(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106019
(43)【公開日】2024-08-07
(54)【発明の名称】ゴルフクラブヘッド及びこれを備えるゴルフクラブ
(51)【国際特許分類】
A63B 53/04 20150101AFI20240731BHJP
A63B 102/32 20150101ALN20240731BHJP
【FI】
A63B53/04 A
A63B102:32
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010063
(22)【出願日】2023-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】000002495
【氏名又は名称】グローブライド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140822
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 光広
(72)【発明者】
【氏名】辻浦 一輝
【テーマコード(参考)】
2C002
【Fターム(参考)】
2C002AA02
2C002CH03
2C002CH04
2C002MM04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ヘッドの返し易さの向上やボールの打ち出し角度を高めることができるだけでなく、重量の増加やヘッド形状に極力影響を与えずに、空気流の効果的な整流を行うことでスイングスピードを向上させることが可能なゴルフクラブヘッドを備えるゴルフクラブを提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態におけるゴルフクラブヘッドは、フェイス部11と、クラウン部12と、ソール部13と、バック部14とを備えるクラブヘッド10と、グリップと、を備えるゴルフクラブであって、クラブヘッドは、クラウン部とソール部との間に位置するトウ側側部の、フェイス部からバック部の方向でみて、トウ側側部の最頂部よりもフェイス部側、又はフェイス部側から最頂部を跨いでバック部側に亘って、スイングの際にクラブヘッドに生じる空気流を整流する1又は複数の突出部2を備えるように構成される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェイス部と、クラウン部と、ソール部と、バック部とを備えるクラブヘッドと、グリップと、を備えるゴルフクラブであって、
前記クラブヘッドは、前記クラウン部と前記ソール部との間に位置するトウ側側部の、前記フェイス部から前記バック部の方向でみて、該トウ側側部の最頂部よりも前記フェイス部側、又は該フェイス部側から該最頂部を跨いで前記バック部側に亘って、スイングの際に該クラブヘッドに生じる空気流を整流する1又は複数の突出部を備えることを特徴とするゴルフクラブ。
【請求項2】
前記1又は複数の突出部は、前記フェイス部から前記バック部の方向に延伸するように形成される、請求項1に記載のゴルフクラブ。
【請求項3】
前記1又は複数の突出部は、その延伸方向の長さが、該1又は複数の突出部の幅よりも大きい、請求項2に記載のゴルフクラブ。
【請求項4】
前記1又は複数の突出部は、その延伸方向の長さが、該1又は複数の突出部の高さよりも大きい、請求項2に記載のゴルフクラブ。
【請求項5】
複数の突出部が形成される場合、隣接する突出部同士の間隔は、各突出部の幅よりも大きい、請求項2に記載のゴルフクラブ。
【請求項6】
前記1又は複数の突出部は、その高さ方向で前記トウ側側部の外側からみて略ひし形状、略三角形状、楕円状又は三日月状の形状に形成される、請求項1に記載のゴルフクラブ。
【請求項7】
複数の突出部が形成される場合、前記フェイス部から前記バック部の方向の延伸長さは、各突出部で異なる、請求項2に記載のゴルフクラブ。
【請求項8】
前記1又は複数の突出部は、前記フェイス部から前記バック部の方向に対して傾斜して形成される、請求項1に記載のゴルフクラブ。
【請求項9】
前記最頂部は、クラウン部側からソール部側の方向でみた場合に、ヒール側からトウ側に向かう方向でみて最も外側に位置するトウ側側部の部分である、請求項1に記載のゴルフクラブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフクラブヘッド及びこれを備えるゴルフクラブに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、空力を考慮した形状を有するゴルフクラブヘッドを備えるゴルフクラブが提案されている。
【0003】
このようなゴルフクラブヘッドを備えるゴルフクラブとして、例えば、特許文献1には、クラブヘッドの少なくともソール部12表面にスウィング時のヘッド周囲を流れる空気に対しこれを受けて障壁となる第1のリッジ12aと該第1のリッジに対し間隔をおいて空気流後方に第2リッジ12bとを設け、第1のリッジの前壁に衝突し、第1のリッジを越えて第2のリッジの前方に流れ込む空気流を第2のリッジで受け、第2のリッジの前壁に衝突して反転させるリッジ構造を備えるゴルフクラブについて開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、ゴルフクラブヘッドの大型化、慣性モーメントの増大化が進む中で、ヘッド挙動の安定性は向上したものの、それに伴い空気抵抗を大きく受けるシャフト軸を基点とするヘッド(フェース)のターンがより難しくボールを効果的に捉えることが困難となる状況が生じている。しかしながら、特許文献1に示すゴルフクラブヘッドでは、スウィング時のヘッドの慣性モーメントを増大させつつヘッドの重心をフェース面中心域にまで下げ、低重心化を図ることができるものの、空気渦流の滞留を確保する構造を前提としているため、スイングスピードの向上を図ることは難しく、ヘッドの返し易さの向上やボールの打ち出し角度を高めることができないという問題があった。
【0006】
本発明の実施形態は、ヘッドの返し易さの向上やボールの打ち出し角度を高めることができるだけでなく、重量の増加やヘッド形状に極力影響を与えずに、空気流の効果的な整流を行うことでスイングスピードを向上させることが可能なゴルフクラブヘッドを備えるゴルフクラブを提供することを目的の一つとする。本発明の実施形態の他の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態におけるゴルフクラブヘッドは、フェイス部と、クラウン部と、ソール部と、バック部とを備えるクラブヘッドと、グリップと、を備えるゴルフクラブであって、前記クラブヘッドは、前記クラウン部と前記ソール部との間に位置するトウ側側部の、前記フェイス部から前記バック部の方向でみて、該トウ側側部の最頂部よりも前記フェイス部側、又は該フェイス部側から該最頂部を跨いで前記バック部側に亘って、スイングの際に該クラブヘッドに生じる空気流を整流する1又は複数の突出部を備えるように構成される。
【0008】
本発明の一実施形態におけるゴルフクラブヘッドにおいて、前記1又は複数の突出部は、前記フェイス部から前記バック部の方向に延伸するように形成される。
【0009】
本発明の一実施形態におけるゴルフクラブヘッドにおいて、前記1又は複数の突出部は、その延伸方向の長さが、該1又は複数の突出部の幅よりも大きくなるように構成される。
【0010】
本発明の一実施形態におけるゴルフクラブヘッドにおいて、前記1又は複数の突出部は、その延伸方向の長さが、該1又は複数の突出部の高さよりも大きくなるように構成される。
【0011】
本発明の一実施形態におけるゴルフクラブヘッドにおいて、複数の突出部が形成される場合、隣接する突出部同士の間隔は、各突出部の幅よりも大きくなるように構成される。
【0012】
本発明の一実施形態におけるゴルフクラブヘッドにおいて、前記1又は複数の突出部は、その高さ方向で前記トウ側側部の外側からみて略ひし形状、略三角形状、楕円状又は三日月状の形状に形成される。
【0013】
本発明の一実施形態におけるゴルフクラブヘッドにおいて、複数の突出部が形成される場合、前記フェイス部から前記バック部の方向の延伸長さは、各突出部で異なるようにされる。
【0014】
本発明の一実施形態におけるゴルフクラブヘッドにおいて、前記1又は複数の突出部は、前記フェイス部から前記バック部の方向に対して傾斜して形成される。
【0015】
本発明の一実施形態におけるゴルフクラブヘッドにおいて、前記最頂部は、クラウン部側からソール部側の方向でみた場合に、ヒール側からトウ側に向かう方向でみて最も外側に位置するトウ側側部の部分である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の様々な実施形態によって、ヘッドの返し易さの向上やボールの打ち出し角度を高めることができるだけでなく、重量の増加やヘッド形状に極力影響を与えずに、空気流の効果的な整流を行うことでスイングスピードを向上させることが可能なゴルフクラブヘッドを備えるゴルフクラブを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態に係るゴルフクラブ1の構成図を示すものである。
【
図2】(a)は、本発明の一実施形態に係るゴルフクラブヘッド10をトウ側からヒール側の方向で外側からみたものであり、(b)は、本発明の一実施形態に係るゴルフクラブヘッド10をフェース部側からみたものであり、(c)は、本発明の一実施形態に係るゴルフクラブヘッド10を斜めの方向(クラウン部とフェース部とソール部とが視認できる方向)からみたものである。
【
図3】(a)は、本発明の一実施形態に係るゴルフクラブヘッド10をトウ側からヒール側の方向で外側からみたものであり、(b)は、本発明の一実施形態に係るゴルフクラブヘッド10をフェース部側からみたものであり、(c)は、本発明の一実施形態に係るゴルフクラブヘッド10を斜めの方向(クラウン部とフェース部とソール部とが視認できる方向)からみたものである。
【
図4】本発明の一実施形態に係るゴルフクラブヘッド10における突出部2の位置を説明するものである。
【
図5】本発明の一実施形態におけるゴルフクラブヘッド10に形成される突出部2について説明するものである。
【
図6】(a)は、本発明の一実施形態におけるゴルフクラブヘッド10及び突出部2を上部からみたものであり、(b)は、突出部2を長手方向の側面からみたものであり、(c)は、突出部2を正面からみたものである。
【
図7】(a)は、本発明の一実施形態におけるゴルフクラブヘッド10及び突出部2を上部からみたものであり、(b)は、突出部2を長手方向の側面からみたものであり、(c)は、突出部2を正面からみたものである。
【
図8】(a)は、本発明の一実施形態におけるゴルフクラブヘッド10及び突出部2を上部からみたものであり、(b)は、突出部2を長手方向の側面からみたものであり、(c)は、突出部2を正面からみたものである。
【
図9】(a)は、本発明の一実施形態におけるゴルフクラブヘッド10及び突出部2を上部からみたものであり、(b)は、突出部2を長手方向の側面からみたものであり、(c)は、突出部2を正面からみたものである。
【
図10】(a)は、本発明の一実施形態におけるゴルフクラブヘッド10及び突出部2を上部からみたものであり、(b)は、突出部2を長手方向の側面からみたものであり、(c)は、突出部2を正面からみたものである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の様々な実施形態について適宜図面を参照して説明する。なお、図面における共通する構成要素には同一の参照符号が付されている。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係るゴルフクラブヘッド(以下、単に「ヘッド」と言うことがある。)10を備えた本発明の一実施形態に係るゴルフクラブ1の構成を概略的に示す構成図である。一実施形態におけるゴルフクラブ1は、図示するように、天然ゴム又は合成ゴム等によって形成されたゴルフクラブグリップ30と、このゴルフクラブグリップ30に結合し繊維強化樹脂又は金属材料等によって管状に形成されたシャフトSと、このシャフトSにホーゼルHZを介して結合した一実施形態におけるゴルフクラブヘッド10と、を備える。
【0020】
ここで、一実施形態におけるゴルフクラブ1及びゴルフクラブヘッド10は、ウッドクラブ及びそのヘッドとして構成されているが、本発明の様々な実施形態は、アイアンクラブ及びそのヘッドとして構成されたゴルフクラブ及びヘッドを含み、特定の態様に限定されるものではない。また、一実施形態におけるゴルフクラブヘッド10(以下、クラブヘッド10という)は、例えば、ステンレス、チタン、又はチタン合金等の金属材料によって形成されている。
【0021】
次に、
図2ないし5を参照して、本発明の一実施形態に係るゴルフクラブヘッド10の詳細について説明する。
図2(a)は、ゴルフクラブヘッド10をトウ側からヒール側の方向で外側からみたものであり、
図2(b)は、ゴルフクラブヘッド10及び突出部2をフェース部側からみたものであり、
図2(c)は、ゴルフクラブヘッド10及び突出部2を斜めの方向(クラウン部とフェース部とソール部とが視認できる方向)からみたものである。また、
図3(a)は、ゴルフクラブヘッド10をトウ側からヒール側の方向で外側からみたものであり、
図3(b)は、ゴルフクラブヘッド10及び突出部2をフェース部側からみたものであり、
図3(c)は、ゴルフクラブヘッド10及び突出部2を斜めの方向(クラウン部とフェース部とソール部とが視認できる方向)からみたものである。本発明の一実施形態におけるゴルフクラブヘッド10は、フェイス部11と、クラウン部12と、ソール部13と、バック部14とを備え、当該クラブヘッド10は、当該クラウン部12と当該ソール部13との間に位置するトウ側側部15の、当該フェイス部11から当該バック部14の方向でみて、当該トウ側側部15の最頂部15a(又はクラウン部12の最頂部)よりも当該フェイス部11側(例えば、
図2に示す場合)、又は該フェイス部11側から該最頂部15a(又はクラウン部12の最頂部)を跨いで当該バック部14側に亘って(例えば、
図3に示す場合)、スイングの際に該クラブヘッド10に生じる空気流を整流する1又は複数の突出部2(例えば、
図2に示す場合は2つ、
図3に示す場合は3つの突出部2)を備えるように構成される。ここで、トウ側側部15とは、トウ側に設けられる、クラウン部12とソール部13との間を接続する領域(部分)を指し、通常、
図2(b)や
図3(b)の方向でみた場合において、ヒール側からトウ側の方向でみて、フェイス部11の打球面11aより外側(トウ側)にある領域(部分)をトウ側側部15の範囲となる(ヒール側からトウ側の方向でみて、フェイス部11の打球面11aの最もトウ側の位置よりも内側(ヒール側)の領域(部分)がソール部13となる)。通常、打球面11aは、ヒール側からトウ側の方向でみて、フェイス部11より内側(ヒール側)に10mm程度オフセットされていることが多いが、オフセットの程度(オフセット量)は各ゴルフクラブにより異なり、特定のオフセット量に限定されるものではない。また、最頂部15aは、ゴルフクラブヘッド10をクラウン部12側からソール部13側の方向(ヘッド10を真上から真下の方向)でみて、ヒール側からトウ側に向かう方向でみて最も外側に位置するトウ側側部15の部分であり、通常、クラウン部12の最頂部と一致若しくは概ね一致する。なお、実際には、ヘッド10を真上から真下の方向でみると、ヘッド10の形状によっては、該トウ側側部15がクラウン部12により(隠れて)見えない場合もあるが、その場合は、クラウン部12がない若しくは見えないと仮定した場合であることを付言する。
【0022】
本発明の一実施形態に係るゴルフクラブヘッド10を備えたゴルフクラブ1により、ヘッドの返し易さの向上やボールの打ち出し角度を高めることができるだけでなく、重量の増加やヘッド形状に極力影響を与えずに、空気流の効果的な整流を行うことでスイングスピードを向上させることが可能なゴルフクラブヘッドを備えるゴルフクラブを提供することが可能となる。より詳細には、本発明の一実施形態に係るゴルフクラブヘッド10を備えたゴルフクラブ1により、ヘッド挙動の安定性の向上を前提として、トウ側側部の空気抵抗を相対的に低減させることで、空気抵抗を大きく受けるシャフト軸を基点とするヘッド(フェース)のターン性(返し易さ)が向上しボールをより効果的に捉えることができると共に、ボールの打ち出し角度を高めることに繋がることが判明した。この点、
図2に示すリブがないゴルフクラブヘッドと、
図2に示すリブがあるゴルフクラブヘッドとで打ち出し角度と捕まり度合い(SIDE)をそれぞれ20回程計測したところ、打ち出し角(LAUNCH ANGLE)については、平均して1.2度高くなり、捕まり度合い(SIDE)についても、平均して約1ヤード(Y)左(捕まり方向)に飛ぶという結果となった。また、
図2に示すリブがないゴルフクラブヘッドと、
図2に示すリブがあるゴルフクラブヘッドとでスイングスピードをそれぞれ20回程計測したところ、前者のスイングスピードの平均値が33.2m/sであったところ、後者のスイングスピードの平均値が33.4m/sであり、
図2に示すリブを設けることでスイングスピードが向上することが判明した。また、空気抵抗係数についてみると、
図2に示すリブがないゴルフクラブヘッドのCd値が0.855であり、
図2に示すリブがあるゴルフクラブヘッドのCd値が0.827となり、
図2に示すリブがあるゴルフクラブヘッドの方が空気抵抗を受けにくいことが判り、その結果スイングスピードの向上に繋がることが見出された。ここで、
図2に示すリブがないゴルフクラブヘッドは、その重量が273.3g、全長が1124mm、バランスがC4.0、ロフト角が14.7°、FAがH3.0、振動数が224cpmのものを用い、
図2に示すリブがあるゴルフクラブヘッドは、その重量が273.6gであり、その他はリブがないヘッドと同じものを用いた。
【0023】
次に、
図4を参照して、当該フェイス部11から当該バック部14の方向でみた1又は複数の突出部2の位置について説明する。
図4は、ゴルフクラブヘッド10を上部(すなわちクラウン部側)から見たものである。図示のように、本発明の一実施形態におけるゴルフクラブヘッドにおいて、最頂部15aは、ヒール側からトウ側に向かう方向でみて最も外側のトウ側側部の部分である。
図4(a)に示す例では、当該フェイス部11から当該バック部14の方向でみて、当該トウ側側部15の最頂部15aよりも当該フェイス部11側に1つの突出部2が形成されている。他方、
図4(b)に示す例では、該フェイス部11側から該最頂部15aを跨いで当該バック部14側に亘って1つの突出部2が形成されている。なお、いずれの例においても、当該突出部2は、トウ側側部15の、クラウン部12とソール部13との境界領域若しくはその付近に形成されているため、クラウン部12側からみて視認可能となっているが、突出部2の寸法やトウ側側部15の形成箇所によっては、クラウン部12側からみて視認できない場合のあることに留意されたい。
【0024】
本発明の一実施形態におけるゴルフクラブヘッド10において、当該1又は複数の突出部2は、当該フェイス部11から当該バック部14の方向に延伸するように形成される。
【0025】
次に、
図5を参照して、本発明の一実施形態におけるゴルフクラブヘッド10に形成される突出部(リブ)2について説明する。
図5(a)は、突出部2を上部からみたものであり、
図5(b)は、突出部2を長手方向の側面からみたものであり、
図5(c)は、突出部2を正面からみたものである。図示のように、本発明の一実施形態におけるゴルフクラブヘッド10において、1又は複数の突出部2のぞれぞれは、その延伸方向の長さ(A)が、該1又は複数の突出部のそれぞれの幅(B)よりも大きくなるように構成される。このようにして、ヘッドに掛かる空気抵抗を軽減することが可能となる。
【0026】
また、図示のように、本発明の一実施形態におけるゴルフクラブヘッド10において、当該1又は複数の突出部2のそれぞれは、その延伸方向の長さ(A)が、該1又は複数の突出部のそれぞれの高さ(D)よりも大きくなるように構成される。このようにして、ヘッドに掛かる空気抵抗を軽減することが可能となる。
【0027】
本発明の一実施形態におけるゴルフクラブヘッド10において、複数の突出部2が形成される場合、隣接する突出部2同士の間隔(C)は、各突出部2の幅(B)よりも大きくなるように構成される。このようにして、ヘッドに掛かる空気抵抗を軽減することが可能となる。
【0028】
本発明の一実施形態におけるゴルフクラブヘッド10において、当該1又は複数の突出部2のそれぞれは、その高さ方向でトウ側側部15の外側(上方)からみて略ひし形状、略三角形状、楕円状又は三日月状の形状に形成される。このようにして、ヘッドに掛かる空気抵抗を軽減することが可能となる。
【0029】
本発明の一実施形態におけるゴルフクラブヘッド10において、複数の突出部2が形成される場合、当該フェイス部11から当該バック部14の方向の延伸長さ(A)は、各突出部で異なるようにされる。このようにして、ヘッドに掛かる空気抵抗を軽減することが可能となる。
【0030】
本発明の一実施形態におけるゴルフクラブヘッド10において、当該1又は複数の突出部2は、当該フェイス部11から当該バック部14の方向に対して傾斜して形成される。このようにして、ヘッドに掛かる空気抵抗を軽減することが可能となる。
【0031】
次に、
図6ないし10を参照して、本発明の一実施形態におけるゴルフクラブヘッド10に形成される突出部2について説明する。各図(a)は、突出部2を上部からみたものであり、各図(b)は、突出部2を長手方向の側面からみたものであり、各図(c)は、突出部2を正面からみたものである。
【0032】
図6に示すように、本発明の一実施形態におけるゴルフクラブヘッド10において、2つの突出部2が、トウ側側部15に設けられ、クラウン部12から離れる方向に距離を置いて隣接して設けられているが、バック部14からフェイス部11の方向で中央領域からフェイス部11側に向かうにつれ離間するように形成される。各突出部2の輪郭形状は三角錐の形状で、頂点に向かうにつれ高さが大きくなるように形成される。ここで、各突出部2の寸法や個数、配置方法は
図6の例に限定されるものではない。このようにして、ヘッドに掛かる空気抵抗を軽減することが可能となる。
【0033】
図7に示すように、本発明の一実施形態におけるゴルフクラブヘッド10において、2つの突出部2が、トウ側側部15に設けられ、クラウン部12から離れる方向に一定の距離を置いて隣接して設けられているが、バック部14からフェイス部11の方向の延伸長さは、クラウン部12に近い側の突出部2の方が大きく、また、クラウン部12から離れる方向の長さ(幅)も、クラウン部12に近い側の突出部2の方が大きく形成される。各突出部2の輪郭形状は島状ないし台地上の形状で、中央部分の高さが大きくなるように形成される。ここで、各突出部2の寸法や個数、配置方法は
図7の例に限定されるものではない。このようにして、ヘッドに掛かる空気抵抗を軽減することが可能となる。
【0034】
図8に示すように、本発明の一実施形態におけるゴルフクラブヘッド10において、2つの突出部2が、トウ側側部15に設けられ、クラウン部12から離れる方向に距離を置いて隣接して設けられているが、バック部14からフェイス部11の方向で中央領域からフェイス部11側に向かうにつれ離間するように形成される。各突出部2の輪郭形状は山状の形状で、対称的に形成される。ここで、各突出部2の寸法や個数、配置方法は
図8の例に限定されるものではない。このようにして、ヘッドに掛かる空気抵抗を軽減することが可能となる。
【0035】
図9に示すように、本発明の一実施形態におけるゴルフクラブヘッド10において、3つの突出部2が、トウ側側部15に設けられ、クラウン部12に最も近い側から離れる方向に隣接して設けられている。各突出部2の高さは同じで、各突出部2は、V字形状又は略V字形状をなし、バック部14からフェイス部11の方向に延伸するように形成される。また、当該延伸方向の長さも中央の突出部2が隣接する突出部2と同じかそれよりも大きくなるように形成される。ここで、各突出部2の寸法や個数、配置方法は
図9の例に限定されるものではない。このようにして、ヘッドに掛かる空気抵抗を軽減することが可能となる。
【0036】
図10に示すように、本発明の一実施形態におけるゴルフクラブヘッド10において、複数の突出部2が、トウ側側部15に設けられ、その内、クラウン部12に最も近い側に5つの突出部2がバック部14からフェイス部11の方向に並ぶように設けられ、クラウン部12から離れる方向に向かうに従って、4つの突出部2、3つの突出部2、2つの突出部2がバック部14からフェイス部11の方向に並ぶように設けられる。各突出部は直方体形状又は略直方体形状に形成されている。ここで、各突出部2の寸法や個数、配置方法は
図10の例に限定されるものではない。このようにして、ヘッドに掛かる空気抵抗を軽減することが可能となる。
【0037】
本明細書で説明された各構成要素の寸法、材料、及び配置は、実施形態中で明示的に説明されたものに限定されず、この各構成要素は、本発明の範囲に含まれうる任意の寸法、材料、及び配置を有するように変形することができる。また、本明細書において明示的に説明していない構成要素を、説明した実施形態に付加することもできるし、各実施形態において説明した構成要素の一部を省略することもできる。
【符号の説明】
【0038】
1 ゴルフクラブ
2 突出部(リブ)
10 ゴルフクラブヘッド
11 フェイス部
11a 打球面
12 クラウン部
13 ソール部
14 バック部
15 トウ側側部
15a 最頂部
30 ゴルフクラブグリップ