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特開2024-105962重量物の吊下装置における吊具着脱機構
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024105962
(43)【公開日】2024-08-07
(54)【発明の名称】重量物の吊下装置における吊具着脱機構
(51)【国際特許分類】
   B66C 1/34 20060101AFI20240731BHJP
【FI】
B66C1/34 Q
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023009986
(22)【出願日】2023-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】000170325
【氏名又は名称】鴻池運輸株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123021
【弁理士】
【氏名又は名称】渥美 元幸
(72)【発明者】
【氏名】藤井 康伸
【テーマコード(参考)】
3F004
【Fターム(参考)】
3F004AA06
3F004CD02
3F004DA02
(57)【要約】
【課題】 安全に玉掛け・玉外しの際の外れ止め機構の脱着をすることができる重量物の吊下装置を提供する。
【解決手段】 フック21に外れ止め装置22が設けられた重量物の吊下装置であって、重量物である荷を取り付けて吊り下げる荷吊部を有する吊具を備え、吊具の中心にフック21が引っ掛けられるフック受け部12と、フック受け部12の左右両端から斜め上方に向かって傾斜する傾斜面11aを有する傾斜部11とが設けられ、外れ止め装置22の側方外側へ水平に突出する棒状の側方凸部23が設けられ、巻き上げ手段の操作で側方凸部23を傾斜部11の傾斜面11aに当接させ傾斜面を摺動させて外れ止め装置22を開閉する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フックとフックの巻き上げ手段とを備え、フックにフックの根元から鉛直方向にフックの針先まで延びてフックの開口部分を閉じる外れ止め装置が設けられた重量物の吊下装置における吊具着脱機構であって、
重量物である荷が取り付けられる荷吊部を有する吊具の中心にフックが引っ掛けられるフック受け部と、フック受け部の左右両端から斜め上方に向かって傾斜する傾斜面を有する傾斜部とが設けられ、
前記フックの外れ止め装置の側方外側へ水平に突出する棒状の側方凸部が設けられ、
前記巻き上げ手段の操作で前記側方凸部を前記傾斜部の傾斜面に当接させ傾斜面を摺動させて前記フックの外れ止め装置を開閉する
ことを特徴とする重量物の吊下装置における吊具着脱機構。
【請求項2】
前記側方凸部は、フックの外れ止め装置の左右両側に設けられ、
前記傾斜部の傾斜面は、左右それぞれの側方凸部に対応して設けられている
ことを特徴とする請求項1記載の重量物の吊下装置における吊具着脱機構。
【請求項3】
前記傾斜部の傾斜面は、フック受け部におけるフックの掛け外し側と反対側に向かって傾斜している
ことを特徴とする請求項1記載の重量物の吊下装置における吊具着脱機構。
【請求項4】
フックとフックの巻き上げ手段とを備え、フックにフックの根元から鉛直方向にフックの針先まで延びてフックの開口部分を閉じる外れ止め装置が設けられた重量物の吊下装置における吊具であって、
前記吊具は、重量物である荷が取り付けられる荷吊部と、吊具の中心にフックが引っ掛けられるフック受け部と、フック受け部の左右両端から斜め上方に向かって傾斜する傾斜面を有する傾斜部とを備え、
前記フックの外れ止め装置の側方外側へ水平に突出して設けられた棒状の側方凸部が、前記巻き上げ手段の操作で前記傾斜部の傾斜面に当接され、傾斜面上を摺動して前記フックの外れ止め装置が開閉される
ことを特徴とする吊具。
【請求項5】
フックとフックの巻き上げ手段とを備え、フックにフックの根元から鉛直方向にフックの針先まで延びてフックの開口部分を閉じる外れ止め装置が設けられた重量物の吊下装置におけるフックであって、
前記フックの外れ止め装置の側方外側へ水平に突出する棒状の側方凸部を備え、
前記側方凸部が、前記巻き上げ手段の操作で、重量物である荷が取り付けられる荷吊部と、吊具の中心にフックが引っ掛けられるフック受け部と、フック受け部の左右両端から斜め上方に向かって傾斜する傾斜面を有する傾斜部とを備えた吊具の前記傾斜部の傾斜面に当接され、傾斜面上を摺動して前記フックの外れ止め装置が開閉される
ことを特徴とする重量物の吊下装置のフック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレーン等の、重量物を吊り下げる装置に関し、特に玉掛け・玉外しの際の外れ止め機構の脱着に関する。
【背景技術】
【0002】
クレーン等の、重量物を吊り下げる装置において、外れ止め防止のために種々の提案がなされている。例えば、特許文献1では、フックに掛けた玉掛け・固縛部材の外れを防止する内開き方式の外れ止め具と、外れ止め具のフック開口部閉鎖位置からの開きを防止するロックレバーを備えた玉掛け・固縛用の外れ止め具付きフックを、ロックレバーを係止させるノッチのフック本体に対する加工を必要とせず、傷んだノッチの再生も簡単に行えるようにした外れ止め具付きフックが開示されている。
【0003】
図12は、従来の玉外しの作業を説明するための図である。
【0004】
玉外しの際には、吊り下げられる重量物の周囲に取り付けられたワイヤロープ110をフック101から取り外す作業を行う。フック101には外れ止め装置102が取り付けられている。作業者は、外れ止め装置102の手鉤掛け部104に手鉤120を引っ掛け、外れ止め防止装置102を持ち上げる操作をすることでフック101の外れ止めを解除する。外れ止めが解除された状態で、クレーン操作者がクレーンを操作してワイヤロープ110をフック101から外すことにより玉外し作業が終了するという手順になっている。玉掛けの作業は、これと反対の作業手順となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-169362号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の玉掛け・玉外し作業では、外れ止め装置の手鉤掛け部に手鉤を掛けた状態でクレーン操作が行われるため、作業者がフックやワイヤと干渉し、ケガをする危険性がある。また、足場も不安定な場所で作業するケースもあり、転倒によるケガの発生リスクもある。
【0007】
そこで、本発明は、上記のような問題点に鑑みなされたものであり、安全に玉掛け・玉外しの際の外れ止め機構の脱着をすることができる重量物の吊下装置における吊具着脱機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明に係る重量物の吊下装置における吊具着脱機構は、フックとフックの巻き上げ手段とを備え、フックにフックの根元から鉛直方向にフックの針先まで延びてフックの開口部分を閉じる外れ止め装置が設けられた重量物の吊下装置における吊具着脱機構であって、重量物である荷が取り付けられる荷吊部を有する吊具の中心にフックが引っ掛けられるフック受け部と、フック受け部の左右両端から斜め上方に向かって傾斜する傾斜面を有する傾斜部とが設けられ、前記フックの外れ止め装置の側方外側へ水平に突出する棒状の側方凸部が設けられ、前記巻き上げ手段の操作で前記側方凸部を前記傾斜部の傾斜面に当接させ傾斜面を摺動させて前記フックの外れ止め装置を開閉することを特徴とする。
【0009】
ここで、前記側方凸部は、フックの外れ止め装置の左右両側に設けられ、前記傾斜部の傾斜面は、左右それぞれの側方凸部に対応して設けられているのが好ましく、前記傾斜部の傾斜面は、フック受け部におけるフックの掛け外し側と反対側に向かって傾斜しているのが好ましい。
【0010】
これによれば、荷を吊り下げる吊具がフック受け部と傾斜部とを備えており、フックの外れ止め装置が側方凸部を備えており、クレーン操作で側方凸部を傾斜部の傾斜面に当接させ、傾斜面を摺動させてフックの外れ止め装置を開閉してフックの掛け外しを行うので、安全に玉掛け・玉外しの際の外れ止め機構の脱着をすることができる重量物の吊下装置における吊具着脱機構が実現される。
【0011】
また、本発明は、フックとフックの巻き上げ手段とを備え、フックにフックの根元から鉛直方向にフックの針先まで延びてフックの開口部分を閉じる外れ止め装置が設けられた重量物の吊下装置における吊具であって、前記吊具は、重量物である荷が取り付けられる荷吊部と、吊具の中心にフックが引っ掛けられるフック受け部と、フック受け部の左右両端から斜め上方に向かって傾斜する傾斜面を有する傾斜部とを備え、前記フックの外れ止め装置の側方外側へ水平に突出して設けられた棒状の側方凸部が、前記巻き上げ手段の操作で前記傾斜部の傾斜面に当接され、傾斜面上を摺動して前記フックの外れ止め装置が開閉されることを特徴とする吊具、として構成することもできる。
【0012】
さらに、本発明は、フックとフックの巻き上げ手段とを備え、フックにフックの根元から鉛直方向にフックの針先まで延びてフックの開口部分を閉じる外れ止め装置が設けられた重量物の吊下装置におけるフックであって、前記フックの外れ止め装置の側方外側へ水平に突出する棒状の側方凸部を備え、前記側方凸部が、前記巻き上げ手段の操作で、重量物である荷が取り付けられる荷吊部と、吊具の中心にフックが引っ掛けられるフック受け部と、フック受け部の左右両端から斜め上方に向かって傾斜する傾斜面を有する傾斜部とを備えた吊具の前記傾斜部の傾斜面に当接され、傾斜面上を摺動して前記フックの外れ止め装置が開閉されることを特徴とする重量物の吊下装置のフック、としてもよい。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明に係る重量物の吊下装置における吊具着脱機構によれば、荷を吊り下げる吊具にフック受け部と傾斜部とを設け、フックの外れ止め装置に側方凸部を設け、クレーン操作のみで側方凸部を傾斜部の傾斜面に当接させ、傾斜面を摺動させてフックの外れ止め装置を開閉してフックの掛け外しを行うので、重量物の吊下装置について安全に玉掛け・玉外しの際の外れ止め機構の脱着をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】吊下装置の吊具の構成例を示す図である。
図2】吊具の傾斜部近傍を拡大して示す側面図である。
図3】吊具の傾斜部近傍を拡大して示す正面図である。
図4】吊下装置の吊下部近傍を拡大して示す正面図である。
図5】吊下装置の吊下部近傍を拡大して示す側面図である。
図6】吊下装置による玉外しの手順を説明するための図である。
図7】吊下装置による玉外しの手順を説明するための図である。
図8】吊下装置による玉外しの手順を説明するための図である。
図9】吊下装置による玉外しの手順を説明するための図である。
図10】吊下装置による玉外しの手順を説明するための図である。
図11】吊下装置による玉外しの手順を説明するための図である。
図12】従来の玉外しの作業を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る重量物の吊下装置における吊具着脱機構について図を参照しながら説明する。
【0016】
本実施形態の重量物の吊下装置は、クレーン等の、重量物を吊り下げる装置であり、クレーン等の先端にあるフック等の吊下部と、吊下部を巻き上げるクレーン等の巻き上げ手段と、荷(重量物)が取り付けられて吊下部に吊り下げられる吊具とで構成されている。
【0017】
図1は、吊下装置の吊具の構成例を示す図である。
【0018】
吊具10は、荷(重量物)を取り付けて吊り下げるための部材であり、傾斜部11と、フック受け部12と、荷吊部13とを備えている。吊具10は、例えば「工」の字型に形成されており、その四隅に荷が吊り下げられる荷吊部13を備えている。吊具10の形状は図1に示す形状に限られるものではないが、荷吊部13に吊り下げられる荷は重量物であり、その重量バランスを考慮すると荷吊部13は吊具10の中心から均等な距離に位置する箇所に設けられるのが好ましく、図1に示す形状が最適な形状の1つであるということがいえる。
【0019】
傾斜部11とフック受け部12は、吊下装置の吊下部との接続部分となる部材で、上述した重量バランスの観点から吊具10の中心(重心)に位置するように設けられている。ここでは、傾斜部11とフック受け部12とが吊具10の天面から上方へ向かって設けられている例を示している。
【0020】
図2は吊具の傾斜部11近傍を拡大して示す側面図であり、図3はその正面図である。
【0021】
フック受け部12は吊下装置の吊下部であるフックが引っ掛けられる円筒部材である。
【0022】
傾斜部11は、フック受け部12の左右両端の近傍位置からそれぞれ斜め上方に向かって傾斜し延出された部材である。傾斜部11は、水平に対し上方へ約65°の角度で傾斜して延出する傾斜面11aを備えている。この傾斜面11aに、後述する吊下部の外れ止め装置の側方凸部が当接して、傾斜面11a上を摺動するようになっている。すなわち、外れ止め装置の側方凸部にそれぞれ対応して傾斜部11の傾斜面11aが設けられている。
【0023】
また、傾斜部11は、傾斜面11aがフック受け部12におけるフックの掛け外し側と反対側に向かって傾斜するように設けられている。つまり、傾斜部11の設けられている反対側へフックが掛けられ、また、傾斜部11の設けられている反対側から外されるようになっている。
【0024】
図4は吊下装置の吊下部近傍を拡大して示す正面図であり、図5はその側面図である。
【0025】
吊下装置の吊下部20は、吊具10を吊り下げるためのフック等の部材であり、吊下装置の先端にフック21を備えている。
【0026】
フック21は、外れ止め装置22を備えている。外れ止め装置22は、フック21を吊具10のフック受け部12に引っ掛けたときにフック21が外れることを防止するものであり、フック21の根元から鉛直方向に延びてフック21の開口部分を閉じることでフック21の外れ止めとして機能する。外れ止め装置22は、水平方向に延びる部材によってフック21に取り付けられている。この水平方向に延びる部材と外れ止め装置22の上端とが回動可能に接続されている。そして、外れ止め装置22は、フック21の開いた部分を閉じるために、フック21の根元(水平方向に延びる部材との接続部分)から針先に向かって垂直となるようバネ等で付勢されている。
【0027】
外れ止め装置22の上端近傍の側部には、左右の外側方向へ水平に突出する棒状の部材の側方凸部23が設けられている。左右側方の外側へ延びた側方凸部34は、左右それぞれに対応する形で吊具10にある傾斜部11の傾斜面11aと当接する長さを有しており、傾斜面11a上を摺動するようになっている。傾斜面11aをスムーズに摺動させるために、側方凸部23は円筒の棒状部材または傾斜面11aとの接触面が傾斜面11aと平行となる面を有する形状の棒状部材で構成するのが好ましい。
【0028】
手鉤掛け部24も、従来の外れ止め装置と同様に備えられている。本実施形態における手鉤掛け部24は、外れ止め装置22の回動(開口)を規制するものとして機能するが、動作に不具合があったときの非常用として手鉤を引っ掛けるためのものとして用いることもできる。
【0029】
このように構成された重量物の吊下装置による玉外しの手順について、図6乃至図11を用いて説明する。
【0030】
図6では、フック21が吊具10のフック受け部12に掛かっている状態になっている。外れ止め装置22はフック21の開口部分を閉じており外れ止め機能が発揮されている状態にある。このとき、側方凸部23は傾斜部11の傾斜面11aの上端に位置している。
【0031】
クレーンの巻き上げ操作でフック21を巻き上げると、図7に示すように、側方凸部23は傾斜面11aの上端から傾斜面11aに沿って下方へ摺動するとともに、フック21はフック受け部12に掛かった状態から下方へ外れ始める。
【0032】
クレーンの巻き上げ操作を続け、側方凸部23が傾斜面11aに沿って下方へ摺動するにつれて、図8に示すように、側方凸部23が傾斜面11aによってフック21の内側へ押される力が働くので、外れ止め装置22を回動させフック21の開口部分を閉じていた状態から開く状態にする。そして、手鉤掛け部24は上方へ持ち上げられるように動く。
【0033】
さらに巻き上げると、図9に示すように、外れ止め装置22が完全に開いた状態となり、フック21をフック受け部12から外すことが可能な状態になる。
【0034】
この状態でクレーンの走行操作を行い、フック受け部12からフック21を外す操作を行うと、図10に示すように、側方凸部23は傾斜面11aの下端近傍にまで摺動した状態になる。
【0035】
その後、図11に示すように、フック21がフック受け部12から外れ、外れ止め装置22は元の状態(閉じた状態)に戻り、玉外し作業が終了する。
【0036】
玉掛けの作業は、これと反対の作業手順となり、側方凸部23を傾斜面11aの下端近傍に当接させて、上方へ摺動させるようにすると、側方凸部23が傾斜面11aによってフック21の内側へ押される力で、外れ止め装置22を回動させて開いた状態にし、フック21をフック受け部12に掛けることができる。側方凸部23をさらに上方へ傾斜面11aを摺動させていくと、側方凸部23が傾斜面11aによってフック21の内側へ押されていた力が弱まってバネ等の付勢によって外れ止め装置22が回動して閉じた状態になり、フック21のフック受け部12からの外れ止め機能を発揮した状態となる。
【0037】
以上のように構成された重量物の吊下装置は、荷を吊り下げる吊具の中心にフックを引っ掛けるフック受け部と斜め上方に向かって傾斜し延出させた傾斜部とを設けるとともに、フック側にはフックの外れ止め装置に左右外側方向へ水平に突出する棒状の側方凸部を設け、クレーン操作によって側方凸部を傾斜部の傾斜面に当接させ、傾斜面を摺動させてフックの外れ止め装置を開閉してフックの掛け外しを行うので、玉掛け・玉外し作業において作業者の手を介在させる頻度を低減することができ、作業時における安全性が確保される。
【0038】
このように本発明に係る重量物の吊下装置によれば、クレーン操作のみで玉掛け・玉外し作業におけるフックの掛け外しを可能にするので、作業者がフックやワイヤと干渉するおそれがなくなるので、安全に玉掛け・玉外しの際の外れ止め機構の脱着をすることができる。
【0039】
以上、本発明に係る重量物の吊下装置における吊具着脱機構について、実施の形態に基づいて説明したが本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の目的を達成でき、かつ発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々設計変更が可能であり、それらも全て本発明の範囲内に包含されるものである。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明に係る重量物の吊下装置における吊具着脱機構は、クレーン等の、重量物を吊り下げる装置として有用であり、特に玉掛け・玉外しの際の外れ止め機構の脱着に適している。
【符号の説明】
【0041】
10 吊具
11 傾斜部
11a 傾斜面
12 フック受け部
13 荷吊部
20 吊下部
21,101 フック
22,102 外れ止め装置
23 側方凸部
24,104 手鉤掛け部
110 ワイヤロープ
120 手鉤

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12