(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024105401
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】画像制御装置
(51)【国際特許分類】
G09G 5/00 20060101AFI20240730BHJP
G09G 5/37 20060101ALI20240730BHJP
H04N 5/66 20060101ALI20240730BHJP
B60K 35/22 20240101ALI20240730BHJP
B60K 35/40 20240101ALI20240730BHJP
【FI】
G09G5/00 530T
G09G5/00 510A
G09G5/37 600
G09G5/00 530H
G09G5/37 300
G09G5/00 550C
G09G5/00 555D
G09G5/00 550B
H04N5/66 D
B60K35/22
B60K35/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024074496
(22)【出願日】2024-05-01
(62)【分割の表示】P 2023006823の分割
【原出願日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】P 2022093663
(32)【優先日】2022-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年8月27日に、https://www.youtube.com/watch?v=ZgxccpkbaGgで、令和3年8月28日に、https://www.youtube.com/watch?v=ByYa8FYh0jIにて公開
(71)【出願人】
【識別番号】597078994
【氏名又は名称】アイテル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100376
【弁理士】
【氏名又は名称】野中 誠一
(72)【発明者】
【氏名】永田 尚
(57)【要約】 (修正有)
【課題】自動車に搭載された電子機器を、更に有効に活用できる画像制御装置を提供する。
【解決手段】車載モニタに表示する画像の出力縦横比を、原画像の原縦横比に一致させる標準動作モード、及び、出力縦横比を原縦横比から適宜に変形する各種の編集動作モードの何れかが、任意に選択可能に構成されていると共に、編集動作モードの何れかから、一の手動操作で、標準動作モードか、又は、純正品の基準画面に復帰できるよう構成されている(ST11,ST31,ST24)。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の安全走行を支援する走行管理システムを有する自動車に搭載され、複数種類の原画像を適宜に選択して、所定態様で車載モニタに表示可能な制御装置であって、
走行動作中の一の手動操作に基づいて、前記車載モニタに、走行ナビ(navigation)画像、及び/又は、その他のAV画像を表示するよう構成されている画像制御装置。
【請求項2】
標準的な表示装置用の前記原画像を、縦横比を変形して前記車載モニタに表示可能に構成され、
前記車載モニタに表示する画像の出力縦横比を、前記原画像の原縦横比に一致させる標準動作モード、及び、前記出力縦横比を前記原縦横比から適宜に変形する各種の編集動作モードの何れかが、任意に選択可能に構成されていると共に、
前記編集動作モードの何れかから、前記一の手動操作で、前記標準動作モードか、又は、純正品の基準画面に復帰できるよう構成されている請求項1に記載の画像制御装置。
【請求項3】
前記車載モニタにタッチする前記一の手動操作で前記標準動作モードに復帰した後、所定の時間が経過すると、自動的に元の動作状態に再復帰するよう構成されている請求項2に記載の画像制御装置。
【請求項4】
所定ボタンをON操作する前記一の手動操作で純正品の基準画面に復帰した後は、同じON操作に基づいて、元の動作状態に再復帰するよう構成されている請求項2に記載の画像制御装置。
【請求項5】
所定のボタン操作に基づき、前記車載モニタには、車載機器からの走行ナビ(navigation)画像、又はインターネット経由の画像が、前記編集動作モードで表示される請求項1~4の何れかに記載の画像制御装置。
【請求項6】
前記車載モニタのモニタ制御部に伝送されるデータであって、走行速度を特定可能な車速データを前記モニタ制御部に先行して受信する受信部と、
前記車速データ又はその編集データを、前記モニタ制御部に中継伝送する送信部と、を有して構成され、
前記一の手動操作に基づいて、前記車載モニタ以外の動作に影響を与えることなく、前記送信部の動作が切り替わるよう構成されている請求項1に記載の画像制御装置。
【請求項7】
前記車速データとして、車速に合わせた出力周期でパルス信号が繰り返し出力され、
前記編集データとして、間欠的に編集パルス信号が繰り返し出力される構成を有し、
前記出力周期より短周期で、必要個数の前記編集パルス信号がまとめて出力されるよう構成されている請求項6に記載の画像制御装置。
【請求項8】
前記受信部は、サイドブレーキ操作時に出力される駐車データを、前記モニタ制御部に先行して受信するよう構成され、
前記送信部は、前記編集データを中継伝送することに合わせて、前記駐車データを、前記モニタ制御部に伝送するよう構成されている請求項6に記載の画像制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のカーナビ機構や、その他の運転支援機能を有効活用できると共に、画像再生装置やスマートフォン(Smartphone以下、スマホと略す)などの電子機器を、更に有効に活用できる画像制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車に搭載された画像再生装置を、最適なサイズで表示できる制御装置として、出願人は、既に特許文献1の構成を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明では、標準表示態様のNORMALモードと、左右及び上下方向に表示画面を均等に拡大するZOOMモードだけでなく、横長の車載ディスプレイに対応して、表示画面を左右方向に拡大するWIDEモードと、左右方向及び上下方向に異なる倍率で拡大して自然な表示態様を実現するJUSTモードと、が設けられており、その何れかが、指示ボタンの操作回数に応じて、適宜に選択可能に構成されている。
【0005】
しかし、豊かなカーライフを満喫するためには、更なる改善が望まれるところである。先ず、横長形状の車載モニタに、カーナビ画面と他の映像画面とが、分離状態で表示されるPBP(Picture By Picture)表示モードが実現できると好適である。また、標準車載モニタが、タッチパネルで構成されている場合には、NORMALモード以外では、例えば、拡大表示されたナビ画面において、希望する動作に対応するタッチ位置が、その時の表示ボタンの位置からずれるので、この点の対策も望まれる。
【0006】
また、後部座席に、追加の表示装置を配置した場合、この後部表示装置に、独立の映像画面を表示できるだけでなく、必要に応じて、カーナビ画面など、標準車載モニタと同一の画面を表示できると好適である。このような場合、市販の表示装置は、通常、その縦横比が9対16程度であるのに対して、標準車載モニタの縦横比は、通常、9対16より更に横長であるので、特別な工夫をしないと、後部表示装置に自然な画面を表示することはできない。
【0007】
また、昨今の自動車には、(1)自動ブレーキ機能、(2)車線逸脱警報機能、(3)ペダル踏み間違い検知機能、(4)ヘッドライトの自動切り替え機能など、各種の運転支援機能が付加されているが、これらの運転支援機能に、何ら悪影響を与えることなく、カーナビ機能やAV表示機能を効果的に活用したい要望がある。
【0008】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、自動車に搭載された電子機器を、更に有効に活用できる画像制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するための本発明に係る画像制御装置は、自動車の安全走行を支援する走行管理システムを有する自動車に搭載され、複数種類の原画像を適宜に選択して、所定態様で車載モニタに表示可能な制御装置であって、走行動作中の一の手動操作に基づいて、前記車載モニタに、走行ナビ(navigation)画像、及び/又は、その他のAV画像を表示するよう構成されている。一の手動操作で実現される動作は、例えば、
図4のST11,ST31,ST24や、
図11の動作がこれに対応する。
【発明の効果】
【0010】
上記した本発明によれば、自動車に搭載された電子機器を、更に有効に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施例に係る画像制御装置EQUの内部構成と、車載モニタと後部モニタの関係を説明する図面である。
【
図2】HDMI(登録商標)ケーブルを説明する図面である。
【
図4】画像制御装置EQUの動作を説明するフローチャートである。
【
図5】車載モニタと後部モニタの表示内容を説明する図面である。
【
図7】ナビ制御ユニットNUTの回路構成と動作を説明する図面である。
【
図8】
図7のナビ制御ユニットNUTの動作を説明するフローチャートである。
【
図9】別のナビ制御ユニットNUTの回路構成と動作を説明する図面である。
【
図10】CANドライバの回路構成を示す図面である。
【
図11】
図9のナビ制御ユニットNUTの動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、具体的な記載内容は、特に本発明を限定するものではない。先ず、
図1(a)は、実施例に係る画像制御装置EQU(
図1(a)の下部)と、これに関連するナビユニットUNi、キーボードパネルKEY、及び、車載モニタMTなどの車載装置(
図1(a)の上部)と、の接続関係を図示したものである。
【0013】
特に限定されないが、本実施例のナビユニットUNiは、走行ナビ(navigation)画像を出力するカーナビ装置UN1と、DVDプレイヤーUN2と、TVチューナUN3と、カーオーディオ装置UN4を、各々、純正品として内蔵している。また、このナビユニットUNiは、純正品たるバックカメラUN5からの映像信号も受けている。
【0014】
本実施例の車載モニタMTは、タッチパネル式であって、運転者は、キーボードパネルKEYや、車載モニタMTをタッチ操作して、画像制御装置EQUに、必要な動作を指示することができる。また、本実施例では、
図1の左端部に、網掛け表示した二つの操作ボタンSW1,SW2が設けられており、画像制御装置EQUに必要な動作を指示できるよう構成されている。
【0015】
特に限定されないが、本実施例では、操作ボタンSW1は、画像制御装置EQUの動作開始/動作終了の指示と、車載モニタMTの表示モードを指示する用途で使用され、一方、操作ボタンSW2は、追記的に搭載された映像再生機器について、その何れを使用するかを指示する用途などで使用される。
【0016】
また、本実施例では、
図1の左端部に示す操作ボタンSW1の長押し操作に対応して、ON/OFF接点の接点位置が切り替わるON/OFF部BYi,BYoが設けられている。ここで、ON/OFF部BYi,BYoの接点位置がON動作すると、画像制御装置EQUが、制御動作可能状態(制御ON状態)となり、一方、ON/OFF部BYi,BYoの接点位置がOFF動作すると、画像制御装置EQUが、非動作状態(制御OFF状態)に移行する。
【0017】
画像制御装置EQUが非動作状態の場合には、図示の映像バイパス路を経由して、ナビユニットUNiから出力される画像信号SGinが、そのまま、車載モニタMTに伝送される。
【0018】
図1(a)の最下部に示す通り、本実施例では、後部座席に対応して、後部モニタDSPが追加的に配置され、車内の適所には、DVDプレイヤーとCDプレイヤーなどの画像再生装置が配置されている。また、Wi-Fi回線に接続されたスマホや、Fire TV Stick (Fire TV は登録商標)などのHDMI(登録商標)端末も、車内の適所に配置可能に構成されている。
【0019】
何ら限定されないが、後部モニタDSPは、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)信号を受けて、高画質の表示の表示動作を実現している。
【0020】
何れにしても、車内適所に配置される各電子機器は、市販品で足りる。この場合、Fire TV Stick の動作は、blue tooth(登録商標)回線で接続された専用リモコンで管理されるが、DVDプレイヤーやCDプレイヤーの動作は、専用の赤外線リモコンを経ることなく、各機器に対する直接的な手動操作に基づいて実行される。但し、破線枠で示すIR送信部IR_TX を追加する他の実施例では、キーボードパネルKEYなどのキー操作によって、DVDプレイヤーやCDプレイヤーの動作を制御することもできる。
【0021】
ところで、ナビユニットUNiには、純正品たるDVDプレイヤーUN2が内蔵されているにも関わらず、本実施例では、市販のDVDプレイヤーを搭載可能にするのは、車載モニタMTと、後部モニタDSPに、別々の画像を表示できるようにするためである。すなわち、市販品を追加しない構成では、DVDプレイヤーUN2やTVチューナUN3からの再生画像を、車載モニタMTと後部モニタDSPに共通的に表示することはできるが、もし、車載モニタMTの画面が、走行ナビ画面などに代わると、これに付随して、後部モニタDSPにも走行ナビ画面が表示される不便がある。
【0022】
そこで、本実施例では、DVDプレイヤー、CDプレイヤー、TVチューナなどの画像再生装置や、スマホや、Fire TV Stick などのHDMI(登録商標)端末を追加的に配置することで、車載モニタMT画面の切り替えに関わらず、後部モニタDSPでは、画像再生装置やHDMI(登録商標)端末からの再生画像を継続して視聴できるよう構成している。
【0023】
追加配置されたAVソースの何れの画面を表示するかは、本実施例では、
図1の左端部に示す操作ボタンSW2のON操作回数で規定されている。例えば、実施例の構成の場合には、操作ボタンSW2がON操作されるごとに、AVソースが、HDMI(登録商標)端末→DVDプレイヤー→CDプレイヤーのように自動的に推移するよう構成されている。
【0024】
何れにしても、車載モニタMTは、
図1(b)に示す通り、一般的な表示装置DISPより横長に形成されており、
図1(c)に示す表示装置DSPの一般的な縦横比9対16に対して、9対16+αの縦横比となっている。そして、車載モニタMTには、
図1(c)や
図5(b)に示す表示態様(POP)を実現するNORMALモードと、
図5(c)に示す拡大モードの何れかが表示される。
【0025】
本実施例の拡大モードには、左右及び上下方向に表示画面を均等に拡大するZOOMモードと、表示画面を左右方向にだけ拡大するWIDEモードと、左右方向及び上下方向に異なる倍率で拡大して、自然な表示態様を実現するJUSTモードとが含まれ、適宜なボタン操作に基づいて、その何れかが選択できるよう構成されている。
【0026】
特に限定されないが、本実施例では、NORMALモード、ZOOMモード、WIDEモード、JUSTモードの何れの表示モードを採るかは、操作ボタンSW1のON操作回数で決まるよう構成されている。すなわち、操作ボタンSW1がON操作されるごとに、表示モードがNORMALモード→WIDEモード→JUSTモード→ZOOMモードのように自動的に推移する。
【0027】
これらの動作は、適宜に変更可能であり、例えば、操作ボタンSW1,操作ボタンSW2に代えて、車載モニタMTにタッチスイッチSW1,SW2を、出現させる構成を採るか、或いは、キーボードパネルKEYの特定のキースイッチBTiを活用する構成を採っても良い。また、ボタンのON操作回数で動作内容を特定するのではなく、必要な動作内容に対応する複数のキースイッチを使用しても良い。
【0028】
何れにしても、
図1(b)や
図5(b)に示す通り、NORMALモードでは、車載モニタMTに、走行ナビ画面やTVなどの画像と、ボタン画面とが左右にPBP(Picture By Picture)表示されるので、運転走行中に、自動車の現在位置を確認したり、或いは、車載モニタMTの適所をタッチ操作して、必要な動作を選択することができる。一方、NORMALモード以外では、横長の車載モニタMTの全体に、画像再生装置の再生画像や、HDMI(登録商標)端末によるインターネット経由の画像が大迫力で表示される(
図5(c)参照)。
【0029】
また、本実施例では、車載モニタMTを画面タッチするか、特定のキー操作をすると、車載モニタMTの表示内容を維持した状態で、所定時間(例えば20秒)だけ、表示態様がNORMALモードに変わるよう構成されている。
【0030】
先に説明した通り、NORMALモードの車載モニタMTには、必ず、ボタン画面が表示されるので(
図1(b)参照)、必要なタッチ操作によって、走行目的位置などを設定することができる。その後、所定時間を経過すると、車載モニタMTは、NORMALモード(
図5(b)参照)から、元の表示拡大モード(
図5(c)参照)であるZOOMモード、WIDEモード、又はJUSTモードに戻るので、引き続き再生画像などを楽しむことができる。
【0031】
また、本実施例では、操作ボタンSW2が、長押しされると、車載モニタMTの表示内容が、当該自動車の純正画面に変化し、例えば、
図1(b)のように、車載モニタMTに、ボタン画面と走行ナビ画面が表示されるか、或いは、ボタン画面と初期設定画面が表示されるよう構成されている。したがって、運転中、必要な設定処理を迅速に終えることができる。
【0032】
この動作時、後部モニタDSPには、それまでと同じ画像が表示されるので、後部座席の搭乗者は、それまでの再生画像を途切れることなく、見続けることができる。
【0033】
図1(a)に示す通り、本実施例では、ナビユニットUNiから出力される画像信号SGinと、車載モニタMTが受ける画像信号SGoutは、何れも、GV_IF (Gigabit Video Interface )のフォーマットで形成されている。すなわち、本実施例では、ナビユニットUNi側に、GV_IF 仕様のシリアライザが設けられている一方、車載モニタMT側には、シリアライザに対応するデシリアライザが設けられている。しかも、本実施例では、自己同期方式を実現するGV_IF を採用するので、クロック信号の伝送が不要となり、一対の差動信号線か、一本の同軸ケーブルで画像信号を伝送できる利点がある。
【0034】
また、この画像制御装置EQUは、自動車用CAN(Controller Area Network )のバスラインBUSに接続されている。すなわち、画像制御装置EQUは、MCユニットMCUに接続されたCANインタフェイス部IF(CAN受信部RvとCAN送信部Trを含む)を有して構成され、MCユニットMCUは、バスラインBUSに対して、双方向通信可能に構成されている。
【0035】
なお、バスラインBUSには、データフレームの他、リモートフレーム、エラーフレーム、オーバーロードフレームなどの各種フレームが送受信されるが、本明細書では、これらのフレームを総称して、以下、回線データDTと称する。
【0036】
MCユニットMCUは、CANインタフェイス部IFのCAN受信部Rvを経由して、回線データDTを定常的に監視することで、キーボードパネルKEYのキー操作や、車載モニタMTのタッチ操作を把握することができる(
図4(c)参照)。また、操作ボタンSW1と、操作ボタンSW2のON操作については、割込み処理などに基づいて、その操作がMCユニットMCUに伝えられ、MCユニットMCUでは、ON操作時間などを評価して、必要な処理を実行している(
図4(a),
図4(b)参照)。
【0037】
以上、画像制御装置EQUの主要部について説明したので、次に、
図1(a)に示す他の部分について説明する。
【0038】
この画像制御装置EQUは、ナビユニットUNiからGV_IF 方式の画像信号SGinを受けてデシリアライズ復調する受信復調部GVIF_RV と、ナビユニットUNiにGV_IF 方式の画像信号SGoutを出力するシリアライズ送信部GVIF_TR と、スマホなどからHDMI(登録商標)信号を受けて画像信号を復調するHDMI(登録商標)復調部HDMI_RV と、CDプレイヤーとDVDプレイヤーから受けるcomposite 信号の何れか一方を選択する信号選択部SELと、信号選択部SELの出力信号から画像信号と音声信号とを分離して復調するデコーダ部DECと、HDMI復調部HDMI_RV 、デコーダ部DEC、及び受信復調部GVIF_RV から受ける3種類の画像信号を適宜に選択組み合わせる画像コントローラMNGと、画像コントローラMNG及びデコーダ部DECの出力の一方を選択してLVDS信号に変調する出力選択変調部SEL&ENC と、出力選択変調部SEL&ENC が出力するLVDS信号をHDMI(登録商標)信号に変換する信号変換部CNVと、各部の動作を制御するMCユニットMCU(Micro Controller Unit )と、を有して構成されている。
【0039】
図1(a)の右下部に示す通り、デコーダ部DECが復調した画像信号は、画像コントローラMNGに供給されるが、デコーダ部DECが復調した音声信号は、ナビユニットUNiのAUX端子に供給される。なお、
図1(a)には、CEC送信部CEC_TXや、IR信号送信部IR_TX が、破線枠で記載されているが、これら破線枠の構成は、後で説明するオプション構成であって、必ずしも必須ではない。
【0040】
以上を踏まえて説明を続けると、MCユニットMCUは、書換え可能な不揮発性メモリEEPROMに記憶された制御プログラムや制御データに基づいて動作するコンピュータ回路である。そして、MCユニットMCUは、CAN受信部Rvから受ける回線データDTを、定常的に解析して、キーボードパネルKEY(BT1~BTn)のキー操作や、車載モニタMTのタッチ操作をチェックしている(
図4(c)参照)。また、MCユニットMCUは、操作ボタンSW1,SW2のON操作に対応して、
図4(a)や
図4(b)に示す個別処理を実行するよう構成されている。
【0041】
図2は、Fire TV Stick 、スマホ、又はゲーム機などのHDMI(登録商標)端末と、HDMI復調部HDMI_RV との接続関係を図示したものである。図示の通り、HDMI復調部HDMI_RV は、TMDS(Transition Minimized Differential Signaling )復調回路を含んだHDMI受信部RXと、スケーラーなどを含んだ画像編集回路と、RGB画像信号や垂直/水平同期信号などの制御信号を出力する出力回路と、前記した各内部回路を制御する制御回路と、を有して構成されている。
【0042】
HDMI(登録商標)ケーブルは、3対の差動信号線TMDS_Data0-2と、1対のクロック信号線TMDS_CLKとで、差動シリアル伝送路(Transition Minimized Differential Signaling )を構築している。また、HDMI(登録商標)ケーブルは、CEC(Consumer Electronics Control)信号線と、DDC(Display Data Channel)信号線と、を含んでおり、各々、シングルエンド信号を伝送している。
【0043】
ここで、CEC信号は、HDMIケーブルで接続された機器間で、所定の遠隔操作を実現するための信号であり、例えば、端末機器の電源ON/OFF操作や、再生操作や、一時停止操作や、再生再開操作などがCEC信号によって実現される。
【0044】
図1(a)に示す実施例では、このCEC信号線を使用していないが、HDMI(登録商標)端末として、例えば、ブルーレイプレイヤBDを搭載した場合には、
図1(a)の破線枠で示すCEC送信部CEC_TXを設け、ブルーレイプレイヤBDに対する指示信号は、CECパケットの形式で、MCユニットMCUからブルーレイプレイヤBDに伝送される(
図2の破線部参照)。
【0045】
図3(a)は、
図2の破線部に対応する構成であって、HDMI(登録商標)端末がブルーレイプレイヤBDである場合に、MCユニットMCUが参照する信号変換テーブルTBLを図示している。図示の通り、信号変換テーブルTBLは、ブルーレイプレイヤBDのリモコンボタンと、キーボードパネルKEYの対応ボタンと、CEC信号フォーマットとの関係を特定している。
【0046】
このように、CEC信号線を活用する場合には、ブルーレイプレイヤBDの専用リモコンを自動車に搭載しなくても、キーボードパネルKEY(BT1~BTn)のキー操作によって、ブルーレイプレイヤBDの再生動作を管理することができる。
【0047】
図3(a)において、各CECパケットは、リモコンの指示ボタンを特定しているが、
図3(b)に例示する通り、CECパケットは、10ビット長のヘッダ部と、1バイト長のオペランド部と、可変バイト長のオペコード部とで構成されている。ヘッダ部では、パケット送信先(HDMI端末としてのBD)が特定され、オペランド部では指示種別が特定され、オペコード部では指示内容が具体的に特定される。
【0048】
図1(a)に示す通り、画像コントローラMNGは、受信復調部GVIF_RV 、HDMI復調部HDMI_RV 、及び、デコーダ部DECから、画像信号を受けるよう構成されている。この画像コントローラMNGは、画像編集の作業領域として使用されるメモリ素子DDR2_SDRAM (Double-Data-Rate2 Synchronous Dynamic Random Access Memory)と、書換え可能なフラッシュメモリFLASHと共に動作する。そして、本装置EQUの動作に必要な設定データは、電源遮断後も不揮発のフラッシュメモリFLASHに記憶維持される。
【0049】
そのため、運転終了まで使用していた車載モニタの表示モードやAVソースの選択が、運転再開後に、そのまま継続できることになり、自動販売機やコンビニなどの立ち寄り時に便利である。すなわち、本実施例では、一時的な停車のたびに、一々、表示モードやAVソースを再設定する必要がない。
【0050】
受信復調部GVIF_RV は、先に説明した通り、ナビユニットUNiから受けたシリアルGV_IF 信号SGinを復調して、画像信号RGB_aを出力し、HDMI復調部HDMI_RV は、HDMI(登録商標)端末から受けたシリアルTMDS信号を復調して、画像信号RGB_bを出力し、デコーダ部DECは、CD又はDVDプレイヤーから受けたcomposite 信号を復調して、画像信号RGB_cを出力している。特に限定されないが、画像信号RGB_a、画像信号RGB_b、及び画像信号RGB_cは、何れも、RBG各10bit長のデジタルRGB30bit信号である。
【0051】
図1(a)に示す通り、画像コントローラMNGは、各部から受ける画像を適宜に拡大縮小する三個(A/B/C)のスケーラーScalerと、複数の画像を適宜に組み合わせる重複部Overlayと、重複後の画像を補正編集する調整部と、を有して構成され、第1画像信号RGB_outと、第2画像信号RGB_out’とを、別々に出力している。
【0052】
第1画像信号RGB_outは、縦横比9対16+αの横長画面を特定して、シリアライズ送信部GVIF_TR に供給される。一方、第2画像信号RGB_out’は、縦横比が9対16の通常画面を特定して、出力選択変調部SEL&ENCに供給される。
【0053】
上記の構成を有する画像コントローラMNGは、回線データDTを常時監視しているMCユニットMCUからの指示に基づいて動作しており、3種類の画像信号RGB_a、RGB_b、RGB_cについて、必要な画像信号を選択する選択機能と、何れか二つの画像信号を選択して組み合わせる複合PBP機能と、出力すべき画像の縦横比を修正する変形機能と、を実現している。また、この画像コントローラMNGは、車載モニタMTに対する縦横比9対16+αの画像信号RGB_outと、後部モニタDSPに対する縦横比9対16の画像信号RGB_out’を出力している。
【0054】
以下、画像コントローラMNGの動作を具体的に確認する。先に説明した通り、画像信号RGB_aは、シリアルGV_IF 信号SGinを復調した信号であり、縦横比9対16+αの横長画面を特定している。そこで、画像コントローラMNGは、この復調信号を、縦横比が9対16の通常画面と、残余の9対αの残余画面に分離して管理している。一方、画像信号RGB_bや、画像信号RGB_cは、縦横比が9対16であり、このままの状態で管理する。
【0055】
図5(a)は、この関係を図示したものであり、各々、縦横比が9対16であるA画面とB画面とC画面とが示されている。A画面は、ナビユニットUNiから受けた画面の一部であり、B画面は、スマホなどのHMDI端末から受けた画面の全部であり、C画面は、CDプレイヤーなどのAV機器から受けた画面の全部である。
【0056】
NORMALモードにおいて、
図5(a)に示すA画面の隣に配置される9対αの残余画面は、ナビユニットUNiから送信されるボタン画面などの操作画面か、或いは、B画面又はC画面の一方である。
【0057】
何れにしても、三種類の画面A/B/Cは、搭乗者によるキーボードパネルKEYのキー操作に基づいて、その一つ、又は二つが選択される。ここで、選択画面が一つの場合は、画面A/B/Cからの選択画像が、車載モニタMTと後部モニタDSPに共通的に表示される(
図5(b)~
図5(d)参照)。一方、選択画面が二つの場合は、画面Aが車載モニタMTに表示され、画面B又は画面Cからの選択画像が、後部モニタDSPに表示されることになる。
【0058】
なお、MCユニットMCUは、常時監視する回線データDTに基づいて、キーボードパネルKEYのキー操作を把握して、上記の動作が実現されるよう画像制御装置EQUの各部を制御している。
【0059】
また、本実施例では、操作ボタンSW1のON操作回数に基づいて、車載モニタMTの表示モードが特定される。先に説明した通り、車載モニタMTの表示モードには、横長画面の一部を使用するNORMALモード(
図5(b)参照)と、横長画面の全部を使用する拡大モード(
図5(c)参照)がある。車載モニタMTに表示される画像は、ナビユニットUNiから受けたA画面か、スマホなどのHMDI端末から受けたB画面か、CDプレイヤーなどから受けたC画面の何れかである。
【0060】
何れの表示モードでも、
図5(b)及び
図5(c)の網掛け部分には、A画面/B画面/C画面の何れかが、NORMLモード、又はZOOM/WIDE/JUSTモードなどの拡大モードで表示される。先に説明した通り、NORMLモードでは、
図5(b)の網掛け部分にA画面を表示した状態で、その横側に、B画面やC画面を表示させることもできる。
【0061】
次に、
図5(d)は、後部モニタDSPの状態を示しており、A画面/B画面/C画面の何れかが、NORML状態で表示されることが示されている。先に説明した通り、車載モニタMTと、後部モニタDSPの表示内容は、同一でも良いし、同一でなくても良く、何れの動作態様を採るかは、キーボードパネルKEYなどのキー操作によって規定される。
【0062】
したがって、運転者が、NORMLモード又は拡大モードの走行ナビ画像を見ているとき、後部モニタDSPでは、HDMI(登録商標)端末からのB画像か、CDプレイヤーなどのAV機器から受けたC画面を見ることもできる。
【0063】
図1(a)に戻って説明を続けると、出力選択変調部SEL&ENC は、上記の各動作を実現するための構成であり、画像コントローラMNGから、A画面又はB画面を特定する第2画像信号RGB_out’を受けると共に、デコーダ部DECから、C画面を特定する画像信号RGB_cを受けている。
【0064】
この出力選択変調部SEL&ENC は、キーボードパネルKEYのキー操作に対応するMCユニットMCUの制御に基づいて動作するが、第2画像信号RGB_out’(A画面又はB画面)と、画像信号RGB_c(C画面)の何れか一方を選択して、後部モニタDSPに向けて出力しており、後部モニタDSPには、A画面又はB画面又はC画面の何れかが表示されことになる。
【0065】
本実施例では、出力選択変調部SEL&ENC は、LVDS信号を出力しており、選択された画像信号RGB_c/RGB_out’のLVDS信号は、信号変換部CNVでHDMI(登録商標)信号に再変換された後、後部モニタDISPに伝送される。
【0066】
以上、画像制御装置EQUの回路構成を説明したので、次に、MCユニットMCUが実行する制御手順について説明する。
【0067】
図4は、MCユニットMCUの動作を説明するフローチャートであり、操作ボタンSW1のON操作に対応して起動するSW1処理(a)と、操作ボタンSW2のON操作に対応して起動するSW2処理(b)と、定常的に回線データDTを監視する定常処理(c)と、を示している。
【0068】
先ず、操作ボタンSW1がON操作された場合に実行される、
図4(a)のSW1処理について説明する。MCユニットMCUは、操作ボタンSW1が長押しされたか否かを判定し(ST10)、長押しされた場合には、制御管理フラグFLGを、FLG=0とFLG=1の間で、トグル的に切り替えた後に、ステップST12の判定処理に移行する。
【0069】
ここで、制御管理フラグFLG=0は、画像制御装置EQUが機能しない制御終了状態を意味し、この制御終了状態では、車載モニタMTは、純正品の動作として、自動車メーカの設計通りに動作することになる。
【0070】
一方、制御管理フラグFLG=1は、画像制御装置EQUが機能する制御開始状態を意味し、車載モニタMTや後方モニタDSPは、運転者の指示に応じた表示動作を開始する。このように、本実施例では、操作ボタンSW1を長押しすると、画像制御装置EQUが動作を開始し、再度、操作ボタンSW1を長押しすると、画像制御装置EQUが動作を停止し、以下、同様のトグル動作を繰り返す。なお、制御動作開始時には、表示モードを管理するカウンタ変数CNT1がCNT1=0に初期化される(ST11)。
【0071】
以上、操作ボタンSW1を長押しされた場合を説明したが、長押しでない場合には、直ちに、制御管理フラグFLGを判定し(ST12)、画像制御装置EQUを動作させるべきFLG=1の場合には、カウンタ変数CNT1を1~4の範囲で更新する(ST13)。
【0072】
次に、MCユニットMCUは、更新後のカウンタ変数CNT1の値に応じて、表示モードがNORMALモード→WIDEモード→JUSTモード→ZOOMモードとなるよう、画像コントローラMNGを含む画像制御装置EQUの内部回路を適宜に制御する(ST14)。
【0073】
続いて、操作ボタンSW2がON操作された場合に実行される、
図4(b)のSW2処理について説明する。この場合も、MCユニットMCUは、操作ボタンSW2が長押しされたか否かを判定し(ST30)、長押しされた場合には、特別表示動作を開始するか終了するかをトグル的に切り替える。
【0074】
ここで、特別表示動作とは、車載モニタMTに、
図1(b)に示すようなナビ画面とボタン画面を表示し、後部モニタDSPには、HDMI(登録商標)端末かAV機器の再生画像を表示し続ける動作状態である。この動作は、例えば、MCユニットMUCが、CAN送信部Trを経由して、特定の回線データDTを出力することで実現され、自動車走行中にナビ画面を見たい場合に有効である。この動作によれば、複雑な操作を経ることなく、一の操作で、ナビ画面を表示させることができる。また、後部モニタDSPにとっては、再生画像が途切れない利点がある。
【0075】
一方、操作ボタンSW2が長押しされていない場合には、次に、ON操作回数を管理するカウンタCNT2を1~3の範囲で更新し(ST32)、カウンタCNT2の値に応じて、有効化するAVソースを決定する。例えば、CNT2=1の場合は、HDMI(登録商標)端末が選択され、CNT2=2の場合は、DVDプレイヤーが選択され、CNT2=3の場合は、CDプレイヤーが選択される。以上の通り、本実施例では、複雑なキースイッチ操作を経ることなく、AVソースを簡単に選択できる利点がある。
【0076】
最後に、定常的に回線データDTを監視する定常処理(c)について説明する。
図5(c)に示す通り、定常処理では、定常的に回線データDTをチェックし(ST20)、車載モニタMTがタッチ操作されたか否かを判定している(ST21)。そして、タッチ操作が確認されると、それが操作ボタンSW1かSW2のタッチ操作か否かを判定する(ST21)。
【0077】
そして、操作ボタンSW1か、又は操作ボタンSW2の操作であれば、各々に対応する割込み信号を発生させるか、或いは、直ちに、
図4(a)のSW1処理か、
図4(b)のSW2処理のサブルーチン処理を実行して、定常処理を終える(ST22)。
【0078】
一方、操作ボタンSW1のタッチ操作でなく、且つ、操作ボタンSW2のタッチ操作でもないタッチ操作の場合(ST23)は、車載モニタMTの表示モードを強制的に、
図5(b)に示すNORMALモードに切り替える(ST24)。
【0079】
その結果、車載モニタMTは、
図1(b)の表示状態に戻り、通常は、ナビ画面が表示される。一方、ナビ画面が表示されない場合でも、車載モニタMTには、ボタン画面が表示されるので、ボタン画面の操作に基づき、ナビ画面を表示させることができる。なお、この動作状態では、後部モニタDSPには、それまでと同じ画面か、或いは、車載モニタMTと同じナビ画面が表示される。
【0080】
次に、MCユニットMCUは、所定の計時処理を開始する(ST25)。計時処理は、ステップST24の処理を維持する時間を管理するためであり、例えば、20秒程度の消費時間が計時される。そして、所定の消費時間が経過すれば、NOMALモードから元の表示モードに戻して処理を終える(ST26)。
【0081】
このように、本実施例では、必要時に、一のタッチ操作だけで、車載モニタMTにナビ画面を表示させることができ、しかも、迅速に、元の画面に自動復帰させることができる利点がある。
【0082】
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、具体的な記載内容は、特に本発明を限定するものではない。例えば、上記の実施例では、Fire TV Stick の動作について、専用のリモコンを使用したが、
図3(a)と同様の変換テーブルTBLと、CEC信号出力部CEC_TX(
図1の破線部参照)を設けることで、専用リモコンの使用を不要にすることもできる。この場合にはキーボードパネルKEYの所定ボタンBTiのON操作が、Fire TV Stick の専用リモコンのON操作に対応する。
【0083】
また、上記の実施例では、DVDプレイヤーやCDプレイヤーを、搭乗者が、直接、操作したが、特に限定されない。すなわち、これらAV機器の専用リモコンの操作ボタンと、その操作ボタンのON操作時に出力されるIR(infrared)信号との対応関係を、変換テーブルTBLに記憶することで、専用リモコンのON操作を、キーボードパネルKEYのON操作で代用することもできる。
【0084】
図3(c)は、このような場合の変換テーブルTBLを例示したものであり、この変換テーブルTBLには、キーボードパネルKEYのボタンBTiと、ボタンBTi操作時に出力すべきIR信号の信号フォーマットが対応して登録されている。
【0085】
このような実施例の場合には、
図1(a)では、破線で示すIR送信部IR_TX が必要となる。ここで、IR送信部IR_TX は、
図6に示すIR復調回路と、IR生成回路のうち、IR生成回路と同じ回路構成を有している。
【0086】
IR生成回路に対応するIR送信部IR_TX は、MCユニットMCUから受ける原信号(
図6の復調信号に対応する信号)に基づいて、IR信号を生成して赤外線発光ダイオードを発光させる。このような実施例では、赤外線発光ダイオードが、DVDプレイヤーやCDプレイヤーに近接して配置されるので、キーボードパネルKEYの該当ボタンBTiをON操作するだけで、DVDプレイヤーやCDプレイヤーに、必要な動作を実行させることができる。
【0087】
ところで、最近の自動車には、サポカー対応とも称される運転支援機構が付加されており、具体的には、(1)前方の車両や歩行者を検知して機能する自動ブレーキ機能、(2)車線逸脱警報機能、(3)ペダル踏み間違い検知機能、(4)ヘッドライトの自動切り替え機能などが実現されている。
【0088】
また、車載モニタMTは、
図1(b)に示す横長の構成に限らず、
図1(c)に示すような一般的な縦横比の構成を採る場合もある。このような場合、車載モニタMTには、自動車走行をアシストするナビ画面と、TV放送などのAV画面の何れか一方だけが表示される。
【0089】
このような構成の自動車において、補助席(非運転席)では、AV画面を楽しむことができる一方、必要時には、適宜なタッチ操作に基づいて、AV画面をナビ画面に切り替えることができると好適である。
【0090】
また、最近の自動車では、スピートメータやタコメータの近くに、補助的なナビ画面(以下、補助ナビ画面という)が表示される場合もあり、車載モニタMTに、AV画面が表示されている状態でも、自動車走行に合わせて、この補助ナビ画面が、適切に更新されることが望まれる。
【0091】
ここで、ナビ画面や補助ナビ画面は、GPS(Global Positioning System )測位情報だけでなく、自動車の走行速度を示すスピードパルスSPDに基づいて更新される。また、ナビ画面は、自動車サイドブレーキの操作状態を示すパーキング信号PRKにも関係しており、パーキング信号PRKが、ON状態(停車状態)からOFF状態に移行して、自動車が走行を始めてスピードパルスSPDの取得が開始されると、車載モニタMTのナビ画面の表示内容や、スピードメータ近くの補助ナビ画面が更新される。
【0092】
また、それまで車載モニタMTに、TV放送が表示されていた場合には、そのAV画像が、自動車走行に対応して、自動的に、ナビ画面に切り替わるよう構成されている。
【0093】
これらの動作は、ナビユニットUNiのモニタ制御部CTL(
図7(a)参照)が担当しており、モニタ制御部CTLは、スピードパルスSPDと、パーキング信号PRKとに基づいて、
図7(b)に示す動作を実現している。
【0094】
動作内容は、
図7(b)の第1欄~第4欄に示す通りであり、スピードパルスSPDとパーキング信号PRKとに対応して、モニタ制御部CTLは、当該自動車の状態が、(1)非正常走行状態、(2)正常走行状態、(3)停車状態、又は、(4)一時停車状態であると認識している。
【0095】
ここで、非正常走行とは、サイドブレーキを引いた状態での走行であるが、運転者の誤認走行に拘わらず、ナビ画面や補助ナビ画面の表示内容は、自動車走行に対応して更新される。但し、この非正常走行時には、運転支援機能を実現するサポカー制御部が機能することで、例えば、車載モニタMTには、サイドブレーキが引かれている旨の警告が表示される。
【0096】
図7(b)に示す通り、第3欄の停車状態以外では、TV放送などのAV表示は禁止状態である。第4欄の一時停車状態は、典型的には、信号待ちなどの動作状態であるが、この一時停車状態でも、非正常走行や走行状態と同様に、TV放送などのAV表示は禁止される。
【0097】
したがって、第3欄の停車状態において、パーキング信号PRKが、ON状態からOFF状態に移行して、自動車が走行を始めると、スピードパルスSPDを認識したモニタ制御部CTLは、TV放送などのAV表示を禁止することになる。
【0098】
但し、例えば、冷房状態や暖房状態で停車している場合など、エンジン動作中の駐車時は、車内がかなりの高ノイズ状態となり、スピードパルスSPDと類似のスパイクノイズが突発的に発生する。
【0099】
そこで、かかるスパイクノイズに基づく誤動作を防止するため、モニタ制御部CTLは、所定の監視時間δを設け、この監視時間δ内に、スピードパルスSPDを複数回に確認することを条件に、AV画像をナビ画面に切り替えている。
【0100】
図7(a)に示す画像制御装置EQU(ナビ制御ユニットNUT)は、以上の動作を実現するもので、任意個数の短周期パルスを出力可能なパルス発生部GNRと、パーキング信号PRKの伝送経路を切り替える第1切換部G1と、スピードパルスSPDの伝送経路を切り替える第2切換部G2と、回線データDTの送信部TRと受信部RVを有するCANドライバDrと、各部の動作を制御するコンピュータ回路であるMCユニットMCUと、を有して構成されている。
【0101】
CANドライバDrは、例えば、
図10に示すTJA1050(High speed CAN transceiver)で構成されている。また、MCユニットMCUは、CPUの他に、コンペアマッチ動作が可能な計時タイマTM(Compare Match Timer )や、スピードパルスSPDの取得個数を計測する計数カウンタCNTと、を内蔵して構成されている。
【0102】
第1切換部G1と第2切換部G2は、各々、ON接点と、OFF接点と、出力端子OUTと、を有して構成され、MCユニットMCUからの制御信号に基づいて、ON/OFF何れかの接点からの信号を、出力端子OUTからナビユニットUNiに向けて出力するよう構成されている。
【0103】
具体的に確認すると、第1切換部G1と第2切換部G2とがOFF状態である場合、つまり、OFF接点と出力端子OUTとが接続されている動作状態では、車内適所に配置された速度センサやブレーキセンサから受けるスピードパルスSPD1とパーキング信号PRK1が、第1切換部G1と第2切換部G2を経由して、ナビユニットUNiに伝送される。
【0104】
図7(a)に示す通り、運転支援機能を実現するサポカー制御部に対しては、第1切換部G1と第2切換部G2を経由することなく、そのまま、スピードパルスSPD1とパーキング信号PRK1が伝送される。
【0105】
一方、第1切換部G1と第2切換部G2とがON状態である場合、つまり、ON接点と出力端子OUTとが接続されている動作状態では、パルス発生部GNRが出力する制御パルスSPD2と、MCユニットMCUが出力するパーキング信号PRK2とが、各々、ナビユニットUNiに伝送される。この動作状態でも、サポカー制御部には、スピードパルスSPD1とパーキング信号PRK1が、そのまま伝送されることは、前述の通りである。
【0106】
図7(c)は、速度センサから受けるスピードパルスSPD1と、パルス発生部GNRが出力する制御パルスSPD2と、MCユニットMCUが出力するパーキング信号PRK2と、コンペアマッチ動作を実行する計時タイマTMの計数値と、の関係を示している。スピードパルスSPD1は、走行速度に対応するパルス周期で出力され、走行速度が速いほど、短いパルス周期となる。
【0107】
また、計時タイマTMは、0~T1+T2の範囲で、計時動作を繰り返すよう構成されている。すなわち、計時タイマTMの動作周期は、T1+T2である。また、計時タイマTMは、その計時値が、第1基準値T1と第2基準値T1+T2に一致するタイミングで、各々、コンペアマッチ割込みが起動されるよう構成されている。
【0108】
以上を踏まえて説明を続けると、車内モニタMTへの適宜なタッチ操作などに基づき、
図7(a)に示すナビ制御ユニットNUTが制御動作を開始すると、計時タイマTM(Compare Match Timer )と計数カウンタCNTは、各々の計数動作を開始する。すなわち、計数カウンタCNTは、速度センサから受けるスピードパルスSPD1のカウント動作を開始する。
【0109】
そして、計時タイマTMの計数値が、第1基準値T1に達すると(タイミングt1)、MCユニットMCUは、パーキング信号PRK2をHレベルに変化させる。なお、パーキング信号PRK2=Hレベルは、サイドブレーキを引いた状態に対応する。
【0110】
また、MCユニットMCUは、タイミングt1において、計数カウンタCNTのカウンタ値、つまり、それまでのスピードパルスSPD1の取得個数P1を把握して、0~T1+T2の一周期の間に、取得すると思われるスピードパルスSPD1の個数を推定する。
【0111】
具体的には、サンプル期間T1における取得数P1に対応して、一動作周期中の全パルス数Poutを、例えば、Pout=P1/T1*(T1+T2)であると推定する。そして、パルス発生部GNRに、全パルス数Poutを設定した状態で、パルス発生部GNRによる制御パルスSPD2の出力動作を開始させる。
【0112】
ここで、パルス発生部GNRから出力される制御パルスSPD2のパルス周期は、モニタ制御部CTLの正常動作が担保される範囲における、最小値に設定されており、制御パルスSPD2の出力個数の大小に拘わらず、パルス発生部GNRは、監視時間δを超えないタイミングで、出力動作を終える。
【0113】
すなわち、制御パルスSPD2の出力数に拘わらず、必ず、T2<δの条件が成立する。先に説明した通り、監視時間δは、スパイクノイズなどに基づく誤動作を防止するための待機時間である。
【0114】
その後、経過期間T2を経過したタイミングt2では、計時タイマTMの計数値が、第2基準値T1+T2に達する。そして、このタイミングt2では、計時タイマTMと計数カウンタCNTを、各々、ゼロクリアした上で、各々のカウント動作を継続させる。
【0115】
したがって、その後も、計時タイマTMの計数値が、第1基準値T1に達する毎に、パルス発生部GNRは、必要個数の制御パルスSPD2の出力動作を開始し、待機時間δを超えない時間内に出力動作を終えることになる。
【0116】
制御パルスSPD2が出力される区間T2は、モニタ制御部CTLの認識では、
図7(b)に示す非正常走行となるが、サポカー制御部には、ブレーキセンサから受ける正規のパーキング信号PRK1が供給されるので、サイドブレーキが引かれている旨の警告が、サポカー制御部から発せられることはない。
【0117】
図8は、以上の動作を実現するMCユニットMCUの制御動作を説明するフローチャートである。
図8(a)は、MCユニットMCUの定常処理を示しており、MCユニットMCUは、回線データDTを取得するのを定常的に監視し(ST40)、CANドライバDrが取得した回線データDTが、車載モニタMTの所定位置における画面タッチを示すデータか否かを判定する(ST41)。
【0118】
そして、車載モニタMTの所定位置が、タッチ操作されたと判定される場合には、制御フラグFLGのON/OFF値をトグル的に切り替える(ST42)。ここで、制御フラグFLGは、
図7に示すナビ制御ユニットNUTを機能させるか否かを管理する用途で使用される。
【0119】
そして、制御フラグFLGがON状態に変更された場合には、
図7(a)に示すナビ制御ユニットNUTを機能させるべく、第1切換部G1と第2切換部G2の接点を、各々、ON接点に切り替える(ST44)。また、計時タイマTMと計数カウンタCNTを、各々、ゼロクリアした上で計時動作と計数動作を開始させる(ST45)。
【0120】
一方、ステップST42の処理によって制御フラグFLGがOFF状態に変更された場合には、ナビ制御ユニットNUTの動作を停止させるべく、第1切換部G1と第2切換部G2の接点を、各々、OFF接点に切り替える(ST46)。また、計時タイマTMの計時動作を終了させる(ST47)。
【0121】
図7(c)と
図8(b)に示す通り、計時タイマTMが動作している状態では、計時タイマTMの計時値が第1基準値T1に達すると、第1のコンペアマッチ割込み(T1割込み)が発生し、第2基準値T1+T2に達すると、第2コンペアマッチ割込み(T1+T2割込み)が発生する。
【0122】
図8(c)は、T1割込みの処理内容を示すフローチャートである。T1割込みが発生すると、MCユニットMCUは、先ず、パーキング信号PRK2をHレベルに設定する(ST50)。T1割込み毎に、このステップST50処理を実行する必要は、必ずしもないが、本実施例では、念のためステップST50処理を繰り返している。
【0123】
次に、計数カウンタCNTの計数値P1を取得し、全パルス数Poutを、例えば、Pout=P1/T1*Tのように推定する(ST51)。なお、全パルス数を推定する必要は、必ずしもなく、例えば、前動作周期のT2区間の計測値P2と、今動作周期のT1区間の計測値P1と、を加算して全パルス数Pout=P2+P1と規定するのも好適である(
図8(b)参照)。
【0124】
このように全パルス数Poutの算出方法は適宜であるが、次に、パルス発生部GNRに、この全パルス数Poutを設定した状態で、パルス発生部GNRの出力動作を開始させる(ST52)。すると、その後、パルス発生部GNRが自走して、必要個数Poutの制御パルスSPD2の出力動作を開始して、待機時間δを超えないタイミングで出力動作を終える。
【0125】
なお、カウンタCNTの計数値に基づいて、全パルス数Pout=P2+P1と規定する場合には、今動作周期のT2区間の計測値P2と、次動作周期のT1区間の計測値P1との総和を計測するべく、このタイミングで、カウンタCNTの計数値をゼロにクリアする(ST53)。
【0126】
次に、
図8(d)は、T1+T2割込みの処理内容を示すフローチャートである。T1+T2割込みは、一動作周期(T1+T2)の制御動作を終えたことを意味するので、MCユニットMCUは、計時タイマTMの計時値をゼロクリアする(ST60)。また、計数カウンタCNTの計数値をゼロクリアして処理を終える(ST61)。
【0127】
ところで、ステップST61の処理は、Pout=P1/T1*Tのように推定する場合の処理であり、カウンタCNTの計数値に基づいて、Pout=P2+P1と規定する場合には、ステップST61の処理は不要である。すなわち、ステップST53とステップST61の処理は、全パルス数Poutの推定又は規定手法の違いに応じて、何れか一方が選択的に実行される。
【0128】
何れにしても、ステップST60の処理に基づき、その後は、計時タイマTMは、ゼロから計時動作を再開し、計数カウンタCNTは、スピードパルスSPD1の計数動作をゼロから再開することになる。そして、その後、計時タイマTMの計時値が第1基準値T1に達すると、
図8(c)の動作が実行され、計時タイマTMの計時値が第2基準値に達すれば、
図8(d)の動作が実行されることになり、
図7(c)に示す制御動作が実現される。
【0129】
以上、スピードパルスSPD1や、パーキング信号PRK1を参照する制御動作を説明したが、何ら限定されず、例えば、自動車用CANのバスラインBUSに発行される回線データDTのうち、スピードパルスSPD1やパーキング信号PRK1に対応する回線データDTを参照する構成を採っても良い。そこで、先ず、
図9には、パーキング信号PRK1に対応する回線データDTを利用する実施例を示している。
【0130】
図9に示す通り、バスラインBUSには、HラインとLラインとが存在するが、この実施例では、HラインとLラインの両方を、同期的に切り替える第2切換部G2が設けられている。すなわち、第2切換部G2は、OFF接点と、ON接点と、OUT端子とを、各二個ずつ有して構成されている。
【0131】
そして、ナビ制御ユニットNUTが機能すべきタイミング(以下、制御ON状態という)では、ON接点とOUT端子が接続状態となり、一方、ナビ制御ユニットNUTが機能しないタイミング(以下、制御OFF状態という)では、OFF接点とOUT端子が接続状態となるようMCユニットMCUが制御している。なお、第1切換部G1も、第2切換部G2と同じタイミングでON/OFF制御される。
【0132】
上記の構成に対応して、本実施例では、例えば、
図10に示すTJA1050(High speed CAN transceiver)で構成されたCANドライバDr1,Dr2が配置されている。ここで、CANドライバDr1は、ナビ制御ユニットNUTが機能するか否かに拘わらず、バスラインBUSに固定的に接続されて、定常的に、バスラインBUSの回線データDTを取得している。
【0133】
また、このCANドライバDr1は、第2切換部G2を経由して、ナビユニットUNiに接続されており、ナビ制御ユニットNUTが機能しない制御OFF状態の場合だけ、CANドライバDr1とナビユニットUNiとは、接続状態となる。したがって、ナビ制御ユニットNUTが機能しない制御OFF状態の場合に限り、ナビユニットUNiが発行する回線データが、CANドライバDr1に取得可能となると共に、バスラインBUSにも伝送されることになる。
【0134】
一方、ナビ制御ユニットNUTが機能する制御ON状態では、ナビユニットUNiが発行する回線データDTは、CANドライバDr2のみが取得可能となり、バスラインBUSには伝送されない。
【0135】
実施例のCANドライバDr2は、ナビ制御ユニットNUTが機能しない制御OFF状態では何ら機能しない一方、ナビ制御ユニットNUTが機能する制御ON状態では、ナビユニットUNiに対して、必要な回線データDTを発行している。また、ナビ制御ユニットNUTが機能する制御ON状態では、ナビユニットUNiが発行する回線データDTを取得することも可能となる。
【0136】
本実施例の場合、MCユニットMCUが、CANドライバDr2を通して、ナビユニットUNiに発行する回線データDTには、
図7(c)に示すパーキング信号PRK2に対応する回線データDTが含まれている。但し、このパーキング信号PRK2に対応する回線データDT以外については、CANドライバDr2は、CANドライバDr1が受けた回線データDTを、そのままナビユニットUNiに転送している。
【0137】
したがって、
図9の回路構成でも、MCユニットMCUが、
図11に示す制御動作を実行することで、車載モニタMTのナビ画面や補助ナビ画面を更新させることができ、非運転席では、必要時に、車載モニタMTに表示させたAV画面を楽しむことも可能となる。
【0138】
上記の動作を実現する制御動作は、
図11(a)に示す通りであり、
図8(a)に示す制御動作とほぼ同じである。先ず、CANドライバDr1が、バスラインBUSから回線データDTを受けた場合には、そのタイミングが、ナビ制御ユニットNUTの制御ON状態か否かを判定する(ST400)。
【0139】
制御ON状態では、ナビユニットUNiとバスラインBUSとが断線状態となるので、もし、そのタイミングが制御ON状態であれば、バスラインBUSから取得した回線データDTを、CANドライバDr2を経由して、そのままナビユニットに転送する(ST401)。
【0140】
また、ナビ制御ユニットNUTの制御ON状態において、CANドライバDr2が、ナビユニットUNiの発行した回線データDTを受けた場合には、取得した回線データDTを、CANドライバDr1を経由して、そのままバスラインBUSに転送する(ST401)。
【0141】
その後の処理は、
図8(a)に示す制御動作と同じであり、ナビユニットUNiの発行した回線データが、所定のタッチ操作であることを示している場合には、ステップST41~ST47の処理が実行される。
【0142】
図11(b)と、
図11(b)の処理は、
図8(c)と、
図8(d)の処理とほぼ同じであるが、T1割込み処理では、最初にパーキング信号PRK2に対応する回線データDTを、CANドライバDr2からナビユニットUNiに向けて発行する(ST50)。
【0143】
ところで、
図9や
図11の実施例では、パルス発生部GNRを配置してスピードパルスSPD1を活用しているが、パルス発生部GNRに代えて、車速を示す回線データDTを所定回数だけ発行する回線データ発行部(不図示)を設ければ、スピードパルスSPD1を使用する必要はない。この場合には、
図11の破線で示すように、ステップST52のタイミングで、発行回数を特定した状態で、回線データ発行部の動作を開始させれば良い。
【0144】
以上、ここまでの説明では、車載モニタMTの所定位置が、タッチ操作されたことに対応して、
図7に示すナビ制御ユニットNUTの動作を開始又は終了させたが、何ら限定されない。すなわち、キーボードパネルKEYの所定ボタンBTiや、その他の専用ボタンのボタン操作に対応して、ナビ制御ユニットNUTの動作を開始又は終了させたのでも良いのは勿論である。
【符号の説明】
【0145】
DSP 表示装置(後部モニタ)
MT 車載モニタ
EQU 画像制御装置