(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024105594
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】増殖性疾患及び感染症の処置のためのサイトカイン抱合体
(51)【国際特許分類】
C07K 14/55 20060101AFI20240730BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240730BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20240730BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240730BHJP
A61K 35/17 20150101ALI20240730BHJP
A61P 37/04 20060101ALI20240730BHJP
A61K 38/20 20060101ALI20240730BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20240730BHJP
A61K 47/60 20170101ALI20240730BHJP
A61K 47/61 20170101ALI20240730BHJP
A61K 47/54 20170101ALI20240730BHJP
A61K 47/62 20170101ALI20240730BHJP
A61K 47/68 20170101ALI20240730BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20240730BHJP
C12N 15/63 20060101ALN20240730BHJP
【FI】
C07K14/55 ZNA
A61P43/00 121
A61P35/02
A61P35/00
A61P43/00 105
A61K35/17
A61P37/04
A61K38/20
A61K45/00
A61K47/60
A61K47/61
A61K47/54
A61K47/62
A61K47/68
A61K39/395 Y
A61K39/395 W
C07K14/55
C12N15/63 Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024080040
(22)【出願日】2024-05-16
(62)【分割の表示】P 2022129818の分割
【原出願日】2018-08-03
(31)【優先権主張番号】62/540,781
(32)【優先日】2017-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519050543
【氏名又は名称】シンソークス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100216105
【弁理士】
【氏名又は名称】守安 智
(72)【発明者】
【氏名】プタシン,ジェロッド
(72)【発明者】
【氏名】カファーロ,キャロライナ イー.
(72)【発明者】
【氏名】ミラ,マルコス
(57)【要約】 (修正有)
【課題】1つ以上の徴候の処置におけるインターロイキン(IL)抱合体(例えば、IL-2抱合体)およびその使用を提供する。さらに、インターロイキン抱合体(例えば、IL-2抱合体)の1つ以上を含む医薬組成物とキットを提供する。
【解決手段】単離および修飾されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、修飾されたIL-2ポリペプチドとインターロイキン2受容体α(IL-2Rα)との間の結合を減少させるが、IL-2/IL-2Rβγ複合体を形成するためにインターロイキン2βγ受容体(IL-2Rβγ)シグナル伝達複合体との有意な結合を維持する、ポリペプチド上のある位置の少なくとも1つの非天然アミノ酸を含み、ここで、IL-2Rαへの結合の減少は、野生型のIL-2ポリペプチドとIL-2Rαとの間の結合と比較される、前記単離および修飾されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドである。
【選択図】
図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単離および修飾されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、修飾されたIL-2ポリペプチドとインターロイキン2受容体α(IL-2Rα)との間の結合を減少させるが、IL-2/IL-2Rβγ複合体を形成するためにインターロイキン2βγ受容体(IL-2Rβγ)シグナル伝達複合体との有意な結合を維持する、ポリペプチド上のある位置の少なくとも1つの非天然アミノ酸を含み、ここで、IL-2Rαへの結合の減少は、野生型のIL-2ポリペプチドとIL-2Rαとの間の結合と比較される、単離および修飾されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチド。
【請求項2】
少なくとも1つの非天然アミノ酸を含む、単離および修飾されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、ここで、単離および修飾されたIL-2ポリペプチドは、IL-2βγシグナル伝達複合体に対する第1の受容体シグナル伝達能力と、IL-2αβγシグナル伝達複合体に対する第2の受容体シグナル伝達能力を示し、第1の受容体シグナル伝達能力と第2の受容体シグナル伝達能力との間の差は、10倍未満である、単離および修飾されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチド。
【請求項3】
受容体シグナル伝達能力の差は、5倍未満、4倍未満、3倍未満、2倍未満、あるいは1倍未満である、請求項2に記載の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド。
【請求項4】
少なくとも1つの非天然アミノ酸の位置は、K35、T37、R38、T41、F42、K43、F44、Y45、E60、E61、E62、K64、P65、E68、V69、N71、L72、M104、C105、およびY107から選択され、ここで、残基位置は、SEQ ID NO:1に記載される位置35、37、38、41、42、43、44、45、61、62、64、65、68、69、71、72、104、105、および107に対応する、請求項1または2に記載の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド。
【請求項5】
少なくとも1つの非天然アミノ酸の位置は、T37、R38、T41、F42、K43、F44、Y45、E61、E62、P65、E68、およびL72から選択され、ここで、残基位置は、SEQ ID NO:1に記載される位置37、38、41、42、43、44、45、61、62、65、68、および72に対応する、請求項1または2に記載の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド。
【請求項6】
少なくとも1つの非天然アミノ酸の位置は、K35、K64、V69、N71、M104、C105、およびY107から選択され、ここで、残基位置は、SEQ ID NO:1に記載される位置35、64、69、71、104、105、および107に対応する、請求項1または2に記載の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド。
【請求項7】
少なくとも1つの非天然アミノ酸の位置は、T37、R38、T41、Y45、E61、E68、およびL72から選択され、ここで、残基位置は、SEQ ID NO:1に記載される位置37、38、41、45、61、68、および72に対応する、請求項1または2に記載の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド。
【請求項8】
少なくとも1つの非天然アミノ酸の位置は、F42、K43、F44、E62、およびP65から選択され、ここで、残基位置は、SEQ ID NO:1に記載される位置42、43、44、62、および65に対応する、請求項1または2に記載の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド。
【請求項9】
少なくとも1つの非天然アミノ酸は:
リジンアナログであり;
芳香族側鎖を含み;
アジド基を含み;
アルキン基を含み;あるいは、
アルデヒド基またはケトン基を含む、請求項1または2に記載の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド。
【請求項10】
少なくとも1つの非天然アミノ酸は芳香族側鎖を含まない、請求項1または2に記載の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド。
【請求項11】
少なくとも1つの非天然アミノ酸は、N6-アジドエトキシ-L-リジン(AzK)、N6-プロパルギルエトキシ-L-リジン(PraK)、BCN-L-リジン、ノルボルネンリジン、TCOリジン、メチルテトラジンリジン、アリルオキシカルボニルリジン、2-アミノ-8-オキソノナン酸、2-アミノ-8-オキソオクタン酸、p-アセチル-L-フェニルアラニン、p-アジドメチル-L-フェニルアラニン(pAMF)、p-ヨード-L-フェニルアラニン、m-アセチルフェニルアラニン、2-アミノ-8-オキソノナン酸、p-プロパギルオキシフェニルアラニン、p-プロパルギル-フェニルアラニン、3-メチル-フェニルアラニン、L-ドパ、フッ素処理したフェニルアラニン、イソプロピル-L-フェニルアラニン、p-アジド-L-フェニルアラニン、p-アシル-L-フェニルアラニン、p-ベンゾイル-L-フェニルアラニン、p-ブロモフェニルアラニン、p-アミノ-L-フェニルアラニン、イソプロピル-L-フェニルアラニン、O-アリルチロシン、O-メチル-L-チロシン、O-4-アリル-L-チロシン、4-プロピル-L-チロシン、ホスホノチロシン、トリ-O-アセチル-GlcNAcp-セリン、L-ホスホセリン、ホスホノセリン、L-3-(2-ナフチル)アラニン、2-アミノ-3-((2-((3-(ベンジルオキシ)-3-オキソプロピル)アミノ)エチル)セラニル)プロパン酸、2-アミノ-3-(フェニルセラニル)プロパン、または、セレノシステインを含む、請求項1または2に記載の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド。
【請求項12】
少なくとも1つの非天然アミノ酸は、直交tRNA合成酵素/tRNA対によって、修飾されたIL-2ポリペプチドに組み込まれる、請求項1または2に記載の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド。
【請求項13】
直交合成酵素/tRNA対の直交のtRNAは、少なくとも1つの非天然核酸塩基を含む、請求項12に記載の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド。
【請求項14】
修飾されたIL-2ポリペプチドは、少なくとも1つの非天然アミノ酸を介して抱合部分に共有結合される、請求項1または2に記載の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド。
【請求項15】
抱合部分は水溶性ポリマー、脂質、タンパク質、あるいはペプチドを含む、請求項14に記載の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド。
【請求項16】
水溶性ポリマーは、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(プロピレングリコール)(PPG)、エチレングリコールとプロピレングリコールのコポリマー、ポリ(オキシエチル化ポリオール)、ポリ(オレフィンアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリルアミド)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリラート)、ポリ(サッカライド)、ポリ(α-ヒドロキシ酸)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリホスファゼン、ポリオキサゾリン(POZ)、ポリ(N-アクリロイルモルホリン)、あるいはこれらの組み合わせを含む、請求項15に記載の単離および修飾されたIL-2
ポリペプチド。
【請求項17】
水溶性ポリマーはPEG分子を含む、請求項15に記載の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド。
【請求項18】
PEG分子が線形PEGである、請求項17に記載の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド。
【請求項19】
PEG分子は分岐PEGである、請求項17に記載の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド。
【請求項20】
水溶性ポリマーは多糖類を含む、請求項15に記載の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド。
【請求項21】
多糖類はデキストラン、ポリシアル酸(PSA)、ヒアルロン酸(HA)、アミロース、ヘパリン、ヘパラン硫酸(HS)、デキストリン、あるいはヒドロキシエチルデンプン(HES)を含む、請求項20に記載の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド。
【請求項22】
脂質は脂肪酸を含む、請求項15に記載の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド。
【請求項23】
脂肪酸は、約6から約26の炭素原子、約6から約24の炭素原子、約6から約22の炭素原子、約6から約20の炭素原子、約6から約18の炭素原子、約20から約26の炭素原子、約12から約26の炭素原子、約12から約24の炭素原子、約12から約22の炭素原子、約12から約20の炭素原子、あるいは、約12から約18の炭素原子を含む、請求項22に記載の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド。
【請求項24】
脂肪酸は飽和脂肪酸である、請求項22に記載の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド。
【請求項25】
タンパク質は、アルブミン、トランスフェリン、あるいはトランスサイレチンを含む、請求項15に記載の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド。
【請求項26】
抱合部分はTLRアゴニストを含む、請求項14に記載の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド。
【請求項27】
タンパク質は、抗体またはその結合フラグメントを含む、請求項15に記載の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド。
【請求項28】
抗体あるいはその結合フラグメントは、抗体のFc部分を含む、請求項27に記載の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド。
【請求項29】
ペプチドは、XTENペプチド、グリシンに富んだホモアミノ酸ポリマー(HAP)、PASポリペプチド、エラスチン様ポリペプチド(ELP)、CTPペプチド、あるいはゼラチン様タンパク質(GLK)ポリマーを含む、請求項15に記載の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド。
【請求項30】
抱合部分は、リンカーを介して修飾されたIL-2の少なくとも1つの非天然アミノ酸に間接的に結合する、請求項14に記載の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド。
【請求項31】
リンカーは、ホモ二機能性リンカー、ヘテロ二機能性リンカー、ゼロ長リンカー、切断あるいは非切断ジペプチドリンカー、マレイミド基、スペーサー、あるいはこれらの組み合わせを含む、請求項30に記載の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド。
【請求項32】
結合親和性の減少は、野生型IL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rαに対する結合親和性の約30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、あるいは100%の減少である、請求項1または2に記載の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド。
【請求項33】
結合親和性の減少は、野生型のIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rαに対して、約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、あるいはそれ以上である、請求項1または2に記載の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド。
【請求項34】
修飾されたIL-2ポリペプチドは:
完全長のIL-2ポリペプチドの機能的に活性なフラグメント;
組み換えIL-2ポリペプチド;あるいは、
組み換えヒトIL-2ポリペプチドである、請求項1または2に記載の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド。
【請求項35】
修飾されたIL-2ポリペプチドは、N末端欠失、C末端欠失、あるいはこれらの組み合わせを含む、請求項1または2に記載の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド。
【請求項36】
N末端欠失は、N末端から最初の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、あるいは30の残基の欠失を含み、
ここで、残基位置は、SEQ ID NO:1の位置を基準にしている、請求項1または2に記載の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド。
【請求項37】
C末端欠失は、C末端から最後の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、あるいはそれ以上の残基の欠失を含み、ここで、残基位置は、SEQ ID NO:1の位置を基準にしている、請求項1または2に記載の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド。
【請求項38】
機能的に活性なフラグメントは、IL-2領域10-133、20-133、30-133、10-130、20-130、30-130、10-125、20-125、30-125、1-130、あるいは1-125を含み、ここで、残基位置は、SEQ ID
NO:1の位置を基準にしている、請求項34に記載の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド。
【請求項39】
修飾されたIL-2ポリペプチドは、SEQ ID NO:1に対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、あるいは99%の配列同一性を含む、請求項1または2に記載の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド。
【請求項40】
IL-2Rαに対する結合親和性が減少した修飾IL-2ポリペプチドは、CD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブおよび記憶細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、ナチュラルキラーT(NKT)細胞集団、あるいはこれらの組み合わせを拡張することができる、請求項1または2に記載の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド。
【請求項41】
抱合部分あるいは非天然アミノ酸は、IL-2のIL-2Rαとの結合を損なうか、妨害する、請求項14に記載の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド。
【請求項42】
修飾されたIL-2ポリペプチドによる、IL-2Rβγ複合体を介する、CD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブおよび記憶細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、あるいは、ナチュラルキラーT(NKT)細胞集団の活性化は、野生型のIL-2ポリペプチドと比較して、前記細胞集団の活性化の有意な効力を維持する、請求項1または2に記載の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド。
【請求項43】
IL-2Rβγ複合体に対する修飾されたIL-2ポリペプチドの受容体シグナル伝達能力は、IL-2Rβγ複合体に対する野生型のIL-2ポリペプチドの受容体シグナル伝達能力よりも高い、請求項42に記載の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド。
【請求項44】
IL-2Rβγ複合体に対する修飾されたIL-2ポリペプチドの受容体シグナル伝達能力は、IL-2Rβγ複合体に対する野生型のIL-2ポリペプチドの受容体シグナル伝達能力よりも低い、請求項42に記載の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド。
【請求項45】
修飾されたIL-2ポリペプチドは、IL-2Rβγに対する第1の受容体シグナル伝達能力と、IL-2Rαβγに対する第2の受容体シグナル伝達能力を示し、ここで、第1の受容体シグナル伝達能力は、第2の受容体シグナル伝達能力よりも、少なくとも1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、20倍、30倍、50倍、100倍、500倍、あるいはそれ以上高い、請求項1または2に記載の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド。
【請求項46】
修飾されたIL-2ポリペプチドの第1の受容体シグナル伝達能力は、IL-2Rβγに対する野生型のIL-2ポリペプチドの受容体シグナル伝達能力よりも高く、修飾されたIL-2ポリペプチドの第2の受容体シグナル伝達能力は、IL-2Rβγに対する野生型のIL-2ポリペプチドの受容体シグナル伝達能力よりも低い、請求項45に記載の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド。
【請求項47】
修飾されたIL-2ポリペプチドの第1の受容体シグナル伝達能力は、野生型のIL-2ポリペプチドの受容体シグナル伝達能力よりも少なくとも1倍低い、請求項45に記載の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド。
【請求項48】
抱合部分に共有結合する非天然アミノ酸を含むインターロイキン2(IL-2)抱合体であって、IL-2はSEQ ID NO:1に対して少なくとも80%の配列同一性を含む、インターロイキン2(IL-2)抱合体。
【請求項49】
抱合部分に共有結合する非天然アミノ酸を含むインターロイキン2(IL-2)抱合体であって、ここで、非天然アミノ酸は領域35-107に位置し、および、領域35-107はSEQ ID NO:1の残基K35-Y107に対応する、インターロイキン2(IL-2)抱合体。
【請求項50】
インターロイキン2βγ受容体(IL-2Rβγ)結合タンパク質であって、ここで、前記結合タンパク質のインターロイキン2α受容体(IL-2Rα)の結合親和性は、野生型のヒトIL-2(hIL-2)の結合親和性未満であり、および、前記結合タンパク質は、少なくとも1つの非天然アミノ酸を含む、インターロイキン2βγ受容体(IL-2Rβγ)結合タンパク質。
【請求項51】
前記結合タンパク質は、修飾されたIL-2ポリペプチドあるいはその機能的に活性なフラグメントであり、修飾されたIL-2ポリペプチドは、少なくとも1つの非天然アミノ酸を含む、請求項50に記載のIL-2Rβγ結合タンパク質。
【請求項52】
少なくとも1つの非天然アミノ酸は領域35-107に位置し、および、領域35-107はSEQ ID NO:1の残基K35-Y107に対応する、請求項50に記載のIL-2Rβγ結合タンパク質。
【請求項53】
非天然アミノ酸とIL-2Rβγを含む修飾されたIL-2ポリペプチドを含むIL-2/IL-2Rβγ複合体であって、ここで、修飾されたIL-2ポリペプチドは、IL-2Rαへの減少した結合親和性を有し、および、減少した結合親和性は、野生型のIL2ポリペプチドとIL-2Rαとの間の結合親和性と比較される、IL-2/IL-2Rβγ複合体。
【請求項54】
修飾されたIL-2ポリペプチドは、非天然アミノ酸に共有結合された抱合部分をさらに含む、請求項53に記載のIL-2/IL-2Rβγ複合体。
【請求項55】
CD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブおよび記憶細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、あるいは、ナチュラルキラーT(NKT)細胞のアクチベーターであって、前記アクチベーターは、細胞集団中のCD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブおよび記憶細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、あるいはナチュラルキラーT(NKT)細胞を選択的に拡張し、ここで、前記アクチベーターは、少なくとも1つの非天然アミノ酸を含む修飾されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドを含む、アクチベーター。
【請求項56】
前記アクチベーターが前記細胞集団に接している場合、前記アクチベーターは、20%、15%、10%、5%、1%、あるいは0.1%未満、CD4+T制御性(Treg)細胞を拡張する、請求項55に記載のアクチベーター。
【請求項57】
前記アクチベーターは、前記細胞集団中のTreg細胞を拡張しない、請求項55に記載のアクチベーター。
【請求項58】
前記細胞集団はインビボの細胞集団である、請求項55に記載のアクチベーター。
【請求項59】
前記細胞集団はインビトロの細胞集団である、請求項55に記載のアクチベーター。
【請求項60】
前記細胞集団はエクスビボの細胞集団である、請求項55に記載のアクチベーター。
【請求項61】
請求項1-47の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド、請求項48または49のIL-2抱合体、請求項50-52のIL-2Rβγ結合タンパク質、あるいは、請求項55-60のCD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブおよび記憶細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、あるいはナチュラルキラーT(NKT)細胞のアクチベーター;および、
薬学的に許容可能な賦形剤、
を含む、医薬組成物。
【請求項62】
前記医薬組成物は全身送達のために製剤化される、請求項61に記載の医薬組成物。
【請求項63】
前記医薬組成物は非経口投与のために製剤化される、請求項61に記載の医薬組成物。
【請求項64】
被験体の増殖性疾患または疾病を処置する方法であって、
治療上有効な量の請求項1または2の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド、請求項48または49のIL-2抱合体、請求項50のIL-2Rβγ結合タンパク質、あるいは、請求項55のCD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブおよび記憶細
胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、あるいはナチュラルキラーT(NKT)細胞のアクチベーター、または請求項61の医薬組成物を、被験体に投与する工程を含む、方法。
【請求項65】
前記増殖性疾患または疾病は癌である、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
癌は固形腫瘍癌である、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
固形腫瘍癌は、膀胱癌、骨癌、脳癌、乳癌、大腸癌、食道癌、眼癌、頭頚部癌、腎癌、肺癌、黒色腫、卵巣癌、膵臓癌、あるいは前立腺癌である、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
癌は血液悪性腫瘍である、請求項65に記載の方法。
【請求項69】
血液悪性腫瘍は、慢性リンパ性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、濾胞性リンパ腫(FL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、多発性骨髄腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、非バーキットリンパ高悪性度Bリンパ腫、原発性縦隔B細胞リンパ腫(PMBL)、免疫芽細胞性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、脾臓周辺帯リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、形質細胞腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性体腔性リンパ腫、あるいはリンパ腫様肉芽腫症である、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
追加の治療薬を投与する工程をさらに含む、請求項64に記載の方法。
【請求項71】
単離および修飾されたIL-2ポリペプチド、IL-2抱合体、IL-2Rβγ結合タンパク質、CD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブおよび記憶細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、あるいはナチュラルキラーT(NKT)細胞のアクチベーター、または、医薬組成物、および追加の治療剤は同時に投与される、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
単離および修飾されたIL-2ポリペプチド、IL-2抱合体、IL-2Rβγ結合タンパク質、CD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブおよび記憶細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、あるいはナチュラルキラーT(NKT)細胞のアクチベーター、または、医薬組成物、および追加の治療剤は順次投与される、請求項70に記載の方法。
【請求項73】
単離および修飾されたIL-2ポリペプチド、IL-2抱合体、IL-2Rβγ結合タンパク質、CD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブおよび記憶細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、あるいはナチュラルキラーT(NKT)細胞のアクチベーター、または、医薬組成物は、追加の治療剤の前に投与される、請求項70に記載の方法。
【請求項74】
単離および修飾されたIL-2ポリペプチド、IL-2抱合体、IL-2Rβγ結合タンパク質、CD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブおよび記憶細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、あるいはナチュラルキラーT(NKT)細胞のアクチベーター、または、医薬組成物は、追加の治療剤の投与後に投与される、請求項70に記載の方法。
【請求項75】
CD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブおよび記憶細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、あるいはナチュラルキラーT(NKT)細胞集団を拡張する方法であって、前記方法は:
IL-2Rβγで複合体の形成を誘発するのに十分な時間にわたって、請求項1または2の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド、請求項48または49のIL-2抱合体、請求項50のIL-2Rβγ結合タンパク質、あるいは、請求項55のCD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブおよび記憶細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、あるいはナチュラルキラーT(NKT)細胞のアクチベーター、または請求項61の医薬組成物を、細胞集団に接触させる工程であって、それによって、Teffおよび/またはNK細胞集団の拡張を刺激する工程、を含む、方法。
【請求項76】
請求項1または2の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド、請求項48または49のIL-2抱合体、請求項50のIL-2Rβγ結合タンパク質、請求項55のCD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブおよび記憶細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、あるいはナチュラルキラーT(NKT)細胞のアクチベーター、または請求項61の医薬組成物は、野生型のIL-2ポリペプチドに接触させたCD3+細胞集団中のCD4+T制御性(Treg)細胞の拡張と比較して、CD3+細胞集団において20%、15%、10%、5%、1%、あるいは0.1%未満、CD4+Treg細胞を拡張する、 請求項75に記載の方法。
【請求項77】
請求項1または2の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド、請求項48または49のIL-2抱合体、請求項50のIL-2Rβγ結合タンパク質、請求項55のCD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブおよび記憶細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、あるいはナチュラルキラーT(NKT)細胞のアクチベーター、あるいは請求項61の医薬組成物は、細胞集団中のCD4+Treg細胞を拡張しない、請求項75に記載の方法。
【請求項78】
請求項1または2の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド、請求項48または49のIL-2抱合体、請求項50のIL-2Rβγ結合タンパク質、請求項55のCD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブおよび記憶細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、あるいはナチュラルキラーT(NKT)細胞のアクチベーター、あるいは請求項61の医薬組成物によるインキュベーション後の細胞集団中のTeff細胞対Treg細胞の比率は、約あるいは少なくとも2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、20:1、50:1、あるいは100:1である、請求項75に記載の方法。
【請求項79】
前記方法はインビボの方法である、請求項75に記載の方法。
【請求項80】
前記方法はインビトロの方法である、請求項75に記載の方法。
【請求項81】
前記方法はエクスビボの方法である、請求項75に記載の方法。
【請求項82】
被験体はヒトである、請求項64-81のいずれか1つに記載の方法。
【請求項83】
請求項1-47の単離および修飾されたIL-2ポリペプチド、請求項48または49のIL-2抱合体、請求項50-52のIL-2Rβγ結合タンパク質、請求項55-60のCD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブおよび記憶細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、あるいはナチュラルキラーT(NKT)細胞のアクチベーター、または請求項61-63の医薬組成物を含む、キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2017年8月3日に出願された米国仮特許出願第62/540,781号の利益を主張し、その全体は引用によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
配列表
本出願は配列表を包含しており、これは、ASCIIフォーマットで電子的に提出され、その全体を引用することで本明細書に組み込まれる。2018年7月27日に作成された上記ASCIIのコピーは、46085-710_601_SL.txtのファイル名であり、3,703バイトのサイズである。
【背景技術】
【0003】
T細胞の特徴的な集団は、免疫の恒常性と耐性を維持するために免疫系を調節する。例えば、制御性T(Treg)細胞は、病的な自己反応性を予防することによって免疫系による不適切な反応を防ぎ、その一方で、細胞傷害性T細胞は感染細胞及び/又は癌細胞を標的とする。幾つかの例では、T細胞の異なる集団の調節は、疾患又は徴候の処置に関するオプションを提供する。
【発明の概要】
【0004】
ある実施形態では、サイトカイン抱合体及び1つ以上の兆候の処置におけるその使用が本明細書に開示される。幾つかの実施形態において、インターロイキン2(IL-2)抱合体と1つ以上の兆候の処置におけるその使用も本明細書に記載される。幾つかの例では、1つ以上の兆候は癌又は病原性感染症を含む。場合によっては、特定のT細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、及び/又はナチュラルキラーT(NKT)細胞集団を刺激するか拡大するために、IL-2とIL-2受容体との間の相互作用を調節する方法が本明細書に記載される。さらなる場合において、本明細書に記載される1つ以上のインターロイキン抱合体(例えば、IL-2抱合体)を含む医薬組成物及びキットも本明細書に記載される。
【0005】
ある実施形態では、インターロイキン2(IL-2)抱合体が本明細書で開示され、上記インターロイキン2(IL-2)抱合体は:単離及び精製されたIL-2ポリペプチド;及び、K35、T37、R38、T41、F42、K43、F44、Y45、E61、E62、E68、K64、P65、V69、L72、及びY107から選択されたアミノ酸位置で単離及び精製されたIL-2ポリペプチドに結合する抱合部分を含み、アミノ酸残基の番号はSEQ ID NO:1に対応する。幾つかの実施形態において、アミノ酸位置は、T37、R38、T41、F42、F44、Y45、E61、E62、E68、K64、P65、V69、L72、及びY107から選択される。幾つかの実施形態において、アミノ酸位置は、T37、R38、T41、F42、F44、Y45、E61、E62、E68、P65、V69、L72、及びY107から選択される。幾つかの実施形態において、アミノ酸位置は、T37、T41、F42、F44、Y45、P65、V69、L72、及びY107から選択される。幾つかの実施形態において、アミノ酸位置はR38とK64から選択される。幾つかの実施形態において、アミノ酸位置はE61、E62、及びE68から選択される。幾つかの実施形態において、アミノ酸位置はE62である。幾つかの実施形態において、K35、T37、R38、T41、F42、K43、F44、Y45、E61、E62、E68、K64、P65、V69、L72、及びY107から選択されたアミノ酸残基はさらに、リジン、システイン、又はヒスチジンに変異する。幾つかの実施形態において、アミノ酸残基はシステインに変異する。幾つかの実施
形態において、アミノ酸残基はリジンに変異する。幾つかの実施形態において、K35、T37、R38、T41、F42、K43、F44、Y45、E61、E62、E68、K64、P65、V69、L72、及びY107から選択されたアミノ酸残基はさらに、非天然アミノ酸に変異する。幾つかの実施形態において、非天然アミノ酸は、N6-アジドエトキシ-L-リジン(AzK)、N6-プロパルギルエトキシ-L-リジン(PraK)、BCN-L-リジン、ノルボルネンリジン、TCOリジン、メチルテトラジンリジン、アリルオキシカルボニルリジン、2-アミノ-8-オキソノナン酸、2-アミノ-8-オキソオクタン酸、p-アセチル-L-フェニルアラニン、p-アジドメチル-L-フェニルアラニン(pAMF)、p-ヨード-L-フェニルアラニン、m-アセチルフェニルアラニン、2-アミノ-8-オキソノナン酸、p-プロパギルオキシフェニルアラニン、p-プロパルギル-フェニルアラニン、3-メチル-フェニルアラニン、L-ドパ、フッ素処理したフェニルアラニン、イソプロピル-L-フェニルアラニン、p-アジド-L-フェニルアラニン、p-アシル-L-フェニルアラニン、p-ベンゾイル-L-フェニルアラニン、p-ブロモフェニルアラニン、p-アミノ-L-フェニルアラニン、イソプロピル-L-フェニルアラニン、O-アリルチロシン、O-メチル-L-チロシン、O-4-アリル-L-チロシン、4-プロピル-L-チロシン、ホスホノチロシン、トリ-O-アセチル-GlcNAcp-セリン、L-ホスホセリン、ホスホノセリン、L-3-(2-ナフチル)アラニン、2-アミノ-3-((2-((3-(ベンジルオキシ)-3-オキソプロピル)アミノ)エチル)セラニル)プロパン酸、2-アミノ-3-(フェニルセラニル)プロパン、又は、セレノシステインを含む。幾つかの実施形態において、IL-2抱合体は、野生型IL-2ポリペプチドと比較して、IL-2受容体α(IL-2Rα)サブユニットに対する減少した親和性を有する。幾つかの実施形態において、減少した親和性は、野生型IL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rαに対する結合親和性の約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、あるいは99%よりも大きな減少である。幾つかの実施形態において、減少した親和性は、野生型のIL-2ポリペプチドと比較して、約1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、30倍、50倍、100倍、200倍、300倍、500倍、あるいは1000倍、又はそれ以上である。幾つかの実施形態において、抱合部分は、IL-2のIL-2Rαとの結合を損なうか、妨害する。幾つかの実施形態において、抱合部分は水溶性ポリマーを含む。幾つかの実施形態において、追加の抱合部分は水溶性ポリマーを含む。幾つかの実施形態において、水溶性ポリマーの各々は独立して、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(プロピレングリコール)(PPG)、エチレングリコールとプロピレングリコールのコポリマー、ポリ(オキシエチル化ポリオール)、ポリ(オレフィンアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリルアミド)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリラート)、ポリ(サッカライド)、ポリ(α-ヒドロキシ酸)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリホスファゼン、ポリオキサゾリン(POZ)、ポリ(N-アクリロイルモルホリン)、あるいはこれらの組み合わせを含む。幾つかの実施形態において、水溶性ポリマーの各々は独立してPEGを含む。幾つかの実施形態において、PEGは線形PEGあるいは分岐PEGである。幾つかの実施形態において、水溶性ポリマーの各々は独立して多糖類を含む。幾つかの実施形態において、多糖類はデキストラン、ポリシアル酸(PSA)、ヒアルロン酸(HA)、アミロース、ヘパリン、ヘパラン硫酸(HS)、デキストリン、あるいはヒドロキシエチルデンプン(HES)を含む。幾つかの実施形態において、水溶性ポリマーの各々は独立してグリカンを含む。幾つかの実施形態において、水溶性ポリマーの各々は独立してポリアミンを含む。幾つかの実施形態において、抱合部分はタンパク質を含む。幾つかの実施形態において、追加の抱合部分は、タンパク質を含む。幾つかの実施形態において、タンパク質の各々は独立して、アルブミン、トランスフェリン、あるいはトランスサイレチンを含む。幾つかの実施形態において、タンパク質の各々は独立して、Fc部分を含む。幾つかの実施形態において、タンパク質の各々は独立して、IgGのFc部分を含む。幾つかの実施形態において、抱合部分は、ポリペプチドを含む。幾つかの実施形態において
、追加の抱合部分はポリペプチドを含む。幾つかの実施形態において、ポリペプチドの各々は独立して、XTENペプチド、グリシンに富んだホモアミノ酸ポリマー(HAP)、PASポリペプチド、エラスチン様ポリペプチド(ELP)、CTPペプチド、あるいはゼラチン様タンパク質(GLK)ポリマーを含む。幾つかの実施形態において、単離及び精製されたIL-2ポリペプチドは、グルタルミル化によって修飾される。幾つかの実施形態において、抱合部分は、単離及び精製されたIL-2ポリペプチドに直接結合する。幾つかの実施形態において、抱合部分は、リンカーによって単離及び精製されたIL-2ポリペプチドに間接的に結合する。幾つかの実施形態では、リンカーはホモ二機能性リンカーを含む。幾つかの実施形態では、ホモ二機能性リンカーは、Lomantの試薬ジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート)DSP、3’3’-ジチオビス(スルホスクシンイミジルプロプリオネート)(DTSSP)、ジスクシンイミジルスベリン酸塩(DSS)、ビス(スルホスクシンイミジル)スベリン酸塩(BS)、ジスクシンイミジル酒石酸塩(DST)、ジスルホスクシンイミジル酒石酸塩(スルホDST)、エチレングリコビス(スクシンイミジルスクシネート)(EGS)、ジスクシンイミジルグルタル酸塩(DSG)、N、N’-ジスクシンイミジル炭酸塩(DSC)、アジプイミド酸ジメチル(DMA)、ジメチルピメリミデートピメリミデート(DMP)、ジメチルスベリミデート(DMS)、ジメチル-3,3’-ジチオビスプロピオンイミデート(DTBP)、1,4-ジ-(3’-(2’-ピリジルジチオ)プロピオンアミド)ブタン(DPDPB)、ビスマレイミドヘキサン(BMH)、例えば、1,5-ジフルオロ-2,4-ジニトロベンゼン、1,3-ジフルオロ-4,6-ジニトロベンゼンなどのハロゲン化アリール含有化合物(DFDNB)、4,4’-ジフルオロ-3,3’-ジニトロフェニルスルホン(DFDNPS)、ビス-[β-(4-アジドサリチルアミド)エチル]ジスルフィド(BASED)、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、アジピン酸ジヒドラジド、カルボヒドラジド、o-トルイジン、3,3’-ジメチルベンジジン、ベンジジン、α,α’-p-ジアミノジフェニル、ジヨード-p-キシレンスルホン酸、N,N’-エチレン-ビス(ヨードアセトアミド)、あるいは、N,N’-ヘキサメチレン-ビス(ヨードアセトアミド)を含む。幾つかの実施形態では、リンカーはヘテロ二機能性リンカーを含む。幾つかの実施形態において、ヘテロ二機能性リンカーは、N-スクシンイミジル3-(2-ピリジルジチオ)プロピオン酸塩(sPDP)、長鎖N-スクシンイミジル3-(2-ピリジルジチオ)プロピオン酸塩(LC-sPDP)、水溶性の長鎖N-スクシンイミジル3-(2-ピリジルジチオ)プロピオン酸塩(スルホ-LC-sPDP)、スクシンイミジルオキシカルボニル-α-メチル-α-(2-ピリジルジチオ)トルエン(sMPT)、スルホスクシンイミジル-6-[α-メチル-α-(2-ピリジルジチオ)トルアミド]ヘキサン酸塩(スルホ-LC-sMPT)、スクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボン酸塩(sMCC)、スルホスクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボン酸塩(スルホ-sMCC)、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBs)、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスルホスクシンイミドエステル(スルホ-MB)、N-スクシンイミジル(4-ヨードアセチル)アミノ安息香酸塩(sIAB)、スルホスクシンイミジル(4-ヨードアセチル)アミノ安息香酸塩(スルホ-sIAB)、スクシンイミジル-4-(p-マレイミドフェニル)酪酸塩(sMPB)、スルホスクシンイミジル-4-(p-マレイミドフェニル)酪酸塩(スルホ-sMPB)、N-(γ-マレイミドブチルオキシ)スクシンイミドエステル(GMBs)、N-(γ-マレイミドブチルオキシ)スルホスクシンイミドエステル(スルホ-GMBs)、スクシンイミジル6-((ヨードアセチル)アミノ)ヘキサン酸塩(sIAX)、スクシンイミジル6-[6-((ヨードアセチル)アミノ)ヘキサノイル)アミノ]ヘキサン酸塩(sIAXX)、スクシンイミジル-4-((ヨードアセチル)アミノ)メチル)シクロヘキサン-1-カルボン酸塩(sIAC)、スクシンイミジル6-(((((4-ヨードアセチル)アミノ)メチル)シクロヘキサン-1-カルボニル)アミノ)ヘキサン酸塩(sIACX)、p-ニトロフェニルヨード酢酸(NPIA)
、カルボニル反応性及びスルフヒドリル反応性の架橋剤、例えば、4-(4-N-マレイミドフェニル)酪酸ヒドラジド(MPBH)、4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシル-ヒドラジド-8(M2C2H)、3-(2-ピリジルジチオ)プロピオニルヒドラジド(PDPH)、N-ヒドロキシスクシンイミジル-4-アジドサリチル酸(NH-AsA)、N-ヒドロキシスルホスクシンイミジル-4-アジドサリチル酸(スルホ-NH-AsA)、スルホスクシンイミジル-(4-アジドサリチルアミド)ヘキサン酸塩(スルホ-NH-LC-AsA)、スルホスクシンイミジル-2-(ρ-アジドサリチルアミド)エチル-1,3’-ジチオプロピオン酸塩(sAsD)、N-ヒドロキシスクシンイミジル-4-アジド安息香酸塩(HsAB)、N-ヒドロキシスルホスクシンイミジル-4-アジド安息香酸塩(スルホ-HsAB)、N-スクシンイミジル-
6-(4’-アジド-2’-ニトロフェニルアミノ)ヘキサン酸塩(sANPAH)、スルホスクシンイミジル-6-(4’-アジド-2’-ニトロフェニルアミノ)ヘキサン酸塩(スルホ-sANPAH)、N-5-アジド-2-ニトロベンゾイルオキシスクシンイミド(ANB-NOs)、スルホスクシンイミジル-2-(m-アジド-o-ニトロベンズアミド)-エチル-1,3’-ジチオプロピオン酸塩(sAND)、N-スクシンイミジル-4(4-アジドフェニル)1,3’-ジチオプロピオン酸塩(sADP)、N-スルホスクシンイミジル(4-アジドフェニル)-1,3’-ジチオプロピオン酸塩(スルホ-sADP)、スルホスクシンイミジル 4-(ρ-アジドフェニル)酪酸塩(スルホ-sAPB)、スルホスクシンイミジル 2-(7-アジド-4-メチルクマリン-3-アセトアミド)エチル-1,3’-ジチオプロピオン酸塩(sAED)、スルホスクシンイミジル 7-アジド-4-メチルクマリン-3-酢酸塩(スルホ-sAMCA)、ρ-ニトロフェニルジアゾピルバート(ρNPDP)、ρ-ニトロフェニル-2-ジアゾ-3,3,3-トリフルオロプロピオン酸塩(PNP-DTP)、1-(ρ-アジドサリチルアミド)-4-(ヨードアセトアミド)ブタン(AsIB)、N-[4-(ρ-アジドサリチルアミド)ブチル]-3’-(2’-ピリジルジチオ)プロピオンアミド(APDP)、ベンゾフェノン-4-ヨードアセトアミド、ρ-アジドベンゾイルヒドラジド(ABH)、4-(ρ-アジドサリチルアミド)ブチルアミン(AsBA)、あるいはρ-アジドフェニルグリオキサール(APG)を含む。幾つかの実施形態において、リンカーは、ジペプチドリンカーを随意に含む切断リンカーを含む。幾つかの実施形態において、ジペプチドリンカーは、Val-Cit、Phe-Lys、Val-Ala、あるいはVal-Lysを含む。幾つかの実施形態において、リンカーは非切断可能なリンカーを含む。幾つかの実施形態において、リンカーは、マレイミドカプロイル(mc)、スクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシラート(sMCC)、あるいはスルホスクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシラート(スルホ-sMCC)を随意に含む、マレイミドメチル基を含む。幾つかの実施形態において、リンカーはさらにスペーサーを含む。幾つかの実施形態において、スペーサーは、p-アミノベンジルアルコール(PAB)、p-アミノベンジルオキシカルボニル(PABC)、誘導体、又はそれらのアナログを含む。幾つかの実施形態において、抱合部分は、IL-2抱合体の血清半減期を拡張することができる。幾つかの実施形態において、追加の抱合部分は、IL-2抱合体の血清半減期を拡張することができる。
【0006】
ある実施形態では、インターロイキン2(IL-2)抱合体が本明細書で開示され、上記インターロイキン2(IL-2)抱合体は:単離及び精製されたIL-2ポリペプチド;及び、抱合部分を含み;IL-2抱合体は、野生型IL-2ポリペプチドと比較して、IL-2受容体α(IL-2Rα)サブユニットに対する減少した親和性を有する。幾つかの実施形態において、抱合部分は、IL-2Rαと相互作用するアミノ酸残基に結合する。幾つかの実施形態において、抱合部分は、K35、T37、R38、T41、F42、F43、F44、Y45、E61、E62、E68、K64、P65、V69、L72
、及びY107から選択されたアミノ酸残基に結合し、アミノ酸残基の番号はSEQ ID NO:1に対応する。幾つかの実施形態において、抱合部分は水溶性ポリマーを含む。幾つかの実施形態において、追加の抱合部分は水溶性ポリマーを含む。幾つかの実施形態において、水溶性ポリマーの各々は独立して、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(プロピレングリコール)(PPG)、エチレングリコールとプロピレングリコールのコポリマー、ポリ(オキシエチル化ポリオール)、ポリ(オレフィンアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリルアミド)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリラート)、ポリ(サッカライド)、ポリ(α-ヒドロキシ酸)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリホスファゼン、ポリオキサゾリン(POZ)、ポリ(N-アクリロイルモルホリン)、あるいはこれらの組み合わせを含む。幾つかの実施形態において、水溶性ポリマーの各々は独立してPEGを含む。幾つかの実施形態において、PEGは線形PEGあるいは分岐PEGである。幾つかの実施形態において、水溶性ポリマーの各々は独立して多糖類を含む。幾つかの実施形態において、多糖類はデキストラン、ポリシアル酸(PSA)、ヒアルロン酸(HA)、アミロース、ヘパリン、ヘパラン硫酸(HS)、デキストリン、あるいはヒドロキシエチルデンプン(HES)を含む。幾つかの実施形態において、水溶性ポリマーの各々は独立してグリカンを含む。幾つかの実施形態において、水溶性ポリマーの各々は独立してポリアミンを含む。幾つかの実施形態において、抱合部分はタンパク質を含む。幾つかの実施形態において、追加の抱合部分は、タンパク質を含む。幾つかの実施形態において、タンパク質の各々は独立して、アルブミン、トランスフェリン、あるいはトランスサイレチンを含む。幾つかの実施形態において、タンパク質の各々は独立して、Fc部分を含む。幾つかの実施形態において、タンパク質の各々は独立して、IgGのFc部分を含む。幾つかの実施形態において、抱合部分は、ポリペプチドを含む。幾つかの実施形態において、追加の抱合部分はポリペプチドを含む。幾つかの実施形態において、ポリペプチドの各々は独立して、XTENペプチド、グリシンに富んだホモアミノ酸ポリマー(HAP)、PASポリペプチド、エラスチン様ポリペプチド(ELP)、CTPペプチド、あるいはゼラチン様タンパク質(GLK)ポリマーを含む。幾つかの実施形態において、単離及び精製されたIL-2ポリペプチドは、グルタルミル化によって修飾される。幾つかの実施形態において、抱合部分は、単離及び精製されたIL-2ポリペプチドに直接結合する。幾つかの実施形態において、抱合部分は、リンカーによって単離及び精製されたIL-2ポリペプチドに間接的に結合する。幾つかの実施形態では、リンカーはホモ二機能性リンカーを含む。幾つかの実施形態では、ホモ二機能性リンカーは、Lomantの試薬ジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート)DSP、3’3’-ジチオビス(スルホスクシンイミジルプロプリオネート)(DTSSP)、ジスクシンイミジルスベリン酸塩(DSS)、ビス(スルホスクシンイミジル)スベリン酸塩(BS)、ジスクシンイミジル酒石酸塩(DST)、ジスルホスクシンイミジル酒石酸塩(スルホDST)、エチレングリコビス(スクシンイミジルスクシネート)(EGS)、ジスクシンイミジルグルタル酸塩(DSG)、N、N’-ジスクシンイミジル炭酸塩(DSC)、アジプイミド酸ジメチル(DMA)、ジメチルピメリミデートピメリミデート(DMP)、ジメチルスベリミデート(DMS)、ジメチル-3,3’-ジチオビスプロピオンイミデート(DTBP)、1,4-ジ-(3’-(2’-ピリジルジチオ)プロピオンアミド)ブタン(DPDPB)、ビスマレイミドヘキサン(BMH)、例えば、1,5-ジフルオロ-2,4-ジニトロベンゼン、1,3-ジフルオロ-4,6-ジニトロベンゼンなどのハロゲン化アリール含有化合物(DFDNB)、4,4’-ジフルオロ-3,3’-ジニトロフェニルスルホン(DFDNPS)、ビス-[β-(4-アジドサリチルアミド)エチル]ジスルフィド(BASED)、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、アジピン酸ジヒドラジド、カルボヒドラジド、o-トルイジン、3,3’-ジメチルベンジジン、ベンジジン、α,α’-p-ジアミノジフェニル、ジヨード-p-キシレンスルホン酸、N,N’-エチレン-ビス(ヨードアセトアミド)、あるいは、N,N’-ヘキサメチレン-ビス(ヨードアセトアミド)を含む。幾つかの実施形態では、リンカーはヘテロ二機能性リンカーを含
む。幾つかの実施形態において、ヘテロ二機能性リンカーは、N-スクシンイミジル3-(2-ピリジルジチオ)プロピオン酸塩(sPDP)、長鎖N-スクシンイミジル3-(2-ピリジルジチオ)プロピオン酸塩(LC-sPDP)、水溶性の長鎖N-スクシンイミジル3-(2-ピリジルジチオ)プロピオン酸塩(スルホ-LC-sPDP)、スクシンイミジルオキシカルボニル-α-メチル-α-(2-ピリジルジチオ)トルエン(sMPT)、スルホスクシンイミジル-6-[α-メチル-α-(2-ピリジルジチオ)トルアミド]ヘキサン酸塩(スルホ-LC-sMPT)、スクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボン酸塩(sMCC)、スルホスクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボン酸塩(スルホ-sMCC)、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBs)、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスルホスクシンイミドエステル(スルホ-MB)、N-スクシンイミジル(4-ヨードアセチル)アミノ安息香酸塩(sIAB)、スルホスクシンイミジル(4-ヨードアセチル)アミノ安息香酸塩(スルホ-sIAB)、スクシンイミジル-4-(p-マレイミドフェニル)酪酸塩(sMPB)、スルホスクシンイミジル-4-(p-マレイミドフェニル)酪酸塩(スルホ-sMPB)、N-(γ-マレイミドブチルオキシ)スクシンイミドエステル(GMBs)、N-(γ-マレイミドブチルオキシ)スルホスクシンイミドエステル(スルホ-GMBs)、スクシンイミジル6-((ヨードアセチル)アミノ)ヘキサン酸塩(sIAX)、スクシンイミジル6-[6-((ヨードアセチル)アミノ)ヘキサノイル)アミノ]ヘキサン酸塩(sIAXX)、スクシンイミジル-4-((ヨードアセチル)アミノ)メチル)シクロヘキサン-1-カルボン酸塩(sIAC)、スクシンイミジル6-(((((4-ヨードアセチル)アミノ)メチル)シクロヘキサン-1-カルボニル)アミノ)ヘキサン酸塩(sIACX)、p-ニトロフェニルヨード酢酸(NPIA)、カルボニル反応性及びスルフヒドリル反応性の架橋剤、例えば、4-(4-N-マレイミドフェニル)酪酸ヒドラジド(MPBH)、4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシル-ヒドラジド-8(M2C2H)、3-(2-ピリジルジチオ)プロピオニルヒドラジド(PDPH)、N-ヒドロキシスクシンイミジル-4-アジドサリチル酸(NH-AsA)、N-ヒドロキシスルホスクシンイミジル-4-アジドサリチル酸(スルホ-NH-AsA)、スルホスクシンイミジル-(4-アジドサリチルアミド)ヘキサン酸塩(スルホ-NH-LC-AsA)、スルホスクシンイミジル-2-(ρ-アジドサリチルアミド)エチル-1,3’-ジチオプロピオン酸塩(sAsD)、N-ヒドロキシスクシンイミジル-4-アジド安息香酸塩(HsAB)、N-ヒドロキシスルホスクシンイミジル-4-アジド安息香酸塩(スルホ-HsAB)、N-スクシンイミジル-6-(4’-アジド-2’-ニトロフェニルアミノ)ヘキサン酸塩(sANPAH)、スルホスクシンイミジル-6-(4’-アジド-2’-ニトロフェニルアミノ)ヘキサン酸塩(スルホ-sANPAH)、N-5-アジド-2-ニトロベンゾイルオキシスクシンイミド(ANB-NOs)、スルホスクシンイミジル-2-(m-アジド-o-ニトロベンズアミド)-エチル-1,3’-ジチオプロピオン酸塩(sAND)、N-スクシンイミジル-4(4-アジドフェニル)1,3’-ジチオプロピオン酸塩(sADP)、N-スルホスクシンイミジル(4-アジドフェニル)-1,3’-ジチオプロピオン酸塩(スルホ-sADP)、スルホスクシンイミジル
4-(ρ-アジドフェニル)酪酸塩(スルホ-sAPB)、スルホスクシンイミジル 2-(7-アジド-4-メチルクマリン-3-アセトアミド)エチル-1,3’-ジチオプロピオン酸塩(sAED)、スルホスクシンイミジル 7-アジド-4-メチルクマリン-3-酢酸塩(スルホ-sAMCA)、ρ-ニトロフェニルジアゾピルバート(ρNPDP)、ρ-ニトロフェニル-2-ジアゾ-3,3,3-トリフルオロプロピオン酸塩(PNP-DTP)、1-(ρ-アジドサリチルアミド)-4-(ヨードアセトアミド)ブタン(AsIB)、N-[4-(ρ-アジドサリチルアミド)ブチル]-3’-(2’-ピリジルジチオ)プロピオンアミド(APDP)、ベンゾフェノン-4-ヨードアセトアミド、ρ-アジドベンゾイルヒドラジド(ABH)、4-(ρ-アジドサリチルアミド)ブチルアミン(AsBA)、あるいはρ-アジドフェニルグリオキサール(APG)を含
む。幾つかの実施形態において、リンカーは、ジペプチドリンカーを随意に含む切断リンカーを含む。幾つかの実施形態において、ジペプチドリンカーは、Val-Cit、Phe-Lys、Val-Ala、あるいはVal-Lysを含む。幾つかの実施形態において、リンカーは非切断可能なリンカーを含む。幾つかの実施形態において、リンカーは、マレイミドカプロイル(mc)、スクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシラート(sMCC)、あるいはスルホスクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシラート(スルホ-sMCC)を随意に含む、マレイミドメチル基を含む。幾つかの実施形態において、リンカーはさらにスペーサーを含む。幾つかの実施形態において、スペーサーは、p-アミノベンジルアルコール(PAB)、p-アミノベンジルオキシカルボニル(PABC)、誘導体、又はそれらのアナログを含む。幾つかの実施形態において、抱合部分は、IL-2抱合体の血清半減期を延長させることができる。幾つかの実施形態において、追加の抱合部分は、IL-2抱合体の血清半減期を延長させることができる。
【0007】
幾つかの実施形態では、単離及び修飾されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドが本明細書に開示され、これは、修飾されたIL-2ポリペプチドとインターロイキン2受容体α(IL-2Rα)との間の結合を減少させるが、IL-2/IL-2Rβγ複合体を形成するためにインターロイキン2βγ受容体(IL-2Rβγ)シグナル伝達複合体との結合を著しく損なわない、ポリペプチド上のある位置の少なくとも1つの非天然アミノ酸を含み、ここで、IL-2Rαへの結合の減少は、野生型のIL-2ポリペプチドとIL-2Rαとの間の結合と比較される。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの非天然アミノ酸の位置は、K35、T37、R38、T41、F42、K43、F44、Y45、E60、E61、E62、K64、P65、E68、V69、N71、L72、M104、C105、及びY107から選択され、ここで、残基位置は、SEQ ID NO:1に記載される位置35、37、38、41、42、43、44、45、61、62、64、65、68、69、71、72、104、105、及び107に対応する。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの非天然アミノ酸の位置は、T37、R38、T41、F42、K43、F44、Y45、E61、E62、P65、E68、及びL72から選択され、ここで、残基位置は、SEQ ID NO:1に記載される位置37、38、41、42、43、44、45、61、62、65、68、及び72に対応する。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの非天然アミノ酸の位置は、K35、K64、V69、N71、M104、C105、及びY107から選択され、ここで、残基位置は、SEQ ID NO:1に記載される位置35、64、69、71、104、105、及び107に対応する。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの非天然アミノ酸の位置は、T37、R38、T41、Y45、E61、E68、及びL72から選択され、ここで、残基位置は、SEQ ID NO:1に記載される位置37、38、41、45、61、68、及び72に対応する。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの非天然アミノ酸の位置は、F42、K43、F44、E62、及びP65から選択され、ここで、残基位置は、SEQ ID NO:1に記載される位置42、43、44、62、及び65に対応する。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの非天然アミノ酸は:リジンアナログであり;芳香族側鎖を含み;アジド基を含み;あるいは、アルデヒド又はケトン基を含む。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの非天然アミノ酸は芳香族側鎖を含まない。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの非天然アミノ酸は、N6-アジドエトキシ-L-リジン(AzK)、N6-プロパルギルエトキシ-L-リジン(PraK)、BCN-L-リジン、ノルボルネンリジン、TCOリジン、メチルテトラジンリジン、アリルオキシカルボニルリジン、2-アミノ-8-オキソノナン酸、2-アミノ-8-オキソオクタン酸、p-アセチル-L-フェニルアラニン、p-アジドメチル-L-フェニルアラニン(pAMF)、p-ヨード-L-フェニルアラニン、m-アセチルフェニルアラニン、2-アミノ-8-オキソノナン酸、p-プロパギルオキシフェニルアラニン、p-プロパルギル-フェニルアラニン、3-メチル-フェニルアラニン、
L-ドパ、フッ素処理したフェニルアラニン、イソプロピル-L-フェニルアラニン、p-アジド-L-フェニルアラニン、p-アシル-L-フェニルアラニン、p-ベンゾイル-L-フェニルアラニン、p-ブロモフェニルアラニン、p-アミノ-L-フェニルアラニン、イソプロピル-L-フェニルアラニン、O-アリルチロシン、O-メチル-L-チロシン、O-4-アリル-L-チロシン、4-プロピル-L-チロシン、ホスホノチロシン、トリ-O-アセチル-GlcNAcp-セリン、L-ホスホセリン、ホスホノセリン、L-3-(2-ナフチル)アラニン、2-アミノ-3-((2-((3-(ベンジルオキシ)-3-オキソプロピル)アミノ)エチル)セラニル)プロパン酸、2-アミノ-3-(フェニルセラニル)プロパン、又は、セレノシステインを含む。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの非天然アミノ酸は、直交tRNA合成酵素/tRNA対によって、修飾されたIL-2ポリペプチドに組み込まれる。幾つかの実施形態において、直交合成酵素/tRNA対の直交のtRNAは、少なくとも1つの非天然核酸塩基を含む。幾つかの実施形態において、修飾されたIL-2ポリペプチドは、少なくとも1つの非天然アミノ酸を介して抱合部分に共有結合される。幾つかの実施形態において、抱合部分は水溶性ポリマー、脂質、タンパク質、あるいはペプチドを含む。幾つかの実施形態において、水溶性ポリマーは、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(プロピレングリコール)(PPG)、エチレングリコールとプロピレングリコールのコポリマー、ポリ(オキシエチル化ポリオール)、ポリ(オレフィンアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリルアミド)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリラート)、ポリ(サッカライド)、ポリ(α-ヒドロキシ酸)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリホスファゼン、ポリオキサゾリン(POZ)、ポリ(N-アクリロイルモルホリン)、あるいはこれらの組み合わせを含む。幾つかの実施形態において、水溶性ポリマーはPEG分子を含む。幾つかの実施形態では、PEG分子は線形PEGである。幾つかの実施形態では、PEG分子は分岐PEGである。幾つかの実施形態において、水溶性ポリマーは多糖類を含む。幾つかの実施形態において、多糖類はデキストラン、ポリシアル酸(PSA)、ヒアルロン酸(HA)、アミロース、ヘパリン、ヘパラン硫酸(HS)、デキストリン、あるいはヒドロキシエチルデンプン(HES)を含む。幾つかの実施形態では、脂質は脂肪酸を含む。幾つかの実施形態において、脂肪酸は、約6から約26の炭素原子、約6から約24の炭素原子、約6から約22の炭素原子、約6から約20の炭素原子、約6から約18の炭素原子、約20から約26の炭素原子、約12から約26の炭素原子、約12から約24の炭素原子、約12から約22の炭素原子、約12から約20の炭素原子、あるいは、約12から約18の炭素原子を含む。幾つかの実施形態では、脂肪酸は飽和脂肪酸である。幾つかの実施形態において、タンパク質は、アルブミン、トランスフェリン、あるいはトランスサイレチンを含む。幾つかの実施形態では、タンパク質はTLRアゴニストを含む。幾つかの実施形態では、タンパク質は、抗体又はその結合フラグメントを含む。幾つかの実施形態において、抗体あるいはその結合フラグメントは、抗体のFc部分を含む。幾つかの実施形態において、ペプチドは、XTENペプチド、グリシンに富んだホモアミノ酸ポリマー(HAP)、PASポリペプチド、エラスチン様ポリペプチド(ELP)、CTPペプチド、あるいはゼラチン様タンパク質(GLK)ポリマーを含む。幾つかの実施形態において、抱合部分は、リンカーを介して修飾されたIL-2の少なくとも1つの非天然アミノ酸に間接的に結合する。幾つかの実施形態において、リンカーは、ホモ二機能性リンカー、ヘテロ二機能性リンカー、ゼロ長リンカー、切断あるいは非切断ジペプチドリンカー、マレイミド基、スペーサー、あるいはこれらの組み合わせを含む。幾つかの実施形態において、結合親和性の減少は、野生型IL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rαに対する結合親和性の約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、あるいは99%の減少である。幾つかの実施形態において、結合親和性の減少は、野生型のIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rαに対して、約1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、あるいはそれ以上である。幾つかの実施形態において、修飾されたIL-2ポリペプチドは:完全長のIL-2ポリペプチドの機能的に活性なフラグメント;組み換えIL-
2ポリペプチド;あるいは、組み換えヒトIL-2ポリペプチドである。幾つかの実施形態において、修飾されたIL-2ポリペプチドは、N末端基欠失、C末端欠失、あるいはこれらの組み合わせを含む。幾つかの実施形態において、N末端基欠失は、N末端から最初の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、あるいは30の残基の欠失を含み、ここで、残基位置は、SEQ ID NO:1の位置を基準にしている。幾つかの実施形態において、C末端欠失は、C末端から最後の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、あるいはそれ以上の残基の欠失を含み、ここで、残基位置は、SEQ ID NO:1の位置を基準にしている。幾つかの実施形態において、機能的に活性なフラグメントは、IL-2領域10-133、20-133、30-133、10-130、20-130、30-130、10-125、20-125、30-125、1-130、あるいは1-125を含み、ここで、残基位置は、SEQ ID NO:1の位置を基準にしている。幾つかの実施形態では、修飾されたIL-2ポリペプチドは、SEQ ID NO:1に対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、あるいは99%の配列同一性を含む。幾つかの実施形態において、IL-2Rαに対する結合親和性が減少した修飾IL-2ポリペプチドは、CD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブ及び記憶細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、ナチュラルキラーT(NKT)細胞集団、あるいはこれらの組み合わせを拡張することができる。幾つかの実施形態において、抱合部分は、IL-2のIL-2Rαとの結合を損なうか、妨害する。幾つかの実施形態において、修飾されたIL-2ポリペプチドによる、IL-2Rβγ複合体を介する、CD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブ及び記憶細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、あるいは、ナチュラルキラーT(NKT)細胞集団の活性化は、野生型のIL-2ポリペプチドによる上記細胞集団の活性化と著しく異なるわけではなく、修飾されたIL-2ポリペプチドの効能は、野生型のIL-2ポリペプチドの効能より少なくとも1倍高い。幾つかの実施形態において、上記アクチベーターが上記細胞集団に接している場合、修飾IL-2ポリペプチドは、20%、15%、10%、5%、1%、あるいは0.1%未満、CD4+T制御性(Treg)細胞を拡張する。幾つかの実施形態において、修飾IL-2ポリペプチドは、上記細胞集団中のTreg細胞を拡張しない。
【0008】
幾つかの実施形態では、単離及び修飾されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドが本明細書に開示され、これは、修飾されたIL-2ポリペプチドとインターロイキン2受容体α(IL-2Rα)との間の結合を減少させるが、IL-2/IL-2Rβγ複合体を形成するためにインターロイキン2βγ受容体(IL-2Rβγ)シグナル伝達複合体との有意な結合を維持する、ポリペプチド上のある位置の少なくとも1つの非天然アミノ酸を含み、ここで、IL-2Rαへの結合の減少は、野生型のIL-2ポリペプチドとIL-2Rαとの間の結合と比較される。幾つかの実施形態において、受容体シグナル伝達能力の差は、5倍未満、4倍未満、3倍未満、2倍未満、あるいは1倍未満である。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの非天然アミノ酸の位置は、K35、T37、R38、T41、F42、K43、F44、Y45、E60、E61、E62、K64、P65、E68、V69、N71、L72、M104、C105、及びY107から選択され、ここで、残基位置は、SEQ ID NO:1に記載される位置35、37、38、41、42、43、44、45、61、62、64、65、68、69、71、72、104、105、及び107に対応する。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの非天然アミノ酸の位置は、T37、R38、T41、F42、K43、F44、Y45、E61、E62、P65、E68、及びL72から選択され、ここで、残基位置は、SEQ ID NO:1に記載される位置37、38、41、42、43、44、45、61、62、65、68、及び72に対応する。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの非天然アミノ酸の位置は、K35、K64、V69、N71、M104、C105、及びY107から選択され、ここで、残基位置は、SEQ ID NO:1に記載され
る位置35、64、69、71、104、105、及び107に対応する。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの非天然アミノ酸の位置は、T37、R38、T41、Y45、E61、E68、及びL72から選択され、ここで、残基位置は、SEQ ID NO:1に記載される位置37、38、41、45、61、68、及び72に対応する。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの非天然アミノ酸の位置は、F42、K43、F44、E62、及びP65から選択され、ここで、残基位置は、SEQ ID NO:1に記載される位置42、43、44、62、及び65に対応する。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの非天然アミノ酸は:リジンアナログであり;芳香族側鎖を含み;アジド基を含み;アルキン基を含み;あるいは、アルデヒド又はケトン基を含む。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの非天然アミノ酸は芳香族側鎖を含まない。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの非天然アミノ酸は、N6-アジドエトキシ-L-リジン(AzK)、N6-プロパルギルエトキシ-L-リジン(PraK)、BCN-L-リジン、ノルボルネンリジン、TCOリジン、メチルテトラジンリジン、アリルオキシカルボニルリジン、2-アミノ-8-オキソノナン酸、2-アミノ-8-オキソオクタン酸、p-アセチル-L-フェニルアラニン、p-アジドメチル-L-フェニルアラニン(pAMF)、p-ヨード-L-フェニルアラニン、m-アセチルフェニルアラニン、2-アミノ-8-オキソノナン酸、p-プロパギルオキシフェニルアラニン、p-プロパルギル-フェニルアラニン、3-メチル-フェニルアラニン、L-ドパ、フッ素処理したフェニルアラニン、イソプロピル-L-フェニルアラニン、p-アジド-L-フェニルアラニン、p-アシル-L-フェニルアラニン、p-ベンゾイル-L-フェニルアラニン、p-ブロモフェニルアラニン、p-アミノ-L-フェニルアラニン、イソプロピル-L-フェニルアラニン、O-アリルチロシン、O-メチル-L-チロシン、O-4-アリル-L-チロシン、4-プロピル-L-チロシン、ホスホノチロシン、トリ-O-アセチル-GlcNAcp-セリン、L-ホスホセリン、ホスホノセリン、L-3-(2-ナフチル)アラニン、2-アミノ-3-((2-((3-(ベンジルオキシ)-3-オキソプロピル)アミノ)エチル)セラニル)プロパン酸、2-アミノ-3-(フェニルセラニル)プロパン、又は、セレノシステインを含む。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの非天然アミノ酸は、直交tRNA合成酵素/tRNA対によって、修飾されたIL-2ポリペプチドに組み込まれる。幾つかの実施形態において、直交合成酵素/tRNA対の直交のtRNAは、少なくとも1つの非天然核酸塩基を含む。幾つかの実施形態において、修飾されたIL-2ポリペプチドは、少なくとも1つの非天然アミノ酸を介して抱合部分に共有結合される。幾つかの実施形態において、抱合部分は水溶性ポリマー、脂質、タンパク質、あるいはペプチドを含む。幾つかの実施形態において、水溶性ポリマーは、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(プロピレングリコール)(PPG)、エチレングリコールとプロピレングリコールのコポリマー、ポリ(オキシエチル化ポリオール)、ポリ(オレフィンアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリルアミド)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリラート)、ポリ(サッカライド)、ポリ(α-ヒドロキシ酸)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリホスファゼン、ポリオキサゾリン(POZ)、ポリ(N-アクリロイルモルホリン)、あるいはこれらの組み合わせを含む。幾つかの実施形態において、水溶性ポリマーはPEG分子を含む。幾つかの実施形態では、PEG分子は線形PEGである。幾つかの実施形態では、PEG分子は分岐PEGである。幾つかの実施形態において、水溶性ポリマーは多糖類を含む。幾つかの実施形態において、多糖類はデキストラン、ポリシアル酸(PSA)、ヒアルロン酸(HA)、アミロース、ヘパリン、ヘパラン硫酸(HS)、デキストリン、あるいはヒドロキシエチルデンプン(HES)を含む。幾つかの実施形態では、脂質は脂肪酸を含む。幾つかの実施形態において、脂肪酸は、約6から約26の炭素原子、約6から約24の炭素原子、約6から約22の炭素原子、約6から約20の炭素原子、約6から約18の炭素原子、約20から約26の炭素原子、約12から約26の炭素原子、約12から約24の炭素原子、約12から約22の炭素原子、約12から約20の炭素原子、あるいは、約12から約18の炭素原子を含む。幾つかの実施形態では、脂肪酸は飽和脂肪酸である。幾つかの
実施形態において、タンパク質は、アルブミン、トランスフェリン、あるいはトランスサイレチンを含む。幾つかの実施形態では、抱合部分はTLRアゴニストを含む。幾つかの実施形態では、タンパク質は、抗体又はその結合フラグメントを含む。幾つかの実施形態において、抗体あるいはその結合フラグメントは、抗体のFc部分を含む。幾つかの実施形態において、ペプチドは、XTENペプチド、グリシンに富んだホモアミノ酸ポリマー(HAP)、PASポリペプチド、エラスチン様ポリペプチド(ELP)、CTPペプチド、あるいはゼラチン様タンパク質(GLK)ポリマーを含む。幾つかの実施形態において、抱合部分は、リンカーを介して修飾されたIL-2の少なくとも1つの非天然アミノ酸に間接的に結合する。幾つかの実施形態において、リンカーは、ホモ二機能性リンカー、ヘテロ二機能性リンカー、ゼロ長リンカー、切断あるいは非切断ジペプチドリンカー、マレイミド基、スペーサー、あるいはこれらの組み合わせを含む。幾つかの実施形態において、結合親和性の減少は、野生型IL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rαに対する結合親和性の約30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、あるいは100%の減少である。幾つかの実施形態において、結合親和性の減少は、野生型のIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rαに対して、約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8、9倍、10倍、あるいはそれ以上である。幾つかの実施形態において、修飾されたIL-2ポリペプチドは:完全長のIL-2ポリペプチドの機能的に活性なフラグメント;組み換えIL-2ポリペプチド;あるいは、組み換えヒトIL-2ポリペプチドである。幾つかの実施形態において、修飾されたIL-2ポリペプチドは、N末端基欠失、C末端欠失、あるいはこれらの組み合わせを含む。幾つかの実施形態において、N末端基欠失は、N末端から最初の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、あるいは30の残基の欠失を含み、ここで、残基位置は、SEQ ID NO:1の位置を基準にしている。幾つかの実施形態において、C末端欠失は、C末端から最後の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、あるいはそれ以上の残基の欠失を含み、ここで、残基位置は、SEQ ID NO:1の位置を基準にしている。幾つかの実施形態において、機能的に活性なフラグメントは、IL-2領域10-133、20-133、30-133、10-130、20-130、30-130、10-125、20-125、30-125、1-130、あるいは1-125を含み、ここで、残基位置は、SEQ ID
NO:1の位置を基準にしている。幾つかの実施形態では、修飾されたIL-2ポリペプチドは、SEQ ID NO:1に対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、あるいは99%の配列同一性を含む。幾つかの実施形態において、IL-2Rαに対する結合親和性が減少した修飾IL-2ポリペプチドは、CD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブ及び記憶細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、ナチュラルキラーT(NKT)細胞集団、あるいはこれらの組み合わせを拡張することができる。幾つかの実施形態において、抱合部分あるいは非天然アミノ酸は、IL-2のIL-2Rαとの結合を損なうか、妨害する。幾つかの実施形態において、修飾されたIL-2ポリペプチドによる、IL-2Rβγ複合体を介する、CD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブ及び記憶細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、あるいは、ナチュラルキラーT(NKT)細胞集団の活性化は、野生型のIL-2ポリペプチドと比較して、上記細胞集団の活性化の有意な効力を維持する。幾つかの実施形態において、IL-2Rβγ複合体に対する修飾されたIL-2ポリペプチドの受容体シグナル伝達能力は、IL-2Rβγ複合体に対する野生型のIL-2ポリペプチドの受容体シグナル伝達能力よりも高い。幾つかの実施形態において、IL-2Rβγ複合体に対する修飾されたIL-2ポリペプチドの受容体シグナル伝達能力は、IL-2Rβγ複合体に対する野生型のIL-2ポリペプチドの受容体シグナル伝達能力よりも低い。幾つかの実施形態において、修飾されたIL-2ポリペプチドは、IL-2Rβγに対する第1の受容体シグナル伝達能力と、IL-2Rαβγに対する第2の受容体シグナル伝達能力を示し、ここで、第1の受容体シグナル伝達能力は、第2の受容体シグナル伝達能力よりも、少なくとも1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、20倍、3
0倍、50倍、100倍、500倍、あるいはそれ以上高い。幾つかの実施形態において、修飾されたIL-2ポリペプチドの第1の受容体シグナル伝達能力は、IL-2Rβγに対する野生型のIL-2ポリペプチドの受容体シグナル伝達能力よりも高く、修飾されたIL-2ポリペプチドの第2の受容体シグナル伝達能力は、IL-2Rβγに対する野生型のIL-2ポリペプチドの受容体シグナル伝達能力よりも低い。幾つかの実施形態において、修飾されたIL-2ポリペプチドの第1の受容体シグナル伝達能力は、野生型のIL-2ポリペプチドの受容体シグナル伝達能力よりも少なくとも1倍低い。
【0009】
ある実施形態において、少なくとも1つの非天然アミノ酸を含む、単離及び修飾されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドが本明細書で開示され、単離及び修飾されたIL-2ポリペプチドは、IL-2βγシグナル伝達複合体に対する第1の受容体シグナル伝達能力と、IL-2αβγシグナル伝達複合体に対する第2の受容体シグナル伝達能力を示し、第1の受容体シグナル伝達能力と第2の受容体シグナル伝達能力との間の差は、10倍未満である。幾つかの実施形態において、受容体シグナル伝達能力の差は、5倍未満、4倍未満、3倍未満、2倍未満、あるいは1倍未満である。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの非天然アミノ酸の位置は、K35、T37、R38、T41、F42、K43、F44、Y45、E60、E61、E62、K64、P65、E68、V69、N71、L72、M104、C105、及びY107から選択され、ここで、残基位置は、SEQ ID NO:1に記載される位置35、37、38、41、42、43、44、45、61、62、64、65、68、69、71、72、104、105、及び107に対応する。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの非天然アミノ酸の位置は、T37、R38、T41、F42、K43、F44、Y45、E61、E62、P65、E68、及びL72から選択され、ここで、残基位置は、SEQ ID NO:1に記載される位置37、38、41、42、43、44、45、61、62、65、68、及び72に対応する。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの非天然アミノ酸の位置は、K35、K64、V69、N71、M104、C105、及びY107から選択され、ここで、残基位置は、SEQ ID NO:1に記載される位置35、64、69、71、104、105、及び107に対応する。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの非天然アミノ酸の位置は、T37、R38、T41、Y45、E61、E68、及びL72から選択され、ここで、残基位置は、SEQ ID NO:1に記載される位置37、38、41、45、61、68、及び72に対応する。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの非天然アミノ酸の位置は、F42、K43、F44、E62、及びP65から選択され、ここで、残基位置は、SEQ ID NO:1に記載される位置42、43、44、62、及び65に対応する。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの非天然アミノ酸は:リジンアナログであり;芳香族側鎖を含み;アジド基を含み;アルキン基を含み;あるいは、アルデヒド又はケトン基を含む。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの非天然アミノ酸は芳香族側鎖を含まない。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの非天然アミノ酸は、N6-アジドエトキシ-L-リジン(AzK)、N6-プロパルギルエトキシ-L-リジン(PraK)、BCN-L-リジン、ノルボルネンリジン、TCOリジン、メチルテトラジンリジン、アリルオキシカルボニルリジン、2-アミノ-8-オキソノナン酸、2-アミノ-8-オキソオクタン酸、p-アセチル-L-フェニルアラニン、p-アジドメチル-L-フェニルアラニン(pAMF)、p-ヨード-L-フェニルアラニン、m-アセチルフェニルアラニン、2-アミノ-8-オキソノナン酸、p-プロパギルオキシフェニルアラニン、p-プロパルギル-フェニルアラニン、3-メチル-フェニルアラニン、L-ドパ、フッ素処理したフェニルアラニン、イソプロピル-L-フェニルアラニン、p-アジド-L-フェニルアラニン、p-アシル-L-フェニルアラニン、p-ベンゾイル-L-フェニルアラニン、p-ブロモフェニルアラニン、p-アミノ-L-フェニルアラニン、イソプロピル-L-フェニルアラニン、O-アリルチロシン、O-メチル-L-チロシン、O-4-アリル-L-チロシン、4-プロピル-L-チロシン、ホスホノチロシン、トリ-O-アセチル-GlcNAcp-セリ
ン、L-ホスホセリン、ホスホノセリン、L-3-(2-ナフチル)アラニン、2-アミノ-3-((2-((3-(ベンジルオキシ)-3-オキソプロピル)アミノ)エチル)セラニル)プロパン酸、2-アミノ-3-(フェニルセラニル)プロパン、又は、セレノシステインを含む。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの非天然アミノ酸は、直交tRNA合成酵素/tRNA対によって、修飾されたIL-2ポリペプチドに組み込まれる。幾つかの実施形態において、直交合成酵素/tRNA対の直交のtRNAは、少なくとも1つの非天然核酸塩基を含む。幾つかの実施形態において、修飾されたIL-2ポリペプチドは、少なくとも1つの非天然アミノ酸を介して抱合部分に共有結合される。幾つかの実施形態において、抱合部分は水溶性ポリマー、脂質、タンパク質、あるいはペプチドを含む。幾つかの実施形態において、水溶性ポリマーは、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(プロピレングリコール)(PPG)、エチレングリコールとプロピレングリコールのコポリマー、ポリ(オキシエチル化ポリオール)、ポリ(オレフィンアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリルアミド)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリラート)、ポリ(サッカライド)、ポリ(α-ヒドロキシ酸)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリホスファゼン、ポリオキサゾリン(POZ)、ポリ(N-アクリロイルモルホリン)、あるいはこれらの組み合わせを含む。幾つかの実施形態において、水溶性ポリマーはPEG分子を含む。幾つかの実施形態では、PEG分子は線形PEGである。幾つかの実施形態では、PEG分子は分岐PEGである。幾つかの実施形態において、水溶性ポリマーは多糖類を含む。幾つかの実施形態において、多糖類はデキストラン、ポリシアル酸(PSA)、ヒアルロン酸(HA)、アミロース、ヘパリン、ヘパラン硫酸(HS)、デキストリン、あるいはヒドロキシエチルデンプン(HES)を含む。幾つかの実施形態では、脂質は脂肪酸を含む。幾つかの実施形態において、脂肪酸は、約6から約26の炭素原子、約6から約24の炭素原子、約6から約22の炭素原子、約6から約20の炭素原子、約6から約18の炭素原子、約20から約26の炭素原子、約12から約26の炭素原子、約12から約24の炭素原子、約12から約22の炭素原子、約12から約20の炭素原子、あるいは、約12から約18の炭素原子を含む。幾つかの実施形態では、脂肪酸は飽和脂肪酸である。幾つかの実施形態において、タンパク質は、アルブミン、トランスフェリン、あるいはトランスサイレチンを含む。幾つかの実施形態では、抱合部分はTLRアゴニストを含む。幾つかの実施形態では、タンパク質は、抗体又はその結合フラグメントを含む。幾つかの実施形態において、抗体あるいはその結合フラグメントは、抗体のFc部分を含む。幾つかの実施形態において、ペプチドは、XTENペプチド、グリシンに富んだホモアミノ酸ポリマー(HAP)、PASポリペプチド、エラスチン様ポリペプチド(ELP)、CTPペプチド、あるいはゼラチン様タンパク質(GLK)ポリマーを含む。幾つかの実施形態において、抱合部分は、リンカーを介して修飾されたIL-2の少なくとも1つの非天然アミノ酸に間接的に結合する。幾つかの実施形態において、リンカーは、ホモ二機能性リンカー、ヘテロ二機能性リンカー、ゼロ長リンカー、切断あるいは非切断ジペプチドリンカー、マレイミド基、スペーサー、あるいはこれらの組み合わせを含む。幾つかの実施形態において、結合親和性の減少は、野生型IL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rαに対する結合親和性の約30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、あるいは100%の減少である。幾つかの実施形態において、結合親和性の減少は、野生型のIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rαに対して、約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8、9倍、10倍、あるいはそれ以上である。幾つかの実施形態において、修飾されたIL-2ポリペプチドは:完全長のIL-2ポリペプチドの機能的に活性なフラグメント;組み換えIL-2ポリペプチド;あるいは、組み換えヒトIL-2ポリペプチドである。幾つかの実施形態において、修飾されたIL-2ポリペプチドは、N末端基欠失、C末端欠失、あるいはこれらの組み合わせを含む。幾つかの実施形態において、N末端基欠失は、N末端から最初の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、あるいは30の残基の欠失を含み、ここで、残基位置は、SEQ
ID NO:1の位置を基準にしている。幾つかの実施形態において、C末端欠失は、
C末端から最後の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、あるいはそれ以上の残基の欠失を含み、ここで、残基位置は、SEQ ID NO:1の位置を基準にしている。幾つかの実施形態において、機能的に活性なフラグメントは、IL-2領域10-133、20-133、30-133、10-130、20-130、30-130、10-125、20-125、30-125、1-130、あるいは1-125を含み、ここで、残基位置は、SEQ ID NO:1の位置を基準にしている。幾つかの実施形態では、修飾されたIL-2ポリペプチドは、SEQ ID NO:1に対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、あるいは99%の配列同一性を含む。幾つかの実施形態において、IL-2Rαに対する結合親和性が減少した修飾IL-2ポリペプチドは、CD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブ及び記憶細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、ナチュラルキラーT(NKT)細胞集団、あるいはこれらの組み合わせを拡張することができる。幾つかの実施形態において、抱合部分あるいは非天然アミノ酸は、IL-2のIL-2Rαとの結合を損なうか、妨害する。幾つかの実施形態において、修飾されたIL-2ポリペプチドによる、IL-2Rβγ複合体を介する、CD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブ及び記憶細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、あるいは、ナチュラルキラーT(NKT)細胞集団の活性化は、野生型のIL-2ポリペプチドと比較して、上記細胞集団の活性化の有意な効力を維持する。幾つかの実施形態において、IL-2Rβγ複合体に対する修飾されたIL-2ポリペプチドの受容体シグナル伝達能力は、IL-2Rβγ複合体に対する野生型のIL-2ポリペプチドの受容体シグナル伝達能力よりも高い。幾つかの実施形態において、IL-2Rβγ複合体に対する修飾されたIL-2ポリペプチドの受容体シグナル伝達能力は、IL-2Rβγ複合体に対する野生型のIL-2ポリペプチドの受容体シグナル伝達能力よりも低い。幾つかの実施形態において、修飾されたIL-2ポリペプチドは、IL-2Rβγに対する第1の受容体シグナル伝達能力と、IL-2Rαβγに対する第2の受容体シグナル伝達能力を示し、ここで、第1の受容体シグナル伝達能力は、第2の受容体シグナル伝達能力よりも、少なくとも1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、20倍、30倍、50倍、100倍、500倍、あるいはそれ以上高い。幾つかの実施形態において、修飾されたIL-2ポリペプチドの第1の受容体シグナル伝達能力は、IL-2Rβγに対する野生型のIL-2ポリペプチドの受容体シグナル伝達能力よりも高く、修飾されたIL-2ポリペプチドの第2の受容体シグナル伝達能力は、IL-2Rβγに対する野生型のIL-2ポリペプチドの受容体シグナル伝達能力よりも低い。幾つかの実施形態において、修飾されたIL-2ポリペプチドの第1の受容体シグナル伝達能力は、野生型のIL-2ポリペプチドの受容体シグナル伝達能力よりも少なくとも1倍低い。
【0010】
ある実施形態において、少なくとも1つの非天然アミノ酸を含む、単離及び修飾されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドが本明細書で開示され、単離及び修飾されたIL-2ポリペプチドは、IL-2βγシグナル伝達複合体の活性化に対する第1のEC50値と、IL-2αβγシグナル伝達複合体の活性化に対する第2のEC50値を提供し、第1のEC50値と第2のEC50値との間の差は、10倍未満である。幾つかの実施形態において、シグナル伝達能力の差は、5倍未満、4倍未満、3倍未満、2倍未満、あるいは1倍未満である。幾つかの実施形態において、受容体シグナル伝達能力の差は、5倍未満、4倍未満、3倍未満、2倍未満、あるいは1倍未満である。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの非天然アミノ酸の位置は、K35、T37、R38、T41、F42、K43、F44、Y45、E60、E61、E62、K64、P65、E68、V69、N71、L72、M104、C105、及びY107から選択され、ここで、残基位置は、SEQ ID NO:1に記載される位置35、37、38、41、42、43、44、45、61、62、64、65、68、69、71、72、104、105、及び107に対応する。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの非天然アミノ酸の位置は、T37、R38、T41、F42、K43、F44、Y45、E61、E6
2、P65、E68、及びL72から選択され、ここで、残基位置は、SEQ ID NO:1に記載される位置37、38、41、42、43、44、45、61、62、65、68、及び72に対応する。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの非天然アミノ酸の位置は、K35、K64、V69、N71、M104、C105、及びY107から選択され、ここで、残基位置は、SEQ ID NO:1に記載される位置35、64、69、71、104、105、及び107に対応する。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの非天然アミノ酸の位置は、T37、R38、T41、Y45、E61、E68、及びL72から選択され、ここで、残基位置は、SEQ ID NO:1に記載される位置37、38、41、45、61、68、及び72に対応する。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの非天然アミノ酸の位置は、F42、K43、F44、E62、及びP65から選択され、ここで、残基位置は、SEQ ID NO:1に記載される位置42、43、44、62、及び65に対応する。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの非天然アミノ酸は:リジンアナログであり;芳香族側鎖を含み;アジド基を含み;アルキン基を含み;あるいは、アルデヒド又はケトン基を含む。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの非天然アミノ酸は芳香族側鎖を含まない。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの非天然アミノ酸は、N6-アジドエトキシ-L-リジン(AzK)、N6-プロパルギルエトキシ-L-リジン(PraK)、BCN-L-リジン、ノルボルネンリジン、TCOリジン、メチルテトラジンリジン、アリルオキシカルボニルリジン、2-アミノ-8-オキソノナン酸、2-アミノ-8-オキソオクタン酸、p-アセチル-L-フェニルアラニン、p-アジドメチル-L-フェニルアラニン(pAMF)、p-ヨード-L-フェニルアラニン、m-アセチルフェニルアラニン、2-アミノ-8-オキソノナン酸、p-プロパギルオキシフェニルアラニン、p-プロパルギル-フェニルアラニン、3-メチル-フェニルアラニン、L-ドパ、フッ素処理したフェニルアラニン、イソプロピル-L-フェニルアラニン、p-アジド-L-フェニルアラニン、p-アシル-L-フェニルアラニン、p-ベンゾイル-L-フェニルアラニン、p-ブロモフェニルアラニン、p-アミノ-L-フェニルアラニン、イソプロピル-L-フェニルアラニン、O-アリルチロシン、O-メチル-L-チロシン、O-4-アリル-L-チロシン、4-プロピル-L-チロシン、ホスホノチロシン、トリ-O-アセチル-GlcNAcp-セリン、L-ホスホセリン、ホスホノセリン、L-3-(2-ナフチル)アラニン、2-アミノ-3-((2-((3-(ベンジルオキシ)-3-オキソプロピル)アミノ)エチル)セラニル)プロパン酸、2-アミノ-3-(フェニルセラニル)プロパン、又は、セレノシステインを含む。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの非天然アミノ酸は、直交tRNA合成酵素/tRNA対によって、修飾されたIL-2ポリペプチドに組み込まれる。幾つかの実施形態において、直交合成酵素/tRNA対の直交のtRNAは、少なくとも1つの非天然核酸塩基を含む。幾つかの実施形態において、修飾されたIL-2ポリペプチドは、少なくとも1つの非天然アミノ酸を介して抱合部分に共有結合される。幾つかの実施形態において、抱合部分は水溶性ポリマー、脂質、タンパク質、あるいはペプチドを含む。幾つかの実施形態において、水溶性ポリマーは、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(プロピレングリコール)(PPG)、エチレングリコールとプロピレングリコールのコポリマー、ポリ(オキシエチル化ポリオール)、ポリ(オレフィンアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリルアミド)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリラート)、ポリ(サッカライド)、ポリ(α-ヒドロキシ酸)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリホスファゼン、ポリオキサゾリン(POZ)、ポリ(N-アクリロイルモルホリン)、あるいはこれらの組み合わせを含む。幾つかの実施形態において、水溶性ポリマーはPEG分子を含む。幾つかの実施形態では、PEG分子は線形PEGである。幾つかの実施形態では、PEG分子は分岐PEGである。幾つかの実施形態において、水溶性ポリマーは多糖類を含む。幾つかの実施形態において、多糖類はデキストラン、ポリシアル酸(PSA)、ヒアルロン酸(HA)、アミロース、ヘパリン、ヘパラン硫酸(HS)、デキストリン、あるいはヒドロキシエチルデンプン(HES)を含む。幾つかの実施形態では、脂質は脂肪酸を含む。幾つかの実施形態におい
て、脂肪酸は、約6から約26の炭素原子、約6から約24の炭素原子、約6から約22の炭素原子、約6から約20の炭素原子、約6から約18の炭素原子、約20から約26の炭素原子、約12から約26の炭素原子、約12から約24の炭素原子、約12から約22の炭素原子、約12から約20の炭素原子、あるいは、約12から約18の炭素原子を含む。幾つかの実施形態では、脂肪酸は飽和脂肪酸である。幾つかの実施形態において、タンパク質は、アルブミン、トランスフェリン、あるいはトランスサイレチンを含む。幾つかの実施形態では、抱合部分はTLRアゴニストを含む。幾つかの実施形態では、タンパク質は、抗体又はその結合フラグメントを含む。幾つかの実施形態において、抗体あるいはその結合フラグメントは、抗体のFc部分を含む。幾つかの実施形態において、ペプチドは、XTENペプチド、グリシンに富んだホモアミノ酸ポリマー(HAP)、PASポリペプチド、エラスチン様ポリペプチド(ELP)、CTPペプチド、あるいはゼラチン様タンパク質(GLK)ポリマーを含む。幾つかの実施形態において、抱合部分は、リンカーを介して修飾されたIL-2の少なくとも1つの非天然アミノ酸に間接的に結合する。幾つかの実施形態において、リンカーは、ホモ二機能性リンカー、ヘテロ二機能性リンカー、ゼロ長リンカー、切断あるいは非切断ジペプチドリンカー、マレイミド基、スペーサー、あるいはこれらの組み合わせを含む。幾つかの実施形態において、結合親和性の減少は、野生型IL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rαに対する結合親和性の約30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、あるいは100%の減少である。幾つかの実施形態において、結合親和性の減少は、野生型のIL-2ポリペプチドと比較して、IL-2Rαに対して、約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8、9倍、10倍、あるいはそれ以上である。幾つかの実施形態において、修飾されたIL-2ポリペプチドは:完全長のIL-2ポリペプチドの機能的に活性なフラグメント;組み換えIL-2ポリペプチド;あるいは、組み換えヒトIL-2ポリペプチドである。幾つかの実施形態において、修飾されたIL-2ポリペプチドは、N末端基欠失、C末端欠失、あるいはこれらの組み合わせを含む。幾つかの実施形態において、N末端基欠失は、N末端から最初の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、あるいは30の残基の欠失を含み、ここで、残基位置は、SEQ ID NO:1の位置を基準にしている。幾つかの実施形態において、C末端欠失は、C末端から最後の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、あるいはそれ以上の残基の欠失を含み、ここで、残基位置は、SEQ
ID NO:1の位置を基準にしている。幾つかの実施形態において、機能的に活性なフラグメントは、IL-2領域10-133、20-133、30-133、10-130、20-130、30-130、10-125、20-125、30-125、1-130、あるいは1-125を含み、ここで、残基位置は、SEQ ID NO:1の位置を基準にしている。幾つかの実施形態では、修飾されたIL-2ポリペプチドは、SEQ
ID NO:1に対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、あるいは99%の配列同一性を含む。幾つかの実施形態において、IL-2Rαに対する結合親和性が減少した修飾IL-2ポリペプチドは、CD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブ及び記憶細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、ナチュラルキラーT(NKT)細胞集団、あるいはこれらの組み合わせを拡張することができる。幾つかの実施形態において、抱合部分あるいは非天然アミノ酸は、IL-2のIL-2Rαとの結合を損なうか、妨害する。幾つかの実施形態において、修飾されたIL-2ポリペプチドによる、IL-2Rβγ複合体を介する、CD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブ及び記憶細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、あるいは、ナチュラルキラーT(NKT)細胞集団の活性化は、野生型のIL-2ポリペプチドと比較して、上記細胞集団の活性化の有意な効力を維持する。幾つかの実施形態において、IL-2Rβγ複合体に対する修飾されたIL-2ポリペプチドの受容体シグナル伝達能力は、IL-2Rβγ複合体に対する野生型のIL-2ポリペプチドの受容体シグナル伝達能力よりも高い。幾つかの実施形態において、IL-2Rβγ複合体に対する修飾されたIL-2ポリペプチドの受容体シグナル伝達能力は、IL-2Rβγ複合体に対する野生型のIL
-2ポリペプチドの受容体シグナル伝達能力よりも低い。幾つかの実施形態において、修飾されたIL-2ポリペプチドは、IL-2Rβγに対する第1の受容体シグナル伝達能力と、IL-2Rαβγに対する第2の受容体シグナル伝達能力を示し、ここで、第1の受容体シグナル伝達能力は、第2の受容体シグナル伝達能力よりも、少なくとも1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、20倍、30倍、50倍、100倍、500倍、あるいはそれ以上高い。幾つかの実施形態において、修飾されたIL-2ポリペプチドの第1の受容体シグナル伝達能力は、IL-2Rβγに対する野生型のIL-2ポリペプチドの受容体シグナル伝達能力よりも高く、修飾されたIL-2ポリペプチドの第2の受容体シグナル伝達能力は、IL-2Rβγに対する野生型のIL-2ポリペプチドの受容体シグナル伝達能力よりも低い。幾つかの実施形態において、修飾されたIL-2ポリペプチドの第1の受容体シグナル伝達能力は、野生型のIL-2ポリペプチドの受容体シグナル伝達能力よりも少なくとも1倍低い。
【0011】
ある実施形態において、医薬組成物が本明細書に開示され、上記医薬組成物は、上記のIL-2抱合体;及び、薬学的に許容可能な賦形剤を含む。幾つかの実施形態において、医薬組成物は非経口投与用に製剤化される。
【0012】
ある実施形態において、被験体の増殖性疾患又は疾病を処置する方法が本明細書に開示され、上記方法は、治療上有効な量の上記の単離及び修飾されたIL-2ポリペプチド、上記のIL-2抱合体、上記のIL-2Rβγ結合タンパク質、上記のCD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブ及び記憶細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、あるいはナチュラルキラーT(NKT)細胞のアクチベーター、又は上記の医薬組成物を被験体に投与する工程を含む。幾つかの実施形態では、増殖性疾患又は疾病は、癌である。幾つかの実施形態では、癌は固形腫瘍癌である。幾つかの実施形態において、固形腫瘍癌は、膀胱癌、骨癌、脳癌、乳癌、大腸癌、食道癌、眼癌、頭頚部癌、腎癌、肺癌、黒色腫、卵巣癌、膵臓癌、あるいは前立腺癌である。幾つかの実施形態では、癌は血液悪性腫瘍である。幾つかの実施形態において、血液系悪性腫瘍は、慢性リンパ性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、濾胞性リンパ腫(FL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、多発性骨髄腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、非バーキットリンパ高悪性度Bリンパ腫、原発性縦隔B細胞リンパ腫(PMBL)、免疫芽細胞性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、脾臓周辺帯リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、形質細胞腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性体腔性リンパ腫、あるいはリンパ腫様肉芽腫症である。幾つかの実施形態では、方法はさらに、追加の治療薬を投与する工程を含む。幾つかの実施形態において、単離及び修飾されたIL-2ポリペプチド、IL-2抱合体、IL-2Rβγ結合タンパク質、CD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブ及び記憶細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、あるいはナチュラルキラーT(NKT)細胞のアクチベーター、又は、医薬組成物、及び追加の治療剤は同時に投与される。幾つかの実施形態において、単離及び修飾されたIL-2ポリペプチド、IL-2抱合体、IL-2Rβγ結合タンパク質、CD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブ及び記憶細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、あるいはナチュラルキラーT(NKT)細胞のアクチベーター、又は、医薬組成物、及び追加の治療剤は順次投与される。幾つかの実施形態において、単離及び修飾されたIL-2ポリペプチド、IL-2抱合体、IL-2Rβγ結合タンパク質、CD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブ及び記憶細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、あるいはナチュラルキラーT(NKT)細胞のアクチベーター、又は、医薬組成物は、追加の治療剤の前に投与される。幾つかの実施形態において、単離及び修飾されたIL-2ポリペプチド、IL-2抱合体、IL-2Rβγ結合タンパク質、CD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブ及び記憶細胞、ナチュラルキラー(NK
)細胞、あるいはナチュラルキラーT(NKT)細胞のアクチベーター、又は、医薬組成物は、追加の治療剤の投与後に投与される。
【0013】
ある実施形態では、CD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブ及び記憶細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、あるいはナチュラルキラーT(NKT)細胞集団を拡張する方法が本明細書に開示され、上記方法は:IL-2Rβγで複合体の形成を誘発するのに十分な時間、治療上有効な上記の単離及び修飾されたIL-2ポリペプチド、上記のIL-2抱合体、上記のIL-2Rβγ結合タンパク質、CD4+ヘルパー細胞のアクチベーター、CD8+エフェクターナイーブ及び記憶細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、あるいは上記のナチュラルキラーT(NKT)細胞、又は上記の医薬組成物に、細胞集団を接触させる工程であって、それによって、Teff及び/又はNK細胞集団の拡張を刺激する工程を含む。幾つかの実施形態において、上記の単離及び修飾されたIL-2ポリペプチド、上記のIL-2抱合体、上記のIL-2Rβγ結合タンパク質、CD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブ及び記憶細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、あるいはナチュラルキラーT(NKT)細胞のアクチベーター、又は、上記の医薬組成物は、野生型のIL-2ポリペプチドに接触させたCD3+細胞集団中のCD4+T制御性(Treg)細胞の拡張と比較して、CD3+細胞集団において、20%、15%、10%、5%、あるいは1%未満、CD4+Treg細胞を拡張する。幾つかの実施形態において、上記の単離及び修飾されたIL-2ポリペプチド、上記のIL-2抱合体、上記のIL-2Rβγ結合タンパク質、上記のCD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブ及び記憶細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、あるいはナチュラルキラーT(NKT)細胞のアクチベーター、又は、上記の医薬組成物は、細胞集団中のCD4+Treg細胞を拡張しない。幾つかの実施形態において、上記の単離及び修飾されたIL-2ポリペプチド、上記のIL-2抱合体、上記のIL-2Rβγ結合タンパク質、上記のCD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブ及び記憶細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、あるいはナチュラルキラーT(NKT)細胞のアクチベーター、又は、上記の医薬組成物を用いたインキュベーション後の細胞集団中のTeff細胞対Treg細胞の比率は、およそあるいは少なくとも2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、20:1、50:1、あるいは100:1である。幾つかの実施形態において、方法はインビボの方法である。幾つかの実施形態において、方法はインビトロの方法である。幾つかの実施形態において、方法はエクスビボの方法である。
【0014】
ある実施形態では、CD4+ヘルパー細胞集団、CD8+エフェクターナイーブ及び記憶細胞集団、ナチュラルキラー(NK)細胞集団、あるいはナチュラルキラーT(NKT)細胞集団、あるいはこれらの組み合わせを拡張する方法が本明細書で開示され、上記方法は:(a)細胞を上記IL-2抱合体に接触させる工程;及び、(b)IL-2/IL-2Rβγ複合体を形成するために、IL-2をIL-2RβとIL-2Rγサブユニットと相互作用させる工程;ここで、IL-2抱合体はIL-2Rαサブユニットに対する減少した親和性を有し、及び、IL-2/IL-2Rβγ複合体は、CD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブ及び/又は記憶細胞、NK細胞、NKT細胞、あるいはこれらの組み合わせの拡張を刺激する。
【0015】
上記の単離及び修飾されたIL-2ポリペプチド、上記のIL-2抱合体、上記のIL-2Rβγ結合タンパク質、上記のCD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブ及び記憶細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、あるいは上記のナチュラルキラーT(NKT)細胞のアクチベーター、あるいは上記のIL-2抱合体を含む医薬組成物を含むキットが本明細書に開示される。幾つかの実施形態において、上記のIL-2ポリペプチドをコードするポリ核酸分子を含むキットも本明細書に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の新規な特徴は、とりわけ添付の特許請求の範囲において説明される。本発明の特徴及び利点のより良い理解は、本発明の原理が用いられる例示的実施形態を説明する以下の詳細な説明と、以下の添付図面とを引用することによって得られるであろう。
【
図1】典型的な非天然アミノ酸を示す。この図はYoung et al., “Beyond the canonical 20 amino acids: expanding the genetic lexicon,” J. of Biological Chemistry 285(15): 11039-11044 (2010)の
図2を変更したものである。
【
図2A】典型的な非天然アミノ酸を例証する。
図2Aは典型的なリジン誘導体を例証する。
【
図2B】典型的な非天然アミノ酸を例証する。
図2Bは典型的なフェニルアラニン誘導体を例証する。
【
図3A】典型的な非天然アミノ酸を例証する。これらの非天然アミノ酸(UAA)は、タンパク質(
図3A-UAA番号1-42;
図3B-UAA番号43-89;
図3C-UAA番号90-128;
図3D-UAA番号129-167)中で遺伝学的にコードされた。
図3A~
図3Dは、Dumas et al., Chemical Science 2015, 6, 50-69の表1から採用される。
【
図3B】典型的な非天然アミノ酸を例証する。これらの非天然アミノ酸(UAA)は、タンパク質(
図3A-UAA番号1-42;
図3B-UAA番号43-89;
図3C-UAA番号90-128;
図3D-UAA番号129-167)中で遺伝学的にコードされた。
図3A~
図3Dは、Dumas et al., Chemical Science 2015, 6, 50-69の表1から採用される。
【
図3C】典型的な非天然アミノ酸を例証する。これらの非天然アミノ酸(UAA)は、タンパク質(
図3A-UAA番号1-42;
図3B-UAA番号43-89;
図3C-UAA番号90-128;
図3D-UAA番号129-167)中で遺伝学的にコードされた。
図3A~
図3Dは、Dumas et al., Chemical Science 2015, 6, 50-69の表1から採用される。
【
図3D】典型的な非天然アミノ酸を例証する。これらの非天然アミノ酸(UAA)は、タンパク質(
図3A-UAA番号1-42;
図3B-UAA番号43-89;
図3C-UAA番号90-128;
図3D-UAA番号129-167)中で遺伝学的にコードされた。
図3A~
図3Dは、Dumas et al., Chemical Science 2015, 6, 50-69の表1から採用される。
【
図4A】P65_30kD、P65_5kD、E62_30kD、及びE62_5kD PEG抱合体の表面プラズモン共鳴(SPR)分析を示す。
図4Aは、固定されたIL-2Rαに結合するIL-2変異体のSPR分析を示す。
【
図4B】P65_30kD、P65_5kD、E62_30kD、及びE62_5kD PEG抱合体の表面プラズモン共鳴(SPR)分析を示す。
図4Bは、固定されたIL-2Rβに結合するIL-2変異体のSPR分析を示す。
【
図5A】ヒトLRS初代細胞集団におけるpSTAT5シグナル伝達に関する典型的なIL-2突然変異体用量反応曲線を示す。
図5A:ナイーブIL-2;
図5B:E62_30kD;及び、
図5C:P65_30kD。
【
図5B】ヒトLRS初代細胞集団におけるpSTAT5シグナル伝達に関する典型的なIL-2突然変異体用量反応曲線を示す。
図5A:ナイーブIL-2;
図5B:E62_30kD;及び、
図5C:P65_30kD。
【
図5C】ヒトLRS初代細胞集団におけるpSTAT5シグナル伝達に関する典型的なIL-2突然変異体用量反応曲線を示す。
図5A:ナイーブIL-2;
図5B:E62_30kD;及び、
図5C:P65_30kD。
【
図6】C57BL/6マウスに対するアルデスロイキン(IL-2)、E62_5、E62_30、及びP65_30の単回IVボーラス投与後の、平均(±SD)血漿中濃度対時間のプロファイルを示す。
【
図7】C57BL/6マウスへのP65_30あるいはアルデスロイキンの単回IV投与を用いる処置後の、末梢血におけるpSTAT5+ CD8+T細胞の割合対時間の細胞(time cells)を示す。
【
図8A】P65_30あるいはアルデスロイキン(IL-2)の単回IVボーラス投与を用いる処置後のPBMC集団中のCD8+ T細胞(
図8a)、NK細胞(
図8B)、及びCD4+ Treg細胞(
図8c)の割合を示す。血液は指定された時点に心臓穿刺を介して採取され、免疫細胞集団はフローサイトメトリーによって評価された。各データ点はそれぞれの時点の3つの複製物からの平均±SEMを表す。
【
図8B】P65_30あるいはアルデスロイキン(IL-2)の単回IVボーラス投与を用いる処置後のPBMC集団中のCD8+ T細胞(
図8a)、NK細胞(
図8B)、及びCD4+ Treg細胞(
図8c)の割合を示す。血液は指定された時点に心臓穿刺を介して採取され、免疫細胞集団はフローサイトメトリーによって評価された。各データ点はそれぞれの時点の3つの複製物からの平均±SEMを表す。
【
図8C】P65_30あるいはアルデスロイキン(IL-2)の単回IVボーラス投与を用いる処置後のPBMC集団中のCD8+ T細胞(
図8a)、NK細胞(
図8B)、及びCD4+ Treg細胞(
図8c)の割合を示す。血液は指定された時点に心臓穿刺を介して採取され、免疫細胞集団はフローサイトメトリーによって評価された。各データ点はそれぞれの時点の3つの複製物からの平均±SEMを表す。
【
図9A】P65_30あるいはアルデスロイキン(IL-2)の単回IVボーラス投与を用いる処置後のCD3+集団内の記憶CD8+CD44+ T細胞増殖の刺激におけるP65_30とIL-2(アルデスロイキン)との間の差を示す。血液は指定された時点に心臓穿刺を介して採取され、免疫細胞集団はフローサイトメトリーによって評価された。データは独立ステューデントt検定を使用して分析された。***P値<0.001に指定する。
図9Aは72、96、及び120時間時の記憶CD8+CD44+ T細胞増殖を示す。
【
図9B】P65_30あるいはアルデスロイキン(IL-2)の単回IVボーラス投与を用いる処置後のCD3+集団内の記憶CD8+CD44+ T細胞増殖の刺激におけるP65_30とIL-2(アルデスロイキン)との間の差を示す。血液は指定された時点に心臓穿刺を介して採取され、免疫細胞集団はフローサイトメトリーによって評価された。データは独立ステューデントt検定を使用して分析された。***P値<0.001に指定する。
図9Bは120時間時点のこれらの細胞のフローサイトメトリー分析を示す。
【
図10A】P65_30の単回IVボーラス投与を用いる処置後の同系のB16F10腫瘍を有するC57Bl6マウスにおける腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の増加対時間を示す。
図10Aは、処置の5日目のP65_30処置された動物対未処置(ビヒクル)動物における、NK、CD8+ T、及びCD4+ Treg細胞のパーセンテージ割合を示す。データは独立ステューデントt検定を使用して分析された。***P値<0.001に指定する。
【
図10B】P65_30の単回IVボーラス投与を用いる処置後の同系のB16F10腫瘍を有するC57Bl6マウスにおける腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の増加対時間を示す。
図10Bは、P65_30処置された動物対対照(ビヒクル)動物における、CD8+/CD4+ Treg細胞の比率を示す。データは独立ステューデントt検定を使用して分析された。***P値<0.001に指定する。
【
図11A】増加していくレベル(0.01-5mg/kg)でのP65_30あるいはアルデスロイキン(IL-2)の単回IVボーラス投与を用いる処置後の、マウスのIL-2、TNF-α、IFNγ、IL-5、及びIL-6の血漿レベルを示す。血漿中の各サイトカインの濃度はELISA(Abcam, Cambridge, UK)によって決定された。各投与群N=3については、マウスとサンプルは、投与後4、34、及び72時間に採取された。
図11Aはアルデスロイキンを投与された動物のサイトカインレベルを示し、
図11BはP65_30を投与された動物のサイトカインレベルを示す。
【
図11B】増加していくレベル(0.01-5mg/kg)でのP65_30あるいはアルデスロイキン(IL-2)の単回IVボーラス投与を用いる処置後の、マウスのIL-2、TNF-α、IFNγ、IL-5、及びIL-6の血漿レベルを示す。血漿中の各サイトカインの濃度はELISA(Abcam, Cambridge, UK)によって決定された。各投与群N=3については、マウスとサンプルは、投与後4、34、及び72時間に採取された。
図11Aはアルデスロイキンを投与された動物のサイトカインレベルを示し、
図11BはP65_30を投与された動物のサイトカインレベルを示す。
【
図12】オスのカニクイザルにP65_30kDの単回ボーラス投与後の白血球、リンパ球、及び好酸球数(平均±SD)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
サイトカインは、細胞シグナル伝達タンパク質のファミリー、例えば、ケモカイン、インターフェロン、インターロイキン、リンフォカイン、腫瘍壊死因子、及び、先天性ならびに適応性の免疫細胞ホメオスタシスにおいて複数の役割を果たす他の成長因子を含む。サイトカインは、免疫細胞、例えば、マクロファージ、Bリンパ球、Tリンパ球、及び、マスト細胞、内皮細胞、線維芽細胞、ならびに様々な間質細胞によって産生される。幾つかの例では、サイトカインは、体液性応答と細胞ベースの免疫応答との間の平衡を調節する。
【0018】
インターロイキンは、Tリンパ球とBリンパ球の発達と分化、単球血統の細胞、好中球、好塩基性細胞、好酸球、巨核球、及び造血細胞を調節するシグナル伝達タンパク質である。インターロイキンは、ヘルパーCD4 T及びBリンパ球、単球、マクロファージ、内皮細胞、ならびに他の組織常在物(tissue residents)によって産生される。場合によっては、15のインターロイキン、インターロイキン1-13、インターロイキン15、及びインターロイキン17がある。
【0019】
インターロイキン2(IL-2)は、その構造が15.5kDaの4つのα-ヘリックスバンドルを含む多面発現性の1型サイトカインである。IL-2の前駆体形態は、長さが153アミノ酸残基であり、最初の20のアミノ酸がシグナルペプチドを形成し、残基21-153が成熟した形態を形成する。IL-2は主として抗原刺激後にCD4+ T細胞によって産生され、程度は少ないが、CD8+細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、及びナチュラルキラーT(NKT)細胞、活性化樹状細胞(DC)、ならびにマスト細胞によって産生される。IL-2シグナル伝達は、IL-2受容体(IL-2R)サブユニットの特定の組み合わせ、IL-2Rα(CD25としても知られている)、IL-2Rβ(CD122としても知られている)、及びIL-2Rγ(CD132としても知られている)との相互作用によって生じる。IL-2のIL-2Rαとの相互作用は、約10-8MのKdの「低親和性」のIL-2受容体複合体を形成する。IL-2のIL-2Rβ及びIL-2Rγとの相互作用は、約10-9MのKdの「中程度親和性」のIL-2受容体複合体を形成する。IL-2の3つすべてのサブユニット、IL-2Rα、IL-2Rβ、及びIL-2Rγとの相互作用は、約10-11Mよりも大きなKdの「高親和性」のIL-2受容体複合体を形成する。
【0020】
幾つかの例では、「高親和性」IL-2Rαβγ複合体を介するIL-2シグナル伝達は、制御性T細胞の活性化と増殖を調節する。制御性T細胞あるいはCD4+CD25+Foxp3+制御性T(Treg)細胞は、CD4+ T細胞、CD8+ T細胞、B細胞、NK細胞、及びNKT細胞などのエフェクター細胞の抑制による免疫ホメオスタシスの維持を媒介する。幾つかの例では、Treg細胞は、胸腺から生成される(tTreg
細胞)か、あるいは、末梢のナイーブT細胞から誘発される(pTreg細胞)。場合によっては、Treg細胞は、末梢性寛容のメディエーターとみなされる。実際に、ある研究では、CD25枯渇末梢性CD4+ T細胞の移動は、ヌードマウスにおいて様々な自己免疫疾患を引き起こし、その一方で、CD4+CD25+ T細胞の同時移動は、自己免疫の発達を抑制した(Sakaguchi, et al., “Immunologic self-tolerance maintained by activated T cells expressing IL-2 receptor alpha-chains (CD25),” J. Immunol. 155(3): 1151-1164 (1995))。Treg細胞集団の増強は、エフェクターT細胞増殖をダウンレギュレートし、自己免疫とT細胞の非腫瘍性反応を抑える。
【0021】
「中程度の親和性」のIL-2Rβγ複合体を介するIL-2シグナル伝達は、CD8+作用因子T(Teff)細胞、NK細胞、及びNKT細胞の活性化及び増殖を調節する。CD8+Teff細胞(細胞傷害性T細胞、Tc細胞、細胞毒性Tリンパ球、CTL、T-キラー細胞、及び細胞溶解性T細胞、Tcon、あるいはキラーT細胞としても知られている)は、損傷を受けた細胞、癌細胞、及び病原体感染細胞を認識して殺すTリンパ球である。NK及びNKTの細胞は、CD8+Teff細胞と同様に、癌細胞と病原体感染細胞を標的とするリンパ球の一種である。
【0022】
幾つかの例では、IL-2シグナル伝達は、T細胞応答を調節するために、及び、その後、癌の処置のために利用される。例えば、IL-2は、癌の処置のためのTeff細胞集団の拡張を誘導するために、高用量の形態で投与される。しかしながら、高用量のIL-2はさらに、抗腫瘍免疫応答を弱めるTreg細胞の同時刺激を引き起こす。高用量のIL-2は、2型の先天性免疫細胞(ILC-2)、好酸球、及び内皮細胞を含む、血管系中のIL-2Rα鎖発現細胞の関与によって媒介される毒性の有害事象も誘発する。これは、好酸球増加症、毛細管漏出、及び血管漏出症候群(VLS)を引き起こす。
【0023】
ある実施形態において、サイトカイン/サイトカイン受容体シグナル伝達を介してリンパ球(例えば、CD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブ及び記憶細胞、NK細胞、あるいはNKT細胞)の特徴的な集団を選択的にアップレギュレートする方法が本明細書に開示される。幾つかの例では、サイトカインは、インターロイキン、インターフェロン、あるいは腫瘍壊死因子を含む。場合によっては、サイトカインは、サイトカイン抱合体、例えば、インターロイキン抱合体、インターフェロン抱合体、腫瘍壊死因子抱合体である。さらなる場合において、本明細書に記載される1つ以上のサイトカイン抱合体を含む医薬組成物とキットが本明細書に記載される。
【0024】
幾つかの実施形態において、IL-2/IL-2Rシグナル伝達を介して、CD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブ及び記憶細胞、NK細胞、及び/又はNKT細胞集団を選択的にアップレギュレートする方法も本明細書に記載される。幾つかの例では、IL-2はIL-2抱合体であり、これは随意に、IL-2Rαβγ複合体と同様の能力と、野生型のIL-2と比較して、弱められたIL-2Rα相互作用とで、「中程度の親和性」のIL-2Rβγ複合体と相互作用する。幾つかの実施形態において、本明細書に記載されるIL-2抱合体の使用によって癌を処置する方法が本明細書に記載される。さらなる実施形態において、本明細書に記載される1つ以上のIL-2抱合体を含む医薬組成物とキットが本明細書に記載される。
【0025】
サイトカイン抱合体
幾つかの実施形態において、サイトカイン抱合体が本明細書に記載される。幾つかの例では、サイトカインは、インターロイキン、腫瘍壊死因子、インターフェロン、ケモカイン、リンホカイン、あるいは成長因子を含む。幾つかの例では、サイトカインは、インタ
ーロイキンである。場合によっては、サイトカインはインターフェロンである。さらなる場合において、サイトカインは腫瘍壊死因子である。さらなる場合において、サイトカインは造血成長因子である。
【0026】
幾つかの実施形態において、インターロイキン抱合体が本明細書に記載される。典型的なインターロイキンとしては、限定されないが、インターロイキン1β(IL-1β)、インターロイキン2(IL-2)、インターロイキン7(IL-7)、インターロイキン10(IL-10)、インターロイキン12(IL-12)、インターロイキン15(IL-15)、インターロイキン18(IL-18)、及びインターロイキン21(IL-21)が挙げられる。幾つかの例では、インターロイキンがIL-1β、IL-2、IL-7、IL-10、IL-12、IL-15、IL-18、及びIL-21から選択されるインターロイキン抱合体が本明細書に記載される。
【0027】
IL-2抱合体
幾つかの実施形態において、アミノ酸位置で修飾されたIL-2抱合体が本明細書に記載される。幾つかの例では、修飾は天然アミノ酸に対するものである。幾つかの例では、修飾は非天然アミノ酸に対するものである。幾つかの例では、少なくとも1つの非天然アミノ酸を含む単離及び修飾されたIL-2ポリペプチドが本明細書に記載される。幾つかの例では、IL-2ポリペプチドは、単離及び精製された哺乳動物IL-2、例えば、げっ歯類のIL-2タンパク質あるいはヒトIL-2タンパク質である。場合によっては、IL-2ポリペプチドはヒトIL-2タンパク質である。場合によっては、IL-2ポリペプチドは、SEQ ID NO:1に対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、あるいは99%の配列同一性を含む。場合によっては、IL-2ポリペプチドは、SEQ ID NO:1の配列を含む。場合によっては、IL-2ポリペプチドは、SEQ ID NO:1の配列からなる。さらなる場合には、IL-2ポリペプチドは、SEQ ID NO:2に対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、あるいは99%の配列同一性を含む。さらなる場合には、IL-2ポリペプチドは、SEQ ID NO:2の配列を含む。さらなる場合には、IL-2ポリペプチドは、SEQ ID NO:2の配列からなる。
【0028】
幾つかの例では、IL-2ポリペプチドは切断された変異体である。幾つかの例では、切断はN末端欠失である。他の例では、切断はC末端欠失である。さらなる例では、切断はN末端とC末端欠失の両方を含む。例えば、切断は、N末端あるいはC末端のいずれか、又は、N末端とC末端の両方からの少なくともあるいは約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、あるいはそれ以上の残基の欠失であり得る。場合によっては、IL-2ポリペプチドは、少なくともあるいは約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、あるいはそれ以上の残基のN末端欠失を含む。場合によっては、IL-2ポリペプチドは、少なくともあるいは約1、2、3、4、5、6、7、8、9、あるいは10の残基のN末端欠失を含む。場合によっては、IL-2ポリペプチドは、少なくともあるいは約2の残基のN末端欠失を含む。場合によっては、IL-2ポリペプチドは、少なくともあるいは約3の残基のN末端欠失を含む。場合によっては、IL-2ポリペプチドは、少なくともあるいは約4の残基のN末端欠失を含む。場合によっては、IL-2ポリペプチドは、少なくともあるいは約5の残基のN末端欠失を含む。場合によっては、IL-2ポリペプチドは、少なくともあるいは約6の残基のN末端欠失を含む。場合によっては、IL-2ポリペプチドは、少なくともあるいは約7の残基のN末端欠失を含む。場合によっては、IL-2ポリペプチドは、少なくともあるいは約8の残基のN末端欠失を含む。場合によっては、IL-2ポリペプチドは、少なくともあるいは約9の残基のN末端欠失を含む。場合によっては、IL-2ポリペプチドは、少なくともあるいは約10の残基のN末端欠失を含む。
【0029】
幾つかの実施形態において、IL-2ポリペプチドは機能的に活性なフラグメントである。場合によっては、機能的に活性なフラグメントは、IL-2領域10-133、20-133、30-133、10-130、20-130、30-130、10-125、20-125、30-125、1-130、あるいは1-125を含み、ここで、残基位置は、SEQ ID NO:1の位置を基準にしている。場合によっては、機能的に活性なフラグメントはIL-2領域10-133を含み、ここで、残基位置は、SEQ ID
NO:1の位置を基準にしている。場合によっては、機能的に活性なフラグメントはIL-2領域20-133を含み、ここで、残基位置は、SEQ ID NO:1の位置を基準にしている。場合によっては、機能的に活性なフラグメントはIL-2領域30-133を含み、ここで、残基位置は、SEQ ID NO:1の位置を基準にしている。場合によっては、機能的に活性なフラグメントはIL-2領域10-125を含み、ここで、残基位置は、SEQ ID NO:1の位置を基準にしている。場合によっては、機能的に活性なフラグメントはIL-2領域20-125を含み、ここで、残基位置は、SEQ ID NO:1の位置を基準にしている。場合によっては、機能的に活性なフラグメントはIL-2領域1-130を含み、ここで、残基位置は、SEQ ID NO:1の位置を基準にしている。場合によっては、機能的に活性なフラグメントはIL-2領域1-125を含み、ここで、残基位置は、SEQ ID NO:1の位置を基準にしている。
【0030】
幾つかの実施形態において、単離され、精製され、及び、修飾されたIL-2ポリペプチドと抱合部分を含むIL-2抱合体が本明細書に記載される。幾つかの例では、IL-2抱合体は、野生型IL-2ポリペプチドと比較して、IL-2受容体α(IL-2Rα)サブユニットに対する減少した親和性を有する。場合によっては、抱合部分は、(例えば、IL-2/IL-2Rα界面で)IL-2Rαと相互作用するアミノ酸残基に結合する。場合によっては、抱合部分は、(例えば、IL-2/IL-2Rα界面から約5A、約10A、約15A、あるいは約20A離れて)IL-2/IL-2Rα界面の近位にあるアミノ酸残基に結合する。本明細書で使用されるように、IL-2/IL-2Rα界面に含まれる残基は、IL-2Rαサブユニットからの残基と、疎水的相互作用、水素結合、あるいはイオン相互作用を形成する、IL-2残基を含む。
【0031】
幾つかの例では、抱合部分は、アミノ酸位置Y31、K32、N33、P34、K35、T37、R38、T41、F42、K43、F44、Y45、P47、K48、Q57、E60、E61、E62、L63、K64、P65、E68、V69、N71、L72、Q74、S75、K76、N77、M104、C105、E106、Y107、A108、D109、E110、T111、あるいはA112から選択されたアミノ酸残基に結合し、アミノ酸残基の番号はSEQ ID NO:1に対応する。幾つかの例では、アミノ酸位置は、Y31、K32、N33、P34、K35、T37、R38、T41、F42、K43、F44、Y45、P47、K48、E61、E62、E68、K64、P65、V69、L72、Q74、S75、K76、N77、M104、C105、E106、Y107、A108、D109、E110、T111、及びA112から選択される。幾つかの例では、アミノ酸位置は、N33、P34、K35、T37、R38、M39、T41、F42、K43、F44、Y45、Q57、E60、E61、E62、L63、K64、P65、E68、V69、N71、L72、M104、C105、E106、Y107、A108、D109、E110、T111、及びA112から選択される。幾つかの例では、アミノ酸位置は、K35、T37、R38、T41、F42、K43、F44、Y45、E61、E62、E68、K64、P65、V69、L72、及びY107から選択される。幾つかの例では、アミノ酸位置は、T37、R38、T41、F42、F44、Y45、E61、E62、E68、K64、P65、V69、L72、及びY107から選択される。幾つかの例では、アミノ酸位置は、T37、R38、T41、F42、F44、Y45、E61、E62、E68、P65、V69、L72、及びY107
から選択される。幾つかの例では、アミノ酸位置は、T37、T41、F42、F44、Y45、P65、V69、L72、及びY107から選択される。幾つかの例では、アミノ酸位置はR38とK64から選択される。幾つかの例では、アミノ酸位置はE61、E62、及びE68から選択される。場合によっては、アミノ酸位置はK35である。場合によっては、アミノ酸位置はT37である。場合によっては、アミノ酸位置はR38である。場合によっては、アミノ酸位置はT41である。場合によっては、アミノ酸位置はF42である。場合によっては、アミノ酸位置はK43である。場合によっては、アミノ酸位置はF44である。場合によっては、アミノ酸位置はY45である。場合によっては、アミノ酸位置はE61である。場合によっては、アミノ酸位置はE62である。場合によっては、アミノ酸位置はK64である。場合によっては、アミノ酸位置はE68である。場合によっては、アミノ酸位置はP65である。場合によっては、アミノ酸位置はV69である。場合によっては、アミノ酸位置はL72である。場合によっては、アミノ酸位置はY107である。場合によっては、アミノ酸位置はL72である。場合によっては、アミノ酸位置はD109である。
【0032】
幾つかの例では、IL-2抱合体はさらに追加の突然変異を含む。場合によっては、追加の突然変異は、K35、T37、R38、T41、F42、K43、F44、Y45、E61、E62、E68、K64、P65、V69、L72、及びY107から選択される。そのような場合、アミノ酸は、血清の半減期、安定性、あるいはこれらの組み合わせの増加のために、追加の抱合部分に抱合する。代替的に、アミノ酸は、追加の抱合部分に結合する前に、リジン、システイン、ヒスチジン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、トレオニン、あるいはチロシンなどの天然アミノ酸;あるいは、非天然アミノ酸にまず変異する。
【0033】
幾つかの実施形態において、非天然アミノ酸修飾(例えば、野生型のIL-2ポリペプチド)のない野生型のIL-2ポリペプチドと比較した、IL-2受容体α(IL-2Rα)サブユニットに対する修飾されたIL-2ポリペプチドの減少した親和性は、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、あるいは99%、又はそれよりも大きい。場合によっては、減少した結合親和性は約10%である。場合によっては、減少した結合親和性は約20%である。場合によっては、減少した結合親和性は約40%である。場合によっては、減少した結合親和性は約50%である。場合によっては、減少した結合親和性は約60%である。場合によっては、減少した結合親和性は約80%である。場合によっては、減少した結合親和性は約90%である。場合によっては、減少した結合親和性は約99%である。場合によっては、減少した結合親和性は約99%よりも大きい。場合によっては、減少した結合親和性は約80%である。場合によっては、減少した結合親和性は約100%である。
【0034】
幾つかの実施形態において、非天然アミノ酸修飾(例えば、野生型のIL-2ポリペプチド)のない同等のIL-2ポリペプチドと比較した、IL-2受容体α(IL-2Rα)サブユニットに対する修飾されたIL-2ポリペプチドの減少した親和性は、約1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、30倍、50倍、100倍、200倍、300倍、400倍、500倍、1000倍、あるいはそれ以上である。場合によっては、減少した結合親和性は約1倍である。場合によっては、減少した結合親和性は約2倍である。場合によっては、減少した結合親和性は約4倍である。場合によっては、減少した結合親和性は約5倍である。場合によっては、減少した結合親和性は約6倍である。場合によっては、減少した結合親和性は約8倍である。場合によっては、減少した結合親和性は約10倍である。場合によっては、減少した結合親和性は約30倍である。場合によっては、減少した結合親和性は約50倍である。場合によっては、減少した結合親和性は約100倍である。場合によっては、減少した結合親和性は約300倍である。場合によっては、減少した結合親和性は約500倍である。場合によっては、減少した
結合親和性は約1000倍である。場合によっては、減少した結合親和性は1000倍を超える。
【0035】
場合によっては、修飾されたIL-2ポリペプチドはIL-2Rαと相互作用しない。幾つかの例では、修飾されたIL-2ポリペプチドはさらに抱合部分に抱合する。場合によっては、IL-2抱合体はIL-2Rαと相互作用しない。
【0036】
幾つかの実施形態では、修飾されたIL-2ポリペプチドは、IL-2βγシグナル伝達複合体に対する第1の受容体シグナル伝達能力と、IL-2αβγシグナル伝達複合体に対する第2の受容体シグナル伝達能力を示し、第1の受容体シグナル伝達能力と第2の受容体シグナル伝達能力との間の差は、10倍未満である。幾つかの実施形態では、修飾されたIL-2ポリペプチドは、IL-2βγシグナル伝達複合体に対する第1の受容体シグナル伝達能力と、IL-2αβγシグナル伝達複合体に対する第2の受容体シグナル伝達能力を示し、第1の受容体シグナル伝達能力と第2の受容体シグナル伝達能力との間の差は、5倍未満である。幾つかの例では、差は、9倍未満、8倍未満、7倍未満、6倍未満、5倍未満、4倍未満、3倍未満、2倍未満、あるいは1倍未満である。幾つかの例では、修飾されたIL-2ポリペプチドは、部分アゴニスト、例えば、受容体(例えば、IL-2βγシグナル伝達複合体あるいはIL-2αβγシグナル伝達複合体)を活性化するが、完全アゴニストと比較して上記受容体で部分的な有効性しか有していないアゴニストである。幾つかの例では、修飾されたIL-2ポリペプチドは、完全アゴニスト、例えば、最大応答時に、受容体(例えば、IL-2βγシグナル伝達複合体あるいはIL-2αβγシグナル伝達複合体)を活性化するアゴニストである。
【0037】
幾つかの例では、受容体シグナル伝達能力はEC50値によって測定される。幾つかの例では、修飾されたIL-2ポリペプチドは、IL-2βγシグナル伝達複合体の活性化に対する第1のEC50値と、IL-2αβγシグナル伝達複合体の活性化に対する第2のEC50値を提供し、第1のEC50値と第2のEC50値との間の差は、10倍未満である。幾つかの例では、修飾されたIL-2ポリペプチドは、IL-2βγシグナル伝達複合体の活性化に対する第1のEC50値と、IL-2αβγシグナル伝達複合体の活性化に対する第2のEC50値を提供し、第1のEC50値と第2のEC50値との間の差は、5倍未満である。場合によっては、差は、9倍未満、8倍未満、7倍未満、6倍未満、5倍未満、4倍未満、3倍未満、2倍未満、あるいは1倍未満である。
【0038】
幾つかの例では、受容体シグナル伝達能力はED50値によって測定される。幾つかの例では、修飾されたIL-2ポリペプチドは、IL-2βγシグナル伝達複合体の活性化に対する第1のED50値と、IL-2αβγシグナル伝達複合体の活性化に対する第2のED50値を提供し、第1のED50値と第2のED50値との間の差は、10倍未満である。幾つかの例では、修飾されたIL-2ポリペプチドは、IL-2βγシグナル伝達複合体の活性化に対する第1のED50値と、IL-2αβγシグナル伝達複合体の活性化に対する第2のED50値を提供し、第1のED50値と第2のED50値との間の差は、5倍未満である。場合によっては、差は、9倍未満、8倍未満、7倍未満、6倍未満、5倍未満、4倍未満、3倍未満、2倍未満、あるいは1倍未満である。
【0039】
幾つかの実施形態において、抱合部分は、直接的に、あるいは、リンカーペプチドを介して間接的に、IL-2ポリペプチドのN末端あるいはC末端に結合される。場合によっては、抱合部分(例えば、ポリマー、タンパク質、あるいはペプチド)は、IL-2のN末端あるいはC末端において、直接的に、あるいは、リンカーペプチドを介して間接的に、IL-2に遺伝的に融合される。幾つかの例では、抱合部分は、N末端あるいはC末端のアミノ酸残基に結合する。幾つかの例では、抱合部分は、N末端又はC末端のアミノ酸残基に結合する反応基に結合する。
【0040】
幾つかの実施形態において、IL-2Rαに対する結合親和性がしたIL-2抱合体は、CD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブ及び記憶T細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、あるいはナチュラルキラーT(NKT)細胞集団を拡張することができる。場合によっては、抱合部分は、IL-2のIL-2Rαとの結合を損なうか、妨害する。
【0041】
場合によっては、修飾されたIL-2ポリペプチドによる、IL-2Rβγ複合体を介する、CD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブ及び記憶細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、あるいは、ナチュラルキラーT(NKT)細胞集団の活性化は、野生型のIL-2ポリペプチドと比較して、上記細胞集団の活性化の有意な効力を維持する。幾つかの例では、修飾されたIL-2ポリペプチドによる活性化は、野生型のIL-2ポリペプチドの活性化と同等である。他の例では、修飾されたIL-2ポリペプチドによる活性化は、野生型のIL-2ポリペプチドの活性化よりも高い。場合によっては、IL-2Rβγ複合体に対する修飾されたIL-2ポリペプチドの受容体シグナル伝達能力は、IL-2Rβγ複合体に対する野生型のIL-2ポリペプチドの受容体シグナル伝達能力よりも高い。場合によっては、修飾されたIL-2ポリペプチドの受容体シグナル伝達能力は、野生型のIL-2ポリペプチドのそれぞれの能力よりも少なくとも1倍高い。場合によっては、修飾されたIL-2ポリペプチドの受容体シグナル伝達能力は、野生型のIL-2ポリペプチドのそれぞれの能力よりも、約あるいは少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、25倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、100倍、150倍、200倍、300倍、400倍、500倍、1,000倍、あるいはそれ以上高い。この場合、CD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブな及び記憶細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、あるいはナチュラルキラーT(NKT)細胞集団の、野生型のIL-2ポリペプチドと同様の活性を達成するために使用される修飾されたIL-2ポリペプチドの投与量又は濃度は、野生型のIL-2ポリペプチドのために使用される投与量又は濃度よりも低い。
【0042】
幾つかの実施形態では、修飾されたIL-2ポリペプチドによる、IL-2Rβγ複合体を介する、CD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブ及び記憶細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、あるいは、ナチュラルキラーT(NKT)細胞集団の活性化は、野生型のIL-2ポリペプチドによる上記細胞集団の活性化の有意な効力を維持する。場合によっては、IL-2Rβγ複合体に対する修飾されたIL-2ポリペプチドの受容体シグナル伝達能力は、IL-2Rβγ複合体に対する野生型のIL-2ポリペプチドの受容体シグナル伝達能力よりも低い。場合によっては、修飾されたIL-2ポリペプチドの受容体シグナル伝達能力は、野生型のIL-2ポリペプチドのそれぞれの能力よりも、約あるいは少なくとも1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、20倍、あるいは50倍低い。
【0043】
幾つかの実施形態において、修飾されたIL-2ポリペプチドは、IL-2Rβγに対する第1の受容体シグナル伝達能力を示し、IL-2Rαβγに対する第2の受容体シグナル伝達能力を示す。幾つかの例では、IL-2Rβγに対する第1の受容体シグナル伝達能力は、野生型のIL-2ポリペプチドと比較して改善された能力である。幾つかの例では、IL-2Rαβγに対する第2の受容体シグナル伝達能力は、野生型のIL-2ポリペプチドと比較して損なわれた能力である。幾つかの実施形態において、修飾されたIL-2ポリペプチドは、IL-2Rβγに対する第1の受容体シグナル伝達能力と、IL-2Rαβγに対する第2の受容体シグナル伝達能力を示し、ここで、第1の受容体シグナル伝達能力は、第2の受容体シグナル伝達能力よりも、少なくとも1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、20倍、30倍、50倍、100倍、500倍、1000倍、あるいはそれ以上高い。幾つかの例では、第1の受容体シグナル伝
達能力は、第2の受容体シグナル伝達能力よりも少なくとも1倍以上高い。幾つかの例では、第1の受容体シグナル伝達能力は、第2の受容体シグナル伝達能力よりも少なくとも2倍以上高い。幾つかの例では、第1の受容体シグナル伝達能力は、第2の受容体シグナル伝達能力よりも少なくとも5倍以上高い。幾つかの例では、第1の受容体シグナル伝達能力は、第2の受容体シグナル伝達能力よりも少なくとも10倍以上高い。幾つかの例では、第1の受容体シグナル伝達能力は、第2の受容体シグナル伝達能力よりも少なくとも20倍以上高い。幾つかの例では、第1の受容体シグナル伝達能力は、第2の受容体シグナル伝達能力よりも少なくとも50倍以上高い。幾つかの例では、第1の受容体シグナル伝達能力は、第2の受容体シグナル伝達能力よりも少なくとも100倍以上高い。幾つかの例では、第1の受容体シグナル伝達能力は、第2の受容体シグナル伝達能力よりも少なくとも500倍以上高い。幾つかの例では、第1の受容体シグナル伝達能力は、第2の受容体シグナル伝達能力よりも少なくとも1000倍以上高い。幾つかの例では、修飾されたIL-2ポリペプチドの第1の受容体シグナル伝達能力は、IL-2Rβγに対する野生型のIL-2ポリペプチドの受容体シグナル伝達能力よりも高く、修飾されたIL-2ポリペプチドの第2の受容体シグナル伝達能力は、IL-2Rβγに対する野生型のIL-2ポリペプチドの受容体シグナル伝達能力よりも低い。場合によっては、両方の受容体シグナル伝達能力は、野生型のIL-2ポリペプチドのそれぞれの能力よりも低い。それ以外の場合では、両方の受容体シグナル伝達能力は、野生型のIL-2ポリペプチドのそれぞれの能力よりも高い。
【0044】
幾つかの実施形態において、IL-2抱合体は、IL-2抱合体を用いて投与された被験体において毒性の有害事象を減少させる。例示的な毒性の有害事象は、好酸球増加症、毛細管漏出、及び血管漏出症候群(VLS)を含む。幾つかの例では、IL-2抱合体は、野生型のIL-2又はアルデスロイキンを用いて投与された第2の被験体と比較して、被験体における毒性の有害事象の発生率を、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、あるいは約100%減少させる。幾つかの例では、IL-2抱合体は、野生型のIL-2又はアルデスロイキンを用いて投与された第2の被験体と比較して、被験体における毒性の有害事象の重症度を、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、あるいは約100%減少させる。
【0045】
幾つかの例では、毒性の有害事象は好酸球増加症である。場合によっては、IL-2抱合体は、野生型のIL-2又はアルデスロイキンを用いて投与された第2の被験体と比較して、被験体における好酸球増加症の発生率を、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、あるいは約100%減少させる。場合によっては、IL-2抱合体は、野生型のIL-2又はアルデスロイキンを用いて投与された第2の被験体と比較して、被験体における好酸球増加症の重症度を、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、あるいは約100%減少させる。
【0046】
幾つかの例では、毒性の有害事象は毛細管漏出である。場合によっては、IL-2抱合体は、野生型のIL-2又はアルデスロイキンを用いて投与された第2の被験体と比較して、被験体における毛細管漏出の発生率を、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、あるいは約100%減少させる。場合によっては、IL-2抱合体は、野生型のIL-2又はアルデスロイキンを用いて投与された第2の被験体と比較して、被験体における毛細管漏出の重症度を、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、あるいは約100%減少させる。
【0047】
幾つかの例では、毒性の有害事象はVLSである。場合によっては、IL-2抱合体は
、野生型のIL-2又はアルデスロイキンを用いて投与された第2の被験体と比較して、被験体におけるVLSの発生率を、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、あるいは約100%減少させる。場合によっては、IL-2抱合体は、野生型のIL-2又はアルデスロイキンを用いて投与された第2の被験体と比較して、被験体におけるVLSの重症度を、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、あるいは約100%減少させる。
【0048】
幾つかの実施形態において、IL-2抱合体は、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、12時間、18時間、24時間、2日、3日、4日、5日、6日、7日、あるいはそれ以上よりも長い血漿半減期を含む。幾つかの実施形態において、IL-2抱合体は、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、あるいはそれ以上よりも長い血漿半減期を含む。幾つかの実施形態において、IL-2抱合体は、1時間よりも長い血漿半減期を含む。幾つかの実施形態において、IL-2抱合体は、2時間よりも長い血漿半減期を含む。幾つかの実施形態において、IL-2抱合体は、3時間よりも長い血漿半減期を含む。幾つかの実施形態において、IL-2抱合体は、4時間よりも長い血漿半減期を含む。幾つかの実施形態において、IL-2抱合体は、5時間よりも長い血漿半減期を含む。幾つかの実施形態において、IL-2抱合体は、6時間よりも長い血漿半減期を含む。幾つかの実施形態において、IL-2抱合体は、7時間よりも長い血漿半減期を含む。幾つかの実施形態において、IL-2抱合体は、8時間よりも長い血漿半減期を含む。幾つかの実施形態において、IL-2抱合体は、9時間よりも長い血漿半減期を含む。幾つかの実施形態において、IL-2抱合体は、10時間よりも長い血漿半減期を含む。幾つかの実施形態において、IL-2抱合体は、12時間よりも長い血漿半減期を含む。幾つかの実施形態において、IL-2抱合体は、18時間よりも長い血漿半減期を含む。幾つかの実施形態において、IL-2抱合体は、24時間よりも長い血漿半減期を含む。
【0049】
幾つかの実施形態において、IL-2抱合体は、少なくとも1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、12時間、15時間、18時間、24時間、2日、3日、4日、5日、6日、7日、あるいはそれ以上の血漿半減期を含む。幾つかの実施形態において、IL-2抱合体は、少なくとも1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、12時間、15時間、18時間、24時間、あるいはそれ以上の血漿半減期を含む。幾つかの実施形態において、IL-2抱合体は、少なくとも1時間の血漿半減期を含む。幾つかの実施形態において、IL-2抱合体は、少なくとも2時間の血漿半減期を含む。幾つかの実施形態において、IL-2抱合体は、少なくとも3時間の血漿半減期を含む。幾つかの実施形態において、IL-2抱合体は、少なくとも4時間の血漿半減期を含む。幾つかの実施形態において、IL-2抱合体は、少なくとも5時間の血漿半減期を含む。幾つかの実施形態において、IL-2抱合体は、少なくとも6時間の血漿半減期を含む。幾つかの実施形態において、IL-2抱合体は、少なくとも7時間の血漿半減期を含む。幾つかの実施形態において、IL-2抱合体は、少なくとも8時間の血漿半減期を含む。幾つかの実施形態において、IL-2抱合体は、少なくとも9時間の血漿半減期を含む。幾つかの実施形態において、IL-2抱合体は、少なくとも10時間の血漿半減期を含む。幾つかの実施形態において、IL-2抱合体は、少なくとも12時間の血漿半減期を含む。幾つかの実施形態において、IL-2抱合体は、少なくとも18時間の血漿半減期を含む。幾つかの実施形態において、IL-2抱合体は、少なくとも24時間の血漿半減期を含む。
【0050】
幾つかの実施形態において、IL-2抱合体は、約1時間から約7日間、約12時間から約7日間、約18時間から約7日間、約24時間から約7日間、約1時間から約5日間、約12時間から約5日間、約24時間から約5日間、約2日間から約5日間、あるいは
、約2日間から約3日間の血漿半減期を含む。
【0051】
幾つかの実施形態において、IL-2抱合体は、約1時間から約18時間、約1時間から約12時間、約2時間から約10時間、約2時間から約8時間、約4時間から約18時間、約4時間から約12時間、約4時間から約10時間、約4時間から約8時間、約6時間から約18時間、約6時間から約12時間、約6時間から約10時間、約6時間から約8時間、約8時間から約18時間、約8時間から約12時間、あるいは、約8時間から約10時間の血漿半減期を含む。
【0052】
幾つかの実施形態において、IL-2抱合体は、CD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブ及び記憶T細胞、NK細胞、NKT細胞、あるいはこれらの組み合わせを増殖及び/又は拡張することができるが、アポトーシスなどの有害な影響を及ぼさない血漿半減期を含む。
【0053】
幾つかの実施形態において、IL-2抱合体は、野生型のIL-2と比較して、例えば、少なくとも1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、12時間、15時間、18時間、24時間、2日、3日、4日、5日、6日、7日、あるいはそれ以上、延長された血漿半減期を含む。幾つかの実施形態において、IL-2抱合体は、野生型のIL-2と比較して、例えば、少なくとも1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、12時間、15時間、18時間、24時間、あるいはそれ以上、延長された血漿半減期を含む。
【0054】
幾つかの実施形態において、IL-2抱合体は、野生型のIL-2と比較して、例えば、約1時間から約18時間、約1時間から約12時間、約2時間から約10時間、約2時間から約8時間、約4時間から約18時間、約4時間から約12時間、約4時間から約10時間、約4時間から約8時間、約6時間から約18時間、約6時間から約12時間、約6時間から約10時間、約6時間から約8時間、約8時間から約18時間、約8時間から約12時間、あるいは、約8時間から約10時間の、延長された血漿半減期を含む。
【0055】
幾つかの実施形態において、IL-抱合体は、アルデスロイキンと比較して、例えば、少なくとも1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、12時間、15時間、18時間、24時間、2日、3日、4日、5日、6日、7日、あるいはそれ以上、延長された血漿半減期を含む。幾つかの実施形態において、IL-2抱合体は、アルデスロイキンと比較して、例えば、少なくとも1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、12時間、15時間、18時間、24時間、あるいはそれ以上、延長された血漿半減期を含む。
【0056】
幾つかの実施形態において、IL-2抱合体は、アルデスロイキンと比較して、例えば、約1時間から約18時間、約1時間から約12時間、約2時間から約10時間、約2時間から約8時間、約4時間から約18時間、約4時間から約12時間、約4時間から約10時間、約4時間から約8時間、約6時間から約18時間、約6時間から約12時間、約6時間から約10時間、約6時間から約8時間、約8時間から約18時間、約8時間から約12時間、あるいは、約8時間から約10時間の、延長された血漿半減期を含む。
【0057】
幾つかの実施形態において、IL-2抱合体は、毒性の減少した延長された血漿半減期を含む。幾つかの例では、IL-2抱合体は、毒性の減少した、少なくとも1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、12時間、15時間、18時間、24時間、2日、3日、4日、5日、6日、7日、あるいはそれ以上延長された血漿半減期を含む。幾つかの例では、IL-2抱合体は、毒性の減少した、少なくとも1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間
、10時間、12時間、15時間、18時間、24時間、あるいはそれ以上延長された血漿半減期を含む。幾つかの例では、IL-2抱合体は、毒性の減少した、約1時間から約18時間、約1時間から約12時間、約2時間から約10時間、約2時間から約8時間、約4時間から約18時間、約4時間から約12時間、約4時間から約10時間、約4時間から約8時間、約6時間から約18時間、約6時間から約12時間、約6時間から約10時間、約6時間から約8時間、約8時間から約18時間、約8時間から約12時間、あるいは、約8時間から約10時間延長された血漿半減期を含む。場合によっては、減少した毒性は、野生型のIL-2と比較して、少なくとも1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、20倍、30倍、50倍、100倍、あるいはそれ以上減少する。場合によっては、減少した毒性は、野生型のIL-2と比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、200%、300%、400%、500%、あるいはそれ以上減少する。
【0058】
幾つかの実施形態において、IL-2抱合体は、毒性の減少した延長された血漿半減期を含む。幾つかの例では、IL-2抱合体は、毒性の減少した、少なくとも1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、12時間、15時間、18時間、24時間、2日、3日、4日、5日、6日、7日、あるいはそれ以上延長された血漿半減期を含む。幾つかの例では、IL-2抱合体は、毒性の減少した、少なくとも1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、12時間、15時間、18時間、24時間、あるいはそれ以上延長された血漿半減期を含む。幾つかの例では、IL-2抱合体は、毒性の減少した、約1時間から約18時間、約1時間から約12時間、約2時間から約10時間、約2時間から約8時間、約4時間から約18時間、約4時間から約12時間、約4時間から約10時間、約4時間から約8時間、約6時間から約18時間、約6時間から約12時間、約6時間から約10時間、約6時間から約8時間、約8時間から約18時間、約8時間から約12時間、あるいは、約8時間から約10時間延長された血漿半減期を含む。場合によっては、減少した毒性は、アルデスロイキンと比較して、少なくとも1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、20倍、30倍、50倍、100倍、あるいはそれ以上減少する。場合によっては、減少した毒性は、アルデスロイキンと比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、200%、300%、400%、500%、あるいはそれ以上減少する。
【0059】
幾つかの実施形態において、IL-2抱合体は、抱合部分のサイズ(例えば、体積あるいは長さ)が血漿安定性を向上させるが効力を減少させない抱合部分を含む。幾つかの例では、抱合部分のサイズは、少なくとも1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、12時間、15時間、18時間、24時間、2日、3日、4日、5日、6日、7日、あるいはそれ以上、血漿半減期を延長させる。幾つかの例では、抱合部分のサイズは、少なくとも1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、12時間、15時間、18時間、24時間、あるいはそれ以上、血漿半減期を延長させる。幾つかの例では、抱合部分のサイズは、約1時間から約18時間、約1時間から約12時間、約2時間から約10時間、約2時間から約8時間、約4時間から約18時間、約4時間から約12時間、約4時間から約10時間、約4時間から約8時間、約6時間から約18時間、約6時間から約12時間、約6時間から約10時間、約6時間から約8時間、約8時間から約18時間、約8時間から約12時間、あるいは、約8時間から約10時間、血漿半減期を延長させる。幾つかの例では、抱合部分のサイズは、アルデスロイキンと比較して、5%、4%、3%、2%、1%、あるいはそれ以上、効力を減少させる。
【0060】
幾つかの実施形態において、IL-2抱合体は、抱合部分のサイズ(例えば、体積あるいは長さ)が血漿安定性と効力を向上させる抱合部分を含む。幾つかの例では、抱合部分
のサイズは、少なくとも1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、12時間、15時間、18時間、24時間、2日、3日、4日、5日、6日、7日、あるいはそれ以上、血漿半減期を延長させる。幾つかの例では、抱合部分のサイズは、少なくとも1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、12時間、15時間、18時間、24時間、あるいはそれ以上、血漿半減期を延長させる。幾つかの例では、抱合部分のサイズは、約1時間から約18時間、約1時間から約12時間、約2時間から約10時間、約2時間から約8時間、約4時間から約18時間、約4時間から約12時間、約4時間から約10時間、約4時間から約8時間、約6時間から約18時間、約6時間から約12時間、約6時間から約10時間、約6時間から約8時間、約8時間から約18時間、約8時間から約12時間、あるいは、約8時間から約10時間、血漿半減期を延長させる。幾つかの例では、抱合部分のサイズはさらに、アルデスロイキンと比較して、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、200%、あるいはそれ以上、効力を増強する。
【0061】
幾つかの実施形態において、抱合部分に共有結合した非天然アミノ酸を含むIL-2抱合体が本明細書に記載され、ここで、非天然アミノ酸は領域35-107に位置し、及び、領域35-107はSEQ ID NO:1の残基K35-Y107に対応する。
【0062】
幾つかの実施形態において、インターロイキン2βγ受容体(IL-2Rβγ)結合タンパク質が本明細書に記載され、ここで、上記結合タンパク質のインターロイキン2α受容体(IL-2Rα)の結合親和性は、野生型のヒトIL-2(hIL-2)の結合親和性未満であり、上記結合タンパク質のインターロイキン2α受容体(IL-2Rα)の結合親和性は、野生型のヒトIL-2(hIL-2)の結合親和性未満である。幾つかの実施形態において、インターロイキン2βγ受容体(IL-2Rβγ)結合タンパク質が本明細書に記載され、ここで、上記結合タンパク質のインターロイキン2α受容体(IL-2Rα)の結合親和性は、野生型のヒトIL-2(hIL-2)の結合親和性未満であり、及び、上記結合タンパク質は、少なくとも1つの非天然アミノ酸を含む。幾つかの例では、上記結合タンパク質は、修飾されたIL-2ポリペプチドあるいはその機能的に活性なフラグメントであり、修飾されたIL-2ポリペプチドは、少なくとも1つの非天然アミノ酸を含む。幾つかの例では、少なくとも1つの非天然アミノ酸は領域35-107に位置し、及び、領域35-107はSEQ ID NO:1の残基K35-Y107に対応する。
【0063】
幾つかの実施形態において、突然変異及びIL-2Rβγを含む修飾されたIL-2ポリペプチドを含んでいるIL-2/IL-2Rβγ複合体が本明細書に記載され、ここで、修飾されたIL-2ポリペプチドは、IL-2Rαへの減少した結合親和性を有し、及び、減少した結合親和性は、野生型のIL2ポリペプチドとIL-2Rαとの間の結合親和性と比較される。幾つかの例では、修飾されたIL-2ポリペプチドは、突然変異部位に共有結合された抱合部分をさらに含む。幾つかの例では、突然変異部位は、天然アミノ酸に変異したアミノ酸を含む。幾つかの例では、突然変異部位は、システイン残基に変異したアミノ酸を含む。幾つかの例では、突然変異部位は、リジン残基に変異したアミノ酸を含む。
【0064】
幾つかの実施形態において、非天然アミノ酸とIL-2Rβγを含む修飾されたIL-2ポリペプチドを含んでいるIL-2/IL-2Rβγ複合体が本明細書に記載され、ここで、修飾されたIL-2ポリペプチドは、IL-2Rαへの減少した結合親和性を有し、及び、減少した結合親和性は、野生型のIL2ポリペプチドとIL-2Rαとの間の結合親和性と比較される。幾つかの例では、修飾されたIL-2ポリペプチドは、非天然アミノ酸に共有結合された抱合部分をさらに含む。
【0065】
幾つかの実施形態において、非天然アミノ酸とIL-2Rβγを含む修飾されたIL-2ポリペプチドを含んでいるIL-2/IL-2Rβγ複合体が本明細書に記載され、ここで、修飾されたIL-2ポリペプチドは、IL-2Rαへの減少した受容体シグナル伝達能力を有し、及び、減少した受容体シグナル伝達能力は、野生型のIL-2ポリペプチドとIL-2Rαとの間の受容体シグナル伝達能力と比較される。幾つかの例では、修飾されたIL-2ポリペプチドは、非天然アミノ酸に共有結合された抱合部分をさらに含む。
【0066】
幾つかの実施形態において、CD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブ及び記憶T細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、あるいはナチュラルキラーT(NKT)細胞のアクチベーターであって、細胞集団中のCD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブ及び記憶T細胞、NK細胞、NKT細胞、あるいはこれらの組み合わせを選択的に拡張するアクチベーターが本明細書に記載され、ここで、上記アクチベーターは、少なくとも1つの突然変異を含む修飾されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドを含む。幾つかの例では、突然変異は天然アミノ酸に対するものである。他の例では、突然変異は非天然アミノ酸に対するものである。幾つかの実施形態において、CD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブ及び記憶T細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、あるいはナチュラルキラーT(NKT)細胞のアクチベーターであって、細胞集団中のCD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブ及び記憶T細胞、NK細胞、NKT細胞、あるいはこれらの組み合わせを選択的に拡張するアクチベーターが本明細書に記載され、ここで、上記アクチベーターは、少なくとも1つの非天然アミノ酸を含む修飾されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドを含む。幾つかの例では、野生型のIL-2ポリペプチドと接触したCD3+細胞集団中のCD4+ Treg細胞の拡張と比較して、上記アクチベーターが上記CD3+細胞集団に接しているとき、上記アクチベーターは、CD4+T制御性(Treg)細胞を、20%、15%、10%、5%、1%、あるいは0.1%未満拡張する。幾つかの例では、上記アクチベーターは、上記細胞集団中のTreg細胞を拡張しない。幾つかの例では、上記細胞集団はインビボの細胞集団である。幾つかの例では、上記細胞集団はインビトロの細胞集団である。幾つかの例では、上記細胞集団はエクスビボの細胞集団である。
【0067】
幾つかの例では、CD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブ及び記憶T細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、あるいはナチュラルキラーT(NKT)細胞集団を拡張する方法も本明細書で提供され、上記方法は:治療上有効な量のCD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブ及び記憶T細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、あるいはナチュラルキラーT(NKT)細胞アクチベーターに上記細胞集団を接触させる工程を含み、上記アクチベーターは、少なくとも1つの突然変異を含む修飾されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドを含み、それによって、CD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブ及び記憶T細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、あるいはナチュラルキラーT(NKT)細胞集団を拡張する。幾つかの例では、突然変異は天然アミノ酸に対するものである。他の例では、突然変異は非天然アミノ酸に対するものである。幾つかの例では、CD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブ及び記憶T細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、あるいはナチュラルキラーT(NKT)細胞集団を拡張する方法も本明細書に開示され、上記方法は:治療上有効な量のCD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブ及び記憶T細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、あるいはナチュラルキラーT(NKT)細胞アクチベーターに上記細胞集団を接触させる工程を含み、上記アクチベーターは、少なくとも1つの非天然アミノ酸を含む修飾されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドを含み、それによって、CD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブ及び記憶T細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、あるいはナチュラルキラーT(NKT)細胞集団を拡張する。
【0068】
IL-15抱合体
幾つかの実施形態において、アミノ酸位置で修飾されたIL-15抱合体が本明細書に記載される。IL-15は、T細胞とNK細胞の活性化と増殖を調節する。幾つかの例では、IL-15抱合体は、単離及び精製されたIL-15ポリペプチドと抱合部分を含む。幾つかの例では、IL-15抱合体は、野生型IL-15ポリペプチドと比較して、IL-15受容体に対する減少した親和性を有する。場合によっては、抱合部分は、IL-15受容体と(例えば、IL-15/IL-15Rα界面で)あるいはIL-2Rβγサブユニットと相互作用するアミノ酸残基に結合する。場合によっては、抱合部分は、IL-15/IL-15Rα界面に近接する(例えば、IL-15/IL-15Rα界面から約5A、約10A、約15A、あるいは約20A離れて)、あるいは、IL-2Rβγサブユニットに近接するアミノ酸残基に結合する。本明細書で使用されるように、IL-15/IL-15Rα界面に含まれる残基は、IL-15からの残基と疎水的相互作用、水素結合、あるいはイオン相互作用を形成する、IL-15残基を含む。同様に、IL-15/IL-2Rβγ界面に含まれる残基は、IL-2Rβγサブユニットからの残基と疎水的相互作用、水素結合、あるいはイオン相互作用を形成する、IL-15残基を含む。場合によっては、抱合部分は、直接的に、あるいは、リンカーペプチドを介して間接的に、IL-15ポリペプチドのN末端あるいはC末端に(例えば、N末端あるいはC末端のアミノ酸残基に、又は、末端アミノ酸残基に結合した反応基に)結合する。さらなる場合には、抱合部分は、IL-15とIL-15Rとの間の相互作用を調節する。幾つかの例では、IL-15抱合体は、IL-15/IL-15Rシグナル伝達を介して腫瘍浸潤リンパ球の特徴的な集団をアップレギュレートする。幾つかの例では、IL-15抱合体は、腫瘍に関連するリンパ球の増殖及び/又は拡張の減少を促す。幾つかの例では、IL-15抱合体は免疫活性を調節する。
【0069】
追加のサイトカイン抱合体
幾つかの実施形態において、アミノ酸位置で修飾された1つ以上の追加のサイトカイン抱合体が本明細書に記載される。例示的なサイトカインとしては、限定されないが、IL-1β、IL-7、IL-10、IL-12、IL-18、IL-21、INF(例えば、IFN-α、IFN-β、IFN-κ、IFN-δ、IFN-ε、IFN-τ、IFN-ω、あるいはIFN-ζ)と、TNF(例えば、TNFαあるいはCD40L)を含む。幾つかの例では、サイトカイン抱合体は、単離及び精製されたサイトカインポリペプチドと抱合部分を含む。幾つかの例では、サイトカイン抱合体は、その野生型のサイトカインと比較して、そのそれぞれの受容体に対する減少した親和性を有する。場合によっては、抱合部分は、受容体界面の近位にある(例えば、受容体界面から約5A、約10A、約15A、あるいは約20A離れて)アミノ酸残基に結合する。場合によっては、抱合部分は、直接的に、あるいは、リンカーペプチドを介して間接的に、サイトカインのN末端あるいはC末端に結合される。さらなる場合には、抱合部分は、サイトカインとそのそれぞれの受容体との間の相互作用を調節する。幾つかの例では、サイトカイン抱合体は、腫瘍浸潤リンパ球の特徴的な集団をアップレギュレートする。幾つかの例では、サイトカインは、腫瘍に関連するリンパ球の増殖及び/又は拡張の減少を促す。幾つかの例では、サイトカインは免疫活性を調節する。
【0070】
サイトカインの抱合体前駆体
突然変異サイトカイン(IL-2などの)を含むサイトカイン抱合体前駆体が本明細書に記載され、ここで、1つ以上のアミノ酸は野生型アミノ酸から変異する。そのような前駆体は、しばしば、疾患又は疾病を処置するために、本明細書に記載される方法と共に使用される。幾つかの実施形態において、サイトカイン前駆体は抱合されない。そのような突然変異は、様々な付加、欠失、又は置換を含む。幾つかの実施形態において、突然変異は異なる天然アミノ酸の置換を含む。幾つかの例では、突然変異体サイトカインは、アミ
ノ酸位置Y31、K32、N33、P34、K35、T37、R38、T41、F42、K43、F44、Y45、P47、K48、Q57、E60、E61、E62、L63、K64、P65、E68、V69、N71、L72、Q74、S75、K76、N77、M104、C105、E106、Y107、A108、D109、E110、T111、又はA112の突然変異を含み、アミノ酸残基の番号付けはSEQ ID NO:1に対応する。幾つかの例では、アミノ酸位置は、Y31、K32、N33、P34、K35、T37、R38、T41、F42、K43、F44、Y45、P47、K48、E61、E62、E68、K64、P65、V69、L72、Q74、S75、K76、N77、M104、C105、A108、D109、E110、T111、及びA112から選択される。幾つかの例では、アミノ酸位置は、N33、P34、K35、T37、R38、M39、T41、F42、K43、F44、Y45、Q57、E60、E61、E62、L63、K64、P65、E68、V69、N71、L72、M104、C105、E106、Y107、A108、T111、及びA112から選択される。幾つかの例では、アミノ酸位置は、K35、T37、R38、T41、F42、K43、F44、Y45、E61、E62、E68、K64、P65、V69、L72、及びY107から選択される。幾つかの例では、アミノ酸位置は、T37、R38、T41、F42、F44、Y45、E61、E62、E68、K64、P65、V69、L72、及びY107から選択される。幾つかの例では、アミノ酸位置は、T37、R38、T41、F42、F44、Y45、E61、E62、E68、P65、V69、L72、及びY107から選択される。幾つかの例では、アミノ酸位置は、T37、T41、F42、F44、Y45、P65、V69、L72、及びY107から選択される。幾つかの例では、アミノ酸位置はR38及びK64から選択される。幾つかの例では、アミノ酸位置はE61、E62、及びE68から選択される。場合によっては、アミノ酸位置はK35である。場合によっては、アミノ酸位置はT37である。場合によっては、アミノ酸位置はR38である。場合によっては、アミノ酸位置はT41である。場合によっては、アミノ酸位置はF42である。場合によっては、アミノ酸位置はK43である。場合によっては、アミノ酸位置はF44である。場合によっては、アミノ酸位置はY45である。場合によっては、アミノ酸位置はE61である。場合によっては、アミノ酸位置はE62である。場合によっては、アミノ酸位置はK64である。場合によっては、アミノ酸位置はE68である。場合によっては、アミノ酸位置はP65である。場合によっては、アミノ酸位置はV69である。場合によっては、アミノ酸位置はL72である。場合によっては、アミノ酸位置はY107である。場合によっては、アミノ酸位置はL72である。場合によっては、アミノ酸位置はD109である。幾つかの実施形態において、サイトカイン突然変異体は抱合部分を含み、ここで、抱合部分は突然変異体サイトカインにおける変異部位に結合される。
【0071】
本明細書に記載されるサイトカイン突然変異体は、しばしば天然アミノ酸に対して1つ以上の突然変異を含む。幾つかの実施形態において、サイトカイン突然変異体はSEQ ID NO:1、及び少なくとも1つの突然変異を含む。幾つかの実施形態において、サイトカイン突然変異体はSEQ ID NO:1、及びE62K突然変異を含む。幾つかの実施形態において、サイトカイン突然変異体はSEQ ID NO:1、及びE62C突然変異を含む。幾つかの実施形態において、サイトカイン突然変異体はSEQ ID NO:1、及びE62A突然変異を含む。幾つかの実施形態において、サイトカイン突然変異体はSEQ ID NO:1、及びE62I突然変異を含む。幾つかの実施形態において、サイトカイン突然変異体はSEQ ID NO:1、及びE62L突然変異を含む。幾つかの実施形態において、サイトカイン突然変異体はSEQ ID NO:1、及びE62Y突然変異を含む。幾つかの実施形態において、サイトカイン突然変異体はSEQ
ID NO:1、及びE62W突然変異を含む。幾つかの実施形態において、サイトカイン突然変異体はSEQ ID NO:1、及びE62N突然変異を含む。幾つかの実施形態において、サイトカイン突然変異体はSEQ ID NO:1、及びE62R突然変異を含む。幾つかの実施形態において、サイトカイン突然変異体はSEQ ID NO:
1、及びE62D突然変異を含む。幾つかの実施形態において、サイトカイン突然変異体はSEQ ID NO:1、及びE62Q突然変異を含む。幾つかの実施形態において、サイトカイン突然変異体はSEQ ID NO:1、及びE62G突然変異を含む。幾つかの実施形態において、サイトカイン突然変異体はSEQ ID NO:1、及びE62H突然変異を含む。幾つかの実施形態において、サイトカイン突然変異体はSEQ ID
NO:1、及びE62M突然変異を含む。幾つかの実施形態において、サイトカイン突然変異体はSEQ ID NO:1、及びE62F突然変異を含む。幾つかの実施形態において、サイトカイン突然変異体はSEQ ID NO:1、及びE62P突然変異を含む。幾つかの実施形態において、サイトカイン突然変異体はSEQ ID NO:1、及びE62S突然変異を含む。幾つかの実施形態において、サイトカイン突然変異体はSEQ ID NO:1、及びE62T突然変異を含む。幾つかの実施形態において、サイトカイン突然変異体はSEQ ID NO:1、及びE62V突然変異を含む。
【0072】
幾つかの実施形態において、サイトカイン突然変異体はSEQ ID NO:1、及び少なくとも1つの突然変異を含む。幾つかの実施形態において、サイトカイン突然変異体はSEQ ID NO:1及びP65K突然変異を含む。幾つかの実施形態において、サイトカイン突然変異体はSEQ ID NO:1及びP65C突然変異を含む。幾つかの実施形態において、サイトカイン突然変異体はSEQ ID NO:1及びP65A突然変異を含む。幾つかの実施形態において、サイトカイン突然変異体はSEQ ID NO:1及びP65I突然変異を含む。幾つかの実施形態において、サイトカイン突然変異体はSEQ ID NO:1及びP65L突然変異を含む。幾つかの実施形態において、サイトカイン突然変異体はSEQ ID NO:1及びP65Y突然変異を含む。幾つかの実施形態において、サイトカイン突然変異体はSEQ ID NO:1及びP65W突然変異を含む。幾つかの実施形態において、サイトカイン突然変異体はSEQ ID NO:1及びP65N突然変異を含む。幾つかの実施形態において、サイトカイン突然変異体はSEQ ID NO:1及びP65R突然変異を含む。幾つかの実施形態において、サイトカイン突然変異体はSEQ ID NO:1及びP65D突然変異を含む。幾つかの実施形態において、サイトカイン突然変異体はSEQ ID NO:1及びP65Q突然変異を含む。幾つかの実施形態において、サイトカイン突然変異体はSEQ ID NO:1及びP65G突然変異を含む。幾つかの実施形態において、サイトカイン突然変異体はSEQ ID NO:1及びP65H突然変異を含む。幾つかの実施形態において、サイトカイン突然変異体はSEQ ID NO:1及びP65M突然変異を含む。幾つかの実施形態において、サイトカイン突然変異体はSEQ ID NO:1及びP65F突然変異を含む。幾つかの実施形態において、サイトカイン突然変異体はSEQ ID NO:1及びP65E突然変異を含む。幾つかの実施形態において、サイトカイン突然変異体はSEQ ID NO:1及びP65S突然変異を含む。幾つかの実施形態において、サイトカイン突然変異体はSEQ ID NO:1及びP65T突然変異を含む。幾つかの実施形態において、サイトカイン突然変異体はSEQ ID NO:1及びP65V突然変異を含む。
【0073】
タンパク質又はペプチドの融合
幾つかの実施形態において、本明細書に記載されるサイトカイン抱合体は、ペプチド又はタンパク質に融合されるサイトカイン(例えば、IL-2、あるいは他のサイトカイン)を含む(融合)。幾つかの実施形態において、ペプチド又はタンパク質は抗体又は抗体フラグメントである。幾つかの実施形態において、本明細書に記載されるサイトカイン抱合体は、抗体に融合されるサイトカイン(例えば、IL-2、あるいは他のサイトカイン)、又はその結合フラグメントを含む。幾つかの実施形態において、本明細書に記載されるサイトカインは、複数のタンパク質又はペプチドに融合される。幾つかの実施形態において、サイトカイン結合体は、タンパク質又はペプチドへのサイトカイン融合及び少なくとも抱合部分を含む。幾つかの例では、抗体又はその結合フラグメントは、ヒト化抗体又
はその結合フラグメント、マウス抗体又はその結合フラグメント、キメラ抗体又はその結合フラグメント、モノクローナル抗体又はその結合フラグメント、一価のFab’、二価のFab2、F(ab)’3フラグメント、単鎖可変フラグメント(scFv)、ビス-scFv(scFv)2、ダイアボディ、ミニボディ、ナノボディ、トリアボディ(triabody)、テトラボディ(tetrabody)、ヒューマボディ(humabody)、ジスルフィド安定Fvタンパク質(dsFv)、単一ドメイン抗体(sdAb)、Ig NAR、camelid抗体又はその結合フラグメント、二重特異性抗体又はその結合フラグメント、あるいはその化学修飾された誘導体を含む。幾つかの例において、そのような融合タンパク質は、翻訳を介して直接生成される。幾つかの実施形態において、融合は化学的あるいは他の酵素的なライゲーション方法を使用して生成される。幾つかの実施形態において、サイトカイン結合体は、リンカーによって結合される融合ペプチド又はタンパク質を含む。幾つかの実施形態において、リンカーはペプチドである。幾つかの実施形態において、サイトカイン結合体はN末端ペプチド又はタンパク質の融合を含む。幾つかの実施形態において、サイトカイン結合体はC末端ペプチド又はタンパク質の融合を含む。場合によっては、ペプチド又はタンパク質に融合されるサイトカインは、以下に記載される1つ以上の抱合部分にさらに抱合される。
【0074】
幾つかの例では、サイトカイン抱合体は、scFv、ビス-scFv、(scFv)2、dsFv、又はsdAb融合への融合を含む。場合によっては、融合はscFvを含む。場合によっては、サイトカイン抱合体は、ビス-scFvへの融合を含む。場合によっては、サイトカイン抱合体は、(scFv)2への融合を含む。場合によっては、サイトカイン抱合体は、dsFvへの融合を含む。場合によっては、サイトカイン抱合体は、sdAbへの融合を含む。場合によっては、scFv、ビス-scFv、(scFv)2、dsFv、又はsdAbに融合されるサイトカインは、以下に記載される1つ以上の抱合部分にさらに抱合される。
【0075】
幾つかの例では、サイトカイン抱合体は、抗体(例えば、IgG、IgA、IgM、IgE、又はIgD)のFc部分への融合を含む。幾つかの例では、サイトカイン抱合体は、IgG(例えば、IgG1、IgG3、又はIgG4)のFc部分への融合を含む。場合によっては、Fc部分に融合するサイトカインは、以下に記載される1つ以上の抱合部分にさらに抱合される。
【0076】
場合によっては、サイトカイン(例えば、インターロイキン、IFN、又はTNF)のポリペプチドは、抗体、又はその結合フラグメントに融合される。場合によっては、サイトカインポリペプチドは、ヒト化抗体又はその結合フラグメント、マウス抗体又はその結合フラグメント、キメラ抗体又はその結合フラグメント、モノクローナル抗体又はその結合フラグメント、一価のFab’、二価のFab2、F(ab)’3、単鎖可変フラグメント(scFv)、ビス-scFv(scFv)2、ダイアボディ、ミニボディ、ナノボディ、トリアボディ、テトラボディ、ヒューマボディ、ジスルフィド安定Fvタンパク質(dsFv)、単一ドメイン抗体(sdAb)、Ig NAR、camelid抗体又はその結合フラグメント、二重特異性抗体又はその結合フラグメント、あるいはその化学修飾された誘導体に融合される。さらなる場合において、サイトカインポリペプチドは抗体のFc部分に融合される。さらなる場合において、サイトカインポリペプチドは、IgG(例えば、IgG1、IgG3、又はIgG4)のFc部分に融合される。場合によっては、抗体に融合されるサイトカイン、又はその結合フラグメントは、以下に記載される1つ以上の抱合部分に抱合される。
【0077】
場合によっては、IL-2ポリペプチドは抗体、又はその結合フラグメントに融合される。幾つかの例では、IL-2は、ヒト化抗体又はその結合フラグメント、マウス抗体又はその結合フラグメント、キメラ抗体又はその結合フラグメント、モノクローナル抗体又
はその結合フラグメント、一価のFab’、二価のFab2、F(ab)’3フラグメント、単鎖可変フラグメント(scFv)、ビス-scFv(scFv)2、ダイアボディ、ミニボディ、ナノボディ、トリアボディ、テトラボディ、ヒューマボディ、ジスルフィド安定Fvタンパク質(dsFv)、単一ドメイン抗体(sdAb)、Ig NAR、camelid抗体又はその結合フラグメント、二重特異性抗体又はその結合フラグメント、あるいはその化学修飾された誘導体に融合される。さらなる場合において、IL-2ポリペプチドは抗体のFc部分に融合される。さらなる場合において、IL-2ポリペプチドは、IgG(例えば、IgG1、IgG3、又はIgG4)のFc部分に融合される。さらなる場合において、抗体に融合されるIL-2ポリペプチド、又はその結合フラグメントは、以下に記載される1つ以上の抱合部分に融合される。
【0078】
天然及び非天然アミノ酸
幾つかの実施形態において、本明細書に記載されるアミノ酸残基(例えば、IL-2などのサイトカイン内)は、抱合部分に結合する(又は抱合部分と反応する)前に、リジン、システイン、ヒスチジン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、トレオニン、又はチロシンに変異する。例えば、リジン、システイン、ヒスチジン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、トレオニン、又はチロシンの側鎖は、本明細書に記載される抱合部分に結合することができる。幾つかの例では、アミノ酸残基はシステイン、リジン、又はヒスチジンに変異する。場合によっては、アミノ酸残基はシステインに変異する。場合によっては、アミノ酸残基はリジンに変異する。場合によっては、アミノ酸残基はヒスチジンに変異する。場合によっては、アミノ酸残基はチロシンに変異する。場合によっては、アミノ酸残基はトリプトファンに変異する。幾つかの実施形態において、非天然アミノ酸は抱合部分と抱合しない。幾つかの実施形態において、本明細書に記載されるサイトカインは非天然アミノ酸を含み、ここで、サイトカインはタンパク質に抱合され、結合点は非天然アミノ酸でない。
【0079】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載されるアミノ酸残基(例えば、IL-2などのサイトカイン内)は、抱合部分に結合する前に、非天然アミノ酸に変異させられる。場合によっては、非天然アミノ酸の突然変異は、免疫系の自己抗原反応を防ぐか、あるいは最小化する。本明細書で使用されるように、用語「非天然アミノ酸」は、タンパク質において自然に生じる20のアミノ酸とは別のアミノ酸を指す。非天然アミノ酸の非限定的な例は、以下を含む:p-アセチル-L-フェニルアラニン、p-ヨード-L-フェニルアラニン、p-メトキシフェニルアラニン、O-メチル-L-チロシン、p-プロパルギルオキシフェニルアラニン、p-プロパルギル-フェニルアラニン、L-3-(2-ナフチル)アラニン、3-メチル-フェニルアラニン、O-4-アリル-L-チロシン、4-プロピル-L-チロシン、トリ-O-アセチル-GlcNAcp-セリン、L-Dopa、フッ素化フェニルアラニン、イソプロピル-L-フェニルアラニン、p-アジド-L-フェニルアラニン、p-アシル-L-フェニルアラニン、p-ベンゾイル-L-フェニルアラニン、p-ボロノフェニルアラニン、O-プロパルギルチロシン、L-ホスホセリン、ホスホノセリン、ホスホノチロシン、p-ブロモフェニルアラニン、セレノシステイン、p-アミノ-L-フェニルアラニン、イソプロピル-L-フェニルアラニン、アジドリジン(AzK)、チロシンアミノ酸の非天然アナログ;グルタミンアミノ酸の非天然アナログ;フェニルアラニンアミノ酸の非天然アナログ;セリンアミノ酸の非天然アナログ;トレオニンアミノ酸の非天然アナログ;アルキル、アリール、アシル、アジド、シアノ、ハロ、ヒドラジン、ヒドラジド、ヒドロキシル、アルケニル、アルキニル(alkynl)、エーテル、チオール、スルホニル、セレノ、エステル、チオ酸、ホウ酸塩、ボロン酸
、ホスホ、ホスホノ、ホスフィン、複素環式、エノン、イミン、アルデヒド、ヒドロキシルアミン、ケト、又はアミノ置換アミノ酸、あるいはそれらの組み合わせ;光活性化可能なクロスリンカーを有するアミノ酸;スピン標識アミノ酸;蛍光性アミノ酸;金属結合アミノ酸;金属含有アミノ酸;放射性アミノ酸;光ケージ化(photocaged)ア
ミノ酸及び/又は光異性化可能なアミノ酸;ビオチン又はビオチンアナログ含有アミノ酸;ケト含有アミノ酸;ポリエチレングリコール又はポリエーテルを含むアミノ酸;重原子置換アミノ酸;化学的に切断可能又は光切断可能なアミノ酸;細長い側鎖を有するアミノ酸;毒性基含有アミノ酸;糖置換アミノ酸;炭素に結合された糖を含有するアミノ酸;酸化還元活性アミノ酸;ヒドロキシ含有酸;アミノチオ酸;α、α二置換アミノ酸;β-アミノ酸;プロリン又はヒスチジン以外の環状アミノ酸、及びフェニルアラニン、チロシン、又はトリプトファン以外の芳香族アミノ酸。
【0080】
幾つかの実施形態において、非天然アミノ酸は、選択的反応基、又は標的ポリペプチドの部位選択的標識化のための反応基を含む。幾つかの例では、化学は生体直交型反応(biorthogonal reaction)(例えば、生体適合性及び選択的反応)である。場合によっては、化学は、Cu(I)-触媒化又は「銅を含まない」アルキン-アジド トリアゾール-生成反応、シュタウディンガー・ライゲーション、逆電子要請型Diels-Alder(IEDDA)反応、「光クリック(photo-click)」ケミストリー、又はオレフィンメタセシス、及び鈴木・宮浦クロスカップリングあるいは薗頭カップリングなどの金属媒介プロセスである。
【0081】
幾つかの実施形態において、非天然アミノ酸は、例えば、UVでの照射の際に架橋する光反応基を含む。
【0082】
幾つかの実施形態において、非天然アミノ酸は光ケージ化アミノ酸を含む。
【0083】
幾つかの例では、非天然アミノ酸は、パラ置換、メタ置換、又はオルト置換のアミノ酸誘導体である。
【0084】
幾つかの例では、非天然アミノ酸は、p-アセチル-L-フェニルアラニン、p-アジドメチル-L-フェニルアラニン(pAMF)、p-ヨード-L-フェニルアラニン、O-メチル-L-チロシン、p-メトキシフェニルアラニン、p-プロパルギルオキシフェニルアラニン、p-プロパルギル-フェニルアラニン、L-3-(2-ナフチル)アラニン、3-メチル-フェニルアラニン、O-4-アリル-L-チロシン、4-プロピル-L-チロシン、トリ-O-アセチル-GlcNAcp-セリン、イソプロピル-L-フェニルアラニン、p-アジド-L-フェニルアラニン、p-アシル-L-フェニルアラニン、p-ベンゾイル-L-フェニルアラニン、エルドパ及びフッ素化フェニルアラニン、L-ホスホセリン、ホスホノセリン、ホスホノチロシン、p-ブロモフェニルアラニン、p-アミノ-L-フェニルアラニン、又はイソプロピル-L-フェニルアラニンを含む。
【0085】
場合によっては、非天然アミノ酸は、3-アミノチロシン、3-ニトロチロシン、3,4-ジヒドロキシ-フェニルアラニン、又は3-ヨードチロシンである。
【0086】
場合によっては、非天然アミノ酸はフェニルセレノシステインである。
【0087】
幾つかの例では、非天然アミノ酸は、ベンゾフェノン、ケトン、ヨウ化物、メトキシ、アセチル、ベンゾイル、又はアジド含有フェニルアラニン誘導体である。
【0088】
幾つかの例では、非天然アミノ酸は、ベンゾフェノン、ケトン、ヨウ化物、メトキシ、アセチル、ベンゾイル、又はアジド含有リジン誘導体である。
【0089】
幾つかの例では、非天然アミノ酸は芳香族側鎖を含む。
【0090】
幾つかの例では、非天然アミノ酸は芳香族側鎖を含まない。
【0091】
幾つかの例では、非天然アミノ酸はアジド基を含む。
【0092】
幾つかの例では、非天然アミノ酸はマイケルアクセプター基を含む。幾つかの例では、マイケルアクセプター基は、1、2-付加反応を介して共有結合を形成することができる不飽和部分を含む。幾つかの例では、マイケルアクセプター基は、電子不足アルケン又はアルキンを含む。幾つかの例では、マイケルアクセプター基は、限定されないが、α、β不飽和の:ケトン、アルデヒド、スルホキシド、スルホン、ニトリル、イミン、又は芳香族化合物を含む。
【0093】
幾つかの例では、非天然アミノ酸はデヒドロアラニンである。
【0094】
幾つかの例では、非天然アミノ酸はアルデヒド又はケトン基を含む。
【0095】
幾つかの例では、非天然アミノ酸はアルデヒド又はケトン基を含むリジン誘導体である。
【0096】
幾つかの例では、非天然アミノ酸は、β、γ、又はδ位に1つ以上のO、N、Se、又はS原子を含むリジン誘導体である。幾つかの例では、非天然アミノ酸は、γ位にO、N、Se、又はS原子を含むリジン誘導体である。
【0097】
幾つかの例では、非天然アミノ酸は、イプシロン N原子が酸素原子と取り替えられるリジン誘導体である。
【0098】
幾つかの例では、非天然アミノ酸は、自然発生の翻訳後に修飾されるリジンではないリジン誘導体である。
【0099】
幾つかの例では、非天然アミノ酸は側鎖を含むアミノ酸であり、α位から6番目の原子はカルボニル基を含む。幾つかの例では、非天然アミノ酸は側鎖を含むアミノ酸であり、ここで、α位から6番目の原子は、カルボニル基を含み、及び、α位からの5番目の原子は窒素である。幾つかの例では、非天然アミノ酸は側鎖を含むアミノ酸であり、α位から7番目の原子は酸素原子である。
【0100】
幾つかの例では、非天然アミノ酸はセリンを含むセリン誘導体である。幾つかの例では、非天然アミノ酸は、セレノセリン(selenoserine)(2-アミノ-3-ヒドロセレノプロパン酸である。幾つかの例では、非天然アミノ酸は、2-アミノ-3-((2-((3-(ベンジルオキシ)-3-オキソプロピル)アミノ)エチル)セラニル)プロパン酸である。幾つかの例では、非天然アミノ酸は、2-アミノ-3-(フェニルセラニル)プロパン酸である。幾つかの例では、非天然アミノ酸はセレニウムを含み、ここで、セレニウムの酸化は、アルケンを含む非天然アミノ酸の形成を結果としてもたらす。
【0101】
幾つかの例では、非天然アミノ酸はシクロオクチニル基を含む。
【0102】
幾つかの例では、非天然アミノ酸は、トランスシクロテニル(transcycloctenyl)基を含む。
【0103】
幾つかの例では、非天然アミノ酸はノルボルネニル基を含む。
【0104】
幾つかの例では、非天然アミノ酸はシクロプロペニル基を含む。
【0105】
幾つかの例では、非天然アミノ酸はジアジリン基を含む。
【0106】
幾つかの例では、非天然アミノ酸はテトラジン基を含む。
【0107】
幾つかの例では、非天然アミノ酸はリジン誘導体であり、側鎖窒素はカルバミル化される。幾つかの例では、非天然アミノ酸はリジン誘導体であり、側鎖窒素はアシル化される。幾つかの例では、非天然アミノ酸は、2-アミノ-6-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}ヘキサン酸である。幾つかの例では、非天然アミノ酸は、2-アミノ-6-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}ヘキサン酸である。幾つかの例では、非天然アミノ酸は、N6-Boc-N6-メチルリシンである。幾つかの例では、非天然アミノ酸は、N6-アセチルリジンである。幾つかの例では、非天然アミノ酸はピロリシンである。幾つかの例では、非天然アミノ酸は、N6-トリフルオロアセチルリジン(trifluoroacetyllysine)である。幾つかの例では、非天然アミノ酸は、2-アミノ-6-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}ヘキサン酸である。幾つかの例では、非天然アミノ酸は、2-アミノ-6-{[(p-ヨードベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}ヘキサン酸である。幾つかの例では、非天然アミノ酸は、2-アミノ-6-{[(p-ニトロベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}ヘキサン酸である。幾つかの例では、非天然アミノ酸は、N6-プロリルリジン(prolyllysine)である。幾つかの例では、非天然アミノ酸は、2-アミノ-6-{[(シクロペンチロキシ)カルボニル]アミノ}ヘキサン酸である。幾つかの例では、非天然アミノ酸は、N6-(シクロペンタンカルボニル)リジンである。幾つかの例では、非天然アミノ酸は、N6-(テトラヒドロフラン-2-カルボニル)リジンである。幾つかの例では、非天然アミノ酸は、N6-(3-エチニルテトラヒドロフラン-2-カルボニル)リジンである。幾つかの例では、非天然アミノ酸は、N6-((プロプ-2-イン-1-イルオキシ)カルボニル)リジンである。幾つかの例では、非天然アミノ酸は、2-アミノ-6-{[(2-アジドシクロペンチルオキシ)カルボニル]アミノ}ヘキサン酸である。幾つかの例では、非天然アミノ酸は、N6-((2-アジドエトキシ)カルボニル)リジンである。幾つかの例では、非天然アミノ酸は、2-アミノ-6-{[(2-ニトロベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}ヘキサン酸である。幾つかの例では、非天然アミノ酸は2-アミノ-6-{[(2-シクロオクチニルオキシ)カルボニル]アミノ}ヘキサン酸である。幾つかの例では、非天然アミノ酸は、N6-(2-アミノブト-3-イノイル)リジンである。幾つかの例では、非天然アミノ酸は、2-アミノ-6-((2-アミノブト-3-イノイル)オキシ)ヘキサン酸である。幾つかの例では、非天然アミノ酸は、N6-(アリルオキシカルボニル)リジンである。幾つかの例では、非天然アミノ酸は、N6-(ブテニル-4-オキシカルボニル)リジンである。幾つかの例では、非天然アミノ酸は、N6-(ペンテニル-5-オキシカルボニル)リジンである。幾つかの例では、非天然アミノ酸は、N6-((ブト-3-イン-1-イルオキシ)カルボニル)-リジンである。幾つかの例では、非天然アミノ酸は、N6-((ペンタ-4-イン-1-イルオキシ)カルボニル)-リジンである。幾つかの例では、非天然アミノ酸は、N6-(チアゾリジン-4-カルボニル)リジンである。幾つかの例では、非天然アミノ酸は、2-アミノ-8-オキソノナン酸である。幾つかの例では、非天然アミノ酸は、2-アミノ-8-オキソオクタン酸である。幾つかの例では、非天然アミノ酸は、N6-(2-オキソアセチル)リジンである。
【0108】
幾つかの例では、非天然アミノ酸はN6-プロピオニルリジン(propionyllysine)である。幾つかの例では、非天然アミノ酸はN6-ブチリルリジン(butyryllysine)である。幾つかの例では、非天然アミノ酸はN6-(ブト-2-エノイル)リジンである。幾つかの例では、非天然アミノ酸はN6-((ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イルオキシ)カルボニル)リジンである。幾つかの例では、非天然アミノ酸は、N6-((スピロ[2.3]ヘキサ(hex)-1-エン-5-
イルメトキシ)カルボニル)リジンである。幾つかの例では、非天然アミノ酸は、N6-(((4―(1-(トリフルオロメチル)シクロプロパ-2-エン-1-イル)ベンジル)オキシ)カルボニル)リジンである。幾つかの例では、非天然アミノ酸は、N6-((ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イルメトキシ)カルボニル)リジンである。幾つかの例では、非天然アミノ酸は、システイニルリジン(cysteinyllysine)である。幾つかの例では、非天然アミノ酸は、N6-((1-(6-ニトロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)エトキシ)カルボニル)リジンである。幾つかの例では、非天然アミノ酸は、N6-((2-(3-メチル-3H-ジアジリン-3-イル)エトキシ)カルボニル)リジンである。幾つかの例では、非天然アミノ酸は、N6-((3-(3-メチル-3H-ジアジリン-3-イル)プロポキシ)カルボニル)リジンである。幾つかの例では、非天然アミノ酸は、N6-(メタ ニトロベニルオキシ(nitrobenyloxy))N6-メチルカルボニル)リジン)である。幾つかの例では、非天然アミノ酸は、N6-((ビシクロ[6.1.0]ノン-4-イン-9-イルメトキシ)カルボニル)-リジンである。幾つかの例では、非天然アミノ酸は、N6-((シクロヘプト-3-エン-1-イルオキシ)カルボニル)-L-リジンである。
【0109】
幾つかの例では、非天然アミノ酸は、2-アミノ-3-(((((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)メチル)セラニル)プロパン酸である。
【0110】
幾つかの実施形態において、非天然アミノ酸は、再目的化された(repurposed)アンバー、オパール、又はオーカー停止コドンによってサイトカイン(例えば、IL
ポリペプチド)に組み込まれる。
【0111】
幾つかの実施形態において、非天然アミノ酸は、4塩基コドンによってサイトカイン(例えば、IL ポリペプチド)に組み込まれる。
【0112】
幾つかの実施形態において、非天然アミノ酸は、再目的化された希少センスコドンによってサイトカイン(例えば、IL ポリペプチド)に組み込まれる。
【0113】
幾つかの実施形態において、非天然アミノ酸は、非天然核酸を含む合成コドンによってサイトカイン(例えば、IL ポリペプチド)に組み込まれる。幾つかの例では、非天然アミノ酸は、直交する改変シンテターゼ/tRNA対によってサイトカインに組み込まれる。そのような直交対は非天然シンテターゼを含み、非天然シンテターゼは、非天然アミノ酸で非天然tRNAをチャージする(charging)ことができるが、a)非天然tRNAへの他の内因性アミノ酸のチャージと、及びb)他の内因性tRNAへの非天然アミノ酸のチャージを最小化する。そのような直交対はtRNAを含み、tRNAは、非天然シンテターゼによってチャージされ得るが、内因性シンテターゼによって、a)他の内因性アミノ酸でチャージされるのを回避する。幾つかの実施形態において、そのような対は、細菌、酵母菌、古細菌、又はヒトのソースなどの様々な有機体から同定される。幾つかの実施形態において、直交シンテターゼ/tRNA対は単一の有機体からの構成要素を含む。幾つかの実施形態において、直交シンテターゼ/tRNA対は、2つの異なる有機体からの構成要素を含む。幾つかの実施形態において、直交シンテターゼ/tRNA対は、修飾前に2つの異なるアミノ酸の翻訳を促進する構成要素を含む。幾つかの実施形態において、直交シンテターゼは改変アラニンシンテターゼである。幾つかの実施形態において、直交シンテターゼは改変アルギニンシンテターゼである。幾つかの実施形態において、直交シンテターゼは改変アスパラギンシンテターゼである。幾つかの実施形態において、直交シンテターゼは改変アスパラギン酸シンテターゼである。幾つかの実施形態において、直交シンテターゼは改変システインシンテターゼである。幾つかの実施形態において、直交シンテターゼは改変グルタミンシンセターゼである。幾つかの実施形態において、直交シンテターゼは改変グルタミン酸シンテターゼである。幾つかの実施形態において
、直交シンテターゼは改変アラニングリシンである。幾つかの実施形態において、直交シンテターゼは改変ヒスチジンシンテターゼである。幾つかの実施形態において、直交シンテターゼは改変ロイシンシンテターゼである。幾つかの実施形態において、直交シンテターゼは改変イソロイシンシンテターゼである。幾つかの実施形態において、直交シンテターゼは改変リジンシンテターゼである。幾つかの実施形態において、直交シンテターゼは改変メチオニンシンテターゼである。幾つかの実施形態において、直交シンテターゼは改変フェニルアラニンシンテターゼである。幾つかの実施形態において、直交シンテターゼは改変プロリンシンテターゼである。幾つかの実施形態において、直交シンテターゼは改変セリンシンテターゼである。幾つかの実施形態において、直交シンテターゼは改変トレオニンシンテターゼである。幾つかの実施形態において、直交シンテターゼは改変トリプトファンシンセターゼである。幾つかの実施形態において、直交シンテターゼは改変チロシンシンテターゼである。幾つかの実施形態において、直交シンテターゼは改変バリンシンテターゼである。幾つかの実施形態において、直交シンテターゼは改変ホスホセリンシンテターゼである。幾つかの実施形態において、直交tRNAは改変アラニンtRNAである。幾つかの実施形態において、直交tRNAは改変アルギニンtRNAである。幾つかの実施形態において、直交tRNAは改変アスパラギンtRNAである。幾つかの実施形態において、直交tRNAは改変アスパラギン酸tRNAである。幾つかの実施形態において、直交tRNAは改変システインtRNAである。幾つかの実施形態において、直交tRNAは改変グルタミンtRNAである。幾つかの実施形態において、直交tRNAは改変グルタミン酸tRNAである。幾つかの実施形態において、直交tRNAは改変アラニングリシンである。幾つかの実施形態において、直交tRNAは改変ヒスチジンtRNAである。幾つかの実施形態において、直交tRNAは改変ロイシンtRNAである。幾つかの実施形態において、直交tRNAは改変イソロイシンtRNAである。幾つかの実施形態において、直交tRNAは改変リジンtRNAである。幾つかの実施形態において、直交tRNAは改変メチオニンtRNAである。幾つかの実施形態において、直交tRNAは改変フェニルアラニンtRNAである。幾つかの実施形態において、直交tRNAは改変プロリンtRNAである。幾つかの実施形態において、直交tRNAは改変セリンtRNAである。幾つかの実施形態において、直交tRNAは改変トレオニンtRNAである。幾つかの実施形態において、直交tRNAは改変トリプトファンtRNAである。幾つかの実施形態において、直交tRNAは改変チロシンtRNAである。幾つかの実施形態において、直交tRNAは改変バリンtRNAである。幾つかの実施形態において、直交tRNAは改変ホスホセリンtRNAである。
【0114】
幾つかの実施形態において、非天然アミノ酸は、アミノアシル(aaRS又はRS)-tRNAシンセターゼ-tRNA対によってサイトカイン(例えば、IL ポリペプチド)に組み込まれる。典型的なaaRS-tRNA対としては、限定されないが、メタノカルドコックス・ヤンナスキイ(Mj-Tyr)aaRS/tRNA対、大腸菌TyrRS(Ec-Tyr)/バチルス・ステアロサーモフィルス tRNACUA対、大腸菌LeuRS(Ec-Leu)/バチルス・ステアロサーモフィルス tRNACUA対、及び
ピロリジル-tRNA対が挙げられる。幾つかの例では、非天然アミノ酸は、Mj-TyrRS/tRNA対によってサイトカイン(例えば、IL ポリペプチド)に組み込まれる。Mj-TyrRS/tRNA対によって組み込まれ得る典型的なUAAとしては、限定されないが、p-アミノフェニルアラニン及びp-メチルフェニルアラニンなどのパラ置換フェニルアラニン誘導体;3-アミノチロシン、3-ニトロチロシン、3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン、及び3-ヨードチロシンなどのメタ置換チロシン誘導体;フェニルセレノシステイン(phenylselenocysteine);p-ブロノフェイルアラニン(boronopheylalanine);及びo-ニトロベンジルチロシンが挙げられる。
【0115】
幾つかの例では、非天然アミノ酸は、Ec-ティール/tRNACUA又はEc-Le
u/tRNACUA対によってサイトカイン(例えば、ILポリペプチド)に組み込まれる。Ec-Tyr/tRNACUA又はEc-Leu/tRNACUA対によって組み込まれ得る典型的なUAAとしては、限定されないが、ベンゾフェノ、ケトン、ヨウ化物、又はアジド置換基を含むフェニルアラニン誘導体;O-プロパルギルチロシン;α-アミノカプリル酸、Oメチルチロシン、O-ニトロベンジルシステイン;及び、3-(ナフタレン-2-イルアミノ)-2-アミノ-プロパン酸が挙げられる。
【0116】
幾つかの例では、非天然アミノ酸は、ピロリジル-tRNA対によってサイトカイン(例えば、IL ポリペプチド)に組み込まれる。場合によっては、PylRSは、古細菌から(例えば、メタン生成古細菌から)得られる。場合によっては、PylRSは、メタノサルシナ・バーケリ、メタノサルシナ・マゼイ、又はメタノサルシナ・アセチボランスから得られる。ピロリジル-tRNA対によって組み込まれ得る典型的なUAAとしては、限定されないが、2-アミノ-6-((R)-テトラヒドロフラン-2-カルボキシアミド)ヘキサン酸、N-ε-D-プロリル-L-リジン、及びN-ε-シクロペンチロキシカルボニル-L-リジンなどのアミド及びカルバマート置換リジン;N-ε-アクリロイル -L-リジン;N-ε-[(1-(6-ニトロベンゾ[d][1,3]ジオキソ-ル(dioxol)-5-イル)エトキシ)カルボニル]-L-リジン;ならびに、N-ε-(1-メチルシクロプロ-2-エネカルボキシアミド(enecarboxamido))リジンが挙げられる。
【0117】
幾つかの例では、非天然アミノ酸は、米国特許第9,988,619号及び米国特許第9,938,516号において開示されたシンテターゼによって、本明細書に記載されるサイトカイン(例えば、IL ポリペプチド)に組み込まれる。そのようなシンテターゼによって組み込まれ得る典型的なUAAとしては、パラ-メチルアジド-L-フェニルアラニン、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアラルキル非天然アミノ酸、あるいは他のものが挙げられる。幾つかの実施形態において、そのようなUAAは、ピリジル、ピラジニル、ピラゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、チオフェニル、又は他の複素環を含む。幾つかの実施形態において、そのようなアミノ酸は、アジド、テトラジン、又は水溶性部分などの結合パートナーに抱合することができる他の化学基を含む。幾つかの実施形態において、そのようなシンテターゼは発現され、インビボでサイトカインにUAAを組み込むために使用される。幾つかの実施形態において、そのようなシンテターゼは、無細胞翻訳系を使用して、サイトカインにUAAを組み込むために使用される。
【0118】
幾つかの例では、非天然アミノ酸は、自然発生のシンテターゼによって、本明細書に記載されるサイトカイン(例えば、IL ポリペプチド)に組み込まれる。幾つかの実施形態において、非天然アミノ酸は、1つ以上のアミノ酸に対して栄養要求性の生物によってサイトカインに組み込まれる。幾つかの実施形態において、栄養要求性アミノ酸に対応するシンテターゼは、非天然アミノ酸で対応するtRNAをチャージすることができる。幾つかの実施形態において、非天然アミノ酸は、セレノシステイン又はその誘導体である。幾つかの実施形態において、非天然アミノ酸は、セレノメチオニン又はその誘導体である。幾つかの実施形態において、非天然アミノ酸は、ヨウ化物などのハロゲン化アリールを含む芳香族アミノ酸である。実施形態において、非天然アミノ酸は、栄養要求性アミノ酸に構造的に類似する。
【0119】
幾つかの例では、非天然アミノ酸は、
図1において例証される非天然アミノ酸を含む。
【0120】
幾つかの例では、非天然アミノ酸は、リジン又はフェニルアラニンの誘導体又はアナログを含む。幾つかの例では、非天然アミノ酸は、リジン誘導体又はリジンアナログを含む。幾つかの例では、非天然アミノ酸は、ピロリジン(Pyl)を含む。幾つかの例では、非天然アミノ酸は、フェニルアラニン誘導体又はフェニルアラニンアナログを含む。幾つ
かの例では、非天然アミノ酸は、Wan, et al., “Pyrrolysyl-tRNA synthetase: an ordinary enzyme but an outstanding genetic code expansion tool,” Biocheim Biophys Aceta 1844(6): 1059-4070 (2014)に記載される非天然アミノ酸である。幾つかの例では、非天然アミノ酸は、
図2(例えば、
図2A及び
図2B)において例証される非天然アミノ酸を含む。
【0121】
幾つかの実施形態において、非天然アミノ酸は、
図3A-
図3Dにおいて例証される非天然アミノ酸を含む(Dumas et al., Chemical Science
2015, 6, 50-69の表1から採用される)。
【0122】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載されるサイトカイン(例えば、IL ポリペプチド)に組み込まれる非天然アミノ酸は、US9,840,493;US9,682,934;US2017/0260137;US9,938,516;又は、US2018/0086734に開示される。そのようなシンテターゼによって組み込まれ得る典型的なUAAは、パラ-メチルアジド-L-フェニルアラニン、アラルキル、ヘテロシクリル、及びヘテロアラルキル、及びリジン誘導体の非天然アミノ酸を含む。幾つかの実施形態において、そのようなUAAは、ピリジル、ピラジニル、ピラゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、チオフェニル、又は他の複素環を含む。幾つかの実施形態において、そのようなアミノ酸は、アジド、テトラジン、又は水溶性部分などの結合パートナーに抱合することができる他の化学基を含む。幾つかの実施形態において、UAAは、アルキルリンカーを介して芳香族部分に結合されるアジドを含む。幾つかの実施形態において、アルキルリンカーは、C1-C10リンカーである。幾つかの実施形態において、UAAは、アルキルリンカーを介して芳香族部分に結合されるテトラジンを含む。幾つかの実施形態において、UAAは、アミノ基を介して芳香族部分に結合されるテトラジンを含む。幾つかの実施形態において、UAAは、アルキルアミノ基を介して芳香族部分に結合されるテトラジンを含む。幾つかの実施形態において、UAAは、アルキル鎖を介してアミノ酸側鎖の末端窒素(例えば、リジン誘導体のN6、短いアルキル側鎖を含む誘導体のN5、N4、又N3)に結合されるアジドを含む。幾つかの実施形態において、UAAは、アルキル鎖を介してアミノ酸側鎖の末端窒素に結合されるテトラジンを含む。幾つかの実施形態において、UAAは、アルキル基のリンカーを介してアミドに結合されるアジド又はテトラジンを含む。幾つかの実施形態において、UAAは、アジド又はテトラジン含有カルバマート、あるいは3-アミノアラニン、セリン、リジン、又はその誘導体のアミドである。幾つかの実施形態において、そのようなUAAは、インビボでサイトカインに組み込まれる。幾つかの実施形態において、そのようなUAAは、無細胞系におけるサイトカインに組み込まれる。
【0123】
抱合部分
特定の実施形態において、上に記載される1つ以上のサイトカイン(例えば、インターロイキン、IFN、又はTNF)に結合される抱合部分が本明細書に開示される。幾つかの例では、抱合部分は、サイトカインとその受容体の相互作用を乱す分子である。幾つかの例では、抱合部分は、サイトカインに結合される場合、サイトカイン抱合を可能にして、免疫応答を調節することができる任意の分子である。幾つかの例では、抱合部分は、共有結合を介してサイトカインに結合される。幾つかの例では、本明細書に記載されるサイトカインは、トリアゾール基との抱合部分に結合される。幾つかの例では、本明細書に記載されるサイトカインは、ジヒドロピリダジン又はピリダジン基との抱合部分に結合される。幾つかの例では、抱合部分は水溶性高分子を含む。他の例では、抱合部分はタンパク質又はその結合フラグメントを含む。さらなる場合において、抱合部分はペプチドを含む。さらなる場合において、抱合部分は核酸を含む。さらなる場合において、抱合部分は小
分子を含む。さらなる場合において、抱合部分は、バイオコンジュゲート(例えば、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、又はTLR9アゴニストなどのTLRアゴニスト;又は、Pam3Cys、CFA、MALP2、Pam2Cys、FSL-1、Hib-OMPC、ポリIC、ポリA:U、AGP、MPL A、RC-529、MDF2β、CFA、又はフラジェリンなどの合成リガンド)を含む。場合によっては、抱合部分は、血清半減期を増加させ、及び/又は安定性を改善する。場合によっては、抱合部分は、1つ以上のサイトカイン受容体ドメイン又はサブユニットとのサイトカイン相互作用を減少させる。さらなる場合において、抱合部分は、1つ以上のサイトカインドメイン又はその同族受容体を有するサブユニットとサイトカインとの相互作用を遮断する。幾つかの実施形態において、本明細書に記載されるサイトカイン抱合は、複数の複合部分を含む。幾つかの実施形態において、抱合部分は、サイトカインペプチドにおける非天然又は天然アミノ酸に結合される。幾つかの実施形態において、サイトカイン抱合体は、天然アミノ酸に結合される抱合部分を含む。幾つかの実施形態において、サイトカイン抱合体は、サイトカインペプチドにおける非天然アミノ酸に結合される。幾つかの実施形態において、抱合部分は、サイトカインペプチドのN末端又はC末端アミノ酸に結合される。様々な組み合わせ部位が本明細書に開示され、例えば、第1の抱合部分は、サイトカインペプチドにおける非天然又は天然アミノ酸に結合され、第2の抱合部分は、サイトカインペプチドのN末端又はC末端アミノ酸に結合される。幾つかの実施形態において、単一の抱合部分は、サイトカインペプチド(例えば、ステープル)の複数の残基に結合される。幾つかの実施形態において、抱合部分は、サイトカインペプチドのN末端及びC末端アミノ酸の両方に結合される。
【0124】
水溶性ポリマー
幾つかの実施形態において、本明細書に記載される抱合部分は水溶性高分子である。幾つかの例では、水溶性高分子は、非ペプチド性、無毒、及び生体適合性である。本明細書で使用されるように、生体組織(例えば、患者の投与)に関する物質のみの使用、あるいは他の物質(例えば、サイトカイン部分などの活性薬剤)との使用に関連する有益な効果が、臨床医(例えば、医師、毒物学者、臨床開発専門家)によって評価されるような任意の有害な影響より上回る場合、物質は生体適合性であるとみなされる。幾つかの例では、水溶性高分子はさらに非免疫原性である。幾つかの例では、インビボでの物質の意図された使用が望ましくない免疫応答(例えば、抗体の形成)をもたらさない場合、あるいは、臨床医(例えば、医師、毒物学者、臨床開発専門家)によって評価されるような、臨床的に有意又は重要であると認められない免疫応答が生じる場合、物質は非免疫原であるとみなされる。
【0125】
幾つかの例では、水溶性高分子は、約2~約300の終端を有するとして特徴付けられる。典型的な水溶性のポリマーとしては、限定されないが、ポリ(アルキレングリコール)、例えば、ポリエチレングリコール(「PEG」)、ポリ(プロピレングリコール)(「PPG」)、エチレングリコール及びプロピレングリコールのコポリマーなど、ポリ(オキシエチル化ポリオール)、ポリ(オレフィンアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリルアミド)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリラート)、ポリ(サッカライド)、ポリ(α-ヒドロキシ酸)、ポリ(ビニルアルコール)(PVA)、ポリアクリルアミド(PAAm)、ポリ(N-(2-ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド)(PHPMA)、ポリジメチルアクリルアミド(PDAAm)、ポリホスファゼン、ポリオキサゾリン(「POZ」)(国際公開第2008/106186号に記載される)、ポリ(N-アクリロイルモルホリン)、及び前述のもののいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0126】
場合によっては、水溶性高分子は特定の構造に限定されない。場合によっては、水溶性高分子は、直鎖状(例えば、エンドキャップされた、例えば、アルコキシPEG、二官能
性のPEG)、分枝状又は多アームの(例えば、ポリオールコアに結合される分岐したPEG又はPEG)、樹枝状の(又は、星状体)構造であり、各々は、1つ以上の分解性結合を有するか、あるいは有しない。さらに、水溶性高分子の内部構造は、任意の数の異なる反復パターンで構築することができ、ならびに、ホモポリマー、交互共重合体、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互トリポリマー(alternating tripolymer)、ランダムトリポリマー(random tripolymer)、ブロックトリポリマー(block tripolymer)からなる群から選択することができる。
【0127】
幾つかの実施形態において、IL-2抱合体における水溶性高分子の重量平均分子量は、約100ダルトン~約150,000ダルトンである。典型的な範囲は、例えば、5,000ダルトン以上~約100,000ダルトンの範囲、約6,000ダルトン~約90,000ダルトンの範囲、約85,000ダルトン~約10,000ダルトンの範囲、10,000ダルトン以上~約85,000ダルトンの範囲、約20,000ダルトン~約85,000ダルトンの範囲、約53,000ダルトン~約85,000ダルトンの範囲、約25,000ダルトン~約120,000ダルトンの範囲、約29,000ダルトン~約120,000ダルトンの範囲、約35,000ダルトン~約120,000ダルトンの範囲、及び約40,000ダルトン~約120,000ダルトンの範囲の重量平均分子量を含む。
【0128】
水溶性高分子の典型的な重量平均分子量は、約100ダルトン、約200ダルトン、約300ダルトン、400ダルトン、約500ダルトン、約600ダルトン、約700ダルトン、約750ダルトン、約800ダルトン、約900ダルトン、約1,000ダルトン、約1,500ダルトン、約2,000ダルトン、約2,200ダルトン、約2,500ダルトン、約3,000ダルトン、約4,000ダルトン、約4,400ダルトン、約4,500ダルトン、約5,000ダルトン、約5,500ダルトン、約6,000ダルトン、約7,000ダルトン、約7,500ダルトン、約8,000ダルトン、約9,000ダルトン、約10,000ダルトン、約11,000ダルトン、約12,000ダルトン、約13,000、約14,000ダルトン、約15,000ダルトン、約20,000ダルトン、約22,500ダルトン、約25,000ダルトン、約30,000ダルトン、約35,000ダルトン、約40,000ダルトン、約45,000ダルトン、約50,000ダルトン、約55,000ダルトン、約60,000ダルトン、約65,000ダルトン、約70,000ダルトン、及び約75,000ダルトンを含む。前述のいずれかの総分子量を有する分枝状バージョンの水溶性高分子(例えば、2つの20,000ダルトンのポリマーから構成される分枝状の40,000ダルトンの水溶性高分子)も使用することができる。1つ以上の実施形態において、抱合体は、約6,000ダルトン未満の重量平均分子量を有するPEGに、直接又は間接的に結合されるPEG部分を有しないだろう。
【0129】
PEGは典型的に、多数の(OCH2CH2)単量体[又は、PEGがどのように定義されるかに応じて(CH2CH2O)単量体]を含むだろう。本明細書で使用されるように、反復単位の数は「(OCH2CH2)n」中の添字「n」によって識別される。したがって、(n)の値は、典型的には以下の範囲の1つ以上に該当する:約2~約3400、約100~約2300、約100~約2270、約136~約2050、約225~約1930、約450~約1930、約1200~約1930、約568~約2727、約660~約2730、約795~約2730、約795~約2730、約909~約2730、及び約1,200~約1,900。分子量が既知の所定のポリマーに関しては、反復単量体の分子量でポリマーの全重量平均分子量を割ることにより、反復単位(すなわち「n」)の数を決定することが可能である。
【0130】
幾つかの例では、水溶性高分子は、エンドキャップされたポリマー、すなわち、より低いC1-6アルコキシ基、又はヒドロキシル基などの比較的不活性な基によりキャップされる少なくとも1つの終端を有するポリマーである。ポリマーがPEGである場合、例えば、直鎖状のPEGであるメトキシ-PEG(一般的にmPEGと呼ばれる)が使用されてもよく、ここで、ポリマーの1つの終端はメトキシ(--OCH3)基であり、もう一方の終端は随意に化学的に改変されるヒドロキシル又は他の官能基である。
【0131】
幾つかの実施形態において、典型的な水溶性高分子としては、限定されないが、Quanta Biodesign, Ltdの直鎖又は分枝状の個々のPEG(dPEG);Nektar Therapeuticsの分枝状、直鎖状、あるいは分岐状のPEG;及び、JenKem TechnologyのY状のPEG誘導体が挙げられる。
【0132】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載されるサイトカイン(例えば、インターロイキン、IFN、又はTNF)ポリペプチドは、ポリ(アルキレングリコール)、例えば、ポリエチレングリコール(「PEG」)、ポリ(プロピレングリコール)(「PPG」)、エチレングリコール及びプロピレングリコールなどのコポリマー、ポリ(オキシエチル化ポリオール)、ポリ(オレフィンアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリルアミド)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリラート)、ポリ(サッカライド)、ポリ(α-ヒドロキシ酸)、ポリ(ビニルアルコール)(PVA)、ポリアクリルアミド(PAAm)、ポリジメチルアクリルアミド(PDAAm)、ポリ(N-(2-ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド)(PHPMA)、ポリホスファゼン、ポリオキサゾリン(「POZ」)、ポリ(N-アクリロイルモルホリン)、及びそれらの組み合わせから選択される水溶性高分子に抱合される。幾つかの例では、サイトカインポリペプチドはPEG(例えば、ペグ化された)に抱合される。幾つかの例では、サイトカインポリペプチドはPPGに抱合される。幾つかの例では、サイトカインポリペプチドはPOZに抱合される。幾つかの例では、サイトカインポリペプチドはPVPに抱合される。
【0133】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載されるIL-2は、ポリ(アルキレングリコール)、例えば、ポリエチレングリコール(「PEG」)、ポリ(プロピレングリコール)(「PPG」)、エチレングリコール及びプロピレングリコールなどのコポリマー、ポリ(オキシエチル化ポリオール)、ポリ(オレフィンアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリルアミド)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリラート)、ポリ(サッカライド)、ポリ(α-ヒドロキシ酸)、ポリ(ビニルアルコール)(PVA)、ポリアクリルアミド(PAAm)、ポリジメチルアクリルアミド(PDAAm)、ポリ(N-(2-ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド)(PHPMA)、ポリホスファゼン、ポリオキサゾリン(「POZ」)、ポリ(N-アクリロイルモルホリン)、及びそれらの組み合わせから選択される水溶性高分子に抱合される。幾つかの例では、IL-2ポリペプチドはPEG(例えば、ペグ化された)に抱合される。幾つかの例では、IL-2ポリペプチドはPPGに抱合される。幾つかの例では、IL-2ポリペプチドはPOZに抱合される。幾つかの例では、IL-2ポリペプチドはPVPに抱合される。
【0134】
幾つかの例では、水溶性高分子はポリグリセロール(PG)を含む。場合によっては、ポリグリセロールは、高分岐PG(HPG)(例えば、Imran, et al. “Influence of architecture of high molecular weight linear and branched polyglycerols on their biocompatibility and biodistribution,” Biomaterials 33:9135-9147 (2012)によって記載されるような)である。その他の場合において、ポリグリセロー
ルは直鎖状PG(LPG)である。さらなる場合において、ポリグリセロールは、中官能性PG、直鎖状のブロック高分岐PG(例えば、Wurm et. Al. , “Squaric acid mediated synthesis and biological activity of a library of linear and
hyperbranched poly(glycerol)-protein conjugates,” Biomacromolecules 13:1161-1171 (2012))により記載される)、又は側鎖状の官能性PG(例えば、Li, et. al., “Synthesis of linear polyether polyol derivatives as new materials for bioconjugation,” Bioconjugate Chem. 20:780-789 (2009)により記載される)である。
【0135】
幾つかの例では、本明細書に記載されるサイトカイン(例えば、インターロイキン、IFN、又はTNF)ポリペプチドは、PG、例えば、HPG、LPG、中官能性PG、直鎖状のブロック高分岐PG、側鎖の官能性PGに抱合される。幾つかの例では、サイトカインはIL-2ポリペプチドである。場合によっては、IL-2ポリペプチドは、PG、中官能性PG、直鎖状のブロック高分岐PGに抱合される。
【0136】
幾つかの実施形態において、水溶性高分子は分解性合成PEG代替物である。典型的な分解性合成PEG代替物としては、限定されないが、ポリ[オリゴ(エチレングリコール)メタクリル酸メチル](POEGMA);テレキーレック、あるいは両末端が官能基化されたPEGベースのマクロモノマー重合によって生成された、骨格を修飾したPEG誘導体;分解性結合、例えば、ポリ[(エチレンオキシエ(ethylene oxie))-co-(メチレンエチレンオキシド][P(EO-co-MEO)、環状ケテンアセタール、例えば、5,6-ベンゾ-2-メチレン-1,3-ジオキセパン(BMDO)などの、2-メチレン-1,3-ジオキセパン(MDO)、及びOEGMAで共重合された2-メチレン-4-フェニル-1,3-ジオキソラン(MPDL)を含む、コモノマーを含むPEG誘導体;又は、ポリ(ε-カプロラクトン)-グラフト(graft)-ポリ(エチレンオキシド)(PCLg-PEO)が挙げられる。
【0137】
幾つかの例では、本明細書に記載されるサイトカイン(例えば、インターロイキン、IFN、又はTNF)ポリペプチドは、分解性合成PEG代替物、例えば、POEGM;テレキーレック、あるいは両末端が官能基化されたPEGベースのマクロモノマー重合によって生成された、骨格を修飾したPEG誘導体;P(EO-co-MEO);OEGMAにより共重合されたBMDO、MDO、及びMPDLなどの環状のケテンアセタール;又は、PCL-g-PEOなどに抱合される。幾つかの例では、サイトカインはIL-2ポリペプチドである。場合によっては、IL-2ポリペプチドは、分解性合成PEG代替物、例えば、POEGM;テレキーレック、あるいは両末端が官能基化されたPEGベースのマクロモノマー重合によって生成された、骨格を修飾したPEG誘導体;P(EO-co-MEO);OEGMAにより共重合されたBMDO、MDO、及びMPDLなどの環状のケテンアセタール;又は、PCL-g-PEOなどに抱合される。
【0138】
幾つかの実施形態において、水溶性高分子はポリ(双性イオン)を含む。典型的なポリ(双性イオン)としては、限定されないが、ポリ(スルホベタインメタクリレート)(PSBMA)、ポリ(カルボキシベタインメタクリレート)(PCBMA)、及びポリ(2-メタクリロイルオキシエチル(methyacryloyloxyethyl)ホスホリルコリン)(PMPC)が挙げられる。幾つかの例では、本明細書に記載されるサイトカイン(例えば、インターロイキン、IFN、又はTNF)ポリペプチドは、ポリ(双性イオン)、例えば、PSBMA、PCBMA、又はPMPCに抱合される。場合によっては、サイトカインはIL-2ポリペプチドである。場合によっては、IL-2ポリペプチ
ドは、ポリ(双性イオン)、例えば、PSBMA、PCBMA、又はPMPCに抱合される。
【0139】
幾つかの実施形態において、水溶性高分子はポリカーボネートを含む。典型的なポリカーボネートとしては、限定されないが、ペンタフルオロフェニル5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキサン-5-カルボン酸塩(MTC-OC6F5)が挙げられる。幾つかの例では、本明細書に記載されるサイトカイン(例えば、インターロイキン、IFN、又はTNF)ポリペプチドは、ポリカーボネート、例えば、MTC-OC6F5に抱合される。場合によっては、サイトカインはIL-2ポリペプチドである。場合によっては、IL-2ポリペプチドはポリカーボネート、例えば、MTC-OC6F5に抱合される。
【0140】
幾つかの実施形態において、水溶性高分子は、ポリマーハイブリッド、例えば、ポリカーボネート/PEGポリマーハイブリッド、ペプチド/タンパク質ポリマー抱合体、又はヒドロキシル基を含む及び/又は両性イオンの誘導体化されたポリマー(例えば、ヒドロキシル基を含む及び/又は両性イオンの誘導体化されたPEGポリマー)などを含む。幾つかの例では、本明細書に記載されるサイトカイン(例えば、インターロイキン、IFN、又はTNF)ポリペプチドは、ポリマーハイブリッド、例えば、ポリカーボネート/PEGポリマーハイブリッド、ペプチド/タンパク質ポリマー抱合体、又はヒドロキシル基を含む及び/又は両性イオンの誘導体化されたポリマー(例えば、ヒドロキシル基を含む及び/又は両性イオンの誘導体化されたPEGポリマー)に抱合される。場合によっては、サイトカインはIL-2ポリペプチドである。場合によっては、IL-2ポリペプチドは、ポリマーハイブリッド、例えば、ポリカーボネート/PEGポリマーハイブリッド、ペプチド/タンパク質ポリマー抱合体、又はヒドロキシル基を含む及び/又両性イオンの誘導体化されたポリマー(例えば、ヒドロキシル基を含む及び/又は両性イオンの誘導体化されたPEGポリマー)に抱合される。
【0141】
幾つかの例では、水溶性高分子は多糖を含む。典型的な多糖としては、限定されないが、デキストラン、ポリシアル酸(PSA)、ヒアルロン酸(HA)、アミロース、ヘパリン、ヘパラン硫酸(HS)、デキストリン、又はヒドロキシエチルデンプン(HES)が挙げられる。場合によっては、サイトカイン(例えば、インターロイキン、IFN、又はTNF)ポリペプチドは多糖に抱合される。場合によっては、IL-2ポリペプチドはデキストランに抱合される。場合によっては、IL-2ポリペプチドはPSAに抱合される。場合によっては、IL-2ポリペプチドはHAに抱合される。場合によっては、IL-2ポリペプチドはアミロースに抱合される。場合によっては、IL-2ポリペプチドはヘパリンに抱合される。場合によっては、IL-2ポリペプチドはHSに抱合される。場合によっては、IL-2ポリペプチドはデキストリンに抱合される。場合によっては、IL-2ポリペプチドはHESに抱合される。
【0142】
場合によっては、水溶性高分子はグリカンを含む。グリカンの典型的なクラスは、N結合型グリカン、O結合型グリカン、糖脂質、O-GlcNAc、及びグリコサミノグリカンを含む。場合によっては、サイトカイン(例えば、インターロイキン、IFN、又はTNF)ポリペプチドは、グリカンに抱合される。場合によっては、IL-2ポリペプチドはN結合型グリカンに抱合される。場合によっては、IL-2ポリペプチドはO結合型グリカンに抱合される。場合によっては、IL-2ポリペプチドは糖脂質に抱合される。場合によっては、IL-2ポリペプチドはO-GlcNAcに抱合される。場合によっては、IL-2ポリペプチドはグリコサミノグリカンに抱合される。
【0143】
幾つかの実施形態において、水溶性高分子はポリオキサゾリンポリマーを含む。ポリオキサゾリンポリマーは線状合成ポリマーであり、及びPEGと類似し、低い多分散を含む。幾つかの例では、ポリオキサゾリンポリマーは、平均分子体重により特徴づけられる、
多分散のポリオキサゾリンポリマーである。場合によっては、ポリオキサゾリンポリマーの平均分子体重は、例えば、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000、5500、6000、6500、7000、7500、8000、10,000、12,000、20,000、35,000、40,000、50,000、60,000、100,000、200,000、300,000、400,000又は500,000Daを含む。幾つかの例では、ポリオキサゾリンポリマーは、ポリ(2-メチル2-オキサゾリン)(PMOZ)、ポリ(2-エチル2-オキサゾリン)(PEOZ)、ポリ(2-プロピル2-オキサゾリン)(PPOZ)を含む。場合によっては、サイトカイン(例えば、インターロイキン、IFN、又はTNF)ポリペプチドは、ポリオキサゾリンポリマーに抱合される。場合によっては、IL-2ポリペプチドはポリオキサゾリンポリマーに抱合される。場合によっては、IL-2ポリペプチドはPMOZに抱合される。場合によっては、IL-2ポリペプチドはPEOZに抱合される。場合によっては、IL-2ポリペプチドはPPOZに抱合される。
【0144】
幾つかの例では、水溶性高分子はポリアクリル酸ポリマーを含む。場合によっては、サイトカイン(例えば、インターロイキン、IFN、又はTNF)ポリペプチドは、ポリアクリル酸ポリマーに抱合される。場合によっては、IL-2ポリペプチドはポリアクリル酸ポリマーに抱合される。
【0145】
幾つかの例では、水溶性高分子はポリアミンを含む。ポリアミンは、2つ以上の一級アミノ基を含む有機ポリマーである。幾つかの実施形態において、ポリアミンは、分岐ポリアミン、直鎖状ポリアミン、又は環状ポリアミンを含む。場合によっては、ポリアミンは低分子量の直鎖状ポリアミンである。典型的なポリアミンは、プトレッシン、カダベリン、スペルミジン、スペルミン、エチレンジアミン、1,3-ジアミノプロパン、ヘキサメチレンジアミン、テトラエチルメチレンジアミン、及びピペラジンを含む。場合によっては、サイトカイン(例えば、インターロイキン、IFN、又はTNF)ポリペプチドは、ポリアミンに抱合される。場合によっては、IL-2ポリペプチドはポリアミンに抱合される。場合によっては、IL-2ポリペプチドは、プトレッシン、カダベリン、スペルミジン、スペルミン、エチレンジアミン、1,3-ジアミノプロパン、ヘキサメチレンジアミン、テトラエチルメチレンジアミン、又はピペラジンに抱合される。
【0146】
幾つかの例では、水溶性高分子は、米国特許第7,744,861号、第8,273,833号、及び第7,803,777号に記載されている。幾つかの例では、サイトカイン(例えば、インターロイキン、IFN、又はTNF)ポリペプチドは、米国特許第7,744,861号、第8,273,833号、又は第7,803,777号に記載されるリンカーに抱合される。場合によっては、IL-2ポリペプチドは、米国特許第7,744,861号、第8,273,833号、又は第7,803,777号に記載されるリンカーに抱合される。
【0147】
脂質
幾つかの実施形態において、本明細書に記載される抱合部分は脂質である。幾つかの例において、脂質は脂肪酸である。場合によっては、脂肪酸は飽和脂肪酸である。その他の場合において、脂肪酸は不飽和脂肪酸である。典型的な脂肪酸は、限定されないが、約6から約26の炭素原子、約6から約24の炭素原子、約6から約22の炭素原子、約6から約20の炭素原子、約6から約18の炭素原子、約20から約26の炭素原子、約12から約26の炭素原子、約12から約24の炭素原子、約12から約22炭素原子、約12から約20炭素原子、又は約12から約18炭素原子を含む脂肪酸を含む。場合によっては、脂質は、1つ以上の血清タンパク質に結合し、それによって、血清安定性及び/又は血清半減期を増加させる。
【0148】
幾つかの実施形態において、脂質はIL-2に抱合される。幾つかの例では、脂質は、脂肪酸、例えば、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸である。場合によっては、脂肪酸は、約6から約26の炭素原子、約6から約24の炭素原子、約6から約22の炭素原子、約6から約20の炭素原子、約6から約18の炭素原子、約20から約26の炭素原子、約12から約26の炭素原子、約12から約24の炭素原子、約12から約22の炭素原子、約12から約20の炭素原子、又は約12から約18の炭素原子である。場合によっては、脂肪酸は、約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、あるいは26炭素原子の長さを含む。場合によっては、脂肪酸は、カプロン酸(ヘキサン酸)エナント酸(ヘプタン酸)、カプリル酸(オクタン酸)、ペラルゴン酸(ノナン酸)、カプリン酸(デカン酸)、ウンデシル酸(ウンデカン酸)、ラウリン酸(ドデカン酸)、トリデシル酸(トリデカン酸)、ミリスチン酸(テトラデカン酸)、ペンタデシル酸(ペンタデカン酸)、パルミチン酸(ヘキサデカン酸)、マルガリン酸(ヘプタデカン酸)、ステアリン酸(オクタデカン酸)、ノナデシル酸(ノナデカノン酸)、アラキジン酸(エイコサン酸)、ヘンイコシル酸(ヘンイコサノン酸)、ベヘン産(ドコサン酸)、トリコシル酸(トリコサノン酸)、リグノセリン酸(テトラコサン酸)、ペンタコシル酸(ペンタコサン酸)又はセロチン酸(ヘキコサン酸)を含む。
【0149】
幾つかの実施形態において、IL-2脂質抱合体は、血清安定性及び/又は血清半減期を増加させる。
【0150】
タンパク質
幾つかの実施形態において、本明細書に記載される抱合部分は、タンパク質又はその結合フラグメントである。典型的なタンパク質は、アルブミン、トランスフェリン、又はトランスサイレチンを含む。幾つかの例では、タンパク質又はその結合フラグメントは、抗体、又はその結合フラグメントを含む。場合によっては、サイトカイン抱合体は、タンパク質又はその結合フラグメントを含む。場合によっては、タンパク質又はその結合フラグメントを含むIL-2抱合体は、増加した血清半減期、及び/又は安定性を有する。場合によっては、タンパク質又はその結合フラグメントを含むIL-2抱合体は、1つ以上のIL-2Rサブユニットと減少したIL-2の相互作用を有する。さらなる場合において、タンパク質又はその結合フラグメントは、1つ以上のIL-2RサブユニットとIL-2の相互作用を遮断する。
【0151】
幾つかの実施形態において、抱合部分はアルブミンである。アルブミンは、水溶性の球状たんぱくのファミリーである。それは、一般に血漿において見られ、全血漿たんぱく質の約55-60%を構成する。ヒト血清アルブミン(HSA)は、三次構造3つのドメイン、つまり、ドメインI(アミノ酸残基1-195)、ドメインII(アミノ酸残基196-383)及びドメインIII(アミノ酸残基384-585)へと三次構造が分割される、585のアミノ酸ポリペプチドである。各ドメインは、内在性リガンド、例えば、長鎖脂肪酸及び中鎖脂肪酸、ビリルビン、又はヘミン、あるいは、外因性化合物、例えば、複素環化合物又は芳香族化合物と、可逆的に又は不可逆的に相互作用することができる結合部位を含む。
【0152】
場合によっては、サイトカイン(例えば、インターロイキン、IFN、又はTNF)ポリペプチドは、アルブミンに抱合される。場合によっては、サイトカインポリペプチドは、ヒト血清アルブミン(HSA)に抱合される。さらなる場合において、サイトカインポリペプチドは、アルブミンの機能性フラグメントに抱合される。
【0153】
幾つかの例では、IL-2ポリペプチドはアルブミンに抱合される。場合によっては、IL-2ポリペプチドはヒト血清アルブミン(HSA)に抱合される。さらなる場合おい
て、IL-2ポリペプチドはアルブミンの機能性フラグメントに抱合される。
【0154】
幾つかの実施形態において、抱合部分はトランスフェリンである。トランスフェリンは、約80kDaのサイズであり、2つのFe3+結合部位を含む(N末端ドメインに1つと、C末端ドメインに1つ)、679のアミノ酸ポリペプチドである。幾つかの例では、ヒトトランスフェリンは、約7-12日の半減期を有する。
【0155】
幾つかの例では、サイトカイン(例えば、インターロイキン、IFN、又はTNF)ポリペプチドは、トランスフェリンに抱合される。場合によっては、サイトカインポリペプチドは、ヒトトランスフェリンに抱合される。さらなる場合において、サイトカインポリペプチドは、トランスフェリンの機能性フラグメントに抱合される。
【0156】
幾つかの例では、IL-2ポリペプチドはトランスフェリンに抱合される。場合によっては、IL-2ポリペプチドはヒトトランスフェリンに抱合される。さらなる場合において、IL-2ポリペプチドは、トランスフェリンの機能性フラグメントに抱合される。
【0157】
幾つかの実施形態において、抱合部分はトランスサイレチン(TTR)である。トランスサイレチンは、レチノールに結合された甲状腺ホルモンチロキシン(T4)及びレチノール結合タンパク質を運ぶ、血清及び脳脊髄液に存在する輸送タンパク質である。
【0158】
幾つかの例では、サイトカイン(例えば、インターロイキン、IFN、又はTNF)ポリペプチドは、トランスサイレチンに抱合される(その終端の1つ、又は内部ヒンジ領域を介して)。場合によっては、サイトカインポリペプチドは、トランスサイレチンの機能性フラグメントに抱合される。
【0159】
幾つかの例では、IL-2ポリペプチドは、トランスサイレチン(その終端の1つ、又は内部ヒンジ領域を介して)に抱合される。場合によっては、IL-2ポリペプチドは、トランスサイレチンの機能性フラグメントに抱合される。
【0160】
幾つかの実施形態では、抱合部分は、抗体又はその結合フラグメントである。幾つかの例では、抗体又はその結合フラグメントは、ヒト化抗体又はその結合フラグメント、マウス抗体又はその結合フラグメント、キメラ抗体又はその結合フラグメント、モノクローナル抗体又はその結合フラグメント、一価のFab’、二価のFab2、F(ab)’3フラグメント、単鎖可変フラグメント(scFv)、ビス-scFv(scFv)2、ダイアボディ、ミニボディ、ナノボディ、トリアボディ、テトラボディ、ヒューマボディ、ジスルフィド安定Fvタンパク質(dsFv)、単一ドメイン抗体(sdAb)、Ig NAR、camelid抗体又はその結合フラグメント、二重特異性抗体又はその結合フラグメント、あるいはその化学修飾された誘導体を含む。
【0161】
幾つかの例では、抱合部分は、scFv、ビス-scFv、(scFv)2、dsFv、又はsdAbを含む。場合によっては、抱合部分はscFvを含む。場合によっては、抱合部分はビス-scFvを含む。場合によっては、抱合部分は(scFv)2を含む。場合によっては、抱合部分はdsFvを含む。場合によっては、抱合部分はsdAbを含む。
【0162】
幾つかの例では、抱合部分は、抗体、例えば、IgG、IgA、IgM、IgE、又はIgDのFc部分を含む。幾つかの例では、上記部分は、IgG(例えば、IgG1、IgG3、又はIgG4)のFc部分を含む。
【0163】
場合によっては、サイトカイン(例えば、インターロイキン、IFN、又はTNF)ポ
リペプチドは、抗体、又はその結合フラグメントに抱合される。幾つかの例では、サイトカインポリペプチドは、ヒト化抗体又はその結合フラグメント、マウス抗体又はその結合フラグメント、キメラ抗体又はその結合フラグメント、モノクローナル抗体又はその結合フラグメント、一価のFab’、二価のFab2、F(ab)’3、単鎖可変フラグメント(scFv)、ビス-scFv(scFv)2、ダイアボディ、ミニボディ、ナノボディ、トリアボディ、テトラボディ、ヒューマボディ、ジスルフィド安定Fvタンパク質(dsFv)、単一ドメイン抗体(sdAb)、Ig NAR、camelid抗体又はその結合フラグメント、二重特異性抗体又はその結合フラグメント、あるいはその化学修飾された誘導体に抱合される。さらなる場合において、サイトカインポリペプチドは抗体のFc部分に抱合される。さらなる場合において、サイトカインポリペプチドは、IgG(例えば、IgG1、IgG3、又はIgG4)のFc部分に抱合される。
【0164】
場合によっては、IL-2ポリペプチドは、抗体、又はその結合フラグメントに抱合される。幾つかの例では、IL-2ポリペプチドは、ヒト化抗体又はその結合フラグメント、マウス抗体又はその結合フラグメント、キメラ抗体又はその結合フラグメント、モノクローナル抗体又はその結合フラグメント、一価のFab’、二価のFab2、F(ab)’3フラグメント、単鎖可変フラグメント(scFv)、ビス-scFv(scFv)2、ダイアボディ、ミニボディ、ナノボディ、トリアボディ、テトラボディ、ヒューマボディ、ジスルフィド安定Fvタンパク質(dsFv)、単一ドメイン抗体(sdAb)、Ig NAR、camelid抗体又はその結合フラグメント、二重特異性抗体又はその結合フラグメント、あるいはその化学修飾された誘導体に抱合される。さらなる場合において、IL-2ポリペプチドは抗体のFc部分に抱合される。さらなる場合において、IL-2ポリペプチドは、IgG(例えば、IgG1、IgG3、又はIgG4)のFc部分に抱合される。
【0165】
幾つかの実施形態において、IL-2ポリペプチドは、水溶性高分子(例えば、PEG)、抗体又はその結合フラグメントに抱合される。場合によっては、抗体又はその結合フラグメントは、ヒト化抗体又はその結合フラグメント、マウス抗体又はその結合フラグメント、キメラ抗体又はその結合フラグメント、モノクローナル抗体又はその結合フラグメント、一価のFab’、二価のFab2、F(ab)’3フラグメント、単鎖可変フラグメント(scFv)、ビス-scFv(scFv)2、ダイアボディ、ミニボディ、ナノボディ、トリアボディ、テトラボディ、ヒューマボディ、ジスルフィド安定Fvタンパク質(dsFv)、単一ドメイン抗体(sdAb)、Ig NAR、camelid抗体又はその結合フラグメント、二重特異性抗体又はその結合フラグメント、あるいはその化学修飾された誘導体を含む。場合によっては、抗体又はその結合フラグメントは、scFv、ビス-scFv、(scFv)2、dsFv、又はsdAbを含む。場合によっては、抗体又はその結合フラグメントはscFvを含む。場合によっては、抗体又はその結合フラグメントはIL-2抱合体を対象の標的細胞へと導き、及び水溶性高分子は安定性及び/又は血清半減期を増加させる。
【0166】
幾つかの例では、1つ以上のIL-2ポリペプチド-水溶性高分子(例えば、PEG)抱合体は、抗体又はその結合フラグメントにさらに結合される。幾つかの例では、IL-2抱合体対抗体の比率は、約1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、又は12:1である。場合によっては、IL-2結合体対抗体の比率は約1:1である。その他の場合において、IL-2結合体対抗体の比率は、約2:1、3:1、又は4:1である。さらなる場合において、IL-2結合体対抗体の比率は約6:1以上である。
【0167】
幾つかの実施形態において、1つ以上のIL-2ポリペプチド-水溶性高分子(例えば、PEG)抱合体は、抗体又はその結合フラグメントに直接結合される。他の例では、I
L-2抱合体は、リンカーにより抗体又は結合そのフラグメントに間接的に結合される。典型的なリンカーは、ホモ二官能性リンカー、ヘテロ官能性リンカー、マレイミドベースのリンカー、ゼロトレースのリンカー、自壊性リンカー、スペーサー等を含む。
【0168】
幾つかの実施形態において、抗体又はその結合フラグメントは、IL-2ポリペプチド-水溶性高分子(例えば、PEG)抱合体のIL-2ポリペプチド部分に直接あるいは間接的に結合される。そのような場合、IL-2ポリペプチドに対する抗体の抱合部位は、IL-2RβγとIL-2ポリペプチドとの結合を妨害しない部位である。さらなる場合において、IL-2ポリペプチドに対する抗体の抱合部位は、IL-2RβγとIL-2ポリペプチドとの結合を部分的に遮断する部位である。さらなる場合において、IL-2ポリペプチドに対する抗体の抱合部位は、IL-2RαとIL-2ポリペプチドとの結合を妨害するか、あるいはさらに妨害する部位である。他の実施形態では、抗体又はその結合フラグメントは、IL-2ポリペプチド-水溶性高分子(例えば、PEG)抱合体の水溶性高分子部分に直接又は間接的に結合される。
【0169】
ペプチド
幾つかの実施形態において、本明細書に記載される抱合部分はペプチドである。幾つかの例では、ペプチドは非構造化ペプチドである。場合によっては、サイトカイン(例えば、インターロイキン、IFN、又はTNF)ポリペプチドは、ペプチドに抱合される。場合によっては、ペプチドを含むIL-2抱合体は、増加した血清半減期、及び/又は安定性を有する。場合によっては、ペプチドを含むIL-2抱合体は、1つ以上のIL-2Rサブユニットと減少したIL-2の相互作用を有する。さらなる場合において、ペプチドは、1つ以上のIL-2RサブユニットとIL-2の相互作用を遮断する。
【0170】
幾つかの例では、抱合部分は、XTEN(商標)ペプチド(Amunix Operating Inc.)であり、その修飾はXTENylationと呼ばれる。XTENylationは、XTEN(商標)ペプチド(Amunix Operating Inc.)、すなわち、6つのアミノ酸(Ala、Glu、Gly、Ser、及びThr)の異なるパーセンテージを含む長い非構造化親水性ペプチドをコードする核酸と、対象のポリペプチドをコードする核酸との遺伝学的な融合である。幾つかの例では、XTEN(商標)ペプチドは、発現、遺伝子安定性、溶解度、凝集抵抗、半減期の増加、効力の増強、及び/又は、対象のポリペプチドと組み合わせたインビトロの活性の増大などの特性に基づいて選択されている。場合によっては、サイトカイン(例えば、インターロイキン、IFN、又はTNF)ポリペプチドは、XTENペプチドに抱合される。場合によっては、IL-2ポリペプチドはXTENペプチドに抱合される。
【0171】
幾つかの例では、抱合部分は、グリシンに富むホモアミノ酸ポリマー(HAP)であり、その修飾はHAPylationと呼ばれる。HAPylationは、グリシンに富むホモアミノ酸ポリマー(HAP)をコードする核酸と、対象のポリペプチドをコードする核酸との遺伝学的な融合である。幾つかの例では、HAPポリマーは、(Gly4Ser)n反復モチーフ(SEQ ID NO:3)を含み、時に、約50、100、150、200、250、300、又はそれ以上の長さの残基である。場合によっては、サイトカイン(例えば、インターロイキン、IFN、又はTNF)ポリペプチドはHAPに抱合される。場合によっては、IL-2ポリペプチドはHAPに抱合される。
【0172】
幾つかの実施形態において、抱合部分はPASポリペプチドであり、その修飾はPASylationと呼ばれる。PASylationは、PASポリペプチドをコードする核酸と、対象のポリペプチドをコードする核酸との遺伝学的な融合である。PASポリペプチドは、Pro、Ala、及びSer残基から成る親水性の非荷電ポリペプチドである。幾つかの例では、PASポリペプチドの長さは、少なくとも約100、200、300
、400、500、又は600のアミノ酸である。場合によっては、サイトカイン(例えば、インターロイキン、IFN、又はTNF)ポリペプチドは、PASポリペプチドに抱合される。場合によっては、IL-2ポリペプチドはPASポリペプチドに抱合される。
【0173】
幾つかの実施形態において、抱合部分はエラスチン様ポリペプチド(ELP)であり、その修飾はELPylationと呼ばれる。ELPylationは、エラスチン様ポリペプチド(ELP)をコードする核酸と、対象のポリペプチドをコードする核酸との遺伝学的な融合である。ELPはVPGxG反復モチーフ(SEQ ID NO:4)を含み、ここで、xがプロリン以外の任意のアミノ酸である。場合によっては、サイトカイン(例えば、インターロイキン、IFN、又はTNF)ポリペプチドは、ELPに抱合される。場合によっては、IL-2ポリペプチドはELPに抱合される。
【0174】
幾つかの実施形態において、抱合部分はCTPペプチドである。CTPペプチドは、31のアミノ酸残基ペプチドFQSSSS*KAPPPS*LPSPS*RLPGPS*DTPILPQ(SEQ ID NO:5)を含み、ここで、S*がO糖鎖付加部位(OPKO)を意味する。幾つかの例では、CTPペプチドは、サイトカインポリペプチド(例えば、IL-2ポリペプチド)に遺伝学的に融合される。場合によっては、サイトカインポリペプチド(例えば、IL-2ポリペプチド)は、CTPペプチドに抱合される。
【0175】
幾つかの実施形態において、サイトカイン(例えば、IL-2ポリペプチド)は、グルタミル化(glutamylation)によって修飾される。グルタミル化(又は、ポリグルタミル化)は、グルタミン酸の可逆的な翻訳後修飾であり、ここで、遊離グルタミン酸のアミノ基とのペプチド様結合を形成し、グルタミン酸のγ-カルボキシ基はα-カルボキシ基がポリグルタミン酸鎖へと伸長する。
【0176】
幾つかの実施形態において、サイトカイン(例えば、IL-2ポリペプチド)は、ゼラチン様タンパク質(GLK)ポリマーによって修飾される。幾つかの例では、GLKポリマーはGly-Xaa-Yaaの複数の反復を含み、ここで、Xaa及びYaaは主にそれぞれプロリン及び4-ヒドロキシプロリンを含む。場合によっては、GLKポリマーは、アミノ酸残基Pro、Gly、Glu、Qln、Asn、Ser、及びLysをさらに含む。場合によっては、GLKポリマーの長さは、約20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、150残基又はそれ以上である。
【0177】
付加的な抱合部分
幾つかの例では、抱合部分は細胞外のバイオマーカーを含む。幾つかの例では、細胞外のバイオマーカーは腫瘍抗原である。幾つかの例では、典型的な細胞外のバイオマーカーは、CD19、PSMA、B7-H3、B7-H6、CD70、CEA、CSPG4、EGFRvIII、EphA3、EpCAM、EGFR、ErbB2(HER2)、FAP、FRα、GD2、GD3、Lewis-Y、メソテリン、Muc1、Muc16、ROR1、TAG72、VEGFR2、CD11、Gr-1、CD204、CD16、CD49b、CD4、CD8、及びB220を含む。幾つかの例では、抱合部分はサイトカイン(例えばIL-2)に結合されるか、あるいは抱合される。場合によっては、抱合部分は、サイトカイン(例えば、IL-2)の、例えば、N末端又はC末端で、遺伝学的に融合される。
【0178】
幾つかの例では、抱合部分は、翻訳後修飾からの分子を含む。幾つかの例では、翻訳後修飾の例は、ミリストイル化、パルミトイル化、イソプレニル化(又はプレニル化)(例えばファルネシル化又はゲラニルゲラニル化)、グリピエーション、アシル化(例えば、Oアシル化、N-アシル化、Sアシル化)、アルキル化(例えば、メチル又はエチル基などのアルキル基の付加的な)、アミド化、グリコシル化、ヒドロキシル化、ヨウ素化、ヌ
クレオチド付加、酸化、リン酸化、サクシニル化、硫酸化、糖化、カルバミル化、グルタミル化、又は脱アミドを含む。幾つかの例では、サイトカイン(例えば、IL-2)は、翻訳後修飾、例えば、ミリストイル化、パルミトイル化、イソプレニル化(又は、プレニル化)(例えば、ファルネシル化あるいはゲラニルゲラニル化)、グリピエーション、アシル化(例えば、Oアシル化、N-アシル化、Sアシル化)、アルキル化(例えば、メチル又はエチル基などのアルキル基の付加的な)、アミド化、グリコシル化、ヒドロキシル化、ヨウ素化、ヌクレオチド付加、酸化、リン酸化、サクシニル化、硫酸化、糖化、カルバミル化、グルタミル化、又は脱アミドによって修飾される。
【0179】
抱合
リンカー
幾つかの実施形態において、本明細書に記載されるサイトカインポリペプチド(例えば、IL-2ポリペプチド)の抱合部分に抱合するか、あるいは結合するための有用な官能性反応基は、例えば、0又は高次のリンカーを含む。幾つかの例では、本明細書に記載されるインターロイキンに組み込まれる非天然アミノ酸は、官能性反応基を含む。幾つかの例では、リンカーは、本明細書に記載されるインターロイキンに組み込まれる非天然アミノ酸と反応する官能性反応基を含む。幾つかの例では、抱合部分は、本明細書に記載されるインターロイキンに組み込まれる非天然アミノ酸と反応する官能性反応基を含む。幾つかの例では、抱合部分は、本明細書に記載されるリンカー(随意に、サイトカインペプチドにあらかじめ結合される)と反応する官能性反応基を含む。幾つかの実施形態において、リンカーは、本明細書に記載されるサイトカインペプチド中の天然アミノ酸と反応する反応基を含む。場合によっては、高次のリンカーは、ホモ二官能性リンカー又はヘテロ官能性リンカーなどの官能性リンカーを含む。典型的なモ二官能性リンカーとしては、限定されないが、Lomant試薬ジチオビス(サクシニミヂルプロピオネート DSP及び3’3’-ジチオビス(スルホスクシンイミジル プロピオン酸塩(DTSSP)、ジスクシンイミジル スベリン酸(DSS)、ビス(スルホスクシンイミジル)スベリン酸塩(BS)、ジスクシンイミジルタルトレート(DST)、ジスルホスクシンイミジルタルトレート(スルホ DST)、エチレングリコビス(ethylene glycobis)(スクシンイミジルスクシナート(EGS)、ジスクシニミジルグルタラート(DSG)、N、N’-ジスクシンイミジルカルボネート(DSC)、ジメチルアジピミデート(DMA)、ジメチルピメリミダート(DMP)、ジメチルスベルイミデート(DMS)、ジメチル-3、3’-ジチオビスプロピオンイミデート(DTBP)、1,4-ジ-3’-(2’-ピリジルジチオ)プロピオンアミド)ブタン(DPDPB)、ビスマレイミドヘキサン(BMH)、ハロゲン化アリール含有化合物(DFDNB)、例えば、例えば1,5-ジフルオロ-2,4-ジニトロベンゼン、あるいは1,3-ジフルオロ-4,6-ジニトロベンゼン、4,4’-ジフルオロ-3,3’-ジニトロフェニルスルホン(DFDNPS)、ビス-[β-(4-アジドサリチルアミド)エチル]ジスルフィド(BASED)、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、アジピン酸ジヒドラジド、カルボヒドラジド、o-トルイジン、3,3’-ジメチルベンジジン、ベンジジン、α,α’-p-ジアミノジフェニル、ジヨード-p-キシレンスルホン酸、N,N’-エチレン-ビス(ヨードアセトアミド又はN,N’-ヘキサメチレン-ビス(ヨードアセトアミド)を含む。
【0180】
幾つかの実施形態では、二官能性リンカーはヘテロ官能性リンカーを含む。典型的なヘテロ官能性リンカーとしては、限定されないが、アミン反応性クロスリンカー及びスルフヒドリルクロスリンカー、例えば、N-サクシニミジル3-(2-ピリジルジチオ)プロピオン酸塩(sPDP)、長鎖N-サクシニミジル3-(2-ピリジルジチオ)プロピオン酸塩(LC-sPDP)、水溶性の長鎖N-サクシニミジル3-(2-ピリジルジチオ)プロピオン酸塩(スルホ LC-sPDP)、クシンイミジルオキシカルボニル-α-メチル-α-(2-ピリジルジチオ)トルエン(sMPT)、スルホスクシンイミジル-
6-[α-メチル-α-(2-ピリジルジチオ)トルアミド]ヘキサン酸塩(スルホLC-sMPT)、サクシニミジル-4―(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボン酸塩(sMCC)、スルホスクシンイミジル-4ー(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボン酸塩(スルホ-sMCC)、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBs)、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスルホスクシンイミドエステル(スルホ-MBs)、N-サクシニミジル(4-ヨードアセチル)アミノベンゾアート(sIAB)、スルホスクシンイミジル(4-ヨードアセチル)アミノベンゾエート(スルホ-sIAB)、スクシンイミジル-4-(p-マレイミドフェニル)ブチレート(sMPB)、スルホスクシンイミジル-4-(p-マレイミドフェニル)ブチレート(スルホ-sMPB)、N-(γ-マレイミドブチリルオキシ)スクシンイミドエステル(GMBs)、N-(γ-マレイミドブチリルオキシ)スルホスクシンイミドエステル(スルホ-GMBs)、サクシニミジル6-((ヨードアセチル)アミノ)ヘキサン酸塩(sIAX)、サクシニミジル6-[6-(((ヨードアセチル)アミノ)ヘキサノイル)アミノ]ヘキサン酸塩(sIAXX)、サクシニミジル4-(((ヨードアセチル)アミノ)メチル)シクロヘキサン-1-カルボン酸塩(sIAC)、サクシニミジル6-((((4-ヨードアセチル)アミノ)メチル)シクロヘキサン-1-カルボニル)アミノ)ヘキサン酸塩(sIACX)、p-ニトロフェニルヨード酢酸(NPIA)、カルボニル反応性クロスリンカー及びスルフヒドリル反応性のクロスリンカー、例えば、4-(4-N-マレイミドフェニル)酪酸ヒドラジド(MPBH)、4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシル-ヒドラジド-8(M2C2H)、3-(2-ピリジルジチオ)プロビオニルヒドラジド(PDPH)、アミン反応性クロスリンカー及び光反応性クロスリンカー、例えば、N-ヒドロキシスルホスクシンイミジル-4-アジドサリチル酸(NH-AsA)、N-ヒドロキシスルホスクシンイミジル-4-アジドサリチル酸(スルホ-NH-AsA)、スルホスクシンイミジル-(4-アジドサリチルアミド)ヘキサノエート(スルホ-NH-LC-AsA)、スルホスクシンイミジル-2-(ρ-アジドサリチルアミド)エチル-1,3’-ジチオプロピオネート(sAsD)、N-ヒドロキシスルホスクシンイミジル-4-アジド安息香酸(HsAB)、N-ヒドロキシスルホスクシンイミジル-4-アジド安息香酸(スルホ-HsAB)、N-サクシニミジル-6-(4’-アジド-2’-ニトロフェニルアミノ)ヘキサン酸塩(sANPAH)、スルホスクシンイミジル-6-(4’-アジド-2’-ニトロフェニルアミノ)ヘキサン酸塩(スルホ-sANPAH)、N-5-アジド-2-ニトロベンゾイルオキシスクシンイミド(ANB-NOs)、スルホスクシンイミジル-2-(m-アジド-o-ニトロベンズアミド)-エチル-1,3’-ジチオプロピオナート(sAND)、N-サクシニミジル-4(4-アジドフェニル)1,3’-ジチオプロピオナート(sADP)、N-スルホスクシンイミジル(4-アジドフェニル)-1,3’-ジチオプロピオナート(スルホ-sADP)、スルホスクシンイミジル 4-(ρ-アジドフェニル)酪酸塩(スルホ-sAPB)、スルホスクシンイミジル 2-(7-アジド-4-メチルクマリン-3-アセトアミド)エチル-1,3’-ジチオプロピオナート(sAED)、スルホスクシンイミジル 7-アジド-4-メチルクマイン-3-酢酸塩(スルホ-sAMCA)、ρ-ニトロフェニルジアゾピルバート(ρNPDP)、ρ-ニトロフェニル-2-ジアゾ-3,3,3-トリフルオロプロピオネート(PNP-DTP)、スルフヒドリル反応性クロスリンカー及び光反応性クロスリンカー、例えば1-(ρ-アジドサリチルアミド)-4-(ヨードアセトアミド)ブタン(AsIB)、N-[4-(ρ-アジドサリチルアミド)ブチル]-3’-(2’-ピリジルジチオ)プロピオンアミド(APDP)、ベンゾフェノン-4-ヨードアセトアミド、ベンゾフェノン-4-マレイミド、カルボニル反応性クロスリンカー及び光反応性クロスリンカー、例えばρ-アジドベンゾイルヒドラジド(ABH)、カルボキシラート反応性クロスリンカー及び光反応性クロスリンカー、例えば、4-(ρ-アジドサリチルアミド)ブチルアミン(AsBA)、及びアルギニン反応性クロスリンカー及び光反応性クロスリンカー、例えば、ρ-アジドフェニルグリオキサール(APG)を含む。
【0181】
幾つかの例では、反応性官能基は、結合部分(例えば、抱合部分、又はIL-2)上で存在する求電子基に反応する求核基を含む。典型的な求電子基は、カルボニル基、例えば、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、エステル、アミド、エノン、酸ハロゲン化物、又は酸無水物を含む。幾つかの実施形態において、反応性官能基はアルデヒドである。典型的な求核基は、ヒドラジド、オキシム、アミノ、ヒドラジン、チオセミカルバゾン、カルボン酸ヒドラジン、及びアリールヒドラジドを含む。幾つかの実施形態において、本明細書に記載されたインターロイキンに組み込まれる非天然アミノ酸は、求電子基を含む。
【0182】
幾つかの実施形態では、リンカーは切断可能なリンカーである。幾つかの実施形態では、切断可能なリンカーはジペプチドリンカーである。幾つかの実施形態において、ジペプチドリンカーは、バリン-シトルリン(Val-Cit)、フェニルアラニン-リジン (Phe-Lys)、バリン-アラニン(Val-Ala)、及びバリン-リジン(Val-Lys)である。幾つかの実施形態において、ジペプチド-リンカーはバリン-シトルリンである。
【0183】
幾つかの実施形態において、リンカーは、例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、15、20、25、30、35、40、45、50、又はそれより多くのアミノ酸を含むペプチド-リンカーである。幾つかの例では、ペプチド-リンカーは、最大で、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、15、20、25、30、35、40、45、50、又はそれより少ないアミノ酸を含む。場合によっては、ペプチドリンカーは、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、30、35、40、45、あるいは50のアミノ酸を含む。
【0184】
幾つかの実施形態では、リンカーは自壊性リンカー部分を含む。幾つかの実施形態において、自壊性リンカー部分は、それらのp-アミノベンジルアルコール(PAB)、p-アミノベンジオキシカルボニル(PABC)、又は誘導体あるいはそのアナログを含む。幾つかの実施形態において、リンカーは、ジペプチドリンカー部分及び自壊性リンカー部分を含む。幾つかの実施形態において、自壊性リンカー部分は、米国特許第9089614号及びWO2015038426に記載されるものなどである。
【0185】
幾つかの実施形態において、切断可能なリンカーはグルクロニドである。幾つかの実施形態において、切断可能なリンカーは酸切断可能なリンカーである。幾つかの実施形態において、酸切断可能なリンカーはヒドラジンである。幾つかの実施形態において、切断可能なリンカーは還元可能なリンカーである。
【0186】
幾つかの実施形態では、リンカーマレイミド基を含む。幾つかの例において、マレイミド基はマレイミドスペーサーとも呼ばれる。幾つかの例において、マレイミド基は、マレイミドカプロイル(mc)を形成するカプロン酸を含む。場合によっては、リンカーはマレイミドカプロイル(mc)を含む。場合によっては、リンカーはマレイミドカプロイル(mc)である。他の例において、マレイミド基は、上述のスクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシラート(sMCC)又はスルホスクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシラート(スルホ-sMCC)などのマレイミドメチル基を含む。
【0187】
幾つかの実施形態において、マレイミド基は自己安定化マレイミドである。幾つかの例において、自己安定化マレイミドは、チオスクシンイミド環加水分解の分子内の触媒作用を提供するべくマレイミドに隣接する塩基性アミノ基を組み込むジアミノプロピオン酸(DPR)を利用し、それにより、マレイミドがレトロマイケル反応を介して脱離反応を受
けることを排除する。幾つかの例において、自己安定化マレイミドは、Lyon, et
al., “Self-hydrolyzing maleimides improve the stability and pharmacological properties of antibody-drug conjugates,” Nat. Biotechnol. 32(10):1059-1062 (2014).に記載されるマレイミド基である。幾つかの例において、リンカーは自己安定化マレイミドを含む。幾つかの例において、リンカーは自己安定化マレイミドである。
【0188】
抱合化学
様々な抱合反応は、リンカー、抱合部分、及び本明細書に記載されるサイトカインペプチドに組み込まれる非天然アミノ酸を抱合するために使用される。そのような抱合反応はしばしば、「生体直交型」反応などの水性条件に適合する。幾つかの実施形態において、抱合反応は、化学試薬、例えば、リンカー、抱合部分、又は非天然アミノ酸上で発見される触媒、光、又は反応性化学基によって媒介される。幾つかの実施形態において、抱合反応は酵素によって媒介される。幾つかの実施形態において、本明細書に使用される抱合反応は、Gong, Y., Pan, L. Tett. Lett. 2015, 56, 2123に記載される。幾つかの実施形態において、本明細書で使用される抱合反応は、Chen, X.; Wu. Y-W. Org. Biomol. Chem.
2016, 14, 5417に記載される。
【0189】
本明細書に記載される幾つかの実施形態において、抱合反応は、求核分子とケトン又はアルデヒドとの反応を含む。幾つかの実施形態において、抱合反応は、オキシムを形成するために、アミノキシ基とケトンとの反応を含む。幾つかの実施形態において、抱合反応は、イミンを形成するために、アリール又はヘテロアリールとアミン基とのケトンの反応を含む。幾つかの実施形態において、抱合反応は、イミンを形成するために、アリール又はヘテロアリールとアミン基とのアルデヒドの反応を含む。幾つかの実施形態において、本明細書に記載される抱合反応は、オキシムを介して結合されるリンカー又は抱合の部分を含むサイトカインペプチドを結果としてもたらす。幾つかの実施形態において、抱合反応は、トリプタミン求核分子とのアルデヒド又はケトンのピクテ・スペングラー反応を含む。幾つかの実施形態において、抱合反応はヒドラジノ・ピクテ・スペングラー反応を含む。幾つかの実施形態において、抱合反応はピクテ・スペングラー・ライゲーションを含む。
【0190】
本明細書に記載される幾つかの実施形態において、本明細書に記載される抱合反応は、アジド及びホスフィンの反応を含む(シュタウディンガー・ライゲーション)。幾つかの実施形態において、ホスフィンはアリールホスフィンである。幾つかの実施形態において、アリールホスフィンはオルトエステル基を含む。幾つかの実施形態において、ホスフィンは、メチル2-(ジフェニルホスファニル)安息香酸塩の構造を含む。幾つかの実施形態において、本明細書に記載される抱合反応は、アリルアミドを介して結合されるリンカー又は抱合部分を含むサイトカインペプチドを結果としてもたらす。幾つかの実施形態において、本明細書に記載される抱合反応は、アミドを介して結合されるリンカー又は抱合部分を含むサイトカインペプチドを結果としてもたらす。
【0191】
本明細書に記載される幾つかの実施形態において、本明細書に記載される抱合反応は、1、3-双極子付加環化反応を含む。幾つかの実施形態において、1,3-双極子付加環化反応は、アジド及びホスフィンの反応を含む(「クリック」反応)。幾つかの実施形態において、抱合反応は銅によって触媒される。幾つかの実施形態において、本明細書に記載される抱合反応は、トリアゾールを介して結合されるリンカー又は抱合部分を含むサイトカインペプチドを結果としてもたらす。幾つかの実施形態において、本明細書に記載される抱合反応は、歪みオレフィンとアジドとの反応を含む。幾つかの実施形態において、
本明細書に記載される抱合反応は、歪みアルキンとアジドとの反応を含む。幾つかの実施形態において、本明細書に記載される抱合反応は、シクロアルキン、例えば、OCT、DIFO、DIFBO、DIBO、BARAC、TMTH、又は他の歪みシクロアルキンとアジドとの反応を含み、それらの構造はGong, Y., Pan, L. Tett. Lett. 2015, 56, 2123において示される。幾つかの実施形態において、1、3-双極子付加環化反応は、光によって触媒される(「光クリック」)。幾つかの実施形態において、本明細書に記載される抱合反応は、テトラゾール及び光と末端アリル基との反応を含む。幾つかの実施形態において、本明細書に記載される抱合反応は、テトラゾール及び光と末端アルキニル基との反応を含む。幾つかの実施形態において、本明細書に記載される抱合反応は、テトラジン及び光とO-アリルアミノ酸との反応を含む。幾つかの実施形態において、本明細書に記載される抱合反応は、テトラジン及び光とO-アリルチロシンとの反応を含む。
【0192】
本明細書に記載される幾つかの実施形態において、本明細書に記載される抱合反応は、ジエン及び求ジエン体を含む逆電子要請型付加環化反応を含む。幾つかの実施形態において、ジエンはテトラジンを含む。幾つかの実施形態において、求ジエン体はアルケンを含む。幾つかの実施形態において、求ジエン体はアルキンを含む。幾つかの実施形態において、アルキンは歪みアルキンである。幾つかの実施形態において、アルケンは歪みジエンである。幾つかの実施形態において、アルキンはtrans-シクロオクテンである。幾つかの実施形態において、アルキンはシクロオクテンである。幾つかの実施形態において、アルケンは、シクロプロペンである。幾つかの実施形態において、アルケンは、フルオロシクロプロペンである。幾つかの実施形態において、本明細書に記載される抱合反応は、環内に2つの窒素原子を含む6-員環の複素環を介してリンカー又は抱合部分に結合されるサイトカインペプチドの形成を結果としてもたらす。
【0193】
本明細書に記載される幾つかの実施形態において、本明細書に記載される抱合反応は、オレフィン病部転位反応を含む。幾つかの実施形態において、本明細書に記載される抱合反応は、ルテニウム触媒とアルケン及びアルキンとの反応を含む。幾つかの実施形態において、本明細書に記載される抱合反応は、ルテニウム触媒と2つのアルケンとの反応を含む。幾つかの実施形態において、本明細書に記載される抱合反応は、ルテニウム触媒と2つのアルキンとの反応を含む。幾つかの実施形態において、本明細書に記載される抱合反応は、ルテニウム触媒及びアリル基を含むアミノ酸とアルケン又はアルキンとの反応を含む。幾つかの実施形態において、本明細書に記載される抱合反応は、ルテニウム触媒及び硫化アリル又はセレン化物を含むアミノ酸とアルケン又はアルキンとの反応を含む。幾つかの実施形態において、ルテニウム触媒は第2世代Hoveda-Grubbs触媒である。幾つかの実施形態において、オレフィンメタセシス反応は、1つ以上の歪みアルケン又はアルキンの反応を含む。
【0194】
本明細書に記載される幾つかの実施形態において、本明細書に記載される抱合反応は、クロスカップリング反応を含む。幾つかの実施形態において、クロスカップリング反応は、イリジウム、金、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、ニッケル、白金又は他の遷移金属触媒及び1つ以上のリガンドなどの遷移金属触媒を含む。幾つかの実施形態において、遷移金属触媒は水溶性である。本明細書に記載される幾つかの実施形態において、本明細書に記載される抱合反応は、鈴木・宮浦クロスカップリング反応を含む。本明細書に記載される幾つかの実施形態において、本明細書に記載される抱合反応は、ハロゲン化アリール(あるいはトリフラート、又はトシラート)、アリール又はアルケニルボロン酸、及びパラジウム触媒の反応を含む。本明細書に記載される幾つかの実施形態において、本明細書に記載される抱合反応は、薗頭カップリング反応を含む。本明細書に記載される幾つかの実施形態において、本明細書に記載される抱合反応は、ハロゲン化アリール(あるいはトリフラート、又はトシラート)、アルキン、及びパラジウム触媒の反応を含む。幾つか
の実施形態において、クロスカップリング反応は、炭素-炭素結合を介してサイトカインペプチドへのリンカー又は抱合部分の結合を結果としてもたらす。
【0195】
本明細書に記載される幾つかの実施形態において、本明細書に記載される抱合反応は、抱合前の反応基の脱保護又は「アンケージング(uncaging)」反応を含む。幾つかの実施形態において、本明細書に記載される抱合反応は、光との反応基のアンケージング、その後の、抱合反応を含む。幾つかの実施形態において、反応基は、1つ以上のニトロ基を含むアラルキル部分により保護される。幾つかの実施形態において、反応基のアンケージングは、遊離アミン、硫化物、又は他の反応基を結果としてもたらす。幾つかの実施形態において、本明細書に記載される抱合反応は、遷移金属触媒を用いた反応基のアンケージング、その後の抱合反応を含む。幾つかの実施形態において、遷移金属触媒はパラジウム及び1つ以上のリガンドを含む。幾つかの実施形態において、反応基はアリル部分により保護される。幾つかの実施形態において、反応基はアリルカルバマートにより保護される。幾つかの実施形態において、反応基はプロパルギル部分により保護される。幾つかの実施形態において、反応基はプロパルギルカルバマートで保護される。幾つかの実施形態において、反応基は求ジエン体により保護され、ここで、ジエン(テトラジンなどの)への曝露は、反応基の脱保護を結果としてもたらす。
【0196】
本明細書に記載される幾つかの実施形態において、本明細書に記載される抱合反応はリガンド指向反応を含み、ここで、反応基に(随意に)結合されたリガンドは、反応基とサイトカインペプチドとの間の抱合の部位を促進する。幾つかの実施形態において、リガンドは、反応基とサイトカインペプチドの反応中、あるいはその反応後に切断される。幾つかの実施形態において、サイトカインペプチドの抱合部位は天然アミノ酸である。幾つかの実施形態において、サイトカインペプチドの抱合部位は、リジン、システイン、又はセリンである。幾つかの実施形態において、サイトカインペプチドの抱合部位は、本明細書に記載される非天然アミノ酸である。幾つかの実施形態において、反応基は、電子不足アリール又はヘテロアリール基などの脱離基を含む。幾つかの実施形態において、反応基は、サイトカインペプチドによって置換する電子不足アルキル基などの、脱離基を含む。幾つかの実施形態において、本明細書に記載される抱合反応は、ラジカル種とのラジカル捕捉剤の反応を含む。幾つかの実施形態において、本明細書に記載される抱合反応は、酸化的ラジカル付加反応を含む。幾つかの実施形態において、ラジカル捕捉剤はアニールアミンである。幾つかの実施形態において、ラジカル種はチロシルラジカルである。幾つかの実施形態において、ラジカル種は、ルテニウム触媒([Ru(bpy)3]などの)及び光によって生成される。
【0197】
酵素反応は、本明細書に記載される抱合反応に随意に使用される。典型的な酵素的な抱合は、SortA媒介抱合、TG媒介抱合、又はFGE媒介抱合を含む。幾つかの実施形態において、本明細書に記載される抱合反応は、アミド結合を形成するためのチオエステルを有する末端1-アミノ-2-チオ基の未変性タンパク質ライゲーション(NPL)を含む。
【0198】
サイトカインペプチドとリンカー又は抱合部分とを反応させるための様々な抱合反応が本明細書に記載され、ここで、上記反応は、サイトカインペプチド中の天然(「基準」)アミノ酸により起こる。幾つかの実施形態において、天然アミノ酸は、抱合位置で見られ、野生型配列において見られ、あるいは、その位置が変異されている。幾つかの実施形態において、抱合反応は、システイン残基でのジスルフィド結合の形成を含む。幾つかの実施形態において、抱合反応は、システイン又はリジンの1,4マイケル付加反応を含む。幾つかの実施形態において、抱合反応は、システインのシアノベンゾチアゾールライゲーションを含む。幾つかの実施形態において、抱合反応は1,3-ジクロロ-2-プロピオン酸などのアセトン部分により架橋することを含む。幾つかの実施形態において、抱合反
応は、O-メシチレンスルホニルヒドロキシルアミンとシステインとの反応によって形成される、デヒドロアラニンの1,4マイケル付加を含む。幾つかの実施形態において、抱合反応は、トリアゾリンジオン(TAD)とチロシン、又はTAD誘導体との反応を含む。幾つかの実施形態において、抱合反応は、ロジウムカルベノイドとトリプトファンとの反応を含む。
【0199】
使用の方法
増殖性疾患又は疾病
幾つかの実施形態において、被験体における増殖性疾患又は疾病を処置する方法が本明細書に記載され、上記方法は、本明細書に記載される治療上有効な量のサイトカイン抱合体(例えば、IL-2抱合体)を被験体に投与する工程を含む。幾つかの例では、IL-2抱合体は単離及び精製されたIL-2ポリペプチド及び抱合部分を含み、ここで、IL-2抱合体は、野生型のIL-2ポリペプチドと比較してIL-2受容体α(IL-2Rα)サブユニットに対する減少した親和性を有する。幾つかの例では、IL-2結合体は、単離及び精製されたIL-2ポリペプチド;及び、K35、T37、R38、T41、F42、K43、F44、Y45、E60、E61、E62、K64、P65、E68、V69、N71、L72、M104、C105、及びY107から選択されるアミノ酸位置の単離及び精製されたIL-2ポリペプチドに結合する抱合部分を含み、ここで、アミノ酸残基の番号付けは、SEQ ID NO:1に対応する。場合によっては、IL-2抱合体は、IL-2/IL-2Rβγ複合体を形成するために、IL-2Rβ及びIL-2Rβγサブユニットと優先的に相互作用する。場合によっては、IL-2/IL-2Rβγ複合体は、CD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブ及び記憶T細胞、NK細胞、及び/又はNKT細胞の拡張を刺激及び/又は増強する。さらなる場合において、Teff細胞の拡張は、Teff集団よりにTeff:Treg比率を歪める。
【0200】
幾つかの実施形態では、増殖性疾患又は疾病は癌である。幾つかの例では、癌は固形腫瘍である。典型的な固形腫瘍としては、限定されないが、膀胱癌、骨癌、脳癌、乳癌、大腸癌、食道癌、眼癌、頭頚部癌、腎癌、肺癌、黒色腫、卵巣癌、膵臓癌、又は前立腺癌が挙げられる。幾つかの例において、固形腫瘍は転移性癌である。幾つかの場合では、固形腫瘍は、再発性又は難治性の癌である。
【0201】
幾つかの例では、本明細書に記載されるサイトカイン(例えば、インターロイキン、IFN、又はTNF)抱合体は、固形腫瘍を処置するために、それを必要とする被験体に投与される。この場合、被験体は、膀胱癌、骨癌、脳癌、乳癌、大腸癌、食道癌、眼癌、頭頚部癌、腎癌、肺癌、黒色腫、卵巣癌、膵臓癌、又は前立腺癌を有する。場合によっては、固形腫瘍は転移性癌である。場合によっては、固形腫瘍は再発性又は難治性の癌である。
【0202】
幾つかの例では、本明細書に記載されるIL-2抱合体は、固形腫瘍を処置するために、それを必要とする被験体に投与される。この場合、被験体は、膀胱癌、骨癌、脳癌、乳癌、大腸癌、食道癌、眼癌、頭頚部癌、腎癌、肺癌、黒色腫、卵巣癌、膵臓癌、又は前立腺癌を患っている。場合によっては、IL-2抱合体は膀胱癌の処置のために被験体に投与される。場合によっては、IL-2抱合体は乳癌の処置のために被験体に投与される。場合によっては、IL-2抱合体は大腸癌の処置のために被験体に投与される。場合によっては、IL-2抱合体は食道癌の処置のために被験体に投与される。場合によっては、IL-2抱合体は頭頚部癌の処置のために被験体に投与される。場合によっては、IL-2抱合体は腎癌の処置のために被験体に投与される。場合によっては、IL-2抱合体は肺癌の処置のために被験体に投与される。場合によっては、IL-2抱合体は黒色腫の処置のために被験体に投与される。場合によっては、IL-2抱合体は卵巣癌の処置のために被験体に投与される。場合によっては、IL-2抱合体は膵臓癌の処置のために被験体
に投与される。場合によっては、IL-2抱合体は前立腺癌の処置のために被験体に投与される。
【0203】
幾つかの実施形態において、IL-2抱合体は転移性癌の処置のために被験体に投与される。幾つかの例では、転移性癌は、転移性膀胱癌、転移性骨癌、転移性脳癌、転移性乳癌、転移性大腸癌、転移性食道癌、転移性眼癌、転移性頭頚部癌、転移性腎癌、転移性肺癌、転移性黒色腫、転移性卵巣癌、転移性膵臓癌、又は転移性前立腺癌を含む。場合によっては、IL-2抱合体は、転移性膀胱癌、転移性骨癌、転移性脳癌、転移性乳癌、転移性大腸癌、転移性食道癌、転移性眼癌、転移性頭頚部癌、転移性腎癌、転移性肺癌、転移性黒色腫、転移性卵巣癌、転移性膵臓癌、又は転移性前立腺癌の処置のために、被験体に投与される。
【0204】
幾つかの実施形態において、IL-2抱合体は再発性又は難治性癌の処置のために被験体に投与される。幾つかの例では、再発性又は難治性癌は、再発性又は難治性膀胱癌を含む、再発性又は難治性骨癌、再発性又は難治性脳癌、再発性又は難治性乳癌、再発性又は難治性大腸癌、再発性又は難治性食道癌、再発性又は難治性眼癌、再発性又は難治性頭頚部癌、再発性又は難治性腎癌、再発性又は難治性肺癌、再発性又は難治性黒色腫、再発性又は難治性卵巣癌、再発性又は難治性膵臓癌、あるいは再発性又は難治性前立腺癌を含む。場合によっては、IL-2抱合体は、再発性又は難治性膀胱癌、再発性又は難治性骨癌、再発性又は難治性脳癌、再発性又は難治性乳癌、再発性又は難治性大腸癌、再発性又は難治性食道癌、再発性又は難治性眼癌、再発性又は難治性頭頚部癌、再発性又は難治性腎癌、再発性又は難治性肺癌、再発性又は難治性黒色腫、再発性又は難治性卵巣癌、再発性又は難治性膵臓癌、あるいは再発性又は難治性前立腺癌の処置のために、被験体に投与される。
【0205】
幾つかの実施形態では、癌は未処置の癌である。この場合、未処置の癌は治療によって治療されていない癌である。場合によっては、未処置の癌は、膀胱癌、骨癌、脳癌、乳癌、大腸癌、食道癌、眼癌、頭頚部癌、腎癌、肺癌、黒色腫、卵巣癌、膵臓癌、又は前立腺癌などの固形腫瘍である。幾つかの実施形態において、被験体における未処置の固形腫瘍を処置する方法が本明細書に記載され、それは、本明細書に記載されるサイトカイン抱合体(例えば、IL-2抱合体)を、それを必要とする被験体に投与する工程を含む。
【0206】
幾つかの実施形態では、癌は血液悪性腫瘍である。幾つかの例では、血液悪性腫瘍は、白血病、リンパ腫、又は骨髄腫を含む。場合によっては、血液悪性腫瘍はT細胞悪性腫瘍である。他の場合において、血液悪性腫瘍はB細胞悪性腫瘍である。例示的な血液悪性腫瘍としては、限定されないが、慢性リンパ性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、濾胞性リンパ腫(FL)、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、多発性骨髄腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、非バーキットリンパ高悪性度Bリンパ腫、原発性縦隔B細胞リンパ腫(PMBL)、免疫芽細胞性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、脾臓周辺帯リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、形質細胞腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性体腔性リンパ腫、又はリンパ腫様肉芽腫症が挙げられる。
【0207】
場合によっては、血液悪性腫瘍は転移性癌である。場合によっては、転移性癌は、転移性T細胞悪性腫瘍又は転移性B細胞悪性腫瘍である。
【0208】
場合によっては、血液悪性腫瘍は再発性又は難治性の癌である。場合によっては、再発性又は難治性の癌は、再発性又は難治性T細胞悪性腫瘍又は再発性又は難治性B細胞悪性
腫瘍である。
【0209】
幾つかの例では、本明細書に記載されるサイトカイン(例えば、インターロイキン、IFN、又はTNF)は、血液悪性腫瘍の処置のために、それを必要とする被験体に投与される。場合によっては、被験体にはT細胞悪性腫瘍を有する。幾つかの実施形態では、被験体はB細胞悪性腫瘍を患っている。場合によっては、被験体は、慢性リンパ性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、濾胞性リンパ腫(FL)、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、多発性骨髄腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、非バーキットリンパ高悪性度Bリンパ腫、原発性縦隔B細胞リンパ腫(PMBL)、免疫芽細胞性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、脾臓周辺帯リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、形質細胞腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性体腔性リンパ腫、又はリンパ腫様肉芽腫症を有する。
【0210】
幾つかの例では、本明細書に記載されるIL-2抱合体は、血液悪性腫瘍を処置するために、それを必要とする被験体に投与される。場合によっては、被験体にはT細胞悪性腫瘍を有する。幾つかの実施形態では、被験体はB細胞悪性腫瘍を患っている。場合によっては、被験体は、慢性リンパ性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、濾胞性リンパ腫(FL)、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、多発性骨髄腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、非バーキットリンパ高悪性度Bリンパ腫、原発性縦隔B細胞リンパ腫(PMBL)、免疫芽細胞性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、脾臓周辺帯リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、形質細胞腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性体腔性リンパ腫、又はリンパ腫様肉芽腫症を有する。場合によっては、IL-2抱合体はCLLの処置のために被験体に投与される。場合によっては、IL-2抱合体はSLLの処置のために被験体に投与される。場合によっては、IL-2抱合体はFLの処置のために被験体に投与される。場合によっては、IL-2抱合体はDLBCLの処置のために被験体に投与される。場合によっては、IL-2抱合体はMCLの処置のために被験体に投与される。場合によっては、IL-2抱合体はワルデンシュトレームマクログロブリン血症の処置のために被験体に投与される。場合によっては、IL-2抱合体は多発性骨髄腫の処置のために被験体に投与される。場合によっては、IL-2抱合体はバーキットリンパ腫の処置のために被験体に投与される。
【0211】
場合によっては、IL-2抱合体は、転移性血液系悪性腫瘍の処置のために被験体に投与される。場合によっては、IL-2抱合体は、転移性T細胞悪性腫瘍の処置のために被験体に投与される。場合によっては、IL-2抱合体は、転移性B細胞悪性腫瘍の処置のために被験体に投与される。場合によっては、IL-2抱合体は、転移性慢性リンパ性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、濾胞性リンパ腫(FL)、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、多発性骨髄腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、非バーキットリンパ高悪性度Bリンパ腫、原発性縦隔B細胞リンパ腫(PMBL)、免疫芽細胞性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、脾臓周辺帯リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、形質細胞腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性体腔性リンパ腫、又は転移性リンパ腫様肉芽腫症の処置のために、被験体に投与される。
【0212】
場合によっては、IL-2抱合体は、再発性又は難治性血液悪性腫瘍の処置のために被験体に投与される。場合によっては、IL-2抱合体は、再発性又は難治性T細胞悪性腫瘍の処置のために被験体に投与される。場合によっては、IL-2抱合体は、再発性又は難治性B細胞悪性腫瘍の処置のために被験体に投与される。場合によっては、IL-2抱合体は、再発性又は難治性慢性リンパ性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、濾胞性リンパ腫(FL)、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、多発性骨髄腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、非バーキットリンパ高悪性度Bリンパ腫、原発性縦隔B細胞リンパ腫(PMBL)、免疫芽細胞性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、脾臓周辺帯リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、形質細胞腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性体腔性リンパ腫、又は転移性リンパ腫様肉芽腫症の処置のために、被験体に投与される。
【0213】
追加の治療薬
幾つかの実施形態において、追加の治療剤が被験体にさらに投与される。場合によっては、追加の治療剤は、サイトカイン抱合体(例えば、IL-2抱合体)と同時に投与される。その他の場合において、追加の治療剤及びIL-2抱合体は連続して投与され、例えば、サイトカイン抱合体(例えば、IL-2抱合体)は追加の治療剤の投与前に投与され、サイトカイン抱合体(例えば、IL-2抱合体)は追加の治療剤の投与後に投与される。
【0214】
場合によっては、追加の治療剤は、化学療法剤、免疫療法剤、標的療法、放射線治療、又はそれらの組み合わせを含む。例示的な追加の治療剤としては、限定されないが、アルトレタミン、ブスルファン、カルボプラチン、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド、ダカルバジン、ロムスチン、メルファラン、オキサリプラチン、テモゾロミド、又はチオテパなどのアルキル化剤;5-フルオロウラシル(5-FU)、6-メルカプトプリン(6-MP)、カペシタビン、シタラビン、フロクスウリジン、フルダラビン、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、メトトレキサート、又はペメトレキセドなどの代謝拮抗剤;ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、又はイダルビシンなどのアントラサイクリン;トポテカン又はイリノテカン(CPT-11)などのトポイソメラーゼI阻害剤;エトポシド(VP-16)、テニポシド、又はミトキサントロンなどのトポイソメラーゼII阻害剤;ドセタセル、エストラムスチン、イキサベピロン、パクリタキセル、ビンブラスチン、ビンクリスチン、又はビノレルビンなどの有糸分裂阻害剤;プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、又はデキサメタゾンなどのコルチコステロイドが挙げられる。
【0215】
場合によっては、追加の治療剤は一次治療を含む。本明細書で使用されるように、「一次治療」は、癌を患う被験体のための一次処置を含む。幾つかの例において、癌は原発癌である。幾つかの場合において、癌は、転移性又は再発性の癌である。場合によっては、一次治療は化学療法を含む。その他の場合において、一次処置は放射線治療を含む。当業者は、異なる一次処置が異なるタイプの癌に適用可能であり得ることを容易に理解するだろう。
【0216】
場合によっては、サイトカイン抱合体(例えば、IL-2抱合体)は、アルトレタミン、ブスルファン、カルボプラチン、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド、ダカルバジン、ロムスチン、メルファラン、オキサリプラチン、テモゾロミド、又はチオテパなどのアルキル化剤;5-フルオロウラシル(5-FU)、6-メルカプトプリン(6-MP)、カペシタビン、シタラビン、フロクスウリジン、フルダラビン、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、メトトレキサート、又はペメトレキセドなどの代
謝拮抗剤;ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、又はイダルビシンなどのアントラサイクリン;トポテカン又はイリノテカン(CPT-11)などのトポイソメラーゼI阻害剤;エトポシド(VP-16)、テニポシド、又はミトキサントロンなどのトポイソメラーゼII阻害剤;ドセタセル、エストラムスチン、イキサベピロン、パクリタキセル、ビンブラスチン、ビンクリスチン、又はビノレルビンなどの有糸分裂阻害剤;プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、又はデキサメタゾンなどのコルチコステロイドから選択される追加の治療剤とともに投与される。
【0217】
幾つかの例では、本明細書に記載されるサイトカイン抱合体(例えば、IL-2抱合体)は、酵素ポリADPリボースポリメラーゼ(PARP)の阻害剤とともに投与される。典型的なPARP阻害剤としては、限定されないが、オラパリブ(Astra ZenecaのAZD-2281、Lynparza(登録商標))及びルカパリブ(Clovis OncologyのPF-01367338、クローヴィス腫瘍内科学からのRubraca(登録商標))、ニラパリブ(TesaroのMK-4827、Zejula(登録商標))、タラゾパリブ(BioMarin Pharmaceutical Inc.のBMN-673)、ベリパリブ(AbbVieのABT-888)、CK-102(Teva Pharmaceutical Industries Ltd.の旧名CEP 9722)、E7016( Eisaiの)、イニパリブ(SanofiのBSI
201)、及びpamiparib(BeiGeneのBGB-290)が挙げられる。場合によっては、サイトカイン抱合体(例えば、IL-2抱合体)は、オラパリブ、ルカパリブ、ニラパリブ、タラゾパリブ、ベリパリブ、CK-102、E7016、イニパリブ、又はpamiparibなどのPARP阻害剤と組み合わせて投与される。
【0218】
幾つかの例では、本明細書に記載されるサイトカイン抱合体(例えば、IL-2抱合体)は、免疫チェックポイント阻害剤とともに投与される。典型的なチェックポイント阻害剤は以下のものを含む:
【0219】
GenentechのMPDL3280A(RG7446)、BioXcellの抗マウスPD-L1抗体クローン10F.9G2(Cat# BE0101)、Bristol-Meyer’s Squibbの抗PD-L1モノクローナル抗体MDX-1105(BMS-936559)及びBMS-935559、MSB0010718C、マウス抗PD-L1クローン29E.2A3、及びAstraZenecaのMEDI4736などの、PD-L1阻害剤;
【0220】
GlaxoSmithKlineのAMP-224(Amplimmune)、及びrHIgM12B7などのPD-L2阻害剤;
【0221】
BioXcellの抗マウスPD-1抗体クローンJ43(Cat# BE0033-2)、BioXcellの抗マウスPD-1抗体クローンRMP1-14(Cat# BE0146)、マウス抗PD-1抗体クローンEH12、MerckのMK-3475抗マウスPD-1抗体(キイトルーダ、ペンブロリズマブ、ラムブロリズマブ)、ANB011としても知られているAnaptysBioの抗PD-1抗体、抗体MDX-1 106(ONO-4538)、Bristol-Myers SquibbのヒトIgG4モノクローナル抗体ニボルマブ(Opdivo(登録商標)、BMS-936558、MDX1106)、AstraZenecaのAMP-514及びAMP-224、及びCureTech Ltdのピディリズマブ(CT-011)などの、PD-1阻害剤;
【0222】
Bristol Meyers Squibbの抗-CTLA-4抗体イピリムマブ(Yervoy(登録商標)、MDX-010、BMS-734016及びMDX-101としても知られている)、ミリポアの抗CTLA4抗体クローン9H10、Pfizer
のトレメリムマブ(CP-675,206、チシリムマブ)、及びAbcamの抗CTLA4抗体クローンBNI3などの、CTLA-4阻害剤;
【0223】
eBioscienceの抗ラグ-3抗体クローンeBioC9B7W(C9B7W)、 LifeSpan Biosciencesの抗ラグ3抗体LS-B2237、ImmutepのIMP321(ImmuFact)、抗Lag3抗体BMS-986016、及びLAG-3キメラ抗体A9H12などの、LAG3阻害剤;
【0224】
MGA271などのB7-H3阻害剤;
【0225】
Lirilumab(IPH2101)などのKIR阻害剤;
【0226】
ウレルマブ(urelumab)(BMS-663513Bristol-Myers
Squibb)、PF-05082566(抗4-1BB、PF-2566、Pfizer)、又はXmAb-5592(Xencor)などの、CD137阻害剤;
【0227】
BavituximabなどのPS阻害剤;
【0228】
ならびに、抗体又はそのフラグメント(例えば、モノクローナル抗体、ヒト抗体、ヒト化された抗体、又はキメラ抗体)、RNAi分子、あるいはTIM3、CD52、CD30、CD20、CD33、CD27、OX40、GITR、ICOS、BTLA(CD272)、CD160、2B4、LAIR1、TIGHT、LIGHT、DR3、CD226、CD2、又はSLAMに対する小分子などの、阻害剤。
【0229】
幾つかの例では、サイトカイン抱合体(例えば、IL-2抱合体)は、ペンブロリズマブ、ニボルマブ、トレメリムマブ、又はイピリムマブと組み合わせて投与される。
【0230】
幾つかの例では、本明細書に記載されるサイトカイン抱合体(例えば、IL-2抱合体)は、アレムツズマブ、トラスツズマブ、イブリツモマブチウクセタン、ブレンツキシマブベドチン、トラスツズマブ エムタンシン又はブリナツモマブなどの抗体とともに投与される。
【0231】
幾つかの例では、サイトカイン抱合体(例えば、IL-2抱合体)は、追加のサイトカインから選択された追加の治療剤とともに投与される。幾つかの例では、追加のサイトカインは、Tエフェクター細胞の拡張及び/又は増殖を増強する及び/又は相乗作用を与える。場合によっては、追加のサイトカインは、IL-1β、IL-6、IL-7、IL-10、IL-12、IL-15、IL-21、又はTNFαを含む。場合によっては、追加のサイトカインはIL-7である。場合によっては、追加のサイトカインはIL-15である。場合によっては、追加のサイトカインはIL-21である。場合によっては、追加のサイトカインはTNFαである。
【0232】
幾つかの例では、サイトカイン抱合体(例えば、IL-2抱合体)は、受容体アゴニストから選択される追加の治療剤とともに投与される。幾つかの例では、受容体アゴニストはToll様受容体(TLR)リガンドを含む。場合によっては、TLRリガンドは、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、又はTLR9を含む。場合によっては、TLRリガンドは、例えば、Pam3Cys、CFA、MALP2、Pam2Cys、FSL-1、Hib-OMPC、ポリ:IC、ポリA:U、AGP、MPL A、RC-529、MDF2β、CFA、又はフラジェリンなどの合成リガンドを含む。場合によっては、サイトカイン抱合体(例えば、IL-2抱合体)は、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TL
R8、及びTLR9から選択される1つ以上のTLRアゴニストとともに投与される。場合によっては、サイトカイン抱合体(例えば、IL-2抱合体)はPam3Cys、CFA、MALP2、Pam2Cys、FSL-1、Hib-OMPC、ポリI:C、ポリA:U、AGP、MPL A、RC-529、MDF2β、CFA、及びフラジェリンから選択される1つ以上のTLRアゴニストとともに投与される。
【0233】
幾つかの実施形態において、サイトカイン抱合体(例えば、IL-2抱合体)は、養子T細胞移入(ACT)治療法と組み合わせて使用される。一実施形態では、ACTは、例えば、抗腫瘍の活性を有する被験体における自己Tリンパ球の同定、インビトロでの自己Tリンパ球の拡大、及び拡大したTリンパ球の被験体への後の再注入を含む。別の実施形態では、ACTは、例えば、抗腫瘍の活性を有する同種異系Tリンパ球の使用、インビトロでのTリンパ球の拡大、及び拡大された同種異系Tリンパ球のそれを必要とする被験体への後の注入を含む。幾つかの例では、本明細書に記載されるサイトカイン抱合体(例えば、IL-2抱合体)は、ACT治療法の一部として自己Tリンパ球と組み合わせて使用される。他の例では、本明細書に記載されるサイトカイン抱合体(例えば、IL-2抱合体)は、ACT治療法の一部として同種異系Tリンパ球と組み合わせて使用される。場合によっては、サイトカイン抱合体(例えば、IL-2抱合体)は、それを必要とする被験体にACT治療法と同時に投与される。その他の場合において、サイトカイン抱合体(例えば、IL-2抱合体)は、それを必要とする被験体へとACT治療法とともに連続して投与される。
【0234】
幾つかの実施形態において、サイトカイン抱合体(例えば、IL-2抱合体)は、自己及び/又は同種異系T細胞移入のエクスビボ活性化及び/又は増大のために使用される。この場合、サイトカイン抱合体(例えば、IL-2抱合体)は、自己及び/又は同種異系T細胞を含むサンプルを活性化及び/又は増大するために使用され、ならびに、サイトカイン抱合体(例えば、IL-2抱合体)は、それを必要とする被験体にサンプルを投与する前に、サンプルから随意に取り除かれる。
【0235】
幾つかの実施形態において、サイトカイン抱合体(例えば、IL-2抱合体)は、ワクチンとともに投与される。幾つかの例では、サイトカイン抱合体(例えば、IL-2抱合体)は腫瘍溶解性のウイルスと組み合わせて利用される。この場合、サイトカイン抱合体(例えば、IL-2抱合体)は、免疫応答を調節するための成長促進剤として作用する。幾つかの例では、サイトカイン抱合体(例えば、IL-2抱合体)は、補助療法の一部として腫瘍溶解性のウイルスと共に使用される。典型的な腫瘍溶解性のウイルスは、T-Vec(Amgen)、G47Δ(Todo et al.)、JX-594(Sillajen)、CG0070(Cold Genesys)、及びReolysin(Oncolytics Biotech)を含む。場合によっては、サイトカイン抱合体(例えばIL-2抱合体)は、T-Vec、G47Δ、JX-594、CG0070又はReolysinなどの腫瘍溶解性のウイルスと組み合わせて使用される。
【0236】
幾つかの実施形態において、サイトカイン抱合体(例えば、IL-2抱合体)は、放射線治療と組み合わせて投与される。
【0237】
幾つかの実施形態において、サイトカイン抱合体(例えば、IL-2抱合体)は、手術と組み合わせて投与される。
【0238】
病原性の感染
幾つかの実施形態において、被験体における病原性の感染を処置する方法が本明細書に記載され、上記方法は、本明細書に記載される治療上有効な量のサイトカイン抱合体(例えば、IL-2抱合体)を被験体に投与する工程を含む。幾つかの例では、IL-2抱合
体は単離及び精製されたIL-2ポリペプチド及び抱合部分を含み、ここで、IL-2抱合体は、野生型のIL-2ポリペプチドと比較してIL-2受容体α(IL-2Rα)サブユニットに対する減少した親和性を有する。幾つかの例では、IL-2結合体は、単離及び精製されたIL-2ポリペプチド;及び、K35、T37、R38、T41、F42、K43、F44、Y45、E60、E61、E62、K64、P65、E68、V69、N71、L72、M104、C105、及びY107から選択されるアミノ酸位置の単離及び精製されたIL-2ポリペプチドに結合する抱合部分を含み、ここで、アミノ酸残基の番号付けは、SEQ ID NO:1に対応する。場合によっては、IL-2抱合体は、IL-2/IL-2Rβγ複合体を形成するために、IL-2Rβ及びIL-2Rβγサブユニットと優先的に相互に作用し、CD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブ及び記憶細胞、NK細胞、及び/又はNKT細胞の拡張を刺激及び/又は増強する。さらなる場合において、IL-2抱合体は、CD8+T細胞によって病原性リザーバ(pathogenic reservoir)の認識を促進する。
【0239】
幾つかの実施形態において、病原性の感染症はウイルス感染であり、該ウイルス感染において、抗ウイルス治療による処置の際、ウイルスリザーバ(例えば、休止CD4+T細胞)は処置された宿主に留まる。そのような例において、本明細書に記載されるサイトカイン抱合体(例えばIL-2抱合体)は、CD8+T細胞(又は細胞傷害性T細胞)によりウイルスリザーバの認識を誘導する。場合によっては、サイトカイン抱合体(例えばIL-2抱合体)は、単独療法として利用されることで、排除のためにCD8+T細胞を感染した休止細胞へと再び向ける。によっては、サイトカイン抱合体(例えばIL-2抱合体)は、追加の治療薬と組み合わせて利用されることで、排除のためにCD8+T細胞を感染した休止細胞へと再び向ける。典型的な追加の治療薬には、抗ウイルス剤処置、例えばアシクロビル、ブリブジン、ドコサノール、ファムシクロビル、ホスカルネット、イドクスウリジン、ペンシクロビル、トリフルリジン、バラシクロビル、及びプリテリビル(pritelivir)などが挙げられる。
【0240】
幾つかの実施形態において、ウイルスはDNAウイルス又はRNAウイルスである。DNAウイルスは、一本鎖(ss)DNAウイルス、二本鎖(ds)DNAウイルス、又は、ss及びds両方のDNA領域を含有するDNAウイルスを含む。RNAウイルスは一本鎖(ss)RNAウイルス又は二本鎖(ds)RNAウイルスを含む。場合によっては、ssRNAウイルスは、プラス鎖RNAウイルス又はマイナス鎖RNAウイルスへと更に分類される。
【0241】
典型的なdsDNAウイルスには、以下のウイルス科由来のウイルスが挙げられる:ミオウイルス科、ポドウイルス科、サイフォウイルス科、ロヘルペスウイルス科、ヘルペスウイルス科、マラコヘルペスウイルス科、リポスリクスウイルス科、ルディウイルス科、アデノウイルス科、アムプラウイルス科(Ampullaviridae)、アスコウイルス科、アスファウイルス科、バキュロウイルス科、ビカウダウイルス科、クラバウイルス科(Clavaviridae)、コルチコウイルス科、フセロウイルス科、グロブロウイルス科、グッタウイルス科、ヒトロサウイルス科(Hytrosaviridae)、イリドウイルス科、マルセイユウイルス科、ミミウイルス科、ニマウイルス科、パンドラウイルス科、パピローマウイルス科、フィコドナウイルス科、プラズマウイルス科、ポリドナウイルス科、ポリオーマウイルス科、ポックスウイルス科、スファエロリポウイルス科(Sphaerolipoviridae)、及びテクティウイルス科。
【0242】
典型的なssDNAウイルスには、以下のウイルス科由来のウイルスが挙げられる:アネロウイルス科、バシラリオドナウイルス科(Bacillariodnaviridae)、ビドナウイルス科(Bidnaviridae)、サーコウイルス科、ジェミニウイルス科、イノウイルス科、ミクロウイルス科、ナノウイルス科、パルボウイルス科、及
びスピラウイルス科(Spiraviridae)。
【0243】
ss及びds両方のDNA領域を含有する典型的なDNAウイルスは、ポリオウイルスの群由来のウイルスを含む。場合によっては、ポリオウイルスには、Haloarcula hispanica多形性ウイルス1、Halogeometricum多形性ウイルス1、Halorubrum多形性ウイルス1、Halorubrum多形性ウイルス2、Halorubrum多形性ウイルス3、及びHalorubrum多形性ウイルス6が挙げられる。
【0244】
典型的なdsRNAウイルスには、以下のウイルス科由来のウイルスが挙げられる:ビルナウイルス科、クリソウイルス科、シストウイルス科、エンドルナウイルス科、ハイポウイルス科、メガビルナウイルス科、パルティティウイルス科、ピコビルナウイルス科、レオウイルス科、ロタウイルス科、及びトティウイルス科。
【0245】
典型的なプラス鎖ssRNAウイルスには、以下のウイルス科由来のウイルスが挙げられる:アルファフレキシウイルス科、アルファテトラウイルス科、アルベルナウイルス科、アルテリウイルス科、アストロウイルス科、バルナウイルス科、ベータフレキシウイルス科、プロモウイルス科、カリチウイルス科、カルモテトラウイルス科、クロステロウイルス科、コロナウイルス科、ジシストロウイルス科、フラビウイルス科、ガンマフレキシウイルス科、イフラウイルス科、レヴィウイルス科、ルテオウイルス科、マルナウイルス科、メソニウイルス科、ナルナウイルス科、ノダウイルス科、ペルムトテトラウイルス科、ピコルナウイルス科、ポチウイルス科、ロニウイルス科、セコウイルス科、トガウイルス科、トンブスウイルス科、ティモウイルス科、及びビルガウイルス科。
【0246】
典型的なマイナス鎖ssRNAウイルスには、以下のウイルス科由来のウイルスが挙げられる:アレナウイルス科、ボルナウイルス科、ブニヤウイルス科、フィロウイルス科、ニアミウイルス科、オフィオウイルス科、オルソミクソウイルス科、パラミクソウイルス科、及びラブドウイルス科。
【0247】
幾つかの実施形態において、病原性感染症は、次のものにより引き起こされる:エーベルソン白血病ウイルス、エーベルソンマウス白血病ウイルス、エーベルソンウイルス、急性喉頭気管気管支炎ウイルス、アデレードリバーウイルス、アデノ関連ウイルス、アデノウイルス、アフリカウマ症ウイルス、アフリカ豚コレラウイルス、AIDSウイルス、アリューシャンミンク病パルボウイルス、アルファレトロウイルス、アルファウイルス、ALV関連ウイルス、アマパリウイルス、アフタウイルス、アクアレオウイルス、アルボウイルス、アルボウイルス群C、アルボウイルス群A、アルボウイルス群B、アレナウイルス群、アルゼンチン出血熱ウイルス、アルゼンチン出血熱ウイルス、アルテリウイルス、アストロウイルス、クモザルヘルペスウイルス群、オーエスキー病ウイルス、アウラウイルス、Ausduk病ウイルス、オーストラリアバットリッサウイルス、アビアデノウイルス、トリ赤芽球症ウイルス、トリ伝染性気管支炎ウイルス、トリ白血病ウイルス、トリ白血症ウイルス、トリリンパ腫症ウイルス、トリ骨髄芽細胞症ウイルス、トリパラミクソウイルス、トリ肺脳炎ウイルス、トリ網内皮症ウイルス、トリ肉腫ウイルス、トリC型レトロウイルス群、アビヘパドナウイルス、アビポックスウイルス、Bウイルス、B19ウイルス、ババンキウイルス、ヒヒヘルペスウイルス、バキュロウイルス、バーマフォレストウイルス、ベバルウイルス、ベリマー(Berrimah)ウイルス、ベータレトロウイルス、ビルナウイルス、ビトナーウイルス、BKウイルス、ブラッククリークカナルウイルス、ブルータングウイルス、ボリビア出血熱ウイルス、ボルナ病(Boma disease)ウイルス、ヒツジ・ボーダー病ウイルス、ボルナウイルス、ウシ・アルファヘルペスウイルス1、ウシ・アルファヘルペスウイルス2、ウシ・コロナウイルス、ウシ流行熱ウイルス、ウシ免疫不全ウイルス、ウシ白血病ウイルス、ウシ白血症ウイルス、ウシ
乳頭炎ウイルス、ウシ乳頭腫ウイルス、ウシ丘疹性口内炎ウイルス、ウシ・パルボウイルス、ウシ多核体ウイルス、ウシC型オンコウイルス、ウシ・ウイルス性下痢症ウイルス、バギークリーク(Buggy Creek)ウイルス、弾丸形状ウイルス群、ブニヤムウェラウイルスの超群、ブンヤウイルス、バーキットリンパ腫ウイルス、ブワンバ熱、CAウイルス、カリチウイルス、カリフォルニア脳炎ウイルス、ラクダ痘ウイルス、カナリア痘ウイルス、イヌヘルペスウイルス、イヌコロナウイルス、イヌジステンパーウイルス、イヌヘルペスウイルス、イヌ微小ウイルス、イヌパルボウイルス、カーニョ・デルガディト(Cano Delgadito)ウイルス、ヤギ関節炎ウイルス、ヤギ脳炎ウイルス、ヤギヘルペスウイルス、Capripoxウイルス、カルジオウイルス、テンジクネズミ科ヘルペスウイルス1、サルヘルペスウイルス1、オナガザルヘルペスウイルス1、オナガザルヘルペスウイルス2、チャンディプラウイルス、チャンギノラウイルス、アメリカナマズウイルス、チャールビルウイルス、水痘ウイルス、チクングニヤウイルス、チンパンジーヘルペスウイルス、ウグイレオウイルス、シロザケウイルス、球菌ウイルス、ギンザケレオウイルス、媾疹ウイルス、コロラドダニ熱ウイルス、コルチウイルス、コロンビアSKウイルス、カゼウイルス、伝染性膿瘡ウイルス、伝染性膿胞性皮膚炎ウイルス、コロナウイルス、コリパルタウイルス、鼻風邪ウイルス、牛痘ウイルス、コクサッキーウイルス、CPV(細胞質多角体病ウイルス)、クリケット麻痺(cricket paralysis)ウイルス、クリミア・コンゴ出血熱ウイルス、偽膜性喉頭炎随伴ウイルス、クリプトウイルス、サイポウイルス、サイトメガロウイルス、サイトメガロウイルス群、細胞質多角体病ウイルス、シカ乳頭腫ウイルス、デルタレトロウイルス、デング熱ウイルス、デンソウイルス、デペンドウイルス、ドーリウイルス、ディプロマ(diploma)ウイルス、C型ショウジョウバエウイルス、B型アヒル肝炎ウイルス、アヒル肝炎ウイルス1、アヒル肝炎ウイルス2、デュオウイルス(duovirus)、デュベンヘイジウイルス、変形翼ウイルス(Deformed wing virus)DWV、東部ウマ脳脊髄炎ウイルス、東部ウマ脳炎ウイルス、EBウイルス、エボラウイルス、エボラ様ウイルス、エコーウイルス、エコーウイルス、エコーウイルス10、エコーウイルス28、エコーウイルス9、エクトロメリアウイルス、EEEウイルス、EIAウイルス、EIAウイルス、脳炎ウイルス、脳心筋炎群ウイルス、脳心筋炎ウイルス、エンテロウイルス、酵素上昇ウイルス、酵素上昇ウイルス(LDH)、流行性出血熱ウイルス、伝染性出血性疾患ウイルス、エプスタイン・バーウイルス、ウマアルファヘルペスウイルス1、ウマアルファヘルペスウイルス4、ウマヘルペスウイルス2、ウマ流産ウイルス、ウマ動脈炎ウイルス、ウマ大脳症ウイルス、ウマ伝染性貧血ウイルス、ウマモルビリウイルス、ウマ鼻腔肺炎ウイルス、ウマリノウイルス、ユーベナンジーウイルス、ヨーロッパエルク乳頭腫ウイルス、ヨーロッパブタコレラウイルス、エバーグレーズウイルス、アイア(Eyach)ウイルス、ネコヘルペスウイルス1、ネコカリチウイルス、ネコ線維肉腫ウイルス、ネコヘルペスウイルス、ネコ免疫不全ウイルス、ネコ伝染性腹膜炎ウイルス、ネコ白血病/肉腫ウイルス、ネコ白血病ウイルス、ネコ汎白血球減少症ウイルス、ネコパルボウイルス、ネコ肉腫ウイルス、ネコ多核体ウイルス、フィロウイルス、フランダースウイルス、フラビウイルス、口蹄疫ウイルス、フォートモーガンウイルス、フォーコーナーズ・ハンタウイルス、家禽アデノウイルス1、鶏痘ウイルス、フレンドウイルス、ガンマレトロウイルス、GB肝炎ウイルス、GBウイルス、風疹ウイルス、ゲタウイルス、テナガザル白血病ウイルス、腺熱ウイルス、ヤギ痘ウイルス、golden shinnerウイルス、ゴノメタ(Gonometa)ウイルス、ガチョウパルボウイルス、顆粒病ウイルス、グロスウイルス、リスB型肝炎ウイルス、A群アルボウイルス、グアナリトウイルス、モルモット・サイトメガロウイルス、モルモットC型ウイルス、ハンタンウイルス、ハンタウイルス、ボンビノスガイレオウイルス(hard clam reovirus)、野兎線維腫ウイルス、HCMV(ヒトサイトメガロウイルス)、赤血球吸着ウイルス2、日本血球凝集性ウイルス、出血熱ウイルス、ヘンドラウイルス、ヘニパウイルス、ヘパドナウイルス、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス群、C型肝炎ウイルス、D型肝炎ウイルス、デルタ肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルス、F型肝炎ウイルス、G型肝炎ウイルス
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ウイルス、ニースリングウイルス、ネルソンベイウイルス、神経向性ウイルス、ニューワールドアレナウイルス、新生児肺炎ウイルス、ニューカッスル病ウイルス、ニパウイルス、非細胞病原性ウイルス、ノーウォークウイルス、核多角体病ウイルス(NPV)、ニップルネックウイルス、オニョンニョンウイルス、オケルボ(Ockelbo)ウイルス、腫瘍ウイルス、腫瘍形成性ウイルス様粒子、オンコルナウイルス、オルビウイルス、オルフウイルス、オロポーシェウイルス、オルトヘパドナウイルス、オルトミクソウイルス、オルソポックスウイルス、オルソレオウイルス、オルンゴ(Orungo)、ヒツジパピロ
マウイルス、ヒツジカタル熱ウイルス、フクロウ・サル・ヘルペスウイルス、パリアムウイルス、パピローマウイルス、ウサギパピロマウイルス(Papillomavirus
sylvilagi)、パポバウイルス、パラインフルエンザウイルス、1型パラインフルエンザウイルス、2型パラインフルエンザウイルス、3型パラインフルエンザウイルス、4型パラインフルエンザウイルス、パラミクソウイルス、パラポックスウイルス、パラワクシニアウイルス、パルボウイルス、パルボウイルスB19、パルボウイルス群、ペスチウイルス、フレボウイルス、アザラシジステンパーウイルス、ピコドナウイルス、ピコルナウイルス、ブタサイトメガロウイルス-鳩痘ウイルス、ピリウイルス、ピクスナウイルス、マウス肺炎ウイルス、肺炎ウイルス、灰白脊髄炎ウイルス、ポリオウイルス、ポリドナウイルス、多角性ウイルス、ポリオーマウイルス、ポリオーマウイルス、ポリオーマウイルス・ボビス、ポリオーマウイルス・セルコピテシ、ポリオーマウイルス・ホミニス(hominis)2、ポリオーマウイルス・マカセア(maccacae)1、ポリオーマウイルス・ムリス(muris)1、ポリオーマウイルス・ムリス2、ポリオーマウイルス・パピオニス(papionis)1、ポリオーマウイルス・パピオニス2、ポリオーマウイルス・シルビラジ(sylvilagi)、オランウータンヘルペスウイルス1、ブタ伝染性下痢ウイルス、ブタ血球凝集脳脊髄炎ウイルス、ブタパルボウイルス、ブタ伝染性胃腸炎ウイルス、ブタC型ウイルス、ポックスウイルス、ポックスウイルス、痘瘡ウイルス、プロスペクトヒルウイルス、プロウイルス、偽牛痘ウイルス、仮性狂犬病ウイルス、psittacinepoxウイルス、quailpoxウイルス、ウサギ線維腫ウイルス、ウサギ腎臓空胞化ウイルス、ウサギパピロマウイルス、狂犬病ウイルス、アライグマパルボウイルス、アライグマポックスウイルス、ラニケットウイルス、ラットサイトメガロウイルス、ラットパルボウイルス、ラットウイルス、ローシャーウイルス、組み換え型ワクシニアウイルス、組み替えウイルス、レオウイルス、レオウイルス1、レオウイルス2、レオウイルス3、爬虫類C型ウイルス、呼吸器感染症ウイルス、呼吸系発疹ウイルス、呼吸系ウイルス、細網内皮症ウイルス、ラブドウイルス、ラブドウイルス・カルピア(carpia)、ラジノウイルス、ライノウイルス、リジディオウイルス、リフトバレー熱ウイルス、ライリーウイルス、牛疫ウイルス、RNA腫瘍ウイルス、ロスリバーウイルス、ロタウイルス、rougeoleウイルス、ラウス肉腫ウイルス、風疹ウイルス、風疹ウイルス、ルビウイルス、ロシア秋脳炎ウイルス、SA 11シミアンウイルス、SA2ウイルス、サビアウイルス、サギヤマウイルス、サイミリンヘルペスウイルス1、唾液腺ウイルス、パパタシ熱ウイルス群、サンジンバ(Sandjimba)ウイルス、SARSウイルス、SDAV(唾液腺炎ウイルス)、シールポックス(sealpox)ウイルス、セムリキ森林熱ウイルス、ソウルウイルス、ヒツジ痘ウイルス、ショープ線維腫ウイルス、ショープ乳頭腫ウイルス、シミアンフォーミーウイルス、シミアンA型肝炎ウイルス、シミアンヒト免疫不全ウイルス、シミアン免疫不全ウイルス、シミアンパラインフルエンザウイルス、シミアンT細胞リンパ増殖性ウイルス、シミアンウイルス、シミアンウイルス40、単純ウイルス、シンノンブルウイルス、シンドビスウイルス、天然痘ウイルス、南アメリカ出血熱ウイルス、スズメ痘ウイルス、スプマウイルス、リス線維腫ウイルス、リスザルレトロウイルス、SSV 1ウイルス群、I型STLV(シミアンTリンパ向性ウイルス)、II型STLV(シミアンTリンパ向性ウイルス)、III型STLV(シミアンTリンパ向性ウイルス)、丘疹性口炎ウイルス、顎下腺ウイルス、ブタアルファヘルペスウイルス1、ブタヘルペスウイルス2、スイポックスウイルス、
沼地熱ウイルス、豚痘ウイルス、スイスマウス白血病ウイルス、TACウイルス、タカリベウイルス群、タカリベウイルス、タナ痘ウイルス、タテラポックス(Taterapox)ウイルス、テンチレオウイルス、タイラー脳脊髄炎ウイルス、タイラーウイルス、トゴトウイルス、トッタパラヤム(Thottapalayam)ウイルス、ダニ媒介性脳炎ウイルス、チオマンウイルス、トガウイルス、トロウイルス、腫瘍ウイルス、ツパイウイルス、七面鳥鼻気管炎ウイルス、七面鳥痘ウイルス、C型レトロウイルス、D型オンコウイルス、D型レトロウイルス群、潰瘍性疾患ラブドウイルス、ウナウイルス、ウークニエミウイルス群、ワクシニアウイルス、空胞形成ウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、バリセロウイルス、バリコラ(Varicola)ウイルス、大痘瘡ウイルス、痘瘡ウイルス、ウアシン・ギシュウー病ウイルス、VEEウイルス、ベネズエラウマ脳炎ウイルス、ベネズエラウマ脳脊髄炎ウイルス、ベネズエラ出血熱ウイルス、水疱性口内炎ウイルス、ベシクロウイルス、ビリュイスクウイルス、クサリヘビレトロウイルス、ウイルス性造血性敗血症ウイルス、ビスナマエディウイルス、ビスナウイルス、ハタネズミ痘(Volepox)ウイルス、VSV(水疱性口内炎ウイルス)、ウォーラルウイルス、ウォリゴウイルス、疣ウイルス、WEEウイルス、西ナイルウイルス、西部ウマ脳炎ウイルス、西部ウマ脳脊髄炎ウイルス、ワタロアウイルス、冬季嘔吐ウイルス、ウッドチャックB型肝炎ウイルス、ウーリーモンキー肉腫ウイルス、創傷腫瘍ウイルス、WRSVウイルス、ヤバサル腫瘍ウイルス、ヤバウイルス、ヤタポックスウイルス、黄熱ウイルス、又はユグボグダノヴァツ(Yug Bogdanovac)ウイルス。
【0248】
幾つかの実施形態において、病原性感染症はレトロウイルスにより引き起こされる。典型的なレトロウイルスには、限定されないが、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトT細胞白血球ウイルス(HTLV)、モロニーマウス白血病ウイルス(MuLV)、マウス乳癌ウイルス(MMTV)、トリ白血病及び肉腫ウイルス、又はメーソン-ファイザー・サルウイルスが挙げられる。
【0249】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載されるサイトカイン抱合体(例えば、IL-2抱合体)は、レトロウイルス感染症を抱える又は潜伏期中の被験体に投与することで、静止期にある感染細胞を減少及び/又は排除する。場合によっては、レトロウイルスには、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトT細胞白血球ウイルス(HTLV)、モロニーマウス白血病ウイルス(MuLV)、マウス乳癌ウイルス(MMTV)、トリ白血病及び肉腫ウイルス、又はメーソン-ファイザー・サルウイルスが挙げられる。場合によっては、サイトカイン抱合体は、CD8+T細胞を再び向けることで、静止期にある感染細胞を認識し且つ排除する。
【0250】
場合によっては、サイトカイン抱合体はIL-2抱合体である。幾つかの例において、IL-2抱合体は、レトロウイルス感染症を抱える又は潜伏期中の被験体に投与することで、静止期にある感染細胞を減少及び/又は排除する。場合によっては、レトロウイルスには、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトT細胞白血球ウイルス(HTLV)、モロニーマウス白血病ウイルス(MuLV)、マウス乳癌ウイルス(MMTV)、トリ白血病及び肉腫ウイルス、又はメーソン-ファイザー・サルウイルスが挙げられる。場合によっては、IL-2抱合体は、CD8+T細胞を再び向けることで、静止期にある感染細胞を認識し且つ排除する。更なる場合、IL-2抱合体は抗レトロウイルス治療薬と組み合わせて被験体に投与される。
【0251】
幾つかの実施形態において、レトロウイルスはHIVである。幾つかの例において、本明細書に記載されるサイトカイン抱合体(例えば、IL-2抱合体)は、後天性免疫不全症候群(AIDS)を抱える又は潜伏期中の被験体に投与することで、静止期にあるHIV感染細胞(例えばCD4+T細胞)を減少及び/又は排除する。場合によっては、サイトカイン抱合体はIL-2抱合体である。場合によっては、IL-2抱合体は抗レトロウ
イルス治療薬と組み合わせて被験体に投与される。典型的なHIV抗レトロウイルス治療薬は以下を含む:
【0252】
ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬(NRTI)、例えばアバカルビル、エムトリシタビン、ラミブジン、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、及びジドブジンなど;
【0253】
非核酸系逆転写酵素阻害薬(NNRTI)、例えばエファビレンツ、エトラビリン、ネビラピン、又はリルピビリンなど;
【0254】
プロテアーゼ阻害剤(PI)、例えばアタザナビル、ダルナビル、ホスアンプレナビル、リトナビル、サキナビル、及びチプラナビルなど;
【0255】
融合阻害剤、例えばエンフュービルタイド;
【0256】
CCR5アンタゴニスト、例えばマラビロク;
【0257】
インテグラーゼ阻害剤、例えばドルテグラビル及びラルテグラビルなど;
【0258】
結合後阻害剤(post-attachment inhibitor)、例えばイバリズマブ;
【0259】
薬物動態増強剤、例えばコビシスタット;及び
【0260】
カクテル、例えばアバカルビル及びラミブジン;アバカルビル、ドルテグラビル、及びラミブジン;アバカルビル、ラミブジン、及びジドブジン;アタザナビル及びコビシスタット;ビクテグラビル、エムトリシタビン、及びテノホビル・アラフェナミド;ダルナビル及びコビシスタット;ドルテグラビル及びリルピビリン;エファビレンツ、エムトリシタビン、及びテノホビルジソプロキシルフマル酸塩;エファビレンツ、ラミブジン、及びテノホビルジソプロキシルフマル酸塩;エファビレンツ、ラミブジン、及びテノホビルジソプロキシルフマル酸塩;エルビテグラビル、コビシスタット、エムトリシタビン、及びテノホビルアラフェナミドフマル酸塩;エルビテグラビル、コビシスタット、エムトリシタビン、及びテノホビルジソプロキシルフマル酸塩;エムトリシタビン、リルピビリン、及びテノホビル・アラフェナミド;エムトリシタビン、リルピビリン、及びテノホビルジソプロキシルフマル酸塩;エムトリシタビン及びテノホビル・アラフェナミド;エムトリシタビン及びテノホビルジソプロキシルフマル酸塩;ラミブジン及びテノホビルジソプロキシルフマル酸塩;ラミブジン及びジドブジン;並びにロピナビル及びリトナビル。
【0261】
場合によっては、IL-2抱合体は、ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬(NRTI)などの抗レトロウイルス治療薬と組み合わせて被験体に投与され、例えば以下が挙げられる:アバカルビル、エムトリシタビン、ラミブジン、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、及びジドブジン;非核酸系逆転写酵素阻害薬(NNRTI)、例えばエファビレンツ、エトラビリン、ネビラピン、又はリルピビリンなど;プロテアーゼ阻害剤(PI)、例えばアタザナビル、ダルナビル、ホスアンプレナビル、リトナビル、サキナビル、及びチプラナビルなど;融合阻害剤、例えばエンフュービルタイド;CCR5アンタゴニスト、例えばマラビロク;インテグラーゼ阻害剤、例えばドルテグラビル及びラルテグラビルなど;結合後阻害剤(post-attachment inhibitor)、例えばイバリズマブ;薬物動態増強剤、例えばコビシスタット;又はカクテル、例えばアバカルビル及びラミブジン;アバカルビル、ドルテグラビル、及びラミブジン;アバカルビル、ラミブジン、及びジドブジン;アタザナビル及びコビシスタット;ビクテグラビル、エムトリシタビン、及びテノホビル・アラフェナミド;ダルナビル及びコビシスタット;ドルテグ
ラビル及びリルピビリン;エファビレンツ、エムトリシタビン、及びテノホビルジソプロキシルフマル酸塩;エファビレンツ、ラミブジン、及びテノホビルジソプロキシルフマル酸塩;エファビレンツ、ラミブジン、及びテノホビルジソプロキシルフマル酸塩;エルビテグラビル、コビシスタット、エムトリシタビン、及びテノホビルアラフェナミドフマル酸塩;エルビテグラビル、コビシスタット、エムトリシタビン、及びテノホビルジソプロキシルフマル酸塩;エムトリシタビン、リルピビリン、及びテノホビル・アラフェナミド;エムトリシタビン、リルピビリン、及びテノホビルジソプロキシルフマル酸塩;エムトリシタビン及びテノホビル・アラフェナミド;エムトリシタビン及びテノホビルジソプロキシルフマル酸塩;ラミブジン及びテノホビルジソプロキシルフマル酸塩;ラミブジン及びジドブジン;並びにロピナビル及びリトナビル。
【0262】
幾つかの実施形態において、ウイルスは肝炎ウイルス、例えばA型、B型、C型、D型、又はE型肝炎である。幾つかの例において、本明細書に記載されるサイトカイン抱合体(例えば、IL-2抱合体)は、肝炎感染症を抱える又は潜伏期中の被験体に投与することで、静止期にある感染細胞を減少及び/又は排除する。場合によっては、サイトカイン抱合体は、CD8+T細胞を再び向けることで、静止期にある感染細胞を認識し且つ排除する。
【0263】
場合によっては、サイトカイン抱合体はIL-2抱合体である。幾つかの例において、IL-2抱合体は、肝炎感染症を抱える又は潜伏期中の被験体に投与することで、静止期にある感染細胞を減少及び/又は排除する。場合によっては、IL-2抱合体は、CD8+T細胞を再び向けることで、静止期にある感染細胞を認識し且つ排除する。場合によっては、IL-2抱合体は抗ウイルス治療薬と組み合わせて被験体に投与される。肝炎に対する典型的な抗ウイルス治療薬には、以下が挙げられる:リバビリン;NS3/4Aプロテアーゼ阻害剤、例えばパリタプレビル、シメプレビル、及びグラゾプレビルなど;NS5Aプロテアーゼ阻害剤、例えばレジパスビル、オムビタスビル、エルバスビル、及びダクラタスビルなど;NS5Bヌクレオチド/ヌクレオシド及び非ヌクレオシドポリメラーゼ阻害剤、例えばソホスブビル及びダサブビルなど;並びに組み合わせ、例えばレジパスビル-ソホスブビル、ダサブビル-オムビタスビル-パリタプレビル-リトナビル;エルバスビル-グラゾプレビル、オムビタスビル-パリタプレビル-リトナビル、ソホスブビル-ベルパタスビル、ソホスブビル-ベルパタスビル-ボキシラプレビル、及びグレカプレビル-ピブレンタスビル;並びにインターフェロン、例えばペグインターフェロン・アルファ-2a、ペグインターフェロン・アルファ-2b、及びインターフェロン・アルファ-2bなど。場合によっては、IL-2抱合体は抗ウイルス治療薬と組み合わせて被験体に投与され、抗ウイルス治療薬には以下が挙げられる:リバビリン;NS3/4Aプロテアーゼ阻害剤、例えばパリタプレビル、シメプレビル、及びグラゾプレビルなど;NS5Aプロテアーゼ阻害剤、例えばレジパスビル、オムビタスビル、エルバスビル、及びダクラタスビルなど;NS5Bヌクレオチド/ヌクレオシド及び非ヌクレオシドポリメラーゼ阻害剤、例えばソホスブビル及びダサブビルなど;並びに組み合わせ、例えばレジパスビル-ソホスブビル、ダサブビル-オムビタスビル-パリタプレビル-リトナビル;エルバスビル-グラゾプレビル、オムビタスビル-パリタプレビル-リトナビル、ソホスブビル-ベルパタスビル、ソホスブビル-ベルパスビル-ボキシラプレビル、及びグレカプレビル-ピブレンタスビル;並びにインターフェロン、例えばペグインターフェロン・アルファ-2a、ペグインターフェロン・アルファ-2b、及びインターフェロン・アルファ-2bなど。
【0264】
細胞集団拡張の方法
幾つかの実施形態において、本明細書には付加的に、リンパ球集団、例えばCD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブ細胞及びメモリー細胞、NK細胞、及び/又はNKT細胞の集団を拡張させる方法、或いはTreg細胞集団を拡張する方法が記載さ
れる。幾つかの例において、前記方法は、細胞を本明細書に記載されるサイトカイン抱合体と接触させる工程、及び複合体を形成するためにサイトカインをサイトカイン受容体と相互作用させる工程を含み、ここで、前記複合体は別個のリンパ球集団の拡張を刺激する。
【0265】
幾つかの例において、CD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブ細胞及びメモリー細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、又はナチュラルキラーT(NKT)細胞集団を拡張させる方法は、細胞集団と上述の単離及び修飾されたIL-2ポリペプチドとを、IL-2Rβを含む複合体の形成を誘導するのに十分な時間にわたり接触させる工程を含み、これにより、Teff細胞集団及び/又はNK細胞集団の拡張を刺激する。幾つかの例において、CD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブ細胞及びメモリー細胞、NK細胞、及び/又はNKT細胞集団を拡張させる方法は、(a)細胞集団を本明細書に記載されるIL-2抱合体と接触させる工程;及び(b)IL-2/IL-2Rβγ複合体を形成するためにIL-2をIL-2Rβ及びIL-2Rγサブユニットと相互作用させる工程を含み;ここで、IL-2抱合体においてはIL-2Rαサブユニットへの親和性が減少しており、IL-2/IL-2Rβγ複合体は、CD4+ヘルパー細胞、CD8+エフェクターナイーブ細胞及びメモリー細胞、NK細胞、及び/又はNKT細胞の拡張を刺激する。上述のように、IL-2抱合体は、単離され且つ精製されたIL-2ポリペプチド;及び抱合部分を含有しており、該抱合部分は、K35、T37、R38、T41、F42、K43、F44、Y45、E60、E61、E62、K64、P65、E68、V69、N71、L72、M104、C105、及びY107から選択されるアミノ酸位置において単離され且つ精製されたIL-2ポリペプチドに結合し、ここで、アミノ酸残基の番号付けはSEQ ID NO:1に相当する。幾つかの例において、アミノ酸位置は、K35、T37、R38、T41、F42、K43、F44、Y45、E61、E62、E68、K64、P65、V69、L72、及びY107から選択される。幾つかの例において、アミノ酸位置は、T37、R38、T41、F42、F44、Y45、E61、E62、E68、K64、P65、V69、L72、及びY107から選択される。幾つかの例において、アミノ酸位置は、T37、R38、T41、F42、F44、Y45、E61、E62、E68、P65、V69、L72、及びY107から選択される。幾つかの例において、アミノ酸位置は、T37、T41、F42、F44、Y45、P65、V69、L72、及びY107から選択される。幾つかの例において、アミノ酸位置はR38及びK64から選択される。幾つかの例において、アミノ酸位置はE61、E62、及びE68から選択される。場合によっては、アミノ酸位置はE62である。
【0266】
幾つかの例において、IL-2抱合体は、細胞集団におけるCD4+T制御性(Treg)細胞を20%、15%、10%、5%、又は1%未満拡張させる。幾つかの例において、IL-2抱合体は、細胞集団におけるCD4+Treg細胞を拡張させない。幾つかの例において、単離且つ修飾されたIL-2ポリペプチドによるインキュベーションの後の細胞集団におけるTeff細胞対Treg細胞の比率は、少なくとも2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、20:1、50:1、又は100:1である。幾つかの例において、単離且つ修飾されたIL-2ポリペプチドによるインキュベーションの後の細胞集団におけるTeff細胞対Treg細胞の比率は、約2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、20:1、50:1、又は100:1である。
【0267】
幾つかの例において、IL-2Rβとの複合体の形成を誘導するのに十分な時間は、少なくとも5分、10分、15分、20分、30分、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、8時間、10時間、12時間、18時間、24時間、2日、3日、4日、5日、6日、又は7日である。幾つかの例において、IL-2Rβとの複合体の形成を誘導するの
に十分な時間は、約5分、10分、15分、20分、30分、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、8時間、10時間、12時間、18時間、24時間、2日、3日、4日、5日、6日、又は7日である。
【0268】
幾つかの例において、前記方法はインビボの方法である。
【0269】
幾つかの例において、前記方法はインビトロの方法である。
【0270】
幾つかの例において、前記方法はエキソビボの方法である。
【0271】
サイトカインポリペプチド産生
幾つかの例において、本明細書に記載されるサイトカイン(例えば、インターロイキン、IFN、又はTNF)ポリペプチドは、天然アミノ酸突然変異又は非天然アミノ酸突然変異の何れかを含んで、組み換えにより作成されるか、或いは化学合成される。幾つかの例において、本明細書に記載されるサイトカイン(例えばIL-2)ポリペプチドは、組み換えにより、例えば、宿主細胞系により、或いは無細胞系において生成される。
【0272】
幾つかの例において、サイトカイン(例えばIL-2)ポリペプチドは、宿主細胞系を介して組み換えにより生成される。場合によっては、宿主細胞は、真核細胞(例えば、哺乳動物細胞、昆虫細胞、酵母細胞、又は植物細胞)或いは原核細胞(例えば、グラム陽性菌又はグラム陰性菌)である。場合によっては、真核宿主細胞は、哺乳動物宿主細胞である。場合によっては、哺乳動物宿主細胞は、安定した細胞株、或いは、対象の遺伝物質をそれ自体のゲノムに組み込み、且つ細胞分裂の多くの世代後に遺伝物質の生成物を発現する能力を有している細胞株である。他の場合、哺乳動物宿主細胞は、一過性の細胞株、或いは、対象の遺伝物質をそれ自体のゲノムに組み込まず、且つ細胞分裂の多くの世代後に遺伝物質の生成物を発現する能力を有していない細胞株である。
【0273】
典型的な哺乳動物宿主細胞には、限定されないが、293T細胞株、293A細胞株、293FT細胞株、293F細胞、293H細胞、A549細胞、MDCK細胞、CHO
DG44細胞、CHO-S細胞、CHO-K1細胞、Expi293F(商標)細胞、Flp-In(商標)T-REx(商標)293細胞株、Flp-In(商標)-293細胞株、Flp-In(商標)3T3細胞株、Flp-In(商標)-BHK細胞株、Flp-In(商標)-CHO細胞株、Flp-In(商標)-CV-1細胞株、Flp-In(商標)-Jurkat細胞株、FreeStyle(商標)293F細胞、FreeStyle(商標)CHO-S細胞、GripTite(商標)293MSR細胞株、GS-CHO細胞株、HepaRG(商標)細胞、T-REx(商標)Jurkat細胞株、Per.C6細胞、T-REx(商標)-293細胞株、T-REx(商標)-CHO細胞株、及びT-REx(商標)-HeLa細胞株が挙げられる。
【0274】
幾つかの実施形態において、真核宿主細胞は昆虫宿主細胞である。典型的な昆虫宿主細胞は、ショウジョウバエS2細胞、S2細胞、Sf9細胞、Sf21細胞、High Five(商標)細胞、及びexpresSF+(登録商標)細胞を含む。
【0275】
幾つかの実施形態において、真核宿主細胞は酵母宿主細胞である。典型的な酵母宿主細胞は、GS115、KM71H、SMD1168、SMD1168H、及びX-33などのピキア・パストリス(Pichia pastoris)酵母菌株、並びにINVSc1などのサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)酵母菌株を含む。
【0276】
幾つかの実施形態において、真核宿主細胞は植物宿主細胞である。幾つかの例において
、植物細胞は藻類由来の細胞を含む。典型的な植物細胞株は、コナミドリムシ137c(Chlamydomonas reinhardtii 137c)、又はSynechococcus elongatus PPC 7942を含む。
【0277】
幾つかの実施形態において、宿主細胞は原核宿主細胞である。典型的な原核生物の宿主細胞には、BL21、Mach1(商標)、DH10B(商標)、TOP10、DH5α、DH10Bac(商標)、OmniMax(商標)、MegaX(商標)、DH12S(商標)、INV110、TOP10F’、INVαF、TOP10/P3、ccdB Survival、PIR1、PIR2、Stbl2(商標)、Stbl3(商標)、又はStbl4(商標)が挙げられる。
【0278】
幾つかの例において、本明細書に記載されるIL-2ポリペプチドの産生に適切なポリ核酸分子又はベクターは、真核生物又は原核生物のソースに由来する適切なベクターを含む。典型的なポリ核酸分子又はベクターは、細菌(例えばE.coli)、昆虫、酵母(例えばピキア・パストリス(Pichia pastoris))、藻類、又は哺乳動物に由来するベクターを含む。細菌ベクターには、例えば、pACYC177、pASK75、pBAD配列ベクター系、pBADM配列ベクター系、pET配列ベクター系、pETM配列ベクター系、pGEX配列ベクター系、pHAT、pHAT2、pMal-c2、pMal-p2、pQE配列ベクター系、pRSET A、pRSET B、pRSET C、pTrcHis2系、pZA31-Luc、pZE21-MCS-1、pFLAG ATS、pFLAG CTS、pFLAG MAC、pFLAG Shift-12c、pTAC-MAT-1、pFLAG CTC、又はpTAC-MAT-2が挙げられる。
【0279】
媒介昆虫には、例えば、pFastBac1、pFastBac DUAL、pFastBac ET、pFastBac HTa、pFastBac HTb、pFastBac HTc、pFastBac M30a、pFastBact M30b、pFastBac、M30c、pVL1392、pVL1393、pVL1393 M10、pVL1393 M11、pVL1393 M12、pPolh-FLAG1又はpPolh-MAT2などのFLAGベクター、或いはpPolh-MAT1又はpPolh-MAT2などのMATベクターが挙げられる。
【0280】
酵母ベクターには、例えば、Gateway(登録商標)pDEST(商標)14ベクター、Gateway(登録商標)pDEST(商標)15ベクター、Gateway(登録商標)pDEST(商標)17ベクター、Gateway(登録商標)pDEST(商標)24ベクター、Gateway(登録商標)pYES-DEST52ベクター、pBAD-DEST49 Gateway(登録商標)デスティネーションベクター、pAO815ピキアベクター、pFLD1ピキ・パストリスベクター、pGAPZA、B、及びCのピキア・パストリスベクター、pPIC3.5Kピキアベクター、pPIC6 A、B、及びCのピキアベクター、pPIC9Kピキアベクター、pTEF1/Zeo、pYES2酵母ベクター、pYES2/CT酵母ベクター、pYES2/NT A、B、及びCの酵母ベクター、或いはpYES3/CT酵母ベクターが挙げられる。
【0281】
藻類ベクターには例えば、pChlamy-4ベクター又はMCSベクターが挙げられる。
【0282】
哺乳動物ベクターには例えば、一過性発現ベクター又は安定した発現ベクターが挙げられる。典型的な哺乳動物の一過性発現ベクターには、p3xFLAG-CMV8、pFLAG-Myc-CMV19、pFLAG-Myc-CMV23、pFLAG-CMV2、pFLAG-CMV6a,b,c、pFLAG-CMV5.1、pFLAG-CMV5a
,b,c、p3xFLAG-CMV7.1、pFLAG-CMV20、p3xFLAG-Myc-CMV24、pCMV-FLAG-MAT1、pCMV-FLAG-MAT2、pBICEP-CMV3、又はpBICEP-CMV4が挙げられる。典型的な哺乳動物の安定した発現ベクターには、pFLAG-CMV3、p3xFLAG-CMV9、p3xFLAG-CMV13、pFLAG-Myc-CMV21、p3xFLAG-Myc-CMV25、pFLAG-CMV4、p3xFLAG-CMV10、p3xFLAG-CMV14、pFLAG-Myc-CMV22、p3xFLAG-Myc-CMV26、pBICEP-CMV1、又はpBICEP-CMV2が挙げられる。
【0283】
幾つかの例において、無細胞系は、本明細書に記載されるサイトカイン(例えばIL-2)ポリペプチドの産生のために使用される。場合によっては、無細胞系は、細胞からの細胞質成分及び/又は核成分の混合物を含み、インビトロでの核酸合成に適している。幾つかの例において、無細胞系は原核細胞成分を利用する。他の例において、無細胞系は真核細胞成分を利用する。核酸合成は、例えば、ショウジョウバエ細胞(Drosophila cell)、ツメガエル卵子(Xenopus egg)、古細菌、或いはHeLa細胞に基づいて無細胞系において得られる。典型的な無細胞系には、E.coli S30 Extract系、E.coli T7 S30系、又はPURExpress(登録商標)、XpressCF、及びXpressCF+が挙げられる。
【0284】
無細胞翻訳系は多様に、構成成分、例えばプラスミド、mRNA、DNA、tRNA、シンテターゼ、遊離因子、リボソーム、シャペロンタンパク質、翻訳開始因子及び伸長因子、天然アミノ酸及び/又は非天然アミノ酸、及び/又は、タンパク質発現のために使用される他の構成成分を含む。そのような構成成分は随意に修飾されることで、収率を改善し、合成速度を増大させ、タンパク質生成物の忠実度を増大させ、又は非天然アミノ酸を組み込む。幾つかの実施形態において、本明細書に記載されるサイトカインは、次のものに記載される無細胞翻訳系を使用して合成される:US8,778,631;US2017/0283469;US2018/0051065;US2014/0315245;又はUS8,778,631。幾つかの実施形態において、無細胞翻訳系は、修飾された遊離因子、或いは更に系からの1つ以上の遊離因子の除去を含む。幾つかの実施形態において、無細胞翻訳系は、減少されたプロテアーゼ濃度を含む。幾つかの実施形態において、無細胞翻訳系は、非天然アミノ酸をコードするために使用される再配置されたコドンを含む、修飾されたtRNAを含む。幾つかの実施形態において、本明細書に記載されるシンテターゼは、非天然アミノ酸の取り込みのために、無細胞翻訳系において使用される。幾つかの実施形態において、tRNAは、無細胞翻訳系に加える前に酵素的方法又は化学的方法を使用して非天然アミノ酸を予め充填される。幾つかの実施形態において、無細胞翻訳系の構成成分は、修飾された有機体、例えば修飾された細菌、酵母菌、又は他の有機体などから得られる。
【0285】
幾つかの実施形態において、サイトカイン(例えばIL-2)ポリペプチドは、環状に順列された形態として、発現宿主系を介して又は無細胞系を通じて生成される。
【0286】
非天然アミノ酸を含むサイトカインポリペプチドの産生
直交の又は拡張された遺伝子コードは本開示において使用することができ、そこでは、サイトカイン(例えばIL-2)ポリペプチドの核酸配列に存在する1つ以上の特定のコドンが割り当てられることで、非天然アミノ酸がコードされ、その結果、非天然アミノ酸が、直交tRNA合成酵素/tRNA対の使用によりサイトカイン(例えばIL-2)へと遺伝学的に組み込まれ得る。直交tRNA合成酵素/tRNA対は、tRNAに非天然アミノ酸を充填することができ、且つコドンに応じてその非天然アミノ酸をポリペプチド鎖に組み込むことができる。
【0287】
幾つかの例において、コドンは、コドンアンバー、オーカー、オパール、又はクアドルプレットコドン(quadruplet codon)である。場合によっては、コドンは、非天然アミノ酸を運ぶために使用される直交tRNAに相当する。場合によっては、コドンはアンバーである。他の場合、コドンは直交コドンである。
【0288】
幾つかの例において、コドンはクアドルプレットコドンであり、直交リボソームribo-Q1によりデコードされ得る。場合によっては、クアドルプレットコドンは、Neumann, et al., “Encoding multiple unnatural amino acids via evolution of a quadruplet-decoding ribosome,” Nature, 464(7287): 441-444 (2010)に説明される通りのものである。
【0289】
幾つかの例において、本開示において使用されるコドンは、再コードされたコドン、例えば、代替的なコドンと置き換えられる同義コドン又はレアコドンである。場合によっては、再コードされたコドンは、Napolitano, et al., “Emergent rules for codon choice elucidated by
editing rare argine codons in Escherichia coli,” PNAS, 113(38): E5588-5597 (2016)に記載される通りのものである。場合によっては、再コードされたコドンは、Ostrov et al., “Design, synthesis, and testing toward a 57-codon genome,” Science 353(6301): 819-822 (2016)に記載される通りのものである。
【0290】
幾つかの例において、非天然核酸は、サイトカイン(例えばIL-2)への1つ以上の非天然アミノ酸の組み込みをもたらすために利用される。典型的な非天然核酸には、限定されないが次のものが挙げられる:ウラシル-5-イル、ヒポキサンチン-9-イル(I)、2-アミノアデニン-9-イル、5-メチルシトシン(5-me-2)、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、アデニン及びグアニンの6-メチル及び他のアルキル誘導体、アデニン及びグアニンの2-プロピル及び他のアルキル誘導体、2-チオウラシル、2-チオチミン、及び2-チオシトシン、5-ハロウラシル及びシトシン、5-プロピニルウラシル及びシトシン、6-アゾウラシル、シトシン及びチミン、5-ウラシル(シュードウラシル)、4-チオウラシル、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、8-ヒドロキシル及び他の8-置換アデニン及びグアニン、5-ハロ、特に5-ブロモ、5-トリフルオロメチル及び他の5-置換ウラシル及びシトシン、7-メチルグアニン及び7-メチルアデニン、8-アザグアニン及び8-アザアデニン、7-デアザグアニン及び7-デアザアデニン、並びに3-デアザグアニン及び3-デアザアデニン。特定の非天然核酸、例えば5-置換ピリミジン、6-アザピリミジン、及びN-2置換プリンなど、N-6置換プリン、O-6置換プリン、2-アミノプロピルアデニン、5-プロピニルウラシル、5-プロピニルシトシン、5-メチルシトシン、二重形成の安定性を増大させるもの、普遍的な核酸、疎水性核酸、乱雑な核酸、サイズ拡張された核酸、フッ素処理した核酸、5-置換ピリミジン、6-アザピリミジン及びN-2、N-6、並びに0-6の置換プリンには、以下が挙げられる:2-アミノプロピルアデニン、5-プロピニルウラシル、及び5-プロピニルシトシン、5-メチルシトシン(5-me-C)、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、6-メチル、アデニン及びグアニンの他のアルキル誘導体、アデニン及びグアニンの2-プロピル及び他のアルキル誘導体、2-チオウラシル、2-チオチミン及び2-チオシトシン、5-ハロウラシル、5-ハロシトシン、5-プロピニル(-C≡C-CH3)ウラシル、5-プロピニルシトシン、ピリミジン核酸の他のアルキニル誘導体、6-アゾウラシル、6-アゾシトシン、6-アゾチミン、5-ウラシル(シュードウラシル)、4-チオウラシル、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール
、8-チオアルキル、8-ヒドロキシル及び他の8-置換アデニン、5-ハロ、特に5-ブロも、5-トリフルオロメチル、他の5-置換ウラシル及びシトシン、7-メチルグアニン、7-メチルアデニン、2-F-アデニン、2-アミノ-アデニン、8-アザグアニン、8-アザアデニン、7-デアザグアニン、7-デアザアデニン、3-デアザグアニン、3-デアザアデニン、三環式ピリミジン、フェノキサジンシチジン([5,4-b][1,4]ベンズオキサジン-2(3H)-オン)、フェノチアジンシチジン(1H-ピリミド[5,4-b][1,4]ベンゾチアジン-2(3H)-オン)、G-クランプ、フェノキサジンシチジン(例えば9-(2-アミノエトキシ)-H-ピリミド[5,4-b][1,4]ベンズオキサジン-2(3H)-オン)、カルバゾールシチジン(2H-ピリミド[4,5-b]インドール-2-オン)、ピリドインドールシチジン(H-ピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2-オン)、プリン塩基又はピリミジン塩基が他の複素環式化合物により置換されるもの、7-デアザ-アデニン、7-デアザグアノシン、2-アミノピリジン、2-ピリドン、アザシトシン、5-ブロモシトシン、ブロモウラシル、5-クロロシトシン、塩素化シトシン、シクロシトシン、シトシンアラビノサイド、5-フルオロピリミジン、フルオロピリミジン、フルオロウラシル、5,6-ジヒドロシトシン、5-ヨードシトシン、ヒドロキシ尿素、ヨードウラシル、5-ニトロシトシン、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-フルオロウラシル、及び5-ヨードウラシル、2-アミノ-アデニン、6-チオ-グアニン、2-チオ-チミン、4-チオ-チミン、5-プロピニル-ウラシル、4-チオ-ウラシル、N4-エチルシトシン、7-デアザグアニン、7-デアザ-8-アザグアニン、5-ヒドロキシシトシン、2’-デオキシウリジン、2-アミノ-2’-デオキシアデノシン、及び、米国特許第3,687,808号;4,845,205号;4,910,300号;4,948,882号;5,093,232号;5,130,302号;5,134,066号;5,175,273号;5,367,066号;5,432,272号;5,457,187号;5,459,255号;5,484,908号;5,502,177号;5,525,711号;5,552,540号;5,587,469号;5,594,121号;5,596,091号;5,614,617号;5,645,985号;5,681,941号;5,750,692号;5,763,588号;5,830,653号及び6,005,096号;WO2008/116064;Kandimalla et al., (2001) Bioorg. Med. Chem. 9:807-813;The Concise Encyclopedia of Polymer Science and Engineering, Kroschwitz, J.I., Ed., John Wiley & Sons, 1990, 858- 859;Englisch et al., Angewandte Chemie, International Edition, 1991, 30, 613;及びSanghvi, Chapter 15, Antisense Research and Applications, Crookeand Lebleu Eds., CRC Press, 1993, 273-288に記載されるもの。追加の塩基修飾は、例えば米国特許第3,687,808号;Englisch et al., Angewandte
Chemie, International Edition, 1991, 30, 613;及びSanghvi, Chapter 15, Antisense Research and Applications, pages 289-302,
Crooke and Lebleu ed., CRC Press, 1993に見出すことができる。
【0291】
様々な複素環式の塩基及び様々な糖部分(及び糖アナログ)を含有する非天然核酸が当技術分野において利用可能であり、核酸は場合によっては、自然発生の核酸の主要な5つの塩基成分とは別の1つ以上の複素環式塩基を含む。例えば、複素環式塩基は場合によっては、ウラシル-5-イル、シトシン-5-イル、アデニン-7-イル、アデニン-8-イル、グアニン-7-イル、グアニン-8-イル、4-アミノピロロ[2.3-d]ピリ
ミジン-5-イル、2-アミノ-4-オキソピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-イル、2-アミノ-4-オキソピロロ[2.3-d]ピリミジン-3-イル基を含み、ここで、プリンは9位置を介して核酸の糖部分に、1位置を介してピリミジンに、7位置を介してピロロピリミジンに、及び1位置を介してピラゾロピリミジンに結合する。
【0292】
幾つかの実施形態において、ヌクレオチドアナログもリン酸塩部分にて修飾される。修飾されたリン酸塩部分は、限定されないが、2つのヌクレオチド間の結合にて修飾を有するものを含み、及び、例えばホスホロチオエート、キラルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、メチル及び他のアルキルホスホン酸塩、例えば3’-アルキレンホスホン酸塩及びキラルホスホン酸塩など、ホスフィネート、ホスホラミデート、例えば3’-アミノホスホラミデート及びアミノアルキルホスホラミデートなど、チオホスホラミデート、チオノアルキルホスホネート、チオノアルキルホスホトリエステル、及びボラノホスフェートを含有する。2つのヌクレオチド間のこれらリン酸塩又は修飾されたリン酸塩結合は、3’-5’結合又は2’-5’結合を経由し、結合は、逆転した極性、例えば3’-5’~5’-3’、又は2’-5’~5’-2’などを含むことを理解されたい。様々な塩、混合塩、及び遊離酸形態も含まれている。多数の米国特許は、修飾されたリン酸塩を含有するヌクレオチドを作成且つ使用する方法を教示しており限定されないが以下が挙げられる:米国特許第3,687,808号;4,469,863号;4,476,301号;5,023,243号;5,177,196号;5,188,897号;5,264,423号;5,276,019号;5,278,302号;5,286,717号;5,321,131号;5,399,676号;5,405,939号;5,453,496号;5,455,233号;5,466,677号;5,476,925号;5,519,126号;5,536,821号;5,541,306号;5,550,111号;5,563,253号;5,571,799号;5,587,361号;及び5,625,050号。
【0293】
幾つかの実施形態において、非天然核酸は、2’,3’-ジデオキシ-2’,3’-ジデヒドロ-ヌクレオシド(PCT/US2002/006460)、5’-置換DNA及びRNAの誘導体(PCT/US2011/033961;Saha et al., J. Org Chem., 1995, 60, 788-789;Wang et al., Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters, 1999, 9, 885-890;及びMikhailov et al., Nucleosides & Nucleotides, 1991, 10(1-3), 339-343;Leonid et al., 1995, 14(3-5), 901-905;及びEppacher et al., Helvetica
Chimica Acta, 2004, 87, 3004-3020;PCT/JP2000/004720;PCT/JP2003/002342;PCT/JP2004/013216;PCT/JP2005/020435;PCT/JP2006/315479;PCT/JP2006/324484;PCT/JP2009/056718;PCT/JP2010/067560)、又は修飾塩基と共に一リン酸塩として作成された5’-置換単量体(Wang et al., Nucleosides Nucleotides & Nucleic Acids, 2004, 23 (1 & 2), 317-337)を含む。
【0294】
幾つかの実施形態において、非天然核酸は、修飾を糖骨格環の5’-位置及び2’-位置に含み(PCT/US94/02993)、例えば、5’-CH2-置換2’-O-保護ヌクレオシド(Wu et al., Helvetica Chimica Acta, 2000, 83, 1127-1143 and Wu et al., Bioconjugate Chem. 1999, 10, 921-924)などを含む。場合によっては、非天然核酸は、アミド結合ヌクレオシド二量体を含んで、オリゴヌク
レオチドへの組み込みのために調製され、ここで、二量体(5’~3’)における3’結合ヌクレオシドは2’-OCH3及び5’-(S)-CH3を含む(Mesmaeker
et al., Synlett, 1997, 1287-1290)。非天然核酸は、2’-置換5’-CH2(又はO)修飾ヌクレオシドを含み得る(PCT/US92/01020)。非天然核酸は、5’-メチレンホスホナートDNA及びRNA単量体、及び二量体を含み得る(Bohringer et al., Tet. Lett.,
1993, 34, 2723-2726; Collingwood et al., Synlett, 1995, 7, 703-705; and Hutter et al., Helvetica Chimica Acta, 2002, 85, 2777-2806)。非天然核酸は、2’-置換を有する5’-ホスホン酸塩単量体(US2006/0074035)、及び他の修飾5’-ホスホン酸塩単量体(WO1997/35869)を含み得る。非天然核酸は、5’-修飾メチレンホスホナート単量体を含み得る(EP614907及びEP629633)。非天然核酸は、5’及び/又は6’位置にてヒドロキシル基を含有する5’又は6’ホスホネートリボヌクレオシドのアナログを含み得る(Chen et al., Phosphorus, Sulfur and Silicon, 2002, 777, 1783-1786; Jung et al., Bioorg. Med. Chem., 2000, 8, 2501-2509; Gallier et al., Eur. J. Org. Chem., 2007, 925-933; and Hampton et al.,
J. Med. Chem., 1976, 19(8), 1029-1033)。非天然核酸は、5’-ホスホネートデオキシリボヌクレオシド単量体、及び5’-リン酸基を有する二量体を含み得る(Nawrot et al., Oligonucleotides, 2006, 16(1), 68-82)。非天然核酸は、6’-ホスホネート基を有するヌクレオシドを含み、ここで、5’及び/又は6’位置は、置換されない、或いはチオ-tert-ブチル基(SC(CH3)3)(及びそのアナログ);メチレンアミノ基(CH2NH2)(及びそのアナログ)、又はシアノ基(CN)(及びそのアナログ)により置換される(Fairhurst et al., Synlett,
2001, 4, 467-472;Kappler et al., J. Med. Chem., 1986, 29, 1030-1038; Kappler et
al., J. Med. Chem., 1982, 25, 1179-1184; Vrudhula et al., J. Med. Chem., 1987, 30, 888-894; Hampton et al., J. Med. Chem., 1976, 19, 1371-1377; Geze et al., J.
Am. Chem. Soc, 1983, 105(26), 7638-7640;及びHampton et al., J. Am. Chem. Soc, 1973, 95(13), 4404-4414)。
【0295】
幾つかの実施形態において、非天然核酸は糖部の修飾も含む。場合によっては、核酸は、糖群が修飾された1つ以上のヌクレオシドを含む。そのような糖が修飾されたヌクレオシドは、ヌクレアーゼ安定性の増強、結合親和性の増加、又は他の幾つかの有益な生物学的特性を与える場合がある。特定の実施形態において、核酸は化学修飾されたリボフラノース環部分を含む。化学修飾されたリボフラノース環の例には、限定されないが、置換基の付加(5’及び/又は2’置換基;二環式核酸(BNA)を形成するための2つの環原子の架橋;リボシル環酸素原子のS、N(R)、又はC(R1)(R2)(R=H、C1-C12アルキル又は保護基)への置換を含む);及びこれらの組み合わせが挙げられる。化学修飾された糖の例は、WO2008/101157、US2005/0130923、及びWO2007/134181に見出すことができる。
【0296】
幾つかの例において、修飾された核酸は修飾された糖又は糖アナログを含む。故に、リボース及びデオキシリボースに加えて、糖部分は、ペントース基、デオキシペントース基
、ヘキソース基、デオキシヘキソース基、グルコース基、アラビノース基、キシロース基、リキソース基、又は糖「アナログ」シクロペンチル基であり得る。糖はピラノシル又はフラノシルの形態であってもよい。糖部分は、リボース、デオキシリボース、アラビノース、又は2’-O-アルキルリボースのフラノシドであり、糖は、[α]又は[β]アノマー配置の何れかの各複素環式塩基に結合され得る。糖修飾には、限定されないが、2’-アルコキシ-RNAアナログ、2’-アミノ-RNAアナログ、2’-フルオロ-DNA、及び2’-アルコキシ又はアミノ-RNA/DNAキメラが挙げられる。例えば、糖修飾は2’-O-メチル-ウリジン又は2’-O-メチル-シチジンを含み得る。糖修飾は2’-O-アルキル-置換デオキシリボヌクレオシド及び2’-O-エチレングリコール様のリボヌクレオシドを含む。これら糖又は糖アナログの調製物、及びそのような糖又はアナログが複素環式塩基(核酸塩基)に結合される各「ヌクレオシド」は、既知である。糖修飾はまた、他の修飾により行われ、且つそれと組み合わせられ得る。
【0297】
糖部分の修飾は、非天然修飾と共にリボース及びデオキシリボースの天然修飾も含む。糖修飾は、限定されないが、2’位置に以下の修飾を含む:OH;F;O-アルキル、S-アルキル、又はN-アルキル;O-アルケニル、S-アルケニル、又はN-アルケニル;O-アルキニル、S-アルキニル、又はN-アルキニル;或いは又はO-アルキル-O-アルキル、ここで、アルキル、アルケニル、及びアルキニルは、置換又は非置換のC1~C10アルキル、或いはC2~C10アルケニル及びアルキニルであり得る。2’糖修飾はまた、限定されないが、-O[(CH2)nO]mCH3、-O(CH2)nOCH3、-O(CH2)nNH2、-O(CH2)nCH3、-O(CH2)nONH2、及び-O(CH2)nON[(CH2)nCH3]2を含み、ここでn及びmは1から約10である。
【0298】
2’位置の他の修飾は、限定されないが以下を含む:C1~C10低級アルキル、置換低級アルキル、アルカリル、アラルキル、O-アルカリル、O-アラルキル、SH、SCH3、OCN、Cl、Br、CN、CF3、OCF3、SOCH3、SO2 CH3、ONO2、NO2、N3、NH2、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリル、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、RNA切断基、レポーター基、インターカレータ、オリゴヌクレオチドの薬物動態特性を改善するための基、又はオリゴヌクレオチドの薬力学的特性を改善するための基、及び同様の特性を有する他の置換基。同様の修飾はまた、糖の上の他の位置、具体的には3’末端ヌクレオチド又は2’-5’結合オリゴヌクレオチドにおける糖の3’位置、及び5’末端ヌクレオチドの5’位置に作られ得る。修飾された糖はまた、CH2及びSなどの架橋環酸素に修飾を含むものを含む。ヌクレオチド糖アナログはまた、ペントフラノシル糖の代わりにシクロブチル部分などの糖模倣物を有し得る。そのような修飾された糖構造の調製を教示し、且つ塩基修飾の範囲を詳述及び説明する、多数の米国特許が存在し、例えば、米国特許第4,981,957号;5,118,800号;5,319,080号;5,359,044号;5,393,878号;5,446,137号;5,466,786号;5,514,785号;5,519,134号;5,567,811号;5,576,427号;5,591,722号;5,597,909号;5,610,300号;5,627,053号;5,639,873号;5,646,265号;5,658,873号;5,670,633号;4,845,205号;5,130,302号;5,134,066号;5,175,273号;5,367,066号;5,432,272号;5,457,187号;5,459,255号;5,484,908号;5,502,177号;5,525,711号;5,552,540号;5,587,469号;5,594,121号;5,596,091号;5,614,617号;5,681,941号;及び5,700,920号などであり、これら各々は全体の参照によって本明細書に組み込まれる。
【0299】
修飾された糖部分を有する核酸の例は、限定されないが、5’-ビニル、5’-メチル
(R又はS)、4’-S、2’-F、2’-OCH3、及び2’-O(CH2)2OCH3の置換基を含有する核酸を含む。2’位置における置換基はまた、アリル、アミノ、アジド、チオ、O-アリル、O-(C1-C10アルキル)、OCF3、O(CH2)2SCH3、O(CH2)2-ON(Rm)(Rn)、及びO-CH2-C(=O)-N(Rm)(Rn)から選択することができ、各Rm及びRnは独立して、H或いは置換又は非置換のC1-C10アルキルである。
【0300】
特定の実施形態において、本明細書に記載される核酸は1つ以上の二環式核酸を含む。そのような特定の実施形態において、二環式核酸は、4’リボシル環原子と2’リボシル環原子との間の架橋を含む。特定の実施形態において、本明細書で提供される核酸は1つ以上の二環式核酸を含み、ここで架橋は4’~2’の二環式核酸を含む。そのような4’~2’の二環式核酸の例は、限定されないが、以下の式の1つを含む:4’-(CH2)-O-2’(LNA);4’-(CH2)-S-2’;4’-(CH2)2-O-2’(ENA);4’-CH(CH3)-O-2’及び4’-CH(CH2OCH3)-O-2’、及びそれらのアナログ(米国特許第7,399,845号参照);4’-C(CH3)(CH3)-O-2’及びそのアナログ(WO2009/006478、WO2008/150729、US2004/0171570、米国特許第7,427,672号、Chattopadhyaya et al., J. Org. Chem., 209, 74, 118-134、及びWO2008/154401)。更に、例えばSingh et al., Chem. Commun., 1998, 4, 455-456;Koshkin et al., Tetrahedron, 1998, 54, 3607-3630;Wahlestedt et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A., 2000, 97, 5633-5638;Kumar et al., Bioorg. Med. Chem. Lett., 1998, 8, 2219-2222;Singh et al., J. Org. Chem., 1998, 63, 10035-10039;Srivastava et al., J. Am. Chem. Soc., 2007, 129(26) 8362-8379;Elayadi et al., Curr. Opinion Invens. Drugs, 2001, 2, 558-561;Braasch et al., Chem. Biol, 2001, 8, 1-7;Oram et al., Curr. Opinion Mol. Ther., 2001, 3, 239-243;米国特許第4,849,513号;5,015,733号;5,118,800号;5,118,802号;7,053,207号;6,268,490号;6,770,748号;6,794,499号;7,034,133号;6,525,191号;6,670,461号;及び7,399,845号;国際公開番号WO2004/106356、WO1994/14226、WO2005/021570、WO2007/090071、及びWO2007/134181;米国特許公開番号US2004/0171570、US2007/0287831、及びUS2008/0039618;米国仮特許出願第60/989,574号、61/026,995号、61/026,998号、61/056,564号、61/086,231号、61/097,787号、及び61/099,844号;並びに国際出願番号PCT/US2008/064591、PCT/US2008/066154、PCT/US2008/068922、及びPCT/DK98/00393号を参照。
【0301】
特定の実施形態において、核酸は結合された核酸を含む。核酸は、任意の相互核酸結合を使用して共に結合され得る。相互核酸結合基の2つの主なクラスは、リン原子の有無によって定められる。代表的なリン含有相互核酸結合は、限定されないが、ホスホジエステル、ホスホトリエステル、メチルホスホネート、ホスホラミデート、及びホスホロチオエート(P=S)を含む。代表的な非リン含有相互核酸結合は、限定されないが、メチレンメチルイミノ(-CH2-N(CH3)-O-CH2-)、チオジエステル(-O-C(
O)-S-)、チオカルバメート(-O-C(O)(NH)-S-);シロキサン(-O-Si(H)2-O-);及びN,N*-ジメチルヒドラジン(-CH2-N(CH3)-N(CH3))。特定の実施形態において、キラル原子を有する相互核酸結合は、ラセミ混合物、別個のエナンチオマー、例えばアルキルホスホネート及びホスホロチオエートとして調製され得る。非天然核酸は単一の修飾を含み得る。非天然核酸は、部分の1つの内に、又は異なる部分間に複数の修飾を含み得る。
【0302】
核酸への骨格リン酸塩修飾は、限定されないが、メチルホスホネート、ホスホロチオエート、ホスホラミデート(架橋又は非架橋)、ホスホトリエステル、ホスホロジチオエート、ホスホジチオエート、及びボラノホスフェートを含み、及び、任意の組み合わせにおいて使用されてもよい。他の非リン酸塩結合も使用されてもよい。
【0303】
幾つかの実施形態において、骨格修飾(例えばメチルホスホナート、ホスホロチオエート、ホスホラミデート、及びホスホロジチオエートのヌクレオチド間結合)は、修飾された核酸に免疫修飾物質活性を付与し、及び/又はインビボでそれらの安定性を増強することができる。
【0304】
幾つかの例において、リン誘導体(又は修飾されたリン酸基)は、糖又は糖アナログ部分に結合され、及び、モノホスフェート、ジホスフェート、トリホスフェート、アルキルホスホナート、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホラミデートなどであり得る。修飾されたリン酸塩結合又は非リン酸塩結合を含んでいる典型的なポリヌクレオチドは、以下に見出すことができる:Peyrottes et al., 1996,
Nucleic Acids Res. 24: 1841-1848;Chaturvedi et al., 1996, Nucleic Acids Res. 24:2318-2323;及びSchultz et al., (1996) Nucleic Acids Res. 24:2966-2973;Matteucci, 1997, “Oligonucleotide Analogs: an Overview” in Oligonucleotides as Therapeutic Agents, (Chadwick and Cardew, ed.) John Wiley and Sons, New York, NY;Zon, 1993, “Oligonucleoside Phosphorothioates” in Protocols for Oligonucleotides and Analogs, Synthesis and Properties, Humana Press, pp. 165-190;Miller et al., 1971, JACS 93:6657-6665;Jager et al., 1988, Biochem. 27:7247-7246;Nelson et al., 1997, JOC 62:7278-7287;米国特許第5,453,496号;及びMicklefield, 2001, Curr. Med. Chem. 8: 1157-1179。
【0305】
場合によっては、骨格修飾は、ホスホジエステル結合を代替的な部分、例えば陰イオン基、中性基、又は陽イオン基に置換することを含む。そのような修飾の例には以下が挙げられる:陰イオン性ヌクレオシド間結合;N3’~P5’のホスホラミデート修飾;ボラノホスフェートDNA;プロオリゴヌクレオチド;メチルホスホネートなどの中性ヌクレオシド間結合;アミド結合DNA;メチレン(メチルイミノ)結合;ホルムアセタール(formacetal)及びチオホルムアセタール(thioformacetal)結合;スルホニル基を含有する骨格;モルホリノオリゴ;ペプチド核酸(PNA);及び正に荷電したデオキシリボ核グアニジン(DNG)オリゴ(Micklefield, 2001, Current Medicinal Chemistry 8: 1157-1179)。修飾された核酸は、1つ以上の修飾、例えばホスホジエステル及びホスホロチオエートの結合の組み合わせなどのリン酸塩結合の組み合わせを含むキメラ骨格又は
混合骨格を含み得る。
【0306】
リン酸塩の置換基は、例えば、短鎖アルキル又はシクロアルキルのヌクレオシド間結合、混合されたヘテロ原子及びアルキル又はシクロアルキルのヌクレオシド間結合、或いは1つ以上の短鎖ヘテロ原子又は複素環式のヌクレオシド間結合を含む。これらは、(ヌクレオシドの糖部分から部分的に形成される)モルホリノ結合を有するもの;シロキサン骨格;硫化物、スルホキシド、及びスルホン骨格;ホルムアセチル骨格及びチオホルムアセチル骨格;メチレンホルムアセチル骨格及びメチレンチオホルムアセチル骨格;アルケン含有骨格;スルファメート骨格;メチレンイミノ骨格及びメチレンヒドラジノ骨格;スルホネート骨格及びスルホンアミド骨格;アミド骨格;及び混合されたN、O、S及びCH2成分の部分を有する他のものを含み得る。多数の米国特許は、これらのタイプのリン酸塩置換を作成且つ使用する方法を開示しており、限定されないが、米国特許第5,034,506号;5,166,315号;5,185,444号;5,214,134号;5,216,141号;5,235,033号;5,264,562号;5,264,564号;5,405,938号;5,434,257号;5,466,677号;5,470,967号;5,489,677号;5,541,307号;5,561,225号;5,596,086号;5,602,240号;5,610,289号;5,602,240号;5,608,046号;5,610,289号;5,618,704号;5,623,070号;5,663,312号;5,633,360号;5,677,437号;及び5,677,439号が挙げられる。ヌクレオチドの糖及びリン酸塩両方の部分が、例えばアミド型結合(アミノエチルグリシン)(PNA)により置換され得ることも、ヌクレオチド置換基において理解される。米国特許第5,539,082号;5,714,331号;及び5,719,262号は、PNA分子を作成且つ使用する方法を教示しており、その各々は参照により本明細書に組み込まれる。また、Nielsen et al., Science, 1991, 254, 1497-1500を参照。更に、他のタイプの分子(抱合体)をヌクレオチド又はヌクレオチドアナログに結合して、例えば細胞取込みを増強することも可能である。抱合体は、ヌクレオチド又はヌクレオチドアナログに化学結合され得る。そのような抱合体は、限定されないが、脂質部分、例えばコレステロール部分(Letsinger et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1989, 86, 6553-6556)、コール酸(Manoharan et al., Bioorg. Med.Chem. Let. , 1994, 4, 1053-1060)、チオエテール、例えばヘキシル-S-トリチルチオール(Manoharan et al., Ann. KY. Acad. Sci., 1992, 660, 306-309; Manoharan et al., Bioorg. Med. Chem. Let., 1993, 3, 2765-2770)、チオコレステロール(Oberhauser et al., Nucl. Acids Res., 1992, 20, 533-538)、脂肪族鎖、例えばドデカンジオール又はウンデシル残基(Saison-Behmoaras et al., EM5OJ, 1991, 10, 1111-1118; Kabanov et al., FEBS Lett., 1990, 259, 327-330;Svinarchuk et al., Biochimie, 1993,
75, 49-54)、リン脂質、例えばジ-ヘキサデシル-rac-グリセロール又はトリエチルアンモニウム1-ジ-O-ヘキサデシル-rac-グリセロ-S-H-ホスホン酸塩(Manoharan et al., Tetrahedron Lett.
, 1995, 36, 3651-3654; Shea et al., Nucl. Acids Res., 1990, 18, 3777-3783)、ポリアミン又はポリエチレングリコール鎖(Manoharan et al., Nucleosides & Nucleotides, 1995, 14, 969-973)、又はアダマンタン酢酸(Manoharan et al., Tetrahedron
Lett., 1995, 36, 3651-3654)、パルミチル部分(Mis
hra et al., Biochem. Biophys. Acta, 1995, 1264, 229-237)、又はオクタデシルアミン或いはヘキシルアミノ-カルボニル-オキシコレステロール部分(Crooke et al., J. Pharmacol. Exp. Ther., 1996, 277, 923-937)を含む。多数の米国特許は、そのような抱合体の調製を教示し、限定されないが、以下が挙げられる:米国特許第4,828,979号;4,948,882号;5,218,105号;5,525,465号;5,541,313号;5,545,730号;5,552,538号;5,578,717号;5,580,731号;5,580,731号;5,591,584号;5,109,124号;5,118,802号;5,138,045号;5,414,077号;5,486,603号;5,512,439号;5,578,718号;5,608,046号;4,587,044号;4,605,735号;4,667,025号;4,762,779号;4,789,737号;4,824,941号;4,835,263号;4,876,335号;4,904,582号;4,958,013号;5,082,830号;5,112,963号;5,214,136号;5,082,830号;5,112,963号;5,214,136号;5,245,022号;5,254,469号;5,258,506号;5,262,536号;5,272,250号;5,292,873号;5,317,098号;5,371,241号;5,391,723号;5,416,203号;5,451,463号;5,510,475号;5,512,667号;5,514,785号;5,565,552号;5,567,810号;5,574,142号;5,585,481号;5,587,371号;5,595,726号;5,597,696号;5,599,923号;5,599,928号;及び5,688,941号。
【0307】
場合によっては、非天然核酸は更に非天然塩基対を形成する。インビボ条件下で非天然DNA又はRNA塩基対(UBP)を形成可能な典型的な不自然なヌクレオチドは、限定されないが、5SICS、d5SICS、NAM、dNaM、及びそれらの組み合わせを含む。幾つかの実施形態において、非天然ヌクレオチドは以下を含む:
【0308】
【0309】
幾つかの実施形態において、非天然塩基対は、Dumas et al., “Designing logical codon reassignment-Expanding the chemistry in biology,” Chemical Science, 6: 50-69 (2015)に記載される非天然アミノ酸を生成する。
【0310】
tRNA、tRNA合成酵素、及び目的のタンパク質が産生されるように、本明細書に開示される構築物又はベクターが導入される宿主細胞が、適切な媒体において培養又は維持される。目的のタンパク質が非天然アミノ酸を組み込むように、媒体は更に非天然アミノ酸を含む。
【0311】
直交tRNA合成酵素/tRNA対は非天然アミノ酸によりtRNAをチャージし、且つコドンに応じて非天然アミノ酸をポリペプチド鎖に組み込むことができる。典型的なaaRS-tRNAは、限定されないが、Methanococcus jannaschii(Mj-Tyr)aaRS/tRNA対、E. coli TyrRS(Ec-Tyr)/B.stearothermophilus tRNACUA対、E. coli
LeuRS(Ec-Leu)/B.stearothermophilus tRNACUA対、及びピロリジル(pyrrolysyl)-tRNA対を含む。
【0312】
非天然アミノ酸を含むサイトカイン(例えばIL-2)ポリペプチドは、tRNA及びtRNA合成酵素を含み、且つ1つ以上のインフレーム直交(停止)コドンにより目的の核酸配列を含む、本明細書に記載される核酸構築物の宿主細胞への導入により調製される。宿主細胞は、非天然アミノ酸を含む生理溶液に晒され、宿主細胞はその後、対象のコード配列のタンパク質の発現を可能にする条件下で維持される。非天然アミノ酸はコドンに応じてポリペプチド鎖へと組み込まれる。例えば、1つ以上の非天然アミノ酸はサイトカイン(例えばIL-2)ポリペプチドへと組み込まれる。代替的に、2つ以上の非天然アミノ酸は、タンパク質中の2つ以上の部位にてサイトカイン(例えばIL-2)ポリペプチドへと組み込まれ得る。
【0313】
複数の非天然アミノ酸がサイトカイン(例えばIL-2)ポリペプチドへと組み込まれることになっている場合、tRNA合成酵素/tRNA対がコドンに応じて非天然アミノ酸の組み込みを導くことができるように、複数のコドンは所望の位置にてコード核酸配列へと組み込まれる必要がある。核酸をコードする少なくとも1、2、3、又は4つ以上のコドンは、目的の核酸配列へと組み込まれ得る。
【0314】
1より多くのタイプの非天然アミノ酸を目的のタンパク質へと組み込み単一のタンパク質とすることが望まれるとき、第2の又は更なる直交tRNA-tRNA合成酵素対は、第2の又は更なる非天然アミノ酸を組み込むために使用され;適切な場合、第2の又は更なる直交tRNA-tRNA合成酵素対は、2つ以上の非天然アミノ酸が単一生産工程においてタンパク質中の異なる定義された部位へと特異的に組み込まれ得るように、目的のタンパク質をコードする核酸において異なるコドンを認識する。特定の実施形態において、2つ以上の直交tRNA-tRNA合成酵素対が故に使用されてもよい。
【0315】
一旦非天然アミノ酸を組み込むサイトカイン(例えばIL-2)ポリペプチドが宿主細胞中で産生されると、それは、当該技術分野で既知の様々な技術、例えば、酵素溶解、化学溶解、及び/又は浸透圧溶解、並びに物理的破壊などにより、そこから抽出され得る。サイトカイン(例えばIL-2)ポリペプチドは、当該技術分野で既知の標準技術、例えば分取クロマトグラフィー、親和性精製、又は他のあらゆる適切な技術などによって精製され得る。
【0316】
適切な宿主細胞は、細菌細胞(例えば大腸菌)を含むが、最も適切な場合、宿主細胞は、真核細胞(例えば昆虫細胞(例えばキイロショウジョウバエなどのショウジョウバエ)、酵母菌、線虫(例えばシー・エレガンス(Celegans))、マウス(例えばハツカネズミ)、又は哺乳動物細胞(チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)又はCOS細胞、ヒト293T細胞、HeLa細胞、NIH 3T3細胞、及びマウス赤白血症(MEL)細胞など)、或いはヒト細胞又は他の真核細胞である。他の適切な宿主細胞は当業者に知られている。適切な場合、宿主細胞は、ヒト細胞又は昆虫細胞などの哺乳動物細胞である。
【0317】
本発明の実施形態において一般的に使用され得る他の適切な宿主細胞は、実施例のセクション中に記載されるものである。ベクターDNAは従来の形質転換又は形質移入技術を介して宿主細胞へと導入され得る。本明細書に使用されるように、用語「形質転換」及び「形質移入」は、宿主細胞へと外来性核酸分子(例えばDNA)を導入するための様々な十分に認識された技術、例えばリン酸カルシウム又は塩化カルシウム共沈、DEAEデキストラン媒介性形質移入、リポフェクション、又はエレクトロポレーションなどを指すように意図される。宿主細胞を形質転換又は形質移入するのに適した方法は当該技術分野で周知である。
【0318】
細胞株を作成する場合、通常は安定した細胞株が調製されることが好ましい。哺乳動物細胞の安定した形質移入に関しては、例えば、使用される発現ベクター及び形質移入技術に応じて、細胞の小さな画分のみが外来性DNAをゲノムに統合できることが知られている。これらの成分を同定及び選択するために、選択マーカー(例えば、抗生物質耐性のための)をコードする遺伝子は一般に、対象の遺伝子と共に宿主細胞へと導入される。好ましい選択可能なマーカーは、G418、ヒグロマイシン、又はメトトレキサートなどの、薬物に対する耐性を与えるものを含む。選択マーカーをコード化する核酸分子は、同じベクター上の宿主細胞へと導入され得るか、又は別々のベクター上で導入され得る。導入された核酸分子によって安定して形質移入された細胞は、薬物選択によって同定され得る(例えば、選択マーカー遺伝子を組み込んだ細胞は残存するが、一方で他の細胞は死滅する)。
【0319】
一実施形態において、本明細書に記載される構築物は、宿主細胞のゲノムへと統合される。安定した統合の利点は、個別の細胞又はクローン間の均一性が達成されるということである。他の利点は、最良の生産者の選択が実行され得るということである。従って、安定した細胞株を作成することが望ましい。別の実施形態において、本明細書に記載される構築物は、宿主細胞へと形質移入される。宿主細胞へと構築物を形質移入するという利点は、タンパク質収率が最大化され得るということである。一態様において、本明細書に記載される核酸構築物又はベクターを含む細胞が記載される。
【0320】
医薬組成物と製剤
幾つかの実施形態において、本明細書に記載される医薬組成物及び製剤は、被験体に複数の投与経路、例えば限定されないが、非経口、経口、頬側、直腸、舌下、又は経皮の投与経路などにより投与される。場合によっては、非経口投与は、静脈内、皮下、筋肉内、脳内、鼻腔内、動脈内、関節内、皮内、硝子体内、骨内の注入、腹腔内、或いは髄腔内の投与を含む。幾つかの例において、医薬組成物は局所投与のために製剤される。他の例において、医薬組成物は全身投与のために製剤される。
【0321】
幾つかの実施形態において、医薬製剤は、水性液体分散、自己乳化分散、固溶体、リポソーム分散液、エアロゾル、固形剤形、粉末剤、即時放出製剤、制御放出製剤、速溶製剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、遅延放出製剤、拡張放出製剤、パルス放出製剤、多重微粒子
製剤(例えばナノ粒子製剤)、及び即時混合且つ制御放出の製剤を含むが、これらに限定されない。
【0322】
幾つかの実施形態において、医薬製剤は、本明細書に開示される組成物との適合性並びに所望の剤形の放出プロファイル特性に基づいて選択された、担体又は担体材料を含む。典型的な担体材料としては、例えば、結合剤、懸濁化剤、崩壊剤、充填剤、界面活性剤、可溶化剤、安定剤、潤滑剤、湿潤剤、希釈剤などが挙げられる。薬学的に適合性のある担体材料は、限定されないが、アラビアゴム、ゼラチン、コロイド状二酸化ケイ素、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、マルトデキストリン、グリセリン、ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン(PVP)、コレステロール、コレステロールエステル、カゼイン酸ナトリウム、大豆レシチン、タウロコール酸、ホスファチジルコリン(phosphotidylcholine)、塩化ナトリウム、リン酸三カルシウム、リン酸二カリウム、セルロース及びセルロース抱合体、糖ナトリウム・ステアロイルラクチラート塩(sugars sodium stearoyl lactylate)、カラギーナン、モノグリセリド、ジグリセリド、α化デンプンなどを含む。例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, Nineteenth Ed (Easton, Pa.: Mack Publishing Company, 1995), Hoover, John E., Remington’s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, Pennsylvania 1975, Liberman, H.A. and Lachman, L., Eds., Pharmaceutical Dosage Forms, Marcel Decker, New York, N.Y., 1980, and Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, Seventh Ed. (Lippincott Williams
& Wilkins1999)を参照。
【0323】
場合によっては、医薬組成物は免疫リポソームとして製剤され、これは、リポソームの脂質二重層に直接又は間接的に結合された複数のIL-2抱合体を含む。典型的な脂質は、限定されないが、脂肪酸;リン脂質;コレステロールなどのステロール;スフィンゴミエリンなどのスフィンゴ脂質;ガングリオシド、グロボシド、及びセレブロシドなどのグリコスフィンゴ脂質;ステアリル、オレイル、及びリノレイルアミンなどの界面活性アミンを含む。幾つかの例において、脂質は陽イオン性脂質を含む。幾つかの例において、脂質はリン脂質を含む。典型的なリン脂質には、限定されないが以下が挙げられる:ホスファチジン酸(「PA」)、ホスファチジルコリン(「PC」)、ホスファチジルグリセロール(「PG」)、ホスファチジルエタノールアミン(「PE」)、ホスファチジルイノシトール(「PI」)、及びホスファチジルセリン(「PS」)、スフィンゴミエリン(脳スフィンゴミエリンを含む)、レシチン、リソレシチン、リゾホスファチジルエタノールアミン、セレブロシド、ジアラキドイルホスファチジルコリン(「DAPC」)、ジデカノイル-L-α-ホスファチジルコリン(「DDPC」)、ジエライドイルホスファチジルコリン(「DEPC」)、ジラウロイルホスファチジルコリン(「DLPC」)、ジリノレオイルホスファチジルコリン、ジミリストイルホスファチジルコリン(「DMPC」)、ジオレオイルホスファチジルコリン(「DOPC」)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(「DPPC」)、ジステアロイルホスファチジルコリン(「DSPC」)、1-パルミトイル-2-オレオイル-ホスファチジルコリン(「POPC」)、ジアラキドイルホスファチジルグリセロール(「DAPG」)、ジデカノイル-L-α-ホスファチジルグリセロール(「DDPG」)、ジエライドイルホスファチジルグリセロール(「DEPG」)、ジラウロイルホスファチジルグリセロール(「DLPG」)、ジリノレオイルホスファチジルグリセロール、ジミリストイルホスファチジルグリセロール(「DMPG」)、ジオレオイルホスファチジルグリセロール(「DOPG」)、ジパルミトイル
ホスファチジルグリセロール(「DPPG」)、ジステアロイルホスファチジルグリセロール(「DSPG」)、1-パルミトイル-2-オレオイル-ホスファチジルグリセロール(「POPG」)、ジアラキドイルホスファチジルエタノールアミン(「DAPE」)、ジデカノイル-L-α-ホスファチジルエタノール(「DDPE」)、ジエライドイルホスファチジルエタノールアミン(「DEPE」)、ジラウロイルホスファチジルエタノールアミン(「DLPE」)、ジリノレオイルホスファチジルエタノールアミン、ジミリストイルホスファチジルエタノールアミン(「DMPE」)、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(「DOPE」)、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(「DPPE」)、ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン(「DSPE」)、1-パルミトイル-2-オレオイル-ホスファチジルエタノールアミン(「POPE」)、ジアラキドイルホスファチジルイノシトール(「DAPI」)、ジデカノイル-L-α-ホスファチジルイノシトール(「DDPI」)、ジエライドイルホスファチジルイノシトール(「DEPI」)、ジラウロイルホスファチジルイノシトール(「DLPI」)、ジリノレオイルホスファチジルイノシトール、ジミリストイルホスファチジルイノシトール(「DMPI」)、ジオレオイルホスファチジルイノシトール(「DOPI」)、ジパルミトイルホスファチジルイノシトール(「DPPI」)、ジステアロイルホスファチジルイノシトール(「DSPI」)、1-パルミトイル-2-オレオイル-ホスファチジルイノシトール(「POPI」)、ジアラキドイルホスファチジルセリン(「DAPS」)、ジデカノイル-L-α-ホスファチジルセリン(「DDPS」)、ジエライドイルホスファチジルセリン(「DEPS」)、ジラウロイルホスファチジルセリン(「DLPS」)、ジリノレオイルホスファチジルセリン、ジミリストイルホスファチジルセリン(「DMPS」)、ジオレオイルホスファチジルセリン(「DOPS」)、ジパルミトイルホスファチジルセリン(「DPPS」)、ジステアロイルホスファチジルセリン(「DSPS」)、1-パルミトイル-2-オレオイル-ホスファチジルセリン(「POPS」)、ジアラキドイルスフィンゴミエリン、ジデカノイルスフィンゴミエリン、ジエライドイルスフィンゴミエリン、ジラウロイルスフィンゴミエリン、ジリノレオイルスフィンゴミエリン、ジミリストイルスフィンゴミエリン、スフィンゴミエリン、ジオレオイルスフィンゴミエリン、ジパルミトイルスフィンゴミエリン、ジステアロイルスフィンゴミエリン、及び1-パルミトイル-2-オレオイル-スフィンゴミエリン。
【0324】
幾つかの例において、医薬組成物は更に、酢酸、ホウ酸、クエン酸、乳酸、リン酸、及び塩酸などの酸、水酸化ナトリウム、リン酸塩ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、及びトリス-ヒドロキシメチルアミノメタンなどの塩基、クエン酸塩/デキストロース、重炭酸ナトリウム、及び塩化アンモニウムなどの緩衝液を含む、pH調整剤を含む。このような酸、塩基、及び緩衝剤は、組成物のpHを許容可能な範囲で維持することを必要とする量で含まれる。
【0325】
幾つかの例において、医薬製剤は、組成物の浸透圧を許容可能な範囲にするのに必要な量の1つ以上の塩を含む。このような塩は、ナトリウム、カリウム、又はアンモニウムのカチオン及び塩化物、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、ホウ酸塩、リン酸塩、炭酸水素塩、硫酸塩、チオ硫酸塩、又は亜硫酸水素塩を有する塩を含み、適切な塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、及び硫酸アンモニウムが挙げられる。
【0326】
幾つかの実施形態において、医薬製剤は、限定されないが、トレハロース、スクロース、マンニトール、マルトース、グルコースのような糖、或いは、リン酸カリウム、クエン酸ナトリウム、硫酸アンモニウムのような塩、及び/又は、ポリペプチドの溶解度及びインビボの安定性を増大させるヘパリンなどの他の薬剤を含む。
【0327】
幾つかの例において、医薬組成物は更に、より安定した環境を提供することができるこ
とから、化合物を安定化させるために使用される希釈剤を含む。緩衝液(pHの制御又は維持をもたらすこともできる)の中で溶解された塩は、当技術分野で希釈剤として利用され、例えばリン酸緩衝生理食塩溶液が挙げられるがこれに限定されない。特定の例において、希釈剤は組成物のかさ(bulk)を増やして圧縮を促すか、又はカプセル充填のための均質混合のために十分なかさを作り出す。そのような化合物は、例えばラクトース、デンプン、マンニトール、ソルビトール、デキストロース、Avicel(登録商標)などの微結晶性セルロース、リン酸水素カルシウム、リン酸カルシウム二水和物、リン酸三カルシウム、リン酸カルシウム、無水ラクトース、噴霧乾燥ラクトース、α化デンプン、Di-Pac(登録商標)(Amstar)などの圧縮可能な糖、マンニトール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアレート、スクロースベースの希釈剤、粉砂糖、一塩基性硫酸カルシウム一水和物、硫酸カルシウム二水和物、乳酸カルシウム三水和物、デキストラート、加水分解シリアル固形物、アミロース、粉末セルロース、炭酸カルシウム、グリシン、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、イノシトール、ベントナイトなどを含み得る。
【0328】
場合によっては、医薬製剤は、物質の分解又は崩壊を促進するために崩壊剤又は分解剤を含む。用語「分解する」は、胃腸液と接触した際の剤形の溶解と分散の両方を含む。崩壊剤の例は、デンプン、例えば、トウモロコシデンプン又はジャガイモデンプンなどの天然のデンプン、National1551又はAmijel(登録商標)などのα化デンプン、或いはPromogel(登録商標)又はExplotab(登録商標)などのデンプングリコール酸ナトリウム、木材生成物などのセルロース、メチル結晶性セルロース(例えば、Avicel(登録商標)、Avicel(登録商標)PH101、Avicel(登録商標)PH102、Avicel(登録商標)PH105、Elcema(登録商標)P100、Emcocel(登録商標)、Vivacel(登録商標)、Ming Tia(登録商標)、及びSolka-Floc(登録商標)、メチルセルロース、クロスカルメロース、又は、架橋セルロース、例えば、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム(Ac-Di-Sol(登録商標))、架橋カルボキシメチルセルロース、又は架橋クロスカルメロース、架橋デンプン、例えば、デンプングリコール酸ナトリウムなど、架橋ポリマー、例えば、クロスポビドンなど、架橋ポリビニルピロリドン、アルギン酸塩、例えば、アルギン酸又はアルギン酸ナトリウムの塩など、Veegum(登録商標)HV(ケイ酸アルミニウムマグネシウム)などの粘土、ゴム、例えば、寒天、グアー、イナゴマメ、カラヤ、ペクチン、又はトラガント、デンプングリコール酸ナトリウム、ベントナイト、天然のスポンジ、界面活性剤、陽イオン交換樹脂などの樹脂、柑橘類の果肉、ラウリル硫酸ナトリウム、デンプンと組み合わせたラウリル硫酸ナトリウムなどを含む。
【0329】
幾つかの例において、医薬製剤は、充填剤、例えばラクトース、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、硫酸カルシウム、微結晶性セルロース、セルロース粉末、デキストロース、デキストラート、デキストラン、デンプン、α化デンプン、スクロース、キシリトール、ラクチトール、マンニトール、ソルビトール、塩化ナトリウム、ポリエチレングリコールなどを含む。
【0330】
潤滑剤及び滑剤も、物質の接着又は摩擦を予防するか、減少するか、阻害するための本明細書に記載された医薬製剤において随意に含まれている。典型的な潤滑剤は、例えば、ステアリン酸、水酸化カルシウム、タルク、フマル酸ステアリルナトリウム、鉱油などの炭化水素、或いは、例えば水素化大豆油(Sterotex(登録商標))などの硬化植物油、高脂肪酸、及びそのアルカリ金属とアルカリ土類金属塩、例えばアルミニウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、グリセロール、タルク、ワックス、Stearowet(登録商標)、ホウ酸、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ポリエチレングリコール(例えばPEG-
4000)又はCarbowax(商標)などのメトキシポリエチレングリコール、オレイン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ベへン酸グリセリル、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸マグネシウム又はラウリル硫酸ナトリウム、Syloid(商標)などのコロイダルシリカ、Cab-O-Sil(登録商標)、トウモロコシデンプンなどのデンプン、シリコーン油、界面活性剤などを含む。
【0331】
可塑剤は、マイクロカプセル化材料又はフィルムコーティングを軟化することでそれらの脆さを抑えるために使用される化合物を含む。適切な可塑剤は、例えばPEG300、PEG400、PEG600、PEG1450、PEG3350、及びPEG800などのポリエチレングリコール、ステアリン酸、プロピレングリコール、オレイン酸、トリエチルセルロース、及びトリアセチンを含む。可塑剤はまた、分散剤又は湿潤剤としても機能することができる。
【0332】
可溶化剤は、トリアセチン、クエン酸トリエチル、オレイン酸エチル、カプリル酸エチル、ラウリル硫酸ナトリウム、ドクサートナトリウム、ビタミンE TPGS、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、N-ヒドロキシエチルピロリドン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、エタノール、n-ブタノール、イソプロピルアルコール、コレステロール、胆汁塩、ポリエチレングリコール200-600、グリコフロール、トランスクトール、プロピレングリコール、及びジメチルイソソルビドなどの化合物を含む。
【0333】
安定化剤は、任意の抗酸化剤、緩衝液、酸、防腐剤などの化合物を含む。典型的な安定化剤は、塩酸L-アルギニン、トロメタミン、アルブミン(ヒト)、クエン酸、ベンジルアルコール、フェノール、リン酸水素二ナトリウム無水物、プロピレングリコール、メタクレゾール又は、m-クレゾール、酢酸亜鉛、ポリソルベート-20又はTween(登録商標)20、又はトロメタモールを含む。
【0334】
懸濁化剤は、化合物、例えばポリビニルピロリドン、例えばポリビニルピロリドンK12、ポリビニルピロリドンK17、ポリビニルピロリドンK25、ポリビニルピロリドンK30、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー(S630)、ポリエチレングリコール(例えばポリエチレングリコールは約300~約6000、約3350~約4000、又は約7000~約5400の分子量を有する)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースアセテートステアレート、ポリソルベート80、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ゴム、例えばトラガカントゴム、アカシアゴム、グアーゴム、キサンタンゴムを含むキサンタン、糖、セルロース系のもの、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなど、ポリソルベート80、アルギン酸ナトリウム、ポリエトキシレートソルビタンモノラウリン酸、ポリエトキシレートソルビタンモノラウリン酸、ポビドンなどを含む。
【0335】
界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、ドクサートナトリウム、Tween60又は80、トリアセチン、ビタミンE TPGS、モノオレイン酸ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリソルベート、ポロクサマー(polaxomer)、胆汁塩、モノステアリン酸グリセリル、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのコポリマー、例えば、Pluronic(登録商標)(BASF)などの化合物を含む。追加の界面活性剤は、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリド、及び植物油、例えばポリオキシエチレン(60)水素化ヒマシ油、及びポリオキシエチレンアルキルエーテルとアルキルフェニルエーテル、例えばオクトキシノール10、オクトキシノール40を含む。時に、界面活性剤は、物理的安定性を高めるために、又は他の目的のために含まれる。
【0336】
粘度増強剤は、例えば、メチルセルロース、キサンタンゴム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアラート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタラート、カルボマー、ポリビニルアルコール、アルギン酸塩、アカシア、キトサン、及びそれらの組み合わせを含む。
【0337】
湿潤剤は、オレイン酸、モノステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、オレイン酸トリエタノールアミン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ナトリウムドクセート、オレイン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ナトリウムドクセート、トリアセチン、Tween80、ビタミンE TPGS、アンモニウム塩などの化合物を含む。
【0338】
治療レジメン
幾つかの実施形態において、本明細書に記載される医薬組成物は治療用途のために投与される。幾つかの実施形態において、医薬組成物は1日1回、1日2回、1日3回、又はそれ以上投与される。医薬組成物は、毎日、1日おき、週5日、週1日、1週おき、1か月に2週、1か月に3週、月1回、月2回、1か月に3回、又はそれ以上投与される。医薬組成物は、少なくとも1か月、2か月、3か月、4か月、5か月、6か月、7か月、8か月、9か月、10か月、11か月、12か月、18か月、2年、3年、又はそれ以上の間投与される。
【0339】
患者の状態が改善する場合、医師の判断に基づいて、組成物の投与は連続的に与えられてもよく、代替的に、投与される組成物の投与量は、一時的に減少するか、一定時間(即ち「休薬期間」)にわたり一時的に停止される。幾つかの例において、休薬期間の長さは2日から1年の間で変動し、ほんの一例として、2日、3日、4日、5日、6日、7日、10日、12日、15日、20日、28日、35日、50日、70日、100日、120日、150日、180日、200日、250日、280日、300日、320日、350日、又は365日が挙げられる。休薬日中の投与量の減少は10%-100%であり、ほんの一例として、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は100%が挙げられる。
【0340】
一旦、患者の疾病の改善が生じると、必要ならば維持量が投与される。その後、用量又は投与頻度、或いはその両方は、症状に応じて、疾患、障害、又は疾病の改善が保持されるレベルにまで減少可能である。
【0341】
幾つかの実施形態において、そのような量に相当する与えられた薬剤の量は、特定の化合物、疾患の重症度、処置を必要とする被験体又は宿主の同一性(例えば重量)などの要因に依存して変動するが、それにも関わらず、症例を取り囲む特定の状況、例えば投与される特定の薬剤、投与経路、及び処置されている被験体又は宿主などに従い当該技術分野で既知の方法で慣例的に決定される。幾つかの例において、所望の投与量は一回量において、或いは、同時に(又は短時間にわたり)又は適切な間隔を置いて、例えば1日に2、3、又は4以上の下位用量として投与された分割量として都合よく提示される。
【0342】
個々の処置レジメンに関する変数の数が大きいため、前述の範囲は単なる示唆的なものに過ぎず、これらの推奨値からかなり逸脱することは珍しいことではない。こうした投与量は、多くの変数、限定されないが、使用される化合物の活性、治療される疾患又は疾病、投与の形態、個々の被験体の要件、処置されている疾患又は疾病の重症度、及び医師の判断に依存して変更される。
【0343】
幾つかの実施形態において、こうした治療レジメンの毒性と治療の有効性は、限定されないが、LD50(母集団の50%までの致死投与量)と、ED50(母集団の50%に治療上有効な投与量)の決定を含む、細胞培養又は実験動物における標準的な製薬手順によって決定される。毒性と治療効果との間の用量比は治療指数であり、これはLD50とED50との間の比率として表される。高い治療指数を示す化合物が好ましい。細胞培養アッセイと動物研究から得られたデータは、ヒトで使用される一連の投与量を製剤するのに使用される。そのような化合物の用量は、好ましくは毒性が最小限のED50を含む、血中濃度の範囲内にある。投与量は、使用された剤形と利用される投与経路に応じてこの範囲内で変動する。
【0344】
キット/製品
本明細書には、特定の実施形態において、本明細書に記載される1つ以上の方法及び組成物を使用するためのキット及び製品が開示される。このようなキットは、バイアルやチューブなどの1以上の容器を収容するために仕切られた運搬装置、パッケージ、又は容器を含み、容器の各々は本明細書に記載される方法において使用される別個の要素の1つを備えている。適切な容器として、例えば、ボトル、バイアル、シリンジ、及び試験管が挙げられる。他の実施形態において、容器は、ガラス又はプラスチックなどの様々な材料から形成される。
【0345】
本明細書で提供される製品は、包装材料を含む。製薬用包装材料の例としては、限定されないが、ブリスターパック、ボトル、チューブ、バッグ、容器、ボトル、及び、選択された製剤と投与及び処置の意図した形態に適切な任意の包装材料が挙げられる。
【0346】
例えば、容器は、本明細書に開示されるサイトカイン(例えばIL-2)ポリペプチド又はサイトカイン(例えばIL-2)抱合体の1つ以上、及び随意に、サイトカイン(例えばIL-2)ポリペプチド又はサイトカイン(例えばIL-2)抱合体の送達を促進するために本明細書に記載される1つ以上の医薬賦形剤を含有する。そのようなキットは更に、識別用の記載又はラベル、或いは本明細書に記載される方法における使用に関する説明書を随意に含む。
【0347】
キットは典型的に、内容物を列挙するラベル及び/又は使用説明書と、使用説明書を備えた添付文書とを含んでいる。1セットの説明書も典型的に含まれる。
【0348】
1つの実施形態において、ラベルは容器上にあるか容器に付随される。一実施形態において、ラベルを形成する文字、数、或いは他の特徴が容器自体に取り付けられるか、成型されるか、又はエッチングされるとき、ラベルは容器上にあり、ラベルが例えば添付文書として容器を保持するレセプタクル又は運搬装置内に存在する場合、ラベルは容器に関連付けられる。一実施形態において、ラベルは、内容物が特定の治療用途に用いられるべきものであるということを示すために用いられる。ラベルはまた、例えば本明細書に記載の方法などにおける内容物の使用に関する指示を示す。
【0349】
特定の実施形態において、医薬組成物は、本明細書で提供される化合物を含む1以上の単位剤形を含むパック又はディスペンサーデバイスにおいて提供される。パックは、例えば、ブリスターパックなどの金属又はプラスチックホイルを含む。一実施形態において、パック又はディスペンサーデバイスには、投与の説明書が付随する。別の実施形態において、パック又はディスペンサーには、医薬品の製造、使用、又は販売を制御する政府機関によって規定された形態の容器に付属の通知書が添付してあり、この通知書は、ヒト又は動物の投与のための薬物の形態に関する政府機関の承認を反映するものである。このような通知書は、例えば、薬物又は承認された製品の挿入物に関して、米国食品医薬品局によ
り承認されたラベルである。1つの実施形態において、適合可能な医薬担体において製剤される、本明細書に提供される化合物を含有する組成物も調製され、適切な容器に入れられ、及び示された疾病の処置についてラベル付けされる。
【0350】
特定の用語
別段の定めのない限り、本明細書で使用される技術用語と科学用語は全て、主張される主題が属する当該技術分野の当業者により一般に理解されるのと同じ意味を持っている。詳細な記載は典型的且つ説明的なものに過ぎず、主張される主題を制限するものではないことを理解されたい。本出願において、単数形の使用は、特に別記しない限り複数を含む。本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明確にそうではないと定めていない限り、複数の指示対象を含む。本出願において、「又は」の使用は、特に明記しない限り、「及び/又は」を意味する。更に、用語「含むこと(including)」の使用は、「含む(include)」、「含む(includes)」、及び「含まれる(included)」といった他の形態と同じく、制限はない。
【0351】
本発明の様々な特徴は単一の実施形態の文脈において記載され得るが、それらの特徴はまた、個別に又は任意の適切な組み合わせで提供され得る。反対に、本発明は明確性のために別個の実施形態の観点から本明細書に記載され得るが、本発明は単一の実施形態でも実施され得る。
【0352】
本明細書における「幾つかの実施形態」、「実施形態」、「一実施形態」、又は「他の実施形態」への言及は、実施形態と関連して記載される特定の特徴、構造、又は特性が、本発明の少なくとも幾つかの実施形態に含まれるが、必ずしも全ての実施形態には含まれていないことを意味するものである。
【0353】
本明細書で使用されるように、範囲及び量は、「およその(about)」特定の値又は範囲として表現可能である。「約」は正確な量も含んでいる。従って、「約5μL」は、「約5μL」と「5μL」も意味する。一般に、用語「約」は、実験誤差の範囲内、例えば、15%、10%、又は5%以内であると予想される量を含む。
【0354】
本明細書に使用されるセクションの見出しは、単に構成上の目的のためであり、記載される主題を制限すると解釈されるものではない。
【0355】
本明細書で使用されるように、用語「個体」、「被験体」、及び「患者」は任意の哺乳動物を意味する。幾つかの実施形態において、哺乳動物はヒトである。幾つかの実施形態では、哺乳動物はヒトではない。いかなる用語も、保健従事者(例えば、医師、正看護師、臨床看護師、医師助手、看護助手、又はホスピスの職員)の監督(例えば、常時又は断続的)を特徴とする状況には制限されない。
【0356】
本明細書に使用されるように、用語「有意な」又は「有意に」は、結合親和性に関して、標的受容体へのサイトカイン(例えばIL-2ポリペプチド)の結合に影響を及ぼすのに十分なサイトカイン(例えばIL-2ポリペプチド)の結合親和性における変化を意味する。幾つかの例において、この用語は、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、又はそれ以上の変化を指す。幾つかの例において、前記用語は、少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、50倍、100倍、500倍、1000倍、又はそれ以上の変化を指す。
【0357】
幾つかの例において、用語「有意な」又は「有意に」は、サイトカインシグナル伝達複合体を介した1つ以上の細胞集団の活性化に関して、細胞集団を活性化するのに十分な変
化を意味する。場合によっては、細胞集団を活性化する変化は受容体シグナル伝達能力として測定される。この場合、EC50値が提供され得る。他の場合、ED50値が提供され得る。更なる場合、サイトカインの濃度又は用量が提供され得る。
【0358】
本明細書に使用されるように、用語「効力」は、標的効果をもたらすことを求められるサイトカイン(例えばIL-2ポリペプチド)の量を指す。幾つかの例において、用語「効力」は、標的サイトカイン受容体(例えばIL-2受容体)を活性化することを求められるサイトカイン(例えばIL-2ポリペプチド)の量を指す。他の例において、用語「効力」は、標的細胞集団を活性化することを求められるサイトカイン(例えばIL-2ポリペプチド)の量を指す。場合によっては、効力は、ED50(50%有効量)、又は最大効果の50%をもたらすことを求められる投与量として測定される。他の場合、効力は、EC50(50%有効濃度)、又は集団の50%において標的効果をもたらすことを求められる投与量として測定される。
【実施例0359】
これら実施例は例示目的のためだけに提供され、本明細書に提供される請求の範囲を制限するものではない。
【0360】
実施例1
キナーゼ受容体及びサイトカイン受容体の二量化アッセイ
【0361】
細胞の取り扱い
【0362】
PathHunter細胞株を、冷凍装置ストックから標準手順に従い拡張させた。細胞を、20μLの総容量において、白色の壁付きの384ウェルマイクロプレートの中に蒔いて、試験前に適切な時間にわたり培養した。
【0363】
アゴニストフォーマット
【0364】
アゴニスト判定のために、細胞をサンプルと共にインキュベートして反応を誘導した。サンプルストックの中間希釈を行い、5Xサンプルをアッセイ緩衝液中に生成した。約5μLの5Xサンプルを細胞に添加し、37℃で6~16時間、アッセイに応じてインキュベートした。ビヒクル濃度は1%であった。
【0365】
シグナル検出
【0366】
アッセイシグナルを、アゴニストアッセイ及びアンタゴニストアッセイそれぞれに対する12.5又は15μL(50%v/v)のPathHunter検出試薬カクテルの添加一回を介して生成し、その後に1時間のインキュベーションを室温で行った。幾つかのアッセイに関して、活性を、高感度性検出試薬(PathHunter Flashキット)を使用して検出し、アッセイパフォーマンスを改善した。これらアッセイにおいて、等容量の検出試薬(25又は30uL)をウェルに添加し、その後に1時間のインキュベーションを室温で行った。マイクロプレートを、化学発光シグナル検出のためにPerkinElmer Envision(商標)器機を用いるシグナル生成に従って、読み取った。
【0367】
データ分析
【0368】
化合物活性を、CBISデータ分析スイート(ChemInnovation、CA)を使用して分析した。アゴニストモードアッセイに関して、パーセンテージ活性を、以下
の式を使用して算出した:
%活性=100%×(試験サンプル-の平均RLU-ビヒクル対照の平均RLU)/(平均MAX RLU対照リガンド-ビヒクル対照の平均RLU)。
【0369】
アンタゴニストモードアッセイに関して、パーセンテージ阻害を、以下の式を使用して算出した:
%阻害=100%×(1-/(試験サンプルの平均RLU-ビヒクル対照の平均RLU)/(EC80対照の平均RLU-ビヒクル対照の平均RLU)。
【0370】
実施例2
IL-2Rα関与が無いペグ化IL-2化合物の同定のための細胞ベースのスクリーニング
【0371】
IL-2/ヘテロ三量体受容体シグナル伝達複合体(PDB:2ERJ)の構造データを使用して、nAA-ペグ化部位の設計を導いて、特異的にIL-2及びIL-2受容体αサブユニット(IL-2Rα)の相互作用を抑制した。典型的なIL-2抱合体を機能分析にさらした:K35、F42、K43、E62、及びP65。IL-2抱合体を、大腸菌における封入体として発現させ、精製し、標準手順を用いて再度折り重ねて、その後に、IL-2生成物を、DBOC媒介性の銅を含まないクリック化学を用いて部位特異的にペグ化して、安定した共有結合のmPEG部分をAzKに結合させた。
【0372】
IL-2抱合体を、PathHunterのIL-2サイトカイン受容体アッセイを使用して、Discoverx(Fremont CA)にて機能的活性についてスクリーニングした。このアッセイは、IL-2受容体β(IL-2Rβ)及びγ(IL-2Rγ)サブユニットを発現する組み換え体ヒトU2OS細胞株を使用し、各々は、分割されたレポーター酵素β-ガラクトシダーゼの半分に縮合される。第2の細胞株を更に操作して、IL-2Rαサブユニットを発現させた。これらの2つの細胞株を用いる平行試験は、IL-2受容体αβγの他、基礎のβγ複合体の変異体活性化の評価を可能にする。IL-2βγ受容体複合体に対するIL-2アゴニスト活性は、受容体二量化、及び化学発光シグナルをもたらすレポーターβ-ガラクトシダーゼ再構成を刺激する。アッセイをアゴニストモードで行い各被験物質のEC50を判定し、IL2Rαの陽性細胞型と陰性細胞型との間の用量反応曲線プロファイルの比較は、観察された活性に対するIL2Rαの寄与の判定を可能にする。
【0373】
表1は、30kDのペグ化IL-2抱合体に関する細胞ベースのスクリーンにおけるIL-2受容体アゴニズムのEC50データを示す。
【0374】
【0375】
ペグ化IL-2のヒトIL-2受容体サブユニットとの生化学物質相互作用
【0376】
ヒトIL-2受容体サブユニットとのペグ化IL-2化合物相互作用の動態を、Biosensor Tools LLC (Salt Lake City, UT)にて表面プラズモン共鳴(SPR)を使用して測定した。これら研究のために、ヒトIgG1 Fc縮合IL-2 Rα(Sino Biological #10165-H02H)及びβ(Sino Biological #10696-H02H)の細胞外ドメインを、Biacore Protein AでコーティングしたCM4センサチップの表面上に捉えた。これらの表面を二通りに探索し、2倍の系列希釈は、Biacore 2000 SPR器機を使用して、2μMの何れかの未変性IL-2(野生型のIL-2;Thermo # PHC0021)、P65_30kD、P65_5kD、E62_30kD、又はE62_5kDから出発した。試験サンプルを60秒間注入して、会合の測定を可能にし、その後、緩衝液(洗浄)のみを30秒間用いて、解離を測定した。反応ユニット(RU、Y軸)を時間(s、X軸)に対してプロットする。
【0377】
βへのIL-2結合に対するIL-2受容体αサブユニットの効果を評価するために、αを、βに比べて2倍過剰に捕捉した。これらの表面に、未変性IL-2(野生型IL-2)、P65_30kD、P65_5kD、E62_30kD、又はE62_5kDを、2.5μMにて開始する3倍系列希釈において適用した。結合データを、バルクシフト(bulk shift)に含まれる1:1の相互作用モデルに適合させ、抽出された動力学的パラメータを表2A及び表2Bに要約する。
【0378】
【0379】
【0380】
固定されたIL-2Rαを含有するセンサ表面上で、未変性IL-2は、迅速な会合及
び遅い解離の動態を示して、高親和性結合を実証した(
図4A)。対照的に、P65_30kD又はE62_30kDは何れも、2μMの最高試験濃度でさえもIL-2Rα表面と相互作用しない(
図4A)。固定されたIL-2Rβを含有する表面は、未変性IL-2(野生型のIL-2)及びIL-2 P65_30kDの両方に対する同等の会合及び解離の反応を示した(
図4B)。β-サブユニットに対する化合物間に観察されたKDでの適度な差異は、未変性IL-2に対するIL-2 P65_30kDのレートの減少によるものであり、このペグ化化合物(より低い拡散係数)の流体力学半径の変化の他、離れた結合表面上の大きなPEG部分の非特異的遮蔽効果から予想される。これらの結果は、P65_30kD及びE62_30kDがIL-2Rα相互作用を欠く一方で、大部分がIL-2Rβに結合して保持されていることを示唆する。
【0381】
主要なヒト白血球減少系(LRS)由来のPBMCサンプルにおけるIL-2 P65_30kD及びE62_kDのエクスビボでの免疫応答プロファイリング
【0382】
IL-2 P65_30kD及びE62_30kDの差次的な受容体特異性が主要な免疫細胞部分母集団の活性化をどのように成し遂げるかを判定するために、ヒトのLRS由来の末梢血単核細胞(PBMC)サンプルにおけるリンパ球活性化の濃縮反応プロファイリングを、多色フローサイトメトリーを用いて行った。これらの研究をPrimityBio LLC(Fremont, CA)において行った。新鮮なLRS由来のサンプルを、未変性IL-2、P65_30kD、又はE62_30kDにより、30μg/mLの上位濃度で出発する5倍系列希釈において処理した。45分のインキュベーション後、サンプルを固定し、抗体により染色して、転写因子STAT5(pSTAT5)のリン酸化形態、IL-2受容体シグナル伝達複合体の上流関与及び活性化のマーカー、及び表面マーカー(表3)の群(panel)を検出することで、特異的なT細胞及びナチュラルキラー(NK)細胞の部分母集団におけるpSTAT5形成を追跡した。
【0383】
【0384】
フローサイトメトリーデータを、濃度反応モードにおいて様々なT細胞及びNK細胞の部分集合の活性化について分析し、未変性IL-2(
図14a)、E62_30kD(
図5B)、及びP65_30kD(
図5C)による処置後にpSTAT5蓄積を読み取る。NK細胞及びエフェクターT細胞(CD3+CD8+)の集団において、IL-2 P65_30kD及びIL-2 E62_30kDは、天然IL-2に対して効力を保持し、pSTAT5産生に対するEC
50値は未変性IL-2の4-5倍以内であった(
図5A)。これに対して、Treg部分母集団(CD3+CD4+IL-2Rα+CD127-)におけるIL-2 P65_30kDのpSTAT5誘導に対するEC
50値は、未変性IL-2に比べて900倍減少したが、NK細胞及びTeff細胞の集団に対するEC
50と同様のままであった(
図5C)。特異的にTreg集団におけるIL-2 P65_30kDに対するEC
50における、このようなかなりの増加は、これら位置におけるIL-2のペグ化によりIL-2受容体のアゴニズムが可能となったが、エフェクターT
細胞に比べてTreg刺激に対するIL-2のバイアスを排除していることを示す。
【0385】
【0386】
EC50値(pg/mL)を、MFIプロットから作成した用量反応曲線から算出した。
【0387】
実施例3
天然(E3826-U1704)及びB16-F10担癌(E3826-U1803)C57BL/6マウスにおけるPK/PD研究
【0388】
研究設計を表5と6に要約する。末端血液サンプルを、示された点における心臓の穿刺を介して採取した。研究E3826-U1704は、各時点につき3匹のマウスを屠殺する13の時点(0.13、0.25、0.5、1、2、4、8、12、24、48、72、96、及び120h)を含み、研究E3826-U1803は、各時点につき4-7のマウスを屠殺する9つの時点(2、8、12、24、48、72、120、168、及び240h)を含んでいた。研究E3826-U1803における血漿及び血液の細胞(両方の試験における)及び腫瘍を、PK及びPDの分析のために採取した。
【0389】
血漿サンプルの生体分析を、適任のヒトIL-2 ELISAアッセイ(Abcam,
Cambridge, UK)を使用して行った。アルデスロイキン、E62_30kD、及びP65_30kDの濃度、及び血漿から得たサンプル中の内標準を、ELISAアッセイを使用して決定した。PKデータ分析をNW Solutions(Seattle, WA)において行った。PKデータを分析のためにPhoenix WinNonlin v6.4(Certara/Pharsight, Princeton, NJ)へ移した。群平均血漿中濃度対時間のデータを、IVボーラス投与モデルを使用する非区画方法により分析した。
【0390】
【0391】
【0392】
0.3mg/kgでの、P65_30kD、E62_30kD、E62_5kD、及びアルデスロイキンの血漿中濃度プロファイルを、
図6においてプロットする。
【0393】
研究E3826-U1704において、P65_30kD及びE62_30kDの両方は、表3にて要約されるようなアルデスロイキンに対する優れたPKプロファイルを示す。アルデスロイキンの単回IVボーラス投与後、Tmaxを投与後0.03hにて観察し(投与後最初に測定された時点)、平均血漿濃度は投与後4hまで測定可能であった。P65_30kD及びE62_30kDの単回IVボーラス投与後、Tmaxを投与後0.03hにて観察し、平均血漿中濃度は投与後120hまで測定可能であった(最後の測定された時点)。別個の試験において、E62_5kDのIV投与後、Tmaxを投与後0.133hrにて観察し、平均血漿中濃度は投与後12hrまで測定可能であった。
【0394】
Cmax及びAUC0-tに基づく曝露は以下のとおりであった:P65_30kD>>E62_30kD>>E62_5kD>アルデスロイキン。より小さなPEGを伴うE62_5kDにはrIL-2に近いPKプロファイルがあった。P65_30kD曝露は、Cmax及びAUC0-tに基づくアルデスロイキンよりもそれぞれ5.5倍及び200倍高かった。加えて、P65_30kDは、アルデスロイキンに比べて、23倍に拡張したt1/2(13.3h対0.57h)及び約198倍減少したCL(6.58対1300mL/h/kg)を実証した。P65_30kD及びE62_30kDの両方に関して、分布容積(それぞれ82.4及び92.3mL/kg)は、アルデスロイキンに比べて4.2~4.7倍減少し、及びマウス(85mL/kg;[Boersen 2013])における血液量と同様であった。このことは、P65_30kD及びE62_30kDの大半が体循環内で分布されることを示唆している。
【0395】
【0396】
実施例4
末梢血区画における薬力学的観察
【0397】
細胞増殖(初期の分子マーカーKi-67及び細胞数)のSTAT5リン酸化及び誘導を薬力学的な読み出しとして使用して、その薬物動態に対するP65_30kDの薬理学的特性を評価した。pSTAT5 PDマーカーは、CD8+エフェクターT細胞における、P65_30kD及びアルデスロイキン両方に対するPKとの良好な相関性を示した(表7)。pSTAT5の持続的な上昇を、NK細胞及びCD8+T細胞の両方では最大72時間までに、及びTregでは最大24時間までに観察した。pSTAT5誘導は、アルデスロイキンを投与したマウスにおいてわずか2時間後にベースラインに戻った(
図7)。STAT5リン酸化は、CD8+エフェクターT細胞及びNK細胞の遅延増殖反応(72-120時間)へと翻訳されたが、Treg(
図8A-8C)により、CD8+エフェクターT細胞の表現型分析は、この集団内のCD44+記憶細胞のかなりの拡張を明らかにしなかった(
図9A-9B)。
【0398】
B16-F10担癌(E3826-U1803)C57BL/6マウスの腫瘍区画における薬力学的観察
【0399】
表8は、B16-F10担癌マウスにおける3mg/kgでP65_30kDを1回投与した後の血漿中濃度及び腫瘍薬物濃度を示す。腫瘍半減期は血漿内半減期の2倍であり(24.4対12.6)、このことはP65_30kDが腫瘍に浸透し且つ腫瘍において保持されることを示している。曲線交差の尾部末端は、血漿が腫瘍よりも迅速に排除する(eliminates)ことを示している。腫瘍:血漿のAUC比率は、1及び3mg/kgの投与量に対してそれぞれ9.7%及び8.4%であった。
【0400】
【0401】
図10A-
図10Bは、B16F10腫瘍におけるP65_30kDによるNK細胞及びCD+T細胞の拡張を示す。
図10Aは、3g/kgにおける単回IVボーラス投与量のP65_30kDによる処置後の腫瘍CD3+T細胞集団におけるNK細胞、CD8+細胞、及びTregのパーセンテージを示す。腫瘍サンプルを、フローサイトメトリーによる処置後に5日間、免疫細胞集団に対し分析した。各データポイントは、各時点での3つの複製からの平均、±SEMを表わす。表わされた細胞集団データを5日目の腫瘍サンプルから集め、CD8/Tregの比率を7日目のサンプルから算出した。
図10Bは、3mg/kgにおける単回IVボーラス投与量のP65_30kDによる処置の7日後の、CD4+制御性T細胞に対するCD8+エフェクターの比率を示す。各データポイントは、各時点での3つの複製からの平均、±SEMを表わす。
【0402】
Balb/cマウスE3826-U1802のMTD研究
【0403】
P65_30kDの用量設定研究を、Crown Biosciences, Inc. (San Diego, CA)にて、ナイーブなメスのBalb/cマウスにおいて行った。研究設計を表9に示す。血液サンプルを、7つの時点(0.25、1、4、12、24、34、48、及び72h)にて顎下静脈(submandibular vein)を介して引き抜いた。血漿細胞及び血液細胞の両方をPK及びPDの分析のために採取した。
【0404】
全ての血漿サンプルを、ヒトIL-2の他、マウスIL-2、TNF-α、IFNγ、IL-5、及びIL-6のサイトカインに対して分析し、市販のELISAキットを利用した。
【0405】
【0406】
Balb/cマウスを使用するMTD研究における毒性学観察
【0407】
高用量のIL-2に関連付けられる大規模の毒性は、毛細血管漏出症候群及び関連するサイトカイン放出症候群(CRS)である。これをマウスにおいて評価するために、P65_30kDの単回投与量のIV投与を、0.01-5.0mg/kgに及ぶ投与量で行った(表10)。行われた分析は、血液学分析、組織病理学分析、臓器重量分析、及びサイトカイン分析であった。異常は、P65_30kD又はアルデスロイキン両方を伴うビヒクル対照マウスに比べて、血液学分析、組織病理学分析、又は体重分析において観察されなかった。サイトカイン分析に関して、アルデスロイキンは、1mg/kg~5mg/kgにて出発して血漿IL-5レベルを上昇させたことが観察された(
図11A)。P65_30kDにより、IL-5における中程度の増加は5mg/kgの投与量にしか見られず、これはアルデスロイキンに比べて少ないものであった(
図11B)。IFNγの全身レベルにおける一時的な上昇を、アルデスロイキン及びP65_30kDの両方にて観察した。
【0408】
実施例5
カニクイザル研究番号:20157276におけるPK/PD
【0409】
P65_30kDの薬物動態及び薬力学のプロファイルを、0.3mg/kgでの単回静脈内投与量の投与後の非ナイーブなカニクイザルにおいて評価した。研究をCharles River Laboratories, Inc. (Reno, NV)にて行い、PKデータ分析をNW Solutions (Seattle, WA)にて行った。血液サンプルを、投与前、及び21の時点(投与後0.5、1、2、4、8、12
、24、36、48、72、120、144、168、192、及び240h)において採取した。血漿細胞及び血液細胞の両方をPK及びPDの分析のために採取した。選択された時点を、PK、PD、細胞集団、及び血液学分析のために使用した。
【0410】
全ての血漿サンプルをヒトIL-2(PK読み出し)に対して分析し、市販のELISAキットを利用した。
【0411】
表10は、カニクイザルにおけるP65_30kD PKパラメータを示す。
【0412】
【0413】
単回IVボーラス投与後、Tmaxを投与後0.5hにて観察し(投与後最初に測定された時点)、平均の血漿濃度は投与後168hまで測定可能であった(最後の測定)。P65_30kDに対するt1/2及びAUCはそれぞれ13.6h及び121000hr*ng/mLであった。
【0414】
血液学パラメータ-カニクイザル研究番号:20157276
【0415】
血液パラメータに対して、評価時点は、-1日目、及び、投与後1、3、6、8、10、12、14、17、19、21日目に相当する。
【0416】
図12は絶対的な白血球数及び微分計数を示す。データは平均±SD(N=2動物/投与群)を表わす。
【0417】
白血球(WBC)部分母集団の分析は、WBC数における主要な増加が、P65_30kDの機構と一致しているリンパ球集団の拡張によるものであったことを明らかにした。好酸球の上昇はない。
【0418】
実施例6
表11は、本明細書に記載されるIL-2配列を説明する。
【0419】
【0420】
本発明の好ましい実施形態が本明細書中で示され且つ記載されてきたが、このような実施形態はほんの一例として提供されるものであることは、当業者に明らかであろう。多数の変形、変更、及び置き換えは、本発明から逸脱することなく、当業者によって現在想到されるものである。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代案が、本発明の実施において利用されるかもしれないことを理解されたい。以下の特許請求の範囲は本発明の範囲を定義するものであり、この特許請求の範囲及びその同等物の範囲内の方法及び構造は、それにより包含されることが、意図されている。
単離および修飾されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチドであって、修飾されたIL-2ポリペプチドとインターロイキン2受容体α(IL-2Rα)との間の結合を減少させるが、IL-2/IL-2Rβγ複合体を形成するためにインターロイキン2βγ受容体(IL-2Rβγ)シグナル伝達複合体との有意な結合を維持する、ポリペプチド上のある位置の少なくとも1つの非天然アミノ酸を含み、ここで、IL-2Rαへの結合の減少は、野生型のIL-2ポリペプチドとIL-2Rαとの間の結合と比較される、単離および修飾されたインターロイキン2(IL-2)ポリペプチド。