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特開2024-105476単一特異性及び二重特異性抗体抗-TMEFF2抗体並びにそれらの使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024105476
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】単一特異性及び二重特異性抗体抗-TMEFF2抗体並びにそれらの使用
(51)【国際特許分類】
   C07K 16/22 20060101AFI20240730BHJP
   C07K 16/28 20060101ALI20240730BHJP
   C12N 15/13 20060101ALI20240730BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20240730BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20240730BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20240730BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20240730BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20240730BHJP
   C12P 21/08 20060101ALI20240730BHJP
   C07K 1/14 20060101ALI20240730BHJP
   C07K 16/46 20060101ALI20240730BHJP
   C12N 15/62 20060101ALI20240730BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20240730BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20240730BHJP
   A61K 47/55 20170101ALI20240730BHJP
   A61K 47/68 20170101ALI20240730BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240730BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
C07K16/22
C07K16/28 ZNA
C12N15/13
C12N15/63 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12P21/08
C07K1/14
C07K16/46
C12N15/62 Z
A61K39/395 D
A61K39/395 E
A61K39/395 N
A61K39/395 T
A61K45/00
A61K47/55
A61K47/68
A61P35/00
A61P43/00 121
C07K16/28
C07K16/22 ZNA
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024076617
(22)【出願日】2024-05-09
(62)【分割の表示】P 2020565399の分割
【原出願日】2019-05-21
(31)【優先権主張番号】62/675,957
(32)【優先日】2018-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】509087759
【氏名又は名称】ヤンセン バイオテツク,インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100149010
【弁理士】
【氏名又は名称】星川 亮
(72)【発明者】
【氏名】クーパー,フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】アーンスト,ロビン
(72)【発明者】
【氏名】ガネサン,ラジクマール
(72)【発明者】
【氏名】ケイン,コリーン
(72)【発明者】
【氏名】ラッセル,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】シンハ,サンジャヤ
(72)【発明者】
【氏名】ヴェンカタラマニ,サチャデヴィ
(72)【発明者】
【氏名】ウ,シェン-ジウン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】単一特異性及び多重特異性抗TMEFF2抗体、並びに該抗体を産生及び使用する方法を提供する。
【解決手段】TMEFF2の、特定の配列を有する膜近位領域に結合する、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片であって、前記抗体が、二重特異性抗体であり、前記二重特異性抗体が、CD3、所望によりCD3イプシロンに結合する、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
TMEFF2の配列番号110の膜近位領域に結合する、単離された抗TMEFF2抗
体又はその抗原結合断片。
【請求項2】
前記抗体又は前記その抗原結合断片が、TMEFF2の前記膜近位領域への結合に関し
て、
a)配列番号25の重鎖可変領域(VH)及び配列番号28の軽鎖可変領域(VL)、
又は
b)配列番号26のVH及び配列番号29のVL、
c)配列番号27のVH及び配列番号30のVL、
d)配列番号26のVH及び配列番号31のVL、
e)配列番号87のVH及び配列番号88のVL、又は
f)配列番号89のVH及び配列番号90のVL、
を含む参照抗体と競合する、請求項1に記載の単離された抗TMEFF2抗体又はその
抗原結合断片。
【請求項3】
前記抗体又は前記その抗原結合断片が、残基HGKCEHSINMQEPSC(配列番
号57)又はDAGYTGQHCEKKDYSVL(配列番号58)内でTMEFF2の
前記膜近位領域に結合する、請求項1又は2に記載の単離された抗TMEFF2抗体又は
その抗原結合断片。
【請求項4】
a)それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び22、
b)それぞれ配列番号11、13、16、19、21、及び23、
c)それぞれ配列番号10、14、17、18、20、及び24、
d)それぞれ配列番号11、13、16、18、20、及び22、又は
e)それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び86、
の重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖相補性決定領
域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含む、請求項1~3のいずれか一項
に記載の単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片。
【請求項5】
前記抗体又は前記その抗原結合断片が、約0.4×10-9M以下の平衡解離定数(K
)でTMEFF2の前記膜近位領域に結合し、前記Kが、室温でpH4.5~5.0
の酢酸緩衝液中の表面プラズモン共鳴を使用して測定される、請求項1~4のいずれか一
項に記載の単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片。
【請求項6】
前記抗体又は前記その抗原結合断片が、約0.1×10-10M~約0.4×10-9
Mの前記KでTMEFF2の前記膜近位領域に結合する、請求項5に記載の単離された
抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片。
【請求項7】
VH3_3-23(配列番号53)又はVH1_1-69(配列番号54)に由来する
重鎖可変領域(VH)フレームワークを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の単離
された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片。
【請求項8】
VKI_L11(配列番号55)又はVKIIII_A27(配列番号56)に由来す
る軽鎖可変領域(VL)フレームワークを含む、請求項7に記載の単離された抗TMEF
F2抗体又はその抗原結合断片。
【請求項9】
a)それぞれ配列番号53のVH3_3-23及び配列番号55のVKI_L11、
b)それぞれ配列番号54のVH1_1-69及び配列番号56のVKIII_A27
、又は
c)それぞれ配列番号54のVH1_1-69及び配列番号55のVKI_L11
に由来するVHフレームワーク及びVLフレームワークを含む、請求項8に記載の単離
された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片。
【請求項10】
a)配列番号25のVH及び配列番号28のVL、
b)配列番号26のVH及び配列番号29のVL、
c)配列番号27のVH及び配列番号30のVL、
d)配列番号26のVH及び配列番号31のVL、
e)配列番号87のVH及び配列番号88のVL、又は
f)配列番号89のVH及び配列番号90のVL、
を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の単離された抗TMEFF2抗体又はその
抗原結合断片。
【請求項11】
前記抗体が、IgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4アイソタイプである、請求
項1~10のいずれか一項に記載の単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片
【請求項12】
a)配列番号32の重鎖(HC)及び配列番号35の軽鎖(LC)、
b)配列番号33のHC及び配列番号36のLC、
c)配列番号34のHC及び配列番号37のLC、
d)配列番号33のHC及び配列番号38のLC、
e)配列番号91のHC及び配列番号92のLC、又は
f)配列番号93のHC及び配列番号94のLC、
を含む、請求項11に記載の単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片。
【請求項13】
a)それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び22のHCDR1、HCD
R2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3、
b)配列番号25のVH及び配列番号28のVL、並びに/又は
c)配列番号32のHC及び配列番号35のLC、
を含む、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片。
【請求項14】
a)それぞれ配列番号11、13、16、19、21、及び23のHCDR1、HCD
R2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3、
b)配列番号26のVH及び配列番号29のVL、並びに/又は
c)配列番号33のHC及び配列番号36のLC、
を含む、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片。
【請求項15】
a)それぞれ配列番号10、14、17、18、20、及び24のHCDR1、HCD
R2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3、
b)配列番号27のVH及び配列番号30のVL、並びに/又は
c)配列番号34のHC及び配列番号37のLC、
を含む、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片。
【請求項16】
a)それぞれ配列番号11、13、16、18、20、及び22のHCDR1、HCD
R2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3、
b)配列番号26のVH及び配列番号31のVL、並びに/又は
c)配列番号33のHC及び配列番号38のLC、
を含む、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片。
【請求項17】
a)それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び86のHCDR1、HCD
R2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3、
b)配列番号87のVH及び配列番号88のVL、並びに/又は
c)配列番号91のHC及び配列番号92のLC、
を含む、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片。
【請求項18】
a)それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び86のHCDR1、HCD
R2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3、
b)配列番号89のVH及び配列番号90のVL、並びに/又は
c)配列番号93のHC及び配列番号94のLC、
を含む、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片。
【請求項19】
前記抗体が、多重特異性抗体である、請求項1~18のいずれか一項に記載の単離され
た抗TMEFF2抗体。
【請求項20】
前記抗体が、二重特異性抗体である、請求項1~19のいずれか一項に記載の単離され
た抗TMEFF2抗体。
【請求項21】
前記抗体が、CD3、所望によりCD3イプシロンに結合する、請求項19又は20に
記載の単離された抗TMEFF2抗体。
【請求項22】
請求項1~21のいずれか一項に記載の抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片と、
医薬的に許容される担体と、を含む、医薬組成物。
【請求項23】
1つ又は2つ以上の異種分子にコンジュゲートした、請求項1~20のいずれか一項に
記載の単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片。
【請求項24】
a)請求項13~18のいずれか一項に記載の抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断
片をコードし、
b)配列番号25、26、27、87、若しくは89の前記抗TMEFF2抗体VH、
及び/又は配列番号28、29、30、31、88、若しくは90のVLをコードし、
c)配列番号39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、
50、51、52、95、96、97、98、99、100、101、又は102のポリ
ヌクレオチド配列を含む、
単離されたポリヌクレオチド。
【請求項25】
請求項24に記載のポリヌクレオチドを含む、ベクター。
【請求項26】
請求項25に記載のベクターを含む、宿主細胞。
【請求項27】
請求項13~18のいずれか一項に記載の抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片を
産生する方法であって、前記抗体が発現する条件下で請求項26に記載の宿主細胞を培養
することと、前記宿主細胞によって産生された前記抗体を回収することとを含む、方法。
【請求項28】
TMEFF2陽性癌の治療を必要とする対象においてTMEFF2陽性癌を治療する方
法であって、治療に有効な量の請求項1~21のいずれか一項に記載の単離された抗TM
EFF2抗体若しくはその抗原結合断片、又は請求項22に記載の医薬組成物を、前記対
象に投与して、前記TMEFF2陽性癌を治療することを含む、方法。
【請求項29】
前記TMEFF2陽性癌が、前立腺癌である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記前立腺癌が、再発性、難治性、悪性、若しくは去勢抵抗性前立腺癌、又はそれらの
任意の組み合わせである、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片が、第2の治療剤と組み合わせて投与さ
れる、請求項28~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記第2の治療剤が、手術、化学療法、アンドロゲン遮断療法、若しくは放射線、又は
それらの任意の組み合わせである、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
請求項13~18のいずれか一項に記載の抗体に結合する、抗イディオタイプ抗体。
【請求項34】
請求項13~18のいずれか一項に記載の抗体を含む、キット。
【請求項35】
TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のドメインと、を含
む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
【請求項36】
前記抗体が、TMEFF2の配列番号110の前記膜近位領域に結合する、請求項35
に記載の単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
【請求項37】
前記抗体が、TMEFF2の前記膜近位領域への結合に関して、
a)配列番号25の重鎖可変領域(VH)及び配列番号28の軽鎖可変領域(VL)、
又は
b)配列番号26のVH及び配列番号29のVL、
c)配列番号27のVH及び配列番号30のVL、
d)配列番号26のVH及び配列番号31のVL、
e)配列番号87のVH及び配列番号88のVL、又は
f)配列番号89のVH及び配列番号90のVL、
を含む、参照抗体と競合する、請求項35又は36に記載の単離された二重特異性抗T
MEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
【請求項38】
前記抗体が、残基HGKCEHSINMQEPSC(配列番号57)又はDAGYTG
QHCEKKDYSVL(配列番号58)内でTMEFF2の前記膜近位領域に結合する
、請求項35~37のいずれか一項に記載の単離された二重特異性抗TMEFF2/抗C
D3抗体又はその抗原結合断片。
【請求項39】
前記抗体が、約0.4×10-9M以下の解離定数(K)でTMEFF2の前記膜近
位領域に結合し、前記Kが、室温でpH4.5~5.0の酢酸緩衝液中の表面プラズモ
ン共鳴を使用して測定される、請求項35~38のいずれか一項に記載の単離された二重
特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
【請求項40】
前記抗体が、約0.1×10-10M~約0.4×10-9Mの前記KでヒトTME
FF2の前記膜近位領域に結合する、請求項39に記載の単離された二重特異性抗TME
FF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
【請求項41】
前記第1のドメインが、
a)それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び22、
b)それぞれ配列番号11、13、16、19、21、及び23、
c)それぞれ配列番号10、14、17、18、20、及び24、
d)それぞれ配列番号11、13、16、18、20、及び22、又は
e)それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び86、
のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を
含む、請求項35~40のいずれか一項に記載の単離された二重特異性抗TMEFF2/
抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
【請求項42】
前記第2のドメインが、
a)それぞれ配列番号60、61、62、63、64、及び65、又は
b)それぞれ配列番号68、69、70、71、72、及び73、
のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を
含む、請求項41に記載の単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその
抗原結合断片。
【請求項43】
前記第1のドメインが、
a)配列番号25のVH及び配列番号28のVL、
b)配列番号26のVH及び配列番号29のVL、
c)配列番号27のVH及び配列番号30のVL、
d)配列番号26のVH及び配列番号31のVL、
e)配列番号87のVH及び配列番号88のVL、又は
f)配列番号89のVH及び配列番号90のVL、
を含む、請求項35~42のいずれか一項に記載の単離された二重特異性抗TMEFF
2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
【請求項44】
前記第2のドメインが、
a)配列番号66のVH及び配列番号67のVL、又は
b)配列番号74のVH及び配列番号75のVL、
を含む、請求項35~43のいずれか一項に記載の単離された二重特異性抗TMEFF
2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
【請求項45】
TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のドメインと、を含
む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片であって

a)前記第1のドメインが、それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び2
2のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を
含み、前記第2のドメインが、それぞれ配列番号60、61、62、63、64、及び6
5のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を
含み、
b)前記第1のドメインが、配列番号25のVH及び配列番号28のVLを含み、前記
第2のドメインが、配列番号66のVH及び配列番号67のVLを含み、かつ/又は
c)前記二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくは前記その抗原結合断片が、
配列番号32の第1の重鎖(HC1)、配列番号35の第1の軽鎖(LC1)、配列番号
76の第2の重鎖(HC2)、及び配列番号77の第2の軽鎖(LC2)を含む、
単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
【請求項46】
TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のドメインと、を含
む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片であって

a)前記第1のドメインが、それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び2
2のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を
含み、前記第2のドメインが、それぞれ配列番号68、69、70、71、72、及び7
3のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を
含み、
b)前記第1のドメインが、配列番号25のVH及び配列番号28のVLを含み、前記
第2のドメインが、配列番号74のVH及び配列番号75のVLを含み、かつ/又は
c)前記二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくは前記その抗原結合断片が、
配列番号32のHC1、配列番号35のLC1、配列番号78のHC2、及び配列番号7
9のLC2を含む、
単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
【請求項47】
TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のドメインと、を含
む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片であって

a)前記第1のドメインが、それぞれ配列番号11、13、16、19、21、及び2
3のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を
含み、前記第2のドメインが、それぞれ配列番号60、61、62、63、64、及び6
5のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を
含み、
b)前記第1のドメインが、配列番号26のVH及び配列番号29のVLを含み、前記
第2のドメインが、配列番号66のVH及び配列番号67のVLを含み、かつ/又は
c)前記二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくは前記その抗原結合断片が、
配列番号33のHC1、配列番号36のLC1、配列番号76のHC2、及び配列番号7
7のLC2を含む、
単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
【請求項48】
TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のドメインと、を含
む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片であって

a)前記第1のドメインが、それぞれ配列番号11、13、16、19、21、及び2
3のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を
含み、前記第2のドメインが、それぞれ配列番号68、69、70、71、72、及び7
3のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を
含み、
b)前記第1のドメインが、配列番号26のVH及び配列番号29のVLを含み、前記
第2のドメインが、配列番号74のVH及び配列番号75のVLを含み、かつ/又は
c)前記二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくは前記その抗原結合断片が、
配列番号33のHC1、配列番号36のLC1、配列番号78のHC2、及び配列番号7
9のLC2を含む、
単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
【請求項49】
TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のドメインと、を含
む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片であって

a)前記第1のドメインが、それぞれ配列番号10、14、17、18、20、及び2
4のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を
含み、前記第2のドメインが、それぞれ配列番号60、61、62、63、64、及び6
5のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を
含み、
b)前記第1のドメインが、配列番号27のVH及び配列番号30のVLを含み、前記
第2のドメインが、配列番号66のVH及び配列番号67のVLを含み、かつ/又は
c)前記二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくは前記その抗原結合断片が、
配列番号34のHC1、配列番号37のLC1、配列番号76のHC2、及び配列番号7
7のLC2を含む、
単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
【請求項50】
TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のドメインと、を含
む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片であって

a)前記第1のドメインが、それぞれ配列番号10、14、17、18、20、及び2
4のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を
含み、前記第2のドメインが、それぞれ配列番号68、69、70、71、72、及び7
3のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を
含み、
b)前記第1のドメインが、配列番号27のVH及び配列番号30のVLを含み、前記
第2のドメインが、配列番号74のVH及び配列番号75のVLを含み、かつ/又は
c)前記二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくは前記その抗原結合断片が、
配列番号34のHC1、配列番号37のLC1、配列番号78のHC2、及び配列番号7
9のLC2を含む、
単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
【請求項51】
TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のドメインと、を含
む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片であって

a)前記第1のドメインが、それぞれ配列番号11、13、16、18、20、及び2
2のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を
含み、前記第2のドメインが、それぞれ配列番号60、61、62、63、64、及び6
5のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を
含み、
b)前記第1のドメインが、配列番号26のVH及び配列番号31のVLを含み、前記
第2のドメインが、配列番号66のVH及び配列番号67のVLを含み、かつ/又は
c)前記二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくは前記その抗原結合断片が、
配列番号33のHC1、配列番号38のLC1、配列番号76のHC2、及び配列番号7
7のLC2を含む、
単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
【請求項52】
TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のドメインと、を含
む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片であって

a)前記第1のドメインが、それぞれ配列番号11、13、16、18、20、及び2
2のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を
含み、前記第2のドメインが、それぞれ配列番号68、69、70、71、72、及び7
3のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を
含み、
b)前記第1のドメインが、配列番号26のVH及び配列番号31のVLを含み、前記
第2のドメインが、配列番号74のVH及び配列番号75のVLを含み、かつ/又は
c)前記二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくは前記その抗原結合断片が、
配列番号33のHC1、配列番号38のLC1、配列番号78のHC2、及び配列番号7
9のLC2を含む、
単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
【請求項53】
TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のドメインと、を含
む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片であって

a)前記第1のドメインが、それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び8
6のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を
含み、前記第2のドメインが、それぞれ配列番号60、61、62、63、64、及び6
5のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を
含み、
b)前記第1のドメインが、配列番号87のVH及び配列番号88のVLを含み、前記
第2のドメインが、配列番号66のVH及び配列番号67のVLを含み、かつ/又は
c)前記二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくは前記その抗原結合断片が、
配列番号91のHC1、配列番号92のLC1、配列番号76のHC2、及び配列番号7
7のLC2を含む、
単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
【請求項54】
TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のドメインと、を含
む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片であって

a)前記第1のドメインが、それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び8
6のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を
含み、前記第2のドメインが、それぞれ配列番号68、69、70、71、72、及び7
3のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を
含み、
b)前記第1のドメインが、配列番号87のVH及び配列番号88のVLを含み、前記
第2のドメインが、配列番号74のVH及び配列番号75のVLを含み、かつ/又は
c)前記二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくはその抗原結合断片が、配列
番号91のHC1、配列番号92のLC1、配列番号78のHC2、及び配列番号79の
LC2を含む、
単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
【請求項55】
TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のドメインと、を含
む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片であって

a)前記第1のドメインが、それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び8
6のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を
含み、前記第2のドメインが、それぞれ配列番号60、61、62、63、64、及び6
5のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を
含み、
b)前記第1のドメインが、配列番号89のVH及び配列番号90のVLを含み、前記
第2のドメインが、配列番号66のVH及び配列番号67のVLを含み、かつ/又は
c)前記二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくは前記その抗原結合断片が、
配列番号93のHC1、配列番号94のLC1、配列番号76のHC2、及び配列番号7
7のLC2を含む、
単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
【請求項56】
TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のドメインと、を含
む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片であって

a)前記第1のドメインが、それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び8
6のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を
含み、前記第2のドメインが、それぞれ配列番号68、69、70、71、72、及び7
3のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を
含み、
b)前記第1のドメインが、配列番号89のVH及び配列番号90のVLを含み、前記
第2のドメインが、配列番号74のVH及び配列番号75のVLを含み、かつ/又は
c)前記二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくは前記その抗原結合断片が、
配列番号93のHC1、配列番号94のLC1、配列番号78のHC2、及び配列番号7
9のLC2を含む、
単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
【請求項57】
前記抗体が、IgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4アイソタイプである、請求
項35~56のいずれか一項に記載の単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗
体又はその抗原結合断片。
【請求項58】
前記抗体が、HC1、HC2、又はHC1及びHC2に、位置234でアラニン、位置
235でアラニン、又は位置234でアラニン及び位置235でアラニンを含み、残基の
付番が、EUインデックスに従う、請求項35~57のいずれか一項に記載の単離された
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
【請求項59】
前記抗体が、HC1及びHC2に、位置228でプロリンを含み、残基の付番が、EU
インデックスに従う、請求項35~58のいずれか一項に記載の単離された二重特異性抗
TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
【請求項60】
前記抗体が、HC1に位置405でフェニルアラニン及び位置409でアルギニン、並
びにHC2に位置405でロイシン及び位置409でリジンを含む、請求項35~59の
いずれか一項に記載の単離された二重特異性抗TMEFF2xCD3抗体又はその抗原結
合断片。
【請求項61】
請求項35~60のいずれか一項に記載の二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又
はその抗原結合断片と、医薬的に許容される担体と、を含む、医薬組成物。
【請求項62】
a)請求項45~56のいずれか一項に記載の二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗
体若しくはその抗原結合断片をコードするか、又は
b)配列番号39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、
50、51、52、80、81、82、83、95、96、97、98、99、100、
101、及び102のポリヌクレオチド配列を含む、
ポリヌクレオチド。
【請求項63】
請求項62に記載のポリヌクレオチドを含む、ベクター。
【請求項64】
請求項63に記載のベクターを含む、宿主細胞。
【請求項65】
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を産生する方法であっ
て、前記抗体が発現する条件下で請求項64に記載の宿主細胞を培養することと、前記宿
主細胞によって産生された前記二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又は前記その抗
原結合断片を回収及び精製することと、を含む、方法。
【請求項66】
請求項45~56のいずれか一項に記載の二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又
はその抗原結合断片を産生する方法であって、
a)2つの同一のHC1及び2つの同一のLC1を有する単一特異性二価TMEFF2
抗体、並びに2つの同一のHC2及び2つの同一のLC2を有する単一特異性二価CD3
抗体を約1:1の混合物のモル比で組み合わせることと、
b)前記混合物に還元剤を導入することと、
c)前記混合物を約90分~約6時間インキュベートすることと、
d)前記還元剤を除去することと、
e)HC1、LC1、HC2、及びLC2を含む前記二重特異性抗TMEFF2/抗C
D3抗体又はその抗原結合断片を精製することと、
を含む、方法。
【請求項67】
前記還元剤が、2-メルカプトエタノールアミン(2-MEA)である、請求項66に
記載の方法。
【請求項68】
前記2-MEAが、約25mM~約75mMの濃度で存在する、請求項67に記載の方
法。
【請求項69】
前記インキュベートする工程が、約25℃~約37℃の温度で実施される、請求項66
~68のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
TMEFF2陽性癌の治療を必要とする対象においてTMEFF2陽性癌を治療する方
法であって、治療に有効な量の請求項45~60のいずれか一項に記載の二重特異性抗T
MEFF2/抗CD3抗体若しくはその抗原結合断片、又は請求項61に記載の医薬組成
物を、前記対象に投与して、前記TMEFF2陽性癌を治療することを含む、方法。
【請求項71】
前記TMEFF2陽性癌が、前立腺癌である、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記前立腺癌が、再発性、難治性、悪性、若しくは去勢抵抗性前立腺癌、又はそれらの
任意の組み合わせである、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片が、第2の治療剤
と組み合わせて投与される、請求項70~72のいずれか一項に記載の方法。
【請求項74】
前記第2の治療剤が、手術、化学療法、アンドロゲン遮断療法、若しくは放射線、又は
それらの任意の組み合わせである、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
請求項45~56のいずれか一項に記載の二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又
はその抗原結合断片に結合する、抗イディオタイプ抗体。
【請求項76】
請求項45~56のいずれか一項に記載の抗体を含む、キット。
【請求項77】
療法に使用するための、請求項45~56のいずれか一項に記載の単離された二重特異
性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
【請求項78】
TMEFF2陽性癌の治療に使用するための、請求項45~56のいずれか一項に記載
の単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
【請求項79】
TMEFF2陽性癌の治療用薬品の製造のための、請求項45~60のいずれか一項に
記載の単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片の使用
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、ASCIIフォーマットで電子的に提出済みであり、その全体が参照により
本明細書に組み込まれている配列表を含む。当該ASCIIのコピーは、2019年1月
31日に作成され、JBI5160WOPCT1_SL.txtの名称であり、144,
156バイトのサイズである。
【0002】
(発明の分野)
本明細書に提供される開示は、単一特異性及び多重特異性抗TMEFF2抗体、並びに
記載の抗体を産生及び使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
前立腺癌は、世界中の男性において2番目に最も一般的な癌であり、癌関連死では6番
目に多い原因である。世界的には、およそ1,100,000人の新たな症例及び300
,000人の死亡例が毎年存在し、これは全癌死の4%を構成する。男性の6人に1人が
生涯のうちにこの疾患を有すると診断されるであろうと推定されている。前立腺癌リスク
は、年齢と強く相関している:約4分の3の症例が、65歳を超える男性に生じ、70~
74歳の症例が最も多い。50代の男性のうちの約半数及び80歳の男性のうちの80%
が、前立腺における癌の組織学的証拠を有することが、検死データから推定される。早期
のステージでは、5年生存率はほぼ100%である。しかしながら、癌が転移すると、5
年生存率は28%まで低下し、進行したステージの前立腺癌の有効な治療に対する必要性
が未だ存在する。
【0004】
精巣アンドロゲン遮断療法は、通常、(患者のうちの80%に)疾患の安定化又は退行
を生じる。前立腺癌の現在の治療方法としては、手術、放射線療法、及びホルモン療法が
挙げられる。一般的には、癌ワクチンであるシプリューセルT(sipuleucel-T)、放射性
治療剤(塩化ラジウム223など)、二次ホルモン療法(アビラテロン又はエンザルタミ
ドなど)、及び/又は化学療法(ドセタキセル及びカバジタキセル)が、順番にホルモン
療法に加えられる。これらの治療の各々は、癌の成長を数ヶ月遅らせ、疾患により生じる
症状を和らげることができるが、最終的には転移性前立腺癌の進行は進む。ホルモン療法
によるテストステロンレベルの低下にもかかわらず前立腺癌が成長すると、治療選択肢が
限定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、前立腺癌を治療するための更なる療法を開発する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、TMEFF2の配列番号110の膜近位領域に結合する、単離された抗TM
EFF2抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0007】
本発明はまた、TMEFF2の膜近位領域に結合する、単離された抗TMEFF2抗体
又はその抗原結合断片であって、抗体又はその抗原結合断片が、TMEFF2の膜近位領
域への結合に関して、配列番号25の重鎖可変領域(heavy chain variable region、V
H)及び配列番号28の軽鎖可変領域(light chain variable region、VL)、配列番
号26のVH及び配列番号29のVL、配列番号27のVH及び配列番号30のVL、配
列番号26のVH及び配列番号31のVL、配列番号87のVH及び配列番号88のVL
、又は配列番号89のVH及び配列番号90のVL、を含む参照抗体と競合する、単離さ
れた抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0008】
本発明はまた、TMEFF2の膜近位領域に結合する、単離された抗TMEFF2抗体
又はその抗原結合断片であって、抗体又はその抗原結合断片が、残基HGKCEHSIN
MQEPSC(配列番号57)又はDAGYTGQHCEKKDYSVL(配列番号58
)内でTMEFF2の膜近位領域に結合する、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗
原結合断片を提供する。
【0009】
本発明はまた、本明細書に記載のある特定の重鎖及び軽鎖相補性決定領域配列を有する
、単離された抗TMEFF2抗体を提供する。
【0010】
本発明はまた、本明細書に記載のある特定の重鎖可変領域及び軽鎖可変領域配列を有す
る、単離された抗TMEFF2抗体を提供する。
【0011】
本発明はまた、本明細書に記載のある特定の重鎖及び軽鎖配列を有する、単離された抗
TMEFF2抗体を提供する。
【0012】
本発明はまた、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片であって、
それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び22のHCDR1、HCDR2
、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3、
配列番号25のVH及び配列番号28のVL、並びに/又は
配列番号32のHC及び配列番号35のLC、を含む、単離された抗TMEFF2抗体
又はその抗原結合断片を提供する。
【0013】
本発明はまた、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片であって、
それぞれ配列番号11、13、16、19、21、及び23のHCDR1、HCDR2
、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3、
配列番号26のVH及び配列番号29のVL、並びに/又は
配列番号33のHC及び配列番号36のLC、を含む、単離された抗TMEFF2抗体
又はその抗原結合断片を提供する。
【0014】
本発明はまた、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片であって、
それぞれ配列番号10、14、17、18、20、及び24のHCDR1、HCDR2
、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3、
配列番号27のVH及び配列番号30のVL、並びに/又は
配列番号34のHC及び配列番号37のLC、を含む、単離された抗TMEFF2抗体
又はその抗原結合断片を提供する。
【0015】
本発明はまた、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片であって、
それぞれ配列番号11、13、16、18、20、及び22のHCDR1、HCDR2
、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3、
配列番号26のVH及び配列番号31のVL、並びに/又は
配列番号33のHC及び配列番号38のLC、を含む、単離された抗TMEFF2抗体
又はその抗原結合断片を提供する。
【0016】
本発明はまた、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片であって、
それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び86のHCDR1、HCDR2
、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3、
配列番号87のVH及び配列番号88のVL、並びに/又は
配列番号91のHC及び配列番号92のLC、を含む、単離された抗TMEFF2抗体
又はその抗原結合断片を提供する。
【0017】
本発明はまた、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片であって、
それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び86のHCDR1、HCDR2
、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3、
配列番号89のVH及び配列番号90のVL、並びに/又は
配列番号93のHC及び配列番号94のLC、を含む、単離された抗TMEFF2抗体
又はその抗原結合断片を提供する。
【0018】
本発明はまた、本発明の抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片と、医薬的に許容さ
れる担体と、を含む、医薬組成物を提供する。
【0019】
本発明はまた、本発明の抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片をコードする単離さ
れたポリヌクレオチドであって、配列番号25、26、27、87、若しくは89の抗T
MEFF2抗体VH及び/若しくは配列番号28、29、30、31、88、若しくは9
0のVLをコードするか、又は配列番号39、40、41、42、43、44、45、4
6、47、48、49、50、51、52、95、96、97、98、99、100、1
01、又は102のポリヌクレオチド配列を含む、単離されたポリヌクレオチドを提供す
る。
【0020】
本発明はまた、本発明のポリヌクレオチドを含むベクターを提供する。
【0021】
本発明はまた、本発明のベクターを含む宿主細胞を提供する。
【0022】
本発明はまた、本発明の抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片を産生する方法であ
って、抗体又は抗原結合断片が発現する条件下で、本発明の宿主細胞を培養することと、
宿主細胞によって産生された抗体又はその抗原結合断片を回収することと、を含む、方法
を提供する。
【0023】
本発明はまた、TMEFF2陽性癌の治療を必要とする対象においてTMEFF2陽性
癌を治療する方法であって、治療に有効な量の本発明の単離された抗TMEFF2抗体若
しくはその抗原結合断片、又は本発明の医薬組成物を対象に投与して、TMEFF2陽性
癌を治療することを含む、方法を提供する。
【0024】
本発明はまた、本発明の抗TMEFF2抗体に結合する抗イディオタイプ抗体を提供す
る。
【0025】
本発明はまた、本発明の抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片を含む、キットを提
供する。
【0026】
本発明はまた、TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のド
メインと、を含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結
合断片を提供する。
【0027】
本発明はまた、TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のド
メインと、を含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結
合断片であって、抗体が、TMEFF2の配列番号110の膜近位領域に結合する、単離
された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0028】
本発明はまた、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合
断片であって、抗体が、TMEFF2の膜近位領域への結合に関して、配列番号25の重
鎖可変領域(VH)及び配列番号28の軽鎖可変領域(VL)、配列番号26のVH及び
配列番号29のVL、配列番号27のVH及び配列番号30のVL、配列番号26のVH
及び配列番号31のVL、配列番号87のVH及び配列番号88のVL、又は配列番号8
9のVH及び配列番号90のVL、を含む参照抗体と競合する、単離された二重特異性抗
TMEFF2抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0029】
本発明はまた、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合
断片であって、抗体が、TMEFF2上で配列番号57又は配列番号58のエピトープに
結合する、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を
提供する。
【0030】
本発明はまた、TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のド
メインと、を含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結
合断片であって、
第1のドメインが、それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び22のHC
DR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、第
2のドメインが、それぞれ配列番号60、61、62、63、64、及び65のHCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
第1のドメインが、配列番号25のVH及び配列番号28のVLを含み、第2のドメイ
ンが、配列番号66のVH及び配列番号67のVLを含み、かつ/又は
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくはその抗原結合断片が、配列番号32
の第1の重鎖(first heavy chain、HC1)、配列番号35の第1の軽鎖(first light
chain、LC1)、配列番号76の第2の重鎖(second heavy chain、HC2)、及び配
列番号77の第2の軽鎖(second light chain、LC2)を含む、単離された二重特異性
抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0031】
本発明はまた、TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のド
メインと、を含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結
合断片であって、
第1のドメインが、それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び22のHC
DR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、第
2のドメインが、それぞれ配列番号68、69、70、71、72、及び73のHCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
第1のドメインが、配列番号25のVH及び配列番号28のVLを含み、第2のドメイ
ンが、配列番号74のVH及び配列番号75のVLを含み、かつ/又は
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくはその抗原結合断片が、配列番号32
のHC1、配列番号35のLC1、配列番号78のHC2、及び配列番号79のLC2を
含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を提供
する。
【0032】
本発明はまた、TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のド
メインと、を含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結
合断片であって、
第1のドメインが、それぞれ配列番号11、13、16、19、21、及び23のHC
DR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、第
2のドメインが、それぞれ配列番号60、61、62、63、64、及び65のHCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
第1のドメインが、配列番号26のVH及び配列番号29のVLを含み、第2のドメイ
ンが、配列番号66のVH及び配列番号67のVLを含み、かつ/又は
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくはその抗原結合断片が、配列番号33
のHC1、配列番号36のLC1、配列番号76のHC2、及び配列番号77のLC2を
含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を提供
する。
【0033】
本発明はまた、TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のド
メインと、を含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結
合断片であって、
第1のドメインが、それぞれ配列番号11、13、16、19、21、及び23のHC
DR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、第
2のドメインが、それぞれ配列番号68、69、70、71、72、及び73のHCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
第1のドメインが、配列番号26のVH及び配列番号29のVLを含み、第2のドメイ
ンが、配列番号74のVH及び配列番号75のVLを含み、かつ/又は
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくはその抗原結合断片が、配列番号33
のHC1、配列番号36のLC1、配列番号78のHC2、及び配列番号79のLC2を
含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を提供
する。
【0034】
本発明はまた、TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のド
メインと、を含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結
合断片であって、
第1のドメインが、それぞれ配列番号10、14、17、18、20、及び24のHC
DR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、第
2のドメインが、それぞれ配列番号60、61、62、63、64、及び65のHCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
第1のドメインが、配列番号27のVH及び配列番号30のVLを含み、第2のドメイ
ンが、配列番号66のVH及び配列番号67のVLを含み、かつ/又は
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくはその抗原結合断片が、配列番号34
のHC1、配列番号37のLC1、配列番号76のHC2、及び配列番号77のLC2を
含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を提供
する。
【0035】
本発明はまた、TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のド
メインと、を含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結
合断片であって、
第1のドメインが、それぞれ配列番号10、14、17、18、20、及び24のHC
DR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、第
2のドメインが、それぞれ配列番号68、69、70、71、72、及び73のHCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
第1のドメインが、配列番号27のVH及び配列番号30のVLを含み、第2のドメイ
ンが、配列番号74のVH及び配列番号75のVLを含み、かつ/又は
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくはその抗原結合断片が、配列番号34
のHC1、配列番号37のLC1、配列番号78のHC2、及び配列番号79のLC2を
含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を提供
する。
【0036】
本発明はまた、TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のド
メインと、を含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結
合断片であって、
第1のドメインが、それぞれ配列番号11、13、16、18、20、及び22のHC
DR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、第
2のドメインが、それぞれ配列番号60、61、62、63、64、及び65のHCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
第1のドメインが、配列番号26のVH及び配列番号31のVLを含み、第2のドメイ
ンが、配列番号66のVH及び配列番号67のVLを含み、かつ/又は
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくはその抗原結合断片が、配列番号33
のHC1、配列番号38のLC1、配列番号76のHC2、及び配列番号77のLC2を
含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を提供
する。
【0037】
本発明はまた、TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のド
メインと、を含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結
合断片であって、
第1のドメインが、それぞれ配列番号11、13、16、18、20、及び22のHC
DR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、第
2のドメインが、それぞれ配列番号68、69、70、71、72、及び73のHCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
第1のドメインが、配列番号26のVH及び配列番号31のVLを含み、第2のドメイ
ンが、配列番号74のVH及び配列番号75のVLを含み、かつ/又は
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくはその抗原結合断片が、配列番号33
のHC1、配列番号38のLC1、配列番号78のHC2、及び配列番号79のLC2を
含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を提供
する。
【0038】
本発明はまた、TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のド
メインと、を含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結
合断片であって、
第1のドメインが、それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び86のHC
DR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、第
2のドメインが、それぞれ配列番号60、61、62、63、64、及び65のHCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
第1のドメインが、配列番号87のVH及び配列番号88のVLを含み、第2のドメイ
ンが、配列番号66のVH及び配列番号67のVLを含み、かつ/又は
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくはその抗原結合断片が、配列番号91
のHC1、配列番号92のLC1、配列番号76のHC2、及び配列番号77のLC2を
含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を提供
する。
【0039】
本発明はまた、TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のド
メインと、を含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結
合断片であって、
第1のドメインが、それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び86のHC
DR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、第
2のドメインが、それぞれ配列番号68、69、70、71、72、及び73のHCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
第1のドメインが、配列番号87のVH及び配列番号88のVLを含み、第2のドメイ
ンが、配列番号74のVH及び配列番号75のVLを含み、かつ/又は
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくはその抗原結合断片が、配列番号91
のHC1、配列番号92のLC1、配列番号78のHC2、及び配列番号79のLC2を
含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を提供
する。
【0040】
本発明はまた、TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のド
メインと、を含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結
合断片であって、
第1のドメインが、それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び86のHC
DR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、第
2のドメインが、それぞれ配列番号60、61、62、63、64、及び65のHCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
第1のドメインが、配列番号89のVH及び配列番号90のVLを含み、第2のドメイ
ンが、配列番号66のVH及び配列番号67のVLを含み、かつ/又は
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくはその抗原結合断片が、配列番号93
のHC1、配列番号94のLC1、配列番号76のHC2、及び配列番号77のLC2を
含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を提供
する。
【0041】
本発明はまた、TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のド
メインと、を含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結
合断片であって、
第1のドメインが、それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び86のHC
DR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、第
2のドメインが、それぞれ配列番号68、69、70、71、72、及び73のHCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
第1のドメインが、配列番号89のVH及び配列番号90のVLを含み、第2のドメイ
ンが、配列番号74のVH及び配列番号75のVLを含み、かつ/又は
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくはその抗原結合断片が、配列番号93
のHC1、配列番号94のLC1、配列番号78のHC2、及び配列番号79のLC2を
含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を提供
する。
【0042】
本発明はまた、本発明の二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断
片と、医薬的に許容される担体と、を含む、医薬組成物を提供する。
【0043】
本発明はまた、本発明の二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断
片をコードする、ポリヌクレオチドを提供する。
【0044】
本発明はまた、二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体を産生する方法であって、抗
体が発現する条件下で本発明の宿主細胞を培養することと、宿主細胞によって産生された
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を回収及び精製すること
と、を含む、方法を提供する。
【0045】
本発明はまた、二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を産生
する方法であって、
2つの同一のHC1及び2つの同一のLC1を有する単一特異性二価TMEFF2抗体
、並びに2つの同一のHC2及び2つの同一のLC2を有する単一特異性二価CD3抗体
を約1:1の混合物のモル比で組み合わせることと、
混合物に還元剤を導入することと、
混合物を約90分~約6時間インキュベートすることと、
還元剤を除去することと、
HC1、LC1、HC2、及びLC2を含む二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体
又はその抗原結合断片を精製することと、を含む、方法を提供する。
【0046】
本発明はまた、TMEFF2陽性癌の治療を必要とする対象においてTMEFF2陽性
癌を治療する方法であって、治療に有効な量の本発明の二重特異性抗TMEFF2/抗C
D3抗体若しくはその抗原結合断片、又は本発明の医薬組成物を対象に投与して、TME
FF2陽性癌を治療することを含む、方法を提供する。
【0047】
本発明はまた、本発明の二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断
片に結合する、抗イディオタイプ抗体を提供する。
【0048】
本発明はまた、本発明の二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体を含む、キットを提
供する。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1】選択抗TMEFF2抗体重鎖可変領域(VH)のアラインメントを示す。VH領域は、各行の先頭の配列番号によって同定される。
図2】選択抗TMEFF2抗体軽鎖可変領域(VL)のアラインメントを示す。VH領域は、各行の先頭の配列番号によって同定される。
図3】選択二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体によって、カスパーゼ3/7活性を増加させることによって測定した、経時的なLnCaP細胞の殺傷を示す。
図4】雄NGSマウスにおけるエクスビボでのLnCaP前立腺癌モデルにおける、選択二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体による、腫瘍移植の経時的な平均腫瘍体積の低減を示す。
図5A】雄NGSマウスにおけるエクスビボでのLnCaP前立腺癌モデルにおける、0.5mg/kgのTMCB93で治療した各マウスの平均腫瘍体積の低減を示す。
図5B】雄NGSマウスにおけるエクスビボでのLnCaP前立腺癌モデルにおける、0.5mg/kgのTMCB132で治療した各マウスの平均腫瘍体積の低減を示す。
図6】T細胞ヒト化NSGマウスの確立されたLNCaP異種移植片における、TMEB762xCD3B376の有効性を示す。
図7】TMCB132の投与に応答したLnCaP前立腺癌細胞における、T細胞活性化を示す。
図8】TMCB132のT細胞媒介性細胞障害を示す。
図9】T細胞ヒト化マウスにおけるTMCB132の抗腫瘍有効性を示す。
【発明を実施するための形態】
【0050】
本明細書に引用されている特許及び特許出願を含む(但しそれらに限定されない)全て
の刊行物は、完全に記載されているかのように参照により、本明細書に組み込まれる。
【0051】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を記載する目的でのみ使用され、限定を
意図するものではないと理解すべきである。特に断らない限り、本明細書において使用さ
れる全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する当業者によって一般的に理解されて
いるものと同じ意味を有する。
【0052】
本明細書に記載されているものと同様又は同等の任意の方法及び材料を、本発明の試験
を実施するために使用することができるが、例示的な材料及び方法を本明細書に記載する
。本発明を説明及び特許請求する上で以下の用語が使用される。
【0053】
本明細書及び添付の「特許請求の範囲」において使用されるとき、「a」、「an」、
及び「the」という単数形は、その内容について別段の明確な指示がない限り、複数の
指示対象を包含する。したがって、例えば、「細胞(a cell)」という言及には、2つ又
は3つ以上の細胞の組み合わせ、及びこれに類するものなどが含まれる。
【0054】
文脈上明白に他の意味に解すべき場合を除き、明細書及び特許請求の範囲を通して、単
語「含む(comprise)」、「含む(comprising)」などは、排他的又は排外的な意味とは
対照的に、包括的な意味で、即ち、「~を含むがこれらに限定されない」という意味で解
釈されるべきである。
【0055】
「特異的結合」、「特異的に結合する」、又は「特異的な結合」、又は「結合する」と
は、抗体が、抗原又は抗原内のエピトープに、他の抗原に対するよりも高い親和性で結合
することを指す。典型的には、抗体は、約5×10-8M以下、例えば約1×10-9
以下、約1×10-10M以下、約1×10-11M以下、又は約1×10-12M以下
の平衡解離定数(K)で抗原又は抗原内のエピトープに結合し、非特異性抗原(例えば
、BSA、カゼイン)への結合に関しては、典型的には、そのKより少なくとも100
倍小さいKで結合する。解離定数は、本明細書に記載のプロトコルを使用して測定する
ことができる。しかしながら、抗原又は抗原内のエピトープに結合する抗体は、他の関連
抗原、例えば、ヒト又はサル、例えば、Macaca fascicularis(カニ
クイザル、cyno)、又はPan troglodytes(チンパンジー、chim
p)などの他の種由来の同じ抗原(ホモログ)に対して交差反応性を有する場合がある。
単一特異性抗体は、1つの抗原又は1つのエピトープに結合するが、二重特異性抗体は、
2つの異なる抗原又は2つの異なるエピトープに結合する。
【0056】
「抗体」は、広義の意味を有し、マウス、ヒト、ヒト化、及びキメラモノクローナル抗
体を含むモノクローナル抗体、抗原結合断片、二重特異性、三重特異性、四重特異性など
の多重特異性抗体、二量体、四量体、又は多量体抗体、一本鎖抗体、ドメイン抗体、並び
に必要とされる特異性の抗原結合部位を含む免疫グロブリン分子の任意の他の修飾された
形態を含む免疫グロブリン分子を含む。「完全長抗体」は、ジスルフィド結合により相互
接続された、2本の重鎖(HC)及び2本の軽鎖(LC)、並びにこれらの多量体(例え
ばIgM)からなる。各重鎖は、重鎖可変領域(VH)、並びに重鎖定常領域(ドメイン
CH1、ヒンジ、CH2、及びCH3からなる)から構成される。各軽鎖は、軽鎖可変領
域及び軽鎖定常領域(constant region、CL)から構成される。VH領域及びVL領域
は、フレームワーク領域(FR)が散在しており相補性決定領域(complementarity dete
rmining regions、CDR)と呼称される超可変領域に更に分類され得る。各VH及びV
Lは、アミノ末端からカルボキシ末端に向かって以下の順序:FR1、CDR1、FR2
、CDR2、FR3、CDR3、及びFR4で配置された、3つのCDR及び4つのFR
セグメントで構成される。
【0057】
「相補性決定領域(CDR)」は、抗原に結合する抗体の領域である。CDRは、Ka
bat(Wu et al.(1970)J Exp Med132:211-50)(
Kabat et al.,Sequences of Proteins of Im
munological Interest,5th Ed.Public Healt
h Service,National Institutes of Health,
Bethesda,Md.,1991)、Chothia(Chothia et al
.(1987)J Mol Biol 196:901-17),IMGT(Lefra
nc et al.(2003)Dev Comp Immunol 27:55-77
)、及びAbM(Martin and Thornton(1996)J Bmol
Biol 263:800-15)などの、様々な記述を使用して定義することができる
。様々な記述と、可変領域の付番との対応が記載されている(例えば、Lefranc
et al.(2003)Dev Comp Immunol 27:55-77、Ho
negger and Pluckthun,(2001)J Mol Biol 30
9:657-70、International ImMunoGeneTics(IM
GT)データベース、ウェブリソース、www.imgt.org)。UCL Busi
ness PLCによるabYsisなどの利用可能なプログラムを使用して、CDRを
描写することができる。本明細書で使用する場合、「CDR」、「HCDR1」、「HC
DR2」、「HCDR3」、「LCDR1」、「LCDR2」、及び「LCDR3」とい
う用語は、明細書で別途明示的に記載のない限り、上述のKabat、Chothia、
IMGT、又はAbMの方法のうちのいずれかによって定義されるCDRを含む。
【0058】
免疫グロブリンは、重鎖定常ドメインのアミノ酸配列に応じて、5つの主要なクラス、
即ちIgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMに割り当てられ得る。IgA及びIg
Gは、アイソタイプのIgA1、IgA2、IgG1、IgG2、IgG3及びIgG4
として更に細分類される。どのような脊椎動物種の抗体軽鎖も、その定常ドメインのアミ
ノ酸配列に基づいて、2つの明確に異なるタイプ、即ち、カッパ(κ)及びラムダ(λ)
のうちの一方に割り当てることができる。
【0059】
「抗原結合断片」とは、抗原に結合する免疫グロブリン分子の一部を意味する。抗原結
合断片は合成ポリペプチド、酵素により入手可能なポリペプチド、又は遺伝子操作された
ポリペプチドであってもよく、VH、VL、VH及びVL、Fab、F(ab’)2、F
d及びFv断片、1つのVHドメイン又は1つのVLドメインからなるドメイン抗体(d
Ab)、サメ可変性IgNARドメイン、ラクダ化VHドメイン、FR3-CDR3-F
R4部分などの、抗体のCDRを模倣したアミノ酸残基からなる最小の認識単位、HCD
R1、HCDR2、及び/又はHCDR3、並びにLCDR1、LCDR2、及び/又は
LCDR3が挙げられる。VH及びVLドメインは互いに、合成リンカーを介して結合し
、様々なタイプの一本鎖抗体設計を形成することができ、VH及びVLドメインが、個別
の一本鎖抗体構築物により発現される場合では、VH/VLドメインが分子内、又は分子
間で対合し、一価の抗原結合部位、例えば一本鎖Fv(single chain Fv、scFv)又
は二重特異性抗体を形成することができ、これらは、例えば国際公開第1998/440
01号、同第1988/01649号、同第1994/13804号、及び同第1992
/01047号に記載されている。
【0060】
「モノクローナル抗体」とは、抗体分子の実質的に均質な母集団(即ち、母集団を含む
個別の抗体が、抗体重鎖からC末端リジンを除去する、又は、アミノ酸異性化若しくはア
ミド分解、メチオニン酸化若しくはアスパラギン若しくはグルタミンアミド分解などの翻
訳後修飾といった、可能な周知の変更を除いて同一である)から入手される抗体を意味す
る。モノクローナル抗体は典型的には、1つの抗原性エピトープに結合する。二重特異性
モノクローナル抗体は、2つの異なる抗原性エピトープに結合する。モノクローナル抗体
は、抗体集団内で不均一なグリコシル化を有し得る。モノクローナル抗体は、単一特異性
であってもよく、又は、二重特異性などの多重特異性であってもよく、一価、二価、又は
多価であってもよい。
【0061】
「単離された」とは、組み換え細胞などの分子が産生されるシステムの他の成分から実
質的に分離及び/又は精製されている、分子の均質な母集団(例えば、合成ポリヌクレオ
チド又は抗体などのタンパク質)に加えて、少なくとも1つの精製又は単離工程に供され
たタンパク質を指す。「単離抗体」とは、他の細胞材料及び/又は化学物質を実質的に含
まない抗体を意味し、より高い純度、例えば80%、81%、82%、83%、84%、
85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、
95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の純度まで単離された抗体を包
含する。
【0062】
「ヒト化抗体」とは、少なくとも1つのCDRが非ヒト種に由来し、少なくとも1つの
フレームワークがヒト免疫グロブリン配列に由来する抗体を意味する。ヒト化抗体は、フ
レームワークに置換を含むことができるため、フレームワークは、発現したヒト免疫グロ
ブリン又はヒト免疫グロブリン生殖系遺伝子配列の厳密なコピーではない場合がある。
【0063】
「ヒト抗体」とは、ヒト対象に投与されるときに、最小の免疫応答を有するように最適
化された抗体を意味する。ヒト抗体の可変領域は、ヒト免疫グロブリン配列に由来する。
ヒト抗体が定常領域又は定常領域の一部分を含む場合、定常領域もヒト免疫グロブリン配
列に由来する。ヒト抗体は、ヒト抗体の可変領域がヒト生殖系列免疫グロブリン又は再編
成された免疫グロブリン遺伝子を使用する系から得られた場合のヒト起源の配列に「由来
する」重鎖及び軽鎖可変領域を含む。そのような例示的な系は、ファージ上に提示された
ヒト免疫グロブリン遺伝子ライブラリ、及びヒト免疫グロブリン遺伝子座を担持するマウ
ス又はラットなどの、非ヒトトランスジェニック動物である。「ヒト抗体」は、典型的に
は、ヒト抗体及びヒト免疫グロブリン座位を得るために使用する系間の違い、フレームワ
ーク若しくはCDR、又はその両方への、体細胞変異の導入又は意図的な置換の導入に起
因する、ヒトで発現する免疫グロブリンと比較したときの、アミノ酸の違いを含む。典型
的には、「ヒト抗体」は、ヒト生殖系列免疫グロブリン又は再編成された免疫グロブリン
遺伝子によってコードされているアミノ酸配列に対して、アミノ酸配列が少なくとも約8
0%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、9
0%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同
一である。場合によっては、「ヒト抗体」は、例えば、Knappik et al.,
(2000)J Mol Biol 296:57-86に記載のヒトフレームワーク配
列分析により誘導される、コンセンサスフレームワーク配列、又は、例えば、Shi e
t al.,(2010)J Mol Biol 397:385-96、及び国際公開
第2009/085462号に記載の、ファージ上に提示されるヒト免疫グロブリン遺伝
子ライブラリに組み込まれた、合成HCDR3を含み得る。
【0064】
少なくとも1つのCDRが非ヒト種に由来する抗体は、「ヒト抗体」の定義には含まれ
ない。
【0065】
「組み換え」は、異なる源からのセグメントを接合して組み換えDNA、抗体、又はタ
ンパク質を産生するときに、組み換え手段によって調製、発現、作製、又は単離されたD
NA、抗体、及び他のタンパク質を指す。
【0066】
「エピトープ」は、抗体が特異的に結合する抗原の部分を指す。エピトープは典型的に
は、アミノ酸又は多糖側鎖などの化学的に活性な(極性、非極性又は疎水性など)部分の
表面集団からなり、特定の三次元構造特性並びに特定の電荷特性を有し得る。エピトープ
は、立体配座上の空間単位を形成する連続的な及び/又は不連続なアミノ酸によって構成
され得る。不連続なエピトープでは、抗原の直鎖配列の異なる部分にあるアミノ酸が、タ
ンパク質分子の折り畳みにより三次元空間でごく近接するようになる。
【0067】
「二重特異性」は、2つの異なる抗原、又は同じ抗原中の2つの異なるエピトープと特
異的に結合する抗体を指す。二重特異性抗体は、他の関連抗原、例えば、ヒト若しくはサ
ル、例えば、Macaca cynomolgus(カニクイザル、cyno)、若しく
はPan troglodytesなどの他の種からの、同じ抗原(ホモログ)に対する
交差反応性を有し得るか、又は2つ又は3つ以上の異なる抗原間で共有されるエピトープ
に結合し得る。
【0068】
「多重特異性」とは、同じ抗原内の2つ又は3つ以上の異なる抗原、又は2つ又は3つ
以上の異なるエピトープに特異的に結合する抗体を意味する。多重特異性抗体は、他の関
連抗原、例えば、ヒト若しくはサル、例えば、Macaca cynomolgus(カ
ニクイザル、cyno)、若しくはPan troglodytesなどの他の種からの
、同じ抗原(ホモログ)に対する交差反応性を有し得るか、又は2つ又は3つ以上の異な
る抗原間で共有されるエピトープに結合し得る。
【0069】
「変異体」は、1つ又は2つ以上の修飾、例えば、1つ又は2つ以上の置換、挿入、又
は欠失によって参照ポリペプチド又は参照ポリヌクレオチドとは異なるポリペプチド又は
ポリヌクレオチドを指す。
【0070】
「ベクター」は、生物系内で複製可能な、又はそのような系間を移動することができる
、ポリヌクレオチドを指す。ベクターポリヌクレオチドは、典型的には、ベクターを複製
することができる生物学的要素を利用して生物系(例えば、細胞、ウイルス、動物、植物
)及び再構成された生物系におけるこれらポリヌクレオチドの複製又は維持を促進する機
能を有する、複製起点、ポリアデニル化シグナル、又は選択マーカーなどの要素を含む。
ベクターポリヌクレオチドは、一本鎖又は二本鎖のDNA若しくはRNA分子、又はこれ
らのハイブリッドであり得る。
【0071】
「発現ベクター」は、発現ベクター中に存在するポリヌクレオチド配列によってコード
されるポリペプチドの翻訳を指令するために、生物系又は再構成された生物系において利
用することができるベクターを指す。
【0072】
「ポリヌクレオチド」とは、糖-ホスフェート主鎖により共有結合した、又は他の等価
な共有化学反応により結合した、ヌクレオチド鎖を含む合成分子を意味する。cDNAは
、例示的な合成ポリヌクレオチドである。
【0073】
「ポリペプチド」又は「タンパク質」は、ペプチド結合によって連結されてポリペプチ
ドを形成する少なくとも2つのアミノ酸残基を含む分子を指す。50個未満のアミノ酸か
らなる小分子ポリペプチドは、「ペプチド」と称され得る。
【0074】
「TMEFF2」は、EGF様、及びトモレグリン2とも呼ばれる2つのフォリスタチ
ン様ドメイン2を有する、ヒト膜貫通タンパク質を指す。完全長ヒトTMEFF2のアミ
ノ酸配列は、配列番号1に示される。TMEFF2の細胞外ドメインは、配列番号2に示
され、これは全長TMEFF2の残基40~374に及ぶ。TMEFF2細胞外ドメイン
は、3つの異なるサブドメイン、Kazal様1(残基85~137)、Kazal様2
(残基176~229)、及びEGFドメイン(残基261~301)を保有する。TM
EFF2 EGFドメインは、配列番号3に示される。TMEFF2「膜近位領域」は、
EGFドメイン及びN-C末端リンカー領域(例えば、配列番号1の全長ヒトTMEFF
2の残基230~320)を包含する、配列番号110のTMEFF2 reqionを
指す。本明細書のタンパク質、ポリペプチド、及びタンパク質断片に対する全ての言及は
、非ヒト種からのものとして明示的に指定されない限り、それぞれのタンパク質、ポリペ
プチド、又はタンパク質断片のヒトバージョンを指すことが意図される。したがって、「
TMEFF2」は、非ヒト種、例えば、「マウスTMEFF2」又は「サルTMEFF2
」などからのものとして指定されない限り、ヒトTMEFF2を意味する。
【0075】
配列番号1(完全長ヒトTMEFF2)
MVLWESPRQCSSWTLCEGFCWLLLLPVMLLIVARPVKLA
AFPTSLSDCQTPTGWNCSGYD
DRENDLFLCDTNTCKFDGECLRIGDTVTCVCQFKCNNDY
VPVCGSNGESYQNECYLRQAA
CKQQSEILVVSEGSCATDAGSGSGDGVHEGSGETSQKET
STCDICQFGAECDEDAEDVWC
VCNIDCSQTNFNPLCASDGKSYDNACQIKEASCQKQEKI
EVMSLGRCQDNTTTTTKSEDG
HYARTDYAENANKLEESAREHHIPCPEHYNGFCMHGKCE
HSINMQEPSCRCDAGYTGQHC
EKKDYSVLYVVPGPVRFQYVLIAAVIGTIQIAVICVVVL
CITRKCPRSNRIHRQKQNTGH
YSSDNTTRASTRLI
【0076】
配列番号2(ヒトTMEFF2の細胞外ドメイン)
FPTSLSDCQTPTGWNCSGYDDRENDLFLCDTNTCKFDGE
CLRIGDTVTCVCQFKCNNDYV
PVCGSNGESYQNECYLRQAACKQQSEILVVSEGSCATDA
GSGSGDGVHEGSGETSQKETS
TCDICQFGAECDEDAEDVWCVCNIDCSQTNFNPLCASDG
KSYDNACQIKEASCQKQEKIE
VMSLGRCQDNTTTTTKSEDGHYARTDYAENANKLEESAR
EHHIPCPEHYNGFCM HGKCEHSINMQEPSCRCDAGYTGQ
HCEKKDYSVLYVVPGPVRFQYVLIAAVIGTIQIAVICVVV
LCITRKCPRSNRIHRQKQNTGHYSSDNTTRASTRLI
【0077】
TMEFF2 EGFドメイン 配列番号3
HHIPCPEHYNGFCMHGKCEHSINMQEPSCRCDAGYTGQH
CE
【0078】
TMEFF2膜近位領域 配列番号110
NTTTTTKSEDGHYARTDYAENANKLEESAREHHIPCPEH
YNGFCMHGKCEHSINMQEPSCRCDAGYTGQHCEKKDYSVL
YVVPGPVRFQYV
【0079】
「CD3」は、多分子T細胞受容体(T cell receptor、TCR)複合体の一部として
T細胞上で発現され、2つ又は4つの受容体鎖:CD3イプシロン、CD3デルタ、CD
3ゼータ、及びCD3ガンマの会合から形成されたホモ二量体又はヘテロ二量体からなる
抗原を指す。ヒトCD3イプシロンは、配列番号4のアミノ酸配列を含む。本明細書のタ
ンパク質、ポリペプチド、及びタンパク質断片に対する全ての言及は、非ヒト種からのも
のとして明示的に指定されない限り、それぞれのタンパク質、ポリペプチド、又はタンパ
ク質断片のヒトバージョンを指すことが意図される。したがって、「CD3」は、非ヒト
種、例えば、「マウスCD3」「サルCD3」などからのものとして指定されない限り、
ヒトCD3を意味する。
【0080】
配列番号4(ヒトCD3イプシロン)
MQSGTHWRVLGLCLLSVGVWGQDGNEEMGGITQTPYKVS
ISGTTVILTCPQYPGSEILWQ
HNDKNIGGDEDDKNIGSDEDHLSLKEFSELEQSGYYVCY
PRGSKPEDANFYLYLRARVCE
NCMEMDVMSVATIVIVDICITGGLLLLVYYWSKNRKAKA
KPVTRGAGAGGRQRGQNKERP
PPVPNPDYEPIRKGQRDLYSGLNQRRI
【0081】
配列番号5(ヒトCD3イプシロン細胞外ドメイン)
DGNEEMGGITQTPYKVSISGTTVILTCPQYPGSEILWQH
NDKNIGGDEDDKNIGSDEDHL
SLKEFSELEQSGYYVCYPRGSKPEDANFYLYLRARVCEN
CMEMD
【0082】
「二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体」、TMEFF2/CD3抗体、TMEF
F2xCD3抗体などは、TMEFF2及びCD3に結合する抗体を指す。
【0083】
「~と組み合わせて」とは、2つ又は3つ以上の治療薬を、混合物の状態で一緒に、単
剤として同時に、又は単剤として任意の順序で逐次、対象に投与することを意味する。
【0084】
「TMEFF2陽性癌」は、TMEFF2タンパク質の測定可能なレベルを示す癌組織
又は癌細胞を指す。TMEFF2タンパク質のレベルは、生細胞又は溶解細胞で、例えば
ELISA、免疫蛍光法、フローサイトメトリー、又は放射免疫アッセイを使用する周知
のアッセイを使用して、測定することができる。
【0085】
「サンプル」は、対象から単離された類似の流体、細胞、又は組織に加えて、対象の体
内に存在する流体、細胞、又は組織の収集物を指す。例示的なサンプルは、血液、血清及
び漿膜液、血漿、リンパ液、尿、唾液、嚢胞液、涙液、糞便、喀痰などの体液、分泌組織
及び器官の粘膜分泌液、膣分泌液、非固形腫瘍に関連するものなどの腹水、胸膜腔、心膜
腔、腹膜腔、腹腔、及び他の体腔の流体、気管支洗浄によって回収された流体、対象又は
生物源、例えば、細胞及び器官の培養培地(細胞又は器官の馴化培地を含む)、洗浄液な
どと接触した液体溶液、組織生検、穿刺吸引、又は外科的に切除された腫瘍組織のもので
ある。
【0086】
「癌細胞」又は「腫瘍細胞」とは、インビボ、エクスビボ、又は組織培養のいずれかに
おいて、自然発生的な又は導入された表現型の変化を有する癌性、前癌性、又は形質転換
細胞を指す。これらの変化は、必ずしも新たな遺伝物質の取り込みを伴うものではない。
形質転換は、形質転換ウイルスの感染及び新たなゲノム核酸の取り込み、又は外因性の核
酸の取り込みにより発生し得るが、自然に又は発癌物質に対する曝露に続いて発生し、そ
れにより内因性の遺伝子を変異させ得る。形質転換/癌は、in vitro、in v
ivo、及びex vivoにおける、形態学的変化、細胞の不死化、異常な増殖制御、
病巣の形成、増殖、悪性病変、腫瘍特異的マーカーレベルの調節、浸潤性、ヌードマウス
などの好適な動物宿主における腫瘍の増殖などによって例示される(Freshney,
Culture of Animal Cells:A Manual of Basi
c Technique(3rd ed.1994))。
【0087】
「約」は、当業者によって決定される特定の値について許容される誤差範囲内であるこ
とを意味し、これは、その値が測定又は決定される方法、即ち測定システムの制限事項に
ある程度依存する。特定のアッセイ、結果、又は実施形態の文脈において実施例又は明細
書のその他の箇所に別途明示的に記載のない限り、「約」は、当該技術分野の実施に従う
1つの標準偏差又は5%までの範囲のいずれかのより高い範囲内であることを意味する。
【0088】
「対象」は、任意のヒト又は非ヒト動物を含む。「非ヒト動物」は、例えば、非ヒト霊
長類、ヒツジ、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ニワトリ、両生類、爬虫類などの哺乳動物及び
非哺乳動物などの全ての脊椎動物を包含する。記載されている場合を除き、「患者」及び
「対象」という用語は、互換的に使用される。
【0089】
「治療する」、又は「治療」とは、治療的処置、及び予防的(prophylactic)若しくは
予防的(preventative)手段の両方を意味し、対象は、望ましくない生理学的変化又は疾
患を予防する、又は低減させる(少なくする)予定である。有益な又は所望の臨床結果と
しては、検出可能であろうと又は検出不可能であろうと、症状の緩和、疾患の程度の軽減
、安定した(即ち、悪化しない)疾患状態、疾患の進行の遅延又は鈍化、疾患状態の改善
又は緩和、及び寛解(部分的であろうと又は全体的であろうと)が挙げられる。「治療」
はまた、対象が治療を受けていない場合に予想される生存期間と比較して、生存期間を延
長させることを意味し得る。治療を要する者には、既に状態若しくは疾患を有している者
、及び、状態若しくは疾患を有しやすい者、又は状態若しくは疾患を予防しようとする者
が含まれる。
【0090】
「治療に有効な量」とは、必要な用量及び期間で所望の治療結果を得るための有効量を
指す。治療に有効な量は、個体の病態、年齢、性別、及び体重などの要因、並びに個体に
おいて所望の応答を引き出す1つの治療薬又は治療薬の組み合わせの能力によって様々で
あってもよい。有効な1つの治療薬、又は治療薬の組み合わせの例示的な指標としては、
例えば、患者の改善された健康が挙げられる。
【0091】
本明細書全体を通して、抗体の定常領域におけるアミノ酸残基の付番は、特に明示的に
指定されない限り、Kabat et al.,Sequences of Prote
ins of Immunological Interest,5th Ed.,Pu
blic Health Service,National Institutes
of Health(Bethesda,MD)(1991)に記載のEUインデックス
に従う。
【0092】
従来の1文字及び3文字のアミノ酸コードを、表1に示すとおりに本明細書で使用する
【0093】
【表1】
【0094】
物質の組成
本発明は、抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片、本発明の抗TMEFF2抗体の
抗原結合断片を含む多重特異性抗体、及び二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又は
その抗原結合断片を提供する。本発明は、本発明の抗体をコードするポリペプチド及びポ
リヌクレオチド、又はそれらの相補的核酸、ベクター、宿主細胞、並びにそれらを作製及
び使用する方法を提供する。
【0095】
抗TMEFF2抗体
TMEFF2発現は、他の正常組織と比較して、前立腺組織及び前立腺腺癌に著しく豊
富である。膜状TMEFF2は、疾患進行全体を通じて保持され、抗腫瘍療法の可能な標
的として機能する。TMEFF2は、プロテアーゼにより切断され、抗原の可溶性形態を
生じることが既知である。本発明では、TMEFF2の膜近位領域に導かれる抗体を生成
して、膜TMEFF2への抗体結合を最大化し、得られた抗体の可溶性TMEFF2形態
への結合を生じる可能性を最小限にした。
【0096】
本発明は、TMEFF2の配列番号110の膜近位領域に結合する、単離された抗TM
EFF2抗体又はその抗原結合断片を提供する。TMEFF2の膜近位領域に結合する本
発明の抗TMEFF2抗体は、細胞によって内在化されない。いかなる特定の理論にも束
縛されることを望むものではないが、非内在化抗TMEFF2抗体は、内在化抗TMEF
F2抗体と比較すると、TMEFF2の内在化及び分解の欠如から生じる抗体エフェクタ
ー機能によって媒介される、発癌に対して改善された効果を有することを予想することが
できる。
【0097】
「膜近位領域に結合する」とは、水素/重水素交換(H/D交換)を使用して同定され
る抗体エピトープ残基の90%が、TMEFF2の膜近位領域内に存在することを意味す
る。エピトープ残基は、H/D交換を通じた重水素化レベルの少なくとも5%の違いで、
試験抗体によって保護されるものである。例示的なそのような抗体は、本明細書に記載の
TMEB675、TMEB570、TMEB674、TMEB565、TMEB762、
及びTMEB757である。
【0098】
いくつかの実施形態では、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片は、残
基HGKCEHSINMQEPSC(配列番号57)又はDAGYTGQHCEKKDY
SVL(配列番号58)内でTMEFF2の膜近位領域に結合する。残基HGKCEHS
INMQEPSC(配列番号57)内に結合する例示的な抗TMEFF2抗体は、TME
B570である。残基DAGYTGQHCEKKDYSVL(配列番号58)内に結合す
る例示的な抗TMEFF2抗体は、TMEB675である。TMEB675変異体TME
B762及びTMEB757もまた、残基DAGYTGQHCEKKDYSVL(配列番
号58)内でTMEFF2の膜近位領域に結合することが予想される。
【0099】
H/D交換アッセイでは、組み換えにより発現するTMEFF2 ECDを、抗体の存
在又は非存在下の重水素化水中で所定の時間にわたってインキュベートし、抗体によって
保護されていない交換可能な水素原子での重水素組み込みが生じ、タンパク質のプロテア
ーゼ消化及びLC-MSを使用するペプチド断片の分析が続く。H/D交換アッセイは、
既知のプロトコルを使用して実施することができる。例示的なプロトコルを実施例5に記
載する。
【0100】
本発明はまた、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片であって、抗体又
はその抗原結合断片が、TMEFF2の膜近位領域への結合に関して、配列番号25の重
鎖可変領域(VH)及び配列番号28の軽鎖可変領域(VL)、配列番号26のVH及び
配列番号29のVL、配列番号27のVH及び配列番号30のVL、配列番号26のVH
及び配列番号31のVL、配列番号87のVH及び配列番号88のVL、又は配列番号8
9のVH及び配列番号90のVL、を含む参照抗体と競合する、単離された抗TMEFF
2抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0101】
TMEFF2の膜近位領域への試験抗体の結合に関する参照抗体との競合は、周知の方
法を使用してインビトロでアッセイすることができる。例えば、非標識参照抗体の存在下
での、MSD Sulfoタグ(商標)NHS-エステル標識試験抗体の、TMEFF2
の膜近位領域への結合は、ELISAによって評価することができるか、又はBiaco
re分析若しくはフローサイトメトリーを使用して競合を実証することができる。試験抗
体が、TMEFF2の膜近位領域への参照抗体の結合を85%以上、例えば、90%以上
、又は95%以上阻害すると、試験抗体は、TMEFF2への結合に関して参照抗体と競
合する。
【0102】
本発明はまた、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片であって、
それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び22、
それぞれ配列番号11、13、16、19、21、及び23、
それぞれ配列番号10、14、17、18、20、及び24、
それぞれ配列番号11、13、16、18、20、及び22、又は
それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び86、の重鎖相補性決定領域(
heavy chain complementarity determining region 1、HCDR1)、HCDR2、HC
DR3、軽鎖相補性決定領域(light chain complementarity determining region 1、L
CDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離された抗TMEFF2抗体又はそ
の抗原結合断片を提供する。
【0103】
いくつかの実施形態では、本発明の単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断
片は、約0.4×10-9M以下の平衡解離定数(K)でTMEFF2の膜近位領域に
結合し、Kが、室温でpH4.5~5.0の酢酸緩衝液中の表面プラズモン共鳴を使用
して測定される。
【0104】
いくつかの実施形態では、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片は、約
0.1×10-10M~約0.4×10-9MのKでTMEFF2の膜近位領域に結合
する。
【0105】
TMEFF2の膜近位領域に対する抗体の親和性は、任意の好適な方法を使用する実験
によって決定することができる。例示的な方法は、ProteOn XPR36、Bia
core3000又はKinExA装置、ELISA、若しくは当業者に既知の競合的結
合アッセイを利用する。抗体のTMEFF2に対する親和性についての測定値は、異なる
条件(例えば、容量オスモル浸透圧濃度、pH)下で測定した場合に変動し得る。したが
って、親和性及び他の結合パラメータ(例えば、K、Kon、及びKoff)の測定は
、典型的には、本明細書に記載の標準的な条件及び緩衝液などの標準化緩衝液を用いて行
われる。例えばBiacore 3000又はProteOnを使用した親和性測定での
内部エラー(標準偏差(standard deviation、SD)として測定されるもの)は典型的に
、典型的な検出範囲内で測定した場合、5~33%の範囲内であり得ることが当業者には
分かるであろう。したがって、K値を指すとき、「約」という用語は、アッセイにおけ
る典型的な標準偏差を反映する。例えば、Kが1×10-9Mの場合の典型的なSDは
、±0.33×10-9M以下である。
【0106】
本発明はまた、VH3_3-23(配列番号53)又はVH1_1-69(配列番号5
4)に由来する重鎖可変領域(VH)フレームワークを含む、TMEFF2の膜近位領域
に結合する、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0107】
本発明はまた、VKI_L11(配列番号55)又はVKIIII_A27(配列番号
56)に由来する軽鎖可変領域(VL)フレームワークを含む、TMEFF2の膜近位領
域に結合する、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0108】
本発明はまた、配列番号53のVH3_3-23及び配列番号55のVKI_L11に
それぞれ由来するVHフレームワーク及びVLフレームワークを含む、TMEFF2の膜
近位領域に結合する、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0109】
本発明はまた、配列番号54のVH1_1-69及び配列番号56のVKIII_A2
7にそれぞれ由来するVHフレームワーク及びVLフレームワークを含む、TMEFF2
の膜近位領域に結合する、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片を提供す
る。
【0110】
本発明はまた、配列番号54のVH1_1-69及び配列番号55のVKI_L11に
それぞれ由来するVHフレームワーク及びVLフレームワークを含む、TMEFF2の膜
近位領域に結合する、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0111】
特定のフレームワーク又は生殖系列配列「に由来する」重鎖又は軽鎖可変領域を含む抗
体は、本明細書で述べるトランスジェニックマウス、ラット、若しくはニワトリから、又
はファージディスプレイライブラリからなどの、ヒト生殖系列免疫グロブリン遺伝子を使
用する系から得られる抗体を指す。生殖系列配列に由来する特定のフレームワークを含む
抗体は、例えば自然発生する体細胞変異又は意図的な置換に起因する、その由来である配
列と比較した際のアミノ酸の違いを含み得る。
【0112】
本発明はまた、それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び22のHCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離さ
れた抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0113】
いくつかの実施形態では、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片は、配
列番号25のVH及び配列番号28のVLを含む。
【0114】
いくつかの実施形態では、VHは、配列番号39のポリヌクレオチドによってコードさ
れ、VLは、配列番号42のポリヌクレオチドによってコードされる。
【0115】
いくつかの実施形態では、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片は、配
列番号32のHC及び配列番号35のLCを含む。
【0116】
いくつかの実施形態では、HCは、配列番号46のポリヌクレオチドによってコードさ
れ、VLは、配列番号49のポリヌクレオチドによってコードされる。
【0117】
本発明はまた、それぞれ配列番号11、13、16、19、21、及び23のHCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離さ
れた抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0118】
いくつかの実施形態では、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片は、配
列番号26のVH及び配列番号29のVLを含む。
【0119】
いくつかの実施形態では、VHは、配列番号40のポリヌクレオチドによってコードさ
れ、VLは、配列番号43のポリヌクレオチドによってコードされる。
【0120】
いくつかの実施形態では、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片は、配
列番号33のHC及び配列番号36のLCを含む。
【0121】
いくつかの実施形態では、HCは、配列番号47のポリヌクレオチドによってコードさ
れ、LCは、配列番号50のポリヌクレオチドによってコードされる。
【0122】
本発明はまた、それぞれ配列番号10、14、17、18、20、及び24のHCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離さ
れた抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0123】
いくつかの実施形態では、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片は、配
列番号27のVH及び配列番号30のVLを含む。
【0124】
いくつかの実施形態では、VHは、配列番号41のポリヌクレオチドによってコードさ
れ、VLは、配列番号44のポリヌクレオチドによってコードされる。
【0125】
いくつかの実施形態では、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片は、配
列番号34のHC及び配列番号37のLCを含む。
【0126】
いくつかの実施形態では、HCは、配列番号48のポリヌクレオチドによってコードさ
れ、LCは、配列番号51のポリヌクレオチドによってコードされる。
【0127】
本発明はまた、それぞれ配列番号11、13、16、18、20、及び22のHCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離さ
れた抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0128】
いくつかの実施形態では、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片は、配
列番号26のVH及び配列番号31のVLを含む。
【0129】
いくつかの実施形態では、VHは、配列番号40のポリヌクレオチドによってコードさ
れ、VLは、配列番号45のポリヌクレオチドによってコードされる。
【0130】
いくつかの実施形態では、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片は、配
列番号33のHC及び配列番号38のLCを含む。
【0131】
いくつかの実施形態では、HCは、配列番号47のポリヌクレオチドによってコードさ
れ、LCは、配列番号52のポリヌクレオチドによってコードされる。
【0132】
本発明はまた、それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び86のHCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離さ
れた抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0133】
いくつかの実施形態では、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片は、配
列番号87のVH及び配列番号88のVLを含む。
【0134】
いくつかの実施形態では、VHは、配列番号95のポリヌクレオチドによってコードさ
れ、VLは、配列番号96のポリヌクレオチドによってコードされる。
【0135】
いくつかの実施形態では、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片は、配
列番号91のHC及び配列番号92のLCを含む。
【0136】
いくつかの実施形態では、HCは、配列番号97のポリヌクレオチドによってコードさ
れ、LCは、配列番号98のポリヌクレオチドによってコードされる。
【0137】
本発明はまた、それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び86のHCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離さ
れた抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0138】
いくつかの実施形態では、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片は、配
列番号89のVH及び配列番号90のVLを含む。
【0139】
いくつかの実施形態では、VHは、配列番号99のポリヌクレオチドによってコードさ
れ、VLは、配列番号100のポリヌクレオチドによってコードされる。
【0140】
いくつかの実施形態では、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片は、配
列番号93のHC及び配列番号94のLCを含む。
【0141】
いくつかの実施形態では、HCは、配列番号101のポリヌクレオチドによってコード
され、LCは、配列番号102のポリヌクレオチドによってコードされる。
【0142】
いくつかの実施形態では、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片は、多
重特異性抗体である。
【0143】
いくつかの実施形態では、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片は、二
重特異性抗体である。
【0144】
いくつかの実施形態では、単離された抗TMEFF2二重特異性抗体又はその抗原結合
断片は、T細胞抗原に結合する。
【0145】
いくつかの実施形態では、単離された抗TMEFF2二重特異性抗体又はその抗原結合
断片は、CD3に結合する。
【0146】
いくつかの実施形態では、単離された抗TMEFF2二重特異性抗体又はその抗原結合
断片は、CD3イプシロンに結合する。
【0147】
本発明の例示的な抗TMEFF2抗体のVH、VL、HCDR、LCDR、HC、及び
LC配列は、表5~12に示される。
【0148】
実施例で説明する実施形態は、一方が重鎖に由来し、一方が軽鎖に由来する可変ドメイ
ンの対を含むが、当業者であれば、代替的な実施形態が単一の重鎖又は軽鎖可変ドメイン
を含み得ることを認識するであろう。単一可変ドメインを使用して、TMEFF2に結合
することができる2ドメイン特異性抗原結合断片を形成することができる可変ドメインに
ついて、スクリーニングすることができる。スクリーニングは、例えば、国際公開第19
92/01047号に開示されている階層的二重コンビナトリアルアプローチ(hierarch
ical dual combinatorial approach)を使用したファージディスプレイスクリーニング法
によって行うことができる。このアプローチでは、VH鎖又はVL鎖のいずれかのクロー
ンを含む個別のコロニーを使用して、他方の鎖(VL又はVH)をコードしているクロー
ンの完全なライブラリに感染させ、得られた二本鎖特異的抗原結合ドメインを既知の方法
及び本明細書に記載されるものを使用してファージディスプレイ技術に従って選択する。
したがって、個々のVH及びVLポリペプチド鎖は、国際公開第1992/01047号
に開示の方法を使用して、加えて抗TMEFF2抗体を同定するのに有用である。
【0149】
相同抗体
表9に示されるVH又はVLアミノ酸配列を含む本発明の抗TMEFF2抗体又はその
抗原結合断片の変異体は、本発明の範囲内である。例えば、変異体は、親抗体と比較する
と、相同抗体が、TMEFF2への匹敵する結合又は改善された安定性などの機能特性を
保持しているか又は改善された機能特性を有する限り、VH及び/又はVLに1、2、3
、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15個のアミノ酸置換
を含み得る。いくつかの実施形態では、配列同一性は、本発明のVH又はVLアミノ酸配
列に対して、約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、9
8%又は99%であり得る。
【0150】
いくつかの実施形態では、本発明の相同抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片は、
約0.4×10-9M以下の平衡解離定数(K)でTMEFF2の膜近位領域に結合し
、Kが、室温でpH4.5~5.0の酢酸緩衝液中の表面プラズモン共鳴を使用して測
定される。
【0151】
いくつかの実施形態では、本発明の相同抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片は、
約0.1×10-10M~約0.4×10-9MのKでTMEFF2の膜近位領域に結
合する。
【0152】
本発明はまた、配列番号25のVH及び配列番号28のVLを含む、単離された抗TM
EFF2抗体又はその抗原結合断片であって、VH、VL、又はVH及びVLの両方が、
所望により1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は
15個のアミノ酸置換を含む、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片を提
供する。所望により、CDR内に置換は全く存在しない。
【0153】
本発明はまた、配列番号26のVH及び配列番号29のVLを含む、単離された抗TM
EFF2抗体又はその抗原結合断片であって、VH、VL、又はVH及びVLの両方が、
所望により1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は
15個のアミノ酸置換を含む、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片を提
供する。所望により、CDR内に置換は全く存在しない。
【0154】
本発明はまた、配列番号27のVH及び配列番号30のVLを含む、単離された抗TM
EFF2抗体又はその抗原結合断片であって、VH、VL、又はVH及びVLの両方が、
所望により1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は
15個のアミノ酸置換を含む、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片を提
供する。所望により、CDR内に置換は全く存在しない。
【0155】
本発明はまた、配列番号26のVH及び配列番号31のVLを含む、単離された抗TM
EFF2抗体又はその抗原結合断片であって、VH、VL、又はVH及びVLの両方が、
所望により1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は
15個のアミノ酸置換を含む、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片を提
供する。所望により、CDR内に置換は全く存在しない。
【0156】
本発明はまた、配列番号87のVH及び配列番号88のVLを含む、単離された抗TM
EFF2抗体又はその抗原結合断片であって、VH、VL、又はVH及びVLの両方が、
所望により1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は
15個のアミノ酸置換を含む、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片を提
供する。所望により、CDR内に置換は全く存在しない。
【0157】
本発明はまた、配列番号89のVH及び配列番号90のVLを含む、単離された抗TM
EFF2抗体又はその抗原結合断片であって、VH、VL、又はVH及びVLの両方が、
所望により1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は
15個のアミノ酸置換を含む、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片を提
供する。所望により、CDR内に置換は全く存在しない。
【0158】
本発明はまた、配列番号25、26、27、87、又は89のVHに少なくとも90%
、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一
のアミノ酸配列を有するVHを含む、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断
片を提供する。所望により、CDR内に上記配列番号からの配列の変異は全く存在しない
【0159】
本発明はまた、配列番号28、29、30、31、88、又は90のVLに少なくとも
90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99
%同一のアミノ酸配列を有するVLを含む、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原
結合断片を提供する。所望により、CDR内に上記配列番号からの配列の変異は全く存在
しない。
【0160】
選択抗TMEFF2抗体のVHドメインのアミノ酸配列のアラインメントは図1に示さ
れ、選択抗TMEFF2抗体のVLドメインのアミノ酸配列のアラインメントは図2に示
される。VH及びVL鎖は、各行の先頭の配列番号によって同定される。抗体間で異なる
残基位置は、VH及び/又はVLにおいて置換可能な部位である。例えば、置換は、(配
列番号25に基づく付番の)配列番号25、27、87、及び89のVHにおける残基位
置14、20、54、56、59、76、82、84、93、107で行うことができる
。同様に、配列番号28、30、88、及び90のVLにおける残基位置1、95、及び
107で置換を行ってもよい。行われ得る例示的な置換は、保存的アミノ酸置換、又は各
抗TMEFF2抗体における対応する残基位置に存在するアミノ酸残基による置換である
【0161】
2つの配列間の同一性パーセントは、2つの配列の最適なアライメントのために導入す
る必要があるギャップの数及び各ギャップの長さを考慮した、配列により共有される同一
の位置の数の関数である(即ち、同一性%=同一の位置の数/位置の総数×100)。
【0162】
2つのアミノ酸配列間の同一性パーセントは、ALIGNプログラム(バージョン2.
0)に組み込まれているE.Meyers及びW.Millerのアルゴリズム(Com
put.Appl.Biosci 4:11-17(1988))を使用して、PAM1
20重み付け残基表、ギャップ長ペナルティ12、及びギャップペナルティ4を使用して
決定することができる。加えて、2つのアミノ酸配列間の同一性パーセントは、GCGソ
フトウェアパッケージ(www.Gcg.comで入手可能)のGAPプログラムに組み
込まれているNeedleman及びWunschのアルゴリズム(J.Mol.Bio
l.48:444-453(1970))を使用して、Blossum 62マトリック
ス又はPAM250マトリックスのいずれか、並びにギャップ重み(gap weight)16、
14、12、10、8、6、又は4、及び長さ重み(length weight)1、2、3、4、
5、又は6を使用して、決定することができる。
【0163】
保存的修飾を有する抗体
本発明はまた、HCDR1、HCDR2、及びHCDR3配列を含むVHと、LCDR
1、LCDR2、及びLCDR3配列を含むVLとを含む、単離された抗TMEFF2抗
体又はその抗原結合断片であって、CDR配列のうちの1つ又は2つ以上が、本明細書に
記載の抗体(例えば、表5~12に示される抗体)に基づく特定のアミノ酸配列、又はそ
の保存的修飾を含み、抗体が、親抗体の所望の機能特性を保持している、単離された抗T
MEFF2抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0164】
いくつかの実施形態では、保存的修飾を有する抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断
片は、約0.4×10-9M以下の平衡解離定数(K)でTMEFF2の膜近位領域に
結合し、Kが、室温でpH4.5~5.0の酢酸緩衝液中の表面プラズモン共鳴を使用
して測定される。
【0165】
いくつかの実施形態では、保存的修飾を有する抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断
片は、約0.1×10-10M~約0.4×10-9MのKでTMEFF2の膜近位領
域に結合する。
【0166】
本発明はまた、それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び22のHCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3、並びにそれら
の保存的修飾を含む、単離された抗TMEFF2又はその抗原結合断片を提供する。
【0167】
本発明はまた、それぞれ配列番号配列番号11、13、16、19、21、及び23の
HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3、並び
にそれらの保存的修飾を含む、単離された抗TMEFF2又はその抗原結合断片を提供す
る。
【0168】
本発明はまた、それぞれ配列番号10、14、17、18、20、及び24のHCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3、並びにそれら
の保存的修飾を含む、単離された抗TMEFF2又はその抗原結合断片を提供する。
【0169】
本発明はまた、それぞれ配列番号11、13、16、18、20、及び22のHCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3、並びにそれら
の保存的修飾を含む、単離された抗TMEFF2又はその抗原結合断片を提供する。
【0170】
本発明はまた、それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び86のHCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3、並びにそれら
の保存的修飾を含む、単離された抗TMEFF2又はその抗原結合断片を提供する。
【0171】
本発明はまた、配列番号25のVH及び配列番号28のVL、並びにそれらの保存的修
飾を含む、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0172】
本発明はまた、配列番号26のVH及び配列番号29のVL、並びにそれらの保存的修
飾を含む、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0173】
本発明はまた、配列番号27のVH及び配列番号30のVL、並びにそれらの保存的修
飾を含む、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0174】
本発明はまた、配列番号26のVH及び配列番号31のVL、並びにそれらの保存的修
飾を含む、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0175】
本発明はまた、配列番号87のVH及び配列番号88のVL、並びにそれらの保存的修
飾を含む、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0176】
本発明はまた、配列番号89のVH及び配列番号90のVL、並びにそれらの保存的修
飾を含む、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0177】
「保存的修飾」とは、アミノ酸修飾を含む抗体の結合特性に著しく影響を与えることも
変化させることもないアミノ酸修飾を指す。保存的修飾は、アミノ酸の置換、付加、及び
欠失を含む。保存的アミノ酸置換は、あるアミノ酸が、類似の側鎖を有するアミノ酸残基
に置き換えられる置換である。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、明確に
定義されており、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、塩基性側鎖(例
えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロ
イシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン)、非荷電極性側鎖(
例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、システイン、セリン、スレオニン、チロ
シン、トリプトファン)、芳香族側鎖(例えば、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒ
スチジン、チロシン)、脂肪族側鎖(例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、
イソロイシン、セリン、スレオニン)、アミド(例えば、アスパラギン、グルタミン)、
β分岐側鎖(例えば、スレオニン、バリン、イソロイシン)、及び含硫黄側鎖(システイ
ン、メチオニン)を有するアミノ酸を含む。更に、アラニンスキャニング変異誘発につい
て以前に説明されているように(MacLennan et al.,(1988)Ac
ta Physiol Scand Suppl 643:55-67、Sasaki
et al.,(1988)Adv Biophys 35:1-24)、ポリペプチド
内のいずれの天然残基もアラニンで置換され得る。本発明の抗体に対するアミノ酸置換は
、例えばPCR突然変異誘発(米国特許第4,683,195号)などの既知の方法によ
って行うことができる。あるいは、変異体のライブラリは、例えば、ランダムコドン(N
NK)又は非ランダムコドン(例えば11個のアミノ酸(Ala、Cys、Asp、Gl
u、Gly、Lys、Asn、Arg、Ser、Tyr、Trp)をコードするDVKコ
ドン)を使用して生成することもできる。結果として生じる抗体変異体は、それらの特性
に関して、本明細書に記載のアッセイを使用して試験することができる。
【0178】
免疫コンジュゲート(Immunoconjugates)
「免疫コンジュゲート」は、1つ又は2つ以上の異種分子(複数可)とコンジュゲート
させた本発明の抗体を指す。
【0179】
本発明はまた、異種分子とコンジュゲートした本発明の単離された抗体又はその抗原結
合断片を含む、免疫複合体を提供する。
【0180】
いくつかの実施形態では、異種分子は、検出可能な標識である。
【0181】
検出可能な標識にコンジュゲートした本発明の単離された抗体又はその抗原結合断片は
、多様なサンプルにおけるTMEFF2の発現を評価するために使用することができる。
検出可能な標識としては、本発明の単離された抗体又はその抗原結合断にコンジュゲート
すると、分光的、光化学的、生化学的、免疫化学的、又は化学的な手段を介してその後検
出可能になる組成物が挙げられる。
【0182】
例示的な検出可能な標識としては、放射性同位体、磁気ビーズ、金属ビーズ、コロイド
粒子、蛍光染料、電子密度試薬、酵素(例えば、一般的にELISAにおいて使用される
)、ビオチン、ジゴキシゲニン、ハプテン、発光分子、化学発光分子、蛍光色素、フルオ
ロフォア、蛍光消光剤、有色分子、放射性同位体、シンシレート(scintillates)、アビ
ジン、ストレプトアビジン、プロテインA、プロテインG、抗体又はその断片、ポリヒス
チジン、Ni2+、Flagタグ、mycタグ、重金属、酵素、アルカリホスファターゼ
、ペルオキシダーゼ、ルシフェラーゼ、電子供与体/受容体、アクリジニウムエステル、
及び比色基質が挙げられる。
【0183】
検出可能な標識は、例えば、検出可能な標識が放射性同位体であるときなど、自発的に
シグナルを発し得る。他の場合では、検出可能な標識は、外場によって刺激された後、シ
グナルを放出する。
【0184】
例示的な放射性同位体は、γ放出、オージェ放出、β放出、アルファ放出、又はポジト
ロン放出性の放射性同位体であり得る。例示的な放射性同位体としては、H、11C、
13C、15N、18F、19F、55Co、57Co、60Co、61Cu、62Cu
64Cu、67Cu、68Ga、72As、75Br、86Y、89Zr、90Sr、
94mTc、99mTc、115In、1231、1241、125I、1311、21
At、212Bi、213Bi、223Ra、226Ra、225Ac、及び227
cが挙げられる。
【0185】
例示的な金属原子は、20超の原子番号を有する金属、例えば、カルシウム原子、スカ
ンジウム原子、チタン原子、バナジウム原子、クロム原子、マンガン原子、鉄原子、コバ
ルト原子、ニッケル原子、銅原子、亜鉛原子、ガリウム原子、ゲルマニウム原子、ヒ素原
子、セレン原子、臭素原子、クリプトン原子、ルビジウム原子、ストロンチウム原子、イ
ットリウム原子、ジルコニウム原子、ニオブ原子、モリブデン原子、テクネチウム原子、
ルテニウム原子、ロジウム原子、パラジウム原子、銀原子、カドミウム原子、インジウム
原子、スズ原子、アンチモン原子、テルル原子、ヨウ素原子、キセノン原子、セシウム原
子、バリウム原子、ランタン原子、ハフニウム原子、タンタル原子、タングステン原子、
レニウム原子、オスミウム原子、イリジウム原子、白金原子、金原子、水銀原子、タリウ
ム原子、鉛原子、ビスマス原子、フランシウム原子、ラジウム原子、アクチニウム原子、
セリウム原子、プラセオジム原子、ネオジム原子、プロメチウム原子、サマリウム原子、
ユウロピウム原子、ガドリニウム原子、テルビウム原子、ジスプロシウム原子、ホルミウ
ム原子、エルビウム原子、ツリウム原子、イッテルビウム原子、ルテチウム原子、トリウ
ム原子、プロトアクチニウム原子、ウラン原子、ネプツニウム原子、プルトニウム原子、
アメリシウム原子、キュリウム原子、バーケリウム原子、カリホルニウム原子、アインス
タイニウム原子、フェルミウム原子、メンデレビウム原子、ノーベリウム原子、又はロー
レンシウム原子である。
【0186】
好適な色素としては、例えば、5(6)-カルボキシフルオレセイン、IRDye 6
80RDマレイミド、又はIRDye 800CW、ルテニウムポリピリジル色素などの
任意の市販の色素が挙げられる。
【0187】
好適なフルオロフォアは、フルオレセインイソチオシアネート(fluorescein isothioc
yante、FITC)、フルオレセインチオセミカルバジン、ローダミン、テキサスレッド
、CyDyes(例えば、Cy3、Cy5、Cy5.5)、Alexa Fluors(
例えば、Alexa488、Alexa555、Alexa594、Alexa647)
、近赤外(near infrared、NIR)(700~900nm)蛍光染料、並びにカルボシ
アニン及びアミノスチリル染料である。
【0188】
検出可能な標識とコンジュゲートした、本発明の単離された抗体又はその抗原結合断片
は、造影剤として使用することができる。
【0189】
本発明の単離された抗体又はその抗原結合断片は、既知の方法を使用して検出可能な標
識とコンジュゲートさせることができる。
【0190】
いくつかの実施形態では、検出可能な標識は、キレート剤と複合体を形成している。
【0191】
いくつかの実施形態では、検出可能な標識は、リンカーを介して本発明の抗体又はその
抗原結合断片とコンジュゲートする。
【0192】
検出可能な標識は、既知の方法を使用して、本発明の抗体又はその抗原結合断に、直接
又は間接的に連結することができる。好適なリンカーは、当該技術分野において既知であ
り、例えば、補欠分子族、非フェノールリンカー(N-スクシミジル-ベンゾエートの誘
導体、ドデカボラート)、大環状及び非環式の両キレート剤のキレート部分、例えば、1
,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10,四酢酸(DOTA)の
誘導体、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)の誘導体、S-2-(4-イソチオシ
アナトベンジル)-1,4,7-トリアザシクロノナン-1,4,7-三酢酸(NOTA
)の誘導体、及び1,4,8,11-テトラアザシクロドデカン-1,4,8,11-四
酢酸(TETA)の誘導体、N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオール)プ
ロピオナート(SPDP)、イミノチオラン(IT)、イミドエステルの二官能性誘導体
(例えば、ジメチルアジピミダートHCl)、活性エステル(例えば、ジスクシンイミジ
ルスベラート)、アルデヒド(例えば、グルタルアルデヒド)、ビスアジド化合物(例え
ば、ビス(p-アジドベンゾイル)ヘキサンジアミン)、ビス-ジアゾニウム誘導体(例
えば、ビス-(p-ジアゾニウムベンゾイル)-エチレンジアミン)、ジイソシアナート
(例えば、トルエン2,6-ジイソシアナート)、及びビス-活性フッ素化合物(例えば
、1,5-ジフルオロ-2,4-ジニトロベンゼン)、並びに他のキレート部分が挙げら
れる。好適なペプチドリンカーは周知である。
【0193】
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体
本発明はまた、TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のド
メインと、を含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結
合断片を提供する。
【0194】
本発明はまた、TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のド
メインと、を含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結
合断片であって、抗体が、TMEFF2の膜近位領域に結合する、単離された二重特異性
抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を提供する。いずれの特定の理論に
も束縛されることを望むものではないが、TMEFF2の膜近位領域に結合する二重特異
性抗体は、腫瘍細胞のT細胞媒介性殺傷の媒介に、より効果的であり得る。
【0195】
本発明はまた、TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のド
メインとを含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合
断片であって、抗体が、TMEFF2の膜近位領域への結合に関して、配列番号25の重
鎖可変領域(VH)及び配列番号28の軽鎖可変領域(VL)、配列番号26のVH及び
配列番号29のVL、配列番号27のVH及び配列番号30のVL、配列番号26のVH
及び配列番号31のVL、配列番号87のVH及び配列番号88のVL、又は配列番号8
9のVH及び配列番号90のVL、を含む参照抗体と競合する、単離された二重特異性抗
TMEFF2抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0196】
いくつかの実施形態では、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はそ
の抗原結合断片は、約0.4×10-9M以下の解離定数(K)でTMEFF2の膜近
位領域に結合し、Kが、室温でpH4.5~5.0の酢酸緩衝液中の表面プラズモン共
鳴を使用して測定される。
【0197】
いくつかの実施形態では、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はそ
の抗原結合断片は、約0.1×10-10M~約0.4×10-9MのKでTMEFF
2の膜近位領域に結合する。
【0198】
本発明はまた、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合
断片であって、第1のドメインが、
それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び22、
それぞれ配列番号11、13、16、19、21、及び23、
それぞれ配列番号10、14、17、18、20、及び24、o
それぞれ配列番号11、13、16、18、20、及び22、又は
それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び86、のHCDR1、HCDR
2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離された二重特異
性抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0199】
本発明はまた、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合
断片であって、第2のドメインが、
それぞれ配列番号60、61、62、63、64、及び65、又は
それぞれ配列番号68、69、70、71、72、及び73、のHCDR1、HCDR
2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離された二重特異
性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0200】
本発明はまた、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合
断片であって、第1のドメインが、
配列番号25のVH及び配列番号28のVL、
配列番号26のVH及び配列番号29のVL、
配列番号27のVH及び配列番号30のVL、
配列番号26のVH及び配列番号31のVL、
配列番号87のVH及び配列番号88のVL、又は
配列番号89のVH及び配列番号90のVL、を含む、単離された二重特異性抗TME
FF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0201】
本発明はまた、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合
断片であって、第2のドメインが、
配列番号66のVH及び配列番号67のVL、又は
配列番号74のVH及び配列番号75のVL、を含む、単離された二重特異性抗TME
FF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0202】
いくつかの実施形態では、第2のドメインは、配列番号59のVH及び配列番号111
のVLを含む。
【0203】
本発明はまた、TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のド
メインと、を含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結
合断片であって、
第1のドメインが、それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び22のHC
DR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、第
2のドメインが、それぞれ配列番号60、61、62、63、64、及び65のHCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
第1のドメインが、配列番号25のVH及び配列番号28のVLを含み、第2のドメイ
ンが、配列番号66のVH及び配列番号67のVLを含み、かつ/又は
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくはその抗原結合断片が、配列番号32
の第1の重鎖(HC1)、配列番号35の第1の軽鎖(LC1)、配列番号76の第2の
重鎖(HC2)、及び配列番号77の第2の軽鎖(LC2)を含む、単離された二重特異
性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0204】
本発明はまた、TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のド
メインと、を含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結
合断片であって、
第1のドメインが、それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び22のHC
DR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、第
2のドメインが、それぞれ配列番号68、69、70、71、72、及び73のHCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
第1のドメインが、配列番号25のVH及び配列番号28のVLを含み、第2のドメイ
ンが、配列番号74のVH及び配列番号75のVLを含み、かつ/又は
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくはその抗原結合断片が、配列番号32
のHC1、配列番号35のLC1、配列番号78のHC2、及び配列番号79のLC2を
含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を提供
する。
【0205】
本発明はまた、TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のド
メインと、を含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結
合断片であって、
第1のドメインが、それぞれ配列番号11、13、16、19、21、及び23のHC
DR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、第
2のドメインが、それぞれ配列番号60、61、62、63、64、及び65のHCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
第1のドメインが、配列番号26のVH及び配列番号29のVLを含み、第2のドメイ
ンが、配列番号66のVH及び配列番号67のVLを含み、かつ/又は
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくはその抗原結合断片が、配列番号33
のHC1、配列番号36のLC1、配列番号76のHC2、及び配列番号77のLC2を
含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を提供
する。
【0206】
本発明はまた、TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のド
メインと、を含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結
合断片であって、
第1のドメインが、それぞれ配列番号11、13、16、19、21、及び23のHC
DR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、第
2のドメインが、それぞれ配列番号68、69、70、71、72、及び73のHCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
第1のドメインが、配列番号26のVH及び配列番号29のVLを含み、第2のドメイ
ンが、配列番号74のVH及び配列番号75のVLを含み、かつ/又は
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくはその抗原結合断片が、配列番号33
のHC1、配列番号36のLC1、配列番号78のHC2、及び配列番号79のLC2を
含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を提供
する。
【0207】
本発明はまた、TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のド
メインと、を含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結
合断片であって、
第1のドメインが、それぞれ配列番号10、14、17、18、20、及び24のHC
DR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、第
2のドメインが、それぞれ配列番号60、61、62、63、64、及び65のHCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
第1のドメインが、配列番号27のVH及び配列番号30のVLを含み、第2のドメイ
ンが、配列番号66のVH及び配列番号67のVLを含み、かつ/又は
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくはその抗原結合断片が、配列番号34
のHC1、配列番号37のLC1、配列番号76のHC2、及び配列番号77のLC2を
含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を提供
する。
【0208】
本発明はまた、TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のド
メインと、を含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結
合断片であって、
第1のドメインが、それぞれ配列番号10、14、17、18、20、及び24のHC
DR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、第
2のドメインが、それぞれ配列番号68、69、70、71、72、及び73のHCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
第1のドメインが、配列番号27のVH及び配列番号30のVLを含み、第2のドメイ
ンが、配列番号74のVH及び配列番号75のVLを含み、かつ/又は
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくはその抗原結合断片が、配列番号34
のHC1、配列番号37のLC1、配列番号78のHC2、及び配列番号79のLC2を
含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を提供
する。
【0209】
本発明はまた、TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のド
メインと、を含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結
合断片であって、
第1のドメインが、それぞれ配列番号11、13、16、18、20、及び22のHC
DR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、第
2のドメインが、それぞれ配列番号60、61、62、63、64、及び65のHCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
第1のドメインが、配列番号26のVH及び配列番号31のVLを含み、第2のドメイ
ンが、配列番号66のVH及び配列番号67のVLを含み、かつ/又は
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくはその抗原結合断片が、配列番号33
のHC1、配列番号38のLC1、配列番号76のHC2、及び配列番号77のLC2を
含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を提供
する。
【0210】
本発明はまた、TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のド
メインと、を含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結
合断片であって、
第1のドメインが、それぞれ配列番号11、13、16、18、20、及び22のHC
DR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、第
2のドメインが、それぞれ配列番号68、69、70、71、72、及び73のHCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
第1のドメインが、配列番号26のVH及び配列番号31のVLを含み、第2のドメイ
ンが、配列番号74のVH及び配列番号75のVLを含み、かつ/又は
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくはその抗原結合断片が、配列番号33
のHC1、配列番号38のLC1、配列番号78のHC2、及び配列番号79のLC2を
含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を提供
する。
【0211】
本発明はまた、TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のド
メインと、を含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結
合断片であって、
第1のドメインが、それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び86のHC
DR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、第
2のドメインが、それぞれ配列番号60、61、62、63、64、及び65のHCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
第1のドメインが、配列番号87のVH及び配列番号88のVLを含み、第2のドメイ
ンが、配列番号66のVH及び配列番号67のVLを含み、かつ/又は
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくはその抗原結合断片が、配列番号91
の第1の重鎖(HC1)、配列番号92の第1の軽鎖(LC1)、配列番号76の第2の
重鎖(HC2)、及び配列番号77の第2の軽鎖(LC2)を含む、単離された二重特異
性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0212】
本発明はまた、TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のド
メインと、を含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結
合断片であって、
第1のドメインが、それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び86のHC
DR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、第
2のドメインが、それぞれ配列番号68、69、70、71、72、及び73のHCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
第1のドメインが、配列番号87のVH及び配列番号88のVLを含み、第2のドメイ
ンが、配列番号74のVH及び配列番号75のVLを含み、かつ/又は
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくはその抗原結合断片が、配列番号91
のHC1、配列番号92のLC1、配列番号78のHC2、及び配列番号79のLC2を
含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を提供
する。
【0213】
本発明はまた、TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のド
メインと、を含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結
合断片であって、
第1のドメインが、それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び86のHC
DR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、第
2のドメインが、それぞれ配列番号60、61、62、63、64、及び65のHCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
第1のドメインが、配列番号89のVH及び配列番号90のVLを含み、第2のドメイ
ンが、配列番号66のVH及び配列番号67のVLを含み、かつ/又は
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくはその抗原結合断片が、配列番号93
の第1の重鎖(HC1)、配列番号94の第1の軽鎖(LC1)、配列番号76の第2の
重鎖(HC2)、及び配列番号77の第2の軽鎖(LC2)を含む、単離された二重特異
性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0214】
本発明はまた、TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のド
メインと、を含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結
合断片であって、
第1のドメインが、それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び86のHC
DR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、第
2のドメインが、それぞれ配列番号68、69、70、71、72、及び73のHCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
第1のドメインが、配列番号89のVH及び配列番号90のVLを含み、第2のドメイ
ンが、配列番号74のVH及び配列番号75のVLを含み、かつ/又は
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片が、配列番号93のH
C1、配列番号94のLC1、配列番号78のHC2、及び配列番号79のLC2を含む
、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を提供する
【0215】
操作及び修飾された抗体
本発明の抗体又はその抗原結合断片を更に操作して、親抗体と比較すると類似の又は変
化した特性を有する修飾抗体を生成することができる。本発明の抗体では、VH、VL、
VH及びVL、定常領域、重鎖フレームワーク、軽鎖フレームワーク、又は6つのCDR
のうちのいずれか若しくは全てが操作されてもよい。
【0216】
本発明の抗体は、CDRグラフト化により操作されてもよい。本発明の抗体の1つ又は
2つ以上のCDR配列を、異なるフレームワーク配列にグラフト化してもよい。CDRグ
ラフト化は、既知の方法及び本明細書に記載の方法を使用して行うことができる。
【0217】
使用され得るフレームワーク配列は、生殖系列抗体遺伝子配列を含む公開DNAデータ
ベース又は刊行されている参照文献から得ることができる。例えば、ヒト重鎖及び軽鎖可
変ドメイン遺伝子に関する生殖系列DNA及びコードタンパク質配列は、IMGT(登録
商標)、international ImMunoGeneTics informa
tion system(登録商標)www.Imgt.orgに見出すことができる。
本発明の抗体の既存のフレームワーク配列を置き換えるために使用することができるフレ
ームワーク配列は、VH若しくはVLの全長、又はFR1、FR2、FR3、及びFR4
の長さにわたって親可変ドメインに対して最も高い同一性パーセント(%)を示すもので
あってもよい。更に、好適なフレームワークは、更に、VH及びVLのCDR1及びCD
R2の長さ、又は同一のLCDR1、LCDR2、LCDR3、HCDR1、及びHCD
R2の標準構造に基づいて選択され得る。好適なフレームワークは、既知の方法、例えば
、米国特許第8,748,356号に記載のヒトフレームワーク適応又は米国特許第7,
709,226号に記載の超ヒト化を使用して選択され得る。
【0218】
親抗体及び操作を受けた抗体のフレームワーク配列を、更に、例えば米国特許第6,1
80,370号に記載のとおり、復帰突然変異によって更に修飾して、生成される抗体の
抗原への結合を回復及び/又は改善させることができる。親抗体又は操作を受けた抗体の
フレームワーク配列を、更に、フレームワーク領域内の(あるいは1つ又は2つ以上のC
DR領域内の)1つ又は2つ以上の残基を変異させることによって修飾して、T細胞エピ
トープを除去し、それにより抗体の潜在的な免疫原性を低減することもできる。このアプ
ローチは「脱免疫」とも呼ばれ、米国特許出願公開第20070014796号に更に詳
述されている。
【0219】
本発明の抗体のCDR残基を変異させて、TMEFF2及び/又はCD3に対する抗体
の親和性を調節することができる。
【0220】
本発明の抗体のCDR残基を変異させて、翻訳後修飾のリスクを最小化することができ
る。脱アミノ化(NS)、酸触媒加水分解(DP)、異性化(DS)、又は酸化(W)に
ついての推定モチーフのアミノ酸残基を天然のアミノ酸のいずれかで置換して、当該モチ
ーフの突然変異を誘発することができ、得られた抗体を、本明細書に記載の方法を使用し
て、その機能及び安定性について試験することができる。
【0221】
安定性、選択性、交差反応性、親和性、免疫原性、又は他の望ましい生物学的若しくは
生物物理学的特性を改善するために修飾される本発明の抗体は、本発明の範囲内である。
抗体の安定性は、分子内力及び分子間力の中でも特に、(1)固有の安定性に影響を及ぼ
す個々のドメインのコアパッキング、(2)HCとLCとの対合に影響するタンパク質/
タンパク質界面相互作用、(3)極性残基及び帯電残基の埋没、(4)極性残基及び帯電
残基の水素(H)結合ネットワーク、並びに(5)表面電荷及び極性残基の分布、を含む
、多くの要因によって影響を受ける(Worn et al.,(2001)J Mol
Biol 305:989-1010)。構造を不安定化させる可能性のある残基は、
抗体の結晶構造に基づいて、又は場合によっては分子モデリングによって同定することが
でき、また、抗体の安定性に対する残基の効果は、同定された残基において変異を保有す
る変異体を生成及び評価することによって試験することができる。抗体の安定性を高める
方法の1つには、示差走査熱量測定法(differential scanning calorimetry、DSC)
によって測定したときの熱転移中点温度(T)を高くするというものがある。一般に、
タンパク質のTは、その安定性と相関しており、溶液中でのアンフォールディング及び
変性のしやすさ、並びにそのタンパク質がアンフォールディングする傾向に応じた分解プ
ロセスとは逆相関する(Remmele et al.,(2000)Biopharm
13:36-46)。多数の研究で、DSCによって熱安定性として測定された配合物
(formulations)の物理的安定性のランク付けと他の方法によって測定された物理的安定
性との間に相関が見出されている(Gupta et al.,(2003)AAPS
PharmSci 5E8;Zhang et al.,2004)J Pharm S
ci 93:3076-89;Maa et al.,(1996)Int J Pha
rm 140:155-68;Bedu-Addo et al.,(2004)Pha
rm Res 21:1353-61;Remmele et al.,(1997)P
harm Res 15:200-8)。配合物の研究により、FabのTは、対応す
るmAbの長期物理的安定性と密接な関係があることが示唆されている。
【0222】
C末端リジン(C-terminal lysine、CTL)は、注入された抗体から、血流中の内因
性循環カルボキシペプチダーゼによって除去され得る(Cai et al.,(201
1)Biotechnol Bioeng 108:404-412)。製造中、米国特
許出願公開第20140273092号に記載のとおり、細胞外Zn2+、EDTA、又
はEDTA-Fe3+の濃度を制御することによって、CTLの除去を最高レベル未満に
制御することができる。抗体のCTL含量は、既知の方法を使用して測定することができ
る。
【0223】
本発明の抗体に対してFc置換を行って、抗体エフェクター機能及び/又は薬物動態特
性を調節することができる。従来の免疫機能では、抗体-抗原複合体と免疫系の細胞との
相互作用の結果、エフェクター機能、例えば、抗体依存性細胞障害、マスト細胞の脱顆粒
、及び食作用から免疫調整性シグナル、例えば、リンパ球の増殖及び抗体の分泌の制御に
及ぶ広範な応答が生じる。これら相互作用全てが、抗体又は免疫複合体のFcドメインの
、細胞上の特殊な細胞表面受容体への結合を通して開始される。抗体及び免疫複合体によ
って誘発される細胞応答の多様性は、Fc受容体:FcγRI(CD64)の異種性から
生じ、FcγRIIa(CD32A)及びFcγRIII(CD16)は、Fcγ受容体
を活性化し(即ち、免疫系の増強)、一方、FcγRIIb(CD32B)は、阻害性F
cγ受容体である(即ち、免疫系の減弱)。FcRn受容体への結合は、抗体の半減期を
調節する。
【0224】
いくつかの実施形態では、本発明の抗TMEFF2抗体又は二重特異性抗TMEFF2
/抗CD3抗体は、Fc領域に少なくとも1つの置換を含む。
【0225】
いくつかの実施形態では、本発明の抗TMEFF2抗体又は二重特異性抗TMEFF2
/抗CD3抗体は、Fc領域に1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12
、13、14、又は15個の置換を含む。
【0226】
抗体半減期を調節するために置換され得るFc位置。抗体の半減期を延長するために行
うことができる例示的な単独又は組み合わせの置換は、置換M428L/N434S、M
252Y/S254T/T256E、T250Q/M428L、N434A、及びT30
7A/E380A/N434Aである。抗体の半減期を短縮するために行うことができる
例示的な単独又は組み合わせの置換は、置換H435A、P257I/N434H、D3
76V/N434H、M252Y/S254T/T256E/H433K/N434F、
T308P/N434A、及びH435Rである。
【0227】
いくつかの実施形態では、本発明の抗TMEFF2抗体又は二重特異性抗TMEFF2
/抗CD3抗体は、M428L/N434S、M252Y/S254T/T256E、T
250Q/M428L、N434A、T307A/E380A/N434A、H435A
、P257I/N434H、D376V/N434H、M252Y/S254T/T25
6E/H433K/N434F、T308P/N434A、及びH435Rからなる群か
ら選択される、少なくとも1つの置換をFc領域に含む。
【0228】
いくつかの実施形態では、本発明の抗TMEFF2抗体又は二重特異性抗TMEFF2
/抗CD3抗体は、抗体の活性化Fcγ受容体(Fc recepter、FcγR)への結合を低
減する及び/又はC1q結合、補体依存性細胞障害(complement dependent cytotoxicit
y、CDC)、抗体依存性細胞介在性細胞障害(antibody-dependent cell-mediated cyto
toxicity、ADCC)、若しくは貪食作用(antibody-dependent cell-mediated phagocy
tosis、ADCP)などのFcエフェクター機能を低減する、少なくとも1つの置換をF
c領域に含む。
【0229】
FcγRを活性化しその後エフェクター機能を低減するために、抗体の結合を低減する
ために置換され得るFc位置は、IgG1における置換L234A/L235A、IgG
2におけるV234A/G237A/P238S/H268A/V309L/A330S
/P331S、IgG4におけるF234A/L235A、IgG4におけるS228P
/F234A/L235A、全てのIgアイソタイプにおけるN297A、IgG2にお
けるV234A/G237A、IgG1におけるK214T/E233P/L234V/
L235A/G236-欠失/A327G/P331A/D365E/L358M、Ig
G2におけるH268Q/V309L/A330S/P331S、IgG1におけるS2
67E/L328F、IgG1におけるL234F/L235E/D265A、IgG1
におけるL234A/L235A/G237A/P238S/H268A/A330S/
P331S、IgG4におけるS228P/F234A/L235A/G237A/P2
38S、及びIgG4におけるS228P/F234A/L235A/G236-欠失/
G237A/P238Sである。
【0230】
IgG4の安定性を高めるために、周知のS228P置換をIgG4抗体に行うことが
できる。
【0231】
いくつかの実施形態では、本発明の抗TMEFF2抗体又は二重特異性抗TMEFF2
/抗CD3抗体は、S228P置換を含み、残基の付番はEUインデックスに従う。
【0232】
いくつかの実施形態では、本発明の抗TMEFF2抗体又は二重特異性抗TMEFF2
/抗CD3抗体は、F234A、L235A、又はF234A/L235A置換を含み、
残基の付番はEUインデックスに従う。
【0233】
いくつかの実施形態では、本発明の抗TMEFF2抗体又は二重特異性抗TMEFF2
/抗CD3抗体は、S228P、F234A、及びL235A置換を含み、残基の付番は
EUインデックスに従う。
【0234】
相同抗体、保存的修飾を有する抗体、並びに操作及び修飾されている抗体の生成方法
親抗体と比較してアミノ酸配列が変化している本発明の抗体は、標準的なクローニング
及び発現技術を使用して生成され得る。例えば、部位特異的変異導入又はPCRを介在さ
せることによる変異導入を実施して変異を導入することができ、抗体結合又は他の所望の
特性に対する影響を、周知の方法及び本明細書において実施例に記載されている方法を使
用して評価することができる。
【0235】
抗体のアイソタイプ及びアロタイプ
本発明の抗TMEFF2抗体又は二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体は、IgG
1、IgG2、IgG3、又はIgG4アイソタイプであり得る。
【0236】
いくつかの実施形態では、本発明の抗TMEFF2抗体又は二重特異性抗TMEFF2
/抗CD3抗体は、IgG1アイソタイプである。
【0237】
いくつかの実施形態では、本発明の抗TMEFF2抗体又は二重特異性抗TMEFF2
/抗CD3抗体は、IgG2アイソタイプである。
【0238】
いくつかの実施形態では、本発明の抗TMEFF2抗体又は二重特異性抗TMEFF2
/抗CD3抗体は、IgG3アイソタイプである。
【0239】
いくつかの実施形態では、本発明の抗TMEFF2抗体又は二重特異性抗TMEFF2
/抗CD3抗体は、IgG4アイソタイプのものである。
【0240】
治療用抗体の免疫原性は、注入反応のリスク増大及び治療応答の期間短縮に関連してい
る(Baert et al.,(2003)N Engl J Med 348:60
2-08)。宿主において治療用抗体が免疫応答を誘導する程度は、抗体のアロタイプに
よって部分的に決定され得る(Stickler et al.,(2011)Gene
s and Immunity 12:213-21)。抗体のアロタイプは、抗体の定
常領域配列における特定の位置のアミノ酸配列の変異に関連する。表2は、選択IgG1
、IgG2、及びIgG4アロタイプを示す。
【0241】
いくつかの実施形態では、本発明の抗TMEFF2抗体又は二重特異性抗TMEFF2
/抗CD3抗体は、G2m(n)アロタイプである。
【0242】
いくつかの実施形態では、本発明の抗TMEFF2抗体又は二重特異性抗TMEFF2
/抗CD3抗体は、G2m(n-)アロタイプである。
【0243】
いくつかの実施形態では、抗TMEFF2抗体又は二重特異性抗TMEFF2/抗CD
3抗体発明は、G2M(n)/(n-)アロタイプである。
【0244】
いくつかの実施形態では、本発明の抗TMEFF2抗体又は二重特異性抗TMEFF2
/抗CD3抗体は、nG4m(a)アロタイプである。
【0245】
いくつかの実施形態では、本発明の抗TMEFF2抗体又は二重特異性抗TMEFF2
/抗CD3抗体は、G1m(17)アロタイプである。
【0246】
いくつかの実施形態では、本発明の抗TMEFF2抗体又は二重特異性抗TMEFF2
/抗CD3抗体は、G1m(17,1)アロタイプである。
【0247】
【表2】
【0248】
抗イディオタイプ抗体
本発明はまた、本発明の抗TMEFF2抗体又は二重特異性抗TMEFF2/抗CD3
抗体に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体を提供する。
【0249】
本発明はまた、配列番号25のVH及び配列番号28のVLを含む、本発明の抗TME
FF2抗体に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体を提供する。
【0250】
本発明はまた、配列番号26のVH及び配列番号29のVLを含む、本発明の抗TME
FF2抗体に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体を提供する。
【0251】
本発明はまた、配列番号27のVH及び配列番号30のVLを含む、本発明の抗TME
FF2抗体に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体を提供する。
【0252】
本発明はまた、配列番号26のVH及び配列番号31のVLを含む、本発明の抗TME
FF2抗体に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体を提供する。
【0253】
本発明はまた、配列番号87のVH及び配列番号88のVLを含む、本発明の抗TME
FF2抗体に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体を提供する。
【0254】
本発明はまた、配列番号89のVH及び配列番号90のVLを含む、本発明の抗TME
FF2抗体に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体を提供する。
【0255】
抗イディオタイプ(idiotypic、Id)抗体は、抗体の抗原決定基(例えば、パラトー
プ又はCDR)を認識する抗体である。Id抗体は、抗原をブロッキングするものであっ
ても、しないものであってもよい。抗原を遮断するIdを使用して、サンプル中の遊離抗
体(例えば、本明細書に記載の本発明の抗TMEFF2抗体)を検出することができる。
ブロッキングしないIdを使用して、サンプル中の全抗体(遊離しているもの、抗原に一
部結合しているもの、又は抗原に完全に結合しているもの)を検出することができる。I
d抗体は、抗Idが調製されている抗体で動物を免疫することによって調製することがで
きる。
【0256】
また、更に別の動物で免疫応答を誘導する免疫原として抗Id抗体を使用して、いわゆ
る抗-抗Id抗体を産生することもできる。抗-抗Idは、抗Idを誘導した元のmAb
とエピトープが同一であり得る。したがって、mAbのイディオタイプ決定基に対する抗
体を使用することによって、同一の特異性の抗体を発現する他のクローンを同定すること
が可能である。抗Id抗体は、本明細書の他の箇所に記載のものなどの任意の好適な技術
によって変動(それにより、抗Id抗体変異体を産生する)、及び/又は誘導することが
できる。
【0257】
本発明の単一特異性抗体の生成
いくつかの実施形態では、抗TMEFF2抗体は、ヒトである。
【0258】
いくつかの実施形態では、抗TMEFF2抗体は、ヒト化されている。
【0259】
本発明の単一特異性抗体は、様々な技術を使用して生成することができる。例えば、K
ohler and Milstein,Nature 256:495,1975のハ
イブリドーマ法を使用してモノクローナル抗体を生成することができる。ハイブリドーマ
法では、マウス、又はハムスター、ラット、若しくはサルなどの他の宿主動物を、TME
FF2の膜近位ドメインなどのTMEFF2のヒト、チンパンジー、又はマカクのTME
FF2又はTMEFF2の断片で免疫し、続いて標準的な方法を使用して、免疫した動物
の脾臓細胞を骨髄腫細胞と融合させて、ハイブリドーマ細胞を形成する(Goding,
Monoclonal Antibodies:Principles and Pra
ctice,pp.59-103(Academic Press,1986))。1個
の不死化したハイブリドーマ細胞から発生したコロニーを、結合特異性、交差反応性又は
その欠如、及び抗原親和性などの所望の特性を有する抗体の産生についてスクリーニング
する。
【0260】
様々な宿主動物を使用して、本発明の抗TMEFF2抗体を産生することができる。例
えば、Balb/cマウスを使用して、マウス抗ヒトTMEFF2抗体を生成することが
できる。Balb/cマウス及び他の非ヒト動物において生成された抗体を、よりヒトに
近い配列を生成するための様々な技術を使用してヒト化することもできる。
【0261】
ヒトアクセプターフレームワークの選別を含む例示的なヒト化技術は既知であり、CD
Rグラフト化(米国特許第5,225,539号)、SDRグラフト化(米国特許第6,
818,749号)、リサーフェシング(Padlan(1991)Mol Immun
ol 28:489-499)、特異性決定残基のリサーフェシング(米国特許出願公開
第2010/0261620号)、ヒトフレームワーク適応(米国特許第8,748,3
56)、又は超ヒト化(米国特許第7,709,226号)を含む。これらの方法では、
CDRの長さの類似性若しくはカノニカル構造の同一性、又はこれらの組み合わせに基づ
いて、親フレームワークに対する全体的な相同性に基づき選択され得るヒトフレームワー
クに親抗体のCDRを移植する。
【0262】
ヒト化抗体は、国際公開第1090/007861号及び同第1992/22653号
に記載されているものなどの技術によって、結合親和性を保存するように変化させたフレ
ームワーク支持残基を組み込むことによって(復帰変異)、又は任意のCDRに変異を導
入して、例えば抗体の親和性を改善することによって、所望の抗原に対するその選択性又
は親和性を改善するように更に最適化させてもよい。
【0263】
自身のゲノムにヒト免疫グロブリン(immunoglobulin、Ig)遺伝子座を担持する、マ
ウス、ラット、又はニワトリなどのトランスジェニック動物を使用して、標的タンパク質
に対するヒト抗体を生成することができ、これらは例えば、米国特許第6,150,58
4号、国際公開第99/45962号、国際公開第2002/066630号、同第20
02/43478号、同第2002/043478号、及び同第1990/04036号
、Lonberg et al(1994)Nature 368:856-9、Gre
en et al(1994)Nature Genet.7:13-21、Green
& Jakobovits(1998)Exp.Med.188:483-95、Lo
nberg and Huszar(1995)Int Rev Immunol 13
:65-93、Bruggemann et al.,(1991)Eur J Imm
unol 21:1323-1326、Fishwild et al.,(1996)
Nat Biotechnol 14:845-851、Mendez et al.,
(1997)Nat Genet 15:146-156、Green(1999)J
Immunol Methods 231:11-23、Yang et al.,(1
999)Cancer Res 59:1236-1243、Bruggemann a
nd Taussig(1997)Curr Opin Biotechnol 8:4
55-458に記載されている。そのような動物の内在的な免疫グロブリン遺伝子座を破
壊又は欠失させてもよく、相同又は非相同組み換えを使用して、導入染色体(transchrom
osome)を使用して、又はミニ遺伝子を使用して、少なくとも1つの完全な又は部分的な
ヒト免疫グロブリン遺伝子座を動物のゲノムに挿入してもよい。Regeneron(w
ww.Regeneron.com)、Harbour Antibodies(www
.Harbourantibodies.com)、Open Monoclonal
Technology,Inc.(OMT)(www.Omtinc.net)、KyM
ab(www.Kymab.com)、Trianni(www.Trianni.co
m)、及びAblexis(www.Ablexis.com)などの企業は、上記の技
術を使用して、選択された抗原に導かれるヒト抗体を提供するべく取り組んでいる場合が
ある。
【0264】
ヒト抗体はファージディスプレイライブラリから選択することができ、ここでファージ
は、ヒト免疫グロブリン、あるいはFab、単鎖抗体(scFv)、又は非対合若しくは
対合抗体可変領域などのそれらの部分を発現するよう操作されている(Knappik
et al.,(2000)J Mol Biol 296:57-86、Krebs
et al.,(2001)J Immunol Meth 254:67-84、Va
ughan et al.,(1996)Nature Biotechnology
14:309-314、Sheets et al.,(1998)PITAS(USA
)95:6157-6162、Hoogenboom and Winter(1991
)J Mol Biol 227:381、Marks et al.,(1991)J
Mol Biol 222:581)。本発明の抗体は、例えば、Shi et al
.,(2010)J Mol Biol 397:385-96及び国際公開第09/0
85462号)に記載のバクテリオファージpIXコートタンパク質との融合タンパク質
として抗体の重鎖及び軽鎖可変領域を発現するファージディスプレイライブラリから単離
され得る。ライブラリを、ヒト及び/又はカニクイザルTMEFF2又はCD3のファー
ジ結合についてスクリーニングして、得られた陽性クローンの特性評価を更に行い、Fa
bをクローンの溶解物から単離し、完全長のIgGとして発現させることができる。ヒト
抗体を単離するためのそのようなファージディスプレイ法は、例えば、米国特許第5,2
23,409号、同第5,403,484号、同第5,571,698号、同第5,42
7,908号、同第5,580,717号、同第5,969,108号、同第6,172
,197号、同第5,885,793号、同第6,521,404号、同第6,544,
731号、同第6,555,313号、同第6,582,915号、及び同第6,593
,081号に記載されている。
【0265】
免疫原性抗原の調製及びモノクローナル抗体の産生は、組み換えタンパク質産生などの
任意の好適な技術を使用して実施することができる。免疫原性抗原は、精製タンパク質、
あるいは全細胞又は細胞若しくは組織抽出物を含むタンパク質混合物の形態で動物に投与
されてもよく、抗原は、当該抗原又はその一部分をコードしている核酸から動物の体内で
新たに形成されてもよい。
【0266】
本発明の二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体の生成
本発明の二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体は、本明細書の単離されたTMEF
F2結合VH/VLドメインを、本明細書に記載のもの及び公に入手可能なものを含む任
意のCD3結合VH/VLドメインと、組み合わせることによって生成することができる
。使用され得る例示的なCD3結合VH/VLドメインは、本明細書に記載の抗体CD3
B219及びCD3B376のものである。使用され得る例示的なTMEFF2結合VH
/VLドメインは、抗体TMEB675、TMEB570、TMEB674、TMEB5
65、TMEB762、及びTMEB757の抗体である。生成された二重特異性抗TM
EFF2/抗CD3抗体は、TMEFF2及びCD3への結合について、並びにTMEF
F2発現細胞(例えば、LNCaP)のT細胞媒介性殺傷などの所望の機能特性について
試験することができる。
【0267】
本発明の二重特異性抗体は、例えば、2つの単一特異性二価抗体間でのFabアーム交
換(又は半分子交換)を使用して、インビトロで、無細胞環境下又は共発現使用下のいず
れかで、異なる特異性を有する2つの抗体半分子の、好ましくヘテロ二量体を形成する各
半分子の重鎖CH3界面に置換を導入することによって生成することができる。Fabア
ーム交換反応は、ジスルフィド結合異性化反応及びCH3ドメインの解離-会合の結果で
ある。親単一特異性抗体のヒンジ領域における重鎖ジスルフィド結合は低減する。親単一
特異性抗体のうちの1つの得られた遊離システインは、第2の親単一特異性抗体分子のシ
ステイン残基と重鎖内ジスルフィド結合を形成し、同時に、親抗体のCH3ドメインは、
解離-会合により解放及び再形成する。FabアームのCH3ドメインは、ホモ二量体形
成よりヘテロ二量体形成を好むように操作されてもよい。得られた産物は、各々異なるエ
ピトープ、即ち、TMEFF2上のエピトープ及びCD3上のエピトープに結合する、2
つのFabアーム又は半分子を有する二重特異性抗体である。例えば、本発明の二重特異
性抗体は、国際公開第2011/131746号に記載のDuoBody(登録商標)技
術を使用して生成することができる。IgG1抗体の場合、一方の重鎖における変異F4
05L及び他方の重鎖におけるK409Rを使用することができる。IgG2抗体では、
F405L及びR409K置換を有する野生型IgG2及びIgG2抗体を使用してもよ
い。IgG4抗体では、F405L及びR409K置換を有する野生型IgG4及びIg
G4抗体を使用してもよい。二重特異性抗体を生成するために、第1の単一特異性二価抗
体及び第2の単一特異性二価抗体を、Fc領域に前述の変異を有するように操作し、ヒン
ジ領域でシステインがジスルフィド結合異性化を受けることができる十分な還元条件下で
、抗体を一緒にインキュベートし、それにより、Fabアーム交換により二重特異性抗体
が生成される。インキュベート条件は、最適には、非還元条件に戻され得る。使用され得
る例示的な還元剤は、2-メルカプトエチルアミン(2-mercaptoethylamine、2-MEA
)、ジチオスレイトール(dithiothreitol、DTT)、ジチオエリスリトール(dithioer
ythritol、DTE)、グルタチオン、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(tris
(2-carboxyethyl)phosphine、TCEP)、L-システイン、及びβ-メルカプトエタノ
ールである。例えば、少なくとも20℃の温度で、少なくとも25mMの2-MEAの存
在下又は少なくとも0.5mMのジチオスレイトールの存在下で、pH5~8、例えばp
H7.0又はpH7.4で、少なくとも90分間のインキュベートを使用することができ
る。
【0268】
いくつかの実施形態では、二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体は、IgG1アイ
ソタイプであり、配列番号84の野生型IgG1と比較すると、第1の重鎖(HC1)に
F405L置換及び第2の重鎖(HC2)にK409R置換を含む。
【0269】
いくつかの実施形態では、二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体は、IgG4アイ
ソタイプであり、配列番号85の野生型IgG4と比較すると、HC2にF405L/R
409K置換を含む。
【0270】
いくつかの実施形態では、二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体は、IgG4アイ
ソタイプであり、配列番号85の野生型IgG4と比較すると、HC1にS228P、F
234A、及びL235A置換、並びにHC2にS228P、F234A、L235A、
F405L、及びR409K置換を含む。
【0271】
配列番号84 野生型IgG1
ASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTV
SWNSGALTSGVHTFPAVLQSS
GLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVE
PKSCDKTHTCPPCPAPELLGG
PSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFN
WYVDGVEVHNAKTKPREEQYN
STYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTI
SKAKGQPREPQVYTLPPSRDE
LTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPP
VLDSDGSFFLYSKLTVDKSRW
QQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
【0272】
配列番号85 野生型IgG4
ASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTV
SWNSGALTSGVHTFPAVLQSS
GLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVE
SKYGPPCPSCPAPEFLGGPSV
FLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYV
DGVEVHNAKTKPREEQFNSTY
RVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKA
KGQPREPQVYTLPPSQEEMTK
NQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLD
SDGSFFLYSRLTVDKSRWQEG
NVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
【0273】
配列番号103 IgG1 F405L
ASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTV
SWNSGALTSGVHTFPAVLQSS
GLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVE
PKSCDKTHTCPPCPAPELLGG
PSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFN
WYVDGVEVHNAKTKPREEQYN
STYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTI
SKAKGQPREPQVYTLPPSRDE
LTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPP
VLDSDGSFLLYSKLTVDKSRW
QQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
【0274】
配列番号109 IgG1 K409R
ASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTV
SWNSGALTSGVHTFPAVLQSS
GLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVE
PKSCDKTHTCPPCPAPELLGG
PSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFN
WYVDGVEVHNAKTKPREEQYN
STYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTI
SKAKGQPREPQVYTLPPSRDE
LTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPP
VLDSDGSFFLYSRLTVDKSRW
QQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
【0275】
配列番号104 IgG4 F405L/R409K
ASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTV
SWNSGALTSGVHTFPAVLQSS
GLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVE
SKYGPPCPSCPAPEFLGGPSV
FLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYV
DGVEVHNAKTKPREEQFNSTY
RVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKA
KGQPREPQVYTLPPSQEEMTK
NQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLD
SDGSFLLYSKLTVDKSRWQEG
NVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
【0276】
二重特異性抗体はまた、Knob-in-Hole(Genentech)、Cros
sMAb(Roche)及び静電的適合(electrostatically-mat
ched)(Chugai,Amgen,NovoNordisk,Oncomed)、
LUZ-Y(Genentech)、Strand Exchange Enginee
red Domain body(SEEDbody)(EMD Serono)、及び
Biclonic(Merus)などのデザインを使用して生成することもできる。
【0277】
「ノブ-イン-ホール」戦略(例えば、国際公開第2006/028936号を参照さ
れたい)において、ヒトIgGのCH3ドメインの界面を形成する選択アミノ酸は、ヘテ
ロ二量体形成を促進するために、CH3ドメイン相互作用に影響を及ぼす位置に変異を導
入され得る。小さな側鎖を有するアミノ酸(ホール)が、第1の抗原に特異的に結合する
抗体の重鎖内に導入され、大きな側鎖を有するアミノ酸(ノブ)が、第2の抗原に特異的
に結合する抗体の重鎖内に導入される。2つの抗体の共発現後に、ヘテロ二量体が、「ホ
ール」を有する重鎖と「ノブ」を有する重鎖との優先的な相互作用の結果として形成され
る。ノブ及びホールを形成する例示的なCH3置換対は、T366Y/F405A、T3
66W/F405W、F405W/Y407A、T394W/Y407T、T394S/
Y407A、T366W/T394S、F405W/T394S、及びT366W/T3
66S_L368A_Y407Vである(第1の重鎖の第1のCH3ドメインにおける修
飾位置/第2の重鎖の第2のCH3ドメインにおける修飾位置として表現)。
【0278】
Fabアーム交換のプロモータへの「ノブ-イン-ホール」戦略の利用に加えて、Cr
ossMAb技術は、半アームのうちの1つにCH1/CLドメイン交換を利用して、得
られる二重特異性抗体の正しい軽鎖の対合を保証する(例えば、米国特許第8,242,
247号を参照されたい)。
【0279】
他の交差法を使用して、二重特異性抗体の重鎖と軽鎖の間又は重鎖内で、一方又は両方
のアームにおいて、可変又は定常、又は両ドメインを交換することによって、本発明の完
全長二重特異性抗体を生成してもよい。これらの交換としては、例えば、国際特許公開第
2009/080254号、同第2009/080251号、同第2009/01838
6号、及び同第2009/080252号に記載されるVH-CH1とVL-CL、VH
とVL、CH3とCL、及びCH3とCH1が挙げられる。
【0280】
米国特許出願公開第2010/0015133号、米国特許出願公開第2009/01
82127号、米国特許出願公開第2010/028637号、又は米国特許出願公開第
2011/0123532号に記載されるような他の戦略、例えば、あるCH3表面にお
ける正に荷電した残基及び第2のCH3表面における負に荷電した残基を置換することに
よる静電的相互作用を使用する重鎖ヘテロ二量体化の促進を使用されてもよい。他の手法
では、ヘテロ二量体化は、米国特許出願公開第2012/0149876号又は米国特許
出願公開第2013/0195849号に記載されているように、以下の置換:L351
Y_F405A_Y407V/T394W、T366I_K392M_T394W/F4
05A_Y407V、T366L_K392M_T394W/F405A_Y407V、
L351Y_Y407A/T366A_K409F、L351Y_Y407A/T366
V_K409F、Y407A/T366A_K409F、又はT350V_L351Y_
F405A_Y407V/T350V_T366L_K392L_T394W(第1の重
鎖の第1のCH3ドメインにおける修飾位置/第2の重鎖の第2のCH3ドメインにおけ
る修飾位置として表す)により促進することができる。
【0281】
SEEDbody技術を利用して、本発明の二重特異性抗体を生成してもよい。SEE
Dbodyは、それらの定常ドメインにおいて、米国特許出願第2007/028717
0号に記載されるように、ヘテロ二量体化を促進するためにIgA残基で置換された選択
IgG残基を有する。
【0282】
変異は、通常、標準的な方法を使用して、抗体の定常ドメインなどの分子に対してDN
Aレベルで行われる。
【0283】
ポリヌクレオチド、ベクター、及び宿主細胞
本発明はまた、本発明の抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片をコードする、単離
されたポリヌクレオチドを提供する。本発明はまた、本発明の二重特異性抗TMEFF2
/抗CD3抗体又はその抗原結合断片をコードする、単離されたポリヌクレオチドを提供
する。本明細書で提供された可変ドメインセグメントをコード可能な単離されたポリヌク
レオチドは、抗体又は抗原結合断片を産生する同一の又は異なるベクターに含まれてもよ
い。ポリヌクレオチドは、相補的デオキシ核酸(complementary deoxynucleic acid、c
DNA)であってもよく、好適な宿主において発現するためにコドン最適化されていても
よい。コドン最適化は、周知の技術である。
【0284】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のポリヌクレオチド(及びポリヌクレオチド
がコードするペプチド)は、リーダー配列を含む。当技術分野において既知の任意のリー
ダー配列を利用することができる。リーダー配列は、制限部位又は翻訳開始部位を含み得
る。
【0285】
本発明はまた、本発明の抗体のVH、本発明の抗体のVL、本発明の抗体の重鎖、又は
本発明の抗体の軽鎖をコードする、単離されたポリヌクレオチドを提供する。
【0286】
本発明はまた、配列番号25、26、27、87、又は89のVHをコードする、単離
されたポリヌクレオチドを提供する。
【0287】
本発明はまた、配列番号28、29、30、31、88、又は90のVLをコードする
、単離されたポリヌクレオチドを提供する。
【0288】
本発明はまた、本発明の抗TMEFF2/抗CD3抗体のHC1、LC1、HC2、又
はLC2をコードする、単離されたポリヌクレオチドを提供する。
【0289】
本発明はまた、配列番号32、33、34、91、又は93のHC1をコードする、単
離されたポリヌクレオチドを提供する。
【0290】
本発明はまた、配列番号35、36、37、38、92、又は94のLC1をコードす
る、単離されたポリヌクレオチドを提供する。
【0291】
本発明はまた、配列番号76又は78のHC2をコードする、単離されたポリヌクレオ
チドを提供する。
【0292】
本発明はまた、配列番号77又は79のLC2をコードする、単離されたポリヌクレオ
チドを提供する。
【0293】
本発明はまた、配列番号39、40、41、42、43、44、45、46、47、4
8、49、50、51、52、95、96、97、98、99、100、101、又は1
02のポリヌクレオチド配列を含む、単離されたポリヌクレオチドを提供する。
【0294】
本発明はまた、配列番号105、106、80、81、107、108、82、及び8
3のポリヌクレオチド配列を含む、単離されたポリヌクレオチドを提供する。
【0295】
本発明の抗体のVH若しくはVL若しくはその抗原結合断片、又は本発明の抗体の重鎖
及び軽鎖をコードするポリヌクレオチド配列は、意図される宿主細胞におけるヌクレオチ
ド配列の発現を可能にする、プロモータ又はエンハンサーなどの1つ又は2つ以上の制御
エレメントに作動可能に連結させることができる。ポリヌクレオチドは、cDNAであっ
てもよい。
【0296】
本発明はまた、本発明のポリヌクレオチドを含むベクターを提供する。そのようなベク
ターは、プラスミドベクター、ウイルスベクター、バキュロウイルス発現用ベクター、ト
ランスポゾンベースのベクター、又は任意の手段によって所与の生物又は遺伝子的バック
グラウンドに本発明の合成ポリヌクレオチドを導入するのに好適な任意の他のベクターで
あってもよい。例えば、所望により定常領域に連結されている本発明の抗体の軽鎖及び/
又は重鎖可変領域をコードしているポリヌクレオチドを、発現ベクターに挿入する。軽鎖
及び/又は重鎖は、同じか又は異なる発現ベクターにクローニングされ得る。免疫グロブ
リン鎖をコードしているDNAセグメントは、免疫グロブリンポリペプチドの発現を確実
にする発現ベクター中のコントロール配列に操作可能に連結することができる。そのよう
なコントロール配列としては、シグナル配列、プロモータ(例えば、天然に付随する又は
異種のプロモータ)、エンハンサーエレメント、及び転写終結配列が挙げられ、抗体を発
現するように選択された宿主細胞と適合するように選択される。ベクターを適切な宿主に
組み込み、組み込まれたポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質を高レベルで
発現させるのに好適な条件下で宿主を維持する。
【0297】
本説明の範囲内の組み換え発現ベクターは、好適な調節エレメントに操作可能に連結す
ることができる、抗体のVH、VL、HC、又はLCなどの少なくとも1つの組み換えタ
ンパク質をコードする合成又はcDNA由来の核酸断片を含む。そのような調節エレメン
トには、転写プロモータ、好適なmRNAリボソーム結合部位をコードする配列、並びに
転写及び翻訳の終了を制御する配列を挙げることができる。発現ベクター、特に、哺乳類
の発現ベクターはまた、1つ又は2つ以上の非転写エレメント、例えば、複製の起点、発
現される遺伝子に連結された好適なプロモータ及びエンハンサー、他の5’又は3’フラ
ンキング非転写配列、5’又は3’非翻訳配列(例えば、必須リボソーム結合部位)、ポ
リアデニル化部位、スプライスドナー及びアクセプター部位、又は転写終了配列を含んで
もよい。宿主において複製する能力を付与する複製の起点もまた包含されてもよい。
【0298】
脊椎動物細胞を形質転換するのに使用される発現ベクター中の転写及び翻訳制御配列は
、ウイルス資源により提供することができる。例示的なベクターは、Okayama a
nd Berg,3 Mol.ell.Biol.280(1983)に記載のように構
築することができる。
【0299】
いくつかの実施形態では、抗体又は抗原結合断片のコード配列は、強力な構成的プロモ
ータ、例えば、下記遺伝子:ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ(hypoxa
nthine phosphoribosyl transferase、HPRT)、アデノシンデアミナーゼ、ピルビン
酸キナーゼ、ベータアクチン、ヒトミオシン、ヒトヘモグロビン、ヒト筋クレアチンなど
のためのプロモータの制御下に置かれる。加えて、多くのウイルスプロモータが、真核細
胞中で恒常的に機能し、記載された実施形態での使用に適している。そのようなウイルス
プロモータには、サイトメガロウイルス(Cytomegalovirus、CMV)中間初期プロモー
タ、SV40の初期及び後期プロモータ、マウス乳癌ウイルス(Mouse Mammary Tumor Vi
rus、MMTV)プロモータ、モロニー白血病ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(Human I
mmunodeficiency Virus、HIV)、エプスタインバーウイルス(Epstein Barr Virus、
EBV)、ラウス肉腫ウイルス(Rous Sarcoma Virus、RSV)、及び他のレトロウイル
スの長端末反復配列(long terminal repeats、LTR)、並びに単純ヘルペスウイルス
のチミジンキナーゼプロモータが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では
、抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片のコード配列は、メタロチオネインプロモー
タ、テトラサイクリン誘導性プロモータ、ドキシサイクリン誘導性プロモータなどの誘導
性プロモータ、プロテインキナーゼR 2’,5’-オリゴアデニレート合成酵素、MX
遺伝子、ADAR1などの1つ又は2つ以上のインターフェロン刺激応答エレメント(in
terferon-stimulated response elements、ISRE)を含むプロモータの制御下に置か
れる。
【0300】
本明細書に記載されたベクターは、1つ又は2つ以上の配列内リボソーム進入部位(In
ternal Ribosome Entry Site、IRES)を含んでもよい。IRES配列の融合ベクター
内への包含は、一部のタンパク質の発現を増強させるのに有益であり得る。いくつかの実
施形態では、ベクター系は、1つ又は2つ以上のポリアデニル化部位(例えば、SV40
)を含み、その部位は、前述の核酸配列のうちいずれかの上流又は下流にあってもよい。
ベクターの成分は、近接して連結されてもよいか、又は遺伝子産物を発現させるのに最適
な間隔を提供するように(即ち、ORF間に「スペーサー」ヌクレオチドを導入すること
により)配置されてもよいか、又は別の方法で位置付けられてもよい。調節エレメント、
例えば、IRESモチーフはまた、発現に最適な間隔を提供するように配置されてもよい
【0301】
ベクターは、当技術分野において周知の選択マーカーを含んでもよい。選択マーカーに
は、陽性及び陰性選択マーカー、例えば、抗生物質抵抗性遺伝子(例えば、ネオマイシン
抵抗性遺伝子、ヒグロマイシン抵抗性遺伝子、カナマイシン抵抗性遺伝子、テトラサイク
リン抵抗性遺伝子、ペニシリン抵抗性遺伝子)、グルタミン酸合成酵素遺伝子、ガンシク
ロビル選択用のHSV-TK、HSV-TK誘導体、又は6-メチルプリン選択用の細菌
のプリンヌクレオシドホスホリラーゼ遺伝子(Gadi et al.,7Gene T
her.1738-1743(2000)が挙げられる。選択マーカーをコードする核酸
配列又はクローニング部位は、対象となるポリペプチドをコードする核酸配列又はクロー
ニング部位の上流又は下流にあってもよい。
【0302】
使用され得る例示的なベクターは、細菌:pBs、phagescript、PsiX
174、pBluescript SK、pBs KS、pNH8a、pNH16a、p
NH18a、pNH46a(Stratagene,La Jolla,Calif.,
USA);pTrc99A、pKK223-3、pKK233-3、pDR540、及び
pRIT5(Pharmacia,Uppsala,Sweden)、真核生物:pWL
neo、pSV2cat、pOG44、PXR1、pSG(Stratagene)pS
VK3、pBPV、pMSG及びpSVL(Pharmacia)、pEE6.4(Lo
nza)並びにpEE12.4(Lonza)である。
【0303】
いくつかの実施形態では、ベクターは、配列番号25のVH及び/又は配列番号28の
VLをコードするポリヌクレオチドを含む。
【0304】
いくつかの実施形態では、ベクターは、配列番号39のポリヌクレオチド、及び/又は
配列番号42のポリヌクレオチドを含む。
【0305】
いくつかの実施形態では、ベクターは、配列番号26のVH、及び/又は配列番号29
のVLをコードするポリヌクレオチドを含む。
【0306】
いくつかの実施形態では、ベクターは、配列番号40のポリヌクレオチド、及び/又は
配列番号43のポリヌクレオチドを含む。
【0307】
いくつかの実施形態では、ベクターは、配列番号27のVH及び/又は配列番号30の
VLをコードするポリヌクレオチドを含む。
【0308】
いくつかの実施形態では、ベクターは、配列番号41のポリヌクレオチド、及び/又は
配列番号44のポリヌクレオチドを含む。
【0309】
いくつかの実施形態では、ベクターは、配列番号26のVH、及び/又は配列番号31
のVLをコードするポリヌクレオチドを含む。
【0310】
いくつかの実施形態では、ベクターは、配列番号40のポリヌクレオチド、及び/又は
配列番号45のポリヌクレオチドを含む。
【0311】
いくつかの実施形態では、ベクターは、配列番号87のVH、及び/又は配列番号88
のVLをコードするポリヌクレオチドを含む。
【0312】
いくつかの実施形態では、ベクターは、配列番号95のポリヌクレオチド、及び/又は
配列番号96のポリヌクレオチドを含む。
【0313】
いくつかの実施形態では、ベクターは、配列番号89のVH、及び/又は配列番号90
のVLをコードするポリヌクレオチドを含む。
【0314】
いくつかの実施形態では、ベクターは、配列番号99のポリヌクレオチド、及び/又は
配列番号100のポリヌクレオチドを含む。
【0315】
いくつかの実施形態では、ベクターは、配列番号66のVH、及び/又は配列番号67
のVLをコードするポリヌクレオチドを含む。
【0316】
いくつかの実施形態では、ベクターは、配列番号105のポリヌクレオチド、及び/又
は配列番号106のポリヌクレオチドを含む。
【0317】
いくつかの実施形態では、ベクターは、配列番号74のVH、及び/又は配列番号75
のVLをコードするポリヌクレオチドを含む。
【0318】
いくつかの実施形態では、ベクターは、配列番号107のポリヌクレオチド、及び/又
は配列番号108のポリヌクレオチドを含む。
【0319】
いくつかの実施形態では、ベクターは、配列番号32のHC、及び/又は配列番号35
のLCをコードするポリヌクレオチドを含む。
【0320】
いくつかの実施形態では、ベクターは、配列番号46のポリヌクレオチド、及び/又は
配列番号49のポリヌクレオチドを含む。
【0321】
いくつかの実施形態では、ベクターは、配列番号33のHC、及び/又は配列番号36
のLCをコードするポリヌクレオチドを含む。
【0322】
いくつかの実施形態では、ベクターは、配列番号47のポリヌクレオチド、及び/又は
配列番号50のポリヌクレオチドを含む。
【0323】
いくつかの実施形態では、ベクターは、配列番号34のHC、及び/又は配列番号37
のLCをコードするポリヌクレオチドを含む。
【0324】
いくつかの実施形態では、ベクターは、配列番号48のポリヌクレオチド、及び/又は
配列番号51のポリヌクレオチドを含む。
【0325】
いくつかの実施形態では、ベクターは、配列番号33のHC、及び/又は配列番号38
のLCをコードするポリヌクレオチドを含む。
【0326】
いくつかの実施形態では、ベクターは、配列番号47のポリヌクレオチド、及び/又は
配列番号52のポリヌクレオチドを含む。
【0327】
いくつかの実施形態では、ベクターは、配列番号91のVH、及び/又は配列番号92
のVLをコードするポリヌクレオチドを含む。
【0328】
いくつかの実施形態では、ベクターは、配列番号97のポリヌクレオチド、及び/又は
配列番号98のポリヌクレオチドを含む。
【0329】
いくつかの実施形態では、ベクターは、配列番号93のVH、及び/又は配列番号94
のVLをコードするポリヌクレオチドを含む。
【0330】
いくつかの実施形態では、ベクターは、配列番号101のポリヌクレオチド、及び/又
は配列番号102のポリヌクレオチドを含む。
【0331】
いくつかの実施形態では、ベクターは、配列番号76のHC、及び/又は配列番号77
のLCをコードするポリヌクレオチドを含む。
【0332】
いくつかの実施形態では、ベクターは、配列番号80のポリヌクレオチド、及び/又は
配列番号81のポリヌクレオチドを含む。
【0333】
いくつかの実施形態では、ベクターは、配列番号78のHC、及び/又は配列番号79
のLCをコードするポリヌクレオチドを含む。
【0334】
いくつかの実施形態では、ベクターは、配列番号82のポリヌクレオチド、及び/又は
配列番号83のポリヌクレオチドを含む。
【0335】
本明細書に記載されたベクターを使用して、記載された抗体又は抗原結合断片をコード
する遺伝子により種々の細胞を形質転換することができる。例えば、ベクターを使用して
、抗TMEFF2抗体又は抗原結合断片を産生する細胞を生成することができる。したが
って、本発明はまた、本発明の1つ又は2つ以上のベクターを含む、宿主細胞を提供する
【0336】
外来遺伝子を細胞に導入する技術は既知であり、本発明の組み換え細胞を構築するため
に使用することができる。
【0337】
「宿主細胞」は、ベクターが導入された細胞を指す。宿主細胞という用語は、特定の対
象細胞だけでなく、そのような細胞の後代、また特定の対象細胞から生成された安定な細
胞株も指すことを意図すると理解される。変異又は環境の影響のいずれかに起因して、後
続世代においてある特定の修飾が生じ得るので、そのような後代は親細胞に同一ではない
場合があるが、本明細書で使用される「宿主細胞」という用語の範囲内に依然含まれる。
【0338】
そのような宿主細胞は、真核細胞、原核細胞、植物細胞、又は古細菌細胞であってもよ
い。原核宿主細胞の例は、大腸菌(Escherichia coli)、バチルス・スブチリス(Bacill
us subtilis)などの桿菌、並びにサルモネラ属(Salmonella)、セラチア属(Serratia
)、及び様々なシュードモナス属(Pseudomonas)の種などの他の腸内細菌科のものであ
る。酵母などの他の微生物も発現に有用である。好適な酵母宿主細胞の例は、サッカロミ
セス属(Saccharomyces)(例えば、サッカロマイセス・セレビシエ(S.cerevisiae))
及びピキア属(Pichia)である。例示的な真核細胞は、哺乳動物、昆虫、鳥類、又は他の
動物由来のものであってもよい。哺乳類真核細胞としては、不死化細胞株(例えばハイブ
リドーマ)又は骨髄腫細胞株(例えばSP2/0(American Type Cul
ture Collection(ATCC)、Manassas、VA、CRL-15
81)、NS0(European Collection of Cell Cult
ures(ECACC)、Salisbury,Wiltshire,UK、ECACC
No.85110503)、FO(ATCC CRL-1646)及びAg653(A
TCC CRL-1580)マウス細胞株)が挙げられる。例示的なヒト骨髄腫細胞株は
、U266(ATTC CRL-TIB-196)である。他の有用な細胞株としては、
チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞に由来するもの、例えば、CHOK1SV(
Lonza Biologics,Walkersville,MD)、Potelli
gent(登録商標)CHOK2SV(Lonza)、CHO-K1(ATCC CRL
-61)、又はDG44が挙げられる。
【0339】
本明細書に記載された発現ベクターにより形質転換された細胞は、本明細書に記載され
た抗体又は抗原結合断片の組み換え発現について選択され、又はスクリーニングされても
よい。組み換え陽性細胞は、タンパク質修飾又は変化させた翻訳後修飾により、所望の表
現型、例えば、高レベルの発現、向上した増殖特性、又は所望の生化学的特性を有するタ
ンパク質を生成する能力を示すサブクローンについて、増殖され、スクリーニングされる
。これらの表現型は、所与のサブクローンの本来の特性又は変異によるものであり得る。
変異は、化学物質、UV波長光、照射、ウイルス、挿入変異源、DNAミスマッチ修復の
阻害、又はそのような方法の組み合わせの使用を通じて影響され得る。
【0340】
本発明はまた、本発明の抗体を産生する方法であって、抗体が発現する条件下で本発明
の宿主細胞を培養することと、宿主細胞によって産生された抗体を回収することと、を含
む方法を提供する。抗体を作製し、それを精製する方法は、当該技術分野において周知で
ある。合成されたら(化学的に又は組み換えによって)、抗体全体、その二量体、個々の
軽鎖及び/若しくは重鎖、又はVH及び/若しくはVLなどの他の抗体断片を、硫酸アン
モニウム沈殿、親和性カラム、カラムクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー
(HPLC)精製、ゲル電気泳動などの標準的な手順(概して、Scopes,Prot
ein Purification(Springer-Verlag,N.Y.,(1
982)を参照)に従って精製することができる。対象抗体は、実質的に純粋、例えば、
少なくとも純度約80%~85%、少なくとも純度約85%~90%、少なくとも純度約
90%~95%、又は少なくとも約98%~99%、又はそれを超える純度であり得、例
えば、対象抗体以外の細胞残屑、巨大分子などの夾雑物を含まない。
【0341】
本発明のポリヌクレオチド配列は、標準的な分子生物学的方法を使用してベクターに組
み込むことができる。宿主細胞の形質転換、培養、抗体発現、及び精製は、周知の方法を
使用して行われる。
【0342】
本発明はまた、本発明の抗TMEFF2抗体を産生する方法であって、
当該抗体のVHをコードしている第1のポリヌクレオチド及び当該抗体のVLをコード
している第2のポリヌクレオチドを発現ベクターに組み込むことと、
宿主細胞を当該発現ベクターで形質転換することと、
当該VL及び当該VHが発現し、抗体を形成する条件下で、培養培地中で当該宿主細胞
を培養することと、
当該宿主細胞又は当該培養培地から抗体を回収することと、
を含む、方法もまた提供する。
【0343】
医薬組成物/投与
本発明は、本発明の抗体及び医薬的許容される担体を含む医薬組成物もまた提供する。
治療用途では、本発明の抗体は、医薬的に許容される担体中に活性成分として有効な量の
抗体を含む医薬組成物として調製することができる。「担体」は、本発明の抗体と一緒に
投与される希釈剤、補助剤、賦形剤、又はビヒクルを指す。そのようなビヒクルは、水、
及び石油、動物、植物、又は合成物由来のものを含む油、例えば、落花生油、大豆油、鉱
油、ゴマ油などの液体であってもよい。例えば、0.4%生理食塩水及び0.3%グリシ
ンを使用してもよい。これらの溶液は滅菌され、一般には粒子状物質を含まない。これら
は、従来周知の滅菌技術(例えば、濾過)によって滅菌することができる。組成物は、生
理学的条件に近づけるために必要とされる医薬的に許容される補助物質、例えば、pH調
節剤及び緩衝剤、安定剤、増粘剤、潤滑剤及び着色剤などを含み得る。そのような医薬製
剤中の本発明の抗体の濃度は、約0.5重量%未満から通常少なくとも約1重量%まで、
最大で15又は20重量%まで変動し得、また、選択される投与方法に従って、必要とさ
れる用量、流体体積、粘度などに主に基づいて選択され得る。好適なビヒクル及び製剤(
ヒトタンパク質、例えばヒト血清アルブミンを含む)は、例えば、Remington:
The Science and Practice of Pharmacy,21s
t Edition,Troy,D.B.ed.,Lipincott William
s and Wilkins,Philadelphia,PA 2006,Part
5,Pharmaceutical Manufacturing pp691-109
2に記載され、特にpp.958-989を参照されたい。
【0344】
本発明の抗体の投与方法は、当該技術分野において周知であるように、非経口投与、例
えば、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、若しくは皮下、経粘膜(経口、鼻腔内、膣内、直
腸)、又は当業者に理解される他の手段などの任意の好適な経路であり得る。
【0345】
本発明の抗体はまた、癌などの疾患を発症するリスクを低減するために、予防的に投与
され得る。
【0346】
したがって、筋肉内注射用の本発明の医薬組成物は、1mLの滅菌緩衝水と、約1ng
~約100mg/kg、例えば約50ng~約30mg/kg、又はより好ましくは約5
mg~約25mg/kgの本発明の抗体と、を含むように調製することができる。
【0347】
抗TMEFF2抗体及び二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体を使用する方法
本発明はまた、TMEFF2陽性癌の治療を必要とする対象においてTMEFF2陽性
癌を治療する方法であって、治療に有効な量の二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体
又はその抗原結合断片を対象に投与して、TMEFF2陽性癌を治療することを含む、方
法を提供する。
【0348】
本発明はまた、TMEFF2陽性癌の治療を必要とする対象においてTMEFF2陽性
癌を治療する方法であって、治療に有効な量の抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片
を対象に投与して、TMEFF2陽性癌を治療することを含む、方法を提供する。
【0349】
前立腺癌の発症には、複数の遺伝子が関与している。前立腺癌の発症及び進行に関与し
、したがって新しい抗前立腺癌療法の有望な標的であるタンパク質のうちの1つは、EG
F様及び2つのフォリスタチン様ドメインを有する膜タンパク質(TMEFF2)である
。TMEFF2は、2つのフォリスタチン様(follistatin-like、FS)ドメイン、EG
F様ドメイン、膜貫通(transmembrane、TM)ドメイン、及び短細胞質尾部で構成され
ているI型膜貫通タンパク質である。TMEFF2タンパク質の最も高い発現は、脳及び
前立腺の2つの器官で検出された(Liang et al.2000、Horie e
t al.2000)。TMEFF2の高い発現はまた、前立腺癌細胞株及び臨床サンプ
ルにも見出され(Glynne-Jones et al.2001、Gery et
al.2002、Afar et al.2004)、TMEFF2が前立腺癌の進行に
おいて重要な役割を果たすことを示している。Tmeff2遺伝子の発現は、アンドロゲ
ン受容体の制御下にある。多数のアンドロゲン依存性癌患者は、高レベルのTMEFF2
mRNAを呈した。
【0350】
したがって、抗TMEFF2抗体は、前立腺癌の診断、予後、又は治療のための重要な
ツールになる可能性を有し得る。
【0351】
「癌」は、病理学的な種類又は侵襲性の段階に関係なく、全ての種類の癌性成長又は発
癌プロセス、転移組織又は悪性腫瘍形質転換細胞、組織、又は器官を含むことを意味する
。例示的なTMEFF陽性癌としては、前立腺癌が挙げられる。
【0352】
いくつかの実施形態では、前立腺癌は、腺癌である。
【0353】
いくつかの実施形態では、前立腺癌は、転移性前立腺癌である。いくつかの実施形態で
は、前立腺癌は、直腸、リンパ節、若しくは骨、又はそれらの任意の組み合わせに転移し
ている。
【0354】
いくつかの実施形態では、前立腺癌は、再発性又は難治性前立腺癌である。
【0355】
いくつかの実施形態では、前立腺癌は、去勢抵抗性前立腺癌である。
【0356】
いくつかの実施形態では、前立腺癌は、アンドロゲン遮断療法に感応性である。
【0357】
いくつかの実施形態では、前立腺癌は、アンドロゲン遮断療法に感応性ではない。
【0358】
本発明はまた、治療に使用するための単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3
抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0359】
本発明はまた、TMEFF2陽性癌の治療に使用するための、単離された二重特異性抗
TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0360】
本発明はまた、TMEFF2前立腺癌の治療に使用するための、単離された二重特異性
抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0361】
本発明はまた、TMEFF2陽性癌を治療するための医薬品を製造するための、単離さ
れた二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0362】
本発明はまた、前立腺癌などのTMEFF2陽性癌の治療に使用するための単離された
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片であって、二重特異性抗
TMEFF2/抗CD3抗体が、TMEFF2に結合する第1のドメインとCD3に結合
する第2のドメインとを含み、
第1のドメインが、それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び22のHC
DR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、第
2のドメインが、それぞれ配列番号60、61、62、63、64、及び65のHCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
第1のドメインが、配列番号25のVH及び配列番号28のVLを含み、第2のドメイ
ンが、配列番号66のVH及び配列番号67のVLを含み、かつ/又は
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくはその抗原結合断片が、配列番号32
の第1の重鎖(HC1)、配列番号35の第1の軽鎖(LC1)、配列番号76の第2の
重鎖(HC2)、及び配列番号77の第2の軽鎖(LC2)を含む、単離された二重特異
性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0363】
本発明はまた、前立腺癌などのTMEFF2陽性癌の治療に使用するための単離された
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片であって、二重特異性抗
TMEFF2/抗CD3抗体が、TMEFF2に結合する第1のドメインとCD3に結合
する第2のドメインとを含み、
第1のドメインが、それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び22のHC
DR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、第
2のドメインが、それぞれ配列番号68、69、70、71、72、及び73のHCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
第1のドメインが、配列番号25のVH及び配列番号28のVLを含み、第2のドメイ
ンが、配列番号74のVH及び配列番号75のVLを含み、かつ/又は
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくはその抗原結合断片が、配列番号32
のHC1、配列番号35のLC1、配列番号78のHC2、及び配列番号79のLC2を
含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を提供
する。
【0364】
本発明はまた、前立腺癌などのTMEFF2陽性癌の治療に使用するための単離された
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片であって、二重特異性抗
TMEFF2/抗CD3抗体が、TMEFF2に結合する第1のドメインとCD3に結合
する第2のドメインとを含み、
第1のドメインが、それぞれ配列番号11、13、16、19、21、及び23のHC
DR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、第
2のドメインが、それぞれ配列番号60、61、62、63、64、及び65のHCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
第1のドメインが、配列番号26のVH及び配列番号29のVLを含み、第2のドメイ
ンが、配列番号66のVH及び配列番号67のVLを含み、かつ/又は
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくはその抗原結合断片が、配列番号33
のHC1、配列番号36のLC1、配列番号76のHC2、及び配列番号77のLC2を
含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を提供
する。
【0365】
本発明はまた、前立腺癌などのTMEFF2陽性癌の治療に使用するための単離された
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片であって、二重特異性抗
TMEFF2/抗CD3抗体が、TMEFF2に結合する第1のドメインとCD3に結合
する第2のドメインとを含み、
第1のドメインが、それぞれ配列番号11、13、16、19、21、及び23のHC
DR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、第
2のドメインが、それぞれ配列番号68、69、70、71、72、及び73のHCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
第1のドメインが、配列番号26のVH及び配列番号29のVLを含み、第2のドメイ
ンが、配列番号74のVH及び配列番号75のVLを含み、かつ/又は
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくはその抗原結合断片が、配列番号33
のHC1、配列番号36のLC1、配列番号78のHC2、及び配列番号79のLC2を
含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を提供
する。
【0366】
本発明はまた、前立腺癌などのTMEFF2陽性癌の治療に使用するための単離された
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片であって、二重特異性抗
TMEFF2/抗CD3抗体が、TMEFF2に結合する第1のドメインとCD3に結合
する第2のドメインとを含み、
第1のドメインが、それぞれ配列番号10、14、17、18、20、及び24のHC
DR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、第
2のドメインが、それぞれ配列番号60、61、62、63、64、及び65のHCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
第1のドメインが、配列番号27のVH及び配列番号30のVLを含み、第2のドメイ
ンが、配列番号66のVH及び配列番号67のVLを含み、かつ/又は
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくはその抗原結合断片が、配列番号34
のHC1、配列番号37のLC1、配列番号76のHC2、及び配列番号77のLC2を
含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を提供
する。
【0367】
本発明はまた、前立腺癌などのTMEFF2陽性癌の治療に使用するための単離された
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片であって、二重特異性抗
TMEFF2/抗CD3抗体が、TMEFF2に結合する第1のドメインとCD3に結合
する第2のドメインとを含み、
第1のドメインが、それぞれ配列番号10、14、17、18、20、及び24のHC
DR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、第
2のドメインが、それぞれ配列番号68、69、70、71、72、及び73のHCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
第1のドメインが、配列番号27のVH及び配列番号30のVLを含み、第2のドメイ
ンが、配列番号74のVH及び配列番号75のVLを含み、かつ/又は
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくはその抗原結合断片が、配列番号34
のHC1、配列番号37のLC1、配列番号78のHC2、及び配列番号79のLC2を
含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を提供
する。
【0368】
本発明はまた、前立腺癌などのTMEFF2陽性癌の治療に使用するための単離された
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片であって、二重特異性抗
TMEFF2/抗CD3抗体が、TMEFF2に結合する第1のドメインとCD3に結合
する第2のドメインとを含み、
第1のドメインが、それぞれ配列番号11、13、16、18、20、及び22のHC
DR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、第
2のドメインが、それぞれ配列番号60、61、62、63、64、及び65のHCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
第1のドメインが、配列番号26のVH及び配列番号31のVLを含み、第2のドメイ
ンが、配列番号66のVH及び配列番号67のVLを含み、かつ/又は
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくはその抗原結合断片が、配列番号33
のHC1、配列番号38のLC1、配列番号76のHC2、及び配列番号77のLC2を
含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を提供
する。
【0369】
本発明はまた、前立腺癌などのTMEFF2陽性癌の治療に使用するための単離された
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片であって、二重特異性抗
TMEFF2/抗CD3抗体が、TMEFF2に結合する第1のドメインとCD3に結合
する第2のドメインとを含み、
第1のドメインが、それぞれ配列番号11、13、16、18、20、及び22のHC
DR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、第
2のドメインが、それぞれ配列番号68、69、70、71、72、及び73のHCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
第1のドメインが、配列番号26のVH及び配列番号31のVLを含み、第2のドメイ
ンが、配列番号74のVH及び配列番号75のVLを含み、かつ/又は
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくはその抗原結合断片が、配列番号33
のHC1、配列番号38のLC1、配列番号78のHC2、及び配列番号79のLC2を
含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を提供
する。
【0370】
本発明はまた、前立腺癌などのTMEFF2陽性癌の治療に使用するための単離された
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片であって、二重特異性抗
TMEFF2/抗CD3抗体が、TMEFF2に結合する第1のドメインとCD3に結合
する第2のドメインとを含み、
第1のドメインが、それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び86のHC
DR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、第
2のドメインが、それぞれ配列番号60、61、62、63、64、及び65のHCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
第1のドメインが、配列番号87のVH及び配列番号88のVLを含み、第2のドメイ
ンが、配列番号66のVH及び配列番号67のVLを含み、かつ/又は
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくはその抗原結合断片が、配列番号91
のHC1、配列番号92のLC1、配列番号76のHC2、及び配列番号77のLC2を
含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を提供
する。
【0371】
本発明はまた、前立腺癌などのTMEFF2陽性癌の治療に使用するための単離された
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片であって、二重特異性抗
TMEFF2/抗CD3抗体が、TMEFF2に結合する第1のドメインとCD3に結合
する第2のドメインとを含み、
第1のドメインが、それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び86のHC
DR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、第
2のドメインが、それぞれ配列番号68、69、70、71、72、及び73のHCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
第1のドメインが、配列番号87のVH及び配列番号88のVLを含み、第2のドメイ
ンが、配列番号74のVH及び配列番号75のVLを含み、かつ/又は
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくはその抗原結合断片が、配列番号91
のHC1、配列番号92のLC1、配列番号78のHC2、及び配列番号79のLC2を
含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を提供
する。
【0372】
本発明はまた、前立腺癌などのTMEFF2陽性癌の治療に使用するための単離された
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片であって、二重特異性抗
TMEFF2/抗CD3抗体が、TMEFF2に結合する第1のドメインとCD3に結合
する第2のドメインとを含み、
第1のドメインが、それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び86のHC
DR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、第
2のドメインが、それぞれ配列番号60、61、62、63、64、及び65のHCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
第1のドメインが、配列番号89のVH及び配列番号90のVLを含み、第2のドメイ
ンが、配列番号66のVH及び配列番号67のVLを含み、かつ/又は
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくはその抗原結合断片が、配列番号93
のHC1、配列番号94のLC1、配列番号76のHC2、及び配列番号77のLC2を
含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を提供
する。
【0373】
本発明はまた、前立腺癌などのTMEFF2陽性癌の治療に使用するための単離された
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片であって、二重特異性抗
TMEFF2/抗CD3抗体が、TMEFF2に結合する第1のドメインとCD3に結合
する第2のドメインとを含み、
第1のドメインが、それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び86のHC
DR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、第
2のドメインが、それぞれ配列番号68、69、70、71、72、及び73のHCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
第1のドメインが、配列番号89のVH及び配列番号90のVLを含み、第2のドメイ
ンが、配列番号74のVH及び配列番号75のVLを含み、かつ/又は
二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくはその抗原結合断片が、配列番号93
のHC1、配列番号94のLC1、配列番号78のHC2、及び配列番号79のLC2を
含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を提供
する。
【0374】
本発明の抗体は、第2の治療剤と併用して投与され得る。
【0375】
いくつかの実施形態では、第2の治療剤は、手術、化学療法、アンドロゲン遮断療法若
しくは放射線、又はそれらの任意の組み合わせである。
【0376】
キット
本発明はまた、本発明の抗TMEFF2抗体又は二重特異性抗TMEFF2/抗CD3
抗体を含む、キットを提供する。キットは、治療的使用のために、又は診断キットとして
使用することができる。キットを使用して、サンプル中でのTMEFF2、CD3、又は
TMEFF2及びCD3の存在を検出することができる。
【0377】
いくつかの実施形態では、キットは、本発明の抗体と、抗体を検出するための試薬とを
含む。キットは、使用説明書と、他の試薬、例えば、標識、治療剤、又は抗体を標識若し
くは治療剤、又は放射線防護組成物にキレート化する、ないしは別の方法でカップリング
するのに有用な剤と、投与するために抗体を調製するためのデバイス又は他の材料と、医
薬的に許容される担体と、対象に投与するためのデバイス又は他の材料とを含む、1つ又
は2つ以上の他の構成要素を含み得る。
【0378】
いくつかの実施形態では、キットは、容器内の本発明の抗体と、キットの使用説明書と
を含む。
【0379】
いくつかの実施形態では、キットにおける抗体は標識されている。
【0380】
本発明はまた、配列番号25のVH及び配列番号28のVLを含む抗TMEFF2抗体
を含む、キットを提供する。
【0381】
本発明はまた、配列番号26のVH及び配列番号29のVLを含む抗TMEFF2抗体
を含む、キットを提供する。
【0382】
本発明はまた、配列番号27のVH及び配列番号30のVLを含む抗TMEFF2抗体
を含む、キットを提供する。
【0383】
本発明はまた、配列番号26のVH及び配列番号31のVLを含む抗TMEFF2抗体
を含む、キットを提供する。
【0384】
本発明はまた、配列番号87のVH及び配列番号88のVLを含む抗TMEFF2抗体
を含む、キットを提供する。
【0385】
本発明はまた、配列番号89のVH及び配列番号90のVLを含む抗TMEFF2抗体
を含む、キットを提供する。
【0386】
本発明はまた、TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のド
メインと、を含む二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体を含む、キットであって、第
1のドメインが、配列番号25のVH及び配列番号28のVLを含み、第2のドメインが
、配列番号66のVH及び配列番号67のVLを含む、キットを提供する。
【0387】
本発明はまた、TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のド
メインと、を含む二重特異性抗TMEEF2/抗CD3抗体を含む、キットであって、第
1のドメインが、配列番号25のVH及び配列番号28のVLを含み、第2のドメインが
、配列番号74のVH及び配列番号75のVLを含む、キットを提供する。
【0388】
本発明はまた、TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のド
メインと、を含む二重特異性抗TMEEF2/抗CD3抗体を含む、キットであって、第
1のドメインが、配列番号26のVH及び配列番号29のVLを含み、第2のドメインが
、配列番号66のVH及び配列番号67のVLを含む、キットを提供する。
【0389】
本発明はまた、TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のド
メインと、を含む二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体を含む、キットであって、第
1のドメインが、配列番号26のVH及び配列番号29のVLを含み、第2のドメインが
、配列番号74のVH及び配列番号75のVLを含む、キットを提供する。
【0390】
本発明はまた、TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のド
メインと、を含む二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体を含む、キットであって、第
1のドメインが、配列番号27のVH及び配列番号30のVLを含み、第2のドメインが
、配列番号66のVH及び配列番号67のVLを含む、キットを提供する。
【0391】
本発明はまた、TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のド
メインと、を含む二重特異性抗TMEEF2/抗CD3抗体を含む、キットであって、第
1のドメインが、配列番号27のVH及び配列番号30のVLを含み、第2のドメインが
、配列番号74のVH及び配列番号75のVLを含む、キットを提供する。
【0392】
本発明はまた、TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のド
メインと、を含む二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体を含む、キットであって、第
1のドメインが、配列番号26のVH及び配列番号31のVLを含み、第2のドメインが
、配列番号66のVH及び配列番号67のVLを含む、キットを提供する。
【0393】
本発明はまた、TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のド
メインと、を含む二重特異性抗TMEEF2/抗CD3抗体を含む、キットであって、第
1のドメインが、配列番号26のVH及び配列番号31のVLを含み、第2のドメインが
、配列番号74のVH及び配列番号75のVLを含む、キットを提供する。
【0394】
本発明はまた、TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のド
メインと、を含む二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体を含む、キットであって、第
1のドメインが、配列番号87のVH及び配列番号88のVLを含み、第2のドメインが
、配列番号66のVH及び配列番号67のVLを含む、キットを提供する。
【0395】
本発明はまた、TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のド
メインと、を含む二重特異性抗TMEEF2/抗CD3抗体を含む、キットであって、第
1のドメインが、配列番号87のVH及び配列番号88のVLを含み、第2のドメインが
、配列番号74のVH及び配列番号75のVLを含む、キットを提供する。
【0396】
本発明はまた、TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のド
メインと、を含む二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体を含む、キットであって、第
1のドメインが、配列番号89のVH及び配列番号90のVLを含み、第2のドメインが
、配列番号66のVH及び配列番号67のVLを含む、キットを提供する。
【0397】
本発明はまた、TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のド
メインと、を含む二重特異性抗TMEEF2/抗CD3抗体を含む、キットであって、第
1のドメインが、配列番号89のVH及び配列番号90のVLを含み、第2のドメインが
、配列番号74のVH及び配列番号75のVLを含む、キットを提供する。
【0398】
TMEFF2又はCD3を検出する方法
本発明はまた、サンプル中のTMEFF2を検出する方法であって、サンプルを得るこ
とと、サンプルを本発明の抗TMEFF2抗体と接触させることと、サンプル中のTME
FF2に結合した抗体を検出することと、を含む、方法を提供する。
【0399】
本発明はまた、サンプル中のTMEFF2及びCD3を検出する方法であって、サンプ
ルを得ることと、サンプルを、TMEFF2に結合する第1のドメインとCD3に結合す
る第2のドメインとを含む、本発明の二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体と接触さ
せることと、サンプル中のTMEFF2及びCD3に結合した抗体を検出することと、を
含む、方法を提供する。
【0400】
いくつかの実施形態では、サンプルは、尿、血液、血清、血漿、唾液、腹水、循環細胞
、循環腫瘍細胞、組織に会合していない細胞(即ち、遊離細胞)、組織(例えば、外科的
に切除された腫瘍組織、穿刺吸引を含む生検材料)、組織プレパラートなどに由来し得る
【0401】
TMEFF2、又はTMEFF2及びCD3に結合した本明細書に記載の本発明の抗体
は、既知の方法を使用して検出することができる。例示的な方法としては、蛍光若しくは
化学発光標識、又は放射線標識を使用して抗体を直接標識すること、あるいは本発明の抗
体に、ビオチン、酵素、又はエピトープタグなどの容易に検出可能な部分を結合させるこ
とが挙げられる。例示的な標識及び部分は、ルテニウム、111In-DOTA、111
In-ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、セイヨウワサビペルオキシダーゼ、ア
ルカリホスファターゼ及びベータガラクトシダーゼ、ポリ-ヒスチジン(HISタグ)、
アクリジン染料、シアニン染料、フルオロン染料、オキサジン染料、フェナントリジン染
料、ローダミン染料、及びAlexafluor(登録商標)染料である。
【0402】
本発明の抗体を多様なアッセイに使用して、サンプル中のTMEFF2、又はTMEF
F2及びCD3を検出することができる。例示的なアッセイは、ウェスタンブロット分析
、ラジオイムノアッセイ、表面プラズモン共鳴、免疫沈降、平衡透析、免疫拡散、電気化
学発光(electrochemiluminescence、ECL)イムノアッセイ、免疫組織化学的検査、蛍
光活性化細胞選別(fluorescence-activated cell sorting、FACS)、又はELIS
Aアッセイである。
【0403】
次に、本発明を以下の特定の非限定的な実施例を参照して説明する。
【0404】
実施例1:抗原の生成
ヒト細胞外ドメイン(extracellular domain、ECD)TMEFF2は、UniPro
t受諾#Q9UIK5配列に基づいて産生された。ECD構築物は、C末端に6X Hi
sタグ及びAviタグ配列を有するように設計した(構築物TMEW1、配列番号6)。
FS2及びEGFドメイン(アミノ酸151~320を含む構築物は、6X His-t
ag及びavitag配列を有するヒト血清アルブミン(HSA)融合体として設計した
(構築物TMEW7、配列番号7)。TMEFF2膜近位ドメイン(残基230~320
)を含む構築物は、6xHisタグを有する(構築物TMEW19、配列番号8)か、又
はHis-tagを有するラットIgG1 Fcに融合させて(構築物TMEW20、配
列番号9)設計した。TMEFF2の残基230~320は、TMEFF2の残基261
~301に及ぶEGFドメインを含む。ヒトTMEFF2 ECD発現構築物を、製造業
者のプロトコルに従ってExpifectamineを使用して、HEK293由来細胞
、Expi293(Gibco/Thermo Fisher Scientific)
に一過的にトランスフェクトした。採取前にオービタルシェーカーで、8%のCOを用
いて37℃で5日間細胞をインキュベートした。発現した細胞を遠心分離により除去し、
hisタグを有する可溶性TMEFF2タンパク質を、Ni Sepharose 6
Fast Flow樹脂(GE Healthcare)を使用する固定化金属親和性ク
ロマトグラフィー、続いてDubelccoのリン酸塩緩衝液pH7.2(1xDPBS
)中でのSuperdex200分取サイズ排除クロマトグラフィー(size exclusion c
hromatography、SEC)(GE Healthcare)を使用して、培地から精製し
た。生成した抗原のアミノ酸配列を、表3に示す。
【0405】
【表3】
【0406】
実施例2.抗TMEFF2抗体の生成
ヒト免疫グロブリン遺伝子座を発現するトランスジェニックラット(OmniRat(
登録商用))を使用する、抗体の生成OmniRat(登録商標)は、完全なヒトIgL
座(Jκ-Cκに連結された12個のVκ及びJλ-Cλに連結された16個のVλ)を
一緒に有する、キメラヒト/ラットIgH遺伝子座(ラットC遺伝子座に連結した、天
然形態の22個のヒトV、全てのヒトD及びJセグメントを含む)を含む。(例えば
、Osborn,et al.(2013)J Immunol 190(4):148
1-1490を参照されたい)。したがって、ラットは、ラット免疫グロブリンの低減し
た発現を呈し、導入されたヒト重鎖及び軽鎖の導入遺伝子は、免疫化に応答して、クラス
スイッチ及び体細胞変異を受けて、完全長ヒト可変領域を有する高親和性キメラヒト/ラ
ットIgGモノクローナル抗体を生成した。OmniRat(登録商標)の調製及び使用
、並びにそのようなラットによって担持されるゲノム修飾は、WO14/093908に
記載されている。
【0407】
OmniRatsをヒトTMEFF2構築物FS2-EGF-Tev-HSA(C34
S)-His-Avitag(TMEW7、配列番号7)で免疫し、構築物spTMEF
F2(230~320)G3S-ratIgG1Fc(TMEW20、配列番号9)でブ
ーストした。89日の免疫レジメンに続いて、ラットからリンパ節を採取し、ハイブリド
ーマを生成するために使用し、ELISA及び/又はSPARCL(Spatial P
roximity Analyte Reagent Capture Lumines
cence)によって、ヒトTMEFF2-FFL ECD-HIS-Avitag(T
MEW1)タンパク質への結合について、ハイブリドーマ上清をスクリーニングした。T
MEFF ECD、FS2-EGF、又はEGFドメインのみのTMEFF2への結合の
、二次ELISA及びSPARCLスクリーニングのために、いくつかの上清を選択した
。スクリーニング結果に基づいて、いくつかのハイブリドーマクローンを配列決定し、発
現させ、機能について特性評価した。
【0408】
ファージディスプレイライブラリからの抗体生成
標準的な方法を使用して、Shi et al.,J Mol Biol 397:3
85-96,2010、及びWO2009/085462)に記載の2セットの新たなp
IXファージディスプレイライブラリから、TMEFF2に結合するFabを選択した。
簡潔に言えば、V3.0及びV5.0と呼ばれる2セットのライブラリは、ヒトスカフォ
ールドを多様化させることによって生成されたものであり、生殖系列VH遺伝子IGHV
1-6901、IGHV3-2301及びIGHV5-5101を、H3ループを
介してヒトIGHJ-4ミニ遺伝子で組み換え(V5.0ではIGHJ-6ミニ遺伝子も
使用した)、そして、ヒト生殖系列VLカッパ遺伝子O12(IGKV1-3901)
、L6(IGKV3-1101)、A27(IGKV3-2001)及びB3(IG
KV4-101)をIGKJ-1ミニ遺伝子で組み換えて、完全なVH及びVLドメイ
ンを構築した。多様化のために、タンパク質及びペプチド抗原と頻繁に接触する、H1、
H2、L1、L2、及びL3ループ周辺の重鎖及び軽鎖可変領域における位置を選択した
。選択した位置における配列多様性は、それぞれのIGHV又はIGLV遺伝子のIGH
V又はIGLV生殖系列遺伝子ファミリーにおいてそれぞれの位置に存在する残基に制限
した。H3ループにおける多様性は、V3.0ライブラリについては7~14アミノ酸長
、V5.0ライブラリについては6~19アミノ酸長の短鎖~中鎖の合成ループを使用し
て生成した。H3におけるアミノ酸分布は、ヒト抗体において観察されるアミノ酸の変動
を模倣するよう設計された。ライブラリを生成するために利用したスカフォールドは、そ
のヒトVH及びVL生殖系列遺伝子の由来に従って命名した。V3.0及びV5.0のセ
ットの両方では、3つの重鎖ライブラリの各々を、4つの生殖系列軽鎖又は生殖系列軽鎖
ライブラリと組み合わせて、選択実験に使用されるライブラリの各セットとして、12と
おりの固有のVH:VLの組み合わせを生成した。
【0409】
V領域クローニング
ファージのハイブリドーマ細胞溶解物からの全RNAを、製造業者のプロトコルに従っ
てRNeasy 96キット(Qiagen)を使用して精製した。得られたRNAを、
Drop Senseを使用して定量化し、-80℃で保存したか、又はRT-PCRに
よるInvitrogen SuperScript III First-Stran
d Synthesis System(Invitrogen)を使用してcDNA合
成に使用した。第1の鎖cDNA合成は、それぞれ重鎖、カッパ鎖、及びラムダ鎖の定常
領域にアニーリングされた遺伝子特異的プライマーを使用して実行した。最大3μgの精
製したRNA、遺伝子特異性プライマー、dNTPミックス、反応緩衝液、25mMのM
gCl、DTT、RNaseOUT(商標)(40U/μl、Invitrogen)
、及びSuperScript(商標)III RT(200U/μl、Invitro
genカタログ#18080-051)で構成されるRT-PCR反応混合物を50℃で
50分間、及び85℃で5分間インキュベートした。得られた一本鎖cDNAを-20℃
で保存するか、又はPCR増幅に直接使用した。Platinum Pfxポリメラーゼ
(Invitrogen)を使用してPCR反応を実行した。v領域断片を、最適化した
PCR条件を使用して、リーダー配列、並びに重鎖、カッパ及びラムダ鎖の定常領域に順
方向及び逆方向のプライマーアニーリングによって増幅させた。得られたPCR断片を配
列決定し、回収したv領域のアミノ酸配列をコドン最適化し、S228P、F234A、
及びL235A変異を有するIgG4定常領域を担持するpUnder系発現ベクター(
IgG4PAAアイソタイプ)にクローニングした。
【0410】
Expi293小規模トランスフェクション及び精製
免疫化キャンペーン又はファージディスプレイから同定した選択抗体をクローニングし
、IgG1PAAとして発現させ、小さい2mlスケールを介して精製した。Expi2
93(商標)細胞(ThermoFisher Scientific)を、Expi2
93(商標)発現培地中1.25×10~2.25×10個の生存細胞/mL密度で
播種し、37℃、7% COの125mL~2L振盪フラスコ内で培養した。密度が3
×10~5×10個の生存細胞/mLで生存率が98~99%に対数増殖に達したと
きに、細胞を継代培養した。
【0411】
トランスフェクションの日に、生存細胞密度及び生存率を決定した。製造業者のトラン
スフェクションプロトコル(ThermoFisher Publication番号M
AN0007814)に従って、3×10個の生存細胞/mLの密度で細胞をトランス
フェクトした。精製前に、850xGで15分間遠心分離することにより、トランスフェ
クション6日後に培養物を採取した。mAb Select Sure樹脂(GE He
althcare)を使用して清澄化した上清から抗体を精製し、PBS中に透析した。
タンパク質濃度は、DropSense Instrument(Trinean)を使
用して、濾液のA280測定によって測定した。
【0412】
実施例3.抗TMEFF2抗体の特性評価
抗TMEFF2抗体は高親和性でTMEFF2に結合する
TMEFF2 ECD(TMEW1:TMEFF2-FL ECD-His-Avit
ag)及び/又は膜近位領域(TMEW19:spTMEFF2(230-320)G3
S-H6)への選択IgG4PAA抗TMEFF2抗体の結合は、タンパク質(TMEB
674、TMEB675、TMEB565、及びTMEB570)又はBiacore
SPR(TMEB762及びTMEB757)を使用して評価した。選択された抗体の結
合の動態パラメータを、表4に示す。抗TMEFF2抗体は、ピコモル親和性でTMEF
F2 ECD及びTMEFF2膜近位領域の両方に結合することが見出された。
【0413】
【表4】
【0414】
ProteOn SPR
抗TMEFF2 mAbのECD及びヒトTMEFF2の膜近位領域への結合は、Pr
oteOn SPR(Bio-Rad)によって測定した。(PBST中1μg/mLの
最終濃度まで希釈した)精製mAbをアッセイのリガンドとして使用し、Fc捕捉を通じ
てヤギ抗ヒト(GAH)IgG Fcに固定化した。GAH IgG Fcのアミンカッ
プリングのために、EDC(40mM)及びNHS(10mM)の1:1混合物を注入直
前に混合して、チップ表面を活性化し、垂直方向に注入した。次いで、酢酸緩衝液(pH
5.0)中のGAH-Fc(30μg/ml)抗体を、30μl/分で300秒間表面上
に垂直方向に流した。その後、1Mエタノールアミン(pH8.5)を同じ方向に注入す
ることによって、表面の任意の残りの反応性カルボキシル基を失活させた。固定化のため
に1μg/mlの濃度で抗体を使用した。抗体は、表面上を水平方向に流した。3倍連続
希釈した5つの濃度(最高濃度範囲100~600nM)のヒトTMEFF2 ECD又
は膜近位領域を、検体として垂直方向に流して、捕捉された分子に結合させた。また、垂
直方向の6番目のチャネルに緩衝液サンプルを注入して、ベースラインシグナルの動向を
監視した。全ての濃度での会合及び解離相を、それぞれ100μL/分の流速で3分間及
び30(又は15)分間にわたり監視した。次の相互作用サイクルのために、18秒パル
スの0.8%リン酸を使用して、結合した抗原を除去するために結合表面を再生した。応
答データから2つのセットの参照データ:1)抗原と空のチップ表面との間での非特異的
相互作用を補正するためのスポット間シグナル、2)(チップ上にPBSTのみが流され
た場合)非特異的ベースラインドリフトを補正するための、空のチャネル信号、を減算す
ることによって未処理データを処理した。
【0415】
Biacore 8K SPR
ヒトTMEFF2 ECDへの抗TMEFF2 mAbの結合は、Biacore 8
K SPRによって測定した。アッセイのフォーマットは、高密度抗ヒトFc表面を使用
してmAbを捕捉し、次いで単一サイクル動態方法を使用してヒトTMEFF2濃度滴定
を注入するためのものである。ヤギ抗ヒトFc IgG(Jackson Immuno
research、カタログ#109-005-098)を、10mM酢酸緩衝液中30
μg/mLのアミンカップリング、フローセル1及び2上、CM5センサ-チップ(GE
)上pH4.5、HBSP(GE)緩衝液中30μL/分の流量を介して直接固定化した
。フローセル2上0.5μg/mL(約200~300RU)で、mAbを抗ヒトFc
IgG表面上に捕捉した。次いで、泳動用緩衝液をHBSP+100μg/ml BSA
に変更した。単一サイクル動態方法を使用して、3倍連続希釈した30nM濃度のTME
FF2 ECDを、低濃度から高濃度で注入した。最後又は最高濃度の注入30分後にオ
フレートを監視し、次いで0.8%リン酸(Bio-Rad)を使用して表面を再生した
。緩衝液ブランク試験、同じmAbの捕捉、及び同じサンプル実験条件の使用も完了した
。未処理データは、応答データから2セットの参照データ:1)サンプルフローセル2か
ら減算した参照フローセル1、及び2)実験的試験からの緩衝液ブランク試験、を減算す
ることによって処理した。各mAbの全濃度での処理したデータを1:1の単純なラング
ミュア結合モデルに全体的に適合させて、およその動態性(kon、koff)及び親和
性(KD)定数を抽出した。
【0416】
抗TMEFF2抗体の熱安定性
DSC(示差走査熱量測定)による、アンフォールディング開始Tm=52℃、及び第
1の熱転移(Tm1)=60.4℃によって、TMEB675は、通常の熱安定性プロフ
ァイルよりも低いことを示した。TMEB675の配列のより詳しい検査(実施例4を参
照されたい)は、重鎖及び軽鎖のフレームワーク領域内の体細胞超変異(Somatic HyperM
utation、SHM)の存在を示した。いくつかの再操作された変異体をサブクローニング
し、発現させ、精製し、DSCによりプロファイルした。得られたmAb TMEB76
2及びTMEFB757は、望ましい熱安定性プロファイル(それぞれ、Tm1=69.
4℃、及びTm1=69.7℃)を示した。TMEB675と比較して、TMEB762
は、重鎖にR14P、P20L、及びH81Qのアミノ酸修飾を有し、一方TMEFB7
57は、重鎖にR14P及びP20Lのアミノ酸修飾を有した。TMEB675と比較し
て、TMEB762は、軽鎖にA1D及びA91Pのアミノ酸修飾を有し、一方TMEF
B757は、軽鎖にA91Pの修飾を有した。残基の付番は、Kabatに従う。TME
B675、TMEB762のTMEFF2 ECDへの結合の動態パラメータを、表4に
示す。
【0417】
実施例4.TMEFF2抗体の構造的特性評価
標準的な技術を使用して、抗体のcDNA配列及びアミノ酸翻訳物を得た。ポリペプチ
ド配列の決定後、発現をスケールアップするための標準的な方法を使用して、可変領域又
は完全長抗体をコードするいくつかの抗体cDNAを、コドン最適化した。
【0418】
表5は、選択抗TMEFF2抗体のHCDR1及びHCDR2アミノ酸配列を示す。
【0419】
表6は、選択抗TMEFF2抗体のHCDR3のアミノ酸配列を示す。
【0420】
表7は、選択抗TMEFF2抗体のLCDR1及びLCDR2アミノ酸配列を示す。
【0421】
表8は、選択抗TMEFF2抗体のLCDR3のアミノ酸配列を示す。
【0422】
表9は、選択抗TMEFF2抗体のVH及びVLアミノ酸配列を示す。
【0423】
表10は、選択抗TMEFF2抗体の重鎖及び軽鎖の配列番号を示す。
【0424】
表11は、選択抗TMEFF2抗体の重鎖アミノ酸配列を示す。
【0425】
表12は、選択抗TMEFF2抗体の軽鎖アミノ酸配列を示す。
【0426】
表13は、様々な抗TMEFF2抗体鎖をコードするポリヌクレオチドの配列番号を示
す。
【0427】
【表5】
【0428】
【表6】
【0429】
【表7】
【0430】
【表8】
【0431】
【表9-1】
【0432】
【表9-2】
【0433】
【表10】
【0434】
【表11】
【0435】
【表12】
【0436】
【表13】
【0437】
配列番号39(TMEB675 VH cDNA)
GAGGTGCAGCTGCTGGAAAGCGGCGGAGGCCTGGTGCAG
AGAGGAGGAAGCCTGAGACCCAGCTGTGCCGCCAGCGGCT
TCACCTTCAGCAGCTACAGCATGAGCTGGGTCAGGCAGGC
CCCTGGCAAAGGACTGGAGTGGGTGAGCGTGATTAGCGGC
AGCGGCGGCTTCACCGATTACGCCGACAGCGTGAAGGGCA
GGTTCACCATCAGCAGGGACAATAGCAAGAACACCCTGTA
CCTGCACATGAACAGCCTGAGGGCCGAGGACACCGCCGTG
TACTACTGCGCCAGGATGCCCCTGAACAGCCCTCACGACT
ACTGGGGCCAGGGAACCCTGGTGACCGTGTCCAGC
【0438】
配列番号40(TMEB570、TMEB565 VH cDNA)
CAGGTGCAGCTGGTGCAGAGCGGCGCGGAAGTGAAAAAA
CCGGGCAGCAGCGTGAAAGTGAGCTGCAAAGCGAGCGGCG
GCACCTTCAGCTCCTATTACATTAGCTGGGTGCGCCAGGC
GCCGGGCCAGGGCCTGGAATGGATGGGTGGCATTATCCCA
ATCAGTGGGCGTGCTAATTATGCGCAGAAATTTCAGGGCC
GCGTGACCATTACCGCTGATGAAAGCACCAGCACCGCGTA
TATGGAACTGAGCAGCCTGCGCAGCGAAGATACCGCGGTG
TATTATTGCGCGCGCGACGGCTACAGTAGTGGACGTAGCA
CAACATACGCATTTGACTATTGGGGCCAGGGCACCCTGGT
GACCGTGTCGAGT
【0439】
配列番号41(TMEB674 VH cDNA)
GAAGTGCAGCTGCTGGAGAGCGGAGGAGGACTGGTGCAG
CCTCCTGGCGGAAGCCTGAGACTGAGCTGCGCCGCTAGCG
GCTTCACCTTCAGCAGCTACAGCATGAGCTGGGTGAGACA
GGCTCCTGGCAAGGGCCTGGAGTGGGTGAGCGTGATCAGC
GGCGGAGGCAGCTTTACCAGCTACGCCGACAGCGTGAAGG
GCAGGTTCACCATCAGCAGGGACAACAGCAACAACACCCT
GTACCTGCAGATGAGCAGCCTGAGGGCCGAGGACACCGCC
TTCTACTACTGCGCCAGGATGCCCCTGAACAGCCCCCATG
ACTGCTGGGGACAGGGCACCCTGGTGACCGTGAGCAGC
【0440】
配列番号42(TMEB675 VL cDNA)
GCCATCCAGATGACCCAGAGCCCTAGCAGCCTGAGCGCT
AGCGTGGGCGACAGGGTGACCATCACCTGCAGGGCCAGCC
AGGGCATCAGAAACGACCTGGGCTGGTACCAGCAGAAGCC
CGGCAAGGCCCCCAAGCTGCTGATCTACGCCGCCAGCAGC
CTGCAGAGCGGAGTGCCTAGCAGGTTCAGCGGAAGCGGCA
GCGGCACCGACTTCACCCTGACCATCAGCAGCCTGCAGCC
CGAGGACTTCGCCACCTACTACTGCCTGCAGGACTACAAC
TACGCCCTGACATTCGGCGGCGGCACCAAGGTGGAGATCA
AG
【0441】
配列番号43(TMEB570 VL cDNA)
GAAATTGTGCTGACCCAGAGCCCGGGCACCCTGAGCCTG
AGCCCGGGCGAACGCGCGACCCTGAGCTGCCGCGCGAGCC
AGAGCGTTTCCACATACTACCTGGCGTGGTATCAGCAGAA
ACCGGGCCAGGCGCCGCGCCTGCTGATTTACGGTGCCTCC
TATCGCGCGACCGGCATTCCGGATCGCTTTAGCGGCAGCG
GTTCCGGCACCGATTTTACCCTGACCATTAGCCGCCTGGA
ACCGGAAGATTTTGCGGTGTATTATTGCCAGCAGTACGGT
CACAGCCCGATTACTTTTGGCCAGGGCACCAAAGTGGAAA
TCAAA
【0442】
配列番号44(TMEB674 VL cDNA)
GCCATCCAGATGACCCAGAGCCCTAGCAGCCTGAGCGCT
AGCGTGGGCGACAGGGTGACCATCACCTGCAGGGCCAGCC
AGGGCATCAGGAACGACCTGGGCTGGTACCAGCAGAAGCC
CGGCAAGGCCCCCAAGCTGCTGATCTACGCCGCCAGCAGC
CTGCAGAGCGGAGTGCCTAGCAGGTTCAGCGGCAGCGGAA
GCGGCACCGACTTCACCCTGACCATCTCCAGCCTGCAGCC
CGAGGACTTCGCCACCTACTACTGCCTGCAGGACTACAAC
TACAGCCTGACCTTCGGCGGCGGCACCAAGGTGGAGATCA
GG
【0443】
配列番号45(TMEB565 VL cDNA)
GAAATTGTGCTGACCCAGAGCCCGGGCACCCTGAGCCTG
AGCCCGGGCGAACGCGCGACCCTGAGCTGCCGCGCGAGCC
AGAGCGTTGCCACCTATTATCTTGCGTGGTATCAGCAGAA
ACCGGGCCAGGCGCCGCGCCTGCTGATTTACGGTGCATCC
TCCCGTGCGACCGGCATTCCGGATCGCTTTAGCGGCAGCG
GTTCCGGCACCGATTTTACCCTGACCATTAGCCGCCTGGA
ACCGGAAGATTTTGCGGTGTATTATTGCCAGCAGTACGGC
TATAACCCAATTACCTTTGGCCAGGGCACCAAAGTGGAAA
TCAAA
【0444】
配列番号46(TMEB675 HC cDNA)
GAGGTGCAGCTGCTGGAAAGCGGCGGAGGCCTGGTGCAG
AGAGGAGGAAGCCTGAGACCCAGCTGTGCCGCCAGCGGCT
TCACCTTCAGCAGCTACAGCATGAGCTGGGTCAGGCAGGC
CCCTGGCAAAGGACTGGAGTGGGTGAGCGTGATTAGCGGC
AGCGGCGGCTTCACCGATTACGCCGACAGCGTGAAGGGCA
GGTTCACCATCAGCAGGGACAATAGCAAGAACACCCTGTA
CCTGCACATGAACAGCCTGAGGGCCGAGGACACCGCCGTG
TACTACTGCGCCAGGATGCCCCTGAACAGCCCTCACGACT
ACTGGGGCCAGGGAACCCTGGTGACCGTGTCCAGCGCTTC
CACCAAGGGCCCATCCGTCTTCCCCCTGGCGCCCTGCTCC
AGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGG
TCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAA
CTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCT
GTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGG
TGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACGAAAACCTACAC
CTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGAC
AAGAGAGTTGAGTCCAAATATGGTCCCCCATGCCCACCAT
GCCCAGCACCTGAGGCCGCCGGGGGACCATCAGTCTTCCT
GTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACTCTCATGATCTCCCGG
ACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCAGG
AAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGATGGCGT
GGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAG
TTCAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCC
TGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAA
GGTCTCCAACAAAGGCCTCCCGTCCTCCATCGAGAAAACC
ATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAGCCACAGGTGT
ACACCCTGCCCCCATCCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCA
GGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGC
GACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGA
ACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGG
CTCCTTCTTCCTCTACAGCAGGCTAACCGTGGACAAGAGC
AGGTGGCAGGAGGGGAATGTCTTCTCATGCTCCGTGATGC
ATGAGGCTCTGCACAACCACTACACACAGAAGAGCCTCTC
CCTGTCTCTGGGTAAA
【0445】
配列番号47(TMEB570、TMEB565 HC cDNA)
CAGGTGCAGCTGGTGCAGAGCGGCGCGGAAGTGAAAAAA
CCGGGCAGCAGCGTGAAAGTGAGCTGCAAAGCGAGCGGCG
GCACCTTCAGCTCCTATTACATTAGCTGGGTGCGCCAGGC
GCCGGGCCAGGGCCTGGAATGGATGGGTGGCATTATCCCA
ATCAGTGGGCGTGCTAATTATGCGCAGAAATTTCAGGGCC
GCGTGACCATTACCGCTGATGAAAGCACCAGCACCGCGTA
TATGGAACTGAGCAGCCTGCGCAGCGAAGATACCGCGGTG
TATTATTGCGCGCGCGACGGCTACAGTAGTGGACGTAGCA
CAACATACGCATTTGACTATTGGGGCCAGGGCACCCTGGT
GACCGTGTCGAGTGCTTCCACCAAGGGCCCATCCGTCTTC
CCCCTGGCGCCCTGCTCCAGGAGCACCTCCGAGAGCACAG
CCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACC
GGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGC
GTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCT
ACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTT
GGGCACGAAAACCTACACCTGCAACGTAGATCACAAGCCC
AGCAACACCAAGGTGGACAAGAGAGTTGAGTCCAAATATG
GTCCCCCATGCCCACCATGCCCAGCACCTGAGGCCGCCGG
GGGACCATCAGTCTTCCTGTTCCCCCCAAAACCCAAGGAC
ACTCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGG
TGGTGGACGTGAGCCAGGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAA
CTGGTACGTGGATGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACA
AAGCCGCGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACGTACCGTGTGG
TCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAACGG
CAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCG
TCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGC
CCCGAGAGCCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCAGGA
GGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTC
AAAGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGA
GCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCC
CGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAGG
CTAACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGGAGGGGAATGTCT
TCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTA
CACACAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCTGGGTAAA
【0446】
配列番号48(TMEB674 HC cDNA)
GAAGTGCAGCTGCTGGAGAGCGGAGGAGGACTGGTGCAG
CCTCCTGGCGGAAGCCTGAGACTGAGCTGCGCCGCTAGCG
GCTTCACCTTCAGCAGCTACAGCATGAGCTGGGTGAGACA
GGCTCCTGGCAAGGGCCTGGAGTGGGTGAGCGTGATCAGC
GGCGGAGGCAGCTTTACCAGCTACGCCGACAGCGTGAAGG
GCAGGTTCACCATCAGCAGGGACAACAGCAACAACACCCT
GTACCTGCAGATGAGCAGCCTGAGGGCCGAGGACACCGCC
TTCTACTACTGCGCCAGGATGCCCCTGAACAGCCCCCATG
ACTGCTGGGGACAGGGCACCCTGGTGACCGTGAGCAGCGC
TTCCACCAAGGGCCCATCCGTCTTCCCCCTGGCGCCCTGC
TCCAGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCC
TGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTG
GAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCG
GCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCG
TGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACGAAAACCTA
CACCTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTG
GACAAGAGAGTTGAGTCCAAATATGGTCCCCCATGCCCAC
CATGCCCAGCACCTGAGGCCGCCGGGGGACCATCAGTCTT
CCTGTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACTCTCATGATCTCC
CGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCC
AGGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGATGG
CGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAG
CAGTTCAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCG
TCCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTG
CAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCGTCCTCCATCGAGAAA
ACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAGCCACAGG
TGTACACCCTGCCCCCATCCCAGGAGGAGATGACCAAGAA
CCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCC
AGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGG
AGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGA
CGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAGGCTAACCGTGGACAAG
AGCAGGTGGCAGGAGGGGAATGTCTTCTCATGCTCCGTGA
TGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACACAGAAGAGCCT
CTCCCTGTCTCTGGGTAAA
【0447】
配列番号49(TMEB675 LC cDNA)
GCCATCCAGATGACCCAGAGCCCTAGCAGCCTGAGCGCT
AGCGTGGGCGACAGGGTGACCATCACCTGCAGGGCCAGCC
AGGGCATCAGAAACGACCTGGGCTGGTACCAGCAGAAGCC
CGGCAAGGCCCCCAAGCTGCTGATCTACGCCGCCAGCAGC
CTGCAGAGCGGAGTGCCTAGCAGGTTCAGCGGAAGCGGCA
GCGGCACCGACTTCACCCTGACCATCAGCAGCCTGCAGCC
CGAGGACTTCGCCACCTACTACTGCCTGCAGGACTACAAC
TACGCCCTGACATTCGGCGGCGGCACCAAGGTGGAGATCA
AGCGTACGGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCC
ATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTG
TGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTAC
AGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCA
GGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTAC
AGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACG
AGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGG
CCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAG
TGT
【0448】
配列番号50(TMEB570 LC cDNA)
GAAATTGTGCTGACCCAGAGCCCGGGCACCCTGAGCCTG
AGCCCGGGCGAACGCGCGACCCTGAGCTGCCGCGCGAGCC
AGAGCGTTTCCACATACTACCTGGCGTGGTATCAGCAGAA
ACCGGGCCAGGCGCCGCGCCTGCTGATTTACGGTGCCTCC
TATCGCGCGACCGGCATTCCGGATCGCTTTAGCGGCAGCG
GTTCCGGCACCGATTTTACCCTGACCATTAGCCGCCTGGA
ACCGGAAGATTTTGCGGTGTATTATTGCCAGCAGTACGGT
CACAGCCCGATTACTTTTGGCCAGGGCACCAAAGTGGAAA
TCAAACGTACGGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCC
GCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTT
GTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAG
TACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTC
CCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACC
TACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACT
ACGAGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCA
GGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGA
GAGTGT
【0449】
配列番号51(TMEB674 LC cDNA)
GCCATCCAGATGACCCAGAGCCCTAGCAGCCTGAGCGCT
AGCGTGGGCGACAGGGTGACCATCACCTGCAGGGCCAGCC
AGGGCATCAGGAACGACCTGGGCTGGTACCAGCAGAAGCC
CGGCAAGGCCCCCAAGCTGCTGATCTACGCCGCCAGCAGC
CTGCAGAGCGGAGTGCCTAGCAGGTTCAGCGGCAGCGGAA
GCGGCACCGACTTCACCCTGACCATCTCCAGCCTGCAGCC
CGAGGACTTCGCCACCTACTACTGCCTGCAGGACTACAAC
TACAGCCTGACCTTCGGCGGCGGCACCAAGGTGGAGATCA
GGCGTACGGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCC
ATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTG
TGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTAC
AGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCA
GGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTAC
AGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACG
AGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGG
CCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAG
TGT
【0450】
配列番号52(TMEB565 LC cDNA)
GAAATTGTGCTGACCCAGAGCCCGGGCACCCTGAGCCTG
AGCCCGGGCGAACGCGCGACCCTGAGCTGCCGCGCGAGCC
AGAGCGTTGCCACCTATTATCTTGCGTGGTATCAGCAGAA
ACCGGGCCAGGCGCCGCGCCTGCTGATTTACGGTGCATCC
TCCCGTGCGACCGGCATTCCGGATCGCTTTAGCGGCAGCG
GTTCCGGCACCGATTTTACCCTGACCATTAGCCGCCTGGA
ACCGGAAGATTTTGCGGTGTATTATTGCCAGCAGTACGGC
TATAACCCAATTACCTTTGGCCAGGGCACCAAAGTGGAAA
TCAAACGTACGGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCC
GCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTT
GTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAG
TACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTC
CCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACC
TACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACT
ACGAGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCA
GGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGA
GAGTGT
【0451】
配列番号95(TMEB762 VH cDNA)
GAGGTGCAGCTGCTGGAAAGCGGCGGAGGCCTGGTGCAG
CCCGGAGGAAGCCTGAGACTCAGCTGTGCCGCCAGCGGCT
TCACCTTCAGCAGCTACAGCATGAGCTGGGTCAGGCAGGC
CCCTGGCAAAGGACTGGAGTGGGTGAGCGTGATTAGCGGC
AGCGGCGGCTTCACCGATTACGCCGACAGCGTGAAGGGCA
GGTTCACCATCAGCAGGGACAATAGCAAGAACACCCTGTA
CCTGCAGATGAACAGCCTGAGGGCCGAGGACACCGCCGTG
TACTACTGCGCCAGGATGCCCCTGAACAGCCCTCACGACT
ACTGGGGCCAGGGAACCCTGGTGACCGTGTCCAGC
【0452】
配列番号96(TMEB762 VL cDNA)
GACATCCAGATGACCCAGAGCCCTAGCAGCCTGAGCGCT
AGCGTGGGCGACAGGGTGACCATCACCTGCAGGGCCAGCC
AGGGCATCAGAAACGACCTGGGCTGGTACCAGCAGAAGCC
CGGCAAGGCCCCCAAGCTGCTGATCTACGCCGCCAGCAGC
CTGCAGAGCGGAGTGCCTAGCAGGTTCAGCGGAAGCGGCA
GCGGCACCGACTTCACCCTGACCATCAGCAGCCTGCAGCC
CGAGGACTTCGCCACCTACTACTGCCTGCAGGACTACAAC
TACCCCCTGACATTCGGCGGCGGCACCAAGGTGGAGATCA
AG
【0453】
配列番号97(TMEB762 HC cDNA)
GAGGTGCAGCTGCTGGAAAGCGGCGGAGGCCTGGTGCAG
CCCGGAGGAAGCCTGAGACTCAGCTGTGCCGCCAGCGGCT
TCACCTTCAGCAGCTACAGCATGAGCTGGGTCAGGCAGGC
CCCTGGCAAAGGACTGGAGTGGGTGAGCGTGATTAGCGGC
AGCGGCGGCTTCACCGATTACGCCGACAGCGTGAAGGGCA
GGTTCACCATCAGCAGGGACAATAGCAAGAACACCCTGTA
CCTGCAGATGAACAGCCTGAGGGCCGAGGACACCGCCGTG
TACTACTGCGCCAGGATGCCCCTGAACAGCCCTCACGACT
ACTGGGGCCAGGGAACCCTGGTGACCGTGTCCAGCGCTTC
CACCAAGGGCCCATCCGTCTTCCCCCTGGCGCCCTGCTCC
AGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGG
TCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAA
CTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCT
GTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGG
TGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACGAAAACCTACAC
TTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGAC
AAGAGAGTTGAGTCCAAATATGGTCCCCCATGCCCACCAT
GCCCAGCACCTGAGGCCGCCGGGGGACCATCAGTCTTCCT
GTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACTCTCATGATCTCCCGG
ACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCAGG
AAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGATGGCGT
GGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAG
TTCAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCC
TGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAA
GGTCTCCAACAAAGGCCTCCCGTCCTCCATCGAGAAAACC
ATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAGCCACAGGTGT
ACACCCTGCCCCCATCCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCA
GGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGC
GACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGA
ACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGG
CTCCTTCTTCCTCTACAGCAGGCTAACCGTGGACAAGAGC
AGATGGCAGGAGGGGAATGTCTTCTCATGCTCCGTGATGC
ATGAGGCTCTGCACAACCACTACACACAGAAGAGCCTCTC
CCTGTCTCTGGGTAAA
【0454】
配列番号98(TMEB762 LC cDNA)
GACATCCAGATGACCCAGAGCCCTAGCAGCCTGAGCGCT
AGCGTGGGCGACAGGGTGACCATCACCTGCAGGGCCAGCC
AGGGCATCAGAAACGACCTGGGCTGGTACCAGCAGAAGCC
CGGCAAGGCCCCCAAGCTGCTGATCTACGCCGCCAGCAGC
CTGCAGAGCGGAGTGCCTAGCAGGTTCAGCGGAAGCGGCA
GCGGCACCGACTTCACCCTGACCATCAGCAGCCTGCAGCC
CGAGGACTTCGCCACCTACTACTGCCTGCAGGACTACAAC
TACCCCCTGACATTCGGCGGCGGCACCAAGGTGGAGATCA
AGCGTACGGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCC
ATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTG
TGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTAC
AGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCA
GGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTAC
AGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACG
AGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGG
CCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAG
TGTTAG
【0455】
配列番号99(TMEB757 VH cDNA)
GAGGTGCAGCTGCTGGAAAGCGGCGGAGGCCTGGTGCAG
CCCGGAGGAAGCCTGAGACTCAGCTGTGCCGCCAGCGGCT
TCACCTTCAGCAGCTACAGCATGAGCTGGGTCAGGCAGGC
CCCTGGCAAAGGACTGGAGTGGGTGAGCGTGATTAGCGGC
AGCGGCGGCTTCACCGATTACGCCGACAGCGTGAAGGGCA
GGTTCACCATCAGCAGGGACAATAGCAAGAACACCCTGTA
CCTGCACATGAACAGCCTGAGGGCCGAGGACACCGCCGTG
TACTACTGCGCCAGGATGCCCCTGAACAGCCCTCACGACT
ACTGGGGCCAGGGAACCCTGGTGACCGTGTCCAGC
【0456】
配列番号100(TMEB757 VL cDNA)
GCCATCCAGATGACCCAGAGCCCTAGCAGCCTGAGCGCT
AGCGTGGGCGACAGGGTGACCATCACCTGCAGGGCCAGCC
AGGGCATCAGAAACGACCTGGGCTGGTACCAGCAGAAGCC
CGGCAAGGCCCCCAAGCTGCTGATCTACGCCGCCAGCAGC
CTGCAGAGCGGAGTGCCTAGCAGGTTCAGCGGAAGCGGCA
GCGGCACCGACTTCACCCTGACCATCAGCAGCCTGCAGCC
CGAGGACTTCGCCACCTACTACTGCCTGCAGGACTACAAC
TACCCCCTGACATTCGGCGGCGGCACCAAGGTGGAGATCA
AG
【0457】
配列番号101(TMEB757 HC cDNA)
GAGGTGCAGCTGCTGGAAAGCGGCGGAGGCCTGGTGCAG
CCCGGAGGAAGCCTGAGACTCAGCTGTGCCGCCAGCGGCT
TCACCTTCAGCAGCTACAGCATGAGCTGGGTCAGGCAGGC
CCCTGGCAAAGGACTGGAGTGGGTGAGCGTGATTAGCGGC
AGCGGCGGCTTCACCGATTACGCCGACAGCGTGAAGGGCA
GGTTCACCATCAGCAGGGACAATAGCAAGAACACCCTGTA
CCTGCACATGAACAGCCTGAGGGCCGAGGACACCGCCGTG
TACTACTGCGCCAGGATGCCCCTGAACAGCCCTCACGACT
ACTGGGGCCAGGGAACCCTGGTGACCGTGTCCAGCGCTTC
CACCAAGGGCCCATCCGTCTTCCCCCTGGCGCCCTGCTCC
AGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGG
TCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAA
CTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCT
GTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGG
TGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACGAAAACCTACAC
TTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGAC
AAGAGAGTTGAGTCCAAATATGGTCCCCCATGCCCACCAT
GCCCAGCACCTGAGGCCGCCGGGGGACCATCAGTCTTCCT
GTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACTCTCATGATCTCCCGG
ACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCAGG
AAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGATGGCGT
GGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAG
TTCAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCC
TGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAA
GGTCTCCAACAAAGGCCTCCCGTCCTCCATCGAGAAAACC
ATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAGCCACAGGTGT
ACACCCTGCCCCCATCCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCA
GGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGC
GACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGA
ACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGG
CTCCTTCTTCCTCTACAGCAGGCTAACCGTGGACAAGAGC
AGATGGCAGGAGGGGAATGTCTTCTCATGCTCCGTGATGC
ATGAGGCTCTGCACAACCACTACACACAGAAGAGCCTCTC
CCTGTCTCTGGGTAAA
【0458】
配列番号102(TMEB757 LC cDNA)
GCCATCCAGATGACCCAGAGCCCTAGCAGCCTGAGCGCT
AGCGTGGGCGACAGGGTGACCATCACCTGCAGGGCCAGCC
AGGGCATCAGAAACGACCTGGGCTGGTACCAGCAGAAGCC
CGGCAAGGCCCCCAAGCTGCTGATCTACGCCGCCAGCAGC
CTGCAGAGCGGAGTGCCTAGCAGGTTCAGCGGAAGCGGCA
GCGGCACCGACTTCACCCTGACCATCAGCAGCCTGCAGCC
CGAGGACTTCGCCACCTACTACTGCCTGCAGGACTACAAC
TACCCCCTGACATTCGGCGGCGGCACCAAGGTGGAGATCA
AGCGTACGGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCC
ATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTG
TGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTAC
AGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCA
GGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTAC
AGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACG
AGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGG
CCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAG
TGTTAG
【0459】
選択された抗TMEFF2抗体のフレームワークを、表14に示す。
【0460】
【表14】
【0461】
配列番号53(VH3_3-23フレームワーク)
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYAMSWVRQ
APGKGLEWVSAISGSGGSTYYADSVKGRFTISRDNSKNTL
YLQMNSLRAEDTAVYYCAKWGQGTLVTVSS
【0462】
配列番号54(VH1_1-69フレームワーク)
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFS SYAIS WV
RQAPGQGLEWMG GIIPIFGTANYAQKFQG RVTITADES
TSTAYMELSSLRSEDTAVYYCAR
【0463】
配列番号55(VKI_L11フレームワーク)
AIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQGIRNDLGWYQQK
PGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSG TDFTLTISSL
QPEDFATYYC LQDYNYP
【0464】
配列番号56(VKIII_A27フレームワーク)
EIVLTQSPGTLSLSPGERATLSCRASQSVSSSYLAWYQQ
KPGQAPRLLIY GASSRATGIPDRFSGSGSGTDFTLTISR
LEPEDFAVYYCQQYGSSP
【0465】
実施例5.抗TMEFF2抗体のエピトープマッピング
H/D交換を使用して、TMEB570及びTMEB675のエピトープマッピングを
行った。TMEW1(配列番号6)を、これらのアッセイでのTMEFF2の供給源とし
て使用した。
【0466】
130μLの対照緩衝液(50mMリン酸塩、100mM塩化ナトリウム、pH7.4
)中10μgのTMEW1を、130μLの4M塩酸グアニジン、0.85MのTCEP
緩衝液(最終的なpHは2.5であった)を添加し、混合物を3分間10℃でインキュベ
ートすることによって、変性させた。次いで、社内で充填したペプシン/プロテアーゼX
III(w/w、1:1)カラム(2.1×30mm)を使用して、混合物にオンカラム
ペプシン/プロテアーゼXIII消化を施した。Q Exactive(商標)Hybr
id Quadrupole-Orbitrap Mass Spectrometer
(Thermo)に結合されたWaters Acquity UPLCで構成されるU
PLC-MSシステムを使用して、得られたペプチドを分析した。ペプチドを2~34%
の溶媒B(アセトニトリル中、0.2%ギ酸)から16.5分の勾配で50×1mmのC
8カラム上で分離した。溶媒Aは、水中0.2%のギ酸であった。注入バルブ、及びペプ
シン/プロテアーゼXIIIカラム、及びそれらに関連する接続チューブは、10℃に維
持した冷却ボックス内に保持した。第2のスイッチングバルブ、C8カラム、及びそれら
に関連するステンレス鋼接続チューブは、-6℃に維持した別の冷却循環ボックス内に置
いた。ペプチド同定は、TMEW1配列に対するMS/MSデータをMascotで検索
することを通じて行った。前駆体及び産生物イオンの質量許容差は、それぞれ7ppm及
び0.02Daであった。
【0467】
10μLのTMEW1(5μg)又は10μLのTMEW1及びTMEB570又はT
MEB675混合物(5μg:15μg)を、120μLの酸化重水素標識緩衝液(pH
7.4で、50mMのリン酸ナトリウム、100mMの塩化ナトリウム)と共に10℃で
0秒、30秒、360秒、3600秒、及び14400秒間インキュベートした。各時点
での水素/重水素(H/D)交換を、重複して実施した。130μLの4M塩酸グアニジ
ン、0.85M TCEP緩衝液(最終的なpHは2.5であった)を添加することによ
って水素/重水素交換物をクエンチした。その後、クエンチしたサンプルを、上記に記載
されるようにオンカラムペプシン/プロテアーゼXIII消化及びLC-MS分析に供し
た。質量スペクトルはMSのみのモードで記録した。
【0468】
未処理MSデータを、H/D交換MSデータの分析のためのソフトウェア、HDX W
orkBenchを使用して処理した(Pascal et al.,J.Am.Soc
.Mass Spectrom.2012,23(9),1512-1521)。重水素
化ペプチドとその天然形態(t0)との平均質量差を使用して、重水素レベルを算出した
。タンパク質の約97-99%を特定のペプチドにマッピングすることができた。重水素
蓄積曲線は、ペプチドの交換時間にわたって、傾斜に著しい差を示した。
【0469】
TMEB570エピトープ:TMEW1は、残基235~249(残基付番に従った配
列番号2)での重酸素取り込みにおいて緩やかな低減を示し、膜近位領域内の例えば、残
基HGKCEHSINMQEPSC(配列番号57)は、TMEB570への結合時にH
/D交換から保護された。
【0470】
TMEB675エピトープ:TMEW1は、残基252~268(残基付番に従った配
列番号2)での重酸素取り込みにおいて緩やかな低減を示し、膜近位領域内の例えば、残
基DAGYTGQHCEKKDYSVL(配列番号58)は、TMEB675への結合時
にH/D/交換から保護された。
【0471】
したがって、TMEB570 TMEFF2エピトープ残基は、HGKCEHSINM
QEPSC(配列番号57)を包含し、TMEB675エピトープ残基は、DAGYTG
QHCEKKDYSVL(配列番号58)を包含した。両方の抗体は、膜近位領域内でT
MEFF2に結合した。
【0472】
実施例6.抗CD3抗体の生成
抗CD3抗体CD3B219は、US9850310に記載されている。
【0473】
追加の抗CD3抗体は、OmniRats(OMT(商標))を免疫することによって
生成した得られたハイブリドーマ上清を、ヒト及びカニクイザルCD3Tリンパ球へ
の結合についてスクリーニングし、クローンを単離し、配列決定し、場合によっては更に
操作した。抗CD3抗体を、S228P、F234A、及びL235A変異を有するエフ
ェクターサイレントIgG4を含む様々なアイソタイプとして、又はL234A、L23
5A、G237A、P238S、H268A、A330S、及びP331S変異を有する
IgG1としてクローニングした。生成した2つの抗CD3抗体を、CD3B376及び
CD3B450と命名した。
【0474】
CD3B376及びCD3B450のヒトT細胞に対するインビトロ結合親和性を、抗
原特異性標的アームと交差させた後、フローサイトメトリーによって決定した。抗CD3
トレーサー分子の飽和結合定数(KdT)を決定するために、ヒトT細胞について予備研
究を実行した。次いで、試験mAの滴定濃度を使用する競合結合アッセイに、トレーサー
の固定濃度([T])を使用した。試験分子のIC50(50%阻害が達成される濃度)
値を使用する次の式:K=IC50/(1+([T]/KT))を使用して、結合親
和性(K)を決定した。トレーサー、市販のAlexaFluor488 SP34-
2抗CD3(BioScience#557705)(データは示さず)の飽和結合定数
(KT)を決定するために、5人のヒトドナーを使用した。
【0475】
トレーサーの飽和結合定数(KT)の決定
方法:使用まで、ヒトpan T細胞を窒素タンク内に低温保存した。T細胞を解凍し
、PBSで洗浄し、FACS染色緩衝液に再懸濁し、計数し(生存率に留意して)、0.
5×10個の細胞/mLで再懸濁した。Far Red Live/Dead染色(L
ife Technologies,AKA Invitrogen#L34974)(
バイアル中50μLのDMSOを)を1×10個の細胞当たり1μLで添加し、FcR
ブロッカー(Miltenyi Biotec#130-059-901)(0.5×1
個の細胞当たり1:20希釈の1mL)を各々細胞に10分間添加した。細胞を50
,000個の細胞/ウェルで播種し、洗浄した。AlexaFluor488 SP-3
4抗CD3の濃度を増加させて、4℃で2時間、T細胞に添加した。細胞を洗浄して非結
合抗体を除去し、15分間固定し、洗浄し、1mMのEDTAを含むFACS染色緩衝液
中に再懸濁した。
【0476】
iQue Intellicyte Flow Cytometerを使用して結合を
測定した。T細胞集団、続いて細胞個片、続いて生存細胞について細胞をゲーティングし
た(FL4)。各ウェルの染色の幾何平均(FL1)を決定した。
【0477】
取得した平均蛍光強度値を抗体分子濃度の関数としてプロットし、一部位結合分析(総
結合)にPrismソフトウェアを使用して分析した。ソフトウェアは、質量作用の法則
に従う受容体(ヒトPan T細胞上のCD3)への抗体分子の結合を説明する、対応す
るK値を計算する。式は以下のとおりであり、(Bmax×X)/(K+X)、式中
、Bmaxが最大結合であり、Kが、半最大結合に達するのに必要な配位子の濃度であ
る。
【0478】
結果:各ドナーについてK値を導出し、平均値を得た。ヒトT細胞の飽和結合定数(
T)を5.6±1.0nM(n=4)から導出し、前述の式に使用して、K結合親
和性を決定した。
【0479】
競合アッセイによる抗CD3mAの結合親和性の決定
CD3B376及びCD3B450を使用して競合結合研究を実施した。ヒトパンT細
胞を使用して、mAbの結合親和性を決定した。使用したトレーサーは、市販のAlex
aFluor488 SP-34抗CD3(BioScience#557705)であ
り、このトレーサーの飽和結合定数は上記されている。
【0480】
T細胞は、使用まで、窒素タンク内に低温保存した。T細胞を解凍し、PBSで洗浄し
、FACS染色緩衝液に再懸濁し、計数し生存率に留意して、0.5×10個の細胞/
mLで再懸濁した。Far Red Live/Dead染色(Life Techno
logies,AKA Invitrogen#L34974)(バイアル中50μLの
DMSOを)を1×10個の細胞当たり1μLで添加し、FcRブロッカー(Milt
enyi Biotec#130-059-901)(0.5×10^6個の細胞当たり
1:20希釈の1mL)を各々細胞に10分間添加した。細胞を50,000個の細胞/
ウェルで播種し、洗浄した。
【0481】
mAb(及びアイソタイプ対照)を、開始濃度1000又は200μg/mL(2×)
から1:2で連続希釈し、固定濃度(5μg/mL 2×)のトレーサーを一緒に混合し
て、1×濃度を得た。したがって、トレーサーの最終濃度(1×)は、2.5μg/mL
=16.6nMであった。混合物をT細胞に4℃で2時間添加した。次いで、細胞を洗浄
して非結合抗体を除去し、15分間固定し、洗浄し、1mMのEDTAを含むFACS染
色緩衝液中に再懸濁した。
【0482】
iQue Intellicyte Flow Cytometerを使用して結合を
測定した。T細胞集団、続いて細胞個片、続いて生存細胞(FL4)について細胞をゲー
ティングした。各ウェルの染色の幾何平均(FL1)を決定した。取得した平均蛍光強度
値を、log抗体分子濃度(nMに変換)の関数としてプロットし、EC50/IC50
値(nM単位)が由来するシグモイド用量応答(可変勾配)にPrismソフトウェアを
使用して分析した。結合親和性(K)は、以下の式:K=IC50/(1+([T]
/KT))を使用して導出した。式中、Kが、競合物(非標識分子)の親和性であり
、試験化合物のnM単位でのIC50、[T]が、トレーサーの濃度(16.6nM)で
あり、KTが、飽和結合によって決定されるトレーサーのKである(ヒトについては
5.6nM)。
【0483】
CD3B376結合部位は、二価及び一価の両方の形態でCD3B450よりも緊密で
あった。
【0484】
【表15】
【0485】
CD3B219、CD3B376、及びCD3B450のCDR、VH、及びVLアミ
ノ酸配列を、表16に示す。
【0486】
【表16】
【0487】
配列番号76 CD3B219 HC、(IgG4 S228P、F234A、L23
5A、F405L、及びR409K)
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFNTYAMNWVRQ
APGKGLEWVARIRSKYNNYATYYAASVKGRFTISRDDSKN
SLYLQMNSLKTEDTAVYYCARHGNFGNSYVSWFAYWGQGT
LVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFP
EPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSS
SLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEA
AGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQ
FNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWL
NGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPS
QEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTT
PPVLDSDGSFLLYSKLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHN
HYTQKSLSLSLGK
【0488】
配列番号77 CD3B219 LC
QTVVTQEPSLTVSPGGTVTLTCRSSTGAVTTSNYANWVQ
QKPGQAPRGLIGGTNKRAPGTPARFSGSLLGGKAALTLSG
VQPEDEAEYYCALWYSNLWVFGGGTKLTVLGQPKAAPSVT
LFPPSSEELQANKATLVCLISDFYPGAVTVAWKADSSPVK
AGVETTTPSKQSNNKYAASSYLSLTPEQWKSHRSYSCQVT
HEGSTVEKTVAPTECS
【0489】
配列番号78 CD3B376 HC(IgG4 S228P、F234A、L235
A、F405L、及びR409K)
QVQLQQSGPRLVRPSQTLSLTCAISGDSVFNNNAAWSWI
RQSPSRGLEWLGRTYYRSKWLYDYAVSVKSRITVNPDTSR
NQFTLQLNSVTPEDTALYYCARGYSSSFDYWGQGTLVTVS
SASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTV
SWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTK
TYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEAAGGPS
VFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYV
DGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEY
KCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMT
KNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLD
SDGSFLLYSKLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQK
SLSLSLGK
【0490】
配列番号79 CD3B376 LC
QSALTQPASVSGSPGQSITISCTGTSSNIGTYKFVSWYQ
QHPDKAPKVLLYEVSKRPSGVSSRFSGSKSGNTASLTISG
LQAEDQADYHCVSYAGSGTLLFGGGTKLTVLGQPKAAPSV
TLFPPSSEELQANKATLVCLISDFYPGAVTVAWKADSSPV
KAGVETTTPSKQSNNKYAASSYLSLTPEQWKSHRSYSCQV
THEGSTVEKTVAPTECS
【0491】
表17は、抗CD3抗体鎖をコードするポリヌクレオチドの配列番号を示す。
【0492】
【表17】
【0493】
配列番号105 CD3B219 VH cDNA
GAAGTGCAGCTGGTGGAATCTGGCGGCGGACTGGTGCAG
CCTGGCGGATCTCTGAGACTGAGCTGTGCCGCCAGCGGCT
TCACCTTCAACACCTACGCCATGAACTGGGTGCGCCAGGC
CCCTGGCAAAGGCCTGGAATGGGTGGCCCGGATCAGAAGC
AAGTACAACAATTACGCCACCTACTACGCCGCCTCCGTGA
AGGGCAGATTCACCATCAGCCGGGACGACAGCAAGAACAG
CCTGTACCTGCAGATGAACTCCCTGAAAACCGAGGACACC
GCCGTGTACTACTGCGCCAGACACGGCAACTTCGGCAACA
GCTATGTGTCTTGGTTTGCCTACTGGGGCCAGGGCACCCT
CGTGACCGTGTCATCT
【0494】
配列番号106 CD3B219 VL cDNA
CAGACCGTCGTGACCCAGGAACCTAGCCTGACCGTGTCT
CCTGGCGGCACCGTGACCCTGACCTGCAGATCTTCTACAG
GCGCCGTGACCACCAGCAACTACGCCAACTGGGTGCAGCA
GAAGCCAGGCCAGGCTCCCAGAGGACTGATCGGCGGCACC
AACAAGAGAGCCCCTGGCACCCCTGCCAGATTCAGCGGAT
CTCTGCTGGGAGGAAAGGCCGCCCTGACACTGTCTGGCGT
GCAGCCTGAAGATGAGGCCGAGTACTACTGCGCCCTGTGG
TACAGCAACCTGTGGGTGTTCGGCGGAGGCACCAAGCTGA
CAGTGCTG
【0495】
配列番号80 CD3B219 HC cDNA
GAAGTGCAGCTGGTGGAATCTGGCGGCGGACTGGTGCAG
CCTGGCGGATCTCTGAGACTGAGCTGTGCCGCCAGCGGCT
TCACCTTCAACACCTACGCCATGAACTGGGTGCGCCAGGC
CCCTGGCAAAGGCCTGGAATGGGTGGCCCGGATCAGAAGC
AAGTACAACAATTACGCCACCTACTACGCCGCCTCCGTGA
AGGGCAGATTCACCATCAGCCGGGACGACAGCAAGAACAG
CCTGTACCTGCAGATGAACTCCCTGAAAACCGAGGACACC
GCCGTGTACTACTGCGCCAGACACGGCAACTTCGGCAACA
GCTATGTGTCTTGGTTTGCCTACTGGGGCCAGGGCACCCT
CGTGACCGTGTCATCTGCTTCCACCAAGGGCCCATCCGTC
TTCCCCCTGGCGCCCTGCTCCAGGAGCACCTCCGAGAGCA
CAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGA
ACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGC
GGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGAC
TCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAG
CTTGGGCACGAAAACCTACACCTGCAACGTAGATCACAAG
CCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAGAGTTGAGTCCAAAT
ATGGTCCCCCATGCCCACCATGCCCAGCACCTGAGGCCGC
CGGGGGACCATCAGTCTTCCTGTTCCCCCCAAAACCCAAG
GACACTCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCG
TGGTGGTGGACGTGAGCCAGGAAGACCCCGAGGTCCAGTT
CAACTGGTACGTGGATGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAG
ACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACGTACCGTG
TGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAA
CGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTC
CCGTCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGC
AGCCCCGAGAGCCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCA
GGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTG
GTCAAAGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGG
AGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCC
TCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCCTCCTCTACAGC
AAGCTAACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGGAGGGGAATG
TCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCA
CTACACACAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCTGGGTAAA
【0496】
配列番号81 CD3B219 LC cDNA
CAGACCGTCGTGACCCAGGAACCTAGCCTGACCGTGTCT
CCTGGCGGCACCGTGACCCTGACCTGCAGATCTTCTACAG
GCGCCGTGACCACCAGCAACTACGCCAACTGGGTGCAGCA
GAAGCCAGGCCAGGCTCCCAGAGGACTGATCGGCGGCACC
AACAAGAGAGCCCCTGGCACCCCTGCCAGATTCAGCGGAT
CTCTGCTGGGAGGAAAGGCCGCCCTGACACTGTCTGGCGT
GCAGCCTGAAGATGAGGCCGAGTACTACTGCGCCCTGTGG
TACAGCAACCTGTGGGTGTTCGGCGGAGGCACCAAGCTGA
CAGTGCTGGGTCAGCCCAAGGCTGCACCCAGTGTCACTCT
GTTCCCGCCCTCCTCTGAGGAGCTTCAAGCCAACAAGGCC
ACACTGGTGTGTCTCATAAGTGACTTCTACCCGGGAGCCG
TGACAGTGGCCTGGAAGGCCGATAGCAGCCCCGTCAAGGC
GGGAGTGGAGACCACCACACCCTCCAAACAAAGCAACAAC
AAGTACGCGGCCAGCAGCTATCTGAGCCTGACGCCTGAGC
AGTGGAAGTCCCACAGAAGCTACAGCTGCCAGGTCACGCA
TGAAGGGAGCACCGTGGAGAAGACAGTGGCCCCTACAGAA
TGTTCA
【0497】
配列番号107 CD3B376 VH cDNA
CAGGTGCAGCTGCAGCAGTCTGGCCCTAGACTCGTGCGG
CCTTCCCAGACCCTGTCTCTGACCTGTGCCATCTCCGGCG
ACTCCGTGTTCAACAACAACGCCGCCTGGTCCTGGATCCG
GCAGAGCCCTTCTAGAGGCCTGGAATGGCTGGGCCGGACC
TACTACCGGTCCAAGTGGCTGTACGACTACGCCGTGTCCG
TGAAGTCCCGGATCACCGTGAACCCTGACACCTCCCGGAA
CCAGTTCACCCTGCAGCTGAACTCCGTGACCCCTGAGGAC
ACCGCCCTGTACTACTGCGCCAGAGGCTACTCCTCCTCCT
TCGACTATTGGGGCCAGGGCACCCTCGTGACCGTGTCCTC
【0498】
配列番号108 CD3B376 VL cDNA
AGTCTGCTCTGACCCAGCCTGCCTCCGTGTCTGGCTCTC
CCGGCCAGTCCATCACCATCAGCTGTACCGGCACCTCCTC
CAACATCGGCACCTACAAGTTCGTGTCCTGGTATCAGCAG
CACCCCGACAAGGCCCCCAAAGTGCTGCTGTACGAGGTGT
CCAAGCGGCCCTCTGGCGTGTCCTCCAGATTCTCCGGCTC
CAAGTCTGGCAACACCGCCTCCCTGACCATCAGCGGACTG
CAGGCTGAGGACCAGGCCGACTACCACTGTGTGTCCTACG
CTGGCTCTGGCACCCTGCTGTTTGGCGGAGGCACCAAGCT
GACCGTGCTG
【0499】
配列番号82 CD3B376 HC cDNA
CAGGTGCAGCTGCAGCAGTCTGGCCCTAGACTCGTGCGG
CCTTCCCAGACCCTGTCTCTGACCTGTGCCATCTCCGGCG
ACTCCGTGTTCAACAACAACGCCGCCTGGTCCTGGATCCG
GCAGAGCCCTTCTAGAGGCCTGGAATGGCTGGGCCGGACC
TACTACCGGTCCAAGTGGCTGTACGACTACGCCGTGTCCG
TGAAGTCCCGGATCACCGTGAACCCTGACACCTCCCGGAA
CCAGTTCACCCTGCAGCTGAACTCCGTGACCCCTGAGGAC
ACCGCCCTGTACTACTGCGCCAGAGGCTACTCCTCCTCCT
TCGACTATTGGGGCCAGGGCACCCTCGTGACCGTGTCCTC
TGCTTCCACCAAGGGCCCATCCGTCTTCCCCCTGGCGCCC
TGCTCCAGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCT
GCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTC
GTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTC
CCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCA
GCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACGAAAAC
CTACACCTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCAAG
GTGGACAAGAGAGTTGAGTCCAAATATGGTCCCCCATGCC
CACCATGCCCAGCACCTGAGGCCGCCGGGGGACCATCAGT
CTTCCTGTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACTCTCATGATC
TCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGA
GCCAGGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGA
TGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAG
GAGCAGTTCAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCA
CCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAA
GTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCGTCCTCCATCGAG
AAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAGCCAC
AGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCAGGAGGAGATGACCAA
GAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTAC
CCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGC
CGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTC
CGACGGCTCCTTCCTCCTCTACAGCAAGCTAACCGTGGAC
AAGAGCAGGTGGCAGGAGGGGAATGTCTTCTCATGCTCCG
TGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACACAGAAGAG
CCTCTCCCTGTCTCTGGGTAAA
【0500】
配列番号83 CD3B376 LC cDNA
CAGTCTGCTCTGACCCAGCCTGCCTCCGTGTCTGGCTCT
CCCGGCCAGTCCATCACCATCAGCTGTACCGGCACCTCCT
CCAACATCGGCACCTACAAGTTCGTGTCCTGGTATCAGCA
GCACCCCGACAAGGCCCCCAAAGTGCTGCTGTACGAGGTG
TCCAAGCGGCCCTCTGGCGTGTCCTCCAGATTCTCCGGCT
CCAAGTCTGGCAACACCGCCTCCCTGACCATCAGCGGACT
GCAGGCTGAGGACCAGGCCGACTACCACTGTGTGTCCTAC
GCTGGCTCTGGCACCCTGCTGTTTGGCGGAGGCACCAAGC
TGACCGTGCTGGGTCAGCCCAAGGCTGCACCCAGTGTCAC
TCTGTTCCCGCCCTCCTCTGAGGAGCTTCAAGCCAACAAG
GCCACACTGGTGTGTCTCATAAGTGACTTCTACCCGGGAG
CCGTGACAGTGGCCTGGAAGGCCGATAGCAGCCCCGTCAA
GGCGGGAGTGGAGACCACCACACCCTCCAAACAAAGCAAC
AACAAGTACGCGGCCAGCAGCTATCTGAGCCTGACGCCTG
AGCAGTGGAAGTCCCACAGAAGCTACAGCTGCCAGGTCAC
GCATGAAGGGAGCACCGTGGAGAAGACAGTGGCCCCTACA
GAATGTTCA
【0501】
実施例7.二重特異性TMEFF2xCD3抗体の生成
選択単一特異性抗TMEFF2及び抗CD3抗体をIgG4/κとして表した。抗TM
EFF2抗体が野生型IgG4を有したままで、抗CD3抗体にF405L及びR409
K置換(EU付番)を行った。位置405及び409置換に加えて、S228P、F23
4A、及びL235A置換を有するように、IgG4 mAbを操作した。
【0502】
プロテインAカラム(HiTrap MabSelect SuReカラム)を使用す
る標準的な方法を使用して、単一特異性抗体を発現及び精製した。溶出後、プールを、D
-PBS、pH7.2の中に透析した。
【0503】
二重特異性TMEFF2xCD3抗体を、国際公開第2011/131746号に記載
のインビトロでのFabアーム交換において、単一特異性TMEFF2 mAbと単一特
異性CD3 mAbとを組み合わせることにより生成した。簡潔に言えば、pH7~7.
4のPBS中モル比1:1で、約1~20mg/mLの各抗体と、75mMの2-メルカ
プトエタノールアミン(2-MEA)とを一緒に混合し、25~37℃で2~6時間イン
キュベートし、続いで透析、透析濾過、クロスフロー濾過、及び/又は標準的な方法を使
用する細胞濾過物のスピンを介して2-MEAを除去した。
【0504】
疎水性相互作用クロマトグラフィーを使用するインビトロFabアーム交換の後、二重
特異性抗体を更に精製して、標準的な方法を使用して残留親抗TMEFF2及び抗CD3
抗体を最小限にした。
【0505】
表18及び表19は、生成された二重特異性抗体を示す。
【0506】
【表18】
【0507】
【表19】
【0508】
実施例8.二重特異性TMEFF2xCD3抗体の特性評価
分析用超遠心分離(Analytical Ultra Centrifugation、AUC)による純度分析
分析用超遠心分離(AUC)は、溶液中の巨大分子のサイズ、形状、凝集状態、及び可
逆的相互作用の決定を可能にする。沈降速度(Sedimentation velocity、SV)は、遠心
分離スピンの際に、濃度勾配をサンプルホルダー(セル)の外半径に移動させる、AUC
技術である。これにより、分子のサイズ及び形状の因子である沈降係数の決定が可能にな
り、これは各分子に固有である。この目的に、Beckman Optima AUC装
置を使用した。サンプルを、1.2cmのBeckmanセンターピース(定格50K
rpm)及び石英窓を装備した遠心セルに充填した。細胞をアセンブルし、130lbs
にトルクをかける。遠心セルを、An-50(8穴)又はAn-60(4穴)ローターに
置き、AUCチャンバ内に置いた。運転を開始する前に、AUCの温度を、チャンバ内の
ローターで少なくとも1時間、20.5°に平衡化した。スキャンカウント(250スキ
ャン)、スキャン収集の頻度(90秒)、データ解像度(10μM)、280nmの波長
、40K rpmで、mAbサンプルについて実験を実施した。データは、直接境界適合
ソフトウェアSEDANALを使用して分析した。二重特異性抗体TMCB150及びそ
の親mAbの純度を測定した。TMCB150は、97.1%モノマー、2.8%二量体
モノマーを示し、更なる生物物理的特性評価のために一過性に発現させた研究材料が許容
可能な基準を満たすAUCによって決定される、凝集を示さなかった。TMEB762は
、95.5%モノマー、4.5%二量体を示し、凝集は示さなかったが、CD3B376
は、凝集を示さずに97.7%モノマー及び2.2%二量体を示した。最小2工程精製分
子の>5%の凝集体濃度は、生物活性、溶解性、安定性、及び貯蔵寿命に著しい影響を及
ぼし得る。
【0509】
DSCによる抗TMEFF2/CD3二重特異性の立体配座安定性
TMCB150熱的アンフォールディングは、DSC(示差走査熱量測定)によって決
定し、これは、アンフォールディング開始Tm=52.6℃、61.8℃での第1の熱転
移(Tm1)、67.6℃での第2の熱転移(Tm2)、及び75.5℃での第3の熱転
移(Tm3)を示した。前述のDSCによって評価した親抗体(抗TMEFF2、TME
B762、及び抗CD3、CD3B376)熱転移プロファイルに基づいて、TMCB1
50のTm1は、CD3B376 FABのアンフォールディングに対応し、TMCB1
50のTm3は、TMEB762 Fabのアンフォールディング転移に対応する。
【0510】
血清安定性
血清安定性アッセイは、ヒト血清成分に対する非特異的又はオフ標的結合のためのリー
ド候補の特性を評価するために開発されている。これにより、不十分な薬物動態及び生物
分布特性を予測することができる。TMCB150の結合及び安定性は、蛍光系クロマト
グラフィー法を使用して、緩衝液及びヒト血清の両方で評価する。二重特異性抗体は、A
lexa Fluor 488コンジュゲート(製造業者の指示に従ったInvitro
genキット)で標識し、Hepes緩衝液及びヒト血清(Sigma、カタログ番号H
4522)中4℃及び37℃で2日間インキュベートし、次いで蛍光検出器を備えたAg
ilent HPLCシステムを使用するSEC-HPLCにより分析した。凝集率は、
各ピークの曲線下面積の積分から計算する。TMCB150は、時間0でHepes緩衝
液中2.4%の凝集を示し、それぞれ摂氏4°及び37°で2日後に2.0%及び1.3
%の凝集を示した。ヒト血清において、TMCB150は、摂氏4°及び37°の両方で
、時間0で1,7%の凝集及び2日後に1.1%の凝集を示した。
【0511】
非特異的結合
無関係な表面へのリード分子の非特異的結合は、バイオセンサー技術(Biacore
8K)によって決定する。抗体を、無関係なタンパク質でコーティングしたSPR表面
上に通過させる。抗体が、これらの無関係な表面への著しい結合を示す場合、不十分なイ
ンビボ特性を有し、製造上問題を呈すると予測される。最終濃度1μMでリード分子を試
験する。無関係な表面としては、負に帯電したタンパク質(Soy Trypsin I
nhibitor)、正に帯電したタンパク質(リゾチーム及びβ-ディフェンシン)、
疎水性(Rh-integrin a4b7)、ヒトIgG粘着性タンパク質(Rh-C
D19)が挙げられる。この実験では、適切な対照を使用する。一方はブランクであり、
他方は直接固定化された分子を有する2つの表面上に、リードを流す。応答単位(respon
se unit、RU)レベルは、試験表面RUからブランクRUを減算することによって決定
する。TMCB150のRU及び親mAbを、以下の表に示す。製造中に問題を生じ、か
つ不十分なPK特性を意味する応答単位≧100では、帯電/疎水性/IgG表面への非
特異的結合の高いリスクが予測される。抗体のうちのいずれも、無関係な表面への非特異
的結合を示さない場合、製造及びインビボ挙動でのリスクが、低いか全くないことが予測
される。
【0512】
【表20】
【0513】
高濃度安定性
注入量を低減して皮下投与を容易にするために、多くのモノクローナル抗体は、高濃度
(≧100mg/ml)で配合される。加えて、全てのモノクローナル抗体は、精製プロ
セス中に一過的に高濃度(≧50mg/ml)に曝露される。したがって、高濃度安定性
は、これらの分子の重要な品質属性である。30kDa MWCO膜を備える遠心限外濾
過デバイスを使用して濃縮を実施する。5.1~5.3mgの各タンパク質を最初に同じ
開始濃度に希釈し、15分間隔に4000xgで遠心分離した。各15分の遠心分離工程
の終了時に、濃縮器を遠心分離器から取り出し、残りのサンプル体積の視覚的推定値を記
録する。濃度は、SoloVPE装置によって測定する。濃縮したサンプルを4C及び4
0Cで2週間インキュベートし、一定時間間隔でアリコートを引いて、分析SECによっ
て一体性を確認した。TMCB150及び親mAb(CD3B376及びTMEB762
)を通常どおり濃縮した。TMCB150の最終濃度は99.4mg/mLであり、親m
Abの濃度は52.2mg/mL(TMEB762)及び52.6mg/mL(CD3B
376)であった。濃度は4C及び40Cで2週間同じままであり、これは、分子が、凝
集又はエッペンドルフチューブへの吸着の可能性がない、良好な固有特性を有することを
示唆している。SECピーク積分から測定した種%(A:凝集、M:モノマー、F:断片
)を以下の表に提供する。高濃度では、分子は、40Cで2週間保存した後、4~5%の
凝集及び≦0.3%の断片で無傷であり、良好な貯蔵寿命が予測される。
【0514】
【表21】
【0515】
動態排除アッセイ(kinetic exclusion assay、KinExA)による抗TMEFF2
/CD3二重特異性抗体の親和性決定
KinExA3200装置(Sapidyne Instruments,Inc.)
を使用して、二重特異性mAb TMCB150及びその2価TMEFF2親TMEB7
62mAbの、ヒトTMEFF2細胞外ドメイン(ECD)への溶液平衡親和性Kを測
定した。ヒトTMEFF2細胞外ドメイン(ECD)の連続希釈を、10mMのHEPE
S、150mMのNaCL、0.05%界面活性剤P20、pH7.4、0.1%のBS
A、及び0.02%のNaN3中で一定濃度の抗TMEFF2mAbを用いて調製した。
結合相互作用が平衡に達するまで、反応混合物を室温でインキュベートした。インキュベ
ーションの継続時間は、KinExAソフトウェアシミュレーションを使用して決定され
た。ビス-アクリルアミド/アズラクトンコポリマー(Pierce Biotechn
ology,Inc.)で構成される活性化前ビーズ上でのアミン結合による、TMEF
F2-ECDの直接的共有結合固定によってビーズを調製した。インキュベーション後、
サンプルをKinExA装置にかけて、TMEFF2修飾ビーズに混合物を通過させ、蛍
光標識された二次抗体を使用して捕捉抗体を検出することによって、混合物中の遊離抗体
を評価した。データは、KinExA Proソフトウェアを使用して、1:1結合モデ
ルと適合させた。
【0516】
【表22】
【0517】
抗TMEFF2/CD3二重特異性抗体のN末端CD3εペプチドに対する結合親和性
の測定
Biacore 8K(GE Healthcare)及び抗ヒトFcバイオセンサー
表面を使用して実施したSPRによって、動態速度定数を測定した。抗ヒト免疫グロブリ
ン抗体は、CM4センサーチップ(GE Healthcare)の表面に共有結合させ
た。対象の抗体を抗ヒト免疫グロブリンセンサーチップ上に捕捉し、続いて0.05%界
面活性剤P20(Tween(商標)20)及び100ug/mLのBSAを含むHEP
ES緩衝生理食塩水中様々な濃度でN末端CD3εペプチドを注入した。表面を、100
μL/分で30μLの0.8%リン酸の2パルス注入で再生した。データは、捕捉抗体を
含む流動細胞と、捕捉抗体を含まない参照細胞との間のSPRシグナルの差異を報告した
。基準-除算シグナル(reference-subtracted signal)からブランク注入のデータを除
算することによって、シグナルに対する追加的な装置の寄与を除去した。Biaeval
uationソフトウェア(Biacore,Inc.)を使用して、1:1結合モデル
における全ての濃度(グローバルフィット)での会合及び解離段階を適合することにより
、データを分析した。データは、反復数の95% CI標準偏差/平方根のt値によっ
て計算される平均+95% CI(信頼区間)として報告する。
【0518】
【表23】
表23.
【0519】
実施例9.二重特異性TMEFF2xCD3抗体は、前立腺癌細胞のT細胞媒介性殺傷
に有効である。
In vitroにおける前立腺癌細胞のT細胞媒介性殺傷。
【0520】
前立腺癌細胞のT細胞媒介性殺傷を媒介する能力について、選択二重特異性TMEFF
2xCD3抗体を評価した。
活性カスパーゼ3/7による蛍光基質の切断を介した細胞殺傷を間接的に測定するカス
パーゼ細胞障害アッセイを使用して、TMEFF2xCD3二重特異性抗体のT細胞媒介
性殺傷を測定した。基質の開裂により、蛍光DNA染色が生じ、蛍光は細胞核に制限され
る。同じ座標でウェル(複数可)を正確に撮像することができる電動式10X対物レンズ
を使用して、アッセイの過程を通して、各ウェルで複数回蛍光測定を行う。標的細胞集団
は、定義されたサイズ制限に基づいて、及び/又は二次標識の使用を通じて同定する。
【0521】
正常な健康ドナーからの陰性選択によって、凍結Pan CD3T細胞(Biolo
gical Specialty Corporation,Colmar,PA)を単
離した。TMEFF2(LNCaP-AR)を発現する前立腺癌細胞を、10%のHI
FBS+サプリメント(Life Technologies)を含むRPMI 164
0中で培養した。T細胞及び標的細胞を、フェノールレッドを含まないRPMI+10%
のFBS及びサプリメント(Life Technologies)(選択試薬なし)中
3:1のエフェクター対標的比(E:T)で組み合わせ、0.6uLのNucViewカ
スパーゼ試薬(Essen Bioscience)を、製造業者のガイドラインに従っ
て各mLの細胞に添加した。0.1mLの細胞の総体積を、透明な96ウェル平底プレー
ト(BD Falcon)の適切なウェルに添加した。TMEFF2xCD3二重特異性
抗体を、上に示すように調製したフェノールレッドを含まないRPMI中2倍の最終濃度
で調製し、0.1mLの化合物を各ウェルに添加した。ウェルの縁部での細胞凝集を最小
限にするために室温で30分間インキュベートした後、37℃、5%COに保持したZ
oom Incucyte装置(Essen Bioscience)にプレートを移し
た。
【0522】
Incucyte上の処理定義は、製造業者のガイドラインに従って、試験する各細胞
株に対して設計した。カスパーゼシグナルにプラトーが観察されるまで、6時間ごとに測
定を行い、続いて、最高濃度の試験化合物(複数可)を含むウェル(複数可)では最大シ
グナルから3回又は4回以上連続的に減少した。
【0523】
アッセイが完了した後、適切な処理定義を使用して各プレートを分析した。未加工の蛍
光データをIncucyte Zoomソフトウェアからエクスポートし、GraphP
ad Prism(GraphPad Software,Inc.(La Jolla
,CA))に貼り付けた。カスパーゼ3/7活性は、GraphPadで、各ウェルの曲
線下(AUC)を計算することによって決定した。Log10 nM化合物の関数として
AUC値をプロットした。各用量曲線のナノモル(nM)でのEC50は、非線形回帰分
析(4パラメータ適合、最小二乗回帰)に従って報告した。各アッセイは、最低3つの生
物学的複製物を含み、各細胞株は、5人の健康なドナーからのT細胞を使用して試験した
。非線形回帰モデルを使用して、非臨床統計によってデータを更に分析した。
【0524】
図3は、選択二重特異性抗TMEFF2xCD3抗体のカスパーゼ3/7活性を増加さ
せて測定したときの、経時的なLnCaP細胞の殺傷を示す。
【0525】
二重特異性TMEFF2xCD3抗体は、インビボ前立腺癌腫瘍モデルにおいて有効で
ある。
選択二重特異性抗体を、雄NSGマウスにおけるエクスビボLnCaP前立腺癌モデル
で試験した。研究のために、50% Cultrex中10個のLnCaP細胞を0.
2mL/動物で、0日目に右脇腹に皮下注射により投与した。腫瘍がおよそ約100~1
50mmの体積に達したときに動物を無作為化し、15日目に20個のT細胞/マウ
スを腹腔内に注入した。各群に10匹の動物を使用した。抗体を用いる処置は、T細胞注
入の1~3日後に開始した。抗体を週に2回腹腔内投与した。投与前に、全ての動物は、
IVIG+Fc遮断を受けた。腫瘍が約1200mmに達するまで、腫瘍体積及び体重
を週2回評価した。治療群を表24に示す。これらのアッセイにおいてCD3B219
CD3結合アーム及びnullアーム結合HIV gp120を有する陰性対照として、
CD3xNull抗体を使用した。
【0526】
【表24】
【0527】
表25は、腫瘍移植後の各群ごとの38日目の腫瘍成長阻害率を示す。
【0528】
図4は、腫瘍移植後の経時的な平均腫瘍体積の低減を示す。図5Aは、0.5mg/k
gのTMCB93で治療した各マウスの平均腫瘍体積の低減を示す。図5Bは、0.5m
g/kgのTMCB132で治療した各マウスの平均腫瘍体積の低減を示す。
【0529】
【表25】
【0530】
また、TMEB762xCD3B376(TMCB150)の有効性を、20e6T細
胞でヒト化した雄NOD.Cg-Prkdcscid Il2rgtm1Wjl/SzJ
(NSG)マウスで確立されたLNCaP異種移植片で評価した。腫瘍移植13日後に平
均腫瘍体積によって、動物を、各10匹の動物群に無作為化した。0.5、0.1、及び
0.05mg/kgのTMEB762xCD3B376、又は0.5mg/kgのnul
lxCD3B376抗体対照を、5週間の間週2回IP投与した。腫瘍移植35日後に群
当たり少なくとも8匹の動物が残存した場合、腫瘍体積によって決定された腫瘍成長阻害
(tumor growth inhibition、TGI%)を計算した。統計的に著しい腫瘍成長阻害は、
nullxCD3対照と比較して、0.5及び0.1mg/kgのTMEB762xCD
3B376で観察されたが、0.05mg/kgでは観察されなかった(図6)。nul
lxCD3処置対照と比較して、0.5、0.1、及び0.05mg/kgでのTMEB
762xCDB376では、それぞれ110%、88%、及び25%の腫瘍成長阻害が誘
導された。TMEB762xCDB376治療により、それぞれ0.5及び0.1mg/
kgで7及び3匹に完全応答を生じた。皮下LNCaP腫瘍を、週2回キャリパで測定し
、結果を平均腫瘍体積(mm)±SEM(群当たり≧8匹のマウス)として提示した。
【0531】
TMCB132の投与に応答したT細胞活性化
LnCaP前立腺癌細胞におけるT細胞活性化を、フローサイトメトリーによって、具
体的には、TMCB132治療の72時間後に6つの別個の正常な健康ドナー(9642
、9672、9762、9772、9832、9852)におけるCD3+/CD8+T
細胞のCD25陽性を評価することによって測定した(図7)。3:1のエフェクター標
的比で添加したCD3+pan-T細胞の活性化は、LnCaP前立腺癌細胞におけるT
MCB132の投与に応答して観察された。
【0532】
インビトロでのTMCB132のT細胞媒介性細胞障害性
T細胞媒介性細胞障害アッセイを使用して、Incucyteプラットフォーム上でラ
イブタイムラスプイメージングを使用して、インビトロでのTMCB132の細胞障害性
の可能性を評価した。健康なドナーから単離したpanヒトCD3+T細胞の存在下で、
TMEFF2陽性細胞株LnCaPでのTMCB132を3:1の(エフェクター:標的
)エフェクター:標的比(E:T比)で試験した。96時間の期間にわたって活性カスパ
ーゼ3/7の蛍光シグナルを測定することによって、アポトーシスによる細胞死を監視し
た。TMCB132は、時間の増加とともに、生存LnCaP細胞の用量依存的な低減を
促進した。カスパーゼ3/7活性又は蛍光シグナルの用量依存的増加は、T細胞の存在下
でLnCaP細胞における細胞死を示した(図8)。データは、TMCB132が、Ln
CaP腫瘍細胞においてT細胞媒介性死を誘導するのに有効であることを示唆している。
【0533】
T細胞ヒト化マウスで確立されたSCヒト前立腺異種移植片におけるTMCB132の
有効性。
TMCB132の抗腫瘍有効性を、20eT細胞でヒト化した雄Cg-Prkdc
cid Il2rgtm1Wjl/SzJ(NSG,The Jackson Labo
ratory(Bar Harbor,ME))マウスで確立された皮下(subcutaneous
、SC)ヒト前立腺LNCaP異種移植片において評価した。NSG雄。腫瘍移植13日
後に平均腫瘍体積によって、動物を、各10匹の動物群に無作為化した。0.5、0.1
、及び0.05mg/kgのTMCB132、又は0.5mg/kgのnullxCD3
B219抗体対照を、4週間の間週2回IP投与した。腫瘍移植45日後に群当たり少な
くとも7匹の動物が残存した場合、腫瘍体積によって決定された腫瘍成長阻害(TGI%
)を計算した。統計的に著しい腫瘍成長阻害は、nullxCD3対照と比較して、0.
5及び0.1mg/kg、並びに0.05mg/kgのTMCB132で観察された(図
9、p≦0.0001)。nullxCD3処置対照と比較して、0.5、0.1、及び
0.05mg/kgでのTMCB132では、それぞれ102%、109%、及び47%
の腫瘍成長阻害が誘導された。TMCB132治療は、それぞれ0.5、0.1、及び0
.05mg/kgで3、2、及び1匹に完全応答を生じた。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
【配列表】
2024105476000001.app
【手続補正書】
【提出日】2024-06-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
TMEFF2の配列番号110の膜近位領域に結合する、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0533
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0533】
T細胞ヒト化マウスで確立されたSCヒト前立腺異種移植片におけるTMCB132の有効性。
TMCB132の抗腫瘍有効性を、20eT細胞でヒト化した雄Cg-Prkdcscid Il2rgtm1Wjl/SzJ(NSG,The Jackson Laboratory(Bar Harbor,ME))マウスで確立された皮下(subcutaneous、SC)ヒト前立腺LNCaP異種移植片において評価した。NSG雄。腫瘍移植13日後に平均腫瘍体積によって、動物を、各10匹の動物群に無作為化した。0.5、0.1、及び0.05mg/kgのTMCB132、又は0.5mg/kgのnullxCD3B219抗体対照を、4週間の間週2回IP投与した。腫瘍移植45日後に群当たり少なくとも7匹の動物が残存した場合、腫瘍体積によって決定された腫瘍成長阻害(TGI%)を計算した。統計的に著しい腫瘍成長阻害は、nullxCD3対照と比較して、0.5及び0.1mg/kg、並びに0.05mg/kgのTMCB132で観察された(図9、p≦0.0001)。nullxCD3処置対照と比較して、0.5、0.1、及び0.05mg/kgでのTMCB132では、それぞれ102%、109%、及び47%の腫瘍成長阻害が誘導された。TMCB132治療は、それぞれ0.5、0.1、及び0.05mg/kgで3、2、及び1匹に完全応答を生じた。

以下の態様を包含し得る。
[1] TMEFF2の配列番号110の膜近位領域に結合する、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片。
[2] 前記抗体又は前記その抗原結合断片が、TMEFF2の前記膜近位領域への結合に関して、
a)配列番号25の重鎖可変領域(VH)及び配列番号28の軽鎖可変領域(VL)、又は
b)配列番号26のVH及び配列番号29のVL、
c)配列番号27のVH及び配列番号30のVL、
d)配列番号26のVH及び配列番号31のVL、
e)配列番号87のVH及び配列番号88のVL、又は
f)配列番号89のVH及び配列番号90のVL、
を含む参照抗体と競合する、上記[1]に記載の単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片。
[3] 前記抗体又は前記その抗原結合断片が、残基HGKCEHSINMQEPSC(配列番号57)又はDAGYTGQHCEKKDYSVL(配列番号58)内でTMEFF2の前記膜近位領域に結合する、上記[1]又は[2]に記載の単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片。
[4] a)それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び22、
b)それぞれ配列番号11、13、16、19、21、及び23、
c)それぞれ配列番号10、14、17、18、20、及び24、
d)それぞれ配列番号11、13、16、18、20、及び22、又は
e)それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び86、
の重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含む、上記[1]~[3]のいずれか一項に記載の単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片。
[5] 前記抗体又は前記その抗原結合断片が、約0.4×10 -9 M以下の平衡解離定数(K )でTMEFF2の前記膜近位領域に結合し、前記K が、室温でpH4.5~5.0の酢酸緩衝液中の表面プラズモン共鳴を使用して測定される、上記[1]~[4]のいずれか一項に記載の単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片。
[6] 前記抗体又は前記その抗原結合断片が、約0.1×10 -10 M~約0.4×10 -9 Mの前記K でTMEFF2の前記膜近位領域に結合する、上記[5]に記載の単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片。
[7] VH3_3-23(配列番号53)又はVH1_1-69(配列番号54)に由来する重鎖可変領域(VH)フレームワークを含む、上記[1]~[6]のいずれか一項に記載の単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片。
[8] VKI_L11(配列番号55)又はVKIIII_A27(配列番号56)に由来する軽鎖可変領域(VL)フレームワークを含む、上記[7]に記載の単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片。
[9] a)それぞれ配列番号53のVH3_3-23及び配列番号55のVKI_L11、
b)それぞれ配列番号54のVH1_1-69及び配列番号56のVKIII_A27、又は
c)それぞれ配列番号54のVH1_1-69及び配列番号55のVKI_L11
に由来するVHフレームワーク及びVLフレームワークを含む、上記[8]に記載の単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片。
[10] a)配列番号25のVH及び配列番号28のVL、
b)配列番号26のVH及び配列番号29のVL、
c)配列番号27のVH及び配列番号30のVL、
d)配列番号26のVH及び配列番号31のVL、
e)配列番号87のVH及び配列番号88のVL、又は
f)配列番号89のVH及び配列番号90のVL、
を含む、上記[1]~[9]のいずれか一項に記載の単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片。
[11] 前記抗体が、IgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4アイソタイプである、上記[1]~[10]のいずれか一項に記載の単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片。
[12] a)配列番号32の重鎖(HC)及び配列番号35の軽鎖(LC)、
b)配列番号33のHC及び配列番号36のLC、
c)配列番号34のHC及び配列番号37のLC、
d)配列番号33のHC及び配列番号38のLC、
e)配列番号91のHC及び配列番号92のLC、又は
f)配列番号93のHC及び配列番号94のLC、
を含む、上記[11]に記載の単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片。
[13] a)それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び22のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3、
b)配列番号25のVH及び配列番号28のVL、並びに/又は
c)配列番号32のHC及び配列番号35のLC、
を含む、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片。
[14] a)それぞれ配列番号11、13、16、19、21、及び23のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3、
b)配列番号26のVH及び配列番号29のVL、並びに/又は
c)配列番号33のHC及び配列番号36のLC、
を含む、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片。
[15] a)それぞれ配列番号10、14、17、18、20、及び24のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3、
b)配列番号27のVH及び配列番号30のVL、並びに/又は
c)配列番号34のHC及び配列番号37のLC、
を含む、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片。
[16] a)それぞれ配列番号11、13、16、18、20、及び22のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3、
b)配列番号26のVH及び配列番号31のVL、並びに/又は
c)配列番号33のHC及び配列番号38のLC、
を含む、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片。
[17] a)それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び86のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3、
b)配列番号87のVH及び配列番号88のVL、並びに/又は
c)配列番号91のHC及び配列番号92のLC、
を含む、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片。
[18] a)それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び86のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3、
b)配列番号89のVH及び配列番号90のVL、並びに/又は
c)配列番号93のHC及び配列番号94のLC、
を含む、単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片。
[19] 前記抗体が、多重特異性抗体である、上記[1]~[18]のいずれか一項に記載の単離された抗TMEFF2抗体。
[20] 前記抗体が、二重特異性抗体である、上記[1]~[19]のいずれか一項に記載の単離された抗TMEFF2抗体。
[21] 前記抗体が、CD3、所望によりCD3イプシロンに結合する、上記[19]又は[20]に記載の単離された抗TMEFF2抗体。
[22] 上記[1]~[21]のいずれか一項に記載の抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片と、医薬的に許容される担体と、を含む、医薬組成物。
[23] 1つ又は2つ以上の異種分子にコンジュゲートした、上記[1]~[20]のいずれか一項に記載の単離された抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片。
[24] a)上記[13]~[18]のいずれか一項に記載の抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片をコードし、
b)配列番号25、26、27、87、若しくは89の前記抗TMEFF2抗体VH、及び/又は配列番号28、29、30、31、88、若しくは90のVLをコードし、
c)配列番号39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、95、96、97、98、99、100、101、又は102のポリヌクレオチド配列を含む、
単離されたポリヌクレオチド。
[25] 上記[24]に記載のポリヌクレオチドを含む、ベクター。
[26] 上記[25]に記載のベクターを含む、宿主細胞。
[27] 上記[13]~[18]のいずれか一項に記載の抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片を産生する方法であって、前記抗体が発現する条件下で上記[26]に記載の宿主細胞を培養することと、前記宿主細胞によって産生された前記抗体を回収することとを含む、方法。
[28] TMEFF2陽性癌の治療を必要とする対象においてTMEFF2陽性癌を治療する方法であって、治療に有効な量の上記[1]~[21]のいずれか一項に記載の単離された抗TMEFF2抗体若しくはその抗原結合断片、又は上記[22]に記載の医薬組成物を、前記対象に投与して、前記TMEFF2陽性癌を治療することを含む、方法。
[29] 前記TMEFF2陽性癌が、前立腺癌である、上記[28]に記載の方法。
[30] 前記前立腺癌が、再発性、難治性、悪性、若しくは去勢抵抗性前立腺癌、又はそれらの任意の組み合わせである、上記[29]に記載の方法。
[31] 前記抗TMEFF2抗体又はその抗原結合断片が、第2の治療剤と組み合わせて投与される、上記[28]~[30]のいずれか一項に記載の方法。
[32] 前記第2の治療剤が、手術、化学療法、アンドロゲン遮断療法、若しくは放射線、又はそれらの任意の組み合わせである、上記[31]に記載の方法。
[33] 上記[13]~[18]のいずれか一項に記載の抗体に結合する、抗イディオタイプ抗体。
[34] 上記[13]~[18]のいずれか一項に記載の抗体を含む、キット。
[35] TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のドメインと、を含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
[36] 前記抗体が、TMEFF2の配列番号110の前記膜近位領域に結合する、上記[35]に記載の単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
[37] 前記抗体が、TMEFF2の前記膜近位領域への結合に関して、
a)配列番号25の重鎖可変領域(VH)及び配列番号28の軽鎖可変領域(VL)、又は
b)配列番号26のVH及び配列番号29のVL、
c)配列番号27のVH及び配列番号30のVL、
d)配列番号26のVH及び配列番号31のVL、
e)配列番号87のVH及び配列番号88のVL、又は
f)配列番号89のVH及び配列番号90のVL、
を含む、参照抗体と競合する、上記[35]又は[36]に記載の単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
[38] 前記抗体が、残基HGKCEHSINMQEPSC(配列番号57)又はDAGYTGQHCEKKDYSVL(配列番号58)内でTMEFF2の前記膜近位領域に結合する、上記[35]~[37]のいずれか一項に記載の単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
[39] 前記抗体が、約0.4×10 -9 M以下の解離定数(K )でTMEFF2の前記膜近位領域に結合し、前記K が、室温でpH4.5~5.0の酢酸緩衝液中の表面プラズモン共鳴を使用して測定される、上記[35]~[38]のいずれか一項に記載の単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
[40] 前記抗体が、約0.1×10 -10 M~約0.4×10 -9 Mの前記K でヒトTMEFF2の前記膜近位領域に結合する、上記[39]に記載の単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
[41] 前記第1のドメインが、
a)それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び22、
b)それぞれ配列番号11、13、16、19、21、及び23、
c)それぞれ配列番号10、14、17、18、20、及び24、
d)それぞれ配列番号11、13、16、18、20、及び22、又は
e)それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び86、
のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、上記[35]~[40]のいずれか一項に記載の単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
[42] 前記第2のドメインが、
a)それぞれ配列番号60、61、62、63、64、及び65、又は
b)それぞれ配列番号68、69、70、71、72、及び73、
のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、上記[41]に記載の単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
[43] 前記第1のドメインが、
a)配列番号25のVH及び配列番号28のVL、
b)配列番号26のVH及び配列番号29のVL、
c)配列番号27のVH及び配列番号30のVL、
d)配列番号26のVH及び配列番号31のVL、
e)配列番号87のVH及び配列番号88のVL、又は
f)配列番号89のVH及び配列番号90のVL、
を含む、上記[35]~[42]のいずれか一項に記載の単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
[44] 前記第2のドメインが、
a)配列番号66のVH及び配列番号67のVL、又は
b)配列番号74のVH及び配列番号75のVL、
を含む、上記[35]~[43]のいずれか一項に記載の単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
[45] TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のドメインと、を含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片であって、
a)前記第1のドメインが、それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び22のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、前記第2のドメインが、それぞれ配列番号60、61、62、63、64、及び65のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
b)前記第1のドメインが、配列番号25のVH及び配列番号28のVLを含み、前記第2のドメインが、配列番号66のVH及び配列番号67のVLを含み、かつ/又は
c)前記二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくは前記その抗原結合断片が、配列番号32の第1の重鎖(HC1)、配列番号35の第1の軽鎖(LC1)、配列番号76の第2の重鎖(HC2)、及び配列番号77の第2の軽鎖(LC2)を含む、
単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
[46] TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のドメインと、を含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片であって、
a)前記第1のドメインが、それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び22のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、前記第2のドメインが、それぞれ配列番号68、69、70、71、72、及び73のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
b)前記第1のドメインが、配列番号25のVH及び配列番号28のVLを含み、前記第2のドメインが、配列番号74のVH及び配列番号75のVLを含み、かつ/又は
c)前記二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくは前記その抗原結合断片が、配列番号32のHC1、配列番号35のLC1、配列番号78のHC2、及び配列番号79のLC2を含む、
単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
[47] TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のドメインと、を含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片であって、
a)前記第1のドメインが、それぞれ配列番号11、13、16、19、21、及び23のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、前記第2のドメインが、それぞれ配列番号60、61、62、63、64、及び65のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
b)前記第1のドメインが、配列番号26のVH及び配列番号29のVLを含み、前記第2のドメインが、配列番号66のVH及び配列番号67のVLを含み、かつ/又は
c)前記二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくは前記その抗原結合断片が、配列番号33のHC1、配列番号36のLC1、配列番号76のHC2、及び配列番号77のLC2を含む、
単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
[48] TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のドメインと、を含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片であって、
a)前記第1のドメインが、それぞれ配列番号11、13、16、19、21、及び23のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、前記第2のドメインが、それぞれ配列番号68、69、70、71、72、及び73のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
b)前記第1のドメインが、配列番号26のVH及び配列番号29のVLを含み、前記第2のドメインが、配列番号74のVH及び配列番号75のVLを含み、かつ/又は
c)前記二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくは前記その抗原結合断片が、配列番号33のHC1、配列番号36のLC1、配列番号78のHC2、及び配列番号79のLC2を含む、
単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
[49] TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のドメインと、を含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片であって、
a)前記第1のドメインが、それぞれ配列番号10、14、17、18、20、及び24のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、前記第2のドメインが、それぞれ配列番号60、61、62、63、64、及び65のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
b)前記第1のドメインが、配列番号27のVH及び配列番号30のVLを含み、前記第2のドメインが、配列番号66のVH及び配列番号67のVLを含み、かつ/又は
c)前記二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくは前記その抗原結合断片が、配列番号34のHC1、配列番号37のLC1、配列番号76のHC2、及び配列番号77のLC2を含む、
単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
[50] TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のドメインと、を含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片であって、
a)前記第1のドメインが、それぞれ配列番号10、14、17、18、20、及び24のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、前記第2のドメインが、それぞれ配列番号68、69、70、71、72、及び73のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
b)前記第1のドメインが、配列番号27のVH及び配列番号30のVLを含み、前記第2のドメインが、配列番号74のVH及び配列番号75のVLを含み、かつ/又は
c)前記二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくは前記その抗原結合断片が、配列番号34のHC1、配列番号37のLC1、配列番号78のHC2、及び配列番号79のLC2を含む、
単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
[51] TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のドメインと、を含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片であって、
a)前記第1のドメインが、それぞれ配列番号11、13、16、18、20、及び22のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、前記第2のドメインが、それぞれ配列番号60、61、62、63、64、及び65のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
b)前記第1のドメインが、配列番号26のVH及び配列番号31のVLを含み、前記第2のドメインが、配列番号66のVH及び配列番号67のVLを含み、かつ/又は
c)前記二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくは前記その抗原結合断片が、配列番号33のHC1、配列番号38のLC1、配列番号76のHC2、及び配列番号77のLC2を含む、
単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
[52] TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のドメインと、を含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片であって、
a)前記第1のドメインが、それぞれ配列番号11、13、16、18、20、及び22のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、前記第2のドメインが、それぞれ配列番号68、69、70、71、72、及び73のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
b)前記第1のドメインが、配列番号26のVH及び配列番号31のVLを含み、前記第2のドメインが、配列番号74のVH及び配列番号75のVLを含み、かつ/又は
c)前記二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくは前記その抗原結合断片が、配列番号33のHC1、配列番号38のLC1、配列番号78のHC2、及び配列番号79のLC2を含む、
単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
[53] TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のドメインと、を含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片であって、
a)前記第1のドメインが、それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び86のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、前記第2のドメインが、それぞれ配列番号60、61、62、63、64、及び65のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
b)前記第1のドメインが、配列番号87のVH及び配列番号88のVLを含み、前記第2のドメインが、配列番号66のVH及び配列番号67のVLを含み、かつ/又は
c)前記二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくは前記その抗原結合断片が、配列番号91のHC1、配列番号92のLC1、配列番号76のHC2、及び配列番号77のLC2を含む、
単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
[54] TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のドメインと、を含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片であって、
a)前記第1のドメインが、それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び86のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、前記第2のドメインが、それぞれ配列番号68、69、70、71、72、及び73のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
b)前記第1のドメインが、配列番号87のVH及び配列番号88のVLを含み、前記第2のドメインが、配列番号74のVH及び配列番号75のVLを含み、かつ/又は
c)前記二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくはその抗原結合断片が、配列番号91のHC1、配列番号92のLC1、配列番号78のHC2、及び配列番号79のLC2を含む、
単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
[55] TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のドメインと、を含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片であって、
a)前記第1のドメインが、それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び86のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、前記第2のドメインが、それぞれ配列番号60、61、62、63、64、及び65のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
b)前記第1のドメインが、配列番号89のVH及び配列番号90のVLを含み、前記第2のドメインが、配列番号66のVH及び配列番号67のVLを含み、かつ/又は
c)前記二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくは前記その抗原結合断片が、配列番号93のHC1、配列番号94のLC1、配列番号76のHC2、及び配列番号77のLC2を含む、
単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
[56] TMEFF2に結合する第1のドメインと、CD3に結合する第2のドメインと、を含む、単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片であって、
a)前記第1のドメインが、それぞれ配列番号10、12、15、18、20、及び86のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、前記第2のドメインが、それぞれ配列番号68、69、70、71、72、及び73のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
b)前記第1のドメインが、配列番号89のVH及び配列番号90のVLを含み、前記第2のドメインが、配列番号74のVH及び配列番号75のVLを含み、かつ/又は
c)前記二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくは前記その抗原結合断片が、配列番号93のHC1、配列番号94のLC1、配列番号78のHC2、及び配列番号79のLC2を含む、
単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
[57] 前記抗体が、IgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4アイソタイプである、上記[35]~[56]のいずれか一項に記載の単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
[58] 前記抗体が、HC1、HC2、又はHC1及びHC2に、位置234でアラニン、位置235でアラニン、又は位置234でアラニン及び位置235でアラニンを含み、残基の付番が、EUインデックスに従う、上記[35]~[57]のいずれか一項に記載の単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
[59] 前記抗体が、HC1及びHC2に、位置228でプロリンを含み、残基の付番が、EUインデックスに従う、上記[35]~[58]のいずれか一項に記載の単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
[60] 前記抗体が、HC1に位置405でフェニルアラニン及び位置409でアルギニン、並びにHC2に位置405でロイシン及び位置409でリジンを含む、上記[35]~[59]のいずれか一項に記載の単離された二重特異性抗TMEFF2xCD3抗体又はその抗原結合断片。
[61] 上記[35]~[60]のいずれか一項に記載の二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片と、医薬的に許容される担体と、を含む、医薬組成物。
[62] a)上記[45]~[56]のいずれか一項に記載の二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくはその抗原結合断片をコードするか、又は
b)配列番号39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、80、81、82、83、95、96、97、98、99、100、101、及び102のポリヌクレオチド配列を含む、
ポリヌクレオチド。
[63] 上記[62]に記載のポリヌクレオチドを含む、ベクター。
[64] 上記[63]に記載のベクターを含む、宿主細胞。
[65] 二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を産生する方法であって、前記抗体が発現する条件下で上記[64]に記載の宿主細胞を培養することと、前記宿主細胞によって産生された前記二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又は前記その抗原結合断片を回収及び精製することと、を含む、方法。
[66] 上記[45]~[56]のいずれか一項に記載の二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を産生する方法であって、
a)2つの同一のHC1及び2つの同一のLC1を有する単一特異性二価TMEFF2抗体、並びに2つの同一のHC2及び2つの同一のLC2を有する単一特異性二価CD3抗体を約1:1の混合物のモル比で組み合わせることと、
b)前記混合物に還元剤を導入することと、
c)前記混合物を約90分~約6時間インキュベートすることと、
d)前記還元剤を除去することと、
e)HC1、LC1、HC2、及びLC2を含む前記二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片を精製することと、
を含む、方法。
[67] 前記還元剤が、2-メルカプトエタノールアミン(2-MEA)である、上記[66]に記載の方法。
[68] 前記2-MEAが、約25mM~約75mMの濃度で存在する、上記[67]に記載の方法。
[69] 前記インキュベートする工程が、約25℃~約37℃の温度で実施される、上記[66]~[68]のいずれか一項に記載の方法。
[70] TMEFF2陽性癌の治療を必要とする対象においてTMEFF2陽性癌を治療する方法であって、治療に有効な量の上記[45]~[60]のいずれか一項に記載の二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体若しくはその抗原結合断片、又は上記[61]に記載の医薬組成物を、前記対象に投与して、前記TMEFF2陽性癌を治療することを含む、方法。
[71] 前記TMEFF2陽性癌が、前立腺癌である、上記[70]に記載の方法。
[72] 前記前立腺癌が、再発性、難治性、悪性、若しくは去勢抵抗性前立腺癌、又はそれらの任意の組み合わせである、上記[71]に記載の方法。
[73] 前記二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片が、第2の治療剤と組み合わせて投与される、上記[70]~[72]のいずれか一項に記載の方法。
[74] 前記第2の治療剤が、手術、化学療法、アンドロゲン遮断療法、若しくは放射線、又はそれらの任意の組み合わせである、上記[73]に記載の方法。
[75] 上記[45]~[56]のいずれか一項に記載の二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片に結合する、抗イディオタイプ抗体。
[76] 上記[45]~[56]のいずれか一項に記載の抗体を含む、キット。
[77] 療法に使用するための、上記[45]~[56]のいずれか一項に記載の単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
[78] TMEFF2陽性癌の治療に使用するための、上記[45]~[56]のいずれか一項に記載の単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片。
[79] TMEFF2陽性癌の治療用薬品の製造のための、上記[45]~[60]のいずれか一項に記載の単離された二重特異性抗TMEFF2/抗CD3抗体又はその抗原結合断片の使用。
【外国語明細書】