IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヴァーソノ・メディカル・リミテッドの特許一覧

特開2024-105687血管内の障害物を横断するための血管内装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024105687
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】血管内の障害物を横断するための血管内装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/32 20060101AFI20240730BHJP
   A61B 17/3207 20060101ALI20240730BHJP
   A61B 17/22 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
A61B17/32 510
A61B17/3207
A61B17/22
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024083821
(22)【出願日】2024-05-23
(62)【分割の表示】P 2021525008の分割
【原出願日】2019-11-06
(31)【優先権主張番号】62/756,100
(32)【優先日】2018-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】1906743.8
(32)【優先日】2019-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】521193304
【氏名又は名称】ヴァーソノ・メディカル・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】VERSONO MEDICAL LIMITED
【住所又は居所原語表記】SSL BUILDINGS, PARKMORE WEST BUSINESS PARK, GALWAY,H91 HP4F, IRELAND
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】ドラン,フィンバー
(72)【発明者】
【氏名】オドナヒュー,ヒュー
(57)【要約】
【課題】機械的振動がワイヤを介して遠位先端に伝達される、従来の血管内ガイドワイヤ設計ならびに既存のアクティブ化されたガイドワイヤおよびカテーテルシステムを進歩させた血管内装置を提供すること。
【解決手段】血管内の障害物を横断するための血管内装置であって、装置は、細長い血管内ワイヤ14と、使用中、ワイヤ14に沿って、超音波エネルギー源から、ワイヤ14の遠位端にあるアクティブ先端に超音波エネルギーを伝達するためのカップリングと、を含む。カップリングは、アクティブ先端への超音波エネルギーの伝達のために、ワイヤ14の長さに沿った複数の個別の動作位置のいずれかにおいて、ワイヤ14に源を結合するように配置されている。
【選択図】図27
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管内の障害物を横断するための血管内装置であって、前記装置は、
細長い血管内ワイヤと、
使用中、前記ワイヤに沿って、超音波エネルギー源から、前記ワイヤの遠位端にあるアクティブ先端に超音波エネルギーを伝達するためのカップリングと、を含み、
前記カップリングは、前記アクティブ先端への超音波エネルギーの前記伝達のために、前記ワイヤの長さに沿った複数の個別の動作位置のいずれかにおいて、前記ワイヤに前記源を結合するように配置されている、血管内装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
虚血とは、体内の臓器への不十分な血液供給のことである。アテローム硬化性血管では、血管壁の病変から生じる障害物、アテローム硬化性プラーク、または他の原因から生じる塞栓によって血管が遮断された結果として、虚血が発生する。アテローム硬化性プラークは、その構造が時間の経過とともに次第に硬くなる材料で構成されている。
【0002】
血管を部分的または完全に塞ぐことにより、遮断物は、遮断物の遠位にある組織へ流れる血液を制限し、細胞死および組織の健康状態の急速な悪化を引き起こす。
【0003】
このような遮断物を治療するための優先的な方法は、低侵襲の血管内血管形成術によるものである。これらの処置では、小径の治療デバイスを脈管系内に導入して、静脈および動脈の内腔を介して遮断物までナビゲートして、病変部位において展開して開存性を回復する。慢性アテローム硬化性プラークの治療における冠状動脈および末梢動脈内の閉塞を血行再建するこれらの処置は、急性塞栓性閉塞、血栓、または閉塞性血餅の治療にも使用することができる。
【0004】
これらの処置が行われる解剖学的構造には、下肢に供給する冠状動脈、神経脈管動脈、および末梢動脈が含まれるが、これらに限定されない。異なる解剖学的構造が異なる病変に関連付けられている。様々な末梢脈管に見られる病変は、冠状動脈に見られる病変と異なるタイプの課題をもたらす。腸骨動脈、大腿動脈、膝窩動脈、および膝窩下動脈は、様々な蛇行があり、多くの場合、冠状動脈または神経の脈管系よりもかなり小さい。しかしながら、これらの動脈は、血管内処置の成功に深刻な障害をもたらす、広範囲の石灰化の影響を受けやすい。
【0005】
血管内処置では、脈管系へのアクセスを得るのに使用するための動脈が選択され、採用される。選択は、標的部位への目的の診断または治療デバイスの通過に対応する動脈の能力、ならびに組織および患者の外傷を最小限に抑えることができる程度に基づいている。
【0006】
末梢動脈の血行再建処置では、多くの場合、大腿動脈、膝窩動脈、および足動脈への外科的切開および穿刺によってアクセスが行われ、これは、医学用語では、セルディンガー法として一般に知られている。アクセスが行われると、イントロデューサワイヤおよびイントロデューサシースが脈管内へ挿入され、部位に固定される。このシースは、デバイスの導入、引き抜き、および交換のためのポートとして機能し、動脈組織の剥離を最小限に抑える。次に、ガイドカテーテルおよびガイドワイヤが動脈内へ導入されて、さらなる保護を提供し、標的部位へのデバイスナビゲーションを支援する。
【0007】
ガイドワイヤは、脈管壁に外傷を引き起こさないように注意深く脈管の内腔に沿って押され、障害物の部位にナビゲートされる。成功した処置では、ガイドワイヤは、次に、障害物の向こう側へ、または障害物を通って押され、その場に保持されて、バルーンカテーテルおよびステントなどの診断または治療デバイスが閉塞の部位までその上をトラックされるガイドとして機能する。ガイドワイヤは、他の低侵襲処置において、他のデバイスおよび器具を脈管または体内の他の空洞内へ導入して、検査、診断、および異なるタイプの治療を可能にするために使用される。
【0008】
バルーン血管形成術の場合、バルーンカテーテルがガイドワイヤの上を通って脈管内へ導入され、閉塞部位にナビゲートされた後、バルーンが拡張され、閉塞材料を粉砕または押しつぶし、血流を回復させる。血管の開存性を維持するための足場として機能するために、押しつぶされた病変の領域の上にステントが配置されることがある。
【0009】
解剖学的構造を通して前進させられているガイドワイヤおよび他の診断治療デバイスの進行の視覚化は、通常、X線またはデュプレックス超音波によって行われる。他の解剖学的構造では、MRIの人気が高まってきている。
【0010】
上記で言及されたガイドワイヤを使用する他の医療処置には、胃腸、泌尿器科および婦人科に関する処置が含まれ、これらはすべて、病変部位または体内の病変より遠位の他の標的組織への、より大きく、しばしばより扱いにくいデバイスの通過を容易にするために、遮断物を通る通路が形成されることを必要とする。
【0011】
ガイドワイヤは、治療的介入の鍵であり、異なる材料、最も一般的には、ステンレス鋼およびNiTi(ニチノール)から製造され、多くの異なる設計を有する。それらの製造には、例えば、材料をワイヤに形成しながら冷間加工し、次いで、望ましいパフォーマンスをもたらすようにワイヤを異なる寸法の設計に機械加工することによる、材料の微細構造形態の修正を伴う。一例として、ワイヤの長さにわたって特定のテーパを機械加工して、ワイヤの長さに沿って示差的な度合いの可撓性を生じさせることができる。したがって、その遠位端では、ワイヤは、脈管の形状に従うのに十分な可撓性と、力を先端に伝達する強度(「先端強度」)または病変を横断する力とを有する。
【0012】
これらのデバイスの構造は、通常、ワイヤの全長、または個別のセクション、最も典型的には遠位セクションにわたって延在し得る細いコイルを含む。これらのコイルは、テーパ状セクションを介した力の伝達を支援し、ワイヤの全長を通して伝達することができる力を増加させる。それらはまた、ワイヤが、脈管の形状に簡単に従い、特に冠状動脈および神経脈管系の解剖学的構造内で遭遇し得る蛇行した解剖学的構造を通ってトラックすることを可能にする。
【0013】
ワイヤは、治療している解剖学的構造に関連付けられた様々な外径で利用可能になっている。直径0.010インチ(約0.25mm)のオーダーのワイヤが、神経脈管系で一般的に使用されるが、外径が0.014インチ~0.018インチ(約0.36mm~約0.46mm)のワイヤが、通常、冠状動脈用途で使用される。これらの0.014インチおよび0.018インチ(約0.36mmおよび約0.46mm)のワイヤはまた、多くの末梢脈管系にも、通常、膝窩下の足および脛骨の解剖学的構造にも使用される。腸骨、大動脈、および胸部の脈管などの罹患した大径で真っ直ぐな脈管にアクセスして治療する場合、0.035インチ(約0.89mm)の通常の外径のワイヤが使用され得る。外径0.016インチ(約0.4mm)および0.018インチ(約0.46mm)のワイヤは、大腿骨、膝窩、および膝窩下の脈管にアクセスする場合に一般的である。
【0014】
血管内処置で使用されるワイヤの長さも、それらが動作する可能性が高いと考えられる距離によって異なる。一例として、通常、750mm~最大900mmの長さのワイヤが、大腿骨または膝窩の解剖学的構造に導入され得るか、または同側の腸骨大腿膝窩および膝窩下動脈内の遮断物までトラックし、遮断物を通る必要がある多くの末梢用途で使用される。対側および冠状動脈の用途で使用されるワイヤは、長さが1200mm、1500mm、または1700mmのオーダーになる傾向がある。実際に、対側でトラックされ得るワイヤは、おそらく2000mm~2250mmまたは2500mmの長さのオーダーで、より長くなる可能性がある。
【0015】
これらの従来の血管内ワイヤは、臨床医によって加えられたエネルギー以外の任意のエネルギーを伝達しないという意味で、パッシブである。それらは、異なる解剖学的構造内の病変のアクセスおよび横断を容易にするために、および異なるデバイスのために、様々な構造および設計になっている。しかしながら、非常に多くの場合、閉塞は従来のワイヤが横断するには難しすぎる。
【0016】
末梢動脈の場合、これらの遮断物は、多くの場合、症状が重度であり、ワイヤの通過を可能にするには抵抗力が高すぎる材料で構成されており、これらの場合、血管内処置は、行うのにかなり多くの時間がかかるか、または多くの場合、病変を横断するためにより多くのデバイスが必要となるか、もしくは、非常に多くの場合、単に放棄される。
【0017】
50%を超える末梢動脈の症例において、特に、膝窩動脈、脛骨動脈、および腓骨動脈では、脈管は、病変によって完全に閉塞される。約30%の症例において、標的病変は重度に石灰化している。これらの石灰化病変は、事実上、平均して長さが20cmのオーダーであるさらに長く広範囲のびまん性病変内に、通常3cm~5cmの長さに延在する硬い非弾性のセグメントで構成されている。これらの病変の治療法を選択するには、従来の撮像からは容易に入手することができない長さおよび組成に関する洞察が必要である。
【0018】
ガイドワイヤが脈管内の病変を横断することができない場合、それは、処置の成功の可能性に大きな影響を与える。ガイドワイヤが脈管内の病変を横断することができないと、バルーン血管形成術およびステント留置術などの好ましい後続の処置が妨げられ、患者を治療する能力が制限される。
【0019】
遠位の膝窩下の脈管、または前部、後部の脛骨動脈および腓骨動脈における閉塞は、創傷および外傷に対する虚血応答をもたらし、創傷および切り傷の難治性潰瘍形成および組織に対する他の損傷につながる。この予想される応答により、外科的介入をあまり魅力がないものにし、慢性完全閉塞(CTO)に対する血管内ソリューションの必要性を高めている。
【0020】
従来のワイヤ設計は難治性病変を横断することができないことが多いという結果は、過去20年間にわたる、従来のガイドワイヤおよびバルーンを使用する高度な低侵襲血管内外科技法の開発につながっている。処置は、技術的に困難であり、かなりのスキルおよびトレーニング、ならびにより効率的に行われることを可能にするために作られた専門的なデバイスが必要である。内膜下アプローチや逆行性アプローチなどの技法が進化し、処置を支援するためのリエントリデバイスが登場した。
【0021】
内膜下技法は、病変の長さにわたって中膜の周りを、内膜に沿ってトンネリングして、遠位で脈管に再び入ることによって新しい経路を形成して病変をバイパスする。これらの経路は、開存性を維持するために、バルーン拡張およびステント留置によって確立される。これらの処置を容易にするために、リエントリデバイスが開発されている。
【0022】
逆行性技法は、順行性(大腿骨)アプローチで遭遇する石灰化した近位キャップよりも横断しやすい、閉塞のより柔らかい遠位キャップを利用する。これらの逆行性技法では、アクセスは、末梢疾患の場合、足または足首の病変の遠位にある脈管を介して得られるか、または冠状動脈の解剖学的構造では、側副(通常は中隔)脈管を介して得られる。これらの処置はより複雑であり、より高いスキルを必要とし、行うのにはるかに長い時間がかかる。
【0023】
末梢腸骨下処置では、病変を横断するために逆行性アプローチにエスカレートする前に、従来の(順行性)アプローチを試み、さらなる順行性の試みでワイヤを介してエスカレートすることに時間が費やされる。
【0024】
リソースが限られているヘルスケアシステムでは、需要の増加により、これらの命および肢を救う血管内技法の採用が臨床コミュニティにとって問題となっている。それらは、間違いなく最良の患者転帰を提供し、病院および地域ケアリソースの消費を少なくし、ヘルスケアシステムにより良い財政結果を提供する。しかしながら、これらの結果が広く認識されること、病院および臨床リソースが限られていること、ならびに現在の技法に必要である臨床トレーニングおよび実践がかなりのレベルであることによって、採用が制限されている。
【0025】
従来の血管内ガイドワイヤは、アクティブコンポーネントのないパッシブ機械デバイスである。それらは、近位端が押され、引っ張られ、トルクが加えられて遮断物部位にナビゲートし、次に遮断物を通してまたは遮断物の周りで押されることによって動作させられる。それらの設計は、表面の特性、剛性、および可撓性のバランスを取って、治療を送達する際にそれらがナビゲートおよび行動する方法を最適化する。これらのパッシブワイヤは、意図したとおりにはガイドワイヤとして機能しないか、または、かなり石灰化している可能性のあるほぼまたは完全に塞がれた遮断物を横断しようとする際は制限を受ける。
【0026】
先行技術の簡単な説明
小径のカテーテルおよびアセンブリを介して伝達される超音波振動を使用する幅広いアプローチは、米国特許第3433226号明細書に例示されるように、期限切れの先行技術および最近の先行技術の両方で確立されている。米国特許第5971949号明細書は、異なる構成および先端形状の導波路を介した超音波エネルギーの伝達について説明している。米国特許第5427118号明細書は、超音波ガイドワイヤシステムについて説明しているが、ワイヤの近位の形状、またはそれがどのようにオーバー・ザ・ワイヤ方法を介して後続のデバイスを容易にするかについては詳細に論じていない。
【0027】
現在の多くの単一トランスデューサシステムは、超音波でアクティブ化されるガイドワイヤではなく、代わりに、材料を攪拌および焼灼するためのワイヤ部材を含む超音波でアクティブ化されるカテーテルである。米国特許第6855123号明細書および米国特許第4979939号明細書に、そのようなシステムが説明されている。これらのカテーテル自体は、それらがナビゲートするのを助けるために別個のパッシブガイドワイヤを必要とし、したがって、別個のガイドワイヤが遮断物を横断することを容易にするためのツールである。米国特許第9629643号明細書は、様々な遠位先端構成を有するシステムを示しているが、すべてアクセスのために別個のガイドワイヤが必要である。
【0028】
これらのデバイスは、血行再建術の代替方法を提供することを対象とし、アテローム切除デバイスとして説明されている。それらは、従来のPTAおよびPTCA治療デバイスによる血行再建をもたらすためのデバイスの送達を容易にするために、病変を横断することは特定していない。
【0029】
当技術分野では、これらの超音波デバイスおよび再疎通ワイヤデバイスは、臨床的アテローム切除処置を向上させるという主張に関連付けられている。それらは、血行再建を向上させ、病変を形成するプラークを除去することによって病変を減量させることによって、アテローム切除術を提供またはもたらす。
【0030】
多くの先行技術の開示は、柔らかい柔軟組織に対して非外傷性であるそのようなデバイスの動作の結果として、脈管解離の可能性の低下を挙げている。疎水性または親水性のコーティングに依存することなく、脈管系を通るワイヤの動きを容易にするものもある。
【0031】
超音波血管内デバイスの振動が、従来のデバイスを使用する任意の血管形成術の過程で発生する可能性のある有害事象である血管痙攣の可能性をどのように低減できるかについても、当技術分野で繰り返し言及されている。この治療上の利点は、組織をマッサージするワイヤの振動の効果から生じると考えられている。米国特許第5324255号明細書を参照されたい。
【0032】
これらの血行再建デバイスの初期の研究者は、組織との接触によってその有効性がどのように影響を受けたかを公開文献で報告し、損失を克服するために段階的な増加で電圧を手動で調整することによって、損失を克服するためにシステムの電力をどのように増加させたかを説明している。これは、振幅を増加させるために電圧を変化させたり、周波数を変化させたりするなど、損失の影響を克服するための何らかの手段を与える必要があることを示している。
【0033】
後のおよび現在の設計では、超音波発生器システムは大きなユニットになり、脈波を生成および制御するようにスケーリングされている。今日の電子技術は、そのようなシステムをより小さな形でパッケージ化することを可能にし得るが、小型化のコストはこれに反する。また、実用的有用性の考慮事項は、既知のシステムが一般に別個の要素を含むことを意味する。例えば、多くのシステムは、信号発生器をトランスデューサとは別個のユニットに収容して設計されており、一部は臨床環境でかなりのスペースを占める大型のトロリーユニットに取り付けられている。米国特許第6450975号明細書、米国特許出願公開第2008/0228111号明細書、および米国特許第9282984号明細書のすべてに、そのようなシステムが説明されている。
【0034】
先行技術では、多くのシステムは、電流をモニタリングするフィードバックループを介した振幅の半自動制御について説明している。これは、電圧を変調することにより、脈管系を通るデバイスの通過を介して、および病変をトンネリングする際に最大の先端変位を達成するための手段を提供する。これらのシステムは、この変調を先端の変位およびトンネリング効果、または病変の組成もしくは特徴に直接関連付けていない。
【0035】
Angiosonicによる米国特許第6577042号明細書は、狭い周波数範囲でトランスデューサの電流をインタロゲートするアルゴリズムにおける、電流による出力振幅の変調について説明している。これにより、電力が一定レベルに維持され、狭い周波数範囲で電流および電圧がモニタリングされて、アクティブ化される部材であるソノトロードの障害が検出され、最適化された出力周波数が確認される。
【0036】
Soundbiteによる国際公開第2018/002887号は、複数のトランスデューサまたは波の集束を使用して集中波プロファイルを生成する異なるアプローチについて説明している。この場合も、大きな物理ユニットが必要になる。ユニットは、少なくとも2つの異なる成分波を取得し、それらを導波管内で組み合わせて所望の出力波を形成することによって、デバイス内のトランスデューサによって生成された音波のオーケストレーションを通じて出力超音波を作る。これらの方法はすべて、ソリューションをもたらすためには実質的なデータ取得およびコンピュータシステムを必要とする。
【0037】
機械的導波管または伝達部材をホーンに結合する方法は重要であり、多くの接続方法が開示されている。米国特許第4572184号明細書は、ワイヤがねじ内に保持されるねじコネクタを使用する方法を開示している。内部接続機構に加えて、米国特許第6508781号明細書、米国特許第5971949号明細書、米国特許第5417672号明細書、および米国特許第9433433号明細書など、ユーザがこれらの機構と対話することができるようにする設計特徴に関連付けられた多数の特許がある。
【0038】
ワイヤが脈管を通って移動するやり方を最適化するために、横方向の制約についても挙げられている。文献はまた、伝達接合部でのひずみ逃しの提供についても挙げている。
【0039】
ワイヤの性質は、その形または形状に関して対処されており、米国特許第6589253号明細書に開示されているような中実ワイヤが最も一般的であるが、米国特許第4538622号明細書にあるような中空構造の提案も存在する。ワイヤの長さに沿った共振を最適化するだけでなく、遠位先端の変位を駆動するためにテーパを介してワイヤを修正することが挙げられている。材料の組成もまた、例えば、それぞれ米国特許第8500658号明細書および米国特許第5397301号明細書に開示されているように、タイプおよび組み合わせならびに複合材料構造の観点からも重要である。
【0040】
超音波でアクティブ化されるカテーテルおよびワイヤシステムは、過去にアテローム切除術の方法として、および血管形成術治療のための脈管を準備するために考慮されてきている。いくつかの製品が過去に市販され、一部は引き続き市場に出回っており、いくつかの新しいシステムが最近市場に出ている。これらの様々なタイプのカテーテルについて以下に参照する。
【0041】
これらのカテーテルおよびワイヤシステムには、多くの場合、a)主電源を、電圧振幅および周波数によって定義される超音波波形に変換する超音波発生器、b)超音波トランスデューサ、および、多くの場合、電気エネルギーを、振動の周波数および振幅によって定義される高周波の機械的振動に変換する増幅ホーン、ならびに、c)機械的振動をワイヤの遠位先端に伝達する、ホーンに結合された小径の導波管、が含まれる。これにより、ワイヤの遠位先端が所望の振幅および周波数で振動して、材料を焼灼し、最終的には、全身の脈管および解剖学的構造の血行再建または再疎通を容易にすることを目的とする。
【0042】
遠位先端の近くの組織および材料は、先端の超音波による動きとその直接的な機械的剥離との組み合わせ、圧力波成分からの焼灼およびキャビテーション、ならびに先端の周りのゾーンから焼灼された材料を除去する音響ストリーミングによって影響を受ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0043】
【特許文献1】米国特許第3433226号明細書
【特許文献2】米国特許第5971949号明細書
【特許文献3】米国特許第5427118号明細書
【特許文献4】米国特許第6855123号明細書
【特許文献5】米国特許第4979939号明細書
【特許文献6】米国特許第9629643号明細書
【特許文献7】米国特許第5324255号明細書
【特許文献8】米国特許第6450975号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2008/0228111号明細書
【特許文献10】米国特許第9282984号明細書
【特許文献11】米国特許第6577042号明細書
【特許文献12】国際公開第2018/002887号
【特許文献13】米国特許第4572184号明細書
【特許文献14】米国特許第6508781号明細書
【特許文献15】米国特許第5417672号明細書
【特許文献16】米国特許第9433433号明細書
【特許文献17】米国特許第6589253号明細書
【特許文献18】米国特許第4538622号明細書
【特許文献19】米国特許第8500658号明細書
【特許文献20】米国特許第5397301号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0044】
本発明は、機械的振動がワイヤを介して遠位先端に伝達される、従来の血管内ガイドワイヤ設計ならびに既存のアクティブ化されたガイドワイヤおよびカテーテルシステムを超えるディスラプティブな進歩である。
【0045】
本発明の概念の態様は、添付の特許請求の範囲に述べられている。
【0046】
カスタマイズされた血管内外科用ワイヤデバイス内に振動を誘発し、人工知能および/またはスマートエレクトロニクスをシステム内でフィードバックするためにインタロゲートおよび適用して、血管内の閉塞にナビゲートし、閉塞を横断し、および閉塞を特徴付ける際のデバイスのパフォーマンスの最適化に使用する、超音波システムが開示されている。
【0047】
本発明は、任意の動脈または他の脈管内の任意の組成の任意の閉塞を、迅速に貫通および横切ることを目的とするデバイスを提供する。デバイスは、血行再建をもたらし、足用途などにおいて血流を回復するために、スタンドアロンの処置で使用することができる。
しかしながら、デバイスは、血管の血行再建をもたらし、支援するための血管内診断および治療デバイスの後続の輸送を容易にするために最も有利に使用される。
【0048】
超音波によってアクティブのガイドワイヤデバイスは、1)スタンドアロンの処置として、またはアクティブ化されたガイドワイヤもしくはパッシブガイドワイヤとして、複雑で石灰化した脈管閉塞を横断すること、および、2)補助デバイスの通過を可能にして、脈管の血行再建および足場作りをもたらす導管を提供することを目的とする。
【0049】
文献、特許、および市場に出された製品では、ワイヤまたは超音波でアクティブ化されるシステムの概念はすべて、デバイスの近位端に設置されてクランプされている。
【0050】
本発明の実施形態では、ワイヤの長さに沿ってどこでも間隔を置いて行われる伝達またはアクティブ化を提供する。これにより、アクティブ化デバイスをワイヤの長さに沿って動かしたり、特定の場所、例えば、アクティブ化ポートの近くの場所に残したりすることができ、また、ワイヤをデバイスに出し入れして、治療デバイスの横断のために準備をすることができる。
【0051】
ある意味で、本発明は、3つの相互に連結されたコンポーネント、すなわち、a)コンパクトなハウジング、ならびに超音波源およびコネクタとして機能するコンポーネントと、b)解剖学的系に入り、アクティブ遠位先端にエネルギーを伝達するためのアクティブ横断ワイヤアセンブリと、c)信号取得、処理、および通信チップセットと、を含むシステムにある。コンパクトなハウジングユニットは、超音波発生器、超音波トランスデューサ、ホーン、および制御ユニットを有し、これらはすべて、血管内横断ワイヤを励振し、システムの励振をモニタリングおよび変調して、血管内閉塞の横断および特徴付けをもたらすカップリングユニットを介して接続するように設計された持ち運び可能なコンパクトなハウジングユニット内にともに収容されている。オンボードの信号取得および処理チップセットは、信号発生器の励振を取得および制御し、システムからそのユーザおよび/または外部データ取得システムへの出力の通信を提供することができる。
【0052】
本発明は、血管内横断ワイヤを、有利にはその全長に沿って超音波でアクティブ化するデバイスにある。本発明の切り離し手段を介してアクティブ化ユニットから結合分離されると、横断ワイヤは、ワイヤが一次横断デバイスとして機能することを可能にすることができる公称外径を有する。アクティブ化ユニットは、ワイヤに結合およびワイヤから結合分離され、また、ワイヤの長さに沿って間隔を置いて結合され得る。結合分離されると、アクティブ化ユニットはまた、閉塞部位への、ワイヤの上を通る、アテローム切除脈管準備デバイス、血管形成カテーテルおよびステントなどの治療デバイスの通過を容易にする。
【0053】
コントローラは、電流および電圧、ならびに入射波形、反射波形、および定在波形の周波数および振幅の測定値をモニタリングすることができ、それによって遠位先端の変位を推定することができる。これらの変数の変調は、ワイヤが解剖学的構造の中を移行し、石灰化した慢性完全閉塞を含む異なるタイプの閉塞を横断するときにモニタリングされ得る。石灰化病変対非石灰化病変の決定、および石灰化セグメントの持続時間または長さの決定は、本発明のいくつかの態様の鍵である。
【0054】
超音波発生器を駆動するために使用される信号は、加熱を低減し、共振周波数でのオフセットの解析およびマッチングを最適化するために、パルス化または変化させることができる。狭い周波数範囲にわたる電圧のパルス変調は、横断ワイヤをアクティブ化し得る。
デジタル信号プロセッサユニットが、行われた測定値をインタロゲートし、フィードバックを提供し、部位にナビゲートする際の解剖学的蛇行による損失と、閉塞を通過することから生じる損失との相対的な寄与を解釈および比較することができる。
【0055】
各標準ワイヤタイプの特定のアルゴリズムを使用して、処置に関連する条件で異なるレベルの周波数および電力、ならびにデバイス構成で励振されたときの遠位先端のたわみによってマップアウトされた直径を推定することができる。アルゴリズムは、閉塞を通るトンネルセクションの長さに沿った直径を推定することができる。
【0056】
本発明のシステムは、超音波波形が発生したとき、伝達部材を通過するとき、および共振振動の変換が生じたとき、脈管系および閉塞を通過している間に反射波形が伝達部材によって減衰されるときの超音波波形を示す測定値から得られたデータを処理することができる。このデータは、オンボードアルゴリズムによって処理または操作されて、生データを処置に関連する出力に変換するために動作を行う。
【0057】
伝達された信号の変調がモニタリングおよび解析される場合、本発明のシステムは、電圧制御を通じてシステムのエネルギー損失を、場合によっては自動的に調整して、システムの電力を増加させ、ワイヤが閉塞へと脈管系を通って通過するときにワイヤ内で遭遇するエネルギー損失を補償することができる。システムは、これらの損失をワイヤが閉塞を通過するときの追加の損失から区別することができ、後者の損失を補償して遠位先端における変位を維持することができる。
【0058】
測定されたパラメータおよび変数は、数値的に操作されて、それらの測定値の相互および他のパラメータに対する変化率を決定することができる。本発明のシステムは、アクティブシステムからのこれらの計算された値と所定の値のセットとの差を数値的に比較および解釈して、脈管を塞いでいる材料の性質を特徴付けることができる。任意選択で、ユーザがシステムの電力を増加させ、したがって導波管を駆動するためのエネルギーのレベルを増加させることを可能にするオーバーライドコントローラによって、手動でエネルギーを制御することができる。電流または電圧の調整を通じて手動のパルスオーバーライドを提供する手段を使用して、予期しない事象またはワイヤへの干渉によるシステム内の突然の損失に即座に、または先制して対処することができる。
【0059】
出力は、小さなディスプレイに視覚的に提示されることも、または、ユーザがアクセス可能であり、見ることができるデバイスにオンボードで設置されたハプティックインターフェイスなどの触覚的または聴覚的ハードウェアを介して提示されることもできる。
【0060】
任意選択で、アクティブ横断ワイヤアセンブリは、超音波アクティブ化なしのパッシブモードで利用することができ、または、ワイヤをハウジングユニット内の超音波トランスデューサおよび音響ホーンに機械的に結合して超音波振動を伝達することができ、次にワイヤをハウジングユニットから切り離して、ワイヤを後続の処置のための構成に戻すことができる。
【0061】
アクティブワイヤアセンブリは、ワイヤアセンブリへの超音波振動の効率的な伝達を可能にするやり方で、アクティブワイヤアセンブリを音響ホーンおよびコンパクトなハウジングユニットに接続するための手段によって接続することができる。幾何学的に成形された近位先端は、結合コネクタ内に簡単に設置され、ロードされ、および締まりばめされるように最適化されて、迅速なロードおよびアンロード、ならびにワイヤを介したエネルギーの忠実な伝達を容易にし得る。
【0062】
ワイヤの近位端は、それが音響ホーン内に設置され、音響ホーンと直接接触で係合することを可能にする形に機械加工され得る。ワイヤがこの位置に設置されると、二次機構がロックユニットの円周方向面と合わさる位置にクランプまたはロックされ得、ワイヤは機構が解放されるまで所定の位置に残る。
【0063】
カスタムアクティブ横断ワイヤアセンブリは、処置のために部分をカップリングの内外に設置できるようにする統合された設置ボスを有するシステムに提示することができる。
正確に制御されたやり方でワイヤを切断して、デバイスの残りの部分を後続の処置のための送達ワイヤとして使用することができるようにする機構によって、音響ホーンから超音波でアクティブ化された血管内ワイヤを迅速に結合分離するための手段を提供することができる。ボスは、ワイヤの結合および切断または破砕のいずれか、または両方の機能を行うことができる。
【0064】
カスタムアクティブワイヤアセンブリは、その長さに沿って一定の間隔で配置され、デュプレックス撮像下で可視である、高周波偏向下での放射線不透過性を最適化するための特徴を有し得る。そのような特徴は、機械加工され得るか、および/または、例えば、金または白金のマーカーバンドを含み得る。超音波だけでなくX線も使用して、処置中に閉塞の長さを推定することができる。
【0065】
横断ワイヤの遠位先端エッジは、組織への外傷の可能性を制限するために丸みを帯びて滑らかにすることができ、病変を横断するために最適化された引っかき傷に強い材料から製造することができる。
【0066】
本発明のカスタム横断ワイヤは、ステアリングのために形成可能または成形可能な遠位先端、および可視性のための放射線不透過性を有して、標的病変へのおよび標的病変を通るより効率的なトラッキングを提供し、側枝へのアクセスを容易にすることができる。
【0067】
横断ワイヤは、ASTMタイプI~タイプIVの低含有密度ニチノールワイヤなどの弾性の耐破砕性材料から作られており、異なる直径および標的解剖学的構造に最適化された特性に基づいて選択される。
【0068】
横断ワイヤは、フレッチングによる悪影響をさらに最小限に抑え、凝固の可能性を最小限に抑えるために、潤滑性のある親水性および疎水性コーティング、および/または低摩擦ジャケットを有し得る。
【0069】
コントローラは、変換された放出波および受信波形のすべての測定値を処理することができる。ユーザインターフェースは、任意の遮断物を通って前進しているデバイスのパフォーマンスおよび進行状況を通信し、視覚的、聴覚的、またはハプティクスなどの触覚的手段を介して病変の組成および長さの特徴付けに関するフィードバックを提供することができる。
【0070】
本発明のシステムは、解析および記憶のために、デバイスと、別のデバイスまたはワイヤレスもしくはクラウドサービスとの間のデータの通信を可能にすることができる。
【0071】
ワイヤが通過するルアーデバイスに取り付けられた補助デバイスが、脈管を通るワイヤの動きに関連する遠隔測定を提供することができる。
【0072】
自動化されたドライブを使用して、脈管系へのワイヤの挿入および引き抜きの速度を注意深く制御して、病変の長さ全体にわたるプラークの組成に関するより正確なフィードバックを提供することができる。これは、病変および血管内環境のより精密な特徴付けをもたらすための手段を提供する。
【0073】
音響ホーンおよびトランスデューサアセンブリは、内部のワイヤ接続/切断機構またはロッキングコレットを有して、アセンブリの全長にわたって中空ポートを有し得る。
【0074】
本発明のシステムは、超音波システムのコンポーネントが分散されている、3つの相互に連結されたコンポーネントを含み得る。例えば、発生器は、コンパクトユニットとは別個であり得る。
【0075】
ワイヤは、圧着スリーブ内に固定され得る。圧着スリーブは、スリーブの長さにわたってワイヤを捕捉する。スリーブは、円筒形であり得るか、または、好ましくは多角形の断面、例えば、均一にワイヤ上に圧潰する六角形または八角形のパターンであり得る。スリーブ、またはコレットなどの他の結合構造は、例えば、ステンレス鋼またはアルミニウムから作製され得る。
【0076】
圧着セクションは、制御された力の下で加えることができ、圧潰されたスリーブの壁の厚さは、ワイヤに均一な負荷がかかることを保証する。好都合なことに、圧着スリーブの近位端は、トランスデューサヘッド内へねじ込むためにねじ切りされ得る。あるいは、ワイヤは、近位の長さでワイヤを捕捉する圧着された止めねじ内に固定されてもよい。
【0077】
構造
好ましい実施形態では、本発明のシステムは、
a)信号電力発生器と、
b)超音波トランスデューサと、
c)オプションの音響ホーンと、
d)伝達導波管または横断ワイヤであって、近位端からその遠位先端に高周波超音波振動を伝達して、動脈を遮断している非柔軟材料を通して焼灼することができ、標準的な診断および治療デバイスを容易にする寸法である、伝達導波管または横断ワイヤと、
e)音響ホーンに、または直接トランスデューサに伝達ワイヤを結合し、損失を最小限に抑え、高周波の機械的振動の忠実な伝達を可能にする、カップリング、すなわち、取り付け機構と、
f)取り付け方法を利用しても利用しなくてもよい、音響ホーンまたはトランスデューサから伝達部材を結合分離するまたは切り離す手段と、
g)統合された、またはオンボードのプログラム可能なデジタル信号処理チップセットを含み、応答をインタロゲートし、超音波フィードバックと共振周波数定在波への影響とを比較し、アクティブ化された先端によって病変にトンネリングされた開口部のサイズを推定し、電圧の振幅およびシステム周波数を介してシステムの電力を変調するアルゴリズムを通じて、モニタリングされ、伝達され、および受信された/到来信号を処理するプログラム可能な回路システムと、を含む。
【0078】
以下の説明のために、システムは、4つの主要なサブアセンブリおよびサブシステムで構成されていると見なすことができる:
1)医療デバイスの動作を制御するための、ハンドヘルドであってもハンドヘルドでなくてもよいコンパクトなハウジングユニットであって、以下の部品、すなわち、信号発生器、超音波トランスデューサ、音響ホーン(ただし、ホーンは、トランスデューサアセンブリの一部であっても、省略されてもよい)、およびインターフェイス結合コンポーネント、ならびにデータ取得、処理、およびシステム制御部のうちのすべてまたはいくつかを収容する、コンパクトなハウジングユニット。
デバイスシステムの異なる実施形態が想定されている。一実施形態では、すべてのコンポーネントが単一のユニット内に集約されている。別の実施形態では、コンポーネントは分散され、発生器は、別個に収容されている。別の実施形態では、トランスデューサホーンは別個にされている。別の実施形態では、カップリングは、トランスデューサスタックに直接接続する。
2)横断ワイヤを超音波トランスデューサおよび/またはホーンアセンブリに接続することを可能にする結合および切り離しモジュール。
3)遮断されたまたは部分的に遮断された解剖学的通路の低侵襲の経皮的外科的再疎通のための、一組の、様々な、または一連の交換可能な可撓性伝達部材アセンブリまたは横断ガイドワイヤ。
4)データの取得および処理、ならびにシステムの制御されたアクティブ化のための統合された信号処理回路基板。この処理基板は、いくつかの実施形態では、デバイスのアナログおよび/またはデジタル信号解析および電力制御、ならびに通信モジュールを組み込むことができる。これにより、デバイスおよびそのデータのより広いデータネットワークおよびインターネットへの有線および無線接続が可能になり、システムを管理するためのよりインテリジェントなアルゴリズムの開発が容易になる。
【0079】
動作
全体として、システムは次のように動作する:a)信号発生器がトランスデューサに電気エネルギーを提供し、b)圧電超音波トランスデューサは、その電気エネルギーを機械的振動に変換し、c)これらの機械的振動は、音響ホーンによってさらに増幅され得、d)カスタマイズされた伝達部材は、カスタマイズされた結合方法を介して音響ホーンまたはトランスデューサに結合され、e)超音波振動は伝達部材を介して伝達され、f)伝達部材の遠位先端は、罹患組織または他の材料を有益に粉砕する能力を有して、所定の周波数および振幅で振動し、g)デジタル信号処理および制御回路により、病変の半自律的な全体的な特徴付け、電力制御、およびシステムの開口部の推定サイズが可能になる。
【0080】
超音波システムがアクティブ化されると、放出波はワイヤに沿ってその遠位先端まで移動し、そこで反射される。異なる移行点でワイヤ内にもたらされた残響は、一連の二次および三次反射を確立する。これらの波は、異なるワイヤ設計および特徴に特徴的であり、それらの信号の特徴の違いを高めるために最適化することができる。これらの反射は、所与の入力についての任意の時間における波形の特定の応答パターンで構成されると決定され、それらの変動は、周囲環境における摂動または違いに関連付けられる。
【0081】
特定の周波数でのワイヤに沿った変位の振幅は、病変部位へのナビゲーション中、または病変内の罹患した、非柔軟の、または石灰化した組織との接触のいずれかで、周囲の組織との接触による減衰の結果として、処置の過程で変化する。これらの損失の補償は、例えば、発生器、そして、トランスデューサ内の電圧または電流を増加させることによって行われる。これは、一次超音波エネルギーの増幅および/または減衰を駆動するために使用される。システム内の残響は、一次損失と同様に、特徴的な方法で影響を受け、これにより、それらを病変の横断および掘削、ならびに減衰を引き起こしているものの原因および性質の特徴付けに使用することができる。
【0082】
制御
一定の振動振幅を達成するために、超音波トランスデューサは、好適なフィードバックコントローラによって制御される。超音波波形の場合、電気的に同等のモデル、例えばバターワース-ファンダイクモデルによって位相フィードバックの制御および比較を行うことができる。
【0083】
超音波トランスデューサは、励振電圧の周波数および振幅によって制御することができる。本発明の実施形態では、周波数の変更が電圧と電流との間の位相に影響を与えるやり方が使用されている。ここで、励振電圧の振幅は電流を制御し、共振時の振動振幅に比例する。これにより、制御アルゴリズムは位相および振幅のみを使用して周波数を駆動することができる。
【0084】
好ましい実施形態では、アプローチは、振幅フィードバックコントローラと組み合わせて、制御の動作点として共振周波数を使用してシステムを駆動し、各ワイヤタイプに固有のカスタマイズされたプログラム制御アルゴリズムを使用してこの動作を管理することである。
【0085】
共振駆動の低減衰システムの利点は、必要な電圧が低いこと、および有効電力値が高いことである。この技法は、アクティブガイドワイヤシステムのコンテキストでは新規である。これはまた、超音波アクティブ化に対するニチノールワイヤシステムの応答を制御する上で追加の利点を提供する。
【0086】
好ましくは、ワイヤは、病変へと前進し、また病変を横断する目的で、40kHzの周波数でアクティブ化される。信号の振幅は、蛇行した経路で接触している、または完全閉塞を形成している病変もしくは血栓もしくは何らかの塞栓性材料と接触している摂動のために、システム内で共振を見つける可能性がある度合いによって決定される。40kHzのアクティブ化周波数は、ワイヤの遠位端部分およびその周辺で横断/掘削作用を生成するのに効果的であり、そして病変へのおよび病変を通るワイヤの駆動を支援することが見出された。
【0087】
40kHzのアクティブ化周波数は、高調波の範囲で共振を達成するのに十分な強度と、掘削だけでなく横断ももたらすのに十分なエネルギーとを有する遠位先端のアクティブ化のために、750mm以下~2m以上、例えば1.5mの機能的作業長にわたる超音波エネルギーの伝達を可能にする。
【0088】
システムを40kHzのアクティブ化周波数に基づかせることはまた、コンポーネントを十分にコンパクトにして、コンパクトなサイズと便利な形のハンドセットに収めることを可能にする。例えば、代わりに20kHzシステムを使用すると、トランスデューサは、長さおよび直径の両方において、質量およびサイズが増大する必要がある。
【0089】
トランスデューサは、その材料特性、形状、およびプレストレスに基づいて、望ましい共振周波数を有するように設計することができる。大まかに言えば、トランスデューサの共振周波数が高いほど、そのサイズと全体の寸法は小さくなる。例えば、40kHzの周波数で動作するトランスデューサおよびホーンの構成は、ハンドヘルドでコンパクトにすることができる。これにより、ワイヤとともに簡単に使用することができるハンドヘルドトランスデューサの製造が可能になる。具体的には、小さなトランスデューサは、1人のオペレータがワイヤに沿って簡単に動かすことができ、ワイヤに沿った特定の場所に簡単に収納または固定することができる。
【0090】
このようなシステムの概念は、アテローム切除術をもたらし、障害物としての病変を除去するために確立されている。したがって、説明されているデバイスの1つの機能は、これを達成することである。しかしながら、製品プラットフォームは、別の機能、すなわち、病変の部位に治療または治療デバイスを送達するためにガイドワイヤとして機能することを提案している。ワイヤは、超音波を使用してガイドワイヤを一時的にアクティブ化されたワイヤに変換して、迂回技法を介さない限り横断できない病変をワイヤが横断することを可能にすることにより、任意の組成の病変を横断する。
【0091】
周囲の組織との相互作用によるプロセス中のニチノールの温度効果および負荷条件の変化は、共振周波数および振動振幅の変化をもたらす可能性があり、所与のトランスデューサについてある範囲内で補償することができる。
【0092】
したがって、デバイスの一実施形態では、電圧および電流の使用において、共振周波数を介した制御および解析を使用して、時間および長さにわたる示差的な変化をモニタリングし、このインタロゲーションおよび補償を使用して、血管内の解剖学的構造の性質を特徴付けることが開示されている。
【0093】
アルゴリズム
ワイヤ内の一次放出応答と三次フィードバック応答との比較および解析では、様々な健康組織タイプおよび罹患組織タイプとのアクティブ部材の係合に典型的である特徴的な損失の変動が考慮される。解析は、血管内の損失と病変に関連付けられた損失とを区別し、また、異なる組成の病変、特に石灰化病変と非石灰化病変とを区別する。
【0094】
システムが遭遇して記録する抵抗負荷は、アクティブ部材が異なる解剖学的構造を通過するときに変化する。アナログ信号は、オンボードのデジタル信号処理(DSP)によってインタロゲートされて、条件付けされ、パラメトリック出力は、アルゴリズムによって処理されて、応答を特徴付け、フィードバックおよび効果制御を定義する。
【0095】
異なる中膜において、および、異なる解剖学的構造を通る血管内ワイヤの通過またはナビゲーションにおいて発生する示差的な変化に対する特徴的な応答を使用して、次のことに使用される個別のアルゴリズムがもたらされる。1)システム内の損失の原因を決定し、それを補償する。2)動脈血管の緊張を評価する。3)病変の組成の詳細を決定する。
これらのアルゴリズムは、ワイヤが柔軟、非柔軟、および石灰性の材料と接触するときにワイヤの先端に自動レベルの補償を提供し、後者では、システム内のエネルギーを増幅してキャビテーションおよび新生内腔の形成を増大させる。
【0096】
アルゴリズムは、ワイヤタイプに合わせてカスタマイズされ得る。信号処理回路によってフィルタリングされた、変化の範囲および速度、ならびに変化の微分次数は、アルゴリズムによって使用されて、ワイヤが通過する材料の性質を特徴付けることができる。次に、これを処置が行われているときに医師に通信して、治療の定義を支援することができる。
【0097】
パフォーマンスの改善
有利なことに、アルゴリズムは、ベンチ生体外および生体内データでトレーニングすることができる。後者は、デバイスへのおよびデバイスからのデータの輸送を提供する通信モードを有するデバイスの実施形態によって可能になる。したがって、デバイスの動作およびデバイスによる解釈の品質は、使用経験およびエビデンスに基づいて積み上がる追加の処置からより多くのデータセットを補間することによって、時間の経過とともに改善することができ、これは、製品の反復世代の制御アルゴリズムへリリースすることができる。
【0098】
このオンボードの、ローカル、およびクラウドベースのアルゴリズムの改良により、デバイスの設計および動作インターフェイスが改善される。これはまた、デバイスを使用している医師にさらに詳細なフィードバックを提供し、様々なワイヤ形状や解剖学的構造に合わせたデバイスの動作のカスタマイズ化を容易にする。
【0099】
結合および構成
超音波発生器、メインハウジング、回路、および結合コンポーネントは、患者の外部に残る。伝達部材の長さのほとんどおよび末梢カテーテルのコンポーネントが、患者の体に入る必要があるシステムの唯一の部分である。伝達部材の近位部分および末梢カテーテルコンポーネントは外部に残って、メインユニットへの結合、ならびにステアリングおよび制御の処置要件を容易にする。
【0100】
本発明の第1の概念は、切り離し可能なアクティブ横断ガイドワイヤにある。このようにすると、アクティブ横断ワイヤは、横断後の後続治療のためのガイドワイヤとして機能することができる。これは、横断ワイヤをパッシブ構成およびアクティブ構成で使用することができる動作方法を伴う。横断ワイヤは、ケアの現場でトランスデューサハウジングに接続したり、トランスデューサハウジングから切り離したりすることができる。
【0101】
好ましい動作方法では、血管内横断ワイヤは、最初に、超音波振動のないパッシブモードで解剖学的通路内で使用することができる。ワイヤが解剖学的通路内に残っている間に、横断ワイヤの近位端を、必要に応じてハウジング内に設置された音響ホーン/トランスデューサアセンブリに取り付けて、伝達部材として機能するワイヤにエネルギー付与するかまたはワイヤを介して超音波振動を伝達することができる。その結果、遠位先端に振動が生じ、病変の横断がもたらされる。
【0102】
超音波アクティブ化に続いて、横断ワイヤは、必要に応じて、ハウジング内に設置された音響ホーンから切り離されるかまたは結合分離されて、パッシブワイヤ構成に戻り、さらなる後続のデバイスまたは治療を容易にすることができる。
【0103】
超音波トランスデューサ、ホーン、結合手段、信号発生器、電源、および制御回路はすべて、同じ手で持ち運び可能な軽量のコンパクトなハウジングユニットに設置することができる。別の実施形態では、信号発生器は別個であり、コネクタケーブルを介して、トランスデューサおよびホーンを含むコンパクトなハウジングユニットに接合されている。別の実施形態では、システム全体を使い捨てデバイスとして設計することができる。別の実施形態では、超音波トランスデューサ、ホーン、結合手段、発生器、および制御回路はすべて、同じ持ち運び可能なコンパクトハウジングユニット内に設置され、ケーブルを介して電源に接続され得る。
【0104】
血管内横断ガイドワイヤとして機能し、その長さにわたって振動エネルギーを効率的に伝達し、その遠位先端で制御された焼灼をもたらすように設計およびカスタマイズされた、カスタマイズされた伝達部材またはワイヤが開示されている。
【0105】
伝達部材をハウジング内に設置された音響ホーンまたはトランスデューサに機械的に結合する方法もいくつか開示されている。結合配置はまた、逆に使用されて、結合分離配置として機能し得る。
【0106】
また、開示されるように、システムは、伝達部材をシステム全体から近位にすぐに切り離して、フォローアップガイドワイヤまたは位置決めデバイスとしてのその使用を容易にする、別個の結合分離コンポーネントを含み得る。
【0107】
結合機構および結合分離機構は、a)トランスデューサおよびホーンが収容されるメインハウジング内か、またはb)伝達部材アセンブリの一部である近位ハウジングの一部として収容され得る。
【0108】
別の実施形態では、伝達部材は、製造段階でハウジング内に設置された音響ホーンに事前に結合されている。
【0109】
カップリングの設計は、効率的な伝達をもたらし、望ましくないひずみおよび音響伝達損失を制限するために最適化されている。
【0110】
結合方法は、ユーザ相互作用、結合、および結合状態の視覚的/触覚的フィードバックを容易にするために設計されている。
【0111】
一実施形態では、伝達部材は、伝達部材の近位セクションを通るエネルギーの送達における損失を最小限に抑えるために、結合および結合分離配置と、ワイヤ支持体とを含む近位ハウジングを有するカスタマイズされたワイヤアセンブリの一部である。このカスタムアセンブリおよび近位ワイヤセクションにより、パッシブ横断中のガイドワイヤの制御およびアクセスがより良くなる。結合機構の設計は、トランスデューサおよび/または音響ホーンからの音響超音波エネルギーの伝達のために最適化されている。ワイヤが係合されるやり方は、導波管の長さにわたって遠位先端への作動力の所望の伝達をもたらすために重要である。
【0112】
システムは、カスタムカップリングを介して、制御されたレベルのエネルギーを伝達部材に送達して損失を最小限に抑え、伝達部材の初期変形を誘導して、伝達部材の損失および不要な負荷を最小限に抑えることができる。
【0113】
伝達部材または導波管ワイヤの設計は、遠位先端までの異なる解剖学的構造を介したおよび異なる材料を介した波パターンの伝達を制御するために最適化されている。使用される材料の形態は重要であり、材料は、巨視的なレベルでは、非常に弾性のある等方性材料形態として呈することができるが、スタータ亀裂の開始を遅らせるか、または亀裂の進行を抑止することができる異方性の微細形態の特徴を有することができる。
【0114】
本発明は、病変の場所に粉砕振動を送達するために、システムの駆動周波数で共振するようにカスタムビルドされた横断ワイヤを企図している。これは、細いロッドの共振特性および数値モデリングに加えて、音速および密度を含む材料特性の知識を通じて達成される。
【0115】
横断ワイヤは、セクションをエンドツーエンドで一緒に接合することによって作られ得る一片の延伸ワイヤから製造され得る。
【0116】
超音波駆動ユニットへのワイヤの結合を向上させ、疲労破壊のリスクを低減するために、近位の特徴が含まれ得る。逆に、解剖学的構造を通るトラッキングのために最適化されたワイヤの制御およびステアリング性を含む、ナビゲーションおよび横断のパフォーマンスを向上させ、達成される開口部プロファイルを増大させるために、遠位の特徴を含めることができる。さらに、蛍光透視またはX線下での可視性を提供するために、マーカーバンドが含まれてもよい。放射線不透過性マーカーは、例えば、ワイヤの作業長および横断先端を示し得る。
【0117】
より一般的には、本発明は、近位端および遠位端で、およびその長さにわたってワイヤに機械加工されて、ワイヤが病変を通過する能力を向上させ、ワイヤを強化し、ワイヤをよりうまく制御することを可能にし、ワイヤの結合およびワイヤを介したエネルギーの効率的な伝達を可能にする、特定の特徴の導入を可能にする。設計の組成は、使用する材料および使用目的によって異なる。
【0118】
ワイヤの形状および使用される材料は、異なる用途向けに最適化されている。ワイヤは、欠陥を最小限に抑え、材料の長さ全体および長さのセクションを通る厳密に制御されたテーパおよびキーイングスプラインを介した伝送を最適化するために機械加工されている。
【0119】
例示的な実施形態で使用される材料は、ニッケルチタン(ニチノール)合金である。特に、ニチノール合金の場合、破砕の可能性を制限するために、含有物のサイズおよび占有率が厳密に制御される。
【0120】
遠位先端の設計および任意の幾何学的特徴は、最新の製造方法を利用し、異なる効果を可能にするように最適化された形状を有する。非限定的な例として、これらの効果には、外傷を組織に制限すること、異なる解剖学的構造を通る導波管の通過を加速すること、および異なるタイプの異なる病変を通る不必要な横方向のたわみを制限すること、が含まれる。病変は、長さ、直径、または組成が異なる場合もあれば、血栓性または石灰性由来の場合もある。遠位先端はまた、必要に応じて、後続の治療デバイスを提供するために通路を開くかまたはその直径を大きくするために最適化されている。
【0121】
本発明は、トランスデューサおよびホーンに、したがって横断ワイヤに加えられる発生器からの信号を制御または変調することができる新規の半自動制御システムを含み得る。
制御は、伝達される信号を制御して、減衰または抵抗の増加による損失を調整するため、または加えられる力を変調するために、ワイヤと組織との相互作用からのフィードバックに基づくことができる。
【0122】
システムの実施形態は、デバイスの状態および焼灼される組織の性質に関して、ユーザに視覚的、聴覚的、および/または触覚的フィードバックを提供することができる視覚的およびハプティックフィードバックインジケータを含む。そのようなフィードバックはまた、組織の焼灼および粉砕、ならびに横断ワイヤの進行をもたらすために加えることができる力のレベルを示し得る。
【0123】
システムは、遠位先端に送達される振動の振幅の制御を支援するために手動オーバーライドを提供する手段を含み得る。これにより、システムを、処置の過程でデバイスを動作させているユーザによって、発生器および伝達ユニット内に設置されたコントローラおよびユーザ入力機構を介して制御することができるか、または、自律的に制御することができる。
【0124】
伝達カップリングおよびコントローラユニットは、ワイヤが病変をどれだけうまく横断しているかをユーザが感知することを可能にする感覚フィードバックシステムおよびハプティクスを含み得る。
【0125】
本明細書に説明されるデバイスでは、コンバータが機械的信号を変換する周波数は、ワイヤの長さにわたる異なる力による相互作用および衝突からの損失に対応するために、短い周波数範囲にわたって設定された短距離周波数掃引にある。マイクロプロセッサの速度により、デバイスは共振の小さな変動をリアルタイムで処理することができる。信号処理およびフィードバックの解析により、最適な機械的フィードバックが確実に達成される。
【0126】
デバイスは、20kHz~60kHz、好ましくは35kHz~45kHz、より好ましくは37kHz~43kHz、最も好ましくは約40kHzの設定周波数で動作する。
デバイスはまた、脈管の外傷または解離のリスクを低減するために、例えば1W~5Wの範囲の所望の低電力で動作する。例えば、1W~5Wの所望の低電力範囲の自動制御に加えて、デバイスの出力を制御して、ユーザがこの範囲を超えて電力を増幅して、予期しない干渉を補償して、高速で効果的な横断を確保することを可能にすることができる。したがって、デバイスは、より高い電力レベル、例えば最大50W~100Wで最大負荷をもたらし、困難な病変を積極的に横断し、先端の減衰またはたわみを克服することもできる。
【0127】
処置の別の目的は、フィードバック信号をインタロゲートして、ワイヤが横断している病変を特徴付け、医師が標的病変を治療し得るやり方を知らせる側面である、長さおよび組成などの横断されている病変に関するデータを収集する方法を使用することである。
【0128】
このデータはまた、医師がデバイスを動作させることができるように、ハプティックおよび/またはディスプレイ上の視覚的もしくは聴覚的な形の医師へのフィードバックとして提供される。例えば、一実施形態では、このフィードバックにより、医師は、コンパクトなハウジングユニット上の単純なバックライト付きスクリーンを使用して横断をモニタリングし、病変の特徴を評価することができる。
【0129】
別の実施形態では、ユーザがネットワークへのアクセスを有する場合、処置からのデータは、患者の機密性を保護するために、匿名で捕捉され、デバイスからデータストレージおよび処理プラットフォームに通信されて、そこでリアルタイムまたは後で解析され得る。
【0130】
病変の特徴付けはまた、処置を行う際の解析および解釈のためにユーザに提示され得る。
【0131】
別の実施形態では、アタッチメントを使用して、フィードバックから、脈管系内を横断し病変組成に対してマッピングするときのワイヤの変位を記録および測定して、病変を通る変位の関数として病変の特性を特徴付ける。
【0132】
別の実施形態では、システムは、制御された距離にわたってワイヤを押して、病変の半自動化されたロボットによる横断、および変位に対するそれらの組成のより正確な特徴付けを提供することができる変位ドライブ内にクレードルされている。
【0133】
別の実施形態では、アクティブワイヤは、ワイヤがトランスデューサの本体の中心を通って移動することができるが、トランスデューサ内に、エネルギーの伝達がもたらされる、例えばその遠位端にロックがあるスリップロック機構内にクレードルされている。
【0134】
別の機構では、アクティブ化ユニットは、スリップロック機構を介して、ワイヤの長さに沿って移動し、所望の点に設置して、伝達をロックし、もたらすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0135】
本発明をより容易に理解できるようにするために、ここで、例として、以下の添付の図面を参照する。
図1】コンパクトなハウジングユニットを含む、本発明によるシステムの概略図である。
図2図1に示されるシステムの斜視図である。
図3】超音波発生器が別個のユニットに収容されている、別の実施形態を示す概略側面図である。
図4】システム内のアナログおよびデジタルのデータフローを示す図である。
図5】システムの好ましい動作方法を示すフローチャートである。
図6】システムの動作機能フローを示す図である。
図7】本発明の半自律的およびインテリジェントな制御システムの動作を示すフローチャートである。
図8a】ホーンに接続される前のアクティブワイヤアセンブリ、次に、適切な機械的結合方法を使用してホーンに接続されたアクティブワイヤアセンブリ、および、結合分離方法によって、メインハウジングおよび近位アセンブリから結合分離されたアクティブワイヤアセンブリの概略側面図である。
図8b】ホーンに接続される前のアクティブワイヤアセンブリ、次に、適切な機械的結合方法を使用してホーンに接続されたアクティブワイヤアセンブリ、および、結合分離方法によって、メインハウジングおよび近位アセンブリから結合分離されたアクティブワイヤアセンブリの概略側面図である。
図8c】ホーンに接続される前のアクティブワイヤアセンブリ、次に、適切な機械的結合方法を使用してホーンに接続されたアクティブワイヤアセンブリ、および、結合分離方法によって、メインハウジングおよび近位アセンブリから結合分離されたアクティブワイヤアセンブリの概略側面図である。
図9a】接続方法の一実施形態を示す断面図である。
図9b】接続方法の一実施形態を示す断面図である。
図9c】接続方法の一実施形態を示す断面図である。
図10】線形のプッシュ・アンド・スクリュー接続方法の他の実施形態を示す拡大部分断面図である。
図11】線形のプッシュ・アンド・スクリュー接続方法の他の実施形態を示す拡大部分断面図である。
図12】機械的ロッキングを使用した接続方法の別の実施形態を示す拡大部分断面図である。
図13】ラジアルリリース機構を使用したねじ接続方式の一実施形態を示す拡大部分断面図である。
図14】伝達部材上の近位インターロッキング特徴を用いる結合方法を示す。
図15】対向するブレード間のアクティブワイヤを破砕または切断するワイヤリリース機構の斜視図である。
図16】ローラ作動ギアによって担持されるブレード間のアクティブワイヤを破砕または切断するワイヤリリース機構の概略図である。
図17】線形作動ギアによって担持されるブレード間のアクティブワイヤを破砕または切断するワイヤリリース機構の概略図である。
図18a】アクティブワイヤを破砕する方法を示す概略詳細側面図である。
図18b】アクティブワイヤを破砕する方法を示す概略詳細側面図である。
図18c】アクティブワイヤを破砕する方法を示す概略詳細側面図である。
図19】アクティブワイヤが横切るときの変位を測定することができる近位サブアセンブリの断面側面図である。
図20】自動駆動システムによって支持されたハウジングユニットを示す概略側面図である。
図21】音響ホーンおよびトランスデューサアセンブリが、内部のワイヤ接続/切断機構またはロッキングコレットを有して、アセンブリの全長にわたって中空ポートを有する一実施形態の断面側面図である。
図22】アクティブ化ユニットの音響ホーン/トランスデューサアセンブリが、アセンブリの本体長さの大部分を通る中空ポートを有するが、ワイヤがサイドポートを介してアセンブリから出て、アクティブ化ユニットがトランスデューサ先端内の機構を介してワイヤに沿ってロックすることを可能にする一実施形態の断面側面図である。
図23a】アクティブワイヤを接続するためのさらなる方法を示す、音響ホーン/トランスデューサアセンブリの概略側面図である。
図23b】アクティブワイヤを接続するためのさらなる方法を示す、音響ホーン/トランスデューサアセンブリの概略側面図である。
図23c】アクティブワイヤを接続するためのさらなる方法を示す、音響ホーン/トランスデューサアセンブリの概略側面図である。
図24a】アクティブワイヤがホーン/トランスデューサアセンブリの全長にわたって延在している、図23a~図23cに示される配置の変形例の概略側面図である。
図24b】アクティブワイヤがホーン/トランスデューサアセンブリの全長にわたって延在している、図23a~図23cに示される配置の変形例の概略側面図である。
図24c】アクティブワイヤがホーン/トランスデューサアセンブリの全長にわたって延在している、図23a~図23cに示される配置の変形例の概略側面図である。
図25a】アクティブワイヤがサイドポートを通ってホーン/トランスデューサアセンブリから出ている、図23a~図23cに示される配置のさらなる変形例の概略側面図である。
図25b】アクティブワイヤがサイドポートを通ってホーン/トランスデューサアセンブリから出ている、図23a~図23cに示される配置のさらなる変形例の概略側面図である。
図25c】アクティブワイヤがサイドポートを通ってホーン/トランスデューサアセンブリから出ている、図23a~図23cに示される配置のさらなる変形例の概略側面図である。
図25d】アクティブワイヤがサイドポートを通ってホーン/トランスデューサアセンブリから出ている、図23a~図23cに示される配置のさらなる変形例の概略斜視図である。
図26a】アクティブワイヤの長手方向軸を横切る方向に、アクティブワイヤをホーン/トランスデューサアセンブリから横方向に取り外すことができる、図25a~図25cに示される配置の変形例の概略側面図である。
図26b】アクティブワイヤの長手方向軸を横切る方向に、アクティブワイヤをホーン/トランスデューサアセンブリから横方向に取り外すことができる、図25a~図25cに示される配置の変形例の概略側面図である。
図26c】アクティブワイヤの長手方向軸を横切る方向に、アクティブワイヤをホーン/トランスデューサアセンブリから横方向に取り外すことができる、図25a~図25cに示される配置の変形例の概略側面図である。
図26d】アクティブワイヤの長手方向軸を横切る方向に、アクティブワイヤをホーン/トランスデューサアセンブリから横方向に取り外すことができる、図25a~図25cに示される配置の変形例の概略詳細図である。
図27a】患者の体から突出するアクティブワイヤの近位部分に沿って様々な長手方向位置に位置決めされたハウジングユニットを示す概略側面図である。
図27b】患者の体から突出するアクティブワイヤの近位部分に沿って様々な長手方向位置に位置決めされたハウジングユニットを示す概略側面図である。
図27c】患者の体から突出するアクティブワイヤの近位部分に沿って様々な長手方向位置に位置決めされたハウジングユニットを示す概略側面図である。
図28】アクティブワイヤをホーン/トランスデューサアセンブリに固定するための様々なコレット配置の分解斜視図である。
図29】アクティブワイヤをホーン/トランスデューサアセンブリに固定するための様々なコレット配置の分解斜視図である。
図30】アクティブワイヤをホーン/トランスデューサアセンブリに固定するための様々なコレット配置の分解斜視図である。
図31】アクティブワイヤをホーン/トランスデューサアセンブリに固定するための様々なコレット配置の分解斜視図である。
図32a図30に示されるコレットの拡大斜視図である。
図32b図30に示されるコレットの拡大斜視図である。
図33】さらなるコレット配置の概略断面側面図である。
図34a】本発明のさらなるアクティブワイヤの概略側面図である。
図34b】本発明のさらなるアクティブワイヤの概略側面図である。
図35】本発明のアクティブワイヤの概略側面図である。
図36】アクティブワイヤが角度的にオフセットされた遠位端部分を有する、本発明の変形例の斜視図である。
図37図35に示されるような角度的にオフセットされた遠位端部分を有するアクティブワイヤの概略側面図である。
図38a】マーカーバンドを含む、本発明のさらなるアクティブワイヤの概略側面図である。
図38b】マーカーバンドを含む、本発明のさらなるアクティブワイヤの概略側面図である。
図39】本発明の別のアクティブワイヤの概略側面図である。
図40】拡大された球状遠位先端を各々が有する、本発明の他のアクティブワイヤの概略側面図である。
図41】拡大された球状遠位先端を各々が有する、本発明の他のアクティブワイヤの概略側面図である。
図42a】本発明のワイヤが、最初は病変を横断するためのアクティブワイヤとして、次に、後続デバイスを病変に輸送するためのガイドワイヤとして使用されていることを示す概略側面図である。
図42b】本発明のワイヤが、最初は病変を横断するためのアクティブワイヤとして、次に、後続デバイスを病変に輸送するためのガイドワイヤとして使用されていることを示す概略側面図である。
図42c】本発明のワイヤが、最初は病変を横断するためのアクティブワイヤとして、次に、後続デバイスを病変に輸送するためのガイドワイヤとして使用されていることを示す概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0136】
図1は、コンパクトなハウジングユニット2の概略図を含む。この構成では、コンパクトなハウジングユニット2は、超音波発生器4、超音波トランスデューサ6、および音響ホーン8を含む。ハウジングユニット2は、電源ケーブル10を介して利用可能な電力供給に接続されている。
【0137】
図1はまた、ハウジングユニット2に接続することができるアクティブ横断ワイヤアセンブリ12を示している。アクティブワイヤアセンブリ12は、ワイヤ14の形の可撓性伝達部材を含む。
【0138】
アクティブ横断ワイヤアセンブリ12の近位セクションは、取り付けモジュール16および結合分離モジュール18を含み、1つ以上の追加のポート20を提供する。ワイヤ14の遠位先端24の拡大図22を含む、アクティブ横断ワイヤアセンブリ12の遠位セクションも示されている。この例では、遠位先端24は球状である。
【0139】
結合されて作動されると、トランスデューサ6およびワイヤ14は、ワイヤ14の遠位端がワイヤ14に沿って伝達されるエネルギーによって病変の横断をもたらすことができるように、近位端で十分な振幅で振動する。
【0140】
ワイヤ14は、例えば、2mを超える長さであり得る。例えば、足の中または足を通しての病変へのアクセスは、同側または反対側アプローチが選択されるかどうかに応じて、脈管系内で、通常は、1200mm~2000mmの距離をワイヤ14が移動することを伴い得る。この点で、その先端で細いワイヤになるように、遠位にテーパしているワイヤ14は、足動脈に、および背側動脈と足底動脈との間の足の土踏まずの周りにナビゲートすることができる。しかしながら、本発明は、足または他の末梢用途に限定されず、例えば、蛇行した小径の動脈にナビゲートして掘削するワイヤ14の能力も有益である冠状動脈用途で使用することができる。
【0141】
図2はまた、コンパクトなハウジングユニット2およびアクティブ横断ワイヤアセンブリ12を示している。また、ユーザ入力制御部26と、ここではディスプレイ28によって例示される、ユーザにフィードバックを提供するための手段とが示されている。
【0142】
ワイヤ14は、音響ホーン8を介してトランスデューサ6に結合され得るか、または代わりに、トランスデューサ6に直接結合され得、その場合、音響ホーン8は省略され得る。例えば、図2を参照すると、取り付けモジュール16は、ワイヤ14を、ハウジングユニット2のディスプレイ28の下で、ハウジングユニット2の本体内のトランスデューサ6に直接取り付けることができる。
【0143】
図3は、超音波トランスデューサ6および音響ホーン8がコンパクトなハウジングユニット2内に統合されているのに対し、超音波発生器および回路4は、別個の発生器ハウジングユニット30に収容されている変形例を示している。この場合、ハウジングユニットは、コネクタケーブル32を介して発生器ハウジングユニットに接続されている。
【0144】
図4は、システムのコンポーネントおよび要素、ならびに通信を含む、システムを介したデータフローを示している。ハウジングユニット内のコントローラは、超音波発生器を制御して、トランスデューサによって超音波エネルギーに変換される信号を生成する。超音波エネルギーは、オプションの音響ホーンを介して、脈管系をナビゲートし、慢性完全閉塞(CTO)などの遮断物を横断するアクティブワイヤに供給される。
【0145】
アクティブワイヤからのフィードバックは、フィードバック受信器によって受信され、増幅器によって増幅され、一連のバンドパスフィルタによってフィルタ処理されてから、アナログからデジタルへの変換を通過して、プロセッサに送信されるフィードバックデータが生成される。コントローラは、例えばWi-FiネットワークまたはBluetooth接続を使用して、好ましくは無線である通信システムを制御して、プロセッサからデータを受信し、そのデータを、ハウジングユニットからローカルストレージおよび/またはクラウドに通信する。図4はまた、前述のディスプレイおよび/またはハプティックフィードバックシステムなど、ユーザにフィードバックを提供するための手段をハウジングユニット内に示している。
【0146】
次に図5を見ると、システムがパッシブモードまたはアクティブモードで使用できることが示されている。最初に、アクティブワイヤアセンブリは、動脈内へ導入され、ワイヤの遠位先端は、石灰化されているまたはびまん性の可能性のある標的遮断物にナビゲートされる。ワイヤの超音波アクティブ化なしで遮断物を横断することができる場合、システムはパッシブモードのままにされて、遮断物が横断される。逆に、ワイヤの超音波アクティブ化なしに遮断物を横断することができない場合、アクティブワイヤアセンブリは、ハウジングユニットに接続され、次に超音波でアクティブ化されて横断をもたらす。
【0147】
遮断物が横断されると、アクティブワイヤアセンブリは、ハウジングユニットから切断される。これで、ワイヤは、ガイドワイヤとして機能する準備が整い、必要に応じて、後続の治療または診断デバイスの導入およびナビゲーションを容易にする。
【0148】
図6は、システムの動作および処置、ならびにシステムの使用に関連付けられた決定ポイントをさらに要約したものである。
【0149】
図7は、システムの半自律制御を要約したフローチャートである。実際には、システムは、予想される病変のタイプおよびその解剖学的な場所など、動作前にユーザが入力したデータを収集することができる。このデータは、電力要件など、アクティブワイヤが病変を横断するときにリアルタイム入力と結合され得る。
【0150】
システムは、自動的に周波数および電力の変化を感知することができ、オンボードアルゴリズムを使用して、アクティブワイヤのパフォーマンスを最適化することができる。この情報は、ハウジングユニットのディスプレイなど、ハプティック、視覚的、または聴覚的手段を介してユーザにフィードバックされ得る。
【0151】
コンバータの特性静電容量による電流、電圧、および周波数の入力および制御パラメータの大きさの変動は、必要な電力を決定し、横断されている病変を特徴付けるために使用される測定値および制御の行列を提供する。
【0152】
入力が一定に保たれているため、電流の変動は、吸収されたひずみエネルギー、または、システムの維持された周波数で病変を横断するときのワイヤ、特にワイヤの遠位先端に沿った減衰効果を示す。
【0153】
電流をモニタリングすることにより、ワイヤの挙動を解釈することができ、電圧の変調により、ワイヤが接触面を作動させてオフセットを低減するときに、電力を増幅し、周波数を回復することが可能になる。狭い周波数範囲でのこの一連の測定により、その全長にわたって石灰化されていようと、線維性であろうと、または膠様であろうと、病変の組成の全体的な特徴付けが可能になる。
【0154】
これらの補間された特性成分は、病変の絶対的な特性ではないが、石灰性の、硬く圧縮されたまたは分散された、または、圧縮された石灰性の粒子対圧縮されていない線維性対固いまたは柔らかい膠様など、その組成および一貫性を示している。これらの特性は、病変の性質および重症度を示し、臨床医に考慮すべき最適な治療法を知らせることができる。
【0155】
システムは、既存の無線または有線通信ネットワークを介してこのデータを送信し、最適化されたパフォーマンスのアルゴリズムを受信することもできる。
【0156】
図8a~図8cは、取り付け方法を示しており、最初に、アクティブ横断ワイヤアセンブリ12とコンパクトなハウジングユニット2とは、機械的に一緒に結合されていない。
この構成では、図8aに示されるように、ワイヤ14は、そのパッシブモードで、すなわち、超音波アクティブ化なしで、従来のガイドワイヤとして使用することができる。
【0157】
図8bは、必要に応じておよび必要な場合に、アクティブ横断ワイヤアセンブリ12をどのようにハウジングユニット2に機械的に結合することができるかを示している。具体的には、取り付けモジュール16のハウジングユニット2の遠位端との係合は、音響ホーン8の遠位端における中央ボア34内のワイヤ14の近位に突出した端部分の位置合わせおよび機械的結合をもたらす。このように結合されると、超音波振動が、音響ホーン8からワイヤ14に沿って伝達されて、病変を横断することができる。
【0158】
病変を横断した後、図8cは、結合分離モジュール18の動作に続いて、音響ホーン8から結合分離されたワイヤ14を示している。具体的には、結合分離モジュール18の対向するブレードは、ワイヤ14の周りに持ってこられて、ワイヤ14を破断または切断する。コンパクトなハウジングユニット2およびアクティブ横断ワイヤアセンブリ12の近位セクションを、ワイヤ14から取り外すことができ、したがって、他のすべてのコンポーネントをワイヤ14から分離することができる。
【0159】
図9a~図9cは、アクティブ横断ワイヤアセンブリ12の近位セクション、特に取り付けモジュール16の一実施形態を示している。この実施形態では、ワイヤ14は、拡大されたヘッドおよび近位方向に延在する雄ねじを含むねじコネクタ38に機械的に接合されている(36)。ねじコネクタ38のヘッドは、長手方向に階段状の形状を有する周囲スリーブ40によって把持および係合されている。スリーブ40のより細い管状遠位端は、ワイヤ14の周りのひずみ逃しを提供する。
【0160】
スリーブ40およびねじコネクタ38のヘッドは、ワイヤ14の中心長手方向軸の周りで一緒に回転するように拘束されている。例えば、図9cの断面図は、ねじコネクタ38のヘッドが、スリーブ40の対応する内部形状を補完し、それとインターロックする様々な回転非対称の外部形状42を有し得ることを示している。しかしながら、スリーブ40とねじコネクタ38のヘッドとの間で相対的な軸方向の動きが可能である。
【0161】
音響ホーン8は、ハウジングユニット2内に示されている。音響ホーン8は、ねじコネクタ38の雄ねじに対向し、それを補完する中央遠位ねじ切りボア44を含む。
【0162】
図9bに示されるように結合されると、アクティブ横断ワイヤアセンブリ12の近位セクションは、クリックコネクタ46、48を介してハウジングユニット2に軸方向にプッシュ接続される。ハウジングユニット2のクリックコネクタ46は、ばね52によって遠位に付勢されている軸方向に格納可能なチューブ50と一体である。ばね52の付勢に逆らってチューブ50を格納することにより、ねじコネクタ38のヘッドにトルクを加えるスリーブ40を回転させることによって、ねじコネクタ38の雄ねじを音響ホーン8のボア44内へねじ込むことができる。ねじコネクタ38のねじ山が音響ホーン8のボア44と完全に係合すると、スリーブ40が解放され、チューブ50に作用するばね52が、スリーブ40を含むアクティブワイヤアセンブリ12の近位セクションをワイヤ14および音響ホーン8から離れて押す。
【0163】
図10は、ばね機構54がアクティブワイヤアセンブリ12の近位セクションに設置されているねじコネクタの別の実施形態を示している。ねじコネクタ38およびワイヤ14は前述同様に示されている。アクティブ横断ワイヤアセンブリ12とハウジングユニット2とは、スナップフィット構成物56を介して結合されている。図11は、遠位に延在するスナップフィットセクション58をさらに含む、図10の配置の変形例を示している。
【0164】
図12は、手動のプッシュ・スクリュー・プルのスロット付きエントリおよびロックシステム60を含むねじコネクタ38を示しており、ここでは、ハウジングユニット2の遠位端の斜視詳細図で最もよく理解される。アクティブ横断ワイヤアセンブリ12の近位セクションは、ハウジングユニット2の遠位端に形成された外部スロット64と最初は整列している内向きのラグ62を含む。ラグ62がスロット64に沿って近位に移動した後、アクティブ横断ワイヤアセンブリ12の近位セクションを、ワイヤ14の中心長手方向軸の周りで回転させる。これにより、ラグ62は、ハウジングユニットの遠位端に形成されたノッチ66と整列する。図12の断面図に示されるように、ラグ62は、ノッチ66と遠位に係合して、アクティブ横断ワイヤアセンブリ12の近位セクションをハウジングユニット2の遠位端にロックする。
【0165】
図13は、ラジアルコネクタのグリップ・アンド・リリース機構68を示している。ねじコネクタ38は、軸方向に可動であるスリーブ72によって半径方向内側の位置に最初は保持されているラジアルリテーナ70によって保持される。リテーナ70は、スリーブ72からねじコネクタ38にトルクを伝達して、ねじコネクタ38の雄ねじを音響ホーン8のボア44内へねじ込む。ねじコネクタ38が音響ホーン8と完全に係合すると、スリーブ72をハウジングユニット2の遠位セクション上で近位にスライドさせて、ラジアルリテーナ70を解放して、ねじコネクタ38から半径方向にはねさせる。これにより、ワイヤ14がスリーブ72から、およびアクティブワイヤアセンブリ12の近位セクションの残りの部分から結合分離される。
【0166】
図14は、ワイヤ14の近位端が、結合コネクタ76内に埋め込まれ、結合コネクタ76とインターロックする円周方向隆起74などの一連の幾何学的特徴を有する接続配置を示している。結合コネクタ76は、その近位端に、音響ホーン8の遠位端のねじ切りボア44と係合する雄ねじ山を有する。
【0167】
次に図15図17を見ると、これらの図面は、病変を首尾よく横断した後、ワイヤ14を破断してワイヤ14をハウジングユニット2から解放するための様々な便利な配置を示している。
【0168】
図15は、スクイーズアクションワイヤ破断システム76の内部機構を示している。わかりやすくするために、周囲のハウジングは省略されている。ここで、ワイヤ14は、ワイヤ14の周りで対向する一対の鋭利なブレード78を支持する。ブレード78は、一緒にスクイーズされると、ブレード78の間のワイヤ14を挟んで分断する弾性レバー80と一体になっている。
【0169】
図16および図17は、それぞれの噛み合ったギア84に取り付けられたブレード82を示しており、ワイヤ14の各側に1つのギアがある。ギア84の反対の回転によって、ブレード82が寄せられ、ワイヤ14を挟んで切断する。図16では、ギア84は、ユーザがギア84のうちの少なくとも一方の露出された側面を回転させることによって回転され、これは、次に、他方のギアを回転させる。逆に、図17では、線形押しボタン機構86が押されると、一方のギアが回転され、これは、次に他方のギアを回転させる。
【0170】
図18a~図18cは、ワイヤを破断するための別のアプローチを示している。これには、鋭さの欠陥をもたらし、疲労を引き起こす周期的な負荷をかけることが伴う。
【0171】
図18aは、病変を横断するために使用されるため、滑らかな外面を有する元の形のワイヤ14を示している。図18bは、病変を横断した後、例えばブレードで刻み目またはノッチ88が付けられたワイヤ14を示している。次に、適切な周波数で十分なエネルギーでトランスデューサによって振動されると、ワイヤ14は、図18cに示されるようにすぐに破砕する。これは、亀裂90を開始するための脆弱さまたは応力集中の点として働く横方向の刻み目またはノッチ88から、ワイヤ14の直径を横切って亀裂90が伝播するためである。
【0172】
この破壊機構は、超音波エネルギーとニチノールの固有の靭性を利用して、圧着されたニチノールワイヤを切り離すために使用される傾向がある。ワイヤ14の表面に刻み目を付けると、応力が集中する引っかき傷の欠陥をもたらす。ニチノールの臨界亀裂長は比較的短いので、高振幅での超音波負荷は、完全に平面のひずみ表面破壊をもたらすことによって、ワイヤ14をそこで破断させる。
【0173】
図19は、ワイヤ14および近位シース94がハウジング96およびフォアシース(foresheath)98に対して長手方向に移動する距離を測定および表示することができる測定アタッチメント92を示している。この例では、線形の目盛り付きスケールが、近位シース94にエッチングされ、印刷され、または成形されている。このようなアタッチメント92により、ワイヤ14の近位端において、脈管系内のワイヤ14の遠位先端の移動距離を、好都合に測定することができる。
【0174】
図20は、ハウジングユニット2をクレードルする、または別の方法で保持することができ、示されるようにハウジングユニット2を長手方向に前進および後退させることができる線形駆動システム100を示している。このために、駆動システム100は、駆動マウント102と、モータ、エンコーダ、および力センサユニットを含むユニット104とを含む。駆動システム100は、脈管系を通って病変を横断するワイヤ14の自律的またはロボットによる挿入およびナビゲーションを容易にする。
【0175】
図21は、ねじ切りされた超音波トランスデューサおよびホーンアセンブリ106を通過するアクティブワイヤ14を示している。ロッキングコレット108が、ねじ山にねじ込まれてばねコレットクランプ110を閉じるタップ部分を有する。ばねコレットクランプ110は、長い界面にわたってワイヤ14にクランプする。この構成により、ワイヤ14の近位端が音響ホーン/トランスデューサアセンブリ106を介して供給され、ワイヤ14の長さに沿った複数の点のいずれかでアセンブリ106に接続されることが可能になる。
【0176】
図22は、音響ホーン/トランスデューサアセンブリ106が、アセンブリ106の本体長さのすべてではないがほとんどを通る中空ポートを有する、図21の配置の変形例を示している。この場合、ワイヤ14は、サイドポート112を通って出て、このアクティブ化ユニットが、アセンブリ106の遠位先端内の機構を介してワイヤ14に沿った複数の点のいずれかでロックすることを可能にする。
【0177】
図23a~図23cは、ワイヤ14の近位端が、ハウジング2内の音響ホーン8の中央遠位ボア114に受け入れられる配置を示している。図23aに示されるように、ワイヤ14をボア114内へ挿入した後、ハウジング2の遠位端にあるツイストロック機構116を回して、図23bに示されるようにワイヤ14を音響ホーン8にロックする。次に、音響ホーン8は、示されるように、超音波エネルギーをワイヤ14内へ供給することができる。ワイヤ14の超音波アクティブ化の必要がなくなったとき、ツイストロック機構116を逆にすることによって、ワイヤ14を音響ホーン8からロック解除することができ、次いで、図23cに示されるように、長手方向に引き抜くことができる。
【0178】
図24a~図26dは、調整可能な場所のアクティブ化に関連する様々な追加の概念を示している。それらは、トランスデューサ/ホーン120を含むハウジング118を含むアクティブ化システムが、横断ワイヤ14上でスライドおよびロック、または「スリップ・アンド・スティック」することができ、したがって、患者の体の外側のワイヤ14の近位セクションに沿った任意の場所で横断ワイヤ14に結合することができるさらなる配置を示す。
【0179】
この目的のために、図24a~図24cは、トランスデューサ/ホーン120の中央ボア114が、ハウジング118を通って長手方向に延在し、ハウジング118の遠位端および近位端の両方に開いている、図23a~図23cに示される配置の変形例を示す。これにより、図24bに示されるように、ワイヤ14は、ハウジング118の両端を通って延在し、そこから突出することが可能になり、これにより、ハウジング118をワイヤ14に対して長手方向に再位置決めすることが可能になる。
【0180】
この配置では、ワイヤ14は、図23aに示されるように、依然としてトランスデューサ/ホーン120の遠位端内へ長手方向に挿入され、図23cに示されるように、トランスデューサ/ホーン120の遠位端から長手方向に引き抜かれる。この場合も、図23bに示されるように、ハウジング118の遠位端にあるツイストロック機構116を回転させて、ワイヤ14をトランスデューサ/ホーン120にロックする。
【0181】
図25a~図25dは、ワイヤ14が、ハウジング118の近位端にある中央開口部122以外の開口部を通ってハウジング118から出てくることができることを示している。ここに示される例では、ワイヤ14は、ボア34の中央遠位開口部と連通する側方ポート124を通ってトランスデューサ/ホーン120から出る。ワイヤの横方向に出る部分126は、ポート124から延在して、ポート124と整列した側方開口部を通ってハウジング118から出る。したがって、ワイヤ14は、トランスデューサ/ホーン120の中心長手方向軸から鋭角を介して偏向して、トランスデューサ/ホーン120から横方向に出る。
【0182】
前述同様に、ワイヤ14は、図23aに示されるように、トランスデューサ/ホーン120の遠位端内へ長手方向に挿入され、図23cに示されるように、トランスデューサ/ホーン120の遠位端から長手方向に引き抜かれる。この場合も、図23bに示されるように、ハウジング118の遠位端にあるツイストロック機構116を回転させて、ワイヤ14をトランスデューサ/ホーン120にロックする。
【0183】
図25a~図25cに示される側方出口原理のさらなる変形例において、図26a~図26dは、ワイヤ14を、ハウジング118内のトランスデューサ/ホーン120から横方向に引っ張る(および任意選択でトランスデューサ/ホーン内へ横方向に挿入する)ことができる配置を示す。ワイヤ14は、図26dの詳細図に示されるように、音響ホーン118の旋回可能なジョー128を回転させることによって開閉することができる長手方向スロット130に受け入れられる。閉じられると、ジョー128はワイヤ14を取り囲み、係合して、ワイヤ14をトランスデューサ/ホーン120に結合する。中心長手方向軸の周りの相対的な角運動によって開かれると、ジョー128は、ワイヤ14をトランスデューサ/ホーン120から解放して、スロット130を通ってトランスデューサ/ホーン120から出る。ハウジング118は、ワイヤがハウジング118から横方向に出て、ワイヤ14を解放することを可能にする対応するスロット132を有する。
【0184】
ワイヤ14の励振は、ハウジング118から遠位方向にのみ必要とされるので、図24a~図26dに示される実施形態において、ハウジング118内の減衰材料は、ハウジング118から近位に延びるワイヤ14の部分の励振を防止または減衰させることができる。シリコーンシールやガスケットなど、様々な、通常はエラストマーの材料を使用して減衰をもたらすことができる。より一般的には、不要な励振は、ワイヤ14と、ハウジング118のサイドポートの周りのハウジング118の壁との間の接触によって減衰され得る。
【0185】
図27a~図27cは、医師が、ワイヤ14の外部の近位部分に沿った任意の場所で、ハウジング118を切断および再接続することができ、必要に応じてワイヤ14をロードおよびアンロードすることを可能にすることを示している。図27cに示されるように、ワイヤ14は、その長さに沿って、λ/2およびλ/4など、例えば40kHzのアクティブ化周波数での高調波に特徴的である、規則的または不規則な間隔133でマークされ得る。
【0186】
ハウジング118は、ワイヤ14が前方、すなわち、遠位方向に供給されるときに、複数回、ワイヤ14から解放されて、特定の長手方向間隔で再設置されて、ワイヤ14に再接続され得る。一般に、ハウジング118またはワイヤ14は、互いに対して動くことができ、医師は、ワイヤ14を動かして病変を横断するか、またはワイヤ14をアクティブ化するためにハウジング118のより良い場所を見つけることができる。ハウジング118をワイヤ14から取り外し、後でそれをワイヤ14に再結合することにより、他のデバイスをワイヤ14上に配置するかまたは残し、処置の過程でワイヤ14を動かさないことが可能になり、これにより、医師にとっての使いやすさを向上させる。
【0187】
例えば、ハウジング118は、図27aに示されるように、ワイヤ14がイントロデューサシース135および患者の体137に入る場所の近くでワイヤ14に引っ掛けることができる。図27bおよび図27cは、ハウジング118をワイヤ14に結合することができる他の場所を示している。図27bは、イントロデューサシース135とワイヤ14の近位端との間の中間場所にあるハウジングを示し、図27cは、ワイヤ14の近位端または近位端に隣接する近位場所にあるハウジング118を示している。
【0188】
次に図28図33を見ると、これらの図は、横断ワイヤとシステムの他の部分との間の優れた音響結合を達成することを主な目的とする様々なコネクタの概念を示している。
この点で、トランスデューサと結合方法とは一致して機能する必要がある。具体的には、トランスデューサは、任意選択で音響ホーンを含むカップリングインターフェースコンポーネントを有して、システムの駆動周波数で共振するように設計されている。
【0189】
トランスデューサは、例えば、ステップ構成でグレード5のチタンもしくはアルミニウム合金または鋼合金から作られ得る。トランスデューサの形状および寸法は、システムがその動作共振周波数に近いままであることを保証しながら、増幅利得を達成するように選択される。さらに、コネクタを収容するためのトランスデューサの遠位駆動面への任意の修正は、共振応答に関して考慮および説明される必要がある。
【0190】
図28は、ダブルテーパコレット136および押さえねじ138が付けられたトランスデューサ134を示している。押さえねじ138は、ユーザによる把持および回転を容易にするための外部構成物を有する。
【0191】
ワイヤ14は、トランスデューサ134の遠位面の皿ベース穴142とは反対側の押さえねじ138の中央穴140を通って入る。ワイヤ14は、ベース穴142と押さえねじ138との間に挿置されたコレット136を通って延在する。コレット136の近位端にあるテーパは、皿ベース穴142を補完する。押さえねじ138は、同様に、コレット136の遠位端にあるテーパを受け入れ、補完する。
【0192】
コレット136は、その近位端にある第1の対のスリット144と、その遠位端にある第2の対のスリット146とを含む。スリット144、146の各対は、コレット136の長さの半分を超えて長手方向に延在する。各対のスリット144、146は、コレット136の中心長手方向軸に沿って交差する相互に直交する平面にある。第2の対のスリット146は、第1の対のスリット144に対して中心長手方向軸を中心に45°回転されている。
【0193】
押さえねじ138に加えられたトルクは、押さえねじ138を前進させて、コレット136を長手方向に圧縮する。結果として、テーパ状の端はコレット136を半径方向に圧縮させ、また、スリット144、146はコレット136が半径方向に圧縮することを可能にしてワイヤ14を把持する。有利なことに、コレット136は、均一な半径方向の減少に基づいて実質的に均一な負荷パターンを提供し、したがってワイヤ14の均一な把持を提供し、エネルギーの伝達および疲労寿命を改善する。
【0194】
図29は、シングルテーパの雄ねじ切りコレット150が付けられたトランスデューサ148を示している。コレット150のテーパ状の近位端は、図28のコレット136のような直交スリット152を有する。コレット150にトルクが加えられてコレット150を、トランスデューサ148の遠位端の相補的なねじ切りボア154に沿って前進させるときに、コレット150は、ねじ切りボア154内にワイヤ14を繋止する。次に、ボア154の近位ベースにある相補的なテーパが、コレット150を半径方向に圧縮して、ワイヤ14を把持する。
【0195】
図30は、ワイヤ14が、遠位端からトランスデューサ148の全長にわたって延在し、近位端から出ている、図29に示される配置の変形例を示している。
【0196】
図31図32aおよび図32bは、ダブルテーパ状のカウンターロッキングワイヤリリースコレット158を有するトランスデューサ156を示している。カウンターロッキングシステムは、共通の中心長手方向軸の周りで互いに対して回転することができる、対をなす長手方向に分割されたコレット部分160、162の間の相互整列および不整列の概念を具体化する。コレット部分160、162の長手方向スロット164が、図32aに示されるように不整列になる場合、ワイヤ14はコレット158内に閉じ込められる。
逆に、コレット部分160、162の長手方向スロット164が、図32bに示されるように整列されると、ワイヤ14はコレット158から解放され、コレット158の中心長手方向軸を横切る方向にコレット158から出ることができる。
【0197】
相応して、押さえねじ166およびトランスデューサ156は、図26cに示される実施形態のやり方で、トランスデューサ156からの横方向の取り外しまたは横方向の挿入のためにワイヤ14を解放するように整列させることができるスロット168を含む。
【0198】
ここでの原理は、クランプトルク力が解放され、コレット158の部分160、162のスロット164が互いに、かつ押さえねじ166およびトランスデューサ156のスロット168と整列されるときに、ワイヤ14がコレット158から解放され得るということである。これは、コレット158の近位部分162をトランスデューサ156に繋止し、押さえねじ166が回転してクランプ力を解放するときに、押さえねじ166からコレット158の遠位部分160にトルクを加えることによって達成される。
【0199】
コレット158の近位部分162は、例えば、トランスデューサ156のスプライン構成物上に設置されて、トランスデューサ156を整列させ、回転しないようにロックすることができる。コレット158の遠位部分160は、押さえねじ166が合わさって、ワイヤ14を解放するのに必要な程度まで近位部分162に対して遠位部分160を回転させることができるファセットを有し得る。
【0200】
これらの実施形態に示されるコレットは、ワイヤ14が把持されるランド長を最適化するために内部カウンターテーパを含み得る。これは、ワイヤ14への点荷重と、さもなければ微細構造欠陥の形成を促進する可能性のある結果として生じる可能性のある微細構造損傷とを有利に制限する。
【0201】
図33は、トランスデューサ170のヘッドに収容された内部拡張コレット168を示している。この実施形態では、コレット168は、トランスデューサ170内に統合されており、したがって、デバイス自体と一体である。ワイヤ14は、コレット168の全長にわたって延在し、トランスデューサ170から遠位および近位に突出している。
【0202】
図33に示されるトランスデューサ170は、コレット168を取り囲む管状本体172を有する。コレット168は、本体172の遠位端から突出し、本体172の内径よりも大きい直径を有する拡大された遠位ヘッド174を有する。ヘッド174の近位側の傾斜したランプ面176は、本体172の遠位端に接して支えている。
【0203】
トルクねじ178が、本体172の近位端に配置されている。環状バッキングナット180およびピエゾスタック182が、トルクねじ178と本体172との間に挟まれている。
【0204】
コレット168は、トルクねじ178と螺着されたねじ切り近位部分を有する。したがって、トルクねじ178は、コレット168、したがってワイヤ14をトランスデューサ170に結合して、超音波エネルギーをトランスデューサ170からワイヤ14に伝達する。さらに、トルクねじ178を回転すると、コレット168がトランスデューサ170の本体内へ近位に引き込まれる。コレット168が、本体172に対して近位に動くと、拡大された遠位ヘッド174の傾斜したランプ面176は、本体172の遠位端に接して支え、コレット168をワイヤ14に半径方向にクランプさせる。
【0205】
図34aおよび図34bは、実質的に真っ直ぐな近位セクション184、遠位にテーパする中間セクション186、および病変を横断するための実質的に真っ直ぐな遠位掘削セクション188を有するワイヤ14を示している。それらの間の中間セクション186のテーパにより、遠位セクション188は、近位セクション184よりも小さい直径を有する。例えば、近位セクション184は、0.43mmの直径を有し得、遠位セクション188は、0.25mmの直径を有し得る。中間セクション186は、1メートルを超える長さで延在することができるので、近位セクション184と、遠位セクション188との間のテーパは非常にわずかであり、したがって、これらの図面では非常に誇張されている。
【0206】
公称直径および長さを含むワイヤの全体的な形状は、ワイヤの材料に特有の音速によって決まる。この特性は、トランスデューサおよびワイヤ用に選択された材料について決定される。ワイヤの真っ直ぐなセクションおよびテーパ状のセクションの寸法は、波長の機能的間隔で機械加工されている。
【0207】
ニチノール材料が選択された場合、この例では、λ、λ/2、およびλ/4は、168mm、84mm、および42mmであると決定される。選択した周波数は、ワイヤの長さに沿って高調波を生成し、ワイヤの先端の負荷は、特徴のない病変のための定在波を確立するのを支援する。
【0208】
遠位セクション188は、その長さに沿ってテーパ状にすることができ、または直径を均一にすることができ、高調波は、λまたは少なくともλ/4にすることができる。システムは、ある範囲にわたって高調波を生成することができる。
【0209】
アクティブ化されたワイヤ14の目的は、病変を掘削することであるため、所与の波形で可能な限り大きなボリュームを掘削するために、寸法が最適化される。この点に関して、図34bは、ワイヤ14の遠位セクション188が、アクティブ化されると、一次長手方向モードで動き、内外に動き、また、ワイヤ14の長手方向の動きを介してマップアウトし、遠位端でより大きなボリュームを掘削する半径方向にも動くことを示している。ワイヤ14の遠位セクション188はまた、アクティブ化周波数および遠位セクション188の長さに応じて、共振波および微分高調波の二次モードの下で横方向および波状の動きを介して他のモードで動くことも見られる。
【0210】
図35は、ワイヤ14がエンドツーエンドで一緒に溶接されたセクションからどのように製造され得るかを例示している。この実施形態では、近位セクション184は、増幅を提供するために、ならびに近位に負荷されたアクティブ化デバイスのための標準接続を提供するために、標準直径として機械加工される。近位セクション184は、図35に丸で囲まれた接合部190で、カスタム遠位端および先端を有することができる選択された異なる直径のワイヤのうちの1つに溶接することができるシャフトとして機能する。これにより、いくつかの異なる線径のセクションを組み立てて多くの必要な構成のワイヤを生成できるため、異なる線径のストックを保持する必要性が有益に減少する。ワイヤ14の溶接接合部190は、低応力の場所にあるので、アクティブ化の過程で接合部190に加えられる負荷は、壊滅的な疲労破壊を引き起こさない。
【0211】
図36および図37に移ると、これらの図面は、病変を横断するための角度的にオフセットされた遠位掘削セクションを有するように形成または成形されたワイヤ14を示している。この実施形態では、遠位セクションは真っ直ぐではなく、ヒートセット形状の先端192によって角度が付けられている。先端192の寸法は、病変へのステアリングおよび病変の掘削に関して改善されたパフォーマンスを提供するように最適化されている。具体的には、遠位セクションの長手方向軸に対する先端192の角度および先端192の長さが、ワイヤ14が特定の側枝動脈内へ向く能力を決定する。先端192の角度および長さはまた、ワイヤ14がアクティブ化されると、狭窄した材料の一部を掘削するやり方に影響を与える。
【0212】
先端192の寸法が、高調波に特徴的である場合、例えば、λ/8または約22mmの長さである場合、ワイヤ14は、例えば、25mmの先端セクションよりもかなり大きいトンネルを病変内に開く。波形の振幅およびワイヤ14の遠位セクションが石灰性セクションを通過する回数が、掘削されるトンネルの直径を決定する。
【0213】
先端192の角度が大きすぎる場合、レバーアームが大きくなり、ワイヤ14を過度に疲労させる可能性がある。逆に、先端192の角度が小さすぎる場合、ワイヤ14は効果的にステアリング可能ではない可能性がある。この点に関して、図37は、先端192がワイヤ14の長手方向軸から約15°~45°だけオフセットされ得、先端192が病変のより大きいボリュームを粉砕および掘削することを可能にすることを示している。先端192は、亀裂の伝播に対して、したがって疲労に対して確実に抵抗力のある微細構造をもたらすために、例えば、500℃を超える温度で10分未満の間、適切に熱処理される。
【0214】
図38aおよび図38bは、患者の体内のワイヤ14の場所の可視性が、例えば金のマーカーバンド194を使用することによってどのように向上され得るかを示している。そのようなマーカーバンド194は、例えば、ワイヤ14の遠位先端196に近い(例えば、遠位先端196から約3mmの)場所に、また、テーパ状の中間セクション186の開始直前に、近位セクション184の遠位端からも固定され得る。マーカーバンド194は、ワイヤ14を使用する際の最小負荷の場所に配置される。これにより、マーカーバンド194が切り離される可能性、またはワイヤ14がそれらの場所で故障する可能性が最小限に抑えられる。マーカーバンド194は、ワイヤ14の周りに研磨された円周方向の溝にフラッシュフィットする傾向がある。
【0215】
図39は、ワイヤ14の遠位先端196が丸みを帯びており、鋭い移行部がない変形例を示している。例として、この例では、近位セクション184は1800mmの長さであり得、テーパ状の中間セクション186は84mmの長さであり得、遠位セクション188は10mmの長さであり得る。この場合も、マーカーバンド194は、ワイヤ14の遠位先端196および近位セクション184の遠位端に近いワイヤ14を取り囲む。
【0216】
図40および図41は、鋭い移行部を回避するために丸みを帯びた球状の遠位先端198を各々が有するワイヤ14の他の変形例を示している。球状の先端198は、例えば、長さが3mm~4mmであり得、0.4mmをわずかに超える直径を有し得る。
【0217】
その球状の先端198を除いて、図40に示されるワイヤは、他の点では、図39に示されるワイヤ14に類似している。
【0218】
この場合も、図40および図41に示されるワイヤ14は、ワイヤ14の周りに研磨された円周方向の溝にフラッシュフィットされ得る円周方向のマーカーバンド194を有する。好都合なことに、示されるように、球状の先端198は、マーカーバンド194のうちの1つによって取り囲まれ得る。
【0219】
図41に示される例では、ワイヤは、真っ直ぐなセクション200および遠位にテーパするセクション202を含む近位部分を有する。真っ直ぐなセクション200は、アクティブ化デバイスとの係合を改善するために、示されるようにテクスチャ加工された表面を有することができる。近位部分は、ワイヤ14の長さの大部分を構成する中間部分に溶接されている。中間部分はまた、真っ直ぐなセクション204および短い遠位にテーパするセクション206を含む。中間部分194の遠位にテーパするセクション206に近い真っ直ぐなセクション204を取り囲むマーカーバンド194が示されている。最後に、短くて細い遠位セクション208が、中間セクション186から球状先端198まで遠位に延在している。
【0220】
最後に図42a~図42cを見ると、これらの概略図は、ワイヤ14が、最初に病変210を横断するためのアクティブワイヤとして、次に、後続の診断または治療デバイス214を病変210に輸送するためのガイドワイヤとしてどのように使用され得るかを示す。
【0221】
図42aでは、ワイヤ14は、イントロデューサシース135を通って患者の体137内へ遠位に延在していることが示されている。ワイヤ14の遠位先端は、病変210に到達するために、患者の脈管系212を通ってナビゲートされている。ワイヤ14は、ここでは、アクティブ化ユニット2によってアクティブ化され、したがって、遠位先端の振動によって病変210を掘削および横断することが示されている。
【0222】
この例では、アクティブ化ユニット2は、ワイヤ14の近位端に示されている。しかしながら、アクティブ化ユニット2は、代わりに、患者の体137から突出するワイヤ14の近位部分に沿った複数の中間位置のいずれかに位置決めすることができる。
【0223】
図42bに示されるように、病変210が首尾よく横断されると、ワイヤ14は非アクティブ化され、患者の脈管系212内にその場に残される。次に、アクティブ化ユニット2がワイヤ14から取り外され、ワイヤ14の近位端が露出する。
【0224】
非アクティブ化されたワイヤ14は、今度は、図42cに示されるように、後続の診断または治療デバイス214を病変210に輸送するためのガイドワイヤとして機能することができる。デバイス214は、最も好都合には、ワイヤ14の近位端に挿通され得る。
しかしながら、原則として、デバイス214は、代わりに、患者の体137の外側に残るワイヤ14の近位部分に沿った任意の場所でワイヤ14に取り付けることができる。
【0225】
(本実施形態のまとめ)
以下、上記において説明した実施形態のまとめを以下に記載する。
【0226】
(第一の装置)
血管内の障害物を横断するための血管内装置であって、前記装置は、
細長い血管内ワイヤと、
使用中、前記ワイヤに沿って、超音波エネルギー源から、前記ワイヤの遠位端にあるアクティブ先端に超音波エネルギーを伝達するためのカップリングと、を含み、
前記カップリングは、前記アクティブ先端への超音波エネルギーの前記伝達のために、前記ワイヤの長さに沿った複数の個別の動作位置のいずれかにおいて、前記ワイヤに前記源を結合するように配置されている、血管内装置。
【0227】
前記第一の装置において、前記カップリングは、前記動作位置間を動くときに、前記源と前記ワイヤとの間の相対的な長手方向の動きを可能にするように配置され得る。
【0228】
前記第一の装置において、前記カップリングは、前記ワイヤに取り付けられたままである間に、前記相対的な長手方向の動きを可能にするように配置され得る。
【0229】
前記第一の装置において、前記カップリングは、前記ワイヤから取り外されて、前記ワイヤに再取り付けされることによって、前記相対的な長手方向の動きを可能にするように配置され得る。
【0230】
前記第一の装置において、前記カップリングおよび/または前記源は、前記ワイヤの長手方向の挿入および引き抜きのための遠位開口部および近位または側方開口部を含み得る。
【0231】
前記第一の装置において、前記カップリングおよび/または前記源は、前記ワイヤの長手方向軸を横切る横方向における前記ワイヤの進入または退出のための少なくとも1つの長手方向スロットを含み得る。
【0232】
前記第一の装置において、前記スロットを介した前記ワイヤの側方進入後に前記ワイヤを捕捉し、前記スロットを介した前記ワイヤの側方退出のために前記ワイヤを解放するように配置されたロッキング機構をさらに含み得る。
【0233】
前記第一の装置において、前記ロッキング機構は、前記ワイヤを捕捉および解放するために、前記ワイヤの周りで回転可能である少なくとも1つのロッキング部材を含み得る。
【0234】
前記第一の装置において、前記カップリングは、前記動作位置のいずれかにあるときに前記ワイヤをクランプするように配置され得る。
【0235】
前記第一の装置において、前記カップリングは、コレットを含み、前記コレットは、前記コレットの長手方向の動きまたは長手方向の圧縮に応答して、前記ワイヤ上に半径方向に圧縮可能であり得る。
【0236】
前記第一の装置において、前記コレットは、前記源に係合される少なくとも1つの合わせ面を含み、前記面は、前記コレットの長手方向軸に対して傾斜し得る。
【0237】
前記第一の装置において、前記合わせ面は、前記コレットのテーパ状の端によって画定され得る。
【0238】
前記第一の装置において、前記コレットは、前記源として機能するトランスデューサ内で、またはトランスデューサに対して長手方向に可動であり得る。
【0239】
前記第一の装置において、前記コレットと前記トランスデューサとの間にねじ山を含み、前記ねじ山は、前記コレットを長手方向に動かし、前記コレットを前記トランスデューサに結合するように配置され得る。
【0240】
前記第一の装置において、前記ワイヤは、前記源を通って延在し、それぞれ、前記源から近位および遠位に延在する部分を有し得る。
【0241】
前記第一の装置において、前記ワイヤの前記近位に延在する部分は、前記源の近位端から出てもよい。
【0242】
前記第一の装置において、前記ワイヤの前記近位に延在する部分は、前記ワイヤの前記遠位に延在する部分の長手方向軸を横切る軸上で前記源から出てもよい。
【0243】
前記第一の装置において、前記動作位置は、前記ワイヤ上にマークされ得る。
【0244】
前記第一の装置において、前記動作位置は、前記源のアクティブ化周波数での前記ワイヤの高調波に特徴的であり得る。
【0245】
(第二の装置)
血管内の障害物を横断するための血管内装置であって、前記装置は、
電気的に駆動される超音波エネルギー源と、
使用中、血管内ワイヤを励振して、前記ワイヤに沿って、前記源から超音波エネルギーを伝達し、それによって前記ワイヤに、前記ワイヤの遠位端にあるアクティブ先端に結合するためのカップリングと、
使用中、前記アクティブ先端が障害物に接近するまたは横断するときに、前記装置の動作パラメータを捕捉して応答するように構成された信号取得および処理システムと、を含む、装置。
【0246】
前記第二の装置において、前記信号取得および処理システムは、前記超音波エネルギー源によって引き出される電流の周波数および/または振幅の変動、または前記超音波エネルギー源の両端間で降下した電圧をモニタリングするように構成され得る。
【0247】
前記第二の装置において、前記信号取得および処理システムは、前記超音波エネルギー源に印加された励振電圧、または前記超音波エネルギー源に供給された励振電流を変調するように構成され得る。
【0248】
前記第二の装置において、前記信号取得および処理システムは、前記超音波エネルギー源に印加された前記励振電圧の周波数および/または振幅を変化させることによって、前記超音波エネルギー源を制御するように構成され得る。
【0249】
前記第二の装置において、前記信号取得および処理システムは、前記励振電圧の振幅と併せて、前記励振電圧と前記励振電流との間の位相差を使用することによって、前記励振電圧の前記周波数を駆動するように構成され得る。
【0250】
前記第二の装置において、前記信号取得および処理システムは、前記カップリングを介して前記ワイヤの振動の周波数または振幅の変動をモニタリングするように構成され得る。
【0251】
前記第二の装置において、前記信号取得および処理システムは、振幅フィードバックコントローラを含み、制御の動作点として共振周波数を使用するように構成され得る。
【0252】
前記第二の装置において、前記信号取得および処理システムは、前記ワイヤの振動の周波数の前記変動から決定された前記ワイヤ内の波形から、前記ワイヤの前記アクティブ先端の変位を推測するように構成され得る。
【0253】
前記第二の装置において、前記信号取得および処理システムは、前記ワイヤの特定のタイプに対して選択された数値アルゴリズムを使用するように構成され得る。
【0254】
前記第二の装置において、前記信号取得および処理システムは、膠様病変、線維性病変および石灰化病変について、開放および閉塞脈管系における前記ワイヤの前記アクティブ先端の前記変位によってマップアウトされたエリアを推定するように構成され得る。
【0255】
前記第二の装置において、前記信号取得および処理システムは、障害物への接近をモニタリングするように、および/または、前記捕捉された動作パラメータから障害物の特性を決定するように構成され得る。
【0256】
前記第二の装置において、前記信号取得および処理システムは、前記アクティブ先端を前記障害物にナビゲートする際の解剖学的蛇行による損失と、前記アクティブ先端が前記障害物を通過することから生じる損失との相対的な寄与を比較するように構成され得る。
【0257】
前記第二の装置において、前記信号取得および処理システムは、前記超音波エネルギー源への駆動信号をパルス化または変化させるように構成され得る。
【0258】
前記第二の装置において、前記信号取得および処理システムは、血管内ワイヤタイプに固有のアルゴリズムを実行して、励振されたときの前記アクティブ先端のたわみを推定し、前記障害物を通って延在するトンネル直径を推定するように構成され得る。
【0259】
前記第二の装置において、前記信号取得および処理システムは、
伝達された信号の変調をモニタリングし、前記超音波エネルギー源に印加された電圧を自動的に制御して、前記アクティブ先端が前記障害物に近接するときに前記ワイヤ内で遭遇するバックグラウンドエネルギー損失を補償し、
前記バックグラウンドエネルギー損失を、前記アクティブ先端が前記障害物を通過するときの追加のエネルギー損失から区別し、前記バックグラウンドエネルギー損失を補償して前記アクティブ先端における変位を維持するように構成され得る。
【0260】
前記第二の装置において、前記超音波エネルギー源の電力出力を変調するように動作可能である手動オーバーライドをさらに含み得る。
【0261】
前記第二の装置において、前記信号取得および処理システムは、前記捕捉された動作パラメータを、既知の障害物の特徴付ける格納されたデータと比較し、前記比較を参照して前記障害物を特徴付けるように構成され得る。
【0262】
前記第二の装置において、前記信号取得および処理システムは、ユーザインターフェースおよび/または外部データ取得システムへの出力をさらに含み得る。
【0263】
前記第二の装置において、前記信号取得および処理システムは、ユーザインターフェースおよび/または外部データネットワークからの入力をさらに含み得る。
【0264】
前記第二の装置において、前記信号取得および処理システムは、使用中、障害物との前記アクティブ先端の相互作用から生じる前記装置の前記動作パラメータの変動に応答して、制御アルゴリズムを修正または変更するように構成され得る。
【0265】
前記第二の装置において、前記信号取得および処理システムは、外部データネットワークにデータを出力し、応答して、前記ネットワークからデータを受信し、前記ネットワークからデータを受信すると、それに応じて制御アルゴリズムを修正または変更するように構成され得る。
【0266】
前記第二の装置において、前記信号取得および処理システムは、使用中、障害物との前記アクティブ先端の相互作用から生じる前記装置の前記動作パラメータの変動を表すデータを、前記ネットワークに出力するように構成され得る。
【0267】
前記第一の装置または前記第二の装置において、前記源は、20kHz~60kHzの周波数で振動するトランスデューサを含み得る。
【0268】
前記第一の装置または前記第二の装置において、前記トランスデューサは、35kHz~45kHzの周波数で振動し得る。
【0269】
前記第一の装置または前記第二の装置において、前記トランスデューサは、37kHz~43kHzの周波数で振動し得る。
【0270】
前記第一の装置または前記第二の装置において、前記トランスデューサは、40kHzに実質的に等しい周波数で振動し得る。
【0271】
前記第一の装置または前記第二の装置において、前記ワイヤから前記源を結合解除した後、患者の脈管系内へ、前記ワイヤに沿って遠位に輸送可能である後続の血管内診断または治療デバイスをさらに含み得る。
【0272】
(通信システム)
前記第一の装置のいずれか、または前記第二の装置のいずれかを含み、前記装置は、前記装置からデータを受信し、それに応じて制御アルゴリズムを最適化および更新し、最適化され更新された制御アルゴリズムを前記装置に出力するように配置されたコンピュータシステムとデータ通信する、通信システム。
【0273】
前記通信システムにおいて、2つ以上のかかる装置は、前記コンピュータシステムとデータ通信し、前記コンピュータシステムは、前記装置を使用して行われた複数の処置から受信したデータに従って制御アルゴリズムを最適化し、最適化され更新された制御アルゴリズムを前記装置に出力するように配置され得る。
【0274】
(第一のワイヤ)
血管内の障害物を横断するための細長い血管内ワイヤであって、前記ワイヤは、使用中、前記ワイヤに沿って、超音波エネルギー源から前記ワイヤの遠位端にあるアクティブ先端に超音波エネルギーを伝達するためのカップリングを含み、前記カップリングは、前記アクティブ先端への超音波エネルギーの前記伝達のために、前記ワイヤの長さに沿った複数の個別の動作位置のいずれかにおいて、前記ワイヤに前記源を結合するように配置されている、ワイヤ。
【0275】
(第二のワイヤ)
血管内の障害物を横断するための細長い血管内ワイヤであって、前記ワイヤは、
使用中、前記ワイヤに沿って、超音波エネルギー源から、前記ワイヤの遠位端にあるアクティブ先端に超音波エネルギーを伝達するためのカップリングと、
前記カップリングまたは前記ワイヤ上の切断デバイスであって、前記切断デバイスは、前記切断デバイスから遠位に延在する前記ワイヤの部分から前記カップリングを分断するために、前記ワイヤを切断するまたは前記ワイヤに刻み目を入れる、切断デバイスと、を含む、ワイヤ。
【0276】
前記第二のワイヤにおいて、前記切断デバイスは、前記ワイヤの長手方向軸に対して横方向に可動である少なくとも1つのブレードを含み得る。
【0277】
(第三のワイヤ)
血管内の障害物を横断するための細長い血管内ワイヤであって、前記ワイヤは、
使用中、前記ワイヤに沿って、超音波エネルギー源から、前記ワイヤの遠位端にあるアクティブ先端に超音波エネルギーを伝達するためのカップリングを含み、
前記カップリングは、前記ワイヤの近位端に固定されるねじコネクタ、および、回転スリーブを含み、前記回転スリーブは、第1の長手方向位置において、前記ねじコネクタに係合されて前記ねじコネクタを前記超音波エネルギー源と係合するように回転させ、次に、前記スリーブを前記ねじコネクタおよび前記ワイヤから結合分離するために、第2の長手方向位置へ可動である、ワイヤ。
【0278】
前記第三のワイヤにおいて、前記第1の長手方向位置は、前記第2の長手方向位置に対して近位に配置され得る。
【0279】
(第四のワイヤ)
血管内の障害物を横断するための細長い血管内ワイヤであって、前記ワイヤは、近位セクションと、前記近位セクションよりも小さい直径の遠位先端セクションと、前記近位セクションと前記遠位先端セクションとの間に延在する遠位にテーパする中間セクションと、を含み、前記ワイヤは、実質的にその全長にわたってスリーブがない、ワイヤ。
【0280】
前記第四のワイヤにおいて、前記セクションのうちの少なくとも2つの間に少なくとも1つの溶接接合部を含み得る。
【0281】
前記第四のワイヤにおいて、前記遠位先端セクションは、球状の遠位先端を含み得る。
【0282】
前記第四のワイヤにおいて、前記遠位先端セクションは、前記ワイヤの長手方向軸に対して角度的にオフセットされた遠位部分を含み得る。
【0283】
前記第四のワイヤにおいて、マーカーバンドが少なくとも前記遠位先端セクションを取り囲み得る。
【0284】
前記第四のワイヤにおいて、500mm~2500mmの全長を有し得る。
【0285】
前記第四のワイヤにおいて、前記近位セクションは、その長さに沿って均一な直径であり得る。
【0286】
前記第四のワイヤにおいて、前記近位セクションの前記直径は、0.014インチ~0.035インチ(約0.36mm~約0.89mm)であり得る。
【0287】
前記第四のワイヤにおいて、前記ワイヤの前記近位セクションは、500mm~2000mmの長さを有し得る。
【0288】
前記第四のワイヤにおいて、前記セクションの各々の長さが、λ/4の関数または倍数であり、λは、前記ワイヤ内に共振をもたらす駆動周波数であり得る。
【0289】
前記第四のワイヤにおいて、前記遠位セクションは、テーパ状になっているか、またはその長さに沿って一定の直径であり得る。
【0290】
前記第四のワイヤにおいて、前記遠位セクションは、0.003インチ~0.014インチ(約0.08mm~約0.36mm)の直径を有し得る。
【0291】
(第一の血管内装置)
前述の第一~第四のいずれかのワイヤと、前記ワイヤに結合された超音波エネルギー源と、を含む、血管内装置。
【0292】
(ユニット)
細長い血管内ワイヤ内へ超音波エネルギーを伝えるためのアクティブ化ユニットであって、前記ユニットは、
前記超音波エネルギーの源と、
前記ワイヤの長さに沿った複数の個別の動作位置のいずれかで前記ワイヤに前記源を結合するように配置されたカップリングと、を含む、ユニット。
【0293】
前記ユニットにおいて、前記カップリングは、前記動作位置間を動くときに、前記源と前記ワイヤとの間の相対的な長手方向の動きを可能にするように配置され得る。
【0294】
前記ユニットにおいて、前記カップリングは、前記ワイヤに取り付けられたままである間に、前記相対的な長手方向の動きを可能にするように配置され得る。
【0295】
前記ユニットにおいて、前記カップリングは、前記ワイヤから取り外されて、前記ワイヤに再取り付けされることによって、前記相対的な長手方向の動きを可能にするように配置され得る。
【0296】
前記ユニットにおいて、前記源は、20kHz~60kHzの周波数で振動するトランスデューサを含み得る。
【0297】
前記ユニットにおいて、前記トランスデューサは、35kHz~45kHzの周波数で振動し得る。
【0298】
前記ユニットにおいて、前記トランスデューサは、37kHz~43kHzの周波数で振動し得る。
【0299】
前記ユニットにおいて、前記トランスデューサは、40kHzの間または40kHzに実質的に等しい周波数で振動し得る。
【0300】
前記ユニットにおいて、視覚的、ハプティック、および/または聴覚的ユーザインターフェースをさらに含み得る。
【0301】
(アクティブ化ユニット)
細長い血管内ワイヤ内へ超音波エネルギーを伝えるためのアクティブ化ユニットであって、前記アクティブ化ユニットは、
超音波トランスデューサを有する前記超音波エネルギーの源と、
前記細長い血管内ワイヤの長さに沿った複数の個別の、前記細長い血管内ワイヤに前記超音波エネルギーを伝達する位置である、動作位置のいずれかで前記細長い血管内ワイヤに前記源を結合するように配置されたカップリングであって、前記動作位置のいずれかにあるときに前記細長い血管内ワイヤをクランプするように配置されている、カップリングと、
を含み、
かつ、
前記細長い血管内ワイヤは、前記カップリングおよび前記源を通って延在し、それぞれ、前記アクティブ化ユニットから近位および遠位に延在する部分を有するように、前記アクティブ化ユニットは配置されており、
前記アクティブ化ユニットから近位に延在する前記細長い血管内ワイヤの部分の励振は、減衰される、
アクティブ化ユニット。
【0302】
前記アクティブ化ユニットにおいて、前記カップリングは、前記細長い血管内ワイヤに取り付けられたまま前記細長い血管内ワイヤに沿ってスライドされることによって、前記動作位置間を動くときに、前記源と前記細長い血管内ワイヤとの間の相対的な長手方向の動きを可能にするように配置され得る。
【0303】
前記アクティブ化ユニットにおいて、前記カップリングは、前記細長い血管内ワイヤから取り外されて、前記細長い血管内ワイヤに再取り付けされることによって、前記動作位置間を動くときに、前記源と前記細長い血管内ワイヤとの間の相対的な長手方向の動きを可能にするように配置され得る。
【0304】
前記アクティブ化ユニットにおいて、前記超音波トランスデューサは、20kHz~60kHzの周波数で振動するように構成され得る。
【0305】
前記アクティブ化ユニットにおいて、血管の遮蔽物を通って前進する際のパフォーマンスおよび進行状況を通信する、または、前記遮蔽物の組成および長さのフィードバックを提供する、ように構成される、視覚的ユーザーインターフェース、ハプティックユーザーインターフェース、および/または聴覚的ユーザーインターフェースをさらに含み得る。
【0306】
(第二の血管内装置)
血管内の障害物を横断するための血管内装置であって、前記血管内装置は、
前述のいずれかのアクティブ化ユニットと、
前記アクティブ化ユニットの前記カップリングおよび前記源を通って延在し、それぞれ、前記カップリングおよび前記源から近位および遠位に延在する部分を有する、細長い血管内ワイヤと、
を含み、
前記カップリングは、使用中、前記細長い血管内ワイヤに沿って、前記源から、前記細長い血管内ワイヤの遠位端にあるアクティブ先端に前記超音波エネルギーを伝達する、血管内装置。
【0307】
前記第二の血管内装置において、前記カップリングは、前記細長い血管内ワイヤから取り外されて、前記細長い血管内ワイヤに再取り付けされることによって、前記動作位置間を動くときに、前記源と前記細長い血管内ワイヤとの間の相対的な長手方向の動きを可能にするように配置されており、
前記カップリングおよび/または前記源は、前記細長い血管内ワイヤの長手方向軸に延在するボアを有し、前記ボア内に前記細長い血管内ワイヤの長手方向の挿入および引き抜きするため、前記ボアと連通する、遠位開口部および近位または側方開口部を含み得る。
【0308】
前記第二の血管内装置において、前記カップリングは、前記細長い血管内ワイヤから取り外されて、前記細長い血管内ワイヤに再取り付けされることによって、前記動作位置間を動くときに、前記源と前記細長い血管内ワイヤとの間の相対的な長手方向の動きを可能にするように配置されており、
前記カップリングおよび/または前記源は、前記細長い血管内ワイヤの長手方向軸に延在するボアを有し、前記細長い血管内ワイヤの長手方向軸を横切る横方向において前記ボアと連通し、前記ボア内への前記細長い血管内ワイヤの進入または前記ボアからの前記細長い血管内ワイヤの退出のため、前記ボアの長手方向に延在する、少なくとも1つの長手方向スロットを含み得る。
【0309】
前記第二の血管内装置において、前記長手方向スロットを介した前記細長い血管内ワイヤの前記ボア内への側方進入後に前記細長い血管内ワイヤを捕捉、および前記長手方向スロットを介した前記細長い血管内ワイヤの前記ボアからの側方退出の際に前記細長い血管内ワイヤを解放、するために、前記細長い血管内ワイヤおよび前記ボアの周りで回転可能であり、かつ、回転させることによって前記長手方向スロットを開閉可能である、少なくとも1つのロッキング部材をさらに含み得る。
【0310】
前記第二の血管内装置において、前記カップリングは、コレットを含み、前記コレットは、前記コレットの長手方向の動きまたは長手方向の圧縮に応答して、前記細長い血管内ワイヤ上に半径方向に圧縮可能であり得る。
【0311】
前記第二の血管内装置において、前記コレットは、前記源に係合される少なくとも1つの合わせ面を含み、前記合わせ面は、前記コレットの長手方向軸に対して傾斜し得る。
【0312】
前記第二の血管内装置において、前記合わせ面は、前記コレットのテーパ状の端によって画定され得る。
【0313】
前記第二の血管内装置において、前記コレットは、前記超音波トランスデューサ内で、または前記超音波トランスデューサに対して長手方向に可動であり得る。
【0314】
前記第二の血管内装置において、前記コレットと前記超音波トランスデューサとの間にねじ山を含み、前記ねじ山は、前記コレットを長手方向に動かし、前記コレットを前記超音波トランスデューサに結合するように配置され得る。
【0315】
前記第二の血管内装置において、前記細長い血管内ワイヤの前記近位に延在する部分は、前記源の近位端から出てもよい。
【0316】
前記第二の血管内装置において、前記細長い血管内ワイヤの前記近位に延在する部分は、前記細長い血管内ワイヤの前記遠位に延在する部分の長手方向軸を横切る軸上で前記源から出てもよい。
【0317】
前記第二の血管内装置において、前記動作位置は、前記細長い血管内ワイヤ上にマークされ得る。
【0318】
前記第二の血管内装置において、前記超音波トランスデューサがそれを駆動する周波数で動作されるとき、前記動作位置のいずれかの位置において前記細長い血管内ワイヤに前記源が取り付けられると、前記細長い血管内ワイヤにおいて高調波が生成され得る。
【0319】
(第一の方法)
通路内の障害物を軽減する方法であって、前記方法は、
細長いワイヤの長さに沿った複数の個別の動作位置のいずれかで、前記ワイヤに超音波エネルギー源を結合することと、
前記ワイヤに沿って前記源から超音波振動を伝達して、前記障害物と接触している前記ワイヤの遠位端にあるアクティブ先端を振動させることと、を含む、方法。
【0320】
前記第一の方法において、前記動作位置間を動くときに、前記源と前記ワイヤとの間の相対的な長手方向の動きをもたらすことを含み得る。
【0321】
前記第一の方法において、前記源が前記ワイヤに取り付けられたままである間に、前記相対的な長手方向の動きをもたらすことを含み得る。
【0322】
前記第一の方法において、前記源を実質的に静止した状態に保持する間に、前記ワイヤを長手方向に動かすことを含み得る。
【0323】
前記第一の方法において、前記ワイヤから前記源を取り外し、異なる長手方向位置で前記ワイヤに前記源を再取り付けすることによって、前記相対的な長手方向の動きをもたらすことを含み得る。
【0324】
前記第一の方法において、前記ワイヤを実質的に静止した状態に保持する間に、前記源を長手方向に動かすことを含み得る。
【0325】
前記第一の方法において、前記ワイヤの長手方向軸を横切る横方向における前記源と前記ワイヤとの間の相対的な動きによって、前記ワイヤから前記源を取り外すか、または前記ワイヤに前記源を取り付けることを含み得る。
【0326】
前記第一の方法において、前記源が前記動作位置のいずれかにあるときに前記ワイヤをクランプすることを含み得る。
【0327】
(第二の方法)
通路内の障害物を軽減する方法であって、前記方法は、
細長いワイヤに沿って超音波エネルギー源から超音波振動を伝達して、前記障害物と接触している前記ワイヤの遠位端にあるアクティブ先端を振動させることと、
前記ワイヤに沿って遠位に後続の診断または治療デバイスを送達することと、を含む、方法。
【0328】
前記第二の方法において、前記ワイヤに沿って後続の前記デバイスを送達する前に、前記ワイヤから前記源を取り外し得る。
【0329】
(第三の方法)
通路内の障害物を軽減する方法であって、前記方法は、
ワイヤに沿って、前記ワイヤに結合された電気的に駆動される源から超音波振動を伝達して、前記障害物と接触している前記ワイヤの遠位端にあるアクティブ先端を振動させることと、
前記アクティブ先端が前記障害物に遭遇して横断するときの前記障害物との相互作用に対する振動ワイヤの応答を感知することと、を含む、方法。
【0330】
前記第三の方法において、前記振動ワイヤの前記応答を表す感知されたデータを、既知の障害物との相互作用に対する対応する振動ワイヤの前記応答を表す格納されたデータと比較することをさらに含み得る。
【0331】
前記第三の方法において、前記振動ワイヤの前記応答を感知することに応答して、前記ワイヤに沿って前記アクティブ先端に伝達される前記超音波振動の振幅または周波数を調整することをさらに含み得る。
【0332】
前記第三の方法において、前記ワイヤの振動の振幅を感知し、前記源を制御して前記ワイヤ内の共振周波数を維持することを含み得る。
【0333】
前記第三の方法において、前記振動ワイヤの前記応答の変動に応答して、制御アルゴリズムを修正または変更することを含み得る。
【0334】
前記第三の方法において、外部データネットワークにデータを出力することと、応答して、前記ネットワークからデータを受信することと、前記ネットワークからデータを受信すると、それに応じて制御アルゴリズムを修正または変更することと、を含み得る。
【0335】
前記第三の方法において、前記振動ワイヤの前記応答の変動を表すデータを前記ネットワークに出力することを含み得る。
【0336】
前記第三の方法において、外部コンピュータシステムにデータを出力することと、前記外部コンピュータシステムにおいて、前記データに従って制御アルゴリズムを最適化および更新することと、前記外部コンピュータシステムから、最適化され更新された制御アルゴリズムを出力することと、前記最適化され更新された制御アルゴリズムを使用して、前記ワイヤの振動を制御することと、を含み得る。
【0337】
前記第三の方法において、前記コンピュータシステムは、複数の処置から受信したデータに従って前記制御アルゴリズムを最適化し得る。
【0338】
(第四の方法)
血管内の障害物を特徴付ける方法であって、前記方法は、前記障害物との相互作用に対する、事前に送達された振動血管内ワイヤの応答を表す測定されたデータを、既知の障害物との相互作用に対する、対応する振動血管内ワイヤの応答を表す格納されたデータと比較することを含む、方法。
【0339】
前記第四の方法において、前記測定されたデータと前記格納されたデータとの間の前記比較に応答して、前記事前に送達された血管内ワイヤの振動を調整することを含み得る。
【0340】
前記第四の方法において、特定のタイプの血管内ワイヤを選択する予備ステップと、障害物に対する前記選択されたワイヤの応答を決定する際に使用するために、前記タイプの血管内ワイヤに固有のアルゴリズムを選択する予備ステップとを含み得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8a
図8b
図8c
図9a
図9b
図9c
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18a
図18b
図18c
図19
図20
図21
図22
図23a
図23b
図23c
図24a
図24b
図24c
図25a
図25b
図25c
図25d
図26a
図26b
図26c
図26d
図27a
図27b
図27c
図28
図29
図30
図31
図32a
図32b
図33
図34a
図34b
図35
図36
図37
図38a
図38b
図39
図40
図41
図42a
図42b
図42c