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  • 特開-内燃機関及び内燃機関の製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024105964
(43)【公開日】2024-08-07
(54)【発明の名称】内燃機関及び内燃機関の製造方法
(51)【国際特許分類】
   F02F 1/00 20060101AFI20240731BHJP
   F02F 7/00 20060101ALI20240731BHJP
   F02B 77/00 20060101ALI20240731BHJP
【FI】
F02F1/00 N
F02F7/00 301B
F02F1/00 C
F02B77/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023009988
(22)【出願日】2023-01-26
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 新型ミニバン事前取材会 令和4年11月14日
(71)【出願人】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】北村 真史
(72)【発明者】
【氏名】諸橋 悠樹
(72)【発明者】
【氏名】嵯峨 秀一郎
【テーマコード(参考)】
3G024
【Fターム(参考)】
3G024AA38
3G024DA18
3G024DA26
3G024FA14
3G024GA01
3G024HA07
(57)【要約】
【課題】バランサシャフトを支持する部分に生じる巣穴の発生を抑制する。
【解決手段】バランサシャフト収容孔10は、一端側軸受13aを介してバランサシャフト9の一端側を回転可能に支持する一端部14と、他端側軸受13bを介してバランサシャフト9の他端側を回転可能に支持する他端部15と、一端部14と他端部15との間に位置する中央部16と、を有している。バランサシャフト収容孔10は、他端側ほど小径となり、内周が気筒列方向に沿って円筒面状に連続するよう形成されている。バランサシャフト収容孔10は、鋳造後に、一端部14及び他端部15を切削し、一端部14及び他端部15を拡径している。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クランクシャフトと平行に配置されたバランサシャフトを回転可能に収容するバランサシャフト収容孔がシリンダブロックの側壁に形成された内燃機関において、
上記バランサシャフト収容孔は、一端が上記シリンダブロックの気筒列方向における一端に開口し、他端が内燃機関のクランクケース内の空間と連通し、
上記バランサシャフト収容孔は、一端側が一端側軸受を介して上記バランサシャフトの一端側を支持するとともに、他端側が他端側軸受を介して上記バランサシャフトの他端側を支持し、内周が気筒列方向に沿って円筒面状に連続する筒形状に形成されていることを特徴とする内燃機関。
【請求項2】
上記シリンダブロックは、当該シリンダブロックの上方から下方へとオイルを導くオイル落とし通路を有し、
上記バランサシャフト収容孔は、接続通路を介して上記オイル落とし通路と連通するよう形成されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
【請求項3】
上記オイル落とし通路は、上記接続通路が接続された位置に、段差面を有する階段状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関。
【請求項4】
上記接続通路は、クランクシャフト軸方向視で、上記バランサシャフト収容孔と上記オイル落とし通路との間に位置していることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関。
【請求項5】
上記接続通路は、一端が上記バランサシャフト収容孔の内周面に開口し、他端が上記オイル落とし通路の内周面に開口するよう形成され、
上記接続通路の一端は、クランクシャフト軸方向視で、上記バランサシャフト収容孔のオイル落とし通路側で、かつ下方側となる部分の内周面に開口するよう形成されていることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関。
【請求項6】
上記接続通路は、互いに独立した第1接続通路と第2接続通路であり、
上記第1接続通路は、一端が上記バランサシャフト収容孔の内周面に開口し、他端が上記オイル落とし通路の内周面に開口するよう形成され、
上記第1接続通路の一端は、クランクシャフト軸方向視で、上記バランサシャフト収容孔のオイル落とし通路側の内周面に開口するよう形成され、
上記第2接続通路は、一端が上記バランサシャフト収容孔の内周面に開口し、他端が上記オイル落とし通路の内周面に開口するよう形成され、
上記第2接続通路の一端は、クランクシャフト軸方向視で、上記バランサシャフト収容孔の下方側の内周面に開口するよう形成されていることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関。
【請求項7】
上記シリンダブロックの上記側壁は、上記シリンダブロックに形成されたシリンダの下方側の部分が上記シリンダブロックの幅方向に拡がったスカート部となり、
上記バランサシャフト収容孔は、上記スカート部に形成され、
上記スカート部は、上記バランサシャフト収容孔が形成された位置において内側の内壁面がクランクシャフトに直交する平面に沿った断面で直線状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
【請求項8】
クランクシャフトと平行に配置されたバランサシャフトを回転可能に収容するバランサシャフト収容孔がシリンダブロックの側壁に形成された内燃機関の製造方法において、
上記バランサシャフト収容孔は、一端が上記シリンダブロックの気筒列方向における一端に開口し、他端が内燃機関のクランクケース内の空間と連通するよう形成され、
上記バランサシャフト収容孔は、一端側が一端側軸受を介して上記バランサシャフトの一端側を支持するとともに、他端側が他端側軸受を介して上記バランサシャフトの他端側を支持するよう形成され、かつ他端側ほど小径となるように一端側から鋳抜きされた後に、上記一端側軸受及び上記他端側軸受が組み付けられる部分が切削により拡径されていることを特徴とする内燃機関の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関及び内燃機関の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、バランサシャフトを収容するバランサハウジングの内側に、バランサシャフトを支承する軸受部が形成されたエンジンブロックが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5-288240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のバランサハウジングにおいては、バランサシャフトを支承する軸受部がどのように形成されているのか開示されておらず、軸受部に生じる虞がある巣穴に関する考慮がなされていない。
【0005】
すなわち、バランサシャフトを有する内燃機関においては、バランサシャフトを収容支持する部分を形成するにあたって更なる改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の内燃機関は、バランサシャフト収容孔がシリンダブロックの側壁に形成されたものであって、上記バランサシャフト収容孔は、一端が上記シリンダブロックの気筒列方向における一端に開口し、他端が内燃機関のクランクケース内の空間と連通し、一端側が一端側軸受を介して上記バランサシャフトの一端側を支持するとともに、他端側が他端側軸受を介して上記バランサシャフトの他端側を支持するよう形成され、内周が気筒列方向に沿って円筒面状に連続する筒形状に形成されている。
【発明の効果】
【0007】
バランサシャフト収容孔を鋳抜きによって形成することが可能となり、一端側軸受及び他端側軸受を配置するためにバランサシャフト収容孔の内径寸法を機械加工等により削り出す際の削り代を小さくすることができる。このため、削り出しされた後のバランサシャフト収容孔の内周面に巣穴が発生してしまうことを抑制することができ、削り出しされた後のバランサシャフト収容孔の内周面上に露出した巣穴に連続する内部の巣穴を介してオイルが外部にリークすることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明が適用された内燃機関のシリンダブロックの側面図。
図2】本発明が適用された内燃機関のシリンダブロックの正面図。
図3】本発明が適用された内燃機関のシリンダブロックの下面図。
図4図2のA-A線に沿った断面図。
図5図4のB-B線に沿った断面図。
図6図4のC-C線に沿った断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施例を図1図6に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明が適用された内燃機関1のシリンダブロック2の側面図である。図2は、本発明が適用された内燃機関1のシリンダブロック2の正面図である。図3は、本発明が適用された内燃機関1のシリンダブロック2の下面図である。図4は、図2のA-A線に沿った断面図である。図5は、図4のB-B線に沿った断面図である。図6は、図4のC-C線に沿った断面図である。
【0010】
内燃機関1は、直列3気筒の多気筒内燃機関であって、シリンダブロック2を有している。シリンダブロック2は、例えば、アルミニウム合金等の金属材料を用いて鋳造されたものである。
【0011】
シリンダブロック2は、図3に示すように、3つのシリンダ3を有している。
【0012】
シリンダブロック2の側壁4は、図1図3に示すように、シリンダ3の下端よりも下方側の部分がシリンダブロック2の幅方向(図3における上下方向)に拡がったスカート部5となっている。スカート部5の下縁には、オイルパン取付フランジ6が設けられている。オイルパン取付フランジ6のフランジ面6aがシリンダブロック2の下端面であり、ロアデッキに相当する。なお、シリンダブロック2の上端面がアッパデッキに相当する。
【0013】
シリンダブロック2の前後両端および各気筒の間には、図3に示すようにスカート部5内の空間を気筒毎に仕切るようにバルクヘッド7が設けられている。バルクヘッド7は、シリンダブロック2の前端側から第1バルクヘッド7a、第2バルクヘッド7b、第3バルクヘッド7c、第4バルクヘッド7dとなっている。各バルクヘッド7は、その下面が、周囲のオイルパン取付フランジ6のフランジ面6aと同一平面上に位置するように形成されている。また、各バルクヘッド7の下面中央に、半円形の凹部からなるクランクシャフト軸受部8がそれぞれ形成されている。
【0014】
また、シリンダブロック2は、図2図4図6に示すように、振動低減用のバランサシャフト9が回転可能に収容されるバランサシャフト収容孔10を有している。
【0015】
バランサシャフト9は、クランクシャフト11と平行に配置されるものであって、図4に示すように、両端がバランサシャフト収容孔10から突出するように、バランサシャフト収容孔10に収容される。バランサシャフト9の一端は、シリンダブロック2の前端から突出しており、図示せぬ回転力伝達機構(例えばギヤ列等)を介して、クランクシャフト11の回転が伝達されている。バランサシャフト9の他端は、内燃機関1(シリンダブロック2)のクランクケース12内の空間に突出しており、振動低減用のバランスマス(図示せず)が取り付けられている。バランサシャフト9は、軸受け13を介してバランサシャフト収容孔10に回転可能に支持される。
【0016】
バランサシャフト収容孔10は、シリンダブロック2の側壁4に気筒列方向に沿って形成された断面円形となる貫通孔である。詳述すると、バランサシャフト収容孔10は、スカート部5に形成されている。
【0017】
ここで、上記スカート部は、上記バランサシャフト収容孔が形成された位置において、図5に示すように、クランクケース側となる内側の内壁面がクランクシャフト11に直交する平面に沿った断面で直線状に形成されている。
【0018】
バランサシャフト収容孔10は、シリンダブロック2の前端に一端が開口している。バランサシャフト収容孔10は、気筒列方向で第3バルクヘッド7cの位置でクランクケース12内の空間に他端が開口している。つまり、バランサシャフト収容孔10は、気筒列方向で、シリンダブロック2の前端から第3バルクヘッド7cまで連続するよう形成されている。
【0019】
バランサシャフト収容孔10は、一端側軸受13aを介してバランサシャフト9の一端側(図4における左側)を回転可能に支持する一端部14と、他端側軸受13bを介してバランサシャフト9の他端側(図4における右側)を回転可能に支持する他端部15と、一端部14と他端部15との間に位置し、気筒列方向の一端側が一端部14に接続され、気筒列方向の他端側が他端部15に接続される中央部16と、を有している。
【0020】
一端側軸受13aは、例えばころ軸受けが用いられる。他端側軸受13bは、例えばニードルベアリングが用いられる。
【0021】
バランサシャフト収容孔10は、他端側ほど小径となり、内周が気筒列方向に沿って円筒面状に連続する筒形状に形成されている。
【0022】
バランサシャフト収容孔10は、鋳造(鋳抜き)により形成される。詳述すると、バランサシャフト収容孔10は、鋳造(鋳抜き)後に、一端部14及び他端部15を機械加工等で微小量だけ切削し、一端部14及び他端部15を拡径している。これは、バランサシャフト収容孔10に一端側軸受13a及び他端側軸受13bのアウターレース(図示せず)を組み付けて固定できるようにするためである。バランサシャフト収容孔10は、バランサシャフト収容孔10の一端部14側から鋳抜きされている。
【0023】
また、シリンダブロック2は、図3及び図6に示すように、複数のオイル落とし通路19を有している。オイル落とし通路19は、側壁4を上下に貫通し、シリンダブロック2の上方からシリンダブロック2の下方へとオイルを導くものである。これらのオイル落とし通路19は、一端がシリンダブロック2のトップデッキに開口し、他端がシリンダブロック2のロアデッキに開口している。
【0024】
オイル落とし通路19aは、バランサシャフト収容孔10が設けられた側壁4側で第1バルクヘッド7a内を上下に貫通するよう形成されている。オイル落とし通路19bは、バランサシャフト収容孔10が設けられていない側壁4側で第1バルクヘッド7a内を上下に貫通するよう形成されている。
【0025】
オイル落とし通路19cは、バランサシャフト収容孔10が設けられた側壁4側で第2バルクヘッド7b内を上下に貫通するよう形成されている。オイル落とし通路19dは、バランサシャフト収容孔10が設けられていない側壁4側で第2バルクヘッド7b内を上下に貫通するよう形成されている。
【0026】
オイル落とし通路19eは、バランサシャフト収容孔10が設けられた側壁4側で第3バルクヘッド7c内を上下に貫通するよう形成されている。
【0027】
そして、複数あるオイル落とし通路19のうち、バランサシャフト収容孔10が設けられた側壁4側で第2バルクヘッド7b内を上下に貫通するオイル落とし通路19cは、図6に示すように、接続通路20を介してバランサシャフト収容孔10と連通している。
【0028】
バランサシャフト収容孔10は、接続通路20を介してオイル落とし通路19cと連通するよう形成されている。詳述すると、バランサシャフト収容孔10の中央部16は、オイル落とし通路19cに隣接し、接続通路20を介してオイル落とし通路19cと連通するよう形成されている。
【0029】
オイル落とし通路19cは、上下方向(シリンダ軸線方向)で接続通路20が接続された位置に、図6に示すように、アッパデッキと平行となる段差面21を有するよう階段状(クランク形状)に形成されている。
【0030】
接続通路20は、図6に示すように、クランクシャフト軸方向視で、バランサシャフト収容孔10とオイル落とし通路19cとの間に挟まれて位置している。
【0031】
接続通路20は、通路断面積が一定で、一端がバランサシャフト収容孔10の中央部16に開口し、他端がオイル落とし通路19cに開口するよう形成されている。
【0032】
詳述すると、接続通路20の一端は、クランクシャフト軸方向視で、バランサシャフト収容孔10のオイル落とし通路19c側で、かつ下方側となる部分に開口するよう形成されている。換言すると、接続通路20の一端は、内燃機関1の後端側からのクランクシャフト軸方向視で、バランサシャフト収容孔10の中心から見て6時から9時の方向の間の範囲が全て開口となるよう形成されている。
【0033】
鋳抜きする際の一端部14及び他端部15の内径寸法は、一端側軸受13a及び他端側軸受13bを保持するために鋳抜き後に機械加工等を施して拡径することを考慮して設定される。
【0034】
そのため、内燃機関1は、一端側軸受13a及び他端側軸受13bを配置するためにバランサシャフト収容孔10の内径寸法を機械加工等により削り出す際の削り代を小さくすることができる。
【0035】
これによって、内燃機関1は、削り出しされた後のバランサシャフト収容孔10の内周面17に巣穴が発生してしまうことを抑制することができ、削り出しされた後のバランサシャフト収容孔10の内周面17上に露出した巣穴に連続する内部の巣穴を介してオイルが外部にリークすることを抑制することができる。
【0036】
すなわち、バランサシャフト収容孔10は、一端側軸受13aを保持する一端部14への機械加工等による削り代を小さくできるので、削り出しされた後の一端部14の内周面(一端側内周面17a)に巣穴が発生してしまうことを抑制することができ、削り出しされた後の一端部14の内周面(一端側内周面17a)上に露出した巣穴に連続する内部の巣穴を介してオイルが外部にリークすることを抑制することができる。また、バランサシャフト収容孔10は、他端側軸受13bを保持する他端部15の機械加工等による削り代を小さくできるので、削り出しされた後の他端部15の内周面(他端側内周面17b)に巣穴が発生してしまうことを抑制することができ、削り出しされた後の他端部15の内周面(他端側内周面17b)上に露出した巣穴に連続する内部の巣穴を介してオイルが外部にリークすることを抑制することができる。
【0037】
バランサシャフト収容孔10は、中央部16が接続通路20を介してオイル落とし通路19cと連通している。
【0038】
そのため、一端側軸受13aは、オイル落とし通路19cからバランサシャフト収容孔10内に供給されたオイルによって、気筒列方向(バランサシャフト収容孔軸方向)の他端側(図4における左側)からオイルの供給を受けることができる。また、他端側軸受13bは、オイル落とし通路19cからバランサシャフト収容孔10内に供給されたオイルによって、気筒列方向(バランサシャフト収容孔軸方向)の一端側(図4における右側)からオイルの供給を受けることができる。
【0039】
バランサシャフト収容孔10は、オイル落とし通路19cに段差面21を形成することにより上下方向に沿ったオイルの流れが段差面21で受け止められため、接続通路20を介してオイル落とし通路19cから適度な量のオイルを導入し、一端側軸受13a及び他端側軸受13bに適度な量のオイルを供給することができる。
【0040】
スカート部5は、バランサシャフト収容孔10が形成された位置においてクランクケース側となる内側の内壁面がクランクシャフト11に直交する平面に沿った断面で直線状に形成されている。これによって、内燃機関1は、シリンダブロック2の剛性が高くなり、音振性能を向上させることができる。
【0041】
なお、バランサシャフト収容孔10は、下方側となる部分の内周面に接続通路20が開口しているので、バランサシャフト収容孔10内のオイル量を適切なオイル量に維持可能となる。
【0042】
以上、本発明の具体的な実施例を説明してきたが、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0043】
例えば、バランサシャフト収容孔10とオイル落とし通路19cを連通させる接続通路20は、複数個あってもよい。すなわち、例えば、接続通路は、互いに独立した第1接続通路と第2接続通路であってもよい。この場合、第1接続通路は、通路断面積が一定で、一端がバランサシャフト収容孔10の中央部16に開口し、他端がオイル落とし通路19cに開口するよう形成すればよい。第1接続通路の一端は、クランクシャフト軸方向視で、例えばバランサシャフト収容孔10のオイル落とし通路19c側に開口するよう形成すればよい。第2接続通路は、通路断面積が一定で、一端がバランサシャフト収容孔10の中央部16に開口し、他端がオイル落とし通路19cに開口するよう形成すればよい。第2接続通路の一端は、クランクシャフト軸方向視で、例えばバランサシャフト収容孔10の下方側に開口するよう形成すればよい。
【0044】
上述した実施例は、内燃機関1及び内燃機関1の製造方法に関するものである。
【符号の説明】
【0045】
1…内燃機関
2…シリンダブロック
4…側壁
5…スカート部
7…バルクヘッド
7a…第1バルクヘッド
7b…第2バルクヘッド
7c…第3バルクヘッド
7d…第4バルクヘッド
9…バランサシャフト
10…バランサシャフト収容孔
11…クランクシャフト
14…一端側軸受
15…他端側軸受
14…一端部
15…他端部
16…中央部
17…内周面
17a…一端側内周面
17b…他端側内周面
19…オイル落とし通路
19a…オイル落とし通路
19b…オイル落とし通路
19c…オイル落とし通路
19d…オイル落とし通路
19e…オイル落とし通路
20…接続通路
図1
図2
図3
図4
図5
図6