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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024105674
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】配線モジュール及び弾性止水部材
(51)【国際特許分類】
   H02G 15/04 20060101AFI20240730BHJP
   H02G 3/22 20060101ALI20240730BHJP
   H02G 1/14 20060101ALI20240730BHJP
   H02G 15/013 20060101ALI20240730BHJP
   H02G 3/04 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
H02G15/04
H02G3/22
H02G1/14
H02G15/013
H02G3/04 087
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024083220
(22)【出願日】2024-05-22
(62)【分割の表示】P 2020106246の分割
【原出願日】2020-06-19
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(74)【代理人】
【識別番号】100117662
【弁理士】
【氏名又は名称】竹下 明男
(74)【代理人】
【識別番号】100103229
【弁理士】
【氏名又は名称】福市 朋弘
(72)【発明者】
【氏名】小森 洋和
(57)【要約】
【課題】弾性止水部材を配線部材に容易に装着できるようにすることを目的とする。
【解決手段】配線部材20と、前記配線部材20のうちの長手方向の一部を収容可能な貫通収容部32が形成された弾性止水部材30と、を備え、前記弾性止水部材30は、第1分割止水部材36と第2分割止水部材38とを含み、前記第1分割止水部材36と前記第2分割止水部材38とは、前記貫通収容部32を縦割りするように、前記弾性止水部材30を分割した部材であり、前記配線部材20のうちの長手方向の一部が前記貫通収容部32内に収容された状態で、第1分割止水部材36と前記第2分割止水部材38とが合体した状態に保たれている、配線モジュール10である。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線部材と、
前記配線部材のうちの長手方向の一部を収容可能な貫通収容部が形成された弾性止水部材と、
を備え、
前記弾性止水部材は、第1分割止水部材と第2分割止水部材とを含み、
前記第1分割止水部材と前記第2分割止水部材とは、前記貫通収容部を縦割りするように、前記弾性止水部材を分割した部材であり、
前記配線部材のうちの長手方向の一部が前記貫通収容部内に収容された状態で、前記第1分割止水部材と前記第2分割止水部材とが合体した状態に保たれている、配線モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の配線モジュールであって、
前記第1分割止水部材及び前記第2分割止水部材の少なくとも1つは、前記貫通収容部が縦割りされた部分として、半円を超える周面部分を含む、配線モジュール。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の配線モジュールであって、
前記配線部材は、複数の線状配線部材と、前記複数の線状配線部材を覆う被覆部材とを含み、前記被覆部材の端部から前記複数の線状配線部材が延出しており、
前記貫通収容部は、前記被覆部材の端部を覆う被覆部材収容凹部と、前記被覆部材収容凹部と連続する複数の貫通部とを含み、
前記複数の貫通部は、前記複数の線状配線部材に対応して設けられ、
前記弾性止水部材は、前記被覆部材収容凹部から前記複数の貫通部に至る部分を分割するように、前記第1分割止水部材と前記第2分割止水部材とに分割されている、配線モジュール。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の配線モジュールであって、
前記配線部材は、線状配線部材と奥側線状配線部材とを含み、
前記貫通収容部は、前記線状配線部材のうちの長手方向の一部を収容可能な貫通部と、前記奥側線状配線部材のうちの長手方向の一部を収容可能な奥側貫通部とを含み、
前記奥側貫通部が前記第1分割止水部材に設けられるように、前記弾性止水部材が分割されており、
前記第1分割止水部材に、前記貫通部から前記奥側貫通部に至るスリットが形成されている、配線モジュール。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の配線モジュールであって、
互いに合体可能な第1外装部材と第2外装部材とを含む外装部材をさらに備え、
前記第1外装部材と前記第2外装部材とが合体した状態で、前記第1外装部材と前記第2外装部材との間に、前記第1分割止水部材と前記第2分割止水部材とが合体状態で収容されている、配線モジュール。
【請求項6】
請求項5に記載の配線モジュールであって、
前記第1外装部材が前記第1分割止水部材の分割面を露出させた状態で前記第1分割止水部材を保持している、配線モジュール。
【請求項7】
請求項6に記載の配線モジュールであって、
前記第2外装部材が前記第2分割止水部材の分割面を露出させた状態で前記第2分割止水部材を保持している、配線モジュール。
【請求項8】
請求項7に記載の配線モジュールであって、
前記第1分割止水部材と前記第1外装部材との一方に第1セット凸部が形成され、他方に前記第1セット凸部を第1姿勢で嵌込可能な第1セット凹部が形成され、
前記第2分割止水部材と前記第2外装部材との一方に第2セット凸部が形成され、他方に前記第2セット凸部を第2姿勢で嵌込可能な第2セット凹部が形成されている、配線モジュール。
【請求項9】
配線部材に装着される弾性止水部材であって、
前記配線部材のうちの長手方向の一部を収容可能な貫通収容部が形成され、
前記貫通収容部を縦割りするように、前記弾性止水部材が分割された第1分割止水部材と第2分割止水部材とを備える、弾性止水部材。
【請求項10】
請求項9に記載の弾性止水部材であって、
前記第1分割止水部材及び前記第2分割止水部材の少なくとも1つは、前記貫通収容部が縦割りされた部分として、半円を超える周面部分を含む、弾性止水部材。
【請求項11】
請求項9又は請求項10に記載の弾性止水部材であって、
前記貫通収容部は、一方側に開口する被覆部材収容凹部と、前記被覆部材収容凹部の奥側と連続する複数の貫通部とを含み、
前記被覆部材収容凹部から前記複数の貫通部に至る部分を分割するように、前記第1分割止水部材と前記第2分割止水部材とに分割されている、弾性止水部材。
【請求項12】
請求項9から請求項11のいずれか1項に記載の弾性止水部材であって、
前記貫通収容部は、前記配線部材における線状配線部材の長手方向の一部を収容可能な貫通部と、前記配線部材における前記線状配線部材とは別の線状配線部材の長手方向の一部を収容可能な奥側貫通部とを含み、
前記奥側貫通部が前記第1分割止水部材に設けられるように、前記弾性止水部材が分割されており、
前記第1分割止水部材に、前記貫通部から前記奥側貫通部に至るスリットが形成されている、弾性止水部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配線モジュール及び弾性止水部材に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、多芯ケーブルに適用されるゴム栓を開示している。ゴム栓は、多芯ケーブルにおけるシースの端部に外嵌されるシース外嵌部を有すると共に、シースの端部から導出された複数の電線のそれぞれが貫通される複数の貫通孔を有する電線貫通部とを有する構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-10303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されているように、多芯ケーブルを伝う水の侵入を抑制するため、電線がゴム栓の貫通孔に貫通する構成が採用される。
【0005】
ここにおいて、配線部材を、弾性止水部材の貫通孔に容易に貫通できるようにすることが望まれている。
【0006】
そこで、本開示は、弾性止水部材を配線部材に容易に装着できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の配線モジュールは、配線部材と、前記配線部材のうちの長手方向の一部を収容可能な貫通収容部が形成された弾性止水部材と、を備え、前記弾性止水部材は、第1分割止水部材と第2分割止水部材とを含み、前記第1分割止水部材と前記第2分割止水部材とは、前記貫通収容部を縦割りするように、前記弾性止水部材を分割した部材であり、前記配線部材のうちの長手方向の一部が前記貫通収容部内に収容された状態で、前記第1分割止水部材と前記第2分割止水部材とが合体した状態に保たれている、配線モジュールである。
【0008】
本開示の弾性止水部材は、配線部材に装着される弾性止水部材であって、前記配線部材のうちの長手方向の一部を収容可能な貫通収容部が形成され、前記貫通収容部を縦割りするように、前記弾性止水部材が分割された第1分割止水部材と第2分割止水部材とを備える、弾性止水部材である。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、弾性止水部材が配線部材に容易に装着される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は配線モジュールを示す斜視図である。
図2図2は配線モジュールを示す分解斜視図である。
図3図3は配線モジュールを示す分解斜視図である。
図4図4は弾性止水部材を示す平面図である。
図5図5は弾性止水部材を示す正面図である。
図6図6図5のVI-VI線断面図である。
図7図7図4のVII-VII線断面図である。
図8図8は配線モジュールの製造手順の一例を示すための斜視図である。
図9図9は第1変形例に係る弾性止水部材を示す斜視図である。
図10図10は弾性止水部材を示す底面図である。
図11図11は第2変形例に係る弾性止水部材を示す斜視図である。
図12図12は第3変形例に係る弾性止水部材を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
【0012】
本開示の配線モジュールは、次の通りである。
【0013】
(1)配線部材と、前記配線部材のうちの長手方向の一部を収容可能な貫通収容部が形成された弾性止水部材と、を備え、前記弾性止水部材は、第1分割止水部材と第2分割止水部材とを含み、前記第1分割止水部材と前記第2分割止水部材とは、前記貫通収容部を縦割りするように、前記弾性止水部材を分割した部材であり、前記配線部材のうちの長手方向の一部が前記貫通収容部内に収容された状態で、前記第1分割止水部材と前記第2分割止水部材とが合体した状態に保たれている、配線モジュールである。本開示によると、第1分割止水部材と第2分割止水部材とを分割した状態で、縦割りされた貫通収容部に配線部材のうちの長手方向の一部を収容することができる。この後、第1分割止水部材と第2分割止水部材とを合体することで、弾性止水部材を配線部材に容易に装着できる。
【0014】
(2)(1)の配線モジュールであって、前記第1分割止水部材及び前記第2分割止水部材の少なくとも1つは、前記貫通収容部が縦割りされた部分として、半円を超える周面部分を含んでもよい。これにより、配線部材に含まれる線状の配線部材等を、当該周面部分に仮保持させた状態で、第1分割止水部材と第2分割止水部材とを容易に合体させることができる。
【0015】
(3)(1)又は(2)の配線モジュールであって、前記配線部材は、複数の線状配線部材と、前記複数の線状配線部材を覆う被覆部材とを含み、前記被覆部材の端部から前記複数の線状配線部材が延出しており、前記貫通収容部は、前記被覆部材の端部を覆う被覆部材収容凹部と、前記被覆部材収容凹部と連続する複数の貫通部とを含み、前記複数の貫通部は、前記複数の線状配線部材に対応して設けられ、前記弾性止水部材は、前記被覆部材収容凹部から前記複数の貫通部に至る部分を分割するように、前記第1分割止水部材と前記第2分割止水部材とに分割されていてもよい。この場合、第1分割止水部材と第2分割止水部材とが分割された状態で、前記被覆部材収容凹部から前記複数の貫通部に至る部分が分割されている。このため、被覆部材の端部と、複数の線状配線部材のうちの被覆部材寄りの部分とが、被覆部材収容凹部及び複数の貫通部に容易に収容される。
【0016】
(4)(1)から(3)のいずれか1つの配線モジュールであって、前記配線部材は、線状配線部材と奥側線状配線部材とを含み、前記貫通収容部は、前記線状配線部材のうちの長手方向の一部を収容可能な貫通部と、前記奥側線状配線部材のうちの長手方向の一部を収容可能な奥側貫通部とを含み、前記奥側貫通部が前記第1分割止水部材に設けられるように、前記弾性止水部材が分割されており、前記第1分割止水部材に、前記貫通部から前記奥側貫通部に至るスリットが形成されていてもよい。これにより、第1分割止水部材と第2分割止水部材との分割部分より奥側にある奥側貫通部に、スリットを通じて奥側線状配線部材を配置することができる。
【0017】
(5)(1)から(4)のいずれか1つの配線モジュールであって、互いに合体可能な第1外装部材と第2外装部材とを含む外装部材をさらに備え、前記第1外装部材と前記第2外装部材とが合体した状態で、前記第1外装部材と前記第2外装部材との間に、前記第1分割止水部材と前記第2分割止水部材とが合体状態で収容されていてもよい。第1外装部材と第2外装部材とを合体させることで、第1分割止水部材と第2分割止水部材とが合体状態に保たれる。
【0018】
(6)(5)の配線モジュールであって、前記第1外装部材が前記第1分割止水部材の分割面を露出させた状態で前記第1分割止水部材を保持していてもよい。この場合、第1外装部材に保持された第1分割止水部材に配線部材を容易に仮保持することができる。
【0019】
(7)(6)の配線モジュールであって、前記第2外装部材が前記第2分割止水部材の分割面を露出させた状態で前記第2分割止水部材を保持していてもよい。この場合、第1外装部材と第2外装部材との合体により、第1分割止水部材と第2分割止水部材とを容易に合体させることができる。
【0020】
(8)(7)の配線モジュールであって、前記第1分割止水部材と前記第1外装部材との一方に第1セット凸部が形成され、他方に前記第1セット凸部を第1姿勢で嵌込可能な第1セット凹部が形成され、前記第2分割止水部材と前記第2外装部材との一方に第2セット凸部が形成され、他方に前記第2セット凸部を第2姿勢で嵌込可能な第2セット凹部が形成されていてもよい。この場合、第1外装部材に対して第1分割止水部材が所定の姿勢でセットされる。また、第2外装部材に対して第2分割止水部材が所定の姿勢でセットされる。このため、第1外装部材と第2外装部材とを正しい姿勢で合体させると、第1分割止水部材と第2分割止水部材とが正しい姿勢で合体する。
【0021】
また、本開示の弾性止水部材は次の通りである。
【0022】
(9)配線部材に装着される弾性止水部材であって、前記配線部材のうちの長手方向の一部を収容可能な貫通収容部が形成され、前記貫通収容部を縦割りするように、前記弾性止水部材が分割された第1分割止水部材と第2分割止水部材とを備える、弾性止水部材である。本開示によると、第1分割止水部材と第2分割止水部材とを分割した状態で、縦割りされた貫通収容部に配線部材のうちの長手方向の一部を収容することができる。この後、第1分割止水部材と第2分割止水部材とを合体することで、弾性止水部材を配線部材に容易に装着できる。
【0023】
(10)(9)の弾性止水部材であって、前記第1分割止水部材及び前記第2分割止水部材の少なくとも1つは、前記貫通収容部が縦割りされた部分として、半円を超える周面部分を含んでもよい。前記第1分割止水部材及び前記第2分割止水部材の少なくとも1つは、前記貫通収容部が縦割された部分として、半円を超える周面部分を含むため、配線部材に含まれる線状の配線部材を、当該周面部分に仮保持させた状態で、第1分割止水部材と第2分割止水部材とを容易に合体させることができる。
【0024】
(11)(9)又は(10)の弾性止水部材であって、前記貫通収容部は、一方側に開口する被覆部材収容凹部と、前記被覆部材収容凹部の奥側と連続する複数の貫通部とを含み、前記被覆部材収容凹部から前記複数の貫通部に至る部分を分割するように、前記第1分割止水部材と前記第2分割止水部材とに分割されていてもよい。第1分割止水部材と第2分割止水部材とを分割した状態で、前記被覆部材収容凹部から前記複数の貫通部に至る部分が分割されている。このため、被覆部材の端部と、複数の線状配線部材のうちの被覆部材寄りの部分とが、被覆部材収容凹部及び複数の貫通部に容易に収容される。
【0025】
(12)(9)から(11)のいずれか1つの弾性止水部材であって、前記貫通収容部は、前記配線部材における線状配線部材の長手方向の一部を収容可能な貫通部と、前記配線部材における前記線状配線部材とは別の線状配線部材の長手方向の一部を収容可能な奥側貫通部とを含み、前記奥側貫通部が前記第1分割止水部材に設けられるように、前記弾性止水部材が分割されており、前記第1分割止水部材に、前記貫通部から前記奥側貫通部に至るスリットが形成されていてもよい。貫通部から奥側貫通部に至るスリットが形成されている。このため、第1分割止水部材と第2分割止水部材との分割部分より奥側にある奥側貫通部に、奥側線状配線部材を配置することができる。
【0026】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の配線モジュール及び弾性止水部材の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0027】
[実施形態]
以下、実施形態に係る配線モジュール及び弾性止水部材について説明する。図1は配線モジュール10を示す斜視図である。図2及び図3は配線モジュール10を示す分解斜視図である。図2は第2外装部材62側からの斜視図であり、図3は第1外装部材52から見た斜視図である。各図において配線部材20の一部が示されている。
【0028】
配線モジュール10は、配線部材20と、弾性止水部材30とを備える。本実施形態では、配線モジュール10は、さらに外装部材50を備える。配線部材20が弾性止水部材30を貫通する。弾性止水部材30によって、配線部材20の周囲を伝った水の侵入が抑制される。弾性止水部材30が外装部材50内に収容される。これにより、配線部材20が弾性止水部材30を貫通した状態が保たれる。
【0029】
各部構成について説明する。
【0030】
配線部材20は、線状配線部材22を含む。配線部材20は、1つの線状配線部材22を含んでいてもよいし、複数の線状配線部材22を含んでいてもよい。本実施形態では、配線部材20が、複数(ここでは2つ)の線状配線部材22を含む例が説明される。配線部材20は、さらに、奥側線状配線部材23を含む。ここでは、配線部材20は、複数(ここでは2つ)の奥側線状配線部材23を含む例が説明される。配線部材20において、線状配線部材22及び奥側線状配線部材23が1つずつ設けられてもよい。奥側線状配線部材23が省略されてもよい。
【0031】
線状配線部材22及び奥側線状配線部材23は、電気を伝送する線状の媒体であり、例えば、芯線と、芯線の周囲を覆う被覆とを備える電線である。本実施形態では、線状配線部材22及び奥側線状配線部材23が一般的な電線である例で説明される。線状配線部材及び奥側線状配線部材は、複数の電線をシースで覆ったケーブルであってもよい。線状配線部材及び奥側線状配線部材は、編組等の電磁シールド層を有していてもよい。線状配線部材及び奥側線状配線部材は、内部導体の周囲を外部導体で覆い、その周囲をさらに、シースで覆った同軸ケーブルであってもよい。線状配線部材及び奥側線状配線部材は、信号線であってもよいし、電源線であってもよい。
【0032】
本実施形態では、複数の線状配線部材22は、互いに太さが異なる線状配線部材を含む。以下の説明において、説明の便宜上、太い方の線状配線部材22a、細い方の線状配線部材22bとして区別されることがある。複数の奥側線状配線部材23は、互いに太さが異なる奥側線状配線部材を含む。以下の説明において、説明の便宜上、太い方の奥側線状配線部材23a、細い方の奥側線状配線部材23bとして区別されることがある。なお、太い方の線状配線部材22aと太い方の奥側線状配線部材23aとは同じ太さである。また、細い方の線状配線部材22bと細い方の奥側線状配線部材23bとは同じ太さである。各線状配線部材及び各奥側線状配線部材の太さは任意である。
【0033】
配線部材20は、複数の線状配線部材22の延在方向の一部を覆う被覆部材24を含む。被覆部材24は、さらに、複数の奥側線状配線部材23の延在方向の一部を覆う。被覆部材24は、例えば、線状配線部材22及び奥側線状配線部材23の周囲に軟化溶融した樹脂を押出被覆等することによって形成されるシースである。被覆部材24は、線状配線部材22及び奥側線状配線部材23における延在方向の一部を部分的に覆うものであればよい。例えば、被覆部材24は、線状配線部材22及び奥側線状配線部材23に対して重なった状態で螺旋巻された粘着テープであってもよい。被覆部材24は、線状配線部材22及び奥側線状配線部材23に外装されたコルゲートチューブ、樹脂チューブ、樹脂シート等であってもよい。線状配線部材22及び奥側線状配線部材23のうち被覆部材24によって覆われた部分は、当該被覆部材24によって束ねられた状態に保たれている。
【0034】
被覆部材24の端部から複数の線状配線部材22が延出している。被覆部材24の端部から奥側線状配線部材23も延出している。本実施形態では、被覆部材24の端部から2つの線状配線部材22a、22bが延出すると共に、2つの奥側線状配線部材23a、23bが延出している。
【0035】
図4は弾性止水部材30を示す平面図である。図5は弾性止水部材30を示す正面図である。図6図5のVI-VI線断面図である。図7図4のVII-VII線断面図である。図8は配線モジュール10の製造手順の一例を示すための斜視図である。図5では合体前の第1分割止水部材36及び第2分割止水部材38の概形が2点鎖線で示される。図6では外装部材50が2点鎖線で示される。図7では、貫通収容部32内に収容された配線部材20の断面が図示され、外装部材50が2点鎖線で示される。
【0036】
弾性止水部材30の全体構成を説明する。図1から図8に示すように、弾性止水部材30は、シリコーンゴム等の弾性材料によって形成されている。本実施形態では、弾性止水部材30は、円柱状に形成されている。より具体的には、弾性止水部材30は、円柱状部分30aと、延長部分30bとを含む。円柱状部分30aに対して線状配線部材22及び奥側線状配線部材23が延出する側の部分に延長部分30bが形成されている。延長部分30bは、円柱状部分30aよりも細い。ここでは、円柱状部分30aの横断面(その軸に対して直交する面における断面)は円形状に形成される。延長部分30bの横断面は2つの長円形状部分が積重なるように連なった形状に形成されている。延長部分30bの外周面を規定する1つの長円形状部分は、他の1つの長円形状部分よりも大きい。弾性止水部材30は、その他、楕円柱状、角筒状に形成されていてもよい。弾性止水部材30に、貫通収容部32が形成されている(図6参照)。貫通収容部32は、弾性止水部材30の軸方向に沿って貫通している。貫通収容部32は、配線部材20のうちの長手方向の一部を収容可能に形成されている。
【0037】
本実施形態では、配線部材20のうち被覆部材24の端部24aと、線状配線部材22及び奥側線状配線部材23のうち被覆部材24の端部24aから延出する部分とが、弾性止水部材30に収容される。
【0038】
より具体的には、貫通収容部32は、被覆部材収容凹部33と、複数の貫通部34とを含む。本実施形態では、貫通収容部32は、複数の奥側貫通部35を含む。
【0039】
被覆部材収容凹部33は、被覆部材24の端部24aを覆う形状に形成されている。より具体的には、被覆部材収容凹部33は、弾性止水部材30の軸方向一端部から凹む円柱状の空間に形成されている。被覆部材収容凹部33の内周部には、内周側に向けて突出する環状突部33pが形成されている(図6参照)。環状突部33pは、リップと呼ばれることもある部分である。環状突部33pの内径は、被覆部材24の外径よりも小さく形成されている。ここで、環状突部33pは、被覆部材収容凹部33の軸方向に分散するように複数(3つ)形成されている。
【0040】
配線部材20のうち被覆部材24の端部24aの部分が被覆部材収容凹部33内に収容されると、環状突部33pの先端部が、弾性変形しつつ当該端部24aの周囲に密着する。これにより、被覆部材24の外周を水が伝うことが抑制される。
【0041】
複数の貫通部34は、被覆部材収容凹部33と連続して設けられた貫通孔である。ここでは、複数の貫通部34は、被覆部材収容凹部33の底から弾性止水部材30の他端部に向けて貫通する孔である。複数の貫通部34は、複数の線状配線部材22に対応して設けられる。ここでは、複数の貫通部34は、2つの線状配線部材22に対応して並列状態で2つ設けられる。以下の説明において、太い方の線状配線部材22aに対応するものを貫通部34a、細い方の線状配線部材22bに対応するものを貫通部34bとして符号によって区別する場合がある。貫通部34aは、貫通部34bよりも大きい。
【0042】
貫通部34aの内周部には、内周側に向けて突出する環状突部34apが形成されている(図6参照)。環状突部34apは、リップと呼ばれることもある部分である。環状突部34apの内径は、線状配線部材22aの外径よりも小さく形成されている。ここで、環状突部34apは、貫通部34aの軸方向に分散するように複数形成されている。線状配線部材22aのうち被覆部材24側の部分が貫通部34a内に収容されると、環状突部34apの先端部が弾性変形した状態で当該線状配線部材22aの周囲に密着する。これにより、線状配線部材22aの外周を水が伝うことが抑制される。
【0043】
同様に、貫通部34bの内周部には、内周側に向けて突出する環状突部34bpが形成されている(図6参照)。環状突部34bpは、リップと呼ばれることもある部分である。環状突部34bpの内径は、線状配線部材22bの外径よりも小さく形成されている。ここで、環状突部34bpは、貫通部34bの軸方向に分散するように複数形成されている。線状配線部材22bのうち被覆部材24側の部分が貫通部34b内に収容されると、環状突部34bpの先端部が弾性変形した状態で、当該線状配線部材22bの周囲に密着する。これにより、線状配線部材22bの外周を水が伝うことが抑制される。
【0044】
奥側貫通部35は、被覆部材収容凹部33と連続して設けられた貫通孔である。ここでは、複数(2つ)の奥側貫通部35は、被覆部材収容凹部33の底から弾性止水部材30の他端部に向けて貫通する孔である。複数の奥側貫通部35は、複数の奥側線状配線部材23に対応して設けられる。ここでは、複数の奥側貫通部35は、2つの奥側線状配線部材23に対応して2つ並列状に設けられる。以下の説明において、太い方の奥側線状配線部材23aに対応するものを奥側貫通部35a、細い方の奥側線状配線部材23bに対応するものを奥側貫通部35bという場合がある。奥側貫通部35aは、奥側貫通部35bよりも大きい。
【0045】
奥側貫通部35aは、上記貫通部34aと同様形状である。奥側貫通部35bは、上記貫通部34bと同様形状である。太い方の奥側貫通部35aは、同じく太い方の貫通部34aの隣に設けられる。細い方の奥側貫通部35bは、同じく細い方の貫通部34bの隣に設けられる。このため、太い方の貫通部34a及び太い方の奥側貫通部35aが弾性止水部材30の一側に偏って設けられ、細い方の貫通部34b及び細い方の奥側貫通部35bが弾性止水部材30の他側に偏って設けられる。
【0046】
被覆部材24の端部24aが被覆部材収容凹部33に収容された状態で、太い方の線状配線部材22a及び太い方の奥側線状配線部材23aが上記貫通部34a及び奥側貫通部35aに貫通した状態で収容される。また、細い方の線状配線部材22b及び細い方の奥側線状配線部材23bが貫通部34b及び奥側貫通部35bに貫通した状態で収容される。この状態で、被覆部材24の端部24a、線状配線部材22及び奥側線状配線部材23のうち被覆部材24寄りの部分が弾性止水部材30によって止水される。このため、配線部材20を伝った水の侵入が抑制される。また、被覆部材24の端部24aの開口は、被覆部材24の端部24aの止水箇所(特に被覆部材収容凹部33による止水箇所)と、線状配線部材22及び奥側線状配線部材23のうち被覆部材24寄りの部分の止水箇所(特に、貫通部34a、34b及び奥側貫通部35a、35b等による止水箇所)とに対して内側に位置する。このため、被覆部材24の端部24aの開口からの水の侵入も抑制される。
【0047】
上記弾性止水部材30は、第1分割止水部材36と、第2分割止水部材38とを含む。第1分割止水部材36と第2分割止水部材38とは、貫通収容部32を縦割りするように、弾性止水部材30を分割した部材である。ここで、貫通収容部32を縦割りするようにとは、貫通収容部32を形成する周面がその一端側開口から他端側開口に向うラインに沿って分割されることをいう。貫通収容部32を形成する周面を分割するラインは、直線であってもよいし、途中で曲っていてもよい。
【0048】
ここでは、弾性止水部材30は、被覆部材収容凹部33から複数の貫通部34a、34bに至る部分を分割するように、第1分割止水部材36と第2分割止水部材38とに分割されている。また、奥側貫通部35a、35bが第1分割止水部材36側に設けられるように、弾性止水部材30が分割されている。より具体的には、第1分割止水部材36と第2分割止水部材38とを分断する分割面(境界面)45は、中央分断面46と外周部分断面47とを含む(図5図7等参照)。中央分断面46は、弾性止水部材30のうち中央寄りの部分を分断する。外周部分断面47は、中央分断面46の両側外側に連なり、弾性止水部材30のうち外周寄りの部分を分断する。
【0049】
中央分断面46は、貫通収容部32を縦割りするように、弾性止水部材30の中央寄りの部分を分断している。より具体的には、中央分断面46は、第1中央分断面46aと第2中央分断面46bとを含む(図8参照)。
【0050】
第1中央分断面46aは、弾性止水部材30のうち被覆部材収容凹部33が形成された部分を分断する。ここでは、第1中央分断面46aは、被覆部材収容凹部33をその軸方向に沿った面で2等分する面から偏った位置に設定される。ここでは、第1中央分断面46aは、被覆部材収容凹部33の中心軸よりも奥側貫通部35a、35bから離れる位置に沿って設定されている。これにより、第1分割止水部材36に、貫通収容部32のうちの被覆部材収容凹部33が縦割りされた部分として、半円を越える周面部分33fが形成される(図8参照)。なお、第1中央分断面46aが上記とは反対側に偏っており、第2分割止水部材38に、半円を越える周面部分が形成されていてもよい。
【0051】
第2中央分断面46bは、弾性止水部材30のうち貫通部34a、34bが形成された部分を分断する。ここでは、第2中央分断面46bは、並列状に延びる貫通部34a、34bの一方から他方に至るように形成される。第2中央分断面46bは、貫通部34a、34bをそれぞれの軸方向に沿った面で2等分する面から偏った位置に設定される。ここでは、第2中央分断面46bは、貫通部34a、34bの中心軸よりも奥側貫通部35a、35bから離れる位置に沿って設定されている。これにより、第1分割止水部材36に、貫通収容部32のうちの貫通部34a、34bが縦割りされた部分として、半円を越える周面部分34af、34bfが形成される(図5及び図8参照)。周面部分34af、34bfは、上記周面部分33fに連続しつつ分岐するように形成される。
【0052】
中央分断面46は、弾性止水部材30の中心軸に対して奥側貫通部35aとは反対側に偏って設定される。これに対し、外周部分断面47は、弾性止水部材30の中心軸に沿って弾性止水部材30を2等分するような面に沿って設定される。このため、第1分割止水部材36には、その幅方向中央で突出する突部36aが形成され(図5参照)、第2分割止水部材38には、その幅方向中央で凹む凹部38aが形成される。突部36aは、突出方向に向けて徐々に幅狭になり、凹部38aは奥側に向けて徐々に幅狭になる形状に形成される。第1分割止水部材36と第2分割止水部材38とが合体する際、突部36aが凹部38aにガイドされつつ嵌り込んで、第1分割止水部材36と第2分割止水部材38との位置ずれが抑制される。
【0053】
第1分割止水部材36において、貫通部34a、34bの一部である周面部分34af、34bfよりも奥側に、奥側貫通部35a、35bが設けられる。この第1分割止水部材36に、周面部分34af、34bfから奥側貫通部35a、35bに至るスリット39a、39bが形成されている。ここでは、貫通部34aの一部である周面部分34afから奥側貫通部35aに向いかつ弾性止水部材30の軸方向と平行な方向に沿うスリット39aが形成されている。また、貫通部34bの一部である周面部分34bfから奥側貫通部35bに向いかつ弾性止水部材30の軸方向と平行な方向に沿うスリット39bが形成されている。
【0054】
そして、第1分割止水部材36に対して第2分割止水部材38が合体する前の状態で、被覆部材24の端部24aが第1分割止水部材36のうち被覆部材収容凹部33の一部である周面部分33f内に収容される。周面部分33fは分割面45側に開口しているので、当該開口を通じて被覆部材24の端部24aが周面部分33f内に容易に押込まれる。周面部分33fは、半円を越える形状に形成されているため、その分割面45側の開口幅は、被覆部材24の直径よりも小さい。このため、被覆部材24の端部24aが周面部分33f内に収容された状態で、被覆部材24の端部24aが周面部分33fから脱し難い。
【0055】
また、太い方の奥側線状配線部材23aが、貫通部34aの一部である周面部分34afからスリット39aを介して奥側貫通部35a内に収容される。同様に、細い方の奥側線状配線部材23bが、貫通部34bの一部である周面部分34bfからスリット39bを介して奥側貫通部35b内に収容される。
【0056】
また、太い方の線状配線部材22aが、貫通部34aの1部である周面部分34af内に収容される。周面部分34afは分割面45側に開口しているので、当該開口を通じて太い方の線状配線部材22aが周面部分34af内に容易に押込まれる。周面部分34afは、半円を越える形状に形成されているため、その分割面45側の開口幅は、太い方の線状配線部材22aの直径よりも小さい。このため、太い方の線状配線部材22aが周面部分34af内に収容された状態で、太い方の線状配線部材22aが周面部分34afから脱し難い。
【0057】
同様に、細い方の線状配線部材22bが、貫通部34bの1部である周面部分34bf内に収容される。周面部分34bfは分割面45側に開口しているので、当該開口を通じて細い方の線状配線部材22bが周面部分34bf内に容易に押込まれる。周面部分34bfは、半円を越える形状に形成されているため、その分割面45側の開口幅は、細い方の線状配線部材22bの直径よりも小さい。このため、細い方の線状配線部材22bが周面部分34bf内に収容された状態で、細い方の線状配線部材22bが周面部分34bfから脱し難い。
【0058】
弾性止水部材30の外周部に、第1外側環状突部42と、第2外側環状突部43とが形成されている。第1外側環状突部42は、弾性止水部材30の外周部のうち被覆部材収容凹部33の外側部分に形成される。弾性止水部材30の軸方向において、第1外側環状突部42と環状突部33pとは少なくとも部分的に重複して設けられることが好ましい。第1外側環状突部42は、弾性止水部材30のうち円柱状部分30aの外周側部分にその周方向に沿って突出する環状形状に形成される。ここでは、第1外側環状突部42は複数形成されている。第2外側環状突部43は、弾性止水部材30の外周部のうち貫通部34a、34b及び奥側貫通部35a、35bの外周側部分に形成される。弾性止水部材30の軸方向において、第2外側環状突部43と環状突部34ap、34bpとは少なくとも部分的に重複して設けられることが好ましい。第2外側環状突部43は、弾性止水部材30のうち円柱状部分30aの外周部にその周方向に沿って突出する環状形状に形成される。ここでは、第2外側環状突部43が複数形成されている。
【0059】
第1分割止水部材36に第1セット凸部48が形成されている。第1セット凸部48は、第1分割止水部材36のうち分割面45とは反対側の部分に突設されている。第1セット凸部48は、基部48aと、頭部48bとを含む。基部48aは、第1分割止水部材36の外周部から突出している。頭部48bは、基部48aの先端部から基部48aの外周側に突出している。頭部48bは、円ではない形状、例えば、長円形状に形成される。この頭部48bは、外装部材50における第1セット凹部57に嵌め込まれる。
【0060】
第2分割止水部材38に第2セット凸部49が形成されている。第2セット凸部49は、第2分割止水部材38のうち分割面45とは反対側の部分に突設されている。第2セット凸部49は、基部49aと、頭部49bとを含む。基部49aは、第2分割止水部材38の外周部から突出している。頭部49bは、基部49aの先端部から基部49aの外周側に突出している。この頭部49bは、外装部材50における第2セット凹部67に嵌め込まれる。ここでは、第1セット凸部48と第2セット凸部49とは同じ形状である。第1セット凸部48と第2セット凸部49とは異なる形状であってもよい。
【0061】
上記のように配線部材20のうちの長手方向の一部が第1分割止水部材36における奥側貫通部35a、35b、貫通部34a、34bの周面部分34af、34bf及び被覆部材収容凹部33の周面部分33fに収容された状態で、第1分割止水部材36と第2分割止水部材38とが合体する。このように、配線部材20のうちの長手方向の一部が貫通収容部32内に収容された状態で、第1分割止水部材36と第2分割止水部材38とが合体状態に保たれる。本実施形態では、外装部材50によって合体状態が保たれる。
【0062】
外装部材50は、弾性止水部材30の周りを覆って、第1分割止水部材36と第2分割止水部材38とを合体状態に保つ役割を果すことができる部材である。本実施形態では、外装部材50は、互いに合体可能な第1外装部材52と、第2外装部材62とを含む。第1外装部材52と第2外装部材62とが合体した状態で、それらの間に弾性止水部材30が収容される。第1外装部材52と第2外装部材62とを合体状態に保とうとする力が、弾性止水部材30を圧縮し、これにより、第1分割止水部材36と第2分割止水部材38とが合体状態に保たれる。
【0063】
より具体的には、第1外装部材52と第2外装部材62とは、それぞれ樹脂等によって形成された部材である。
【0064】
第1外装部材52は、底板部53と、一対の側壁部54とを含む。底板部53は、方形板状に形成されている。底板部53の両側部に一対の側壁部54が立設されている。側壁部54の外面に合体用突部54pが形成されている。合体用突部54pは、側壁部54の先端側に向けて徐々に突出寸法が小さくなる形状に形成されている。合体用突部54pの両側方外側にガイド突部54qが形成されている。ガイド突部54qは、側壁部54の基端側から先端側に向う細長い突部形状に形成されている。
【0065】
底板部53の長手方向中間部に、半円周面状の止水部材分割保持面55fが形成されている。止水部材分割保持面55f内に、第1分割止水部材36のうち円柱状部分30aに対応する部分が収容される。
【0066】
止水部材分割保持面55fの一端部に第1位置決め部55aが設けられる。第1位置決め部55aは、止水部材分割保持面55fの内周面よりも内側に突出するU字状に形成される。第1位置決め部55a内には、被覆部材24を配置可能な凹部が形成されている。底板部53の一端部に、被覆部材24を収容可能な半筒状保持部56aが形成されている。半筒状保持部56aは、第1位置決め部55aの外側に位置している。半筒状保持部56aの内周面には、その周方向に沿った突部が形成されている。弾性止水部材30(又は第1分割止水部材36)から延出する配線部材20のうち被覆部材24の部分が、第1位置決め部55aを通って半筒状保持部56a内に保持される。
【0067】
止水部材分割保持面55fの他端部に第2位置決め部55bが設けられる。第2位置決め部55bは、止水部材分割保持面55fの内周面よりも内側に突出するU字状に形成される。第2位置決め部55b内には、第1分割止水部材36のうち延長部分30bに対応する部分を配置可能な凹部が形成されている。底板部53のうち第2位置決め部55bの外側部分に、第2位置決め部55bの幅方向中間の位置を通る仕切部55cが突設される。弾性止水部材30(又は第1分割止水部材36)から延出する線状配線部材22及び奥側線状配線部材23のうち太い方の線状配線部材22a及び太い方の奥側線状配線部材23aと、細い方の線状配線部材22b及び細い方の奥側線状配線部材23bとが、仕切部55cによって仕切られつつ外方に延出する。
【0068】
底板部53のうち止水部材分割保持面55fに、第1セット凹部57が形成されている。第1セット凹部57は、上記第1セット凸部48を嵌込可能な形状に形成されている。ここでは、第1セット凹部57は、第1セット凸部48に応じた長円形状に形成されている。第1セット凹部57は、止水部材分割保持面55fから見て凹んでいればよく、有底の穴であってもよいし、貫通する孔であってもよい。ここでは、第1セット凹部57は、止水部材分割保持面55fから外側に向けて貫通する孔である。第1分割止水部材36が第1外装部材52から容易に外れてしまわないように、第1セット凸部48は第1セット凹部57に対して圧入される構成であることが好ましい。
【0069】
第1分割止水部材36は、その第1セット凸部48が第1セット凹部57に嵌め込まれた状態で、上記止水部材分割保持面55fにセットされる。この状態では、第1分割止水部材36のうち円柱状部分30aに対応する半円柱状部分が止水部材分割保持面55fに内に収容される。この状態で、第1分割止水部材36の一端面が第1位置決め部55aに接触した状態になる。また、第1分割止水部材36のうちの延長部分30bに対応する部分が第2位置決め部55b内に収容され、第1分割止水部材36のうち円柱状部分30aと延長部分30bとの境界に対応する部分の外向き段部が、第2位置決め部55bに接触した状態となる。これにより、第1外装部材52に対して第1分割止水部材36がその軸方向において位置決めされる。分割面45は、第1分割止水部材36のうち第1セット凸部48とは反対側の部分に形成されている。このため、第1分割止水部材36のうち分割面45は、底板部53とは反対側で外部に露出した状態とされる。このようにして、第1外装部材52は、分割面45を露出させた状態で、第1分割止水部材36を保持することができる。
【0070】
第2外装部材62は、天井板部63と、一対の側壁部64とを含む。天井板部63は、上記底板部53と同様の方形板状に形成されている。天井板部63の両側部から一対の側壁部64が突出している。側壁部64の外面に合体用凹部64paが形成されている。ここでは、側壁部64の外面からその先端側に向けて合体用延長片64pが形成されている。合体用延長片64pの先端部に、上記合体用突部54pを配置可能な合体用凹部64paが形成されている。第1外装部材52上に第2外装部材62が重ねられた状態で、一対の側壁部54の先端縁と一対の側壁部64の先端縁とが対向配置される。なお、一対の側壁部64の先端部の重なり片が、一対の側壁部54の先端縁の外側に被さる。この状態で、合体用延長片64pの先端部が合体用突部54pを乗越えて、合体用突部54pが合体用凹部64pa内に入り込んだ状態となる。これにより、合体用突部54pが合体用凹部64paに抜け止状態に引っ掛かり、第1外装部材52と第2外装部材62との合体状態が維持される。
【0071】
天井板部63の長手方向中間部に、半円周面状の止水部材分割保持面65fが形成されている。止水部材分割保持面65f内に、第2分割止水部材38のうち円柱状部分30aに対応する部分が収容される。上記止水部材分割保持面55fと止水部材分割保持面65fとで形成される円柱状空間内に、弾性止水部材30の円柱状部分30aが収容される。
【0072】
第1外装部材52と第2外装部材62との合体状態で、止水部材分割保持面55fの奥部分と止水部材分割保持面65fの奥部分との距離は、円柱状部分30aにおける第1外側環状突部42及び第2外側環状突部43の直径よりも小さい。また、止水部材分割保持面55f、65fの曲率半径は、円柱状部分30aにおける第1外側環状突部42及び第2外側環状突部43の半径よりも小さい。このため、第1外側環状突部42と第2外装部材62とが合体した状態で、円柱状部分30aのうち第1外側環状突部42及び第2外側環状突部43に収縮力が作用する。この収縮力は、第1分割止水部材36及び第2分割止水部材38を合体方向に締付ける力として、弾性止水部材30に作用する。
【0073】
止水部材分割保持面65fの一端部に第1位置決め部65aが設けられる。第1位置決め部65aは、止水部材分割保持面65fの内周面よりも内側に突出する弧状に形成される。第1位置決め部65aが第2分割止水部材38の一端面の環状領域に接触して、第2分割止水部材38の位置決めを行う。天井板部63の一端部に、半筒状保持部56aと同様構成の半筒状保持部66aが形成されている。第1外装部材52と第2外装部材62とが合体した状態で、半筒状保持部56a、66aが被覆部材24を挟込んで保持する。
【0074】
止水部材分割保持面65fの他端部に仕切壁部65bが設けられる。仕切壁部65bには、上記第2位置決め部55b及び延長部分30bを配置可能な凹部が形成されている。第1外装部材52と第2外装部材62とが合体した状態で、第2位置決め部55b及び延長部分30bが仕切壁部65bの凹部内に配置される。この状態で、仕切壁部65bが外装部材50の内外空間を仕切る。仕切壁部65bは、止水部材分割保持面65fから突出している。
【0075】
天井板部63のうち止水部材分割保持面65fに、第2セット凹部67が形成されている。第1セット凸部48に対する第1セット凹部57の関係と同様に、第2セット凹部67は、上記第2セット凸部49を嵌込可能な形状に形成されている。
【0076】
第2分割止水部材38は、その第2セット凸部49が第2セット凹部67に嵌め込まれた状態で、上記止水部材分割保持面65fにセットされる。この状態では、第2分割止水部材38のうち円柱状部分30aに対応する半円柱状部分が止水部材分割保持面65fに内に収容される。この状態で、第2分割止水部材38の一端面が第1位置決め部65aに接触した状態になる。また、第2分割止水部材38のうちの延長部分30bに対応する部分が仕切壁部65bに収容され、第2分割止水部材38のうち円柱状部分30aと延長部分30bとの境界に対応する部分の外向き段部が、仕切壁部65bに接触した状態となる。これにより、第2外装部材62に対して第2分割止水部材38がその軸方向において位置決めされる。分割面45は、第2分割止水部材38のうち第2セット凸部49とは反対側の部分に形成されている。このため、第2分割止水部材38のうち分割面45は、天井板部63とは反対側で外部に露出した状態とされる。このようにして、第2外装部材62は、分割面45を露出させた状態で、第2分割止水部材38を保持することができる。
【0077】
このように構成された配線モジュール10の製造方法例について説明する。
【0078】
被覆部材24の端部から線状配線部材22及び奥側線状配線部材23が延出した配線部材20を準備する。
【0079】
第1セット凸部48を第1セット凹部57に嵌め込むようにして、第1分割止水部材36を第1外装部材52にセットする。この状態では、図8に示すように、第1分割止水部材36のうち分割面45が底板部53に対して反対側を向いている。このため、分割面45における貫通収容部32のスリット状開口が底板部53とは反対側に露出している。
【0080】
上記状態で、被覆部材24の端部24aが周面部分33fに押込まれて、当該周面部分33fに収容される(図8の矢符P1参照)。また、奥側線状配線部材23a、23bが、周面部分34af、34bfに押込まれ(図8の矢符P2、P3参照)、その奥のスリット39a、39bを経て、奥側貫通部35a、35b内に収容される。この後、線状配線部材22a、22bが、周面部分34af、34bfに押込まれ、当該周面部分34af、34bf内に収容される。これにより、配線部材20の一部が貫通収容部32のうち第1分割止水部材36に形成された部分に収容された状態となる。この状態で、周面部分33f、34af、34bfは、半円を越える形状に形成されているため、配線部材20が第1分割止水部材36から脱し難い。
【0081】
上記とは別に、第2セット凸部49を第2セット凹部67に嵌め込むようにして、第2分割止水部材38を第2外装部材62にセットする。この状態では、第2分割止水部材38のうち分割面45が天井板部63に対して反対側を向いている。
【0082】
この後、第1外装部材52及び第1分割止水部材36上に、第2外装部材62及び第2分割止水部材38が被せられ(図8の矢符P4参照)、合体用突部54pが合体用凹部64paに抜け止状態に引っ掛った状態とされる。これにより、第1外装部材52と第2外装部材62とが合体状態に保たれる。すると、止水部材分割保持面55f、65f内に円柱状部分30aが圧縮され、第1分割止水部材36と第2分割止水部材38とが合体した状態に保たれる。
【0083】
このように構成された配線モジュール10は、例えば、ABS(アンチロックブレーキシステム)用の配線等、車両における足回りの用配線として用いられ得る。かかる配線では、車体外において、被水する環境下で用いられる可能性があるため、上記のように止水性を高めることが有効である。
【0084】
以上のように構成された配線モジュール10及び弾性止水部材30によると、第1分割止水部材36と第2分割止水部材38とが分割した状態で、縦割りするように分割された貫通収容部32に配線部材20のうちの長手方向の一部を収容することができる。この後、第1分割止水部材36と第2分割止水部材38とが合体することで、弾性止水部材30が配線部材20に容易に装着される。このため、配線部材を貫通孔にその軸方向に沿って挿入する作業等が不要となり、弾性止水部材30が配線部材20に容易に装着される。
【0085】
また、第1分割止水部材36及び第2分割止水部材38の少なくとも一方は、貫通収容部32が縦割された部分として、半円を越える周面部分33f、34af、34bfを含む。このため、配線部材20に含まれる被覆部材24の端部24a、線状配線部材22a、22b等が周面部分33f、34af、34bfに容易に仮保持される。この状態で、第1分割止水部材36と第2分割止水部材38との合体作業を行うことができる。このため、合体作業途中に、配線部材20が第1分割止水部材36又は第2分割止水部材38から外れ難くなり、合体作業が容易に行われる。なお、第1分割止水部材及び第2分割止水部材の両方に、別々の貫通部に関して半円を越える周面部分が形成されていてもよい。
【0086】
また、弾性止水部材30には被覆部材収容凹部33と複数の貫通部34a、34bとが形成されている。弾性止水部材30は、被覆部材収容凹部33から複数の貫通部34a、34bに至る部分を分割するように、第1分割止水部材36と第2分割止水部材38とに分割されている。このため、被覆部材24から複数の線状配線部材22a、22bが延出する構成においても、第1分割止水部材36と第2分割止水部材38との分割構造を利用して、被覆部材24の端部24aを被覆部材収容凹部33内に収容し、線状配線部材22a、22bを貫通部34a、34bに収容することができる。これにより、被覆部材24の端部24a及び複数の線状配線部材22a、22bのそれぞれについて、個別に止水が可能となる。この場合、被覆部材24の端部24aの開口を通じた水の侵入が有効に抑制される。
【0087】
また、貫通部34a、34bから奥側貫通部35a、35bに至るスリット39a、39bが形成されている。このため、分割面45よりも奥側にある奥側貫通部35a、35bに、奥側線状配線部材23a、23bを配置することができる。これにより、多数の貫通部の全てを通過するように分割面を形成しなくても、多数の線状の配線部材22a、22b、23a、23bを個別に止水することができる。また、奥側貫通部35a、35bについては、直接弾性止水部材30の外部に至るスリットが形成されないため、止水性を高めることができる。
【0088】
また、弾性止水部材30を第1外装部材52と第2外装部材62との間に収容してそれらを合体すれば、第1分割止水部材36と第2分割止水部材38とが合体状態に保たれるので、配線モジュール10の製造が容易となる。
【0089】
また、第1分割止水部材36は分割面45を露出させた状態で第1外装部材52にセットされるので、当該第1外装部材52に保持された第1分割止水部材36に配線部材20を容易に仮保持することができる。すなわち、次に述べる複数の要因のうちの少なくとも1つによって第1分割止水部材36を掴み難いことが考えられる。例えば、第1分割止水部材36が掴み難いほどに小さい場合である。また、第1分割止水部材36がシリコーンゴム等の滑りやすい材料で形成されている場合である。このような場合において第1分割止水部材36を第1外装部材52と共に掴んだ状態で、配線部材20の長手方向の一部を、周面部分33f、34af、34bfに押込んで第1分割止水部材36に仮保持することができる。これにより、弾性止水部材30が配線部材20に容易に装着される。
【0090】
また、第2分割止水部材38が第2外装部材62にセットされれば、第1外装部材52と第2外装部材62との合体によって、第1分割止水部材36と第2分割止水部材38とを容易に合体させることができる。
【0091】
[変形例]
図9は第1変形例に係る弾性止水部材130を示す斜視図である。図10は弾性止水部材130を示す底面図である。図10において第1外装部材152の概形が2点鎖線で示される。
【0092】
この弾性止水部材130が弾性止水部材30と異なる点は、第1セット凸部48に代えて第1セット凸部148を備え、第2セット凸部49に代えて、第2セット凸部149を備える点である。
【0093】
第1セット凸部148は、基部148aと、頭部148bとを含む。基部148aは、弾性止水部材130において第1分割止水部材36に対応する第1分割止水部材136の外周部から突出している。頭部148bは、基部148aの先端部から基部148aの外周側に突出している。頭部148bは、弾性止水部材130の外側から観察して回転対称性を有しない形状に形成される。ここでは、頭部148bは、弾性止水部材130の外側から観察して、縦棒部分の一端部に横棒部分が連なるT字状をなすように形成されている。縦棒部分は弾性止水部材30の軸方向と平行に延びている。横棒部分は、縦棒部分に対して貫通部34a、34b寄りの端部から弾性止水部材30の幅方向(弾性止水部材130の軸方向と、第1セット凸部148と第2セット凸部149とを結ぶ方向との両方に対して直交する方向)に延びている。
【0094】
第1外装部材52に対応する第1外装部材152には、第1セット凹部57に代えて第1セット凹部157が形成される。第1セット凹部157は、第1セット凸部148を1つの第1姿勢でのみ嵌込可能な形状に形成されている。ここでは、第1セット凹部157は、上記第1セット凸部148と同様に縦長凹部分の一端部に横長凹部分が連なるT字状をなすように形成されている。縦長凹部分は第1外装部材152における縦軸方向(半筒状保持部56aの軸方向、図2参照)と平行に延びる。横長凹部分は、縦長凹部分に対して第1位置決め部55a(図2参照)寄りの端部から、第1外装部材152における幅方向(半筒状保持部56aの幅方向)と平行に延びる。第1セット凹部157は、上記第1セット凸部148と同形状及び同じ大きさに形成されていてもよいし、第1セット凸部148を圧入可能な範囲で第1セット凸部148よりも小さい形状に形成されていてもよい。
【0095】
第2セット凸部149も、上記第1セット凸部148と同様に、弾性止水部材130において第2分割止水部材38に対応する第2分割止水部材138の外周部から突出している。第2セット凸部149は、基部148aに対応する基部149a及び頭部148bに対応する頭部149bを有する形状に形成される。また、第2外装部材62には、第2セット凹部67に代えて第2セット凹部167が形成される。頭部149bは上記頭部148bと同様形状に形成され、第2セット凹部167も上記第1セット凹部157と同様形状に形成される。このため、第2セット凸部149も、第2セット凹部167に対して所定の第2姿勢でのみ嵌込される。
【0096】
本変形例によると、第1セット凸部148は第1セット凹部157に対して所定の第1姿勢でのみ嵌込可能であるため、第1分割止水部材136は第1外装部材152に対して所定の正規姿勢でのみセットされる。同様に、第2セット凸部149は第2セット凹部167に対して所定の第2姿勢でのみ嵌込可能であるため、第2分割止水部材138は第2外装部材162に対して所定の正規姿勢でのみセットされる。このため、第1外装部材152及び第2外装部材162の外形状を確認しながら、第1外装部材152と第2外装部材162とを正しい姿勢で合体させれば、それらの内部の第1分割止水部材136及び第2分割止水部材138も互いに正しい姿勢で合体される。
【0097】
これにより、第1外装部材152と第2外装部材162との内部で隠れ直接的に視認困難な第1分割止水部材136及び第2分割止水部材138についても、正しい姿勢で合体することが担保され、第1分割止水部材136及び第2分割止水部材138による止水性が担保される。
【0098】
第1セット凸部148と第1セット凹部157の形状、及び、第2セット凸部149と第2セット凹部167の形状は、上記例に限られない。例えば、図11に示す第2変形例に係る弾性止水部材230のように、第1セット凸部248における頭部248bが矢印形状であってもよい。ここでは、頭部248bは、長方形状部分の一端部に三角形状部分が連なる形状に形成されている。第2セット凸部249も、第1セット凸部248と同様形状に形成される。この場合、第1セット凸部248が嵌込される第1セット凹部及び第2セット凸部249が嵌込される第2セット凹部は、上記と同様に矢印形状に形成されるとよい。
【0099】
また、例えば、図12に示す第3変形例に係る弾性止水部材330のように、第1セット凸部348における頭部348bがL字形状であってもよい。ここでは、頭部348bは、縦棒部分の一端部にその一側方に延びる横棒部分が連なる形状に形成されている。縦棒部分と横棒部分との長さは異なっており、ここでは、横棒部分は縦棒部分よりも短い。この場合、第1セット凸部348が嵌込される第1セット凹部及び第2セット凸部349が嵌込される第2セット凹部は、上記と同様にL字状に形成されるとよい。
【0100】
これらの第2及び第3変形例の場合でも、外装部材の内部で第1分割止水部材及び第2分割止水部材が正しい姿勢で組合わされることが担保され、止水性が確保される。
【0101】
なお、上記実施形態及び各変形例において、第1セット凸部48、148,248、348と第2セット凸部49、149、249、349の形状が異なっていてもよい。例えば、同じ弾性止水部材において、第1セット凸部148と第2セット凸部249とが適用されてもよい。
【0102】
また、上記実施形態及び各変形例において、第1分割止水部材に第1セット凸部が形成され、外装部材に第1セット凹部が形成される例が説明されたが、凹凸関係が逆であってもよい。すなわち、例えば、弾性止水部材における第1分割止水部材に第1セット凸部に代えて有底凹み状の第1セット凹部が形成され、第1外装部材に第1セット凹部に代えて内側に突出する第1セット凸部が形成されてもよい。同様に、弾性止水部材における第2分割止水部材に第2セット凸部に代えて有底凹み状の第2セット凹部が形成され、第2外装部材に第2セット凹部に代えて内側に突出する第2セット凸部が形成されてもよい。
【0103】
なお、上記実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。
【符号の説明】
【0104】
10 配線モジュール
20 配線部材
22(22a、22b) 線状配線部材
23(23a、23b) 奥側線状配線部材
24 被覆部材
24a 端部
30、130、230、330 弾性止水部材
30a 円柱状部分
30b 延長部分
32 貫通収容部
33 被覆部材収容凹部
33f 周面部分
33p 環状突部
34(34a、34b) 貫通部
34af、34bf 周面部分
34ap、34bp 環状突部
35(35a、35b) 奥側貫通部
36、136 第1分割止水部材
36a 突部
38、138 第2分割止水部材
38a 凹部
39a、39b スリット
42 第1外側環状突部
43 第2外側環状突部
45 分割面
46 中央分断面
46a 第1中央分断面
46b 第2中央分断面
47 外周部分断面
48、148、248、348 第1セット凸部
48a、148a 基部
48b、148b、248b、348b 頭部
49、149、249、349 第2セット凸部
49a、149a 基部
49b、149b 頭部
50 外装部材
52、152 第1外装部材
53 底板部
54、64 側壁部
54p 合体用突部
54q ガイド突部
55a、65a 第1位置決め部
55b、65b 第2位置決め部
55c 仕切部
55f、65f 止水部材分割保持面
56a、66a 半筒状保持部
57、157 第1セット凹部
62、162 第2外装部材
63 天井板部
64p 合体用延長片
64pa 合体用凹部
67、167 第2セット凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2024-06-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線部材と、
前記配線部材のうちの長手方向の一部を収容可能な貫通収容部が形成された弾性止水部材と、
を備え、
前記弾性止水部材は、第1分割止水部材と第2分割止水部材とを含み、
前記第1分割止水部材と前記第2分割止水部材とは、前記貫通収容部を縦割りするように、前記弾性止水部材を分割した部材であり、
前記配線部材のうちの長手方向の一部が前記貫通収容部内に収容された状態で、前記第1分割止水部材と前記第2分割止水部材とが合体した状態に保たれており、
前記第1分割止水部材及び前記第2分割止水部材のうち前記第1分割止水部材のみが、前記貫通収容部が縦割りされた部分として、半円を超える周面部分を含む、配線モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の配線モジュールであって、
前記配線部材は、複数の線状配線部材と、前記複数の線状配線部材を覆う被覆部材とを含み、前記被覆部材の端部から前記複数の線状配線部材が延出しており、
前記貫通収容部は、前記被覆部材の端部を覆う被覆部材収容凹部と、前記被覆部材収容凹部と連続する複数の貫通部とを含み、
前記複数の貫通部は、前記複数の線状配線部材に対応して設けられ、
前記弾性止水部材は、前記被覆部材収容凹部から前記複数の貫通部に至る部分を分割するように、前記第1分割止水部材と前記第2分割止水部材とに分割されている、配線モジュール。
【請求項3】
配線部材に装着される弾性止水部材であって、
前記配線部材のうちの長手方向の一部を収容可能な貫通収容部が形成され、
前記貫通収容部を縦割りするように、前記弾性止水部材が分割された第1分割止水部材と第2分割止水部材とを備え
前記第1分割止水部材及び前記第2分割止水部材のうちの前記第1分割止水部材のみが、前記貫通収容部が縦割りされた部分として、半円を超える周面部分を含む、弾性止水部材。
【請求項4】
請求項3に記載の弾性止水部材であって、
前記貫通収容部は、一方側に開口する被覆部材収容凹部と、前記被覆部材収容凹部の奥側と連続する複数の貫通部とを含み、
前記被覆部材収容凹部から前記複数の貫通部に至る部分を分割するように、前記第1分割止水部材と前記第2分割止水部材とに分割されている、弾性止水部材。