(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024105400
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】結合研磨剤及びその形成方法
(51)【国際特許分類】
B24D 3/00 20060101AFI20240730BHJP
B24D 11/00 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
B24D3/00 320A
B24D11/00 A
B24D3/00 330E
B24D3/00 330G
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024074493
(22)【出願日】2024-05-01
(62)【分割の表示】P 2022537538の分割
【原出願日】2020-12-18
(31)【優先権主張番号】62/952,200
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】391010770
【氏名又は名称】サンーゴバン アブレイシブズ,インコーポレイティド
(71)【出願人】
【識別番号】507169495
【氏名又は名称】サン-ゴバン アブラジフ
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブリチャルスキー、マーチン ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ヤミオラ、ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】シチョウラス、タイラー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】改善された方法及び切削が可能な研磨物品を提供する。
【解決手段】結合材料103内に含有される研磨粒子104を有する結合研磨体101を含む研磨物品100であって、研磨粒子104の少なくとも一部が多相アルミノシリカートを含む、研磨物品100。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
研磨物品であって、
結合材料内に含有される研磨粒子を含む結合研磨体を備え、
前記研磨粒子の少なくとも一部が多相アルミノシリカートを含む、
研磨物品。
【請求項2】
前記研磨粒子の総体積に対して、前記研磨粒子の少なくとも10体積%、又は少なくと
も20体積%、又は少なくとも30体積%、又は少なくとも40体積%、又は少なくとも
50体積%、又は少なくとも60体積%、又は少なくとも70体積%、又は少なくとも8
0体積%、又は少なくとも90体積%、又は少なくとも95体積%が多相アルミノシリカ
ートを含む、請求項1に記載の研磨物品。
【請求項3】
前記研磨粒子の99体積%以下、又は95体積%以下、又は90体積%以下、又は80
体積%以下、又は70体積%以下、又は60体積%以下、又は50体積%以下、又は40
体積%以下、又は30体積%以下、又は20体積%以下、又は10体積%以下が多相アル
ミノシリカートを含む、請求項1に記載の研磨物品。
【請求項4】
前記多相アルミノシリカートが、多結晶アルミノシリカートを含む第1の相及びアモル
ファス相を含む第2の相を含む、請求項1に記載の研磨物品。
【請求項5】
前記研磨粒子が、多相アルミノシリカートを含む研磨粒子の第1の群、並びに、酸化物
、炭化物、窒化物、ホウ化物、ダイヤモンド、又はそれらの任意の組合せからなる群から
選択される少なくとも1つの材料を含む研磨粒子の第2の群、を含むブレンドを含む、請
求項1に記載の研磨物品。
【請求項6】
前記研磨粒子の第2の群が、シリコンカーバイド、アルミナ、又はそれらの組合せから
なる群から選択される少なくとも1つの材料を含む、請求項5に記載の研磨物品。
【請求項7】
前記ブレンドが、少なくとも30体積%~80体積%以下の前記研磨剤の第2の群を含
む、請求項5に記載の研磨物品。
【請求項8】
前記多相アルミノシリカートが、前記多相アルミノシリカートの総質量に対して少なく
とも5質量%~99質量%以下の前記第1の相を含む、請求項4に記載の研磨物品。
【請求項9】
前記多相アルミノシリカートが、前記多相アルミノシリカートの総質量に対して少なく
とも5質量%~90質量%以下の前記第2の相を含む、請求項4に記載の研磨物品。
【請求項10】
少なくとも0.1~3.5以下の含有比(Cr=C1/C2)をさらに含み、ここでC
1が前記多相アルミノシリカート中の前記第1の相の質量パーセントであり、C2が前記
多相アルミノシリカート中の前記第2の相の質量パーセントである、請求項4に記載の研
磨物品。
【請求項11】
前記第2の相が、シリカを含むアモルファス相を含む、請求項4に記載の研磨物品。
【請求項12】
前記多相アルミノシリカートが、前記多相アルミノシリカートの総質量に対して65質
量%以下のアルミナ(Al2O3)、前記多相アルミノシリカートの総質量に対して少な
くとも30質量%のシリカ(SiO2)、又はそれらの組合せを含む、請求項1に記載の
研磨物品。
【請求項13】
前記多相アルミノシリカートが、少なくとも6.5GPa~12GPa以下の範囲内の
ビッカース硬さ、少なくとも2.5g/cm3~2.8g/cm3以下の範囲内の密度、
又はそれらの組合せを含む、請求項1に記載の研磨物品。
【請求項14】
前記研磨物品が、少なくとも1.5g/gの累積G比、少なくとも3g/分の累積材料
除去速度、又はそれらの組合せを含む、請求項1に記載の研磨物品。
【請求項15】
前記結合研磨体が、前記結合研磨体の総体積に対して少なくとも約6体積%~50体積
%以下の結合材料、前記結合研磨体の総体積に対して少なくとも30体積%~85体積%
以下の研磨粒子、及び前記結合研磨体の総体積に対して少なくとも8体積%~50体積%
以下の気孔を含む、請求項1に記載の研磨物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、研磨物品に関し、特に、多相アルミノシリカートを含む研磨粒子を含む結合
研磨物品に関する。
【0002】
研磨物品は、様々な業界において、切断、ラップ仕上げ、研削又は研磨によって工作物
を機械加工するために使用されている。機械加工用途に使用される研磨剤は、典型的には
、結合研磨物品及びコート研磨物品を含む。コート研磨物品は、一般に、バッキング及び
研磨粒子をバッキングに固定するための接着剤コートを有する層状物品であり、その最も
一般的な例はサンドペーパーである。結合研磨ツールは、様々な形状の剛性で、典型的に
は一体構造の三次元研磨複合材からなる。
【0003】
業界では、改善された方法及び切削が可能な物品が引き続き求められている。
【発明の概要】
【0004】
一態様では、研磨物品は、結合材料内に含有される研磨粒子を含む結合研磨体を含み、
研磨粒子の少なくとも一部は多相アルミノシリカートを含む。
【0005】
別の態様では、材料除去プロセスを実施する方法は、非鉄金属材料を含む工作物に対し
て結合研磨体を移動させることを含み、結合研磨体は結合材料内に含有された研磨粒子を
含み、研磨粒子の少なくとも一部は多相アルミノシリカートを含む。
【0006】
本開示は、添付の図面を参照することによって、より良く理解され、その多くの特徴及
び利点が当業者に対して明らかにされ得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】本明細書の実施形態による研磨微粒子の斜視図を含む。
【
図3】本明細書の実施形態による研磨微粒子の斜視図を含む。
【
図4】本明細書の実施形態による研磨微粒子の斜視図を含む。
【
図5】本明細書の実施形態による研磨微粒子の斜視図を含む。
【
図6】例1に示すサンプルのG比及びMRRのプロットを含む。
【
図7A】例2に示すサンプルのG比及びMRRのプロットを含む。
【
図8】例3に示すサンプルのG比及びMRRのプロットを含む。
【
図9】例4に示すサンプルのG比及びMRRのプロットを含む。
【
図10】例5に示すサンプルのG比及びMRRのプロットを含む。
【発明を実施するための形態】
【0008】
異なる図面中の同じ参照記号の使用は、類似又は同一のアイテムを示す。実施形態は例
として示され、添付図面に限定されない。当業者は、図の要素が簡単明瞭のために示され
、必ずしも一定の縮尺で描かれていないことを認識している。例えば、図面の要素のいく
つかの寸法は、本発明の実施形態の理解の向上を助けるために、他の要素に対して誇張さ
れている場合がある。
【0009】
図と組み合わせた以下の説明は、本明細書で開示する教示の理解を助けるために提供さ
れる。以下の議論は、特定の教示の実装及び実施形態に焦点を当てる。この焦点は、教示
の説明を助けるために提供され、教示の範囲又は適用性を制限するものとして解釈される
べきでない。しかし、本出願では、もちろんの他の教示を使用することができる。
【0010】
本明細書で使用する場合、「含む(comprises)」、「含む(compris
ing)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有す
る(has)」、「有する(having)」という用語又はその他の任意の変形は、非
排他的包含を含むものとする。例えば、特徴のリストを含む方法、物品又は装置は、それ
らの特徴だけに必ずしも限定されないが、そのような方法、物品又は装置に明示的に列挙
されない又は固有の他の特徴を含み得る。さらに、それとは反対に明示的に記述されない
限り、「又は」は、包括的論理和(or)を示し、排他的論理和(or)を示さない。例
えば、条件A又はBは、次のいずれか一項によって満足される:Aは真である(又は存在
する)及びBは偽である(又は存在しない)、Aは偽である(又は存在しない)及びBは
真である(又は存在する)、並びにA及びBの両方が真である(又は存在する)。
【0011】
また、「a」又は「an」の使用は、本明細書で説明される要素及び構成要素を説明す
るために用いられる。これは単に便宜のために、及び本発明の範囲の一般的な意味を与え
るために行われる。この説明は、1つ又は少なくとも1つを含むことが読み取られるべき
であり、別途それが意味していることが明確ではない限り、単数形は複数形も含むか、逆
もまた同様である。例えば、本明細書において単一の項目が説明される場合、1を超える
項目が、単一の項目の代わりに使用され得る。同様に、本明細書において1を超える項目
が説明される場合、単一の項目は、その1を超える項目に置換され得る。
【0012】
別途定義しない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語及び科学用語は、
本発明が属する分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。材料、
方法、及び例は例示に過ぎず、限定することを意図するものではない。特定の材料及び処
理行為に関する特定の詳細事項が記載されていない範囲で、そのような詳細事項は、製造
技術の範囲内の参考図書及び他の情報源に見出され得る、従来の手法を含み得る。以下は
、1803ナインについての記載である。
【0013】
以下は、結合研磨物品を対象とする。結合研磨物品は、結合材料の三次元マトリックス
を有する研磨体を含むことができる。結合研磨体は、研磨物品の所期の用途に依存しやす
い、任意の所望の形状を有することができる。結合研磨体は、ホイール、ディスク、セグ
メント、軸付砥石、ホーン及びその他の工具の形状の形態であり得て、研削又は研磨装置
などの機械加工装置に搭載することができる。本明細書の実施形態の研磨物品は、例えば
金属、金属合金、特に非鉄金属材料を含む、ある種の工作物の研削及び成形に特に有用で
あり得る。
【0014】
研磨物品は、最初に混合物を形成し、混合物を成形して未焼結体とすることによって形
成され得る。未焼結体は、未焼結体を最終的に形成された研磨物品に変換するための1つ
以上のプロセスに供され得る。いくつかの例において、形成プロセスは、自立した未焼結
体を形成する必要なしに、混合物から最終的に形成された研磨物品を直接形成し得る。未
焼結体を形成するプロセスは、所望の成分を混合物中で混合することを含むことができる
。例示的な成分としては、結合材料又は結合前駆体材料(即ち、加工中に物理的及び/又
は化学的に変換して、結合研磨体において最終結合材料を形成し得る材料)、研磨粒子、
充填剤、補強部材、レオロジー調整剤、サブトラクティブ剤(subtractive
agent)(例えば、細孔形成剤)などを挙げることができる。未焼結体及び最終形成
研磨物品を形成するための好適な方法は、混合、堆積、打ち抜き、スタンピング、印刷、
成形、鋳造、プレス(例えば、静水圧プレス)、加熱、冷却、乾燥、揮発、焼成、焼結、
又はその任意の組合せが挙げられ得る。
【0015】
図1は、一実施形態による研磨物品の一部の断面図である。
図1に示すように、研磨物
品100は、本体101を有することができる。本体101は、三次元マトリックスとし
て本体101の体積全体にわたって延在する結合材料103を含み得る。本体101は、
主に結合材料103によって画成される外面を有し得る。結合研磨体101は、結合材料
103内に含有される研磨粒子104をさらに含むことができる。研磨粒子104は、結
合材料103の三次元網目によって実質的に包囲され、三次元網目全体にわたって均一に
分布し得る。さらに、本体101は、本体101内に含有された気孔105を含み得る。
気孔は、開多孔又は閉気孔とすることができ、様々な形状を有し得る。さらに、
図1に示
すように、本体101は開口部106を含み得て、開口部106は、本体101の厚さ(
t)全体にわたって延在するアパーチャであってもよい。開口部106は、材料除去プロ
セスのために本体101を作動させるように構成されたシステムに本体101を搭載する
のに好適な寸法を有し得る。
【0016】
図1にさらに示すように、本体101は、第1の研磨層110、第2の研磨層112、
及び第1の研磨層110と第2の研磨層112との間に配置された補強層111を含み得
る。第1の研磨層110、第2の研磨層112及び補強層111などのそのような要素は
、研磨物品100の設計及び構造に応じて任意であることが認識される。ある実施形態で
は、本体101は、結合材料及び研磨粒子の単一一体構造体を含み得て、いずれの補強部
材も含まなくてもよいことが理解される。さらに、結合研磨体の所期の用途に応じて、研
磨層及び/又は1つ以上の補強部材の様々な構成が利用され得ることが認識される。
【0017】
特定の一態様では、研磨粒子104は、多相アルミノシリカートを含み得る。例えば、
一実施形態では、結合研磨体101は、研磨粒子中に特定の含有量の多相アルミノシリカ
ートを含み得て、これは結合研磨体101の性能の改善を促進し得る。例えば、一実施形
態では、研磨粒子の総体積に対して、研磨粒子104の少なくとも10体積%、例えば少
なくとも20体積%、又は少なくとも30体積%、又は少なくとも40体積%、又は少な
くとも50体積%、又は少なくとも60体積%、又は少なくとも70体積%、又は少なく
とも80体積%、又は少なくとも90体積%、又は少なくとも95体積%は、多相アルミ
ノシリカートを含む。さらに、別の非限定的な実施形態では、研磨粒子の99体積%以下
、例えば95体積%以下、又は90体積%以下、又は80体積%以下、又は70体積%以
下、又は60体積%以下、又は50体積%以下、又は40体積%以下、又は30体積%以
下、又は20体積%以下、又は10体積%以下は、多相アルミノシリカートを含み得る。
研磨粒子内の多相アルミノシリカートの含有量が、上記の最小及び最大パーセンテージの
いずれかを含む範囲内であり得ることが認識される。さらに、別の実施形態では、本質的
にすべて研磨粒子が多相アルミノシリカートを含み、より具体的には、研磨粒子のすべて
が多相アルミノシリカートから本質的になり得る。
【0018】
多相アルミノシリカートは、カオリン、特に低鉄含有量カオリンをか焼することによっ
て形成することができる。多相アルミノシリカートは、多結晶相及びアモルファス相を有
することができる。多結晶相は、ムライトなどのアルミノシリカート材料であることがで
きる。アモルファス相は、一般にシリカを含む、又はシリカからなる。多結晶相及びアモ
ルファス相の含有量は、カオリン原料の組成及びカオリンの加工によって変化し得る。多
相アルミノシリカートは、望ましい白色で焼成する傾向があるため、一般に磁器のグロッ
グ材料として使用される。また、インベストメント鋳造産業におけるコーティング材料と
しても使用される。例示的な多相アルミノシリカートは、モロカイト(商標)である。一
実施形態において、多相アルミノシリカートは、2を超える相を有し得る。さらに、別の
実施形態では、多相アルミノシリカートは、多結晶アルミノシリカート相及びアモルファ
スシリカ相の2つの相のみからなり得る。
【0019】
別の実施形態では、研磨粒子104は、多相アルミノシリカートを含む研磨粒子の第1
の群と、酸化物、炭化物、窒化物、ホウ化物、ダイヤモンド、又はそれらの任意の組合せ
の群からの少なくとも1つの材料を含む研磨粒子の第2の群とを含むブレンドを含み得る
。例えば、1つの特定の物体において、研磨粒子の第2の群は、シリコンカーバイド、ア
ルミナ、又はそれらの組合せを含み得る。さらに、別の実施形態では、第2の群の研磨粒
子は凝集粒子を含み得る。さらに、他の実施形態では、研磨粒子の第2の群は、未凝集粒
子を含み得る。
【0020】
少なくとも1つの態様では、多相アルミノシリカートを含む研磨粒子の一部は、多相ア
ルミノシリカートを含む凝集体、例えば本質的に多相アルミノシリカートからなる凝集体
であり得る。さらに、別の実施形態では、多相アルミノシリカートを含む研磨粒子の一部
は、多相アルミノシリカートを含む未凝集粒子、より具体的には、多相アルミノシリカー
トから本質的になる未凝集粒子を含み得る。
【0021】
ブレンドは、研磨物品の性能の改善を促進し得る研磨粒子の第1の群及び研磨粒子の第
2の群の特定の含有量を含み得る。例えば、ブレンドは、少なくとも20体積%、少なく
とも10体積%、例えば少なくとも30体積%、又は少なくとも40体積%、又は少なく
とも50体積%、又は少なくとも60体積%、又は少なくとも70体積%、又は少なくと
も80体積%、又は少なくとも90体積%、又は少なくとも95体積%の研磨粒子の第2
の群を含み得る。さらに、別の非限定的な実施形態では、ブレンドは、99体積%以下、
例えば95体積%以下、又は90体積%以下、又は80体積%以下、又は70体積%以下
、又は60体積%以下、又は50体積%以下、又は40体積%以下、又は30体積%以下
、又は20体積%以下、又は10体積%以下の研磨粒子の第2の群を含み得る。上記の最
小及び最大パーセンテージのいずれかを含む範囲内の研磨粒子の第2の群の含有量をブレ
ンドが含み得ることが認識される。ブレンドは2を超える研磨粒子の群を含み得て、任意
の数の異なる研磨粒子の群を使用して好適なブレンドを生成してもよいことも認識される
。
【0022】
別の態様では、研磨粒子は、性能の向上を促進し得る特定の組成及び微細構造を有する
ことができる。本明細書に記載するように、多相アルミノシリカートは、多結晶材料を含
む第1の相及びアモルファス材料を含む第2の相などの、2つの相を含むことができる。
多相アルミノシリカートは、第1の相のある含有量を含み得る。例えば、多相アルミノシ
リカートは、多相アルミノシリカートの総質量に対して少なくとも5質量%、例えば少な
くとも10質量%、又は少なくとも20質量%、又は少なくとも30質量%、又は少なく
とも40質量%、又は少なくとも50質量%、又は少なくとも55質量%、又は少なくと
も60質量%、又は少なくとも70質量%、又は少なくとも80質量%、又は少なくとも
90質量%、又は少なくとも95質量%の第1の相を含み得る。さらに、別の非限定的な
実施形態において、多相アルミノシリカートは、多相アルミノシリカートの総質量に対し
て99質量%以下、例えば98質量%以下、又は96質量%以下、又は94質量%以下、
又は90質量%以下、又は80質量%以下、又は70質量%以下、又は60質量%以下、
又は55質量%以下、又は50質量%以下、又は40質量%以下、又は30質量%以下、
又は20質量%以下、又は10質量%以下の第1の相を含み得る。多相アルミノシリカー
ト中の第1の相の質量%は、上記の最小及び最大パーセンテージのいずれかを含む範囲内
であり得ることが認識される。特定の理論に縛られることを望むものではないが、アモル
ファス相に対する多結晶相の比の制御は、材料を研磨粒子として使用する場合に好適な破
砕機構を促進し得ると考えられる。
【0023】
さらに別の実施形態において、多相アルミノシリカートは、多相アルミノシリカートの
総質量に対して少なくとも5質量%、例えば10質量%、又は少なくとも20質量%、又
は少なくとも30質量%、又は少なくとも40質量%、又は少なくとも45質量%、又は
少なくとも50質量%、又は少なくとも60質量%、又は少なくとも70質量%、又は少
なくとも80質量%、又は少なくとも90質量%の第2の相を含み得る。さらに、別の実
施形態において、多相アルミノシリカートは、多相アルミノシリカートの総質量に対して
90質量%以下、例えば80質量%以下、又は70質量%以下、又は60質量%以下、又
は50質量%以下、又は45質量%以下、又は40質量%以下、又は30質量%以下、又
は20質量%以下、又は15質量%以下、又は10質量%以下、又は5質量%以下の第2
の相を含み得る。多相アルミノシリカート中の第2の相の質量%は、上記の最小及び最大
パーセンテージのいずれかを含む範囲内であり得ることが認識される。
【0024】
いくつかの例では、多相アルミノシリカート形態は、第2の相に対して特定の含有量の
第1の相を含み得る。例えば、多相アルミノシリカートは、少なくとも0.1の含有比(
Cr=C1/C2)を有し得て、C1は多相アルミノシリカート中の第1の相の質量パー
セントであり、C2は多相アルミノシリカート中の第2の相の質量パーセントである。例
えば、含有比は、少なくとも0.2、例えば少なくとも0.3、又は少なくとも0.4、
又は少なくとも0.5、又は少なくとも0.6、又は少なくとも0.7、又は少なくとも
0.8、又は少なくとも0.9、又は少なくとも1、又は少なくとも1.1、又は少なく
とも1.2、又は少なくとも1.3、又は少なくとも1.4、又は少なくとも1.5、又
は少なくとも1.6、又は少なくとも1.7、又は少なくとも1.8、又は少なくとも1
.9、又は少なくとも2、又は少なくとも2.2、又は少なくとも2.5であり得る。さ
らに、別の非限定的な実施形態では、含有比は、4以下、例えば3.5以下、又は3以下
、又は2.5以下、又は2以下、又は1.9以下、又は1.8以下、又は1.7以下、又
は1.6以下、又は1.5以下、又は1.4以下、又は1.3以下、又は1.2以下、又
は1.1以下、又は1以下、又は0.9以下、又は0.8以下、又は0.7以下、又は0
.6以下、又は0.5以下、又は0.4以下、又は0.3以下、又は0.2以下であり得
る。含有比は、上記の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内とすることができること
が認識される。
【0025】
ある例では、第1の相はアルミノシリカート材料を含み得て、より詳細には、アルミノ
シリカート材料から本質的になり得る。さらに他の例では、第1の相は、多結晶アルミノ
シリカート材料を含み得て、多結晶材料は、切断法に従って測定した特定の平均結晶子径
(D50)を有する。例えば、第1の相は、少なくとも1nm~1000ミクロン以下の
範囲内の平均結晶子径を有し得る。
【0026】
多相アルミノシリカートは、研磨粒子としての性能の向上を促進し得る、ある組成を有
し得る。例えば、多相アルミノシリカートは、多相アルミノシリカートの総質量に対して
少なくとも10質量%、例えば少なくとも20質量%、又は少なくとも30質量%、又は
少なくとも40質量%、又は少なくとも42質量%、又は少なくとも44質量%、又は少
なくとも46質量%、又は少なくとも48質量%のアルミナ(Al2O3)を含み得る。
さらに、別の非限定的な実施形態において、多相アルミノシリカート中のアルミナの含有
量は、多相アルミノシリカートの総質量に対して65質量%以下、例えば60質量%以下
、又は55質量%以下、又は50質量%以下、又は48質量%以下、又は45質量%以下
、又は42質量%以下、又は40質量%以下であり得る。多相アルミノシリカート中のア
ルミナの質量%は、上記の最小及び最大パーセンテージのいずれかを含む範囲内であり得
ることが認識される。
【0027】
別の実施形態において、多相アルミノシリカートは、特定の含有量、例えば多相アルミ
ノシリカートの総質量に対して少なくとも10質量%、例えば少なくとも20質量%、又
は少なくとも25質量%、又は少なくとも30質量%、又は少なくとも40質量%、又は
少なくとも45質量%、又は少なくとも50質量%、又は少なくとも52質量%、又は少
なくとも54質量%、又は少なくとも56質量%、又は少なくとも58質量%、又は少な
くとも60質量%のシリカ(SiO2)を含み得る。別の非限定的な実施形態において、
多相アルミノシリカート中のシリカの質量%は、多相アルミノシリカートの総質量に対し
て80質量%以下、例えば70質量%以下、又は60質量%以下、又は58質量%以下、
又は56質量%以下、又は54質量%以下、又は52質量%以下、又は50質量%以下で
あり得る。多相アルミノシリカート中のシリカの質量含有量は、上記の最小及び最大パー
センテージのいずれかを含む範囲内であり得ることが認識される。
【0028】
さらなる実施形態において、多相アルミノシリカートは、1質量%未満の結晶性シリカ
を含み得る。特定の態様では、多相アルミノシリカートは、結晶性シリカを本質的に含ま
なくてもよい。別の特定の実施形態では、多相アルミノシリカートは、石英、クリストバ
ライト、及び球状鉄を含まなくてもよい。
【0029】
他の例では、多相アルミノシリカートは、特定の含有量の酸化カリウムを含み得る。例
えば、一実施形態において、多相アルミノシリカートは、多相アルミノシリカートの総質
量に対して少なくとも0.5質量%、例えば少なくとも0.8質量%、又は少なくとも1
質量%、又は少なくとも1.2質量%、又は少なくとも1.5質量%、又は少なくとも1
.8質量%、又は少なくとも2質量%、又は少なくとも2.5質量%の酸化カリウム(K
2O)を含み得る。さらに、別の非限定的な実施形態において、多相アルミノシリカート
は、多相アルミノシリカートの総質量に対して8質量%以下、例えば5質量%以下、又は
4質量%以下、又は3質量%以下、又は2.5質量%以下の酸化カリウムを含み得る。多
相アルミノシリカート中の酸化カリウムの質量含有量は、上記の最小及び最大パーセンテ
ージのいずれかを含む範囲内であり得ることが認識される。
【0030】
別の実施形態では、多相アルミノシリカートは、研磨粒子としての性能の改善を促進し
得る特定の含有量の酸化鉄(Fe2O3又はFe3O4)を含み得る。例えば、多相アル
ミノシリカートは、多相アルミノシリカートの総質量に対して少なくとも0.5質量%、
例えば少なくとも1質量%、又は少なくとも1.2質量%、又は少なくとも1.5質量%
、又は少なくとも1.8質量%、又は少なくとも2質量%の酸化鉄を含み得る。さらに、
別の非限定的な実施形態において、多相アルミノシリカートは、多相アルミノシリカート
の総質量に対して8質量%以下、例えば5質量%以下、又は4質量%以下、又は3質量%
以下、又は2.5質量%以下、又は2質量%以下、又は1.8質量%以下、又は1.5質
量%以下の酸化鉄を含み得る。多相アルミノシリカート中の酸化鉄の質量含有量は、上記
の最小及び最大パーセンテージのいずれかを含む範囲内であり得ることが認識される。
【0031】
多相アルミノシリカートは、研磨粒子としての性能の改善を促進し得る特定の含有量の
酸化チタン(TiO2)、酸化カルシウム(CaO)、及び酸化マグネシウム(MgO)
も含み得る。例えば、多相アルミノシリカートは、多相アルミノシリカートの総質量に対
して少なくとも0.1質量%、例えば少なくとも0.2質量%、又は少なくとも0.3質
量%、又は少なくとも0.4質量%、又は少なくとも0.5質量%、又は少なくとも0.
6質量%の酸化チタン、酸化カルシウム、及び酸化マグネシウムの総含有量を含み得る。
他の実施形態において、多相アルミノシリカートは、多相アルミノシリカートの総質量に
対して2質量%以下、例えば1質量%以下、又は0.8質量%以下、又は0.6質量%以
下の酸化チタン、酸化カルシウム及び酸化マグネシウムの総含有量を含み得る。多相アル
ミノシリカート中の酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウムの総質量含有量は、
上記の最小及び最大パーセンテージのいずれかを含む範囲内であり得ることが認識される
。
【0032】
さらなる実施形態において、多相アルミノシリカートは、ジルコニア(ZrO2)を本
質的に含まなくてもよい。
【0033】
多相アルミノシリカートは、研磨粒子としての使用を促進し得る特定のモース硬度を有
し得る。例えば、多相アルミノシリカートは、少なくとも6、例えば少なくとも7、少な
くとも8、又はさらには9のモース硬度を有し得る。さらに、一実施形態において、多相
アルミノシリカートのモース硬度は、9以下、例えば8以下であり得る。多相アルミノシ
リカートのモース硬度は、例えば少なくとも6から9以下の範囲内を含む、上記の最小値
及び最大値のいずれかを含む範囲内であり得ることが認識される。
【0034】
多相アルミノシリカートは、研磨粒子としての使用を促進し得る特定の平均ビッカース
硬さを有し得る。例えば、多相アルミノシリカートは、少なくとも6.5GPa、例えば
少なくとも6.7GPa、又は少なくとも6.8GPa、又は少なくとも7GPa、又は
少なくとも7.3GPa、又は少なくとも7.5GPa、又は少なくとも7.7GPa、
又は少なくとも7.9GPa、又は少なくとも8GPaの平均ビッカース硬さを有し得る
。別の例では、多相アルミノシリカートは、12GPa以下、例えば11GPa以下、又
は10GPa以下、又は9.7GPa以下、又は9.5GPa以下、又は9.3GPa以
下、又は9.1GPa以下、又は9GPa以下、又は8.7GPa以下、又は8.5GP
a以下、又は8.3GPa以下、又は8.2GPa以下の平均ビッカース硬さを有し得る
。多相アルミノシリカートの平均ビッカース硬さは、例えば少なくとも6.5GPa~1
2GPa以下の範囲内を含む、上記の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内であり得
ることが認識される。
【0035】
ビッカース硬さは、砥粒の研磨表面のダイヤモンド圧痕法(当分野で周知であり、標準
化されている)に基づいて測定されることが認識される。砥粒のサンプルは、エポキシ樹
脂中にベークライトマウントを作製し、次いでStruers Tegramin 30
研磨装置を使用してダイヤモンド研磨スラリーによって研磨することによって調製される
。300gmの荷重及び50倍の対物レンズを備えたWilson VH 1202マイ
クロ硬度試験機を使用して、5つの異なる研磨粒子上の5つのダイヤモンド圧痕を測定す
る。測定値はビッカース単位、kgf/mm2であり、ビッカース数に0.009807
を乗じてGPaに換算する。硬さの平均及び範囲は、統計関連計算を行うため好適なサン
プルサイズについて報告される。
【0036】
ある例では、多相アルミノシリカートを含む研磨粒子は、性能の改善を促進するある含
有量の気孔を有し得る。例えば、研磨粒子は、研磨粒子の総体積に対して少なくとも1体
積%、例えば少なくとも2体積%、又は少なくとも3体積%、又は少なくとも4体積%、
又は少なくとも5体積%、又は少なくとも6体積%、又は少なくとも7体積%、又は少な
くとも8体積%、又は少なくとも9体積%、又は少なくとも10体積%の気孔を含み得る
。非限定的な一実施形態では、研磨粒子、例えば多相アルミノシリカートを含む研磨粒子
は、研磨粒子の総体積に対して20体積%以下、例えば18体積%以下、又は16体積%
以下、又は14体積%以下、又は12体積%以下、又は10体積%以下、又は8体積%以
下、又は6体積%以下の気孔を有し得る。研磨粒子内の気孔の含有量が、上記の最小及び
最大パーセンテージのいずれかを含む範囲内であることができることが認識される。さら
に、上記のパーセンテージは、多相アルミノシリカート研磨粒子内にのみ存在し得る気孔
にも適用可能である。
【0037】
研磨粒子は、研磨粒子の使用を促進し得る特定の密度を有し得る。例えば、研磨粒子は
、少なくとも2.5g/cm3~2.8g/cm3以下の範囲内の密度を有し得る。
【0038】
他の例では、多相アルミノシリカートを含む研磨粒子は、ある研磨用途における使用を
促進し得る特定の平均粒径を有し得る。例えば、研磨粒子は、少なくとも1ミクロン、例
えば少なくとも10ミクロン、又は少なくとも20ミクロン、又は少なくとも50ミクロ
ン、又は少なくとも100ミクロン、又は少なくとも200ミクロン、又は少なくとも3
00ミクロン、又は少なくとも500ミクロン、又は少なくとも800ミクロン、又は少
なくとも1000ミクロンの平均粒径(D50)を有し得る。別の非限定的な実施形態で
は、研磨粒子の平均粒径は、10mm以下、例えば8mm以下、又は7mm以下、又は6
mm以下、又は5mm以下、又は4mm以下。又は3mm以下、又は2mm以下、又は1
mm以下、又は800ミクロン以下、又は500ミクロン以下、又は100ミクロン以下
であることができる。研磨粒子が上記の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内、例え
ば少なくとも1ミクロン~10mm以下の範囲内の平均粒径(D50)を有し得ることが
認識される。
【0039】
研磨粒子は、所期の用途に応じて様々なサイズ及び形状を有し得る。例えば、多相アル
ミノシリカートを含む研磨粒子などの研磨粒子は、ランダム成形粒子、成形研磨粒子又は
高さが一定の研磨粒子であり得る。
図2は、一実施形態による成形研磨粒子の斜視図であ
る。成形研磨粒子200は、主面202、主面203、及び主面202と主面203との
間に延在する側面204を含む本体201を含むことができる。
図2に示すように、成形
研磨粒子200の本体201は、主面202及び203が側面204よりも大きい薄形の
本体であり得る。さらに、本体201は、主面202又は203の先端から底辺まで、中
点250を通って延伸する縦軸210を含むことができる。縦軸210は、主面に沿って
主面202の中点250を通る、本体の最長寸法を画成することができる。ある粒子では
、本体の主面の中点がただちに明らかでない場合、主面を上から下に見て、主面の二次元
形状の周りに最近接適合円を描き、円の中心を主面の中点として使用してよい。
【0040】
成形研磨粒子は、成形、印刷、鋳造、押出などを含む特定のプロセスによって形成され
得る。成形研磨粒子は、各粒子が互いに対して、表面及び縁部の実質的に同じ配置を有す
るように形成することができる。例えば、成形研磨粒子の群は一般に、互いに同じ配置及
び配向、並びに/又は表面及び縁部の二次元形状を有する。したがって、成形研磨粒子は
、表面及び縁部の互いに対する配置において比較的高い形状忠実度及び一貫性を有する。
さらに、主面を上から下に見たときに不規則な二次元形状を有することができる薄形成形
体の形成を促進する特定のプロセスによって、高さが一定の研磨粒子(CHAP)を形成
することもできる。例えば、
図4を参照のこと。CHAPは、成形研磨粒子よりも形状忠
実度が低い可能性があるが、側面によって分離された実質的に平坦で平行な主面を有する
ことができる。
【0041】
対照的に、非成形粒子(例えば、
図5を参照のこと)は、異なるプロセスによって形成
することができ、成形研磨粒子及びCHAPと比較して異なる形状属性を有することがで
きる。例えば、非成形粒子は、典型的には、材料の塊が形成され、次いで破壊又は分解さ
れ、次いで篩分けされて、あるサイズの研磨粒子を得る粉砕プロセスによって形成される
。しかし、非成形粒子は、表面及び縁部のほぼランダムな配置を有し、一般に、表面及び
縁部の配置には認識可能な二次元又は三次元形状はない。さらに、非成形粒子は、必ずし
も相互に一貫した形状を有するとは限らないので、成形研磨粒子又はCHAPと比較して
著しく低い形状忠実度を有する。非成形粒子は、一般に、各粒子について、及び他の非成
形粒子に対して、表面及び縁部のランダムな配置によって画成される。
【0042】
再び
図2を参照すると、本体201は、同じ主面202上で縦軸210対してほぼ垂直
に延在する本体201の幅を画成する横軸1011をさらに含むことができる。最後に、
図示するように、本体201は、薄形成形体の文脈において本体201の高さ(又は厚さ
)を画成することができる垂直軸212を含むことができる。薄形形状体の場合、縦軸2
10の長さは、垂直軸212よりも大きい。図示するように、厚さ212は、主面202
と主面203との間で側面204に沿って延在し、縦軸210及び横軸1011によって
画成される平面に垂直であることができる。本明細書における研磨粒子の長さ、幅、及び
高さへの言及は、例えば、固定研磨材に固定された研磨粒子の群を含む、より大きな群の
研磨粒子の好適なサンプリングサイズから得られた平均値への言及であり得ることが認識
される。
【0043】
薄形研磨粒子を含む、本明細書の実施形態の成形研磨粒子は、長さが幅と等しい又はそ
れより大きいことが可能であるように、長さ:幅の一次アスペクト比を有することができ
る。さらに、本体201の長さは、高さと等しい又はそれより大きいことが可能である。
最後に、本体201の幅は、高さと等しい又はそれより大きいことが可能である。しかし
、ある他の実施形態では、幅は長さよりも大きくすることができる。例えば、本体201
が正三角形である実施形態では、幅は長さよりも大きくすることができる。
【0044】
成形研磨粒子を含む本明細書の実施形態の研磨微粒子は、結晶性材料、より具体的には
多結晶性材料を含むことができる。特に、多結晶材料は砥粒を含むことができる。一実施
形態では、例えば成形研磨粒子の本体を含む研磨粒子の本体は、結合剤などの有機材料を
本質的に含まないことが可能である。少なくとも1つの実施形態では、研磨粒子は、本質
的に多結晶材料からなることができる。別の実施形態では、成形研磨粒子などの研磨粒子
はシランを含まないことが可能であり、特にシランコーティングを有していなくてもよい
。
【0045】
図2は、略三角形の二次元形状を有する上主面202又は主面203の平面によって画
成される二次元形状を有する成形研磨粒子の図を含む。本明細書の実施形態の成形研磨粒
子は、そのように限定されず、他の二次元形状を含むことができることが認識される。例
えば、本明細書の実施形態の成形研磨粒子は、多角形、正多角形、不規則多角形、弓形若
しくは湾曲した辺又は辺の一部を含む不規則多角形、楕円形、数字、ギリシャアルファベ
ット文字、ラテンアルファベット文字、ロシアアルファベット文字、漢字文字、多角形の
形状の組合せを有する複雑な形状、中央領域及び中央領域から延びる複数のアーム(例え
ば、少なくとも3本のアーム)を含む形状(例えば、星形)、並びにそれらの組合せを含
む形状の群から、本体の主面によって画成される二次元形状を有する本体を有する粒子を
含むことができる。特定の多角形形状は、長方形、台形、四辺形、五角形、六角形、七角
形、八角形、六角形、十角形、及びそれらの任意の組合せを含む。別の例では、最終的に
形成された成形研磨粒子は、不規則四辺形、不規則長方形、不規則台形、不規則五角形、
不規則六角形、不規則七角形、不規則八角形、不規則九角形、不規則十角形、及びそれら
の組合せなどの二次元形状を有する本体を有することができる。不規則多角形は、多角形
を画成する辺の少なくとも1つの寸法(例えば、長さ)が他の辺に対して異なる多角形で
ある。本明細書の他の実施形態に示すように、ある成形研磨粒子の二次元形状は、特定の
数の外点又は外側隅部を有することができる。例えば、成形研磨粒子の本体は、長さ及び
幅によって画成される面で見たときに、二次元多角形形状を有することができ、本体は、
少なくとも4個の外点(例えば、四辺形)、少なくとも5個の外点(例えば、五角形)、
少なくとも6個の外点(例えば、六角形)、少なくとも7個の外点(例えば、七角形)、
少なくとも8個の外点(例えば、八角形)、少なくとも9個の外点(例えば、九角形)な
どを有する二次元形状を含む。
【0046】
図3は、別の実施形態による成形研磨粒子の斜視図である。特に、成形研磨粒子300
は、端面302及び303と呼ばれ得る、表面302及び表面303を含む本体301を
含むことができる。本体301は、端面302と端面303との間に延在し、それらに結
合された主面304、305、306、307をさらに含むことができる。
図3の成形研
磨粒子は、主面305に沿って、端面302と303との間の中点340を通って延伸す
る縦軸310を有する、細長成形研磨粒子である。識別可能な二次元形状を有する粒子、
例えば
図2及び
図3の成形研磨粒子の場合、縦軸は、主面上の中点を通る本体の長さを画
成すると容易に理解される寸法である。例えば、
図3では、成形研磨粒子300の縦軸3
10は、図示するように、主面を画成する縁部に平行な端面302と303との間に延在
する。そのような縦軸は、ロッドの長さの定義方法と一致する。特に、縦軸310は、そ
のような線が最大長の寸法を画成し得るとしても、端面302及び303を接合する隅部
と主面305を画成する縁部との間で斜めに延伸しない。主面が完全な平坦面から起伏又
はわずかな欠陥を有する限り、縦軸は、起伏を無視する、上から下への二次元画像を使用
して求めることができる。
【0047】
本体301は、端面302及び303によって画成されるほぼ正方形の断面輪郭を有す
るので、表面305は、縦軸310を示すために選択されることが認識される。したがっ
て、表面304、305、306、及び17は、相互に対してほぼ同じサイズとすること
ができる。他の細長研磨粒子の文脈では、表面302及び303は、異なる形状、例えば
長方形形状を有することができ、したがって、表面304、305、306及び307の
少なくとも1つは、残りの表面に対して大きくてもよい。そのような例では、最大表面は
、主面を画成することができ、縦軸は、中点340を通ってそれらの表面のうちの最大表
面に沿って延伸し、主面を画成する縁部に平行に延伸し得る。さらに図示するように、本
体301は、表面305によって画成された同じ面内で、縦軸310に対して垂直に延伸
する横軸311を含むことができる。さらに図示するように、本体301は、研磨粒子の
高さを画成する垂直軸312をさらに含むことができ、垂直軸312は、表面305の縦
軸310及び横軸311によって画成される面に対して垂直な方向に延伸する。
【0048】
図2の薄形成形研磨粒子と同様に、
図3の細長成形研磨粒子は、
図10の成形研磨粒子
に関して定義されたものなどの、様々な二次元形状を有することができることが認識され
る。本体301の二次元形状は、端面302及び303の周囲の形状によって画成するこ
とができる。細長成形研磨粒子1100は、本明細書の実施形態の成形研磨粒子の属性の
いずれかを有することができる。
【0049】
図4は、一実施形態による、高さが制御された研磨粒子(CHAP)の斜視図である。
図示するように、CHAP 400は、第1の主面402と、第2の主面403と、第1
の主面402と第2の主面403との間に延在する側面404とを含む本体401を含む
ことができる。
図4に示すように、本体401は、薄く、比較的平坦な形状を有すること
ができ、第1及び第2の主面402及び403は、側面404よりも大きく、互いに実質
的に平行である。さらに、本体401は、中点420を通って延伸し、本体401の長さ
を画成する縦軸410を含むことができる。本体401は、第1の主面402上に横軸4
11をさらに含むことができ、横軸は、第1の主面402の中点420を通って縦軸41
0に対して垂直に延伸して、本体401の幅を画成する。
【0050】
本体401は、本体401の高さ(又は厚さ)を画成することができる垂直軸412を
さらに含むことができる。図示するように、垂直軸412は、第1及び第2の主面402
及び403の間の側面404に沿って、第1の主面上の軸410及び411によって画成
される面に対してほぼ垂直方向に延伸することができる。
図4に示すCHAPのような薄
形成形体では、長さは幅と等しい又はそれより大きいことが可能であり、長さは高さより
大きいことが可能である。本明細書における研磨粒子の長さ、幅、及び高さへの言及は、
研磨粒子のバッチの研磨粒子の好適なサンプリングサイズから得られた平均値に言及され
得ることが認識される。
【0051】
図4のCHAPは、
図2及び3の成形研磨粒子とは異なり、第1又は第2の主面402
及び403の周囲に基づいて容易に識別可能な二次元形状を有していない。そのような研
磨粒子は、これに限定されないが、高さが制御されているが、不規則に形成された平坦な
主面を有する研磨粒子を形成するための材料の薄層の破砕を含む、様々な方法で形成され
得る。そのような粒子では、縦軸は、表面上の中点を通って延伸する主面上の最長寸法と
して定義される。主面が起伏を有する限り、縦軸は、起伏を無視する、上から下への二次
元画像を使用して求めることができる。さらに、上記したように、最近接適合円を使用し
て、主面の中点を特定し、縦軸及び横軸を特定することができる。
【0052】
図5は、細長非成形研磨粒子、又は希釈剤粒子、充填剤、凝集体などの二次粒子であり
得る、非成形粒子又はランダム成形粒子の図を含む。非成形粒子550は、本体551の
外面に沿って延在する縁部555のほぼランダムな配置を含む本体551を有することが
できる。本体は、粒子の最長寸法を画成する縦軸552をさらに含むことができる。縦軸
552は、二次元で見たときの本体の最長寸法を画成する。したがって、縦軸が主面上で
測定される成形研磨粒子及びCHAPとは異なり、非成形粒子の縦軸は、粒子の最長寸法
の図を提供する画像又は見取図を使用して粒子を二次元で見ると、相互から最も遠い本体
上の点によって画成される。即ち、
図5に示すような細長粒子であるが、非成形粒子は、
縦軸を適正に評価するために、最大寸法が明らかとなる斜視図で見るべきである。本体5
51は、縦軸552に対して垂直に延伸して、粒子の幅を画成する横軸553をさらに含
むことができる。横軸553は、縦軸552の特定に使用される同じ平面内で、縦軸の中
点556を通って縦軸552に対して垂直に延伸することができる。研磨粒子は、垂直軸
554によって定義される高さ(又は厚さ)を有し得る。垂直軸554は、中点556を
通るが、縦軸552及び横軸553の画成に使用される面に対して垂直な方向に延伸する
ことができる。高さを評価するために、研磨粒子の視点を変更して、長さ及び幅を評価す
るために使用されるのとは異なる位置から粒子を見る必要があり得る。
【0053】
認識されるように、研磨粒子は、縦軸552によって画成される長さ、横軸553によ
って画成される幅、及び高さを画成する垂直軸554を有することができる。認識される
ように、本体551は、長さが幅と等しい又はそれより大きいことが可能であるように、
長さ:幅の一次アスペクト比を有することができる。さらに、本体551の長さは、高さ
より大きい又はそれと等しいことが可能である。最後に、本体551の幅は、高さ554
より大きい又はそれ以上であることが可能である。
【0054】
非成形粒子550は、例えば、これに限定されるわけではないが、組成、微細構造の特
徴(例えば、平均粒度)、硬度、気孔などを含む、本明細書の実施形態に記載する研磨粒
子の属性のいずれかを有することができる。
【0055】
ある例では、結合材料は、研磨物品の性能向上に好適な特定の組成を有し得る。例えば
、結合材料は、無機材料、有機材料、又はそれらの任意の組合せの群からの材料を含み得
る。ある例では、結合材料は、セラミック材料、アモルファス材料、金属材料、ポリマー
材料、又はそれらの任意の組合せを含み得る。より詳細な実施形態では、結合材料は、フ
ェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリエステル、ゴム、
ポリイミド、ポリベンゾイミダゾール、芳香族ポリアミド、変性フェノール樹脂又はそれ
らの任意の組合せの群からのポリマー材料を含み得る。
【0056】
結合研磨体は、所期の用途に応じて様々なサイズ、形状、及び輪郭を有し得る。ある例
では、結合研磨体は、少なくとも10:1のアスペクト比(AR=D:t)を有し得て、
図1に示すように、「D」は直径であり、「t」は厚さである。さらに他の例では、アス
ペクト比は、少なくとも15:1、又は少なくとも20:1、又は少なくとも35:1、
又は少なくとも50:1、又は少なくとも75:1、又は少なくとも100:1、又はさ
らには少なくとも125:1など、より大きくてもよい。別の実施形態では、結合研磨体
のアスペクト比は、1000:1以下、例えば15:1以下、又は少なくとも20:1、
又は少なくとも35:1、又は少なくとも50:1、又は少なくとも75:1、又は少な
くとも100:1、又はさらに少なくとも125:1であり得る。アスペクト比が上で与
えた最小最大比のいずれかを含む範囲内であり得ることが認識される。
【0057】
別の態様では、結合研磨体は、性能の改善を促進し得る本体内の特定の含有量の研磨粒
子を含み得る。例えば、結合研磨体は、結合研磨体の総体積に対して少なくとも1体積%
、例えば少なくとも2体積%、又は少なくとも約5体積%、又は少なくとも約8体積%、
又は少なくとも約10体積%、又は少なくとも約12体積%、又は少なくとも約15体積
%、又は少なくとも18体積%、又は少なくとも約20体積%、又は少なくとも約22体
積%、又は少なくとも約25体積%、又は少なくとも約28体積%、又は少なくとも約3
0体積%の研磨粒子を含み得る。さらに、他の例では、結合研磨体は、結合研磨体の総体
積に対して85体積%以下、例えば80体積%以下、又は75体積%以下、又は70体積
%以下、又は65体積%以下、又は60体積%以下、又は55体積%以下、又は50体積
%以下、又は45体積%以下、又は40体積%以下、又は35体積%以下、又は30体積
%以下、又は25体積%以下、又は20体積%以下、又は18体積%以下、又は15体積
%以下、又は12体積%以下、又は10体積%以下の研磨粒子を含み得る。結合研磨体中
の研磨粒子の含有量は、結合研磨体の総体積に対して、例えば少なくとも50体積%~8
0体積%以下の範囲の研磨粒子を含む、上記の最小及び最大パーセンテージのいずれかを
含む範囲内であり得ることが認識される。
【0058】
他の例では、結合研磨体は、性能の向上を促進し得る特定の含有量の結合材料を含み得
る。例えば、結合研磨体は、結合研磨体の総体積に対して少なくとも2体積%、例えば少
なくとも3体積%、又は少なくとも約4体積%、又は少なくとも5体積%、又は少なくと
も約6体積%、又は少なくとも約7体積%、又は少なくとも約8体積%、又は少なくとも
約9体積%、又は少なくとも約10体積%、又は少なくとも約15体積%、又は少なくと
も約20体積%、又は少なくとも25体積%、又は少なくとも約30体積%、又は少なく
とも約35体積%、又は少なくとも約40体積%、又は少なくとも約45体積%、又は少
なくとも約50体積%、又は少なくとも約55体積%、又は少なくとも約60体積%、又
は少なくとも65体積%の結合材料を含み得る。別の例では、結合研磨体は、結合研磨体
の総体積に対して90体積%以下、例えば85体積%以下、又は80体積%以下、又は7
0体積%以下、又は60体積%以下、又は50体積%以下、又は40体積%以下、又は3
0体積%以下、又は20体積%以下の結合材料を含み得る。結合研磨体中の結合材料の含
有量は、例えば結合研磨体の総体積に対して少なくとも8体積%~40体積%以下の結合
材料の範囲内を含む、上記の最小及び最大パーセンテージのいずれかを含む範囲内であり
得ることが認識される。
【0059】
別の実施形態では、性能の向上を促進し得る特定の含有量の気孔が結合研磨体中で利用
され得る。例えば、結合研磨体は、結合研磨体の総体積に対して少なくとも1体積%、例
えば少なくとも2体積%、又は少なくとも約3体積%、又は少なくとも約5体積%、又は
少なくとも8体積%、又は少なくとも約10体積%、又は少なくとも12体積%、又は少
なくとも約15体積%、又は少なくとも約20体積%、又は少なくとも25体積%、又は
少なくとも約30体積%の含有量の気孔を有し得る。他の例では、本体は、結合研磨体の
総体積に対して60体積%以下、例えば55体積%以下、又は50体積%以下、又は45
体積%以下、又は40体積%以下、又は35体積%以下、又は30体積%以下、又は25
体積%以下、又は20体積%以下、又は15体積%以下、又は10体積%以下、又は5体
積%以下の気孔を含み得る。結合研磨体中の気孔の含有量は、結合研磨体の総体積に対し
て例えば少なくとも10体積%~40体積%以下の気孔を含む範囲内を含む、上記の最小
及び最大パーセンテージのいずれかを含む範囲内であり得ることが認識される。
【0060】
結合研磨体は、研磨物品の構成要素であり得る、又は研磨物品の全体を画成し得る。研
磨物品は、特定の材料除去操作に使用され得る。例えば、少なくとも1つの実施形態では
、材料除去プロセスは、工作物に対して結合研磨体を移動させて工作物から材料を除去す
ることを含む。工作物が静止している間に結合研磨体を移動させてもよく、結合研磨体が
静止している間に工作物を移動させてもよく、結合研磨体と工作物の両方を移動させても
よい。ある態様では、工作物は、非鉄金属材料を含み得て、より詳細には、本質的に非鉄
金属材料からなり得る。非鉄金属材料は、本質的に単一の金属元素からなる金属材料であ
り得る、又は複数の金属元素の合金を含み得る。ある実施形態では、非鉄金属材料は、A
l、Sn、Cu、Ag、Ni、Co、Mn、Cr、Ti、Ta、W、Pt、Au、Zn、
Mg、Zr、又はそれらの任意の組合せの群からの少なくとも1つの元素を含み得る。
【0061】
いくつかの例では、工作物は、本明細書の実施形態の研磨物品に最も適し得る、ある硬
度を有し得る。例えば、工作物は、30HB~150HB以下の範囲内の硬度を有し得る
。さらにある他の例では、工作物は、本明細書の実施形態の研磨物品の利用を最も実現可
能にし得る、ある延性を有し得る。例えば、工作物は、鋼鉄よりも大きい延性を有し得る
。
【0062】
一実施形態では、研磨物品は、本開示に記載の工作物に対する研削試験において少なく
とも1.5g/g、例えば少なくとも1.8g/g、少なくとも2g/g、少なくとも2
.2g/g、少なくとも2.4g/g、少なくとも2.6g/g、少なくとも2.8g/
g、少なくとも3g/g、少なくとも3.2g/g、少なくとも3.5g/g、少なくと
も4g/g、少なくとも4.5g/g、少なくとも5g/g、少なくとも6g/g、少な
くとも6g/g、少なくとも8g/g、少なくとも9g/g、又は少なくとも12g/g
の累積G比を有することができる。別の実施形態では、研磨物品は35g/g以下、33
g/g以下、30g/g以下、28g/g以下、27g/g以下、26g/g以下、25
g/g以下、22g/g以下、20g/g以下、18g/g以下、17g/g以下、16
g/g以下、15g/g以下、14g/g以下、13g/g以下、12g/g以下、11
g/g以下、10g/g以下、9g/g以下、8g/g以下、7g/g以下、又は5g/
g以下の累積G比を有することができる。さらに、研磨物品は、本明細書に記載の最小値
及び最大値のいずれかを含む範囲の累積G比を有することができる。
【0063】
一実施形態では、研磨物品は、本開示に記載の工作物の研削試験において少なくとも3
g/分、例えば少なくとも3.5g/分、少なくとも3.8g/分、少なくとも4g/分
、少なくとも4.3g/分、少なくとも4.6g/分、少なくとも4.8g/分、少なく
とも5g/分、少なくとも5.3g/分、少なくとも5.5g/分、少なくとも5.8g
/分、少なくとも6g/分、少なくとも6.5g/分、少なくとも6.8g/分、少なく
とも7g/分、少なくとも7.3g/分、少なくとも7.5g/分、又は少なくとも8g
/分の累積材料除去速度を有することができる。別の実施形態では、研磨物品は、15g
/分以下、14g/分以下、13g/分以下、12g/分以下、11g/分以下、又は1
0g/分以下の累積材料除去速度を有することができる。さらに、研磨物品は、本明細書
に記載の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲の累積材料除去速度を有することができ
る。
【0064】
多くの各種の態様及び実施形態が可能である。その態様及び実施形態のいくつかは、本
明細書に記載されている。本明細書を読んだ後、当業者は、これらの態様及び実施形態が
例示に過ぎず、本発明の範囲を限定しないことを認識する。実施形態は、以下に挙げる実
施形態のうちのいずれか1つ以上に従い得る。
【0065】
実施形態
実施形態1 研磨物品であって、
結合材料内に含有される研磨粒子を含む結合研磨体を含み、研磨粒子の少なくとも一部
が多相アルミノシリカートを含む、結合物品。
【0066】
実施形態2 研磨粒子の大部分が、結合研磨体全体に延在する三次元網目を画成する結
合材料内に含有され、結合材料によって包囲されている、実施形態1に記載の研磨物品。
【0067】
実施形態3 研磨粒子の総体積に対して、研磨粒子の少なくとも10体積%、又は少な
くとも20体積%、又は少なくとも30体積%、又は少なくとも40体積%、又は少なく
とも50体積%、又は少なくとも60体積%、又は少なくとも70体積%、又は少なくと
も80体積%、又は少なくとも90体積%、又は少なくとも95体積%が多相アルミノシ
リカートを含む、実施形態1に記載の研磨物品。
【0068】
実施形態4 研磨粒子の99体積%以下、又は95体積%以下、又は90体積%以下、
又は80体積%以下、又は70体積%以下、又は60体積%以下、又は50体積%以下、
又は40体積%以下、又は30体積%以下、又は20体積%以下、又は10体積%以下が
多相アルミノシリカートを含む、実施形態1に記載の研磨物品。
【0069】
実施形態5 多相アルミノシリカートが、多結晶アルミノシリカートを含む第1の相及
びアモルファス相を含む第2の相を含み、アモルファス相が多結晶アルミノシリカートの
粒子間の粒界に配置され、多相アルミノシリカートが焼成カオリンであり、多相アルミノ
シリカートがモロカイト(商標)であり、研磨粒子の本質的にすべてが多相アルミノシリ
カートを含む、実施形態1に記載の研磨物品。
【0070】
実施形態6 研磨粒子が、多相アルミノシリカートを含む研磨粒子の第1の群及び酸化
物、炭化物、窒化物、ホウ化物、ダイヤモンド、又はそれらの任意の組合せからなる群か
ら選択される少なくとも1つの材料を含む研磨粒子の第2の群を含むブレンドを含む、実
施形態1に記載の研磨物品。
【0071】
実施形態7 研磨粒子の第2の群が、シリコンカーバイド、アルミナ、又はそれらの組
合せからなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む、実施形態6に記載の研磨物
品。
【0072】
実施形態8 研磨粒子の第2の群が凝集粒子を含む、実施形態6に記載の研磨物品。
【0073】
実施形態9 研磨粒子の第2の群が未凝集粒子を含む、実施形態6に記載の研磨物品。
【0074】
実施形態10 多相アルミノシリカートを含む研磨粒子の一部が、多相アルミノシリカ
ートを含む研磨凝集体を含む、実施形態6の研磨物品。
【0075】
実施形態11 多相アルミノシリカートを含む研磨粒子の一部が、多相アルミノシリカ
ートを含む未凝集粒子を含む、実施形態6に記載の研磨物品。
【0076】
実施形態12 ブレンドが少なくとも10体積%、又は少なくとも20体積%、又は少
なくとも30体積%、又は少なくとも40体積%、又は少なくとも50体積%、又は少な
くとも60体積%、又は少なくとも70体積%、又は少なくとも80体積%、又は少なく
とも90体積%、又は少なくとも95体積%の研磨剤の第2の群を含む、実施形態6に記
載の研磨物品。
【0077】
実施形態13 ブレンドが99体積%以下、又は95体積%以下、又は90体積%以下
、又は80体積%以下、又は70体積%以下、又は60体積%以下、又は50体積%以下
、又は40体積%以下、又は30体積%以下、又は20体積%以下、又は10体積%以下
の研磨粒子の第2の群を含む、実施形態6に記載の研磨物品。
【0078】
実施形態14 多相アルミノシリカートが、第1の多結晶相及び第2のアモルファス相
の2つの相を含む、実施形態1に記載の研磨物品。
【0079】
実施形態15 多相アルミノシリカートが、多相アルミノシリカートの総質量に対して
少なくとも5質量%、又は少なくとも10質量%、又は少なくとも20質量%、又は少な
くとも30質量%、又は少なくとも40質量%、又は少なくとも50質量%、又は少なく
とも60質量%、又は少なくとも70質量%、又は少なくとも80質量%、又は少なくと
も90質量%、又は少なくとも95質量%の第1の相を含む、実施形態14に記載の研磨
物品。
【0080】
実施形態16 多相アルミノシリカートが、多相アルミノシリカートの総質量に対して
99質量%以下、又は98質量%以下、又は96質量%以下、又は94質量%以下、又は
90質量%以下、又は80質量%以下、又は70質量%以下、又は60質量%以下、又は
50質量%以下、又は40質量%以下、又は30質量%以下、又は20質量%以下、又は
10質量%以下の第1の相を含む、実施形態14に記載の研磨物品。
【0081】
実施形態17 多相アルミノシリカートが、多相アルミノシリカートの総質量に対して
少なくとも5質量%、又は少なくとも10質量%、又は少なくとも20質量%、又は少な
くとも30質量%、又は少なくとも40質量%、又は少なくとも50質量%、又は少なく
とも60質量%、又は少なくとも70質量%、又は少なくとも80質量%、又は少なくと
も90質量%の第2の相を含む、実施形態14に記載の研磨物品。
【0082】
実施形態18 多相アルミノシリカートが、多相アルミノシリカートの総質量に対して
90質量%以下、又は80質量%以下、又は70質量%以下、又は60質量%以下、又は
50質量%以下、又は40質量%以下、又は30質量%以下、又は20質量%以下、又は
15質量%以下、又は10質量%以下、又は5質量%以下の第2の相を含む、実施形態1
4に記載の研磨物品。
【0083】
実施形態19 少なくとも0.1の含有比(Cr=C1/C2)をさらに含み、ここで
C1が多相アルミノシリカート中の第1の相の質量パーセントであり、C2が多相アルミ
ノシリカート中の第2の相の質量パーセントであり、含有比(Cr)が、少なくとも0.
2、又は少なくとも0.3、又は少なくとも0.4、又は少なくとも0.5、又は少なく
とも0.6、又は少なくとも0.7、又は少なくとも0.8、又は少なくとも0.9、又
は少なくとも1、又は少なくとも1.1、又は少なくとも1.2、又は少なくとも1.3
、又は少なくとも1.4、又は少なくとも1.5、又は少なくとも1.6、又は少なくと
も1.7、又は少なくとも1.8、又は少なくとも1.9、又は少なくとも2、又は少な
くとも2.2、又は少なくとも2.5である、実施形態14に記載の研磨物品。
【0084】
実施形態20 4以下の含有比(Cr=C1/C2)をさらに含み、ここでC1が多相
アルミノシリカート中の第1の相の質量パーセントであり、C2が多相アルミノシリカー
ト中の第2の相の質量パーセントであり、含有比(Cr)が3.5以下、又は3以下、又
は2.5以下、又は2以下、又は1.9以下、又は1.8以下、又は1.7以下、又は1
.6以下、又は1.5以下、又は1.4以下、又は1.3以下、又は1.2以下、又は1
.1以下、又は1以下、又は0.9以下、又は0.8以下、又は0.7以下、又は0.6
以下、又は0.5以下、又は0.4以下、又は0.3以下、又は0.2以下である、実施
形態14に記載の研磨物品。
【0085】
実施形態21 第1の相がアルミノシリカート材料を含む、実施形態14に記載の研磨
物品。
【0086】
実施形態22 第1の相が、少なくとも1nm~1000ミクロン以下の範囲内の平均
結晶子径を含む、実施形態14に記載の研磨物品。
【0087】
実施形態23 多相アルミノシリカートが、多相アルミノシリカートの総質量に対して
少なくとも10質量%、又は少なくとも20質量%、又は少なくとも30質量%、又は少
なくとも40質量%、又は少なくとも42質量%、又は少なくとも44質量%、又は少な
くとも46質量%、又は少なくとも48質量%のアルミナ(Al2O3)を含む、実施形
態1に記載の研磨物品。
【0088】
実施形態24 多相アルミノシリカートが、多相アルミノシリカートの総質量に対して
65質量%以下、又は60質量%以下、又は55質量%以下、又は50質量%以下、又は
48質量%以下、又は45質量%以下、又は42質量%以下、又は40質量%以下のアル
ミナ(Al2O3)を含む、実施形態1に記載の研磨物品。
【0089】
実施形態25 多相アルミノシリカートが、多相アルミノシリカートの総質量に対して
少なくとも10質量%、又は少なくとも20質量%、又は少なくとも30質量%、又は少
なくとも40質量%、又は少なくとも45質量%、又は少なくとも50質量%、又は少な
くとも52質量%、又は少なくとも54質量%、又は少なくとも56質量%、又は少なく
とも58質量%、又は少なくとも60質量%のシリカ(SiO2)を含む、実施形態1に
記載の研磨物品。
【0090】
実施形態26 多相アルミノシリカートが、多相アルミノシリカートの総質量に対して
80質量%以下、又は70質量%以下、又は60質量%以下、又は58質量%以下、又は
56質量%以下、又は54質量%以下、又は52質量%以下、又は50質量%以下のシリ
カ(SiO2)を含む、実施形態1に記載の研磨物品。
【0091】
実施形態27 多相アルミノシリカートが、多相アルミノシリカートの総質量に対して
少なくとも0.5質量%、又は少なくとも0.8質量%、又は少なくとも1質量%、又は
少なくとも1.2質量%、又は少なくとも1.5質量%、又は少なくとも1.8質量%、
又は少なくとも2質量%、又は少なくとも2.5質量%の酸化カリウム(K2O)を含む
、実施形態1に記載の研磨物品。
【0092】
実施形態28 多相アルミノシリカートが、多相アルミノシリカートの総質量に対して
8質量%以下、又は5質量%以下、又は4質量%以下、又は3質量%以下、又は2.5質
量%以下の酸化カリウム(K2O)を含む、実施形態1に記載の研磨物品。
【0093】
実施形態29 多相アルミノシリカートが、多相アルミノシリカートの総質量に対して
少なくとも0.5質量%、又は少なくとも0.8質量%、又は少なくとも1質量%、又は
少なくとも1.2質量%、又は少なくとも1.5質量%、又は少なくとも1.8質量%、
又は少なくとも2質量%の酸化鉄(Fe2O3)を含む、実施形態1に記載の研磨物品。
【0094】
実施形態30 多相アルミノシリカートが、多相アルミノシリカートの総質量に対して
8質量%以下、又は5質量%以下、又は4質量%以下、又は3質量%以下、又は2.5質
量%以下、又は2質量%以下、又は1.8質量%以下、又は1.5質量%以下の酸化鉄(
Fe2O3)を含む、実施形態1に記載の研磨物品。
【0095】
実施形態31 多相アルミノシリカートが、多相アルミノシリカートの総質量に対して
、少なくとも0.1質量%、又は少なくとも0.2質量%、又は少なくとも0.3質量%
、又は少なくとも0.4質量%、又は少なくとも0.5質量%、又は少なくとも0.6質
量%の酸化チタン(TiO2)、酸化カルシウム(CaO)、及び酸化マグネシウム(M
gO)の総量 を含む、実施形態1に記載の研磨物品。
【0096】
実施形態32 多相アルミノシリカートが、多相アルミノシリカートの総質量に対して
、2質量%以下、又は1質量%以下、又は0.8質量%以下、又は0.6質量%以下の酸
化チタン(TiO2)、酸化カルシウム(CaO)、及び酸化マグネシウム(MgO)の
総量を含む、実施形態1に記載の研磨物品。
【0097】
実施形態33 多相アルミノシリカートが、少なくとも6~9以下の範囲内のモース硬
度を含む、実施形態1に記載の研磨物品。
【0098】
実施形態34 研磨粒子の一部が、研磨粒子の一部の総体積に対して少なくとも1体積
%、又は少なくとも2体積%、又は少なくとも3体積%、又は少なくとも4体積%、又は
少なくとも5体積%、又は少なくとも6体積%、又は少なくとも7体積%、又は少なくと
も8体積%、又は少なくとも9体積%、又は少なくとも10体積%の気孔を含む、実施形
態1に記載の研磨物品。
【0099】
実施形態35 研磨粒子の一部が、研磨剤の一部の総体積に対して20体積%以下、又
は18体積%以下、又は16体積%以下、又は14体積%以下、又は12体積%以下、又
は10体積%以下、又は8体積%以下、又は6体積%以下の気孔を含む、実施形態1に記
載の研磨物品。
【0100】
実施形態36 研磨粒子の一部が、少なくとも2.5g/cm3~2.8g/cm3以
下の範囲内の密度を含む、実施形態1に記載の研磨物品。
【0101】
実施形態37 研磨粒子の一部が、少なくとも1ミクロン~10mm以下の範囲内の平
均粒径(D50)を含む、実施形態1に記載の研磨物品。
【0102】
実施形態38 研磨粒子の一部が、相互に比較してランダムな三次元形状を有する複数
の粒子を含む、実施形態1に記載の研磨物品。
【0103】
実施形態39 結合材料が、無機材料、有機材料、又はそれらの任意の組合せからなる
群から選択される材料を含む、実施形態1に記載の研磨物品。
【0104】
実施形態40 結合材料が、セラミック、アモルファス、ポリマー、又はそれらの組合
せからなる群から選択される材料を含む、実施形態1に記載の研磨物品。
【0105】
実施形態41 結合材料が、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ
ウレタン、ポリエステル、ゴム、ポリイミド、ポリベンゾイミダゾール、芳香族ポリアミ
ド、変性フェノール樹脂又はそれらの任意の組合せからなる群から選択されるポリマー材
料を含む、実施形態1に記載の研磨物品。
【0106】
実施形態42 結合研磨体が、少なくとも10:1のアスペクト比AR=D:tを含み
、「D」が直径であり、「t」が少なくとも15:1、又は少なくとも20:1、又は少
なくとも35:1、又は少なくとも50:1、又は少なくとも75:1、又は少なくとも
100:1、又はさらには少なくとも125:1の厚さ又はアスペクト比である、実施形
態1に記載の研磨物品。
【0107】
実施形態43 結合研磨体が1000:1以下のアスペクト比AR=D:tを含み、「
D」が直径であり、「t」が厚さ、又は800:1以下、又は500:1以下、又は30
0:1以下、又は200:1以下、又は100:1以下、又は75:1以下、又は50:
1以下、又は35:1以下、又は25:1以下、又は20:1以下、又は15:1以下で
ある、実施形態1に記載の研磨物品。
【0108】
実施形態44 結合研磨体が、結合研磨体の総体積に対して少なくとも1体積%、又は
少なくとも2体積%、又は少なくとも約5体積%、又は少なくとも約8体積%、又は少な
くとも約10体積%、又は少なくとも約12体積%、又は少なくとも約15体積%、又は
少なくとも18体積%、又は少なくとも約20体積%、又は少なくとも約22体積%、又
は少なくとも約25体積%、又は少なくとも約28体積%、又は少なくとも約30体積%
の研磨粒子を含む、実施形態1に記載の研磨物品。
【0109】
実施形態45 結合研磨体が、結合研磨体の総体積に対して85体積%以下、又は80
体積%以下、又は75体積%以下、又は70体積%以下、又は65体積%以下、又は60
体積%以下、又は55体積%以下、又は50体積%以下、又は45体積%以下、又は40
体積%以下、又は35体積%以下、又は30体積%以下、又は25体積%以下、又は20
体積%以下、又は18体積%以下、又は15体積%以下、又は12体積%以下、又は10
体積%以下の研磨粒子を含む、実施形態1に記載の研磨物品。
【0110】
実施形態46 結合研磨体が、結合研磨体の総体積に対して少なくとも2体積%、又は
少なくとも約3体積%、又は少なくとも約4体積%、又は少なくとも5体積%、又は少な
くとも約6体積%、又は少なくとも約7体積%、又は少なくとも約8体積%、又は少なく
とも約9体積%、又は少なくとも約10体積%、又は少なくとも約15体積%、又は少な
くとも約20体積%、又は少なくとも25体積%、又は少なくとも約30体積%、又は少
なくとも約35体積%、又は少なくとも約40体積%、又は少なくとも約45体積%、又
は少なくとも約50体積%、又は少なくとも約55体積%、又は少なくとも約60体積%
、又は少なくとも65体積%の結合材料を含む、実施形態1に記載の研磨物品。
【0111】
実施形態47 結合研磨体が、結合研磨体の総体積に対して90体積%以下、又は85
体積%以下、又は80体積%以下、又は70体積%以下、又は60体積%以下、又は50
体積%以下、又は40体積%以下、又は30体積%以下、又は20体積%以下の結合材料
を含む、実施形態1に記載の研磨物品。
【0112】
実施形態48 結合研磨体が、結合研磨体の総体積に対して少なくとも1体積%、又は
少なくとも2体積%、又は少なくとも約3体積%、又は少なくとも約5体積%、又は少な
くとも8体積%、又は少なくとも約10体積%、又は少なくとも12体積%、又は少なく
とも約15体積%、又は少なくとも約20体積%、又は少なくとも25体積%、又は少な
くとも約30体積%の気孔を含む、実施形態1に記載の研磨物品。
【0113】
実施形態49 結合研磨体が、結合研磨体の総体積に対して60体積%以下、又は55
体積%以下、又は50体積%以下、又は45体積%以下、又は40体積%以下、又は35
体積%以下、又は30体積%以下、又は25体積%以下、又は20体積%以下、又は15
体積%以下、又は10体積%以下、又は5体積%以下の気孔を含む、実施形態1に記載の
研磨物品。
【0114】
実施形態50 材料除去プロセスを実施する方法であって、
非鉄金属材料を含む工作物に対して結合研磨体を移動させることを含み、結合研磨体が
結合材料内に含有された研磨粒子を含み、研磨粒子の少なくとも一部が多相アルミノシリ
カートを含む、方法。
【0115】
実施形態51 工作物が非鉄金属材料からなる、実施形態50に記載の方法。
【0116】
実施形態52 工作物が、少なくとも30HB~150HB以下の範囲内の硬度を含む
、実施形態51に記載の方法。
【0117】
実施形態53 工作物が鋼鉄より大きい延性を含む、実施形態51に記載の方法。
【0118】
実施形態54 非鉄金属材料が、Al、Sn、Cu、Ag、Ni、Co、Mn、Cr、
Ti、Ta、W、Pt、Au、Zn、Mg、又はそれらの任意の組合せからなる群から選
択される少なくとも1つの元素を含む、実施形態50に記載の方法。
【0119】
実施形態55 研磨粒子の大部分が、結合研磨体全体に延在する三次元網目を画成する
結合材料内に含有され、結合材料によって包囲されている、実施形態50に記載の方法。
【0120】
実施形態56 研磨粒子の少なくとも10体積%~99体積%以下が多相アルミノシリ
カートを含む、実施形態50に記載の方法。
【0121】
実施形態57 研磨粒子の本質的にすべてが多相アルミノシリカートを含む、実施形態
50に記載の方法。
【0122】
実施形態58 研磨粒子が、多相アルミノシリカートを含む研磨粒子の第1の群及び酸
化物、炭化物、窒化物、ホウ化物、ダイヤモンド、又はそれらの任意の組合せからなる群
から選択される少なくとも1つの材料を含む研磨粒子の第2の群を含むブレンドを含む、
実施形態50に記載の方法。
【0123】
実施形態59 ブレンドが、少なくとも10体積%~99体積%以下の研磨剤の第2の
群を含む、実施形態50の方法。
【0124】
実施形態60 多相アルミノシリカートが、第1の多結晶相及び第2のアモルファス相
の2つの相を含む、実施形態50に記載の方法。
【0125】
実施形態61 多相アルミノシリカートが、少なくとも5体積%~99体積%以下の第
1の相及び少なくとも5体積%~90体積%以下の第2の相を含む、実施形態60に記載
の方法。
【0126】
実施形態62 少なくとも0.1及び4以下の含有比(Cr=C1/C2)をさらに含
み、ここでC1が多相アルミノシリカート中の第1の相の質量パーセントであり、C2が
多相アルミノシリカート中の第2の相の質量パーセントである、実施形態60に記載の方
法。
【0127】
実施形態63 多相アルミノシリカートが:
多相アルミノシリカートの総質量に対して少なくとも10質量%~65質量%以下のア
ルミナ(Al2O3);
多相アルミノシリカートの総質量に対して少なくとも10質量%~80質量%以下のシ
リカ(SiO2);
多相アルミノシリカートの総質量に対して少なくとも0.5質量%~8質量%以下の酸
化カリウム(K2O);
多相アルミノシリカートの総質量に対して0.5質量%以上8質量%以下の酸化鉄(F
e2O3);
多相アルミノシリカートの総質量に対して、0.1質量%以上2質量%以下の酸化チタ
ン(TiO2)、酸化カルシウム(CaO)及び酸化マグネシウム(MgO)の総量;又
は
それらの任意の組合せ
の少なくとも1つを含む、請求項50に記載の方法。
【0128】
実施形態64 多相アルミノシリカートが:
6~9のモース硬度;
多相アルミノシリカートを含む研磨粒子の一部の総体積に対して少なくとも1体積%~
20体積%以下の気孔;
少なくとも2.5g/cm3~2.8g/cm3以下の範囲内の密度;
少なくとも1ミクロン~10mm以下の範囲内の平均粒径(D50);又は
それらの任意の組合せ
の少なくとも1つを含む、請求項50に記載の方法。
【0129】
実施形態65 結合材料が、無機材料、有機材料、又はそれらの任意の組合せからなる
群から選択される材料を含む、実施形態50に記載の方法。
【0130】
実施形態66 結合研磨体が、少なくとも10:1~1000:1以下のアスペクト比
AR=D:tを含み、「D」が直径であり、「t」が厚さである、実施形態50に記載の
方法。
【0131】
実施形態67 結合研磨体が:
結合研磨体の総体積に対して少なくとも1体積%~85体積%以下の研磨粒子;
結合研磨体の総体積に対して少なくとも2体積%~90体積%以下の結合材料;
結合研磨体の総体積に対して少なくとも1体積%~60体積%以下の気孔;
の少なくとも1つを含む、実施形態50に記載の方法。
【0132】
例
例1
切削ホイールの形態の第1の研磨サンプル(サンプルS1)は、32体積%のフェノー
ル樹脂の結合材料(21%のレゾール及び79%のノボラック)、60体積%のモロカイ
ト(商標)として入手可能な研磨粒子、及び8体積%の気孔を含むように形成される。多
相アルミノシリカート材料は、約55質量%のムライトの第1の多結晶相及び45質量%
のアモルファスシリカ相を含んでいた。
【0133】
サンプルS1と同じグレード及び構造を有する、結合研磨剤の2つの比較サンプルも作
製した。第1の比較サンプル(サンプルC1)は、サンプルS1の多相アルミノシリカー
ト研磨粒子の代わりに、褐色の溶融アルミナ粒子を含んでいた。第2の比較サンプル(サ
ンプルC2)は、サンプルS1の多相アルミノシリカート研磨粒子の代わりに、シリコン
カーバイドの研磨粒子を含んでいた。
【0134】
図6は、各サンプルのG比及び材料除去速度のプロットを含む。試験は、Bosch
17-125ci(1700W)グラインダの突切り加工で150mm×15mmの寸法
を有するアルミニウム6082の工作物に対して行った。図示するように、サンプルS1
は、比較サンプルを上回る予想外の有意な改善を示した。
【0135】
例2
研磨サンプルである、切削ホイールの形態のサンプルS2及びS3は、S2の研磨粒子
がS3の研磨粒子よりも微細であることを除いて、同じ組成を含むように形成された。両
方のサンプルの研磨粒子は、モロカイト(商標)として入手可能である。切削ホイールサ
ンプルをAlu6082工作物に対して試験した。
図7Aに示すように、サンプルS3は
、サンプルS2と比較して改善されたG比及びMRRを示した。
図7Bは、サンプルS3
の研磨粒子の粒径分布の図を含む。
【0136】
例3
突切りホイールの形態の研磨サンプル、サンプルS4及びS5並びに比較サンプルC3
は、突切りホイールのサンプルが異なる研磨粒子を有することを除いて、同じ組成を含む
ように形成された。サンプルS4の研磨粒子は、サンプルS1と同じである。サンプルS
5は、サンプルS1の研磨粒子と同じSiC粒子と多相アルミノシリカート粒子とのブレ
ンドを含んでいた。サンプルC3は、サンプルS5と同じSiC研磨粒子を含んでいた。
【0137】
突切りホイールサンプルをAlu6082工作物に対して試験した。
図8に示すように
、サンプルS4は、サンプルS5及びC3と比較して最も高いG比を有したが、サンプル
S4及びS5はどちらも、サンプルC3よりも改善されたG比を示した。サンプルS4及
びS5並びにサンプルC3は、同等のMRRを有していた。
【0138】
例4
研磨サンプルである、切削ホイールの形態のサンプルC5及びS6~S15は、約38
体積%のフェノール樹脂の結合材料(28%のレゾール及び72%のノボラック)、約5
2体積%の研磨粒子、及び約10体積%の気孔を含むように形成された。ホイールの寸法
は5インチ×1/4インチ×7/8インチである。サンプルC5は、褐色の溶融アルミナ
研磨粒子で作製される。サンプルS15は、モロカイト(商標)として入手可能な粒子を
用いて作製され、サンプルS6~S14は、褐色の溶融アルミナ研磨粒子とモロカイト(
商標)の粒子とのブレンドを用いて作製される。各サンプルの粒子の総体積に対する2種
類の粒子の体積パーセンテージを以下の表1に示す。多相アルミノシリカート材料は、約
55質量%のムライトの第1の多結晶相及び45質量%のアモルファスシリカ相を含んで
いた。切削ホイールサンプルは、寸法が12インチ×0.5インチの1018炭素鋼の研
削について試験された。DeWalt DW831グラインダを使用した。研削は、10
~12アンペアを使用してホイールにつき10分間行った。
【表1】
【0139】
図9に示すように及び以下の表2に記載するように、サンプルS8~S13は、サンプ
ルC5と比較して同様のG比、ホイール摩耗速度、及び材料除去速度を予想外に示した。
【表2】
【0140】
例5
研磨サンプルである、切削ホイールの形態のサンプルC16及びS17は、約32体積
%のフェノール樹脂の結合材料(21%のレゾール及び79%のノボラック)、約60体
積%の研磨粒子、及び約8体積%の気孔を含むように形成された。ホイールの寸法は5イ
ンチ×1/4インチ×7/8インチであった。サンプルC16は、Washington
MillsからDuramul EGとして入手可能なムライト研磨粒子を用いて作製
した。サンプルS17は、モロカイト(商標)として入手可能な粒子を用いて作製した。
ムライト粒子及びモロカイト(商標)の平均密度及びビッカース硬さは、以下の表3に含
まれる。
【表3】
【0141】
図10は、各サンプルのG比及び材料除去速度のプロットを含む。試験は、研削用途に
おける寸法が12インチ×1/2インチのアルミニウム6082の工作物に対して行われ
た。METABO W12-125 QUICKグラインダを使用した。研削は、10~
12アンペアを使用してホイールにつき最長15分間行った。サンプルS17は、2.7
76g/gの平均累積G比、5.836g/分の累積WWR、及び15.99g/分の累
積材料除去速度を有していた。サンプルC16は、2.686g/gの平均累積G比、6
.745g/分の累積WWR、及び17.821g/分の累積材料除去速度を有していた
。
図10に示すように、サンプルS17及びC16は、同等の性能を示した。
【0142】
例6
研磨サンプルである、切削ホイールの形態のサンプルC18~C23及びS24~S2
9は、約38体積%のフェノール樹脂の結合材料(28%のレゾール及び72%のノボラ
ック)、約52体積%の研磨粒子、及び約10体積%の気孔を含むように形成される。ホ
イールの寸法は5インチ×1/4インチ×7/8インチである。サンプルC18~C23
は、褐色の溶融アルミナ及びDuramul EG研磨粒子のブレンドで作製され、サン
プルは、ブレンドの総体積に対してそれぞれ30体積%、40体積%、50体積%、60
体積%、70体積%、及び80体積%の含有量のDuramul EG研磨粒子を含む。
サンプルS24~S29は、褐色の溶融アルミナとモロカイト(商標)粒子とのブレンド
で作製され、サンプルは、ブレンドの総体積に対してそれぞれ30体積%、40体積%、
50体積%、60体積%、70体積%、及び80体積%の含有量のモロカイト(商標)研
磨粒子を含む。ホイールサンプルは、工作物の研削について試験を行う。
【0143】
上記で開示した主題は、限定的ではなく例示的と見なされるべきであり、添付の特許請
求の範囲は、本発明の真の範囲内に含まれる、すべてのそのような修正、拡張及び他の実
施形態を網羅するものである。このため、法律で許される最大限の範囲まで、本発明の範
囲は、以下の特許請求の範囲及びその均等物の最も広い許容可能な解釈によって決定され
るものであり、前述の詳細な説明によって限定又は制限されないものとする。
【0144】
開示の要約は、特許法を遵守するために提供され、特許請求の範囲又は意味を解釈又は
制限するために使用されないという理解の下に提出される。さらに、前述の詳細な説明で
は、開示を合理化する目的で、各種の特徴が共にグループ化され得るか、又は単一の実施
形態で説明され得る。この開示は、請求された実施形態が各請求項で明示的に示されたよ
りも多くの特徴を要するという意図を反映するものとして解釈されるべきではない。むし
ろ、添付の特許請求の範囲が反映するように、発明の主題は、開示された実施形態のいず
れの特徴すべてよりも少ない特徴を対象にし得る。したがって、以下の請求項は詳細な説
明に組み入れられ、各請求項は、個別に請求される主題を定義するものとして独立してい
る。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
研磨物品であって、
結合材料内に含有される研磨粒子を含む結合研磨体を備え、
前記研磨粒子の少なくとも一部が多相アルミノシリカートを含み、前記多相アルミノシリカートが多結晶アルミノシリカートを含む第1の相と、アモルファス相を含む第2の相と、を含む、
研磨物品。
【請求項2】
前記研磨粒子の総体積に対して、前記研磨粒子の少なくとも10体積%、又は少なくとも20体積%、又は少なくとも30体積%、又は少なくとも40体積%、又は少なくとも50体積%、又は少なくとも60体積%、又は少なくとも70体積%、又は少なくとも80体積%、又は少なくとも90体積%、又は少なくとも95体積%が多相アルミノシリカートを含む、請求項1に記載の研磨物品。
【請求項3】
前記研磨粒子の99体積%以下、又は95体積%以下、又は90体積%以下、又は80体積%以下、又は70体積%以下、又は60体積%以下、又は50体積%以下、又は40体積%以下、又は30体積%以下、又は20体積%以下、又は10体積%以下が多相アルミノシリカートを含む、請求項1に記載の研磨物品。
【請求項4】
多相アルミノシリカートを含む前記研磨粒子の一部が未凝集研磨粒子、成形研磨粒子、ランダム成形研磨粒子、高さが一定の研磨粒子、凝集研磨粒子、又はそれらの任意の組合せを含む、請求項1に記載の研磨物品。
【請求項5】
前記研磨粒子が、多相アルミノシリカートを含む研磨粒子の第1の群、並びに、酸化物、炭化物、窒化物、ホウ化物、ダイヤモンド、又はそれらの任意の組合せからなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む研磨粒子の第2の群、を含むブレンドを含む、請求項1に記載の研磨物品。
【請求項6】
前記研磨粒子の第2の群が、シリコンカーバイド、アルミナ、又はそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む、請求項5に記載の研磨物品。
【請求項7】
前記ブレンドが、少なくとも30体積%~80体積%以下の前記研磨粒子の第2の群を含む、請求項5に記載の研磨物品。
【請求項8】
前記多相アルミノシリカートが、前記多相アルミノシリカートの総質量に対して少なくとも5質量%~99質量%以下の前記第1の相を含む、請求項1に記載の研磨物品。
【請求項9】
前記多相アルミノシリカートが、前記多相アルミノシリカートの総質量に対して少なくとも5質量%~90質量%以下の前記第2の相を含む、請求項1に記載の研磨物品。
【請求項10】
少なくとも0.1~3.5以下の含有比(Cr=C1/C2)をさらに含み、ここでC1が前記多相アルミノシリカート中の前記第1の相の質量パーセントであり、C2が前記多相アルミノシリカート中の前記第2の相の質量パーセントである、請求項1に記載の研磨物品。
【請求項11】
前記アモルファス相が、シリカを含む、請求項1に記載の研磨物品。
【請求項12】
前記多相アルミノシリカートが、前記多相アルミノシリカートの総質量に対して65質量%以下のアルミナ(Al2O3)、前記多相アルミノシリカートの総質量に対して少なくとも30質量%のシリカ(SiO2)、又はそれらの組合せを含む、請求項1に記載の研磨物品。
【請求項13】
前記多相アルミノシリカートが、少なくとも6.5GPa~12GPa以下の範囲内のビッカース硬さ、少なくとも2.5g/cm3~2.8g/cm3以下の範囲内の密度、又はそれらの組合せを含む、請求項1に記載の研磨物品。
【請求項14】
前記研磨物品が、少なくとも1.5g/gの累積G比、少なくとも3g/分の累積材料除去速度、又はそれらの組合せを含む、請求項1に記載の研磨物品。
【請求項15】
前記結合研磨体が、前記結合研磨体の総体積に対して少なくとも約6体積%~50体積%以下の結合材料、前記結合研磨体の総体積に対して少なくとも30体積%~85体積%以下の研磨粒子、及び前記結合研磨体の総体積に対して少なくとも8体積%~50体積%以下の気孔を含む、請求項1に記載の研磨物品。
【外国語明細書】