカラムに、針、針座ポート、及びマルチポートバルブ104、108、及び112を介して移動させ、それによって、第1のカラムにより捕捉された分子を溶出することと、(7)溶出バッファ溶液及び溶出された分子を含む溶出/分子混合物を第2のバイアル(受容バイアルの1つ)に移動させ、第2のバイアルは混合物中の分子を混合物の残りから分離させ、それによって第2のバイアル中に親和性精製試料を生成することと、(8)分子を第2のバイアルから第3のバイアル(中間バイアルの1つ)に移動させて、親和性精製試料を希釈することと、(9)親和性精製試料を第3のバイアルからマルチポートバルブ108にニードル、針座ポート、及びマルチポートバルブ104を介して移動させることと、(10)親和性精製試料をマルチポートバルブ108から第2のカラムにマルチポートバルブ112(第1の位置から第2の位置に移動されている)を介して移動させることと、(11)親和性精製試料を第2のカラムに適用し、それによって、試料の塩濃度をさらに低下させることと、(12)このさらに希釈された親和性精製試料を第2のカラムから第2のバイアルに戻すことと、(13)親和性精製試料を第2のバイアルから分析デバイスに、針、針座ポート、及びマルチポートバルブ104を介して移動させることと、(14)分析デバイス(この例では、イオン交換カラムの形態をとる)を使用して電荷変異評価を実施することと、を含む。
【0059】
図6は、システム100を使用して試料の第4のリアルタイムアッセイを自動的に(又は、実質的に自動的に)実施する方法の別の例600を示している。この例では、アッセイはグリコシル化プロファイリングアッセイであり、方法600は一般に、(1)針を移動(例えば、自動的に移動)させて、第1のバイアル(試料バイアルの1つ)から試料を得、この試料を試料ループに入れることと、(2)試料ループから針座ポートに試料を押し込むことと、(3)試料を針座ポートからマルチポートバルブ104を介してマルチポートバルブ108に移動させることと、(4)試料をマルチポートバルブ108から第1のカラムにマルチポートバルブ112(第1の位置にある)を介して移動させることと、(5)第1のカラム内の試料中の分子を捕捉し、それによって、試料中の分子を試料のマトリックスから分離し、試料のマトリックスは第1のカラムから流出し、第1のカラムに流体連結された第2のバイアル(受容バイアルの1つ)を介して廃棄されることと、(6)グリコシダーゼを含有する溶液(この例では、PNGase-F)を供給源から第1のカラムに、針、針座ポート、及びマルチポートバルブ104、108、及び112を介して移動させ、それによって、第1のカラムにより捕捉された分子からグリカンを放出させることと、(7)放出されたグリカンを第2のバイアル(受容バイアルの1つ)に移動させることと、(8)グリカン標識試薬(この例では、2-AA)を供給源から第2のバイアルに針を介して移動させることと、(9)第2のバイアル中でグリカン標識試薬と放出されたグリカンとを混合することと、(10)放出されたグリカンとグリカン標識試薬との混合物を第2の反応コイル(コイルB)に、針、マルチポートバルブ104、108、及びマルチポートバルブ112(第4の位置にある)を介して移動させることと、(11)第2の反応コイル中の混合物をインキュベートし、それによってグリカンを蛍光標識することと、(12)混合物を第2の反応コイルから第3のバイアル(受容バイアルの別の1つ)に移動させ、この第3のバイアルは混合物中の標識されたグリカンを混合物の残りから分離することと、(13)標識されたグリカンを第3のバイアルから分析デバイスに、ニードル、針座ポート、及びマルチポートバルブ104を介して移動させることと、(14)分析デバイスを使用して順相クロマトグラフィ分離及び定量を実施することと、を含む。
【0060】
図7は、システム100を使用して試料の第5のリアルタイムアッセイを自動的に(又は、実質的に自動的に)実施する方法の別の例700を示している。この例では、アッセイはMAMアッセイであり、方法700は一般に、(1)針を移動(例えば、自動的に移動)させて、第1のバイアル(試料バイアルの1つ)から試料を得、この試料を試料ループに入れることと、(2)試料ループから針座ポートに試料を押し込むことと、(3)試料を針座ポートからマルチポートバルブ104を介してマルチポートバルブ108に移動させることと、(4)試料をマルチポートバルブ108から第1のカラムにマルチポートバルブ112(第1の位置にある)を介して移動させることと、(5)第1のカラム内の試料中の分子を捕捉し、それによって、試料中の分子を試料のマトリックスから分離し、試料のマトリックスは第1のカラムから流出し、第1のカラムに流体連結された第2のバイアル(受容バイアルの1つ)を介して廃棄されることと、(6)溶出バッファ溶液をバッファ供給源から第1のカラムに、針、針座ポート、及びマルチポートバルブ104、108、及び112を介して移動させ、それによって、第1のカラムにより捕捉された分子を溶出することと、(7)溶出バッファ溶液及び溶出された分子を含む溶出/分子混合物を第2のバイアル(受容バイアルの1つ)に移動させ、第2のバイアルは混合物中の分子を混合物の残りから分離させ、それによって第2のバイアル中に親和性精製試料を生成することと、(8)針を介して、親和性精製試料を第2のバイアルから第3のバイアル(中間バイアルの1つ)に移動させて、親和性精製試料を希釈することと、(9)希釈された親和性精製試料を第3のバイアルから第2のバイアルに針を介して戻すことと、(10)変性試薬及び還元試薬を第2のバイアルに針を介して移動させることと、(11)親和性精製試料、変性試薬、及び還元試薬を第2のバイアルから第1の反応コイル(コイルA)に、針、マルチポートバルブ104、108、及びマルチポートバルブ112(第3の位置にある)を介して移動させることと、(12)第1の反応コイル内で混合物をインキュベートし、それによって分子を変性し、且つ還元することと、(13)変性され、且つ還元された分子を第1の反応コイルから、第1の反応コイルに流体連結された第4のバイアル(受容バイアルの別の1つ)に移動させることと、(14)アルキル化試薬を第4のバイアルに針を介して移動させることと、(15)変性され、且つ還元された分子及びアルキル化試薬を第4のバイアルから第1の反応コイル(コイルA)に、針、マルチポートバルブ104、108、及びマルチポートバルブ112(第3の位置にある)を介して移動させることと、(16)変性され、且つ還元された分子及びアルキル化試薬を第1の反応コイル内でインキュベートし、それによって変性され、且つ還元された分子をアルキル化することと、(17)変性され、還元され、且つアルキル化された分子を第1の反応コイルから第4のバイアルに移動させることと、(18)変性され、還元され、且つアルキル化された分子を第4のバイアルから第2のカラムに、針、針座ポート、マルチポートバルブ104、108、及びマルチポートバルブ112(第1の位置から第2の位置に移動されている)を介して移動させること、(19)変性され、還元され、且つアルキル化された分子を第2のカラムに適用し、それによって分子の塩濃度を低下させることと、(20)脱塩された分子を第2のカラムから第2のバイアルに戻すことと、(21)(ステップ(20)の前又はステップ(20)の後に)酵素を第2のバイアルに針を介して移動させることと、(22)脱塩された分子及び酵素を第2のバイアルから第2の反応コイル(コイルB)に、針、マルチポートバルブ104、108及びマルチポートバルブ112(第4の位置に移動されている)を介して移動させることと、(23)脱塩された分子及び酵素を第2の反応コイル内でインキュベートし、それによって分子を消化することと、(24)消化された分子を第2の反応コイルから第4のバイアルに戻すことと、(25)消化された分子を第4のバイアルから分析デバイスに、針、針座ポート、及びマルチポートバルブ104を介して移動させることと、(26)分析装置を使用して消化された分子を分析することと、を含む。
【0061】
図8は、システム100を使用して試料の第6のリアルタイムアッセイを自動的に(又は、実質的に自動的に)実施する方法の別の例800を部分的に示している。この例では、アッセイは合成生成物アッセイであり、方法800は一般に、(1)針を移動(例えば、自動的に移動)させて、第1のバイアル(試料バイアルの1つ)から試料を得、この試料を試料ループに入れることと、(2)試料ループから針座ポートに試料を押し込むことと、(3)試料を針座ポートからマルチポートバルブ104を介してマルチポートバルブ108に移動させることと、(4)試料をマルチポートバルブ108から第1のカラムにマルチポートバルブ112(第1の位置にある)を介して移動させることと、(5)第1のカラム内の試料中の分子を捕捉し、それによって、試料中の分子を試料のマトリックスから分離し、試料のマトリックスは第1のカラムから流出し、第1のカラムに流体連結された第2のバイアル(受容バイアルの1つ)を介して廃棄されることと、(6)溶出バッファ溶液をバッファ供給源から第1のカラムに、針、針座ポート、及びマルチポートバルブ104、108、及び112を介して移動させ、それによって、第1のカラムにより捕捉された分子を溶出することと、(7)溶出バッファ溶液及び溶出された分子を含む溶出/分子混合物を第2のバイアル(受容バイアルの1つ)に移動させ、第2のバイアルは混合物中の分子を混合物の残りから分離させ、それによって第2のバイアル中に親和性精製試料を生成することと、(8)反応停止試薬を第2のバイアルに針を介して移動させることと、(9)親和性精製試料及び反応停止試薬を第2のバイアルから第1の反応コイル(コイルA)に、針、マルチポートバルブ104、108、及びマルチポートバルブ112(第3の位置にある)を介して移動させること、(10)親和性精製試料及び反応停止試薬を第1の反応コイル内でインキュベートし、それによって分子の反応を停止させることと、(11)反応停止した分子を第1の反応コイルから、第1の反応コイルに流体連結された第3のバイアル(受容バイアルの別の1つ)に移動させることと、(12)反応停止した分子を第3のバイアルから分析デバイスに、ニードル、針座ポート、及びマルチポートバルブ104を介して移動させることと、(13)分析デバイスを使用して反応停止した分子を分析することと、を含む。
【0062】
図9は、システム100を使用して試料の第7のリアルタイムアッセイを自動的に(又は、実質的に自動的に)実施する方法の別の例900を示している。この例では、アッセイは代謝産物分析であり、方法900は一般に、(1)針を移動(例えば、自動的に移動)させて、第1のバイアル(試料バイアルの1つ)から試料を得(例えば、自動的に得)、この試料を試料ループに入れることと、(2)試料ループから針座ポートに試料を押し込むことと、(3)試料を針座ポートからマルチポートバルブ104を介してマルチポートバルブ108に移動させることと、(4)試料をマルチポートバルブ108から第1のカラム(この例では、三モードクロマトグラフィカラムの形態をとる)にマルチポートバルブ112(第1の位置にある)を介して移動させることと、(5)第1のカラム内の試料中の分子を捕捉し、それによって、試料中の分子を試料のマトリックスから分離し、試料のマトリックスは第1のカラムから流出し、第1のカラムに流体連結された第2のバイアル(受容バイアルの1つ)を介して廃棄されることと、(6)バッファ供給源からの溶出バッファ溶液(例えば、低塩揮発性バッファ溶液)と中間バイアルの1つからの有機溶媒の両方を第1のカラムに、針、針座ポート、及びマルチポートバルブ104、108、及び112を介して移動させ、それによって、第1のカラムにより捕捉された分子を溶出し希釈することと、(7)溶出バッファ溶液、有機溶媒及び溶出された分子を含む溶出/分子混合物を第2のバイアル(受容バイアルの1つ)に移動させ、第2のバイアルは混合物中の分子を混合物の残りから分離させることと、(8)分子を第2のバイアルから分析デバイス(この例では、HRAM質量分析計などの質量分析デバイスの形態をとる)に、針、針座ポート、及びマルチポートバルブ104を介して移動させることと、(9)分析デバイスを使用して、分子中の代謝産物を分析することと、を含む。この例における第1のカラムは三モードクロマトグラフィカラムであるため、方法900は、有利なことに差次標識又はイオン対試薬を使用することなく、代謝産物の分析を促進することが理解されよう。また、方法900は、例えば、アミノ酸(及びロイシン異性体などの高親水性のアミノ酸)、ビタミン、ヌクレオチド-糖、ヌクレオシドアナログ、ケト酸、炭水化物、アミノアルコール、ヌクレオチド、ポリアミン、及びリン脂質を含む、200を超える様々な代謝産物を分析するために使用され得ることが理解されよう。
【0063】
図10は、本開示の教示に従い組み立てられたシステムの別の例1000の概略図を示す。
図10に示すシステム1000は、システム1000がまた、一般に、1つ以上の試料バイアル、針、試料ループ、計量装置、針座ポート、第1のカラム、第2のカラム、1つ以上のバッファ供給源、1つ以上の変化試薬供給源、1つ以上のキャリア溶液供給源、反応コイル、反応コイルに熱的に連結された加熱要素、1つ以上の受容バイアル(例えば、1つ以上のフロースルーバイアル)、並びに4つのマルチポートバルブ104、108、112、116、コントローラ、分析デバイス、第1のポンプ120、及び
図1のシステム100で使用されている第2のポンプ124、並びに、必要に応じて、システム1000の構成要素間の流体連通を容易にするために、システム1000の各構成要素間に延在する導管(例えば、ステンレス鋼導管)を含む点で、システム100と同様である。しかしながら、
図10に示すシステム1000は、2つの主な点で、
図1に示すシステム100とは異なる。第1に、システム100とは異なり、システム1000は第2の反応コイルを含まない。第2に、上述した構成要素のいくつかは、システム1000では、システム100における配置とは異なるように配置されている。一例として、システム1000では、分析装置、第1のポンプ120、及び第2のポンプ124は、(システム100にあるような)マルチポートバルブ104のポートの代わりに、マルチポートバルブ108のポートに流体連結される。別の例として、システム1000では、反応コイル(及び反応コイルに熱的に連結される加熱要素)は、(システム100にあるような)マルチポートバルブ116のポートの代わりに、マルチポートバルブ112のポート(及び、それらのポート間)に流体結合される。したがって、システム1000では、マルチポートバルブ108が反応コイル(及び加熱要素)に流体結合されるかどうかを決定するのは、マルチポートバルブ112の位置である(マルチポートバルブ116の位置ではない)。
【0064】
これらの違いにもかかわらず、システム1000は、システム100と同様、分析のために分子を含有する製品の試料を自動的に又は実質的に自動的に調製し、その試料のアッセイを自動的に実施するための閉鎖システムである。システム1000を使用して本プロセスを自動化する(又は実質的に自動化する)ことによって、アッセイを、全プロセスを数時間(例えば、2~3時間)で実施することができ且つ所望の結果を得ることができるように、リアルタイムで(又は実質的にリアルタイムで)且つ製造現場で(製造施設で使用する場合)実施することができ、これは従来知られている手動操作プロセスに通常必要とする数日~数週に比べると大幅な向上である。さらに、システム1000を用いるプロセスの閉じた性質により滅菌条件を維持する。またさらに、システム100と同様に、システム1000は、種々の分析のための任意の数の試料(同じ又は異なる)を調製するために使用され得、これらの試料について多くの種々のアッセイを自動的に実施し得、それによって、種々の分析のための種々の試料を調製するために多くの異なるシステムを必要とするのを排除することができる、柔軟なシステムである。
【0065】
図11は、システム1000を使用して試料の第1のリアルタイムアッセイを自動的に(又は、実質的に自動的に)実施する方法の一例1100を示している。この例では、アッセイは生産力価測定であり、方法1100は一般に、(1)針を動かして(例えば、自動的に動かして)、試料バイアルの1つから試料を得、この試料を試料ループに入れることと、(2)試料ループから針座ポートに試料を押し込むことと、(3)試料を針座ポートからマルチポートバルブ104及びマルチポートバルブ108を介して分析デバイス(この例では、液体クロマトグラフィデバイスの形態をとる)に移動させることと、(4)分析デバイスを使用して試料の力価/濃度を決定することと、を含む。
【0066】
図12は、システム1000を使用して試料の第2のリアルタイムアッセイを自動的に(又は、実質的に自動的に)実施する方法の別の例1200を示している。この例では、アッセイはサイズ排除クロマトグラフィ(SEC)アッセイであり、方法1200は一般に、(1)針を移動(例えば、自動的に移動)させて、第1のバイアル(試料バイアルの1つ)から分子を含む試料を得、この試料を試料ループに入れることと、(2)試料ループから針座ポートに試料を押し込むことと、(3)試料を針座ポートからマルチポートバルブ104を介してマルチポートバルブ108に移動させることと、(4)試料をマルチポートバルブ108から第1のカラムにマルチポートバルブ112(第2の位置にある)を介して移動させることと、(5)第1のカラム内の試料中の分子を捕捉し、それによって、試料中の分子を試料のマトリックスから分離し、試料のマトリックスは第1のカラムから流出し、第1のカラムに流体連結され廃棄されることと、(6)溶出バッファ溶液をバッファ供給源から第1のカラムに、針、針座ポート、及びマルチポートバルブ104、108、及び112を介して移動させ、それによって、第1のカラムにより捕捉された分子を溶出することと、(7)溶出バッファ溶液及び溶出された分子を含む溶出/分子混合物を第2のバイアル(受容バイアルの1つ)に移動させ、第2のバイアルは混合物中の分子を混合物の残りから分離させることと、(8)分子を第2のバイアルから分析デバイスに、針、針座ポート、及びマルチポートバルブ104、108を介して移動させることと、(9)分析デバイスを使用して分子中の凝集レベルを定量化することと、を含む。
【0067】
図13は、システム1000を使用して試料の第3のリアルタイムアッセイを自動的に(又は、実質的に自動的に)実施する方法の別の例1300を示している。この例では、アッセイはイオン交換クロマトグラフィ(IEX)アッセイであり、方法1300は一般に、(1)針を移動(例えば、自動的に移動)させて、第1のバイアル(試料バイアルの1つ)から試料を得(ここで、試料は分子を含む)、この試料を試料ループに入れることと、(2)試料ループから針座ポートに試料を押し込むことと、(3)試料を針座ポートからマルチポートバルブ104を介してマルチポートバルブ108に移動させることと、(4)試料をマルチポートバルブ108から第1のカラムにマルチポートバルブ112(第2の位置にある)を介して移動させることと、(5)第1のカラム内の試料中の分子を捕捉し、それによって、試料中の分子を試料のマトリックスから分離し、試料のマトリックスは第1のカラムから流出し、第1のカラムに流体連結され廃棄されることと、(6)溶出バッファ溶液をバッファ供給源から第1のカラムに、針、針座ポート、及びマルチポートバルブ104、108、及び112を介して移動させ、それによって、第1のカラムにより捕捉された分子を溶出することと、(7)溶出バッファ溶液及び溶出された分子を含む溶出/分子混合物を第2のバイアル(受容バイアルの1つ)に移動させ、第2のバイアルは混合物中の分子を混合物の残りから分離させ、それによって第2のバイアル中に親和性精製試料を生成することと、(8)分子を第2のバイアルから第3のバイアル(中間バイアルの1つ)に移動させて、親和性精製試料を希釈することと、(9)親和性精製試料を第3のバイアルからマルチポートバルブ108にニードル、針座ポート、及びマルチポートバルブ104を介して移動させることと、(10)親和性精製試料をマルチポートバルブ108から第2のカラムにマルチポートバルブ112(第3の位置に移動されている)を介して移動させることと、(11)親和性精製試料を第2のカラムに適用し、それによって、試料の塩濃度をさらに低下させることと、(12)このさらに脱塩された親和性精製試料を第2のカラムから第2のバイアルに戻すことと、(13)親和性精製試料を第2のバイアルから分析デバイスに、針、針座ポート、及びマルチポートバルブ104、108を介して移動させることと、(14)分析デバイス(この例では、イオン交換カラムの形態をとる)を使用して、電荷変異評価を実施することと、を含む。
【0068】
図14は、システム1000を使用して試料の第4のリアルタイムアッセイを自動的に(又は、実質的に自動的に)実施する方法の別の例1400を示している。この例では、アッセイはMAMアッセイであり、方法1400は一般に、(1)針を移動(例えば、自動的に移動)させて、第1のバイアル(試料バイアルの1つ)から試料を得、この試料を試料ループに入れることと、(2)試料ループから針座ポートに試料を押し込むことと、(3)試料を針座ポートからマルチポートバルブ104を介してマルチポートバルブ108に移動させることと、(4)試料をマルチポートバルブ108から第1のカラムにマルチポートバルブ112(第2の位置にある)を介して移動させることと、(5)第1のカラム内の試料中の分子を捕捉し、それによって、試料中の分子を試料のマトリックスから分離し、試料のマトリックスは第1のカラムから流出し、第1のカラムに流体連結され廃棄されることと、(6)溶出バッファ溶液をバッファ供給源から第1のカラムに、針、針座ポート、及びマルチポートバルブ104、108、及び112を介して移動させ、それによって、第1のカラムにより捕捉された分子を溶出することと、(7)溶出バッファ溶液及び溶出された分子を含む溶出/分子混合物を第2のバイアル(受容バイアルの1つ)に移動させ、第2のバイアルは混合物中の分子を混合物の残りから分離させ、それによって第2のバイアル中に親和性精製試料を生成することと、(8)針を介して、親和性精製試料を第2のバイアルから第3のバイアル(中間バイアルの1つ)に移動させて、親和性精製試料を希釈することと、(9)希釈された親和性精製試料を第3のバイアルから第2のバイアルに針を介して戻すことと、(10)変性試薬及び還元試薬を第2のバイアルに針を介して移動させることと、(11)親和性精製試料、変性試薬、及び還元試薬を第2のバイアルから反応コイルに、針、マルチポートバルブ104、108、及びマルチポートバルブ112(第4の位置にある)を介して移動させることと、(12)反応コイル内で混合物をインキュベートし、それによって分子を変性し、且つ還元することと、(13)変性され、且つ還元された分子を反応コイルから、反応コイルに流体連結された第4のバイアル(受容バイアルの別の1つ)に移動させることと、(14)アルキル化試薬を第4のバイアルに針を介して移動させることと、(15)変性され、且つ還元された分子及びアルキル化試薬を第4のバイアルから反応コイルに、針、マルチポートバルブ104、108、及びマルチポートバルブ112(第4の位置にある)を介して移動させることと、(16)変性され、且つ還元された分子及びアルキル化試薬を反応コイル内でインキュベートし、それによって変性され、且つ還元された分子をアルキル化することと、(17)変性され、還元され、且つアルキル化された分子を反応コイルから第4のバイアルに移動させることと、(18)変性され、還元され、且つアルキル化された分子を第4のバイアルから第2のカラムに、針、針座ポート、マルチポートバルブ104、108、及びマルチポートバルブ112(第3の位置に移動されている)を介して移動させること、(19)変性され、還元され、且つアルキル化された分子を第2のカラムに適用し、それによって分子の塩濃度を低下させることと、(20)脱塩された分子を第2のカラムから第2のバイアルに戻すことと、(21)(ステップ(20)の前又はステップ(20)の後に)酵素を第2のバイアルに針を介して移動させることと、(22)脱塩された分子及び酵素を第2のバイアルから反応コイルに、針、マルチポートバルブ104、108及びマルチポートバルブ112(第4の位置に移動されている)を介して移動させることと、(23)脱塩された分子及び酵素を反応コイル内でインキュベートし、それによって分子を消化することと、(24)消化された分子を反応コイルから第4のバイアルに戻すことと、(25)消化された分子を第4のバイアルから分析デバイスに、針、針座ポート、及びマルチポートバルブ104、108を介して移動させることと、(26)分析装置を使用して消化された分子を分析することと、を含む。
【0069】
図15は、システム1000を使用して試料の第5のリアルタイムアッセイを自動的に実施する方法の別の例1500を部分的に示す。この例では、アッセイは非クロマトグラフィアッセイであり、方法1500は一般に、(1)針を移動(例えば、自動的に移動)させて、第1のバイアル(試料バイアルの1つ)から試料を得、この試料を試料ループに入れることと、(2)試料ループから針座ポートに試料を押し込むことと、(3)試料を針座ポートからマルチポートバルブ104を介してマルチポートバルブ108に移動させることと、(4)試料をマルチポートバルブ108から第2のバイアル(受容バイアルの1つ)にマルチポートバルブ108、112を介して移動させることと、(5)反応停止試薬を第2のバイアルに針を介して移動させることと、(6)試料及び反応停止試薬を第2のバイアルから反応コイルに、針、マルチポートバルブ104、108、及びマルチポートバルブ112(第4の位置にある)を介して移動させることと、(7)試料及び反応停止試薬を反応コイル内でインキュベートし、それによって試料中の分子の反応を停止させることと、(8)反応停止された分子を反応コイルから、反応コイルに流体連結された第2のバイアル又は第3のバイアル(受容バイアルの別の1つ)に戻すことと、(9)反応停止された分子を第3のバイアルから分析デバイスに、針、針座ポート、及びマルチポートバルブ104、108を介して移動させることと、(10)分析デバイスを使用して反応停止された分子を分析することと、を含む。
【0070】
図16及び
図17は、システム100又はシステム1000の連続流通を可能にするために、システム100又はシステム1000で使用することができるフロースルーバイアル1600の一例を示す。図示するように、この例のフロースルーバイアル1600は一般に、ベース1604と、ベース1604に連結されたリップ1606と、ベース1604及びリップ1606の両方に連結され、それらから外向きに延びるガター1608とを含む。この例では、ベース1604は、第1の実質的に円筒状の部分1612と、第1の実質的に円筒状の部分1612に連結された第2の実質的に長方形状の部分1616により規定されている。第1の実質的に円筒状の部分1612は一般に、第1端部1620から、第1端部1620の反対側の第2端部1624まで第1の軸1628に沿って延びている。第1の実質的に円筒状の部分1612は、その第1端部1620と第2端部1624の間に形成された実質的に円筒状の穴1632を有する。第2の実質的に長方形状の部分1616は、第1の実質的に円筒状の部分1612から外方向に、第1の軸1628に垂直な第2の軸1636に沿って伸びている しかしながら、他の例では、フロースルーバイアルの構成要素は異なる形状を有し得る。例えば、ガター1608は、円筒状又は他の非長方形状を有していてもよい。別の例として、ベース1604は、実質的に円筒状の部分1612のみによって規定される円筒状又は実質的に円筒状の形状を有し得る。
【0071】
この例では、リップ1606は、第1の実質的に円筒状の部分1612(特に、その第1端部1620)と一体に形成され、第1の実質的に円筒状の部分1612から第1の軸1628に沿って外向きに延びる、実質的に円筒状のリップである。このように配置されると、リップ1606は、実質的に円筒状の穴1632をガター1608に流体接続する。しかしながら、他の例では、リップ1606が異なる形状を有することができ、第1の実質的に円筒状の部分1612(又は別の部分)に固定的に又は取り外し可能に連結することができ、且つ/又は第1の実質的に円筒状の部分1612から外向きに、第1の軸1628に対して角度を付けられた軸に沿って延びることができる。さらに他の例では、フロースルーバイアル1600は、リップ1606を全く含まなくてもよく、その場合、ガター1608は実質的に円筒状の穴1632に直接流体接続される。
【0072】
この例では、ガター1608は、実質的に長方形状のベース1640と、長方形状のベース1640に連結された竪樋1644により規定されている。ガター1608の実質的に長方形状のベース1640は、ベース1604の第2の実質的に長方形状の部分1616から、及びリップ1606から外向きに、第1の軸1628及び第2の軸1636の両方に垂直で、且つ水平に対して傾斜している第3の軸1648に沿って延びている(
図17を参照)。実質的に長方形状のベース1640は、リップ1606(及び、それに続く実質的に円筒状の穴1632)を竪樋1644に流体接続する実質的に長方形状のチャネル1652を規定する。この例における竪樋1644は、円筒状であり、長方形状のベース1640から外向きに(
図16において、下向きに)、第1の軸1628に平行で、第2の軸1636及び第3の軸1648に垂直である第4の軸1652に沿って延びている。他の例では、ガター1608は、異なる形状のベース1640を有することができ(例えば、ベース1640は円筒状の形状を有することができ)、且つ/又は竪樋1644は異なる形状を有することができる。他の例では、ガター1608は竪樋1644を含まなくてもよい。
【0073】
フロースルーバイアル1600はまた、入口ポート1660及び出口ポート1664を有する。入口ポート1660は、一般に、自動サンプリングシステム、マルチポートバルブ112、マルチポートバルブ116、又はシステム100若しくはシステム1000の他の構成要素から必要に応じて流入流体を受容するように、フロースルーバイアルのベース1604に配置される。
図16及び
図17に示すように、この例における入口ポート1660は、第2の実質的に長方形状の部分1616に形成され、第1の軸1628、第2の軸1636、第3の軸1648、及び第4の軸1652の到達に対して傾斜した第5の軸1668に沿って延びている。第5の軸1668は例えば、第1の軸1628に対して約45度の角度に方向づけられる。一方、出口ポート1664は一般に、入口ポート1660を介してベース1604に流入し、実質的に円筒状の穴1632及びガター1608のチャネル1652を通ってフロースルーバイアル1600から流出する流体を導くように、フロースルーバイアルのガター1608に配置される。この例では、出口ポート1664は竪樋1644に形成されるが、他の例(例えば、フロースルーバイアル1600が竪樋1644を含まない場合)では、出口ポート1664はガター1608の異なる部分に形成することができる。
【0074】
ここでは図示されていないが、導管(図示せず)を使用して、システム100(例えば、自動サンプリングシステム)又はシステム1000の所望の構成要素を入口ポート1660に流体接続することができることは理解されよう。流体は、次に、システムのその所望の構成要素から、入口ポート1660を介してフロースルーバイアル1600に流入する。流体がフロースルーバイアル1600を通って流れる際、リップ1606が表面張力を防止するのに役立つ。いくつかの例では、導管(図示せず)を使用して、出口ポート1664を、システム100又はシステム1000内の流体の所望の目的地に流体接続することもできる。一例として、導管を使用して、出口ポート1664を、システム100又はシステム1000の分析デバイスに流体接続することができる。他の例では、出口ポート1664を所望の目的地に流体接続するために、導管を使用しなくてもよい。例えば、システム100又はシステム1000の針は、フロースルーバイアル1600から直接流体を取り出し、その流体をシステム100の所望の構成要素(例えば、試料ループ)又はシステム1000の所望の構成要素に入れることができる。別の例として(例えば、フロースルーバイアル1600を洗浄する必要がある場合)、ガター1608を通って流れる流体が廃棄に導かれるように、竪樋1644が廃棄物上に直接据えられるようにフロースルーバイアル1600を位置決めすることができる。いずれにしても、フロースルーバイアル1600は、流れがその中を容易に連続して流れるように構成され、これにより、例えば、試料バイアルを(特に、異なる試料が試験されている場合に)定期的に交換する必要性が排除される。
【0075】
図18及び
図19は、複数のフロースルーバイアル1600を保持するために、システム100又はシステム1000において使用され得るバイアルホルダ1800を示す。この例では、バイアルホルダ1800は、自動サンプリングシステム内に配置されるか、又はさもなければ自動サンプリングシステムに連結されるように構成されている。しかし、他の例では、バイアルホルダ1800は、システム100又はシステム1000の別の構成要素に連結することができる。いずれにしても、
図18及び
図19に示すバイアルホルダ1800は、取り付けフランジ1804、及び取り付けフランジ1804に連結された複数のバイアルレセプタクル1808を含む。
図19に示すように、取り付けフランジ1804は、バイアルホルダ1800(及びバイアルホルダ1800によって運ばれるフロースルーバイアル1600)を自動サンプリングシステムに連結するように、自動サンプリングシステムの一部に連結することができる。一方、複数のバイアルレセプタクル1808の各々は、フロースルーバイアル1600の1つを受容するようなサイズとされている。より詳細には、
図19に示すように、複数のバイアルレセプタクル1808の各々は、フロースルーバイアル1600の1つのそれぞれのベース1604を受容するようなサイズとされている。次に、そのフロースルーバイアル1600の各々のガター1608は、バイアルホルダ1800から離れるように外向きに延びている。
【0076】
治療用ポリペプチド
以下の1つ以上に結合するタンパク質を含むタンパク質は、開示するシステム及び方法に有用であり得る。これらには、受容体結合を妨害するものを含む、CD3、CD4、CD8、CD19、CD20、CD22、CD30及びCD34を含むCDタンパク質が含まれる。HER2、HER3、HER4及びEGF受容体を含むHER受容体ファミリータンパク質。細胞接着分子、例えば、LFA-I、MoI、pl50、95、VLA-4、ICAM-I、VCAM、及びアルファv/ベータ3インテグリン。増殖因子、例えば、血管内皮増殖因子(「VEGF」)、成長ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、成長ホルモン放出因子、副甲状腺ホルモン、ミュラー管阻害物質、ヒトマクロファージ炎症タンパク質(MIP-I-アルファ)、エリスロポエチン(EPO)、NGF-ベータなどの神経成長因子、血小板由来増殖因子(PDGF)、例えば、aFGF及びbFGFを含む線維芽細胞増殖因子、上皮増殖因子(EGF)、特に、TGF-α及びTGF-β、例えば、TGF-β1、TGF-β2、TGF-β3、TGF-β4又はTGF-β5を含むトランスフォーミング増殖因子(TGF)、インスリン様増殖因子I及びインスリン様増殖因子II(IGF-I及びIGF-II)、des(l-3)-IGF-I(脳IGF-I)、及び骨誘導因子。インスリン及びインスリン関連タンパク質、例えば、インスリン、インスリンA鎖、インスリンB鎖、プロインスリン、及びインスリン様増殖因子結合タンパク質。特に、第VIII因子、組織因子、フォン・ヴィレブランド因子、プロテインC、アルファ-1-アンチトリプシンなどの凝固及び凝固関連タンパク質、例えば、ウロキナーゼ及び組織プラスミノーゲン活性化因子(「t-PA」)などのプラスミノーゲン活性化因子、ボンバジン(bombazine)、トロンビン及びトロンボポエチン;(vii)アルブミン、IgE及び血液型抗原を含むがそれらに限定されない他の血液タンパク質及び血清タンパク質。以下の、特に、M-CSF、GM-CSF及びG-CSF、並びに、CSF-1受容体(c-fms)などのそれらの受容体を含む、コロニー刺激因子及びそれらの受容体。例えば、flk2/flt3受容体、肥満(OB)受容体、LDL受容体、成長ホルモン受容体、トロンボポエチン受容体(「TPO-R」、「c-mpl」)、グルカゴン受容体、インターロイキン受容体、インターフェロン受容体、T細胞受容体、c-Kitなどの幹細胞因子受容体、及び他の受容体を含む、受容体及び受容体関連タンパク質。例えば、OX40受容体のリガンドであるOX40Lを含む、受容体リガンド。骨由来神経栄養因子(BDNF)、及びニューロトロフィン-3、-4、-5、又は-6(NT-3、NT-4、NT-5、又はNT-6)を含む神経栄養因子。リラキシンA鎖、リラキシンB鎖、及びプロリラキシン;例えば、インターフェロン-α、-β、及び-γ、並びにそれらの受容体を含むインターフェロン及びインターフェロン受容体。IL-1~IL-33及びIL-1~IL-33受容体、例えば、特に、IL-8受容体を含む、インターロイキン及びインターロイキン受容体。AIDSエンベロープウイルス抗原を含む、ウイルス抗原。リポタンパク質、カルシトニン、グルカゴン、心房性ナトリウム利尿因子、肺サーファクタント、腫瘍壊死因子アルファ及びベータ、エンケファリナーゼ、RANTES(regulated on activation normally T-cell expressed and secreted)、マウスゴナドトロピン関連ペプチド、DNAse、インヒビン及びアクチビン。インテグリン、プロテインA又はD、リウマチ因子、免疫毒素、骨形成タンパク質(BMP)、スーパーオキシドディスムターゼ、表面膜タンパク質、崩壊促進因子(DAF)、AIDSエンベロープ、輸送タンパク質、ホーミング受容体、アドレシン、調節タンパク質、イムノアドヘシン、抗体。ミオスタチン、TALL-Iを含むTALLタンパク質、限定されないがアミロイドベータタンパク質を含むアミロイドタンパク質、胸腺間質性リンパ球新生因子(「TSLP」)、RANKリガンド(「OPGL」)、c-kit、TNF受容体1型を含むTNF受容体、TRAIL-R2、アンジオポエチン、及び前述のいずれかの生物活性断片又はアナログ又はバリアント。
【0077】
例示的なポリペプチド及び抗体としては、Activase(登録商標)(アルテプラーゼ);アリロクマブ、Aranesp(登録商標)(ダルベポエチンアルファ)、Epogen(登録商標)(エポエチンアルファ、又はエリスロポエチン);Avonex(登録商標)(インターフェロンベータ-Ia);Bexxar(登録商標)(トシツモマブ);Betaseron(登録商標)(インターフェロンベータ);ボコシズマブ(L1L3として示される抗PCSK9モノクローナル抗体、米国特許第8080243号明細書を参照);Campath(登録商標)(アレムツズマブ);Dynepo(登録商標)(エポエチンデルタ);Velcade(登録商標)(ボルテゾミブ);MLN0002(抗α4β7 mAb);MLN1202(抗CCR2ケモカイン受容体mAb);Enbrel(登録商標)(エタネルセプト);Eprex(登録商標)(エポエチンα);Erbitux(登録商標)(セツキシマブ);エボロクマブ;Genotropin(登録商標)(ソマトロピン);Herceptin(登録商標)(トラスツズマブ);Humatrope(登録商標)(ソマトロピン[rDNA由来]注射液);Humira(登録商標)(アダリムマブ);Infergen(登録商標)(インターフェロンAlfacon-1);Natrecor(登録商標)(ネシリチド);Kineret(登録商標)(アナキンラ)、Leukine(登録商標)(サルガモスチム);LymphoCide(登録商標)(エピラツズマブ);Benlysta(商標)(ベリムマブ);Metalyse(登録商標)(テネクテプラーゼ);Mircera(登録商標)(メトキシポリエチレングリコールエポエチンベータ);MyIotarg(登録商標)(ゲムツズマブオゾガマイシン);Raptiva(登録商標)(エファリズマブ);Cimzia(登録商標)(セルトリズマブペゴル);Soliris(商標)(エクリズマブ);ペクセリズマブ(抗補体C5);MEDI-524(Numax(登録商標));Lucentis(登録商標)(ラニビズマブ);エドレコロマブ(Panorex(登録商標));Trabio(登録商標)(レルデリムマブ);TheraCim hR3(ニモツズマブ);Omnitarg(ペルツズマブ、2C4);Osidem(登録商標)(IDM-I);OvaRex(登録商標)(B43.13);Nuvion(登録商標)(ビジリズマブ);カンツズマブメルタンシン(huC242-DMl);NeoRecormon(登録商標)(エポエチンベータ);Neumega(登録商標)(オプレルベキン);Neulasta(登録商標)(PEG化フィルガストリム、PEG化G-CSF、PEG化hu-Met-G-CSF);Neupogen(登録商標)(フィルグラスチム);Orthoclone OKT3(登録商標)(ムロモナブ-CD3)、Procrit(登録商標)(エポエチンアルファ);Remicade(登録商標)(インフリキシマブ)、Reopro(登録商標)(アブシキシマブ)、Actemra(登録商標)(抗IL6受容体mAb)、Avastin(登録商標)(ベバシズマブ)、HuMax-CD4(ザノリムマブ)、Rituxan(登録商標)(リツキシマブ);Tarceva(登録商標)(エルロチニブ);Roferon-A(登録商標)(インターフェロンアルファ-2a);Simulect(登録商標)(バシリキシマブ);Stelara(商標)(ウステキヌマブ);Prexige(登録商標)(ルミラコキシブ);Synagis(登録商標)(パリビズマブ);146B7-CHO(抗IL15抗体、米国特許第7153507号明細書を参照)、Tysabri(登録商標)(ナタリズマブ);Valortim(登録商標)(MDX-1303、抗炭疽菌防御抗原mAb);ABthrax(商標);Vectibix(登録商標)(パニツムマブ);Xolair(登録商標)(オマリズマブ)、ETI211(抗MRSA mAb)、IL-1 Trap(ヒトIgG1のFc部分及び両IL-1受容体成分(I型受容体及び受容体補助タンパク質)の細胞外ドメイン)、VEGF Trap(IgG1 Fcと融合したVEGFR1のIgドメイン)、Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ);Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ)、Zevalin(登録商標)(イブリツモマブチウキセタン)、Zetia(エゼチマイブ)、アタシセプト(TACI-Ig)、抗α4β7 mAb(ベドリズマブ);ガリキシマブ(抗CD80モノクローナル抗体)、抗CD23 mAb(ルミリキシマブ);BR2-Fc(huBR3/huFc融合タンパク質、可溶性BAFF拮抗薬);Simponi(商標)(ゴリムマブ);マパツズマブ(ヒト抗TRAIL受容体-1 mAb);オクレリズマブ(抗CD20ヒトmAb);HuMax-EGFR(ザルツムマブ);M200(ボロシキシマブ、抗α5β1インテグリンmAb);MDX-010(イピリムマブ、抗CTLA-4 mAb及びVEGFR-I(IMC-18F1);抗BR3 mAb;抗C.ディフィシル毒素A及び毒素B C mAb MDX-066(CDA-1)及びMDX-1388);抗CD22 dsFv-PE38抱合体(CAT-3888及びCAT-8015);抗CD25 mAb(HuMax-TAC);抗TSLP抗体;抗TSLP受容体抗体(米国特許第8101182号明細書);A5として示される抗TSLP抗体(米国特許第7982016号明細書);抗CD3 mAb(NI-0401);アデカツムマブ(MT201、抗EpCAM-CD326 mAb);MDX-060、SGN-30、SGN-35(抗CD30 mAb);MDX-1333(抗IFNAR);HuMax CD38(抗CD38 mAb);抗CD40L mAb;抗Cripto mAb;抗CTGF特発性肺線維症第1期フィブロゲン(FG-3019);抗CTLA4 mAb;抗エオタキシン1 mAb(CAT-213);抗FGF8 mAb;抗ガングリオシドGD2 mAb;抗スクレロスチン抗体(米国特許第8715663号明細書又は米国特許第7592429号明細書を参照)、Ab-5として示される抗スクレロスチン抗体(米国特許第8715663号明細書又は米国特許第7592429号明細書);抗ガングリオシドGM2 mAb;抗GDF-8ヒトmAb(MYO-029);抗GM-CSF受容体mAb(CAM-3001);抗HepC mAb(HuMax HepC);MEDI-545、MDX-1103(抗IFNα mAb);抗IGF1R mAb;抗IGF-1R mAb(HuMax-Inflam);抗IL12/IL23p40 mAb(ブリアキヌマブ);抗IL-23p19 mAb(LY2525623);抗IL13 mAb(CAT-354);抗IL-17モノクローナル抗体(AIN457);抗IL2Ra mAb(HuMax-TAC);抗IL5受容体mAb;抗インテグリン受容体mAb(MDX-Ol8、CNTO95);抗IPIO潰瘍性大腸炎mAb(MDX-1100);抗LLY抗体;BMS-66513;抗マンノース受容体/hCGβ mAb(MDX-1307);抗メソテリンdsFv-PE38抱合体(CAT-5001);抗PDlmAb(MDX-1 106(ONO-4538));抗PDGFRα抗体(IMC-3G3);抗TGFβ mAb(GC-1008);抗TRAIL受容体-2ヒトmAb(HGS-ETR2);抗TWEAK mAb;抗VEGFR/Flt-1 mAb;抗ZP3 mAb(HuMax-ZP3);並びに配列番号8及び配列番号6の配列を含むアミロイドベータモノクローナル抗体(米国特許第7906625号明細書)が挙げられる。
【0078】
方法及び医薬製剤に好適な抗体の例としては、表1に示す抗体が挙げられる。好適な抗体のその他の例としては、インフリキシマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、ラニビズマブ、パリビズマブ、アバゴボマブ、アブシキシマブ、アクトクスマブ、アダリムマブ、アフェリモマブ、アフツズマブ、アラシズマブ、アラシズマブペゴル、ald518、アレムツズマブ、アリロクマブ、アルツモマブ、アマツキシマブ、アナツモマブマフェナトクス、アンルキンズマブ、アポリズマブ、アルシツモマブ、アセリズマブ、アルチヌマブ(altinumab)、アトリズマブ、アトロリムマブ、バピヌズマブ、バシリキシマブ、バビツキシマブ、ベクツモマブ、ベリムマブ、ベンラリズマブ、ベルチリムマブ、ベシレソマブ、ベズロトクスマブ、ビシロマブ、ビバツズマブ、ビバツズマブメルタンシン、ブリナツモマブ、ブロソズマブ、ブレンツキシマブベドチン、ブリアキヌマブ、ブロダルマブ、カナキヌマブ、カンツズマブメルタンシン、カプラシズマブ、カプロマブペンデチド、カルルマブ、カツマキソマブ、cc49、セデリズマブ、セルトリズマブペゴル、シタツズマブボガトクス、シクスツムマブ、クラザキズマブ、クレノリキシマブ、クリバツズマブテトラキセタン、コナツムマブ、クレネズマブ、cr6261、ダセツズマブ、ダクリズマブ、ダロツズマブ、ダラツムマブ、デムシズマブ、デノスマブ、デツモマブ、ドルリモマブアリトクス、ドロジツマブ、デュリゴツマブ、デュピルマブ、エクロメキシマブ、エクリズマブ、エドバコマブ、エドレコロマブ、エファリズマブ、エフングマブ、エロツズマブ、エルシリモマブ、エナバツズマブ、エンリモマブペゴル、エノキズマブ、エノチクマブ、エンシツキシマブ、エピツモマブシツキセタン、エピラツズマブ、エルリズマブ、エルツマキソマブ、エタラシズマブ、エトロリズマブ、エボロクマブ、エキシビビルマブ、ファノレソマブ、ファラリモマブ、ファルレツズマブ、ファシヌマブ、fbta05、フェルビズマブ、フェザキヌマブ、フィクラツズマブ、フィギツムマブ、フランボツマブ、フォントリズマブ、フォラルマブ、フォラビルマブ、フレソリムマブ、フルラヌマブ、フツキシマブ、ガリキシマブ、ガニツマブ、ガンテネルマブ、ガビリモマブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、ゲボキズマブ、ギレンツキシマブ、グレムバツムマブベドチン、ゴリムマブ、ゴミリキシマブ、gs6624、イバリズマブ、イブリツモマブチウキセタン、イクルクマブ、イゴボマブ、イムシロマブ、イムガツズマブ、インクラクマブ、インダツキシマブラブタンシン、インテツムマブ、イノリモマブ、イノツズマブオゾガマイシン、イピリムマブ、イラツムマブ、イトリズマブ、イキセキズマブ、ケリキシマブ、ラベツズマブ、レブリキズマブ、レマレソマブ、レルデリムマブ、レキサツムマブ、リビビルマブ、リゲリズマブ、リンツズマブ、リリルマブ、ロルボツズマブメルタンシン、ルカツムマブ、ルミリキシマブ、マパツズマブ、マスリモマブ、マブリリムマブ、マツズマブ、メポリズマブ、メテリムマブ、ミラツズマブ、ミンレツモマブ、ミツモマブ、モガムリズマブ、モロリムマブ、モタビズマブ、モキセツモマブパスドトクス、ムロモナブ-cd3、ナコロマブタフェナトクス、ナミルマブ、ナプツモマブエスタフェナトクス、ナルナツマブ、ナタリズマブ、ネバクマブ、ネシツムマブ、ネレリモマブ、ネスバクマブ、ニモツズマブ、ニボルマブ、ノフェツモマブメルペンタン、オカラツズマブ、オクレリズマブ、オデュリモマブ、オファツムマブ、オララツマブ、オロキズマブ、オマリズマブ、オナルツズマブ、オポルツズマブモナトクス、オレゴボマブ、オルチクマブ、オテリキシズマブ、オキセルマブ、オザネズマブ、オゾラリズマブ、パジバキシマブ、パニツムマブ、パノバクマブ、パルサツズマブ、パスコリズマブ、パテクリズマブ、パトリツマブ、ペムツモマブ、ペラキズマブ、ペルツズマブ、ペクセリズマブ、ピジリズマブ、ピンツモマブ、プラクルマブ、ポネズマブ、プリリキシマブ、プリツムマブ、PRO140、クイリズマブ、ラコツモマブ、ラドレツマブ、ラフィビルマブ、ラムシルマブ、ラキシバクマブ、レガビルマブ、レスリズマブ、リロツムマブ、リツキシマブ、ロバツムマブ、ロレデュマブ、ロモソズマブ、ロンタリズマブ、ロベリズマブ、ルプリズマブ、サマリズマブ、サリルマブ、サツモマブペンデチデ、セクキヌマブ、セビルマブ、シブロツズマブ、シファリムマブ、シルツキシマブ、シムツズマブ、シプリズマブ、シルクマブ、ソラネズマブ、ソリトマブ、ソネプシズマブ、ソンツズマブ、スタムルマブ、スレソマブ、スビズマブ、タバルマブ、タカツズマブテトラキセタン、タドシズマブ、タリズマブ、タネズマブ、タプリツモマブパプトクス、テフィバズマブ、テリモマブアリトクス、テナツモマブ、テネリキシマブ、テプリズマブ、テプロツムマブ、テゼペルマブ、TGN1412、トレメリムマブ、チシリムマブ、チルドラキズマブ、チガツズマブ、TNX-650、トシリズマブ、トラリズマブ、トシツモマブ、トラロキヌマブ、トラスツズマブ、TRBS07、トレガリズマブ、ツコツズマブセルモロイキン、ツビルマブ、ウブリツキシマブ、ウレルマブ、ウルトキサズマブ、ウステキヌマブ、バパリキシマブ、バテリズマブ、ベドリズマブ、ベルツズマブ、ベパリモマブ、ベセンクマブ、ビジリズマブ、ボロシキシマブ、ボルセツズマブマフォドチン、ボツムマブ、ザルツムマブ、ザノリムマブ、ザツキシマブ、ジラリムマブ、ゾリモマブアリトクスが挙げられる。
【0079】
抗体としてはまた、アダリムマブ、ベバシズマブ、ブリナツモマブ、セツキシマブ、コナツムマブ、デノスマブ、エクリズマブ、エレヌマブ、エボロクマブ、インフリキシマブ、ナタリズマブ、パニツムマブ、リロツムマブ、リツキシマブ、ロモソズマブ、テゼペルマブ、及びトラスツズマブ、並びに表1から選択される抗体が挙げられる。
【0080】
【0081】
【0082】
前述の記載に基づき、本明細書中に記載されるデバイス、システム、及び方法は、分析のための分子を含有する製品の試料の自動的な(又は実質的に自動的な)調製、及びその試料のアッセイの自動的な(又は実質的に自動的な)実施を容易にすることは認識されよう。本明細書で使用される場合、「自動的な」は、本開示を考慮して当業者によって理解されるであろうその通常の慣習的な意味を有する。これは、プロセス中に人の介入なしにプロセスを実行することを指す。自動プロセスは、1つ以上の機械によって実行されてもよい。本明細書で使用される場合、「実質的に自動的な」は、本開示を考慮して当業者によって理解されるであろうその通常の慣習的な意味を有する。これは、人が介入するよりも人の介入なしでより能動的なステップが実行されるプロセスを実行することを指す。追加の数値情報が重要であれば、プロセスステップの少なくとも51%、60%、70%、80%、又は90%が人の介入なしで実行されるプロセスは、「実質的に自動的」であるとみなすことができる。例えば、1日の間に実行され、1日の間に0.5~1時間の「スタッフハンドタイム(staff hand time)」を伴うプロセスは、実質的に自動であるとみなすことができる。本明細書で使用される場合、「連続的な」は、本開示を考慮して当業者によって理解されるであろうその通常の慣習的な意味を有する。これは、中断することなく、プロセスを少なくとも2サイクル実行することを指す。少なくとも2サイクルは、連続して行われても(例えば、互いに後に続いて実行されても)、重なって行われてもよい。したがって、調製及び分析を実質的にリアルタイムで実施することができる。換言すると、全プロセスを従来のプロセスにより現在可能とされているものよりもはるかに迅速に実施することができる。
【0083】
さらに、本出願人は、本明細書に記載のシステム及び方法を使用して実施されるアッセイが、従来技術を使用して実施されるアッセイによってもたらされる結果に匹敵する結果をもたらし、それによって本明細書に記載のシステム及び方法の有効性が確認されることを見出した。具体的には、本出願人は、本明細書に記載のシステム及び方法と従来技術の両方を使用して、9つの異なる分子(分子mAb1、mAb2、mAb3、BiTE1、BiTE2、二重特異性1、融合、二重特異性2、及びxmAb)の各々を用いて、3つの異なるアッセイ(サイズ排除クロマトグラフィ(SEC)アッセイ、カチオン交換クロマトグラフィ(CEX)アッセイ、及び還元キャピラリー電気泳動(rCE)アッセイ)を行った。試料親和性精製のための多くの従来技術(例えば、PhyNexus Phy Tips、GE PreDictorプレート、Hamilton Leapオートサンプラー、及びTecan-Atoll)が存在するが、本実施例ではTecan-Atoll精製を従来技術として用いた。これは、従来技術の代表であると考えられる。
図20に示すように、本出願人は、27の異なるアッセイのうちの25の結果が、25の異なるチェックマークによって示すように、従来技術を使用して実施された同じ27のアッセイの結果に匹敵することを見出した。残りの2つのアッセイは、従来技術からの結果が得られなかったため、比較することができなかった。本明細書で使用される場合、「匹敵する」は、本開示を考慮して当業者によって理解されるであろうその通常の慣習的な意味を有する。例えば、本明細書では、開示したシステム及び方法によって実施された各種アッセイによって得られた主なピークは、従来の技術を使用して実施された各種アッセイによって得られた主なピークの5%以内であったことが観察されており、これは従来の技術に「匹敵する」結果が得られると理解されるであろう。
【0084】
図21及び
図22は、出願人の研究結果をサポートする結果のいくつかを示すグラフである。具体的には、
図21及び22はそれぞれ、本明細書に記載のシステム及び方法、並びに従来の技術を使用して、二重特異性1分子を用いて実施されたrCEアッセイの結果を示すグラフである。図示するように、本明細書に記載のシステム及び方法を使用し、二重特異性1分子を用いて実施されたrCEアッセイは、15.450のピークA値及び19.658のピークB値を生じ、一方、従来の技術を使用し、二重特異性1分子を用いて実施されたrCEアッセイは、15.183のピークA値及び19.458のピークB値を生じた。
【0085】
本開示を実施するために本発明者が知る最良のモードを含む本開示の好適な実施形態が本明細書に記載されている。本明細書中に多くの例が示され、説明されているが、当業者であれば、各種実施形態の詳細は相互排他的である必要はないことは容易に理解するであろう。それどころか、本明細書の教示を読めば、当業者は、一実施形態の1つ以上の特徴を残りの実施形態の1つ以上の特徴と組み合わせることができるであろう。さらに、図示した実施形態は単なる例示であり、本開示の範囲を限定するものと解釈すべきでないことも理解するであろう。本明細書に記載される全ての方法は、本明細書に別段の指示がない限り又は文脈と明確に矛盾しない限り、任意の適切な順序で実施することができる。本明細書に記載される一切の例又は例示的な語(例えば、「などの」)の使用は、本開示の例示的実施形態の態様又は実施形態をより明らかにすることを単に意図したものであり、本開示の範囲を限定するものではない。明細書中のいずれの語も、任意の請求されない要素を本開示の実施に必須であるものとして示すと解釈されるべきではない。
【配列表】
【手続補正書】
【提出日】2024-05-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)分子を含む試料を第1のバイアルから試料ループに移動させる工程と;
(b)一定量の前記試料を前記試料ループから第1のマルチポートバルブに移動させる工程と;
(c)前記一定量の試料を、前記第1のマルチポートバルブから、前記第1のマルチポートバルブに流体連結され、且つ前記第1のマルチポートバルブの下流に配置された第2のマルチポートバルブに移動させる工程と;
(d)前記一定量の試料を第2のマルチポートバルブから捕捉カラムに移動させる工程と;
(e)前記一定量の試料中の前記分子を前記捕捉カラムに捕捉させ、それによって前記試料中の前記分子を前記試料のマトリックスから分離する工程と;
(f)グリコシダーゼを含む溶液を前記捕捉カラムに第2のマルチポートバルブを介して移動させ、前記結合した分子からグリカンを放出させる工程と;
(g)前記放出されたグリカンを前記捕捉カラムから、前記捕捉カラムの下流に配置された第2のバイアルに移動させる工程であって、前記第2のバイアルは、フロースルーバイアルを含む、工程と;
(h)前記放出されたグリカンをグリカン標識試薬と前記第2のバイアル内で混合する工程と;
(i)前記放出されたグリカンと前記グリカン標識試薬との混合物を前記第1のマルチポートバルブを介して反応コイルに移動させる工程と;
(j)前記放出されたグリカンと前記グリカン標識試薬との混合物を反応コイル内でインキュベートし、それによって前記グリカンを標識する工程と;
(k)前記混合物を前記反応コイルから第3のバイアルに移動させる工程であって、前記第3のバイアルは、フロースルーバイアルを含む、移動させる工程と;
(l)前記標識グリカンの分析のために、前記第3のバイアル内の前記標識されたグリカンを分析デバイスに移動させる工程と
を含む方法。
【請求項2】
(h)は、前記グリカンを前記グリカン標識試薬で蛍光標識することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記反応コイルを所定のインキュベーション温度に維持することをさらに含み、前記所定の温度は、摂氏約80度を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
(a)は、前記試料を前記第1のバイアルから前記試料ループに針で自動的に移動させることを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
(a)の前に、前記試料を前記第1のバイアル内に自動的に入れることをさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
(a)~(h)の1つ以上は、コントローラを使用して自動的に実施され、(a)~(h)は、閉鎖システム内で実施される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
分子を含む試料を収容するようになされた第1のバイアルと;
前記第1のバイアルから前記試料を受容するようになされた試料ループと;
前記試料ループに流体連結され、第1のマルチポートバルブの第1のポートを介して一定量の前記試料を得るように配置された第1のマルチポートバルブと;
前記第1のマルチポートバルブに流体連結され、且つ前記第1のマルチポートバルブの下流に配置された第2のマルチポートバルブと;
前記第2のマルチポートバルブが第1の位置にあるときに、前記第2のマルチポートバルブに流体連結されるように配置され、前記試料から前記分子を捕捉するように構成された捕捉カラムと;
前記捕捉カラムの下流に配置され、フロースルーバイアルであり、且つグリカン標識試薬を含む第2のバイアルと;
前記捕捉カラムに結合した前記分子がグリコシダーゼに入り込むように、前記捕捉カラムに前記第2のマルチポートバルブを介して前記グリコシダーゼを供給するように配置されたグリコシダーゼ供給源と;
前記捕捉カラムに前記第2のマルチポートバルブを介してキャリア溶液を供給するように配置されたキャリア溶液供給源であって、前記キャリア溶液は前記捕捉カラムからグリカンを放出させ、前記第2のバイアルに運ぶようになされたキャリア溶液供給源と;
前記放出されたグリカンと前記グルカン標識試薬との混合物を前記第2のバイアルから前記第1のマルチポートバルブを介して受容するように配置され、前記放出されたグリカンと前記グルカン標識試薬との混合物をインキュベートして前記グリカンを標識するように構成された反応コイルと;
前記標識されたグリカン及び前記グリカン標識試薬を受容するために、前記反応コイルの下流に配置された第3のバイアルと
を含む閉鎖システム。
【請求項8】
前記試料を前記第1のバイアルから自動的に取り出し、前記試料を前記試料ループに入れるように構成された針をさらに含む、請求項7に記載の閉鎖システム。
【請求項9】
前記反応コイルに直接隣接して位置決めされた加熱要素をさらに含み、前記加熱要素は、前記反応コイルを摂氏約80度の温度に維持するように構成されている、請求項7又は8に記載の閉鎖システム。
【請求項10】
前記グルコシダーゼは、エンドグリコシダーゼ、グリコサミダーゼ、及びO-グリカナーゼ、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法又は請求項7~9のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項11】
前記グリカン標識試薬はフルオロフォア又は発色団である、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法又は請求項7~10のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項12】
前記分子が、ポリペプチドを含み、前記捕捉カラムが、ポリペプチド結合カラムである、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法又は請求項7~11のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項13】
前記ポリペプチド結合カラムは、プロテインAカラム、プロテインGカラム、プロテインA/Gカラム、プロテインLカラム、アミノ酸カラム、アビジンカラム、ストレプトアビジンカラム、炭水化物結合カラム、炭水化物カラム、グルタチオンカラム、ヘパリンカラム、疎水性相互作用カラム、イムノアフィニティカラム、ヌクレオチド/補酵素カラム、特殊カラム、及び固定化金属アフィニティクロマトグラフィ(IMAC)カラムからなる群から選択される、請求項12に記載の方法又は閉鎖システム。
【請求項14】
前記フロースルーバイアルは、ベースと、前記ベースに連結され、且つ前記ベースから外向きに延びるガターと、前記ベースに形成された入口ポートと、前記ガターに形成された出口ポートとを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法又は請求項7~13のいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項15】
前記第3のバイアルはまた、前記第3のバイアルからグリカン標識試薬を実質的に濾過し、それによって第3のバイアル中に標識されたグリカンのみを実質的に残すように構成されたフロースルーバイアルである、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法又は請求項7~14のいずれか一項に記載の閉鎖システム。