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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024105397
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】ヘアケア機器用アタッチメント
(51)【国際特許分類】
   A45D 20/12 20060101AFI20240730BHJP
【FI】
A45D20/12 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024074420
(22)【出願日】2024-05-01
(62)【分割の表示】P 2023517992の分割
【原出願日】2021-09-03
(31)【優先権主張番号】2014730.2
(32)【優先日】2020-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】500024469
【氏名又は名称】ダイソン・テクノロジー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100221899
【弁理士】
【氏名又は名称】高倉 みゆき
(72)【発明者】
【氏名】ロバート マーク ブレット クールトン
(72)【発明者】
【氏名】マーティン エドワード キーン
(72)【発明者】
【氏名】ピーター ダブス
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ヘアケア機器用アタッチメントが記載されている。
【解決手段】アタッチメントは、空気流を受け入れる入口と、空気流が放出される複数の出口(113a、113b)と、を備える。アタッチメントは、第1の位置と第2の位置との間で移動可能な1つ以上の部材(140)を更に備える。部材が第1の位置にあるとき、空気流は出口から時計回り方向に放出され、部材が第2の位置にあるとき、空気流は出口から反時計回り方向に放出される。
【選択図】図7(a)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気流を受ける入口と、
前記空気流が放出される複数の出口と、
第1の位置と第2の位置との間で移動可能な1つ以上の部材と、を備えるヘアケア機器
用アタッチメントであって、
前記部材が前記第1の位置にあるとき、前記空気流は前記出口から時計回り方向に放出
され、
前記部材が前記第2の位置にあるとき、前記空気流は前記出口から反時計回り方向に放
出される、アタッチメント。
【請求項2】
前記出口は、前記空気流が時計回り方向に放出される第1の出口と、前記空気流が反時
計回り方向に放出される第2の出口と、を備え、
前記部材は、前記第1の位置にあるときに前記第2の出口への前記空気流を閉塞し、
前記部材は、前記第2の位置にあるときに前記第1の出口への前記空気流を閉塞する、
請求項1に記載のアタッチメント。
【請求項3】
前記部材の各々は、前記第1の位置と前記第2の位置との間で回転する、請求項1に記
載のアタッチメント。
【請求項4】
前記部材の各々は、異なるそれぞれの軸線を中心として回転する、請求項3に記載のア
タッチメント。
【請求項5】
各出口は、前記アタッチメントの長さに実質的に沿って延びるスロットを含む、請求項
1~4のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項6】
前記空気流は、各出口から、前記アタッチメントの外面に対して実質的に接線方向に放
出される、請求項1~5のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項7】
各出口から放出される前記空気流は、前記アタッチメントの外面に引き寄せられる、請
求項1~6のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項8】
前記アタッチメントは、略円筒形状である、請求項1~7のいずれか一項に記載のアタ
ッチメント。
【請求項9】
前記アタッチメントは、長手方向軸線を有し、
各出口は、前記長手方向軸線に平行に延びるスロットを含む、請求項1~8のいずれか
一項に記載のアタッチメント。
【請求項10】
前記アタッチメントは、内側スリーブと外側スリーブとを備え、
前記内側スリーブは、複数の開口部を含み、
前記外側スリーブは、複数の第1の開口部と複数の第2の開口部とを含み、
前記部材は、前記内側スリーブと前記外側スリーブの一方であり、前記内側スリーブと
前記外側スリーブの他方に対して回転し、
前記部材が前記第1の位置にあるとき、前記内側スリーブの前記開口部は前記外側スリ
ーブの前記第1の開口部と整列し、前記空気流が時計回り方向に放出され、
前記部材が前記第2の位置にあるとき、前記内側スリーブの前記開口部は前記外側スリ
ーブの前記第2の開口部と整列し、前記空気流が反時計回り方向に放出される、請求項1
~9のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項11】
各可動部材がルーバを備え、
前記アタッチメントは、複数のカラムを備え、
各ルーバは、前記第1の位置にあるときに第1のカラムに接触し、前記第2の位置にあ
るときに異なる第2のカラムに接触する、請求項1~9のいずれか一項に記載のアタッチ
メント。
【請求項12】
各ルーバは、前記第1の位置にあるとき、前記ルーバの第1の縁部に沿って前記第1の
カラムに接触し、前記ルーバの第2の縁部に沿って第1の出口が作られ、
各ルーバは、前記第2の位置にあるとき、前記第2の縁部に沿って前記第2のカラムに
接触し、前記第1の縁部に沿って第2の出口が作られ、
前記空気流は、前記第1の出口から時計回り方向に放出され、
前記空気流は、前記第2の出口から反時計回り方向に放出される、請求項11に記載の
アタッチメント。
【請求項13】
前記アタッチメントは、前記部材を前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動させ
るユーザ作動式セレクタを備える、請求項1~12のいずれか一項に記載のアタッチメン
ト。
【請求項14】
前記セレクタは、回転して前記部材を前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動さ
せるダイヤルを備える、請求項13に記載のアタッチメント。
【請求項15】
前記セレクタは、ラッチされ、前記部材の前記第1の位置と前記第2の位置に対応する
2つの安定位置を有する、請求項13又は14に記載のアタッチメント。
【請求項16】
空気流を発生させる送風機と、
前記空気流が放出される複数の出口と、
第1の位置と第2の位置との間で移動可能な1つ以上の部材と、を備えるヘアケア機器
であって、
前記部材が前記第1の位置にあるとき、前記空気流は前記出口から時計回り方向に放出
され、
前記部材が前記第2の位置にあるとき、前記空気流は前記出口から反時計回り方向に放
出される、ヘアケア機器。
【請求項17】
前記出口は、前記空気流が時計回り方向に放出される第1の出口と、前記空気流が反時
計回り方向に放出される第2の出口と、を備え、
前記部材は、前記第1の位置にあるときに前記第2の出口への空気流を閉塞し、
前記部材は、前記第2の位置にあるときに前記第1の出口への空気流を閉塞する、請求
項16に記載のヘアケア機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘアケア機器用アタッチメント、及び当該アタッチメントを備えるヘアケア
機器に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘアケア機器は、髪を巻き付けてカールを作るアタッチメントを備えることがある。髪
がアタッチメントの周りに巻き付くのを促すために、アタッチメントから空気が放出され
ることがある。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、ヘアケア機器用アタッチメントを提供する。アタッチメントは、空気流を受
け入れる入口と、空気流が放出される複数の出口と、第1の位置と第2の位置との間で移
動可能な1つ以上の部材と、を備え、部材が第1の位置にあるとき、空気流は出口から時
計回り方向に放出され、部材が第2の位置にあるとき、空気流は出口から反時計回り方向
に放出される。
【0004】
出口は、空気流が時計回り方向に放出される第1の出口と、空気流が反時計回り方向に
放出される第2の出口と、を備えてもよく、部材は、第1の位置にあるときに第2の出口
への空気流を閉塞し、第2の位置にあるときに第1の出口への空気流を閉塞してもよい。
【0005】
部材の各々は、第1の位置と第2の位置との間で回転してもよい。
【0006】
部材の各々は、異なるそれぞれの軸線を中心として回転してもよい。
【0007】
各出口は、アタッチメントの長さに実質的に沿って延びるスロットを含んでもよい。
【0008】
空気流は、各出口から、アタッチメントの外面に対して実質的に接線方向に放出されて
もよい。
【0009】
各出口から放出される空気流は、アタッチメントの外面に引き寄せられてもよい。
【0010】
アタッチメントは、略円筒形状であってもよい。
【0011】
アタッチメントは、長手方向軸線を有してもよく、各出口は、長手方向軸線に平行に延
びるスロットを含んでもよい。
【0012】
アタッチメントは、内側スリーブと外側スリーブとを備えてもよく、内側スリーブは、
複数の開口部を含んでもよく、外側スリーブは、複数の第1の開口部と複数の第2の開口
部とを含んでもよい。次いで、部材は、内側スリーブと外側スリーブの一方であり、内側
スリーブと外側スリーブの他方に対して回転する。部材が第1の位置にあるとき、内側ス
リーブの開口部は外側スリーブの第1の開口部と整列し、空気流が時計回り方向に放出さ
れる。部材が第2の位置にあるとき、内側スリーブの開口部は外側スリーブの第2の開口
部と整列し、空気流が反時計回り方向に放出される。
【0013】
各可動部材がルーバを備え、アタッチメントは、複数のカラムを備えてもよい。次いで
、各ルーバは、第1の位置にあるときに第1のカラムに接触し、第2の位置にあるときに
異なる第2のカラムに接触する。
【0014】
各ルーバは、第1の位置にあるとき、ルーバの第1の縁部に沿って第1のカラムに接触
してもよく、ルーバの第2の縁部に沿って第1の出口が作られてもよい。各ルーバは、第
2の位置にあるとき、第2の縁部に沿って第2のカラムに追加的に接触してもよく、第1
の縁部に沿って第2の出口が作られてもよい。次いで、空気流は、第1の出口から時計回
り方向に放出され、空気流は、第2の出口から反時計回り方向に放出される。
【0015】
アタッチメントは、部材を第1の位置と第2の位置との間で移動させるユーザ作動式セ
レクタを備えてもよい。
【0016】
セレクタは、回転して部材を第1の位置と第2の位置との間で移動させるダイヤルを備
えてもよい。
【0017】
セレクタは、ラッチされてもよく、部材の第1の位置と第2の位置に対応する2つの安
定位置を有してもよい。
【0018】
本発明は、ヘアケア機器を更に提供する。ヘアケア機器は、空気流を発生させる送風機
と、空気流が放出される複数の出口と、第1の位置と第2の位置との間で移動可能な1つ
以上の部材と、を備え、部材が第1の位置にあるとき、空気流は出口から時計回り方向に
放出され、部材が第2の位置にあるとき、空気流は出口から反時計回り方向に放出される
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】ヘアケア機器を示す。
図2】ヘアケア機器のハンドルユニットを通る簡略断面図である。
図3】ハンドルユニットの電子部品のブロック図である。
図4】ヘアケア機器のアタッチメントの分解図である。
図5】アタッチメントの側面図である。
図6】アタッチメントを通る垂直断面図である。
図7】アタッチメントが(a)時計回り方向、又は(b)反時計回り方向に空気流を放出するように構成されている、アタッチメントを通る水平断面図である。
図8】ユーザがアタッチメントの構成を変更する様子を示す。
図9】第2のアタッチメントの斜視図である。
図10】第2のアタッチメントの分解図である。
図11】アタッチメントが(a)時計回り方向、又は(b)反時計回り方向に空気流を放出するように構成されている、第2のアタッチメントを通る水平断面図である。
図12】アタッチメントが(a)時計回り方向、又は(b)反時計回り方向に空気流を放出するように構成されている、第3のアタッチメントを通る水平断面図である。
図13】アタッチメントが(a)時計回り方向、又は(b)反時計回り方向に空気流を放出するように構成されている、第4のアタッチメントを通る水平断面図である。
図14】アタッチメントが(a)時計回り方向、又は(b)反時計回り方向に空気流を放出するように構成されている、第5のアタッチメントを通る水平断面図である。
図15】アタッチメントが(a)時計回り方向、又は(b)反時計回り方向に空気流を放出するように構成されている、第6のアタッチメントを通る水平断面図である。
図16図9の第2のアタッチメントの下部を通る水平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ここで、添付の図面を参照して、実施形態を一例として説明する。
【0021】
図1図3のヘアケア機器10は、ハンドルユニット20と、ハンドルユニット20に
取り外し可能に取り付け可能なアタッチメント100と、を備える。
【0022】
ハンドルユニット20は、ハウジング30と、送風機40と、加熱器50と、制御ユニ
ット60と、を備える。
【0023】
ハウジング30は、管形状であり、送風機40によって空気流がハウジング30に引き
込まれる入口31と、空気流がハウジング30から放出される出口32と、を備える。送
風機40は、ハウジング30内に収容され、電動機42によって駆動されるファン41を
備える。加熱器50もハウジング30内に収容され、空気流を任意に加熱する発熱体51
を備える。
【0024】
制御ユニット60は、ユーザ制御部61と、制御モジュール62と、を備える。
【0025】
ユーザ制御部61は、ハウジング30の表面に設けられ、ヘアケア機器10の電源のオ
ン/オフ、流量(例えば、高、中、低)の選択、及び気温(例えば、熱、温、冷)の選択
に使用される。この例では、ユーザ制御部61の各々はスライドスイッチを備える。しか
し、ボタン、ダイヤル又はタッチスクリーン等の他の形態のユーザ制御部が使用されても
よい。
【0026】
制御モジュール62は、ユーザ制御部61からの入力に応答して、送風機40と加熱器
50を制御する役割を果たす。例えば、ユーザ制御部からの入力に応答して、制御モジュ
ール62は、空気流の流量を調節するために送風機40の電力又は速度を制御し、空気流
の温度を調節するために加熱器50の電力を制御してもよい。
【0027】
ここで図4図8を参照すると、アタッチメント100は、バレル110とダイヤル1
20とを備える。
【0028】
バレル110は円筒形状であり、一方の端部が開き、他方の端部が閉じている。開放端
部は、バレル110の内部112への入口111として機能する。バレルの側部の周りに
は、複数の出口113が形成されている。各出口113はバレル110の長さに沿って延
びるスロットを含み、出口113は、バレル110の長手方向軸線114の周りで均等に
離間している。
【0029】
バレル110は、内側スリーブ140と、外側スリーブ150と、複数のスラット16
0と、を備える。内側スリーブ140と外側スリーブ150は、それぞれ円筒形状である
。内側スリーブ140は、外側スリーブ150内に収まっており、内側スリーブ140の
長さに沿って延びる複数のスロット141を含む。図示の特定の例では、内側スリーブ1
40は、5つのスロット141を含む。
【0030】
外側スリーブ150は、外側スリーブ150の長さに沿って延びるカラムに配置された
複数の開口部151を含む。より具体的には、開口部151は、外側スリーブ150の周
りで均等に離間したカラム152、153のペアに配置されている。再び、図示の特定の
例では、外側スリーブ150は、5つのカラム152、153のペアを備える。カラム1
52、153の各ペアは、スパイン154によって分離されている。
【0031】
スラット160の各々は、例えばスナップ嵌めによって、外側スリーブ150のスパイ
ン154のうちの1つに取り付けられている。各スラット160は、スパイン154の両
側に延在し、開口部のカラム152、153の各々の上に重なっている。スラット160
の縁部は、外側スリーブ150から半径方向に離間して、スラット160と外側スリーブ
150との間に、バレル110の長さに沿って延びる2つのスロット113a、113b
を形成する。スロット113a、113bの各々は、バレル110の出口113を画定す
る。
【0032】
内側スリーブ140は、外側スリーブ150に対して移動可能である。より具体的には
、内側スリーブ140は、バレル110の長手方向軸線114を中心として外側スリーブ
150に対して回転する。内側スリーブ140は、第1の位置と第2の位置との間で移動
可能である。図7(a)に示す第1の位置では、内側スリーブ140のスロット141の
各々が、外側スリーブ140の第1の開口部のカラム152に位置合わせされている。図
7(b)の第2の位置では、内側スリーブ140のスロット141の各々は、外側スリー
ブ140の第2の開口部のカラム153に位置合わせされている。
【0033】
使用中、アタッチメント100がハンドルユニット20に取り付けられると、ハンドル
ユニット20によって生成された空気流が、入口111を介してバレル110の内部11
2に入る。そこから、空気流は、内側スリーブ140のスロット141を通って半径方向
外向きに移動する。次いで、空気流は、外側スリーブ150の開口部151を通過する。
より具体的には、空気流は、内側スリーブ140の位置に応じて、外側スリーブ150の
第1の開口部のカラム152又は第2の開口部のカラム153のいずれかを通過する。内
側スリーブ140が第1の位置にあるとき(図7(a))、空気流は、各第1の開口部の
カラム152を通過する。次いで、空気流は、スラット160によって時計回り方向に向
きを変える。その結果、空気流は、バレル110から時計回り方向に放出される。内側ス
リーブ150が第2の位置にあるとき(図7(b))、空気流は、各第2の開口部のカラ
ム153を通過する。次いで、空気流は、スラット160によって反時計回り方向に向き
を変え、そして、空気流は、バレル110から反時計回り方向に放出される。したがって
、内側スリーブ150の位置を変更することで、バレル110から放出される空気流の方
向を時計回りから反時計回りに変更することができる。
【0034】
バレル110の頂部にはダイヤル120が設けられ、(この例ではねじ170によって
)内側スリーブ140に取り付けられている。ダイヤル120を使用して、内側スリーブ
140を第1の位置と第2の位置との間で移動させることができる。例えば図8に示すよ
うに、ユーザは、ダイヤル120を握ってねじるか、又は回転させて、内側スリーブを2
つの位置の間で移動させてもよい。その結果、ユーザは、バレル110から空気流が放出
される方向を変更することができる。より具体的には、ユーザは、空気流が時計回り方向
に放出されるか反時計回り方向に放出されるかを選択することができる。
【0035】
上述したヘアケア機器10によれば、ユーザは、アタッチメント100から放出される
空気流の方向を変更することができる。特に、アタッチメント100の頂部にあるダイヤ
ル120を回転させることによって、ユーザは、時計回り又は反時計回りのいずれかの空
気流を選択することができる。したがって、アタッチメントを切り替える又は変更するこ
となく、空気流の方向を変更し得る。
【0036】
出口113から放出された空気流は、コアンダ効果によってバレル110の曲面に引き
寄せられる。その結果、アタッチメント100に提示された毛髪は、バレル110に引き
寄せられて周りに巻き付く。したがって、ヘアケア機器10を使用して髪をカールさせる
ことができ、カールの方向は、空気流の方向によって決定される。時計回り及び反時計回
りの空気流の両方を送ることができる単一のアタッチメント100を提供することによっ
て、ユーザは、カールが形成される方向を迅速かつ便利に変更することができる。
【0037】
空気流の方向の変更は、外側スリーブ150に対する内側スリーブ140の移動によっ
てもたらされる。しかし以下に説明するように、空気流の方向の変更は、他の手段によっ
てもたらされてもよい。
【0038】
図9図11は、図4図7のアタッチメントと同様にバレル210とダイヤル220
とを備える、更なるアタッチメント200を示す。
【0039】
バレル210は再び、略円筒形状であり、一方の端部が開き、他方の端部が閉じている
。開放端部は、バレル210の内部212への入口211として機能し、バレル210の
側部に沿って複数の出口213が形成されている。各出口213はスロットを含み、出口
213は、バレル210の長手方向軸線の周りで均等に離間している。
【0040】
バレル210は、内側スリーブ240と、複数のルーバ250と、ノブ260と、を備
える。
【0041】
内側スリーブ240は、略円筒形状であり、下端部が開き、上端部が閉じている。スリ
ーブ240の長さに沿って複数のスロット241が延びている。スロット241は比較的
広く、したがって、内側スリーブ240は、スリーブ240の底部から頂部まで上向きに
延在するカラム242を有すると考えてもよい。図示の特定の例では、内側スリーブは、
5つのスロット241と、5つのカラム242と、を備える。
【0042】
ルーバ250の各々は、内側スリーブ240のそれぞれのスロット241を覆っている
。各ルーバ250の上端部は、内側スリーブ240の頂部に枢動可能に取り付けられてい
る。各ルーバの下端部は、ダイヤル220のスロット221内に受け入れられるピン又は
脚部251を備える。ルーバ250の各々は、第1の位置と第2の位置との間で枢動する
。各ルーバ250の枢動点は、バレル210の長手方向軸線214からオフセットされて
いる。これはおそらく図10で最もよく理解でき、この図では、各ルーバ250は中心か
らオフセットされた位置243で内側スリーブ240に枢動可能に接続されていることが
分かる。結果として、図11(a)に示すように、第1の位置にあるとき、各ルーバ25
0は、ルーバ250の第1の縁部250aに沿ってスリーブ240の第1のカラム242
aに接触する。次いで、ルーバ250と内側スリーブ240との間に、ルーバ250の第
2の縁部250bに沿って隙間又はスロット213aが作られる。図11(b)に示すよ
うに、第2の位置にあるとき、各ルーバ250は、ルーバ250の第2の縁部250bに
沿ってスリーブ240の第2のカラム242bに接触し、ルーバ250と内側スリーブ2
40との間に、第1の縁部250aに沿って隙間又はスロット213bが作られる。スロ
ット213a、213bの各々は、バレル210の出口213を画定する。図11から分
かるように、ルーバ250が第1の位置(図11(a))にあるとき、空気流はバレル2
10から時計回り方向に放出され、ルーバ250が第2の位置(図11(b))にあると
き、空気流は反時計回り方向に放出される。
【0043】
各カラム242は封止要素を備えてもよく、封止要素は、ルーバ250が第1の位置に
あるときにルーバ250の第1の縁部250aと係合し、ルーバ250が第2の位置にあ
るときにルーバ250の第2の縁部250bと係合する。その結果、ルーバ250の縁部
250a、250bとカラム242との間から空気流が漏れることが抑制される。封止要
素は、圧縮可能な材料を含んでもよく、これにより、封止要素が変形して、カラム242
とルーバ250との間に効果的なシールを提供することができる。
【0044】
ルーバ250の各々は、ルーバ250の内面の周りに円周方向に延在するベーン252
を備える。空気流がバレル210の入口211から出口213の各々に移動すると、ベー
ン252は空気流を略垂直方向(すなわちバレルの長手方向軸線に平行)から略水平方向
(すなわちバレルの長手方向軸線に垂直)へ向きを変える。その結果、空気流は出口21
3から略円周方向に放出される。これにより、空気流がバレル210の周りにより良く巻
き付くよう促される。
【0045】
ダイヤル220は、内側スリーブ240の底部を取り囲む星型ホイールに似ている。ダ
イヤル220は、ルーバ250の脚部251が受け入れられるスロット221を含む。ダ
イヤル220は、内側スリーブ250に対して回転可能である。より具体的には、ダイヤ
ル220は、バレル210の長手方向軸線を中心として回転可能である。ダイヤル220
を時計回り及び反時計回りに回転させると、ルーバ250の各々が第1の位置と第2の位
置との間で枢動する。結果として、ダイヤル220を使用して、空気流がバレル210か
ら放出される方向を変更することができる。
【0046】
ノブ260は、内側スリーブ240の頂部に取り付けられ、バレル210内を移動する
空気流から隔離されている。したがって、ノブ260は、バレル210の比較的冷たい領
域を提供し、ユーザがヘアケア機器10を操作するときに握ることができる。
【0047】
上述したアタッチメント100、200は、空気流の方向を異なる方法で変化させる。
しかしながら、それぞれに共通するのは、第1の位置と第2の位置との間を移動する部材
(例えば、図4図7の内側スリーブ140又は図9図11のルーバ250)の存在で
ある。次いで、部材が第1の位置にあるとき、空気流はアタッチメントから時計回り方向
に放出され、部材が第2の位置にあるとき、空気流は反時計回り方向に放出される。また
、アタッチメント100、200の各々は、空気流が時計回り方向に放出される第1の出
口113a、213aと、空気流が反時計回り方向に放出される第2の出口113b、2
13bと、を有しているといえる。次いで、部材140、250は、第1の位置にあると
きに第2の出口113b、213bへの空気流を閉塞し、第2の位置にあるときに第1の
出口113a、213aへの空気流を閉塞する。例えば、図4図7のアタッチメント1
00では、バレル110は、スラット160と外側スリーブ150との間に形成された第
1の出口113aと第2の出口113bとを有しているといえる。空気流は第1の出口1
13aを通って時計回り方向に放出され(図7(a))、第2の出口113bを通って反
時計回り方向に放出される(図7(b))。内側スリーブ150(すなわち部材)は、ス
リーブ150が第2の出口113bへの空気流の経路を閉塞する第1の位置(図7(a)
)から、スリーブ150が第1の出口113aへの空気流の経路を閉塞する第2の位置(
図7(b))まで移動可能である。
【0048】
図12図15は、空気流の方向を変更する更なる構成を示す。図12は、バレル31
0が4つのセグメント320を備えるアタッチメント300の第3の構成を示す。各セグ
メント320は、バレル310の長手方向軸線からオフセットされた軸線325を中心と
して枢動する。各セグメント320は、第1の位置(図12(a))と第2の位置(図1
2(b))との間で枢動する。第1の位置では、セグメントの外壁321の第1の縁部が
隣接するセグメントの内壁322に当接し、外壁321の第2の縁部は別の隣接するセグ
メントの外壁を越えて半径方向に離間している。したがって、各セグメント320の一方
の側にはシールが形成され、他方の側には出口が形成される。4つのセグメント320は
一斉に枢動し、各セグメント320の同じ側に同時に出口が形成される。セグメント32
0が第1の位置にあるとき(図12(a))、空気流は、第1の出口313aから時計回
り方向に放出される。そして、セグメントが第2の位置にあるとき(図12(b))、空
気流は、第2の出口313bから反時計回り方向に放出される。
【0049】
図13は、バレル410がブレード421、422の4つのペアを備えるアタッチメン
ト400の第4の構成を示す。ブレード421、422の各ペアは、2つのブレードの中
間に位置する軸線423を中心として枢動する。ペアの各第1のブレード421は、弾性
要素430によって、隣接するペアの第2のブレード422の縁部に、縁部に沿って接続
されている。ブレードの4つのペアは、第1の位置(図13(a))と第2の位置(図1
3(b))との間で一斉に枢動する。第1の位置にあるとき、各ペアの第1のブレード4
21は外側にあり、各ペアの第2のブレード422は内側にある。逆に、第2の位置にあ
るとき、第1のブレード421は内側にあり、第2のブレード422は外側にある。図1
3に見られるように、ブレード421、422の各ペアは、第1の位置(図13(a))
から第2の位置(図13(b))に移動するとき、反時計回り方向に枢動する。第1の位
置にあるとき、弾性要素430は、各ブレードのペアの第1のブレード421の外側の周
りに伸張され、引っ張られる。次いで、空気流は、ブレードの各ペア間のチャネル424
を介して第1の出口413aから時計回り方向に放出される。第2の位置に移動されると
、弾性部材430は、代わりに、ブレードの各ペアの第2のブレード422の外側の周り
に伸張される。次いで、空気は、チャネル424を介して第2の出口413bから反時計
回り方向に放出される。
【0050】
図14は、バレル510が内側スリーブ520と、外側スリーブ530と、複数のカラ
ム540と、を備えるアタッチメント500の第5の構成を示す。各カラム540は、第
1の位置(図14(a))と第2の位置(図14(b))との間でそれぞれの中心を中心
として枢動又は回転する。内側スリーブ520と外側スリーブ530は、チャネル551
、552のペアを画定する。第1の位置にあるとき、各カラム540は、チャネルのペア
のうちの第1のチャネル551を開き、第2のチャネル552を閉じる。次いで、空気流
は、第1の出口513aを通って時計回り方向に放出される(図14(a))。第2の位
置にあるとき、各カラム540は、第1のチャネル551を閉じ、第2のチャネル552
を開く。次いで、空気流は、第2の出口513bを通って反時計回り方向に放出される(
図14(b))。5つのカラム540は全て一斉に移動するように配置され、空気流は、
バレル510の外面上で時計回り又は反時計回り方向に放出される。内側スリーブ520
を設けることにより、空気流は、出口から放出される前に円周方向に移動するよう促され
る。これにより、流出空気流のバレル510の表面への引き寄せ、すなわちコアンダ効果
が改善される。それにもかかわらず、内側スリーブ520を省略することも考えられる。
【0051】
図15は、バレル610が複数のカラム620と、複数の移動要素630と、を備える
アタッチメント600の第6の構成を示す。各移動要素630は、カラム620のペアの
間に位置決めされている。移動要素630は、第1の位置(図15(a))と第2の位置
図15(b))との間で、バレルの長手方向軸線を中心として集合的に回転する。各移
動要素630は、隣接するカラム間の円周方向の隙間よりも狭くなっている。その結果、
各移動要素630とカラム620との間に出口が作られる。より具体的には、移動要素6
30が第1の位置にあるとき(図15(a))、第1の出口613aが作られ、第1の出
口613aを通して空気流が時計回り方向に放出される。移動要素630が第2の位置に
あるとき(図15(b))、第2の出口613bが作られ、第2の出口613bを通して
空気流が反時計回り方向に放出される。
【0052】
上述した例では、各アタッチメントは、空気流が時計回り方向に放出される第1の構成
と、空気流が反時計回り方向に放出される第2の構成と、を有する。各構成内で、空気流
は、出口からバレルの外面に対して実質的に接線方向に放出される。その結果、出口から
放出された空気流は、コアンダ効果によって外面に引き寄せられる。これにより、アタッ
チメントに提示された毛髪がバレルに引き寄せられ、バレルの周りに巻き付くという利点
を有する。他の例では、アタッチメントは、空気流が出口からバレルの外面に対して接線
方向ではない方向に放出される追加の構成を有してもよい。例えば、アタッチメントは、
空気流が出口からバレルの外面に対して実質的に垂直な方向に放出される第3の構成を有
してもよい。これは、ユーザにディフューザタイプの選択肢を提供し、例えば、一旦髪が
巻き付けられ、ユーザが髪を乾かしたい場合に有用である場合がある。
【0053】
上述したアタッチメントは、各々、時計回り又は反時計回りの空気流を選択するダイヤ
ルを備える。アタッチメントの長手方向軸線を中心として回転するダイヤルを設けること
で、ユーザは、比較的直感的な方法で空気流の方向を変更することができる。特に、ユー
ザは、時計回り及び反時計回りの空気流をそれぞれ選択するために、タイヤルを時計回り
及び反時計回りに回転させることができる。前述の利点にもかかわらず、ヘアケア機器は
、時計回り又は反時計回りの空気流を選択するためにユーザが作動させ得る代替タイプの
セレクタを備えてもよい。
【0054】
ダイヤル又は他のユーザ作動セレクタは、ラッチされてもよく、可動部材の第1の位置
と第2の位置に対応する2つの安定位置を有してもよい。これにより、ヘアケア機器の使
用中に、ダイヤル、ひいては可動部材が誤って動かされる可能性が低くなるという利点を
有する。加えて、ダイヤルは、回転時に自動的に所定位置にラッチされるので、可動部材
が正しい位置にある可能性が高くなる。したがって、ユーザは、使用中にダイヤルを正確
に位置決めする必要がない。
【0055】
例として、図4図7のアタッチメント100のダイヤル120は、第1の位置にある
ときと第2の位置にあるときにロックされてもよい。ダイヤル120を第1の位置と第2
の位置との間で移動させるために、ダイヤル120をロック位置から解放するためにダイ
ヤル120を押し下げてもよい。ダイヤル120が押し下げられると、ダイヤルは、第1
の位置と第2の位置との間で回転してもよい。所定位置に来ると、ダイヤル120は解放
されてもよく、ダイヤル120は、例えば付勢ばねとガイド構成によって、自動的にガイ
ドされてロック位置に戻されてもよい。
【0056】
図16は、図9図11のアタッチメント200のダイヤル220がラッチ機構100
0を備える更なる例を示す。ラッチ機構1000は、U字型クリップ1002の上を摺動
するばね1004を備える。ダイヤル220上には、第1のピン1006aが位置してい
る。第1のピン1006aは、クリップ1002のU字型端部1002aとばね1004
の一方の端部との間に挟まれている。バレル210上には、別のピン1006bが位置し
ている。ピン1006bの周りのU字型クリップ1002スロットの2つの接続されてい
ない端部1002bと、ばねの別の端部とが、ピン1006bに対して付勢される。
【0057】
ダイヤル220が時計回りに回転すると、ピン1006a、1006bが互いに接近す
る。ばねは、クリップ1002によって2つのピン1006a、1006bの間に保持さ
れる。したがって、ばねは強制的に収縮させられる。ばねが収縮状態にあるとき、ラッチ
機構は、圧縮ばね1004に蓄積されたポテンシャルエネルギーがあるため不安定な状態
にある。圧縮ばね1004に蓄積された弾性ポテンシャルエネルギーは、ラッチ機構の安
定位置の1つ、すなわちばねが最も緩んだ位置に戻すよう力を加える。ラッチ機構100
0の第1の安定位置は、線Y-Yの右側である。線Y-Yを右から上に向かって、ラッチ
機構1000は、ルーバ250(すなわち可動部材)を、ルーバ250の第1の位置に相
当する第1の安定位置に向かって戻るよう促す。線Y-Yを越えて左に向かって、ラッチ
機構1000は、ルーバ250を第2の安定位置に向かって付勢する。このように、ダイ
ヤル220の回転時にラッチ機構がルーバ250を所定位置に自動的にスナップ留めする
ので、アタッチメント200は、使用中に正しい位置にある可能性がより高くなる。
【0058】
アタッチメントの各々は、ハンドルユニットに取り外し可能に取り付けられる。これに
より、ハンドルユニットは、スタイリングブラシ又はヘアドライヤーノズル等の他のタイ
プのアタッチメントと共に使用され得るという利点を有する。それにもかかわらず、ヘア
ケア機器は、ハンドルユニットに恒久的に取り付けられるアタッチメントを備えることも
考えられる。
【0059】
各スラットは、ブレードが第1の構成にあるときに各ブレードの第1の縁部と係合し、
ブレードが第2の構成にあるときに各ブレードの第2の縁部と係合するように構成された
封止要素を備えてもよい。これにより、ブレードの縁部とカラムとの間の隙間から流体が
漏れることが更に抑制される。
【0060】
封止要素は、圧縮可能材料を含んでもよい。これにより、封止要素がブレードの縁部を
受け入れるように変形して、シールを改善することができる。
【0061】
本発明は、上記の詳細な説明に限定されない。変形例は、当業者には明らかであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7(a)】
図7(b)】
図8
図9
図10
図11(a)】
図11(b)】
図12(a)】
図12(b)】
図13(a)】
図13(b)】
図14(a)】
図14(b)】
図15(a)】
図15(b)】
図16
【外国語明細書】