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特開2024-10589配送ラベル用原反を作製するための加圧ロール、およびそれを用いた配送ラベル用原反の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010589
(43)【公開日】2024-01-24
(54)【発明の名称】配送ラベル用原反を作製するための加圧ロール、およびそれを用いた配送ラベル用原反の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B31D 1/02 20060101AFI20240117BHJP
   B42D 11/00 20060101ALI20240117BHJP
   G09F 3/10 20060101ALI20240117BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20240117BHJP
【FI】
B31D1/02
B42D11/00 E
G09F3/10 A
B32B27/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022112011
(22)【出願日】2022-07-12
(71)【出願人】
【識別番号】000166649
【氏名又は名称】五洋紙工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100182084
【弁理士】
【氏名又は名称】中道 佳博
(74)【代理人】
【識別番号】100076820
【弁理士】
【氏名又は名称】伊丹 健次
(72)【発明者】
【氏名】森田 佳邦
(72)【発明者】
【氏名】白川 千尋
【テーマコード(参考)】
3E075
4F100
【Fターム(参考)】
3E075AA07
3E075BA83
3E075CA02
3E075DB22
3E075EA01
3E075GA02
4F100AK01A
4F100AK01B
4F100AT00A
4F100BA03
4F100BA07
4F100BA42C
4F100CB00C
4F100DG10A
4F100EJ19
4F100EJ39
4F100JB16B
4F100JK06C
4F100JL14C
4F100YY00C
(57)【要約】
【課題】 剥離の際に基材層を容易につまむことができ、剥離した基材層の破損や変形を防止することのできる配送ラベル用原反を作製するための加圧ロール、およびそれを用いた配送ラベル用原反の製造方法を提供すること。
【解決手段】 本発明の加圧ロールは、配送ラベル用原反を作製するためのものであり、軸周りに回転可能なロール本体を備える。ロール本体のロール面は、凸状の強接着部分形成部および凹状の易剥離部分形成部を含み、凹状の易剥離部分形成部は軸周りと平行および/または垂直な方向に沿って設けられている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配送ラベル用原反を作製するための加圧ロールであって、
軸周りに沿って配置された基部と、該基部を覆って配置された被覆部とを有するロール本体を備え、
該被覆部が、易剥離部分形成部および強接着部分形成部から構成されるロール面を有し、
該易剥離部分形成部が該軸周りと平行および/または垂直な方向に沿って設けられている、加圧ロール。
【請求項2】
前記易剥離部分形成部が、前記ロール面上に前記軸周りと平行および/または垂直な方向に沿って少なくとも2つ設けられている、請求項1に記載の加圧ロール。
【請求項3】
前記易剥離部分形成部内に微細な凹凸部分が設けられている、請求項1に記載の加圧ロール。
【請求項4】
前記凹凸部分が、前記易剥離部分形成部内に均一に分布して設けられている、請求項3に記載の加圧ロール。
【請求項5】
配送ラベル用原反の作製方法であって、基材層および熱可塑性樹脂層を請求項1から4のいずれかに記載の加圧ロールを用いて積層する工程を含む、方法。
【請求項6】
基材層と熱可塑性樹脂層とを含みかつ平行な2つの縁部を有する、配送ラベル用原反であって、
該基材層と該熱可塑性樹脂層との間の接着強度が異なる強接着部分と易剥離部分とを備え、
該易剥離部分が、該縁部と平行および/または垂直な方向に沿って配置されている、配送ラベル用原反。
【請求項7】
前記易剥離部分が前記縁部と平行および/または垂直な方向に沿って少なくとも2つ設けられている、請求項6に記載の配送ラベル用原反。
【請求項8】
前記強接着部分の前記接着強度と前記易剥離部分の該接着強度との差が180mN/50mm~950mN/50mmである、請求項6または7に記載の配送ラベル用原反。
【請求項9】
基材層と熱可塑性樹脂層とを含む矩形の配送ラベルであって、
該基材層と該熱可塑性樹脂層との間の接着強度が異なる強接着部分と易剥離部分とを備え、
該易剥離部分が、該矩形の少なくとも1つの辺を含む面により形成されている、配送ラベル。
【請求項10】
前記強接着部分の前記接着強度と前記易剥離部分の該接着強度との差が180mN/50mm~950mN/50mmである、請求項9に記載の配送ラベル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配送ラベル用原反を作製するための加圧ロール、およびそれを用いた配送ラベル用原反の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットを介した通信販売ビジネスの躍進に伴って、国内外を流通する配送用荷物が急増している。配送ドライバーは、より多くの荷物をより短期間で効率良く送り先に届けることが求められている。そのため、近年では、個々の荷物に貼り付けられる伝票用紙にも多くの工夫が施されている。
【0003】
例えば、特許文献1および2は、基材に対して接着剤層を介して剥離可能に伝票用紙が接着された伝票を開示している。これらの伝票には、伝票用紙のうち、剥離される用紙部分の角部に接着剤層が形成されていない「接着剤層抜き領域」が設けられ、これを剥離開始部とすることが提案されている。しかし、これらの伝票は、接着剤層が設けられた領域と接着剤層抜き領域との間の境界部分での接着強度の落差が大きく、伝票用紙を剥離する際に当該用紙が破損または変形することがある。
【0004】
特許文献3は、基材層と樹脂層との間で、強接着部分と非接着または弱接着部分とが混在する易剥離性ラベルを記載している。しかし、このようなラベルでは、配送ドライバーが剥離する際のつまみ易い樹脂層の領域を確保するために、強接着部分と非接着または弱接着部分との混在状態の一部を変更する等の追加の操作が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015-112804号公報
【特許文献2】特開2015-112860号公報
【特許文献3】特開2018-124450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記問題の解決を課題とするものであり、その目的とするところは、剥離の際に基材層を容易につまむことができ、剥離した基材層の破損や変形を防止することのできる配送ラベル用原反を作製するための加圧ロール、およびそれを用いた配送ラベル用原反の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、配送ラベル用原反を作製するための加圧ロールであって、
軸周りに沿って配置された基部と、該基部を覆って配置された被覆部とを有するロール本体を備え、
該被覆部が、易剥離部分形成部および強接着部分形成部から構成されるロール面を有し、
該易剥離部分形成部が該軸周りと平行および/または垂直な方向に沿って設けられている、加圧ロールである。
【0008】
1つの実施形態では、上記易剥離部分形成部は、上記ロール面上に上記軸周りと平行および/または垂直な方向に沿って少なくとも2つ設けられている。
【0009】
1つの実施形態では、上記易剥離部分形成部内に微細な凹凸部分が設けられている。
【0010】
さらなる実施形態では、上記凹凸部分は、上記易剥離部分形成部内に均一に分布して設けられている。
【0011】
本発明はまた、配送ラベル用原反の作製方法であって、基材層および熱可塑性樹脂層を、上記加圧ロールを用いて積層する工程を含む、方法である。
【0012】
本発明はまた、基材層と熱可塑性樹脂層とを含みかつ平行な2つの縁部を有する、配送ラベル用原反であって、
該基材層と該熱可塑性樹脂層との間の接着強度が異なる強接着部分と易剥離部分とを備え、
該易剥離部分が、該縁部と平行および/または垂直な方向に沿って配置されている、配送ラベル用原反である。
【0013】
1つの実施形態では、上記易剥離部分は上記縁部と平行および/または垂直な方向に沿って少なくとも2つ設けられている。
【0014】
1つの実施形態では、上記強接着部分の上記接着強度と上記易剥離部分の該接着強度との差は180mN/50mm~950mN/50mmである。
【0015】
本発明はまた、基材層と熱可塑性樹脂層とを含む矩形の配送ラベルであって、
該基材層と該熱可塑性樹脂層との間の接着強度が異なる強接着部分と易剥離部分とを備え、
該易剥離部分が、該矩形の少なくとも1つの辺を含む面により形成されている、配送ラベルである。
【0016】
1つの実施形態では、上記強接着部分の上記接着強度と上記易剥離部分の該接着強度との差は180mN/50mm~950mN/50mmである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、剥離の際に基材層をつまみ易く、剥離後の基材層のカールの発生を抑えることができる。また剥離自体も容易に行うことができる。このため、配送ラベルは、例えば配送人による宅配または配送用荷物の配送に関連する業務負担を低減し得る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の加圧ロールの一例を示す当該ロールの斜視図である。
図2】(a)は図1に示す加圧ロールの軸方向断面図であり、(b)は(a)に示す加圧ロールのA-A方向断面図であり、(c)は(a)に示す加圧ロールのB-B断面図である。
図3】(a)は、図1に示す加圧ロールのロール面における易剥離部分形成部および強接着部分形成部の部分拡大図であり、(b)は、易剥離部分形成部内に設けられた微細な凹凸部分の一例を示す部分拡大図である。
図4図1に示す加圧ロールのロール面を構成する易剥離部分形成部(a)に対して、種々の微細な凹凸部分が設けられた易剥離部分形成の例((b)~(f))を示す模式図である。
図5】本発明の加圧ロールの他の例を示す当該ロールの斜視図である。
図6】(a)は図5に示す加圧ロールの軸方向断面図であり、(b)は(a)に示す加圧ロールのA’-A’方向断面図である。
図7】本発明の加圧ロールのさらに別の例を示す当該ロールの斜視図である。
図8】(a)は図7に示す加圧ロールの軸方向断面図であり、(b)は(a)に示す加圧ロールのA”-A”方向断面図であり、(c)は(a)に示す加圧ロールのB”-B”断面図である。
図9】本発明の加圧ロールを用いた配送ラベル用原反の作製装置の一例を示す模式図である。
図10】(a)は本発明の配送ラベル用原反を構成する第1の積層体の一例を示す当該積層体の断面図であり、(b)は本発明の配送ラベル用原反を構成する剥離層の一例を示す当該剥離層の断面図であり、(c)は、(a)に示す第1の積層体と(b)に示す剥離層とを積層して得られる配送ラベル用原反の断面図である。
図11図2の(a)に示す加圧ロールと、それを用いて得られる配送ラベル用原反における易剥離部分および強接着部分の配置との関係を示す模式図である。
図12】(a)は図11の配送ラベル用原反から得られた配送ラベルの一例を示す模式図であり、(b)は、(a)に示す配送ラベルから基材層の一部を剥離する様子を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明を添付の図面を参照して説明する。なお、以下のすべての図面に共通して同様の参照番号を付した構成は、他の図面に示したものと同様である。
【0020】
(加圧ロール)
図1に示すように、本発明の加圧ロール100はロール本体102を備える。
【0021】
ロール本体102は、図1に示すような軸104周りに回転可能となるように配置されている。ロール本体102は、軸104周りから外周に向かって、好ましくは複数の層状の構造体で構成されており、より好ましくは基部106および被覆部108を備える。
【0022】
基部106は、軸104周りに沿って配置されており、当該軸104方向に対してロール本体102の最も軸心付近に位置する部分である。基部106は、例えば高剛性の材料で構成されている。基部106を構成し得る材料は、例えば天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、エピクロロヒドリンゴム、フッ素ゴム、エチレン・プロピレンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴムなどのゴム;スチール、ステンレススチール、アルミニウム合金、ハステロイなどの金属;ポリアセタール樹脂などの樹脂;炭素繊維、繊維強化プラスチック(FRP)などの繊維または繊維強化複合材料;ならびにそれらの組み合わせ;が挙げられる。例えば、ロール本体102を構成する材料にステンレススチールが使用される場合、耐久性および/または防腐性を高めるために表面にクロムメッキなどの表面処理が施されていてもよい。
【0023】
被覆部108は、基部106の外側を覆って配置されており、上記ロール本体102のうち最外周を構成する。被覆部108は、易剥離部分形成部110および強接着部分形成部112から構成されるロール面114を有する。ここで、易剥離部分形成部110は、加圧ロール100において、後述する配送ラベル用原反および配送ラベルを作製する際に当該配送ラベル用原反および配送ラベルの易剥離部分を形成することができる部分である。強接着部分形成部112は、当該配送ラベル用原反および配送ラベルの強接着部分を形成することができる部分である。
【0024】
図1において、易剥離部分形成部110は軸104の周りと平行な方向に沿って設けられている。ロール面114に設けられている易剥離部分形成部110の数は必ずしも限定されないが、例えば、このような加圧ロールを用いて得られる配送ラベル用原反からの複数の配送ラベルの作製が所望されていることを考慮すると、易剥離部分形成部110はロール面114において少なくとも2つ設けられていることが好ましい。ロール面114に複数の易剥離部分形成部110が設けられる場合、同一サイズの配送ラベルを大量に作製できるとの理由から、1つの易剥離部分形成部110とその隣の易剥離部分形成分110との間隔は略均等であることが好ましい。
【0025】
さらに、加圧ロール100では、1つの易剥離部分形成部110と、その隣の易剥離部分形成部110との間には、1つの強接着部分形成部112が配置されている。このため、図1において、強接着部分形成部112もまた軸104の周りに設けられている。ロール面114を構成する強接着部分形成部112の数は必ずしも限定されないが、例えば、このような加圧ロールを用いて得られる配送ラベル用原反からの複数の配送ラベルの作製が所望されていることを考慮すると、強接着部分形成部112はロール面114において少なくとも2つ設けられていることが好ましい。
【0026】
図2は、図1に示す加圧ロール100の断面図である。
【0027】
図2の(a)に示すように、ロール本体102を構成する基部106は内側表面が軸104と接しており、被覆部108は基部106の外側表面を覆うように配置されている。ここで、図2の(a)では、被覆部108の内側表面が基部106の外側表面と直接接するように記載されているが、本発明はこのような構成のみに限定されない。例えば、基部106の外側表面と、被覆部108の内側表面との間には図示しない1つまたはそれ以上の中間層が設けられていてもよい。中間層は、例えば当該技術分野において公知の接着剤を含有する接着層であってもよく、外部からの押圧を吸収かつ緩和して基部106や軸104への応力を低減するための緩衝層であってもよく、あるいはこれらの組み合わせであってもよい。
【0028】
図2の(a)において、被覆部108には、強接着部分形成部112内に所定の間隔をあけて設けられた複数の溝116が設けられており、当該溝116に易剥離部分形成部110が配置されている。図2の(a)において溝116は台形の断面形状を有しているが、特に限定されず、易剥離部分形成部110の一部が外部に露出し、強接着部分形成部112の一部と一緒になってロール面114を構成する限りにおいて、矩形、三角形、半円形、半楕円形、その他任意の幾何学的形状のいずれの断面形状を有していてもよい。
【0029】
図2の(a)におけるA-A方向断面では、軸104の周りに基部106、強接着部分形成部112および易剥離部分形成部110がこの順で積層されている(図2の(b))。これに対し、図2の(a)におけるB-B方向断面では、軸1204の周りに基部106および強接着部分形成部112がこの順で積層されている(図2の(c))。加圧ロール100がこのような構成を有することにより、ロール面114は、軸106の長さ方向において、易剥離部分形成部110と接触可能な部分(面)、および強接着部分形成部112と接触可能な部分(面)を構成する。
【0030】
加圧ロール100の大きさは、所望される配送ラベル用原反の大きさに依存して設定されるため特に限定されない。加圧ロール100の軸104方向の長さは、例えば800mm~2200mmである。ロール本体102の直径もまた特に限定されないが、例えば100mm~400mmである。被覆部108の全体厚み(すなわち、強接着部分形成部112の厚み)および溝116の幅および深さ(すなわち、易剥離部分形成部110の幅および厚み)は、例えば、易剥離部分形成部110および強接着部分形成部112に使用する材料によって変動するため特に限定されず、適切な長さが当業者によって適宜選択され得る。
【0031】
被覆部108を構成する材料は、例えば非架橋または架橋されたゴムである。このようなゴムとしては、例えば、低硬度ゴム(JIS K6253によるデュロメータA試験(以下、単に「デュロメータA試験」ということがある)による表面硬度が1~20のゴム);一般硬度ゴム(デュロメータA試験による表面硬度が30~70のゴム);および高硬度ゴム(デュロメータA試験による表面硬度が80~90のゴム);が挙げられる。
【0032】
被覆部108を構成する材料のさらに具体的な例としては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、エピクロロヒドリンゴム、フッ素ゴム、エチレン・プロピレンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、およびそれらの組み合わせが挙げられる。特に耐摩耗性、耐オゾン性および耐薬品性に優れているとの理由から、クロロプレンゴムおよびクロロスルホン化ポリエチレンゴムが好ましく、クロロスルホン化ポリエチレンゴムがさらに好ましい。
【0033】
被覆部108を構成する材料は、上記ゴムの種類、ゴムの加工の際に添加される加硫促進剤の量、および加硫の際に付与される温度(加硫温度)、ならびにそれらの組み合わせによって、それらの硬さ(例えば、表面硬度)を変動できる。
【0034】
使用され得る加硫促進剤の例としては、ジ-2-ベンゾチアゾリルスルフィドおよびジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。なお、加硫促進剤に加えて当業者に公知の加硫助剤が一緒に使用されてもよい。被覆部108の構成材料に含有され得る加硫促進剤および加硫助剤の含有量は、特に限定されず、当業者によって任意の量が選択され得る。
【0035】
採用され得る加硫温度としては、好ましくは130℃~180℃、より好ましくは140℃~170℃である。加硫温度が130℃を下回ると、上記加硫促進剤の存在下であってもゴムの架橋は効率良く進まず、十分な表面稿を有する基部や被覆部が得られないことがある。加硫温度が180℃を上回ると、被覆部が硬くなりすぎてクラックが生じることがある。
【0036】
被覆部108の構成材料はまた、上述したようなゴム、加硫促進剤および加硫助剤に加えて、それらの耐熱性、耐摩耗性および/または被覆部108の表面硬度、を損なわない範囲において他の添加剤を含有していてもよい。
【0037】
このような他の添加剤の例としては、必ずしも限定されないが、紫外線吸収剤(例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤および/またはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤);帯電防止剤(例えば、アニオン系活性剤、カチオン系活性剤、非イオン系活性剤、および/または両性活性剤);透明化剤(例えば、カルボン酸金属塩、ソルビトール類、および/またはリン酸エステル金属塩類);滑剤(例えば、炭化水素系滑剤、脂肪酸系滑剤、高級アルコール系滑剤、脂肪酸アミド系滑剤、金属石ケン系滑剤、および/またはエステル系滑剤);難燃剤(例えば、有機系難燃剤および/または無機系難燃剤);および可塑剤(例えば、エポキシ化植物油、フタル酸エステル類、および/またはポリエステル系可塑剤);ならびにそれらの組み合わせ;が挙げられる。被覆部108を構成する材料に含有され得る上記他の添加剤の含有量は、特に限定されず、当業者によって任意の量が選択され得る。
【0038】
なお、本発明では、被覆部108における易剥離部分形成部110と強接着部分形成部112とがそれぞれ独立した表面硬度を有していることが好ましく、両者の間に所定範囲の表面硬度の差があることがさらに好ましい。易剥離部分形成部110および強接着部分形成部112の各表面硬度がこのような関係を有していることにより、本発明の加圧ロール100を用いて作製される配送ラベル用原反に対して、同一の原反内に剥離強度の異なる易剥離部分および強接着部分を設けることができる。
【0039】
ここで、易剥離部分形成部110のデュロメータA試験による表面硬度(Ihk)は、好ましくは5~80、より好ましくは10~75である。易剥離部分形成部110の表面硬度(Ihk)が80を上回ると、この部分が掴みにくくなり、この部分を起点として剥離を開始しづらくなることがある。
【0040】
一方、強接着部分形成部112のデュロメータA試験による表面硬度(Khk)は、好ましくは70~100、より好ましくは70~90である。強接着部分形成部112の表面硬度(Khk)が70を下回ると、得られる配送ラベルの易剥離部分と強接着部分との間の性質の差異が小さくなることがある。強接着部分形成部112の表面硬度(Khk)が100を上回ると、得られる配送ラベルの強接着部分の剥離が重たくなり、剥離の際に当該ラベルが破れることがある。
【0041】
また、本発明においては、易剥離部分形成部110の表面硬度(Ihk)が強接着部分形成部112の表面硬度(Khk)よりも小さくなる(Ihk<Khk)ように設計されていることが好ましい。このよう表面硬度がIhk<Khkの関係を満たしていることにより、作製される後述の配送ラベルの易剥離部分は加圧ロール100の易剥離部分形成部110を通じて形成され、当該ラベルの強接着部分は加圧ロール100の強接着部分形成部112を通じて形成することができる。
【0042】
さらに、本発明においては、強接着部分形成部112の表面硬度(Khk)と易剥離部分形成部110の表面硬度(Ihk)との差(Khk-Ihk)が、好ましくは10~40、より好ましくは15~35である。当該差(Khk-Ihk)が10を下回ると、作製される後述の配送ラベルにおける易剥離部分と強接着部分との間の剥離強度の差異が小さくなり、配送ラベルから基材を剥離する際に、剥離した基材の破損や変形を生じることがある。当該差(Khk-Ihk)が40を上回ると、例えば、得られた配送ラベルを配送商品に貼着して配送した際、易剥離部分を通じて基材を剥離しようとすると、基材に大きなひずみがかかり、破れまたは所望でないカールを発生することがある。
【0043】
ここで、図1に示す加圧ロール100では、ロール本体102の被覆部108を構成する易剥離部分形成部110および強接着部分形成部112がそれぞれ均一な面を形成し、易剥離部分形成部110を構成する面と、強接着部分形成部112を構成する面との間には段差が実質的には生じないように設計されている(図3の(a))。
【0044】
これに対し、本発明では、図3の(b)に示すように、易剥離部分形成部110’が微細な凹凸を有していてもよい。
【0045】
図3の(b)に示す易剥離部分形成部110’は、2つの強接着部分形成部112の間に設けられている点では、図1および図3の(a)に示す易剥離部分形成部110と同様である。一方、易剥離部分形成部110’は、均一な外側表面を有しておらず、むしろ複数の矩形に区切られた凸状部132と、複数の矩形に区切られた凹状部134との組み合わせによって凹凸を有する外側表面から形成されている点で図3の(a)に示す易剥離部分形成部110とは異なっている。
【0046】
ここで、図3の(b)において、例えば、易剥離部分形成部110’を構成する凸状部132は、強接着部分形成部112の構成面との間で段差がなく、両者は略均一な面を形成し得る。
【0047】
一方、易剥離部分形成部110’に含まれる凹状部134の外側表面は、強接着部分形成部112を構成する面よりも段差dに相当する長さ分が低く凹んでおり、当該強接着部分形成部112を構成する面上に平坦な材料(例えば、配送レベル用原反の構成材料)を配置した際に、段差dに相当する間隙を生じるように設計されている。これにより、易剥離部分形成部110’の凹状部134では、その間隙によって加圧ロールからの押圧が当該平坦な材料に伝わらず、結果として、易剥離部分形成部110’全体から受ける押圧を、易剥離部分形成部110’全体の外表面に対する凹状部134の外表面に相当する分だけ低減することができる。このような段差dは好ましくは0.5mm~3mmであり、より好ましくは1mm~2mmである。
【0048】
なお、図3の(b)に示す易剥離部分形成部110’において、凸状部132および凹状部134の組み合わせを変更することにより、当該易剥離部分形成部110’の単位面積における易剥離部分形成部110’の表面硬度の平均値(以下、平均表面硬度という)を変動させることができる。
【0049】
例えば、易剥離部分形成部110’における凸状部132および凹状部134がともに、上方から見て同一の区画面積を有する矩形(正方形)の形状を有している場合について説明する。
【0050】
図1に示すような易剥離部分形成部110の単位面積当たりの平均表面硬度(図4の(a)に示すような、4つの凸状部132で構成される矩形領域Rの平均表面硬度)を100%と仮定すると、図4の(b)に示すような凸状部132と凹状部134とを市松模様に配置した場合には、2つの凸状部132と2つの凹条部134が含まれる矩形領域Rの平均表面硬度は50%である。あるいは、図4の(c)に示すように、1つの矩形領域Rが3つの凸状部132と1つの凹状部134とで構成される場合、当該矩形領域Rの平均表面硬度は矩形領域Rの平均表面硬度(100%)に対して75%である。あるいは、図4の(d)および(e)に示すように、1つの矩形領域RまたはRが互いに並んだ2つの凸状部132と2つの凹状部134とで構成される場合、当該矩形領域RおよびRの平均表面硬度はともに、矩形領域Rの平均表面硬度(100%)に対して50%である。あるいは、図4の(f)に示すように、1つの矩形領域Rが1つの凸状部132と3つの凹状部134とで構成される場合、当該矩形領域Rの平均表面硬度は矩形領域Rの平均表面硬度(100%)に対して25%である。
【0051】
上記では、易剥離部分形成部110’を構成する凸状部132および凹状部134がともに矩形かつ同一の区画面積を有する場合について説明したが、本発明がこれに限定されない。易剥離部分形成部110’を構成し得る凸状部132および凹状部134はそれぞれ独立して任意の形状および大きさを有していてもよい。
【0052】
図5は、本発明の加圧ロールの他の例を示す当該ロールの斜視図である。
【0053】
図5に示す加圧ロール200はロール本体202を備え、当該ロール本体202もまた軸104周りに回転可能となるように配置されている。ロール本体202は、軸104周りから外周にかけて、好ましくは複数の層状の構造体として基部106および被覆部208を備える。
【0054】
被覆部208は、基部106の外側を覆って配置されており、上記ロール本体202のうち最外周を構成する。被覆部208は、易剥離部分形成部210および強接着部分形成部212から構成されるロール面214を有する。
【0055】
図5において、易剥離部分形成部210は軸104に対して平行な方向に沿って設けられている。ロール面214を構成する易剥離部分形成部210の数は必ずしも限定されないが、例えば、このような加圧ロールを用いて得られる配送ラベル用原反から複数の配送ラベルを作製することを考慮すると、少なくとも2つ設けられていることが好ましい。ロール面214に複数の易剥離部分形成部210が設けられる場合、同一サイズの配送ラベルを大量に作製できるとの理由から、それらの間隔は被覆部208の円周方向に沿って略均等であることが好ましい。
【0056】
さらに、加圧ロール200では、1つの易剥離部分形成部210と、その隣の易剥離部分形成部210との間には、1つの強接着部分形成部212が配置されている。このため、図5において、強接着形成部212もまた軸104に対して平行な方向に沿って設けられている。ロール面214を構成する強接着部分形成部212の数は必ずしも限定されないが、例えば、このような加圧ロールを用いて得られる配送ラベル用原反から複数の配送ラベルを作製することを考慮すると、少なくとも2つ設けられていることが好ましい。
【0057】
図6は、図5に示す加圧ロール200の断面図である。
【0058】
図6の(a)に示すように、ロール本体202を構成する基部106は内部が軸104と接しており、被覆部208は基部106の外側表面を覆うように配置されている。基部106の外側表面と、被覆部208の内側表面との間には図示しない中間層が設けられていてもよい。
【0059】
図6の(a)において、被覆部208には、軸104の軸方向と平行に延びる易剥離部分形成部210が設けられている。一方、図6の(a)におけるA’-A’方向断面では、軸104の周りに基部106、強接着部分形成部212が配置され、強接着部分形成部212の外表面の一部に台形の断面形状を有する溝216が設けられ、当該溝216に易剥離部分形成部210が配置されている(図6の(b))。図6の(b)において溝216は台形の断面形状を有しているが、特に限定されず、易剥離部分形成部210の一部が外部に露出し、強接着部分形成部212の一部と一緒になってロール面214を構成する限りにおいて、矩形、三角形、半円形、半楕円形、その他任意の幾何学的形状のいずれの断面形状を有していてもよい。加圧ロール200がこのような構成を有することにより、ロール面214は、軸106の軸周りにおいて、易剥離部分形成部210を接触可能な部分(面)、および強接着部分形成部212と接触可能な部分(面)を構成する。
【0060】
加圧ロール200の大きさは、所望される配送ラベル用原反の大きさに依存して設定されるため特に限定されず、図1に示す加圧ロール100と同様の大きさに設計されている。被覆部208の全体厚みおよび溝216の深さ(すなわち、易剥離部分形成部210の厚み)は特に限定されず、適切な長さが当業者によって適宜選択され得る。
【0061】
基部106および被覆部208を構成する材料は、上記図1に示す基部106および被覆部108を構成する材料と同様である。
【0062】
図7は、本発明の加圧ロールのさらに別の例を示す当該ロールの斜視図である。
【0063】
図7に示す加圧ロール300はロール本体302を備え、当該ロール本体302もまた軸104周りに回転可能となるように配置されている。ロール本体302は、軸104周りから外周にかけて、好ましくは複数の層状の構造体として基部106および被覆部308を備える。
【0064】
被覆部208は、基部106の外側を覆って配置されており、上記ロール本体302のうち最外周を構成する。被覆部308は、易剥離部分形成部310および強接着部分形成部312から構成されるロール面314を有する。
【0065】
図7において、易剥離部分形成部310は、軸104に対して平行な方向に沿って設けられた領域部分310aと、軸104の周りと平行な方向に沿って設けられた領域部分310bとが互いに例えば略直角に交差して構成されている。ロール面314における領域部分310a,310bの各々の数は必ずしも限定されないが、例えば、このような加圧ロールを用いて得られる配送ラベル用原反から複数の配送ラベルを作製することを考慮すると、それぞれが独立して少なくとも2つ設けられていることが好ましい。
【0066】
さらに、加圧ロール300では、1つの易剥離部分形成部310で囲まれた部分(すなわち、対向する2つの領域部分310aと対向する2つの領域部分310bとで囲まれた部分)には、1つの強接着部分形成部312が配置されている。ロール面314を構成する強接着部分形成部312の数は必ずしも限定されないが、例えば、このような加圧ロールを用いて得られる配送ラベル用原反から複数の配送ラベルを作製することを考慮すると、少なくとも2つ設けられていることが好ましい。
【0067】
図8の(a)に示すように、ロール本体302を構成する基部106は内側表面が軸104と接しており、被覆部308は基部106の外側表面を覆うように配置されている。基部106の外側表面と、被覆部308の内側表面との間には図示しない中間層が設けられていてもよい。
【0068】
図8の(a)において、被覆部308には、軸104の軸方向と平行に延びる易剥離部分形成部310の領域部分310aが配置されている。
一方、図8の(a)におけるA”-A”方向断面では、軸104の周りに基部106、強接着部分形成部312が配置され、さらにその上に易剥離部分形成部310の領域部分310bが配置されている(図8の(b))。また。図8の(a)におけるB”-B”方向断面では、軸104の周りに基部106、強接着部分形成部312が配置され、強接着部分形成部312の外表面の一部に台形の断面形状を有する溝316が設けられ、当該溝316に易剥離部分形成部310の領域部分310aが配置されている(図8の(c))。図8の(c)において溝316は台形の断面形状を有しているが、特に限定されず、易剥離部分形成部310の一部が外部に露出し、強接着部分形成部312の一部と一緒になってロール面314を構成する限りにおいて、矩形、三角形、半円形、半楕円形、その他任意の幾何学的形状のいずれの断面形状を有していてもよい。加圧ロール300がこのような構成を有することにより、ロール面314は、軸106の長さ方向および軸周りの方向の両方において、易剥離部分形成部310と接触可能な部分(面)、および強接着部分形成部312と接触可能な部分(面)を構成する。
【0069】
加圧ロール300の大きさは、所望される配送ラベル用原反の大きさに依存して設定されるため特に限定されず、図1に示す加圧ロール100と同様の大きさに設計されている。被覆部308の全体厚みおよび溝316の深さ等は特に限定されず、適切な長さが当業者によって適宜選択され得る。
【0070】
基部106および被覆部308を構成する材料は、上記図1に示す基部106および被覆部108を構成する材料と同様である。
【0071】
(配送ラベル用原反の作製方法)
配送ラベル用原反は、基材層と熱可塑性樹脂層とを上記加圧ロールで積層することにより作製することができる。このような配送ラベル用原反の作製方法について図面を用いて説明する。
【0072】
図9は、本発明の加圧ロールを用いた配送ラベル用原反の作製装置の一例を示す模式図である。
【0073】
図9に示すように、配送ラベル用原反の作製装置500は、図1に示す本発明の加圧ロール100と冷却ロール570とが例えば90~120μmの間隙(エアギャップ)kを空けて配置されている。加圧ロール100の背後にはバックアップロール560が当該加圧ロール100と接触して設けられている。
【0074】
このような作製装置500において、加圧ロール100と冷却ロール570との間隙kには、基材層510熱可塑性樹脂層520とが重ね合わせて供給される。基材層510および熱可塑性樹脂層520の重ね合わせが間隙kを通過する際、これらは加圧ロール100と冷却ロール570との間で挟圧(加圧ロールによる押圧)され、図10の(a)に示すような第1の積層体530に成形される。
【0075】
ここで、第1の積層体530を構成し得る基材層510は、印刷や筆記が可能な紙、合成樹脂等で構成されている。後述の配送ラベルにおける印字面として使用できる点から、基材層510は感熱紙またはインクジェット紙であることが好ましい。
【0076】
感熱紙は熱に反応し、例えば黒色などの所定色彩を発色するように加工された印刷用紙であり、印字が簡単であり広範に用いられている。本発明では市販の感熱紙を使用することができる。代表的な感熱紙としては、王子イメージングメディア株式会社製のDL82ASサーマル、日本製紙株式会社製のFI紙などが挙げられる。インクジェット紙はインクジェット印刷がし易く、インクの発色が良くなるように表面にインクが配置し易くインクの吸収が良く乾燥が速くなるように表面加工されたものである。市販のインクジェット紙が使用できる。
【0077】
第1の積層体530を構成し得る熱可塑性樹脂層520は少なくとも1層で構成される熱可塑性樹脂で構成される層であり、好ましくは13μm~20μm、より好ましくは16μm~17μmの厚みを有する。熱可塑性樹脂層520を構成する熱可塑性樹脂の例としては、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂)が挙げられる。汎用性に富み、ヒートシール性が良好であるという理由からポリエチレン樹脂フィルムであることが好ましい。
【0078】
熱可塑性樹脂層に用いられ得るポリエチレン樹脂は、包装材として使用されるクラフト紙などに塗布された粘着剤への密着性を高め、配送品の配達時には感熱紙の剥離を可能にし、表面に印刷などで記載された感熱紙部分を受領書として利用させるものである。ポリエチレン樹脂としては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、その他変性ポリエチレンなど市販の樹脂が使用され得る。上記基材に対して適度な密着性を有し、かつ良好な剥離性が得られるという理由から中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、または超低密度ポリエチレンであることが好ましい。
【0079】
再び図9を参照すると、加圧ロール100と冷却ロール570との間の挟圧により得られた第1の積層体530は、別途提供された剥離層540と重ね合わせてピンチロール580,590の間隙に供給される。なお、第1の積層体530と剥離層540との重ね合わせは、第1の積層体530を構成する熱可塑性樹脂層520の配置面が剥離層540と直接接するようにして行われる。また、この重ね合わせは、第1の積層体530と剥離層540との間の接着性を高めるために、上記加圧ロール100と冷却ロール570との間で挟圧により第1の積層体530は適度な余熱を有している状態で行われ得ることが好ましい。
【0080】
剥離層540は、例えば図10の(b)に示すように、剥離紙542上にシリコーン剥離剤などの剥離剤層544、およびアクリル系接着剤、ゴム系接着剤、ウレタン系接着剤などの接着剤層546を順次積層してなる第2の積層体である。
【0081】
さらに再び図9を参照すると、このようにして重ね合された第1の積層体530および剥離層540から、ピンチロール580,590の間での挟圧により、配送ラベル用原反550が作製される。すなわち、配送ラベル用原反550は、剥離層540上に第1の積層体530が配置されたものであり、例えば剥離紙542上に剥離剤層544、接着剤層546、熱可塑性樹脂層520および基材層510がこの順に積層された構造を有する(図10の(c))。
【0082】
図11は、図2の(a)に示す加圧ロール100と、それを用いて得られる配送ラベル用原反550における易剥離部分および強接着部分の配置との関係を示す模式図である。
【0083】
図11に示す配送ラベル用原反550では、供給方向(機械方向または長手方向(MD)ともいう;図11中、白抜き矢印で示す)に沿って、平行な2つの縁部551,551’を有し、当該縁部551,551’と平行な方向に沿って易剥離部分552が好ましくは少なくとも2つ設けられている。言い換えれば、図11に示す配送ラベル用原反550では、1つまたはそれ以上の易剥離部分552と1つまたはそれ以上の強接着部分554とが交互に並んで配置されている。
【0084】
易剥離部分552は、上記図9に示す加圧ロール100と冷却ロール570との間の挟圧の際に、加圧ロール100の易剥離部分形成部110を通じて押圧された部分である。これに対し、強接着部分554は、上記図9に示す加圧ロール100と冷却ロール570との間の挟圧の際に、加圧ロール100の強接着部分形成部112を通じて押圧された部分である。
【0085】
配送ラベル用原反550では、基材層と熱可塑性樹脂層との間の接着強度が、易剥離部分552と強接着部分554との間で異なっており、好ましくは強接着部分554の接着強度が易剥離部分552の接着強度よりも高くなるように設計されている。ここで、強接着部分554の接着強度と易剥離部分552の接着強度との比較は、機械方向に長いサンプルとして、配送ラベル用原反から得られた強接着部分のサンプルを150mm×50mm、易剥離部分のサンプルを150mm×10mmとし、これらサンプルの接着強度をJIS K6854-1977に準拠して測定し、さらに得られた易剥離部分のサンプルの接着強度を5倍することにより行われる。
【0086】
配送ラベル用原反550において、強接着部分554の接着強度と易剥離部分552の接着強度との差は、好ましくは180mN/50mm~950mN/500mm、より好ましくは190mN/50mm~750mN/50mmである。当該接着強度の差がこのような範囲を満たしていることにより、本発明の配送ラベル用原反550は、強接着部分554と比較して、易剥離部分552において基材層を熱可塑性樹脂層からより少ない力で簡便に剥離することができる。
【0087】
上記のように、図11では、図2の(a)に示す加圧ロール100(すなわち、図1に示す加圧ロール100)を用いて得られた配送ラベル用原反の易剥離部分と強接着部分との配置の関係について説明したが、当該配置の関係は特にこれに限定されない。例えば、図6の(a)に示す加圧ロール200(すなわち、図5に示す加圧ロール200)を用いた場合、得られる配送ラベル用原反は、対向する2つの縁部に対して垂直な方向(すなわち、配送ラベル用原反の幅方向)に易剥離部分が形成される。あるいは、図8の(a)に示す加圧ロール300(すなわち、図7に示す加圧ロール300)を用いた場合、得られる配送ラベル用原反は、対向する2つの縁部に対して平行な方向(すなわち、配送ラベル用原反の幅方向)および垂直な方向(すなわち、配送ラベル用原反の幅方向)の両方に易剥離部分が形成される。
【0088】
(配送ラベル)
本発明の配送ラベルは、例えば、図11に示す配送ラベル用原反550から破線で囲まれた部分556を切り出すことによって作製される。
【0089】
図12の(a)は、図11の配送ラベル用原反550から得られた配送ラベル556の一例を示す模式図である。
【0090】
配送ラベル556は、例えば矩形を有し、基材層510と熱可塑性樹脂層520とを含むように構成されている。配送ラベル556はまた、上記矩形の少なくとも1つの辺を含む面によって形成された易剥離部分552と、それ以外の面によって形成された強接着部分554とを備え、これらの接着強度が互いに異なるように構成されている。
【0091】
配送ラベル556において、強接着部分554の接着強度と易剥離部分552の接着強度との差は、図11に示す配送ラベル用原反550のものと同様である。すなわち、当該接着強度の差は、好ましくは180mN/50mm~950mN/50mm、より好ましくは190mN/50mm~750mN/50mmである。当該接着強度の差がこのような範囲を満たしていることにより、本発明の配送ラベル556は、例えば図12の(b)に示すように、強接着部分554と比較して易剥離部分552において基材層510を熱可塑性樹脂層520からより少ない力で簡便に剥離することができ、かつ剥離後に基材層がカールすることを防止できる。
【0092】
本発明の配送ラベルによれば、基材層上に宛名等の印字がなされ、その一方で剥離層の剥離紙を剥がして、配送用の商品を収納した段ボール箱等にそのまま貼着される。この状態で、当該商品の入ったダンボール箱が顧客の指定住所まで配送人によって配送される。配送人が顧客への配送を終えた際、基材層あるいはその一部を、配送人が配送の控えとして、上記易剥離部分から剥離することができる。なお、剥離した基材層は、それを複数枚束にして持ち帰る際にカールすることが防止されているので、当該束が嵩張ることがなく、持ち帰りが煩わしいものになることを低減できる。
【実施例0093】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0094】
なお、実施例および比較例のそれぞれで採用した試験方法および評価方法は以下の通りである。
【0095】
(被覆部の表面硬度)
作製された加圧ロールの被覆部における表面硬度を、JIS K6253によるデュロメータA試験により測定した。
【0096】
(接着強度)
作製された配送ラベルについて、機械方向に長いサンプルとして、配送ラベルから得られた強接着部分のサンプルを150mm×50mm、易剥離部分のサンプルを150mm×10mm切り出し、これらサンプルから任意の6点をそれぞれ選択し、それらの接着強度をJIS K6854-1977に準拠して測定した。なお、強接着部分のサンプルの結果と比較するため、易剥離部分のサンプルの接着強度は測定値を5倍することにより算出した。また、これらの6点の測定結果の平均値を算出し、これを接着強度とした。
【0097】
(積層ラインの安定性)
実施例および比較例において得られた第1の積層体(基材層と熱可塑性樹脂層との積層体)に、剥離層を積層する際の積層ラインの安定性を目視により評価した。この積層の際に蛇行や剥離が全く発生しなかったものを「〇」で表し、蛇行または剥離が発生したものを「×」で表した。
【0098】
(剥離作業性)
実施例および比較例で得られた配送ラベルに対し、剥離層側の剥離紙を剥離し、梱包用のダンボール紙に貼着後、一昼夜放置し、その後基材層である感熱紙の易剥離部分の端部を手で掴み、当該感熱紙を剥離してその剥離のし易さを評価した。端部が掴みやすく、短時間で多数の剥離作業を行うことができたものを「〇」と評価し、端部が掴みやすいが、破損やカール防止のためには時間をかけて剥離作業を行う必要があったものを「△」と評価し、端部が掴みにくく、または剥離作業に手間を要したものを「×」と評価した。
【0099】
(比較例1:加圧ロール(R-1)の作製)
クロロスルホン化ポリエチレン(東ソー株式会社製TOSO-DSMR)100質量部、加硫促進剤(ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド)0.5質量部、加硫促進剤(ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド)2質量部、補強材(SFRカーボンブラック)40質量部、および加硫助剤(純度90%の酸化鉛)27.8質量部を混合し、加硫温度150℃にて加硫圧力0.4MPaで、予めロール芯金の表面に配置したゴム製の基部上に被覆部として配置することにより、有効幅1700mmでありかつ被覆部の厚みが35mmである加圧ロール(R-1)を得た。この加圧ロール(R-1)を合計で5本作製した。
【0100】
この加圧ロール(R-1)における被覆部の表面硬度は80であった。
【0101】
(比較例2:加圧ロール(R-2)の作製)
比較例1で作製した加圧ロール(R-1)のうち4本について、被覆部の表面に幅方向に四等分した位置に幅15mmおよび深さ10mmの断面形状が矩形の溝3本を互いに平行になるように当該被覆部の全周に設けることにより、有効幅1700mmでありかつ被覆部の厚みが35mmである加圧ロール(R-2)を得た。
【0102】
この加圧ロール(R-2)における被覆部(溝以外の部分)の表面硬度は80であった。
【0103】
(実施例1:加圧ロール(R-3)の作製)
クロロスルホン化ポリエチレン(東ソー株式会社製TOSO-DSMR)100質量部、加硫促進剤(ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド)0.5質量部、加硫促進剤(ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド)2質量部、補強材(SFRカーボンブラック)35質量部、および加硫助剤(純度90%の酸化鉛)27.8質量部を混合し、加硫温度150℃にて加硫圧力0.4MPaで加熱し、これを紐状ゴムの形態に加工して、比較例2で得られた加圧ロール(R-2)のうちの1本のロールにおける被覆部内のすべての溝内に配置することにより、有効幅1700mmでありかつ被覆部の厚みが35mmである加圧ロール(R-3)を得た。なお、その際、溝以外のロール表面と溝に配置した紐状ゴムの外表面との間に凹凸はなく、略均一な面を形成していることを目視により確認した。
【0104】
この加圧ロール(R-3)における被覆部のうち、紐状ゴムを配置した部分の表面硬度は70であり、それ以外の部分の表面硬度は80であった。
【0105】
(実施例2:加圧ロール(R-4)の作製)
クロロスルホン化ポリエチレン(東ソー株式会社製TOSO-DSMR)100質量部、加硫促進剤(ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド)0.5質量部、加硫促進剤(ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド)2質量部、補強材(SFRカーボンブラック)30質量部、および加硫助剤(純度90%の酸化鉛)27.8質量部を混合し、加硫温度150℃にて加硫圧力0.4MPaで加硫加工し、これを紐状ゴムの形態に加工して、比較例2で得られた加圧ロール(R-2)のうちの1本のロールにおける被覆部内のすべての溝内にゴム用接着剤を介して配置した。その後、ロール表面の全体が平滑になる程度にまで僅かに切削加工したことにより、有効幅1700mmでありかつ被覆部の厚みが35mmである加圧ロール(R-4)を得た。
【0106】
この加圧ロール(R-4)における被覆部のうち、紐状ゴムを配置した部分の表面硬度は60であり、それ以外の部分の表面硬度は80であった。
【0107】
(実施例3:加圧ロール(R-5)の作製)
補強剤(SRFカーボンブラック)の添加量を25質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、有効幅1700mmでありかつ被覆部の厚みが35mmである加圧ロール(R-5)を得た。
【0108】
この加圧ロール(R-5)における被覆部のうち、紐状ゴムを配置した部分の表面硬度は50であり、それ以外の部分の表面硬度は80であった。
【0109】
(比較例3:配送ラベル(C1)の作製)
比較例2で作製したゴムロール(R-2)を用いて低密度ポリエチレン樹脂の感熱紙への積層を次のようにして行った。
【0110】
115mmφ、ダイ幅1600mmのラミネート用Tダイ押し出し機に加圧ロールとして、比較例2で作製した加圧ロール(R-2)を取り付け、低密度ポリエチレン樹脂(住友化学工業株式会社製スミカセン(登録商標)CE4009(L405))を樹脂温度235℃にてゴムロール圧力1.5Kg/m(元圧)およびライン速度100m/分で、感圧紙(王子イメージングメディア株式会社製ロール状感熱紙DL82ASサーマル:目付82g、幅910mm)に積層して第1の積層体を得た。
【0111】
一方、幅900mmの剥離紙用のロール状原紙にシリコーン系剥離剤を適量塗布し、乾燥機の中で乾燥させて剥離剤層を形成し、次いで当該剥離剤層上にアクリル系接着剤を適量塗布し、乾燥機の中で乾燥させることにより剥離層を形成した。
【0112】
その後、上記で得られた第1の積層体の余熱があるうちに、当該第1の積層体と剥離層とを、第1の積層体の低密度ポリエチレン樹脂の層と、剥離層のアクリル系接着剤を付与面とが合わさるように配置してピンチロールで挟圧することにより、配送ラベル用原反を得た。
【0113】
次いで、この配送ラベル用原反から220mm×150mmの大きさで切り出しを行うことにより、配送ラベル(C1)を得た。なお、この配送ラベル(C1)の短辺(150mm)側には約10mmの幅で、上記加圧ロール(R-2)の溝(10mm)が通過して形成された易剥離部分が配置されていることを確認した。
【0114】
この配送ラベル(C1)についての各評価結果を表1に示す。
【0115】
(実施例4:配送ラベル(E1)の作製)
実施例1で作製したゴムロール(R-3)を用いて低密度ポリエチレン樹脂の感熱紙への積層を次のようにして行った。
【0116】
115mmφ、ダイ幅1600mmのラミネート用Tダイ押し出し機に加圧ロールとして、実施例1で作製した加圧ロール(R-3)を取り付け、低密度ポリエチレン樹脂(住友化学工業株式会社製スミカセン(登録商標)CE4009(L405))を樹脂温度235℃にてゴムロール圧力1.5Kg/m(元圧)およびライン速度100m/分で、感圧紙(王子イメージングメディア株式会社製ロール状感熱紙DL82AS:目付82g、幅910mm)に積層して第1の積層体を得た。
【0117】
一方、幅900mmの剥離紙用のロール状原紙にシリコーン系剥離剤を適量塗布し、乾燥機の中で乾燥させて剥離剤層を形成し、次いで当該剥離剤層上にアクリル系接着剤を適量塗布し、乾燥機の中で乾燥させることにより剥離層を形成した。
【0118】
その後、上記で得られた第1の積層体の余熱があるうちに、当該第1の積層体と剥離層とを、第1の積層体の低密度ポリエチレン樹脂の層と、剥離層のアクリル系接着剤を付与面とが合わさるように配置してピンチロールで挟圧することにより、配送ラベル用原反を得た。
【0119】
次いで、この配送ラベル用原反から220mm×150mmの大きさで切り出しを行うことにより、配送ラベル(E1)を得た。なお、この配送ラベル(E1)の短辺(150mm)側には約10mmの幅で、上記加圧ロール(R-3)の溝内に配置された紐状ゴム(10mm)が通過して形成された易剥離部分が配置されていることを確認した。
【0120】
この配送ラベル(E1)についての各評価結果を表1に示す。
【0121】
(実施例5:配送ラベル(E2)の作製)
実施例2で作製したゴムロール(R-4)を用いて感熱紙に低密度ポリエチレンを積層した第1の積層体を得たこと以外は、実施例4と同様にして配送ラベル用原反を得た。
【0122】
次いで、この配送ラベル用原反から220mm×150mmの大きさで切り出しを行うことにより、配送ラベル(E2)を得た。なお、この配送ラベル(E2)の短辺(150mm)側には約10mmの幅で、上記加圧ロール(R-4)の溝内に配置された紐状ゴム(10mm)が通過して形成された易剥離部分が配置されていることを確認した。配送ラベル(E2)についての各評価結果を表1に示す。
【0123】
(実施例6:配送ラベル(E3)の作製)
実施例3で作製したゴムロール(R-5)を用いて感熱紙に低密度ポリエチレンを積層した第1の積層体を得たこと以外は、実施例4と同様にして配送ラベル用原反を得た。
【0124】
次いで、この配送ラベル用原反から220mm×150mmの大きさで切り出しを行うことにより、配送ラベル(E3)を得た。なお、この配送ラベル(E3)の短辺(150mm)側には約10mmの幅で、上記加圧ロール(R-5)の溝内に配置された紐状ゴム(10mm)が通過して形成された易剥離部分が配置されていることを確認した。配送ラベル(E3)についての各評価結果を表1に示す。
【0125】
(比較例4:配送ラベル(C2)の作製)
比較例1で作製したゴムロール(R-1)を用いて感熱紙に低密度ポリエチレンを積層した第1の積層体を得たこと以外は、実施例4と同様にして配送ラベル用原反を得た。
【0126】
次いで、この配送ラベル用原反から220mm×150mmの大きさで切り出しを行うことにより、配送ラベル(C2)を得た。なお、この配送ラベル(C2)の短辺(150mm)側および長辺(220mm)側のいずれにも易剥離部分が配置されておらず、ラベル全面において感熱紙と低密度ポリエチレン樹脂とが略均一に貼着していることを確認した。配送ラベル(C2)についての各評価結果を表1に示す。
【0127】
【表1】
【0128】
表1に示すように、実施例1~3で作製した加圧ロール(R-3)~(R-5)を用いて得た実施例4~6の配送ラベル(E1)~(E3)はいずれも、積層工程の安定性が良好でありかつ易剥離部分を通じた感熱紙(基材)の剥離を少ない力で容易に行うことができたことがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0129】
本発明によれば、例えば、配達ラベルの作製に関連する樹脂成形分野および機械分野や当該配達ラベルを使用する各種ロジスティック分野において有用である。
【符号の説明】
【0130】
100,200,300 加圧ロール
102,202,302 ロール本体
104 軸
106 基部
108,208,308 被覆部
110,110’,210,310 易剥離部分形成部
112,212,312 強接着部分形成部
114,214,314 ロール面
116,216,316 溝
132 凸状部
134 凹状部
310a,310b 領域部分
500 配送ラベル用原反の作製装置
510 基材層
520 熱可塑性樹脂層
530 第1の積層体
540 剥離層
542 剥離紙
544 剥離剤層
546 接着剤層
550 配送ラベル用原反
551,551’ 縁部
552 易剥離部分
554 強接着部分
556 配送ラベル
560 バックアップロール
570 冷却ロール
580,590 ピンチロール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12