(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010595
(43)【公開日】2024-01-24
(54)【発明の名称】駐車場精算システムおよび駐車場精算システムの電子決済処理方法
(51)【国際特許分類】
G07B 15/00 20110101AFI20240117BHJP
【FI】
G07B15/00 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022112024
(22)【出願日】2022-07-12
(71)【出願人】
【識別番号】522280146
【氏名又は名称】英雄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134072
【弁理士】
【氏名又は名称】白浜 秀二
(72)【発明者】
【氏名】北條 敦大
【テーマコード(参考)】
3E127
【Fターム(参考)】
3E127AA18
3E127BA06
3E127BA11
3E127CA23
3E127CA35
3E127CA47
3E127DA20
3E127DA30
3E127EA04
3E127EA47
3E127FA18
3E127FA24
3E127FA50
(57)【要約】
【課題】精算機に最新の電子決済機能を付与して、ユーザ本位の電子マネーを利用して駐車料金を迅速に決済すること。
【解決手段】第1の駐車場精算システムと、第2の駐車場精算システムとが通信する駐車場精算システムであって、駐車場の精算機に電子決済サービスに接続するための通信タグを貼り付け、車両を空きスペースに入庫したユーザが操作するデータ端末5-1~5-Nを該通信タグ8-1~8-Nに近接させると、電子決済サーバ10に接続して、精算機4-1~4-Nでは取り扱われていない電子決済、あるいは取り扱われているがユーザが所望の電子決済を選択できない場合でも、ユーザ本位の電子決済を選択して、ユーザが所有する電子マネーを使用して駐車料金を電子決済する構成を特徴とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のネットワーク網を介して、入出庫する車両の車両情報を撮像するカメラと、駐車場に駐車した利用者から駐車料金を徴収する精算機と、前記精算機から前記駐車場に入庫した車庫番号を取得して駐車情報データベースに登録する入出庫管理サーバとが通信する第1の駐車場精算システムに対して、第2のネットワーク網を介して、ユーザが操作するデータ端末と、前記データ端末を前記精算機に着脱自在に貼り付け可能な通信タグに近接することで特定される電子決済サーバとを含む第2の駐車場精算システムを通信可能に接続して、前記データ端末を操作するユーザが所望する電子決済システムによる決済を行う電子決済処理手段を備えることを特徴とする駐車場精算システム。
【請求項2】
所定のネットワーク網を介して、入出庫する車両の車両情報を撮像するカメラと、入庫した車両を駐車位置にロックする駐車ロック機構とを備えて駐車場に駐車した利用者から駐車料金を徴収した後、前記駐車ロック機構を解除する精算機と、前記精算機から前記駐車場に入庫して前記駐車ロック機構が作動した車庫番号を取得して駐車情報データベースに登録する入出庫管理サーバとが通信する第1の駐車場精算システムと、
前記所定のネットワーク網を介して、ユーザが操作するデータ端末と、前記データ端末を前記精算機に着脱自在に貼り付け可能な通信タグに近接することで特定される電子決済サーバとを含む第2の駐車場精算システムとが通信する駐車場精算システムであって、
前記データ端末は、
前記通信タグと近接無線通信を行う無線通信手段と、
入庫時または出庫時に、前記通信タグと近接通信することに応じて、前記電子決済サーバへ接続して駐車料金を支払うためのユーザインタフェースを取得する取得手段と、
前記取得手段が取得したユーザインタフェースに表示された指示に従いユーザが入力する車庫番号と、前記駐車料金を精算するために使用する電子決済方法一覧から選択される所望の電子決済方法と、前記精算機を特定する識別情報とを前記電子決済サーバに転送する転送手段と、
前記電子決済サーバから前記入出庫管理サーバに問い合わされた前記車庫番号に対する駐車料金を取得して、前記ユーザインタフェース上に表示した状態で、選択した所望の電子決済方法による支払い依頼を送信する支払い依頼手段と、
を備え、
前記電子決済サーバは、
前記データ端末から転送される車両番号を前記入出庫管理サーバに問い合わせて、支払うべき駐車料金情報を受領し、前記データ端末に通知する第1の通知手段と、
前記データ端末から依頼された駐車料金をユーザが選択した前記所望の電子決済方法により電子決済する決済手段と、
前記決済手段より前記駐車料金の決済が完了したことを示す電子決済完了通知前記入出庫管理サーバに通知する第2の通知手段と、
を備え、
前記入出庫管理サーバは、
前記電子決済サーバから前記電子決済完了通知を受けて、前記車庫番号で特定される前記精算機に対して前記駐車ロック機構の解除指示を行う解除指示手段を備え、
ることを特徴とする駐車場精算システム。
【請求項3】
所定のネットワーク網を介して、入出庫する車両の車両情報を撮像するカメラと、駐車場に駐車した利用者から駐車料金を徴収する精算機と、前記精算機から前記駐車場に入庫した車庫番号を取得して駐車情報データベースに登録する入出庫管理サーバとが通信する第1の駐車場精算システムと、
前記所定のネットワーク網を介して、ユーザが操作するデータ端末と、前記データ端末を前記精算機に着脱自在に貼り付け可能な通信タグに近接することで特定される電子決済サーバとを含む第2の駐車場精算システムとが通信する駐車場精算システムであって、
前記データ端末は、
前記通信タグと近接無線通信を行う無線通信手段と、
入庫時または出庫時に、前記通信タグと近接通信することに応じて、前記電子決済サーバへ接続して駐車料金を支払うためのユーザインタフェースを取得する取得手段と、
前記取得手段が取得したユーザインタフェースに表示された指示に従い前記ユーザが入力する車庫番号と、駐車料金を精算するために使用する電子決済方法一覧から選択される所望の電子決済方法と、前記精算機を特定する識別情報とを前記電子決済サーバに転送する転送手段と、
前記電子決済サーバから前記入出庫管理サーバに問い合わされた前記車庫番号に対する駐車料金を取得して、前記ユーザインタフェース上に表示した状態で、前記選択した前記所望の電子決済方法による支払い依頼を送信する支払い依頼手段と、
を備え、
前記電子決済サーバは、
前記データ端末から転送される車両番号を前記入出庫管理サーバに問い合わせて、支払うべき駐車料金情報を受領し、前記データ端末に通知する第1の通知手段と、
前記データ端末から依頼された駐車料金をユーザが選択した前記所望の電子決済方法により電子決済する決済手段と、
前記決済手段より前記駐車料金の決済が完了したことを示す電子決済完了通知前記入出庫管理サーバに通知する第2の通知手段と、
を備え、
ることを特徴とする駐車場精算システム。
【請求項4】
入出庫する車両の車両情報を撮像するカメラを前記精算機に接続し、
前記精算機は、前記所定のネットワーク網を介して前記カメラが撮像した車両の車両情報から抽出する車両番号と、入庫時の日付時刻と、精算すべき駐車料金額とを含む不正出庫情報を前記精算機から取得して不正車両データベースに登録する登録手段を備える不正車両管理サーバと通信することを特徴とする請求項2または3に記載の駐車場精算システム。
【請求項5】
第1のネットワーク網を介して、入出庫する車両の車両情報を撮像するカメラと、駐車場に駐車した利用者から駐車料金を徴収する精算機と、前記精算機から前記駐車場に入庫した車庫番号を取得して駐車情報データベースに登録する入出庫管理サーバとが通信する第1の駐車場精算システムに対して、第2のネットワーク網を介して、ユーザが操作するデータ端末と、前記データ端末を前記精算機に着脱自在に貼り付け可能な通信タグに近接することで特定される電子決済サーバとを含む第2の駐車場精算システムを通信可能に接続して、前記データ端末を操作するユーザが所望する電子決済システムによる決済を行う電子決済処理ステップを備えることを特徴とする駐車場精算システムの電子決済処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、NFCタグ等の通信タグを利用して駐車料金を精算する駐車場精算システムおよび駐車場精算システムの電子決済処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両を運転する運転者は、買い物、通勤、旅行など様々な目的に応じて、目的地へ移動した際、一時的に車両を駐車場に入庫し、一定の時間経過後、駐車場から出庫する際に、駐車料金を精算し、車止め機構を解除したのち、駐車場から出庫して公道へ移動する。
【0003】
通常、運転者は、車内のネット接続デバイス、例えばカーナビゲーションシステムが搭載された車両であれば、車内のモニタ画面を操作して、現在位置に隣接する駐車場を検索して、空きスペースが確保された駐車場を選択して、視認できた空きスペースに車両を入庫する。
【0004】
駐車システムによっては、内蔵ループセンサー又は外部センサーによる車両検知してロック板を作動させる、いわゆる青空駐車型のコインパーキングシステム、駐車場の出入り口に、ゲートを設けて、入庫時に駐車チケットを発券し、出庫時に、その駐車チケットを読み取り、駐車料金を精算するゲート型のパーキングシステムも実用化されている。
【0005】
このようなパーキングシステムにおいて、出庫時に駐車料金を精算機により支払う際、電子決済、現金決済等による支払いがスムーズにできるように管理サーバが一元管理するシステムが開発されている。
【0006】
下記特許文献1には、チケットレス方式かつキャッシュレス方式である駐車場を管理する駐車場管理システムは、駐車場を遠隔地において管理する管理サーバを含み、その管理サーバは、駐車場に居るユーザの通信機器と通信可能であり、その通信機器は、駐車場からの出庫時に管理サーバにアクセスし、それにより、その管理サーバによってユーザに予め付与された固有番号を管理サーバに送信し、その管理サーバは、通信機器から受信した固有番号と、当該管理サーバによってメモリに予め登録された固有番号との間の照合が成立するか否かを判定する照合判定部と、照合が成立すると、ユーザに課金される駐車料金を計算する料金計算部とを含み、その計算された駐車料金は、電子決済によって精算されることが記載されている。
【0007】
また、下記特許文献2には、駐車料金の支払いの際、運転者が携帯するNFC機能付きの携帯端末を精算機にかざして、利用者が携行する携帯端末と入出庫管理装置とが無線通信し、電子決済システムと連系して駐車料金を精算するシステムが開示されている。
【0008】
さらに、特許文献3には、「駐輪施設を管理するシステム(駐車場管理システム)であって、前記駐輪施設のユーザによって操作されると、駐車料金を決済する機能を有する精算機1003と、その精算機1003との間で通信を行う課金サーバ1011とを含み、ユーザは、駐車料金を精算する場合には、前記精算機1003を操作する一方、駐車料金をユーザが契約したクレジット会社のサーバに課金情報を通知し、与信をクリアする料金課金処理方法で精算する場合には、前記精算機1003に代えてユーザの携帯端末1009を操作し、その携帯端末1009は、ユーザが精算エリアに居ることを条件に、ユーザによって操作されると、精算要求を前記課金サーバ1011に送信し、その課金サーバ1011は、前記精算要求を受信すると、当該課金サーバ1011が自ら駐車料金の額を計算してそれを表す駐車料金データを前記携帯端末1009に送信し、その携帯端末1009は、受信した駐車料金データに基づいて前記ユーザが契約したクレジット会社のサーバに課金情報を通知し、与信をクリアする料金課金処理を行うために料金精算処理実行の依頼を前記課金サーバ1011を経由してクレジット会社のサーバに送信し、そのクレジット会社のサーバは、前記料金精算処理実行の依頼を受信すると前記ユーザが契約したクレジット会社のサーバに課金情報を通知し、与信をクリアする料金課金処理を行うシステム。」が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2022-036100号公報
【特許文献2】特開2017-037671号公報
【特許文献3】特開2016-085491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来の駐車場管理システムは、上述したように、専用の管理サーバを設け、該管理サーバと、駐車場の精算機とを通信接続して、それぞれ識別可能な管理番号を精算機に付与し、どの精算機に対して精算要求が発生しているかをリアルタイムで管理する大掛かりなシステムとなり、各精算機とのインフラを整備するためのシステム開発にコストがかかり、専用の支払いソフトウエアを精算機にあらかじめインストールしなければ、上述した電子決済を利用できず、ユーザが利用可能な電子決済サービスとの連系に融通性がなく、仕方なく現金で精算しなければ駐車場から迅速に出庫できないという課題も指摘されていた。
【0011】
なお、特許文献3に示すシステム構成は、電子決済を行う構成を含まない精算機に対して、ユーザが操作するデータ端末で決済サーバを介して電子決済可能とすることが記載されているが、今般のようにユーザが支払い可能な電子決済アプリが乱立することを前提しておらず、精算機が対応できないユーザが所望とする電子決済を選択して精算を行うことができないという課題も異なるものである。
【0012】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、各種の電子決済に対応していない精算機であっても、駐車場精算機の通信インフラを利用し、かつ、通信タグを駐車場精算機に設けるという簡単な構成で、精算機に最新の電子決済機能を付与して、ユーザ本位の電子マネーを利用して駐車料金を迅速に決済できる駐車場精算システムおよび駐車場精算システムの電子決済処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成する本発明の駐車場精算システムは以下に示す構成を備える。
【0014】
所定のネットワーク網を介して、入出庫する車両の車両情報を撮像するカメラと、入庫した車両を駐車位置にロックする駐車ロック機構とを備えて駐車場に駐車した利用者から駐車料金を徴収した後、前記駐車ロック機構を解除する精算機と、前記精算機から前記駐車場に入庫して前記駐車ロック機構が作動した車庫番号を取得して駐車情報データベースに登録する入出庫管理サーバとが通信する第1の駐車場精算システムと、前記所定のネットワーク網を介して、ユーザが操作するデータ端末と、前記データ端末を前記精算機に着脱自在に貼り付け可能な通信タグに近接することで特定される電子決済サーバとを含む第2の駐車場精算システムとが通信する駐車場精算システムであって、前記データ端末は、前記通信タグと近接無線通信を行う無線通信手段と、入庫時または出庫時に、前記通信タグと近接通信することに応じて、前記電子決済サーバへ接続して駐車料金を支払うためのユーザインタフェースを取得する取得手段と、前記取得手段が取得したユーザインタフェースに表示された指示に従い前記ユーザが入力する車庫番号と、前記駐車料金を精算するために使用する電子決済方法一覧から選択される所望の電子決済方法と、前記精算機を特定する識別情報とを前記電子決済サーバに転送する転送手段と、前記電子決済サーバから前記入出庫管理サーバに問い合わされた前記車庫番号に対する駐車料金を取得して、前記ユーザインタフェース上に表示した状態で、前記選択した前記所望の電子決済方法による支払い依頼を送信する支払い依頼手段と、を備え、前記電子決済サーバは、前記データ端末から転送される車両番号を前記入出庫管理サーバに問い合わせて、支払うべき駐車料金情報を受領し、前記データ端末に通知する第1の通知手段と、前記データ端末から依頼された駐車料金をユーザが選択した所望の電子決済方法により電子決済する決済手段と、前記決済手段より前記駐車料金の決済が完了したことを示す電子決済完了通知前記入出庫管理サーバに通知する第2の通知手段と、を備え、前記入出庫管理サーバは、前記電子決済サーバから前記電子決済完了通知を受けて、前記車庫番号で特定される前記精算機に対して前記駐車ロック機構の解除指示を行う解除指示手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、各種の電子決済に対応していない精算機であっても、駐車場精算機の通信インフラを利用し、かつ、通信タグを駐車場精算機に設けるという簡単な構成で、精算機に最新の電子決済機能を付与して、ユーザ本位の電子マネーを利用して駐車料金を迅速に決済できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図面は、本発明の特定の実施の形態を示し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
【
図1】本実施形態を示す駐車場精算システムの構成を説明するブロック図。
【
図3】
図1に示した入出庫管理サーバの構成を説明するブロック図。
【
図4】
図3に示したRAMに展開される駐車場システムに関わるアプリケーションとしての機能処理部を説明するブロック図。
【
図5】
図1に示したデータ端末のハードウエア構成を説明するブロック図。
【
図6】
図5に示したRAMに展開される機能アプリケーションを説明するブロック図。
【
図7】本実施形態を示す駐車場精算システムを適用した駐車場の一例を示す平面図。
【
図8】
図1に示した入出庫管理サーバに接続される外部メモリに確保されるデータベースのデータ構造を示す図。
【
図9】
図1に示した入出庫管理サーバに接続される外部メモリに確保されるデータベースのデータ構造を示す図。
【
図10】本実施形態を示す駐車場精算システムにおける第1の決済処理方法を説明するフローチャート。
【
図11】本実施形態を示す駐車場精算システムにおける第1の決済処理方法を説明するフローチャート。
【
図12】本実施形態を示す駐車場精算システムにおける第1の決済処理方法を説明するフローチャート。
【
図13】本実施形態を示す駐車場精算システムの構成を説明するブロック図。
【
図14】
図13に示した不正駐車車両管理データベースの構成を説明するブロック図。
【
図15】本実施形態を示す駐車場精算システムにおける第2の決済処理方法を説明するフローチャート。
【
図16】本実施形態を示す駐車場精算システムにおける第2の決済処理方法を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。下記の実施の形態は、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
【0018】
<システム構成の説明>
〔第1実施形態〕
図1は、本実施形態を示す駐車場精算システムの構成を説明するブロック図である。本実施形態に示す駐車場精算システム100は、一例であって、駐車料金精算に関わらないデバイス(煙草、食品等の自動販売機(ネットワークに接続できる機能を備える)が組み合わされて構成されるシステムであってもよい。以下、車両を駐車場の空きスペースに駐車させるドライバDR1~DRNが携帯するデータ端末5-1~5-Nを後述する通信タグ8-1~8-Nに近接することで、ユーザが所望とする電子決済アプリで駐車料金を電子決済する駐車場精算処理について詳述する。
まず、本実施形態を示す駐車場精算システムの概略構成を説明する。
【0019】
本実施形態を示す駐車場精算システムは、所定のネットワーク網を介して、入出庫する車両の車両情報を撮像するカメラと、入庫した車両を駐車位置にロックする駐車ロック機構とを備えて駐車場に駐車した利用者から駐車料金を徴収した後、前記駐車ロック機構を解除する精算機と、前記精算機から前記駐車場に入庫して前記駐車ロック機構が作動した車庫番号を取得して駐車情報データベースに登録する入出庫管理サーバとが通信する第1の駐車場精算システムと、所定のネットワーク網を介して、ユーザが操作するデータ端末と、前記データ端末を前記精算機に着脱自在に貼り付け可能な通信タグに近接することで特定される電子決済サーバと、を含む第2の駐車場精算システムとが通信する駐車場精算システムを特徴とする。
【0020】
なお、第1の駐車場精算システムは、電子決済システムに対応していないか、または、使用可能な電子決済手段が、例えば交通系の電子マネーに限定されているシステムを含むものとする。
また、本実施形態では、駐車ロック機構を解除する精算機を例とするが、駐車ロック機構を備えていない駐車場についても、本発明を適用可能である。
【0021】
図1において、1-1は第1のネットワーク網で、入出庫管理サーバ2、後述する駐車場3に設置される精算機4-1~4-N、車両を駐車場3に駐車した運転者が操作するデータ端末5-1~5-Nが所定のプロトコルで通信可能に接続する。ここで、データ端末5-1~5-Nは、ユーザが端末本体を後述する通信タグ8-1~8-Nに近接させる操作を行うと、無線アンテナAT1と、中継アンテナAT2を利用して、第2のネットワーク網1-2に接続して、所望のURLに接続することが可能に構成されている。ここで、第1のネットワーク網1-1、第2のネットワーク網1-2とは、WWWインターネット網に代表されるネットワーク網を例とする。
ここで、所望のURLとは、電子決済サーバ10が提供するWEBサイトであって、ユーザが所望の電子決済システムを利用して駐車料金を支払う際の決済サービスを実行するWEBサイトとする。
【0022】
データ端末5-1~5-Nは、内蔵するGPS機能を常時あるいは選択的に起動して、インストールされたアプリケーションと連系し、車両のドライバの位置を通知することができるように構成されている。
【0023】
入出庫管理サーバ2は、駐車場を運営する法人や、駐車場システムを導入した土地オーナーに駐車場の使用効率や、電子決済を行うためのハードウエアと、ソフトウエアとを備え、各地の駐車場に設置される精算機4-1~4-Nと通信してその利用状態を監視し、ユーザが車両を入庫してから出庫するまでの駐車時間に基づく駐車料金の徴収状態を集中管理する。
【0024】
データ端末5-1~5-Nは、いわゆるスマートフォンで構成される携帯デバイスであって、第2のネットワーク網1-2に接続する通信機能を備え、インストールされたOS(オペレーティングシステム)がインストールされたアプリケーションの起動を制御する。ここで、インストールされるアプリケーションは、NET上に構築されるダウンロードサービスを行うストアのURLに接続して、必要なアプリケーションをダウンロードして、自分のデータ端末にインストールすることで各種の通信機能、精算機能、ゲーム機能、データ処理機能、計算機能、データベース機能等を自在に拡張することができるように構成されている。
【0025】
また、データ端末5-1~5-Nは、GPS機能を備え、現在位置を測位して、その現在の位置情報をインストールしたアプリケーションが外部接続するデバイス、例えば入出庫管理サーバ2や電子決済サーバ10に送信することも可能である。
【0026】
さらに、データ端末5-1~5-Nは、FNC通信機能(近接無線通信機能)を備えているため、精算機4-1~4-Nの本体の障害のない側面、全面に設置される、例えばNFCで構成される通信タグ8-1~8-Nとして貼り付けることで、当該通信タグ8-1~8-Nにデータ端末5-1~5-Nに近接するような操作を行うことで、データ端末5-1~5-Nにインストールされた精算機アプリケーションが所望の電子決済サービスを提供する電子決済サーバ10に接続することができる。
【0027】
この際、データ端末5-1~5-Nを操作するユーザは、本実施形態に示す機能処理を実行するためのアプリケーションをダウンロードする操作を行う必要はない。つまり、ユーザは、通信タグ8-1~8-Nにデータ端末5-1~5-Nを近接すると、通信タグ8-1~8-Nとの通信が自動的に確立され、記憶された、例えば電子決済サーバ10が提供するURLに接続されるため、ユーザに何等かのアプリケーション起動処理が不要で、迅速に電子決済サーバ10と接続された状態に遷移させることが可能となった。
【0028】
本実施形態では、通信タグ8-1~8-Nについて特定に限定はないが、本システムを採用する構成を備えた通信タグ8-1~8-Nを53PAYと称する場合がある。
【0029】
具体的には、通信タグ8-1~8-Nにあらかじめ電子決済サーバ10へ接続するためのURLと、例えば駐車場を特定する識別コードが記憶されているので、データ端末5-1~5-Nは、データ端末本体を通信タグ8-1~8-Nに近接するだけで、何ら専用のアプリケーションをインストールすることなく、電子決済サーバ10に接続すると、特定する識別コードまたはデータ端末5-1~5-Nで起動するGPS機能より駐車場または駐車場の位置を特定して、支払い可能な電子決済システムの一覧をデータ端末5-1~5-Nに提示すると、データ端末5-1~5-Nの各タッチパネルディスプレイに支払い可能な電子決済システムの一覧が表示される。
【0030】
なお、通信タグは、NFC(Near Field Communication)とは、13.56MHzの周波数を用いた近距離無線通信規格のことを指します。NFCは、ISO/IEC18092(NFCIP-1)及びISO/IEC21481(NFCIP-2)に準拠する規格である。これにより、通信タグ8-1~8-Nにデータ端末5-1~5-Nに近接すると、データ端末5-1~5-Nは、通信タグ8-1~8-Nから読み取るURLに接続することができる。
【0031】
なお、データ端末5-1~5-Nを操作するユーザは、既に、各種の電子マネー支払いを行うためのアカウント登録が個別的になされていることを前提とする。したがって、ユーザは、何らかの支払いに対して選択する電子マネー支払いシステム毎に、使用可能な残高が異なる。もちろん、ユーザは、電子マネー支払いシステムに接続して、使用可能な電子マネーの総額をチャージすることができる。
【0032】
電子決済サーバ10は、第2のネットワーク網1-2に接続されて電子決済サービスシステムとして運用するためのハードウエアと、ソフトウエアが具備されており、通常、データ端末5-1~5-Nにインストールされた精算機アプリケーションが所望の電子決済サービスを提供する電子決済サービスシステムのURLと、精算機4-1~4-Nを識別する識別コードもしくは通信タグ8-1~8-Nにあらかじめ設定される駐車所位置を特定するGPSを読み取ると、データ端末5-1~5-Nは、電子決済サービスシステムと連系できる通信接続を制御するとともに、この状態で、データ端末5-1~5-Nのタッチパネルディスプレイに表示された電子決済サービス一覧をデータ端末5-1~5-Nに転送する。
【0033】
そして、データ端末5-1~5-Nのユーザは、アカウント登録された使用可能な電子決済サービスを選択すると、通信タグ8-1~8-Nと紐づいて管理されている支払い先と精算機4-1~4-Nとの情報に基づいて、支払い先が特定され、支払う料金総額を精算機4-1~4-Nあるいは入出庫管理サーバ2から取得して、該料金総額がデータ端末5-1~5-Nのタッチパネルディスプレイに表示される。なお、精算機4-1~4-Nが支払う駐車料金の総額を算出する構成でなく、電子決済サーバ10と入出庫管理サーバ2との通信により、支払う駐車料金の総額を算出する構成であってもよい。
【0034】
ここで、データ端末5-1~5-Nのタッチパネルディスプレイに表示された、ユーザが精算ボタンをタップすると、電子決済サーバ10が提供する電子決済サービスシステムを介して、上記紐づいた支払い先(各精算機4-1~4-Nを管理する入出庫管理サーバ2があらかじめ提示する電子決済口座)に対して電子決済を行い、その支払い完了通知を受け取ると、電子決済サーバ10がデータ端末5-1~5-Nに支払い完了通知し、データ端末5-1~5-Nの各タッチパネルディスプレイに支払い完了した旨を表示する。
【0035】
なお、入出庫管理サーバ2の管理者または駐車場運営会社と、電子決済サービスシステムへのアカウント登録がなされており、通信タグ8-1~8-Nを介してデータ端末5-1~5-Nが精算要求を受け付けた際、通信タグ8-1~8-Nの識別コードから、電子決済すべき支払い先が確定するように決済契約があらかじめ成立しているものとする。
【0036】
したがって、支払いが完了した場合、電子決済サーバ10は、その旨を入出庫管理サーバ2に対して、駐車場識別コードと、駐車位置番号と、精算額、精算機4-1~4-Nの位置情報を通知するものとする。
【0037】
ここで、精算機4-1~4-Nは、入出庫管理サーバ2から停止板のロック解除の指示を受け付けて、後述する精算機4-1~4-Nのコントローラが停止板の駆動部を制御して、駐車中の車両が出庫可能な状態へ停止板を下降させる解除操作を行う。
【0038】
より具体的には、電子決済サーバ10は、精算機4-1~4-Nを識別する識別コードあるいは精算機4-1~4-Nの設置位置を示す位置情報(GPSによる)と、その支払いを管理する入出庫管理サーバ2とを紐づけて記憶部に登録している。
【0039】
これにより、入出庫管理サーバ2は、自ら管理する精算機4-1~4-Nに対する決済完了通知を識別コードとともに、電子決済サーバ10から受け取ると、支払いが完了した、駐車場のロック板を解除する指示を第1のネットワーク1-1を介して精算機に通知する。
【0040】
これにより、データ端末5-1~5-Nの各ユーザは、何らアプリケーションをインストールする等の作業を行うことなく、各ユーザが登録している所望の電子マネーによって、駐車場の駐車料金を支払うことができる。
【0041】
したがって、精算機4-1~4-Nの構成を変更したり、拡張したりすることなく、新たな電子決済機能に対応してスマートに駐車料金を徴収することが可能となる。
【0042】
これにより、駐車場4-1~4-Nを運営するオーナー(法人を含む)は、経済的負担を強いることなく、最新の電子決済型の駐車場にリニューアルしたと同等の効果が得られる。
【0043】
10は電子決済サーバで、各種の電子決済システムと連系して、物品購入の支払い、サービスに対する対価の支払い、レンタル料金の支払い、駐車場における駐車料金の支払い、ネットショッピングの支払い等に対してユーザが所望する電子決済をネットワーク通信による決済指示に合わせて行う。なお、データ端末を操作するユーザは、個別的に電子決済システムに対してアカウントを登録しているので、支払いに使用できる総額をインストールしているアプリケーションを起動することで確認することができる。
【0044】
図2は、
図1に示した精算機4-1~4-Nの一態様を示す図である。本例は、通信タグ8-1~8-Nが正面側に設置された例を示す。
【0045】
図2において、精算機4-1~4-Nは、入庫ボタンと、料金精算ボタンと出庫ボタンを有する。入庫ボタンと、料金精算ボタンをタッチパネルディスプレイ36に表示することで操作可能と構成してもよい。また、精算機4-1~4-Nは、現金決済ための硬貨投入口、紙幣投入口処理ユニット、釣銭返却口を備える。
【0046】
21は車両で、駐車場の空きスペースに入庫すると、精算機4-1~4-Nのロック板制御部からの指示で、ロック板22を立ち上がる位置で停止した後、駐車時間のタイマが計時を開始する。31は操作パネル、33はレシート発行部である。36はタッチパネルディスプレイで、各種メッセージ、駐車場の空きスペース情報等を表示する。なお、精算機4-1~4-Nは、交通系の電子マネーカードと、現金決済と、クレジットカードを利用可能な精算機とする。
【0047】
データ端末5-1~5-Nは、上述したNFC対応の無線通信アプリケーションがインストールされており、出庫時に、車両21のオーナーが通信タグ8-1~8-Nに端末本体を近接させることで、支払い可能な電子決済一覧から所望の電子決済(例えばPayPay(登録商標))が選択されると、電子決済処理が即時実行されてデータ端末5-1~5-Nのタッチパネルディスプレイ上に精算完了通知が表示される。図中では、駐車場の車庫番号SP:15の支払いが完了した状態を示している。
【0048】
図3は、
図1に示した入出庫管理サーバ2の構成を説明するブロック図である。
図3において、2Aは通信部で、ネットワーク網1-1に接続し、所定のプロトコルに基づいて精算機4-1~4-N、データ端末5-1~5-Nと通信する。2Bはコントローラ部で、外部メモリ51に確保される駐車場管理データベースへ登録された精算機4-1~4-Nとの通信により取得する各種情報を蓄積しながら、駐車場システムを総括的に制御する。
【0049】
2CはRAMで、コントローラ部2Bが実行する駐車場システムに関わる各種のアプリケーションが展開される。2Dは入出力インタフェース(I/O)で、外部メモリ51への読み込みまたは書き込みのためのアクセスを行う。
【0050】
図4は、
図3に示したRAM2Cに展開される駐車場システムに関わるアプリケーションとしての機能処理部を説明するブロック図である。
2C-1は通信タグ制御部で、通信部2Aを介して通信タグ8-1~8-Nとの通信処理を担う複数のプログラム群で構成されている。
【0051】
2C-2は電子決済部で、通信タグ8-1~8-Nと紐づいた精算機4-1~4-Nを特定しながら、ユーザが操作するデータ端末5-1~5-Nでアカウント登録された電子決済システムによる駐車料金を電子決済処理する複数のプログラム群で構成されている。なお、複数のプログラム群にはセキュリティチェックを行うプログラムを含まれている。
【0052】
2C-3は解除指示部で、電子決済部2C-2による駐車料金の電子決済の完了を待って、精算が完了した精算機4-1~4-Nのいずれかの精算機に対して停止板のロックを解除する指示を通知する複数のプログラム群で構成されている。
【0053】
図5は、
図1に示したデータ端末5-1のハードウエア構成を説明するブロック図である。
【0054】
図5において、5-1-1は通信部で、ネットワーク網1-2に無線通信により接続され、CPU5-1-3の管理の下、所定のプロトコルでインターネット無線通信を行う。なお、本システムは、特定の通信キャリアに依存せず、いずれかの通信キャリアに契約していれば、本システムを利用可能である。
【0055】
5-1-2は通信タブ読取り部で、精算機4-1の、例えば前面パネル側に設けられる通信タグ8-1にデータ端末5-1が接近すると、NFCアプリが起動して、通信タグ8-1に設定されたURLを読み取る処理を実行する。5-1-3はCPUで、ROM5-1-4に記憶されたオペレーティングシステム(OS)をRAM5-1-5に展開し、さらに、アプリケーションサイトからダウンロードした駐車料金精算システムに関わる特定のアプリケーションが展開される。
【0056】
5-1-6はタッチパネル部で、インストールされたアプリケーションを起動させる指示を受け付けたり、特定のURLに接続して動画を再生したりする。タッチパネル部5-1-6は、認証サービスを実行する際、生体認証の一例として、操作者の指紋を読み取る際にも使用される。
【0057】
5-1-7はGPS部で、データ端末5-1の現在位置情報をGPSシステムから取得して、GPS対応アプリケーションに該取得した位置情報を反映する処理を実行する。
【0058】
図6は、
図5に示したRAM5-1-5に展開される機能アプリケーションを説明するブロック図である。
【0059】
図6において、501は通信部で、通信タグ読取り部5-1-2が精算機4-1の前面パネル側に設けられる通信タグ8-1と近接無線通信により取得するURLおよび精算機識別コードを取得する。ここで、通信タグ8-1に精算機識別コードが設定されていない場合もある。
【0060】
502は電子決済一覧管理部で、データ端末5-1を操作するユーザがアカウント登録した電子決済に利用できる電子決済一覧を表示する画面を生成して、タッチパネル部5-1-6に表示する処理を実行する。
【0061】
503は支払依頼部で、タッチパネル部5-1-6に表示された電子決済一覧から選択された1つの電子決済システムによって精算機4-1が算出している駐車料金を支払う要求を生成して電子決済サーバ10に送信する。
【0062】
504は完了通知受領部で、支払依頼部503が電子決済サーバ10に通知した駐車料金を支払う要求に対する応答(精算処理の可否を含む)を受領する。
【0063】
505は支払い実行部で、完了通知受領部504が受領した内容が、ユーザが選択した電子マネーによる支払いを許可するOK応答であるかどうかを判断し、OK応答であると判断した場合、タッチパネル部5-1-6に表示される支払いボタンを表示し、該表示された支払いボタンがユーザによりタップされると同時に、電子決済を実行する。
【0064】
一方、ユーザが選択した電子マネーによる支払いを許可するOK応答でないNG応答であると判断した場合、タッチパネル部5-1-6に表示される支払いボタンが選択できないように制御する。
【0065】
図7は、本実施形態を示す駐車場精算システムを適用した駐車場の一例を示す平面図である。
図7に示す例では、駐車スペースSP1~SP15が確保された都市型の駐車場を例とする。
【0066】
現在、駐車スペースSP1~SP15のうち、駐車スペースSP15が車両MOのユーザがデータ端末5-1を通信タグ8-1に接近させて電子決済を試みる直前の状態を示している。なお、本駐車場は、国道246(Root246)沿いに確保されて交通量がWEEKDAYであれば、日平均30万台程度の交通量が期待できる優良地である。なお、駐車スペースSP15は、車庫番号として機能する。
【0067】
図8、
図9は、
図1に示した入出庫管理サーバ2に接続される外部メモリ51に確保されるデータベースのデータ構造を示す図である。
【0068】
図8において、C-P-M-Tはカーパーキングマネイジメントテーブルで、通信可能な精算機の精算機番号、設置場所、空き状況、売上等を集中管理するためのテーブルとして機能する。一例として、
図7に示した駐車場の管理データは、精算機番号NO.001、設置場所が「赤坂1丁目」、空き状況では、駐車スペースが15台確保され、現在、7台が駐車している状態を示している。売上は、日単位で集計されるものとする。
なお、空き状況中に割り付けた詳細ボタンBTをクリックすると、
図9に示すテーブルが入出庫管理サーバ2に備える図示しない表示部に表示される。
【0069】
図9において、SP1~SP15は、
図7に示した駐車スペースの番号である。
また、81は入庫状態(P)を示し、82は出庫状態(NOP)を示し、いずれかが有効表示される。83は入庫時刻で、停止板がリフトアップしたタイミングで計時した時刻が打刻されて自動入力される。84は出庫時刻で、本実施形態に示す駐車場精算システムによる電子決済が完了して、停止板がリフトアップしたタイミングで計時した時刻が打刻されて自動入力される。
【0070】
85は入庫時刻で、KK:15に入庫し、KK:30に出庫して、通信タグによる支払い額が¥500であったことが記録されている。なお、通常のクレジット決済の場合は、カードと記すカラムに駐車料金が記録され、現金支払いの場合は、CASHと記すカラムに駐車料金が記録して管理される。
【0071】
〔第1の決済処理〕
以下、
図10、
図11,
図12を順次参照しながら、本実施形態に示す駐車場精算システムによるデータ通信処理を詳述する。
【0072】
図10は、本実施形態を示す駐車場精算システムにおける第1の決済処理方法を説明するフローチャートである。なお、(1)~(9)はデータ端末5-1のCPU5-1-3がNFC通信機能を実行させることに基づいて、通信タグ8-1~8-Nから取得するURLに接続することで起動される手順に対応する。
【0073】
まず、データ端末5-1を操作する車両のドライバは、駐車場に車両を入庫した際、視認される空きスペースに車両を駐車してエンジンを切ると、入庫が完了する(1)。なお、駐車場の各車庫には個別の車庫番号があらかじめ付与されている。
【0074】
次に、ユーザは、精算機4-1に貼り付けられている、例えば通信タグ8-1にデータ端末5-1を近接(通信タグタッチ)されると(2)、第2のインターネットを介して該通信タグ8-1に設定された電子決済サーバに紐づくURLに接続する(3)。ここで、データ端末5-1が読み取るURLは、電子決済サーバ10に対応しているため、データ端末5-1は、インストールされているブラウザは、電子決済サーバ10が提供するWEBサイトに接続する(3)。
【0075】
次に、データ端末5-1は、接続してWEBサイトから駐車料金を支払うために電子決済サーバ10があらかじめ記憶しているUIを受信できたかどうかを判断する(4)。ここで、電子決済サーバ10があらかじめ記憶しているUIを受信できたと判断した場合、ユーザは、データ端末5-1のタッチパネルディスプレイに表示されたUI画面に表示されるUIに駐車した車両の車庫番号を入力する(5)。ステップ(5)で、入庫送信が完了したら(6)、以後、ドライバは、駐車場に車両を駐車したまま、買い物、食事、病院への通院が行われ、数十分から数時間が経過したら、車両を出庫するために、駐車場に立ち戻る。
【0076】
この際、データ端末5-1のユーザは、携帯するデータ端末5-1の本体を精算機4-1の通信タグ8-1に近接(通信タグタッチ)すると(7)、ステップ(3)と同様のプロトコルで電子決済サーバ10に接続する。
【0077】
次に、データ端末5-1は、電子決済サーバ10から提示されるUI画面上に表示された駐車料金に対して電子決済一覧方法から、所望の電子決済方法を選択し、かつ、同UI画面上に表示される支払いアイコンを指示して(8)、電子決済サーバ10から出庫可能通知を受信したら(9)、本処理を終了する。
【0078】
なお、電子決済サーバ10は、ステップ(8)に基づくデータ端末5-1からの指示を受信すると、選択された電子決済方法に基づく駐車料金を電子決済することとなる。
【0079】
図11は、本実施形態を示す駐車場精算システムにおける第1の決済処理方法を説明するフローチャートである。なお、(11)~(22)は電子決済サーバ10のCPUがデータ端末5-1と第2のネットワーク1-2を介して通信することで実行される電子決済処理手順に対応する。
【0080】
図10に示したステップ(2)において、データ端末5-1を操作するユーザが、精算機4-1に張り付けられた通信タグ8-1に端末本体を近接されることで、データ端末5-1と接続されたことを検出したら(11)、データ端末5-1に車庫番号を確定するための図示しないUI画面を送信する(12)。
【0081】
次に、ステップ(12)でデータ端末5-1に送信したUI画面に対して、データ端末5-1のユーザが車庫番号と、駐車場を特定する駐車場コードを入力するのを待つ(13)。ここで、データ端末5-1のユーザが車庫番号と、駐車場を特定する駐車場コードを入力すると、電子決済サーバ10は、ユーザが入力した電子決済サーバ10と、通信タグ8-1に紐づく駐車場を識別するコードを受信する。なお、駐車場を特定する駐車場コードは、通信タグ8-1に設定しておく構成としてもよい。
【0082】
ここで、電子決済サーバ10は、ステップ(13)で電子決済サーバ10は、ユーザが入力した電子決済サーバ10と、通信タグ8-1に紐づく駐車場を識別するコードを受信するタイミングに同期して、駐車時間を計時するタイマをスタートする(14)。次に、データ端末5-1を操作するユーザが駐車した車両を駐車場から出庫するために、データ端末5-1を精算機4-1に張り付けられた通信タグ8-1に近接する操作を行うと、電子決済サーバ10は、駐車料金を精算するための指示であると判断して(15)、電子決済サーバ10は、データ端末5-1に対して、駐車料金を精算するためのUI画面を送信する(16)。ここで、電子決済サーバ10は、ステップ(14)でスタートしたタイマをストップして、駐車時間を算出する(17)。
【0083】
次に、電子決済サーバ10は、入出庫管理サーバ2に対して、算出した駐車時間とともに、該駐車時間に対する駐車料金額の提示を要求する(18)。これを受けて、入出庫管理サーバ2が算定した駐車料金額を受信する(19)。
【0084】
次に、電子決済サーバ10は、入出庫管理サーバ2が算定した駐車料金額および、その支払いに使用可能な電子決済の一覧を表示するUI画面をデータ端末5-1に送信する(20)。
【0085】
次に、データ端末5-1に表示された上記UI画面に表示される支払いOKボタンをユーザが指示することを受信したら(21)、選択された電子決済により駐車料金を電子決済した後、支払い完了通知を第1のネットワークを介して入出庫管理サーバ2に送信して(22)、本処理を終了する。
【0086】
図12は、本実施形態を示す駐車場精算システムにおける第1の決済処理方法を説明するフローチャートである。なお、(31)~(36)は入出庫管理サーバ2のCPUが第1のネットワークを介して電子決済サーバ10と通信することで実行される電子決済処理手順に対応する。
【0087】
図11に示したステップ(18)で電子決済サーバ10から駐車料金の問い合わせ(駐車時間、精算機識別コード)を受信したら(31)、コントローラ部2Bは、精算機識別コードに基づく料金表に従って駐車料金を算出する(32)。次に、コントローラ部2Bは、算出した駐車料金を電子決済サーバ10に返信する(33)。
【0088】
次に、
図11に示したステップ(22)で送信される、駐車料金を電子決済したことを示す支払い完了通知を受信したら(34)、精算機識別コードで特定される精算機4-1に通知した車庫番号の車両に対する出庫可能通知を第1のネットワーク網1-1を介して精算機4-1に通知して(35)、該出庫可能通知に対する精算機4-1から出庫した旨の応答を受信したら(36)、本処理を終了する。
【0089】
図10~
図12に示した駐車場精算システムの電子決済処理方法は、第1のネットワーク網1-1を介して、入出庫する車両の車両情報を撮像するカメラと、駐車場に駐車した利用者から駐車料金を徴収する精算機4-1~4-Nと、精算機4-1~4-Nから駐車場に入庫した車庫番号を取得して駐車情報データベースに登録する入出庫管理サーバ2とが通信する第1の駐車場精算システムに対して、第2のネットワーク網1-2を介して、ユーザが操作するデータ端末5-1~5-Nと、データ端末5-1~5-Nを精算機4-1~4-Nに着脱自在に貼り付け可能な通信タグに近接することで特定される電子決済サーバ10とを含む第2の駐車場精算システムを通信可能に接続して、データ端末5-1~5-Nを操作するユーザが所望する電子決済システムによる決済を行う電子決済処理ステップを備えることを特徴としている。
【0090】
〔第1実施形態の効果〕
本実施形態によれば、既存の精算機が電子決済に対応していないか、選択可能な電子決済システムが限定されている場合でも、何ら精算機を新規モデルに変更する等のコスト負担を強いることなく、ユーザが所望とする電子決済システムを選択することで、スムーズに電子決済を完了して、迅速に駐車場から出庫することができる。
【0091】
なお、本駐車場精算システムは、駐車場において停止板が設置されているか否かに関わらずいずれの駐車場にも対応可能であり、駐車場オーナーにとっても、システム導入負担が軽減され、駐車場利用者にとっても利便性を向上させることができる。
【0092】
〔第2実施形態〕
図13は、本実施形態を示す駐車場精算システムの構成を説明するブロック図である。なお、以下、第1実施形態に示した駐車場精算システムの構成の差異について詳述する。
【0093】
なお、精算機4-1~4-Nは、不正駐車する車両を特定するため、24時間作業可能なカメラ9-1~9-Nを各駐車場に少なくとも1台備え、撮像した画像情報を入出庫管理サーバ2に送信する機能を備えている。
【0094】
図13において、カメラ9-1~9-Nは、ドーム型として、撮像する方位を平面に対して360度回転することができる。さらに、必要に応じて、カメラ9-1~9-Nは、入出庫管理サーバ2の管理者から遠隔操作指示を受けて撮像位置やフラッシュ撮影機能を備えてもよい。なお、カメラ9-1~9-Nに代えて、各駐車エリア毎に設置する柱状カメラを設置して、各駐車車両のナンバープレート車種を撮像する構成としてもよい。
【0095】
不正車両管理サーバ6は、精算機4-1~4-Nに駐車料金を支払うことなく出庫した車両を撮像するカメラ9-1~9-Nからの撮像情報を解析して、不正駐車した車両のオーナーに対する通知や、被害届を所轄の警察署に通知する等の作業を行う。
【0096】
また、カメラ9-1~9-Nは、ドーム型として、撮像する方位を平面に対して360度回転することができる。さらに、必要に応じて、カメラ9-1~9-Nは、入出庫管理サーバ2の管理者から遠隔操作指示を受けて撮像位置やフラッシュ撮影機能を備えてもよい。
【0097】
不正車両管理サーバ6は、精算機4-1~4-Nに駐車料金を支払うことなく出庫した車両を撮像するカメラ9-1~9-Nからの撮像情報を解析して、不正駐車した車両のオーナーに対する通知や、被害届を所轄の警察署に通知する等の作業を行う。
【0098】
本実施形態では、駐車料金を支払わない悪意を持った利用者を特定する情報を収集して、不正車両管理サーバ6と、入出庫管理サーバ2とが連系することで、不正車両に対して迅速に対応する構成を特徴としている。
【0099】
本システムでは、カメラ9-1~9-Nが駐車場に入庫した車両の特徴(車種、色)およびナンバープレートを撮像する。
また、カメラ9-1~9-Nは、ドーム型の構造を採用し、駐車場内を360度視認可能で、ズーム機能と、静止画撮影機能、動画撮影機能を備える。なお、カメラ9-1~9-Nは、ネットワークカメラ機能を備え、
図13に示す通信タグ8-1~8-Nにデータ端末5-1~5-Nが近接する操作に連動して、カメラ9-1~9-Nによる所定時間、入力される車庫番号に対応する位置に駐車中の車両を撮影する撮影開始、撮影終了のトリガーとして機能する。
【0100】
これにより、駐車場を利用する車両を自動的に撮影することができる。なお、カメラ9-1~9-Nは、車両全体およびアンバープレートを撮影可能であるものとする。
【0101】
また、詳細は後述するが、データ端末5-1~5-Nが車両を入庫して通信タグ8-1~8-Nを近接させるタイミングと、車両を出庫するために通信タグ8-1~8-Nを近接させるタイミングとで2回車両情報を撮像することができる。
6は不正車両管理サーバで、通信部600を介して第1のネットワークに接続して、入出庫管理サーバ2と通信可能に構成されている。
【0102】
図14は、
図13に示した不正車両管理サーバ6が管理する不正駐車車両管理データベース601の構成を説明するブロック図である。
図14において、不正駐車車両管理データベース601は、画像テーブル601-1と、車両情報テーブル601-2とから構成され、画像テーブル601-1には、カメラ9-1~9-Nが撮像した駐車料金を未払いの状態で出庫した車両の画像を日時、精算機を識別する精算機コードに紐づけて記憶させ、車両情報テーブル601-2には、未払い金額、車両の特徴(車種、色)を精算機コードに紐づけて記憶させる構成を採用している。
【0103】
603はコントローラ部で、図示しないCPU、ROM、RAMを備え、内部バスに接続される通信部600、不正駐車車両管理データベース601、判定部602を総括的に制御する。
【0104】
判定部602は、精算機4-1~4-Nから通報された不正利用者に関する車両情報と、不正駐車車両管理データベース601に登録された車両情報と比較して、既に登録済の車両であるか否かを判定し、その判定結果を入出庫管理サーバ2に通知する。
【0105】
これにより、駐車場に車両を入庫した際、カメラで撮像した車両情報から不正利用者であるか否かが迅速に判定でき、その判定結果を外部機関、例えば警察に通知することも可能となる。
【0106】
図15は、本実施形態を示す駐車場精算システムにおける第2の決済処理方法を説明するフローチャートである。なお、(41)~(48)は各ステップを示し、精算機4-1のコントローラ部のCPUがROMに記憶される制御プログラムを実行することにより実現される。
【0107】
まず、精算機4-1が駐車場に車両を空きスペースに入庫したことを検出したら(41)、車両を駐車したユーザが操作するデータ端末5-1を通信タグ8-1に近接する(42)。これにより、駐車場に車両が新規に入庫したことが電子決済サーバ10に入出庫管理サーバ2に通知されるとともに、カメラ9-1が駐車場に入庫された車両の撮像を開始する(43)。
【0108】
そして、カメラ9-1が撮像した車両の外観と、ナンバープレートを含む車両情報を入出庫管理サーバ2に転送する(44)。次に、車両を出庫させたいユーザが、再度、データ端末5-1を通信タグ8-1に近接したことを確認したら(45)、出庫要求が入出庫管理サーバ2に通知される。
【0109】
ここで、精算機4-1は、電子決済サーバ10による駐車料金の電子決済による支払が正常に完了しているかどうかを入出庫管理サーバ2に問い合わせる。ここで、精算機4-1のコントローラ部が入出庫管理サーバ2から料金支払いが正常である旨の通知を受けたと判断した場合、処理を終了する。
【0110】
一方、ステップ(46)で、精算機4-1のコントローラ部が入出庫管理サーバ2から料金支払いが正常である旨の通知を受けていないと判断した場合、ステップ(47)へ進み、精算機4-1のコントローラ部は、入出庫管理サーバ2に不正駐車した車両情報を送信するとともに、不正駐車した車両情報を不正車両管理サーバ6に転送する。
【0111】
次に、精算機4-1のコントローラ部は、不正車両管理サーバ6から送信した不正駐車した車両情報の登録が完了したことを示す受領応答を受信したら(48)、処理を終了する。
【0112】
図16は、本実施形態を示す駐車場精算システムにおける第2の決済処理方法を説明するフローチャートである。なお、(51)~(57)は各ステップを示し、各ステップは、不正車両管理サーバ6のコントローラ部のCPUがROMに記憶された制御プログラムを実行することにより実現される。
【0113】
まず、不正車両管理サーバ6のコントローラ部603が第1のネットワーク1-1を介して、入出庫管理サーバ2または精算機4-1から駐車料金を未払いで出庫した車両に関する不正車両情報を取得したら(51)、不正車両管理サーバ6のコントローラ部603が取得した車両情報の分析を開始する(52)。
【0114】
不正車両管理サーバ6のコントローラ部603は、取得した車両情報が画像情報であるか否かを判断し(53)、取得した車両情報が画像情報であると判断した場合、ステップ(54)へ進み、取得した車両画像が
図14に示した画像テーブル601-1に既に登録されているか否かを判断する。
【0115】
ここで、不正車両管理サーバ6のコントローラ部は、取得した車両画像が
図14に示した画像テーブル601-1に既に登録されていると判断した場合、ステップ(56)へ進み、不正車両管理サーバ6のコントローラ部は、入庫した駐車車両は不正車両と特定して(56)、さらに、不正車両管理サーバ6のコントローラ部は、第1のネットワーク1-1を介して判定結果を入出庫管理サーバ2へ通知して(57)、処理を終了する。
【0116】
一方、ステップ(53)で、不正車両管理サーバ6のコントローラ部603は、取得した車両情報が画像情報でないと判断した場合は、取得した車両の特徴情報(外観、車種、色)が車両テーブル601-2に既に登録されているかどうかを判断する(55)。
【0117】
ここで、不正車両管理サーバ6のコントローラ部603は、取得した車両の特徴情報(外観、車種、色)が車両テーブル601-2に既に登録されていると判断した場合、ステップ(56)へ進み、不正車両管理サーバ6のコントローラ部603は、入庫した駐車車両は不正車両と特定して(56)、さらに、不正車両管理サーバ6のコントローラ部603は、第1のネットワークを介して判定結果を入出庫管理サーバ2へ通知して(57)、処理を終了する。
一方、ステップ(54)またはステップ(55)で、不正車両管理サーバ6のコントローラ部603は、NOと判断した場合、ステップ(57)へ進む。
【0118】
〔第2実施形態の効果〕
本実施形態によれば、駐車情報に車両を入庫した際に、ユーザが操作するデータ端末5-1を通信タグ8-1に近接するタイミングを捉えてカメラ9-1が駐車された車両を撮像して抽出した車両の外観、ナンバープレート等を含む車両の特徴情報を不正駐車車両管理データベース601に自動登録することができる。
【0119】
これにより、不正駐車する頻度の高い車両が駐車場に入庫した際、本実施形態が推奨する駐車場精算システムを利用することで、悪意のある車両情報を自動的に不正駐車車両管理データベース601に蓄積して管理することができる。
なお、不正駐車する頻度の高い車両が駐車場に入庫した際、データ端末5-1のGPS機能と連系することで、ユーザが操作するデータ端末5-1を通信タグ8-1に近接するタイミングを捉えて精算機4-1の設置位置を特定する機能を付加することもできる。
【0120】
〔第3実施形態〕
一般に、駐車場は、車両を駐車することが設置目的であるため、愛煙家の行動についてまで柔軟なシステムを構築することは少ない。
しかしながら、愛煙家の一部には、駐車場内で喫煙し、吸い殻を精算機周辺や駐車エリアにポイ捨てしてしまう輩も存在し、駐車場管理者が清掃したり、見回りしたりする手間がかかり、その改善策が模索されている。
【0121】
そこで、ユーザが操作するデータ端末5-1を通信タグ8-1に近接して駐車料金を精算する際に、タバコポイ捨てを撲滅する資金として、駐車料金の売上の何%かをタバコポイ捨てクリーン計画用に開設される特定の口座に、簡易的室内喫煙所を設営する資金をプールするシステムを上記実施形態で示したシステムに組み入れる構成とすることで、駐車場を運営するオーナーや法人に簡易的室内喫煙所を増やすことで、駐車場の清掃管理費用を節減し、かつ、愛煙家の利用者には、リピーターとしての利用の機会を増やすこともできる。
【0122】
なお、売上に対するシェア%は、本システムが提供する運営会社と、オーナのとの取り決めに委ねる。
【0123】
〔第3実施形態の効果〕
本実施形態によれば、駐車場を利用するユーザが操作するデータ端末5-1を通信タグ8-1に近接して駐車料金を精算するという操作を行うだけで、蓄積される資金を利用して駐車場利用者による禁煙で駐車場周辺における煙草のポイ捨てを防止できる駐車場を提供して、愛煙家の駐車場利用者と、駐車場運営者との間に調和を保ち、新たな駐車場経営戦略を拡張することができる。
【0124】
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステムまたは装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えばASIC)によっても実現可能である。
【0125】
以上の記載した本発明に関する開示は、少なくとも下記事項に要約することができる。
【0126】
(1)第1のネットワーク網を介して、入出庫する車両の車両情報を撮像するカメラと、駐車場に駐車した利用者から駐車料金を徴収する精算機と、前記精算機から前記駐車場に入庫した車庫番号を取得して駐車情報データベースに登録する入出庫管理サーバとが通信する第1の駐車場精算システムに対して、第2のネットワーク網を介して、ユーザが操作するデータ端末と、前記データ端末を前記精算機に着脱自在に貼り付け可能な通信タグに近接することで特定される電子決済サーバとを含む第2の駐車場精算システムを通信可能に接続して、前記データ端末を操作するユーザが所望する電子決済システムによる決済を行う電子決済処理手段を備えることを特徴とする。
【0127】
(2)所定のネットワーク網を介して、入出庫する車両の車両情報を撮像するカメラと、入庫した車両を駐車位置にロックする駐車ロック機構とを備えて駐車場に駐車した利用者から駐車料金を徴収した後、前記駐車ロック機構を解除する精算機と、前記精算機から前記駐車場に入庫して前記駐車ロック機構が作動した車庫番号を取得して駐車情報データベースに登録する入出庫管理サーバとが通信する第1の駐車場精算システムと、前記所定のネットワーク網を介して、ユーザが操作するデータ端末と、前記データ端末を前記精算機に着脱自在に貼り付け可能な通信タグに近接することで特定される電子決済サーバとを含む第2の駐車場精算システムとが通信する駐車場精算システムであって、前記データ端末は、前記通信タグと近接無線通信を行う無線通信手段と、入庫時または出庫時に、前記通信タグと近接通信することに応じて、前記電子決済サーバへ接続して駐車料金を支払うためのユーザインタフェースを取得する取得手段と、前記取得手段が取得したユーザインタフェースに表示された指示に従い前記ユーザが入力する車庫番号と、前記駐車料金を精算するために使用する電子決済方法一覧から選択される所望の電子決済方法と、前記精算機を特定する識別情報とを前記電子決済サーバに転送する転送手段と、前記電子決済サーバから前記入出庫管理サーバに問い合わされた前記車庫番号に対する駐車料金を取得して、前記ユーザインタフェース上に表示した状態で、前記選択した前記所望の電子決済方法による支払い依頼を送信する支払い依頼手段と、を備え、前記電子決済サーバは、前記データ端末から転送される車両番号を前記入出庫管理サーバに問い合わせて、支払うべき駐車料金情報を受領し、前記データ端末に通知する第1の通知手段と、前記データ端末から依頼された駐車料金をユーザが選択した所望の電子決済方法により電子決済する決済手段と、前記決済手段より前記駐車料金の決済が完了したことを示す電子決済完了通知前記入出庫管理サーバに通知する第2の通知手段と、を備え、前記入出庫管理サーバは、前記電子決済サーバから前記電子決済完了通知を受けて、前記車庫番号で特定される前記精算機に対して前記駐車ロック機構の解除指示を行う解除指示手段を備え、ることを特徴とする。
【0128】
(3)所定のネットワーク網を介して、入出庫する車両の車両情報を撮像するカメラと、駐車場に駐車した利用者から駐車料金を徴収する精算機と、前記精算機から前記駐車場に入庫した車庫番号を取得して駐車情報データベースに登録する入出庫管理サーバとが通信する第1の駐車場精算システムと、前記所定のネットワーク網を介して、ユーザが操作するデータ端末と、前記データ端末を前記精算機に着脱自在に貼り付け可能な通信タグに近接することで特定される電子決済サーバとを含む第2の駐車場精算システムとが通信する駐車場精算システムであって、前記データ端末は、前記通信タグと近接無線通信を行う無線通信手段と、入庫時または出庫時に、前記通信タグと近接通信することに応じて、前記電子決済サーバへ接続して駐車料金を支払うためのユーザインタフェースを取得する取得手段と、前記取得手段が取得したユーザインタフェースに表示された指示に従い前記ユーザが入力する車庫番号と、前記駐車料金を精算するために使用する電子決済方法一覧から選択される所望の電子決済方法と、前記精算機を特定する識別情報とを前記電子決済サーバに転送する転送手段と、前記電子決済サーバから前記入出庫管理サーバに問い合わされた前記車庫番号に対する駐車料金を取得して、前記ユーザインタフェース上に表示した状態で、前記選択した前記所望の電子決済方法による支払い依頼を送信する支払い依頼手段と、を備え、前記電子決済サーバは、前記データ端末から転送される車両番号を前記入出庫管理サーバに問い合わせて、支払うべき駐車料金情報を受領し、前記データ端末に通知する第1の通知手段と、前記データ端末から依頼された駐車料金をユーザが選択した所望の電子決済方法により電子決済する決済手段と、前記決済手段より前記駐車料金の決済が完了したことを示す電子決済完了通知前記入出庫管理サーバに通知する第2の通知手段と、を備えることを特徴とする。
【0129】
(4)入出庫する車両の車両情報を撮像するカメラを前記精算機に接続し、前記精算機は、前記ネットワーク網を介して前記カメラが撮像した車両の車両情報から抽出する車両番号と、入庫時の日付時刻と、精算すべき駐車料金額とを含む不正出庫情報を前記精算機から取得して不正車両データベースに登録する登録手段を備える不正車両管理サーバと通信することを特徴とする。
【0130】
(5)第1のネットワーク網を介して、入出庫する車両の車両情報を撮像するカメラと、駐車場に駐車した利用者から駐車料金を徴収する精算機と、前記精算機から前記駐車場に入庫した車庫番号を取得して駐車情報データベースに登録する入出庫管理サーバとが通信する第1の駐車場精算システムに対して、第2のネットワーク網を介して、ユーザが操作するデータ端末と、前記データ端末を前記精算機に着脱自在に貼り付け可能な通信タグに近接することで特定される電子決済サーバとを含む第2の駐車場精算システムを通信可能に接続して、前記データ端末を操作するユーザが所望する電子決済システムによる決済を行う電子決済処理ステップを備えることを特徴とする。
【符号の説明】
【0131】
2 入出庫管理サーバ
4-1~4-N 精算機
5-1~5-N データ端末
8-1~8-N 通信タグ
10 電子決済サーバ