(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024105680
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】器具位置合わせフィードバックシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61B 34/20 20160101AFI20240730BHJP
【FI】
A61B34/20
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024083591
(22)【出願日】2024-05-22
(62)【分割の表示】P 2020571712の分割
【原出願日】2019-06-20
(31)【優先権主張番号】62/763,564
(32)【優先日】2018-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520498103
【氏名又は名称】ルースレス・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Ruthless, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】シェイン・エス・パク
(72)【発明者】
【氏名】カールトン・イー・スピンドル
(57)【要約】 (修正有)
【課題】外科器具の角度方向、位置および軌道(軌跡、トラジェクトリー、trajectory)に関するリアルタイムフィードバックを提供すること。
【解決手段】本発明は、脊椎安定手術などで使用される外科器具の角度アライメントを含む、器具の位置合わせに関するとともに、ハンドヘルド器具の向きを測定して表示するシステムに関し、向きに関するフィードバックを提供するようになっているハンドヘルド外科器具は少なくとも1つの測定センサを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドヘルド器具の向きに関するフィードバックを提供するシステムであって、
ハンドヘルド器具と結合された少なくとも1つの測定センサと、
前記少なくとも1つの測定センサと通信するコントローラと
を備え、
前記少なくとも1つの測定センサは、前記ハンドヘルド器具の向きを測定し、前記コントローラは、測定された向きに基づいてフィードバックを提供する、システム。
【請求項2】
前記ハンドヘルド器具は、突き錐、プローブ、タップ、ドリル、スクリュードライバ、メス、皮下注射針からなる群から選択される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの測定センサは、少なくとも1つの加速度計を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの測定センサは、少なくとも1つのジャイロスコープを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
測定された向きは三次元空間における向きである、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
外科器具の向きを測定するようになっているアセンブリであって、
外科器具と結合されるようになっている少なくとも1つの測定センサを備え、
前記少なくとも1つの測定センサは、前記外科器具の角度方向を測定し、測定された角度方向に基づいて信号を出力する、アセンブリ。
【請求項7】
前記少なくとも1つの測定センサと通信するコントローラをさらに備え、前記コントローラは、前記信号を受信し、前記外科器具の測定された角度方向に基づいてフィードバックを提供する、請求項6に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記外科器具はハンドヘルド器具である、請求項6に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記外科器具は、突き錐、プローブ、タップ、ドリル、ねじ回し、メスおよび皮下注射針からなる群から選択される、請求項8に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記少なくとも1つの測定センサは、少なくとも1つの加速度計を含む、請求項6記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記少なくとも1つの測定センサは、少なくとも1つのジャイロスコープを含む、請求項6記載のアセンブリ。
【請求項12】
測定された角度方向は三次元空間における向きである、請求項6に記載のアセンブリ。
【請求項13】
自身の向きに関してフィードバックを提供するようになっているハンドヘルド外科器具であって、
前記ハンドヘルド外科器具と結合していて、重力によるこのハンドヘルド外科器具の静的加速度の量に基づいて、このハンドヘルド外科器具の角度方向を測定し、測定された角度方向に基づいて信号を出力する少なくとも1つの測定センサを備えた、ハンドヘルド外科器具。
【請求項14】
前記少なくとも1つの測定センサと通信するコントローラをさらに備え、前記コントローラは、前記信号を受信し、前記ハンドヘルド外科器具の測定された角度方向に基づいてフィードバックを提供する、請求項13に記載のハンドヘルド外科器具。
【請求項15】
前記ハンドヘルド外科器具は、突き錐、プローブ、タップ、ドリル、ねじ回し、メスおよび皮下注射針からなる群から選択される、請求項13に記載のハンドヘルド外科器具。
【請求項16】
前記少なくとも1つの測定センサは、少なくとも1つの加速度計を含む、請求項13に記載のハンドヘルド外科器具。
【請求項17】
前記少なくとも1つの測定センサは、機械的または物理的な運動を電気信号に変換する圧電性、ピエゾ抵抗型、または容量性の構成要素を備える、請求項13に記載のハンドヘルド外科器具。
【請求項18】
測定された角度方向は、前記ハンドヘルド外科器具が患者に接触しているか否かに関係なく提供される、請求項13に記載のハンドヘルド外科器具。
【請求項19】
ハンドヘルド外科器具を位置合わせするための方法であって、
前記ハンドヘルド外科器具は少なくとも1つの測定センサと、前記少なくとも1つの測定センサと通信するコントローラとを備え、
前記方法は、
(A) 少なくとも1つの測定センサをハンドヘルド外科器具と結合することと、
(B) 前記少なくとも1つの測定センサを使用して、前記ハンドヘルド外科器具の角度方向を測定することと、
(C) (B)において測定された角度方向情報をコントローラに提供することと、
(D) 前記コントローラを使用して、前記角度方向情報に基づいてフィードバックを提供することと
を備えた方法。
【請求項20】
(E) (D)で提供されたフィードバックに基づいて前記ハンドヘルド外科器具を位置合わせすることをさらに備えた、請求項19記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願との相互参照】
【0001】
本出願は、2018年6月21日に出願された米国特許仮出願第62/763,564号の利益を主張するものであり、その内容は参照により本明細書に組み込まれている。
【著作権表示】
【0002】
この特許文書には、著作権保護の対象となる情報(資料)が含まれている。著作権所有者は、米国特許商標庁のファイルにおけるこの特許文書または関連する情報の再生に異議を唱えないが、その他の場合には、すべての著作権を留保する。
【技術分野】
【0003】
本発明は、脊椎安定手術で使用されるような外科器具の角度アライメント(位置合わせ)を含む、器具のアライメントに関する。
【背景技術】
【0004】
何千もの脊椎安定手術が毎年行われる。この処置の間、患者の脊柱への支持を提供するために、脊椎ロッド及び/又は脊椎プレート等の安定化構造体が移植される。この処置はまた、ロッド/プレートを固定するために患者の脊柱に埋め込むことができる椎弓根スクリューの使用を含むことができる。
【0005】
椎弓根スクリューの移植は、最初に、椎弓根を貫通して患者の脊柱の椎体内に入るパイロット孔を開けることを含むことができる。次いで、椎弓根スクリューをパイロット孔に埋め込むことができる。
【0006】
椎弓根スクリューを適切に配置し、患者の脊柱を損傷することを回避するために、パイロット孔の位置、角度上の向きつまり角度方向(angular orientation)、及び軌道は正確になされなければならない。
【0007】
撮像装置(X線透視撮影システムなど)は、パイロット孔の配置を支援するために患者の脊柱の画像を提供することができるが、それらの画像は、処置中に提供することができるリアルタイム情報に制限され得る。さらに、このようなシステムの使用は、患者および医師/看護士を高レベルのイオン化放射線に暴露し得、そのようなシステムの長期使用が望ましくない可能性がある また、熟練した外科医は、パイロット孔を適切に配置するために、彼/彼女の経験に頼ってもよいが、各外科医の経験レベルはいろいろであり、多くの場合適切でないかもしれない。
【0008】
事実、研究は、脊椎安定術中に植え込まれた椎弓根スクリューの4%までがずれている可能性があることを示している。このようなずれ(ミスアラインメント、不整列)は、患者に重大な健康合併症を引き起こす可能性があり、多くの場合、椎弓根スクリューは変更を必要とし、したがって追加の手術を必要とする。
【0009】
他のタイプの外科的/医療処置はまた、使用される外科器具の正確な位置合わせを必要とし得る。例えば、皮下注射針は、使用中に適切な位置決めおよび位置合わせを必要とすることが多い。
【0010】
したがって、外科器具の角度方向、位置および軌道(軌跡、トラジェクトリー trajectory)に関するリアルタイムフィードバックを提供するシステムおよび方法に対する必要性が存在する。
【発明の開示】
【0011】
本発明は、特許請求の範囲および以下の説明に明記されている。
【0012】
一実施形態では、ハンドヘルド(手持ち式)器具の向きに関するフィードバックを提供するシステムは、前記ハンドヘルド器具と結合された(configured with)少なくとも1つの測定センサと、前記少なくとも1つの測定センサと通信するコントローラとを含むことができ、前記少なくとも1つの測定センサは、前記ハンドヘルド器具の向きを測定し、前記コントローラは、測定された向きに基づいてフィードバックを提供することができる。
【0013】
一態様では、前記ハンドヘルド器具は、突き錐(オウル、awl)、プローブ、タップ、ドリル、ねじ回し、メス、皮下注射針からなる群から選択することができる。
【0014】
別の態様では、前記少なくとも1つの測定センサは、少なくとも1つの加速度計を含むことができる。
【0015】
別の態様では、前記少なくとも1つの測定センサは、少なくとも1つのジャイロスコープを含むことができる。
【0016】
別の態様では、測定された向きは、三次元空間における向きであってもよい。
【0017】
一実施形態では、外科器具の向きを測定するように構成されたアセンブリは、外科器具と結合された少なくとも1つの測定センサを含むことができ、前記少なくとも1つの測定センサは、外科器具の角度方向(向き)(angular orientation)を測定し、測定された角度方向に基づいて信号を出力することができる。
【0018】
一態様では、前記アセンブリは、前記少なくとも1つの測定センサと通信するコントローラを含むことができ、前記コントローラは、信号を受信し、測定された外科器具の角度方向に基づいてフィードバックを提供することができる。
【0019】
別の態様では、前記外科器具はハンドヘルド器具であってもよい。
【0020】
別の態様では、前記外科器具は、突き錐、プローブ、タップ、ドリル、ねじ回し、メスおよび皮下注射針からなる群から選択することができる。
【0021】
別の態様では、前記少なくとも1つの測定センサは、少なくとも1つの加速度計を含むことができる。
【0022】
別の態様では、前記少なくとも1つの測定センサは、少なくとも1つのジャイロスコープを含むことができる。
【0023】
別の態様では、測定された角度方向(向き)は、三次元空間における角度方向(向き)であってもよい。
【0024】
一実施形態では、その向きに関するフィードバックを提供するように適合されたハンドヘルド外科器具は、この外科器具と結合された少なくとも1つの測定センサを含むことができ、前記少なくとも1つの測定センサは、前記外科器具の角度方向を測定し、測定された角度方向に基づいて信号を出力することができる。
【0025】
一態様では、前記外科器具はまた、前記少なくとも1つの測定センサと通信するコントローラを含むことができ、前記コントローラは、前記信号を受信し、測定された外科器具の角度方向に基づいてフィードバックを提供することができる。
【0026】
別の態様では、前記外科器具は、突き錐、プローブ、タップ、ドリル、ねじ回し、メスおよび皮下注射針からなる群から選択することができる。
【0027】
別の態様では、前記少なくとも1つの測定センサは、少なくとも1つの加速度計を含むことができる。
【0028】
別の態様では、前記少なくとも1つの測定センサは、少なくとも1つのジャイロスコープを含むことができる。
【0029】
別の態様では、前記測定された角度方向は、三次元空間における向きであってもよい。
【0030】
一実施形態では、少なくとも1つの測定センサと、前記少なくとも1つの測定センサと通信するコントローラとを含むことができるハンドヘルド外科器具を位置合わせするための方法は、以下のことを含むことができる。
【0031】
(A) 少なくとも1つの測定センサを外科器具と結合すること。
【0032】
(B) 前記少なくとも1つの測定センサを使用して、前記外科器具の角度方向を測定すること。
【0033】
(C) (B)において測定された角度方向情報をコントローラに提供すること。
【0034】
(D) 前記コントローラを使用して、前記角度方向情報に基づいてフィードバックを提供すること。
【0035】
一態様では、本方法はまた、以下を含むことができる。
【0036】
(E) (D)で提供されたフィードバックに基づいて前記外科器具を位置合わせすること。
【0037】
当業者であれば、上記または下記および/または特許請求され、一連のステップとして記載される如何なる方法も、ステップの順序の意味で制限的ではないことを理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0038】
本発明の様々な目的、特徴および付随する利点は、添付の図面と関連して検討されると、十分に理解されるであろう。添付の図面において、同様の参照符号は同一または類似の部分を表している。
【0039】
【
図1】本発明の例示的な実施形態による椎弓根スクリューおよびロッドの態様を示す図である。
【0040】
【
図2A】本発明の例示的な実施形態により、椎弓根スクリューが適切に埋め込まれる様を示す。
【
図2B】椎弓根スクリューが不適切に埋め込まれる様を示す。
【
図2C】椎弓根スクリューが不適切に埋め込まれる様を示す。
【0041】
【
図3】本発明の例示的な実施形態による位置合わせフィードバックシステムの態様を示す図である。
【0042】
【
図4】本発明の例示的な実施形態による測定アセンブリの態様を示す図である。
【
図5】本発明の例示的な実施形態による測定アセンブリの態様を示す図である。
【
図6】本発明の例示的な実施形態による測定アセンブリの態様を示す図である。
【0043】
【
図7】本発明の例示的な実施形態による能動器具の態様を示す図である。
【0044】
【
図8】本発明の例示的な実施形態によるデータレイアウト及び/又はディスプレイの態様を示す図である。
【
図9】本発明の例示的な実施形態によるデータレイアウト及び/又はディスプレイの態様を示す図である。
【0045】
【
図10】本発明の例示的な実施形態による能動器具の態様を示す図である。
【
図11】本発明の例示的な実施形態による能動器具の態様を示す図である。
【
図12】本発明の例示的な実施形態による能動器具の態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
一般に、本明細書の例示的な実施形態によるシステムは、装置の適切な位置合わせを助けるための、デバイス、ツール、器具、ソフトウェア、および方法を提供する。位置合わせされる装置は、任意の種類の手動器具および/または器具を含むことができ、例えば、外科器具、ハンドドリル、スクリュードライバー(ネジ回し)、突き錐、プローブ、タップ、鋸、ファイル(files)、プライヤー、ピンセット、メス、皮下注射針、および他のタイプのハンドヘルド装置を含むが、これらに限定されない。本明細書を読むと、本システム及び本方法は、一次元、二次元または三次元において位置合わせされることから恩恵を受ける任意のタイプの装置と共に使用することができること、そして、本システム及び本方法の範囲は、共に使用される装置のタイプによって決して制限されるものでないことを、当業者は理解できるであろう。
【0047】
本明細書のため及び例証のために、本システムおよび本方法は、外科器具(例えば、整形外科手術に使用される器具)との使用に関して説明される。しかし、本システムおよび本方法は、それから利益を得ることができる任意のタイプの装置に適用して使用することができることを理解されたい。
【0048】
ここで、
図1-
図12を参照すると、本明細書の例示的な実施形態によるシステム10が、さらに詳細に説明される。現在の好ましい実施形態では、システム10は、ハンドヘルド外科器具の三次元ナビゲーションおよび位置合わせに関するフィードバックを提供するために使用され得る。1つの現在好ましい実施形態では、外科器具は、整形外科手術、例えば脊椎安定術を行うために使用される器具を含むことができる。
【0049】
一実施形態では、外科器具は、椎弓根スクリューを患者の脊柱に埋め込むために使用される装置を含むことができる。
図1に示すように、椎弓根スクリュー20は、好ましくは、椎弓根22を通って患者の椎体24に埋め込まれる。そして、リンケージユニット26(例えば、脊椎ロッドまたはプレート)が椎弓根スクリュー20に取り付けられる。典型的には2つまたはそれ以上の椎弓根スクリュー20が各ロッド/プレート26を固定するために使用(例えば、各ロッド26の各端部に1つの椎弓根スクリュー20)されて、ロッド/プレート26が患者の脊柱28に対してほぼ平行になるようにする。このようにして、リンケージ26は、椎弓根スクリュー20によって確実に保持され、それが取り付けられる脊柱の特定のセグメントへの安定性を提供することができる。
【0050】
脊椎ロッド26は、埋め込まれた椎弓根スクリュー20間に適切に嵌まり込むように、外科処置の術中に輪郭が形作られ(contoured)てもよい。例えば、2018年5月7日提出の米国仮特許出願番号62/762478及び本願と同日に提出され、「外科用インプラント準備システムおよび方法」と題され、その内容全部が如何なる目的のためにも本明細書に組み込まれている米国特許出願番号16/140491(代理人番号999/002)に記載されているような術中の脊椎ロッド輪郭形成システムを使用することが好ましい場合がある。
【0051】
右椎弓根スクリュー20の矢状角(sagittal angle)βが
図1に示されている。椎弓根スクリュー20の角軌道(angular trajectory)Psの角度βは、矢状面に沿った垂直軸S(例えば、垂直鉛直線)に関して測定され得る。
図1における椎弓根スクリュー20の配置は、如何なる皮質壁も穿孔することなく、スクリュー20が椎弓根22から椎体24内へと通過する程正確であると見なし得る。
【0052】
図2A、2B、2Cは、
図1の切断線A-Aに沿った(軸方向又は横断面に沿った)断面である。
【0053】
図2Aは、パイロット孔21内にある、軸方向角度α(外側(ガイソク)から内側(ナイソク)への軌道)を有する椎弓根スクリュー20を示す。椎弓根スクリュー20の角軌道Paの角度αは、軸平面に沿った縦軸S(例えば、垂直鉛直線)に関して測定され得る。スクリュー20の配置は、それが、外側皮質壁又は内側皮質壁を破ること且つ/又は穿孔することなく、椎弓根22を通って椎体24に入る程正確であると考えられる。
【0054】
図2Bは、外側皮質壁を破る及び/又は穿孔するパイロット孔21内の椎弓根スクリュー20を示し、
図2Cは、内側皮質壁を破る及び/又は穿孔するパイロット孔21内の椎弓根スクリュー20を示す。
図2Bおよび
図2Cに示される椎弓根スクリューの配置は、不正確であると見なされ、患者にとって重大な神経学的問題、例えば、慢性痛、しびれ、可動性制限、麻痺など、を引き起こす可能性がある。したがって、患者の神経学的症状に応じて、不正確に配置された椎弓根スクリュー20を追加の手術で修正する必要があり、患者に追加のリスクおよび合併症を付加する可能性がある。
【0055】
加えて、(
図1に示されるように)リンクユニットが2つ以上の椎弓根スクリュー20の間に固定される場合、リンクユニット26が、椎弓根スクリュー20または患者の脊柱28に望ましくない歪みまたはトルクを与えることなく、邪魔されずに椎弓根スクリュー20の間を安全に通ることができるように、これらの椎弓根スクリュー20は互いに対して適切に位置合わせ(整列)される必要があることがわかる。
【0056】
これらの考察を考慮すると、各椎弓根スクリュー20の外側から内側への軌道及び位置合わせ(整列)並びに頭側から尾側への軌道及び位置合わせが、外科的好結果のためには最重要であることが理解されよう。
本発明のシステム
【0057】
発明の1つの例示的な実施形態では、システム10は、測定アセンブリ100、コントローラ200、および様々な機能を実行するために必要に応じて他の要素、構成要素および機構を含むことができる。
図3に示されるように、測定アセンブリ100は、適切な位置合わせを必要とする器具117(例えば、ハンドツールつまり手で持つ道具)と結合される。一般に、測定アセンブリ100は、この器具のリアルタイムの3次元位置、向きおよび軌道を測定することができる。このようにして、器具の使用者は、この位置情報を利用して、器具が使用中に正しい向きにあることを確実にすることができる。したがって、例えば、椎弓根スクリューを埋め込むことに関連する器具は、椎弓根スクリューが
図2Aに示されるように正しく埋め込まれように、適切に位置合わせ(心合わせ、アラインメント)をすることができる。
【0058】
コントローラ200は、測定アセンブリ100と通信し、測定アセンブリ100から情報およびデータを受信し、測定アセンブリ100に情報およびデータを送信することができ、コントローラ200は、測定アセンブリ100から受信した情報を処理し、受信した情報に基づいてシステム10のユーザにフィードバックを提供することもできる。コントローラ200はまた、このユーザからの入力を受け取ると共に、他のコントローラおよびシステムを含む他のシステムと連絡(接続)できる。
【0059】
コントローラ200は、任意のタイプのコントローラを含むことができ、それには、例えば、タブレットコンピュータ、スマートフォン、モバイルデバイス、ラップトップコンピュータ、PC、ネットワークコントローラ、サーバ(例えば、ネットワーク、バックエンドまたはクラウドプラットフォーム)、マイクロコントローラ、および他のタイプのコントローラ200または種々のタイプの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。コントローラ200は、データ、フィードバック、または他のタイプの情報を表示するために使用され得る1つ以上のディスプレイを含むことができる。コントローラ200はまた、例えば、データ入力のためにコントローラ200と対話するためにユーザによって使用され得る1つまたは複数のインタフェース204(例えば、タッチスクリーン、キーボード、マウスなど)を含むことができる。
【0060】
脊椎安定術を例示的な実施例として使用すると、外科医は測定アセンブリ100と結合された外科的ハンドツール117(例えば突き錐)を利用できる。一例では、突き錐は、椎弓根スクリュー20の挿入用のパイロット孔を患者の脊椎内に形成するために用いられる。測定アセンブリ100は、リアルタイムで、突き錐の三次元位置、位置合わせ、向き、および軌道を測定し、これらの位置データをコントローラ200に提供することができる。
【0061】
次に、コントローラ200は、データを処理して、突き錐の軌道(軌跡)、したがって、その結果として生じるパイロット孔の軌道、に関するフィードバック(例えば、視覚、テキスト、可聴のフィードバックなど)を外科医に提供することができる。このようにして、外科医は、適切に配向されたパイロット孔となるように正しい向きに突き錐を精確に案内するために、システム10からのリアルタイムフィードバックを利用することができる。次いで、椎弓根スクリュー20がパイロット孔内に挿入され、それによって適切に位置決めされ得る。
【0062】
上記の例は、デモンストレーションのためのものであり、システム10は、他のタイプの処置を実行する他のタイプの器具と共に使用され得ることは理解されよう。
【0063】
次に、システム10の様々な要素についてさらに詳細に説明する。
測定アセンブリ
【0064】
図4を参照すると、例示的な実施形態によれば、測定アセンブリ100は、大概、少なくとも1つのセンサ102、少なくとも1つのプロセッサ104、メモリ106、少なくとも1つの無線機108、電源110、電圧変換器112、およびアセンブリ100がその所望の機能を実行するのに必要な他の構成要素および要素を含むことができる。器具117および測定アセンブリ100の用途に応じて、アセンブリ100は、上述した要素の一部または全部または必要に応じて追加の要素を含むことができる。
【0065】
センサ102は、アセンブリ100の1次元、2次元または3次元の向きを測定、感知、または決定することのできる任意のタイプのセンサ102を含むことができる。1つの例示的な実施形態によれば、センサ102は、加速度計、例えば3軸マイクロ電子機械システム(micro-electro-mechanical system: MEMS)加速度計である。当該技術分野で知られているように、加速度計102は、動的加速度および静的加速度の両方を測定することができる。地上重力による静的加速度の量を測定することにより、センサ102の向き(角度および/または傾き)を決定することができる。
【0066】
3軸MEMS加速度計102は、3つの直交方向において同時測定を提供することができ、したがって、3次元向きおよび軌道(軌跡)情報を提供することができる。加速度計102の出力は、任意の所与の瞬間にこの加速度計に及ぼされた力に比例する電荷(例えば、電圧波形)であってもよい。次いで、この電荷を処理して、ユニット100のリアルタイム位置および軌道データを提供することができる。
【0067】
センサ102は、機械的または物理的な運動を電気信号に変換するために、圧電性、ピエゾ抵抗型、容量性、または他の構成要素を含むことができる。一例では、センサ102は、加速度(例えば、重力)がかかると撓むことができる3つの微小加工された回動アームを含むことができる。撓みは、容量性センサによって検出され、(例えば、マイクログラムつまりμgの単位で)数値に変換することができる。別の例では、センサ102は、外部加速度の影響下で撓むことができるプルーフマス(proof mass)(地震質量とも呼ばれる)を有する1つ以上の片持ち梁を含むことができる。別の例では、センサは、1つ以上のジャイロスコープ(好ましくはMEMSジャイロスコープ)を含むことができる。他のタイプおよび構造のセンサ102も使用することができ、システム10および測定アセンブリ100の範囲は、アセンブリ100が利用するセンサ102のタイプによっては決して限定されないことを理解されたい。
【0068】
一実施形態では、センサ102は、STマイクロエレクトロニクス(STMicroelectronics)によって製造された3軸加速度計(例えば、品番LIS3DSH)であってもよい。他の製造業者によって製造された他のセンサ102も使用可能であることが理解されよう。
【0069】
1つの例示的な実施形態によれば、プロセッサ104とメモリ106とはマイクロコントローラ114として合体して形成することができる。マイクロコントローラ114は、プログラマブル入出力周辺器具及び、電圧調整器116等の他の要素も含むことができる。マイクロコントローラ114、無線機108、電圧調整器116(及び他の要素及び構成要素)は、システム・オン・チップ(SoC)115として提供することができる。このようにして、ユニット100を小型化することができる。
図4はアセンブリ100の現在好ましい1つの電気的レイアウトを示している。しかし、他の電子的レイアウトも使用することができることに留意されたい。一例では、デバイス100は、0.8インチx1.5インチx0.5インチのサイズを有することができるが、デバイス100は、他のサイズで形成されてもよい。
【0070】
無線機108は、ブルートゥース(登録商標)無線機であってもよく、ブルートゥース無線機は、コントローラ200との間(及び/又は他の装置との間)で2.45GHzで情報を送受信することができる。現在好ましい一実施形態では、無線機108は、0.0023ワットの出力(例えば、ブルートゥース低エネルギープロトコル)を有することができるが、他の出力を使用することもできる。また、伝送レートは1秒間に1-2倍であってもよいが、他の伝送レートを使用してもよい。
【0071】
無線機108は、アナログまたはデジタルの任意のタイプの通信プロトコルまたはそれらの任意の組み合わせを使用して、任意の他の周波数で情報を送受信することができる、任意の他の種類の無線機108または無線機108の組み合わせであってもよい。例えば、無線機108は、RF、ミリ波、Wi-Fi、LAN、WAN、インターネット、セルラー接続性、電話型、IR、または他のタイプの通信プロトコルまたは方法を利用することができる。無線機108はまた、必要に応じて、アンテナ、入出力(I/O)ポート、および任意の他のタイプの通信機構を含むことができる。
【0072】
好ましい一実施形態では、送信機108は、レイタック・コーポレーション(Raytac Corporation)によって製造されたものである(例えば、品番MDBT42Q、FCC識別子SH6MDBT42Q、証明書番号162181172/AA/00)。他の製造業者によって製造された他の送信機も使用可能であることは理解できよう。
【0073】
電源110は、好ましくはバッテリーであろうが、他の種類の蓄電装置を備えていてもよい。一例では、バッテリー110は1.5Vのコインセルであってもよく、電圧変換器112は、アセンブリ100内の他の構成要素によって要求されるように1.5Vを2.7Vに昇圧するDC-DCコンバータ112であってもよい。
【0074】
さらに、測定アセンブリ100は、SoC115の内部メモリ106を増強するために使用することのできる1つ以上の外部不揮発性(E2PROM)メモリチップ116を含むこともできる。
【0075】
アセンブリ100は、好ましくは、
図6に示された種々の図に示されるように、小型の単一ユニット装置としてパッケージ化されていてもよい。
【0076】
例示的な一実施形態では、測定アセンブリ100は、ハンドヘルド器具117と結合(合体)されており、その器具の使用は、適切に整列されることから利益を得ることができる。外科器具を使用する例に続いて、器具117は、
図7に示すような突き錐118とすることができる。突き錐118は、図示のようにシャフト122が取り付けられたハンドル120を含むことができる。シャフト122は、2つ以上の鋭利な側縁部を有し先が尖った遠位先端を含むことができる。当技術分野で知られているように、突き錐118は材料中に穿孔するために使用することができ、この例では、椎弓根スクリュー20の挿入のために、突き錐118を使用して、椎弓根22を通って患者の脊椎の椎体24内にパイロット孔21を穿孔することができる。
【0077】
外科医は、ハンドル120で突き錐118を保持し、シャフト122の遠位先端を、穴が望まれる骨上の位置に配置することができる。突き錐118は、シャフト122によって規定される軸に沿って前後に回動し、シャフト122の鋭利な先端が孔21を開ける。
【0078】
この手順中の突き錐のシャフト122の向きおよび位置合わせが、得られたパイロット孔21の向きおよび軌道(軌跡trajectory)を決定し得ることがわかる。また、椎弓根スクリュー20がこの得られたパイロット孔21にねじ込まれるとき、椎弓根スクリュー20も孔21の軌道に従うことができることもわかる。
【0079】
この手順の間、測定アセンブリ100は、突き錐118(シャフト122)の向きおよび軌道を測定し、この情報をコントローラ200に提供する。コントローラ200は、その情報を処理し、それを使用者に提供する。次に、突き錐118の使用者は、このリアルタイム位置情報を利用して、正しい向きで突き錐118を適切に操作して、適切に配向されたパイロット孔21を生じさせ、したがって、椎弓根スクリュー20が一旦挿入されると、適切に配向された椎弓根スクリュー20をもたらす。これについては、後の節でさらに詳細に説明する。
【0080】
図示されている現在の好ましい一実施形態では、測定アセンブリ100は、突き錐118のハンドル120と結合して構成(configured with)されている。しかし、測定アセンブリ100には、突き錐118のシャフト122および/または任意の他の要素と結合されていてもよく、また、突き錐118上の如何なる位置に形成されてもよいことが理解される。
【0081】
測定アセンブリ100は、器具117の製造プロセス中に器具117に取り付けられてもよく、または別の方法で器具117と結合されてもよく、またはアフターマーケット構成要素として器具117が後付けされてもよい。測定アセンブリ100は、センサ102によって使用される座標系が器具117の座標系と一致するように、器具のシャフト122によって規定される軸と長手方向に位置合わせされる。これについては、後の節でさらに詳細に説明する。しかし、測定アセンブリ100は、器具117に対して他の向きで位置合わせされてもよい。
【0082】
器具のハンドル120は、アセンブリ100を受ける部分、例えば、平坦部、スロット、内側凹部、または、アセンブリ100を収容しその安全な取り付けを可能にするその他の任意のタイプの部分など、を含むことができる。しかし、これは必要ではない場合がある(例えば。測定アセンブリ100が、アフターマーケット部品としての器具117と結合される場合である)。測定アセンブリ100は、接着剤(例えば、3Mの滅菌外科用接着剤)、両面テープ、ねじ、ボルト、ストラップ、バンド、ラッチ、圧嵌め、または任意の他のタイプの取り付け機構によって、ハンドル120に固定されてもよい。本明細書では、測定アセンブリ100と結合された器具117を能動器具124と呼ぶ。
【0083】
使用前に、測定アセンブリ100(能動器具124)を較正して、測定アセンブリの振幅応答、システムの直線性、および意図された使用範囲にわたる他の性能特性を検証することが好ましい。このようにして、センサ102は、その仕様内で機能すると検証される。較正はまた、アセンブリ100の電気的出力をアセンブリ100の実世界の物理的座標と相関させるために使用することができる一組のスケールファクタ(較正係数、補正因子等)を提供することができる。
【0084】
較正係数は、センサの既知の欠陥を補正するために測定アセンブリ100の出力信号に適用することができる。一般に、較正手順は、典型的には、センサの基準感度、周波数応答、出力バイアスレベル、横感度、共振周波数、時定数、および他の特性の測定および較正を含むことができる。このようにして、使用中、較正因子は、測定アセンブリ100から受信された生データに適用され、測定アセンブリ100のリアルタイムの角度位置および軌道が、計算された精度および不確実性のレベル内で決定され得る。
【0085】
米国国立標準技術研究所(NIST)で較正された標準規格などの基準標準を使用して、能動器具124を較正することができる。あるいは、より典型的には、基準標準を使用して伝達標準(transfer standard)を較正し、この伝達標準を能動器具124の較正のために使用することができる。いずれの場合も、これは、評価および最適化されるべき測定アセンブリ100(および能動器具124)の絶対精度および測定不確実性を可能にすることができる。一連の測定を通じて能動器具124の測定反復性を試験し、アセンブリの不確実性を計算する際にこの情報を使用することが好ましい。
【0086】
能動器具124を較正するために、いくつもの異なる種類の較正手順を使用することができ、適切な較正技法は、測定アセンブリ100に使用されるセンサ102の種類および器具の所望の使用範囲に応じて選択され得る。能動器具124は、各使用の前、各使用の後(器具124が使用中に変化または横滑りしなかったことを検証するため)、周期的に(好ましくは周期的なスケジュールで)、または他の任意の時間に、較正してもよい。システム10、測定アセンブリ100、および能動器具124の範囲は、使用される較正手順のタイプまたは較正が実行され得る間隔によって決して限定されるものではないことは、理解されよう。
制御装置
【0087】
一実施形態では、コントローラ200は、タブレットコンピュータ、スマートフォン、モバイルデバイス、ラップトップコンピュータ、PC、ネットワークコントローラ、サーバ(例えば、ネットワーク、バックエンドまたはクラウドプラットフォーム)、マイクロコントローラ、および任意の他のタイプまたは組み合わせのコントローラ200を含むことができる。コントローラ200はまた、オペレーティングシステムおよびソフトウェア、スクリプト、アプリケーション(モバイルアプリケーションを含む)、およびコントローラ200が実行または他の方法で利用することができる他のタイプのコードを含むことができる。
【0088】
コントローラ200は、能動器具124から情報をリアルタイムで受信し、情報を能動器具124に送信することができる。コントローラ200は、ブルートゥース通信を介して能動器具124と対になることができ、または、他のタイプの通信プロトコルまたは方法、例えば、RF、ミリ波、Wi-Fi、LAN、WAN、インターネット、セルラー接続性、電話、IRまたは他のタイプの通信方法、デジタルまたはアナログまたはそれらの任意の組み合わせなど、を利用することができる。コントローラ200はまた、同じまたは異なる通信方法を使用して、必要に応じて他の器具(例えば、撮像器具)と通信してもよい。
【0089】
1つの例示的な実施形態では、コントローラ200は、使用中に、能動器具124から、その器具のリアルタイムの向きおよび軌道(好ましくは3次元での)を示す情報を受け取ることができる。そして、コントローラ200は、それらの位置データを処理し、それを意味のある現実世界のフォーマットで、好ましくは、1つまたは複数の3次元座標系と関連付けて(後述)、ユーザに提供することができる。コントローラは、データの精度を高めるために、特定の能動器具124の較正係数(例えば、スケールファクタまたは補正係数)を適用してもよい。
【0090】
能動器具124の使用中にコントローラ200がどのように使用されるかについての詳細は、後に説明される。
【0091】
コントローラ200はまた、前述の較正手順を自動化するために使用されてもよい。例えば、コントローラ200は、較正プロセス中にユーザを案内することができるソフトウェアウィザードまたは他のタイプの対話型ツールを提供してもよい。
【0092】
コントローラ200はまた、後で説明するように、能動器具124の使用中にユーザを案内することができるソフトウェアウィザードまたは他のタイプの対話型ツールを提供してもよい。
【0093】
任意の数の測定アセンブリ100をシステム10が備えることができ、各アセンブリ100を異なる能動器具124が備えることに留意されたい。例えば、第1の測定アセンブリ100が、上述のように突き錐117と結合され、第2の測定アセンブリ100がプローブ117と結合され、第3の測定アセンブリ100がドライバ117と結合され、等々である。各測定アセンブリ100は、コントローラ200が尋ね、特定し、記録することができる唯一の電子識別子(例えば、シリアル番号、IPアドレスなど)を含むことができる。このようにして、コントローラ200は、各測定アセンブリ100を個別に同時に監視(またはそれと通信)することができる。
使用
【0094】
手術前に、患者の脊柱は、患者を放射線透過性の手術台上に伏臥位に置くことにより安定化され得る。患者の脊柱が安定した状態で、撮像装置(例えば、CアームX線透視撮像装置)を使用して、異なる視点から患者の脊柱の一連の画像を撮影することができる。次いで、それらの画像を使用して、脊柱の1次元、2次元及び/又は3次元表現(描写)を構築することができる。撮像装置は、必要に応じてその仕様ごとに較正されるのが好ましいかもしれない。
【0095】
例示的な一実施形態では、コントローラ200(またはおそらくは、撮像装置)は、画像化データを使用して、埋め込むべき各椎弓根スクリュー20に対する各パイロット孔の適切な(最適な)位置、アライメント(好ましくは3次元での)、および軌道をモデル化し、計算し、または決定することができる。あるいは、コントローラは、ユーザが、コントローラ200と対話して、提案された各パイロット孔の提案された位置、向きおよび軌道を手動でレイアウトすることを可能にすることができる。例えば、コントローラ200は、ユーザが、レイアウト上に各パイロットホールの提案された位置、向きおよび軌道を描く(または入力する)ことができるように、患者の脊柱の像(脊柱を表すもの representations)を表示することができる。
【0096】
コントローラ200はまた、提案されたパイロットホールの位置をレイアウトアウトおよび/または決定する際にユーザを支援することができるソフトウェアウィザードまたは他のタイプの対話型ツールを提供してもよい。本明細書の目的のために、提案されたパイロット孔(コントローラ200によって、またはユーザによって、または任意の他のシステムによって、またはそれらの任意の組み合わせによって、決定されるか否かに拘わらず)は、
図8に示されるように、モデル化されたパイロット孔23と呼ぶことができる。
【0097】
コントローラ200はまた、モデル化されたパイロット孔23が実際に適切な位置および向きにあることを確実にするために、各モデル化されたパイロット孔23について品質チェックを実行してもよい。そして、潜在的な問題が発見された場合、コントローラ200は、これについて検討するようユーザに注意を促すことができる。例えば、コントローラ200は、各椎弓根スクリュー20の軸角αおよび矢状角βが正しいこと、及び、皮質穿孔が存在しないことを確実なものとするためにチェックすることができる。コントローラ200はまた、リンクユニット26が、スクリュー20または患者の脊柱2828に望ましくない歪みまたはトルクを加えることなく、妨害なしでスクリュー20の間に取り付けられるように、椎弓根スクリュー20が互いに対して適切に整列されることを確実なものとし得る。
【0098】
各モデル化されたパイロット孔23についての位置および位置合わせ情報は、モデル化されたパイロット孔23の入口点情報、角度方向、軌道(軌跡)情報、長さ情報、任意の隣接する椎弓根スクリューパイロット孔23の場所、向きおよび/または位置、任意の関連するリンクユニット26の場所、向きおよび/または位置、ならびに他の情報および/またはその情報の任意の組合せを含むことができるが、これらに限定されない。各モデル化されたパイロット孔23のモデル化された向きおよび軌道は、孔23を、皮質を穿孔することなく(
図2に示されるように)、椎弓根22を通り椎体24へと通過するものとして記述/示すことが好ましい。この情報は、複素(ベクトル)情報であってもよい。
【0099】
当技術分野で知られているように、撮像アプリケーション及び外科処置において3つの一般的に使用される座標系が使用可能である。それらには、ワールド座標系、解剖学的座標系、および画像座標系が含まれるが、これらに限定されない。ワールド座標系は、通常、デカルト座標系を含むことができ、患者の位置および向きを表すために使用することができる。解剖学的座標系(患者座標系とも呼ばれる)は、人体の標準的な解剖学的位置を記述する3つの平面から構成されてもよく、1)軸面は地面に平行で、頭部(上側)を足(下側)から分離するもの、2)冠状面は地面に対して垂直で、前部(前側)を後部(後側)から分離するもの、3)矢状面は地面に対して垂直で、左側を右側から分離するものである。画像座標系は、各画像が解剖学的構造に対してどのように取得されたかを記述することができ、原点と、右に向かって増加するi軸と、底部に向かって増加するj軸と、後方に増加するk軸とからなり得る(全て直交)。
【0100】
様々な計装(例えば、能動器具124、コントローラ200、透視撮像システム等)によって使用される座標系を相関させることが好ましい。このようにして、能動器具124から取得されたリアルタイムの角度方向および軌道データを、X線透視撮像システムによって撮影された撮像データと正確に相関させて重ね合わせることができる。これはまた、外科医が、能動器具124を操作しながら使用することができる座標系を理解することを可能にする。例えば、外科医は、鉛直線などの垂直基準に関して、能動器具124の軸角α(
図2)および矢状角β(
図1)を操作することができる。鉛直線は、センサ102(例えば、加速度計)によって測定される重力の力による加速度を表すことができるベクトルに略平行か、略対応している。パイロット孔21の開始位置は、モデル化されたパイロット孔23から、または外科医の個人的な知識および/または経験を用いた解剖学的ランドマークから、決定することができる。
【0101】
能動器具124を使用してパイロット孔21を形成するとき、コントローラ200はリアルタイムで、能動器具124のリアルタイムの向き/軌道を、モデル化されたパイロットホール23の向き/軌道に重ね合わせる(または他のタイプのデータプレゼンテーションを利用する)。例えば、
図1に示すように、コントローラ200は、軸平面に沿った患者の椎骨の断面を、モデル化されたパイロットホール23(実線23)のモデル化された軸角αmに能動器具124の実際の軸角αa(破線Cで示す)を重ね合わせて、表示する。ここで、いずれの軸角も垂直軸S(例えば、内側-矢状面に沿った鉛直線)に対するものである。他の基準面および/または座標系を基準として使用することもできる。
【0102】
この情報を、パイロット孔23のための開始点情報と共に用いて、外科医は、掘削手順中、能動器具124の向き/軌道がモデル化されたパイロット孔23のそれと一致するように、能動器具124を操作することができる。この結果、患者の脊柱内に、モデル化された孔23のそれとほぼ一致する適切に位置合わせされたパイロット孔21ができる。
【0103】
図9に示す別の例では、コントローラ200は、各測定アセンブリ100によって測定された角度情報(α、β)を直接表示する。このようにして、ユーザは、角度を読み取り、それに応じて対応する能動器具124を操作する。
【0104】
図9は、システム10を構成する6つの個別の測定アセンブリ100の角度情報(α及びβ)を示す。各測定アセンブリ100は異なる能動器具124と組み合わさっているため、コントローラ能動器具124の名前をそれぞれの対応する角度情報と共に表示する。他の情報が表示されてもよい。
図9は、コントローラ200によって表示される6つの測定アセンブリ100の位置データを示しているが、システム10を構成する測定アセンブリ100の数はいくつでもよく、コントローラ200はそれらから受け取った情報を表示する。
【0105】
さらに、コントローラ200は処置中に外科医を援助するまたは誘導するソフトウェアウィザードまたはそれ以外の任意のタイプの対話型ツールを提供してもよい。
【0106】
コントローラ200はまた、例えば、能動器具124の位置合わせがモデル化されたパイロット孔23の位置から特定の閾値分だけ逸脱した場合に、警告等の他のタイプのリアルタイムフィードバックを外科医に提供することができる。例えば、能動器具124の角度方向が、予め定められた閾値を超える任意の平面に沿って、パイロット孔23のモデル化された角度方向から逸脱しているとみなされ得る場合、ユーザに警告するために可聴警告が発せられてもよい。他のタイプのフィードバックおよび警告、例えば、視覚、感覚、または任意の他のタイプのフィードバック、またはそれらの任意の組み合わせなど、を使用することもできる。
【0107】
コントローラ200は、システムのユーザが容易に見ることができる少なくとも1つのディスプレイ202を含むことができる。例えば、ディスプレイ202は、ディスプレイ202及びそこに示されるフィードバックを見るために外科医が単にわずかに上向きに目をやるような位置に配置することができる。別の例では、コントローラ200のディスプレイ202は、ユーザがディスプレイ202と患者の両方を同時に見ることができるように、ユーザのアイグラスに埋め込むことができる。ディスプレイ202は、システム10の複数のユーザの少なくとも一部の人たちによって見ることができる如何なる場所にも配置されてもよいことが理解できよう。
【0108】
外科医は、任意の特定の手術中にシステム10によって提供される全ての情報を利用する必要がない。例えば、外科医は、皮質ランドマークに基づいてパイロット孔21の入口点を決定し、次いで、システム10によって提供された向きおよび軌道情報を利用して、パイロット孔21を穿孔することができる。システムによって提供される情報のうちのいずれかおよび/またはすべてが、外科医の裁量において外科医によって利用されることが可能であること、そして、システム10の範囲は、外科医がその情報を利用しようがしまいが、その情報によって決して限定されないことが理解されよう。
【0109】
当業者であれば、本明細書を読めば、突き錐118として能動器具124を説明した上記の例はデモンストレーション目的のためのものであり、能動器具124は任意のタイプの器具117とすることができることが理解されよう。
【0110】
例えば、器具117は、
図10に示されるようなプローブ126とすることができる。プローブ126は、ハンドル128及びシャフト130を含むことができる。測定アセンブリ100は、プローブ128が能動器具124となり得るように、プローブ128(それのハンドル128又は他の場所)と合体(結合)している。
【0111】
1つの好ましい実施形態では、プローブ126は、上述した穿孔されたパイロット孔21の角度方向及び軌道を測定するために使用することができる。プローブ126は、穿孔されたパイロット孔21に挿入され、プローブ126の角度方向および軌道(したがって、パイロット孔21の角度方向および軌道)がシステム10によって測定され、処理され、表示される。このようにして、パイロット孔21の角度方向及び軌道は、前の節で説明したように、モデル化されたパイロット孔23と適切に相関しているものとして確かめられる。
【0112】
図11に示す別の実施例では、器具117は、各椎弓根スクリュー20をその対応するパイロット孔21にねじ込むために使用され得るドライバ132(例えば、スクリュードライバー)である。ドライバ132は、ハンドル134とシャフト136とを含むことができる。測定アセンブリ132は、ドライバ132が能動器具124であるよう、ドライバ132(例えば、それのハンドル134)と結合されている。このようにして、挿入中のスクリュー20の軌道は、モデル化されたパイロット孔23(および実際のパイロット孔21)の軌道と一致するように監視され得る。これは、椎弓根スクリュー20がその挿入中にパイロット孔21の外側の別の軌道を進まないことを保証する。
【0113】
別の好ましい実施形態では、器具117は、
図12に示されるような皮下注射針138である。皮下注射針138は、ハンドル140、本体142および針144を含むことができる。測定アセンブリ100は、皮下注射針138が能動器具124となるように、皮下注射針132(その本体136または他の場所)と結合されている。
【0114】
1つの好ましい実施形態では、皮下注射針132を使用して、患者の体内への注射を行うことができる。いくつかのこのような手順では、注射を適切に行うために、皮下注射針138の向きを特定の角度に保持することが必要であり得る。能動器具124として、システム10は、皮下注射針132のリアルタイムの角度配向を測定し、処理し、表示して、外科医が皮下注射針を好ましい位置に操作できるようにすることができる。
【0115】
この例では、システム10は、患者の撮像情報を使用しても使用しなくてもよく、代わりに、理論的にモデル化されたデータを使用して、この手順中ユーザを案内することができる。あるいは、ユーザは、システム10によって提供された位置データを単に使用し、既知の基準座標系(例えば。垂直鉛直線)に関して能動器具124を操作してもよい。
【0116】
上では、測定アセンブリ100およびコントローラ200を含むシステム10は、脊椎安定術および皮下注射針を使用する注射等の外科的処置に関して説明されてきたが、他のタイプの外科的処置もシステム10の使用から利益を得ることができる。例えば、カイフォプラスティ、骨内の既知の病変の経皮的骨生検、定位手術を必要とすることがある脳内の神経外科的処置、ならびに他の外科的処置もシステム10と共に使用され得、そしてシステム10から利益を受けることができる。
【0117】
開示されたまたはそうでない実施形態の全てにおいて、測定アセンブリ100および/または能動器具124は、使い捨てであってもよく、一度使用されて廃棄されるように設計されてもよい。あるいは、測定アセンブリ100および/または能動器具124は、複数回使用されるように設計されてもよい。
【0118】
さらに、開示されたまたはそうでない実施形態の全てにおいて、測定アセンブリ100および/または能動器具124は、滅菌されること、および/または滅菌装置として提供され得ることが好ましい。
【0119】
プロセスが本明細書に記載されている場合、当業者であれば、このプロセスは、ユーザの介入なしに動作することができることを理解するであろう。別の実施形態では、プロセスは、何らかの人間の介入を含む(例えば、あるステップは、人によって、または、人の助けによって実施される)。
【0120】
特許請求の範囲を含めて、本明細書で使用されている通り、語句「少なくともいくつか」は、「1つ以上」を意味し、1つのみの場合も含んでいる。したがって、例えば、語句「少なくともいくつかのABC」は、「1つ以上のABC」を意味し、1つのABCのみの場合を含む。
【0121】
特許請求の範囲を含めて、本明細書で使用されている通り、用語"少なくとも1つ」は、「1つ以上」を意味していると解されるべきであり、したがって、1つの構成部分を含む実施形態または複数の構成部分を含む実施形態の両方を含む。さらに、用語「少なくとも1つ」を伴う特徴を記載した独立請求項を引用する従属請求項は、その特徴が「前記(the)」及び「前記少なくとも1つ」として言及される場合、同一の意味を有する。
【0122】
用語「部分(portion)」は、一部または全部を意味する。したがって、例えば、「Xの部分」は. 「X」の一部または「X」の全部を含み得る。会話の文脈において、用語「部分」は会話の一部及び全部を意味する。
【0123】
特許請求の範囲を含めて、本明細書で使用されている通り、語句「~を用いて、~を使用して(using)」は、「少なくとも~を用いて、少なくとも~を使用して」を意味し、排他的な意味ではない。したがって、例えば、文言「Xを用いて」は、「少なくともXを用いて」を意味する。語「のみ」の使用によって特に明記しない限り、文言「Xを用いて」は、「Xのみを用いて」を意味しない。
【0124】
特許請求の範囲を含めて、本明細書で使用されている通り、文言「~に基づいて」は、「部分的に~に基づいて」または「少なくとも部分的に~に基づいて」を意味し、排他的な意味ではない。したがって、例えば、文言「因子Xに基づいて」は、「部分的にXに基づいて」または「少なくとも部分的にXに基づいて」を意味する。語「のみ、だけ(only)」の使用によって特に明記しない限り、文言「因子Xに基づいて」は、「因子Xのみ(だけ)に基づいて」を意味しない。
【0125】
一般的に、特許請求の範囲を含めて、本明細書で使用されている通り、文言中に語「のみ」が明記されない限り、その語はその文言中に含まれていると読むべきではない。
【0126】
特許請求の範囲を含めて、本明細書で使用されている通り、語句「異なる(distinct))」は、「なくとも部分的に異なる」を意味する。特に明記しない限りは、「異なる」は、完全に異なることを意味するものではない。したがって、例えば、文言「Xは、Yとは異なる」は、「Xは、Yとは少なくとも部分的に異なる」ことを意味するのであって、「Xは、Yとは完全に異なる」ことを意味しない。したがって、特許請求の範囲を含めて、本明細書で使用されている通り、文言「Xは、Yとは異なる」は、「Xは、少なくともいくつかの方法(態様)でYとは異なる」ことを意味する。
【0127】
本明細書及び特許請求の範囲において、語「第1」、「第2」等々は、区別または識別するために使用しているのであって、順序又は数値的制限のために使用しているのでないことを、理解すべきである。同様に、文字ラベル(例えば、「(A)」、「(B)」、「(C)」等々、または「(a)」、「b)」、「(c)」等々)及び/又は数字(例えば、「(i)」、「(ii)」等々)は、読みやすさを助けるために、そして、区別しかつ/または識別するのを助けるために、使用されるのであって、限定的することを意図するものではなく、また、任意の連続的または数値的な制限または順序を課すかまたは暗示することを意図するものでもない。同様に、本明細書および特許請求の範囲において、「特定の」、「所定の」、「或る」、「所与の」等の言葉は、それらが用いられた場合には、区別または識別するためであって、限定することを意図するものではない。
【0128】
特許請求の範囲を含めて、本明細書で使用されている通り、用語「複数(multiple, plurality)」は、「2つ以上」を意味し、「2つ」の場合を含む。したがって、例えば、文言「複数のABC」は「2つ以上のABC」を意味し、「2つのABC]を含む。同様に、例えば、文言「複数のPQR」は、「2つ以上のPQR」を意味し、「2つのPQR]を含む。
【0129】
本発明はまた、用語、特徴、値および範囲などが「約」、「おおよそ」、「~前後」、「略」、「大体」、「実質的に」、「本質的に」等の用語と一緒に使用される場合には、まさにこれらの用語、特徴、値および範囲など、そのものをカバーする(例えば、「約3」または「おおよそ3」は、ちょうど3の場合もカバーし、もしくは、「実質的に一定」は、厳密に一定であることをカバーする)。
【0130】
特許請求の範囲を含めて、本明細書で使用されている通り、単数形の用語は、文脈がそうでないことを示す限り、複数の形も含むものとして解釈されるべきであり、その逆も同様である。したがって、本明細書で使用されるように、単数形の冠詞「ある1つの(a)」、「ある1つの(an)」、「その(the)」は、文脈がそうでないことを明確に指示しない限り、複数のものにも言及していることに留意すべきである。
【0131】
本明細書および特許請求の範囲全体を通して、用語「備える」、「含む」、「有する」、「含有する」等及びこれらの用語の変化形は、「~を含むが、それ(それら)に限定されない」と理解されるべきであり、特に明記しない限り、他の構成部分を排除することを意図するものではない。
【0132】
本発明の実施形態の変形は、本発明の範囲内にある限り行うことができることが理解されるであろう。同じ、等価または類似の目的に役立つ代替的な特徴は、別段の記載がない限り、明細書に開示された特徴と置き換わることができる。したがって、特に明記しない限り、開示された各特徴は、包括的な一連の等価または類似の特徴のうちの一例を表している。
【0133】
本発明はまた、用語、特徴、値および範囲などが「約」、「おおよそ」、「~前後」、「略」、「大体」、「実質的に」、「本質的に」等の用語と一緒に使用される場合には、これらの用語、特徴、値および範囲など、厳密にそのものをカバーする(例えば、「約3」または「おおよそ3」は、ちょうど3の場合もカバーし、もしくは、「実質的に一定」は、厳密に一定であることをカバーする)。
【0134】
「例えば」、「~など」等の例示的文言の使用は、本発明をより上手に説明することを意図するものに過ぎず、特に特許請求の範囲に記載されない限りは、本発明の範囲を限定するものではない。
【0135】
現時点で最も実用的で好ましい実施形態であると考えられるものに関して本発明を説明してきたが、本発明は、開示された実施形態に限定されるものではなく、むしろ、添付の特許請求の範囲の精神および範囲内に含まれる様々な変更および均等な構成を包含することが意図されていることが、理解されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドヘルド外科器具の角度方向に関するフィードバックを提供するシステムであって、
集積回路を含み、前記ハンドヘルド外科器具に取り付けられるように構成されており、前記ハンドヘルド外科器具に取り付けられたとき、重力に対する前記ハンドヘルド外科器具の静的加速度の量に基づいて、前記ハンドヘルド外科器具の角度方向を測定する加速度計を含み、測定された角度方向に基づく信号を提供し、前記信号を処理する測定アセンブリと、
処理された前記信号を受信するように構成され、視覚的表示が前記ハンドヘルド外科器具の前記測定された角度方向のフィードバックを提供することを可能とするアプリケーションと、を備えたシステム。
【請求項2】
前記測定アセンブリは、前記測定アセンブリを前記測定アセンブリが取り付けられた前記ハンドヘルド外科器具のみに関連づける一意の電子識別子を含んでいる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記測定アセンブリは、前記測定アセンブリに給電し、単一の外科処置に対応する寿命を有するバッテリを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記測定アセンブリは、そこに取り付けられたときにのみ前記ハンドヘルド外科器具と軸方向に位置合わせされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記測定された角度方向は、重力に対する三次元空間における向きである、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記測定された角度方向の視覚的表示は、重力に対する前記ハンドヘルド外科器具の軸角および矢状角を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
ハンドヘルド外科器具の角度方向を測定するようになっている角度測定アセンブリであって、
そこに取り付けられたときに前記ハンドヘルド外科器具と軸方向に位置合わせされるように、前記ハンドヘルド外科器具に取り付けられるように構成されたパッケージを備え、
前記パッケージには、
前記パッケージが取り付けられたときに前記ハンドヘルド外科器具と軸方向に位置合わせされ、重力に対する前記ハンドヘルド外科器具の静的加速度の量に基づいて、前記ハンドヘルド外科器具の角度方向を測定し、測定された角度方向に基づいて信号を出力する加速度計と、
測定された角度方向に基づいて信号を処理するプロセッサと、
処理された信号を送信する送信機と、
バッテリを備えた電源と、
が含まれており、前記角度測定アセンブリは、前記バッテリの寿命の間だけ動作可能であり、
前記角度測定アセンブリは一意の電子識別子を含んでいる、角度測定アセンブリ。
【請求項8】
前記一意の電子識別子は、前記角度測定アセンブリを、前記パッケージが取り付けられた前記ハンドヘルド外科器具のみに関連付ける、請求項7に記載の角度測定アセンブリ。
【請求項9】
前記角度測定アセンブリは一回の使用のためにのみ使用可能であり、かつ/または使い捨てである、請求項7に記載の角度測定アセンブリ。
【請求項10】
前記送信機は、重力に対する前記ハンドヘルド外科器具の軸角および矢状角に付いての情報を送信する、請求項7に記載の角度測定アセンブリ。
【請求項11】
前記パッケージは、前記ハンドヘルド外科器具に取り付けられたときに前記ハンドヘルド外科器具のプロファイル内に部分的に収まるように十分小さい、請求項7記載の角度測定アセンブリ。
【請求項12】
前記加速度計から出力される信号は軌跡情報にも基づいている、請求項7記載の角度測定アセンブリ。
【請求項13】
前記送信機はブルートゥース対応の送信機である、請求項7に記載の角度測定アセンブリ。
【請求項14】
重力に対する自身の角度方向に関する情報を提供するようになっているハンドヘルド外科器具を備えた、手術を行うためのシステムであって、
前記ハンドヘルド外科器具は、
ハンドルと、
前記ハンドルに取り付けられた器具と、
前記ハンドルに取り付けられ、プロセッサを含み、前記ハンドヘルド外科器具の位置合わせされた加速度計を含み、重力に対する前記ハンドヘルド外科器具の静的加速度の量に基づいて、前記ハンドヘルド外科器具の角度方向を測定し、測定された角度方向に基づいて信号を出力する測定アセンブリと、
を備え、
前記プロセッサは前記加速度計からの出力を処理し、
前記測定アセンブリは、一意の電子識別子を含む、システム。
【請求項15】
前記処理された信号は、視覚的表示に提供され、視覚的表示が、前記ハンドヘルド外科器具の前記測定された角度方向のフィードバックを提供できるようにする、
請求項14に記載の手術を行うためのシステム。
【請求項16】
視覚的表示に提供された前記処理された信号は、視覚的表示が、重力に対する前記ハンドヘルド外科器具の前記測定された軸角および矢状角のフィードバックを提供できるようにする、
請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記ハンドルは、平坦部、スロット、または内側凹部を含み、前記測定アセンブリは前記ハンドルにしっかりと取り付けられている、請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記ハンドヘルド外科器具は突き錐、プローブ、またはスクリュードライバーを備えている、請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
前記測定アセンブリは、少なくとも1つのジャイロスコープを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項20】
前記測定アセンブリはバッテリを備えていて、前記測定アセンブリは前記バッテリの寿命の間だけ動作可能である、請求項14に記載のシステム。
【請求項21】
前記測定アセンブリは、機械的または物理的な動きを電気信号に変換する圧電性、ピエゾ抵抗型、または容量性の構成要素を備えている、請求項14に記載のシステム。