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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106029
(43)【公開日】2024-08-07
(54)【発明の名称】排水口用ごみ受け具
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/264 20060101AFI20240731BHJP
【FI】
E03C1/264
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010083
(22)【出願日】2023-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】506204047
【氏名又は名称】プラスワン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100162824
【弁理士】
【氏名又は名称】石崎 亮
(72)【発明者】
【氏名】青木 尊利
【テーマコード(参考)】
2D061
【Fターム(参考)】
2D061DA03
2D061DE03
2D061DE15
(57)【要約】
【課題】ごみ受け部での水流を的確に確保することができる排水口用ごみ受け具を提供する。
【解決手段】排水口用ごみ受け具1は、排水口30の周縁部32において排水口用ごみ受け具1が保持されるようにフランジ状に形成された保持部5と、保持部5によって周縁部32において排水口用ごみ受け具1が保持されているときに、排水口30内に収容されることで、排水口30に流れ込む水を排出する一方で、水と一緒に流れ込むごみを捕集するためのごみ受け部2と、を有し、ごみ受け部2は、保持部5に連結されて当該保持部5から下方に延びる周壁部3を有し、周壁部3は、その壁面が外側に向けて突出することで形成され且つ略上下方向に延びる突出部3bを有し、突出部3bは、周壁部3の周方向に沿って複数形成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水が排出される排水口に取り付けられる排水口用ごみ受け具であって、
前記排水口の周縁部において前記排水口用ごみ受け具が保持されるようにフランジ状に形成された保持部と、
前記保持部によって前記排水口の前記周縁部において前記排水口用ごみ受け具が保持されているときに、前記排水口内に収容されることで、前記排水口に流れ込む水を排出する一方で、前記水と一緒に流れ込むごみを捕集するためのごみ受け部と、
を有し、
前記ごみ受け部は、前記保持部に連結されて当該保持部から下方に延びる周壁部を有し、
前記周壁部は、その壁面が外側に向けて突出することで形成され且つ略上下方向に延びる突出部を有し、前記突出部は、前記周壁部の周方向に沿って複数形成されている、
ことを特徴とする排水口用ごみ受け具。
【請求項2】
前記周壁部は、複数の前記突出部により、上面視において波形に形成されている、
請求項1に記載の排水口用ごみ受け具。
【請求項3】
前記排水口用ごみ受け具は、更に、前記保持部において外側縁から内側縁に延びると共に、前記ごみ受け部の前記周壁部において前記保持部の前記内側縁に対応する上端から下方に延びるように形成されたスリットを有する、
請求項1又は2に記載の排水口用ごみ受け具。
【請求項4】
前記保持部は、
円環状に形成されており、
全周に亘って延びるように形成され、それぞれで径が異なる複数の溝を有する、
請求項1又は2に記載の排水口用ごみ受け具。
【請求項5】
前記排水口用ごみ受け具は、更に、上方に突出するように前記保持部上に設けられ、排出すべき水を前記ごみ受け部に導くように構成された複数の整流板を有する、
請求項1又は2に記載の排水口用ごみ受け具。
【請求項6】
前記ごみ受け部は、更に、前記周壁部の下部に連結された底部を有し、
前記周壁部には、略上下方向に延びる複数のスリットが形成され、前記底部には、複数の小孔が形成されており、前記複数のスリット及び前記複数の小孔から水が排出される、
請求項1又は2に記載の排水口用ごみ受け具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水が排出される排水口に取り付けられる排水口用ごみ受け具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、台所流し台や洗面台や浴室などの排水口に取り付けられ、排水口に水と一緒に流れ込むごみ(生ごみや毛髪や石鹸屑など)を捕集するための排水口用ごみ受け具が知られている。このような排水口用ごみ受け具を用いることで、排水口に接続された排水管の詰まりを防止するようにしている。
【0003】
典型的には、排水口用ごみ受け具は、本体を排水口に保持するためのフランジ状の保持部と、複数の小孔やスリットなどから水を排出する一方で、この水と一緒に流れ込むごみを捕集するためのごみ受け部と、を有して構成されている(例えば特許文献1、2など参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8-41944号公報
【特許文献2】特開2017-227102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したような従来の排水口用ごみ受け具では、捕集されたごみによりごみ受け部が塞がることで、ごみ受け部での水流が確保されなくなる、という問題が頻繁に生じる傾向にあった。
【0006】
したがって、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、ごみ受け部での水流を的確に確保することができる排水口用ごみ受け具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明は、水が排出される排水口に取り付けられる排水口用ごみ受け具であって、排水口の周縁部において排水口用ごみ受け具が保持されるようにフランジ状に形成された保持部と、保持部によって排水口の周縁部において排水口用ごみ受け具が保持されているときに、排水口内に収容されることで、排水口に流れ込む水を排出する一方で、水と一緒に流れ込むごみを捕集するためのごみ受け部と、を有し、ごみ受け部は、保持部に連結されて当該保持部から下方に延びる周壁部を有し、周壁部は、その壁面が外側に向けて突出することで形成され且つ略上下方向に延びる突出部を有し、突出部は、周壁部の周方向に沿って複数形成されている、ことを特徴とする。
【0008】
このように構成された本発明に係る排水口用ごみ受け具においては、ごみ受け部の周壁部は、その壁面が外側に向けて突出(膨出)することで形成され且つ略上下方向に延びる突出部を有しており、この突出部は、周壁部の周方向に沿って複数形成されている。このような複数の突出部の各々により形成される空間のサイズは、基本的には、排水口へと流されるごみのサイズよりも小さい傾向にある。そのため、ごみ受け部に比較的多量のごみが捕集されたときにも、突出部にはごみが入り込みづらい。また、突出部は複数あるので、これら複数の突出部の全てがごみで塞がることは生じにくい。
以上より、本発明に係る排水口用ごみ受け具によれば、ごみ受け部に比較的多量のごみが捕集されたときにも、ごみ受け部の突出部において水を確実に流すことができるので、ごみ受け部での水流の悪化を抑制することが可能となる。つまり、ごみ受け部での水流を突出部において的確に確保することが可能となる。
【0009】
本発明において、好ましくは、周壁部は、複数の突出部により、上面視において波形(なみがた)に形成されている。
このように構成された本発明では、複数の突出部の各々が、上面視において略円弧を形成することで、ごみ受け部の周壁部(つまり複数の突出部の全体)が、上面視において波形を成すこととなる。こうして波形に形成された周壁部は、滑らか壁面により構成されることとなるので、排水口用ごみ受け具を容易に洗ったり掃除したりすることが可能となる。
【0010】
本発明において、好ましくは、排水口用ごみ受け具は、更に、保持部において外側縁から内側縁に延びると共に、ごみ受け部の周壁部において保持部の内側縁に対応する上端から下方に延びるように形成されたスリットを有する。
通常、排水口用ごみ受け具は、袋状の水切りネットが被せられて、この水切りネット内にごみを捕集するように利用されることが多い。上記の本発明によれば、保持部及びごみ受け部の両方に延びるように形成されたスリットを利用して、水切りネット内の水(特に水切りネットに捕集されたごみに含まれる水)を排出することができる。具体的には、ごみが捕集された水切りネットをスリットにより挟み込んだ状態で、水切りネットを排水口用ごみ受け具の外方に向けて引っ張ることで、水切りネットにおいてごみが捕集された部分を絞ること(水切り)ができる。したがって、本発明によれば、排水口用ごみ受け具に形成されたスリットを利用して、水切りネット内の水を容易且つ確実に排出することができる。
【0011】
本発明において、好ましくは、保持部は、円環状に形成されており、全周に亘って延びるように形成され、それぞれで径が異なる複数の溝を有する。
このように構成された本発明によれば、複数の溝の中で、排水口用ごみ受け具を取り付けるべき排水口の径に相当する径の溝を選び、その溝が形成された部分(つまり厚みが薄くなった部分)に沿って保持部を切断して縮径することで、排水口用ごみ受け具を排水口に的確に取り付けることができる。
【0012】
本発明において、好ましくは、排水口用ごみ受け具は、更に、上方に突出するように保持部上に設けられ、排出すべき水をごみ受け部に導くように構成された複数の整流板を有する。
このように構成された本発明によれば、保持部上に設けられた複数の整流板が、当該整流板へと流れ着いた乱流の水を整流して、こうして整流した水を複数の方向からごみ受け部へと導く。これにより、ごみを塊状にしてごみ受け部で捕集することが可能となり、ごみ受け部に捕集されたごみを容易に除去できるようになる。
【0013】
本発明において好適な例では、ごみ受け部は、更に、周壁部の下部に連結された底部を有し、周壁部には、略上下方向に延びる複数のスリット(長孔)が形成され、底部には、複数の小孔が形成されており、複数のスリット及び複数の小孔から水が排出される。
【発明の効果】
【0014】
本発明による排水口用ごみ受け具によれば、ごみ受け部での水流を的確に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】台所流し台の排水口に取り付けた状態にある、本発明の第1実施形態に係る排水口用ごみ受け具の側面図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る排水口用ごみ受け具を斜め上方から見た斜視図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る排水口用ごみ受け具を斜め下方から見た斜視図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る排水口用ごみ受け具の上面図である。
図5】本発明の第1実施形態に係る排水口用ごみ受け具を、図4中の矢印Vから見た側面図である。
図6】本発明の第1実施形態に係る排水口用ごみ受け具を、図4中のVI-VI線に沿って見た断面図である。
図7】本発明の第1実施形態に係る排水口用ごみ受け具のごみ受け部での水流についての説明図である。
図8】本発明の第1実施形態に係る排水口用ごみ受け具に形成されたスリットの使用方法についての説明図である。
図9】洗面台の排水口に取り付けた状態にある、本発明の第2実施形態に係る排水口用ごみ受け具の側面図である。
図10】本発明の第2実施形態に係る排水口用ごみ受け具を斜め上方から見た斜視図である。
図11】本発明の第2実施形態に係る排水口用ごみ受け具を斜め下方から見た斜視図である。
図12】本発明の第2実施形態に係る排水口用ごみ受け具の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態に係る排水口用ごみ受け具について説明する。
【0017】
[第1実施形態]
まず、図1乃至図6を参照して、第1実施形態に係る排水口用ごみ受け具について説明する。図1は、台所流し台(二点鎖線で示す)の排水口に取り付けた状態にある第1実施形態に係る排水口用ごみ受け具の側面図である。図2は、第1実施形態に係る排水口用ごみ受け具を斜め上方から見た斜視図である。図3は、第1実施形態に係る排水口用ごみ受け具を斜め下方から見た斜視図である。図4は、第1実施形態に係る排水口用ごみ受け具の上面図である。図5は、第1実施形態に係る排水口用ごみ受け具を、図4中の矢印Vから見た側面図である。図6は、第1実施形態に係る排水口用ごみ受け具を、図4中のVI-VI線に沿って見た断面図である。
【0018】
図1乃至図4に示すように、第1実施形態に係る排水口用ごみ受け具1は、主として、上部が開口しており、この開口部から流れ込んだ水を排出する一方で、この水と一緒に流れ込むごみを捕集するためのごみ受け部2を有する。また、排水口用ごみ受け具1は、ごみ受け部2の上部に連結されたフランジ状の保持部5を有し、この保持部5によって、図1に示すように、台所流し台31(図1では二点鎖線でその一部を概略的に示している)の排水口30に取り付けられる。
【0019】
具体的には、保持部5は、ごみ受け部2の上端縁に外方に張り出すように円環状に形成されており(図2乃至図4参照)、排水口30の周縁部32(より詳しくは周縁部32の環状面)において排水口用ごみ受け具1を保持するようになっている(図1参照)。そして、ごみ受け部2は、排水口用ごみ受け具1が保持部5により排水口30の周縁部32において保持されているときに、排水口30内に収容されるようになっている(図1参照)。なお、排水口30の周縁部32は、台所流し台31において排水口30を形成する周辺部分であって、排水口30の上端(上端付近も含む)に位置し且つ排水口30の外周を取り囲む縁(ふち)を構成する部分である。
【0020】
ごみ受け部2は、保持部5の下部に連結され、上下方向に延びる略円筒状の周壁部3と、この周壁部3の下部に連結され、水平方向に延びる底部4とを有する(図2及び図3参照)。ごみ受け部2は、これら周壁部3及び底部4により、ごみを捕集する捕集空間を形成する。更に、周壁部3には、上下方向に延びる細長いスリット(長孔)3aが周方向に沿って複数形成されていると共に、底部4には、円形の小孔4aが当該底部4の全体に亘って複数形成されている。ごみ受け部2は、これら複数のスリット3a及び複数の小孔4aから水が排出されるようになっている。
【0021】
特に、ごみ受け部2の周壁部3は、その壁面が径方向外側に向けて突出(膨出)することで形成され且つ上下方向に延びる突出部3bを有しており、この突出部3bは、周壁部3の周方向に沿って複数形成されている(図2乃至図4参照)。より具体的には、図4に示すように、複数の突出部3bは、上面視において略円弧を各々が形成すると共に、周方向に沿って等間隔で連続して設けられており、それにより、周壁部3の全体は、上面視において波形(なみがた)を成している。このような周壁部3の複数の突出部3bのそれぞれには、周方向における中央部においてスリット3aが形成されている(図3等参照)。
【0022】
また、排水口用ごみ受け具1は、更に、保持部5及びごみ受け部2の周壁部3の両方を切り欠いて形成されたスリット6を有する(図2図4乃至図6参照)。具体的には、スリット6は、保持部5において外側縁から内側縁に向かって径方向に延びると共に、ごみ受け部2の周壁部3において保持部5の当該内側縁に対応する上端から鉛直方向下方に延びるように形成されている。
【0023】
また、保持部5は、その全周(厳密にはスリット6を除く部分)に亘って延びるように形成され、それぞれで径が異なる円環状の複数の溝5aを有する(図2乃至図4参照)。このような溝5aが形成された部分(つまり厚みが薄くなった部分)において、保持部5をハサミで容易且つ正確に切断できるようになっている。具体的には、複数の溝5aの中で、排水口用ごみ受け具1を取り付けるべき排水口30の径に相当する径の溝5a(典型的な例では排水口30の径よりも大きく周縁部32の環状面(図1参照)の最外径よりも小さな径を有する溝5a)を選び、その溝5aに沿って保持部5を切断して当該保持部5を縮径することで、排水口用ごみ受け具1を排水口30に的確に取り付け可能になっている。
【0024】
加えて、保持部5には、ハサミによる当該保持部5の切断を開始するための複数の溝5bが更に形成されている。具体的には、これら複数の溝5bは、保持部5の外側縁から略直線状に延びて、円環状の複数の溝5aにおいて対応する溝5aにそれぞれに接続されている。
【0025】
なお、図示した排水口用ごみ受け具1の例では、保持部5においてスリット6の一方側(図4においてスリット6の右側)に複数の溝5bが形成されていたが、他の例では、保持部5においてスリット6の他方側(図4においてスリット6の左側)に複数の溝5bを形成してもよい。この他の例によれば、スリット6からハサミを入れて保持部5の溝5bを切断することができ、保持部5の切断開始を容易に行うことが可能となり、また、ハサミで保持部5を切断するときにスリット6を跨ぐ必要がない。
【0026】
次に、図7及び図8を参照して、第1実施形態に係る排水口用ごみ受け具1による作用及び効果について説明する。
【0027】
まず、図7は、第1実施形態に係る排水口用ごみ受け具1のごみ受け部2での水流についての説明図である。具体的には、図7は、ごみ受け部2に多量のごみ51が捕集された状態にある排水口用ごみ受け具1の上面図を示している。上述したように、第1実施形態に係る排水口用ごみ受け具1では、ごみ受け部2の周壁部3が、上面視において波形を形成するように、径方向外側に突出し且つ周方向に沿って複数設けられた突出部3bを有している。
【0028】
このような複数の突出部3bの各々により形成される空間のサイズは、基本的には、台所流し台31に流されるごみ51(例えば野菜くずなどの生ごみであり、図7では模式的に示している)のサイズよりも小さい。そのため、ごみ受け部2に多量のごみ51が捕集されたときにも、突出部3bにはごみ51が入り込みづらい(図7中の破線領域参照)。また、突出部3bは複数あるので、これら複数の突出部3bの全てがごみ51で塞がることは生じにくい。したがって、第1実施形態に係る排水口用ごみ受け具1によれば、ごみ受け部2に多量のごみ51が捕集されたときにも、ごみ受け部2の突出部3bにおいて水を確実に流すことができるので(詳しくは突出部3bに形成されたスリット3aから水を確実に流すことができる)、ごみ受け部2での水流の悪化を抑制することが可能となる。つまり、ごみ受け部2での水流を突出部3bにおいて的確に確保することが可能となる。
【0029】
続いて、図8は、第1実施形態に係る排水口用ごみ受け具1において保持部5及びごみ受け部2に形成されたスリット6の使用方法についての説明図である。図8も、排水口用ごみ受け具1の上面図を示している。まず、使い捨て可能な袋状の水切りネット52を排水口用ごみ受け具1の上から被せて、この水切りネット52内にごみを捕集するように排水口用ごみ受け具1が使用されることを想定する。このような水切りネット52を用いてごみを捕集した場合、このごみを水切りネット52から取り除いて捨てる前に、通常、水切りネット52内の水が排出される(水切りに相当する)。具体的には、ごみが捕集された状態にある水切りネット52を絞ることで、水切りネット52内の水、特にごみに含まれる水が排出される。
【0030】
この場合、第1実施形態に係る排水口用ごみ受け具1においては、図8に示すように、保持部5及びごみ受け部2に形成されたスリット6を利用して水切りネット52内の水が排出される。具体的には、まず、水切りネット52においてごみが捕集された部分をごみ受け部2内に収容しつつ、水切りネット52の開口部52aをごみ受け部2の外側に配置するように、水切りネット52がスリット6により挟み込まれる。こうして水切りネット52がスリット6により挟み込まれた状態で、水切りネット52を開口部52a付近から排水口用ごみ受け具1の外方に向けて引っ張ることで(白抜き矢印参照)、水切りネット52においてごみが捕集された部分が絞られて、水切りネット52内の水が排出される。このような第1実施形態によれば、排水口用ごみ受け具1に形成されたスリット6を利用することで、水切りネット52内の水を容易且つ確実に排出することができる。
【0031】
[第2実施形態]
次に、図9乃至図12を参照して、第2実施形態に係る排水口用ごみ受け具について説明する。図9は、洗面台(二点鎖線で示す)の排水口に取り付けた状態にある第2実施形態に係る排水口用ごみ受け具の側面図である。図10は、第2実施形態に係る排水口用ごみ受け具を斜め上方から見た斜視図である。図11は、第2実施形態に係る排水口用ごみ受け具を斜め下方から見た斜視図である。図12は、第2実施形態に係る排水口用ごみ受け具の上面図である。
【0032】
なお、ここでは、第1実施形態と同様の構成については、その説明を適宜省略する。換言すると、ここで説明を省略した構成は、第1実施形態と同様であるものとする。
【0033】
図9に示すように、第2実施形態に係る排水口用ごみ受け具10は、洗面台41(図9では二点鎖線でその一部を概略的に示している)の排水口40に取り付けられる点で、第1実施形態に係る排水口用ごみ受け具1と異なる(図1参照)。その一方で、図9乃至図12に示すように、第2実施形態に係る排水口用ごみ受け具10も、第1実施形態に係る排水口用ごみ受け具1と同様に、上部の開口部から流れ込んだ水を排出する一方で、この水と一緒に流れ込むごみを捕集するためのごみ受け部12と、ごみ受け部12の上部に連結され、排水口40の周縁部42において排水口用ごみ受け具10が保持されるようにフランジ状に形成された保持部15と、を有する。加えて、第2実施形態に係るごみ受け部12も、第1実施形態と同様に、複数のスリット13aが形成されると共に、上面視において波形を形成するように、径方向外側に突出し且つ周方向に沿って複数設けられた突出部13bを備える周壁部13と、この周壁部13の下部に連結され、複数の小孔14aが形成された底部14と、を有する。但し、第1実施形態に係るごみ受け部2は略円筒状に形成されているが、第2実施形態に係るごみ受け部12は略半球状に形成されている。換言すると、ごみ受け部12の底部14は、ごみ受け部2の底部4のような平面ではなく、湾曲面により形成されている。
【0034】
このような第2実施形態に係る排水口用ごみ受け具10によっても、ごみ受け部12に多量のごみが捕集されたときにも、ごみ受け部12の突出部13bにおいて水を確実に流すことができるので(詳しくは突出部13bに形成されたスリット13aから水を確実に流すことができる)、ごみ受け部12での水流の悪化を抑制することが可能となる。つまり、ごみ受け部12での水流を突出部13bにおいて的確に確保することが可能となる。
【0035】
他方で、第2実施形態に係る排水口用ごみ受け具10は、第1実施形態に係る排水口用ごみ受け具1と異なり、保持部5上の複数の溝5a、5bやスリット6を具備せず、その代わりに、保持部15上に設けられた複数の整流板17を有する(図10図12参照)。複数の整流板17は、保持部15の上面から上方に突出するように設けられ、排出すべき水をごみ受け部12に導くように構成されている。具体的には、複数の整流板17の各々は、略三角錐の形状を有し、径方向内側に進むにつれて高さが高くなり且つ幅が広くなるように形成されている。また、複数の整流板17は、周方向に等間隔で設けられていると共に、全体として略スパイラル状を成すように、各々が径方向に対して傾いて配置されている。
【0036】
このような第2実施形態に係る排水口用ごみ受け具10によれば、保持部15上に設けられた複数の整流板17が、洗面台41において当該整流板17へと流れ着いた乱流の水を整流して、回転するような渦流を形成して、この水をごみ受け部12へと導く。このような渦流の水により、ごみを塊状にしてごみ受け部12で捕集することができ、ごみ受け部12に捕集されたごみを容易に除去できるようになる。
【0037】
[変形例]
上記した実施形態では、本発明に係る排水口用ごみ受け具を、台所流し台の排水口に適用した例(第1実施形態)、及び洗面台の排水口に適用した例(第2実施形態)を示した。しかしながら、変形例では、本発明に係る排水口用ごみ受け具を、浴室の排水口に適用してもよい。この場合、第1実施形態に係る排水口用ごみ受け具1及び第2実施形態に係る排水口用ごみ受け具10のいずれを浴室の排水口に適用してもよい。
【0038】
また、上記した実施形態では、上面視において略円弧状の複数の突出部3b、13bにより、周壁部3、13が上面視において波形を成していた。しかしながら、変形例では、上面視において比較的尖鋭な複数の突出部を用いて、周壁部を上面視において鋸歯状(ギザギザ)に形成してもよい。この変形例では、周壁部の全体が上面視において星形を成すこととなる。
【0039】
また、上記した実施形態では、同一の形状及びサイズを有する複数の突出部3b、13bが周壁部3、13に形成されていたが、これに限定はされず、変形例では、それぞれで形状やサイズが異なる複数の突出部を周壁部に形成してもよい。
【0040】
このように、上述した実施形態及び変形例は、本発明を説明するための例示であり、本発明はこれらの実施形態及び変形例に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、種々の形態で実施することができる。
【符号の説明】
【0041】
1、10 排水口用ごみ受け具
2、12 ごみ受け部
3、13 周壁部
3a、13a スリット
3b、13b 突出部
4、14 底部
4a、14a 小孔
5、15 保持部
5a、5b 溝
6 スリット
17 整流板
30、40 排水口
31 台所流し台
32、42 周縁部
41 洗面台
51 ごみ
52 水切りネット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12