(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024105722
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】計量装置、および計量装置の制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G01G 19/414 20060101AFI20240730BHJP
G01G 19/40 20060101ALI20240730BHJP
G01G 23/00 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
G01G19/414 B
G01G19/40 C
G01G23/00 B
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024085674
(22)【出願日】2024-05-27
(62)【分割の表示】P 2020110194の分割
【原出願日】2020-06-26
(71)【出願人】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100103872
【弁理士】
【氏名又は名称】粕川 敏夫
(74)【代理人】
【識別番号】100149456
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 喜幹
(74)【代理人】
【識別番号】100194238
【弁理士】
【氏名又は名称】狩生 咲
(72)【発明者】
【氏名】▲崎▼玉 英一
(72)【発明者】
【氏名】時田 隆宏
(57)【要約】 (修正有)
【課題】用途に応じてアプリケーションを切替可能な計量装置を提供する。
【解決手段】物品を計量する計量手段と、計量手段による計量結果を第1の態様で表示する第1計量画面を生成し、第1計量画面を表示部に表示させる第1表示手段と、計量結果を第2の態様で表示する第2計量画面を生成し、第2計量画面を表示部に表示させる第2表示手段と、第1表示手段および第2表示手段のいずれにより表示させるかの選択を受け付ける選択手段と、を備える、計量装置100。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を計量する計量手段と、
前記計量手段による計量結果を第1の態様で表示する第1計量画面を生成し、前記第1計量画面を表示部に表示させる第1表示手段と、
前記計量結果を第2の態様で表示する第2計量画面を生成し、前記第2計量画面を前記表示部に表示させる第2表示手段と、
前記第1表示手段および前記第2表示手段のいずれにより計量画面を表示させるかの選択を受け付ける選択手段と、
を備える、計量装置。
【請求項2】
前記計量画面の情報を証明に利用できるか否かを、前記表示手段ごとに記憶する記憶手段と、
前記選択手段による選択結果と、前記記憶手段に記憶される情報とに基づいて、前記計量画面の情報を証明に利用できるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果を表示する判定表示手段と、
をさらに備える、請求項1記載の計量装置。
【請求項3】
前記計量画面の情報を取引に利用できるか否かを、前記表示手段ごとに記憶する記憶手段と、
前記選択手段による選択結果と、前記記憶手段に記憶される情報とに基づいて、前記計量画面の情報を取引に利用できるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果を表示する判定表示手段と、
をさらに備える、請求項1記載の計量装置。
【請求項4】
前記計量手段による計量結果を、第3の態様で前記表示部に表示させる第3表示手段を取得するデータ取得部をさらに備える、請求項1から3のいずれか1項に記載の計量装置。
【請求項5】
前記第3表示手段の制御のために前記計量装置に必要とされる要件を比較する要件判定手段をさらに備え、
前記要件判定手段は、前記計量装置が前記要件を満たしていない場合、前記計量装置における前記第3表示手段の実行を禁止する、
請求項4記載の計量装置。
【請求項6】
前記選択手段により選択された前記計量画面を終了する終了手段
をさらに備える、請求項1から5のいずれか1項に記載の計量装置。
【請求項7】
前記第1表示手段又は前記第2表示手段による計量画面の表示を禁止する禁止手段
をさらに備える、請求項1から6のいずれか1項に記載の計量装置。
【請求項8】
物品を計量する計量命令と、
前記計量命令により得られる計量結果を、第1の態様で表示する第1計量画面を生成し、前記第1計量画面を表示部に表示させる第1表示命令と、
前記計量結果を第2の態様で表示する第2計量画面を生成し、前記第2計量画面を前記表示部に表示させる第2表示命令と、
前記第1表示命令および前記第2表示命令のいずれにより計量画面を表示させるかの選択を受け付ける選択命令と、
をコンピュータにより実行させる、計量装置の制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計量装置、および計量装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
商品やその材料等の重量を計量する計量装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の電子秤装置は、動作モードの切替を行うものであり、計量装置の用途は限られているため、使い勝手が悪かった。
【0005】
そこで本発明は、用途に応じてアプリケーションを切替可能な計量装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一の観点に係る計量装置は、物品を計量する計量手段と、前記計量手段による計量結果を第1の態様で表示する第1計量画面を生成し、前記第1計量画面を表示部に表示させる第1表示手段と、前記計量結果を第2の態様で表示する第2計量画面を生成し、前記第2計量画面を前記表示部に表示させる第2表示手段と、前記第1表示手段および前記第2表示手段のいずれにより表示させるかの選択を受け付ける選択手段と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施形態に係る計量装置の(a)第1例を示す概略斜視図、(b)第2例を示す概略斜視図である。
【
図2】上記計量装置の構成を示す機能ブロック図である。
【
図3】上記計量装置において表示されるメニュー画面の1例である。
【
図4】上記計量装置において、ケーキ配合アプリにより表示される画面を示す図である。
【
図5】上記ケーキ配合アプリにより表示される画面を示す別の例であって、(a)卵の計量画面を示す図、(b)当該計量画面において投入量が目標値に近づいている様子を示す図である。
【
図6】上記ケーキ配合アプリにより表示される画面を示すさらに別の例であって、(a)上記計量画面において投入量が適正範囲を超えている様子を示す図、(b)上記計量画面において投入量が適正範囲内である様子を示す図である。
【
図7】上記ケーキ配合アプリにより表示される画面を示すさらに別の例であって、(a)上記計量画面において計量された内容を決定し、次の材料を計量する画面を示す図、(b)上記計量画面において作業が完了した際に表示されるポップアップ画面を示す図である。
【
図8】上記計量装置において数量チェックアプリにより表示される画面を示す図であって、(a)サンプリングの手順を案内する画面を示す図、(b)サンプリングの手順を案内する別の画面を示す図である。
【
図9】上記数量チェックアプリにより表示される画面を示す図であって、(a)サンプリングの手順を案内するさらに別の画面を示す図、(b)サンプリングの手順を案内するさらに別の画面を示す図である。
【
図10】上記数量チェックアプリにより表示される、サンプリング結果の表示画面を示す図である。
【
図11】上記数量チェックアプリにより表示される、計数画面を示す図である。
【
図12】上記計量装置において定量詰めアプリにより表示される画面を示す図であって、(a)定量詰めを行う商品のカテゴリ選択画面を示す図、(b)定量詰めを行う商品の選択画面を示す図である。
【
図13】上記定量詰めアプリにより表示される別の画面を示す図であって、(a)商品の計量画面を示す図、(b)上記計量画面において投入量が適正範囲内である様子を示す図である。
【
図14】上記定量詰めアプリにより表示される画面を示すさらに別の例であって、(a)上記計量画面において計量された内容を決定し、次の材料を計量する画面を示す図、(b)上記計量画面において作業が完了した際に表示されるポップアップ画面を示す図である。
【
図15】上記計量装置において表示される画面の1例であって、値付けアプリにより表示される画面を示す概略図である。
【
図16】上記メニュー画面に重畳的に表示されるポップアップ画面の1例である。
【
図17】上記計量装置に記憶される、アプリケーションおよび証明および取引への利用可否を対応付ける証明取引利用可否ケーブルである。
【
図18】上記計量装置においてアプリケーションの追加を行う処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態に係る計量装置について、図を参照して説明する。
●計量装置の概要
図1に示されるように、計量装置100は、商品又はその材料等の被計量物を計量する装置である。商品とは、例えば総菜のような食品であってもよいし、ネジなどを始めとする食品以外のあらゆる商品であってもよい。計量装置100は、計量に関するアプリケーションであって表示態様の異なるアプリケーションを複数有し、アプリケーションを選択して実行可能である。また、計量装置100は、後述するデータ取得部を介してアプリケーションをインストールすることができる。
【0009】
図1(a)に示すように、本発明の第1実施形態に係る計量装置100は、主として、計量台101、表示部102、および操作部103を備える。計量台101は、被計量物を保持する部材であり、例えば被計量物を載置する台である。表示部102は、計量の手順および計量結果等を表示する装置であり、例えばディスプレイである。操作部103は、ユーザが情報を入力可能な装置であり、例えばテンキー等を含むキーボードである。本実施形態においては、計量台101後部に支柱が立設され、支柱上部に表示部102および操作部103がそれぞれ配設されている。
【0010】
図1(b)は、本発明の第2実施形態に係る計量装置110を示す図である。計量装置110は、主として、計量台111および表示操作装置112を備える。計量台111は、第1実施形態と同様被計量物を載置する台である。表示操作装置112は、例えば計量に関する情報を表示すると共に、ユーザの操作を受け付けるタッチパネルディスプレイである。
【0011】
なお、計量装置の形状は、上述に限られるものではない。また、計量装置は、別の機能を有する装置と有線又は無線により接続されていてもよいし、一体化していてもよい。例えば、計量装置は、商品に貼付するラベルを印刷し、貼付するラベル貼付装置として構成されていてもよい。また、計量装置は、計量と共に商品の値段を決定する、計量値付装置、および計量と共に商品の包装を行う包装装置として構成されていてもよい。さらに、計量装置の構成のうち一部が、通信可能に接続された別の装置に設けられていて、システムとして構成されていてもよい。
【0012】
●制御装置の構成
図2は、実施形態に係る計量装置100の構成例を示すブロック図である。同図に示すように、計量装置100は、CPU(Central Processing Unit)31、フラッシュメモリ32、RAM(Random Access Memory)33を備える。制御装置30は、インターフェース回路35を介して、計量部21、表示操作部22及びデータ取得部23に接続されている。
【0013】
CPU31は、中央演算装置であり、フラッシュメモリ32に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、ラベル貼付装置1の動作を統括制御する。フラッシュメモリ32は、CPU31の補助記憶装置であって、プログラムをはじめとしてCPU31が利用する各種の情報を記憶する。フラッシュメモリ32は、複数のアプリケーションを記憶可能である。また、フラッシュメモリ32は、データ取得部23を介して取得されるアプリケーションをインストールし、記憶可能である。
【0014】
さらに、フラッシュメモリ32には、アプリケーションおよび証明・取引における利用可否を対応付ける証明取引利用可否テーブル(
図17参照)を格納している。証明取引利用可否テーブルは、証明取引における利用可否の他、各アプリケーションで要求される精度等級が記憶されている。また、証明取引利用可否テーブルは、計量装置100の検定有無および検定を受けている精度等級の情報に基づいて、各アプリケーションの追加可否が記憶されている。証明取引利用可否テーブルは、書換可能であり、アプリケーションの種類の増加に応じて定期的にアップデートされてもよいし、アプリケーションのダウンロードを試みる操作が行われたことを契機に、少なくとも当該アプリケーションに関する情報が追加されてもよい。
【0015】
さらにまた、フラッシュメモリ32には、計量装置100にインストールされているアプリケーションを選択して実行するためのメニュー画面G100(
図3参照)の画像情報が記憶されている。メニュー画面G100には、インストールされているアプリケーションに応じて、当該アプリケーションを呼び出すための操作子、例えばアイコン等を表示可能である。また、フラッシュメモリ32に記憶されているメニュー画面G100は複数あってもよく、例えばアプリケーションの種類に応じて異なるメニュー画面にアイコンが表示され、表示されるメニュー画面は例えばスワイプにより切替可能であってもよい。
【0016】
RAM33は、CPU31の主記憶装置である。RAM33は、一時的にデータを呼び出して処理するためのワークエリアである。
なお、上述の説明においてフラッシュメモリ32に格納されている情報の一部又は全部が、RAM33に記憶されていてもよい。
【0017】
計量部21は、計量台101に載置される被計量物の重量を取得する機能部である。表示操作部22は、計量に関する情報を表示部102に表示させるとともに、操作部103への入力情報を受け付ける機能部である。
【0018】
データ取得部23は、計量装置の外部からのデータを取得する機能部である。データ取得部23は、例えば、インターネット回線等を利用した無線接続を行うことで、データを取得する。また、データ取得部23は、USB(Universal Serial Bus)ポート又はシリアルポート等、有線接続可能なポートを介してデータを取得してもよい。計量装置100は、データ取得部23を介して計量に関するアプリケーションを取得して実行し、アプリケーションに応じた表示態様で、表示部102に計量結果を表示する。なお、計量装置100は、計量に関するアプリケーションに限らず、任意の用途のアプリケーションを取得、実行可能であってよい。
【0019】
アプリケーションの追加は、例えばスマートホンと同様の操作で行うことができ、ユーザにとって慣れた操作での追加が可能である。具体的には、計量装置100にあらかじめインストールされているアプリケーション取得用アプリを実行することで、追加するアプリケーションを検索、特定、および取得することが可能である。また、計量装置100からインターネットブラウザを介して、計量装置100の製造元又は販売元等のサイトに問い合わせることで、新しいアプリケーションが取得可能であってもよい。
【0020】
また、アプリケーションの利用に対する課金の態様も任意である。例えば、当該計量装置100の購入時に装置自体の代金および以後のダウンロードにかかる料金の全てを支払うものであってもよい。また、装置の料金とは別にアプリケーションごとに料金が決まっており、ダウンロードの都度料金が発生するものとしてもよい。この場合、例えばダウンロード後に製造元等から請求書が送付されてもよい。さらに、定額制、いわゆるサブスクリプション方式で、一定期間あたりの料金が発生し、請求されるケースもある。さらにまた、従量制方式として、計量回数あたりの料金又は計量した重量あたりの料金が定められていて、計量回数又は重量に応じて、一定期間ごとに料金が請求されるケースもある。これらのケースでは、データ取得部に加えて、データを外部装置等に送信する通信処理部を適宜備え、発生した費用に関する情報を外部装置等に送信可能になっていてもよい。
【0021】
●計量装置で稼働するアプリケーションの例
ここで、計量装置100で稼働するアプリケーション、およびアプリケーションにより表示部102に表示される画面の例について説明する。
●メニュー画面
図3に示されるように、表示部102には、実行するアプリケーション(以下、「アプリ」ともいう。)の選択を受け付けるメニュー画面G100が表示される。同図においては、ケーキ配合アプリアイコンB100、数量チェックアプリアイコンB200、定量詰めアプリアイコンB300および値付けアプリアイコンB400が左からこの順に配置されている。各アイコンB100乃至B400を選択することで、ケーキ配合アプリ、数量チェックアプリ、定量詰めアプリ、および値付けアプリがそれぞれ実行される。なお、アイコンの選択操作は、操作部103の態様等に応じて、画面上のタッチパネルの押下、タップ、もしくはタッチ、又はマウスもしくはキーボードによるカーソル操作等、任意である。
【0022】
アプリケーションは、計量装置100の計量部21が取得する計量結果、およびこの計量結果に基づいて適宜の計算式により算出される数値を、種々の表示態様で表示部102に表示するプログラムである。アプリケーションは、計量結果および算出される数値を、アプリケーションごとにあらかじめ定められる態様で表示する計量画面を生成し、表示部102に表示させる。アプリケーションは、表示手段の例である。また、アプリケーションは、操作部103から入力される情報およびデータ取得部から適宜取得される情報を表示部102に表示する。表示される情報の種類、および表示態様は、アプリケーションにより異なる。
なお、以降の説明する各アプリケーションにおいて、計量結果又は計量結果に基づいて算出される数値が表示されている画面は、当該アプリにより表示される計量画面の例である。
【0023】
アプリケーションは、例えば、計量法に定められる「特定計量器」として検定に合格し、いわゆる「検定付きはかり」として、取引又は証明における計量に使用可能な取引証明用アプリと、当該検定の合格が不要な用途で計量する証明取引外アプリと、を含んでいる。本実施形態においては、値付けアプリが取引証明用アプリケーションであり、ケーキ配合アプリ、数量チェックアプリ、および定量詰めアプリは、証明取引外アプリケーションである。すなわち、計量装置100は、アプリケーションを選択することによって、検定付きはかりとしての機能と、検定のないはかりとしての機能と、を切り替えて使用可能である。この構成によれば、1台の計量装置100を複数の用途で使用できるため、省スペース化できる。
また、検定の合格後に、証明取引外アプリケーションをインストールする場合に、再度の検定を受けることなく使用できる。すなわち、検定に要する費用および時間等を節約でき、簡便である。
【0024】
なお、本実施形態においては、アイコンB100乃至B400が同一のメニュー画面G100に表示されているものとしたが、表示部102は、例えばスワイプ動作等により互いに切替可能な複数のメニュー画面を表示し、アイコンB100乃至B400の少なくとも一部は異なるメニュー画面に配置されていてもよい。具体的には、取引証明用アプリを起動するアイコンB400と、証明取引外アプリを起動するアイコンB100乃至B300とが互いに異なるメニュー画面に配置されていてもよい。この構成によれば、ユーザが証明取引外アプリを誤って取引証明用に用いるミスを防ぐことができる。なお、アイコンの表示態様はこれに限らず、1のメニュー画面において、取引証明用アプリのアイコンB400と証明取引外アプリのアイコンB100乃至B300をそれぞれ囲う表示をするなど、区別可能な態様で表示してもよい。
【0025】
また、実行するアプリの選択を行う画面態様は、上述に限らず、例えばリスト表示等であってもよい。
【0026】
●ケーキ配合アプリの表示画面
ケーキ配合アプリは、ケーキの作成に必要な複数の材料をそれぞれ計量するためのアプリである。
図4は、メニュー画面G100においてケーキ配合アプリアイコンB100が選択された場合に表示される、ケーキ配合アプリのトップ画面G110である。トップ画面G110には、重量表示欄G111、ゼロ・安定・風袋引きランプ欄G112、風袋引きボタンB113、ゼロリセットボタンB114、レシピ選択欄G115、およびコメント欄G116が表示されている。
【0027】
重量表示欄G111には、現在の重量が表示される。風袋引きがオンとなっている場合には、正味量が表示される。ゼロ・安定・風袋引きランプ欄G112は、それぞれ、ゼロリセットがなされているか、はかりが安定しているか、風袋引きがオンとなっているかを示している。風袋引きボタンB113は、選択することで風袋の重量が減算されて重量表示欄G111に表示される。ゼロリセットボタンB114は、選択することで計量台101をゼロリセットするボタンである。
【0028】
レシピ選択欄G115は、作成するケーキを選択する欄である。ケーキを選択することで、次画面以降において、ケーキの作成に必要な量を参照しながら、材料を計量できる。なお、作成するケーキの種類は、データ取得部23を介して追加可能である。コメント欄116は、適宜、次の操作に関する案内、又は、管理者からの指示等のコメントが表示される。
【0029】
レシピ選択欄G115において、「ショートケーキ」を選択すると、
図5(a)に示される計量画面G120に遷移する。同図に示すように、計量画面G120には、材料を計量するケーキの種類を表示するケーキ表示欄G121、作成予定の数量を表示する作成数量欄G122が表示されている。作成数量欄G122は、プルダウンメニューになっており、数量を選択可能になっている。
【0030】
また、計量画面G120には、作業進捗を表示する作業進捗欄G123、計量対象の材料の画像、名称および目標重量等を表示する材料欄G124aおよびG124b、当該ケーキで配合する他の材料の情報がリスト表示される材料リスト欄G125が表示されている。同図は、卵を計量する画面の例である。作業進捗欄G123は、指定された作成個数に対する作業の進捗状態を示す欄である。材料リスト欄G125は、材料をカテゴリごとに表示しており、上から順に計量することでケーキを適切に作成することができる。また、材料リスト欄G125に表示される各材料の必要重量は、作成個数に応じて表示される。
【0031】
さらに、計量画面G120には、目標値と上限値および下限値とを示す目標値欄G126、ならびに目標値と計量結果との関係を視覚的に示すインジゲーターG127が表示されている。目標値、上限値および下限値の値は、レシピに含まれている情報である。インジゲーターG127は、目標値、上限値および下限値に基づいて計量結果を視覚的に示す表示である。本実施形態においては、複数の略四角形が1列に並列してバーを構成し、左部、中央部、および右部で点灯する色が異なっているが、この態様には限られない。また、インジゲーターG127は、目標値との差異を点灯しているバーの長さにより段階的に又は連続的に示している。この構成によれば、点灯しているバーの伸縮により適正範囲への調整を感覚的にとらえることができ、適正範囲の計量が容易である。
【0032】
図5(b)に示されるように、計量結果が下限値よりも下回る場合には、計量結果が重量表示欄G111に表示されるとともに、インジゲーターG127において左端の「アンダー」の文字下方のバーが点灯する。また、計量結果が適正範囲に近いため、コメント欄G116にはその旨報知し、投入すべき程度を案内する「目標値に近づきました。少しずつ投入してください。」との表示がなされる。
【0033】
図6(a)に示されるように、計量結果が上限値よりも上回る場合には、計量結果が重量表示欄G111に表示されるとともに、インジゲーターG127において右端の「オーバー」の文字下方までバーが伸長する。また、コメント欄G116にはその旨のメッセージが表示される。
【0034】
図6(b)に示されるように、計量結果が、下限値と上限値との間、すなわち適正範囲である場合には、「適正範囲」の文字下方までバーが伸長し、確定ボタンB128が点灯して選択可能となる。コメント欄G116には、適正範囲である旨報知され、確定ボタンB128を選択するよう案内が表示される。
【0035】
図7(a)に示されるように、確定ボタンB128が選択されると、次の材料を計量する計量画面G120に遷移する。同図においては、グラニュー糖が計量対象となっている。また、同図は計量が完了した材料が載ったままとなっている状態を示しており、コメント欄G116には、次の計量を行うため計量台上の被計量物を一度はかりから降ろすよう案内が表示されている。
【0036】
図7(b)に示されるように、全ての材料の計量が終了すると、作業完了を示すポップアップ画面G130が表示される。また、ポップアップ画面G130上において、前の画面に戻るか、もう一度作業を開始するかの選択を受け付けるボタンが表示される。
【0037】
●数量チェックアプリの表示画面
数量チェックアプリは、計量結果に基づいて、被計量物の個数を推定するアプリである。数量チェックアプリは、まずサンプリング処理により被計量物1個あたりの重量およびばらつきを取得し、この結果に基づいて数量を推定する。このアプリによれば、重量のばらつきが所定範囲で略均一に製造されている商品、例えばネジのような商品を、計量装置に載せるだけで計数することができる。
【0038】
メニュー画面G100において数量チェックアプリアイコンB200を選択すると、数量チェックアプリが起動される。
図8(a)に示すように、数量チェックアプリは、サンプリング画面G200を表示させる。なお、サンプリング画面G200は、数量チェックアプリの起動時に表示されてもよいし、別途の動作により表示させるようにしてもよい。また、被計量物1個当たりの重量およびばらつきが既に分かっている場合には、数値入力又はデータの呼出により、サンプリング処理をスキップすることができてもよい。
【0039】
サンプリング画面G200は、サンプリングの操作をユーザに指示する指示欄G201、ゼロ・安定・風袋引きランプ欄G202、重量表示欄G203,風袋引きボタンB204、ゼロリセットボタンB205、コメント欄G206、および確定ボタンB207等が表示されている。指示欄G201には、被計量物を1個計量部に載せて確定ボタンB207を選択するよう案内が表示されている。ゼロ・安定・風袋引きランプ欄G202、重量表示欄G203、風袋引きボタンB204、ゼロリセットボタンB205およびコメント欄G206は、それぞれケーキ配合アプリにおけるゼロ・安定・風袋引きランプ欄G112、重量表示欄G111、風袋引きボタンB113、ゼロリセットボタンB114、コメント欄G116と同様の機能を有する。
【0040】
サンプリング画面G200で確定ボタンG207が押下されると、
図8(b)に示される第2サンプリング画面G210に遷移する。第2サンプリング画面G210には、単位質量と、推定される被計量物の個数を表示する推定個数表示欄G211が表示される。同図においては、被計量物が1個載せられていることを前提に、単位質量を表示する。指示欄G201には、1個の計量結果とともに、さらに10個以下の被計量物を計量装置に載せ、確定ボタンB207を選択する旨の指示が表示される。また、第2サンプリング画面G210の上部には、サンプリング処理の進捗状況を示す進捗欄G212が表示されている。進捗欄G212は、サンプリング処理が進むにつれ左端から右へ向かって変色し、バーが伸長するように表示される。この構成によれば、サンプリング処理の進捗が視覚的に把握しやすい。
【0041】
図9(a)は、被計量物を3個置いたときの第2サンプリング画面G210の様子を示す。数量チェックアプリは、1個の計量結果に基づいて計量装置に載置された個数を推定し、推定個数表示欄G211に表示する。
図9(b)は、
図9(a)の画面において確定ボタンB207が選択された後に表示される画面の様子を示しており、指示欄G201には、さらに20個以下の被計量物を載せて確定ボタンB207を選択する旨の指示が表示されている。
図9(a)および(b)に示す表示は複数回繰り返され、被計量物の重量の平均およびばらつきが取得される。
【0042】
図10は、サンプリング処理が終了した結果画面G220の様子を示す。進捗欄G212は、バーが欄内の右端まで伸長している。指示欄G201には、被計量物(図中では「品物」と表示されている。)の単位質量と、ばらつきの程度が表示されている。ばらつきの程度は、被計量物の重量の分散値に基づいて段階的に定められる文言であり、例えば「少ない」「多い」「小さい」「大きい」といった文言で表され、感覚的に理解しやすくなっている。ばらつきの程度は、推定個数表示欄G211に「バラツキ少ない」又は「バラツキ多い」のアイコンが点灯することで、計数中は常時表示される。
【0043】
また、一度に計数可能な個数、すなわち安全個数がばらつきに応じて算出され、指示欄G201に表示される。ばらつきが大きいと、多数の被計量物を計数するとき、計数の誤りが起こりうるためである。
【0044】
図11は、計数処理を行う際に表示される計量画面G230を示す。指示欄G201には、数える被計量物を載せる旨の指示が表示される。計量画面G230の中央部には、追加可能個数が表示される追加可能個数欄G231が表示されている。追加可能個数は、安全個数から、現在の推定個数を引いた数である。
【0045】
なお、上述の数量チェックアプリおよびケーキ配合アプリは証明取引外アプリであるので、計量画面G230の左上部にはその旨を示すアイコンG500が常時表示されている。この表示によれば、当該アプリが証明取引外であることが計量中にもすぐに把握でき、当該アプリを誤って証明取引に使用することを防げる。この構成は、定量詰めアプリにおいても同様である。
【0046】
●定量詰めアプリの表示画面
定量詰めアプリは、包装容器等に、定められた所定範囲の重量の被計量物を詰めるためのアプリである。定量詰めアプリは、例えばあらかじめ容器の種類、被計量物の投入重量の範囲、およびその売価が決められている場合に、投入された被計量物の重量を計量する。本例においては、被計量物は、総菜であり、Sサイズ、Mサイズ、Lサイズ等の複数種類の包装容器に詰められて販売されるものを想定している。
【0047】
図3のメニュー画面G100において定量詰めアプリアイコンB300が選択されると、表示部102には
図12(a)に示される定量詰め画面G300が定量詰めアプリにより表示される。重量表示欄G303、ゼロ・安定・風袋引きランプ欄G312、風袋引きボタンB313、ゼロリセットボタンB314、コメント欄G306、およびカテゴリ選択欄G307等が表示されている。重量表示欄G303、ゼロ・安定・風袋引きランプ欄G312、風袋引きボタンB313、ゼロリセットボタンB314およびコメント欄G306は、それぞれケーキ配合アプリにおける重量表示欄G111、ゼロ・安定・風袋引きランプ欄G112、風袋引きボタンB113、ゼロリセットボタンB114、コメント欄G116と同様の機能を有する。カテゴリ選択欄G307は、選択可能な被計量物のカテゴリの名称および画像等が選択可能に表示されている。また、カテゴリ選択欄G307は、スワイプ動作等の適宜の動作により、より複数のカテゴリを表示させることもできる。
【0048】
カテゴリ選択欄G307において被計量物のカテゴリが選択されると、
図12(b)に示す被計量物選択画面G320に遷移する。被計量物選択画面G320には、選択されたカテゴリに含まれる被計量物の種類が画像および文字で表示されている。同図においては、カテゴリ選択欄G307で「総菜」が選択された場合の例を示している。また、大項目「総菜」の中には、小項目として「総菜」および「サラダ」が含まれている。なお、小項目の種類、ならびに被計量物の名称および画像は、それぞれ縦および横スワイプ動作等の適宜の動作により、より複数の被計量物を表示できる。
【0049】
また、被計量物のカテゴリおよび種類を示す情報は、アプリケーションのインストールと共に取得される他、アプリケーションのインストール後に、データ取得部23を介してダウンロード可能である。この構成によれば、計量可能な被計量物を後から追加することができ、利便性が高い。また、被計量物のダウンロードデータには、属するカテゴリ、名称および画像の他、選択可能な包装容器のサイズ、およびサイズごとに投入を要する被計量物の目標値、上限値、および下限値の情報が含まれている。
【0050】
図13(a)は、被計量物選択画面G320で「唐揚げ」が選択された場合に表示される計量画面G330を示している。計量画面G330には、計量する被計量物の種類を表示する被計量物表示欄G321、作成予定の数量を表示する作成数量欄G322が表示されている。作成数量欄G322は、プルダウンメニューになっており、数量を選択可能になっている。
【0051】
また、計量画面G330には、作業進捗を表示する作業進捗欄G323、目標値と上限値および下限値とを示す目標値欄G326、ならびに目標値と計量結果との関係を視覚的に示すインジゲーターG327が表示されている。インジゲーターG327は、目標値、上限値および下限値に基づいて計量結果を視覚的に示す表示であり、インジゲーターG127と同様である。この構成によれば、点灯しているバーの伸縮により適正範囲への調整を感覚的にとらえることができ、適正範囲の計量が容易である。
【0052】
目標値、上限値および下限値は、総菜データに含まれている情報である。また、目標値、上限値および下限値は、包装容器のサイズに対応付けられて記憶されている。計量画面G330において包装容器のサイズを指定するラジオボタンG331で、包装容器のサイズが指定されると、目標値欄G326には、当該サイズに対応付けられている目標値、上限値および下限値が表示される。この構成によれば、作成する製品の容器サイズに応じて、被計量物を適切に計量することができる。また、サイズを指定することで自動的に目標値等が設定されるため、被計量物を投入するユーザにとっても簡便である。
【0053】
また、計量画面G330にはさらに、確定ボタンB328等が表示されている。
【0054】
図13(b)に示すように、被計量物の投入量が適正範囲であるとき、インジゲーターG327は「適正範囲」を示すと共に、コメント欄G316にその旨表示される。また、確定ボタンB328が点灯し、選択可能となる。確定ボタンB328が選択されると、
図14(a)に示す画面に遷移し、コメント欄G316には、次の計量を行うため被計量物を計量装置から降ろすよう案内が表示される。
【0055】
すべての計量が完了し、作業進捗が100%となると、
図14(b)に示すポップアップ画面G340が表示され、前の画面に戻るか、もう一度作業を開始するかを選択することができる。
【0056】
●値付けアプリの表示画面
値付けアプリは、計量された重量に応じて金額を算出するアプリであり、証明取引用アプリの一例である。メニュー画面G100において値付けアプリアイコンB400が選択されると、値付けアプリが起動する。値付けアプリは、
図15に示す計量画面G400を表示部102に表示する。計量画面G400には、例えば、被計量物の重量を示す重量表示欄G401、被計量物表示欄G402、単価欄G403、合計金額欄G404、および印刷ボタンB405等が表示されている。単価欄G403は、被計量物の種類に応じて定められている所定重量当たりの金額、すなわち単価が表示されており、被計量物の設定を変更すると、設定される被計量物に応じて単価の表示も変更される。この構成によれば、複数種類の被計量物の値付けを行う場合にも、被計量物の変更が容易である。合計金額欄G404には、重量と単価とを掛け合わせて算出される金額が表示される。計量装置が印刷装置を有するか、印刷装置と接続されている場合に、印刷ボタンB405が選択されると、少なくとも合計金額が表示されるラベル、又は伝票等が印刷される。
【0057】
●制御装置の機能ブロック
計量装置100は、CPU31などの演算装置、RAM33やROM(Read Only Memory)などの記憶装置を備え、これによりソフトウェア資源として少なくとも、選択部、禁止部、アプリケーション起動部、証明取引判定部、判定表示部、要件判定部および終了部を備える。
【0058】
選択部は、計量装置100にインストールされている複数のアプリケーションのうち、いずれを起動させ、計量の計量画面を表示させるかの選択を受け付ける機能部である。選択部は、表示部102にメニュー画面G100(
図3参照)が表示されている状態において、操作部103によるアイコンの選択を受け付ける。
また、選択部は、アイコンの選択に代えて、スワイプ動作を受け付けて他のアプリに切替可能であってもよい。さらに、計量装置100において複数のアプリケーションを同時に起動しておくことができる構成においては、スワイプ動作を受け付けて起動中の他のアプリに切替可能であってもよいし、所定の操作を契機に起動中のアプリの画面が並べて表示され、そのうちのいずれか1つを選択する動作を受け付けてもよい。このように起動中のアプリを容易に遷移できる構成によれば、複数の計量機能を並行しながら利用できるため、利便性を向上させることができる。
【0059】
禁止部は、アプリケーションの実行中に、選択部が表示するアプリの切替操作を受け付けた際に、当該他のアプリによる計量画面の表示可否を判定し、所定の条件下では当該他のアプリによる計量画面の表示を禁止する機能部である。また、禁止部は、切替操作の受け付け操作自体を無効にしてもよいし、切替操作を受け付けるとエラーを報知してもよい。例えば、禁止部は、実行中のアプリによる計量が開始されている場合、すなわち計量値が計量画面に表示されている場合には、他のアプリによる計量画面の表示を禁止する。この構成によれば、操作途中に誤って他のアプリを起動してしまい、操作者が混乱することを防ぐことができる。
【0060】
アプリケーション起動部は、選択部により選択されたアプリケーションを起動する機能部である。
【0061】
判定部の例である証明取引判定部は、選択部により選択されたアプリケーションが、計量画面の情報を証明取引に利用できるアプリケーションか否かを判定する機能部である。判定表示部は、記憶装置に記憶されている証明取引利用可否テーブル(
図17参照)を参照し、証明取引利用が可能なアプリケーション、すなわち取引証明用アプリと、証明取引利用が不可能なアプリケーション、すなわち証明取引外アプリとで、表示態様を異ならせる。
なお、本説明において、「証明取引」とは、証明行為および取引行為を含むものとして説明した。ただし、本発明は証明行為および取引行為の少なくともいずれかを含めばよい。証明取引利用可否テーブルは、証明に対する利用可否と、取引に対する利用可否の少なくともいずれかを含む。証明取引判定部は、証明に利用できるか否かを判定する、又は、取引に利用できるか否かを判定する。判定表示部は、証明取引用アプリと、取引にのみ利用できる取引用アプリと、証明にのみ利用できる証明用アプリと、証明取引外アプリとで、表示態様を異ならせてもよい。
【0062】
例えば、判定表示部は、取引証明用アプリと証明取引外アプリのうち、起動時に、一方のみで注意を喚起するメッセージを表示させてもよい。具体的には、
図16に示されるように、メニュー画面G100において証明取引外アプリのアイコンを選択すると、「証明・取引外アプリ」である旨のポップアップ画面G600が表示され、前の画面に戻るか、アプリを起動するかを選択可能としてもよい。
【0063】
また、判定表示部は、アプリの実行中に表示される画面において、証明取引用アプリか否かを区別する表示をしてもよい。例えば、各証明取引外アプリは、判定表示手段の別の例として、表示部102に表示させる各画面に、「取引証明外」とのアイコンを表示してもよい。
図4乃至
図14の例においては、画面の左上部に略矩形の取引証明外アイコンG500が表示されている。この構成によれば、計量中においても当該計量結果を証明取引に利用できるか否かが明確である。
【0064】
要件判定部は、データ取得部23を通じてインストールされるアプリケーションの制御のために計量装置100に必要とされる証明取引利用可否又は精度等級を含む制御要件と、計量装置100の証明取引利用可否又は精度等級と、を比較する機能部である。要件判定部は、アプリケーションのインストール命令が入力されたとき、アプリケーションのダウンロード開始時、又はダウンロード完了後であって実行可能に処理を行う前に、上述の比較を行う。
【0065】
要件判定部は、
図17に示す証明取引利用可否テーブルを参照し、インストールされるアプリケーションの証明取引利用可否および精度等級を取得する。同図の例では、インストールされるアプリケーションが証明取引外アプリである場合には、計量装置100の証明取引の利用可否に関わらず当該アプリケーションの実行ができる。インストールされるアプリケーションが証明取引用アプリである場合、計量装置100が証明取引可能な装置である場合であって、その精度等級がインストールされるアプリケーションが要求する精度等級と同等以上の場合には、当該アプリケーションの実行ができる。例えば、計量装置100が証明取引用はかりであり、精度等級3の能力を持つ場合、「値付け」アプリはダウンロードおよび実行ができるが、「薬調合」アプリは実行することができない。
【0066】
上述の例は、計量装置100が実現できる精度等級はハードウェア構成に依存してある程度定まることを前提にしている。ただし、アプリケーションの処理又は制御装置内の演算装置のアップデート等により計量装置100の精度等級を向上できることが見込める場合には、上述の例に限らず、計量装置100の精度等級を超える等級が必要なアプリケーションを実行可能としてもよい。このとき、当該アプリを実行するために必要な操作、例えば演算装置のアップデートを促す表示を行ってもよい。また、例えば演算装置のアップデートにより、アプリケーションごとの利用可否が変更される場合には、証明取引利用可否テーブルを書き換えてもよい。また、計量装置100が計量法に定める検定を新たに取得したり、異なる精度等級を取得したりした場合に、証明取引利用可否テーブルを書き換えてもよい。
【0067】
また、要件判定部は、各アプリケーションの追加可否を、あらかじめ証明取引利用可否テーブルに格納してもよい。この場合、要件判定部は、アプリケーションをインストールしようとする際等に、当該追加可否の列を参照して、アプリケーションの追加可否を判定する。要件判定手段は、前記計量装置が前記制御要件を満たしていない場合、計量装置における当該アプリケーションの実行を禁止する。要件判定部は、アプリケーションのダウンロード自体を禁止することで実行を行わせないようにしてもよいし、ダウンロードは許可するものの、インストール又はインストール後の実行を禁止するものとしてもよい。アプリケーションの追加可否の結果は、適宜の態様で表示部102に表示される。この構成によれば、証明取引および精度等級の観点で、適切に使用可能なアプリケーションのみを確実に実行可能とできるので、証明取引に利用できない計量装置であるにも関わらず、証明取引用アプリを実行してしまう等の、不適切な使用を防ぐことができる。
【0068】
なお、インストールされるアプリケーションは、計量装置100の計量部21において取得される計量結果を所定の表示態様で表示する表示手段であり、アプリケーション自体が計量値の算出処理を行うものではない。仮に、インストールされるアプリケーションが計量値の算出処理を行うものとすると、同等級の証明取引用アプリをインストールする場合であっても、インストールの度に再度検定の取得が必要となり、煩雑である。これに対し、計量値の算出処理は計量部21のみが行い、表示処理はインストールされるアプリケーションが行う構成によれば、アプリケーションのインストールに伴って再検定を取得する必要がない。したがって、本構成によれば、証明取引用アプリの追加が簡便である。なお、本発明の技術的思想はこの構成に限定されるものではなく、アプリケーションが計量値の算出処理の一部を行ってもよい。
【0069】
終了部は、起動されているアプリケーションにより表示されている計量画面を終了する機能部である。終了部は、
図4乃至15において各計量画面上に表示される終了ボタンB600が選択されると、画面表示を終了する。このとき、終了部は、作業途中の情報を削除し、アプリケーションの実行を終了してもよいし、作業途中の情報の少なくとも一部を記憶し、アプリケーションを起動したまま保留状態にしてもよい。終了部は、アプリケーションを終了するか保留状態にするかを選んで入力可能であってもよい。終了部は、他のアプリが起動しているかを判別し、他のアプリが起動していない場合には
図3のメニュー画面に遷移させる。終了部は、他のアプリが起動している場合には起動中のアプリが一括で確認できる選択画面を表示する。なお、終了部が操作を受け付ける構成は終了ボタンB600に限られず、あらかじめ定められた所定の操作により、各計量画面の表示の終了、アプリケーションの終了、およびアプリケーションの保留が可能であってよい。
【0070】
●アプリの追加可否を決定する処理フロー
図18を用いて、計量装置100にアプリケーションの追加可否を判定する処理フローの1例を説明する。まず、計量装置100の検定状況、すなわち、検定の有無および精度等級を取得する(S1)。また、インストールしようとするアプリケーションの制御要件を取得する(S2)。ステップS1およびS2は順不同であり、同時に行われてもよい。
【0071】
次いで、計量装置100に付されている精度等級がアプリケーションの制御要件以上か否かを判定する(S3)。なお、この判定は、
図17に示す取引証明可否テーブルを参照して行ってよい。計量装置100の精度等級が当該アプリケーションの制御要件以上であるとき、アプリの追加を許可する(S4)。計量装置100の精度等級が当該アプリケーションの制御要件未満、すなわち制御要件を満たさないとき、アプリの追加を禁止する(S5)。ステップS4およびS5において、判定結果を、例えば表示部に表示することによりユーザに報知してもよい。
【0072】
また、計量装置100は、ラベルプリンタを内蔵または外部接続していても良い。
この場合、アプリケーション毎に求める計量結果が異なるため、出力されるラベルの印字内容や印字フォーマットもアプリケーションに依存する。また、当該ラベルプリンタに利用されるラベルは予め定型サイズのラベル用意されたタイプではなく、連続紙のタイプが理想的である。連続紙の場合には、印字内容に応じて自由に長さを決定し、その長さのラベルを発行することができるため、定型ラベルに比べ自由度が上がる。複数のアプリケーションを併用できる本願計量装置では、連続紙タイプのラベルが効果が高い。すなわち、連続紙タイプのラベルを使用するラベルプリンタにより、アプリケーションごとに異なる長さのラベルを印刷してもよい。いわゆる台紙なしラベルの多くは連続紙タイプとなっている。
【0073】
配合アプリでは、各材料の計量が終わる都度ラベルを印刷し、作業進捗をその材料と共に残すことができる。
数量チェックアプリでは、商品名や数量やその際の重量、単位重量、ばらつきが少ないとされる上限すなわち安全個数(
図10の場合、56個)等を計量結果として印刷することができる。
【0074】
定量詰めアプリにおいては、定量詰めの対象となった商品名称やおおよその内容量、当該定量詰め袋の値段(定量詰めの場合は、計量結果に基づかず利用された袋サイズ等で値段を決定)等の文字情報と共に、これらの文字情報をバーコード化しラベルに印刷する。POSレジスタ等で読み取り可能なバーコードを印刷することで、そのまま店舗販売をすることができる。POSで読み取れる情報を印刷する必要があるため、POSレジスタが設置された店舗システム(いわゆるストアコントローラ―)等と当該計量装置、ラベルプリンタはネットワーク接続されているとより、利便性が高まる。
【0075】
値付けアプリにおいても、上記同様、スーパー等の店舗システムと接続されていることで利便性を向上することができる。これらシステムから取得した商品名称や重量当たりの金額等の情報を用い、計量結果と共に料金を算出しこれをラベルに印刷することができる。
【0076】
また、いずれのアプリケーションにおいても、ラベルを印刷するタイミングは自由に設定することができる。例えば、物品を計量部に載せ、計量値が安定するとラベル印刷可能と判断し、ラベル印刷用ボタンが表示され、操作者は当該ボタンを押下することで任意のラベルを印刷することができる。または、計量値が安定するとラベル印刷可能と判断し、自動的にラベルを印刷する制御も行うことができる。この構成によれば、操作者によるボタンの押下等の操作が不要になり、一層利便性が高い。
【0077】
以上のように、本発明に係る計量装置は、アプリケーション毎に表示態様が異なることはもちろんのこと、夫々のアプリケーションに応じた印刷態様、印刷制御とすることができる。
【0078】
なお、本発明に係る計量装置の技術的思想は、上述の構成に限らず、計量機能を有する他の装置にも適用可能である。例えば、商品に貼付するラベルを印刷して貼付するラベル貼付装置、計量と共に商品の値段を決定する計量値付装置、および計量と共に商品の包装を行う包装装置にも適用可能である。
【0079】
●実施形態総括
【0080】
本発明は、計量装置、および計量装置の制御プログラムに関する。
【0081】
商品やその材料等の重量を計量する計量装置が知られている。
【0082】
先行技術文献として特許5847141号公報がある。しかしながら、特許文献1記載の電子秤装置は、動作モードの切替を行うものであり、計量装置の用途は限られているため、使い勝手が悪かった。
【0083】
そこで本発明は、用途に応じてアプリケーションを切替可能な計量装置を提供することを目的の一つとする。
【0084】
上記目的を達成するため、本発明の一の観点に係る計量装置は、物品を計量する計量手段と、前記計量手段による計量結果を第1の態様で表示する第1計量画面を生成し、前記第1計量画面を表示部に表示させる第1表示手段と、前記計量結果を第2の態様で表示する第2計量画面を生成し、前記第2計量画面を前記表示部に表示させる第2表示手段と、前記第1表示手段および前記第2表示手段のいずれにより表示させるかの選択を受け付ける選択手段と、を備える。
【0085】
前記計量画面の情報を証明に利用できるか否かを、前記表示手段ごとに記憶する記憶手段と、前記選択手段による選択結果と、前記記憶手段に記憶される情報とに基づいて、前記計量画面の情報を証明に利用できるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果を表示する判定表示手段と、をさらに備えるものとしてもよい。
【0086】
前記計量画面の情報を取引に利用できるか否かを、前記表示手段ごとに記憶する記憶手段と、前記選択手段による選択結果と、前記記憶手段に記憶される情報とに基づいて、前記計量画面の情報を取引に利用できるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果を表示する判定表示手段と、をさらに備えるものとしてもよい。
【0087】
前記計量手段による計量結果を、第3の態様で前記表示部に表示させる第3表示手段を取得するデータ取得部をさらに備えるものとしてもよい。
【0088】
前記第3表示手段の制御のために前記計量装置に必要とされる要件を比較する要件判定手段をさらに備え、前記要件判定手段は、前記計量装置が前記要件を満たしていない場合、前記計量装置における前記第3表示手段の実行を禁止するものとしてもよい。
【0089】
前記選択手段により選択された前記計量画面を終了する終了手段を更に備えるものとしてもよい。
【0090】
前記第1表示手段又は前記第2表示手段による計量画面の表示を禁止する禁止手段を更に備えるものとしてもよい。
【0091】
上記目的を達成するため、本発明の一の観点に係る計量装置の制御プログラムは、物品を計量する計量命令と、前記計量命令により得られる計量結果を、第1の態様で表示する第1計量画面を生成し、前記第1計量画面を表示部に表示させる第1表示命令と、前記計量結果を第2の態様で表示する第2計量画面を生成し、前記第2計量画面を前記表示部に表示させる第2表示命令と、前記第1表示命令および前記第2表示命令のいずれにより計量画面を表示させるかの選択を受け付ける選択命令と、をコンピュータにより実行させる。
なお、コンピュータプログラムは、インターネット等のネットワークを介したダウンロードによって提供したり、CD-ROMなどのコンピュータ読取可能な各種の記録媒体に記録して提供したりすることができる。
【0092】
用途に応じてアプリケーションを切替可能な計量装置を提供できる。
【符号の説明】
【0093】
100 計量装置
102 表示部
G100 メニュー画面
G120 ケーキ配合アプリの計量画面
G230 数量チェックアプリの計量画面
G330 定量詰めアプリの計量画面
G400 値付けアプリの計量画面
【手続補正書】
【提出日】2024-06-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を計量する計量手段と、
前記計量手段による計量結果を第1の態様で表示する第1計量画面を生成し、前記第1計量画面を表示部に表示させる第1表示手段と、
前記計量結果を第2の態様で表示する第2計量画面を生成し、前記第2計量画面を前記表示部に表示させる第2表示手段と、
前記第1表示手段および前記第2表示手段のいずれにより計量画面を表示させるかの選択を受け付ける選択手段と、
を備え、
前記第1表示手段は、前記選択手段による選択操作に基づいて、前記計量画面の情報を取引に利用できない旨を表示する、
計量装置。
【請求項2】
前記計量手段による計量結果を、第3の態様で前記表示部に表示させる第3表示手段を取得するデータ取得部をさらに備える、請求項1記載の計量装置。
【請求項3】
前記第1表示手段は、前記計量手段による計量状況にかかわらず、前記取引に利用できない旨を表示する、請求項1または2に記載の計量装置。
【請求項4】
物品を計量する計量命令と、
前記計量命令により得られる計量結果を、第1の態様で表示する第1計量画面を生成し、前記第1計量画面を表示部に表示させる第1表示命令と、
前記計量結果を第2の態様で表示する第2計量画面を生成し、前記第2計量画面を前記表示部に表示させる第2表示命令と、
前記第1表示命令および前記第2表示命令のいずれにより計量画面を表示させるかの選択を受け付ける選択命令と、
をコンピュータにより実行させ、
前記第1表示命令では、前記選択命令により受け付ける選択操作に基づいて、前記計量画面の情報を取引に利用できない旨を表示する、
計量装置の制御プログラム。