IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 不二精機株式会社の特許一覧

特開2024-105716おにぎり用トング及びおにぎり海苔巻具
<>
  • 特開-おにぎり用トング及びおにぎり海苔巻具 図1
  • 特開-おにぎり用トング及びおにぎり海苔巻具 図2
  • 特開-おにぎり用トング及びおにぎり海苔巻具 図3
  • 特開-おにぎり用トング及びおにぎり海苔巻具 図4
  • 特開-おにぎり用トング及びおにぎり海苔巻具 図5
  • 特開-おにぎり用トング及びおにぎり海苔巻具 図6
  • 特開-おにぎり用トング及びおにぎり海苔巻具 図7
  • 特開-おにぎり用トング及びおにぎり海苔巻具 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024105716
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】おにぎり用トング及びおにぎり海苔巻具
(51)【国際特許分類】
   A47J 43/28 20060101AFI20240730BHJP
   A23L 7/10 20160101ALI20240730BHJP
   A47J 43/20 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
A47J43/28
A23L7/10 G
A47J43/20
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024085375
(22)【出願日】2024-05-27
(62)【分割の表示】P 2021101570の分割
【原出願日】2021-06-18
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 博覧会名 第49回国際ホテル・レストランショー 開催日 令和3年2月16日から同年2月19日 開催場所 東京ビッグサイト(東京都江東区有明3丁目11-1)
(71)【出願人】
【識別番号】000236746
【氏名又は名称】不二精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114627
【弁理士】
【氏名又は名称】有吉 修一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100182501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 靖之
(72)【発明者】
【氏名】青木 太志
(57)【要約】
【課題】おにぎり製造装置にて製造されたおにぎりに手を触れずにおにぎり海苔巻具におにぎりを載置する。
【解決手段】 おにぎり用トング1にて、おにぎり製造装置にて製造されたおにぎりG1を掴んで、おにぎり海苔巻具14の方形海苔Nの載置された右側板17の載置部21上に上部4の開口を下にして載置し、おにぎりG1を残しておにぎり用トング1を右側板17から離間し、おにぎり海苔巻具14は左側板16と右側板17を起立させた上で、海苔折曲部材26の板部28a,28bを両スリット23a,23b内に挿入することで、方形海苔NをおにぎりG1側に折り曲げた状態となり、その後、おにぎり海苔巻具14をおにぎりG1から外して、出来上がった方形海苔Nの巻かれたおにぎりG1を客に渡すことを可能とした。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端部に底面が閉鎖され、上部が開口されると共に、側部に側面開口部を有する凹状の一部開口飯型を有し、上記一部開口飯型の一端部から第1の柄を有するものであって、
上記第1の柄の他端部に軸支された第2の柄を有し、上記第2の柄の先端部には上記側面開口部を閉鎖する側面壁が形成され、上記第2の柄を上記第1の柄に重ねることにより、上記側面壁にて上記側面開口部を閉鎖して飯型を形成し得るおにぎり用トング。
【請求項2】
上記一部開口飯型の一部に具材投入用の凸部が形成されたものである請求項1記載のおにぎり用トング。
【請求項3】
中央板の両側縁に左側板の上記中央板側の側縁と右側板の上記中央板側の側縁が各々軸支され、
上記右側板の上面には、おにぎりの載置部が構成されると共に、方形海苔の右側の2か所のコーナ部が設けられ、
上記左側板の上面には、上記中央板側とは反対側の側縁から上記中央板側に向けて末広がり状の「ハ」の字状のスリットが構成されると共に、上記方形海苔の左側の2か所のコーナ部が設けられ、
上記「ハ」の字状のスリットに挿入される「ハ」の字状の一対の板部を有する海苔折曲部材が設けられ、
上記中央板と上記右側板と上記左側板を開いた状態で、上記方形海苔が4箇所の上記コーナ部内に載置され、かつ上記右側板の上記方形海苔上の上記載置部上におにぎりが載置された状態で、上記中央板に対して上記左側板と上記右側板を90度起立させ、
上記海苔折曲部材の一対の上記板部を上記両スリットに挿入することで、上記方形海苔が上記おにぎり側の両側面部に折り曲げられた状態となるように構成されたものであるおにぎり海苔巻具。
【請求項4】
4箇所の上記コーナ部は、上記左側板及び上記右側板の上面に突出した状態となるように構成されたものである請求項3記載のおにぎり海苔巻具。
【請求項5】
上記中央板には、おにぎりの位置決め用の凹部が形成されたものである請求項3又は4記載のおにぎり海苔巻具。
【請求項6】
上記右側部の上記載置部には、おにぎりの位置決め用の表示部が形成されたものである請求項3~5の何れかに記載のおにぎり海苔巻具。
【請求項7】
請求項1又は2記載のおにぎり用トングにて、おにぎり製造装置にて製造されたおにぎりを上記飯型にて掴んで、上記おにぎり海苔巻具の上記方形海苔の載置された上記右側板の上記載置部上に上記上部の開口を下にして載置し、上記おにぎりを上記載置部に残して上記おにぎり用トングを上記右側板から離間するものである請求項3~6の何れかに記載のおにぎり海苔巻具。
【請求項8】
請求項1又は2記載のおにぎり用トングの上記飯型内に、炊いた米飯を詰めておにぎりを形成し、上記おにぎり用トングにて、そのおにぎりを上記おにぎり海苔巻具の上記方形海苔の載置された上記右側板の上記載置部上に上記上部の開口を下にして載置し、上記おにぎりを上記載置部に残して上記おにぎり用トングを上記右側板から離間するものである請求項3~6の何れかに記載のおにぎり海苔巻具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、おにぎり製造装置で製造したおにぎりを、おにぎり海苔巻具にセットするためのおにぎり用トング、又は、飯をおにぎり型に成形し得るおにぎり用トング、及び、おにぎり海苔巻具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、おにぎり成形型は色々と提案されていた。
例えば、特許文献1のものは、おにぎり成形枠と柄により構成され、おにぎり成形枠に飯を詰めて枠の形状とすることで、おにぎり成形枠として使用するものである。
【0003】
また、特許文献2のものは、長方形の海苔の上に、2か所に開口部を有する成形型を置いて、2か所の開口部に飯を詰め、最終的に成形型を外し、海苔を2つ折りにすることで、海苔が外側に有するおにぎりを成形するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-287475号公報
【特許文献2】特開2013-42710号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1のおにぎり成形枠によると、出来上がったおにぎりを掴む機能は存在しない。
【0006】
また、上記特許文献2の成形型によると、最終的に海苔で2つ折りにしなければならず、最後の工程で、おにぎりがずれて失敗する可能性もある。
【0007】
本発明は、出来上がったおにぎりを挟む(又は掴む)ことができ、又は、それ自体でおにぎり型としても機能するおにぎり用トング、及び、おにぎり海苔巻具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため本発明は、
第1に、先端部に底面が閉鎖され、上部が開口されると共に、側部に側面開口部を有する凹状の一部開口飯型を有し、上記一部開口飯型の一端部から第1の柄を有するものであって、上記第1の柄の他端部に軸支された第2の柄を有し、上記第2の柄の先端部には上記側面開口部を閉鎖する側面壁が形成され、上記第2の柄を上記第1の柄に重ねることにより、上記側面壁にて上記側面開口部を閉鎖して飯型を形成し得るおにぎり用トングにより構成される。
【0009】
上記一部開口飯型は、例えば一部開口おにぎり型(6')とすることができる。上記飯型は、例えばおにぎり型(6)とすることができる。このように構成すると、おにぎり製造装置で製造されたおにぎりを、おにぎり用トングの先端の飯型にて挟んで、例えば、おにぎり海苔巻具(14)に載置することができ、おにぎり製造装置で製造されたおにぎりに手を触れることなく、おにぎり海苔巻具(14)におにぎりを載置することができ、衛生的に優れているである。また、おにぎり用トングの飯型に炊いた米飯を詰めておにぎり形状にする場合においても、飯型に詰めた米飯を例えばおにぎり海苔巻具(14)に、おにぎりに手を触れることなく、おにぎりを載置することができ、衛生的に優れている。
【0010】
第2に、上記一部開口飯型の一部に具材投入用の凸部が形成されたものである請上記第1記載のおにぎり用トングにより構成される。
【0011】
上記一部とは一部開口飯型内の例えば内側湾曲状頂点(6a')の部分をいう。このように構成すると、おにぎり製造装置で製造されたおにぎりに凸部によって、具材投入用の凹部(K)を構成することができ、最終的に凹部(K)の形成されたおにぎりの上記凹部(K)に具材をトッピングすることができる。
【0012】
第3に、中央板の両側縁に左側板の上記中央板側の側縁と右側板の上記中央板側の側縁が各々軸支され、上記右側板の上面には、おにぎりの載置部が構成されると共に、方形海苔の右側の2か所のコーナ部が設けられ、上記左側板の上面には、上記中央板側とは反対側の側縁から上記中央板側に向けて末広がり状の「ハ」の字状のスリットが構成されると共に、上記方形海苔の左側の2か所のコーナ部が設けられ、上記「ハ」の字状のスリットに挿入される「ハ」の字状の一対の板部を有する海苔折曲部材が設けられ、上記中央板と上記右側板と上記左側板を開いた状態で、上記方形海苔が4箇所の上記コーナ部内に載置され、かつ上記右側板の上記方形海苔上の上記載置部上におにぎりが載置された状態で、上記中央板に対して上記左側板と上記右側板を90度起立させ、上記海苔折曲部材の一対の上記板部を上記両スリットに挿入することで、上記方形海苔が上記おにぎり側の両側面部に折り曲げられた状態となるように構成されたものであるおにぎり海苔巻具により構成される。
【0013】
上記おにぎり側の両側面部は、例えば三角形状のおにぎりであれば、両傾斜部(Ra,Rb)とすることができる。このように構成すると、おにぎり海苔巻具の4か所のコーナ部内に方形海苔を載置して、上記右側板の上記載置部上におにぎりを載置して中央板に対して左側板と右側板を90度起立させ、方形海苔がおにぎりの左面と右面に張り付いた状態で、海苔折曲部材の一対の板部を両スリットに挿入すると、上記方形海苔が上記おにぎり側の両側面部に折り曲げられた状態となる。このように、おにぎり海苔巻具により、方形海苔を、手を使わずにおにぎりに方形海苔を巻くことができ、しかも、手を使わずに、海苔折曲部材により方形海苔のコーナ部をおにぎりの一方側の両側面部側に折り曲げることができ、衛生的に優れている。その後は、おにぎり海苔巻具をおにぎりから外して、方形海苔の巻かれたおにぎりを形成することができるので、操作者はそのおにぎりを客に渡すことができる。
【0014】
第4に、4箇所の上記コーナ部は、上記左側板及び上記右側板の上面に突出した状態となるように構成されたものである上記第3記載のおにぎり海苔巻具により構成される。
【0015】
このように構成すると、方形海苔をコーナ部内に容易にセットすることができる。
【0016】
第5に、上記中央板には、おにぎりの位置決め用の凹部が形成されたものである上記第3又は4記載のおにぎり海苔巻具により構成される。
【0017】
このように構成すると、左側板と右側板を中央板に対して90度起立させた場合、おにぎりは中央板の位置決め用の凹部に位置するため、おにぎりの位置決めを容易に行うことができる。
【0018】
第6に、上記右側部の上記載置部には、おにぎりの位置決め用の表示部が形成されたものである上記第3~5の何れかに記載のおにぎり海苔巻具により構成される。
【0019】
上記表示部は、上記右側板に文字通り表示しても良いし、浅い凹部により構成しても良い。このように構成すると、おにぎりの位置が容易に認識し得るので、操作者は、おにぎりを容易に載置することができる。
【0020】
第7に、上記第1又は2記載のおにぎり用トングにて、おにぎり製造装置にて製造されたおにぎりを上記飯型にて掴んで、上記おにぎり海苔巻具の上記方形海苔の載置された上記右側板の上記載置部上に上記上部の開口を下にして載置し、上記おにぎりを上記載置部に残して上記おにぎり用トングを上記右側板から離間するものである上記第3~6の何れかに記載のおにぎり海苔巻具により構成される。
【0021】
このように構成すると、おにぎり製造装置により製造されたおにぎりを、おにぎり用トングで挟んで、手を使わずに、おにぎり海苔巻具に載置することができ、該おにぎり海苔巻具により方形海苔を巻くことができ、衛生的に優れている。
【0022】
第8に、上記第1又は2記載のおにぎり用トングの上記飯型に炊いた米飯を詰めておにぎりを形成し、上記おにぎり用トングにて、そのおにぎりを上記おにぎり海苔巻具の上記方形海苔の載置された上記右側板の上記載置部上に上記上部の開口を下にして載置し、上記おにぎりを上記載置部に残して上記おにぎり用トングを上記右側板から離間するものである上記第3~6の何れかに記載のおにぎり海苔巻具により構成される。
【0023】
このように構成すると、おにぎり用トングの飯型により成形されたおにぎりを、おにぎり用トングにて、手を使わずに、おにぎり海苔巻具に載置することができ、該おにぎり海苔巻具により方形海苔を巻くことができ、衛生的に優れている。
【発明の効果】
【0024】
本発明は上述のように、おにぎり製造装置で製造されたおにぎりを、おにぎり用トングの先端の飯型にて挟んで、例えば、おにぎり海苔巻具に載置することができ、おにぎり製造装置で製造されたおにぎりに手を触れることなく、おにぎり海苔巻具におにぎりを載置ことができ、衛生的に優れているである。
【0025】
また、おにぎり用トングの飯型に炊いた米飯を詰めておにぎり形状に成形する場合においても、飯型に詰めた米飯を、例えば、おにぎり海苔巻具に、おにぎりに手を触れることなく、おにぎりを載置することができ、衛生的に優れている。
【0026】
また、おにぎり製造装置で製造されたおにぎりに凸部によって、具材用の凹部を形成することができ、最終的に凹部の形成されたおにぎりの上記凹部に具材をトッピングすることができる。
【0027】
また、おにぎり海苔巻具の4か所のコーナ部内に方形海苔を載置して、右側板の載置部上におにぎりを載置して中央板に対して左側板と右側板を90度起立させ、方形海苔がおにぎりの左面と右面に張り付いた状態で、海苔折曲部材の一対の板部を両スリットに挿入すると、上記方形海苔が上記おにぎり側の両側面部に折り曲げられた状態となる。このように、おにぎり海苔巻具により、方形海苔を、手を使わずにおにぎりに方形海苔を巻くことができ、しかも、手を使わずに、海苔折曲部材により方形海苔のコーナ部をおにぎりの両側面部側に折り曲げることができ、衛生的に優れている。その後は、おにぎり海苔巻具をおにぎりから外して、方形海苔の巻かれたおにぎりを形成することができるので、操作者はそのおにぎりを客に渡すことができる。
【0028】
また、方形海苔をコーナ部内に容易にセットすることができる。
【0029】
また、左側板と右側板を中央板に対して90度起立させた場合、おにぎりは中央板の位置決め用の凹部に位置するため、おにぎりの位置決めを容易に行うことができる。
【0030】
また、表示部により、おにぎりの位置を容易に認識し得るので、操作者は、おにぎりを容易に載置することができる。
【0031】
また、おにぎり製造装置により製造されたおにぎりを、おにぎり用トングにて、手を使わずに、おにぎり海苔巻具に載置することができ、該おにぎり海苔巻具により方形海苔を巻くことができ、衛生的に優れている。
【0032】
また、おにぎり用トングの飯型により成形されたおにぎりを、おにぎり用トングにて、手を使わずに、おにぎり海苔巻具に載置することができ、該おにぎり海苔巻具により方形海苔を巻くことができ、衛生的に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】(a)はおにぎり用トングを開いた状態の平面図、(b)はおにぎり用トングの斜視図である。
図2】(a)は凸部のあるおにぎり用トングを開いた状態の平面図、(b)は凸部のあるおにぎり用トングの斜視図である。
図3】(a)はおにぎり海苔巻具の斜視図、(b)はおにぎり海苔巻具の平面図である。
図4】(a)はおにぎり海苔巻具の海苔折曲部材の平面図、(b)は同上海苔折曲部材の側面図である。
図5】(a)はおにぎり海苔巻具に方形海苔を載置した状態の平面図、(b)はおにぎり用トングでおにぎり海苔巻具におにぎりを載置する状態の平面図である。
図6】(a)はおにぎり海苔巻具におにぎりを載置した状態の平面図、(b)はおにぎり海苔巻具を閉じた状態の側面図である。
図7】(a)はおにぎり海苔巻具を閉じた状態で、海苔折曲部材を装着した状態の側面図、(b)はおにぎりに対する海苔折曲部材の位置関係を示す概念図である。
図8】(a)はおにぎり海苔巻具で海苔を巻いた状態のおにぎりの斜視図、(b)は凸部のあるおにぎり用トングでおにぎりを形成した場合において、おにぎり海苔巻具で海苔を巻いた状態のおにぎりの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明に係るおにぎり用トング及びおにぎり海苔巻具について詳細に説明する。
【0035】
(おにぎり用トング1について)
まず、おにぎり用トング1について説明する。尚、図1(a)において、紙面に対して表面から裏面の方向を「上下方向」又は「垂直方向」、表面側を「上」、裏面側を「下」、紙面に向かって左側を「左」、紙面に向かって右側を「右」という。
【0036】
先端部2に底面3が閉鎖され上部4が開口されると共に、側部に側面開口部5を有する凹状の一部開口おにぎり型(一部開口飯型)6'を有し、上記一部開口おにぎり型6'の一端部7から直線的な第1の柄8を有するものである。上記一部開口おにぎり型(一部開口飯型)6'の上下方向の壁(垂直方向の壁)を壁面6bとする。
【0037】
上記一部開口おにぎり型6'は、平面視でいわゆる三角形状の「おにぎり型」であって(図1(a)参照)、図面に向かって左側に湾曲状頂点6aを有し、該湾曲状頂点6aを中心として三角形状の2辺を構成する曲率半径の大きな湾曲状の上記壁面6b,6bが構成され、上記湾曲状頂点6aに対向する上記側面開口部5の一辺が開口されている。
【0038】
上記第1の柄8の他端部に回動軸9に回転自在に軸支された直線的な第2の柄10を有し、上記第2の柄10の先端部13には上記側面開口部5を閉鎖する上下方向(垂直方向)の側面壁11が形成され、上記第2の柄10を上記第1の柄8に重ねることにより、上記側面壁11にて上記側面開口部5を閉鎖して三角形状の上記おにぎり型(飯型)6を構成し得るものである(図1(a)二点鎖線参照)。
【0039】
即ち、上記第1の柄8に上記第2の柄10を重ねることで、上記第2の柄10は断面「コ」字状であり(第1の柄8の方向が開口している)、その上下高さは第1の柄8の上下高さより高いので、第2の柄10を第1の柄8に重ねると、上記第2の柄10の「コ」字状部が上記第1の柄8の上下に被さり、この状態で、上記側面壁11が上記側面開口部5を閉鎖する(図1(a)二点鎖線参照)。
【0040】
そして、この閉鎖状態において、上記側面壁11の内側は両サイドに上下方向(垂直方向)の湾曲壁11a,11aを有し、湾曲壁11a,11a間が曲率半径の大きい湾曲状の壁面11bが形成され、上記頂点部6aの内側湾曲状頂点6a'と共に、全体的に三角形状の凹状のおにぎり型(飯型)6が形成される。
【0041】
凹状の上記おにぎり型(飯型)6は、図1に示す三角形状のおにぎり型に限らず、凹状の円柱形状の飯型、凹状の俵型の飯型でも良い。
【0042】
このおにぎり用トング1は、おにぎり製造装置にて製造されたおにぎり(例えば図8(a)に示す三角形状のおにぎりG1(海苔Nのない状態))を、上記おにぎり用トング1の第1の柄8と第2の柄10を開いて、上記おにぎりG1(海苔Nのない状態)を先端部2の一部開口おにぎり型6'に形状を合わせて挿入し(おにぎりG1の頂部30が上記内側湾曲状頂点6a'に位置するように)、その後、第2の柄10を第1の柄8に合わせることで、側面壁11にて側面開口部5を閉鎖して(図1(a)二点鎖線参照)、おにぎり型(飯型)6とし、そのままおにぎりG1をおにぎり用トング1で挟んで、後述のおにぎり海苔巻具14の右側板17の載置部21上に上部4の開口を下にした状態で載置し(図5(b)参照)、その後、第2の柄10を開くことで、おにぎり用トング1をおにぎりG1から離間し、上記おにぎりG1を上記右側板17上に載置することができる(図6(a)参照)。このように、おにぎり製造装置にて製造されたおにぎりG1を、おにぎりG1に手を触れずに、おにぎり海苔巻具14に載置することができる。
【0043】
或いは、上記第1の柄8と上記第2の柄10を重ね合わせ、上記一部開口おにぎり型6'と上記側面壁11によりおにぎり型(飯型)6を形成し、そのおにぎり型(飯型)6の中に炊いた米飯を詰め込むことで、米飯をおにぎり型に成形し、後述のおにぎり海苔巻具14の右側板17の載置部21上に上部4の開口を下にした状態で載置し、その後、第2の柄10を開くことで、上記おにぎりG1を上記右側板17上に載置することができる(図5(b)、図6(a)参照)。このように、おにぎりG1を、おにぎりG1に手を触れずに、おにぎり海苔巻具14に載置することができる。
【0044】
次に、別のおにぎり用トング1'について説明する(図2(a)(b)参照)。この図2に示すおにぎり用トング1'は、図1と同一部分については同一符号を付してそれらの説明は省略する。
【0045】
上記図1のおにぎり用トング1との違いは、上記内側頂点部6a'に、内側に突出する略三角形状の凸部12が形成されていることである。この凸部12は、平面視では先端部に上下方向に直線状の頂点12aが形成され、上記頂点12aまで、直線状(垂直状)の側面12b,12bが形成されており、水平の上面12cまでの高さは、底面3から上方にT1であり(図2(b)参照)、おにぎり型6の上記壁面6bの高さT2より若干低い高さで形成されている(T1<T2)。
【0046】
このおにぎり用トング1'は、おにぎり製造装置にて製造されたおにぎり(例えば図8(a)に示す三角形状のおにぎりG1(海苔Nのない状態))を、上記おにぎり用トング1'の第1の柄8と第2の柄10を開いて、上記おにぎりG1を先端部2の一部開口おにぎり型6'に形状を合わせて挿入し(おにぎりG1の頂部30が上記内側湾曲状頂点6a'に位置するように)、その後、第2の柄10を第1の柄8に合わせることで、側面壁11にて側面開口部5を閉鎖する。すると、上記凸部12の部分が凹み、具材入り用の凹部Kの形成されたおにぎりG2(海苔Nは存在しない)が形成される(図8(b)参照)。
【0047】
そして、そのままおにぎりG2をおにぎり用トング1'で掴んで(挟んで)、後述のおにぎり海苔巻具14の右側板17の載置部21上に上部4の開口を下にした状態で載置し、その後、第2の柄10を開くことで、上記おにぎりG2を上記右側板17上に載置することができる(図5(b)、図6(c)参照)。このように、おにぎり製造装置にて製造されたおにぎりG2を、おにぎりG2に手を触れずに、おにぎり海苔巻具14に載置することができる。
【0048】
或いは、上記第1の柄8と上記第2の柄10を重ね合わせ、上記一部開口おにぎり型6'と上記側面壁11によりおにぎり型6を形成し、そのおにぎり型6の中に炊いた米飯を詰め込むことで、米飯をおにぎり型に成形する。このとき、上記凸部12の部分が凹み、凹部Kの形成されたおにぎりG2(海苔Nは存在しない)が形成される(図8(b)参照)。そして、上記おにぎりG2をおにぎり用トング1'で掴んで(又は挟んで)、後述のおにぎり海苔巻具14の右側板17の載置部21上に上部4の開口を下にした状態で載置し、その後、第2の柄10を開きおにぎり用トング1'をおにぎりG2から離間し、上記おにぎりG2を上記右側板17上に載置することができる(図5(b)、図6(c)参照)。このように、おにぎりG2を、おにぎりG2に手を触れずに、おにぎり海苔巻具14に載置することができる。
【0049】
上記凹部Kは、最終的に方形海苔Nを巻いた状態で、図8(b)に示すように、おにぎりG2の頂上部に凹部Kが形成されることになるので、最終的に、上記凹部Kに具材をトッピングすることができるものである。
【0050】
(おにぎり海苔巻具14について)
次に、おにぎり海苔巻具14について、図3(a)(b)にて説明する。尚、図3(b)にて、紙面に対向して、おにぎり海苔巻具14を開いた状態で、短辺側を「縦方向」、長辺側を「横方向」、図3(b)の紙面に向かって、左側を「左」、右側を「右」という。
【0051】
おにぎり海苔巻具14は、薄板状の長方形状の中央板15と、中央板15の長辺側の両側縁に、薄板状の長方形状の左側板16の中央板15側の側縁16a,16a(左側板16の長辺側)と、薄板状の長方形状の右側板17の中央板15側の側縁17a,17a(右側板17の長辺側)が各々回動軸18,18により軸支されている。上記左側板16と上記右側板17は同じ大きさである。
【0052】
また、上記中央板15の底面側には中央板15より若干大きい長方形の回動規制板20が、上記底面側に接着されており、上記回動規制板20の両側の縦方向の縁部が、上記回動軸18より各々外側方向に延長されることで、上記左側板16と上記右側板17は矢印A,B方向にのみ回動し、矢印A,B方向とは逆方向には回動しないように構成されている。
【0053】
尚、19は上記おにぎり海苔具14を水平に載置するための置台であり、長方形状の底板19aの一対の短辺側に起立壁19b,19bが設けられ、上記起立壁19b,19b上に、上記おにぎり海苔巻具14が、開いた状態,即ち平行状態で載置されている。
【0054】
上記右側板17の上面の中央部には、浅い凹状のおにぎりの載置部21が構成されると共に、方形海苔Nの右側の2か所の直角状(L型)のコーナ部22a,22bが設けられている。これらのコーナ部22a,22bは、上記右側板17の上面から高さT3で上面に突出するように設けられている(図3(a)参照)。上記おにぎりの載置部21はおにぎりG1の湾曲状頂点6aが右側となるように形成されている。上記載置部21は、凹状には設けずに、表示部21'を設け、おにぎりを載置する場合の目安としても良い。
【0055】
また、上記コーナ部22a,22bは、図3(b)に示すように、方形海苔Nを載置した場合、方形海苔Nの右側縁部(図3(b)に二点鎖線で示す)からおにぎりの湾曲状頂点6aが臨出するように構成される。
【0056】
上記左側板16の上面には、上記中央板15側とは反対側の側縁(短辺側)から上記中央板15側に向けて末広がり状の「ハ」の字状のスリット23a,23b(左側板16を貫通している)が構成されると共に、上記方形海苔Nの左側の2か所の直角状(L型)のコーナ部22c,22dが設けられている。これらのコーナ部22c,22dは、上記右側板16の上面から高さT3で上面に突出するように設けられている(図3(a)参照)。
【0057】
また、上記コーナ部22c,22dは、図3(b)に示すように、方形海苔Nを載置した場合、方形海苔Nの左側縁部(図3(b)に二点鎖線で示す)からおにぎりの湾曲状頂点6aが臨出するように構成される。即ち、上記スリット23a,23bの各左端部は、上記方形海苔Nの左側縁部から、より左側に位置している。
【0058】
上記中央板15には、おにぎりG1の位置決め用の凹部24が形成されている。この凹部24は、縦方向の湾曲状の底面24aを有する深さの浅いものであり、図6(b)に示すように、上記中央板15に対して上記左側板16と上記右側板17を直角状態としたとき、おにぎりG1の底面側が上記凹部24に位置しておにぎりG1又はG2を安定させるためである。
【0059】
また、上記「ハ」の字状のスリット23a,23bは、図7(b)に示すように、三角形状のおにぎりG1又はG2の両サイドの傾斜部Ra,Rbに平行となるように設けられている。これは、方形海苔NをおにぎりG1の傾斜部Ra,Rbに沿って折り曲げるためである。
【0060】
また、上記左側板16の裏面側には、後述の海苔巻部材26を位置決めするための突起25,25が下方向けて突出形成されている(図3(a)(b)参照)。
【0061】
(海苔巻部材26について)
図4(a)(b)に示すように、海苔巻部材26は、長方形薄板状の基板27の上面に上記「ハ」の字状のスリット23a,23bに挿入可能な「ハ」の字状の板部28a,28bが上記基板27に直角方向に接着されており、上記板部28aと上記板部28bの各一端と各他端は上記基板27の両長辺側から若干突出している。尚、上記板部28a,28bの上記基板27の接触範囲が、同基板27に各々接着されている。
【0062】
上記板部28a,28bは、上記スリット23a,23bの全長より若干短い長さを有しており、かつ、上記スリット23a,23bと同一角度の「ハ」の字を形成している。また、上記板部28a,28bの高さ(図4(b)の高さT4)は、上記左側板16と上記右側板17を中央板15に対して直角状態としたとき(図7(a)参照)、上記左側板16と上記右側板17間の距離T5より低く(短く)なるように構成されている。
【0063】
また、上記基板27の両側には円形の開口部29,29が2箇所に貫通して設けられ、これら開口部29,29が上記突起25,25に挿通し得るように構成され、これにより上記海苔巻部材26を上記左側板16の裏面に位置決めできるように構成されている。
【0064】
このように、「ハ」の字状のスリット23a,23bに挿入される「ハ」の字状の一対の板部28a,28bを有する海苔折曲部材26が設けられ、上記中央板15と上記右側板17と上記左側板16を開いた状態で、上記方形海苔Nが上記4箇所の上記コーナ部22a~22d内に載置され、かつ上記右側板17の上記方形海苔N上の上記載置部21上におにぎりG1又はG2が載置された状態で、上記中央板15に対して上記左側板16と上記右側板17を90度起立させ、上記海苔折曲部材26の一対の上記板部28a,28bを上記両スリット23a,23bに挿入することで、上記方形海苔Nが上記おにぎりG1側に折り曲げられた状態となるように構成されたものである。
【0065】
本発明は上述のように構成されるものであるから、以下、おにぎり用トング1又は1'及びおにぎり海苔巻具14を用いて、おにぎりを製造する方法を説明する。
【0066】
まず、おにぎり用トング1を使用した場合であって、おにぎり製造装置で三角状のおにぎりG1が製造される場合を説明する。尚、おにぎり製造装置では、中に具材が入ったおにぎりG1が製造され、おにぎり製造装置の取卸位置におにぎりG1が1個ずつ製造される。
【0067】
また、操作者(例えばコンビニの店員)は、おにぎり海苔巻具14を平行に開いて、例えば置台19上に水平に載置し(図3(a)参照)、そのコーナ部22a~22d内に方形海苔N(長方形の海苔)を載置しておく(図5(a)二点鎖線参照)。
【0068】
上記操作者は、おにぎり用トング1を開いて、上記取卸位置のおにぎりG1をおにぎり用トング1の先端部の一部開口おにぎり型6'におにぎりG1の頂部30(図8(a)参照)に上記一部開口おにぎり型6'の湾曲状頂点6aを合わせた状態で、一部開口おにぎり型6'内に上記おにぎりG1を嵌合し、その後、第2の柄10を第1の柄8側に重合することで、上記側面開口部5を先端部の側面壁11にて閉鎖して、おにぎり型6を形成し、上記おにぎりG1をおにぎり用トング1で挟む。
【0069】
そして、操作者は、第1の柄8、第2の柄10を掴んで、上記おにぎり海苔巻具14の右側板17のおにぎりの載置部21上に(載置部21上には方形海苔Nが載置されている)、おにぎり型6の湾曲状頂点6aが右側となるように、載置部21又は表示部21'の形状に合わせて、上部4側の開口が、上記方形海苔Nの載置部21又は表示部21'上となるように、上記右側板17上におにぎり用トング1を載置する(図5(b)参照)。
【0070】
その後、操作者は上記第1の柄8と第2の柄10を開いて、上記一部開口おにぎり型6'と側面壁11とを開いて、おにぎりG1からおにぎり用トング1を取り除く(即ち、おにぎり海苔巻具14(右側板17)からおにぎり用トング1を離間する)。これにより、図6(a)に示すように、おにぎりG1が方形海苔N上の右側板17上の載置部21上に載置された状態となる。このように、おにぎり用トング1を使用することで、おにぎり製造装置で製造されたおにぎりG1に一切手を触れずに、おにぎり海苔巻具14上の所定の位置に、おにぎりG1を載置することができる。
【0071】
その後、図6(b)に示すように、中央板15を中心として、左側板16と右側板17を、回転軸18,18を中心に矢印A,B方向に回動し、上記中央板15に対して直角(90度)となる位置まで左側板16と右側板17を起立させる。
【0072】
すると、上記右側板17上のおにぎりG1は中央板15の凹部24上に移動し、方形海苔Nが「コ」字状となって、おにぎりG1の左側面と右側面に張り付いた状態となる(図6(b)参照)。
【0073】
その後、操作者は、海苔巻部材26の板部28a,28bを、上記左側板16の裏面側からスリット23a,23bに挿入する(図7(a)参照)。このとき、海苔巻部材26の基板27の開口部29,29内に、上記左側板16の裏面側の突起25,25を挿入することで、上記海苔巻部材26の位置決めを行うことができる。
【0074】
上記海苔巻部材26の一対の板部28a,28bは、上記スリット23a,23bに挿入されることにより、内側の方形海苔NをおにぎりG1側の傾斜部Ra,Rb側に折り曲げることができる(図7(a)、(b)参照)。
【0075】
その後、上記おにぎり海苔巻具14の左側板16と右側板17を、中央板15と平行状態に倒すことにより、図8(a)に示すような、おにぎりG1の左側面側の方形海苔Nのコーナ部がおにぎりG1の傾斜部Ra,Rbに折れ曲がった状態のおにぎりG1を形成することができる。
【0076】
この状態で、操作者は、お客に渡しても良いし、おにぎりG1の右側面の方形海苔NをおにぎりG1の傾斜部Ra,Rb側に折り畳んで渡しても良い。
【0077】
何れにしても、おにぎり製造装置からできあがったおにぎりG1を、殆ど手を触れずに、方形海苔Nを巻くことができ、しかも、おにぎりG1の一方の傾斜面Ra,Rbに方形海苔Nのコーナ部(一方側=左側)が折れ曲がった状態まで、おにぎりG1には一切手を触れることがないため、衛生的に優れているものである。
【0078】
次に、おにぎり用トング1で、おにぎりG1を製造する場合について説明する。このおにぎり用トング1は、第1の柄8と第2の柄10を重合させ、上記側面開口部5を側面壁11で閉鎖して、おにぎり型6を形成した状態とする(図1(a)二点鎖線参照)。
【0079】
この状態において、おにぎり用トング1のおにぎり型6内に、炊いた米飯を詰めて、おにぎり型に形成する。これにより、図8(a)のおにぎりG1(海苔Nのない状態)が、おにぎり型6内に成形される。
【0080】
その後は、上記おにぎり用トング1を図5(b)に示すように、おにぎり海苔巻具14の右側板17の方形海苔N上の載置部21上に載置して、おにぎり用トング1を開いて取り出し(おにぎりG1を残して、おにぎりG1(右側板17)からおにぎり用トング1を離間し)、おにぎりG1を上記載置部21上に載置する(図6(a)参照)。その後は、上記おにぎり製造装置の上記の場合と同様である。
【0081】
この場合においても、おにぎり型6内に米飯を詰める作業以外は、おにぎりG1に殆ど手を触れずに、方形海苔Nを巻くことができ、しかも、おにぎりG1の一方の傾斜面Ra,Rbに方形海苔Nのコーナ部(一方側=左側)が折れ曲がった状態まで、おにぎりG1には一切手を触れることがないため、衛生的に優れているものである。
【0082】
次に、おにぎり用トング1'(図2(a)(b)参照)を使用した場合であって、おにぎり製造装置で三角状のおにぎりG2(図8(b)参照)が製造される場合を説明する。
【0083】
上記操作者は、おにぎり用トング1'を開いて、取卸位置のおにぎりG1(この時点では凹部Kを有しないおにぎりG1)をおにぎり用トング1'の先端部の一部開口おにぎり型6'におにぎりG1の頂部30を上記一部開口おにぎり型6'の湾曲状頂点6a(内側湾曲状頂点6a')を合わせた状態で、一部開口おにぎり型6'内に上記おにぎりG1を嵌合し、その後、第2の柄10を第1の柄8側に重合することで、上記側面開口部5を先端部の側面壁11にて閉鎖して、おにぎり型6を形成する。このとき、おにぎり型6内のおにぎりは、凸部12によって内側湾曲状頂点6a'の部分に凹部Kが形成され、おにぎりG2(方形海苔Nのない状態)となる(図8(b)参照)。
【0084】
そして、操作者は、第1の柄8、第2の柄10を掴んで、上記おにぎり海苔巻具14の右側板17のおにぎりの載置部21に(載置部21上には方形海苔Nが載置されている)、おにぎり型6の湾曲状頂点6aが右側となるように、載置部21の形状に合わせて、上部4側の開口が、上記方形海苔Nの載置部21上になるように、上記右側板17上に載置する(図5(b)参照)。
【0085】
その後、操作者は上記第1の柄8と第2の柄10を開いて、上記一部開口おにぎり型6'と側面壁11とを開いて、おにぎりG2からおにぎり用トング1'を取り除く。これにより、図6(a)に示すように、おにぎりG2が方形海苔N上の右側板17上に載置された状態となる。
【0086】
このとき、おにぎりG2は、右側板17側が若干の厚みtを有し(図8(b)のおにぎりG2の奥部側の厚みt)、具材用の凹部Kが形成されている。その後は、上記実施形態と同様に、中央板15に対して左側板16と右側板17を90度となるように起立し、その後、上記海苔巻部材26の板部28a,28bをスリット23a,23bに挿入することで、最終的には図8(b)に示すように、左側板16側の方形海苔Nが傾斜部Ra,Rbに折り曲げられた状態となる。従って、方形海苔NをおにぎりG2側に折り曲げて、その後、左側板16と右側板17を開くことで、方形海苔Nの巻かれたおにぎりG2(図8(b)参照)を製造することができる。
【0087】
操作者は、おにぎりG1の上記凹部K内に客の好みの具材を投入し、客に渡すことができる。
【0088】
このように、おにぎり製造装置からできあがったおにぎりG2を、殆ど手を触れずに、方形海苔Nを巻くことができ、しかも、おにぎりG2の一方の傾斜面Ra,Rbに方形海苔Nのコーナ部(一方側=左側)が折れ曲がった状態まで、おにぎりG2には一切手を触れることがないため、衛生的に優れているものである。
【0089】
次に、おにぎり用トング1'で、おにぎりG2を製造する場合について説明する。このおにぎり用トング1'は、第1の柄8と第2の柄10を重合させ、上記側面開口部5を側面壁11で閉鎖して、おにぎり型6を形成した状態とする。
【0090】
この状態において、おにぎり用トング1'のおにぎり型6内に、炊いた米飯を詰めて、おにぎり型に形成する。これにより、図8(b)の凹部Kを有するおにぎりG2(海苔Nのない状態)が、おにぎり型6内に成形される。
【0091】
そして、操作者は、第1の柄8、第2の柄10を閉鎖して同上第1の柄8、第2の柄10を掴んで、上記おにぎり海苔巻具14の右側板17のおにぎりの載置部21に(載置部21上には方形海苔Nが載置されている)、おにぎり型6の湾曲状頂点6aが右側となるように、載置部21の形状に合わせて、上部4側の開口が、上記方形海苔Nの載置部21上になるように、上記右側板17上に載置する(図5(b)参照)。
【0092】
操作者は上記第1の柄8と第2の柄10を開いて、上記一部開口おにぎり型6'と側面壁11とを開いて、おにぎりG2からおにぎり用トング1'を取り除く(即ち、右側板17から離間する)。これにより、図6(a)に示すように、おにぎりG2が方形海苔N上の右側板17上に載置された状態となる。
【0093】
以降の動作は、上記おにぎり用トング1'を使用しておにぎり製造装置におにぎりが製造される場合と同様なので、その後の動作説明は省略する。このように、おにぎり用トング1'のおにぎり型6に炊いた米飯を詰めた場合であっても、できあがったおにぎりG2に、殆ど手を触れずに、方形海苔Nを巻くことができ、しかも、おにぎりG2の一方の傾斜面Ra,Rbに方形海苔Nのコーナ部(一方側=左側)が折れ曲がった状態まで、おにぎりG2には一切手を触れることがないため、衛生的に優れているものである。
【0094】
本発明は以上のように、おにぎり製造装置で製造されたおにぎりG1を、おにぎり用トング1又は1'の先端の飯型6にて挟んで、例えば、おにぎり海苔巻具14に載置することができ、おにぎり製造装置で製造されたおにぎりG1に手を触れることなく、例えばおにぎり海苔巻具14におにぎりG1又はG2を載置することができ、衛生的に優れている。
【0095】
また、おにぎり用トング1又は1'の飯型6に炊いた米飯を詰めておにぎり形状に成形する場合においても、飯型6に詰めた米飯(おにぎりG1又はG2)をおにぎり海苔巻具14に、おにぎりG1又はG2に手を触れることなく、例えば、おにぎり海苔巻具14におにぎりを載置することができ、衛生的に優れている。
【0096】
また、おにぎり製造装置で製造されたおにぎりG1に凸部12によって、具材用の凹部Kを形成することができ、最終的に凹部Kの形成されたおにぎりG2の上記凹部Kに具材をトッピングすることができる。
【0097】
また、おにぎり海苔巻具14の4か所のコーナ部22a~22d内に方形海苔Nを載置して、右側板17の載置部21上におにぎりG1又はG2を載置して中央板15に対して左側板16と右側板17を90度起立させ、方形海苔NがおにぎりG1又はG2の左面と右面に張り付いた状態で、海苔折曲部材26の一対の板部28a,28bを両スリット23a,23bに挿入すると、上記方形海苔Nが上記おにぎり側の両側面部(傾斜部Ra,Rb)に折り曲げられた状態となる。即ち、おにぎり海苔巻具14により、方形海苔Nを手を使わずにおにぎりに方形海苔Nを巻くことができ、しかも、手を使わずに、海苔折曲部材26により方形海苔Nのコーナ部をおにぎりの傾斜部Ra,Rb側(両側面部)に折り曲げることができ、衛生的に優れている。その後は、おにぎり海苔巻具14をおにぎりG1又はG2から外して、方形海苔Nの巻かれたおにぎりG1又はG2を形成することができるので、操作者はそのおにぎりG1又はG2を客に渡すことができる。
【0098】
また、方形海苔Nをコーナ部22a~22d内に容易にセットすることができる。
【0099】
また、左側板16と右側板17を中央板15に対して90度起立させた場合、おにぎりG1又はG2は中央板15の位置決め用の凹部24に位置するため、おにぎりG1又はG2の位置決めを容易に行うことができる。
【0100】
また、表示部21により、おにぎりG1又はG2の位置を容易に認識し得るので、操作者は、おにぎりG1又はG2を容易に載置することができる。
【0101】
また、おにぎり製造装置により製造されたおにぎりG1を、おにぎり用トング1又は1'にて、手を使わずに、おにぎり海苔巻具14に載置することができ、該おにぎり海苔巻具14により方形海苔Nを巻くことができ、衛生的に優れている。
【0102】
また、おにぎり用トング1又は1'の飯型6により成形されたおにぎりG1又はG2を、おにぎり用トング1又は1'にて、手を使わずに、おにぎり海苔巻具14に載置することができ、該おにぎり海苔巻具14により方形海苔Nを巻くことができ、衛生的に優れている。
【0103】
尚、図3において、符号31は取手である。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明に係るおにぎり用トング及びおにぎり海苔巻具によれば、例えばおにぎり製造装置により製造されたおにぎりを、手を使わずに、おにぎり海苔巻具にセットし得るので、衛生的に優れており、しかも手を使わずにおにぎり海苔巻具にておにぎりに方形海苔を巻くことができ、衛生的に優れているものである。
【符号の説明】
【0105】
1 おにぎり用トング
1' おにぎり用トング
2 先端部
3 底面
4 上部
5 側面開口部
6 飯型(おにぎり型)
6' 一部開口飯型(一部開口おにぎり型)
7 一端部
8 第1の柄
9 回転軸(軸支)
10 第2の柄
11 側面壁
12 凸部
13 先端部
14 おにぎり海苔巻具
15 中央板
16 左側板
17 右側板
18 回転軸(軸支)
21 載置部
21' 表示部
22a~22d コーナ部
23a,23b スリット
24 凹部
26 海苔折曲部材
28a,28b 板部
G1,G2 おにぎり
N 方形海苔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-06-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央板と、
該中央板の一方の側縁に回動自在に軸支されると共に、その上面に、略三角形状のおにぎりが載置されるおにぎり載置部と、方形海苔の4つの角のうち、一方の対となる2つの角を位置決めする第1のコーナー部が設けられた右側板と、
前記中央板の他方の側縁に回動自在に軸支されると共に、平面視で、前記中央板側とは反対側の側縁から同中央板側に向けて末広がりとなるハ字状で板状体を貫通したスリットが形成され、かつ、その上面に、前記方形海苔の4つの角のうち、他方の対となる2つの角を位置決めする第2のコーナー部が設けられた左側板と、
前記スリットに挿入可能なハ字状の一対の板部が形成された海苔折曲部材とを備える
おにぎり海苔巻具
【請求項2】
前記中央板、前記右側板及び前記左側板が直線状に並ぶように、同中央板に対して、同右側板及び同左側板のそれぞれを開いた状態で、前記方形海苔の4つの角を、前記第1のコーナー部または前記第2のコーナー部で位置決めして同方形海苔を載置し、かつ、前記おにぎり載置部に同方形海苔の上から前記おにぎりを載置して、
前記左側板の上面と前記右側板の上面とが対向する方向に、前記中央板に対して前記左側板及び前記右側板を90度回動させ、前記左側板の下面側から、前記一対の板部が前記スリットに挿入されるように、前記海苔折曲部材を同左側板に重ねることで、前記方形海苔が前記おにぎりの略三角形状の両側面部に張り付き、同方形海苔の前記他方の対となる2つの角部が、同おにぎりの傾斜部側に折り曲げられた状態となることを特徴とする
請求項1に記載のおにぎり海苔巻具
【請求項3】
前記第1のコーナー部は、前記右側板の上面に突出して形成され、
前記第2のコーナー部は、前記左側板の上面に突出して形成された
請求項1または請求項2に記載のおにぎり海苔巻具
【請求項4】
前記中央板には、前記おにぎりの位置決め用の凹部が形成された
請求項1または請求項2に記載のおにぎり海苔巻具
【請求項5】
前記おにぎり載置部には、前記おにぎりの位置決め用の表示部が形成された
請求項1または請求項2に記載のおにぎり海苔巻具
【請求項6】
前記中央板の下面側に、同中央板と重ねて配置された板状体であると共に、前記中央板の前記一方の側縁と前記他方の側縁を結ぶ方向において、前記中央板よりも長く形成された回動規制部を有する
請求項1または請求項2に記載のおにぎり海苔巻具
【請求項7】
中央板と、該中央板の一方の側縁に接続されると共に、その上面に、おにぎり載置部と第1のコーナー部が設けられた右側板と、前記中央板の他方の側縁に接続されると共に、平面視で、前記中央板側とは反対側の側縁から同中央板側に向けて末広がりとなるハ字状で板状体を貫通したスリットが形成され、かつ、その上面に、第2のコーナー部が設けられた左側板とを有するおにぎり海苔巻具を用いて、方形海苔の一方の対となる2つの角を前記第1のコーナー部に合わせ、かつ、他方の対となる2つの角を前記第2のコーナー部に合わせて位置決めをして、前記おにぎり海苔巻具に、同方形海苔を載置する海苔載置工程と、
該海苔載置工程の後に、略三角形状のおにぎりを前記おにぎり載置部に載置するおにぎり載置工程と、
前記中央板に対して、前記右側板と、前記左側板のそれぞれを回動して起立させ、同おにぎりの略三角形の側面に、同右側板及び同左側板に載置された前記方形海苔を張り付ける海苔張付け工程と、
前記スリットに挿入可能なハ字状の一対の板部が形成された海苔折曲部材を前記左側板に重ねて、前記一対の板部を同スリットに挿入し、同方形海苔の前記他方の対となる2つの角部を、前記おにぎりの傾斜部側に折り曲げる海苔折り曲げ工程とを備える
おにぎりの海苔巻方法
【請求項8】
略三角柱状に形成され、底面が閉塞されると共に、一の頂点と対向する側面及び前記底面と対向する天面が開口した一部開口飯型を有し、該一部開口飯型の前記側面側に第1の柄の先端部が取り付けられ、前記第1の柄の他端部に、同第1の柄に対して回動する第2の柄が軸支され、前記第2の柄の先端部には前記側面の前記開口を閉鎖する側面壁が形成されたおにぎり用トングを用いて、同第1の柄に対して同第2の柄を開いた状態で、前記一の頂点と、前記おにぎりの1つの頂点の位置を合わせて、同一部開口飯型に前記おにぎりを嵌合させるおにぎり嵌合工程と、
前記第2の柄を回動させて前記第1の柄に重ねることにより、前記側面壁にて前記側面の前記開口を閉鎖して飯型を形成し、前記一部開口飯型と同側面壁で前記おにぎりを挟むおにぎり挟持工程とを備え、
前記おにぎり載置工程では、前記おにぎりを挟んだ状態で、前記おにぎり載置部と前記一部開口飯型における前記天面を対向させ、前記第1の柄から前記第2の柄を分離することで、同おにぎりを同おにぎり載置部に載置する
請求項7に記載のおにぎりの海苔巻き方法
【請求項9】
略三角柱状に形成され、底面が閉塞されると共に、一の頂点と対向する側面及び前記底面と対向する天面が開口した一部開口飯型を有し、該一部開口飯型の前記側面側に第1の柄の先端部が取り付けられ、前記第1の柄の他端部に、同第1の柄に対して回動する第2の柄が軸支され、前記第2の柄の先端部には前記側面の前記開口を閉鎖する側面壁が形成されたおにぎり用トングを用いて、前記第2の柄を回動させて前記第1の柄に重ねることにより、前記側面壁にて前記側面の前記開口を閉鎖して飯型を形成し、前記飯型に米飯を詰めて前記おにぎりを成形するおにぎり成形工程を備え、
前記おにぎり載置工程では、前記おにぎり載置部と前記一部開口飯型における前記天面を対向させ、前記第1の柄から前記第2の柄を分離することで、前記おにぎりを同おにぎり載置部に載置する
請求項7に記載のおにぎりの海苔巻き方法