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特開2024-105510インスリン産生膵島細胞を増殖させるための組成物および方法、ならびにそれらの治療的使用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024105510
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】インスリン産生膵島細胞を増殖させるための組成物および方法、ならびにそれらの治療的使用
(51)【国際特許分類】
   C12N 5/071 20100101AFI20240730BHJP
   C12N 1/00 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
C12N5/071
C12N1/00 G ZNA
C12N1/00 G
C12N5/071 ZNA
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024077769
(22)【出願日】2024-05-13
(62)【分割の表示】P 2020571760の分割
【原出願日】2019-06-20
(31)【優先権主張番号】62/689,780
(32)【優先日】2018-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519160901
【氏名又は名称】イマジン ファーマ、エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】タイ、ゴック
(72)【発明者】
【氏名】ポレット、ジョナサン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】既存の医薬品では十分に対処できないI型糖尿病などの疾患を治療し、その経過を変化させることが期待できる、糖尿病における細胞ベースの治療法を提供する。
【解決手段】本明細書に開示されるのは、膵臓細胞を、単離された膵島から誘導された機能的なインスリン産生CD133/Ki-67陽性活性化膵島増殖細胞(AIPCs)に分化させ、活性剤を含む培地を用いて、インビトロ培養において、誘導されたAIPCsを展開させるための組成物および方法である。また、本明細書には、インビボ治療のための哺乳動物への移植のための、特にI型糖尿病を含む膵疾患のためのAIPCの使用も開示される。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物細胞をインビトロで培養するための細胞培養培地であって、細胞培養培地基、配列ID番号:1または2記載のポリペプチドまたはその類似体、ならびに抗生物質および抗真菌剤の1つまたはそれ以上を含む、細胞培養培地。
【請求項2】
請求項13記載の細胞培養培地において、前記培地基がアルブミンおよびL-グルタミンを含む、細胞培養培地。
【請求項3】
請求項13および14記載の細胞培養培地であって、1~20μg/mLの濃度範囲で配列ID番号:1または2記載の前記ポリペプチドまたはその類似体をさらに含む、細胞培養培地。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2018年6月25日に出願された米国仮特許出願第62/689,780号の利益を主張し、この出願はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
糖尿病は、高血糖によって定義される代謝性疾患であるが、神経、血管、目、腎臓、心臓などを含む体のシステムの多くに深刻な損傷をもたらす。いくつかの研究では、世界で4億人以上の糖尿病患者がいると推定されており、糖尿病の罹患率および有病率は世界中、特に米国、中国、インドで増加している。
【0003】
糖尿病には複数の亜種がありますが、主に2つのタイプが優勢である。1型糖尿病では、インスリンを産生する膵島β細胞が失われるため、膵臓はインスリンをほとんど、あるいは全く産生しない。2型糖尿病では、このようなインスリンを産生する膵島β細胞は存在するが、インスリン抵抗性があるため、産生されるインスリンの量や効果が少なくなる。このように、変異型にかかわらず、糖尿病は膵島細胞の機能障害として特徴づけることができる。
【0004】
糖尿病と膵島生物学の研究は、膵島細胞を培養して増殖させることができないことにより、これまでの研究は著しく制限されてきた。現在、膵島クラスターまたは細胞は、約3週間の培養でしか維持できず、基本的には劣化状態にあり、膵島細胞の長期的な研究を妨げるものである。膵島を培養し、増殖させることができないということはまた、細胞が糖尿病の潜在的な治療法である膵島細胞補充療法の能力を制限する。
【0005】
糖尿病における創薬および細胞移植療法のための細胞源を提供するためにβ細胞を生成するための現在の標準的な技術は、以下の2つである:i)遺伝的再プログラミングおよび/または分化因子および多重成熟因子への曝露による、または胚性幹細胞をβ様細胞に分化させることによる、誘導多能性幹細胞(iPC)細胞などの非β島細胞または線維芽細胞の分化;および(iii)治療分子の使用による成熟β細胞の増殖の誘導である。現在のアプローチの主な欠点は、遺伝子操作、分化の効率、およびβ細胞増殖を誘発するために使用される化学物質の潜在的なオフターゲット効果に関連する。さらに、ほとんどのアプローチは、長時間の培養を必要とし、多大な操作工程/時間を必要とし、これは微生物汚染のリスクを増大させ、生産コストに多大な影響を与え、最終的には臨床翻訳に影響を与える。
【0006】
これは、糖尿病における創薬や細胞移植治療のための前例のない細胞源を提供すると考えられているため、以前にグループは、インビトロで幹細胞からインスリンを産生する膵β細胞を生成することを試みてきた。2009年には、成人の膵島β細胞と同様の成熟したインスリン産生細胞に分化するために、ヒト胚性幹細胞(ES細胞)とヒト誘導多能性幹細胞(iPS細胞)の両方を用いて、インスリンを産生する膵β細胞を作製する戦略をCell Research誌に発表した。これらのiPS細胞を生成するために、体細胞は、OCT4、SOX2、KLF4およびp53に対する短いヘアピンRNAを含む(およびこれらに限定されない)複数の因子にさらされることによってエピソームリプログラミングを受けなければならず、確立するために数週間かかる多段階の情事である。最終段階で分化したヒトES細胞は、グルコース刺激に応答して、成体ヒト膵島に近い形でC-ペプチドを分泌した。さらに、誘導されたインスリン産生細胞内で、C-ペプチド、PDX1、NKX6-1の共発現がin vitroで初めて観察された。これらの細胞を生成するために、複数の試薬/因子が使用され、プロトコルは、細胞を生成するために2~3週間の多段階分化プロトコルが必要である。
【0007】
2014年、Pagliuca et. al,(Cell,Vol.159:Issue 2,p.428-439,October 9,2014)は、10個以上のhPSCおよびその後に分化した細胞型を生成することができるスケーラブルな懸濁液ベースの培養系を用いて、ヒト多能性幹細胞(hPSC)からインビトロでβ細胞を生成した。彼らのプロトコルは4~5週間かかり、γセクレターゼ阻害ばかりでなく、wnt、アクチビン、ヘッジホッグ、EGF、TGFβ、甲状腺ホルモン、レチノイン酸によるシグナル伝達を含む多数の経路におけるシグナル伝達に影響を与える因子を使用した逐次培養ステップのユニークな組み合わせを含む。
【0008】
一方、2015年にカリフォルニア州のグループは、特定の成長因子および化学化合物と組み合わせてエピソームリプログラミング因子を採用することにより、ヒト線維芽細胞を内胚葉細胞運命に変換した(Nat.Commun.2016;7:100080)。これらの細胞は、インビトロで機能的な膵β様細胞への分化および成熟を促進する化学化合物を用いて、さらに分化させた。しかしながら、これらの細胞は、その厳しい操作により、インビボに移植する際に細胞をデバイスに封入する必要があること、血糖を適切に調節するために必要な膵島内のすべての細胞を生成することができないこと、および移植後7週間以内に催奇形腫が形成されることなどの理由から、主にβ細胞置換の源を提供するには至っていない。
【0009】
成熟ベータ細胞の増殖の誘導は、以前に、二重特異性チロシン調節キナーゼ1A(DYRK1A)の低分子阻害剤の使用によって達成される(Wang,et.Al,Cell Metab.2019;29:638-65)。DYRK1A阻害剤の使用は、β細胞において1.5%~3%の増殖指数をもたらす。より最近、成熟ベータ細胞の増殖を促進するために、Wangらは、DYRK1Aとトランスフォーミング成長因子ベータスーパーファミリー(TGFbSF)/SMADシグナリングの薬理学的阻害を組み合わせることにより、ヒトベータ細胞増殖における顕著なさらなる相乗的増加(平均ラベリング指数、5%~8%、および15%~18%と高い)、およびマウスおよびヒトベータ細胞数の両方の増加を生成する。成熟ベータ細胞の増殖を誘導するために、全膵島を使用し、膵島の外に細胞を発生させない。細胞は動員されず、膵島構造内に留まる。膵島から細胞を放出するために、膵島は、100%FBSの同量の添加によって中和された0.05%トリプシンを使用して解離された。この研究は有望と思われるが、観察された増殖のレベルは、糖尿病の治療などの治療に使用するための生存可能なインスリン産生細胞の供給源を生成するのに必要な数のインスリン産生細胞を生成するのに十分ではない。
【0010】
糖尿病における細胞療法または移植のための源として善意のβ細胞を生成するために使用される現在の標準的な技術のいずれも、集中的であり、複数の工程、無数の因子を必要とし、そして所望の細胞を生成するために何週間もの時間を必要とする。細胞ベースの治療法は、既存の医薬品では十分に対処できないI型糖尿病などの疾患を治療し、その経過を変化させることが期待できる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本明細書に記載の組成物および方法は、前述の方法の問題点を克服する。本明細書に開示されているのは、活性化膵島増殖細胞(AIPC)集団およびそれを調製するための方法である。AIPC集団は、インスリンを産生し、細胞ベースの治療における使用のための需要を満たすために膵島の集団の拡大を可能にすることができる。
【0012】
本明細書に記載の方法は、単離された膵島を、インスリンを産生し、CD133細胞マーカーおよびKi-67マーカーの両方を有する、本明細書で「トリプル陽性」膵島として同定される一定の割合の膵島(本明細書にさらに記載)を有するAIPC集団に分化させるための迅速な手段を提供する。いわゆる「トリプル陽性」膵島は、グルコース応答性であり、適切な刺激に応答してインスリンおよびグルカゴンの両方を分泌する。
【0013】
前記AIPCの代表的な培養物は、ブダペスト条約の条件の下でATCC[Accession Number_____]に寄託される。
【0014】
また、本明細書に開示されるのは、グルコース刺激に応答してインスリンを産生することができる健康な膵島を回復させるために、AIPC集団の有効量を哺乳動物、例えばヒトに投与することからなる治療方法である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本明細書にさらに記載されているように、IMG(≒3μg/mL)を含む細胞培養培地で処理した培養マウス島の顕微鏡写真を示す(表2参照)単独で基底培地(表3参照)で培養した培養マウス膵島と比較して、本明細書に記載される。処置後24時間以内に、処置された膵島は、クラスター化が少なくなり、膵島細胞は積極的にクラスターから離れて移動するように見えた。コントロール膵島は、クラスター化した形態を維持し、細胞移動の最小限の証拠を示した。72時間まで培養すると、処理した膵島はその形態の大部分を失い、インスリン産生CD133陽性、Ki-67陽性の増殖膵島細胞のコロニーを確立し始めた。(実施例1を参照)
図2図2は、未処理の対照膵島と比較して、IMG(≒3μg/mL)を含む細胞培養物で処理した培養ヒト膵島の顕微鏡写真を示す。マウス膵島(図1に示す)で見られるように、活性剤を含む細胞培養物で処理した培養ヒト膵島は、膵島からの膵島細胞の遊走(2日目)およびインスリン産生CD133陽性、Ki-67陽性の増殖膵島細胞のコロニーへの遊走膵島細胞の拡大(7日目)の同じ傾向を示した。(実施例2参照)
図3図3は、3日目および10日目における対照細胞集団(未処置のマウス島細胞)と処置された細胞集団の、ヨウ化プロピジウムおよびアクリジンオレンジ染色後のFACによって決定された細胞の生存率を比較した棒グラフである;両方の集団(対照/未処置および処置された細胞)は、3日目および10日目に80%以上の細胞生存率を示した。(実施例1を参照)
図4図4Aおよび4Bは、単離されたヒト膵島との培養後の活性剤を含む培地の効果の表形式の結果を示す棒グラフを示す。IMG(約10μg/mL)を含む培地で培養されたヒト膵島は、CyQUANT細胞増殖アッセイ(細胞のDNA含有量を測定)によって決定されるように、コントロール(未処理のヒト膵島)と比較して膵島細胞の数が増加した。アッセイは膵島のプレーティング3日後に実施し、細胞増殖を決定するために、10日後に培地で細胞を培養した後、トリパンブルー排除による細胞計数を行った。細胞測定の両方の手段(細胞増殖および細胞計数)は、活性剤からなる培地で培養したヒト膵島由来の膵島細胞の数の著しい増加を示し、具体的には、IMGで処理した後の9,5000細胞に対して、未処理の対照では6,4000細胞(図4A)、IMGで処理した後の約2,500,000細胞に対して、未処理の対照では約500,000細胞未満であった(図4B)。
図5図5は、単離された非ネイティブ島を活性剤からなる培養液(IMG)で処理することによって生成されたAIPCsが、5日以内に少なくとも2世代の子孫を超えて拡大することが可能であることを示す。AIPCをカルボキシフルオレセインサクシニミジルエステル(CFSE)で標識し、CellTrace(商標登録)CFSE細胞増殖キットを用いて活性剤を含む培地で処理した5日後に分析した。このキットは、インビトロおよびインビボでの細胞の標識に使用され、フローサイトメトリーによる色素希釈を使用して多世代を追跡する。5日以内に、2世代のAIPCが観察された。
図6図6Aおよび6Bは、活性剤(IMG)からなる培地中で培養された単離された膵島が、対照膵島と比較して、インスリン、CD133およびKi-67陽性細胞表現型からなる細胞集団(AIPC)への膵島の拡大を促進することを示す。具体的には、活性剤からなる培地で培養した単離膵島の少なくとも60%および70%以上(平均)が、CD133/Ki-67/インスリン陽性(61.47%)であるAIPCsを生成したのに対し(FIG.6Bを参照)、対照細胞はCD133/Ki-67/インスリン陽性(実質的に0%)として対照細胞集団の5%未満を示したのに対し(図6Aを参照)、対照細胞はCD133/Ki-67/インスリン陽性(実質的に0%)として対照細胞集団の5%未満を示した。培養されたAIPCは、CD133(体細胞前駆細胞のマーカー)、Ki-67(増殖に関連する核タンパク質)、およびFACを利用した細胞内インスリン発現について評価された。実施例1および2を参照)。
図7図7は、活性剤からなる培地で処理した後の単離ヒト膵島に由来するAIPCが、グルコース刺激後にインスリンを分泌することを示す。AIPCsを静的培養グルコース刺激分泌アッセイ(実施例2を参照)に供した。誘導されたAIPCsは、β細胞機能のための媒体からのインスリン分泌を評価するために、5つの刺激条件を受けた。AIPCsをいずれかで30分間インキュベートした:(1)グルコース2.8mM(コントロールベースライン);(2)グルコース16.7mM(インスリンの刺激);(3)グルコース16.7mM+100μM IBMX(すなわち、3-イソブチル-1-メチル-キサンチン、インスリンのための最大刺激);(4)グルコース1.7mM+1μMエピネフリン(グルカゴンのための刺激);(5)グルコース5.6mM+20mM KCl(インスリンおよびグルカゴンのための追加の刺激)。アッセイの後、培地を-20℃で保存し、インスリンの標準的なELISA分析を行った。その結果、グループ1のための11μIU/mLインスリン/百万個の細胞;グループ2のための57μIU/mLインスリン/百万個の細胞;221μIU/mLのインスリン/百万個の細胞をグループ3に、6μIU/mLのインスリン/百万個の細胞をグループ4に、22μIU/mLのインスリン/百万個の細胞をグループ5であった。
図8図8は、活性剤からなる培養液で処理した後の単離ヒト膵島に由来するAIPCが、グルコース刺激後にグルカゴンを分泌することを示す。AIPCsを静的培養グルコース刺激分泌アッセイ(実施例2を参照)に供した。誘導されたAIPCは、α細胞機能のための媒体からのグルカゴン分泌を評価するために、5回の刺激条件を受けた。AIPCsをいずれかで30分間インキュベートした:(1)グルコース2.8mM(コントロールベースライン);(2)グルコース16.7mM(インスリンのための刺激);(3)グルコース16.7mM+100pM IBMX(インスリンのための最大刺激);(4)グルコース1.7mM+1pMエピネフリン(グルカゴンのための刺激);(5)グルコース5.6mM+20mM KCI(インスリンおよびグルカゴンのための追加の刺激)のいずれかで30分間インキュベートした。アッセイの後、培地を-20℃で保存し、グルカゴンの標準的なELISA分析を行った結果、グルカゴンの分泌量は、第1群では32pgグルカゴン/百万個の細胞、第2群では30pg/百万個の細胞、第3群では52pg/百万個の細胞、第4群では98pg/百万個の細胞、第5群では75pg/百万個の細胞であった。
図9図9は、その時点で、派生AIPCsは、AIPCsが膵島に似た二次構造を生成し始めることの兆候を示した後、培養中の20日で派生AIPCsの明視野顕微鏡を示す(顕微鏡で見ることができ、染色時に)。テストされたときに、これらの膵島のような構造は、ジチゾン(DTZ)陽性であることが決定された、デノボ膵島の仮説的なベータ細胞を表す。DTZは、膵島のβ細胞に存在する亜鉛イオンと結合し、膵島を赤く染色する(色の結果は未提示)。
図10図10Aは、活性剤(IMG)からなる培地での60日後の処理におけるFACsマーカープロフィールおよび誘導AIPCの形態を示す。AIPCのプロファイルを、培養60日後に(実施例2に記載のフローサイトメトリーを利用して)評価し、細胞型のパーセンテージ(%)としてのマーカーを評価した。マーカープロファイルは以下の通りであった(細胞のパーセンテージとして):インスリン陽性/Ki-67陽性/CD133陽性は、全細胞集団の61.47%として示された。約10%の細胞はマーカープロファイルが陰性であった。さらに、本明細書に記載された方法に従って増殖させた誘導AIPCは、培養中の60日以上にわたって、そのマーカープロファイル(CD133/Ki-67/インスリン"トリプル"陽性表現型)および細胞形態を維持した(図10Bおよび10C)。
図11図11は、AIPCがin vivoで生存可能なままであり、高血糖マウスモデル(実施例4参照)において血糖値の低下を引き起こすことを示す。4日前のAIPCs注入C57BL/6Jマウス(n=6;M1、M2、M3、M4、M5、M6)を75mg/kgの濃度でSTZにて処理した。動物の空腹時BG値が200mg/dL以上であった0日目に、各STZ処理高血糖マウスに、約400万匹のマウスAIPCからなる細胞懸濁液を注入した。トマトレッドマウスから単離された)。各STZ処理マウスの空腹時血糖値を週2回測定した;28日目に2匹の動物を犠牲にし、AIPCの投与後42日目に2匹の動物を犠牲にした。46日目には残りの2匹のSTZ処理動物には、約10000万個の細胞を追加で(それぞれ尾静脈経由で)注射し、70日目に犠牲にした。AIPCの注射を受けたすべてのSTZ処理動物は、血糖値の改善を示し、AIPCの投与前の300~500mg/dLから、50日目までにAIPCの投与後に約200mg/dLまで低下した。
図12図12は、犠牲にされた動物(実施例4)の組織学的分析を示し、STZ処理された動物の膵臓にドナーのトマトレッドAIPCsが表示され、膵臓への血流を介して尾部注入されたAIPCsの移動/帰化を示唆する。AIPCは、より長い時間の間、より高い濃度で存在しているようである。
図13図13は、70日目(実施例4)に犠牲になったAIPCsを注入したマウスの免疫組織学的分析を示しており、トマトレッドとKi-67の両方に対して「二重陽性」である膵臓内の領域が表示され、膵臓に帰化したAIPCsが分裂し、増殖することができることを示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書に記載されているのは、膵島を含む一次細胞分離株の、マーカーCD133(幹細胞のマーカー)およびKi-67(活性増のマーカー)、およびインスリン分泌に陽性の細胞を含む内分泌前駆細胞集団への増殖、拡大および分化を促進するための組成物および方法である。組成物は、基質培地および活性剤からなる培地からなり、活性剤は、例えば、配列ID番号:1に準拠した単離ポリペプチドまたはその活性断片からなる。あるいは、活性剤は、例えば、配列ID番号:2~4に従って単離されたポリペプチドから構成されても良い。方法は、膵島細胞の分化を促進するための培地の使用、および膵島を構成する単離された初代細胞からCD1331およびKi-67に陽性のマーカープロファイルを有する内分泌前駆細胞の集団を増殖させる工程を含む。
【0017】
本明細書に記載される内分泌前駆細胞集団(AIPC、AIPCs、またはAIPC集団と称される)は、内分泌前駆細胞集団が、a)哺乳動物由来である;b)CD133細胞マーカーに陽性である;c)Ki67細胞マーカーに陽性である;d)刺激に応答してインスリンを産生する、e)膵島を構成する単離された初代細胞を、例えば配列ID番号:1~4に従ったアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドまたはポリペプチドフラグメントからなる活性剤を含む培養補助剤で処理することによって生成されたものである。
【0018】
更なる方法は、本明細書に記載の方法によって産生された内分泌前駆細胞集団を、細胞移植もしくは移植のために、または膵臓の様々な障害もしくは疾患を治療するために有用な組織を工学的に構築するための使用を含む。
【0019】
以下の用語は、本開示において、本発明の異なる側面を説明するために使用される。これらの用語は、説明のみを目的として使用され、本発明の任意の側面の範囲を限定することを意図していない。
【0020】
本明細書で使用されるように、「活性剤」とは、タンパク質、ポリペプチド、ペプチドフラグメント、またはその類似体、およびそれらの任意の改変体を意味し、配列ID番号:01、配列ID番号:2~4は、配列ID番号:1のフラグメントを表す。また、配列ID番号:2~4に従ったアミノ酸配列に対して、少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するペプチドフラグメント、またはその類似体、およびそれらの改変体を含む。
【0021】
本明細書で使用されるように、用語AIPC、AIPCs、またはAIPC集団は、本明細書に記載の方法に従って生成された非ネイティブ由来の内分泌(膵臓)前駆細胞集団を指し、ここで、細胞集団は、細胞マーカーCD133およびKi67に対して陽性であり、刺激に応答してインスリンを産生する。
【0022】
本明細書で使用されるように、「増殖」という用語は、細胞を生きた状態で維持することを意味し、細胞の増殖および/または分化を含むが、これらに限定されない。用語「増殖」とは、細胞分裂の結果として培養物中に存在する細胞の数が増加することを意味する。
【0023】
本明細書で使用される「培養」、「培養された」または「培養している」とは、環境(例えば宿主哺乳類)から細胞を除去または単離し、インビトロでの好ましい人工環境でのその後の増殖を意味する。
【0024】
用語「拡張された」は、結果として得られる細胞集団が、IMGを含む培地組成物中での膵島のex vivo培養に由来することを意味することが意図される。「拡張された」という用語は、細胞由来のいかなるメカニズムまたは理論によって解釈されたり、制限されたりするものではなく、培養中に新規に発生した細胞を含むことができる。
【0025】
「膵臓細胞」という用語は、膵臓に通常見られる細胞を含み、膵島細胞、例えば、グルカゴン合成α細胞、インスリン産生β細胞、およびそれらの任意の組み合わせを含む。本明細書に記載の方法によって培養された膵島細胞から増殖された由来のAIPCは、とりわけ、インスリンの産生、および糖尿病(例えば、I型糖尿病を含む)を治療するための被験体への移植のために有用である。膵臓細胞集団は、一般に、本明細書に記載の方法を用いて膵臓細胞から生成されたAIPCを区別するために使用される細胞マーカーであるKi-67に対して3%以下の陽性である。
【0026】
本明細書で使用される「標的部位」という用語は、治療または補充を必要とするレシピエント宿主(哺乳動物、好ましくはヒト)の領域を指す。標的部位は、特定の器官内の単一の領域であってもよいし、宿主内の複数の領域であってもよい。いくつかの実施形態では、補充または補充は、膵臓を標的とするか否かにかかわらず、膵臓組織などの正常組織と同じ生理学的応答をもたらす。
【0027】
本明細書で使用されるように、「治療」、「治療」または「治療」という用語、および他の文法的等価物は、疾患または状態の症状を緩和する、悪化させる、または改善する、追加の症状を予防する、改善する、または症状の基礎となる代謝原因を防止すること、疾患または状態を阻害すること、例えば、疾患または状態の発生を阻止すること、疾患または状態を緩和すること、疾患または状態の退行を引き起こすこと、疾患または状態によって引き起こされた状態を緩和すること、または疾患または状態の症状を停止すること、および予防すること。用語はさらに、治療上の有益性および/または予防上の有益性を達成することを含む。治療上の利益とは、治療されている基礎疾患の根絶または改善を意味する。また、治療上の有益性は、患者が基礎疾患にまだ悩まされている可能性があるにもかかわらず、患者において改善が観察されるような、基礎疾患に関連する生理学的症状の1つまたは複数の根絶または改善によって達成される。
【0028】
本明細書で使用されるように、「治療上有効な量」または「有効量」とは、記載された効果を達成するのに十分な量を指す。疾患を治療するための治療上有効な量とは、患者または患者集団において臨床的に関連するエンドポイントを達成することが可能な活性物質の量である。非限定的な例として、AIPCsを含む組成物の有効量の投与は、高血糖症に苦しむ患者などの高血糖症の対象者を、約100~125mg/dL(5.6~6.9mmol/L)~約150mg/dL未満の正常な血糖値範囲に減少させるために、約400~約1,400万細胞/キログラム、または2億細胞よりも大きい量である。注射または輸液用組成物として製剤化されたAIPCの適切な用量は、治療される対象および治療されるべき状態の重症度に依存する。本明細書に開示された実施例は、部分的にはマウスモデルで実施され、細胞培養実験は哺乳類(ヒトまたはマウス)細胞を利用した。アロメトリックスケーリングなどのスケーリング方法を使用して本明細書に開示されるようなAIPCを含む組成物を成人ヒトに投与するための適切で例示的な用量範囲を予測する。投与量のスケーリングは経験的アプローチであり、当技術分野ではよく特徴付けられ、理解される。このアプローチは、種間の解剖学的、生理学的、および生化学的プロセスにいくつかの固有の特徴があることを前提としており、薬物動態/生理学的時間の可能な違いは、そのようなものとして、スケーリングによって説明される。一例として、限定する意図はないが、文献によると、ヒトの膵臓には60万から200万個の膵島があり、正常なヒトの膵臓には約6億個の膵島細胞があり、その半分はβ細胞である。したがって、このスケールに基づいて、400万AIPC/kgの投与量は、正常なヒト膵臓のβ細胞を十分に置換すると予想される。
【0029】
本明細書で使用されるように、「配列同一性」という用語は、配列間の同一性または類似性の観点から表される2つ以上のアミノ酸配列間の同一性を指す。配列同一性は、パーセンテージ同一性の観点から測定することができ、パーセンテージが高いほど、配列の同一性が高い。パーセンテージ同一性は、配列の全長にわたって計算される。アミノ酸配列のホモログまたはオルソログは、標準的な方法でアラインメントした場合、比較的高い配列同一性を有する。この相同性は、より遠縁な種(例えば、ヒトおよび線虫の配列)と比較して、より近縁な種(例えば、ヒトおよびマウスの配列)に由来する場合に、より顕著である。
【0030】
比較のための配列のアラインメントの方法は、当技術分野でよく知られる。様々なプログラムやアラインメントアルゴリズムが記載される。
Smith & Waterman,Adv.Appl.Math.2:482,1981;Needleman & Wunsch,J.Mol.Biol.48:443,1970;Pearson & Lipman,Proc.Nat.Acad Sci.USA 85:2444,1988;Higgins & Sharp, Gene,73:23744,1988;Higgins & Sharp,CABIOS 5:151-3,1989;Corpet et al.,Nuc.Acids Res.16:10881-90,1988; Huang et al.Computer Appls.in the Biosciences 8,155-65,1992;and Pearson et al.,Meth Mol.Bio.24:307-31,1994.Altschul et al.,J.Mol.Biol.215:403-10,1990,presents a detailed consideration of sequence alignment methods and homology calculations.The level of sequence identity may be determined using the NCBI Basic Local Alignment Search Tool(BLAST)(Altschul et al.,J.Mol.Biol.215:403-10,1990),which is available from several sources,including the National Center for Biological Information(NCBI,National Library of Medicine, Building 38A,Room 8N805,Bethesda,Md.20894,US)and on the Internet.
【0031】
活性剤は、293アミノ酸ペプチドからなるポリペプチド、米国特許出願第15/811,060号に記載されるペプチドフラグメントのようなそのフラグメント、またはそれらの組み合わせであっても良く、前記ポリペプチドまたはフラグメントの配列は、以下に示す(293)アミノ酸配列の一部と少なくとも50%の相同性を有し、配列ID番号:1~4として指定される。
【表1】
【0032】
活性剤のアミノ酸残基は、翻訳後に修飾されていても良いし、他の機能性分子基または非機能性分子基と共役していても良い。例えば、Guo et al.、Mol.Biosyst.7(7):2286-2295,2011,ヒトリボソームタンパク質S2(例えば、配列ID番号:1)の一般的に拮抗的なシトルリン化およびメチル化を記載する。当然のことながら、そのような修飾アミノ酸残基は、アミノ酸配列に含まれ、本明細書に記載の活性剤の範囲内である。
【0033】
例えば、配列ID番号:1~4に従ったポリペプチドおよび/またはポリペプチド断片は、細菌、酵母、または合成手段での生産など、タンパク質生産のための当技術で知られる条件下で、または米国特許出願第15/811,060号に記載されるような条件下で生産することができる。
【0034】
第1の態様は、膵島の集団のAIPC集団への成長、増殖および分化を刺激するのに有用な組成物に関するものであり、前記組成物は、基質培地と有効量の活性剤とを含む培地を含み、前記活性剤は、配列ID番号:1~4(表1に記載)の1つまたは複数に従ったアミノ酸配列を含むポリペプチドまたはその活性フラグメントを含む。ある実施形態では、ポリペプチドは、配列ID番号01に記載のアミノ酸配列と少なくとも50%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む;別の実施形態では、ポリペプチドは、少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%を有する。または配列ID番号:1に記載のアミノ酸配列と99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。あるいは、ポリペプチドは、配列ID番号:2~4のいずれか1つに記載のアミノ酸配列に対して少なくとも50%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;別の実施形態では、ポリペプチドは、少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%の配列同一性を有する。配列ID番号:2~4のいずれかに記載されたアミノ酸配列と80%、85%、90%、95%、98%または99%の配列同一性を有する。
【0035】
第2の態様は、基質培地と有効量の活性剤からなる細胞培養培地を用いて膵島の集団をインビトロで培養することからなる、AIPC集団を生成するための方法に関する。組成物は、一定量のグルコースに曝露されたときにグルコースを分泌する能力など、グルコースに対する組成物の応答性を決定するために分析されても良い。AIPC集団の特徴は、適切な刺激に曝露されたときにグルカゴンを分泌する能力に関連する。
【0036】
第3の態様は、活性化膵島増殖細胞(AIPC)集団を有する組成物に関するものであり、AIPC集団の60%はCD133細胞マーカーおよびKi-67細胞マーカーを含み、AIPC集団の少なくとも60%がインスリン産生能を有することを特徴とする。
【0037】
第5の態様は、基底培地と有効量の活性剤からなる細胞培養培地を用いて膵島の集団をインビトロで培養する工程を含む方法によって得られる活性化膵島増殖細胞(AIPC)集団からなる組成物に関する。
【0038】
第6の態様は、基底培地と有効量の活性剤からなる細胞培養培地を用いて膵島の集団をインビトロで培養してAIPC集団を得る工程と、AIPC集団をCD133、Ki-67およびインスリンに選択的な1つまたは複数の細胞マーカーについてスクリーニングする工程と、およびスクリーニングによりCD133/Ki-67陽性およびインスリン産生と同定されたAIPC集団を培養細胞集団から採取する工程とを含むAIPC集団の作製方法に関するものである。AIPC集団を生成する方法は、AIPC集団を適当な培地上にプレーティングし、細胞を基底培地と有効量の活性剤からなる培地で処理して培養AIPC集団を得る工程と、CD133/Ki-67陽性細胞およびインスリン産生細胞の培養AIPC集団の適当な割合が増殖するまで培養AIPCを通過させる工程とをさらに含んでも良い。さらに、CD1333+/Ki-67+/インスリン+(「トリプル陽性」)膵島細胞は、哺乳動物(例えば、ヒト)への送達または移植のためにパッケージ化され、製剤化され、またはカプセル化されても良い。
【0039】
第7の態様は、活性化された膵島増殖細胞(「AIPC」)集団を拡大および増殖させるための方法であり、この方法は、培養されたAIPC集団を酵素的に剥離して剥離されたAIPC集団を得る工程と、剥離されたAIPC集団からなる組成物を培養プレートに再移植する工程と、および基底培地および活性剤からなる培養培地からなる細胞培養培地を培養する工程とを含む。前記AIPCの増殖・増殖には、好適なプロテアーゼ、例えばトリプシンを用いることができる。分離した後、前記AIPCを、ペレットを形成するのに十分な回転速度(例えば、10000rpm)および持続時間(例えば、7分間)で遠心分離しても良い。分離されたAIPCを、例えば、約10000細胞/cmの適当な細胞密度で再プレーティングすることが好ましいかもしれない。AIPC集団、剥離されたAIPC等を含むAIPCの興味深い特徴は、少なくとも100日間のアイソレーション後の生存性である。
【0040】
第8の態様は、インビボ治療のために、特に1またはそれ以上の膵臓疾患、特にI型糖尿病の治療のために、哺乳動物に投与または移植するためのパッケージ化またはカプセル化された製剤の形態の活性化膵島増殖細胞(「AIPC」)集団に関する。AIPC集団は、送達溶液として、または送達車両に包装され、投与が全身的、局所的、または標的部位への投与であるか否かに関わらず、移植、注射、または輸液で投与されても良い。
【0041】
第9の態様は、膵臓疾患が高血糖症またはI型糖尿病である場合に、哺乳動物において膵臓疾患を治療する方法に関するものであり、この方法は、以下を含む:哺乳動物種の膵島の集団を、基底培地および有効量の活性剤からなる培地中でin vitroで培養して、AIPC集団を得る工程を含む。一実施形態では、AIPC集団は、インスリン産生CD133/Ki-67陽性細胞からなる。別の実施形態では、膵臓疾患を治療する方法は、グルコースに対するAIPC集団の応答を測定する工程をさらに含む。さらに別の実施形態では、膵疾患を治療する方法は、AIPC集団を拡大および増殖させる工程と、およびAIPC集団を構成する組成物(例えば、インスリン産生性CD133/Ki-67陽性細胞集団など)を哺乳動物に移植し、標的部位に組成物を送達する工程を含み、それにより膵疾患の治療を提供することができる。一実施形態では、組成物は、水溶液、懸濁液、カプセル化、マイクロカプセル化、および/またはカプセル化された、または半固形製剤として送達されても良く、前記組成物は、注射、輸液、卵管または腹膜パウチのうちの1またはそれ以上を介して哺乳動物に送達されても良い。外科的移植、または哺乳動物の標的部位へのデバイスの一部として組成物をパッケージングすることにより、組成物を移植することができる。
【0042】
本発明の別の態様において、活性化膵島増殖細胞(AIPC)集団からなる組成物は、さらに、緩衝液、薬学的に許容される担体、または薬学的に許容される添加剤のうちの1またはそれ以上を含む。
【0043】
本明細書に記載の細胞培養システムは、少なくとも最初に、膵島の集団;細胞培養増殖基質;および基質および有効量の活性剤からなる培養液を含み、前記活性剤は、例えば、配列ID番号:1~4に従うポリペプチド、またはそのフラグメントを含み、前記ポリペプチドまたはポリペプチドフラグメントは、例えば配列ID番号:1に従うポリペプチドと、少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%の配列同一性を有する。例えば、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上の配列同一性を有する。
[実施例]
【0044】
以下の実施例は、例示のために提供されるものであり、本明細書で主張される主題に関して限定するものではない。本明細書に記載され、定義されている他の活性剤、例えば、配列ID番号:2~4が使用され得ることを理解した上で、本明細書において配列ID番号:1として同定される特定の活性剤を参照するために「IMG」という用語が使用される。用語IMGおよびその量の使用は、活性剤の特定の用量または濃度を意味するものではない。実施例では、添加物/サプリメントの濃度、および活性剤の培地は表2に記載されており、対照培地は表3に記載される。
【0045】
培養条件
実施例で実施した細胞培養は、標準的なCO(5%)条件下において37℃でインキュベートした;培養(細胞のメッキ、細胞の分割)は、垂直層流フード中で標準的な無菌技術および条件の下で、およびそれを使用して実施した。別段の記載がない限り、AIPCは表に記載された培地で培養した。AIPCは、培養中に約70~80%のコンフルエントに達したときに分割された。
【0046】
分割技術は、培養プレートからの上清の除去を含んだ(上清は保存された)。プレートはその後、2-5ml_PBSで洗浄した(洗浄は保存された)。AIPCは、細胞が剥離するまで、約3~5分間、37℃でトリプシンの存在下で細胞をインキュベートすることにより、トリプシン(Sigma-Aldrichから入手可能なような)の約3~5ml_を用いて剥離した。その後、プレートをPBSで2回目の洗浄を行う。トリプシン化された細胞、および保存されたPBS洗浄物および収集された細胞培養上清を、次に、10000rpm、4℃で7分間遠心分離した。得られた上清をデカンテーションし、ペレットを2ml_PBSに再懸濁し、再遠心した。その後、上清を除去し、ペレットをIMGを含む培養液に再懸濁し、~10000細胞/cmの細胞密度で再懸濁した。
【表2】
【表3】
【実施例0047】
一つの例示的な研究において、300匹のマウス膵島を、生後8~10週齢の雄性BALB/cマウス(Jackson LaboratoryまたはCharlles Riverから入手可能なものなど)の膵臓から単離した。単離された膵島は、10%子牛胎児血清、2mmol L-グルタミン、抗生物質、および濃度約3.0μg/mLを含むIMGを含む添加物を添加したCMRL培地(もともとはConnaught Medical Research Laboratoriesによって開発され、現在はMediatechから入手可能)を含む培地で培養された。処理した細胞を横に並べて増殖させ、IMGを含まない基底培地で成長させた同一の細胞であった対照細胞と比較した。24時間以内に、IMGを含む細胞培養培地で培養された細胞は、10倍の倍率の顕微鏡による目視検査に基づいて、クラスター化が少なくなり、培養された膵島細胞は活発に細胞クラスターから離れて移動しているように見えることが観察された(Infinity Analyzeソフトウェアを備えたLumeneraカメラを備えたLeica Light Microscopeを使用)。一方、対照膵島細胞はクラスター化した形態を維持し、細胞移動の最小限の証拠を示したことが観察された。処理の3日後、IMGを含む培地で培養した膵島細胞は、培養中に自由浮遊細胞と付着細胞の両方を示した。自由浮遊細胞は、アクリジンオレンジ(AO)とヨウ化プロピジウム(PI)染色によって決定されるように30%の生存率であった。AOは、生きている細胞と死んだ細胞の両方に浸透することができるインターカレート色素であり、PIは、フローサイトメトリー分析における非生存細胞の排除のための細胞不透過性蛍光溶液である。PIは、塩基対間のインターカレートにより二本鎖DNAに結合するが、無傷の形質膜を持つ細胞からは排除される。付着した細胞は85%の生存可能な細胞であった。対照的に、対照の膵島細胞培養では、膵島クラスターは90%以上の細胞生存率で測定されるように健康に見えたが、自由浮遊細胞や付着細胞の兆候を示さなかった。10日目までに、IMGを含む培地で培養した膵島細胞は、膵島細胞クラスターの低い割合を示し、培養中に残っている識別可能な自由浮遊細胞がなく、付着細胞はコロニーを形成しているように見えたことが示された。IMGを含む培地で培養した膵島細胞の全細胞生存率は90%以上であった。コントロール細胞は遊走や付着を示さないままであったが、膵島クラスター細胞の生存率は約90%に留まった。培養25日目に、処理したものと対照(未処理)の両方の膵島細胞を固定し、CD133(体性前駆細胞のマーカー)とインスリンを染色した。免疫組織染色の結果、IMGを含む細胞培養培地で処理した膵島細胞は、少なくとも75%のインスリン陽性であった。さらに、IMGで処理した膵島細胞は少なくとも70%のCD133陽性であり、約60%以上の膵島細胞がCD133とインスリンの両方に陽性であった("ダブル陽性"とみなす)。対照的に、対照細胞では、90%がインスリン陽性であったが、CD133マーカーが陽性であったのは、細胞集団の5%未満であった。同様に、細胞集団の5%未満では、CD133マーカーおよびインスリンの両方に二重陽性であることが判明した。
【0048】
この結果は、本明細書に記載された細胞培養系および培地が、膵島細胞の活性化および膵島外への移動を誘導する効果を有することを示す。これらの細胞は、CD133/インスリン「二重陽性」細胞集団のコロニーを形成し、このコロニーは、活性化されたβ細胞前駆体を表わすものであり、損傷した膵島を再生するための方法および治療法に使用される可能性がある。
【実施例0049】
別の例示的な研究では、ヒト膵島が利用された。Human Islets for Research(HIR)(商標登録)などのヒト膵臓は、臓器提供者の膵臓から処理された一次ヒト膵臓であり、Prodo Laboratories,Incorporatedから市販される。一般に、ヒト膵島の個体数は、3%未満のKi-67陽性であり、健康な膵島は、刺激に応答して約50%のインスリン産生を行う。本実施例では、CMRL 1066培地、10%子牛胎児血清、10%ヒト血清、2mmol/L-グルタミン、抗生物質、およびIMGを含む培地中で、約10個の膵島を約10.0pg/mLの濃度で培養した。IMGを含む培地で培養した膵島を、IMGなしの(単独の)CMRL 1066培地で培養した対照細胞と比較した。処理したヒト膵島および未処理のヒト膵島を37℃で5日間培養し、次にCyQUANT細胞増殖アッセイ(Invitrogen社から入手可能なようなもの)を行った。5日以内に、IMGを含む培地で培養したヒト膵島は、対照群の約1.5倍の細胞数を有することが示された。コントロールでは6363細胞/mL、IMGで培養した膵島では9469細胞/mLであった(p<0.001)。IMGを含む培地で培養したヒト膵島は、ムラニー膵島(実施例1)で顕微鏡で見られたのと同じ傾向を示し、具体的には、膵島はサイズが小さくなり、組織構造が小さくなり、時間の経過とともに、膵島細胞は積極的にクラスターから離れて移動するように見えた。
【実施例0050】
別途、ヒト膵島(3,000~10,000)を、コントロール培地または10%子牛胎児血清、10%ヒト血清、2mmol/L-グルタミン、抗生物質、およびIMGを10.0μg/mLの濃度で補充したCMRL 1066培地を含む培地で、タイプIコラーゲン(ラット尾からのコラーゲン、Sigma-Aldrich C3867)および内皮細胞接着因子(ECAF、Sigma-Aldrich E9765)を含む接着因子混合物(AFM)でコーティングしたプレート上で培養した。ECAFとコラーゲンの様々な比率が使用されてもよく、ECAFに対するコラーゲンの50/50の比率を含む。AFMの薄い層(3~10mLの間)を適用し、30分間設定した後、余分なAFMを除去し、プレートは、フード内で45分間乾燥させることができた。使用前にプレートをPBSで洗浄し、潜在的な汚染物質を除去した。培養した膵島をAFM処理フラスコ(プレートを使用しても良い)中で、培地または対照培地のいずれかで2~5日間培養した。
【0051】
コントロール膵島(IMGを含まない標準的なCMRL培地で培養)は、それらのクラスタ化された形態を維持することが示され、明視野顕微鏡を使用して見られる結果に基づき、細胞の移動の証拠を示さなかった。膵島の培養物IMGを含む培地で培養したか、標準培地で培養したかにかかわらず)を、BD FACSAriaフローサイトメトリー装置を用いた蛍光活性化セルソーティング(FACS)により、CD133およびKi-67(増殖に関連する核内タンパク質)の発現、ならびに細胞内インスリンの発現についてアッセイした。培養された細胞は、最初にCD133発現のために標識され、次いで、製造業者の指示に従って、FOXP3固定化/浸透化緩衝液を用いて細胞を固定および浸透化し、そしてそれぞれ、Ki-67および細胞内インスリンのための共役フルオロメトリー抗体で染色された。次いで、FOXP3固定化/パーマビライゼーションおよび共役フルオロメトリー抗体で染色した後、FACS分析を行った。IMGを含む培地で培養したヒト膵島細胞は、CD133、Ki-67およびインスリン(トリプル陽性)、具体的には、インスリン、CD133およびKi-67に対して80%以上の陽性を示し、対照細胞はインスリンに対して75%以上の陽性を示し、CD133およびKi-67に対して約10~15%の陽性を示した。
【0052】
培養膵島のグルコース応答性を試験するために、AIPCを静的培養グルコース刺激分泌アッセイに供した。約1×10細胞/ウェルを6ウェルディッシュにプレートし、β細胞機能のための培地からのインスリン分泌、およびα細胞機能のためのグルカゴンを評価するために5つの刺激条件を受けた。細胞は、以下のいずれかで30分間インキュベートし、(1)2.8mMの生理学的濃度のグルコースを添加したKREBの緩衝液(コントロールベースライン);(2)グルコース16.7mM(インスリンの刺激);(3)グルコース16.7mM+100mM IBMXインスリンのための最大刺激);(4)グルコース1.7mM+1mMエピネフリン(グルカゴンのための刺激);(5)グルコース5.6mM+20mM KCI(インスリンおよびグルカゴンのための追加の刺激)。アッセイ後、培地を-20℃で保存し、インスリンとグルカゴンの標準的なELISA分析を行った。図7および図8に示すように、IMGからなる細胞培養培地で培養した膵島は、グルコース刺激に応答してインスリンを分泌することが示された。
【実施例0053】
AIPCsがin vivoで生存可能であるかどうかを決定し、高血糖症の治療および血糖コントロールのための方法としてAIPCsを検証するために、6匹のC57BL/6Jマウス(Jackson Labs、在庫番号000664)を、インスリン産生細胞の破壊およびマウスにおける1型糖尿病表現型の生成のために使用される化学物質であるストレプトゾトシン(STZ)(75mg/kg)で処理した。STZ処理した動物(n=6)が200mg/dL以上の空腹時血糖値を示したら(STZ処理後4日目)、STZ処理したマウスは、尾静脈注射によって、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)の水性懸濁液またはPBSの300pL中の約400万AIPCからなる細胞性懸濁液を投与した。本研究で使用したAIPCは、堅牢なtd-Tomato蛍光を発現する細胞を有するTomato-Redマウス(Jackonson Labs、株番号007576)から単離した。
【0054】
細胞懸濁液用のAIPCsを生成するために、以前に発表された方法(Bertera et al.、J Transplant.2012;2012:856386、2012 Dec 9)に従って、5型コラゲナーゼ消化(Sigma-Aldrichから入手可能)により、Tomato-Redマウスからマウス膵島を単離した。簡潔に言うと、犠牲になった直後に2~3mLのコールドコラゲナーゼ溶液(1.95mg/mlのHank'sbalanced salt solution(HBSS))を総胆管を介して膵臓に注入した。完全に膨らんだ膵臓を取り出し、組織培養フラスコ中で37℃で20分間インキュベートした後、5秒間振盪して組織を分解した。消化された組織を0.2%BSAを補充した冷たいHBSSで洗浄し、膵島をFicoll勾配で精製した。手摘みした膵島を、標準的なCO(5%)条件下で37℃で培養培地(表2)で培養した。T-75組織培養プレートを、本明細書に開示のように使用する前にAFM(ECAFおよびコラーゲンタイプI)で前処理した。約300~500個の小島は、培養培地(表2)でT-75あたりにメッキした。小島は、細胞が外に移行しながらプレートに付着し始めたのはプレーティング後24時間と早く、72時間までにほとんどの小島は細胞が外に移行しながら付着した;そして約7~10日目に、AIPCはコンフルエンシーであった。14日目までに、AIPCsは、シリアルパセッシングを受けた。培養したAIPCsを回収し、STZ処理マウスに注射した。
【0055】
STZ処理マウスの空腹時血糖値は、以下の通りである。の投与を週2回測定した;2匹の動物(M2およびM6)を28日目に犠牲にし、2匹の動物(M3およびM5)を42日目のAIPC注射後に犠牲にした。46日目に、残りの2匹の動物(M1およびM4)を、尾静脈注射を介して、懸濁液(PBS)中の追加の1,000万細胞/300pl_を投与し、研究の70日目に犠牲にした。
【0056】
結果は、STZで処理したAIPCを注射したマウスは空腹時血糖値の減少を示し、それは時間の経過とともに減少したことを示した。最後の2匹の動物(合計約1,400万個のAIPCの2回の注射を受けたSTZ処理マウス)は、53日目までに正常な血糖値(200mg/dL以下の血糖値)を示した(図11参照)。さらに、組織学的および免疫学的尾静脈からSTZ処理マウスに注入されたAIPCsは膵臓にホーミングし、膵臓に移植され、膵臓に移植された後も増殖を続けることが組織学的染色と顕微鏡分析によって示された(結果は図12と13に提示)。
【0057】
犠牲にした動物の組織学的分析は、STZ処理した動物の膵臓にドナーのトマトレッドAIPCを表示し、尾静脈注入されたAIPCの膵臓への移動/帰化を示唆した(図12参照)。AIPCは、より長い時間帯でより高い濃度で存在しているようである。尾静脈注射を介してAIPCsを受け取ったSTZ処理マウスの免疫組織学的分析は、その後70日目に犠牲にし、(マーカーの組織学的染色に基づいて)トマトレッドとKi-67の両方に二重陽性であった膵臓組織内の領域を示し、注入されたAIPCsは、それらが継続的な細胞分裂と増殖することができる膵臓に帰化したことを示す(図13参照)。
【0058】
本明細書に記載の方法は、基底培地および活性剤を含む細胞培養培地中で単離された膵島を培養する工程を含む。培地は、膵島細胞の生存能力の低下を引き起こす証拠を示さず、膵島の解離および膵島細胞の膵島内核からの動員を促進するという直接的な証拠を示した。このようにして得られた培養された膵島細胞の拡大は、培養液で処理された場合、数日以内に示される。活性剤からなる細胞培養培地中で増殖した結果として生じる細胞は、インスリン発現、CD133およびKi-67に陽性であり、本明細書に記載された方法および培地を用いて暫定的に生成された新規なAIPC細胞集団を表す。活性剤からなる培地を用いて単離された膵島を培養することによって生成されたAIPCは、18世代以上にわたって連続的にパッシングされ、単離後少なくとも100日間は生存可能な状態を維持することが示された。
【0059】
本明細書の方法に従って生成された由来の活性化膵島増殖細胞集団は、培養中のCD133+/Ki-67+細胞の少なくとも30%;または培養中のCD133+/Ki-67+細胞の少なくとも35%;または培養中のCD133+/Ki-67+細胞の少なくとも40%;または培養中のCD133+/Ki-67+細胞の少なくとも45%;または培養中のCD133+/Ki-67+細胞の少なくとも50%からなる。または培養中のCD133+/Ki-67+細胞の少なくとも60%;または培養中のCD133+/KLu_3AA醢-67+細胞の少なくとも70%;または培養中のCD133+/KLu_3AA醢-67+細胞の少なくとも80%;または培養中のCD133+/Ki-67+細胞の少なくとも85%、または培養中のCD133+/Ki-67+細胞の少なくとも90%;そしてここで、由来の活性化膵島増殖細胞の少なくとも60%がまたインスリン産生細胞である。
【0060】
インビトロで生成された膵島細胞のカプセル化および哺乳動物への移植は、当技術分野において以前に特徴づけられている(例えば、Altman,et al.Am.Soc.Art.Organs 30:382-386、および米国特許6,703,017B1、参照により本明細書に組み込まれる)を参照のこと)-および本明細書に開示された方法に従って生成されたAIPCに適するだろう。好ましくは、カプセル化剤は低刺激性であり、標的組織内に容易かつ安定的に位置し、移植された細胞組成物に追加の保護を提供して、移植されたIPPCを保護し、破壊から防ぐことができる。
【0061】
前述の本発明は、理解を明確にする目的で、図示および例示の方法でいくつかの詳細に記載されてきたが、特定の変更および修正が、添付の特許請求の範囲の範囲内で実施され得ることは、当業者には明らかだろう。上述した側面および様々な実施形態のいずれかに関連して記載された特徴が、異なる実施形態の間で互換的に適用され得ることは、当技術に熟練した者には明らかだろう。
【0062】
上述の本発明の側面および種々の実施形態は、本発明の種々の特徴を例示するための例示である。本願で言及されたすべての刊行物および特許出願は、本発明が適用される当業者のレベルを示すものである。すべての刊行物および特許出願は、それぞれの個々の刊行物または特許出願が具体的かつ個別に参照により組み込まれる場合と同様の範囲で、参照により本明細書に組み込まれる。
【0063】
本明細書の明細書および特許請求の範囲全体を通して、「を含む」および「含有する」という語およびそれらの変形は、「含むが、これに限定されない」という意味であり、他の部位、添加物、成分、または工程を除外することを意図していない(および除外しない)。本明細書の明細書および特許請求の範囲全体を通して、文脈上別段の要求がない限り、単数形は複数形を包含する。特に、不定冠詞が使用される場合、本明細書は、文脈が別段の要求をしない限り、単数形だけでなく複数形も考慮するものと理解される。
【0064】
本発明の特定の側面、実施形態または例に関連して記載された特徴、特徴、化合物、化学的部位または基は、それと相容れない場合を除き、本明細書に記載された任意の他の側面、実施形態または例に適用可能であると理解されるべきである。本明細書に開示される特徴のすべて(添付の請求項、要旨および図面を含む)、および/またはそのように開示されている任意の方法またはプロセスのすべての工程は、そのような特徴および/または工程の少なくとも一部が相互に排他的である組み合わせを除き、任意の組み合わせで組み合わせることができる。本発明は、前述の任意の実施形態の詳細に限定されるものではない。本発明は、本明細書に開示された特徴の任意の新規な1つまたは任意の新規な組み合わせ(任意の添付の特許請求の範囲、要旨および図面を含む)、またはそのように開示された任意の方法またはプロセスの工程の任意の新規な1つまたは任意の新規な組み合わせにも及ぶ。
【0065】
本明細書に開示された情報は、例えば、2017年11月13日に出願された米国特許出願第15/811,060号、2019年1月9日に出願されたPCT/GB2019/050049号、および米国2018年6月25日に出願された仮特許出願第62/689,780号を含み、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に組み込まれる用語および/または表現は、本明細書に開示された用語および/または表現と矛盾する範囲で、本明細書に開示された情報が支配する。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図11
図12
図13
【配列表】
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【外国語明細書】