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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024105688
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】知的捕獲器および消耗品
(51)【国際特許分類】
   A01M 1/14 20060101AFI20240730BHJP
   A01M 1/00 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
A01M1/14 V
A01M1/00 L
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024083845
(22)【出願日】2024-05-23
(62)【分割の表示】P 2021546053の分割
【原出願日】2019-10-21
(31)【優先権主張番号】1817182.7
(32)【優先日】2018-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】522142992
【氏名又は名称】コーカス・コネクト・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100117640
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 達己
(72)【発明者】
【氏名】ケイ,マシュー・バーギーズ
(72)【発明者】
【氏名】ジャックス,マーク
(57)【要約】      (修正有)
【課題】実時間監査可能管理システムを提供する。
【解決手段】本発明は、捕獲器(20)と消耗品(30)との間の通信を手助けするためのシステム(10)、上記システムにおいての使用のための糊板(32)、上記糊板を含む捕獲器、および、糊板(32)上の飛翔虫捕集量を決定するための方法に関する。糊板(32)は、背面と、接着剤を上に有する捕捉表面とを含み、センサが、糊板の背面に、付着させられ、または近接して配置される。センサは、相互静電容量検知により飛翔昆虫を検出し、送信電極であるセンサ導体と、受信電極である2つの導電性非接地導体とを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
捕獲器(20)と消耗品(30)との間の通信を手助けするためのシステム(10)において、
i)データ(50)を捕捉し、前記データをシステム操作員(60)に送出するための手段(40)を伴う捕獲器(20)と、
ii)各々が、電子識別コード(80)を前記各々と関連付けたデバイス(70)を設けられる、1つまたは複数の消耗品(30)と、
iii)前記捕獲器(20)の前記データ捕捉手段(40)により読み取られ、前記システム操作員(60)に戻るように中継され得る、前記消耗品の状態(90)を決定するための手段と
を含み、
前記消耗品は、糊板(32)であり、センサ(100)が、前記糊板の背面(35)に、付着させられ、または近接して配置され、前記センサ(100)は、相互静電容量検知により飛翔昆虫を検出し、送信電極(Tx)であるセンサ導体(12)と、三つ組(14a-12-14b)を形成するために1つが前記センサ導体(12)のいずれかの側に配設される受信電極(Rx)である2つの導電性非接地導体(14a;14b)とを含み、前記導体(12、14a、14b)は、遮蔽物または防護物の役割を果たすために前記導体(12、14a、14b)から電気絶縁体(16)により電気的に隔離される非接地伝導性基板(18)上で支持され、各々の導体(14a、12;14b)は、前記センサが、前記飛翔昆虫に応答的である指向性フリンジ場を生成するように設計および構成され、複数の行(210、220、230等)を含むセンサ三つ組の格子配列(200)を備えるように、所定の幅および厚さのものであり、別のものおよび前記非接地伝導性基板(18)から所定の距離だけ離隔される、システム(10)。
【請求項2】
前記デバイス(70)は、RFIDタグである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記RFIDタグは、近距離検知タグである、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記捕獲器は、RFID読取器を含む、請求項1から3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
前記糊板は、規則的な区域(34)を規定する、前記糊板上に印された格子線(33)を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記糊板は、区別の目安となるように色付けされた格子区域を有する、請求項4または5に記載のシステム。
【請求項7】
接着剤(36)が、前記糊板(32)の前方表面(38)上の捕捉表面(37)を覆う、請求項1から6のいずれかに記載のシステム。
【請求項8】
各々の行は、共通の多重の「E」形状の電極列(212、222、232等)を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
各々の行は、複数の「C」形状の電極(214、224、234等)を含む、請求項1または8に記載のシステム。
【請求項10】
フリンジの変化が、前記「C」形状の電極の各々の腕部の、いずれの側でも検出される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
生成される前記フリンジの突出を修正する、前記受信(Rx)および送信(Tx)電極
の背後のフリンジ修正電極(Fx)を含む、請求項1または8から10のいずれかに記載のシステム。
【請求項12】
電球(31)をさらに含む、請求項1から11のいずれかに記載のシステム。
【請求項13】
背面(35)と、接着剤(36)を上に有する捕捉表面(37)とを含む糊板(32)において、センサ(100)が、前記糊板の前記背面(35)に、付着させられ、または近接して配置され、前記センサ(100)は、相互静電容量検知により飛翔昆虫を検出し、送信電極(Tx)であるセンサ導体(12)と、三つ組(14a-12-14b)を形成するために1つが前記センサ導体(12)のいずれかの側に配設される受信電極(Rx)である2つの導電性非接地導体(14a;14b)とを含み、前記導体(12、14a、14b)は、遮蔽物または防護物の役割を果たすために前記導体(12、14a、14b)から電気絶縁体(16)により電気的に隔離される非接地伝導性基板(18)上で支持され、各々の導体(14a、12;14b)は、前記センサが、前記飛翔昆虫に応答的である指向性フリンジ場を生成するように設計および構成され、複数の行(210、220、230等)を含むセンサ三つ組の格子配列(200)を備えるように、所定の幅および厚さのものであり、別のものおよび前記非接地伝導性基板(18)から所定の距離だけ離隔される、糊板(32)。
【請求項14】
請求項133に記載の糊板(32)を含む昆虫捕獲器(20)。
【請求項15】
各々の行は、共通の多重の「E」形状の電極列(212、222、232等)を含む、請求項13または14に記載の糊板(34)または昆虫捕獲器(20)。
【請求項16】
各々の行は、複数の「C」形状の電極(214、224、234等)を含む、請求項15に記載の糊板(34)または昆虫捕獲器(20)。
【請求項17】
フリンジの変化が、前記「C」形状の電極の各々の腕部の、いずれの側でも検出される、請求項16に記載の糊板(34)または昆虫捕獲器(20)。
【請求項18】
生成される前記フリンジの突出を修正する、前記受信(Rx)および送信(Tx)電極の背後のフリンジ修正電極(Fx)を含む、請求項13から17のいずれかに記載の糊板(34)または昆虫捕獲器(20)。
【請求項19】
システム操作員に、捕獲器(20)消耗品(30)が交換を必要とするかどうかに関して報告する方法において、
i)消耗品(30)の状態情報(90)に関係するデータ(50)を捕捉するステップと、
ii)前記捕獲器(20)上に設けられる手段(40)を利用して、電子識別コード(80)を前記消耗品と関連付けた、前記消耗品(30)上に設けられるデバイス(70)と通信するステップと、
iii)システム操作員(60)に戻るように前記データ(50)を中継するステップと
を含み、
前記消耗品は、糊板(32)であり、センサ(100)が、前記糊板の背面(35)に、付着させられ、または近接して配置され、前記センサ(100)は、相互静電容量検知により飛翔昆虫を検出し、送信電極(Tx)であるセンサ導体(12)と、三つ組(14a-12-14b)を形成するために1つが前記センサ導体(12)のいずれかの側に配設される受信電極(Rx)である2つの導電性非接地導体(14a;14b)とを含み、前記導体(12、14a、14b)は、遮蔽物または防護物の役割を果たすために前記
導体(12、14a、14b)から電気絶縁体(16)により電気的に隔離される非接地伝導性基板(18)上で支持され、各々の導体(14a、12;14b)は、前記センサが、前記飛翔昆虫に応答的である指向性フリンジ場を生成するように設計および構成され、複数の行(210、220、230等)を含むセンサ三つ組の格子配列(200)を備えるように、所定の幅および厚さのものであり、別のものおよび前記非接地伝導性基板(18)から所定の距離だけ離隔される、方法。
【請求項20】
電球(31)である消耗品をさらに含み、前記電球が、不全になった、効果のない水準で働いている、または、整備を要するということをシステム報告する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記消耗品が糊板である場合、前記方法は、前記糊板が、あらかじめ設定された数の飛翔昆虫を捕捉した、効果のない水準で働いている、または、整備を要するということを報告する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
糊板(32)上の飛翔虫捕集量を決定するための方法において、前記糊板の背面(35)に、付着させられる、または近接して配置されるセンサ(100)を使用して、捕捉された飛翔虫の数を計数するステップであって、前記センサ(100)は、相互静電容量検知により飛翔昆虫を検出し、送信電極(Tx)であるセンサ導体(12)と、三つ組(14a-12-14b)を形成するために1つが前記センサ導体(12)のいずれかの側に配設される受信電極(Rx)である2つの導電性非接地導体(14a;14b)とを含み、前記導体(12、14a、14b)は、遮蔽物または防護物の役割を果たすために前記導体(12、14a、14b)から電気絶縁体(16)により電気的に隔離される非接地伝導性基板(18)上で支持され、各々の導体(14a、12;14b)は、前記センサが、前記飛翔昆虫に応答的である指向性フリンジ場を生成するように設計および構成され、複数の行(210、220、230等)を含むセンサ三つ組の格子配列(200)を備えるように、所定の幅および厚さのものであり、別のものおよび前記非接地伝導性基板(18)から所定の距離だけ離隔される、計数するステップと、捕集量データをシステム操作員(60)に戻るように報告するステップとを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、「知的」捕獲器、特に、ただし排他的にではなく、飛翔虫捕獲器に関係し、「知的」消耗品、特に、ただし排他的にではなく、糊板(glue board)および電球に関する。本発明は、適時に、および、「目的にかなった」消耗品による、捕獲器の保守および/または整備を、認証および検証するためのシステムにさらに関する。
【0002】
[0002]捕獲器において典型的に使用される他の消耗品は、フェロモン、誘引剤、餌、および毒物を含む。捕獲器が効果的であるために、および/または、保証が付されたままであるために、それらの捕獲器が、適時の間隔で保守され、これらの消耗品が、規則的な間隔でだけではなく、より重要なことには、要されるときに交換されるということが重要である。システムは、データセンタまたはシステム操作員(system operator)に、処置が要されるということを通知する能力がある。
【背景技術】
【0003】
[0003]害虫防除産業は労働集約型であり、その主な理由は、捕獲器が、適時に点検および保守されることを要し、このことが、例えば、所与の害虫のはびこり、気象条件、時間か年間その他か、ならびに/または、構成要素、例えば飛翔昆虫捕獲器の事例においての糊板および/もしくは電球の、不全もしくは非最適性能に依存することがあるからということである。消耗品が性能をもたらす、他の捕獲器に対して、同じ原理が適用されるということが明らかであろう。
【0004】
[0004]捕獲器の製造者は、例えば、電球を例えば12か月で、および、糊板を毎月、交換することを推奨することがあるが、現実は、電球が不全になるならば、その電球は、即時の交換を必要とし、例えば、来襲が、糊板が飛翔虫によって覆われるということを引き起こすならば、その糊板は、やはり即時の手当てを要するということである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[0005]本発明は、時間および/または必要性のいずれかに基づいて処置を講ずるための要求を伝達するシステムによって、この見過ごされる異常に対処することに努める。
[0006]本発明は、実時間監査可能管理システムを提供する。
【0006】
[0007]システムは、消耗品にタグ付けすること、ならびに、捕獲器が消耗品およびシステム操作員と通信することを可能にすることにより手助けされる。結果として、性能に影響を及ぼす情報および/またはデータが、伝達され、意味深いことには、消耗品と関連付けられ得る。
【0007】
[0008]そのシステムは、さらにはおそらくは、ある種の処置が講じられた、例えば、電球または糊板が交換されたということを確認するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[0009]本発明の第1の態様によれば、捕獲器と消耗品との間の通信を手助けするためのシステムであって、
i)データを捕捉し、データをシステム操作員に送出するための手段を伴う捕獲器と、
ii)各々が、電子識別コードをその各々と関連付けたデバイスを設けられる、1つまたは複数の消耗品と、
iii)捕獲器のデータ捕捉手段により読み取られ、システム操作員に戻るように中継
され得る、消耗品の状態を決定するための手段と
を含む、システムが提供される。
【0009】
[0010]特に好都合な実施形態において、捕獲器と消耗品との間の通信を手助けするためのシステムであって、
i)データを捕捉し、データをシステム操作員に送出するための手段を伴う捕獲器と、
ii)各々が、電子識別コードをその各々と関連付けたデバイスを設けられる、1つまたは複数の消耗品と、
iii)捕獲器のデータ捕捉手段により読み取られ、システム操作員に戻るように中継され得る、消耗品の状態を決定するための手段と
を含み
消耗品は、糊板であり、センサが、糊板の背面に、付着させられ、または近接して配置され、センサは、相互静電容量検知により飛翔昆虫を検出し、送信電極であるセンサ導体と、三つ組を形成するために1つがセンサ導体のいずれかの側に配設される受信電極である2つの導電性非接地導体とを含み、上記導体は、遮蔽物または防護物の役割を果たすために上記導体から電気絶縁体により電気的に隔離される非接地伝導性基板上で支持され、各々の導体は、センサが、飛翔昆虫に応答的である指向性フリンジ場を生成するように設計および構成され、複数の行を含むセンサ三つ組の格子配列を形作るように、所定の幅および厚さのものであり、別のものおよび非接地伝導性基板から所定の距離だけ離隔される、システムが提供される。
【0010】
[0011]好まれる実施形態において、デバイスは、RFIDタグであるが、当業者の読者は、読み取られ得る代替的識別システムが使用され得るということを察知するであろう。
[0012]最も好ましくは、RFIDタグは、その安さに起因して、近距離検知タグ(near field sensing tag)である。
【0011】
[0013]RFIDタグからの情報を捕捉することを手助けするために、捕獲器は、RFID読取器を含み、システムは、消耗品の状態を決定するための手段を含む。
[0014]本発明は、広い範囲の捕獲器消耗品に適用され得るが、本発明は、主な消耗品が、UV放出電球、および、飛翔昆虫の捕捉のための糊板である、光捕獲器に関して例示される。これらの消耗品の劣った管理は、劣った捕集量(catch)率を直接的に結果的に生じさせる。
【0012】
[0015]消耗品がUV放出電球である場合、消耗品の状態を決定するための手段は、パラメータ、例えば、電球が、その電球が交換から利益を得ることになるように、不全になった、または、最適水準より有意に下の水準で働いているということを指示する、電流または抵抗の変化を検出することができる。結果において、システムは、そのシステムが整備を要するという、データセンタまたはシステム操作員への、データまたは勧告メッセージを送出することができる。
【0013】
[0016]同様に、消耗品が糊板である場合、消耗品の状態を決定するための手段は、パラメータ、例えば、その糊板が交換から利益を得ることになるように、その糊板が最適水準より有意に下の水準で働いているということを指示する、捕捉された飛翔虫の数、または、取り付けからの時間を検出することができる。結果において、システムは、そのシステムが整備を要するという、データセンタまたはシステム操作員への、データまたは勧告メッセージを送出することができる。
【0014】
[0017]糊板は、無地の糊板であることがあり、または、計数の一助となるために規則的な区域を規定する、その糊板上に印された格子線を含むことがある。
[0018]同様に、その糊板にくっついた飛翔昆虫の識別の一助となるために、その糊板は
、区別の目安となるように(白黒を含めて)色付けされた格子区域を含むことがある。
【0015】
[0019]特に好都合な実施形態、および、本発明の第1の態様から独立していることがあるものにおいて、糊板は、その糊板にくっついた飛翔昆虫を計数する、カメラではないセンサを含むことがある。
【0016】
[0020]好ましくは、センサは、接着剤(糊と呼称される)が上に存在する糊板の前方(または捕捉)表面と対照的に、糊板の背(非接触)面へと、付着させられ、または物理的に統合され、すなわち、そのセンサは、糊板を通して飛翔虫を検知する。代替的には、そのセンサは、昆虫捕獲器上に存在し、糊板が、使用中にその捕獲器に隣接させられることがある。
【0017】
[0021]センサは、好ましくは、静電容量センサであり、フリンジ静電容量の変化を検出する。
[0022]特に好まれるセンサは、WO2017/208068において広範に開示されているようなものであり、その特許文献の内容は、参照により組み込まれている。
【0018】
[0023]より詳しくは、センサ、より正確に言えば、センサ導体の格子配列は、相互静電容量検知により飛翔昆虫を検出し、センサ導体または送信電極と、受信電極である、および、三つ組を形成するために1つがセンサ導体のいずれかの側に配設される、2つの導電性非接地導体とを含む。好ましくは、各々の三つ組は、非接地伝導性基板上で支持され、その基板は、その基板が遮蔽物または防護物の役割を果たすように、上記導体から電気絶縁体により電気的に隔離される。各々の導体は、それが、標的にされた飛翔昆虫に応答的である指向性フリンジ場を生成するように、所定の材料、幅、および厚さのものであり、別のものおよび非接地伝導性基板から所定の距離だけ離隔される。
【0019】
[0024]特に好都合な実施形態において、システムは、複数の行を含むセンサ三つ組の格子配列を含む。
[0025]好まれる配置構成において、各々の行は、共通の多重の「E」形状の電極列(electrode string)(Eの各々の腕部が受信電極を構成する)と、複数の「C」形状の電極(各々の腕部が送信電極を構成する)とを含む。
【0020】
[0026]この配置構成によって、フリンジの変化が、「C」形状の電極の各々の腕部の、いずれの側でも検出される。
[0027]最も好ましくは、フリンジは、受信および送信電極の背後にフリンジ修正電極を配することにより、さらに修正される。このことは、(糊板に垂直な方向において)生成されるフリンジの高さを効果的に修正する。
【0021】
[0028]本発明の第2の態様によれば、RFIDタグを含む捕獲器に対する消耗品が提供される。
[0029]好都合な実施形態において、消耗品は、UV放出電球である。
【0022】
[0030]別の好都合な実施形態において、消耗品は、糊板である。
[0031]本発明の第3の態様によれば、背面と、接着剤(または糊)を上に有する、外方または前方に面する捕捉表面とを含み、センサが、背面へと、付着させられ、または物理的に統合される、糊板が提供される。
【0023】
[0032]特に好都合な実施形態において、背面と、接着剤を上に有する捕捉表面とを含む糊板であって、センサが、糊板の背面に、付着させられ、または近接して配置され、センサは、相互静電容量検知により飛翔昆虫を検出し、送信電極であるセンサ導体と、三つ組
を形成するために1つがセンサ導体のいずれかの側に配設される受信電極である2つの導電性非接地導体とを含み、上記導体は、遮蔽物または防護物の役割を果たすために上記導体から電気絶縁体により電気的に隔離される非接地伝導性基板上で支持され、各々の導体は、センサが、飛翔昆虫に応答的である指向性フリンジ場を生成するように設計および構成され、複数の行を含むセンサ三つ組の格子配列を形作るように、所定の幅および厚さのものであり、別のものおよび非接地伝導性基板から所定の距離だけ離隔される、糊板が提供される。
【0024】
[0033]本発明の第4の態様によれば、糊板が使用中に隣接する面を含み、その面がセンサを含む、昆虫捕獲器が提供される。
[0034]好ましくは、センサは、糊板の表面捕捉区域と整合する寸法および形状のものである。
【0025】
[0035]好ましくは、センサは、静電容量センサであり、より好ましくは、それに加えて、そのセンサは、フリンジ静電容量の変化を検出する。
[0036]特に好都合な実施形態において、センサは、相互静電容量検知により飛翔昆虫を検出し、送信電極であるセンサ導体と、三つ組を形成するために1つがセンサ導体のいずれかの側に配設される受信電極である2つの導電性非接地導体とを含む。これらの導体は、好ましくは、遮蔽物または防護物の役割を果たすように電気絶縁体により電気的に隔離される非接地伝導性基板上で支持される。各々の導体は、センサが、飛翔昆虫に応答的である、糊板を通る指向性フリンジ場を生成するように設計および構成されるように、所定の材料から作製され、所定の幅および厚さのものであり、別のものおよび非接地伝導性基板から所定の距離だけ離隔される。
【0026】
[0037]好まれる配置構成において、センサは、複数の行を含む格子をなして配置構成されるセンサの配列である。好まれる配置構成において、各々の行は、受信電極を構成する腕部を含む共通の多重の「E」形状の電極列を含み、複数の「C」形状の電極が、三つ組の対を形成するために各々の「E」の中央腕部の周りに配置構成される。フリンジの変化が、「C」形状の電極の各々の腕部の、いずれの側でも検出される。
【0027】
[0038]より好ましくは、それに加えて、各々のセンサは、フリンジが糊板を通って外方に垂直に突出する程度を修正する、受信および送信電極の背後のフリンジ修正電極をさらに含む。
【0028】
[0039]本発明の第5の態様によれば、システム操作員に、捕獲器消耗品が交換を必要とするかどうかに関して報告する方法であって、
i)消耗品状態情報に関係するデータを捕捉するステップと、
ii)捕獲器上に設けられる手段を利用して、電子識別コードを消耗品と関連付けた、消耗品上に設けられるデバイスと通信するステップと、
iii)システム操作員に戻るようにデータを中継するステップと
を含む、方法が提供される。
【0029】
[0040]特に好都合な実施形態において、システム操作員に、捕獲器消耗品が交換を必要とするかどうかに関して報告する方法であって、
i)消耗品の状態情報に関係するデータを捕捉するステップと、
ii)捕獲器上に設けられる手段を利用して、電子識別コードを消耗品と関連付けた、消耗品上に設けられるデバイスと通信するステップと、
iii)システム操作員に戻るようにデータを中継するステップと
を含み、
消耗品は、糊板であり、センサが、糊板の背面に、付着させられ、または近接して配
置され、センサは、相互静電容量検知により飛翔昆虫を検出し、送信電極であるセンサ導体と、三つ組を形成するために1つがセンサ導体のいずれかの側に配設される受信電極である2つの導電性非接地導体とを含み、上記導体は、遮蔽物または防護物の役割を果たすために上記導体から電気絶縁体により電気的に隔離される非接地伝導性基板上で支持され、各々の導体は、センサが、飛翔昆虫に応答的である指向性フリンジ場を生成するように設計および構成され、複数の行を含むセンサ三つ組の格子配列を形作るように、所定の幅および厚さのものであり、別のものおよび非接地伝導性基板から所定の距離だけ離隔される、方法が提供される。
【0030】
[0041]1つの実施形態において、捕獲器が光捕獲器である場合、消耗品は、電球および/または糊板である。
[0042]消耗品が電球である場合、方法は、電球が、不全になった、効果のない水準で働いている、または、整備を要するということを報告する。
【0031】
[0043]消耗品が糊板である場合、方法は、糊板が、あらかじめ設定された数の飛翔昆虫を捕捉した、効果のない水準で働いている、または、整備を要するということを報告する。
【0032】
[0044]命令は、適時の信号伝送のために、捕獲器内のクロックを利用して、時間に基づくものであり得る。
[0045]本発明の第6の態様によれば、糊板上の飛翔虫捕集量を決定するための方法であって、糊板と関連付けられるセンサを使用して、捕捉された飛翔虫の数を計数するステップと、捕集量データをシステム操作員に戻るように報告するステップとを含む、方法が提供される。
【0033】
[0046]特に好都合な実施形態において、糊板上の飛翔虫捕集量を決定するための方法であって、糊板の背面に、付着させられる、または近接して配置されるセンサを使用して、捕捉された飛翔虫の数を計数するステップであって、センサは、相互静電容量検知により飛翔昆虫を検出し、送信電極であるセンサ導体と、三つ組を形成するために1つがセンサ導体のいずれかの側に配設される受信電極である2つの導電性非接地導体とを含み、上記導体は、遮蔽物または防護物の役割を果たすために上記導体から電気絶縁体により電気的に隔離される非接地伝導性基板上で支持され、各々の導体は、センサが、飛翔昆虫に応答的である指向性フリンジ場を生成するように設計および構成され、複数の行を含むセンサ三つ組の格子配列を形作るように、所定の幅および厚さのものであり、別のものおよび非接地伝導性基板から所定の距離だけ離隔される、計数するステップと、捕集量データをシステム操作員(60)に戻るように報告するステップとを含む、方法が提供される。
【0034】
[0047]センサは、カメラではなく、糊板の捕捉表面の前方よりむしろ背後に設置される。
[0048]本発明の実施形態は、本明細書において以降、添付図面を参照してさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明の第1の態様によるシステム線図である。
図2】本発明の第1の態様によるシステムの部分として修正される光捕獲器の図である。
図3】本発明の第1の態様によるシステムの部分として修正される糊板の前方からの視図である。
図4図3において例解されるような糊板の背部、もしくは、図2において例解されるような捕獲器に付着させられ得る、それらに接して配され得る、または、それらへと統合され得る、所定の型の基本的なフリンジ静電容量センサの図である。
図5】本発明においての使用のための好都合なフリンジ静電容量センサ配列配置構成を例解する図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
[0049]図1は、捕獲器(20)と、消耗品(30)と、データ(50)との間の関係性を例解する概略図であり、そのデータ(50)は、例えば、捕獲器上に設けられ、捕獲器により給電されるRFID読取器(40)により読み取られ、例えば、例えばUV放出電球(31)または糊板(32)であり得る消耗品(30)上に設けられるRFIDタグ(70)から取得される。RFIDタグから取得されるデータ(50)は、消耗品に固有の識別参照番号(80)を含むことになり、これは、例えば、消耗品(30)に関係する性能特性(90)と関連付けられ得る。データ(50)、または、データに基づく命令(50)が、次いで、データセンタまたは操作者(60)に送信される。かくして、例えばUV電球(31)の事例において、データ(50)は、電球(31)が、壊れた、有意な非最適な具合で働いている、または、その電球の推奨される寿命の終了に達したということを決定する、電流/抵抗の変化、または、取り付けからの時間などの性能特性指標であり得る。糊板(32)の事例において、データ(50)は、その糊板が交換されることを必要とするということを指示する性能特性指標、例えば、昆虫計数、または、取り付けからの時間であり得る。
【0037】
[0050]システム(10)は、捕獲器(20)と消耗品(30)との間の通信を手助けする。かくして、捕獲器(20)は、消耗品、および、その消耗品と関連付けられる特性または性能測定量に関係するデータ(50)を捕捉するためのRFID読取器などの手段(40)を設けられ、データ(50)、または、データの解釈に基づく命令(50)をシステム操作員(60)に送出する。このことを手助けするために、1つまたは複数の消耗品(30)、例えばUV電球(31)または糊板(32)が、電子識別コード(80)を有するデバイス(70)、例えばRFIDタグを設けられる。読取器(40)は、消耗品(30)性能と結び付けられる特性または性能基準(90)を決定することができる。関連付けられるデータ(50)または出力(50)が、次いで、データセンタまたはシステム操作員(60)に戻るように中継される。
【0038】
[0051]RFIDタグが使用される場合、そのRFIDタグは、最も好ましくは、近距離検知タグである。
[0052]システム(10)は、UV光放出電球(31)および糊板(32)の形態での消耗品(30)を含む、図2において例解されるような飛翔昆虫捕獲器(20)を含み得る。それは、それに取り付けられるセンサ(100)を有し得る。
【0039】
[0053]捕獲器(20)は、給電され、消耗品上のRFIDタグ(70)、および、そのRFIDタグと関連付けられる一意のID(80)を読み取ることができる、RFID読取器(40)を含む。それは、さらには、それと関連付けられる計算能力によって、性能特性および信号不全または衰弱(90)を決定することができる。
【0040】
[0054]好まれる実施形態において、「スマート」糊板(32)であって、その糊板の背(または後)面(35)に取り付けられる、または、その背面と統合されるセンサ(100 - 図4を参照のこと)を有する、「スマート」糊板(32)が提供される。糊板は、規則的な区域(34)を規定する、その糊板上に印された格子線(33)を有する。糊板は、異なる種の識別を手助けする、濃いまたは淡い正方形区域などの、区別の目安となるように色付けされた格子区域を含むことがある。
【0041】
[0055]糊板の前方面(38)は、接着剤(36)によって覆われる捕捉表面(37)を
含む。
[0056]糊板(32)の後部(35)に張り付けられるセンサ(100)は、好ましくは、静電容量センサを含み、フリンジ静電容量(A)の変化(Δ)を検出する。
【0042】
[0057]静電容量センサは、WO2017/208068において説明されている基本的な形態をとり、図4において説明されるように、相互静電容量検知により飛翔昆虫を検出する。本質的には、そのセンサは、送信電極(Tx)であるセンサ導体(12)と、三つ組(14a-12-14b)を形成するために1つがセンサ導体(12)のいずれかの側に配設される受信電極(Rx)である2つの導電性非接地導体(14a;14b)とを含み、上記導体(12、14a、114b)は、遮蔽物または防護物の役割を果たすために上記導体(12、14a、14b)から電気絶縁体(16)により電気的に隔離される非接地伝導性基板(18)上で支持され、各々の導体(14a、12;14b)は、センサが、飛翔昆虫に応答的である指向性フリンジ場を生成するように設計および構成されるように、所定の幅および厚さのものであり、別のものおよび非接地伝導性基板(18)から所定の距離だけ離隔される。
【0043】
[0058]図5に移ると、および、WO2017/208068において開示されている配置構成と対照的に、複数の行(210、220、230等)を含むセンサ三つ組の格子配列(200)が提供される。
【0044】
[0059]各々の行は、共通の多重の「E」形状の電極列(212、222、232等)と、複数の「C」形状の電極(214、224、234等)とを含む。
[0060]各々の「C」の下向きの腕部が、送信電極(Tx)を構成し、「E」の上向きの腕部が、いずれの側でも受信電極(Rx)を構成し、そのことによって、各々の「E-C」二つ組(couplet)は、共通の(中間の腕部)受信電極を共有する2つの三つ組を含む。
【0045】
[0061]かくして、実際には、フリンジの変化が、「C」形状の電極の各々の腕部の、いずれの側でも検出される。
[0062]さらにまた、フリンジ場が糊板の前方面(38)に垂直に外方に伸びる程度を制御するために、フリンジ修正電極(Fx)が、受信(Rx)および送信(Tx)電極の背後に配される。
【0046】
[0063]本発明は、システム操作員(60)に、捕獲器(20)消耗品(30)が交換を必要とするかどうかを報告する方法をさらに教示する。方法は、
i)消耗品(30)の状態情報(90)に関係するデータ(50)を捕捉するステップと、
ii)捕獲器(20)上に設けられる手段(40)を利用して、電子識別コード(80)を消耗品と関連付けた、消耗品(30)上に設けられるデバイス(70)と通信するステップと、
iii)システム操作員(60)に戻るように、データ(50)、または、データの解釈に基づく命令(50)を中継するステップと
を含む。
【0047】
[0064]1つの実施形態において、消耗品は、電球(31)であり、別の実施形態においては、糊板(32)である。
[0065]消耗品が電球である場合、その方法は、電球が、不全になった、効果のない水準で働いている、または、整備を要するということを報告する。
【0048】
[0066]消耗品が糊板である場合、その方法は、糊板が、あらかじめ設定された数の飛翔
昆虫を捕捉した、効果のない水準で働いている、または、整備を要するということを報告する。
【0049】
[0067]本発明は、糊板上の飛翔虫捕集量を決定するための方法であって、糊板(32)と関連付けられるセンサ(100)を使用して、捕捉された飛翔虫の数を計数するステップと、捕集量データをシステム操作員(60)に戻るように報告するステップとを含む、方法をさらに説明する。
【0050】
[0068]センサは、カメラではない。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-06-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
捕獲器(20)のための消耗品(30)において、デバイス(70)でタグ付けされ、前記デバイスは、前記消耗品に固有の電子識別コード(80)に関連付けられ、前記消耗品(30)に関する性能特性(90)の変化に関連付けられたデータ(50)を捕捉する、消耗品(30)。
【請求項2】
前記デバイス(70)は、RFIDタグである、請求項1に記載の捕獲器(20)のための消耗品(30)。
【請求項3】
前記RFIDタグは、近距離検知タグである、請求項2に記載の捕獲器(20)のための消耗品(30)。
【請求項4】
UV電球(31)である、請求項1から3のいずれかに記載の捕獲器(20)のための消耗品(30)。
【請求項5】
糊板(32)である、請求項1から3のいずれかに記載の捕獲器(20)のための消耗品(30)。
【請求項6】
前記糊板は、背面(35)と接着剤(36)を上に有する捕捉表面(37)とを含み、センサ(100)が、前記背面(35)に、付着させられ、または近接して配置された、請求項5に記載の消耗品。
【請求項7】
前記センサ(100)は、静電容量センサである、請求項6に記載の消耗品。
【請求項8】
前記静電容量センサは、複数の行(210、220、230等)を含むセンサ三つ組の格子配列(200)を含む、請求項7に記載の消耗品。
【請求項9】
各々の前記行は、共通の多重の「E」形状の電極列(212、222、232等)を含む、請求項8に記載の消耗品。
【請求項10】
各々の前記行は、複数の「C」形状の電極(214、224、234等)を含む、請求項8に記載の消耗品。
【請求項11】
フリンジの変化が、前記「C」形状の電極の各々の腕部の、いずれの側でも検出される、請求項10に記載の消耗品。
【請求項12】
受信電極(Rx)および送信電極(Tx)の背後で、フリンジ修正電極(Fx)を含み、前記フリンジ修正電極(Fx)は、生成されたフリンジの突出を修正する、請求項7に記載の消耗品。
【請求項13】
請求項1から12のいずれかに記載の消耗品を含む昆虫捕獲器(20)。
【請求項14】
前記昆虫捕獲器(20)に関連付けられたデータ(50)を捕捉し、システム操作員(60)に戻るように前記データを中継するための手段(40)を含む、請求項13に記載の昆虫捕獲器。
【請求項15】
システム操作員(60)に、請求項1から12のいずれかに記載の捕獲器(20)の消耗品(30)が交換を必要とするかどうかに関して報告する方法において、
i)前記消耗品(30)の性能特性(90)に関係するデータ(50)を捕捉するステップと、
ii)前記捕獲器(20)上に設けられた手段(40)を利用して、前記電子識別コード(80)に関連付けられた前記消耗品(30)上に設けられる前記デバイス(70)と通信するステップと、
iii)システム操作員(60)に戻るように前記データ(50)を中継するステップと
を含む、方法。
【請求項16】
前記消耗品はUV電球(31)であり、前記電球が、不全になった、効果のない水準で働いている、または、整備を要するということをシステム報告する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記消耗品は糊板(32)であり、前記糊板が、あらかじめ設定された数の飛翔昆虫を捕捉した、効果のない水準で働いている、または、整備を要するということを報告する、請求項15に記載の方法。
【外国語明細書】