(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010602
(43)【公開日】2024-01-24
(54)【発明の名称】調光装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1333 20060101AFI20240117BHJP
G02F 1/1345 20060101ALI20240117BHJP
G02F 1/1347 20060101ALI20240117BHJP
【FI】
G02F1/1333
G02F1/1345
G02F1/1347
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022112033
(22)【出願日】2022-07-12
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森本 浩也
(72)【発明者】
【氏名】竹内 俊平
【テーマコード(参考)】
2H092
2H189
【Fターム(参考)】
2H092GA38
2H092GA39
2H092HA04
2H092PA02
2H092PA03
2H092PA04
2H092RA10
2H189AA08
2H189AA14
2H189AA21
2H189DA06
2H189DA08
2H189DA18
2H189DA34
2H189DA72
2H189FA16
2H189MA15
(57)【要約】
【課題】有効領域(アクティブエリア)の面積がより大きい調光装置を提供すること。
【解決手段】調光装置は、複数の調光パネルが第1方向に積層されるパネルユニットを備える。調光パネルは、第1基板と、第1基板と第1方向で重なる第2基板と、第1基板に設けられる第1配向膜と、第2基板に設けられ且つ第1方向で第1配向膜と重なる第2配向膜と、第1配向膜と第2配向膜との間に充填される液晶層と、第1基板と第2基板との間であって且つ第1配向膜および第2配向膜よりも外側に設けられるシール材と、第1基板に設けられる第1電極と第2基板に設けられる第2電極とを導通させる導電部材と、を備える。導電部材は、シール材の内側且つ第1配向膜および第2配向膜の外側に位置する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の調光パネルが第1方向に積層されるパネルユニットを備え、
前記調光パネルは、
第1基板と、
前記第1基板と第1方向で重なる第2基板と、
前記第1基板に設けられる第1配向膜と、
前記第2基板に設けられ且つ第1方向で前記第1配向膜と重なる第2配向膜と、
前記第1配向膜と前記第2配向膜との間に充填される液晶層と、
前記第1基板と前記第2基板との間であって且つ前記第1配向膜および前記第2配向膜よりも外側に設けられるシール材と、
前記第1基板に設けられる第1電極と前記第2基板に設けられる第2電極とを導通させる導電部材と、を備え、
前記導電部材は、前記シール材の内側且つ前記第1配向膜および前記第2配向膜の外側に位置する、
調光装置。
【請求項2】
前記第1配向膜および前記第2配向膜の縁は、内側に向けて凹む第1縁を含み、
前記導電部材は、前記第1縁と前記シール材との間の間隙部に配置される、
請求項1に記載の調光装置。
【請求項3】
前記間隙部において、
前記第1縁と前記導電部材との間には、第1方向に突出する浸入防止部材が設けられる、
請求項2に記載の調光装置。
【請求項4】
前記浸入防止部材は、
一端から他端まで導電柱を囲むように連続して延び、且つ、前記一端および前記他端は前記シール材に接続される、
請求項3に記載の調光装置。
【請求項5】
前記浸入防止部材は、複数設けられ、前記第1縁から前記導電部材に向けて間隔をあけて並ぶ、
請求項4に記載の調光装置。
【請求項6】
前記調光パネルは、第1辺と当該第1辺に隣接する第2辺を有する多角形であり、
前記間隙部および前記導電柱は、前記第1辺と前記第2辺とが交差する角部に配置される、
請求項2から4のいずれか1項に記載の調光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、調光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電極が設けられる基板と、電極に電気的に接続される導電柱と、を備える調光装置が公知である(例えば、特許文献1参照)。具体的には、調光装置は、例えば、第1基板と、第2基板と、第1基板と第2基板との間に設けられるシール材と、第1基板に設けられる第1配向膜および第2基板に設けられる第2配向膜と、第1配向膜および第2配向膜の間に設けられる液晶層と、第1基板の電極と第2基板の電極とを電気的に接続する導電柱と、を備える。導電柱は、シール材の外側に配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
導電部材がシール材の外側に位置すると、液晶層が設けられる有効領域(アクティブエリア)の面積が小さくなる可能性がある。
【0005】
本開示は、有効領域(アクティブエリア)の面積がより大きい調光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る調光装置は、複数の調光パネルが第1方向に積層されるパネルユニットを備え、前記調光パネルは、第1基板と、前記第1基板と第1方向で重なる第2基板と、前記第1基板に設けられる第1配向膜と、前記第2基板に設けられ且つ第1方向で前記第1配向膜と重なる第2配向膜と、前記第1配向膜と前記第2配向膜との間に充填される液晶層と、前記第1基板と前記第2基板との間であって且つ前記第1配向膜および前記第2配向膜よりも外側に設けられるシール材と、前記第1基板に設けられる第1電極と前記第2基板に設けられる第2電極とを導通させる導電部材と、を備え、前記導電部材は、前記シール材の内側且つ前記第1配向膜および前記第2配向膜の外側に位置する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る調光パネルを上側から見た模式図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る第1基板の表面を上側から見た模式図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る第2基板を裏返して、配線が設けられる面である表面を示した模式図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態の調光装置の断面を示す模式図である。
【
図8】
図8は、第2実施形態に係る第1基板の表面の一部を上側から見た模式図であり、
図5に対応する図である。
【
図10】
図10は、第2実施形態に係る配向膜を形成する工程を説明する模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本開示が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【0009】
なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、開示の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本開示の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0010】
なお、図に示すXYZ座標において、X方向は、左右方向であり、X1側はX2側の反対である。X1側は左側とも称し、X2側は右側とも称する。Y方向は、前後方向であり、Y1側はY2側の反対である。Y1側は前側とも称し、Y2側は後側とも称する。Z方向は、上下方向(積層方向)である。Z1側はZ2側の反対である。Z2側は上側とも称し、Z1側は下側とも称する。また、Z方向は第1方向とも称する。
【0011】
[第1実施形態]
まず、調光パネル1について説明する。
図1は、第1実施形態に係る調光パネルを上側から見た模式図である。
図2は、第1実施形態に係る第1基板の表面を上側から見た模式図である。
図3は、第1実施形態に係る第2基板を裏返して、配線が設けられる面である表面を示した模式図である。
【0012】
図1に示すように、調光パネル1は、第1基板2と、第1基板2の上側(Z1側)に配置される第2基板3と、を備える。調光パネル1は、平面視で八角形であり、第1辺11と、第2辺12と、第3辺13と、第4辺14と、第5辺15と、第6辺16と、第7辺17と、第8辺18と、を有する。調光パネル1は、正八角形に対して、第7辺17のみX1側に寄っている。即ち、
図1において、二点鎖線は、第7辺17の部分が正八角形である場合の仮想線であり、二点鎖線よりも第7辺17がX1側に位置している。なお、本発明では、調光パネル1の形状は、特に限定されず、八角形以外の多角形および円形や楕円形も本発明に含まれる。
【0013】
第1辺11は、調光パネル1におけるY1側に位置する。第1辺11は、図中X方向と平行である。調光パネル1の第1辺11は、
図2に示す第1基板2の第1辺211に一致する。これに対し、
図3に示す第2基板3の第1辺311は、第1基板2の第1辺211よりもY2側に位置する。従って、
図1に示すように、第1基板2の上側に第2基板3を積層させた状態では、第1基板2のY1側の端部2cが露出する。端部2cには、第1の端子群10が設けられる。
【0014】
第2辺12は、調光パネル1におけるX1側に位置する。第2辺12は、図中Y方向と平行である。調光パネル1の第2辺12は、
図2に示す第1基板2の第2辺212に一致する。これに対し、
図3に示す第2基板3の第2辺312は、第1基板2の第2辺212よりもX2側に位置する。従って、
図1に示すように、第1基板2の上側に第2基板3を積層させた状態では、第1基板2のX1側の端部2dが露出する。端部2dには、第2の端子群20が設けられる。
【0015】
第3辺13は、X1方向とY1方向との双方に交差する。交差角は、45度である。第3辺13は、
図2に示す第1基板2の第3辺213に一致する。これに対し、
図3に示す第2基板3の第3辺313は、第1基板2の第3辺213よりもX2且つY2側に位置する。換言すると、平面視において、第2基板3の第3辺313は、第1基板2の第3辺213よりも中心C側に位置する。従って、
図1に示すように、第1基板2の上側に第2基板3を積層させた状態では、第1基板2の端部2eが露出する。
【0016】
第4辺14は、X1方向とY2方向との双方に交差する。交差角は、45度である。第4辺14は、
図2に示す第1基板2の第4辺214および
図3に示す第2基板3の第4辺314と重なる。第5辺15は、調光パネル1におけるY2側に位置する。第5辺15は、
図2に示す第1基板2の第5辺215および
図3に示す第2基板3の第5辺315と重なる。
【0017】
第6辺16は、X2方向とY2方向との双方に交差する。交差角は、45度である。第6辺164は、
図2に示す第1基板2の第6辺216および
図3に示す第2基板3の第6辺316と重なる。
【0018】
第7辺17は、調光パネル1におけるX2側に位置する。第7辺17は、
図2に示す第1基板2の第7辺217および
図3に示す第2基板3の第7辺317と重なる。
【0019】
第8辺18は、X2方向とY1方向との双方に交差する。交差角は、45度である。第8辺18は、
図2に示す第1基板2の第8辺218および
図3に示す第2基板3の第8辺318と重なる。
【0020】
このように、第2基板3の面積は、第1基板2の面積よりも小さいため、第1基板2の端部2cに設けられた第1の端子群10、および、端部2dに設けられた第2の端子群20が露出する。
【0021】
次に、
図2および
図3を参照して第1基板2および第2基板3を説明する。なお、
図3においては、第2基板3の表面および裏面のうち、配線が設けられる面である表面3aを示した模式図である。従って、
図3の第2基板3におけるX1方向およびX2方向の向きは、
図2の第1基板2におけるX1方向およびX2方向の向きに対して、反対になっている。
図2には、第1基板2のX方向の中央を通りY方向に延びる中心線CL1と、第1基板2のY方向の中央を通りX方向に延びる中心線CL2と、が示される。
【0022】
図2に示すように、第1基板2の第1辺211に沿った端部2cにおいて、第1辺211の中央よりも第2辺212側(或いは第3辺213側)の第1端部21(二点鎖線で示す)には、第1の端子群10が設けられる。即ち、端部2cは、第1基板2においてY1側の端部であり、端部2cの部位のうち中心線CL1よりもX1側に、二点鎖線で示す第1端部21が配置される。第1端部21に第1の端子群10が設けられる。
図2に示すように、第1の端子群10は、第1端子101と、第2端子102と、第3端子103と、第4端子104と、を含む。第1端子101、第2端子102、第3端子103および第4端子104は、X1側からX2側に向けてX方向(第4方向)に順に並んで配置される。これらの端子101、102、103、104は、第1辺211に平行な一対の短辺105と、第2辺212に平行な一対の長辺106とを備えている。
【0023】
また、
図2に示すように、第1基板2の第2辺212に沿った端部2dにおいて、第2辺212の中央よりも第1辺211側(或いは第3辺213側)の第2端部22(二点鎖線で示す)には、第2の端子群20が設けられる。即ち、端部2dは、第1基板2においてX1側の端部であり、端部2dの部位のうち中心線CL2よりもY1側に、二点鎖線で示す第2端部22が配置される。第2端部22に第2の端子群20が設けられる。
【0024】
図2に示すように、第2の端子群20は、第5端子201と、第6端子202と、第7端子203と、第8端子204と、を含む。第5端子201、第6端子202、第7端子203および第8端子204は、Y1側からY2側に向けて前後方向(Y方向)に順に並んで配置される。これらの端子201、202、203、204は、第1辺211に平行な一対の長辺107と、第2辺212に平行な一対の短辺108とを備えている。
【0025】
次に、第1基板2および第2基板3の配線について説明する。なお、基板の表面および裏面のうちの表面に配線が設けられる。即ち、配線が設けられる面を表面とし、表面の反対側の面を裏面とする。
【0026】
図2に示すように、第1基板2の表面2aには、配線、液晶駆動電極および接続部が設けられる。なお、第1基板2の接続部C1と、第2基板3の接続部C3(
図3参照)とは、導通可能な導電部材(図示せず)を介して電気的に接続される。同様に、第1基板2の接続部C2と、第2基板3の接続部C4(
図3参照)とは、導通可能な共通電極(図示せず)を介して電気的に接続される。
【0027】
第1端子101と第5端子201とは、配線(第1配線)241を介して電気的に接続される。配線241の途中には、分岐点242が設けられ、分岐点242から接続部C1まで配線が延びている。
【0028】
第2端子102と第6端子202とは、配線(第2配線)243、245を介して電気的に接続される。なお、配線243には、分岐点244が設けられ、分岐点244から端247まで配線246が延びている。
【0029】
第3端子103と第7端子203とは、配線(第3配線)248を介して電気的に接続される。第4端子104と第8端子204とは、配線(第4配線)249、251を介して電気的に接続される。配線249は、第4端子104からX2側に向けて分岐点250まで延びる。配線251は、分岐点250から第8端子204まで延びる。分岐点250から接続部C2まで配線が延びている。
【0030】
複数の液晶駆動電極261は、配線243、246に接続される。液晶駆動電極261は、X方向に沿って直線状に延びる。液晶駆動電極261は、Y方向に等間隔に配置される。
【0031】
複数の液晶駆動電極262は、配線248に接続される。液晶駆動電極262は、X方向に沿って直線状に延びる。液晶駆動電極262は、Y方向に等間隔に配置される。なお、液晶駆動電極261と液晶駆動電極262とはY方向に交互に配置される。
【0032】
図3に示すように、第2基板3の表面3aには、配線、液晶駆動電極および接続部が設けられる。なお、
図3に示す中心線CL1、CL2は、
図2に示す中心線CL1、CL2と対応している。
【0033】
接続部C3は、分岐点341を介して、配線342、343に接続される。配線342は、端348まで延びる。配線343は、端349まで延びる。接続部C4は、分岐点344を介して、配線345、346に接続される。配線346は、端347まで延びる。
【0034】
複数の液晶駆動電極361は、配線342、343に接続される。液晶駆動電極361は、Y方向に沿って直線状に延びる。液晶駆動電極361は、X方向に等間隔に配置される。
【0035】
複数の液晶駆動電極362は、配線346に接続される。液晶駆動電極362は、Y方向に沿って直線状に延びる。液晶駆動電極362は、X方向に等間隔に配置される。なお、液晶駆動電極361と液晶駆動電極362とはX方向に交互に配置される。
【0036】
次に、実施形態の調光装置について説明する。
図4は、第1実施形態の調光装置の断面を示す模式図である。
【0037】
図4に示すように、第1実施形態に係る調光装置100は、パネルユニット110と、光源620と、を備える。なお、本実施形態に係る調光装置100においては、p波偏光用の液晶セルとs波偏光用の液晶セルとを積層して組み合わせている。
【0038】
パネルユニット110は、Z方向(第1方向)に複数の調光パネル1を積層させて形成される。本実施形態では、
図1に示す調光パネル1を複数(実施形態では4つ)積層されている。具体的には、
図4に示すように、4つの調光パネル1は、上側から順に、第1の調光パネル1A、第2の調光パネル1B、第3の調光パネル1C、第4の調光パネル1Dが積層される。第1の調光パネル1Aは、4つの調光パネル1のうち最も上側に配置される。
【0039】
換言すると、第1の調光パネル1Aは、複数の調光パネルのうち最もZ2側に位置する。第4の調光パネル1Dは、4つの調光パネル1のうち最も下側に配置される。換言すると、第4の調光パネル1Dは、複数の調光パネルのうち最もZ1側に位置する。第1の調光パネル1Aと第4の調光パネル1Dとの間には、第2の調光パネル1Bおよび第3の調光パネル1Cが積層される。また、調光パネル1A、1B、1C、1Dは、接着層40を介して接着される。つまり、Z方向に隣接する調光パネル同士は全て、接着層40を介して接着される。例えば、調光パネル1Aの第1基板2の裏面2bと、調光パネル1Bの第2基板3の裏面3bとは、接着層40を介して接着される。フレキシブルプリント基板41は、端子に電気的に接続される。なお、調光装置100に含まれる調光パネル1の数は、4枚に限定されず、2枚以上であればよい。また、光源620は、パネルユニット110のZ1側に配置される。光源620から光621が照射される。
【0040】
次に、調光パネル1の角部に設けた導電部材を詳細に説明する。
図5および
図6は、
図3の一部を拡大した模式図である。
図7は、
図5のVII-VII線による断面図である。
【0041】
図5および
図7に示すように、調光パネル1は、第1基板2と、第2基板3と、シール材600と、第1配向膜51と、第2配向膜52と、導電部材50と、を備える。
【0042】
図5および
図7に示すように、第1基板2と第2基板3との間には、シール材600が設けられる。
図5に示すように、シール材600は、辺313および辺311に沿って延びる。また、
図7に示すように、シール材600は、第1基板2の端部に設けられる絶縁膜44と、第2基板3の端部に設けられる絶縁膜44との間に配置される。絶縁膜44は、例えば、窒化シリコン(SiN)などの無機絶縁層が適用可能である。シール材600の内部には、スペーサ610、611が設けられる。スペーサ610、611は、例えば、フォトリソグラフィ工程で設けられるフォトスペーサー(PS材)やメタル膜などが適用可能である。なお、スペーサ610、611は、いずれか一方のみが形成されていてもよい。
【0043】
図7に示すように、第1基板2上には、透光性電極45が設けられる。透光性電極45は、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透光性の導電性材料である。透光性電極45上には、絶縁膜44が設けられる。絶縁膜44上には、第1配向膜51が設けられる。第1配向膜51はX方向に延びる。第1配向膜51は、例えばポリイミド(PI)からなる。なお、配向膜は、ある程度広い面積にわたって液晶分子が一方向にそろって並んでいることを必要とされる場合に、液晶分子の配向を制御するために設けられる。
【0044】
図7に示すように、第2基板3上(第2基板3に対してZ1側)には、透光性電極45が設けられる。透光性電極45上(透光性電極45に対してZ1側)には、絶縁膜44が設けられる。絶縁膜44上には、第2配向膜52が設けられる。第2配向膜52はX方向に延びる。第2配向膜52は、Z方向で第1配向膜51と重なる。第2配向膜52は、例えばポリイミド(PI)からなる。なお、第1配向膜51と第2配向膜52との間には、液晶層4(
図4参照)が設けられる。
【0045】
図5に示すように、第2配向膜52は、縁52aを有する。縁52aは、辺313(第2辺)および辺311(第1辺)に沿って延びる。縁52aは、第1縁52bを含む。即ち、縁52aの一部には、内側に向けて凹む第1縁52bが含まれる。
図5に示すように、第1縁52bは、X方向に沿って延びる第1部位521bと、Y方向に沿って延びる第2部位522bと、第1部位521bと第2部位522bとが交差する交差部523bと、を有する。交差部523bは、円弧状に湾曲する。具体的には、交差部523bは、導電部材50を中心とする円弧状に沿って延びる。
【0046】
第2配向膜52の縁52aは、シール材600から離隔するように内側に向けて凹む第1縁52bを含む。第1縁52bとシール材600との間には、第2配向膜52がない間隙部53が設けられる。Z方向から見て、導電部材50は、間隙部53に位置する。このように、間隙部53および導電部材50は、辺311(第1辺)と辺313(第2辺)とが交差する角部に配置される。なお、導電部材50とシール材600との距離(最小距離)は、導電部材50と第1縁52bとの距離(最小距離)よりも小さい。
【0047】
図7に示すように、第2配向膜52は、Z方向で第1配向膜51と重なる。具体的には、第2配向膜52の縁は、第1配向膜51の縁と略一致する。即ち、第1配向膜51の縁は、第1縁51aを有するが、第1縁51aは、第2配向膜52の第1縁52bとX方向で並ぶ。換言すると、Z方向から見て、第1縁51aと第1縁52bとが略一致する。
【0048】
また、第1基板2上には、接続部(第1電極)C1が設けられ、第2基板3上には、接続部(第2電極)C3が設けられる。接続部C1と接続部C3とは、導電部材50を介して電気的に接続される。接続部C1は第1電極とも称される。接続部C1は、第1基板2上の金属層42と、金属層42上の導電層43と、を備える。接続部C3は第2電極とも称される。導電層43は、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透光性の導電性材料である。接続部C3は、第2基板3上の金属層42と、金属層42上の導電層43と、を備える。導電部材50は、略球体の形状または扁球の形状を有する。扁球とは、楕円の短軸を回転軸として当該楕円を回転したときに得られる回転体である。導電部材50は、接続部C1と接続部C3との双方に当接する。これにより、接続部C1は、導電部材50を介して接続部C3と電気的に接続される。なお、本発明において、導電部材50は、回転体に限定されない。また、例えば、導電部材50は、導電性ペーストや導電性材料を含むシール材、または、フォトスペーサーを含むものも適用可能である。
【0049】
また、
図6に示すように、第2基板3における辺311と辺318とが交差する角部にも、間隙部53および導電部材50が設けられる。
図6に示すように、辺311と辺318とが交差する角部において、第2配向膜52は、縁52aを有する。縁52aは、辺311および辺318に沿って延びる。縁52aは、第1縁52cを含む。即ち、縁52aの一部には、内側に向けて凹む第1縁52cが含まれる。
図6に示すように、第1縁52cは、X方向に沿って延びる第1部位521cと、Y方向に沿って延びる第2部位522cと、第1部位521cと第2部位522cとが交差する交差部523cと、を有する。
【0050】
交差部523cは、円弧状に湾曲する。具体的には、交差部523cは、導電部材50を中心とする円弧状に沿って延びる。このように、第2配向膜52の縁52aは、シール材600から内側に向けて離隔する第1縁52cを含む。第1縁52cとシール材600との間には、第2配向膜52がない間隙部53が設けられる。Z方向から見て、導電部材50は、間隙部53に位置する。なお、導電部材50とシール材600との距離(最小距離)は、導電部材50と第1縁52cとの距離(最小距離)よりも小さい。
【0051】
以上説明したように、第1実施形態に係る調光装置100は、複数の調光パネル1がZ方向(第1方向)に積層されるパネルユニット110を備える。調光パネル1は、第1基板2と、第1基板2と重なる第2基板3と、第1基板2に設けられる第1配向膜51と、第2基板3に設けられ且つ第1配向膜51とZ方向(第1方向)で重なる第2配向膜52と、第1配向膜51と第2配向膜52との間に充填される液晶層4と、第1基板2と第2基板3との間であって且つ第1配向膜51および第2配向膜52よりも外側に設けられるシール材600と、第1基板2に設けられる接続部(第1電極)C1、C2と第2基板3に設けられる接続部(第2電極)C3、C4とを導通させる導電部材50と、を備える。導電部材50は、シール材600の内側且つ第1配向膜51および第2配向膜52の外側に位置する。
【0052】
特許文献1の調光装置には、導電柱が設けられる。前述したように、導電柱がシール材の外側に位置した状態で調光装置の外形を一定にしようとすると、シール材がより内側に配置されるため、液晶層が設けられる有効領域(アクティブエリア)の面積が小さくなる可能性がある。これに対して、本実施形態では、導電部材がシール材の内側に位置するため、導電部材がシール材の外側に位置する場合よりも有効領域(アクティブエリア)の面積が大きくなる。このように、本実施形態によれば、有効領域(アクティブエリア)の面積がより大きい調光装置100を提供することができる。
【0053】
第1配向膜51および第2配向膜52の縁は、内側に向けて凹む第1縁51a、52bを含む。導電部材50は、第1縁51a、52bとシール材600との間の間隙部53に配置される。
【0054】
従って、導電部材50は、第1配向膜51および第2配向膜52が設けられていない位置で第1基板2に設けられる接続部(第1電極)C1、C2と第2基板3に設けられる接続部(第2電極)C3、C4とを導通させることができる。このため、導通不良を低減させることができる。
【0055】
調光パネル1は、辺311(第1辺)と辺313(第2辺)を有する多角形である。間隙部53および導電部材50は、辺311(第1辺)と辺313(第2辺)とが交差する角部に配置される。
【0056】
多角形の角部は、外側に向けて突出する部位であるため、当該角部において、シール材600の外側に導電部材50を配置すると、外側への突出量がより大きくなる。従って、シール材600の内側に導電部材50を配置することにより、角部の外側への突出量を抑制しつつ多角形の角部に導電部材50を配置することができる。
【0057】
[第2実施形態]
図8は、第2実施形態に係る第1基板の表面の一部を上側から見た模式図であり、
図5に対応する図である。
図9は、
図8のIX-IX線による断面図である。
図10は、第2実施形態に係る配向膜を形成する工程を説明する模式的な断面図である。
【0058】
第2実施形態においては、間隙部53に浸入防止部材6を設けている。以下、詳細に説明する。
【0059】
図8に示すように、浸入防止部材6は、4つ設けられる。具体的には、浸入防止部材6は、浸入防止部材61(第1の浸入防止部材)と、浸入防止部材62(第2の浸入防止部材)と、浸入防止部材63(第3の浸入防止部材)と、浸入防止部材64(第4の浸入防止部材)と、を含む。4つの浸入防止部材6は、第2配向膜52の第1縁52bと導電部材50との間に設けられる。導電部材50に近い方から順に、浸入防止部材61、62、63、64が等間隔で並ぶ。浸入防止部材6は、一端6aおよび他端6bがシール材600に接続される。浸入防止部材6は、Z方向に突出する。Z方向から見て、浸入防止部材6は、略L字状である。
【0060】
浸入防止部材61は、一端61aからY2側に向けて中間部61cまで延び、中間部61cにおいて円弧状に屈曲し、中間部61cからX1側に向けて他端61bまで延びる。一端61aおよび他端61bは、シール材600に接続される。
【0061】
浸入防止部材62は、一端62aからY2側に向けて中間部62cまで延び、中間部62cにおいて円弧状に屈曲し、中間部62cからX1側に向けて他端62bまで延びる。一端62aおよび他端62bは、シール材600に接続される。
【0062】
浸入防止部材63は、一端63aからY2側に向けて中間部63cまで延び、中間部63cにおいて円弧状に屈曲し、中間部63cからX1側に向けて他端63bまで延びる。一端63aおよび他端63bは、シール材600に接続される。
【0063】
浸入防止部材64は、一端64aからY2側に向けて中間部64cまで延び、中間部64cにおいて円弧状に屈曲し、中間部64cからX1側に向けて他端64bまで延びる。一端64aおよび他端64bは、シール材600に接続される。浸入防止部材64は、第2配向膜52の第1縁52bに沿って延びる。4つの中間部61c、62c、63c、64cはそれぞれ、導電部材50を中心とする円弧状である。浸入防止部材61、62、63、64は、同一の高さを有する。
【0064】
図9に示すように、第2基板3には、4つの浸入防止部材7が設けられる。4つの浸入防止部材7は、浸入防止部材71(第1の浸入防止部材)と、浸入防止部材72(第2の浸入防止部材)と、浸入防止部材73(第3の浸入防止部材)と、浸入防止部材74(第4の浸入防止部材)と、を含む。4つの浸入防止部材7は、第2配向膜52の第1縁52bと導電部材50との間に設けられる。導電部材50に近い方から順に、浸入防止部材71、72、73、74が等間隔で並ぶ。浸入防止部材7は、
図8に示す浸入防止部材6とZ方向で重なる。即ち、浸入防止部材7は、略L字状であり、一端および他端がシール材600に接続される。浸入防止部材7は、Z方向に突出する。
【0065】
具体的には、浸入防止部材61のZ2側には、浸入防止部材71が配置される。浸入防止部材71は、第2基板3に設けた絶縁膜44からZ1側に突出する。浸入防止部材62のZ2側には、浸入防止部材72が配置される。浸入防止部材72は、第2基板3に設けた絶縁膜44からZ1側に突出する。浸入防止部材63のZ2側には、浸入防止部材73が配置される。浸入防止部材73は、第2基板3に設けた絶縁膜44からZ1側に突出する。浸入防止部材64のZ2側には、浸入防止部材74が配置される。浸入防止部材74は、第2基板3に設けた絶縁膜44からZ1側に突出する。浸入防止部材74は、第2配向膜52の第1縁52bに当接する。浸入防止部材71、72、73、74は、同一の高さを有する。
【0066】
このように、4つの浸入防止部材7と4つの浸入防止部材6とは、それぞれ、Z方向に同一の隙間を有する。なお、シール材600の内部には、スペーサ610、611が設けられる。スペーサ610は、4つの浸入防止部材6と同じ高さである。スペーサ611は、4つの浸入防止部材7と同じ高さである。スペーサ610、611は、例えば、フォトリソグラフィ工程で設けられるフォトスペーサーやメタル膜などが適用可能である。従って、スペーサ610は、4つの浸入防止部材6と同じ工程で作製できる。また、スペーサ611は、4つの浸入防止部材7と同じ工程で作製できる。
【0067】
次に、浸入防止部材6による作用効果を
図10を参照して説明する。
図9に示したように、絶縁膜44上に第1配向膜51を設ける。第1配向膜51は、例えばポリイミド(PI)からなる。第1配向膜51を形成する方法としては、例えば、ポリイミドの高分子化合物を絶縁膜44の上に塗布したのち乾燥させる方法がある。ここで、
図10に示すように、ポリイミドの高分子化合物をより多く塗布すると、X1側に向けて流れてしまう。しかし、浸入防止部材61、62、63、64を設けているため、ポリイミドの高分子化合物の流れが浸入防止部材61、62、63、64によって堰き止められ接続部C1(第1電極)まで流れない。
【0068】
以上説明したように、第1縁51a、52bと導電部材50との間には、Z方向(第1方向)に突出する浸入防止部材6、7が設けられる。
【0069】
第1配向膜51や第2配向膜52を形成する際、
図10を参照して前述したように、ポリイミドの高分子化合物をより多く塗布すると外側に向けて広い範囲に流れ、導電部材50が導通される接続部C1(第1電極)および接続部C3(第2電極)を覆う可能性がある。接続部C1およびC3がポリイミドの高分子化合物によって覆われてしまうと、導電部材50と接続部C1およびC3との導通不良を起こす可能性が高くなる。しかし、本実施形態では、浸入防止部材6、7を設けているため、ポリイミドの高分子化合物の流れが浸入防止部材6、7によって堰き止められ接続部C1(第1電極)および接続部C3(第2電極)まで流れることが抑制される。これにより、導電部材50と接続部C1およびC3との導通不良を低減させることができる。
【0070】
浸入防止部材6、7は、一端6aから他端6bまで導電部材50を囲むように連続して延び、且つ、一端6aおよび他端6bはシール材600に接続される。これにより、導電部材50に向けてポリイミドの高分子化合物が流れてきても、ポリイミドの流れを浸入防止部材6、7で止めることができる。
【0071】
浸入防止部材6、7は、第1縁51a、52bから導電部材50に向けて間隔をおいて複数設けられる。これにより、浸入防止部材6、7がそれぞれ1つの場合よりも、ポリイミドの流れを浸入防止部材6、7で止めることができる。
【符号の説明】
【0072】
1 調光パネル
1A 調光パネル(第1の調光パネル)
1B 調光パネル(第2の調光パネル)
1C 調光パネル(第3の調光パネル)
1D 調光パネル(第4の調光パネル)
2 第1基板
2a 表面
2b 裏面
2c 端部
2d 端部
2e 端部
3 第2基板
3a 表面
3b 裏面
4 液晶層
6 浸入防止部材
6a 一端
6b 他端
7 浸入防止部材
10 第1の端子群
11、12、13 辺
14 辺(第2辺)
15 辺(第1辺)
16 辺(第2辺
17、18 辺
20 第2の端子群
21 第1端部
22 第2端部
40 接着層
41 フレキシブルプリント基板
42 金属層
43 導電層
44 絶縁膜
45 透光性電極
50 導電部材
51 第1配向膜
51a 第1縁
52 第2配向膜
52a 縁
52b 第1縁
52c 第1縁
53 間隙部
61 浸入防止部材(第1の浸入防止部材)
61a 一端
61b 他端
61c 中間部
62 浸入防止部材(第2の浸入防止部材)
62a 一端
62b 他端
62c 中間部
63 浸入防止部材(第3の浸入防止部材)
63a 一端
63b 他端
63c 中間部
64 浸入防止部材(第4の浸入防止部材)
64a 一端
64b 他端
64c 中間部
71 浸入防止部材(第1の浸入防止部材)
72 浸入防止部材(第2の浸入防止部材)
73 浸入防止部材(第3の浸入防止部材)
74 浸入防止部材(第4の浸入防止部材)
100 調光装置
101 第1端子
102 第2端子
103 第3端子
104 第4端子
105 短辺
106 長辺
107 長辺
108 短辺
110 パネルユニット
201 第5端子
202 第6端子
203 第7端子
204 第8端子
212、214、215、216、217、218 辺
213 辺(第2辺)
211 辺(第1辺)
241、243、245、246、248、249、251、342、343、345、346 配線
242、244、250、341、344 分岐点
247、347、348、349 端
261、262、361、362 液晶駆動電極
311、312、313、314、315、316、317、318 辺
521b 第1部位
522b 第2部位
521c 第1部位
522c 第2部位
523b、523c 交差部
600 シール材
610、611 スペーサ
620 光源
621 光
C1、C2 接続部(第1電極)
C3、C4 接続部(第2電極)
CL1、CL2 中心線