(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010545
(43)【公開日】2024-01-24
(54)【発明の名称】太陽電池装置
(51)【国際特許分類】
H02S 40/22 20140101AFI20240117BHJP
G02B 5/30 20060101ALI20240117BHJP
【FI】
H02S40/22
G02B5/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022111936
(22)【出願日】2022-07-12
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】冨岡 安
(72)【発明者】
【氏名】小橋 淳二
(72)【発明者】
【氏名】岡 真一郎
【テーマコード(参考)】
2H149
5F151
5F251
【Fターム(参考)】
2H149AA00
2H149AB01
2H149BA03
2H149CA02
2H149EA10
2H149FA27W
5F151AA02
5F151AA03
5F151AA04
5F151AA05
5F151AA11
5F151AA20
5F151BA17
5F151JA23
5F151JA25
5F251AA02
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5F251AA20
5F251BA17
5F251JA23
5F251JA25
(57)【要約】
【課題】発電効率の変動を抑制することが可能な太陽電池装置を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、太陽電池装置は、第1主面と、前記第1主面に対向する第2主面と、第1側面と、前記第1側面に交差する第2側面と、前記第2側面に対向する第3側面と、前記第1側面に対向する第4側面と、を有する透明基板と、前記透明基板の前記第2主面側に積層され、第1コレステリック液晶を有する第1液晶層と、前記第1液晶層に積層され、第2コレステリック液晶を有する第2液晶層と、前記第1側面に対向する第1太陽電池と、前記第2側面に対向する第2太陽電池と、前記第3側面に対向する第3太陽電池と、を備え、前記第1液晶層は、前記第2主面に対して傾斜した第1反射面を有し、前記第2液晶層は、前記第2主面に対して傾斜した第2反射面を有し、平面視において、前記第1反射面の法線と前記第2反射面の法線とのなす角度は、0°より大きく、180°より小さい。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主面と、前記第1主面に対向する第2主面と、第1側面と、前記第1側面に交差する第2側面と、前記第2側面に対向する第3側面と、前記第1側面に対向する第4側面と、を有する透明基板と、
前記透明基板の前記第2主面側に積層され、第1コレステリック液晶を有する第1液晶層と、
前記第1液晶層に積層され、第2コレステリック液晶を有する第2液晶層と、
前記第1側面に対向する第1太陽電池と、
前記第2側面に対向する第2太陽電池と、
前記第3側面に対向する第3太陽電池と、
を備え、
前記第1液晶層は、前記第2主面に対して傾斜した第1反射面を有し、
前記第2液晶層は、前記第2主面に対して傾斜した第2反射面を有し、
平面視において、前記第1反射面の法線と前記第2反射面の法線とのなす角度は、0°より大きく、180°より小さい、太陽電池装置。
【請求項2】
前記第1コレステリック液晶の旋回方向は、前記第2コレステリック液晶の旋回方向とは異なり、
前記第1コレステリック液晶の螺旋ピッチは、前記第2コレステリック液晶の螺旋ピッチと同等である、請求項1に記載の太陽電池装置。
【請求項3】
前記第1コレステリック液晶の旋回方向は、前記第2コレステリック液晶の旋回方向とは異なり、
前記第1コレステリック液晶の螺旋ピッチは、前記第2コレステリック液晶の螺旋ピッチとは異なる、請求項1に記載の太陽電池装置。
【請求項4】
前記第1コレステリック液晶の旋回方向は、前記第2コレステリック液晶の旋回方向と同一であり、
前記第1コレステリック液晶の螺旋ピッチは、前記第2コレステリック液晶の螺旋ピッチとは異なる、請求項1に記載の太陽電池装置。
【請求項5】
さらに、
前記第2液晶層に積層され、第3コレステリック液晶を有する第3液晶層と、
前記第3液晶層に積層され、第4コレステリック液晶を有する第4液晶層と、
前記第4側面に対向する第4太陽電池と、を備え、
前記第3液晶層は、前記第2主面に対して傾斜した第3反射面を有し、
前記第4液晶層は、前記第2主面に対して傾斜した第4反射面を有し、
平面視において、前記第3反射面の法線と前記第4反射面の法線とのなす角度は、0°より大きく、180°より小さい、請求項1に記載の太陽電池装置。
【請求項6】
平面視において、前記第1反射面の法線と前記第2反射面の法線とのなす角度、及び、前記第3反射面の法線と前記第4反射面の法線とのなす角度は、90°である、請求項5に記載の太陽電池装置。
【請求項7】
さらに、
前記透明基板の前記第1主面側に積層され、第3コレステリック液晶を有する第3液晶層と、
前記第3液晶層に対向する透明な保護基板と、を備える、請求項1に記載の太陽電池装置。
【請求項8】
前記保護基板は、前記第1側面に重畳する第5側面と、前記第2側面に重畳する第6側面と、前記第3側面に重畳する第7側面と、を有し、
前記第1太陽電池は、前記第5側面に対向し、
前記第2太陽電池は、前記第6側面に対向し、
前記第3太陽電池は、前記第7側面に対向している、請求項7に記載の太陽電池装置。
【請求項9】
さらに、前記第1液晶層と前記第2液晶層との間に介在する配向膜を備える、請求項1に記載の太陽電池装置。
【請求項10】
さらに、前記第1液晶層と前記第2液晶層との間に介在し、凹凸を有する構造体を備える、請求項1に記載の太陽電池装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、太陽電池装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、液晶材料を用いた液晶偏光格子が提案されている。液晶偏光格子における回折効率は、入射角に依存する。このような液晶偏光格子を太陽電池装置に適用する場合、時間や季節によって太陽光の入射角が変化し、回折効率が変動する。建築物や移動体に太陽電池装置を設置した場合には、回折効率に起因した発電効率の変動を抑制することが要望される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施形態の目的は、発電効率の変動を抑制することが可能な太陽電池装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態によれば、太陽電池装置は、
第1主面と、前記第1主面に対向する第2主面と、第1側面と、前記第1側面に交差する第2側面と、前記第2側面に対向する第3側面と、前記第1側面に対向する第4側面と、を有する透明基板と、前記透明基板の前記第2主面側に積層され、第1コレステリック液晶を有する第1液晶層と、前記第1液晶層に積層され、第2コレステリック液晶を有する第2液晶層と、前記第1側面に対向する第1太陽電池と、前記第2側面に対向する第2太陽電池と、前記第3側面に対向する第3太陽電池と、を備え、前記第1液晶層は、前記第2主面に対して傾斜した第1反射面を有し、前記第2液晶層は、前記第2主面に対して傾斜した第2反射面を有し、平面視において、前記第1反射面の法線と前記第2反射面の法線とのなす角度は、0°より大きく、180°より小さい。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、太陽電池装置10の一例を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示した太陽電池装置10のA-B線に沿った断面図である。
【
図3】
図3は、液晶層21に含まれるコレステリック液晶CL1及び液晶層22に含まれるコレステリック液晶CL2の一例を説明するための断面図である。
【
図4】
図4は、
図3に示した液晶分子LM11及び液晶分子LM21の配向パターンの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、導光方向D1及びD2の関係を示す平面図である。
【
図6】
図6は、
図1に示した太陽電池装置10のA-B線に沿った他の断面図である。
【
図7】
図7は、
図1に示した太陽電池装置10のA-B線に沿った他の断面図である。
【
図8】
図8は、太陽電池装置10の他の平面図である。
【
図9】
図9は、太陽電池装置10の他の分解斜視図である。
【
図10】
図10は、
図9に示した太陽電池装置10のA-B線に沿った断面図である。
【
図11】
図11は、
図9に示した太陽電池装置10のC-D線に沿った断面図である。
【
図12】
図12は、
図10に示した液晶層21の液晶分子LM11及び液晶層24の液晶分子LM41、及び、
図11に示した液晶層22の液晶分子LM21及び液晶層23の液晶分子LM31の配向パターンの一例を示す図である。
【
図13】
図13は、導光方向D1乃至D4の関係を示す平面図である。
【
図14】
図14は、導光方向D1乃至D4の関係を示す他の平面図である。
【
図15】
図15は、太陽電池装置10の他の分解斜視図である。
【
図18】
図18は、導光方向D1乃至D4の関係を示す平面図である。
【
図19】
図19は、透明基板1と液晶層との間、及び、積層される液晶層の間に介在し得る凹凸を有する配向膜3を説明するため図である。
【
図20】
図20は、透明基板1と液晶層との間、及び、積層される液晶層の間に介在し得る凹凸を有する構造体4を説明するため図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0008】
なお、図面には、必要に応じて理解を容易にするために、互いに直交するX軸、Y軸、及び、Z軸を記載する。Z軸に沿った方向をZ方向または第1方向A1と称し、Y軸に沿った方向をY方向または第2方向A2と称し、X軸に沿った方向をX方向または第3方向A3と称する。X軸及びY軸によって規定される面をX-Y平面と称し、X軸及びZ軸によって規定される面をX-Z平面と称し、Y軸及びZ軸によって規定される面をY-Z平面と称する。X-Y平面を見ることを平面視と称する。
【0009】
図1は、太陽電池装置10の一例を示す斜視図である。
【0010】
太陽電池装置10は、液晶光学素子100と、太陽電池PV1と、を備えている。液晶光学素子100は、透明基板1と、液晶層21と、液晶層22と、を備えている。
図1には示していないが、液晶光学素子100は、透明基板1と液晶層21との間、及び、液晶層21と液晶層22との間に介在する配向膜を備える場合がある。また、液晶光学素子100は、透明基板1と液晶層21との間、及び、液晶層21と液晶層22との間に介在する構造体を備える場合がある。これらの配向膜及び構造体の具体的な例については、後述する。
【0011】
透明基板1は、例えば、透明なガラス板または透明な合成樹脂板によって構成されている。透明基板1は、例えば、可撓性を有する透明な合成樹脂板によって構成されていてもよい。透明基板1は、任意の形状を取り得る。例えば、透明基板1は、湾曲していてもよい。
【0012】
本明細書において、『光』は、可視光及び不可視光を含むものである。例えば、可視光域の下限の波長は360nm以上400nm以下であり、可視光域の上限の波長は760nm以上830nm以下である。可視光は、第1波長帯(例えば400nm~500nm)の第1成分(青成分)、第2波長帯(例えば500nm~600nm)の第2成分(緑成分)、及び、第3波長帯(例えば600nm~700nm)の第3成分(赤成分)を含んでいる。不可視光は、第1波長帯より短波長帯の紫外線、及び、第3波長帯より長波長帯の赤外線を含んでいる。
本明細書において、『透明』は、無色透明であることが好ましい。ただし、『透明』は、半透明又は有色透明であってもよい。
【0013】
透明基板1は、X-Y平面に沿った平板状に形成され、主面F1と、主面F2と、側面S1と、側面S2と、側面S3と、側面S4と、を有している。主面F1及び主面F2は、X-Y平面に略平行な面であり、第1方向A1において、互いに対向している。側面S1及び側面S4は、X-Z平面に略平行な面であり、第2方向A2において、互いに対向している。側面S2及び側面S3は、Y-Z平面に略平行な面であり、第3方向A3において、互いに対向している。
図1に示す例では、側面S1及び側面S4が透明基板1の短辺に沿った面であり、側面S2及び側面S3が透明基板1の長辺に沿った面である。なお、側面S1及び側面S4が透明基板1の長辺に沿った面であって、側面S2及び側面S3が透明基板1の短辺に沿った面であってもよい。
【0014】
液晶層21は、透明基板1の主面F2の側に積層されている。液晶層22は、液晶層21に積層されている。これらの液晶層21及び22の詳細については後述する。
【0015】
太陽電池PV1は、第2方向A2において透明基板1の側面S1に対向している。太陽電池PV1は、透明な接着層により側面S1に接着されている。
【0016】
太陽電池PV1の一例としては、シリコン系太陽電池、有機薄膜太陽電池などが挙げられる。シリコン系太陽電池は、非晶質シリコン、微結晶シリコン、単結晶シリコン、多結晶シリコンなどを用いて形成されている。有機薄膜太陽電池は、有機半導体太陽電池、ペロブスカイト型太陽電池などを含み、使用する材料によって光透過性を有する場合がある。
【0017】
図2は、
図1に示した太陽電池装置10のA-B線に沿った断面図である。
【0018】
液晶層21は、拡大して模式的に示すように、複数の液晶分子によって構成されたコレステリック液晶CL1を有している。コレステリック液晶CL1は、第1方向A1にほぼ平行な螺旋軸AX1を有し、また、第1方向A1に沿った螺旋ピッチP1を有している。
液晶層22は、拡大して模式的に示すように、複数の液晶分子によって構成されたコレステリック液晶CL2を有している。コレステリック液晶CL2は、第1方向A1にほぼ平行な螺旋軸AX2を有し、また、第1方向A1に沿った螺旋ピッチP2を有している。
螺旋ピッチP1及びP2は、螺旋の1周期(液晶分子が360度回転するのに要する第1方向A1に沿った厚さ)を示す。
【0019】
液晶層21及び22の各々は、透明基板1を介して入射した光LTiのうち、螺旋ピッチ及び屈折率異方性に応じて決定される選択反射帯域の円偏光を反射するように構成されている。なお、本明細書において、液晶層21及び22における「反射」とは、液晶層21及び22の内部における回折を伴うものである。
【0020】
液晶層21は、選択反射帯域のうち、コレステリック液晶CL1の旋回方向に対応した円偏光を反射する反射面R1を有している。
液晶層22は、選択反射帯域のうち、コレステリック液晶CL2の旋回方向に対応した円偏光を反射する反射面R2を有している。
なお、本明細書において、円偏光は、厳密な円偏光であってもよいし、楕円偏光に近似した円偏光であってもよい。
【0021】
反射面R1及びR2の詳細については後述するが、反射面R1及びR2はいずれも、太陽電池PV1を向くようにX-Y平面に対して傾斜している。但し、反射面R1は、反射面R2とは異なる向きに傾斜している。Y-Z断面において、反射面R1の法線N1は液晶層21から透明基板1に向かう点線の矢印として示し、また、反射面R2の法線N2は液晶層22から透明基板1に向かう点線の矢印として示している。法線N1は、法線N2とは平行ではない。
【0022】
図2に示す例では、コレステリック液晶CL1の旋回方向は、コレステリック液晶CL2の旋回方向とは異なる。また、コレステリック液晶CL1の螺旋ピッチP1は、コレステリック液晶CL2の螺旋ピッチP2と同等である。また、液晶層21における屈折率異方性は、液晶層22における屈折率異方性と同等である。
【0023】
つまり、液晶層21における選択反射帯域は、液晶層22における選択反射帯域と同等である。また、反射面R1で反射される円偏光は、反射面R2で反射される円偏光とは逆回りの円偏光である。
【0024】
次に、太陽電池装置10の光学作用について説明する。
【0025】
図示した例では、液晶層21及び22の各々が透明基板1の側から入射した光LTiの一部を透明基板1に向けて反射する場合について説明する。
【0026】
太陽電池装置10に入射する光LTiは、例えば、太陽光であり、可視光、紫外線、及び、赤外線を含んでいる。ここでは、理解を容易にするために、光LTiは、透明基板1に対して略垂直に入射するものとする。なお、透明基板1に対する光LTiの入射角度は、特に限定されない。
【0027】
光LTiは、主面F1から透明基板1の内部に進入し、主面F2から出射して、液晶層21に入射する。そして、液晶層21は、反射面R1において光LTiの一部を透明基板1に向けて反射し、その他の光を透過する。反射された光LTr1は、例えば、赤外線の波長帯の円偏光I1である。
【0028】
液晶層21を透過した光LTtは、液晶層22に入射する。そして、液晶層22は、反射面R2において光LTtの一部を透明基板1に向けて反射し、その他の光を透過する。反射された光LTr2は、例えば、赤外線の波長帯の円偏光I2である。円偏光I2は、円偏光I1とは逆回りの円偏光である。液晶層22を透過した光LTtは、例えば可視光及び紫外線を含んでいる。
【0029】
液晶層21で反射された光LTr1の透明基板1への進入角θi1、及び、液晶層22で反射された光LTr2の透明基板1への進入角θi2は、透明基板1における光導波条件を満足するように設定される。ここでの進入角θi1及びθi2は、透明基板1と空気との界面で全反射を起こす臨界角θc以上の角度が望ましい。進入角θi1及びθi2は、透明基板1の主面F1に直交する垂線に対する角度である。
【0030】
透明基板1、液晶層21、及び、液晶層22が同等の屈折率を有している場合、これらの積層体が単体の光導波体となり得る。この場合、光LTr1及びLTr2は、透明基板1と空気との界面、及び、液晶層22と空気との界面において、反射を繰り返しながら側面S1に向けて導光される。側面S1から出射した光LTr1及びLTr2は、太陽電池PV1において発電に利用される。
【0031】
図3は、液晶層21に含まれるコレステリック液晶CL1及び液晶層22に含まれるコレステリック液晶CL2の一例を説明するための断面図である。
【0032】
なお、
図3では、液晶層21及び22を第1方向A1に拡大して示している。また、簡略化のため、コレステリック液晶CL1を構成する液晶分子LM1として、X-Y平面に平行な同一平面に位置する複数の液晶分子のうちの1つの液晶分子LM1を図示している。図示した液晶分子LM1の配向方向は、同一平面に位置する複数の液晶分子の平均的な配向方向に相当する。同様に、コレステリック液晶CL2を構成する液晶分子LM2として、X-Y平面に平行な同一平面に位置する複数の液晶分子のうちの1つの液晶分子LM2を図示している。
【0033】
点線で囲んだ1つのコレステリック液晶CL1に着目すると、コレステリック液晶CL1は、旋回しながら第1方向A1に沿って螺旋状に積み重ねられた複数の液晶分子LM1によって構成されている。複数の液晶分子LM1は、コレステリック液晶CL1の一端側の液晶分子LM11と、コレステリック液晶CL1の他端側の液晶分子LM12と、を有している。液晶分子LM11は、透明基板1に近接している。液晶分子LM12は、液晶層22に近接している。
【0034】
図示した断面図において、隣接するコレステリック液晶CL1の配向方向は、互いに異なっている。つまり、隣接する液晶分子LM11の配向方向は、互いに異なっている。また、隣接する液晶分子LM12の配向方向も、互いに異なっている。複数の液晶分子LM11の配向方向は、たとえば図の左から右に向かって連続的に変化している。複数の液晶分子LM12の配向方向も、連続的に変化している。
【0035】
図中に一点鎖線で示す反射面R1は、X-Y平面と平行な主面F2に対して傾斜している。反射面R1とX-Y平面とのなす角度を反射面R1の傾斜角度θ1と称する。傾斜角度θ1は、鋭角である。反射面R1は、液晶分子LM1の配向方向が揃った面、あるいは、空間位相が揃った面(等位相面)に相当する。
【0036】
点線で囲んだ1つのコレステリック液晶CL2に着目すると、コレステリック液晶CL2は、旋回しながら第1方向A1に沿って螺旋状に積み重ねられた複数の液晶分子LM2によって構成されている。複数の液晶分子LM2は、コレステリック液晶CL2の一端側の液晶分子LM21と、コレステリック液晶CL2の他端側の液晶分子LM22と、を有している。液晶分子LM21は、液晶層21に近接している。液晶分子LM22は、液晶層22と空気層との界面に近接している。
【0037】
図示した断面図において、隣接するコレステリック液晶CL2の配向方向は、互いに異なっている。つまり、隣接する液晶分子LM21の配向方向は、互いに異なっている。また、隣接する液晶分子LM22の配向方向も、互いに異なっている。複数の液晶分子LM21の配向方向は、たとえば図の左から右に向かって連続的に変化している。複数の液晶分子LM22の配向方向も、連続的に変化している。
【0038】
図中に一点鎖線で示す反射面R2は、X-Y平面と平行な主面F2に対して傾斜している。反射面R2とX-Y平面とのなす角度を反射面R2の傾斜角度θ2と称する。傾斜角度θ2は、鋭角である。反射面R2は、液晶分子LM2の配向方向が揃った面、あるいは、空間位相が揃った面(等位相面)に相当する。
【0039】
このような液晶層21及び22の各々は、液晶分子の配向方向が固定された状態で硬化している。つまり、液晶分子の配向方向は、電界に応じて制御されるものではない。このため、液晶光学素子100は、液晶層21及び22に電界を形成するための電極を備えていない。
【0040】
一般的に、コレステリック液晶を有する液晶層において、垂直入射した光に対する選択反射帯域Δλは、コレステリック液晶の螺旋ピッチP、液晶層の屈折率異方性Δn(異常光に対する屈折率neと常光に対する屈折率noとの差分)に基づいて、次の式(1)で示される。
Δλ=Δn*P …(1)
選択反射帯域Δλの具体的な波長範囲は、(no*P)以上、(ne*P)以下の範囲である。
【0041】
選択反射帯域Δλの中心波長λmは、コレステリック液晶の螺旋ピッチP、液晶層の平均屈折率nav(=(ne+no)/2)に基づいて、次の式(2)で示される。
λm=nav*P …(2)
図2及び
図3に示した例においては、液晶層21及び22は、同等の選択反射帯域Δλを有し、しかも、同等の中心波長λmを有している。
【0042】
なお、上記の例では、太陽光のうちの赤外線が選択反射帯域に含まれる場合について説明したが、これに限らない。屈折率異方性Δn及び螺旋ピッチPを調整することで、所望の選択反射帯域を実現することができる。
【0043】
図4は、
図3に示した液晶分子LM11及び液晶分子LM21の配向パターンの一例を示す図である。
【0044】
液晶層21に示した矢印D1は、
図2に示した反射面R1の法線N1のX-Y平面への正射影に相当し、反射面R1で反射された光LTr1の導光方向を示している。液晶層22に示した矢印D2は、
図2に示した反射面R2の法線N2のX-Y平面への正射影に相当し、反射面R2で反射された光LTr2の導光方向を示している。導光方向D1は、導光方向D2とは異なる方向である。また、導光方向D1及びD2の各々は、X軸及びY軸と交差する方向である。
【0045】
液晶層21において、導光方向D1に並んだ液晶分子LM11の各々の配向方向は、互いに異なる。図示した例では、導光方向D1に沿って並んだ複数の液晶分子LM11に着目すると、液晶分子LM11の各々の配向方向は、導光方向D1を示す矢印に沿って、反時計回りに一定角度ずつ変化している。ここでは、互いに隣接する液晶分子LM11の配向方向の変化量は、導光方向D1に沿って一定であるが、徐々に増大したり、徐々に減少したりしてもよい。
一方、液晶層21において、導光方向D1に直交する方向に沿って並んだ液晶分子LM11の各々の配向方向は略一致している。
【0046】
液晶層22において、導光方向D2に並んだ液晶分子LM21の各々の配向方向は、互いに異なる。図示した例では、導光方向D2に沿って並んだ複数の液晶分子LM21に着目すると、液晶分子LM21の各々の配向方向は、導光方向D2を示す矢印に沿って、時計回りに一定角度ずつ変化している。ここでは、互いに隣接する液晶分子LM21の配向方向の変化量は、導光方向D2に沿って一定であるが、徐々に増大したり、徐々に減少したりしてもよい。
一方、液晶層22において、導光方向D2に直交する方向に沿って並んだ液晶分子LM21の各々の配向方向は略一致している。
【0047】
なお、ここでの液晶分子LM11及びLM21の配向方向とは、X-Y平面における液晶分子LM11及びLM21の長軸方向に相当する。
【0048】
図5は、導光方向D1及びD2の関係を示す平面図である。
【0049】
上記の通り、
図2に示した反射面R1の法線N1を示す矢印を平面視したとき、法線N1は、X-Y平面における導光方向D1に一致する。また、
図2に示した反射面R2の法線N2を示す矢印を平面視したとき、法線N2は、X-Y平面における導光方向D2に一致する。反射面R1が反射面R2とは異なる向きに傾斜しているため、導光方向D1は導光方向D2に一致しない。X-Y平面において、導光方向D1(または法線N1)と導光方向D2(または法線N2)とのなす角度αは、0°より大きく、180°より小さい。
【0050】
導光方向D1を示す矢印は、側面S1及び側面S2を向いている。つまり、反射面R1で反射された光は、側面S1及び側面S2に向かって導光される。
導光方向D2を示す矢印は、側面S1及び側面S3を向いている。つまり、反射面R2で反射された光は、側面S1及び側面S3に向かって導光される。
【0051】
太陽電池PV1が側面S1に沿って配置された太陽電池装置10においては、なす角度αは、0°より大きく、90°以下であることが望ましい。また、導光方向D1及びD2は、側面S1の法線NS1に関して、線対称であることが望ましい。
【0052】
このような太陽電池装置10によれば、液晶光学素子100は導光方向が互いに異なる複数の液晶層を備えている。このため、導光方向が一方向に限定された場合と比較して、時間や季節によって太陽光の入射角が変化した場合に、回折効率の変動が低減される。そして、太陽光の入射角が変化しても、太陽光のうちの発電に利用する波長帯(例えば赤外線)を安定的に太陽電池PV1に導光することができ、太陽電池PV1による発電効率の変動を抑制することができる。
【0053】
また、
図2に示した例では、発電に利用する波長帯の右回り円偏光及び左回り円偏光がそれぞれ液晶層21及び22で反射されて太陽電池PV1に導光される。このため、光の利用効率が向上する。
一方で、液晶層21及び22における選択反射帯域には、可視光の波長帯がほとんど含まれない。このため、液晶光学素子100を透過した光の不所望な着色が抑制される。
【0054】
次に、太陽電池装置10の他の構成例について説明する。
【0055】
図6は、
図1に示した太陽電池装置10のA-B線に沿った他の断面図である。
図6に示す構成例は、
図2に示した構成例と比較して、液晶層21及び液晶層22の構成が異なる。具体的には、コレステリック液晶CL1の螺旋ピッチP1は、コレステリック液晶CL2の螺旋ピッチP2とは異なる。なお、コレステリック液晶CL1の旋回方向がコレステリック液晶CL2の旋回方向とは異なる点、及び、液晶層21における屈折率異方性が液晶層22における屈折率異方性と同等である点については、
図2に示した構成例と同様である。
【0056】
つまり、
図6に示した構成例では、液晶層21における第1選択反射帯域の中心波長は、液晶層22における第2選択反射帯域の中心波長と異なり、しかも、反射面R1で反射される円偏光は、反射面R2で反射される円偏光とは逆回りの円偏光である。但し、第1選択反射帯域は、第2選択反射帯域と重複しない場合もあり得るし、第2選択反射帯域の一部と重複する場合もあり得る。
【0057】
より具体的には、液晶層21は、反射面R1において光LTiのうちの一部の光LTr1を透明基板1に向けて反射し、その他の光を透過する。液晶層22は、反射面R2において光LTiのうちの一部の光LTr2を透明基板1に向けて反射し、その他の光を透過する。光LTr1の中心波長λ1は、光LTr2の中心波長λ2とは異なる。
【0058】
このような構成例によれば、発電に利用する波長帯を広帯域化することができる。
【0059】
図7は、
図1に示した太陽電池装置10のA-B線に沿った他の断面図である。
図7に示す構成例は、
図2に示した構成例と比較して、液晶層21及び液晶層22の構成が異なる。具体的には、コレステリック液晶CL1の螺旋ピッチP1は、コレステリック液晶CL2の螺旋ピッチP2とは異なり、しかも、コレステリック液晶CL1の旋回方向がコレステリック液晶CL2の旋回方向と同一である。なお、液晶層21における屈折率異方性が液晶層22における屈折率異方性と同等である点については、
図2に示した構成例と同様である。
【0060】
つまり、
図7に示した構成例では、液晶層21における第1選択反射帯域の中心波長は、液晶層22における第2選択反射帯域の中心波長と異なり、しかも、反射面R1で反射される円偏光は、反射面R2で反射される円偏光と同一方向に回転する円偏光である。但し、第1選択反射帯域は、第2選択反射帯域と重複しない場合もあり得るし、第2選択反射帯域の一部と重複する場合もあり得る。
【0061】
このような構成例においても、
図6に示した構成例と同様に、発電に利用する波長帯を広帯域化することができる。
【0062】
図8は、太陽電池装置10の他の平面図である。
図8に示す構成例は、
図5等に示した構成例と比較して、太陽電池装置10がさらに太陽電池PV2及びPV3を備える点で相違している。
【0063】
太陽電池PV1は、上記の構成例と同様に、側面S1に対向している。太陽電池PV2は、側面S2に対向し、透明な接着層を介して側面S2に接着されている。太陽電池PV3は、側面S3に対向し、透明な接着層を介して側面S3に接着されている。これらの太陽電池PV2及びPV3は、上記した太陽電池PV1と同一の種類のものを適用してもよいし、太陽電池PV1とは異なる種類のものを適用してもよい。
【0064】
液晶光学素子100は、
図2を参照して説明した液晶層21及び液晶層22を備えていてもよいし、
図6を参照して説明した液晶層21及び液晶層22を備えていてもよいし、
図7を参照して説明した液晶層21及び液晶層22を備えていてもよい。
【0065】
X-Y平面において、導光方向D1(または法線N1)と導光方向D2(または法線N2)とのなす角度αは、0°より大きく、180°より小さい。また、複数の太陽電池PV1乃至PV3が配置された太陽電池装置10においては、なす角度αは、90°より大きく、180°以下であることが望ましい。
【0066】
以上の説明では、太陽電池装置10が2つの液晶層21及び22を備えているが、これに限らない。太陽電池装置10は、3つ以上の液晶層を備えていてもよい。複数の液晶層については、それぞれコレステリック液晶を有しているが、コレステリック液晶の旋回方向、螺旋ピッチ、屈折率異方性は、所望の特性に応じて適宜自由に選択することができる。
【0067】
図9は、太陽電池装置10の他の分解斜視図である。
図9に示す構成例は、
図1等に示した構成例と比較して、太陽電池装置10が、さらに、液晶層23及び24と、太陽電池PV2乃至PV4を備える点で相違している。
【0068】
液晶層21は、透明基板1に積層されている。液晶層22は、液晶層21に積層されている。液晶層23は、液晶層22に積層されている。液晶層24は、液晶層23に積層されている。これらの液晶層23及び24は、いずれも後述するコレステリック液晶を有している。
【0069】
太陽電池PV1は、側面S1に対向し、透明な接着層を介して側面S1に接着されている。太陽電池PV2は、側面S2に対向し、透明な接着層を介して側面S2に接着されている。太陽電池PV3は、側面S3に対向し、透明な接着層を介して側面S3に接着されている。太陽電池PV4は、側面S4に対向し、透明な接着層を介して側面S4に接着されている。これらの太陽電池PV2乃至PV4は、上記した太陽電池PV1と同一の種類のものを適用してもよいし、太陽電池PV1とは異なる種類のものを適用してもよい。
【0070】
図10は、
図9に示した太陽電池装置10のA-B線に沿った断面図である。
図11は、
図9に示した太陽電池装置10のC-D線に沿った断面図である。
【0071】
液晶層21は、拡大して模式的に示すように、複数の液晶分子によって構成されたコレステリック液晶CL1を有している。コレステリック液晶CL1は、第1方向A1にほぼ平行な螺旋軸AX1を有し、また、第1方向A1に沿った螺旋ピッチP1を有している。
液晶層22は、拡大して模式的に示すように、複数の液晶分子によって構成されたコレステリック液晶CL2を有している。コレステリック液晶CL2は、第1方向A1にほぼ平行な螺旋軸AX2を有し、また、第1方向A1に沿った螺旋ピッチP2を有している。
【0072】
液晶層23は、拡大して模式的に示すように、複数の液晶分子によって構成されたコレステリック液晶CL3を有している。コレステリック液晶CL3は、第1方向A1にほぼ平行な螺旋軸AX3を有し、また、第1方向A1に沿った螺旋ピッチP3を有している。
液晶層24は、拡大して模式的に示すように、複数の液晶分子によって構成されたコレステリック液晶CL4を有している。コレステリック液晶CL4は、第1方向A1にほぼ平行な螺旋軸AX4を有し、また、第1方向A1に沿った螺旋ピッチP4を有している。
【0073】
液晶層21は、選択反射帯域のうち、コレステリック液晶CL1の旋回方向に対応した円偏光を反射する反射面R1を有している。
液晶層22は、選択反射帯域のうち、コレステリック液晶CL2の旋回方向に対応した円偏光を反射する反射面R2を有している。
液晶層23は、選択反射帯域のうち、コレステリック液晶CL3の旋回方向に対応した円偏光を反射する反射面R3を有している。
液晶層24は、選択反射帯域のうち、コレステリック液晶CL4の旋回方向に対応した円偏光を反射する反射面R4を有している。
【0074】
図10に示した例では、反射面R1は、太陽電池PV1を向くようにX-Y平面に対して傾斜している。また、反射面R4は、太陽電池PV4を向くようにX-Y平面に対して傾斜している。Y-Z断面において、反射面R1の法線N1は液晶層21から透明基板1に向かう点線の矢印として示し、また、反射面R4の法線N4は液晶層22から透明基板1に向かう点線の矢印として示している。法線N1は、法線N4とは平行ではない。
【0075】
図示した例では、コレステリック液晶CL1の旋回方向は、コレステリック液晶CL4の旋回方向とは異なる。また、コレステリック液晶CL1の螺旋ピッチP1は、コレステリック液晶CL4の螺旋ピッチP4と同等である。
【0076】
つまり、液晶層21における選択反射帯域は、液晶層24における選択反射帯域と同等である。また、反射面R1で反射される円偏光は、反射面R4で反射される円偏光とは逆回りの円偏光である。
【0077】
図11に示した例では、反射面R2は、太陽電池PV2を向くようにX-Y平面に対して傾斜している。また、反射面R3は、太陽電池PV3を向くようにX-Y平面に対して傾斜している。X-Z断面において、反射面R2の法線N2は液晶層22から透明基板1に向かう点線の矢印として示し、また、反射面R3の法線N3は液晶層23から透明基板1に向かう点線の矢印として示している。法線N2は、法線N3とは平行ではない。
【0078】
図示した例では、コレステリック液晶CL2の旋回方向は、コレステリック液晶CL3の旋回方向とは異なる。また、コレステリック液晶CL2の螺旋ピッチP2は、コレステリック液晶CL3の螺旋ピッチP3と同等である。なお、コレステリック液晶CL2の旋回方向は、コレステリック液晶CL1の旋回方向と同一である。また、螺旋ピッチP2は、螺旋ピッチP1とは異なる。
【0079】
つまり、液晶層22における選択反射帯域は、液晶層23における選択反射帯域と同等である。また、反射面R2で反射される円偏光は、反射面R3で反射される円偏光とは逆回りの円偏光である。また、液晶層22における選択反射帯域は、液晶層21における選択反射帯域とは異なる。
【0080】
なお、
図10及び
図11に示した例において、液晶層21乃至24の構成は、上記の例に限らない。例えば、螺旋ピッチP1が螺旋ピッチP4とは異なっていてもよいし、螺旋ピッチP2が螺旋ピッチP3とは異なっていてもよいし、コレステリック液晶CL1の旋回方向がコレステリック液晶CL2の旋回方向とは異なっていてもよいし、コレステリック液晶CL3の旋回方向がコレステリック液晶CL4の旋回方向とは異なっていてもよい。
【0081】
図10に示したように、液晶層21は、反射面R1において光LTiのうちの一部の光LTr1を透明基板1に向けて反射し、その他の光を透過する。液晶層24は、反射面R4において光LTiのうちの一部の光LTr4を透明基板1に向けて反射し、その他の光を透過する。
光LTr1は、中心波長λ1の左回りの円偏光λ1Lであり、太陽電池PV1に向けて導光され、太陽電池PV1にて発電に利用される。光LTr4は、中心波長λ1の右回りの円偏光λ1Rであり、太陽電池PV4に向けて導光され、太陽電池PV4にて発電に利用される。
【0082】
図11に示したように、液晶層22は、反射面R2において光LTiのうちの一部の光LTr2を透明基板1に向けて反射し、その他の光を透過する。液晶層23は、反射面R3において光LTiのうちの一部の光LTr3を透明基板1に向けて反射し、その他の光を透過する。
光LTr2は、中心波長λ2の左回りの円偏光λ2Lであり、太陽電池PV2に向けて導光され、太陽電池PV2にて発電に利用される。光LTr3は、中心波長λ2の右回りの円偏光λ2Rであり、太陽電池PV3に向けて導光され、太陽電池PV3にて発電に利用される。但し、中心波長λ2は、中心波長λ1とは異なる。
【0083】
図12は、
図10に示した液晶層21の液晶分子LM11及び液晶層24の液晶分子LM41、及び、
図11に示した液晶層22の液晶分子LM21及び液晶層23の液晶分子LM31の配向パターンの一例を示す図である。
【0084】
液晶層21に示した矢印D1は、
図10に示した反射面R1の法線N1のX-Y平面への正射影に相当し、反射面R1で反射された光LTr1の導光方向を示している。
液晶層22に示した矢印D2は、
図11に示した反射面R2の法線N2のX-Y平面への正射影に相当し、反射面R2で反射された光LTr2の導光方向を示している。
液晶層23に示した矢印D3は、
図11に示した反射面R3の法線N3のX-Y平面への正射影に相当し、反射面R3で反射された光LTr3の導光方向を示している。
液晶層24に示した矢印D4は、
図10に示した反射面R4の法線N4のX-Y平面への正射影に相当し、反射面R4で反射された光LTr4の導光方向を示している。
【0085】
導光方向D1、導光方向D2、導光方向D3、及び、導光方向D4は、互いに異なる方向である。
【0086】
液晶層21において、導光方向D1に並んだ液晶分子LM11の各々の配向方向は、互いに異なる。図示した例では、導光方向D1に沿って並んだ複数の液晶分子LM11に着目すると、液晶分子LM11の各々の配向方向は、導光方向D1を示す矢印に沿って、反時計回りに一定角度ずつ変化している。また、液晶層21において、導光方向D1に直交する方向に沿って並んだ液晶分子LM11の各々の配向方向は略一致している。
【0087】
液晶層22において、導光方向D2に並んだ液晶分子LM21の各々の配向方向は、互いに異なる。図示した例では、導光方向D2に沿って並んだ複数の液晶分子LM21に着目すると、液晶分子LM21の各々の配向方向は、導光方向D2を示す矢印に沿って、反時計回りに一定角度ずつ変化している。また、液晶層22において、導光方向D2に直交する方向に沿って並んだ液晶分子LM21の各々の配向方向は略一致している。
【0088】
液晶層23において、導光方向D3に並んだ液晶分子LM31の各々の配向方向は、互いに異なる。図示した例では、導光方向D3に沿って並んだ複数の液晶分子LM31に着目すると、液晶分子LM31の各々の配向方向は、導光方向D3を示す矢印に沿って、反時計回りに一定角度ずつ変化している。また、液晶層23において、導光方向D3に直交する方向に沿って並んだ液晶分子LM31の各々の配向方向は略一致している。
【0089】
液晶層24において、導光方向D4に並んだ液晶分子LM41の各々の配向方向は、互いに異なる。図示した例では、導光方向D4に沿って並んだ複数の液晶分子LM41に着目すると、液晶分子LM41の各々の配向方向は、導光方向D4を示す矢印に沿って、反時計回りに一定角度ずつ変化している。また、液晶層24において、導光方向D4に直交する方向に沿って並んだ液晶分子LM41の各々の配向方向は略一致している。
【0090】
図13は、導光方向D1乃至D4の関係を示す平面図である。
【0091】
反射面R1の法線N1を示す矢印は、X-Y平面における導光方向D1を示す矢印に一致する。反射面R2の法線N2を示す矢印は、X-Y平面における導光方向D2を示す矢印に一致する。反射面R3の法線N3を示す矢印は、X-Y平面における導光方向D3を示す矢印に一致する。反射面R4の法線N4を示す矢印は、X-Y平面における導光方向D4を示す矢印に一致する。
【0092】
反射面R1、反射面R2、反射面R3、及び、反射面R4は、互いに異なる向きに傾斜している。このため、導光方向D1、導光方向D2、導光方向D3、及び、導光方向D4は、互いに異なる方向である。
【0093】
X-Y平面において、導光方向D1(または法線N1)と導光方向D2(または法線N2)とのなす角度は、0°より大きく、180°より小さい。導光方向D3(または法線N3)と導光方向D4(または法線N4)とのなす角度も、0°より大きく、180°より小さい。図示した例では、導光方向D1と導光方向D2とのなす角度、導光方向D2と導光方向D4とのなす角度、導光方向D3と導光方向D4とのなす角度、及び、導光方向D1と導光方向D3とのなす角度は、いずれも90°である。
【0094】
導光方向D1を示す矢印は、側面S1を向いている。つまり、反射面R1で反射された光は、側面S1(または太陽電池PV1)に向かって導光される。
導光方向D2を示す矢印は、側面S2を向いている。つまり、反射面R2で反射された光は、側面S2(または太陽電池PV2)に向かって導光される。
導光方向D3を示す矢印は、側面S3を向いている。つまり、反射面R3で反射された光は、側面S3(または太陽電池PV3)に向かって導光される。
導光方向D4を示す矢印は、側面S4を向いている。つまり、反射面R4で反射された光は、側面S4(または太陽電池PV4)に向かって導光される。
【0095】
このような太陽電池装置10によれば、太陽電池PV1乃至PV4が液晶光学素子100を囲むように配置され、液晶光学素子100は太陽光を太陽電池PV1乃至PV4の各々に向けて導光する複数の液晶層を備えている。このため、時間や季節によって太陽光の入射角が変化した場合に、回折効率の変動が低減される。そして、太陽光の入射角が変化しても、太陽光のうちの発電に利用する波長帯(例えば赤外線)を安定的に太陽電池PV1に導光することができ、太陽電池PV1による発電効率の変動を抑制することができる。
【0096】
また、発電に利用する波長帯を広帯域化することができるとともに、右回り円偏光及び左回り円偏光が太陽電池PV1乃至PV4に導光される。このため、光の利用効率が向上する。
一方で、液晶層21乃至24における選択反射帯域には、可視光の波長帯がほとんど含まれない。このため、液晶光学素子100を透過した光の不所望な着色が抑制される。
【0097】
このような構成例は、特に移動体に搭載される太陽電池装置として好適である。
【0098】
図14は、導光方向D1乃至D4の関係を示す他の平面図である。
【0099】
図14に示す構成例は、
図13に示した構成例と比較して、X-Y平面において導光方向D1乃至D4をそれぞれ45°回転させた点で相違している。
【0100】
導光方向D1を示す矢印は、側面S1及び側面S3を向いている。つまり、反射面R1で反射された光は、側面S1及び側面S3に向かって導光される。
導光方向D2を示す矢印は、側面S1及び側面S2を向いている。つまり、反射面R2で反射された光は、側面S1及び側面S2に向かって導光される。
導光方向D3を示す矢印は、側面S3及び側面S4を向いている。つまり、反射面R3で反射された光は、側面S3及び側面S4に向かって導光される。
導光方向D4を示す矢印は、側面S2及び側面S4を向いている。つまり、反射面R4で反射された光は、側面S2及び側面S4に向かって導光される。
【0101】
このような構成例においても、
図13を参照して説明した構成例と同様の効果が得られる。
【0102】
図15は、太陽電池装置10の他の分解斜視図である。
図15に示す構成例は、
図1等に示した構成例と比較して、太陽電池装置10が、さらに、液晶層23及び24と、太陽電池PV2及びPV3と、保護基板5を備える点で相違している。
【0103】
液晶層21は、透明基板1に積層されている。液晶層22は、液晶層21に積層されている。液晶層23は、透明基板1を挟んで液晶層21とは反対側に配置されている。液晶層24は、液晶層23に積層されている。これらの液晶層21乃至24は、
図10等に示した構成例と同様に、いずれもコレステリック液晶CL1乃至CL4を有している。
【0104】
保護基板5は、透明な基板であり、ガラス板または合成樹脂板である。保護基板5は、第1方向A1において液晶層23に対向している。つまり、液晶層23及び24は、透明基板1と保護基板5との間に配置されている。液晶層23及び24は、太陽光が入射する側に面している。保護基板5は、これらの液晶層23及び24を保護している。このような透明な保護基板5は、透明基板1と同様に、各反射面で反射された光を伝播する導光板として機能する。
【0105】
保護基板5は、側面S5と、側面S6と、側面S7と、側面S8と、を有している。側面S5及び側面S8は、X-Z平面に略平行な面であり、第2方向A2において、互いに対向している。側面S6及び側面S7は、Y-Z平面に略平行な面であり、第3方向A3において、互いに対向している。
【0106】
図15に示す例では、側面S5は、第1方向A1において側面S1に重畳している。側面S6は、第1方向A1において側面S2に重畳している。側面S7は、第1方向A1において側面S3に重畳している。側面S8は、第1方向A1において側面S4に重畳している。
【0107】
太陽電池PV1は、側面S1及び側面S5に対向し、透明な接着層を介して側面S1及び側面S5に接着されている。太陽電池PV2は、側面S2及び側面S6に対向し、透明な接着層を介して側面S2及び側面S6に接着されている。太陽電池PV3は、側面S3及び側面S7に対向し、透明な接着層を介して側面S3及び側面S7に接着されている。これらの太陽電池PV2及びPV3は、上記した太陽電池PV1と同一の種類のものを適用してもよいし、太陽電池PV1とは異なる種類のものを適用してもよい。
【0108】
図16は、
図15に示した太陽電池装置10のA-B線に沿った断面図である。
図17は、
図15に示した太陽電池装置10のC-D線に沿った断面図である。
【0109】
液晶層21は、主面F2に接するように配置されている。液晶層22は、液晶層21に積層されている。液晶層24は、主面F1に接するように配置されている。液晶層23は、液晶層24に積層されている。保護基板5は、液晶層23に接するように配置されている。
【0110】
液晶層21は、選択反射帯域のうち、コレステリック液晶CL1の旋回方向に対応した円偏光を反射する反射面R1を有している。
液晶層22は、選択反射帯域のうち、コレステリック液晶CL2の旋回方向に対応した円偏光を反射する反射面R2を有している。
液晶層23は、選択反射帯域のうち、コレステリック液晶CL3の旋回方向に対応した円偏光を反射する反射面R3を有している。
液晶層24は、選択反射帯域のうち、コレステリック液晶CL4の旋回方向に対応した円偏光を反射する反射面R4を有している。
【0111】
例えば、反射面R1及びR3の各々は、太陽電池PV1及びPV2を向くようにX-Y平面に対して傾斜している。反射面R2及びR4の各々は、太陽電池PV1及びPV3を向くようにX-Y平面に対して傾斜している。
【0112】
液晶層21は、反射面R1において光LTiのうちの一部の光LTr1を透明基板1に向けて反射し、その他の光を透過する。液晶層22は、反射面R2において光LTiのうちの一部の光LTr2を透明基板1に向けて反射し、その他の光を透過する。液晶層23は、反射面R3において光LTiのうちの一部の光LTr3を保護基板5に向けて反射し、その他の光を透過する。液晶層24は、反射面R4において光LTiのうちの一部の光LTr4を保護基板5に向けて反射し、その他の光を透過する。
【0113】
光LTr1、光LTr2、光LTr3、及び、光LTr4は、保護基板5と空気との界面、及び、液晶層22と空気との界面において、反射を繰り返しながら各側面S1乃至S3に向けて導光される。
【0114】
光LTr1は、中心波長λ1の左回りの円偏光λ1Lであり、太陽電池PV1及びPV2に向けて導光され、太陽電池PV1及びPV2にて発電に利用される。光LTr2は、中心波長λ2の左回りの円偏光λ2Lであり、太陽電池PV1及びPV3に向けて導光され、太陽電池PV1及びPV3にて発電に利用される。
【0115】
光LTr3は、中心波長λ2の右回りの円偏光λ2Rであり、太陽電池PV1及びPV2に向けて導光され、太陽電池PV1及びPV2にて発電に利用される。光LTr4は、中心波長λ1の右回りの円偏光λ1Rであり、太陽電池PV1及びPV3に向けて導光され、太陽電池PV1及びPV3にて発電に利用される。但し、中心波長λ2は、中心波長λ1とは異なる。
【0116】
図18は、導光方向D1乃至D4の関係を示す平面図である。
【0117】
図16に示した反射面R1の法線N1を示す矢印は、X-Y平面における導光方向D1を示す矢印に一致する。反射面R2の法線N2を示す矢印は、X-Y平面における導光方向D2を示す矢印に一致する。反射面R3の法線N3を示す矢印は、X-Y平面における導光方向D3を示す矢印に一致する。反射面R4の法線N4を示す矢印は、X-Y平面における導光方向D4を示す矢印に一致する。
【0118】
一例では、反射面R1及び反射面R2は互いに異なる向きに傾斜しているが、反射面R1及び反射面R3は互いに平行であり、反射面R2及び反射面R4は互い平行である。このため、導光方向D1及び導光方向D3は互いに平行であり、導光方向D2及び導光方向D4は互い平行である。
【0119】
X-Y平面において、導光方向D1(または法線N1)と導光方向D2(または法線N2)とのなす角度αは、0°より大きく、180°より小さい。導光方向D3(または法線N3)と導光方向D4(または法線N4)とのなす角度も、0°より大きく、180°より小さい。
【0120】
導光方向D1及び導光方向D3を示す矢印は、側面S1及び側面S2を向いている。つまり、反射面R1及び反射面R3で反射された光は、側面S1及び側面S2(または太陽電池PV1及び太陽電池PV2)に向かって導光される。
【0121】
導光方向D2及び導光方向D4を示す矢印は、側面S1及び側面S3を向いている。つまり、反射面R2及び反射面R4で反射された光は、側面S1及び側面S3(または太陽電池PV1及び太陽電池PV3)に向かって導光される。
このような太陽電池装置10によれば、上記の構成例と同様に、回折効率の変動が低減され、また、発電効率の変動を抑制することができる。
【0122】
また、透明基板1の背面側に液晶層21及び22が配置される一方で、透明基板1の前面側(太陽光が入射する側)にも液晶層23及び24が配置されている。そして、液晶層23及び24は、保護基板5によって覆われている。このため、液晶層23及び24が保護される。
【0123】
以上、いくつかの構成例について説明したが、いくつかの構成例を適宜組み合わせることができる。
【0124】
次に、透明基板1と液晶層との間、及び、積層される液晶層の間に介在し得る配向膜3について
図19を参照しながら説明する。
【0125】
ここでは、透明基板1と液晶層21との間に介在する配向膜3、及び、液晶層21及び液晶層22の間に介在する配向膜3について説明する。配向膜3は、例えばポリイミドによって形成されている。配向膜3には所定の配向処理がなされる。一例では、配向処理としては、第1円偏光の光線及び第1円偏光とは逆回りの第2円偏光の光線を用いた二光束干渉露光による光配向処理が適用される。第1円偏光及び第2円偏光の波長は、例えば、紫外線であるがこれに限らない。
【0126】
第1円偏光及び第2円偏光の干渉パターンで配向膜3を露光することにより、空間的に変化する偏光パターンが配向処理方向として記録される。これにより、配向膜3には、配向処理方向に沿った配向規制力が付与される。
【0127】
その後、配向膜3の上に液晶材料を塗布することで、液晶材料に含まれる液晶分子が配向膜3の配向規制力によって所定の方向に配向し、
図4等に示したような配向パターンが形成される。
【0128】
このような配向膜3は、上記した各構成例に適用することができる。
【0129】
次に、透明基板1と液晶層との間、及び、積層される液晶層の間に介在し得る凹凸を有する構造体4について
図20を参照しながら説明する。
【0130】
ここでは、透明基板1と液晶層21との間に介在する構造体4、及び、液晶層21及び液晶層22の間に介在する構造体4について説明する。構造体4は、例えば有機材料によって形成されている。凹凸を有する構造体4を形成する手法の一例として、ナノインプリントが適用される。一例では、透明基板1に有機材料を塗布し、金型を押し付け、加熱または光照射することで有機材料を硬化させる。これにより、金型に形成された微小な凹凸パターンが有機材料に転写され、構造体4が形成される。
【0131】
その後、構造体4の上に液晶材料を塗布することで、液晶材料に含まれる液晶分子が構造体4の凹凸パターンに沿って配列し、
図4等に示したような配向パターンが形成される。
【0132】
このような構造体4は、上記した各構成例に適用することができる。
【0133】
なお、ここで説明した配向膜3や構造体4を用いる以外の手法としては、別途形成した液晶層が、透明基板1の上に転写されたり、先に形成された液晶層の上に転写されたりしてもよい。
【0134】
本実施形態において、例えば、透明基板1の主面F1は第1主面に相当し、主面F2は第2主面に相当し、側面S1は第1側面に相当し、側面S2は第2側面に相当し、側面S3は第3側面に相当し、側面S4は第4側面に相当する。
また、液晶層21は第1液晶層に相当し、液晶層22は第2液晶層に相当し、液晶層23は第3液晶層に相当し、液晶層24は第4液晶層に相当し、コレステリック液晶CL1は第1コレステリック液晶に相当し、コレステリック液晶CL2は第2コレステリック液晶に相当し、コレステリック液晶CL3は第3コレステリック液晶に相当し、コレステリック液晶CL4は第4コレステリック液晶に相当し、反射面R1は第1反射面に相当し、反射面R2は第2反射面に相当し、反射面R3は第3反射面に相当し、反射面R4は第4反射面に相当する。
また、太陽電池PV1は第1太陽電池に相当し、太陽電池PV2は第2太陽電池に相当し、太陽電池PV3は第3太陽電池に相当し、太陽電池PV4は第4太陽電池に相当する。
また、保護基板5の側面S5は第5側面に相当し、側面S6は第6側面に相当し、側面S7は第7側面に相当し、側面S8は第8側面に相当する。
【0135】
以上説明したように、本実施形態によれば、発電効率の変動を抑制することが可能な太陽電池装置を提供することができる。
【0136】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0137】
10…太陽電池装置 PV1~PV4…太陽電池
100…液晶光学素子
1…透明基板 F1~F2…主面 S1~S4…側面
21~24…液晶層 CL1~CL4…コレステリック液晶 P1~P4…螺旋ピッチ
R1~R4…反射面 N1~N4…法線 D1~D4…導光方向
3…配向膜 4…構造体
5…保護基板 S5~S8…側面