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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024105967
(43)【公開日】2024-08-07
(54)【発明の名称】サーバおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/12 20230101AFI20240731BHJP
   G07G 1/14 20060101ALI20240731BHJP
【FI】
G06Q40/12
G07G1/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023009992
(22)【出願日】2023-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 久晴
【テーマコード(参考)】
3E142
5L040
5L055
【Fターム(参考)】
3E142AA10
3E142EA03
3E142JA02
5L040BB63
5L055BB63
(57)【要約】      (修正有)
【課題】販売する商品に対応した、テナント別の消費税額を算出するサーバ及びプログラムを提供する。
【解決手段】サーバは、店舗に出店している複数のテナントを含むグループ別に、通常税率及び軽減税率で夫々販売される商品の、所定期間におけるグループ売上金額及びテナント別の売上金額であるテナント売上金額を記憶する売上金額記憶手段と、記憶したグループ売上金額、テナント売上金額、に基づいて、テナントにおける通常税率に係る通常按分率と軽減税率に係る軽減按分率をテナント別に算出する按分率算出手段と、グループ売上金額に基づいて商品に係るグループ消費税額を算出し、グループ通常消費税額とテナント別の通常按分率に基づいてテナント別の通常商品に係るテナント通常消費税額を算出し、グループ軽減消費税額とテナント別の軽減按分率に基づいてテナント別の軽減商品に係るテナント軽減消費税額を算出するテナント税額算出手段と、を備える。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗に出店している複数のテナントを含むグループ別に、通常税率で販売される通常商品の所定期間におけるグループ通常売上金額および軽減税率で販売される軽減商品の前記所定期間におけるグループ軽減売上金額と、前記テナント別の前記通常税率に係る商品の売上金額であるテナント通常売上金額および前記軽減税率に係る商品の売上金額であるテナント軽減売上金額と、を記憶する売上金額記憶手段と、
記憶した前記グループ通常売上金額および前記グループ軽減売上金額と、前記テナント通常売上金額およびテナント軽減売上金額と、に基づいて、前記テナントにおける前記通常税率に係る通常按分率と前記軽減税率に係る軽減按分率をテナント別に算出する按分率算出手段と、
前記グループ通常売上金額に基づいて前記通常商品に係るグループ通常消費税額を算出し、前記グループ軽減売上金額に基づいて前記軽減商品に係る商品のグループ軽減消費税額を算出するグループ税額算出手段と、
前記グループ通常消費税額と前記テナント別の前記通常按分率に基づいて前記テナント別の通常商品に係るテナント通常消費税額を算出し、前記グループ軽減消費税額と前記テナント別の前記軽減按分率に基づいて前記テナント別の軽減商品に係るテナント軽減消費税額を算出するテナント税額算出手段と、
を備えたサーバ。
【請求項2】
前記店舗に設置され、前記各テナントが販売する商品について商品登録処理および会計処理を行う共通の商品販売データ処理装置から、前記会計処理に伴い受信した売上データを記憶する売上記憶手段と、
前記売上データに基づいて前記グループ通常売上金額と前記グループ軽減売上金額と前記テナント通常売上金額と前記テナント軽減売上金額とを算出する売上金額算出手段と、をさらに備え、
前記按分率算出手段は、前記売上金額算出手段によって算出され前記売上金額記憶手段によって記憶された前記グループ通常売上金額および前記グループ軽減売上金額と、前記テナント通常売上金額およびテナント軽減売上金額と、に基づいて、前記通常按分率と前記軽減按分率を算出する、
請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記按分率算出手段は、前記所定期間毎に新たに前記通常税率に係る通常按分率と前記軽減税率に係る軽減按分率を算出する、
請求項2に記載のサーバ。
【請求項4】
サーバとしてのコンピュータを、
店舗に出店している複数のテナントを含むグループ別に、通常税率で販売される通常商品の所定期間におけるグループ通常売上金額および軽減税率で販売される軽減商品の前記所定期間におけるグループ軽減売上金額と、前記テナント別の前記通常税率に係る商品の売上金額であるテナント通常売上金額および前記軽減税率に係る商品の売上金額であるテナント軽減売上金額と、を記憶する売上金額記憶手段と、
記憶した前記グループ通常売上金額および前記グループ軽減売上金額と、前記テナント通常売上金額およびテナント軽減売上金額と、に基づいて、前記テナントにおける前記通常税率に係る通常按分率と前記軽減税率に係る軽減按分率をテナント別に算出する按分率算出手段と、
前記グループ通常売上金額に基づいて前記通常商品に係るグループ通常消費税額を算出し、前記グループ軽減売上金額に基づいて前記軽減商品に係る商品のグループ軽減消費税額を算出するグループ税額算出手段と、
前記グループ通常消費税額と前記テナント別の前記通常按分率に基づいて前記テナント別の通常商品に係るテナント通常消費税額を算出し、前記グループ軽減消費税額と前記テナント別の前記軽減按分率に基づいて前記テナント別の軽減商品に係るテナント軽減消費税額を算出するテナント税額算出手段と、
して機能させるためのプログラム。
【請求項5】
前記コンピュータを、
前記店舗に設置され、前記各テナントが販売する商品について商品登録処理および会計処理を行う共通の商品販売データ処理装置から、前記会計処理に伴い受信した売上データを記憶する売上記憶手段と、
前記売上データに基づいて前記グループ通常売上金額と前記グループ軽減売上金額と前記テナント通常売上金額と前記テナント軽減売上金額とを算出する売上金額算出手段と、
してさらに機能させ、
前記按分率算出手段は、前記売上金額算出手段によって算出され前記売上金額記憶手段によって記憶された前記グループ通常売上金額および前記グループ軽減売上金額と、前記テナント通常売上金額およびテナント軽減売上金額と、に基づいて、前記通常按分率と前記軽減按分率を算出する、
請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記按分率算出手段は、前記所定期間毎に新たに前記通常税率に係る通常按分率と前記軽減税率に係る軽減按分率を算出する、
請求項5に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、サーバおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えばショッピングセンターや百貨店等の店舗では、多くのテナントが出店している。そして、このような店舗では、各テナントで精算をせずに、複数のテナントを含むグループ単位で共通で使用するPOS(Point of Sales)端末を設置して、当該POS端末を用いてグループ内のテナントの商品を一括して精算することが行われている。
【0003】
例えば、店舗の地下フロアでは、肉類や魚介類を販売するテナント、雑貨類を販売するテナント等が集中して出店することがあるが、これらの各テナントは一つのグループとなり、共通エリアに一台または複数台のPOS端末を設置して、このPOS端末を用いてグループに属するテナントで販売する商品の商品登録処理および会計処理を行う。
【0004】
ところで、当該POS端末で会計処理された商品の売上の管理は店舗が行っている。店舗は、売上金額から例えば消費税額等を控除した純売上金額を各店舗に報告するとともに当該純売上金を各テナントに還元する。この消費税額は、グループ全体の消費税額を各テナントの売上金額に基づく按分率に基づいて按分して算出していた。
【0005】
ところで、テナントによっては、通常税率(10%)が適用される通常税率商品を販売するテナントと、軽減税率(8%)が適用される軽減税率商品を販売するテナントと、通常税率商品および軽減税率商品を販売するテナントと、がある。そのため、売上金額が同じでもテナントによって支払う消費税額が異なる。しかしながら従来は、上述のようにグループ全体の消費税額を各テナントの売上比率に基づいて按分していたため、各テナントの消費税額は正確な額ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、販売する商品に対応した、正確なテナント別の消費税額を算出することが可能なサーバおよびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態のサーバは、店舗に出店している複数のテナントを含むグループ別に、通常税率で販売される通常商品の所定期間におけるグループ通常売上金額および軽減税率で販売される軽減商品の前記所定期間におけるグループ軽減売上金額と、前記テナント別の前記通常税率に係る商品の売上金額であるテナント通常売上金額および前記軽減税率に係る商品の売上金額であるテナント軽減売上金額と、を記憶する売上金額記憶手段と、記憶した前記グループ通常売上金額および前記グループ軽減売上金額と、前記テナント通常売上金額およびテナント軽減売上金額と、に基づいて、前記テナントにおける前記通常税率に係る通常按分率と前記軽減税率に係る軽減按分率をテナント別に算出する按分率算出手段と、前記グループ通常売上金額に基づいて前記通常商品に係るグループ通常消費税額を算出し、前記グループ軽減売上金額に基づいて前記軽減商品に係る商品のグループ軽減消費税額を算出するグループ税額算出手段と、前記グループ通常消費税額と前記テナント別の前記通常按分率に基づいて前記テナント別の通常商品に係るテナント通常消費税額を算出し、前記グループ軽減消費税額と前記テナント別の前記軽減按分率に基づいて前記テナント別の軽減商品に係るテナント軽減消費税額を算出するテナント税額算出手段と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態にかかる店舗における配置を示す説明図である。
図2図2は、POS端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3図3は、サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
図4図4は、商品マスタのメモリ構成を示すメモリマップである。
図5図5は、按分率情報部のメモリ構成を示すメモリマップである。
図6図6は、テナント情報部のメモリ構成を示すメモリマップである。
図7図7は、POS端末の制御処理の流れを示すフローチャートである。
図8図8は、サーバの機能構成を示す機能ブロック図である。
図9図9は、サーバの制御処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。実施形態では、複数のテナントが出店したショッピングセンターや百貨店等の店舗を例に説明する。なお、以下に説明する実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0010】
店舗Wは、例えば複数のテナントが出店するショッピングセンター(以降「店舗」という)である。テナントは、衣料品を販売するテナント、食料品を販売するテナント、雑貨商品を販売するテナント、等種々の業態である。実施形態では、一例として通常税率(税率10%)の消費税が適用される商品(以降「通常商品」という)および軽減税率(税率8%)の消費税が適用される商品(以降「軽減商品」といい、例えばテイクアウトする食料品が該当する)を販売するテナントTaおよびテナントTbと、軽減商品を販売する(通常商品は販売しない)テナントTcが店舗に出店しているとする。なお、テナントTa、テナントTb、テナントTcを総称してテナントTという。また、一般的なテナントを総称してテナントTという。
【0011】
図1は、店舗W内に出店したテナントTおよび店舗W内に設置された実施形態にかかるシステム10を示す構成図である。実施形態では、店舗Wには、テナントTa、テナントTb、テナントTcが出店している。テナントTa、テナントTb、テナントTcは、店舗Wの同じフロアに出店しており、それぞれのテナントTは区画されているが、店舗Wを訪れた顧客は、いずれのテナントTへも自由に出入りできる。なお、テナントTは、店舗Wに出店している企業のテナントの他に、店舗Wが直接商品を販売する直営形態のテナントを含んでもよい。例えば、店舗Wが直営する鮮魚コーナー、精肉コーナー、食料品売り場等をそれぞれテナントTの一つとしてもよい。また、例えば同一のフロアに出店しているテナントTを同一のグループとする。実施形態では、テナントTa、テナントTb、テナントTcが同一のグループであるグループGに含まれる。
【0012】
また、店舗WのテナントTと同じフロアの共通エリアには、システム10が設置される。システム10は、POS端末1、サーバ3を有する。POS端末1とサーバ3は、例えばLAN(Local Area Network)の通信回線2で接続されている。
【0013】
POS端末1は、店舗W内の精算部に1台または複数台(実施形態では3台)設置されている。POS端末1は、グループGに属するテナントTで販売される商品に係る商品登録処理および会計処理を実行する商品販売データ処理装置である。商品登録処理とは、各テナントTで販売される商品を特定する商品特定情報を取得し、取得した商品特定情報に基づいて当該商品の商品名や価格等の商品情報を表示部に表示するとともに、当該商品情報を商品情報部132(図2を参照)に記憶する処理をいう。会計処理とは、商品登録処理に伴い商品情報部132に記憶された商品情報に基づいて、当該取引に係る締め処理、具体的には、合計金額の表示、現金やクレジットカード等のメディアによる決済処理、現金決済の場合に預り金に基づいて釣銭を計算して表示する処理、釣銭の発行を釣銭機に指示する処理、商品情報や会計情報(合計金額、預り金額、釣銭額、顧客が保有するポイント数に係るポイント情報等)を印字したレシートを印字部から発行する処理等をいう。
【0014】
またPOS端末1は、会計処理した商品の商品情報と会計情報(総称して「売上データ」という)を、サーバ3に送信する。POS端末1からサーバ3への売上データの送信のタイミングは、実施形態では会計処理が終了したタイミングで行うが、例えば店舗Wの閉店時に一日分をまとめて送信する等、任意のタイミングで送信するようにしてもよい。なお、売上データには、POS端末1が属するグループに係る売上金額と、会計処理した商品毎に、当該商品を販売するテナントTを特定するテナントコードと、当該テナントTが属するグループを特定するグループコードと、会計に使用した決済方法(決済したメディアの種類)の情報が含まれる。
【0015】
サーバ3は、店舗Wのバックヤードまたはクラウド上に設置される(実施形態では店舗Wに設置)。サーバ3は、POS端末1から受信した売上データを収集する。サーバ3は、収集した売上データに基づいて当該店舗Wの商品の売上げを管理する。なお、サーバ3は、POS端末1が設置されたフロア以外のフロア(以降「他のフロア」という)に設置されたPOS端末からも、当該他のフロアで販売された商品に係る売上データを収集する。他のフロアにもテナントTが出店しているが、この一般的なテナントTは、それぞれのテナントTが個別にPOS端末を備えていてもいいし、上述のようなグループスタイルのテナントTであってもよい。なお実施形態では、他のフロアのテナントTは、グループGには含まれない(別のグループに含まれる可能性はある)。グループGに含まれるテナントTは、POS端末1で商品登録処理および会計処理を行う商品を販売するテナント(実施形態ではテナントTa、テナントTb、テナントTc)である。
【0016】
このようなシステム10において、店舗Wを訪れた顧客はテナントTa、テナントTb、テナントTcに自由に出入りし、購入する商品を買い物カゴに入れる。そして顧客は購入する商品を入れた買い物カゴをPOS端末1に持って行き、買い物カゴに入っている商品について商品登録および会計を行う。この場合、買い物かごに入っている商品は、テナントTaで販売している商品、テナントTbで販売している商品、テナントTcで販売している商品が混在している。POS端末1は、テナントTaで販売している商品、テナントTbで販売している商品、テナントTcで販売している商品、のいずれの商品であっても会計することができる。POS端末1は、会計処理した商品について、どの商品がどのテナントTで販売されている商品であるかを示すテナントコードを商品毎に付した売上データと、当該売上データに含まれ、テナントTが属するグループを特定するグループコードをサーバ3に送信する。
【0017】
またサーバ3は、受信した売上データに基づいて、店舗W、あるいはテナントT別に、販売された商品の売上を管理する。
【0018】
またサーバ3は、収取した所定期間(例えば一日)の売上データに基づいて、グループ別(例えばグループG)の売上情報を作成する。グループ別の売上情報には次の情報が含まれる。
(1)グループ全体の所定期間の売上情報(売上金額)
(2)グループ全体の通常商品の所定期間の売上情報(グループ通常売上金額)
(3)グループ全体のグループ通常売上金額に対する消費税額(グループ通常消費税額)
(4)グループ全体の軽減商品の所定期間の売上情報(グループ軽減売上金額)
(5)グループ全体のグループ軽減売上金額に対する消費税額(グループ軽減商品税額)
(6)グループ全体の売上情報に対する消費税額(すなわち、グループ通常消費税額+グループ軽減商品税額)
(7)テナント別の通常商品の所定期間の売上情報(テナント通常売上金額)
(8)テナント別の軽減商品の所定期間の売上情報(テナント軽減売上金額)
(9)テナント別の所定期間の売上情報(売上金額)
【0019】
(1)グループ全体の所定期間の売上情報(売上金額)は、POS端末1から受信したグループGに係る売上データを所定期間分累積したデータである。(2)グループ全体の通常商品の所定期間の売上情報(グループ通常売上金額)は、(1)の売上情報に含まれる商品の税区分(通常商品か軽減商品か)を商品マスタ342(図3を参照)に基づいて判断し、通常商品に係る売上金額である。(3)グループ全体のグループ通常売上金額に対する消費税額(グループ通常消費税額)は、グループ通常売上金額に通常税率(10%)を乗じて算出する。
【0020】
(4)グループ全体の軽減商品の所定期間の売上情報(グループ軽減売上金額)は、(1)の売上情報に含まれる商品の税区分(通常商品か軽減商品か)を商品マスタ342(図3を参照)に基づいて判断し、軽減商品に係る売上金額である。(5)グループ全体のグループ軽減売上金額に対する消費税額(グループ軽減商品税額)は、グループ軽減売上金額に軽減税率(8%)を乗じて算出する。
【0021】
(7)テナント別の通常商品の所定期間の売上情報(テナント通常売上金額)は、(1)の売上情報に含まれるテナントコードと商品の税区分に基づいて判断し、テナント別の通常商品に係る売上金額である。(8)テナント別の軽減商品の所定期間の売上情報(テナント軽減売上金額)は、(1)の売上情報に含まれるテナントコードと商品の税区分に基づいて判断し、テナント別の軽減商品に係る売上金額である。(9)テナント別の所定期間の売上情報(売上金額)は、(1)グループ全体の所定期間の売上情報(売上金額)からテナントコードに基づいて算出したテナント別の売上金額である。
【0022】
またサーバ3は、(2)のグループ通常売上金額と(7)のテナント通常売上金額に基づいて、通常商品に係るテナント別の消費税を按分するための按分率(通常按分率)を算出する。具体的には、グループ通常売上金額に対する各テナントのテナント通常売上金額の割合を算出し、テナント別の通常按分率とする。
【0023】
またサーバ3は、(4)のグループ軽減売上金額と(8)のテナント軽減売上金額に基づいて、軽減商品に係るテナント別の消費税を按分するための按分率(軽減按分率)を算出する。具体的には、グループ軽減売上金額に対する各テナントのテナント軽減売上金額の割合を算出し、テナント別の軽減按分率とする。
【0024】
またサーバ3は、(3)のグループ通常消費税額とテナント別の通常按分率に基づいて、テナント別の通常消費税額(テナント通常消費税額)を算出する。すなわちサーバ3は、グループ通常消費税額にテナント別の通常按分率を乗じることで、テナント通常消費税額を算出する。またサーバ3は、(5)のグループ軽減消費税額とテナント別の軽減按分率に基づいて、テナント別の軽減消費税額(テナント軽減消費税額)を算出する。すなわちサーバ3は、グループ軽減消費税額にテナント別の軽減按分率を乗じることで、テナント軽減消費税額を算出する。
【0025】
なお、実施形態では同一のフロアのテナントTであって、POS端末1で共通に会計を行うテナントTをグループGとした。ただし、グループはこのグループGに限らず、同一フロアに出店している一部のテナントTであって、POS端末1で共通に会計を行うテナントTを同一のグループとしてもよい。また、異なるフロアにまたがるテナントTであっても、POS端末1で共通に会計を行うテナントTであれば同一のグループであってよい。
【0026】
ここからは、POS端末1のハードウェア構成について説明する。図2は、POS端末1のハードウェア構成を示すブロック図である。図2に示すように、POS端末1は、マイクロプロセッサの一例であるCPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、メモリ部14等を備えている。CPU11はPOS端末1の制御主体となる。ROM12は各種プログラムを記憶する。RAM13はプログラムや各種データを展開する。メモリ部14は各種プログラムを記憶する。CPU11、ROM12、RAM13、メモリ部14は、互いにバス15を介して接続されている。CPU11とROM12とRAM13が、制御部100を構成する。すなわち、制御部100は、CPU11がROM12やメモリ部14に記憶されRAM13に展開された制御プログラムに従って動作することによって、後述するPOS端末1の制御処理を実行する。
【0027】
RAM13は、会員ID(Identification)部131、商品情報部132、売上情報部133を有する。会員ID部131は、コードリーダ20が読み取ったコードシンボル(バーコードまたは二次元コード)に含まれる会員IDを記憶する。商品情報部132は、商品登録処理された商品の商品情報(商品を特定する商品コード(商品コードには、当該商品を販売するテナントTを特定するテナントコードが含まれる)、商品名、価格、等)を記憶する。売上情報部133は、POS端末1で会計処理された一取引分の商品の商品情報と会計情報を売上データとして記憶する。
【0028】
メモリ部14は、電源を切っても記憶情報が保持されるHDD(Hard Disc Drive)やフラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成され、制御プログラムを記憶する制御プログラム部141、商品マスタ142、グループコード部143を有する。商品マスタ142は、各商品の商品情報を、当該商品を特定する商品コードに対応して記憶する。商品マスタ142は、後述する商品マスタ342と同一の構成であり、図4で後述する。グループコード部143は、グループGを特定するグループコードを記憶する。
【0029】
また、制御部100は、バス15およびコントローラ16を介して、操作部17、店員用表示部18、顧客用表示部19、コードリーダ20、印字部21、カードリーダ22と接続している。
【0030】
操作部17は、締めキー171を有する。締めキー171は、POS端末1において商品登録処理から会計処理へ処理を進める際に操作するキーである。店員用表示部18は、POS端末1を操作する操作者(例えば店員)に対して情報を表示する。顧客用表示部19は、顧客や会員に対して情報を表示する。コードリーダ20は、商品に付されたコードシンボルを撮像して(または光学的に)読み取る。印字部21は、会計処理した商品に係る商品登録情報や会計情報を含むレシート情報を印字したレシートを発行する。カードリーダ22は、例えばクレジットカードやデビットカード等の現金を使用せずに会計処理を行う場合に、当該カードからカード情報を読み取る。
【0031】
コントローラ16は、制御部100からの指示を受けて、操作部17、店員用表示部18、顧客用表示部19、コードリーダ20、印字部21、カードリーダ22を制御する。ただ、説明の都合上、コントローラ16が行う制御を制御部100が行うとして説明する。
【0032】
また、制御部100は、バス15を介して、通信部23と接続している。通信部23は、通信回線2を介してサーバ3と通信可能に接続している。
【0033】
次に、サーバ3のハードウェア構成について説明する。図3は、サーバ3のハードウェア構成を示すブロック図である。図3に示すように、サーバ3は、マイクロプロセッサの一例であるCPU31、ROM32、RAM33、メモリ部34等を備えている。CPU31はサーバ3の制御主体となる。ROM32は各種プログラムを記憶する。RAM33はプログラムや各種データを展開する。メモリ部34は各種プログラムを記憶する。CPU31、ROM32、RAM33、メモリ部34は、互いにバス35を介して接続されている。CPU31とROM32とRAM33が、制御部300を構成する。すなわち、制御部300は、CPU31がROM32やメモリ部34に記憶されRAM33に展開された制御プログラムに従って動作することによって、後述するサーバ3の制御処理を実行する。
【0034】
RAM33は、売上管理部331を有する。売上管理部331は、各POS端末1から受信した売上データを収集して、店舗Wやグループ別の売上情報として記憶する。
【0035】
メモリ部34は、電源を切っても記憶情報が保持されるHDDやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成され、制御プログラム部341、商品マスタ342、按分率情報部343、テナント情報部344を有する。制御プログラム部341は、サーバ3を駆動するための制御プログラムを記憶する。商品マスタ342は、各商品の商品情報を、当該商品を特定する商品コードに対応して記憶する。商品マスタ342については図4で後述する。按分率情報部343は、グループに属するテナントTのテナント別の売上情報と按分率を記憶する。按分率情報部343については図5で後述する。テナント情報部344は、テナントT別の各種情報を記憶する。テナント情報部344については図6で後述する。
【0036】
また、制御部300は、バス35およびコントローラ36を介して、表示部37、操作部38と接続している。表示部37は、サーバ3の操作者に情報を表示する。操作部38は、操作者が操作するキーボードである。
【0037】
コントローラ36は、制御部300からの指示を受けて、表示部37、操作部38を制御する。ただ、説明の都合上、コントローラ36が行う制御を制御部300が行うとして説明する。
【0038】
また、制御部300は、バス35を介して、通信部39と接続している。通信部39は、通信回線2を介してPOS端末1や他のPOS端末と通信可能に接続される。
【0039】
次に、商品マスタ342について説明する。図4は、商品マスタ342のメモリ構成を示すメモリマップである。図4に示すように、商品マスタ342は、商品コード部3421、商品名部3422、商品価格部3423、税区分部3424を有する。商品コード部3421は、商品を特定する商品特定情報の一例である商品コードを記憶する。商品名部3422は、商品コード部3421に対応付けて、商品コード部3421に記憶された商品コードの商品の商品名を記憶する。商品価格部3423は、商品コード部3421に対応付けて、商品コード部3421に記憶された商品コードの商品の価格を記憶する。
【0040】
税区分部3424は、商品コード部3421に対応付けて、商品コード部3421に記憶された商品コードの商品の税区分を記憶する。商品コード部3421に記憶された商品コードの商品が通常商品である場合には、税区分部3424には通常税率の消費税が適用されることを示す「1」が記憶される。商品コード部3421に記憶された商品コードの商品が軽減商品である場合には、税区分部3424には軽減税率の消費税が適用されることを示す「2」が記憶される。このように、商品マスタ342は、販売される商品に対応付けて当該商品に適用される税率を示す情報が記憶される。
【0041】
次に、按分率情報部343について説明する。図5は、按分率情報部343のメモリ構成を示すメモリマップである。図5は、一例として、グループGに係る売上金額と按分率を示すものである。図5に示すように、按分率情報部343は、テナントコード部3431、売上部3432、通常売上部3433、軽減売上部3434、標準按分率部3435、通常按分率部3436、軽減按分率部3437を有する。
【0042】
テナントコード部3431は、グループを特定するグループコードおよびグループGに属するテナントTを特定するテナントコードが記憶される。具体的には、テナントコード部3431は、エリア34311、エリア34312、エリア34313、エリア34314を有する。エリア34311には、グループGを特定するグループコードが記憶される。エリア34312には、テナントTaを特定するテナントコードが記憶される。エリア34313には、テナントTbを特定するテナントコードが記憶される。エリア34314には、テナントTcを特定するテナントコードが記憶される。
【0043】
売上部3432は、所定期間(例えば一日)におけるグループGおよびテナントTの売上金額を記憶する。エリア34311に対応する売上部3432は、グループGの所定期間における売上金額((1)の売上情報であり、図5の例では35000円)を記憶する。エリア34312に対応する売上部3432は、テナントTaの所定期間における売上金額((9)の売上情報であり、図5の例では10000円)を記憶する。エリア34313に対応する売上部3432は、テナントTbの所定期間における売上金額((9)の売上情報であり、図5の例では15000円)を記憶する。エリア34314に対応する売上部3432は、テナントTcの所定期間における売上金額((9)の売上情報であり、図5の例では10000円)を記憶する。
【0044】
通常売上部3433は、所定期間(例えば一日)におけるグループGおよびテナントTの通常商品の売上金額を記憶する。エリア34311に対応する通常売上部3433は、グループGの所定期間におけるグループ通常売上金額((2)の売上情報であり、図5の例では12000円)を記憶する。エリア34312に対応する通常売上部3433は、テナントTaの所定期間におけるテナント通常売上金額((7)の売上情報であり、図5の例では4000円)を記憶する。エリア34313に対応する通常売上部3433は、テナントTbの所定期間におけるテナント通常売上金額((7)の売上情報であり、図5の例では8000円)を記憶する。エリア34314に対応する通常売上部3433は、テナントTcの所定期間におけるテナント通常売上金額((7)の売上情報であり、図5の例では0円)を記憶する。
【0045】
軽減売上部3434は、所定期間(例えば一日)におけるグループGおよびテナントTの軽減商品の売上金額を記憶する。エリア34311に対応する軽減売上部3434は、グループGの所定期間におけるグループ軽減売上金額((4)の売上情報であり、図5の例では23000円)を記憶する。エリア34312に対応する軽減売上部3434は、テナントTaの所定期間におけるテナント軽減売上金額((8)の売上情報であり、図5の例では6000円)を記憶する。エリア34313に対応する軽減売上部3434は、テナントTbの所定期間におけるテナント軽減売上金額((8)の売上情報であり、図5の例では7000円)を記憶する。エリア34314に対応する軽減売上部3434は、テナントTcの所定期間におけるテナント軽減売上金額((8)の売上情報であり、図5の例では10000円)を記憶する。
【0046】
この図5から、テナントTaとテナントTbは通常商品と減税商品を販売しているが、テナントTcは通常商品を販売しておらず、減税商品のみを販売していることが分かる。
【0047】
標準按分率部3435は、グループG全体の売上金額に対して各テナントTの売上金額の比率を算出した按分率を記憶する。具体的には、グループGの売上部3432に記憶された売上金額(35000円)を「1」とした場合の各テナントTの売上部3432に記憶された売上金額の割合を標準按分率として記憶する。グループGの売上金額を「1」とした場合、テナントTaの標準按分率は10000円/35000円で「0.2857」、テナントTbの標準按分率は15000円/35000円で「0.4286」、テナントTcの標準按分率は10000円/35000円で「0.2857」である。標準按分率部3435に記憶された按分率は、グループGの売上に係る消費税の計算以外の諸情報を算出する際に使用する。
【0048】
通常按分率部3436は、テナントTで販売する通常商品の消費税額を算出するときに使用する。通常按分率部3436は、グループGのグループ通常売上金額に対して各テナントTのテナント通常売上金額の比率を算出した通常按分率を記憶する。具体的には、グループGの通常売上部3433に記憶されたグループ通常売上金額(12000円)を「1」とした場合の各テナントTの通常売上部3433に記憶されたテナント通常売上金額の割合を通常按分率として記憶する。グループGのグループ通常売上金額を「1」とした場合、テナントTaの通常按分率は4000円/12000円で「0.3333」、テナントTbの通常按分率は8000円/12000円で「0.6667」、テナントTcの通常按分率は0円/12000円で「0」である。
【0049】
軽減按分率部3437は、テナントTで販売する軽減商品の消費税額を算出するときに使用する。軽減按分率部3437は、グループGのグループ軽減売上金額に対して各テナントTのテナント軽減売上金額の比率を算出した軽減按分率を記憶する。具体的には、グループGの軽減売上部3434に記憶されたグループ軽減売上金額(23000円)を「1」とした場合の各テナントTの軽減売上部3434に記憶されたテナント軽減売上金額の割合を軽減按分率として記憶する。グループGのグループ軽減売上金額を「1」とした場合、テナントTaの軽減按分率は6000円/23000円で「0.2609」、テナントTbの軽減按分率は7000円/23000円で「0.3043」、テナントTcの軽減按分率は10000円/23000円で「0.4348」である。
【0050】
図5で示した按分率情報部343に記憶されている通常按分率と軽減按分率を含むデータは、所定期間(例えば一日)毎に、POS端末1から新たに受信した売上データに基づいて更新される。
【0051】
次に、テナント情報部344について説明する。図6は、テナント情報部344のメモリ構成を示すメモリマップである。なお図6は、一つのテナントTにおけるテナント情報部344を例示したものであり、テナント情報部344は、実際にはテナントT毎にそれぞれ対応した図6に示す各種情報を記憶する。
【0052】
テナント情報部344は、総売上部3441、現金売上部3442、掛売部3443、クレジット売上部3444、商品券売上部3445、電子マネー売上部3446、ポイント売上部3447、消費税部3448、消費税(8%)部3449、消費税(10%)部34410、その他控除部34411、控除金額部34412、純売上部34413、純売上(8%)部34414、純売上(10%)部34415、現金在高部34416、その他控除(税抜)部34417を有する。
【0053】
総売上部3441は、テナントTにおける所定期間の売上金額((9)の売上金額)を記憶する。現金売上部3442は、総売上部3441に記憶された売上金額のうち、現金で決済された売上金額を記憶する。掛売部3443は、総売上部3441に記憶された売上金額のうち、掛売で決済された売上金額を記憶する。クレジット売上部3444は、総売上部3441に記憶された売上金額のうち、クレジットカードで決済された売上金額を記憶する。商品券売上部3445は、総売上部3441に記憶された売上金額のうち、商品券を使用して決済された売上金額を記憶する。電子マネー売上部3446は、総売上部3441に記憶された売上金額のうち、電子マネーを使用して決済された売上金額を記憶する。ポイント売上部3447は、総売上部3441に記憶された売上金額のうち、ポイントを使用して決済された売上金額を記憶する。
【0054】
消費税部3448は、総売上部3441に記憶された売上金額に対する消費税額を記憶する。消費税(8%)部3449は、消費税部3448に記憶された消費税額のうち、軽減商品に係る消費税額を記憶する。消費税(10%)部34410、は、消費税部3448に記憶された消費税額のうち、通常商品に係る消費税額を記憶する。
【0055】
その他控除部34411は、消費税以外に控除される金額(例えば箱代金)を記憶する。控除金額部34412は、総売上部3441に記憶された売上金額から控除された控除金額(箱代金や消費税額を含む)を記憶する。
【0056】
純売上部34413は、総売上部3441に記憶された売上金額から控除金額を差し引いた、テナントTが所定期間に販売した商品の代金(商品価格の合計金額)を記憶する。純売上(8%)部34414は、純売上部34413に記憶された商品の代金のうち、軽減商品に係る代金を記憶する。純売上(10%)部34415は、純売上部34413に記憶された商品の代金のうち、通常商品に係る代金を記憶する。現金在高部34416は、POS端末1に接続された釣銭機(図示せず)に収納されている現在の現金の在高を記憶する。その他控除(税抜)部34417は、その他控除部34411に記憶された控除金額のうち、税額を除いた金額(例えば箱代金のうちの税金を除いた額)を記憶する。
【0057】
次に、POS端末1の制御について説明する。図7は、POS端末1の制御処理の流れを示すフローチャートである。図7に示すように、POS端末1の制御部100は、例えばコードリーダ20から会員を特定する会員IDが入力されたかを判断する(S11)。会員IDが入力されたと判断した場合には(S11のYes)、制御部100は、入力された会員IDを会員ID部131に記憶する(S12)。そして制御部100は処理を終了してS11に戻る。
【0058】
また、会員IDの入力ではないと判断した場合には(S11のNo)、制御部100は、商品に付されたコードシンボルをコードリーダ20が読み取って、当該商品に係る商品コードを取得したかを判断する(S13)。商品コードを取得したと判断した場合には(S13のYes)、制御部100は取得した商品コードに基づいて当該商品に係る商品登録処理を実行して、商品情報を商品情報部132に記憶する(S14)。そして制御部100は処理を終了してS11に戻る。
【0059】
また、商品コードの取得ではないと判断した場合には(S13のNo)、制御部100は、締めキー171が操作されたかを判断する(S15)。締めキー171が操作されたと判断した場合には(S15のYes)、制御部100は、商品情報部132に記憶されている商品情報に基づいて会計処理を実行して、会計処理した商品の商品情報と会計情報を、売上データとして売上情報部133に記憶する(S16)。そして制御部100は、売上情報部133に記憶した売上データをサーバ3に送信する(S17)。売上データには、会計処理した商品を販売するテナントTのテナントコード(商品毎のテナントコード)、当該POS端末1とテナントTが属するグループのグループコード、当該取引を決済するメディアの種類の情報を含む。そして制御部100は処理を終了してS11に戻る。また、締めキー171の操作ではないと判断した場合には(S15のNo)、制御部100はS11に戻る。
【0060】
ここからは、サーバ3の機能構成について説明する。図8は、サーバ3の機能構成を示す機能ブロック図である。制御部300は、ROM32やメモリ部34の制御プログラム部341に記憶された制御プログラムに従うことで、売上記憶手段301、売上金額算出手段302、売上金額記憶手段303、按分率算出手段304、グループ税額算出手段305、テナント税額算出手段306、として機能する。
【0061】
売上記憶手段301は、店舗Wに設置され、複数のテナントTが販売する商品について商品登録処理および会計処理を行う共通のPOS端末1から、会計処理に伴い受信した売上データを売上管理部331に記憶する。
【0062】
売上金額算出手段302は、売上記憶手段301が記憶した売上データに基づいて、店舗Wに出店している複数のテナントTを含むグループ別(グループ単位)に、通常税率で販売される通常商品の所定期間におけるグループ通常売上金額(2)および軽減税率で販売される軽減商品の所定期間におけるグループ軽減売上金額(4)と、テナントT別の通常税率に係る商品の売上金額であるテナント通常売上金額(7)および軽減税率に係る商品の売上金額であるテナント軽減売上金額(8)と、を算出する。
【0063】
売上金額記憶手段303は、売上金額算出手段302が算出したグループ通常売上金額、グループ軽減売上金額、テナント通常売上金額、テナント軽減売上金額を、按分情報部343とテナント情報部344に記憶する。
【0064】
按分率算出手段304は、売上金額記憶手段303が記憶したグループ通常売上金額、グループ軽減売上金額、テナント通常売上金額、テナント軽減売上金額に基づいて、テナントTにおける通常税率に係る通常按分率と軽減税率に係る軽減按分率をテナントT別に算出する。具体的には、按分率算出手段304は、(2)のグループ通常売上金額と(7)のテナントT別のテナント通常売上金額に基づいて、通常商品に係るテナントT別の按分率(通常按分率)を算出する。すなわち按分率算出手段304は、グループ通常売上金額に対する各テナントTのテナント通常売上金額の割合を算出し、テナントT別の通常按分率とする。また、按分率算出手段304は、(4)のグループ軽減売上金額と(8)のテナントT別のテナント軽減売上金額に基づいて、軽減商品に係るテナントT別の按分率(軽減按分率)を算出する。すなわち按分率算出手段304は、グループ軽減売上金額に対する各テナントTのテナント軽減売上金額の割合を算出し、テナントT別の軽減按分率とする。
【0065】
グループ税額算出手段305は、グループ通常売上金額に基づいて、グループ全体の通常商品に係る消費税額であるグループ通常消費税額(3)を算出し、グループ軽減売上金額に基づいて、グループ全体の軽減商品に係る消費税額であるグループ軽減消費税額(5)を算出する。具体的には、グループ税額算出手段305は、グループ通常売上金額に通常税率を乗じて通常商品に係るグループ通常消費税額を算出し、グループ軽減売上金額に軽減税率を乗じて軽減商品に係るグループ軽減消費税額を算出する。
【0066】
テナント税額算出手段306は、グループ通常消費税額とテナントT別の通常按分率に基づいてテナントT別の通常商品に係る消費税額であるテナント通常消費税額を算出し、グループ軽減消費税額とテナント別の軽減按分率に基づいてテナントT別の軽減商品に係る消費税額であるテナント軽減消費税額を算出する。具体的には、テナント税額算出手段306は、グループ通常消費税額と按分率算出手段304が算出したテナントT別の通常按分率に基づいて、テナントT別のテナント通常消費税額を算出し、グループ軽減消費税額と按分率算出手段304が算出したテナントT別の軽減按分率に基づいて、テナントT別のテナント軽減消費税額を算出する。すなわち、テナント税額算出手段306は、グループ通常消費税額を按分率算出手段304が算出したテナントT別の通常按分率に基づいて按分し、グループ軽減消費税額を按分率算出手段304が算出したテナントT別の軽減按分率に基づいて按分する。
【0067】
ここからは、サーバ3に制御について説明する。図9は、サーバ3の制御処理の流れを示すフローチャートである。図3に示すように、サーバ3の制御部300は、POS端末1から売上データを受信したかを判断する(S21)。POS端末1から売上データを受信したと判断した場合には(S21のYes)、売上記憶手段301は、売上管理部331に受信した売上データを商品コード別に累積的に蓄積する(S22)。そして制御部300は処理を終了してS21に戻る。
【0068】
また、売上データの受信ではないと判断した場合には(S21のNo)、制御部300は、所定期間が経過したか(例えば毎日の決められた時間(例えばAM12時)になったか)を判断する(S23)。所定時間が経過していないと判断した場合には(S23のNo)、制御部300はS21に戻り、所定期間が経過したと判断した場合には(S23のYes)、売上金額算出手段302は、売上管理部331に蓄積された所定期間の売上データに基づいて、店舗Wに出店している複数のテナントTを含むグループ別に、通常税率で販売される通常商品の所定期間におけるグループ通常売上金額(2)および軽減税率で販売される軽減商品の所定期間におけるグループ軽減売上金額(4)と、テナントT別の通常税率に係る商品の売上金額であるテナント通常売上金額(7)およびテナントT別の軽減税率に係る商品の売上金額であるテナント軽減売上金額(8)と、を算出する(S24)。なお、実施形態のS24において、売上金額算出手段302は、所定期間の売上データに基づいて、グループ全体の売上金額(1)とテナントT別の売上金額(9)を算出する。
【0069】
次に売上金額記憶手段303は、売上金額算出手段302が算出したグループ全体の売上金額、テナントT別の売上金額、グループ通常売上金額、グループ軽減売上金額、テナント通常売上金額、テナント軽減売上金額を、按分率情報部343あるいはテナント情報部344に記憶する(S25)。具体的には、売上金額記憶手段303は、グループ通常売上金額をエリア34311に対応する通常売上部3433に記憶し、グループ軽減売上金額をエリア34311に対応する軽減売上部3434に記憶し、テナント通常売上金額を該当するテナントTの通常売上部3433に記憶し、テナント軽減売上金額を該当するテナントTの軽減売上部3434に記憶する。なお、実施形態のS25において、売上金額記憶手段303は、売上金額算出手段302が算出した売上金額(1)をエリア34311に対応する売上部3432に記憶し、テナントT別の売上金額(9)を該当するテナントTに対応する売上部3432に記憶する。また売上金額記憶手段303は、グループ全体の売上金額をエリア34311に対応する売上部3432に記憶し、テナントT別の売上金額をテナントTに対応する売上部3432と総売上部3441に記憶する。
【0070】
次に按分率算出手段304は、売上金額記憶手段303が記憶したグループ通常売上金額、グループ軽減売上金額、テナントT別のテナント通常売上金額、テナントT別のテナント軽減売上金額に基づいて、テナントTにおける通常税率に係る通常按分率と軽減税率に係る軽減按分率をテナントT別に算出する(S26)。なお、実施形態では、按分率算出手段304は、売上部3432に記憶されているグループGの所定期間の売上金額(1)およびテナントT別の売上金額(9)に基づいて、店舗W別の標準按分率を算出する。
【0071】
制御部300は、按分率算出手段304が算出した各テナントTに係る通常按分率をテナントT別に通常按分率部3436に記憶し、按分率算出手段304が算出した各テナントTに係る軽減按分率をテナントT別に軽減按分率部3437に記憶する。なお、実施形態では、制御部300は、算出した標準按分率を各テナントTに対応する標準按分率部3435に記憶する。
【0072】
次にグループ税額算出手段305は、グループ通常売上金額と通常税率に基づいて通常商品に係るグループ通常消費税額を算出し、グループ軽減売上金額と軽減税率に基づいて軽減商品に係る商品のグループ軽減消費税額を算出する(S27)。またテナント税額算出手段306は、グループ通常消費税額とテナントT別の通常按分率に基づいてテナントT別の通常商品に係るテナント通常消費税額を算出し、グループ軽減消費税額とテナントT別の軽減按分率に基づいてテナントT別の軽減商品に係るテナント軽減消費税額を算出する(S27)。すなわちテナント税額算出手段306は、グループ通常消費税額をテナントT別の通常按分率に基づいてテナントT別に按分し、グループ軽減消費税額をテナントT別の軽減按分率に基づいてテナントT別に按分する。
【0073】
次に制御部300は、算出したテナントT別の通常消費税額と軽減消費税額を、テナント情報部344に記憶する(S28)。具体的には、制御部300は、算出したテナント通常消費税額を消費税(10%)部34410に記憶し、算出したテナント軽減消費税額を消費税(8%)部3449に記憶する。そして制御部300は、記憶したテナント通常消費税額とテナント軽減消費税額を含むテナント情報部344に記憶されている情報(全部の情報または一部の情報)を該当するテナントTに通知する(S29)。そして制御部300はS21に戻り、次の所定期間が経過したかを判断する。すなわち、制御部300は、所定期間が経過する度にS23~S29の処理を繰り返し、所定期間が経過する度にS26において所定期間毎に、新たに通常税率に係る通常按分率と軽減税率に係る軽減按分率をテナントT別に算出する。また、S27において所定期間毎に、新たに通常税率に係るテナント通常消費税額と軽減税率に係るテナント軽減消費税額をテナントT別に算出する。
【0074】
以上説明したように、実施形態のサーバ3は、店舗Wに出店している複数のテナントTを含むグループ別に、通常税率で販売される通常商品の所定期間におけるグループ通常売上金額および軽減税率で販売される軽減商品の所定期間におけるグループ軽減売上金額と、テナントT別の通常税率に係る商品の売上金額であるテナント通常売上金額および軽減税率に係る商品の売上金額であるテナント軽減売上金額と、を記憶する売上金額記憶手段303と、記憶したグループ通常売上金額およびグループ軽減売上金額と、テナント通常売上金額およびテナント軽減売上金額と、に基づいて、テナントTにおける通常税率に係る通常按分率と軽減税率に係る軽減按分率をテナントT別に算出する按分率算出手段304と、グループ通常売上金額に基づいて通常商品に係るグループ通常消費税額を算出し、グループ軽減売上金額に基づいて軽減商品に係る商品のグループ軽減消費税額を算出するグループ税額算出手段305と、グループ通常消費税額とテナントT別の通常按分率に基づいてテナントT別の通常商品に係るテナント通常消費税額を算出し、グループ軽減消費税額とテナントT別の軽減按分率に基づいてテナントT別の軽減商品に係るテナント軽減消費税額を算出するテナント税額算出手段306と、を備える。
【0075】
このようなサーバ3は、通常商品に対する通常按分率と軽減商品に対する軽減按分率をテナントT別に算出して、それぞれの按分率に基づいて通常消費税額と軽減消費税額を算出して合計を当該テナントTの消費税額とする。そのため、販売する商品に対応した、正確なテナントT別の消費税額を算出することが可能となる。
【0076】
また、実施形態のサーバ3は、所定期間毎に通常按分率と軽減按分率をテナントT別に算出して、それぞれの按分率に基づいて消費税額を算出する。そのため、所定期間毎の売上金額の変動に対応した正確なテナントT別の消費税額を算出することが可能となる。
【0077】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0078】
なお、実施形態のサーバ3で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0079】
また、実施形態のサーバ3で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、実施形態のサーバ3で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0080】
また、実施形態のサーバ3で実行されるプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0081】
1 POS端末
3 サーバ
10 システム
11 CPU
31 CPU
100 制御部
131 会員ID部
132 商品情報部
133 売上情報部
142 商品マスタ
143 グループコード部
300 制御部
301 売上記憶手段
302 売上金額算出手段
303 売上金額記憶手段
304 按分率算出手段
305 グループ税額算出手段
306 テナント税額算出手段
331 売上管理部
342 商品マスタ
343 按分率情報部
344 テナント情報部
3421 商品コード部
3422 商品名部
3423 商品価格部
3424 税区分部
3431 テナントコード部
3432 売上部
3433 通常売上部
3434 軽減売上部
3435 標準按分率部
3436 通常按分率部
3437 軽減按分率部
3441 総売上部
3448 消費税部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0082】
【特許文献1】特開2001-076256号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9