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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024105425
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】医療用チューブおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/08 20060101AFI20240730BHJP
【FI】
A61M16/08 300Z
【審査請求】有
【請求項の数】40
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024075357
(22)【出願日】2024-05-07
(62)【分割の表示】P 2023178275の分割
【原出願日】2013-12-04
(31)【優先権主張番号】61/733,360
(32)【優先日】2012-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/733,359
(32)【優先日】2012-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/877,622
(32)【優先日】2013-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/877,566
(32)【優先日】2013-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/877,784
(32)【優先日】2013-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/877,736
(32)【優先日】2013-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】504298349
【氏名又は名称】フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100106655
【弁理士】
【氏名又は名称】森 秀行
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】エルモ、ベンソン、ストークス
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ、クリストファー、ノース
(72)【発明者】
【氏名】マーラン、マウムーン、スジャウ
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア、ダニエル、ストルーバント
(72)【発明者】
【氏名】ギャビン、ウォルシュ、ミラー
(72)【発明者】
【氏名】マシュー、リアム、バスウェル
(72)【発明者】
【氏名】イブラヒム、アル-ティアイ
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド、レオン、マコーリー
(72)【発明者】
【氏名】アンドレ、バン、シャルクウィク
(72)【発明者】
【氏名】カーチャ、ムンケルト
(72)【発明者】
【氏名】マシュー、ロバート、ウィルソン
(72)【発明者】
【氏名】ヘルガード、ウェストフイゼン
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー、ジャイエ、ノーマン、アマディオ
(72)【発明者】
【氏名】サンジェイ、パラグ、パテル
(72)【発明者】
【氏名】ドミニク、リシャール、ダンドレア
(72)【発明者】
【氏名】グラント、マーティン、ドーバー
(72)【発明者】
【氏名】ディーン、アントニー、バーカー
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン、デイビッド、ハーウッド
(57)【要約】      (修正有)
【課題】医療用チューブおよび医療用チューブを製造する方法を開示する。
【解決手段】チューブは、らせん状に巻回されて細長いチューブを形成する2つ以上の別個の構成要素から作製された複合構造であり得る。たとえば、構成要素のうちの1つを、らせん状に巻回された細長い中空体とすることができ、他の構成要素を、らせん状に巻回された中空体の巻きの間に同様にらせん状に巻回された細長い構造的構成要素とすることができる。しかしながら、チューブを別個の構成要素から作製する必要はない。たとえば、単一材料から形成された(たとえば押出成形された)細長い中空体をらせん状に巻回して、細長いチューブを形成することができる。細長いチューブ本体自体は、縦断面において薄い壁部分と相対的に厚いかまたは剛性が高い補強部分を有することができる。チューブを、種々の医療用回路に組み込むことができ、他の医療用途に採用することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
らせん状に巻回されて、長手方向軸と、前記長手方向軸に沿って延在する内腔と、前記内腔を包囲する中空壁とを有する細長いチューブを少なくとも部分的に形成する中空体を備える、第1細長部材であって、前記壁が、前記内腔に近接する側の内側部分と前記内腔から離れる方向に面している外側部分とを有する、第1細長部材を具備し、
前記壁の前記内側部分が、前記壁の前記外側部分より厚さが小さい、呼吸チューブ。
【請求項2】
らせん状に巻回され、かつ前記第1細長部材の隣接する巻きの間に接合された第2細長部材であって、前記細長いチューブの前記内腔の少なくとも一部を形成している第2細長部材をさらに具備する、請求項1に記載の呼吸チューブ。
【請求項3】
前記壁の前記外側部分の厚さが、約0.14mmと約0.44mmとの範囲である、請求項1または2に記載の呼吸チューブ。
【請求項4】
前記壁の前記外側部分の厚さが約0.24mmである、請求項1~3のいずれか一項に記載の呼吸チューブ。
【請求項5】
前記壁の前記内側部分の厚さが約0.05mmと約0.30mmとの範囲である、請求項1~4のいずれか一項に記載の呼吸チューブ。
【請求項6】
前記壁の前記内側部分の厚さが約0.10mmである、請求項1~5のいずれか一項に記載の呼吸チューブ。
【請求項7】
呼吸チューブであって、
中空体構成要素を備える第1細長部材を具備し、
前記チューブの端部に最も近い300mmの少なくとも一部における前記チューブの重量/長さが、約0.08g/mm未満である、呼吸チューブ。
【請求項8】
前記第1細長部材が、らせん状に巻回されて、長手方向軸と、前記長手方向軸に沿って延在する内腔と、前記内腔を包囲する中空壁とを有する細長いチューブを少なくとも部分的に形成する中空体を備える、請求項7に記載の呼吸チューブ。
【請求項9】
らせん状に巻回され、かつ前記第1細長部材の隣接する巻きの間に接合された第2細長部材であって、前記細長いチューブの前記内腔の少なくとも一部を形成している第2細長部材をさらに具備する、請求項8に記載の呼吸チューブ。
【請求項10】
前記第2細長部材に埋め込まれるかまたは封入された1本または複数本の複数の導電性フィラメントを具備する、請求項9に記載の呼吸チューブ。
【請求項11】
前記1本または複数本の導電性フィラメントのうちの少なくとも1本が、加熱フィラメントである、請求項10に記載の呼吸チューブ。
【請求項12】
前記1本または複数本の導電性フィラメントのうちの少なくとも1本が、検知フィラメントである、請求項10または11に記載の呼吸チューブ。
【請求項13】
前記チューブの端部に最も近い300mmにおけるチューブ質量が、約24g未満である、請求項7~12のいずれか一項に記載の呼吸チューブ。
【請求項14】
前記チューブの端部に最も近い300mmの少なくとも一部における前記チューブの重量/長さが、約0.06g/mm未満である、請求項7~13のいずれか一項に記載の呼吸チューブ。
【請求項15】
前記チューブの端部に最も近い300mmにおける前記チューブの質量が、約16g未満である、請求項7~14のいずれか一項に記載の呼吸チューブ。
【請求項16】
前記壁の厚さが最大約0.50mmである、請求項7~15のいずれか一項に記載の呼吸チューブ。
【請求項17】
呼吸チューブであって、
らせん状に巻回されて、長手方向軸と、前記長手方向軸に沿って延在する内腔と、前記内腔を包囲する中空壁とを有する細長いチューブを少なくとも部分的に形成する中空体を備える、第1細長部材であって、前記壁が、前記内腔に近接する側の内側部分と前記内腔から離れる方向に面している外側部分とを有する、第1細長部材を具備し、
前記複合チューブの少なくとも一部において、2.5mmプローブによって前記壁の前記外側部分に力が加えられると、前記壁の前記外側部分が前記内側部分に接触するまで、前記外側部分が、式:
D>0.5×F2.5
を満足する垂直距離だけたわみ、式中、Dがミリメートルでの垂直距離を表し、F2.5が、前記2.5mmプローブによって加えられるニュートンでの力を表す、呼吸チューブ。
【請求項18】
らせん状に巻回され、かつ前記第1細長部材の隣接する巻きの間に接合された第2細長部材であって、前記細長いチューブの前記内腔の少なくとも一部を形成している第2細長部材をさらに具備する、請求項17に記載の呼吸チューブ。
【請求項19】
前記2.5mmプローブによって約1Nの力が加えられると、前記外側部分が約1mmを超えてたわむ、請求項17または18に記載の呼吸チューブ。
【請求項20】
呼吸導管であって、
長手方向軸に沿って延在する内腔および前記内腔を包囲する壁であって、前記内腔が、使用時にガス流路を画定する、内腔および壁と、
前記壁に固定されたオーバモールドされたプリント回路基板アセンブリであって、前記導管の前記内腔に配置されかつ前記長手方向軸に沿って突出しているセンサ部分と、前記センサ部分の表面上の温度センサとを有するプリント回路基板を備えるプリント回路基板アセンブリと、
を具備する呼吸導管。
【請求項21】
前記温度センサがサーミスタである、請求項20に記載の導管。
【請求項22】
呼吸導管であって、
長手方向軸に沿って延在する内腔および前記内腔を包囲する壁であって、前記内腔が、使用時にガス流路を画定する、内腔および壁と、
前記壁に固定され、かつ直径または弦線に沿って前記内腔を横切って延在し、それにより概して前記流路の少なくとも一部と交差する構成要素であって、前記内腔に配置されかつ前記長手方向軸に沿って突出しているセンサ部分と、前記センサ部分の表面上の温度センサとを備える構成要素と、
を具備する呼吸導管。
【請求項23】
前記温度センサがサーミスタである、請求項22に記載の導管。
【請求項24】
前記構成要素がプリント回路基板である、請求項22または23に記載の導管。
【請求項25】
電気的接続が、前記直径または弦線に沿って構成要素の長さにわたっている、請求項22~24のいずれか一項に記載の導管。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[文献の引用]
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で、2012年12月4日に出願された、「MEDICAL TUBES AND METHODS OF MANUFACTURE」と題する米国仮特許出願第61/733,359号明細書、2012年12月4日に出願された「MEDICAL TUBES AND METHODS OF MANUFACTURE」と題する米国仮特許出願第61/733,360号明細書、2013年9月13日に出願された、「MEDICAL TUBES AND METHODS OF MANUFACTURE」と題する米国仮特許出願第61/877,622号明細書、2013年9月13日に出願された、「HUMIDIFICATION SYSTEM」と題する米国仮特許出願第61/877,566号明細書、2013年9月13日に出願された、「CONNECTIONS FOR HUMIDIFICATION SYSTEM」と題する米国仮特許出願第61/877,784号明細書、および2013年9月13日に出願された、「ZONE HEATING FOR RESPIRATORY CIRCUITS」と題する米国仮特許出願第61/877,736号明細書に対する優先権の利益を主張し、それら出願の各々は、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
さらに、2012年5月30日に出願された、「MEDICAL TUBES AND METHODS OF MANUFACTURE」と題するPCT/IB2012/001786号明細書もまた、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
[分野]
本開示は、概して、医療用途に好適なチューブに関し、特に、陽圧気道(PAP)、レスピレータ(人工呼吸器)、麻酔、ベンチレータ(人工換気器)および送気(insufflation)システム等、患者にガスを提供しかつ/または患者からガスを除去するために好適な医療用回路で使用されるチューブに関する。
【背景技術】
【0004】
[関連技術の説明]
医療用回路では、さまざまな構成要素が患者にかつ患者から温かいガスおよび/または加湿ガスを搬送する。たとえば、PAPまたは補助呼吸回路等のいくつかの呼吸回路では、患者が吸入するガスは、吸気チューブを介して加熱器-加湿器から送達される。別の例として、チューブは、加湿ガス(一般にCO)を送気回路において腹腔内に送達することができる。これは、患者の内臓の「乾燥」を防止するのに役立つことができ、外科手術からの回復に必要な時間を短縮することができる。非加熱管により、周囲冷却に対する著しい熱損失の可能性がある。この冷却により、温かい加湿空気を搬送している管の長さに沿って望ましくない凝縮すなわち「レインアウト(rainout)」がもたらされる場合がある。熱損失に対して断熱し、たとえば医療用回路における改善された温度および/または湿度の制御を可能にする管が依然として必要とされている。したがって、本発明の目的は、従来技術の不都合のうちの1つまたは複数を克服あるいは改善し、または少なくとも公衆に有用な選択肢を提供することである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書において、医療用チューブおよび医療用チューブを製造する方法はさまざまな実施形態で開示されている。いくつかの実施形態では、チューブを、らせん状に巻回されて細長い(長尺)チューブを形成する2つ以上の別個の構成要素から作製された複合構造とすることができる。たとえば、構成要素のうちの1つを、らせん状に巻回された細長い中空体とすることができ、他の構成要素を、らせん状に巻回された中空体の巻きの間に同様にらせん状に巻回された細長い構造的構成要素とすることができる。他の実施形態では、チューブを別個の構成要素が作製する必要はない。たとえば、単一材料から形成された(たとえば押出成形された)細長い中空体をらせん状に巻回して細長いチューブを形成することができる。細長い中空体自体は、横断面において、薄い壁部分と、相対的により厚いかまたは剛性の高い補強部分とを有することができる。チューブを、種々の医療用回路に組み込むことができ、または他の医療用に採用することができる。
【0006】
少なくとも1つの実施形態では、複合チューブは、らせん状に巻回されて、長手方向軸と、長手方向軸に沿って延在する内腔と、内腔を包囲する中空壁とを有する細長いチューブを少なくとも部分的に形成する中空体を備える、第1細長(長尺)部材を備えることができる。第2細長部材をらせん状に巻回し、第1細長部材の隣接する巻きの間に接合することができ、第2細長部材は、細長いチューブの内腔の少なくとも一部を形成する。「第1細長部材」および「第2細長部材」という名称は、必ずしも、構成要素が組み立てられる順序等の順序を含むものではない。本明細書に記載するように、第1細長部材および第2細長部材はまた、単一チューブ状要素の一部でもあり得る。
【0007】
さまざまな実施形態では、上述した構成要素は、以下の特性とともに本開示の別の場所に記載されている特性のうちの1つ、いくつかまたはすべてを有する。
【0008】
第1細長部材はチューブであり得る。第1細長部材は、縦断面において、内腔に平坦面がある複数のバブル(半球状体:bubble)を形成することができる。隣接するバブルを、第2細長部材の上方の間隙によって分離することができ、すなわちそれらは互いに直接連結され得ない。バブルは穿孔を有することができる。第2細長部材は、内腔に近接するほど幅が広く、内腔から半径方向距離において幅が狭くなる縦断面を有することができる。特に、第2細長部材は、略三角形、略T字型または略Y字型である縦断面を有することができる。第2細長部材に、1つまたは複数の導電性フィラメントを埋め込むかまたは封入することができる。1つまたは複数の導電性フィラメントは、加熱フィラメント(あるいはより詳細には抵抗加熱フィラメント)および/または検知フィラメントであり得る。チューブは、2つまたは4つの導電性フィラメント等、導電性フィラメントの対を備えることができる。導電性フィラメントの対を、複合チューブの一端において接続ループにすることができる。1つまたは複数の導電性フィラメントを、内腔壁から間隔を空けて配置することができる。少なくとも1つの実施形態では、第2細長部材は、略三角形、略T字型または略Y字型である縦断面を有することができ、1つまたは複数の導電性フィラメントを、第2細長部材における三角形、T字またはY字の両側に埋め込むかまたは封入することができる。
【0009】
上記実施形態のうちのいずれかまたはすべてによる上述した構成要素を、他の用途もあるが特に、医療用回路構成要素、吸気チューブ、呼気チューブ、PAP構成要素、送気回路、診査構成要素または外科手術構成要素に組み込むことができる。
【0010】
複合チューブを製造する方法もまた開示されている。結果として得られるチューブは、上述したかまたは本開示のいずれかの場所に記載されている特性のうちの1つ、いくつかまたはすべてを有することができる。少なくとも1つの実施形態では、本方法は、中空体を備える第1細長部材と、第1細長部材に対して構造的支持を提供するように構成された第2細長部材とを提供するステップを含む。第2細長部材は、第2細長部材の対向する側縁部分が隣接する巻付け部(wrap)の上で間隔を空けて配置されるように、マンドレルの周囲にらせん状に巻き付けられ、それにより第2細長部材らせんが形成される。第1細長部材は第2細長部材らせんの周囲にらせん状に巻き付けられ、その際、第1細長部材のいくつかの部分は第2細長部材らせんの隣接する巻付け部にオーバラップし、第1細長部材の一部は、第2細長部材らせんの巻付け部の間の空間においてマンドレルに隣接して配置され、それにより第1細長部材らせんが形成される。
【0011】
さまざまな実施形態では、上述した方法は、以下のうちの1つ、いくつかまたはすべてを含むことができる。本方法は、第1細長部材の端部に大気圧より高い圧力で空気を供給するステップを含むことができる。本方法は、第2細長部材らせんおよび第1細長部材らせんを冷却し、それにより、長手方向軸に沿って延在する内腔と内腔を包囲する中空空間とを有する複合チューブを形成するステップを含むことができる。本方法は、第1細長部材を形成するステップを含むことができる。本方法は、第1細長部材を第1押出機によって押出成形するステップを含むことができる。本方法は、第2細長部材を形成するステップを含むことができる。本方法は、第2細長部材を第2押出機によって押出成形するステップを含むことができる。第2押出機を、第2細長部材に1つまたは複数の導電性フィラメントを封入するように構成することができる。第2細長部材を形成するステップは、第2細長部材に導電性フィラメントを埋め込むことを含むことができる。導電性フィラメントは、第2細長部材と非反応性であり得る。導電性フィラメントは、アルミニウムあるいは銅の合金または他の導電性材料を含むことができる。本方法は、複合チューブの一端において導電性フィラメントの対を接続ループにするステップをさらに含むことができる。
第1押出機は第2押出機とは別個であり得る。
【0012】
医療用チューブもまた開示されている。少なくとも1つの実施形態では、チューブは、らせん状に巻回されて、長手方向軸と、長手方向軸に沿って延在する内腔と、内腔を包囲する中空壁とを有する細長いチューブを形成する細長い中空体であって、縦断面において中空体の少なくとも一部を画定する壁を有している、細長い中空体を備える。チューブは、細長い中空体の隣接する巻きの間にらせん状に配置されている、細長い中空体の長さに沿って延在している補強部分であって、細長いチューブの内腔の一部を形成する補強部分をさらに備えることができる。補強部分を、細長い中空体の壁より相対的に厚くまたは剛性を高くすることができる。
【0013】
さまざまな実施形態では、上述したチューブは、以下の特性とともに本開示の別の場所に記載されている特性のうちの1つ、いくつかまたはすべてを有する。補強部分を、細長い中空体と同じ材料片から形成することができる。細長い中空体は、横断面において、細長い中空体の両側に2つの補強部分を備えることができ、細長い中空体のらせん状巻回は、補強部分の両側の縁が細長い中空体の隣接する巻きの上で接触するように、隣接する補強部分を互いに接合している。補強部分の両側の側縁が、細長い中空体の隣接する巻きの上にオーバラップすることができる。補強部分を、細長い中空体とは別個の材料片から作製することができる。中空体は、縦断面において、内腔に平坦な面がある複数のバブルを形成することができる。バブルは穿孔を有することができる。本医療用チューブはまた、補強部分に埋め込まれるかまたは封入された1つまたは複数の導電性フィラメントを備えることも可能である。導電性フィラメントは加熱フィラメントおよび/または検知フィラメントであり得る。本医療用チューブは、2つの導電性フィラメントを備えることができ、1つの導電性フィラメントが補強部分の各々に埋め込まれるかまたは封入されている。医療用チューブは、細長い中空体の一方の側のみに配置された2つの導電性フィラメントを備えることができる。導電性フィラメントの対を、細長いチューブの一端において接続ループにすることができる。1本または複数本のフィラメントを、内腔壁から間隔を空けて配置することができる。
【0014】
上記実施形態のうちのいずれかまたはすべてによる上述したチューブを、他の用途もあるが特に、医療用回路構成要素、吸気チューブ、呼気チューブ、PAP構成要素、送気回路、診査構成要素または外科手術構成要素に組み込むことができる。
【0015】
医療用チューブを製造する方法もまた開示されている。少なくとも1つの実施形態では、本方法は、マンドレルの周囲に細長い中空体をらせん状に巻回して、長手方向軸と、長手方向軸に沿って延在する内腔と、内腔を包囲する中空壁とを有する細長いチューブを形成するステップであって、細長い中空体が、横断面において、中空体の少なくとも一部を画定する壁と、内腔の壁の一部を形成する細長い本体の両側の2つの補強部分とを有し、2つの補強部分が、中空体の少なくとも一部を画定する壁より相対的に厚いかまたは剛性が高い、ステップを含む。本方法は、隣接する補強部分を、補強部分の両側の縁が細長い中空体の隣接する巻きの上で接触するように互いに接合するステップをさらに含むことができる。
【0016】
さまざまな実施形態では、上述した方法は、以下の特性とともに本開示の別の場所に記載されている他のあらゆる特性のうちの1つ、いくつかまたはすべてを有することができる。隣接する補強部分を互いに接合することにより、補強部分の縁をオーバラップさせることができる。本方法は、細長い中空体の端部に大気圧より高い圧力で空気を供給するステップをさらに含むことができる。本方法は、細長い中空体を冷却して隣接する補強部分を互いに接合するステップをさらに含むことができる。本方法は、細長い中空体を押出成形するステップをさらに含むことができる。本方法は、補強部分に導電性フィラメントを埋め込むステップをさらに含むことができる。本方法は、細長いチューブの一端において導電性フィラメントの対を接続ループにするステップをさらに含むことができる。
【0017】
呼吸チューブもまた開示されている。少なくとも1つの実施形態では、チューブは、らせん状に巻回されて、長手方向軸と、長手方向軸に沿って延在する内腔と、内腔を包囲する中空壁とを有する細長いチューブを少なくとも部分的に形成する中空体を備える、第1細長部材を備え、壁は、内腔に近接する内側部分と内腔から離れる方向に面している外側部分とを有し、壁の内側部分は壁の外側部分より厚さが小さい。
【0018】
さまざまな実施形態では、上述した呼吸チューブは、以下の特性とともに本開示の別の場所に記載されている他のあらゆる特性のうちの1つ、いくつかまたはすべてを有することができる。呼吸チューブは、らせん状に巻回されかつ第1細長部材の隣接する巻きの間に接合された第2細長部材をさらに備えることができ、第2細長部材は、細長いチューブの内腔の少なくとも一部を形成している。壁の外側部分の厚さは、約0.14mmと約0.44mmとの範囲であり得る。壁の外側部分の厚さは、約0.24mmであり得る。壁の内側部分の厚さは、約0.05mmと約0.30mmとの範囲であり得る。壁の内側部分の厚さは、約0.10mmであり得る。
【0019】
呼吸チューブもまた開示されている。少なくとも1つの実施形態では、チューブは、らせん状に巻回されて、長手方向軸と、長手方向軸に沿って延在する内腔と、内腔を包囲する中空壁とを有する細長いチューブを少なくとも部分的に形成する中空体を備える、第1細長部材を備え、中空体は、縦断面において複数のバブルを形成し、バブルは、長手方向軸に沿った最大幅と、壁の外側に面する頂端と内腔との間における長手方向軸に対して垂直な最大高さとを有し、最大幅に対する最大高さの比率は少なくとも約0.16である。
【0020】
さまざまな実施形態では、上述した呼吸チューブは、以下の特性とともに本開示の別の場所に記載されている他のあらゆる特性のうちの1つ、いくつかまたはすべてを有することができる。呼吸チューブは、らせん状に巻回されかつ第1細長部材の隣接する巻きの間に接合された第2細長部材をさらに備えることができ、第2細長部材は、細長いチューブの内腔の少なくとも一部を形成している。最大高さは、約1.2mmと約8.2mmとの範囲であり得る。最大高さは、3.2mmであり得る。最大幅は、約3.5mmと約7.5mmとの範囲であり得る。最大幅は、約5.5mmであり得る。最大幅に対する最大高さの比率は、約1.0超であり得る。
【0021】
呼吸チューブもまた開示されている。少なくとも1つの実施形態では、チューブは、らせん状に巻回されて、長手方向軸と、長手方向軸に沿って延在する内腔と、内腔を包囲する中空壁とを有する細長いチューブを少なくとも部分的に形成する中空体を備える、第1細長部材を備え、中空体は、縦断面において複数のバブルを形成し、隣接するバブルの対応する点の間の垂直距離がピッチを画定し、複合チューブの最大外径に対するピッチの比率は、約0.35未満である。
【0022】
さまざまな実施形態では、上述した呼吸チューブは、以下の特性とともに本開示の別の場所に記載されている他のあらゆる特性のうちの1つ、いくつかまたはすべてを有することができる。呼吸チューブは、らせん状に巻回されかつ第1細長部材の隣接する巻きの間に接合された第2細長部材をさらに備えることができ、第2細長部材は、細長いチューブの内腔の少なくとも一部を形成している。ピッチは、約1.2mmと約8.1mmとの範囲であり得る。ピッチは、約5.1mmであり得る。最大外径は、約19.5mmと25.5mmとの範囲であり得る。最大外径は、約22.5mmであり得る。
【0023】
複合チューブもまた開示されている。少なくとも1つの実施形態では、チューブは、らせん状に巻回されて、長手方向軸と、長手方向軸に沿って延在する内腔と、内腔を包囲する中空壁とを有する細長いチューブを少なくとも部分的に形成する中空体を備える、第1細長部材であって、中空体が、縦断面において複数のバブルを形成し、バブルが、第1細長部材の最大高さを画定する、壁の外側に面する頂端と内腔との間の、長手方向軸に対して垂直な最大高さを有する、第1細長部材と、らせん状に巻回されかつ第1細長部材の隣接する巻きの間に接合された第2細長部材であって、細長いチューブの内腔の少なくとも一部を形成し、第2細長部材の外側に面する頂端と内腔との間の、長手方向軸に対して垂直な最大高さをする、第2細長部材とを備え、複合チューブの最大外径に対する第1細長部材の最大高さと第2細長部材の最大高さとの差の比は、約0.049:1未満である。
【0024】
さまざまな実施形態では、上述した複合チューブは、以下の特性とともに本開示の別の場所に記載されている他のあらゆる特性のうちの1つ、いくつかまたはすべてを有することができる。壁は、内腔に近接する内側部分と内腔から離れる方向に面している外側部分とを有することができ、壁の内側部分は、壁の外側部分より厚さが小さい。
【0025】
複合チューブもまた開示されている。少なくとも1つの実施形態では、チューブは、らせん状に巻回されて、長手方向軸と、長手方向軸に沿って延在する内腔と、内腔を包囲する中空壁とを有する細長いチューブを少なくとも部分的に形成する中空体を備える、第1細長部材であって、壁が、内腔に近接する内側部分と内腔から離れる方向に面している外側部分とを有する、第1細長部材と、第1細長部材の隣接する巻きの間にらせん状に巻回された第2細長部材であって、細長いチューブの内腔の少なくとも一部を形成し、第1細長部材が第2細長部材の隣接する巻きの接続点において接合されている、第2細長部材とを備え、複合チューブの曲げ半径は、接続点の間の外側部分の長さによって制限される。
【0026】
さまざまな実施形態では、上述した複合チューブは、以下の特性とともに本開示の別の場所に記載されている他のあらゆる特性のうちの1つ、いくつかまたはすべてを有することができる。壁は、内腔に近接する内側部分と内腔から離れる方向に面している外側部分とを有することができ、壁の内側部分は、壁の外側部分より厚さが小さい。
【0027】
呼吸チューブもまた開示されている。少なくとも1つの実施形態では、チューブは、中空体構成要素を備える第1細長部材を備え、チューブの端部に最も近い300mmの少なくとも一部におけるチューブの重量/長さは、約0.08g/mm未満である。
【0028】
さまざまな実施形態では、上述した呼吸チューブは、以下の特性とともに本開示の別の場所に記載されている他のあらゆる特性のうちの1つ、いくつかまたはすべてを有することができる。第1細長部材は、らせん状に巻回されて、長手方向軸と、長手方向軸に沿って延在する内腔と、内腔を包囲する中空壁とを有する細長いチューブを少なくとも部分的に形成する中空体を備えることができる。呼吸チューブは、らせん状に巻回されかつ第1細長部材の隣接する巻きの間に接合され、細長いチューブの内腔の少なくとも一部を形成する第2細長部材をさらに備えることができる。呼吸チューブは、第2細長部材に埋め込まれるかまたは封入された1つまたは複数の導電性フィラメントを備えることができる。1つまたは複数の導電性フィラメントのうちの少なくとも1つは、加熱フィラメントであり得る。1つまたは複数の導電性フィラメントのうちの少なくとも1つは、検知フィラメントであり得る。チューブの端部に最も近い300mmにおけるチューブ質量は、約24g未満であり得る。チューブの端部に最も近い300mmの少なくとも一部におけるチューブの重量/長さは、約0.06g/mm未満であり得る。チューブの端部に最も近い300mmにおけるチューブの質量は、約16g未満であり得る。壁の厚さは、最大約0.50mmであり得る。
【0029】
呼吸チューブもまた開示されている。少なくとも1つの実施形態では、チューブは、らせん状に巻回されて、長手方向軸と、長手方向軸に沿って延在する内腔と、内腔を包囲する中空壁とを有する細長いチューブを少なくとも部分的に形成する中空体を備える、第1細長部材を備えることができ、壁は、内腔に近接する内側部分と内腔から離れる方向に面している外側部分とを有し、複合チューブの少なくとも一部において、壁の外側部分が内側部分に接触するまで、2.5mmプローブによって壁の外側部分に力が加えられた場合、外側部分は、式:D>0.5×F2.5を満足する垂直距離だけたわみ、式中、Dはミリメートルでの垂直距離を表し、F2.5は、2.5mmプローブによって加えられるニュートンでの力を表す。
【0030】
さまざまな実施形態では、上述した呼吸チューブは、以下の特性とともに本開示の別の場所に記載されている他のあらゆる特性のうちの1つ、いくつかまたはすべてを有することができる。呼吸チューブは、らせん状に巻回されかつ第1細長部材の隣接する巻きの間に接合され、細長いチューブの内腔の少なくとも一部を形成する第2細長部材をさらに備えることができる。2.5mmプローブによって約1Nの力が加えられた場合、外側部分は、約1mmを超えてたわむことができる。
【0031】
患者に加湿ガスを送達するチューブとともに使用されるのに好適な導管もまた開示されている。少なくとも1つの実施形態では、導管は、チューブに連結するように構成されたコネクタであって、長手方向軸に沿って延在する内腔および内腔を包囲する壁を備え、内腔が、使用時に加湿ガス用の流路を画定する、コネクタと、プリント回路基板を備えるプリント回路基板アセンブリであって、コネクタの壁に埋め込まれかつ直径または弦線に沿ってコネクタの内腔を横切って延在し、それにより、概して流路の少なくとも一部と交差し、少なくとも一部がオーバモールド組成物によってオーバモールドされている分割部分と、分割部分に隣接し、かつコネクタの内腔から離れる方向においてコネクタの壁から外側に突出している配線部分と、コネクタの内腔内に配置されかつ長手方向軸に沿って分割部分から突出しており、少なくとも1つのセンサを備え、オーバモールド組成物によってオーバモールドされているセンサ部分とをさらに備えるプリント回路基板とを備える。
【0032】
さまざまな実施形態では、上述した導管は、以下の特性とともに本開示の別の場所に記載されている他のあらゆる特性のうちの1つ、いくつかまたはすべてを有することができる。プリント回路基板アセンブリは、分割部分に隣接しかつ内腔から離れる方向および配線部分と反対側の方向においてコネクタから外側に突出している支持部分をさらに備えることができる。配線部分を、導管からの1本または複数本のヒータ線に電気的に連結するように構成することができる。少なくとも1つのセンサはサーミスタを含むことができる。センサ部分は、流路の上流に突出することができる。少なくとも1つのセンサは、センサ部分の上流前縁に隣接するセンサを備えることができる。センサ部分は、流路の下流に突出することができる。少なくとも1つのセンサは、センサ部分の下流前縁に隣接するセンサを備えることができる。センサ部分に近接するオーバモールド組成物は、長手方向軸に沿って延在するテーパ形状を有することができる。オーバモールド部を、センサ部分の前縁に近接して最も薄くすることができる。センサ部分は、長手方向軸に沿って延在するエーロフォイル形状を有することができる。センサ部分は、弾丸または魚雷形状を有することができる。
【0033】
呼吸導管もまた開示されている。少なくとも1つの実施形態では、導管は、長手方向軸に沿って延在する内腔および内腔を包囲する壁であって、内腔が使用時にガス流路を画定する、内腔および壁と、壁に固定された、オーバモールドされたプリント回路基板アセンブリであって、プリント回路基板を備え、コネクタの内腔内に配置されかつ長手方向軸に沿って延在する取付部分、および取付部分の表面上の温度センサをさらに備えるプリント回路基板アセンブリとを備える。
【0034】
さまざまな実施形態では、上述した導管は、以下の特性とともに本開示の別の場所に記載されている他のあらゆる特性のうちの1つ、いくつかまたはすべてを有することができる。温度センサはサーミスタであり得る。
【0035】
呼吸導管もまた開示されている。少なくとも1つの実施形態では、導管は、長手方向軸に沿って延在する内腔および内腔を包囲する壁であって、内腔が使用時にガス流路を画定する、内腔および壁と、壁に固定され、直径または弦線に沿って内腔を横切って延在し、それにより概して流路の少なくとも一部を交差する構成要素であって、内腔内に配置されかつ長手方向軸に沿って延在する取付部分、取付部分の表面上の温度センサ、およびセンサへの電気的接続部を備える構成要素とを備える。
【0036】
さまざまな実施形態では、上述した導管は、以下の特性とともに本開示の別の場所に記載されている他のあらゆる特性のうちの1つ、いくつかまたはすべてを有することができる。温度センサはサーミスタであり得る。構成要素は、プリント回路基板であり得る。電気的接続部は、直径または弦線に沿った構成要素の長さにわたることができる。
【0037】
呼吸導管もまた開示されている。少なくとも1つの実施形態では、導管は、長手方向軸に沿って延在する内腔および内腔を包囲する壁であって、内腔が使用時にガス流路を画定する、内腔および壁と、壁に固定された、オーバモールドされたプリント回路基板アセンブリであって、プリント回路基板を備え、内腔内に配置されかつ長手方向軸に沿って延在する取付部分、および取付部分の表面上の温度センサをさらに備え、取付部分に近接するオーバモールド部がテーパ形状を有している、プリント回路基板アセンブリとを備える。
【0038】
さまざまな実施形態では、上述した導管は、以下の特性とともに本開示の別の場所に記載されている他のあらゆる特性のうちの1つ、いくつかまたはすべてを有することができる。温度センサはサーミスタであり得る。
【0039】
呼吸導管もまた開示されている。少なくとも1つの実施形態では、導管は、長手方向軸に沿って延在する内腔および内腔を包囲する壁であって、内腔が使用時にガス流路を画定する、内腔および壁と、壁に固定され、内腔内に配置されかつ長手方向軸に沿って延在する取付部分を備える構成要素であって、取付部分が、壁への接続部から長手方向に上流に配置された温度センサを備える、構成要素とを備える。
【0040】
さまざまな実施形態では、上述した導管は、以下の特性とともに本開示の別の場所に記載されている他のあらゆる特性のうちの1つ、いくつかまたはすべてを有することができる。温度センサはサーミスタであり得る。温度センサは、取付部分の上流端に近接することができる。取付部分をオーバモールドすることができる。オーバモールド部を、温度センサに近接して最も薄くすることができる。取付部は、長手方向下流に突出することができる。取付部は、長手方向軸に沿って延在するエーロフォイル形状を有することができる。取付部は、弾丸または魚雷形状を有することができる。取付部と壁との間の垂直距離は、内腔の直径の少なくとも30%であり得る。
【0041】
呼吸導管セグメントもまた開示されている。少なくとも1つの実施形態では、セグメントは、長手方向軸に沿って延在する内腔および内腔を包囲する壁であって、内腔が使用時にガス流路を画定する、内腔および壁、ならびに、プリント回路基板を備えるプリント回路基板アセンブリであって、直径または弦線に沿って内腔を横切って延在し、それにより、プリント回路基板アセンブリの一部が概して流路の少なくとも一部と交差し、オーバモールド組成物によってオーバモールドされている第1部分と、第1部分に隣接して内腔から離れる方向において壁から外側に突出する第2部分であって、第1アセンブリから1本または複数本のワイヤを受け取るように構成された、プリント回路基板上の1つまたは複数の接続パッドを備える第2部分と、第1部分に隣接し、内腔から離れる方向においてかつ第2部分とは反対の方向において壁から外側に突出する第3部分であって、第1アセンブリとは別個の第2アセンブリから1本または複数本のワイヤを受け取るように構成された、プリンタ回路基板上の1つまたは複数の接続パッドを備える第3部分と、第2部分の1つまたは複数の接続パッドにかつ第3部分の1つまたは複数の接続パッドに電気的に結合され、第1アセンブリと第2アセンブリとの間に電気的接続性を提供するように構成された、プリント回路基板上の1本または複数本の導電性トラックとを備えるプリント回路基板アセンブリを備える。
【0042】
さまざまな実施形態では、上述したセグメントは、以下の特性とともに本開示の別の場所に記載されている他のあらゆる特性のうちの1つ、いくつかまたはすべてを有することができる。第1アセンブリは呼吸チューブであり得る。第2アセンブリは呼吸チューブであり得る。プリント回路基板アセンブリは、コネクタの内腔内に配置されかつ長手方向軸に沿って突出する取付部分と、取付部分の表面上の温度センサとをさらに備えることができる。
【0043】
さまざまな実施形態では、呼吸チューブは、らせん状に巻回されて、長手方向軸と、長手方向軸に沿って延在する内腔と、内腔を包囲する中空壁とを有する細長いチューブを少なくとも部分的に形成する中空体を備える、第1細長部材を備え、中空体は、縦断面において複数のバブルを形成し、バブルは、長手方向軸に沿った最大幅と、壁の外側に面する頂端と内腔との間における長手方向軸に対して垂直な最大高さとを有し、最大幅に対する最大高さの比率は少なくとも約0.16である。第2細長部材を、らせん状に巻回しかつ第1細長部材の隣接する巻きの間に接合することができ、第2細長部材は、細長いチューブの内腔の少なくとも一部を形成している。最大高さは、約0.7mmと約7.7mmとの範囲であり得る。最大高さは約2.7mmであり得る。最大幅は、約2.0mmと約6.0mmとの範囲であり得る。最大幅は約4.0mmであり得る。最大幅に対する最大高さは、1.0を上回ることができる。
【0044】
さまざまな実施形態では、呼吸チューブは、らせん状に巻回されて、長手方向軸と、長手方向軸に沿って延在する内腔と、内腔を包囲する中空壁とを有する細長いチューブを少なくとも部分的に形成する中空体を備える、第1細長部材を備え、中空体は、縦断面において複数のバブルを形成し、隣接するバブルの対応する点の間の垂直距離がピッチを画定し、複合チューブの最大外径に対するピッチの比率は、約0.35未満である。第2細長部材を、らせん状に巻回しかつ第1細長部材の隣接する巻きの間に接合することができ、第2細長部材は、細長いチューブの内腔の少なくとも一部を形成している。ピッチは、約1.2mmと約8.1mmとの範囲であり得る。ピッチは、約5.1mmであり得る。最大外径は、約19.5mmと25.5mmとの範囲であり得る。最大外径は、約22.5mmであり得る。
【0045】
さまざまな実施形態では、複合チューブは、らせん状に巻回されて、長手方向軸と、長手方向軸に沿って延在する内腔と、内腔を包囲する中空壁とを有する細長いチューブを少なくとも部分的に形成する中空体を備える、第1細長部材であって、中空体が、縦断面において複数のバブルを形成し、バブルが、第1細長部材の最大高さを画定する、壁の外側に面する頂端と内腔との間の、長手方向軸に対して垂直な最大高さを有する、第1細長部材と、らせん状に巻回されかつ第1細長部材の隣接する巻きの間に接合された第2細長部材であって、細長いチューブの内腔の少なくとも一部を形成し、第2細長部材の外側に面する頂端と内腔との間の、長手方向軸に対して垂直な最大高さをする、第2細長部材とを備え、複合チューブの最大外径に対する第1細長部材の最大高さと第2細長部材の最大高さとの差の比は、約0.049:1未満である。壁は、内腔に近接する内側部分と内腔から離れる方向に面している外側部分とを有することができ、壁の内側部分は、壁の外側部分より小さい厚さを有することができる。
【0046】
さまざまな実施形態では、複合チューブは、らせん状に巻回されて、長手方向軸と、長手方向軸に沿って延在する内腔と、内腔を包囲する中空壁とを有する細長いチューブを少なくとも部分的に形成する中空体を備える、第1細長部材であって、壁が、内腔に近接する内側部分と内腔から離れる方向に面している外側部分とを有する、第1細長部材と、第1細長部材の隣接する巻きの間にらせん状に巻回された第2細長部材であって、細長いチューブの内腔の少なくとも一部を形成し、第1細長部材が第2細長部材の隣接する巻きの接続点において接合されている、第2細長部材とを備え、複合チューブの曲げ半径は、接続点の間の外側部分の長さによって制限される。壁は、内腔に近接する内側部分と内腔から離れる方向に面している外側部分とを有することができ、壁の内側部分は、壁の外側部分より小さい厚さを有することができる。
【0047】
さまざまな実施形態では、患者に加湿ガスを送達するチューブとともに使用されるのに好適な導管もまた提供され、導管は、チューブに連結するように構成されたコネクタであって、長手方向軸に沿って延在する内腔および内腔を包囲する壁を備え、内腔が、使用時に加湿ガス用の流路を画定する、コネクタと、プリント回路基板を備えるプリント回路基板アセンブリであって、コネクタの壁に埋め込まれかつ直径または弦線に沿ってコネクタの内腔を横切って延在し、それにより、概して流路の少なくとも一部と交差し、少なくとも一部がオーバモールド組成物によってオーバモールドされている分割部分と、分割部分に隣接し、かつコネクタの内腔から離れる方向においてコネクタの壁から外側に突出している配線部分と、コネクタの内腔内に配置されかつ長手方向軸に沿って分割部分から突出しており、少なくとも1つのセンサを備え、オーバモールド組成物によってオーバモールドされているセンサ部分とをさらに備えるプリント回路基板とを備える。さまざまな実施形態では、プリント回路基板アセンブリは、分割部分に隣接しかつ内腔から離れる方向および配線部分と反対側の方向においてコネクタから外側に突出している支持部分をさらに備えることができる。配線部分を、導管からの1本または複数本のヒータ線に電気的に連結するように構成することができる。少なくとも1つのセンサはサーミスタを含むことができる。センサ部分は、流路の上流に突出することができる。少なくとも1つのセンサは、センサ部分の上流前縁に隣接するセンサを備えることができる。センサ部分は、流路の下流に突出することができる。少なくとも1つのセンサは、センサ部分の下流前縁に隣接するセンサを備えることができる。センサ部分に近接するオーバモールド組成物は、長手方向軸に沿って延在するテーパ形状を有することができる。オーバモールド部を、センサ部分の前縁に近接して最も薄くすることができる。センサ部分は、長手方向軸に沿って延在するエーロフォイル形状を有することができる。センサ部分は、弾丸または魚雷形状を有することができる。
【0048】
さまざまな実施形態では、呼吸導管は、長手方向軸に沿って延在する内腔および内腔を包囲する壁であって、内腔が使用時にガス流路を画定する、内腔および壁と、壁に固定された、オーバモールドされたプリント回路基板アセンブリであって、プリント回路基板を備え、内腔内に配置されかつ長手方向軸に沿って延在する取付部分、および取付部分の表面上の温度センサをさらに備え、取付部分に近接するオーバモールド部がテーパ形状を有している、プリント回路基板アセンブリとを備える。温度センサはサーミスタであり得る。
【0049】
さまざまな実施形態では、呼吸導管は、長手方向軸に沿って延在する内腔および内腔を包囲する壁であって、内腔が使用時にガス流路を画定する、内腔および壁と、壁に接続され、内腔内に配置されかつ長手方向軸に沿って突出する取付部を備える構成要素であって、取付部が、壁への接続部から長手方向上流に配置された温度センサを備える、構成要素とを備える。温度センサはサーミスタであり得る。温度センサは、取付部分の上流端に近接することができる。取付部分をオーバモールドすることができる。オーバモールド部を、温度センサに近接して最も薄くすることができる。取付部は、長手方向下流に突出することができる。取付部は、長手方向軸に沿って延在するエーロフォイル形状を有することができる。取付部は、弾丸または魚雷形状を有することができる。取付部と壁との間の垂直距離は、内腔の直径の少なくとも30%であり得る。
【0050】
さまざまな実施形態では、呼吸導管セグメントは、長手方向軸に沿って延在する内腔および内腔を包囲する壁であって、内腔が使用時にガス流路を画定する、内腔および壁、ならびに、プリント回路基板を備えるプリント回路基板アセンブリであって、直径または弦線に沿って内腔を横切って延在し、それにより、プリント回路基板アセンブリの一部が概して流路の少なくとも一部と交差し、オーバモールド組成物によってオーバモールドされている第1部分と、第1部分に隣接して内腔から離れる方向において壁から外側に突出する第2部分であって、第1アセンブリから1本または複数本のワイヤを受け取るように構成された、プリント回路基板上の1つまたは複数の接続パッドを備える第2部分と、第1部分に隣接し、内腔から離れる方向においてかつ第2部分とは反対の方向において壁から外側に突出する第3部分であって、第1アセンブリとは別個の第2アセンブリから1本または複数本のワイヤを受け取るように構成された、プリンタ回路基板上の1つまたは複数の接続パッドを備える第3部分と、第2部分の1つまたは複数の接続パッドにかつ第3部分の1つまたは複数の接続パッドに電気的に結合され、第1アセンブリと第2アセンブリとの間に電気的接続性を提供するように構成された、プリント回路基板上の1本または複数本の導電性トラックとを備えるプリント回路基板アセンブリを備える。第1アセンブリは呼吸チューブであり得る。第2アセンブリは呼吸チューブであり得る。プリント回路基板アセンブリは、コネクタの内腔内に配置されかつ長手方向軸に沿って突出する取付部分と、取付部分の表面上の温度センサとをさらに備えることができる。
【0051】
さまざまな実施形態では、複合チューブは、長手方向軸と、長手方向軸に沿って延在する内腔と、内腔を包囲する中空壁とを有する細長いチューブを少なくとも部分的に形成する中空体を備える、第1細長部材と、らせん状に巻回されかつ第1細長部材の隣接する巻きの間に接合された第2細長部材であって、細長いチューブの内腔の少なくとも一部を形成している第2細長部材とを備え、第1細長部材の少なくとも一部は、通気性材料から形成されている。一例では、複合チューブに、加湿流体源を設け、かつ/またはある体積の加湿流体を予め充填することができ、流体蒸気が通気性材料を通って内腔に入るかまたは内腔から出るように、流体を加熱するために加熱器を設けことができる。加熱器は、第2細長部材内に配置された1つまたは複数の加熱フィラメントを含むことができる。
【0052】
本発明を要約する目的で、ここでは、本発明のいくつかの態様、利点および新規の特徴について記載した。こうした利点の必ずしもすべてが、本発明のいずれの特定の実施形態によっても達成され得るとは限らないことが理解されるべきである。したがって、本発明を、本明細書に教示されているような1つの利点または利点群を、必ずしも他の利点を本明細書において教示されまたは示唆され得るように達成することなく、達成するかまたは最適化する方法で、具現化しまたは実行することができる。
【0053】
ここで、図面を参照して、開示するシステムおよび方法のさまざまな特徴を実施する実施形態例について説明する。図面および関連する説明は、本開示の範囲を限定するためではなく実施形態を例示するために提供される。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1】1本または複数本の医療用チューブを組み込んだ医療用回路の概略図を示す。
図2A】複合チューブ例の一部の側面図を示す。
図2B図2Aの複合チューブ例に類似する頂部チューブの縦断面を示す。
図2C】複合チューブの第1細長部材を示す別の縦断面を示す。
図2D】チューブの頂部の別の縦断面を示す。
図2E】チューブの頂部の別の縦断面を示す。
図2F】縦断面において一部が露出しているチューブを示す。
図2G図2Fのチューブ例に類似するチューブの一部の縦断面を示す。
図2H】チューブの頂部の縦断面を示す。
図3】バブルのたわみを求めるために好適な治具を示す。
図4】力対バブルのたわみのグラフを示す。
図5A-C】熱効率を向上させるように構成された第1細長部材形状の例を示す。
図5D-F】熱効率を向上させるように構成されたフィラメント構成の例を示す。
図6A】中間位置にある複合チューブの一部の縦断面図を示す。
図6B】複合チューブが∩形状に曲げられた、曲げ位置にある図6Aの複合チューブの一部を示す。
図6C】∩形状に曲げられた複合チューブを示す。
図6D】最小曲率半径を超えて曲げられた複合チューブを示す。
図7A】複合チューブの第2細長部材の横断面を示す。
図7B】第2細長部材の別の横断面を示す。
図7C】別の第2細長部材例を示す。
図7D】別の第2細長部材例を示す。
図7E】別の第2細長部材例を示す。
図7F】別の第2細長部材例を示す。
図7G】別の第2細長部材例を示す。
図8A】可変ピッチを有する複合チューブの概略図を示す。
図8B】可変ピッチ複合チューブにおける温度プロファイル例を示すグラフである。
図9A】可撓性治具の正面断面概略図を示す。
図9B図9Aの可撓性治具のローラの詳細な正面断面概略図を示す。
図9C-F】使用時の可撓性治具を示す。図9Cおよび図9Eは治具における試験中のサンプルの正面斜視図を示す。図9Dおよび図9Fは治具における試験中のサンプルの背面斜視図を示す。
図10A】耐圧壊性試験治具を示す。
図10B】圧壊剛性を求めるために用いられる、負荷対伸張のプロットを示す。
図11A-D】チューブの曲率半径特性を実証する。
図12A-C】第1細長部材積層の例を示す。
図13】第2細長部材の代替実施形態を示す。
図14A-E】チューブの横方向の伸びを増大させるように適合されたチューブの変形を示す。
図15A-E】図13A図13Eそれぞれに示すチューブの引伸ばし状態を示す。
図16】少なくとも1つの実施形態による医療用回路例を示す。
図17】少なくとも1つの実施形態による送気システムを示す。
図18】少なくとも1つの実施形態による同軸チューブの概略図である。
図19A-B】患者インタフェースと使用されている複合チューブを示す。
図20A】フルフェイスマスクと使用されている複合チューブを示す。
図20B】鼻マスクと使用されている複合チューブを示す。
図20C】鼻/ピローマスクと使用されている複合チューブを示す。
図21A】複合チューブを形成する方法における態様を示す。
図21B】らせん状に巻回された第2細長部材を示す。
図21C】複合チューブを形成する方法における別の態様を示す。
図21D】複合チューブを形成する方法における別の態様を示す。
図21E】複合チューブを形成する方法における別の態様を示す。
図21F】複合チューブを形成する方法における別の態様を示す。
図22A-C】チューブの縦断面の構成例を示す。
図23A-H】チューブを形成する代替方法を示す。
図24A-B】らせん状に巻回されて医療用チューブを形成する単一の細長い中空体を示す別の例を示す。
図24C-F】らせん状に巻回されて医療用チューブを形成する他の単一の細長い中空体の例を示す。
図25A-L】使用時に加湿器に連結するように構成されているチューブの端部にコネクタを取り付ける方法に関連する、概略的なフローチャートならびにより詳細な概略図および写真を示す。
図26A-E】フィラメントを電気コネクタに取り付けるコネクタを示す。
図27A-E】図25A図25Lのコネクタとともに使用されるのに好適なクラムシェルを示す。
図28A-F】内部に電線が通っている医療用回路に使用することができるコネクタと関連する組立方法とを示す。
図29A-L】内部に電線が通っている医療用回路に使用することができるコネクタと関連する組立方法とを示す。
図30A-O】チューブを患者インタフェースに取り付けるのに好適なコネクタに関連する概略図を示す。
図31A-B】図30A図30Oのコネクタと使用するのに好適な止め部分を示す。
図32A-D】図30A図30Oのコネクタと使用するのに好適な回転防止機構を示す。
図33A-D】PCBアセンブリ例を示す。
図34】加湿システムと使用されるセグメント化された吸気リムを示し、セグメント化された吸気リムは、2つのセグメントに加熱フィラメントおよび/または温度センサを結合するように構成された中間コネクタを有している。
図35A-E】チューブを加湿器ポート、患者インタフェースまたは他のあらゆる好適な構成要素に取り付けるのに好適なコネクタに関する概略図を示す。
図36A-K】チューブを加湿器ポート、患者インタフェースまたは他のあらゆる好適な構成要素に取り付けるのに好適な別のコネクタに関する概略図を示す。
図37A】2つの第1細長部材を備えるチューブの頂部の縦断面を示す。
図37B】2つの第1細長部材を備えるチューブの頂部の別の縦断面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0055】
概して図面を通して、参照番号を再使用して、参照される(または同様の)要素間の対応関係を示す。しかしながら、対応する参照される(または同様の)要素は、状況によっては異なる参照番号を有する場合もある。さらに、各参照番号の最初の数字は、概してその要素が最初に現れる図を示す。
【0056】
本明細書に記載する装置および方法を実施するいくつかの例示的な実施形態に関する詳細について、以下、図を参照して記載する。本発明は、これらの記載された実施形態に限定されない。
【0057】
[1つまたは複数の医療用チューブを備える呼吸回路]
本開示をより詳細に理解するために、最初に図1を参照する。図1は、1つまたは複数の医療用チューブを含む、少なくとも1つの実施形態による呼吸回路を示す。チューブは、広範な用語であり、それには、当業者に対してその通常のかつ慣例の意味が与えられるべきであり(すなわち、特別な意味または特化された意味に限定されるべきではなく)、限定なしに円筒状通路および非円筒状通路を含む。いくつかの実施形態は、後により詳細に記載するように、概して2つ以上の部分、または、特に、いくつかの実施形態では、2つ以上の構成要素を備えるチューブとして定義することができる複合チューブを組み込むことができる。こうした呼吸回路は、持続気道陽圧(PAP)システム、可変PAPシステムあるいは二段階PAPシステムまたは他の形態の呼吸療法であり得る。
【0058】
以下のように、図1の回路にガスを搬送することができる。乾燥ガスは、ベンチレータ/ブロワ105から、乾燥ガスを加湿する加湿器107まで進む。加湿器107は、吸気チューブ103の入口109(加湿ガスを受け入れる端部)にポート111を介して連結し、それにより、加湿ガスを吸気チューブ103に供給する。吸気チューブは、呼吸ガスを患者に送達するように構成されるチューブであり、後により詳細に記載するように複合チューブから作製され得る。ガスは、吸気チューブ103を通って出口113(加湿ガスを排出する端部)まで、その後、出口113に接続された患者インタフェース115を通って患者101まで流れる。
【0059】
呼気チューブ117が、任意選択的に患者インタフェース115に連結している。呼気チューブは、吐出された加湿ガスを患者から遠ざけるように構成されるチューブである。ここで、呼気チューブ117は、患者インタフェース115からの吐出された加湿ガスをベンチレータ/ブロワ105に戻す。
【0060】
この例では、乾燥ガスは、通気孔119からベンチレータ/ブロワ105に入る。ファン121が、空気または他のガスを通気孔119から引き込むことによって、ベンチレータ/ブロワへのガス流を促進することができる。ファン121を、たとえば可変速ファンとすることができ、その場合、電子コントローラ123がファン速度を制御する。特に、電子コントローラ123の機能を、電子マスタコントローラ125によって、マスタコントローラ125からの入力およびダイヤル127を介する圧力またはファン速度またはガス流量の使用者が設定した所定所要値(事前設定値)に応じて制御することができる。
【0061】
加湿器107は、ある体積の水130または他の好適な加湿液を含む加湿チャンバ129を備えている。好ましくは、加湿チャンバ129は、使用後に加湿器107から取外し可能である。取外し可能であることにより、加湿チャンバ129をより容易に滅菌または廃棄することができる。しかしながら、加湿器107の加湿チャンバ129部分を一体構造とすることができる。加湿チャンバ129の本体を、非導電性ガラスまたはプラスチック材料から形成することができる。しかしながら、加湿チャンバ129はまた導電性構成要素を含むことも可能である。たとえば、加湿チャンバ129は、加湿器107のヒータプレート131と接触するかまたはそれに関連する高熱伝導性基部(たとえばアルミニウム基部)を有することができる。
【0062】
加湿器107はまた、電子制御部も備えることができる。この例では、加湿器107は、電子、アナログまたはデジタルのマスタコントローラ125を備えている。好ましくは、マスタコントローラ125は、関連するメモリに格納されたコンピュータソフトウェアコマンドを実行するマイクロプロセッサベースコントローラである。たとえばユーザインタフェース133を介する使用者が設定した湿度値入力または温度値入力および他の入力に応じて、マスタコントローラ125は、加湿チャンバ129内の水130を加熱するためにヒータプレート131に通電すべき時(または通電すべきレベル)を確定する。
【0063】
あらゆる好適な患者インタフェース115を組み込むことができる。患者インタフェースは、広範な用語であり、それには、当業者に対してその通常のかつ慣例の意味が与えられるべきであり(すなわち、特別の意味または特化された意味に限定されるべきではなく)、限定なしにマスク(気管マスク、フェイスマスクおよび鼻マスク等)、カニューレおよび鼻枕を含む。温度プローブ135は、患者インタフェース115近くで吸気チューブ103にまたは患者インタフェース115に連結することができる。温度プローブ135は、患者インタフェース115の近くまたは患者インタフェース115における温度をモニタリングする。温度プローブに関連する加熱フィラメント(図示せず)を用いて、吸気チューブ103および/または患者インタフェース115の温度を、飽和温度を超えて上昇させるように、患者インタフェース115および/または吸気チューブ103の温度を調整することができ、それにより望ましくない凝縮に対する可能性が低減する。
【0064】
図1において、吐出された加湿ガスは、患者インタフェース115から呼気チューブ117を介してベンチレータ/ブロワ105まで戻される。呼気チューブ117を、後により詳細に記載するように複合チューブとすることも可能である。しかしながら、呼気チューブ117を、本技術分野において以前から既知であるように、医療用チューブとすることも可能である。いずれの場合も、吸気チューブ103に関して上述したように、凝縮の可能性を低減するように、呼気チューブ117に温度プローブおよび/または加熱フィラメントを組み込むことができる。さらに、呼気チューブ117は、吐出ガスをベンチレータ/ブロワ105に戻す必要はない。別法として、吐出された加湿ガスを、周囲環境に直接、または空気スクラバ/フィルタ(図示せず)等の他の補助機器に送ることができる。
いくつかの実施形態では、呼気チューブは完全に省略される。
【0065】
[複合チューブ]
図2Aは、例としての複合チューブ201の一部の側面図を示す。概して、複合チューブ201は、第1細長部材203および第2細長部材205を備えている。部材は、広範な用語であり、それには、当業者に対してその通常のかつ慣例の意味が与えられるべきであり(すなわち、特別の意味または特化された意味に限定されるべきではなく)、限定なしに一体化された部品、一体化された構成要素および別個の構成要素を含む。したがって、図2Aは2つの別個の構成要素から作製された実施形態を示すが、(後述するような)他の実施形態では、第1細長部材203および第2細長部材205はまた、単一材料から形成されたチューブ内の領域を表すことも可能であることが理解されよう。したがって、第1細長部材203はチューブの中空部分を表すことができ、第2細長部材205は、中空部分に構造的支持を加える、チューブの構造的支持部分または補強部分を表す。中空部分および構造的支持部分は、本明細書に記載するように、らせん構造を有することができる。
【0066】
複合チューブ201を用いて、上述したような呼吸回路における吸気チューブ103および/または呼気チューブ117、後述するような同軸チューブまたは本開示の別の場所で記載されるようなあらゆる他のチューブを形成することができる。いくつかの実施形態では、複合チューブ201は少なくとも吸気チューブ103である。
【0067】
以下、例としての複合チューブ201の構成要素および特性についてより詳細に記載する。「第1細長い部材」および「第2細長部材」等の副題を使用する。これらの副題は、限定するものではなく、かつ限定するものとして解釈されるべきではない。たとえば、第1細長部材という副題の下で記載する1つまたは複数の実施形態の態様を、第2細長部材という副題の下で記載する1つまたは複数の実施形態に適用することも可能であり、逆もまた当てはまる。
【0068】
[第1細長部材]
図2Aにおいて、第1細長部材203は、らせん状に巻回されて、長手方向軸LA-LAおよび長手方向軸LA-LAに沿って延在する内腔207(チューブボア)を有する細長いチューブを少なくとも部分的に形成する、中空体を備えている。第1細長部材203は、内腔207の近くに内側部分211を有している。いくつかの実施形態では、内側部分211の表面が内腔207を形成している。第1細長部材203はまた、内側部分と反対側の、半径方向において内腔207から離れる方向に面している外側部分219も有している。後により詳細に考察するように、第1細長部材203は、縦断面において複数のバブルを形成することができる。いくつかの実施形態では、バブルは、文字「D」に類似する断面輪郭を有している。バブルを、外側に面する面において弧状にすることができる。バブルは、内腔207の表面においてより平坦であり得る。少なくとも1つの実施形態では、第1細長部材203はチューブである。
【0069】
好ましくは、第1細長部材203は可撓性がある。可撓性とは、曲げることができることを指す。さらに、第1細長部材203は、好ましくは透明であるか、または少なくとも半透明あるいは半不透明である。ある程度の光透過性により、介護者または使用者が、内腔207に閉塞あるいは汚染物質がないか検査するか、または湿気の存在を確認することができる。
【0070】
第1細長部材203の本体に対して、医療グレードプラスチックを含む種々のプラスチックが好適である。好適な材料の例としては、ポリオレフィンエラストマー、ポリエーテルブロックアミド、熱可塑性コポリエステルエラストマー、EPDM-ポリプロピレン混合物および熱可塑性ポリウレタンが挙げられる。いくつかの実施形態では、材料は、結果として得られる第1細長部材203の材料密度が1g/cm(または約1g/cm)以下であるように選択される。
【0071】
第1細長部材203の材料は好ましくは軟質である。軟性は、力が加えられた時に材料が「たわむ」または圧縮される量を反映する。軟質材料は、硬質材料よりたわむかまたは圧縮される。バブルのたわみを用いて、第1細長部材203材料の軟性を定量化することができる。バブルのたわみは、力が加えられた時に、第1細長部材203の外側部分219が垂直にたわむ(すなわち、内腔207の方向において半径方向内側に変位する)距離である。バブルのたわみを、たとえば、図3の写真に示す治具301等のバブルのたわみ治具を用いて試験することができる。
【0072】
1つの軟性試験では、表1に示す特性を有する複合チューブの4つのサンプル(以下、「タイプ1」)および表2に示す特定を有する複合チューブの4つのサンプル(以下、「タイプ2」)を、図3の治具301において各々試験した。
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
【0075】
2.5mm径のプローブ303が各サンプル305に力を加え、バブルのたわみを測定した。結果としてのグラフを図4に描く。それらのそれぞれの外側部分219が内側部分211に接触するまで、タイプ1サンプルでは、概して、タイプ2サンプルと同様のバブルのたわみを達成するために必要な力が小さい。いくつかの実施形態では、外側部分219が内壁211と接触するまで、バブルのたわみは、式:D>0.5×F2.5を満足することができ、式中、Dはミリメートルでのバブルのたわみを表し、F2.5は、2.5mmプローブによって加えられるニュートンでの力を表す。たとえば、第1細長部材203は、2.5mmプローブ303によって1Nの力が加えられると、外側部分219が内側部分211と接触するまで、1mmを超えてたわむ可能性がある。
【0076】
いくつかの実施形態では、表1の構成が好ましい可能性があるが、他の構成および変形形態を、要求に応じて他の実施形態で使用することができることが理解されるべきである。
【0077】
図2Bは、図2Aの例としての複合チューブ201の頂部の縦端面を示す。図2Bは、図2Aと同じ向きである。この例は、第1細長部材203の中空体形状をさらに示す。この例で見られるように、第1細長部材203は、縦断面において複数の中空バブルを形成している。したがって、本明細書では、「バブル」という用語は、第1細長部材203の巻きの断面輪郭を指す。第1細長部材203の部分209は、第2細長部材205の隣接する巻付け部(wrap)にオーバラップしている。第1細長部材203の内側部分211は、内腔207の壁を形成している。
【0078】
第1細長部材203の中空体構造は、複合チューブ201に対する制音特性に寄与する。少なくとも1つの実施形態では、第1細長部材203の外径は第2細長部材205の外径より大きい。バブル状構造は緩衝材を形成する。したがって、流体(ガスまたは液体)が充填されたバブル状の第1細長部材203は、複合チューブ201が、机またはベッドわきテーブルの縁等の物体の上で引きずられた場合に発生する騒音を消音することができる。このように、複合チューブ201は、一体化された中実体の波形チューブに比較して低騒音であり得る。
【0079】
第1細長部材203の中空体構造はまた、複合チューブ201に対する断熱特性にも寄与する。断熱複合チューブ201は、上述したように熱損失を防止するため、望ましい。これにより、複合チューブ201は、加熱器-加湿器からのガスを、最小限のエネルギー消費でガスの調整された状態を維持しながら患者に送達することを可能にすることができる。
【0080】
第1細長部材203の隣接する巻きの間、すなわち隣接するバブルの間に間隙213があることにより、意外なことに、複合チューブ201の全体的な断熱特性が向上したことが分かった。したがって、いくつかの実施形態では、隣接するバブルは、間隙213によって分離されている。さらに、いくつかの実施形態は、隣接するバブルの間の間隙213により、伝熱抵抗(R値)が増大し、したがって、複合チューブ201の熱伝導率が低下するという実現を含む。この間隙構成はまた、より半径の短い曲げを可能にすることにより、複合チューブ201の可撓性を向上させることも分かった。三角形の第2細長部材205または図2Bに示すようなT字型の第2細長部材205は、隣接するバブルの間に間隙213を維持するのに役立つことができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、隣接するバブルは接触している。たとえば、隣接するバブルを互いに結合することができる。
【0081】
図2Cは、図2Bにおけるバブルの縦断面を示す。図示するように、第2細長部材205の隣接する巻付け部にオーバラップしている第1細長部材203の部分209は、接合領域217の程度によって特徴付けられる。接合領域が広いほど、第1細長部材および第2細長部材の接触面における剥離に対するチューブの抵抗が増大する。さらにまたは別法として、ビードおよび/またはバブルの形状を、接合領域217を増大させるように適合させることができる。たとえば、図2Dは、左側に相対的に小さい接合領域を示す。図5Bは、より小さい接合領域も実証している。対照的に、図2Eは、ビードのサイズおよび形状により、図2Dに示すものよりはるかに広い接合領域を有している。図5Aおよび図5Cもまた、より広い接合領域を示している。これらの図の各々については、後により詳細に考察する。図2E図3Aおよび図5Cの構成は、いくつかの実施形態では好ましい可能性があるが、図2D図5Bのものおよび他の変形を含む他の構成を、要求に応じて他の実施形態で使用することができることが理解されるべきである。
【0082】
図2Dは、別の複合チューブの頂部の縦断面を示す。図2Dは、図2Bと同じ向きである。この例は、第1細長部材203の中空体形状をさらに例示し、第1細長部材203が縦断面において複数の中空バブルをいかに形成するかを実証している。この例では、バブルは、間隙213によって互いから完全に分離されている。略三角形の第2細長部材205は、第1細長部材203を指示している。
【0083】
図2Hは、別の複合チューブの頂部の縦断面を示す。図2Hは、図2Bと同じ向きである。
【0084】
図2Hの例では、内腔の壁を形成している第1細長部材203の内側部分211の断面厚さは、外側部分219の厚さより小さい。第1細長部材203がD字型のバブルの輪郭を有しているため、第1細長部材203の外側に面する部分は、第2細長部材の隣接する巻きの間に材料の谷間(slack)を有し、それにより、複合チューブが∩形状に曲げられる際に移動および引伸ばしが容易になる。図2Hの構成により、内腔207の近くのバブルが薄くなるため、こうした構成により、複合チューブ201が∩形状に曲げられる時、内側部分211がより容易に圧縮されまたは「塊になる」ことができる。したがって、いくつかの実施形態は、内側部分211の断面厚さが外側部分219の断面厚さより小さい構成により、より半径の短い曲げを可能にすることによって複合チューブ201の可撓性を向上させることができるという実現を含む。さらに、いくつかの実施形態は、断面壁厚さが可変の第1細長部材203を提供することにより、全体的なチューブ可撓性を向上させることができるという実現を含む。望ましくは、内側部分211の厚さは、外側部分219の厚さより小さい。
【0085】
少なくとも1つの実施形態では、内側部分211の厚さは、外側部分219の厚さより少なくとも20%(または約20%)小さい。たとえば、いくつかの実施形態では、内側部分211の厚さは、外側部分219の厚さより少なくとも30%(あるいは約30%)、少なくとも40%(あるいは約40%)、少なくとも50%(あるいは約50%)、または少なくとも60%(あるいは約60%)小さい。いくつかの実施形態では、内側部分211の厚さは、外側部分219の厚さより27%(または約27%)小さい。いくつかの実施形態では、内側部分211の厚さは、外側部分219の厚さより32%(または約32%)小さい。いくつかの実施形態では、内側部分211の厚さは、外側部分219の厚さより58%(または約58%)小さい。いくつかの実施形態では、内側部分211の厚さは、外側部分219の厚さより64%(または約64%)小さい。
【0086】
外側部分219の厚さは、0.22mm(あるいは約0.22mm)または0.24mm(あるいは約0.24mm)等、0.14mm(または約0.14mm)と0.44mm(または約0.44mm)との範囲であり得る。内側部分211の厚さは、0.05mm(または約0.05mm)および0.30mm(または約0.30mm)の範囲、好ましくは0.10mm(あるいは約0.10mm)または0.16mm(あるいは約0.16mm)であり得る。
【0087】
再び図2Hを参照すると、第1細長部材203の単一の縦断面バブルの(H-Hとして示す)高さを、第1細長部材203の単一の縦断面バブルの(W-Wとして示す)幅より大きくすることができる。高さの方が大きいことにより、第1細長部材203のバブルの外壁における材料の谷間の量が増大するため、こうした構成により、より半径の短い曲げを可能にすることによって、複合チューブ201の可撓性を向上させることができる。したがって、いくつかの実施形態は、縦断面高さが縦断面幅より大きい第1細長部材203を提供することにより、全体的なチューブ可撓性を向上させることができるという実現を含む。この構成例はいくつかの実施形態では好ましい可能性があるが、他の構成および変更を、要求に応じて他の実施形態で使用することができることが理解されるべきである。たとえば、第1細長部材203の縦断面バブルの高さは、その幅未満であり得る。
【0088】
少なくとも1つの実施形態では、バブル高さ(H-H)は、1.2mm(あるいは約1.2mm)、1.7mm(あるいは約1.7mm)、1.8mm(あるいは約1.8mm)、2.7mm(あるいは約2.7mm)、2.8mm(あるいは約2.8mm)、3mm(あるいは約3mm)、3.2mm(あるいは約3.2mm)、3.5mm(あるいは約3.5mm)、3.8mm(あるいは約3.8mm)、4mm(あるいは約4mm)、4.5mm(あるいは約4.5mm)、7.7mm(あるいは約7.7mm)または8.2mm(あるいは約8.2mm)等、1.2mm(または約1.2mm)と8.2mm(または約8.2mm)との範囲であり得る。少なくとも1つの実施形態では、バブル幅(W-W)は、1.7mm(あるいは約1.7mm)、3.2mm(あるいは約3.2mm)、3.5mm(あるいは約3.5mm)、4.0mm(あるいは約4.0mm)、4.2mm(あるいは約4.2mm)、5.2mm(あるいは約5.2mm)、5.5mm(あるいは約5.5mm)、6mm(あるいは約6mm)、7mm(あるいは約7mm)、7.5mm(あるいは約7.5mm)または8mm(あるいは約8mm)等、1.7mm(または約1.7mm)と8mm(または約8mm)との範囲であり得る。
【0089】
バブル高さ(H-H)とバブル幅(W-W)との関係を、比率として表わすことができる。0に等しいバブル幅(W-W)に対するバブル高さ(H-H)の比率は、最も可撓性が低い。比率が増大するに従い、可撓性が増大する。少なくとも1つの実施形態では、バブル幅(W-W)に対するバブル高さ(H-H)の比率は、0.16(または約0.16)、0.34(または約3.4)、0.50(または約0.50)、0.56(または約0.56)、0.57(または約0.57)、0.58(または約0.58)、0.67(または約0.67)、0.68(または約0.68)、0.73(または約0.73)、0.85(または約0.85)、1.1(または約1.1).および1.3(または約1.3)等、0.15(または約0.15)と1.5mm(または約1.5)との範囲であり得る。
【0090】
波形チューブの外側輪郭が相対的に平滑であることが望ましい可能性がある。本明細書において用いる相対的な平滑さは、複合チューブ201の長さに沿った第1細長部材203と第2細長部材205との間の隆起に関連する。相対的に平滑な波形チューブは、より平坦であるか、より間隔が密であるか、または他の方法でそれほど目立たない隆起を有する。相対的に平滑な輪郭により、波形チューブが、机またはテーブルの縁等の物体を横切って引きずられる場合に騒音を有利には低減することができる。
【0091】
相対的な平滑さを定量化するパラメータ例は、複合チューブ201の第1細長部材203の半径方向外側頂端221と第2細長部材205の半径方向外側頂端223との垂直方向の差である。半径方向外側頂端221と半径方向外側頂端223との間の距離が低減すると、複合チューブ201は相対的に平滑であると感じられる。少なくとも1つの実施形態では、垂直距離は、1.0mm(あるいは約1.0mm)、1.1mm(あるいは約1.1mm)、1.3mm(あるいは約1.3mm)、1.4mm(あるいは約1.4mm)、1.6mm(あるいは約1.6mm)、1.9mm(あるいは約1.9mm)、2.0mm(あるいは約2.0mm)、2.3mm(あるいは約2.3mm)、2.4mm(あるいは約2.4mm)、3.0mm(あるいは 約3.0mm)、3.3mm(あるいは約3.3mm)または4.6mm(あるいは約4.6mm)等、1mm(または約1mm)と4.6mm(または約4.6mm)との範囲である。相対的な平滑さを、複合チューブ201の第1細長部材203の半径方向外側頂端221と第2細長部材205の半径方向外側底部225との垂直距離として定量化することも可能である。たとえば、垂直距離は、1.5mm(または約1.5mm)であり得る。
【0092】
相対的な平滑さを定量化する別のパラメータ例は、複合チューブ201の最大外径(すなわち、半径方向外側頂端221からチューブ201の反対側の半径方向外側頂端221まで)に対する、複合チューブ201の第1細長部材203の半径方向頂端221と第2細長部材205の半径方向頂端223(または半径方向底部225)との垂直方向の差の比率である。最大外径が増大するに従い、半径方向外側頂端221と半径方向外側頂端223または底部225との垂直方向の差の、相対的な平滑さに対する影響は小さくなる。少なくとも1つの実施形態では、比率は、0.04、0.05、0.07、0.08、0.09、0.10、0.11、0.12、0.16、0.17あるいは0.18またはその辺り等、0.04から0.18の範囲である。
【0093】
別の例として、1つの巻きから次の巻までの対応する点の間の距離(すなわち、ピッチ)を、相対的な平滑さを定量化するために選択することができる。いくつかの実施形態では、ピッチは、2.1mm(あるいは約2.1mm)、3.8mm(あるいは約3.8mm)、4.8mm(あるいは約4.8mm)、5.1mm(あるいは約5.1mm)、5.5mm(あるいは約5.5mm)、5.8mm(あるいは約5.8mm)、6.4mm(あるいは約6.4mm)、7.5mm(あるいは約7.5mm)、8.1mm(あるいは約8.1mm)または9.5mm(あるいは約9.5mm)等、2.1mm(または約2.1mm)と9.5mm(または約9.5mm)との範囲であり得る。
【0094】
複合チューブ201の第1細長部材203の半径方向頂端221と第2細長部材205の半径方向頂端223との垂直方向の差に対する複合チューブ201のピッチの比率を、相対的な平滑さを定量化するために選択することができる。いくつかの実施形態では、比率は、1.31(あるいは約1.31)、1.76(あるいは約1.76)、2.39(あるいは約2.39)、2.42(あるいは約2.42)、2.53(あるいは約2.53)、2.71(あるいは約2.71)、2.75(あるいは約2.75)、3.26(あるいは約3.26)、3.75(あるいは約3.75)、4.13(あるいは約4.13)、4.64(あるいは約4.64)または4.75(あるいは約4.75)等、1.3(または約1.3)と4.8(または約4.8)との範囲である。
【0095】
最大外径に対するピッチの比率もまた、相対的な平滑さを向上させるように選択することができる。いくつかの実施形態では、チューブの外径に対するピッチの比率は、0.11(あるいは約0.11)、0.23(あるいは約0.23)、0.28(あるいは約0.28)、0.29(あるいは約0.29)、0.30(あるいは約0.30)、0.31(あるいは約0.31)または0.32(あるいは約0.32)等、0.10(あるいは約0.10)と0.35(あるいは約0.32)との範囲であり得る。
【0096】
上述したように、第1細長部材203の中空部分を、流体、すなわち液体またはガスで充填することができる。多量の流体が漏れるのを防止するように、第1細長部材203を実質的に封止することができる。液体またはガスの連続的な流れを可能にするために、第1細長部材203はまた、一方または両方の端部が開放している場合もある。
【0097】
ガスは、熱伝導率が低い(300Kで2.62×10-2W/m・K)ため望ましい空気であり得る。空気より粘性が高いガスも有利には使用することができ、それは、粘性が高いことにより、自然対流の状態で伝熱が低減するためである。したがって、アルゴン(300Kで17.72×10-3W/m・K)、クリプトン(300Kで9.43×10-3W/m・K)およびキセノン(300Kで5.65×10-3W/m・K)等のガスは、断熱性能を向上させることができる。これらのガスの各々は、非毒性、化学的に不活性であり、耐火性であり、市販されている。第1細長部材203の中空部分を、チューブの両端において封止することができ、それにより、内部のガスが実質的に停滞する。別法として、中空部分は、チューブの患者側端からコントローラへの圧力フィードバックを伝達する圧力サンプルライン等、二次空気圧接続部であり得る。
【0098】
液体の例としては、水、または熱容量が高い他の生体適合性液体を挙げることができる。たとえば、ナノ流体を使用することができる。好適な熱容量を有するナノ流体例は、水とアルミニウム等の物質のナノ粒子とを含む。
【0099】
使用時、第1細長部材203の中空部分内の流体を、チューブ201、第1細長部材203、第2細長部材205および/またはチューブ201内腔207内のガスの1つまたは複数の特性を測定するために使用されるように構成することができる。少なくとも1つの実施形態では、チューブ内腔に沿って進むガス(「内腔ガス」)の圧力を測定することができる。第1細長部材203の中空部分における流体(「中空流体」)の圧力の基準測定は、内腔ガスが循環を開始する前に行われる。内腔ガスがチューブ201の通過を開始する際、内腔ガスの圧力は、第1細長部材203内の中空流体の圧力を比例して上昇させる傾向がある。使用時に取得される測定値を基準測定値と比較することにより、チューブ201内の内腔ガスの圧力を求めることができる。別の実施形態では、チューブ201内の内腔ガスの動作熱範囲に基づいて1つまたは複数の特性が変化する中空流体が選択される。このように、中空流体の特性を測定することにより、内腔ガスの温度を求めることができる。たとえば、温度によって膨張する中空流体を使用することができる。使用時、中空流体の温度は、内腔ガス流の温度に向かう傾向がある。そして、中空流体の圧力を測定することにより、内腔ガスの温度を求めることができる。これは、内腔ガス流の温度が直接測定することが困難であるかまたは望ましくない場合に、特に利点があり得る。
【0100】
少なくとも1つの実施形態では、第1細長部材203を形成するために使用される押出品は、無機充填材をさらに含む。押出成形プロセスについては、後により詳細に記載する。タルクまたは含水ケイ酸マグネシウムが好適な無機充填材である。タルクに加えて、他の好適な無機充填材としては、炭酸カルシウム、ドロマイト等の炭酸カルシウムマグネシウム、硫酸バリウム、珪灰石、カオリンおよび雲母が挙げられ、それらの各々を単独でまたは組み合わせて添加することができる。好適な無機充填材はまた、10μm(あるいは約10mm)未満または2.5μm(あるいは約2.5mm)未満の粒径を有することも可能である。
【0101】
プラスチック押出品に無機充填材を添加することにより、結果として得られる第1細長部材203の粘着度が低下することが分かった。粘着度とは、第1細長部材203材料の触知できるべたつきまたははりつきを指す。粘着度の高い材料は、粘着性の低い材料よりべたつく感じがある。粘着度の高い材料はまた、粘着度の低い材料より、汚物または毛髪等、より望ましくない物質にはりつく傾向がある可能性がある。無機充填材の添加は、チューブが移動する、撓曲する等の場合に発生する騒音を、隣接するバブルが曲げ部の付近で塊になる時(および塊を解除する時)に互いにくっつく程度(およびはがれる程度)を低減させることによって、低減させることが分かった。
【0102】
押出品に無機充填材を添加することにより、第1細長部材203が、机またはベッドわきテーブル等の物体の上で引きずられる時に発生する騒音をさらに低減させることも分かった。無機充填材は、周囲のポリマー内で音を反射させるのに役立つことができ、それにより、音は直進しない。音の反射の改善により、ポリマー相に音響エネルギーを吸収するより多くのを与えることも可能であり、それにより、無機充填材は固有の制音を提供する。無機充填材はまた、プラスチック押出品の硬度を低下させ、それにより制音特性を向上させることができる。
【0103】
いくつかの実施形態では、無機充填材は、総押出品の1.5重量パーセントから10重量パーセント(または約1.5重量パーセントから約10重量パーセント)の範囲である。いくつかの実施形態では、無機充填材は、総押出品の1.5重量パーセントから5重量パーセント(または約1.5重量パーセントから約5重量パーセント)の範囲である。いくつかの実施形態では、無機充填材は、総押出品の10重量パーセント(または約10重量パーセント)以下の範囲である。いくつかの実施形態では、無機充填材は、総押出品の5重量パーセント(または約5重量パーセント)以下の範囲である。いくつかの実施形態では、無機充填材は、総押出品の1.5重量パーセント(または約1.5重量パーセント)以上の範囲である。
【0104】
図2Fにおいて、第1細長部材203は、縦断面において複数の中空バブルを形成している。この例では、第2細長部材205の巻付け部の間に、複数のバブル、より具体的には第1細長部材203の2つの隣接した巻付け部がある。この構成を、図2Gにより詳細に示す。本開示において別の場所に記載され示されているように、いくつかの構成は、第2細長部材205の巻付け部の間に第1細長部材203の3つ以上、たとえば3つの巻付け部を実施することができる。
【0105】
第2細長部材205の巻付け部の間に第1細長部材203の複数の隣接する巻き付け部を備えた実施形態は、全体的なチューブ可撓性が向上するため有益であり得る。後述するように、実質的に中実の第2細長部材205は、概して、中空の第1細長部材203より可撓性が低い。したがって、いくつかの実施形態は、第2細長部材205の巻付け部の間の第1細長部材203のバブルの数を増加させることにより、全体的なチューブ可撓性を向上させることができるという実現を含む。
【0106】
第2細長部材205の巻付け部の間に第1細長部材203の複数の隣接した巻き付け部を備えた実施形態の別の利点は押しつぶしからの回復力の向上である。押しつぶされた後、第1細長部材203の巻付け部の間に複数のバブルを有するサンプルは、第1細長部材203の巻付け部の間に単一のバブルを有するサンプルよりより迅速にそれらの形状を回復させたことが観察された。
【0107】
第2細長部材205の巻付け部の間に第1細長部材203の複数の隣接した巻き付け部を備えた実施形態のさらに別の利点は、圧壊に対する抵抗の向上である。耐圧壊性は、稼働中にチューブの弾力性において重要な役割を果たす機械的特性である。病院環境は苛酷である可能性があり、それは、チューブが、患者の腕または脚、ベッドの枠および他の機器によって圧壊される可能性があるためである。耐圧壊性の例については後により詳細に考察する。
【0108】
複数バブル構成のさらに別の利点は、この構成が、追加の流体を保持するかまたは搬送することを可能にするということである。上で説明したように、第1細長部材203の中空部分にガスを充填させることができる。複数の別個のバブルまたは中空部分に、複数の別個のガスを充填させることができる。たとえば、1つの中空部分は第1ガスを保持または搬送することができ、第2中空部分は、チューブの患者側端からコントローラに圧力フィードバックを伝達するための圧力サンプルライン等、二次空気圧接続部として使用され得る。別の例として、複数の別個のバブルまたは中空部分に、液体の組合せまたは液体およびガスの組合せを充填させることができる。たとえば、第1バブルが、ガスを保持または搬送することができ、第2バブルが、液体を保持または搬送することができる。好適な液体およびガスについては上述している。
【0109】
図2Fおよび図2Gの構成は、いくつかの実施形態では好ましい可能性があるが、他の構成を、要求に応じて他の実施形態で利用することができることが理解されるべきである。
【0110】
[第2細長部材]
再び図2Aおよび図2Bを参照すると、第2細長部材205もまた、らせん状に巻回され、第1細長部材203の巻きの間で第1細長部材203に接合されている。第2細長部材205は、細長いチューブの内腔207の少なくとも一部を形成することができる。第2細長部材205は、第1細長部材203のための構造的支持体として作用する。
【0111】
CPAP装置は、通常、2kgと4kg(または約2kgと約4kg)との範囲の重量である。したがって、複合チューブ201の破壊強度(第1細長部材203および第2細長部材205を分離するために必要な水平引張荷重または引張力)は、望ましくは、使用者が複合チューブ201を用いて複合チューブ201に接続されたCPAP装置を持ち上げようとする場合に分離を防止するのに十分高い。したがって、破壊強度は、好ましくは、20N(または約20N)を超え、より好ましくは、30N(または約30N)を超える。いくつかの実施形態では、破壊強度は、75Nと80N(または約75Nと約80N)との範囲である。降伏強度(塑性変形をもたらすことなく発生させることができる最大応力)は、55Nと65N(または約55Nと約65N)との範囲であり得る。いくつかの実施形態では、複合チューブ201は、2Nの横方向の力が加えられた時に0.5mm(または約0.5mm)を超えて伸びない(水平方向にたわまない)。
【0112】
少なくとも1つの実施形態では、第2細長部材205は、(内腔207に近接する)基部の方が、幅が広く、頂部の方が、幅が狭い。たとえば、第2細長部材は、形状が略三角形、略T字型、または逆Y字型であり得る。しかしながら、対応する第1細長部材203の輪郭に一致するいかなる形状も適している。
【0113】
好ましくは、第2細長部材205は、チューブの曲げを容易にするように可撓性がある。望ましくは、第2細長部材205は、第1細長部材203より可撓性が低い。これにより、第1細長部材203を構造的に支持する第2細長部材205の能力が向上する。たとえば、第2細長部材205の弾性率は、好ましくは30MPa~50MPa(または約30MPa~約50MPa)である。第1細長部材203の弾性率は、第2細長部材205の弾性率より低い。第2細長部材205は、中実または大部分が中実であり得る。
【0114】
図6Aは、中間位置にある複合チューブ201の縦断面を示す。図6Aは、第1細長部材203の1つの巻きまたはバブルと第2細長部材205の2つの巻きに焦点を当てている。第1細長部材203および第2細長部材205は、半径方向最外接続点601を有している。この例では、第1細長部材203の内側部分211は、第1細長部材203の外側部分219より薄い。また、この例では、第2細長部材205は三角形断面を有している。内腔207は、第1細長部材203および第2細長部材205の基部の下に位置している。図6Bは、曲げ位置にある図6Aの複合チューブ201を示し、そこでは、複合チューブ201は(図6Cに示すように)∩形状に曲げられている。図6Bは、この場合もまた、第1細長部材203の1つの巻きまたはバブルと第2細長部材205の2つの巻きとに焦点を当てている。より具外的には、図6Bは、∩形状の頂部、すなわち最大曲げ位置における第1細長部材203の巻きまたはバブルに焦点を当てている。複合チューブ201の曲率半径は、隣接する最外接続点601の間の外側部分219の部分の長さによって制約される。複合チューブ201が最大曲率半径を超えて曲げられる場合、図6Dに示すように、外壁はくぼみ605を形成する。
【0115】
種々のポリマーおよび医療グレードプラスチックを含むプラスチックは、第2細長部材205の本体に好適である。好適な材料の例としては、ポリオレフィンエラストマー、ポリエーテルブロックアミド、熱可塑性コポリエステルエラストマー、EPDM-ポリプロピレン混合物および熱可塑性ポリウレタンが挙げられる。いくつかの実施形態では、第1細長部材203および第2細長部材205を、同じ材料から作製することができる。第2細長部材205を、第1細長部材203とは異なる色の材料から作製することも可能であり、第2細長部材205は透明、半透明または不透明であり得る。たとえば、一実施形態では、第1細長部材203を透明プラスチックから作製することができ、第2細長部材205を不透明な青色、黒色または他の色のプラスチックから作製することができる。
【0116】
可撓性の中空体および一体型支持体を備えるこのらせん状に巻回された構造は、耐圧壊性を提供しながら、チューブ壁を、キンク、閉塞または潰れなしに短い半径の曲げを可能にするのに十分可撓性があるままにすることができる。好ましくは、ISO5367:2000(E)による曲げによる流れ抵抗の増大に対する試験において定義されるように、チューブを、キンク、閉塞または潰れなしに、25mm径金属円筒の周囲で曲げることができる。
【0117】
この構造はまた、平滑な内腔207面も提供することができ、それは、チューブに付着物がない状態にするのに役立ち、ガスの流れを促進する。中空体は、チューブを軽量なままにすることができる一方で、チューブの断熱特性を向上させることが分かった。
【0118】
いくつかの実施形態では、第2細長部材205を、水を吸い取る材料から作製することができる。たとえば、吸収体スポンジ状材料を使用することができる。こうした実施形態では、第2細長部材205を、水バッグ等の水源に接続することができる。使用時、水は、第2細長部材205の長さの少なくとも一部(好ましくは、実質的に全長)に沿って輸送される。ガスが第2細長部材205に沿って進むと、水蒸気が、内腔207内のガスによって拾い上げられる傾向があり、それによりガス流が加湿される。
【0119】
いくつかの実施形態では、図2Bに示すように、第2細長部材205に埋め込まれた1つまたは複数の加熱フィラメント215を、蒸発率を変更し、それにより、ガス流に与えられる加湿のレベルを変更するように制御することができる。図2Bは、特に加熱フィラメント215を示すが、第2細長部材205は、1本または複数本のフィラメントおよび特にセンサ(図示せず)等、他の導電性材料を封止または収容することができる。こうした導電性材慮を、ガス流を加熱するかまたは検知するために第2細長部材205内に配置することができる。加熱フィラメント215は、湿気を含む空気からの凝縮液が発生する可能性がある低温の面を最小限にすることができる。加熱フィラメント215はまた、複合チューブ201の内腔207内のガスの温度プロファイルを変更するためにも使用され得る。
【0120】
図2Bの例では、第2細長部材205に2本の加熱フィラメント215が、「T」の垂直部分の各側に1本、封入されている。加熱フィラメント215は、アルミニウム(Al)および/または銅(Cu)の合金または導電性ポリマー等の導電性材料を含む。好ましくは、第2細長部材205を形成する材料は、加熱フィラメント215がそれらの動作温度に達した時に加熱フィラメント215内の金属と非反応性であるように選択される。フィラメント215を、内腔207に露出しないように内腔207から間隔を空けて配置することができる。複合チューブの一端において、フィラメントの対を接続ループにすることができる。
【0121】
少なくとも1つの実施形態では、第2細長部材205内に複数本のフィラメントが配置されている。フィラメントを、共通のレールを共有するように電気的に合わせて接続することができる。たとえば、加熱フィラメント等の第1フィラメントを、第2細長部材205の第1側部に配置することができる。検知フィラメント等の第2フィラメントを、第2細長部材205の第2側部に配置することができる。接地フィラメント等の第3フィラメントを、第1フィラメントと第2フィラメントとの間に配置することができる。第1フィラメント、第2フィラメントおよび/または第3フィラメントを、第2細長部材205の一端において合わせて接続することができる。
【0122】
図2Eは、別の複合チューブの頂部の縦断面を示す。図2Eは、図2Bと同じ向きである。図2Eの例では、加熱フィラメント215は、図2Bのフィラメント215より互いから離れて間隔が空けられている。加熱フィラメントの間の空間を増大させることにより、加熱効率を向上させることができることが分かり、いくつかの実施形態はこの実現を含む。加熱効率とは、チューブから出力されるかまたは回復可能なエネルギーの量に対するチューブに入力される熱の量の比を指す。一般的に、チューブから周囲雰囲気に放散されるエネルギー(または熱)が多いほど、加熱効率が低下する。加熱性能を向上させるために、加熱フィラメント215を、チューブのボアに沿って等しく(または略等しく)間隔を空けて配置することができる。別法として、フィラメント215を、第2細長部材205の末端に配置することができ、それにより製造をより単純にすることができる。
【0123】
次に図7A図7Gを参照する。図7A図7Gは、第2細長部材205に対する構成例を実証している。図7Aは、図2Bに示すT字型に類似する形状を有する第2細長部材205の断面を示す。この実施形態では、第2細長部材205は、加熱フィラメントを有していない。後述するようにT字型の変形および三角形状を含む、第2細長部材205に対する他の形状も利用することができる。
【0124】
図7Bは、T字型断面を有する別の例としての第2細長部材205を示す。この例では、加熱フィラメント215は、第2細長部材205の「T」の垂直部分の各側の切れ目701に埋め込まれている。いくつかの実施形態では、切れ目701を、押出成形中に第2細長部材205内に形成することができる。切れ目701を、別法として、押出成形後に第2細長部材205に形成することができる。たとえば、切削器具が、第2細長部材205に切れ目を形成することができる。好ましくは、切れ目は、押出成形の直後、第2細長部材205が比較的軟質である間に、加熱フィラメント215が第2細長部材205内に押し込まれるかまたは引き込まれる(機械的に固定される)際に、加熱フィラメント215によって形成される。別法として、細長部材の基部に、1本または複数本の加熱フィラメントを、チューブ内腔に露出するように取り付ける(たとえば、接着する、結合するまたは部分的に埋め込む)ことができる。こうした実施形態では、酸素等の可燃性ガスがチューブ内腔に通される時の燃焼の危険を低減するために、フィラメントを断熱して収容することが望ましい可能性がある。
【0125】
図7Cは、さらに別の例としての第2細長部材205を断面で示す。第2細長部材205は、略三角形状を有している。この例では、加熱フィラメント215は三角形の両側に埋め込まれている。
【0126】
図7Dは、さらに別の例としての第2細長部材205を断面で示す。第2細長部材205は、4つの溝703を備えている。溝703は、断面輪郭において圧痕または細長いくぼみ(furrow)である。いくつかの実施形態では、溝703は、フィラメント(図示せず)を埋め込むための切れ目(図示せず)の形成を容易にすることができる。いくつかの実施形態では、溝703はフィラメント(図示せず)の位置決めを容易にし、フィラメントは、第2細長部材205内に押し込まれるかまたは引き込まれ、それにより埋め込まれる。この例では、4つの開始溝703が、最大4本のフィラメント、たとえば4本の加熱フィラメント、4本の検知フィラメント、2本の加熱フィラメントおよび2本の検知フィラメント、3本の加熱フィラメントおよび1本の検知フィラメント、または1本の加熱フィラメントおよび3本の検知フィラメントの配置を容易にする。いくつかの実施形態では、加熱フィラメントを、第2細長部材205の外側に配置することができる。検知フィラメントを内側に配置することができる。
【0127】
図7Eは、さらに別の例としての第2細長部材205を断面で示す。第2細長部材205は、T字型輪郭および加熱フィラメントを配置するための複数の溝303を有している。
【0128】
図7Fは、さらに別の例としての第2細長部材205を断面で示す。4本のフィラメント215が、第2細長部材205の「T」の垂直部分の各側に2本、封入されている。後により詳細に説明するように、第2細長部材205はフィラメントの周囲で押出成形されているため、フィラメントは第2細長部材205に封入されている。加熱フィラメント215を埋め込むために切れ目は形成されていない。この例では、第2細長部材205は複数の溝703も備えている。加熱フィラメント215が第2細長部材205に封入されているため、溝703は、加熱フィラメントを埋め込むための切れ目の形成を容易にするために使用されない。この例では、溝703は、埋め込まれた加熱フィラメントの分離を容易にすることができ、それにより、たとえば加熱フィラメントを終端させる時に個々のコアの剥離が容易になる。
【0129】
図7Gは、さらに別の例としての第2細長部材205を断面で示す。第2細長部材205は、略三角形状を有している。この例では、第2細長部材205の形状は図7Cの形状に類似しているが、第2細長部材205に4本のフィラメント215が封入されており、それらはすべて、第2細長部材205の底部1/3の中心にあり、略水平軸に沿って配置されている。
【0130】
上で説明したように、加熱効率を向上させるためにフィラメント間の距離を増大させることが望ましい場合がある。しかしながら、いくつかの実施形態では、加熱フィラメント215が複合チューブ201内に組み込まれる場合、フィラメント215を、第2細長部材205内の相対的に中心に配置することができる。中心配置により、一部にはその位置が複合チューブ201を繰返し撓曲させた場合にフィラメントが破損する可能性を低減するため、再使用に対して複合チューブの頑強性が促進される。フィラメント215を中心に配置することにより、フィラメント215は断熱層で被覆されガス通路から隔てられているため、点火の危険のリスクも低減することができる。
【0131】
上で説明したように、例のうちのいくつかは、第2細長部材205におけるフィラメント215の好適な配置を示す。2本以上のフィラメント215を備える上述した例では、フィラメント215は概して水平軸に沿って位置合せされる。代替構成も好適である。たとえば、2本のフィラメントを、垂直軸に沿ってまたは対角軸に沿って位置合せすることができる。4本のフィラメントを、垂直軸または対角軸に沿って位置合せすることができる。4本のフィラメントを十字型構成に位置合せすることができ、1本のフィラメントが第2細長部材の頂部に配置され、1本のフィラメントが第2細長部材の底部に(チューブ内腔の近くに)配置され、2本のフィラメントが「T」、「Y」または三角形の底辺の対向する腕に配置される。
【0132】
[寸法]
表3および表4は、本明細書に記載する医療用チューブのいくつかの好ましい寸法を、これらの寸法に対するいくつかの好ましい範囲とともに示す。寸法は、チューブの横断面を指す。これらの表では、内腔直径はチューブの内径を表す。ピッチは、チューブの軸方向に沿って測定された2つの繰返し点の間の距離、すなわち第2細長部材の隣接する「T」の垂直部分の先端の間の距離を表す。バブル幅は、バブルの幅(最大外径)を表す。バブル高さは、チューブ内腔からのバブルの高さを表す。ビード高さは、チューブ内腔からの第2細長部材の最大高さ(たとえば「T」の垂直部分の高さ)を表す。ビード幅は、第2細長部材の最大幅(たとえば、「T」の水平部分の幅)を表す。バブル厚さはバブル壁の厚さを表す。
【0133】
【表3】
【0134】
【表4】
【0135】
別の実施形態例では、医療用チューブは、表5に示すおよその寸法を有している。
【0136】
【表5】
【0137】
別の実施形態例では、医療用チューブは、表6に示すおよその寸法を有している。
【0138】
【表6】
【0139】
好ましくは、表6の範囲の下限は互いに対応し、表6の範囲の上限は互いに対応する。
【0140】
表5および表6の実施形態は、閉塞型睡眠時無呼吸用途に特に有利であり得る。
【0141】
表7、表8および表9は、表3、表4および表6にそれぞれ記載されているチューブに対するチューブ特徴の寸法の間の例としての比を提供する。
【0142】
【表7】
【0143】
【表8】
【0144】
【表9】
【0145】
[可変ピッチおよび/または可変直径]
上述した説明は、さまざまな一定のピッチおよび一定の直径の構成を開示している。しかしながら、いくつかの実施形態は、可変ピッチおよび/または可変直径を組み込むことができる。
【0146】
可変ピッチは、ガス流に供給される熱をチューブの長さに沿って変化させることをより適切に可能にすることができるため、望ましい場合がある。チューブ内で熱が供給される場所を制御する能力を使用して、チューブ内のレインアウトを制御しまたは低減させることができる。たとえば、チューブ端部温度設定点を、所与の条件に対して達成することができるが、特に、ガス温度が露点温度に近い(相対湿度が高い)可能性があるチューブの入口においてまたはその近くにおいて、チューブ内でレインアウトを防止するためには不十分である可能性がある。いくつかの実施形態は、熱源をチューブの入口の近くで集中するように再分配することが、この領域における熱の軸方向濃度Q(z)[W/m](zは、ユニット端部から開始したチューブの軸方向偏移である)の上昇を確実にするのに役立つことができる。
【0147】
図8Aは、可変ピッチの例としての複合チューブ201を示す。この例では、チューブ201は、ユニット端部801の近位の方が、ピッチが小さい。したがって、この領域における加熱フィラメント215は、間隔がより密になり、チューブ201のその部分における加熱の増大とともによりすぐれかつより正確な温度制御が可能になる。チューブ201は、患者側端803の方が、ピッチが大きい。加熱フィラメント215間の間隔が大きくなることにより、患者に近づくほどガスの温度を低下させることができる。これにより、患者が、高温すぎるガスを受け取ることを防止することができ、レインアウト形成を低減させることができる。図8Bは、図8Aの複合チューブの温度プロファイルを示す。他の温度プロファイルも可能であり、所定の所望の効果を達成するようにカスタマイズすることができる。
【0148】
チューブ201の幾何学的形状もまた、チューブの機械的特性の影響を与える。第1細長部材のバブルのサイズを増大させることにより、チューブ201の可撓性が増大する。逆に、バブルサイズが小さくなると、チューブ201により多くの剛性領域がもたらされる。可撓性および剛性を変更することにより、チューブ201の機械的特性をカスタマイズすることができる。チューブ201の直径を変更することにより、患者インタフェースの近くの直径を小さくすることができ、それにより、患者の快適さが増大し、審美性が向上し、インタフェースの侵襲性が低減する。
【0149】
[追加の特性]
表10~表13は、第2細長部材の内側に加熱フィラメントが組み込まれている、本明細書に記載する複合チューブ(「A」と付す)のいくつかの特性例を示す。比較のために、チューブのボアの内側に加熱フィラメントがらせん状に巻回されているFisher&PaykelモデルRT100使い捨て波形チューブ(「B」と付す)の特性も提示する。
【0150】
流れ抵抗(RTF)の測定を、ISO5367:2000(E)のAnnex Aに従って行った。結果を表10に要約している。以下に示すように、複合チューブのRTFは、モデルRT100チューブのRTFより低い。
【0151】
【表10】
【0152】
チューブ内の凝縮液または「レインアウト」は、20L/分ガス流量および18℃の室温で1日に収集された凝縮液の重量を指す。加湿空気を、チャンバから連続的にチューブを通して流す。チューブ重量を、試験の各日の前および後に記録する。3回の連続試験を、各試験の間でチューブを乾燥して行う。結果を以下の表11に示す。結果により、モデルRT100チューブより複合チューブの方が、レインアウトが著しく低いことが分かる。
【0153】
【表11】
【0154】
電力要件は、凝縮液試験中に消費された電力を指す。この試験では、周囲空気を18℃で保持した。加湿チャンバ(たとえば図1の加湿チャンバ129を参照)には、MR850ヒータベースによって電力を供給した。チューブ内の加熱フィラメントには、独立してDC電源から電力を供給した。種々の流量を設定し、チャンバを、チャンバ出力において37℃に整定するようにした。そして、回路に対するDC電圧を変化させて、回路出力において40℃の温度がもたらされるようにした。出力温度を維持するために必要な電圧を記録し、結果としての電力を計算した。結果を表12に示す。結果により、複合チューブAがチューブBより著しく多くの電力を使用することが分かる。これは、チューブBが、ガスを37℃から40℃まで加熱するためにチューブボア内のらせん状加熱フィラメントを使用するためである。複合チューブは、加熱フィラメントがチューブの壁にある(第2細長部材に埋め込まれている)ため、ガスを迅速に加熱する傾向がない。代りに、複合チューブは、ガス温度を維持し、チューブボアを加湿ガスの露点を超える温度で維持することによりレインアウトを防止する。
【0155】
【表12】
【0156】
垂直たわみを用いて、複合チューブの可撓性を定量化することができる。垂直たわみを、例えば3点曲げ試験を用いることによって試験した。チューブAの第1の300mm長サンプルおよびチューブBの第2の300mm長サンプルの各々を、可撓性治具において試験した。可撓性治具の正面断面概略図を、図9Aに示す。治具901は、固定質量が120gの25mmロッド903を用いて、2つのローラ905および907間に配置された各チューブ201に力を加えた。ローラは、150mm間隔を空けて配置された。ロッド903によってかけられる力は、約1.2N(0.12kg×9.81m/s)であった。ローラ905および907の詳細な正面断面概略図を図9Bに示す。両ローラ905および907は同じ寸法を有し、それを図9Bに示す。Instron 5560 Test System機器を用いて、負荷および伸張を測定した。各チューブサンプルを3回試験し、加えられた負荷に対するチューブの伸張を測定してそれぞれの平均スチフネス定数を取得した。表Aおよび表Bの平均スチフネス定数を表13に再現する。
【0157】
【表13】
【0158】
チューブ重量は、特にCPAP用途に対して非常に重要である可能性がある。患者、患者の顔面の近くで受ける重量が小さいほど、睡眠中、より快適となる。軽量な複合チューブ201ほど、より重量のあるチューブほど患者の頭部を特定の方向に引っ張ることがない。患者の快適さを確保するために、複合チューブ201の患者側端近くの領域における総質量または重量は、指定された値未満でなければならないことを明記することができる。いくつかの実施形態では、患者側端に最も近い300mmにおけるチューブ質量は、24g(または約24g)未満である。望ましくは、患者側端に最も近い300mmにおけるチューブ質量は、16g(または約16g)未満である。いくつかの実施形態では、患者側端に最も近い300mmにおけるチューブ質量は、15g(または約15g)未満である。複合チューブの総質量が指定値未満であることを明記することも可能である。いくつかの実施形態では、チューブ質量は130g(または約130g)未満である。望ましくは、チューブ質量は120g(または約120g)未満である。いくつかの実施形態では、チューブ質量は100g(または約100g)未満である。
【0159】
ここで、以下の考察は、上述したように、第2細長部材205の巻付け部の間に2つのバブルがある複合チューブ201に関する追加の特性について記載する。
【0160】
第2細長部材205の巻付け部の間に2つのバブルを備えるチューブの第1の300mm長サンプルと、第2細長部材205の巻付け部の間に1つのバブルを備えるチューブの第2の300mm長サンプルとの各々を、上述した可撓性治具901で試験した。図9C図9Fの写真に示す可撓性治具の垂直支持体909に対して固定重量の位置を用いて、垂直たわみを測定した。
【0161】
図9Cは、治具901における試験中の第2サンプルの正面斜視図を示す。図9Dは、治具901における試験中の第2サンプルの背面斜視図を示す。図9Eは、治具901における試験中の第1サンプルの正面斜視図を示す。図9Fは、治具901における試験中の第1サンプルの背面斜視図を示す。図9C図9Fに示すように、図9Eおよび図9Fに示す第2サンプルは、図9Cおよび図9Dに示す第1サンプルより実質的に垂直たわみが大きかった。具体的には、第2サンプルは垂直たわみが3mmであり、第1サンプルは、垂直たわみが42mmであって、はるかに可撓性が高かった。
【0162】
図10Aの写真に示すように、Instron装置設定を用いて4つのチューブサンプルに対して耐圧壊性試験を行った。シリンダ1001を、60mm/分の速度でチューブの頂部から16mm下方に下降させた。Instron装置は、構成要素にかけられる力対伸張を正確に測定するためのロードセルを有している。負荷対伸張を、図10B示すようにグラフにした。
【0163】
図10Bのデータに最良適合線を当てはめ、その勾配を計算することにより、各サンプルに対する圧壊剛性を見つけた。各サンプルに対する計算された圧壊剛性を表14Aに示す。表14A(および本開示における別の場所)で、「二重バブル」という名称は、縦断面で見た場合に第2細長部材205の巻付け部の間に2つのバブルを備えたチューブのサンプルを指す。「単一バブル」という名称は、縦断面で見た場合に第2細長部材205の巻付け部の間に単一バブルを備えたチューブのサンプルを指す。(N/mmで測定された)平均圧壊剛性は、圧壊をもたらさない、単位幅当りの平均最大力を表す。
【0164】
【表14】
【0165】
上述した表に示すように、単一バブルチューブは、平均圧壊剛性が3.86N/mmであり、二重バブルチューブは、平均圧壊剛性が3.21N/mmであった。言い換えれば、二重バブルチューブは、単一バブルチューブより圧壊に対する抵抗がおよそ16.8%低かった。しかしながら、表14Bにおいて以下に示すように、二重バブルチューブに対する単位厚さ当りの圧壊剛性は、単一バブルチューブに対する値のおよそ165%であることが観察された。
【0166】
【表15】
【0167】
言い換えると、外側バブル厚さを考慮した場合、二重バブルチューブは、単一バブルチューブ変形より約65%圧壊に対する抵抗が高い。図2Fおよび図2Gに示すバブルと同様に、二重バブル構成における試験されたバブルは、幅より縦長であり、その結果、垂直平面により多くの材料がある。したがって、バブルの単位厚さ当りの耐圧壊性の予期されない向上は、圧壊の方向に作用するビード間の追加の垂直ウェブに起因する可能性があると考えられる。
【0168】
単一バブルチューブサンプルおよび二重バブルチューブサンプルに対して、引張試験も行った。両サンプルは、長さが230mmであり、10mm/分の速度で15mm伸ばされた。サンプルを伸ばすために必要な力を測定した。結果を表14Cに示す。
【0169】
【表16】
【0170】
表14Cに示すように、二重バブルチューブは、軸方向(長手方向)面において著しくより伸張可能であった。この長手方向伸張可能性の増大は、単一バブルチューブの方が、軸方向面において作用するビード間の材料が多いためであると考えられる。
【0171】
[熱特性]
加熱フィラメント215を組み込んでいる複合チューブ201の実施形態では、第1細長部材203の壁を通して熱が損失する可能性があり、それにより加熱が不均一になる。上で説明したように、これらの熱損失を補償する1つの方法は、第1細長部材203の壁に外部熱源を付与することであり、それは、温度を調節し熱損失を阻止するのに役立つ。しかしながら、熱特性を最適化する他の方法もまた使用することができる。
【0172】
再び、図5A図5Cを参照する。図5A図5Cは、熱特性を向上させるバブル高さ(すなわち、内側内腔に面している面から最大外径を形成している面まで測定された第1細長部材203の断面高さ)に対する構成例を実証している。
【0173】
バブルの寸法を、複合チューブ201からの熱損失を低減させるように選択することができる。概して、バブルの高さを増大させることにより、チューブ201の実効熱抵抗が増大し、それは、バブル高さが大きいほど、第1細長部材203がより多くの断熱空気を保持することができるためである。しかしながら、一定のバブル高さでは、空気密度の変化により、チューブ201内部の対流をもたらし、それにより熱損失が増大することが分かった。また、一定のバブル高さでは、表面積が、表面を介して損失する熱がバブルの増大した高さの利益に勝るほど大きくなる。いくつかの実施形態はこれらの実現を含む。
【0174】
バブルの曲率半径および曲率は、所望のバブル高さを求めるために有用であり得る。物体の曲率は、その物体の曲率半径の逆数として定義される。したがって、物体の曲率半径が大きいほど、物体は湾曲しない。たとえば、平坦な面は曲率半径が∞であり、したがって曲率は0である。
【0175】
図5Aは、複合チューブの頂部の縦断面を示す。図5Aは、バブルの高さが大きい複合チューブ201の実施形態を示す。この例では、バブルは、曲率半径が比較的小さく、したがって曲率が大きい。また、バブルは、第2細長部材205の高さよりおよそ3倍から4倍の高さである。
【0176】
図5Bは、別の複合チューブの頂部の縦断面を示す。図5Bは、バブルが頂部で平坦化している複合チューブ201の実施形態を示す。この例では、バブルは、曲率半径は非常に大きいが曲率が小さい。また、バブルは、第2細長部材205とおよそ同じ高さである。
【0177】
図5Cは、別の複合チューブの頂部の縦断面を示す。図5Cは、バブルの幅がバブルの高さより大きい複合チューブ201の実施形態を示す。この例では、バブルは、曲率半径および曲率が図5A図5Bとの間であり、(図5Aに比較して)バブルの上方部分の半径中心はバブルの外側にある。バブルの左側および右側の変曲点は、(図5Aにおけるようなバブルの下方部分とは対照的に)バブルの(高さ方向に)略中間にある。また、バブルの高さは、第2細長部材205のおよそ2倍であり、その結果、バブルの高さが図5A図5Bとの間になる。
【0178】
図5Aの構成により、チューブからの熱損失が最低になった。図5Bの構成により、チューブからの熱損失が最高になった。図5Cの構成は、熱損失が図5Aの構成と図5Bの構成との間であった。しかしながら、図5Aの構成における大きい外側表面積および対流熱伝達により、加熱が非効率になった。したがって、図5A図5Cの3つのバブル配置のうち、図5Cが、全体的に最良の熱特性を有するものと判断された。この熱効率の実際的な意味は、同じ熱エネルギーが3つのチューブに入力された場合、図5Cの構成により、チューブの長さに沿った最大熱上昇が可能であったということである。図5Cのバブルは、断熱空気体積を増大させるのに十分大きいが、著しい対流熱損失をもたらすほど大きくはない。図5Bの構成は、最も不十分な熱特性を有するものと判断され、すなわち、図5Bの構成により、チューブの長さに沿った温度上昇が最低であった。図5Aの構成は、中間の熱特性を有し、図5Cの構成より温度上昇が低かった。
【0179】
いくつかの実施形態では図5Cの構成が好ましい場合があるが、図5A図5Bおよび他の変形の構成を含む他の構成を、必要に応じて他の実施形態において利用することができる。
【0180】
表15は、図5A図5Bおよび図5Cの各々に示す構成のバブルの高さ、チューブの外径および曲率半径を示す。
【0181】
【表17】
【0182】
表16Aは、図11A図11Bおよび図11Cに示すようなさらなる構成のバブルの高さ、外径および曲率半径を示す。
【0183】
【表18】
【0184】
概して、曲率半径が小さいほど、チューブは、バブルが潰れるかまたは「キンクが発生する」ことなくそれ自体の周囲で曲がることができる、ということが留意されるべきである。たとえば、図11Dは、チューブがその曲率半径を超えて曲がっている状態を示し(特に、5.7mmの曲率半径の周囲で曲げられた図11Aのチューブを示し)、それによりバブルの壁にキンクがもたらされる。キンクは、チューブの外観を損ねる可能性があり、かつチューブの熱特性を損なう可能性があるため、一般に望ましくない。
【0185】
したがって、いくつかの用途では、曲げ特性が向上した構成(図5Aまたは図5Bに示すもの等)が、熱特性の効率が低下するにも関らず望ましい可能性がある。いくつかの用途では、外径が25mm~26mm(または約25mm~約25mm)であるチューブが、十分な性能を提供することが分かった。いくつかの実施形態では図5Aおよび図5Bの構成が好ましい可能性があるが、図11A図11Dおよび他の変形の構成を含む他の構成を、必要に応じて他の実施形態において利用することができることが理解されるべきである。
【0186】
再び図5C図5Fを参照する。図5C図5Fは、熱特性を向上させるために同様のバブル形状を備えた発熱体215の位置決め例を実証している。発熱体215の位置は、複合チューブ201内の熱特性を変化させることができる。
【0187】
図5Cは、別の複合チューブの頂部の縦断面を示す。図5Cは、発熱体215が第2細長部材205の中心に位置する複合チューブ201の実施形態を示す。この例は、互いに近接するがバブル壁には近接しない発熱体215を示す。
【0188】
図5Dは、別の複合チューブの頂部の縦断面を示す。図5Dは、発熱体215が、第2細長部材205において図5Cに比較してさらに離れて間隔が空けられている、複合チューブ201の実施形態を示す。これらの発熱体は、バブル壁により近接しており、複合チューブ201内のより優れた熱の調節を可能にする。
【0189】
図5Eは、別の複合チューブの頂部の縦断面を示す。図5Eは、発熱体215が、第2細長部材205の垂直軸において上下に間隔を空けて配置されている、複合チューブ201の実施形態を示す。この例では、発熱体215は、各バブル壁に等しく近接している。
【0190】
図5Fは、別の複合チューブの頂部の縦断面を示す。図5Fは、発熱体215が第2細長部材205の両端において間隔を空けて配置されている、複合チューブ201の実施形態を示す。発熱体215は、特に図5C図5Eに比較して、バブル壁に近接している。
【0191】
図5C図5Fの4本のフィラメント配置のうち、図5Fが、最良の熱特性を有するものと判断された。それらの構成のすべてには、それらのバブル形状が類似しているため、チューブから同様の熱損失があった。しかしながら、チューブに対して同じ熱エネルギーが入力された場合、図5Fのフィラメント構成では、チューブ内のバルクガス温度に対して、チューブの長さに沿って温度上昇が最大であった。図5Dの構成は、次に優れた熱特性を有するものと判断され、チューブの長さに沿って温度上昇が次に大きかった。図5Cの構成は次に最適に機能した。図5Eの構成は、同じ量の熱が入力された場合に、最も不十分な性能を有し、チューブの長さに沿った温度上昇が最小であった。
【0192】
いくつかの実施形態では図5Fの構成が好ましい可能性があるが、図5C図5D図5Eおよび他の変形の構成を含む他の構成を、必要に応じて他の実施形態において利用することができることが理解されるべきである。
【0193】
次に、図12A図12Cを参照する。図12A図12Cは、第1細長部材203の積層の構成例を実証している。いくつかの実施形態では、複数のバブルを積層することにより熱分散を向上させることができることが分かった。これらの実施形態は、内部加熱フィラメント215を使用する場合により有益であり得る。図12Aは、別の複合チューブの頂部の縦断面を示す。図12Aは、いかなる積層もない複合チューブ201の断面を示す。
【0194】
図12Bは、別の複合チューブの頂部の縦断面を示す。図12Bは、バブルが積層された別の例としての複合チューブ201を示す。この例では、2つのバブルが互いに積層されて第1細長部材203を形成している。図12Aに比較して、総バブル高さが維持されるが、バブルピッチは図12Aの半分である。また、図12Bの実施形態は、空気体積がわずかに低減する。バブルの積層により、バブルの間の間隙213における自然対流および熱伝達が低減し、全体的な熱抵抗が低下する。熱流路は、積層されたバブルにおいて増大し、それにより、熱は複合チューブ201を通してより容易に分散することができる。
【0195】
図12Cは、別の複合チューブの頂部の縦断面を示す。図12Cは、バブルが積層された複合チューブ201の別の例を示す。この例では、3つのバブルが互いに積み重ねられて第1細長部材203を形成している。図12Aに比較して、総バブル高さが維持されるが、バブルピッチは図12Aの1/3である。また、図12Bの実施形態では、空気体積がわずかに低減する。バブルの積層により、バブルの間の間隙213における自然対流および熱伝達が低減する。
【0196】
ここで図13を参照すると、第2細長部材205の追加のあり得る特性が示されている。第2細長部材205は、絶縁層1305、遮蔽層1307およびシース層1309によって包囲された導体1303を有する1本または複数本の同軸ケーブル1301を備えている。いくつかの実施形態では、ケーブル1301のうちの1本または複数本は、多軸ケーブルであり、すなわち、絶縁層1305内に配置された複数の導体1303を有することができる。このように、(ヒータ線および/またはセンサ線を含む)複数のワイヤを含む単一アセンブリを、第2細長部材205において使用することができ、それにより、組立が簡略化し、RF干渉等から(遮蔽層1307を介して)何らかの遮蔽が提供される。
【0197】
いくつかの実施形態では、1本または複数本のデータ伝送ケーブルを第2細長部材205に含めることができる。データ伝送ケーブルは、光ファイバケーブルを含むことができる。少なくとも1つの実施形態では、単一の光ファイバケーブルが第2細長部材205に含まれ、パッシブモードで使用される。パッシブモードでは、ケーブルの第1端に、光源および光センサが設けられる。第2端に、反射器が設けられる。使用時、光源は、反射器に向かって所定の特性を有するある量の光を提供する。そして、反射器は、光センサに向かって光を反射し、光センサは、反射光を分析して光の特性を求めることができる。反射器を、システムの特性に応じて反射光の特性を変化させるように適合させることができる。たとえば、反射器を用いて、インタフェース内の凝縮をモニタリングすることができる。反射器は、たとえば、第2端における凝縮の存在に応じて色が変化する材料を備えることができる。反射器は、別法としてまたはさらに、湿度(相対湿度または絶対湿度のいずれか)のレベル、および/または第2端におけるガスの温度、および/または吸入されるOまたは吐出されたCO等のガス組成に応じて色等を変化させる材料を含むことができる。
【0198】
再び図2Bを参照すると、いくつかの実施形態では、流体(ガスまたは液体)流を、第1細長部材203の内側の空間に沿って通すことができる。こうした実施形態では、第1細長部材203の少なくとも一部は、通気性材料から形成されることが望ましい。本明細書において通気性は、水蒸気に対して明確に透過性であり、液体水およびガスのバルク流に対して実質的に不透過性であることを意味するために用いられている。好適な通気性材料としては、NAFION(登録商標)等の超親水性の活性化パーフルオロ化ポリマー材料、またはSYMPATEX(登録商標)等の親水性ポリエステルブロックコポリマーが挙げられる。他の好適な材料としては、EVAQUA(商標)およびEVAQUA2(商標)導管(Fisher&Paykel Healthcare Ltd.、Auckland、New Zealand)おいて製品として組み込まれているポリマーが挙げられる。好適な材料については、2010年12月22に出願され2011年6月30日に公開されたPCT国際公開第2011/077250号パンフレット、および2001年5月8日に出願され2003年8月3日に発行された米国特許第6,769,431号明細書にさらに記載されている。
【0199】
第1細長部材203を通る流れは、要求通りに、チューブ201内腔207を通るガス流を乾燥させるかまたは加湿するために有用であり得る。逆に、チューブ201内腔207を通る流れは、要求通りに、第1細長部材203を通るガス流を乾燥させるかまたは加湿するために有用であり得る。呼気ガスを、第1細長部材203を通して輸送することができる。別の例として、液体水等の液体を輸送することができる。さらに別の例として、加湿されたかまたは飽和したガス流を輸送することができる。さらに別の例として、乾燥ガス流または圧縮周囲空気の流れを輸送することができる。上述した実施形態では、第1細長部材203を通る流体の流れを容易にするために、第1細長部材203の両端を開放することができる。第1細長部材203の一端を、要求通りに、呼気ガス、液体水、加湿ガス、乾燥ガスまたは圧縮ガスの供給源等、好適な供給源に接続することができる。他端を、好適な出口に接続するかまたは雰囲気に通気することができるようにすることができる。
【0200】
たとえば、図2Bを参照すると、チューブ201の内腔207を形成する第1細長部材203の部分211を、上述したように通気性材料で形成することができる。第1細長部材203の(周囲雰囲気に面し内腔から離れるように面している)外側に面する部分219を、不透過性材料、すなわち、本開示の別の場所で記載するように、水蒸気、液体水またはガスのバルク流に対してそれほど透過性ではない材料から形成することができる。使用時、ある量の加湿流体(水等)を、第1細長部材203によって形成された空間に通すことができる。加湿流体が(たとえば、第2細長部材205内に配置された加熱フィラメント215によって)加熱されると、加湿流体の一部が蒸発する傾向がある。そして、水蒸気は、通気性部分211を通って内腔207を通るバルクガス流に入ることができ、それによりバルクガス流を加湿する。こうした実施形態では、加湿流体、第1細長部材203および加熱フィラメント215の組合せは、内腔207内のガス流を加湿する手段を提供することができ、それにより、システムから独立した加湿器を省略することができる。
【0201】
別の例として、ガス流を、第1細長部材203の内側の空間に沿って通すことができる。たとえば、呼気ガスを輸送することができる。再び図2Bを参照すると、第1細長部材203または第1細長部材203の少なくとも外側に面する部分219は、上述したように通気性材料から作製される。このように、呼気は、第1細長部材203の長さに沿って移動する際、患者側端における約100%の相対湿度から反対側の端部における低減した湿度レベルまで乾燥する傾向がある。
【0202】
共押出成形は、通気性材料から形成された部分(所望の用途に応じて、211または219)と不透過性材料から形成された部分(所望の用途に応じて、219または211)とを備えた第1細長部材203を形成する好適な方法である。
【0203】
さらに、いくつかの上述した実施形態を、通気性部分および不透過性部分を備えた単一の第1細長部材203に関して記載したが、複数の第1細長部材203を使用して所望の結果(内腔207内のガス流の加湿等)を達成することも可能であることが理解されるべきである。好適な実施形態を、図12B図12C図37Aおよび図37Bに示す。
【0204】
図37Aは、2つの第1細長部材を備えたチューブの断面を示す。第1の第1細長部材203aが、チューブ内腔207に近接して配置されている。第2の第1細長部材203bが、周囲雰囲気に面し、内腔207から離れる方向に面している。第1の第1細長部材203aの内側部分は内腔207壁を形成している。第1の第1細長部材203aは、液体水等の加湿流体用の導管を画定することができる。第1の第1細長部材203aを通気性材料から形成することができる。加湿流体が(たとえば、第2細長部材205内に配置された加熱フィラメント215によって)加熱される際、加湿流体の一部が蒸発する傾向がある。そして、蒸気は、第1の第1細長部材203aの壁を通過して、内腔207を通るバルクガス流に入ることができ、それによりバルクガス流を加湿する。こうした実施形態では、加湿流体、第1の第1細長部材203aおよび加熱フィラメント215の組合せが、内腔207内のガス流を加湿する手段を提供することができ、それにより、システムから独立した加湿器を省略することができる。図37Aに示す寸法は必ずしも正確な縮尺ではないことが理解されるべきである。たとえば、図12Bに示すように、第1の第1細長部材203aを相対的に大きくすることができ、第2の第1細長部材203bを相対的に小さくすることができる。加熱フィラメント215は、必ずしも、第2細長部材205に収容される必要はないことも理解されるべきである。たとえば、図12Bに示すように、第2細長部材を省略することができる。加熱フィラメント215を、たとえば、第1の第1細長部材203aに近接する第2の第1細長部材203bの一部の中に収容することができる。
【0205】
図37Bもまた、2つの第1細長部材を備えたチューブの断面を示す。第1の第1細長部材203aが、チューブ内腔207に近接して配置されている。第2の第1細長部材203bが、周囲雰囲気に面し、内腔207から離れる方向に面している。第1細長部材203aの内側部分は内腔207壁を形成している。第2の第1細長部材203bの内側部分も内腔207壁の一部を形成している。図37Aを参照して上述したように、第1の第1細長部材203aは、液体水等の加湿流体用の導管を画定することができ、加湿流体、第1の第1細長部材203aおよび加熱フィラメント215の組合せが、内腔207内のガス流を加湿する手段を提供することができ、それにより、システムから独立した加湿器を省略することができる。この場合もまた、図37Bに示す寸法は必ずしも正確な縮尺ではないことが理解されるべきである。たとえば、図12Bに示すように、第1の第1細長部材203aを相対的に大きくすることができ、第2の第1細長部材203bを相対的に小さくすることができる。加熱フィラメントを必ずしも第2細長部材内に収容する必要はないことも理解されるべきである。たとえば、図12Bに示すように、第2細長部材を省略することができる。加熱フィラメントを、たとえば、第1の第1細長部材203aに近接する第2の第1細長部材203bの一部に収容することができる。
【0206】
ここで図14A図14Eおよび図15A図15Eを参照すると、複合チューブ201において横方向の伸びを増大させるように適合されている複合チューブ201構成のいくつかの変形が示されている。図15A図15Eは、図14A図14Eそれぞれに示す複合チューブの引伸ばし状態を示す。
【0207】
いくつかの実施形態は、図14A図14Bおよび図14Eに示すチューブは、引伸ばし能力を増大させる形状を有する第2細長部材205を備えるという実現を含む。たとえば、図14Aにおいて、第2細長部材205は、実質的に扁平であって、第1細長部材203と実質的に同じ高さの輪郭を有している。図15Aに示すように、これによって、第2細長部材205は、静止している第2細長部材205に比較して少なくとも2倍の幅まで外側に変形することができる。図14Bおよび図14Eにおいて、第2細長部材205は、アコーディオンのような形状を有するように成形されている。したがって、引伸ばし時、第2細長部材205は、(図15Bおよび図15Eにそれぞれ示すように)平坦化することにより増大する引伸ばしに適応することができる。
【0208】
図14Cおよび図14Dにおいて、第1細長部材203には、外側に変形するのを可能にする形状が与えられており、それにより、(図15Cおよび図15Dにそれぞれ示すように)横方向の伸びの増大が可能になる。
【0209】
医療用回路
次に図16を参照する。図16は、少なくとも1つの実施形態による医療用回路例を示す。回路は、上述したような1つまたは複数の複合チューブ、すなわち吸気チューブ103および/または呼気チューブ117用の複合チューブを備えている。吸気チューブ103および呼気チューブ117の特性は、図1を参照して上述したチューブと同様である。吸気チューブ103は、加湿器107と連通している入口109と、加湿ガスが患者101に提供される際に通る出口113とを有している。呼気チューブ117もまた、患者からの吐出された加湿ガスを受け取る入口109と、出口113とを有している。図1を参照して上述したように、呼気チューブ117の出口113は、吐出ガスを大気に、ベンチレータ/ブロワユニット105に、空気スクラバ/フィルタ(図示せず)に、または他のあらゆる好適な場所に排出することができる。
【0210】
上述したように、チューブ壁温度を、露点温度を超えて維持することにより、チューブ内のレインアウトのリスクを低減するように、吸気チューブ103および/または呼気チューブ117内に加熱フィラメント215を配置することができる。
【0211】
送気システムの構成要素
低侵襲手術(MIS)またはかぎ穴手術とも呼ばれる腹腔鏡下手術は、腹部の手術が、従来の外科手術処置に必要なより大きい切開に比較して、小さい切開(通常0.5cm~1.5cm)を通して行われる、最新外科手術技法である。腹腔鏡下手術は、腹部または骨盤腔内の手術を含む。送気を伴う腹腔鏡下手術中、送気ガス(通常CO)が、腹腔内に入る前に加湿されることが望ましい場合がある。これは、患者の内臓の「乾燥」を防止するのに役立つことができ、外科手術からの回復に必要な時間を短縮することができる。送気システムは、一般に、内部にある量の水を保持する加湿器チャンバを備えている。加湿器は、一般に、水を加熱して、入ってくるガスを加湿するためにそのガスに送り込まれる水蒸気を生成する、ヒータプレートを備えている。ガスは、水蒸気とともに加湿器から搬送される。
【0212】
次に図17を参照する。図17、少なくとも1つの実施形態による送気システム1701を示している。送気システム1701は、患者1705の腹部または腹腔内に送達されるために大気より高い温度で送気ガス流を生成する送気装置1703を備えている。ガスは、ヒータベース1709および加湿器チャンバ1711を含む加湿器1707内に入り、チャンバ1711は、使用時にヒータベース1709と接触しており、それによりヒータベース1709はチャンバ1711に熱を提供する。加湿器1707では、送気ガスは、チャンバ1711を通過して、適切なレベルの湿度まで加湿される。
【0213】
システム1701は、加湿器チャンバ1711と患者1705の腹腔または手術部位との間を接続する送達導管1713を含む。導管1713は第1端および第2端を有し、第1端は、加湿器チャンバ1711の出口に接続され、チャンバ1711から加湿ガスを受け取る。導管1713の第2端は、患者1705の手術部位または腹腔内に配置され、加湿された送気ガスは、チャンバ1711から導管1713を通って手術部位内まで進み、手術部位または腹腔に送気しかつそれらを拡張する。本システムはまた、ヒータベース1709に供給される電力を制御することによりガスに供給される湿度の量を調節するコントローラ(図示せず)も含む。コントローラを使用して、加湿器チャンバ1711内の水をモニタリングすることも可能である。患者1705の体腔から出る排煙システム1715が示されている。
【0214】
排煙システム1715を、上述した送気システム1701とともに使用することができ、または他の好適な送気システムとともに使用することができる。排煙システム1715は、排出または排気リム1717、排出アセンブリ1719およびフィルタ1721を備えている。排出リム1717は、フィルタ1721と排出アセンブリ1719とを接続し、排出アセンブリ1719は、使用時に、患者1705の手術部位あるいは腹腔内にまたは隣接して配置される。排出リム1717は、自立形チューブであり(すなわち、チューブは潰れることなくそれ自体の重量を支持することができ)、2つの開放端部、すなわち手術部位端および出口端を備えている。
【0215】
少なくとも1つの実施形態は、導管1713としての複合チューブの使用により、加湿ガスからの最小の熱損失で患者1705の手術部位まで送達することができるという実現を含む。
【0216】
[同軸チューブ]
同軸呼吸チューブもまた、上述したような複合チューブを備えることができる。同軸呼吸チューブでは、第1ガス空間は吸気リムまたは呼気リムであり、第2ガス空間は、吸気リムまたは呼気リムのうちの他方である。前記吸気リムの入口と前記吸気リムの出口との間に1つのガス通路が設けられ、前記呼気リムの入口と前記呼気リムの出口との間に1つのガス通路が設けられる。一実施形態では、第1ガス空間は前記吸気リムであり、第2ガス空間は前記呼気リムである。別法として、第1ガス空間を呼気リムとすることができ、第2ガス空間を吸気リムとすることができる。
【0217】
次に図18を参照する。図18は、少なくとも1つの実施形態による同軸チューブ1801を示す。この例では、同軸チューブ1801は、患者1801とベンチレータ1805との間に設けられる。呼気ガスおよび吸気ガスは各々、内側チューブ1807または内側チューブ1807と外側チューブ1811との間の空間1809のうちの一方を流れる。外側チューブ1811を内側チューブ1807と正確に位置合せする必要はないことが理解されよう。むしろ、「同軸」は、チューブが別のチューブの内側に位置することを指す。
【0218】
熱伝達の理由で、内側チューブ1807は、その中の空間1813で吸気ガスを運ぶことができ、呼気ガスは、内側チューブ1807と外側チューブ1811との間の空間1809で運ばれる。この空気流構成を矢印によって示す。しかしながら、外側チューブ1811が吸気ガスを運び、内側チューブ1807が呼気ガスを運ぶ、反対の構成も可能である。
【0219】
少なくとも1つの実施形態では、内側チューブ1807は、Fisher&PaykelモデルRT100使い捨てチューブ等の波形チューブから形成される。外側チューブ1811を、上述したような複合チューブから形成することができる。
【0220】
同軸チューブ1801により、ベンチレータ1805は、内側チューブ1807の漏れに気づかない可能性がある。こうした漏れは患者1801を短絡させる可能性があり、それは、患者1801に十分な酸素が供給されないことを意味する。こうした短絡を、同軸チューブ1801の患者側端にセンサを配置することによって検出することができる。このセンサを、患者側端コネクタ1815に配置することができる。ベンチレータ1805に近い方の短絡により、患者1801が患者1801の近くの空気体積を再呼吸し続けることになる。これにより、患者1801の近くの吸気流空間1813における二酸化炭素の濃度が上昇し、それをCOセンサによって直接検出することができる。こうしたセンサは、目下市販されているような複数のセンサのうちのいずれか1つを含むことができる。別法として、この再呼吸を、患者側端コネクタ1815におけるガスの温度をモニタリングすることによって検出することができ、そこでは、所定レベルを超える温度の上昇が、再呼吸が発生していることを示す。
【0221】
上記に加えて、内側チューブ1807または外側チューブ1811のいずれかの中の凝縮の形成を低減するかまたはなくすために、かつ同軸チューブ1801を通してガス流の実質的に均一な温度を維持するために、抵抗ヒータフィラメント等のヒータを、内側チューブ1807あるいは外側チューブ1811のいずれかの中に設けるか、ガス空間1809あるいは1813内に配置するか、または内側チューブ1807あるいは外側チューブ1811の壁自体の中に配置することができる。
【0222】
[鼻カニューレおよび他の患者インタフェース]
次に、図19Aを参照する。図19Aは、鼻カニューレ患者インタフェース1901と使用している複合チューブ201を示す。この例では、患者インタフェース1901は患者1903の顔面に配置され、ヘッドギア1905が患者の1901の頭部の後方の周囲に固定されている。患者インタフェースは、カニューレ本体1907および送達チューブ1909を含む。複合チューブ201は、記載したように、送達チューブ1909と連通して、吸気ガスを患者インタフェース1901に供給する。
【0223】
従来、送達チューブ1909を使用して、加熱呼吸管の重量を患者インタフェース1901から分離していた。従来使用されていた送達チューブ1909は、1本の可撓性配管から構成されていた。送達チューブ1909は、その質量によって患者インタフェース1901を患者の顔面から引き離さないように軽量であることが重要であった。加熱チューブは、非加熱チューブより実質的にかさばりかつ重量があった。したがって、従来使用されていた送達チューブ1909非加熱であった。十分な可撓性を達成するために、従来使用されていた送達チューブ1909は、断熱特性も不十分であった。十分な断熱および加熱がないため、送達チューブ1909内のレインアウトは問題であった。したがって、送達チューブ1909は、レインアウトを最小限にするために可能な限り短く維持されていた。しかしながら、長さが短いことにより、加熱呼吸管の重量が患者インタフェース1901を引っ張るのを一貫して防止されなかった。したがって、従来使用されていた送達チューブには複数の欠点がある。
【0224】
本明細書に記載する複合チューブ201は、優れた可撓性および軽量を維持しながら優れた断熱を提供する。したがって、いくつかの実施形態では、送達チューブ1909は複合チューブ201であり得る。複合チューブ201は、本技術分野において従来既知である送達チューブに比較して断熱特性を向上させることができる。さらに、送達チューブの長さを長くすることができ、それが、チューブの抗力をより適切に分離することができる。複合チューブ201の送達チューブ201は、任意選択的に第2細長部材(図示せず)内に加熱フィラメント(図示せず)を有することができる。加熱フィラメントは、存在する場合、熱入力を提供することができる。別法として、加熱フィラメントは、通電されることなく第2細長部材用の構造的支持体を提供することができる。
【0225】
非加熱複合チューブ201の送達チューブ1909の長さは、複合チューブ201のより優れた断熱特性のために依然として熱損失を同じかまたはより少なく維持しながら、通常の非加熱延長部の長さより大きくすることができる。送達チューブ1909の長さの増大は、患者の移動によってチューブ接続部が引きずられないようにするために有益である。延長部の長さの増大により、患者の快適さを損なうことなくより適切な頭部移動も可能になる。
【0226】
さらに、いくつかの実施形態は、別個の送達チューブ1909をなくすことに、後述する多数の利点があり得るという実現を含む。したがって、図19Bに示すように、送達チューブ1909および複合チューブ201は、望ましくは、カニューレ本体1907まで延在する一体型構成要素であり得る。
【0227】
典型的な患者インタフェース1901では、加熱チューブは(図19Aの複合チューブ201の代りに)非加熱送達チューブ1909に吸気ガスを供給する。吸気ガスの温度は、非加熱送達チューブ1909の長さに沿って著しい熱損失(たとえば、20℃以上またはその辺り)を受ける可能性がある。補償するために、加熱チューブの患者側端の温度は、実際に患者1901に送達される必要な温度より高く維持される。さらに、送達チューブ1909内で温度が低下する際に凝縮によりレインアウトが発生する可能性がある。図19Bに示すように、送達チューブ1909の代りに加熱複合チューブ201をカニューレ本体1907まで伸ばすことにより、複合チューブ201の患者側端をより低い温度で保持することができるため、入力エネルギー要件を低減させることができる。この構成によって、患者インタフェースから非加熱送達チューブ1909をなくすことによりレイアウトを低減させることも可能である。
【0228】
望ましくは、複合チューブ201をテーパ状にすることができる。少なくとも1つの実施形態では、複合チューブ201の患者側端部分は、カニューレ本体1907の入口に嵌まるようにテーパ状になっている。少なくとも1つの実施形態では、患者側端に近いある長さの複合チューブ201の直径は、複合チューブ201の残りの部分の直径より小さい。たとえば、患者側端に近い複合チューブ201の長さは、50mmから300mm(または約50mmから約300mm)の範囲であり得る。患者側端に近い方がチューブの直径が小さいことにより、カニューレ本体の近くのチューブの重量を有利には低減させることができる。
【0229】
複合チューブ201は、少なくとも複合チューブ201の患者側端の近くに温度センサ(図示せず)を備えることができる。温度センサに加えてまたはその代りに、複合チューブ201は、少なくとも複合チューブ201の患者側端の近くに別の種類のセンサ(図示せず)を備えることができる。たとえば、複合チューブ201は、少なくとも複合チューブ201の患者側端の近くに圧力センサ(図示せず)を備えることができる。圧力センサは、CPAP制御およびネーザルハイフロー(nasal high-flow)療法に対して特に有利であり得る。複合チューブ201および送達チューブ1909が一体構成要素である場合、センサは患者1903の鼻孔に近く、それにより、送達ガスに関連するより正確な情報を提供することができる。患者側端センサ構成例については、後により詳細に記載する。
【0230】
一体構成はまた、患者1901に対する配線を低減することができるため望ましい。カニューレ本体1907に1つあるいは複数のセンサまたは他の電気部品が備えられている場合、カニューレ本体1907への電気的接続を設ける必要がある。複合チューブ201および送達チューブが一体部品である場合、上述したように、電線は複合チューブ201に沿って、カニューレ本体1907における複合チューブ201の患者側端まで進むことができる。カニューレ本体1907に対して別個の電気的接続は不要である。
【0231】
一体構成は、上述したように、可変ピッチ複合チューブ201を組み込むことができる。非加熱延長部がないかまたはわずかであるチューブでは、加熱は、検知素子が配置されているカニューレ本体1907まで続く。これらのチューブでは、37Cでの飽和ガスの送達を確実にするためにチューブ端部温度を低下させる必要がある。これは、通常、チューブの端部の温度が、非加熱延長部における熱損失を考慮して37℃を超える高さに設定されるためである。しかしながら、非加熱延長部のない構成では、ユニット端部の近くで凝縮が起こる可能性が低くなる。チューブのユニット端部に近接する領域に加熱を再分散させることは、Tgas>Tdewを増大させ、したがって、過度に高いチューブ端部温度を提供することなく、凝縮の発生を低減させるのに役立つ。
【0232】
図19Bの構成はいくつかの実施形態では好ましい可能性があるが、図19Aの構成を含む他の構成を、要求に応じて他の実施形態で利用することができることが理解されるべきである。
【0233】
本開示の複合チューブ201を、フルフェイスマスク2001(図20A)、鼻マスク2003(図20B)および鼻/ピローマスク2005(図20C)等、他の患者インタフェースに組み込みかつ/またはそれとともに使用することも可能である。上述したように、複合チューブ201は、送達チューブ1909の役割を果たし、または送達チューブを完全に不要とすることができる。
【0234】
[洗浄]
再び図2Aに戻ると、少なくとも1つの実施形態では、複合チューブの材料を、さまざまな洗浄方法を処理するように選択することができる。いくつかの実施形態では、高水準消毒(約20洗浄サイクル)を使用して複合チューブ201を洗浄することができる。高水準消毒中、複合チューブ201は、約30分間、約75℃で低温殺菌を受ける。次に、複合チューブ201は、約20分間、2%グルタルアルデヒドに浸される。複合チューブ201は、グルタルアルデヒドから取り出され、約30分間、6%過酸化水素に浸漬される。最後に、複合チューブ201は、過酸化水素から取り出され、約10分間、0.55%オルトフタルアルデヒド(OPA)に浸される。
【0235】
他の実施形態では、滅菌(約20サイクル)を使用して、複合チューブ201を洗浄することができる。まず、複合チューブ201は、約30分間、約121℃でオートクレーブ蒸気内に配置される。次に、オートクレーブ蒸気の温度が、約3分間、約134℃まで上昇する。オートクレーブ処理の後、複合チューブ201は、100%エチレンオキシド(ETO)ガスによって包囲される。最後に、複合チューブ201は、ETOガスから取り出され、約10時間、約2.5%グルタルアルデヒドに浸漬される。
【0236】
複合チューブ201を、繰返しの洗浄プロセスに耐えるような材料から作製することができる。いくつかの実施形態では、複合チューブ201の一部またはすべてを、限定されないが、スチレン-エチレン-ブテン-スチレンブロック熱可塑性エラストマー、たとえばKraiburg TF6STEから作製することができる。他の実施形態では、複合チューブ201を、限定されないがハイトレル、ウレタンまたはシリコーンから作製することができる。
【0237】
[製造方法]
次に図21A図21Fを参照する。図21A図21Fは、複合チューブを製造する例示的方法を実証している
【0238】
まず図21Aを参照すると、少なくとも1つの実施形態では、複合チューブを製造する方法は、第2細長部材205を提供するステップと、第2細長部材205をマンドレル2101の周囲に、第2細長部材205の両側の側縁部2103が隣接する巻付け部において間隔を空けて配置されるように、らせん状に巻き付け、それにより、第2細長部材らせん2105を形成するステップとを含む。いくつかの実施形態では、第2細長部材205を、マンドレルの周囲に直接巻き付けることができる。他の実施形態では、マンドレルの上に犠牲層を設けることができる。
【0239】
少なくとも1つの実施形態では、本方法は、第2細長部材205を形成するステップをさらに含む。押出成形が、第2細長部材205を形成する好適な方法である。第2押出機を、第2細長部材205を指定されたビード高さで押出成形するように構成することができる。したがって、少なくとも1つの実施形態では、本方法は、第2細長部材205を押出成形するステップを含む。
【0240】
図21Bに示すように、第2細長部材205がたとえばクロスヘッド押出金型を有する押出機を使用して形成される際に、加熱フィラメント215を第2細長部材205内に封入することができるため、押出成形は有利であり得る。したがって、いくつかの実施形態では、本方法は、1つまたは複数の加熱フィラメント215を提供するステップと、加熱フィラメント215を封入して第2細長部材205を形成するステップとを含む。本方法はまた、1つまたは複数の加熱フィラメント215が埋め込まれるかまたは封入されている第2細長部材205を提供するステップも含むことができる。
【0241】
少なくとも1つの実施形態では、本方法は、第2細長部材205に1本または複数本のフィラメント215を埋め込むステップを含む。たとえば、図21Cに示すように、フィラメント215を第2細長部材205内の指定された深さまで押し込む(引き込むまたは機械的に配置する)ことができる。別法として、第2細長部材205の指定された深さまで切れ目を作製することができ、その切れ目の中にフィラメント215を配置することができる。好ましくは、第2細長部材205が押出成形され、第2細長部材205が軟質である直後に、押込みまたは切削が行われる。
【0242】
図21Dおよび図21Eに示すように、少なくとも1つの実施形態では、本方法は、第1細長部材203を提供するステップと、第2細長部材らせん2105の周囲に第1細長部材203を、第1細長部材203のいくつかの部分が第2細長部材らせん205の隣接する巻付け部にオーバラップし、かつ第1細長部材203の一部が第2細長部材らせん2105の巻付け部の間の空間においてマンドレル2101に隣接して配置されるように、らせん状に巻回し、それにより第1細長部材らせん2107を形成するステップとを含む。図21Dはこうした方法例を示し、そこでは、第2細長部材らせんを形成する前に、加熱フィラメント215が第2細長部材205内に封入される。図21Eはこうした方法例を示し、そこでは、第2細長部材らせんが形成される際に、加熱フィラメント215が第2細長部材205内に埋め込まれる。複合チューブ内にフィラメント215を組み込む別の方法は、第1細長部材203が第2細長部材205とオーバラップする領域において、第1細長部材203と第2細長部材205との間に1本または複数本のフィラメント215を封入するステップを含む。
【0243】
上述したように、少なくとも1つの実施形態は、第2細長部材205の巻付け部の間に第1細長部材203の複数の巻付け部を有するチューブを含む。したがって、いくつかの実施形態では、方法は、第1細長部材203を提供するステップと、第1細長部材203の第1側部が第2細長部材らせん2105の巻付け部にオーバラップし、第1細長部材203の第2側部が第1細長部材203の隣接する側部に接触するように、第2細長部材らせん2105の周囲に第1細長部材203をらせん状に巻き付けるステップとを含む。第1細長部材203の一部は、第2細長部材らせん2105の巻付け部の間の空間においてマンドレル2101に隣接して配置され、それにより、第2細長部材205の巻付け部の間に第1細長部材203の複数の巻付け部を備える第1細長部材らせん2107が形成される。
【0244】
少なくとも1つの実施形態では、第1細長部材203は、第2細長部材205の巻きの間に複数回巻き付けられる。結果として得られる縦断面の概略図例を図22Aに示す。第1細長部材203の隣接する巻付け部を、熱融着、接着剤または他の取付機構等のあらゆる好適な技法を用いて融着することができる。少なくとも1つの実施形態では、隣接する溶融または軟化したバブルを互いに接触させ、それにより高温である間に接合し、その後、空気ジェットによって冷却することができる。第1細長部材203の隣接する巻付け部を、軟化状態でマンドレルに巻回し冷却することによって接合することも可能である。
【0245】
少なくとも1つの実施形態では、第1細長部材203は、第2細長部材205の巻きの間に1回または複数回巻き付けられ、第2細長部材205の巻きの間の1つまたは複数のバブルは、熱処理等の適切な技法を用いてさらなる別個のバブルになるようにさらにつぶされる。結果として得られる縦断面の概略図例を図22Bに示す。図22Bに示すように、第1細長部材203の1つのバブルを、物体を用いる機械的力の印加または指向性空気ジェットを用いる力の印加等、あらゆる好適な技法を用いて2つあるいは3つまたはそれより多くの別個のバブルになるようにつぶすことができる。結果として得られる縦断面の別の概略図例を図22Cに示す。この例では、バブルの中心部分がつぶされ、それにより、バブルの頂部がバブルの底部に接合されて、平坦底部によって分離される2つの別個のバブルが形成されている。そして、2つの別個のバブルの隣接する側部が接合されて、3つの別個のバブルを備える構造が形成される。
【0246】
1本または複数本の加熱フィラメント215を複合チューブ内に組み込む上述した代替形態には、ガス通路に加熱フィラメントがある代替形態に対して利点がある。加熱フィラメント215をガス通路外にすることにより、フィラメントが、凝縮が発生する可能性が最も高いチューブ壁を加熱するため、性能が向上する。この構成により、加熱フィラメントをガス通路外に移動することによって、高酸素環境における燃焼のリスクが低減する。
この特徴によって、また、チューブ内を通過しているガスを加熱する際に加熱ワイヤの有効性を低減するため性能が低下する。しかしながら、いくつかの実施形態では、複合チューブ201は、ガス通路内に配置される1本または複数本の加熱フィラメント215を備えている。たとえば、加熱フィラメントを、たとえばらせん形態で、内腔壁(チューブボア)に据え付けることができる。内腔壁に1本または複数本の加熱フィラメント215を配置する方法例は、組み立てられると内腔壁を形成する第2細長部材205の表面に加熱フィラメントを接合する、埋め込むまたは他の方法で形成するステップを含む。したがって、いくつかの実施形態では、本方法は、内腔壁に1本または複数本の加熱フィラメント215を配置するステップを含む。
【0247】
加熱フィラメント215が、第2細長部材205に埋め込まれるかあるいは封入されるか、または第2細長部材205の上に配置されるか、またはチューブ内にあるいは上に他の方法で配置されるかに関らず、少なくとも1つの実施形態では、複合チューブの一端においてフィラメントの対を接続ループにすることにより、回路を形成することができる。
【0248】
図21Fは、図21Eに示すアセンブリの縦断面を示し、マンドレル2101の頂部ならびに第1細長部材らせん2107および第2細長部材らせん2105の頂部に焦点を当てている。この例は、T字型第2細長部材205を有する第2細長部材らせん2105を示す。第2細長部材が形成される際、加熱フィラメント215は第2細長部材205に埋め込まれる。図21Fの右側は、上述したように、第1細長部材らせんのバブル状輪郭を示す。
【0249】
本方法はまた、第1細長部材203を形成するステップも含むことができる。押出成形は、第1細長部材203を形成するのに好適な方法である。したがって、少なくとも1つの実施形態では、本方法は、第1細長部材203を押出成形するステップを含む。第1細長部材203を、2つ以上の部分を押出成形しそれらを接合して単一片にすることによって製造することも可能である。別の代替形態として、第1細長部材203を、らせん状チューブ形成プロセスで隣接して形成されるかまたは結合された時に中空形状を生成する部分を押出し成形することによって製造することも可能である。
【0250】
本発明はまた、第1細長部材203の端部に、大気圧より高い圧力でガスを供給するステップを含むことも可能である。ガスは、たとえば空気であり得る。上で説明したように、他のガスを使用することも可能である。第1細長部材203の端部にガスを供給することは、第1細長部材203がマンドレル2101の周囲で巻き付けられる際に開放した中空体形状を維持するのに役立つことができる。第1細長部材203がマンドレル2101の周囲に巻き付けられる前に、第1細長部材203がマンドレル2101の周囲に巻き付けられている間に、または第1細長部材203がマンドレル2101の周囲に巻き付けられた後に、ガスを供給することができる。たとえば、押出金型頭部/先端組合せを備える押出機は、第1細長部材203が押出成形される際に、第1細長部材203の中空キャビティ内に空気を供給しまたは送り込むことができる。したがって、少なくとも1つの実施形態では、本方法は、第1細長部材203を押出成形するステップと、押出成形後に第1細長部材203の端部に対し大気圧より高い圧力でガスを供給するステップとを含む。15cmHO~30cmHO(または約15cmHO~30cmHO)の圧力が好適であることが分かった。
【0251】
少なくとも1つの実施形態では、第1細長部材203および第2細長部材205は、マンドレル2101の周囲にらせん状に巻回される。たとえば、第1細長部材203および第2細長部材205を、200℃(または約200℃)以上の高温で押出金型から出して、その後、短距離の後、マンドレルに施すことができる。好ましくは、マンドレルを、ウォータージャケット、冷却装置および/または他の好適な冷却方法を使用して、20℃(または約20℃)以下の温度まで、たとえば0℃(または約0℃)に近づくように冷却する。5回(または約5回)のらせん状巻き付けの後、第1細長部材203および第2細長部材205を、冷却流体(液体またはガス)によってさらに冷却する。一実施形態では、冷却流体は、マンドレルを取り囲むジェットを備えたリングから放出される空気である。
構成要素を冷却しマンドレルから取り除いた後、長手方向軸に沿って延在する内腔と内腔を包囲する中空空間とを有する複合チューブが形成される。こうした実施形態では、第1細長部材および第2細長部材を接続するために、接着剤または他の取付機構は不要である。他の実施形態は、2つの部材を結合するかまたは他の方法で接続するために、接着剤または他の取付機構を利用することができる。別の実施形態では、第2細長部材205を、加熱フィラメントの押出成形および配置の後、加熱フィラメントの位置を凍結させるように冷却することができる。そして、結合を強化するために、第2細長部材205を、マンドレルに施された時に再加熱することができる。再加熱の方法例としては、スポット加熱装置、加熱ローラ等を使用することが挙げられる。
【0252】
本方法はまた、複合チューブの一端において接続ループになる加熱フィラメントまたは検知フィラメントの形成された対を含むことも可能である。たとえば、2本の加熱フィラメントまたは検知フィラメントの端部を、第2細長部材205から解放し、その後、たとえば2本のフィラメントを結び付ける、接合する、はんだ付けする、接着する、融着させる等により、接続ループにすることができる。別の例として、加熱フィラメントの端部を、製造プロセス中に第2細長部材205から解放されたままにし、その後、複合チューブが組み立てられる時に接続ループにすることができる。
【0253】
ここで図23A図23Hを参照すると、チューブ201を形成する代替方法は、一連の流路が沿って延びている押出工具2301を用いる。押出工具2301を用いて、図23Gおよび図23Hに示すチューブ例等のチューブを形成することができる。図示するように、押出工具2301を用いて生成されるチューブは、概してチューブの長手方向軸に沿って延在する複数の第1細長部材203を含むことができる。いくつかの実施形態では、押出工具2301は、本体2310および中心延長部2320を含む。いくつかの実施形態では、本体2310および延長部2320は概して円筒状である。本体2310は、溶融プラスチックまたは別の材料が本体2310を通って投入端2314から取出しすなわち押出端2316まで進むのを可能にする1つまたは複数の流路2312を含むことができる。いくつかの実施形態では、流路は、実質的に円錐状縦断面を有する(すなわち、溶融プラスチックが最初に投入端2314に入る場所の方が広く、押出端2316に近いほど狭い)。流路は、さまざまな輪郭を有するチューブ201を生成するようにさまざまな構成を有することができる。たとえば、図23Cおよび図23Dにおいて取出しすなわち押出端2316において示す流路構成は、図23Aに示すような端面図輪郭を有するチューブ201を生成することができる。図21Bは、隣接するバブルまたは第1細長部材203の間に配置された、加熱フィラメント215を含むことができる、第2細長部材205を含む図23Aのチューブの端面図を示す。使用時、工具2301は、チューブ201がらせん状に形成されるように回転するように適合される。図23Fに示すように、中心延長部2320は、押出工具2301を押出機2330に結合することができる。中心延長部2320と押出機2330との間に配置された軸受2322により、中心延長部2320および本体2310は押出機2330に対して回転することができる。工具2301の回転の速度を、第1細長部材203のピッチまたはねじれ角を変更することによって調整することができる。たとえば、図23Gに示すように、回転の速度が速いほど小さいねじれ角を生成することができる。図23Hに示すように、回転の速度が遅いほど、大きいねじれ角を生成することができる。
【0254】
図8Aおよび図8Bを参照して上述したように、いくつかの実施形態は、ピッチが可変の複合チューブを含むことができる。こうした実施形態を製造する場合、第1細長部材203および第2細長部材205の有効ピッチを変更することができるマンドレル2101および制御システム(すなわち、「ロープ」)が好ましくは設けられる。これを、たとえば、限界寸法、すなわちロープのピッチ中心径で一定の接線速度を維持しながら、マンドレル2101前進速度に対するロープ速度の比を制御することによって達成することができる。ピッチ中心径により、ロープの中間を通るピッチ中心が決まる。この値は速度によって決まる。それはまた予測可能であり、そのため、ピッチ中心径が予測されたものと異なる場合、ピッチ中心径を予測値にするように速度を調整することができる。有効ピッチの変更を、たとえば、そのように形成されたらせん状複合チューブ201に対する一定の回転速度を維持しながら、マンドレル2101前進に対するロープ速度の比を制御することによって達成することも可能である。ロープ速度を制御することにより、押出品の取出しにおけるいかなる変化も補償される。
【0255】
可変ピッチ複合チューブ201を製造するさらに別の手法は、押出速度およびマンドレル2101前進速度が一斉に変更される一体化システムを使用する。たとえば、このモードでは、ロープ速度を同じままにすることができるが、可能な場合はマンドレル2101の前進は、押出品の取出しをそのように形成されたらせん状チューブ201の接線速度と一致させるように、押出速度における減速を必要とする。
【0256】
可変ピッチ複合チューブ201を製造するさらに別の手法は、チューブ201のピッチを変化させるように第2細長部材205および第1細長部材203の投入角度を移動させる。これらの実施形態では、押出機は、回転の中心が第2細長部材205および第1細長部材203がマンドレル2101と接触する場所である回転テーブル等、角度の変更を可能にするすべり面にあり得る。この方法により、最大3mm~5mm(または約3mm~約5mm)のピッチの変動を可能にすることができる。
【0257】
次に図24A図24Fを参照する。図24A図24Fは、第1細長部材または部分203および第2細長部材または部分205を有する単一のチューブ状要素を備えたチューブの横断面を示す。図示するように、第2細長部分205は、第1細長部分203と一体化し、単一のチューブ状要素の全長に沿って延在している。図示する実施形態では、単一のチューブ状要素は細長い中空体であり、それは、縦断面において、部分的に中空部分2201を画定する相対的に薄い壁を有し、相対的に薄い壁に隣接する細長い中空体の両側に相対的に厚さが大きいかまたは相対的に剛性が高い2つの補強部分205がある。これらの補強部分は、細長い中空体がらせん状に巻回された後に、内腔207の内壁の一部を形成し、それにより、これらの補強部分はまた、細長い中空体の隣接する巻きの間にらせん状に配置される。
【0258】
少なくとも1つの実施形態では、本方法は、第1細長部分203および補強部分205を備える細長い中空体を形成するステップを含む。押出成形は、細長い中空体を形成する好適な方法である。チューブ状要素に対する好適な断面形状を図24A図24Fに示す。
【0259】
細長い中空体を、上で説明したように、医療用チューブに形成することができ、上述した考察を参照により組み込む。たとえば、少なくとも1つの実施形態では、医療用チューブを製造する方法は、マンドレルの周囲に細長い中空体をらせん状に巻き付けるかまたは巻回するステップを含む。これを高温で行うことができ、それにより、細長い中空体は、らせん状に巻回された後に冷却されて隣接する巻きが接合される。図24Bに示すように、補強部分205の両側の側縁部分は、隣接する巻きに接触することができる。他の実施形態では、第2細長部材205の両側の側縁部分は、図24Dおよび図24Eに示すように、隣接する巻きにオーバラップすることができる。上で説明したように、かつ図24A図24Fに示すように、第2細長部材に加熱フィラメント215を組み込むことができる。たとえば、加熱フィラメントを、図24A図24Dに示すような細長い中空体の両側に設けることができる。別法として、加熱フィラメントを、図24E図24Fに示すように、細長い中空体の一方の側に設けることができる。これらの実施形態のいずれも、検知フィラメントの存在も組み込むことができる。
【0260】
[電気的接続性を有するチャンバ側端コネクタの配置]
次に図25Aを参照する。図25Aは、使用時に加湿器に連結するように構成されているチューブの端部にコネクタを取り付けるフローチャート例を示す。たとえば、図1を参照して上述したように、吸気チューブ103の入口109は、ポート111を介して加湿器107に連結する。図25Aのフローチャート例は、入口109を、加湿器107に物理的にかつ電気的に連結することができるようにすることができる。
【0261】
この例では、シール2503がシールハウジング2501内に挿入される。シール挿入の行為を、図25Bにもより詳細に示す。シールハウジング2501は成形プラスチックから作製される。一方の開放端が、加湿器に連結するようにサイズが決められかつ構成されている。シール2503は、図25Bに示すようにOリングであり得る。Oリングに対する好適な構成は、相対的に薄いウェブに相対的に厚い中心トーラスが接続されている二重円環構成であり得る。この例では、Oリングは、ゴムまたはシリコーン等の単一エラストマー材料から成形されている。シール2503は、シールハウジング2501内の高コンプライアンスの隆起に位置する。シール2503は、加湿器チャンバのポートの外面に対して封止するように設計されている。シール2503は、ポートの外面に沿って延在するようにたわむことができる。言い換えれば、二重Oリング構成は、フランジによって接続された内側Oリングおよび外側Oリングを含む。外側Oリングはコネクタ内で封止され、内側Oリングは、フランジ部分に沿ってたわみ、ポートの外面に対して圧搾することができる。こうした位置では、内側Oリングの中心軸を通って延在する水平面は、外側Oリングの中心軸を通って延在する水平面とは異なる面にあり得る。
【0262】
再び図25Aの例を参照すると、プリント回路基板(PCB)が、シールハウジング2501の高コンプライアンスドック内に挿入される。PCB挿入の行為を、図25Cにより詳細に示す。図25Cにおいて、PCBおよびPCB電気コネクタを備えるアセンブリ2505が、シールハウジング2501の高コンプライアンスのドック内に挿入される。
好適なサイズおよび構成の種々のPCBを使用することができる。種々のPCB電気コネクタも使用することができる。たとえば、PCB電気コネクタは、ストレートコネクタまたは双方向コネクタであり得る。PCBは、チューブの第2細長部材に入れられる4本の導電性フィラメントを受け入れるために好適な4つの接続パッドを備えている。しかしながら、第2細長部材が4本より多いかまたは少ない導電性フィラメントを含む場合、PCBを、好適な数の導電性フィラメントを受け入れるように構成することができる。
【0263】
再び図25Aの例を参照すると、図25Dにより詳細に示すように、シール2503が高コンプライアンス隆起の上に位置して、シール保持器2507がシールハウジング2501の一方の開放端部にクリップ留めされる。シール保持器2507を適所にクリップ留めすることにより、シール2503が圧縮され、それにより、シールハウジング2501とシール保持器2507との間に耐液性かつ耐ガス性接続が形成される。この例では、シール保持器2507は成形プラスチックから作製される。この例では、シール保持器2507はまた、PCBの周囲に嵌まるようなサイズおよび形状の突出部分を備えている。突出部分は、相対的に可撓性があり脆弱なPCBを支持し保護する役割を果たす。しかしながら、いくつかの実施形態では、突出部分を省略することができる。シールハウジング2501、シール2503、PCBおよびPCBコネクタアセンブリ2505ならびにシール保持器2507を備える結果として得られるアセンブリを、本明細書ではコネクタチューブアセンブリ2515と呼ぶ。
【0264】
再び図25Aの例を参照すると、チューブは、コネクタチューブアセンブリ2515に接続されるように用意される。図25Aにかつ図25Eにより詳細に示すように、ステップ2511において、チューブの一端の第2細長部材の一部が第1細長部材から分離される。そして、ステップ2513において、ある長さ分離された第2細長部材が剥離されて、4本の導電性フィラメント(または、第2細長部材に含まれる複数の導電性フィラメント)が現われる。ステップ2513を図35Fにより詳細に示す。
【0265】
図25Aにおいて説明するように、かつ図25Gにおいてより詳細に示すように、第2細長部材の一部が剥離されたチューブの部分は、コネクタチューブアセンブリ2515に挿入される。図25Gにおいて、第2細長部材は、PCBコネクタアセンブリ2505の一部を収容するように曲げ形状を有している。PCBコネクタアセンブリ2505を、たとえば、PCBコネクタアセンブリをさらにコネクタ端に向かってシフトさせることにより、曲げ形状を低減するかまたはなくすようにサイズを決めかつ配置することも可能である。図25Aのステップ2517および図25Hに示すように、4本の導電性フィラメントは、PCBの4つの接続パッドに挿入される。そして、図25Aおよび図25Iに示すように、はんだのビード2519が各フィラメント-接続パッド接続の上に配置されて、フィラメントが接続パッドに固定され、各フィラメントとその対応する接続パッドとの間の優れた電気的接続が確保される。
【0266】
はんだのビード2519を配置する上述したステップを、いくつかの実施形態では省略することができる。図26A図26Eは、フィラメントをコネクタアセンブリに接続するためにはんだ付けを必要としないコネクタアセンブリ構成例を示す。
【0267】
図26Aは、クリップハウジング2603および回路コネクタ2605を備えるコネクタアセンブリ2601を示す。第2細長部材205の剥離部分2607により加熱フィラメント215が露出し、その加熱フィラメント215を、クリップハウジング2403のクリップ2609に挿入することができる。各クリップ2609は導電性である。クリップ2609に対して好適な材料としては、たとえば、アルミニウム、銅および金が挙げられる。クリップ2609は、はんだを必要とすることなく加熱フィラメント215を保持する。電気リード線2611が、各クリップ2609と回路コネクタ2605との間に伸びることができる。
【0268】
図26Bは、コネクタアセンブリ2601の下向きの図を示し、クリップハウジング2603内に配置されたクリップ2609を示す。
【0269】
図26Cは、クリップ2609をより詳細に示す。クリップ2609は、折曲げ部分2613、保持タブ部分2615、フランジ部分2617および細長い部分2619を備えている。加熱フィラメント(図示せず)がフランジ部分2617に挿入され、それにより、折曲げ部分2613が加熱フィラメントを受け入れかつ保持する。フランジ部分2617の形状により、加熱フィラメントの挿入が容易になり、加熱フィラメントが適所に誘導される。しかしながら、望ましい場合は、フランジ部分2617は直線形状を有することができる。フランジ部分2617はまた、部分的フランジ等、別の好適な形状を有することも可能である。折曲げ部分は、保持タブ部分2615に沿う留め部分2621を有する。保持タブ部分2615は、加熱フィラメントが保持タブ部分2615を越えて折曲げ部分2613内に一方向に摺動することができるように角度が付けられている。保持タブ部分2615はまた、加熱フィラメントが不注意で折曲げ部分2613から落ちないように加熱フィラメントを留める。細長い部分2619は導電性であり、電流を加熱フィラメントからクリップハウジング2603内にかつ/またはそれを横切るように伝達する。
【0270】
図26Dは、図26Cの図の断面であり、タブ部分2615および留め部分2621の位置をより詳細に実証している。図26Eは、クリップ2609がクリップハウジング2603にいかに配置されるかを示す。クリップハウジング2603は、細長い部分2619の位置を実証するために透明で示されている。
【0271】
再び図25Aを参照すると、コネクタチューブアセンブリ2515のすべての部品が互いに固定して取り付けられることを確実にするために、その後、接着剤層2521が塗布される。接着剤は、広い用語であって、他の材料を接合し、固定し、または取り付けるための材料を指す。接着剤は、液体状態または半固体状態にある時に、触覚に対して接着性または粘着性であり得る。接着剤は、乾燥するかまたは他の方法で硬化して固体状態になると、触覚に対して接着性または非接着性または非粘着性であり得る。接着剤は、エポキシ樹脂等の樹脂、またはエラストマー(熱硬化性あるいは熱可塑性)であり得る。TPE材料を使用することは、それらが、概して可撓性があり、粉砕することなくねじれ、曲げまたは圧力に適応することができるため、有利であり得る。
【0272】
接着剤2521を塗布する方法例を、図25Jに示す。この方法では、2ブロック金型が提供される。この例では、金型は、アルミニウムまたはステンレス鋼等の金属から作製されるが、あらゆる好適な材料を使用することができる。たとえば、金型を、Teflon(登録商標)PTFEブロックから作製することができる。一方のブロックは、コネクタチューブアセンブリ2505の突出するPCBおよびPCBコネクタチューブアセンブリ2515ならびに隣接するチューブを収容するように構成され、他方のブロックは、チューブおよびコネクタチューブアセンブリ2515の反対側の部分を収容するように構成される。チューブは、ブロックが上下に積み重なるように高コンプライアンスの金型部分に配置される。液体接着剤が金型の入口穴に導入され、接着剤は硬化する。そして、金型が除去されて、接着されたチューブ-コネクタアセンブリ2523が露出し、それは、PCBおよびチューブとコネクタチューブアセンブリ2515との間の接合部を覆う硬化接着剤2521の層を含む。接着剤層は、PCBと、PCBのはんだ付けされた接続部のすべてとを覆うことができる。このように、接着剤の層は、PCBおよび接続部を腐食から保護することができる。言い換えれば、接着剤は、少なくとも3つの機能、すなわち、コネクタおよび導管を封止する機能、PCBを適所に保持する機能、およびPCBをポッティングする機能を果たし、接着剤層は、気密シール、機械的接合およびPCBポットを形成する。さらに、接着剤層は、たとえば、湿気および液体が電気部品に達しないようにし、デバイスの使用者に対する導電性経路を形成することにより、電気的絶縁障壁として作用することができる。
【0273】
再び図25Aを参照すると、チューブ-コネクタアセンブリ2523は、その後、最終組立て状態にある。図25Kにより詳細に示すように、第1クラムシェル2525および第2クラムシェル2527が、PCBコネクタの一部は露出したままであるように、チューブ-コネクタアセンブリ2523の周囲に合わせてスナップ式に嵌められる。図25Kに示す第1クラムシェル2523および第2クラムシェル2527は、それぞれ頂部クラムシェルおよび底部クラムシェルである。
【0274】
図27A図27Eに代替的なクラムシェル設計を示し、そこでは、第1クラムシェル2525および第2クラムシェル2527は、それぞれ左クラムシェルおよび右クラムシェルである。クラムシェル2525部分およびクラムシェル2527部分(図25Kまたは図27A図27E)を、成形プラスチックまたは他のあらゆる好適な材料から作製することができる。クラムシェル2525部分およびクラムシェル2527部分(図25Kまたは図27A図27E)は、チューブ-コネクタアセンブリ2523(図25Aおよび図25J)をさらに保護し、チューブ-コネクタアセンブリを、使用時に加湿器ユニットへの凝縮液の戻りを促進する曲げ位置で維持する役割を果たす。図25Lに示すように、最終アセンブリは、接続ポートの近くの高コンプライアンスの電気コネクタによって加湿器内に容易にスナップ式に嵌まることができる。
【0275】
上述した製造方法を、フローチャートを参照して記載したが、フローチャートは、単に、使用時に加湿器に連結するように構成されるチューブの端部にコネクタを取り付ける方法例を提供する。本明細書に記載する方法は、ステップに対する固定順序を示唆していない。いかなるステップも本方法を実施するために必須であることも示唆していない。実施形態は、あらゆる順序および実際的な組合せで実施することができる。
【0276】
[代替的なデバイス側端コネクタの配置]
次に、図28A図28Fを参照する。図28A図28Fは、内部に電線が通っている医療用回路に対して使用することができるコネクタを示す。コネクタ2801は、いくつかの実施形態では直径が30mm(または約30mm)である、切取部2802を備えている。いくつかの実施形態では、切取部2802の一端はL字型アーム2803であり、それは、部分的にコネクタ2801から外側に、かつ部分的にコネクタ2801の長手方向軸に対して平行に延在している。
【0277】
アーム2803に、1つまたは複数の導体2804を埋め込むことができる。導体2804を、銅あるいは真鍮または別の好適な導電性材料から作製することができ、実質的にアーム2803の長さに沿って延びる平坦なL字型部品として形成することができる。
【0278】
コネクタ2801は、チューブ201の一部の実質的に内側に位置するように適合された内側部分2805と、チューブ201の一部を実質的に包囲するように適合された外側部分2806とをさらに備えることができる。
【0279】
第2細長部材205の一部が剥離されて、その中に埋め込まれた1本または複数本のフィラメント215が現われる。好ましくは、約5mmのフィラメント215が現われる。
そして、内側部分2805がチューブ201内に位置し、外側部分2806がチューブ201の周囲に位置するように、コネクタ2801はチューブ215に取り付けられる。好ましくは、コネクタ2801は、フィラメント215の現れた端部が切取部2802にまたはその近くに位置するように向けられる。
【0280】
そして、フィラメント215の現れた端部は、導体2804に電気的にかつ/または物理的に接続される。これを、導体2804または本技術分野において既知である他のあらゆる材料に端部をはんだ付けすることによって行うことができる。
【0281】
部材2807を、コネクタ2801、および任意選択的にチューブ201の少なくとも一部の頂部に挿入するかその上に成形して、コネクタ2801とチューブ201との間の取付を促進することができる。部材2807は、硬質材料、または軟質ゴムあるいはエラストマー等、軟質材料であり得る。
【0282】
いくつかの実施形態では、実質的にL字型のエルボ2808をアセンブリの上に配置することができる。エルボ2808は、接続部に幾分かの追加の強度を与えることができ、(コネクタ2801がチューブ201の本体から約90°の角度で位置する傾向があり得るように)チューブ201に所定曲げを与えることができる。
【0283】
次に図29A図29Lを参照する。図29A図29Lは、内部を電線が通っている医療用回路に対して使用することができる別のコネクタ2901を示す。まず図29Aを参照すると、コネクタ2901は、複合チューブがCPAPデバイス(図示せず)等のデバイスに接続されるのを可能にする。コネクタ2901は、L字型アーム2903に電気端子を支持し、それは、デバイスの相補的電気端子と係合して、電気信号または電気エネルギーがデバイスと複合チューブとの間で伝送されるのを可能にする。図示する構成では、コネクタ2901の電気端子は、デバイスのレセプタクルまたはポートと一致するプラグ2905である。しかしながら、望ましい場合は、この配置を逆にすることができる。
この例では、プラグは、複合チューブとの電気的接続を確立するために電気接点2906と電気的に連絡する。ここで、電気接点2906は、コネクタ2901内に成形される。
コネクタ2901はフィラメントホルダ2907をさらに備え、それもまたコネクタ2901内に成形される。コネクタ2901は、いくつかの実施形態では直径が30mm(または約30mm)である切取部2902も備えている。
【0284】
図29Bおよび図29Cに示すように、第2細長部材205の一部(たとえば、10mm部分)が剥離されて、そこに埋め込まれた短い1本または複数本のフィラメント215が現われる。好ましくは、約5mmまたは10mmのフィラメント215が現われる。
【0285】
図29Eに示すように、その後、コネクタ2901の内側部分2909がチューブ201内に位置し、コネクタ2901の外側部分2911がチューブ201の周囲に位置するように、コネクタ2901がチューブ215に取り付けられる。好ましくは、コネクタ2901および複合チューブ201は、フィラメント215の現れた端部が切取部2902にまたはその近くに位置し、フィラメント215が接点2906の近くで接触するように位置決めされるように、向けられる。
【0286】
図29Fに示すように、加熱フィラメント215は、各々が接点2906の上に配置されるように、ワイヤホルダ2907の下に配置される。
【0287】
図29Gに示すように、はんだのビード2913が、それぞれの接点2906において各加熱フィラメント215の上に配置される。コネクタ2901および複合チューブ201の組合せを、本明細書ではコネクタ-チューブアセンブリ2917と呼ぶ。図29Hに示すように、成形工具コア2915がコネクタ2901内に挿入される。図29Iに示すように、コネクタ-チューブアセンブリ2917およびコア2915は、射出成形工具2919内に配置される。図29Jにおいて、成形材料2921が切取部(図示せず)の上で成形され、それにより、コネクタ2901および複合チューブ201が接着される。好適な成形材料2921としては、プラスチックおよびゴムが挙げられる。コネクタ-チューブアセンブリ2917およびコア2915は、図29Kにおけるように、射出成形工具(図示せず)から取り除かれる。
【0288】
図29Lに示すように、コア2915が取り除かれ、それにより、デバイス側端コネクタ2901を備えた複合チューブ201が提供される。図29A図29Jの方法により、プラグ2903を、複合チューブ201の加熱フィラメントおよび/または他の電気素子(図示せず)を電気的に接続することができる。好ましくは、デバイスの加熱回路は、複合チューブ201の加熱フィラメントに電気エネルギーを提供し、それにより、加熱フィラメントは、複合チューブ201を通過する加湿空気の流れに熱エネルギーを提供することができる。本明細書において考察するように、こうした構成により、複合チューブ201内の凝縮を防止または制限することができる。さらにまたは別法として、プラグ2903およびデバイスポートは、データ信号等の他の電気信号がデバイスと複合チューブ201との間で通信されるのを可能にすることができる。たとえば、複合チューブ201の患者インタフェース側端のセンサが、デバイスの制御システムによって使用されるように空気の流れの1つまたは複数のパラメータ(たとえば、温度、湿度レベル)に関するデータを提供することができる。他のあらゆる望ましい電気信号もまた伝送することができる。
【0289】
コネクタを複合チューブに取り付ける上述した方法は、例として提供されている。記載した方法は、ステップに対する固定順序を示唆していない。いかなるステップも本方法を実施するために必須であることも示唆していない。実施形態は、あらゆる順序および実際的な組合せで実施することができる。
【0290】
[電気接続性を有する患者側端コネクタの配置]
次に、図30A図30Oを参照する。図30A図30Oは、チューブ201の一端を患者インタフェース(図示せず)に接続する例としてのコネクタ3000を示す。患者インタフェースに連結するコネクタ3000の端部を参照番号3001で示す。
【0291】
図30Aは、コネクタ3000の側面斜視図を示す。
【0292】
図30B図30Fに示すように、コネクタ3000は、合わせて組み立てられると合わせてインサートアセンブリ3007と呼ばれる、PCBアセンブリ3003およびインサート3005と、カバー3009とを備えている。図30B図30Dおよび図30Fの各々は、図30Aの図に概して対応する側面斜視図を示す。図30Eは、側面図を示す。
【0293】
インサート3005およびカバー3009は、好ましくは、成形プラスチック部品要素である。インサート3005は、チューブ201のための受入部を提供すること、ガス流路のための好適な導管を提供すること、PCBアセンブリ3003のためのハウジングを提供すること、およびサーミスタ等のセンサ(図示せず)のためのハウジングを提供することを含む、1つまたは複数の目的を満たすことができる。カバー3009は、相対的に脆弱なPCBアセンブリ3003を保護しかつ覆い、チューブ201とインサート3005との間の接続部を保護する。図30Dおよび図30Eに示すように、チューブ201に挿入されるインサート3005の端部(すなわち、反対側の端部3001)に角度を付けることができ、それは、チューブ201への挿入に役立つことができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、反対側の端部3001である端部を、鈍くするかまたはテーパ状にすることができる。
【0294】
図30Dに示すように、インサートは、望ましくは、止め部分3006aを含む。止め部分3006aは、インサート3005に対するチューブ201の正確な配置を促進することができる。止め部分3006aはまた、PCBアセンブリ3003がチューブ201に直接接触することから保護する役割も果たすことができる。代替構成を図30Eに示す。図30Eにおいて、止め部分3006bは、らせん状またはつる巻状リブ等、らせん状またはつる巻き状構成要素として形成される。この構成は、形状がらせん状に巻回されたチューブ201を補完し、それにより、インサート3005とチューブ201との間の確実な接続を提供するため、有利である。
【0295】
さらに別の代替構成を図31Aおよび図31Bに示す。これらの図では、止め部分3006cは、らせん状またはつる巻き状リブ等のらせん状またはつる巻き状構成要素として形成されている。この場合もまた、形状がらせん状に巻回されたチューブ201(図31B)を補完し、それにより、インサート3005とチューブ201との間の確実な接続を提供するため、有利である。この構成では、止め部分3006cは方向性止め機構3101を備えている。図31Bに示すように、方向止め機構3101の表面は、フィンに類似するようにテーパ状になっている。方向性止め機構3101の形状は、チューブ201の第2細長部材205をはさんで締め付け、把持し、または他の方法で保持することができる。したがって、方向性止め機構3101は、チューブ201がシフトしかつ/または回転するのを防止することにより、チューブ201を正確な位置により適切に保持する役割を果たすことができる。
【0296】
図30Eに戻ると、インサート3005の患者側端3001は、図30Dのものより大きく、種々の用途(たとえば、子供用または大人用患者インタフェースに連結する)に対して、サイズをいかに変更することができるかを示す。
【0297】
図30Gは、コネクタ3000の断面を示し、概して、図30Aと同じ側面斜視図に対応する。いくつかの実施形態では、センサ(後述する)をチューブ201内の加熱フィラメントからの、低流量時にセンサエラーをもたらす可能性がある熱放射から保護するために、チューブ201とインサート3005との間にエアギャップ等の断熱ギャップがある。図30Gでは、こうしたギャップはセンサ部分3017の上方および下方に現れる。別法として、いくつかの実施形態では、インサート3005は、インサート3005内に気泡が封入されるように形成される。たとえば、インサート3005は、発泡プラスチックを含む。
【0298】
図30Hは、インサートアセンブリ3007の断面を示し、概して、図30Dの側面斜視図に対応する。図30Iは、インサートアセンブリ3007の代替的な断面を示し、概して、図30Eの側面図に対応する。これらの図は、チューブ201、インサートアセンブリ3007および/またはカバー3009の相対的な配置に関するより詳細を示す。
【0299】
図30G図30Iに示すように、インサート3005の本体から半径方向外側に延在する2つの成形リングを備えた略環状留め構造3013。成形リングは切欠き3011に適合し、切欠き3011は、カバー3009から半径方向内側に延在する成形リングを備えている。切欠き3011および留め構造は、インサート3005の上にカバー3009を保持する。
【0300】
留め構造3013に対する代替構成を図32Aおよび図32Bに示す。この場合もまた、留め構造3013は、略環状であり、インサート3005の本体から半径方向外側に延在する2つの成形リングを備えている。複数の回転防止突起3201が、リングの間に垂直に延在している。この例では、留め構造3013の円周の周囲に均一な間隔で(たとえば、90°間隔で)4つの突起3201が配置されている。突起3201は、カバー(図示せず)の高コンプライアンスの切欠きと係合し、カバーがインサートアセンブリの上で回転しないようにする。留め構造3013に対するさらに別の代替構成を図32C図32Dに示す。この場合もまた、留め構造3013は、略環状であり、インサート3005の本体から半径方向外側に延在する2つの成形リングを備えている。リングの間に、回転防止切欠き3203が配置されている。この例では、留め構造3013の円周の周囲に均一な間隔で(たとえば、90°間隔で)4つの切欠き3203が配置されている。これらの切欠き3203は、カバー(図示せず)の高コンプライアンスの突起と係合し、カバーがインサートアセンブリの上で回転しないようにする。
【0301】
図30G図30Iは、PCBアセンブリ3003がPCB3015、センサ部分3017および位置決め部分3019を備えることをさらに示す。PCBアセンブリ3003は、使用時、センサ部分3017がインサート3005を通る流体流路内にあるように位置する。
【0302】
センサ部分3017は、温度センサ等の1つまたは複数のセンサを含む。センサは、好ましくは、センサ部分3017の突出部分に位置する。好適な温度センサとしては、サーミスタ、熱電対、抵抗温度検出器またはバイメタル温度計が挙げられる。
【0303】
PCB3015は、複合チューブ201の加熱および/または検知回路を完成する。
【0304】
位置決め部分3019は、安定性を向上させ、製造中のPCBアセンブリ3003の位置決めを容易にする。しかしながら、いくつかの実施形態では、位置決め部分3019を省略することができる。
【0305】
図30Iもまた、PCB3015および/または位置決め部分3019の少なくとも一部をインサート3005の外面に引っ込ませることにより、インサート3005においてPCBアセンブリ3003をさらに安定させることができることも示す。引っ込められた構成を図30Nにも示す。
【0306】
図30G図30Iの構成には複数の利点がある。たとえば、いくつかの実施形態は、流体流路内にセンサ部分3017を配置することにより、流量、周囲温度等に関らず、正確な測定を促進するという実現を含む。さらに、いくつかの実施形態は、回路の使用者設定が不十分であるため、別個のセンサがコネクタに取り付けられている構成より、流体漏れの可能性が低い。
【0307】
さらに、いくつかの実施形態は、PCBアセンブリ3003がインサート3005の全幅を横切るため、PCBアセンブリ3003を用いて接続リードがチューブ201を横切るようにすることができる。後述するように、図33A図33Dは、接続リードがチューブを横切るのを可能にするPCBアセンブリ3301設計を示し、それぞれの図は、PCBアセンブリ3301の2つの側面を示す。接続リードがチューブ201を横切るようにするという概念を、2つのチューブ201セグメントの間の中間コネクタに関して、図34を参照してさらに後述する。
【0308】
まず図33Aおよび図33Bを参照すると、PCBアセンブリ3301は、加熱フィラメントおよび/またはセンサ接続のための接続パッド3303、3305を含む。接続パッド3303、3305は、らせん状に巻回された加熱フィラメントとの接続を容易にするようにPCBアセンブリ3303の両側にあるように構成されている。
【0309】
PCBアセンブリ3301は、センサ用のセンサ接続パッド3307を含む。センサを、PCBアセンブリ3301の信号接続パッド3309を介してダイオードに結合することができる。図示するように、PCBアセンブリ3301は、他の電気部品およびトラックからセンサを断熱するように構成された間隙3311を含む。いくつかの実施形態では、センサ接続パッド3307に接続されたセンサをさらに熱的に隔離するために、間隙3311に断熱材料を充填することができる。さらに、PCBアセンブリ3301を、突出機構3313による等、他の能動および/または受動電気部品から離れるようにセンサを配置するように構成することができる。
【0310】
PCBアセンブリ3301は、PCBアセンブリ3301の導電性トラックを通して加熱フィラメントに電気的に結合されたダイオード用の電源接続パッド3315を含む。電源接続パッド3315を、熱の放散を促進するようにヒートシンク3317に電気的にかつ熱的に結合して、センサ接続パッド3307に結合されたサーミスタの温度読取値の精度に対する影響を低減するかまたは最小限にすることができる。
【0311】
図33Cおよび図33Dは、図30A図30Oを参照して上述した、インサート2605、または図34を参照して後述する中間コネクタ3403を横切って適所にある図33Aおよび図33BのPCBアセンブリ2901を示す。
【0312】
したがって、少なくとも1つの実施形態では、インサート2605または中間コネクタ3403等の呼吸導管セグメントは、長手方向軸に沿って延在する内腔および内腔を包囲する壁であって、内腔が使用時にガス流路を画定する、内腔および壁、ならびに、プリント回路基板を備えるPCBアセンブリ3301であって、直径または弦線に沿って内腔を横切って延在し、それにより、プリント回路基板アセンブリの一部が概して流路の少なくとも一部と交差し、オーバモールド組成物によってオーバモールドされている第1部分と、第1部分に隣接して内腔から離れる方向において壁から外側に突出する第2部分であって、第1アセンブリから1本または複数本のワイヤを受け取るように構成された、プリント回路基板上の1つまたは複数の接続パッド3303を備える第2部分と、第1部分に隣接し、内腔から離れる方向においてかつ第2部分とは反対の方向において壁から外側に突出する第3部分であって、第1アセンブリとは別個の第2アセンブリから1本または複数本のワイヤを受け取るように構成された、プリンタ回路基板上の1つまたは複数の接続パッド3305を備える第3部分と、第2部分の1つまたは複数の接続パッドにかつ第3部分の1つまたは複数の接続パッドに電気的に結合され、第1アセンブリと第2アセンブリとの間に電気的接続性を提供するように構成された、プリント回路基板上の1本または複数本の導電性トラックとを備えるPCBアセンブリ3301を備える。
【0313】
第1アセンブリおよび第2アセンブリは、各々呼吸チューブであり得る。または、第1アセンブリを呼吸チューブとし、第2アセンブリを、たとえば患者インタフェースとすることができる。
【0314】
再び図30G図30Iに戻ると、センサ部分3017は、センサ部分3017、PCB3015および位置決め部分3019がユニットを形成するように、取り付けられるかまたは形成されている。たとえば、センサ部分3017、PCB3015および位置決め部分3019を、はんだ付け等の好適なプロセスを用いて互いに取り付けることができる。センサ部分3017、PCB3015および位置決め部分3019を、回路基板用基板等、好適な材料から一体的に形成することができる。
【0315】
センサ部分3017を、回路印刷等、好適な技法を用いてPCB3015に電気的に接続することができる。たとえば、電気的接続は、銅トラック等の導電性トラックを含むことができる。チューブ201の第2細長部材の導電性フィラメントをPCBアセンブリ3003の接続パッドに電気的に接続するために、図示するものに類似し図25E図25Iを参照して上述した手続きを使用することができる。ダイオード(図示せず)等の追加の電気部品を、ガス通路の内側および/または外側のPCB3015のいずれかの側に配置することができる。ダイオードをガス通路の外側に配置することについては、センサ接続パッド3307および信号接続パッド3309に関しかつ図33A図33Bに示すように上述している。
【0316】
再び図30G図30Iの例に戻ると、PCBアセンブリ3003を、たとえば本技術分野において既知であるように、オーバモールドプロセスを用いてインサート3005内に取り付けることができる。オーバモールドの少なくとも一部に対して、熱伝導率が0.03W/m・K~0.6W/m・Kまたはその辺りである、ポリプロピレン(熱伝導率0.1W/m・K~0.22W/m・K)等の材料を使用することができる。熱伝導率が低い材料の使用により、センサ部分3017からインサート3005壁に熱を十分に伝導しないため、センサ測定中に周囲環境からの干渉を有利には低減することができる。いくつかの実施形態は、一体PCBアセンブリ3003のオーバモールドにより、センサのみのオーバモールドよりセンサの一貫した配置が可能になるという実現を含む。さらに、いくつかの実施形態は、チューブの中心の内側に配置さえたセンサをオーバモールドすることにより、センサの放射効果に対する感度を低下させることができるという実現を含む。
【0317】
図30G図30Iに示すように、PCBアセンブリ3003は、インサート3005の幅を通過し、インサート3005の両側の壁によって支持される。PCBアセンブリ3003がインサート3005の両側に支持されるため、PCBアセンブリ3003を相対的に薄く(すなわち、チューブ上に1つの支持体があるPCBより厚さを小さくかつ幅を狭く)することができる。薄い輪郭により、より厚い輪郭より流れに対する抵抗が小さくなるため、流体流を促進することができる。
【0318】
センサ部分3017の周囲のオーバモールド部は、好ましくは、センサ部分3017の周囲に流れる流体に対する抗力を低減するように構成される。オーバモールド部は、エーロフォイル形状、たとえば、翼形状、(図30Fおよび図30Gに示すような)完全テーパ状魚雷形状、または(図30Hに示すような)1つの鈍い縁を備えた部分的にテーパ状の弾丸形状等、空気力学的に効率的なテーパ形状を有することができる。これらのテーパ形状により、流体の流れが促進される。さらに、流体流内に配置されると、これらのテーパ形状により、望ましくない加湿ガスの冷却および凝縮の形成をもたらす可能性があるテーパ形状の後縁における乱流および渦が低減する。凝縮形成により、測定が不正確になるとともに、患者に送達されるガスの温度が望ましくないほど低下する可能性がある。したがって、テーパ形状により、より正確な読取を促進することできる。さらに、テーパ形状により、発生する凝縮液の収集を低減させ、また、流出を促進することにより、患者分泌物の蓄積も低減させることができる。
【0319】
テーパ形状を、流れにおける渦の形成を低減させることによって乱流を低減させ、流れが層状である可能性を増大させるように選択することも可能である。
【0320】
テーパ形状とインサート3005の内壁との間の距離は、好ましくは、より多くの空間を可能にするように選択される。少なくとも1つの実施形態では、テーパ形状とインサート3005の内壁との間の距離は、内径の33%(あるいは約33%)または40%(あるいは約40%)等、少なくとも10%(あるいは約10%)または少なくとも30%(あるいは約30%)である。少なくとも1つの実施形態では、テーパ形状とインサート3005の内壁との間の距離は、2mm(または約2mm)を超える。より多くの空間を可能にすることにより、空間内で凝縮液が捕えられる可能性が低減する。
【0321】
オーバモールドは、より平均化された温度の読取を促進する。インサート3005を横切って幾分かの温度変動があり、インサート3005の中心に向かって温度は高くなり、インサート3005壁に沿って温度は低くなる。最高温度がインサート3005の中心線からずれている非対称温度プロファイルは、特に、曲げチューブ203では一般的である。オーバモールド部は、PCBアセンブリ3003のセンサ部分3017より表面積が広く、オーバモールド材料は、センサ部分3017のセンサが流体路を横切ってより平均化された温度を測定するように、熱を分散させる。
【0322】
図30Jは、コネクタ3000の患者側端部分3001から見て、チューブ(図示せず)に向かって見た、コネクタの幅に沿って取り出されたコネクタ3000の端面図を示す。この図では、PCBアセンブリ3003(図示せず)を収容するオーバモールドされたテーパ形状は概して中心に置かれている。図30Kは、代替構成を示す。この図では、テーパ形状は、中心線からずれている。図30Jおよび図30Kに示すように、インサート3005の内壁とPCBアセンブリを収容するオーバモールドされたテーパ形状との接合部3018は、任意選択的に、乱流を低減させ流体が蓄積する領域を低減させるためにすみ肉を有することができる。接合部3018のすみ肉は、たとえば、半径が1mm(または約1mm)であり得る。
【0323】
図30Lは、図30Kのテーパ形状のずれた位置決めをより詳細に示す。センサ3020はPCBアセンブリ3003から外側に突出するため、ずれた構成により、センサ3020を中心線により近接して配置することによって精度を向上させることができる。さらに、ずれた構成はまた、製造中にPCBアセンブリ3003を成形工具の一方の側に収容することができ、それにより製造プロセスが簡略化するため、望ましい場合もある。
【0324】
図30Mは、PCBアセンブリ3003のさらなる詳細を示す。インサートアセンブリ3007の縦断面を示す。センサ3020が、流路に配置されている。センサ3020は、患者インタフェースの近くの状態を評価することができるように、温度情報および/またはガス流情報を提供することができる。センサ3020は、好ましくは、センサ部分3017の突出部分の縁に近接して位置している。図30Oに示すように、センサ3020に近接するオーバモールド部の厚さは、好ましくは、PCBアセンブリ3003の他の部分の周囲のオーバモールド部の厚さより薄い。オーバモールド厚さを低減させることにより、伝熱が増大し、より正確な温度測定が促進される。
【0325】
再び図30Mを参照すると、導電性トラック3021が、センサ3020をPCB3015に電気的に接続している。(センサ3020は図30Mには具体的に示されておらず、示されている構造3020はセンサの一般的な位置を表すことに留意されたい。示されている構造3020は、センサがわたる2つの導電性パッドを示す。この構造を、例示の目的でセンサと呼ぶ。)貫通孔3023により、構成要素は、必要な導電層と接触することができる。図30Nは、PCBアセンブリ3003の代替構成を示す。図30Nにおいて、導電性トラック3021は蛇行経路を有している。流路内の導電性トラックの長さを増大させることにより、導電性トラック3021の温度は流路内の温度をより密に反映し、それにより、導電性トラック3021を通るセンサ3020に対する周囲の影響が低減する、ということが実現された。好ましくは、センサ3020の近くで銅の表面積が増大している。銅の増大により、センサ3020領域の周囲の温度の正確な検出が促進される。
【0326】
いくつかの実施形態では、テーパ形状は、ガス流源に向かってガス通路に沿って上流に延在することができる。この構成により、流体がオーバモールド部を通過する際に冷却される前に、センサ3020が流体流内に突出することを確実にすることにより、より正確な測定が促進される。この構成により、「ステム効果」を低減することによってより正確な測定を促進することも可能である。接点タイプの温度センサはすべてステム効果を受けやすい。プローブが流体流に浸漬されると、プローブのステムによって熱伝導経路が生成される。周囲温度が測定された流体流の温度より低温である場合、熱は、プローブチップからプローブのステムを介して外部雰囲気まで伝導される。これにより、検知チップは、実際の周囲流体より低い温度を読み取ることになる。また、周囲温度が測定された流体流の温度より高温である場合、熱は、外部雰囲気からプローブのステムを介してプローブチップに向かって伝導される。これにより、検知チップは、実際の周囲温度より高い温度を読み取ることになる。テーパ形状構成により、センサ3020を、PCB3015および位置決め部分3019を接続するセンサ部分3017の部品から離れるように(すなわち、「ステム」から離れるように)突出させることにより、ステム効果が低減する。いくつかの実施形態では、テーパ形状は、PCB3015および位置決め部分3019を接続するセンサ部分3017の部品から少なくとも6mm(または約6mm)上流に延在している。
【0327】
いくつかの実施形態では、テーパ形状は、ガス流源から離れるように下流に延在することができる。この構成は、たとえば、オーバモールドされたPCBアセンブリ3003の設計により、チューブを離れる流体特性を正確に測定することが望ましいように、平均下流流体特性が著しく変化する場合に、有利であり得る。
【0328】
第2細長部材における(ここでは示さないが上述した)加熱フィラメントをPCB3015に接続することができ、それにより、加熱フィラメント回路を完了する終端点を提供することができる。PCB3015を用いて、加湿システムと使用されるセグメント化された吸気リム構成の場合のように、二次チューブにおける追加の加熱フィラメントに電力を提供するための追加の終端点を提供することも可能であり、セグメント化された吸気リムは、2つのセグメントにおける加熱フィラメントおよびセンサを結合するように構成されたコネクタを有している。好適なPCBアセンブリ構成については、図33A図33Dを参照して上述している。
【0329】
再び図30Mに戻ると、この構成により、加熱フィラメントまで伸びる別個の電力線を有する必要がなくなる。この構成により、さらに、加熱フィラメントがチューブ203に沿って伸び、チューブ203上のセンサ3020とおよそ同じ位置で終端することが確実になる。したがって、この構成により、加熱フィラメントの端部からセンサ3020への温度低下が最小限になる。この構成により、加熱フィラメントおよびチューブの追加の部分における第2加熱フィラメントの端部からの温度低下も低減させることができる。この構成を用いて、センサ3020の覆っているコネクタを加熱することも可能であり、それにより、低温の周囲への熱損失が低減し、温度測定の精度がさらに向上する。
【0330】
上述したことは、チューブ201の患者側端に1つまたは複数のセンサを配置することを記載しているが、このセンサ構成を、チューブ201の流体経路のあらゆる部品に沿って適用することができることが理解されるべきである。
【0331】
たとえば、図34は、呼吸加湿システムと使用されるセグメント化された吸気リム3401の一部を示す。セグメント化された吸気リム3401は、第1セグメント3401aおよび第2セグメント3401bを備え、それぞれのセグメント3401aおよび3401bにおいて第1ヒータ線3405aを第2ヒータ線3405bに結合し、第1温度センサ3407aを第2温度センサ3407bに結合するように構成された中間コネクタ3403を有している。2つのセグメント3401aおよび3401bを結合することは、それらのセグメントを機械的に結合して、加湿ガスを使用者に送達することができる単一の導管を形成することを含むことができ、そこでは、セグメント3401aおよび3401bを機械的に結合することにより、中間コネクタ3403を通して、それぞれのヒータ線3405a、3405bおよびそれぞれの温度センサ3407a、3407bを電気的に結合することができる。図33Aおよび図33Bに示すPCBアセンブリ3301は、図34の中間コネクタ3403と使用するのに好適である。
【0332】
再び図34に戻ると、セグメント化された吸気リム3401は、加湿ガスが通過することができる内腔を形成する構造3409を備えることができる。構造3409は壁内に、ヒータ線3405aまたは3405bを収容するように構成された構造3409を形成することができ、それにより、ヒータ線3405aまたは3405bが、内腔を通って移動する加湿ガスから遮蔽されかつ/または露出しないように構造3409の外面によって覆われる。たとえば、構造3409を複合チューブとすることができ、そこでは、ヒータ線経路は、上述したように、チューブ内に成形されたコイルである。構造3409は、あらゆるタイプの好適な材料を含むことができ、断熱材料および/または可撓性材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、構造3409および中間コネクタ3403を、第1セグメント3401aおよび第2セグメント3401bが機械的に結合されると、ヒータ線3405aおよび3405bが、中間コネクタ3403に電気的に結合されるように中間コネクタ3403の上に巻き付くように、構成することができる。いくつかの実施形態では、第1セグメント3401aおよび/または中間コネクタ3403は、第2セグメント3401bに接続するためのいかなるフライングリードも排除することができ、それにより、第2セグメント3401bの第1セグメント3401aへの接続が容易になる。
【0333】
第1セグメント3401aおよび第2セグメント3401bの相補的な端部における構造3409を、中間コネクタ3403を収容するように構成することができる。したがって、中間コネクタ3403は、吸気リム3401の内側であり得る。いくつかの実施形態では、第1セグメント3401aおよび第2セグメント3401bの相補的な端部を、吸気リム3401を通って移動している加湿ガスから中間コネクタ3403を遮蔽するように構成することができる。いくつかの実施形態では、中間コネクタ3403は、吸気リム3401に対して内部であり、かつ導管内の加湿ガスから遮蔽され、それにより、中間コネクタ3403における電気的接続の露出が低減するかまたはなくなる。
【0334】
いくつかの実施形態では、第1ヒータ線3405aは2本のワイヤ3411および3413を含むことができ、第2ヒータ線3405bは2本のワイヤ3415および3417を含むことができる。第1セグメント3401aの2本のワイヤ3411および3413を、電気部品3419を通して互いに電気的に結合することができ、電気的結合により、ワイヤ3411、少なくとも電気部品3419の一部およびワイヤ3413を通る電気経路が生成される。同様に、第2セグメント3401bの2本のワイヤ3415および3417を、電気部品3419を介して互いに電気的に結合し、かつ/または患者側端コネクタ(図示せず)を介する等、中間コネクタ3401bとは反対側のセグメント3401bの端部において互いに電気的には短絡させることができる。第2セグメント3401bのワイヤ3415および3417を中間コネクタ3403において結合することにより、吸気リム3401の患者側端における電気的接続が低減されるかまたはなくなり、それにより、コスト、システム複雑性および/または患者へのリスクを低減させることができる。
【0335】
中間コネクタ3403を、加湿器コントローラ等、単一コントローラが、ヒータ線3405a、3405bへの電力を制御することができるように構成することができる。いくつかの実施形態では、加湿器コントローラは、中間コネクタ3403に位置するいかなる追加の制御機能もなしに、ヒータ線3405a、3405bを制御する。たとえば、中間コネクタ3403は、いかなる論理回路もなしに受動部品を含むことができ、受動部品は、コントローラによって選択されるように、電力をヒータ線3405aおよび/または3405bに向ける。これにより、中間コネクタ3403を、相対的に安価な部品を用いて設計することができるようになり、設計の複雑性を低減させることができる。
【0336】
いくつかの実施形態では、2つのセグメント3401aおよび3401bの加熱を、各セグメント3401a、3401bにおいて最大4本のワイヤを用いて達成することができる。たとえば、第1セグメント3401aにおいて、4本のワイヤは、第1ヒータ線3411、第2ヒータ線3413、信号温度センサ線3419および帰還温度センサ線3421を含むことができる。第2セグメント3401bでは、4本のワイヤは、第1ヒータ線3415、第2ヒータ線3417、信号温度センサ線3423および帰還温度センサ線3425を含むことができる。接続点3427において第2ヒータ線3415、3417を第1ヒータ線3411、3413に結合することにより、かつ接続点3427において第2温度センサワイヤ3423、3425を第1温度センサワイヤ3419、3421に結合することにより、コントローラを、セグメント3401aまたは3401bのいずれにも5本以上のワイヤを含めることなく、第1ヒータ線3405aおよび第2ヒータ線3405bに独立して電力を提供し、かつ温度センサ204aおよび204bから独立して温度センサデータを読み取るように構成することができる。いくつかの実施形態では、ヒータ線3405aおよび3405bの制御および温度センサ3407aおよび3407bの読取を、各セグメントにおいて4本未満のワイヤを用いて(たとえば、3本のワイヤを用いるかあるいは2本のワイヤを用いて)または各セグメントにおいて5本以上のワイヤを用いて(たとえば、5本のワイヤを用いて、6本のワイヤを用いて、7本のワイヤを用いて、8本のワイヤを用いて、あるいは9本以上のワイヤを用いて)達成することができる。
【0337】
中間コネクタ3403は、コントローラがヒータ線3405a、3405bを選択的に制御するのを可能にするように構成された電気部品3419を含むことができる。コントローラを、2つのモードを用いて吸気リム3401の加熱を制御するように構成することができ、第1制御モードは、第1セグメントのヒータ線3405aに電力を提供することを含み、第2制御モードは、第1セグメント3401aおよび第2セグメント3401bのヒータ線3405aおよび3405bに電力を提供することを含む。したがって、コントローラを、ヒータ線セグメントを独立して制御するように構成することができる。この能力により、コントローラは、単に第1制御モードに従って吸気リムの加熱を制御することにより、第2セグメント3401bが存在しない時に吸気リム3401の加熱を制御することができ、それにより、呼吸加湿システムを、コントローラまたは加湿ユニットを変更することなく種々の環境で使用することが可能になる。いくつかの実施形態では、制御モードは、電力が第2セグメント3401bのヒータ線3405bにのみ提供されるモードを含むことができる。いくつかの実施形態では、コントローラは、電流を提供する電源を含む。第1制御モードおよび第2制御モードは、少なくとも部分的に電源によって供給される電圧に基づくことができ、そこでは、正の電圧または正の電流が第1制御モードをトリガすることができ、負の電圧または負の電流が第2制御モードをトリガすることができる。いくつかの実施形態では、電源は、ヒータ線3405a、3405bに整流されたAC電力またはDC電力をヒータ線3405a、3405bに提供し、整流または極性の変化が、制御モードの変化をトリガする。制御モードを切り替えることにより、呼吸回路における加熱の制御を、出力信号の極性を切り替えることができるあらゆる電源によって達成することができる。いくつかの実施形態では、ヒータ線3405a、3405bに印加される電力のデューティサイクルを調整することによって、ヒータ線3405a、3405bに提供される電力の量を調整することができる。たとえば、パルス幅変調(PWM)を用いてヒータ線3405a、3405bに電力を供給することができ、PWM信号のデューティサイクルを調整して、提供される電力を制御することができる。別の例では、ヒータ線3405a、3405bに提供される電力の量を、電力信号の振幅を制御することによって調整することができる。
【0338】
中間コネクタ3403は、コントローラが温度センサ3407a、3407bを選択的に読み取るのを可能にするように構成された電気部品3421を含むことができる。選択的読取を、電流源を使用することによって達成することができ、そこでは、ワイヤ3419から3421にわたって正の電流を印加することにより、コントローラは、第1温度センサ3407aから温度関係信号を測定することができ、ワイヤ3419および3421にわたって負の電流を印加することにより、コントローラは第2温度センサ3407bからまたは第1温度センサ3407aおよび第2温度センサ3407b両方から温度関連信号を測定することができる。コントローラは、温度センサ3407a、3407bからの読取値を用いて、ヒータ線3405a、3405bへの電力を、たとえばパルス幅変調を用いて調整することができる。第1温度センサ3407aを、第1セグメント3401aおよび第2セグメント3401bの接続部または交差部の近くに配置して、インキュベータまたは周囲温度が異なる他のこうした領域に入ることに対応する可能性がある、第2セグメント3401bに入るガスの温度の制御を可能にすることができる。第2温度センサ3407bを、第2セグメント3401bの患者側端に配置して、患者に送達されるガスの温度、またはYピース等、患者の前の最終部品の前の温度をコントローラに提供することができる。コントローラは、これらの温度読取値を用いて、吸気リム3401の患者側端におけるガスの温度を目標温度または好適な温度で維持するように、ヒータ線3405a、3405bへの電力を調整することができる。標的温度または好適な温度は、少なくとも部分的にそれが使用されている用途および環境に応じて変化する可能性があり、約37℃、約40℃、少なくとも約37℃および/あるいは約38℃以下、少なくとも約36.5℃および/あるいは約38.5℃以下、少なくとも約36℃および/あるいは約39℃以下、少なくとも約35℃および/あるいは約40℃以下、少なくとも約37℃および/あるいは約41℃以下、または少なくとも約39.5℃および/または約40.5℃以下であり得る。いくつかの実施形態では、第2温度センサ3407bを、インキュベータの内側に配置することができるが、呼吸回路に取り付けることはできない。インキュベータの内側の温度を測定することにより、第2セグメント3401bの温度を計算することができる。
【0339】
コントローラは、本明細書に記載したように、第1制御モードおよび第2制御モードで提供される電力の量を独立して制御することができる。少なくとも部分的に、温度センサ3407aおよび/または3407bからのフィードバックに基づいて、コントローラは、第1制御モードおよび第2制御モードで提供される電力を独立して調整することができ、それにより、第1セグメント3401aと第2セグメント3401bとの間のヒータ電力比が変化することになる。
【0340】
いくつかの実施形態では、第1温度センサ3407aは、吸気リム3401内のガスの流れの中に配置される。いくつかの実施形態では、中間コネクタ3403または第1セグメント3401aは、第1温度センサ3407aを横切るガスの流れの乱れを低減させる機械部品を含むことができ、それにより、温度センサ3407aの読取における精度を向上させることができる。いくつかの実施形態では、乱流を低減させる機械部品(たとえば、吸気導管内の横材機構)もまた、ガスの流れの中で温度センサ3407aを固定する。
いくつかの実施形態では、中間コネクタ3403および機械部品は、中間コネクタ3403における電気部品から温度センサ3407aを熱的に隔離するように構成されている。
【0341】
いくつかの実施形態では、中間コネクタ3403は、図34に示す接続点3427に加えて追加の接続点を含む。追加の接続点を用いて、たとえば、メモリデバイス(PROM)、マイクロコントローラ、追加の回路等、更なる機能を呼吸回路に組み込むことができる。
【0342】
さらに、複合チューブ201は、吸気チューブまたは呼気チューブであり得る。
【0343】
[らせん型コネクタの配置]
次に図35A図35Fを参照する。図35A図35Fは、PCBへの電気的接続性なしのコネクタを示す。しかしながら、当業者には理解されるように、コネクタを、PCBに対する電気的接続性を有するように等しく適合させることができる。コネクタは、たとえば、患者インタフェースまたは加湿器に連結するために好適である。それは、特に、閉塞型睡眠時無呼吸環境において患者側端コネクタおよび/またはデバイス側端コネクタとして使用するのに適している。
【0344】
端部がらせん状の成形インサート3501が設けられる。らせん状端部とは反対側のインサート3501の端部は、加湿器ポートおよび/または患者インタフェースポートおよび/または他のあらゆる所望の構成要素に挿入されるかまたは取り付けられるように成形されている。インサート3501は、硬質プラスチック、たとえばポリプロピレン等の硬質材料であり得る。
【0345】
図35Cに示すように、インサート3501のらせん状端部は、チューブ201の高コンプライアンス巻きにねじ込まれる。この例では、インサート3501のらせん状巻きは、チューブ201の第1細長部材203の巻き内に嵌まるようにサイズが決められかつ構成されている。
【0346】
内部に1本または複数本の電力が供給されるワイヤを有するチューブの場合、電気的接続を、インサート3501の少なくとも一部に設けることができることが留意されるべきである。インサート3501が設置されると、電気コネクタは、好ましくはワイヤと整列し、それにより、電気的接続が容易になる。そして、はんだ等を用いて接続部を固定することができる。
【0347】
部材3503を、インサート3501および任意選択的にチューブの少なくとも一部の頂部に挿入するかまたは成形して、インサート3501とチューブ201との間の取付を促進することができる。部材3503は、硬質材料、または軟質プラスチック、ゴムまたはPTFE、例えばポリプロピレン等、軟質材料であり得る。場合によっては、インサート3501(または、インサート3501の少なくともらせん状端部)は、高圧成形技法が使用されるのを可能にするのに十分な横方向耐圧壊性を提供し、そこでは、圧力は、インサート3501がなければチューブ201の横方向耐圧壊性を超える可能性がある。部材3503はまた、チューブを構成要素に挿入しかつそこから取り除く時に把持する軟質面を有利には提供することも可能である。
【0348】
コネクタをらせん状に巻回されたチューブに取り付ける上述した方法は、例として提供されている。本明細書に記載する方法は、ステップに対する固定順序を示唆していない。いかなるステップも本方法を実施するために必須であることも示唆していない。実施形態は、あらゆる順序および実際的な組合せで実施することができる。
【0349】
[代替的な患者側端コネクタの配置]
次に、図36A図36Kを参照する。図36Aおよび図36Bは、電気的接続性なしの患者側端コネクタ3601を示す。コネクタ3601は、患者インタフェースとの使用に好適な標準サイズの医療用テーパを備えた患者側端3603を有している。コネクタ3601のチューブ側端は、後述するように、複合チューブ201に連結するのに好適である。コネクタ3601は、好ましくは、プラスチック、ゴムまたはPTFE等の好適な材料から形成された予備成形部品である。
【0350】
図36Cおよび図36Dに示すように、第2細長部材205の一部(たとえば、10mm部分)が剥離されて、その中に埋め込まれた短い1本または複数本のフィラメント215が現われる。好ましくは、約5mmまたは10mmのフィラメントが現われる。図36Dに示すように、フィラメント215は、あわせてねじられ、任意選択的に、たとえばはんだ付けによって固定され、それにより閉ループ回路を生成する。
【0351】
次に図36Gを参照すると、コネクタ3601のチューブ側端3605がチューブ201に挿入され、ねじられたフィラメント215が、保持ループ3607の下に配置される。保持ループ3607は、成形中にフィラメント215の移動を低減させる。保持ループ3607はまた、有利には、コネクタ3601に対する複合チューブ201の回転ピッチを位置合せし、それにより、金型におけるチューブ201の適切な位置合せが促進される。コネクタ3601および複合チューブ201の組合せを、本明細書ではコネクタ-チューブアセンブリ3609と呼ぶ。
【0352】
図36Hに示すように、成形工具コア3611がコネクタ3601に挿入される。図36Iに示すように、コネクタ-チューブアセンブリ3609およびコア3611は、射出成形工具3613内に配置される。図36Jにおいて、成形材料3615が、複合チューブ201とコネクタ3601との間の接合領域の上で成形され、それにより、複合チューブ201およびコネクタ3601が接合される。好適な成形材料3615としては、プラスチックおよびゴムが挙げられる。コネクタ-チューブアセンブリ3609およびコア3611は、図36Kにおけるように射出成形工具(図示せず)から取り除かれる。コア3611が取り除かれ、それにより患者側端コネクタ3601を備えた複合チューブ201が提供される。
【0353】
コネクタをらせん状に巻回されたチューブに取り付ける上述した方法は、例として提供されている。本明細書に記載する方法は、ステップに対する固定順序を示唆していない。いかなるステップも本方法を実施するために必須であることも示唆していない。実施形態は、あらゆる順序および実際的な組合せで実施することができる。
【0354】
本発明の上述した説明は、その好ましい形態を含む。本発明の範囲から逸脱することなく、それら形態に対して変更を行うことができる。本発明が関連する当業者に対して、本発明の構成の多くの変更形態ならびに大幅に異なる実施形態および適用形態が、添付の特許請求の範囲において定義されているような本発明の範囲から逸脱することなく示唆されよう。本明細書の開示および説明は、単に例示的なものであり、いかなる意味においても限定されるように意図されていない。
【0355】
本明細書および特許請求の範囲を通して、「具備する、備える」、「具備している、備えている」等の用語は、文脈において明確な別段の要求がない限り、包括的な意味で、すなわち、「含むが限定されない」という意味で解釈されるべきである。
【0356】
本発明を、例としてかつそのあり得る実施形態に関連して記載したが、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、かつその付随する利点を低減させることなく、変更または改善を行うことができることが理解されるべきである。さらに、既知の均等物を有する本発明の具体的な構成要素または完全体を参照している場合、こうした均等物は、個々に示されているかのように本明細書に組み込まれる。
【0357】
明細書を通しての従来技術のいかなる考察も、こうした従来技術が世界中のいずれにおいても広く知られているかまたは本技術分野における共通の一般知識の一部を形成すると認めるものとして解釈されるべきではない。
図1
図2A
図2B-C】
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図3
図4
図5A
図5B-C】
図5D-E】
図5F
図6A-B】
図6C-D】
図7A-B】
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C-F】
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図11D
図12A
図12B
図12C
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19A
図19B
図20
図21A-C】
図21D
図21E
図21F
図22A-B】
図22C
図23A
図23B
図23C
図23D
図23E
図23F
図23G-H】
図24
図25A
図25B
図25C
図25D
図25E-G】
図25H-I】
図25J
図25K-L】
図26A-D】
図26E
図27A-D】
図27E
図28A-C】
図28D-F】
図29A-D】
図29E-H】
図29I-L】
図30A-E】
図30F-H】
図30I-K】
図30L
図30M-N】
図30O
図31
図32A-B】
図32C-D】
図33A-B】
図33C-D】
図34
図35A-D】
図35E
図36A-F】
図36G-J】
図36K
図37
【手続補正書】
【提出日】2024-05-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者に加湿ガスを供給する呼吸チューブと共に使用するのに適したコネクタアセンブリであって、
長手方向軸に沿って延びる内腔および前記内腔を包囲する壁を含むコネクタであって、前記内腔がコネクタを通過する加湿ガスのためのガス流路を画定するものである、前記コネクタと、
前記壁に固定された回路基板アセンブリと、
を備え、
前記回路基板アセンブリは、
前記呼吸チューブの少なくとも2本の導電性ワイヤに結合されるように構成された電気接点と、
1本または複数本の導電性トラックを含む回路基板と、
前記内腔内に延びるとともに前記ガス流路の少なくとも一部を分割する分割部分と、
前記電気接点を含む配線部分と、
前記内腔内に配置されたセンサ部分と
前記センサ部分に設けられた少なくとも1つのセンサと、
を含み、
前記1本または複数本の導電性トラックは、前記電気接点を前記少なくとも1つのセンサに電気的に接続するように構成されており、
前記回路基板アセンブリは、前記電気接点が前記ガス流路の外側に配置されるように構成されている、コネクタアセンブリ。
【請求項2】
前記回路基板アセンブリが前記壁を貫通して、前記電気接点が前記ガス流路の外側で前記呼吸チューブの前記少なくとも2本の導電性ワイヤに結合されることを可能にする、請求項1に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項3】
前記配線部分はカバーの内側に設けられ、前記カバーは前記回路基板アセンブリの前記配線部分を覆って保護するように構成されている、請求項1または2に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項4】
前記コネクタアセンブリは、前記呼吸チューブに接続されるように構成され、前記カバーがさらに、前記呼吸チューブへの前記コネクタの接続部を覆って保護するように構成されている、請求項3に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項5】
前記回路基板アセンブリは、前記少なくとも1つのセンサを他の能動電気部品及び/又は受動電気部品から離して配置するように構成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項6】
前記センサ部分は、前記分割部分から突出している、請求項1から5のいずれか一項に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項7】
前記センサ部分は、テーパ形状を有する、請求項6に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項8】
前記センサ部分は、空気力学的に効率的であるように、エーロフォイル形状、翼形状、魚雷形状、または弾丸形状を有する、請求項7に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項9】
前記分割部分および前記センサ部分の少なくとも一部が、オーバーモールド組成物によってオーバーモールドされている、請求項1から8のいずれか一項に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項10】
前記オーバーモールド組成物の最も薄い部分が、前記センサ部分の縁の近傍にある、請求項9に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項11】
前記少なくとも1つのセンサが、温度センサ及び/又はサーミスタである、請求項1から10のいずれか一項に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項12】
前記配線部分が、前記分割部分に隣接し、前記内腔から離れる方向に前記コネクタの前記壁から外側に突出している、請求項1から11のいずれか一項に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項13】
前記分割部分に隣接し、前記コネクタの壁から、前記内腔から離れる方向であってかつ前記配線部分とは反対側の方向に突出する位置決め部分を備える、請求項12に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項14】
前記回路基板アセンブリが、前記回路基板上に配置されるとともに前記少なくとも1つのセンサに電気的に結合された少なくとも1つのダイオードを備える、請求項1から13のいずれか一項に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項15】
前記1つ以上の導電性トラックが蛇行した経路を有する、請求項1から14のいずれか一項に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項16】
前記回路基板アセンブリがプリント回路基板(PCB)アセンブリであり、回路基板がプリント回路基板(PCB)である、請求項1から15のいずれか一項に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項17】
前記PCBは、前記分割部分と前記配線部分とを含む、請求項1ないし16のいずれか1項に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項18】
患者に加湿ガスを供給するための呼吸チューブであって、
少なくとも2つの導電体を備えた、第1端にある第1コネクタセンブリと、
前記第1端とは反対側の第2端にある第2コネクタセンブリであって、請求項1から17のいずれか一項に記載のコネクタアセンブリである、前記第2コネクタセンブリと、
細長い本体と、を備え、
前記細長い本体は、内腔と、前記少なくとも2本の導電性ワイヤとを含み、
前記内腔は、その長さに沿ってガス流路を画定し、前記第1コネクタセンブリ、前記第2コネクタセンブリおよび前記細長い本体が、前記呼吸チューブの第1端と第2端との間で加湿ガスのガス流路を形成するように、第1コネクタアセンブリおよび第2コネクタアセンブリと流体連通させており、
前記少なくとも2本の導電性ワイヤは、少なくとも加熱ワイヤを含み、前記少なくとも2本の導電性ワイヤは、その長さ方向に沿って螺旋状に巻かれ、前記第1コネクタセンブリの前記少なくとも2つの導電体に電気的に結合されるように構成されている、呼吸チューブ。
【請求項19】
前記細長い本体が滑らかな内腔表面を備えている、請求項18に記載の呼吸チューブ。
【請求項20】
前記細長い本体が、第1細長部材と第2細長部材とを備え、前記少なくとも2本の導電性ワイヤが、前記第2細長部材に埋め込まれるか、または封入されている、請求項18または19に記載の呼吸チューブ。
【請求項21】
前記第1細長部材が螺旋状に巻かれたの中空体を備え、前記第2細長部材が前記中空体の隣接する巻きの間に設けられている、請求項20に記載の呼吸チューブ。
【請求項22】
前記第2細長部材が、前記細長い本体の構造支持部分または補強部分として機能するように構成されている、請求項21に記載の呼吸チューブ。
【請求項23】
前記少なくとも2本の導電性ワイヤがセンサワイヤを含む、請求項18から22のいずれか一項に記載の呼吸チューブ。
【請求項24】
前記回路基板アセンブリが、加熱ワイヤによって形成された前記呼吸チューブの加熱回路及び/又は感知ワイヤによって形成された呼吸チューブの検知回路を完成させる、請求項23に記載の呼吸チューブ。
【請求項25】
前記第1コネクタセンブリは、使用時に、前記呼吸チューブを、空気圧式の接続および電気的な接続を形成するために呼吸補助装置または加湿装置に取り外し可能に接続することができるように、あるいは、流れ発生器に、取り外し可能に接続することができるように構成され、前記少なくとも2つの導電性ワイヤが前記第1コネクタセンブリの前記少なくとも2つの導電体で終端する、請求項18から24のいずれか一項に記載の呼吸チューブ。
【請求項26】
前記第1コネクタセンブリが前記呼吸補助装置または前記加湿装置に結合されるとき、前記少なくとも2つの導電体が前記少なくとも1つのセンサを前記呼吸補助装置または前記加湿装置の少なくとも1つのコントローラに電気的に結合する、請求項25に記載の呼吸チューブ。
【請求項27】
前記第2コネクタセンブリは、使用時に、前記呼吸チューブを患者インターフェースに少なくとも空気圧式に接続するように構成されている、請求項18から26のいずれか一項に記載の呼吸チューブ。
【請求項28】
前記呼吸チューブが吸気導管である、請求項18から27のいずれか一項に記載の呼吸チューブ。
【請求項29】
患者に加湿ガスを供給するための呼吸補助装置であって
請求項18から28のいずれか一項に記載の呼吸チューブと、
以下の少なくとも一つ
- ガスの流れを供給するように構成されたガス源、
- 使用時に、ガス源から受け取ったガスの流れを加湿するように構成された加湿器であって、所定体積の水または他の適切な液体を収容する加湿チャンバを備え、前記加湿チャンバは、前記ガス源に結合可能な入口と、出口とを備えている、前記加湿器、
と、
を備えた呼吸補助装置。
【請求項30】
前記加湿器を備え、前記呼吸チューブが前記加湿チャンバの前記出口に取り外し可能に結合可能である、請求項29に記載の呼吸補助装置。
【請求項31】
前記ガス源は、ベンチレータまたはブロワを含む、請求項29または30に記載の呼吸補助装置。
【請求項32】
前記加湿器及び/又は前記ガス源を制御するように構成された少なくとも1つのコントローラを備えた、請求項29から31のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項33】
前記第1コネクタセンブリは、使用時に、前記呼吸チューブを前記ガス源または前記加湿器に取り外し可能に接続して空気圧式の接続および電気的な接続を形成しうるように構成されている、請求項29から32のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項34】
患者インターフェースを備え、前記第2コネクタセンブリが、使用時に、前記呼吸チューブを前記患者インターフェースに取り外し可能に接続しうるように構成されている、請求項29から33のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項35】
前記患者インターフェースが、送達チューブと、カニューレ本体と、患者の後頭部の周りに固定されるように構成されたヘッドギアと、を含む鼻カニューレである、請求項34に記載の呼吸補助装置。
【請求項36】
前記送達チューブが、
- 患者に加湿気体を供給するために呼吸チューブと流体連通していること、及び/又は、
- 非加熱であること、及び/又は、
- 前記呼吸チューブと共に前記カニューレ本体まで延びる一体構成要素を形成すること、
を満足する、請求項35に記載の呼吸補助装置。
【請求項37】
ネーザルハイフロー療法を提供するように構成されている、請求項34記載の呼吸補助装置。
【請求項38】
使用時に、前記呼吸チューブの前記第1コネクタセンブリに取り外し可能に接続されて空気圧式の接続および電気的な接続を形成するように構成されたコネクタを含む、請求項29から37のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項39】
前記第1コネクタセンブリの前記少なくとも2つの電気コネクタは、前記第1コネクタセンブリの電気端子上に設けられ、前記呼吸補助装置のコネクタは、前記第1コネクタセンブリの前記電気端子と係合するように構成された相補的な電気端子を備えている、請求項38に記載の呼吸補助装置。
【請求項40】
前記呼吸補助装置のコネクタが、使用時に、前記第1コネクタセンブリのコネクタを取り外し可能に接続しうるように構成された空気圧入口を備える、請求項38または39に記載の呼吸補助装置。
【外国語明細書】