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特開2024-105966放射能検出装置、及び、放射性薬剤投与装置
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  • 特開-放射能検出装置、及び、放射性薬剤投与装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024105966
(43)【公開日】2024-08-07
(54)【発明の名称】放射能検出装置、及び、放射性薬剤投与装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 36/06 20060101AFI20240731BHJP
【FI】
A61M36/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023009990
(22)【出願日】2023-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】594118958
【氏名又は名称】株式会社ユニバーサル技研
(74)【代理人】
【識別番号】100137589
【弁理士】
【氏名又は名称】右田 俊介
(72)【発明者】
【氏名】田中 明
(72)【発明者】
【氏名】加藤 雅之
(57)【要約】
【課題】経年劣化等による異常をより確実に認識することが可能な放射能検出装置を提供する。
【解決手段】放射能検出装置は、放射性薬剤の放射能強度を検出する検出部(検出器80)を備える放射能検出装置であって、それぞれ1つ以上の検出部を含む第1検出部群及び第2検出部群と、第1検出部群に含まれる検出部(例えば第1検出器81、第2検出器82、第3検出器83及び第4検出器84)により検出された放射能強度と、第2検出部群に含まれる検出部(例えば第5検出器85、第6検出器86、第7検出器87及び第8検出器88)と、のばらつきが正常範囲から外れている場合に、当該放射能検出装置が異常であると判定する異常判定部151と、を備えている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射性薬剤の放射能強度を検出する検出部を備える放射能検出装置であって、
それぞれ1つ以上の前記検出部を含む第1検出部群及び第2検出部群と、
前記第1検出部群に含まれる前記検出部により検出された放射能強度と、前記第2検出部群に含まれる前記検出部により検出された放射能強度と、のばらつきが正常範囲から外れている場合に、当該放射能検出装置が異常であると判定する異常判定部と、
を備えることを特徴とする放射能検出装置。
【請求項2】
前記異常判定部は、前記第1検出部群に含まれる前記検出部により検出された放射能強度の合算値又は平均値と、前記第2検出部群に含まれる前記検出部により検出された放射能強度の合算値又は平均値と、の比較により、当該放射能検出装置の異常の有無を判定することを特徴とする請求項1に記載の放射能検出装置。
【請求項3】
前記異常判定部は、前記第1検出部群に含まれる前記検出部により検出された放射能強度の合算値又は平均値と、前記第2検出部群に含まれる前記検出部により検出された放射能強度の合算値又は平均値と、の比率が正常範囲から外れている場合に、当該放射能検出装置が異常であると判定することを特徴とする請求項2に記載の放射能検出装置。
【請求項4】
前記検出部により市販の標準線源を測定した測定値と、予め測定及び記録されている前記検出部による前記標準線源の測定値の正常値と、の比較により前記検出部の異常の有無を判定することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の放射能検出装置。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか一項に記載の放射能検出装置を備え、放射性薬剤を生体に投与することを特徴とする放射性薬剤投与装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射能検出装置、及び、放射性薬剤投与装置に関する。
【背景技術】
【0002】
PET診断に使用される放射性核種で標識された半減期の短い放射性薬剤を生体に投与する放射性薬剤投与装置は、例えば特許文献1に記載されている。
特許文献1の放射性薬剤投与装置は、放射性薬剤を第1容器(原液バイアル)から第2容器(中間バイアル)に移送し、第2容器から放射性薬剤を生体に投与するように構成されている。特許文献1には、第2容器の放射線量を放射能検出装置(同文献の放射能量検出センサー)により検出する点が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-253356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、放射性薬剤投与装置の放射能検出装置については、定期点検時に、キャリブレータを用いた校正による検出値の補正作業が行われる。
放射性薬剤は病院内で製造され、患者ごとに必要量が放射性薬剤投与装置の分注機構を用いて分注され、放射線検出装置で測定されたのち、投与量が適正であることが従事者によって確認されたのち、投与される。
この時、放射能検出装置が故障し、投与液情報が表示されなかった場合には、投与を実行しない。しかし、放射能検出装置が複数の検出器(検出部)を含む検出器群(検出部群)を備えて構成されている場合、検出器の一部において、検出素子あるいは電気回路に不具合が生じて、正確な値を検出しなかった場合、放射能量は正しく表示されない。たとえば、正常に分注され、設定された放射能が存在しているのにかかわらず、放射能量が低く表示される。この場合、従事者が検出器の異常を認識せず、不具合は分注機構にあると認識し、投与量を正常値より多く分注し、表示値を設定値に合わせて投与を実行する可能性がある。たとえば表示値が検出器の不具合で20%少なく表示されていた場合に、投与量を20%増量して、見かけ上、設定値量を投与したとすれば、実際には20%多く投与したことになってしまう。
検出器に性能劣化が生じたときは、通常の場合、定期点検時の校正作業で施設の標準となる放射能検出器(キャリブレータ)に出力数値を一致させて補正する。
しかしながら、本発明者等の経験によれば、点検作業者は定期点検時に検出値を補正するだけであり、必ずしも、放射能検出装置の不具合や経年劣化等を確実に認識することはできない。
さらに、検出器の突然の劣化が起こりうるが、それを従事者が認識しなかった場合、定期点検まで不具合状況が継続することになる。
そのような事態を抑制するために、従事者が毎日のルーチン作業として、あるいは疑念を持ったときにいつでも、自ら簡便に検出器の異常の有無が確認できる機構を装置内に備えることが望ましい。現在、その機構が備わっている放射性薬剤投与装置は市販されていない。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、経年劣化等による異常をより確実に認識することが可能な放射能検出装置及び放射性薬剤投与装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、放射性薬剤の放射能強度を検出する検出部を備える放射能検出装置であって、
それぞれ1つ以上の前記検出部を含む第1検出部群及び第2検出部群と、
前記第1検出部群に含まれる前記検出部により検出された放射能強度と、前記第2検出部群に含まれる前記検出部により検出された放射能強度と、のばらつきが正常範囲から外れている場合に、当該放射能検出装置が異常であると判定する異常判定部と、
を備えることを特徴とする放射能検出装置が提供される。
【0007】
また、本発明によれば、本発明の放射能検出装置を備え、放射性薬剤を生体に投与することを特徴とする放射性薬剤投与装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、放射能検出装置の一部の検出部の突然の出力低下や経年劣化等による異常、あるいは異常になる兆候を、より確実に認識することが可能となり、誤った量を投与してしまうことを未然に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る放射性薬剤投与装置の模式図である。
図2】実施形態に係る放射性薬剤投与装置が備える放射線検出器等の構成を示す模式図である。
図3】放射線検出器が備える検出部のブロック構成を示す図である。
図4】実施形態に係る放射性薬剤投与装置が備える他の放射線検出器等の構成を示す模式図である。
図5】実施形態に係る放射性薬剤投与装置のブロック構成を示す図である。
図6】放射線検出器による放射能量の検出動作を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
【0011】
図2に示すように、本実施形態に係る放射能検出装置は、放射性薬剤の放射能強度を検出する検出部(検出器80)を備える放射能検出装置であって、それぞれ1つ以上の検出部を含む第1検出部群及び第2検出部群と、第1検出部群に含まれる検出部(例えば第1検出器81、第2検出器82、第3検出器83及び第4検出器84)により検出された放射能強度と、第2検出部群に含まれる検出部(例えば第5検出器85、第6検出器86、第7検出器87及び第8検出器88)により検出された放射能強度と、のばらつきが正常範囲から外れている場合に、当該放射能検出装置が異常であると判定する異常判定部151と、を備えている。
本実施形態に係る放射能検出装置によれば、放射能検出装置の経年劣化等による検出値のずれの発生(つまり放射能検出装置の異常)をより確実に認識することが可能となる。すなわち、放射能検出装置における異常箇所を特定する異常判定部、いわゆる検出器診断機能を備える放射線検出装置が提供される。よって、誤った量を投与してしまうことを未然に抑制することができる。
例えば、放射能検出装置の起動時に「検出器診断モード」を実行することで、事前に検出器(検出部)の異常の有無を判断することができ、異常がある場合には異常箇所と異常現象とが表示部300(後述)に表示されるようにする。
【0012】
より詳細には、異常判定部151は、例えば、第1検出部群に含まれる検出部により検出された放射能強度の合算値又は平均値と、第2検出部群に含まれる検出部により検出された放射能強度の合算値又は平均値と、の比較により、当該放射能検出装置の異常の有無を判定する。
更に詳細には、第1検出部群と第2検出部群の2つの検出部群とが対向していることによって、第1検出部群に含まれる検出器による検出値と、第2検出部群に含まれる検出器による検出値と、の比率の変化から、どちらかの検出部群の異常の有無(つまり検出器自体の異常の有無)を判定する。このため、第1検出部群を構成する検出器の数と第2検出部群を構成する検出器の数とは必ずしも同数である必要はない。なお、本実施形態の場合は、一例として、第1検出部群を構成する検出器の数と第2検出部群を構成する検出器の数とが同数となっている。
【0013】
より詳細には、第1検出部群に含まれる検出部により検出された放射能強度の合算値又は平均値と、第2検出部群に含まれる検出部により検出された放射能強度の合算値又は平均値と、の比率又は差分が正常範囲から外れている場合に、放射能検出装置が異常であると判定する。
このように、第1検出部群に含まれる検出部により検出された放射能強度と、第2検出部群に含まれる検出部により検出された放射能強度とが、放射能検出装置の全体として正常範囲から外れている場合、あるいは個々の検出部(個々の検出器)により検出された放射能強度のばらつきが正常範囲から外れている場合に、放射線検出装置が異常であると判定する。
【0014】
なお、放射能検出装置の異常の有無の判定には、放射性薬剤(投与される核種)を用いてもよいが、放射性薬剤を用いることは必須では無く、施設が保有する標準線源、たとえば、134Cs線源や68Ga-Ge線源を用いて、同様に放射能検出装置の異常の有無を判定することができる。すなわち、検出器80により市販の標準線源を測定した測定値と、予め測定及び記録されている検出器80による標準線源の測定値の正常値と、の比較により検出器80の異常の有無を判定することができる。
【0015】
また、本実施形態に係る放射性薬剤投与装置100は、本実施形態に係る放射能検出装置を備えており、放射性薬剤を生体に投与することが可能に構成されている。なお、放射能検出装置は、放射性薬剤投与装置100の構成のうち、放射能を検出する機能に関する部分である。
施設保有の標準線源を用いる場合は準備段階で事前に、あるいは放射性薬剤を用いる場合は生体に放射性薬剤を投与する直前に、放射能検出装置の異常の有無を判定することによって、放射能検出装置に異常が発生している場合には投与を中止することができる。また、定期的に放射線検出器(検出部)の異常の有無を(測定結果の)数値に基づいて判定することで、放射線検出器が異常レベルに達する前に異常の兆候を検知することができるので、不適切な投与を回避することが可能となる。その場合、過去の測定記録はメモリから読み出して表示させることができることが望ましい。
【0016】
以下、放射性薬剤投与装置100について、より詳細に説明する。
【0017】
図1に示すように、放射性薬剤投与装置100は、複数の三方活栓30を備えている。本実施形態の場合、三方活栓30の数は5であり、右側から、第1三方活栓31、第2三方活栓32、第3三方活栓33、第4三方活栓34及び第5三方活栓35の順に配置されている。
放射性薬剤投与装置100は、複数の三方活栓30を個別に回転させて各三方活栓30による流路の切り換えを行わせる三方活栓駆動機構を備えている。図5に示すように、三方活栓駆動機構は、第1三方活栓31を回転駆動させる第1三方活栓駆動モータ131と、第2三方活栓32を回転駆動させる第2三方活栓駆動モータ132と、第3三方活栓33を回転駆動させる第3三方活栓駆動モータ133と、第4三方活栓34を回転駆動させる第4三方活栓駆動モータ134と、第5三方活栓35を回転駆動させる第5三方活栓駆動モータ135と、を備えている。
【0018】
放射性薬剤投与装置100は、更に、第1三方活栓31の上側に接続されているベントフィルタ23と、第2三方活栓32の上側に接続されている第1シリンジ41と、チューブ66を介して第5三方活栓35の上側に接続されている第2シリンジ42と、を備えている。
第1シリンジ41は、生理食塩水貯留バッグ22から生理食塩水を吸引したり、放射性薬剤を第1バイアル瓶51から第2バイアル瓶58に移送したりする際に用いられる。
なお、第2シリンジ42は、第1シリンジ41よりも小容量である。例えば、第1シリンジ41は20mLシリンジであり、第2シリンジ42は10mLシリンジである。
【0019】
放射性薬剤投与装置100は、第1シリンジ41のプランジャを駆動する第1シリンジ駆動機構と、第2シリンジ42のプランジャを駆動する第2シリンジ駆動機構と、を備えている。
図5に示すように、第1シリンジ駆動機構は、第1シリンジ41を上昇又は下降させる第1シリンジ駆動モータ141を備えている。第2シリンジ駆動機構は、第2シリンジ42を上昇又は下降させる第2シリンジ駆動モータ142を備えている。
【0020】
第2シリンジ42は、放射性薬剤投与用のシリンジである。第2バイアル瓶58内の放射性薬剤を第2シリンジ42によって分取し、第2シリンジ42から放射性薬剤を生体に投与することができるようになっている。
より詳細には、第1針60が第2バイアル瓶58の底部に穿刺されている状態で、チューブ65、第4三方活栓34、第5三方活栓35及びチューブ66を介して、第2シリンジ42内に、投与量に相当する量の吸引を行い、引き続き第1針60を第2バイアル瓶58の上部に上昇させた状態で第2シリンジ42への吸引を行うことにより、第2バイアル瓶58と第2シリンジ42との間のチューブ65内の放射性薬剤の全量を第2シリンジ42に吸引し、その後、第2シリンジ42から、第5三方活栓35、チューブ68、エアベントフィルタ25、チューブ69及びセーフタッチプラグ27を介して、生体への放射性薬剤の投与を行い、続けて第1シリンジ41から生理食塩水を投与する。
このように、放射性薬剤投与装置100は、第2容器(第2バイアル瓶58)から放射性薬剤を分取して生体に投与する投与機構(第2シリンジ42及び第2シリンジ駆動機構等)を備えている。
【0021】
なお、放射性薬剤投与装置100は、第1シリンジ41及び第1シリンジ駆動機構の代わりに、ポンプ等を備えていてもよい。同様に、第2シリンジ42及び第2シリンジ駆動機構の代わりに、ポンプ等を備えていてもよい。
【0022】
放射性薬剤投与装置100は、図示しない懸架柱を備えており、この懸架柱に生理食塩水貯留バッグ22を吊り下げ可能となっている。第3三方活栓33は、チューブ67を介して、懸架柱に吊り下げられた生理食塩水貯留バッグ22と接続される。
【0023】
後述する第4針53は、チューブ64を介して、第1三方活栓31の右側に接続される。
第4三方活栓34は、チューブ65を介して、第1針60と接続される。より詳細には、第4三方活栓34には、チューブ65及び第1針60を介して第2バイアル瓶58が接続される。
エアベントフィルタ25は、チューブ68を介して、第5三方活栓35の左側に接続される。
エアベントフィルタ25は、チューブ69を介して、セーフタッチプラグ27に接続される。
【0024】
第1遮蔽容器50は、放射線遮蔽性の容器であり、第1バイアル瓶51を収容する。
第1バイアル瓶51に対して、第3針52及び第4針53を穿刺可能となっている。
第2遮蔽容器57は、放射線遮蔽性の容器であり、第2バイアル瓶58を収容する。
放射性薬剤投与装置100は、第2バイアル瓶58に対して第1針60を穿刺するための第1針駆動機構61と、第2バイアル瓶58に対して第2針59を穿刺するための第2針駆動機構62と、を備えている。
図5に示すように、第1針駆動機構61は、第1針60を上昇又は下降させる第1針駆動モータ161を備えており、第2針駆動機構62は、第2針59を上昇又は下降させる第2針駆動モータ162を備えている。
第1針駆動機構61による第1針60の昇降動作と、第2針駆動機構62による第2針59の昇降動作は、互いに独立して行うことができるようになっている。
このように、放射性薬剤投与装置100は、第2容器(第2バイアル瓶58)に対して第1針60を穿刺可能な第1穿刺機構(第1針駆動機構61)と、第2容器に対して第2針59を穿刺可能な第2穿刺機構(第2針駆動機構62)と、を備え、第1穿刺機構及び第2穿刺機構により、第1針60と第2針59とを個別に第2容器に対して穿刺可能である。
【0025】
第3針52は、チューブ63を介して第2針59と接続される。すなわち、第1バイアル瓶51と第2バイアル瓶58とは、チューブ63を介して接続される。
【0026】
放射性薬剤投与装置100は、放射性薬剤を貯留している第1容器(第1バイアル瓶51)から放射性薬剤を第2容器(第2バイアル瓶58)に分取し、第2容器に分取した放射性薬剤の少なくとも一部分を生体(被験者)に投与するように構成されている。
放射性薬剤投与装置100は、チューブ63を介して第1容器から第2容器に放射性薬剤を移送する移送機構(例えば、第1シリンジ41等により構成されている)を備えている。
【0027】
放射性薬剤投与装置100は、例えば、第1容器と第2容器とを接続するチューブ63の周囲に設けられて該チューブ63を通過する放射性薬剤の放射能強度を検出する放射線検出器700と、第2バイアル瓶58の周囲に設けられていて第2バイアル瓶58内の放射性薬剤の放射能強度を検出する放射線検出器800と、第2シリンジ42の周囲に設けられていて第2シリンジ42内の放射性薬剤の放射能強度を検出する放射線検出器900と、を備えている。
制御部150は、異常判定部151としての機能を担う。異常判定部151は、放射線検出器700による検出結果に基づいて放射線検出器700の異常の有無を判定する。また、異常判定部151は、放射線検出器800による検出結果に基づいて放射線検出器800の異常の有無を判定する。また、異常判定部151は、放射線検出器900による検出結果に基づいて放射線検出器900の異常の有無を判定する。
なお、本発明は、この例に限らず、投与を実行するための三方活栓の構成やシリンジ、バイアルの構成などは本実施形態の構成に限定されるものではなく、また、放射線検出器700、放射線検出器800及び放射線検出器900の少なくともいずれか1つを備えていればよい。
【0028】
図2に示すように、放射線検出器800は、例えば、それぞれ第2バイアル瓶58の周囲に配置されている複数の検出器80を備えている。すなわち、放射線検出器800の複数の検出部(検出器80)は、容器(第2バイアル瓶58)の周囲に配置されている。より詳細には、複数の検出器80は、第2バイアル瓶58を収容する第2遮蔽容器57の周囲に配置されている。
本実施形態の場合、放射線検出器800は、第1検出器81、第2検出器82、第3検出器83、第4検出器84、第5検出器85、第6検出器86、第7検出器87及び第8検出器88の8つの検出器80を備えている。
【0029】
より詳細には、第1検出器81~第4検出器84は、第2バイアル瓶58の一側方(図2において、第2バイアル瓶58の左側)において、第2バイアル瓶58の近傍に配置されており、上下方向に一定間隔で並んで配置されている。
同様に、第5検出器85~第8検出器88は、第2バイアル瓶58の他側方(図2において、第2バイアル瓶58の右側)において、第2バイアル瓶58の近傍に配置されており、上下方向に一定間隔で並んで配置されている。
また、第2バイアル瓶58内の放射能量を正確に測定するために、各検出器は第2バイアル瓶58の下端よりも下の位置から第2バイアル瓶58の上端よりも上までの位置に亘って配置されている。また、第1検出器81と第8検出器88とは、互いに同じ高さに配置されており、且つ、第2バイアル瓶58から第1検出器81までの距離と、第2バイアル瓶58から第8検出器88までの距離と、が互いに等しくなっている。このため、第1検出器81と第8検出器88とがともに正常であれば、第1検出器81による検出値と第8検出器88による検出値とは互いに等しくなる。ただし、各検出器はそれぞれ素子の特性が異なり、必ずしも第2バイアル瓶58を間に挟んで互いに左右に対向する検出器が同値を検知しなくてもよい。また、必ずしも同じ値を検出するよう設置する必要はなく、正常な場合に測定した左右の検出器(第1検出器81と第8検出器88)の合算値について、上限値及び下限値をそれぞれ設定し、左右の測定値の比率から、検出器が正常と判定される比率の範囲(正常判定範囲)を設定する。一例として、上限値は基準値に対して+10%の値とすることができ、下限値は基準値に対して-10%の値とすることができる。
同様に、第2検出器82と第7検出器87とは、互いに同じ高さに配置されており、且つ、第2バイアル瓶58から第2検出器82までの距離と、第2バイアル瓶58から第7検出器87までの距離と、が互いに等しくなっている。このため、第2検出器82と第7検出器87とがともに正常であれば、第2検出器82による検出値と第7検出器87による検出値とは互いに等しくなる。ただし、上記と同様に、正常な場合に測定した左右の検出器(第2検出器82と第7検出器87)の合算値について、上限値及び下限値をそれぞれ設定し、左右の測定値の比率から正常判定範囲を設定する。
同様に、第3検出器83と第6検出器86とは、互いに同じ高さに配置されており、且つ、第2バイアル瓶58から第3検出器83までの距離と、第2バイアル瓶58から第6検出器86までの距離と、が互いに等しくなっている。このため、第3検出器83と第6検出器86とがともに正常であれば、第3検出器83による検出値と第6検出器86による検出値とは互いに等しくなる。ただし、上記と同様に、正常な場合に測定した左右の検出器(第3検出器83と第6検出器86)の合算値について、上限値及び下限値をそれぞれ設定し、左右の測定値の比率から正常判定範囲を設定する。
同様に、第4検出器84と第5検出器85とは、互いに同じ高さに配置されており、且つ、第2バイアル瓶58から第4検出器84までの距離と、第2バイアル瓶58から第5検出器85までの距離と、が互いに等しくなっている。このため、第4検出器84と第5検出器85とがともに正常であれば、第4検出器84による検出値と第5検出器85による検出値とは互いに等しくなる。ただし、上記と同様に、正常な場合に測定した左右の検出器(第4検出器84と第5検出器85)の合算値について、上限値及び下限値をそれぞれ設定し、左右の合算値の比率から正常判定範囲を設定する。
ここで、左右で対向する1つずつの検出器80の測定値を比較することに限らず、左右それぞれ4つずつの検出器80の測定値の比較により検出器80の異常を判定してもよい。すなわち、図2に示されているように、放射線検出器800を構成する複数の検出器80のうち、第1検出器81~第4検出器84は、第1検出部群を構成しており、第5検出器85~第8検出器88は第2検出部群を構成している場合、第1検出器群と第2検出器群とで正常な場合に測定した左右の検出器(第2検出器82と第7検出器87)の合算値について上限値及び下限値をそれぞれ設定し左右の比率から正常判定範囲を設定してもよい。
【0030】
図3に示すように、各検出器80は、例えば、シリコンフォトダイオード80aと、シリコンフォトダイオード80aによる検出信号を増幅するプリアンプ80bと、プリアンプ80bからの出力信号を増幅するアンプ80cと、アンプ80cからの出力信号が所定の閾値を上回るときにパルス信号を出力するディスクリミネータ80dと、を備えて構成されている。
放射性薬剤が含有する核種が発生する電荷やガンマ線がシリコンフォトダイオード80aに衝突すると、シリコンフォトダイオード80aが微弱電流(検出信号)を発生する。
各検出器80からの出力信号は、例えば、ディスクリミネータ80dからの出力信号である。
なお、放射線検出器800に異常がある場合(検出器80に異常がある場合)は、シリコンフォトダイオード80aに異常がある場合の他、プリアンプ80b、アンプ80c又はディスクリミネータ80dに異常がある場合などが考えられる。
また、検出器80は、ここで説明したようなシリコンフォトダイオード80a(半導体型検出器)を備える構成に限らず、シンチレーション検出器(プラスチック型シンチレーション検出器、NaI(Tl)シンチレーション検出器)であってもよい。
【0031】
第1検出器81~第4検出器84からの出力信号は、例えば図示しない加算器により合算されて後述する制御部150に入力され、第5検出器85~第8検出器88からの出力信号は、例えば加算器によりそれぞれが合算されて制御部150に入力され、制御部150では、それぞれの出力信号の比率を出力し、さらにこれらすべての出力信号を合算し、放射能強度の計測値として扱う。
なお、放射性薬剤投与装置100は加算器を備えていなくてもよく、この場合、第1検出器81~第4検出器84からの出力信号と第5検出器85~第8検出器88からの出力信号は直に制御部150に入力され、制御部150にて左右比率が演算され、また両方の出力値が合算されて、放射能強度の計測値として扱われる。
放射線検出器800による放射能強度の計測値としては、所定時間(単位時間)の間の各検出器80による計測値を集計した計数率を用いる。
【0032】
検出器の使用法としては、たとえば、市販の標準線源(例えば68Ga)を使用する場合、最初(検出器が正常の時)に一定時間測定したときの左右のカウント値を制御部150が記憶しておいて、1年後に検出器の試験を行う時、試験日時の1年前からの標準線源の減衰を制御部150が計算し、その計算値を今回の基準値として今回の計測値が上限値と下限値との間の値(たとえば基準値に対して±10%以内の値)であれば合格とする(カウント値は経時変化で年々下がる)。また、左右比についても正常範囲を設定し、検出器の左右比を測定する。正常であれば左右比は一定となる。
また、放射性薬剤を使用するとき、測定に使用する放射能量が毎回変わるので、カウント値からは異常の有無は判定できない。しかし、第1検出器群と第2検出器群で対向させて比率を測定することにより、左右比の変化のみで検出器の異常の有無が判定できる。
【0033】
異常判定部151は、放射線検出器800の第1検出部群に含まれる検出部により検出された放射能強度と、放射線検出器800の第2検出部群に含まれる検出部により検出された放射能強度と、のばらつきが正常な場合に測定した第1検出部群及び第2検出部群のそれぞれの合算値から設定された上限値又は下限値から外れている場合と、左右比率から設定された判定範囲から外れている場合、すなわち正常範囲から外れている場合に、放射線検出器800が異常であると判定する。
より詳細には、異常判定部151は、放射線検出器800の第1検出部群に含まれる検出部により検出された放射能強度の合算値又は平均値と、放射線検出器800の第2検出部群に含まれる検出部により検出された放射能強度の合算値又は平均値と、の比較により、放射線検出器800の異常の有無を判定する。
より詳細には、異常判定部151は、放射線検出器800の第1検出部群に含まれる検出部により検出された放射能強度の合算値又は平均値と、放射線検出器800の第2検出部群に含まれる前記検出部により検出された放射能強度の合算値又は平均値と、の比率が正常範囲から外れている場合に、放射線検出器800が異常であると判定する。
【0034】
すなわち、第1検出部群及び第2検出部群がそれぞれ正常な場合に検出された、第1検出部群による検出値の合算値(第1検出器81~第4検出器84による検出値の合算値)と、第2検出部群による検出値の合算値(第5検出器85~第8検出器88による検出値の合算値)と、について、それぞれ上限値及び下限値を予め設定しておく。その後、「検出器診断モード」などにおいて、第1検出部群による検出値の合算値と、第2検出部群による検出値の合算値と、をそれぞれ求め、それら合算値が上限値又は下限値から外れているか否かを判定し、外れている場合には、放射線検出器800が異常であると判定する。また、第1検出部群及び第2検出部群がそれぞれ正常な場合に検出された、第1検出部群による検出値の合算値と、第2検出部群による検出値の合算値と、比率については、判定範囲(検出器が正常と判定される比率の範囲)を予め設定しておく。その後、「検出器診断モード」などにおいて、第1検出部群による検出値の合算値と、第2検出部群による検出値の合算値と、の比率を求め、当該比率が判定範囲から外れているか否かを判定し、外れている場合には、放射線検出器800が異常であると判定する。
なお、合算値ではなく平均値により放射線検出器800の異常を判定してもよい。すなわち、第1検出部群及び第2検出部群がそれぞれ正常な場合に検出された、第1検出部群による検出値の平均値(第1検出器81~第4検出器84による検出値の平均値)と、第2検出部群による検出値の平均値(第5検出器85~第8検出器88による検出値の平均値)と、について、それぞれ上限値及び下限値を予め設定しておく。その後、「検出器診断モード」などにおいて、第1検出部群による検出値の平均値と、第2検出部群による検出値の平均値と、をそれぞれ求め、それら平均値が上限値又は下限値から外れているか否かを判定し、外れている場合には、放射線検出器800が異常であると判定する。また、第1検出部群及び第2検出部群がそれぞれ正常な場合に検出された、第1検出部群による検出値の平均値と、第2検出部群による検出値の平均値と、比率については、判定範囲(検出器が正常と判定される比率の範囲)を予め設定しておく。その後、「検出器診断モード」などにおいて、第1検出部群による検出値の平均値と、第2検出部群による検出値の平均値と、の比率を求め、当該比率が判定範囲から外れているか否かを判定し、外れている場合には、放射線検出器800が異常であると判定する。
【0035】
本実施形態では、放射線検出器800の第1検出部群が含む検出部の数と、放射線検出器800の第2検出部群が含む検出部の数と、が互いに等しく、それぞれ4つである例を説明するが、放射線検出器800の第1検出部群が含む検出部の数及び放射線検出器800の第2検出部群が含む検出部の数は、4つ以外であってもよく、例えば、2つ又は3つであってもよい。すなわち、放射線検出器800の第1検出部群及び第2検出部群の各々は、例えば、1つ以上4つ以下の検出部を含んでいる。
第1検出部群及び第2検出部群の各々に含まれる検出部の数が4つ以下であることによって、いずれかの検出部に異常が発生している場合に、上述した合算値又は平均値の比率から、容易に異常を判定することができる。
各検出器群を構成する検出器の数は4以下が望ましく、それを超える場合は検出器群を細分し、検出器群が第2バイアル瓶58を間に挟んで対向するように構成する。また、検出器群を構成する検出器の数は、5以上でも原理的には可能であるが、少ないほど、異常が発生した検出器の特定が容易となる。また、検出器群の左右比率も測定結果として同時に得られるため、両方の判定方法を用いて異常の判断を行うことも可能である。ただし、上記例は標準線源を使用する場合について記述しており、放射性薬剤を使用した場合は毎回線量が異なり線量測定値は分注溶液の放射能量として表示され、検出器群の左右比率についての異常判定のみを行う。
【0036】
図4は、チューブ63の周辺に検出器を配置し、チューブ63内を移送する放射性薬剤を検知し、強度を計測する装置の一例を示す。放射線検出器700は、例えば、それぞれチューブ63の周囲に配置されている複数の検出器70を備えている。すなわち、放射線検出器700の複数の検出部(検出器70)は、放射性薬剤を移送するチューブ63の周囲に配置されている。
本実施形態の場合、放射線検出器700は、第1検出器71、第2検出器72、第3検出器73、第4検出器74、第5検出器75、第6検出器76、第7検出器77及び第8検出器78の8つの検出器70を備えている。
各検出器70は、各検出器80と同様に、シリコンフォトダイオードと、シリコンフォトダイオードによる検出信号を増幅するプリアンプと、プリアンプからの出力信号を増幅するアンプと、アンプからの出力信号が所定の閾値を上回るときにパルス信号を出力するディスクリミネータと、を備えて構成されている。すなわち、各検出器70からの出力信号は、例えば、ディスクリミネータからの出力信号である。
【0037】
ここで、チューブ63において、第1バイアル瓶51に近い側を上流側、第2バイアル瓶58に近い側を下流側と称する。図4に示す一端側63aが上流側に位置しており、他端側63bが下流側に位置している。
チューブ63の少なくとも一部分は、例えば、図4に示すように、半円状に延在する折り返し部633を境として折り曲げられてU字状に配置されており、折り返し部633よりも上流側(第1バイアル瓶51側)に位置する上流側部分631と、折り返し部633よりも下流側(第2バイアル瓶58側)に位置する下流側部分632と、を有する。
上流側部分631と下流側部分632とは、それぞれ直線状に延在しており、互いに平行に配置されている。
そして、上流側部分631の周囲には、上流側から順に、第1検出器71、第2検出器72、第3検出器73及び第4検出器74が等間隔で配置されている。
同様に、下流側部分632の周囲には、上流側から順に、第5検出器75、第6検出器76、第7検出器77及び第8検出器78が等間隔で配置されている。
第1検出器71と第8検出器78とは、互いに対応する位置に配置されている。
第2検出器72と第7検出器77とは、互いに対応する位置に配置されている。
第3検出器73と第6検出器76とは、互いに対応する位置に配置されている。
第4検出器74と第5検出器75とは、互いに対応する位置に配置されている。
放射線検出器700の複数の検出器70のうち、第1検出器71~第4検出器74が第1検出部群を構成しており、第5検出器75~第8検出器78が第2検出部群を構成している。
【0038】
なお、本発明において、放射線検出器700の各検出器70について、第1検出部群と第2検出部群への割り振りは、上記の例に限らず、任意の2箇所以上の検出器を対比させて、正常な場合の比率から判定範囲を設定すればよい。
【0039】
第1検出器71~第4検出器74からの出力信号は、例えば図示しない加算器により合算されて後述する制御部150に入力され、第5検出器75~第8検出器78からの出力信号は、例えば加算器により合算されて制御部150に入力され、制御部150では、これらすべての出力信号の左右比を演算し、また両方の出力値を合算し、放射能強度の計測値として扱う。
なお、放射性薬剤投与装置100は加算器を備えていなくてもよく、この場合、第1検出器71~第4検出器74からの出力信号と第5検出器75~第8検出器78からの出力信号は直に制御部150に入力され、制御部150にて左右比率が演算され、また両方の出力値が合算されて、放射能強度の計測値として扱われる。
【0040】
検出器の使用法としては、放射線検出器700により検出される放射能強度(つまり測定値)と、チューブ63を通過する放射性薬剤の実際の放射能濃度と、の対応関係を示すテーブル91を予め作成しておき、このテーブル91を記憶部90に記憶保持させておく。
そして、制御部150は、テーブル91を参照して、放射線検出器700により検出された放射能強度と対応する放射能濃度を抽出し、当該放射能濃度と、チューブ63を通過して第1バイアル瓶51から第2バイアル瓶58に移送された放射性薬剤の量と、の積算により、第2バイアル瓶58に移送された放射性薬剤の放射能量を演算する。
【0041】
異常判定部151は、放射線検出器700の第1検出部群に含まれる検出部により検出された放射能強度と、放射線検出器700の第2検出部群に含まれる検出部により検出された放射能強度と、のばらつきが正常範囲から外れている場合に、放射線検出器700が異常であると判定する。
すなわち、第1検出部群及び第2検出部群がそれぞれ正常な場合に検出された、第1検出部群による検出値の合算値と、第2検出部群による検出値の合算値と、について、それぞれ上限値及び下限値を予め設定しておく。その後、「検出器診断モード」などにおいて、第1検出部群による検出値の合算値と、第2検出部群による検出値の合算値と、をそれぞれ求め、それら合算値が上限値又は下限値から外れているか否かを判定し、外れている場合には、放射線検出器700が異常であると判定する。また、第1検出部群及び第2検出部群がそれぞれ正常な場合に検出された、第1検出部群による検出値の合算値と、第2検出部群による検出値の合算値と、比率については、判定範囲(検出器が正常と判定される比率の範囲)を予め設定しておく。その後、「検出器診断モード」などにおいて、第1検出部群による検出値の合算値と、第2検出部群による検出値の合算値と、の比率を求め、当該比率が判定範囲から外れているか否かを判定し、外れている場合には、放射線検出器700が異常であると判定する。
なお、合算値ではなく平均値により放射線検出器700の異常を判定してもよい。すなわち、第1検出部群及び第2検出部群がそれぞれ正常な場合に検出された、第1検出部群による検出値の平均値と、第2検出部群による検出値の平均値と、について、それぞれ上限値及び下限値を予め設定しておく。その後、「検出器診断モード」などにおいて、第1検出部群による検出値の平均値と、第2検出部群による検出値の平均値と、をそれぞれ求め、それら平均値が上限値又は下限値から外れているか否かを判定し、外れている場合には、放射線検出器700が異常であると判定する。また、第1検出部群及び第2検出部群がそれぞれ正常な場合に検出された、第1検出部群による検出値の平均値と、第2検出部群による検出値の平均値と、比率については、判定範囲(検出器が正常と判定される比率の範囲)を予め設定しておく。その後、「検出器診断モード」などにおいて、第1検出部群による検出値の平均値と、第2検出部群による検出値の平均値と、の比率を求め、当該比率が判定範囲から外れているか否かを判定し、外れている場合には、放射線検出器700が異常であると判定する。
このように、異常判定部151は、放射線検出器700の第1検出部群に含まれる検出部により検出された放射能強度の合算値又は平均値と、放射線検出器700の第2検出部群に含まれる検出部により検出された放射能強度の合算値又は平均値と、の比較により、放射線検出器700の異常の有無を判定する。より詳細には、異常判定部151は、放射線検出器700の第1検出部群に含まれる検出部により検出された放射能強度の合算値又は平均値と、放射線検出器700の第2検出部群に含まれる前記検出部により検出された放射能強度の合算値又は平均値と、の比率が正常範囲から外れている場合に、放射線検出器700が異常であると判定する。
本実施形態では、放射線検出器700の第1検出部群が含む検出部の数と、放射線検出器700の第2検出部群が含む検出部の数と、が互いに等しく、それぞれ4つである例を説明するが、放射線検出器700の第1検出部群が含む検出部の数及び放射線検出器700の第2検出部群が含む検出部の数は、4つ以外であってもよく、例えば、1つ、2つ又は3つであってもよい。すなわち、放射線検出器700の第1検出部群及び第2検出部群の各々は、例えば、1つ以上4つ以下の検出部を含んでいる。
【0042】
放射線検出器900は、例えば、それぞれ第2シリンジ42の周囲に配置されている複数の検出器を備えている。放射線検出器900は、例えば、放射線検出器800と同様に構成されている。すなわち、放射線検出器900は、例えば、8つの検出器を備えている。このうち4つの検出器が第1検出部群を構成しており、第1検出部群を構成する4つの検出器が、第2シリンジ42の一側方において上下に並んで配置されている。また、残りの4つの検出器が第2検出部分を構成しており、第2検出部群を構成する4つの検出器が、第2シリンジ42の他側方において上下に並んで配置されている。
放射線検出器900の機能及び動作は、放射線検出器800の機能及び動作と同様であるため、説明を省略する。
【0043】
このように、放射性薬剤投与装置100は、放射性薬剤を貯留する容器(第2バイアル瓶58)から放射性薬剤を分取して生体に投与する投与機構(第2シリンジ42、第2シリンジ駆動機構等を備えて構成されている)を備え、投与機構は、シリンジ(第2シリンジ42)を含み、複数の検出部は、シリンジの周囲に配置されている。
【0044】
放射性薬剤投与装置100は、更に、当該放射性薬剤投与装置100の各種の構成要素を収容する筐体10を備えている。例えば、放射性薬剤投与装置100の上述した構成のうち、セーフタッチプラグ27以外については、筐体10内に配置されている。
【0045】
放射性薬剤投与装置100は、更に、オペレータによる操作を受け付ける操作部110を備えている。一例として、操作部110はタッチパネルである。
【0046】
放射性薬剤投与装置100は、更に、異常判定部151が異常と判定した場合にその旨の報知を行う報知部200を備える。
放射性薬剤投与装置100は、更に、各種の表示動作を行う表示部300を備える。
報知部200は、表示による報知と、音声による報知と、の少なくともいずれか一方を行う。報知部200が表示による報知を行う場合、表示部300が報知部200を兼ねていてもよいし、表示部300とは別に報知部200が設けられていてもよい。
報知部200は、例えば、放射線検出器700に異常がある場合、放射線検出器800に異常がある場合、放射線検出器900に異常がある場合を区別して報知する他、放射線検出器700に異常が無い場合、放射線検出器800に異常が無い場合、放射線検出器900に異常が無い場合も、それぞれ報知する。
【0047】
制御部150は、第2バイアル瓶58に移送された放射性薬剤の放射能量の演算、第2バイアル瓶58内の放射性薬剤の放射能量の判定、第2シリンジ42内の放射性薬剤の放射能量の判定、放射線検出器700の異常の有無の判定、放射線検出器800の異常の有無の判定、及び、放射線検出器900の異常の有無の判定を行う。
制御部150は、更に、放射性薬剤投与装置100の各構成要素の動作制御も行う。すなわち、制御部150は、第1シリンジ駆動モータ141及び第2シリンジ駆動モータ142を個別に動作させることによって、第1シリンジ41及び第2シリンジ42を個別に動作させる。また、制御部150は、第1三方活栓駆動モータ131、第2三方活栓駆動モータ132、第3三方活栓駆動モータ133、第4三方活栓駆動モータ134及び第5三方活栓駆動モータ135を個別に動作させることによって、各三方活栓30を個別に回転駆動させて、流路の切り換えを行う。更に、制御部150は、第1針駆動モータ161及び第2針駆動モータ162を個別に動作させることによって、第2針59及び第1針60を個別に昇降させる。更に、制御部150は、報知部200の動作制御や、表示部300の動作制御を行う。
【0048】
次に放射性薬剤投与装置100に装備されている放射能検出器の検出器診断機能の使用法について説明する。
検出器の診断は従事者の選択により臨床使用開始前の投与の準備中に行い、通常は個々の患者への投与時に行うものではない。
先ず、初期設定として正常状態(設置時)の放射性薬剤投与装置に電源を入れて、検出器診断モードを呼び出す。あるいは立ち上げ時に自動的に診断モードが立ち上がる。
次に、使用する標準線源を準備する。標準線源は検出器の形状に併せてアクリル樹脂等で検出器内の所定位置に設置できる器具に搭載して検出器内に固定する。
使用する線源の種類、校正日と校正された線量を入力する。
基準値の測定を開始し、単位時間あたりの計数値(左右別)と比率が表示される。
この数値が装置内に保存される。正常判定範囲を入力する。たとえば、計数値の上限下限(±10%)、比率(±10%)を設定する。
従事者が検出器の診断機能を使用する場合、同様に標準線源を準備する。
検定日時を入力し線源を選択する。
検出器の判定を行う。検出器の出力は標準線源測定日から検定日時までの減衰を演算し、測定が終了すると、計測値は初期設定値から減衰された値から正常判定範囲に入っていれば正常、入っていなければ異常と判定され、どの項目が正常判定範囲に入っていないのかを表示する。
尚、放射性薬剤の一部を使用して検出器診断機能を利用する場合は、測定する核種を選択し、同様の試験を行うが、計数値の左右比率で判定し、計数値自体での判定は行わない。
【0049】
次に、放射性薬剤投与装置100の動作を説明する。
ここで説明する放射性薬剤投与装置100は、本発明に係る放射能検出装置の放射能検出器診断機能を有する投与装置の一例であって、当該放射能検出器診断機能の使用法に制約を加えるものではない。
先ず、放射性薬剤投与装置100に消耗品を取り付ける。すなわち、複数の三方活栓30、第1シリンジ41、第2シリンジ42、生理食塩水貯留バッグ22、チューブ63~69、ベントフィルタ23、エアベントフィルタ25、セーフタッチプラグ27を取り付ける。
更に、第1遮蔽容器50に収容された第1バイアル瓶51と、第2遮蔽容器57に収容された第2バイアル瓶58と、を設置し、第1バイアル瓶51には第3針52及び第4針53を穿刺し、第2バイアル瓶58には第2針59及び第1針60を穿刺する。
ここで、第1バイアル瓶51に貯留されている放射性薬剤は、放射能量及び容量のいずれも分からないものとする。
【0050】
次に、第1シリンジ駆動機構により第1シリンジ41のプランジャをゆっくりと上昇させることによって、第1バイアル瓶51の放射性薬剤をチューブ63を介して第2バイアル瓶58へとゆっくりと(例えば、0.1mL/秒程度で)移送する。
すなわち、第1シリンジ41が負圧となることにより、第2三方活栓32、第3三方活栓33、第4三方活栓34、チューブ65及び第1針60を介して、第2バイアル瓶58内の空気が吸引される。これにより、第1バイアル瓶51内の放射性薬剤は、第3針52、チューブ63及び第2針59を介して、第2バイアル瓶58に移送される。
このとき、第1シリンジ41のプランジャを一定速度で上昇させることにより、単位時間あたりにチューブ63を通過する放射性薬剤の液量が一定となるようにできる。
また、このとき、ベントフィルタ23から第1三方活栓31、チューブ64及び第4針53を介して第1バイアル瓶51に空気が導入されることによって、第1バイアル瓶51が負圧となることが抑制される。
【0051】
また、このとき、チューブ63の周囲に配置されている放射線検出器700によって、チューブ63を通過する放射性薬剤の放射能強度が計測され、上記のように制御部150はテーブル91を用いて放射能量を演算する。よって、第1バイアル瓶51から第2バイアル瓶58への放射性薬剤の移送が完了した段階で、放射能量のデータが得られる。
図6は放射能量の演算を説明するための模式的なグラフを示す図である。図6の横軸は時間、縦軸は放射能強度である。第1バイアル瓶51から第2バイアル瓶58に放射性薬剤を移送する際には、単位時間あたりにチューブ63を通過する放射性薬剤の液量が一定であるため、放射能量は、放射性薬剤がチューブ63を通過した時間の長さ(図6の時間T)と測定された放射能強度(図6の放射能強度H)との積により求められる。
ただし、放射線検出器700により計測される放射能強度は、実際の放射能濃度とは異なるため、実際の演算では、上記のテーブル91を用いて、放射線検出器700により検出された放射能強度と対応する放射能濃度を抽出し、当該放射能濃度と、チューブ63を通過して第1バイアル瓶51から第2バイアル瓶58に移送された放射性薬剤の液量と、の積算により、第2バイアル瓶58に移送された放射性薬剤の放射能量を演算する。
チューブ63を通過して第1バイアル瓶51から第2バイアル瓶58に移送された放射性薬剤の液量は、図6に示す時間Tと、単位時間あたりにチューブ63を通過する放射性薬剤の液量と、の積として制御部150が演算する。図6に示す時間Tは、一定以上の放射能強度が計測される時間の始点から終点までの時間の長さである。
こうして、第1バイアル瓶51から第2バイアル瓶58への放射性薬剤の移送が完了した段階では、制御部150による演算によって、移送された放射性薬剤の放射能量と、移送された放射性薬剤の液量と、が得られる。
よって、第1バイアル瓶51内に貯留されている放射性薬剤の原液の放射能量及び液量が不明であっても、放射性薬剤が第2バイアル瓶58に移送された段階で、当該移送された放射性薬剤の放射能量及び液量が分かるようになる。このため、第1バイアル瓶51から第2バイアル瓶58に移送された放射性薬剤を、第2バイアル瓶58から生体に対してより精度よく投与することが可能となる。また、放射性薬剤の放射能量を計測するために、オペレータがトング等で容器を持ち上げて電離箱で計測したり、重量計で液量を計測したりする必要が無いため、オペレータの被曝を抑制することができる。
【0052】
また、放射線検出器700により計測された放射能強度を用いて、第2バイアル瓶58に移送された放射性薬剤の放射能量と、移送された放射性薬剤の液量と、を得る。
また、放射能量については、放射線検出器800により計測された放射能強度を用いて、第2バイアル瓶58内の放射性薬剤の放射能量を検出することもできる。
【0053】
ここで、第1バイアル瓶51から第2バイアル瓶58に一度に移送される放射性薬剤は、通常、第1バイアル瓶51に貯留されている放射性薬剤の全量である。ただし、第1バイアル瓶51から第2バイアル瓶58に一度に移送される放射性薬剤は、第1バイアル瓶51に貯留されている放射性薬剤の一部分であってもよい。
【0054】
生体(被験者)に放射性薬剤を投与する前に、予め、操作部110に対する操作によって、被験者の情報を入力しておく。この情報から、投与量が決まる。
すなわち、第1バイアル瓶51から第2バイアル瓶58に移送された放射性薬剤については、放射能量と液量とが分かっているので、被験者に投与すべき放射能量と、投与予定時刻と、に基づいて、第2バイアル瓶58から分取すべき放射性薬剤の液量を演算する。なお、第2バイアル瓶58から分取すべき放射性薬剤の液量は、投与予定時刻までの間の減衰を考慮した値とする。
そして、演算された液量の放射性薬剤を第2バイアル瓶58から第2シリンジ42に分取する。すなわち、先ず、第1針60の先端を第2バイアル瓶58の底部に穿刺した状態で、第2シリンジ42内に投与量に相当する量の吸引を行う。引き続き、第1針60の先端を第2バイアル瓶58の上部に上昇させた状態で、第2シリンジ42への吸引を行う。これにより、第2バイアル瓶58と第2シリンジ42との間のチューブ65、66内の放射性薬剤の全量を第2シリンジ42に吸引する。
第2シリンジ42に吸引された放射性薬剤の液量が少ない場合(例えば、0.3mL以下の場合)は、第2シリンジ42内に生理食塩水等を加えて、十分な液量とする。
【0055】
次に、放射線検出器900によって第2シリンジ42内の放射能量を測定する。この測定結果に基づいて、制御部150は、実際に測定された放射能量と、投与予定時刻の放射能量と、を表示部300に表示させる。
【0056】
次に、第1シリンジ41に生理食塩水を吸引する。
投与予定時刻が到来すると、再度、放射線検出器800により計測される放射能量を表示部300に表示させて、放射能量に問題が無いことをオペレータが確認した後、被験者への投与を開始する。投与の際には、先ず、第1シリンジ41に吸引しておいた生理食塩水を第2三方活栓32、第3三方活栓33、第4三方活栓34、第5三方活栓35、チューブ68、エアベントフィルタ25、チューブ69及びセーフタッチプラグ27を介して被験者側に流し始めた後、第2シリンジ42の放射性薬剤をチューブ66、第5三方活栓35、チューブ68、エアベントフィルタ25、チューブ69及びセーフタッチプラグ27を介して被験者側に流し、更に、生理食塩水で流路をリンスする。こうして、被験者への投与が完了する。
なお、流路内の空気は、エアベントフィルタ25を通過する際に除去できるため、被験者には実質的に空気を含まない放射性薬剤を投与することができる。
【0057】
以上、図面を参照して実施形態を説明したが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0058】
例えば、上記の実施形態では、放射線検出器700、放射線検出器800、放射線検出器900の異常の有無の判定では、第1検出部群に含まれる検出部により検出された放射能強度の合算値又は平均値と、第2検出部群に含まれる検出部により検出された放射能強度の合算値又は平均値と、の比率が正常範囲から外れている場合に、異常であると判定する例を説明した。
ただし、本発明は、この例に限らず、例えば、第1検出部群に含まれる検出部により検出された放射能強度の合算値又は平均値と、第2検出部群に含まれる検出部により検出された放射能強度の合算値又は平均値と、の差分が、所定の閾値以上である場合に、異常であると判定してもよい。
【0059】
更には、放射線検出器700、放射線検出器800、放射線検出器900の異常の有無の判定では、第1検出部群に含まれる検出部により検出された放射能強度の合算値又は平均値と、第2検出部群に含まれる検出部により検出された放射能強度の合算値又は平均値とを用いる例に限らず、例えば、複数の検出部による検出結果の分散や標準偏差といったばらつきに基づいて、異常の有無を判定してもよいし、複数の検出部による検出結果の最大値と最小値との差分が所定の閾値以上である場合に、異常であると判定してもよい。
これらの場合、第1検出部群に含まれる検出部の数と、第2検出部群に含まれる検出部の数と、が互いに異なっていてもよいし、そもそも、複数の検出部を第1検出部群と第2検出部群とに分けることも必須ではない。これらの場合、各検出部による検出結果は、加算器を介さずに制御部150に入力する。
【0060】
また、第2バイアル瓶58内において、液面の位置によっては下方の検出器80の方が検出値が大きくなり、上方の検出器80(第4検出器84)の方が検出値が小さくなる。
上記のように、放射線検出器800の各検出器80については、第1検出部群の各検出器80と、第2検出部群の各検出器80とが、互いに同じ高さに配置されている。このため、異常判定部151は、第1検出器81による検出値と第8検出器88による検出値との比較、第2検出器82による検出値と第7検出器87による検出値との比較、第3検出器83による検出値と第6検出器86による検出値との比較、及び、第4検出器84による検出値と第5検出器85による検出値とのそれぞれの比較を行い、いずれかの比較結果が正常範囲から外れている場合に、放射線検出器800が異常であると判定してもよい。すなわち、放射線検出器800の各検出器80のうち、互いに同じ高さに配置されている検出器80による検出値どうしの比較により、放射線検出器800における異常の有無を判定してもよい。
【0061】
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)放射性薬剤の放射能強度を検出する検出部を備える放射能検出装置であって、
それぞれ1つ以上の前記検出部を含む第1検出部群及び第2検出部群と、
前記第1検出部群に含まれる前記検出部により検出された放射能強度と、前記第2検出部群に含まれる前記検出部により検出された放射能強度と、のばらつきが正常範囲から外れている場合に、当該放射能検出装置が異常であると判定する異常判定部と、
を備えることを特徴とする放射能検出装置。
(2)前記異常判定部は、前記第1検出部群に含まれる前記検出部により検出された放射能強度の合算値又は平均値と、前記第2検出部群に含まれる前記検出部により検出された放射能強度の合算値又は平均値と、の比較により、当該放射能検出装置の異常の有無を判定することを特徴とする(1)に記載の放射能検出装置。
(3)前記異常判定部は、前記第1検出部群に含まれる前記検出部により検出された放射能強度の合算値又は平均値と、前記第2検出部群に含まれる前記検出部により検出された放射能強度の合算値又は平均値と、の比率が正常範囲から外れている場合に、当該放射能検出装置が異常であると判定することを特徴とする(2)に記載の放射能検出装置。
(4)前記検出部により市販の標準線源を測定した測定値と、予め測定及び記録されている前記検出部による前記標準線源の測定値の正常値と、の比較により前記検出部の異常の有無を判定することを特徴とする(1)から(3)のいずれか一項に記載の放射能検出装置。
(5)(1)から(4)のいずれか一項に記載の放射能検出装置を備え、放射性薬剤を生体に投与することを特徴とする放射性薬剤投与装置。
【符号の説明】
【0062】
10 筐体
22 生理食塩水貯留バッグ
23 ベントフィルタ
25 エアベントフィルタ
27 セーフタッチプラグ
30 三方活栓
31 第1三方活栓
32 第2三方活栓
33 第3三方活栓
34 第4三方活栓
35 第5三方活栓
41 第1シリンジ
42 第2シリンジ
50 第1遮蔽容器
51 第1バイアル瓶
52 第3針
53 第4針
57 第2遮蔽容器
58 第2バイアル瓶
59 第2針
60 第1針
61 第1針駆動機構
62 第2針駆動機構
63、64、65、66、67、68、69 チューブ
63a 一端側
63b 他端側
70 検出器
71 第1検出器
72 第2検出器
73 第3検出器
74 第4検出器
75 第5検出器
76 第6検出器
77 第7検出器
78 第8検出器
80 検出器
81 第1検出器
82 第2検出器
83 第3検出器
84 第4検出器
85 第5検出器
86 第6検出器
87 第7検出器
88 第8検出器
80a シリコンフォトダイオード
80b プリアンプ
80c アンプ
80d ディスクリミネータ
90 記憶部
91 テーブル
100 放射性薬剤投与装置
110 操作部
131 第1三方活栓駆動モータ
132 第2三方活栓駆動モータ
133 第3三方活栓駆動モータ
134 第4三方活栓駆動モータ
135 第5三方活栓駆動モータ
141 第1シリンジ駆動モータ
142 第2シリンジ駆動モータ
150 制御部
151 異常判定部
161 第1針駆動モータ
162 第2針駆動モータ
200 報知部
300 表示部
631 上流側部分
632 下流側部分
633 折り返し部
700、800、900 放射線検出器
図1
図2
図3
図4
図5
図6