(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024105547
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】コンテナ取扱車両
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20240730BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024079116
(22)【出願日】2024-05-15
(62)【分割の表示】P 2020558922の分割
【原出願日】2019-02-07
(31)【優先権主張番号】20180588
(32)【優先日】2018-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(71)【出願人】
【識別番号】317005527
【氏名又は名称】アウトストア・テクノロジー・エーエス
【氏名又は名称原語表記】AUTOSTORE TECHNOLOGY AS
【住所又は居所原語表記】Stokkastrandvegen 85,N-5578 Nedre Vats,Norway
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100211236
【弁理士】
【氏名又は名称】道下 浩治
(72)【発明者】
【氏名】アウストロヘイム,トロンド
(57)【要約】 (修正有)
【課題】コーナ部分の高さが調節可能であるコンテナ取扱車両を提供する。
【解決手段】本発明は、車体と吊上げデバイスとを備え、吊上げデバイスが、吊上げバンド駆動組立体、吊上げフレーム(17)、および複数の吊上げバンド(16a、16b)を備え、吊上げバンド駆動組立体が吊上げシャフト(22)を備え、吊上げフレーム(17)が、コーナ部分に配置された吊上げバンド接続具(32)を備え、吊上げバンド(16a、16b)が、吊上げシャフト(22)の回転により吊上げフレーム(17)が垂直方向に移動し得るように、吊上げバンド駆動組立体(31)および吊上げバンド接続具(32)に接続され、吊上げバンド接続具(32)が、コーナ部分と吊上げバンド駆動組立体との間の垂直距離が調節され得るように調節可能である、コンテナ取扱車両を提供する。
【選択図】
図6a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体(13)と、3次元格子(4)から保管コンテナ(6)を吊り上げるための少なくとも1つの吊上げデバイス(18’)とを備える、下層の保管システム(1)の前記3次元格子(4)から前記保管コンテナ(6)を取り上げるためのコンテナ取扱車両(9’)であって、
前記吊上げデバイス(18’)が、吊上げバンド駆動組立体(47、47’、31)、水平な吊上げフレーム(17)、および複数の吊上げバンド(16a、16b)を備え、
前記吊上げバンド駆動組立体(47、47’、31)が、前記車体(13)に接続され、かつ、少なくとも1つの回転可能な吊上げシャフト(22、22’)を備え、
前記吊上げフレーム(17、17’)が、4つのコーナ部分(36)、保管コンテナ(6)への解放可能な接続のための把持要素(24)、および前記コーナ部分のそれぞれに配置された吊上げバンド接続具(32、32’)を備え、
前記吊上げバンド(16a、16b)が、前記吊上げシャフト(22、22’)の回転により前記吊上げフレーム(17、17’)が前記吊上げバンド駆動組立体に対して垂直方向に移動し得るように、前記吊上げバンド駆動組立体(47、47’、31)および前記吊上げバンド接続具(32、32’)に接続され、
前記吊上げバンド接続具(32、32’、32’’’)のうちの少なくとも3つが、それぞれの前記コーナ部分と前記吊上げバンド駆動組立体との間の垂直距離が調節され得るように調節可能である、コンテナ取扱車両(9’)。
【請求項2】
各調節可能な吊上げバンド接続具(32、32’、32”)が、ブラケット(39、39’、39”)およびバンド接続具ハブ(40、63、76、41)を備え、前記ブラケットが、前記吊上げフレーム(17、17’、17”)に接続され、前記バンド接続具ハブが、前記ブラケットに対する前記バンド接続具ハブの移動がそれぞれの前記コーナ部分と前記吊上げバンド駆動組立体(47、47’、31)との間の前記垂直距離を調節するように、前記ブラケット、および前記吊上げバンドのうちの1つに接続される、請求項1に記載のコンテナ取扱車両。
【請求項3】
それぞれの前記コーナ部分(36)と前記吊上げバンド駆動組立体(47、47’、31)との間の前記垂直距離が、水平軸の周りでの前記バンド接続具ハブ(63、76)の回転によって、または、垂直方向もしくは水平方向における前記バンド接続具ハブ(40、76)の移動によって、調節され得る、請求項2に記載のコンテナ取扱車両。
【請求項4】
前記バンド接続具ハブ(40、76)が、吊上げバンド挟持具(41)を備え、かつ、前記吊上げバンド挟持具(41)が前記ブラケットに対する最低高さに位置する第1の位置と、前記吊上げバンド挟持具が前記ブラケットに対する上方高さに位置する第2の位置との間で移動可能である、請求項2または3に記載のコンテナ取扱車両。
【請求項5】
前記バンド接続具ハブ(76)が、前記第2の位置にあるときに調節要素に当接し、前記調節要素が、好ましくは調節ボルト(79である、請求項4に記載のコンテナ取扱車両。
【請求項6】
前記吊上げバンド挟持具(41)の前記上方高さが、前記調節要素の作動によって調節され得る、請求項5に記載のコンテナ取扱車両。
【請求項7】
前記バンド接続具ハブ(76、41)が、弾性要素(78)により前記第1の位置に向かって付勢される、請求項4から6のいずれか一項に記載のコンテナ取扱車両。
【請求項8】
前記バンド接続具ハブが、前記吊上げバンド挟持具(41)に接続されたレバー(76
)を備え、前記レバーが、水平軸の周りで前記ブラケット(39”)に枢動可能に接続される、請求項4から7のいずれか一項に記載のコンテナ取扱車両。
【請求項9】
前記レバー(76)が、前記第1の位置と前記第2の位置との間で枢動し得る、請求項8に記載のコンテナ取扱車両。
【請求項10】
前記バンド接続具ハブ(40、63)が、調節要素の作動が前記ブラケットに対する前記バンド接続具ハブの移動を可能にするように、前記調節要素(42、64)を介して前記ブラケット(39、39’)に接続される、請求項2または3に記載のコンテナ取扱車両。
【請求項11】
前記調節要素が、回転によって作動され得るねじ付きボルト(42、64)である、請求項10に記載のコンテナ取扱車両。
【請求項12】
前記吊上げフレームが、前記把持要素(24)を制御するための少なくとも1つの制御モジュール(29)を備え、各吊上げバンド接続具(32、32’、32”)の少なくとも一部が、前記吊上げバンドが前記少なくとも1つの制御モジュール(29)においてのみ前記吊上げフレーム(17)と電気接触するように、電気絶縁材料で作られる、請求項1から11のいずれか一項に記載のコンテナ取扱車両。
【請求項13】
前記ブラケット(39、39’、39”)、または前記ブラケットと前記吊上げフレームとを接続する中間ブラケット要素(62)が、電気絶縁材料で作られる、請求項1から12のいずれか一項に記載のコンテナ取扱車両。
【請求項14】
前記吊上げバンド接続具(32、32’、32”)のそれぞれが、接続される前記吊上げバンドの前記垂直面に対して垂直な中心線を有する枢動可能接続部(66、67、80)を備える、請求項1から13のいずれか一項に記載のコンテナ取扱車両。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載のコンテナ取扱車両の吊上げフレーム(17、17’、17”)の位置を調節する方法であって、
- 適切な場所、例えば保管格子(4)の周辺部における空の保管コラム(5)に前記コンテナ取扱車両(9’)を配置するステップ、
- 点検担当者が前記吊上げバンド接続具にアクセスできるように、前記吊上げフレームを下降させるステップ、および、
- 前記吊上げフレームが吊上げバンドにより水平面において懸下されるように、少なくとも1つの吊上げバンド接続具を調節するステップ
を含む、方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの吊上げバンド接続具(32、32’、32”)が、バンド接続具ハブ(40、63、76)およびブラケット(39、39’、39”)を備え、前記少なくとも1つの吊上げバンド接続具を調節する前記ステップが、前記ブラケット(39、39’)に対する前記バンド接続具ハブ(40、63)の移動を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つの吊上げバンド接続具を調節する前記ステップが、それぞれのコーナ部分と吊上げバンド駆動組立体との間の垂直距離を調節する、請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
前記吊上げフレームを下降させる前記ステップが、前記吊上げフレームが水平位置において支持される支持構造まで前記吊上げフレームを下降させることを含み、前記少なくと
も1つの吊上げバンド接続具を調節する前記ステップが、弛んでいる任意の吊上げバンドに張力をかけることを含む、請求項15から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
3次元格子(4)および請求項1から14のいずれか一項に記載の少なくとも1つのコンテナ取扱車両(9’)を備える自動保管・回収システム(1)であって、
前記格子(4)が、保管コンテナ(6)が互いに重なり合って垂直スタック(7)を成して保管され得る複数の保管コラム(5)を備え、
前記コンテナ取扱車両(9’)が、前記保管コラム(5)から保管コンテナ(6)を回収するため、前記保管コラム(5)内に保管コンテナ(6)を保管するため、および、前記格子(4)を水平方向に横断して前記保管コンテナ(6)を搬送するために、前記格子(4)の最上高さに位置するレール(10、11)上で動作される、自動保管・回収システム(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナ取扱車両、およびコンテナ取扱車両を含む自動保管および回収システムに関する。
【背景技術】
【0002】
3次元保管格子構造を備え、その中に保管コンテナ/保管箱が互いに積み重ねられる保管システムは、よく知られている。
【0003】
図1は、典型的な従来技術の自動保管および回収システム1の骨組構造を開示し、
図2aおよび2bは、そのようなシステムの知られたコンテナ取扱車両を開示する。保管システムは、例えばNO317366およびWO2014/090684A1で詳細に開示されている。
【0004】
骨組構造は、複数の垂直部材/プロファイル2、および垂直部材2によって支持された複数の水平部材3を備える。部材2、3は、典型的には、例えば押出しアルミニウムプロファイルといった金属で作られ得る。
【0005】
骨組構造は、列を成して配置された複数の格子コラム12を含む保管格子4を画定する。格子コラム12の大半は、コンテナとしても知られる保管コンテナ6が互いに積み重ねられてスタック7を形成する、保管コラム5である。各保管コンテナ6(または、略してコンテナ)は、典型的には複数の製品(product item)(図示せず)を保持することができ、保管コンテナ6内の製品は、同一のものであり得るか、または用途に応じて異なる製品タイプのものであり得る。骨組構造は、保管コンテナ6のスタック7の水平移動を防ぎ、かつ、コンテナ6の垂直移動を案内するが、通常、それ以外には積み重ねられたときの保管コンテナ6を支持しない。
【0006】
上方の水平部材3は、格子コラム12の頂部にわたって格子パターンに配置されたレール系8を備え、このレール系8上では、複数のコンテナ取扱車両9が、保管コラム5から保管コンテナ6を上昇させるために、また保管コラム5内へ保管コンテナ6を下降させるために動作され、さらに、保管コンテナ6を保管コラム5の上で運搬するために動作される。レール系8は、フレーム構造1の頂部にわたって第1の方向Xにおけるコンテナ取扱車両9の移動を案内するように配置された第1の平行なレール10の組と、第1の方向Xに垂直な第2の方向Yにおけるコンテナ取扱車両9の移動を案内するように第1のレール10の組に垂直に配置された第2の平行なレール11の組と、を備え、これは
図3を参照されたい。このようにして、レール系8は、保管コラム5の上方端部を画定し、この上方端部の上では、コンテナ取扱車両9が、保管コラム5の上方で横方向に、すなわち水平なX-Y平面に平行な平面において、移動し得る。
【0007】
各コンテナ取扱車両9は、車体13と、コンテナ取扱車両9の横方向移動、すなわちXおよびY方向における移動を可能にする第1および第2の車輪の組14、15とを備える。
図2では、各組の2つの車輪が見られる。第1の車輪の組14は、レールの第1の組10のうちの2つの隣接するレールと係合するように配置され、第2の車輪の組15は、レールの第2の組11のうちの2つの隣接するレールと係合するように配置される。車輪の組14、15のうちの1つは、第1の車輪の組14および/または第2の車輪の組15がどの時点においてもそれらのそれぞれのレールの組10、11と係合され得るように、上昇および下降され得る。
【0008】
各コンテナ取扱車両9はまた、保管コンテナ6の垂直運搬、例えば保管コンテナ6を保管コラム5から上昇させること、および保管コンテナ6を保管コラム5内へ下降させることのための、吊上げデバイス18(
図1および2aには示されていないが、
図2bに見られる)を備える。吊上げデバイス18は、保管コンテナ6に係合するように適合された吊上げフレーム(
図2aには示されていないが、
図2bに示され17と標識されたものに似る)を備え、この吊上げフレームは、車体12に対する吊上げフレームの位置が、第1の方向Xおよび第2の方向Yに直交する第3の方向において調節され得るように、車体12から下降され得る。
【0009】
慣例的に、また、この出願では、Z=1が、格子4の最上部の層、すなわちレール系8の直下の層(この出願では、レール系8は、格子の最上位と呼ばれる)を特定し、Z=2が、レール系8の下方の第2の層であり、Z=3が、第3の層である、等である。
図1に開示された実施形態では、Z=8が、格子4の最下部の底層を特定する。したがって、一例として、また、
図1に示されたデカルト座標系X、Y、Zを使用すると、
図1において6’と識別された保管コンテナは、格子位置またはセルX=10、Y=2、Z=3を占めると言うことができる。コンテナ取扱車両9は、層Z=0内を移動すると言うことができ、また、各格子コラム12は、そのX座標およびY座標によって識別され得る。
【0010】
各コンテナ取扱車両9は、格子4にわたって保管コンテナ6を運搬するときに保管コンテナ6を受け入れて格納するための保管区画または保管スペースを備える。保管スペースは、例えば参照によりその内容が本明細書に組み込まれるWO2014/090684A1で説明されているような、車体13内で中央に配置された空洞21を含み得る。
【0011】
あるいは、コンテナ取扱車両は、同じくその内容が参照により本明細書に組み込まれるNO317366で説明されているような、片持ち梁構造を有し得る。
【0012】
コンテナ取扱車両9は、設置面積F、すなわちXおよびY方向における水平方向周囲(
図4参照)を有することができ、これは、例えばその内容が参照により本明細書に組み込まれるWO2015/193278A1で説明されているように、格子コラム12の横方向または水平方向の広がり、すなわちXおよびY方向における格子コラム12の周囲/外周におおむね等しい。あるいは、コンテナ取扱車両9は、格子コラム12の横方向の広がりよりも大きい設置面積、例えばWO2014/090684A1で開示されているように横方向の広がりのおおよそ2倍の設置面積を有し得る。
【0013】
レール系8は、
図3に示されるように、単線系であってもよい。レール系8は、好ましくは、
図4に示されるような複線系であり、したがって、格子コラム12の横方向の広がりにおおむね対応する設置面積Fを有するコンテナ取扱車両9が格子コラムの列に沿ってXまたはY方向のいずれかに移動するときに、たとえ別のコンテナ取扱車両9がその列に隣接した格子コラム12上で位置決めされていても、移動することを可能にする。
【0014】
保管格子において、格子コラム12の大半は、保管コラム5であり、すなわち、保管コンテナがスタックを成して保管される格子コラムである。しかし、格子は、通常、保管コンテナを保管するのには使用されない少なくとも1つの格子コラム12を有するが、この少なくとも1つの格子コラム12は、保管コンテナがアクセスステーション、すなわちコンテナ取扱ステーションへ搬送され得るように、コンテナ取扱車両が保管コンテナを下ろしかつ/または取り上げることができる場所を含み、アクセスステーションでは、保管コンテナ6は、格子の外側からアクセスされ得るか、または、格子外へもしくは格子内へ搬送され得る。業界では、そのような場所は、通常、「ポート」と呼ばれ、また、ポートが配置される格子コラムは、ポートコラムと呼ばれ得る。
【0015】
図1における格子4は、2つのポートコラム19および20を備える。第1のポートコラム19は、例えば、アクセスステーションまたは移送ステーション(図示せず)へ搬送されるべき保管コンテナをコンテナ取扱車両9が下ろすことができる、専用の荷下ろしポートコラムであってもよく、第2のポート20コラムは、アクセスステーションまたは移送ステーションから格子4へ搬送された保管コンテナをコンテナ取扱車両9が取り上げることができる、専用の取上げポートコラムであってもよい。
【0016】
自動保管および回収システムを監視および制御するために、例えば、コンテナ取扱車両9が互いに衝突することなしに所望の保管コンテナが所望のタイミングで所望の場所へ送達され得るように、格子4内のそれぞれの保管コンテナの位置、各保管コンテナ6の内容物、およびコンテナ取扱車両9の移動を監視および制御するために、自動保管および回収システムは制御システムを備え、この制御システムは、典型的には、コンピュータ化され、かつ、保管コンテナを追跡するためのデータベースを含む。
【0017】
図1において開示された格子4内に保管された保管コンテナ6がアクセスされる場合、コンテナ取扱車両9のうちの1つは、対象の保管コンテナを格子4内のその位置から回収してそれを荷下ろしポート19へ搬送するように命令される。この動作は、対象の保管コンテナが位置している保管コラム5の上方の格子位置までコンテナ取扱車両9を移動させること、コンテナ取扱車両の吊上げデバイス(図示されておらず、車両の中央空洞内部に配置されているが、
図2bの第2の従来技術の車両の吊上げデバイス18に類似する)を使用して保管コンテナ6を保管コラム5から回収すること、および保管コンテナを荷下ろしポート19まで搬送することを伴う。吊上げデバイスの一般設計をより良く示すために、第2の従来技術の車両9が
図2bに示されている。第2の車両9の詳細は、ノルウェー特許NO317366で説明されている。両方の従来技術の車両9の吊上げデバイス18は、垂直方向に延在しかつ保管コンテナへの解放可能な接続のための吊上げフレーム17(把持デバイスとも呼ばれ得る)のコーナに近接して接続された、吊上げバンド16の組を備える。吊上げフレーム17は、保管コンテナに解放可能に接続するためのコンテナ接続要素24、および案内ピン30を特徴とする。
【0018】
吊上げバンド16は、吊上げフレーム17(また場合により、接続された保管コンテナ6)を上昇または下降させるために、バンド駆動組立体に接続される。バンド駆動組立体では、吊上げバンド16は一般に、コンテナ取扱車両内に配置された少なくとも2つの回転吊上げシャフトまたはリール(図示せず)上で巻取り/送出しされ、ここで、吊上げシャフトは、少なくとも2つの吊上げシャフトに同期回転運動を提供する少なくとも1つの共通のロータシャフトにベルト/鎖を介してさらに接続されている。吊上げシャフトの様々な設計が、例えばWO2015/193278A1およびWO2017/129384で説明されている。
【0019】
図2aにおけるような、保管箱を受け入れるための中央空洞を有する大抵の従来技術のコンテナ取扱車両は、車両の上方区間内で中央に配置されかつ吊上げモータに接続された少なくとも1つのロータシャフトを含むバンド駆動組立体を有する吊上げデバイス18を特徴とする。中央に配置されたロータシャフトに加えて、そのような吊上げデバイスは、吊上げバンドが巻き取られたり送り出されたりする二次的なシャフトおよび/またはシーブ(sheave)の組立体を備える。二次的なシャフトおよび/またはシーブは、中央に配置されたロータシャフトにベルト/鎖を介して接続されることによって回転され、また、吊上げフレーム17に対する吊上げバンド16の必要とされる位置決めを提供するために、中央空洞のコーナに配置される。吊上げデバイスは、比較的に点検を必要とし、かつ、ロボット内部で大きな体積を占めるので、そのような複数の可動部品から成る組立体を有することは、最適な解決策ではない。
【0020】
吊上げバンドが巻き取られる、中央に配置された回転可能な吊上げシャフトを特徴とするコンテナ取扱車両が、WO2017/129384A1で開示されている。
【0021】
吊上げバンドは使用中にわずかに伸びる傾向があるので、吊上げフレームに対して全ての吊上げバンド16の的確な長さを得るには、すなわち、吊上げフレーム17が動作中に水平に維持されるようにするには、吊上げバンドの長さが最初にも様々な点検間隔においても調節されなければならない。従来技術の吊上げデバイスでは、吊上げバンドは、一般に、コンテナ取扱車両9内の上位層に配置された別々のリールに接続されてそれに巻き取られる。吊上げバンドを調節するために、対応するリールは、回転シャフトから分離され、吊上げバンドは、回転シャフトに対するリールの自由回転によって調節され得る。続いて、吊上げバンドが所望の長さを有すると、リールは回転シャフトに固定される。別々のリールへのアクセスを得るために、点検担当者は一般に、車体13を覆う車体構造物のうちの少なくともいくつかを取り外すか、または車両の窮屈な内部に入るように要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
上記のことを考慮すると、従来技術の吊上げデバイスの欠点が回避されるかまたは少なくとも緩和されるコンテナ取扱車両および上記コンテナ取扱車両を備える自動保管および回収システムを提供することが、望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明は、添付の特許請求の範囲によって、および、以下において定められる。
【0024】
第1の態様では、本発明は、車体、および保管コンテナを格子から吊り上げる/格子へ下降させるための少なくとも1つの吊上げデバイスを備える、下層の保管システムの3次元格子から保管コンテナを取り上げるためのコンテナ取扱車両であって、
吊り上げデバイスが、吊り上げバンド駆動組立体、水平な吊上げフレーム、および複数の吊上げバンドを備え、
吊上げバンド駆動組立体が、車体に接続され、かつ、少なくとも1つの回転可能な吊上げシャフトを備え、
吊上げフレームが、4つのコーナ部分、保管コンテナへの解放可能な接続のための把持要素、およびコーナ部分のそれぞれに配置された吊上げバンド接続具を備え、
吊上げバンドが、吊上げシャフトの回転により吊上げフレームが吊上げバンド駆動組立体に対して垂直方向に移動し得るように、吊上げバンド駆動組立体および吊上げバンド接続具に接続され、
吊上げバンド接続具のうちの少なくとも3つが、それぞれのコーナ部分(すなわち、調節可能な吊上げバンド接続具が配置されるコーナ部分)と吊上げバンド駆動組立体との間の垂直距離が調節され得るように調節可能である(あるいは、吊上げバンド接続具のうちの少なくとも3つが、それぞれのコーナ部分の高さが調節され得るように調節可能である)、コンテナ取扱車両を提供する。
【0025】
吊上げフレームの少なくとも3つのコーナ部分と吊上げバンド駆動組立体との間の垂直距離を調節することにより(または、少なくとも3つのコーナ部分の高さを調節することにより)、水平面からの吊上げフレームのいかなるずれも(すなわち、吊上げフレームが配置される平面のいかなるずれも)修正され得る。
【0026】
複数の吊上げバンドは、吊上げバンド駆動組立体と吊上げフレームとの間にそれぞれが延在する、4つの別々の吊上げバンドであることが好ましい。しかし、吊上げバンドと吊上げバンド組立体との間の接続に応じて、複数の吊上げバンドは、例えば、吊上げフレー
ムの吊上げバンド接続具に接続される2つの吊上げバンド端部を各吊上げバンドが有するように吊上げバンド組立体に接続される中間部分を各吊上げバンドが有する、2つの吊上げバンドであってもよい。
【0027】
吊上げフレームは、上面側および底面側を備え、吊上げバンド接続具は、上面側に配置され、把持要素は、底面側に配置されることが、好ましい。
【0028】
コンテナ取扱車両の一実施形態では、各調節可能な吊上げバンド接続具は、ブラケット、およびバンド接続具ハブを備え、ブラケットは、吊上げフレームに接続され、バンド接続具ハブは、ブラケットに対するバンド接続具ハブの移動がそれぞれのコーナ部分と吊上げバンド駆動組立体との間の垂直距離を調節する(すなわち、それぞれのコーナ部分の垂直位置または高さを調節する)ように、ブラケット、および吊上げバンドのうちの1つに接続される。後者は、あるいは、ブラケットに対するバンド接続具ハブの移動がそのそれぞれのコーナ部分の吊り上げフレームと吊上げバンド駆動組立体との間の垂直距離を調節するようなものとして定義され得る。
【0029】
あるいは、ブラケットは、吊上げフレームの上方に面する側上に配置されるものとして定義され得る。
【0030】
コンテナ取扱車両の一実施形態では、それぞれのコーナ部分と吊上げバンド駆動組立体との間の垂直距離は、水平軸の周りでのバンド接続具ハブの回転によって、または、垂直方向もしくは水平方向におけるバンド接続具ハブの移動によって、調節され得る。
【0031】
コンテナ取扱車両の一実施形態では、バンド接続具ハブは、吊上げバンド挟持具を備え、また、バンド接続具ハブは、吊上げバンド挟持具がブラケットに対する最低高さに位置する第1の位置と、吊上げバンド挟持具がブラケットに対する上方高さに位置する第2の位置との間で移動可能である。言い換えれば、第1の位置では、吊上げバンド挟持具は、第2の位置におけるよりもブラケットに対してより高い高さに位置する。
【0032】
コンテナ取扱車両の一実施形態では、バンド接続具ハブは、第2の位置にあるときに調節ボルトに当接する。
【0033】
コンテナ取扱車両の一実施形態では、吊上げバンド挟持具の上方高さは、調節ボルトの作動によって調節され得る。言い換えれば、第2の位置にあるときの吊上げバンド挟持具の高さは、調節ボルトの作動によって調節され得る。調節ボルトは、回転によって作動され得る。
【0034】
コンテナ取扱車両の一実施形態では、バンド接続具ハブは、弾性要素により第1の位置に向かって付勢される。弾性要素は、ばねなどの、バンド接続具ハブに付勢力を与えることができる任意の適切な要素であってよい。
【0035】
コンテナ取扱車両の一実施形態では、バンド接続具ハブは、吊上げバンド挟持具に接続されたレバーを備え、レバーは、水平軸の周りでブラケットに枢動可能に接続される。言い換えれば、バンド接続具ハブは、吊上げバンド挟持具を特徴とするレバーを備え、レバーは、水平軸の周りでブラケットに枢動可能に接続される。
【0036】
コンテナ取扱車両の一実施形態では、レバーは、第1の位置と第2の位置との間で枢動し得る。
【0037】
コンテナ取扱車両の一実施形態では、レバーは、吊上げバンド挟持具がブラケットに対
する最低高さに位置する第1の位置と、吊上げバンド挟持具がブラケットに対する上方高さに位置する第2の位置との間で枢動し得る。
【0038】
コンテナ取扱車両の一実施形態では、レバーは、第2の位置にあるときに調節ボルトに当接する。
【0039】
コンテナ取扱車両の一実施形態では、吊上げバンド挟持具の上方高さは、調節ボルトの作動によって調節され得る。言い換えれば、レバーは、吊上げバンド挟持具の上方高さが調節ボルトの作動によって調節され得るように、第2の位置にあるときに調節ボルトに当接する。
【0040】
コンテナ取扱車両の一実施形態では、レバーは、好ましくはばねなどの弾性要素により、第1の位置に向かって付勢される。
【0041】
コンテナ取扱車両の一実施形態では、バンド接続具ハブは、調節要素の作動がブラケットに対するバンド接続具ハブの移動を可能にするように、調節要素を介してブラケットに接続される。
【0042】
コンテナ取扱車両の一実施形態では、調節要素は、回転によって作動され得るねじ付きボルト、または締付けデバイスである。締付けデバイスは、例えば、ブラケットに対するバンド接続具ハブの移動を可能にするために、締付けデバイスの解放によって作動され得る。締付けデバイスの締付け/固定は、ブラケットに対するバンド接続具ハブの移動を妨げる。締付けデバイスは、例えば、バンド接続具ハブとブラケットとの間の摺動可能な接続と相互作用する挟持具組立体であってよい。
【0043】
コンテナ取扱車両の一実施形態では、ねじ付きボルトの回転が、バンド接続具ハブをブラケットに対して移動させる。
【0044】
コンテナ取扱車両の一実施形態では、吊上げフレームは、把持要素を制御するための少なくとも1つの制御モジュールを備え、各吊上げバンド接続具の少なくとも一部は、吊上げバンドが少なくとも1つの制御モジュールにおいてまたは少なくとも1つの制御モジュールを介してのみ吊上げフレームと電気接触するように、電気絶縁材料で作られる。
【0045】
コンテナ取扱車両は、吊上げバンドを介して少なくとも1つの制御ユニットと電気的に接触(すなわち、通信)する主制御ユニットを備える。
【0046】
コンテナ取扱車両の一実施形態では、吊上げフレームは4つの制御モジュールを備え、各制御モジュールは、別々の/それぞれの吊上げバンドと電気接触し、すなわち、別々の/それぞれの吊上げバンド接続具と電気接触する。
【0047】
コンテナ取扱車両の一実施形態では、ブラケット、またはブラケットと吊上げフレームとを接続する中間ブラケット要素は、電気絶縁材料で作られる。
【0048】
コンテナ取扱車両の一実施形態では、吊上げバンド接続具のそれぞれは、接続される吊上げバンドの垂直面(すなわち、吊上げバンドが配置される垂直面)に対して垂直な中心線を有する枢動可能接続部を備える。
【0049】
コンテナ取扱車両の一実施形態では、ブラケットは、垂直な凹部/切欠きを備え、バンド接続具ハブは、凹部内に配置される延長部を備え、凹部は、垂直方向に対向した2つの平滑ボアを含み、延長部は、平滑ボアに一致するねじ付きボアを特徴とし、ここで、ねじ
付きボルトは、ボルトの回転がバンド接続具ハブをブラケットに対して垂直方向に移動させることになるように、平滑ボアおよびねじ付きボア内に配置される。
【0050】
コンテナ取扱車両の一実施形態では、バンド接続具ハブは、ねじ付きボルトを介してブラケットに回転可能に接続される吊上げバンドリール(吊上げバンドが巻き取られたり送り出されたりされ得る)であり、ボルトは、ボルトが緩められたときに吊上げバンドリールが水平軸の周りで回転することが可能とされ、またボルトが締め付けられたときに吊上げバンドリールが回転を阻止されるように、配置される。
【0051】
コンテナ取扱車両の一実施形態では、吊上げバンド駆動組立体は、吊上げシャフト組立体を備え、吊上げシャフト組立体は、吊上げシャフト、および少なくとも1つのブラシレスDCモータを備え、吊上げシャフトは、第1の端部区間および第2の端部区間を備え、ブラシレスDCモータは、固定子要素および回転子要素を備え、回転子要素は、吊上げシャフトに接続されるかまたはその一部分を形成し、吊上げバンドは、第1の端部区間または第2の端部区間において接続され、ここで、第1の端部区間は、第1の端部区間において接続された吊上げバンドが第2の端部区間において接続された吊上げバンドとは異なる電位を有し得るように、第2の端部区間から電気的に絶縁される。
【0052】
コンテナ取扱車両の一実施形態では、第1の端部区間および第2の端部区間のそれぞれに二重バンドリールが配置され、各二重バンドリールは、2つの別々の吊上げバンドに接続される。
【0053】
コンテナ取扱車両の一実施形態では、二重バンドリールのそれぞれは、二重バンドリールに接続された吊上げバンドのうちの少なくとも1つとコンテナ取扱車両内に配置された制御ユニットとの間に、制御ユニットから二重バンドリールを介して少なくとも1つの吊上げバンドに電気信号および/電力が伝達され得るように、電気接点を提供する。
【0054】
コンテナ取扱車両の一実施形態では、各二重バンドリールは、コンテナ取扱車両内に配置された制御ユニットと吊上げバンドとの間の、集電環と接触する導電性ブラシを介した電気信号伝達のために、集電環を備える。
【0055】
少なくとも二重バンドリールの外側層および集電環は、アルミニウム合金などの導電性材料で作られる。二重バンドリールは、集電環を含む単一のリール要素として作られることが好ましい。しかし、二重バンドリールは、別々のバンドリールと集電環とが電気接触しているのであれば、2つの別々のバンドリールおよび集電環を含むこともできる。
【0056】
一実施形態では、コンテナ取扱車両は、3次元格子の上方または頂部上で車両を移動させるための車輪を備える。
【0057】
一実施形態では、コンテナ取扱車両は、
- 車両を格子上で第1の方向に沿って移動させるための、車体の両側(または、車体の空洞の両側)に配置された第1の車輪の組と、
- 車両を格子上で第1の方向に垂直な第2の方向に沿って移動させるための、車体の両側に配置された第2の車輪の組と、
を備え、
- 第1の車輪の組は、垂直方向において、第1の車輪の組が第1の方向に沿った車両の移動を可能にする第1の位置と、第2の車両の組が第2の方向に沿った車両の移動を可能にする第2の位置との間で変位可能である。
【0058】
コンテナ取扱車両の一実施形態では、車体は、少なくとも1つの保管コンテナを収容す
るための空洞を取り囲み、少なくとも1つの吊上げデバイスの吊上げバンド駆動組立体は、空洞の上位層に配置される。一実施形態では、空洞は、少なくとも2つの隣接する保管コンテナおよび2つの隣接する吊上げデバイスを収容するためのものである。空洞は、複数の保管コンテナおよび吊上げデバイス、例えば2つ、3つ、または4つの保管コンテナを収容する大きさとされ得る。
【0059】
第2の態様では、本発明は、例えば第1の態様によるコンテナ取扱車両の吊上げフレームの位置を調節する方法であって、
- 適切な場所、例えば保管格子の周辺部における空の保管コラムにコンテナ取扱車両を配置するステップと、
- 点検担当者が吊上げバンド接続具にアクセスできるように、吊上げフレームを下降させるステップと、
- 吊上げフレームが吊上げバンドにより水平面において懸下されるように少なくとも1つのバンド接続具を調節するステップと、
を含む方法を提供する。
【0060】
適切な場所は、吊上げバンド接続具への容易なアクセスを提供するのに十分な距離だけ吊上げフレームを下降させることができる場所である。
【0061】
方法の一実施形態では、コンテナ取扱車両は、その中に吊上げデバイスが配置される空洞を備え、また、吊上げフレームを下降させるステップにおいて、吊上げフレームは、空洞の外へ下降される。
【0062】
方法の一実施形態では、少なくとも1つの吊上げバンド接続具は、バンド接続具ハブおよびブラケットを備え、また、少なくとも1つの吊上げバンド接続具を調節するステップは、ブラケットに対するバンド接続具ハブの移動を含む。
【0063】
方法の一実施形態では、少なくとも1つの吊上げバンド接続具を調節するステップは、それぞれのコーナ部分と吊上げバンド駆動組立体との間の垂直距離を調節する(すなわち、吊上げフレームの高さを調節する)。
【0064】
方法の一実施形態では、吊上げフレームを下降させるステップは、吊上げフレームが水平位置において支持される支持構造まで吊上げフレームを下降させることを含み、また、少なくとも1つの吊上げバンド接続具を調節するステップは、弛んでいる任意の吊上げバンドに張力をかけることを含む。
【0065】
第3の態様では、本発明は、3次元格子および第1の態様による少なくとも1つのコンテナ取扱車両を備える自動保管・回収システムであって、
格子が、保管コンテナが互いに重なり合って垂直スタックを成して保管され得る複数の保管コラムと、保管コンテナを受け取ってアクセスステーションへ搬送するためのポートコラムとを備え、
コンテナ取扱車両が、保管コラムから保管コンテナを回収するため、保管コラム内に保管コンテナを保管するため、および、格子を水平方向に横断して保管コンテナを搬送するために、格子の最上高さに位置するレール上で動作される、
自動保管・回収システムを提供する。
【0066】
第4の態様では、本発明は、コンテナ取扱車両の吊上げフレームの位置を調節する方法であって、
- 点検担当者が吊上げフレームにアクセスできるように、吊上げフレームを下降位置へ下降させるステップと、
- 吊上げフレームが水平面において懸下されるように、吊上げフレームの高さを調節するステップと、
を含む方法を提供する。
【0067】
第5の態様では、本発明は、コンテナ取扱車両の吊上げフレームの位置を調節する方法であって、吊上げフレームが、4つのコーナ部分、およびコーナ部分のそれぞれに配置された吊上げバンド接続具を備え、吊上げバンド接続具のそれぞれが、コンテナ取扱車両内に配置された回転可能な吊上げシャフトに、吊上げバンドにより少なくとも間接的に(吊上げフレームが吊上げシャフトまたはコンテナ取扱車両の残りの部分に対して下降および上昇され得るように)接続され、吊上げバンド接続具のうちの少なくとも3つが、それぞれのコーナ部分と回転可能な吊上げシャフトとの間の垂直距離が調節され得るように(あるいは、それぞれのコーナ部分の高さが調節され得るように)調節され、方法が、
- 適切な場所、例えば保管格子の周辺部における空の保管コラムにまたはその上方にコンテナ取扱車両を配置するステップと、
- 点検担当者が吊上げバンド接続具にアクセスできるように、吊り上げフレームを下降させるステップと、
- 吊り上げフレームが吊上げバンドにより水平面において懸下されるように、少なくとも1つの吊上げバンド接続具を調節するステップと、
を含む方法を提供する。
【0068】
さらなる実施形態では、第5の態様による方法は、第2の態様による方法の具現化される特徴またはステップのうちのいずれかを含む。
【0069】
第6の態様では、本発明は、吊上げフレームを備えるコンテナ取扱車両であって、吊上げフレームが、4つのコーナ部分、およびコーナ部分のそれぞれに配置された吊上げバンド接続具を備え、吊上げバンド接続具のそれぞれが、コンテナ取扱車両内に配置された回転可能な吊上げシャフトに、吊上げバンドにより少なくとも間接的に(吊上げフレームが吊上げシャフトまたはコンテナ取扱車両の残りの部分に対して下降および上昇され得るように)接続され、吊上げバンド接続具のうちの少なくとも3つが、それぞれのコーナ部分と回転可能な吊上げシャフトとの間の垂直距離が調節され得るように(あるいは、それぞれのコーナ部分の高さが調節され得るように)調節される、コンテナ取扱車両を提供する。
【0070】
さらなる実施形態では、第6の態様によるコンテナ取扱車両は、第1の態様による車両の具現化される特徴のうちのいずれかを備え得る。
【0071】
第7の態様では、本発明は、4つのコーナ部分、保管コンテナへの解放可能な接続のための把持要素、およびコーナ部分のそれぞれに配置された吊上げバンド接続具を有する吊上げフレームを備える、吊上げフレーム組立体であって、吊上げバンド接続具のそれぞれが、吊上げバンドに接続可能であり、また、吊上げバンド接続具のうちの少なくとも3つが調節可能である、吊上げフレーム組立体を提供する。調節可能な吊上げバンド接続具は、吊上げフレームとコネクタに接続された吊上げバンドを介してそこから吊上げフレームが懸下される要素との間の垂直距離を調節することができる接続具である。
【0072】
調節可能な吊上げバンド接続具、および第7の態様の吊上げフレームは、第1の態様に関連して上記で説明された特徴のうちのいずれかを備え得る。
【0073】
本発明において、「吊上げバンド駆動組立体」という用語は、吊上げバンド組立体の下方に配置された吊上げフレームが水平面に維持されながら垂直方向に上昇/下降され得るような、少なくとも1つの吊上げシャフトと、好ましくは4つの吊上げバンドである吊上
げ上げバンドの巻取りおよび水平位置決めに適したリール、シーブおよび/またはモータの任意の組合せとから成る、任意の組立体を意味することが意図されている。
【0074】
次に、単なる例として、以下の図面を参照しながら、本発明のいくつかの実施形態を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【
図1】従来技術の保管および回収システムの側面斜視図である。
【
図3】
図1における保管システムで使用するためのレールシステムの1つの型の上面概略図である。
【
図4】
図1における保管システムで使用するためのレールシステムの1つの型の上面概略図である。
【
図5】本発明によるコンテナ取扱車両の例示的な実施形態の側面斜視図である。
【
図6a】
図5におけるコンテナ取扱車両の側面図である。
【
図6b】
図5におけるコンテナ取扱車両の上面図である。
【
図7a】
図5におけるコンテナ取扱車両の側断面図である。
【
図8】
図5~7におけるコンテナ取扱車両の吊上げフレームの側面斜視図である。
【
図9a】
図8における吊上げフレームの調節可能バンド接続具の斜視図である。
【
図9b】
図8における吊上げフレームの調節可能バンド接続具の上面図である。
【
図9c】
図8における吊上げフレームの調節可能バンド接続具の断面図である。
【
図10】
図5におけるコンテナ取扱車両の吊上げデバイスの分解組立図である。
【
図11】
図5におけるコンテナ取扱車両の吊上げデバイスの側面斜視図である。
【
図12】
図10および11における吊上げデバイスの吊上げシャフト組立体の側面図である。
【
図13】
図12における吊上げシャフト組立体の横断側面図である。
【
図14】
図10および11における吊上げデバイスで使用するための代替的な吊上げシャフト組立体の側面図である。
【
図15】
図14における吊上げシャフト組立体の横断側面図である。
【
図16】
図14および15における吊上げシャフト組立体の下方からの斜視図である。
【
図17】
図14~16における吊上げシャフト組立体の上方からの斜視図である。
【
図18】
図14~17における吊上げシャフト組立体の分解組立図である。
【
図19】
図14~17における吊上げシャフト組立体を備える吊上げデバイスフレームの下方からの斜視図である。
【
図20】吊上げバンドおよび吊上げフレームを備える、
図19における吊上げデバイスフレームの側面斜視図である。
【
図21】上部カバーが省略された、
図20に示された吊上げフレームの側面斜視図である。
【
図22】
図21における吊上げフレームの調節可能吊上げバンド接続具の2つの側面斜視図である。
【
図23】
図20に示されるような吊上げフレームおよび吊上げデバイスを備えるコンテナ取扱車両の側面図である。
【
図24】本発明によるコンテナ取扱車両で使用するための例示的な吊上げフレームの上面図である。
【
図25】例示的な調節可能なバンド接続具を示す、
図24における吊上げフレームの断面A-Aの図である。
【
図26】例示的な調節可能なバンド接続具を示す、
図24における吊上げフレームの断面B-Bの図である。
【
図27】
図24~26における調節可能なバンド接続具の分解組立図である。
【発明を実施するための形態】
【0076】
以下、単なる例として、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態をより詳細に論じる。しかし、図面は、図面に示された内容に本発明を限定するようには意図されていないことが、理解されるべきである。
【0077】
上述のように、従来技術の吊上げデバイス18の欠点は、必要とされる吊上げフレームに対する吊上げバンドの位置決めを提供するために吊上げバンド16が巻き取られたり送り出されたりする複数の2次的なシャフトおよび/またはシーブを特徴とする吊上げバンド駆動組立体の必要性である。さらに、2次的なシャフトおよび/またはシーブを回転させるために、それらはベルト/鎖を介してロータシャフトに接続される。
【0078】
本発明によるコンテナ取扱車両9’の例示的な実施形態が、
図5、6aおよび6bに示されている。従来技術の車両9から見た車両9’の主な異なる特徴は、発明性のある吊上げデバイス18’である。
【0079】
従来技術の車両9に対して説明されたように、コンテナ取扱車両9’は、下層の保管システム1の3次元格子4から保管コンテナ6を取り上げるのに適しており、これは
図1を参照されたい。車両9’は、車両9’を格子4の第1の方向Xに沿って移動させるための、車体13の両側に配置された第1の車輪の組14と、第1の方向Xに対して垂直な格子4の第2の方向Yに沿って車両9’を移動させるための、車体13の両側に配置された第2の車輪の組15と、を特徴とする。車輪変位組立体51の使用により、第1の車輪の組は、垂直方向Zにおいて、第1の車輪の組14が第1の方向Xに沿った車両9’の移動を可能にする第1の位置と、第2の車輪の組15が第2の方向Yに沿った車両9’の移動を可能にする第2の位置との間で変位され得る。
【0080】
車体13は、上記で説明されたような保管システムに適した保管コンテナ6を収容する大きさとされた空洞21を取り囲む。吊上げデバイス18’が、空洞21の上部区間において接続される。吊上げデバイスは、保管コンテナ6を格子4から吊り上げる/格子4へ下降させるように配置される。保管コンテナが空洞21内に収容されたときに、保管コンテナの底は、第2の車輪の組15の最低高さを超える高さに位置する。
【0081】
図5および10に示されるように、吊上げデバイス18’は、吊上げシャフト22および吊上げシャフト22を回転させるための2つの電気モータ23a、23bを含む水平な吊上げシャフト組立体47と、保管コンテナ6への解放可能な接続のための吊上げフレーム17と、第1および第2の吊上げバンド16a、16bの対と、を備える。吊上げバンド16a、16bは、吊上げシャフト22を吊上げフレーム17に接続する。
【0082】
吊上げシャフト22は、中間シャフト要素35を介して相互接続された第1の端部区間27aおよび第2の端部区間27bを備える。
【0083】
各吊上げバンド16a、16bは、吊上げシャフト22に接続された第1の端部、および吊上げフレーム17に接続された第2の端部を有する。各吊上げバンド16a、16bの対は、吊上げシャフトの第1の端部区間27aにおいて接続される第1の吊上げバンド、および吊上げシャフトの第2の端部区間27bにおいて接続される第2の吊上げバンドを有する。第1の吊上げバンド16aの対は、吊上げシャフト22からシーブ31(すなわち、バンド案内組立体)の対に向かって実質的に水平な方向に延在する。シーブ31は、第1の吊上げバンド16aの対の方向を変えて垂直方向に延在させるように配置される
。第2の吊上げバンド16bの対は、吊上げシャフト22から直接に垂直方向に延在する。
【0084】
ここで開示されるコンテナ取扱車両9’の吊上げバンド駆動組立体、または吊上げデバイス18’は、その機能を実現するために、最小限の個別部品、すなわち吊上げシャフト組立体47およびシーブ31の対しか必要としない。
【0085】
吊上げバンド16a、16bは、垂直方向に延在しているときに、吊上げフレーム17上の対応する吊上げバンド接続要素32間の水平距離に対応する水平距離だけ互いに離れて配置される。
【0086】
第2の吊上げバンド16bの対が吊上げシャフトから吊上げフレーム17上の対応するバンド接続要素32に向かって垂直に延在するように吊上げシャフト組立体47を配置することにより、吊上げデバイス18’は、ロボットの内側で最小限の空間を占めることになる。言い換えれば、第2の吊上げバンド16bの対の必要とされる位置および/または方向は、追加のバンド案内組立体を伴わずに得られる。さらに、最小限の回転部品(すなわち、吊上げシャフト22およびシーブ31のみ)を使用し、歯車、スプロケット、および/または鎖(例えばモータから種々のシャフト組立体に回転運動を伝えるために従来技術の吊上げデバイスで一般に使用される)を使用しないことにより、吊上げデバイス18’は、従来技術の吊上げデバイスに比べて著しくより静かである。後者は、多数のコンテナ取扱車両を備える保管システムでは特に重要である。
【0087】
開示されるバンド案内組立体はシーブ31の対を備えるが、シーブ31の対は、代案として、第1の吊上げバンドの対の方向を実質的に水平な方向から垂直方向に変えるための回転シャフトなどの任意の適切な手段に置き換えられてもよい。コンテナ取扱車両9’では、シーブ31のそれぞれは、車体13に別々に接続される。しかし、具体的な設計および空間要求に応じて、シーブ31は、その代わりに、車体13の両側間に延在する共通のシャフト53を有して配置されてもよく、これは
図19を参照されたい。
【0088】
図16に示されるように、二重バンドリール48に巻き取られる/二重バンドリール48から送り出されるときおよびバンド案内組立体のシーブ31上を通過するときの吊上げバンドの正確な移動および位置決めを確実にするために、ばね懸架された案内車61が配置される。
【0089】
例示的な実施形態では、第2の吊上げバンド16bの対は、バンド案内組立体31と反対の側を向いた吊上げシャフトの側において、吊上げシャフト22から垂直方向に延在する。このようにして、吊上げデバイス(したがって、コンテナ取扱車両)を可能な限り小型に維持しながら、吊上げフレーム17の対応するバンド接続要素に関して垂直方向に延在する第2の吊上げバンド16bの対の必要とされる水平方向位置が得られる。言い換えれば、吊上げデバイスの水平方向の広がりは、吊上げフレームの水平方向の周囲を著しく超えることはなく、そのようなことは、バンド案内組立体31に面する吊上げシャフトの側において第2の吊上げバンド16bの対が吊上げシャフト22から垂直方向に延在する場合に当てはまるであろう。
【0090】
吊上げシャフト22上への吊上げバンドの確実な巻取りを提供するために、端部区間27a、27bの各々に二重バンドリール48が配置され、これは
図12および13を参照されたい。二重バンドリール48は、第1のリール部分48aおよび第2のリール部分48bを備える。各リール部分は、この場合は第1および第2の吊上げバンド16a、16bの対のそれぞれからの吊上げバンドである、2つの別々の吊上げバンドを接続するためのリールバンド接続具75a、75bを特徴とする。吊上げデバイス18’(および、以
下で説明される吊上げデバイス18”)では、吊上げバンド16a、16bの2つの対は、2つの異なる方向において吊上げシャフト組立体47から延在し、すなわち、第1の吊上げバンド16aの対は、実質的に水平な方向に延在し、第2の吊上げバンド16bの対は、垂直方向に延在する。吊上げシャフトが回転されたときに全ての吊上げバンドの同一の移動距離を得るには、全ての吊上げバンドが、二重バンドリールに巻き取られた同じ長さを常に有することが、重要である。吊上げバンドの厚さは、通常は約0.15mmであり、また、吊上げシャフト(または二重バンドリール)の1回転当たりの吊上げバンドの移動長さは、二重バンドリール上に巻き取られた吊上げバンドの層の数に依存する。開示された実施形態では、これは、各二重バンドリール48の2つのリールバンド接続具75a、75bを75度から105度の範囲内で、好ましくは約90度だけ互い違いにすることによって得られる。言い換えれば、2つのリールバンド接続具75a、75bは、互いにまた吊上げシャフトの中心線に関して約90度ずらされた/互い違いにされた位置において、それらの対応するリール部分上に配置される。さらに、二重バンドリール48は、第1の吊上げバンドの対を接続するリールバンド接続具75aが同じ径方向位置を有する(すなわち、互い違いにならないように)、また、第2の吊上げバンドの対を接続するリールバンド接続具75bが同じ径方向位置を有するように、配置される。リールバンド接続具75a、75bのずれ/互い違いは、吊上げシャフト組立体に対するバンド案内組立体の位置決めに依存することが、留意される。
【0091】
4つ全ての吊上げバンドが二重バンドリールから水平方向に延在する代替的な実施形態では、ずれは、バンド案内組立体に応じて-15から15度の範囲内、好ましくは約0度、または165から195度の範囲内、好ましくは約180度であり得ることが、留意される。つまり、4つ全ての吊上げバンドが同じ水平方向に延在する場合、リールバンド接続具は互い違いにされず、すなわち、全てのリールバンド接続具が、同じ径方向位置を有する。4つの吊上げバンドのうちの2つ、すなわち二重バンドリールのそれぞれから1つの吊上げバンドが、他の2つの吊上げバンドの反対の水平方向に延在する場合、リールバンド接続具は、約180度互い違いにされる。
図5~6を参照すると、後者の実施形態は、吊上げシャフトの両側に配置された追加のシーブ31のセットを必要とするであろう。
【0092】
上で論じたように、吊上げフレームに対して全ての吊上げバンド16の正確な長さを得るために、すなわち、吊上げフレーム17が動作中に水平に保たれるようにするために、吊上げバンドの長さは、使用中にわずかに長くなる傾向があることから、最初のみならず様々な点検間隔においても調節されなければならない。従来技術の吊上げデバイスでは、吊上げバンドは一般に、コンテナ取扱車両9内の上位層に配置された別々のリールに接続されて巻き取られる。吊上げバンドを調節するために、対応するリールが回転シャフトから分離され、回転シャフトに対するリールの自由回転により、吊上げバンドが調節され得る。その後、吊上げバンドが望ましい長さを有すると、リールは回転シャフトに固定される。別々のリールへのアクセスを得るには、車体13を覆う車体構造物のうちの少なくともいくつかを取り外すために、または空洞21の窮屈な内部に入るために、点検担当者が一般に必要とされる。説明された従来技術の解決策の変形形態もまた、例えば、各二重バンドリールを、バンドが調節される必要があるときに吊上げシャフト22に対する自由回転を可能にするために個々に解放され得る2つの別々のバンドリールに取り換えることにより、例示的な実施形態に適応し得る。しかし、以下で説明されるようなより効率的かつ新規な解決策が、好ましい。
【0093】
例示的な実施形態では、吊上げバンドの調節は、調節可能な吊上げバンド接続具32(またはバンド接続要素)を特徴とする吊上げフレーム17を使用することによって得られ、これは
図7~9を参照されたい。吊上げフレームは、4つのコーナ部分36、上面側37、および底面側38を備える。保管コンテナとの相互作用のための4つの把持要素24が、吊上げフレーム17の底面側38に配置される。垂直な案内ピン30、および垂直方
向に調節可能な吊上げバンド接続具32が、各コーナ部分36に配置される。
【0094】
図9a~9cに示されるように、各吊上げバンド接続具32は、ブラケット39、およびバンド接続具ハブ40を備える。ブラケット39は、吊上げフレーム17の上面側において堅固に接続される。バンド接続具ハブ40は、吊上げバンド挟持具41(すなわち、バンド固定組立体)を備え、かつ、バンド接続具ハブ40がブラケット39に対して垂直方向に調節され得るように、ブラケット39に調節可能に接続される。バンド接続具ハブ40は、調節ボルト42(すなわち、調節要素)を介してブラケット39に接続され、この調節ボルト42は、その回転(すなわち、作動)がバンド接続具ハブ40をブラケット39に対して垂直方向に移動させるように、配置される。ブラケットは、垂直方向の凹部/切欠き43を特徴とし、バンド接続具ハブ40は、垂直方向凹部内に配置される延長部44を備える。凹部は、垂直方向に対向した2つの平滑ボア45を含み、延長部は、平滑ボア45に合わせて配置されたねじ付きボア46を特徴とする。調節ボルト42を平滑ボアおよびねじ付きボア内に配置することにより、調節ボルト42の回転が、バンド接続具ハブ40をブラケットに対して垂直方向に移動させる。したがって、吊上げフレーム17と車体13との間の距離は、吊上げフレームが水平であるように調節され得る。吊上げフレームにおいて吊上げバンドの調節が可能であるという特徴は、コンテナ取扱車両の本体への内部アクセスが必要とされないので、非常に有利である。さらに、吊上げシャフト組立体は、吊上げバンドが巻き取られる二重バンドリール48が吊上げシャフト22に解放可能に接続されなくてもよいという点で、簡易化される。後者はまた、吊上げ組立体、およびコンテナ取扱車両内の上位層に存在する任意の他のシステムが、必要とされるリールへのアクセスを考慮に入れなくてもよい態様で構成され得ることを伴う。調節可能な吊上げバンド接続具を吊上げフレーム上に有する解決策は、従来技術のコンテナ取扱車両においても非常に有利なはずであることが、留意される。
【0095】
金属製の吊上げバンドは、不安定な高荷重にさらされた場合に、裂ける可能性がある。不安定な荷重および裂けの危険性を最小限に抑えるために、吊上げバンド接続具は、接続された吊上げバンドの垂直平面における吊上げバンド接続具のある程度の移動を可能にする枢支点Pを含み、すなわち、枢支点は、吊上げバンドの垂直平面に対して垂直な中心軸を有する。吊上げバンド接続具32において、枢支点Pは、吊上げバンド挟持具41とバンド接続具ハブ40の残りの部分との間の枢動接続部67によって得られる。
【0096】
この吊上げフレーム17、および
図20~23に示された吊上げフレーム17’の使用により、吊上げバンドは、容易かつ時間効率の良い方法で調節され得る。調節が必要とされた場合(すなわち、吊上げフレームは、水平面に対してわずかに傾斜する;吊上げフレームを保管コラム12の内側で動けない状態にする可能性がある状況であり、
図1を参照されたい)、以下のステップが行われ得る:
- 適切な場所、例えば保管格子4の周辺部における空の格子コラムにコンテナ取扱車両を配置するステップ;
- 点検担当者が吊上げフレームにアクセスできるように、吊上げフレームをコンテナ取扱車両の空洞の外へ下降させるステップ;および
- 吊上げフレームが水平面に位置するように、それぞれの吊上げバンド接続具32のバンド接続具ハブの移動により吊上げバンドを調節するステップ。
図7~9に開示された特定の吊上げバンド接続具では、このステップは、それぞれの調節ボルト(すなわち、調節要素)の回転を伴う。
【0097】
場合により、吊上げフレームは、空洞の外へ下降されるときに基礎構造まで下降され、フレームは、この基礎構造上で所望の水平位置に支持される。吊上げフレームが水平に維持されているときに、使用中に伸びた/引き伸ばされた吊上げバンドは、もはや張力をかけられず、すなわち、伸びた/引き伸ばされた吊上げバンドは、他の吊上げバンドに対し
て若干の弛みを有する。次いで、吊上げバンドの調節は、それぞれの調節可能バンド接続具32の使用により、弛んだ吊上げバンドに単純に張力をかけることによって容易に行われる。
【0098】
例示的な実施形態では、また、いくつかの従来技術のコンテナ取扱車両では、吊上げバンドは、金属(一般に、合金鋼)で作られ、かつ、吊上げフレーム17上に配置された終了スイッチモジュール29および制御モジュール69に信号および電力を伝導するために使用される。終了スイッチモジュール29は、吊上げフレームが保管コンテナ6と接触したとき、および吊上げフレームが空洞内でその最上高さまで上げられたときにそのことを検出するために、ばね懸架されたピン68(
図21参照)を備える。吊上げバンドを通過する信号/電力の短絡を回避するために、ブラケット39の少なくとも一部分は、吊上げバンド(すなわち、二重バンドリール48のそれぞれからの吊上げバンド)が制御モジュール69においてのみ吊上げフレーム17と(電線71を介して)電気的に接触するように、適切なプラスチックまたは複合材料などの非導電材料で作られる。したがって、吊上げバンド挟持具41の少なくとも一部分は、導電性材料、例えば任意の適切な金属で作られる。
【0099】
各終了スイッチモジュール29は、信号/電力がコンテナ取扱車両内の主制御ユニット(図示されていないが、
図16における主制御ユニット58に似ている)から受け取られるかまたは主制御ユニットに送られ得るように、制御モジュールを介して、異なる電位を有する2つの吊上げバンド挟持具41(または、バンド接続具ハブ)に電気的に接続される(電線72)。
【0100】
制御モジュール69はまた、把持要素24を駆動する把持モータ70に接続されかつそれを制御する。
【0101】
主制御ユニットから信号/電力を伝達するために、各二重バンドリール48は、集電環49と接触する導電性ブラシ50を介した主制御ユニットと吊上げバンドとの間の電気信号伝達のための集電環49を特徴とする(
図13参照)。二重バンドリールは、適切な金属などの導電性材料で作られる。単一のリールとして示されているが、各二重バンドリールは、2つの別個のリールが互いにまた集電環と電気接触する限り、各吊上げバンドにつき1つの、2つの別個のリールを含み得る。
【0102】
説明のために、吊上げデバイス18’(すなわち、吊上げシャフト組立体47、吊上げフレーム17、および2対の吊上げバンド)は、
図10では分解組立図で示され、
図11では車体13から分離されて斜視図で示される。
【0103】
吊上げシャフト組立体47において、2つの電気モータ23a、23bは、それぞれが固定子33、固定子接続要素55、および回転子要素34を備えるブラシレスDC(BLCD)電気モータであり、これは
図12および13を参照されたい。電気モータの回転子要素34a、34bから吊上げシャフト22(すなわち、第1の端部区間27a、第2の端部区間27b、および中間シャフト要素35で構成されたシャフト)に回転運動を伝達するために、回転子要素34a、34bは、中間シャフト要素35を介して相互接続され、各回転子要素は、それぞれの端部区間27a、27bに接続される。回転子要素、端部区間、および中間シャフト要素は、共通の中心線Cを有する。単一の吊上げシャフト22上への全ての吊上げバンド(すなわち、吊上げバンド16a、16bの両方の対)の巻取りを可能にすると同時に、上記のように信号/電力のための導体として吊上げバンドを使用することを可能にするために、二重バンドリール48(または、端部区間27a、27b)は、互いに電気的に絶縁されなければならない。このようにして、第1の端部区間27aにおいて二重バンドリール48に接続された吊上げバンドは、第2の端部区間27b
において二重バンドリール48に接続された吊上げバンドに対して異なる電位を有し得る。吊上げシャフト組立体47では、これは、適切なプラスチック/合成材料などの電気絶縁材料で作られた中間シャフト要素35を有すること(すなわち、電気絶縁要素を設けること)によって達成される。
【0104】
吊上げシャフト組立体47は、コンテナ取扱車両の本体13への端部区間の回転可能な接続のために、端部区間27a、27bのそれぞれの上に玉軸受要素52を備える。各固定子33a、33bの固定子接続要素55は、コンテナ取扱車両の本体13への堅固な接続のためのモータブラケット28と、吊上げシャフトへの回転的な接続のための玉軸受60と、を備える。このようにして、吊上げシャフト22は、固定子が動かないように維持された状態で、本体13に対して回転することができる。車体13を介した短絡を回避するために、玉軸受要素52は、それぞれの端部区間を車体13から絶縁するプラスチックハウジングを有する。同様に、固定子接続要素55は、モータブラケット28を介した短絡を回避するために、玉軸受要素73のプラスチックハウジング74により、端部区間27a、26bから絶縁される。
【0105】
吊上げシャフト組立体47’の代替的な実施形態が、
図14~18に示される。
【0106】
上記の吊上げシャフト組立体47から見た代替的な吊上げシャフト組立体47’の主な違いとなる特徴は、単一要素としての吊上げシャフト22’の構造であり、すなわち、吊上げシャフト22’は、一体吊上げシャフトと呼ばれ得る。吊上げシャフト組立体47において、第1の端部区間27aおよび第2の端部区間27bを相互接続する中間シャフト要素35は、電気絶縁材料で作られることにより、2つの端部区間を、したがって2つの二重バンドリール48を、電気的に絶縁することができる。代替的な吊上げ組立体47’は、二重バンドリール48を電気的に絶縁する同じ特徴を得るために、第1の端部区間27aおよび第2の端部区間27bのそれぞれと対応する二重バンドリール48との間に配置された、電気絶縁材料(すなわち電気的絶縁要素)で作られたスリーブ形状要素54を特徴とする(あるいは、各二重バンドリール48は、電気絶縁材料で内側区間/要素54を含むものとして画定され得る)。各二重バンドリールをそのそれぞれの端部区間から絶縁することの有利な効果は、吊上げシャフト組立体47’が、その接点、例えば玉軸受52において車体13から電気的に絶縁される必要がないことであり、これは上記を参照されたい。
【0107】
吊上げシャフト組立体47’のモータ23は、2つの固定子33a、33b、2つの回転子要素34a、34b、および両方の固定子33a、33bに共通である固定子接続要素55を特徴とする。固定子接続要素55は、コンテナ取扱車両の本体13への堅固な接続のためのモータブラケット28と、吊上げシャフト22’への回転的な接続のための玉軸受60とを備える。リフト制動輪57が、吊上げシャフト組立体47’の一方の端部に配置される。制動輪を作動させるために、協働する制動アクチュエータアーム59が、一般に車体13に接続される。
【0108】
代替的な吊上げシャフト組立体47’に基づく吊上げデバイス18”が、
図19および20に示される。この特定の実施形態では、吊上げデバイス18”は、フレーム56内に配置される。フレーム56は、組み立てられたコンテナ取扱車両9’の車体18の上方部分を構成するが、これは
図23を参照されたい。
【0109】
吊上げデバイス18”の吊上げフレーム17’は、その特徴の大部分を
図7~9に開示された吊上げフレームと共通して有するが、代替的なタイプの調節可能吊上げバンド接続具32’を備え、これは
図21および22を参照されたい。調節可能吊上げバンド接続具32’のそれぞれは、ブラケット39’、およびバンド接続具ハブ63、64を備え、こ
れは
図21および22を参照されたい。吊上げフレーム17’の上側において枢動接続部66を介して接続ブロック62(または、中間ブラケット要素)に枢動可能に配置されるブラケット39’を有することにより、枢支点Pが得られる。枢支点Pの目的は、
図7~9における吊上げバンド接続具32に関連して上記で説明されている。バンド接続具ハブは、吊上げバンドリール63および締付けボルト64(すなわち、調節要素)を備える。吊上げバンドリールは、吊上げバンドのための接続インタフェース65(すなわち、バンド固定組立体)を特徴とし、かつ、ブラケット39’に回転可能に接続される。吊上げバンドリールの回転的な接続は、締付けボルト64によって制御される。締付けボルト64が締め付けられると、吊上げバンドリール63は回転することができず、また、締付けボルトが緩められると、吊上げバンドリールの回転が可能とされる。吊上げバンドリールを回転させることにより、それに接続された吊上げバンドは、吊上げフレームと車体との間の距離が調節され得るように、巻取り/送出しされ得る。吊上げバンド接続具32’の利点は、垂直方向の調節範囲が増大されることである。短絡を回避するために、ブラケット39’または接続ブロック62などの、吊上げバンド接続具の少なくとも一部分は、適切なプラスチックまたは合成材料などの非導電材料で作られる。
【0110】
フレーム56および吊上げデバイス18’を特徴とするコンテナ取扱車両が、
図23に示される。
【0111】
4つの例示的な調節可能な吊上げバンド接続具32”を特徴とする吊上げフレーム17”のさらなる実施形態が、
図24~26で開示される。調節可能な吊上げバンド接続具の分解組立図が、
図27に示されている。
【0112】
吊上げフレーム17”は、その特徴のほとんどを上記で説明された吊上げフレーム17、17’と共通にし、また、共通の特徴には、同じ参照番号が与えられる。
【0113】
調節可能な吊上げバンド接続具32”のそれぞれは、ブラケット39”およびレバー76を特徴とする。ブラケット39”は、吊上げフレーム17”の上面側において堅固に接続される。吊上げバンド挟持具41(すなわち、バンド固定組立体)が、レバー76の一方の端部において接続され(すなわち、吊上げバンド挟持具およびレバーは、バンド接続具ハブを構成する)、レバーは、枢動接続部77によりブラケット39”に接続される。枢動接続部77の周りでレバー76を枢動させることにより、ブラケットに対する吊上げバンド挟持具の垂直方向高さが、下方高さ(すなわち、第1の位置)と上方高さ(すなわち、第2の位置)との間で移動され得る。
図25および26では、吊上げバンド挟持具41は、最上高さで示されている。吊上げバンド挟持具41は、レバーとブラケットとの間に配置されたばね78により、下方高さに向かって付勢される。調節ボルト79が、吊上げバンド挟持具の上方高さを設定するために配置される。調節ボルトは、吊上げバンド挟持具が設定された上方高さにあるときに、レバー76に当接する。この実施形態では、ばね78および調節ボルト79は、枢動接続部77に対して吊上げバンド挟持具41の反対側に配置されたレバー76の区間82と相互作用する。このようにして、吊上げフレーム17”の下側から調節ボルト79のヘッド83に到達することができ、その特徴は、場合により吊上げバンド接続具32”の調節を容易にする。しかし、吊上げバンド接続具のさらなる実施形態では、調節ボルト79、また場合によりばね78が、レバー76と相互作用するように枢動接続部77に対して吊上げバンド挟持具41と同じ側に配置されることも想定される。その場合、調節ボルト79のヘッドは、吊上げフレームの上側からアクセスされる。
【0114】
短絡を回避するために、ブラケット39”は、適切なプラスチックまたは合成材料などの非導電材料で作られる。
【0115】
吊上げバンド挟持具41は、上記で論じられたような枢支点Pを得るために、レバー76に枢動可能に接続80される。
【0116】
使用時には、吊上げフレーム17”の4つの吊上げバンド挟持具41のそれぞれは、コンテナ取扱車両9、9’の対応する吊上げバンド16に接続される。吊上げフレーム17”の重量は、ばね78がレバー76に及ぼす付勢力を克服するのに十分であり、吊上げバンド挟持具41は、調節ボルト79によって設定された上方高さへ引き上げられる。
【0117】
調節ボルト79の回転(すなわち、作動)は、ブラケット39”に対する吊上げバンド挟持具41の上方高さを移動させる。したがって、吊上げフレームは、吊上げフレームの4つの調節ボルトの回転によって水平にされ得る。開示された実施形態では、調節ボルトは、ねじ付きボルトである。しかし、代替的な実施形態では、調節ボルトは、バンド接続具ハブが当接し得る調節可能な高さを有する表面を提供することができる任意の適切な調節要素であり得る。
【0118】
動作中、4つの吊上げバンド16のうちの1つが、経時的に残りの吊上げバンドよりもわずかに長くなり得る。これは、例えば、吊上げバンドへの接続部における小規模な滑り、吊上げバンドの伸び、等によってもたらされ得る。下方高さに向かって付勢される吊上げバンド挟持具41を有することは、付勢することによりわずかに長い吊上げバンドが緊張され続けることが確実とされるので、非常に有利である。付勢しない場合、わずかに長い吊上げバンドは弛む。弛んだ吊上げバンドは、吊上げバンドが吊上げシャフトに巻き取られるときのエラーの危険性を高め、また、場合により、吊上げバンド16と上記で開示された保管システムの3次元格子4との間の接触に起因する短絡を生じさせ得る。
【0119】
吊上げバンド挟持具が最下位置に位置する位置に向かって付勢されるバンド接続具ハブを有する調節可能な吊上げバンド接続具のさらなる実施形態もまた、想定される。そのような実施形態は、例えば、第1に、バンド接続具ハブ40が垂直方向に自由に摺動することができるように調節ボルト42を平滑な案内ピンに置き換え、第2に、バンド接続具ハブの延長部44の上面に当接することができる調節ボルトを取り付け、第3に、バンド挟持具41が最下位置に位置する位置に向かってバンド接続具ハブを付勢するように弾性要素を配置することにより
図9a~9cで開示された吊上げバンド接続具を修正することによって得られ得る。弾性要素は、例えば、下方向にバンド接続具ハブを付勢する力を提供するために延長部44の上面とブラケット39との間に配置されるばねであり得る。
【0120】
他の実施形態では、吊上げシャフト組立体47、47’は、1つのモータのみまたは3つ以上のモータを備え得ることが、留意される。これは、吊上げシャフト22、22’の必要トルク、ならびに現在のBLDCモータのトルクおよびサイズに依存する。例えば、吊上げシャフト組立体47の第1の端部区間27aに接続されたモータ23aが十分なトルクを単独で供給することが可能であった場合、他のモータ23bは、第2の端部区間27bと中間シャフト要素35とを単純に接続する要素に置き換えられ得る。本開示の教示に基づき、様々な代替的な解決策が当業者には明らかになるであろう。
【0121】
永久磁石同期モータ(永久磁石を使用する)およびスイッチドリラクタンスモータ(いかなる永久磁石も使用しない)を含む、様々なタイプのブラシレスDCモータが知られている。
【0122】
永久磁石同期ブラシレスDCモータの動作原理は、例えばhttps://en.wikipedia.org/wiki/Brushless DC electric motorで説明されるように、当業者にはよく知られており、典型的には、回転子内の1つまたは複数の永久磁石と、固定子のためのモーラハウジング上の電磁石とを使用する。
モータ制御装置が、DCをACに変換する。この設計は、回転する回転子にモータの外側から電力を伝達する複雑さを排除するので、ブラシ付きモータの設計よりも機械的に単純である。
【0123】
吊上げシャフト組立体(47、47’)および吊上げフレーム(17、17’)は、特定の吊上げバンド駆動組立体(47、47’、31)、および、単一の保管コンテナを受け入れるために空けられた空洞を有する特定のタイプのコンテナ取扱車両(9’)に関連して開示された。しかし、吊上げシャフト組立体(47、47’)および吊上げフレーム’17、17’)の両方は、独立に、または任意のタイプの吊上げバンド駆動組立体もしくはコンテナ取扱車両との任意の組合せで、有利に使用され得る。例示的な吊上げフレーム(17、17’、17”)は、例えば、従来技術の吊上げバンド駆動組立体のいずれかとの組合せで使用され得る。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体(13)と、3次元格子(4)から保管コンテナ(6)を吊り上げるための少なくとも1つの吊上げデバイス(18’)とを備える、下層の保管システム(1)の前記3次元格子(4)から前記保管コンテナ(6)を取り上げるためのコンテナ取扱車両(9’)であって、
前記吊上げデバイス(18’)が、吊上げバンド駆動組立体(47、47’、31)、水平な吊上げフレーム(17)、および複数の吊上げバンド(16a、16b)を備え、
前記吊上げバンド駆動組立体(47、47’、31)が、前記車体(13)に接続され、かつ、少なくとも1つの回転可能な吊上げシャフト(22、22’)を備え、
前記吊上げフレーム(17、17’)が、4つのコーナ部分(36)、保管コンテナ(6)への解放可能な接続のための把持要素(24)、および前記コーナ部分のそれぞれに配置された吊上げバンド接続具(32、32’)を備え、
前記吊上げバンド(16a、16b)が、前記吊上げシャフト(22、22’)の回転により前記吊上げフレーム(17、17’)が前記吊上げバンド駆動組立体に対して垂直方向に移動し得るように、前記吊上げバンド駆動組立体(47、47’、31)および前記吊上げバンド接続具(32、32’)に接続され、
前記吊上げバンド接続具(32、32’、32’’’)のうちの少なくとも3つが、それぞれの前記コーナ部分と前記吊上げバンド駆動組立体との間の垂直距離が調節され得るように調節可能であり、
各調節可能な吊上げバンド接続具(32、32’、32”)が、ブラケット(39、39’、39”)およびバンド接続具ハブ(40、63、76、41)を備え、前記ブラケットが、前記吊上げフレーム(17、17’、17”)に接続され、前記バンド接続具ハブが、前記ブラケットに対する前記バンド接続具ハブの移動がそれぞれの前記コーナ部分と前記吊上げバンド駆動組立体(47、47’、31)との間の前記垂直距離を調節するように、前記ブラケット、および前記吊上げバンドのうちの1つに接続され、
前記バンド接続具ハブ(40、76)が、吊上げバンド挟持具(41)を備え、前記吊上げバンド挟持具(41)が前記ブラケットに対する最低高さに位置する第1の位置と、前記吊上げバンド挟持具が前記ブラケットに対する上方高さに位置する第2の位置との間で移動可能である、
コンテナ取扱車両(9’)。
【請求項2】
それぞれの前記コーナ部分(36)と前記吊上げバンド駆動組立体(47、47’、31)との間の前記垂直距離が、水平軸の周りでの前記バンド接続具ハブ(63、76)の回転によって、または、垂直方向もしくは水平方向における前記バンド接続具ハブ(40、76)の移動によって、調節され得る、請求項1に記載のコンテナ取扱車両。
【請求項3】
前記バンド接続具ハブ(76)が、前記第2の位置にあるときに調節要素に当接し、前記調節要素が、調節ボルト(79)である、請求項1または2に記載のコンテナ取扱車両。
【請求項4】
前記吊上げバンド挟持具(41)の前記上方高さが、前記調節要素の作動によって調節され得る、請求項3に記載のコンテナ取扱車両。
【請求項5】
前記バンド接続具ハブ(76、41)が、弾性要素(78)により前記第1の位置に向かって付勢される、請求項2から4のいずれか一項に記載のコンテナ取扱車両。
【請求項6】
前記レバー(76)が、前記第1の位置と前記第2の位置との間で枢動し得る、請求項2から5のいずれか一項に記載のコンテナ取扱車両。
【請求項7】
前記吊上げフレームが、前記把持要素(24)を制御するための少なくとも1つの制御モジュール(29)を備え、各吊上げバンド接続具(32、32’、32”)の少なくとも一部が、前記吊上げバンドが前記少なくとも1つの制御モジュール(29)においてのみ前記吊上げフレーム(17)と電気接触するように、電気絶縁材料で作られる、請求項1から6のいずれか一項に記載のコンテナ取扱車両。
【請求項8】
前記ブラケット(39、39’、39”)、または前記ブラケットと前記吊上げフレームとを接続する中間ブラケット要素(62)が、電気絶縁材料で作られる、請求項1から7のいずれか一項に記載のコンテナ取扱車両。
【請求項9】
前記吊上げバンド接続具(32、32’、32”)のそれぞれが、接続される前記吊上げバンドの垂直面に対して垂直な中心線を有する枢動可能接続部(66、67、80)を備える、請求項1から8のいずれか一項に記載のコンテナ取扱車両。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載のコンテナ取扱車両の吊上げフレーム(17、17’、17”)の位置を調節する方法であって、
- 前記吊上げフレームが前記吊上げバンド接続具への容易なアクセスを提供するのに十分な距離だけ下降可能である場所に前記コンテナ取扱車両(9’)を配置するステップ、
- 点検担当者が前記吊上げバンド接続具にアクセスできるように、前記吊上げフレームを下降させるステップ、および、
- 前記吊上げフレームが吊上げバンドにより水平面において懸下されるように、少なくとも1つの吊上げバンド接続具を調節するステップ
を含む、方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの吊上げバンド接続具(32、32’、32”)が、バンド接続具ハブ(40、63、76)およびブラケット(39、39’、39”)を備え、前記少なくとも1つの吊上げバンド接続具を調節する前記ステップが、前記ブラケット(39、39’)に対する前記バンド接続具ハブ(40、63)の移動を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの吊上げバンド接続具を調節する前記ステップが、それぞれのコーナ部分と吊上げバンド駆動組立体との間の垂直距離を調節する、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記吊上げフレームを下降させる前記ステップが、前記吊上げフレームが水平位置において支持される支持構造まで前記吊上げフレームを下降させることを含み、前記少なくとも1つの吊上げバンド接続具を調節する前記ステップが、弛んでいる任意の吊上げバンドに張力をかけることを含む、請求項10から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
3次元格子(4)および請求項1から9のいずれか一項に記載の少なくとも1つのコンテナ取扱車両(9’)を備える自動保管・回収システム(1)であって、
前記3次元格子(4)が、保管コンテナ(6)が互いに重なり合って垂直スタック(7)を成して保管され得る複数の保管コラム(5)を備え、
前記コンテナ取扱車両(9’)が、前記保管コラム(5)から保管コンテナ(6)を回収するため、前記保管コラム(5)内に保管コンテナ(6)を保管するため、および、前記3次元格子(4)を水平方向に横断して前記保管コンテナ(6)を搬送するために、前記3次元格子(4)の最上高さに位置するレール(10、11)上で動作される、自動保管・回収システム(1)。
【請求項15】
前記コンテナ取扱車両(9’)を配置するステップは、三次元保管格子(4)の周辺部における空の保管コラム(5)に前記コンテナ取扱車両(9’)を配置することを含む、請求項10に記載の方法。
【外国語明細書】